JP2022513102A - ヒト抗ミュラー管ホルモンに対する特異抗体およびその使用 - Google Patents
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Abstract
Description
サンプルを、抗ミュラー管ホルモンの異なるエピトープに対する少なくとも2つの抗体またはそれらの抗原結合フラグメントと接触させること、および前記抗ミュラー管ホルモンまたは前記フラグメントに対する前記少なくとも2つの抗体の結合を定性的または定量的に検出することを含んでなり、ここで、前記結合は、サンプル中の抗ミュラー管ホルモンまたは前記フラグメントの存在または濃度を示し;
ここで、前記抗体またはそれらの抗原結合フラグメントのうち少なくとも1つは、抗ミュラー管ホルモンのアミノ酸残基37~46の配列に含まれるエピトープに対して指向する、方法を提供する。
本発明において、特に断りのない限り、本明細書で使用する科学技術用語は、当業者により一般に理解される意味を有する。さらに、文脈において使用される細胞培養、生化学、核酸化学、免疫学実験室などの操作工程は総て、対応する分野において広く使用される慣例的な工程である。同時に、本発明をよりよく理解するために、関連用語の定義および説明を以下に示す。
1. 6匹の雌BALB/cマウスを選択し、完全フロイントアジュバント(CFA)(Sigma社、セントルイス、ミズーリ州)により乳化したAMH抗原で皮下免疫し、次いで、2週後に、不完全フロイントアジュバント(IFA)(Sigma社、セントルイス、ミズーリ州)により乳化した同じ抗原で免疫し、免疫化を2週間隔で2回の注射で継続した。
モノクローナル抗体の評価およびトランケート抗原の同定:
1. AMH抗原を炭酸緩衝液(20mmol/L CB、pH9.6)で希釈し、次いで、ポリ塩化ビニルプレート上にコーティングした。前処置において、プロテインAカラムにより精製された抗体および合成AMHトランケート抗原配列(各合成配列については、最後の補足を参照)を、(100ng/ml抗体:50ug/mlトランケート抗原)の割合でインキュベーションに30分間供し、これらを試験サンプルとし、対照サンプルは100ng/ml抗体:PBSとし、30分間インキュベートした。インキュベーション後の試験サンプルおよび対照サンプルをAMH抗原プレートに加え、30分間インキュベートした。プレートを5回洗浄し、GAM-HRP(1/5000希釈)を加え、30分間インキュベートした。プレートを5回洗浄し、基質を加え、15分間インキュベートした。450/620の波長下の値をマイクロプレートリーダーで読み取り、検出OD値を最終的に計算し、分析した。計算式は、(対照サンプルOD値-試験サンプルOD値)/対照サンプルOD値であり、判定基準は以下の通りであった:90%超、これは良好な競合効果を示したものであり、抗体がエピトープを認識するはずであることを示す。データを以下の表1に示した。
モノクローナル抗体エピトープの同定:
1. AMH抗原を炭酸緩衝液(20mmol/L CB、pH9.6)で希釈し、次いで、ポリ塩化ビニルプレート上にコーティングした。前処置において、プロテインAカラムにより精製された抗体および合成AMHトランケート抗原配列(各合成配列については、表3を参照)を、(100ng/ml抗体:50ug/mlトランケート抗原)の割合でインキュベーションに30分間供し、これらを試験サンプルとし、対照サンプルは100ng/ml抗体:PBSとし、30分間インキュベートした。インキュベーション後の試験サンプルおよび対照サンプルをAMH抗原プレートに加え、30分間インキュベートした。プレートを5回洗浄し、GAM-HRP(1/5000希釈)を加え、30分間インキュベートした。プレートを5回洗浄し、基質を加え、15分間インキュベートした。450/620の波長下の値をマイクロプレートリーダーで読み取り、検出OD値を最終的に計算し、分析した。計算式は、(対照サンプルOD値-試験サンプルOD値)/対照サンプルOD値であり、判定基準は以下の通りであった:90%超、これは良好な競合効果を示したものであり、抗体がエピトープを認識するはずであることを示す。データを以下の表2に示した。
1. AMH抗原を炭酸緩衝液(20mmol/L CB、pH9.6)で希釈し、次いで、ポリ塩化ビニルプレート上にコーティングした。前処置において、プロテインAカラムにより精製された抗体および異なるヒトAMH36-47アミノ酸変異を有する合成短鎖ペプチドを、(100ng/ml抗体:50ug/mlトランケート抗原)の割合でインキュベーションに30分間供し、これらを試験サンプルとし、対照サンプルは(100ng/ml抗体:PBS)とし、30分間インキュベートした。インキュベーション後の試験サンプルおよび対照サンプルをAMH抗原プレートに加え、30分間インキュベートした。プレートを5回洗浄し、GAM-HRP(1/5000希釈)を加え、30分間インキュベートした。プレートを5回洗浄し、基質を加え、15分間インキュベートした。450/620の波長下の値をマイクロプレートリーダーで読み取り、検出OD値を最終的に計算し、分析した。計算式は、(対照サンプルOD値-試験サンプルOD値)/対照サンプルOD値であり、判定基準は以下の通りであった:90%より低い値、これは、対応するアミノ酸が重要なアミノ酸であったこと、および変異は抗体の反応に対して大きな影響を及ぼすことを示したものである。データを以下の表4に示した。
C8H3-2の重要な影響部位は、42、45位であった;
C9F2-2の重要な影響部位は、39、41、44位であった;
7D11-1の重要な影響部位は、38、42、45位であった;
C17B10の重要な影響部位は、42、45、46位であった;
G8B11の重要な影響部位は、39、45位であった;
これらは、上記のエピトープ同定結果と一致していた。
モノクローナル抗体種特異性の評価:
1. AMH抗原を炭酸緩衝液(20mmol/L CB、pH9.6)で希釈し、次いで、ポリ塩化ビニルプレート上にコーティングした。前処置において、プロテインAカラムにより精製された抗体および異なるヒトAMH36-47アミノ酸変異を有する合成短鎖ペプチド(各合成配列については、表6参照)を、(100ng/ml抗体:50ug/mlトランケート抗原)の割合でインキュベーションに30分間供し、これらを試験サンプルとし、対照サンプルは(100ng/ml抗体:PBS)とし、30分間インキュベートした。インキュベーション後の試験サンプルおよび対照サンプルをAMH抗原プレートに加え、30分間インキュベートした。プレートを5回洗浄し、GAM-HRP(1/5000希釈)を加え、30分間インキュベートした。プレートを5回洗浄し、基質を加え、15分間インキュベートした。450/620の波長下の値をマイクロプレートリーダーで読み取り、検出OD値を最終的に計算し、分析した。計算式は、(対照サンプルOD値-試験サンプルOD値)/対照サンプルOD値であり、判定基準は以下の通りであった:90%以上、これは、交差反応があったことを表したものである。データを以下の表5に示した。
モノクローナル抗体ペア酵素免疫の評価:
1. モノクローニング抗体用のリン酸緩衝液(20mmol/LPB、pH7.4)を希釈し、ポリ塩化ビニルプレート上にコーティングし、モノクローナル抗体を、西洋ワサビペルオキシダーゼで標識した(標識モノクローナル抗体は、F10G7-2、Xiamen Wantaikairui Biotechnology Co.,Ltd.、カタログ番号M3382であり、AMHエピトープのアミノ酸260~271に特異的に結合したものであった)。AMH品質管理物質を希釈液で希釈し、特定の希釈値とした(20ng/ml、10ng/ml、5ng/ml、2.5ng/ml、1.25ng/ml、0.5ng/ml、0.1ng/ml、0.05ng/ml、0.01ng/ml)。40ulの容量のサンプル血清、陽性対照、ブランク対照をそれぞれ対応するウェルに加え、37℃で40分間インキュベートした。プレートを5回洗浄し、F10G7-2-HRP(1/500希釈)を加え、40分間インキュベートした。プレートを5回洗浄し、基質を加え、15分間インキュベートした。450~620の波長下の値をマイクロプレートリーダーで読み取り、データ解析を以下の表7に示した。
モノクローナル抗体ペアリング発光の評価:
1. 以下の実施例におけるAMH検出キットは、以下の成分を含んでなることを特徴とする:第1の抗体でコーティングされた0.5~1mg/mlの磁性粒子を含有するM試薬、ここで、第1の抗体(C9F2-2)は、コーティング量20~80ug/mlの磁性粒子を有していた。上記の磁性粒子は、Thermo Fisher Scientific社から購入し、この試薬の調製方法は、以下の工程を含んでなるものであった:第1の抗体および磁性粒子をpH=5.0~6.0の2-モルホリン/エタンスルホン酸緩衝液中で混合し、コーティングを25℃~37℃で1~3時間行った。次いで、pH=8.0~9.0のリン酸緩衝液中0.1%~0.5%ウシ血清アルブミンを加え、停止反応を1~3時間行った。コーティングされた磁性粒子を分離し、pH7.0~8.0のリン酸緩衝液に分散させ、次いで、カゼインおよびウシ血清アルブミンを加えた。R1試薬は、現在加えられた系であった。R2試薬は、二次抗体(モノクローナル抗体F10G7-2、Xiamen Wantaikairui Biotechnology Co.,Ltd.、カタログ番号M3382)でコーティングされたアクリジニウムエステル、0.5~1%カゼインおよび0.5~1%ウシ血清アルブミンを含んでなり、ここで、溶媒はpH=7.0~8.0のリン酸緩衝液であり、第2の抗体は、コーティング量5~15ug/mlのアクリジニウムエステルを有しており、この試薬の調製方法は、以下の工程を含んでなるものであった:第2の抗体およびアクリジニウムエステルをpH=8.0~9.0のリン酸緩衝液中で混合し、コーティングを25℃~37℃で1~3時間行った。次いで、0.1%~0.5%ウシ血清アルブミンを含有するpH=8.0~9.0のトリス緩衝液を加え、停止反応を1~3時間行った。母液を得、それゆえ、その母液をpH=7.0~8.0のリン酸緩衝液で1~500倍に希釈して使用した。前励起液は、1%(w/v)過酸化水素溶液であった。励起液は、1mol/L水酸化ナトリウム溶液であった。
Claims (20)
- ヒト抗ミュラー管ホルモンに特異的に結合するモノクローナル抗体であって、
CCTCC番号C2018183のアクセス番号を有するハイブリドーマにより産生される抗体C9F2-2が結合するものと同一である抗ミュラー管ホルモンのエピトープに特異的に結合する、モノクローナル抗体。 - ヒト抗ミュラー管ホルモンに特異的に結合するモノクローナル抗体であって、
CCTCC番号C2018183のアクセス番号を有するハイブリドーマにより産生される抗体C9F2-2の軽鎖可変領域相補性決定領域(CDR)および重鎖可変領域CDRを含んでなる、モノクローナル抗体。 - ヒト抗ミュラー管ホルモンに特異的に結合するモノクローナル抗体であって、
軽鎖可変領域および重鎖可変領域を含んでなり、前記軽鎖可変領域が、配列番号4のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号5のアミノ酸配列を有するCDR2および配列番号6のアミノ酸配列を有するCDR3を含んでなり、前記重鎖可変領域が、配列番号1のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号2のアミノ酸配列を有するCDR2および配列番号3のアミノ酸配列を有するCDR3を含んでなる、モノクローナル抗体。 - (a)配列番号8のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域および配列番号7のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含んでなる、請求項3に記載のモノクローナル抗体。
- ヒト抗ミュラー管ホルモンに特異的に結合するモノクローナル抗体であって、
抗原結合領域を含んでなり、前記抗原結合領域が、CCTCC番号C2018183のアクセス番号を有するハイブリドーマにより産生される抗体C9F2-2の軽鎖および重鎖可変領域に由来する、モノクローナル抗体。 - 抗原結合フラグメント、一本鎖抗体、キメラ抗体、一価抗体、多重特異性抗体、ヒト抗体、またはFabフラグメントである、請求項1~5のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体。
- ヒト抗ミュラー管ホルモンに特異的に結合するモノクローナル抗体であって、
CCTCC番号C2018183のアクセス番号を有するハイブリドーマから得られる、モノクローナル抗体。 - 抗ミュラー管ホルモンのアミノ酸残基38~45に及ぶ配列に含まれるエピトープに特異的に結合する、ヒト抗ミュラー管ホルモンに対するモノクローナル抗体。
- CCTCC番号C2018183のアクセス番号を有する、ハイブリドーマ細胞株。
- 請求項1~8のいずれか一項に記載の抗ミュラー管ホルモンに対する抗体の重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域をコードする、ポリヌクレオチド。
- 請求項10に記載のポリヌクレオチドを含んでなる、ベクター。
- 請求項11に記載のポリヌクレオチドまたは請求項11に記載のベクターを含んでなる、宿主細胞。
- サンプル中のヒト抗ミュラー管ホルモンの存在またはレベルを検出する方法であって、請求項1~8のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントを使用する工程を含んでなる、方法。
- サンプル中のヒト抗ミュラー管ホルモンの存在またはレベルを検出するためのキットの製造における、請求項1~8のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントの使用。
- 生体サンプル中のAMHまたはそのフラグメントを検出する方法であって、前記方法が、
サンプルを、抗ミュラー管ホルモンの異なるエピトープに対する少なくとも2つの抗体またはそれらの抗原結合フラグメントと接触させること、および抗ミュラー管ホルモンまたは前記フラグメントに対する前記少なくとも2つの抗体の結合を定性的または定量的に検出することを含んでなり、ここで、前記結合は、サンプル中の抗ミュラー管ホルモンまたは前記フラグメントの存在または濃度を示し;
ここで、少なくとも1つの抗体またはその抗原結合フラグメントは、抗ミュラー管ホルモンのアミノ酸残基38~45の配列に含まれるエピトープに対して指向する、方法。 - 1つの抗体またはその抗原結合フラグメントが、抗ミュラー管ホルモンのアミノ酸残基38~45の配列に含まれるエピトープに対して指向し、別の抗体またはその抗原結合フラグメントが、抗ミュラー管ホルモンのアミノ酸残基358~369の配列に含まれるエピトープ、または抗ミュラー管ホルモンのアミノ酸残基491~502の配列に含まれるエピトープ、または抗ミュラー管ホルモンのアミノ酸残基260~271の配列に含まれるエピトープ、または抗ミュラー管ホルモンのアミノ酸残基330~343の配列に含まれるエピトープに対して指向する、請求項15に記載の方法。
- 前記少なくとも2つの抗体またはそれらの抗原結合フラグメントのうち少なくとも1つが、固体表面上に固定化され、好ましくは、別のまたは他の抗体のうち少なくとも1つが標識され、前記標識が、好ましくは、化学発光色素または蛍光色素を共有結合で付着することにより行われる、請求項15に記載の方法。
- 抗ミュラー管ホルモンのアミノ酸残基38~45に及ぶ配列に含まれるエピトープに対する抗体またはその抗原結合フラグメントが、固体表面上に固定化され、別の抗体またはその抗原結合フラグメントが、抗ミュラー管ホルモンのアミノ酸残基260~271の配列に含まれるエピトープに対して指向する、請求項15または16に記載の方法。
- 二抗体サンドイッチ酵素結合免疫測定法のための第1のモノクローナル抗体、すなわち、コーティング抗体および二抗体サンドイッチ酵素結合免疫測定法のための第2のモノクローナル抗体、すなわち、酵素標識抗体として使用される、請求項1~8のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントを含んでなる、サンプル中の抗ミュラー管ホルモンの存在またはレベルを検出するためのキットであって、前記コーティング抗体および前記酵素標識抗体は、それぞれ抗ミュラー管ホルモンの異なる抗原決定基に対して指向し;
好ましくは、前記酵素標識抗体は、抗ミュラー管ホルモンのアミノ酸残基260~271の配列に含まれるエピトープに対して指向する、キット。 - 酵素結合プレート、コーティング緩衝液、ブロッキング溶液、発色基質、停止液、抗ミュラー管ホルモン標準品のうち1つ以上をさらに含んでなる、請求項19に記載のキット。
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