JP2022520382A - Rsk阻害剤の結晶形態 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】本明細書には、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドの結晶形態およびその溶媒和物、ならびに、乳癌、前立腺癌、肺癌、脳腫瘍、皮膚癌、骨癌、卵巣癌、多発性骨髄腫、白血病などの癌の処置における医薬組成物およびその使用が記載される。【化1】JPEG2022520382000007.jpg2377【選択図】なし

Description

相互参照
本出願は、2019年2月11日出願の米国仮出願第62/804,076号の利益を主張するものであり、この出願はその全体を参照することで本明細書に引用される。
p90リボソームS6キナーゼ(RSK)ファミリーは、4つのアイソフォームすなわちRSK1、RSK2、RSK3、およびRSK4で構成される。これらアイソフォームは、成長因子、ホルモン、サイトカインなどの細胞表面受容体からの細胞シグナル伝達の中心的な役割を担う。細胞の増殖、浸潤、およびアポトーシスの抑制が調節される癌に最もよくみられるアイソフォームは、RSK1とRSK2である。RSK3は一般に癌に発現されるものではないが、RSK1とRSK2が持つ薬剤耐性と関連している。RSK4は一般に癌に発現されない。RSKファミリーは、炎症、糖尿病、および心臓病にも不可欠である。
腫瘍学の分野では、RSK阻害剤により、癌の処置を改善するために標的療法を行う機会が得られる。RSKの阻害により、癌幹細胞(CSC)または腫瘍開始細胞(TIC)の排除を含む複数の機構を介して薬剤耐性を克服する機会も得られる。RSK阻害剤は、ハーセプチン、ゲフィチニブ、エンザルタミドなどの標的療法に対する耐性を克服できると報告されている。RSK阻害剤は、パクリタキセルなどの微小管細胞毒性に対する耐性を増強するためにも使用可能である。
RSK活性に関連する癌には多くの種類が存在し、乳癌、前立腺癌、肺癌、脳腫瘍、血液癌、皮膚癌、骨癌、卵巣癌が挙げられるがこれらに限定されるものではない。乳癌と前立腺癌の研究分野では、RSK阻害剤は、ホルモンシグナル伝達を遮断することが認められている。多くの種類の癌と同様に、乳房に生じる癌は遺伝的に多様なものであり、そのため3つの主要な型、すなわち、エストロゲン受容体とプロゲステロン受容体(それぞれERとPR)を正に発現するホルモンである1型、Her-2陽性である2型、癌細胞がER、PR、およびHer-2受容体を欠くためトリプルネガティブである3型に分類されている。トリプルネガティブ乳癌(TNBC)は現在、最も攻撃的であると考えられており、患者に対する最悪の転帰に関連付けられる。この乳癌は乳癌すべての15~25%を占め、若い女性によくみられる。乳癌感受性遺伝子1と2(BRCA1とBRCA2)に突然変異が生じる女性は、他の型の乳癌よりもTNBCを発症する可能性が高い。
したがって、癌などのRSK活性に関連する疾患および疾病を処置するのに有用なRSKの低分子阻害剤が必要とされている。
(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドは、RSK阻害剤である。一態様では、本明細書には、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドの結晶形態、またはその溶媒和物が記載される。
一実施形態では、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドの結晶形態、またはその溶媒和物があり、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドの前記結晶形態は、以下の特性:
(a)図1に示すものとほぼ同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(b)9.6°2シータ、16.2°2シータ、18.2°2シータ、21.2°2シータ、22.0°2シータ、および24.8°2シータの特徴ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターン、
(c)図2に記載されるものとほぼ同様の熱重量分析(TGA)、
(d)図3に記載されるものとほぼ同様のDSCサーモグラム、
(e)吸熱が約171℃で開始するDSCサーモグラム、
(f)一水和物、または
(g)それらの組み合わせ
のうち少なくとも1つを有する形態1である。
いくつかの実施形態では、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドの結晶形態、またはその溶媒和物があり、前記結晶形態は、図1に示すものとほぼ同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
いくつかの実施形態では、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドの結晶形態、またはその溶媒和物があり、前記結晶形態は、9.6°2シータ、16.2°2シータ、18.2°2シータ、21.2°2シータ、22.0°2シータ、および24.8°2シータの特徴ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
いくつかの実施形態では、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドの結晶形態、またはその溶媒和物があり、前記結晶形態は、図2に示すものとほぼ同様の熱重量分析(TGA)を有する。
いくつかの実施形態では、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドの結晶形態、またはその溶媒和物があり、前記結晶形態は、図3に示すものとほぼ同様のDSCサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態では、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドの結晶形態、またはその溶媒和物があり、前記結晶形態は、吸熱が約171℃で開始するDSCサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態では、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドの結晶形態、またはその溶媒和物があり、前記結晶形態は一水和物である。
いくつかの実施形態では、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドの結晶形態、またはその溶媒和物があり、前記結晶形態は、以下の特性:(a)図1に示すものとほぼ同じX線粉末回折(XRPD)パターン、(b)9.6°2シータ、16.2°2シータ、18.2°2シータ、21.2°2シータ、22.0°2シータ、および24.8°2シータの特徴ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターン、(c)図2に記載されるものとほぼ同様の熱重量分析(TGA)、(d)図3に記載されるものとほぼ同様のDSCサーモグラム、(e)吸熱が約171℃で開始するDSCサーモグラム、および(f)一水和物を有することを特徴とする。
いくつかの実施形態では、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドの結晶形態、またはその溶媒和物があり、前記結晶形態は、メタノール/水またはアルコール/水から得られる。
別の実施形態では、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドの結晶形態、またはその溶媒和物があり、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドの前記結晶形態は、以下の特性:
(a)図4に示すものとほぼ同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(b)10.4°2シータ、15.1°2シータ、18.0°2シータ、19.5°2シータ、25.4°2シータ、および26.8°2シータの特徴ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターン、
(c)図5に記載されるものとほぼ同様の熱重量分析(TGA)、
(d)図6に記載されるものとほぼ同様のDSCサーモグラム、
(e)吸熱が約230℃で開始するDSCサーモグラム、または
(f)それらの組み合わせ
のうち少なくとも1つを有する形態2である。
いくつかの実施形態では、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドの結晶形態、またはその溶媒和物があり、前記結晶形態は、図4に示すものとほぼ同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
いくつかの実施形態では、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドの結晶形態、またはその溶媒和物があり、前記結晶形態は、10.4°2シータ、15.1°2シータ、18.0°2シータ、19.5°2シータ、25.4°2シータ、および26.8°2シータの特徴ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
いくつかの実施形態では、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドの結晶形態、またはその溶媒和物があり、前記結晶形態は、図5に示すものとほぼ同様の熱重量分析(TGA)を有する。
いくつかの実施形態では、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドの結晶形態、またはその溶媒和物があり、前記結晶形態は、図6に示すものとほぼ同様のDSCサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態では、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドの結晶形態、またはその溶媒和物があり、前記結晶形態は、吸熱が約230℃で開始するDSCサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態では、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドの結晶形態、またはその溶媒和物があり、前記結晶形態は、以下の特性:(a)図4に示すものとほぼ同じX線粉末回折(XRPD)パターン、(b)10.4°2シータ、15.1°2シータ、18.0°2シータ、19.5°2シータ、25.4°2シータ、および26.8°2シータの特徴ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターン、(c)図5に記載されるものとほぼ同様の熱重量分析(TGA)、(d)図6に記載されるものとほぼ同様のDSCサーモグラム、および(e)吸熱が約230℃で開始するDSCサーモグラムを有することを特徴とする。
いくつかの実施形態では、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドの結晶形態、またはその溶媒和物があり、前記結晶形態は、アセトニトリル、メタノール、エタノール、メチルエチルケトン、1,4-ジオキサン、1-プロパノール、2-プロパノール、またはジメチルホルムアミドから得られる。
いくつかの実施形態では、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドの結晶形態があり、前記結晶形態は溶媒和されていない。
いくつかの実施形態では、医薬品に使用される、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドの結晶形態、またはその溶媒和物がある。
いくつかの実施形態では、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドがあり、ここで(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドは、非晶質である。
別の態様では、本明細書に記載には、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドの結晶形態またはその溶媒和物と、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分とを含む、医薬組成物が記載される。
別の態様では、哺乳動物におけるRSK活性に関連する疾患または疾病を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドの結晶形態またはその溶媒和物を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物におけるRSK活性に関連する前記疾患または疾病は、癌である。いくつかの実施形態では、前記癌は、乳癌、前立腺癌、肺癌、脳腫瘍、皮膚癌、骨癌、卵巣癌、多発性骨髄腫、または白血病である。いくつかの実施解体では、哺乳動物におけるRSK活性に関連する疾患または疾病を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドの結晶形態またはその溶媒和物を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含み、さらに第2の治療薬の投与を含む。いくつかの実施形態では、前記第2の治療薬は、化学療法薬、ホルモン療法薬、または免疫療法薬である。いくつかの実施形態では、前記第2の治療薬は、ポリADP-リボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤、STAT3阻害剤、ヤヌスキナーゼ阻害剤、またはEGFR阻害剤である。いくつかの実施形態では、前記第2の治療薬は、化学療法薬(小分子または抗体)である。いくつかの実施形態では、前記第2の治療薬はパクリタキセルである。いくつかの実施形態では、前記第2の治療剤はメトトレキサートである。いくつかの実施形態では、前記第2の治療薬は5-フルオロウラシルである。いくつかの実施形態では、前記第2の治療剤はアドリアマイシンである。
いくつかの実施形態では、前記方法は、放射線療法薬の投与をさらに含む。
参照による引用
本明細書中で言及される刊行物、特許、および特許出願はすべて、適用可能かつ関連する範囲まで、かつ、個々の刊行物、特許、または特許出願がそれぞれ参照により引用されるものと具体的および個別に示されるのと同程度にまで、参照により本明細書に引用される。
結晶性(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリド(化合物1)の形態1のX線粉末回折(XRPD)パターンを図示する。 結晶性(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリド(化合物1)の形態1の熱重量分析(TGA)サーモグラムを図示する。 結晶性(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリド(化合物1)の形態1の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを図示する。 結晶性(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリド(化合物1)の形態2のX線粉末回折(XRPD)パターンを図示する。 結晶性(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリド(化合物1)の形態2の熱重量分析(TGA)サーモグラムを図示する。 結晶性(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリド(化合物1)の形態2の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを図示する。 結晶性(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリド(化合物1)の形態3のX線粉末回折(XRPD)パターンを図示する。 結晶性(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリド(化合物1)の形態4のX線粉末回折(XRPD)パターンを図示する。 結晶性(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリド(化合物1)の形態1の重量測定による蒸気吸着(GVS)分析を図示する。 結晶性(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリド(化合物1)の形態1の、GVS前とGVS後のX線粉末回折(XRPD)パターンを図示する。 結晶性(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリド(化合物1)の形態2の重量測定による蒸気吸着(GVS)分析を図示する。 結晶性(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリド(化合物1)の形態2の、GVS前とGVS後のX線粉末回折(XRPD)パターンを図示する。 結晶性(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドジヒドロクロリド(化合物2)の形態1のX線粉末回折(XRPD)パターンを図示する。 結晶性(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミド遊離塩基(化合物3)の形態1のX線粉末回折(XRPD)パターンを図示する。
(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドは、RSK阻害剤である。本明細書には、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリド(化合物1)、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドジヒドロクロリド(化合物2)、および(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミド遊離塩基(化合物3)の結晶形態が記載される。
化合物1
一実施形態では、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリド(化合物1)がある。「化合物1」または「(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリド」は、以下の構造を持つ化合物を指す。
Figure 2022520382000002
化合物2
別の実施形態では、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドジヒドロクロリド(化合物2)がある。「化合物2」または「(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドジヒドロクロリド」は、以下の構造を持つ化合物を指す。
Figure 2022520382000003
化合物3
別の実施形態では、(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミド遊離塩基(化合物3)がある。「化合物3」または「(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミド遊離塩基」は、以下の構造を持つ化合物を指す。
Figure 2022520382000004
いくつかの実施形態では、化合物1は、溶剤付加形態(solvent addition forms)(溶媒和物)を含む。いくつかの実施形態では、化合物2は、溶剤付加形態(溶媒和物)を含む。いくつかの実施形態では、化合物3は、溶剤付加形態(溶媒和物)を含む。
溶媒和物は、化学量論量または非化学量論量の溶剤を包含するものであり、水、エタノール、メタノール、tert-ブチルメチルエーテル(MTBE)、ジイソプロピルエーテル(DIPE)、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、イソプロピルアルコール、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ニトロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、ジオキサン、ヘプタン、トルエン、アニソール、アセトニトリルなどの薬学的に許容可能な溶剤による生成物の形成または単離のプロセス中に形成される。いくつかの実施形態では、溶媒和物は、これに限定されないがクラス3の溶剤を使用して形成される。いくつかの実施形態では、溶媒和物は、これに限定されないがクラス2の溶剤を使用して形成される。溶剤の分類は、例えば、医薬品規制調和国際会議(ICH)の「Impurities:Guidelines for Residual Solvents Q3C(R6)」(2016年10月)に規定されている。溶剤が水であると水和物が形成され、または溶剤がアルコールであるとアルコラートが形成される。
他の実施形態では、化合物1は、非晶質相、結晶形態、粉砕形態、およびナノ粒子形態を含むがこれらに限定されない、様々な形態で調製される。他の実施形態では、化合物2は、非晶質相、結晶形態、粉砕形態、およびナノ粒子形態を含むがこれらに限定されない、様々な形態で調製される。他の実施形態では、化合物3は、非晶質相、結晶形態、粉砕形態、およびナノ粒子形態を含むがこれらに限定されない、様々な形態で調製される。
あらゆる特定の理論に縛られることは意図されていないが、ある固体形態は、医薬品および治療上の剤形に適切な物理特性、例えば安定性、溶解性、および溶出速度を特徴とする。さらに、あらゆる特定の理論に縛られることは意図されていないが、ある固体形態は、固形剤形の製造に適切な特定の固体形態を形成する特定のプロセス(例えば、産生、濾過、洗浄、乾燥、粉砕、混合、錠剤化、流動、溶出、形成、および凍結)に影響を及ぼす、物理特性(例えば、密度、圧縮率、硬度、形態、割れやすさ、粘着性、溶解度、吸水性、電気特性、熱挙動、固体状態反応性、物理安定性、および化学安定性)を特徴とする。このような特性は、本明細書に記載されるような固体状態分析技法(例えば、X線回折、顕微鏡検査、分光法、および熱分析)を含む特定の分析化学技法を使用して求めることができる。
結晶形態
医薬化合物の固体形態の特定と選択は、固体形態の変化が様々な物理および化学特性に影響を及ぼすことで、重要な医薬特性の中でもとりわけ、加工、製剤化、安定性、バイオアベイラビリティ、貯蔵、および取り扱い(例えば輸送)の利点または欠点をもたらす場合があることを考慮すると、複雑なものである。生成物とその投与様式に応じて、有用な医薬用固体には結晶性固体と非晶質固体が挙げられる。非晶質固体は長距離の構造秩序を欠くことを特徴とするのに対し、結晶性固体は構造周期性を特徴とする。医薬用固体の所望の分類は特定の用途に左右される。非晶質固体は例えば強化された溶解プロファイルに基づき選択されることがあるが、結晶性固体は例えば物理安定性や化学安定性などの特性に望ましい場合がある。
結晶性でも非晶質でも、医薬化合物の固体形態には、単一成分固体と複数成分の固体が挙げられる。単一成分固体は、他の化合物が存在しない状態で、医薬化合物または有効成分から本質的になる。単一成分の結晶性材料中の多様性は、複数の三次元配列が特定の医薬化合物に対して存在する多形性の現象から生じる可能性がある。
注目すべきことに、化合物の結晶形態が存在しても、この結晶形態をどのように上手く調製するかはおろか、先験的に予測することは不可能である(例えば、「Braga and Grepioni,2005,“Making crystals from crystals:a green route to crystal engineering and polymorphism,”Chem.Commun.:3635-3645」(結晶工学に関して、指示があまり正確でない場合、および/または他の外部要因がプロセスに影響を及ぼす場合、結果は予測不可能なことがある)、「Jones et al.,2006,Pharmaceutical Cocrystals:An Emerging Approach to Physical Property Enhancement,”MRS Bulletin 31:875-879」(現時点で、最も単純な分子でさえも観察可能な多形の数を計算により予測することは一般的に不可能である)、「Price,2004,“The computational prediction of pharmaceutical crystal structures and polymorphism,”Advanced Drug Delivery Reviews 56:301-319(“Price”)」、および「Bernstein,2004,“Crystal Structure Prediction and Polymorphism,”ACA Transactions 39:14-23」(結晶構造、ましてや多形を予測する能力をある程度自信を持って述べることができる前に、多くのことを学び、行う必要がある)を参照)。
様々な候補となる固体形態により、ある特定の医薬化合物の物理および化学特性に多様性がもたらされる可能性がある。固体形態の発見と選択は、効果的で安定し、市場性のある医薬品の開発に非常に重要なものである。
結晶性化合物1、形態1
いくつかの実施形態では、化合物1は結晶性である。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1は、以下の特性:
(a)図1に示すものとほぼ同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(b)9.6°2シータ、16.2°2シータ、18.2°2シータ、21.2°2シータ、22.0°2シータ、および24.8°2シータの特徴ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターン、
(c)図2に記載されるものとほぼ同様の熱重量分析(TGA)、
(d)図3に記載されるものとほぼ同様のDSCサーモグラム、
(e)吸熱が約171℃で開始するDSCサーモグラム、
(f)一水和物、または
(g)それらの組み合わせ
のうち少なくとも1つを有することを特徴とする形態1である。
いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態1は、(a)~(f)から選択される特性のうち少なくとも2つを有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態1は、(a)~(f)から選択される特性のうち少なくとも3つを有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態1は、(a)~(f)から選択される特性のうち少なくとも4つを有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態1は、(a)~(f)から選択される特性のうち少なくとも5つを有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態1は、特性(a)~(f)を有することを特徴とする。
いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態1は、図1に示すものとほぼ同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態1は、9.6°2シータ、16.2°2シータ、18.2°2シータ、21.2°2シータ、22.0°2シータ、および24.8°2シータの特徴ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態1は、図2に記載されるものとほぼ同様の熱重量分析(TGA)サーモグラムを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態1は、図3に記載されるものとほぼ同様のDSCサーモグラムを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態1は、吸熱が約171℃で開始するDSCサーモグラムを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態1は、一水和物である。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態1は、メタノールと水(メタノール/水)の組み合わせから得られる。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態1は、メタノール40%/水60%から得られる。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態1は、メタノール95%/水5%から得られる。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態1は溶媒和される。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態1は溶媒和されない。
結晶性化合物1、形態2
いくつかの実施形態では、結晶性化合物1は、以下の特性:
(a)図4に示すものとほぼ同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(b)10.4°2シータ、15.1°2シータ、18.0°2シータ、19.5°2シータ、25.4°2シータ、および26.8°2シータの特徴ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターン、
(c)図5に記載されるものとほぼ同様の熱重量分析(TGA)、
(d)図6に記載されるものとほぼ同様のDSCサーモグラム、
(e)吸熱が約230℃で開始するDSCサーモグラム、または
(f)それらの組み合わせ
のうち少なくとも1つを有することを特徴とする形態2である。
いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態2は、(a)~(e)から選択される特性のうち少なくとも2つを有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態2は、(a)~(e)から選択される特性のうち少なくとも3つを有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態2は、(a)~(e)から選択される特性のうち少なくとも4つを有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態2は、特性(a)~(e)を有することを特徴とする。
いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態2は、図4に示すものとほぼ同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態2は、10.4°2シータ、15.1°2シータ、18.0°2シータ、19.5°2シータ、25.4°2シータ、および26.8°2シータの特徴ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態2は、図5に記載されるものとほぼ同様の熱重量分析(TGA)サーモグラムを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態2は、図6に記載されるものとほぼ同様のDSCサーモグラムを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態2は、吸熱が約230℃で開始するDSCサーモグラムを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態2は、アセトニトリル、メタノール、エタノール、メチルエチルケトン、1-プロパノール、2-プロパノール、またはジメチルホルムアミドから得られる。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態2は、アセトニトリルから得られる。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態2は、メタノールから得られる。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態2は、エタノールから得られる。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態2は、メチルエチルケトンから得られる。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態2は、1-プロパノールから得られる。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態2は、2-プロパノールから得られる。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態2は、ジメチルホルムアミドから得られる。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態2は溶媒和される。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態2は溶媒和されない。
結晶性化合物1、形態3
いくつかの実施形態では、結晶性化合物1は形態3である。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態3は、図7に示すものとほぼ同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態3は、9.8°2シータ、14.5°2シータ、16.5°2シータ、19.6°2シータ、20.7°2シータ、21.0°2シータ、および24.3°2シータの特徴ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態1は、ジメチルスルホキシドから得られる。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態3は溶媒和される。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態3は溶媒和されない。
結晶性化合物1、形態4
いくつかの実施形態では、結晶性化合物1は形態4である。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態4は、図8に示すものとほぼ同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態4は、9.4°2シータ、15.2°2シータ、16.9°2シータ、17.4°2シータ、17.9°2シータ、21.6°2シータ、22.0°2シータ、および24.4°2シータの特徴ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態1は、化合物1を160℃で加熱することにより得られる。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態4は溶媒和される。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1の形態4は溶媒和されない。
結晶性化合物2、形態1
いくつかの実施形態では、化合物2は結晶性である。いくつかの実施形態では、結晶性化合物2は形態1である。いくつかの実施形態では、結晶性化合物2の形態1は、図13に示すものとほぼ同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物2の形態1は、14.3°2シータ、15.7°2シータ、16.2°2シータ、22.2°2シータ、25.7°2シータ、および27.0°2シータの特徴ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物2の形態1は溶媒和される。いくつかの実施形態では、結晶性化合物2の形態1は溶媒和されない。
結晶性化合物3、形態1
いくつかの実施形態では、化合物3は結晶性である。いくつかの実施形態では、結晶性化合物3は形態1である。いくつかの実施形態では、結晶性化合物3の形態1は、図14に示すものとほぼ同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶性(R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミド遊離塩基は、11.4°2シータ、16.5°2シータ、18.3°2シータ、24.9°2シータ、および25.0°2シータの特徴ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物3の形態1は溶媒和される。いくつかの実施形態では、結晶性化合物3の形態1は溶媒和されない。
結晶性化合物1の調製
いくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態は、実施例に概説するように調製される。本明細書に提示される溶剤、温度、および他の反応条件は変動する場合があることに留意されたい。
ある実施形態では、本明細書には、化合物1の固体形態を作製するための方法が提供され、該方法は、1)化合物1を溶剤中に第1の温度である室温で懸濁させる工程と、2)化合物1の混合物を周囲温度と第2の温度(例えば約40℃)との間で72時間かけて4時間周期で循環させる工程と、3)沈殿物が生じた場合に固体を集め、沈殿物が生じない場合には固体を集めるために前記溶剤を蒸発させる工程と、4)随意に乾燥させる工程とを含む。ある実施形態では、本明細書には、化合物1の固体形態を作製するための方法が提供され、該方法は、1)溶剤中で化合物1の飽和溶液を得る工程と、2)逆溶剤を前記飽和溶液に加える工程と、3)約-20℃で約2~8℃に冷却する工程と、4)沈殿物が生じた場合に固体を集め、沈殿物が生じない場合には固体を集めるために前記溶剤を蒸発させる工程と、5)随意に空気乾燥させる工程とを含む。ある実施形態では、溶剤と逆溶剤との体積比は、約1:9である。ある実施形態では、溶剤と逆溶剤との体積比は、約1:4である。ある実施形態では、溶剤と逆溶剤との体積比は、約1:2である。ある実施形態では、溶剤と逆溶剤との体積比は、約1:1である。ある実施形態では、化合物1の固体形態を作製するための方法は、逆溶剤再結晶実験である。
別の実施形態では、結晶性化合物1の形態1は、実質的に純粋である。ある実施形態では、実質的に純粋な結晶性化合物1の形態1は、他の固体形態、例えば非晶質固体を実質的に含まない。ある実施形態では、実質的に純粋な結晶性化合物1の形態1の純度は、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、約98.5%以上、約99%以上、約99.5%以上、または約99.8%以上である。
別の実施形態では、結晶性化合物1の形態2は、実質的に純粋である。ある実施形態では、実質的に純粋な結晶性化合物1の形態2は、他の固体形態、例えば非晶質固体を実質的に含まない。ある実施形態では、実質的に純粋な結晶性化合物1の形態2の純度は、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、約98.5%以上、約99%以上、約99.5%以上、または約99.8%以上である。
別の実施形態では、結晶性化合物1の形態3は、実質的に純粋である。ある実施形態では、実質的に純粋な結晶性化合物1の形態3は、他の固体形態、例えば非晶質固体を実質的に含まない。ある実施形態では、実質的に純粋な結晶性化合物1の形態3の純度は、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、約98.5%以上、約99%以上、約99.5%以上、または約99.8%以上である。
適切な溶剤
ヒトなどの哺乳動物に投与可能な治療薬は、規制ガイドラインに従い調製する必要がある。このような政府規制のガイドラインは、適正製造基準(GMP)と呼ばれている。GMPガイドラインでは、例えば最終産物に残留する溶剤量など、活性治療薬の許容可能な汚染レベルが概説されている。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される溶剤は、GMP施設での使用に適しており、産業上の安全性への懸念に一貫するものである。溶剤の分類は、例えば、医薬品規制調和国際会議(ICH)の「Impurities:Guidelines for Residual Solvents Q3C(R6)」(2016年10月)に規定されている。
溶剤は3つのクラスに分類される。クラス1の溶剤は有毒であり、避けるべきである。クラス2の溶剤は、治療薬の製造中の使用に限定される溶剤である。クラス3の溶剤は、起こり得る毒性が低く、人体の健康へのリスクが少ない溶剤である。クラス3の溶剤のデータでは、急性または短期の試験では毒性が低く、遺伝毒性試験では陰性であると認められる。
避けるべきクラス1の溶剤として、ベンゼン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエテン、および1,1,1-トリクロロエタンが挙げられる。
クラス2の溶剤の例は、アセトニトリル、クロロベンゼン、クロロホルム、クメン、シクロヘキサン、1,2-ジクロロエテン、ジクロロメタン、1,2-ジメトキシエタン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、1,4-ジオキサン、2-エトキシエタノール、エチレングリコール、ホルムアミド、ヘキサン、メタノール、2-メトキシエタノール、メチルブチルケトン、メチルシクロヘキサン、メチルイソブチルケトン、N-メチルピロリドン、ニトロメタン、ピリジン、スルホラン、テトラヒドロフラン、テトラリン、トルエン、1,1,2-トリクロロエテン、およびキシレンである。
低毒性を有するクラス3の溶剤として、酢酸、アセトン、アニソール、1-ブタノール、2-ブタノール、酢酸ブチル、tert-ブチルメチルエーテル(MTBE)、ジメチルスルホキシド、エタノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、ギ酸、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3-メチル-1-ブタノール、メチルエチルケトン、2-メチル-1-プロパノール、ペンタン、1-ペンタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、酢酸プロピル、およびトリエチルアミンが挙げられる
原薬(API)に残る溶剤は、APIの製造によるものである。場合により溶剤は、実際の製造技法でも完全には除去されない。APIを合成するために溶剤を適切に選択することで、収率が向上する、または結晶形態、純度、および溶解性などの特性を求めることができる。このため、溶剤は合成プロセスの重要なパラメータである。
いくつかの実施形態では、化合物1を含む組成物は、有機溶剤を含む。いくつかの実施形態では、化合物1を含む組成物は、残存する有機溶剤を含む。いくつかの実施形態では、化合物1を含む組成物は、残存するクラス3の溶剤を含む。いくつかの実施形態では、前記有機溶剤はクラス3の溶剤である。いくつかの実施形態では、クラス3の溶剤は、酢酸、アセトン、アニソール、1-ブタノール、2-ブタノール、酢酸ブチル、tert-ブチルメチルエーテル(MTBE)、ジメチルスルホキシド、エタノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、ギ酸、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3-メチル-1-ブタノール、メチルエチルケトン、2-メチル-1-プロパノール、ペンタン、1-ペンタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、酢酸プロピル、およびトリエチルアミンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、クラス3の溶剤は、アセトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、tert-ブチルメチルエーテル、ヘプタン、イソプロパノール、およびエタノールからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、化合物1、2、または3を含む組成物は、残存するクラス2の溶剤を含む。いくつかの実施形態では、前記有機溶剤はクラス2の溶剤である。いくつかの実施形態では、クラス2の溶剤は、アセトニトリル、クロロベンゼン、クロロホルム、クメン、シクロヘキサン、1,2-ジクロロエテン、ジクロロメタン、1,2-ジメトキシエタン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、1,4-ジオキサン、2-エトキシエタノール、エチレングリコール、ホルムアミド、ヘキサン、メタノール、2-メトキシエタノール、メチルブチルケトン、メチルシクロヘキサン、メチルイソブチルケトン、N-メチルピロリドン、ニトロメタン、ピリジン、スルホラン、テトラヒドロフラン、テトラリン、トルエン、1,1,2-トリクロロエテン、およびキシレンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、クラス2の溶剤は、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、およびトルエンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、クラス2の溶剤はアセトニトリルである。
いくつかの実施形態では、化合物1、2、または3を含む組成物は、適切な毒性学的データが見出されなかった残存する溶剤を含む。いくつかの実施形態では、前記有機溶媒は、適切な毒性学的データが見出されなかった溶剤である。いくつかの実施形態では、前記溶剤は、2-ブタノンおよび2-メチルテトラヒドロフランからなる群から選択される。
特定の用語
別段の定めのない限り、本明細書で使用される技術用語と科学用語はすべて、請求項に記載の対象が属する技術分野の当業者により一般的に理解されているものと同じ意味を有する。前述の一般的な説明と以下の詳細な説明は、例示的かつ説明的なものに過ぎず、請求項に記載の対象に制限されるものではないことを理解されたい。本出願では、別段の定めのない限り、単数形の使用は複数形を含む。明細書と添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、前後関係から明らかでない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。本出願では、「または」の使用は、別段の定めのない限り「および/または」を意味する。さらに、用語「含む(including)」、ならびに「含む(include)」、「含む(includes)」、「含まれる(included)」などの他の形態の使用は、限定的ではない。用語「含む(comprising)」(および「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、「有する(having)」、「含む(including)」などの関連用語)は、他の特定の実施形態、例えば、本明細書に記載されるあらゆる合成物、組成物、方法、またはプロセスの実施形態において、記載された特徴「からなる」または「から実質的になる」場合のあるものを除外するようには意図されていない。用語「約」は、数または数値範囲に言及するとき、言及される数または数値範囲が実験的変動内(または統計的実験誤差内)にある近似値であり、ゆえにこの数または数値範囲は明示した数または数値範囲の1%と15%の間で変動する場合があることを意味する。
本明細書で使用される節の見出しは、構成のみを目的とするものであり、記載される対象を限定するものとして解釈されるべきではない。特許、特許出願、記事、書籍、マニュアル、および論文を含むがこれらに限定されない、本出願で引用されるすべての文書またはその一部は、これらの全体を参照することにより本明細書で明確に引用される。
本明細書では、用語「許容可能な」または「薬学的に許容可能な」は、製剤、組成物、または成分に関して、処置されている対象の総体的な健康に永続的で有害な影響を及ぼさないこと、または、化合物の生物学的活性もしくは特性を抑止せず、比較的無毒であることを意味する。
本明細書では、特定の化合物または医薬組成物の投与による特定の疾患、障害、または疾病の症状の「改善」は、永続的または一時的であるかにかかわらず、特定の化合物または医薬組成物の投与に起因または関連する場合のある重症度の軽減、発症の遅延、進行の遅滞、または持続時間の短縮を指す。
「バイオアベイラビリティ」とは、投与された化合物1、2、または3が、試験されている動物またはヒトの全身循環へと送り込まれる割合を指す。静脈内投与したときの薬物の総暴露量(AUC(0-∞))は通常、100%生物学的利用可能(F%)と定義される。「経口バイオアベイラビリティ」とは、医薬組成物を服用したときに化合物1、2、または3が全身循環に吸収される程度を静脈内注射と比較したものを指す。
「血漿中濃度」は、対象の血液の血漿成分中の化合物1、2、または3の濃度を指す。化合物1、2、または3の血漿中濃度は、代謝に関する変動性および/または他の治療薬との起こり得る相互作用に起因して対象間で大きく変動する場合があることが理解されている。本明細書に開示される一実施形態によれば、化合物1、2、または3の血漿中濃度は、対象間で変動する場合がある。同様に、最大血漿中濃度(Cmax)や、最大血漿中濃度到達時間(Tmax)、血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC(0-∞))などの値は、対象間で変動する場合がある。この変動性に起因して、化合物1、2、または3の「治療上有効量」を構成するのに必要な量は、対象間で変動する場合がある。
本明細書では、用語「共投与」などは、選択された複数の治療薬の1人の患者への投与を包含することを意味し、この医薬品が同じもしくは異なる投与経路により、または同じもしくは異なる時間に投与される処置レジメンを含むように意図されている。
本明細書では、「有効量」または「治療上有効な量」という用語は、処置されている疾患または状態の症状のうちの1つ以上をある程度緩和するのに十分な、投与される薬剤または化合物の量を指す。その結果、疾患の徴候、症状、または原因の低減および/または緩和、あるいは生物学系の任意の他の所望の変化が生じる場合がある。例えば、治療用途に「有効な量」は、過度の有害な副作用を生じさせることなく疾患症状を臨床的に有意に低減させるのに必要な、本明細書に開示される化合物を含む組成物の量である。あらゆる個々の症例における適切な「有効量」は、用量漸増試験などの技法を用いて求めることができる。「治療上有効な量」という用語は、例えば、予防上有効な量を含む。本明細書に開示される化合物の「有効量」は、過度の有害な副作用を生じさせることなく所望の薬理学的効果または治療上の改善を達成するのに有効な量である。「有効量」または「治療上有効な量」は、化合物1、2、または3の代謝変動、対象の年齢、体重、全身状態、処置されている疾病、処置されている疾病の重症度、および主治医の判断に起因して、対象間で変動する場合がある。ほんの一例として、治療上有効な量は、用量漸増臨床試験により求めることができる。
「増強する(enhance)」または「増強すること(enhancing)」という用語は、所望の効果を効力または持続時間のいずれかにおいて増加または延長することを意味する。一例として、治療薬の効果を「増強する」とは、疾患、障害、または疾病の処置中の治療薬の効果を、効力または持続時間のいずれかにおいて増加または延長できることを指す。本明細書では、「増強に有効な量」とは、疾患、障害、または疾病の処置における治療薬の効果を増強するのに十分な量を指す。患者に使用するとき、この用途に有効な量は、疾患、障害、または疾病の重症度と経過、以前の治療、患者の健康状態、薬物に対する反応、および主治医の判断に左右されることになる。
本明細書では、「予防上有効な量」という用語は、患者に投与されると処置される疾患、疾病、または障害の症状のうちの1つ以上をある程度緩和するであろう組成物の量を指す。このような予防用途では、この量は、患者の健康状態や体重などに左右される場合がある。一例として、用量漸増臨床試験によりこのような予防上有効な量を求めることができる。
本明細書では、「対象」という用語は、処置、観察、または実験の対象である動物を指す。一例として対象は、ヒトを含むがこれ限定されない哺乳動物であってもよい。
本明細書では、「標的活性」という用語は、選択的調節因子により調節可能な生物学的活性を指す。ある例示的な標的活性として、結合親和性、シグナル伝達、酵素活性、腫瘍増殖、炎症または炎症関連プロセス、および疾患または疾病に関連する1以上の症状の緩和が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書では、用語「処置する(treat)」、「処置すること(treating)」、または「処置(treatment)」は、疾患または疾病の症状を緩和、軽減、または改善すること、さらなる症状を予防すること、症状の根底にある代謝的原因を改善または予防すること、例えば、疾患または疾病の進行を阻止すること、疾患または疾病を緩和すること、疾患または疾病を退行させること、疾患または疾病により生じる状態を緩和すること、あるいは疾患または状態の症状を停止させることを含む。用語「処置する」、「処置すること」、または「治療」には、予防処置および/または治療処置が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書では、IC50は、特定の試験化合物により誘導、誘発、または増強される特定応答の最大発現の50%で用量依存的応答を誘発する、前記特定の試験化合物の用量、濃度、または量を指す。
方法
本明細書に記載されるような結晶性化合物1を使用する方法のいくつかの実施形態では、哺乳動物におけるRSK活性に関連する疾患または疾病を処置する方法があり、該方法は、結晶性化合物1を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物におけるp90リボソームS6キナーゼ(RSK)活性に関連する疾患または疾病を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物におけるp90リボソームS6キナーゼ(RSK)活性に関連する疾患または疾病を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含み、前記疾患または疾病は癌である。いくつかの実施形態では、哺乳動物の癌を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含み、前記癌は、乳癌、前立腺癌、肺癌、脳腫瘍、皮膚癌、骨癌、卵巣癌、または血液癌である。いくつかの実施形態では、哺乳動物の前立腺癌を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物の肺癌を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物の脳腫瘍を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物の皮膚癌を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物の骨癌を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物の卵巣癌を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物の血液癌を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物の乳癌を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物の乳癌を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含み、前記乳癌は、ルミナールA型、ルミナールB型、Her-2陽性、トリプルネガティブ乳癌、基底様乳癌、炎症性乳癌、BRCA1/2変異乳癌、薬剤耐性乳癌、マウス乳癌、ゲフィチニブ感受性:MDA-MB-231、および転移性乳癌から選択される。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態は、本明細書に記載の形態1である。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態は、本明細書に記載の形態2である。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態は、本明細書に記載の形態3である。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態は、本明細書に記載の形態4である。
本明細書に記載されるような結晶性化合物2を使用する方法のいくつかの実施形態では、哺乳動物におけるRSK活性に関連する疾患または疾病を処置する方法があり、該方法は、結晶性化合物2を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物におけるp90リボソームS6キナーゼ(RSK)活性に関連する疾患または疾病を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物2の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物におけるp90リボソームS6キナーゼ(RSK)活性に関連する疾患または疾病を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物2の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含み、前記疾患または疾病は癌である。いくつかの実施形態では、哺乳動物の癌を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物2の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含み、前記癌は、乳癌、前立腺癌、肺癌、脳腫瘍、皮膚癌、骨癌、卵巣癌、または血液癌である。いくつかの実施形態では、哺乳動物の前立腺癌を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物2の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物の肺癌を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物2の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物の脳腫瘍を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物2の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物の皮膚癌を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物2の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物の骨癌を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物2の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物の卵巣癌を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物2の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物の血液癌を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物2の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物の乳癌を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物2の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物の乳癌を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物2の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含み、前記乳癌は、ルミナールA型、ルミナールB型、Her-2陽性、トリプルネガティブ乳癌、基底様乳癌、炎症性乳癌、BRCA1/2変異乳癌、薬剤耐性乳癌、マウス乳癌、ゲフィチニブ感受性:MDA-MB-231、および転移性乳癌から選択される。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、化合物2の結晶形態は、本明細書に記載の形態1である。
本明細書に記載されるような結晶性化合物3を使用する方法のいくつかの実施形態では、哺乳動物におけるRSK活性に関連する疾患または疾病を処置する方法があり、該方法は、結晶性化合物3を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物におけるp90リボソームS6キナーゼ(RSK)活性に関連する疾患または疾病を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物3の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物におけるp90リボソームS6キナーゼ(RSK)活性に関連する疾患または疾病を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物3の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含み、前記疾患または疾病は癌である。いくつかの実施形態では、哺乳動物の癌を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物3の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含み、前記癌は、乳癌、前立腺癌、肺癌、脳腫瘍、皮膚癌、骨癌、卵巣癌、または血液癌である。いくつかの実施形態では、哺乳動物の前立腺癌を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物3の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物の肺癌を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物3の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物の脳腫瘍を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物3の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物の皮膚癌を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物3の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物の骨癌を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物3の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物の卵巣癌を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物3の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物の血液癌を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物3の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物の乳癌を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物3の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物の乳癌を処置する方法があり、該方法は、本明細書に記載の化合物3の結晶形態を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含み、前記乳癌は、ルミナールA型、ルミナールB型、Her-2陽性、トリプルネガティブ乳癌、基底様乳癌、炎症性乳癌、BRCA1/2変異乳癌、薬剤耐性乳癌、マウス乳癌、ゲフィチニブ感受性:MDA-MB-231、および転移性乳癌から選択される。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、化合物3の結晶形態は、本明細書に記載の形態1である。
併用療法
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態、およびそれらの組成物は、処置対象の疾病の治療的価値について選択される他の治療薬と併用される。一般的に、本明細書に記載の組成物、および、併用療法は利用される実施形態では他の薬剤は、同じ医薬組成物中で投与される必要はなく、異なる物理および化学特徴を持つことから、異なる経路により投与する必要がある場合もある。可能であれば、同じ医薬組成物中での投与の様式と推奨性の決定は、臨床医の考え得る範囲内で行われる。初期投与は、当該技術分野で認識される確立されたプロトコルに従い行うことができ、その後、観察された効果に基づき、用量、投与形態、および投与時間を臨床医が変更することができる。
いくつかの実施形態では、別の治療薬と併用して、本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態を投与することが適切である。ほんの一例として、本明細書に化合物1、2、または3の結晶形態を投与したときに患者に生じる副作用の1つは悪心であり、その後、初期治療薬と併用して抗悪心剤を投与することが適切な場合もある。またはほんの一例として、本明細書に記載の化合物のうち1つの治療効果は、アジュバントの投与により増強することができる(アジュバントそのものの治療利益は最小であるが、別の治療薬と併用すると、患者に対する全体的な治療利益が増強する)。またはほんの一例として、患者が受ける利益は、本明細書に記載の化合物のうち1つを、治療利益も有する別の治療薬(治療レジメンも含む)とともに投与することで増大させることができる。いずれの場合でも、処置される疾患、障害、または疾病にかかわらず、患者が受ける全体的な利益は単に、2つの治療薬の相加作用であってもよく、または患者は相乗的な利益を受ける場合もある。
治療用途のために、いくつかの実施形態では本発明の化合物または薬物は、単独で投与されるか、または従来の化学療法薬、放射線療法薬、ホルモン療法薬、および/または免疫療法薬と組み合わせて共投与される。
非限定的な例として、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態は、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、イホスファミド、クロラムブシル、ブスルファン、メルファラン、メクロレタミン、ウラムスチン、チオテパ、ニトロソウレアなど)、抗代謝物(例えば、5-フルオロウラシル、アザチオプリン、メトトレキサート、ロイコボリン、カペシタビン、シタラビン、フロキシリジン、フルダラビン、ゲムシタビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセドなど)、植物アルカロイド(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンデシン、ポドフィロトキシン、パクリタキセル、ドセタキセルなど)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、イリノテカン、トポテカン、アムサクリン、エトポシド(VP16)、リン酸エトポシド、テニポシドなど)、抗癌性抗生物質(例えば、ドキソルビシン、アドリアマイシン、ダウノルビシン、エピルビシン、アクチノマイシン、ブレオマイシン、ミトマイシン、ミトキサントロン、プリカマイシンなど)、白金ベース化合物(例えば、シスプラチン、オキサロプラチン、カルボプラチンなど)などを含む、従来の化学療法薬と共投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態は、ステロイド(例えばデキサメタゾン)、フィナステリド、アロマターゼ阻害剤、タモキシフェン、および、ゴセレリンなどのゴナドトロピン放出ホルモン拮抗薬(GnRH)を含むがこれらに限定されない、従来のホルモン療法薬と共投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態は、免疫賦活薬(例えば、Bacillus Calmette-Guerin(BCG)、レバミゾール、インターロイキン-2、α-インターフェロンなど)、モノクローナル抗体(例えば、抗CD20、抗HER2、抗CD52、抗HLA-DR、および抗VEGFモノクローナル抗体)、イムノトキシン(例えば、抗CD33モノクローナル抗体とカリケアミシンのコンジュゲート、抗CD22モノクローナル抗体とシュードモナス外毒素のコンジュゲートなど)、および放射線免疫療法(例えば、111In、90Y、または131Iなどに抱合される、抗CD20モノクローナル抗体)を含むがこれらに限定されない、従来の免疫療法薬と共投与される。
さらなる実施形態では、本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態は、ポリADP-リボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤、STAT3阻害剤、ヤヌスキナーゼ阻害剤、またはEGFR阻害剤と共投与される。
使用する化合物の特定の選択は、主治医の診断、患者の状態の判断、および適切な治療プロトコルに左右される。いくつかの実施形態では、前記化合物は、疾患、障害、または疾病の性質、患者の状態、および使用される化合物の実際の選択に応じて、同時(例えば、同時に、ほぼ同時に、または同じ治療プロトコル内で)、または連続的に投与される。治療プロトコル中の投与の順序、および各治療薬の反復投与の回数の決定は、処置される疾患と患者の状態を評価した後に医師の考え得る範囲内で行われる。
治療に有効な用量は、薬剤が処置の組み合せに使用されるときに変動する場合がある。併用療法レジメンで使用される薬物と他の薬剤の治療上有効な用量を実験により求めるための方法は、文献に記載されている。例えば、本発明はまた、メトロノミック投与の使用、すなわち毒性副作用を最小限にするための高頻度で低用量の投与は、文献に広く記載されている。併用療法はさらに、患者の臨床管理を補助するために様々な時間で開始かつ中止される周期的な治療を含む。
本明細書に記載の併用療法では、投与される化合物の用量はもちろん、利用される共薬物の種類、利用される特定薬物、処置される疾患または疾病などに応じて変動することになる。さらに、1つ以上の生物学的に活性な薬剤と共投与されると、本明細書で提供される化合物は、生物学的に活性な薬剤と同時に、または連続して投与される。連続投与の場合、主治医は、生物学的に活性な薬剤と併用してタンパク質を投与する適切なシーケンスを決定することになる。
あらゆる場合に、複数の治療薬(そのうちの1つは本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態である)は、任意の順序で、または同時に投与することができる。同時の場合、複数の治療薬は、1つの統合形態で、または複数の形態で(一例として、1つの丸剤、または2つ別々の丸剤として)提供することができる。治療薬の1つは複数回用量で投与されてもよく、または両方が複数回用量として投与されてもよい。同時でない場合、複数回投与の間のタイミングは、0週間超~4週間未満で変動する場合がある。さらに、組み合わせの方法、組成物、および製剤は、2つの薬剤のみの使用に限定されるものではなく、複数の治療上の組み合わせも想定される。
緩和が求められる疾病を処置、予防、または改善するための投与レジメンは、様々な因子に従い修正可能であることが理解される。これら因子として、対象の障害または疾病のほか、対象の年齢、体重、性別、食事、および医学的状態が挙げられる。このため、実際に利用される投与レジメンは広く変動する場合があり、それゆえ、本明細書に記載の投与レジメンから逸脱する場合もある。
本明細書に開示される併用療法を構成する医薬品は、組み合わせた剤形、またはほぼ同時の投与を意図した別個の剤形であってもよい。併用療法を構成する医薬品はさらに、連続的に投与することができ、一方の治療化合物は二段階投与が必要なレジメンにより投与される。この二段階投与レジメンでは、活性薬剤の連続投与または別個の活性薬剤の間隔を空けた投与が必要となる場合がある。複数の投与工程間の期間は、医薬品の効能、溶解度、バイオアベイラビリティ、血漿半減期、動態プロファイルなど各医薬品の特性に応じて、数分から数時間におよぶ場合がある。標的分子濃度の概日変化も、最適な投与間隔を決定する要因となる場合がある。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、患者に相加的または相乗的な利益を提供することのできる手順と組み合わせて使用される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態は、放射線療法薬とともに投与される。ほんの一例として、患者は、本明細書に記載の方法において治療的および/または予防的利益を見出すと予測され、ここで、本明細書に記載の化合物の医薬組成物、および/または他の治療薬との組み合わせは、対象となる個体が、ある種の疾患または疾病に関連することが分かっている突然変異遺伝子の保因者であるかどうかを定める遺伝子検査と組み合わされる。
本明細書に記載の化合物と併用療法は、疾患または疾病の発生前、発生中、または発生後に投与され、化合物を含有する組成物を投与するタイミングは変動する場合がある。このため、例えばいくつかの実施形態では、前記化合物は予防薬として使用され、かつ、疾患または疾病の発生を防ぐために、この疾患または疾病を発症する傾向のある対象に連続投与される。いくつかの実施形態では、前記化合物と組成物は、症状の発症中、または発症後可能な限り速やかに対象に投与することができる。いくつかの実施形態では、化合物の投与は、症状が発症して最初の48時間以内、好ましくは症状が発症して最初の48時間以内、より好ましくは症状が発症して最初の6時間以内、最も好ましくは症状が発症して最初の3時間以内に開始される。初期投与は、例えば静脈内注射、ボーラス注射、約5分~約5時間にわたる注入、丸剤、カプセル剤、経皮パッチ、頬側送達、またはそれらの組み合わせなどの実際の投与経路を介して行うことができる。
化合物は、疾患または疾病の発症が検出または疑われた後、および、疾患の処置に必要な期間、例えば1日~約3か月にわたり実行可能であることが好ましい。処置の期間は被験体ごとに変動する場合があり、既知の基準を使用して決定することができる。例えば、化合物または該化合物を含有する製剤は、少なくとも2週間、好ましくは約1か月~約5年間投与することができる。
医薬組成物と投与
本明細書にはまた、本明細書に開示される化合物を含有する医薬組成物も記載される。一実施形態では、本発明は、薬学的に許容可能な担体、賦形剤、または希釈剤の中にあり、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒト患者に投与したときにRSKの活性を阻害するのに有効な量で、本明細書に記載の化合物を含む組成物に関する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物1の結晶形態と、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬組成物がある。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の結晶性化合物1の形態1と、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分とを含む、医薬組成物がある。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の結晶性化合物1の形態2と、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分とを含む、医薬組成物がある。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の結晶性化合物1の形態3と、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分とを含む、医薬組成物がある。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の結晶性化合物1の形態4と、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分とを含む、医薬組成物がある。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物2の結晶形態と、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬組成物がある。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の結晶性化合物2の形態1と、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分とを含む、医薬組成物がある。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物3の結晶形態と、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬組成物がある。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の結晶性化合物3の形態1と、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分とを含む、医薬組成物がある。
本明細書に記載の医薬組成物は、本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態と、担体、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、および/または賦形剤などの他の化学成分との混合物を指す。この医薬組成物は、前記化合物の生物への投与を容易にするものである。本明細書で提供される処置または使用の方法を実施する際に、本明細書に記載の化合物の治療上有効な量が、医薬組成物中で、処置の対象である疾患、障害、または疾病のある哺乳動物へ投与される。いくつかの実施形態では、前記哺乳動物はヒトである。治療上有効な量は、疾患の重症度、対象の年齢と相対的健康、使用される化合物の効力、および他の要因に応じて広く変動する場合がある。本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態は、単独で、または、混合物の成分として(併用療法におけるように)1つ以上の治療薬と組み合わせて使用することができる。
本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態の投与は、純粋な形態または適切な医薬組成物では、同様の有用性を提供するために許容された薬剤の投与形態のいずれかにより行うことができる。本明細書に記載の医薬組成物は、本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態を、適切な薬学的に許容可能な担体、希釈剤、または賦形剤と組み合わせることで調製することができ、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、軟膏剤、溶液、坐剤、注射剤、吸入剤、ゲル剤、微小球剤、エアロゾルなどの固体、半固体、液体、または気体の形態にある調製物へと製剤化してもよい。このような医薬組成物を投与する典型的な経路として、経口、局所、経皮、吸入、非経口、舌下、直腸、経膣、および鼻腔内が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書では、「非経口」という用語には、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、胸腔内注射、または注入技法が含まれる。本明細書に記載の医薬組成物は、その中に包含される有効成分が、患者への組成物の投与に際して生物学的に利用可能となるように製剤化される。対象または患者に投与される組成物は1つ以上の投与単位の形態を呈し、例えば錠剤は単一投与形態であり、本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態をエアロゾル形態で包含する容器は、複数の投与単位を保持することができる。このような投与単位を調製する実際の方法は当業者に知られているか、明白となるであろう。例えば、「The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition(Philadelphia College of Pharmacy and Science,2000)」を参照。投与対象の組成物は、あらゆる事象において、本明細書に記載の対象となる疾患または疾病を処置するために、本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態を治療上有効な量で包含することになる。
本明細書中の有用な医薬組成物はさらに、任意の適切な希釈剤または賦形剤を含む、薬学的に許容可能な担体を包含しており、該担体は、組成物を投与される個体に有害な抗体の産生を単独で誘導しない任意の医薬品を含むとともに、過度の毒性を生じさせることなく投与することができる。薬学的に許容可能な担体として、水、生理食塩水、グリセロール、エタノールなどの液体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。薬学的に許容可能な担体、希釈剤、および他の賦形剤の詳細な考察は、「REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES(Mack Pub.Co.,N.J.current edition)」で論じられている。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、固体または液体の形態にある。一態様では、担体は粒子状であり、そのため組成物は、例えば錠剤または散剤の形態にある。いくつかの実施形態では、担体は液体であり、組成物は、例えば経口シロップ、注射可能な液体、またはエアロゾルであり、これらの形態は例えば吸入投与に有用なものである。
経口投与を意図した場合、前記医薬組成物は固体または液体の形態にあるのが好ましく、この場合、半固体、半液体、懸濁液、およびゲルの形態が、固体または液体として本明細書で考慮される形態内に含まれる。
いくつかの実施形態では、経口投与用の固体組成物として、医薬組成物は、散剤、顆粒剤、圧縮錠剤、丸剤、カプセル剤、チューインガム、ウエハなどの形態に製剤化される。このような固体組成物は一般的に、1つ以上の不活性希釈剤または食用担体を包含する。いくつかの実施形態では、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、微結晶性セルロース、トラガカントガム、ゼラチンなどの結合剤、デンプン、ラクトース、デキストリンなどの賦形剤、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、Primogel、トウモロコシデンプンなどの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムやSterotexなどの潤滑剤、コロイド状二酸化ケイ素などの滑剤、スクロースやサッカリンなどの甘味料、ペパーミント、サリチル酸メチル、オレンジ香料などの香料、および着色剤のうち1つ以上が、存在する。
医薬組成物は、カプセル、例えばゼラチンカプセルの形態にあると、上述の種類の材料に加えて、ポリエチレングリコールや油などの液体担体を含有する場合がある。
いくつかの実施形態では、前記医薬組成物は、液体、例えばエリキシル、シロップ、溶液、乳剤、または懸濁液の形態にある。いくつかの実施形態では、前記液体は、2つの例として経口投与用または注射による送達用のものである。経口投与を意図した場合、好ましい組成物は、本発明の化合物に加えて、甘味料、防腐剤、染料/着色剤、および香味増強剤のうちの1つ以上を含有する。いくつかの実施形態では、注射による投与を意図した組成物には、界面活性剤、防腐剤、湿潤剤、分散剤、懸濁化剤、緩衝剤、安定剤、および等張剤のうちの1つ以上が含まれる。
本明細書に記載の液体医薬組成物は、溶液、懸濁液、またはその他同様の形態であるかどうかにかかわらず、次の補助剤のうち1つ以上を含む場合がある:注射用水、食塩水、好ましくは生理食塩水、リンガー溶液、等張性塩化ナトリウム、溶剤または懸濁培地として機能可能な合成モノまたはジグリセリドなどの固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、または他の溶剤などの滅菌希釈剤、ベンジルアルコールやメチルパラベンなどの抗酸化剤、アスコルビン酸や亜硫酸ナトリウムなどの抗酸化剤、エチレンジアミンテトラ酢酸などのキレート剤、酢酸塩、クエン酸塩、硫酸塩などの緩衝液、および、塩化ナトリウムやデキストロースなどの等張性調節用の薬剤。非経口製剤は、ガラスまたはプラスチック製のアンプル、使い捨てシリンジ、または複数回投与バイアルに封入することができる。生理食塩水が好ましい補助剤である。注射可能な医薬組成物は滅菌であることが好ましい。
非経口投与または経口投与を意図した本明細書に記載の液体医薬組成物は、適切な用量が得られるように、本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態をある量で含有する必要がある。一般的にこの量は、組成物中で本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態の少なくとも0.01%である。経口投与を意図した場合、前記量は、組成物の0.1と約70重量%の間にあるように変動してもよい。好ましい経口医薬組成物は、本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態を約4%と約50%の間で含有する。本発明による好ましい医薬組成物および調製物は、非経口投与単位が、希釈前に本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態を0.01と10重量%の間で含有するように調製される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、局所投与を意図したものであり、この場合担体は、溶液、乳剤、軟膏剤、またはゲル基剤を含むのが適切な場合がある。前記基剤は、例えば、ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、ビーワックス、鉱油、水やアルコールなどの希釈剤、乳化剤、および安定剤のうち1つ以上を含む場合がある。いくつかの実施形態では、増粘剤が局所投与用の医薬組成物に存在する。経皮投与を意図したいくつかの実施形態では、前記組成物は、経皮パッチまたはイオン導入デバイスを含む。いくつかの実施形態では、局所製剤は、約0.1~約10%w/v(単位体積あたりの重量)の、本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態の濃度を含有する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、例えば直腸内で溶融して薬物を放出する坐剤の形態で、直腸投与を意図されている。直腸投与用の組成物は、適切な非刺激性賦形剤として油性塩基を含有する場合がある。このような基剤には、ラノリン、ココアバター、およびポリエチレングリコールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書に記載の医薬組成物は、固体または液体の投薬単位の物理的形態を改変する、様々な材料を含む場合がある。例えば前記組成物は、有効成分の周囲にコーティングシェルを形成する材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コーティングシェルを形成する材料は一般的に不活性であり、例えば、糖、シェラック、および他の腸溶性コーティング剤から選択される。代替的にいくつかの実施形態では、前記有効成分はゼラチンカプセルに封入される。
固体または液体の形態にある、本明細書に記載の医薬組成物は、本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態に結合することで化合物の送達を補助する薬剤を含む場合がある。このように作用することのできる適切な薬剤として、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、タンパク質、またはリポソームが挙げられる。
本明細書に記載の医薬組成物は、エアロゾルとして投与可能な投与単位で構成される場合がある。エアロゾルという用語は、コロイド状の性質のものから、加圧包装で構成される系にまで及ぶ、様々な系を示すために使用される。いくつかの実施形態では、送達は、液化ガスもしくは圧縮ガス、または、有効成分を分配する適切なポンプシステムにより行われる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態のエアロゾルは、有効成分を送達するために単相、二相、または三相のシステムで送達される。エアロゾルの送達には、必要な容器、活性化剤、バルブ、副容器などが含まれ、これらは総じてキットを形成する場合がある。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、医薬分野で周知の方法により調製される。例えばいくつかの実施形態では、注射による投与を意図した医薬組成物は、本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態を滅菌蒸留水と組み合わせて溶液を生じさせることにより調製される。いくつかの実施形態では、均一な溶液または懸濁液の形成を容易にするために、界面活性剤が加えられる。界面活性剤は、本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態と非共有結合的に相互作用して、水性送達システム中での化合物の溶解または均一な懸濁を容易にする、化合物である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、当該技術分野で公知の手順を使用することにより、患者への投与後に有効成分の即時放出、持続放出、または遅延放出を行うように製剤化される。制御放出薬物送達システムとして、浸透圧ポンプシステム、およびポリマー被覆リザーバまたは薬物-ポリマーマトリックス製剤を含む溶解システムが挙げられる。放出制御システムの例は、米国特許第3,845,770号と4,326,525号、および「P.J.Kuzma et al.,Regional Anesthesia 22(6):543-551(1997)」に記載されており、これらはすべて参照により本明細書に引用される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、局所、全身、および鼻から脳への薬物療法のための鼻内薬物送達システムにより送達される。嗅覚領域および副鼻腔を標的とすることで薬物の効果的な局所送達と全身送達を行うControlled Particle Dispersion(CPD)(商標)技術、従来の鼻用スプレーボトル、吸入器、またはネブライザーが、当業者に知られている。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物はまた、ヒトまたは動物の雌への投与に適した膣内シェルまたはコアの薬物送達デバイスに関する。いくつかの実施形態では、前記デバイスは、シースにより囲まれるポリマーマトリックス中の活性医薬成分で構成され、PCT公開公報WO98/50016に記載されるようなテストステロンの適用に使用されるデバイスと同様に、毎日ほぼゼロ次パターンで化合物を放出することができる。
現在の眼送達方法として、局所投与(点眼剤)、結膜下注射、眼球周囲注射、硝子体内注射、手術移植、およびイオン導入(体組織とその全体にイオン化薬物を運ぶのに小さな電流を使用する)が挙げられる。当業者は、安全で効果的な眼内投与のために、最も適した賦形剤を化合物と組み合わせるであろう。
最も適切な経路は、処置される疾病の性質と重症度に依存する。当業者はまた、投与方法(例えば、経口、静脈内、吸入、皮膚下、直腸など)、投与形態、適切な医薬賦形剤、および、本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態を対象に送達することに関する他の事項の決定にも精通している。
投与方法と治療レジメン
本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態は、癌の処置、または、RSKの阻害により少なくとも部分的に利益を得るであろう疾患または疾病の処置のための薬剤の調製に使用することができる。また、前記処置を必要とする個体における本明細書に記載の疾患または疾病のいずれかを処置するための方法は、本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態を含有する医薬組成物を治療上有効な量で対象に投与することを含む。
本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態、あるいはそれらの薬学的に許容可能な塩は、治療上有効な量で投与され、この量は、利用される特定の化合物の活性、化合物の代謝安定性と作用期間、患者の年齢、体重、全身の健康、性別、および食事、投与経路、投与時間、排泄速度、薬物濃度、特定の障害または疾病の重症度、ならびに対象に行う治療を含む、様々な因子に応じて変動することになる。一般的に、治療有効な一日量は、(70Kgの哺乳動物で)約0.001mg/Kg(0.07mg)~約100mg/Kg(7.0g)であり、好ましくは(70Kgの哺乳動物で)約0.01mg/Kg(0.7mg)~約50mg/Kg(3.5g)、より好ましくは(70Kgの哺乳動物で)約1mg/Kg(70mg)~約25mg/Kg(1.75g)である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態に適切な一日量は、約0.01mg/kg~約20mg/kgである。いくつかの実施形態では、前記一日量は、約0.1mg/kg~約10mg/kgである。ヒトを含むがこれに限定されない大型哺乳動物に適応とされる一日量は約0.5mg~約1000mgであり、従来は、1日最大4回、または持続放出形態を含むがこれらに限定されない単回投与または分割投与で投与される。いくつかの実施形態では、経口投与に適切な単位剤形には、約1~約500mgの有効成分が含まれる。いくつかの実施形態では、単位投与量は、約1mg、約5mg、約10mg、約20mg、約50mg、約100mg、約200mg、約250mg、約400mg、または約500mgである。
本明細書で提供される有効用量の範囲は、限定的なものではなく、好ましい用量範囲を表す。このような用量は、使用される化合物の活性、処置される疾患または疾病、投与形態、対象個別の要件、処置される疾患または疾病の重症度、主治医の判断を含むがこれらに限定されない多くの変数に応じて変更することができる。しかし最も好ましい用量は、関連技術分野の当業者により理解され、決定可能であるように、個々の対象に合わせて調整されることになる(例えば、「Berkow et al.,eds.,The Merck Manual,16th edition,Merck and Co.,Rahway,N.J.,1992」、「Goodman et al,eds.,Goodman and Cilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,10th edition,Pergamon Press,Inc.,Elmsford,N.Y.,(2001)」、「Avery’s Drug Treatment:Principles and Practice of Clinical Pharmacology and Therapeutics,3rd edition,ADIS Press,LTD.,Williams and Wilkins,Baltimore,MD.(1987),Ebadi,Pharmacology,Little,Brown and Co.,Boston,(1985)」、「Osolci et al,eds.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th edition,Mack Publishing Co.,Easton,PA(1990)」、「Katzung,Basic and Clinical Pharmacology,Appleton and Lange,Norwalk,CT(1992)」を参照)。
処置ごとに必要な用量はすべて、望ましい場合に、その日の間に複数回投与または単回投与で投与することができる。一般的に処置は少ない投与量で開始され、この量は化合物の最適用量よりも少ない。その後用量は、その状況下で最適な効果に達するまで少量ずつ増加される。診断用医薬化合物または組成物は、単独で、または、病態もしくは該病態の他の症状を対象とするその他の診断および/または医薬品と併せて投与することができる。本明細書に記載の化合物および/または組成物を投与されるレシピエントは、哺乳動物などの任意の脊椎動物であってもよい。哺乳動物の中で好ましいレシピエントは、霊長類(ヒト、類人猿、およびサルを含む)、偶蹄類(ウマ、ヤギ、ウシ、ヒツジ、ブタを含む)、げっ歯類(マウス、ラット、ウサギ、およびハムスターを含む)、および食肉類(ネコ、イヌを含む)といった哺乳動物である。鳥類の中で好ましいレシピエントは、七面鳥、鶏、その他同じ類の員である。最も好ましいレシピエントはヒトである。
本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態を含有する組成物は、予防的および/または治療的処置のために投与することができる。治療用途では、前記組成物は、疾患または疾病の症状を治癒するかまたは少なくとも部分的に阻止するのに十分な量で、前記疾患または疾病を既に患う患者に投与される。この使用に有効な量は、前記疾患または疾病の重症度と経過、以前の治療、患者の健康状態、体重、薬物に対する反応、および主治医の判断に左右されることになる。
予防用途では、本明細書に記載の化合物を含む組成物は、特定の疾患、障害、あるいは疾病にかかりやすい、またはその危険に曝されている患者に投与される。このような量は、「予防に有効な量または投与量」と定義される。この用途では、正確な量はさらに、患者の健康状態や体重などに左右される場合がある。患者に使用されると、この用途に有効な量は、疾患、障害、または疾病の重症度と経過、以前の治療、患者の健康状態、薬物に対する反応、および主治医の判断に左右されることになる。
患者の状態が改善しない場合、医者の裁量によって、いくつかの実施形態では化合物1、2、または3の結晶形態の投与は、患者の疾患または疾病の症状を改善またはその他の方法で制御もしくは制限するために、習慣的に、すなわち、患者の生命が続く期間を含む長期間にわたり行われる。
患者の状態が改善する場合、医者の裁量によって、いくつかの実施形態では化合物1、2、または3の結晶形態の投与は、継続的に行われ、代替的にいくつかの実施形態では、投与される薬物の用量は、特定の期間にわたり一時的に減らされるか、一時的に中止される(休薬日)。休薬日の期間は、ほんの一例として2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、12日、15日、20日、28日、35日、50日、70日、100日、120日、150日、180日、200日、250日、280日、300日、320日、350日、または365日を含む、2日~1年の間で変動する場合がある。いくつかの実施形態では、休薬日中の用量減少は、ほんの一例として、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約100%を含んで、約10%~約100%である。
患者の状態が一旦改善すると、必要に応じて維持量が投与される。その後、用量、投与頻度、またはその両方は、症状に応じて疾患、障害、または疾病の改善が保持される程度にまで減らすことができる。しかし患者は、徴候のあらゆる再発に際して長期間の断続的な処置を必要とする場合がある。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、正確な用量の単回投与に適した単位剤形である。単位剤形では、前記製剤は、適量の1つ以上の化合物を含有する単位用量に分割される。いくつかの実施形態では、前記単位用量は、離散量の製剤を含有するパッケージ形状にある。非限定的な例は、包装された錠剤またはカプセル、およびバイアルまたはアンプル中にある散剤である。いくつかの実施形態では、水性懸濁組成物が、単回投与用の再密閉できない容器に包装される。代替的にいくつかの実施形態では、複数回投与用の再密閉可能な容器が使用され、その場合、組成物に防腐剤が含まれるのが一般的である。ほんの一例として、いくつかの実施形態では、非経口的注射用の製剤は、限定されないがアンプルを含む単位剤形で、または、防腐剤を追加した複数回投与用容器で提供される。
こうした治療レジメンの毒性と治療の有効性は、LD50(母集団の50%に対し致死的な投与量)とED50(母集団の50%に対し治療上有効な投与量)の判定を含むがこれに限定されない、細胞培養物または実験動物に対する標準の製薬手順により求めることができる。毒性効果と治療効果との用量比が治療指数であり、LD50とED50との比として表すことができる。高い治療指数を示す化合物が好ましい。細胞培養アッセイと動物試験から得たデータは、ヒトに使用される一連の用量を製剤化するのに使用可能である。このような化合物の用量は、毒性が最小限のED50を含む血中濃度の範囲内にあるのが好ましい。この用量は、利用される剤形と投与経路に応じて前記範囲内で変動する場合がある。
キット/製品
本明細書に記載の治療方法で使用するためのキットと製品も本明細書に記載される。このようなキットは、バイアルやチューブなど1つ以上の容器を収容するために仕切られた運搬装置、パッケージ、または容器を含んでおり、この容器の各々は、本明細書に記載の方法に使用される別個の要素のうち1つを含んでいる。適切な容器として、例えばボトル、バイアル、シリンジ、試験管が挙げられる。一実施形態では、容器は、ガラスまたはプラスチックなどの様々な材料から形成される。
本明細書で提供される製品は包装材料を包含する。医薬品の包装に使用するための包装材料として、例えば米国特許第5,323,907号が挙げられる。医薬品用の包装材料の例として、ブリスターパック、ボトル、チューブ、バッグ、容器、ボトル、ならびに、選択された製剤および意図した投与と処置の形態に適切な任意の包装材料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態は、有効成分を含有する1つ以上の単位剤形を含有可能なパッケージまたはディスペンサで提供される。本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態は、単独で包装されるか、または別の化合物、別の成分、もしくは添加剤と共に包装される。いくつかの実施形態では、前記パッケージは、医薬組成物の成分のうちの1つ以上で満たした1つ以上の容器を包含する。いくつかの実施形態では、前記パッケージは、ブリスターパックなどの金属箔またはプラスチック箔を含む。いくつかの実施形態では、前記パッケージまたはディスペンサは、医薬品の製造、使用、または販売を規制する政府機関が規定する形態で容器に伴う注記が付随されており、この注記は、ヒトまたは動物への投与を目的とする薬物の形態に関する政府機関の承認を反映するものである。いくつかの実施形態では、このような注記は、例えば、米国食品医薬品局が処方薬について承認したラベル、または承認された添付文書である。いくつかの実施形態では、組成物は、適合性のある医薬担体中で製剤化され、調製され、適切な容器に入れられ、適応症の処置についてラベルを付けられる、本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態を含む。
例えば前記容器は、結晶性化合物1、2、または3を、随意に組成物中に、または本明細書に開示される別の薬剤と組み合わせて含んでいる。前記キットは随意に、本明細書に記載の方法におけるキットの使用に関連する識別記述、ラベル、または指示書を含む。
キットは一般的に、内容物および/または使用説明を列挙したラベル、および使用説明を伴う添付文書を含む。一組の命令も一般的に含まれることになる。
一実施形態では、ラベルは容器の上にあるか、または容器に付随している。一実施形態では、ラベルを形成する文字、数字、またはその他の字が容器そのものに付けられ、成形され、またはエッチングされる場合、ラベルは容器の上にある。例えば添付文書として、容器も保持するレセプタクルまたは運搬体内に存在する場合、ラベルは容器に付随している。一実施形態では、ラベルは、内容物が特定の治療用途に使用されるべきものであることを示すために使用される。ラベルはさらに、本明細書に記載の方法などにおける内容物の使用に関する指示を示す。
ある実施形態では、前記医薬組成物は、本明細書で提供される化合物を含有する1つ以上の単位剤形を含有するパックまたはディスペンサデバイスで提供される。このパックは、例えばブリスターパックなどの金属箔またはプラスチック箔を含む。一実施形態では、前記パックまたはディスペンサデバイスには、投与に関する指示書が付随している。一実施形態では、前記パックまたはディスペンサはさらに、医薬品の製造、使用、または販売を規制する政府機関が規定する形態で容器に伴う注記が付随されており、この注記は、ヒトまたは動物への投与を目的とする薬物の形態に関する政府機関の承認を反映するものである。このような注記は、例えば、米国食品医薬品局が処方薬について承認したラベル、または承認された添付文書である。一実施形態では、適合性のある医薬担体中で製剤化される本明細書に記載の化合物1、2、または3の結晶形態を含有する組成物はさらに、調製され、適切な容器に入れられ、適応症の処置についてラベルを付けられる。
略語のリスト
本発明の説明を通じて使用されるように、以下の略語は、別段の定めのない限り、以下の意味を有するものであると理解されたい。
ACNまたはMeCN アセトニトリル
Bn ベンジル
BOCまたはBoc tert-ブチルカルバメート
t-Bu tert-ブチル
Cy シクロヘキシル
DCE ジクロロエタン(ClCHCHCl)
DCM ジクロロメタン(CHCl
DIPEAまたはDIEA ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
DMA N,N-ジメチルアセトアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
eqまたはequiv 当量
Et エチル
EtO ジエチルエーテル
EtOH エタノール
EtOAc 酢酸エチル
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
Me メチル
MEK メチルエチルケトン
MeOH メタノール
MS 質量分析法
GC ガスクロマトグラフィー
h 時間
KF カール・フィッシャー
min 分
MsOH メタンスルホン酸
NMR 核磁気共鳴
RP-HPLC 逆相高速液体クロマトグラフィー
r.t. 室温
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
V 体積
I.化学合成
別段の記載がない限り、試薬と溶剤は、商業供給業者から入手したままで使用した。無水溶剤とオーブン乾燥したガラス製品は、水分および/または酸素に敏感な合成変換のために使用した。収率は最適化しなかった。反応時間はおおよそのものであり、最適化は行わなかった。別段の記載のない限り、カラムクロマトグラフィーと薄層クロマトグラフィー(TLC)はシリカゲル上で行った。
化合物1、2、および3の調製
化合物1、2、および3の調製は、米国特許第9,771,366号に開示されており、その内容は全体を参照することで引用される。
II.多形体の特徴化
X線粉末回折(XRPD)
XRPD解析をPanalytical X’pert pro上で実施し、試料を3と3 5°2θとの間で走査した。材料を優しく粉砕して凝集物を出し、KaptonまたはMylarのポリマーフィルムを備えたマルチウェルプレートに載せ、試料を支持した。次に、マルチウェルプレートを回折計に入れ、40kV/40mAの発電機設定での伝送モード(ステップサイズ0.0130°2θ)で作動するCu K放射(α1λ=1.54060Å、α2=1.54443Å、β=1.39225Å、α1とα2の比=0.5)を使用して解析した。
化合物1の形態1のXRPD解析(図1)から、形態1は9.6°2-シータ、16.2°2-シータ、18.2°2-シータ、21.2°2-シータ、22.0°2-シータ、および24.8°2-シータの特徴ピークを伴う結晶性であることを認めた。
化合物1の形態2のXRPD解析(図4)から、形態2は10.4°2-シータ、15.1°2-シータ、18.0°2-シータ、19.5°2-シータ、25.4°2-シータ、および26.8°2-シータの特徴ピークを伴う結晶性であることを認めた。
化合物1の形態3のXRPD解析(図7)から、形態3は9.8°2-シータ、14.5°2-シータ、16.5°2-シータ、19.6°2-シータ、20.7°2-シータ、21.0°2-シータ、および24.3°2-シータの特徴ピークを伴う結晶性であることを認めた。
化合物1の形態4のXRPD解析(図8)から、形態4は9.4°2-シータ、15.2°2-シータ、16.9°2-シータ、17.4°2-シータ、17.9°2-シータ、21.6°2-シータ、22.0°2-シータ、および24.4°2-シータの特徴ピークを伴う結晶性であることを認めた。
化合物2の形態1のXRPD解析(図13)から、この形態1は14.3°2-シータ、15.7°2-シータ、16.2°2-シータ、22.2°2-シータ、25.7°2-シータ、および27.0°2-シータの特徴ピークを伴う結晶性であることを認めた。
化合物3の形態1のXRPD解析(図14)から、この形態1は11.4°2-シータ、16.5°2-シータ、18.3°2-シータ、24.9°2-シータ、および25.0°2-シータの特徴ピークを伴う結晶性であることを認めた。
偏光顕微鏡法(PLM)
Moticカメラと画像キャプチャソフトウェア(Motic Images Plus2.0)を備えたOlympus BX50偏光顕微鏡を使用して、光学顕微鏡試験を行った。
化合物1の形態1のPLM解析から、材料は小さく凝集した粒子を伴う複屈折性であり、明確な形態を呈していないことを認めた。
化合物1の形態2のPLM解析から、材料は小さく凝集した粒子を伴う複屈折性であり、明確な形態を呈していないことを認めた。
熱重量分析(TGA)
約5mgの材料を秤量してオープン・アルミニウム・パンに入れ、同時熱重量/示差熱分析器(TG/DTA)に装填し、室温で保持した。次いで、試料を10℃/分の速度で20℃から300℃まで加熱し、その間に、試料重量の変化を任意の示差熱事象(DTA)とともに記録した。窒素を300cm3/分の流量でパージガスとして使用した。
化合物1の形態1のTGA(図2)より、加熱の開始時点から、280℃で試料の分解を観察するまで、表面溶剤の損失、一当量の水の損失、およびHClの損失に相当する、TGによる一連の小さな質量損失(0.7%、3.8%および3.2%)を認めた。
化合物1の形態2のTGA(図5)より、実験開始から約232℃まで0.8%の小さな質量損失を認めた。次に、5.3%の大きな質量損失を232℃で観察した。
示差走査熱量測定(DSC)
約5mgの材料を秤量してアルミニウムDSCパンに入れ、穴の空いたアルミニウム蓋で非気密状態で密閉した。次いで、試料の入ったパンをSeiko DSC6200(冷却器を装備)に入れて冷却し、20℃で保持した。安定した熱流反応を一旦得たら、試料と対照を10℃/分の走査速度で350℃に加熱し、得られた熱流反応をモニタリングした。窒素を50cm3/分の流量でパージガスとして使用した。2回目のDSC実験を行い、そこでは試料と対照を300℃の低温に加熱した。他のパラメータはすべて同じままにした。
化合物1の形態1のDSC解析(図3)より、急激な融解吸熱が171℃(81J/g)で開始したことを認めた。
化合物1の形態2のDSC解析(図3)より、急激な融解吸熱が240℃(77J/g)で開始したことを認めた。
動的蒸気収着(DVS)
約10~20mgの試料をメッシュ蒸気収着天秤パンに置き、表面測定システムによりDVS固有の動的蒸気収着天秤に載せた。試料を10%単位で40~90%の相対湿度(RH)のランピングプロファイルにかけ、25℃で安定重量を達成(dm/dt0.004%、最短工程時間30分、最長工程時間500分)するまで各工程で試料を維持した。収着サイクル完了後、同じ手順を用いて試料を0%RHまで乾燥させ、次いで2回目の収着サイクルにより40%RHに戻した。2つのサイクルを行った。収着/脱着サイクル中の重量変化をプロットし、試料の吸湿性の決定が可能となった。次いで、保持された任意の固体上でXRPD解析を実施した。
化合物1の形態1のDVS解析(図9)より、材料はわずかに吸湿性であり、90%RHまたは0.2当量の水で+0.8%の質量変化を認めた。DVS XRPD後の解析、DVS湿度条件にかけた後も材料は形態1として残っていることを認め、これにより結晶化した水は格子内に残ることが示される(図10)。
化合物1の形態2のDVS解析(図11)より、材料はDVSによりわずかに吸湿性であり、質量取込は90%RHで1.8%であったことを認めた。XRPDによるDVS後では形態に変化はなかった(図12)。
III.多形スクリーン
非晶質化合物1を多形スクリーンに使用した。非晶質化合物1を次のように調製した。結晶性化合物1.2gを水(150mL)に溶かした溶液を15個の20mLバイアルに等分し、このバイアルを-20℃で冷凍した。次いで、凍結乾燥機に取り付けた乾燥器にバイアルを入れ、約72時間乾燥させた。材料を回収し、XRPDにより解析して非晶質化合物1を認めた。
溶剤溶解度スクリーン
非晶質化合物1(10mg)に適切な溶剤100μlを加え、固体が残る場合、溶解を補助するためにバイアルを約40℃までゆっくり加熱した。材料が完全に溶解するか、または2mLを加えるまで、溶剤の添加を継続した(<5mg/mL)。試料のキャップを外し、周囲条件で蒸発させた。溶解度スクリーンに使用した溶剤と結果を表1に示す。
Figure 2022520382000005
第1の多形体スクリーン-温度循環
10個バイアル(80mg)に入った非晶質化合物1を適切な溶剤/溶剤混合物において懸濁し、周囲温度と40℃の間で72時間かけて4時間周期で温度を循環させた。得られた固体を遠心分離濾過により単離し、XRPDにより解析した。このスクリーンに使用した溶剤と結果を表2に示す。
Figure 2022520382000006
第1の多形体スクリーン-蒸発
化合物1の飽和溶液を2mLバイアルに移した。次いでバイアルのキャップを外し、周囲温度で蒸発させて、材料を回収した。回収した材料をすべてXRPDにより特徴づけた。不十分な体積の飽和溶液を、温度循環中にMEK、2-プロパノール、アセトニトリル、エタノール、および酢酸エチルから産生した。その結果、これら溶剤に対し蒸発実験は行わなかった。固体を1-プロパノール、メタノール、NMP、およびメタノールと水との混合物から観察したが、産生した量は不十分であったため、XRPD解析は行わなかった。
第1の多形体スクリーン-クラッシュクール(Crash Cool)
化合物1の飽和溶液を2~8℃で72時間保管した。この時点で、回収した材料をXRPDで解析し、バイアルを動かし、-20℃で48時間保管した。この後、回収した材料をXRPDで解析した。不十分な体積の飽和溶液を、温度循環中にMEK、2-プロパノール、アセトニトリル、エタノール、および酢酸エチルから産生した。その結果、これら溶剤に対しクラッシュクール実験は行わなかった。NMPから2~8℃と-20℃の両方でのクラッシュクール後に固体を観察したが、どちらの場合も産生した固体の量は不十分であったため、XRPD解析は行わなかった。
第1の多形体スクリーン-逆溶剤添加
最大2mLの逆溶剤(tBME)を化合物1の飽和溶液に滴下した。試料は周囲温度で24時間、その後は2~8℃で24時間、封をしたままにした。得られた固体をXRPDで解析した。不十分な体積の飽和溶液を、温度循環中にMEK、2-プロパノール、アセトニトリル、エタノール、および酢酸エチルから産生した。その結果、これら溶剤に対し逆溶剤実験は行わなかった。1-プロパノール、95:5メタノール/水、およびNMPでの逆溶剤実験で固体を観察したが、産生した量が不十分であったため、XRPD解析は行わなかった。化合物1の形態3を、DMSO逆溶剤実験で産生した。
安定性試験-1週間の試験
約15mgの化合物1の形態1と2を別々に1週間、40℃/75%RHまたは80℃/周囲光に配した。得られた固体をXRPDおよびHPLC純度で解析した。1週間後、これら条件下では形態1または形態2の変化は観察されなかった。
安定性試験-8週間の試験
約5mgの化合物1の形態1を秤量し、24個の1.5mLガラスバイアルに入れた。各バイアルを、40℃/75%RH(キャップなしのバイアル)、80℃(キャップありのバイアル)、および周囲光と周囲温度(約100℃)のいずれかに計8週間配した。各条件から10mgを取り除き、XRPD、H NMR、およびHPLC純度の解析を1週間、2週間、4週間、および8週間行った。8週間後、XRPDとH NMRの解析では変化を認めなかった。さらに、HPLCでは純度に顕著な変化は観察されなかった。
IV.生物学的データ
RSK2阻害アッセイ
RSK2阻害アッセイ(二通り)を、次のアッセイ反応レシピに従い、最終体積25μL、30℃で15分間実施した。
成分1:希釈した活性キナーゼ標的5μl(100ng/反応)
成分2:RSK S6K基質5μl(0.5μg/反応)
成分3:キナーゼアッセイ緩衝液5μl
成分4:化合物1 5μl(各種濃度:0、0.1、1、10、100、または1000nM、あるいは1、3、10、30、100、300nM)
成分5:33P-ATP 5μl(原液5μm、0.8μ Ci、最終濃度20μm)
33P-ATPを添加して本アッセイを開始し、反応混合物を30℃で15分間インキュベートした。インキュベーション時間後、反応混合物10μlをMultiscreen phosphocellulose P81プレートに載せて(spotting)、アッセイを終了した。Multiscreen phosphocellulose P81プレートを、1%リン酸溶液中でそれぞれ約15分間、3回洗浄した。このP81プレート上の放射活性を、Triluxシンチレーションカウンターにシンチレーション流体が存在する状態で計数した。
(同等の体積のアッセイ希釈緩衝液と置き換えた)適切な基質の添加を除くすべてのアッセイ成分を含む標的キナーゼに対し、ブランク対照を設定した。ブランク対照値を除去することで、各標的キナーゼに対し補正された活性を求めた。
化合物1は、上述の放射性同位体アッセイで試験すると、RSK2に対する阻害能を実証した。化合物1:RSK2 IC50=18nM。

Claims (30)

  1. (R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドの結晶形態、またはその溶媒和物。
  2. (R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドの前記結晶形態は、以下の特性:
    (a)図1に示すものとほぼ同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
    (b)9.6°2シータ、16.2°2シータ、18.2°2シータ、21.2°2シータ、22.0°2シータ、および24.8°2シータの特徴ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターン、
    (c)図2に記載されるものとほぼ同様の熱重量分析(TGA)、
    (d)図3に記載されるものとほぼ同様のDSCサーモグラム、
    (e)広域吸熱が約171℃で開始するDSCサーモグラム、
    (f)一水和物、または
    (g)それらの組み合わせ
    のうち少なくとも1つを有する形態1である、請求項1に記載の結晶形態。
  3. 前記結晶形態は、図1に示すものとほぼ同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有する、請求項1または2に記載の結晶形態。
  4. 前記結晶形態は、9.6°2シータ、16.2°2シータ、18.2°2シータ、21.2°2シータ、22.0°2シータ、および24.8°2シータの特徴ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを有する、請求項1または2に記載の結晶形態。
  5. 前記結晶形態は、図2に記載されるものとほぼ同様の熱重量分析(TGA)を有する、請求項1または2に記載の結晶形態。
  6. 前記結晶形態は、図3に記載されるものとほぼ同様のDSCサーモグラムを有する、請求項1または2に記載の結晶形態。
  7. 前記結晶形態は、吸熱が約171℃で開始するDSCサーモグラムを有する、請求項1または2に記載の結晶形態。
  8. 前記結晶形態が一水和物である、請求項1または2に記載の結晶形態。
  9. 前記結晶形態が、特性(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、および(f)を有することを特徴とする、請求項2に記載の結晶形態。
  10. 前記結晶形態がメタノール/水から得られる、請求項1から9のいずれか1つに記載の結晶形態。
  11. (R)-N-(1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾール-4-イル)-9-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボキサミドヒドロクロリドの前記結晶形態は、以下の特性:
    (a)図4に示すものとほぼ同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
    (b)10.4°2シータ、15.1°2シータ、18.0°2シータ、19.5°2シータ、25.4°2シータ、および26.8°2シータの特徴ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターン、
    (c)図5に記載されるものとほぼ同様の熱重量分析(TGA)、
    (d)図6に記載されるものとほぼ同様のDSCサーモグラム、
    (e)吸熱が約230℃で開始するDSCサーモグラム、または
    (f)それらの組み合わせ
    のうち少なくとも1つを有する形態2である、請求項1に記載の結晶形態。
  12. 前記結晶形態は、図4に示すものとほぼ同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有する、請求項1または11に記載の結晶形態。
  13. 前記結晶形態は、10.4°2シータ、15.1°2シータ、18.0°2シータ、19.5°2シータ、25.4°2シータ、および26.8°2シータの特徴ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを有する、請求項1または11に記載の結晶形態。
  14. 前記結晶形態は、図5に記載されるものとほぼ同様の熱重量分析(TGA)を有する、請求項1または11に記載の結晶形態。
  15. 前記結晶形態は、図6に記載されるものとほぼ同様のDSCサーモグラムを有する、請求項1または11に記載の結晶形態。
  16. 前記結晶形態は、吸熱が約230℃で開始するDSCサーモグラムを有する、請求項1または11に記載の結晶形態。
  17. 前記結晶形態が、特性(a)、(b)、(c)、(d)、および(e)を有することを特徴とする、請求項11に記載の結晶形態。
  18. 前記結晶形態が、アセトニトリル、メタノール、エタノール、メチルエチルケトン、1-プロパノール、2-プロパノール、またはジメチルホルムアミドから得られる、請求項11から17のいずれか1つに記載の結晶形態。
  19. 前記結晶形態が溶媒和されていない、請求項1から18のいずれか1つに記載の結晶形態。
  20. 医薬品に使用するための請求項1から19のいずれか1つに記載の結晶形態。
  21. 請求項1から19のいずれか1つに記載の結晶形態と、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分とを含む、医薬組成物。
  22. 経口投与、静脈内投与、筋肉内投与、または皮下投与のために製剤化される、請求項21に記載の医薬組成物。
  23. 個体の癌を処置するための方法であって、請求項1から19のいずれか1つに記載の結晶形態を治療上有効な量で前記個体に投与する工程を含む、方法。
  24. 前記癌が、乳癌、前立腺癌、肺癌、脳腫瘍、皮膚癌、骨癌、卵巣癌、多発性骨髄腫、または白血病である、請求項23に記載の方法。
  25. 哺乳動物におけるp90リボソームS6キナーゼ(RSK)活性に関連する疾患または疾病を処置する方法であって、該方法は、請求項1から19のいずれか1つに記載の結晶形態、またはその薬学的に許容可能な溶媒和物を治療上有効な量で前記哺乳動物に投与する工程を含む、方法。
  26. 前記哺乳動物におけるRSK活性に関連する疾患または疾病は、癌である、請求項25に記載の方法。
  27. 前記癌が、乳癌、前立腺癌、肺癌、脳腫瘍、皮膚癌、骨癌、卵巣癌、多発性骨髄腫、または白血病である、請求項26に記載の方法。
  28. 第2の治療薬の投与をさらに含む、請求項25から27のいずれか1つに記載の方法。
  29. 前記第2の治療薬が、化学療法薬、ホルモン療法薬、または免疫療法薬である、請求項28に記載の方法。
  30. 放射線療法薬の投与をさらに含む、請求項25から29のいずれか1つに記載の方法。
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