JP2022523327A - 細胞、細胞外マトリックスおよび組織微小環境における構造的再構築の検出 - Google Patents

細胞、細胞外マトリックスおよび組織微小環境における構造的再構築の検出 Download PDF

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Abstract

本発明の方法は、対象の生理学的状態を予測する。活性センサを含む組成物は、対象の体内に導入される。活性センサは、細胞外マトリックスの再構築中に身体によって処理された場合に切断に対して感受性のある複数のレポーターを含む。切断は、細胞外マトリックス中の酵素活性を示し得る。活性センサによって検出された信号は、生理学的状態を予測し得る。試料は対象から採取され、遊離されたレポーターは試料中で検出される。炎症または萎縮を特徴とする疾患であり得る対象の生理学的状態の開始は、検出された遊離されたレポーターに基づいて診断され得る。

Description

技術分野
本発明は、一般的には、細胞、細胞外マトリックスおよび/または組織微小環境の分子的および構造的再構築に基づいて、対象の生理学的状態の変化を予測するための方法および組成物に関する。
背景
多くの臨床的に重要な疾患は、個々の細胞、細胞外マトリックスおよび/または組織微小環境の変化を伴う。細胞外マトリックスは、多くの身体組織において支持および接続を提供する、細胞を取り囲む分子の集合体である。組織微小環境は、組織を構成する細胞の集団から分泌され、組織を構成する細胞の集団を取り囲む分子の集合体である。細胞、細胞外マトリックスまたは組織微小環境への顕著な変化を伴う疾患には、変形性関節症、軟骨の細胞外マトリックスを分解し、その下にある骨を損傷および摩耗させる細胞外酵素の放出によって特徴付けられる炎症状態が含まれる。腫瘍、さらには特定の感染性病原体は、腫瘍微小環境中に放出する酵素の放出を引き起こして周囲のマトリックスを分解し、疾患を進行させることによって体内で進行することも理解されている。
このような状態の処置は、この状態が早期に検出された場合により効果的である。早期検出は、症候が広範囲に進行する前に個体が処置を開始することを可能にする。例えば、関節の軟骨が広範囲に分解される前に根底にある原因に対処すれば、関節炎を最も効果的に処置することができる。状態が著しく進行する前に状態が検出された場合、患者は、過度の痛みを回避し、完全な回復を経験する最良の可能性を有する。
要旨
本発明は、個々の細胞、細胞の集団、細胞外マトリックスおよび組織微小環境の構造的再構築を伴う状態をスクリーニングおよび/または診断するための組成物および方法を提供する。本開示の方法は、疾患進行の過程で構造的再構築を受けている臓器に送達されたときに、活性センサから検出可能なレポーターを放出する活性センサを使用する。対象から採取された試料中のこれらのレポーターの存在は、細胞およびマトリックス構造ならびに組織微小環境の変化を示し、疾患または関心対象の他の生理学的状態の存在または段階と相関させることができる。例えば、活性センサが特定の疾患状態下において細胞構造の再構築に関与することが知られている一組の酵素の基質を含む場合、試料中でのレポーターの検出は対象における疾患を示す。活性センサの使用は、例えば、変形性関節症、炎症、線維症、癌および細胞の再構築を特徴とする他の状態を含む、個々の細胞、細胞外マトリックスおよび組織微小環境などの細胞構造の再構築を伴う状態をスクリーニングおよび/または診断するためのツールを提供する。
細胞構造への著しい変化を引き起こす疾患には、とりわけ、組織の炎症または萎縮、外傷性傷害、線維症および癌を伴う疾患が含まれる。癌では、例えば、癌性細胞は、高度に相互接続された細胞外マトリックスを分解して腫瘍を出現および成長させる腫瘍微小環境中に細胞外プロテアーゼを排泄する。本開示の組成物は、X線または断層撮影などの画像に基づく方法による検出のために必要とされる閾値サイズまで腫瘍が形成または成長する前に、それらのプロテアーゼの活性を明らかにすることができる。さらに、本開示の組成物および方法は、細胞、細胞外マトリックスおよび組織微小環境への変化の速度を示すシグナルを与える。別の例では、変形性関節症は、関節の軟骨性細胞外マトリックスのタンパク質分解による崩壊を伴い、プロテアーゼの活性は、本開示の方法を使用して検出および測定することができる。
本開示の活性センサは、細胞外プロテアーゼまたは膜貫通プロテアーゼ(細胞膜を貫通し、細胞外部分を有するもの)への曝露時に検出可能なレポーターを放出するので、活性センサは、その再構築の最も早い段階で細胞構造の再構築を検出するため、および再構築の速度を測定するためにも有用である。多数の臨床的に重要な疾患が細胞構造の再構築によって進行するので、本開示の組成物は、これらの疾患の早期検出に有用である。本開示の組成物は、腫瘍成長などの疾患進行の他の段階の前に必要とされる活性を検出するために有用であるので、本開示の組成物は、腫瘍発達などの将来の疾患段階を予測する活性を検出するために使用され得る。
疾患の状態を検出すること、例えば腫瘍の存在を検出することに加えて、本開示の組成物および方法は、腫瘍の成長速度などの疾患の速度の検出を可能にする。他の試験方法では、生検試験からの組織試料は、疾患の状態を検出し得る、または疾患からの損傷の程度を測定し得る。しかしながら、活性または進行の速度など、損傷自体が本発明によって検出され得る。したがって、本発明の方法および組成物は、画像診断、生検または血液検査と独立してまたはこれらと併せて測定のために使用される。本発明は、循環マーカーを伴う画像診断、生検または血液検査を必要とせずに細胞構造の再構築を検出するための代替アプローチを提供する。
本開示の組成物および方法は、疾患の非常に早期の検出、さらには疾患の早期予測に有用であるので、組成物および方法は、早期疾患スクリーニング、診断および介入を提供し、臨床医が疾患の最も初期の段階で処置を施すことを可能にする。本開示の方法は、初期段階の疾患介入および処置を可能にするので、これらの処置は成功の可能性を最適化し、より多くの患者が完全な回復に至ることを可能にし、痛みを伴う症候および高価な入院を回避する。本開示の方法および組成物は、患者の組織内の細胞構造の再構築の程度を報告するのに有用であるので、それらの利点を提供する。
細胞外マトリックス(ECM)は、生物の組織内に存在する動的構造体である。細胞外マトリックスは、あらゆる身体組織中の細胞の周囲および間に位置するタンパク質および糖のネットワークであり、組織の物理的支持を与える。細胞外マトリックスは、組織における恒常性を維持するのにも役立ち、細胞外マトリックス成分の酵素活性および切断に起因する変化を継続的に受けている。細胞外マトリックス構造および組成の調節不全は、特定の病理学的状態および疾患進行を示す。
例えば、悪性新生物の進行中に、細胞は、最終的に組織恒常性の喪失および微小環境の再構築をもたらす遺伝的なおよび後成的な癌特異的変化を受ける。結合組織を介した癌細胞の浸潤は、転移の一部である。細胞浸潤は第一義的には機械的過程であるにも関わらず、癌研究は主に遺伝学/ゲノミクスに焦点を当ててきた。しかしながら、細胞外マトリックスおよび内皮細胞などの周囲の細胞の構造的および生体力学的特性は、癌細胞の運動性および浸潤に影響を及ぼす。したがって、組織微小環境は、遊走戦略および癌細胞浸潤の効率の1つの重要な決定因子である。
健康な成体組織などの正常な状態では、特定の分子は細胞および細胞外環境において低レベルで発現されるか、または全く発現されない。しかしながら、特定の病状は、細胞外環境における分子の持続的発現と関連する。したがって、医学的に有意な疾患の特徴は、細胞外環境において検出可能である。構造的再構築は細胞外および/または細胞膜貫通レベルで起こるので、疾患の特徴は、血液などの身体の他の領域で検出可能になる前に、細胞、細胞の集団、細胞外マトリックスおよび組織微小環境のレベルで検出可能である。身体の異なる領域における異なる細胞外マトリックスまたは組織微小環境組成のために、本発明は、疾患の特徴の部位の位置決定または検出も可能にする。例えば、脂肪組織中で起こる活性は、肝臓中で起こる活性とは異なり、肝臓中で起こる活性とは独立して検出可能である。したがって、疾患の初期段階の間にまたは疾患前状態において細胞、細胞外マトリックスまたは組織微小環境における疾患の顕著な特徴を検出することが可能である。
本発明は、細胞外マトリックスまたは組織微小環境における疾患の特徴を検出する方法を提供する。疾患の特徴の性質のために、本発明の方法は、他の利用可能な試験方法よりも早期に疾患の特徴を検出することを可能にする。例えば、他の検出方法としては、癌などの炎症性および萎縮性疾患の早期検出のための典型的な診断方法である液体生検が挙げられる。液体生検では、特定の疾患に対するバイオマーカーが血液試料から検出され得る。しかしながら、本発明は、細胞構造の再構築に関連する酵素活性を検出し、したがって、病理学的状態が血液中で検出可能になる前に検出を可能にする。
特定の態様において、本発明は、細胞、細胞の集団、細胞外マトリックスおよび組織微小環境の変化を検出または測定する方法を提供する。この方法は、特定の状態下で細胞外マトリックスまたは組織微小環境を再構築する酵素によって切断されたときに検出可能なレポーターを放出する複数の活性センサを対象の身体に投与することと、対象から採取された試料中の検出可能なレポーターを検出することと、検出可能なレポーターを対象中の特定の状態と相関させることとを含む。この方法は、試料中の検出可能なレポーターを定量することと、および対象の細胞または組織における構造的再構築の変化の速度を報告することとを含み得る。本方法は、必要に応じて、対象中の細胞外マトリックスまたは組織微小環境の再構築の程度に、検出された検出可能なレポーターの量を相関させることを含み得る。例えば、増殖性障害または癌を含む任意の適切な状態または疾患を調べることができる。疾患が癌である場合、本方法は、対象における腫瘍の出現を予測することを含み得る。好ましくは、本方法は、再構築の程度を記載すること、および画像診断方法によってまたは病理、染色などによって腫瘍を見ることができるより前に腫瘍を予測することを含む。
いくつかの実施形態において、本方法は、対象における疾患の発症を報告することを含む。本方法は、炎症または萎縮のいずれかを特徴とする疾患に有用であり得る。例えば、疾患は、癌、関節炎、外傷性傷害または筋肉傷害であり得る。特定の実施形態において、疾患は癌であり、細胞外マトリックスまたは組織微小環境の構造的再構築は腫瘍の発達を含む。他の実施形態において、疾患は関節炎であり、構造的再構築は軟骨の減少を伴う。検出可能なレポーターは、例えば、質量分析法またはイムノアッセイを含む任意の適切なアッセイによって検出され得る。本方法は、処置が施された後の対象における疾患状態の変化の長期的または反復的なモニタリングのために使用され得る。
好ましくは、複数の活性センサの各々は、1つの酵素に特異的な検出可能なレポーターを含む。複数の活性センサは、細胞外マトリックスおよび/または組織微小環境の疾患特異的な構造的再構築を示す複数の酵素に、ならびに細胞外マトリックスおよび/または組織微小環境の疾患特異的な再構築を示さない少なくとも1つの酵素に特異的な検出可能なレポーターを集合的に含み得る。各活性センサは、1または複数の分子サブユニットと複数のレポーターとを含む担体を含み得、それぞれが1またはそれを超える細胞外マトリックス再構築酵素の切断部位を含有する切断可能なリンカーによって担体に連結されている。担体は、連結されたポリエチレングリコール(PEG)サブユニットの20~60kDaの足場として提供され得る。各レポーターおよび切断可能なリンカーは、細胞の構造的再構築に関連する特定の疾患または状態に関連することが知られているプロテアーゼによる切断に対して感受性のあるポリペプチドを含み得る。
遊離されたレポーターを検出するために、任意の適切な検出または試験方法が使用され得る。特定の実施形態において、遊離されたレポーターは酵素免疫測定法によって検出される。他の実施形態において、遊離されたレポーターを検出するために使用される試験方法は、質量分析法、ELISAおよびクロマトグラフィーを含む。一実施形態において、対象の生理学的状態は、処置が行われた後に、モニターされ得る。一例として、本発明は、対象が前疾患状態にあることを予測するために使用され得る。治療的処置は、定められた期間にわたって対象に投与され得る。次いで、本発明は、定められた期間の後に酵素活性を検出するために使用され得る。治療的処置の有効性は、治療的処置の前および後における酵素活性の比較に基づいて決定され得、対象における疾患の変化の経時的な長期的モニタリングを可能にするために反復することができる。
関連する態様では、本発明は、細胞外マトリックスおよび組織微小環境における構造的変化の再構築の速度を検出、モニタリングまたは測定するための組成物を提供する。該組成物は、複数の活性センサを含み、各活性センサは、細胞外マトリックスおよび組織微小環境の疾患特異的な構造的再構築を示す酵素に対して感受性のある検出可能なレポーターを含む。活性センサは、細胞外マトリックスおよび組織微小環境の疾患特異的な構造的再構築を示すことが知られていない酵素による切断に対して感受性のある「対照」レポーターを必要に応じて含み得る。一実施形態において、活性センサは、担体および複数のレポーターを含む。担体は、1つまたは複数の分子サブユニットを含む。複数のレポーターの各々は、1またはそれを超える構造的再構築酵素の切断部位を含有する切断可能なリンカーによって担体に連結されている。1またはそれを超えるレポーターは、1またはそれを超える構造的再構築酵素による切断時に遊離され、それによって酵素活性を報告する。担体は、共有結合されたPEGサブユニットの20~60kDa(例えば、約40kDa)のポリエチレングリコール(PEG)足場を含み得る。さらに、各レポーターおよび切断可能なリンカーは、細胞外マトリックスまたは組織微小環境の構造的再構築に関連する特定の疾患または状態に関連することが知られているプロテアーゼによる切断に対して感受性のあるポリペプチドを含む。
本開示の態様は、細胞外マトリックスまたは組織微小環境の変化を検出する方法を提供する。該方法は、細胞外マトリックスまたは組織微小環境の構造の再構築を示す条件下で検出可能なレポーターを放出する複数の活性センサを含む組成物を対象に投与することと、対象から採取された試料中の検出可能なレポーターを検出することと、検出可能なレポーターを対象における特定の状態と相関させることとを含む。組成物は、結合組織増殖因子分子(例えば、CTGFまたはCCN2)、フィブリンまたは血栓形成、オステオポンチンまたは骨吸収の1またはそれより多くを検出し得る。組成物は、複数の活性センサを含み、各活性センサは、細胞外マトリックスまたは組織微小環境の疾患特異的な再構築を示す酵素に対して感受性のある検出可能なレポーターを含む。これらの酵素は、細胞外、細胞内または膜結合であり得るが、細胞外マトリックスまたは組織微小環境への変化をもたらす活性を示す。活性センサは、細胞外マトリックスまたは組織微小環境の疾患特異的な再構築を示すことが知られていない酵素による切断に対して感受性のある「対照」レポーターを必要に応じて含み得る。一実施形態において、活性センサは、担体および複数のレポーターを含む。担体は、1つまたは複数の分子サブユニットを含む。複数のレポーターの各々は、1またはそれを超える細胞外マトリックスまたは組織微小環境再構築酵素の切断部位を含有する切断可能なリンカーによって担体に連結される。1またはそれを超えるレポーターは、1またはそれを超える細胞外マトリックスまたは組織微小環境再構築酵素による切断時に遊離され、それによって酵素活性を報告する。担体は、共有結合されたPEGサブユニットの30~60kDa(例えば、約40kDa)のポリエチレングリコール(PEG)足場を含み得る。さらに、各レポーターおよび切断可能なリンカーは、細胞外マトリックスまたは組織微小環境への変化に関連する特定の疾患または状態に関連することが知られている酵素による切断に対して感受性のあるポリペプチドを含む。
図1は、細胞外マトリックスへの変化を検出するための方法を示し、細胞外マトリックスへの変化は、関心対象の疾患もしくは生理学的状態を予測し得、または関心対象の疾患もしくは生理学的状態の特徴であり得る 図2は、本開示の方法において有用な活性センサを示す。 図3は、細胞外マトリックスの再構築を記述するための組成物の使用を例示する。 図4は、細胞外マトリックスへの変化を記述するための組成物を示す。 図5は、特定の実施形態において有用な担体を例示する。 図6は、組成物の要素を決定することを例示する。 図7は、検出可能なレポーターを放出するための細胞外プロテアーゼによる切断を示す。 図8は、それによって検出可能なレポーターを検出するアッセイ結果を示す。
詳細な説明
本発明は、個々の細胞、細胞の集団、細胞外マトリックスおよび組織微小環境の構造的再構築を伴う状態をスクリーニングおよび/または診断するための組成物および方法を提供する。本開示の方法は、疾患進行の過程で構造的再構築を受けている臓器に送達されたときに、活性センサから検出可能なレポーターを放出する活性センサを使用する。対象から採取された試料中のこれらのレポーターの存在は、細胞構造およびマトリックス構造の変化を示す。活性センサが特定の疾患状態下で細胞構造の再構築に関与することが知られている一組の酵素の基質を含む場合、試料中のレポーターを検出することは対象における疾患を示す。細胞構造への著しい変化を引き起こす疾患には、とりわけ、組織の炎症または萎縮、外傷性傷害、線維症および癌を伴う疾患が含まれる。癌では、例えば、癌性細胞は、高度に相互接続された細胞外マトリックスを分解して腫瘍を出現および成長させる腫瘍微小環境中に細胞外プロテアーゼを排泄する。本開示の組成物は、X線または断層撮影などの画像に基づく方法による検出のために必要とされる閾値サイズまで腫瘍が形成または成長する前に、それらのプロテアーゼの活性を明らかにすることができる。本開示の活性センサは、細胞外プロテアーゼまたは(細胞膜を貫通し、細胞外部分を有する)膜貫通プロテアーゼへの曝露時に検出可能なレポーターを放出するので、活性センサは、その再構築の最も早い段階で細胞構造の再構築を検出するため、および再構築の速度を測定するためにも有用である。多数の臨床的に重要な疾患が細胞構造の再構築によって進行するので、本開示の組成物は、これらの疾患の早期検出に有用である。本開示の組成物は、腫瘍成長などの疾患進行の他の段階の前に必要とされる活性を検出するために有用であるので、本開示の組成物は、腫瘍発達などの将来の疾患段階を予測する活性を検出するために使用され得る。
本開示の組成物および方法は、疾患の非常に早期の検出、さらには疾患の早期予測に有用であるので、組成物および方法は、早期疾患スクリーニング、診断および介入を提供し、臨床医が疾患の最も初期の段階で処置を施すことを可能にする。本開示の方法は、初期段階の疾患介入および処置を可能にするので、これらの処置は成功の可能性を最適化し、より多くの患者が完全な回復に至ることを可能にし、痛みを伴う症候および高価な入院を回避する。本開示の方法および組成物は、患者の組織内の細胞構造の再構築の程度を報告するのに有用であるので、それらの利点を提供する。
細胞外マトリックス(ECM)は、生物の組織内に存在する動的構造体である。細胞外マトリックスは、あらゆる身体組織中の細胞の周囲および間に位置するタンパク質および糖のネットワークであり、組織の物理的支持を与える。細胞外マトリックスは、組織における恒常性を維持するのにも役立ち、細胞外マトリックス成分の酵素活性および切断に起因する変化を継続的に受けている。細胞外マトリックス構造および組成の調節不全は、特定の病理学的状態および疾患進行を示す。例えば、悪性新生物の進行中に、細胞は、最終的に組織恒常性の喪失および微小環境の再構築をもたらす遺伝的なおよび後成的な癌特異的変化を受ける。結合組織を介した癌細胞の浸潤は、転移の一部である。細胞浸潤は第一義的には機械的過程であるにも関わらず、癌研究は主に遺伝学/ゲノミクスに焦点を当ててきた。しかしながら、細胞外マトリックスおよび内皮細胞などの周囲の細胞の構造的および生体力学的特性は、癌細胞の運動性および浸潤に影響を及ぼす。したがって、組織微小環境は、遊走戦略および癌細胞浸潤の効率の1つの重要な決定因子である。
健康な成体組織などの正常な状態では、特定の分子は細胞および細胞外環境において低レベルで発現されるか、または全く発現されない。しかしながら、特定の病状は、細胞外環境における分子の持続的発現と関連する。したがって、医学的に有意な疾患の特徴は、細胞外環境において検出可能である。構造的再構築は細胞外および/または細胞膜貫通レベルで起こるので、疾患の特徴は、血液などの身体の他の領域で検出可能になる前に、細胞、細胞の集団、細胞外マトリックスおよび組織微小環境のレベルで検出可能である。身体の異なる領域における異なる細胞外マトリックスまたは組織微小環境組成のために、本発明は、疾患の特徴の部位の位置決定または検出も可能にする。例えば、脂肪組織中で起こる活性は、肝臓中で起こる活性とは異なり、肝臓中で起こる活性とは独立して検出可能である。したがって、疾患の初期段階の間にまたは疾患前状態において細胞、細胞外マトリックスまたは組織微小環境における疾患の顕著な特徴を検出することが可能である。
本発明の活性センサは、酵素活性であり得る活性から生物内で生成されたシグナルを検出する。いくつかの例では、活性センサは特定の非酵素的応答を検出する。一例として、活性は立体構造に関連し得、活性センサは、酸、剪断(sheer)または競合的結合事象を検出し得る。例えば、活性センサは、細胞の損傷または膜損傷中に圧迫された赤血球からの漏出などの機械的事象の結果を検出し得る。一例として、ペプチドは、体内のpH変化に基づいて、異なる立体構造をとり得、または異なって折り畳み得る。
活性センサによって検出される信号は、生物内で起こる二次的相互作用も示し得る。二次的相互作用は、生物学的に局所的に起こる事象の結果であり得る。例えば、シグナルAは、体内で殺傷されている細胞をもたらす活性を示し得るが、シグナルBは、殺傷されている細胞からの結果を示す。活性センサは、信号Aを単独で、信号Bを単独で、信号Aおよび信号Bを一緒に検出し得る。信号AおよびBが一緒に検出され得るので、活性センサはより高い感度および特異性を与える。検出は、信号AおよびBが身体内の同じ領域内で局所的に発生していること、または信号AおよびBが異なる位置で発生していることを示し得る。
本発明によって検出されるシグナルは、疾患の状態を示し得る、例えば腫瘍の存在を検出し得る。本開示の組成物および方法は、腫瘍の成長の速度などの疾患の速度の検出も可能にする。他の試験方法では、生検試験からの組織試料は、疾患の状態を検出し得る、または疾患からの損傷の程度を測定し得る。しかしながら、活性または進行の速度など、損傷自体が本発明によって検出され得る。したがって、本発明の方法および組成物は画像診断とは独立した測定のために使用される。
例えば、多数の対象が腫瘍と診断され得る。これらの対象には、チェックポイント遮断薬が投与され得る。チェックポイント遮断薬の投与後に、腫瘍のサイズが増大することがあり得る。対象の一部に関しては、腫瘍成長は、有効でない処置によるものであり得る。他の対象に関しては、腫瘍成長は、腫瘍への免疫細胞の流入によるものであり得る。本発明は、免疫細胞流入の活性を検出し、腫瘍のサイズが当初増大している場合でさえ、対象が処置に応答しているという指標を提供する。画像診断などの従来の検出方法は、腫瘍が成長しており、したがって対象が処置に応答していないことを示すにすぎない。
別の例として、本発明の活性センサは、線維性であり、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)などの疾患を示す組織を検出し得る。しかしながら、本発明の活性センサは、その線維性組織内で起こる酵素活性をさらに検出することができる。したがって、活性センサは、線維性組織が依然として活動性の組織であり、したがって「燃え尽きたNASH」または非活動性の線維性組織とは考えられないことを検出する。画像診断および従来の試験および検出方法は、このような活性の検出を提供しない。
図1は、細胞外マトリックスへの変化を検出するための方法101を示し、細胞外マトリックスへの変化は、関心対象の疾患もしくは生理学的状態を予測し得、または関心対象の疾患もしくは生理学的状態の特徴であり得る方法101は、複数の活性センサを含む組成物を提供すること111を含む。組成物を提供すること111は、関心対象の生理学的状態下において活性である1またはそれを超えるプロテアーゼのプロファイリング活性に基づいて含むように特異的な活性センサを設計することまたは決定することを含み得る。組成物は、対象に投与される113。任意の適切な導入方法が使用され得る。例えば、組成物は、静脈内注射によって対象に導入され得る。
患者が組織の細胞外マトリックスの再構築を伴う状態に罹患している場合、その組織内の活性センサは、再構築に関与するプロテアーゼに遭遇する。プロテアーゼは、活性センサから検出可能なレポーターを切断し、放出する。試料を患者から採取し115、放出された検出可能なレポーターの存在についてアッセイされる117。アッセイの結果が試料中の切断された検出可能なレポーターの存在を示す場合、例えば、組織に影響を及ぼす疾患の発症または段階を報告するなど、組織の生理学的状態を記載する報告119を提供するために、方法101が使用され得る。
本開示の方法は、細胞外プロテアーゼによって作用されると検出可能なレポーターを放出するナノ粒子規模の活性センサを含む組成物を使用し、その存在は、関心対象の生理学的状態(例えば、疾患)の特徴である。
図2は、本開示の方法において有用な活性センサ200を示す。活性センサ200は、1つまたは複数の検出可能なレポーター210を含む。活性センサ200から放出され、次いで活性センサ200が細胞外マトリックスの再構築に関与する1またはそれを超える酵素に遭遇したときに患者からの試料中で検出可能である限り、任意の適切な検出可能なレポーターが付与され得る。特定の実施形態において、検出可能なレポーター210は、適切な担体205、例えば、1つまたは複数の生体適合性分子サブユニットを含む分子足場に連結され得るポリペプチド207によって提供される。一態様において、担体205は、共有結合されたPEGサブユニットの30~40kDaのポリエチレングリコール(PEG)足場を含む。さらに、各レポーターおよび切断可能なリンカーは、細胞外マトリックス再構築に関連する特定の疾患または状態に関連することが知られているプロテアーゼによる切断に対して感受性のあるポリペプチドを含み得る。好ましい実施形態において、ポリペプチド207はそれぞれ、関心対象の生理学的状態下で活性な細胞外プロテアーゼのための基質および切断部位221を含む。
図3は、対象の組織内の部位での細胞外プロテアーゼ351による細胞外マトリックス319の再構築を検出し、報告し、記述するための本開示の組成物の使用を例示する。図示されている実施形態において、細胞外マトリックス319は基底膜305の上に重なっている。ここで、基底膜305は、複数の上皮細胞313と、腫瘍を形成しやすい1つの上皮細胞309とを含む。細胞外マトリックスには、線維芽細胞321およびマクロファージ337などの細胞の混合物も存在する。腫瘍を形成しやすい上皮細胞309は、有意な増殖の前に細胞外プロテアーゼ351の産生および分泌を開始し得る。
細胞外プロテアーゼ351の活性が存在しない場合、細胞外マトリックス319は、細胞の増殖を物理的に抑制する。細胞外プロテアーゼ351は、細胞外マトリックス319のタンパク質を切断し、腫瘍を形成しやすい細胞309が腫瘍へと発達し始めることを可能にする。複数の活性センサ200を含む本開示の組成物は、対象に投与される。活性センサ200は、細胞外マトリックス319内の細胞外プロテアーゼ351に遭遇する。プロテアーゼは、ペプチド207を切断し、検出可能なレポーターを放出する。図示されている実施形態では、放出された検出可能なレポーターは血流中に集まり、その後、糸球体で濾過され、尿中に放出される。
したがって、方法101によれば、組成物の投与213の後に(例えば、約1時間後または数時間後に)、試料が対象から採取される115。一例において、採取される試料は尿試料である。試料は、活性センサから放出されたレポーターを検出する117ために分析される。任意の所与の時点で組織中において一緒に活性を有する一組のプロテアーゼは、一連の健康状態に沿った感受性マーカーを提供し、疾患および疾患の段階を示し得る。
図3に示されているように、活性センサ200は、対象の組織内の細胞外マトリックス319の変化を検出するのに有用である。細胞外マトリックスは、すべての組織中に存在する動的構造体である。細胞外マトリックス319は、あらゆる身体組織内の細胞の周囲および細胞間に位置するタンパク質および糖のネットワークである。特に、細胞外マトリックスは、コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチンおよびラミニンなどのプロテオグリカンおよび繊維状タンパク質から構成される。細胞外マトリックス319は、組織の物理的支持、および組織の恒常性、すなわち組織内の内的定常状態の維持を担う。組織恒常性を維持する上での細胞外マトリックスの役割のために、細胞外マトリックスは、酵素活性および細胞外マトリックス成分の切断に起因する変化を継続的に受けている。細胞外マトリックスの再構築は、細胞の合成、分解、再構築および化学的修飾によって起こる。
プロテアーゼ351の調節不全は、癌の間に遺伝的に選択され、各群のその異なるメンバーが腫瘍において同様の役割を果たし得る。参照により組み込まれるSjoblom,2006,Science 314:268-274を参照されたい。細胞外マトリックス319は、正常な状態の間、絶えず再構築を受ける。しかしながら、細胞外マトリックス構造および組成の調節不全は、一般に疾患に関連する。特に、病理学的状態および疾患の進行は、調節不全の細胞外マトリックス再構築を伴う。細胞外プロテアーゼ351による活性などの医学的に重要な疾患の特徴は、細胞外マトリックスにおいて検出可能であり、細胞外プロテアーゼ351による活性は、他の症候が血液などの身体の他の領域中で検出可能になる前に検出可能であり得る。したがって、疾患の初期段階中または疾患前の状態において細胞外マトリックス中の疾患の特徴を検出することが可能である。
疾患のいくつかの特徴は、細胞外マトリックスの変化に関連する。健康な成体組織などの正常な状態では、特定の分子は低レベルで発現されるか、または全く発現されない。特定の病態は、調節不全の炎症、組織沈着および血管新生に特徴的な、細胞外マトリックス中の分子の持続的発現と関連する。例えば、異常な硬直および細胞外マトリックスの沈着は線維症および癌に特徴的であり、一方、過剰な細胞外マトリックスの分解は変形性関節症に特徴的である。
具体例として、CTGFおよびCCN2などの結合組織増殖因子分子は、疾患のマーカーである。結合組織増殖因子分子は、典型的には、細胞増殖に向けられ、組織修復中に血管新生および新しい組織合成を誘導する。結合組織増殖因子分子の過剰発現は、腎線維症、肝臓線維症および心線維症などの線維症、糖尿病性神経障害、ならびに膵臓癌などの固形腫瘍に特徴的である。
別の具体例として、フィブリン分子は、典型的には、血栓形成に向けられ、組織修復中の新しい組織合成のための足場として作用する。フィブリンの持続的発現は、線維症、例えば腎線維症、肺線維症および異栄養性筋線維症、ならびに固形腫瘍、例えば肺の小細胞癌腫および腎細胞癌腫に特徴的である。
別の具体例は、破骨細胞による骨吸収を開始し、組織修復中の炎症促進性媒介物質であるオステオポンチンに関する。しかしながら、固形腫瘍、例えば、乳癌、前立腺癌および膵管腺癌は、オステオポンチンの持続的な発現を特徴とする。持続的なオステオポンチン発現は、慢性炎症、例えば関節リウマチ、多発性硬化症および全身性エリテマトーデスにも特徴的である。細胞外プロテアーゼによる活性の調節不全の(すなわち、増加したまたは減少した)レベルに関連する任意のこのような疾患状態が、本開示の方法および組成物を使用して調べられ得る。
細胞外マトリックスまたは組織微小環境中で生じる二次的な活性も、本発明の方法および組成物によって検出され得る。例えば、血栓は体内で物理的応答を引き起こす。血栓によって引き起こされる物理的応答は、検出可能な信号を生成する二次的な活性である。例えば、組成物は、酵素中の結合部分およびフィブリン塊形成の検出のために使用され得、したがって、切断に応じたECM中への結合または取り込みを示す。本発明の組成物および方法は、活性の共位置(co-location)を測定するために使用され得る。
二次的な活性の他の例としては、組成物の投与から生じる体内の任意の作用または相互作用、例えば組成物に対する免疫応答、結合事象、または立体的もしくは化学的応答を誘導することが挙げられる。
図4は、細胞外マトリックスへの変化を検出および記述するための組成物401を示す。組成物401は、複数の活性センサ200を含む。各活性センサ200は、特定の細胞外プロテアーゼ351による切断および放出に対して感受性のある1またはそれを超える検出可能なレポーター210を含む。検出可能なレポーター210は、適切な担体205、例えば、1つまたは複数の生体適合性分子サブユニットを含む分子足場に連結されたポリペプチド207によって提供され得る。必要に応じて、活性センサ200は、水性懸濁液、軟膏、クリームまたはゲルなどの薬学的に許容され得る担体211中に提供される。担体205に対して、任意の適切な構造が使用され得る。好ましい実施形態において、担体205は、ポリエチレングリコール、ポリ乳酸、脂質、炭水化物または他のこのような構造などの生体適合性ポリマーを含む。
図5は、特定の実施形態において有用な担体501を例示する。いくつかの実施形態において、担体は、約20~50kDaの質量を有するポリマーを含む。担体は、各レポーターが共有結合している複数アームのポリエチレングリコール(PEG)足場を含み得る。図示されている担体は、8アームの40kDaのPEG足場を含む。したがって、ある特定の実施形態において、本開示は、その中において、検出可能なレポーターが、例えば、1またはそれを超えるポリマーサブユニットを含む担体に連結されている活性センサを含む前分析物(pro-analyte)を提供する。例えば、担体は、複数アームのPEG骨格(例えば、約40kDaの8アームPEG)であり得る。
好ましくは、組成物401は、複数の活性センサ200を含み、その各々は、組成物が複数の細胞外プロテアーゼ351の存在下で検出可能なレポーターを放出するように、複数の検出可能なレポーター210を含む。必要に応じて、各活性センサは、プロテアーゼ351によって切断されると、検出可能なレポーター210としてポリペプチド側鎖の一部を放出する、多数(例えば、8つ)の実質的に同一のポリペプチド側鎖207を有する。組成物401は、それぞれが一つのプロテアーゼ351に対して特異的なペプチド側鎖207を有する多数の活性センサを有することによって、複数の異なるプロテアーゼ351に対して検出可能なレポーターを放出し得る。好ましくは、組成物401は、複数のプロテアーゼ351に遭遇すると、検出可能なレポーター210を放出する。組成物401は、疾患状態に対して特異的ではない酵素に対して特異的な検出可能なレポーターも含み得る。すなわち、組成物は、「対照」として、すなわち疾患と特異的に関連しない1またはそれを超える酵素に対するベースライン活性レベルを報告するために、特定の活性センサを含み得る。プロテアーゼ351が活性センサを切断して検出可能なレポーターを放出すると、身体からの試料中のこれらのレポーターの検出は、組織の細胞外マトリックスの再構築の存在を示す。注目すべきことに、多くの疾患は、他の症候の出現前に酵素活性が調節不全にされる作用機序を伴う。例えば、新生物細胞は、細胞が検出可能な腫瘍へと増殖する前に、およびそれらの腫瘍細胞が液体生検によって検出可能であり得るレベルの腫瘍DNA断片を放出する前に、細胞外組織再構築酵素を放出して細胞外マトリックスを切断する。したがって、特定の部位での細胞外プロテアーゼの正確な検出は、重要な生理学的状態(sate)を示す。
いくつかの実施形態において、組成物401は、健康な組織を示す酵素に対する基質を有する少なくとも1つの活性センサを含み、それによって対象のベースライン酵素活性レベルを示す。同様に、組成物は、その特定の疾患または状態の併存症を示す酵素に対する基質を有する活性センサを含むことができ、本発明は、対象に対して治療プロファイルを提供する。
本開示の方法は、組成物401中に含めるための活性センサの組を決定すること111、すなわち、本開示の組成物を使用してどの関心対象のプロテアーゼの組を処理可能(addressable)とすべきかまたは処理すべきかを決定し、これにより、検出可能なレポーターのために含めるべき適切なポリペプチド207を選択することを提供する。調べることが意図される各プロテアーゼに対して、一つの特異的な活性センサ200を含めることができ、その活性センサは、切断部位221、例えば、そのプロテアーゼによる切断に対して感受性のある切断しやすい結合を含む複数(例えば、8つ)のポリペプチド207に好ましくは連結されている。活性センサ200は、必要に応じて、体内の過程によって除去される前分析物部分215を含む。このような活性センサ200を使用して、方法101は、標的部位において活性センサから放出された検出可能なレポーターを検出し(117)、それによって細胞外マトリックスの再構築を感知することを含む。
図6は、本開示による組成物401の要素を決定すること111を示す。好ましくは、組成物1101は、活性センサ200の完全な組を含有するライブラリ605から取り出すことによって作製される。特定の実施形態において、ライブラリ605内の各活性センサ200は、複数の同一のポリペプチド側鎖を含む。各ライブラリのエントリは、同一であり得るまたは本質的にもしくは機能的に同一であり得る任意の数(例えば、数千)のコピーによって表され得る。図示されているように、ライブラリ605は、580個の固有の活性センサ200を有する。各々は、適切な容器中に保存された何千ものコピーで存在し得る。例えば、いくつかの実施形態では、数百または数千コピーの各ライブラリのメンバーは、Eppendorf,Inc.(Enfield、CT)によってEPPENDORF FLEX-TUBESの商標で販売されている1.5mL微量遠心管などの遠心管などのその独自の容器中に保存される。関心対象の任意の所定の生物学的または生理学的状態に対して、適切なプロテアーゼのプロファイル615が開発されまたは取得される。
プロファイル615は、関心対象の生理学的状態の下で異なって発現される細胞外プロテアーゼ351を含み、このような酵素は、好ましくはプロファイル615に含まれる。しかしながら、プロファイル615は、関心対象の組織または身体区画において恒常的に発現され、活性であると推定される1またはそれを超える対照酵素などのその他の酵素も含み得る。対照酵素は、疾患関連酵素の活性レベルをそれに対して較正または正規化するためのバックグラウンド活性レベルを与え得る。さらに、プロファイルは、関心対象の生理学的状態の頻繁なまたは可能性の高い併存症に対して特異的であると理解される1またはそれを超える酵素を含み得る。プロファイル615中の細胞外プロテアーゼ351に対して特異的な活性センサ200は、本開示の組成物401を形成するために一緒に構成される。したがって、本開示の方法は、複数の同族細胞外プロテアーゼ351の存在下において組成物401が検出可能なレポーター210を放出するように、各活性センサ200が複数の検出可能なレポーター210を含む活性センサ200を含む組成物401を設計することを提供する。これらの細胞外プロテアーゼ351は、疾患状態と関連して上昇した活性を示す細胞外プロテアーゼ351のうちの1つまたはそれより多くを含む。
図7は、検出可能なレポーター210を放出するための細胞外プロテアーゼ251による活性センサ200の切断を示す。活性センサは、ペプチド鎖307中のそれぞれのプロテアーゼ351の基質221を含むように設計されているので、活性センサがプロテアーゼ351に遭遇すると、検出可能なレポーターが放出される。それらの小さいサイズのために、検出可能なレポーター210は、組織を通って自由に拡散し、血液中に集まり、糸球体濾過により尿中に排泄されるまで血液中を循環する。このような濾過によって、患者は、採取115および分析117することができる試料中に、検出可能なレポーター210を放出する。
試料は、任意の適切な方法またはアッセイによって分析され得る117。センサ200の位置の性質に応じて、適切な身体試料には、血液、尿、汗、リンパ液、生検、穿刺吸引、呼気、スワブ(例えば、頬スワブ)、涙、粘液、脳脊髄液、組織試料、切除された腫瘍試料、毛髪または切り取った爪、軟骨切除、(例えば、変形性関節症に罹患したまたは罹患が疑われる関節からの)滑液、または当技術分野で公知の任意の他の適切な試料が含まれる。検出可能なレポーターを検出するための適切なアッセイとしては、例えば、酵素結合免疫吸着アッセイ、他の免疫ブロッティングアッセイ、質量分析法、二次イオン質量分析法、ゲル電気泳動、二次元電気泳動、クロマトグラフィー、HPLC、ビーズ捕捉および分離(例えば、検出可能なレポーターに結合する磁気ビーズを使用する)、または任意の他のアッセイが挙げられる。分析物がそれぞれポリペプチド配列の設計によって固有の質量を有する場合、患者内の生理学的状態の存在または非存在を示す質量スペクトルの存在または非存在を明らかにするために、尿試料に対して質量分析法を実施し得る。
図8は、検出可能なレポーター210を検出する117アッセイ結果801を示す。図示されている実施形態では、アッセイ結果801は、患者からの試料から取得され得る質量スペクトルである。鋸歯状の線は、検出可能なレポーター210を表し、それぞれが特徴的な質量対電荷(m/z)比を有することを表す。質量スペクトル上の示されたピークの存在は、プロテアーゼが肝臓内に存在し、レポーターを切断したことを示している。
本発明の活性センサ200は、疾患および細胞外マトリックスの再構築と関連する調節不全のプロテアーゼ351を検出する。活性センサ200は、任意の適切な材料から調合され得、好ましくはPEGおよび質量バーコード化されたプロテアーゼ基質である。活性センサはそれぞれ、複数の検出可能なレポーターを含む。好ましい実施形態において、レポーターは、特異的なプロテアーゼによって切断されるように設計されたペプチド基質である。
本発明の実施形態は、対象の生理学的状態を予測する方法に関する。活性センサ200を含む組成物は、対象の体内に導入される。活性センサは、生理学的状態を予測する、1またはそれを超える細胞外プロテアーゼ351による切断に対して感受性のある複数のレポーターを含む。試料は対象から採取され115、遊離されたレポーター210は試料中で検出される。対象の生理学的状態の開始は、検出された遊離されたレポーター210に基づいて診断され得る。対象の生理学的状態は、炎症または萎縮を特徴とする疾患であり得る。
さらに、活性センサ200は酵素切断のための過剰な数の基質を提供するので、プロテアーゼの活性の速度の尺度を与えるために、身体からの試料中のレポーターまたは検出可能な分析物の存在を定量的に測定し得る。総合すると、酵素の活性の速度は、疾患の進行の速度の瞬間的尺度として機能し得る。
検出および分析には、任意の適切な方法が使用され得る。例えば、検出方法としては、質量分析法、クロマトグラフィー、揮発性有機化合物(VOC)、酵素免疫測定法、例えば酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、画像診断、例えば磁気映像法、呼気分析装置および単一分子、紙による診断、核酸コード化、画像診断および対照プローブが挙げられる。好ましい実施形態において、検出の方法は酵素免疫測定法である。例えば、レポーターまたは検出可能な分析物のための抗体を使用するイムノアッセイは、好ましい検出および分析方法であり得る。好ましい実施形態において、試料は、(活性センサから切断されたポリペプチドの質量対電荷比をアッセイする)質量分析法によって分析される。
特定の実施形態において、検出および分析の結果は、対象の生理学的プロファイルを提供し、次いで、これはレポートにおいて提供され得る119。例えば、結果は、組織における疾患の段階および/または進行の速度(例えば、質量スペクトルにおけるピーク)を示し得る。レポートは、対象の治療プロファイルを記述し得、対象の生理学的状態をさらに示し得る。レポートは、対象の診断、モニタリングおよび/または処置のために使用され得る。
したがって、本発明の方法および組成物は、対象の生理学的状態を予測するのに有用である。活性センサ200を含む組成物401は、対象の体内に導入される。活性センサは、生理学的状態を予測する1またはそれを超える細胞外マトリックス再構築酵素351による切断に対して感受性のある複数の検出可能なレポーター210を含む。試料は対象から採取され115、遊離されたレポーターは試料中で検出される。本開示の方法101および組成物は、任意の適切な対象とともに使用され得る。例えば、対象はヒト対象であり得る。特定の実施形態においては、本発明の方法および組成物は、農業または研究などにおいて、非ヒト生物とともに使用される。例えば、生物は、研究用途で使用される実施形態においては、タバコ植物(Nicotiana tabacum)、Caenorhabditis elegans、Drosophila、ゼブラフィッシュ(Danio rerio)、ブタ(Sus scrofa)、アフリカツメガエル(Xenopus frog)、またはマウス(例えば、Mus musculus)であり得る。農業の実施形態においては、生物は、トウモロコシ、コムギ、トウモロコシ、ナタネ、ダイズ、ヒマワリ、オオムギ、ソルガム、イモまたはイネなどの作物植物である。特定の農業的実施形態においては、生物は家畜動物(例えば、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ブタおよび家禽)である。方法および組成物は、処置の有効性および疾患の進行をモニターするために使用され得る。例えば、対象が癌と診断された場合、疾患をモニターし、または処置の有効性を決定するために、本発明が使用され得る。本発明は、所定の期間、治療的処置が対象に施された後に酵素活性を検出するために使用される。治療的処置の有効性は、治療的処置の前および後における酵素活性の比較に基づいて決定される。本発明の一態様において、対象の生理学的状態は、処置の方針が定められた後にモニターされる。
試料は、対象由来の任意の適切な試料であり得る。例えば、試料は、尿試料、呼気試料、汗試料または組織試料であり得る。さらに、試料は、任意の適切な方法によって採取され得る。例えば、試料は、身体から排出され得、試料は、液体または組織生検によって取得され得、試料は、画像診断法を使用して画像化され得る。
一実施形態において、本発明は、対象が前疾患状態であることを予測するために使用され得る。例えば、癌に関連する酵素が検出され得るが、対象は腫瘍成長を有さないことがあり得る。それ故、対象は前癌状態にある。
一実施形態において、対象の生理学的状態の開始は、検出された遊離されたレポーターに基づいて診断される。生理学的状態は、任意の検出可能な生理学的状態であり得る。特定の態様において、生理学的状態は疾患である。いくつかの実施形態において、疾患は炎症または萎縮によって特徴付けられる。いくつかの事例において、疾患は、癌、関節炎、外傷性傷害または筋肉損傷である。一例では、疾患は癌であり、細胞外マトリックス再構築は腫瘍の発達を含む。別の例では、疾患は関節炎であり、細胞外マトリックス再構築は軟骨の減少を含む。
一実施形態において、本発明のレポーターまたは分析物は、酵素活性によって切断された基質の部分に対応する。検出されたレポーターは、細胞外マトリックス中での酵素活性を示す。特に、対象が癌などの疾患に罹患している場合、癌に関連するプロテアーゼが対象中に存在する場合、組成物分析物は切断部位で担体から切断される。いくつかの実施形態において、検出された酵素の存在は、疾患の病期診断をさらに示す。活性センサは、特定の疾患検出に合わせて調整することができ、異なる送達経路および読み出しを有することができる。
任意の適切な送達経路が使用され得る。例えば、送達の経路には、静脈内、エアロゾル吸入、皮下持続放出、経口摂取および経皮送達が含まれる。非限定的な例として、エアロゾル化されたプローブはプロテアーゼ活性を検出する能力を保持し得、プローブのエアロゾル送達は肺腫瘍内に有意に蓄積し得る。好ましい実施形態において、送達の経路は、注射による静脈内送達である。
一実施形態において、センサが生成する信号は、活性センサ上にバーコード化され得る。活性センサは設計されている(engineered)ので、読み出しは任意の適切な方法によって行われ得る。例えば、読み出しは、質量分析、側方流動またはELISAによるものであり得る。疾患発現に関してプロテアーゼに注目することによって、関心対象の各疾患に対して、バーコード化された活性センサカクテルまたは組成物が組み立てられる。活性センサカクテルは、設計され、対象に投与される。適切な期間、例えば約1時間後に、尿試料などの試料が対象から採取される。次いで、バーコードを検出し、結果を対象に提供するために、試料が分析される。
特定の実施形態において、候補基質は、オンターゲットプロテアーゼおよびオフターゲットプロテアーゼである。オンターゲットプロテアーゼは、特定の疾患または状態を示すプロテアーゼである。オフターゲットプロテアーゼは、対象中のベースライン酵素レベルを示し、それによって対象中の「健康な」組織を示す。他のオフターゲットプロテアーゼは、標的疾患または状態とは異なる疾患または状態を示し、これは、標的疾患の影響と同様の影響を生成する併存症または関連疾患であり得る。オフターゲットプロテアーゼ検出を組成物中に含めることにより、検出がより高感度になり、特定の疾患について偽陽性結果を示す可能性が低くなる。したがって、組成物は、複数の活性センサを含むことができ、各活性センサは、特定の酵素に対して感受性のあるレポーターを有する。組成物は、数千の活性センサを含み得、各活性センサはナノセンサである。組成物中の活性センサのうち、数百は、第1の特定の酵素の活性検出を対象とする活性センサであり得、数百は、第2の特定の酵素の活性検出を対象とする活性センサであり得、数百は、第3の特定の酵素の活性検出を対象とする活性センサであり得る、などである。したがって、組成物は、特定の状態の検出のために設計される。組成物は、疾患状態下において調節不全ではない酵素に対して特異的な活性レポーターを含み得、その検出は、対象のベースライン酵素活性レベルを確立するために使用され得る。組成物は、疾患または状態に対する公知の併存症に関連する酵素に対して特異的な活性レポーターを含み得る。例えば、NASHとの併存症は、肥満および2型糖尿病である。したがって、NASHの検出を対象とする組成物は、肥満に関連する酵素による切断に対して感受性のある複数のレポーターと2型糖尿病に関連する酵素による切断に対して感受性のある複数のレポーターとを有する活性センサを含むべきである。
対象に対してベースライン酵素活性レベルを示すための特定の酵素、特定の疾患または状態に対するプローブ、およびその特定の疾患または状態の併存症に対するプローブを提供することによって、本発明は対象に対して治療プロファイルを提供する。対象が疾患または状態を有すると診断された場合、対象のプロファイルは、健康状態をモニタリングし、治療的処置の選択肢を決定するのに有益であり得る。
一実施形態において、活性センサは、担体および複数のレポーターを含む。担体は、1つまたは複数の分子サブユニットを含む。複数のレポーターの各々は、1またはそれを超える細胞外マトリックス再構築酵素の切断部位を含有する切断可能なリンカーによって担体に連結されている。1またはそれを超えるレポーターは、1またはそれを超える細胞外マトリックス再構築酵素による切断時に遊離され、それによって酵素活性を報告する。
活性センサは、酵素活性をモニターする分子機械である。活性センサは、特定の酵素の存在下でレポーターを放出する。レポーターは、対象から採取された試料中で検出可能であり、任意の適切な種類の試料採取であり得る。例えば、試料採取は尿試料であり得る。
活性センサは、ポリマーコア、設計された基質、およびバーコード化されたD-アミノ酸レポーターまたは分析物などの不活性コアまたは担体を有し得る。レポーターまたは分析物は、酵素またはプロテアーゼによる作用を受けると、活性センサのコアから放出される。次いで、放出または遊離されたレポーターまたは分析物は、対象から採取された試料中、例えば尿試料中で検出され得る。
本明細書においては酵素的切断が論述されているが、レポーターを切断するために他の方法が使用され得る。光および化学的切断による切断は、酵素活性から生じない切断の非限定的な例である。レポーターは、任意の適切なレポーターであり得る。特定の実施形態において、レポーターは、検出目的のためにバーコード化され得る。好ましい実施形態において、レポーターは、細胞外マトリックス再構築に関連するプロテアーゼによって切断可能な基質であるように設計される。
参照による組み込み
特許、特許出願、特許公報、雑誌、書籍、論文、ウェブコンテンツなどの他の文書の参照および引用が、本開示を通じて為されている。このようなすべての文書は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
均等物
本発明は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態で具体化されてもよい。したがって、前述の実施形態は、本明細書に記載されている発明を限定するものではなく、あらゆる点で例示的であると見なされるべきである。したがって、本発明の範囲は、前記記述ではなくむしろ、添付の特許請求の範囲によって示され、それ故、特許請求の範囲の意義および均等の範囲に属するすべての変化が、特許請求の範囲に包含されることが意図される。

Claims (15)

  1. 細胞外マトリックス、膜貫通タンパク質および/または組織微小環境の変化を検出する方法であって、
    細胞構造の再構築を示す条件下で、検出可能なレポーターを放出する複数の活性センサを対象に投与することと、
    前記対象から採取された試料中の前記検出可能なレポーターを検出することと、
    前記検出可能なレポーターを前記対象における特定の状態と相関させることと、
    を含む、方法。
  2. 前記再構築が、細胞外マトリックス、膜貫通タンパク質または前記組織微小環境の変化を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記試料中の前記検出可能なレポーターを定量することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記対象の健康状態を示すレポートを作成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記状態が、癌、線維症、血栓症、関節炎、外傷性傷害または筋肉傷害である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記状態が癌であり、前記細胞外マトリックスまたは組織微小環境の再構築が腫瘍形成を含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記状態が関節炎であり、細胞外マトリックスの再構築または組織微小環境の変化が軟骨の減少を含む、請求項5に記載の方法。
  8. 前記状態が炎症または萎縮を特徴とする、請求項5に記載の方法。
  9. 前記状態が増殖性障害である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記検出可能なレポーターが、画像診断またはイムノアッセイによって検出される、請求項1に記載の方法。
  11. 処置が施された後に、単一のまたは複数の時点で前記対象における疾患状態の変化をモニタリングすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  12. 各活性センサが、
    1つまたは複数の分子サブユニットを含む担体と、
    前記複数のレポーターであって、前記細胞外マトリックスまたは組織微小環境の再構築に関与する前記1またはそれを超える酵素の切断部位を含有する切断可能なリンカーによってそれぞれが前記担体に連結されている複数のレポーターと、を含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記担体が、連結されたポリエチレングリコール(PEG)サブユニットの20~60kDaの足場を含む、請求項12に記載の方法。
  14. 各レポーターおよび切断可能なリンカーが、細胞外マトリックスまたは組織微小環境の再構築に関連する特定の疾患または状態に関連することが知られているプロテアーゼによる切断に対して感受性のあるポリペプチドを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記再構築の部位を調べるために画像診断または病理学を使用することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
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