JP2022547488A - 艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する方法及び装置 - Google Patents

艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する方法及び装置 Download PDF

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Abstract

Figure 2022547488000001
艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する方法及び装置であり、この装置は、接続されている気液混合手段(1)と制御手段(2)とを備え、気液混合手段(1)には入水口(62,721)、吸気口(722,811)、出水口(63)、及び入水口(62,721)と出水口(63)との間に設けられる気液混合室が設けられ、水及び気体がそれぞれ入水口(62,721)及び吸気口(722,821)を介して気液混合室内に入り、制御手段(2)は、吸気口(722,811)の吸気を制御するとともに、入水口(62,721)を給水を間欠的に一時停止させるか又は間欠的に低速給水するか又は常に低速給水するように制御することにより、より多くの気体が気液混合室内に入ることができる。気液混合手段(1)は、大量の気泡を含有する気水混合物を生成して、艦船の先端又は/及び艦船の両側の水域に気水混合物を注入することができるため、水域の水密度を低下させて、艦船の航走速度及び艦船の機動性を向上させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、船舶、艦艇等の水上航行の技術分野に関し、特に艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する方法及び装置に関する。
海上輸送は、国際貿易の重要な輸送手段であり、シェア率が70%を超え、中国は国際輸送の需要規模が最も大きい国であり、大量の船舶が海や河川を航行し、艦船の航行時に、水の抵抗が大きいため、所定の航走速度を達成するためには、膨大なエネルギーが必要となる。
海軍艦艇は、国が世界で存在感を高めるための重要な要素であり、国や民族の尊厳を守り、機動性が高く、航走速度が速く、燃料消費量が少ないというのは海軍の近代化の指標となっている。これらの性能を実現するために、従来の研究では、鋼材の高性能化、艦船全体の軽量化、ガスタービンやエンジンの高出力化、艦船自体の形状設計等がほとんどであり、多大な人的、物的及び時間コストが必要である。
近年注目を集めているスーパーキャビテーションは、航走体と水とが高速で相対運動するとき、航走体の表面の水の圧力が小さくなるため気化する現象であり、通常、航走速度が185キロ/時間になると発生する。水が気化すると、水中に気泡が形成されて、航走体が気泡の中を移動する。このとき、航走体に接触するのは水ではなく空気である。空気の密度は、水の1/800である。密度の異なる媒体によって抵抗の大きさは異なり、密度の低い媒体は、密度の高い媒体よりも抵抗が低いため、空気の抵抗は水の1/800になる。よって、航走体の抵抗が小さくなり、同等の燃料消費量で航走速度を大きく向上させることができる。
スーパーキャビテーション理論に基づいて、スーパーキャビテーションの発生は、1、航走速度を向上させる;2、圧力を低下させる;3、低速の場合に、人工通気の方法によりキャビテーション能力を高めるという3つの方法がある。前の2つの方法で発生するのが、自然スーパーキャビテーションであり、最後の方法で得られるのが、所謂通気スーパーキャビテーションである。
ソビエト連邦により開発されたスーパーキャビテーション魚雷は、通常の魚雷よりも速度が数倍向上し、船舶や艦艇に参照できる技術を提供する。米国海軍がスーパーキャビテーション技術を利用して開発した小型高速試験艦艇は、スーパーキャビテーション理論を用いて設計された世界初の艦船である。即ち、速度が100キロ/時間以上に達する「ゴースト」艦船である。この艦船は、航走速度を向上させる方法を採用している。「ゴースト」スーパーキャビテーション高速ステルス艦のエンジンは、主にフロートに搭載された2つのT53-L-703ターボシャフトエンジンである。船体前部のポッドに位置するプロペラを駆動して、プロペラを回転させて「スーパーキャビテーション」効果を生み出し、船体表面と水との間にキャビティを生じさせる。これにより、艦船の航行時に発生する摩擦抵抗が、水中よりも900倍小さくなる。「ゴースト」スーパーキャビテーション高速ステルス艦には、新規なジェット式キャビテーション発生手段がさらに取り付けられている。このジェット式キャビテーション発生手段は、艦船に搭載されたバッテリパックの電力により駆動される。航行時に、魚雷状下胴の前部に取り付けられるキャビテーション発生手段により、局部的なキャビテーションを発生させた後、魚雷状下胴の中後部に取り付けられる通気管から局部的なキャビテーションに気体を注入して膨張させてスーパーキャビテーションにする。キャビテーション発生手段により、「ゴースト」スーパーキャビテーション高速ステルス艦の一対の魚雷状下胴の表面に安定したスーパーキャビテーションが形成された後に、該高速ステルス艦は、200キロ/時間に近い速度まで徐々に加速し、高速航行状態でも高さ3メートルの波を通過することができ、長時間にわたる安定航行を維持することができる。
大型の艦艇や船舶は、高速化する必要が特になく、コストが高くて実現できないから、艦船の航走速度を適宜向上させ、燃料消費量を低減させ、船舶の機動性を向上させることが現実的な目標となる。
船舶や艦艇の性能向上は、世界各国の船舶業界の重要な研究課題となっており、ロシア、日本、アメリカ、ヨーロッパ、および、中国の科学研究機関などは、長年にわたる研究を通して、ほぼ研究開発の方向性を統一している。船舶の抵抗低減装置に関する研究では、船底に空気を注入する方法、即ち人工通気方法を利用してキャビテーション能力を高める方法が多く採用されている。中国船舶総公司の研究所により行われた実験、公開された特許出願書類や論文から見て、研究方向がほぼ同様である。基本原理は、艦船の底部に空気を注入して、船底に空気層を形成して船底を海水(河川水)から離隔する。これにより、航走体の底部と海水との摩擦抵抗を低減することができる。摩擦抵抗が低速航行時の主な抵抗であるため、同等の燃料消費量で航走速度を7%以上向上させることができる。
しかしながら、スーパーキャビテーションの中心の最大断面の直径Dc、スーパーキャビテーションの全長Lcなどのスーパーキャビテーションの寸法は、キャビテーション数σ、キャビテーターの直径Dn、キャビテーターの抵抗係数Cxと関わる。σ及びCxを変更することによりスーパーキャビテーションの寸法を制御することができる。スーパーキャビテーションに空気を供給して、スーパーキャビテーション内の通気圧力Pcを増加させることにより、キャビテーション数σを減少させる。キャビテーション数σは、通気流量と関係があり、人工通気方法でσ値を減少させるには、到達可能な最小キャビテーション数σminという限界値がある。通気スーパーキャビテーションでσの変化には、所定の範囲があり、物体の運動速度が小さい(10m/s~100m/s)場合には、通気方法でスーパーキャビテーションの寸法を制御するのが効果的であるが、速度Uが100m/sよりも遥かに大きい場合には、人工通気が無意味となる。したがって、人工通気方法を利用してキャビテーション能力を高める方法は、低速艦船のみに適しているが、中高速の艦船に適していない。艦船の航走速度が増加するにつれて、摩擦抵抗が徐々に低下し、造波抵抗が徐々に増加するので、船底に気泡を注入することは、造波抵抗にほとんど影響を与えない。
バルバスバウは、主に造波抵抗を低減するもので、大型船舶に一般的に使用されているが、バルバスバウで向上できる性能は限られている。
本発明の目的は、中高速の艦船、特に航走速度が20~45ノット以上の中大型の艦船に適用可能な、艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する方法及び装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の技術的手段を採用する。
本発明の艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する方法は、艦船の底部の先端又は/及び船首の前側又は/及び艦船の両側の水域に、気泡を含有する気水混合物を注入する方法である。
前記気水混合物中の前記空気の体積比率が、10%~60%である。
艦船の一側の前方又は/及び艦船の他側の後方の水域に、前記気泡を含有する気水混合物を注入することにより、艦船の旋回やUターンを補助するか、又は、艦船の一側の水域に前記気泡を含有する気水混合物を注入することにより、艦船のこの側への並進を補助する。
本発明の気泡を含有する気水混合物を生成するための手段は、気液混合手段と制御手段とを備える。
気液混合手段は、入水口、吸気口及び出水口を有し、前記入水口と出水口との間に気液混合室を備えている。水が前記入水口を介して気液混合室内に入り、気体が前記吸気口を介して気液混合室内に入る。
制御手段は、前記気液混合手段と接続され、前記吸気口の吸気の際に、前記入水口を連続的に低速給水するか又は間欠的に給水を一時停止させるか又は高速給水と低速給水とで切り替えるように制御する。
気液混合室内に入った水と気体とは、混合されて前記気泡を含有する気水混合物を形成し、この気水混合物が出水口から排出される。
前記入水口の1回当たりの給水一時停止時間は、1~9秒であるか、又は、前記入水口から間欠的に低速給水する際の1回当たりの低速給水時間は、1~9秒である。
前記気液混合手段の入水口、吸気口及び出水口は、入水管、吸気管及び出水管にそれぞれ接続される。
前記気液混合手段は、入水口が前記入水管に接続されるか、又は、前記入水管及び吸気管に接続される可変周波数ポンプを少なくとも備えている。前記制御手段が前記可変周波数ポンプのインペラを連続的に低速回転するように制御することにより、入水口から連続的に低速給水するか、又は、前記制御手段が前記可変周波数ポンプのインペラを高速回転と低速回転とで切り替えるように制御することにより、入水口から間欠的に低速給水するか、又は、前記制御手段が前記可変周波数ポンプのインペラの回転を間欠的に一時停止させるように制御することにより、前記入水口からの給水を間欠的に一時停止する。
前記可変周波数ポンプが前記気液混合手段として設けられる。前記可変周波数ポンプの入水口は、三方弁を介して前記入水管及び吸気管に接続され、出水口が前記出水管に接続され、前記可変周波数ポンプのポンプ室が前記気液混合室を形成する。
前記気液混合手段は、前記可変周波数ポンプと、気液混合ポンプとを備える。前記可変周波数ポンプの入水口が前記入水管に連通する。前記気液混合ポンプは、入水口、吸気口及び出水口が設けられるポンプ本体を備える。前記可変周波数ポンプの出水口が前記気液混合ポンプの入水口に連通し、前記気液混合ポンプの吸気口が前記吸気管に接続され、気液混合ポンプの出水口が前記出水管に接続される。気液混合ポンプのポンプ室が前記気液混合室である。前記気液混合ポンプの動作時に、前記制御手段は、前記可変周波数ポンプの入水口を連続的に低速給水するか又は間欠的に給水を一時停止させるか又は高速給水と低速給水とで切り替えるように制御する。
前記気液混合手段は、前記可変周波数ポンプと、ベンチュリエジェクタとを備える。前記ベンチュリエジェクタ内には、連通しているベンチュリ管、吸入室、混合室及び拡散室が設けられている。前記吸入室には、入水口及び吸気口が設けられている。前記可変周波数ポンプの入水口は、前記入水管に接続され、前記可変周波数ポンプの出水口は、前記気液混合ポンプの入水口に連通している。前記気液混合ポンプの吸気口は、吸気管に接続されている。拡散室の出口は、前記出水管に接続されている。前記混合室は、前記気液混合室として設けられている。
前記気液混合手段は、可変周波数ポンプと、ベンチュリ管式エジェクタとを備えている。前記ベンチュリ管式エジェクタは、連通している吸入室、入液管、スロート管、拡散管及びテール管を備えている。前記吸入室には吸気口が設けられている。前記可変周波数ポンプの出水口は、前記入液管の入液口に接続されている。吸入室の吸気口は、前記吸気管に接続されている。前記テール管の出口は、前記出水管に接続されている。前記スロート管は、前記気液混合室として設けられている。
前記入水管、吸気管及び出水管には、電動バルブがそれぞれ設けられている。前記電動バルブは、制御手段に接続されている。前記制御手段は、前記電動バルブを制御することにより前記入水管、吸気管及び出水管の流量及び開閉を制御する。
本発明の艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する装置は、上述した気泡を含有する気水混合物を生成するための手段と、前記制御手段に接続されて前記制御手段に指令を送信する上位コンピュータとを備えている。前記制御手段は、前記指令に基づいて、前記気泡を含有する気水混合物を生成するための手段の入水口の給水及び吸気口の吸気を制御する。
前記艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する装置は、後方に開口する弧状バッフルをさらに備えている。前記バッフルは、前記船首の前側に間隔をおいて接続され、かつ、喫水線以下に位置する。注入された前記気泡を含有する気水混合物が前進して前記バッフルに当たった場合、バッフルによって阻止されて後方に流れる。前記弧状バッフルの表面には、ポリテトラフルオロエチレン層が設けられていることが好ましい。
前記出水管は、船体の外側に配置され、船体に対して固定されている。気泡を含有する気水混合物は、出水管の出水口から水域に直接注入される。前記出水管の出水口は、前記艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する装置の注入口として形成されるか、又は、前記船体に出水孔が開設される。前記出水管の出水口は、フランジなどを介して前記出水孔に連通している。前記船体における出水口は、前記艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する装置の注入口である。艦船の先端又は/及び艦船の両側には、複数の前記注入口が、喫水線以下に設けられる。
艦船の先端の前記注入口は、前向きに設けられ、両側の前記注入口は、後ろ向きに斜めに設けられる。
艦船の両側の前記注入口は、船体の中前部に設けられる。
前記吸気管が艦船に配置されて船体に対して固定され、気体が前記吸気管を介して気液混合室内に直接入ることにより、吸気管の吸気口が気体入口として形成されるか、又は、船体の喫水線以上の部位に吸気口が設けられ、前記吸気管が前記吸気口に連通され、船体における吸気口が気体入口であり、前記気体入口が喫水線以上に設けられる。
前記入水管は、船体の外側に配置され、船体に対して固定されている。水が入水管の入水口から直接入ることにより、前記入水管の入水口は、液体入口として形成される。又は、前記船体に入水孔が開設され、前記入水管の入水口がフランジなどを介して前記入水孔に連通し、前記船体における入水口が、液体入口となる。
前記液体入口は、前記注入口の下側に設けられる。
前記液体入口は、艦船の前部に設けられる。
本発明は、従来の技術的手段とは異なる技術開発手段を採用し、中高速の船舶、艦艇の性能向上、これらの船舶、艦艇の造波抵抗の低減を図る。
本発明の有益な技術的効果は、以下のとおりである。
1、気泡を含有する気水混合物を艦船の先端、両側の水域に注入することにより、当該水域の海水(河川水)の密度を低下させて、艦船の当該部位における造波抵抗、一部の摩擦抵抗及び造渦抵抗を低下させる。また、艦船の先端の水域に気水混合物を注入することにより、先端の水域による艦船の前進抵抗を低減させる。これにより、同等の燃料消費量で艦船の航走速度を向上させるか、又は同等の航走速度で燃料消費量を低下させることができる。
2、艦船の一側の前方又は/及び艦船の他側の後方の水域に、前記気泡を含有する気水混合物を注入することにより、艦船の旋回やUターンを補助するか、又は、艦船の一側の水域に前記気泡を含有する気水混合物を注入することにより、艦船のこの側への並進を補助する。これにより、艦船の機動性を向上させることができる。
3、本発明に係る気泡を含有する気水混合物を生成するための手段は、空気と水とが気液混合室で混合されて気水混合物を形成し、前記入水口を連続的に低速給水するか又は間欠的に低速給水するか又は間欠的に給水を一時停止させるように制御する。これにより、気液混合室内の空気含有量は、大きく増加する。本発明の気泡を含有する気水混合物を生成するための手段により生成される気水混合物は、中に大量の気泡を含有し、空気含有量が高い。本発明の気泡を含有する気水混合物を生成するための手段により生成される気水混合物を、水域に注入することで、水域の水密度を大きく低下させ、艦船の航走速度を大幅に向上させ、燃料消費量を大きく低下させ、艦船の機動性を大きく向上させることができる。
4、艦船における上位コンピュータは、艦船の実際の必要に応じて制御手段に指令を送信する。制御手段は、これらの指令に基づいて入水管、吸気管及び出水管の各電動バルブ又は/及び可変周波数ポンプのインペラの回転速度を制御することにより、給水、吸気、出水の流量及び位置を制御する。前記気泡を含有する気水混合物の注入量、注入速度、注入位置を調整することにより、艦船の航走速度の高速調整、Uターン又は並進等の動作を実現して、艦船の性能を大きく向上させることができる。
以上により、本発明は、航走速度が20~45ノット以上の中大型の艦船に適用可能であり、これらの艦船の航走速度を大幅に向上させ、燃料消費量を大幅に低減させ、艦船の機動性を大幅に向上させることができる。また、艦船の性能を大きく向上させ、輸送コストや時間コストを削減し、省エネで環境にやさしく、中国の海上防衛力近代化を推進でき、国の発展ニーズに合致する。
本発明の位置の異なる水域に気水混合物を注入することを示す図(注入口が設けられる艦船の前半部のみが図示される)である。 本発明の位置の異なる水域に気水混合物を注入することを示す図(注入口が設けられる艦船の前半部のみが図示される)である。 本発明の位置の異なる水域に気水混合物を注入することを示す図(注入口が設けられる艦船の前半部のみが図示される)である。 本発明の艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する装置の模式的なブロック図である。 本発明の気泡を含有する気水混合物を生成するための手段の模式図である。 本発明の気泡を含有する気水混合物を生成するための手段のベンチュリエジェクタの模式図である。 本発明の気泡を含有する気水混合物を生成するための手段のベンチュリ管式エジェクタの模式図である。 本発明の気泡を含有する気水混合物を生成するための手段の出水管の一実施例の模式図である。 本発明の気泡を含有する気水混合物を生成するための手段の出水管の他の実施例の模式図である。 艦船が水面を航走することを示す図である。 注入口の拡大模式図である。
図1、図2、図3に示すように、本発明の艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する方法は、艦船Aの先端又は/及び艦船の両側の水域に気泡を含有する気水混合物を注入する(図における矢印は注入方向を示す)。
前記気水混合物中の前記空気の体積比率は、10%~60%であり、好ましくは40%である。
艦船の両側の水域に気泡を含有する気水混合物を注入する場合には、なるべく船体の中前部の水域のみに気泡を含有する気水混合物を注入することが好ましい。つまり、気泡が破裂して船尾のプロペラなどを破損することを防止するために、注入位置が船体の中部を越えてはならない。タグボートなどの特別な船舶は、船体の中後部の水域に気水混合物を注入することができる。
船型、船長、航走速度などは造波抵抗に影響を与える重要な要素である。所定の船型に関しては、その造波抵抗が航走速度の6乗に比例し、流体密度に比例する。流体力学における抵抗の計算式は、
X=CxqSである。
[式中、Xは抵抗(抵抗は流体の流れ方向と同じであり、後ろを正方向とする)であり、Cxは抵抗係数であり、qは動圧であり、q=ρv*v/2(ρは空気密度であり、vは物体に対する気流の流速である)であり、Sは基準面積である。]
艦船の航行時における摩擦抵抗、造波抵抗、造渦抵抗などは、低速時には主に摩擦抵抗である。高速時には造波抵抗が50%を超え、造波抵抗は、航走速度の6乗に比例し、水密度に比例し、同等の条件下で水密度を低下させる。これにより、艦船の航走速度を大きく向上させることができるか、又は同等の速度である場合に、造波抵抗により相殺される運動エネルギーを反比例して低減することにより、燃料消費量を低減することができる。
艦船が前進航走する場合に、図1に示すように、艦船の先端及び艦船の両側の水域に、気泡を含有する気水混合物を注入する。艦船の先端の水域に注入される気水混合物は、艦船の前進方向の水域を乱すだけではなく、艦船の前進方向の水域の水密度を低下させて、艦船の前進方向における抵抗を低減することができる。さらに、艦船の前進時に、艦船の両側の水域に注入される気水混合物中の気泡が、艦船の両側から破裂して逃げ、気水混合物の密度及び気泡の密度が単純な水よりも低いため、艦船の前方及び両側に密度が海水(河川水)よりも遥かに低い低密度水域空間が形成される。これにより、艦船の造波抵抗、一部の摩擦抵抗及び造渦抵抗を大きく低減して、同等の燃料消費量で、艦船の航走速度を大きく向上させ、同等の航走速度を維持する場合に、燃料消費量を大きく低下させる。
艦船がUターンしようとする場合に、艦船の一側の前方及び艦船の他側の後方の水域に前記気泡を含有する気水混合物を注入することができる。艦船が左側にUターンすることを例に、図2に示す。艦船の左側の前方の水域、及び、右側の後方の水域に前記気泡を含有する気水混合物を注入する。これにより、艦船の左側の前方の水域の水密度が右側の前方の水域の水密度よりも低く、艦船の右側の後方の水域の水密度が左側の後方の水域の水密度よりも低くなるため、艦船の左側の前方の造波抵抗、一部の摩擦抵抗及び造渦抵抗が、艦船の右側の前方よりも低く、艦船の右側の後方の造波抵抗、一部の摩擦抵抗及び造渦抵抗が、艦船の左側の後方よりも低くなる。よって、大量の燃料を消費することなく、艦船が容易に素早く左側から後方へUターンすることができる。
艦船の前進方向を調整しようとする場合に、例えば、左側へ所定の方向で偏移する場合に、艦船の左側の前方の水域に前記気泡を含有する気水混合物を注入する。これにより、艦船の左側の前方の水域の水密度が他の水域よりも低く、艦船の左側の前方の造波抵抗、一部の摩擦抵抗及び造渦抵抗が他の位置よりも低くなるので、艦船が容易に左側へ偏移することができる。また、艦船の右側の後方の水域に前記気泡を含有する気水混合物を注入することにより、艦船の右側の後方の水域の水密度が他の水域よりも低く、艦船の右側の後方の造波抵抗、一部の摩擦抵抗及び造渦抵抗が他の位置よりも低いので、艦船の後側が、容易に右側へ偏移することができる。したがって、大量の燃料を消費することなく、艦船の前側が容易に素早く右側へ偏移することができる。
艦船が並進しようとする場合に、艦船の一側の水域に前記気泡を含有する気水混合物を注入することにより、艦船のこの側への並進を補助することができる。艦船が右側に並進する例を、図3に示す。艦船の右側の水域に、気泡を含有する気水混合物を注入することにより、艦船の右側の水域の水密度が左側よりも低くなり、艦船の右側の後方の水域の水密度が左側よりも低くなるので、大量の燃料を消費することなく、艦船が容易に素早く右側へ並進することができる。
好ましくは、前記気泡を含有する気水混合物中における気泡の直径をn(1≦n≦50)ミリメートルとする。気泡の直径が1ミリメートル未満である場合、気泡の水中に滞留する時間が長くなり、船舶の航跡が容易に視認される。一方、気泡の直径が50ミリメートルよりも大きい場合、気泡の逃げ速度が速く、船体と水との摩擦抵抗を低減するのに不利である。
図4に示すように、本発明の前記気泡を含有する気水混合物を生成するための手段は、気液混合手段1と制御手段2とを備える。
気液混合手段1には、入水口、吸気口及び出水口が設けられ、前記入水口と出水口との間に気液混合室が設けられている。水が前記入水口を介して気液混合室内に入り、空気が前記吸気口を介して気液混合室内に入る。
制御手段2は、前記気液混合手段と接続され、前記吸気管の吸気の際に、前記入水口を連続的に低速給水するか、又は、間欠的に給水を一時停止させるか又は高速給水と低速給水とで切り替えるように制御する。
気液混合室内に入った水と空気とは、混合されて前記気泡を含有する気水混合物を形成し、この気水混合物が出水口から排出される(図4における矢印方向は対応する空気、水、気水混合物の流れ方向を示す)。
具体的には、入水口から連続的に高速給水することに比べて、制御手段2が、入水口を連続的に低速給水するように制御する場合、より多くの空気が水とともに入水口から気液混合室内に入る。よって、生成される気水混合物中の、空気の含有量が高くなり、気泡の数が多くなる。
制御手段2が、間欠的に給水を一時停止させるように入水口を制御する際、前記制御手段の制御下で、前記入水口と吸気口とは以下のモードで動作する。
入水口から給水するとともに、吸気口から吸気し、
吸気口から引き続き吸気し、入水口からの給水を停止し、
入水口から給水するとともに、吸気口から吸気する。
入水口から給水するとともに吸気口から吸気する場合、水及び空気がそれぞれ入水管及び吸気管を介して気液混合室内に入る。この際に、水と空気との比率が変わらず、吸気口から引き続き吸気し、入水口からの給水が停止すると、水が気液混合室内に入らず、空気のみが気液混合室内に入り、空気比率が著しく向上する。入水口から再び給水するとともに、吸気口から吸気すると、水と空気とが再び所定の比率に従ってそれぞれ入水口及び吸気口を介して気液混合室内に一緒に入り、気液混合室内の空気、水と十分に撹拌混合され、気泡を有する気水混合物を形成する。元の気液混合室内の空気比率が高いため、全体として、空気比率が著しく高く、空気と水とが撹拌混合されて生成される気水混合物中の空気の含有量が高くなり、気泡が多い。したがって、間欠的に給水を一時停止させるように入水口を制御することにより、生成される気水混合物中の空気比率が常に高くて、常に大量の気泡を含有する。該気水混合物は、水域に注入された後、この水域の水密度を大きく低下させ、この水域における造波抵抗、摩擦抵抗及び造渦抵抗を大きく低減することができる。
好ましくは、前記給水一時停止時間は、1~9秒である。この時間を設定することにより、入水口からの給水を一時停止させる際に、気液混合室内に入る空気が少なすぎて空気含有量の要件を満たすことができないことや、空気が多すぎて水と十分に混合できないことを防止できる。
前後2回の給水一時停止の間の給水時間を、1~9秒に設定することも好ましい。
制御手段2が入水口を高速給水と低速給水とで切り替えるように制御する場合、前記制御手段の制御下で、前記入水口と吸気口とは、以下のモードで動作する。すなわり、高速給水-低速給水-高速給水-低速給水である。
入水口から高速給水する場合に、入水口を介して水ととともに気液混合室内に入る空気は相対的に少なく、大部分の空気が吸気口を介して入る。入水口から低速給水するように切り替えられた場合、入水口を介して水とともに気液混合室内に入る空気が相対的に多く、吸気口を介して入る空気もあり、これにより気液混合室内の空気の合計含有量が相対的に高くなる。したがって、高速給水と低速給水とで切り替えることにより、生成される気水混合物中に、空気含有量が高く、気泡の数が多くなる。
好ましくは、1回当たりの低速給水時間は、1~9秒である。
前記気液混合手段の入水口、吸気口及び出水口は、入水管3、吸気管4及び出水管5にそれぞれ接続される。前記気液混合手段は、入水口が前記入水管に接続されるか、又は、前記入水管及び吸気管に接続される可変周波数ポンプ(図示せず)を少なくとも備える。前記制御手段は、前記可変周波数ポンプのインペラを連続的に低速回転するように制御することにより、入水口から連続的に低速給水するか、又は、前記制御手段が前記可変周波数ポンプのインペラを高速回転と低速回転とで切り替えるように制御することにより、入水口から間欠的に低速給水する。又は、前記制御手段が前記可変周波数ポンプのインペラの回転を間欠的に一時停止させるように制御することにより、前記入水口からの給水を間欠的に一時停止する。
好ましくは、前記制御手段は、可変周波数ポンプのモータを制御することにより可変周波数ポンプのインペラの回転を制御する。具体的には、間欠的にモータの作動を一時停止させるように制御する場合、モータの出力軸に接続されるインペラの回転も間欠的に一時停止する。モータの出力軸を連続的に低速回転するように制御する場合、インペラも連続的に低速回転する。モータの出力軸を低速回転と高速回転とで切り替えるように制御する場合、前記インペラも低速回転と高速回転とで切り替わる。
本実施例において、前記可変周波数ポンプは、前記気液混合手段として設けられてもよい。前記可変周波数ポンプの出水口は、前記出水管に接続される。可変周波数ポンプの入水口は、三方弁を介して前記入水管及び吸気管に接続される。前記可変周波数ポンプのポンプ室は、前記気液混合室を形成する。
制御手段が、前記可変周波数ポンプのモータを、間欠的に作動を一時停止させるように制御する場合、モータの作動時に、水と空気とがそれぞれ入水管及び吸気管を介して可変周波数ポンプのポンプ室内に入り、インペラの高速回転で、空気と水とが十分に撹拌混合されて前記気泡を含有する気水混合物を形成する。モータの作動が1~9秒一時停止する場合、水がポンプ室内に入らず、相対的に多くの空気が吸気管を介して可変周波数ポンプのポンプ室に入り、モータが再び作動する場合に、水と空気とが再びポンプ室内に同時に入り、ポンプ室内の既存の水、大量の空気と混合されて、前記大量の所定径の気泡を含有する気水混合物を形成する。該気泡を含有する気水混合物は、可変周波数ポンプの出水口、出水管から排出され、最後に艦船の先端又は/及び艦船の両側の水域に注入される。
前記可変周波数ポンプは、ポンプ本体と、ポンプ本体内に設けられるインペラと、出力軸がインペラに接続されるモータとを備える周知の製品である。これらの技術が周知技術であるため、ここでは詳しい説明を省略する。
前記制御手段としては、周波数変換器(例えば、FR-A740シリーズの汎用型ベクトル周波数変換器、HJV700-T3-015周波数変換器など)を用いてもよい。周波数変換器は、可変周波数ポンプの動作を制御する。可変周波数ポンプによって高速回転と低速回転とに関する設定が異なるため、異なる可変周波数ポンプを選択する場合に、低速回転時の回転速度及び高速回転時の回転速度の設定は、選択した可変周波数ポンプの自体の定義に従って設定する。
他の実施例において、前記気液混合手段は、前記可変周波数ポンプと、気液混合ポンプ6(図5に示すように)とを備えてもよい。前記可変周波数ポンプの入水口は、前記入水管に連通する。前記気液混合ポンプ6は、入水口62、吸気口及び出水口63が設けられるポンプ本体61を備える。前記可変周波数ポンプの出水口は、前記気液混合ポンプの入水口に連通している。前記気液混合ポンプの吸気口は、前記吸気管に接続され、気液混合ポンプの出水口は、前記出水管に接続される。前記気液混合ポンプの動作時に、前記制御手段は、前記可変周波数ポンプの入水口を連続的に低速給水するか、又は、間欠的に給水を一時停止させるか、又は、高速給水と低速給水とで切り替えるように制御する。
つまり、エネルギーが供給された後、気液混合ポンプが正常に動作し、周波数変換器が可変周波数ポンプの動作を制御すればよい。
気液混合ポンプ6のポンプ室内には、モータにより駆動されるインペラが偏心して設けられている。インペラには、遠心式ブレード64が設けられる。可変周波数ポンプ及び気液混合ポンプのモータは、両方とも回転する場合に、水は入水管を介して可変周波数ポンプ内に入ってから可変周波数ポンプの出水口から気液混合ポンプのポンプ室内に入り、空気は気液混合ポンプの吸気口を介して気液混合ポンプのポンプ室内に入る。この際、気液混合ポンプ内の空気と水との比率は、一定に維持される。気液混合ポンプのインペラが回転すると、遠心力の作用でポンプ室内の水がポンプ室の壁部に密着して回転する水の環状体を形成し、水の環状体とインペラとの間に三日月形空間が形成され、インペラのブレードがこの空間を複数の小室に分割する。回転方向に沿って、ポンプ室の軸線の一側の小室の容積が次第に大きくなり、他側の小室の容積が次第に小さくなるので、空気と水とがポンプ室内で十分に混合されて所定量の気泡を有する気水混合物を形成する。インペラの回転時に、ブレードが遠心力の作用で前記気水混合物を出水口に絶え間なく押す。制御手段の制御下で、可変周波数ポンプのモータが作動を一時停止し、気液混合ポンプのモータが引続き作動することにより、水が気液混合ポンプのポンプ室内に入ることができず、空気が吸気管を介して気液混合ポンプのポンプ室内に入る。このため、可変周波数ポンプのモータが作動を一時停止する間に、気液混合ポンプのポンプ室内の空気含有量が著しく高くなり、この間に生成される気水混合物中の空気比率が著しく高くなり、気泡が著しく多くなる。制御手段の制御下で、可変周波数ポンプのモータが再び回転すると、水が気液混合ポンプのポンプ室内に入ることができ、空気も常に入るため、全体として、気液混合ポンプのポンプ室内の空気比率が可変周波数ポンプのモータの一時停止前よりも高くなる。したがって、生成される気水混合物内の空気含有量が比較的高く、気泡も比較的多い。
前記気液混合ポンプ6は周知の製品であるため、ここでは詳しい説明を省略する。
他の実施例において、前記気液混合手段は、前記可変周波数ポンプと、ベンチュリエジェクタ7とを備えてもよい。前記ベンチュリエジェクタ内には、ベンチュリ管71、吸入室72、混合室73及び拡散室74(図6に示すように)が設けられている。前記吸入室72には、入水口721及び吸気口722が設けられている。前記可変周波数ポンプの入水口は、前記入水管に接続されている。前記可変周波数ポンプの出水口は、前記気液混合ポンプの入水口に連通している。前記気液混合ポンプの吸気口は、吸気管に接続されている。拡散室の出口は、前記出水管に接続されている。前記混合室が前記気液混合室として設けられている。前記制御手段は、可変周波数ポンプのモータを間欠的に作動を一次停止させるように制御する。
前記制御手段の制御下で、可変周波数ポンプのモータが作動し、空気が吸気管から吸入室内に入り、海水(河川水)が可変周波数ポンプを介してベンチュリエジェクタに入り、ベンチュリ管を経て、ベンチュリ管のノズルから高速で吐出されて空気と合流して混合室内に入り、空気流が高速水噴流の圧力で大量の微小な気泡に分割されるとともに、混合室内で水と十分で、均一で、完全に撹拌混合されて所定の気泡を含有する気水混合物を形成する。気水混合物が拡散室を介して外部に排出される。制御手段が可変周波数ポンプのモータの作動を一時停止させるように制御すると、水はベンチュリエジェクタ内に入ることができず、空気は吸気管を介して吸入室内に連続的に入ってから混合室に入る。このため、ベンチュリ管内の空気含有量が著しく向上する。制御手段が可変周波数ポンプのモータを再び作動するように制御すると、水と空気とが再びベンチュリエジェクタ内に同時に入る。このとき、相対的には、混合室内の空気含有量が全体的に向上するため、このときに生成される気水混合物中に、空気含有量が著しく向上し、気泡が著しく増加する。
ベンチュリエジェクタの特性のため、気水混合物が混合室から出る際に受ける圧力が非常に大きいため、混合室に入ってから強力な噴流を形成して、出水管を介して海(河川)に注入することが好ましい。これにより、水域に注入される気水混合物内の気泡が依然として所定の割合や大きさを維持することを確保でき、気水混合物の低密度を確保し、該気水混合物が水域に注入された後、水域の水密度を低下させることを確保することができる。
前記ベンチュリエジェクタは、周知技術であり、その具体的な構造及び内部の各構造の接続もよく知られるため、ここでは詳しい説明を省略する。
このベンチュリエジェクタは、通常の動作状態において、即ち、可変周波数ポンプのモータが常に作動する場合、空気の転換率が25%以上であるが、可変周波数ポンプのモータを間欠的に一時停止させることにより、ベンチュリエジェクタ内に入る空気が多くなり、気水混合物中の空気含有量が高くなる。
さらに他の実施例において、前記気液混合手段は、可変周波数ポンプと、ベンチュリ管式エジェクタ8とを備えてもよい。前記ベンチュリ管式エジェクタは、連通している吸入室81、入液管82、スロート管83、拡散管84及びテール管85(図7に示すように)を備える。前記吸入室81には吸気口811が設けられている。前記可変周波数ポンプの出水口は、前記入液管82の入液口821に接続される。吸入室の吸気口は、吸気管に接続される。前記テール管85の出口は、前記出水管に接続される。前記スロート管83は、前記気液混合室として設けられる。
前記吸入室の内径は、大から小に変化し、前記スロート管83の内径は、吸入室の末端と一致している。前記拡散管84の内径は、小から大に変化し、前記テール管85の内径は、拡散管84の末端と一致している。即ち、前記ベンチュリ管式エジェクタ全体の内径の変化は、大-小-不変-大-不変であり、前記入液管82の内径が大から小に変化することにより、入った海水(河川水)を高速で吐出することができる。
同様に、前記可変周波数ポンプのモータの作動時に、前記海水(河川水)が可変周波数ポンプ、入液管82を介してベンチュリ管式エジェクタに入って高速で吐出され、強力な水流が空気とスロート管83内で十分に混合されて所定の気泡を有する気水混合物を形成する。該気水混合物は、拡散管84、出水管を介して排出される。制御手段が、前記可変周波数ポンプのモータの作動を一時停止させるように制御すると、水がスロート管83に入ることができず、空気しか入らないため、ベンチュリ管式エジェクタ内の空気含有量が大きく増加する。可変周波数ポンプのモータが再び作動すると、水と空気とが再びベンチュリ管式エジェクタ内に同時入り、このとき、相対的には、混合室内の空気含有量が全体的に向上する。このときに生成される気水混合物中の空気含有量が著しく向上し、気泡が著しく増加する。
ベンチュリ管式エジェクタの特性のため、水と空気とが十分に混合されて、空気の転換率が高く、間欠的に給水を一時停止させるように制御されるので、空気含有量が大きく増加し、吐出した気水混合物中の空気比率が大きく向上する。
前記ベンチュリ管式エジェクタは、周知技術であり、その構造もよく知られるため、ここでは詳しい説明を省略する。
前記可変周波数ポンプ、気液混合ポンプのモータは、任意の周知の方法により駆動することができる。
前記ベンチュリエジェクタ又はベンチュリ管式エジェクタの動作時に、前記周波数変換器が前記可変周波数ポンプの入水口を連続的に低速給水するか、又は、間欠的に給水を一時停止させるか、又は、高速給水と低速給水とで切り替えるように制御する。
好ましくは、前記入水管、吸気管及び出水管に電動バルブ9がそれぞれ設けられる。前記電動バルブ9は、制御手段に接続され、前記制御手段が前記電動バルブ9を制御することにより、前記入水管、吸気管及び出水管の流量を制御する。これらのバルブを直接閉じる場合、流量がゼロとなる。
前記周波数変換器は、PLC付きの周波数変換器を用いることにより、周波数変換器をよりよく制御するとともに、前記気液混合ポンプ、電動バルブの動作を制御できることが好ましい。
1万トン以上の大型船舶、巡洋艦、大型揚陸艇、航空母艦等は、高出力のターボファンエンジン又はターボシャフトエンジン又はガスタービンエンジンが必要となり、いずれもジェットエンジンである。このジェットエンジンの注入口とベンチュリエジェクタやベンチュリ管式エジェクタの吸気口とを連通することにより、ジェットエンジンの注入口で発生した高圧高温の気体が、気液混合室内に入り、室内の水と混合されて前記大量の気泡を含有する気水混合物を形成する。他の実施例において、燃焼後の排ガスをベンチュリエジェクタ又はベンチュリ管式エジェクタの吸気口に直接噴射することもできる。
原子力船舶は、原子力発電によって可変周波数ポンプ、気液混合ポンプのモータに電力を供給するか、又は発電機の伝動軸を前記可変周波数ポンプ、気液混合ポンプのインペラに直接接続し、即ち前記インペラを直接回転駆動するか、又は高温の気体をベンチュリ管内に直接供給することにより、入水口で気泡含有水を発生させることができる。他の実施例において、燃焼後の排ガスを船首や船側に直接噴射することもできる。
本発明の前記気泡を含有する気水混合物を生成するための手段は、艦船に配置されてもよいし、前記気液混合手段を艦船の両側の収容フロートに配置し、気液混合手段の吸気口に接続される吸気管の吸気端を、艦船の外側に沿って配置して喫水線以上に固定してもよい。
軍用艦船のバルバスバウにソナー装置が設けられるのが一般的であるので、機械的ノイズがソナー装置に影響を与えないように、本発明における機械的ノイズが発生する装置をバルバスバウから離れて設けて、これらの装置を艦船の他の関係装置に配管で接続するのが好ましい。
他の実施例において、プロペラとベンチュリエジェクタとの組み合わせであってもよい。プロペラが船体前部のポッドに位置し、プロペラが回転すると、水をベンチュリエジェクタ内に流入させる。空気は、ベンチュリエジェクタの吸気口を介してベンチュリエジェクタ内に入る。空気と水とがベンチュリエジェクタ内で混合されて大量の気泡を含有する気水混合物を形成する。
本発明の艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する装置は、上述した前記気泡を含有する気水混合物を生成するための手段と、前記制御手段に接続されて前記制御手段に指令を送信する上位コンピュータとを備える。前記制御手段は、前記指令に基づいて、入水口の給水を間欠的に一次停止させるように制御する。
前記上位コンピュータは、艦船自体が持っている産業用コンピュータであってもよいし、別設のPLC又はPLC機能付きの周波数変換器(例えば、VH3シリーズ、VB5シリーズ、VB5N、V5シリーズの周波数変換器など)であってもよい。また、別設の産業用コンピュータ(例えば、アドバンテック製IPC-610L/250W/784G2/I5-4590/4G/1T/DVD/KB/MS産業用コンピュータなど)であってもよい。艦艇は長年にわたって海上で悪天候に見舞われるため、関連電気製品が軍用グレードを用いることが好ましい。
本発明の艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する装置は、後方に開口する弧状バッフル12(図1、図2及び図3に示すように)をさらに備える。前記バッフル12は、前記船首の前側に間隔をおいて接続されて、喫水線13以下に位置する。注入された前記気泡を含有する気水混合物は、前進して前記バッフル12に当たる場合、バッフル12によって阻止されて後方に流れることにより、艦船の前方の遠い側に吐出されることなく、艦船の周囲の水域の水と完全に混合される。したがって、気水混合物の利用率を向上させ、気水混合物が注入される水域の水密度が常に低いことを確保する。これにより、常に造波抵抗、摩擦抵抗などを効果的に低減することを確保し、常に艦船の高い機動性、高い航走速度及び低い燃料消費量を確保することができる。
好ましくは、前記弧状バッフル12の表面にポリテトラフルオロエチレン層を設ける。前記ポリテトラフルオロエチレン層は、射出成形により前記バッフル12に成形されるか、又は、他の周知の方法により前記バッフル12の表面に塗布することができる。前記ポリテトラフルオロエチレン層を設けることにより、海洋生物のバッフル12への付着を防止することができる。このため、気水混合物への反射効果を確保できるだけではなく、艦船が港に戻った後、バッフル12を清掃する作業者を必要とせず、人力や物力を節約できる。前記弧状バッフル12は鉄鋼製であってもよい。
好ましくは、前記入水口、吸気口、入水管、出水管の内外面、前記気液混合手段の内壁、インペラに、ポリテトラフルオロエチレン層をそれぞれ設ける。つまり、海洋生物の付着を防止するために、水が流れる部位に該ポリテトラフルオロエチレン層が設けられる。
前記出水管5は、主管51と、一端が前記主管51に連通する複数の枝管52とを備え、前記主管51が気液混合手段の出水口に接続される。
前記出水管5は、船体の外側に配置されて船体に対して固定され、気泡を含有する気水混合物は、出水管の出水口から水域に直接注入される。前記出水管の出水口が注入口として形成されるか、又は、前記船体に出水孔が開設され、前記出水管の出水口がフランジなどを介して前記出水孔に連通し、前記船体における出水口が注入口となる。
本実施例において、好ましくは、各前記枝管52に電動バルブ9をそれぞれ設け、各注入口を独立して制御する(図8に示すように、図における矢印方向は気水混合物の流れ方向を示す)。これにより、制御がより正確になる。例えば、船舶が航走する際に、波が船舶に干渉して船舶を上下に揺動させ、船首が水面から離れることがある。一部の注入口も水面から離れるため、対応する電磁弁は、これらの注入口を閉じて水域に気水混合物を注入しないように制御することができる。他の喫水線以下の注入口は依然として注入動作を維持する。
他の実施例において、主管51に電動バルブ9を設けることにより、複数の注入口を統一して制御する(図9に示すように、図における矢印方向は気水混合物の流れ方向を示す)。
艦船の先端、艦船の両側に複数の前記注入口10(図1、図2及び図3における注入口10は、単に注入口の艦船に設けられる概略位置を示すことに過ぎず、理解を容易にするために、図10におけるBで示す点線部は、艦船の対応する位置に注入口が設けられることを示す)が設けられる。前記注入口10は、一列に設けられていてもよいし、上下に複数列離間して設けられていてもよい。前記注入口10の数は、艦船のトン数によって決定され、トン数の大きい艦船の注入口10の数はトン数の小さい艦船よりも多い。前記注入口10は、艦船の船体に設けられてもよいし、艦船のバルバスバウに設けられてもよい。
前記注入口10が喫水線13以下に設けられることにより、気泡が空中で破裂して機能できなくなることがなく、前記気水混合物中の気泡、空気がすべて水域に溶けることができる。
好ましくは、艦船の両側の注入口10を後ろ向きに斜めに設ける。これにより、気水混合物が吐出された場合に、船体と垂直ではなく、斜め後方の水域に注入され、該気水混合物が外側に流れることなくすべて艦船の航走経路の水域と混合され、気水混合物中の気泡が外側に漂うことなく艦船の航走方向の後方に逃げて破裂する。したがって、気泡及び気水混合物の利用率をさらに向上させ、気水混合物が注入される水域の水密度を常に低く確保することができ、即ち、常に造波抵抗を効果的に低減することができる。前記注入口10が後ろ向きに斜めに設けられるため、前記船体における注入口10、開孔が、後ろ向きに斜めに設けられ、吐出管が斜めに配置される。
艦船の先端の注入口10は、前向きに設けられる。
本実施例において、前記艦船の先端に設けられる注入口は、艦船の両側に設けられる注入口よりも小さくてもよい。艦船の先端の注入口から吐出される気水混合物は、主に艦船の先端の水流を拡散させるためのものなので、流量を相対的に小さくすることができる。
好ましくは、艦船の両側の前記注入口10を、船体の中前部に設ける。船体の中部から後方の位置には、注入口10が設けられないため、後方寄りの注入口10から吐出される気水混合物が艦船の後側のプロペラなどを破損することを防止することができる(図1、図2及び図3には、注入口が設けられる艦船の中前部のみが示され、艦船の後部に注入口が設けられていないため示されていない)。
さらに、艦船の両側の注入口は、船首舷弧の両側、即ち艦船の先端から船体の両側の水平部分までの弧状部分に設けられる。艦船が航走時に、主にこの部分により水をかき分ける。
本発明の前記気泡を含有する気水混合物を生成するための手段は、パワーによって1台以上設けられてもよいし、注入口毎に1台設けられてもよい。
図11に示すように、好ましくは、前記注入口10の中央に、孔径が1ミリメートル超のスクリーン11を接続する。このスクリーンの網目が気水混合物中の水を仕切ることにより、この位置で再び一部の気泡を生成することができる。このスクリーン11が注入口10の中央に接続され、スクリーン11と注入口の内壁との間に隙間12が形成される。該隙間12の存在により、注入口が閉塞されることを防止することができる。
好ましくは、前記スクリーンの表面にポリテトラフルオロエチレン層を塗布する。
好ましくは、前記液体入口にも前記スクリーンを設ける。これにより、入った水が仕切られて気泡を形成してから気液混合室内に入るため、生成される気水混合物中の空気含有量が高くなる。
他の実施例において(図示せず)、前記注入口の一側に、展開可能又は折り畳み可能な横方向ルーバーバッフル、及び、展開可能又は折り畳み可能な縦方向ルーバーバッフルが接続されてもよい。前記横方向ルーバーバッフルと縦方向ルーバーバッフルとをすべて開けた場合、前記注入口がマトリックス状出水口になり、これらのバッフルは水を仕切ることができる。必要に応じて、横方向ルーバーバッフルと縦方向ルーバーバッフルとの展開度合いを調整することにより、注入口のマトリックス状出水口の遮断面の大きさを調整する。
好ましくは、前記液体入口に前記横方向ルーバーバッフルと縦方向ルーバーバッフルとを設ける。
前記吸気管は、艦船に配置され、船体に対して固定される。気体が前記吸気管を介して気液混合室内に直接入ることにより、吸気管の吸気口が気体入口となる。又は、船体の喫水線以上の部位に、吸気口が設けられ、前記吸気管が前記吸気口に連通されてもよい。これにより、船体における吸気口が、気体入口として用いられ、前記気体入口が喫水線以上に設けられる。
本発明の艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する装置の吸気口が喫水線13以上に位置する。
前記入水管が、船体の外側に配置され、船体に対して固定される。水が入水管の入水口から直接入ることにより、前記入水管の入水口が本発明の艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する装置の入水口として用いられる。又は、前記船体に入水孔が開設され、前記入水管の入水口がフランジなどを介して前記入水孔に連通されてもよい。前記船体における入水口が、本発明の艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する装置の入水口となる。
他の実施例において、艦船は、従来の煙突を使用することなく、主機からの排ガスは、一部が艦船の水面下の部位に固定され、出口が吸気管の気体入口に連通される管路に排出されてもよい。これにより、主機からの排ガスが該管路を通過する際に海水によって冷却された後、気液混合室内の水と混合され、前記気泡を含有する気水混合物が前記注入口から水域に注入して水域密度を低下させる。したがって、廃棄物の再利用が可能となり、艦船の赤外線特徴及び検知される可能性が大幅に低減される。
好ましくは、本発明の艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する装置の入水口を前記注入口の下側に設ける。気泡を含有する気水混合物は、注入口から水域に注入する場合に、気泡が上方へ移動する。入水口が注入口の下側に設けられることにより、給水時に、気泡が吸い込まれることがなく、気水混合物の利用率を確保できる。
好ましくは、本発明の艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する装置の入水口を、艦船の前部に設ける。入水口からの給水時に、艦船の前方の水域に対して吸引力を形成し、艦船の両側から斜め後方に気水混合物を注入して推進力、即ち艦船を前進させる推進力を形成する。これにより、前方の吸引力と後方の推進力との組み合わせで、水密度を低下させる作用で、本発明の前記気泡を含有する気水混合物を生成するための手段の出力損失を相殺するとともに、艦船の性能を大幅に向上させることができる。
好ましくは、本発明の艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する装置の入水口を、艦船の前部の両側に設けらる。これにより、艦船の前進時に、両側に吸引力を形成するため、艦船がより速く前進する。
艦船における様々なセンサは、海水(河川水)の流速、温度、大気圧、風速、艦船の航走速度、航走方向などの検知されたデータを、上位コンピュータに送信する。産業用コンピュータは、これらのデータに基づいて、所要の気水混合物の注入量、注入速度、注入位置を判断し、指令を制御手段に送信する。制御手段は、指令に基づいて、入水管、吸気管及び出水管のそれぞれの電動バルブ9又は/及び可変周波数ポンプのモータを制御する。これにより、入水、吸気、出水の流量及び位置を制御し、前記気泡を含有する気水混合物の注入量、注入速度、注入位置を調整し、艦船の航走速度の調整、Uターン又は並進等の動作を実現する。例えば、艦船のすべての注入口10に対応する出水管の電動バルブ9をそれぞれ開くことにより、艦船の航走速度を大幅に向上させるか、又は同等の航走速度で燃料消費量を大幅に低下させることができる。又は、艦船の一側の前方又は/及び艦船の他側の後方の注入口10に対応する出水管の電動バルブ9のみを開き、これらの電動バルブ9の開度を調整し、他の注入口10に対応する出水管の電動バルブ9を閉じる。これにより、艦船の一側の前方又は/及び艦船の他側の後方の注入口10のみから水域に前記気泡を含有する気水混合物を注入し、艦船が素早く旋回やUターンすることができる。又は、艦船の一側の注入口10に対応する出水管の電動バルブ9のみを開いて、他の注入口10に対応する出水管の電動バルブ9を閉じる。これにより、艦船がこの側へ並進することができる。このように、艦船の性能を大幅に向上させる。
注入口10が艦船の先端及び中前部の両側に設けられる場合、前記艦船の他側の後方の水域に気水混合物を注入することは、艦船の両側に設けられる注入口10のうち後部の注入口10により海中(水中)に前記気水混合物を注入することを意味する。同様に、艦船の一側の水域に前記気水混合物を注入することは、艦船のこの側に設けられる注入口10により水域に前記気水混合物を注入することを意味する。
潜水艦が海面上を航走する場合、潜水艦の頭部は、上述した方法を用いて航走速度を向上させることもできる。潜水艦の水面下での航走速度を向上させるために用いられる関連装置及び方法は、他の研究課題となるため、本発明では詳述しない。
要約すると、本発明の方法及び装置は、航走速度が20~45ノット以上の中大型の艦船に適用される。所望により、艦船の先端又は/及び艦船の両側の水域に気泡を含有する気水混合物を注入する。これにより、船首の当該水域の海水(河川水)の密度を大きく低下させて、艦船の当該部位における造波抵抗、一部の摩擦抵抗及び造渦抵抗を低減させ、航走速度が速く、燃料消費量が低く、機動性が高いという目的を実現する。本発明の装置は、投資が少なく効率的である。したがって、本発明の方法及び装置を用いることにより、中国の船舶、艦艇の性能を向上させて、アメリカ、ヨーロッパ、日本の艦艇、船舶の性能指標に達することができる。軍用、民間用船舶、艦艇の省エネ、排出削減、性能向上の要件を満たし、艦艇、船舶の発展を推進し、経済効果が顕著である。さらに中国の海上防衛力近代化を推進でき、国の発展ニーズに合致する。
前記気液混合手段は、前記可変周波数ポンプと、ベンチュリエジェクタとを備える。前記ベンチュリエジェクタ内には、連通しているベンチュリ管、吸入室、混合室及び拡散室が設けられている。前記吸入室には、入水口及び吸気口が設けられている。前記可変周波数ポンプの入水口は、前記入水管に接続され、前記可変周波数ポンプの出水口は、前記吸入室の入水口に連通している。前記吸入室の吸気口は、吸気管に接続されている。拡散室の出口は、前記出水管に接続されている。前記混合室は、前記気液混合室として設けられている。
他の実施例において、前記気液混合手段は、前記可変周波数ポンプと、ベンチュリエジェクタ7とを備えてもよい。前記ベンチュリエジェクタ内には、ベンチュリ管71、吸入室72、混合室73及び拡散室74(図6に示すように)が設けられている。前記吸入室72には、入水口721及び吸気口722が設けられている。前記可変周波数ポンプの入水口は、前記入水管に接続されている。前記可変周波数ポンプの出水口は、前記吸入室72の入水口に連通している。前記吸入室72の吸気口は、吸気管に接続されている。拡散室の出口は、前記出水管に接続されている。前記混合室が前記気液混合室として設けられている。前記制御手段は、可変周波数ポンプのモータを間欠的に作動を一次停止させるように制御する。

Claims (15)

  1. 艦船の先端、又は/及び、艦船の両側の水域に、気泡を含有する気水混合物を注入し、前記気水混合物中の空気の体積比率が10%~60%であることを特徴とする艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する方法。
  2. 艦船の一側の前方、又は/及び、艦船の他側の後方の水域に、前記気泡を含有する気水混合物を注入することにより、艦船の旋回またはUターンを補助するか、又は、艦船の一側の水域に、前記気泡を含有する気水混合物を注入することにより、艦船のこの側への並進を補助することを特徴とする請求項1に記載の艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する方法。
  3. 入水口、吸気口及び出水口が設けられ、前記入水口と出水口との間に気液混合室が設けられ、水が前記入水口を介して気液混合室内に入り、気体が前記吸気口を介して気液混合室内に入る気液混合手段と、
    前記気液混合手段と接続され、前記吸気口の吸気の際に、前記入水口を連続的に低速給水するか、又は、間欠的に給水を一時停止させるか、又は、高速給水と低速給水とで切り替えるように制御する制御手段と、を備え、
    気液混合室内に入った水と気体とが混合されて、気泡を含有する気水混合物を形成し、この気水混合物が前記出水口から排出され、
    前記入水口の1回当たりの給水一時停止時間が、1~9秒であるか、又は、前記入水口から間欠的に低速給水する際の1回当たりの低速給水時間が、1~9秒であることを特徴とする気泡を含有する気水混合物を生成するための手段。
  4. 前記気液混合手段の前記入水口、吸気口及び出水口が、入水管、吸気管及び出水管にそれぞれ接続され、
    前記気液混合手段は、前記入水口が前記入水管に接続されるか、又は、前記入水管及び吸気管に接続される可変周波数ポンプを少なくとも備え、
    前記制御手段が、前記可変周波数ポンプのインペラを連続的に低速回転するように制御することにより、前記入水口から連続的に低速給水するか、又は、前記制御手段が前記可変周波数ポンプのインペラを高速回転と低速回転とで切り替えるように制御することにより、前記入水口から間欠的に低速給水するか、又は、前記制御手段が前記可変周波数ポンプのインペラの回転を間欠的に一時停止させるように制御することにより、前記入水口からの給水を間欠的に一時停止することを特徴とする請求項3に記載の気泡を含有する気水混合物を生成するための手段。
  5. 前記可変周波数ポンプが、前記気液混合手段として設けられ、
    前記可変周波数ポンプの前記入水口が、三方弁を介して前記入水管及び吸気管に接続され、前記出水口が前記出水管に接続され、前記可変周波数ポンプのポンプ室が、前記気液混合室を形成することを特徴とする請求項4に記載の気泡を含有する気水混合物を生成するための手段。
  6. 前記気液混合手段は、前記可変周波数ポンプと、気液混合ポンプとを備え、
    前記可変周波数ポンプの入水口が、前記入水管に連通し、
    前記気液混合ポンプは、入水口、吸気口及び出水口が設けられるポンプ本体を備え、
    前記可変周波数ポンプの出水口が、前記気液混合ポンプの入水口に連通し、
    前記気液混合ポンプの吸気口が、前記吸気管に接続され、
    前記気液混合ポンプの出水口が、前記出水管に接続され、
    前記気液混合ポンプのポンプ室が、前記気液混合室であり、
    前記気液混合ポンプの動作時に、前記制御手段は、前記可変周波数ポンプの入水口を連続的に低速給水するか、又は、間欠的に給水を一時停止させるか、又は、高速給水と低速給水とで切り替えるように制御することを特徴とする請求項4に記載の気泡を含有する気水混合物を生成するための手段。
  7. 前記気液混合手段は、前記可変周波数ポンプと、ベンチュリエジェクタとを備え、
    前記ベンチュリエジェクタ内には、連通しているベンチュリ管、吸入室、混合室及び拡散室が設けられ、
    前記吸入室に入水口及び吸気口が設けられ、
    前記可変周波数ポンプの入水口が、前記入水管に接続され、
    前記可変周波数ポンプの出水口が、前記気液混合ポンプの入水口に連通し、
    前記気液混合ポンプの吸気口が、吸気管に接続され、
    前記拡散室の出口が、前記出水管に接続され、
    前記混合室が、前記気液混合室として用いられることを特徴とする請求項4に記載の気泡を含有する気水混合物を生成するための手段。
  8. 前記気液混合手段は、可変周波数ポンプと、ベンチュリ管式エジェクタとを備え、
    前記ベンチュリ管式エジェクタは、連通している吸入室、入液管、スロート管、拡散管及びテール管を備え、
    前記吸入室に吸気口が設けられ、
    前記可変周波数ポンプの出水口が、前記入液管の入液口に接続され、
    前記吸入室の吸気口が、前記吸気管に接続され、
    前記テール管の出口が、前記出水管に接続され、
    前記スロート管が、前記気液混合室として用いられることを特徴とする請求項4に記載の気泡を含有する気水混合物を生成するための手段。
  9. 前記入水管、吸気管及び出水管に、電動バルブがそれぞれ設けられ、
    前記電動バルブが、制御手段に接続され、前記制御手段が、前記電動バルブを制御することにより、前記入水管、吸気管及び出水管の流量及び開閉を制御することを特徴とする請求項4~8のいずれか一項に記載の気泡を含有する気水混合物を生成するための手段。
  10. 請求項4~9のいずれか一項に記載の気泡を含有する気水混合物を生成するための手段と、前記制御手段に接続されて前記制御手段に指令を送信する上位コンピュータとを備え、
    前記制御手段は、前記指令に基づいて前記気泡を含有する気水混合物を生成するための手段の入水口の給水及び吸気口の吸気を制御することを特徴とする艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する装置。
  11. 後方に開口する弧状バッフルをさらに備え、
    前記バッフルは、船首の前側に間隔をおいて接続され、喫水線以下に位置し、
    注入された前記気泡を含有する気水混合物が、前進して前記バッフルに当たる場合、バッフルによって阻止されて後方に流れ、
    前記弧状バッフルの表面にポリテトラフルオロエチレン層が設けられていることを特徴とする請求項10に記載の艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する装置。
  12. 前記出水管が、船体の外側に配置されて船体に対して固定され、
    気泡を含有する気水混合物が、出水管の出水口から水域に直接注入され、前記出水管の出水口が注入口として用いられるか、又は、前記船体に出水孔が開設され、前記出水管の出水口がフランジなどを介して前記出水孔に連通し、前記船体における出水口が注入口として用いられ、艦船の先端又は/及び艦船の両側に複数の前記注入口が喫水線以下に設けられ、艦船の先端の前記注入口が前向きに設けられ、両側の前記注入口が後ろ向きに斜めに設けられ、艦船の両側の前記注入口が船体の中前部に設けられることを特徴とする請求項10又は11に記載の艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する装置。
  13. 前記入水管が、船体の外側に配置されて船体に対して固定され、水が入水管の入水口から直接入ることにより、前記入水管の入水口が液体入口として用いられるか、又は、前記船体に入水孔が開設され、前記入水管の入水口が前記入水孔に連通し、前記船体における入水口が液体入口であることを特徴とする請求項12に記載の艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する装置。
  14. 前記液体入口が、前記注入口の下側に設けられ、前記液体入口が艦船の前部に設けられることを特徴とする請求項13に記載の艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する装置。
  15. 前記吸気管が、艦船に配置されて船体に対して固定され、気体が前記吸気管を介して気液混合室内に直接入ることにより、吸気管の吸気口が気体入口として用いられるか、又は、船体の喫水線以上の部位に吸気口が設けられ、前記吸気管が前記吸気口に連通され、船体における吸気口が気体入口として用いられ、前記気体入口が喫水線以上に設けられることを特徴とする請求項10又は11又は13又は14に記載の艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する装置。
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