JP2022514362A - 抗vegf抗体のvegf-r1への結合阻害を改善する方法 - Google Patents

抗vegf抗体のvegf-r1への結合阻害を改善する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、VEGF-R1へのVEGF結合の阻害が改善された抗VEGF抗体のバリアントを提供するために、抗VEGF抗体を調整する方法;および、前記方法によって提供される抗体に関する。VEGF-A121と複合したVEGF-0089 Fab断片の結晶構造が開示され、結合したエピトープを同定した。VEGF-0089により結合されたエピトープは、VEGF-R1およびVEGF-R2に結合するVEGFの領域と重複する。VEFG-R1への結合阻害は、ラニビズマブよりも弱かった。VEGF-0089抗体は、VEGF二量体に2つの抗体分子が同時に結合することを容易にするように修飾された。VEGF-0089抗体のVEGF-0112およびVEGF-P1AD8674バリアントが生成し、VEGF-00089抗体と比較して、VEGF-R1への結合阻害が増強された。【選択図】図6

Description

本発明は、VEGF-R1へのVEGF結合の阻害が改善された抗VEGF抗体のバリアントを提供するために、抗VEGF抗体を調整する方法;および、当該方法によって提供される抗体に関する。
臨床応用が認められている抗VEGF抗体(例えばAvastin(登録商標)やLucentis(登録商標))は、VEGF-R1(FLT-1、fms様チロシンキナーゼ)およびVEGF-R2(KDR/FLK-1、胎児肝キナーゼ)の双方の受容体に、VEGFが結合するのを阻害する。VEGF-R1およびVEGF-R2は、近縁の受容体チロシンキナーゼ(RTK)である。
所望の特性(例えば、両受容体へのVEGFの結合阻害)を示すように抗VEGF抗体を調整する方法が求められている。
発明の概要
本発明は、VHドメインとVLドメインとの同族対によって形成された抗原結合部位を含むVEGFに結合する抗体のVEGF-R1へのVEGF結合阻害を改善する方法であって、該抗体がVEGF分子中のVEGF-R1結合領域およびVEGF-R2結合領域と重複するVEGFのエピトープに結合することを特徴とする方法に関する。本発明の方法は、
(a)VEGFに結合する当該抗体の第1の抗原結合部位および第2の抗原結合部位によって結合されたVEGF二量体の複合体(VEGF二量体-抗体複合体)の三次構造の分析を提供すること;
(b)当該抗体のVHドメインまたはVLドメインに位置する少なくとも1つのアミノ酸残基を同定すること、ここで第1抗原結合部位内の当該アミノ酸残基および第2抗原結合部位内の当該アミノ酸残基が、VEGF二量体-抗原複合体において空間的に近接して配置される;および
(c)工程(b)で同定された当該少なくとも1つのアミノ酸残基を、
i)より小さい側鎖体積を有するアミノ酸で;および/または
ii)異なる電荷の側鎖を有するアミノで
置換すること
を含むものである。本発明の方法では、特定の抗VEGF抗体によって媒介されるVEGF-R1へのVEGF結合の阻害は、特に抗原結合に関与していない領域において、そのアミノ酸配列のわずかな修飾によって改善することができる。
一実施形態では、抗体は、VEGF-A121の二量体上の構造的エピトープと同一または重複するエピトープに結合し、ここで、VEGF-A121は、配列番号21のアミノ酸配列を含み、エピトープは、VEGF二量体内の個々のVEGF-A121分子のうちの一方において、アミノ酸F17、M18、D19、Y21、Q22、R23、Y25、H27、P28、I29、E30、M55、N62、L66、N100、K101、C102、E103、C104、R105およびP106を含み、VEGF二量体内の個々のVEGF-A121分子のうちのもう一方において、アミノ酸E30、K48、M81およびQ87を含む。一実施形態では、エピトープがX線結晶学により測定される。
一実施形態では、側鎖の体積が小さいアミノ酸は、工程(c)で置換されるアミノ酸よりも、側鎖における炭素原子の数が少ない。
一実施形態では、側鎖の体積が小さいアミノ酸は、D、E、S、T、N、G、A、V、I、およびLから選択される。
一実施形態では、正の電荷の側鎖を有するアミノ酸が、負の電荷の側鎖を有するアミノ酸で置換されるか、または電荷を持たない側鎖を有するアミノ酸で置換される。
一実施形態では、負の電荷の側鎖を有するアミノ酸が、正の電荷の側鎖を有するアミノ酸で置換されるか、または電荷を持たない側鎖を有するアミノ酸で置換される。
一実施形態では、電荷を持たない側鎖を有するアミノ酸が、正の電荷の側鎖を有するアミノ酸で置換されるか、または負の電荷の側鎖を有するアミノ酸で置換される。
一実施形態では、少なくとも1つの置換されたアミノ酸残基は、当該抗体の重鎖可変ドメインに位置する。
本発明の別の態様は、本発明の1つの方法によって提供されるVEGFに結合する抗体である。
本発明の別の態様は、本発明の方法によって提供される、VEGFに結合し、VEGFがVEGF-R1に結合するのを阻害する抗体である。
本発明のもう一つの態様は、配列番号12を含むVHドメインと配列番号2を含むVLドメインとを有するVEGFに結合する抗体である。
本発明の別の態様は、配列番号15を含むVHドメインと配列番号2を含むVLドメインを有するVEGFに結合する抗体である。
実施例1に記載の、抗体Fab断片の存在下でのVEGF-R1およびVEGF-R2へのVEGF結合の阻害(VEGF:VEGF-R2/R1阻害SPR)。 実施例2に従ったX線結晶構造解析によって決定された、抗VEGF抗体(VEGF-0089)と複合したVEGF二量体(紫)の結晶構造。赤丸は、VEGF-0089のVHドメインの中で近接している領域を強調している。 実施例2によるX線結晶学によって決定された、VEGF-A121(配列番号21)の二量体においてVEGF-0089 Fab断片により結合されるエピトープアミノ酸。VEGF-0089 Fab断片と5Å以内の距離で接触しているVEGF-A121分子のそれぞれに含まれるアミノ酸の位置は、黒で強調されている。 実施例2で測定した、VEGF-R1ドメイン2と複合したヒトVEGF-A121二量体の結晶構造と、VEGF-0089 Fabと複合したヒトVEGF-A121二量体の結晶構造とを重ね合わせたもの。 実施例2で測定した、VEGF-R2ドメイン2および3と複合したヒトVEGF-A121二量体と、VEGF-0089 Fabと複合したヒトVEGF-A121二量体の結晶構造とを重ね合わせたもの。 実施例3に記載の抗VEGF抗体の存在下でのVEGF-R1へのVEGF結合の阻害(0.34nM VEGF)。 実施例3に記載の抗VEGF抗体の存在下でのVEGF-R1へのVEGF結合の阻害(0.7nM VEGF)。 実施例3に記載の抗VEGF抗体の存在下でのVEGF-R2へのVEGF結合の阻害(0.34nM VEGF)。 実施例3に記載の抗VEGF抗体の存在下でのVEGF-R2へのVEGF結合の阻害(0.7nM VEGF)。
発明の詳細な説明
1.定義
本明細書で特に定義されていない限り、本発明に関連して使用される科学技術用語は、当業者に共通して理解される意味を持つものとする。さらに、文脈上特に必要とされない限り、単数形の用語は複数形を含み、複数形の用語は単数形を含むものとする。本開示の方法および技術は、一般に、当技術分野でよく知られている従来の方法に従って行われる。一般に、本明細書に記載されている生化学、酵素学、分子生物学、および細胞生物学、微生物学、遺伝学、およびタンパク質および核酸の化学、ならびにハイブリダイゼーションに関連して使用される命名法ならびに技術は、当技術分野でよく知られ、一般的に使用されているものである。
本明細書で特に定義されていない限り、「~から構成される(comprising of)」という用語には、「~から成る(consisting of)」という用語も含まれるものとする。
本明細書において「抗体」という用語は、最も広い意味で使用されており、所望の抗原結合活性を示す限り、モノクローナル抗体、多重特異的抗体(例えば二重特異的抗体)、および抗体断片を含む多様な抗体構造を包含するが、これらに限られない。
無傷の抗体をパパイン消化すると、重鎖および軽鎖の可変ドメイン(それぞれ順にVHおよびVL)に加えて、軽鎖の定常ドメイン(CL)および重鎖の第1定常ドメイン(CH1)もそれぞれが含む、2つの同一の抗原結合断片(いわゆる「Fab」断片)が得られる。よって「Fab断片」とは、VLドメインおよびCLドメインを含む軽鎖と、VHドメインおよびCH1ドメインを含む重鎖を有する抗体断片のことである。
「単離された」抗体とは、その自然環境の構成要素から分離されているものである。いくつかの実施形態では、抗体は、電気泳動(例えば、SDS-PAGE、等電点フォーカシング(IEF)、キャピラリー電気泳動)またはクロマトグラフィー(例えば、イオン交換または逆相HPLC)の方法によって決定される95%超または99%超の純度に精製される。抗体の純度を評価する方法のレビューについては、例えばFlatmanら、J. Chromatogr. B 848:79-87 (2007)を参照されたい。
「抗体断片」とは、無傷な抗体が結合する抗原に結合する無傷な抗体の一部を含む、無傷な抗体以外の分子である。抗体断片の例には、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2;ダイアボディ;線形抗体;一本鎖抗体分子(例えばscFv);および抗体断片から形成された多重特異性抗体が含まれるが、これらに限られない。
「可変領域」または「可変ドメイン」とは、抗体と抗原との結合に関与する、抗体の重鎖または軽鎖のドメインである。天然抗体の重鎖および軽鎖(それぞれ順にVHおよびVL)の可変ドメインは、一般的に類似の構造を有し、各ドメインは、4つの保存されたフレームワーク領域(FR)と、相補性決定領域(CDR)を含む3つの超可変領域(HVR)とを含む(例えば、Kindtら、Kuby Immunology、第6版、W.H.Freeman and Co.、91ページ(2007年)参照)。
「パラトープ」または「抗原結合部位」とは、抗原を認識して抗原に結合する抗体の一部分を指し、本明細書では互換可能に使用される。抗原結合部位は、Fv領域の三次構造において空間的に近接して配置された、抗体の重鎖および軽鎖可変ドメインからの複数の個別のアミノ酸残基によって形成される。一実施形態では、抗原結合部位は、コグネイトなVH/VLペアに含まれる6つのCDRのセットとして定義される。
本明細書において使用する「相補性決定領域」または「CDR」という用語は、配列が超可変で、抗原に接触する残基を含む、抗体の可変ドメインの各領域を指す。一般的に抗体は、6つのCDRを含む:VHドメインに3つ(CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3)、VLドメインに3つ(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3)。特に断りのない限り、本明細書では、CDR残基および可変ドメインの他の残基(例えば、FR残基)は、Kabat番号付けシステム(Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD, 1991)に従っている。
本明細書の目的において「受容体ヒトフレームワーク」とは、以下に定義するように、ヒト免疫グロブリンフレームワークまたはヒトコンセンサスフレームワークに由来する軽鎖可変ドメイン(VL)フレームワークまたは重鎖可変ドメイン(VH)フレームワークのアミノ酸配列を含むフレームワークである。
本明細書で使用する「フレームワーク」または「FR」は、CDR残基以外の可変ドメインのアミノ酸残基を指す。可変ドメインのフレームワークは一般的に、FR1、FR2、FR3およびFR4という4つのフレームワークドメインから成る。したがって、CDRおよびFRのアミノ酸配列は一般に、以下の順序で現れる:(a)VHドメインでは、FR1-CDR-H1-FR2-CDR-H2-FR3-CDR-H3-FR4;(b)VLドメインでは、FR1-CDR-L1-FR2-CDR-L2-FR3-CDR-L3-FR4。
血管内皮成長因子(VEGF)は、成長因子のシスチン・ノット・ファミリーのホモ二量体メンバーである。本明細書で使用される「VEGF」という用語は、特に示さない限り、霊長類(例えばヒト)およびげっ歯類(例えばマウスおよびラット)などの哺乳類を含む、任意の脊椎動物源からの任意の天然VEGFを指す。この用語は、「完全長」の未処理のVEGFだけでなく、細胞内での処理に起因する任意の形態のVEGFをも包含する。この用語はまた、VEGFの自然発生的なバリアント、例えば、スプライスバリアントまたは対立遺伝子バリアントをも包含する。例示的なヒトVEGFのアミノ酸配列は、配列番号18に示されている。本明細書で使用する「VEGF二量体」という用語は、2つの同一のVEGF分子のホモ二量体を指す。VEGF二量体に結合している2つの同一の抗体分子によって形成される複合体は、本明細書では「VEGF二量体-抗体複合体」と呼ぶ。
VEGF二量体-抗体複合体に含まれる「第1の抗原結合部位および第2の抗原結合部位」とは、VEGF二量体-抗体複合体に含まれる2つの抗体のうち、いずれか1つの抗体のVH/VLペアに含まれる抗原結合部位のことを指す。例えば、VEGF二量体-抗体複合体における2つの抗VEGF抗体のうち、一方の抗VEGF抗体の抗原結合部位を「第1抗原結合部位」とすると、2つの抗VEGF抗体のうち、もう一方の抗VEGF抗体の抗原結合部位は、自動的に「第2抗原結合部位」となる。
VEGFは、細胞表面のチロシンキナーゼ受容体(VEGF-受容体、又は「VEGFR」)に結合することによって細胞応答を促して、VEGFRを二量体化し、部位や時間、程度は異なるものの、リン酸転移反応を介して活性になる。VEGF-R1およびVEGF-R2は、近縁の受容体チロシンキナーゼ(RTK)である。VEGF-Aは、VEGFR-1(Flt-1)と結合してVEGF-R1のドメイン2と相互作用し、VEGFR-2(KDR/Flk-1)と結合してVEGF-R2のドメイン2および3と相互作用する(図4および5参照)。
本明細書で使用されるVEGF分子またはVEGF二量体の「VEGF-R1結合領域」および「VEGF-R2結合領域」とは、それぞれVEGF-R1のドメイン2またはVEGF-R2のドメイン2もしくは3と相互作用するVEGF上のアミノ酸を指す。
「抗VEGF抗体」および「VEGFに結合する抗体」という用語は、VEGFを標的とした診断および/または治療薬として有用であるように、十分な親和性でVEGFと結合することができる抗体を指す。一実施形態では、無関係な非VEGFタンパク質への抗VEGF抗体の結合の程度は、例えば表面プラズモン共鳴(SPR)によって測定されたVEGFへの抗体の結合の約10%未満である。特定の実施形態では、VEGFに結合する抗体は、解離定数(K)が1nM以下、または0.15nM以下である。抗体が1μM以下のKを有する場合、抗体はVEGFに「特異的に結合」すると言われる。
VEGFへの抗VEGF抗体の結合は、VEGFとその受容体であるVEGF-R1もしくはVEGF-R2、またはその両方との結合を阻害することができる。VEGF-R1またはVEGF-R2へのVEGFの結合の阻害は、ELISAやSPRなど、当技術分野で知られている方法で評価することができる。
タンパク質の「三次構造」とは、そのタンパク質の三次元的な形状である。三次構造は、1本のポリペプチド鎖の「骨格」と、1つまたは複数のタンパク質の二次構造である「タンパク質ドメイン」を示す。アミノ酸の側鎖は、様々なやり方で相互作用および結合することがある。特定のタンパク質内の側鎖の相互作用および結合が、その三次構造を決定する。本明細書で用いる「VEGF二量体-抗体複合体の三次構造」とは、当該複合体の三次元形状を意味する。
VEGF二量体-抗体複合体の三次構造内に「近接」して位置するアミノ酸残基とは、当該複合体の三次元形状において、その距離が5Åまでとなるように空間的に配置された両方の抗VEGF抗体に由来するアミノ酸残基である。これには、それぞれの抗VEGF抗体の個々のドメイン、すなわちVHまたはVLのアミノ酸配列において、互いに隣接するアミノ酸は含まれない。
「親和性」とは、ある分子(例えば抗体)の単一の結合部位とその結合相手(例えば抗原)との間の非共有結合性相互作用の総和の強さを意味する。別段の記載がない限り、本明細書において「結合親和性」とは、結合ペア(例えば、抗体および抗原)のメンバー間の1:1の相互作用を反映する固有の結合親和性を指す。分子XのパートナーYに対する親和性は、一般に解離定数(K)で表すことができる。親和性は、当技術分野で知られている一般的な方法(本明細書に記載されているものを含む)により、測定することができる。結合親和性を測定するための具体的な説明的、例示的な実施形態は、本明細書に記載されている。
「エピトープ」とは、抗VEGF抗体が結合するタンパク質性または非タンパク質性の抗原上の部位を意味する。エピトープは、連続したアミノ酸ストレッチ部位から形成される場合(線状エピトープ)、または非連続のアミノ酸を含む場合(構造的エピトープ)の両方があり、例えば、抗原の折り畳みに起因して(すなわち、タンパク質性抗原の三次折り畳みによって)空間的に近接して形成される。線状エピトープは、タンパク質性抗原が変性剤にさらされた後もなお、抗VEGF抗体と結合しているのが一般的であるが、一方、構造的エピトープは、変性剤で処理されると破壊されるのが一般的である。エピトープは、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、または8~10個のアミノ酸を、独特な空間的構造的で含む。
特定のエピトープに結合する抗体(すなわち、同じエピトープに結合する抗体)のスクリーニングは、当技術分野で慣用的に行われている方法を用いて行うことができ、例えばアラニンスキャニング、ペプチドブロット(Meth.Mol.Biol. 248 (2004) 443-463参照)、ペプチド開裂分析、エピトープ切除、エピトープ抽出、抗原の化学修飾(Prot. Sci. 9 (2000) 487-496参照)、およびクロスブロッキング(「Antibodies」、Harlow and Lane(Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harb., NY)参照)があるが、これらに限られない。
抗原構造系抗体プロファイリング(Antigen Structure-based Antibody Profiling:ASAP)は、変性促進型プロファイリング(Modification-Assisted Profiling:MAP)としても知られ、VEGFに特異的に結合する多数のモノクローナル抗体を、化学的または酵素的に修飾された抗原表面に対する多数の抗体のそれぞれの結合プロファイルに基づいて区分けすることができる(例えばUS 2004/0101920参照)。区分けされた各抗体は同じエピトープに結合するが、このエピトープは、他の区分けで表されるエピトープとは明確に異なることがあるか、または部分的に重なっている独特なエピトープであり得る。
競合結合はまた、抗体がVEGFの同じエピトープに結合しているかどうか、または参照抗VEGF抗体と競合して結合しているかどうかを容易に決定するために、使用することができる。例えば、参照抗VEGF抗体と「同じエピトープに結合する抗体」とは、競合アッセイにおいて参照抗VEGF抗体の抗原への結合を50%以上阻害する抗体を指し、逆に参照抗体は、競合アッセイにおいて抗体の抗原への結合を50%以上阻害する。また例えば、抗体が参照抗VEGF抗体と同じエピトープに結合するかどうかを決定するために、参照抗体を飽和状態でVEGFに結合させることができる。過剰な参照抗VEGF抗体を除去した後、当該抗VEGF抗体のVEGFへの結合能力を評価する。参照抗VEGF抗体の飽和結合後に、抗VEGF抗体がVEGFに結合できる場合、この抗VEGF抗体は、参照抗VEGF抗体とは異なるエピトープに結合すると結論づけることができる。しかし、参照抗VEGF抗体の飽和結合後に、抗VEGF抗体がVEGFに結合できない場合、この抗VEGF抗体は、参照抗VEGF抗体が結合するエピトープと同じエピトープに結合している可能性がある。この抗体が同じエピトープに結合しているのか、または立体的な理由で結合が妨害されているだけなのかを確認するためには、慣用的な実験を用いることができる(例えばペプチド変異や、ELISA、RIA、表面プラズモン共鳴、フローサイトメトリー、または当技術分野で利用可能なその他の定量的または定性的な抗体結合アッセイを用いた結合分析など)。このアッセイは、2つのセットアップ、すなわち、両方の抗体が飽和抗体である状態で実施されるべきである。両方のセットアップにおいて、第1の(飽和)抗体のみがVEGFに結合可能な場合、この抗VEGF抗体と参照抗VEGF抗体は、VEGFへの結合について競合していると結論づけることができる。
いくつかの実施形態では、2つの抗体は、競合結合アッセイで測定して、一方の抗体の1倍、5倍、10倍、20倍、または100倍の過剰量が、他方の抗体の結合を少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%、またはさらに99%以上阻害する場合、同じまたは重複するエピトープに結合するとみなされる(例えば、Junghansら、Cancer Res 50(1990)1495-1502を参照)。
いくつかの実施形態では、一方の抗体の結合を低下または排除する抗原のアミノ酸変異のうち、実質的にすべてのアミノ酸変異が他方の抗体の結合も低下または排除する場合、2つの抗体は同じエピトープに結合するとみなされる。2つの抗体は、一方の抗体の結合を減少または排除するアミノ酸変異のサブセットのみが、他方の抗体の結合を減少または排除する場合、「重複エピトープ」を有するとみなされる。
「単離された」核酸とは、自然環境の構成要素から切り離されている核酸分子のことである。単離された核酸には、通常は核酸分子を含む細胞に含まれる核酸分子が含まれるが、この核酸分子は染色体外に存在するか、または自然の染色体の位置とは異なる染色体の位置に存在する。
抗体を「コードする単離された核酸」とは、抗体の重鎖および軽鎖(またはその断片)をコードする1つまたは複数の核酸分子を指し、そのような核酸分子を単一のベクターまたは別個のベクターに含み、そのような核酸分子が宿主細胞の1つまたは複数の位置に存在する。
「ベクター」という用語は、本明細書では、連結している別の核酸を増殖可能な核酸分子を指す。この用語には、自己複製する核酸構造としてのベクターだけでなく、ベクターが導入された宿主細胞のゲノムに組み込まれたベクターも含まれる。ある種のベクターは、それらが作動的に連結された核酸の発現を指示することができる。そのようなベクターを本明細書では、「発現ベクター」と呼ぶ。
「宿主細胞」、「宿主細胞株」、および「宿主細胞培養」という用語は、互換可能に使用され、外因性核酸が導入された細胞を指し、そのような細胞の子孫も含まれる。宿主細胞には、「形質転換体」および「形質転換細胞」が含まれ、これらは、継代数によらず、一次形質転換細胞およびそれに由来する子孫を含む。子孫は、親細胞と核酸の含有量が完全に同一でなくてもよく、変異を含んでいてもよい。本明細書では、最初に形質転換された細胞においてスクリーニングまたは選択されたものと同じ機能または生物学的活性を有する変異体の子孫が、含まれる。
アミノ酸は、共通する側鎖特性によってグループ分けされる:
(1)疎水性の側鎖:ノルロイシン、Met(M)、Ala(A)、Val(V)、Leu(L)、Ile(I);
電荷を持たない親水性側鎖(当技術分野では「中性」の親水性側鎖とも呼ばれる):Cys(C)、Ser(S)、Thr(T)、Asn(N)、Gln(Q);
負に帯電した側鎖(当技術分野では「酸性」側鎖とも呼ばれる):Asp(D)、Glu(E);
正に帯電した側鎖(当技術分野では「塩基性」側鎖とも呼ばれる):His(H)、Lys(K)、Arg(R);
芳香族側鎖:Trp(W)、Tyr(Y)、Phe(F)、および鎖の配向に影響を与える残基を含む側鎖:Gly(G),Pro(P)。
アミノ酸の修飾について言及する場合、「より小さい側鎖体積を有する」アミノ酸とは、修飾される位置にある元のアミノ酸よりも小さい側鎖体積を有するアミノ酸を指す。ある実施形態では、小さい側鎖体積を有するアミノ酸は、修飾されるべき位置にある元のアミノ酸よりも、側鎖中の炭素原子の数が少ない。
2.発明の実施形態の詳細な説明
本発明は、VHドメインとVLドメインとの同族対によって形成された抗原結合部位を含むVEGFに結合する抗体のVEGF-R1へのVEGF結合の阻害を改善する方法であって、該抗体がVEGF分子中のVEGF-R1結合領域およびVEGF-R2結合領域と重複するVEGFのエピトープに結合する方法に関する。本発明の方法は、
(a)VEGFに結合する当該抗体の第1の抗原結合部位および第2の抗原結合部位によって結合されたVEGF二量体の複合体(VEGF二量体-抗体複合体)の三次構造の分析を提供すること、
(b)当該抗体のVHドメインまたはVLドメインに位置する少なくとも1つのアミノ酸残基を同定すること、ここで第1抗原結合部位内の当該アミノ酸残基および第2抗原結合部位内の当該アミノ酸残基が、VEGF二量体-抗原複合体において空間的に近接して配置される;および
(c)工程(b)で同定された当該少なくとも1つのアミノ酸残基を、
i)より小さい側鎖体積を有するアミノ酸で、および/または
ii)異なる電荷の側鎖を有するアミノ酸で
置換すること、
を含む。
本発明の方法は、VEGF分子内のVEGF-R1結合領域およびVEGF-R2結合領域と重複するVEGFのエピトープに結合する抗VEGF抗体を調整するためのものである。一実施形態では、当該エピトープは、VEGFがVEGF-R1に結合している場合に、VEGF-R1のドメイン2と相互作用するアミノ酸を含む。一実施形態では、当該エピトープは、VEGFがVEGF-R1に結合している場合に、VEGF-R2のドメイン2および3と相互作用するアミノ酸を含む。一実施形態では、当該抗VEGF抗体は、配列番号01のVHおよび配列番号:02のVLによって特徴付けられる抗体(本明細書に記載の抗体VEGF-0089)が結合するエピトープと重複するエピトープに結合する。一実施形態では、当該抗VEGF抗体は、X線結晶学によって測定されるように、本明細書に記載の抗体VEGF-0089と同じエピトープに結合する。一実施形態では、当該抗VEGF抗体は、実施例3に記載されているようにX線結晶学によって測定された、本明細書に記載されているような抗体VEGF-0089と同じエピトープに結合する。一実施形態では、当該エピトープは、VEGF-A121の二量体内の構造的エピトープであり、ここでVEGF-A121は、配列番号21のアミノ酸配列を含み、エピトープは、VEGF二量体内の個々のVEGF-A121分子の一方に、アミノ酸F17、M18、D19、Y21、Q22、R23、Y25、H27、P28、I29、E30、M55、N62、L66、N100、K101、C102、E103、C104、R105およびP106を含み;VEGF二量体内の個々のVEGF-A121分子のもう一方に、アミノ酸E30、K48、M81およびQ87を含む。番号付けは、配列番号21に示されるVEGF-A121のアミノ酸配列におけるアミノ酸の位置に従っている(図6も参照)。
本発明の方法では、VEGF二量体-抗体複合体の三次構造の分析が提供される。三次構造は、当技術分野で既知の方法によって提供されてもよい。一実施形態では、三次構造が、X線結晶学によって提供される(例えば、本明細書の実施例3に記載されているように)。
本発明の方法では、当該抗体のVHドメインおよび/またはVLドメインのアミノ酸残基のうち、VEGF二量体-抗体複合体内で近接しているアミノ酸残基が特定される。一実施形態では、「近接」とは、10Å以下の距離を指す。一実施形態において「近接」とは、5Å以下の距離を指す。この少なくとも1つのアミノ酸残基は、修飾に適していると考えられる。
一実施形態では、工程(b)で同定されたそのような少なくとも1つのアミノ酸残基は、当該抗体の重鎖可変ドメイン内に位置する。一実施形態では、工程(b)で同定されたそのような少なくとも1つのアミノ酸残基は、当該抗体の重鎖CDR内に位置する。一実施形態では、工程(b)で同定された少なくとも1つのアミノ酸残基は、当該抗体のH-CDR2内に位置する。一実施形態では、工程(b)において同定された少なくとも1つのアミノ酸残基は、当該抗体の重鎖FR内に位置する。一実施形態では、工程(b)で同定された少なくとも1つのアミノ酸残基は、当該抗体のH-FR3内に位置する。
本発明の方法では、そのようなアミノ酸残基は、改良すべき抗VEGF抗体に含まれるアミノ酸残基よりも小さい側鎖体積を有するアミノ酸によって置換される。あるいは、そのようなアミノ酸残基は、異なる電荷の側鎖を有するアミノ酸によって置換される。特定の実施形態では、本発明の方法の工程(c)において、1つより多いアミノ酸残基が置換される。この場合、そのような少なくとも2つのアミノ酸残基は互いに独立して、より小さい側鎖体積を有するアミノ酸によって、または異なる電荷の側鎖を有するアミノ酸によって、置換されてもよい。
一実施形態では、より小さい側鎖体積を有する当該アミノ酸は、D、E、S、T、N、G、A、V、I、およびLから選択される。
一実施形態では、アミノ酸が、異なる電荷の側鎖を有するアミノ酸で置換されている。一実施形態では、R、KおよびHから選択されるアミノ酸が、DおよびEから選択されるアミノ酸で置換されている。一実施形態では、R、KおよびHから選択されるアミノ酸が、C、S、T、NおよびQから選択されるアミノ酸で置換されている。一実施形態では、EおよびDから選択されるアミノ酸が、K、RおよびHから選択されるアミノ酸で置換されている。一実施形態では、EおよびDから選択されるアミノ酸は、C、S、T、NおよびQから選択されるアミノ酸によって置換されている。一実施形態では、C、S、T、NおよびQから選択されるアミノ酸は、EおよびDから選択されるアミノ酸によって置換されている。
一実施形態では、工程a)の当該抗VEGF抗体は、ヒトVEGFAに結合する。一実施形態では、工程a)の当該抗VEGF抗体は、配列番号18のヒトVEGFに結合する。
一態様では、本発明の方法によって改良された抗VEGF抗体は、
(a)配列番号03のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
(b)配列番号04のアミノ酸配列を含むCDR-H2;
(c)配列番号05のアミノ酸配列を含むCDR-H3;
(d)配列番号06のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(e)配列番号07のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(f)配列番号08のアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含む。このセットのCDRアミノ酸配列を含む1つの例示的な抗体は、本明細書で「VEGF-0089」と呼ばれる抗体である。一実施形態では、当該抗体は、配列番号01を含むVHと、配列番号02を含むVLとを特徴とする。
この態様の一実施形態では、工程(b)で同定された少なくとも1つのアミノ酸残基は、当該抗体のH-CDR2内に位置する。一実施形態では、当該少なくとも1つのアミノ酸残基は、Kabat位置52aである。一実施形態では、Kabat位置52aからのアミノ酸残基は、C、S、T、NまたはQでの置換によって修飾される。一実施形態では、工程(c)は、N52aS置換を含む。
この態様の一実施形態では、工程(b)で同定された少なくとも1つのアミノ酸残基は、当該抗体のH-FR3内に位置する。一実施形態では、当該少なくとも1つのアミノ酸残基は、Kabat位置72、74、および75から選択される。一実施形態では、Kabat位置72、74、および75の1つ、2つ、または3つのアミノ酸が修飾される。一実施形態では、K、R、H、C、S、T、NまたはQとの置換によってKabat位置72が修飾される。一実施形態では、Nとの置換によってKabat位置72が修飾される。一実施形態では、Aとの置換によってKabat位置74が修飾される。一実施形態では、D、E、C、S、T、NまたはQとの置換によってKabat位置75が修飾される。一実施形態では、DまたはEとの置換によってKabat位置75が修飾される。
本発明の一実施形態では、工程(c)に続いて、本方法は、工程(c)で導入された置換を含む抗VEGF抗体のVEGF-R1に対するVEGF結合と、当該置換を含まない抗VEGF抗体(すなわち、親抗VEGF抗体)のVEGF-R1に対するVEGF結合とを比較する工程(d)を含む。
本発明はまた、本発明の方法によって提供される抗VEGF抗体に関する。本発明はさらに、本発明の方法によって提供される抗VEGF抗体であって、VEGFに結合し、VEGFがVEGF-R1に結合するのを阻害する抗VEGF抗体に関する。一実施形態では、本発明の方法によって提供される抗体は、単離された抗体である。
そのような抗VEGF抗体は、当技術分野で知られている組換え方法、例えば、US 4,816,567に記載されているような方法、例えば、実施例1に記載されているようなHEK293細胞などの真核細胞における組換え発現を用いて製造することができる。これらの方法のために、抗体をコードする1つまたは複数の単離された核酸が提供される。
特定の実施形態では、本明細書で提供される抗体は、抗体断片である。一実施形態では、抗体断片は、Fab、Fab’、Fab’-SH、またはF(ab’)断片、特にFab断片である。
特定の実施形態では、本明細書で提供される抗体は、完全長抗体である。
ある実施形態では、抗体はIgG1抗体である。
本発明は、さらに、本発明の方法によって提供される抗VEGF抗体をコードする核酸に関する。本発明は、さらに、本発明の核酸を含む宿主細胞に関する。
Figure 2022514362000002
Figure 2022514362000003
Figure 2022514362000004
以下の実施例は、本発明の理解を助けるために提供されるものであり、実際の範囲は添付の特許請求の範囲に記載されている。本発明の思想から逸脱することなく、定められた手順に変更を加えることができると理解される。
実施例1:
生成されたヒト抗VEGF抗体(抗体VEGF-0089)の特性決定
本明細書で使用される抗体「VEGF-0089」は、EP 17211032.2に概説されているように、Rocheが知的財産権を有するトランスジェニックウサギに由来する。VEGF-0089は、配列番号01のVHドメインと配列番号02のVLドメインを含む。その後の分析のために、抗体VEGF-0089は、ヒトのVHドメインおよびVLドメインと、ウサギ由来の軽鎖(CLκ)および重鎖(CH1)の定常ドメインとを有するFab断片(本明細書では「VEGF-0089 Fab断片」または単に「VEGF-0089 Fab」と呼ぶ)として生成された。VEGF-0089 Fab断片の重鎖のアミノ酸配列は、配列番号10である。VEGF-0089 Fab断片の軽鎖のアミノ酸配列は、配列番号11である。
抗体の組換え発現のために、VHまたはVLをコードするPCR産物をcDNAとして発現ベクターにクローニングし、HEK-293細胞に一過性に形質転換した。
抗体VEGF-0089 Fabs断片のVEGF結合は、以下のように表面プラズモン共鳴(SPR)で評価した。
表面プラズモン共鳴(SPR)による抗体結合親和性の測定
抗His捕捉抗体(anti-His capturing antibody :GE Healthcare 28995056)を、標準的なアミンカップリング化学を用いてSeries S Sensor Chip C1(GE Healthcare 29104990)に固定化し、500~1000共鳴単位(RU)の表面密度を得た。ランニングバッファーおよび希釈バッファーとして、HBS-P+(10mMのHEPES、150mMのNaCl pH7.4、0.05%の界面活性剤P20)を使用し、測定温度はそれぞれ25℃と37℃に設定した。hVEGF-A121を表面に捕捉した結果、捕捉レベルの範囲は5~35RUとなった。抗VEGF抗体の希釈シリーズ(0.37~30nM)を120秒間注入し、30μl/minの流速で少なくとも600秒間解離をモニターした。10mMのグリシン pH1.5を60秒間注入して表面を再生した。バルク屈折率の差は、ブランク注入を差し引くことで補正し、hVEGF-A121を捕捉していない対照フローセルから得られた応答を差し引くことで補正した。速度定数はBiacore EvaluationソフトウェアのLangmuir 1:1結合モデルを用いて算出した。
その結果、VEGF-0089 Fab断片のKDは、134pM(温度25℃)となった。
抗体をさらに特性評価するために、VEGF-0089 Fab断片の存在下で、VEGFがその受容体であるVEGF-R1およびVEGF-R2に結合するのを阻害することを、以下のように評価した。
抗体Fab断片の存在下でのVEGF-R1およびVEGF-R2へのVEGF結合の阻害(VEGF:VEGF-R2/R1阻害ELISA)
384ウェルのストレプトアビジンプレート(Nunc/Microcoat # 11974998001)に、0.25μg/mlのビオチン化VEGF-R1または0.5μg/mlのビオチン化VEGF-R2(自社製造、DPBS(1×)中、各25μl/ウェル(PAN,#P04-36500))をコーティングした。プレートを室温で1時間インキュベートした。並行して、0.7nMの濃度のVEGF-121-His(自社製造)を異なる希釈率の抗体とインキュベートした(12×1:2希釈ステップ、500nMの濃度から開始)。このプレインキュベーションステップは、384ウェルのPPプレート(Weidmann medical technology, # 23490-101)を用い、1×OSEPバッファ(ビデストウォーター、10×、Roche, # 11 666 789 001+0.5%のウシ結成アルブミンフラクションV、脂肪酸不含、Roche, # 10 735 086 001 + 0,05% Tween 20)中で行った。プレートを室温で1時間インキュベートした。VEGF-R1/VEGF-R2をコートしたストレプトアビジンプレートを90μl/ウェルのPBSTバッファー(ビデストウォーター、10×PBS Roche#11666789001 + 0.1% Tween 20)で3回洗浄した後、VEGF-抗体プレインキュベーションプレートから25μlのサンプルを、コートしたストレプトアビジンプレートに移し、その後、室温で1時間インキュベートした。90μl/ウェルのPBSTバッファーで3回洗浄した後、1xOSEPに25μl/ウェルの検出抗体(抗His POD, Bethyl, # A190-114P, 1:12000)を加えた。室温で1時間インキュベートした後、プレートを90μlのPBSTバッファーで3回洗浄した。25μlのTMB(Roche, #11 835 033 001)をすべてのウェルに同時に加えた。室温で10分間インキュベートした後、Tecan Safire 2 Readerで370nm/492nmの波長でシグナルを検出した。
対照として、また、臨床で使用されている先行技術の抗VEGF抗体の代表として、Lucentis(登録商標)(ラニビズマブ、配列番号19の重鎖アミノ酸配列、配列番号20の軽鎖アミノ酸配列)を同じ条件で評価した。その結果を図1に示す。
この結果から、VEGF-0089 Fab断片はVEGF-R2へのVEGF結合を完全にブロックすることができることがわかった。VEGF-0089 Fab断片は、VEGF-R1へのVEGF結合を完全にブロックしなかった。図2に示すように、先行技術の抗体Lucentis(登録商標)は、VEGF-R2とVEGF-R1の両方の受容体へのVEGFの結合を完全に阻害することができる。
実施例2
抗体VEGF-0089とVEGF二量体との複合体のX線結晶構造解析およびエピトープ決定
上述のVEGF-0089 Fab断片の結晶構造を、当技術分野で知られている標準的な方法に従って解析した。
VEGF-0089 Fab断片とVEGF-A121の複合体のX線結晶構造解析を以下のように行った。
VEGF-A121-VEGF-0089 Fabの二量体複合体の形成と精製。複合体形成のために、VEGF-0089 Fab断片とヒトVEGF-A121(Peprotech)を1.1:1のモル比で混合した。4℃で一晩16時間インキュベートした後、20mM MES、150mM NaCl、pH6.5のSuperdex200(16/600)カラムを用いたゲル透過クロマトグラフィーで複合体を精製した。二量体の複合体を含む画分をプールし、1.44mg/mlまで濃縮した。
VEGF-A121-VEGF-0089 Fab複合体の二量体の結晶化を行った。最初の結晶化試験は、21℃のシッティングドロップ型蒸気拡散装置を用いて、タンパク質濃度11.5mg/mlで行った。0.1MのTris pH8.5、0.2MのLiSO、1.26Mの(NHSOを用いて1日で結晶が現れた。プレート状の結晶は1週間で成長し、最終的なサイズは150×100×30μmになった。この結晶は、さらなる最適化の手順を踏むことなく、スクリーニングプレートから直接採取した。
データ収集と構造決定。データ収集のために、結晶は凍結保護剤として15%のエチレングリコールを加えた沈殿剤溶液中で100Kで瞬間冷却された。回折データは、Swiss Light Source(スイス・ビリゲン)のビームラインX10SAにおいて、PILATUS 6M検出器を用いて波長1.0000Åで収集した。データはXDS(Kabsch, W. Acta Cryst. D66, 133-144 (2010))で処理されており、SADABS (BRUKER)でスケーリングした。結晶は空間群C2に属し、セル軸はa=227.61Å、b=66.97Å、c=218.31Å、β=104.54°で、2.17Åの分解能で回折している。この構造は、PHASERを用いた分子置換によって決定された(McCoy, A.J, Grosse-Kunstleve, R.W., Adams, P.D., Storoni, L.C., and Read, R.J. J. Appl. Cryst. 40, 658-674 (2007))では、検索モデルとして、関連するインハウス構造のFab断片とVEGFの座標を用いる。CCP4スイートのプログラム(Collaborative Computational Project, Number 4 Acta Cryst. D50, 760-763 (1994))とBuster (Bricogne, G., Blanc, E., Brandl, M., Flensburg, C., Keller, P., Paciorek, W., Roversi, P., Sharff, A., Smart, O.S., Vonrhein, C., Womack, T.O . (2011). Buster version 2.9.5 Cambridge, United Kingdom : Global Phasing Ltd)を使用して、その後のデータの精査を行った。差動電子密度を用いたタンパク質の手動による再構築はCOOTを用いて行った(Emsley, P., Lohkamp, B., Scott, W.G. and Cowtan, K. Acta Cryst D66, 486-501 (2010))。両構造体のデータ収集と精密化の統計を表Bにまとめた。グラフィック表示はすべて、PYMOL(DeLano Scientific, Palo Alto, CA, 2002)で作成した。
Figure 2022514362000005
図2に、2つのVEGF-0089 Fab断片とヒトVEGF-A121二量体との複合体の結晶構造を模式的に示す。抗体VEGF-0089 Fabvと5Å以内の距離で接触しているVEGF-A121二量体のアミノ酸残基が、VEGF-A121二量体上のVEGF-0089 Fabが結合する構造的エピトープを形成している。VEGF-A121のアミノ酸配列は、配列番号21である。VEGF二量体の両方のVEGF-A121分子上のエピトープを構成するアミノ酸を図3に示した。
抗体VEGF-0089 Fabは、VEGF-A121二量体の以下のエピトープに結合する:
・VEGF二量体内の個々のVEGF-A121分子の1つでは、アミノ酸F17、M18、D19、Y21、Q22、R23、Y25、H27、P28、I29、E30、M55、N62、L66、N100、K101、C102、E103、C104、R105およびP106;ならびに
・VEGF二量体内の個々のVEGF-A121分子のうちのもう1つでは、アミノ酸E30、K48、M81およびQ87。
VEGF-R1のドメイン2と複合したヒトVEGF二量体と、VEGF-0089 Fab断片との複合体の結晶構造とを重ねたものが、図4に描かれている。この重ね合わせは、本発明のVEGF-0089抗体の軽鎖が、VEGF-R1のドメイン2と重なり合っていることを示している。VEGF-R2ドメイン2および3との複合体、およびVEGF-0089 Fab断片との複合体におけるヒトVEGF二量体の結晶構造とを重ねたものが、図5に描かれている。この重ね合わせは、本発明のVEGF-0089抗体の軽鎖が、VEGF-R2のドメイン2と重なり合っていることを示している。
従ってX線データは、VEGF-0089抗体が結合するエピトープが、VEGF-R1およびVEGF-R2と結合するVEGFの領域と重複することを示している。
図2に示したVEGF二量体と抗体との複合体の三次構造から、抗体のVHドメイン内の2つの領域、すなわちH-CDR2とH-FR3が空間的に近接していることがわかる。
これは、1つのFab断片がすでに結合している場合に、2つ目の抗体がVEGF二量体に結合することを立体的に妨げているのかもしれない。この理論に縛られることなく、抗体がVEGF-R1へのVEGF結合を(完全には)ブロックできないという観察結果は、この立体障害の疑いに起因しているのかもしれない。VEGF-R1はVEGFと強い親和性で結合することが知られているので、2つではなく1つのFab断片しか結合していないVEGF二量体は、まだVEGF-R1に結合できると予想される。なお、VEGF-R2はVEGFと弱い親和性で結合することが知られており、VEGF-R2へのVEGFの結合がVEGF-0089によって阻害されるという観察結果を支持している。
実施例3
VEGF-0089のバリアントの提供
上述の理論に基づき、VEGF-0089抗体を、VEGF二量体に2つの抗体分子が同時に結合しやすくなるように改良した。
この理論に基づいて、抗体VEGF-0089の以下のような抗体バリアントが生成された。
Figure 2022514362000006
抗体のFab断片は、実施例1に記載されているようにクローニングし、発現させた。重鎖と軽鎖のアミノ酸配列を表2に示す。
Figure 2022514362000007
改良された抗体Fab断片の存在下でのVEGF-R1およびVEGF-R2へのVEGFの結合を、実施例1に記載したように試験した。表2に記載のすべての抗体Fab断片を試験した。結果を図6および7に示す。
実施例4:
VEGF-0089の改良バリアントのVEGF結合親和性
抗体の親和性は、実施例1に記載したのと同じ方法でSPRにより測定した。示された抗体の結果を表3に示す。
Figure 2022514362000008

Claims (16)

  1. VHドメインおよびVLドメインの同族対によって形成された抗原結合部位を含むVEGFに結合する抗体の、VEGF-R1へのVEGF結合阻害を改善する方法であって、ここで抗体は、VEGF分子中のVEGF-R1結合領域およびVEGF-R2結合領域と重複するVEGFのエピトープに結合するものであり、以下の工程:
    a)VEGFに結合する前記抗体の第1の抗原結合部位および第2の抗原結合部位によって結合されたVEGF二量体の複合体(VEGF二量体-抗体複合体)の三次構造の分析を提供する工程;
    b)前記抗体のVHドメインまたはVLドメインに位置する少なくとも1つのアミノ酸残基を同定する工程であって、第1抗原結合部位内の前記アミノ酸残基および第2抗原結合部位内の前記アミノ酸残基が、VEGF二量体-抗原複合体において空間的に近接して配置される工程;および
    c)工程b)で同定された前記少なくとも1つのアミノ酸残基を、
    i)より小さい側鎖体積を有するアミノ酸で;および/または
    ii)異なる電荷の側鎖を有するアミノ酸で;
    置換する工程、
    を含む、方法。
  2. 抗体が、配列番号01のVHおよび配列番号02のVLにより特徴付けられる抗体と同一または重複するエピトープに結合する、請求項1に記載の方法。
  3. 抗体が、VEGF-A121の二量体上の構造的エピトープと同一または重複するエピトープに結合し、VEGF-A121が、配列番号21のアミノ酸配列を含み、エピトープが、
    ・VEGF二量体内の個々のVEGF-A121分子の一方において、アミノ酸F17、M18、D19、Y21、Q22、R23、Y25、H27、P28、I29、E30、M55、N62、L66、N100、K101、C102、E103、C104、R105およびP106;ならびに
    ・VEGF二量体内の個々のVEGF-A121分子のうちのもう一方において、アミノ酸E30、K48、M81およびQ87、
    を含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. より小さい側鎖体積を有するアミノ酸が、D、E、S、T、N、G、A、V、IおよびLから選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 正の電荷の側鎖を有するアミノ酸が、負の電荷の側鎖を有するアミノ酸で置換されるか、または電荷を持たない側鎖を有するアミノ酸で置換される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 負の電荷の側鎖を有するアミノ酸が、正の電荷の側鎖を有するアミノ酸で置換されるか、または電荷を持たない側鎖を有するアミノ酸で置換される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 少なくとも1つの置換されたアミノ酸残基が、前記抗体の重鎖可変ドメインに位置する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 少なくとも1つの置換されたアミノ酸残基が、前記抗体の重鎖CDR内に位置する、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 少なくとも1つの置換されたアミノ酸残基が、前記抗体のH-CDR2内に位置する、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 少なくとも1つの置き換えられたアミノ酸残基が、前記抗体の重鎖FR内に位置する、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 少なくとも1つの置き換えられたアミノ酸残基が、前記抗体のH-FR3内に位置する、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 抗体が、
    (a)配列番号03のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
    (b)配列番号04のアミノ酸配列を含むCDR-H2;
    (c)配列番号05のアミノ酸配列を含むCDR-H3;
    (d)配列番号06のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
    (e)配列番号07のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
    (f)配列番号08のアミノ酸配列を含むCDR-L3
    を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 抗体が、配列番号01を含むVHおよび配列番号02を含むVLを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 請求項1から13のいずれか一項に記載の方法により提供される抗体。
  15. 配列番号12を含むVHドメインと、配列番号2を含むVLドメインとを有するVEGFに結合する抗体。
  16. 配列番号15を含むVHドメインと、配列番号2を含むVLドメインとを有するVEGFに結合する抗体。
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