JPH09151913A - 船舶等の摩擦を低減する方法及び摩擦低減船 - Google Patents

船舶等の摩擦を低減する方法及び摩擦低減船

Info

Publication number
JPH09151913A
JPH09151913A JP7311355A JP31135595A JPH09151913A JP H09151913 A JPH09151913 A JP H09151913A JP 7311355 A JP7311355 A JP 7311355A JP 31135595 A JP31135595 A JP 31135595A JP H09151913 A JPH09151913 A JP H09151913A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
fluid
liquid
containing fluid
submerged surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP7311355A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoji Kato
洋治 加藤
Yoshiaki Takahashi
義明 高橋
Hideo Mitsutake
英生 光武
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Corp filed Critical IHI Corp
Priority to JP7311355A priority Critical patent/JPH09151913A/ja
Publication of JPH09151913A publication Critical patent/JPH09151913A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T70/00Maritime or waterways transport
    • Y02T70/10Measures concerning design or construction of watercraft hulls

Landscapes

  • Aeration Devices For Treatment Of Activated Polluted Sludge (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 船舶等の摩擦を低減する方法及び摩擦低減船
に係るもので、摩擦抵抗低減により船舶等の運行時のエ
ネルギ消費を少なくし、境界層に気泡を効率よく送り込
むとともに、気泡の持続性を高め、気泡混合率や気泡径
の調整,設定及び制御を容易にする。 【解決手段】 船体の没水表面からガス含有流体を噴出
するとともに、該ガス含有流体の噴出箇所の前方近傍か
ら液状流体を没水表面に沿って噴出して、ガス含有流体
を没水表面の近傍に形成される境界層中に送り込む技術
が採用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船舶等の摩擦を低
減する方法及び摩擦低減船に係り、特に、没水状態の船
体表面の境界層にガス含有流体を介在させて、摩擦抵抗
を減少させる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】船舶等の摩擦低減を図るために、船体の
表面に気泡または空気層を介在させる方法が提案されて
いる。気泡を水中に噴出させる技術として、(1)特開
昭50−83992号、(2)特開昭53−13628
9号、(3)特開昭60−139586号、(4)特開
昭61−71290号、(5)実開昭61−39691
号、(6)実開昭61−128185号が提案されてい
る。また、船底部のくぼみに空気層を形成する技術とし
て、(7)実開昭61−128184号が提案されてい
る。
【0003】そして、これらの技術では、気泡を噴出さ
せる方法として、空気ポンプで発生させた加圧空気を複
数の穴や多孔板から水中に噴出させるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、加圧空気のみ
を複数の穴から噴出する方法であると、微細な気泡を得
ることが困難で、気泡が浮力に基づく上昇力によって船
体から離れ易く、摩擦抵抗低減範囲が小さくなり、多孔
質板から微細な気泡を吹き出す技術では、多孔質板での
気泡吹き出し時における圧力損失に基づくエネルギ消費
が大きくなって、摩擦抵抗低減によるエネルギ節約より
も、気泡吹き出しのためのエネルギ消費の方が多くなっ
て、実用性が損われてしまう等の難点があり、前述した
(1)ないし(6)の技術は、いずれも実用化されてお
らず、そして、前述した(7)の技術では航走時に水の
搬送性に基づく空気の消費が大きくなると考えられ、こ
の技術も実用化に至っていないのが実情である。
【0005】本発明は、これらの事情に鑑みてなされた
もので、以下の目的を有するものである。 摩擦抵抗低減を行なって船舶等の運行時のエネルギ消
費を少なくすること。 境界層に気泡を効率よく送り込むこと。 境界層における気泡の持続性を高めること。 船舶等の運行状況に対応して、気泡混合率や気泡径の
調整,設定及び制御を容易に行なうこと。 摩擦抵抗の低減に使用するガスや液体の入手を容易に
し、その取り扱い性を向上させること。 摩擦低減に使用する機器の船体への搭載を容易にする
こと。
【0006】
【課題を解決するための手段】船舶等の摩擦を低減する
方法として、船体の没水表面からガス含有流体を噴出す
るとともに、該ガス含有流体の噴出箇所の前方近傍から
液状流体を没水表面に沿って噴出して、ガス含有流体を
没水表面の近傍に形成される境界層中に送り込む技術が
採用され、この際に、液状流体を、船体の没水表面に対
して離間する斜め後方に向けて噴出する技術、没水表面
と液状流体の噴出方向とのなす角度が、没水表面とガス
含有流体の噴出方向とのなす角度よりも小さく設定され
る技術、あるいはこれらの併合した技術が採用される。
ガス含有流体に含まれる気泡量は、体積比で50%以上
とすることが有効であり、液状流体の成分を水100%
とすることや、ガス含有流体をガス成分100%とする
ことや、ガス成分の全てを空気とする技術が適用され
る。これらの技術を実施するために、船体に搭載されガ
ス含有流体を供給するガス含有流体供給手段と、該ガス
含有流体供給手段に接続状態にかつ没水表面に配されガ
ス含有流体を水中に噴出するガス含有流体噴出口と、船
体に搭載され液状流体を供給する液状流体供給手段と、
没水表面のガス含有流体噴出口の前方近傍位置に配され
液状流体を没水表面に沿って噴出する液状流体噴出口と
を具備する技術が適用される。没水表面には、液状流体
を斜め後方に向けて噴出する液状流体噴出口とガス含有
流体を噴出するガス含有流体噴出口とが配されるととも
に、これらは、液状流体の噴出方向が、ガス含有流体の
噴出方向よりも没水表面に沿って後方に向くように設定
される。液状流体として、ガス成分が混入されているも
のも設定されるが、この場合にあっては、ガス含有流体
のガス成分が、液状流体のガス成分よりも多く設定され
る。そして、没水表面における摩擦低減対象範囲には、
対をなすガス含有流体噴出口及び液状流体噴出口が、複
数組配されるとともに、液状流体噴出口の設置幅は、ガ
ス含有流体噴出口の設置幅よりも大きくなるように設定
される。
【0007】ガス含有流体を没水表面のガス含有流体噴
出口から噴出させる場合、ガス成分を多く含んでいる
と、ガスの運動エネルギが小さいために、没水表面の回
りに形成される境界層への送り込み性が低下するが、液
状流体をガス含有流体噴出口の前方近傍の液状流体噴出
口から没水表面に沿って噴出させると、液状流体の運動
エネルギがガス含有流体よりも相対的に大きいために、
ガス含有流体が液状流体の流れの内側に取り込まれて境
界層中に送り込まれ、境界層中にガス成分が介在して、
没水表面の摩擦抵抗を低減する作用が生じる。液状流体
を、没水表面に沿わせる方向及び斜め後方に向けて噴出
するとともに、液状流体の噴出方向を、ガス含有流体の
噴出方向よりも角度を小さくすることにより、ガス成分
に基づく気泡が、外方あるいは上方に広がる現象の発生
を抑制して境界層内の所望の底層に送り込まれて境界層
内部での摩擦低減が図られる。かつ、主として液状流体
の後方への噴出により、液状流体の噴出方向と反対に船
体を推進させる駆動力が働く。ガス含有流体が、水等の
液体に空気等のガス成分を混入したものであると、前述
の液状流体の運動エネルギの利用に加えて、液体の質量
を利用して境界層への気泡の送り込みが容易になる。こ
の場合にあって、多量のガス成分を境界層に送り込むた
めに、ガス含有流体におけるガス成分が多く設定され
る。液体が水である場合には、船体の周囲の海水を汲み
上げることにより利用され、ガス成分が空気である場合
には、大気を吸引して加圧状態として利用される。摩擦
低減対象範囲にあって、ガス含有流体噴出口及び液状流
体噴出口を対をなすように組み合わせるとともに、複数
組を全域に配することにより、摩擦低減対象範囲全域で
の摩擦低減がなされる。液状流体の噴出幅を、ガス含有
流体の噴出幅よりも大きくすることにより、気泡の噴出
範囲を液状流体で覆って、気泡が境界層からはみ出す現
象の発生が抑制される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る船舶等の摩擦
を低減する方法及び摩擦低減船を、タンカーやコンテナ
船等の船舶に適用した一実施形態について、図面を参照
して説明する。
【0009】図1ないし図3において、符号Yは摩擦低
減船、1は船体、2は没水表面(船体表面)、Eは摩擦
低減対象範囲、3は加圧気体供給手段(加圧空気供給手
段)、4は液状流体供給手段(加圧水供給手段)、5は
ガス含有流体供給手段(気泡水混合流体生成手段)、6
はガス含有流体噴出口、7は液状流体噴出口、8は流体
制御手段、9は推進器、10は舵、11は空気取入れ
口、12は吸水口を示している。
【0010】前記摩擦低減船Yにおける船体1は、例え
ば図2に示すように、外殻1Aと内殻1Bとを有する二
重殻構造とされ、外殻1Aと内殻1Bとの間の中空部1
Cの複数箇所に、ガス含有流体供給手段(図3にあって
は、気泡水混合流体生成手段)5等が配される。なお、
図1及び図2に示すように、空気取入れ口11は、船体
1における甲板の前部に前方を臨んだ状態に配され、吸
水口12は、左右の没水表面2に前方を臨んだ状態に配
される。
【0011】前記没水表面2における摩擦低減対象範囲
Eには、図1及び図2に示すように、ガス含有流体噴出
口6と液状流体噴出口7とが対をなすように前後に組み
合わされて複数対配されるとともに、これらガス含有流
体噴出口6と液状流体噴出口7とは、それぞれ没水表面
2に対して離間する斜め後方に向けて近傍位置に配さ
れ、さらに、液状流体噴出口7による液状流体の噴出方
向と没水表面2とのなす角度αが、ガス含有流体噴出口
6によるガス含有流体の噴出方向と没水表面とのなす角
度βよりも小さく設定されることが望ましい。
【0012】また、液状流体噴出口7の設置幅(高さ方
向及び左右方向等の流線と直交する方向の開口寸法)
は、ガス含有流体噴出口6の設置幅よりも若干大きく設
定される。
【0013】前記加圧気体供給手段3にあっては、加圧
気体を供給するものであり、例えば空気取入れ口11か
ら大気(空気)を吸引して加圧するためのブロアを備え
るとともに、加圧空気をガス含有流体供給手段5に供給
するための加圧気体供給管31を具備している。加圧気
体供給管31は、空気取入れ口11から中空部1Cまで
布設されて、複数箇所のガス含有流体供給手段5に接続
され、途中に、給気量の調整を行なうための給気量制御
弁32と、給気量を計測するためのガス量計33とが配
される。なお、摩擦低減船Yから、ボイラーの燃焼ガス
や排出蒸気等が大量に得られる場合には、これらの燃焼
ガスや排出蒸気等が、加圧気体として、単独または空気
と混合した状態で利用される。
【0014】前記液状流体供給手段4にあっては、液状
流体を供給するものであり、例えば吸水口12に接続さ
れて海水(水)を吸引して吐出するためのポンプを備え
るとともに、海水(水)をガス含有流体供給手段5及び
液状流体噴出口7に供給するための液体供給管41A,
41Bを具備している。該液体供給管41A,41B
は、例えば摩擦低減対象範囲Eの中空部1Cに布設され
るもので、複数箇所のガス含有流体供給手段5に接続さ
れる液体供給管41Aの途中に、ガス含有流体供給手段
5への給液量の調整を行なうための給液量制御弁42A
と、給液量を計測するための液量計43Bとが配され、
液状流体噴出口7に接続される液体供給管41Bの途中
に、液状流体噴出口7への給液量の調整を行なうための
給液量制御弁42Bと、給液量を計測するための液量計
43Bと、液状流体を没水表面2に沿ってその裏面側で
配分するヘッダ44と、該ヘッダ44と液状流体噴出口
7とを接続する液状流体移送路45とが配される。
【0015】前記ガス含有流体供給手段5は、上流部
が、加圧気体供給手段3及び液状流体供給手段4に接続
され、下流部が、ガス含有流体噴出口6に接続とされ、
気体(例えば空気)及び液体(例えば水)を所望の比率
で混合して供給する機能を有するものが適用され、ガス
含有流体噴出口6に対して接続状態のガス含有流体移送
路51Aと、液状流体供給手段4における液状流体移送
路45の内部に対して接続状態のガス含有流体移送路5
1Bとを有している。気体及び液体を所望の比率で混合
する手段としては、ガス含有流体移送路51Aの中に気
体及び液体を吹き込む方法や、気体及び液体の一方を流
しておいて他方を細孔から吹き込む方法等により、微小
な気泡としたものが適用されるが、気体分(ガス分)
は、100%ないし50%程度の範囲で適宜調整され
る。
【0016】前記ガス含有流体噴出口6及び液状流体噴
出口7は、図1等に示すように、没水表面(没水状態の
船体表面)2における摩擦低減対象範囲(吹出し領域)
Eに、前述したように複数対をなすように配されるが、
いずれもスリット状または小孔状とされるとともに、図
3に示すように、没水表面2に対して角度α,βで後方
を向くように設定される。特に、角度βは、例えば20
度以下に設定される。なお、ガス含有流体噴出口6及び
液状流体噴出口7の前後方向のピッチP(図2参照)に
あっては、後述するように気泡を維持し得る距離を確保
するように設定され、上下及び左右方向(没水表面2を
流れる水の流線方向の直交方向)については、連続状態
または断続状態のいずれでもよく、つまり、気泡が摩擦
低減対象範囲Eの全面に介在するように設定される。
【0017】前記流体制御手段8にあっては、ガス量計
33及び液量計43A,43Bから各流量データがそれ
ぞれ伝送されるとともに、これら各流量データとガス含
有流体噴出口6及び液状流体噴出口7から噴出させる流
体のガス容量,液量及び気液混合率等の設定値とに基づ
いて、各流体の流量調整を行なうものであり、ガス含有
流体噴出口6から噴出されるガス含有流体にあっては、
例えばガス含有率が100%ないし50%の間、液状流
体噴出口7から噴出させる液状流体にあっては、液分が
ガス含有流体よりも相対的に大きく設定され、必要に応
じて液分100%に設定される。
【0018】以下、このように構成されている摩擦低減
船Yにおける摩擦低減状況について説明する。
【0019】摩擦低減船Yが、例えば巡航速度で航走し
ている状態では、船体1の没水表面2と海水との間に、
図3に示すようにな境界層Bが形成される。
【0020】この際に、加圧気体供給手段3,液状流体
供給手段4,ガス含有流体供給手段5及び流体制御手段
8を作動させて、没水表面2におけるガス含有流体噴出
口6から気泡分の多いガス含有流体を噴出させると、ガ
ス含有流体噴出口6の下流近傍に気泡Aが介在した状態
となる。ガス含有流体噴出口6から噴出させられるガス
含有流体が、気体(例えば空気)に対してはるかに質量
の大きい液体(例えば水)を伴っている場合には、液体
の大きな運動エネルギに基づいて、気泡Aが境界層Bの
底層に送り込まれ易くなるが、ガス含有流体が気体分1
00%である場合や液体分が著しく少ない場合には、ガ
ス含有流体噴出口6の出口近傍で停滞するとともに、大
きな気泡の塊りとなって、ガス含有流体噴出口6の後方
位置、つまり、摩擦低減を図ろうとしている位置への気
泡Aまたは空気層の送り込み性が悪くなり、海水中を浮
上して摩擦低減効果が損なわれると考えられる。
【0021】そこで、ガス含有流体噴出口6の前方近傍
の液状流体噴出口7から、液状流体を没水表面2に沿っ
て噴出させると、液状流体中の液体分の大きな運動エネ
ルギに基づいて、ガス含有流体噴出口6の出口近傍の気
泡Aまたは気体の塊りが、液状流体によって切断され
て、液状流体に同伴した状態となって、境界層Bの底層
に送り込まれ易くなる。
【0022】図3に示すように、ガス含有流体中の気泡
Aが、矢印Rで示す液状流体の流れの内側に取り込まれ
ると、境界層Bの内部(底層)にガス成分が介在すると
ともに、没水表面2の近傍に多数の気泡Aあるいは気体
層が形成されるため、没水表面2の摩擦抵抗を低減する
ことになる。
【0023】図3に矢印で示す液状流体の方向が、後方
あるいは斜め後方であると、前述の気泡Aを没水表面2
の近傍(境界層Bの底層)に送り込むことに加えて、液
状流体の噴出にともなって液状流体の噴出方向の後方分
力方向Rと反対に、船体1を前進させる推進力としても
働く。
【0024】したがって、ガス含有流体にあっても、若
干の水等の液体を混入することにより、液体分の質量を
利用した境界層Bへの送り込み性の向上と、後方への噴
出に基づく駆動力発生とが期待される。なお、ガス成分
が空気である場合には、空気取入れ口11から大気を吸
気して加圧気体供給手段3により加圧した状態で、ガス
含有流体供給手段5に配分され、液体分が水である場合
には、船体1の周囲の海水を汲み上げることにより供給
される。
【0025】図3に示す例では、液状流体供給手段4か
ら、海水が液体供給管41Aを経由してガス含有流体供
給手段5に送り込まれるため、ガス含有流体供給手段5
において気泡水混合流体を所望の気液混合比で生成し、
また、ガス含有流体供給手段5で発生させた気泡水混合
流体が、ガス含有流体移送路51Bを経由して液状流体
移送路45に送り込まれるため、ガス含有流体噴出口6
及び液状流体噴出口7の両方から気泡水混合流体を噴出
させることができ、ガス含有流体及び液状流体における
ガス分及び液体分をそれぞれ目的に応じて設定すること
ができる。
【0026】摩擦低減対象範囲Eにおける摩擦低減効果
は、対をなすガス含有流体噴出口6及び液状流体噴出口
7により没水表面2に沿って噴出させた気泡Aが、没水
表面2の近傍(境界層Bの底層)にどれだけ長い距離介
在しているかどうかによって決定される。通常の場合
は、摩擦低減船Yの巡航速度Vを基準にして、図1及び
図2に示すように、ガス含有流体噴出口6及び液状流体
噴出口7を対にしたものを、船体1の前後方向に間隔を
空けて複数組配しておき、流体制御手段8によって摩擦
低減に最適な液体量,気体量,混合比が設定され、気泡
Aが摩擦低減対象範囲Eの全域に介在するように運用さ
れる。
【0027】また、液状流体の噴出幅とガス含有流体の
噴出幅との関係について説明すると、液状流体の噴出幅
を大きく設定することが望ましい。即ち、ガス含有流体
の噴出範囲を液状流体ですべて覆って、液状流体の流れ
の内側に気泡A介在させるように設定される。
【0028】〔他の実施形態〕本発明にあっては、以下
の技術を包含するものである。 a)ガス含有流体噴出口6から噴出させるガス含有流体
が、気体分100%であること。 b)ガス含有流体が、気体分と液体分との混合流体であ
り、ガス含有流体に含まれる気体分(気泡量)が、体積
比で50%以上であること。 c)液状流体噴出口7から噴出させる液状流体が、液分
100%であること。 d)液状流体が、水100%であること。 e)ガス含有流体及び液状流体の双方に、気体分が含有
している場合、ガス含有流体の気体分が、液状流体の気
体分よりも大きくなるように設定すること。 f)気体分が、摩擦低減船Yから排出される任意のガス
分や生成ガス分とされるとともに、空気を必要に応じて
混入したものであること。 g)気体分が、空気100%であること。 h)液状流体が、摩擦低減船Yから排出される任意の液
分や生成液分とされるとともに、水を必要に応じて混入
したものであること。 i)流体制御手段8において、ガス含有流体噴出口6及
び液状流体噴出口7から噴出させるガス含有流体及び液
状流体の量及び比率を、摩擦低減船Yの航走速度,環境
温度に基づいて調整すること。 j)流体制御手段8において、ガス含有流体噴出口6及
び液状流体噴出口7から噴出させるガス含有流体及び液
状流体の気体分と液体分との量及び比率を、摩擦低減船
Yの航走速度,環境温度に基づいて、調整しながら適宜
設定すること。
【0029】
【発明の効果】本発明に係る船舶等の摩擦を低減する方
法及び摩擦低減船にあっては、以下の効果を奏する。 (1) 没水表面からガス含有流体と液状流体とを噴出
して、ガス含有流体を没水表面の近傍に形成される境界
層中に送り込むことにより、摩擦抵抗低減を行なって船
舶等の運行時のエネルギ消費を少なくすることができ
る。 (2) 質量の大きい液体の運動エネルギを利用して、
気泡を駆動することにより、気泡を境界層の所望の底層
に送り込み、摩擦低減を効果的に効率よく行なうことが
できる。 (3) ガス含有流体を液状流体で覆うようにすること
により、境界層における気泡の持続性を高め、摩擦低減
効果を高めることができる。 (4) ガス含有流体及び液状流体を分けた状態で生成
及び制御することにより、船舶等の運行状況に対応し
て、気泡混合率や気泡径の調整及び噴出量等を設定する
ことができる。 (5) ガス含有流体及び液状流体を分けた状態で管理
することにより、取り扱い性を向上させることができ
る。 (6) ガス含有流体及び液状流体を空気や海水で生成
することにより、ガスや液体の生成を容易にするととも
に、摩擦抵抗の低減時の実用性を向上させることができ
る。 (7)ガス含有流体及び液状流体を個別に生成して組み
合わせるものであるために、船舶における航走時の摩擦
抵抗低減策の検討等を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る船舶等の摩擦を低減する方法を船
舶に適用した一実施形態を示す一部を省略した正面図で
ある。
【図2】本発明に係る船舶等の摩擦を低減する方法を船
舶に適用した一実施形態を示す一部を省略した平面図で
ある。
【図3】本発明に係る船舶等の摩擦を低減する方法を船
舶に適用した一実施形態を示す結線図を併記した一部断
面状態の正面図である。
【符号の説明】
Y 摩擦低減船 E 摩擦低減対象範囲(吹出し領域) B 境界層 A 気泡 1 船体 1A 外殻 1B 内殻 1C 中空部 2 没水表面(船体表面) 3 加圧気体供給手段(加圧空気供給手段) 4 液状流体供給手段(加圧水供給手段) 5 ガス含有流体供給手段(気泡水混合流体生成手段) 6 ガス含有流体噴出口 7 液状流体噴出口 8 流体制御手段 9 推進器 10 舵 11 空気取入れ口 12 吸水口 31 加圧気体供給管 32 給気量制御弁 33 ガス量計 41A,41B 液体供給管 42A,42B 給液量制御弁 43A,43B 液量計 44 ヘッダ 45 液状流体移送路 51A,51B ガス含有流体移送路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 光武 英生 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社技術研究所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船体(1)の没水表面(2)からガス含
    有流体を噴出するとともに、該ガス含有流体の噴出箇所
    の前方近傍から液状流体を没水表面に沿って噴出して、
    ガス含有流体を没水表面の近傍に形成される境界層
    (B)中に、送り込むことを特徴とする船舶等の摩擦を
    低減する方法。
  2. 【請求項2】 液状流体を、船体(1)の没水表面
    (2)に対して離間する斜め後方に向けて噴出すること
    を特徴とする請求項1記載の船舶等の摩擦を低減する方
    法。
  3. 【請求項3】 没水表面(2)と液状流体の噴出方向と
    のなす角度(α)が、没水表面とガス含有流体の噴出方
    向とのなす角度(β)よりも小さく設定されることを特
    徴とする請求項2記載の船舶等の摩擦を低減する方法。
  4. 【請求項4】 ガス含有流体に含まれる気泡量が、体積
    比で50%以上であることを特徴とする請求項1、2ま
    たは3記載の船舶等の摩擦を低減する方法。
  5. 【請求項5】 液状流体の成分が、水100%であるこ
    とを特徴とする請求項1、2、3または4記載の船舶等
    の摩擦を低減する方法。
  6. 【請求項6】 船体(1)に搭載されガス含有流体を供
    給するガス含有流体供給手段(5)と、該ガス含有流体
    供給手段に接続状態にかつ没水表面(2)に配されガス
    含有流体を水中に噴出するガス含有流体噴出口(6)
    と、船体に搭載され液状流体を供給する液状流体供給手
    段(4)と、没水表面のガス含有流体噴出口の前方近傍
    位置に配され液状流体を没水表面に沿って噴出する液状
    流体噴出口(7)とを具備することを特徴とする摩擦低
    減船。
  7. 【請求項7】 没水表面(2)に、該没水表面に対して
    離間する斜め後方に向けて噴出する液状流体噴出口
    (7)が配されることを特徴とする請求項6記載の摩擦
    低減船。
  8. 【請求項8】 液状流体噴出口(7)による液状流体の
    噴出方向と没水表面(2)とのなす角度(α)が、ガス
    含有流体噴出口(6)によるガス含有流体の噴出方向と
    没水表面とのなす角度(β)よりも小さく設定されるこ
    とを特徴とする請求項6または7記載の摩擦低減船。
  9. 【請求項9】 液状流体に、ガス成分が混入されている
    とともに、ガス含有流体のガス成分が、液状流体よりも
    多く設定されることを特徴とする請求項6、7または8
    記載の摩擦低減船。
  10. 【請求項10】 液状流体の成分が、水100%である
    ことを特徴とすることを特徴とする請求項6、7または
    8記載の摩擦低減船。
  11. 【請求項11】 ガス含有流体のガス成分が、ガス10
    0%であることを特徴とすることを特徴とする請求項
    6、7、8、9または10記載の摩擦低減船。
  12. 【請求項12】 ガス含有流体のガス成分が、空気であ
    ることを特徴とすることを特徴とする請求項6、7、
    8、9、10または11記載の摩擦低減船。
  13. 【請求項13】 没水表面(2)における摩擦低減対象
    範囲(E)に、ガス含有流体噴出口(6)及び液状流体
    噴出口(7)が、複数対配されることを特徴とする請求
    項6、7、8、9、10、11または12記載の摩擦低
    減船。
  14. 【請求項14】 液状流体噴出口(7)の設置幅が、ガ
    ス含有流体噴出口(6)の設置幅よりも大きく設定され
    ることを特徴とする請求項6、7、8、9、10、1
    1、12または13記載の摩擦低減船。
JP7311355A 1995-11-29 1995-11-29 船舶等の摩擦を低減する方法及び摩擦低減船 Withdrawn JPH09151913A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7311355A JPH09151913A (ja) 1995-11-29 1995-11-29 船舶等の摩擦を低減する方法及び摩擦低減船

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7311355A JPH09151913A (ja) 1995-11-29 1995-11-29 船舶等の摩擦を低減する方法及び摩擦低減船

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09151913A true JPH09151913A (ja) 1997-06-10

Family

ID=18016166

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7311355A Withdrawn JPH09151913A (ja) 1995-11-29 1995-11-29 船舶等の摩擦を低減する方法及び摩擦低減船

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09151913A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000038824A3 (en) * 1998-12-31 2000-09-21 Cortana Corp Method and apparatus for reducing dissipation rate of fluid ejected into boundary layer
WO2002008051A2 (en) 2000-07-21 2002-01-31 Cortana Corporation Method and apparatus for increasing the effectiveness and efficiency of multiple boundary layer control techniques
US6435214B2 (en) 1998-12-31 2002-08-20 Cortana Corporation Apparatus for reducing dissipation rate of fluid ejected into boundary layer
KR100476542B1 (ko) * 2001-03-29 2005-03-18 삼성중공업 주식회사 선박의 선체표면 난류제어에 의한 항력 감소방법 및 장치
KR101148034B1 (ko) * 2010-04-01 2012-05-24 대우조선해양 주식회사 가동 구획부재를 갖는 공기 공동 선박
CN111028649A (zh) * 2019-12-27 2020-04-17 哈尔滨工程大学 一种头部出气的水下高速运动实验模型
JP2022547488A (ja) * 2019-12-28 2022-11-14 天津市華諾通信工程有限公司 艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する方法及び装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000038824A3 (en) * 1998-12-31 2000-09-21 Cortana Corp Method and apparatus for reducing dissipation rate of fluid ejected into boundary layer
US6237636B1 (en) 1998-12-31 2001-05-29 Cortana Corporation Apparatus for reducing dissipation rate of fluid ejected into boundary layer
US6435214B2 (en) 1998-12-31 2002-08-20 Cortana Corporation Apparatus for reducing dissipation rate of fluid ejected into boundary layer
WO2002008051A2 (en) 2000-07-21 2002-01-31 Cortana Corporation Method and apparatus for increasing the effectiveness and efficiency of multiple boundary layer control techniques
WO2002008051A3 (en) * 2000-07-21 2002-04-25 Kenneth J Moore Method and apparatus for increasing the effectiveness and efficiency of multiple boundary layer control techniques
KR100476542B1 (ko) * 2001-03-29 2005-03-18 삼성중공업 주식회사 선박의 선체표면 난류제어에 의한 항력 감소방법 및 장치
KR101148034B1 (ko) * 2010-04-01 2012-05-24 대우조선해양 주식회사 가동 구획부재를 갖는 공기 공동 선박
CN111028649A (zh) * 2019-12-27 2020-04-17 哈尔滨工程大学 一种头部出气的水下高速运动实验模型
JP2022547488A (ja) * 2019-12-28 2022-11-14 天津市華諾通信工程有限公司 艦船の航行時の造波抵抗及び摩擦抵抗を低減する方法及び装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO1994026583A1 (en) Method of reducing friction on cruising body, cruising body with reduced friction, method of and apparatus for generating microbubbles for use in reduction of friction
US6145459A (en) Friction-reducing ship and method for reducing skin friction
US7997221B2 (en) Apparatus for reducing drag on a nautical vessel
WO2009128211A1 (ja) 摩擦抵抗低減船およびその運転方法
US7677191B2 (en) Frictional resistance reduction ship and operation method
US7581508B2 (en) Monohull fast ship or semi-planing monohull with a drag reduction method
US7597060B2 (en) Apparatus and method for reducing fluid drag on a submerged surface
US2764954A (en) Propulsion apparatus for water vessels
JPH07156859A (ja) 航走体の摩擦を低減する方法及び摩擦低減航走体と摩擦低減に使用するマイクロバブルの発生方法及びその装置
JPH09151913A (ja) 船舶等の摩擦を低減する方法及び摩擦低減船
JPH08225094A (ja) マイクロバブルの発生装置
TW544427B (en) Semi-submerged hydrofoil
JPH02500014A (ja) 船首フォイル
US7059260B1 (en) Steering control by means of selected segmented drag reduction
JP2001106171A (ja) 摩擦抵抗低減船及び船体の摩擦抵抗低減方法
JPH09151914A (ja) マイクロバブル発生装置
JPH08239084A (ja) 摩擦低減航走体
JPH08229370A (ja) マイクロバブルの発生装置
JPH09150785A (ja) マイクロバブル発生装置
JPH08239083A (ja) 摩擦低減船
JPH11180380A (ja) 摩擦低減船及び船体の摩擦低減方法
JPH1159561A (ja) 摩擦低減船
JP2001106173A (ja) 摩擦抵抗低減船
JP2010115942A (ja) 摩擦抵抗低減船およびその運転方法
JP2001328584A (ja) 摩擦抵抗低減船

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030204