JP2022531690A - 精神的健康のためのプロバイオティクス - Google Patents

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Abstract

本発明は、哺乳動物における、心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する心理的な及び/又は生理的な反応の緩和、並びに精神的に及び全体的に良好な状態の促進での使用のための、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)(以前はラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)として知られていた)種の細菌、及びラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌を含む組成物に関する。本発明は、さらに、哺乳動物における、精神的健康に影響を及ぼす症状の予防及び/又は処置、並びに精神的に及び全体的に良好な状態の促進での使用のための、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌、及びラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌を含む組成物に関する。本発明は、さらに、前記細菌及び/又は組成物の方法及び使用に関する。

Description

本発明は、哺乳動物における、心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する心理的な及び/又は生理的な反応の緩和、並びに精神的に及び全体的に良好な状態の促進での使用のためのラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)(以前はラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)として知られていた)種の細菌に関する。本発明はまた、哺乳動物における、精神的健康に影響を及ぼす症状の予防及び/又は処置、並びに精神的に及び全体的に良好な状態の促進での使用のためのラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌に関する。本発明は、さらに、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)を含む組成物、方法、及び組成物の使用(例えば、食品、栄養補助食品、及び薬学的に許容される製剤/組成物)に関する。
精神的健康及び全体的に良好な状態は、感情的に、心理的に、生理的に、身体的に、及び社会的に良好な状態と関連している。我々の精神的健康状態及び全体的に良好な状態は、ストレスにどう対処するかを決定し得る因子である。精神疾患は、個人の思考、感情、若しくは行動(又は3つ全て)を変化させ、且つ社会的活動、作業活動、又は家族活動において機能する個人の苦悩及び問題を引き起こす健康状態と定義され得る。精神疾患は、不安、気分、精神病、摂食行動、衝動制御及び嗜癖、人格、社交性、解離、強迫性、並びに外傷後ストレスと関連する広範囲の障害を包含する。それぞれの疾患は、個人の思考、感情、及び/又は行動を、独特の方法で変化させる。パーキンソン病、てんかん、及び多発性硬化症等の障害は、脳の障害であるが、精神疾患ではなくむしろ神経学的疾患であると考えられている。興味深いことに、精神疾患と、軽度認知障害、認知症、及びアルツハイマー病等の記憶障害を含む神経学的疾患との境界線は、明確には定義されていないが、エビデンスの増大により、現在では、精神疾患には、神経学的障害の発症の基礎となり得る脳の構造、化学、及び機能の変化が関連していることが示唆されている。例えば、神経認知障害と気分障害との関連は、大うつ病においては、認知障害が、認知症において観察される認知障害を模倣し得るように明確に確立されている(非特許文献1)。
ストレスは、行動適応から分子適応を範囲とする外部からの課題及び内部からの課題に対処するための個別プロセスである。ストレス適応では、視床下部下垂体副腎系(HPA)軸と、そのストレスホルモン放出とが主要な役割を果たす(D.H.Hellhammer et al.,2010;Mason,1968;Selye,1950)。HPA軸は、神経内分泌系の主要部分であり、視床下部、下垂体、及び副腎の間の相互作用の複雑なセットを表す。HPA軸は、多くのプロセス(例えば、エネルギーバランス、免疫系、及び気分)に関与し、ストレスに対する反応も制御する(Bateman,Singh,Kral,&Solomon,1989;Dallman&Hellhammer,2011;D.H.Hellhammer et al.,2010;D.H.Hellhammer&Wade,1993;Holsboer&Ising,2010;Nieuwenhuizen&Rutters,2008;Sapolsky,Romero,&Munck,2000;Tsigos&Chrousos,2002)。急性ストレス要因に反応して、ホルモンカスケードが活性化され、視床下部は、コルチコトロピン放出ホルモン(CRH)を分泌し、それにより、下垂体からの副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の放出が引き起こされる。次いで、ACTHは、副腎の皮質からのコルチゾールの放出を誘発する。コルチゾールは、炭水化物、脂質、及びタンパク質の代謝において重要な調節的役割を果たす。コルチゾールの異化作用により、エネルギーの放出が引き起こされ、加えて、コルチゾールは、免疫抑制特性及び抗炎症特性を有する(Sapolsky et al.,2000)。
未処置の慢性ストレスは、不安、睡眠障害、筋肉痛、高血圧、及び免疫系の弱体化等の深刻な健康状態を生じさせる可能性がある。研究により、ストレスが、心疾患、うつ病、及び肥満等の主要な疾患が発症する原因となる可能性があることが示されている。急性ストレス及び慢性ストレスの症状は、消化管において発現する可能性があり、消化管の機能に対して短期的作用及び長期的作用をそれぞれ引き起こす。ストレスに曝されると、腸脳軸内の変化が生じ、最終的には、炎症性腸疾患(IBD)、過敏性腸症候群(IBS)、及び他の機能性胃腸疾患、食品抗原関連性有害反応、消化性潰瘍、並びに胃食道逆流症(GERD)が挙げられる一連の広範な消化管障害の発症に至る。ストレスが腸生理学に及ぼす主要な作用として、下記が挙げられる:1)胃腸の運動性の変化;2)臓器感覚の高まり;3)消化管分泌の変化;4)腸透過性の増大;5)胃腸粘膜及び粘膜血流の再生能に及ぼす有害作用;並びに6)腸内微生物組成の変化(非特許文献2)。
精神疾患、並びに関連する神経認知の低下及び神経学的障害に関して、現在では、充実した健康的な生活のための積極的な精神的健康及び認知的健康を達成するための戦略が明確に強調されている。有害作用を伴わずに積極的な精神的健康を達成するために、栄養療法の需要が高まっている。精神的健康に影響を及ぼす精神疾患の症状を処置するための現行の医薬品には、悪心、食欲増進及び体重増加、疲労、並びに胃腸症状等の多数の不都合な副作用がある。栄養補助食品は、積極的な精神的健康を達成し、且つ精神疾患の症状及び関連する状態が進行するのを妨げる魅力的な手段を表し得る。
腸脳軸は、脳と腸との間に存在する双方向連絡を説明し、微生物叢-腸脳軸は、この連絡機構において、腸内マイクロバイオームが果たす役割を支持する。先で略述したように、精神的健康に影響を及ぼす精神疾患及び症状は、消化管障害と併発することによって、情動的且つルーチンの日常生活のストレスが、消化機能を混乱させる可能性があり、そしてその逆もあり得る。増えつつあるエビデンスは、腸微生物叢が、脳生理学、心理学的応答、そして最終的には行動に深遠な影響を発揮することを示す(非特許文献3)。新たなエビデンスは、プロバイオティクスが、中枢神経系の機能に影響を及ぼして、気分、心理学的症状、例えば不安及び抑うつ、並びに生理学、行動、及び脳機能のストレス関連性変化を調節し得ることを示唆している。
Rabins et al.Br J Psychiatry 1984;144:488-92 Konturek et al.J.Physiol Pharmacol.2011;62(6):591-9 Dinan et al.J.Psychiatr Res.2015;63:1-9
本発明の目的は、哺乳動物における、心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する心理的な及び/又は生理的な反応の緩和、並びに精神的に及び全体的に良好な状態の促進のための手段を提供することである。さらに、本発明の目的はまた、哺乳動物における、精神的健康に影響を及ぼす症状の予防及び/又は処置、並びに精神的に及び全体的に良好な状態の促進のための手段を提供することでもある。従って、本発明の目的は、個人の精神的に及び全体的に良好な状態を促進し得、維持し得、及び/又は回復させ得る手段を提供することである。
本発明は、本明細書で説明されている試験に基づいており、この試験から、驚くべきことに、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)が、心理社会的な及び/又は心理的なストレスの影響を顕著に緩和し得、精神的健康に影響を及ぼす症状を予防するか又は処置し得、並びに精神的に及び全体的に良好な状態を促進し得ることが実証されている。
従って、一態様では、本発明は、哺乳動物における、心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する心理的な及び/又は生理的な反応の緩和、並びに精神的に及び全体的に良好な状態の促進での使用のためのラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌を提供する。
別の態様では、本発明は、哺乳動物における、精神的健康に影響を及ぼす症状の予防及び/又は処置、並びに精神的に及び全体的に良好な状態の促進での使用のためのラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌を提供する。
さらなる態様では、本発明は、哺乳動物における、心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する心理的な及び/又は生理的な反応の緩和、並びに精神的に及び全体的に良好な状態の促進での使用のためのラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌を含む組成物を提供する。
別の態様では、本発明は、哺乳動物における、精神的健康に影響を及ぼす症状の予防及び/又は処置、並びに精神的に及び全体的に良好な状態の促進での使用のためのラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌を含む組成物を提供する。
さらなる態様では、本発明は、哺乳動物において、心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する心理的な及び/又は生理的な反応を緩和させ、且つ精神的に及び全体的に良好な状態を促進する方法であって、この哺乳動物に、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌を投与することを含む方法を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、哺乳動物において、精神的健康に影響を及ぼす症状を予防し及び/又は処置し、且つ精神的に及び全体的に良好な状態を促進する方法であって、この哺乳動物に、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌を投与することを含む方法を提供する。
さらなる態様では、本発明は、哺乳動物における、心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する心理的な及び/又は生理的な反応の緩和、並びに精神的に及び全体的に良好な状態の促進のための、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌の使用を提供する。
別の態様では、本発明は、哺乳動物における、精神的健康に影響を及ぼす症状の予防及び/又は処置、並びに精神的に及び全体的に良好な状態の促進のための、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌の使用を提供する。
実薬群での、1.75×1010コロニー形成単位のラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)Lpc-37による5週間の毎日の介入後の、及びプラセボ群と比較した、Trier社会的ストレス試験(Trier Social Stress Test)に反応した心拍数(1分当たりの拍動)(個々の時間窓の平均値±平均の標準誤差)。 実薬群での、1.75×1010コロニー形成単位のラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)Lpc-37による5週間の毎日の介入後の、及びプラセボ群と比較した、Trier社会的ストレス試験に反応した視覚アナログスケール-疲弊(%)(個々の時間窓の平均値±平均の標準誤差)。 実薬群での、1.75×1010コロニー形成単位のラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)Lpc-37による5週間の毎日の介入後の、及びプラセボ群と比較した、Trier社会的ストレス試験に反応した収縮期血圧(mmHg)(個々の時間窓の平均値±平均の標準誤差)。 実薬群での、1.75×1010コロニー形成単位のラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)Lpc-37による5週間の毎日の介入後の、及びプラセボ群と比較した、処置に反応した、知覚された(perceived)ストレス(知覚されたストレススケールスコア)(個々の時間窓の平均値±平均の標準誤差)。 実薬群での、1.75×1010コロニー形成単位のラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)Lpc-37による5週間の毎日の介入後の、及びプラセボ群と比較した、処置に反応した午後8時でのコルチゾール正規化(コルチゾール頻度;午後8時でのコルチゾール反応が正常な人の数)。 実薬群での、1.75×1010コロニー形成単位のラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)Lpc-37による5週間の毎日の介入後の、及びプラセボ群と比較した、処置に反応した拡張期血圧(mmHg)。 実薬群での、2週間の慣らし期間、及び1.75×1010コロニー形成単位のラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)Lpc-37による5週間の毎日の介入後の、並びにプラセボ群と比較した、試験期間(2~51日目)全体にわたる睡眠関連回復(個々の時間窓の平均値±平均の標準誤差)。 実薬群での、2週間の慣らし期間、及び1.75×1010コロニー形成単位のラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)Lpc-37による5週間の毎日の介入後の、並びにプラセボ群と比較した、試験期間(2~51日目)全体にわたる知覚された健康状態(個々の時間窓の平均値±平均の標準誤差)。 実薬群での、2週間の慣らし期間、及び1.75×1010コロニー形成単位のラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)Lpc-37による5週間の毎日の介入後の、並びにプラセボ群と比較した、試験期間(2~51日目)全体にわたる知覚された生産性(個々の時間窓の平均値±平均の標準誤差)。 CONSORTフローダイアグラム(CONSORT:試験報告の統合基準)
細菌
本発明の態様で使用される細菌は、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌である。一態様では、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)は、DGCC4981又はLbc81としても既知である菌株Lpc-37(以前はラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)Lpc-37として知られていた)である。菌株Lpc-37は、2017年10月5日に、寄託番号PTA4798でATCCに登録されており、且つ寄託番号DSM32661でDSMZ(ライプニッツ研究所DSMZ-ドイツ微生物細胞培養コレクション有限会社、Inhoffenstr.7BD-38124)に登録されている。
菌株Lpc-37の培養条件は、下記の通りである:滅菌前のpH:6.40;121℃での15分間の滅菌:滅菌後のpH:6.20;酸素関係:微好気性:インキュベーション温度:37℃;インキュベーション時間:18h:短期保存:-18℃;以降の間隔:5年。
菌株Lpc-37の長期保存の条件は、下記の通りである:増殖が視認できるまで37℃で17~18時間、MRSブロス中で増殖させ、新たな培地で1:1に希釈し、10%グリセロールを添加し;-80℃未満で(好ましくは液体窒素中で)凍結保存する。
第1の態様では、本発明は、哺乳動物における、心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する心理的な及び/又は生理的な反応の緩和、並びに精神的に及び全体的に良好な状態の促進での使用のためのラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌を提供する。
別の態様では、本発明は、哺乳動物における、精神的健康に影響を及ぼす症状の予防及び/又は処置、並びに精神的に及び全体的に良好な状態の促進での使用のためのラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌を提供する。
一態様では、心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する心理的反応は、知覚された疲弊である。
別の態様では、心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する生理的反応は、心拍数の増加、及び/又は唾液コルチゾール産生の増加、及び/又は血圧の上昇である。
さらなる態様では、精神的健康に影響を及ぼす症状は、唾液コルチゾール産生の増加、及び/又は血圧の上昇、及び/又は知覚されたストレスの増加、及び/又は知覚された不安の増加、及び/又は不眠の増加である。
さらなる態様では、記精神的健康に影響を及ぼす症状は、神経精神医学的状態の一因となり得る。
神経精神医学的状態として、変性疾患、例えば、痴呆、パーキンソン病、アルツハイマー病;気分障害、例えばうつ病;神経症性障害、例えば不安障害、並びに睡眠障害、例えば睡眠時無呼吸、睡眠発作、不眠症、及び睡眠時随伴症が挙げられる。
本発明によれば、精神的に及び全体的に良好な状態は、知覚された健康及び/又は知覚された生産性の改善により促進される。
本発明の一態様によれば、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌は、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種のプロバイオティクス、又はこの混合物である。
さらなる態様では、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌は、2017年10月5日に寄託番号DSM32661でDSMZに登録された菌株Lpc-37である。
ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)を、投与された宿主に肯定的な健康上の利点を発揮する能力を有する1種又は複数種の他の細菌種と組み合わせて使用し得る。
ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)を、この細菌が本明細書で説明されている作用を発揮し得るままであることを前提に、任意の形態(例えば、生菌、休眠細菌、不活化細菌、又は死細菌)で使用し得る。好ましくは、本発明の態様で使用されるラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)は、生存している。
好ましくは、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)、及び本発明の態様で使用される場合には他の細菌種は、ヒト及び/又は動物による摂取に適している。当業者は、食品産業及び/又は農産業で使用されており、且つヒト及び/又は動物による摂取に好適であると一般に考えられているラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の具体的な菌株及び他の細菌株を容易に思い付くであろう。
任意選択的に、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)、及び本発明の態様で使用される場合には他の細菌株は、プロバイオティクス細菌である。用語「プロバイオティクス細菌」は、生きたまま適切な量で宿主に投与された場合に、この宿主に健康上の利益を付与するあらゆる非病原性細菌を包含すると定義される。「プロバイオティクス」として分類されるためには、細菌は、宿主の消化管の上部の通過を生き残らなければならない。この細菌は、非病原性で非毒性であり、一方では消化管中の常在細菌叢との生態学的相互作用を介して、且つ他方では宿主の生理学及び免疫系に積極的な方法で影響を及ぼす能力を介して、健康に対して有益な作用を及ぼす。プロバイオティクス細菌は、宿主に十分な数で投与された場合には、生存性を維持し、宿主の消化管の内腔及び/又は壁内で主要な作用を発揮しながら、腸管を通過する能力を有する。次いで、プロバイオティクス細菌は、常在細菌叢の一部を一過性に形成し、このコロニー形成(又は一過性コロニー形成)により、プロバイオティクス細菌は、微生物叢中に存在する潜在的病原性微生物の抑制、及び免疫系を含む腸内での宿主との相互作用等の有益な作用を及ぼすことが可能となる。
組成物
用語「組成物」は、広い意味で、何かが構成される様式(即ち、その一般的な構造(makeup))を意味するために使用される。本発明の態様では、本組成物は、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)細菌の単一菌株(例えばATCC PTA 4798/DSM 32661)から本質的になり得る。
或いは、本組成物は、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)菌株を、他の成分(例えば、他の細菌株、生物学的成分及び化学的成分、有効成分、代謝産物、栄養素、繊維、プレバイオティクス等)と一緒に含み得る。
一態様では、本発明は、哺乳動物における、心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する心理的な及び/又は生理的な反応の緩和、並びに精神的に及び全体的に良好な状態の促進での使用のためのラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌を含む組成物を提供する。
別の態様では、本発明は、哺乳動物における、精神的健康に影響を及ぼす症状の予防及び/又は処置、並びに精神的に及び全体的に良好な状態の促進での使用のためのラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌を含む組成物を提供する。
心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する心理的反応は、知覚された疲弊である。
別の態様では、心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する生理的反応は、心拍数の増加、及び/又は唾液コルチゾール産生の増加、及び/又は血圧の上昇である。
精神的健康に影響を及ぼす症状は、唾液コルチゾール産生の増加、及び/又は血圧の上昇、及び/又は知覚されたストレスの増加、及び/又は知覚された不安の増加、及び/又は不眠の増加である。
一態様では、精神的健康に影響を及ぼす症状は、神経精神医学的状態の一因となり得る。神経精神医学的状態として、変性疾患、例えば、痴呆、パーキンソン病、アルツハイマー病;気分障害、例えばうつ病;神経症性障害、例えば不安障害、並びに睡眠障害、例えば睡眠時無呼吸、睡眠発作、不眠症、及び睡眠時随伴症が挙げられる。
さらなる態様では、精神的に及び全体的に良好な状態は、知覚された健康及び/又は知覚された生産性の改善により促進される。
別の態様では、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌は、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種のプロバイオティクス、又はこの混合物である。
本発明の一態様では、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌は、2017年10月5日に寄託番号DSM32661でDSMZに登録された菌株Lpc-37である。
本発明の一態様では、本記組成物は、食品、栄養補助食品、又は薬学的に許容される組成物の形態である。
本発明の一態様によれば、本組成物は、スプレー乾燥されたか又は凍結乾燥された組成物である。
本発明の別の態様によれば、本組成物は、凍結防止剤を含む。
本発明のさらなる態様では、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌は、本組成物中に、1回の用量当たり10~1012(例えば10~1012)コロニー形成単位(CFU)の量で存在し、任意選択的に、1回の用量当たり1010CFUの量で存在する。
本組成物が任意の支持体、希釈剤、又は賦形剤を含むことは必要条件ではないが、そのような支持体、希釈剤、又は賦形剤を、当業者であれば習熟している方法で添加して使用し得る。好適な賦形剤の例として、微結晶セルロース、イネマルトデキストリン、二酸化ケイ素、及びステアリン酸マグネシウムが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組成物は、凍結防止成分(例えば、グルコース、スクロース、ラクトース、トレハロース、アスコルビン酸ナトリウム、及び/又は他の好適な凍結防止剤)も含み得る。
用語「組成物」及び「製剤」は、互換的に使用され得る。
本発明の態様で使用される組成物は、固体調製物、液体調製物、溶液調製物、又は懸濁液調製物の形態を取り得る。固体調製物の例として下記が挙げられるが、これらに限定されない:湿潤性であってもよいし、噴霧乾燥されていてもよいし、又はフリーズドライ/凍結乾燥されていてもよい錠剤、ピル、カプセル、顆粒、及び粉末。この組成物は、賦香剤又は着色剤を含み得る。この組成物を、即効型、遅延放出型、放出調節型、持続放出型、パルス放出型、又は制御放出型用途用に製剤化し得る。
一例として、本発明の組成物が錠剤形態で使用される場合には、この錠剤は、下記の内の1つ又は複数も含み得る:賦形剤、例えば、微結晶セルロース、ラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、及びグリシン;崩壊剤、例えば、デンプン(好ましくは、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、又はタピオカデンプン)、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、及びある特定の複合シリケート;顆粒形成バインダ、例えば、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、スクロース、ゼラチン、及びアラビアゴム;潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリル、及びタルクが挙げられ得る。
組成物の調製での使用のための他の許容される担体の例として、下記が挙げられる:例えば、水、塩溶液、アルコール、シリコーン、ワックス、ワセリン、植物油、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、リポソーム、糖、ゼラチン、ラクトース、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、界面活性剤、ケイ酸、粘性パラフィン、香油、脂肪酸モノグリセリド、及びジグリセリド、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、並びに同類のもの。
水性懸濁剤及び/又はエリキシル剤の場合には、本発明の組成物を、様々な甘味剤又は香味剤、着色物質又は染料、乳化剤及び/又は懸濁化剤、希釈剤(例えば、水、プロピレングリコール、及びグリセリン)、並びにこれらの組み合わせと組み合わせ得る。
本発明の態様で使用され得る組成物の具体的で非限定的な例を、例示目的で下記に記載する。この例として、食品、機能性食品、栄養補助食品、医薬組成物、及び薬剤が挙げられるが、これらに限定されない。
栄養補助食品
本発明の組成物は、栄養補助食品の形態を取り得るか、又はこの組成物自体が、本明細書では食品補助剤とも称される栄養補助食品と組み合わせて使用され得る。
用語「栄養補助食品」は、本明細書で使用される場合、食事に栄養価又は健康上の利点を加える(栄養補給する)ことが意図された「食物成分」を含む、摂取を意図した製品を指す。「食物成分」として、下記の物質の内の1つ又は任意の組み合わせが挙げられ得る(しかしながら、これらに限定されない):細菌、プロバイオティクス(例えばプロバイオティクス細菌)、ビタミン、ミネラル、ハーブ若しくは他の植物性薬品、アミノ酸、総食事摂取量を増大させることにより食事を補給するように人々に使用される食事物質、濃縮物、代謝物質、構成成分、又は抽出物。
栄養補助食品は、錠剤、カプセル、軟質ゲル、ゲルキャップ、液体、又は粉末等の多くの形態で見出され得る。栄養補助食品の中には、必須栄養素の食事からの十分な摂取を確実にするのに役立つものもあれば、疾患のリスクを低減させるのに役立つものもあり得る。
食品
本発明の組成物は、食品の形態を取り得る。本明細書では、用語「食品」は、広い意味で使用され、ヒト用の食品及び飲料、並びに動物用の食品及び飲料(即ち、飼料)を包含する。好ましくは、食品は、ヒトが摂取するのに好適であり、且つヒトが摂取するために設計されている。
食品は、使用、及び/又は適用方法、及び/又は投与方法に応じて、液体、固体、又は懸濁液の形態であり得る。
食品の形態である場合、本組成物は、下記の内の1つ又は複数を含んでもよいし、下記の内の1つ又は複数と組み合わされて使用されてもよい:栄養学的に許容される担体、栄養学的に許容される希釈剤、栄養学的に許容される賦形剤、栄養学的に許容されるアジュバント、栄養学的に有効な成分。
一例として、本発明の組成物は、下記の内の1つの形態を取り得る。
果汁;ホエイプロテインを含む飲料:健康茶若しくはハーブティー、ココア飲料、乳飲料、乳酸菌飲料、ヨーグルト、及び/若しくはドリンクヨーグルト、チーズ、アイスクリーム、水氷、デザート、菓子類、ビスケット、ケーキ、ケーキミックス若しくはケーキフィリング、スナック食品、フルーツフィリング、ケーキ若しくはドーナツアイシング、インスタントのパン用フィリングクリーム、クッキー用フィリング、既製のパン用フィリング、低カロリーフィリング、成人用栄養飲料、酸性化大豆/果汁飲料、栄養バー若しくはヘルスバー、飲料粉末、カルシウム強化豆乳、又はカルシウム強化珈琲飲料。
任意選択的に、本製品が食品である場合には、細菌ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)は、この食品が小売業者により販売のために提供される通常の「販売期限」又は「期限切れ」日まで有効なままでなければならない。好ましくは、有効期間は、そのような期日を越えて、食物の損傷が明らかになる通常の鮮度保持期間の終わりまで、延びるはずである。所望の期間の長さ及び通常の保存可能期間は、食材によって変わることとなり、当業者であれば、保存可能時間が食材の種類、食材のサイズ、貯蔵温度、加工条件、包装材料、及び包装設備によって変わることとなることを認識しているであろう。
食品成分
本発明の組成物は、食品成分及び/又は飼料成分の形態を取り得る。
本明細書で使用される場合、用語「食品成分」又は「飼料成分」は、ヒト及び動物のための栄養補助食品及び/又は健康補助食品としての機能性の食品又は食材であるか又はこの補助食品として機能性の食品又は食材に添加され得る組成物を含む。
この食品成分は、使用、及び/又は適用方法、及び/又は投与方法に応じて、溶液、懸濁液、又は固体の形態であり得る。
機能性食品
本発明の組成物は、機能性食品の形態を取り得る。
本明細書で使用される場合、用語「機能性食品」は、栄養学的作用をもたらし得るだけでなく消費者にさらなる有益な作用を届けることも可能な食品を意味する。
従って、機能性食品は、純粋な栄養学的作用以外の特定の機能(例えば医学的又は生理学的な利益)を食品に付与する構成成分又は成分(例えば、本明細書で説明されているもの)が組み込まれている、普通の食品である。
機能性食品の法的な定義は存在しないが、この分野に利害関係のある団体の大部分は、機能性食品が基本的な栄養学的作用を超えて特定の健康作用を有するものとして市販されている食品であることに同意している。
一部の機能性食品は、栄養補給食品である。ここで、用語「栄養補給食品」は、栄養学的作用及び/又は味覚の満足感をもたらし得るだけでなく消費者に治療上の(又は他の有益な)作用を届けることも可能な食品を意味する。栄養補給食品は、食品と医薬品との間の伝統的な境界線を越える。
医療食品
本発明の組成物は、医療食品の形態を取り得る。
「医療食品」とは、医師の監督下又は無監督下で摂取されるか又は投与されるように処方され、認識された科学的原理に基づく独特の栄養要求が医学的評価により確立された、特定の食事の管理又は状態を意図した食品を意味する。
医薬組成物
本発明の組成物は、医薬品として使用され得るか、又は医薬品の調製で使用され得る。本明細書では、用語「医薬品」は、広い意味で使用され、ヒト用医薬品及び動物用(即ち、獣医用途)医薬品を包含する。好ましい態様では、医薬品は、ヒトにおいて使用するためである。
医薬品は、治療目的のものであり得、事実上、治癒的、対症的、又は予防的であり得る。
医薬品は、圧縮錠剤、錠剤、カプセル剤、軟膏剤、坐剤、又は飲用溶液の形態であり得る。
医薬品として使用されるか又は医薬品の調製で使用される場合には、本発明の組成物は、下記の内の1つ又は複数と組み合わせて使用され得る:薬学的に許容される担体、薬学的に許容される希釈剤、薬学的に許容される賦形剤、薬学的に許容されるアジュバント、薬学的に有効な成分。
この医薬品は、使用、及び/又は適用方法、及び/又は投与方法に応じて、液体の形態であり得るか、又は固体としての形態であり得る。
本発明で使用されるラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)は、それ自体が、薬学的に有効な成分を構成し得る。一実施形態では、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)は、唯一の有効成分を構成する。或いは、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)は、多数(即ち、2種以上)の薬学的に有効な成分の内の少なくとも1つであり得る。
薬剤
本発明の組成物は、薬剤の形態を取り得る。
用語「薬剤」は、本明細書で使用される場合、ヒト及び動物の医療においてヒト及び動物の両方に利用される薬剤を包含する。加えて、用語「薬剤」は、本明細書で使用される場合、治療的作用、予防的作用、及び/又は有益な作用をもたらすあらゆる物質を意味する。用語「薬剤」は、本明細書で使用される場合、販売承認を必要とする物質に必ずしも限定されず、化粧品、栄養補給食品、食品(例えば、飼料及び飲料が挙げられる)、プロバイオティクス培養物、並びに生薬で使用され得る物質が挙げられ得る。加えて、用語「薬剤」は、本明細書で使用される場合、動物飼料(例えば、家畜飼料及び/又はペットフード)に組み込まれるように設計された製品を包含する。
投薬量
本発明の組成物は、1回の用量当たりか又は組成物1グラム当たり10~1012CFUのラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)細菌を含み得、より具体的には、1回の用量当たりか又は組成物1グラム当たり10~1012CFUのラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)細菌を含み得る。任意選択的に、この組成物は、1回の用量当たりか又は組成物1グラム当たり約1010CFUのラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)を含む。
ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)を、1回の用量当たり約10~約1012CFUの細菌(好ましくは1回の用量当たり約10~約1012CFUの細菌)の投薬量で投与し得る。用語「1回の用量当たり」とは、この数の細菌が、1日当たりか又は1回の摂取当たりのいずれか(好ましくは1日当たり)で対象に与えられることを意味する。例えば、細菌が食品(例えば、ヨーグルト)で投与される場合には、このヨーグルトは、約10~約1012CFUのラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)を含み得る。しかしながら、或いは、細菌のこの数は、任意の特定の時間(例えば各24時間の期間)中に対象が摂取するラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の総量が約10~約1012CFUの細菌(任意選択的に10~約1012CFUの細菌)である限り、それぞれがより少量の微生物負荷からなる複数回投与に分割され得る。
本発明によれば、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の少なくとも1種の菌株の有効量は、少なくとも10CFUの細菌/用量であり得、任意選択的に、約10~約1012CFUの細菌/用量であり得、例えば、約1010CFUの細菌/用量であり得る。
一実施形態では、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)(例えば、ATCC PTA-4798/DSM32661)を、約10~約1012CFUの細菌/日の投薬量で投与し得、任意選択的に、約10~約1012CFUの細菌/日の投薬量で投与し得る。従って、この実施形態での有効量は、約10~約1012CFUの細菌/日であり得、任意選択的に、約10~約1012CFUの細菌/日であり得る。
作用/対象/医学的適応
本発明の細菌及び/又は組成物を、哺乳動物(例えば、家畜(ウシ、ウマ、ブタ、及びヒツジが挙げられる)並びにヒト)への投与に使用し得る。本発明のいくつかの実施形態では、この哺乳動物は、例えば、イヌ又はネコ等の伴侶動物(ペットが挙げられる)である。好ましい実施形態では、この細菌及び組成物は、ヒトで使用される。
本発明の細菌及び/又は組成物を、心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する心理的な及び/又は生理的な反応の緩和、並びに精神的に及び全体的に良好な状態の促進に使用し得る。
さらに、本発明の細菌及び/又は組成物を、精神的健康に影響を及ぼす症状の予防及び/又は処置、並びに精神的に及び全体的に良好な状態の促進に使用し得る。
用語「精神疾患」は、個人の思考、感情、若しくは行動(又は3つ全て)を変化させ、且つ社会的活動、作業活動、又は家族活動において機能する個人の苦悩及び問題を引き起こす健康状態と定義され得る。精神疾患は、不安、気分、精神病、睡眠、摂食行動、衝動制御及び嗜癖、人格、社交性、解離、強迫性、並びに外傷後ストレスと関連する広範囲の障害を包含する。それぞれの疾患は、個人の思考、感情、及び/又は行動を、独特の方法で変化させる。本明細書で使用される場合、精神疾患として、精神疾患の原因若しくは症状であり得るか又はヒトが発症する機会を増大させ得る状態であり得る神経学的障害及び精神疾患に関連する状態も挙げられる。
対照的に、精神的健康は、心理的に良好な状態のレベルであるか、又は精神新患がない。
不安と関連する障害は、「精神疾患」の下に分類される。用語「不安障害」は、極度の恐怖又は心配を包含し、且つ全身性不安障害(GAD)、パニック障害及びパニック発作、広場恐怖症、社会不安障害、場面緘黙、分離不安、並びに特定恐怖症が挙げられる特定の精神疾患を指す。強迫性障害(OCD)及び外傷後ストレス障害(PTSD)は、同時に抑うつとして経験する場合がある不安障害と密接に関連する。GADは、日毎に個人が経験する通常レベルを超える不安を表し、慢性的不安及び緊張を特徴とする。本発明の組成物を使用して、認識される不安障害、そしてより一般的には不安の症状を処置し得、及び/又は予防し得る。
本明細書で使用される場合、精神疾患として、関連する神経学的障害(例えば、記憶障害、軽度認知障害、認知症、及びアルツハイマー病)も挙げられる。認知は、思考、記憶、知覚、動機、巧みな運動、及び言語が挙げられる特定の情報の比較的高いレベルの処理を意味する。認知障害は、「以前の機能レベルからの顕著な低下を表す認知又は記憶の有意な損傷」を伴う認知障害であると定義されている(Guerrero,Anthony(2008).Problem-Based Behavioural Science of Medicine.New York:Springer.pp.367-79)。認知障害は、下記の3つの主要領域に分類され得る:(1)状況認識及び新しい情報の処理に影響を及ぼす障害であるせん妄;(2)個人の記憶の全て又は一部を抹消し得る障害である認知症;並びに(3)罹患した個人が長期記憶を維持する不具合がある障害である記憶喪失。
本発明の一態様では、心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する心理的反応は、知覚された疲弊である。
本発明の別の態様では、心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する生理的反応は、心拍数の増加、及び/又は唾液コルチゾール産生の増加、及び/又は血圧の上昇である。
精神的健康に影響を及ぼす症状は、唾液コルチゾール産生の増加、及び/又は血圧の上昇、及び/又は知覚されたストレスの増加、及び/又は知覚された不安の増加、及び/又は不眠の増加である。
精神的健康に影響を及ぼす症状は、神経精神医学的状態又は精神疾患の一因となり得る。神経精神医学的状態として、変性疾患、例えば、痴呆、パーキンソン病、アルツハイマー病;気分障害、例えばうつ病;神経症性障害、例えば不安障害、並びに睡眠障害、例えば睡眠時無呼吸、睡眠発作、不眠症、及び睡眠時随伴症が挙げられる。
精神的に及び全体的に良好な状態は、知覚された健康及び/又は知覚された生産性の改善により促進される。
精神的健康に影響を及ぼす他の症状として、下記が挙げられる:悲しくなる、若しくは落ち込む、混乱した思考、若しくは集中力の低下、過度の恐怖若しくは心配、又は極度の罪悪感、高かったり低かったりの極端な情緒の変化、友人及び活動からの離脱、現実逃避、パラノイア若しくは幻覚、日々の問題若しくはストレスに立ち向かう力がないこと、トラブルについての理解、並びに状況及び人々との関連、アルコール若しくは薬物の乱用、食習慣における大きな変化、性衝動変化、過度の怒り、敵意若しくは暴力、並びに自殺念慮。
精神疾患、及び精神的健康に影響を及ぼす症状はまた、個人の認知機能に影響を及ぼす状態も包含する。そのような状態は、様々な認知障害を含み得るか、又は様々な認知障害と重複し得る。例として、失認、記憶喪失、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、及び脳の機能に悪影響を及ぼすことが示されている慢性ストレスが挙げられるが、これらに限定されない。
極度の急性ストレス及び慢性ストレスは、身体的健康及び精神的健康の両方に悪影響を及ぼして、精神疾患を発症するリスクを増大させる可能性がある。例えば、慢性ストレスは、気分障害、不安障害、及び抑うつの発症と関連付けられてきた。本発明の組成物を使用して、慢性ストレス又は急性ストレスに由来する精神疾患、又は精神的健康に影響を及ぼす症状を予防し得、及び/又は処置し得る。
本発明の方法、使用、及び他の実施形態
一態様では、本発明は、哺乳動物における、心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する心理的な及び/又は生理的な反応を緩和させ、並びに精神的に及び全体的に良好な状態を促進する方法であって、この哺乳動物に、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌を投与することを含む方法を提供する。
別の態様では、本発明は、哺乳動物において、精神的健康に影響を及ぼす症状を予防し及び/又は処置し、且つ精神的に及び全体的に良好な状態を促進する方法であって、この哺乳動物に、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌を投与することを含む方法を提供する。
さらなる態様では、本発明は、哺乳動物における、心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する心理的な及び/又は生理的な反応の緩和、並びに精神的に及び全体的に良好な状態の促進のための、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌の使用を提供する。
さらなる態様では、本発明は、哺乳動物における、精神的健康に影響を及ぼす症状の予防及び/又は処置、並びに精神的に及び全体的に良好な状態の促進のための、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌の使用を提供する。
誤解を避けるために、本発明で説明されている細菌及び組成物のいずれかを、本発明の方法及び使用の態様で利用し得る。例えば、さらなる実施形態として、下記に記載するものが挙げられるが、これらに限定されない。
実施形態1:哺乳動物における、心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する心理的な及び/又は生理的な反応を緩和させ、並びに精神的に及び全体的に良好な状態を促進する方法であって、哺乳動物に、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌を投与することを含む方法。
実施形態2:哺乳動物において、精神的健康に影響を及ぼす症状を予防し及び/又は処置し、且つ精神的に及び全体的に良好な状態を促進する方法であって、前記哺乳動物に、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌を投与することを含む方法。
実施形態3:前記心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する心理的反応は、知覚された疲弊である、実施形態1に記載の方法。
実施形態4:前記心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する生理的反応は、心拍数の増加、及び/又は唾液コルチゾール産生の増加、及び/又は血圧の上昇である、実施形態1に記載の方法。
実施形態5:前記精神的健康に影響を及ぼす症状は、唾液コルチゾール産生の増加、及び/又は血圧の上昇、及び/又は知覚されたストレスの増加、及び/又は知覚された不安の増加、及び/又は不眠の増加である、実施形態2に記載の方法。
実施形態6:前記精神的健康に影響を及ぼす症状は、神経精神医学的状態の一因となり得る、実施形態2に記載の方法。
実施形態7:前記神経精神医学的状態として、変性疾患、例えば、痴呆、パーキンソン病、アルツハイマー病;気分障害、例えばうつ病;神経症性障害、例えば不安障害、並びに睡眠障害、例えば睡眠時無呼吸、睡眠発作、不眠症、及び睡眠時随伴症が挙げられる、実施形態6に記載の方法。
実施形態8:前記精神的に及び全体的に良好な状態は、知覚された健康及び/又は知覚された生産性の改善により促進される、実施形態1又は2に記載の方法。
実施形態9:前記ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌は、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種のプロバイオティクス、又はこの混合物である、実施形態1又は2に記載の方法。
実施形態10:前記ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌は、2017年10月5日に寄託番号DSM32661でDSMZに登録された菌株Lpc-37である、実施形態1~9のいずれか一つに記載の方法。
実施形態11:哺乳動物における、心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する心理的な及び/又は生理的な反応の緩和、並びに精神的に及び全体的に良好な状態の促進のための、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌の使用。
実施形態12:哺乳動物における、精神的健康に影響を及ぼす症状の予防及び/又は処置、並びに精神的に及び全体的に良好な状態の促進のための、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌の使用。
実施形態13:前記心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する心理的反応は、知覚された疲弊である、実施形態11に記載の使用。
実施形態14:前記心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する生理的反応は、心拍数の増加、及び/又は唾液コルチゾール産生の増加、及び/又は血圧の上昇である、実施形態11に記載の使用。
実施形態15:前記精神的健康に影響を及ぼす症状は、唾液コルチゾール産生の増加、及び/又は血圧の上昇、及び/又は知覚されたストレスの増加、及び/又は知覚された不安の増加、及び/又は不眠の増加である、実施形態12に記載の使用。
実施形態16:前記精神的健康に影響を及ぼす症状は、神経精神医学的状態の一因となり得る、実施形態12に記載の使用。
実施形態17:前記神経精神医学的状態として、変性疾患、例えば、痴呆、パーキンソン病、アルツハイマー病;気分障害、例えばうつ病;神経症性障害、例えば不安障害、並びに睡眠障害、例えば睡眠時無呼吸、睡眠発作、不眠症、及び睡眠時随伴症が挙げられる、実施形態12に記載の使用。
実施形態18:前記精神的に及び全体的に良好な状態は、知覚された健康及び/又は知覚された生産性の改善により促進される、実施形態1又は2に記載の使用。
実施形態19:前記ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌は、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種のプロバイオティクス、又はこの混合物である、実施形態1又は2に記載の使用。
実施形態20:前記ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌は、2017年10月5日に寄託番号DSM32661でDSMZに登録された菌株Lpc-37である、実施形態1又は19のいずれか一つに記載の使用。
下記の実施例は、本発明の具体的な実施形態及び態様を実証し且つさらに例示するために提供されるものであり、本発明の範囲を限定すると解釈されてはならない。
試験の理論的根拠
この臨床試験の目的は、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種由来の細菌(Lpc-37)が、Trier社会的ストレス試験(TSST)に曝された健康な男女の参加者が経験するストレスを調節し得るかどうかを決定することであった。この無作為化二重盲検プラセボ対照並行群臨床試験を、TSST(心理社会的な及び/又は心理的なストレス)に反応した、主要成績としての心拍数(HR)の増加の有意な調節を検出するために、統計学的に強化した。参加者に、ストレス、不安、主観的感情、及び睡眠に関する自己報告一覧表を作成させて、他の心理的結果及び生理的結果へのプロバイオティクス補給の潜在的な影響を確認した。概念実証試験として設計されたが、この試験の結果は、選択された試験設計が、プロバイオティクスのストレス関連効果を発見するのに適していることを示している。
試験設計
全体的な試験設計及び計画
この試験は、知覚されたストレス反応及び生理的ストレス反応を誘発する課題としてTSSTを使用する2アーム二重盲検無作為化プラセボ対照臨床試験であった。
試験集団は、18~45歳の健康な男女の成人を含んだ(包括的)。合計120例の参加者を募集し、慢性ストレス(慢性ストレスに関するTrier一覧表(TICS)質問票の慢性ストレスサブスケールの年齢関連中央値スコア未満又はこのスコア超)及び性別に関して層別化した後、2つの処置群(実薬又はプラセボ)の内の1つに無作為に割り当てた。慢性ストレススコアが13以下である参加者を、低慢性ストレスサブグループに層別化し、慢性ストレススコアが≧14である参加者を、高慢性ストレスサブグループに層別化した。
60例の参加者を実薬群に割り当て、5週間にわたり毎日、1.75×1010CFUでラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)Lpc-37を含むカプセルを投与した。60例の参加者をプラセボ群に割り当て、5週間にわたり毎日、同等のプラセボを含む同一形状のカプセルを投与した。
この試験を、Declaration of Helsinkiの2008年及び2013年の最終改訂、International Conference on Harmonization guidelines for Good Clinical Practiceとしても既知であるEuropean Medicines Agency Note for Guidance on Good Clinical Practice(CPMP/ICH/135/95-in operation 17.01.1997)、並びに独国での臨床試験に関する法律及び規則に完全に従って実行した。
試験訪問を、スクリーニング訪問(V1)、ベースライン訪問(V2)、及び実薬処置又はプラセボ処置のいずれかでの5週間の介入後である処置後訪問(V3)と定義した。
Figure 2022531690000002
Figure 2022531690000003
試験集団の選択
組み入れ基準:
この試験に参加するためには、参加者は、下記の組み入れ基準の全てを満たさなければならなかった。
- この試験に参加することに対する自発的で書面によるインフォームドコンセント
- 18~45歳の男性又は女性(包括的)
- 肥満度指数(BMI)18.5~29.9kg/m2
- ベースライン時の健康診断で、治験責任医師が健康であると判断した人
- (治験責任医師の見解での)参加者の、起こり得るリスク及び副作用を含む試験の完全な性質及び目的を理解する能力
- プロトコル及び試験の制限事項を遵守することに対する同意
- 全ての試験訪問が可能であること
- 妊娠の可能性がある女性は、尿妊娠検査が陰性であり且つ避妊具を使用することが必要
- インターネットの容易なアクセス
除外基準:
下記の除外基準の内のいずれかに該当すると、この試験には参加できなかった。
- 1つ又は複数のDSM-IV軸1(現在認められている全てのメンタルヘルス障害を含む、American Psychiatric Associationにより発行されたマニュアルであるDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders、第4版)障害(例えば、限定されないが、現在の大うつ病、不安障害、双極スペクトラム障害、又は統合失調症)の自己申告診断
- 重大な急性の又は慢性の合併症(心血管、消化管(IBS、炎症性腸疾患(IBD))、免疫学的、代謝学的、神経発達学的、又は治験責任医師の判断で試験への参加が禁忌とされているあらゆる状態)を有する
- 現在(スクリーニング日以降)又は過去(スクリーニング前の最後4週間)に、向精神薬(抗不安薬、鎮静薬、催眠薬、抗精神病薬、抗うつ薬、抗けいれん薬、中枢作用性副腎皮質ステロイド、オピオイド鎮痛剤)を服用している
- 現在(スクリーニング当日以降)、治験責任医師が、本試験の目的を妨げるか、安全上のリスクをもたらすか、又は試験結果の解釈を混乱させると判断している薬剤又は栄養補助食品(例えば、メラトニン、オメガ3系栄養補助食品、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)、市販の(OTC)睡眠薬(鎮静剤、催眠剤、又は抗うつ剤に分類されない)、抗凝固剤、プロトンポンプ阻害剤、抗ヒスタミン剤、プソイドエフェドリン、コルチゾン、β遮断薬)を服用している
- 最近(スクリーニング前の最後の4週間以内)又は介入期間中に継続している抗生物質治療
- スクリーニングの2週間以内及び介入期間全体にわたる、提供された試験製品以外のプロバイオティクス及び/又はプレバイオティクスの濃縮源(例えば、プロバイオティクス/プレバイオティクスの錠剤、カプセル、液滴、又は粉末)の毎日の摂取
- 妊娠中若しくは授乳中の女性、又は介入期間中に妊娠が予定されている女性
- ドイツ語が堪能ではない
- 失読症を有するという自己報告
- アルコール、薬物、又は医薬品の乱用歴
- スクリーニング前の3週間にわたり及び介入期間中に違法薬物(例えば、大麻及びコカイン)の使用者との自己申告
- 治験薬(IP)中のあらゆる物質に対する禁忌
- 高血圧(収縮期≧140mmHg、拡張期≧90mmHg)
- 処置されており且つ制御下にあること(3ヶ月超にわたり安定)を除く既知の甲状腺機能亢進症又は甲状腺機能低下症
- TSSTに過去に参加していた者
- 喫煙>5本のシガレット/日
- スポンサー又はCROの従業員
- スクリーニングから60日以内及び介入期間中での、あらゆる治験薬による別の試験への参加
- 治験責任医師が、参加者が非協力的及び/又は非従順であり得、従って試験に参加すべきではないと判断している
- 行政又は法的な監督下の参加者
参加者を処置群に割り当てる方法
電話インタビューでの最初の接触時に、全ての個体に、S001から始まる連続スクリーニング番号を付与した。V1での登録前にインフォームドコンセントを得、その後、参加者を、個別の無作為化番号で識別した。登録された個体を、性別と、TICSで測定した現在のストレスレベルとに基づいて層別化した。慢性ストレススコアが13以下である参加者を、低慢性ストレスサブグループに層別化し、慢性ストレススコアが≧14である参加者を、高慢性ストレスサブグループに層別化した。層別化は、年齢関係集団の中央値スコアに基づいた(Schulz P,Schlotz W,Becker P.Trierer Inventar zum chronischen Stress:TICS:Hogrefe,2004;Schulz P,Schlotz W.Trierer Inventar zur Erfassung von chronischem Sre(TICS):Skalenkonstruktion,teststatistische Ueberpruefung und Validierung der Skala Arbeitsueberlastung.Diagnostica,1999)。参加者を、試験マネージャーより順次登録し、次に、自由な無作為化番号に割り当てた。無作為化後に試験から脱落した参加者は、試験プロトコル通りに交代しなかった(図10)。
治験薬
N=120の総試験集団の内、N=60の参加者を、実薬群に無作為に割り当てた。V1で実薬群に割り当てられた1例の参加者が、慣らし期間中に脱落し、従ってN=59の参加者が介入を開始し、5週間にわたり毎日、1.75×1010CFUのラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)Lpc-37、微結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、及び二酸化ケイ素が入ったカプセルを投与した。
他のN=60の参加者を、プラセボ群に無作為に割り当てた。V1でプラセボ群に割り当てられた1例の参加者が、慣らし期間中に脱落し、従ってN=59の参加者が介入を開始し、5週間にわたり毎日、微結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、及び二酸化ケイ素が入った同一形状のカプセルを投与した(同等のプラセボ)。
実薬及びプラセボのIPは、外観及び味が同一であった。IPを、5週間にわたり1日1回服用した。IPを、5週間分の供給量、及びカプセルの置き違いの場合のいくつかの余分なカプセルで、V2にて各参加者に提供した。参加者に、毎朝、朝食又はその日の最初の食事の少なくとも30分前に、1カプセルのIPをグラス1杯の普通の(炭酸ではない)水で服用するように指示した。参加者を、毎朝、オンラインダイアリで試験プロトコルの全般的な遵守に関して調査し、返却された残余のカプセルをV3で試験担当者が計数して、IP服用の遵守を算出した。
盲検手順
IPのパッケージング及びラベリングのために、非盲検無作為化リストを、4Pharma Oy Ltd.によりDuPont Nutrition and Health,Danisco Madison Centerに送った。DuPont Nutrition and Health Madison Centerは、個別の盲検封筒と共にIPをdaacro GmbH&Co.KGに送達した。4Pharmaは、DuPont Nutrition and Healthからの指示に従って、盲検データレビューが完了した後に、第1の主要処置コードを、daacro GmbH&Co.KGで統計学者に提供した。データ解析及びClinical Study Report(CSR)の完了後に、第2の主要処置コードを、daacro GmbH&Co.KGで統計学者に提供した。
自己報告スケール
全ての訪問時に、参加者は、いくつかの自己報告スケールを完了した。各自己報告スケールを完了させる方法についての指示を、試験訪問中に試験チームが説明した。
慢性ストレスに関するTrier一覧表(TICS;Schulz,Schlotz,&Becker,2004)
この質問票は、57個の項目で構成された。ストレス慢性化を、過去3ヶ月以内に遡及的に知覚されたストレス事象の頻度により測定した。回答を、5段階評定スケール(0は「決してない」に類似し、4は「非常に頻繁」に類似する)で得た。分析のために、質問表の項目を、下記の10個のスケールに割り当てた:仕事の過負荷、社会的過負荷、成功しなければならいというプレッシャー、仕事への不満、仕事での過剰な要求、社会的認知の欠如、社会的ストレス、社会的孤立、及び慢性的な心配(最後のスケールは、慢性ストレスのスクリーニングスケールを表す)。
全ての項目の合計スコアを累積することは、推奨されない。慢性ストレスを評価するために、5つのスケール(慢性的な心配、仕事の及び社会的な過負荷、過剰な要求、並びに受け入れられないこと)からの12個の項目でのスコアを含む慢性ストレスのスクリーニングスケールを提供した。スコアを、スケール特有の質問表項目の値を合計することにより得た。それぞれのスコア範囲は下記の通りである:仕事の過負荷 0~32、社会的過負荷 0~24、成功しなければならいというプレッシャー 0~36、仕事への不満 0~32、過剰な要求 0~24、受け入れられないこと 0~16、社会的緊張 0~24、社会的孤立 0~24、慢性的な心配 0~16、及び慢性ストレスのスクリーニングスケール 0~48。慢性ストレスのスクリーニングスケールでの≧24のスコアは、慢性的にストレスを受けているという基準を満たす(年連関連集団の平均超;n=149)。
TICSを、スクリーニング訪問(V1)で評価した。慢性スコアが13以下である参加者を、低慢性ストレスサブグループに層別化し、慢性ストレススコアが≧14である参加者を、高慢性ストレスサブグループに層別化した。この層別化は、年齢関連集団の中央値スコアに基づく。
状態特性不安一覧表(STAI;Laux,1981)
STAIは、それぞれ20個の項目を有する2つのスケールを含み、(1)性格特性としての不安(STAI-X2)と、(2)一時的な情緒状態としての不安(STAI-X1)とを評価する。瞬間的な不安は、緊張、心配、神経過敏、不安感、及び将来への恐怖を特徴とし、これらは全て、自律神経系(ANS)の上昇を伴う。一方、特性不安特性は、人の安定した傾向を表し、従って時間に左右されない。状態不安は、特性不安と相関しており、即ち、不安な性格の参加者は、特性不安が少ない参加者と比べて瞬間的な不安を脅威に感じる。
回答を、STAI-状態(X1)に関しては1=「全くない」~4=「非常に当てはまる」の範囲の4段階評価スケールで得、STAI-特性(X2)に関しては1=「ほとんどない」~4=「ほとんどの場合」の範囲の4段階評価スケールで得た。いくつかのSTAI質問は、不安がないことに関連し、逆に採点される。各STAIスケールの分析のために、項目を1つのスケールにまとめ、次いで状態不安又は特性不安に関して知る。スコア範囲は20~80であり、より高いスコアは、より不安であることを示す。
STAI-特性を、V2で、ベースライン測定値のために記入した。加えて、STAI-状態を使用して、V2及びV3で、並びにTSST(V3)前後に、状態不安を評価した。
視覚アナログスケール(VAS;Bond&Lader,1974)
VASは、「全くない」~「非常に」の範囲の10cm双極性視覚スケールである。この試験では、下記の5つの時点で、ストレス知覚、不安、不安感、及び疲弊を評価した:V2及びV3、並びにTSST(V3)の前、最中、及び直後。参加者は、線上に印を付けることにより、彼/彼女の実際の知覚を示した。
定規を使用し、ミリメートルの正確さで参加者の印の位置を測定することにより、VASスコアを得た。印刷に起因する変動の可能性を制御するために、線の全長も測定し、各参加者の百分率スコアを算出した。百分率スコアは、0~100の範囲である。VASは、TSSTに反応した知覚されたストレスを測定するのに適しており且つ有用なツールである(J.Hellhammer&Schubert,2012)。
憂うつ不安ストレススケール(DASS;S.Lovibond&Lovibond,1995)
参加者は、V2及びV3でDASSに記入した。DASSは、過去1週間の憂うつ、不安、及びストレスのネガティブな情緒状態に関する情報を提供する。質問表は、3種のスケール(憂うつ、不安、及びストレス)を含み、それぞれのスケールは、同様の内容の2~5個の項目のサブスケールに分かれている14個の項目を含む。
憂うつスケールにより、下記の特徴が決定される:不快、無希望、人生の切り下げ、自虐、及び関心/関与の欠如、快感消失、並びに無気力。不安スケールは、自律覚醒、骨格筋の影響、状況的不安、及び不安効果の主観的体験を測定する。質問表は、健康な個体及び患者集団における内部的な一貫性及び良好な信頼性を有する(Antony,Bieling,Cox,Enns,&Swinson,1998;Brown,Chorpita,Korotitsch,&Barlow,1997;Crawford&Henry,2003;P.F.Lovibond,1998)。
知覚されたストレススケール(PSS;Cohen,Kamarck,&Mermelstein,1994)
参加者は、V2及びV3でPSSに記入した。PSSは、ストレス知覚を測定するために広く使用されている心理学的手段である。PSSは、参加者が過去1ヶ月以内に自分の人生がどれほど予測不能であり、制御不能であり、且つ過負荷であったかを評価する。PSSは、0=「全くない」~4=「非常に頻繁」の範囲の5段階評価スケールで回答される14個の項目を含む。
Beck不安一覧表(BAI;Margraf,Beck,&Ehlers,2007)
参加者は、V2及びV3でBAIに記入した。BAIは、成人及び青年での不安を測定するために設計された自己評価スケールである。BAIは、不安になっている場合に起こり得る感情を説明する21個の文章を含む。これらの文章は、過去7日間を考慮して、0=「全くない」~3=「ひどくある」の範囲の4段階評価スケールで評価される。
参加者のオンラインダイアリ
2日目に始めて、参加者は、オンラインダイアリに毎日記入した。参加者は、健康問題/有害事象、併用薬、睡眠の質、健康状態、良好な状態、及び気分に関して質問された。
参加者は、オンラインダイアリへの個別アクセス権を受け取り、毎日午前3時~午後12時にダイアリに記入するように求められた。適宜に入力が実施されなかった場合には、試験チームは、電子メールによる通知を受け取った。次いで、試験チームのメンバーがそれぞれの参加に連絡し、可能な限り早く情報を提出するように求めた。試験チームは、参加者が電話による情報の提出を好んだ場合には、この情報もダイアリに追加し得た。
Trier社会的ストレス試験(TSST;Kirschbaum,Pirke,&Hellhammer,1993)
実験室での試験のメタ分析では、Dickerson及びKemeny(2004)は、TSSTが、心理社会的ストレスに対する内分泌反応を実験的に誘発するための最も標準的で且つ最も効果的なプロコトルであることを確認した。TSSTの最中に、社会的評価の脅威と強制的な失敗とを伴う制御不能な遂行課題により、コルチゾールの放出が誘発される。TSSTは、Hellhammer、Kudielk、及び同僚により、詳細に概説されている(D.H.Hellhammer,Stone,Hellhammer,&Broderick,2010;B.Kudielka,Wuest,Kirschbaum,&Hellhammer,2007;B.M.Kudielka,Hellhammer,Kirschbaum,Harmon-Jones,&Winkielman,2007;B.M.Kudielka&Wuest,2010)。
TSSTは15分間継続し、試験マネージャー又は試験チームのメンバーによる紹介、準備段階、新しい会社での仕事の面接、及び暗算課題を含んだ。
紹介(2分):試験マネージャー又は試験チームのメンバーが、参加者をTSST室に案内し、TSSTの設定を紹介した。次いで、参加者に、仕事に応募していることを想像するように求め、面接に招待した。参加者は、委員会のメンバー2名の立ち会いの下でのこの面接のために、3分間準備した。参加者に、面接中に録画され且つ録音されることを知らせた。加えて、彼女/彼に、委員会の両方のメンバーは行動観察の訓練を受けており、面接中の彼女/彼の行動、及び彼女/彼の話し方及び話の内容を文書で記録することを知らせた。最後に、試験マネージャー又は試験チームのメンバーは、このプロトコルに関して何か質問がないかを参加者に尋ねた。質問には直接回答した。その後、参加者に、スピーチの準備を始めるように求めた。試験マネージャー又は試験チームのメンバーは、TSST室から退出した。
準備時間(3分):参加者は、面接の準備でメモを取ることが許可された。
面接(5分):委員会のメンバーから、参加者に、マイクの前に立って、新しい会社での仕事のための面接を発表するように求めた。面接後に、参加者に、VASに記入するように求めた。
暗算課題(5分):参加者に、可能な限り早く且つ正確に、2023から17を段階的に減算することを求めた。合計15分後に、試験チームのメンバーにより、参加者を彼/彼女の部屋に戻した。
TSSTの最中に、委員会のメンバーにより時間を文書に記録した。
TSSTを、V3で実施した。
生理的測定
自律神経系(ANS)-心拍数(HR)
ANSは、発汗、心拍数、消化、覚醒、呼吸、瞳孔径、唾液分泌に影響を及ぼし、心理的な及び生理的な影響及び変化の緊張及び課題に対して内臓を調節して適応させる。これにより、ANSは、身体をストレスに備えさせるが、その後にリラックス段階に戻す準備も行なう。ANSは、これらの課題を実施する2つの拮抗する部分に分けられる。交感神経系は、生体を活性化させ、ストレス因子及び緊張に備えさせる。対照的に、リラックスは、副交感神経系の一部である。必然的に、効果的に機能するためには、ANSの高レベルの制御、及びANSの下位系のバランスの取れた関係が必要である。健康、体調、並びに心理的な及び生理的なストレスへの対処能力への病的な影響は、この系の混乱により引き起こされる可能性がある。
ANSの生理的なストレス誘発性変化の決定のために、V3で、TSST前、TSSTの最中、及びTSST後の期間を含む55分にわたり、HRを記録した。
HRを、Polar腕時計装置(M400、Polar Electro GmbH、Buettelborn、Germany)を使用して記録した。Polar腕時計は、55分間の試験期間全体を通して、1秒毎にデータを記録した。個人を特定されないデータを、https://flow.polar.comを使用して分析し、csvファイルとしてエクスポートした。
平均値を、下記の7種の異なる時間窓に関して算出した。
・ TSST前の10分間の座位
・ TSST前の10分間の立位
・ 5分間のTSSTの紹介及び準備時間
・ 5分間の面接
・ 5分間の暗算課題
・ TSST後の10分間の立位
・ TSST後の10分間の座位
唾液サンプル
参加者に、コルチゾール及びsAAの分析用の唾液サンプルを採取するように求めた。
起床時コルチゾール反応(CAR)の決定の場合:
唾液採取を、V2前の2日の連続する仕事日、及びV3前の2日の連続する仕事日に、行なった。唾液サンプルを、起床後1時間中に4回(起床時、起床後30、45、及び60分)と、その夜午後8時とで採取した。これにより、この試験全体を通して、1例の参加者当たり20個の唾液サンプルが得られた。
コルチゾール及びsAAのストレス誘発性変化の決定の場合:
唾液サンプルを、V3でTSSTを実施することにより急性ストレスを誘発する前後に採取した。第1のサンプルをTSSTの1分前に採取して、ベースラインレベルを評価した。残りのサンプルを、TSSTの終了を基準として、+1分、+10分、+20分、+30分、及び+45分で採取した。
CAR関連の唾液採取及びTSST関連の唾液採取の場合には、Salivette(登録商標)Cortisol、コードブルー(Sarstedt、Nuembrecht、Germany)を使用した。CARサンプリングを自宅で行ない、従って、参加者に、方法及び保管に関する詳細な指示を与えた。サンプリング自体を、唾液を採取し、各時点で1分にわたり採取チューブへの挿入物として機能する合成綿棒を噛むことにより行なった。参加者に、サンプルを自宅の冷凍庫又は冷蔵庫で保管するように求めた。サンプルの返却のために、参加者に、輸送中にさらなる冷却を求めることなく、次の訪問予定日(V2及びV3)に試験場に持って来るように求めた。
さらなる分析まで、唾液サンプルを、-20℃にて試験場で保存した。唾液サンプルを、daacro’s Saliva Lab Trierで分析した。
コルチゾール
ヒトの脳は、利用可能なエネルギー貯蔵量全体の約80%を使用する。そのエネルギーバランスは、エネルギー供給源であるグルコースを動員するホルモンであるコルチゾールの放出により維持される。ストレスの間に、それに応じてコルチゾールレベルが上昇する。慢性ストレスにより、このホルモンが過剰に低いか又は高い量で放出された場合に健康上の問題が生じる可能性がある。従って、ストレス診断では、コルチゾール放出の注意深い分析が必要である。
コルチゾールは、グルココルチコイドのホルモン群に属しており、副腎中の束状層により産生される。コルチゾールは、朝の起床後に急激に増加して起床後30~45分でピークとなることを特徴とする日周パターンを有する(Stalder et al.,2016)。その後、コルチゾールレベルは、一日を通して着実に低下する。CARは、起床に対する生理的反応である。CARは、来たる日への期待(Fries,Dettenborn,&Kirschbaum,2009)、性別、健康状態、及びストレス関連のパラメータ、即ち、低い社会経済的状況(Wright&Steptoe,2005)、仕事の過負荷及び慢性的な心配(Schlotz,Hellhammer,Schulz,&Stone,2004)、社会的ストレス及び社会的認知の欠如(Wuest,Federenko,Hellhammer,&Kirschbaum,2000)等の様々な因子の影響を受ける。CARは、特性因子及び状態因子の影響を受けることから、信頼性のある特性測定値を得るためには、少なくとも2日分の唾液サンプルが必要である(J.Hellhammer et al.,2007)。
唾液コルチゾールレベルを、高感度唾液コルチゾール酵素免疫アッセイキット(Salimetrics,LLC,USA)を用いて決定した。
アルファ-アミラーゼ
sAAは、デンプンをマルトース及びデキストリンに分解する酵素である。sAAは、アドレナリン性刺激に反応して、唾液腺から分泌される。Rohleder,Nater,Wolf,Ehlert,and Kirschbaum(2004)は、朝に最低レベルであり且つ午後遅くに最高であるsAAの日周リズムを説明する。
HPA系によるストレス反応のバイオマーカーであるコルチゾールとは異なり、アルファ-アミラーゼは、交感神経-副腎-髄質系によるストレス反応のバイオマーカーであると考えられている(Soo-Quee Koh & Choon-Huat Koh,2007)。数名の著者は、sAAと、ストレス関連活動(例えば、計算ストレス、TSST、ベータ遮断薬によるアドレナリン作動遮断、身体的運動、試験ストレス、及び極端な温度ストレスからの不安)との相関関係を見出している(Chatterton,Vogelsong,Lu,Ellman,&Hudgens,1996;Nater et al.,2006;Noto,Sato,Kudo,Kurata,&Hirota,2005;Takai et al.,2004;van Stegeren,Rohleder,Everaerd,&Wolf,2006)。
速度論的酵素アッセイキット(Salimetrics,LLC,USA)を使用して、sAAレベルを決定した。
バイタルパラメータ
スクリーニング訪問(V1)時に、血圧(BP)及び脈拍を得た。BP(収縮期及び拡張期)並びに脈拍を、自動BP測定装置(OMRON M10-IT、OMRON Medizintechnik Handelsgesellschaft mbH,Gottlieb-Daimler-Str.10,68165 Mannheim)を使用することにより評価した。BP測定値が正常範囲を超えていた場合(収縮期≧140、拡張期≧90)には、2回目の測定を行なった。両方の測定値で収縮期BP≧140及び/又は拡張期BP≧90であった場合には、プロトコルの通りに除外基準に従って、参加者をこの試験から除外した。
V2及びV3では、参加者が会場に到達した後に、肥満度指数(BMI)、BP、及び脈拍を得た。加えて、V3では、TSSTの前後にBP及び脈拍を測定し、TSST前、TSSTの最中、及びTSST後に、55分にわたりHRを連続的に測定した。
統計的手法及び解析計画
統計解析を、R Version 3.5.2(R Core Team,2018)を使用して行なった。使用したRパッケージには、MuMIn、Hmisc、lme4、car、influence.ME、Rmisc、lmerTest、及びコイン(coin)が含まれている。
有効性の解析を、線形混合モデル(lmm)解析及び反復測定分散解析(RM ANOVA)として計画したか、或いはモデルの仮定に違反する場合には、t検定、Friedman分散解析、Wilcoxon Signed-Rank検定、Kruskal Wallis検定、及びMann Whitney U検定として計画した。両側仮説検定(α=0.05)を実施した。
混合モデルを徐々に構築し、時間多項式をいくつ含めるべきかを最初に検定し、次いで可能な共変量を検定し、処置群の効果と時間×群の相互作用項(例えば、時間1×群、時間2×群)を最後に加えた。ランダム因子として時間及び切片を含むモデルを構築した。収束が困難な場合には、ランダム効果から時間を外した。固定効果には、説明した時間、群、時間×群の相互作用項、及び共変量が含まれた。カテゴリ変数を効果コード化し、時間を中央に置いた。複数の係数(時間、時間×群の相互作用)を有する変数の主効果及び相互作用を評価するために、Satterthwaiteの自由度法を使用して、Type II F検定を実行した。
変換の努力にもかかわらず有効性の解析において統計解析の仮定が破られた場合には、代替の検定を使用した。混合モデルの仮定が破られた場合には、RM ANOVAを使用した。RM ANOVAの仮定が破られた場合には、一元ANOVAを実施した。パラメトリック検定の仮定が破られた場合には、ノンパラメトリック検定を算出した。次いで、時間効果を、Wilcoxon Signed-Rank検定又はFriedman ANOVAで評価し、群効果を、Mann Whitney U検定で評価し、時間×群相互作用を、測定間の差分値(例えば、TSST前のHR座位からTSST前のHR立位を減算した差分値での群差)によるMann Whitney U検定で評価した。
様々な階層(即ち、女性参加者、男性参加者、高ストレス参加者、及び低ストレス参加者)に関して、サブグループ解析を実施した。
全てのエンドポイントに関して、処置意図(ITT)集団とプロトコル遵守(PP)集団とで別々に解析を実施した。PP解析の場合には、ブラインドデータレビュー中に、参加者又はデータ点の除外に関する個別の決定を行なった。
サンプルサイズの決定:
下記により、反復測定ANOVAのために推定サンプルサイズを算出し:
・ 2つの群
・ 7つの測定値
・ f=0.1の小さい効果量
・ αエラー確率=0.05
・ 検出力(1-βエラー確率)=0.85
それぞれ56例の参加者の群サイズで得た。プロトコル逸脱を考慮するために、推定サンプルサイズを、1つの処置群当たり60例の参加者の総サンプルサイズに切り上げた。
解析されるデータセット
ITT集団
この集団は、組み入れ/除外基準を満たす全ての無作為化参加者を含んだ。ITT集団は、120例の参加者を含んでおり、117例の患者に関して全てのエンドポイントのデータが利用可能であった。
PP集団
PP集団を、下記の2回定義する:プロトコル逸脱が特定のエンドポイントにのみ影響を及ぼす場合があることから、全体で1回、及び1つのエンドポイント当たり1回。
PP全体は、組み入れ/除外基準を満たし且つプロトコル違反がない全ての無作為化参加者を含んだ。PP全体は、113例の参加者を含んだ。PP集団を、ブラインドデータレビュー後にデータベースをロックする前に同定した。
プロトコルへの下記の重要な違反の内のいずれかがあった参加者を、PP集団から除外した。
1.治験薬の服用が<80%であった
2.診療所訪問V2及びV3で参加しなかった
3.介入期間中に過飲で参加した
4.介入期間中にカフェインを過剰に摂取した
5.介入期間中に抗生物質を服用した
6.介入期間中に精神賦活剤を服用した
7.介入期間中に喫煙習慣が大幅に変化した
8.介入期間中に食生活が大幅に変化した
個別のエンドポイントに関して、参加者が、質問のエンドポイントに影響を及ぼす可能性があると見なされる逸脱を示した場合には、この参加者を除外した。そのため、PPで分析される参加者の数は、各エンドポイントで異なった。
実施例1:TSSTに反応したHR
HRは、処置群に関わらず、TSSTに反応して増加を示し、その後に減少を示すと予想した。有効性を、プラセボ群と比較した実薬群に関するTSSTの期間中(TSST前の座位からTSST後の座位まで)でのHRの増加の減弱と定義した。HRを、個別の7つの時間窓に関して平均化した(上記の生理的測定-自律神経系(ANS)-心拍数(HR)を参照されたい)。群の差違を、個別の時間窓に関する値を比較して評価せず、HRの2つの軌跡を経時的に比較することにより評価した。時間を、連続変数としてコード化した。経時的なHRを、全体的な増減を捕らえる線形効果に加えて、時間に関するより高次の項を含めることにより、曲線でモデル化した。統計的には、有効性を、処置群と時間との相互作用として運用した。有意な相互作用は、2つの処置群の2つの時間曲線が異なることを示した。
実施例2:TSSTに反応したVAS-疲弊
処置群に関わらず、VAS疲弊は、TSSTに反応して増加し、TSST前と比較して、TSST後よりもTSST中に高い値を示すと予想した。有効性を、プラセボ群と比較した実薬群に関するTSST前からTSST中又はTSST後の増加の低減と定義し、時間と処置群との相互作用として運用した。時間を、連続変数としてコード化し、線形項としてのみ含めた。
実施例3:TSSTに反応した収縮期血圧
処置群に関わらず、血圧は、TSSTに反応して上昇し、TSST前の測定と比較してTSST後の測定での値が高いと予想した。有効性を、プラセボ群と比較した実薬群に関する上昇の低減と定義し、時間と処置群との相互作用として運用した。時間を、TSST前及びTSST後の2つの時点により、カテゴリ変数としてコード化した。
実施例4:処置に反応した知覚されたストレス(PSS)-ベースライン対試験の終了
処置群にかかわらず、ストレス知覚は、処置前及び処置後の間で必ずしも変化するとは予想しなかった。有効性を、プラセボ群と比較した実薬群に関する減少又は(一般的な増加の場合には)増加の低減と定義し、時間と処置群との相互作用として運用した。時間を、処置前及び処置後の2つの時点により、カテゴリ変数としてコード化した。
実施例5:処置に反応した午後8時でのコルチゾール-ベースライン対試験の終了
CAR変数に加えて、午後8時でのコルチゾールレベルを分析した。このコルチゾールは、HPA軸の活動を説明するために頻繁に使用されており、総コルチゾール産生又はコルチゾールレベルの変化のいずれかの情報を表す。
午後8時でのコルチゾールに関する有効性を、下記の正規化の観点で定義した:正常値(基準測定値の第1分位と第3分位との間)の参加者の数と、低値又は高値の参加者の数とを、処置前及び処置後に比較する。処置後に正常範囲内のより多くの参加者を、有効性と定義した。
実施例6:処置に反応した拡張期血圧-ベースライン対試験の終了
処置群にかかわらず、血圧は、処置に反応して有意に変化するとは予想しなかった。有効性を、プラセボ群と比較した実薬処置群に関する低下又は(一般的な上昇の場合には)上昇の低減と定義し、時間と処置群との相互作用として運用した。時間を、処置前及び処置後の2つの時点により、カテゴリ変数としてコード化した。
実施例7:試験期間(1週目~7週目)全体にわたる睡眠関連回復
睡眠関連回復を、11段階スケール(0~10)で参加者が評価し、慣らし期間(1週目及び2週目)並びにその後の処置段階(3~7週目)の全体を通してモニタリングした。処置群に関わりなく、睡眠関連回復は、必ずしも経時的に変化するとは予想しなかった。有効性を、プラセボ群と比較した実薬群に関する増加又は(一般的な減少の場合には)減少の低減と定義し、時間と処置群との相互作用として運用した。時間を、それぞれの日及び参加者に関して1つの値で連続変数としてコードした。軌跡を曲線としてモデル化し得るように、時間の多項式を含めた。
実施例8:試験期間(1週目~7週目)全体にわたる知覚された健康
健康状態を、11段階スケール(0~10)で参加者が評価し、慣らし期間(1週目及び2週目)並びにその後の処置段階(3~7週目)の全体を通してモニタリングした。処置群に関わりなく、知覚された健康状態は、必ずしも経時的に変化するとは予想しなかった。有効性を、プラセボ群と比較した実薬群に関する増加又は(一般的な減少の場合には)減少の低減と定義し、時間と処置群との相互作用として運用した。時間を、それぞれの日及び参加者に関して1つの値で連続変数としてコードした。軌跡を曲線としてモデル化し得るように、時間の多項式を含めた。
実施例9:試験期間(1週目~7週目)全体にわたる知覚された生産性
生産性を、11段階スケール(0~10)で参加者が評価し、慣らし期間(1週目及び2週目)並びにその後の処置段階(3~7週目)の全体を通してモニタリングした。処置群に関わりなく、知覚された生産性は、必ずしも経時的に変化するとは予想しなかった。有効性を、プラセボ群と比較した実薬群に関する増加又は(一般的な減少の場合には)減少の低減と定義し、時間と処置群との相互作用として運用した。時間を、それぞれの日及び参加者に関して1つの値で連続変数としてコードした。軌跡を曲線としてモデル化し得るように、時間の多項式を含めた。
結果及び論評
TSSTに反応した心拍数
図1は、実薬群での、1.75×1010CFUのラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)Lpc-37による5週間の毎日の介入後の、及びプラセボ群と比較した、TSSTにHR(bpm)(個々の時間窓の平均値±SEM)を示す。HRを、試験終了時(51日目)にTSST前(-20分)からTSST後(+20分)まで参加者に装着されたPolar腕時計装置を使用して、両群からの個々の参加者で連続的に測定した。
試験終了時(51日目)に、TSSTプロトコル全体にわたる7つの異なる時間窓に関して、平均値を算出した。これらの時間窓は、下記の通りであった:TSST前の座位(-20分)、TSST前の立位(-10分)、TSSTの紹介及び準備時間(5分)、TSSTの面接(5分)、TSSTの暗算課題(5分)、TSST後の立位(+10分)、並びにTSST後の座位(+20分)。実薬群に関するN=28、及びプラセボ群に関するN=28、並びに両群とも、PP集団でのTICSスコアが13以下であった。
統計解析:最終モデルには、時間に関する4つの直交多項式、共変量としての性別、並びに固定効果としての処置群、及び処置群と全時間成分との相互作用が含まれた。単純なフィットを回避するために、ランダム傾きを除外しなければならなかった。HRを、モデルの仮定を満たすために対数変換した。時間を中央に置いた。処置群と時間との相互作用は有意であり、このことは、HRの変化が処置群に依存することを示す(p=0.014)。図1は、プラセボと比較して実薬群ではHRの増加が小さかったことを示す。有効性を、実薬処置群に関して確認し得る。
bpm:1分当たりの拍動、CFU:コロニー形成単位、HR:心拍数、PP:プロトコル遵守、TICS:慢性ストレスに関するTrier一覧表、TSST:Trier社会的ストレス試験、SEM:平均の標準誤差。
TSSTに反応したVAS-疲弊
図2は、実薬群での、1.75×1010CFUのラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)Lpc-37による5週間の毎日の介入後の、及びプラセボ群と比較した、TSSTに反応したVAS-疲弊(%)(個々の時間窓の平均値±SEM)を示す。VAS-疲弊を、特定のVASを使用して両群で測定して、試験終了時(51日目)のTSST前(-10分)、TSSTの最中、及びTSST後(+1分)での参加者の自己申告疲弊レベルを検出した。
実薬群に関するN=28、及びプラセボ群に関するN=29、並びに両群とも、PP集団でのTICSスコアが13以下であった。
統計的解析:最終線形混合効果モデルには、時間の線形成分のみが含まれており、STAI-traitは、固定効果としての共変量、処置群、及び処置群と時間との相互作用であった。一部のサブグループ解析では、収束に達するために、時間に関するランダム傾きを除外しなければならなかった。VAS百分率を、モデルの仮定を満たすために平方根変換した。処置群と時間との相互作用は有意であり、このことは、VAS-疲弊評価の変化が処置群に依存することを示す(p=0.037)。図2は、プラセボと比較して実薬群の場合にはVAS疲弊の増加が小さかったことを示す。有効性を、実薬処置群に関して確認し得る。
CFU:コロニー形成単位、PP:プロトコル遵守、SEM:平均の標準誤差、STAI:状態特性不安一覧表、TICS:慢性ストレスに関するTrier一覧、TSST:Trier社会的ストレス試験、VAS:視覚アナログスケール。
TSSTに反応した収縮期血圧
図3は、実薬群での、1.75×1010CFUのラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)Lpc-37による5週間の毎日の介入後の、及びプラセボ群と比較した、TSSTに反応した収縮期血圧(mmHg)(個々の時間窓の平均値±SEM)を示す。収縮期血圧を、試験終了時(51日目)のTSST前(-3分)及びTSST後(+1分)に、特定の自動血圧測定装置を使用して、両群で測定した。
PP集団における実薬群に関するN=29、及びプラセボ群に関するN=28。
統計解析:収縮期血圧に関しては、反復測定ANOVAを使用した。図3は、収縮期血圧に関して、処置と時間との間に有意な相互作用(p=0.031)が存在したことを示す。収縮期血圧は、プラセボ群と比較して、実薬群ではTSST前の測定値とTSST後の測定値との間で上昇が低かった。有効性を、実薬処置群に関して確認し得る。
CFU:コロニー形成単位、mmHg:水銀柱ミリメートル、PP:プロトコル遵守、SEM:平均の標準誤差、TSST:Trier社会的ストレス試験。
知覚されたストレス-ベースライン対試験終了時
図4は、実薬群での、1.75×1010CFUののラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)Lpc-37による5週間の毎日の介入後の、及びプラセボ群と比較した、処置に反応した、知覚されたストレス(PSSスコア)(個々の時間窓の平均値±SEM)を示す。知覚されたストレスを、ベースライン(16日目)で及び試験終了時(51日目)に取得したPSSを使用して、両群で測定した。
PP集団における実薬群に関するN=55、及びプラセボ群に関するN=57。
統計解析:共変量として性別及び慢性ストレスを含む反復測定ANOVAを算出した。処置群と時間との相互作用は有意であり(p=0.048)、このことは、知覚されたストレスの変化が処置群に依存することを示す。有効性を、実薬処置群に関して確認し得る。
ANOVA:分散分析、CFU:コロニー形成単位,PP:プロトコル遵守、PSS:知覚されたストレススケール、SEM:平均の標準誤差。
処置に反応した午後8時でのコルチゾール
図5は、実薬群での、1.75×1010CFUのラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)Lpc-37による5週間の毎日の介入後の、及びプラセボ群と比較した、処置に反応した午後8時でのコルチゾール正規化(コルチゾール頻度;午後8時でのコルチゾール反応が正常な人の数)を示す。午後8時でのコルチゾール正規化を、14~15日目(ベースライン)中に及び49~50日目(試験終了)中に、各群での個々の参加者から採取した唾液サンプルから、両群で測定した。処置前(14~15日目)及び処置後(49~50日目)に、正常値(基準測定値の第1分位と第3分位との間)の参加者の数と、低値(基準測定値の第1分位未満)又は高値(基準測定値の第3分位超)の参加者の数とを比較した。
実薬群に関するN=27、及びプラセボ群に関するN=27、並びに両群とも、PP集団でのTICSスコアが13以下であった。
統計解析:Fischerの正確確率検定を使用して、コルチゾール検定値のカテゴリ(各変数:低い、正常な、及び高いコルチゾール値)での処置群間の潜在的な差違に関して検定した。RM ANOVA及びRM ANCOVAを実施して、経時的な処置群間の差違を推定した。ここで、午後8時でのコルチゾールレベルに関して、2つ(処置前、処置後)×2つ(実薬群、プラセボ群)のANOVAを実施した。コルチゾール検定値カテゴリが異なる参加者の分布は、処置前の処置群には依存しない(p=0.641)が、処置後の処置群には依存する(p=0.036)。午後8時でのコルチゾールに対する有効性を、実薬処置群に関して確認し得る。
ANCOVA:共分散分析、ANOVA:分散分析、CFU:コロニー形成単位、PP:プロトコル遵守、TICS:慢性ストレスに関するTrier一覧表。
処置に反応した拡張期血圧-ベースライン対試験終了時
図6は、実薬群での、1.75×1010CFUのラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)Lpc-37による5週間の毎日の介入後の、及びプラセボ群と比較した、処置に反応した拡張期血圧(mmHg)(個々の時間窓の平均値±SEM)を示す。拡張期血圧を、ベースライン時(V2;16日目)及び試験終了時(V3;51日目)に、特定の自動血圧測定装置を使用して、両群で測定した。
PP集団における実薬群に関するN=27、及びプラセボ群に関するN=29、並びに両群とも、PP集団でのTICSスコアが13以上であった。
統計解析:2例の参加者に関しては、ベースライ測定値が欠損していた。これらの参加者に関しては、採用した方法は完全なケース分析に限定されていたことから、処置後測定値も推論分析からも除外したが、記述統計では保持した。反復測定ANOVAを使用した。図6は、拡張期血圧に関して、処置と時間との間に有意な相互作用(p=0.047)が存在したことを示す。拡張期血圧は、プラセボ群では処置前から処置後へと上昇したが、実薬群では安定したままであった。有効性を、実薬処置群に関して確認し得る。
ANOVA:分散分析、CFU:コロニー形成単位、mmHg:水銀柱ミリメートル、PP:プロトコル遵守、SEM:平均の標準誤差、TSST:Trier社会的ストレス試験。
試験期間全体にわたる睡眠関連回復
図7は、実薬群での、2週間の慣らし期間、及び1.75×1010CFUのラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)Lpc-37による5週間の毎日の介入後の、並びにプラセボ群と比較した、試験期間(2~51日目)全体にわたる睡眠関連回復(個々の時間窓の平均値±SEM)を示す。睡眠関連回復を、質問「1(全くない)から10(非常に)のスケールで、今日はどれくらい休めたと感じますか?」に対する個々の時間窓(週)に関する各群の参加者からの個々の回答を平均化することにより、両群で測定した。
実薬群に関するN=19、及びプラセボ群に関するN=25、並びに両群とも、PP集団でのTICSスコアが14以上であった。
統計解析:最終モデルには、時間の3つの直交多項式、共変量としての性別及びSTAI特性スコア、並びに固定効果としての処置群、及び処置群と全ての時間成分との相互作用が含まれる。回復評価を、モデルの仮定を満たすように平方変換し、時間変数を中央に置いてスケーリングした。PPでは3つの欠損値が存在したが、欠損値に関係なく週平均値を算出し、解析では、欠損している日の値を含む参加者の記録を保持した。処置群と時間との相互作用は有意であり、このことは、睡眠関連回復の変化が処置群に依存する(p=0.006)ことを示す。有効性を、実薬処置群に関して確認し得る。
CFU:コロニー形成単位、PP:プロトコル遵守、SEM:平均の標準誤差、STAI:状態特性不安一覧表、TICS:慢性ストレスに関するTrier一覧表。
試験期間全体にわたる知覚された健康
図8は、実薬群での、2週間の慣らし期間、及び1.75×1010CFUのラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)Lpc-37による5週間の毎日の介入後の、並びにプラセボ群と比較した、試験期間(2~51日目)全体にわたる知覚された健康状態(個々の時間窓の平均値±平均のSEM)を示す。知覚された健康状態を、質問「1(全くない)から10(非常に)のスケールで、今日はどれくらい健康だと感じますか?」に対する個々の時間窓(週)に関する各群の参加者からの個々の回答を平均化することにより、両群で測定した。
実薬群に関するN=19、及びプラセボ群に関するN=25、並びに両群とも、PP集団でのTICSスコアが14以上であった。
統計解析:線形混合モデルではモデルの仮定が破られたため、週毎に結果を平均化した後に、反復測定ANOVAを算出した。知覚された健康の評価を、モデルの仮定を満たすように平方変換した。PPでは10個の欠損値が存在したが、欠損値に関係なく週平均を算出し、解析では、欠損している日の値を含む参加者の記録を保持した。処置群と時間との相互作用は、有意であった(p=0.012)。有効性を、実薬処置群に関して確認し得る。
ANOVA:分散分析、CFU:コロニー形成単位、PP:プロトコル遵守、SEM:平均の標準誤差、TICS:慢性ストレスに関するTrier一覧表。
試験期間全体にわたる知覚された生産性
図9は、実薬群での、2週間の慣らし期間、及び1.75×1010CFUのラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)Lpc-37による5週間の毎日の介入後の、並びにプラセボ群と比較した、試験期間(2~51日目)全体にわたる知覚された生産性(個々の時間窓の平均値±SEM)を示す。知覚された生産性を、質問「1(全くない)から10(非常に)のスケールで、今日はどれくらい生産的だと感じますか?」に対する個々の時間窓(週)に関する各群の参加者からの個々の回答を平均化することにより、両群で測定した。
実薬群に関するN=29、及びプラセボ群に関するN=30、並びに両群とも、ITT集団でのTICSスコアが14以上であった。
統計解析:生データに対する線形混合モデルではモデルの仮定が破られたため、各参加者の週平均を算出することにより、データを集計した。線形混合モデルには、週の3つの直交多項式、共変量としてのSTAI特性スコア、並びに処置群、及び処置群と全ての時間成分との相互作用が含まれる。ITTでは10個の欠損値が存在したが、欠損値に関係なく週平均値を算出し、解析では、欠損している日の値を含む参加者の記録を保持した。処置群と時間との相互作用は有意であり、このことは、生産性評価の変化が処置群に依存する(p=0.037)ことを示す。生産性の増加は、プラセボ群と比較して実薬群で大きかった。従って、有効性を、実薬処置群に関して確認し得る。
CFU:コロニー形成単位、PP:プロトコル遵守、SEM:平均の標準誤差、STAI:状態特性不安一覧表。
結果からの一般的結論:
上記で説明した結果から、下記の結論を導き出せる。ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)Lpc-37による処置により:
・ プラセボと比較して、TSSTに反応したHRの増加が低減された。HRは、心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する生理的反応である(図1)。
・ プラセボと比較して、TSSTに反応した、知覚された疲弊の増加が低減された。疲弊は、心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する心理的反応である(図2)。
・ プラセボと比較して、TSSTに反応した収縮期血圧の上昇が低減された。収縮期血圧は、心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する生理的反応である(図3)。
・ プラセボと比較して、ストレスの知覚が低減された。知覚されたストレスの増加は、精神的健康に影響を及ぼす症状である(図4)。
・ プラセボと比較して、午後8時でのコルチゾール産生により測定された正規化コルチゾール産生が促進された。コルチゾール産生の増加は、精神的健康に影響を及ぼす症状である(図5)。
・ プラセボと比較して、拡張期血圧の上昇が低減された。拡張期血圧は、精神的健康に影響を及ぼす症状である(図6)。
・ プラセボと比較して、処置期間中での睡眠関連回復(一晩での睡眠の後にどれくらい休めたと感じるか)が増加した。不眠及び睡眠関連回復は、精神的健康に影響を及ぼす症状である(図7)。
・ プラセボと比較して、処置期間中での健康の知覚が増加した。精神的に及び全体的に良好な状態は、知覚された健康の改善により促進される(図8)。
・ プラセボと比較して、処置期間中での生産性の知覚が増加した。精神的に及び全体的に良好な状態は、知覚された生産性の改善により促進される(図9)。
Figure 2022531690000004

Claims (24)

  1. 哺乳動物における、心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する心理的な及び/又は生理的な反応の緩和、並びに精神的に及び全体的に良好な状態の促進での使用のためのラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌。
  2. 哺乳動物における、精神的健康に影響を及ぼす症状の予防及び/又は処置、並びに精神的に及び全体的に良好な状態の促進での使用のためのラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌。
  3. 前記心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する心理的反応は、知覚された疲弊である、請求項1に記載の使用のための細菌。
  4. 前記心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する生理的反応は、心拍数の増加、及び/又は唾液コルチゾール産生の増加、及び/又は血圧の上昇である、請求項1に記載の使用のための細菌。
  5. 前記精神的健康に影響を及ぼす症状は、唾液コルチゾール産生の増加、及び/又は血圧の上昇、及び/又は知覚されたストレスの増加、及び/又は知覚された不安の増加、及び/又は不眠の増加である、請求項2に記載の使用のための細菌。
  6. 前記精神的健康に影響を及ぼす症状は、神経精神医学的状態及び/又は精神疾患の一因となり得る、請求項2に記載の使用のための細菌。
  7. 前記神経精神医学的状態は、変性疾患、例えば、痴呆、パーキンソン病、アルツハイマー病;気分障害、例えばうつ病;神経症性障害、例えば不安障害、並びに睡眠障害、例えば睡眠時無呼吸、睡眠発作、不眠症、及び睡眠時随伴症を含む、請求項6に記載の使用のための細菌。
  8. 前記精神的に及び全体的に良好な状態は、知覚された健康及び/又は知覚された生産性の改善により促進される、請求項1又は2に記載の使用のための細菌。
  9. 前記ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌は、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種のプロバイオティクス、又はこの混合物である、請求項1又は2に記載の使用のための細菌。
  10. 前記ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌は、2017年10月5日に寄託番号DSM32661でDSMZに登録された菌株Lpc-37である、請求項1~9のいずれか一項に記載の使用のための細菌。
  11. 哺乳動物における、心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する心理的な及び/又は生理的な反応の緩和、並びに精神的に及び全体的に良好な状態の促進での使用のためのラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌を含む組成物。
  12. 哺乳動物における、精神的健康に影響を及ぼす症状の予防及び/又は処置、並びに精神的に及び全体的に良好な状態の促進での使用のためのラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌を含む組成物。
  13. 前記心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する心理的反応は、知覚された疲弊である、請求項11に記載の使用のための組成物。
  14. 前記心理社会的な及び/又は心理的なストレスに対する生理的反応は、心拍数の増加、及び/又は唾液コルチゾール産生の増加、及び/又は血圧の上昇である、請求項11に記載の使用のための組成物。
  15. 前記精神的健康に影響を及ぼす症状は、唾液コルチゾール産生の増加、及び/又は血圧の上昇、及び/又は知覚されたストレスの増加、及び/又は知覚された不安の増加、及び/又は不眠の増加である、請求項12に記載の使用のための組成物。
  16. 前記精神的健康に影響を及ぼす症状は、神経精神医学的状態の一因となり得る、請求項12に記載の使用のための組成物。
  17. 前記神経精神医学的状態は、変性疾患、例えば、痴呆、パーキンソン病、アルツハイマー病;気分障害、例えばうつ病;神経症性障害、例えば不安障害、並びに睡眠障害、例えば睡眠時無呼吸、睡眠発作、不眠症、及び睡眠時随伴症を含む、請求項16に記載の使用のための組成物。
  18. 前記精神的に及び全体的に良好な状態は、知覚された健康及び/又は知覚された生産性の改善により促進される、請求項11又は12に記載の使用のための組成物。
  19. 前記ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌は、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種のプロバイオティクス、又はこの混合物である、請求項11又は12に記載の使用のための組成物。
  20. 前記ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌は、2017年10月5日に寄託番号DSM32661でDSMZに登録された菌株Lpc-37である、請求項11~19のいずれか一項に記載の組成物。
  21. 前記組成物は、食品、栄養補助食品、又は薬学的に許容される組成物の形態である、請求項11~20のいずれか一項に記載の組成物。
  22. 前記組成物は、スプレー乾燥されたか又は凍結乾燥された組成物である、請求項11~20のいずれか一項に記載の組成物。
  23. 前記組成物は、凍結防止剤を含む、請求項22に記載の組成物。
  24. 前記ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)種の細菌は、前記組成物中に、1回の用量当たり10~1012CFUの量で存在し、例えば、1回の用量当たり10~1012CFUの量で存在し、任意選択的に、1回の用量当たり1010CFUの量で存在する、請求項11~23のいずれか一項に記載の組成物。
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