JP2022543264A - プロテインdポリペプチドを含む組成物を調製するプロセス - Google Patents
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Abstract
本発明は、免疫原性組成物を調製するプロセスに関する。より詳細には、本発明は、対象、例えばヒトにおける慢性閉塞性肺疾患の急性増悪(AECOPD)の処置又は予防で使用され得る、プロテインDポリペプチドの液体組成物を調製するプロセス及びプロテインDポリペプチドを含む免疫原性組成物の調製でのそれらの使用に関する。【選択図】なし
Description
本発明は、免疫原性組成物を調製する方法(プロセス)に関する。より詳細には、本発明は、対象、例えばヒトにおける慢性閉塞性肺疾患の急性増悪(AECOPD)の処置又は予防で使用され得る、プロテインDポリペプチドの液体組成物を調製する方法(プロセス)及びプロテインDポリペプチドを含む免疫原性組成物の調製でのそれらの使用に関する。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、タバコの煙又は他の刺激の吸入の結果として、肺機能の不可逆的な低下を生じる慢性の炎症性障害である。慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、共存することが多い、いくつかの病態を包含すると考えられる(気流閉塞、慢性気管支炎、気管支炎又は末梢気道病変及び肺気腫)(Wilson et al., Eur. Respir. J. 2001; 17: 995-1007)。患者は、通常、息切れの増加と関連し、粘液又は膿性痰を生じ得る咳が増加することが多い、病状の増悪を患う(Wilson, Eur Respir J 2001 17:995-1007)。COPDは、慢性気管支炎及び/又は肺気腫を有する患者における不可逆的又は部分的に可逆的な気流閉塞の存在により、生理的に定義される(Standards for the diagnosis and care of patients with chronic obstructive pulmonary disease. American Thoracic Society. Am J Respir Crit Care Med. 1995 Nov;152(5 Pt 2):S77-121)。
COPDは、世界の疾病率及び死亡率の主原因である。米国での2005年の死亡例20件のうちおよそ1件が、基礎原因としてCOPDを有した(Drugs and Aging 26:985-999 (2009))。2020年には、COPDは、障害調整生存年数、慢性虚弱性疾患の5番目の主要原因、及び死亡の3番目に重要な原因にまで上昇するであろうと見積もられている(Lancet 349:1498-1504 (1997))。COPDの経過は、空気流の制限の段階的悪化及び肺機能の低下により特徴付けられる。COPDは、頻繁性及び再発性の急性増悪(AE)が合併することがあり、莫大な医療費及び高い疾病率が伴う(Proceedings of the American Thoracic Society 4:554-564 (2007))。ある研究では、COPDの症状の急性増悪のおよそ50%が、型分類不能なヘモフィルス・インフルエンザ、モラクセラ・カタラーリス、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)、及び緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)によって引き起こされることが示唆されている。(Drugs and Aging 26:985-999 (2009))。ヘモフィルス・インフルエンザ(H.influenzae)は、COPDの増悪の20~30%;肺炎球菌は、COPDの増悪の10~15%;及び、モラクセラ・カタラーリスは、COPDの増悪の10~15%に見出される(New England Journal of Medicine 359:2355-2365 (2008))。ヘモフィルス・インフルエンザ、肺炎球菌、及びモラクセラ・カタラーリスは、香港、韓国、及びフィリピンでの気管支炎の急性増悪の主要な病原体であることが示されているが、クレブシエラ種(Klebsiella spp.)、緑膿菌、及びアシネトバクター種(Acinetobacter spp.)は、インドネシア、タイ、マレーシア及び台湾を含む他のアジア諸国/領域での病原体の大部分を占める(Respirology, (2011) 16, 532-539; doi:10.1111/j.1440.1843.2011.01943.x)。バングラデシュでは、COPDを患う患者の20%が、シュードモナス(Pseudomonas)、クレブシエラ、肺炎球菌、及びヘモフィルス・インフルエンザの陽性の喀痰培養を示したが、AECOPD(COPDの急性増悪)を患う患者の65%は、シュードモナス、クレブシエラ、アシネトバクター、エンテロバクター(Enterobacter)、モラクセラ・カタラーリス及びこれらの組合せの陽性の培養を示した。(Mymensingh Medical Journal 19:576-585 (2010))。しかしながら、COPD増悪を予防する2つの最も重要な手段は、能動免疫及び薬物療法の長期的な維持であることが示唆されている(Proceedings of the American Thoracic Society 4:554-564 (2007))。
COPDを処置及び管理する難しさの1つは、重症度、進行、運動耐性、及び症状の性質に関する、この複雑な疾患の異質性である。この複雑さは、さらなる医療処置及び多くは入院を必要とする、COPD症状の増加の一時的、及び明らかな確率的期間である、COPDの急性増悪(AECOPD)でも明らかである(Sethi et al., N Eng J Med 2008;359:2355-65)。増悪の公知のサブタイプは、細菌又はウイルス感染、及び/又は高い好酸球レベルを含む、キーとなる誘因の性質によって定義され、これらの事象は、典型的には、非特異的な方法で抗生物質とステロイドの組合せによって処置される(Bafadhel et al., Am J Respir Crit Care Med 2011;184:662)。国際公開第2015125118A1号に記載されるように、COPDの急性増悪(AECOPD)の処置又は予防でのワクチンとして、PE-PilA融合タンパク質及びモラクセラ・カタラーリス由来のUspA2ポリペプチドと共にヘモフィルス・インフルエンザ由来のプロテインDポリペプチドが提示される。
免疫原性組成物を調製する改善された方法(プロセス)の必要性がある。特に、タンパク質抗原の構造及び機能の維持を助ける免疫原性組成物を調製する改善されたプロセスの必要性がある。そのような検討としては、限定はされないが、免疫原性組成物の化学安定性(例えば、タンパク質のタンパク質分解及び断片化)、免疫原性組成物の物理/熱安定性(例えば、凝集、沈殿、吸着)、免疫原性組成物の容器/密閉系との適合性、免疫原性組成物と非活性成分(例えば、緩衝液、塩、賦形剤、抗凍結剤)の間の相互作用、製造プロセス、剤形(例えば、冷凍乾燥、液体)、輸送、保存及び操作中に遭遇する環境条件(例えば、温度、湿度、剪断力)、及び製造と利用の間の時間の長さが挙げられる。
ある特定の問題は、液体組成物中の目に見える(visible)粒子の形成である。粒子の存在は、製造プロセス及び製造環境(設計、資質、検証、実行)並びに産生後の操作、保存状態、輸送、及び最終使用者による操作による。これは、主要パッケージング成分の選択及びプロセシング、並びに製剤、特にバイオテクノロジー産物の設計及び安定性も含む。欧州及び米国での規制モノグラフは、それぞれ目に見える粒子が「事実上フリー」又は「本質的にフリー」である、非経口投与のための薬物製品を必要とする(Serge Mathonet et al. PDA J Pharm Sci and Tech 2016, 70: 392-408)。
本発明は、免疫原性組成物の調製に有用なプロテインDポリペプチドの液体組成物を調製する改善されたプロセスの必要性に取り組む。本発明により、プロテインDポリペプチドの液体組成物中の目に見える粒子の出現が同定され、改善されたプロセス及び安定性が改善されたプロテインDポリペプチドを含む液体組成物が提供される。
本発明により、特にプロテインDポリペプチドが液体組成物中で保持される場合、プロテインDポリペプチドは目に見える(visible)粒子の形成の影響を受けやすいことが見出されている。例えば、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を他の抗原と混合する前に、プロテインDポリペプチドは(中間保存ステップとして、例えば液体組成物中のプロテインDポリペプチドの含量が測定される間)液体組成物中で保持されてもよい。プロテインDポリペプチドが凝集の影響を受けやすいことは事前に分かっておらず、したがって、目に見える粒子の観察は驚くべきことであった。本発明は、プロテインDポリペプチドの目に見える粒子の形成を減らし、したがって免疫原性組成物中のタンパク質抗原の構造及び機能の維持を助けるプロセスを提供する。本発明のプロセスは、スクロース及びポロキサマー(例えばポロキサマー188)を含む溶液(複数可)でプロテインDポリペプチドを希釈するステップを含む。本発明により、液体プロテインDポリペプチド組成物へのスクロース及びポロキサマーの添加は、プロテインDポリペプチドの構造を安定化しながら粒子形成を減らすことが見出された。
したがって、本発明は、プロテインDポリペプチド(場合により配列番号2のプロテインDポリペプチド)を含む液体組成物を調製する方法(プロセス)であって、プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップを含む方法(プロセス)を提供する。
本発明は、プロテインDポリペプチド、スクロース及びポロキサマーを含む液体組成物も提供する。
本発明は、プロテインDポリペプチドが本発明のプロセスを使用して調製された免疫原性組成物も提供する。
本発明は、対象、例えばヒトにおける、COPDの急性増悪(AECOPD)の処置又は予防での使用のための、本発明の免疫原性組成物も提供する。
本発明は、対象、例えばヒトにおける、COPDの急性増悪(AECOPD)の処置又は予防のための医薬の製造における、本発明の免疫原性組成物の使用も提供する。
本発明は、COPDの急性増悪(AECOPD)を発症するリスクのある対象、例えばヒトにおける、COPDの急性増悪(AECOPD)の処置の方法であって、有効量の本発明の免疫原性組成物を前記対象に投与するステップを含む方法も提供する。
本発明は、COPDの急性増悪(AECOPD)を発症するリスクのある対象、例えばヒトにおける、COPDの急性増悪(AECOPD)の予防の方法であって、有効量の本発明の免疫原性組成物を前記対象に投与するステップを含む方法も提供する。
詳細な説明
定義
本明細書で使用される場合、「アジュバント」は、ワクチン、免疫療法、又は他の抗原若しくは免疫原含有組成物と併せて対象に投与されると、(アジュバントなしで得られる免疫応答と比較して)投与された抗原又は免疫原への対象の免疫応答を増加又は増強する化合物又は基質を意味する。
定義
本明細書で使用される場合、「アジュバント」は、ワクチン、免疫療法、又は他の抗原若しくは免疫原含有組成物と併せて対象に投与されると、(アジュバントなしで得られる免疫応答と比較して)投与された抗原又は免疫原への対象の免疫応答を増加又は増強する化合物又は基質を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「免疫原性断片」は、全体より小さい抗原の一部であり、宿主動物、例えばヒトにおいて、その断片に特異的な液性及び/又は細胞免疫応答を誘発することができる。したがって、例えば、ゲノム配列の断片は、ゲノム配列自体を含まず、タンパク質の断片は、全長タンパク質配列自体を含まない。タンパク質の断片は、当技術分野で公知の技術を使用して、例えば組換え、タンパク質消化により、又は化学合成により産生され得る。ポリペプチドの内部又は末端断片は、ポリペプチドをコードする核酸の一端(末端断片のため)又は両端(内部断片のため)から1つ以上のヌクレオチドを除去することにより生成され得る。本発明の免疫原性断片は、1つ以上のアミノ酸(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12個のアミノ酸)の欠失及び/又は付加及び/又は置換により改変された、参照配列(例えば、本発明の配列番号1~58)と少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一なアミノ酸配列由来であり得る。アミノ酸置換は、保存的又は非保存的であり得る。一態様では、アミノ酸置換は保存的である。置換、欠失、付加又はこれらの任意の組合せは、バリアントが免疫原性ポリペプチドである限り、単一のバリアントで組み合わされ得る。例えば、免疫原性断片は、シグナルペプチドの欠失に由来し得る。
本明細書で使用される場合、用語「保存的アミノ酸置換」は、その位置でのアミノ酸残基のサイズ、極性、電荷、疎水性、若しくは親水性に影響がわずかであるか、又はない、及び免疫原性の減少を生じない、天然のアミノ酸残基の非天然の残基との置換を含む。例えば、これらは以下の群:バリン、グリシン;グリシン、アラニン;バリン、イソロイシン、ロイシン;アスパラギン酸、グルタミン酸;アスパラギン、グルタミン;セリン、スレオニン;リジン、アルギニン;及びフェニルアラニン、チロシン内の置換であり得る。ポリペプチドの配列への保存アミノ酸改変(及びコードするヌクレオチドへの相当する改変)は、参照ポリペプチドのものと類似の機能的及び化学的特徴を有するポリペプチドを産生し得る。
本明細書で使用される場合、「シグナルペプチド」は、前駆体タンパク質(典型的にはN末端)に存在し、典型的には成熟タンパク質には存在しない、短い(60個未満のアミノ酸、例えば3~60個のアミノ酸)ポリペプチドを指す。シグナルペプチド(sp)は、典型的には疎水性アミノ酸に富む。シグナルペプチドは、膜を通る翻訳されたタンパク質の輸送及び/又は分泌を指示する。シグナルペプチドはまた、標的化シグナル、輸送ペプチド、局在シグナル、又はシグナル配列と呼ばれ得る。例えば、シグナル配列は、同時翻訳又は翻訳後シグナルペプチドであってもよい。
本明細書で使用される場合、「対象」は、ヒト、非ヒト霊長類、及び非霊長類哺乳動物、例えば齧歯類(限定はされないが、マウス及びラットを含む)のメンバー及びウサギ目(限定はされないが、ウサギを含む)のメンバーを含む哺乳動物である。特定の実施形態では、対象はヒトである。
以下にさらに記載されるように、COPDの急性増悪(AECOPD)は、正常な日々の変動を超える、患者の呼吸症状の悪化により特徴付けられる急性事象である。典型的には、AECOPDは、投薬治療の変更をもたらす。
本明細書で使用される場合、用語「COPDの急性増悪(AECOPD)の処置」は、対象、例えばヒトにおける急性増悪の特徴である症状の増加を、緩和する、安定化する、減少させる、又は除くことを意味する。
本明細書で使用される場合、句「COPDの急性増悪(AECOPD)の予防」は、対象、例えばヒトにおいて、将来急性増悪の発生若しくは頻度を予防する、減少させること、又は重症度(例えば、気流閉塞、慢性気管支炎、気管支炎又は末梢気道病変及び肺気腫)を減少させることを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「H.インフルエンザ及び/又はM.カタラーリスによって起こる疾患の処置」は、対象、例えばヒトにおいて、H.インフルエンザ及び/又はM.カタラーリスによって起こる細菌感染の特徴である症状の増加を、緩和する、安定化する、減少させる、又は除くことを意味する。
本明細書で使用される場合、句「H.インフルエンザ及び/又はM.カタラーリスによって起こる疾患の予防」は、対象、例えばヒトにおいて、H.インフルエンザ及び/又はM.カタラーリスによって起こる将来の細菌感染の発生若しくは頻度を予防する、減少させること、又は重症度を減少させることを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「細菌感染」は、通常培養での細菌病原体の陽性検査(ヘモフィルス・インフルエンザ又はモラクセラ・カタラーリス)又は107個の細胞以上の総好気性CFU数を指す。特定の実施形態では、細菌感染は、
a)ヘモフィルス・インフルエンザ(例えば、型分類不能なH.インフルエンザ(NTHi));
b)モラクセラ・カタラーリス;又は
c)ヘモフィルス・インフルエンザ(例えば、型分類不能なH.インフルエンザ(NTHi))及びモラクセラ・カタラーリス
と関連する。
a)ヘモフィルス・インフルエンザ(例えば、型分類不能なH.インフルエンザ(NTHi));
b)モラクセラ・カタラーリス;又は
c)ヘモフィルス・インフルエンザ(例えば、型分類不能なH.インフルエンザ(NTHi))及びモラクセラ・カタラーリス
と関連する。
本明細書で使用される場合、本発明の免疫原性組成物又はワクチンを対象に投与する文脈での用語「有効量」は、予防及び/又は治療効果を有する免疫原性組成物又はワクチンの量を指す。
本明細書で使用される場合、「w/v」は製剤の重量/体積を意味する。
ポリペプチド間の同一性は、様々なアルゴリズムによって算出され得る。一般に、同一性のパーセンテージを算出する場合、比較される2つの配列をアラインし、配列間の最大相関を得る。これは、1つ又は両方の配列のいずれかに「ギャップ」を挿入するステップを含み、アラインメントの程度を高めてもよい。例えば、グローバルアラインメントのためのNeedleman Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch 1970, J. Mol. Biol. 48: 443-453)、又はローカルアラインメントのためのSmith Watermanアルゴリズム(Smith and Waterman 1981, J. Mol. Biol. 147: 195- 197)が、例えばデフォルトのパラメータ(Smith Watermanはギャップ開始ペナルティ10及びギャップ伸長ペナルティ1でBLOSUM 62スコアリングマトリックスを使用する)を使用して、使用されてもよい。好ましいアルゴリズムは、Dufresne et al.によってNature Biotechnology in 2002 (vol. 20, pp. 1269-71)に記載され、ソフトウェアGenePAST(Genome Quest Life Sciences, Inc. Boston, MA)で使用される。GenePAST「パーセント同一性」アルゴリズムは、クエリー配列と対象配列間の最良適合を見出し、正確なパーセンテージとしてアラインメントを表す。GenePASTは、クエリー配列と対象配列間の生物学的関連性の検討に基づくアラインメントスコアリング調整を行わない。2つの配列間の同一性は、両方の配列の全長にわたって算出され、参照配列(例えば、本発明の配列番号1~58)のパーセンテージとして表される。断片については、参照配列は最長配列である。
本明細書で使用される場合、用語「粒子」は、「目に見える(visible)粒子」及び「目に見えない(subvisible)粒子」を指す。一実施形態では、粒子は35~70μmの平均直径を有する。
本明細書で使用される場合、用語「目に見える粒子」は、ヒトの目で見える、液体組成物、例えば水溶液に不溶性又は部分的に可溶性の固体を指す。一実施形態では、目に見える粒子は少なくとも50μmの平均直径を有する。別の実施形態では、目に見える粒子は50~1000μmの平均直径を有する。別の実施形態では、目に見える粒子は75~1000μmの平均直径を有する。別の実施形態では、目に見える粒子は100~1000μmの平均直径を有する。一実施形態では、目に見える粒子は、欧州薬局方5.0、セクション2.9.20により記載される方法によって検出された場合に目に見える。本明細書で使用される場合、「目に見える粒子が本質的にフリー」は、欧州薬局方5.0、セクション2.9.20により記載される方法によって目に見える粒子を含有しない液体組成物を指す。
本明細書で使用される場合、「目に見えない粒子」は、米国薬局方、<788>に記載される光遮蔽粒子計数法(Light Obscuration Particle Count Test)によって検出可能な粒子状物質を指す。一実施形態では、目に見えない粒子は2~175μmの平均直径を有する。一実施形態では、目に見えない粒子は2~125μmの平均直径を有する。別の実施形態では、目に見えない粒子は50μm未満の平均直径を有する。別の実施形態では、目に見えない粒子は2~50μmの平均直径を有する。
本明細書で使用される場合、「安定」は、容器又はバイアルに保存された場合、特定の期間にわたり目に見える粒子の数の著しい増加を示さない組成物を指す。一実施形態では、組成物は、容器又はバイアルに保存された場合、特定の期間にわたり目に見えない粒子の数の著しい増加も示さない。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7又は14日間安定である(つまり、特定期間は少なくとも1、2、3、4、5、6、7又は14日である)。
プロテインDポリペプチドの希釈に使用される組成物
本発明は、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製する方法(プロセス)を提供する。本発明は、プロテインDポリペプチド粒子の形成を軽減する、プロテインDポリペプチドの希釈でのスクロース及び/又はポロキサマーの使用に基づく。実施例に記載されるように、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物へのスクロース及び/又はポロキサマーの添加が、液体組成物中に形成される目に見える粒子及び目に見えない粒子の数を減らすことが驚くべきことに見出された。プロテインDポリペプチドは、スクロース及び/又はポロキサマーを含む溶液(複数可)と混合され、液体組成物を形成する。したがって、本発明は、粒子形成を減らすプロテインDポリペプチドの液体組成物を調製する改善されたプロセスを提供する。本発明は、改善された安定性を有するプロテインDポリペプチドの液体組成物も提供する。本発明は、スクロース及びポロキサマーなしで製剤化されたプロテインDポリペプチドの液体組成物と比較して改善された安定性を有するプロテインDポリペプチドの液体組成物を提供する。場合により、プロセスは、プロテインDポリペプチドをスクロースとポロキサマーの両方と混合するステップを含む。したがって、プロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)を含む液体組成物を調製するプロセスは、プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマー(例えばポロキサマー188)と混合するステップを含む。一実施形態では、プロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)を含む液体組成物を調製するプロセスは、プロテインDポリペプチドをスクロース、ポロキサマー(例えばポロキサマー188)及び塩(例えばNaCl)と混合するステップを含む。別の実施形態では、プロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)を含む液体組成物を調製するプロセスは、プロテインDポリペプチドをスクロース、ポロキサマー(例えばポロキサマー188)、塩(例えばNaCl)及び緩衝液(例えばリン酸緩衝液)と混合するステップを含む。別の実施形態では、プロセスは、プロテインDポリペプチドを他の抗原と混合する前に、プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップを含む。
本発明は、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製する方法(プロセス)を提供する。本発明は、プロテインDポリペプチド粒子の形成を軽減する、プロテインDポリペプチドの希釈でのスクロース及び/又はポロキサマーの使用に基づく。実施例に記載されるように、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物へのスクロース及び/又はポロキサマーの添加が、液体組成物中に形成される目に見える粒子及び目に見えない粒子の数を減らすことが驚くべきことに見出された。プロテインDポリペプチドは、スクロース及び/又はポロキサマーを含む溶液(複数可)と混合され、液体組成物を形成する。したがって、本発明は、粒子形成を減らすプロテインDポリペプチドの液体組成物を調製する改善されたプロセスを提供する。本発明は、改善された安定性を有するプロテインDポリペプチドの液体組成物も提供する。本発明は、スクロース及びポロキサマーなしで製剤化されたプロテインDポリペプチドの液体組成物と比較して改善された安定性を有するプロテインDポリペプチドの液体組成物を提供する。場合により、プロセスは、プロテインDポリペプチドをスクロースとポロキサマーの両方と混合するステップを含む。したがって、プロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)を含む液体組成物を調製するプロセスは、プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマー(例えばポロキサマー188)と混合するステップを含む。一実施形態では、プロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)を含む液体組成物を調製するプロセスは、プロテインDポリペプチドをスクロース、ポロキサマー(例えばポロキサマー188)及び塩(例えばNaCl)と混合するステップを含む。別の実施形態では、プロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)を含む液体組成物を調製するプロセスは、プロテインDポリペプチドをスクロース、ポロキサマー(例えばポロキサマー188)、塩(例えばNaCl)及び緩衝液(例えばリン酸緩衝液)と混合するステップを含む。別の実施形態では、プロセスは、プロテインDポリペプチドを他の抗原と混合する前に、プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップを含む。
プロテインD
本明細書で使用される場合、「プロテインD(ProteinD)」、「プロテインD(proteinD)」及び「PD」は、H.インフルエンザ由来のプロテインDを意味する。ヘモフィルス・インフルエンザ由来のプロテインD(PD)は、国際公開第91/18926号及び欧州特許第0594610号に記載される。ヘモフィルス・インフルエンザ由来のプロテインDは、欧州特許第0594610号の図9(図9a及び図9b共に、364アミノ酸)からのプロテインD配列であり得る(配列番号1)。プロテインDポリペプチドは、全長プロテインD又はその免疫原性断片であってもよい(例えば、プロテインDポリペプチドは国際公開第00/56360号に記載される)。例えば、プロテインDポリペプチドは、配列SSHSSNMANT(SerSerHisSerSerAsnMetAlaAsnThr)(配列番号3)で始まり、欧州特許第0594610号の図9から19個のN末端アミノ酸を欠失し、場合により前記プロテインD断片(348アミノ酸)のN末端に融合したNS1からのトリペプチドMDP(すなわち配列番号2)の付加を有する、欧州特許第0594610号に記載されるプロテインD断片を含み得る(又はからなり得る)。したがって、一実施形態では、プロテインDポリペプチドは配列番号2のアミノ酸配列を含み得る(又はからなり得る)。一実施形態では、プロテインDポリペプチドは、ポリサッカライド、例えば肺炎球菌由来のポリサッカライドにコンジュゲートされない。一実施形態では、プロテインDポリペプチドは、肺炎球菌由来のポリサッカライドにコンジュゲートされない。一実施形態では、プロテインDポリペプチドは、遊離のタンパク質(例えば、コンジュゲートされていない)である。一実施形態では、プロテインDポリペプチドは脂質付加されていない。
配列番号1:プロテインD(364アミノ酸)
配列番号2:NS1からのMDPトリペプチドを有するプロテインD断片(348アミノ酸)
本明細書で使用される場合、「プロテインD(ProteinD)」、「プロテインD(proteinD)」及び「PD」は、H.インフルエンザ由来のプロテインDを意味する。ヘモフィルス・インフルエンザ由来のプロテインD(PD)は、国際公開第91/18926号及び欧州特許第0594610号に記載される。ヘモフィルス・インフルエンザ由来のプロテインDは、欧州特許第0594610号の図9(図9a及び図9b共に、364アミノ酸)からのプロテインD配列であり得る(配列番号1)。プロテインDポリペプチドは、全長プロテインD又はその免疫原性断片であってもよい(例えば、プロテインDポリペプチドは国際公開第00/56360号に記載される)。例えば、プロテインDポリペプチドは、配列SSHSSNMANT(SerSerHisSerSerAsnMetAlaAsnThr)(配列番号3)で始まり、欧州特許第0594610号の図9から19個のN末端アミノ酸を欠失し、場合により前記プロテインD断片(348アミノ酸)のN末端に融合したNS1からのトリペプチドMDP(すなわち配列番号2)の付加を有する、欧州特許第0594610号に記載されるプロテインD断片を含み得る(又はからなり得る)。したがって、一実施形態では、プロテインDポリペプチドは配列番号2のアミノ酸配列を含み得る(又はからなり得る)。一実施形態では、プロテインDポリペプチドは、ポリサッカライド、例えば肺炎球菌由来のポリサッカライドにコンジュゲートされない。一実施形態では、プロテインDポリペプチドは、肺炎球菌由来のポリサッカライドにコンジュゲートされない。一実施形態では、プロテインDポリペプチドは、遊離のタンパク質(例えば、コンジュゲートされていない)である。一実施形態では、プロテインDポリペプチドは脂質付加されていない。
配列番号1:プロテインD(364アミノ酸)
配列番号2:NS1からのMDPトリペプチドを有するプロテインD断片(348アミノ酸)
したがって、本発明での使用のためのプロテインDポリペプチド配列は、例えば、N末端若しくはC末端残基の短縮(例えば、N末端の19個のアミノ酸残基の欠失)により、アミノ酸残基の付加(例えば、トリペプチドMDPの付加)により、又は保存アミノ酸置換により改変され得る。一実施形態では、プロテインDポリペプチドは配列番号1と少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。プロテインDの免疫原性断片は、配列番号1の少なくとも7、10、15、20、25、30又は50個の連続するアミノ酸の免疫原性断片を含み得る。例えば、プロテインDの免疫原性断片は、配列番号1の少なくとも7、10、15、20、25、30、50、100、200又は300個の連続するアミノ酸の免疫原性断片、配列番号1の最大363個の連続するアミノ酸を含み得る。プロテインDポリペプチド配列(例えば配列番号1)は、1つ以上のアミノ酸(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12個のアミノ酸)の欠失及び/又は付加及び/又は置換によって改変され得る。免疫原性断片は、配列番号1に結合することができる抗体を誘発し得る。別の実施形態では、プロテインDポリペプチドは配列番号2と少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。プロテインDの免疫原性断片は、配列番号2の少なくとも7、10、15、20、25、30又は50個の連続するアミノ酸を含み得る。例えば、プロテインDの免疫原性断片は、配列番号2の少なくとも7、10、15、20、25、30、50、100、200又は300個の連続するアミノ酸の免疫原性断片、配列番号2の最大347個の連続するアミノ酸を含み得る。プロテインDの免疫原性断片は、配列番号2の100、200、300、310、320、330又は340個の連続するアミノ酸を含み得る。プロテインDポリペプチド配列(例えば配列番号2)は、1つ以上のアミノ酸(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12個のアミノ酸)の欠失及び/又は付加及び/又は置換によって改変され得る。免疫原性断片は、配列番号2に結合することができる抗体を誘発し得る。
一実施形態では、プロセスは、プロテインDポリペプチドを、液体組成物中0.025~20mg/ml、0.5~10mg/ml、又は0.5~1mg/mlのプロテインDポリペプチドの濃度まで混合するステップを含む。特に、プロテインDポリペプチドの濃度は、0.5mg/ml又は1mg/mlであり得る。これらの標的濃度に到達するように、プロテインDポリペプチド含量は、好適な技術、例えばRP-UPLCによって解析され、それにより希釈されてもよい。
スクロース
本発明は、一部、粒子形成を減らすための、プロテインDポリペプチドの液体製剤中のスクロースの使用に基づく。一実施形態では、プロセスは、プロテインDポリペプチドを、5~20%(w/v)、10~20%(w/v)、又は10~15%(w/v)のスクロースの濃度までスクロースと混合するステップを含む。特に、スクロースの濃度は、5%、10%、15%又は20%(w/v)であり得る。これらの標的濃度に達するように、高濃度のスクロース溶液が希釈プロセスで使用されるべきである。例えば、10%(w/v)のスクロースの濃度に達するように、15.75%(w/v)のスクロースの溶液がプロテインDポリペプチドと混合され得るが、変更が可能であることは当業者に理解されるであろう。一実施形態では、本発明は、プロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)を含む液体組成物を調製するプロセスであって、プロテインDポリペプチドを、スクロースを含む溶液と混合するステップを含むプロセスを提供する。別の実施形態では、プロセスは、プロテインDポリペプチドを、例えば5~20%(w/v)、10~20%(w/v)、又は10~15%(w/v)の濃度までスクロースを含む溶液と混合するステップを含む。
本発明は、一部、粒子形成を減らすための、プロテインDポリペプチドの液体製剤中のスクロースの使用に基づく。一実施形態では、プロセスは、プロテインDポリペプチドを、5~20%(w/v)、10~20%(w/v)、又は10~15%(w/v)のスクロースの濃度までスクロースと混合するステップを含む。特に、スクロースの濃度は、5%、10%、15%又は20%(w/v)であり得る。これらの標的濃度に達するように、高濃度のスクロース溶液が希釈プロセスで使用されるべきである。例えば、10%(w/v)のスクロースの濃度に達するように、15.75%(w/v)のスクロースの溶液がプロテインDポリペプチドと混合され得るが、変更が可能であることは当業者に理解されるであろう。一実施形態では、本発明は、プロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)を含む液体組成物を調製するプロセスであって、プロテインDポリペプチドを、スクロースを含む溶液と混合するステップを含むプロセスを提供する。別の実施形態では、プロセスは、プロテインDポリペプチドを、例えば5~20%(w/v)、10~20%(w/v)、又は10~15%(w/v)の濃度までスクロースを含む溶液と混合するステップを含む。
ポロキサマー
本発明は、一部、粒子形成を減らすための、プロテインDポリペプチドの液体製剤中のプロキサマーの使用に基づく。ポロキサマーは、ポリオキシエチレン(ポリ(エチレンオキシド))の2つの親水性鎖に隣接するポリオキシプロピレン(ポリ(プロピレンオキシド))の中心疎水性鎖から構成される非イオン性トリブロック線状コポリマーである。ポリマーの長さは多様であり得る。ポロキサマーは、7500~15000又は7500~10000の範囲の分子量を有し得る。好適には、ポロキサマーは、ポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338及びポロキサマー407からなる群から選択される。一実施形態では、ポロキサマーはポロキサマー188(PX188)である。
本発明は、一部、粒子形成を減らすための、プロテインDポリペプチドの液体製剤中のプロキサマーの使用に基づく。ポロキサマーは、ポリオキシエチレン(ポリ(エチレンオキシド))の2つの親水性鎖に隣接するポリオキシプロピレン(ポリ(プロピレンオキシド))の中心疎水性鎖から構成される非イオン性トリブロック線状コポリマーである。ポリマーの長さは多様であり得る。ポロキサマーは、7500~15000又は7500~10000の範囲の分子量を有し得る。好適には、ポロキサマーは、ポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338及びポロキサマー407からなる群から選択される。一実施形態では、ポロキサマーはポロキサマー188(PX188)である。
一実施形態では、プロセスは、プロテインDポリペプチドを、0.1~1%(w/v)、又は0.5~1%(w/v)のポロキサマーの濃度までポロキサマーと混合するステップを含む。特に、ポロキサマーの濃度は、0.5%又は1%(w/v)であり得る。これらの標的濃度に達するように、高濃度のポロキサマー溶液が希釈プロセスで使用されるべきである。例えば、1%(w/v)のポロキサマー(例えばポロキサマー188)の濃度に達するように、10%(w/v)のポロキサマー(例えばポロキサマー188)の溶液がプロテインDポリペプチドと混合され得るが、変更が可能であることは当業者に理解されるであろう。
一実施形態では、本発明は、プロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)を含む液体組成物を調製するプロセスであって、プロテインDポリペプチドを、例えば0.1~1%(w/v)、0.5~1%(w/v)、又は1%(w/v)の濃度までポロキサマーを含む溶液と混合するステップを含むプロセスを提供する。別の実施形態では、本発明は、プロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)を含む液体組成物を調製するプロセスであって、プロテインDポリペプチドを、スクロース及びポロキサマーを含む溶液(複数可)と混合するステップを含むプロセスを提供する。別の実施形態では、プロセスは、プロテインDポリペプチドを、(a)スクロースを例えば5~20%(w/v)、10~20%(w/v)、又は10~15%(w/v)の濃度まで、及び(b)ポロキサマー(例えばポロキサマー188)を例えば0.1~1%(w/v)、0.5~1%(w/v)、又は1%(w/v)の濃度まで含む溶液(複数可)と混合するステップを含む。別の実施形態では、本発明は、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスであって、プロテインDポリペプチドを、(a)スクロースを5~20%(w/v)、10~20%(w/v)、又は10~15%(w/v)の濃度まで、及び(b)ポロキサマー(場合によりポロキサマー188)を0.1~1%(w/v)、0.5~1%(w/v)、又は1%(w/v)の濃度まで含む溶液と混合するステップを含むプロセスを提供する。
塩
実施例に記載されるように、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物への塩の添加が、液体組成物中に形成される粒子の数を減らすことも見出された(35~70ミクロンの合計に基づく)。一実施形態では、プロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)を含む液体組成物を調製するプロセスは、プロテインDポリペプチドを、スクロース、ポロキサマー(例えばポロキサマー188)及び塩(例えばNaCl)と混合するステップを含む。したがって、一実施形態では、プロテインDポリペプチドは、スクロース、ポロキサマー(例えばポロキサマー188)及び塩(例えばNaCl)と混合される。塩は、例えば、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、又はリン酸ナトリウムであり得る。一実施形態では、本発明の免疫原性組成物はNaCl(塩化ナトリウム)を含む。
実施例に記載されるように、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物への塩の添加が、液体組成物中に形成される粒子の数を減らすことも見出された(35~70ミクロンの合計に基づく)。一実施形態では、プロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)を含む液体組成物を調製するプロセスは、プロテインDポリペプチドを、スクロース、ポロキサマー(例えばポロキサマー188)及び塩(例えばNaCl)と混合するステップを含む。したがって、一実施形態では、プロテインDポリペプチドは、スクロース、ポロキサマー(例えばポロキサマー188)及び塩(例えばNaCl)と混合される。塩は、例えば、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、又はリン酸ナトリウムであり得る。一実施形態では、本発明の免疫原性組成物はNaCl(塩化ナトリウム)を含む。
塩(例えばNaCl)は、1~200mM、好適には10~200mM、50~200mM、100~200mM、又は125~1755mMの濃度まで添加され得る。特に、塩(例えばNaCl)の濃度は150mMであり得る。これらの標的濃度に達するように、高濃度の塩(例えばNaCl)溶液を希釈プロセスに使用するべきである。例えば、150mMの塩(例えばNaCl)の濃度に達するように、1160mMの塩(例えばNaCl)の溶液がプロテインDポリペプチドと混合され得るが、変更が可能であることは当業者に理解されるであろう。
一実施形態では、本発明は、プロテインDポリペプチド(場合により配列番号2のプロテインDポリペプチド)を含む液体組成物を調製するプロセスであって、プロテインDポリペプチドを、(a)スクロース、(b)ポロキサマー(場合によりポロキサマー188)及び(c)塩(場合によりNaCl)を含む溶液(複数可)と混合するステップを含むプロセスを提供する。別の実施形態では、プロセスは、プロテインDポリペプチドを、(a)スクロースを例えば5~20%(w/v)、10~20%(w/v)、又は10~15%(w/v)の濃度まで、(b)ポロキサマー(例えばポロキサマー188)を例えば0.1~1%(w/v)、0.5~1%(w/v)、又は1%(w/v)の濃度まで、及び(c)塩、例えばNaClを含む溶液(複数可)と混合するステップを含む。
緩衝液
別の実施形態では、プロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)を含む液体組成物を調製するプロセスは、プロテインDポリペプチドを、スクロース、ポロキサマー(例えばポロキサマー188)、塩(例えばNaCl)及び緩衝液(例えばリン酸緩衝液)と混合するステップを含む。一実施形態では、前記緩衝液は、約3.5~約7.5のpKaを有する。いくつかの実施形態では、緩衝液は、リン酸、コハク酸、ヒスチジン又はクエン酸緩衝液である。ある特定の実施形態では、緩衝液は、リン酸緩衝液、好適にはリン酸カリウム(例えばKH2PO4/K2HPO4)である。
別の実施形態では、プロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)を含む液体組成物を調製するプロセスは、プロテインDポリペプチドを、スクロース、ポロキサマー(例えばポロキサマー188)、塩(例えばNaCl)及び緩衝液(例えばリン酸緩衝液)と混合するステップを含む。一実施形態では、前記緩衝液は、約3.5~約7.5のpKaを有する。いくつかの実施形態では、緩衝液は、リン酸、コハク酸、ヒスチジン又はクエン酸緩衝液である。ある特定の実施形態では、緩衝液は、リン酸緩衝液、好適にはリン酸カリウム(例えばKH2PO4/K2HPO4)である。
緩衝液は、5~50mM、好適には10~40mM、10~30mM、10~20mM、又は10~15mMの濃度まで添加され得る。特に、緩衝液の濃度は、10.5mM、11.0mM、11.5mM、12.0mM、12.5mM、13.0mM、13.5mM、14.5mM又は15.0mMであり得る。これらの標的濃度に達するように、高濃度の緩衝液(例えばリン酸緩衝液)の溶液を希釈プロセスに使用するべきである。例えば、12.5mMの緩衝液(例えばリン酸緩衝液)の濃度に達するように、100mMの緩衝液(例えばリン酸緩衝液)の溶液がプロテインDポリペプチドと混合され得るが、変更が可能であることは当業者に理解されるであろう。
一実施形態では、本発明は、プロテインDポリペプチド(場合により配列番号2のプロテインDポリペプチド)を含む液体組成物を調製するプロセスであって、プロテインDポリペプチドを、(a)スクロース、(b)ポロキサマー(場合によりポロキサマー188)、(c)塩(場合によりNaCl)及び(d)緩衝液(場合によりリン酸緩衝液)を含む溶液(複数可)と混合するステップを含むプロセスを提供する。別の実施形態では、プロセスは、プロテインDポリペプチドを、(a)スクロースを例えば5~20%(w/v)、10~20%(w/v)、又は10~15%(w/v)の濃度まで、(b)ポロキサマー(例えばポロキサマー188)を例えば0.1~1%(w/v)、0.5~1%(w/v)、又は1%(w/v)の濃度まで、(c)塩、例えばNaCl及び(d)緩衝液(例えばリン酸緩衝液)を含む溶液(複数可)と混合するステップを含む。
pH
一実施形態では、液体組成物のpHは、pH5.5~8.5、pH6.0~8.0、pH6.4~7.7、pH6.4~7.4、pH6.4~6.9、pH6.5~7.7、pH6.5~7.4、pH6.5~6.9、pH6.8~7.7、pH6.8~7.4又はpH6.8~6.9に調整され得る。特に、本発明の液体組成物のpHは、pH6.4、pH6.5、pH6.6、pH6.7、pH6.8、pH6.9、pH7.0、pH7.1、pH7.2、pH7.3、pH7.4、pH7.5、pH7.6又はpH7.7に調整され得る。標的pHに達するように、高いpHの溶液を希釈プロセスに使用することができる。pHを標的pHに達するように調整することは当業者の範囲内である。例えば、pH6.8に達するように、pH6.9の溶液がプロテインDポリペプチドを含む液体組成物と混合され得るが、変更が可能であることは当業者に理解されるであろう。
一実施形態では、液体組成物のpHは、pH5.5~8.5、pH6.0~8.0、pH6.4~7.7、pH6.4~7.4、pH6.4~6.9、pH6.5~7.7、pH6.5~7.4、pH6.5~6.9、pH6.8~7.7、pH6.8~7.4又はpH6.8~6.9に調整され得る。特に、本発明の液体組成物のpHは、pH6.4、pH6.5、pH6.6、pH6.7、pH6.8、pH6.9、pH7.0、pH7.1、pH7.2、pH7.3、pH7.4、pH7.5、pH7.6又はpH7.7に調整され得る。標的pHに達するように、高いpHの溶液を希釈プロセスに使用することができる。pHを標的pHに達するように調整することは当業者の範囲内である。例えば、pH6.8に達するように、pH6.9の溶液がプロテインDポリペプチドを含む液体組成物と混合され得るが、変更が可能であることは当業者に理解されるであろう。
一実施形態では、本発明は、プロテインDポリペプチド(場合により配列番号2のプロテインDポリペプチド)を含む液体組成物を調製するプロセスであって、プロテインDポリペプチドを、(a)スクロース、(b)ポロキサマー(場合によりポロキサマー188)、(c)塩(場合によりNaCl)、及び(d)緩衝液(場合によりリン酸緩衝液)を含む溶液(複数可)と、pH6.4~7.7、例えばpH6.8に達するまで混合するステップを含むプロセスを提供する。別の実施形態では、プロセスは、プロテインDポリペプチドを、(a)スクロースを例えば5~20%(w/v)、10~20%(w/v)、又は10~15%(w/v)の濃度まで、(b)ポロキサマー(例えばポロキサマー188)を例えば0.1~1%(w/v)、0.5~1%(w/v)、又は1%(w/v)の濃度まで、(c)塩、例えばNaCl及び(d)緩衝液(例えばリン酸緩衝液)を含む溶液(複数可)と、pH6.4~7.7、例えばpH6.8に達するまで混合するステップを含む。
プロテインDポリペプチドの解凍
プロテインDポリペプチドは、典型的には、凍結された形態(例えば-45℃、pH6.8)で保存され、製剤化の前に解凍されなければならない。解凍は、凍結から液体又は半液体状態への変化である。本発明のプロセスは、好適には、プロテインDポリペプチドを解凍するステップを含む。一実施形態では、プロセスは、(i)プロテインDポリペプチドを解凍するステップ、及び(ii)プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップを含む。これは、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を形成する。別の実施形態では、プロセスは、(i)プロテインDポリペプチドを解凍するステップ、及び(ii)プロテインDポリペプチドをスクロース、ポロキサマー及び塩と混合するステップを含む。別の実施形態では、プロセスは、(i)プロテインDポリペプチドを解凍するステップ、及び(ii)プロテインDポリペプチドをスクロース、ポロキサマー、塩及び緩衝液と混合するステップを含む。別の実施形態では、プロセスは、(i)プロテインDポリペプチドを解凍するステップ、及び(ii)プロテインDポリペプチドを、(a)例えば5~20%(w/v)、10~20%(w/v)、又は10~15%(w/v)の濃度までのスクロース、及び(b)例えば0.1~1%(w/v)、0.5~1%(w/v)、又は1%(w/v)の濃度までのポロキサマー(例えばポロキサマー188)と混合するステップを含む。別の実施形態では、ステップ(ii)は、プロテインDポリペプチドを、(a)例えば5~20%(w/v)、10~20%(w/v)、又は10~15%(w/v)の濃度までのスクロース、(b)例えば0.1~1%(w/v)、0.5~1%(w/v)、又は1%(w/v)の濃度までのポロキサマー(例えばポロキサマー188)及び(c)塩、例えばNaClと混合するステップを含む。別の実施形態では、ステップ(ii)は、プロテインDポリペプチドを、(a)例えば5~20%(w/v)、10~20%(w/v)、又は10~15%(w/v)の濃度までのスクロース、(b)例えば0.1~1%(w/v)、0.5~1%(w/v)、又は1%(w/v)の濃度までのポロキサマー(例えばポロキサマー188)、(c)塩、例えばNaCl及び(d)緩衝液(例えばリン酸緩衝液)と混合するステップを含む。一実施形態では、ステップ(ii)は、pH6.4~7.7、好適にはpH6.8に達するまで行われる(つまり、混合後の組成物のpH)。
プロテインDポリペプチドは、典型的には、凍結された形態(例えば-45℃、pH6.8)で保存され、製剤化の前に解凍されなければならない。解凍は、凍結から液体又は半液体状態への変化である。本発明のプロセスは、好適には、プロテインDポリペプチドを解凍するステップを含む。一実施形態では、プロセスは、(i)プロテインDポリペプチドを解凍するステップ、及び(ii)プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップを含む。これは、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を形成する。別の実施形態では、プロセスは、(i)プロテインDポリペプチドを解凍するステップ、及び(ii)プロテインDポリペプチドをスクロース、ポロキサマー及び塩と混合するステップを含む。別の実施形態では、プロセスは、(i)プロテインDポリペプチドを解凍するステップ、及び(ii)プロテインDポリペプチドをスクロース、ポロキサマー、塩及び緩衝液と混合するステップを含む。別の実施形態では、プロセスは、(i)プロテインDポリペプチドを解凍するステップ、及び(ii)プロテインDポリペプチドを、(a)例えば5~20%(w/v)、10~20%(w/v)、又は10~15%(w/v)の濃度までのスクロース、及び(b)例えば0.1~1%(w/v)、0.5~1%(w/v)、又は1%(w/v)の濃度までのポロキサマー(例えばポロキサマー188)と混合するステップを含む。別の実施形態では、ステップ(ii)は、プロテインDポリペプチドを、(a)例えば5~20%(w/v)、10~20%(w/v)、又は10~15%(w/v)の濃度までのスクロース、(b)例えば0.1~1%(w/v)、0.5~1%(w/v)、又は1%(w/v)の濃度までのポロキサマー(例えばポロキサマー188)及び(c)塩、例えばNaClと混合するステップを含む。別の実施形態では、ステップ(ii)は、プロテインDポリペプチドを、(a)例えば5~20%(w/v)、10~20%(w/v)、又は10~15%(w/v)の濃度までのスクロース、(b)例えば0.1~1%(w/v)、0.5~1%(w/v)、又は1%(w/v)の濃度までのポロキサマー(例えばポロキサマー188)、(c)塩、例えばNaCl及び(d)緩衝液(例えばリン酸緩衝液)と混合するステップを含む。一実施形態では、ステップ(ii)は、pH6.4~7.7、好適にはpH6.8に達するまで行われる(つまり、混合後の組成物のpH)。
ステップ(i)及び(ii)は、同時に又は順に起こり得る。一実施形態では、ステップ(i)及び(ii)は、同時に起こる。別の実施形態では、ステップ(i)と(ii)は順に起こり、ステップ(i)にステップ(ii)が続く。例えば、ステップ(i)はプロテインDポリペプチドの温度を上げることにより、例えば大気温度を上げることにより行われ得る。好適には、ステップ(i)は静的に行われる。好適には、ステップ(i)はインキュベーター内で行われる。一実施形態では、ステップ(i)は1~35℃で行われる。例えば、ステップ(i)は2~35℃、10~35℃、20~35℃、2~30℃、10~30℃、20~30℃、2~25℃、又は23~27℃で行われてもよい。特に、ステップ(i)は室温、例えば25℃で行われてもよい。一実施形態では、ステップ(i)は1~35℃、例えば2~35℃、又は10~35℃、又は15~30℃、好適には室温(例えば25℃)で行われる。一実施形態では、ステップ(i)は1~35℃で行われ、ステップ(ii)に続く。
ステップ(i)は、プロテインDポリペプチドのホモジナイゼーションも含み得る。一実施形態では、ステップ(i)はプロテインDポリペプチドを解凍するステップ及びホモジナイズするステップを含む。例えば、プロテインDポリペプチドは、100~200RPM、例えば150RPMで、好適には5~10分間、例えば5分間撹拌するステップ(例えばマグネットバーによる)によりホモジナイズされ得る。
ステップ(ii)は、プロテインDポリペプチドを、(a)例えば5~20%(w/v)、10~20%(w/v)、又は10~15%(w/v)の濃度までのスクロース、及び(b)例えば0.1~1%(w/v)、0.5~1%(w/v)、又は1%(w/v)の濃度までのポロキサマー(例えばポロキサマー188)と混合するステップを含む。一実施形態では、ステップ(ii)は、プロテインDポリペプチドを液体組成物中で必要な濃度(当業者によって決定される)まで希釈する。一実施形態では、ステップ(ii)は、場合により2~25℃で撹拌するステップを含む。例えば、プロセスは、プロテインDポリペプチドを液体組成物中0.025~20mg/ml、0.5~10mg/ml、又は0.5~1mg/mlのプロテインDポリペプチドの濃度まで混合するステップを含む。特に、プロテインDポリペプチドの濃度は、0.5mg/ml又は1mg/mlであり得る。スクロース及びポロキサマー(並びに場合により塩及び緩衝液)を含む溶液(複数可)は、混合するステップの前にピペット又はガラスメスシリンダーによって添加され得る。一実施形態では、スクロース及びポロキサマー(並びに場合により塩及び緩衝液)の個々の溶液が別々に添加される。別の実施形態では、スクロース及びポロキサマー(並びに場合により塩及び緩衝液)の個々の溶液が同時に添加される。別の実施形態では、スクロース及びポロキサマー(並びに場合により塩及び緩衝液)の単一(組み合わせた)溶液が添加される。
したがって、本明細書で使用される場合、用語「溶液(複数可)」は、別々の溶液又は単一(組み合わせた)溶液のいずれかを意味する。例えば、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスでは、プロセスは、プロテインDポリペプチドを、(a)スクロース及び(b)ポロキサマーを含む溶液(複数可)と混合するステップを含み、(a)スクロース及び(b)ポロキサマーの別々の溶液がプロテインDポリペプチドと混合されてもよく、又はスクロース及びポロキサマーの単一(組み合わせた)溶液がプロテインDポリペプチドと混合されてもよい。好適には、(a)スクロース及び(b)ポロキサマーの単一(組み合わせた)溶液がプロテインDポリペプチドと混合されてもよい。例えば、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスでは、プロセスは、プロテインDポリペプチドを、(a)スクロース、(b)ポロキサマー及び(c)塩を含む溶液(複数可)と混合するステップを含み、(a)スクロース、(b)ポロキサマー及び(c)塩の別々の溶液がプロテインDポリペプチドと混合されてもよく、又はスクロース、ポロキサマー及び塩の単一(組み合わせた)溶液がプロテインDポリペプチドと混合されてもよい。好適には、(a)スクロース、(b)ポロキサマー及び(c)塩の単一(組み合わせた)溶液がプロテインDポリペプチドと混合されてもよい。例えば、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスでは、プロセスは、プロテインDポリペプチドを、(a)スクロース、(b)ポロキサマー、(c)塩及び(d)緩衝液を含む溶液(複数可)と混合するステップを含み、(a)スクロース、(b)ポロキサマー、(c)塩及び(d)緩衝液の別々の溶液がプロテインDポリペプチドと混合されてもよく、又はスクロース、ポロキサマー、塩及び緩衝液の単一(組み合わせた)溶液がプロテインDポリペプチドと混合されてもよい。好適には、(a)スクロース、(b)ポロキサマー、(c)塩及び(d)緩衝液の単一(組み合わせた)溶液がプロテインDポリペプチドと混合されてもよい。
濾過
一実施形態では、本発明のプロセスは、プロテインDポリペプチド液体組成物の濾過を含む。したがって、本発明は、上記のようにプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製し、続いて、例えば0.22μmのPVDFメンブレンを使用する濾過のステップを含むプロセスを提供する。好適には、濾過は、プロテインDポリペプチドの液体組成物からプロテインDポリペプチドの粒子を減らす又は除去する。一実施形態では、本発明は、ステップ(i)及び(ii)を含み、続いて濾過(場合により0.22μmのPVDFメンブレンを使用する)して、濾過液(濾液)中にプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を得るステップを含む、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスを提供する。例えば、プロテインDポリペプチドは、OptiScale(登録商標)47フィルター(0.22μm Durapore(登録商標)PVDFメンブレン17.7cm2-ポリプロピレンカートリッジ)及び蠕動ポンプ(流速0.7ml/分/cm2)を使用することによって濾過され得る。当業者に公知の他の好適なメンブレン、例えばPES(ポリエチレンスルホン)、セルロースも使用され得る。したがって、本発明は、プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップへと続くプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスを提供し、濾過(場合により0.22μmのPVDFメンブレンを使用する)して、濾過液中にプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を得るステップを含む。したがって、本発明のプロセスは、(i)プロテインDポリペプチドを解凍するステップ及び(ii)プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップ、続いて濾過のステップを(順に)含み得る。
一実施形態では、本発明のプロセスは、プロテインDポリペプチド液体組成物の濾過を含む。したがって、本発明は、上記のようにプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製し、続いて、例えば0.22μmのPVDFメンブレンを使用する濾過のステップを含むプロセスを提供する。好適には、濾過は、プロテインDポリペプチドの液体組成物からプロテインDポリペプチドの粒子を減らす又は除去する。一実施形態では、本発明は、ステップ(i)及び(ii)を含み、続いて濾過(場合により0.22μmのPVDFメンブレンを使用する)して、濾過液(濾液)中にプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を得るステップを含む、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスを提供する。例えば、プロテインDポリペプチドは、OptiScale(登録商標)47フィルター(0.22μm Durapore(登録商標)PVDFメンブレン17.7cm2-ポリプロピレンカートリッジ)及び蠕動ポンプ(流速0.7ml/分/cm2)を使用することによって濾過され得る。当業者に公知の他の好適なメンブレン、例えばPES(ポリエチレンスルホン)、セルロースも使用され得る。したがって、本発明は、プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップへと続くプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスを提供し、濾過(場合により0.22μmのPVDFメンブレンを使用する)して、濾過液中にプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を得るステップを含む。したがって、本発明のプロセスは、(i)プロテインDポリペプチドを解凍するステップ及び(ii)プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップ、続いて濾過のステップを(順に)含み得る。
保存
本発明は、特に保存中(プロテインDポリペプチドが液体組成物中で維持される期間)、プロテインDポリペプチドの目に見える粒子(及び場合により目に見えない粒子)の形成を減らす、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスを提供する。したがって、本発明は、続いてプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を保存するステップを含む、上記のように、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスを提供する。一実施形態では、本発明は、ステップ(i)及び(ii)(場合により濾過による)を含み、続いてプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を保存するステップを含む、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスを提供する。好適には、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物は、少なくとも1日、少なくとも7日、又は少なくとも14日間保存される。いくつかの実施形態では、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7又は14日間保存される。例えば、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物は、少なくとも1日、好適には7日まで(例えば1~7日の間)、又は14日まで(例えば1~14日の間)保存され得る。本発明の液体組成物は、+2~+8℃で保存され得る。液体組成物として保存中に、液体組成物中のプロテインDポリペプチドの含量が測定され得る。したがって、本発明は、プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップ(及び場合により濾過のステップ)へと続くプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスを提供し、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を保存するステップを含む。したがって、本発明のプロセスは、(i)プロテインDポリペプチドを解凍するステップ、(ii)プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップ(及び場合により濾過のステップ)、並びに(iii)プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を保存するステップを(順に)含み得る。
本発明は、特に保存中(プロテインDポリペプチドが液体組成物中で維持される期間)、プロテインDポリペプチドの目に見える粒子(及び場合により目に見えない粒子)の形成を減らす、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスを提供する。したがって、本発明は、続いてプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を保存するステップを含む、上記のように、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスを提供する。一実施形態では、本発明は、ステップ(i)及び(ii)(場合により濾過による)を含み、続いてプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を保存するステップを含む、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスを提供する。好適には、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物は、少なくとも1日、少なくとも7日、又は少なくとも14日間保存される。いくつかの実施形態では、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7又は14日間保存される。例えば、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物は、少なくとも1日、好適には7日まで(例えば1~7日の間)、又は14日まで(例えば1~14日の間)保存され得る。本発明の液体組成物は、+2~+8℃で保存され得る。液体組成物として保存中に、液体組成物中のプロテインDポリペプチドの含量が測定され得る。したがって、本発明は、プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップ(及び場合により濾過のステップ)へと続くプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスを提供し、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を保存するステップを含む。したがって、本発明のプロセスは、(i)プロテインDポリペプチドを解凍するステップ、(ii)プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップ(及び場合により濾過のステップ)、並びに(iii)プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を保存するステップを(順に)含み得る。
プロテインDポリペプチド粒子の形成を減らすプロセス
本発明は、液体組成物中のプロテインDポリペプチド粒子の形成を減らすプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスを提供する。特に、本発明はプロテインDポリペプチドの目に見える粒子の形成を減らすプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスを提供する。別の実施形態では、本発明はプロテインDポリペプチドの目に見える粒子及び目に見えない粒子の形成を減らすプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスを提供する。本発明は、本発明のプロセスを含む、液体組成物中のプロテインDポリペプチド粒子の形成を減らす方法も提供する。本発明は、安定であるプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスも提供する。一実施形態では、プロセスは、液体組成物が少なくとも1日間保存される場合、プロテインDポリペプチドの目に見える粒子(及び場合により目に見えない粒子)の形成を減らす。別の実施形態では、プロセスは、液体組成物が少なくとも7日間保存される場合、プロテインDポリペプチドの目に見える粒子(及び場合により目に見えない粒子)の形成を減らす。別の実施形態では、プロセスは、液体組成物が少なくとも14日間保存される場合、プロテインDポリペプチドの目に見える粒子(及び場合により目に見えない粒子)の形成を減らす。
本発明は、液体組成物中のプロテインDポリペプチド粒子の形成を減らすプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスを提供する。特に、本発明はプロテインDポリペプチドの目に見える粒子の形成を減らすプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスを提供する。別の実施形態では、本発明はプロテインDポリペプチドの目に見える粒子及び目に見えない粒子の形成を減らすプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスを提供する。本発明は、本発明のプロセスを含む、液体組成物中のプロテインDポリペプチド粒子の形成を減らす方法も提供する。本発明は、安定であるプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスも提供する。一実施形態では、プロセスは、液体組成物が少なくとも1日間保存される場合、プロテインDポリペプチドの目に見える粒子(及び場合により目に見えない粒子)の形成を減らす。別の実施形態では、プロセスは、液体組成物が少なくとも7日間保存される場合、プロテインDポリペプチドの目に見える粒子(及び場合により目に見えない粒子)の形成を減らす。別の実施形態では、プロセスは、液体組成物が少なくとも14日間保存される場合、プロテインDポリペプチドの目に見える粒子(及び場合により目に見えない粒子)の形成を減らす。
組成物中の目に見える粒子の検出は、当業者によって好適であると思われる任意の技術によって決定され得る。例えば、目に見える粒子は、欧州薬局方5.0、セクション2.9.20で特定される方法によって検出され得る。組成物中の目に見えない粒子の検出は、当業者によって好適であると思われる任意の技術によって決定され得る。例えば、目に見える粒子は、米国薬局方、<788>に記載されるように光遮蔽粒子計数法によって検出され得る。
一実施形態では、本発明のプロセスは、プロテインDポリペプチド組成物にスクロース及びポロキサマーを添加しないプロセスと比較して、プロテインDポリペプチドの目に見える粒子(及び場合により目に見えない粒子)の形成を減らす。一実施形態では、本発明のプロセスは、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物にスクロース及びポロキサマーを添加しないプロセスと比較して、少なくとも1、2、3、4、5、6、7又は14日間、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物のその後の保存の間にプロテインDポリペプチドの目に見える粒子(及び場合により目に見えない粒子)の形成を減らす。本明細書で使用される場合、「目に見える粒子」は、ヒトの目で見える、液体組成物、例えば水溶液中の不溶性又は部分的に可溶性の固体を指す。一実施形態では、目に見える粒子は少なくとも50μmの平均直径を有する。別の実施形態では、目に見える粒子は50~1000μmの平均直径を有する。別の実施形態では、目に見える粒子は75~1000μmの平均直径を有する。別の実施形態では、目に見える粒子は、100~1000μmの平均直径を有する。一実施形態では、目に見える粒子は、欧州薬局方5.0、セクション2.9.20に記載される方法によって検出された場合、目に見える。本明細書で使用される場合、「目に見えない粒子」は、米国薬局方、<788>に記載される光遮蔽粒子計数法によって検出可能な粒子状物質を指す。一実施形態では、目に見えない粒子は2~175μmの平均直径を有する。一実施形態では、目に見えない粒子は2~125μmの平均直径を有する。別の実施形態では、目に見えない粒子は50μm未満の平均直径を有する。別の実施形態では、目に見えない粒子は2~50μmの平均直径を有する。
プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を他の抗原(複数可)と混合するステップ
本発明は、上記のようにプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製し、続いてプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を他の抗原(複数可)と混合するステップを含むプロセスを提供する。一実施形態では、本発明は、ステップ(i)、(ii)及び(iii)を含み、続いて(iv)プロテインDポリペプチドを含む濾過液を他の抗原(複数可)と混合するステップを含むプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスを提供する。一実施形態では、他の抗原は、ヘモフィルス・インフルエンザ由来のプロテインE又はその免疫原性断片、ヘモフィルス・インフルエンザ由来のPilA又はその免疫原性断片及びUspA2ポリペプチドを含む。別の実施形態では、他の抗原は、PE-PilA融合タンパク質及びUspA2ポリペプチドを含む。この液体組成物は、免疫原性組成物の調製に使用され得る。したがって、本発明は、プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップ(及び場合により濾過のステップ)並びにプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を保存するステップへと続く、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスを提供し、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を他の抗原(複数可)と混合するステップを含む。したがって、本発明のプロセスは、(i)プロテインDポリペプチドを解凍するステップ、(ii)プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップ(及び場合により濾過のステップ)、(iii)プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を保存するステップ、及び(iv)プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を他の抗原(複数可)と混合するステップを(順に)含み得る。
本発明は、上記のようにプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製し、続いてプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を他の抗原(複数可)と混合するステップを含むプロセスを提供する。一実施形態では、本発明は、ステップ(i)、(ii)及び(iii)を含み、続いて(iv)プロテインDポリペプチドを含む濾過液を他の抗原(複数可)と混合するステップを含むプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスを提供する。一実施形態では、他の抗原は、ヘモフィルス・インフルエンザ由来のプロテインE又はその免疫原性断片、ヘモフィルス・インフルエンザ由来のPilA又はその免疫原性断片及びUspA2ポリペプチドを含む。別の実施形態では、他の抗原は、PE-PilA融合タンパク質及びUspA2ポリペプチドを含む。この液体組成物は、免疫原性組成物の調製に使用され得る。したがって、本発明は、プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップ(及び場合により濾過のステップ)並びにプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を保存するステップへと続く、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスを提供し、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を他の抗原(複数可)と混合するステップを含む。したがって、本発明のプロセスは、(i)プロテインDポリペプチドを解凍するステップ、(ii)プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップ(及び場合により濾過のステップ)、(iii)プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を保存するステップ、及び(iv)プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を他の抗原(複数可)と混合するステップを(順に)含み得る。
プロテインE
プロテインE(PE)は、付着特性を有する外膜リポタンパク質である。プロテインEは、上皮細胞への型分類不能なヘモフィルス・インフルエンザ(NTHi)の付着/侵入に役割を果たす。(J. Immunology 183: 2593-2601 (2009); The Journal of Infectious Diseases 199:522-531 (2009), Microbes and Infection 10:87-96 (2008))。プロテインEは、カプセル化されたヘモフィルス・インフルエンザと型分類不能なH.インフルエンザの両方で高度に保存されており、保存された上皮結合ドメインを有する(The Journal of Infectious Diseases 201:414-419 (2010))。参照株としてヘモフィルス・インフルエンザRdと比較した場合、13個の異なる点変異が、異なるヘモフィルス種で記載されている。その発現は、対数増殖期の細菌と静止期の細菌の両方で観察される。(国際公開第2007/084053号)。プロテインEは、ビトロネクチンを結合することによりヒト補体耐性にも関与する。(Immunology 183: 2593-2601 (2009))。PEは、終末補体経路の重要な阻害剤であるビトロネクチンに結合する。(J. Immunology 183:2593-2601 (2009))。
プロテインE(PE)は、付着特性を有する外膜リポタンパク質である。プロテインEは、上皮細胞への型分類不能なヘモフィルス・インフルエンザ(NTHi)の付着/侵入に役割を果たす。(J. Immunology 183: 2593-2601 (2009); The Journal of Infectious Diseases 199:522-531 (2009), Microbes and Infection 10:87-96 (2008))。プロテインEは、カプセル化されたヘモフィルス・インフルエンザと型分類不能なH.インフルエンザの両方で高度に保存されており、保存された上皮結合ドメインを有する(The Journal of Infectious Diseases 201:414-419 (2010))。参照株としてヘモフィルス・インフルエンザRdと比較した場合、13個の異なる点変異が、異なるヘモフィルス種で記載されている。その発現は、対数増殖期の細菌と静止期の細菌の両方で観察される。(国際公開第2007/084053号)。プロテインEは、ビトロネクチンを結合することによりヒト補体耐性にも関与する。(Immunology 183: 2593-2601 (2009))。PEは、終末補体経路の重要な阻害剤であるビトロネクチンに結合する。(J. Immunology 183:2593-2601 (2009))。
本明細書で使用される場合、「プロテインE(ProteinE)」、「プロテインE(proteinE)」、「ProtE」、及び「PE」は、H.インフルエンザ由来のプロテインEを意味する。プロテインEは、配列番号4(国際公開第2012/139225A1号の配列番号4に相当する)のアミノ酸配列:
を含み得る(又はからなり得る)。
を含み得る(又はからなり得る)。
特定の実施形態では、ヘモフィルス・インフルエンザ由来のプロテインE又はその免疫原性断片は、好適には、配列番号4と少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。一実施形態では、ヘモフィルス・インフルエンザ由来のプロテインEは免疫原性断片である。別の実施形態では、ヘモフィルス・インフルエンザ由来のプロテインEの免疫原性断片は、好適には、配列番号4と少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有する。例えば、プロテインEの免疫原性断片は、配列番号4の少なくとも7、10、15、20、25、30又は50個の連続するアミノ酸を含み得る。例えば、プロテインEの免疫原性断片は、配列番号4の少なくとも7、10、15、20、25、30、50、100又は150個の連続するアミノ酸、配列番号4の最大159個の連続するアミノ酸を含み得る。免疫原性断片は、配列番号4に結合することができる抗体を誘発し得る。
別の実施形態では、ヘモフィルス・インフルエンザ由来のプロテインE又はその免疫原性断片は、配列番号5(国際公開第2012/139225A1号の配列番号125に相当する)と少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。
配列番号5:プロテインEのアミノ酸20~160
配列番号5:プロテインEのアミノ酸20~160
別の実施形態では、ヘモフィルス・インフルエンザ由来のプロテインEの免疫原性断片は、好適には、配列番号5(国際公開第2012/139225A1号の配列番号125に相当する)と少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。別の実施形態では、ヘモフィルス・インフルエンザ由来のプロテインEの免疫原性断片は、配列番号5(国際公開第2012/139225A1号の配列番号125に相当する)のアミノ酸配列を含む(又はからなる)。
PilA
PilinA(PilA)は、収縮運動に関与するH.インフルエンザIV型Pilus(Tfp)の主要なピリンサブユニットのようである(Infection and Immunity, 73: 1635-1643 (2005))。NTHi PilAは、in vivoで発現される保存されたアドへシンである。それは、NTHi付着、コロニー形成及びバイオフィルム形成に関与することが示されている。(Molecular Microbiology 65: 1288-1299 (2007))。
PilinA(PilA)は、収縮運動に関与するH.インフルエンザIV型Pilus(Tfp)の主要なピリンサブユニットのようである(Infection and Immunity, 73: 1635-1643 (2005))。NTHi PilAは、in vivoで発現される保存されたアドへシンである。それは、NTHi付着、コロニー形成及びバイオフィルム形成に関与することが示されている。(Molecular Microbiology 65: 1288-1299 (2007))。
本明細書で使用される場合、「PilA」はH.インフルエンザ由来のPilinAを意味する。PilAは、配列番号6(国際公開第2012/139225A1号の配列番号58に相当する)のタンパク質配列
を含み得る(又はからなり得る)。
を含み得る(又はからなり得る)。
特定の実施形態では、ヘモフィルス・インフルエンザ由来のPilA又はその免疫原性断片は、好適には、配列番号6と少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。一実施形態では、ヘモフィルス・インフルエンザ由来のPilAは免疫原性断片である。別の実施形態では、ヘモフィルス・インフルエンザ由来のPilAの免疫原性断片は、好適には、配列番号6と少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有する。例えば、PilAの免疫原性断片は、配列番号6の少なくとも7、10、15、20、25、30又は50個の連続するアミノ酸を含み得る。例えば、PilAの免疫原性断片は、配列番号6の少なくとも7、10、15、20、25、30、50、又は100個の連続するアミノ酸、配列番号6の最大148個の連続するアミノ酸を含み得る。免疫原性断片は、配列番号6に結合することができる抗体を誘発し得る。
別の実施形態では、ヘモフィルス・インフルエンザ由来のPilA又はその免疫原性断片は、配列番号7(国際公開第2012/139225A1号の配列番号127に相当する):
配列番号7 H.インフルエンザ株86-028NP由来のPilAのアミノ酸40~149
と少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。
配列番号7 H.インフルエンザ株86-028NP由来のPilAのアミノ酸40~149
と少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。
別の実施形態では、PilAの免疫原性断片は、好適には、配列番号7(国際公開第2012/139225A1号の配列番号127に相当する)と少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。別の実施形態では、ヘモフィルス・インフルエンザ由来のPilAの免疫原性断片は、配列番号7(国際公開第2012/139225A1号の配列番号127に相当する)のアミノ酸配列を含む(又はからなる)。
PE-PilA融合タンパク質
ヘモフィルス・インフルエンザ由来のプロテインE又はその免疫原性断片及びヘモフィルス・インフルエンザ由来のPilA又はその免疫原性断片は、融合タンパク質として提示され得る。したがって、ヘモフィルス・インフルエンザ由来のプロテインE又はその免疫原性断片及びヘモフィルス・インフルエンザ由来のPilA又はその免疫原性断片は融合タンパク質として提示される。好適には、融合タンパク質は、融合タンパク質(PE-PilA融合タンパク質)のN末端にヘモフィルス・インフルエンザ由来のプロテインE又はその免疫原性断片を、C末端にヘモフィルス・インフルエンザ由来のPilA又はその免疫原性断片を含み得る。特に、PE-PilA融合タンパク質は、N末端にヘモフィルス・インフルエンザ由来の免疫原性断片プロテインE、及びC末端にヘモフィルス・インフルエンザ由来の免疫原性断片PilAを含み得る。一実施形態では、PE-PilA融合タンパク質は、配列番号8(国際公開第2012/139225A1号の配列番号194に相当する、LVL-735)と少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。
配列番号8:LVL735(タンパク質):(pelB sp)(ProtE aa 20-160)(GG)(PilA aa40-149):
一実施形態では、PE-PilA融合タンパク質は、配列番号8(国際公開第2012/139225A1号の配列番号194に相当する、LVL-735)のアミノ酸配列を含む(又はからなる)。
ヘモフィルス・インフルエンザ由来のプロテインE又はその免疫原性断片及びヘモフィルス・インフルエンザ由来のPilA又はその免疫原性断片は、融合タンパク質として提示され得る。したがって、ヘモフィルス・インフルエンザ由来のプロテインE又はその免疫原性断片及びヘモフィルス・インフルエンザ由来のPilA又はその免疫原性断片は融合タンパク質として提示される。好適には、融合タンパク質は、融合タンパク質(PE-PilA融合タンパク質)のN末端にヘモフィルス・インフルエンザ由来のプロテインE又はその免疫原性断片を、C末端にヘモフィルス・インフルエンザ由来のPilA又はその免疫原性断片を含み得る。特に、PE-PilA融合タンパク質は、N末端にヘモフィルス・インフルエンザ由来の免疫原性断片プロテインE、及びC末端にヘモフィルス・インフルエンザ由来の免疫原性断片PilAを含み得る。一実施形態では、PE-PilA融合タンパク質は、配列番号8(国際公開第2012/139225A1号の配列番号194に相当する、LVL-735)と少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。
配列番号8:LVL735(タンパク質):(pelB sp)(ProtE aa 20-160)(GG)(PilA aa40-149):
一実施形態では、PE-PilA融合タンパク質は、配列番号8(国際公開第2012/139225A1号の配列番号194に相当する、LVL-735)のアミノ酸配列を含む(又はからなる)。
別の実施形態では、PE-PilA融合タンパク質は、配列番号9(国際公開第2012/139225A1号の配列番号219に相当する、シグナルペプチドが除去されたLVL-735)と少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。
配列番号9:シグナルペプチドがないPE-PilA融合タンパク質
一実施形態では、PE-PilA融合タンパク質は、配列番号9(国際公開第2012/139225A1号の配列番号219に相当する、シグナルペプチドが除去されたLVL-735)のアミノ酸配列を含む(又はからなる)。
配列番号9:シグナルペプチドがないPE-PilA融合タンパク質
一実施形態では、PE-PilA融合タンパク質は、配列番号9(国際公開第2012/139225A1号の配列番号219に相当する、シグナルペプチドが除去されたLVL-735)のアミノ酸配列を含む(又はからなる)。
プロテインE(PE)及びPilin A(PilA)の免疫原性断片の免疫原性は、国際公開第2012/139225A1号に記載されるように測定され得る。
UspA2
遍在性表面タンパク質A2(UspA2)は、電子顕微鏡写真でロリポップ型共通構造として見られる三量体オートトランスポーターである(Hoiczyk et al. EMBO J. 19: 5989-5999 (2000))。UspA2は、N末端頭部と、続く両親媒性ヘリックスによって終了する軸、及びC末端膜ドメインから構成される。(Hoiczyk et al. EMBO J. 19: 5989-5999 (2000))。UspA2は、非常によく保存されたドメインを含有し(Aebi et al., Infection & Immunity 65(11) 4367-4377 (1997))、マウスモラクセラ・カタラーリス負荷モデルにおいて受動伝達時に保護が示されたモノクローナル抗体によって認識される(Helminnen et al. J Infect Dis. 170(4): 867-72 (1994))。UspA2は、宿主構造並びにフィブロネクチン(Tan et al., J Infect Dis. 192(6): 1029-38 (2005))及びラミニン(Tan et al., J Infect Dis. 194(4): 493-7 (2006))のような細胞外マトリックスタンパク質と相互作用することが示されており、モラクセラ・カタラーリス感染の初期段階で役割を果たし得ることが示唆される。UspA2はまた、正常なヒト血清の殺菌活性に抵抗するモラクセラ・カタラーリスの能力にも関与しているようである。(Attia AS et al. Infect Immun 73(4): 2400-2410 (2005))。UspA2は、(i)補体阻害因子C4bpと結合して、モラクセラ・カタラーリスが古典的補体系を阻害することを可能にし、(ii)血清からC3を吸着することにより代わりの補体経路の活性化を妨げ、(iii)補体調節タンパク質ビトロネクチンと結合することにより、補体系の最終段階である膜侵襲複合体(MAC)と干渉する(de Vries et al., Microbiol Mol Biol Rev. 73(3): 389-406 (2009))。
遍在性表面タンパク質A2(UspA2)は、電子顕微鏡写真でロリポップ型共通構造として見られる三量体オートトランスポーターである(Hoiczyk et al. EMBO J. 19: 5989-5999 (2000))。UspA2は、N末端頭部と、続く両親媒性ヘリックスによって終了する軸、及びC末端膜ドメインから構成される。(Hoiczyk et al. EMBO J. 19: 5989-5999 (2000))。UspA2は、非常によく保存されたドメインを含有し(Aebi et al., Infection & Immunity 65(11) 4367-4377 (1997))、マウスモラクセラ・カタラーリス負荷モデルにおいて受動伝達時に保護が示されたモノクローナル抗体によって認識される(Helminnen et al. J Infect Dis. 170(4): 867-72 (1994))。UspA2は、宿主構造並びにフィブロネクチン(Tan et al., J Infect Dis. 192(6): 1029-38 (2005))及びラミニン(Tan et al., J Infect Dis. 194(4): 493-7 (2006))のような細胞外マトリックスタンパク質と相互作用することが示されており、モラクセラ・カタラーリス感染の初期段階で役割を果たし得ることが示唆される。UspA2はまた、正常なヒト血清の殺菌活性に抵抗するモラクセラ・カタラーリスの能力にも関与しているようである。(Attia AS et al. Infect Immun 73(4): 2400-2410 (2005))。UspA2は、(i)補体阻害因子C4bpと結合して、モラクセラ・カタラーリスが古典的補体系を阻害することを可能にし、(ii)血清からC3を吸着することにより代わりの補体経路の活性化を妨げ、(iii)補体調節タンパク質ビトロネクチンと結合することにより、補体系の最終段階である膜侵襲複合体(MAC)と干渉する(de Vries et al., Microbiol Mol Biol Rev. 73(3): 389-406 (2009))。
本明細書で使用される場合、「UspA2」は、モラクセラ・カタラーリス由来の遍在性表面タンパク質A2を意味する。UspA2は、ATCC25238からの配列番号10のアミノ酸配列(国際公開第2015/125118A1号の配列番号1に相当する):
(配列番号10)
並びに全長にわたり、配列番号10と少なくとも又は正確に63%、66%、70%、72%、74%、75%、77%、80%、84%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の同一性を有する配列を含み得る(又はからなり得る)。
(配列番号10)
並びに全長にわたり、配列番号10と少なくとも又は正確に63%、66%、70%、72%、74%、75%、77%、80%、84%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の同一性を有する配列を含み得る(又はからなり得る)。
UspA2ポリペプチドは、全長UspA2又はその免疫原性断片であり得る。特定の実施形態では、UspA2ポリペプチドは、配列番号10と少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。別の実施形態では、UspA2ポリペプチドは、配列番号10と少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するモラクセラ・カタラーリス由来のUspA2の免疫原性断片である。例えば、UspA2の免疫原性断片は、配列番号10の少なくとも7、10、15、20、25、30、50、100、200、300、400、500又は600個の連続するアミノ酸、配列番号10の最大629個の連続するアミノ酸を含み得る。免疫原性断片は、配列番号10に結合することができる抗体を誘発し得る。
配列番号10に記載されるUspA2は、シグナルペプチド(例えば配列番号10のアミノ酸1~29)、ラミニン結合ドメイン(例えば配列番号10のアミノ酸30~177)、フィブロネクチン結合ドメイン(例えば配列番号10のアミノ酸165~318)(Tan et al. JID 192: 1029-38 (2005))、C3結合ドメイン(例えば配列番号10のアミノ酸30~539(国際公開第2007/018463号)、又は配列番号10のアミノ酸30~539の断片、例えば配列番号1のアミノ酸165~318(Hallstrom T et al. J. Immunol. 186: 3120-3129 (2011))、両親媒性ヘリックス(例えば、異なる予測方法を使用して同定された、配列番号10のアミノ酸519~564又は配列番号10のアミノ酸520~559)、及びC末端アンカードメイン(例えば配列番号10のアミノ酸576~630 (Brooks et al., Infection & Immunity, 76(11), 5330-5340 (2008))を含有する。一実施形態では、UspA2ポリペプチドは、ラミニン結合ドメイン及びフィブロネクチン結合ドメインを含有する。さらなる実施形態では、UspA2の免疫原性断片は、ラミニン結合ドメイン、フィブロネクチン結合ドメイン及びC3結合ドメインを含有する。さらなる実施形態では、UspA2ポリペプチドは、ラミニン結合ドメイン、フィブロネクチン結合ドメイン、C3結合ドメイン及び両親媒性ヘリックスを含有する。
UspA2アミノ酸の差異は様々なモラクセラ・カタラーリス種で記載されている。例えば、J Bacteriology 181(13):4026-34 (1999), Infection and Immunity 76(11):5330-40 (2008) and PLoS One 7(9):e45452 (2012)を参照。UspA2ポリペプチドは、AA(アミノ酸)30~298、AA299~302、AA303~333、AA334~339、AA349、AA352~354、AA368~403、AA441、AA451~471、AA472、AA474~483、AA487、AA490、AA493、AA529、AA532又はAA543からなる群から選択されるいずれか1つ以上のアミノ酸において配列番号10と異なるアミノ酸配列を含み得る(又はからなり得る)。UspA2ポリペプチドは、配列番号10と比較してアミノ酸挿入を含有するという点で配列番号10と異なるアミノ酸配列を含み得る(又はからなり得る)。UspA2は、配列番号22~配列番号58におけるアミノ酸差異のいずれか1つにおいて配列番号10と異なるアミノ酸配列を含み得る(又はからなり得る)。例えば、配列番号10は、アミノ酸70においてQの代わりにK、アミノ酸135においてGの代わりにQ及び/又はアミノ酸216においてNの代わりにDを含有し得る。
UspA2は、M.カタラーリス株ATCC(US登録商標)25238(商標)、アメリカ2933、アメリカ2912、アメリカ2908、フィンランド307、フィンランド353、フィンランド358、フィンランド216、オランダH2、オランダF10、ノルウェー1、ノルウェー13、ノルウェー20、ノルウェー25、ノルウェー27、ノルウェー36、BC5SV、ノルウェー14、ノルウェー3、フィンランド414、日本Z7476、ベルギーZ7530、ドイツZ8063、アメリカO12E、ギリシャMC317、アメリカV1122、アメリカP44、アメリカV1171、アメリカTTA24、アメリカO35E、アメリカSP12-6、アメリカSP12-5、スウェーデンBC5、アメリカ7169、フィンランドFIN2344、アメリカV1118、アメリカV1145又はアメリカV1156由来のUspA2であり得る。UspA2は、配列番号10又は配列番号22~配列番号38のいずれかで示されるUspA2であり得る。UspA2は、配列番号10又は配列番号22~配列番号58のいずれか1つのUspA2の配列に相当する別の供給源由来のUspA2であり得る。相当するUspA2配列は、様々なアルゴリズムを用いて当業者により決定され得る。例えば、Gapプログラム又はNeedleプログラムが、配列番号10又は配列番号22~配列番号58のいずれか1つに相当するUspA2配列を決定するために使用され得る。
UspA2は、その全長にわたり配列番号10又は配列番号22~配列番号58のいずれかと少なくとも95%の同一性を有する配列であり得る。特定の実施形態では、UspA2は、配列番号10、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、及び配列番号58又は配列番号1若しくは配列番号22~配列番号58のいずれかのサブセットからなる群から選択されるアミノ酸配列に記載される配列であり得る。
UspA2の免疫原性断片は、配列番号10の少なくとも450個の連続するアミノ酸、配列番号10の490個の連続するアミノ酸(例えば、MC-004又はMC-005のUspA2断片)、配列番号10の511個の連続するアミノ酸(例えば、構築物MC-001、MC-002、MC-003又はMC-004のUspA2断片)、配列番号10の534個の連続するアミノ酸(例えば、MC-009又はMC-011のUspA2断片)又は配列番号10の535個の連続するアミノ酸(例えば、MC-007、MC-008又はMC-010のUspA2断片)の免疫原性断片を含む。免疫原性断片は、配列番号10に結合することができる抗体を誘発し得る。
UspA2の免疫原性断片は、配列番号10の少なくとも450、490、511、534又は535個の連続するアミノ酸の免疫原性断片を含み得る。例えば、UspA2の免疫原性断片は、配列番号10の少なくとも450、490、511、534又は535個の連続するアミノ酸、配列番号10の最大629個のアミノ酸の免疫原性断片を含み得る。UspA2の免疫原性断片は、UspA2の免疫原性断片、例えばUspA2構築物MC-001(配列番号11)、MC-002(配列番号12)、MC-003(配列番号13)、MC-004(配列番号14)、MC-005(配列番号15)、MC-006(配列番号16)、MC-007(配列番号17)、MC-008(配列番号18)、MC-009(配列番号19)、MC-010(配列番号20)又はMC-011(配列番号21)のいずれかを含み得る。免疫原性断片は、断片が由来する全長配列と結合することができる抗体を誘発し得る。
別の実施形態では、UspA2ポリペプチドは、MC-001(配列番号11)、MC-002(配列番号12)、MC-003(配列番号13)、MC-004(配列番号14)、MC-005(配列番号15)、MC-006(配列番号16)、MC-007(配列番号17)、MC-008(配列番号18)、MC-009(配列番号19)、MC-010(配列番号20)又はMC-011(配列番号21)からなる群から選択されるポリペプチドと少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。例えば、UspA2ポリペプチドは、MC009配列番号19(国際公開第2015/125118A1号の配列番号69に相当する)と少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。
配列番号19 MC-009(タンパク質)-(M)(UspA2 31-564)(HH)
一実施形態では、UspA2ポリペプチドは配列番号19のアミノ酸配列(国際公開第2015/125118A1号の配列番号69に相当する)を含む(又はからなる)。
配列番号19 MC-009(タンパク質)-(M)(UspA2 31-564)(HH)
一実施形態では、UspA2ポリペプチドは配列番号19のアミノ酸配列(国際公開第2015/125118A1号の配列番号69に相当する)を含む(又はからなる)。
UspA2ポリペプチドの免疫原性は、国際公開第2015/125118A1号に記載されるように測定され得る。
凍結乾燥
本発明のプロセスに従って調製されたプロテインDポリペプチドの液体組成物は、続いて凍結乾燥され得る。したがって、本発明は、上記のようにプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するステップ及び続いてプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を凍結乾燥するステップを含むプロセスを提供する。一実施形態では、本発明は、ステップ(i)、(ii)、(iii)、(iv)及び続いて(v)プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を凍結乾燥するステップを含む、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスを提供する。「凍結乾燥」は、それにより懸濁液が凍結され、その後水が昇華により除去されるプロセスを指す。昇華は、物質の物理的特性の変化であり、溶媒、例えば水は、液体にならずに直接固体(凍結している)状態から気体状態へと物質変化する。凍結乾燥するステップは、三重点(物質の固体、液体及び気体相が共存し得る最低温度)未満に製剤(例えば水性製剤)を凍結するステップ、圧力を下げるステップ並びに第1の乾燥ステップでの昇華により氷(固体溶媒)を除去するステップ及び第2の乾燥ステップでの残りの水を除去するステップを含む低温脱水プロセスである。アニーリングは、場合により乾燥ステップの前に使用して温度を上げ下げすることにより氷の結晶のサイズを増加させることができる。冷凍乾燥は、一般にワクチン製造に使用される。一実施形態では、免疫原性組成物は冷凍乾燥される。冷凍乾燥は、それにより、凍結され、真空下に置かれた後に産物から水が除去されるプロセスであり、氷が液体相を通らずに直接固体から蒸気へと変わることを可能にする。
本発明のプロセスに従って調製されたプロテインDポリペプチドの液体組成物は、続いて凍結乾燥され得る。したがって、本発明は、上記のようにプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するステップ及び続いてプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を凍結乾燥するステップを含むプロセスを提供する。一実施形態では、本発明は、ステップ(i)、(ii)、(iii)、(iv)及び続いて(v)プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を凍結乾燥するステップを含む、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスを提供する。「凍結乾燥」は、それにより懸濁液が凍結され、その後水が昇華により除去されるプロセスを指す。昇華は、物質の物理的特性の変化であり、溶媒、例えば水は、液体にならずに直接固体(凍結している)状態から気体状態へと物質変化する。凍結乾燥するステップは、三重点(物質の固体、液体及び気体相が共存し得る最低温度)未満に製剤(例えば水性製剤)を凍結するステップ、圧力を下げるステップ並びに第1の乾燥ステップでの昇華により氷(固体溶媒)を除去するステップ及び第2の乾燥ステップでの残りの水を除去するステップを含む低温脱水プロセスである。アニーリングは、場合により乾燥ステップの前に使用して温度を上げ下げすることにより氷の結晶のサイズを増加させることができる。冷凍乾燥は、一般にワクチン製造に使用される。一実施形態では、免疫原性組成物は冷凍乾燥される。冷凍乾燥は、それにより、凍結され、真空下に置かれた後に産物から水が除去されるプロセスであり、氷が液体相を通らずに直接固体から蒸気へと変わることを可能にする。
一実施形態では、冷凍乾燥は以下のステップを使用して実行される:
-凍結するステップ(三重点未満)
-場合によりアニーリングステップ
-一次乾燥ステップ
-二次乾燥ステップ
冷凍乾燥は、低温濃縮として公知のプロセスでの製剤の構成要素の濃度を増加させる。
したがって、本発明は、プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップ(及び場合により濾過のステップ)、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を保存するステップ、及びプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を他の抗原(複数可)と混合するステップへと続く、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスを提供し、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を凍結乾燥するステップを含む。したがって、本発明のプロセスは、(i)プロテインDポリペプチドを解凍するステップ、(ii)プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップ(及び場合により濾過のステップ)、(iii)プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を保存するステップ、(iv)プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を他の抗原(複数可)と混合するステップ、及び(v)プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を凍結乾燥するステップを(順に)含み得る。
-凍結するステップ(三重点未満)
-場合によりアニーリングステップ
-一次乾燥ステップ
-二次乾燥ステップ
冷凍乾燥は、低温濃縮として公知のプロセスでの製剤の構成要素の濃度を増加させる。
したがって、本発明は、プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップ(及び場合により濾過のステップ)、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を保存するステップ、及びプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を他の抗原(複数可)と混合するステップへと続く、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセスを提供し、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を凍結乾燥するステップを含む。したがって、本発明のプロセスは、(i)プロテインDポリペプチドを解凍するステップ、(ii)プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップ(及び場合により濾過のステップ)、(iii)プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を保存するステップ、(iv)プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を他の抗原(複数可)と混合するステップ、及び(v)プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を凍結乾燥するステップを(順に)含み得る。
プロテインDポリペプチドの液体組成物
本発明は、プロテインDポリペプチド(場合により配列番号2のプロテインDポリペプチド)、スクロース及びポロキサマー(場合によりポロキサマー188)を含む液体組成物を提供する。一実施形態では、本発明は、場合により0.025~20mg/ml、0.5~10mg/ml、0.5~1mg/ml、又は1mg/mlの量のプロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド);場合により5~20%(w/v)、10~20%(w/v)、又は10~15%(w/v)の量のスクロース;及び場合により0.1~1%(w/v)、0.5~1%(w/v)、又は1%(w/v)の量のポロキサマー(例えばポロキサマー188)を含む液体組成物を提供する。別の実施形態では、本発明は、場合により0.025~20mg/ml、0.5~10mg/ml、0.5~1mg/ml、又は1mg/mlの量のプロテインDポリペプチド(場合により配列番号2のプロテインDポリペプチド);場合により5~20%(w/v)、10~20%(w/v)、又は10~15%(w/v)の量のスクロース;場合により0.1~1%(w/v)、0.5~1%(w/v)、又は1%(w/v)の量のポロキサマー(場合によりポロキサマー188);及び塩(場合によりNaCl)を含む液体組成物を提供する。別の実施形態では、本発明は、場合により0.025~20mg/ml、0.5~10mg/ml、0.5~1mg/ml、又は1mg/mlの量のプロテインDポリペプチド(場合により配列番号2のプロテインDポリペプチド);場合により5~20%(w/v)、10~20%(w/v)、又は10~15%(w/v)の量のスクロース;場合により0.1~1%(w/v)、0.5~1%(w/v)、又は1%(w/v)の量のポロキサマー(場合によりポロキサマー188);緩衝液(場合によりリン酸緩衝液);及び塩(場合によりNaCl)を含む液体組成物を提供する。
本発明は、プロテインDポリペプチド(場合により配列番号2のプロテインDポリペプチド)、スクロース及びポロキサマー(場合によりポロキサマー188)を含む液体組成物を提供する。一実施形態では、本発明は、場合により0.025~20mg/ml、0.5~10mg/ml、0.5~1mg/ml、又は1mg/mlの量のプロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド);場合により5~20%(w/v)、10~20%(w/v)、又は10~15%(w/v)の量のスクロース;及び場合により0.1~1%(w/v)、0.5~1%(w/v)、又は1%(w/v)の量のポロキサマー(例えばポロキサマー188)を含む液体組成物を提供する。別の実施形態では、本発明は、場合により0.025~20mg/ml、0.5~10mg/ml、0.5~1mg/ml、又は1mg/mlの量のプロテインDポリペプチド(場合により配列番号2のプロテインDポリペプチド);場合により5~20%(w/v)、10~20%(w/v)、又は10~15%(w/v)の量のスクロース;場合により0.1~1%(w/v)、0.5~1%(w/v)、又は1%(w/v)の量のポロキサマー(場合によりポロキサマー188);及び塩(場合によりNaCl)を含む液体組成物を提供する。別の実施形態では、本発明は、場合により0.025~20mg/ml、0.5~10mg/ml、0.5~1mg/ml、又は1mg/mlの量のプロテインDポリペプチド(場合により配列番号2のプロテインDポリペプチド);場合により5~20%(w/v)、10~20%(w/v)、又は10~15%(w/v)の量のスクロース;場合により0.1~1%(w/v)、0.5~1%(w/v)、又は1%(w/v)の量のポロキサマー(場合によりポロキサマー188);緩衝液(場合によりリン酸緩衝液);及び塩(場合によりNaCl)を含む液体組成物を提供する。
プロテインDポリペプチド、スクロース及びポロキサマーの量の上記の範囲は組み合わされ得る。例えば、本発明は、0.025~20mg/mlの量のプロテインDポリペプチド;5~20%(w/v)の量のスクロース;0.1~1%(w/v)の量のポロキサマー(例えばポロキサマー188)を含む、プロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)、スクロース及びポロキサマー(例えばポロキサマー188)を含む液体組成物を提供する。例えば、本発明は、0.5~10mg/mlの量のプロテインDポリペプチド;5~20%(w/v)の量のスクロース;0.1~1%(w/v)の量のポロキサマー(例えばポロキサマー188)を含む、プロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)、スクロース及びポロキサマー(例えばポロキサマー188)を含む液体組成物を提供する。例えば、本発明は、0.025~20mg/mlの量のプロテインDポリペプチド;10~20%(w/v)の量のスクロース;0.1~1%(w/v)の量のポロキサマー(例えばポロキサマー188)を含む、プロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)、スクロース及びポロキサマー(例えばポロキサマー188)を含む液体組成物を提供する。例えば、本発明は、0.5~10mg/mlの量のプロテインDポリペプチド;10~20%(w/v)の量のスクロース;0.5~1%(w/v)の量のポロキサマー(例えばポロキサマー188)を含む、プロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)、スクロース及びポロキサマー(例えばポロキサマー188)を含む液体組成物を提供する。例えば、本発明は、0.5~1mg/mlの量のプロテインDポリペプチド;10~15%(w/v)のスクロース;0.5~1%(w/v)の量のポロキサマー(例えばポロキサマー188)を含む、プロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)、スクロース及びポロキサマー(例えばポロキサマー188)を含む液体組成物を提供する。例えば、本発明は、0.025~20mg/mlの量のプロテインDポリペプチド;5~20%(w/v)の量のスクロース;0.1~1%(w/v)の量のポロキサマー(例えばポロキサマー188)、緩衝液(例えばリン酸緩衝液)を含む、プロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)、スクロース及びポロキサマー(例えばポロキサマー188)を含む液体組成物を提供する。例えば、本発明は、0.5~10mg/mlの量のプロテインDポリペプチド;5~20%(w/v)の量のスクロース;0.1~1%(w/v)の量のポロキサマー(例えばポロキサマー188)、緩衝液(例えばリン酸緩衝液)を含む、プロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)、スクロース及びポロキサマー(例えばポロキサマー188)を含む液体組成物を提供する。例えば、本発明は、0.025~20mg/mlの量のプロテインDポリペプチド;10~20%(w/v)の量のスクロース;0.1~1%(w/v)の量のポロキサマー(例えばポロキサマー188)、緩衝液(例えばリン酸緩衝液)を含む、プロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)、スクロース及びポロキサマー(例えばポロキサマー188)を含む液体組成物を提供する。例えば、本発明は、0.5~10mg/mlの量のプロテインDポリペプチド;10~20%(w/v)の量のスクロース;0.5~1%(w/v)の量のポロキサマー(例えばポロキサマー188)、緩衝液(例えばリン酸緩衝液)を含む、プロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)、スクロース及びポロキサマー(例えばポロキサマー188)を含む液体組成物を提供する。例えば、本発明は、0.5~1mg/mlの量のプロテインDポリペプチド;10~15%(w/v)のスクロース;0.5~1%(w/v)の量のポロキサマー(例えばポロキサマー188)、緩衝液(例えばリン酸緩衝液)を含む、プロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)、スクロース及びポロキサマー(例えばポロキサマー188)を含む液体組成物を提供する。例えば、本発明は、0.025~20mg/mlの量のプロテインDポリペプチド;5~20%(w/v)の量のスクロース;0.1~1%(w/v)の量のポロキサマー(例えばポロキサマー188)、緩衝液(例えばリン酸緩衝液)及び塩(例えばNaCl)を含む、プロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)、スクロース及びポロキサマー(例えばポロキサマー188)を含む液体組成物を提供する。例えば、本発明は、0.5~10mg/mlの量のプロテインDポリペプチド;5~20%(w/v)の量のスクロース;0.1~1%(w/v)の量のポロキサマー(例えばポロキサマー188)、緩衝液(例えばリン酸緩衝液)及び塩(例えばNaCl)を含む、プロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)、スクロース及びポロキサマー(例えばポロキサマー188)を含む液体組成物を提供する。例えば、本発明は、0.025~20mg/mlの量のプロテインDポリペプチド;10~20%(w/v)の量のスクロース;0.1~1%(w/v)の量のポロキサマー(例えばポロキサマー188)、緩衝液(例えばリン酸緩衝液)及び塩(例えばNaCl)を含む、プロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)、スクロース及びポロキサマー(例えばポロキサマー188)を含む液体組成物を提供する。例えば、本発明は、0.5~10mg/mlの量のプロテインDポリペプチド;10~20%(w/v)の量のスクロース;0.5~1%(w/v)の量のポロキサマー(例えばポロキサマー188)、緩衝液(例えばリン酸緩衝液)及び塩(例えばNaCl)を含む、プロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)、スクロース及びポロキサマー(例えばポロキサマー188)を含む液体組成物を提供する。例えば、本発明は、0.5~1mg/mlの量のプロテインDポリペプチド;10~15%(w/v)のスクロース;0.5~1%(w/v)の量のポロキサマー(例えばポロキサマー188)、緩衝液(例えばリン酸緩衝液)及び塩(例えばNaCl)を含む、プロテインDポリペプチド(例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)、スクロース及びポロキサマー(例えばポロキサマー188)を含む液体組成物を提供する。
一実施形態では、本発明は、本発明のプロセスによって調製されたプロテインDポリペプチド(例えば、配列番号2のプロテインDポリペプチド)、ポロキサマー(例えばポロキサマー188)及びスクロースを含む液体組成物を提供する。一実施形態では、本発明は、安定であるプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を提供する。好適には、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物は、少なくとも1日、少なくとも7日又は少なくとも14日間安定である。いくつかの実施形態では、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7又は14日間安定である。例えば、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物は、少なくとも1日、好適には7日まで(例えば1~7日の間)、又は14日まで(例えば1~14日の間)安定であり得る。一実施形態では、本発明は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7又は14日間、液体組成物として維持される場合、プロテインDポリペプチドを含み、ポロキサマーを含まず、スクロースを含まない液体組成物と比較して、目に見える粒子が少ない、プロテインDポリペプチド、ポロキサマー及びスクロースを含む液体組成物を提供する。
一実施形態では、本発明のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物は、目に見える粒子を含有しない。一実施形態では、本発明のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物は、少なくとも1日間、液体組成物として維持される場合、目に見える粒子を含有しない。一実施形態では、本発明のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物は、少なくとも7日間、液体組成物として維持される場合、目に見える粒子を含有しない。一実施形態では、本発明のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物は、少なくとも14日間、液体組成物として維持される場合、目に見える粒子を含有しない。例えば、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物は、少なくとも1日、好適には7日まで(例えば1~7日の間)、又は14日まで(例えば1~14日の間)、液体組成物として維持される場合、目に見える粒子を含有しない。一実施形態では、本発明のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物は、(本明細書に記載されるように)フローカメラ(Occhio)粒子計数によりサイズ範囲50~1000μm内の100個未満の粒子を含有する。一実施形態では、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物は、少なくとも1日間、液体組成物として維持される場合、Occhio粒子計数によりサイズ範囲50~1000μm内の100個未満の粒子を含有する。一実施形態では、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物は、少なくとも7日間、液体組成物として維持される場合、Occhio粒子計数によりサイズ範囲50~1000μm内の100個未満の粒子を含有する。一実施形態では、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物は、少なくとも14日間、液体組成物として維持される場合、Occhio粒子計数によりサイズ範囲50~1000μm内の100個未満の粒子を含有する。一実施形態では、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物は、少なくとも1日、好適には7日まで(例えば1~7日の間)、又は14日まで(例えば1~14日の間)液体組成物として維持される場合、Occhio粒子計数によりサイズ範囲50~1000μm内の100個未満の粒子を含有する。
使用、並びに処置及び予防の方法
本発明はまた、プロテインDポリペプチドが本発明のプロセスを使用して調製された免疫原性組成物も提供する。免疫原性組成物は、ヘモフィルス・インフルエンザ由来のプロテインE又はその免疫原性断片、ヘモフィルス・インフルエンザ由来のPilA又はその免疫原性断片及びモラクセラ・カタラーリス由来のUspA2ポリペプチドをさらに含む。別の実施形態では、免疫原性組成物は、PE-PilA融合タンパク質及びUspA2ポリペプチドをさらに含み得る。免疫原性組成物は、H.インフルエンザ及び/又はM.カタラーリスによって起こる疾患の処置又は予防で、又は対象、例えばヒトでのCOPDの急性増悪(AECOPD)の処置又は予防に使用され得る。
本発明はまた、プロテインDポリペプチドが本発明のプロセスを使用して調製された免疫原性組成物も提供する。免疫原性組成物は、ヘモフィルス・インフルエンザ由来のプロテインE又はその免疫原性断片、ヘモフィルス・インフルエンザ由来のPilA又はその免疫原性断片及びモラクセラ・カタラーリス由来のUspA2ポリペプチドをさらに含む。別の実施形態では、免疫原性組成物は、PE-PilA融合タンパク質及びUspA2ポリペプチドをさらに含み得る。免疫原性組成物は、H.インフルエンザ及び/又はM.カタラーリスによって起こる疾患の処置又は予防で、又は対象、例えばヒトでのCOPDの急性増悪(AECOPD)の処置又は予防に使用され得る。
本発明の免疫原性組成物は、薬学的に許容されるアジュバントをさらに含み得る。好適なアジュバントとしては、アルミニウム塩、例えば水酸化アルミニウムゲル又はリン酸アルミニウム又はミョウバンが含まれるが、カルシウム、マグネシウム、鉄若しくは亜鉛の塩であってもよく、又はアシル化チロシン若しくはアシル化糖、陽イオン的に又は陰イオン的に誘導体化された糖類、又はポリホスファゼンの不溶性懸濁液であってもよい。特定の実施形態では、タンパク質抗原はリン酸アルミニウムに吸着させてもよい。別の実施形態では、タンパク質抗原は水酸化アルミニウムに吸着させてもよい。優勢なTh1応答を促進する好適なアジュバント系としては、脂質Aの非毒性誘導体、モノホスホリル脂質A(MPL)又はその誘導体、特に、3-デ-O-アシル化モノホスホリル脂質A(3D-MPL)(その製法については英国特許出願第2220211A号を参照);及びモノホスホリル脂質A、例えば3-デ-O-アシル化モノホスホリル脂質Aと、アルミニウム塩(例えば、リン酸アルミニウム又は水酸化アルミニウム)又は水中油型エマルションのいずれかとの組合せもまた含まれる。そのような組合せでは、抗原及び3D-MPLは同じ粒子構造に含有され、抗原性シグナルと免疫刺激性シグナルのより効果的な送達を可能にする。研究により、3D-MPLがミョウバン吸着抗原の免疫原性をさらに増強できることが示されている(Thoelen et al. Vaccine (1998) 16:708-14; EP 689454-B1)。例えば、薬学的に許容されるアジュバントはAS01であり得る。AS01は、MPL(3-O-デスアシル-4'-モノホスホリル脂質A)、QS21((シャボンノキ(Quillaja Saponaria Molina)、画分21) Antigenics, New York, NY, USA)及びリポソームを含有するアジュバント系である。AS01Bは、MPL、QS21及びリポソーム(50μgのMPL及び50μgのQS21)を含有するアジュバント系である。AS01Eは、MPL、QS21及びリポソーム(25μgのMPL及び25μgのQS21)を含有するアジュバント系である。本発明の免疫原性組成物又はワクチンはAS01、例えばAS01B又はAS01Eを含み得る。
本発明は、したがって、H.インフルエンザ及び/又はM.カタラーリスによって起こる疾患の処置又は予防での使用のための免疫原性組成物を提供する。本発明はまた、H.インフルエンザ及び/又はM.カタラーリスによって起こる疾患の処置又は予防のための医薬の製造における、本発明の免疫原性組成物の使用も提供する。さらに、本発明は、リスクのある対象、例えばヒトにおける、H.インフルエンザ及び/又はM.カタラーリスによって起こる疾患の処置又は予防の方法であって、前記対象に有効量の本発明の免疫原性組成物を投与するステップを含む方法を提供する。さらに、本発明は、リスクのある対象、例えばヒトにおける、H.インフルエンザ及び/又はM.カタラーリスによって起こる疾患の予防の方法であって、前記対象に有効量の本発明の免疫原性組成物を投与するステップを含む方法を提供する。さらに、本発明は、リスクのある対象、例えばヒトにおける、H.インフルエンザ及び/又はM.カタラーリスによって起こる疾患の処置の方法であって、前記対象に有効量の本発明の免疫原性組成物を投与するステップを含む方法を提供する。さらに、本発明は、対象(例えばヒト)において、H.インフルエンザ及び/又はM.カタラーリスへの免疫応答を誘導する方法であって、前記対象に有効量の本発明の免疫原性組成物を投与するステップを含む方法を提供する。
本発明は、対象、例えばヒトにおける、COPDの急性増悪(AECOPD)の処置又は予防での使用のための本発明の免疫原性組成物を提供する。本発明はまた、COPDの急性増悪(AECOPD)の処置又は予防のための医薬の製造における、本発明の免疫原性組成物の使用も提供する。さらに、本発明は、COPDの急性増悪(AECOPD)を発症するリスクのある対象、例えばヒトにおける、COPDの急性増悪(AECOPD)の処置又は予防の方法であって、前記対象に有効量の本発明の免疫原性組成物を投与するステップを含む方法を提供する。さらに、本発明は、COPDの急性増悪(AECOPD)を発症するリスクのある対象、例えばヒトにおける、COPDの急性増悪(AECOPD)の予防の方法であって、前記対象に有効量の本発明の免疫原性組成物を投与するステップを含む方法を提供する。さらに、本発明は、COPDの急性増悪(AECOPD)を発症するリスクのある対象、例えばヒトにおける、COPDの急性増悪(AECOPD)の処置の方法であって、前記対象に有効量の本発明の免疫原性組成物を投与するステップを含む方法を提供する。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、正常な呼吸を妨げ、完全に可逆的ではない肺気流の慢性閉塞によって特徴付けられる肺疾患である。COPD診断は、肺活量測定と呼ばれる簡単な検査によって確かめられ、ヒトがどのくらい深く呼吸できるか及びどのくらい早く肺の中及び外に空気を移動できるかを測定する。そのような診断は、咳、痰の生成、又は呼吸困難(呼吸が困難又は苦しい)の症状及び/又は疾患のリスク因子に暴露歴がある任意の患者で検討されるべきである。肺活量測定が利用できない場合、COPDの診断は全ての利用可能な道具を使用して行われるべきである。臨床症状及び徴候、例えば異常に短い呼吸及び努力性呼気時間の増加が診断を補助するために使用され得る。低いピークフローはCOPDと一致するが、他の肺疾患及び検査中の不出来によって生じ得るため、COPDに特異的ではない場合がある。慢性的な咳及び痰産生は、長年にわたる空気流の制限の発症に先行することが多いが、咳及び痰生成を示す全ての個体がCOPDを発症するわけではない。
COPDの急性増悪(AECOPD)は、正常な日々の変動を超える、患者の呼吸症状の悪化により特徴付けられる急性事象である。典型的には、AECOPDは、投薬治療の変更をもたらす。急性増悪及び共存疾患は、個々のCOPD患者の全体的な疾患重症度に寄与する。COPDの急性増悪(AECOPD)は、正常な日々の変動を超える、患者の呼吸症状の悪化により特徴付けられる急性事象であり、投薬治療の変更をもたらす(Perez AC, Murphy TF. Potential impact of a Moraxella catarrhalis vaccine in COPD. Vaccine. 2017)。AECOPDは、疾病率及び死亡率を増加させ、肺機能の急速な低下、弱い機能状態をもたらす(Sapey E, Stockley RA. COPD exacerbations. 2: aetiology. Thorax. 2006;61(3):250-8))。肺は、異なる種の細菌によってコロニー形成されることが公知である(Erb-Downward JR, et al. PLoS One. 2011;6(2):e16384 and Wilkinson TMA, et al. Thorax. 2017;72(10):919-27)。COPD患者では、新しい細菌株の獲得がAECOPDの重大な原因になると考えられる(Sethi S, et al. N Engl J Med. 2002;347(7):465-71)。見積もりはばらつきが大きいが、型分類不能なヘモフィルス・インフルエンザ(NTHi)がAECOPDと関連する主要な病原性微生物であるようであり(11~38%)、次いでモラクセラ・カタラーリス(3~25%)及び肺炎球菌(4~9%)である(Alamoudi OS. et al. Respirology. 2007;12(2):283-7, Bandi V, et al. FEMS Immunol Med Microbiol. 2003;37(1):69-75, Beasley V, et al. Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2012;7:555-69)。一実施形態では、慢性閉塞性肺疾患の急性増悪(AECOPD)は、対象における細菌感染、例えばヘモフィルス・インフルエンザ(例えば型分類不能なH.インフルエンザ(NTHi))及び/又はモラクセラ・カタラーリスの細菌感染と関連する。別の実施形態では、細菌感染は、対象、例えばヒトの肺(複数可)に存在する。別の実施形態では、対象、例えばヒトは、細菌感染から生じる慢性閉塞性肺疾患の急性増悪(AECOPD)を発症するリスクがある。
提示
ある特定の実施形態では、免疫原性組成物は、容器、例えばバイアル、又はプレフィルドシリンジを含むシリンジ内に含有される。ある特定の実施形態では、容器はシリコン処理されている。本発明の免疫原性組成物がバイアルで提示される場合、バイアルは好適にはガラス又はプラスチック材料製である。バイアルは、好ましくは組成物が添加される前に滅菌される。バイアルは単回用量のワクチンを含んでもよく、又は1回より多くの用量(「複数回用量」バイアル)、例えば10用量を含んでもよい。複数回用量バイアルを使用する場合、各用量は厳重な無菌状態下で滅菌針及びシリンジによって抜き出すべきであり、バイアル内容物の夾雑を避けるように注意する。バイアルはプレフィルドシリンジがキャップに挿入され得るように適応したキャップ(例えばルアーロック)を有してもよく、シリンジの内容物はバイアルに出すことができ(例えばその中の冷凍乾燥されている物質を再構成するため)、バイアルの内容物はシリンジへと抜き戻すことができる。バイアルからシリンジを取り外した後、次いで針が付けられ、組成物が患者に投与され得る。キャップは、好ましくは、キャップに接触する前に、シール又はカバーを取り外さなければならないように、シール又はカバー内に位置する。
ある特定の実施形態では、免疫原性組成物は、容器、例えばバイアル、又はプレフィルドシリンジを含むシリンジ内に含有される。ある特定の実施形態では、容器はシリコン処理されている。本発明の免疫原性組成物がバイアルで提示される場合、バイアルは好適にはガラス又はプラスチック材料製である。バイアルは、好ましくは組成物が添加される前に滅菌される。バイアルは単回用量のワクチンを含んでもよく、又は1回より多くの用量(「複数回用量」バイアル)、例えば10用量を含んでもよい。複数回用量バイアルを使用する場合、各用量は厳重な無菌状態下で滅菌針及びシリンジによって抜き出すべきであり、バイアル内容物の夾雑を避けるように注意する。バイアルはプレフィルドシリンジがキャップに挿入され得るように適応したキャップ(例えばルアーロック)を有してもよく、シリンジの内容物はバイアルに出すことができ(例えばその中の冷凍乾燥されている物質を再構成するため)、バイアルの内容物はシリンジへと抜き戻すことができる。バイアルからシリンジを取り外した後、次いで針が付けられ、組成物が患者に投与され得る。キャップは、好ましくは、キャップに接触する前に、シール又はカバーを取り外さなければならないように、シール又はカバー内に位置する。
本発明の免疫原性組成物は、適切な経路による、例えば筋肉内経路による投与に適当であり得る。
別の実施形態では、本発明は、本発明の免疫原性組成物を含むワクチンを提供する。
本発明の実施形態は、次の番号付けした項にさらに記載される:
1.プロテインDポリペプチド(場合により配列番号2のプロテインDポリペプチド)を含む液体組成物を調製するプロセスであって、プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップを含む、プロセス。
2.プロテインDポリペプチドを他の抗原と混合する前に、プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップを含む、項1に記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセス。
3.プロテインDポリペプチドを、(a)スクロースを5~20%(w/v)、10~20%(w/v)、又は10~15%(w/v)の濃度まで、及び(b)ポロキサマー(場合によりポロキサマー188)を0.1~1%(w/v)、0.5~1%(w/v)、又は1%(w/v)の濃度まで含む溶液(複数可)と混合するステップを含む、項1又は項2に記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセス。
4.プロテインDポリペプチドを、(a)スクロース、(b)ポロキサマー(場合によりポロキサマー188)及び(c)塩(場合によりNaCl)を含む溶液(複数可)と混合するステップを含む、項1から3のいずれかに記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセス。
5.プロテインDポリペプチドを、(a)スクロース、(b)ポロキサマー(場合によりポロキサマー188)、(c)塩(場合によりNaCl)及び(d)緩衝液(場合によりリン酸緩衝液)を含む溶液(複数可)と混合するステップを含む、項1から3のいずれかに記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセス。
6.プロテインDポリペプチドを、(a)スクロース、(b)ポロキサマー(場合によりポロキサマー188)、(c)塩、場合によりNaCl、及び(d)緩衝液(場合によりリン酸緩衝液)を含む溶液(複数可)と、pH6.4~7.7(例えば、pH6.8)に達するまで混合するステップを含む、項1から3のいずれかに記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセス。
7.(i)プロテインDポリペプチドを解凍するステップ、及び(ii)プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップを含む、項1から6のいずれかに記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセス。
8.続いて、濾過(場合により0.22μm PVDFメンブレンを使用する)して、濾過液中にプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を得るステップを含む、項1から7のいずれかに記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセス。
9.続いて、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を保存するステップを含む、項1から8のいずれかに記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセス。
10.続いて、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を他の抗原(複数可)と混合するステップを含む、項1から9のいずれかに記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセス。
11.他の抗原が、PE-PilA融合タンパク質及びUspA2ポリペプチドを含む、項10に記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセス。
12.プロテインDポリペプチドの目に見える粒子の形成を減らす、項1から11のいずれかに記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセス。
13.項1から12のいずれかに記載のプロセスに従ってプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するステップ、続いて、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を凍結乾燥するステップを含むプロセス。
14.プロテインDポリペプチド(場合により配列番号2のプロテインDポリペプチド)、スクロース及びポロキサマー(場合によりポロキサマー188)を含む液体組成物。
15.場合により0.025~20mg/ml、0.5~10mg/ml、0.5~1mg/ml、又は1mg/mlの量のプロテインDポリペプチド(場合により配列番号2のプロテインDポリペプチド);場合により5~20%(w/v)、10~20%(w/v)、又は10~15%(w/v)の量のスクロース;場合により0.1~1%(w/v)、0.5~1%(w/v)、又は1%(w/v)の量のポロキサマー(場合によりポロキサマー188);緩衝液(場合によりリン酸緩衝液);及び塩(場合によりNaCl)を含む、項14に記載の液体組成物。
1.プロテインDポリペプチド(場合により配列番号2のプロテインDポリペプチド)を含む液体組成物を調製するプロセスであって、プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップを含む、プロセス。
2.プロテインDポリペプチドを他の抗原と混合する前に、プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップを含む、項1に記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセス。
3.プロテインDポリペプチドを、(a)スクロースを5~20%(w/v)、10~20%(w/v)、又は10~15%(w/v)の濃度まで、及び(b)ポロキサマー(場合によりポロキサマー188)を0.1~1%(w/v)、0.5~1%(w/v)、又は1%(w/v)の濃度まで含む溶液(複数可)と混合するステップを含む、項1又は項2に記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセス。
4.プロテインDポリペプチドを、(a)スクロース、(b)ポロキサマー(場合によりポロキサマー188)及び(c)塩(場合によりNaCl)を含む溶液(複数可)と混合するステップを含む、項1から3のいずれかに記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセス。
5.プロテインDポリペプチドを、(a)スクロース、(b)ポロキサマー(場合によりポロキサマー188)、(c)塩(場合によりNaCl)及び(d)緩衝液(場合によりリン酸緩衝液)を含む溶液(複数可)と混合するステップを含む、項1から3のいずれかに記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセス。
6.プロテインDポリペプチドを、(a)スクロース、(b)ポロキサマー(場合によりポロキサマー188)、(c)塩、場合によりNaCl、及び(d)緩衝液(場合によりリン酸緩衝液)を含む溶液(複数可)と、pH6.4~7.7(例えば、pH6.8)に達するまで混合するステップを含む、項1から3のいずれかに記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセス。
7.(i)プロテインDポリペプチドを解凍するステップ、及び(ii)プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップを含む、項1から6のいずれかに記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセス。
8.続いて、濾過(場合により0.22μm PVDFメンブレンを使用する)して、濾過液中にプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を得るステップを含む、項1から7のいずれかに記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセス。
9.続いて、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を保存するステップを含む、項1から8のいずれかに記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセス。
10.続いて、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を他の抗原(複数可)と混合するステップを含む、項1から9のいずれかに記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセス。
11.他の抗原が、PE-PilA融合タンパク質及びUspA2ポリペプチドを含む、項10に記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセス。
12.プロテインDポリペプチドの目に見える粒子の形成を減らす、項1から11のいずれかに記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するプロセス。
13.項1から12のいずれかに記載のプロセスに従ってプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するステップ、続いて、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を凍結乾燥するステップを含むプロセス。
14.プロテインDポリペプチド(場合により配列番号2のプロテインDポリペプチド)、スクロース及びポロキサマー(場合によりポロキサマー188)を含む液体組成物。
15.場合により0.025~20mg/ml、0.5~10mg/ml、0.5~1mg/ml、又は1mg/mlの量のプロテインDポリペプチド(場合により配列番号2のプロテインDポリペプチド);場合により5~20%(w/v)、10~20%(w/v)、又は10~15%(w/v)の量のスクロース;場合により0.1~1%(w/v)、0.5~1%(w/v)、又は1%(w/v)の量のポロキサマー(場合によりポロキサマー188);緩衝液(場合によりリン酸緩衝液);及び塩(場合によりNaCl)を含む、項14に記載の液体組成物。
本発明がより理解されるように、以下の実施例が記載される。これらの実施例は、例示の目的のみのためであり、いかなる方法であっても本発明の範囲を限定すると解釈されない。
分析技術
光遮蔽
光遮蔽は、非経口製品中の目に見えない粒子を分析するための、薬局方(欧州薬局方2.9.19及びUSP(米国薬局方)<788>)に列挙されている公定書記載の選択法である。粒子サイズの検出範囲は2~175μmである。また、必要な容量は約5mlである。光遮蔽によって検出された微粒子が媒体に由来するものではないことを確認するために、媒体を1日目に最大濃度、すなわちスクロース10%、ポロキサマー188 1%、NaCl 150mM及びPO4緩衝液12.5mMにおいて分析する。使用した機器は、APS-2000(Automated Parenteral Sampling System)であった。
光遮蔽
光遮蔽は、非経口製品中の目に見えない粒子を分析するための、薬局方(欧州薬局方2.9.19及びUSP(米国薬局方)<788>)に列挙されている公定書記載の選択法である。粒子サイズの検出範囲は2~175μmである。また、必要な容量は約5mlである。光遮蔽によって検出された微粒子が媒体に由来するものではないことを確認するために、媒体を1日目に最大濃度、すなわちスクロース10%、ポロキサマー188 1%、NaCl 150mM及びPO4緩衝液12.5mMにおいて分析する。使用した機器は、APS-2000(Automated Parenteral Sampling System)であった。
APSS-2000のハードウェア構成要素は、2つの中心構成要素:
・ 粒子カウンターモデルLiQuilaz(登録商標)E20P
・ シリンジサンプラーモデルSLS-1000
によって構成されている。
・ 粒子カウンターモデルLiQuilaz(登録商標)E20P
・ シリンジサンプラーモデルSLS-1000
によって構成されている。
LiQuilaz-E20P粒子カウンターは、粒子の測定及び分類に光消光を利用する。粒子が光源(レーザーダイオード)を通過すると、瞬間的に光が遮蔽される。この光遮蔽は電子シグナルに変換され、これは過渡的な粒子のサイズと直接相関し得る。プリセットのアルゴリズムを使用して、粒子の分布を決定することができる。シリンジサンプラーを使用して、予め決定した固定の流速で試料を光学チャンバー内に引き込む。
分析に使用したパラメータは以下の通りである:
・ 1ミリリットルの試料を4回(合計4ml)分析する(最初の測定は破棄する)
・ 流速10ml/分。
・ 1ミリリットルの試料を4回(合計4ml)分析する(最初の測定は破棄する)
・ 流速10ml/分。
Occhio
Occhioは、目に見えない微粒子及び目に見える微粒子をモニター、測定、及び可視化するために開発された新しい技術である。Occhioは、デジタル顕微鏡、マイクロ流体工学、及び画像処理を、液体に懸濁した粒子又は細胞を自動的に分析するための単一の機器に統合したものである。これはフローセルの感知ゾーンを通過する際に試料の画像を捕捉することによって動作する。各画像内の全ての粒子が分析され、粒子数、サイズ、透明度、及び形態(又は形状)のデータベースが作成される。画像を即座に目視するために、画像はリアルタイムでシステムモニターに表示される。粒子サイズの検出範囲は、0.4~1000μmである。およそ2mlの容量を試験する。Occhio (IPAC2)を選択し、最適化した以下の主なパラメータのハードウェア構成:
- 400μmセル
- 1mlシリンジ
- 4倍ズーム
を使用して繊維の凝集体を分析した。
Occhioは、目に見えない微粒子及び目に見える微粒子をモニター、測定、及び可視化するために開発された新しい技術である。Occhioは、デジタル顕微鏡、マイクロ流体工学、及び画像処理を、液体に懸濁した粒子又は細胞を自動的に分析するための単一の機器に統合したものである。これはフローセルの感知ゾーンを通過する際に試料の画像を捕捉することによって動作する。各画像内の全ての粒子が分析され、粒子数、サイズ、透明度、及び形態(又は形状)のデータベースが作成される。画像を即座に目視するために、画像はリアルタイムでシステムモニターに表示される。粒子サイズの検出範囲は、0.4~1000μmである。およそ2mlの容量を試験する。Occhio (IPAC2)を選択し、最適化した以下の主なパラメータのハードウェア構成:
- 400μmセル
- 1mlシリンジ
- 4倍ズーム
を使用して繊維の凝集体を分析した。
RP UPLCによるプロテインD含有量
Zorbax 300 SBC3 4.6×50mm 3.5μmカラムを215nmに設定したUV検出器と連結したガードカラム4.6x12.5mmと共に使用した逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)法により、特異的な抗原の含有量を評価した。プロテインDはおよそ9分で溶出した。
Zorbax 300 SBC3 4.6×50mm 3.5μmカラムを215nmに設定したUV検出器と連結したガードカラム4.6x12.5mmと共に使用した逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)法により、特異的な抗原の含有量を評価した。プロテインDはおよそ9分で溶出した。
円偏光二色性(CD)分光法
遠紫外線CD:左旋円偏光(L-CPL)及び右旋円偏光(R-CPL)の吸収の差異に基づいて算出した楕円率(mdeg)を、ペプチド結合の吸光領域に対応する200~265nmの間で測定した。したがって、得られたシグナルを、αヘリックス及びβシート等の抗原の二次構造組成と関連付けた。遠紫外線CDを使用して、二次構造(αヘリックス、βシート等)の変化を検出した。
近紫外線CD:芳香族アミノ酸の環境変化に関連するタンパク質の三次構造の変化を検出するために必要であった。
遠紫外線CD:左旋円偏光(L-CPL)及び右旋円偏光(R-CPL)の吸収の差異に基づいて算出した楕円率(mdeg)を、ペプチド結合の吸光領域に対応する200~265nmの間で測定した。したがって、得られたシグナルを、αヘリックス及びβシート等の抗原の二次構造組成と関連付けた。遠紫外線CDを使用して、二次構造(αヘリックス、βシート等)の変化を検出した。
近紫外線CD:芳香族アミノ酸の環境変化に関連するタンパク質の三次構造の変化を検出するために必要であった。
ATR-FTIR
ATR-FTIR法は、反射率に基づいている。IR照射を試料に接触している高屈折率の結晶に向ける。ビームは結晶内部で反射してから検出器に導かれる。ビームが反射面に当たると、部分的に吸収され、入射ビーム(bean)が記録される。
ATR-FTIR法は、反射率に基づいている。IR照射を試料に接触している高屈折率の結晶に向ける。ビームは結晶内部で反射してから検出器に導かれる。ビームが反射面に当たると、部分的に吸収され、入射ビーム(bean)が記録される。
タンパク質の赤外線スペクトルには、アミドI、II等と呼ばれるペプチドのアミド基からの寄与及びアミノ酸の側鎖からの比較的弱い寄与が含まれる。アミドIIのバンド(1550~1450cm-1)は、優先的にペプチド結合のδN-Hに割り当てられている。1700~1600cm-1において、ペプチド結合のυC=Oに割り当てられたアミドIバンドは、タンパク質の二次構造に最も高い感受性を示す。各二次構造内に存在する水素結合の強さが異なるため、各二次構造はアミドI領域内において異なる波長で吸収する。各二次構造の周波数限界は、理論及び実験データに基づいて割り当てられており(Goormaghtigh et al, 2006, Evaluation of the Information Content in Infrared Spectra for Protein Secondary Structure Determination; Biophysical Journal, 90(8) 2946-2957)、α-ヘリックスは1662~1645cm-1、β-シートは1689~1682cm-1、ランダムは1644~1637cm-1、及びβ-ターンは1682~1662である。
内在性蛍光
タンパク質の蛍光発光(A.U.)は、その芳香族アミノ酸の含有量、主にトリプトファン及びチロシン残基の寄与に関連している。得られるシグナルは、これらの発色団の多かれ少なかれ極性の環境に関連しており、したがってタンパク質内の位置にも関連している。次いで、最大値を有する蛍光スペクトルの形状は、タンパク質の三次構造と関連している。
タンパク質の蛍光発光(A.U.)は、その芳香族アミノ酸の含有量、主にトリプトファン及びチロシン残基の寄与に関連している。得られるシグナルは、これらの発色団の多かれ少なかれ極性の環境に関連しており、したがってタンパク質内の位置にも関連している。次いで、最大値を有する蛍光スペクトルの形状は、タンパク質の三次構造と関連している。
[実施例1]
賦形剤のスクリーニング及び液体保存中の粒子形成に対する影響(パート1)
試験の目的は、2~8℃の液体状態にあるプロテインDのコロイド安定性に陽性の影響を与える賦形剤及び/又はパラメータを特定することであった。どのパラメータが目に見える粒子の出現に陽性又は陰性の影響を与えるかを判断するために、全要因スクリーニング試験を実施した。試験したパラメータは以下:
- プロテインDの濃度(2レベル)
○ 0.5mg/ml
○ 1mg/ml
- pH(2レベル)
○ 6.8
○ 7.7
- スクロースの存在(2レベル)
○ 0%m/vスクロース
○ 10%m/vスクロース
- ポロキサマー188の存在(2レベル)
○ 0%
○ 0.5%
-NaClの存在(2レベル)
○ 0mM
○ 150mM
である。
賦形剤のスクリーニング及び液体保存中の粒子形成に対する影響(パート1)
試験の目的は、2~8℃の液体状態にあるプロテインDのコロイド安定性に陽性の影響を与える賦形剤及び/又はパラメータを特定することであった。どのパラメータが目に見える粒子の出現に陽性又は陰性の影響を与えるかを判断するために、全要因スクリーニング試験を実施した。試験したパラメータは以下:
- プロテインDの濃度(2レベル)
○ 0.5mg/ml
○ 1mg/ml
- pH(2レベル)
○ 6.8
○ 7.7
- スクロースの存在(2レベル)
○ 0%m/vスクロース
○ 10%m/vスクロース
- ポロキサマー188の存在(2レベル)
○ 0%
○ 0.5%
-NaClの存在(2レベル)
○ 0mM
○ 150mM
である。
凍結したプロテインDをインキュベーター内、25℃において解凍した(1時間30分)。解凍後、プロテインDを150mM NaClで20mg/mlに希釈した後、0.22μm Millipore Millex(商標)Sterile Syringe Filter(SLGV033RS)で濾過した。その後、Tecan(登録商標)により37の条件を製剤化した。これらの条件は、中心点の3倍(0.75mg/mlプロテインD、75mM NaCl、5%スクロース、0.25%ポロキサマー188、及びpH7.4)及び実際のプロセスの2倍(150mM NaCl中の1mg/ml PD)を加えた、全要因試験(32試料、表1参照)に対応する。製剤化はPENガラス容器(非シリコン化)中で行った(1製剤あたり2x10ml)。2つのPEN容器を1つのDuran Schott容器(非シリコン化)(20ml)にプールし、異なる時点(1日、7日、14日、及び21日)の間、2~8℃で保存した。
7日目及び14日目の時点について、目に見える粒子を含まない対照を光遮蔽測定に加えた。この対照は、日中に濾過した参照(実際のプロセス:150mM NaCl中1mg/mlのプロテインD)であった。21日後については、7日目及び14日目の時点において十分なデータが生成されたため、目に見える粒子を含まない対照は分析しなかった。
目視検査
全ての目視検査は、各時点(1日目、7日目、14日目、及び21日目)において同じ人によって行った(表1参照)。目視検査は、白黒の目視検査ポストではなく、実験室で行った。目的は、目に見える粒子(±50μm)の出現を低減又は除去することができる条件を決定することであった。
全ての目視検査は、各時点(1日目、7日目、14日目、及び21日目)において同じ人によって行った(表1参照)。目視検査は、白黒の目視検査ポストではなく、実験室で行った。目的は、目に見える粒子(±50μm)の出現を低減又は除去することができる条件を決定することであった。
統計分析を行い、目視検査をランク付けした(-=0、+=5、及び++=10)。このランク付けに基づいて、目視検査の結果を図示した(図1参照)。この統計分析は、目視観察を確認するために行った。下記の図1に見られるように、グラフの左側の値(ポロキサマー188を含まない試料)は、右側の値(ポロキサマー188を0.5%含む試料)よりも常に大きかった。現在の目視検査の結果に基づくと、ポロキサマー188が影響を与えていると考えられる。目視検査では、スクロース又はNaClの影響を示す明確な根拠はなかった。
光遮蔽
光遮蔽の測定は、各時点(T1日、7日、14日及び21日)において行った。データを作成した後、データの統計分析のために2つの決定を行った。第1の決定は、35μmより大きい粒子のみを考慮に入れることであった(粒子は50μmから裸眼で見える)。第2の決定は、目に見える粒子を合計することであった。この決定は、データの正規化に寄与する。
光遮蔽の測定は、各時点(T1日、7日、14日及び21日)において行った。データを作成した後、データの統計分析のために2つの決定を行った。第1の決定は、35μmより大きい粒子のみを考慮に入れることであった(粒子は50μmから裸眼で見える)。第2の決定は、目に見える粒子を合計することであった。この決定は、データの正規化に寄与する。
1日目において、スクロース単独及びNaCl単独について有意な効果が観察され(図2参照)、NaClなし及びスクロースなしと比較して、スクロースの添加(NaClあり又はなし)又はNaClを添加した場合、観察される目に見える粒子が少なくなった。スクロースに加えてNaClが存在することは、目に見える粒子の減少に大きな影響をもたらさなかった。
7日目において、スクロース及びNaClについて有意な効果が観察された(図3及び図4参照)。両方について、それらの存在下において観察される目に見える粒子が少なくなった。
結論
この評価によって以下のことが実証された:
・ 目に見える粒子の光遮蔽結果から、NaClの添加が好ましいものであった(35~70ミクロンの合計に基づく)。
・ 10%m/vのスクロースの添加は、目に見える粒子の光隠蔽結果によれば好ましいものであった(35~70ミクロンの合計に基づく)。
・ プロテインDの濃度が0.5~1mg/mlの間では効果が観察されなかった。
・ 0%m/v~0.5%m/vのポロキサマー188について、光隠蔽結果から目に見えない粒子(25ミクロン未満)に対する影響が観察されたが、目に見える粒子に対する影響は観察されなかった。しかし、ポロキサマー188は目視検査から影響を与えている可能性がある。
・ 理論上のpH及び測定されたpHの差異によって、pHについては教訓を得ることができなかった。
この評価によって以下のことが実証された:
・ 目に見える粒子の光遮蔽結果から、NaClの添加が好ましいものであった(35~70ミクロンの合計に基づく)。
・ 10%m/vのスクロースの添加は、目に見える粒子の光隠蔽結果によれば好ましいものであった(35~70ミクロンの合計に基づく)。
・ プロテインDの濃度が0.5~1mg/mlの間では効果が観察されなかった。
・ 0%m/v~0.5%m/vのポロキサマー188について、光隠蔽結果から目に見えない粒子(25ミクロン未満)に対する影響が観察されたが、目に見える粒子に対する影響は観察されなかった。しかし、ポロキサマー188は目視検査から影響を与えている可能性がある。
・ 理論上のpH及び測定されたpHの差異によって、pHについては教訓を得ることができなかった。
[実施例2]
賦形剤のスクリーニング及び液体保存中の粒子形成に対する影響(パート2)
この試験では、プロテインDの2つのバッチについて、以下のパラメータ:
- pH(2レベル)
○ 6,4
○ 7,4
- スクロース(2レベル)
○ 10%m/vスクロース
○ 20%m/vスクロース
- ポロキサマー188(2レベル)
○ 0%
○ 1%
- NaCl(1レベル)
○ 150mM
- プロテインD濃度(1レベル)
○ 1mg/ml
を試験した。
賦形剤のスクリーニング及び液体保存中の粒子形成に対する影響(パート2)
この試験では、プロテインDの2つのバッチについて、以下のパラメータ:
- pH(2レベル)
○ 6,4
○ 7,4
- スクロース(2レベル)
○ 10%m/vスクロース
○ 20%m/vスクロース
- ポロキサマー188(2レベル)
○ 0%
○ 1%
- NaCl(1レベル)
○ 150mM
- プロテインD濃度(1レベル)
○ 1mg/ml
を試験した。
凍結したプロテインDの2つのバッチを、インキュベーター内、25℃(空気)において解凍した(1時間30分)。解凍後、プロテインDを150mM NaClで20mg/mlに希釈し、0,22μm Millipore Millex(商標)Sterile Syringe Filter (SLGV033RS)で濾過した。その後、Tecan(登録商標)によって、Tecanロボットを用いて28の条件を製剤化した。
目視検査
全ての目視検査は、白黒の目視検査ポスト(黒背景のみを使用する)において、1日目の時点においては5名、並びに7日目及び14日目の時点においては7名で行った。全ての試料は、5レベル(0、-、+、++、及び+++)の目盛を用いて分類した。それぞれは、粒子なし、少数の粒子、いくつかの粒子、多数の粒子、及びたくさんの粒子である。統計分析を行い、目視検査をランク付けした(0=0、-=1、+=2、++=3、及び+++=4)。
全ての目視検査は、白黒の目視検査ポスト(黒背景のみを使用する)において、1日目の時点においては5名、並びに7日目及び14日目の時点においては7名で行った。全ての試料は、5レベル(0、-、+、++、及び+++)の目盛を用いて分類した。それぞれは、粒子なし、少数の粒子、いくつかの粒子、多数の粒子、及びたくさんの粒子である。統計分析を行い、目視検査をランク付けした(0=0、-=1、+=2、++=3、及び+++=4)。
実施例1と同様に、2/8℃で24時間保存した後、いくつかの試料には既に目に見える粒子が存在していた。全ての試料について、目に見える粒子の数の増加が時間の経過と共に観察された。統計分析を行い、目視検査をランク付けした(0=0、-=1、+=2、++=3、+++=4)。このランク付けに基づいて、目視検査を図示した。その後、目視観察を確認するために、この見積もりを統計分析において処理した。結果は、1日目、7日目、及び14日目の時点で、ポロキサマー188、スクロース、又はpHによって最初に分類して順序付けた。
1日目、7日目、及び14日目における観察者全員のスコアの平均値を考慮すると、ポロキサマー188の有意な効果が観察され、ポロキサマー188の存在下においてスコアが低くなっていた(すなわち、目に見える粒子の減少)。
全ての観察者のスコアの平均を考慮すると、pHが高くなるとスコアが低くなる(すなわち、目に見える粒子の減少)傾向が観察された。しかし、7日目においてのみ、有意な効果が観察され(p値=0,0129)、pH6.9においてスコアが低くなっていた。7日目において、ポロキサマー188及びpHの間に有意な相互作用も観察された(図5参照)。実際、ポロキサマー188が存在しない場合、pHが重要な影響を及ぼしていた。目に見える粒子の数は、pHが高くなるにつれて減少した。
1日目における観察者全員のスコアの平均値を考慮すると、有意な効果は観察されなかった。7日目において、スクロース(図6を参照)についてわずかではあるが有意な効果が観察され(p値=0,0179)、20%のスクロースの存在下でスコアが低くなっていた(すなわち、目に見える粒子の減少)。14日目において、スクロースについて効果が観察され(p値=0,08)、20%のスクロースの存在下においてスコアが低くなっていた(すなわち、目に見える粒子の減少)。
3つの時点(1日目、7日目、及び14日目)を考慮すると、ポロキサマー188の存在は目に見える粒子の数を減少させるのに好ましいものであった。この減少は、最高レベルのスクロース(20%m/v)でわずかに改善される可能性がある(図5参照)。しかし、統計的にはスクロースについての関連効果が観察されたものの、実際的な関連性は限定的であると考えられた。
光遮蔽
各時点(T 1日、7日及び14日)において光遮蔽の測定を行った。35μm以上の大きさの粒子のみを考慮に入れた(粒子は50μmから裸眼で見える)。統計分析は、35μm~70μmの粒子の合計に基づいて行った。
各時点(T 1日、7日及び14日)において光遮蔽の測定を行った。35μm以上の大きさの粒子のみを考慮に入れた(粒子は50μmから裸眼で見える)。統計分析は、35μm~70μmの粒子の合計に基づいて行った。
試料18COP02003(ポロキサマーなし、pH6.4、スクロース20%m/v)は、粒子の全範囲(2~125μm)にわたって非定型的な検出がなされた。この非定型的な結果を説明する原因は特定されなかった。
統計分析を行った。1日目、7日目、及び14日目の時点において、ポロキサマー188、スクロース、又はpHによって結果を分類して分析した。結果は、測定値の平均に基づいて分析した。各光遮蔽測定値は、1ミリリットルの産物を4回分析することによって得た。最初の1ミリリットルで得られた最初の値は廃棄され、装置を洗浄するためにのみ使用した。
1日目、7日目、及び14日目の35ミクロン~70ミクロンの粒子の合計についての3つの測定の平均値を考慮すると、試験した各構成において、ポロキサマーの存在下においては粒子の数が少なくなっていた。これは、非典型的な結果(構成:ポロキサマーなし、pH6.4、及びスクロース20%m/v)を除外した場合も同様であった。
結論
この評価によって以下のことが実証された:
・ ポロキサマー188の添加は、光遮蔽、目視検査、又はOcchioいずれによっても、目に見える粒子の減少に有意な効果があった。これは、実施例1で0.5%m/vまで観察されたものと一致していた。観察された減少は、1%m/v及び0.5%m/vにおいてほぼ同様であった。
・ スクロースを10%m/vから20%m/vに増加させても、目に見える粒子の減少に実際的には有意な影響はなかった。スクロースの増加により、融解温度及び凝集開始温度を上昇させることが可能になった。目視検査の観点からは、この増加により目に見える粒子の減少がわずかに改善されたが、この観察は、10%m/vスクロースが好ましい光遮蔽とは相関しなかった。
この評価によって以下のことが実証された:
・ ポロキサマー188の添加は、光遮蔽、目視検査、又はOcchioいずれによっても、目に見える粒子の減少に有意な効果があった。これは、実施例1で0.5%m/vまで観察されたものと一致していた。観察された減少は、1%m/v及び0.5%m/vにおいてほぼ同様であった。
・ スクロースを10%m/vから20%m/vに増加させても、目に見える粒子の減少に実際的には有意な影響はなかった。スクロースの増加により、融解温度及び凝集開始温度を上昇させることが可能になった。目視検査の観点からは、この増加により目に見える粒子の減少がわずかに改善されたが、この観察は、10%m/vスクロースが好ましい光遮蔽とは相関しなかった。
[実施例3]
プロテインDの解凍、希釈及び濾過の最適化プロセス
最初のステップにおいて、プロテインD(4.5ml Nunc容器)をインキュベーター内、25℃で静的に解凍した。解凍後、プロテインDを磁気バーで撹拌することによってホモジナイズした。その後、プロテインDをDuran Schottガラス容器内で、以下のフローシートに従って、150mM NaCl、10%w/vスクロース、1%w/vポロキサマー188、12.5mM PO4 3-KH2PO4/K2HPO4 リン酸緩衝液、pH6.8で1mg/mlに希釈した(図1)。添加はピペット又は目盛り付きシリンダーガラスによって行った。これらの目標濃度に到達するために、15.75%w/vスクロース溶液、100mM K2PO4/KH2PO4 1160mM NaCl pH6.9緩衝液及び10%w/vポロキサマー188溶液を使用した。プロテインDの希釈は、同じ3つの原薬バッチの他のアリコートにおいて以前に得られたRP-UPLCによるプロテインDの含有量に基づいていた。希釈後のプロテインDは、OptiScale(登録商標)47フィルター(0.22μm Durapore(登録商標)PVDFメンブレン17.7cm2-ポリプロピレンカートリッジ)及び蠕動ポンプ(流速0.7ml/min/cm2)を用いて濾過した。
プロテインDの解凍、希釈及び濾過の最適化プロセス
最初のステップにおいて、プロテインD(4.5ml Nunc容器)をインキュベーター内、25℃で静的に解凍した。解凍後、プロテインDを磁気バーで撹拌することによってホモジナイズした。その後、プロテインDをDuran Schottガラス容器内で、以下のフローシートに従って、150mM NaCl、10%w/vスクロース、1%w/vポロキサマー188、12.5mM PO4 3-KH2PO4/K2HPO4 リン酸緩衝液、pH6.8で1mg/mlに希釈した(図1)。添加はピペット又は目盛り付きシリンダーガラスによって行った。これらの目標濃度に到達するために、15.75%w/vスクロース溶液、100mM K2PO4/KH2PO4 1160mM NaCl pH6.9緩衝液及び10%w/vポロキサマー188溶液を使用した。プロテインDの希釈は、同じ3つの原薬バッチの他のアリコートにおいて以前に得られたRP-UPLCによるプロテインDの含有量に基づいていた。希釈後のプロテインDは、OptiScale(登録商標)47フィルター(0.22μm Durapore(登録商標)PVDFメンブレン17.7cm2-ポリプロピレンカートリッジ)及び蠕動ポンプ(流速0.7ml/min/cm2)を用いて濾過した。
[実施例4]
プロテインD希釈プロセスの比較
プロテインD希釈プロセスの比較
最適化プロセス
プロテインDの希釈は、実施例3及び図7によるフローシートで示されているプロセスに従って実行した(最適化プロセス)。
プロテインDの希釈は、実施例3及び図7によるフローシートで示されているプロセスに従って実行した(最適化プロセス)。
参照プロセス:
プロテインDの希釈は、図8によるフローシートに示されているプロセスに従って実行した(参照プロセス)。凍結したPD原薬(-45℃、pH6.8で保存)を以下のように解凍した:
- 2~4gのアリコート:2~8℃で最小7時間~最大72時間、又は25±1℃で最小1時間~最大2時間(ウォーターバス)
- 18gのアリコート:2~8℃で最小24時間~最大72時間、又は25±1℃で最小2時間~最大3時間(ウォーターバス)。
プロテインDの希釈は、図8によるフローシートに示されているプロセスに従って実行した(参照プロセス)。凍結したPD原薬(-45℃、pH6.8で保存)を以下のように解凍した:
- 2~4gのアリコート:2~8℃で最小7時間~最大72時間、又は25±1℃で最小1時間~最大2時間(ウォーターバス)
- 18gのアリコート:2~8℃で最小24時間~最大72時間、又は25±1℃で最小2時間~最大3時間(ウォーターバス)。
解凍後、PDをNaCl 150mMによって約1mg/mlに希釈し、0.22μmで濾過した。フィルター特性:Millex (0.45-)0.22μm PVDF、最適なタンパク質充填と面積との比:90mg prot/cm2(例: Millex GV 33mm 0.22μm 4.5cm2で20mg/mlで濾過した20mlのPD)。
3つの異なるプロテインDの原薬バッチ(APDOAPA024、APDOBPA027、及びAPDOBPA029)を評価した。各バッチについて、1mg/mlのプロテインDの8倍希釈を行い、4倍は最適化構成(10%m/vスクロース、1%m/vポロキサマー188、150mM NaCl、1mg/mlプロテインD、12.5mMリン酸緩衝液 K2HPO4/KH2PO4、pH6.8)、4倍は参照としての現行プロセス(NaCl 150mM、pH6.8)である。目標のプロテインD濃度1mg/mlは、Lowry値に基づいた。
最適化及び参照のプロテインD希釈プロセスを、以下の分析技術を用いて比較した(前述):
・ 光遮蔽、Occhio (Flow cam)及び目視検査による粒子の検出
・ 内在性蛍光、FTIR、及び遠紫外線円偏光二色性による二次構造及び三次構造
・ RP-UPLCによるプロテインD含有量。
・ 光遮蔽、Occhio (Flow cam)及び目視検査による粒子の検出
・ 内在性蛍光、FTIR、及び遠紫外線円偏光二色性による二次構造及び三次構造
・ RP-UPLCによるプロテインD含有量。
全ての目視検査は、白黒の目視検査ポスト(黒背景のみを使用する)で11人が行ったが、各時点で全員が行ったわけではない。全ての試料は、0(粒子なし)から6(目に見える粒子で満たされている)のスコアで分類された。全ての観察者の3つの時点(1日目、7日目及び14日目)における平均スコアの図のみを図12に示す。
PCA法(主成分分析)を用いて多変量解析を実施した。多変量解析は、いくつかの可変要素からの情報を2次元に合成し、よりよく説明することを意図している。
結果:
・ 図9は、最適化液体組成物及び参照試料について3つの時点(1日目、7日目、及び14日目)においてOcchioによって検出された50~1000μmの粒子の合計を表す。参照プロセスについては粒子数の明確な変化が観察されたが、最適化組成物については、粒子数はより安定していた。
・ 図10は、プロテインDの参照試料(150mM NaCl中1mg/ml)においてOcchioによって捕捉した目に見える粒子の写真の例を示す。
・ 図11は、光遮蔽及びOcchioの測定値の全範囲を考慮した多変量解析(PCA)を表す。最適化試料及び参照試料の間には明確な差別が見られる。最適化試料は参照試料よりも均質であった。横軸は全範囲における粒子数をまとめたものであり、光遮蔽及びOcchioの両方の全測定範囲において、参照試料についてより多くの粒子が測定された。縦軸は参照試料についてより差別化がされている(最適化試料では、縦軸上の広がりは観察されなかった)。一番上の試料は、目に見える粒子の数が多く、目に見えない粒子の数が少ないことによって特徴付けられる。最適化プロセスがより再現性が高いものであることが推察される。
・ 図12は、3つの異なるロットについて白黒ポストにおいて目視検査を行った観察者の平均スコアを表す。日数又はプロテインDのバッチに関わらず、スコアは最適化試料の方が低い。
・ 図13及び図14は、遠紫外線CDスペクトル並びに208nm及び222nmの領域にわずかな差異を示す差スペクトルを示す。これは、二次構造のわずかな変化(α-ヘリックス含有量の増加)を反映している。
・ 図9は、最適化液体組成物及び参照試料について3つの時点(1日目、7日目、及び14日目)においてOcchioによって検出された50~1000μmの粒子の合計を表す。参照プロセスについては粒子数の明確な変化が観察されたが、最適化組成物については、粒子数はより安定していた。
・ 図10は、プロテインDの参照試料(150mM NaCl中1mg/ml)においてOcchioによって捕捉した目に見える粒子の写真の例を示す。
・ 図11は、光遮蔽及びOcchioの測定値の全範囲を考慮した多変量解析(PCA)を表す。最適化試料及び参照試料の間には明確な差別が見られる。最適化試料は参照試料よりも均質であった。横軸は全範囲における粒子数をまとめたものであり、光遮蔽及びOcchioの両方の全測定範囲において、参照試料についてより多くの粒子が測定された。縦軸は参照試料についてより差別化がされている(最適化試料では、縦軸上の広がりは観察されなかった)。一番上の試料は、目に見える粒子の数が多く、目に見えない粒子の数が少ないことによって特徴付けられる。最適化プロセスがより再現性が高いものであることが推察される。
・ 図12は、3つの異なるロットについて白黒ポストにおいて目視検査を行った観察者の平均スコアを表す。日数又はプロテインDのバッチに関わらず、スコアは最適化試料の方が低い。
・ 図13及び図14は、遠紫外線CDスペクトル並びに208nm及び222nmの領域にわずかな差異を示す差スペクトルを示す。これは、二次構造のわずかな変化(α-ヘリックス含有量の増加)を反映している。
結論
プロテインDについて実行した全ての評価で、以下が実証された:
液体プロテインDに、
1%w/vポロキサマー188
150mM NaCl
10%w/vスクロース
12.5mM K2HPO4/KH2PO4緩衝液 pH6,8
を添加した場合、目に見える粒子の数が有意に減少する
プロテインDのプロファイル、サイズ、及びモル質量には影響がない
PD含有量及び抗原性に大きな影響はない
二次構造及び三次構造にわずかな差異がある(この最適化組成物中では、プロテインDはわずかにより折り畳まれている)。
プロテインDについて実行した全ての評価で、以下が実証された:
液体プロテインDに、
1%w/vポロキサマー188
150mM NaCl
10%w/vスクロース
12.5mM K2HPO4/KH2PO4緩衝液 pH6,8
を添加した場合、目に見える粒子の数が有意に減少する
プロテインDのプロファイル、サイズ、及びモル質量には影響がない
PD含有量及び抗原性に大きな影響はない
二次構造及び三次構造にわずかな差異がある(この最適化組成物中では、プロテインDはわずかにより折り畳まれている)。
さらに、新しい組成物で希釈した後にプロテインDについて濾過を行ったところ、含有量の損失を全く示さない。
Claims (15)
- プロテインDポリペプチド(場合によりプロテインDポリペプチドは配列番号2と少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する、例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド)を含む液体組成物を調製する方法であって、プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップを含む、方法。
- プロテインDポリペプチドを他の抗原と混合する前に、プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップを含む、請求項1に記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製する方法。
- プロテインDポリペプチドを、(a)スクロースを5~20%(w/v)、10~20%(w/v)、又は10~15%(w/v)の濃度まで、及び(b)ポロキサマー(場合によりポロキサマー188)を0.1~1%(w/v)、0.5~1%(w/v)、又は1%(w/v)の濃度まで含む溶液(複数可)と混合するステップを含む、請求項1又は請求項2に記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製する方法。
- プロテインDポリペプチドを、(a)スクロース、(b)ポロキサマー(場合によりポロキサマー188)及び(c)塩(場合によりNaCl)を含む溶液(複数可)と混合するステップを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製する方法。
- プロテインDポリペプチドを、(a)スクロース、(b)ポロキサマー(場合によりポロキサマー188)、(c)塩(場合によりNaCl)及び(d)緩衝液(場合によりリン酸緩衝液)を含む溶液(複数可)と混合するステップを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製する方法。
- プロテインDポリペプチドを、(a)スクロース、(b)ポロキサマー(場合によりポロキサマー188)、(c)塩、場合によりNaCl、及び(d)緩衝液(場合によりリン酸緩衝液)を含む溶液(複数可)と、pH6.4~7.7(例えば、pH6.8)に達するまで混合するステップを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製する方法。
- (i)プロテインDポリペプチドを解凍するステップ、及び(ii)プロテインDポリペプチドをスクロース及びポロキサマーと混合するステップを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製する方法。
- 続いて、濾過(場合により0.22μm PVDFメンブレンを使用する)して、濾過液中にプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を得るステップを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製する方法。
- 続いて、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を保存するステップを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製する方法。
- 続いて、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を他の抗原(複数可)と混合するステップを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製する方法。
- 他の抗原が、PE-PilA融合タンパク質及びUspA2ポリペプチドを含む、請求項10に記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製する方法。
- プロテインDポリペプチド組成物にスクロース及びポロキサマーを添加しない方法と比較して、プロテインDポリペプチドの目に見える(visible)粒子の形成を減らす、請求項1から11のいずれか一項に記載のプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製する方法。
- 請求項1から12のいずれか一項に記載の方法に従ってプロテインDポリペプチドを含む液体組成物を調製するステップ、及び、続いて、プロテインDポリペプチドを含む液体組成物を凍結乾燥するステップを含む方法。
- プロテインDポリペプチド(場合により配列番号2のプロテインDポリペプチド)、スクロース及びポロキサマー(場合によりポロキサマー188)を含む液体組成物。
- 場合により0.025~20mg/ml、0.5~10mg/ml、0.5~1mg/ml、又は1mg/mlの量のプロテインDポリペプチド(場合によりプロテインDポリペプチドは配列番号2と少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する、例えば配列番号2のプロテインDポリペプチド);場合により5~20%(w/v)、10~20%(w/v)、又は10~15%(w/v)の量のスクロース;場合により0.1~1%(w/v)、0.5~1%(w/v)、又は1%(w/v)の量のポロキサマー(場合によりポロキサマー188);緩衝液(場合によりリン酸緩衝液);及び塩(場合によりNaCl)を含む、請求項14に記載の液体組成物。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
EP19189964 | 2019-08-05 | ||
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