JP2022514695A - レシニフェラトキシンを投与することによってパーキンソン病を処置するための方法 - Google Patents

レシニフェラトキシンを投与することによってパーキンソン病を処置するための方法 Download PDF

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Abstract

パーキンソン病(PD)を処置するための方法であって、有効量のレシニフェラトキシン(RTX)を髄腔内または大槽内投与によって投与することを含む方法が開示される。一部の実施形態では、ヒト成体に対するRTXの用量は、約0.1μgから約100μgである。本発明は、例えばパーキンソン病(PD)を処置するための方法であって、PDの処置を必要とする対象に有効量のレシニフェラトキシン(RTX)を髄腔内または大槽内投与することを含む方法を提供する。

Description

本出願は、それぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる2018年12月24日出願の米国仮出願第62/784,650号および2019年10月11日出願の米国仮出願第62/914,170号に基づく優先権の利益を主張するものである。
技術分野
本開示は、パーキンソン病(PD)を処置するための方法であって、有効量のレシニフェラトキシン(RTX)を髄腔内または大槽内投与によって投与することを含む方法を提供する。
序論および要旨
RTXは、トウガラシの主要な辛味成分であるカプサイシンの超強力類似体として作用する。RTXは、Euphorbiaのある特定の種から単離される三環式ジテルペンである。ホモバニリル基がカプサイシンの重要な構造的特色であり、また、レシニフェラトキシンと典型的なホルボール関連化合物を区別する最も顕著な特色である。天然のRTXは以下の構造を有する:
Figure 2022514695000002
RTXならびにチニアトキシンおよび他の化合物(ジテルペンの20-ホモバニリルエステル、例えば、12-デオキシホルボール13-フェニルアセテート20-ホモバニレートおよびメゼレイン20-ホモバニレートなど)などの類似体化合物は、米国特許第4,939,194号;同第5,021,450号;および同第5,232,684号に記載されている。他のレシニフェラトキシン型ホルボイドバニロイドも同定されている(Szallasi et al. (1999) Brit. J. Pharmacol. 128: 428-434)。
RTXは、TrpV1アゴニストとして公知である。TrpV1は、一過性受容体電位カチオンチャネルサブファミリーVメンバー1(バニロイド受容体-1(VR1)としても公知)であり、侵害受容性一次求心性ニューロンにおいて顕著に発現される多量体陽イオンチャネルである(Caterina et al. (1997) Nature 389: 816-824;Tominaga et al. (1998) Neuron 21: 531-543)。TrpV1の活性化は、典型的には、痛みを伴う熱によって印加されることによって神経終末において起こり、特定の型の炎症性刺激の間、上方制御される。末梢組織における化学的アゴニストによるTrpV1の活性化により、カルシウムチャネルの開口および痛覚の伝達がもたらされる(Szalllasi et al. (1999) Mol. Pharmacol. 56: 581-587)。しかし、TrpV1を発現するニューロン(神経節)の細胞体にある特定のTrpV1アゴニストを直接付与することにより、カルシウムチャネルが開口し、プログラム細胞死(「アポトーシス」)に至る事象のカスケードが誘発される(Karai et al. (2004) J. of Clin. Invest. 113: 1344-1352)。
パーキンソン病は、高齢化集団において発生が増加する運動障害(movement disorder)である。パーキンソン病は、老年期の一般的な活動不能疾患であり、米国では60歳を超える集団の約1パーセントに影響を及ぼしている。パーキンソン病の発生率は年齢と共に上昇し、個体が当該疾患を発症する累積的な生涯リスクは約40名に1名である。症状としては、四肢の著しい振戦、動作緩慢、強剛および姿勢変化が挙げられる。パーキンソン病の認識されている病態生理学的原因は、脳幹に位置する基底核である、黒質の緻密部を含む大脳基底核におけるドーパミン産生細胞の進行性破壊である。ドーパミン作動性ニューロンの喪失により、アセチルコリンの相対的過剰がもたらされる。Jellinger, J. Neural. Transm. 56 (Supp) ; 1-29: 1999。
パーキンソン病は、軽度の四肢の強剛および低頻度の振戦で始まり、10年またはそれよりも長い期間にわたって、頻繁な振戦および記憶障害まで、制御できない振戦および認知症まで進行する可能性がある、進行性障害である。
パーキンソン病を処置するために使用される薬物としては、Lドパ、セレギリン、アポモルヒネおよび抗コリン薬が挙げられる。Lドパ(レボ-ジヒドロキシ-フェニルアラニン)(シネメット)は、血液脳関門を横断することができ、脳においてドーパミンに変換され得るドーパミン前駆体である。残念ながら、Lドパは体内での半減期が短く、また、長期使用後(すなわち約4~5年後)にLドパの効果が散発的で予測不可能なものになり、その結果、運動機能の変動、ジスキネジアおよび精神医学的副作用が生じることが典型的である。さらに、Lドパは、ビタミンB欠損を引き起こす恐れがある。
セレギリン(デプレニル、エルデプリル)は、Lドパの代替として使用されており、脳におけるドーパミンの分解を低減することによって作用する。残念ながら、セレギリンは約9カ月間使用後に効果がなくなる。アポモルヒネは、ドーパミン受容体アゴニストであり、パーキンソン病を処置するために使用されているが、それ自体で使用した場合には重症の嘔吐、ならびに皮膚反応、感染、嗜眠状態およびいくらかの精神医学的副作用を引き起こす。
全身投与される抗コリン薬(例えば、ベンズヘキソールおよびオルフェナドリンなど)も、パーキンソン病を処置するために使用されており、これらは、脳で産生されるアセチルコリンの量を減少させ、それにより、パーキンソン病において存在するドーパミン/アセチルコリン不均衡を正すことによって作用する。残念ながら、抗コリン薬の全身投与を受けている患者の約70%で、幻覚、ならびに運動障害(dyskinetic movement)、および視覚への影響、嚥下困難、口渇および尿閉を含めた広範囲の抗コリン薬分布に起因する他の影響を含めた重篤な神経精神医学的副作用が生じる。(Playfer, Postgrad. Med. J., 73; 257-264: 1997およびNadeau, J. Am. Ger. Soc., 45; 233-240: 1997)。
1969年にLドパが取り入れられる前は、パーキンソン病の処置をもたらす少数の処置のうちの1つは定位的外科手術であった。片側性定位的視床破壊術は対側性振戦および強剛の制御に有効な場合があるが、不全片麻痺のリスクがある。両側性視床破壊術は発語障害および嚥下障害が生じるリスクが大きい。定位的蒼球破壊術、淡蒼球(大脳基底核)の一部の外科的アブレーションも使用されており、一部成功している。外科的切除に加えて、一部の場合では、中間腹側核に設置した高周波刺激電極により、異常運動が抑制されることが見いだされている。コンピュータ断層撮影法および磁気共鳴画像法を含めた、プローブの厳密な位置づけを可能にする様々な技法が存在する。残念ながら、これらの外科手技は、パーキンソン病の無動、発語障害および歩行障害の症状にはほとんど役に立たず、これらは全て破壊的脳病変につながる。
振戦および他のパーキンソン病の症状の処置のための淡蒼球およびレンズ核ワナに対する頭蓋内破壊が行われている。淡蒼球破壊術の長期的結果は、時には期待外れのものであった。以下の視床核に破壊を与えることにより振戦の外科的抑止の正の結果が得られている:(1)視床腹中間(Vim)核または後外側腹側(VLp)核;(2)前吻側腹側(Voa)核(VoaおよびVopは集合的に前外側腹側核(VLa)と称されている);(3)後吻側腹側(Vop)核;(4)視床下核(視床直下部切断術)、ならびに;(5)CM-Pf視床核。一般に、パーキンソン病、および全身投与される薬物に抵抗性の他の振戦の処置において選択されている外科的標的は視床腹外側である。ほとんど全ての皮質活性には皮質の視床興奮が必要である。
機能亢進性淡蒼球および視床下核を標的とする進行した薬剤抵抗性パーキンソン病の管理には定位的外科手術(神経画像処理および電気生理学的記録により補助される)が使用されている。コンピュータ断層撮影法または磁気共鳴画像法による脳イメージングの補助を用い、脳地図を参照として使用して電極またはプローブを脳内に設置する。パーキンソン病の運動障害(motor disorder)を処置するために淡蒼球の異なる部分(すなわち、後腹側淡蒼球)、大脳基底核、視床および視床下核の破壊が行われている。残念ながら、外科的脳破壊では、発語、視覚および認知脳領域の機能障害のリスクが生じる。薬物抵抗性パーキンソン病振戦を処置するためには、外科的アブレーションまたは刺激に加えて、外部放射線療法(Gamma Knife Radiosurgery)も限られた程度に使用されている。この手順の欠点は、振戦の減少が放射線外科療法後1週間後から8カ月後の間に遅延すること、および長期的利益ならびに放射線副作用が現在のところ分かっていないことである。
したがって、当技術分野において、パーキンソン病に対する改善された処置が必要とされている。
米国特許第4,939,194号明細書 米国特許第5,021,450号明細書 米国特許第5,232,684号明細書
Szallasi et al. (1999) Brit. J. Pharmacol. 128: 428-434 Caterina et al. (1997) Nature 389: 816-824 Tominaga et al. (1998) Neuron 21: 531-543 Szalllasi et al. (1999) Mol. Pharmacol. 56: 581-587 Karai et al. (1997) J. of Clin. Invest. 113: 1344-1352 Jellinger, J. Neural. Transm. 56 (Supp) ; 1-29: 1999 Playfer, Postgrad. Med. J., 73; 257-264: 1997 Nadeau, J. Am. Ger. Soc., 45; 233-240: 2004
本開示は、パーキンソン病(PD)を処置するための方法であって、有効量のレシニフェラトキシン(RTX)を髄腔内または大槽内投与によって投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、ヒト成体に対するRTXの用量は、約0.1μgから約100μgである。
実施形態1は、パーキンソン病(PD)を処置するための方法であって、PDの処置を必要とする対象に有効量のレシニフェラトキシン(RTX)髄腔内または大槽内投与することを含む方法である。
実施形態2は、パーキンソン病(PD)の処置を必要とする対象を処置する方法における使用のための、レシニフェラトキシン(RTX)を含む組成物である。
実施形態3は、方法が、組成物を対象に髄腔内または大槽内投与することを含む、実施形態2に記載の使用のための組成物である。
実施形態4は、対象がヒト成体である、実施形態1に記載の方法または実施形態2または3に記載の使用のための組成物である。
実施形態5は、RTXが、約0.1μgから約100μgの用量で投与される、前述の実施形態のいずれか1つに記載の方法または使用のための組成物である。
実施形態6は、用量が、約0.1μgから約1μg、約1μgから約5μg、約5μgから約10μg、約10μgから約20μg、約20μgから約50μg、または約50から約100μgである実施形態5に記載の方法または使用のための組成物である。
実施形態7は、方法が、髄腔内投与を含む、前述の実施形態のいずれか1つに記載の方法または使用のための組成物である。
実施形態8は、方法が、大槽内投与を含む、実施形態1から6までのいずれか1つに記載の方法または使用のための組成物である。
実施形態9は、RTXが、RTXおよび薬学的に許容される担体を含む医薬製剤として投与される、前述の実施形態のいずれか1つに記載の方法または使用のための組成物である。
実施形態10は、薬学的に許容される担体が、水を含む、実施形態9に記載の方法または使用のための組成物である。
実施形態11は、薬学的に許容される担体が、生理食塩水を含む実施形態9に記載の方法または使用のための組成物である。
実施形態12は、RTXが、医薬製剤中に1μg/mlから100μg/mlの範囲の濃度で存在する、実施形態9から11のいずれか1つに記載の方法または使用のための組成物である。
実施形態13は、RTXが、医薬製剤中に1μg/mlから5μg/ml、5μg/mlから10μg/ml、10μg/mlから20μg/ml、20μg/mlから50μg/ml、または50μg/mlから100μg/mlの範囲の濃度で存在する、実施形態12に記載の方法または使用のための組成物である。
図1は、AAV-A53TまたはAAV-ヌル注入の7日後または14日後のレシニフェラトキシン(RTX)の0.04μgの低用量でのまたは0.125μgの高用量での単回投与の、C57Bl/6J雄マウスの体重(g)に対する効果を示すグラフである。8週間の試験期間中、群間に有意差は認められなかった(二元配置ANOVA)。
図2は、片側性AAV-A53TまたはAAV-ヌル注入の7日後または14日後のレシニフェラトキシンの0.04μgの低用量でのまたは0.125μgの高用量での単回投与の、C57Bl/6J雄マウスの同側線条体および対側線条体におけるドーパミンレベル(ng/g)に対する効果を示すグラフである。ビヒクルを用いた髄腔内処置を行ったどちらの時点においても、AAV-A53T注入の結果、同側性線条体におけるドーパミンレベルの有意な低下がもたらされた。***:p<0.0001、AAV1/2-ヌルビヒクルD7対AAV1/2-A53Tビヒクル(対応のないt検定);**:p=0.016、AAV1/2-ヌルビヒクルD14対AAV1/2-A53TビヒクルD14(対応のないt検定)。
図3は、片側性AAV-A53TまたはAAV-ヌル注入の7日後または14日後のレシニフェラトキシンの低用量でのおよび高用量での単回投与の、C57Bl/6J雄マウスの同側線条体および対側線条体における3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)のレベル(ng/g)に対する効果を示すグラフである。***:p=0.003、AAV1/2-ヌルビヒクルD7対AAV1/2-A53Tビヒクル(対応のないt検定);*:p<0.05、AAV-ヌル+ビヒクルD14対AAV-A53T+ビヒクルD14(対応のないt検定)。
図4は、片側性AAV-A53TまたはAAV-ヌル注入の7日後または14日後のレシニフェラトキシンの低用量でのおよび高用量での単回投与の、C57Bl/6J雄マウスの同側線条体および対側線条体におけるホモバニリン酸(HVA)のレベル(ng/g)に対する効果を示す。***:p=0.0007、AAV1/2-ヌルビヒクルD7対AAV1/2-A53Tビヒクル(対応のないt検定)(対応のないt検定)。
図5は、片側性AAV-A53TまたはAAV-ヌル注入の7日後または14日後のレシニフェラトキシンの低用量でのおよび高用量での単回投与のC57Bl/6J雄マウスの同側線条体および対側線条体におけるドーパミンターンオーバーに対する効果を示すグラフである。ドーパミンターンオーバーは、代謝産物であるDOPACおよびHVAの濃度の合計をドーパミンの濃度で割ったものと定義される。****:p<0.0001、AAV1/2-ヌルビヒクルD7対AAV1/2-A53TビヒクルD7(マン・ホイットニーのU検定);**:p=0.0011、AAV1/2-ヌルビヒクルD14対AAV1/2-A53TビヒクルD14(マン・ホイットニーのU検定)。
図6A~6Bは、全体的な歩行分析スコアおよび判別ベクトルを示す図である。図6Aに示されているAAV1/2送達後D7およびD14にRTX/ビヒクルの投薬を受けた群の全体的な歩行スコアは、全ての両側性に決定された歩行変数の示差的な値を使用したD7投薬群およびD14投薬群の両方におけるAAV1/2-A53TビヒクルとAAV1/2-ヌルビヒクルの間の全てのPCスコアの差異に基づく。スコアは、「個体が平均AAV1/2-ヌルから、平均AAV1/2-A53Tの方向に向かってどのくらい離れているか」と解釈することができる。群の平均+/-95%CIが示されている。グラフの左半分および右半分は、それぞれD7およびD14にRTX/ビヒクルの投薬を受けた群についての結果を示す。#:p<0.01、AAV1/2-A53TビヒクルD7/D14対AAV1/2-ヌルビヒクルD7/D14(対応のないt検定);*:p<0.05、AAV1/2-A53TビヒクルD7およびAAV1/2-A53T RTX0.04μg、D7およびAAV1/2-A53TビヒクルD7およびAAV1/2-A53T RTX0.125μg、D7(対応のないt検定)。AAV1/2送達後D7およびD14にRTX/ビヒクルの投薬を受けた群の判別ベクトルが図6Bに示されている。個々の運動力学パラメーターそれぞれの棒の長さは、各変数が判別スコアにおいてどのくらい重み付けされるかを示し(図7)、棒の方向はパラメーター値のAAV1/2-ヌルと比較した増加または減少(例えば、重複歩速度の低下、または股関節角度範囲に関して左側が右側よりも小さいというような非対称)を示す。 図6A~6Bは、全体的な歩行分析スコアおよび判別ベクトルを示す図である。図6Aに示されているAAV1/2送達後D7およびD14にRTX/ビヒクルの投薬を受けた群の全体的な歩行スコアは、全ての両側性に決定された歩行変数の示差的な値を使用したD7投薬群およびD14投薬群の両方におけるAAV1/2-A53TビヒクルとAAV1/2-ヌルビヒクルの間の全てのPCスコアの差異に基づく。スコアは、「個体が平均AAV1/2-ヌルから、平均AAV1/2-A53Tの方向に向かってどのくらい離れているか」と解釈することができる。群の平均+/-95%CIが示されている。グラフの左半分および右半分は、それぞれD7およびD14にRTX/ビヒクルの投薬を受けた群についての結果を示す。#:p<0.01、AAV1/2-A53TビヒクルD7/D14対AAV1/2-ヌルビヒクルD7/D14(対応のないt検定);*:p<0.05、AAV1/2-A53TビヒクルD7およびAAV1/2-A53T RTX0.04μg、D7およびAAV1/2-A53TビヒクルD7およびAAV1/2-A53T RTX0.125μg、D7(対応のないt検定)。AAV1/2送達後D7およびD14にRTX/ビヒクルの投薬を受けた群の判別ベクトルが図6Bに示されている。個々の運動力学パラメーターそれぞれの棒の長さは、各変数が判別スコアにおいてどのくらい重み付けされるかを示し(図7)、棒の方向はパラメーター値のAAV1/2-ヌルと比較した増加または減少(例えば、重複歩速度の低下、または股関節角度範囲に関して左側が右側よりも小さいというような非対称)を示す。
図7は、10個のバリマックス回転主成分を使用したD7投薬群およびD14投薬群の歩行パラメーターのPCスコアを示す図である。ヒートマップは、10個の主成分のそれぞれに示差的に影響を及ぼす元のパラメーターを例示する。ヒートマップの各列は、パラメーターがどのように相関するかも示す:赤色=正相関、青色=負の相関、黒色=相関なし。微細運動試験のPCスコアPC#1~PC#10が左側に示されている(群平均+/-SEM)。PCスコアは、ヒートマップの右側に示されるPCに対応する。例えば、PC#2は、対角ILCおよび対角二本肢支持の両方(対角、すなわち、速足歩行率)の増加、および他の歩行率型の減少を含む「対角肢間協調」と解釈することができる。各パネルの上部のPCの後ろの角括弧内の%は、それぞれのPCによって説明される元のデータの変動のパーセンテージを指す。#p<0.05、AAV-A53TビヒクルD14対AAV-ヌルビヒクルD14(対応のないt検定);###p<0.001、AAV-A53TビヒクルD7対AAV-ヌルビヒクルD7(対応のないt検定);*p<0.05、**p<0.005、AAV-A53TビヒクルD7対AAV-A53T RTX0.125μg、D7。PC=主成分、ILC=肢間協調。
図8A~8Cは、D7投薬群における最大股関節角度運動力学パラメーターに関する左右非対称の存在を示すグラフである。図14A~14Bは、それぞれ左側および右側の最大股関節角度を示す。左右の差異が図14Cに示されている。群の平均+/-SEMが示されている。
図9A~9Bは、D7投薬群の微細運動全体的な歩行分析スコアを、歩行の左右非対称に関する片側性変化を強調して示す図である。図9Aは、76個の個々の運動力学パラメーターに関する変換データセットを使用して創出された、および左右の平均の代わりに左右の差異を使用した判別ベクトルを示す。図9Bは、D7投薬群の歩行判別スコアを示す。スコアは、「個体が平均AAV-ヌルから、平均AAV-A53Tビヒクルの方向に向かってどのくらい離れているか」と解釈することができる。群の平均+/-SEMが示されている。#:p<0.05(AAV-A53TビヒクルD7とAAV-ヌルビヒクルD7の間の対応のないt検定)。 図9A~9Bは、D7投薬群の微細運動全体的な歩行分析スコアを、歩行の左右非対称に関する片側性変化を強調して示す図である。図9Aは、76個の個々の運動力学パラメーターに関する変換データセットを使用して創出された、および左右の平均の代わりに左右の差異を使用した判別ベクトルを示す。図9Bは、D7投薬群の歩行判別スコアを示す。スコアは、「個体が平均AAV-ヌルから、平均AAV-A53Tビヒクルの方向に向かってどのくらい離れているか」と解釈することができる。群の平均+/-SEMが示されている。#:p<0.05(AAV-A53TビヒクルD7とAAV-ヌルビヒクルD7の間の対応のないt検定)。
図10A~10Fは、歩行の左右非対称を使用したD7投薬群の微細運動歩行分析を示すグラフである。左側の対角肢間協調(または速足)(図10A)、右側の対角肢間協調(または速足)(図10B)、および対角肢間協調(または速足)の左右の差異(図10C)によって例示される一般的な歩行パターンが示されている。体位および平衡メトリック、前肢トゥクリアランスが左側(図10D)、右側(図10E)、および左右の差異(図10E)について示されている。群の平均+/-SEMが示されている。 図10A~10Fは、歩行の左右非対称を使用したD7投薬群の微細運動歩行分析を示すグラフである。左側の対角肢間協調(または速足)(図10A)、右側の対角肢間協調(または速足)(図10B)、および対角肢間協調(または速足)の左右の差異(図10C)によって例示される一般的な歩行パターンが示されている。体位および平衡メトリック、前肢トゥクリアランスが左側(図10D)、右側(図10E)、および左右の差異(図10E)について示されている。群の平均+/-SEMが示されている。
図11A~11Fは、歩行の左右非対称を使用したD7投薬群の微細運動技能分析を示すグラフである。微細運動技能では左側の後肢ピーク遊脚速度(図11A)、右側の後肢ピーク遊脚速度(図11B)、および後肢ピーク遊脚速度の左右の差異(図11C)を評価した。左側の後肢遊脚速度メトリック(図11D)、右側の後肢遊脚速度メトリック(図11E)、および後肢遊脚速度メトリックの左右の差異(図11F)。群の平均+/-SEMが示されている。 図11A~11Fは、歩行の左右非対称を使用したD7投薬群の微細運動技能分析を示すグラフである。微細運動技能では左側の後肢ピーク遊脚速度(図11A)、右側の後肢ピーク遊脚速度(図11B)、および後肢ピーク遊脚速度の左右の差異(図11C)を評価した。左側の後肢遊脚速度メトリック(図11D)、右側の後肢遊脚速度メトリック(図11E)、および後肢遊脚速度メトリックの左右の差異(図11F)。群の平均+/-SEMが示されている。
詳細な説明
定義
本明細書で使用される場合、「髄腔内に」または「髄腔内投与」とは、薬物または医薬製剤をくも膜下腔としても公知の髄腔内空間の脳脊髄液中に送達することを指す。
本明細書で使用される場合、「大槽内に」または「大槽内投与」とは、薬物または医薬製剤を脳心室の脳脊髄液中に送達することを指す。
「処置すること(treating)」とは、広範に理解されるべきであり、例えば、PDに付随する症状の悪化を遅延させる、緩徐化する、もしくは静止すること、またはそのような症状を少なくとも部分的に軽減することを含めた、あらゆる有益な効果を包含する。処置することは、以下に詳細に考察されている通り患者機能の任意の形態の改善をもたらすことも包含する。
「または(or)」は、文脈上異なる解釈を要する場合を除き、包括的な意味で使用される、すなわち、「および/または」と同等である。
「約」という用語は、組成物の活性または安定性に対していかなる有意な影響も及ぼさない、組成物の構成成分の数量の微弱な変動を示す。一部の実施形態では、「約」は、規定された値の10%以内、5%以内、2%以内、1%以内、または0.5%以内の変動を包含する。
範囲は全て、「終点を含まず」などの除外表現がない場合には終点を包含するものと解釈されるべきである;したがって、例えば、「1から10の範囲の」は、1および10の値ならびに1よりも大きく10よりも小さい全ての整数値および(適切な場合には)非整数値を含む。
「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含有する(contain)」、「含有する(contains)」、「含有する(containing)」、「含む(include)」、「含む(includes)」、および「含む(including)」という用語は、限定するものではない。
典型的な方法および使用のための組成物
RTXを髄腔内にまたは大槽内に送達する、パーキンソン病(PD)の処置方法および処置に使用するための組成物が本明細書で提供される。本明細書に記載の方法は、RTXが有効である、例えば、RTXがTrpV1またはそのホモログに結合し、それを活性化することができ、PDの処置を必要としている任意の対象に使用するためのものである。一部の実施形態では、RTXを0.1~100μgの用量で投与する。一部の実施形態では、RTXの用量は、0.1~0.5μg、0.5~1μg、1~2μg、2~5μg、5~10μg、10~20μg、20~30μg、30~40μg、40~50μg、50~60μg、60~70μg、70~80μg、80~90μg、または90~100μgの範囲である。
製剤中のRTXの濃度は、意図された用量を送達するための任意の適切な値であり得る。一部の実施形態では、医薬製剤中のRTXの濃度は、0.1~300μg/mlの範囲内に入る。一部の実施形態では、医薬製剤中のRTXの濃度は、0.1~1μg/ml、1~5μg/ml、5~10μg/ml、10~20μg/ml、10~30μg/ml、20~30μg/ml、20~50μg/ml、50~100μg/ml、100~150μg/ml、150~200μg/ml、200~250μg/ml、または250~300μg/mlの範囲内に入る。一部の実施形態では、医薬製剤中のRTXの濃度は、5~50μg/ml、または8~25μg/mlの範囲内に入る。
対象に送達するためのRTXの製剤を、濃縮ストック溶液から出発して、生理食塩水などの適当な希釈剤中に希釈することによって調製することができる。
一部の実施形態では、RTXおよび薬学的に許容される担体を含む医薬製剤のpHは、6~7.6の範囲内である。製剤は、ポリソルベート80およびブドウ糖をさらに含む。一部の実施形態では、ポリソルベート80の濃度は2~4%w/vであり、かつ/またはブドウ糖の濃度は4~6%w/vである。一部の実施形態では、ポリソルベート80の濃度は3%w/vであり、かつ/またはブドウ糖の濃度は5%w/vである。前述の製剤のいずれかの一部の実施形態では、RTXの濃度は10~30μg/ml、例えば、10μg/mlまたは25μg/mlなどであり得る。一部の実施形態では、製剤は、リン酸緩衝液を、例えば表1にリン酸緩衝液に関して示されている濃度およびpHでさらに含む。一部の実施形態では、製剤は、NaClを、例えば表1においてNaClに関して示されている濃度でさらに含む。リン酸緩衝液およびNaClの両方が存在する場合、個々の製剤に関して示されている濃度およびリン酸緩衝液pHの組合せで存在し得る(必ずではない)。
Figure 2022514695000003
Figure 2022514695000004
PDを処置するためのRTXを髄腔内にまたは大槽内に投与することができる。髄腔内投与に関しては、PD処置の重点が手の運動協調性である場合(手の運動協調性はPD患者に関して頻度の高い問題である)、髄腔内投与は、脊柱の頸部または胸部領域に焦点を合わせるべきである。PD処置のための全身手法に関しては大槽内投与が好ましい。あるいは、RTXを脊柱の上部のC1~C5に対して髄腔内投与することができる。
重要なことに、本開示の範囲内に入る方法は、患者機能の改善をもたらすことができるものである。「患者機能の改善」は、疼痛の軽減、ベッドで過ごす時間の減少、異所運動の増加、より健康的な姿勢、より変動的な生活様式および/また正常な筋緊張によって可能になるは治癒などの1つまたは複数の因子のいずれかによって測定される改善と定義することができる。患者機能の改善は、生活の質(QOL)の改善と同義である。QOLは、例えば、公知のSF-12またはSF-36健康調査スコアリング手順を使用して評価することができる。SF-36では、身体機能、身体的問題に起因する役割の制限、社会生活機能、体の痛み、一般的な心の健康、感情的問題に起因する役割の制限、活力、および全体的健康感の8つのドメインにおいて患者の体および心の健康を評価する。得られたスコアを、種々の一般集団および患者集団に関して入手可能な公開された値と比較することができる。
(実施例1)
パーキンソン病様(PD)病態のAAV-A53Tマウスモデルに対するRTXの単回髄腔内投与の効果
パーキンソン病(PD)についてのin vivoマウス試験を使用し、まず、8週齢のC57Bl/6J雄マウスにおいて、脳の右半球の黒質(SN)への片側性アデノウイルスベクター(AAV)注入によって疾患状態を誘導した。ベクターは、黒質のドーパミン作動性ニューロンの変性および線条体におけるドーパミンレベルの低下を導く突然変異型ヒトA53T-アルファ-シヌクレインを過剰発現するように構成された構築物を含有していた。これにより、運動障害(motor deficit)を含めたPD様症状が導かれることが示されている。
試験開始時に2カ月齢であったC57Bl/6Jマウス総計142匹(雄126匹、雌16匹)を、標準温度(22±1℃)および明制御環境(午前7時から午後8時まで明かりを付ける)で、食物および水を自由に摂取できる状態で飼育した。
本試験の目的は、PD様病態のAAV-A53Tマウスモデルに対するRTXの単回髄腔内投与の効果を調査することであった。本試験の開始前に、パイロット忍容性試験を行い、C57Bl/6Jマウスの雄16匹、雌16匹にRTXを2つの用量(0.04μgまたは0.125μgのいずれか)で注入し、その後24時間にわたって追跡調査して、処置のあらゆる可能性のある有害効果を観察した。
パイロット研究群(arm)に使用した総計32匹のマウスのうち、総計4匹のマウスがRTXの髄腔内注入後24時間のモニタリング期間中に死亡した。0.125μg用量を用いた処置を受けた雌2匹は、注入後4~24時間以内に原因不明でケージ内で死亡しているのが見つかった。さらに、同じ投薬群の雌1匹および雄マウス1匹はRTXの注入直後に死亡した。残りのマウスには著しい有害効果は観察されなかった。
本試験に関して、2カ月齢の雄C57Bl/6Jマウス合計110匹に、AAV-A53T(90匹のマウス)またはAAV-ヌル(20匹のマウス)のいずれかを、それぞれPD様病態を誘導するため、またはニセ対照として機能させるために、黒質内に片側性に注入した。AAV-ヌル(空)ベクターを注入したマウス(「ニセ注入」マウス)は、ウイルス注入の影響に関する対照とするために使用した。AAV-A53T媒介性疾患モデル誘導の7日後または14日後、マウスを、RTX(0.04μgまたは0.125μg)(体積5μL、0.03%w/vのポリソルベート80、0.05%w/vのブドウ糖、30mMのリン酸緩衝液、および0.54%w/v、pH7.2のNaClを含有する25μg/mlのRTX溶液から調製し、必要に応じて生理食塩水中に希釈したもの)を用い、腰髄領域への単回髄腔内注入によって処置した。各時点でAAV-ヌル注入群およびAAV-A53T注入群の1つをRTXの代わりにビヒクルを用いて処置した。
次いで、マウスを、AAV注入の7日後または14日後に、RTXまたはビヒクルを用いて髄腔内注入によって処置した。マウスを以下の通り、処置群に割り当てた:
群1:雄マウス10匹に、AAV-ヌルを用いてニセ注入を行い、D7にビヒクルを投与した。
群2:雄マウス15匹に、AAV-A53Tを注入し、D7にビヒクルを投与した。
群3:雄マウス15匹に、AAV-A53Tを注入し、D7に0.04μgのRTXを投与した。
群4:雄マウス15匹に、AAV-A53Tを注入し、D7に0.125μgのRTXを投与した。
群5:雄マウス10匹に、AAV-ヌルを用いてニセ注入を行い、D14にビヒクルを投与した。
群6:雄マウス15匹に、AAV-A53Tを注入し、D14にビヒクルを投与した。
群7:雄マウス15匹に、AAV-A53Tを注入し、D14に0.04μgのRTXを投与した。
群8:雄マウス15匹に、AAV-A53Tを注入し、D14に0.125μgのRTXを投与した。
動物の体重を、週2回モニタリングした。AAV注入の7週間後に微細運動運動力学分析を実施した。AAV注入の8週間後に、マウスを安楽死させ、組織試料採取に供した。同側性線条体および対側性線条体由来のドーパミンおよびその代謝産物を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分析した。
外科手技は全て無菌条件下で実施し、適用可能な場合には滅菌材料、溶液および設備を使用した。ウイルス性材料の取扱いおよび定位的注入は、バイオセーフティレベル2(BSL-2)層流フード(BioWizard Golden line 130、Kojair)内で実施し、試験に関連する行動試験はBSL-1ステータスの施設で実施した。AAVベクター注入の1週間後までのマウスの外科手技および飼育はBSL-2レベルの安全性規制(Council Directive 90/679/EEC)および施設に従って実施した。
まず、マウスを5%イソフルラン(70%NOおよび30%O中;流速毎分300ml)で麻酔し、定位フレームに置いた。操作中、麻酔薬の濃度を1~1.5%まで低下させた。直腸温度を恒温ブランケットシステムで37.0±1.0℃に維持した。皮膚を正中切開によって開き、側方に引っ込めた。頭蓋骨の小さな部分切除によって右脳半球を露出させた。細かいピンセットを用いて硬膜を慎重に取り除き、AAV-ヌル空(5.1×1012vg/mL)、またはAAV-A53T(5.1×1012vg/mL)のいずれかの定位固定注射を、以下の通り実施した:デジタルでガイドされる注入ユニット(Digital Lab Standard(商標)、Harvard Apparatus)およびポンプ(Pump 11、Elite Nanomite、Harvard Apparatus)に取り付けられた10μLのHamiltonマイクロシリンジに接続された太くて短い注射針(30G)を黒質のレベルまで下した。AAV材料を黒質に以下の座標(ブレグマに対して)で片側性に注入した:頭蓋骨表面に対してAP=3.0mm後側;ML=1.3mm;DV=4.2mm。合計2μLのベクターを毎分0.4μLの速度で注入した。注入後、カニューレをさらに5分間定位置に置いた後、取り除いた。その後、皮膚を閉じ、消毒した。次いで、マウスを麻酔から回復させ、可能性のある手術後の併発症について慎重にモニタリングした。最初の回復後、動物をホームケージに戻し、食物および水を自由に摂取させた。
マウスに、AAV-A53TまたはAAV-ヌル注入の7日後または14日後にRTXまたはビヒクルを髄腔内投与した。まず、マウスを、2~5%イソフルランを使用して麻酔し、外科手術プラットフォームに腹臥位でセットした。皮膚の標的領域の毛をそった後、キシロカインゲル(2%リドカイン)をその領域に導入した。5分後にゲルを除去し、皮膚切開のための消毒調製としてヨウ素溶液によるこすり洗いを行った。
椎弓切除術を腰部(L5)レベルで実施し、硬膜を乱すことなく脊髄を露出させた。微量注入システム(Harvard Apparatus)に取り付けられた、10μLのHamiltonシリンジに付着させたカニューレをくも膜下腔に挿入し、針の開口部が所望の位置にくるように硬膜下10~15mmまで慎重に下げることによってL5~L6のレベルまで進めた。針と硬膜開口部の接合部を、組織密封接着剤(Tisseel(登録商標)Duo Quick、Baxter)で密閉し、注入を開始した。製剤化されたレシニフェラトキシン5μLを毎分0.5μLの速度で注入し、その後、カニューレを、5分間の安定化期間の後、髄腔内空間から取り除いた。取り除いた直後に、別の薄層の組織密封接着剤を適用して、硬膜の開口部を閉じて漏出を回避した。その後、筋肉および皮膚を層に閉じ、消毒した。マウスを恒温ケージ内で回復させた後、ホームケージに戻した。
AAVおよび髄腔内注入外科手術の前に、マウスに、ブプレノルフィン(Temgesic(登録商標)、0.06mg/kg、2mL/kg)を与えた。ブプレノルフィンの追加的な投薬をその後の48時間の間に1日2回施行し、結果、総じて5回の投与を行った。全てのマウスについて脱水に関するモニタリングも行い、外科手術後、およびさらに必要に応じて、0.9%滅菌生理食塩水(i.p.)を与えた。
試験の持続時間全体にわたって、マウスの体重を週2回測定した(月曜日および金曜日)。
AAV-A53T注入の8週間後、マウスに、ペントバルビタール(Mebunat(登録商標)、Orion Pharma)の腹腔内注射を用いて終末麻酔を行った。次いで、終末心臓穿刺によって血液を約500μL採取し、予め冷却したK-EDTA管に移した。その後すぐに、遠心分離(2000g、10分間+4℃)によって血漿を分離した。その後、血漿150μLを2.0mLのポリプロピレン管中に採取し、ドライアイス上で凍結させた。血漿試料を、Sorrento Therapeutics,Inc.へ出荷するまでドライアイス上、-80℃で保管した。血液採取後、マウスに対して、脳から血液を除去するためにヘパリン添加(2.5IU/mL)生理食塩水を用いた経心的灌流を行った。灌流の直後に、脳を氷上で解剖した。
ドーパミンおよびその代謝産物のHPLC分析のために、同側性線条体および対側性線条体を1.5mLのEppendorf管中に採取し、ドライアイス上でスナップ凍結させ(すなわち、左と右を別々に)、秤量し、-80℃で保管した。
マウス線条体組織試料中のドーパミン(DA)、3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)およびホモバニリン酸(HVA)濃度を、電気化学的検出を伴う高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法によって決定した。氷上で解凍した後、組織試料を、MSE Soniprep 150超音波ディスインテグレーター(MSE Scientific Instruments、Crawley、UK)を用いて0.1Mの過塩素酸中でホモジナイズした(1:10、w/v)。組織ホモジネートを4℃、15000gで15分間遠心分離した。上清をポリプロピレン膜(GHP Acrodisc 13 0.45μm、Pall Corporation、Ann Arbor、MI、USA)を通して濾過し、0.1M過塩素酸で希釈した(1:1)。試料をプラスチックバイアルに移し、すぐに分析した。
ESA HPLCシステム(ESA Inc.、Chelmsford、MA、USA)は、582溶媒送達系、DG-1210真空脱気器、542オートサンプラー、880サーモスタットチャンバー、2チャネル5014B微小透析セルを備えた8チャネルCoulArray(登録商標)5600電気化学的アレイ検出器およびウィンドウズ(登録商標)データ取得モジュール(バージョン1.00)用のCoulArray(登録商標)からなる。適用される電位は-175mV(チャネル1)、+225mV(チャネル2)、+350mV(チャネル3)および+450mV(チャネル4)である。DAおよびDOPACがチャネル2で検出され、HVAがチャネル3で検出される。注入量は10μlである。
分析物をZorbax SB-Aq逆相カラム(2.1×100mm、3.5μm、Agilent Technologies Inc.、Little Falls、Wilmington、DE、USA)でZorbax SB-Aqプレカラム(2.1×12.5mm、5μm)を用い、定組成で流して分離した。カラムを35℃に維持した。移動相は、4.75mMのクエン酸一水和物、7mMの1-オクタンスルホン酸および50μMの二ナトリウムEDTA-アセトニトリル混合物(98:2、v/v)を含有する100mMのリン酸二水素ナトリウムであった。o-リン酸を用いて移動相のpHを2.2に調整した。流速は毎分0.3mLであった。DA、DOPACおよびHVAのレベルを湿組織1g当たりのnmol数で表した。
マウスの微細運動技能を、注入の7週間後にウォーキングモードを使用して評価した(MotoRater、TSE Systems、Homburg、Germany)。試験日に、データ解析プロセスを容易にするために、マウスに、肢の関節および尾部の一部などの体の適当な点に印をつけた。高速カメラ(毎秒300フレーム)を使用し、前面および両側面からの3つの異なる側面から動作データを捕捉した。異なる歩行パターンおよび動作を、特注の自動化分析システムを使用して解析した。分析したパラメーターには以下が含まれる:1)一般的な歩行パターンパラメーター(重複歩時間および速度、歩隔、重複歩の間の立脚時間および遊脚時間、肢間協調)、2)体位および平衡(トゥクリアランス、腸骨稜および股関節の高さ、後肢の前方運動および後方運動、尾部の位置および動作)、ならびに3)微細運動技能(重複歩の間の遊脚速度、遊脚相の間の痙攣メトリック、異なる関節の角度の範囲および偏り、垂直方向および水平の頭部動作)。
歩行パラメーターは常にいくらかの(および複雑な)相関を有する。例えば、重複歩持続時間が短く歩幅が長いほど、速度が大きくなる。高度に相関するパラメーターのセットで顕在化する異なる「歩行特色」を、主成分分析(PCA)を使用して同定することができる。主成分分析は、情報を多変量データセットに圧縮し、元の変数間の相関を明らかにし、最終的に、新しいおよび高感度の無相関パラメーターである主成分(PC)の小さなセットを創出する統計学的ツールである。
PCAは、主成分係数および固有ベクトルに基づく線形変換である。変換された新しい無相関変数はPCスコアと称される。第1の主成分(PC)は、最も大きな可能性のある分散を有するデータの線形結合に対応する。第2のPCもまた、第1のPCの割合が棄却される場合に残るものの最も大きな可能性のある分散を有し、残りのPCに関しても同様である。固有ベクターによってもデータの内部構造に関する情報、すなわち、相互に相関するパラメーターが明らかになる。各PCスコアは、対応するPCにおいて強調される全てのパラメーターの複合情報を表す。使用するPCの数を、カイザー基準を使用して決定した(固有値>1.0)。
固有ベクトル回転技法を使用してPC結果の解釈を簡易化した。回転は、単純な構造が実現されるように固有ベクトルを操作する、または各固有ベクトルの明白にゼロでない要素の数が合理的に可能な限り少なくなるように最適化する手順である。本試験では、直交性保存、バリマックス回転手順を使用した。
最後に、PCAに基づく全体的な歩行分析スコアを決定した。スコアは、全てのPCスコア(歩行全体的スコア(Gait Overall Score))に関する、または大きな効果量を実証するPC(歩行判別スコア(Gait Discriminant Score))に関するAAV-ヌルビヒクル群とAAV-A53Tビヒクル群の差異に基づく。したがって、そのスコアの目的は、疾患モデルを最良の可能性のあるやり方で特徴付け、2つの群を識別する、元の変数の疾患モデルに特異的な組合せ-「指紋」を同定することである。「指紋」、または判別方向ベクターが決定された後、個々のマウスそれぞれの(正規化)パラメーターデータを判別方向ベクターに投影することにより、全体的な歩行分析スコアを得ることができる。最終的に、薬理学的物質の全体的な運動力学効果を高感度様式で見ることができる。
研究室の人員が毎日動物をモニタリングした。動物の全体的な健康状態が著しく悪化した場合には、その動物を過剰用量のCOによって屠殺し、断頭した。許容される終点の定義には以下が含まれた:24時間の観察期間中に自発運動がなく、飲食できないこと、大量出血、自発性炎症、解剖学的構造の欠損、20mmよりも大きな腫脹または腫瘍、および30秒の期間にわたって自立できないこと。
試験中、群1、2、3、4、5および8からマウスが1匹失われた。群3、4および8のマウスは麻酔下での注入中または注入直後に死亡した。群1、2および5のマウスは髄腔内投与の1日後に、終点基準を満たしたことから安楽死させた。
AAV-A53TまたはAAV-ヌル注入の7日後または14日後のRTXの0.04μgまたは0.125μgでの単回投与の、C57Bl/6J雄マウスの体重に対する効果が図1に示されている。8週間の試験の持続時間の間に群間に有意差は認められなかった(二元配置ANOVA)。
片側性AAV-A53TまたはAAV-ヌル注入の7日後または14日後のレシニフェラトキシンの2つの用量での単回投与の、C57Bl/6J雄マウスの同側線条体および対側線条体におけるドーパミンおよびその代謝産物レベルに対する効果が、図2~5に示されている。HPLCを用いて分析を実施した。統計解析のために、AAV-ヌル注入群をまず髄腔内にビヒクルを用いて処置したAAV-A53T群と比較して、A53Tアルファ-シヌクレイン導入遺伝子挿入物のみの影響を観察した。その後、AAV-A53Tビヒクル群を0.04μgまたは0.125μgのレシニフェラトキシンで処置したAAV-A53T群と比較して、怒り得るレシニフェラトキシン処置の効果を観察した。7日目群と14日目群を別々に解析した。
片側性AAV-A53TまたはAAV-ヌル注入の7日後または14日後のRTXの2つの用量での単回投与の、C57Bl/6J雄マウスの同側線条体および対側線条体におけるドーパミン(DA)レベルに対する効果が、図2に示されている。AAV-A53T注入の結果、ビヒクルを用いて髄腔内処置したどちらの時点においても、同側性線条体におけるドーパミンレベルの有意な低下がもたらされた。AAV-A53T注入の7日後に高用量のレシニフェラトキシンを用いて処置したマウスにおけるドーパミンレベルがより高いという軽微な傾向があった。しかし、この差は統計学的には有意ではなかった(一元配置ANOVA)。これに反して、14日目にレシニフェラトキシンを用いて処置した群ではドーパミンレベルがより低いという、逆の有意でない軽微な傾向が観察された。
片側性AAV-A53TまたはAAV-ヌル注入の7日後または14日後のRTXの2つの用量での単回投与の、C57Bl/6J雄マウスの同側線条体および対側線条体における3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)のレベルに対する効果が、図3に示されている。AAV-A53T注入により、ビヒクルを用いて髄腔内処置したどちらの時点においても、同側性線条体におけるDOPACレベルの有意な低下がもたらされた。AAV-A53T注入の7日後に高用量のレシニフェラトキシンを用いて処置したマウスにおけるDOPACレベルがより高いという軽微な傾向があった。しかし、この差は統計学的には有意ではなかった(一元配置ANOVA)。14日目にレシニフェラトキシンを用いて処置した群ではDOPACレベルがより低いという、逆の有意でない軽微な傾向が観察された。
片側性AAV-A53TまたはAAV-ヌル注入の7日後または14日後のRTXの2つの用量での単回投与の、C57Bl/6J雄マウスの同側線条体および対側線条体におけるホモバニリン酸(HVA)のレベルに対する効果が、図4に示されている。AAV-A53T注入により、ビヒクルを用いて髄腔内処置したどちらの時点においても、同側性線条体におけるHVAレベルの有意な低下がもたらされた。AAV-A53T注入の7日後に高用量のレシニフェラトキシンを用いて処置したマウスにおける濃度がより高いという軽微な傾向があった。しかし、この差は統計学的には有意ではなかった(一元配置ANOVA)。14日目にレシニフェラトキシンを用いて処置した群ではHVAレベルがより低いという、逆の有意でない軽微な傾向が観察された。
片側性AAV-A53TまたはAAV-ヌル注入の7日後または14日後のRTXの2つの用量での単回投与の、C57Bl/6J雄マウスの同側線条体および対側線条体におけるドーパミンターンオーバーに対する効果が、図5に示されている。ドーパミンターンオーバーは、代謝産物であるDOPACおよびHVAの濃度の合計をドーパミンの濃度で割ったものと定義される。AAV-A53T注入により、ビヒクルを用いて髄腔内処置したどちらの時点においても、同側性線条体におけるドーパミンのターンオーバーの有意な増大がもたらされた。AAV-A53T注入の7日後および14日後にレシニフェラトキシンで処置したマウスでは、どちらの用量を用いた場合でも、ターンオーバー速度がはるかに大きいという軽微な傾向があった。しかし、これらの処置による効果は、統計学的には有意ではなかった(クラスカル・ワリス検定)。
片側性AAV1/2-A53T-aSyn注射により運動障害(motor impairment)が生じるかどうかを調査するために、AAV1/2注入の7週間後に運動力学歩行分析を使用して微細運動技能および歩行欠陥を測定した。
まず、各分析された歩行サイクルの95個の歩行パラメーターを評価した。左側および右側のパラメーター値を最初に可能であれば別々に決定した。AAV1/2-ヌル対照群(p<0.05、対応のないt検定、不等分散の仮定)に関して最も明確なAAV1/2-A53T誘導性歩行差異は、肢間協調および全体的な速度の低下に関連するものであった:後肢(D7およびD14)および前肢(D14)の立脚時間が増加し、同側性歩行(歩調)が増大し(D7およびD14)、対角肢歩行(速足)が減少し(D7およびD14の両方、対角二本肢支持パラメーターに見られた)、両脚支持およびデューティサイクルが特に後肢において増加し(D7およびD14)、3肢での支持時間が増加した(D7)。さらに、例えば以下などの、微細運動機能を記載するパラメーターの有意な変化も観察された:後肢トゥクリアランスの減少(D7)、股関節角度可動域の偏りの増大(D7)、頭部動作の増加(D14)、前肢爪先の離地角度の低下(D7)、および後肢の軌道の高さプロファイルの低下(D14)。
ビヒクルで処置したAAV1/2-A53TマウスにおけるAAV1/2-ヌル対照群と比較したAAV1/2-A53T誘導性歩行欠陥を評価するために、左右非対称に重点を置いて全体的な歩行分析スコアを確立した。全体的な歩行スコアを、PCAを使用して構築した判別ベクトルによって、および2つの群(D7およびD14ビヒクル処置群からプールしたもの)のPCスコアの差異を利用することによって決定した。PCAに使用したデータセットは、76個の選択されたパラメーターからなるものであった;両側性に決定されたパラメーターは全て、左側と右側の差異として表した。全てのパラメーターを、標準得点に対して正規化した。判別ベクトルの棒グラフ(図6B)は、以下の通り解釈することができる、AAV1/2-A53Tにより誘導される歩行の変化を最良に特徴付け、捕捉する変数の組合せを例示する:全体的な速度(重複歩時間、距離、および速度)がより遅く、特に後肢において両脚支持相が増大した。また、対角肢支持の割合が低下し、三本肢支持および四本肢支持(3つまたは4つの肢が同時に接地する)が増加した。最も明確な左右非対称は股関節角度(最大および範囲)、前肢トゥクリアランス、後肢後方運動、および後肢遊脚速度に見られた。
強調されるこれらの歩行変数を全て一緒に判別ベクトルに凝縮すると、全体的な歩行分析スコアは、D7およびD14ビヒクル処置群のどちらに関しても高度に有意なAAV1/2-A53T-aSyn誘導性表現型を示す(対応のないt検定、AAV-ヌル対AAV-A53Tビヒクル;p<0.0001(D7)、p<0.01(D14))。
早期RTX処置(D7)のAAV1/2-A53T誘導性運動障害(motor deficit)に対する効果の分析により、全体的な歩行分析スコアがAAV1/2-ヌル群の方に向かってシフトしたことによって示される、運動機能のRTX用量依存的な回復が示された。低用量および高用量でのRTX処置後の全体的な歩行スコアの回復は、AAV1/2-A53Tビヒクルで処置した対照群と比較して有意に改善され(一元配置ANOVA、p=0.0013、その後、ダネット検定:p=0.0063(RTX0.04μg)、p=0.0011(RTX0.125μg))、それにより、有益な処置効果が示唆される(図6A)。D14群に対する処置効果は、統計的に有意ではなかった(p>0.05;一元配置ANOVA)。しかし、どちらのRTX処置群においても、AAV1/2-A53Tビヒクルマウスと比較した場合にAAV1/2-ヌル群の方に向かう傾向があった。
次に、全体的なスコアの差異の原因となる、RTX処置によって有意に回復した別の歩行パラメーターを調査した(p<0.05、対応のないt検定)。RTX処置群では、AAV-A53Tビヒクル群と比較して、以下に関して変化が観察された:重複歩時間および後肢立脚時間(D7、高用量)、対角肢歩行(D7、両方の用量)および対角二本肢支持(D7、高用量)、三本肢支持(D7、高用量)、同側性および相同歩行(D7、高用量)、股関節ROM(D7、両方の用量、D14、高用量)および股関節ROMの偏り(D7、高用量)、最小膝角度(D7、高用量)、頭部回転(D14、両方の用量)、ならびに片脚支持および両脚支持(D7、高用量)。全体的な歩行スコアと同様に、単一の歩行パラメーターにおいて観察されたこれらのRTX誘導性差異もAAV-ヌル「健康」対照群の方に向かうものであった。重要なことに、これらのパラメーターの改善に関する観察されたRTXの有効性は、AAV1/2-A53T送達により最初に影響を受けたものとほとんど同じであり、これにより、動物の機能的運動が回復したことが示される。
D14 AAV-ヌル群のマウス4匹が、それらの歩行動作から髄腔内外科的操作に起因する脊髄損傷が示唆されたので、歩行分析から除外された。また、D14 AAV-A53Tビヒクル群の動物2匹が除外された。これらの動物はどちらも歩行機能障害の徴候は有さず、他方は、同側性線条体のドーパミン濃度が健康な動物のレベルであることによって示される通り、AAV1/2-A53T形質導入が上手くいかなかった可能性があることが確認された。
10個のバリマックス回転主成分を使用した、D7投薬群およびD14投薬群の歩行パラメーターのPCAが図7に示されている。ヒートマップ(右側に示されている)は、10個の主成分のそれぞれに示差的に影響を及ぼす元のパラメーターを例示する。ヒートマップの各列はまた、パラメーターがどのように相関するかも示す:白色=正相関、灰色=負の相関、黒色=相関なし。微細運動試験のPCスコアPC#1~PC#10が左側に示されている(群平均+/-SEM)。PCスコアは、ヒートマップの右側に示されるPCに対応する。例えば、PC#2は、対角ILCおよび対角二本肢支持(対角、すなわち、速足歩行率)の両方の増加、および他の歩行率型の減少を含めた「対角肢間協調」と解釈することができる。各パネルの上部のPCの後ろの角括弧内の%は、それぞれのPCによって説明される元のデータの変動のパーセンテージを指す。#p<0.05、AAV-A53TビヒクルD14対AAV-ヌルビヒクルD14(対応のないt検定);###p<0.001、AAV-A53TビヒクルD7対AAV-ヌルビヒクルD7(対応のないt検定);*p<0.05、**p<0.005、AAV-A53TビヒクルD7対AAV-A53T RTX0.125μg、D7。PC=主成分、ILC=肢間協調。
考察。本試験では、8週齢のC57Bl/6J雄マウスにおいて、脳の右半球の黒質(SN)への片側性アデノウイルスベクター(AAV)注入によってパーキンソン病様の状態を最初に誘導した。ベクターの注入は、突然変異型ヒトA53T-アルファ-シヌクレインを過剰発現させ、それにより、黒質のドーパミン作動性ニューロンの変性および線条体におけるドーパミンレベルの低下を導くことを目的とするものであった。これにより、運動障害(motor deficit)を含めたパーキンソン病様症状が導かれることが示されている。ウイルス注入自体の影響についての対照とするために、対照群であるAAV-ヌル(空)ベクターを注入したマウスを使用した。AAV-A53T媒介性疾患モデル誘導の7日後または14日後、マウスをビヒクルまたはレシニフェラトキシン(RTX、0.04μgまたは0.125μg)を用い、腰髄領域への単回髄腔内注入によって処置した。AAV-ヌルで処置した健康な対照マウスを、7日目または14日目にビヒクルで処置した。
本試験では、低用量または高用量において髄腔内RTX投与の著しい有害効果は示されなかった。本試験の死亡率(マウス110匹のうち6匹が失われた)は、群間で一様に分散した-ビヒクルで処置したマウス2匹を含む。さらに、これらのマウスのうち3匹は、投与中または投与後の麻酔中に死亡した。死亡率の残りは髄腔内注入後24時間以内に観察された。マウスのモニタリングにより、嗜眠性および受動的挙動によって示されるように、これらのマウスが外科手術から適切に回復しなかったことが明らかになった。死亡率はビヒクルならびにRTX低用量および高用量群の両方の間で一様に拡散したので、これらの死亡は、浸潤性外科手技および麻酔の併発症によって引き起こされた可能性が高い。残りのマウスにおいて有害効果は観察されなかった。また、試験の間、ビヒクル群およびRTX処置群において同様に安定した体重増加が観察された。
AAV注入の7週間後、かつRTXを用いた処置の6週間後または5週間後に、微細運動技能の分析を実施した。AAV-A53T媒介性疾患状態が、AAV-ヌルとそれぞれのAAV-A53Tビヒクル群の間の高度な有意差として観察された。AAV-A53Tビヒクル群とレシニフェラトキシンで処置した群を比較することにより、RTXで処置した群がAAV-ヌル(「健康」)群の方にシフトしたので、早期(D7)処置群における低用量および高用量の両方のRTXの有意な処置効果も明らかになった。AAV-A53T注入の14日後にRTXを用いて処置した群では、同様であるが統計学的に有意でない、それぞれのAAV-ヌル群の方に向かう傾向があった。主成分分析によって個々のパラメーターを分離すると、これらの歩行レスキュー効果は、肢間協調に関連するパラメーターおよびパラメーターに関して最も強く、これにより、例えば股関節角度範囲の増大として示された非対称の変化を補償しようとしていることが示される。また、AAV-A53Tビヒクルで処置したマウスの歩行サイクルは著しくより「ひきつった動き」を有し、これにより、ヒトPDに典型的な平滑な歩行の低減が示される。歩行の非対称の変化は、AAV-A53Tを片側性に注入したマウスにおいて予測される。
AAV-ヌル群は同側性線条体および対側性線条体において同様のレベルのドーパミン、DOPACおよびHVAを有し、それに反して、AAV-A53Tを注入したマウスは、突然変異型A53T-アルファ-シヌクレインを伴うウイルスベクターで処置した同側性側面において、有意により低いレベルのドーパミンおよび代謝産物レベルを有した。これらの結果から、D7群およびD14群のどちらにおいても疾患モデルが首尾よく誘導されたことが示される。しかし、ビヒクルを投薬したAAV-A53T群とRTXで処置した対応する群の間でドーパミンおよびその代謝産物のレベルを比較した場合に、RTX処置の有意な効果は見られなかった。これにより、歩行機能障害の有意な緩和が黒質線条体ドーパミン作動性経路に直接は関連しない機構を通じて伝達されたことが示唆される。神経炎症がPDにおいて重要な役割を果たすことが公知であり、それが減弱したことが、観察されたRTXの有益な効果1つの可能性のある説明になり得ることが示唆され得る。
結論として、運動技能をAAV注入の7週間後に分析した場合に、C57Bl/6J雄マウスにおけるAAV-A53Tモデル誘導の7日後のRTXの髄腔内投与には有意なレスキュー効果があった。AAV-A53T注入の14日後にRTXを用いて処置した群においても同様の統計学的に有意でない効果の傾向が観察された。しかし、モデル誘導の8週間後の線条体から分析されたドーパミンおよび代謝産物レベルからは有意な処置効果は示されず、これにより、作用機序が黒質線条体ドーパミン作動性経路に直接関連するものではないことが示唆される。RTX処置の有意な有害効果は観察されなかった。
(実施例2)
左右非対称を説明する歩行の分析
両側性に生じ、「正常な」全体的な歩行スコアに捕捉される変化を評価する代わりに、左右非対称がどのように運動力学パラメーターに顕在化するかを決定するために、上記の試験からのD7微細運動歩行分析データを再度評価した。
一般には、動物の左側および右側の両方を試験パラメーターおよび全体的なスコアについて評価し、判別ベクトルは、特定のパラメーターについての左側および右側の両方の値の平均に基づく。例えば、最大股関節角度は左側の角度と右側の角度の平均によって決定され、AAV-ヌルビヒクル群とAAV-A53Tビヒクル群の両方で同様である。しかし、図8A~8Cに示されている通り、最大股関節角度の左側と右側の測定値を別々に分析した場合、AAV-A53Tビヒクルで処置したマウスの最大股関節角度は、AAV-ヌルマウスと比較した場合に左側(図8A)では右側(図8B)と比べて小さい。図8Cは、AAV-A53Tビヒクルで処置したマウスにおける最大股関節角度の左右の差異が最大であることを示す。AAV-A53Tおよび0.05μgのRTXで処置したマウス(n=14)ならびにAAV-A53Tおよび0.124μgのRTXで処置したマウス(n=14)では、AAV-A53Tで処置したマウスおよびビヒクルで処置したマウスと比較して最大差異の減少が示された。
変換データセットを使用して判別ベクトルを創出することによって微細運動歩行分析を実施し、ここで、左側と右側の平均の代わりに左右の差異を使用する。図9Aに示されている通り、棒の長さは、AAV-A53Tビヒクル群においてAAV-ヌル群と比較して顕著なパラメーターの左右非対称に対応する。PCA分析のために使用した個々の歩行パラメーターが、7日目に投薬した群について示されている。図9Bでは、左右の歩行差異判別スコアにより、AAV-A53Tビヒクル群における有意な表現型が示される。RTXを用いて処置したどちらの群でもAAV-A53Tビヒクル群と比較して有意に低い判別ベクトルスコアが示された(p<0.05、対応のないt検定)。
左右非対称を、肢間協調、股関節機能、遊脚速度、および前肢トゥクリアランスなどの他の歩行パラメーターについても分析した。対角肢間協調に顕在化した左右非対称が、図10A~10Cに示されている。左側および右側についての対角肢間協調のパーセンテージのグラフが、それぞれ図10Aおよび10Bに示されている。対角肢間協調は、AAV-A53Tビヒクル群では右側よりも左側の方が低い。左右の差異が図10Cに示されており、低RTX用量群および高RTX用量群のどちらのマウスでも示される対角肢間協調の差異が小さく、AAV-A53Tビヒクルで処置したマウスの範囲内に入るものであるので、RTX処置効果が明らかになる。前肢トゥクリアランスパラメーターに関しては、体位および平衡の態様が図10D~10Fに示されている。左側、右側および左右の差異がそれぞれ図10D、10E、および10Fに示されている。AAV-A53Tビヒクルマウスでは、左側(図10D)で右側(図10E)よりも大きなトゥクリアランスが示された。左右の差異のグラフ(図10F)から、RTXで処置したマウスの両群でAAV-ヌルビヒクルマウスと同様であり、AAV-A53Tビヒクル群とは別個のトゥクリアランスが示された。
図11A~11Fに示されている通り、後肢ピーク遊脚速度および遊脚速度メトリックの左右非対称を調査することによって微細運動技能をさらに評価した。左側および右側についての後肢ピーク遊脚速度(cm/s)のグラフが、それぞれ図11Aおよび11Bに示されている。図11Cに示されている通り、ピーク遊脚速度の左右の差異は、RTX処置群の両方でAAV-A53TビヒクルD7群と比較して減少した。左側および右側についての後肢遊脚速度(cm/s)のグラフが、それぞれ図11Dおよび11Eに示されている。図11Eに示されている通り、左右の差異はRTX処置群の両方で、AAV-A53TビヒクルD7群と比較して減少した。

Claims (13)

  1. パーキンソン病(PD)を処置するための方法であって、PDの処置を必要とする対象に有効量のレシニフェラトキシン(RTX)を髄腔内または大槽内投与することを含む方法。
  2. パーキンソン病(PD)の処置を必要とする対象を処置する方法における使用のための、レシニフェラトキシン(RTX)を含む組成物。
  3. 前記方法が、前記組成物を前記対象に髄腔内または大槽内投与することを含む、請求項2に記載の使用のための組成物。
  4. 前記対象がヒト成体である、請求項1に記載の方法または請求項2または3に記載の使用のための組成物。
  5. 前記RTXが、約0.1μgから約100μgの用量で投与される、前記請求項のいずれか一項に記載の方法または使用のための組成物。
  6. 前記用量が、約0.1μgから約1μg、約1μgから約5μg、約5μgから約10μg、約10μgから約20μg、約20μgから約50μg、または約50から約100μgである、請求項5に記載の方法または使用のための組成物。
  7. 前記方法が、髄腔内投与を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法または使用のための組成物。
  8. 前記方法が、大槽内投与を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法または使用のための組成物。
  9. 前記RTXが、前記RTXおよび薬学的に許容される担体を含む医薬製剤で投与される、前記請求項のいずれか一項に記載の方法または使用のための組成物。
  10. 前記薬学的に許容される担体が、水を含む、請求項9に記載の方法または使用のための組成物。
  11. 前記薬学的に許容される担体が、生理食塩水を含む、請求項9に記載の方法または使用のための組成物。
  12. 前記RTXが、前記医薬製剤中に1μg/mlから100μg/mlの範囲の濃度で存在する、請求項9から11のいずれか一項に記載の方法または使用のための組成物。
  13. 前記RTXが、前記医薬製剤中に1μg/mlから5μg/ml、5μg/mlから10μg/ml、10μg/mlから20μg/ml、20μg/mlから50μg/ml、または50μg/mlから100μg/mlの範囲の濃度で存在する、請求項12に記載の方法または使用のための組成物。
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