JP2022553148A - アバプリチニブの多形及び多形を調製するための方法 - Google Patents

アバプリチニブの多形及び多形を調製するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、アバプリチニブの結晶性及び非結晶性形態、それらの調製のためのプロセス、並びに結晶性又は非結晶性形態を含有する医薬組成物に関する。【化1】JPEG2022553148000023.jpg69128【選択図】なし

Description

本発明は、アバプリチニブの結晶性及び非結晶性形態、並びにそれらの調製のためのプロセス、並びに結晶性又は非結晶性形態を含有する医薬組成物に関する。
アバプリチニブは、(1S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-[2-[4-[6-(1-メチルピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル]ピペラジン-1-イル]ピリミジン-5-イル]エタンアミンというIUPAC名、及び以下に示される化学構造を有する。
Figure 2022553148000002
EUでは、胃腸間質腫瘍の治療及び肥満細胞症の治療のためにアバプリチニブについて、オーファン指定が付与されている。
国際公開第2015/057873号(Blueprint Medicinesに対する)は、酵素KIT及び血小板由来成長因子受容体(platelet-derived growth factor receptios、PDGFR)に関連する障害を治療するのに有用な化合物及び組成物に関する。国際公開第2015/057873号は、アバプリチニブの合成を記載している。
原体の固体特性に関する情報が重要である。例えば、異なる形態は、異なる溶解度を有し得る。また、原体の取り扱い及び安定性は、固体形態に依存し得る。
多形性は、化合物が1つを超える異なる結晶種で結晶化する能力として定義することができ、同じ化学組成の異なる結晶配列は多形と称される。同じ化合物の多形は、原子の内部配置の差異によって生じ、異なる自由エネルギーを有し、したがって、溶解性、化学的安定性、融点、密度、流動特性、吸湿性、生物学的利用能などの物理的特性が異なる。化合物アバプリチニブは多くの多形形態で存在する場合があり、これらの形態の多くは、医薬的に許容される組成物を生成するのに望ましくない場合がある。これは、低安定性、高吸湿性、低水溶性、及び取り扱いの困難さを含む様々な理由のためであり得る。
定義
用語「約(about)」又は「およそ(approximately)」は、当業者によって決定される特定の値に対する許容可能な誤差を意味し、これは、値がどのように測定又は決定されるかに部分的に依存する。ある特定の実施形態では、用語「約」又は「およそ」は、1、2、3、又は4標準偏差の範囲内を意味する。ある特定の実施形態では、用語「約」又は「およそ」は、所与の値又は範囲の30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、又は0.5%以内を意味する。ある特定の実施形態では、X線粉末回折2θピークを参照すると、用語「約」又は「およそ」は、±0.2°2θ以内を意味する。
用語「周囲温度」は、約15℃~約30℃、例えば約15℃~約25℃の1つ以上の室温を意味する。
用語「非晶質」は、結晶性ではない固体、すなわち、その格子に長距離秩序を有しないものを説明する(Oxford Dictionary of Chemistry,6th Edition,2008を参照)。
用語「貧溶媒」は、第2の溶媒に添加されて、第2の溶媒中の化合物の溶解度を低下させる第1の溶媒を指す。第1及び第2の溶媒の組み合わせからの化合物の沈殿が生じるように、溶解度を十分に低減することができる。
用語「からなる(consisting)」は、限定的であり、特許請求される本発明における追加の、列挙されていない要素又は方法工程を除外する。
用語「から本質的になる(consisting essentially of)」は、半限定的であり、「からなる」と「含む(comprising)」との間の中間点を占める。「から本質的になる」は、特許請求される本発明の本質的な特性(複数可)に重大な影響を及ぼさない追加の列挙されていない要素又は方法工程を除外しない。
用語「含む(comprising)」は、包括的又は非限定的であり、特許請求される本発明における追加の列挙されていない要素又は方法工程を除外しない。この用語は、「含むが、これらに限定されない」と同義である。用語「含む(comprising)」は、3つの代替語、すなわち、(i)「含む(comprising)」、(ii)「からなる(consisting)」、及び(iii)「から本質的になる(consisting essentially of)」を包含する。
本明細書で使用される用語「結晶性」及び関連する用語は、化合物、物質、改質物、材料、構成成分又は生成物を記載するために使用される場合、特に指定がない限り、化合物、物質、改質物、材料、構成成分又は生成物がX線回折によって決定されるように実質的に結晶性であることを意味する。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st edition,Lippincott,Williams and Wilkins,Baltimore,Md.(2005);The United States Pharmacopeia,23rd ed.,1843-1844(1995)を参照されたい。
本明細書における用語「多形(polymorph)」、「多形形態(polymorphic form)」又は関連する用語は、アバプリチニブの1つ以上の分子の結晶形態を指すか、又は多形の結晶格子内の分子の異なる配置若しくは配座の結果として、2つ以上の形態で存在し得るアバプリチニブ分子複合体の結晶形態を指す。
用語「医薬組成物」は、本発明の医薬的に有効な量のアバプリチニブと、医薬的に許容される賦形剤と、を包含することを意図する。本明細書で使用するとき、用語「医薬組成物」は、錠剤、丸剤、粉剤、液剤、懸濁液、エマルション、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、又は注射製剤などの医薬組成物を含む。
用語「賦形剤」は、医薬的に許容される有機又は無機担体物質を指す。賦形剤は、有効な活性成分を含有する製剤を増量する目的で含まれる(したがって、しばしば「増量剤」、「充填剤」又は「希釈剤」と呼ばれる)、又は薬物吸収若しくは溶解性を促進するなど、最終剤形中の活性成分に対して治療的強化を付与するために含まれる、薬剤の活性成分と共に配合された天然又は合成物質であり得る。賦形剤はまた、予想される貯蔵寿命にわたる変性の防止などのインビトロ安定性の補助に加えて、粉末流動性又は非付着特性を促進することによってなど、活性物質の取り扱いを補助するために、製造プロセスにおいて有用であり得る。
用語「患者」は、治療、観察、又は実験の対象である動物、好ましくは患者、最も好ましくはヒトを指す。好ましくは、患者は、治療及び/又は予防される疾患又は障害の少なくとも1つの症状を経験及び/又は呈している。更に、患者は、治療及び/予防される障害、疾患又は病状のいずれの症状も呈していない場合があるが、医師、臨床医、又は他の医療専門家により、当該障害、疾患、又は病状を発症するリスクがあるとみなされている。
用語「治療する(treat)」、「治療すること(treating)」及び「治療(treatment)」は、疾患若しくは障害の根絶若しくは寛解、又は疾患若しくは障害と関連する1つ以上の症状の根絶又は寛解を指す。ある特定の実施形態では、これらの用語は、このような疾患若しくは障害を有する患者に1つ以上の治療剤を投与することに起因する疾患若しくは障害の蔓延又は悪化を最小限に抑えることを指す。いくつかの実施形態では、これらの用語は、疾患の症状の発症後に、他の追加の活性剤の有無にかかわらず、本明細書で提供される分子複合体を投与することを指す。
用語「一晩」とは、1つの手順工程の終了と手順における次の工程の開始との間で約12~約18時間の時間枠が経過した、1就業日の終了から次の就業日までの期間を指す。
本明細書に記載される実施形態のある特定の態様は、図面を参照することによってより明確に理解することができ、図面は、本発明を例示することを意図するが、限定することを意図するものではない。
非晶質アバプリチニブの代表的なXRPDパターンである。 アバプリチニブ無水物の代表的なXRPDパターンである。 アバプリチニブ無水物の代表的なTGAサーモグラム及びDSCサーモグラムである。 アバプリチニブ無水物の代表的なGVS等温線プロットである。黒一色のひし形記号
Figure 2022553148000003
は、サイクル1の収着等温線プロットを表す。灰色一色の記号
Figure 2022553148000004
は、サイクル1の脱離等温線プロットを表す。灰色一色の三角形記号
Figure 2022553148000005
は、サイクル2の収着等温線プロットを表す。黒色の十字記号
Figure 2022553148000006
は、サイクル2の脱離等温線プロットを表す。灰色の星形記号
Figure 2022553148000007
は、サイクル3の収着等温線プロットを表す。
アバプリチニブメタノール溶媒和物の代表的なXRPDパターンである。 アバプリチニブメタノール溶媒和物の代表的なTGAサーモグラム及びDSCサーモグラムである。 アバプリチニブ水和物の代表的なXRPDパターンである。 アバプリチニブ水和物の代表的なTGAサーモグラム及びDSCサーモグラムである。 アバプリチニブ水和物の代表的なGVS等温線プロットである。黒一色のひし形記号
Figure 2022553148000008
は、サイクル1の収着等温線プロットを表す。灰色一色の記号
Figure 2022553148000009
は、サイクル1の脱離等温線プロットを表す。灰色一色の三角形記号
Figure 2022553148000010
は、サイクル2の収着等温線プロットを表す。黒色の十字記号
Figure 2022553148000011
は、サイクル2の脱離等温線プロットを表す。灰色の星形記号
Figure 2022553148000012
は、サイクル3の収着等温線プロットを表す。
非晶質アバプリチニブ
アバプリチニブは、非晶質形態として調製することができることが発見された。本発明によって提供されるアバプリチニブ多形は、医薬製剤における活性成分として有用である。ある特定の実施形態では、非晶質形態は、精製可能である。ある特定の実施形態では、時間、温度、及び湿度に応じて、非晶質形態は、安定である。ある特定の実施形態では、非晶質形態は、単離及び取り扱いが容易である。ある特定の実施形態では、非晶質形態を調製するためのプロセスは、拡張可能である。ある特定の実施形態では、非晶質形態は、結晶性形態と比較してより高い溶解性を呈し得る。
本明細書に記載の非晶質形態は、X線粉末回折(X-ray powder diffraction、XRPD)、示差走査熱量測定(differential scanning calorimetry、DSC)、熱重量分析(thermal gravimetric analysis、TGA)、赤外分光法、ラマン分光法、核磁気共鳴(nuclear magnetic resonance、NMR)分光法(溶液及び固体NMRを含む)が含まれる当業者に既知の多数の方法を使用して特性評価され得る。化学純度は、薄層クロマトグラフィ(thin layer chromatography、TLC)、ガスクロマトグラフィ、高速液体クロマトグラフィ(high performance liquid chromatography、HPLC)、及び質量分析(mass spectrometry、MS)などの標準的な分析方法によって決定することができる。
一態様では、本発明は、非晶質アバプリチニブを提供する。一実施形態では、非晶質形態は、実質的に図1に示されるようなX線粉末回折パターンを有し得、その形態は、その格子に長距離秩序を有しないことが分かる。
非晶質アバプリチニブは、
(a)アバプリチニブを好適な溶媒中に溶解して、アバプリチニブの溶液を形成する工程と、
(b)アバプリチニブの溶液をフラッシュ冷却する工程と、
(c)溶媒を迅速に除去して、非晶質アバプリチニブを形成する工程と、を含むプロセスによって調製することができる。
溶媒は、アバプリチニブの溶液を生成することができる任意の好適な溶媒であり得る。好適な溶媒の例としては、ジオキサン(例えば、1,4-ジオキサン)が挙げられるが、これに限定されない。アバプリチニブ対溶媒のw/v比は、約1mgのアバプリチニブ:約1~約1000μlの溶媒、例えば約1mgのアバプリチニブ:約1~約500μlの溶媒、例えば約1mgのアバプリチニブ:約1~約100μlの溶媒、例えば約1mgのアバプリチニブ:約30μlの溶媒の範囲であり得る。
アバプリチニブは、周囲温度以下で溶媒中に溶解することができる。あるいは、アバプリチニブは、周囲温度よりも高い、すなわち、30℃よりも高く、反応混合物の沸点よりも低い温度で溶媒中に溶解することができる。反応混合物の沸点は、接触工程が行われる圧力に応じて変化し得る。一実施形態では、溶解工程は、気圧(すなわち、1.0135×10Pa)で実施される。
フラッシュ冷却は、ドライアイス/アセトン浴の使用などの任意の好適な手段によって生じ得る。
溶媒は、凍結乾燥(すなわち、溶媒凍結乾燥)、噴霧乾燥などによって除去され得る。溶媒は、アバプリチニブを結晶化させない速度で除去される。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の非晶質アバプリチニブ無水物と、医薬的に許容される賦形剤と、を含む医薬組成物に関する。
別の態様では、本発明は、治療有効量の本明細書に記載の非晶質アバプリチニブを患者に投与することを含む、患者におけるがんを治療するための方法に関する。治療方法には、胃腸間質腫瘍の治療が含まれる。
別の態様では、本発明は、がんの治療、例えば、胃腸間質腫瘍の治療に使用するための、本明細書に記載の非晶質アバプリチニブに関する。
別の態様では、本発明は、治療有効量の本明細書に記載の非晶質アバプリチニブを患者に投与することを含む、患者における肥満細胞症を治療するための方法に関する。
別の態様では、本発明は、肥満細胞症の治療に使用するための、本明細書に記載の非晶質アバプリチニブに関する。
アバプリチニブ無水物
アバプリチニブは、明確で一貫して再現可能な無水結晶性形態で調製することができることが発見されている。更に、この無水結晶性形態を生成するための信頼性が高い拡張可能な方法が開発されている。本発明によって提供されるアバプリチニブ多形は、医薬製剤における活性成分として有用である。ある特定の実施形態では、無水結晶性形態は、精製可能である。ある特定の実施形態では、時間、温度、及び湿度に応じて、無水結晶性形態は、安定である。ある特定の実施形態では、無水結晶性形態は、単離及び取り扱いが容易である。ある特定の実施形態では、無水結晶性形態を調製するためのプロセスは、拡張可能である。
本明細書に記載の結晶性形態は、単結晶X線回折、X線粉末回折(XRPD)、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)、赤外分光法、ラマン分光法、核磁気共鳴(NMR)分光法(溶液及び固体NMRを含む)が含まれる当業者に既知の多数の方法を使用して特性評価され得る。化学純度は、薄層クロマトグラフィ(TLC)、ガスクロマトグラフィ、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)、及び質量分析(MS)などの標準的な分析方法によって決定することができる。
一態様では、本発明は、結晶性アバプリチニブ無水物である、アバプリチニブの結晶性形態を提供する。
結晶性アバプリチニブ無水物は、他の多形形態のアバプリチニブを含まないか、又は実質的に含まなくてもよい。ある特定の実施形態では、無水物の多形純度は、≧90%、≧91%、≧92%、≧93%、≧94%、≧95%、又はそれ以上である。ある特定の実施形態では、無水物の多形純度は、≧95%である。ある特定の実施形態では、無水物の多形純度は、≧96%である。ある特定の実施形態では、無水物の多形純度は、≧97%である。ある特定の実施形態では、無水物の多形純度は、≧98%である。ある特定の実施形態では、無水物の多形純度は、≧99%である。
無水物は、約3.8、7.6、10.0、11.5、13.8、15.3、16.7、18.0、19.1、19.9、20.2、21.4、22.9、23.7、25.1、25.7、26.0、27.7、及び30.6度2シータ±0.2度2シータからなる群から選択される1つ以上のピーク(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10ピーク)を含むX線粉末回折パターンを有し得る。一実施形態では、無水物は、実質的に図2に示すようなX線粉末回折パターンを有し得る。
無水物は、約192.6℃で発生する吸熱事象を含むDSCサーモグラムを有し得る。一実施形態では、無水物は、実質的に図3に示すようなDSCサーモグラムを有し得る。
無水物は、約周囲温度から約200℃に加熱されたときに実質的に質量損失を含まないTGAサーモグラムを有し得る。一実施形態では、無水物は、実質的に図3に示すようなTGAサーモグラムを有し得る。
一実施形態では、無水物は、実質的に図4に示すようなGVS等温線プロットを有し得る。GVS等温線プロットは、アバプリチニブ無水物が25℃/90% RHで約0.1% w/wの取り込みの吸水率を特徴としたことを示す。分析後のXRPDは、結晶性アバプリチニブ無水物が変化しない、すなわちGVS後の形態に変化がなかったことを示した。
結晶性アバプリチニブ無水物は、
(a)アバプリチニブを、アセトン、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、メチルエチルケトン、2-メチルテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ニトロメタン、1,2-ジメチルオキシエタン、水、tert-ブチルメチルエーテル、エタノール、ヘプタン、酢酸イソプロピル、メチルイソブチルケトン、イソプロパノール、アセトニトリル、トルエン、2-メチル-1-プロパノール、1-プロパノール、エタノール、ジメチルホルムアミド、1-メチル-2-ピロリジノン、2-メトキシエタノール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される溶媒と接触させる工程と、
(b)溶媒中のアバプリチニブの溶液又は懸濁液を形成する工程と、
(c)アバプリチニブ無水物を結晶性固体として回収する工程と、を含むプロセスによって調製することができる。
一実施形態では、溶媒と接触するアバプリチニブは、非晶質アバプリチニブである。非晶質アバプリチニブは、本明細書に記載の方法によって調製され得る。
一実施形態では、溶媒は、アセトンと水との組み合わせである。アセトン:水のv/v比は、約90:約10又は約95:約5であり得る。
別の実施形態では、溶媒は、エタノールと水との組み合わせである。エタノール:水のv/v比は、約95:約5であり得る。
溶媒の量は、アバプリチニブを溶解し、溶液を形成するか、又はアバプリチニブを懸濁するのに十分な溶媒があることを条件として、特に限定されない。アバプリチニブ対溶媒のw/v比は、約1mgのアバプリチニブ:約1~約1000μlの溶媒、例えば約1mgのアバプリチニブ:約1~約500μlの溶媒、例えば約1mgのアバプリチニブ:約1~約150μlの溶媒、例えば約1mgのアバプリチニブ:約5~約100μlの溶媒の範囲であり得る。
アバプリチニブは、周囲温度以下で溶媒と接触させることができる。一実施形態では、接触工程は、≧約0℃~約≦25℃の範囲の1つ以上の温度で実施され得る。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約1℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約2℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約3℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約4℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約5℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≦約20℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≦約15℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≦約10℃の1つ以上の温度で実施される。一実施形態では、接触工程は、≧約0℃~≦約10℃の範囲の1つ以上の温度、例えば、約5℃で実施される。一実施形態では、接触工程は、周囲温度、例えば約25℃で実施され得る。
あるいは、アバプリチニブは、周囲温度よりも高い、すなわち、30℃よりも高く、反応混合物の沸点よりも低い温度で溶媒と接触させることができる。反応混合物の沸点は、接触工程が行われる圧力に応じて変化し得る。一実施形態では、接触工程は、気圧(すなわち、1.0135×10Pa)で行われる。一実施形態では、接触工程は、≧約40℃~約≦60℃の範囲の1つ以上の温度で実施され得る。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約41℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約42℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約43℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約44℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約45℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約46℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約47℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約48℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約49℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約50℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≦約59℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≦約58℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≦約57℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≦約56℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≦約55℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≦約54℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≦約53℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≦約52℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≦約51℃の1つ以上の温度で実施される。一実施形態では、接触工程は、≧約45℃~≦約55℃の範囲の1つ以上の温度で実施される。一実施形態では、接触工程は、約50℃の温度で実施される。
アバプリチニブの溶解又は懸濁は、撹拌、振盪、及び/又は超音波処理などの補助の使用を通して促進され得る。アバプリチニブの溶解又は懸濁を補助するために、追加の溶媒が添加され得る。
次いで、溶液又は懸濁液は、得られた溶液又は懸濁液が工程(b)の溶液又は懸濁液の温度を下回る温度を有するように冷却され得る。冷却速度は、約0.05℃/分~約2℃/分、例えば約0.1℃/分~約1.5℃/分、例えば約0.1℃/分であり得る。アバプリチニブの溶液が冷却されると、懸濁液が最終的に観察され得る。アバプリチニブの懸濁液が冷却されると、懸濁液の外観に知覚可能な変化が生じない場合がある。
溶液又は懸濁液は、周囲温度又は周囲温度未満の温度に冷却され得る。一実施形態では、溶液又は懸濁液は、≧約0℃~≦約20℃の範囲の1つ以上の温度に冷却され得る。いくつかの実施形態では、溶液又は懸濁液は、≧約1℃の1つ以上の温度に冷却される。いくつかの実施形態では、溶液又は懸濁液は、≧約2℃の1つ以上の温度に冷却される。いくつかの実施形態では、溶液又は懸濁液は、≧約3℃の1つ以上の温度に冷却される。いくつかの実施形態では、溶液又は懸濁液は、≧約4℃の1つ以上の温度に冷却される。いくつかの実施形態では、溶液又は懸濁液は、≧約5℃の1つ以上の温度に冷却される。いくつかの実施形態では、溶液又は懸濁液は、≦約15℃の1つ以上の温度に冷却される。いくつかの実施形態では、溶液又は懸濁液は、≦約14℃の1つ以上の温度に冷却される。いくつかの実施形態では、溶液又は懸濁液は、≦約13℃の1つ以上の温度に冷却される。いくつかの実施形態では、溶液又は懸濁液は、≦約12℃の1つ以上の温度に冷却される。いくつかの実施形態では、溶液又は懸濁液は、≦約11℃の1つ以上の温度に冷却され得る。いくつかの実施形態では、溶液又は懸濁液は、≦約10℃の1つ以上の温度に冷却される。一実施形態では、溶液又は懸濁液は、約5℃~約10℃の範囲の1つ以上の温度に冷却される。
次いで、反応混合物を、更なる期間にわたって撹拌、振盪、及び/又は超音波処理してもよい。
工程(c)において、アバプリチニブ無水物は、結晶性固体として回収される。結晶性無水物は、濾過、デカント、又は遠心分離によって直接回収され得る。必要に応じて、懸濁液は、結晶性固体の回収前に溶媒の追加部分で回収され得る。あるいは、結晶性固体を回収する前に、ある割合の又は実質的に全ての溶媒を蒸発させることができる。
結晶性無水物を回収したら、分離された無水物は、溶媒(例えば、上記の溶媒のうちの1つ以上)で洗浄され、乾燥され得る。乾燥は、既知の方法を使用して、例えば約10℃~約60℃の範囲の温度で、例えば、約20℃~約40℃で、例えば、真空下(例えば、約1mbar~約30mbar)で約1時間~約24時間、実行することができる。乾燥条件は、無水物が劣化する点よりも低く維持されることが好ましく、したがって無水物が上記の温度又は圧力範囲内で劣化することが知られているとき、乾燥条件は、劣化温度又は真空度よりも低く維持されるべきである。
工程(a)~(c)は、1回以上(例えば、1、2、3、4、又は5回)実施され得る。工程(a)~(c)が1回を超えて(例えば、2、3、4又は5回)実施される場合、工程(a)は、任意選択的に、工程(a)~(c)の第1の反復によって以前に調製及び単離された結晶性アバプリチニブ無水物を播種することができる。
あるいは、又は加えて、工程(a)~(c)が1回を超えて(例えば、2、3、4又は5回)実施される場合、工程(b)で形成された溶液又は懸濁液は、任意選択的に、結晶性アバプリチニブ無水物(本明細書に記載の方法によって以前に調製及び単離された)を播種することができる。
形成された結晶性アバプリチニブ無水物は、他の多形形態のアバプリチニブを含まないか、又は実質的に含まなくてもよい。ある特定の実施形態では、無水物の多形純度は、≧90%、≧91%、≧92%、≧93%、≧94%、≧95%、又はそれ以上である。ある特定の実施形態では、無水物の多形純度は、≧95%である。ある特定の実施形態では、無水物の多形純度は、≧96%である。ある特定の実施形態では、無水物の多形純度は、≧97%である。ある特定の実施形態では、無水物の多形純度は、≧98%である。ある特定の実施形態では、無水物の多形純度は、≧99%である。
別の態様では、結晶性アバプリチニブ無水物は、
(a)ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、ジオキサン(例えば、1,4-ジオキサン)、テトラヒドロフラン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第1の溶媒中にアバプリチニブを溶解する工程と、
(b)第2の溶媒を添加して、アバプリチニブの懸濁液を形成する工程であって、第2の溶媒が、tert-ブチルメチルエーテル、エタノール、酢酸イソプロピル、水、アセトニトリル、トルエン、ヘプタン(例えば、n-ヘプタン)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、形成する工程と、
(c)アバプリチニブ無水物を結晶性固体として回収する工程と、を含むプロセスによって調製することができる。
一実施形態では、溶媒と接触するアバプリチニブは、非晶質アバプリチニブである。非晶質アバプリチニブは、本明細書に記載の方法によって調製され得る。
第1の溶媒の量は、アバプリチニブを溶解し、溶液を形成するか、又はアバプリチニブを懸濁するのに十分な溶媒があることを条件として、特に限定されない。アバプリチニブ対第1の溶媒のw/v比は、約1mgのアバプリチニブ:約1~約100μlの溶媒、例えば約1mgのアバプリチニブ:約1~約50μlの溶媒、例えば約1mgのアバプリチニブ:約1~約20μlの溶媒、例えば約1mgのアバプリチニブ:約10~約10μlの溶媒の範囲であり得る。
アバプリチニブは、周囲温度以下で第1の溶媒中に溶解することができる。一実施形態では、溶解工程は、≧約0℃~約≦25℃の範囲の1つ以上の温度で実施され得る。いくつかの実施形態では、溶解工程は、≧約1℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、溶解工程は、≧約2℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、溶解工程は、≧約3℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、溶解工程は、≧約4℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、溶解工程は、≧約5℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、溶解工程は、≦約20℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、溶解工程は、≦約15℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、溶解工程は、≦約10℃の1つ以上の温度で実施される。一実施形態では、溶解工程は、≧約0℃~≦約10℃の範囲の1つ以上の温度、例えば、約5℃で実施される。一実施形態では、溶解工程は、約周囲温度、例えば約25℃で実施され得る。
あるいは、アバプリチニブは、周囲温度よりも高い、すなわち、30℃よりも高く、反応混合物の沸点よりも低い温度で溶媒中に溶解することができる。反応混合物の沸点は、接触工程が行われる圧力に応じて変化し得る。一実施形態では、溶解工程は、気圧(すなわち、1.0135×10Pa)で実施される。一実施形態では、溶解工程は、≧約40℃~約≦60℃の範囲の1つ以上の温度で実施され得る。いくつかの実施形態では、溶解工程は、≧約41℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、溶解工程は、≧約42℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、溶解工程は、≧約43℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、溶解工程は、≧約44℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、溶解工程は、≧約45℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、溶解工程は、≧約46℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、溶解工程は、≧約47℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、溶解工程は、≧約48℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、溶解工程は、≧約49℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、溶解工程は、≧約50℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、溶解工程は、≦約59℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、溶解工程は、≦約58℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、溶解工程は、≦約57℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、溶解工程は、≦約56℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、溶解工程は、≦約55℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、溶解工程は、≦約54℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、溶解工程は、≦約53℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、溶解工程は、≦約52℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、溶解工程は、≦約51℃の1つ以上の温度で実施される。一実施形態では、溶解工程は、≧約45℃~≦約55℃の範囲の1つ以上の温度で実施される。一実施形態では、溶解工程は、約50℃の温度で実施される。
アバプリチニブの溶解は、撹拌、振盪、及び/又は超音波処理などの補助の使用を通して促進され得る。アバプリチニブの溶解を補助するために、追加の溶媒が添加され得る。
工程(b)では、第2の溶媒を反応混合物に添加して、アバプリチニブの懸濁液を形成し、第2の溶媒は、tert-ブチルメチルエーテル、エタノール、酢酸イソプロピル、水、アセトニトリル、トルエン、ヘプタン(例えば、n-ヘプタン)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
第2の溶媒の量は、溶媒混合物中のアバプリチニブの懸濁液を形成するのに十分な溶媒があることを条件として、特に限定されない。アバプリチニブ対第2の溶媒のw/v比は、約1mgのアバプリチニブ:約1~約200μlの溶媒、例えば約1mgのアバプリチニブ:約1~約150μlの溶媒、例えば約1mgのアバプリチニブ:約1~約100μlの溶媒、例えば約1mgのアバプリチニブ:約5~約50μlの溶媒の範囲であり得る。これらのw/v比は、最初に第1の溶媒中に溶解したアバプリチニブの質量、すなわちプロセスに入力されるアバプリチニブの量を使用して計算されている。
第2の溶媒の添加後、反応混合物は、第1の溶媒と関連して上記のように周囲温度以下で処理され得る。
あるいは、アバプリチニブは、第1の溶媒と関連して上記のように、周囲温度よりも高い、すなわち、30℃よりも高く、反応混合物の沸点よりも低い温度で溶媒中に溶解することができる。
一実施形態では、第1の溶媒は、ジメチルスルホキシドであり、第2の溶媒は、tert-ブチルメチルエーテル、エタノール、酢酸イソプロピル、水、アセトニトリル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
別の実施形態では、第1の溶媒は、ジメチルスルホキシドであり、第2の溶媒は、tert-ブチルメチルエーテル、エタノール、酢酸イソプロピル、水、アセトニトリル、トルエン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
別の実施形態では、第1の溶媒は、ジクロロメタンであり、第2の溶媒は、tert-ブチルメチルエーテル、エタノール、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、トルエン、ヘプタン(例えば、n-ヘプタン)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
別の実施形態では、第1の溶媒は、ジオキサン(例えば、1,4-ジオキサン)であり、第2の溶媒は、tert-ブチルメチルエーテル、エタノール、酢酸イソプロピル、水、アセトニトリル、トルエン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
別の実施形態では、第1の溶媒は、テトラヒドロフランであり、第2の溶媒は、tert-ブチルメチルエーテル、エタノール、酢酸イソプロピル、水、アセトニトリル、トルエン、ヘプタン(例えば、n-ヘプタン)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
一実施形態では、第1の溶媒は、テトラヒドロフランであり、第2の溶媒は、ヘプタン(例えば、n-ヘプタン)である。
次いで、反応混合物を、更なる期間にわたって撹拌、振盪、及び/又は超音波処理してもよい。
次いで、溶液又は懸濁液は、得られた溶液又は懸濁液が工程(b)の溶液又は懸濁液の温度を下回る温度を有するように冷却され得る。冷却速度は、約0.05℃/分~約2℃/分、例えば約0.1℃/分~約1.5℃/分、例えば約0.1℃/分であり得る。アバプリチニブの溶液が冷却されると、懸濁液が最終的に観察され得る。アバプリチニブの懸濁液が冷却されると、懸濁液の外観に知覚可能な変化が生じない場合がある。
溶液又は懸濁液は、周囲温度又は周囲温度未満の温度に冷却され得る。一実施形態では、溶液又は懸濁液は、≧約0℃~≦約20℃の範囲の1つ以上の温度に冷却され得る。いくつかの実施形態では、溶液又は懸濁液は、≧約1℃の1つ以上の温度に冷却される。いくつかの実施形態では、溶液又は懸濁液は、≧約2℃の1つ以上の温度に冷却される。いくつかの実施形態では、溶液又は懸濁液は、≧約3℃の1つ以上の温度に冷却される。いくつかの実施形態では、溶液又は懸濁液は、≧約4℃の1つ以上の温度に冷却される。いくつかの実施形態では、溶液又は懸濁液は、≧約5℃の1つ以上の温度に冷却される。いくつかの実施形態では、溶液又は懸濁液は、≦約15℃の1つ以上の温度に冷却される。いくつかの実施形態では、溶液又は懸濁液は、≦約14℃の1つ以上の温度に冷却される。いくつかの実施形態では、溶液又は懸濁液は、≦約13℃の1つ以上の温度に冷却される。いくつかの実施形態では、溶液又は懸濁液は、≦約12℃の1つ以上の温度に冷却される。いくつかの実施形態では、溶液又は懸濁液は、≦約11℃の1つ以上の温度に冷却され得る。いくつかの実施形態では、溶液又は懸濁液は、≦約10℃の1つ以上の温度に冷却される。一実施形態では、溶液又は懸濁液は、約5℃~約10℃の範囲の1つ以上の温度に冷却される。
工程(c)において、アバプリチニブ無水物は、結晶性固体として回収される。結晶性無水物は、濾過、デカント、又は遠心分離によって直接回収され得る。必要に応じて、懸濁液は、結晶性固体の回収前に溶媒の追加部分で回収され得る。あるいは、結晶性固体を回収する前に、ある割合の又は実質的に全ての溶媒を蒸発させることができる。
結晶性無水物を回収したら、分離された無水物は、溶媒(例えば、上記の溶媒のうちの1つ以上)で洗浄され、乾燥され得る。乾燥は、既知の方法を使用して、例えば約10℃~約60℃の範囲の温度で、例えば、約20℃~約40℃で、例えば、真空下(例えば、約1mbar~約30mbar)で約1時間~約24時間、実行することができる。乾燥条件は、無水物が劣化する点よりも低く維持されることが好ましく、したがって無水物が上記の温度又は圧力範囲内で劣化することが知られているとき、乾燥条件は、劣化温度又は真空度よりも低く維持されるべきである。
工程(a)~(c)は、1回以上(例えば、1、2、3、4、又は5回)実施され得る。工程(a)~(c)が1回を超えて(例えば、2、3、4又は5回)実施される場合、工程(a)は、任意選択的に、本明細書に記載の方法によって以前に調製及び単離された結晶性アバプリチニブ無水物を播種することができる。
あるいは、又は加えて、工程(a)~(c)が1回を超えて(例えば、2、3、4又は5回)実施される場合、工程(b)で形成された溶液又は懸濁液は、任意選択的に、結晶性アバプリチニブ無水物(本明細書に記載の方法によって以前に調製及び単離された)を播種することができる。
形成された結晶性アバプリチニブ無水物は、他の多形形態のアバプリチニブを含まないか、又は実質的に含まなくてもよい。ある特定の実施形態では、無水物の多形純度は、≧90%、≧91%、≧92%、≧93%、≧94%、≧95%、又はそれ以上である。ある特定の実施形態では、無水物の多形純度は、≧95%である。ある特定の実施形態では、無水物の多形純度は、≧96%である。ある特定の実施形態では、無水物の多形純度は、≧97%である。ある特定の実施形態では、無水物の多形純度は、≧98%である。ある特定の実施形態では、無水物の多形純度は、≧99%である。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の結晶性アバプリチニブ無水物と、医薬的に許容される賦形剤と、を含む、医薬組成物に関する。
別の態様では、本発明は、治療有効量の本明細書に記載の結晶性アバプリチニブ無水物を患者に投与することを含む、患者におけるがんを治療するための方法に関する。治療方法には、胃腸間質腫瘍の治療が含まれる。
別の態様では、本発明は、がんの治療、例えば、胃腸間質腫瘍の治療に使用するための、本明細書に記載の結晶性アバプリチニブ無水物に関する。
別の態様では、本発明は、治療有効量の本明細書に記載の結晶性アバプリチニブ無水物を患者に投与することを含む、患者における肥満細胞症を治療するための方法に関する。
別の態様では、本発明は、肥満細胞症の治療に使用するための、本明細書に記載の結晶性アバプリチニブ無水物に関する。
アバプリチニブメタノール溶媒和物
アバプリチニブは、明確で一貫して再現可能なメタノール溶媒和物形態で調製することができることが発見されている。更に、この溶媒和物形態を生成するための信頼性が高い拡張可能な方法が開発されている。本発明によって提供されるアバプリチニブ多形は、医薬製剤における活性成分として有用である。ある特定の実施形態では、結晶性溶媒和物形態は、精製可能である。ある特定の実施形態では、時間、温度、及び湿度に応じて、結晶性溶媒和物形態は、安定である。ある特定の実施形態では、結晶性溶媒和物形態は、単離及び取り扱いが容易である。ある特定の実施形態では、結晶性溶媒和物形態を調製するためのプロセスは、拡張可能である。
本明細書に記載の結晶性形態は、単結晶X線回折、X線粉末回折(XRPD)、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)、赤外分光法、ラマン分光法、核磁気共鳴(NMR)分光法(溶液及び固体NMRを含む)が含まれる当業者に既知の多数の方法を使用して特性評価され得る。化学純度は、薄層クロマトグラフィ(TLC)、ガスクロマトグラフィ、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)、及び質量分析(MS)などの標準的な分析方法によって決定することができる。
一態様では、本発明は、結晶性アバプリチニブメタノール溶媒和物である、アバプリチニブの結晶性形態を提供する。
メタノール溶媒和物は、約5.2、9.3、10.4、11.9、13.7、14.6、16.1、17.5、18.7、20.8、21.4、23.9、24.6、25.4、及び25.7度2シータ±0.2度2シータからなる群から選択される1つ以上のピーク(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個のピーク)を含むX線粉末回折パターンを有し得る。一実施形態では、無水物は、実質的に図5に示すようなX線粉末回折パターンを有し得る。
メタノール溶媒和物は、約72.5℃及び約191.4℃の開始温度を有する2つの吸熱事象を含むDSCサーモグラムを有し得る。メタノール溶媒和物のDSCサーモグラムはまた、約109.2℃で開始温度を有する発熱事象を含み得る。発熱事象が動態事象であるため、当業者は、発生が可変であり、試料が分析される条件、例えば、試料を分析するために使用されるDSC測定器に応じて異なる温度で起こり得ることを理解するであろう。一実施形態では、無水物は、実質的に図6に示すようなDSCサーモグラムを有し得る。
メタノール溶媒和物は、約周囲温度から約200℃に加熱されたときに約5.5%の質量損失を含むTGAサーモグラムを有し得る。一実施形態では、無水物は、実質的に図6に示すようなTGAサーモグラムを有し得る。
形成された結晶性アバプリチニブメタノール溶媒和物は、他の多形形態のアバプリチニブを含まないか、又は実質的に含まなくてもよい。ある特定の実施形態では、溶媒和物の多形純度は、≧90%、≧91%、≧92%、≧93%、≧94%、≧95%、又はそれ以上である。ある特定の実施形態では、溶媒和物の多形純度は、≧95%である。ある特定の実施形態では、溶媒和物の多形純度は、≧96%である。ある特定の実施形態では、溶媒和物の多形純度は、≧97%である。ある特定の実施形態では、溶媒和物の多形純度は、≧98%である。ある特定の実施形態では、溶媒和物の多形純度は、≧99%である。
アバプリチニブメタノール溶媒和物は、
(a)アバプリチニブをメタノールと接触させる工程と、
(b)メタノール中のアバプリチニブの懸濁液を形成する工程と、を含むプロセスによって調製することができる。
メタノールの量は、アバプリチニブを実質的に懸濁するのに十分なメタノールがあることを条件として、特に限定されない。アバプリチニブ対メタノール溶媒のw/v比は、約1mgのアバプリチニブ:約1~約1000μlのメタノール、例えば約1mgのアバプリチニブ:約1~約500μlのメタノール、例えば約1mgのアバプリチニブ:約1~約250μlのメタノール、例えば約1mgのアバプリチニブ:約5~約100μlのメタノールの範囲であり得る。
アバプリチニブは、周囲温度以下でメタノールと接触させることができる。一実施形態では、接触工程は、≧約0℃~約≦25℃の範囲の1つ以上の温度で実施され得る。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約1℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約2℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約3℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約4℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約5℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≦約20℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≦約15℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≦約10℃の1つ以上の温度で実施される。一実施形態では、接触工程は、≧約0℃~≦約10℃の範囲の1つ以上の温度、例えば、約5℃で実施される。一実施形態では、接触工程は、周囲温度、例えば約25℃で実施され得る。
あるいは、アバプリチニブを、周囲温度よりも高い温度で、すなわち30℃よりも高く、反応混合物の沸点よりも低い温度でメタノールと接触させることができる。反応混合物の沸点は、接触工程が行われる圧力に応じて変化し得る。メタノールは、気圧(すなわち、1.0135×10Pa)で約64.7℃の沸点を有する。一実施形態では、接触工程は、≧約30℃~約<65℃の範囲の1つ以上の温度で実施されてもよい。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約41℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約42℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約43℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約44℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約45℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約46℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約47℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約48℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約49℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≧約50℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≦約60℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≦約59℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≦約58℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≦約57℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≦約56℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≦約55℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≦約54℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≦約53℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≦約52℃の1つ以上の温度で実施される。いくつかの実施形態では、接触工程は、≦約51℃の1つ以上の温度で実施される。一実施形態では、接触工程は、≧約45℃~≦約55℃の範囲の1つ以上の温度で実施される。一実施形態では、接触工程は、約50℃の温度で実施される。
あるいは、アバプリチニブを周囲温度以下でメタノールと接触させ、次いでこの温度と周囲温度よりも高い1つ以上の温度との間で成熟させることができる。周囲温度、周囲よりも低い温度、及び周囲よりも高い温度は、上記のとおりである。成熟工程は、周囲温度である期間(例えば、約4時間)、周囲よりも高い温度である期間(例えば、約4時間)、続いて周囲温度で別の期間(例えば約4時間)など、長期間(例えば、約4日間)にわたって温度を振動させることを含み得る。
アバプリチニブの懸濁は、撹拌、振盪、及び/又は超音波処理などの補助の使用を通して撹拌され得る。
プロセスは、アバプリチニブメタノール溶媒和物を結晶性固体として回収する工程を更に含んでもよい。結晶性溶媒和物は、濾過、デカント、又は遠心分離によって直接回収され得る。必要に応じて、懸濁液は、結晶性固体の回収前にメタノールの追加部分で回収され得る。あるいは、結晶性固体を回収する前に、ある割合の又は実質的に全てのメタノール溶媒を蒸発させることができる。
どのようにして結晶性メタノール溶媒和物が回収された場合でも、分離した溶媒和物をアルコールで洗浄し、乾燥させてよい。乾燥は、既知の方法を使用して、例えば約10℃~約60℃の範囲の温度で、例えば、約20℃~約40℃で、例えば、真空下(例えば、約1mbar~約30mbar)で約1時間~約24時間、実行することができる。乾燥条件は、メタノール溶媒和物が脱溶媒和する点よりも低く維持されることが好ましく、したがって溶媒和物が上記の温度又は圧力範囲内で脱溶媒和することが知られているとき、乾燥条件は、脱溶媒和温度又は真空度よりも低く維持されるべきである。
アバプリチニブ水和物
アバプリチニブは、明確で一貫して再現可能な水和物形態で調製することができることが発見されている。更に、この水和物形態を生成するための信頼性が高い拡張可能な方法が開発されている。本発明によって提供されるアバプリチニブ多形は、医薬製剤における活性成分として有用である。ある特定の実施形態では、結晶性水和物形態は、精製可能である。ある特定の実施形態では、時間、温度、及び湿度に応じて、結晶性水和物形態は、安定である。ある特定の実施形態では、結晶性水和物形態は、単離及び取り扱いが容易である。ある特定の実施形態では、結晶性水和物形態を調製するためのプロセスは、拡張可能である。
本明細書に記載の結晶性形態は、単結晶X線回折、X線粉末回折(XRPD)、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)、赤外分光法、ラマン分光法、核磁気共鳴(NMR)分光法(溶液及び固体NMRを含む)が含まれる当業者に既知の多数の方法を使用して特性評価され得る。化学純度は、薄層クロマトグラフィ(TLC)、ガスクロマトグラフィ、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)、及び質量分析(MS)などの標準的な分析方法によって決定することができる。
一態様では、本発明は、結晶性アバプリチニブ水和物である、アバプリチニブの結晶性形態を提供する。
水和物は、約5.3、9.3、10.4、10.7、12.0、13.9、14.7、15.2、16.1、17.4、17.9、18.7、18.9、20.8、21.4、22.4、22.7、23.3、23.9、24.6、25.6、27.2、28.4、及び29.7度2シータ±0.2度2シータからなる群から選択される1つ以上のピーク(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10ピーク)を含むX線粉末回折パターンを有し得る。一実施形態では、無水物は、実質的に図7に示すようなX線粉末回折パターンを有し得る。
水和物は、約29.8℃及び約191.3℃の開始温度を有する2つの吸熱事象を含むDSCサーモグラムを有し得る。水和物のDSCサーモグラムはまた、約116.5℃で開始温度を有する発熱事象を含み得る。発熱事象が動態事象であるため、当業者は、発生が可変であり、試料が分析される条件、例えば、試料を分析するために使用されるDSC測定器に応じて異なる温度で起こり得ることを理解するであろう。一実施形態では、無水物は、実質的に図8に示すようなDSCサーモグラムを有し得る。
無水物は、約周囲温度から約200℃に加熱されたときに約3.5%の質量損失を含むTGAサーモグラムを有し得る。一実施形態では、水和物は、実質的に図8に示すようなTGAサーモグラムを有し得る。
水和物は、実質的に図9に示すようなGVS等温線プロットを有し得る。GVS等温線プロットは、アバプリチニブ水和物が25℃/90% RHで約4.0% w/wの取り込みの吸水率を特徴としたことを示す。分析後のXRPDは、結晶性アバプリチニブ水和物が変化しない、すなわちGVS後の形態に変化がなかったことを示した。
形成された結晶性アバプリチニブ水和物は、他の多形形態のアバプリチニブを含まないか、又は実質的に含まなくてもよい。ある特定の実施形態では、水和物の多形純度は、≧90%、≧91%、≧92%、≧93%、≧94%、≧95%、又はそれ以上である。ある特定の実施形態では、水和物の多形純度は、≧95%である。ある特定の実施形態では、水和物の多形純度は、≧96%である。ある特定の実施形態では、水和物の多形純度は、≧97%である。ある特定の実施形態では、水和物の多形純度は、≧98%である。ある特定の実施形態では、水和物の多形純度は、≧99%である。
理論に拘束されることを望まないが、本発明の水和物は、チャネル水和物であると考えられる。また、水和物は、本明細書に記載の結晶性アバプリチニブメタノール溶媒和物に対して同種構造であると考えられる。
結晶性アバプリチニブ水和物は、結晶性アバプリチニブメタノール溶媒和物を水和する工程を含むプロセスによって調製され得る。
水和は、メタノール溶媒和物を水、特に水蒸気に曝露することによって影響を受け得る。例えば、メタノール溶媒和物は、真空下で密閉チャンバ内に配置され得、水蒸気(例えば、湿潤空気又は湿性窒素の形態で、例えば、約75%又は約97%の相対湿度(RH)を有する)は、密閉チャンバに浸出し得る。あるいは、メタノール溶媒和物は、約周囲温度~約50℃、例えば、約25℃、又は約40℃の温度で、液体水源を含む密閉チャンバ内のおよそ気圧で湿潤雰囲気に曝露され得る。
あるいは、水和は、水中のメタノール溶媒和物を時間(例えば、一晩)及びアバプリチニブ水和物を形成するのに効果的な温度(例えば、周囲温度)でスラリー化することによって影響を受け得る。
どのようにして結晶性水和物が回収された場合でも、分離した水和物を水で洗浄し、乾燥させてよい。乾燥は、既知の方法を使用して、例えば約10℃~約60℃の範囲の温度で、例えば、約20℃~約40℃で、例えば、真空下(例えば、約1mbar~約30mbar)で約1時間~約24時間、実行することができる。乾燥条件は、水和物が劣化する点よりも低く維持されることが好ましく、したがって水和物が上記の温度又は圧力範囲内で劣化することが知られているとき、乾燥条件は、劣化温度又は真空度よりも低く維持されるべきである。
形成された結晶性アバプリチニブ水和物は、他の多形形態のアバプリチニブを含まないか、又は実質的に含まなくてもよい。ある特定の実施形態では、水和物の多形純度は、≧90%、≧91%、≧92%、≧93%、≧94%、≧95%、又はそれ以上である。ある特定の実施形態では、水和物の多形純度は、≧95%である。ある特定の実施形態では、水和物の多形純度は、≧96%である。ある特定の実施形態では、水和物の多形純度は、≧97%である。ある特定の実施形態では、水和物の多形純度は、≧98%である。ある特定の実施形態では、水和物の多形純度は、≧99%である。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の結晶性アバプリチニブ無水物と、医薬的に許容される賦形剤と、を含む、医薬組成物に関する。
別の態様では、本発明は、治療有効量の本明細書に記載の結晶性アバプリチニブ水和物を患者に投与することを含む、患者におけるがんを治療するための方法に関する。治療方法には、胃腸間質腫瘍の治療が含まれる。
別の態様では、本発明は、がんの治療、例えば、胃腸間質腫瘍の治療に使用するための、本明細書に記載の結晶性アバプリチニブ水和物に関する。
別の態様では、本発明は、治療有効量の本明細書に記載の結晶性アバプリチニブ水和物を患者に投与することを含む、患者における肥満細胞症を治療するための方法に関する。
別の態様では、本発明は、肥満細胞症の治療に使用するための、本明細書に記載の結晶性アバプリチニブ水和物に関する。
本発明の実施形態及び/又は任意選択的特徴は、上記で説明されている。本発明のいずれの態様も、文脈による別途の要求がない限り、本発明のいずれの他の態様とも組み合わせることができる。いずれの態様の実施形態又は任意選択的特徴のいずれも、文脈による別途の要求がない限り、本発明のいずれの態様とも、単一又は組み合わせで、組み合わせることができる。
以下の実施例を参照して、本発明を更に説明し、実施例は例示することを意図するものであり、本発明を限定することを意図するものではない。
1 測定器及び方法の詳細
1.1 X線粉末回折(XRPD)
1.1.1 Bruker AXS D8 Advance
XRPDディフラクトグラムを、Cu Kα放射線(40kV、40mA)及びGeモノクロメータを取り付けたθ-2θゴニオメータを使用して、Bruker D8回折計で収集した。入射ビームは、2.0mmの発散スリット、続いて0.2mmの散乱防止スリット及びナイフエッジを通過する。回折ビームは、2.5°ソーラスリット備えた8.0mm受光スリットを通過し、続いて、Lynxeye検出器を通過する。データ収集及び分析に使用されるソフトウェアは、それぞれ、Diffrac Plus XRD Commander及びDiffrac Plus EVAであった。
試料は、受け取ったままの粉末を使用して、フラットプレート試験片として、周囲条件で実施した。試料を、平坦な表面上に穏やかに押圧することによって、又は切断された空洞内に充填することによって、研磨されたゼロバックグラウンド(510)シリコンウェハ上で調製した。試料を、それ自体の面内で回転させた。
標準的なデータ収集方法の詳細は以下のとおりである。
・ 角度範囲:2~42°2θ
・ 工程サイズ:0.05°2θ
・ 収集時間:0.5秒/工程(総収集時間:6.40分)
NIST1976コランダムを35.149±0.01°2θのピーク位置に使用して、測定器の性能を毎週確認する。
1.2 示差走査熱量測定(DSC)
DSCデータを、50位置オートサンプラを装備したTA Instruments Q2000上で収集した。典型的には、ピンホールアルミニウムパン中で0.5~3mgの各試料を、25℃から300℃に10℃/分で加熱した。50ml/分で乾燥窒素のパージを、試料上に維持した。
測定器制御ソフトウェアは、Advantage for Q Series及びThermal Advantageであり、データは、Universal Analysis又はTRIOSを使用して分析した。
1.3 熱重量分析(TGA)
25位置オートサンプラを装備したTA Instruments Discovery TGA上でTGAデータを収集した。典型的には、5~10mgの各試料を予め風袋引きしたアルミニウムDSCパンに載せ、周囲温度から400℃に10℃/分で加熱した。25ml/分での窒素のパージを、試料上に維持した。
測定器制御ソフトウェアは、TRIOSであり、データは、TRIOS又はUniversal Analysisを使用して分析した。
1.4 重量分析蒸気収着(GVS)
固体材料の吸湿性は、動的蒸気収着(dynamic vapour sorption、DVS)分析によって時折知られている重量分析蒸気収着(gravimetric vapour sorption、GVS)分析によって決定され得る。実験は、温度及び湿度制御された環境(チャンバ)内の微量天秤上の細線バスケットに保持される試料材料を対象とした。次いで、ソフトウェアを使用して、収集したデータを処理し、実験中に指定した増分範囲の等温点を決定し、材料の全体的な水取り込みを示すことができる。
DVS Intrinsic Controlソフトウェアによって制御されるSMS DVS内部水分収着分析器を使用して、収着等温線を取得した。試料温度は、測定器制御によって25℃に維持した。湿度は、乾燥窒素及び湿潤窒素の流れを200ml/分の総流速で混合することによって制御した。相対湿度は、試料付近に位置する較正したロトロニックプローブ(動作範囲1.0~100%RH)によって測定した。%RHの関数としての試料の重量変化(質量緩和)は、微量天秤(精度±0.005mg)によって絶えず監視した。
典型的には、5~30mgの試料を、周囲条件下で、風袋引きしたメッシュステンレス鋼バスケット中に入れた。試料を、40%RH及び25℃(典型的な室内条件)でロード及びアンロードした。水分収着等温線は、以下に概説するように実施した(完全サイクル当たり2スキャン)。標準的な等温線は、0~90%RHの範囲にわたって、10%RHの間隔において25℃で実行した。典型的には、二重サイクル(4スキャン)を実施した。DVS Analysis Suiteを使用して、Microsoft Excel内でデータ分析を実施した。
Figure 2022553148000013
Figure 2022553148000014
非晶質アバプリチニブ
実施例1
アバプリチニブ(約30mg)をバイアル内で1,4-ジオキサン(900μl、30vol)中に溶解し、溶液をドライアイス/アセトン浴でフラッシュ冷却し、凍結乾燥機で凍結乾燥した。乾燥させたら、固体をXRPDによって分析した。
無水アバプリチニブ
実施例2~10
アバプリチニブ無水物を、以下の一般的な実施例に従って調製した。
アバプリチニブ(xmg)を溶媒(yμl、zvol)中に50℃で溶解した。溶液を50℃で1時間撹拌した後、0.1℃/分で5℃に冷却し、一晩撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、XRPDによる分析前に吸引下で乾燥させた。
Figure 2022553148000015
実施例11
アバプリチニブ(100.9mg)を、50℃でアセトン/水(90:10v/v)(2ml、20vol)中に溶解した。溶液を50℃で1時間撹拌した後、0.1℃/分で5℃に冷却し、更に4日間撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、吸引下で乾燥させて、XRPDによる分析前に無水アバプリチニブを得た。
実施例12
アバプリチニブ(501.2mg)を、50℃でアセトン/水(90:10v/v)(10ml、20vol)中に溶解した。溶液を50℃で1時間撹拌した後、0.1℃/分で5℃に冷却し、更に5℃で4日間撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、吸引下で乾燥させて、XRPDによる分析前に無水アバプリチニブを得た。収率:63.1%
実施例13~23
アバプリチニブ無水物を、以下の一般的な実施例に従って調製した。
アバプリチニブ(xmg)を溶媒(3000μl、100vol)で50℃で懸濁した。懸濁液を50℃で一晩振盪した。得られた懸濁液を濾過し、XRPDによる分析前に吸引下で乾燥させた。
Figure 2022553148000016
実施例24~26
アバプリチニブ無水物を、以下の一般的な実施例に従って調製した。
アバプリチニブ(xmg)を溶媒(yμl、zvol)中に50℃で溶解した。溶液を50℃で1時間撹拌した後、0.1℃/分で5℃に冷却し、更に一晩撹拌した。得られた溶液を、蓋をしない状態で蒸発させた。得られた固体を、XRPDによって分析した。
Figure 2022553148000017
実施例27~35
アバプリチニブ無水物を、以下の一般的な実施例に従って調製した。
アバプリチニブ(xmg)を25℃で溶媒(yμl、zvol)中に溶解し、溶液を、蓋をしない状態で蒸発させた。乾燥させたら、固体をXRPDによって分析した。
Figure 2022553148000018
実施例36
アバプリチニブ無水物を、以下の実施例に従って調製した。
アバプリチニブ(28.9mg)を、酢酸エチル(3ml、100vol)で25℃で懸濁し、懸濁液を25℃で一晩撹拌したままにした。得られた懸濁液を濾過し、XRPDによる分析前に吸引下で乾燥させた。
実施例37~59
アバプリチニブ無水物を、以下の一般的な実施例に従って調製した。
アバプリチニブ(xmg)を、第1の溶媒(yμl、zvol)に溶解し、50℃で5分間撹拌したままにした。5分間撹拌した後、試料を第2の溶媒(zμl)で懸濁した。次いで、得られた溶液を50℃で1時間撹拌した後、0.1℃/分で5℃に冷却し、更に一晩撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、XRPDによる分析前に吸引下で乾燥させた。
Figure 2022553148000019
実施例60~76
アバプリチニブ無水物を、以下の一般的な実施例に従って調製した。
非晶質アバプリチニブ(約30mg)を溶媒(300μl、10vol)で懸濁し、5℃で7日間撹拌したままにした。得られた懸濁液のアリコートを、XRPDによって分析した。
Figure 2022553148000020
実施例77~95
アバプリチニブ無水物を、以下の一般的な実施例に従って調製した。
非晶質アバプリチニブ(約30mg)を溶媒(300μl、10vol)で懸濁し、50℃で7日間振盪したままにした。得られた懸濁液のアリコートを、XRPDによって分析した。
Figure 2022553148000021
実施例96
アバプリチニブ無水物を、以下の一般的な実施例に従って調製した。
アボピリチニブ(240.3mg)のストック溶液を、超音波処理でTHF(4.8ml、20vol)中に溶解した。
実施例96~102の各々について、600μlのアバプリチニブ溶液をより小さいバイアルにピペットで移し、60℃で5分間撹拌したままにした。5分間撹拌した後、試料を第2の溶媒(xμl)で懸濁した。次いで、得られた溶液を50℃で1時間撹拌した後、0.1℃/分で5℃に冷却し、更に一晩撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、XRPDによる分析前に吸引下で乾燥させた。
Figure 2022553148000022
実施例103
アバプリチニブ(2g)を、60℃でTHF(20ml、10vol)中に溶解した。溶液を0.25℃/分で50℃に冷却し、得られた濁った溶液を、実施例12に従って調製した無水アバプリチニブで播種した。試料を0.25℃/分で25℃に更に冷却した後、ヘプタン(20ml)を添加した。濃厚な懸濁液を0.25℃/分で5℃に冷却し、5℃で一晩撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、室温で一晩、真空下で乾燥させた。収率:93.7%。
アバプリチニブメタノール溶媒和物
実施例104
アバプリチニブ(29.0mg)を、50℃でメタノール(3000μl、100vol)で懸濁した。懸濁液を50℃で一晩振盪した。得られた懸濁液を濾過し、XRPDによる分析前に吸引下で乾燥させた。
実施例105
アバプリチニブ(99.6mg)を、50℃でメタノール(4ml、40vol)で懸濁した。懸濁液を、室温と50℃(振盪下、各温度で4時間)との間で4日間成熟させた。得られた懸濁液を濾過し、XRPDによる分析前に吸引下で乾燥させた。
実施例106
非晶質アバプリチニブ(約30mg)をメタノール(300μl、10vol)で懸濁し、5℃で7日間撹拌するように撹拌した。得られた懸濁液のアリコートを、XRPDによって分析した。
実施例107
非晶質アバプリチニブ(約30mg)をメタノール(300μl、10vol)で懸濁し、50℃で7日間振盪するように撹拌した。得られた懸濁液のアリコートを、XRPDによって分析した。
実施例108
アバプリチニブ(500.1mg)を、メタノール(10ml、20vol)で50℃で懸濁した。懸濁液を室温と50℃(振盪下、各温度で4時間)との間で4日間成熟させた。得られた懸濁液を濾過し、XRPDによる分析前に吸引下で乾燥させた。
実施例109
アバプリチニブ(2g)を、オーバーヘッド撹拌しながら25mlの容器に入れ、メタノール(10ml、5vol)で懸濁した。得られたペーストは、750rpmでの十分な撹拌には濃すぎるため、更なるメタノール(+10ml、5vol)で懸濁した。濃い懸濁液を25℃で1分間撹拌し、次いで、0.25℃/分で5℃に冷却し、5℃で一晩撹拌した。得られた試料は、湿潤固体のみを残してより濃くなった。湿潤固体を容器からフィルター漏斗に移し、追加のメタノールを使用して固体を洗浄した。
アバプリチニブ水和物
実施例110
実施例105に従って調製されたアバプリチニブメタノール溶媒和物を、40℃/75%RHで7日間保存した。
実施例111
実施例108に従って調製されたアバプリチニブメタノール溶媒和物を、周囲条件に一晩開放したままにした。
実施例112
実施例108に従って調製されたアバプリチニブメタノール溶媒和物を、40℃/75%RHで7日間保存した。
実施例113
実施例108に従って調製されたアバプリチニブメタノール溶媒和物を、25℃/97%RHで7日間保存した。
実施例114
実施例108に従って調製されたアバプリチニブメタノール溶媒和物を、室温で一晩、水(500μl、10体積)中でスラリー化した。得られた懸濁液を濾過し、XRPDによる分析前に吸引下で乾燥させた。
実施例115
実施例109に従って調製されたアバプリチニブメタノール溶媒和物を、室温で4日間、真空下で乾燥させた。収率:86.1%(モル収率)。

Claims (34)

  1. 非晶質アバプリチニブである、アバプリチニブの多形。
  2. 非晶質アバプリチニブを調製するためのプロセスであって、前記プロセスが、
    (a)アバプリチニブを好適な溶媒中に溶解して、アバプリチニブの溶液を形成する工程と、
    (b)前記アバプリチニブの溶液をフラッシュ冷却する工程と、
    (c)前記溶媒を迅速に除去して、前記非晶質アバプリチニブを形成する工程と、を含む、プロセス。
  3. 結晶性アバプリチニブ無水物であり、他の多形形態のアバプリチニブを含まないか、又は実質的に含まない、アバプリチニブの結晶性形態。
  4. 前記結晶性アバプリチニブ無水物が、約3.8、7.6、10.0、11.5、13.8、15.3、16.7、18.0、19.1、19.9、20.2、21.4、22.9、23.7、25.1、25.7、26.0、27.7、及び30.6度2シータ±0.2度2シータからなる群から選択される1つ以上のピークを含む、X線粉末回折パターンを有する、請求項3に記載の結晶性形態。
  5. 前記X線粉末回折パターンが、実質的に図2に示すとおりである、請求項2に記載の結晶性形態。
  6. 約192.6℃で発生する吸熱事象を含むDSCサーモグラムを有する、請求項3~5のいずれか一項に記載の結晶性形態。
  7. 実質的に図3に示すようなDSCサーモグラムを有する、請求項6に記載の結晶性形態。
  8. 約周囲温度から約200℃に加熱されたときに実質的に質量損失を含まないTGAサーモグラムを有する、請求項3~7のいずれか一項に記載の結晶性形態。
  9. 実質的に図3に示すようなTGAサーモグラムを有する、請求項8に記載の結晶性形態。
  10. 結晶性アバプリチニブ無水物を調製するためのプロセスであって、前記プロセスが、
    (a)アバプリチニブを、アセトン、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、メチルエチルケトン、2-メチルテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ニトロメタン、1,2-ジメチルオキシエタン、水、tert-ブチルメチルエーテル、エタノール、ヘプタン、酢酸イソプロピル、メチルイソブチルケトン、イソプロパノール、アセトニトリル、トルエン、2-メチル-1-プロパノール、1-プロパノール、エタノール、ジメチルホルムアミド、1-メチル-2-ピロリジノン、2-メトキシエタノール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される溶媒と接触させる工程と、
    (b)前記溶媒中のアバプリチニブの溶液又は懸濁液を形成する工程と、
    (c)アバプリチニブ無水物を結晶性固体として回収する工程と、を含む、プロセス。
  11. 結晶性アバプリチニブメタノール溶媒和物である、アバプリチニブの結晶性形態。
  12. 前記結晶性アバプリチニブメタノール溶媒和物が、約5.2、9.3、10.4、11.9、13.7、14.6、16.1、17.5、18.7、20.8、21.4、23.9、24.6、25.4、及び25.7度2シータ±0.2度2シータからなる群から選択される1つ以上のピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項11に記載のアバプリチニブの結晶性形態。
  13. 実質的に図5に示すようなX線粉末回折パターンを有する、請求項12に記載のアバプリチニブの結晶性形態。
  14. 前記結晶性アバプリチニブメタノール溶媒和物が、約72.5℃及び約191.4℃の開始温度を有する2つの吸熱事象を含むDSCサーモグラムを有する、請求項11~13のいずれか一項に記載のアバプリチニブの結晶性形態。
  15. 実質的に図6に示すようなDSCサーモグラムを有する、請求項14に記載のアバプリチニブの結晶性形態。
  16. 前記結晶性アバプリチニブメタノール溶媒和物が、約周囲温度から約200℃に加熱されたときに約5.5%の質量損失を含むTGAサーモグラム、請求項11~15のいずれか一項に記載のアバプリチニブの結晶性形態。
  17. 実質的に図6に示すようなTGAサーモグラムを有する、請求項16に記載のアバプリチニブの結晶性形態。
  18. アバプリチニブメタノール溶媒和物を調製するためのプロセスであって、前記プロセスが、
    (a)アバプリチニブをメタノールと接触させる工程と、
    (b)メタノール中のアバプリチニブの懸濁液を形成する工程と、を含む、プロセス。
  19. アバプリチニブメタノール溶媒和物を結晶性固体として回収する工程を更に含む、請求項18に記載のプロセス。
  20. 結晶性アバプリチニブ水和物であり、他の多形形態のアバプリチニブを含まないか、又は実質的に含まない、アバプリチニブの結晶性形態。
  21. 前記結晶性アバプリチニブ水和物が、約5.3、9.3、10.4、10.7、12.0、13.9、14.7、15.2、16.1、17.4、17.9、18.7、18.9、20.8、21.4、22.4、22.7、23.3、23.9、24.6、25.6、27.2、28.4、及び29.7度2シータ±0.2度2シータからなる群から選択される1つ以上のピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項20に記載のアバプリチニブの結晶性形態。
  22. 前記結晶性アバプリチニブ水和物が、実質的に図7に示すようなX線粉末回折パターンを有する、請求項21に記載のアバプリチニブの結晶性形態。
  23. 水和物結晶性アバプリチニブ水和物が、約29.8℃及び約191.3℃の開始温度を有する2つの吸熱事象を含むDSCサーモグラムを有する、請求項20~22のいずれか一項に記載のアバプリチニブの結晶性形態。
  24. 前記結晶性アバプリチニブ水和物が、実質的に図8に示すようなDSCサーモグラムを有する、請求項23に記載のアバプリチニブの結晶性形態。
  25. 水和物結晶性アバプリチニブ水和物が、約周囲温度から約200℃に加熱されたときに約3.5%の質量損失を含むTGAサーモグラムを有する、請求項20~24のいずれか一項に記載のアバプリチニブの結晶性形態。
  26. 前記結晶性アバプリチニブ水和物が、実質的に図8に示すようなTGAサーモグラムを有する、請求項25に記載のアバプリチニブの結晶性形態。
  27. 結晶性アバプリチニブ水和物を調製するためのプロセスであって、結晶性アバプリチニブメタノール溶媒和物を水和する工程を含む、プロセス。
  28. アバプリチニブ及び医薬的に許容される賦形剤を含む医薬組成物であって、
    前記アバプリチニブが、(i)非晶質アバプリチニブ、(ii)他の多形形態のアバプリチニブを含まないか、又は実質的に含まない結晶性アバプリチニブ無水物、及び(iii)他の多形形態のアバプリチニブを含まないか、又は実質的に含まない結晶性アバプリチニブ水和物からなる群から選択される、医薬組成物。
  29. 治療有効量のアバプリチニブを患者に投与することを含む、前記患者におけるがんを治療するための方法であって、前記アバプリチニブが、(i)非晶質アバプリチニブ、(ii)他の多形形態のアバプリチニブを含まないか、又は実質的に含まない結晶性アバプリチニブ無水物、及び(iii)他の多形形態のアバプリチニブを含まないか、又は実質的に含まない結晶性アバプリチニブ水和物からなる群から選択される、方法。
  30. 前記がんが、胃腸間質腫瘍である、請求項29に記載のがんを治療するための方法。
  31. がんの治療に使用するためのアバプリチニブであって、前記アバプリチニブが、(i)非晶質アバプリチニブ、(ii)他の多形形態のアバプリチニブを含まないか、又は実質的に含まない結晶性アバプリチニブ無水物、及び(iii)他の多形形態のアバプリチニブを含まないか、又は実質的に含まない結晶性アバプリチニブ水和物からなる群から選択される、アバプリチニブ。
  32. 前記がんが、胃腸間質腫瘍である、請求項31に記載のがんの治療に使用するためのアバプリチニブ。
  33. 治療有効量のアバプリチニブを患者に投与することを含む、前記患者における肥満細胞症を治療するための方法であって、前記アバプリチニブが、(i)非晶質アバプリチニブ、(ii)他の多形形態のアバプリチニブを含まないか、又は実質的に含まない結晶性アバプリチニブ無水物、及び(iii)他の多形形態のアバプリチニブを含まないか、又は実質的に含まない結晶性アバプリチニブ水和物からなる群から選択される、方法。
  34. 肥満細胞症の治療に使用するためのアバプリチニブであって、前記アバプリチニブが、(i)非晶質アバプリチニブ、(ii)他の多形形態のアバプリチニブを含まないか、又は実質的に含まない結晶性アバプリチニブ無水物、及び(iii)他の多形形態のアバプリチニブを含まないか、又は実質的に含まない結晶性アバプリチニブ水和物からなる群から選択される、アバプリチニブ。

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