JP2022517965A - 電気絶縁及び熱伝導性ポリマー組成物 - Google Patents

電気絶縁及び熱伝導性ポリマー組成物 Download PDF

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Abstract

熱伝導性の電気絶縁部品のために使用されるポリマー組成物が提供される。ポリマー組成物は、3つの成分、(a)ポリマーと、(b)コートされた黒鉛粒子と、(c)無機充填剤と、任意選択により、(d)付加的な成分とを含有する。好ましくは、黒鉛粒子は、炭酸マグネシウムで部分的にコートされる。ポリマー組成物から形成される物品は、より高い熱伝導率及び優れた体積抵抗率並びに良好な成形適性をもたらし得る高い流動性を達成することができる。ポリマー組成物は、様々な用途の軽量化に寄与し得る低密度を示すこともできる。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2019年1月11日出願の米国仮特許出願第62/791,181号明細書に対する35U.S.C.§365の下での優先権を主張するものであり、この出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、熱伝導性の電気絶縁部品の製造において使用されるポリマー組成物に関する。このような部品は、電子デバイスなどの物品を製造するために使用され得る。
本発明が関係する技術分野をより詳細に説明するために、いくつかの特許及び刊行物が本明細書で引用される。これらの特許及び刊行物のそれぞれの開示全体は、参照により本明細書に援用される。
発光ダイオード(LED)、集積回路(IC)、パワーエレクトロニクス、ディスプレイ及び光起電力などの電子デバイスは、多くの場合、これらのデバイスの性能及び動作寿命に悪影響を与え得る通常動作中の熱的問題に直面する。
これらの問題を避けるために、電子デバイス内の電子部品によって発生した熱は、熱伝導材料を使用するか又はヒートシンクを使用することによって散逸され得る。通常、電子デバイスは、ハウジングによって覆われるか又は封入され、熱伝導ルート又は熱伝導経路が電子デバイスとヒートシンク又はハウジングとの間に作られる。いくつかの場合、電子デバイスのハウジングは、ヒートシンクでもあり得る。
電源とデバイス又は部品との間の電気的短絡を避けることが重要である。典型的に、電気絶縁材料は、電子デバイス又は物品のためのハウジングの製造のために使用される。ポリマー材料は、一般的に、ハウジングの作製のための電気絶縁材料として使用される。ポリマー材料は、良好な電気絶縁材料であるが、それらの不十分な熱伝導率は、電子デバイスの熱管理部品としてのそれらの使用の妨げとなっている。典型的には、熱伝導性充填剤をポリマー材料に添加して、それらの熱伝導率を増加させる。
黒鉛は、良好な熱伝導性充填剤であるが、電気導電性であり、したがって不適当である。PCT国際特許出願公開国際公開第2015/031573A号パンフレットは、ポリマー又は金属塩などの材料によってコートされる炭素粒子を含む熱伝導性の電気絶縁ポリマー組成物を開示している。特開第2015178543号公報は、炭酸マグネシウムでコートされた黒鉛を開示している。しかしながら、実用のための、特にポリマー組成物を高い剪断力に供する配合及び射出成形法のための特性の十分なバランスを有する熱伝導性の電気絶縁充填剤が必要とされている。
本明細書において、(a)少なくとも1つのポリマーと、(b)コートされた黒鉛粒子と、(c)少なくとも1つの無機充填剤と、任意選択により、(d)少なくとも1つの付加的な成分とを含むポリマー組成物が提供される。このようなポリマー組成物を使用して、望ましい熱伝導率を示す熱伝導性の電気絶縁部品を作製することができる。また、このようなポリマー組成物を容易に射出成形して、望ましい熱伝導率及び適切な電気絶縁性を示す電子デバイスなどの物品の製造において使用するための樹脂部品を作製することができる。
さらに、(a)少なくとも1つのポリマーと、(b)黒鉛粒子の表面の少なくとも50パーセントが炭酸マグネシウムによって覆われるか又は封入される、コートされた黒鉛粒子と、(c)少なくとも1つの無機充填剤と、任意選択により、(d)少なくとも1つの付加的な成分とを含むポリマー組成物が提供される。
またさらに、順に、(a)少なくとも1つのポリマーと、(b)コートされた黒鉛粒子と、(c)少なくとも1つの無機充填剤と、任意選択により、(d)少なくとも1つの付加的な成分とを含むポリマー組成物を含む物品が提供される。
本明細書で説明されるポリマー組成物は、少なくとも3つの成分:(a)ポリマーと、(b)黒鉛粒子の表面の少なくとも一部が少なくとも1つの金属化合物、好ましくは炭酸マグネシウムによって覆われる、コートされた黒鉛粒子と、(c)無機充填剤と、任意選択により、(d)付加的な成分とを含む。
ポリマー(a)
ポリマー組成物において使用するための適したポリマー(a)には、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー及び例えば2つ以上の熱硬化性ポリマー、2つ以上の熱可塑性ポリマー又は少なくとも1つの熱可塑性ポリマーと少なくとも1つの熱硬化性ポリマーとを含む2つ以上のポリマーなど、2つ以上のポリマーの組合せが含まれる。熱可塑性ポリマーの例には、ポリカーボネート、ポリエチレン及びポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアセタール、芳香族ポリアミド及び半芳香族ポリアミドなどのポリアミド、ポリエステル、ポリスルホン、ポリアリーレン硫化物、芳香族ポリエステルなどの液晶ポリマー、ポリフェニレンオキシド、ポリアリーレート、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、シンジオタクチックポリスチレン、熱可塑性加硫物(TPV)及びそれらの混合物が含まれる。好ましい熱可塑性ポリマーには、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリアリーレン硫化物、ポリアセタール、ポリアミド及びポリエステルが含まれる。ポリアミドがより好ましい。
熱硬化性ポリマーの例には、エポキシ、ポリウレタン、加硫ゴム、フェノールホルムアルデヒド樹脂、不飽和熱硬化性ポリエステル樹脂及びポリイミド樹脂が含まれる。
熱可塑性ポリマーがポリエステルであるとき、ポリエステルは、好ましくは、1つ又は複数のジカルボン酸と、2個以上の炭素原子を有する1つ又は複数のジオールとから誘導されるポリエステル、コポリエステル熱可塑性エラストマー及びそれらの混合物からなる群から選択される。ジカルボン酸の例には、テレフタル酸、イソフタル酸及び2,6-ナフタレンジカルボン酸の1つ又は複数が含まれる。20モルパーセントまでの脂肪族ジカルボン酸を使用して、ポリエステルを形成することができる。適した酸には、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸及び1,4-シクロヘキサンジカルボン酸の1つ又は複数が含まれる。ジオール成分は、HO(CH2nOH;1,4-シクロヘキサンジメタノール;HO(CH2CH2O)mCH2CH2OH;及びHO(CH2CH2CH2CH2O)zCH2CH2CH2CH2OH(式中、nが約3~約10の整数であり、mが約1~約4の整数であり、zが約7~約40の整数である)の1つ又は複数から選択される。適したジオールの例には、エチレングリコール;1,3-トリメチレングリコール;1,4-テトラメチレングリコール;1,6-ヘキサメチレングリコール;1,8-オクタメチレングリコール;1,10-デカメチレングリコール;1,3-プロピレングリコール;及び1,4-ブチレングリコールが含まれる。好ましくは、ポリエステルは、ポリ(トリメチレンテレフタレート)(PTT)、ポリ(1,4-ブチレンテレフタレート)(PBT)、ポリ(エチレン2,6-ナフトエート)(PEN)、ポリ(1,4-ブチレン2,6-ナフタレート)(PBN)、ポリ(1,4-シクロヘキシルジメチレンテレフタレート)(PCT)、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)並びに2つ以上の適したポリエステルのコポリマー及び組合せから選択される。
ポリマー組成物において使用するための適したポリアミドには、限定されないが、1つ若しくは複数のジカルボン酸と1つ若しくは複数のジアミンとの縮合物、又は1つ若しくは複数のアミノカルボン酸の縮合物、又は1つ若しくは複数の環状ラクタムの開環重合物が含まれる。ポリアミドは、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、半芳香族ポリアミド及びそれらの混合物から選択される。用語「半芳香族」は、脂肪族カルボン酸モノマーと脂肪族ジアミンモノマーとからなるか又はそれらから本質的になるポリアミドを説明する「脂肪族」と比べて、少なくともいくつかの芳香族カルボン酸モノマーと脂肪族ジアミンモノマーとを含むポリアミドを説明する。
脂肪族ポリアミドは、ジアミン、ジカルボン酸、ラクタム、アミノカルボン酸及びそれらの反応性均等物などの脂肪族及び脂環式モノマーから形成される。好適なラクタムとしては、カプロラクタム及びラウロラクタムが挙げられる。完全脂肪族ポリアミド樹脂の調製に有用なカルボン酸モノマーとしては、例えば、アジピン酸(C6)、ピメリン酸(C7)、スベリン酸(C8)、アゼライン酸(C9)、セバシン酸(C10)、ドデカン二酸(C12)及びテトラデカン二酸(C14)等の脂肪族カルボン酸並びに2種以上の脂肪族カルボン酸の組合せが挙げられるが、これらに限定されない。好適なジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、2-メチルペンタメチレンジアミン、2-エチルテトラメチレンジアミン、2-メチルオクタメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン及び2種以上のジアミンの混合物が挙げられるが、これらに限定されない、炭素原子4個以上有するものが挙げられる。完全脂肪族ポリアミドポリマーの適した例には、限定されないが、ポリ(s-カプロラクタム)PA6;ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド)(PA66);ポリ(2-メチルペンタメチレンヘキサンジアミド(PAD6);ポリ(ペンタメチレンデカジアミド)(PA510);ポリ(テトラメチレンヘキサンジアミド)(PA46);ポリ(ヘキサメチレンデカジアミド)(PA610);ポリ(ヘキサメチレンドデカンジアミド)(PA612);ポリ(ヘキサメチレントリデカンジアミド)(PA613);PA614;ポリ(ヘキサメチレンペンタデカンジアミド)(PA615);PA616;ポリ(11-アミノウンデカン-アミド)(PA11);ポリ(12-アミノドデカンアミド)(PA12);ポリ(デカメチレンデカジアミド)(PA1010);並びに2種以上の適したポリアミドのコポリマー及び混合物が含まれる。
好ましい脂肪族ポリアミドには、ポリアミド6;ポリアミド66;ポリアミド46;ポリアミド610;ポリアミド612;ポリアミド11;ポリアミド12;ポリアミド910;ポリアミド912;ポリアミド913;ポリアミド914;ポリアミド915;ポリアミド616;ポリアミド936;ポリアミド1010;ポリアミド1012;ポリアミド1013;ポリアミド1014;ポリアミド1210;ポリアミド1212;ポリアミド1213;ポリアミド1214;ポリアミド614;ポリアミド613;ポリアミド615;ポリアミド616;ポリアミド613;及びそれらの2種以上のコポリマー及び組合せが含まれる。
半芳香族ポリアミドは、酸モノマーの少なくとも一部が1種又は複数の芳香族カルボン酸から選択されるホモポリマー、コポリマー、ターポリマー又はより高次のポリマーである。1種又は複数の芳香族カルボン酸は、テレフタル酸であり得るか、又はイソフタル酸、例えば2-メチルテレフタル酸等の置換フタル酸及びナフタレンジカルボン酸の未置換若しくは置換異性体のような他のカルボン酸の1種又は複数とテレフタル酸との混合物であり得る。1種又は複数の芳香族カルボン酸は、テレフタル酸、イソフタル酸及びそれらの混合物から選択されることが好ましい。より好ましくは、1種又は複数のカルボン酸は、テレフタル酸とイソフタル酸との混合物である。さらに、1種又は複数のカルボン酸は、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸及びドデカン二酸などの1種又は複数の脂肪族カルボン酸と混合されることができ、アジピン酸が好ましい。より好ましくは、半芳香族ポリアミド樹脂の1つ又は複数のカルボン酸混合物中のテレフタル酸とアジピン酸との混合物は、少なくとも25モルパーセントのテレフタル酸を含有する。半芳香族ポリアミドは、これらに限定されないがテトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、2-メチルペンタメチレンジアミン、2-エチルテトラメチレンジアミン、2-メチルオクタメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ビス(p-アミノシクロヘキシル)メタン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン及びこれらの2種以上の組合せなど、炭素原子4個以上有するジアミンから選択され得る1種又は複数のジアミンをさらに含む。
適した半芳香族ポリアミドには、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)(ポリアミド6T)、ポリ(ノナメチレンテレフタルアミド)(ポリアミド9T)、ポリ(デカメチレンテレフタルアミド)(ポリアミド10T)、ポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド)(ポリアミド12T)、ヘキサメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンイソフタルアミド(6T/6I)、ポリ(m-キシリレンアジパミド)(ポリアミドMXD6)、ヘキサメチレンアジパミド/ヘキサメチレンテレフタルアミドコポリアミド(ポリアミド66/6T)、ヘキサメチレンテレフタルアミド/2-メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリアミド(ポリアミド6T/DT)、ヘキサメチレンアジパミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンイソフタルアミドコポリアミド(ポリアミド66/6T/6I);ポリ(カプロラクタム-ヘキサメチレンテレフタルアミド)(ポリアミド6/6T)及びこれらのコポリマー及びブレンドが含まれる。本明細書で説明されるポリアミドに含まれる好ましい半芳香族ポリアミド樹脂には、PA6T;PA6T/66;PA6T/6I;PAMXD6;PA6T/DT並びにそれらのコポリマー及び混合物が含まれる。
好ましくは、ポリマー組成物中に存在するポリマー(a)の量は、ポリマー組成物中の成分(a)、(b)、(c)及び(d)の全重量に基づいて20~70重量パーセント、より好ましくは30~65重量パーセント、さらにより好ましくは40~65重量パーセントの範囲である。
コートされた黒鉛粒子(b)
ポリマー組成物において使用されるコートされた黒鉛粒子は、粒子の表面の少なくとも一部が1つ又は複数の金属化合物によって覆われる黒鉛粒子である。フレーク黒鉛、膨張性黒鉛、膨張黒鉛、球状黒鉛、繊維黒鉛及びそれらの混合物などの任意の公知の黒鉛ベースの粒子及びその結合体を使用することができる。黒鉛は、天然又は合成であり得る。
黒鉛粒子上のコーティングは、好ましくは、黒鉛粒子の表面の約50~100パーセント、好ましくは黒鉛粒子の表面の約60~100パーセント、より好ましくは黒鉛粒子の表面の約70~100パーセントを覆うか又は封入する。黒鉛粒子の表面上の金属化合物の封入又はコーティングのパーセンテージは、レーザーフラッシュ方法によって測定されるとき、本明細書に開示されるポリマー組成物から作製される射出成形品の面内熱伝導率が少なくとも2W/mK、好ましくは少なくとも3W/mK、より好ましくは少なくとも4W/mKとなるのに十分であることが好ましい。代わりに、黒鉛粒子の表面上の封入又はコーティングのパーセンテージは、500V下において23℃でHiresta-UP抵抗率計(株式会社三菱化学アナリテック)によって測定される物品の体積抵抗率が少なくとも1×109オーム-センチメートルとなるのに十分であることが好ましい。より好ましくは、物品の面内熱伝導率は、少なくとも2W/mKであり、及びその体積抵抗率は、500Vにおいて少なくとも1×109オーム-センチメートルである。封入のパーセントは、ポリマー組成物から作製される物品の面内熱伝導率が所望の値を満たす限り、重要ではない。黒鉛粒子が不十分にコートされる場合、これらのポリマー組成物から作製される物品の得られた体積抵抗率も不十分である。
コートされた黒鉛粒子は、炭酸マグネシウムを黒鉛上にコートする前に板状、球状、繊維状-又は針状形状であり得る。好ましくは、コートされた黒鉛粒子は、板状形状である。コートされた黒鉛粒子が板状であるとき、それらは、好ましくは、厚さの少なくとも2倍の長さ及び幅を有する。代わりに、コートされた黒鉛粒子の長さは、その厚さの2~2,000倍である。長さは、粒子の平面上の最も長い部分を意味し、幅は、粒子の平面上の最も短い部分を意味する。レーザー回折粒度分析器によって測定された、コートされた黒鉛粒子の平均サイズ(D50)は、長さについて、好ましくは0.1~500マイクロメートル、より好ましくは1~300マイクロメートル、さらにより好ましくは5~150マイクロメートルである。
黒鉛粒子上のコーティングの濃度は、黒鉛粒子及びコーティングの全重量に基づいて約5~50重量パーセント、好ましくは5~40重量パーセント、より好ましくは10~30重量パーセントの範囲であり得る。黒鉛粒子上のコーティングの厚さは、約0.005~50マイクロメートル、好ましくは0.01~30マイクロメートル、より好ましくは0.01~10マイクロメートルの範囲であり得る。
コーティングは、1つ又は複数の金属化合物を含有する。適した金属化合物は、比較的高い体積抵抗率を有し、その結果、コートされた黒鉛粒子は、比較的高い熱伝導率及び比較的低い電気導電率を特徴とする。好ましくは、Hiresta-UP抵抗率計(株式会社三菱化学アナリテック)によって測定される金属化合物又は金属化合物の組合せの体積抵抗率は、500V下において23℃で少なくとも1×109オーム-センチメートルである。コーティングの体積抵抗率は、バルク金属化合物の体積抵抗率と著しく異なると考えられない。
適した金属化合物には、限定されないが、炭化物、酸化物、窒化物、オキシ炭化物、オキシ窒化物、セレン化物、硫化物、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、硝酸塩及びフッ化物が含まれる。
金属炭酸塩は、黒鉛粒子をコートするための好ましい金属化合物である。適した金属炭酸塩には、任意の金属カチオンの炭酸塩が含まれる。例えば、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、銅、カドミウム、水銀、スズ、鉛、鉄、コバルト、ニッケル又は亜鉛の1つ又は複数のカチオンなどの二価の金属カチオンの炭酸塩が好ましい。炭酸マグネシウム(MgCO3)を含むか、それから本質的になるか又はそれからなるコーティングを有する黒鉛粒子が特に好ましい。MgCO3でコートされた黒鉛粒子は、例えば、特開2015044953A号公報に記載された方法によって得ることができる。
好ましくは、ポリマー組成物中のコートされた黒鉛粒子(b)の量は、ポリマー組成物中の成分(a)、(b)、(c)及び(d)の全重量に基づいて5~50重量パーセント、より好ましくは10~45重量パーセント、さらにより好ましくは15~40重量パーセントの範囲である。
無機充填剤(c)
ポリマー組成物において使用するための適した無機充填剤(c)の、23℃で測定された、1mm厚さでの電気抵抗率(p)は、少なくとも1×109Ω・cmである。プレスされた粒子について1mmの厚さで少なくとも1×109Ω・cmの電気抵抗率の基準を満たす限り、無機充填剤のタイプに制限はない。適した無機充填剤の非限定的な例には、金属酸化物、金属炭酸塩、炭酸塩鉱物、金属水酸化物、金属窒化物、金属硫化物、リン酸塩鉱物、粘土鉱物、ケイ酸塩鉱物、ガラス材料並びに同じタイプ、例えば2種の金属酸化物であるか、又は異なるタイプ、例えば金属酸化物と金属窒化物であるかにかかわらず、2つ以上の適した無機充填剤の組合せが含まれる。
適した金属酸化物の例には、酸化アルミニウム(Al23)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO2)、酸化鉄(FeO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ケイ素(SiO2)、ベーマイト(A123・H2O)及びそれらの混合物が含まれる。適した金属炭酸塩の例には、炭酸カルシウム(CaCO3)及び炭酸マグネシウム(MgCO3)が含まれる。適した炭酸塩鉱物の例には、カルサイト(CaCO3の多形体)、アラゴナイト(CaCO3の結晶形)、ドロマイト(CaMg(CO32)、ハイドロタルサイト(Mg6Al2CO3(OH)16・4(H2O))、パイロオーライト(Mg6Fe2(CO3)(OH)16・4(H2O))、スティヒタイト(Mg6Cr2CO3(OH)16・4H2O)、デソーテルサイト(Mg6n3+2(CO3)(OH)16.4H2O)及びマナセアイト(Mg6Al2(CO3)(OH)16・4H2O)が含まれる。適した金属水酸化物の例には、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)及び水酸化マグネシウム(Mg(OH)2が含まれる。適した金属窒化物の例には、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(A1N)及び窒化ケイ素(Si34)が含まれる。適した金属硫化物の例には、硫化モリブデン(MoS2)、硫化タングステン(WS2)及び硫化亜鉛(ZnS)が含まれる。適したリン酸塩鉱物の例には、アパタイト(Ca5(PO43(F,Cl,OH))及びヒドロキシアパタイト(Ca5(PO43(OH))が含まれる。適したケイ酸塩鉱物の例には、サーペンティン((Mg,Fe)3Si25(OH)4)、パイロフィライト(Al2Si410(OH)2)、カオリン粘土、セリサイト(KAl2AlSi310(OH)2)、モントモリロナイト((Na,Ca)o.33(Al,Mg)2Si410(OH)2・nH2O)、鉱物のクロライトグループ、タルク、バーミキュライト、鉱物のスメクタイトグループなどの単斜晶系粘土状鉱物、マイカ及び珪藻土(SiO2・nH2O)が含まれる。無機充填剤の多くのこれらの例について示される化学式は、ポリマー組成物において使用され得る無機充填剤のグループ又はクラスの代表例であり、無機充填剤をその特定の式に決して限定しない。
ポリマー組成物において使用される無機充填剤は、天然に採掘されるか又は合成され得る。好ましい無機充填剤には、タルク、マイカ、カオリン及びベントナイトなどの粘土、二フッ化カルシウム、炭酸カルシウム、シリコーン、窒化ホウ素、硫化亜鉛及び酸化チタンが含まれる。より好ましい無機充填剤には、タルク、マイカ、二フッ化カルシウム、炭酸カルシウム、硫化亜鉛及び酸化チタンが含まれる。
ポリマー組成物中の無機充填剤(c)は、好ましくは、板状形状を有する。板状無機充填剤は、その厚さの少なくとも2倍の長さ及び幅を有するべきである。換言すれば、無機充填剤のアスペクト比(長さ又は幅対厚さの比)は、2超である。好ましくは、無機充填剤は、その厚さの少なくとも5倍の長さ及び幅、より好ましくはその厚さの少なくとも10倍の長さ及び幅を有する。無機充填剤は、100ミクロン、好ましくは70ミクロン、より好ましくは50ミクロンの最長寸法の平均長さD50を有する。
ポリマー組成物中の無機充填剤(c)の全重量は、ポリマー組成物中の成分(a)、(b)、(c)及び(d)の全重量に基づいて約0.1~約40重量パーセント、好ましくは約1~35重量パーセント、より好ましくは3~20重量パーセントの範囲である。ポリマー組成物中の成分(a)、(b)、(c)及び(d)の全量は、100重量パーセントに等しい。
付加的な成分(d)
本明細書で説明されるポリマー組成物は、任意選択により、成核剤、難燃剤、難燃剤相乗剤、熱安定剤、酸化防止剤、染料、離型剤、潤滑剤及び紫外線安定剤などの付加的な成分を含有することができる。成核剤の例には、タルク及び窒化ホウ素が含まれる。存在している場合、付加的な成分(d)の濃度は、好ましくは、ポリマー組成物中の成分(a)、(b)、(c)及び(d)の全重量に基づいて約0.1~約20重量パーセントの範囲である。
ポリマー組成物の調製
当業者に公知の方法を使用して、例えば二軸スクリュー押出機を使用して、連続配合により、記載された成分を混合して、本明細書で説明されるポリマー組成物を調製することができる。好ましい混合方法は、ポリマー及び添加剤の上の供給と、無機充填剤の側面の供給とからなる。
物品
本明細書で説明されるポリマー組成物から作製することができる物品には、自動車及び他の車両のモーターハウジング、ランプハウジング、ランプソケット及びベゼル並びに電気及び電子ハウジングが含まれる。ランプソケットハウジングの例には、ヘッドライト、テールライト及びブレーキ灯などの前灯及び後灯、特に発光ダイオード(LED)ランプを使用するものが含まれる。この物品は、多くの用途においてアルミニウム又は他の金属から製造される物品の代用品となることができる。
射出成形、ブロー成形又は押出方法など、当業者に公知の方法を使用して物品を製造することができる。
本明細書で説明されるポリマー組成物を含む物品は、高い熱伝導率を示す。本明細書中で用いられるとき、用語「熱伝導率」は、材料が熱エネルギーを伝導する能力を意味する。熱伝導率は、ポリマー組成物から形成される、16mm×16mm×0.5mmの成形試験試料を使用して測定することができる。熱伝導率のための成形試料を真空条件下で乾燥させて、測定前に吸湿量が0.7%未満になるようにすることができる。成形試験試料の熱伝導率は、LFA447レーザーフラッシュ測定装置(Selb,GermanyのNETZSCH Co.から入手可能)を使用して面内方向及び面貫通方向の両方で測定することができる。測定は、50%RH未満の適度な湿気下で23℃において行われた。熱伝導率は、ワット/メートルケルビン(W/mK)として記録される。本明細書に開示されるポリマー組成物を含む物品は、LFA447レーザーフラッシュ測定装置を使用して、厚さ0.5mmで面内レーザーフラッシュ方法によって測定されるとき、少なくとも2W/mK、好ましくは少なくとも3W/mK、より好ましくは少なくとも4W/mKの熱伝導率を示す。
また、本明細書で説明されるポリマー組成物を含む物品は、望ましい電気絶縁性を示す。電気絶縁性は、体積抵抗率によって測定することができる。本明細書中で用いられるとき、用語「体積抵抗率」は、材料の電気絶縁容量又は電気抵抗率を意味する。体積抵抗率は、16mm×16mm×1mmの寸法を有する成形試験試料を使用して測定することができる。熱伝導率のための成形試料を真空条件下で乾燥させて、測定前に吸湿量が0.7%未満になるようにすることができる。体積抵抗率は、厚さ方向に沿って30秒間500ボルト[500V]において、UR-SSプローブを備えたHiresta-UP抵抗率計(日本の三菱化学アナリテックから入手可能)によって測定される。測定は、50%RH未満の適度な湿気下で23℃において行われる。この電圧を用いて、LEDデバイスなどの物品の電気抵抗率を試験する。体積抵抗率は、オーム-センチメートル(Ω・cm)として記録される。本発明の物品は、根本的に、500Vで少なくとも1×108オーム-センチメートル、500Vで好ましくは少なくとも1×109オーム-センチメートル、より好ましくは500Vで少なくとも1×1010オーム-センチメートルを有する。
物品は、熱伝導率と電気絶縁性との望ましい組合せを必要とする任意の熱管理部品であり得る。
以下の実施例は、本発明を更に詳細に説明するために提供される。本発明を実施するために現在考えられる好ましい態様を示すこれらの実施例は、本発明の例示を意図するものであり、その限定を意図するものではない。
表1に示される原材料を使用して、実施例(E)及び比較例(C)を作製した。
Figure 2022517965000001
試験方法
熱伝導率(TC)
成形試験プラークの熱拡散率(α)は、23℃でLFA447ナノフラッシュ装置(NETZSCH Co.)を使用してレーザーフラッシュ方法によって測定された。成形試験プレートのサイズ(長さ×幅×厚さ)は、16×16×1mmであった。全ての試験プラークを0.5mmの厚さに研磨し、測定前にレーザーを照射する場所にカーボン軟膏を噴霧した。熱拡散率曲線の分析のために、等方性/熱損失モデルを使用した。各試料の熱伝導率(λ)を、以下の等式を使用して計算した。
λ(W/mK)=α(mm2/s)×Cp(J/g・K)×ρ(g/cm3
熱容量(Cp)測定は、23℃でQ2000示差走査熱量測定(New Castle,Delaware,U.S.A.のTA Instruments Co.から入手可能)を使用する変調DSC方法によって行われた。サファイアが測定のための標準試料として使用された。ここで、サファイアの特定値、0.7708J/g・Kを全ての測定において文献値として採用した。
体積抵抗率(VR)
上で得られた成形されたプラークの体積抵抗率は、厚さ方向に沿って30秒間500ボルト[500V]において、UR-SSプローブを備えたHiresta-UP抵抗率計(日本の三菱化学アナリテックから入手可能)によって測定された。測定は、50%RH未満の適度な湿気下で23℃において行われた。
溶融流量(MFR)
ポリマー組成物のMFRは、G-01メルトインデックス測定装置(日本、東京の株式会社東洋精機製作所から入手可能)によって2.16kgの負荷下で280oCにおいて測定された。ポリマー組成物ペレット試料を評価前に真空条件下で5時間80oCで乾燥させて、湿分0.8%未満になるようにした。
比重
試料の比重(ρ)は、SD-200L比重計(Alpha Mirage Co.)を使用してアルキメデス法によって測定された。高純度水を測定のための溶媒として使用した。
実施例E1~E7及び比較例C1~C3
表1に記載された材料を、b-1及びb-2を除いて、表2及び3に示される量で予備混合した。これらの材料を150rpmで280oCにおいて連続配合(Ikegai PCM 30)によって予備混合した。熱伝導性充填剤、b-1又はb-2を押出機の上位置において、予備混合された成分中に別々に供給した。押出物を水槽内で冷却し、ペレットに切断した。得られたペレットを、小型射出成形機(DSM Xplore)を使用して射出成形して、長さ16mm、幅16mm及び厚さ1mmの寸法を有する成形試験プラーク(試験試料)を形成した。ペレットを60秒間280oCに加熱して均一な溶融混合物を形成し、次にそれを100oCで試験プラークに押出した。これらの試料の比重、熱伝導率(面内及び面貫通)、MFR及び体積抵抗率を分析し、結果を表2及び表3に示す。
Figure 2022517965000002
Figure 2022517965000003
表2は、b-1及びc-1とのその組合せがC1、E1、E2及びE3の体積抵抗率に及ぼす良好な効果を提供する。C1の体積抵抗率は、b-1の効果に起因して、C2の体積抵抗率よりも高かった。また、E2の特性は、b-1/c-1の組合せがC3と比較して体積抵抗率に良い影響を示すことがわかる。
表3は、相乗充填剤が体積抵抗率に及ぼす形態効果を示す。c-2及びc-3などの板状充填剤は、c-4などの非板状充填剤と比較してE4及びE5の一層高い体積抵抗率をもたらした。
本発明のある種の好ましい実施形態を上で説明し、具体的に例示してきたが、本発明をそのような実施形態に限定することは意図されない。以下の特許請求の範囲に示されるような本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、様々な修正形態がなされ得る。

Claims (20)

  1. (a)少なくとも1つのポリマーと、
    (b)コートされた黒鉛粒子と、
    (c)少なくとも1つの無機充填剤と、任意選択により、
    (d)少なくとも1つの付加的な成分と
    を含むポリマー組成物。
  2. 無機充填剤(c)は、レーザー回折粒度分析器によって測定されるとき、0.1~100マイクロメートルの範囲の平均サイズ(D50)を有する、請求項1に記載のポリマー組成物。
  3. 無機充填剤(c)は、前記無機充填剤の厚さの少なくとも2倍の長さ及び幅を有する板状形状を有する、請求項1又は2に記載のポリマー組成物。
  4. 無機充填剤(c)は、タルク、マイカ、粘土、二フッ化カルシウム、炭酸カルシウム、シリコーン、硫化亜鉛、酸化チタン及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  5. ポリマー(a)は、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリアリーレン硫化物、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエステル並びに2つ以上のポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリアリーレン硫化物、ポリアセタール、ポリアミド及びポリエステルの組合せからなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  6. ポリマー(a)は、ポリアミドを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  7. 前記コートされた黒鉛粒子(b)は、少なくとも1つの金属化合物でコートされる、請求項1~6のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  8. 前記少なくとも1つの金属化合物は、500V下において23℃で少なくとも1×109オーム-センチメートルの体積抵抗率を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  9. 前記少なくとも1つの金属化合物は、炭化物、酸化物、窒化物、オキシ炭化物、オキシ窒化物、セレン化物、硫化物、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、硝酸塩及びフッ化物からなる群から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  10. 前記少なくとも1つの金属化合物は、金属炭酸塩である、請求項1~9のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  11. 前記少なくとも1つの金属化合物は、炭酸マグネシウムを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  12. 前記コートされた黒鉛粒子(b)の表面の50~100パーセント、好ましくは前記コートされた黒鉛粒子(b)の表面の約60~100パーセント、より好ましくは前記コートされた黒鉛粒子(b)の表面の約70~100パーセントは、前記金属化合物でコートされる、請求項1~11のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  13. 前記コートされた黒鉛粒子上の金属化合物コーティングの量は、前記黒鉛粒子及び前記コーティングの全重量に基づいて約5~50重量パーセント、好ましくは5~40重量パーセント、より好ましくは10~30重量パーセントである、請求項1~12のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  14. 前記コートされた黒鉛粒子上の前記コーティングの厚さは、約0.005~50マイクロメートル、好ましくは0.01~30マイクロメートル、より好ましくは0.01~10マイクロメートルである、請求項1~13のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  15. 前記少なくとも1つの付加的な成分(d)は、成核剤、難燃剤、難燃剤相乗剤、熱安定剤、酸化防止剤、染料、離型剤、潤滑剤及び紫外線安定剤からなる群から選択される1つ又は複数の材料を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  16. ポリマー(a)の量は、20~70重量パーセント、好ましくは30~65重量パーセント、より好ましくは40~65重量パーセントの範囲であり、コートされた黒鉛粒子(b)の量は、5~50重量パーセント、好ましくは10~45重量パーセント、より好ましくは15~40重量パーセントの範囲であり、無機充填剤(c)の量は、約0.1~約40重量パーセント、好ましくは約1~35重量パーセント、より好ましくは3~20重量パーセントの範囲であり、及び存在する場合、任意選択の付加的な成分(d)の量は、約0.1~約20重量パーセントの範囲であり、前記重量パーセンテージは、前記ポリマー組成物中の成分(a)、(b)、(c)及び(d)の全重量に基づく、請求項1~15のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  17. 請求項1~16のいずれか一項に記載のポリマー組成物から形成される物品。
  18. 射出成形、ブロー成形又は押出方法によって形成される、請求項12に記載の物品。
  19. 前記物品の面内熱伝導率は、レーザーフラッシュ方法によって測定されるとき、少なくとも3W/mKであり、及び前記物品の体積抵抗率は、500Vにおいて少なくとも1×109オーム-センチメートルである、請求項12又は13に記載の物品。
  20. モーターハウジング、ランプハウジング、車両のランプソケット若しくはベゼル又は電気若しくは電子ハウジングである、請求項12~14のいずれか一項に記載の物品。
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