JP2022546076A - 酸化的エステル化の反応器排出物の簡便化された後処理 - Google Patents

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Abstract

本発明は、メタクロレインの直接的な酸化的エステル化によるメチルメタクリレートの製造方法に関する。メチルメタクリレートは、ポリマーや他の重合性化合物とのコポリマーの製造に大量に使用されている。さらに、メチルメタクリレートは、対応するアルコールとのエステル交換により製造可能な様々な特定のメタクリル酸(MAS)系エステルの重要な成分である。そのため、この出発物質の可能な限り簡便で経済的でかつ環境に配慮した製造方法に大きな関心が寄せられている。特に本発明は、メタクロレインの酸化的エステル化の反応器排出物の最適な後処理であって、未反応メタクロレイン(MAL)の非常に効率的な再循環を可能にする後処理に関する。さらに、この新規の方法は、既知の変形例よりもエネルギーおよび水を大幅に節約して運転することができる。

Description

本発明は、メタクロレインの直接的な酸化的エステル化によるメチルメタクリレートの製造方法に関する。メチルメタクリレートは、ポリマーや他の重合性化合物とのコポリマーの製造に大量に使用されている。さらに、メチルメタクリレートは、対応するアルコールとのエステル交換により製造可能な様々な特定のメタクリル酸(MAS)系エステルの重要な成分である。そのため、この出発物質の可能な限り簡便で経済的でかつ環境に配慮した製造方法に大きな関心が寄せられている。
特に本発明は、メタクロレインの酸化的エステル化の反応器排出物の最適な後処理であって、未反応メタクロレイン(MAL)の非常に効率的な再循環を可能にする後処理に関する。さらに、この新規の方法は、既知の変形例よりもエネルギーおよび水を大幅に節約して運転することができる。
先行技術
現在、メチルメタクリレート(MMA)は、C、CまたはC構成単位から出発する様々な方法によって製造されている。この方法では、MMAは、イソブチレンまたはtert-ブタノールを気相中の大気酸素により不均一系触媒上で酸化させてメタクロレインとし、その後メタノールを用いてメタクロレインの酸化的エステル化反応を行うことにより得られる。アサヒ化成工業株式会社により開発されたこの方法は、特に米国特許第5,969,178号明細書および米国特許第7,012,039号明細書に記載されている。この方法の欠点は、特に必要なエネルギーが非常に多いことである。この方法のさらなる発展形態では、第1のステップでプロパノールおよびホルムアルデヒドからメタクロレインが得られる。このような方法は、国際公開第2014/170223号に記載されている。
本発明による方法はまた、その後の反応ステップであるメタクロレインの直接的な酸化的エステル化によるMMAの生成に許容される純度および品質のメタクロレインが生成されることを特に条件とする、好ましくは連続法でのメタクロレインの製造を含む。メタクロレインの製造に関する先行技術に従って、本発明による方法の実施を可能にする様々な方法および実施形態が考慮される。
いわゆるC2法によるメタクロレインの製造では、第二級アミンおよび酸、通常は有機酸の存在下で、ホルマリンおよびプロピオンアルデヒドから目的生成物が得られる。ここで、この反応はマンニッヒ類似反応であり、その後、触媒である第二級アミンが放出される。
基本的には、この機序によりホルマリンとプロパナールとの縮合が生じ、その際に、縮合生成物として形式上は水が生成される。このようにして合成されたメタクロレイン(MAL)を、その後のステップで気相酸化によりメタクリル酸に、あるいは酸化的エステル化によりメチルメタクリレートに転化させることができる。そのようなメタクロレイン製造方法は、特に米国特許第7,141,702号明細書、米国特許第4,408,079号明細書、特許第3069420号公報、特開平4-173757号公報、欧州特許出願公開第0317909号明細書および米国特許第2,848,499号明細書に記載されている。
マンニッヒ反応に基づくメタクロレインの製造に適した方法は、当業者に一般に知られており、例えばUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry 2012, Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA, Weinheim, Acrolein and Methacrolein, DOI: 10.1002/14356007.a01_149.pub2における対応する評論文の主題である。また、触媒としてのアミンの非存在下で作用するプロパナールおよびホルマリンからのメタクロレインの製造の実施形態、例えば、Eastmanにより近年発表された固定床触媒の存在下での気相での製造も知られている。
この方法を経済的に利用するためには、収率を向上させ、かつ比エネルギー需要量を低減すべきである。欧州特許出願公開第0194620号明細書の教示によれば、任意に続く不均一系気相接触反応の酸化触媒の持続的な損傷を避けるために、生成物中のメタクロレイン二量体(DIMAL)の含有量を低下させ、好ましくは0.2重量%未満となるように、あるいはプロピオンアルデヒド含有量(プロパノール)が1重量%未満となるようにすべきである。独国特許出願公開第3213681号明細書には、MALの製造方法であって、特に、第二級アミンおよび任意に酸の存在下で、150℃を超える温度で、最大25分の反応時間で反応を行うことを特徴とする方法が記載されている。この場合、最高でも162~205℃の温度で6秒間の滞留時間でプロピオンアルデヒドをホルマリンと反応させる。
独国特許出願公開第3213681号明細書のさらなる実施形態では、反応器は161℃の入口温度で運転され、強度の発熱反応により温度は184℃まで上昇する。滞留時間は、約6.9秒間である。反応フィード中の水分量は、約50重量%である。水に対するアミン含有量は、1.8重量%である。例えばこのような変形例では、収率98.1%で0.29重量%のDIMAL含有量が認められる。
米国特許第4,408,079号明細書には、MALの製造方法であって、プロピオンアルデヒドとホルマリンとの反応を、モル比0.9~1.5:1、pH値2.5~7、温度0℃~150℃で、それぞれプロピオンアルデヒド1モルに対して0.025~0.75または0.05~1.5モルの濃度の第二級アミンと、0.05~1.5モルの濃度の有機酸との存在下で行う方法が記載されている。よって、独国特許出願公開第3213681号明細書の教示と比較すると、選択された温度範囲は大幅に低い。ここで、米国特許第4,408,079号明細書によれば、反応は2~3個の反応器の撹拌槽カスケードで連続的に行われ、反応物の滞留時間は10~90分と非常に長い。この方法の実施形態で達成される収率は、91~96%と比較的低い。
総括すると、確かにこれらの方法はいずれも滞留時間、触媒量、使用する反応器の種類の点で非常に大きく異なるものの、収率およびメタクロレイン品質の点で基本的には、液相でのメタクロレインの直接的な酸化的エステル化によるMMAの生成による後続の反応への使用に適していると言える。いずれの方法も、メタクロレインの製造が1つ以上の反応器(反応器同士は、並列またはカスケード接続が可能である)でのホルマリン水溶液とプロパナールとの縮合により行われる点、そして、プロセス水と、ホルムアルデヒドと反応する量の水とを多く含む水相からの十分な分離が行われるようにメタクロレインが後処理される点で共通している。また、触媒残留物は後続のDOE触媒の性能に悪影響を及ぼす可能性があることから、この分離は、生成された純粋なメタクロレインから触媒の痕跡を十分に除去するというさらなる目的を果たしている。
空気およびメタノールを反応物として液相でいわゆる直接的な酸化的エステル化でメタクロレインからMMAを製造することは、本発明にとって特に重要なことである。
米国特許第5,969,178号明細書には、そのような、イソブテンまたはtert-ブタノールの酸化反応によりメタクロレインを生成し、次いで酸化的エステル化によりMMAを生成する方法が記載されている。この第2のステップでは、水分量を減らしたメタクロレインとメタノールとの液体混合物を分子状酸素およびパラジウム触媒と反応させ、その際、パラジウム触媒は、通常はパラジウム-鉛触媒として担体上に存在する。その後、酸化的エステル化の粗生成物から、第1の蒸留段階で、メタクロレインとメタノールとの混合物を塔頂部の下方で分離し、頂部を通じて低沸点成分を除去する。その後、MMAを含む缶出液を第2の蒸留段階に送り、そこで頂部を通じてメタノールと飽和炭化水素との共沸混合物を分離する。粗MMAを含む缶出液をさらなる後処理に供し、一方で、頂部を通じて得られた留分から相分離器および第3の蒸留塔によってメタノールを単離して反応器に返送する。ここで、メタノールは、形成された共沸混合物により比較的多量の水を含む場合があるため、脱水に供する必要があることを考慮しなければならない。この方法の代替案として、米国特許第5,969,178号明細書には1つの塔のみでの後処理が開示されており、この塔では、供給部が必ず底部の上方に位置する。頂部を通じて、この塔から反応器排出物の低沸点成分が除去される。底部には粗MMAと水との混合物が残り、これがさらなる後処理に供される。最後に、反応器に返送するためのメタクロレインとメタノールとの混合物が副流を通じて塔から除去されるが、この副流の正確な位置を最初に決定しなければならず、これを様々なシーブトレイの追加によって調整することができる。ここで、様々な共沸混合物があるためにそのような処理を行うことが困難であることが、米国特許第5,969,178号明細書自体で指摘されている。またこの場合、特に副生成物として必ず存在するメタクリル酸が重要な役割を担っている。この方法によれば、それに関して米国特許第5,969,178号明細書に記載がなくとも、メタクリル酸は廃棄相に残るように分離され、単離する価値はごく限定的であると考えられる。しかしこれにより、この方法のメタクリル生成物の全収率が低下する。
米国特許第7,012,039号明細書には、酸化的エステル化の反応器排出物のやや異なる後処理が開示されている。ここでは、第1の蒸留段階でメタクロレインをシーブトレイ上で頂部を通じて留去し、MMAを含む水性混合物を底部から相分離器へと導く。この相分離器で、硫酸を加えてこの混合物をpH値2程度に調整する。その後、遠心分離により硫酸含有水と有機相または油相とを分離する。この油相をさらに蒸留して高沸点成分とMMAを含む相とに分離し、その際、このMMAを含む相を頂部で抜き出す。その後、第3の蒸留で、このMMAを含む相と低沸点成分とを分離する。その後、さらに第4の蒸留で最終精製を行う。この方法の問題点は、硫酸を大量に添加しなければならず、プラントの一部に腐食の影響を与えかねないことにある。したがって、これらの部分、特に相分離器や、さらには第2の蒸留塔などが、これに適した材料で作製されている必要がある。さらに、米国特許第7,012,039号明細書にも、同様に生成されるメタクリル酸や生成物中に残存するメタノールの取扱いに関して記載されていない。しかし、前者は蒸留段階で一緒に分離されるのに対して、メタノールはメタクロレインとともに一部しか取得および返送することができず、残部はおそらく第3の蒸留段階で失われるものと推測される。
国際公開第2014/170223号には、米国特許第7,012,039号明細書と同様の方法が記載されている。唯一の相違点は、実際の反応において、循環部での水酸化ナトリウムのメタノール溶液の添加によりpH値を調整することにある。これには特に、触媒を保護する役割がある。さらに、塩を含むことにより、相分離における水相の分離がより容易である。しかし、生成されたメタクリル酸がナトリウム塩として存在し、後に水相とともに分離されて廃棄されることにもつながる。相分離の際に硫酸を加えるという変形例では、確かに遊離酸が回収される。しかし、硫酸(水素)ナトリウムが発生するため、廃棄時に別の問題が発生するおそれがある。
欧州特許出願公開第3350153号明細書には、メタクロレインの酸化的エステル化の反応器排出物から未反応アルコールを蒸留によって分離し、反応器に再循環させる方法が記載されている。
これらの方法や後処理の変形例のすべてに共通しているのは、DOE反応の転化率が完全ではないということである。したがって、未反応のメタクロレインや余剰のアルコールを再循環させる必要があり、特にMMA製造の場合には余剰のメタノールを反応器の直後に接続されている塔で再循環させる必要がある。この塔は、蒸気や冷却水の消費量が膨大であるため、大量の水だけでなくエネルギーも消費する。
総括すると、先行技術による方法の以下の観点を、特に互いに組み合わせて改善することが求められている:
- 収率を可能な限り向上させる
- 未反応メタクロレインおよびアルコール(メタノール)の再循環性を可能な限り向上させる
- 製造されるアルキルメタクリレート、特にMMA中のイソ酪酸アルキルエステル、特にイソ酪酸メチルエステルの含有量を可能な限り低下させる、または先行技術に対して低減させる
- 水およびエネルギー消費量を最小限に抑え、かつ廃棄物流や排ガスをクリーンにする。
課題
したがって、先行技術に鑑み、本発明の課題は、従来の方法の欠点を有しない、技術的に改良されたメタクロレインの酸化的エステル化法を提供することである。
特に、メタクロレインをメタノールにより酸化的エステル化してMMAを生成する際の粗生成物の後処理の改良を提供し、ひいてはそのような方法の全体収率を先行技術に対して向上させることが、本発明の課題であった。
また、未反応出発材料やプロセスで形成される副生成物または中間生成物、特にメタノール、メタクロレインおよび水を、可能な限り多量に可能な限り高度に再循環し、プロセス内で目的生成物に転化させることが課題であった。
さらに本発明は、酸化的エステル化の反応器排出物からの未反応出発材料、特にメタクロレインおよびアルコールの単離を、より少ないエネルギー需要量および冷却水で実施できるように改良するという課題に基づいていた。
特に、廃棄物流中の有機成分や酸の蓄積を低減することで可能な限り廃棄の手間をかけずに運転できる方法を提供することも課題であった。
さらに本方法は、特にプラント建設に使用される材料に関して、先行技術よりも低コストであることが望ましい。
解決策
この課題は、MMAの製造方法であって、第1の反応段階にて反応器Iでメタクロレインを製造し、これを第2の反応段階にて反応器IIでアルコールと酸化的エステル化させてアルキルメタクリレートを生成する方法によって解決される。ここで、本発明による方法は最初に、反応器IIからの反応器排出物をまず、反応器排出物中に存在する80重量%超のアルコールを含む第1の相と、反応器排出物中に存在するアルキルメタクリレートおよびメタクロレイン(MAL)をそれぞれ90重量%超含む第2の相とに分離することを特徴とする。次に、この第2の相をまず、高沸点成分を含む第3の相と、反応器排出物中に存在するアルキルメタクリレートおよびメタクロレイン(MAL)をそれぞれ90重量%超含む第4の相とに分離する。その後、この第4の相において、蒸留塔で大部分のアルキルメタクリレートを大部分のMALから分離する。
DOEの前駆体としてのメタクロレインの製造には、可能な多数の方法および方法を用いることができ、特にプロピオンアルデヒドおよびホルマリンから出発する先行技術に提示されている様々な方法に加え、イソブテンやMTBEおよびtert-ブタノールのようなイソブテン前駆体から出発する、適切な不均一系触媒上でのシェルアンドチューブ式反応器での空気酸化として気相で行われる確立した方法を用いることができる。
この新規方法は、アルコールがメタノールであり、アルキルメタクリレートがMMAである場合の実施が特に重要である。
蒸留塔で大部分のアルキルメタクリレートを大部分のMALから分離する前に、第4の相をまず相分離器で第4の相中に存在する少なくとも90重量%の水から分離すると、特に有利で省エネルギーであることが判明した。
第4の相、または蒸留塔の相分離器で水相を分離した後の第4の相の有機相を、反応器排出物のMALを少なくとも60重量%含む低沸点留分と、反応器排出物のMMAを少なくとも90重量%含む高沸点相とに分離することが特に好ましいことが判明した。
これに代えて、第4の相から得られた低沸点のMAL含有留分を、さらなる塔で低沸点成分から分離するという変形例がある。この際に得られたこの塔の高沸点留分は、反応器排出物のMALを少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%含んでおり、この高沸点留分を、次に、反応器IIまたは反応器IIの上流のミキサーもしくは熱交換器に導く。
ここで、蒸留により低沸点成分を分離し、かつMAL留分を反応器IIまたはその上流に導く前に、第4の相から得られたMAL含有留分をまず相分離器で水相から分離することが非常に特に好ましい。この手順は、この第2の相分離器と第4の相の蒸留分離部の上流の第1の相分離器とを併用する場合に特に好ましい。
このような機能部品が複数ある場合には、蓄積される相分離器の水相を合一することができ、これらの水相を、最終的な廃棄の前に膜分離段階に供することができる。その際に、運転様式に応じて存在するMAL、メタノールおよび/またはMMAを単離して返送するかあるいは最終的なMMA精製に供することができるように、残留する有機相を任意にさらに蒸留することができる。この相の特定の組成に応じて、これを、メタノール単離のために、反応器IIからの排出後に第1の蒸留に直接導くこともできる。大部分のMALを回収する場合、その相を、相分離器のうちの1つ、最終的なMAL取得のための蒸留塔、または好ましくは第2の相を第3の相と第4の相とに分離するための蒸留塔に導くことも可能である。
反応器排出物を第1の相と第2の相とに分離することに関して、両相同士を抽出により分離する前に、反応器IIからの反応器排出物をまず転化装置で強酸および任意に追加の水と混合すると有利であることが判明した。その後、MALをごくわずかに含む第1の相を、さらなる蒸留塔で、主にアルコールを含む相と高沸点相とに分離し、この高沸点相を廃棄する。アルコールを含む相を、好ましくは反応器IIに再循環させる。
特に好ましくは、この手順では、抽出時のpH値が常に7未満、好ましくは5以下であるがただし常に1以上となるような量の強酸を添加する。好ましい酸の量は、装置の材料が高価で高合金になりすぎず、かつ所望の化学反応が十分に迅速かつ完全に進行することが保証される添加量または濃度に相当する。そのような特に好ましいpH範囲は、pH1.5~pH4である。通常は、pH2~3が、所望のすべての特徴の最適な妥協点である。
本発明による方策によって様々な利点が達成され、すなわち、反応器排出物からメタノールを分離した後、アルキルメタクリレートの形態の生成物とメタクロレインとを互いに分離する前に、まず高沸点物質が除去される。これらの利点は、蒸留によるMAL分離の前に相分離により水を除去するという特に好ましい実施形態によってさらに強化される。驚くべきことに、個々に、また特に互いに組み合わせても達成される本発明による方法の利点は、特に以下のとおりである:
特にMAL回収のより効果的な設計により、そのようなプロセスの全収率は、先行技術に比べて驚くほど向上する。特に、反応器でまず未反応出発材料を特に効率的に単離することができ、ひいては反応器への返送を高度に実現することができた。これは、メタノールやメタクロレインに加えて水の分離にも適用され、この水を後処理で部分的に再利用できるため、プロセス全体の廃水量が低減される。
また、本発明による方法により、非常に驚くべきことに、製造されるアルキルメタクリレート、特にMMA中のイソ酪酸アルキルエステル、特にイソ酪酸メチルエステルの含有量を先行技術に対して減少させることに成功した。これは、MAL分離までの反応器排出物の後処理における熱負荷がより低いためと考えられる。
さらに、驚くべきことに、本発明による方法によって、特にMAL分離の前に中間相分離器の変形例で強化して、酸化的エステル化の反応器排出物からの未反応出発材料、特にメタクロレインおよびアルコールの単離を、より少ないエネルギー需要量および冷却水で実施できるように改良するという課題を解決することができた。さらに、驚くべきことに、水性廃棄物流と有機廃棄物流との総量も、先行技術に比べて驚くほど低減されている。
実験の部で詳述した方法とは別に、様々な蒸留塔のさらなる接続セットアップや配列が考えられる。例えば、特にMMAおよびメタクロレインからなる抽出の有機相(「第2の相」)は、有利な変形例では、まず低沸点物質塔で後処理することができ、その際、MMAは低沸点物質塔の底部に蓄積され、続いて高沸点物質塔での後処理に供される。この場合、モノマー品質のMMAが高沸点物質塔の留出液として蓄積され、考えられる他の接続セットアップと比較して、本変形例によりMMAの精製塔が省略される。
実験の部
1.ホルマリン(「FA」)とプロパナールとの縮合によるメタクロレイン製造の連続的実施
DOEの出発物質の製造(2.a.参照)
メタクロレインは、独国特許出願公開第3213681号明細書に従って連続的に製造することができる。独国特許出願公開第321368号明細書による例1.1.および例1.2.について、反応条件および収率を表1に示す。これらの例では、メタクロレインを比較的高い温度で連続的に製造する。
欧州特許出願公開第2998284号明細書による例1.3.~例1.19.にも同様に連続法が記載されているが、例1.1.および例1.2.よりも著しく低い温度での連続法である。これらの例では、濃度の異なる(37重量%、または55重量%)ホルマリン溶液およびプロピオンアルデヒドをスタティックミキサーで混合し(以下、アルデヒド溶液という)、次いで油加熱式熱交換器で所望の温度(表1参照)に加熱する。管状反応器に続く生成物塔の底部からの再循環流を、酢酸およびジメチルアミン(40%水溶液として)と混合し、同様に所望の温度まで予熱する。予熱したアルデヒド溶液および予熱した触媒溶液を、さらなるスタティックミキサーで混合する。この出発材料混合物を、次に油で調温した管状反応器に供給する。通常は、反応ゾーンでの成分のガス放出を防ぐため、約35~40barの圧力で反応を行う。管状反応器の出口の生成物混合物を弁により減圧し、この生成物混合物は、蒸留用の生成物塔に到達する。この塔の頂部で、凝縮および相分離の後に、メタクロレインと水相との2相混合物が得られる。水相は、返送流として塔に返送する。有機相は、生成物受け器に到達する。塔底部では、ある部分流を再循環物として反応に返送する。もう1つの部分流を水性生成物としてもう1つの生成物受け器に排出する。すべての例で転化率は99.3%超であり、達成されたDIMAL含有量は、単離されたメタクロレインに対して0.18~約1.4重量%である。
Figure 2022546076000002
DOE合成用のメタクロレインを、バッチプロセスで得ることも可能である。例1.21~例1.25.は、バッチプロセスによるメタクロレインの製造を示したものである。メタクロレイン中のDIMAL含有量が明らかにより高いため、メタクロレインの中間精製が必要となり得る。
例1.21(バッチプロセス)
1Lのオートクレーブに、プロピオンアルデヒドと、ホルマリンの形態のホルムアルデヒドとを(モル比1:1で)装入する。油浴で温度制御したオートクレーブを閉鎖し、40barの窒素で加圧する。撹拌しながら、内容物を約120℃に加熱する。設定温度に達したら、水、ジメチルアミン、および酢酸から構成される触媒溶液(プロピオンアルデヒド1部に対してジメチルアミン0.07部、酸と塩基との比1.1:1.0)を添加する。フィード中で、水濃度は約56重量%であり、水へのジメチルアミンの添加量は2.5重量%であった。約20分後、実験を停止し、撹拌した氷浴でオートクレーブを冷却する。混合物を取り出し、相分離により有機相と水相とに分離する。両相の組成を調べる。プロピオンアルデヒド転化率は99.8重量%であり、MAL収率は75.9重量%であり、メタクロレインのDIMAL含有量は11.26重量%である。
例1.22.~例1.24.(バッチ試験;表2参照)
0.45Lのオートクレーブに、プロピオンアルデヒドと、ホルマリンの形態のホルムアルデヒドとを(モル比1:1)装入する。油浴で温度制御したオートクレーブを閉鎖し、40barの窒素で加圧する。撹拌しながら、内容物を約115℃に加熱する。設定温度に達したら、水、ジメチルアミン、および酢酸から構成される触媒溶液を添加する。所望の時間の経過後、実験を停止し、撹拌した氷浴でオートクレーブを冷却する。混合物を取り出し、相分離により有機相と水相とに分離する。両相の組成を調べる。結果を表2にまとめた。
Figure 2022546076000003
例1.25.
このバッチプロセス(Daizel Chemical Industries 1993)では、第二級アミンとしてジエタノールアミンを、そして触媒酸としてシュウ酸二水和物を反応物に対して等モル使用する。触媒の割合が比較的多いため、明らかにより低い温度でより長い滞留時間で反応を行うことができる。使用した触媒混合物を、水相として反応に再利用することができる。
水6kg、ジエタノールアミン1274g、およびシュウ酸二水和物1528gを撹拌槽に装入する。次に、ホルマリン(37%)974gおよびプロピオンアルデヒド703gをこれに加える。反応物と触媒とを等モルで使用する。反応混合物を、返送下で約20分間にわたって58℃に加熱する。この場合に得られた相を冷却して蒸留した後に、メタクロレイン含有量が約91%の有機相850gが得られ、これは収率約92%に相当する。メタクロレインから除去した水相を再利用することができ、これは前回のバッチとほぼ同じ活性を有している。
例1.26.
水6kg、ピペラジン1261g、およびアジピン酸1069gを撹拌槽に装入し、約40℃に加熱する。次いで、ホルマリン1177g(37%)およびプロピオンアルデヒド849gを加える。これはモル比1:0.5:1:1に相当する。反応終了後、混合物を蒸留し、メタクロレイン含有量94%の水相982gを得る。これは収率91%に相当する。触媒の割合が比較的多いため、明らかにより低い温度でより長い滞留時間で反応を行うことができる。使用した触媒混合物を、水相として反応に再利用する。
例2
2.ナノ粒子状金含有DOE触媒を用いたメタクロレインの直接的な酸化的エステル化によるメチルメタクリレート(「MMA」)の生成の連続的実施
2.1.反応器、反応系、および触媒保持システムの設計データ
反応器:
反応には、撹拌機を備えた撹拌槽反応器を使用した。使用した材料は、やや腐食性を示す媒体に耐えられるよう、従来のステンレス鋼である。この反応器はサーモスタットに接続されたダブルジャケットを有し、このサーモスタットは、その媒体により冷却と加熱の双方を行うことができる。反応器の蓋は、蒸気管(公称直径100mm)により冷却器に接続されている。撹拌槽は400mmの内径を有し、反応器の高さ(閉鎖蓋まで)は1500mmであった。撹拌機は、上方から反応器の蓋を通って反応器に接続されており、最適なガス分散(酸素含有ガス用;乾燥圧縮空気を使用)と媒体中の粒子状触媒の最適な懸濁との双方を可能にする特殊な撹拌エレメントを備えている。撹拌システムは市販のものを使用し、これは、大容量ガス用の一次分散装置(Ekato社、Phasejet)1つと、放射状の搬送方向を有する気液混合用の撹拌エレメント(Ekato社、Kombijet)2つとの合計3つの撹拌エレメントを撹拌軸に固定したものからなる。反応器の底面から撹拌エレメントまでの距離は、第1の撹拌エレメントでは100mm、第2の撹拌エレメントでは400mm、第3の撹拌エレメントでは700mmである。酸素含有ガス供給用のガス導管(圧縮空気を使用)は分散エレメントの直下で終了し、反応器断面でのガスの均一な分布と酸化ガスの微細分散とを保証する。出発材料、再循環流、および補助材料の供給導管が反応媒体の充填水準よりも明らかに下方で終了するように、反応器の蓋を通って反応器内に供給導管が設置されている。冷却器の頂部は、導管を通じて、メタノール系安定剤溶液(500ppm Tempol)の入った貯蔵容器と接続されている。
2.2.触媒保持システム:
反応器は、機械的なろ過および沈殿ユニットから構成される触媒保持システムを備えている。DOE反応器から排出された反応溶液を、最終的に保持容量1μmのフィルターカートリッジでろ過して微粒分を取り除き、フィルターに付着した大きな粒子を一定間隔で逆洗して反応器に戻すことで、触媒活性物質の損失が大幅に低減または排除される。逆洗媒体としては、反応溶液自体、または反応後に塩基性媒体によりpHを調整した反応溶液を使用する。
2.3.反応の開始および連続反応:
反応器に、メタノール、水、MMA、メタクリル酸(「MAS」)、および溶解させたメタクリル酸Naの混合物を充填した。この反応器混合物の装入により、より迅速に定常濃度に達する。反応器にこの出発媒体135kgを充填した。組成は、MAS3重量%(うち50%はpH7でナトリウム塩として存在)、MMA35重量%、水5重量%、メタノール残部であった。充填水準は、反応器の充填高さの約85%であった。反応器に触媒15kgをさらに充填し、したがって触媒使用量および反応溶液の作業体積に対して、スラリー密度は10~11重量%である。反応混合物を80℃に加熱する。撹拌機を300rpmに設定する。反応器を5bar(絶対)の作業圧力に設定する(出発媒体として窒素を使用)。反応温度に達した後、空気を1kg/hの割合で注入し、反応が直ちに始まる。これは、反応器内のメタクロレインの水準の低下または反応混合物中のMMA濃度の上昇によって認識可能である。上述のステップで、排ガスが酸素濃度4体積%(DOE排ガスの爆発限界はO濃度8体積%弱である)に達するまで空気量を増加することで、安全な連続運転が保証されている。凝縮性有機成分(メタノール、MAL、MMA、水、および低沸点物質)を凝縮させた後のDOE排ガス温度は2℃である。NIRにより、排ガスの各種成分(CO、CO、酸素、水、プロペン、窒素、メタノール、アセトン、ギ酸メチル(FOME)、および排ガスとともに排出されるその他の低沸点物質)の濃度を測定および定量化することが可能である。揮発性有機成分の総量が1.5体積%未満の排ガスを熱処理して焼却する。
出発物質のメタクロレイン(プロパノールおよびホルマリンから、触媒量のジメチルアミン/酢酸の存在下で連続加圧反応により製造)を、計量ポンプを通じて反応器に連続的に供給する。毎時180モルのメタクロレインを反応器に投入し、定常状態で70~72%の転化率を達成する。連続運転の全期間において転化率を調べたところ、メタクロレイン約125~130モルである。この運転様式により、反応器を、実質的に2つのメタクロレインフィード流、すなわち新鮮なメタクロレインフィード(約100モル/h)とメタクロレイン再循環フィード(MALメタノール再循環塔またはMAL回収塔の頂部生成物)(さらに約40モル/hのMALを含む)とで運転する。求められた平均反応選択率は、転化されたメタクロレインに対して94.5MMAであり、毎時119~124モルのMMAが生成されるため、本実施形態での触媒性能は、8.16モルMMA/(時・kg触媒)である。
2.4.DOEによるMMAの製造、反応器排出物および組成
DOE反応器(7)におけるフィード流の連続的製造、排ガス組成、生成流およびその組成を、図2および図4に示す。
基本的に、後処理塔および後処理装置は排ガスシステムを備えている。すべての塔頂部および重要な装置部品には、ポリマーの堆積を防ぐために安定剤溶液を継続的に噴霧する。また、Δp測定には、塔の底部に供給される希薄空気(酸素含有量6体積%未満)を使用する。
触媒保持システム(傾斜清澄装置およびろ過ユニット)を通じた定常的な反応混合物の排出を圧力弁で制御し、これは平均50~70kg/hであり、そのうち20~30kgを冷却および塩基によるコンディショニング後に反応器に再循環させる。後処理部に送る排出物(12)は、この例示的な試験実施ではこの運転期間中に45~60kgであり、したがって平均反応時間は約4時間である。反応混合物を減圧し、中間容器(容積20L)に通すが、溶解した残留ガスはその後の反応および分離操作の妨げとなるため、十分に除去する。中間容器での冷却および減圧の後に、これらのガス成分は十分に除去されている。ろ過ユニット(保持容量1ミクロンのポリプロピレン製フィルターカートリッジ)後の連続的な反応器排出物の組成をNIRで連続的に測定し、さらにMMA、MASおよび未反応メタクロレインの濃度をHPLCで測定および確認する。低濃度有機成分、例えばジメタクロレイン、ジメタクロレインメチルエステル、およびメタクロレインジメチルアセタール(=ジメチルイソブテン、MAL-ACET)を、ガスクロマトグラフィーにより水素炎イオン化検出器FIDで測定し、水をカールフィッシャー法により滴定し、さらに別のポートでGCにより測定する。
24時間後の組成は、以下のとおりである:
MMA:32.4重量%
MeOH:46.3重量%.
メタクロレイン:9.4重量%
メトキシイソ酪酸メチルエステル(MIBME):0.7重量%
メタクリル酸(Na-MASも):0.8重量%
水:7.7重量%
図4には、排ガス(11)の量および排ガス(11)の組成、ならびにフィード組成(新鮮なフィードおよび再循環流)が同様に詳細に示されている。存在するさらなる成分は、濃度約400ppmのメタクロレインのアセタール(MAL-ACET)、および脱気した生成物混合物中で同様に1000ppm未満の濃度のMMAの形式的な水素化生成物であるイソ酪酸メチルエステル(IBSME)であり、さらにメタクロレインの二量体およびその誘導体である。
メタノールを加えることにより、およびそれに代えてヘキサンを用いて(溶媒10部、反応溶液1部)反応生成物溶液をポリマー成分について定性分析するが、結果は陰性である。
2.5.ブレンステッド酸の添加、pH調整およびアセタール転化、反応器排出物および組成
DOE反応混合物に任意に水および酸を混合して、有害なアセタールを加水分解する。アセタール低減生成物流の連続的な製造、およびMALアセタール転化装置(15)後のその組成を、図2および図4に示す。
詳細には、得られる混合物のpHが2~2.5となるまで、混合物に96%の硫酸(16)を混合する。さらに、脱気したDOE反応器混合物に水を加えるが、選択した実施例では、メタノール回収塔からのプロセス水(23)を使用する。40℃、滞留時間10分で、存在するアセタール(例えばメタクロレインジメチルアセタール)を、良好に混合したシステム(撹拌子を備えた5L撹拌反応器を使用)で加水分解させる。よってこのステップでは、アセタールの含有量が400ppm弱から1ppmに低減され、MMAモノマーの品質やPMMAポリマーの品質にとって無害な水準が達成される。その結果、MALアセタール転化後に以下の組成を有する混合物(この場合は2相、(17))が得られる:
MMA:19.2重量%
MeOH:27.5重量%
メタクロレイン:5.6重量%
メトキシイソ酪酸メチルエステル(MIBME):0.5重量%
メタクリル酸:0.5重量%
水:44.0重量%
MALアセタール:1ppm
存在するさらなる成分は、メタクロレインの二量体およびそのエステルおよび誘導体(MMAよりも高沸点の物質)、ならびにMMAの形式的な水素化生成物であるイソ酪酸メチルエステル(IBSME)である。この生成物混合物を、抽出部(18)に供する。選択した例では、この抽出部を、直径120mm、高さ2500mmの外部脈動駆動部を備えたパルス抽出塔で運転した。塔上部には10~15kgの脱塩水(19)を投入するが、投入位置は、有機フィード溶液の投入位置の上方にあり、(抽出塔の底部から測定して)200mmのところにある。この操作の目的は、MMA、メタクロレイン、およびメタクリル酸含有有機相を、MeOHおよび水が可能な限り少ない状態で生成し、かつ生じる鉱物塩(例では硫酸ナトリウム)を十分に含む水相を生成することである。我々の理論的算出によれば、選択した装置セットアップは、4~5の理論抽出段を形成する。抽出部を、40℃にて常圧で運転する。塔上部には明確な相界面が形成され、数百時間の運転でもほぼマルチのない状態が維持される。また、ポリマーの堆積も観察されない。
次の後処理に連続的に供給される有機相(「第2の相」(25))は、定常運転時に以下の組成を有する:
MMA:72.6重量%
MeOH:0.9重量%
メタクロレイン:17.8重量%
メタクリル酸:1.6重量%
水:2.0重量%
他の有機成分:5.1重量%
有機相中の有機成分は、メタクロレインの二量体およびその誘導体の混合物と、メトキシイソ酪酸メチルエステル(MIBME)とからなる。イオンクロマトグラフィーによる分析によれば、有機相も十分に硫酸ナトリウム不含である(200ppm未満)。
次の後処理に連続的に供給される水相(「第1の相」(20))は、定常運転時に以下の組成を有する:
MMA:1.7重量%
MeOH:34.1重量%
メタクロレイン:1.5重量%
メタクリル酸:0.2重量%
水:60.2重量%
硫酸ナトリウム:1.4重量%
2.6.「第1の相」の後処理、水相からのMMA、MAL、MeOHの回収
水性の「第1の相」(20)を蒸留によって精製し、出発材料および生成物(MeOH、MAL、MMA)と分離する。連続的な蒸留および有機有価物の返送、ならびに生じる廃水を、図2および図4に示す。
このいわゆるメタノール回収塔(運転圧力1bar(絶対)(21))では、抽出後にメタノールだけでなくMMAおよびメタクロレインの残留物も回収する。これらの出発材料およびMMAの一部を反応器II(7)に返送し、こうしてこれらは有機物後処理循環部に達する。この操作により、蒸留塔の底部に、中和の硫酸ナトリウムを多少なりとも完全に含むプロセス廃水(24)も生成される。蒸留塔は、Sulzer社製の高性能充填体DXを備えており(直径120mm、高さ2000mm)、常圧にて返送比1.1で運転する。この条件下で塔頂部では温度が約65℃となり、底部温度は104℃となる。
底部では、水97.3重量%に加えて硫酸ナトリウム2~2.5重量%を含むプロセス廃水(24)が蓄積され、頂部では、以下の組成の蒸気流(22)が生成される:
MMA:4.3重量%
MeOH:88.7重量%
メタクロレイン:4.0重量%
水:0.9重量%
底部流は、廃棄部(24)に供給するか、または部分流(23)を方法の様々な箇所に返送することが可能である。この硫酸ナトリウム-水の流れ(23)を、本実験の説明では、割合に応じて、抽出を支援するため、またはMALアセタール転化装置に返送する(図2参照)。
2.7.高沸点物質塔:有機「第2の相」の後処理、高沸点成分からのMMA、MAL、および低沸点物質の分離
有機「第2の相」(25)を、MMAよりも高沸点の成分(MAS、Di-MALおよび誘導体、MIBMEなど)の蒸留による分離(低沸点物質、MAL、MMA)に供する。粗MMAを製造するための連続的な蒸留および予備精製、ならびに生じる有機高沸点物質流を、図2および図4に示す。このいわゆる高沸点物質塔(26)(運転圧力0.2~0.24bar(絶対))において、メタノール、水の残留物、および多少なりとも完全にメタクロレインを、主要量のMMAとともに頂部凝縮物(28)として得る。本実験実施変形例では、頂部凝縮物が、所定の組成で2つの相(28)および(29)に分かれる。
有機相(28)は、特にMMAおよびメタクロレイン、ならびに少量の水および副生成物を含む:
MMA:78.3重量%
MeOH:0.9重量%
メタクロレイン:17.2重量%
水:1.8重量%
副生成物として、少量のギ酸メチル(FOME)、アセトン、およびIBSMEがさらに含まれている。
この操作により、蒸留塔の底部には、MMAの残留物、特に高沸点メタクリル酸、MIBMEおよびDi-MALおよび誘導体を含む有機底部流(27)も生成される。また、この流れには痕跡量の鉱物塩も随伴するため、粗MMAから分離する。これらの有機副生成物を、さらに加工する、あるいはMASのような有価物を単離する、あるいは特定の方法でMMAに転化することができる(本発明には包含されない)。蒸留塔は、Sulzer社製の高性能充填体DXを備えており(直径100mm、高さ2000mm)、適度な陰圧にて返送比1.0で運転する。この条件下で、塔頂部では温度が約50℃となり、底部温度は85℃となる。
2.8.有機高沸点物質相の後処理、高沸点成分からの残留MMAの最終分離:MMA回収塔
有機高沸点物質相を、MMAよりも高沸点の成分(MAS、Di-MALおよび誘導体、MIBMEなど)の任意のさらなる蒸留分離部(30)に供する。減圧(運転圧力0.03~0.06bar(絶対)、ここでは0.05bar)での連続的な蒸留の際に生じる有機高沸点物質流(32)を、図2および図4に示す。原則的に、操作2.7.および2.8の蒸留作業は、適合する圧力および温度パラメーターで単一の塔で実施することができる。留出液(31)を、補助フィードとして図2の高沸点物質塔の上流に再循環させる。
2.9.低沸点物質塔:高沸点物質塔の有機留出液相の後処理、MMA(底部生成物)からのメタクロレイン(留出液中)の蒸留分離
高沸点物質塔(28)の有機留出液を、MMAより低沸点の成分のさらなる蒸留分離部(33)に供する。基本的に、高純度のMMAがすでにここで塔の缶出液(35)に蓄積されるが、この変形例によれば、MMAは99重量%超の高純度にもかかわらず、先行するプロセス段階からの安定剤をなおも含んでいる。塔の頂部((34)または(14))には特に、MMAよりも低沸点の物質が蓄積するか、あるいはMMAまたはMALとともに低沸点の共沸混合物を形成する成分(二元系および三元系共沸混合物)も形成される。塔の基本的な機能は、メタクロレインをMMAから分離して、含まれるメタクロレインをDOE反応に返送できるようにすることである。任意に、DOE反応に返送する水の量を低減するため、あるいは望ましくない低沸点物質の低減および除去を達成するために、塔の頂部で相分離を行うことができる。
600mbarの減圧下で連続蒸留した際に発生する有機低沸点物質留出液(14)を、図2および図4に示す。これの条件では、頂部で約53℃、底部で84℃の温度が生じる。塔径は80mmであり、Sulzer DX充填体(高性能充填体)が内蔵されており、充填体高さは2000mmである。
MALに富む留出液(14)を、補助フィードとしてDOE反応部(7)(図2)に返送する。
2.10 MMA精製塔:低沸点物質塔の有機底部相の後処理、安定剤含有量の高い粗MMAからのモノマーグレードのMMA(留出液中)の蒸留分離
低沸点物質塔の有機缶出液(35)を、さらなる蒸留分離部(36)および高度精製部に供する。基本的に、塔の留出液(37)中には、モノマーの規格に適合したMMAが蓄積される。塔の底部には、安定剤含有量の高い粗MMA(38)が蓄積される。この高度に安定化されたMMAを、先行する1つ以上の塔に再循環させることができる(例として、図2の高沸点物質塔への返送(38)が挙げられる)。あるいはこの流れを、様々な分離操作の重要な塔頂部に投入するための安定剤溶液として使用することができる。塔を、220mbarの適度な真空で運転し、頂部または留出液温度は57℃弱となり、底部温度は59℃となる。塔径は80mmであり、Sulzer DX充填体(高性能充填体)が内蔵されており、充填体高さは2000mmである。返送比は1.0である。
例3(先行技術による比較例、図3):
比較例:米国特許第10,301,251号明細書による好ましい後処理シーケンスを示すが、その概要を簡単に説明する。各分離操作の詳細および順序を図3に示す。
この比較例は、先行技術を表すものであり、比エネルギー消費量、ここでは特に蒸気および冷却水の使用量に関して、本発明による方法の利点を実証するために考慮されるものである。
ホルマリンおよびプロピオンアルデヒドから出発するメタクロレインの製造およびその後処理は、基本的に同一である((1)、(2)、(3)、(4)、(5))。DOE反応((7)、(8)、(9)、(10))および反応制御自体も同様であるが、しかし、特に組成の異なる各再循環流、例えば(14)により、フィード組成の点で異なる。
MAL回収塔(13):メタノール、未反応メタクロレイン、MMA、水およびメタクリル酸のアルカリ塩(またはアルカリ土類金属塩)からなるDOE反応排出物(12)を、第1の蒸留塔(13)で後処理する。この第1の蒸留では、多少なりとも完全にメタクロレイン、ならびに一部のメタノール、MMAおよび水を塔頂部(14)で抜き出し、DOE反応器(7)に返送する。塔の缶出液は、MMA、水、およびメタノール、およびメタクリル酸、およびメタクリル酸塩、ならびに高沸点副生成物を含む。
MALアセタール転化部:酸(16)(この例では硫酸)の添加下に、第1の塔の底部流を、DOE反応器の反応溶液のpHよりも明らかに低いpH値でアセタール転化部に供する。アセタール転化部では、有害な痕跡量のアセタールをほぼ完全に加水分解させ、任意に水を加える。米国特許第10,301,251号明細書に従って、例えば追加の水添加を、任意にメタノール回収塔(21)からの含水蒸気副流(41)により実現する。これには、水だけでなく、(廃水に含まれる)メタクリル酸の残留物も同時に後処理に再度供給されるため、ロスがないという利点がある。アセタール転化装置からの生成物(17)を、多段抽出部(18)(図3では連続抽出塔として簡略化して示されている)に供給する。
抽出部およびMEOH回収塔:抽出部の水相(20)は、主にメタノールと少量のMMAとを含む。MEOH回収塔では、これらの有価物(MEOHおよびMMA)を頂部生成物(22)として回収し、反応部(7)または後処理部に返送する。任意に、少量のメタクリル酸と多量の水とを含む水性副流(41)を抜き出す。底部(24)には、DOE廃水が、少量の有機不純物を含み、多少なりともMMA、MAS、およびメタノールを含まない状態で蓄積される。廃水流は、中和塩、選択された例では硫酸ナトリウムを含む。
抽出部および抽出部の有機相:抽出部の有機相(25)は、実質的に、少量のメタノール、水およびメタクロレインを含むMMAからなる(なお、本発明による本方法とは中心的に異なる特徴である)。またここでは、除去しなければならない痕跡量の有害な低沸点物質(例えば、ギ酸メチル)や、メタクロレイン二量体およびその誘導体(例えば、DIMALメチルエステルおよびMIBME)のような有機高沸点生成物も含まれている。MMAをモノマーグレードの規格で得られるように一連の蒸留塔で精製する。
高沸点物質塔(26):この目的のために、まず高沸点物質塔(26)ですべての高沸点成分を分離する。MMAは、低沸点物質とともに、あるいはこれらの低沸点物質との共沸混合物として、この塔の頂部(28)に入る。底部流(27)からのメタクリル酸を、任意の分留部(図3に示す、いわゆる「MAS塔」(42))で他の高沸点物質から分離し、単離することが可能である。
低沸点物質塔(33):低沸点物質塔で高沸点物質塔の留出液を後処理し、すべての低沸成分を粗MMA(35)から分離する。これはプロセス安定剤とともに底部に蓄積される。
MMA精製塔(36):MMA精製塔(36)では、安定剤を、規格に適合したMMAから(留出液(37)として)分離する。MMAの損失を最小限に抑えるために、この底部流(38)を任意に再循環させることができる。
表3に、本方法の変形例(図3、米国特許第10,301,251号明細書)の、シミュレーションにより求められた比エネルギー消費量を、本発明による方法(図2)のそれと比較して示す。
Figure 2022546076000004
図面および参照符号の一覧
以下の図面が添付されている。
全方法の実施変形例:PA+FA→MAL;2.)MAL+O+MeOH→MMA+HO、また、ここでは別個のギ酸メチル塔を含む例示的な後処理シーケンスを示す。 全方法の実施:PA+FA→MAL;2.)MAL+O+MeOH→MMA+HO、また、ここでは別個のギ酸メチル塔を含まない例示的な後処理シーケンスを示す。 米国特許第10,301,251号明細書(Groempingら)に記載の先行技術による比較プロセス、全方法の実施:PA+FA→MAL;2.)MAL+O+MeOH→MMA+HO、また、メタクリル酸アルカリ塩を含むMMA-メタノール混合物の抽出後処理を伴う例示的後処理シーケンスを示す。 例2および図2によるマスフローおよび組成を示す。
メタクロレインの酸化的エステル化によるアルキルメタクリレートの生成、およびメタクロレインの再循環
(1)反応器Iのホルマリンの供給
(2)反応器Iへのプロパナールの供給
(3)反応器Iへの任意の安定剤の供給
(4)メタクロレイン合成用反応器I
(5)粗メタクロレインの後処理
(6)反応器IIへのメタクロレインの供給
(7)メタクロレインの酸化的エステル化用反応器II
(8)アルコールの供給(通常はメタノールの供給)
(9)酸素または空気の引き込み
(10)塩基の供給
(11)反応器IIの排ガス
(12)反応器IIの反応器排出物
(13)蒸留塔 MAL回収塔(比較例の図3のみ)
(14)MAL再循環部
(15)任意のミキサー/MALアセタール転化装置
(16)酸の供給(通常は硫酸)
(17)生成物流 MALアセタール転化装置
(18)抽出部
(19)抽出部への水の供給
(20)水相抽出部「第1の相」
(21)メタノール回収塔
(22)反応器IIに返送するアルコールを含む低沸点留分
(23)メタノール回収塔の任意の底部留分の返送
(24)廃棄またはさらなる後処理を行う、水、酸およびそのアルカリ塩を含む底部留分
(25)抽出部の有機相「第2の相」
(26)高沸点物質分離用の高沸点物質塔
(27)MMA、メタクリル酸および高沸点物質を含む底部留分(「第3の相」)
(28)MMAおよび低沸点物質を含む留出液(「第4の相」)
(29)高沸点物質塔の水相留出液
(30)MMA回収塔
(31)高沸点物質塔に返送する、MMAを含むMMA回収塔の留出液
(32)メタクリル酸および高沸点物質を含むMMA回収塔の底部留分
(33)低沸点物質分離用の低沸点物質塔
(34)低沸点物質を含む低沸点物質塔の留出液(変形例1(図1)、および比較例(図3))
(35)低沸点物質から精製されたMMAを含む低沸点物質塔の底部留分
(36)MMA最終精製用のMMA精製塔
(37)MMA精製塔の留出液としての、規格に適合したMMA
(38)MMA精製塔の底部留分 任意に高沸点物質塔に返送
(39)ギ酸メチル塔(変形例1 図1のみ)
(40)例えばギ酸メチルなどの低沸点物質を含むギ酸メチル留出液塔
(41)任意のメタノール副流回収塔(比較例 図3のみ)
(42)MAS塔(比較例 図3のみ)
(43)メタクリル酸を含むMAS留出液塔(比較例 図3のみ)
(44)高沸点物質を含むMAS塔の底部留分(比較例 図3のみ)
(A)排ガス

Claims (9)

  1. アルキルメタクリレートの製造方法であって、第1の反応段階にて反応器Iでメタクロレインを製造し、前記メタクロレインを第2の反応段階にて反応器IIでアルコールと液相で酸化的エステル化させてアルキルメタクリレートを生成する方法において、反応器IIからの反応器排出物を、前記反応器排出物中に存在する80重量%超のアルコールを含む第1の水相と、前記反応器排出物中に存在するアルキルメタクリレートおよびメタクロレイン(MAL)をそれぞれ80重量%超含む第2の相とに分離し、後続の単段または多段蒸留で、メタクロレインがアルキルメタクリレートから分離されるように、前記第2の相を後処理することを特徴とする、方法。
  2. 第1の反応段階にて反応器Iでメタクロレインを製造し、前記メタクロレインを第2の反応段階にて反応器IIでアルコールと酸化的エステル化させてアルキルメタクリレートを生成し、前記反応器IIからの反応器排出物を、前記反応器排出物中に存在する80重量%超のアルコールを含む第1の相と、前記反応器排出物中に存在するアルキルメタクリレートおよびメタクロレイン(MAL)をそれぞれ90重量%超含む第2の相とに分離し、前記第2の相を、
    a.蒸留によりまず、アルキルメタクリレートおよびメタクロレインを高沸点成分から分離し、次いで蒸留により、メタクロレインを相対的により高沸点のアルキルメタクリレートから分離するか、または
    b.蒸留によりまず、アルキルメタクリレートおよび高沸点成分をメタクロレインから分離し、次いで蒸留により、アルキルメタクリレートをこれよりも相対的に高沸点の成分から分離する
    というようにして後処理し、その後、アルキルメタクリレートを最後の蒸留で頂部生成物としてモノマー品質で得る、請求項1記載のアルキルメタクリレートの製造方法。
  3. 前記アルコールはメタノールであり、前記アルキルメタクリレートはMMAである、請求項1または2記載の方法。
  4. 蒸留塔で大部分の前記アルキルメタクリレートを大部分の前記MALから分離する前に、第4の相をまず相分離器で前記第4の相中に存在する少なくとも90重量%の水から分離する、請求項1または2記載の方法。
  5. 前記第4の相、または蒸留塔の相分離器で水相を分離した後の前記第4の相の有機相を、前記反応器排出物のMALを少なくとも60重量%含む低沸点留分と、前記反応器排出物のMMAを少なくとも90重量%含む高沸点相とに分離する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  6. 前記低沸点のMAL含有留分を、さらなる塔で低沸点成分から分離し、前記塔の高沸点留分は、前記反応器排出物のMALを少なくとも60重量%含み、前記高沸点留分を、前記反応器IIまたは前記反応器IIの上流のミキサーもしくは熱交換器に導く、請求項4記載の方法。
  7. 蒸留により低沸点成分を分離し、かつ前記MAL留分を反応器IIまたはその上流に導く前に、前記第4の相の前記MAL含有留分をまず相分離器で水相から分離する、請求項5記載の方法。
  8. 抽出により前記第1の相を前記第2の相から分離する前に、反応器IIからの前記反応器排出物をまず転化装置で強酸および任意に追加の水と混合し、前記第1の相を、さらなる蒸留塔で、主にアルコールを含む相と高沸点相とに分離し、前記高沸点相を廃棄する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  9. 前記抽出時のpH値が常に1以上でかつ5以下となるような量の強酸を添加する、請求項8記載の方法。
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