JP2022526592A - 電動車両用の交換可能なエネルギー装置 - Google Patents

Abstract

電動車両用の交換エネルギー装置により、最新の電動車両にほとんど又は全く変更を加えずに、電動車両を架空架線システムなどの既存の電力系統に適合させることができる。交換可能なエネルギー装置は、バッテリーパックと同じフォームファクタを有し、車両の駆動システムと完全に互換性がある。本交換可能装置では、バッテリーパックをアダプタに交換して、架空架線システムなどの既存の電力システムを利用できるようにしている。【選択図】図２

Description

関連出願の参照
本出願は、２０１９年４月３日に出願された米国仮特許出願第６２／８２８，９６３号の優先権を主張する、２０２０年４月３日に出願された米国特許出願第１６／８３９，３３６号の優先権を主張するものである。

本開示は、広義には電動車両に関し、より具体的には、地下鉱山で使用される電動車両に関する。

２０１８年２月２８日に出願された、同時係属中で共同所有の米国特許出願第１５／９０８，８０２号明細書には、電動車両からバッテリーの取付け・取外しを行い、かつあるバッテリーを別のバッテリーと交換するための方法及びシステムについて記載されている。この米国特許出願第１５／９０８，８０２号明細書の内容は、仮出願の一部とされ、また、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。

電力のみ、及び少なくとも部分的に電力で動力供給される車両では、その電力源は燃料エンジン、ハイブリッドシステム、又はバッテリーによって電力供給される完全電気駆動システムからのものであり得る。地下採掘環境では、採掘作業者が従来のディーゼル式機械又は移動式電動機械から移行するにつれて、従来のディーゼル式機械に代わる電気エネルギーやクリーンエネルギーが進歩を遂げ、この進歩に適応することが求められている。完全な電動機械は、大型バッテリーパックの形態の搭載エネルギー源があればさらに利用可能になるが、いくつかの用途では、電動機械用の交換可能なエネルギー源を供給できると、さらにいっそう有利となる。

電動車両の様々な実施形態を開示する。本実施形態では、地下鉱山に供給される、き電吊架線又はレールを備える従来の架線システムによってバッテリー駆動若しくは電力供給され得る、電動式採掘車両について述べる。本交換可能装置は、別のバッテリー、又は架線システムによって、車両に電力供給できるようにする、一種のアダプタであってもよい。本概念は、別のバッテリー、別の種類のバッテリー、発電機、燃料エンジン、架線システム用アダプタ、又は別の種類のエネルギー源、若しくは別の種類のエネルギー用アダプタであってもよい、交換可能なエネルギー装置を提供することにある。本交換可能装置は、特定の種類の電動車両や車両駆動システムに供給されるバッテリーパックと互換性のあるような寸法及び構成にされ、これにより、車両のエネルギー源を容易に変更したり、交換したりすることができる。

この車両及びバッテリーの取付・取外方法については、米国特許出願第１５／９０８，８０２号明細書に記載されている。本開示は、バッテリーパック及び当該機械の駆動システムと互換性のあるフォームファクタを有する、異なる種類のエネルギー源、又はエネルギー源用アダプタを使用することを企図している。米国特許出願第１５／９０８，８０２号明細書の文中では、一次バッテリーアセンブリは、車両、又はより広範には機械の搭載エネルギー源として供給され得る。

あらゆる所与の電動機械の操作を行うために、作業者がエネルギー装置の適切なセットを設けることができるように、一連の選択肢をこれに提供する、互換性のあるフォームファクタ及び機能を有する様々な種類のエネルギー源のいずれかが想定されている。

本発明の他のシステム、方法、特徴及び利点は、以下の図面や詳細な説明を検討することにより、当業者には明らかであるか、又は明らかになるであろう。そのような付加的なシステム、方法、特徴及び利点がすべて、この説明及びこの概要に含まれ、かつ本発明の範囲内にあり、かつ以下の特許請求の範囲によって保護されることが意図されている。

本発明は、以下の図面及び説明を参照することにより、より良好に理解され得る。これらの図面の構成要素は必ずしも縮尺通りではなく、その代わりに本発明の原理を示すことに重点が置かれている。さらに、これらの図面では、個々の図を通して同様の参照番号が対応する部分を示している。

架空き電吊架線又はレールによって電力供給されている、地下採掘機械の斜視図である。 ２つの交換可能なエネルギー装置を備える機械の一部の概略図であり、両装置とも本機械の外側に示されている。 機械の一部の概略図であり、交換可能なエネルギー装置の一方が架台に取り付けられ、交換可能なエネルギー装置のもう一方が機外に示されている。

本電動車両には、本車両が自由に移動できるようにする、バッテリーパックなどの車載用エネルギー装置が供給されてもよい。一部の従来の地下鉱山では、電動車両は、吊架線又は線路の導電レールなどの配線接続によって電力供給されている。

図１に示す車両１０は、トロリーポールベース１８で車両の上面に接続されたトロリーポール１６の端部にある集電シュー１４間の接触を介して、吊架線又はレール１２によって電力供給される、従来型の電動車両である。

一部の地下鉱山では、吊架線が敷設され、電力が供給されている。最新の電動車両を既存の鉱山で使用できるようにするために、比較的新しい車両に、架線システムのインフラストラクチャを備える既存の鉱山との後方互換性を持たせるように、交換可能なエネルギー装置が設けられる。図２及び図３は、地下鉱山で使用され得る電動車両及びバッテリーパックを概念的に示す。図２を参照すると、車両２０の一部のみが示されており、この典型的な実施形態では、当該部分が、運転室の隣にバッテリー取付架台を備えている。車両２０は、エネルギー源の交換作業中に、車両２０に電力供給する際、又はバッテリー充電エリア間を移動する際などに、補助バッテリーを搭載してもよい。図２にはバッテリー２２が示されており、これは、米国特許出願第１５／９０８，８０２号明細書に記載されている種類のバッテリーパックであってもよい。また、図２には、バッテリー２２と同じフォームファクタを有する、交換可能なエネルギー装置２４が示されている。本明細書で使用する場合、バッテリー２２とエネルギー装置２４とは、両方とも交換可能なエネルギー装置である。エネルギー装置２４は、既存の架線システム（図１）を使用して、車両２０に電力供給するためのアダプタとして機能している。したがって、エネルギー装置２４は、バッテリー２２と同じフォームファクタを有しながら、トロリーポールベース２６と、トロリーポール２８と、集電シュー３０及び３２と、を含む。装置２４のフォームファクタはバッテリーのフォームファクタと同一であり、また、装置２２は、車両２０上のバッテリー取付ハードウェア及び車両２０の駆動システムと完全に互換性がある。

図３は、交換可能装置２４が搭載され、かつバッテリー２２が取り外された状態の車両２０を示す。交換方法の詳細については、米国特許出願第１５／９０８，８０２号明細書にその説明がある。架空線又は吊架レール４０は、エネルギー装置の集電シュー３０及び３２と接触した状態で、概略的に示されている。このように、交換可能なエネルギー装置を使用して、車両２０に既存の架空架線システム（ｏｖｅｒｈｅａｄ ｃａｔｅｎａｒｙ ｓｙｓｔｅｍ：ＯＣＳ）との互換性を持たせるようにすることができると分かる。一部の環境では、このＯＣＳが不連続となっている可能性があり、その場合は、車両の補助バッテリーを使用して、ＯＣＳが設けられた一方の区間からＯＣＳが設けられた他方の区間に向かって車両に電力供給することができる。また、この補助バッテリーで、米国特許出願第１５／９０８，８０２号明細書に記載されているエネルギー源の取付・取外作業時にも電力供給される。

本交換可能装置により、既存のＯＣＳシステム又は車載電力が使用される新しい環境のいずれにおいても、ほとんど又は全く変更を加えずに、車両を運転することができるようになる。本システムにより、当該機械が必要に応じてトロリー装置を搭載して、運転条件によって必要とされるエネルギー源を交換することができるようになる。このことは、本システムが前方互換性及び後方互換性を確実に有するようにするために、車両フリート又は採掘作業者に必要な柔軟性をもたらしている。

エネルギー源の様々なバリエーションが、本概念の範囲内で想定可能であることが理解されよう。即ち、交換可能なエネルギー装置は、バッテリー、異なる種類のバッテリー、発電機、燃料エンジン、又はあらゆる既存のエネルギーインフラストラクチャ用のアダプタであってもよい。また、本システムが、バッテリー、及びアダプタなどのデバイスを任意に組み合わせたものと共に使用されてもよいことが、同様に理解されよう。

エネルギー源が、駆動システム及び駆動制御装置との互換性を有し、駆動システム及び駆動制御装置と通信することも、同様に理解されよう。エネルギー源は、バッテリーであっても、架線アダプタであっても、又は別の種類の供給源であっても、これら駆動システム及び駆動制御装置とは互換性がある。

本明細書で述べているように、ＯＣＳ、即ち架空架線システム又はレールは、地表集電方式又は車載エネルギー貯蔵システムなどの、オフワイヤ運転用の選択肢を含んでいてもよい。搭載電力発電は、あまり研究がなされていない第３の選択肢であるが、水素燃料電池技術によって状況が変化し得る。エネルギーシステムを任意に組み合わせることも、本開示の範囲内にあると考えられる。

地表集電方式は、接触型又は非接触型であり得る。接触型地表集電方式では、基本的に、通常は地下鉄システムで使用され、一部初期の路面電車システムで使用されていたような、埋設型の第３のレールを使用する。加熱又は冷却の必要性、若しくは急斜面を横断する必要性など、そのすべてが貯蔵された電力システムを急速に枯渇させ得るような負荷の大きい困難な環境において、この技術を大幅に改良したバージョンは利点をもたらし得る。

以前から存在し得る別の種類のインフラストラクチャは、車両に電力供給するために誘導コイルを使用する、非接触型地表集電方式である。通常、この電力伝送は、車両が当該コイルの上方にあるときにのみ行われ、そのようなシステムの範囲は、当該コイルをシステムの全長に沿って設ける必要がないように、当該コイルを車載電力貯蔵装置と組み合わせることによって拡張されてもよい。

車載エネルギー貯蔵は、地表集電方式の代替又は補完をもたらしている。貯蔵機構は、バッテリー、キャパシタ、フライホイールを含み、場合によっては、制動から運動エネルギーを回収してシステム効率を高めている。限られた区間をオフワイヤで運転するシステムでは、多くの場合、配線区間を運転する際に、車載電力を再充電することができる。オフワイヤ運転の範囲がより長くなると、停止時の十分な滞留時間を設けることによって達成される、充電ステーションアプローチが必要になる可能性がある。例えば、一部の路面電車システムでは、プログラムされたステーションでの接触滞留時間は、屋根に搭載されたスーパーキャパシタを再充電するのに十分な長さであり、そのデューティサイクルには定常な短時間で充電が行われる。

通常、本明細書で使用する場合、「電動車両」は、少なくとも１つの運転モードで、推進を目的として電力を使用する車両を指す。したがって、電動車両には、全電気式車両（例えば、トラクションモータと、架空架線又は給電レールなどの車外電源から電気エネルギーを受け取るための車載電気エネルギー貯蔵装置又は機構のみとを備える車両）、ハイブリッド電気自動車（例えば、トラクションモータ、エネルギー貯蔵装置、油圧推進装置、並びにエネルギー貯蔵装置を充電するため、かつ／又はトラクションモータを駆動するための動力を直接生成する燃料エンジン、又は燃料電池などを備える車両）、デュアルモード車両（例えば、エンジンのみでの運転モード及び電気のみでの運転モードを有する車両、又は牽引電力がエンジンによって供給される第１の運転モード及び牽引電力が別の電源によって供給される第２の運転モードを有する車両）、ディーゼル電気自動車及び他のエンジン電気自動車（例えば、トラクションモータを駆動するための電力を生成するエンジンを備える車両）、並びにそれらの組み合わせ及び変形が含まれる。電動車両は、１つのトラクションモータ、又は複数のトラクションモータを有してもよく、「トラクションモータ」とは、指定された運転を行うにあたり、十分な大きさの車両を移動させるのに十分な大きさ及び容量のモータを指す。

また、路側ステーションの車両インターフェース装置は、例えば、ステーションから電力を受け取るために、車両が路側ステーションのレセプタクルにプラグ接続されるための「プラグイン」モジュール、又は前述の吊架線若しくは第３のレールなどの、車両が移動中に車外電力を受け取ることができる常時給電インターフェースなどを含んでいてもよい。

本発明の様々な実施形態について説明してきたが、この説明は、限定ではなく例示を意図しており、本発明の範囲内にあるより多くの実施形態及び実施態様が想定可能であることは、当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物に照らして考えられる場合を除いて、制限されるべきではない。また、添付の特許請求の範囲内で、様々な修正及び変更をなすことができる。

Claims (8)

1. エネルギー装置取付・取外架台を有する電動車両と、
   前記車両の前記架台に取外可能に取り付けられるように構成され、前記車両の駆動システムに電力供給するように適合された、第１の交換可能なエネルギー装置と、
   前記車両の前記架台に取外可能に取り付けられるように構成され、前記車両の駆動システムに電力供給するように適合された、第２の交換可能なエネルギー装置と、
   前記第１又は第２の交換可能なエネルギー装置のうちの一方の取付け又は取外しを行う際に電力供給するために、前記車両に配置された補助バッテリーと、
   を備える、
   電動車両にエネルギーを供給するためのシステム。
2. 前記第１の交換可能なエネルギー装置及び第２の交換可能なエネルギー装置が取り外された場合に、前記補助バッテリーが前記車両に電力供給する、請求項１に記載のシステム。
3. 前記第１の交換可能なエネルギー装置が、車載貯蔵エネルギーを供給するバッテリーパックである、請求項１に記載のシステム。
4. 前記第２の交換可能なエネルギー装置が、車外エネルギーを供給する架線システム用アダプタである、請求項１に記載のシステム。
5. 前記第１の交換可能なエネルギー装置又は前記第２の交換可能なエネルギー装置のうちの少なくとも一方が、車載貯蔵エネルギーを供給するバッテリーパックである、請求項１に記載のシステム。
6. 前記第１の交換可能なエネルギー装置又は前記第２の交換可能なエネルギー装置のうちの少なくとも一方が、車外エネルギーを供給する架線システム用アダプタである、請求項１に記載のシステム。
7. 前記第１の交換可能なエネルギー装置が発電機である、請求項１に記載のシステム。
8. 前記第１の交換可能なエネルギー装置が、スーパーキャパシタである、請求項１に記載のシステム。

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