JP2022538087A - 組換えヒトコラーゲン及びその構築方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、アミノ酸配列がSEQ ID NO.1(GPAGARGNDGATGAAGPPGPTGPAGPPGFP)である組換えヒトコラーゲン及びその構築方法を開示する。該組換えヒトコラーゲンは、シグナルペプチド及び膜貫通構造のない新規親水性タンパク質であり、該タンパク質は抗原決定基がなく、ヒトに適用しても免疫拒絶反応を引き起こすことがない。本発明は、更に、該免疫原性の低い親水性組換えヒトコラーゲンの構築及び合成方法を開示する。本発明で合成された組換えヒトコラーゲンは、純度が高く、ウイルス上の懸念がなく、発現量が高い。該タンパク質は、バイオ医薬、再生医療、組織工学及び美容、ヘルスケア、化粧品等の関連製品に広く適用可能である。【選択図】図4

Description

本発明は、バイオテクノロジーの分野に関し、具体的には組換えヒトコラーゲン及びその構築方法に関する。
コラーゲンは、哺乳動物体内で最も豊富なタンパク質であり、その含有量はタンパク質全体の約30%を占め、動物の皮膚、軟骨、血管等の組織及び臓器に広く存在し、生物の成長、発達、細胞の分化、接着及び抗原抗体結合反応等、重要な生命プロセスに関与する。これまでに、脊椎動物及び高等無脊椎動物では異なるタイプの28種のコラーゲンが発見されている。これらのコラーゲンタイプのうち、I型コラーゲンは脊椎動物体内で最も豊富であり、I型コラーゲンは異なる割合で他の分子と結合して、基底膜、靭帯、腱、皮膚及び血管等の様々な組織スキャフォールドを形成して、それらの機械的強度を高める。
コラーゲンの最も典型的な構造は、3重らせん構造のペプチド鎖が絡まって形成された繊維状タンパク質であり、3重らせん分子の規則的凝集によって、分子構造は安定性が高く且つ繊維は良好な靭性を有するようになり、また、このような3重らせん構造はコラーゲンの機械的強度を一層高めることができる。コラーゲンの一次構造のアミノ酸配列は「グリシン-X-Y(X、Yはグリシン以外の任意のアミノ酸)」の周期的な規則性を示す。
コラーゲンは、低免疫原性、良好な生体適合性、生分解性等、優れた生物学的特性を有するため、食品、製薬及び化粧品産業等の分野に広く応用されている。近年、コラーゲンは、医療分野に広く応用されるようになり、膜、スポンジ、注射液、塞栓等の形で美容、整形、熱傷、創傷、硬組織修復等の面で機能する。しかし、天然のコラーゲンは水に不溶であり、動物体内から抽出されたコラーゲンは性質が不均一であり、更なる加工が困難である。現在、コラーゲンは、主に酸法、アルカリ法及び様々な酵素分解方法で、豚皮、牛皮及び魚皮等の動物の結合組織から抽出して製造されているが、動物由来のコラーゲンは、ウイルスによるリスクが多く懸念され、ヒトに作用すると異種拒絶反応が生じることがあり、化学的方法で合成されたコラーゲンは、生物学的活性の喪失が避けられないほか、技術的に複雑で、抽出方法による汚染が大きく、コストが高く、従ってコラーゲンの医薬等の諸分野での応用が大きく制限されている。
現代分子生物学の急速な発展に伴い、人々は、遺伝子工学技術により、昆虫、遺伝子導入ネズミ、大腸菌等の様々な宿主細胞を用いて組換えヒトコラーゲンを製造することに目を向けるようになっている。例えば、西北大学の範代?らは大腸菌を用いて高密度発酵によりヒト由来コラーゲンを培養生産しているが、タンパク質の発現量が30%未満だけであり、細菌発現系は内毒素、発熱物質等の生物学的安全性上の問題が存在し、発現によって生成されるタンパク質は封入体の形態で存在することが多く、精製が困難で、生成物が純粋ではなく、臨床への応用が困難である。従って、現在、ますます多くの研究者はピチア-パストリス工学菌を用いて発酵により組換えヒトコラーゲンを培養するようになり、これは発熱物質を含まず、生成物が細胞外に分泌できる等のメリットを有するが、同様に多くの欠点が存在し、例えば、発酵周期が長く、製造効率が低く、高純度ではない等の問題が存在する。従って、組換えヒト由来コラーゲン製造の技術分野において、純度が高く、安全性が高く、収率が高く、周期が短く、親水性が強く、大規模製造が容易である方法の開発が切望されている。臨床へのより良い応用を可能にし、ヒトへの拒絶反応の発生を回避するために、免疫原性の低い組換えヒトコラーゲンの開発が求められている。
本発明が解決しようとする技術的課題は、上記従来技術の欠点に対して、ペプチド断片が短く、直接合成可能であり、大規模な製造に適し、操作が簡単で、水溶性が高く、抗原決定基が発見されなかった組換えヒト由来コラーゲン及びその構築方法を提供することである。
上記技術的課題を解決するために、本発明は以下の技術的解決手段を採用する。
第1態様では、アミノ酸配列がSEQ ID NO.1である組換えヒト由来コラーゲンを提供し、その配列は下記のとおりである。
GPAGARGNDGATGAAGPPGPTGPAGPPGFP。
前記組換えヒトコラーゲンは、構造が1本鎖の単一らせん構造であり、コラーゲンの配列特徴である「グリシン-X-Y(X、Yはグリシン以外の任意のアミノ酸)」を示し、全長が30個のアミノ酸であり、I型ヒトコラーゲンのペプチド断片である。
前記組換えヒトコラーゲンは、分子量が2526.71Daであり、理論等電点が5.84である。
前記組換えヒトコラーゲンは、シグナルペプチド、膜貫通構造ドメインがなく、水溶性である。
前記組換えヒトコラーゲンは、抗原エピトープ予測ツールPredicted Antigenic Peptidesにより解析された結果、抗原決定基が発見されなかった。
前記組換えヒトコラーゲンは、SOPMAによりオンラインで解析された結果、不規則に絡まるコイル(ランダムコイル)構造を形成する可能性が最も高いことが明らかになった。
前記組換えヒトコラーゲンは、新規タンパク質であり、細胞内局在が確認されなかった。
本発明は、
NCBIデータベースからI型ヒトコラーゲンの配列を取得するステップ(1)と、
抗原エピトープのオンライン予測ツールPredicted Antigenic PeptidesによりI型ヒトコラーゲンの抗原決定基を解析し、抗原決定基が少ない領域をスクリーニングして得るステップ(2)と、
選出された、抗原決定基が少ない領域について、BitGeneの抗原決定基オンライン予測により(親水性、柔軟性、表面アクセシビリティ、抗原性及びβターン予測の5つのアルゴリズムを組み込む)、抗原決定基が少ない領域を選出し、合成すべき組換えヒト由来コラーゲンのアミノ酸配列を決定するステップ(3)と、を含み、
決定された合成すべき組換えヒトコラーゲンを抗原エピトープのオンライン予測ツールPredicted Antigenic Peptidesにより解析して、その免疫原性を確認するステップ(4)を更に含む、前記組換えヒトコラーゲンの構築方法を更に提供する。
上記ステップ(1)に記載のNCBIデータベースからI型ヒトコラーゲンの配列を取得するプロセスは下記のとおりである。
NCBIデータベースのGeneで「human and collagen type I」を検索し、NP_000079.2であるI型ヒトコラーゲンの配列をダウンロードし、その長さが1464個のアミノ酸である。
上記ステップ(2)に記載の抗原決定基が少ない領域を取得するプロセスは下記のとおりである。
上記長さが1464個のアミノ酸であるI型ヒトコラーゲンについて、抗原エピトープのオンライン予測ツールPredicted Antigenic Peptides(ウェブサイトのアドレス:http://imed.med.ucm.es/Tools/antigenic.pl)によりその抗原決定基を解析し、抗原決定基が少ない領域である230位-400位の171個のアミノ酸を選出する。
上記ステップ(3)に記載の合成すべき組換えヒト由来コラーゲンを決定するプロセスは下記のとおりである。
選出された、長さが171個のアミノ酸である上記ヒトコラーゲンについて、BitGeneオンライン抗原性(Kolaskar & Tongaonkar Antigenicity)、親水性(Parker Hydrophilicity)、柔軟性(Karplus & Schulz Flexibility)、表面アクセシビリティ(Emini Surface Accessibility)、βターン(Chou & Fasman Beta-Turn)の5つの抗原エピトープ予測の標準方法で解析し、その抗原決定基を決定し、
そして抗原決定基が少なく且つ親水性が強いものを選出し、「グリシン-X-Y(X、Yはグリシン以外の任意のアミノ酸)」の配列規則性を示すコラーゲンの配列特徴に基づき、製造しようとする免疫原性の低い親水性組換えヒトコラーゲンの配列を好適に選択する。
本発明の組換えヒトコラーゲンは、ペプチド断片が短く、直接合成可能であり、収率が高く、周期が短く、純度が高く、ウイルス上の懸念がなく、しかも水溶性である。
更に、前記組換えヒトコラーゲンを製造するための、以下のような組換えDNA配列を提供する。
GGCCCTGCTGGTGCTCGTGGAAATGATGGTGCTACTGGTGCTGCCGGGCCCCCTGGTCCCACCGGCCCCGCTGGTCCTCCTGGCTTCCCT。
本発明により提供される組換えヒト由来コラーゲン及びその構築方法は、従来技術に比べて以下のメリットを有する。
1.本発明の組換えヒトコラーゲンは、ペプチド断片が短く、長さが30個のアミノ酸だけであり、企業自体で直接合成可能であり、原核又は真核発現を必要とせず、操作が簡単で、タンパク質が大量に得られやすい。また、ウイルス上の懸念がなく、高速液体クロマトグラフィーで検出した結果、純度が95%以上と高い。
2.本発明の組換えヒトコラーゲンは、免疫原性が低く、水溶性であり、そのアミノ酸組成は天然のコラーゲンのアミノ酸配列における対応部分と同じであり、ヒトに適用しても免疫拒絶を引き起こすことがなく、臨床に広く使用できる。
本発明の実施例に係る組換えヒトコラーゲンのシグナルペプチドの解析グラフである。 本発明の実施例に係る組換えヒトコラーゲンの膜貫通構造ドメインの解析グラフである。 本発明の実施例に係る組換えヒトコラーゲンの親水性の解析グラフである。 本発明の実施例に係る組換えヒトコラーゲンの構造の解析グラフである。 本発明の実施例に係る組換えヒトコラーゲンの抗原決定基の予測グラフである。 本発明の実施例に係る組換えヒトコラーゲンの細胞局在を示すグラフである。 本発明の実施例に係る組換えヒトコラーゲンの高速液体クロマトグラフィーグラフである。
以下において、図面と実施例を参照しながら本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
組換えヒトコラーゲンの構築方法は、
NCBIデータベースからI型ヒトコラーゲンの配列を取得するステップ(1)と、
抗原エピトープのオンライン予測ツールPredicted Antigenic PeptidesによりI型ヒトコラーゲンの抗原決定基を解析し、抗原決定基が少ない領域をスクリーニングして得るステップ(2)と、
選出された領域について、BitGeneの抗原決定基オンライン予測により(親水性、柔軟性、表面アクセシビリティ、抗原性及びβターン予測の5つのアルゴリズムを組み込む)、抗原決定基が少ない領域を選出し、合成すべき組換えヒト由来コラーゲンのアミノ酸配列を決定するステップ(3)と、
決定された合成すべき組換えヒトコラーゲンを抗原エピトープのオンライン予測ツールPredicted Antigenic Peptidesにより解析して、その免疫原性を確認するステップ(4)と、を含む。
上記ステップ(1)に記載のNCBIデータベースからI型ヒトコラーゲンの配列を取得するプロセスは下記のとおりである。
NCBIデータベースのGeneで「human and collagen type I」を検索し、NP_000079.2であるI型ヒトコラーゲンの配列をダウンロードし、その長さが1464個のアミノ酸である。
上記ステップ(2)に記載の抗原決定基が少ない領域を取得するプロセスは下記のとおりである。
上記長さが1464個のアミノ酸であるI型ヒトコラーゲンについて、抗原エピトープのオンライン予測ツールPredicted Antigenic Peptides(ウェブサイトのアドレス:http://imed.med.ucm.es/Tools/antigenic.pl)によりその抗原決定基を解析し、抗原決定基が少ない領域である230位-400位の171個のアミノ酸を選出する。
上記ステップ(3)に記載の合成すべき組換えヒト由来コラーゲンを決定するプロセスは下記のとおりである。
選出された、長さが171個のアミノ酸である上記ヒトコラーゲンについて、BitGeneオンライン抗原性(Kolaskar & Tongaonkar Antigenicity)、親水性(Parker Hydrophilicity)、柔軟性(Karplus & Schulz Flexibility)、表面アクセシビリティ(Emini Surface Accessibility)、βターン(Chou & Fasman Beta-Turn)の5つの抗原エピトープ予測の標準方法で解析し、その抗原決定基を決定し、
そして抗原決定基が少なく且つ親水性が強いものを選出し、「グリシン-X-Y(X、Yはグリシン以外の任意のアミノ酸)」の配列規則性を示すコラーゲンの配列特徴に基づき、以下の製造しようとする免疫原性の低い親水性組換えヒトコラーゲンのアミノ酸配列(SEQ ID NO.1)を好適に選択する。
GPAGARGNDGATGAAGPPGPTGPAGPPGFP。
(実施例2)組換えヒトコラーゲンの合成方法
組換えヒトコラーゲンの合成方法は、以下のステップを含む。
1.固相樹脂をジクロロメタンで15分膨潤させて溶液を吸引除去し、20%ピペリジン/ジメチルホルムアミド溶液でフルオレニルメチルオキシカルボニル除去を15分行い、ジメチルホルムアミドで9回洗浄し、保護アミノ酸、O-ベンゾトリアゾール-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、N,N-ジイソプロピルエチルアミンを秤量して縮合反応を40分行い、反応時間になったらジメチルホルムアミドで樹脂を6回洗浄し、少量の樹脂を取ってニンヒドリン溶液で反応を監視し、無色を示すと、反応が完結する。
2.20%ピペリジン/ジメチルホルムアミド溶液でフルオレニルメチルオキシカルボニル除去を15分行い、ジメチルホルムアミドで9回洗浄し、保護アミノ酸、O-ベンゾトリアゾール-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、N,N-ジイソプロピルエチルアミンを秤量して縮合反応を40分行い、反応時間になったらジメチルホルムアミドで樹脂を6回洗浄し、少量の樹脂を取ってニンヒドリン溶液で反応を監視し、無色を示すと、反応が完結する。以降同様にして、反応は最後のアミノ酸まで行われて終了する。
3.95%TFA/水で樹脂ペプチドを2時間酸性化して分解し、樹脂を濾過によって除去し、母液をエーテルに入れてポリペプチドを析出させ、溶液を遠心沈殿してポリペプチドを得る。粗生成物のポリペプチドを高速液体クロマトグラフィーで精製し、凍結乾燥して精製物のポリペプチドを得る。
合成された組換えヒトコラーゲンは、高速液体クロマトグラフィーで検出した結果、純度が95%以上と高い(図7に示す)。
製造された組換えヒトコラーゲンは、顕微鏡で観察すると、不規則に絡まるコイル構造である。
組換えヒトコラーゲンの水溶性試験は下記のとおりである。
32mgの組換えヒトコラーゲンを8mLの水に溶解させ、撹拌せずに直接溶解させ、沈殿物や浮遊物のない無色の透明溶液が形成される。これにより、本発明で製造された組換えヒトコラーゲンは、水溶性が良好であることが示され、親水性タンパク質であることが確認された。
本方法で合成された組換えヒトコラーゲンは、純度が高く、ウイルス上の懸念がなく、発現量が高い。該タンパク質は、バイオ医薬、再生医療、組織工学及び美容、ヘルスケア、化粧品等の関連製品に広く適用可能である。
(実施例3)組換えヒトコラーゲンの基本的性質の解析
組換えヒトコラーゲンは、その配列(SEQ ID NO.1)が下記のとおりである。
GPAGARGNDGATGAAGPPGPTGPAGPPGFP。
該組換えヒトコラーゲンは、構造が1本鎖の単一らせん構造であり、コラーゲンの配列特徴であるG-X-Y(X、Yはグリシン以外の任意のアミノ酸)を示し、全長が30個のアミノ酸であり、I型ヒトコラーゲンのペプチド断片である。
該組換えヒトコラーゲンは、分子量が2526.71Daであり、理論等電点が5.84である。
図1に示すように、該組換えヒトコラーゲンは、シグナルペプチド予測ツールSignalPにより解析された結果、シグナルペプチドがないことが確認された。図2に示すように、該組換えヒトコラーゲンは、TMHMMにより予測解析された結果、膜貫通構造ドメインがないことが確認された。図3に示すように、該組換えヒトコラーゲンは、ExPASyにより解析された結果、親水性タンパク質であることが確認された。図4に示すように、該組換えヒトコラーゲンは、SOPMAによりオンラインで解析された結果、不規則に絡まるコイル(ランダムコイル)構造を形成する可能性が最も高いことが明らかになった。
(実施例4)組換えヒトコラーゲンの抗原決定基の解析
組換えヒトコラーゲンは、その配列(SEQ ID NO.1)が下記のとおりである。
GPAGARGNDGATGAAGPPGPTGPAGPPGFP。
抗原エピトープのオンライン予測ツールPredicted Antigenic Peptides(ウェブサイトのアドレス:http://imed.med.ucm.es/Tools/antigenic.pl)により該タンパク質の抗原決定基を解析した結果、その抗原性は、平均で0.9687であり、抗原決定基が発見されなかった(図5に示す)。
(実施例5)組換えヒトコラーゲンの細胞局在
組換えヒトコラーゲンは、その配列(SEQ ID NO.1)が下記のとおりである。
GPAGARGNDGATGAAGPPGPTGPAGPPGFP。
該タンパク質は、PredictProtein(ウェブサイトのアドレス:https://www.predictprotein.org/home)によりオンラインで解析された結果、新規なタンパク質であり、細胞内局在が確認されなかった(図6に示す)。
(付記)
(付記1)
アミノ酸配列がSEQ ID NO.1(GPAGARGNDGATGAAGPPGPTGPAGPPGFP)である、ことを特徴とする組換えヒトコラーゲン。
(付記2)
構造が1本鎖の単一らせん構造であり、コラーゲンの配列特徴である「グリシン-X-Y」を示し、X、Yがグリシン以外の任意のアミノ酸であり、全長が30個のアミノ酸であり、I型ヒトコラーゲンのペプチド断片である、ことを特徴とする付記1に記載の組換えヒトコラーゲン。
(付記3)
分子量が2526.71Daであり、理論等電点が5.84である、ことを特徴とする付記1に記載の組換えヒトコラーゲン。
(付記4)
シグナルペプチド及び膜貫通構造ドメインのない親水性タンパク質である、ことを特徴とする付記1に記載の組換えヒトコラーゲン。
(付記5)
抗原決定基が発見されなかった免疫原性の低いタンパク質である、ことを特徴とする付記1に記載の組換えヒトコラーゲン。
(付記6)
不規則に絡まるコイル構造を形成できる、ことを特徴とする付記1に記載の組換えヒトコラーゲン。
(付記7)
NCBIデータベースからI型ヒトコラーゲンの配列を取得するステップ(1)と、
抗原エピトープのオンライン予測ツールPredicted Antigenic PeptidesによりI型ヒトコラーゲンの抗原決定基を解析し、抗原決定基が少ない領域をスクリーニングして選出するステップ(2)と、
選出された、抗原決定基が少ない領域について、BitGeneの抗原決定基オンライン予測により、親水性、柔軟性、表面アクセシビリティ、抗原性及びβターン予測の5つのアルゴリズムを組み込んで、抗原決定基が少ない親水性領域を選出し、また、コラーゲンの配列特徴に基づき、合成すべき組換えヒト由来コラーゲンのアミノ酸配列を決定するステップ(3)と、を含む、ことを特徴とする付記1に記載の組換えヒトコラーゲンの構築方法。
(付記8)
前記I型ヒトコラーゲンは、配列番号がNP_000079.2であり、長さが1464個のアミノ酸である、ことを特徴とする付記7に記載の組換えヒトコラーゲンの構築方法。
(付記9)
ステップ(2)において選出された、抗原決定基が少ない領域は、I型ヒトコラーゲンにおける230位-400位の171個のアミノ酸である、ことを特徴とする付記8に記載の組換えヒトコラーゲンの構築方法。
(付記10)
ステップ(2)において、171個のアミノ酸である抗原決定基が少ない領域について、BitGeneオンライン抗原性、親水性、柔軟性、表面アクセシビリティ、βターンの5つの抗原エピトープ予測の標準方法で解析し、その抗原決定基を決定し、そして
抗原決定基が少なく且つ親水性が強いものを選出し、「グリシン-X-Yであって、X、Yはグリシン以外の任意のアミノ酸である」という配列規則性を示すコラーゲンの配列特徴に基づき、合成すべき組換えヒト由来コラーゲンのアミノ酸配列を決定する、ことを特徴とする付記9に記載の組換えヒトコラーゲンの構築方法。

Claims (10)

  1. アミノ酸配列がSEQ ID NO.1(GPAGARGNDGATGAAGPPGPTGPAGPPGFP)である、ことを特徴とする組換えヒトコラーゲン。
  2. 構造が1本鎖の単一らせん構造であり、コラーゲンの配列特徴である「グリシン-X-Y」を示し、X、Yがグリシン以外の任意のアミノ酸であり、全長が30個のアミノ酸であり、I型ヒトコラーゲンのペプチド断片である、ことを特徴とする請求項1に記載の組換えヒトコラーゲン。
  3. 分子量が2526.71Daであり、理論等電点が5.84である、ことを特徴とする請求項1に記載の組換えヒトコラーゲン。
  4. シグナルペプチド及び膜貫通構造ドメインのない親水性タンパク質である、ことを特徴とする請求項1に記載の組換えヒトコラーゲン。
  5. 抗原決定基が発見されなかった免疫原性の低いタンパク質である、ことを特徴とする請求項1に記載の組換えヒトコラーゲン。
  6. 不規則に絡まるコイル構造を形成できる、ことを特徴とする請求項1に記載の組換えヒトコラーゲン。
  7. NCBIデータベースからI型ヒトコラーゲンの配列を取得するステップ(1)と、
    抗原エピトープのオンライン予測ツールPredicted Antigenic PeptidesによりI型ヒトコラーゲンの抗原決定基を解析し、抗原決定基が少ない領域をスクリーニングして選出するステップ(2)と、
    選出された、抗原決定基が少ない領域について、BitGeneの抗原決定基オンライン予測により、親水性、柔軟性、表面アクセシビリティ、抗原性及びβターン予測の5つのアルゴリズムを組み込んで、抗原決定基が少ない親水性領域を選出し、また、コラーゲンの配列特徴に基づき、合成すべき組換えヒト由来コラーゲンのアミノ酸配列を決定するステップ(3)と、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の組換えヒトコラーゲンの構築方法。
  8. 前記I型ヒトコラーゲンは、配列番号がNP_000079.2であり、長さが1464個のアミノ酸である、ことを特徴とする請求項7に記載の組換えヒトコラーゲンの構築方法。
  9. ステップ(2)において選出された、抗原決定基が少ない領域は、I型ヒトコラーゲンにおける230位-400位の171個のアミノ酸である、ことを特徴とする請求項8に記載の組換えヒトコラーゲンの構築方法。
  10. ステップ(2)において、171個のアミノ酸である抗原決定基が少ない領域について、BitGeneオンライン抗原性、親水性、柔軟性、表面アクセシビリティ、βターンの5つの抗原エピトープ予測の標準方法で解析し、その抗原決定基を決定し、そして
    抗原決定基が少なく且つ親水性が強いものを選出し、「グリシン-X-Yであって、X、Yはグリシン以外の任意のアミノ酸である」という配列規則性を示すコラーゲンの配列特徴に基づき、合成すべき組換えヒト由来コラーゲンのアミノ酸配列を決定する、ことを特徴とする請求項9に記載の組換えヒトコラーゲンの構築方法。
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