JP2022520413A - 多層陽イオン交換塩素アルカリ膜 - Google Patents

多層陽イオン交換塩素アルカリ膜 Download PDF

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Abstract

塩素アルカリプロセスで使用するための多層陽イオン交換膜であって、膜の一方の面にカルボン酸基を含有するフッ素化アイオノマーを含むカルボン酸層と、カルボン酸層の反対側における膜の面にスルホン酸基を含有するフッ素化アイオノマーを含む外部スルホン酸層と、カルボン酸層と外部スルホン酸層との間にスルホン酸基を含有するフッ素化アイオノマーを含む内部スルホン酸層と、を含み、外部スルホン酸層は約11.3超のイオン交換比を有し、内部スルホン酸層は約11未満のイオン交換比を有する、多層陽イオン交換膜。

Description

本発明は、塩素アルカリ電解用の多層陽イオン交換膜に関する。
塩素及びアルカリ金属水酸化物、典型的には水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムは、塩化ナトリウム又は塩化カリウム水溶液からの電解プロセス、すなわち塩素アルカリプロセスで商業的に生産されている。塩素アルカリプロセスの最先端技術は、陽イオン交換のイオン性基を含有するフッ素化アイオノマーから作製されるアノード及びカソード区画を分離するための膜、すなわち陽イオン交換膜を採用している。
塩素アルカリプロセス用の陽イオン交換膜は、カソード区画に面するカルボン酸基を含有するフッ素化アイオノマーの層を用いることが多い。カルボン酸層は、典型的には、気泡放出をもたらすために、二酸化ジルコニウムなどの無機粒子のコーティングを、任意選択でポリマーバインダー中に有する。アノード区画に面する塩素アルカリ膜の他方の面は、スルホン酸基を含有するフッ素化アイオノマーの層であり、典型的には、カソード区画に面するコーティングと同様の無機粒子コーティングを有する。膜は、多くの場合、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフルオロポリマー、又はフルオロポリマー繊維とアルカリ金属水酸化物溶液に溶解する「犠牲」ポリマー繊維(ポリエチレンテレフタレートやポリビニルアルコールなど)との組み合わせで作製された織布補強材を含む。補強織布は、典型的には、少なくとも部分的に膜に埋め込まれている。
塩素アルカリ電池では、膜は、カソード区画に存在するアルカリ金属水酸化物溶液及び水素と、アノード区画に存在する塩素及びアルカリ金属塩化物溶液との間に物理的なバリアを提供する。加えて、塩素アルカリ膜におけるアイオノマーの別の主要な機能は、アノードからカソードへの膜を通るアルカリ金属イオンの輸送である。カルボン酸アイオノマーは更に、カソードからアノードへのヒドロキシドイオンの移動を減少させることによって選択性を提供し、スルホン酸アイオノマーを単独で使用することよりも電池の電流効率を改善する。スルホン酸アイオノマーは、カルボン酸層よりも効果的なイオン輸送、すなわち、より低い抵抗を得ることによって、電池電圧を低下させることができる。
アルカリ金属イオンを輸送するためのカルボン酸及びスルホン酸アイオノマーの容量は、多くの場合、当量又はイオン交換比(IXR)で表される。当量(EW)は、1当量のNaOHを中和するのに必要な酸形態のアイオノマーの重量であると定義される。イオン交換比(IXR)は、陽イオン交換基に対するポリマー骨格中の炭素原子の数として定義される。抵抗率は、アルカリ金属イオン、特にスルホン酸アイオノマーを輸送する能力を説明するための別の有用な尺度である。抵抗率は、本出願の試験方法に記載されるものなどの一連の特定条件を用いて測定され、アルカリ金属イオンを輸送する能力に関するフルオロアイオノマーの固有特性の尺度である。
塩素アルカリ電池の動作効率を最適化しようとして、カルボン酸及びスルホン酸アイオノマーのEW又はIXRを選択して、電流効率及び電池電圧特性のバランスを実現する。EWが1050でありIXRが14.8であるカルボン酸アイオノマーと、EWが920でありIXRが11.5であるスルホン酸アイオノマーとを有する2層膜は、良好な特性バランスを提供する。しかしながら、スルホン酸ポリマーのEW又はIXRを更に低減することで、電池電圧を更に低下させようとすると、電流効率が低下する。
カルボン酸アイオノマーの層と、異なるイオン交換容量のスルホン酸アイオノマーの2つの層とを有する、塩素アルカリ膜が知られている。例えば、米国特許出願公開第2017/0218526号では、カルボン酸アイオノマー層と、少なくとも2つのスルホン酸アイオノマー層とを含む膜を開示している。スルホン酸アイオノマー層の1つは、カルボン酸層に隣接しており、もう1つはカルボン酸層に隣接していない。膜はまた、補強材料を含む。カルボン酸層に隣接するスルホン酸層のEWは、カルボン酸層に隣接しないスルホン酸層のEWよりも高い。(米国特許出願公開第2017/0218526号では、EWを記述していないが、代わりに、用語「イオン交換容量」をmeq/g単位で使用しており、これから、1000をイオン交換容量で除算することによってEWは計算できる。米国特許出願公開第2017/0218526号では、イオン交換容量を求めるための既知の標準に対して較正された透過IR技術を用いている。)米国特許出願公開第2017/0218526号では、スルホン酸層のEWが低い場合に発生する、カルボン酸層とカルボン酸層に隣接するスルホン酸層との間の剥離を防止する目的で、3層構造が用いられていることを記載している。しかしながら、米国特許出願公開第2017/0218526号の3層構造では、最適化されたEWを有する2層膜よりも電圧が大幅に低下することはない。
米国特許出願公開第2017/0218526号
本発明は、塩素アルカリプロセスで使用するための多層陽イオン交換膜を提供する。該多層陽イオン交換膜は、膜の一方の面にカルボン酸基を含有するフッ素化アイオノマーを含むカルボン酸層と、カルボン酸層の反対側における膜の面にスルホン酸基を含有するフッ素化アイオノマーを含む外部スルホン酸層と、カルボン酸層と外部スルホン酸層との間にスルホン酸基を含有するフッ素化アイオノマーを含む内部スルホン酸層と、を含み、外部スルホン酸層は約11.3超のイオン交換比を有し、内部スルホン酸層は約11未満のイオン交換比を有する。
本発明による多層陽イオン交換膜は、塩素アルカリプロセスで使用される場合、電流効率を損なうことなく、電池電圧の減少を有利に提供する。
好ましくは、内部スルホン酸層は、外部スルホン酸層のイオン交換比よりも少なくとも約0.6だけ小さいイオン交換比を有する。
好ましくは、カルボン酸層は、約13.8~約16のIXRを有する。
好ましくは、外部スルホン酸層は、約11.5超、より好ましくは約11.3~約17.5、更により好ましくは約11.3~約15.5、更により好ましくは約11.3~約13.5、最も好ましくは約11.3~約12.4のイオン交換比を有する。
好ましくは、内部スルホン酸層は、約10.9未満、より好ましくは約9.3~約11、より好ましくは約10~約11、更により好ましくは約10~約10.9のイオン交換比を有する。
好ましくは、本発明による膜は、好ましくは少なくとも部分的に膜に埋め込まれた織布補強材を更に含む。好ましい実施形態では、織布は、約100未満のデニールを有するフルオロポリマー糸を含む。
好ましくは、内部スルホン酸層は、少なくとも約40マイクロメートル、より好ましくは約50マイクロメートル~約200マイクロメートル、最も好ましくは約60マイクロメートル~約100マイクロメートルの厚さを有する。本発明による膜は、好ましくは、約30マイクロメートル未満、より好ましくは約5マイクロメートル~約30マイクロメートル、最も好ましくは約7マイクロメートル~約25マイクロメートルの厚さを有する外部スルホン酸層を有する。
本発明の別の実施形態によれば、塩素アルカリプロセスで使用するための多層陽イオン交換膜が提供される。該多層陽イオン交換膜は、膜の一方の面にカルボン酸基を含有するフッ素化アイオノマーを含むカルボン酸層と、カルボン酸層の反対側における膜の面にスルホン酸基を含有するフッ素化アイオノマーを含む外部スルホン酸層と、カルボン酸層と外部スルホン酸層との間にスルホン酸基を含有するフッ素化アイオノマーを含む内部スルホン酸層と、を含み、外部スルホン酸層は約68.1Ω・cm超の抵抗率を有し、内部スルホン酸層は約60.3Ω・cm未満の抵抗率を有する。
好ましくは、膜の内部スルホン酸層は、外部スルホン酸層の抵抗率よりも少なくとも約15.5Ω・cmだけ小さい抵抗率を有する。
好ましくは、カルボン酸層は、約13.8~約16のIXRを有する。
好ましくは、外部スルホン酸層は、約73.2Ω・cm超、より好ましくは約68.1Ω・cm~約186.3Ω・cm、更により好ましくは約68.1Ω・cm~約155.4Ω・cm、更により好ましくは約68.1Ω・cm~約118.3Ω・cm、最も好ましくは約68.1Ω・cm~約78.1Ω・cmの抵抗率を有する。
好ましくは、内部スルホン酸層は、約57.7Ω・cm未満、より好ましくは約10.7Ω・cm~約60.3Ω・cm、更により好ましくは約32.3Ω・cm~約60.3Ω・cm、最も好ましくは約32.3Ω・cm~約57.7Ω・cmの抵抗率を有する。
好ましくは、本発明による膜は、織布補強材を含み、より好ましくは、少なくとも部分的に膜に埋め込まれた織布補強材を含む。好ましくは、織布は、約100未満のデニールを有するフルオロポリマー糸を含む。
本発明による好ましい膜において、内部スルホン酸層は、少なくとも約40マイクロメートル、より好ましくは約50マイクロメートル~約200マイクロメートル、最も好ましくは約60マイクロメートル~約100マイクロメートルの厚さを有する。
好ましくは、外部スルホン酸層は、約30マイクロメートル未満、より好ましくは約5マイクロメートル~約30マイクロメートル、最も好ましくは約7マイクロメートル~約25マイクロメートルの厚さを有する。
本発明の別の実施形態によれば、塩素アルカリプロセスで使用するための多層陽イオン交換膜が提供される。該多層陽イオン交換膜は、膜の一方の面にカルボン酸基を含有するフッ素化アイオノマーを含むカルボン酸層と、カルボン酸層の反対側における膜の面にスルホン酸基を含有するフッ素化アイオノマーを含む外部スルホン酸層と、カルボン酸層と外部スルホン酸層との間にスルホン酸基を含有するフッ素化アイオノマーを含む第1内部スルホン酸及び第2内部スルホン酸層と、を含み、第1内部スルホン酸層はカルボン酸層と第2内部スルホン酸層との間にあり、第2内部スルホン酸層は第1内部スルホン酸層と外部スルホン酸層との間にあり、外部スルホン酸層は約11.3超のイオン交換比を有し、第1内部スルホン酸層は約11.3超のイオン交換比を有し、第2内部スルホン酸層は約11未満のイオン交換比を有する。
好ましくは、第2内部スルホン酸層は、外部スルホン酸層のイオン交換比よりも少なくとも約0.6だけ小さいイオン交換比を有する。
好ましくは、第1内部スルホン酸層は、第2内部スルホン酸層のイオン交換比よりも少なくとも約0.6だけ大きいイオン交換比を有する。
好ましくは、カルボン酸層は、約13.8~約16のイオン交換比を有する。
好ましくは、第1内部スルホン酸層は、カルボン酸層のイオン交換比と約3.3を超えない分だけ異なるイオン交換比を有する。
本発明の別の実施形態によれば、塩素アルカリプロセスで使用するための多層陽イオン交換膜が提供される。該多層陽イオン交換膜は、膜の一方の面にカルボン酸基を含有するフッ素化アイオノマーを含むカルボン酸層と、カルボン酸層の反対側における膜の面にスルホン酸基を含有するフッ素化アイオノマーを含む外部スルホン酸層と、カルボン酸層と外部スルホン酸層との間にスルホン酸基を含有するフッ素化アイオノマーを含む第1内部スルホン酸及び第2内部スルホン酸層と、を含み、第1内部スルホン酸層はカルボン酸層と第2内部スルホン酸層との間にあり、第2内部スルホン酸層は第1内部スルホン酸層と外部スルホン酸層との間にあり、外部スルホン酸層は約68.1Ω・cm超の抵抗率を有し、第1内部スルホン酸層は約68.1Ω・cm超の抵抗率を有し、第2内部スルホン酸層は60.3オーム-cm未満の抵抗率を有する。
好ましくは、第2内部スルホン酸層は、外部スルホン酸層の抵抗率よりも少なくとも約15.5Ω・cmだけ小さい抵抗率を有する。
好ましくは、第1内部スルホン酸層は、第2内部スルホン酸層の抵抗率よりも少なくとも約15.5Ω・cmだけ大きい抵抗率を有する。
好ましくは、カルボン酸層は、約13.8~約16のIXRを有する。
好ましくは、第1内部スルホン酸層は、カルボン酸層のイオン交換比と約3.3を超えない分だけ異なるイオン交換比を有する。
本発明による多層陽イオン交換膜は、塩素アルカリプロセスで使用される場合、電流効率を損なうことなく、電池電圧の減少を有利に提供する。
本発明による多層陽イオン交換膜の一実施形態の概略的な部分断面図である。 本発明による多層陽イオン交換膜の別の実施形態の概略的な部分断面図である。
フッ素化アイオノマー
本発明の膜は、フッ素化アイオノマーを用いる。用語「フッ素化アイオノマー」は、少なくとも部分的にフッ素化されており、イオン交換、すなわち、塩素アルカリプロセスの陽イオン交換が可能なイオン性基を含むポリマーを意味する。好ましくは、アイオノマーは「高度にフッ素化」されており、これは、ポリマー中における一価原子の総数の少なくとも90%がフッ素原子であることを意味する。最も好ましくは、アイオノマーは、ペルフッ素化されている。
好ましくは、フッ素化アイオノマーは、骨格に結合した繰り返し側鎖を有するポリマー骨格を含み、側鎖は陽イオン交換基を保有する。可能なフッ素化アイオノマーとしては、ホモポリマー又は2つ以上のモノマーのコポリマーが挙げられる。コポリマーは、典型的には、非官能性モノマーであり、ポリマー骨格の炭素原子を提供する1つのモノマーから形成される。第2モノマーは、ポリマー骨格の炭素原子の両方を提供し、また、陽イオン交換基又は陽イオン交換基前駆体を保有する側鎖に寄与し、これはその後加水分解されて官能基を形成することができる。例えば、第1フッ素化オレフィンモノマーと、第2フッ素化ビニルモノマーとのコポリマーは、陽イオン交換基又は前駆体を含有する側鎖を有する。第1モノマーはまた、官能基のイオン交換機能を阻害しない側鎖を有し得る。可能な第1モノマーとしては、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)、及びこれらの混合物が挙げられる。可能な第2モノマーとしては、官能基又は前駆体基を含有する所望の側鎖を有する様々なフッ素化ビニルエーテルが挙げられる。所望であれば、更なるモノマーをこれらのポリマーに組み込むこともできる。例えば、2種以上の第1フッ素化オレフィンモノマーを用いることができ、同様に、2種以上の第2モノマーを用いることができる。
用語「カルボン酸基」は、カルボン酸基又はカルボン酸の塩、好ましくはアルカリ金属又はアンモニウム塩のいずれかを指すことを意図している。カルボン酸基を含有するフッ素化アイオノマーは、本出願において「カルボン酸アイオノマー」と呼ばれる。好ましい官能基は、式-COX[式中、XはH、Li、Na、K又はN(R)(R)(R)(R)であり、R、R、R、及びRは、同じ又は異なるものであり、H、CH又はCである]によって表される。塩素アルカリプロセスで使用される場合、カルボン酸基は、電解される塩に対応するアルカリ金属形態、例えば、ナトリウム又はカリウムである。本発明で使用するのに好ましいポリマーの部類には、高度にフッ素化された、最も好ましくはペルフッ素化された炭素骨格が含まれ、繰り返し側鎖は骨格に結合しており、側鎖はカルボン酸官能基を保有している。この種のアイオノマーは、米国特許第4,552,631号に開示されており、好ましくは側鎖-O-CFCF(CF)-O-CFCFCOXを有する。このアイオノマーは、テトラフルオロエチレン(TFE)、ペルフッ素化ビニルエーテルCF=CF-O-CFCF(CF)-O-CFCFCOCH、ペルフルオロ(4,7ジオキサ-5-メチル-8-ノネンカルボン酸)(PDMNM)のメチルエステルを共重合し、続いてメチルカルボン酸基を加水分解することにより、カルボン酸基に変換することによって作製することができる。別の好ましいカルボン酸アイオノマーは、側鎖-O-CFCFCFCOXを有し、テトラフルオロエチレン(TFE)とペルフッ素化ビニルエーテルCF=CF-O-CFCFCFCOCHとの共重合によって作製することができる。フィルム又はバイフィルムの製造には他のエステルを用いることができるのに対して、メチルエステルは、通常の押出条件中に十分に安定であるため好ましい。
用語「スルホン酸基」は、スルホン酸基又はスルホン酸の塩、好ましくはアルカリ金属又はアンモニウム塩のいずれかを指すことを意図している。スルホン酸基を含有するフッ素化アイオノマーは、本出願において「スルホン酸アイオノマー」と呼ばれる。好ましい官能基は、式-SOX[式中、XはH、Li、Na、K又はN(R)(R)(R)(R)であり、R、R、R、及びRは、同じ又は異なるものであり、H、CH又はCである]によって表される。塩素アルカリプロセスで使用される場合、スルホン酸基は、電解される塩に対応するアルカリ金属形態、例えばナトリウム又はカリウムである。本発明で使用するための好ましいポリマーの部類には、高度にフッ素化された、最も好ましくはペルフッ素化された炭素骨格が含まれ、側鎖は、式-(O-CFCFR-O-CFCFR’SO3X[式中、R及びR’は、F、Cl、又は1~10個の炭素原子を有するペルフッ素化アルキル基から独立して選択され、a=0、1又は2であり、Xは、H、Li、Na、K又はN(R)(R)(R)(R)で表され、R、R、R、及びRは、同じ又は異なるものであり、H、CH又はCである]によって表される。好ましいポリマーとしては、例えば、米国特許第3,282,875号、同第4,358,545号及び同第4,940,525号に開示されるポリマーが挙げられる。好ましいポリマーの1つは、ペルフルオロカーボン骨格を含み、側鎖は、式-O-CFCF(CF)-O-CFCFSOX[式中、Xは、上記定義のとおりである]によって表される。この種のポリマーは、米国特許第3,282,875号に開示されており、テトラフルオロエチレン(TFE)及びペルフッ素化ビニルエーテルCF=CF-O-CFCF(CF)-O-CFCFSOF、ペルフルオロ(3,6-ジオキサ-4-7-メチル-オクテンスルホニルフルオリド)(PDMOF)を共重合し、続いてフッ化スルホニル基を加水分解することにより、スルホン酸基に変換することによって作製することができる。米国特許第4,358,545号及び同第4,940,525号に開示されている種類の好ましいポリマーの1つは、側鎖-O-CFCFSOX[式中、Xは上記に定義したとおりである]を有する。このポリマーは、テトラフルオロエチレン(TFE)及びペルフッ素化ビニルエーテルCF=CF-O-CFCFSOF、ペルフルオロ(3-オキサ-4-ペンテンスルホニルフルオリド)(POPF)を共重合し、続いて加水分解することにより作製することができる。
上記種類のフッ素化アイオノマーについては、陽イオン交換容量についての容量は、多くの場合、当量(EW)で表される。当量(EW)は、1当量のNaOHを中和するのに必要な酸形態のアイオノマーの重量であると定義される。しかしながら、フッ素化アイオノマーは、異なる化学構造及び鎖長による側鎖を有するため、当量値は、アイオノマーに特異的であり、特にカルボン酸アイオノマーの選択性、すなわちヒドロキシル基のクロスオーバーに対する耐性を考慮すると、異なる側鎖を有する異なるフッ素化アイオノマーのための塩素アルカリ膜性能の望ましい尺度ではない。
「イオン交換比」、すなわち「IXR」は、陽イオン交換基に対するポリマー骨格中の炭素原子の数として定義され、したがって、異なるフッ素化アイオノマー、特にカルボン酸アイオノマーのイオン交換容量を説明又は比較するための望ましい値である。ポリマーがペルフルオロカーボン骨格を含み、側鎖が米国特許第3,282,875号に開示されている-O-CF-CF(CF)-O-CF-CF-SOXである、スルホン酸ポリマーの場合、このポリマーのIXRは、以下の式:50IXR+344=EWを使用した当量に関連し得る。概ね同じIXR範囲は、米国特許第4,358,545号及び同第4,940,525,号に開示されるスルホン酸ポリマーに有用であるが、陽イオン交換基を含有するモノマー単位の分子量が低いため、そのIXR範囲に対応する当量はより低い、すなわち、より短い側鎖を提供する。このポリマーのIXRは、以下の式:50IXR+178=EWを用いて当量に関連付けることができる。側鎖-O-CFCF(CF)-O-CFCFCOXを有するカルボン酸ポリマーでは、このポリマーのIXRは、以下の式:50 IXR+308=EWを用いて当量に関連付けることができる。側鎖
-O-CFCFCFCOXを有するカルボン酸ポリマーでは、このポリマーのIXRは、以下の式:50IXR+192=EWを用いて当量に関連付けることができる。
IXRは、本出願において、酸若しくは塩の形態で官能基を含有する加水分解アイオノマー、又は膜の製造中に官能基にその後変換される前駆体基を含有する非加水分解ポリマーのいずれか、すなわち、スルホン酸アイオノマー、典型的には塩化スルホニル又はフッ化スルホニルの形態、及びカルボン酸アイオノマー、典型的にはメチルエステルの形態について説明するために使用される。
補強材
本発明の膜は、補強されていなくても、補強されていてもよいが、寸法安定性及びより大きな耐引裂性のために、膜に補強材を組み込むことが好ましい。この目的のために、フルオロポリマー補強材が、好ましくは使用され、最も好ましくはペルフルオロポリマー補強材が、使用され。ポリクロロトリフルオロエチレンなどのペルハロゲン化ポリマーも使用され得るが、塩素アルカリ電池中の化学物質に対してより良好な耐性を有するため、ペルフルオロポリマー補強材が好ましい。好適なペルフルオロポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン、又はテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの、及び/若しくはテトラフルオロエチレンとペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)との溶融加工可能なコポリマーが挙げられる。多孔質フルオロポリマーシート又はフルオロポリマーフィブリル又はステープルファイバーを補強材として使用してもよいが、好ましい補強材は織布補強材である。フルオロポリマー繊維は、平織り、バスケット織り、レノ織りなどの様々な織り方を用いて布地に織り込まれてもよい。粗い布地は膜抵抗が少ないため、比較的粗い織りが好ましい。好ましい中心間の繊維間隔は、約200~約500マイクロメートルの範囲である。
織布に使用されるフルオロポリマー繊維は、モノフィラメント又はマルチフィラメント糸の形態であってもよい。モノフィラメントは、円形の断面であってもよく、特殊な断面を有してもよい。長円形の断面は、膜に好適に向けられている場合、より薄い全体的な膜でより多くの補強作用を得ることができる。また、いくつかの織布は、ポリエチレンテレフタレートなどのフルオロポリマー繊維又はアルカリ金属水酸化物溶液に溶解するポリビニルアルコールと共に犠牲糸を含むことも望ましい。様々な繊維デニール及び布地の重量を用いることができる。好ましいフルオロポリマー繊維は、約100未満、より好ましくは約90未満、最も好ましくは約70未満のデニールを有する。約5程度の低いデニールを用いることができるが、好ましくは少なくとも約20である。使用する布地を、積層前にカレンダー加工して、その厚さを低減することができる。
織布補強材に使用される最も好ましいフルオロポリマー繊維は、発泡ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)モノフィラメントである。好適なモノフィラメントは、W.L. Gore&Associates,Inc.(Newark,DE 19711.)から市販されている。
膜構造
図1を参照すると、本発明による好ましい多層陽イオン交換膜10が、概略的な部分断面図で示されている。膜10は、塩素アルカリ電池(図示せず)のカソード区画に面するための、膜の一方の面にカルボン酸アイオノマーのカルボン酸層12を含む。膜10は、塩素アルカリ電池(図示せず)のアノード区画に面するための、カルボン酸層の反対側における膜の面に、スルホン酸アイオノマーの外部スルホン酸層14を含む。カルボン酸層12と外部スルホン酸層との間に、膜10は内部スルホン酸層16を含む。
膜10は、発泡ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)繊維モノフィラメント18と、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィラメント20を含む犠牲マルチフィラメント糸とを含む織布補強材を含む。ePTFEモノフィラメント18及びPETフィラメント20は、膜強度を増加させる目的で膜に少なくとも部分的に埋め込まれている。織布補強材のePTFEモノフィラメント18及びPETフィラメント20は、主に内部スルホン酸層に埋め込まれて示されていることが理解されるであろう。しかしながら、織布補強材は、2つ以上の層に部分的に埋め込まれるように、層12、14若しくは16のいずれか、又は膜に、又は隣接する層の界面に埋め込むことができる。好ましくは、織布補強材は、少なくとも部分的に膜に埋め込まれている。例えば、織布補強材は、外部スルホン酸層14及び内部スルホン酸層16の一方又は両方に好適に埋め込むことができる。
本発明によれば、膜10のカルボン酸層12は、約13.8~約16.0のIXRを有する。この範囲は、例えば≧96%の高い電流効率の塩素アルカリ電池を達成するために望ましいことが判明している。約16.0より高いIXR範囲は、概ね、電池電圧の増加をもたらし、他の層14及び16で、より導電性の高い、すなわち、よりIXRの低いスルホン酸アイオノマーを用いることで補償することはできない。一方、約13.8より低いカルボン酸層のIXR範囲は、概ね、最適な選択性を提供せず、電流効率の低下をもたらす。
本発明によれば、膜10の外部スルホン酸層14は、約11.3超のイオン交換比(約68.1Ω・cm超の抵抗率)を有し、内部スルホン酸層16は、約11未満のイオン交換比(約60.3Ω・cm未満の抵抗率)を有する。好ましくは、内部スルホン酸層16は、外部スルホン酸層14のイオン交換比よりも少なくとも約0.6だけ小さいイオン交換比を有する。好ましくは、内部スルホン酸層は、外部スルホン酸層の抵抗率よりも少なくとも約15.5Ω・cmだけ小さい抵抗率を有する。
本発明の好ましい形態では、外部スルホン酸層14は、約11.5超のイオン交換比(約73.2Ω・cm超の抵抗率)を有する。好ましくは、外部スルホン酸層14は、約11.3~約17.5のイオン交換比(約68.1Ω・cm~約186.3Ω・cmの抵抗率)、より好ましくは約11.3~約15.5のイオン交換比(約68.1Ω・cm~約155.4Ω・cmの抵抗率)、更により好ましくは約11.3~約13.5のイオン交換比(約68.1Ω・cm~約118.3Ω・cmの抵抗率)、最も好ましくは約11.3~約12.4のイオン交換比(約68.1Ω・cm~約94.6Ω・cmの抵抗率)を有する。
本発明の好ましい形態では、内部スルホン酸層16は、約10.9未満のイオン交換比(約57.7Ω・cm未満の抵抗率)を有する。好ましくは、内部スルホン酸層16は、約9.3~約11のイオン交換比(約10.7Ω・cm~約60.3Ω・cmの抵抗率)、より好ましくは約10~約11(約32.3Ω・cm~約60.3Ω・cmの抵抗率)、最も好ましくは約10~約10.9(抵抗率約32.3Ω・cm~約57.7Ω・cm)を有する。
本発明による膜10の好ましい形態では、内部スルホン酸層16は、少なくとも約40マイクロメートルの厚さを有する。好ましくは、内部スルホン酸層16は、約50マイクロメートル~約200マイクロメートル、より好ましくは約60マイクロメートル~約100マイクロメートルの厚さを有する。
本発明の別の好ましい形態では、外部スルホン酸層16は、約30マイクロメートル未満、好ましくは5マイクロメートル~約30マイクロメートル、最も好ましくは約7マイクロメートル~約25マイクロメートルの厚さを有する。
本発明をいかなる理論又は動作モードに限定することも意図するものではないが、内部層16よりもIXRが高い外部スルホン酸層14により、本発明において、電流効率を損なうことなく、より低いIXRの内部スルホン酸層16によって提供される、アルカリ金属イオン耐性の低下及び電池電圧の減少という利点を活用できることが発見された。
図2を参照すると、本発明による別の好ましい多層陽イオン交換膜110が、概略的な部分断面図で示されている。膜110は、塩素アルカリ電池(図示せず)のカソード区画に面する膜の一方の面にカルボン酸層112を含む。多層膜110は、カルボン酸層112の反対側における膜の面に外部スルホン酸層114を含む。カルボン酸層112と外部スルホン酸層114との間に、膜110は、スルホン酸アイオノマーを含む第1内部スルホン酸117及び第2内部スルホン酸層116を含む。第1内部スルホン酸層117は、カルボン酸層112と第2内部スルホン酸層116との間にあり、第2内部スルホン酸層116は、第1内部スルホン酸層117と外部スルホン酸層114との間にある。
図1に示される膜と同様に、多層膜110は、好ましくは、発泡ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)繊維モノフィラメント118と、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィラメント120を含む犠牲マルチフィラメント糸とを含む織布補強材を含む。ePTFEモノフィラメント118及びPETフィラメント120は、膜強度を高める目的で膜に少なくとも部分的に埋め込まれ、上述の図1に示される多層膜10と同様の位置で膜110に埋め込まれている。
図2に示される本発明による多層膜110において、外部スルホン酸層114は、約11.3超のイオン交換比(約68.1Ω・cm超の抵抗率)を有し、第1内部スルホン酸層117は、約11.3超のイオン交換比(約68.1超の抵抗率)を有し、第2内部スルホン酸層116は、約11未満のイオン交換比(約60.3Ω・cm未満の抵抗率)を有する。好ましくは、第2内部スルホン酸層116は、外部スルホン酸層114のイオン交換比よりも少なくとも約0.6だけ小さいイオン交換比を有する。好ましくは、第2内部スルホン酸層は、外部スルホン酸層の抵抗率よりも少なくとも約15.5Ω・cmだけ小さい抵抗率を有する。
本発明の好ましい形態によれば、第1内部スルホン酸層117は、第2内部スルホン酸層116のイオン交換比よりも少なくとも約0.6だけ大きいイオン交換比を有する。好ましくは、第1内部スルホン酸層は、第2内部スルホン酸層の抵抗率よりも少なくとも約15.5Ω・cmだけ大きい抵抗率を有する。
図2の膜110では、カルボン酸層は、約13.8~約16のイオン交換比を有することが好ましい。
また、第1内部スルホン酸層117は、カルボン酸層112のイオン交換比と約3.3を超えない分だけ異なるイオン交換比を有することも好ましい。
本発明をいかなる理論又は動作モードに限定することも意図するものではないが、第2内部スルホン酸層116よりも高いイオン交換比の外部スルホン酸層114により、本発明において、電流効率を損なうことなく、より低いイオン交換比の第2内部スルホン酸層116によって提供される、アルカリ金属イオン耐性の低下及び電池電圧の減少という利点を活用できることが発見された。更に、より高いイオン交換比の第1内部層117により、電流効率を損なうことなく、より低いイオン交換比の第2内部スルホン酸層116によって提供される、アルカリ金属イオン耐性の低下及び電池電圧の減少という利点を損なわないことが発見された。より高いイオン交換比の第1内部スルホン酸層116は、好ましくは、カルボン酸層112のIXRと約3.3を超えて異ならず、このことにより、第1内部スルホン酸層116とカルボン酸層112との界面における層間剥離に対する耐性を有利に提供することができる。
図1及び図2に示される膜は、それぞれ3層及び4層を有するが、本発明による膜は、更なる層が、本発明によって提供される電圧の低下及び高い電流効率の維持を阻害しないという条件で、同じ又は異なるフッ素化アイオノマーの更なる層、同じ又は異なるイオン交換比又は抵抗率値の更なる層、及び同じ又は異なる厚さの更なる層を有してもよいことが理解されるであろう。総層厚は、約250マイクロメートル以下であることが好ましい。好ましくは、総層厚は、約75マイクロメートル~約150マイクロメートルである。
製造
塩素アルカリ膜について知られている製造方法は、本発明に従って多層陽イオン交換膜を製造するように適合させることができる。製造は、溶融加工可能な前駆体形態のフッ素化アイオノマーを用いて実施することができ、例えば、カルボン酸アイオノマー前駆体はメチルエステル基を含有し、スルホン酸アイオノマーは、フッ化スルホニル基を含有する。多層膜は、高温で積層することによって組み立てることができる、別個の押出アイオノマー前駆体フィルムの積層によって製造することができる。あるいは、共押出多層フィルムを用いることができる。例えば、カルボン酸アイオノマー前駆体及びスルホン酸アイオノマー前駆体のバイフィルムを最初に製造し、次いで、押出スルホン酸アイオノマー前駆体の複数の単層フィルムに積層すること、又は多層共押出スルホン酸アイオノマー前駆体フィルムにすることができる。次いで、層又は多層フィルムを高温で積層して、ポリマー層を、所望の層間の織布補強材と、又は外部層に埋め込まれる膜の表面上の織布補強材と融着させる。次いで、任意選択でジメチルスルホキシド(DMSO)などの有機溶媒を含有するアルカリ金属水酸化物水溶液中で、膜を加水分解し、アイオノマー前駆体をイオン形態に変換する。
試験法
塩素アルカリ電池の性能:
ゼロギャップ、活性化カソード、及び100cmの活性面積を用いる実験用塩素アルカリ電解電池を、以下の実施例で使用して、本発明による膜の動作及び性能を示す。試験は、実験用電池に膜試料を取り付けし、公称90℃、32重量%のNaOH陰極液、17.7重量%(200グラム/リットル)NaCl陽極液、及び6kA/mの電流密度の負荷下で7日間動作させることによって行われる。電圧結果は最終日の電池電圧であり、電流効率の結果は、最後の3日における電流効率の平均である。この電池の電圧測定 (CV)は、電圧信号をデジタルに変換し、分散制御システムに供給するMoore Industries Model SPT Programmable Signal Converterを用いて行われる。分散制御システムは、24時間ごとに電圧を平均して、1日の平均電池電圧を生成する。この電圧は、苛性濃度、温度、及び過剰なカソード過電圧について補正され、業界標準の方法に従って標準電圧を生成する。標準電圧は、常に、90℃の電池温度、32重量%のNaOH陰極液、6kA/cmの電流密度で、カソード過電圧に対して与えられる。これらの条件からの小さな変動に対して補正が行われる。この電池を使用した電流効率測定(CE)は、カソード区画から出力される液体の総重量及び苛性濃度を14時間にわたって測定することによって行われる。苛性濃度は、較正済み濃度計を用いて測定され、30%NaOH溶液で毎日チェックされる。総NaOH生成量(重量×濃度)は、収集時間及び平均電流密度、すなわち、システムを流れる総電流から計算される理論的な生成量によって除算される。以下に報告される各実施例について、2~8つの同一の膜試料を試験した。表1の電圧及び電流効率について報告された値は、2~8回の試験の平均である。
ナトリウムイオン形態における膜抵抗
60℃の水中で6時間、膜を予め調整する。予め調整した後、膜を24%NaCl/1%NaOH溶液に移し、一晩浸漬する。翌朝、溶液を改める。測定時間まで溶液中に、膜を浸漬する。
2チャンバ型電池固定具における4プローブインピーダンス技術を用いて、24%NaCl/1%NaOHの液体電解質中の膜抵抗を測定する。インピーダンスウペクトル法は、20mAで定電流モードを用いて行われる。各区画は、50mLの溶液を含有する。21℃で試験を行う。0.785cmの活性面積を有するチャンバの間に、膜を配置する。感知プローブは、膜の両表面から1mm離れて配置された細い白金ワイヤである。電流電極は、およそ2cmの表面面積を有する白金メッシュであり、膜から2cm離れて配置される。
ナイキスト線図上の高周波切片によって、抵抗を求める。チャンバ間に膜を有さない電解質溶液で、ベースライン抵抗値Rを測定する。次いで、両面の電解質溶液と共に、2つのチャンバ間に膜を配置して、総抵抗Rを得る。膜抵抗Rは、以下の式を用いて、総抵抗とベースライン抵抗との差から計算される。
=R-R
その場合、面積抵抗(Ω・cm)は、電池面積のR倍、つまり0.785cmになる。更に、抵抗率(Ω・cm)は、面積抵抗を活性面積中の膜試料の平均厚さで割ったものである。面積抵抗は膜寸法の特性であり、一連の特定条件における抵抗率は固有の特性である。多くの場合、当業者は、抵抗ではなく導電率(Siemens/cm、同様に固有のもの)を用いる。導電率は、単に抵抗率の逆数である。
実施例に示される多層膜は、以下に記載されるように積層処理され表1に同定された特定のフッ素化アイオノマー前駆体層を用いて以下の手順によって作製される。使用されるカルボン酸アイオノマー前駆体は、テトラフルオロエチレン(TFE)とペルフッ素化ビニルエーテルCF=CF-O-CFCF(CF)-O-CFCFCOCHとのコポリマーである。スルホン酸アイオノマー前駆体は、TFEとペルフッ素化ビニルエーテルCF=CF-O-CFCF(CF)-O-CFCFSOFとのコポリマーである。表1において、3層膜構造(実施例1~10)及び4層膜構造(実施例11~12)の両方の実施例がある。全ての場合において、SR層には番号が付けられており、SR1はCR層に最も近く、SR2はCR層の反対側におけるSR1の面にあり、SR3(存在する場合)はCR層の反対側におけるSR2の面にある。図1に示される3層構造(実施例1~10)に関して、図1に示されるように、CRはカルボン酸アイオノマー層12を示し、SR1及びSR2は、それぞれ、内部スルホン酸層及び外部スルホン酸層、すなわち、スルホン酸層16及びスルホン酸層14を示す。図2に示されるような3つのスルホン酸層を有する膜の場合、CRはカルボン酸アイオノマー層112を示し、SR3は外部スルホン酸層114を示す。図2を参照すると、SR1及びSR2は、それぞれ2つの内部スルホン酸層117及び116を示し、すなわち、SR1は、CR層112と第2内部SR層116との間の内部スルホン酸層117であり、SR2は、第1内部スルホン酸層117と外部スルホン酸層114との間の第2内部スルホン酸層116である。全ての層の厚さ、EW、及びIXR、並びにスルホン酸アイオノマー層の抵抗率及び面積抵抗を表1に列挙する。
最初に、カルボン酸アイオノマー及びスルホン酸アイオノマーの前駆体に関する4フィート(1.2メートル)幅のバイフィルムを押出成形する。押出成形は、2つの単軸押出機、ダイブロック、フィルムダイ、チルロール、及び巻取りロールを用いて、270℃で実施される。更なる膜層は、単一の押出成形機を備えた同じ装置を用いて、同じ幅の単層スルホン酸アイオノマーフィルムを押し出すことによって生成される。
両方向に2本のPET繊維と1本のePTFE繊維が交互に構成されている、平織りの発泡テトラフルオロエチレン(ePTFE)及びポリエチレンテレフタレートの繊維を含む補強布を用いる。補強布は、約350マイクロメートルの中心間の繊維間隔を有する。繊維重量は、表1に記載されるように様々である。
積層のために、フィルムは、使用される場合、布地補強材の上の真空ラミネーターに供給される。布地は、多孔質剥離紙に隣接し、次に真空源に隣接する。カルボン酸層は、真空源から離れて位置決めされ、スルホン酸層は真空源に向かって位置決めされる。積層に使用される条件は、200℃、-70kPagの真空、及び1~2フィート/分の供給速度(0.3~0.6m/分)である。
25%水酸化ナトリウム及び10%DMSOを用い、75℃で25分間、積層フィルムを加水分解する。酸形態のスルホン酸アイオノマー及び二酸化ジルコニウム(0.2~0.23比、ポリマー対二酸化ジルコニウム)の溶液で、約0.3mg/mの充填量まで、乾燥フィルムをスプレーコーティングする。アノード及びカソードを同様にコーティングする。
表2に列挙される膜の電池電圧及び電流効率は、上記試験方法を用いて、実験用塩素アルカリ電池において測定される。本発明による多層陽イオン交換膜は、高い電流効率を維持しながら、2層膜よりも改善された電池電圧を提供する。
Figure 2022520413000002
Figure 2022520413000003
Figure 2022520413000004
比較例1及び2は、典型的な市販の2層膜を示し、本発明による多層膜によって提供される改善を例示するためのベースライン比較である。ポリマー及び補強材は同様であるが、全体的な厚さは異なる。この厚さの差は、127μm(5ミル)での実施例1の電池電圧が、102μm(4ミル)での実施例2よりも約50mV高いことを意味する。いくつかの実施例は127μmであり、他の実施例は102μmであるため、実施例1又は実施例2のいずれかと、ベースライン比較としての対応する厚さとを比較する。実施例3~6は、厚さ127μmであり、比較例1と比較される。
比較例3及び4は、IXR及び抵抗率がより低いスルホン酸アイオノマーを用いて、膜全体の電圧を低下させようとすることによって得られる結果を示す。電圧に対する効果は予想通りであり、全体の厚さが同じである比較例1よりも20mVをわずかに超えて電圧が改善している。これは電圧に対する望ましい効果であるが、電流効率もまた、約1%低下している。これは大幅な減少であり、概ね膜を商業的に実用化することはできない。
実施例5及び6は、図1に示される本発明の実施形態を例示するものであり、比較例3及び4で使用される低IXRスルホン酸アイオノマー層の厚さを25μm減少させ、IXR及び抵抗率がより高いスルホン酸アイオノマーの25μm層を追加し、同じ総厚にしている。これら変更により、実施例3及び4に見られるように、同等の電圧改善が得られるが、驚くべきことに、実施例1の測定誤差内での電流効率が得られる。これらの結果は、アノード区画に対するスルホン酸アイオノマーが、商業的に典型的な範囲内でIXR又は抵抗率を有する限り、スルホン酸アイオノマーの大部分のIXR及び抵抗率を低下させることによって電圧を低減することができ、電流効率を維持できることを示している。
実施例7及び8はまた、図1に示される本発明の実施形態を示し、より薄い膜上で同じ効果が生じることを示す。ここで、実施例2と同様の構造のスルホン酸アイオノマーは、2つの層、すなわち、IXR及び抵抗率がより低い内部層、並びにIXR及び抵抗率がより高い外部層によって置き換えられる。実施例5及び6と同様に、本発明者らは、20mVを超える電圧の低下、及び実施例2と本質的に同じである電流効率を認めている。
比較例9は、外部層でIXRがより低いスルホン酸アイオノマーを用いて、多層膜の電圧を低下させようとすることによって得られる結果を示す。ここで、実施例2と同様の構造のスルホン酸アイオノマーは、2つの層、すなわち、IXR及び抵抗率がより低い外部層、並びにIXR及び抵抗率がより高い内部層によって置き換えられる。電圧に対する効果は予想通りであり、全体の厚さが同じである比較例2よりも電圧が改善している。しかしながら、電流効率は約1%低下し、望ましくない。
比較例9はまた、実施例8とは対照的に、低IXRスルホン酸アイオノマーが外部層に使用されたときの、電流効率の大幅な低下を示す。両方の例は、同じスルホン酸アイオノマーで作製され、1つは高IXRで、もう1つは低IXRであるが、反対の順序で作製される。これらは、実施例2と比較して同等の電圧改善を示す。しかしながら、電流効率は、外部層において高IXRスルホン酸アイオノマーを用いた実施例8では維持され、比較例9では電流効率が低下している。
実施例10及び11は、本発明を例示し、構造が実施例8と類似しているが、補強材は変更されている。90デニールのePTFE繊維は、それぞれ50デニール及び70デニールに置き換えられており、布地又は膜には他の変更はない。この場合、電圧は更に低下するが、ここでも電流効率は本質的に変化しない。これは、補強材の抵抗を低減することなど、構造への更なる電圧の低下により、本発明の本質的な特徴が変化しないことが示されている。
実施例12及び13は、図2に示される本発明の実施形態を示す。ここでは、3つのスルホン酸層が用いられるが、比較例2と同様の総厚を有する。実施例12及び13の両方は、実施例2の高IXRスルホン酸アイオノマーを同様の厚さで置き換える低IXRスルホン酸により、電圧の改善を示す。驚くべきことに、IXRがより高いスルホン酸がアノード表面に隣接する外部層で使用されるため、ここでも電流効率は維持される。
Figure 2022520413000007

Claims (52)

  1. 塩素アルカリプロセスで使用するための多層陽イオン交換膜であって、前記膜の一方の面にカルボン酸基を含有するフッ素化アイオノマーを含むカルボン酸層と、前記カルボン酸層の反対側における前記膜の面にスルホン酸基を含有するフッ素化アイオノマーを含む外部スルホン酸層と、前記カルボン酸層と前記外部スルホン酸層との間にスルホン酸基を含有するフッ素化アイオノマーを含む内部スルホン酸層と、を含み、前記外部スルホン酸層は約11.3超のイオン交換比を有し、前記内部スルホン酸層は約11未満のイオン交換比を有する、多層陽イオン交換膜。
  2. 前記内部スルホン酸層が、前記外部スルホン酸層の前記イオン交換比よりも少なくとも約0.6だけ小さいイオン交換比を有する、請求項1に記載の膜。
  3. 前記カルボン酸層が、約13.8~約16のIXRを有する、請求項1又は2に記載の膜。
  4. 前記外部スルホン酸層が、約11.5超のイオン交換比を有する、請求項1、2、又は3に記載の膜。
  5. 前記外部スルホン酸層が、約11.3~約17.5のイオン交換比を有する、請求項1、2、又は3に記載の膜。
  6. 前記外部スルホン酸層が、約11.3~約15.5のイオン交換比を有する、請求項1、2、又は3に記載の膜。
  7. 前記外部スルホン酸層が、約11.3~約13.5のイオン交換比を有する、請求項1、2、又は3に記載の膜。
  8. 前記外部スルホン酸層が、約11.3~約12.4のイオン交換比を有する、請求項1、2、又は3に記載の膜。
  9. 前記内部スルホン酸層が、約10.9未満のイオン交換比を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の膜。
  10. 前記内部スルホン酸層が、約9.3~約11のイオン交換比を有する、請求項1~8に記載の膜。
  11. 前記内部スルホン酸層が、約10~約11のイオン交換比を有する、請求項1~8に記載の膜。
  12. 前記内部スルホン酸層が、約10~約10.9のイオン交換比を有する、請求項1~8に記載の膜。
  13. 織布補強材を更に含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の膜。
  14. 前記織布補強材が、少なくとも部分的に前記膜に埋め込まれている、請求項13に記載の膜。
  15. 前記織布が、約100未満のデニールを有するフルオロポリマー糸を含む、請求項13又は14に記載の膜。
  16. 前記内部スルホン酸層が、少なくとも約40マイクロメートルの厚さを有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の膜。
  17. 前記内部スルホン酸層が、約50マイクロメートル~約200マイクロメートルの厚さを有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の膜。
  18. 前記内部スルホン酸層が、約60マイクロメートル~約100マイクロメートルの厚さを有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の膜。
  19. 前記外部スルホン酸層が、約30マイクロメートル未満の厚さを有する、請求項1~18のいずれか一項に記載の膜。
  20. 前記外部スルホン酸層が、約5マイクロメートル~約30マイクロメートルの厚さを有する、請求項1~18のいずれか一項に記載の膜。
  21. 前記外部スルホン酸層が、約7マイクロメートル~約25マイクロメートルの厚さを有する、請求項1~18のいずれか一項に記載の膜。
  22. 塩素アルカリプロセスで使用するための多層陽イオン交換膜であって、前記膜の一方の面にカルボン酸基を含有するフッ素化アイオノマーを含むカルボン酸層と、前記カルボン酸層の反対側における前記膜の面にスルホン酸基を含有するフッ素化アイオノマーを含む外部スルホン酸層と、前記カルボン酸層と前記外部スルホン酸層との間にスルホン酸基を含有するフッ素化アイオノマーを含む内部スルホン酸層と、を含み、前記外部スルホン酸層は約68.1Ω・cm超の抵抗率を有し、前記内部スルホン酸層は約60.3Ω・cm未満の抵抗率を有する、多層陽イオン交換膜。
  23. 前記内部スルホン酸層が、前記外部スルホン酸層の前記抵抗率よりも少なくとも約15.5Ω・cmだけ小さい抵抗率を有する、請求項22に記載の膜。
  24. 前記カルボン酸層が、約13.8~約16のIXRを有する、請求項22又は23に記載の膜。
  25. 前記外部スルホン酸層が、約73.2Ω・cm超の抵抗率を有する、請求項22、23、又は24に記載の膜。
  26. 前記外部スルホン酸層が、約68.1Ω・cm~約186.3Ω・cmの抵抗率を有する、請求項22、23、又は24に記載の膜。
  27. 前記外部スルホン酸層が、約68.1Ω・cm~約155.4Ω・cmの抵抗率を有する、請求項22、23、又は24に記載の膜。
  28. 前記外部スルホン酸層が、約68.1Ω・cm~約118.3Ω・cmの抵抗率を有する、請求項22、23、又は24に記載の膜。
  29. 前記外部スルホン酸層が、約68.1Ω・cm~約78.1Ω・cmの抵抗率を有する、請求項22、23、又は24に記載の膜。
  30. 前記内部スルホン酸層が、約57.7Ω・cm未満の抵抗率を有する、請求項22~29のいずれか一項に記載の膜。
  31. 前記内部スルホン酸層が、約10.7Ω・cm~約60.3Ω・cmの抵抗率を有する、請求項22~29のいずれか一項に記載の膜。
  32. 前記内部スルホン酸層が、約32.3Ω・cm~約60.3Ω・cmの抵抗率を有する、請求項22~29のいずれか一項に記載の膜。
  33. 前記内部スルホン酸層が、約32.3Ω・cm~約57.7Ω・cmの抵抗率を有する、請求項22~29のいずれか一項に記載の膜。
  34. 織布補強材を更に含む、請求項22~33のいずれか一項に記載の膜。
  35. 前記織布補強材が、少なくとも部分的に前記膜に埋め込まれている、請求項34に記載の膜。
  36. 前記織布が、約100未満のデニールを有するフルオロポリマー糸を含む、請求項34又は35に記載の膜。
  37. 前記内部スルホン酸層が、少なくとも約40マイクロメートルの厚さを有する、請求項22~36のいずれか一項に記載の膜。
  38. 前記内部スルホン酸層が、約50マイクロメートル~約200マイクロメートルの厚さを有する、請求項22~36のいずれか一項に記載の膜。
  39. 前記内部スルホン酸層が、約60マイクロメートル~約100マイクロメートルの厚さを有する、請求項22~36のいずれか一項に記載の膜。
  40. 前記外部スルホン酸層が、約30マイクロメートル未満の厚さを有する、請求項22~39のいずれか一項に記載の膜。
  41. 前記外部スルホン酸層が、約5マイクロメートル~約30マイクロメートルの厚さを有する、請求項22~39のいずれか一項に記載の膜。
  42. 前記外部スルホン酸層が、約7マイクロメートル~約25マイクロメートルの厚さを有する、請求項22~39のいずれか一項に記載の膜。
  43. 塩素アルカリプロセスで使用するための多層陽イオン交換膜であって、前記膜の一方の面にカルボン酸基を含有するフッ素化アイオノマーを含むカルボン酸層と、前記カルボン酸層の反対側における前記膜の面にスルホン酸基を含有するフッ素化アイオノマーを含む外部スルホン酸層と、前記カルボン酸層と前記外部スルホン酸層との間にスルホン酸基を含有するフッ素化アイオノマーを含む第1内部スルホン酸層及び第2内部スルホン酸層と、を含み、前記第1内部スルホン酸層は前記カルボン酸層と前記第2内部スルホン酸層との間にあり、前記第2内部スルホン酸層は前記第1内部スルホン酸層と前記外部スルホン酸層との間にあり、前記外部スルホン酸層は約11.3超のイオン交換比を有し、前記第1内部スルホン酸層は約11.3超のイオン交換比を有し、前記第2内部スルホン酸層は約11未満のイオン交換比を有する、多層陽イオン交換膜。
  44. 前記第2内部スルホン酸層が、前記外部スルホン酸層の前記イオン交換比よりも少なくとも約0.6だけ小さいイオン交換比を有する、請求項43に記載の膜。
  45. 前記第1内部スルホン酸層が、前記第2内部スルホン酸層の前記イオン交換比よりも少なくとも約0.6だけ大きいイオン交換比を有する、請求項43又は44に記載の膜。
  46. 前記カルボン酸層が、約13.8~約16のイオン交換比を有する、請求項43~45のいずれか一項に記載の膜。
  47. 前記第1内部スルホン酸層が、前記カルボン酸層の前記イオン交換比と約3.3を超えない分だけ異なるイオン交換比を有する、請求項43~46のいずれか一項に記載の膜。
  48. 塩素アルカリプロセスで使用するための多層陽イオン交換膜であって、前記膜の一方の面にカルボン酸基を含有するフッ素化アイオノマーを含むカルボン酸層と、前記カルボン酸層の反対側における前記膜の面にスルホン酸基を含有するフッ素化アイオノマーを含む外部スルホン酸層と、前記カルボン酸層と前記外部スルホン酸層との間にスルホン酸基を含有するフッ素化アイオノマーを含む第1内部スルホン酸層及び第2内部スルホン酸層と、を含み、前記第1内部スルホン酸層は前記カルボン酸層と前記第2内部スルホン酸層との間にあり、前記第2内部スルホン酸層は前記第1内部スルホン酸層と前記外部スルホン酸層との間にあり、前記外部スルホン酸層は約68.1Ω・cm超の抵抗率を有し、前記第1内部スルホン酸層は約68.1Ω・cm超の抵抗率を有し、前記第2内部スルホン酸層は60.3オーム-cm未満の抵抗率を有する、多層陽イオン交換膜。
  49. 前記第2内部スルホン酸層が、前記外部スルホン酸層の前記抵抗率よりも少なくとも約15.5Ω・cmだけ小さい抵抗率を有する、請求項48に記載の膜。
  50. 前記第1内部スルホン酸層が、前記第2内部スルホン酸層の抵抗率よりも少なくとも約15.5Ω・cmだけ大きい抵抗率を有する、請求項48又は49に記載の膜。
  51. 前記カルボン酸層が、約13.8~約16のIXRを有する、請求項48~50のいずれか一項に記載の膜。
  52. 前記第1内部スルホン酸層が、前記カルボン酸層の前記イオン交換比と約3.3を超えない分だけ異なるイオン交換比を有する、請求項48~51のいずれか一項に記載の膜。
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