JP2022543314A - マイクロクリスタリンワックス - Google Patents

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Abstract

本発明は、ASTM D-1321に従って25℃で1超の針入度、XRDに従って5~70%の結晶化度、500℃未満の初期沸点、60~120℃の範囲の凝固点、ASTM D-721に従って2重量%超の油含有量を有するマイクロクリスタリンワックスであって、マイクロクリスタリンワックスが、GCxGCにより決定した場合に、少なくとも5重量%の多メチル分岐パラフィンを有する最大C40のフラクションを有する、マイクロクリスタリンワックスを提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロクリスタリンワックス、マイクロクリスタリンワックスを調製するプロセス、マイクロクリスタリンワックスを含む石油ゼリー、ならびに石油ゼリー、ホットメルト接着剤における、光沢向上剤、自動車および靴の研磨剤としての、かつエマルジョンおよびPVC反応器の保護としてのマイクロクリスタリンワックスの使用に関する。
真空蒸留による石油残留物のフラクションの溶剤脱ワックスによって、マイクロクリスタリンワックスを調製することが既知である。マイクロクリスタリンワックスの製造は通常、グループI基油を製造するプラントに関連している。そのようなプロセスの例は、Ullman’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,Wiley-VDH Verlag,2000に記載されている。これらのマイクロクリスタリンワックスは、750℃超で沸騰するかなりのフラクションを含有し得る。
石油残留物からマイクロクリスタリンワックスを製造するプロセスの問題は、このプロセスが多くの用途に対して好適な特性を有するマイクロクリスタリンワックスを提供するにもかかわらず、それらが(ポリ)芳香族、硫黄、窒素、および酸素化合物のような不純物を含有することである。さらに、これらの基油の需要が低いためにグループI基油のコンプレックスが閉鎖されると、石油残留物からのマイクロクリスタリンワックスの生産量が少なくなる。
例えば、WO02/096842A2に記載されているように、フィッシャー・トロプシュ法から得られた生成物からワックスを調製することも既知である。WO02/096842A2は、20~105の範囲の炭素原子を有する出発物質からマイクロクリスタリンワックスを調製するためのプロセスを開示している。WO02/096842A2によるマイクロクリスタリンワックスは、油含有量が多く、少量の多メチル分岐パラフィンを有する(換言すれば、高度に分岐したイソアルカンを有しない)。
WO02/096842A2に開示されるようなプロセスの問題は、このプロセスがマイクロクリスタリンワックスを提供するにもかかわらず、120超の炭素数を有する分子を有するマイクロクリスタリンワックスが、製造されないことである。さらに、WO02/096842A2に開示されているプロセスにより、少量の多メチル分岐パラフィンを有する(換言すれば、高度に分岐したイソアルカンを有しない)マイクロクリスタリンワックスが得られる。多メチル分岐パラフィンは、石油ゼリーなどの用途におけるマイクロクリスタリンワックスの油結合能を良好にするのに役立つことができる。
EP1409613B1は、水素化異性化条件下で、少なくとも80重量%のノルマルパラフィンを含む供給物と、貴金属および多孔質シリカ-アルミナ担体を含む触媒とを接触させることによって、マイクロクリスタリンワックスを調製するプロセスを開示している。
EP1409613に開示されるようなプロセスの問題は、マイクロクリスタリンワックスが、フィッシャー・トロプシュ合成にて得られたワックス生成物の全体の水素化異性化によって得られることである。その結果、他のフィッシャー・トロプシュ誘導生成物の製造は、EP1409613に開示されているプロセスによって除外される。さらに、95~120の範囲の凝固点を有するマイクロクリスタリンワックスが得られている。
本発明の目的は、少なくとも上記の問題のうちの1つを解決または最小化することである。
本発明のさらなる目的は、石油ゼリー、ホットメルト接着剤などの用途において、光沢向上剤、自動車および靴の研磨剤として、かつエマルジョンおよびPVC反応器の保護として有利に使用できるマイクロクリスタリンワックスを提供することである。
さらに、本発明の目的は、120超の炭素数を有する分子および大量の多メチル分岐パラフィンを有する、マイクロクリスタリンワックスを調製するための効率的な方法を提供することである。
上記または他の目的のうちの1つは、本発明に従って、ASTM D-1321に従って25℃で1超の針入度、XRDに従って5~70%の結晶化度、500℃未満の初期沸点、60~120℃の範囲の凝固点、ASTM D-721に従って2重量%超の油含有量を有するマイクロクリスタリンワックスを提供することによって達成され、マイクロクリスタリンワックスは、GCxGCにより決定した場合に、少なくとも5重量%の多メチル分岐パラフィンを有する最大C40のフラクションを有する。
現在、驚くべきことに、本発明により、マイクロクリスタリンワックスは、いくつかのマイクロクリスタリンワックスの用途に有利に使用できることが見出されている。
本発明の重要な利点は、マイクロクリスタリンワックスが、石油ゼリー、ホットメルト接着剤などの用途において、光沢向上剤、自動車および靴の研磨剤として、かつエマルジョンおよびPVC反応器の保護として有利に使用できることである。マイクロクリスタリンワックスの高い炭素鎖長分布および大量の多メチル分岐パラフィンによって、様々な用途における追加の成分の使用が低減される。
加えて、マイクロクリスタリンワックスは融点が高く、針入度が大きいため、マイクロクリスタリンパラフィンは、ホットメルト接着剤に使用するのに最適な候補となる。
上で説明したように、本発明の重要な利点は、油およびワックスが組み合わされる石油ゼリーなどのマイクロクリスタリンワックスの用途において使用される場合に、120超の炭素数を有する分子および大量の多メチル分岐パラフィンを有するマイクロクリスタリンワックスが、良好な油結合能をもたらすことである。
本発明の別の実施形態では、マイクロクリスタリンワックスを調製するプロセスが提供される。本発明による該プロセスの利点は、マイクロクリスタリンワックスが、フィッシャー・トロプシュ合成にて得られたワックス生成物の全体の水素化異性化から調製されるのではなく、得られたマイクロクリスタリンワックスの凝固点が95℃未満であり得るが、60~120℃の凝固点を有する、フィッシャー・トロプシュ誘導ワックスのフラクションから調製されるため、マイクロクリスタリンワックスの製造が他のフィッシャー・トロプシュ誘導生成物を犠牲にする必要がないということである。原油由来のマイクロクリスタリンワックスの調製とは対照的に、本発明によるプロセスでは、マイクロクリスタリンワックスの異性化の程度を調整することができる。
さらなる利点は、出口を見つけることができないフィッシャー・トロプシュワックスを、今では価値の高いマイクロクリスタリンワックスに変換できることである。
本発明のさらなる実施形態では、本発明によるフィッシャー・トロプシュマイクロクリスタリンワックスを含み、フィッシャー・トロプシュ誘導ワックス、およびフィッシャー・トロプシュ誘導ワックス状ラフィネートをさらに含有する、石油ゼリーが提供される。該石油ゼリーの利点は、それが非常に低い汚染レベルを有する全GTL石油ゼリーであり、これが化粧品の用途の鍵となることである。
図面における図は、限定としてではなく、例としてのみ、本教示による1つ以上の実装形態を示している。図において、同様の参照番号は、同一または類似の要素を指す。
105℃の凝固点を有するフィッシャー・トロプシュワックスの、317℃の温度での水素化異性化によって得られた生成物、および340℃の温度での水素化異性化によって得られた生成物の沸点分布である。 図2は、いくつかの石油ゼリー組成物の塗布性(smearability)である。
本開示は、上記のような実施形態、および添付の特許請求の範囲に限定されない。多くの修正が考えられ、それぞれの実施形態の特徴は、組み合わせることができる。
本発明によれば、ASTM D-1321に従って25℃で1超の針入度、XRDに従って5~70%の結晶化度、500℃未満の初期沸点、60~120℃の範囲の凝固点、ASTM D-721に従って2重量%超の油含有量を有するマイクロクリスタリンワックスであって、マイクロクリスタリンワックスが、GCxGCにより決定した場合に、少なくとも5重量%の多メチル分岐パラフィンを有する最大C40のフラクションを有する、マイクロクリスタリンワックス。
マイクロクリスタリンワックスは、主にパラフィンからなる。本発明によるマイクロクリスタリンワックスは、40重量%超のイソパラフィン、好ましくは60重量%超のイソパラフィンからなる。
マイクロクリスタリンワックスは既知であり、例えば、WO02/096842A2およびEP1409613B1に記載されている。
好ましくは、マイクロクリスタリンワックスの最大C40のフラクションは、GCxGCにより決定した場合に、少なくとも5重量%の多メチル分岐パラフィンを有する。好適には、最大C40の炭素鎖長を有する該フラクションは、GCxGCにより決定した場合に、少なくとも10重量%の多メチル分岐パラフィン、および90重量%未満、好ましくは80重量%未満の多メチル分岐パラフィンを有する。最大C40のフラクションは、好ましくは、C8~C40の炭素鎖長を有するフラクションである。
また、本発明によるマイクロクリスタリンワックスは、ASTM D-1321に従って25℃で1超の針入度を有する。好ましくは、本発明によるマイクロクリスタリンワックスは、ASTM D-1321に従って25℃で10超、より好ましくは20、最大250超の針入度を有する。本発明によるマイクロクリスタリンワックスについては、250がASTM D-1321の限界であるため、最大250の針入度が示される。
さらに、本発明によるマイクロクリスタリンワックスは、XRDに従って5~70%、好ましくは5~60%、より好ましくは10~50%、さらにより好ましくは10~30%である結晶化度を有する。
好ましくは、本発明によるマイクロクリスタリンワックスは、100℃超の初期沸点を有する。好適には、本発明によるマイクロクリスタリンワックスは、150℃超、好ましくは175℃超、より好ましくは200℃超の初期沸点を有する。本発明によるマイクロクリスタリンワックスの最終沸点は、730℃超、好ましくは750℃超である。マイクロクリスタリンワックスの最終沸点は、炭素数がそれぞれ105(730℃)および120(750℃)を有する、マイクロクリスタリンワックス中の分子の沸点に関係している。
また、本発明によるマイクロクリスタリンワックスは、60~120℃の範囲の凝固点を有する。好ましくは、本発明によるマイクロクリスタリンワックスは、ASTM D-938に従って60~105℃、より好ましくは60~95℃、さらにより好ましくは60~85℃の範囲の凝固点を有する。
さらに、本発明によるマイクロクリスタリンワックスは、n-アルカンの重量比よりも大きいイソアルカンの重量比を有する。
好適には、イソアルカンの量は、パラフィンの総量に基づいて40重量%超である。原油由来のマイクロクリスタリンワックスとは対照的に、本発明によるマイクロクリスタリンワックスは、非常に少量のナフテンおよび芳香族を有する。
マイクロクリスタリンワックスは、ASTM D445に従って100℃で、12cSt超、好ましくは12~30cStの範囲の運動粘度を有する。
特定の実施形態では、マイクロクリスタリンワックスは、ASTM D445に従って100℃で、18~30cStの運動粘度を有する。
本発明によるマイクロクリスタリンワックスは、フィッシャー・トロプシュ誘導マイクロクリスタリンワックスであることが好ましい。
フィッシャー・トロプシュ誘導マイクロクリスタリンワックスは、フィッシャー・トロプシュ法から誘導される。フィッシャー・トロプシュ生成物の流れは、当技術分野で既知である。「フィッシャー・トロプシュ誘導」という用語は、マイクロクリスタリンワックスが、フィッシャー・トロプシュ法であるか、またはフィッシャー・トロプシュ法から誘導されることを意味する。フィッシャー・トロプシュ誘導マイクロクリスタリンワックスは、GTL(ガス・ツー・リキッド(Gas-to-Liquids))生成物と称される場合もある。フィッシャー・トロプシュ法の一例は、WO2002/102941、EP1498469、およびWO2004/009739に示されており、その教示は参照により組み込まれている。
さらなる態様では、本発明は、マイクロクリスタリンワックスを調製するためのプロセスであって、プロセスが、少なくとも以下のステップ:
(a)20~120超の範囲の炭素鎖長分布と、XRDに従って75%超の結晶化度とを有するFTワックスであって、FTワックスの少なくとも1重量%が、120超の炭素鎖長を有する、FTワックスを提供することと、
(b)5~7オングストロームの細孔径と、少なくとも25、好ましくは50~180のSiO/AlO比と、VIII族金属と、を有するモレキュラーシーブを含む触媒を使用して、200~400℃の範囲の温度、および1~25Mpaの圧力、および0.1~5kg/l/時のWHSVにて、FTワックスを異性化ステップに供して、ASTM D-1321に従って25℃で1超の針入度、XRDに従って5~70%の結晶化度、500℃未満の初期沸点、60~120℃の範囲の凝固点、ASTM D-721に従って2重量%超の油含有量を有するマイクロクリスタリンワックスを得ることであって、マイクロクリスタリンワックスが、GCxGCにより決定した場合に、少なくとも5重量%の多メチル分岐パラフィンを有する最大C40のフラクションを有する、得るために、ことを含む、プロセスを提供する。
本発明によるプロセスのステップ(a)では、20~120超の範囲の炭素鎖長分布と、XRDに従って75超の結晶化度とを有するフィッシャー・トロプシュワックスが提供される。「20~120超の範囲の炭素鎖長分布を有する」という部分は、1分子当たり炭素数20~120超の範囲の炭素原子を有する、分子を有することを意味する。好ましくは、FTワックスは、120超の炭素数を有する分子を有する。120の炭素数を有する分子の沸点は、750℃である。
ステップ(a)にて提供されるフィッシャー・トロプシュワックスは、フィッシャー・トロプシュ法から誘導される。フィッシャー・トロプシュワックスは、当該技術分野において既知である。「フィッシャー・トロプシュワックス」という用語は、フィッシャー・トロプシュ法の合成生成物を意味する。フィッシャー・トロプシュ法では、合成ガスが合成生成物に変換される。合成ガスまたはシンガスは、炭化水素系供給原料の変換によって得られた、水素と一酸化炭素との混合物である。好適な供給原料としては、天然ガス、原油、重油フラクション、石炭、バイオマス、および亜炭が挙げられる。通常は気相にある炭化水素系供給原料から誘導されるフィッシャー・トロプシュ生成物は、GTL(ガス・ツー・リキッド(Gas-to-Liquids))生成物と称される場合もある。フィッシャー・トロプシュワックスの調製は、例えば、WO9612778に記載されている。
好ましくは、ステップ(a)にて提供されるFTワックスの、少なくとも1重量%、より好ましくは少なくとも3重量%、さらにより好ましくは少なくとも5重量%、最も好ましくは少なくとも7重量%が、120超の炭素数を有する。
ステップ(b)では、5~7オングストロームの細孔径と、少なくとも25、好ましくは50~180のSiO/AlO比と、VIII族金属と、を有するモレキュラーシーブを含む触媒を使用して、200~400℃の範囲の温度、および1~25Mpaの圧力、および0.1~5kg/l/時のWHSVにて、FTワックスを水素化異性化ステップに供する。好ましくは、270~400℃の範囲、好ましくは271~380℃の範囲、さらにより好ましくは275~350℃の範囲の温度にて、FTワックスを水素化異性化に供する。
FTワックスの水素化異性化は、例えば、EP1498469に記載されている。
本発明のステップ(b)における水素化異性化ステップのために好適な触媒は、脱ワックス触媒である。
好適には、本発明によるプロセスのステップ(b)にて使用される触媒は、5~6.6オングストロームの細孔径を有するモレキュラーシーブを含む。
好ましくは、脱ワックス触媒は、VIII族金属などの水素化機能を有する金属と組み合わされた、モレキュラーシーブ、より好適には、5~6.6オングストロームの細孔径を有する10または12員環モレキュラーシーブ、好ましくは、5~6.6オングストロームの細孔径を有する一次元の10または12員環モレキュラーシーブ、より好ましくは、5~6.2オングストロームの細孔径を有する一次元の10または12員環モレキュラーシーブを含む不均一系触媒である。示された細孔径は、Structure Commission of the International Zeolite Associationの委託で2007年に出版された6th revised edition of the Atlas of Zeolite Framework Typesに記載されている細孔の最大直径に関係している。
好ましくは、ステップ(b)の水素化異性化は、モレキュラーシーブおよびVIII族金属を含む触媒の存在下で実施され、モレキュラーシーブは、MTW、MTT、TONタイプのモレキュラーシーブ、ZSM-48およびEU-2からなる群から選択される。
本発明では、ZSM-48およびEU-2への言及は、*MREファミリーとも称され、Structure Commission of the International Zeolite Associationの委託で2000年に出版されたCatalog of Disorder in Zeolite Frameworksに記載されている、無秩序構造のZSM-48ファミリーに属するすべてのゼオライトを使用できることを示すために使用される。EU-2がZSM-48とは異なると考えられる場合でも、本発明ではZSM-48およびEU-2の両方を使用することができるゼオライトのZBM-30およびEU-11はZSM-48と非常に類似しており、その構造がZSM-48ファミリーに属するゼオライトの仲間であると考えられる。本出願においては、ZSM-48ゼオライトに対する言及のいずれも、ZBM-30およびEU-11ゼオライトへの言及である。
ZSM-48および/またはEU-2ゼオライトに加えて、特にその触媒特性を変性することが所望される場合、さらなるゼオライトを触媒組成物中に存在させることができる。Structure Commission of the International Zeolite Assocationの委託で2007/2008年に公開されたDatabase of Zeolite Structuresに規定されているゼオライトであるゼオライトZSM-12を提示することが、有利であり得ることが見出された。
好適なVIII族金属は、ニッケル、コバルト、白金、およびパラジウムである。好ましくは、VIII族金属は、白金またはパラジウムである。
脱ワックス触媒は、好適には、バインダーも含む。バインダーは、非酸性であってよい。好適なバインダーの例は、粘土、シリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナ、上記の混合物および組み合わせ、ならびに当業者に既知の他のバインダーである。
好ましくは、触媒は、シリカまたはチタニアのバインダーを含む。
ステップ(b)における水素化異性化のための脱ワックス触媒の調製は、例えば、WO2015/063213に記載されている。
ステップ(b)では、大量の多メチル分岐パラフィン、ASTM D-1321に従って25℃で1超の針入度、XRDに従って5~70の結晶化度、500℃未満の初期沸点と、60~120℃の範囲の凝固点、ASTM D-721に従って2重量%超の油含有量を有するマイクロクリスタリンワックスが得られる。
好適には、最大40の炭素原子を有する、本発明によるマイクロクリスタリンワックスのフラクションは、GCxGCにより決定した場合に、少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも25重量%であるが、90重量%未満、好ましくは80重量%未満の量の多メチル分岐パラフィンを含む。多メチル分岐パラフィンとは、ジメチルパラフィン、トリメチルパラフィン、テトラメチルパラフィンなどの2つ以上のメチル分岐を有するパラフィンを意味する。通常は、最大40の炭素原子を有するこのフラクションは、エチルまたはプロピルなどのメチル以外の他の分岐を有するパラフィンも少量含有する。最大40の炭素原子を有するフラクションは、好ましくは、C8~C40の炭素鎖長を有するフラクションである。
また、ステップ(b)にて得られたマイクロクリスタリンワックスの針入度は、ASTM D-1321に従って25℃で、1~250超、好ましくは5~250超、より好ましくは10~250超である。
好適には、ステップ(b)にて得られたマイクロクリスタリンワックスの結晶化度は、XRDに従って、5~70%、好ましくは5~60%、より好ましくは10~50%、さらにより好ましくは10~30%である。
好適には、ステップ(b)にて得られたマイクロクリスタリンワックスの初期沸点は、100℃超、好ましくは150℃超、より好ましくは175℃超、さらにより好ましくは200℃超である。任意選択的に、ステップ(b)にて得られた、得られたマイクロクリスタリンワックスは、マイクロクリスタリンワックスの初期沸点を増加させるために分別ステップに供することができる。
また、ステップ(b)にて得られたマイクロクリスタリンワックスの凝固点は、ASTM D-938に従って、60~120℃、好ましくは60~105℃、より好ましくは60~95℃、さらにより好ましくは60~85℃の範囲からの範囲である。
さらに、ステップ(b)にて得られたマイクロクリスタリンワックスの油含有量は、ASTM D-721に従って、2重量%超であるが、20重量%未満、好ましくは14重量%未満となる。任意選択的に、ステップ(b)にて得られたマイクロクリスタリンワックスは、溶剤を用いて脱油ステップに供して、マイクロクリスタリンワックスの油含有量を低減させることができる。脱油に好適な溶剤およびプロセスは、当業者に既知である。
別の態様では、本発明は、本発明によるフィッシャー・トロプシュマイクロクリスタリンワックスを含み、フィッシャー・トロプシュ誘導ワックス、およびフィッシャー・トロプシュ誘導ワックス状ラフィネートまたはフィッシャー・トロプシュ誘導基油をさらに含有する、石油ゼリーを提供する。通常は、石油ゼリーにおいて、フィッシャー・トロプシュ誘導ワックスは、ワックスとして機能し、フィッシャー・トロプシュ誘導ワックス状ラフィネートおよびフィッシャー・トロプシュ誘導基油は、油として機能する。
好ましくは、石油ゼリーにて使用されるマイクロクリスタリンワックスは、本発明の方法に従って得られる。
好適には、フィッシャー・トロプシュ誘導ワックスは、30~70℃の範囲の凝固点を有する。好ましくは、フィッシャー・トロプシュ誘導ワックスは、50℃の凝固点を有する。フィッシャー・トロプシュワックスの調製は、例えば、WO2016/107864に記載されている。
フィッシャー・トロプシュ誘導ワックス状ラフィネートの調製は、例えば、US2007/0193923に記載されている。
好ましくは、石油ゼリー中のマイクロクリスタリンワックス、フィッシャー・トロプシュ誘導ワックス、およびワックス状ラフィネートまたは基油の総量に基づいて、マイクロクリスタリンワックスの量は20~100重量%であり、フィッシャー・トロプシュ誘導ワックスの量は0~50重量%であり、ワックス状ラフィネートまたは基油の量は0~50重量%である。
さらなる態様では、本発明は、化粧品製品、医薬品製品、ケーブル充填用製品、または充填されたケーブル製品における、本発明による石油ゼリーの使用を提供する。
別の態様では、本発明は、石油ゼリー、ホットメルト接着剤における、光沢向上剤、自動車および靴の研磨剤としての、エマルジョンおよびPVC反応器の保護としての本発明によるマイクロクリスタリンワックスの使用を提供する。
本発明をより良く理解するための助けとなるように、いくつかの実施形態の特定の態様の実施例を以下に示す。これらの実施例は、決して本発明の範囲を制限または定義するように読み取られるべきではない。
実施例1
WO9612778に従って得られた、水素添加および水素化仕上げしたフィッシャー・トロプシュワックスのフラクションであるSX-105を、水素化異性化ステップに連続的に供給した。供給物の特性を表1に記載し、一方で、沸点分布を図1に示す。XRDによる結晶化度(%)は、100*I結晶質/(I結晶質+I非晶質)として定義され、ここで、I結晶質は結晶質回折ピークの総面積であり、I非晶質は非晶質ピークの総面積(ハロー)である。
水素化異性化ステップでは、供給物を、チタニア結合のヘキサフルオロケイ酸アンモニウムで処理したPd/EU-2触媒と接触させた。水素化異性化を、70bargで340℃の温度にて実施した。残りの条件を、供給物の370℃未満で沸騰する生成物への変換が15%w未満になるように、選択した。水素化異性化からの生成物をストリッパーに送り、水素化異性化反応器の全炭化水素流出物の95%w超が、生成物として得られるように選択された条件下で、窒素を用いて軽質ガスを除去した。得られた生成物(66℃の凝固点を有する異性化フィッシャー・トロプシュマイクロクリスタリンワックス(isoSX66))を分析した。結果を表1に掲示し、一方で、沸点分布を図1に示す。
実施例2
実施例1と同一のSX-105供給物を、水素化異性化ステップに連続的に供給した。水素化異性化ステップでは、供給物を、シリカ結合のヘキサフルオロケイ酸アンモニウムで処理したPt/ZSM-12触媒と接触させた。水素化異性化を、38bargで317℃の温度にて実施した。残りの条件を、供給物の370℃未満で沸騰する生成物への変換が5%w未満になるように、選択した。水素化異性化からの生成物をストリッパーに送り、水素化異性化反応器の全炭化水素流出物の95%w超が、生成物として得られるように選択された条件下で、窒素を用いて軽質ガスを除去した。生成物(80℃の凝固点を有する異性化フィッシャー・トロプシュマイクロクリスタリンワックス(isoSX80))を分析した。結果を表1に掲示し、一方で、沸点分布を図1に示す。
Figure 2022543314000002
実施例1および2による生成物は、本発明によるマイクロクリスタリンパラフィンが得られたことを示している。生成物は、C120超のパラフィン、すなわち、750℃超で沸騰し、60~120℃の範囲の凝固点、5~70%のXRD結晶化度、1超の針入度、2重量%超の油含有量、5%w超の多メチル分岐パラフィン:ジメチル分岐パラフィン(C2-Br)およびトリ+メチル分岐パラフィン(>C2-Br)の存在を示している。
実施例2:市販参考品
Vaseline(登録商標)、SonnebornによるSnowWhite XH、Alpha WaxによるCarisma Jelly SilkySoft、およびSasol WaxによるMerkur 546の4つの石油ゼリーの市販サンプルを入手した。
実施例3:石油ゼリーの調製
各々が磁気撹拌子(PTFE被覆、丸みを帯びたエッジ、長さ12mm、直径3mm)を備えた2つの20mLガラスバイアルに、ある量の、MCW-1として示される80℃の凝固点を有する異性化フィッシャー・トロプシュ誘導ワックス、またはMCW-2として示される70℃の凝固点を有する異性化フィッシャー・トロプシュ誘導ワックス、ある量の、Shell Sarawax SX50(WAX-1として示される50℃の凝固点を有するフィッシャー・トロプシュ誘導ワックス)、およびある量の、OIL-1として示されるShell GTL Waxy Raffinate(フィッシャー・トロプシュ誘導ワックス状ラフィネート)、またはOIL-2として示されるRisella X430(フィッシャー・トロプシュ誘導基油)を各々充填した。バイアルを、セプタムを含有するアルミニウム製スクリューキャップを用いて密封した。閉じたバイアルを、IKAプレート(型式RCT Basic)を使用して100℃に予熱した、アルミニウム製の加熱ブロック内に置いた。撹拌速度は、250rpmに設定した。混合物を均質になるまで撹拌し、その後、磁気撹拌子を各バイアルから取り出した。次に、バイアルを加熱ブロックから取り外し、キャップをしっかりとねじ込んだ状態で、周囲条件にて冷却および固化させた。このようにして得られたサンプルは、この本文の残りの部分では固化サンプルと称する。
実施例4:純度評価
European Pharmacopoeia 8.0 monograph on vaselinum album(paraffin,white soft)を使用して、純度を検査した。この方法を使用して、市販の成分(SX50、Waxy Raffinate、Risella X430)が、このプロトコルにおいて多環芳香族炭化水素(PCAH)を含有しないことを確認した。続いて、本発明の対象(80℃および70℃の凝固点を有する異性化フィッシャー・トロプシュ誘導ワックス)もまた試験し、PCAHを含有しないことを示した。加えて、実施例3に由来する混合物もまた、該プロトコルに供し、European Pharmacopoeia 8.0 monograph on vaselinum album(paraffin,white soft)の範囲内にPCAHを含有しないことを示した。
実施例5:塗布試験プロトコル
当業者は、石油ゼリーの実用的な適用は、皮膚上に層を形成するためにゼリーから塗布して広げる必要があることを理解するであろう。
次のプロトコル(以後、塗布試験と呼ぶ)を確立した。ニトリルゴム手袋を着用したまま、スパチュラを使用して片手の人差し指に少量の石油ゼリー(約0.2グラム)を移した。もう一方の手の人差し指と中指を使用して、両手の伸ばした人差し指と中指に石油ゼリーを塗布した。
塗布試験プロトコルを、実施例2からの市販参考品を用いて5回繰り返した。Vaseline(登録商標)は、塗布試験プロトコルに従って、指の間で最も柔らかい組成物であると感じ、塗布が最も容易であった。最も容易なものから、塗布して広げるためにより多くの労力を必要とするものまで、以下の順序:Vaseline(登録商標)、Carisma Jelly SilkySoft、SnowWhite XH、Merkur 546を確立した。市販サンプルのこの範囲を、塗布試験プロトコル内で使用した。この範囲内にある、塗布するために試験した石油ゼリー組成物を、許容できるとみなした。
実施例6:外観の評価
様々な石油ゼリーの色を、European Pharmacopoeia 8.0 monograph on vaselinum album(paraffin,white soft)、およびvaselinum flavum(paraffin,yellow soft)に従って評価した。
参考品のサンプルを次のように評価した:Vaseline(登録商標)を黄色の石油ゼリーとして分類し、Carisma Jelly SilkySoft、SnowWhite XH、およびMerkur 546を白色の石油ゼリーとして分類する。
続いて、実施例3の組成物を調査したところ、以下の結果を得た。溶融サンプルは、白色の石油ゼリーとして分類できた。
固化した実施例も、市販サンプルのSnowWhite XHと非常によく似ており、黄色がかったVaseline(登録商標)とは著しく異なる、白色として分類することができた。
実施例7:臭気の評価
本明細書で提示された実施例は、市販の実施例と非常によく似た、わずかなパラフィン臭を有する。明確な臭いは確認されなかった。
実施例8:熱的特性
示差走査熱量測定(DSC)トレースを、約3~5mgのサンプルを含有するTzero密閉アルミニウムパンを備えた、TA Instruments Q2000を使用して記録した。サンプルを、-70~110℃、3K/分の加熱および冷却速度により分析した。
液滴の融点を、TA Instruments Universal Analysisソフトウェアを使用して、-40~100℃の第2の加熱曲線でランニング積分(running integral)を実行し、次に、材料の95.0%が溶融した温度を取ることによって決定した。凝固点を、TA Instruments Universal Analysisソフトウェアを使用して、85~-40℃の第1の冷却曲線でランニング積分を実行し、次に、材料の2.1%が結晶化した温度を取ることによって決定した。
実施例2の市販サンプルについて上記の方法を使用して、実施例2の市販製品の仕様書にて確認された報告値と比較できる結果が得られた。これらのDSCの結果は、市販製品の液滴の融点についての報告値と比較して最大3℃異なり、一方で、測定された凝固点は最大2℃異なる。表2に、比較を報告する。
Figure 2022543314000003
実施例9:粘度測定
粘度を、Peltier温度システムおよび60mmの平行プレート形状を備えたTA Instruments Discovery HR-2レオメーターを使用して測定した。約2.5mLの溶融サンプルを、100℃に設定したレオメーターに移した。ギャップを、1000μmに設定した。サンプルを、ディケード当たり5点を測定し、0.01秒-1~500秒-1の定常状態フロースイープを用いて分析した。約100秒-1の測定されたプラトー値を、動的粘度として記録した。運動粘度の値を得るために、動的粘度の値を配合物の密度で割った。
実施例10:安定性評価
配合物の安定性は、周囲条件にて最大1年間保存した後、シネレシスの目視検査をした。実施例3に由来する配合物を、それらを調製した、閉じたバイアルのうちの1つにそのままの状態で保持した。約0.5グラムの材料を、第2のバイアルからスパチュラを用いてすくい取り、その後、スクリューキャップを用いてバイアルを再び閉じた。次に、この第2のバイアルも、周囲条件にて最大1年間保存した後、シネレシスの目視検査をした。
実施例11:得られた石油ゼリー配合物
表3は、実施例3に記載された手順に従って調製された石油ゼリー配合物を示している。
Figure 2022543314000004
実施例12:得られた石油ゼリー配合物の評価
表4は、表3に示すような石油ゼリー配合物の、塗布性、液滴の融点、凝固点、運動粘度、保存中の安定性、およびすくい取り後の安定性を示している。
Figure 2022543314000005
考察
実施例12から、試験したすべての組成物が、保存中ならびにすくい取りによって試験した場合の両方で、安定性の要件を満たしていることは明らかである。医薬品および化粧品の使用において、例えば、皮膚の保護のために、塗布することによって適用される石油ゼリー。すべての組成物は、実施例5で説明された試験手順に供され、得られた結果は、実施例12において一覧表にされている。便宜上、これらの結果は図2に再現されており、組成物は棒グラフ(重量%)として示されている。
枠を付けた組成物は、実施例5で説明された塗布性の判断基準に合格しなかった。
当業者は、MCW-1(組成物13)がワックスまたは油をさらに添加することなく、石油ゼリーとして塗布できるという有望な結果を容易に観察するであろう。10重量%または20重量%のWAX-1をMCW-1に添加すると(組成物12および10)、塗布性試験に、もはや首尾よく合格することはできない。20重量%のWAX-1を有する組成物8において、これは、OIL-1を10重量%のみ添加した場合に依然として良好ではないが、組成物5によって示されるように、OIL-1を40重量%添加した場合に再び塗布性が得られる。組成物3は、20重量%のWAX-1および大きなフラクションの油:48重量%のOIL-2を有する、塗布可能な石油ゼリーのさらなる図である。WAX-1が40重量%、およびOIL-2が35重量%の場合、MCW-1を有する石油ゼリーは塗布できなかった(組成物1)。
本発明のマイクロクリスタリンワックスMCW-2は、組成物14から見られるように、それ自体は塗布可能な石油ゼリーではなく、20重量%のWAX-1を添加(組成物12)してもまだ、塗布性試験に合格することはできない。組成物9によって示されるように、油(10重量%のOIL-1)によってMCW-1をさらに部分的に置き換えることは、塗布可能な石油ゼリーの別の例である。塗布性は、OIL-1のより大きなフラクション:組成物7では30重量%、組成物6では40重量%によって維持される。組成物4は、MCW-2をベースとして、20重量%のWAX-1、さらには48%のOIL-2を有する石油ゼリーのさらなる図である。組成物2は、MCW-2をベースとして、ワックスの大きなフラクション:40重量%のWAX-1を有する塗布可能な組成物を示している。最後に、MCW-1とMCW-2との混合物である組成物15は、WAX-1およびOIL-1の存在下で、塗布性試験に首尾よく合格した。
要約すると、本発明のマイクロクリスタリンワックスは、実施例5および10による判断基準に従って、塗布可能で安定性のある石油ゼリーの配合物を提供する。当業者は、石油ゼリーが、完全にマイクロクリスタリンワックスからなり得るか(組成物13)、あるいは部分的に、例えば、組成物2における25重量%からなり得ることが示されているため、本発明において広範囲の配合の自由度が開示されることを理解するであろう。加えて、最大40重量%のワックス(組成物2)、および最大48重量%の油(組成物3および4)を含有する、典型的な組成物が提示されている。

Claims (9)

  1. ASTM D-1321に従って25℃で1超の針入度、XRDに従って5~70%の結晶化度、500℃未満の初期沸点、60~120℃の範囲の凝固点、ASTM D-721に従って2重量%超の油含有量を有するマイクロクリスタリンワックスであって、前記マイクロクリスタリンワックスが、GCxGCにより決定した場合に、少なくとも5重量%の多メチル分岐パラフィンを有する最大C40のフラクションを有する、マイクロクリスタリンワックス。
  2. 100℃超の初期沸点を有する、請求項1に記載のマイクロクリスタリンワックス。
  3. n-アルカンの重量比よりも大きいイソアルカンの重量比がを有する、請求項1または2に記載のマイクロクリスタリンワックス。
  4. マイクロクリスタリンワックスを調製するためのプロセスであって、前記プロセスが、少なくとも以下のステップ:
    (c)20~120超の範囲の炭素鎖長分布と、XRDに従って75%超の結晶化度とを有するFTワックスを提供することであって、前記FTワックスの少なくとも1重量%が、120超の炭素鎖長を有する、提供すること、
    (d)5~7オングストロームの細孔径と、少なくとも25、好ましくは50~180のSiO/AlO比と、VIII族金属と、を有するモレキュラーシーブを含む触媒を使用して、200~400℃の範囲の温度、および1~25Mpaの圧力、および0.1~5kg/l/時のWHSVにて、前記FTワックスを異性化ステップに供して、ASTM D-1321に従って25℃で1超の針入度、XRDに従って5~70%の結晶化度、500℃未満の初期沸点、60~120℃の範囲の凝固点、ASTM D-721に従って2重量%超の油含有量を有するマイクロクリスタリンワックスを得ることであって、前記マイクロクリスタリンワックスが、GCxGCにより決定した場合に、少なくとも5重量%の多メチル分岐パラフィンを有する最大C40のフラクションを有する、得ることを含む、プロセス。
  5. フィッシャー・トロプシュ誘導ワックス、およびフィッシャー・トロプシュ誘導ワックス状ラフィネートまたはフィッシャー・トロプシュ誘導基油をさらに含有する、請求項1に記載のマイクロクリスタリンワックスを含む、石油ゼリー。
  6. 前記フィッシャー・トロプシュ誘導ワックスが、50℃の凝固点を有する、請求項5に記載の石油ゼリー。
  7. 前記石油ゼリー中のマイクロクリスタリンパラフィン、フィッシャー・トロプシュ誘導ワックス、およびワックス状ラフィネートまたは基油の総量に基づいて、マイクロクリスタリンワックスの量が20~100重量%であり、フィッシャー・トロプシュ誘導ワックスの量が0~50重量%であり、ワックス状ラフィネートまたは基油の量が0~50重量%である、請求項5または6に記載の石油ゼリー。
  8. 化粧品製品、医薬品製品、ケーブル充填用製品、または充填されたケーブル製品における、請求項7に記載の石油ゼリーの、使用。
  9. 石油ゼリー、ホットメルト接着剤における、光沢向上剤、自動車および靴の研磨剤としての、エマルジョンおよびPVC反応器の保護としての、請求項1に記載のマイクロクリスタリンワックスの、使用。
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