JP2022544110A - 角膜の架橋治療のための光活性化システム及び方法 - Google Patents

角膜の架橋治療のための光活性化システム及び方法 Download PDF

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Abstract

光活性化光を提供するレーザー光源を含む眼を治療するためのシステム。上記システムは、架橋剤で処理された角膜上で、レーザービームである上記光活性化光を受け、レーザービームを移動させる走査システムを含む。上記システムは、上記レーザー光源及び上記走査システムをプログラムに従って制御するための(複数の)制御信号を提供する制御装置を含む。上記(複数の)制御信号は、上記レーザービームを走査パターンに従って上記角膜の(複数の)領域に(複数回)来訪させ、上記光活性化光で上記(複数の)領域を露光させる。上記光活性化光は、上記(複数の)露光領域内の上記架橋剤を酸素と反応させて、上記(複数の)露光領域内に架橋活性を発生させる。上記走査パターンは、上記レーザービームが上記(複数の)露光領域に(複数回で)各々来訪する間の通過させるための所定の時間を発生させ、上記所定の時間が上記露光領域内の酸素の補充を可能とする。

Description

関連する出願への相互参照
本出願は、米国仮特許出願第62/883,197号(2019年8月6日に出願)の利益及び優先権を主張し、その内容は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
本開示は、眼の治療のためのシステム及び方法に関し、より具体的には、架橋剤を光活性化するためのシステム及び方法に関する。
関連技術の説明
架橋治療(クロスリンキング治療)は、円錐角膜などの疾患に罹患した眼を治療するために使用されることができる。特に、円錐角膜は、角膜内の構造変化によって角膜が弱くなり、異常な円錐形に変形させる眼球の変性疾患である。架橋治療は、円錐角膜によって弱められた領域を強化及び安定させ、望ましくない形状変化を防ぐことができる。
架橋治療は、レーシック(LASIK:Laser-Assisted in site Keratomileusis(レーザー支援による生体内原位置での角膜曲率形成術:生体内レーザー屈折矯正術))手術などの外科的処置の後にも使用されることができる。例えば、レーシック手術によって角膜が薄く弱くなることで、レーシック後拡張症として知られる合併症が起こることがある。レーシック後の角膜拡張症では、角膜に進行性の急勾配(膨隆)が生じる。従って、架橋治療は、レーシック手術後の角膜の構造を強化し、安定させ、レーシック後の拡張症を予防することができる。
また、架橋治療は、近視、遠視、乱視、不規則な乱視、老眼などの障害を矯正するために角膜の屈折変化を誘導するために使用されることができる。
各実施形態には、角膜架橋治療において架橋剤を光活性化するためのシステム及び方法を含む。走査光パターンを達成するためにレーザー光源を使用することは、架橋剤を光活性化するための利点を提供することができる。特に、レーザーの走査パラメータを最適化して、個々の治療の有効性を高めることができる。例えば、治療時間、総線量、レーザービームの強度/放射照度、レーザービームのパルス化、レーザービームによって規定されるスポットのサイズ(レーザースポットサイズ)、レーザースポットの施与の速度又は持続時間、及び/又は、走査パターンの一部の繰り返しの頻度、を制御することにより、架橋活性を高めることができる。このようなパラメータは、上述のような架橋活性に関与する光化学反応の速度に従って最適化することができる。これらの反応は、架橋活性の間の酸素の消費及び補充、架橋剤分子の供給及び光分解、並びに、作用の深さを決定する。
一実施形態による眼を治療するためのシステムの一例では、光活性化光を提供するように構成されたレーザー光源を含む。上記システムは、上記光活性化光をレーザービームとして受け、架橋剤で処理された角膜の上で上記レーザービームを移動させるように構成された走査システムを含む。上記システムは、上記レーザー光源及び上記走査システムをプログラムに従って制御する制御信号を提供するように構成された制御装置を含む。1つ以上の上記制御信号は、上記レーザービームを走査パターンに従って上記角膜の1つ以上の領域に複数回来訪させ、上記1つ以上の領域を光活性化光に露光させる。上記光活性化光は、上記1以上の露光領域内の上記架橋剤を酸素と反応させることで、上記1以上の露光領域内に架橋活性を発生させる。上記走査パターンは、上記レーザービームによる上記1つ以上の露光領域への各々の来訪の間に所定の時間を経過させ、所定の時間は、上記1つ以上の露光領域内に酸素を補充し、上記1つ以上の露光領域への各々の来訪の間に、十分な酸素を用いて所望の量の架橋活性を発生させることを可能にする。
別の例示的実施形態による眼を治療する方法は、レーザー光源を用いて光活性化光を発生することを含む。この方法は、上記光活性化光をレーザービームとして走査システムに向けることを含む。この方法は、上記レーザービームを、角膜上を移動させ、走査パターンに従って上記角膜の1つ以上の領域に複数回来訪させ、上記1つ以上の領域を光活性化光に露光させるように、上記走査システムを操作することを含む。上記光活性化光は、上記1つ以上の露光領域内の上記架橋剤を酸素と反応させて、上記1以上の露光領域内に架橋活性を発生させる。上記方法は、上記走査パターンを、上記レーザービームによる上記1つ以上の露光領域への各々の来訪の間に所定の時間を経過させるように最適化させ、上記所定の時間が、上記1つ以上の露光領域内に酸素を補充させることを可能とし、上記1つ以上の露光領域への各々の来訪の間に、十分な酸素を用いて、所望の量の架橋活性を発生させることを可能とする、ようにすることを含む。
本開示の態様による、角膜コラーゲンの架橋を発生するために、架橋剤及び光活性化光を眼の角膜に施与する例示的なシステムを示す図である。 XY走査ミラー対を用いて生成することができる円形の治療パターンの一例を示す図である。 XY走査ミラー対を用いて生成することができる環状の治療パターンの一例を示す図である。 本開示の態様による、XY走査システムを用いて、光活性化光のパターンを角膜に投影するための、レーザーベースのアプローチを提供する治療システムの一例を示す図である。 図4Aは、本開示の態様による、レーザービームが、実質的に円形の境界によって規定される領域の100%に、螺旋(スパイラル)状に光活性化光を施与するのに十分に大きい直径を有するスポットサイズを有する、治療ゾーンの一例を示す図であり、図4Bは、本開示の態様による、レーザービームが、図4Aに示される直径の50%である直径を有するスポットサイズを有する、別の例示的な治療ゾーンを示す図であり、図4Cは、本開示の態様による、レーザービームが、図4Aに示される直径の25%である直径を有するスポットサイズを有する、さらに別の例示的な治療ゾーンを示す図である。 本開示の態様による、架橋処理のためのレーザー走査パラメータを最適化するための例示的なプロセスのフローチャートを示す図である。 本開示の態様による、架橋治療におけるレーザー走査のための例示的な繰り返しサイクルを示す図である。 本開示の態様による、レーザー走査を用いた例示的な架橋治療中のある位置における、架橋剤についての酸素濃度及び蛍光強度を示す図である。 本開示の態様による、上皮層が眼の上に残される(epi-on)5つの眼の治療から生じる曲率変化を示す図である。 本開示の態様による、上皮層が眼の上に残される(epi-on)5つの眼の治療から生じる曲率変化を示す図である。 本開示の態様による、上皮層が眼の上に残される(epi-on)5つの眼の治療から生じる曲率変化を示す図である。 本開示の態様による、上皮層が眼の上に残される(epi-on)5つの眼の治療から生じる曲率変化を示す図である。 本開示の態様による、上皮層が眼の上に残される(epi-on)5つの眼の治療から生じる曲率変化を示す図である。 本開示の態様による、上皮層が完全に除去される(epi-off)5つの眼の治療から生じる曲率変化を示す図である。 本開示の態様による、上皮層が完全に除去される(epi-off)5つの眼の治療から生じる曲率変化を示す図である。 本開示の態様による、上皮層が完全に除去される(epi-off)5つの眼の治療から生じる曲率変化を示す図である。 本開示の態様による、上皮層が完全に除去される(epi-off)5つの眼の治療から生じる曲率変化を示す図である。 本開示の態様による、上皮層が完全に除去される(epi-off)5つの眼の治療から生じる曲率変化を示す図である。 本開示の態様による、治療ゾーンを規定する境界内のグリッドに従って施与される離散的なドットによって規定される例示的な走査パターンの態様を示す図である。 本開示の態様による、治療ゾーンを規定する境界内のグリッドに従って離散ドットを施与するレーザー走査のためのパラメータ値の異なる例示的な組み合わせを示す図である。 本開示の態様による、最大移動距離(MTD)についての異なるそれぞれの値を使用して、図11の行Bに示される処置パラメータの組み合わせの実装のための、例示的なスキャナ位置グラフの時系列を示す図である。 本開示の態様による、最大移動距離(MTD)についての異なるそれぞれの値を使用して、図11の行Bに示される処置パラメータの組み合わせの実装のための、スキャナ位置グラフの時系列の一例を示す図である。 本開示の態様による、最大移動距離(MTD)についての異なるそれぞれの値を使用して、図11の行Bに示される処置パラメータの組み合わせの実装のための、スキャナ位置グラフの時系列の一例を示す図である。 本開示の態様による、眼の離散時間検出及び治療システムの有限応答時間による、眼の位置と光活性化光の照射との間の遅延を示す図である。 本開示の態様による、修正されたグリッドベースのポイント及びシュートアプローチにおける位置誤差を説明するための例示的なアプローチを示す図である。 本開示の態様によるラスタ走査パターンの一例を示す図である。 本開示の態様による、例示的なジグザグ走査パターンを示す図である。 本開示の態様に従って、回折マルチビームスプリッタを用いて光活性化光のパターンを角膜に投影するためのレーザーベースのアプローチを提供する例示的な治療システムを示す図である。 本開示の態様に従って、回折ビーム整形器を用いて光活性化光のパターンを角膜に投影するためのレーザーベースのアプローチを提供する例示的な治療システムを示す図である。 本開示の態様による、約4mmの外径を有する例示的な環状治療パターンを示し、これは、50%デューティサイクルでレーザービームをパルス化し、螺旋(スパイラル)状のトレース上に固定パルス周波数をかけることによって発生される図である。 本開示の態様による、約8mmの外径を有する例示的な環状治療パターンを示し、これは、50%デューティサイクルでレーザービームをパルス化し、螺旋(スパイラル)状のトレース上に固定パルス周波数をかけることによって発生される図である。 本開示の態様による、約4mmの外径を有する例示的な環状治療パターンを示し、これは、50%デューティサイクルでレーザービームをパルス化し、螺旋(スパイラル)状のトレース上で可変パルス周波数をパルス化することによって発生される図である。 本開示の態様による、約8mmの外径を有する例示的な環状治療パターンであって、50%のデューティサイクルでレーザービームをパルス化し、螺旋(スパイラル)状のトレース上で可変パルス周波数をパルス化することによって発生される、環状治療パターンを示す図である。 本開示の態様による、可変パルス周波数を有するレーザービームによって発生された、約9 mmの外径を有する例示的な環状治療パターンを示す図である。 本開示の態様による、検流計(ガルバノメータ)を駆動するための例示的な波形、並びに、レーザー走査を使用する治療の一部の間のレーザー変調波形を示す図である。 本開示の態様による、完全治療中に検流計を駆動するための例示的な波形を示す図である。 本開示の態様による、図22Aの治療のためのレーザー変調波形を示す図である。 本開示の態様による、複数の半径方向ゾーンに分割された例示的なレーザー変調波形を示す図である。 本開示の態様による、変調周波数限界に基づいて複数の半径方向ゾーンに分割されたレーザー変調波形を実行する可変レーザー変調周波数で走査されたパルスレーザービームで発生された、外径が約4mmの例示的な環状治療パターンを示す図である。 本開示の態様による、図24Aの治療のための変調周波数限界に基づいて複数の半径方向ゾーンに分割された例示的なレーザー変調波形を示す図である。 本開示の態様による、変調周波数限界に基づいて複数の半径方向ゾーンに分割されたレーザー変調波形を実行する可変レーザー変調周波数で走査されたパルスレーザービームで発生された、外径が約9mmの例示的な環状治療パターンを示す図である。 本開示の態様による、図25Aの治療のための変調周波数限界に基づいて複数の半径方向ゾーンに分割された例示的なレーザー変調波形を示す図である。 本開示の態様による、変調周波数限界に基づく1つの半径方向ゾーンを有するレーザー変調波形を実行する可変レーザー変調周波数で走査されたパルスレーザービームで発生された、外径が約9mmの例示的な環状治療パターン2600aを示す図である。 本開示の態様による、図25Aの治療のための変調周波数限界に基づく1つの半径方向ゾーンを有する例示的なレーザー変調波形を示す図である。 本発明の態様による、走査に沿って移動するパルスレーザービームによって発生されるスポットプロファイルの態様を示す図である。 図28Aは、本発明の態様による、25kHzのレーザー変調周波数を有するガウスレーザースポットを示す図であり、図28Bは、本発明の態様による、50kHzのレーザー変調周波数を有するガウスレーザースポットを示す図である。 図28Cは、本発明の態様による、75kHzのレーザー変調周波数を有するガウスレーザースポットを示す図であり、図28Dは、本発明の態様による、100kHzのレーザー変調周波数を有するガウスレーザースポットを示す図である。
本開示は、種々の修正及び代替形態が可能であるが、その具体的な実施形態は、図面において例として示されており、本明細書で詳細に説明されている。しかしながら、本開示は、開示された特定の形態に限定することを意図するものではなく、逆に、本開示の趣旨の範囲内に含まれるすべての修正、均等物、及び、代替物を網羅することを意図するものであることを理解されたい。
図1は、眼1の角膜2においてコラーゲンの架橋(cross-linking:クロスリンキング)を生成するための1つの例示的な治療システム100を示す。治療システム100は、架橋剤130を角膜2に施与するアプリケータ132を含む。本例示的な実施形態では、アプリケータ132は、光増感剤130を液滴として角膜2に施与する点眼剤、注射器などであってもよい。架橋剤を施与するための例示的なシステム及び方法は、2017年4月13日に出願された「Systems and Methods for Delivering Drugs to an Eye(薬剤を眼に施与するためのシステム及び方法)」という表第の米国特許出願公開第2017/0296383号に記載されており、その内容は、参照されることにより、全体として本明細書に組み込まれる。
架橋剤130は、架橋剤130が角膜上皮2aを通過して角膜基質2bの下にある領域に到達することを可能にする製剤(「epi-on:エピオン」処置としても知られる)として提供されることができる。別法として、角膜上皮2aを除去するか、又は、他の方法で切開して、架橋剤130をより直接的に下にある組織に施与できるようにしてもよい(「epi-off:エピオフ」処置としても知られる)。
本治療システム100は、光源110と、光を角膜2に導くための光学素子112とを有する照射システムを含む。いくつかの実施形態では、光源110は、発光ダイオード(LED)を含むことができる。他の実施形態では、光源110はレーザーを提供することができる。この光は、架橋剤130の光活性化を引き起こし、角膜2に架橋活性を発生させる。例えば、架橋剤はリボフラビンを含むことができ、光活性化光は紫外A(UVA)(例えば、約365nm又は375nm、又は、315nmから400nmの帯域内に収まる波長)光を含むことができる。あるいは、光活性化光は、可視波長(例えば、約452nm)、又は、光増感剤を活性化するために選択された任意の他の波長、などの別の波長を含むことができる。以下にさらに記載されるように、角膜架橋は、光化学反応のシステムに従って、角膜組織内に化学結合を生成することによって、角膜強度を改善する。
リボフラビン及び光活性化光は、円錐角膜又はレーシック後拡張症などの角膜拡張性障害に対処するために、角膜組織を安定化、及び/又は、強化するために施与されることができる。リボフラビン及び光活性化光の施与は、また、様々な程度の屈折矯正を可能にすることができ、これには、例えば、角膜拡張性障害並びに、角膜の生体力学的変化/変性などの他の状態による近視、遠視、乱視、不規則乱視、老視及び複雑な角膜屈折面矯正の組み合わせを含むことができる。
本治療システム100は、光源110、及び/又は、光学素子112を含む治療システム100の態様を制御する1つ以上の制御装置120を含む。一実施形態において、角膜2は、架橋剤130(例えば、点眼器、注射器等を用いて)により広範囲に治療することができ、光源110からの光活性化光は、特定のパターンに従って、治療される角膜2の領域に選択的に向けることができる。
光学素子112は、光源110によって放射された光活性化光を、角膜2上の特定のパターンに方向付けて集束させるための、1つ以上のミラー(鏡)、レンズ、又は他の光学構成要素を含んでもよい。光学素子112は、さらに、光源110によって放射される光の波長を部分的に遮断し、架橋剤130を光活性化するために角膜2に向けられる光の特定の波長を選択するためのフィルタを含むことができる。さらに、光学素子112は、光源110によって放射された光のビームを分割するための1つ以上のビームスプリッタを含むことができ、光源110によって放射された光を吸収するための一つ以上の光学シンクを含むことができる。光学素子112は、また、光活性化光を、角膜2内の特定の焦点面(例えば、架橋活性が所望される下部の領域2b内の特定の深さ)に正確かつ精密に集束させることができる。
いくつかの態様によれば、例示的な治療システムの光学素子は、光ファイバ素子を使用することができる。光ファイバ素子の使用は、治療システムにおける自由空間光学素子並びに、光機械的(オプトメカニカル)マウントの必要性を排除することができる。有利には、光ファイバの使用は、治療システムのサイズ及び設置面積(フットプリント)を低減し、設計及び製造の複雑さ及びコストを低減し、信頼性を高めることができる。
さらに、光活性化光の特定の特性は、角膜2の選択された領域において所望の程度の架橋を達成するように変更されることができる。1つ以上の制御装置120を使用して、光源110、及び/又は、光学素子112の動作を制御し、波長、帯域幅、強度、出力、位置、浸透の深度、及び/又は、治療時間(露光サイクルの期間、暗サイクルの期間、及び、露光サイクルと暗サイクルの継続時間の比率)の任意の組み合わせに従って、光活性化光を正確に施与することができる。
架橋剤130の光活性化のためのパラメータは、例えば、所望の架橋を達成するために必要な時間の量を減少させるように調整することができる。1実装例において、時間を分から秒に短縮することができる。いくつかの構成は、5mW/cmの放射照度で光活性化光を照射することができるが、光活性化光のより大きな放射照度、例えば、5mW/cmの倍数を照射して、所望の架橋を達成するために必要な時間を短縮することができる。角膜2に吸収されるエネルギーの総線量は、角膜上皮2aの領域を介して吸収されるエネルギー量である実効線量として表すことができる。例えば、角膜表面2Aの領域に対する実効線量は、例えば、5J/cm、又は、20J/cm、又は、30J/cmの大きさであることができる。記載された実効線量は、エネルギーの単一の施与から、又は、エネルギーの繰り返し施与から与えられることができる。
本治療システム100の光学素子112は、光活性化光の照射を空間的及び時間的に変調するために、微小電気機械システム(MEMS:MicroElectroMechanical System)デバイス、例えば、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD:Digital Micro-mirror Device)を含むことができる。DMD技術を使用して、光源110からの光活性化光、例えば、LEDは、半導体チップ上にアレイ状に配置された顕微鏡的に極めて微小なミラー(鏡)によって生成される精確な空間パターンで投射される。各ミラーは、投射された光のパターン内の1つ以上のピクセルを表す。DMDを用いるとトポグラフィー(topography)に誘導された架橋を行うことができる。トポグラフィーに従ったDMDの制御は、いくつかの異なる空間的及び時間的な放射照度及び線量プロファイルを用いることができる。以下にさらに説明するように、これらの空間的及び時間的な線量プロファイルは、連続波(CW)照射を用いて作成することができるが、周波数及びデューティサイクルを変化させた状態で、照射源をパルス化することにより、パルス照射を介して変調することもできる。あるいは、DMDは、連続波照射を使用して究極の柔軟性を与えるために、ピクセルごとに異なる周波数及びデューティサイクルに調整することができる。あるいは、パルス照射と、調整されたDMD周波数及びデューティサイクルの組み合わせと、の両方を組み合わせてもよい。これにより、特定量の空間的に決定された角膜架橋が可能となる。この空間的に決定された架橋は、治療前の計画、及び/又は、治療中の角膜架橋の実時間の監視(リアルタイムモニタリング)及び調節のために、線量測定法、干渉測定法、光干渉断層法(OCT:オプティカルコヒーレンストモグラフィー)、角膜トポグラフィーなどと組み合わせることができる。さらに、臨床前の患者情報を有限要素生体力学的コンピュータモデリングと組み合わせて、患者固有の治療前計画を作成することができる。
光活性化光の投射の態様を制御するために、実施形態はまた、多光子励起顕微鏡法の態様を使用してもよい。特に、治療システム100は、特定の波長の単一光子を角膜2に照射するというよりも、より長い波長、すなわち、結合して架橋を開始するより低いエネルギーの複数の光子を照射することができる。有利には、より長い波長は、より短い波長よりも少ない程度で角膜2内に散乱され、これにより、より長い波長の光がより短い波長の光よりも効率的に角膜2に浸透することができる。光増感剤による光の吸収が、より長い波長ではより少ないので、角膜内のより深い深さでの入射照射の遮蔽効果も従来の短波長照射より減少する。これにより、深さに固有の架橋に対する制御を強化することができる。例えば、いくつかの実施形態において、2つの光子を使用することができ、各光子は、以下にさらに記載される光化学反応速度を発生させるために、架橋剤130中の分子を励起するのに必要なエネルギーの約半分を担持する。架橋剤分子が両方の光子を同時に吸収する場合、角膜組織で反応性ラジカルを放出するのに十分なエネルギーを吸収する。実施形態はまた、架橋剤分子が、反応性ラジカルを放出するために、例えば、3つ、4つ、又は、5つの光子を同時に吸収しなければならないような、低エネルギー光子を利用してもよい。複数の光子のほぼ同時の吸収される確率(可能性)は低く、従って、励起光子の高いフラックスが必要とされ、高いフラックスは、フェムト秒レーザーを通して与えられることができる。
多数の条件及びパラメータが、角膜コラーゲンと架橋剤130との架橋に影響を及ぼす。たとえば、光活性化光の照度と照射線量は、架橋の量と速度に影響を与える。UVA光は連続的な光(CW:連続波)又はパルス光として照射することができ、この選択は、架橋の量、速度、及び、程度に影響を与える。UVA光がパルス光として照射される場合、露光サイクルの期間、暗サイクルの期間、及び、露光サイクルと暗サイクルの期間の比が、結果として生じる角膜硬化に影響を及ぼす。パルス光照射を使用して照射されるエネルギーの同量、又は、同量の連続波照射によって、実施されることができる角膜組織の硬化を、大きく、又は、小さくすることができる。適切な長さ及び周波数の光パルスを使用して、より最適な化学増幅を達成することができる。パルス光治療については、オン/オフのデューティサイクルは、約1000/1~約1/1000の間であることができる。放射照度は、平均放射照度が約1mW/cm~約1000mW/cmの間とすることができ、パルスレートは、約0.01Hz~約1000Hzの間、又は、約1000Hz~約100,000Hzの間とすることができる。
本治療システム100は、DMDを使用すること、光源110を電子的にオン及びオフにすること、及び/又は、機械的又は光電子的(例えば、ポッケルスセル)シャッタ又は機械的チョッパ又は回転開口部を使用することによって、パルス光を発生することができる。DMDの画素(ピクセル)固有の変調機能と、変調された周波数、デューティサイクル、放射照度、及び、角膜に照射される線量に基づいて付与されるその後の剛性のために、複雑な生体力学的剛性パターンが角膜に付与されることができる。DMDシステム及び方法の具体的な利点は、ランダム化された非同期パルス化トポグラフィックパターン化を可能にし、非周期的かつ均一に見える照射を発生することであり、これにより、2Hz~84Hzの間のパルス周波数に対する感光性てんかん発作、又は、フリッカー眩暈を誘発する可能性が排除されることである。
本例示的な実施形態は、段階的にオン/オフパルス光機能を使用することができるが、同様の効果を達成するために、光を角膜に照射するための他の機能を使用することができることが理解される。例えば、正弦波関数、鋸歯状波関数、又は、他の複雑な関数又は曲線、又は、それらの関数又は曲線の任意の組み合わせに従って、光を角膜に照射することができる。実際、関数は、オン/オフ値の間のより緩やか(段階的)な遷移があり得る場合、実質的に段階的であり得ることが理解される。さらに、放射照度は、オフサイクル中に0の値まで減少する必要はなく、オフサイクル中に0を超えてもよいことが理解される。所望の効果は、2つ以上の値の間で放射照度を変化させる曲線に従って、角膜に光を照射することによって達成することができる。
光活性化光を照射するためのシステム及び方法の一例は、例えば、2011年3月18日に出願された「Systems and Methods for Applying and Monitoring Eye Therapy(眼治療を施与及び監視するためのシステム及び方法)」という標題の米国特許出願公開第2011/0237999号、2012年4月3日に出願された「Systems and Methods for Applying and Monitoring Eye Therapy(眼治療を施与及び監視するためのシステム及び方法)」という標題の米国特許出願公開第2012/0215155号、及び、2013年3月15日に出願された「Systems and Methods for Corneal Cross-Linking with Pulsed Light(パルス光による角膜架橋のためのシステム及び方法)」という標題の米国特許出願公開第2013/0245536号に記載されており、これらの出願の内容は、参照されることにより、全体全体として本明細書に組み込まれる。実施形態は、光活性化光(例えば、上述のDMDを介して)の照射によって規定される円形及び/又は環状パターンに従って、角膜に架橋活性を発生させることができる。さらに又は代替的に、実施形態は、光活性化光(例えば、DMDを介して)の照射によって規定される非円形パターン、及び/又は、非環状パターンに従って、角膜に架橋活性を発生させることができる。
光活性化光の複数のパターンは、異なる線量を順次又は連続的に照射して、別々の治療ゾーン内の眼に対して(例えば、DMDを介して)照射することができる。例えば、1つの治療ゾーンを「オフにする」(すなわち、対応する光活性化光の照射を停止する)ことができる一方で、別の治療ゾーンを「オンのままにする」(すなわち、対応する光活性化光の照射を継続する)ことができる。治療ゾーンは、例えば、眼の中心点の周りに環状に形成することができる。また、光活性化光が印加されない不連続ゾーン(例えば、環状の光治療ゾーンによって囲まれた光のない環によって囲まれた中央治療ゾーンなど)が存在してもよい。環状ゾーンの幅は、異なる寸法とすることができ、例えば、1つの環状ゾーンは1mmの幅を有し、他のゾーンは2mmの幅を有するようにしてもよい。中央治療ゾーンのない眼の周辺部の環状治療ゾーンに光活性化光を照射すると、例えば、周辺部が強化されている間に眼の中心領域が曲率を増加されることになることによって、遠視矯正をもたらすことができる。いくつかの場合において、例えば、乱視に対処するために、角膜の領域に優先的に架橋活性を発生させて乱視を補正することによって、中央及び周囲の治療ゾーンの形状を楕円形にすることができる。このような楕円形状の環状治療ゾーンは、乱視の配向に従って位置合わせをされた環状治療ゾーンの軸で優先的に配向される。楕円形状の治療ゾーンは、不規則に非対称(すなわち、長軸と短軸が垂直でなく、別個の中心点(重心)で配置されることができる)であってもよい。
架橋治療は、角膜トポグラフィー(即ち、形状)、角膜強度(即ち、剛性)、及び/又は、角膜の厚さなど、眼の1つ以上の生体力学的特性に従って調整することができる。角膜の光学的補正、及び/又は、強化は、架橋剤、及び/又は、光活性化光を、1回以上で繰り返し(各繰り返しに対して調整可能な特性を有する)させて施与することによって実現させることができる。一般に、開発された治療計画は、架橋剤の多数の施与、各施与に対する架橋剤の配量及び濃度、光活性化光の照射の回数、並びに、各照射に対する光活性化光のタイミング、持続時間、出力、エネルギー投与量、及び、パターンを含むことができる。さらに、架橋治療は、治療中又は治療の中断中に、リアルタイムで収集された生体力学的特性に関するフィードバック情報に基づいて順応させることができる。
リボフラビンは、照射エネルギー、特に光を吸収すると、光活性化を受ける。リボフラビンの光活性化については、タイプIとタイプIIの2つの光化学的動的経路がある。タイプI及びタイプIIの両方のメカニズムに含まれる反応、並びに、架橋活性を発生する光化学的動的反応の他の態様は、2016年4月27日に出願された「Systems and Methods for Cross-Linking Treatments of an Eye(眼の架橋治療のためのシステム及び方法)」と標題された米国特許第10,350,111号に記載されており、その内容は参照されることにより全体として本明細書に組み込まれる。
角膜架橋反応は、角膜組織中の酸素濃度によって律速される。したがって、酸素の添加は、角膜の架橋の量にも影響を及ぼす。人間の組織において、O含有量は大気に比べて非常に低い。しかし、角膜における架橋速度は、光活性化光が照射されたときのOの濃度に関連している。従って、所望の量の架橋が達成されるように架橋速度を制御するために、照射中にOの濃度を能動的に増加又は減少させることが有利であり得る。酸素は、架橋治療中に、多くの異なる方法で施与することができる。1つのアプローチとしては、リボフラビンをOで過飽和化することが含まれる。このようにしたリボフラビンが眼に施与されると、より高濃度のOがリボフラビンと共に角膜に直接施与され、リボフラビンが光活性化光に露光されると、Oを含む反応に影響を及ぼす。別のアプローチによれば、(選択された濃度での)Oの定常状態が角膜の表面で維持され、角膜が選択された量のOに曝され、Oを角膜に入らせることができる。例えば、図1に示されたように、治療システム100は、また、酸素源140と、選択された濃度の酸素を角膜2に任意に供給する酸素供給デバイス142とを含む。架橋治療中に酸素を施与するための例示的なシステム及び方法は、例えば、2010年10月21日出願の「Eye Therapy(眼科治療)」という標題の米国特許第8,574,277号、2012年10月31日出願の「Systems and Methods for Corneal Crossing-Linking with Pulsed Light(パルス光による角膜架橋のためのシステム及び方法)」という標題の米国特許出願公開第2013/0060187号に記載されており、これらの出願の内容は、参照されることにより、全体として本明細書に組み込まれる。さらに、眼の治療において酸素及び光活性化光の濃度を照射するためのマスクデバイスの一例は、2016年12月3日に出願された「Systems and Methods for Treating an Eye with a Mask Device(マスクデバイスで眼を治療するためのシステム及び方法)」という標題の米国特許出願公開第2017/0156926号に記載されている。その内容は、参照されることにより、全体として本明細書に組み込まれる。例えば、マスクは、眼の表面上に一定の既知の酸素濃度を発生させるために、眼を覆って配置されることができる。
上述のように、治療システム100は、光源110からの光(例えば、UV光)を架橋剤130e(例えば、リボフラビン)を施与した角膜2に方向付けて、架橋活性を生じさせ、光活性化する光学素子112を含む。特に、光活性化光は、角膜2の領域に、特定の空間的治療パターンに従って選択的に方向付けることができる。いくつかの実施形態において、治療システムは、異なる眼の状態を同じ治療システムで治療することができるように、調節可能な治療パターンを提供することができる。
異なる治療パターンを提供することによって異なる眼の疾患を治療する治療システムの一例は、2019年10月9日に出願された 「Photoactivation Systems and Methods for Comeal Cross-Linking Treatments(光活性化システム及び角膜架橋治療のための方法)」という標題の米国特許出願公開第2020/0107953号に記載されている。この出願の内容は、参照されることにより、全体として本明細書に組み込まれる。
[走査治療システム]
例示的な治療システムの光学素子は、UV光ビームを走査して、小さい高品質スポットを有するUV光パターンを形成することができるXY走査ミラー対(例えば、DMDの代わりに)を含む。(角膜の深さは、z軸に沿って測定され、光活性化光のパターンは、横方向のx-y平面上に投影されることができる。)例えば、図2Aは、XY走査ミラー対を用いて生成することができる例示的な円形治療パターン200aを示している。図2Bは、XY走査ミラー対を用いて生成することができる例示的な環状治療パターン200bを示す。
図3は、例示的な走査治療システム300を示す。治療システム300は、UV(例えば、UVA)のレーザー光源310と、XY走査システムとして機能する検流計ミラーシステム(又は二軸MEMSミラー)312とを含む。レーザー光源310は、フッ化キセノン(XeF)エキシマレーザー、フェムト秒パルスレーザー、又は、レーザーダイオードを用いることができる。レーザー光源310は、光振幅変調器(レーザー光源310の内部又は外部のいずれかの)を用いて実装することができる。治療システム300は、治療システム300の態様を制御することができる制御装置320を含む。特に、制御装置320は、レーザー光源310をトリガして、上述のようにパルスでレーザービームを照射することができる。
レーザー光源310からのレーザービームは、検流計ミラーシステム312上に小さい高品質のスポットを生成する。検流計ミラーシステム312は、UV光ビームをx方向に走査可能なXミラー312aと、UV光ビームをy方向に走査可能なYミラー312bとを含む。制御装置320は、検流計ミラーシステム312を制御して、事前に決められた所定の走査パターン10に従ってX方向及びY方向にレーザービームを走査することができる。走査パターン10は、Xミラー312a及びYミラー312bを、それぞれX方向及びY方向に、レーザービームを走査するように変移させることができる。特に、制御装置320は、X位置信号をXミラー312aに送信して、Xミラー312aの傾斜角度を制御し、X軸に沿った所望の位置にレーザービームを向けることができる。これに関連して、制御装置320は、Y位置信号をYミラー312bに送信して、Yミラー312bの傾斜角度を制御し、レーザービームをy軸に沿った所望の位置に向けることができる。治療システム300は、また、走査されたレーザービームを角膜2に送出するレンズ314(例えば、テレセントリック、f-シータ、又は、他の走査レンズ)を含む。追加的に、又は、代替的に、レンズは、レーザー310とXミラー312aとの間に配置することができる。レーザー光源310からの光は、自由空間を介して送出されてもよく、又は、検流計ミラーシステム312又はレンズ314の近傍に送出するために、光ファイバに結合されてもよい。光ファイバ伝送は、レーザー光源310を、他のシステム要素から離して配置することを可能にし、システム設計を簡素化できるという付加的な利点を有する。検流計ミラーシステム312の第一のミラー、及び/又は、第二のミラーの速度は、走査パターンの一部にわたる存在時間を増加又は減少させ、それによって走査パターンの一部に照射されるUV光に対応する線量を調整するために、走査の一部の間に調整することができる。
治療システム300は、眼追跡(アイトラッキング)システムも含む。特に、治療システム300は、眼の位置及び方向検出システム316(例えば、眼1の画像をキャプチャするカメラ)を含む。制御装置320は、眼位置検出システム316から情報(例えば、画像)を受信して処理し、治療システム300に対する角膜2の位置を決定することができる。角膜2の位置の変化を補償するために、制御装置320は、検流計ミラーシステム312を制御して、走査されたレーザービームを調整し、走査パターン10を角膜2の所望の領域に適用させることができる。このように、検出システム316と制御装置320とが組み合わされて、眼追跡システムが提供される。
一般に、走査治療システムは、角膜表面に、事前に決定された所定の治療ゾーン(例えば、円形、環状、又は、他の形状)を得るために、パターンに従って光活性化光を照射することができる。走査パターンの態様は、連続線によって規定されてもよい。図2A~図2Bの例示的なパターン200a、200bに示されているように、連続線は、接続された区分的な経路で、レーザーを走査することによって形成することができる。
又は、レーザーを中断することなく走査することによって、連続線を形成してもよい。例えば、図4A~Cに示されるように、連続線は、レーザーを螺旋(スパイラル)状404で中断することなく走査することにより形成することができる。
追加的又は代替的に、走査パターンの態様は、複数の接続されていない直線又は曲線によって規定されてもよい。例えば、走査パターンは、一連のダッシュ(-)によって定義される線を含むことができる。
追加的又は代替的に、走査パターンの態様は、複数の離散的なドットによって規定されてもよい。例えば、走査パターンは、一連の離散的なドットによって規定される線を含むことができる。いくつかの実施形態では、一連の離散的なドットを、以下にさらに説明するような回折素子などの光学素子と共に適用して、治療ゾーンを定義するために離散的に走査される、複数のレーザースポットを同時に形成することができる。
本明細書には、架橋治療のための種々のタイプの光活性化光パターンが記載されている。パターンの選択は、限定されるものではないが、治療ゾーン全体にわたる光活性化光の線量の均一性、所望の最大架橋効率、及び、眼に対する最大補正(例えば、屈折矯正)を含む、異なる最適化基準に依存することができる。さらに、パターンの選択は、眼の安全基準への適合、予め定められた治療時間、予め定められた光量、治療システムの光学素子及び他の構成要素によって課される走査速度の制限、及び、レーザーの出力仕様を含むが、これらに限定されない考慮事項によって制約されてもよい。
[レーザー走査の最適化]
レーザー光源を使用して走査された光パターンを得ることは、LED光源を使用するアプローチよりも、角膜の架橋治療に利点を提供することができる。特に、レーザーの走査パラメータを最適化して、個々の治療の有効性を高めることができる。例えば、治療時間、総線量、レーザービームの強度/放射照度、レーザービームのパルス、レーザービームによって規定されるスポットのサイズ(レーザースポットサイズ)、レーザースポットの照射の速度又は持続時間、及び/又は、走査パターンの一部の繰り返しの頻度、を制御して、架橋活性を高めることができる。このようなパラメータは、上述のような架橋活性に関与する光化学反応速度に従って最適化することができる。これらの反応は、架橋活性の間の酸素の消費及び補充、架橋剤分子の供給及び光分解、並びに、作用/効果の深さを決定する。
例えば、レーザースポットサイズを最適化して、所望の治療を実現することができる。図4A~図4Cは、また、レーザースポットサイズを変化させることによって、異なる治療ゾーンを実現する方法を示す。具体的には、図4Aは、レーザー光源、例えば、UVレーザー光源210又はUV光源310からのビームが、実質的に円形の境界406によって規定される領域408の100%に対して、光活性化光を螺旋(スパイラル)状404に照射するのに十分に大きい直径402aを有するスポットサイズを形成する、例示的な治療ゾーン400aを示す。一方、図4Bは、レーザー光源からのビームが、図4Aに示される直径の50%である直径402bを有するスポットサイズを有する、例示的な治療ゾーン400bを示す。この場合、図4Bのビームが同じ螺旋(スパイラル)状404上を移動するにつれて、光活性化光は、実質的に円形の境界406によって規定される領域408よりも少ない部分に照射される。図4Bに示すように、直径402bは、レーザービームが螺旋(スパイラル)状404の隣接部分との間の空間を全てカバーすることを可能にするには小さすぎてカバーできない。図4Cは、レーザー光源からのビームが、図4Aに示される直径402aの25%である直径402cを有するスポットサイズを有する、さらに別の例示的な治療ゾーン400cを示す。この場合、図4Cのビームが同じ螺旋(スパイラル)状404上を移動するにつれて、光活性化光は、実質的に円形の境界406によって規定された領域408よりもさらに少ない部分に照射される。従って、レーザースポットサイズを変化させることにより、光活性化光を受け、架橋活性を経験する角膜の領域(治療ゾーン)を決定することができる。螺旋(スパイラル)状パターンのピッチに関連させてレーザースポットのサイズを最適化することは、未治療スポットから治療済みスポットへの酸素拡散を増加させる効果を有し、これは、治療済みスポットにおける好気性状態を維持するために有利であり、従って、架橋効率を増加させるのに有利である。
追加的に又は代替的に、走査パターンの部分の繰り返し頻度を最適化して、所望の治療を実現することができる。例えば、レーザービームは、所定の走査パターンの一部分を複数回通過させることができる。さらに、レーザービームは、異なる順序(シーケンス)でこれらの部分を走査することができる。例えば、走査パターンは、部分A、B、及び、Cを含むことができる。最初の経路では、レーザービームは、部分A、次に部分B、そして次に部分Cの上を移動することができる。次の経路では、レーザービームは、部分C、次に部分B、そして次に部分Aの上を移動することができる。レーザービームは、所定の走査の部分の上を複数回移動するときに、走査パターンの態様を変形することもできる。例えば、レーザービームによる後続の経路の通過の間に、走査パターン又はその一部は、第1の経路に対して横方向に回転及び/又はシフトされてもよい。走査パターンの繰り返しの頻度を最適化することは、治療されたスポット内の酸素の枯渇を防止する効果を有し、これは、治療されたスポット内の好気性状態を維持するために有利であり、したがって、架橋効率を高めるために有利である。
追加的又は代替的に、XY走査システムに照射されるレーザービームの特性を最適化して、所望の治療を実現することができる。例えば、レーザービームは、上述のような特定のパルスパラメータに従って射出されることができる。場合によっては、XY走査システムが走査パターンの選択された部分にわたって連続的に移動している間に、パルスレーザービームをXY走査システムに射出することができ、その結果、それらの部分にわたってダッシュのパターンを生成することができる。
走査パターンの異なる部分でXY走査システムに射出されるレーザービームの強度及び/又は持続時間は、治療ゾーンの所望の領域に所望の線量の光活性化光を提供するように最適化することができる。例えば、レーザービームの強度は、走査パターンの選択された部分に対して変調され得、角膜上の異なる位置に異なる放射照度で射出することができる。レーザービームは、また、走査パターンの選択された部分に対して、特定の持続時間及び放射照度で射出されることができる。
螺旋(スパイラル)パターンのような連続する走査パターンを適用する場合、螺旋(スパイラル)ライン間のピッチをさらに最適化することができる。ランダム、半ランダム、又は、マトリックスベースのパターンなどの不連続走査パターンが適用される場合、各スポット上の存在時間、スポット間の距離、及び、スポット間の移動時間をさらに最適化することができる。
図5は、架橋治療のためにレーザー走査パラメータを最適化するための例示的なプロセス500のフローチャートを示す。最適化プロセス500に対して、初期治療時間502a、光活性化光の線量502b、走査パターンのピッチ502c、及び、初期繰り返し率502d、が指定される。動作504において、最適化プロセス500は、初期治療時間502a、初期線量502b、及び、ピッチ502cに基づいてレーザー出力を計算する。動作506において、最適化プロセス506は、計算されたレーザー出力が架橋剤の光安定性に顕著に影響を及ぼすか否かを決定する。光安定性が影響を受けている場合、最適化プロセス500は、動作506において光安定性が影響を受けていないと決定するまで、動作504に戻って、レーザー出力を再計算する。動作510において、最適化プロセス500は、光安定性に影響しないレーザー出力を選択する。動作512において、最適化プロセス500は、選択されたレーザー出力に基づいて治療時間を再計算する。動作514において、最適化プロセス500は、初期繰返し率502d、及び、選択されたレーザー出力に基づいて、デューティサイクルを計算する。動作516において、最適化プロセス500は、酸素枯渇、及び、酸素補充を計算された負荷率と比較する。酸素枯渇が酸素補充よりも少ない場合、最適化プロセス500は、動作518で繰り返し率を増加させ、動作514に戻り、そこで、増加した繰り返し率に基づいてデューティサイクルを再計算する。最適化プロセス500は、酸素枯渇が酸素補充を下回らないと決定した後、動作520においてデューティサイクルを選択する。動作522において、最適化プロセス500は、選択されたデューティサイクルに基づいて光活性化光に対する放射照度を計算する。最適化プロセスは、最適化されたパラメータの組み合わせのプリセットリストを生成するために、概念的には1回又は個別の回数、例えば、実験室で完了することができる。あるいは、最適化プロセスは、治療の前に特定のパラメータの組み合わせを生成するために、ユーザ入力に応答してソフトウェアによってオンデマンドで実行されてもよい。
特定の走査パラメータは関連させることができる。例えば、総線量が一定に保たれている場合、レーザー出力を増加させると、治療時間が減少し、逆もまた同様である。実験データは、より長い治療時間と、より高い繰り返し率は、通常、角膜の平坦化を有意に増加させるが、レーザー出力の変化は、平坦化に有意には影響しないことを示す。(しかしながら、非常に高いレーザー出力は、安全性の懸念に加えて、薬物分子を効率の低い架橋を発生する副産物に分解することによって平坦化に悪影響を及ぼす可能性があることに留意されたい。)
実験結果は、繰返し率の増加、つまりレーザービームによる同一位置への来訪数の増加、が架橋活性を顕著に増強できることを示した。より良い平坦化を達成するために、酸素補充のための時間が各場所の非稼働(オフデューティ)期間の状態になるまで、繰り返し率又は同等に来訪数を増加させることができる。これにより、2回の連続した来訪の間に、それぞれの場所で酸素が補充されるのに十分な時間が得られる。図6は、架橋治療のための例示的な繰り返しサイクル600を示す。各来訪の間に、1つの場所は、光活性化のために特定の量のレーザー照射を受け、その後、レーザービームが他の場所に送達されるオフサイクルが続く。位置ごとに繰り返しされるごとの総放射照度は、走査速度及びレーザー出力に依存する。位置ごとのレーザー来訪数は、非稼働期間が酸素を十分に補充できる場合に最大化される。稼働(オンデューティ)期間は、完全な酸素枯渇に必要とされる時間よりも短いことが好ましい。
図7は、例示的な治療中のある位置における架橋剤の存在を示す酸素濃度及び蛍光強度を示す。レーザー走査は、ブタの眼の生体外(ex-vivo)における実験に基づいて最適化された。特に、線量は15J/cm、治療時間は18分、レーザー出力は1.75mWである。円形治療ゾーンは4mmの直径を有し、走査パターンは治療ゾーンを完全にカバーする(フルピッチ)。酸素は200mmのフラップの下で測定される。蛍光強度は、520~540nmの波長を平均化することによって測定される。図7は、8Hzの繰り返し周波数が、各繰り返しサイクルにおける酸素の枯渇と補充との間の良好なバランスを提供し、その結果、200mmの深さにおける酸素レベルが、依然として0よりもわずかに高いことを示す。薬剤は、治療中に消費され、レーザービームによる薬剤破壊率はごくわずかで無視できる。
同様に、図8A~図8Eは、上皮層が眼の上に残されている(epi-on)5つの眼の治療から生じる曲率の変化を示す。一方、図9A~図9Eは、上皮層が完全に除去された(epi-off)5つの眼の治療に起因する曲率の変化を示す。実験結果は、上記のパラメータと8Hzの繰返し周波数のレーザー走査が、UVLEDを用いた治療より大きな平坦化を提供することを示した。
上記のように、角膜の架橋活性の速度は、角膜組織中の酸素濃度によって制限される。したがって、本実施形態では、架橋活性のための酸素の枯渇/補充に影響する走査パターンを実施するための、レーザー走査のためのパラメータを最適化することができる。一実施例では、パルスレーザービームは、50%のデューティサイクル及び固定パルス周波数で角膜組織上を走査される。レーザービームがパターンを走査するとき、レーザービームは走査に沿って各露光領域の前後に、角膜組織の未露光領域を残す。露光領域は、レーザービームからの光活性化光を受け、得られる架橋活性は、露光領域内の酸素を枯渇させる。有利なことに、隣接する未露光領域は、レーザービームが露光領域から出た後に露光領域内に戻る酸素の拡散を高める。レーザービームによって走査されたパターンは前後にディザリングされて、架橋活性が所望の治療領域全体にわたって確実に発生されるようにすることができる。場合によっては、パルスは、一度にレーザービームの直径にほぼ等しい角膜組織の領域を露光するように、走査速度に基づいて選択されてもよい。
図19Aは、外径が約4mmの環状治療パターン1900aの一例を示す。図19Bは、外径が約8mmの環状治療パターン1900bの一例を示す。治療パターン1900a、bは、螺旋(スパイラル)走査(中心に向かって内向きに螺旋(スパイラル)状に)に亘り50%デューティサイクル及び固定パルス周波数でレーザービームをパルス化することによって生成される。網掛陰影のあるスポットは、レーザービームが「オン」である露光領域を示し、網掛陰影のないスポットは、レーザービームが「オフ」である隣接する未露光領域を示す。露光領域のサイズは、パルス周波数及び走査速度によって決定される。
パターン1900a、bを生成するために、走査パラメータに関する式は、以下のように与えられる。
・ 入力:
o Dmin - 環状治療パターンの内径
o Dmax - 環状治療パターンの外径
o P - 半径方向のピッチ
o fupd - 更新頻度(更新周波数)
o θ - 初期螺旋(スパイラル)角度(θを変更すると螺旋(スパイラル)が回転する)
・ 式:
o 螺旋(スパイラル)の更新時間:
Figure 2022544110000001

o 螺旋(スパイラル)の長さ:
Figure 2022544110000002

o 線速度:
Figure 2022544110000003

o 時定数(下記の螺旋(スパイラル)式の場合):
Figure 2022544110000004

o 螺旋(スパイラル)の角度(下記の螺旋(スパイラル)式の場合):
Figure 2022544110000005

o ループ回数:
Figure 2022544110000006

o 螺旋(スパイラル)の計算式(
Figure 2022544110000007

):
Figure 2022544110000008

o 波動式:
Figure 2022544110000009
別の実施例では、パルスレーザービームは、50%のデューティサイクル及び可変パルス周波数を用いて角膜組織上を走査されてもよく、その結果、レーザービームは、結果として生じるパターンにおいて、各露光領域の4つの全ての側面上の角膜組織に未露光領域を残す。結果として得られるパターンは、チェッカーボードに似ている。有利なことに、上述した固定パルス周波数を有するレーザービームと比較して、露光領域の4つの全ての側面上の隣接する角膜組織の未露光領域は、レーザービームが露光領域から出た後に、露光領域内に戻る酸素のより大きな拡散を促進する。パルス周波数は、事前に決定された所定の最小値と最大値との間で変化させることができ、対応する最小及び最大の露光領域が得られる。
図20Aは、外径が約4mmの環状治療パターン2000aの一例を示す。図20Bは、外径が約8mmの環状治療パターン2000bの一例を示す。治療パターン2000a,bcは、レーザービームを50%のデューティサイクルでパルス化し、螺旋(スパイラル)状のパターン(中心に向かって内向きに螺旋(スパイラル)状になる)に亘って可変パルス周波数を与えることにより生成される。図20A~図20Bにおいて網掛陰影のある領域は、レーザービームが「オン」である露光領域を示し、網掛陰影のない領域は、レーザービームが「オフ」である隣接する未露光領域を示す。
パターン2000a、bを生成するために、走査パラメータに関する式は、以下のように与えられる。
・ 入力:
o DC - デューティサイクル
o Nsct - 2πラジアン角を超えるセクタ数
・ 式:
o 角度ピッチ:
Figure 2022544110000010

o スポット数:
Figure 2022544110000011

o スポットカウンタ:
Figure 2022544110000012

o 子午線(経線)角度:
Figure 2022544110000013

oループ数(小数も可):
Figure 2022544110000014

o偶数/奇数ループインデックス(-1から1の範囲)
Figure 2022544110000015

oレーザーオン角度
Figure 2022544110000016

oレーザーオフ角度
Figure 2022544110000017

oレーザーオン時間
Figure 2022544110000018

oレーザーオフ時間
Figure 2022544110000019

o瞬間的なレーザー変調周波数
Figure 2022544110000020
可変パルス周波数を有するレーザービームの実装は、レーザーのオン/オフ時間が、治療パターンにおける所定の子午線(経線)数に一致するように設定されたレーザー変調信号を使用することができる。
露光領域のサイズは、パルス周波数及び走査速度によって決定されるが、パルス周波数は、レーザービームの半径方向の位置に関連して変化させることができる。特に、変調信号は、螺旋(スパイラル)の中心に向かって増加する可変周波数を有することができる。瞬間的なレーザー変調周波数は式(25)で与えられ、線速度は式(3)で与えられる。レーザー変調の径(ラジアル)方向ピッチは一定ではない。
可変パルス周波数のレーザービームを実装する場合、露光領域は、レーザービームが治療パターンの中心に近づくにつれて、ますます小さくなる。図20Cは、可変パルス周波数のレーザービームによって生成された、外径が約9mmの環状治療パターン2000cの一例を示す。図20Cの網掛陰影部分は、レーザー光が「オン」である露光領域を示し、網掛陰影部分がない領域は、レーザー光が「オフ」である未露光領域を示す。特に図20Cに示すように、露光領域を事前決定された所定のサイズ範囲内に維持するために、子午線(経線)の階層化されたセットを使用することができる。
レーザー変調信号は、検流計の駆動信号と同期している。レーザー変調信号は、螺旋(スパイラル)の再起動のたびにリセットされ、交互に変化する。図21は、検流計を駆動するための例示的な波形2100a(Galvo-x、Galvo-y)及び架橋治療の一部の間のレーザー変調波形2100bの一例を示す。図21に示すように、レーザーの変調周波数は、時間と共に変化し、レーザービームがパターンの中心に向かって内側に螺旋(スパイラル)状に進むにつれて大きくなる。一方、瞬間的なレーザーのデューティサイクルは、一定の50%のままである。
図22Aは、完全な架橋治療中に検流計を駆動するための例示的な波形2200a(Galvo-x、Galvo-y)の一例を示す。これに対応して、図22Bは、完全治療中のレーザー変調波形2200bを示す。レーザー変調周波数は、レーザービームが治療パターンの中心付近にあるとき、走査の終わり近くで急速に増加する。これにより、露光した組織領域が中心付近で小さくなりすぎる可能性があり、レーザーを駆動するのに必要な電子回路の複雑さを増大させる可能性がある。
治療パターンの中心付近の望ましくない高いレーザー変調周波数の潜在的な問題を克服するために、チェッカーボードの角度パターンは、瞬間的なレーザー変調周波数に基づいて複数の半径方向(放射状)ゾーンに分割することができる。図23は、このようなアプローチを実施するレーザー変調波形2300の一例を示す。最も外側のゾーンでは、セクタ角度は事前決定された所定の値を有し、レーザーが内側に移動するにつれてレーザー変調周波数が増加する。変調周波数が事前決定された所定の制限値に達するとすぐに、セクタ角は2倍になり、変調周波数は第2のゾーンの開始点で半分になる。後続のゾーンも同様方法で導入される。変調周波数を事前に決定された制限値以下に保つために、ゾーンの数が自動的に決定される。(したがって、このアプローチは、本明細書では「自動ゾーン」アプローチと称される。)最初のゾーンのセクタ数は2の累乗であり、次のゾーンに切り替えると半分になる。
表1は、(i)固定レーザー変調周波数で走査されたパルスレーザービーム、(ii)自動ゾーンアプローチを実施しない可変レーザー変調周波数で走査されたパルスレーザービーム、及び、(iii)自動ゾーンアプローチを使用する可変レーザー変調周波数で走査されたパルスレーザービーム、によって生成された環状パターンについての例示的な出力データを示す。
Figure 2022544110000021
表1のパターンの共通入力パラメータは、以下を含む。
・ パターン内径:100mm
・ パターン外径:9mm
・ スポット径:100mm
・ ラジアルピッチ:100mm
・ 更新頻度(更新周波数):16Hz
・ デューティサイクル:50%
固定されたレーザー変調周波数で走査されたパルスレーザービームの場合、入力は、100mmに等しい接線方向ピッチをさらに含む。自動ゾーンアプローチを実施しない可変レーザー変調周波数で走査されたパルスレーザービームの場合、入力は、さらに25に等しいセクタ数を含む。自動ゾーンアプローチを実施する可変レーザー変調周波数で走査されたパルスレーザービームの場合、入力は、さらに128に等しい初期セクタ数及び100kHzに等しい変調周波数の制限を含む。
図24Aは、変調周波数の制限に基づいて複数の半径方向ゾーンに分割された、自動ゾーンアプローチレーザー変調波形を実行する、可変レーザー変調周波数で走査されたパルスレーザービームで発生された、外径が約4mmの例示的な環状治療パターン2400aの一例を示す。図24(b)は、治療パターン2400aに対応するレーザー変調波形2400bの一例を示す。
パターン2400aの入力パラメータは、以下のものを含む。:
・ パターン内径:85mm
・ パターン外径:4mm
・ ラジアルピッチ:85mm
・ 更新頻度(更新周波数):16Hz
・ 最大子午線数:64
・ 最大変調周波数:22kHz
パターン2400aの出力データは、以下のものを含む。:
・ ゾーン数:6
・ 螺旋(スパイラル)の長さ:147.8m
・ 走査速度:2.3644m/s
・ 最小変調長:52.4mm
・ 最大変調長:107.2mm
・ 最小レーザー変調周波数:11.014kHz
・ 最大レーザー変調周波数:22.139kHz
図25Aは、自動ゾーン手法を実施する可変レーザー変調周波数で走査されたパルスレーザービームで発生された、外径が約9mmの例示的な環状治療パターン2500aの一例を示す。図25Bは、治療パターン2500aに対応するレーザー変調波形2500bの一例を示す。
パターン2500aの入力パラメータは、以下のものを含む。:
・ パターン内径:85mm
・ パターン外径:9mm
・ ラジアルピッチ:85mm
・ 更新頻度:16Hz
・ 子午線の最大数:128
・ 最大変調周波数:75kHz
パターン2500aの出力データは、以下のものを含む。:
・ ゾーン数:7
・ 螺旋(スパイラル)の長さ:748.37mm
・ 走査速度:11.9739m/s
・ 最小変調長:74.37mm
・ 最大変調長:159.60mm
・ 最小レーザー変調周波数:37.507kHz
・ 最大レーザー変調周波数:76.225kHz
図26Aは、自動ゾーン手法を実施する可変レーザー変調周波数で走査されたパルスレーザービームで発生された、外径が約9mmの例示的な環状治療パターン2600aを示す。図26(b)は、治療パターン2600aに対応するレーザー変調波形2600bの一例を示す。
パターン2600aの入力パラメータは、以下のものを含む。:
・ パターン内径:5mm
・ パターン外径:9mm
・ ラジアルピッチ:85mm
・ 更新頻度:16Hz
・ 子午線の最大数:128
・ 最大変調周波数:75kHz
パターン2600aの出力データは、以下のものを含む。:
・ ゾーン数:1
・ 螺旋(スパイラル)の長さ:517.4mm
・ 走査速度:8.279m/s
・ 最小変調長:61.34mm
・ 最大変調長:110.45mm
・ 最小レーザー変調周波数:37.47kHz
・ 最大レーザー変調周波数:67.47kHz
自動ゾーンアプローチが使用されるが、パターンは1つのゾーンのみを含む。
図27は、走査sに沿って進行するパルスレーザービームによって発生されるスポットプロファイル2700の態様を示す。図27に示すように、レーザービームは、レーザースポット径Dspandを有し、走査速度Vscとパルス幅tpとの積である走査長Lscを生成する。
以下のパラメータを使用して、例えば、外径9mmのパターンを生成することができる。
・ 走査速度Vsc:10.2m/s
・ レーザースポット径Dsp:100mm
・ ラジアルピッチ:100mm
・ デューティサイクル:50%
・ スポットプロファイル:フラットトップとガウス
・ レーザー出力:8mW
変調周波数を最適化することができる。ガウスレーザービームの場合、変調周波数は、単一の走査において治療されたスポットと未治療のスポットとの間の線量において十分なコントラストを維持するために、50kHz未満であることが好ましい。例えば、50kHzでは、コントラスト((max-min)/平均)は、約50%である。この推定値は、スポットプロファイル(内径及び外径)及び検流計の速度に依存する。図28A~図28Dは、変調周波数の関数としてコントラストを示す。図28Aは、25kHzのレーザー変調周波数を有するガウスレーザースポットを示す。図28Bは、50kHzのレーザー変調周波数を有するガウスレーザースポットを示す。図28Cは、75kHzのレーザー変調周波数を有するガウスレーザースポットを示す。図28Dは、100kHzの変調周波数を有するガウスレーザースポットを示す。
表2Aは、自動ゾーンアプローチを実施するパルスレーザー走査によって種々の環状治療パターンA~Fを発生するための入力パラメータを提供する。これに対応して、表2Bは、種々の治療パターンA~Fについての出力データを提供する。パターンA~Fに課せられる要件は、85mmの最小変調長である。
Figure 2022544110000022

Figure 2022544110000023
[ポイント・アンド・シュートレーザー走査アプローチ]
上述したように、走査パターンの態様は、複数の離散的なドットによって規定することができる。治療パターンは、連続するx、y変数に基づいて、ランダム化された方法又は半ランダム化された方法で離散的なドットを走査することによって定義することができる。
いくつかの実施形態によれば、ポイントアンドシュート技術を使用して、一連の離散的なドットを適用し、所望の治療ゾーンを成すことができる。図10に示すように、走査パターン1000は、治療ゾーンを画定する境界1004(例えば、円形の境界)の内側のグリッド1006に従って離散的なドット1002を走査することによって規定されてもよい。特に、グリッド1006は、六角形セル1007の配置を含み、ドット1002は、レーザービームによって六角形セル1007内にサンプリング(ショット)される。六角形のセル1007は、境界1004内にドット1002を均一に間隔をあけて配置するように、すなわち、治療ゾーンを横切る光活性化光の均一性を最大にするように配置されてもよい。レーザービームスポットのサイズ(例えば、直径)及びグリッド1006のピッチは、この均一性を最大にするために一致させることができる。
走査パターンのグリッドが定義された後、グリッドのセルにレーザービームスポットを照射する順序を最適化することができる。ショットの順序、ショットの持続時間、ショットの強度、及び、各セルへの繰り返しショットの数は、架橋活性の効率及び角膜の所望の形状変化量に影響する可能性がある。1つのアプローチによれば、各セルは、ランダムな順序で少なくとも1回サンプリングされる。別のアプローチによれば、治療システムは、受けたショットの蓄積に基づいて、各セルに照射された総用量を追跡する。言い換えると、治療システムは、治療が進行するにつれて線量マップを維持し、この線量マップに従って次のショットをどこに照射するかを決定する。治療の間、治療システムは、次のショットを最小の総線量を有するセル(最も少ないショット数を受けたセルであってもよい)に照射することができる。複数のセルが最小の総用量を有する場合、治療システムは、次のショットについて、前のショットを受けるセルから最大の距離に位置するセルを選択することもできる。連続したショット間の最大距離に基づいてセルを選択することは、走査パターンにわたってより効率的で均一な架橋活性を提供することができる。特に、ショット間の距離が大きいほど、次のセルでの架橋のための酸素の局所供給が改善される。さらに、前のセルでのアクティビティの影響(クロストーク)は、前のセルからより遠い次のセルでのアクティビティに影響を与える可能性が低い。
連続するショット間の距離を最大にするようにセルを選択することの考えられる欠点は、距離を横切って移動する時間(通過時間)のために、連続するショットの施与間の時間が増加することである。従って、この考えられる欠点に対処するために、治療システムは、連続するショット間の距離を制限することができ、例えば、距離は最大化されるが、事前決定された所定の最大移動距離(MTD)を超えない。従って、治療システムは、MTD内の最小総線量を有するセルを選択することができる。すべてのセルが同じ線量又は同じ数のショットを受けた場合、治療システムは、次のセルをランダムに選択することができる。
一般に、ポイントアンドシュート技術は、所望の治療を実施するために、様々なパラメータに従って最適化することができる。このようなパラメータには、以下が含まれるが、これらに限定されない。(i)レーザービームスポットのサイズ、(ii)グリッドのピッチ、(iii)走査パターンにを横切るセルごとのショット数(来訪とも呼ばれる)、(iv)総治療時間、(v)レーザービームの放射照度、(vi)連続したドットの適用される間の時間;
及び/又は(vi)スポットが適用される順序。例えば、図11は、線量が15J/cmのUVA光であり、治療時間が約1000秒であり、連続するスポット間を通過するのに要する時間が約0.2ミリ秒であり、かつ、スポットプロファイルがガウスである、直径が約4mmの円形境界内(治療ゾーンに対応する)の六角形グリッドを使用する治療のための、パラメータ値の異なる組み合わせを示す。図11のパラメータは、直径Dsp(μm)半値全幅(FWHM)として測定されたレーザービームスポットのサイズ、グリッドのピッチ(μm)、来訪の回数(来訪が、全てのセルがショットを受けるようになる走査パターンの単一経路に対応する場合)、走査パターン全体のスポットの数、ショットの数、各来訪の時間、各ショットの時間(ms)(撮影時間)、ピーク照射照度(W/cm)、レーザービームの出力(mW)、ショットごとのピーク線量(J/cm)、及び、不均一性(%)を含む。
図12A~図12Cは、検流計ミラーシステム(例えば、図3に示す検流計ミラーシステム312)を使用した、図11のB列に示される治療パラメータの実施のためのグラフを示す。各グラフは、Xミラーの傾斜角度を誘導するために印加される駆動電圧を、治療の進行に伴う時間の関数として示す。特に、ミラー傾斜角度は、上述したようにXミラーを制御するX電圧によって表される。ミラーの傾斜角度は、ショットがセルに送られるとき(撮影時間中)は固定されたままであり、次のセルにショットを送るように検流計ミラーシステムが調整されるとき(移動時間中)に変化する。光活性化光は、移動時間中に検流計ミラーシステムに送られない。実際には、検流計ミラーシステムが次のセルにショットを送るように調整される場合、ミラーが移動を停止できるようにするために過渡時間が必要である。1つのアプローチによれば、レーザービームは変調され、検流計ミラーシステムは、この過渡時間中に光活性化光が検流計ミラーシステムに照射されないように同期される。図12Aは、移動距離が制約されない、すなわちMTD=∞である治療の最初の10ショットの間のチルト角(X電圧)を示す。図12Bは、走行距離が直径Dsp(100μm)の10倍以下の走行距離、すなわちMTD=10Dspに制限される治療の最初の10ショットの間の傾斜角度(X電圧)を示す。図12Cは、移動距離が直径Dsp(100μm)の5倍以下の移動距離、すなわちMTD=5Dspに制限される治療の最初の10ショットの間の傾斜角度(X電圧)を示す。図12A~図12Cは、移動距離をレーザースポットサイズの数倍に制限することによって、連続するスポット間の移動距離が短くなり、すなわち、スポット間の傾斜角度の変化が小さくなることを示している。
[目の動きの補正]
上述したように、図3に示す治療システム300は、治療中の眼1の動きを説明するための眼追跡システムを含む。いくつかのアプローチによれば、眼の位置は、画像化システムによってキャプチャされた画像を治療することによって、治療中に監視することができる。それに応じて、治療システムは、パターンが角膜の所望の領域に適用されるように、光活性化光の照射を動的に調整する。
しかしながら、図13のタイムライン1300に示されるように、眼の個別の時間検出及び治療システムの有限の応答時間のために、眼の位置の検出と光活性化光の照射との間には遅延が発生する。例えば、図13は、画像化システムが眼の画像iをキャプチャすることを示す。画像iを処理し、画像iにおける目の位置をX(i)と算出する。次に、位置X(i)を処理して所望の治療ゾーンの位置を計算し、光活性化光H(i)を所望の治療ゾーンに送出する。画像iを処理するために必要な時間は、δ1のシステム遅延をもたらす。さらに、位置X(i)を処理し、光活性化光の照射をトリガするために必要な時間は、δ2の別のシステム遅延をもたらす。したがって、画像iがキャプチャされてから光活性化光が実際に照射されるまでの合計時間Δは、少なくともシステム遅延δ1及びδ2が合計される。従って、遅延時間Δの間にさらに眼の動きがある場合、光活性化光の照射に不正確さが生じる可能性がある。
特に、急速な眼の動きは、この光活性化光の照射の遅延により、位置誤差を引き起こす可能性がある。上記のポイントアンドシュートのアプローチでは、レーザースポットのサイズが遅延時間中の目の動きの量に匹敵する場合、位置誤差が大きくなる可能性がある。図14(A)~(D)は、グリッドベースのポイントアンドシュートのアプローチのための六角形セル1407の配置によって規定されるグリッド1406を示す。図14(A)に示すように、治療システムは、時間(i-Δ)にセル1407aにショットを照射することを意図している。画像化システムは、目の位置及びショットの相対位置を決定することができる一連のフレームをキャプチャする。特に、図14(B)及び図14(C)は、それぞれ時間i及び(i+1)における連続フレームを示す。フレームは、目が移動し、ショットが他の意図しないセルによって受信されたことを示している(位置誤差)。グリッド1406は目に対して固定されているので、ショットの位置はグリッド1406に対して移動している。図14(B)に示されるように、ショットは、時間iにおいてセル1407a~dの部分にわたって受けられる。一方、図14(C)は、ショットが時間(i+1)にセル1407a、d、eの部分にわたって受信されることを示す。
運動モデル(例えば、線形モデル、カルマンフィルタ、又はFIRフィルタ、等)を用いて、連続するフレーム間の眼の運動をモデル化し、連続するフレーム間で光活性化光を受けるセルを決定する。次いで、線量マップを更新して、このようなセルの各々が、フレーム内の光活性化光によって覆われる領域に比例した線量の光活性化光を受けたことを示すことができる。したがって、図14(D)に示すように、線量マップは、時間i及び(i+1)におけるフレーム内の情報に基づいて、セル1407a-eによって光活性化光の線量が受け取られたことが示される。さらに、図14(D)において、セル1407a-eの相対的な網掛陰影で示されるように、線量マップは、セル1407a-eが受けた光活性化光の相対的な線量を示す。例えば、両方のフレームにおいて光活性化光によって覆われた各セル1407a-eの総面積に基づいて、セル1407aは最大の線量を受けたことになるが、セル1407c、dはセル1407b、eよりも大きな線量を受けたことになる。次いで、更新された線量マップを使用して、上述のように次のショットの位置を決定することができる。したがって、図14は、位置誤差の影響を説明するために線量マップを使用する、グリッドベースのポイント及びシュートアプローチの修正を示している。
図14は、グリッドベースのポイント及びシュートアプローチの修正を示しているが、角膜を横切って光活性化光を走査するための他のアプローチでは、光活性化光の照射における測定された誤差を考慮するために線量マップが動的に更新され、治療中に施与される線量を空間的に最適化するために、走査経路が動的に調整される類似のメカニズムを含むことができる。さらに、代替の実施形態では、光活性化光の施与から生じる蛍光信号を検出して、そのような施与の位置を決定し、上述のように眼球運動を説明することができる。
[リサージュ曲線走査]
図3の治療システム300を参照すると、検流計ミラーシステム312を使用して、リサージュ曲線走査パターンを作成することができる。このような走査パターンは、Xミラー312a及びYミラー312bに、それぞれX方向及びY方向に、レーザービームを走査させる独立したミラー駆動波形に変換することができる。
例えば、ミラー312a、bの各々は、
Figure 2022544110000024

Figure 2022544110000025

のように記述することができるそれぞれの正弦波運動を行うことができ、ここで、
Figure 2022544110000026

及び
Figure 2022544110000027

は、目の表面上の最大レーザービーム運動に対応する。
具体的な例として、
Figure 2022544110000028

Figure 2022544110000029

Figure 2022544110000030

とすると、リサージュ曲線は円である。任意の瞬間におけるビーム位置及び走査速度は、以下のように記述することができる。
Figure 2022544110000031

Figure 2022544110000032

走査領域全体をカバーするために、複数の走査経路が含まれる。振幅Aは、走査領域全体に適合する変数である。走査速度が均一の場合:
Figure 2022544110000033

である。
非常に密なリサージュ走査経路を使用することで、適切な架橋効果を達成することができる。角膜組織の領域における架橋のプロセスは、酸素及び架橋剤、例えばリボフラビン、の局所的な供給を必要とする。従って、連続する走査経路が互いに近すぎると、架橋効率が低下する可能性がある。架橋効率の低下を最小限に抑えるために、間隔mで定義されたシーケンスでn本の総走査経路を走査することによって、n本の総経路の走査をインターレースすることができる。例えば、走査パターンがn=20の合計走査経路(円形経路など)を含み、間隔m=5が選択されている場合、走査シーケンスは、走査経路1から開始して、走査経路1の後の5間隔ごとの走査経路、すなわち走査経路6、11、16に進むことができる。その後、シーケンスは、走査経路2に移動し、走査経路2の後の5間隔ごとの走査経路、すなわち、走査経路7、12、17等に進むことができる。全シーケンスの順序は、走査経路1、6、11、16、2、7、12、17、3、8、13、18、4、9、14、19、5、10、15、20である。あるいは、シーケンスは、走査経路20で開始し、5間隔毎に走査経路とは逆方向に進むことができ、すなわち、全シーケンスの順序は、走査経路20、15、10、5、19、14、9、4、18、13、8、3、17、12、7、2、16、11、6、1と進むことができる。
各経路の走査は、経路の任意の部分から開始できる。例えば、円形経路が前のシーケンスに従って走査される場合、経路20、15、10、5の走査は、円上で45°から開始することができる。経路19、14、9、4の走査は、円上で40°から開始することができる。経路18、13、8、3の走査は、円上で35°から開始することができる。等々。治療全体の走査パターンには、多数の走査経路を含むことができるので、多くの開始角度を使用することで、開始角度の均一な分布を実現することができる。
[デッドゾーンの存在]
効果的な架橋のために、非常に高い線形走査速度が、場合によっては、使用することができる。例えば、線形走査速度が3.14mm/msの場合、直径0.1mmの走査円は0.1msで完成し、検流計の機能周波数wは10kHzである。この機能周波数は、ほとんどの市販の検流計ミラーシステムで達成することは非常に困難である。実際、検流計サーボボード上に1つ以上のノッチフィルタを施与して、その範囲の共振についての問題を回避するのが一般的な方法である。このように、従来の検流計の性能の限界のために、走査にはデッドゾーンが存在する。さらに、このデッドゾーンは、架橋治療のための光活性化光のピーク出力を達成するための問題を引き起こす可能性がある。
しかしながら、各走査経路について、レーザービームがデッドゾーンに最も近い部分を走査するときに、レーザービームはデッドゾーンに移動し、短時間デッドゾーンに留まる場合がある。例えば、架橋治療が合計1000秒間続き、10Hzの繰り返し周波数で各走査パターンについてインターレース経路(例えば、円形走査経路)を10回走査する場合、デッドゾーンに移動する機会は10万回ある。デッドゾーンのサイズが全走査領域の1パーセントである場合、総存在時間は10秒であり、デッドゾーン(存在)に移動する毎に100msになる。
決定論的方程式を用いて一様なデッドゾーン存在位置を発生することができるが、デッドゾーン存在はランダムに達成することもできる。
たとえば、2つの0~1の一様分布数r及びr、を使用し、デッドゾーン半径をRとすると、ランダムなデッドゾーンの居住位置は次のようになる。
Figure 2022544110000034

Figure 2022544110000035
[レーザー出力制御と同期]
レーザー出力は、架橋治療中にレーザービーム位置と同期される。さらに、レーザー変調信号を位置センサと同期させることにより、走査パターンの時間的及び空間的特性を正確に制御を維持するために使用される。
このような同期は、例えば、リサージュ走査経路(Lissajous scan paths)を有する走査パターンは、所望の治療領域と正確に対応しない可能性があるので、必要となる場合がある。例えば、走査パターンは、円形の境界及び円形の走査経路によって規定されてもよいが、架橋治療のためのゾーンは、対応する円形でない可能性がある。従って、レーザービームが治療ゾーン内にあるときには、レーザー出力をオンにし、レーザービームが治療ゾーン外にあるときには、レーザー出力をオフにする必要がある場合がある。このような同期はまた、不均一なレーザー出力が治療ゾーンの一部に必要になるため、必要になる場合がある。
変調されたCWレーザー出力は、音響光学変調器又は電気光学変調器からのトリガ信号を介して操作することができ、ダイオード電流などを介して直接操作することができる。立ち上がり時間及び立ち下がり時間としても知られる時間遅延は、一般に、レーザーがオン又はオフにされるときに発生する。高品質の同期では、キャリブレーションによりこの時間遅延を考慮します。
レーザー出力の変調のためのトリガ信号は、開ループ又は閉ループ制御システムを介して提供することができる。閉ループ制御システムは、位置に対してフィードバック信号を使用する。開ループ制御システムは、トリガ信号についての時間遅延の注意深い事前較正を含む。
TTL(Transistor-Transistor Logic(トランジスタ-トランジスタロジック))は、一般的に立ち上がり時間及び立ち下がり時間が短く、デジタル変調に使用することができる。PECL(Positive Emitter coupled Logic(正のエミッター結合ロジック))、LV-PECL(Low-Voltage Positive Emitter coupled Logic(低電圧正のエミッター結合ロジック))、及び、LVDS(Low-Voltage Differential Signaling(低電圧差動信号))などの他の差動信号方式も、最小限の低ノイズで高周波数を変調することができる。
[[眼追跡のための確率モデル、推定、及び、制御]]
[カルマンフィルタ]
カルマンフィルタに基づくアルゴリズムを用いて、眼追跡測定から誤差を除去することができる。カルマンフィルタは、確率システムのための予測修正型推定器を実装する一連の数式である。いくつかの推定条件が満たされたときに推定誤差を最小化するという意味での最適である。カルマンフィルタを用いると、眼位置の直接測定を用いるアプローチとは対照的に、眼追跡の精度を著しく改善できる。このような眼追跡は、規則的な位置‐速度‐加速度成分及び時折のランダム成分により眼の動きを効果的に推定できる。このような眼追跡を2次元空間で実現するために、2つの独立したフィルタ、すなわち各空間次元に対して1つのフィルタを使用した。
[カルマンフィルタの状態空間モデル]
カルマンフィルタは、線形確率微分方程式
Figure 2022544110000036

に支配される離散時間制御プロセスの状態
Figure 2022544110000037

を推定するという一般的な問題を扱っている。
Figure 2022544110000038

の測定値の場合、
Figure 2022544110000039

ランダム変数
Figure 2022544110000040

及び
Figure 2022544110000041

は、プロセス及び測定ノイズを表す。これらは独立していると見なされ、確率分布は正規である。
Figure 2022544110000042

Figure 2022544110000043

一つは、ステップ
Figure 2022544110000044

よりも前にプロセスの知識を与えられたステップ
Figure 2022544110000045

において、事前状態推定である
Figure 2022544110000046

であり、及び、
測定
Figure 2022544110000047

が与えられたステップ
Figure 2022544110000048

における事後状態推定値である。
Figure 2022544110000049

と定義する。
次に、事前推定及び事後推定の各誤差を
Figure 2022544110000050

及び
Figure 2022544110000051

として定義することができる。
事前推定及び事後推定の各誤差の共分散は次の通りである。
Figure 2022544110000052

Figure 2022544110000053
[離散カルマンフィルタアルゴリズム]
カルマンフィルタの方程式は、時間更新方程式と測定更新方程式の2つのグループに分類される。
初期見積り
Figure 2022544110000054

及び
Figure 2022544110000055


時間更新
↓↑
測定の更新
時間更新方程式は、現在の状態と誤差(エラー)の共分散の推定値を前方に投影して、次の時間ステップの事前推定値を取得する原因となる。
状態の前方への投影:
Figure 2022544110000056

誤差共分散の投影:
Figure 2022544110000057

測定更新方程式がフィードバックの原因となる。
新しい測定値を事前推定値に組み込んで、改善された事後推定値を得る。
カルマン利得の計算:
Figure 2022544110000058

測定値による見積の更新:
Figure 2022544110000059

誤差共分散の更新:
Figure 2022544110000060
[ポリゴン走査を使用したラスタ走査]
図15は、ラスタ走査パターン1500の一例を示す。ラスタ走査では、レーザービームは、一番上の行から開始され、一定の速度で水平方向に左から右に掃引され、次に急速に左に戻り、次の行を掃引することができる。一方、レーザービームの垂直位置は、着実に下方に移動する。移動は連続的又は断続的に行うことができる。走査経路が完了すると、レーザービームは一番上の行から開始することも、第1行と第2行の間の位置から開始してインターレース走査を行うこともできる。ラスタ走査では、上述したように、レーザー変調が架橋治療領域と同期する。
通常、ポリゴン走査は、Lassajou曲線走査のようにデッドゾーンがないため、高速に実行できる。ラスタ走査の垂直方向の動きは非常に遅く、例えば、MEMSベースの走査のような単純で遅い走査で実現することができる。
[共振スキャナを用いたジグザグ走査]
図16は、ジグザグ走査パターン1600の一例を示す。ラスタ走査と同様に、図16に示されるようなジグザグ走査は、より速い水平走査及びより遅い垂直走査を含む。ジグザグ走査は、両方向に水平な方向にスイープできる。垂直方向の動きは、連続的又は断続的に行うことができる。ジグザグ走査は、共振スキャナで実施することができる。ジグザグ走査では、上述したように、レーザー変調が架橋治療領域と同期する。
[代替レーザー治療システム]
上述したように、光活性化光パターンを照射するためにレーザー光源を使用することは、LED光源を使用するアプローチよりも角膜架橋治療に利点を提供することができる。LED光源は、低いコヒーレンス、低いコリメーション、及び/又は大きな直径を含む、より低い光学品質の光線を提供する場合がある。そのような低品質の光線では、光活性化光の照射のために利用可能なパターンの選択は、より制限される可能性があり、パターン形成のために、より複雑で膨張性の非球面光学系を必要とする可能性がある。
上述のようなXYスキャナを使用するレーザーベースのアプローチに加えて、図17及び図18は、光活性化光のパターンを角膜に投影するための他のレーザーベースのアプローチを提供する他の治療システムの一例を示す。特に、図17は、回折マルチビームスプリッタを採用する例示的な治療システム1700を示し、図18は、回折ビーム整形器を採用する例示的な治療システム1800を示す。これらの治療システムは、シングルモードレーザーの使用に対してより効率的である。
図17に示す治療システム1700は、UV(例えば、UVA)レーザー光源1710と、ビームエキスパンダ1711と、二次元ビームスプリッタ1712と、レーザービーム偏向器1713と、集束レンズ1714とを含む。レーザー光源1710は、(レーザー光源1710の内部又は外部のいずれかの)光振幅変調器を備えて実装されることができる。レーザー光源1710からのレーザービームは、ビームエキスパンダ1711に向けられ、得られた拡大ビームは、二次元ビームスプリッタ1712(例えば、回折ビームスプリッタ)に向けられ、複数のレーザービームスポットを生成する。レーザー光偏向器1713は、レーザービームスポットを受けて集束レンズに向け、集束レンズ1714は、レーザービームスポットのパターンを角膜2に投射する。スポットパターンは、角膜2から集束レンズ1714までの距離によって決まるパターンサイズを有する、角膜2の表面のレーザー光スポットから生成される。架橋活性は、連続及び/又はパルスのレーザー光を用いて、すべてのスポットで同時に発生される。
治療システム1700は、治療システム1700の態様を制御することができる制御装置1720を含む。さらに、治療システム1700は、眼1の画像をキャプチャする画像化システム1716(例えば、カメラ)を含む。制御装置1720は、治療システム1700に対する角膜2の位置を決定するために、画像化システム1716から画像を受信して処理することができる。角膜2の位置の変化を補償するために、制御装置1720は、レーザービーム偏向器1713を制御して走査されるレーザービームを調整し、角膜2の所望の領域にスポットパターンを施与させることができる。このようにして、画像化システム1716と制御装置1720とを組み合わせてアイトラッキングシステムを提供する。
一方、図18に示される治療システム1800は、UV(例えば、UVA)レーザー光源1810と、ビームエキスパンダ1811と、集束レンズ1812と、回折ビーム整形器1813と、レーザービーム偏向器1814とを含む。レーザー光源1810は、(レーザー光源1810の内部又は外部のいずれかの)光振幅変調器を用いて実装されることができる。レーザー光源1810からのレーザービームはビームエキスパンダ1811に向けられ、得られた拡大ビームは集束レンズ1812及び回折ビーム整形器1813(例:フラットトップジェネレータ、リングジェネレータ、又は、カスタムシェイプジェネレータ)に向けられる。レーザービーム偏向器1814は、回折ビーム整形器1813からのレーザービームを受けて角膜2に向ける。これにより、角膜2の表面に所望の大きさ及び形状のレーザービーム・スポットが発生する。さらなる実施形態は、任意選択で、追加のレンズ及びビーム整形装置を使用することができる。
治療システム1700と同様に、治療システム1800は、治療システム1800の態様を制御することができる制御装置1820を含む。さらに、治療システム1800は、眼1の画像をキャプチャする画像化システム1816(例えば、カメラ)を含む。制御装置1820は、治療システム1800に対する角膜2の位置を決定するために、画像化システム1816から画像を受信して処理することができる。角膜2の位置の変化を補償するために、制御装置1820は、レーザービーム偏向器1814を制御して走査されるレーザービームを調整し、角膜2の所望の領域にスポット・パターンを施与させることができる。このようにして、画像化システム1816と制御装置1820とを組み合わせて眼追跡システムを提供する。
一般に、レーザー光源を使用する架橋治療システムは、より精巧でより鮮明な光活性化光パターンを提供することができる。上述のように、実施形態は、所望のパターンを達成するために、XYスキャナ、回折マルチビームスプリッタ、及び回折ビーム整形器を使用することができる。
また上述したように、レーザーベースの治療システムからの光活性化光パターンは、個々の対象に対する特定の眼のパラメータに基づいて、臨床的有効性及び所望の治療目的(例えば、屈折矯正)を達成するように最適化されることができる。最適化されたレーザーベースの治療システムは、患者固有の治療パターンのための治療ゾーンの形状及び局所的な強度を正確に制御することができる。有利には、最適化されたレーザーベースの治療システムは、光化学反応速度論に基づく架橋剤及び周囲の酸素を効率的に使用することによって、架橋を増強することができる。実際、そのような治療システムは、治療中に高酸素状態を有することを不要にすることができ、すなわち、外部ガス源、治療マスクなどが、補足的な濃縮酸素を供給することを必要とされない。
上述したように、本開示のいくつかの態様によれば、上述及び図示された手順のいくつか又はすべてのステップは、制御装置の制御下で自動化又は誘導することができる。一般に、制御装置は、ハードウェア要素及びソフトウェア要素の組み合わせとして実装されることができる。ハードウェアの態様は、マイクロプロセッサ、論理回路、通信/ネットワークポート、デジタルフィルタ、メモリ、又は論理回路を含む、動作可能に結合されたハードウェアコンポーネントの組み合わせを含むことができる。この制御装置は、コンピュータ可読媒体上に記憶することができるコンピュータ実行可能コードによって指定される動作を実行するように適合されてもよい。
上述のように、制御装置は、ソフトウェア又は格納された命令を実行する、外部の従来のコンピュータ又はオンボードのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、又はデジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプログラマブル処理デバイスであってもよい。一般に、本開示の実施形態によって、任意の処理又は評価に使用される物理的プロセッサ及び/又はマシンは、コンピュータ及びソフトウェア分野の当業者によって理解されるように、本開示の例示的な実施形態の教示に従ってプログラムされた、1つ以上のネットワーク接続又はネットワーク非接続の汎用コンピュータシステム、マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、マイクロコントローラなどを含むことができる。物理的プロセッサ及び/又はマシンは、画像キャプチャデバイスと外部でネットワーク接続されてもよく、又は画像キャプチャデバイス内に常駐するように統合されてもよい。適切なソフトウェアは、当業者には理解されるように、実施例の教示に基づいて、当業者によって容易に準備することができ、さらに、実施例のデバイス及びサブシステムは、電気技術の当業者には理解されるように、特定用途向け集積回路を準備することによって、又は従来のコンポーネント回路を適切なネットワークで相互接続することによって、実装されることができる。したがって、例示的な実施形態は、ハードウェア回路及び/又はソフトウェアの任意の特定の組み合わせに限定されない。
本開示の実施形態は、コンピュータ可読媒体の任意の1つ又は組み合わせに記憶され、本開示の例示的な実施形態は、例示的な実施形態のデバイス及びサブシステムを制御するためのソフトウェア、例示的な実施形態のデバイス及びサブシステムを駆動するためのソフトウェア、例示的な実施形態のデバイス及びサブシステムが人間のユーザと対話することを可能にするためのソフトウェアなどを含むことができる。このようなソフトウェアには、デバイスドライバ、ファームウェア、オペレーティングシステム、開発ツール、アプリケーションソフトウェアなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。このようなコンピュータ可読媒体は、さらに、実装において実行される処理の全部又は一部(処理が分散される場合)を実行するための、本開示の一実施形態のコンピュータプログラム製品を含むことができる。本開示の例示的な実施形態のコンピュータ・コードデバイスは、スクリプト、解釈可能プログラム、ダイナミックリンクライブラリ(DLL)、Javaクラス及びアプレット、完全な実行可能プログラムなどを含むが、これらに限定されない任意の適切な解釈可能又は実行可能なコードメカニズムを含むことができる。さらに、本開示の例示的な実施形態の処理の一部を、より良い性能、信頼性、コストなどのために分散させることができる。
コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の適切な磁気媒体、CD-ROM、CDRW、DVD、任意の他の適切な光学媒体、パンチカード、紙テープ、光学的マークシート、穴のパターン又は他の光学的に認識可能な標識を有する任意の他の適切な物理媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH-EPROM、任意の他の適切なメモリチップ又はカートリッジ、コンピュータが読み取ることができる搬送波又は任意の他の適切な媒体を含むことができる。
本開示は、1つ以上の特定の実施形態を参照して説明したが、当業者は、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多くの変更がそれに対して実施できることを認識するであろう。これらの実施形態及びそれからの自明の変形例の各々は、本開示の趣旨及び範囲内に含まれるものと考えられる。また、本開示の態様による追加の実施形態は、本明細書に記載される実施形態のいずれかの特徴を任意の数だけ組み合わせることができることも企図されている。

Claims (20)

  1. 眼を治療するためのシステムであって、
    光活性化光を提供するように構成されたレーザー光源、
    前記光活性化光をレーザービームとして受け、架橋剤で処理された角膜の上で前記レーザービームを移動させるように構成された走査システム、及び、
    前記レーザー光源及び前記走査システムをプログラムに従って制御する制御信号を提供するように構成された制御装置であって、1つ以上の前記制御信号が、前記角膜の1つ以上の領域に前記レーザービームを走査パターンに従って複数回来訪させ、前記1つ以上の領域を前記光活性化光に露光させる、制御装置を含み、
    前記光活性化光は、前記1つ以上の露光領域内の前記架橋剤を酸素と反応させることで、前記1つ以上の露光領域内に架橋活性を発生させ、
    前記走査パターンは、前記レーザービームによる前記1つ以上の露光領域への各々の来訪の間に所定の時間を経過させ、前記所定の時間は、前記1つ以上の露光領域内に酸素を補充させることを可能とし、前記1つ以上の露光領域への各々の来訪の間に、十分な酸素を用いて所望の量の架橋活性を発生させることを可能とする、システム。
  2. 前記光源は、前記レーザービームについての出力を調整するように動作可能であり、前記走査パターンは、前記レーザービームについての前記出力に従って最適化される、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記走査システムは、前記角膜上を前記レーザービームが移動するにつれて前記レーザービームの速度を調整するように動作可能であり、前記走査パターンは、前記レーザービームの前記速度に従って最適化される、請求項1に記載のシステム。
  4. 前記光活性化光を受け、前記レーザービームについてのスポットサイズを調整するように構成された1つ以上の光学素子をさらに含み、前記走査パターンは、前記レーザービームについての前記スポットサイズに従って最適化される、請求項1に記載のシステム。
  5. 前記走査システムは、検流計対を含み、前記検流計対が、前記レーザービームを第1の軸に沿って移動させるように構成された第1のミラーと、前記レーザービームを第2の軸に沿って移動させるように構成された第2のミラーと、を含む、請求項1に記載のシステム。
  6. 前記走査パターンは、前記レーザービームを、前記1つ以上の露光領域に、1つ以上の隣接する領域を前記光活性化光に露光されない状態に維持させながら来訪させ、前記隣接する未露光の各領域は、前記1つ以上の露光領域内の酸素が補充される速度を決定する、請求項1に記載のシステム。
  7. 前記走査パターンは、デューティサイクルに従う前記レーザービームのパルス化により規定され、前記走査システムが前記角膜上で前記レーザービームを走査するにつれて、前記パルス化が、前記レーザービームが前記デューティサイクル中のオンであるときに、前記レーザービームを前記1つ以上の露光領域に来訪させ、その一方で、前記レーザービームが前記デューティサイクル中のオフであるときに、隣接する領域が前記光活性化光に露光されないようにさせており、そして前記隣接する未露光領域が、前記1つ以上の露光領域内の酸素が補充される速度を決定する、請求項1に記載のシステム。
  8. 前記走査パターンは、可変パルス周波数を使用し、各露光領域の4つの側面上に未露光のままの領域を残す、請求項7に記載のシステム。
  9. 前記レーザービームの前記パルス化は、前記走査パターン中の前記レーザービームの位置に応じて変化する周波数を有する、請求項7に記載のシステム。
  10. 前記1つ以上の露光領域は、前記走査パターンを規定する複数の離散的なドットに対応する、請求項1に記載のシステム。
  11. 眼を治療する方法であって、
    レーザー光源を用いて光活性化光を発生するステップ、
    前記光活性化光をレーザービームとして走査システムに向けるステップ、
    前記レーザービームを、角膜上を移動させ、走査パターンに従って前記角膜の1つ以上の領域に複数回来訪させ、前記1つ以上の領域を前記光活性化光に露光させるように、前記走査システムを操作するステップであって、前記光活性化光が、前記1つ以上の露光領域内の前記架橋剤を酸素と反応させて、前記1つ以上の露光領域内に架橋活性を発生させるステップ、及び、
    前記走査パターンを、前記レーザービームによる前記1つ以上の露光領域への各々の来訪の間に所定の時間を経過させるように最適化するステップであって、前記所定の時間が、前記1つ以上の露光領域内に酸素を補充させることを可能とし、前記1つ以上の露光領域への各々の来訪の間に、所望の量の架橋活性を発生させることを可能とするステップ、
    を含む、目を治療する方法。
  12. 前記走査パターンを最適化するステップは、前記レーザービームについての出力を調整することを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記走査パターンを最適化するステップは、前記レーザービームの速度を調整することを含む、請求項11に記載の方法。
  14. 前記走査パターンを最適化するステップは、前記レーザービームについてのスポットサイズを調整することを含む、請求項11に記載の方法。
  15. 前記走査システムは、検流計対を含み、前記検流計対が、前記レーザービームを第一の軸に沿って移動させるように構成された第一のミラーと、前記レーザービームを第二の軸に沿って移動させるように構成された第二のミラーと、を含む、請求項11に記載の方法。
  16. 前記走査パターンを最適化するステップは、前記走査パターンが、前記レーザービームを、前記1つ以上の露光領域に、1つ以上の隣接する領域を前記光活性化光に露光されない状態に維持させながら来訪させるように規定されることを含み、前記隣接する未露光の各領域は、前記一つ以上の露光領域内の酸素が補充される速度を決定する、請求項11に記載の方法。
  17. 前記走査パターンを最適化するステップは、前記走査パターンが、デューティサイクルに従う前記レーザービームのパルス化により規定されることを含み、前記走査システムが前記角膜上で前記レーザービームを走査するにつれて、前記パルス化が、前記レーザービームが前記デューティサイクル中のオンであるときに、前記レーザービームを前記1つ以上の露光領域に来訪させ、その一方で、前記レーザービームが前記デューティサイクル中のオフであるときに、隣接する領域が前記光活性化光に露光されないようにさせており、そして前記隣接する未露光領域が、前記一つ以上の露光領域内の酸素が補充される速度を決定する、請求項11に記載の方法。
  18. 前記走査パターンは、可変パルス周波数を使用し、各露光領域の4つの側面上に未露光のままの領域を残す、請求項17に記載の方法。
  19. 前記レーザービームの前記パルス化は、前記走査パターン中の前記レーザービームの位置に応じて変化する周波数を有する、請求項17に記載の方法。
  20. 前記1つ以上の露光領域は、前記走査パターンを規定する複数の離散的なドットに対応する、請求項11に記載の方法。
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