JP2022522462A - 疎水性側鎖を有するポリマーコーティング配合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、コーティング配合物の分野にあり、特に紙、プラスチック又は厚紙等の基材をヒートシール性、撥水性及び撥油性にするためのコーティング配合物のためにある。したがって、本発明は、ラジカル重合によって製造されるポリマーを含むコーティング配合物に関し、前記ポリマーは、疎水性側鎖を含む1種以上のモノマーを有する骨格を含む。更に、本発明は、前記コーティング配合物を有するヒートシール性、撥水性及び撥油性基材、並びにそのような基材を製造するための方法にも関する。

Description

本発明は、コーティング配合物の分野にあり、特に紙、プラスチック又は厚紙等の基材をヒートシール性、撥水性及び撥油性にするためのコーティング配合物のためにある。したがって、本発明は、ラジカル重合によって製造されるポリマーを含むコーティング配合物に関し、前記ポリマーは、疎水性側鎖を含む1種以上のモノマーを有する骨格を含む。更に、本発明は、前記コーティング配合物を有するヒートシール性、撥水性及び撥油性基材、並びにそのような基材を製造するための方法にも関する。
現在、環境上の理由から、プラスチックをベースにした包装材料から紙又は厚紙材料に切り替える動向にある。紙及び厚紙は、木に由来する天然材料であり、したがって、これらの材料は豊富に存在し、生物学的に再生可能である。更に、材料は、使用後、新しい紙又は厚紙材料に再利用できる。
一方、飲食用のカップ又は箱の製造における紙又は厚紙の使用は、プラスチック材料と比較して主要な欠点を有する。それらのバリア性は限定され、ヒートシール適性に欠く。
これらの欠点を克服するために、カップストック(cupstock)とも呼ばれるカップ又は食品用の箱に使用される紙は、最近ではプラスチック箔でラミネート加工されている。包装技術において、ヒートシーリングは、ポリマーフィルム又はポリマーコーティングされた包装材料(紙又は厚紙等)の容器又はパッケージの製造又は密閉のための従来の方法である。低密度ポリエチレン(LDPE)は、容易なヒートシール適性に起因して、パッケージに一般的に使用される材料である。ヒートシール適性の他に、プラスチックは、水、油及びグリースに対して良好なバリア性も提供する。更に、多くの他のポリマー、例えばポリエステルがパッケージに使用される。これらのポリマーは、ポリエチレンより優れた水蒸気及び/又は酸素バリア性を有するが、ヒートシール適性はより低い。
しかしながら、LDPE又はポリ乳酸等のプラスチック層でラミネート加工されたカップストックは、ほとんどの古紙再生利用施設に許可されない。プラスチック層は、セルロース繊維から除去しにくく、更に再生利用工場のふるいの詰まりの原因となる。結果として、ほとんどのプラスチックラミネート加工されたカップストックは、ごみの埋め立て地に行き着くか、又は材料をごみ焼却炉で再利用できない材料として焼却されなければならなくなる。
したがって、本発明は、撥水性及び撥油性を有し、現在利用可能なコーティング配合物と比較して改善されたヒートシール適性及びコーティングされた基材が改善された再利用性を有する可能性を持つコーティング配合物を提供する。そのため、本発明のコーティング配合物は、食品包装産業において使用される紙又は厚紙のコーティングに特に有用である。
特開2000-154493号公報
撥水性及び撥油性を有するポリマーをベースとする再パルプ化可能なコーティング配合物は、例えば、特開2000-154493号公報により知られているが、この参考文献は、コーティングをバリアコーティングとして紙基材に適用させた実施例を提供したに過ぎず、この実施例は、強制空気乾燥工程を含むが、カップストックの製造における上記のヒートシーリングプロセスで、どのように該配合物が働いたかを実証できていない。以下で更に詳述するように、本発明の目的は、撥水性及び撥油性の他にも良好なヒートシール適性も有する、ポリマーをベースとした再パルプ化可能なコーティング配合物を提供することである。
本発明は、ラジカル重合によって製造されるポリマーを含むコーティング配合物を開示する。前記コーティング配合物は、基材をヒートシール性並びに撥水性及び撥油性にする上で特に有用であり、ポリマーが、疎水性側鎖の重要な一部分を含むことを特徴とする。ブロッキング剤(以下参照)との組み合わせにおいて、本発明のコーティング配合物は、ワックスの存在なしに(特に食品産業において有用にする)、ヒートシール性、撥水性及び撥油性のコーティング事象を提供する。
第1の態様において、本出願は、ラジカル重合によって製造されるポリマーを含み、前記ポリマーは、1種以上のモノマーを有する骨格を含む、コーティング配合物に関する。これらの1種以上のモノマーは、前記1種以上のモノマーの少なくとも30%(w/w%)が1つ以上の疎水性側鎖を含むことを特徴とする。本発明に典型的なのは、これらの1つ以上の疎水性側鎖が、8個以上の炭素原子を有するアルキル鎖であることである。ポリマーの総質量中の量として表す場合、本発明によるコーティング配合物は、ラジカル重合によって製造されるポリマーを含み、疎水性側鎖全体の質量は、ポリマーの総質量の少なくとも20%(w/w%)である。特定の実施形態において、疎水性側鎖の全体の質量は、ポリマーの総質量の少なくとも25%(w/w%)である。更に別の実施形態では、本発明のコーティング配合物は、疎水性側鎖を含むモノマーの全体の質量が、ポリマーの総質量の少なくとも30%(w/w%)、特に1つ以上の疎水性側鎖を含むポリマーの骨格中の1種以上のモノマーの少なくとも40%(w/w%)、より具体的には約40%(w/w%)~約70%(w/w%)であることを特徴とする。
更に、本発明のコーティング配合物は、ラジカル重合によって製造されるポリマーの少なくとも30%(w/w%)を含むことを特徴とする。言い換えれば、本発明のコーティング配合物中には、ラジカル重合によって製造され、1つ以上の疎水性側鎖を有する1種以上のモノマーを含む骨格を含む少なくとも30%(w/w%)のポリマーが存在する。より好ましい実施形態では、コーティング配合物は、ラジカル重合によって製造されるポリマーの30%(w/w%)~80%(w/w%)を含む。前記ポリマーは、8個以上の炭素原子を有するアルキル鎖である1つ以上の疎水性側鎖を含む1種以上のモノマーを有する骨格を含み、疎水性側鎖全体の質量は、ポリマーの総質量の少なくとも30%(w/w%)である。
本発明のコーティング配合物中に存在するポリマーは、典型的には、8個以上の炭素原子を有するアルキル鎖である1つ以上の疎水性側鎖を含む1種以上のモノマーを有する骨格を含むことを特徴とする。より好ましい実施形態において、前記1つ以上の疎水性側鎖は、8~18個の炭素原子を有するアルキル鎖である。一部の態様では、一ポリマー中の疎水性側鎖は、同様の数の炭素原子を各疎水性側鎖中に有するアルキル鎖である。前記の例において、ポリマーは、8~18個の炭素原子を有するアルキル鎖である1つ以上の疎水性側鎖を含む。一部の他の態様では、一ポリマー中の疎水性側鎖は、異なる数の炭素原子を有するアルキル鎖である。例えば、前記の例において、一ポリマー中のアルキル鎖は、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17及び/又は18個の炭素原子を有するアルキル鎖の組み合わせであってもよい。
既に示したように、ポリマー中の1種以上のモノマーは、8個以上の炭素原子を有するアルキル鎖である1つ以上の疎水性側鎖を含む。一部の態様では、前記アルキル鎖は、直鎖状アルキル鎖であってもよい。他の態様では、前記アルキル鎖は、分岐状アルキル鎖であってもよい。一部の他の態様では、一ポリマー中の疎水性側鎖は、8個以上の炭素原子を有する直鎖状及び分岐状の両方のアルキル鎖の組み合わせであってもよい。
本発明のコーティング配合物中に存在するポリマーは、典型的には、1種以上のモノマーの骨格を含むことを特徴とする。さらなる実施形態において、前記1種以上のモノマーは、アクリレート、メタクリレート、オレフィン、ビニルエーテル、ビニルエステル、スチレン、マレエート、フマレート、イタコネート又はこれらの任意の誘導体から選択される。また、ポリマー中の1種以上のモノマーは、アクリレート、メタクリレート、オレフィン、ビニルエーテル、ビニルエステル、スチレン、マレエート、フマレート、イタコネート又はこれらの任意の誘導体の組み合わせであってもよい。
特定の実施形態において、1種以上のモノマーはアクリレートである。さらなる実施形態において、前記アクリレートは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、(イソ)プロピルアクリレート、(イソ)ブチルアクリレート、ターシャリーブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、パルミチルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、又はこれらの誘導体から選択される。
別の特定の実施形態において、1種以上のモノマーはメタクリレートである。より具体的には、前記メタクリレートは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、(イソ)プロピルメタクリレート、(イソ)ブチルメタクリレート、ターシャリーブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、パルミチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、又はこれらの誘導体から選択される。
ラジカル重合反応において、少なくとも30%(w/w%)、特に少なくとも40%(w/w%)の前記モノマーは、疎水性側鎖、すなわち、8個以上の炭素原子を有するアルキル鎖を含む。特定の実施形態において、前記疎水性側鎖を含むモノマーは、特に2-エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、パルミチルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、パルミチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、又はこれらの誘導体から選択される、アクリレート、メタクリレート又はこれらの組み合わせであり、より具体的には2-エチルヘキシルアクリレート又は2-エチルヘキシルメタクリレートから選択されるアクリレートである。
更に別の実施形態において、1種以上のモノマーは、オレフィン、より具体的には、エチレン、プロピレン、(イソ)ブテン、ヘキセン、オクテン、デセン、ドデセン及び高級同族体から選択されるオレフィンである。一実施形態において、少なくとも30%(w/w%)、特に少なくとも40%(w/w%)の前記オレフィンは、疎水性側鎖、すなわち、8個以上の炭素原子を有するアルキル鎖を含む。特定の実施形態において、疎水性側鎖を含むオレフィンは、オクテン、デセン、ドデセン及び高級同族体から選択される。
さらなる実施形態において、1種以上のモノマーは、ビニルエーテル、より具体的には、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、及び高級アルキル同族体から選択されるビニルエーテルである。一実施形態において、少なくとも30%(w/w%)、特に少なくとも40%(w/w%)の前記ビニルエーテルは、疎水性側鎖、すなわち、8個以上の炭素原子を有するアルキル鎖を含む。
別の実施形態において、1種以上のモノマーは、ビニルエステル、より具体的には、ビニルアセテート、ビニルラクテート、ビニルプロピオネート、ビニルステアレート、バーサチック酸(versatic acid)のビニルエステル(いわゆるベオバモノマー(veova monomers))、又はこれらの誘導体から選択されるビニルエステルである。
別の実施形態において、1種以上のモノマーは、スチレン、より具体的には、スチレン、メチルスチレン、アルキルスチレン又はこれらの誘導体から選択されるスチレンである。一実施形態において、少なくとも30%(w/w%)、特に少なくとも40%(w/w%)の前記スチレンは、疎水性側鎖、すなわち、8個以上の炭素原子を有するアルキル鎖を含む。
別の実施形態において、1種以上のモノマーは、マレエート、より具体的には、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジ(イソ)プロピルマレエート、ジ(イソ)ブチルマレエート、ジオクチルマレエート、及び高級アルキル同族体から選択されるマレエートである。一実施形態において、少なくとも30%(w/w%)、特に少なくとも40%(w/w%)の前記マレエートは、疎水性側鎖、すなわち、8個以上の炭素原子を有するアルキル鎖を含む。
別の実施形態において、1種以上のモノマーは、フマレート、より具体的には、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジ(イソ)プロピルフマレート、ジ(イソ)ブチルフマレート、ジオクチルフマレート及び高級アルキル同族体から選択されるフマレートである。一実施形態において、少なくとも30%(w/w%)、特に少なくとも40%(w/w%)の前記フマレートは、疎水性側鎖、すなわち、8個以上の炭素原子を有するアルキル鎖を含む。
更に別の実施形態において、1種以上のモノマーは、イタコネート、より具体的には、ジメチルイタコネート、ジエチルイタコネート、ジ(イソ)プロピルイタコネート、ジ(イソ)ブチルイタコネート、ジオクチルイタコネート及び高級アルキル同族体から選択されるイタコネートである。一実施形態において、少なくとも30%(w/w%)、特に少なくとも40%(w/w%)の前記イタコネートは、疎水性側鎖、すなわち、8個以上の炭素原子を有するアルキル鎖を含む。
さらなる態様において、本発明の種々の実施形態すべてによるコーティング配合物は、1種以上のブロッキング防止剤を更に含む。前記ブロッキング防止剤は、CaCO3、クレイ、タルカム、二酸化チタン、酸化ケイ素若しくはベントナイト等の無機顔料、又はポリスチレンc-マレイミド(SMI)若しくはプラスチック顔料等の有機ポリマー顔料から選択することができる。特定の実施形態において、前記ブロッキング防止剤は、少なくとも35℃のTgを有するポリマーである。そのようなポリマーは、ポリ(メタ)アクリレート、ポリビニルアセテート、ポリエステル、アクリル酸ポリエチレン又は(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルエステル、ビニルエーテル、マレエート、フマレート、イタコネート、マレイミド及びマレアミドをベースとするモノマーを含有するポリマーから選択することができる。更に別の実施形態において、ブロッキング防止剤は、少なくとも35℃のTmを有するポリマーである。前記例において、前記ポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレンコポリマー、ポリエチレンビニルアセテート、ポリエチレン塩化ビニル、ポリエチレンアクリル酸、ポリエステルから選択される。更に別の態様において、本発明のコーティング配合物中に存在するブロッキング防止剤は、無機顔料、有機顔料、並びに少なくとも35℃のTgを有するポリマー及び/又は少なくとも35℃のTmを有するポリマーのうちのいずれか1つの組み合わせであってもよい。特定の実施形態において、組み合わせは、無機顔料並びに少なくとも35℃のTgを有するポリマー及び/又は少なくとも35℃のTmを有するポリマーのうちの1つである。
さらなる態様において、1種以上のブロッキング防止剤は、コーティング配合物の固体質量組成の10%から70%の間の量、特に25%から60%(w/w%)の間の量で、本発明のコーティング配合物中に存在する。
本発明によるコーティング配合物は、増粘剤、結合剤、湿潤剤、消泡剤、表面張力低減剤、殺生物剤、染料及び/又は顔料等の他の助剤を更に含むことができる。
本発明の種々の態様によるコーティング配合物は、特に、基材をヒートシール性並びに撥水性及び撥油性にすることを目的とする。したがって、本発明の別の態様は、本明細書で開示する種々の実施形態のいずれかによるコーティング配合物でコーティングされた基材を含むヒートシール性、撥水性且つ撥油性の基材を開示する。特に、前記基材は、紙、プラスチック又は厚紙である。より好ましい態様において、前記基材は、紙又は厚紙である。更に別の態様において、前記基材は、その側面の片方のみにコーティング配合物を含む。別の態様では、前記基材は、両面にコーティング配合物を含む。
本発明はまた、基材、好ましくは紙、プラスチック又は厚紙のコーティングのための種々の実施形態によるコーティング配合物の使用も提供する。
本発明の最終態様において、ヒートシール性、撥水性及び撥油性基材の製造方法を提供する。前記基材は、紙、プラスチック又は厚紙から選択することができ、好ましくは、前記基材は、紙又は厚紙である。本発明の方法は、本明細書に記載の実施形態のいずれかによるコーティング配合物の基材への適用を含む。方法は、本発明によるコーティング配合物に加えて、追加のコーティング配合物の適用を更に含む。
また、本発明を以下の番号付けされた実施形態にしたがって記載する:
1. ポリマーを含むコーティング配合物であって、前記ポリマーが、ラジカル重合によって製造され、前記ポリマーが、1種以上のモノマーを有する骨格を含み、前記1種以上のモノマーが、1つ以上の疎水性側鎖を含み、前記ポリマーが、
- 疎水性側鎖が、8個以上の炭素原子を有するアルキル鎖であることと、
- 疎水性側鎖の全体の質量が、ポリマーの総質量の少なくとも20%(w/w%)であることと、
を特徴とする、コーティング配合物。
2. コーティング配合物が、ラジカル重合によって製造されるポリマーを少なくとも30%(w/w%)含む、実施形態1によるコーティング配合物。
3. コーティング配合物が、ラジカル重合によって製造されるポリマーを30%(w/w%)~80%(w/w%)含む、実施形態2によるコーティング配合物。
4. 疎水性側鎖が、8~18個の炭素原子を有するアルキル鎖である、前記実施形態のいずれかによるコーティング配合物。
5. 疎水性側鎖が、直鎖状若しくは分岐状アルキル鎖又は直鎖状及び分岐状アルキル鎖の組み合わせである、前記実施形態のいずれかによるコーティング配合物。
6. 1種以上のモノマーが、アクリレート、メタクリレート、オレフィン、ビニルエーテル、ビニルエステル、スチレン、マレエート、フマレート、イタコネート、又はこれらの誘導体から選択される、前記実施形態のいずれかによるコーティング配合物。
7. アクリレートが、メチルアクリレート、エチルアクリレート、(イソ)プロピルアクリレート、(イソ)ブチルアクリレート、ターシャリーブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、パルミチルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、又はこれらの誘導体から選択される、実施形態6によるコーティング配合物。
8. メタクリレートが、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、(イソ)プロピルメタクリレート、(イソ)ブチルメタクリレート、ターシャリーブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、パルミチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、又はこれらの誘導体から選択される、実施形態6によるコーティング配合物。
9. オレフィンが、エチレン、プロピレン、(イソ)ブテン、ヘキセン、オクテン、デセン、ドデセン、及び高級同族体から選択される、実施形態6によるコーティング配合物。
10. ビニルエーテルが、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、(イソ)プロピルビニルエーテル、(イソ)ブチルビニルエーテル、及び高級アルキル同族体から選択される、実施形態6によるコーティング配合物。
11. ビニルエステルが、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルステアレート、バーサチック酸のビニルエステル、又はこれらの誘導体から選択される、実施形態6によるコーティング配合物。
12. スチレンが、スチレン、メチルスチレン、アルキルスチレン又はこれらの誘導体から選択される、実施形態6によるコーティング配合物。
13. マレエートが、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジ(イソ)プロピルマレエート、ジ(イソ)ブチルマレエート、ジオクチルマレエート、及び高級アルキル同族体から選択される、実施形態6によるコーティング配合物。
14. フマレートが、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジ(イソ)プロピルフマレート、ジ(イソ)ブチルフマレート、ジオクチルフマレート、及び高級アルキル同族体から選択される、実施形態6によるコーティング配合物。
15. イタコネートが、ジメチルイタコネート、ジエチルイタコネート、ジ(イソ)プロピルイタコネート、ジ(イソ)ブチルイタコネート、ジオクチルイタコネート、及び高級アルキル同族体から選択される、実施形態6によるコーティング配合物。
16. 1種以上のブロッキング防止剤を更に含む、前記実施形態のいずれかによるコーティング配合物。
17. 1種以上のブロッキング防止剤が、無機顔料又は有機顔料、特に無機顔料から選択される、実施形態16によるコーティング配合物。
18. 無機顔料が、CaCO3、クレイ、タルカム、ベントナイト、二酸化チタン、及び酸化ケイ素から選択される、実施形態17によるコーティング配合物。
19. 有機顔料が、ポリスチレン-c-マレイミド(SMI)又はプラスチック顔料から選択される、実施形態17によるコーティング配合物。
20. 1種以上のブロッキング防止剤が、少なくとも35℃のTgを有するポリマーである、実施形態16によるコーティング配合物。
21. 1種以上のポリマーブロッキング防止剤が、ポリアクリレート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリビニルアセテート、ポリエステル、ポリエチレンアクリレート、並びにアクリレート、(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルエステル、ビニルエーテル、マレエート、フマレート、イタコネート、マレイミド、及びマレアミドをベースとするモノマーを含有するポリマーから選択される、実施形態20によるコーティング配合物。
22. 1種以上のブロッキング防止剤が、少なくとも35℃のTmを有するポリマーである、実施形態16によるコーティング配合物。
23. 1種以上のポリマーブロッキング防止剤が、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレンコポリマー、ポリエチレンビニルアセテート、ポリエチレンアクリル酸、ポリエチレン塩化ビニル、及びポリエステルから選択される、実施形態22によるコーティング配合物。
24. 1種以上のブロッキング防止剤が、無機顔料と、少なくとも35℃のTg又はTmを有するポリマーブロッキング防止剤と、の組み合わせである、実施形態16によるコーティング配合物。
25. 無機顔料が、CaCO3、クレイ、タルカム、ベントナイト、二酸化チタン、及び酸化ケイ素から選択され、少なくとも35℃のTg又はTmを有するポリマーブロッキング防止剤が、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレンコポリマー、ポリエチレンビニルアセテート、ポリエチレン塩化ビニル、ポリエステル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリビニルアセテート、ポリエステル、ポリエチレンアクリレート、ポリエチレンアクリル酸、並びに(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルエステル、ビニルエーテル、マレエート、フマレート、イタコネート、マレイミド、及びマレアミドをベースとするモノマーを含有するポリマーから選択され、特に、少なくとも35℃のTg又はTmを有するポリマーブロッキング防止剤が、(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルエステル、ビニルエーテル、マレエート、フマレート、イタコネート、マレイミド、及びマレアミドをベースとするモノマーを含有するポリマーから選択される、実施形態24によるコーティング配合物。
26. 1種以上のブロッキング防止剤が、コーティング配合物の固体質量組成の10%から70%の間、特に25%から60%(w/w%)の間の量でコーティング配合物中に存在する、実施形態16から25のいずれかによるコーティング配合物。
27. 前記実施形態のいずれか1つによるコーティング配合物でコーティングされた基材を含む、ヒートシール性、撥水性及び撥油性の基材。
28. 基材が、紙、プラスチック又は厚紙、木材、熱可塑性又は熱硬化性材料、ガラス、織物、革及び金属、好ましくは紙又は厚紙から選択される、実施形態27によるヒートシール性、撥水性及び撥油性の基材。
29. コーティング配合物が、基材の片面上に存在する、実施形態27又は28によるヒートシール性、撥水性及び撥油性の基材。
30. コーティング配合物が、基材の両面上に存在する、実施形態27から29のいずれか1つによるヒートシール性、撥水性及び撥油性の基材。
31. 基材のコーティングのための、好ましくは紙、厚紙又はプラスチックのコーティングのための、実施形態1から30のいずれか1つによるコーティング配合物の使用。
32. 実施形態1から26のいずれか1つによるコーティング配合物が、基材上に適用される、ヒートシール性、撥水性及び撥油性の基材を製造するための方法。
33. 基材が、紙、プラスチック、又は厚紙、好ましくは紙又は厚紙から選択される、実施形態32による方法。
34. コーティング配合物が、基材の片面上に適用される、実施形態32又は33による方法。
35. コーティング配合物が、基材の両面上に適用される、実施形態32から34のいずれか1つによる方法。
36. ラジカル重合によって製造されるポリマーを含むコーティング配合物であって、前記ポリマーが、1種以上のモノマーを有する骨格を含み、1種以上の前記モノマーが、1つ以上の疎水性側鎖を含み、前記ポリマーが:
- 疎水性側鎖が、8個以上の炭素原子を有するアルキル鎖であることと、
- 疎水性側鎖の全体の質量が、ポリマーの総質量の少なくとも20%(w/w%)であることと、
を特徴とし、前記コーティング配合物が、少なくとも30%(w/w%)の該ポリマーを含み、前記コーティング配合物が、無機顔料又は少なくとも35℃のTg若しくはTmを有するポリマーから選択される1種以上のブロッキング防止剤を更に含む、コーティング配合物。
37. ポリマーの骨格中の少なくとも30%(w/w%)、特に約40%(w/w%)~約70%(w/w%)の1種以上のモノマーが、1つ以上の疎水性側鎖を含む、実施形態36によるコーティング配合物。
38. コーティング配合物が、ラジカル重合によって製造される3ポリマーを0%(w/w%)~80%(w/w%)含む、実施形態36又は37によるコーティング配合物。
39. ポリマーが、1種以上のモノマーのラジカル重合によって製造されるコポリマーであり、少なくとも40%(w/w%)の前記モノマーが、8個以上の炭素原子を有する1つ以上のアルキル鎖を含む、前記実施形態のいずれかによるコーティング配合物。
疎水性側鎖を含む、特に8個以上の炭素原子を有する1つ以上のアルキル鎖からなるモノマーは、以下、疎水性モノマーとも呼ばれる。ラジカル重合反応中、これらの疎水性モノマーは、該疎水性側鎖を欠くモノマー、すなわち、以下、非疎水性モノマーとも呼ばれる、8個未満の炭素原子しか有さない側鎖を含むモノマーと組み合わされる。ラジカル重合反応中、疎水性モノマー及び非疎水性モノマーは、同じ部類、例えばアクリレート、メタクリレート、オレフィン、ビニルエーテル、ビニルエステル、スチレン、マレエート、フマレート、イタコネート、又はこれらの誘導体に属してよく、側鎖の疎水性においてのみ互いに異なると考えられ、疎水性モノマーは、8個以上の炭素原子を有する1つ以上のアルキル鎖を含み、非疎水性モノマーは、8個未満の炭素原子を有する1つ以上のアルキル鎖を含む。
したがって、違ったように表すと、本発明によるコーティング配合物中に使用されるポリマーは、1種以上の疎水性モノマーと1種以上の非疎水性モノマーとのラジカル重合によって製造され、少なくとも40%(w/w%)の前記モノマーは、疎水性モノマーである。特定の実施形態において、約40%(w/w%)~約70%(w/w%)の前記モノマーは、疎水性モノマーである。別の実施形態において、約40%(w/w%)~約70%(w/w%)の前記モノマーは疎水性モノマーであり、少なくとも25%(w/w%)の前記モノマーは非疎水性モノマーである。別の実施形態において、約40%(w/w%)~約70%(w/w%)の前記モノマーは疎水性モノマーであり、約30%(w/w%)~約50%(w/w%)の前記モノマーは非疎水性モノマーである。
本発明の実施形態において、疎水性モノマーとも呼ばれる、1つ以上の疎水性側鎖を含む1種以上のモノマーは、2-エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、パルミチルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、パルミチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、又はこれらの誘導体から選択されるアクリレート又はメタクリレート、より具体的には2-エチルヘキシルアクリレート又は2-エチルヘキシルメタクリレートから選択されるアクリレート又はメタクリレートである。
本発明の実施形態において、非疎水性モノマーは、スチレン、メチルスチレン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、(イソ)プロピルアクリレート、(イソ)ブチルアクリレート、ターシャリーブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、(イソ)プロピルメタクリレート、(イソ)ブチルメタクリレート、ターシャリーブチルメタクリレート、又はこれらの誘導体から選択されるスチレン、アクリレート又はメタクリレート、より具体的には(イソ)ブチルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、又はエチルメタクリレートから選択されるアクリレートである。
40. ポリマーブロッキング防止剤が、ポリアクリレート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリビニルアセテート、ポリエチレンビニルアセテート、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンとのコポリマー、ポリエステル、又はアクリレート、(メタ)アクリレート、アクリル酸、スチレン、エチレン、プロピレン、ビニルエステル、ビニルエーテル、マレエート、フマレート、イタコネート、マレイミド及びマレアミドをベースとするモノマーを含有するポリマー、特に(メタ)アクリレート、スチレン、エチレン、プロピレン、ビニルエステル、ビニルエーテル、マレエート、フマレート、イタコネート、マレイミド及びマレアミドをベースとするモノマーを含有するポリマーから選択される、前記実施形態のいずれかによるコーティング配合物。
したがって、本発明は、基材を撥水性、撥油性及びヒートシール性にするための基材のコーティングに特に有用な新規のコーティング配合物を提供する。本発明のコーティング配合物は、ラジカル重合によって製造されるポリマーを含むことを特徴とし、前記ポリマーは、8個以上の炭素原子を有する1つ以上の疎水性側鎖を含む1種以上のモノマーを有する骨格を含む。ポリマーは、疎水性側鎖の全体の質量が、ポリマーの総質量の少なくとも20%(w/w%)であることを更に特徴とする。低いTgにもかかわらず、コーティング配合物中のそのような量の疎水性側鎖を有するポリマーの使用は、良好な密閉性、高い撥水性及び比較的低いブロッキング挙動を有する前記配合物をもたらすことが観察された。したがって、ワックスの存在なしに、ヒートシール性、撥水性及び撥油性のコーティングが提供されることは本発明に典型的である。結果として、本コーティング配合物は、食品用カップ又は食品用の箱の製造に使用できるヒートシール性、撥水性及び撥油性の基材を製造するための食品産業において特に有用である。
コーティング配合物中に存在するポリマーは、典型的には、ラジカル重合によって製造される。ラジカル重合は、水溶液系で実施できるという利点を有する。通常、ラジカル重合中、モノマーのエマルションが作製され、開始剤によってラジカルが生成される。前記ラジカルエマルション重合反応は、過剰な純度の状態及び室温以上の温度なしに実施することができる。ラジカルエマルション重合は、通常、高分子量のポリマーにつながり、これは、ポリマーを使用して2つの基材を密閉するときに良好な密閉性を維持する上で有益である。ラジカル重合の別の利点は、ポリマーの最終特性を適合するために、あらゆる種類のモノマーをも選択することができる点である。その点に関して、長鎖アルキル基の量は明確に規定することができ、Tgは、ある程度まで選択できる。多量の長鎖アルキル基は、ポリマーに高い疎水性をもたらし、結果として低いTgになる。低いTgは、より良好に膜を形成するために有益であり、より密閉された膜は、より良好なバリア特性につながる。
一方、低いTgのポリマーは、ブロッキングの問題に悩まされる。オンライン又はオフラインコーティング機でコーティングされた紙は、ロールに巻かれる。ロールの高圧下、コーティングされた紙は互いに接着しうる。これは、特に、ロールの両面がコーティングされる場合である。本発明にしたがって説明され、ポリマーの総質量の少なくとも20%(w/w%)の、8個以上の炭素原子を有するアルキル側鎖を含むポリマーは、Tgと比較して比較的低いブロッキング挙動を示すことが発見された。ポリマー上の長鎖アルキル基は、ポリマーの軟化作用を有するが、それにもかかわらず、長鎖アルキル基を含まず、同様のTgプロフィールを有するポリマーより低いブロッキング挙動を示す。
加えて、コーティング配合物は、ブロッキング防止剤を更に含む。前記ブロッキング防止剤は、ポリスチレンc-マレイミド等の有機顔料又は中空ポリスチレン粒子等のプラスチック顔料、又はCaCO3、クレイ、タルカム、二酸化チタン、酸化ケイ素若しくはベントナイト等の無機顔料であってもよい。別の実施形態において、前記ブロッキング防止剤は、少なくとも35℃のTg又は少なくとも35℃のTmを有するポリマーである。好ましい実施形態において、ブロッキング防止剤は、無機顔料、40℃~200℃のTg若しくはTmを有するポリマー、又はこれらの組み合わせである。
コーティング配合物の良好なヒートシール性は、熱プレスに曝露されると膜を形成するために良好な流動特性を有することを要する。無機顔料は、ヒートシール操作中に加えられる熱及び圧力に対して不活性であり、したがって、本発明に記載の、ポリマーの総質量の少なくとも20%(w/w%)の、8個以上の炭素原子を有するアルキル側鎖を含む溶融ポリマーの適正分布のための流路を作製する。コーティング配合物中のブロッキング防止剤の量は、好ましくは、コーティング配合物の固体質量組成の10%から70%の間の量、特に25%から60%(w/w%)の間の量である。無機顔料の量は、好ましくは、合計コーティング質量の40%未満、より好ましくは35%未満である。無機顔料の量が多くなると、膜がマスキングされ、コーティング配合物の密閉性は低くなる。
したがって、特定の実施形態では、前記ブロッキング防止剤は、CaCO3、クレイ、タルカム、二酸化チタン、酸化ケイ素又はベントナイト等の無機顔料と、ポリアクリレート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリビニルアセテート、ポリエチレンビニルアセテート、ポリエステル、又はアクリレート、(メタ)アクリレート、スチレン、アクリル酸、ビニルエステル、ビニルエーテル、マレエート、フマレート、イタコネート、マレイミド及びマレアミドをベースとするモノマーを含有するポリマー、特にアクリレート及び(メタ)アクリレートをベースとするモノマーを含有するポリマー等の少なくとも35℃のTg又は少なくとも35℃のTmを有するポリマーと、の組み合わせである。そのような組み合わせにおいて、無機顔料は、依然として溶融ポリマーの適正分布のための流路を作製する機能を持つが、少なくとも35℃のTg又は少なくとも35℃のTmを有するポリマーブロッキング防止剤として膜をマスキングせずに、ヒートシール操作中に、本発明に記載の溶融ポリマーとブレンドされ、該ヒートシール操作段階でコーティング配合物の粘着性を更に強化する。
無機顔料、特にタルカム顔料(疎水性の性質のため)と、少なくとも35℃のTg又は少なくとも35℃のTmを有するポリマーと、の組み合わせで、無機顔料の、少なくとも35℃のTg又は少なくとも35℃のTmを有するポリマーに対する比が好ましくは1以下で、最良の結果が達成される。特定の実施形態において、無機顔料の、少なくとも35℃のTg又は少なくとも35℃のTmを有するポリマーに対する比は、約0.3~約0.8である。コーティング配合物の固体質量組成の質量パーセントで表した場合、無機顔料の量は、約10%~約30%であり、少なくとも35℃のTg又は少なくとも35℃のTmを有するポリマーの量は、約10%~約40%であり、無機顔料の、少なくとも35℃のTg又は少なくとも35℃のTmを有するポリマーに対する比は、1以下、特に約0.3~約0.8である。
本発明の更に好ましい実施形態において、特許出願EP-A 2007/006518に記載のポリマーを含有する環状イミドが、ブロッキング防止剤として使用される。コーティング配合物を乾燥すれば、これらの生成物は、良好な撥水性をもたらす。これらの生成物は、コアシェル構造を有し、それによってシェルは環状イミド含有生成物を有し、コアは水不溶性生成物である。そのような生成物は、例えば、植物油、ワックス、ロジンガム、シリコン油、及び誘導体、エチレン、プロピレン、(イソ)ブテン、ブタジエン及びこれらの混合物のオリゴマー及びポリマーである。コアシェル粒子中の脂肪族基の含有率が高いほど、結果として得られるコーティングの撥水性が優れたものとなる。
本発明に記載のポリマーは粘着性を有するが、他の粘着付与剤も存在しうる。粘着付与剤の例としては、アクリルエマルション、ロジン誘導体、低分子量ポリエチレン又はポリエステルがあり得る。多量のカルボン酸基を有するポリマーを増粘剤として使用することができる。そのようなポリマーは、例えば、アクリル酸の含有率が、ポリマーの総質量の少なくとも10%である、ポリエチレンアクリル酸である。追加の粘着付与剤は、通常、合計コーティング配合物の35%未満の量で存在する。
本発明によるコーティング配合物は、さらなる結合剤を含有してもよい。これらの接着性結合剤は、ポリスチレンブタジエンエマルション、ポリアクリレート、ポリスチレンアクリレート、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、ポリエチレンビニルアセテート、ポリエチレンアクリレート、エチレン塩化ビニルコポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、スチレンと無水マレイン酸塩とのコポリマー、又はこれらの混合物の分散体から選択される。前記他の接着性結合剤は、コーティング中に5%~45%、好ましくは5%~40%、より好ましくは5~35%で存在する。
本明細書に記載のヒートシール性コーティングは、種々の基材上に適用できる。典型的な基材は、紙、厚紙、木材、熱可塑性及び熱硬化性材料、ガラス、織物、革及び金属、好ましくは紙及び厚紙である。
コーティング層は、スプレー、スミア、ディッピング、印刷、圧延及び塗装等の典型的なコーティング技術によって基材上に適用することができる。紙及び厚紙の用途の場合、コーティング層は、ほとんど、ブレードコーター、ロッドコーター、エアナイフコーター、カーテンコーター、Invoコーター、サイズプレス又はフィルムプレスによって適用される。適用されたら、コーティングを空気乾燥してもよく、又はコーティングされた基材を赤外線ランプ下又はオーブン中に移すことによって更に迅速な乾燥を実現できる。当業者は、乾燥したコーティングが互いに接着せず、コーティングがヒートシール適性を保つように、温度又は滞留時間が高くなりすぎないことを確認する。
基材上に適用されたコーティングの量は、キャリア層、すなわちコーティングされる基材のタイプ、及び基材間で達成される必要な粘着力によって決まる。多孔質物質の場合、多量のコーティングが必要とされる。紙及び厚紙の場合、通常、1平方メートル当たり2~25グラムの(乾燥)コーティングの層が用いられうるが、好ましくは1平方メートル当たり5~20グラムの(乾燥)層が適用される。薄層は、包装材料の質量を低減し、費用が抑えられるため有益であるが、ヒートシーリング中に粘着力を増加させるために厚みのある層が必要な場合もある。
別の態様では、コーティング配合物は、1平方メートル当たり3~20グラム(乾燥)の層として、好ましくは1平方メートル当たり6~12グラム(乾燥)の層として基材上に適用される。
また、キャリア層、すなわち基材上に複数のコーティング層を適用することも可能である。特に多孔質物質を処理する場合、先ず基材の細孔を密閉するコーティング層を適用するのは興味深いことである。好ましくは、このコーティング層は、密閉された膜を形成する。典型的な膜は、フィラー及び顔料を最大95%含有しうるポリスチレンブタジエンラテックス又はポリアクリル酸分散体を含有する配合物から形成されると考えられる。好ましくは、フィラーの量は、20~80%である。この配合物は、例えばワックス等の幾らかの撥水剤も含有しうるが、その量は、本発明による第2の層の適用を可能にするために限定されるべきである。通常、プレコーティングが適用される場合、層厚は、1平方メートル当たり1~15グラム(乾燥)である。
コーティングされた基材は、別のコーティングされた基材に対してシーリングできるが、コーティングされた基材を未処理の基材とヒートシーリングすることも可能である。未処理基材がコーティングされた基材によく接着されない場合、通常、本出願によるコーティングの微小層、例えば1平方メートル当たり1~3グラム(乾燥)の適用が、基材を良好な密閉性にする上で十分である。
紙基材を使用して清涼飲料用のカップを作製する場合、通常、1平方メートル当たり3~10グラム(乾燥)の厚みのある本発明によるコーティング層が適用される。この層は、改善されたヒートシール性のみでなく、凝縮水に対するバリアとしても機能する。
コーティングされた基材は、例えば熱風及び超音波をベースとするもの等の古典的プロセスによってシーリングすることができる。加熱中、基材に圧力を印加して粘着力を改善する。
基材として紙又は厚紙を使用する場合、本発明によるコーティングされた材料が再パルプ化可能であることが発見された。これは、包装材料の費用及び環境適合性に主要な影響を持つ。第一に、成形された包装材料の形成中、パルプ機に戻すことができる余った紙又は厚紙が幾らかある。第二に、使用した包装材料は、リサイクル紙又は厚紙としてセカンドライフが見出される。
本発明は、更に、良好な撥水性を示すコーティング層に関する。良好なヒートシール性及び良好な撥水性を有するコーティング層は、ポリエチレン及びポリプロピレン等の熱可塑性層に取って代わることができる。これらの熱可塑性層は、多くの場合、これらの層で処理された基材のリサイクルプロセスを妨害する。
コーティング配合物は、更に、印刷技術によって基材上に適用することができる。前記印刷は、オフセット、輪転グラビア、(回転)スクリーン印刷、フレキソ印刷又はレーザー印刷等の古典的印刷機によって行われうる。通常、印刷機器は、互いに隣接する幾つかの印刷装置を有する。装置は、種々の色を含有する。本発明では、これらの装置の1つ以上を使用して、コーティング層を基材上に印刷することができる。
以下の実施例を用いて本発明を更に開示する。
ポリマーエマルション
(ラテックス実施例1:34.5% MMA、64.5% EHA、及び1% AAc)
プレエマルションを作製するために、110.6gの脱イオン(DI)水、2.42gの重炭酸ナトリウム、70.7gのメチルメタクリレート、132.7gの2-エチルヘキシルアクリレート、2.02gのアクリル酸、及び36.0gのラウリルスルホン酸(SLS)のナトリウム塩の20wt%水溶液を、マグネチックスターラーを有する1Lビーカーに添加し、窒素パージによって20分間脱気した。次いで、ULTRA TURRAX SD-45高速分散機を使用して、5000rpmでプレエマルションを均質化した。
半月形インペラ、還流冷却器、添加漏斗、及び熱電対を有するオーバーヘッド機械式スターラーを備えた500mLの5口二重反応窯を、110.6gのDI水、2.0gの過硫酸ナトリウム(SPS、10wt%)水溶液、4.0gのSLS(20wt%)水溶液、及び20%のプレエマルション(70.9g)で充填した。窒素雰囲気生成装置下、穏やかに撹拌しながら(約250rpm)、45分間、窯を75℃まで加熱して種粒子を生成した。次いで、プレエマルションの残り(283.5g)を、3時間にわたって添加漏斗に通して供給し、別のラインを介して2gのSPS(10wt%)を3時間15分間、同時供給した。開始溶液が完了した後、温度を更に60分間、75℃で維持した。次いで反応混合物を空気に晒し、室温まで冷却し、濾過した。最終生成物は、34.5wt%のメチルメタクリレート、64.5wt%の、少なくとも8個の炭素原子を含有する疎水性側鎖を有するモノマー(すなわち、2-エチルヘキシルアクリレート)、及び1%のアクリル酸を含む45wt%水性ラテックスである。疎水性側鎖の全体の質量は、ポリマーの総質量の40%(w/w%)である。DSCによって測定されたTgは-23℃である。
(ラテックス実施例2:39.5% MMA、10% BuA、49.5% EHA、及び1% AAc)
同じ装置及び手順を用いてラテックス2を作製したが、ラテックス生成物の組成及び固形分は異なる。実施例2のプレエマルションは、51.6gのDI水、2.42gの重炭酸ナトリウム、80.8gのメチルメタクリレート、20.2gのn-ブチルアクリレート、102.0gの[@Dirk;2-エチルヘキシルアクリレートと呼ぶべきもの]、2.02gのアクリル酸、及び36.0gのSLS溶液(20wt%)からなる。最初に、窯を51.6gのDI水、2.0gのSPS(10wt%)水溶液、4.0gのSLS(20wt%)水溶液、及び59gのプレエマルションで充填した。第2のプレエマルションの充填は、3時間の間の236.1gの供給だった。また、SPS(10wt%)水溶液2.0gを3時間15分かけて補助的に供給した。ラテックス生成物の最終固形分は60wt%であり、コポリマー組成は、39.5%のメチルメタクリレート、10%のn-ブチルアクリレート、49.5%の、少なくとも8個の炭素原子を含有する疎水性側鎖を有するモノマー(すなわち、2-エチルヘキシルアクリレート)、及び1%のアクリル酸である。疎水性側鎖の全体の質量は、ポリマーの総質量の30%(w/w%)である。DSCによって測定されたTgは-10℃である。
(ラテックス実施例3:78% MMA、21% EHA、及び1% AAc)
プレエマルションを作製するために、110.6gの脱イオン(DI)水、2.42gの重炭酸ナトリウム、155.8gのメチルメタクリレート、42.2gの2-エチルヘキシルアクリレート、2.02gのアクリル酸、並びに36.0gのラウリルスルホン酸(SLS)のナトリウム塩の20wt%水溶液を、マグネチックスターラーを有する1Lビーカーに添加し、窒素パージによって20分間脱気した。次いで、ULTRA TURRAX SD-45高速分散機を使用して、5000rpmでプレエマルションを均質化した。
半月形インペラ、還流冷却器、添加漏斗、及び熱電対を有するオーバーヘッド機械式スターラーを備えた500mLの5口二重反応窯を、110.6gのDI水、2.0gの過硫酸ナトリウム(SPS、10wt%)水溶液、4.0gのSLS(20wt%)水溶液、及び20%のプレエマルション(70.9g)で充填した。窒素雰囲気生成装置下、穏やかに撹拌しながら(約250rpm)、45分間、窯を75℃まで加熱して種粒子を生成した。次いで、プレエマルションの残り(283.5g)を、3時間にわたって添加漏斗に通して供給し、別のラインを介して2gのSPS(10wt%)を3時間15分間、同時供給した。開始溶液が完了した後、温度を更に60分間、75℃で維持した。次いで反応混合物を空気に晒し、室温まで冷却し、濾過した。最終生成物は、78wt%のメチルメタクリレート、22wt%の2-エチルヘキシルアクリレート、及び1%のアクリル酸を含む45wt%水性ラテックスである。ポリマーのDSCによって測定されたTgは+55℃である。
ワックス封入スチレンマレイミドコポリマー
アンカースターラーを有する1リットルの二重壁の油加熱オートクレーブに、156gのポリスチレン無水マレイン酸(SMA)(グレード:26080;Polyscope社(オランダ)製)及び467gの水を添加した。SMAは、26モル%の無水マレイン酸含有率及び80.000g/moleの分子量を有していた。この反応混合物に、124.28gのパラフィンワックス(融点57℃)、110gのパラフィンワックス(融点75℃)(例えば、Cerasur 725)及び38.4gの18%アンモニア溶液を添加し、無水マレイン酸(MA):NH3比が約1:1になるようにした。温度を160℃まで上げ、この温度を4時間維持した。その後、反応混合物を室温までゆっくり冷却した。固形分が約46wt%の100~140nmの粒径のポリマー分散体が得られた。pH値は7.2であり、無水マレイン酸基からマレイミドへの高い変換率が示された。
配合物
(実施例1)
ラテックス実施例2の763グラムのポリマー分散体に、89グラムのAcronal S940(BASF社製)及び145グラムのスチレンマレイミドのワックス封入コポリマーを添加した。最終生成物は、固形分45%及びpH8.5~9の安定性分散体である。
(実施例2)
ラテックス実施例2の754グラムのポリマー分散体に、187グラムのAcronal S940(BASF社製)を添加し、後続して48グラムのタルカム(Lithocoat、Imerys社製)を分散させた。最終生成物は、固形分48%及びpH8.5~9の安定性分散体である。
(実施例3)
ラテックス実施例2の461グラムのポリマー分散体に、399グラムのAcronal S980(BASF社製)を添加し、後続して128グラムのタルカム(Lithocoat、Imerys社製)を分散させた。最終生成物は、固形分51%及びpH8.5~9の安定性分散体である。
(実施例4)
ラテックス実施例2の748グラムのポリマー分散体に、93グラムのAcronal S940(BASF社製)を添加した。この混合物中、48グラムのLithocoat(Imerys社製)を分散させ、101グラムのスチレンマレイミドのワックス封入コポリマーを分散させた。最終生成物は、固形分47%及びpH8.5~9の安定性分散体である。
コーティング配合物1~8を、1平方メートル当たり263グラム(gsm)の質量を有するIsla Cup Base board(KotkaMills社製)に適用した。液体コーティング30gsmをカップストック紙の片面のみに適用した。すべてのコーティングされた紙は、4~10グラム/1平方メートルの範囲のコーティングされたカップストックのCobb 1800(1800分)(TAPPI T441)値として良好な耐水性を有していた。
種々のコーティングされたカップストック紙を、Wu-Hsing Electronics Ltd.社製のW-300D(A)装置でシーリングした。すべてのコーティングされた紙は、コーティング上でコーティングするために150℃及び6バールにて1.5秒内、コーティングされた紙をブランク紙でシーリングするときは2秒でシーリングした。シールの質は、シーリングされた紙が互いから取り外されたときの繊維引裂けに応じて測定した。すべての記載の実施例において、優れた繊維引裂けが得られた。
コーティングされたカップストック紙をKIT 3M試験(TAPPI T559)に供し、すべてのコーティングされた紙で12超のKIT値が得られた。
コーティングされたカップストック紙をブロック耐性試験に供した。
Figure 2022522462000001
Figure 2022522462000002
ブランク:未コーティングの236gsmのIsla Cup Base board(KotkaMills社製)
Figure 2022522462000003
Figure 2022522462000004
配合された製品の実施例は、良好な密閉性と十分なブロック耐性との良好な組み合わせを得ることが可能であることを示す。これらの特性は、両面コーティングされた紙(実施例3、7及び8)の場合と同様に、片面コーティングされた紙(実施例1、2、4、5及び6)でも得られた。

Claims (15)

  1. ラジカル重合によって製造されるポリマーを含むコーティング配合物であって、前記ポリマーが、1種以上のモノマーを有する骨格を含み、1種以上の前記モノマーが、1つ以上の疎水性側鎖を含み、前記ポリマーが、
    - 前記疎水性側鎖が、8個以上の炭素原子を有するアルキル鎖であることと、
    - 前記疎水性側鎖の全体の質量が、ポリマーの総質量の少なくとも20%(w/w%)であることと、
    を特徴とし、
    前記コーティング配合物が、そのようなポリマーを少なくとも30%(w/w%)含み、前記コーティング配合物が、無機顔料又は少なくとも35℃のTg若しくはTmを有するポリマーから選択される1種以上のブロッキング防止剤を更に含む、コーティング配合物。
  2. 前記1種以上のブロッキング防止剤が、無機顔料と、少なくとも35℃のTg又はTmを有するポリマーと、の組み合わせであり、無機顔料の、少なくとも35℃のTg又はTmを有するポリマーに対する比が1以下である、請求項1に記載のコーティング配合物。
  3. 少なくとも30%(w/w%)、特に約40%(w/w%)~約70%(w/w%)の、ポリマーの骨格中の1種以上のモノマーが、1つ以上の疎水性側鎖を含む、コーティング配合物。
  4. ラジカル重合によって製造されるポリマーを30%(w/w%)~80%(w/w%)含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のコーティング配合物。
  5. 前記疎水性側鎖が、8~18個の炭素原子を有するアルキル鎖である、請求項1から4のいずれか一項に記載のコーティング配合物。
  6. 前記疎水性側鎖が、直鎖状若しくは分岐状アルキル鎖又は直鎖状及び分岐状アルキル鎖の組み合わせである、請求項1から5のいずれか一項に記載のコーティング配合物。
  7. 前記ポリマーが、1種以上のモノマーのラジカル重合によって製造されるコポリマーであり、少なくとも40%(w/w%)の前記モノマーが、8個以上の炭素原子を有する1つ以上のアルキル鎖を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のコーティング配合物。
  8. 前記1種以上のモノマーが、アクリレート、メタクリレート、オレフィン、ビニルエーテル、ビニルエステル、スチレン、マレエート、フマレート、イタコネート、又はこれらの誘導体から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載のコーティング配合物。
  9. 請求項1、4又は5に規定の前記1つ以上の疎水性側鎖を含む1種以上のモノマーが、メチルアクリレート、又はエチルアクリレートから選択されるアクリレート、特にエチルメタクリレート、(イソ)プロピルメタクリレート、(イソ)ブチルメタクリレート、ターシャリーブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、パルミチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、又はこれらの誘導体から選択されるアクリレートである、請求項1から8のいずれか一項に記載のコーティング配合物。
  10. ポリマーブロッキング防止剤が、ポリ(メタ)アクリレート、ポリビニルアセテート、ポリエチレンビニルアセテート、ポリエステル、又は(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルエステル、ビニルエーテル、マレエート、フマレート、イタコネート、マレイミド及びマレアミドをベースとするモノマーを含有するポリマーから選択される、請求項1から9のいずれか一項に記載のコーティング配合物。
  11. ポリマーブロッキング防止剤が、少なくとも35℃のTg又はTmを有するポリマーである、請求項1から10のいずれか一項に記載のコーティング配合物。
  12. 少なくとも35℃のTg又はTmを有する前記1種以上のポリマーブロッキング防止剤が、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレンコポリマー、ポリエチレンビニルアセテート、ポリエチレン塩化ビニル、ポリエチレンアクリレート、及びポリエステルから選択される、請求項11に記載のコーティング配合物。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載のコーティング配合物でコーティングされた基材を含む、ヒートシール性、撥水性及び撥油性の基材であって、好ましくは、紙、プラスチック又は厚紙から選択され、より好ましくは紙又は厚紙である、基材。
  14. 基材のコーティングのための、好ましくは紙、厚紙又はプラスチックのコーティングのための請求項1から12のいずれか一項に記載のコーティング配合物の使用。
  15. ヒートシール性、撥水性及び撥油性の基材を製造する方法であって、請求項1から12のいずれか一項に記載のコーティング配合物が、基材上に適用され、好ましくは、前記基材が、紙、プラスチック又は厚紙、木材、熱可塑性又は熱硬化性材料、ガラス、織物、革及び金属から選択され、より好ましくは、前記基材が紙又は厚紙である、方法。
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