JP2022513043A - 操作されたcd25ポリペプチドおよびその使用 - Google Patents

操作されたcd25ポリペプチドおよびその使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2022513043A
JP2022513043A JP2021526460A JP2021526460A JP2022513043A JP 2022513043 A JP2022513043 A JP 2022513043A JP 2021526460 A JP2021526460 A JP 2021526460A JP 2021526460 A JP2021526460 A JP 2021526460A JP 2022513043 A JP2022513043 A JP 2022513043A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibody
binding
engineered polypeptide
engineered
reference target
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021526460A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2020102603A5 (ja
Inventor
ピー グリービング,マシュー
トゥ ジップ,プン
スリニバサン,モハン
モリン,アンドリュー
エドゥアルド ハウザー,ケビン
アール ウィリス,ジョーダン
エイ ムーア,コディ
バレット,クリスチャン
ティ タグチ,アレックス
エステリェス,アンヘレス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rubryc Therapeutics Inc
Original Assignee
Rubryc Therapeutics Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rubryc Therapeutics Inc filed Critical Rubryc Therapeutics Inc
Publication of JP2022513043A publication Critical patent/JP2022513043A/ja
Publication of JPWO2020102603A5 publication Critical patent/JPWO2020102603A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/28Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants
    • C07K16/2866Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants against receptors for cytokines, lymphokines, interferons
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • C07K14/70596Molecules with a "CD"-designation not provided for elsewhere
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/20Immunoglobulins specific features characterized by taxonomic origin
    • C07K2317/21Immunoglobulins specific features characterized by taxonomic origin from primates, e.g. man
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/30Immunoglobulins specific features characterized by aspects of specificity or valency
    • C07K2317/34Identification of a linear epitope shorter than 20 amino acid residues or of a conformational epitope defined by amino acid residues
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/50Immunoglobulins specific features characterized by immunoglobulin fragments
    • C07K2317/56Immunoglobulins specific features characterized by immunoglobulin fragments variable (Fv) region, i.e. VH and/or VL
    • C07K2317/565Complementarity determining region [CDR]
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/60Immunoglobulins specific features characterized by non-natural combinations of immunoglobulin fragments
    • C07K2317/62Immunoglobulins specific features characterized by non-natural combinations of immunoglobulin fragments comprising only variable region components
    • C07K2317/622Single chain antibody (scFv)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/70Immunoglobulins specific features characterized by effect upon binding to a cell or to an antigen
    • C07K2317/76Antagonist effect on antigen, e.g. neutralization or inhibition of binding
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/90Immunoglobulins specific features characterized by (pharmaco)kinetic aspects or by stability of the immunoglobulin
    • C07K2317/92Affinity (KD), association rate (Ka), dissociation rate (Kd) or EC50 value

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)

Abstract

少なくとも1つの拘束がCD25参照標的に由来する空間的に関連するトポロジー的拘束の組み合わせを含む操作されたポリペプチド、およびこの操作されたポリペプチドを選択する方法が、本明細書で提供される。抗体などの結合分子のライブラリーをスクリーニングする方法において、陽性および/または陰性選択分子などを含む、操作されたポリペプチドを使用する方法が、さらに提供される。これらの操作されたポリペプチドを使用して選択されたCD25抗体が、本明細書でさらに提供される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2019年9月18日出願の米国仮特許出願第62/902,334号;および2018年11月14日出願の米国仮特許出願第62/767,431号の利益を主張し、これらの開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
CD25タンパク質は、インターロイキン-2(IL-2)受容体のアルファ鎖であり、調節性T細胞および活性化されたT細胞上に存在する膜貫通タンパク質である。正常な状態では、調節性T細胞は、CD25を構成的に発現し、エフェクターT細胞の拡大増殖を抑制するように作用する。調節性T細胞は、健康な状態を維持し、エフェクターT細胞が自己抗原に対して反応することまたは外来抗原に対して過剰反応することを阻害する。正常な保護的免疫応答では、エフェクターT細胞は、外来抗原との接触後に増大し、調節性T細胞による阻害を克服する。しかし、増殖性疾患の場合、がん細胞は、調節性T細胞の量を増加させ、それによって、がん細胞に対するエフェクターT細胞の生成を制限することによって、健康な免疫応答を無効にする場合がある。したがって、例えば、がん治療における使用のために免疫系を抑えるための、CD25発現調節性T細胞の増殖を変更する治療薬に興味が持たれている。これらの治療薬には、CD25標的化抗体が含まれ得る。
CD25標的化抗体は、CD25免疫原を使用した動物の免疫化によって産生され得るが、CD25免疫原を開発する現行の方法は、予測不能な望ましくない特徴、例えば、抗体の混乱または種を横断した低い交差反応性をもたらす場合が多い。
したがって、CD25またはその部分に対する構造的および/または動力学的類似性を有する新たな操作されたポリペプチド、例えば、IL-2結合部位の外側のエピトープを模倣するように設計された操作されたポリペプチドが、当該分野で必要とされている。
一態様では、本開示は、CD25参照標的と少なくとも46%の構造的および/または動力学的同一性を共有する操作されたポリペプチドであって、CD25参照標的が、CD25残基55~63、13~20:127~132、5~17、5~11:156~163、77~89、147~157、11~14または44~56から選択されるCD25の一部分である、操作されたポリペプチドを提供する。
実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25参照標的と少なくとも60%の構造的および/または動力学的同一性を共有する。実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25参照標的と少なくとも80%の構造的および/または動力学的同一性を共有する。実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号1~16から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を共有する。実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25参照標的と少なくとも46%の構造的および/または動力学的同一性を共有し、CD25参照標的は、CD25残基55~63、13~20:127~132、5~17、5~11:156~163、77~89、147~157、11~14または44~56から選択されるCD25の一部分である。実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25参照標的と少なくとも80%の構造的および/または動力学的同一性を共有する。実施形態では、CD25参照標的に対する構造的および/または動力学的同一性は、PDB ID番号2ERJ、A鎖で寄託されたCD25の構造を使用して決定される。実施形態では、操作されたポリペプチドは、N末端改変またはC末端改変を含み、適宜、N末端ビオチン-PEG-またはC末端-GSGSGK-ビオチンを含む。
実施形態では、操作されたポリペプチドのアミノ酸の10%~98%の間は、1つ以上のCD25参照標的由来拘束を満たす。実施形態では、1つ以上のCD25参照標的由来拘束を満たすアミノ酸は、CD25参照標的と、8.0Å未満の骨格平均二乗偏差(RSMD)の構造的相同性を有する。実施形態では、1つ以上のCD25参照標的由来拘束を満たすアミノ酸は、30Å~3000Åの間の、参照とのファンデルワールス表面積重複を有する。実施形態では、CD25参照標的由来拘束は、原子間距離;原子ゆらぎ;原子エネルギー;化学的記述子;溶媒曝露;アミノ酸配列類似性;生物情報学的記述子;非共有結合傾向;ファイ角;プサイ角;ファンデルワールス半径;二次構造傾向;アミノ酸隣接性;およびアミノ酸接触からなる群から独立して選択される。実施形態では、操作されたポリペプチドは、1つ以上の参照標的由来拘束を満たすポリペプチドのアミノ酸にわたって、参照標的と46%~96%のRMSIPまたはそれよりも高い構造的類似性を共有する。
別の態様では、本開示は、CD25残基55~63、13~20:127~132、5~17、5~11:156~163、77~89、147~157、11~14または44~56から選択されるCD25エピトープに特異的に結合する抗原結合ドメインを含むCD25特異的抗体を提供する。実施形態では、抗体は、CD25の結合について、エピトープ特異的参照結合剤と競合し、エピトープ特異的結合剤は、IL-2、ダクリズマブ、バシオリキシマブ(basioliximab)および/または7G7B6である。実施形態では、抗体は、オフターゲット参照結合剤と競合せず、オフターゲット結合剤は、IL-2、ダクリズマブ、バシオリキシマブおよび/または7G7B6である。実施形態では、抗体は、10-2/s未満、10-3/s未満または10-4/s未満のkoffを有し、koffは、可溶性ヒトCD25を用いたバイオレイヤーインターフェロメトリーを使用して測定される。実施形態では、抗体は、10-2/sと10-5/sとの間のkoffを有し、koffは、可溶性ヒトCD25を用いたバイオレイヤーインターフェロメトリーを使用して測定される。実施形態では、抗体は、100nM未満、25nM未満または5nM未満のKを有し、Kは、可溶性ヒトCD25を用いたバイオレイヤーインターフェロメトリーを使用して測定される。実施形態では、抗体は、100nMと1nMとの間のKを有し、Kは、可溶性ヒトCD25を用いたバイオレイヤーインターフェロメトリーを使用して測定される。
実施形態では、抗体は、CD25を発現する細胞に特異的に結合する。実施形態では、抗体は、少なくとも10または少なくとも10の平均蛍光強度(MFI)で、CD25を発現する細胞に結合する。実施形態では、抗体は、10と10との間の平均蛍光強度(MFI)で、CD25を発現する細胞に結合する。実施形態では、抗体は、CD25(-)細胞に結合しない。実施形態では、抗体は、10未満の平均蛍光強度(MFI)で、CD25(-)細胞に結合する。実施形態では、抗体は、表7Dの組み合わせ1~126のいずれか1つの6つのCDRを含む。
実施形態では、抗体は、表3Aおよび表3B中に提供されるYU390-B12、YU397-F01、YU397-D01、YU398-A11、YU404-H01、YU400-B07、YU400-D09、YU401-B01、YU401-G07、YU404-C02、YU403-G07、YU403-G05、YU391-B12、YU400-A03、YU400-D02、YU392-A09、YU392-B11、YU392-B12、YU392-E05、YU392-E06、YU392-G08、YU389-A03、YU392-G09、YU392-G12、YU392-H02、YU392-H04、YU402-F01、YU389-B11、YU394-D08、またはYU390-A11のいずれか1つについての6つの相補性決定領域(CDR)を含む。
実施形態では、抗体は、表5中に提供されるYU390-B12、YU397-F01、YU397-D01、YU398-A11、YU404-H01、YU400-B07、YU400-D09、YU401-B01、YU401-G07、YU404-C02、YU403-G07、YU403-G05、YU391-B12、YU400-A03、YU400-D02、YU392-A09、YU392-B11、YU392-B12、YU392-E05、YU392-E06、YU392-G08、YU389-A03、YU392-G09、YU392-G12、YU392-H02、YU392-H04、YU402-F01、YU389-B11、YU394-D08、またはYU390-A11の重鎖可変領域および軽鎖可変領域と少なくとも90%、95%、99%または100%の配列同一性を各々が共有する重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む。実施形態では、抗体は、全長免疫グロブリンGモノクローナル抗体である。実施形態では、抗体は、表5中に提供されるYU390-B12、YU397-F01、YU397-D01、YU398-A11、YU404-H01、YU400-B07、YU400-D09、YU401-B01、YU401-G07、YU404-C02、YU403-G07、YU403-G05、YU391-B12、YU400-A03、YU400-D02、YU392-A09、YU392-B11、YU392-B12、YU392-E05、YU392-E06、YU392-G08、YU389-A03、YU392-G09、YU392-G12、YU392-H02、YU392-H04、YU402-F01、YU389-B11、YU394-D08、またはYU390-A11の単鎖可変断片(scFv)配列と少なくとも90%、95%、99%または100%の配列同一性を共有するscFvを含む。
実施形態では、抗体は、ヒト抗体である。実施形態では、抗体は、ヒト化抗体である。実施形態では、抗体は、キメラ抗体である。実施形態では、抗体は、マウス可変ドメインおよびヒト定常ドメインを含む。実施形態では、抗体は、カニクイザル(cynomologous monkey)CD25にも結合する。
別の態様では、本開示は、本開示の任意の抗体を含み、適宜、薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。別の態様では、本開示は、処置を必要とする対象を処置する方法であって、対象に、治療有効量の本開示の任意の抗体または医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。実施形態では、対象は、がんを患っている。実施形態では、対象は、自己免疫性疾患または障害を患っている。別の態様では、本開示は、対象において調節性T細胞の数を枯渇させる方法であって、対象に、治療有効量の本開示の任意の抗体または医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。実施形態では、対象は、がんを患っている。実施形態では、対象は、自己免疫性疾患または障害を患っている。
別の態様では、本開示は、本開示の任意の抗体または医薬組成物の抗体を含むキットを提供する。
一部の態様では、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10および配列番号11からなる群から選択される配列に対して少なくとも60%の配列類似性を有する操作された免疫原が、本明細書で提供される。一部の実施形態では、操作された免疫原は、その配列に対して少なくとも80%の類似性を有する。他の実施形態では、操作された免疫原は、その配列に対して少なくとも90%の類似性を有する。ある特定の実施形態では、操作された免疫原は、少なくとも1つの特徴をCD25と共有する。なおさらなる実施形態では、操作された免疫原は、CD25の抗体に結合する。一部の実施形態では、操作された免疫原は、約7.3と約7.5との間のpHでの結合親和性と比較して、7.0を下回るpHで、CD25の抗体に対するより高い結合親和性を有する。一部の実施形態では、操作された免疫原は、約7.3と約7.5との間のpHでの結合親和性と比較して、約6.4と約6.6との間のpHで、CD25の抗体に対するより高い結合親和性を有する。
なお他の実施形態では、抗体を産生する方法であって、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10および配列番号11からなる群から選択される配列に対して少なくとも60%の配列類似性を有する操作された免疫原で動物を免疫化すること;ならびに抗体を産生することを含む方法が、本明細書で提供される。方法の一部の実施形態では、抗体は、CD25に対する抗体である。ある特定の実施形態では、抗体は、約7.3と約7.5との間のpHでの結合親和性と比較して、7.0を下回るpHで、CD25に対するより高い結合親和性を示す。なおさらなる実施形態では、抗体は、約7.3と約7.5との間のpHでの結合親和性と比較して、約6.4と約6.6との間のpHで、CD25に対するより高い結合親和性を示す。一部の実施形態では、抗体は、CD25のIL-2への結合を遮断しない。他の実施形態では、抗体は、CD25のIL-2への結合を遮断する。請求項8~11のいずれか一項に記載の方法であって、抗体は、CD25のIL-2への結合を遮断しない。一部の実施形態では、抗体は、IL-2R-アルファ、IL-2R-ベータおよびIL-2R-ガンマのヘテロトリマー化を防止する。ある特定の実施形態では、抗体は、CD25のシス配向およびトランス配向の両方に結合することが可能である。
本特許または出願ファイルは、カラーで描かれた少なくとも1つの図面を含む。カラー図面(複数可)を伴う本特許または特許出願のコピーは、請求および必要な手数料の納付の際に、特許庁によって提供されるであろう。本出願は、添付の図面と併せて解釈される以下の説明に対する言及によって理解することができる。
図1は、本明細書に記載される操作されたポリペプチドを選択する際の使用のための、3つの空間的に関連するトポロジー的拘束の例示的な組み合わせの構築を示す模式図を提供する。
図2は、参照由来の空間的に関連するトポロジー的拘束を決定する一部の例示的な方法に関与する工程、および操作されたポリペプチドを選択する際のそれらの使用の模式図を提供する。操作されたポリペプチドは、本明細書でメソスケール(meso-scale)分子、MEMまたはメソスケールペプチドと呼ばれる。
図3A~3Cは、本明細書に記載される方法を使用した操作されたポリペプチドの群の選択を示す模式図を提供する。図3Aは、参照中の目的の界面についての空間的に関連するトポロジー的情報の抽出、および操作されたポリペプチドを選択する際の使用のためのトポロジー的拘束を規定する際のその使用を示す。図3Bは、ミスマッチした候補が破棄され、トポロジーとマッチする候補が保持される方法を示す、インシリコ(in silico)スクリーニング工程を詳細に示す模式図を提供する。図3Cは、同定された上位12の選択された操作されたポリペプチド候補を示す。 図3A~3Cは、本明細書に記載される方法を使用した操作されたポリペプチドの群の選択を示す模式図を提供する。図3Aは、参照中の目的の界面についての空間的に関連するトポロジー的情報の抽出、および操作されたポリペプチドを選択する際の使用のためのトポロジー的拘束を規定する際のその使用を示す。図3Bは、ミスマッチした候補が破棄され、トポロジーとマッチする候補が保持される方法を示す、インシリコ(in silico)スクリーニング工程を詳細に示す模式図を提供する。図3Cは、同定された上位12の選択された操作されたポリペプチド候補を示す。 図3A~3Cは、本明細書に記載される方法を使用した操作されたポリペプチドの群の選択を示す模式図を提供する。図3Aは、参照中の目的の界面についての空間的に関連するトポロジー的情報の抽出、および操作されたポリペプチドを選択する際の使用のためのトポロジー的拘束を規定する際のその使用を示す。図3Bは、ミスマッチした候補が破棄され、トポロジーとマッチする候補が保持される方法を示す、インシリコ(in silico)スクリーニング工程を詳細に示す模式図を提供する。図3Cは、同定された上位12の選択された操作されたポリペプチド候補を示す。
図4A~4Bは、本明細書に記載される方法を使用する、異なるセットの参照パラメーターに基づく異なる群の操作されたポリペプチドの選択を示す第2のセットの模式図を提供する。図4Aは、空間的に関連するトポロジー的情報の抽出およびトポロジー行列の構築を示す。図4Bは、候補をトポロジー的拘束とインシリコで比較することによって選択された上位8つの操作されたポリペプチド候補のリストを提供する。 図4A~4Bは、本明細書に記載される方法を使用する、異なるセットの参照パラメーターに基づく異なる群の操作されたポリペプチドの選択を示す第2のセットの模式図を提供する。図4Aは、空間的に関連するトポロジー的情報の抽出およびトポロジー行列の構築を示す。図4Bは、候補をトポロジー的拘束とインシリコで比較することによって選択された上位8つの操作されたポリペプチド候補のリストを提供する
図5は、本明細書に記載される操作されたポリペプチドを使用し、陽性(T)または陰性(X)選択分子としてネイティブタンパク質もまた使用する、例示的なプログラム可能なインビトロ(in vitro)選択の設計の概観を提供する模式図である。
図6は、本開示の操作されたポリペプチドの生成のために標的化した、IL-2界面の外側のCD25上の8つのエピトープの図を示す。
図7は、CD25上のIL-2界面の外側の8つのエピトープを模倣するように設計された16個の操作されたポリペプチドを示す。各図において、CD25標的エピトープ残基は、金色で示される。これらのエピトープ残基を支持するように設計された足場残基は、灰色で示される。
図8は、標的エピトープからの、操作されたポリペプチドのコンピューター的に決定された逸脱の図を示す。操作されたポリペプチドは、標的エピトープに対して、構造および動力学における類似性を示す(46%~96%のRMSIP)。
図9は、インビトロ選択戦略当たり384個の抗CD25 scFvクローンについてのELISA分析を示す。8つのCD25エピトープを、32個のプログラムされた選択戦略を用いて標的化した。数字は、各選択戦略からの個々のscFvのELISA分析を示す。各scFvを、全長CD25に対するELISAによって試験した。選択戦略S1~S32は、図6に示されるエピトープに対応するエピトープ番号1~8によって指定される。
図10は、MEMプログラムされた選択スキームが、別個の高親和性クローン性サブセットを富化することを示す。3つのMEMポリペプチドの各々についての2つの異なる選択戦略(スキームAおよびスキームB)のヒストグラムが示される。右パネル中のスキームは、より高い数の高親和性クローンを生じた。全長CD25を用いたパニングは、比較的少ない高親和性クローンを生じる。
図11は、ファージディスプレイパニングによって同定された1433個の抗CD25 scFvについてのバイオレイヤーインターフェロメトリーからのデータを示す。y軸は、各クローンについてのkoff(1/s)をプロットする。観察された中央値konは、1.35×10(1/Ms)であった。K推計は、4.5×10(1/Ms)のkonを想定する。1475個の試験したスクリーニングヒットのうち1433個(97%)が、CD25に結合すると確認される。プロットは、1433個の確認されたヒットについての解離速度(off-rate)分布を示す。
図12は、ファージディスプレイパニングによって同定された抗CD25 scFvについてのバイオレイヤーインターフェロメトリーからのデータを示す。ヒットは、使用したパニング戦略によって同定される。データは、10-3/s未満のkoffを有するヒットのみについて示される。
図13は、ファージディスプレイパニングによって同定された抗CD25 scFvについてのフローサイトメトリーからのデータを示す。異なるscFv抗体のCD25特異性を、CD25を発現する細胞[CD25(+)]またはCD25を発現しない細胞[CD25(-)]を使用して、フローサイトメーターで評価した。
図14A~14Bは、ファージディスプレイパニングによって同定された抗CD25 scFvについてのフローサイトメトリーからのデータを示す。ヒットは、使用したパニング戦略によって同定される。図14Aは、CD25(+)細胞への結合を示す。図14Bは、対照CD25(-)細胞への結合を示す。 図14A~14Bは、ファージディスプレイパニングによって同定された抗CD25 scFvについてのフローサイトメトリーからのデータを示す。ヒットは、使用したパニング戦略によって同定される。図14Aは、CD25(+)細胞への結合を示す。図14Bは、対照CD25(-)細胞への結合を示す。
図15は、代表的な富化戦略(S12)における各CDR H3位置におけるアミノ酸残基富化を示す。
図16は、MEMまたはCD25操縦(steer)されたインビトロ選択の各ラウンドの間の配列多様性のグラフを示す。
図17は、MEMまたはCD25操縦されたインビトロ選択の各ラウンドの間のCDR長さのグラフを示す。
図18は、4標的競合的結合アッセイを用いたエピトープ分解において使用したIL-2および3つの抗体(ダクリズマブ、Tusk 7G7B6およびバシリキシマブ)に対する適切な結合部位を示したCD25のリボン図を示す。
図19は、全長CD25パニングクローンがIL-2界面エピトープによって支配されることを示す。ほとんどのクローンは、IL-2、ダクリズマブおよびバシオリキシマブによって遮断されるが、7G7B6によっては遮断されない。
図20は、147~157エピトープMEM操縦クローンが、意図したエピトープにおいて主に結合することを示す。ほとんどのクローンは、ダクリズマブによって遮断されるが、IL-2によっても、バシオリキシマブによっても7G7B6によっても遮断されない。
図21は、6~17エピトープMEM操縦クローンが、意図したエピトープにおいて主に結合することを示す。ほとんどのクローンは、7G7B6によって遮断されるが、IL-2によっても、ダクリズマブによってもバシオリキシマブによっても遮断されない。
図22は、13~20:127~132エピトープMEM操縦クローンが、意図したエピトープにおいて主に結合することを示す。ほとんどのクローンは、7G7B6によって遮断されるが、IL-2によっても、ダクリズマブによってもバシオリキシマブによっても遮断されない。
図23は、44~56エピトープMEM操縦クローンが、意図したエピトープにおいて主に結合することを示す。クローンを、2つのプロファイルに分割した。プロファイル1では、クローンは、7G7B6によって遮断されるが、IL-2によっても、ダクリズマブによってもバシオリキシマブによっても遮断されない。プロファイル2では、クローンは、IL-2、ダクリズマブおよびバシオリキシマブによって遮断されるが、7G7B6によっては遮断されない。これらの遮断プロファイルは、異なるアプローチ角からの、意図したエピトープへの結合を示す。
図24は、55~63エピトープMEM操縦クローンが、意図したエピトープにおいて主に結合することを示す。クローンを、3つのプロファイルに分割した。プロファイル1では、クローンは、7G7B6によって遮断されるが、IL-2によっても、ダクリズマブによってもバシオリキシマブによっても遮断されない。プロファイル2では、クローンは、IL-2、ダクリズマブおよびバシオリキシマブによって遮断されるが、7G7B6によっては遮断されない。これらの遮断プロファイルは、異なるアプローチ角からの、意図したエピトープへの結合を示す。プロファイル3では、クローンは、IL-2および7G7B6によって遮断されるが、ダクリズマブによってもバシオリキシマブによっても遮断されない。これらの遮断プロファイルは、異なるアプローチ角からの、意図したエピトープへの結合を示す。
図25は、MEM操縦クローンが意図したエピトープをビニングすることを確認または拒絶するように設計したアラニン突然変異を示す。8つのエピトープが色で示される。アラニンに突然変異させた残基の部位は、赤色の棒によって示される。
図26は、147~157 CD25エピトープ中のアラニン突然変異が、全体的安定性にも局所的安定性にも影響を与えないことを示す。各突然変異体および野生型について:結晶構造を参照として使用した、8つの異なる出発アポ-CD25立体配置の各々についての露わな溶媒(explicit solvent)中での3つの独立した100ns MDシミュレーションからのRMSD。
図27は、バシリキシマブ対照抗体を用いて実証されたAla突然変異体エピトープマッピングの信頼性を示す。Ala突然変異体の結合応答は、バシリキシマブエピトープの結晶構造を裏付ける。X線結晶構造からわかったバシリキシマブ-CD25エピトープは、オレンジ色で示される。
図28は、ダクリズマブ対照抗体を用いて実証されたAla突然変異体エピトープマッピングの信頼性を示す。Ala突然変異体の結合応答は、ダクリズマブエピトープの結晶構造を裏付ける。X線結晶構造からわかったダクリズマブ-CD25エピトープは、オレンジ色で示される。左下の差し込み図は、ダクリズマブ結合に対するT175Aの影響を示す、エピトープズームを示す。
図29は、7G7B6対照抗体を用いて実証されたAla突然変異体エピトープマッピングの信頼性を示す。Ala突然変異体の結合応答は、7G7B6エピトープのペプチドマッピングを裏付ける。
図30は、147~157エピトープについてのMEMプログラムされた選択ヒットのエピトープマッピングを示す。ほとんどのヒットは、意図したエピトープにおいてala突然変異感受性を示す。
図31は、種々のMEM操縦された抗体ヒットのアラニン置換に対する感受性を示す。機能的エピトープ多様性が観察される。MEM操縦されたヒットは、別個のイン-エピトープアラニン置換位置感受性を有する。
図32は、IL-2リガンド(空間充填)、IL-2R-ガンマおよびIL-2R-ベータとのCD25(リボン)結合のモデルを示す。左および右の矢印は、CD25を模倣する操作された免疫原を開発するために使用したCD25の選択されたセクションを示す。
図33Aは、図32において左矢印で示されるCD25のセクションを初期インプットとして使用して開発した操作された免疫原についての、生理的pHにおける分子安定性 対 平均二乗偏差(RMSD)評価の例示的なグラフである。図33Bは、図32において右矢印で示されるCD25のセクションを初期インプットとして使用して開発した操作された免疫原についての、生理的pHにおける分子安定性 対 平均二乗偏差(RMSD)評価の例示的なグラフである。図33Cは、図2B中の操作された免疫原(図32において右矢印で示されるCD25のセクションを初期インプットとして使用して開発した)についての、腫瘍微小環境pH(より低いpH)における分子安定性 対 平均二乗偏差(RMSD)評価の例示的なグラフである。
図34Aは、CD25セクション(リボン)、IL-2(1)、IL-2R-ガンマ(2)およびIL-2R-ベータ(3)を示す、IL-2R複合体とのIL-2結合のモデルである。図34Bは、異なる選択された例示的な操作された免疫原を開発するためにインプットとして使用したCD25の領域を列挙する、IL-2R複合体とのIL-2結合の別の表示である。図34Cは、異なる選択された例示的な操作された免疫原を開発するためにインプットとして使用したCD25の領域を列挙する、IL-2R複合体とのIL-2結合の別の表示である。
参照CD25標的の一部分と構造的および/または動力学的同一性を共有する操作されたポリペプチドが、本明細書で提供される。目的のエピトープには、図6に示される8つのエピトープが含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、選択されたエピトープは、IL-2、ダクリズマブおよび/またはバシリキシマブに対する結合部位(エピトープ)と重複しない。一部の実施形態では、エピトープは、7G7B6に対するエピトープと重複する。一部の実施形態では、選択されたエピトープは、55~63、12~20:127~132(非連続エピトープ)、5~17、5~11:156~163(非連続エピトープ)、77~89、147~157、11~14または44~56から選択される。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、コンフォメーション的に安定であり、CD25に特異的に結合する抗体との相互作用に関与するCD25エピトープを提示する。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25に特異的に結合する抗体と相互作用しないことが公知のCD25の表面部分を提示する。かかる操作されたポリペプチドは、例えば、CD25に特異的に結合する抗体を選択および/または産生するために使用され得る。
I.操作されたポリペプチド。
一部の実施形態では、本明細書で提供される操作されたポリペプチドは、CD25参照標的と少なくとも46%の構造的および/または動力学的同一性を共有し、CD25参照標的は、以下の表中に列挙されたものから選択されるCD25の一部分である。本明細書で一般に提供されるように、%構造的/動力学的同一性は、二乗平均平方根内積(RMSIP)同一性(本明細書の上記で提供される)×100%である。一部の実施形態では、構造的同一性は、配列同一性を指す。
Figure 2022513043000002

一部の実施形態では、本明細書で提供される操作されたポリペプチドは、
Figure 2022513043000003

から選択されるアミノ酸配列と80%の配列同一性を共有する。
一部の実施形態では、ポリペプチドは、CD25参照標的と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%の構造的および/または動力学的同一性を共有する。一部の実施形態では、ポリペプチドは、CD25参照標的と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%の配列同一性を共有する。
一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、選択されたCD25エピトープを模倣するように設計される。例えば、一部の実施形態では、ポリペプチドは、メソスケールの操作された分子、例えば、メソスケールの操作されたポリペプチドを含む。メソスケールの操作されたポリペプチドを選択する方法、ならびにこの操作されたポリペプチドを含む組成物およびそれを使用する方法が、本明細書で提供される。例えば、抗体のインビトロ選択において操作されたポリペプチドを使用する方法が、本明細書で提供される。
本開示の操作されたポリペプチドは、1kDaと10kDaとの間であり、本明細書で「メソスケール」と呼ばれる。このサイズの操作されたポリペプチドは、一部の実施形態では、特定の利点、例えば、タンパク質様機能性、候補を選択する大きい理論的空間、細胞透過性、ならびに/または構造的および動力学的変動性を有し得る。メソスケールペプチドおよびメソスケールポリペプチドという用語は、本明細書で相互交換可能に使用され、メソスケール分子(MEM)という用語は、これらをカバーする意図である。
本明細書で提供される方法は、その一部がCD25参照標的に由来し得る複数の空間的に関連するトポロジー的拘束を同定すること、これらの拘束の組み合わせを構築すること、候補ペプチドをこの組み合わせと比較すること、およびこの組み合わせと重複する拘束を有する候補を選択することを含む。空間的に関連するトポロジー的拘束を使用することによって、操作されたポリペプチドの異なる態様が、意図した使用、または所望の機能、または別の所望の特徴に依存して、組み合わせ中に含められ得る。さらに、一部の実施形態では、全ての拘束がCD25参照標的に由来する必要があるわけではない。かかる方法を介して、一部の実施形態では、選択された操作されたポリペプチドは、単にCD25参照標的のバリエーション(例えば、単一の参照のペプチド突然変異誘発または進行性の改変を介して得られ得る)であるのではなく、所望の機能的特徴および/または重要な下位構造をなおも保持しつつ、参照ペプチドとは異なる全体的構造を有し得る。
1つ以上の操作されたポリペプチドを使用したプログラム可能なインビトロ選択の方法を含む、この操作されたポリペプチドを使用する方法が、本明細書でさらに提供される。かかる選択は、例えば、抗体の同定において使用され得る。
これらの方法および操作されたポリペプチドは、以下により詳細に記載される。
II.操作されたポリペプチドを選択する方法
一部の態様では、操作されたポリペプチドを選択する方法であって、
CD25参照標的の1つ以上のトポロジー的特徴を同定すること;
各トポロジー的特徴について空間的に関連する拘束を設計して、CD25参照標的由来拘束の組み合わせを産生すること;
候補ペプチドの空間的に関連するトポロジー的特徴を、CD25参照標的に由来する組み合わせと比較すること;および
CD25参照標的に由来する拘束の組み合わせと重複する空間的に関連するトポロジー的特徴を有する候補ペプチドを選択すること
を含む方法が、本明細書で提供される。
一部の実施形態では、CD25参照標的に由来しない1つ以上のさらなる空間的に関連するトポロジー的拘束が、組み合わせ中に含められる。
a.空間的に関連するトポロジー的拘束
本明細書に記載される操作されたポリペプチドは、それらが空間的に関連するトポロジー的拘束の組み合わせとどの程度密接にマッチするかに基づいて選択される。この組み合わせは、「テンソル」の数学的概念を使用して記述することもできる。かかる組み合わせ(またはテンソル)では、各拘束は、3次元空間中に独立して記述され(例えば、空間的に関連する)、3次元空間中のこれらの拘束の組み合わせは、例えば、位置に対する異なる所望の特徴およびそれらの所望のレベル(該当する場合)の表示「マップ」を提供する。このマップは、一部の実施形態では、線状の、または他の方法であらかじめ決定されたアミノ酸骨格には基づかず、したがって、記述される所望の組み合わせを満たすことができる構造における柔軟性を可能にし得る。例えば、一部の実施形態では、「マップ」は、規定の拘束制限が2つの隣接アミノ酸によって適切に満たされ得る空間領域を含む - 一部の実施形態では、これらのアミノ酸は、直接的に結合され得る(例えば、2つ連続するアミノ酸)が、他の実施形態では、アミノ酸は、互いに直接的に結合されないが、ペプチドのフォールディングによって空間的に一緒にされ得る(例えば、連続するアミノ酸ではない)。別々の拘束自体も、構造に必ずしも基づかなくてもよく、例えば、化学的記述子および/または機能的記述子を含み得る。一部の実施形態では、拘束には、構造的記述子、例えば、所望の二次構造またはアミノ酸残基が含まれる。ある特定の実施形態では、各拘束は、独立して選択される。
例えば、図1は、空間的に関連するトポロジー的拘束の代表的な組み合わせの構築を示す模式図である。図1中の3つの拘束は、配列、最近傍距離および原子運動であり、最近傍距離および原子運動は、1つの絵に組み合わされている。示されるように、一部の拘束は、骨格の場所(例えば、特定の側鎖の原子運動)とは独立してマッピングされ、したがって、参照足場上の1つ以上の位置を単に変動させることと比較して、はるかに多様な構造的立体配置が試行されるのを可能にする。3つの異なる拘束およびそれらの空間的記述は、行列(例えば、テンソル)へと組み合わされ、次いで、一連の候補ペプチドが、所望の基準を満たす新たな操作されたポリペプチドを同定するために、この組み合わせと比較され得る。一部の実施形態では、1つ以上のさらなる非参照由来拘束もまた、組み合わせ中に含められる。規定された組み合わせとの候補ペプチドの比較は、例えば、所望の組み合わせに対する各候補ペプチドの拘束を評価するためのインシリコ方法、および候補がどの程度マッチするかの比率を使用して、実施され得る。次いで、規定の組み合わせとの所望のレベルの重複を有するこれらの候補は、当業者に公知の標準的なペプチド合成法を使用して合成され得、評価され得る。
一部の実施形態では、拘束の組み合わせは、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、3~12個の間、3~10個の間、3~8個の間、3~6個の間、または3個、または4個、または5個、または6個の、独立して選択された空間的に関連するトポロジー的拘束を含む。拘束のうち1つ以上は、CD25参照標的に由来する。一部の実施形態では、拘束の各々は、CD25参照標的に由来する。他の実施形態では、少なくとも1つの拘束が、CD25参照標的に由来し、残りの拘束は、参照標的に由来しない。例えば、一部の実施形態では、1個と9個との間の拘束、1個と7個との間の拘束、1個と5個との間の拘束、または1個と3個との間の拘束がCD25参照標的に由来し、1個と9個との間の拘束、1個と7個との間の拘束、1個と5個との間の拘束、または1個と3個との間の拘束は、CD25参照標的に由来しない。
拘束の組み合わせが構築されると、一連の候補ペプチドが、所望の基準を満たす1つ以上の新たな操作されたポリペプチドを同定するために、この組み合わせと比較される。一部の実施形態では、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、少なくとも70個、少なくとも80個、少なくとも90個、少なくとも100個、少なくとも125個、少なくとも150個、少なくとも175個、少なくとも200個もしくは少なくとも250個またはそれよりも多くの候補ペプチドが、所望の基準を満たす1つ以上の新たな操作されたポリペプチドを同定するために、この組み合わせと比較される。一部の実施形態では、例えば、250個よりも多くの候補ペプチド、300個よりも多くの候補ペプチド、400個よりも多くの候補ペプチド、500個よりも多くの候補ペプチド、600個よりも多くの候補ペプチド、または750個よりも多くの候補ペプチドが比較される。一部の実施形態では、トポロジー的特徴シミュレーションが、存在する場合には、拘束の組み合わせと比較される候補ペプチドのトポロジー的特徴の重複を評価するために使用される。一部の実施形態では、1つ以上の候補ペプチドは、CD25参照標的とも比較され、存在する場合には、CD25参照標的のトポロジー的特徴との、候補ペプチドのトポロジー的特徴の重複が評価される。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、5個よりも多くの、10個よりも多くの、20個よりも多くの、30個よりも多くの、40個よりも多くの、50個よりも多くの、60個よりも多くの、70個よりも多くの、80個よりも多くの、90個よりも多くの、または100個よりも多くの別個のペプチドのコンピューター的サンプル、およびトポロジー的特徴シミュレーションから同定され、操作されたポリペプチドが選択され、選択された操作されたポリペプチドは、サンプリングされた総集団のうち、CD25参照標的と比較して最も高いトポロジー的特徴の重複を有する。
所望の組み合わせ(例えば、所望のテンソル)を構築するために使用される空間的に関連するトポロジー的拘束は、可能な特徴の広範な群から各々独立して選択され得る。これらには、例えば、構造的、動力学的、化学的もしくは機能的特徴を記述する拘束、またはそれらの任意の組み合わせが含まれ得る。
構造的拘束には、例えば、原子間距離、アミノ酸配列類似性、溶媒曝露、ファイ角、プサイ角、二次構造もしくはアミノ酸接触、またはそれらの任意の組み合わせが含まれ得る。
動力学的拘束には、例えば、原子ゆらぎ、原子エネルギー、ファンデルワールス半径、アミノ酸隣接性または非共有結合傾向が含まれ得る。原子エネルギーには、例えば、2つの原子間のペアワイズ誘引エネルギー、2つの原子間のペアワイズ反発エネルギー、原子レベル溶媒和エネルギー、2つの原子間のペアワイズ荷電誘引エネルギー、2つの原子間のペアワイズ水素結合誘引エネルギー、もしくは非共有結合エネルギー、またはそれらの任意の組み合わせが含まれ得る。
化学的特徴には、例えば、化学的記述子が含まれ得る。かかる化学的記述子には、例えば、疎水性、極性、原子容、原子半径、正味電荷、logP、HPLC保持時間、ファンデルワールス半径、電荷パターンもしくはH結合パターン、またはそれらの任意の組み合わせが含まれ得る。
機能的特徴には、例えば、生物情報学的記述子、生物学的応答または生物学的機能が含まれ得る。生物情報学的記述子には、例えば、BLOSUM類似性、pKa、zScale、Cruciani Properties、Kidera Factors、VHSE-スケール、ProtFP、MS-WHIMスコア、T-スケール、ST-スケール、膜貫通傾向、タンパク質埋没領域、ヘリックス傾向、シート傾向、コイル傾向、ターン傾向、免疫原性傾向、抗体エピトープの存在、および/もしくはタンパク質界面の存在、またはそれらの任意の組み合わせが含まれ得る。
一部の実施形態では、拘束を設計することは、残基毎のエネルギー、残基毎の相互作用、残基毎のゆらぎ、残基毎の原子間距離、残基毎の化学的記述子、残基毎の溶媒曝露、残基毎のアミノ酸配列類似性、残基毎の生物情報学的記述子、残基毎の非共有結合傾向、残基毎のファイ/プサイ角、残基毎のファンデルワールス半径、残基毎の二次構造傾向、残基毎のアミノ酸隣接性、または残基毎のアミノ酸接触についての情報を取り込む。一部の実施形態では、これらの特徴は、CD25参照標的中の総残基のサブセット、もしくは拘束の総組み合わせの総残基のサブセット、またはそれらの組み合わせのために使用される。一部の実施形態では、1つ以上の異なる特徴は、1つ以上の異なる残基のために使用される。即ち、一部の実施形態では、1つ以上の特徴が、残基のあるサブセットのために使用され、少なくとも1つの異なる特徴が、残基の異なるサブセットのために使用される。一部の実施形態では、1つ以上の拘束を設計するために使用されるこれらの特徴のうち1つ以上は、コンピューターシミュレーションによって決定される。適切なコンピューターシミュレーション法には、例えば、分子動力学シミュレーション、Monte Carloシミュレーション、粗視化シミュレーション、Gaussianネットワークモデル、機械学習、またはそれらの任意の組み合わせが含まれ得る。
一部の実施形態では、複数の拘束が、1つのカテゴリーから選択される。例えば、一部の実施形態では、組み合わせは、独立してある型の生物学的応答である2つ以上の拘束を含む。一部の実施形態では、2つ以上の拘束は、独立して、ある型の二次構造である。ある特定の実施形態では、2つ以上の拘束は、独立して、ある型の化学的記述子である。他の実施形態では、組み合わせは、拘束の重複するカテゴリーを含まない。
一部の実施形態では、1つ以上の拘束は、独立して、生物学的応答または生物学的機能と関連する。一部の実施形態では、この拘束は、空間的に規定された原子(複数可)レベルの拘束、または空間的に規定された形状/面積/容量レベルの拘束(例えば、いくつかの異なる原子組成によって満足され得る特徴的な形状/面積/容量)、または空間的に規定された動力学的レベルの拘束(例えば、いくつかの異なる原子組成によって満足され得る特徴的な動力学または動力学のセット)である。
一部の実施形態では、1つ以上の拘束は、生物学的機能または生物学的応答と関連するタンパク質構造またはペプチド構造に由来する。例えば、一部の実施形態では、1つ以上の拘束は、細胞外ドメイン、例えば、Gタンパク質共役受容体(GPCR)細胞外ドメインまたはイオンチャネル細胞外ドメインに由来する。一部の実施形態では、1つ以上の拘束は、タンパク質-タンパク質界面接合部に由来する。一部の実施形態では、1つ以上の拘束は、タンパク質-ペプチド界面接合部、例えば、MHC-ペプチドまたはGPCR-ペプチド界面に由来する。ある特定の実施形態では、かかるタンパク質またはペプチド構造に拘束される原子またはアミノ酸は、生物学的機能または生物学的応答と関連する原子またはアミノ酸である。一部の実施形態では、かかるタンパク質またはペプチド構造に拘束される操作されたポリペプチド中の原子またはアミノ酸は、CD25参照標的に由来する原子またはアミノ酸である。一部の実施形態では、1つ以上の拘束は、CD25参照標的の多型領域(例えば、個体間の対立遺伝子バリエーションに供される領域)に由来する。
一部の実施形態では、生物学的機能または生物学的応答と関連する1つ以上の原子は、炭素、酸素、窒素、水素、硫黄、リン、ナトリウム、カリウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム、銅、鉄、モリブデンおよびニッケルからなる群から選択される。ある特定の実施形態では、原子は、酸素、窒素、硫黄および水素からなる群から選択される。
拘束のうち1つが生物学的機能もしくは生物学的応答と関連する1つ以上のアミノ酸であるおよび/または操作されたポリペプチドが生物学的機能もしくは生物学的応答と関連する1つ以上のアミノ酸を含む一部の実施形態では、1つ以上のアミノ酸は、20種のタンパク質原性の天然に存在するアミノ酸、非タンパク質原性の天然に存在するアミノ酸および非天然アミノ酸からなる群から独立して選択される。一部の実施形態では、非天然アミノ酸は、化学的に合成される。ある特定の実施形態では、1つ以上のアミノ酸は、20種のタンパク質原性の天然に存在するアミノ酸から選択される。他の実施形態では、1つ以上のアミノ酸は、非タンパク質原性の天然に存在するアミノ酸から選択される。なおさらなる実施形態では、1つ以上のアミノ酸は、非天然アミノ酸から選択される。なおさらなる実施形態では、1つ以上のアミノ酸は、20種のタンパク質原性の天然に存在するアミノ酸、非タンパク質原性の天然に存在するアミノ酸および非天然アミノ酸の組み合わせから選択される。
本明細書に記載される操作されたポリペプチドを選択するために使用される拘束の組み合わせは、CD25参照標的に由来する少なくとも1つの拘束を含むが、一部の実施形態では、組み合わせの1つ以上の拘束は、CD25参照標的に由来しない。したがって、ある特定の実施形態では、選択された操作されたポリペプチドは、CD25参照標的と共有されない1つ以上の特徴を含む。
一部の実施形態では、CD25参照標的に由来し、組み合わせにおいて使用される1つ以上の拘束は、CD25参照標的において観察される特徴の逆を記述する。したがって、例えば、CD25参照標的は、特定のパターンの正の電荷を有し得、電荷に関連する拘束は、このCD25参照標的に由来し、由来の拘束は、類似のパターンではあるが中性の電荷または負の電荷を記述する。したがって、一部の実施形態では、1つ以上の逆拘束は、CD25参照標的に由来し、組み合わせ中に含められる。かかる逆拘束は、例えば、特定のアッセイもしくはパニング法のための対照分子として、または本明細書に記載されるプログラム可能なインビトロ選択法における陰性選択分子として、操作されたポリペプチドを選択する際に有用であり得る。
一部の実施形態では、空間的に規定されたトポロジー的拘束の組み合わせは、1つ以上の非参照由来トポロジー的拘束を含む。一部の実施形態では、1つ以上の非参照由来トポロジー的拘束は、1つ以上の二次構造要素を強制もしくは安定化し、原子ゆらぎを強制し、ペプチドの総疎水性を変更し、ペプチドの溶解度を変更し、ペプチドの総電荷を変更し、標識されたもしくは標識なしのアッセイにおける検出を可能にし、インビトロアッセイにおける検出を可能にし、インビボ(in vivo)アッセイにおける検出を可能にし、複雑な混合物からの捕捉を可能にし、酵素的プロセシングを可能にし、細胞膜透過性を可能にし、二次標的への結合を可能にし、または免疫原性を変更する。ある特定の実施形態では、1つ以上の非参照由来トポロジー的拘束は、CD25参照標的に由来した拘束の組み合わせ(または引き続いて選択されたペプチド)中の1つ以上の原子またはアミノ酸を拘束する。例えば、一部の実施形態では、拘束の組み合わせは、CD25参照標的に由来した二次構造を含み、拘束の組み合わせは、二次構造要素を安定化する(例えば、さらなる水素結合、または疎水性相互作用、または側鎖スタッキング、または塩橋、またはジスルフィド結合を介して)拘束もまた含み、この安定化性の拘束は、CD25参照標的中には存在しない。別の例では、一部の実施形態では、拘束の組み合わせ(または引き続いて選択されたペプチド)は、CD25参照標的に由来した1つ以上の原子またはアミノ酸を含み、拘束の組み合わせは、標的参照に由来する原子またはアミノ酸の少なくとも一部分における原子ゆらぎを強制する拘束もまた含み、この拘束は、標的参照中には存在しない。一部の実施形態では、1つ以上の非参照由来拘束は、逆拘束である。例えば、一部の実施形態では、拘束の2つの組み合わせは、逆特徴を有する操作されたポリペプチドを選択するために構築される。一部のかかる実施形態では、拘束の第1の組み合わせは、CD25参照標的に由来する1つ以上の拘束、およびCD25参照標的に由来しない1つ以上の拘束を含むであろう;拘束の第2の組み合わせは、CD25参照標的に由来する同じ1つ以上の拘束、および第1の組み合わせの非CD25参照標的拘束のうち1つ以上の逆を含むであろう。
b.CD25参照標的
任意の適切なCD25参照標的が、本明細書で提供される方法における使用のための1つ以上の空間的に関連するトポロジー的拘束を誘導するために使用され得る。一部の実施形態では、CD25参照標的は、全長ネイティブタンパク質である。他の実施形態では、CD25参照標的は、全長ネイティブタンパク質の一部分である。なおさらなる実施形態では、CD25参照標的は、非ネイティブタンパク質、またはその部分である。
一部の実施形態では、CD25参照標的は、
Figure 2022513043000004


から選択される。
例えば、一部の実施形態では、CD25参照標的は、CD25の一部分、例えば、エピトープまたは予測されたエピトープである。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、免疫原であり、標的参照が由来するタンパク質に特異的に結合する1つ以上の抗体を生じるために使用され得る1つ以上の操作されたポリペプチドを選択するために使用され得る。なおさらなる実施形態では、本明細書で提供される方法は、目的のタンパク質、例えば、抗体、FabをディスプレイするファージまたはscFvをディスプレイするファージの1つ以上の結合パートナーを選択するために次に使用され得る1つ以上の操作されたポリペプチドを選択するために使用され得る。
c.拘束の比較
一部の実施形態では、1つ以上の拘束(例えば、参照由来または非参照由来)は、分子シミュレーション(例えば、分子動力学)もしくは実験室測定(例えば、NMR)、またはそれらの組み合わせによって決定される。拘束が誘導され組み合わされると、操作されたポリペプチド候補が、一部の実施形態では、コンピューター的タンパク質設計(例えば、Rosetta)を使用して生成される。一部の実施形態では、ペプチド空間をサンプリングする他の方法が使用される。次いで、動力学シミュレーションが、選択された拘束のパラメーターを得るために、候補の操作されたポリペプチドに対して実施され得る。原子ゆらぎの共分散行列が、CD25参照標的について生成され、共分散行列が、候補の操作されたポリペプチドの各々中の残基について生成され、これらの共分散行列は、重複を決定するために比較される。主成分分析は、各共分散行列 - CD25参照標的についての1つの共分散行列、および候補の操作されたポリペプチドの各々についての1つの共分散 - についての固有ベクトルおよび固有値を計算するために実施され、最も大きい固有値を有する固有ベクトルが保持される。
固有ベクトルは、シミュレートされた分子構造のセットにおいて観察される1番目、2番目、3番目、N番目に支配的な運動を記述する。いずれの理論によって束縛されることも望まないが、候補の操作されたポリペプチドがCD25参照標的と同様に動く場合、その固有ベクトルは、CD25参照標的の固有ベクトルと類似するであろう。固有ベクトルの類似性は、整列され、同じ方向を指すそれらの成分(各CA原子を中心とした3Dベクトル)に対応する。
一部の実施形態では、候補の操作されたポリペプチドの固有ベクトルとCD25参照標的の固有ベクトルとの間のこの類似性は、2つの固有ベクトルの内積を使用して計算される。内積値は、2つの固有ベクトルが互いに対して90度である場合には0であるか、または2つの固有ベクトルが同じ方向を正確に指す場合には1である。理論によって束縛されることは望まないが、固有ベクトルの順序付けは、それらの固有値に基づき、固有値は、分子動力学(MD)シミュレーションが2つの異なる分子の根底にあるエネルギーランドスケープをサンプリングする確率論的性質に起因して、それらの異なる分子間で必ずしも同じでなくてもよいので、一部の実施形態では、複数の差次的にランク付けされた固有ベクトル間の内積が必要とされる(例えば、操作されたポリペプチドの固有ベクトル1×CD25参照標的の固有ベクトル2、3、4など)。さらに、分子運動は複雑であり、1つよりも多くの(または数個よりも多くの)支配的な/主要なモードの運動が関与し得る。したがって、一部の実施形態では、候補の操作されたポリペプチドおよびCD25参照標的における固有ベクトルの全ての対間の内積が計算される。これは、内積の行列を生じ、その次元は、分析した固有ベクトルの数によって決定される。例えば、10個の固有ベクトルについて、内積の行列は、10×10である。内積のこの行列は、100(10×10の場合)の内積の二乗平均平方根値を計算することによって、単一の値に変えることができる。これは、二乗平均平方根内積(RMSIP)である。この比較から、拘束の規定された組み合わせとの類似性を有する1つ以上の候補の操作されたポリペプチドが選択される。
d.さらなる工程
一部の実施形態では、1つ以上の操作されたポリペプチドの選択は、1つ以上のさらなる工程を含む。例えば、一部の実施形態では、操作されたポリペプチド候補は、本明細書に記載されるように、空間的に関連するトポロジー的拘束の規定された組み合わせとの類似性に基づいて選択され、次いで、1つ以上のさらなる特徴を決定するための1つ以上の分析、および所望の特徴を付与または強制するための1つ以上の構造的調整を受ける。例えば、一部の実施形態では、選択された候補は、分子の全体的安定性および/または特定のフォールディングされた構造の傾向を決定するために、例えば、分子動力学シミュレーションを介して分析される。一部の実施形態では、1つ以上の改変が、所望のレベルの安定性、または所望のフォールディングされた構造の所望の傾向を付与または強化するために、操作されたポリペプチドに対してなされる。かかる改変には、例えば、1つ以上の架橋(例えば、ジスルフィド結合)、塩橋、水素結合相互作用もしくは疎水性相互作用、またはそれらの任意の組み合わせの導入が含まれ得る。
本明細書で提供される方法は、1つ以上の所望の特徴、例えば、所望の結合相互作用または活性について、1つ以上の選択された操作されたポリペプチドをアッセイすることをさらに含み得る。任意の適切なアッセイが、所望の特徴を測定するために必要に応じて使用され得る。
他の態様では、操作されたポリペプチド、例えば、本明細書に記載される方法を介して選択された操作されたポリペプチドが、本明細書で提供される。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、1kDaと10kDaとの間の分子質量を有し、最大で50アミノ酸を含む。ある特定の実施形態では、操作されたポリペプチドは、2kDaと10kDaとの間、2kDaと10kDaとの間、3kDaと10kDaとの間、4kDaと10kDaとの間、5kDaと10kDaとの間、6kDaと10kDaとの間、7kDaと10kDaとの間、8kDaと10kDaとの間、9kDaと10kDaとの間、1kDaと9kDaとの間、1kDaと8kDaとの間、1kDaと7kDaとの間、1kDaと6kDaとの間、1kDaと5kDaとの間、1kDaと4kDaとの間、1kDaと3kDaとの間、または1kDaと2kDaとの間の分子質量を有する。ある特定の実施形態では、操作されたポリペプチドは、最大で45アミノ酸、最大で40アミノ酸、最大で35アミノ酸、最大で30アミノ酸、最大で25アミノ酸、最大で20アミノ酸、少なくとも5アミノ酸、少なくとも10アミノ酸、少なくとも15アミノ酸、少なくとも20アミノ酸、少なくとも25アミノ酸、少なくとも30アミノ酸、少なくとも35アミノ酸または少なくとも40アミノ酸を含む。
ある特定の実施形態では、操作されたポリペプチドは、空間的に関連するトポロジー的拘束の組み合わせを含み、拘束のうち1つ以上は、CD25参照標的由来拘束である。本明細書に記載される任意の拘束は、一部の実施形態では、組み合わせて使用され得る。なおさらなる実施形態では、操作されたポリペプチドのアミノ酸の10%~98%の間が、1つ以上のCD25参照標的由来拘束を満たす(例えば、操作されたポリペプチドが50アミノ酸を含む場合、5アミノ酸~49アミノ酸の間が、1つ以上のCD25参照標的由来拘束を満たす)。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドのアミノ酸の20%~98%の間、30%~98%の間、40%~98%の間、50%~98%の間、60%~98%の間、70%~98%の間、80%~98%の間、90%~98%の間、10%~90%の間、10%~80%の間、10%~70%の間、10%~60%の間、10%~50%の間、10%~40%の間、10%~30%の間または10%~20%の間が、1つ以上のCD25参照標的由来拘束を満たす。なおさらなる実施形態では、1つ以上のCD25参照標的由来拘束を満たす1つ以上のアミノ酸は、CD25参照標的と、8.0Å未満、7.5Å未満、7.0Å未満、6.5Å未満、6.0Å未満、5.5Å未満または5.0Å未満の骨格平均二乗偏差(RSMD)の構造的相同性を有する。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、1kDaと10kDaとの間の分子質量を有し;最大で50アミノ酸を含み;拘束のうち1つ以上がCD25参照標的由来拘束である、空間的に関連するトポロジー的拘束の組み合わせ;操作されたポリペプチドのアミノ酸の10%~98%の間は、1つ以上のCD25参照標的由来拘束を満たし;1つ以上のCD25参照標的由来拘束を満たすアミノ酸は、CD25参照標的と、8.0Å未満の骨格平均二乗偏差(RSMD)の構造的相同性を有する。
一部の実施形態では、1つ以上のCD25参照標的由来拘束を満たす操作されたポリペプチドのアミノ酸は、CD25参照標的に対して10%と90%との間の配列相同性、20%と90%との間の配列相同性、30%と90%との間の配列相同性、40%と90%との間の配列相同性、50%と90%との間の配列相同性、60%と90%との間の配列相同性、70%と90%との間の配列相同性または80%と90%との間の配列相同性を有する。一部の実施形態では、1つ以上のCD25参照標的由来拘束を満たすアミノ酸は、30Å~3000Åの間、または100Å~3000Åの間、または250Å~3000Åの間、または500Å~3000Åの間、または750Å~3000Åの間、または1000Å~3000Åの間、または1250Å~3000Åの間、または1500Å~3000Åの間、または1750Å~3000Åの間、または2000Å~3000Åの間、または2250Å~3000Åの間、または2500Å~3000Åの間、または2750Å~3000Åの間の、参照とのファンデルワールス表面積重複を有する。
操作されたポリペプチドが満たす拘束の組み合わせは、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上または7つ以上のCD25参照標的由来拘束を含み得る。組み合わせは、本開示の他の箇所で記載されるように、CD25参照標的に由来しない1つ以上の拘束を含み得る。これらの参照由来拘束、および存在する場合には非参照由来拘束は、独立して、本明細書に記載される拘束のいずれか、例えば、本明細書に記載される構造的、動力学的、化学的もしくは機能的特徴のいずれか、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。
一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25参照標的と比較した場合に少なくとも1つの構造的差異を含む。かかる構造的差異には、例えば、配列、アミノ酸残基の数、原子の総数、親水性の総計、疎水性の総計、正の電荷の総計、負の電荷の総計、1つ以上の二次構造、形状因子、Zernike記述子、ファンデルワールス表面、構造グラフのノードおよびエッジ、容量表面(volumetric surface)、静電ポテンシャル表面、疎水性ポテンシャル表面、局所的直径、局所的表面特色、スケルトンモデル、電荷密度、親水性密度、表面対容量比、両親媒性密度もしくは表面粗度における差異、またはそれらの任意の組み合わせが含まれ得る。一部の実施形態では、1つ以上の特徴(例えば、本明細書に記載される1つ以上の特徴)における差異は、特徴の型に対して適用可能な場合、CD25参照標的における特徴と比較した場合、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%である、または100%よりも高い。例えば、一部の実施形態では、差異は原子の総数であり、操作されたポリペプチドは、CD25参照標的よりも少なくとも10%、少なくとも20%もしくは少なくとも30%多い原子、またはCD25参照標的よりも少なくとも10%、少なくとも20%もしくは少なくとも30%少ない原子を有する。一部の実施形態では、差異は、正の電荷の総計におけるものであり、操作されたポリペプチドの正の電荷の総計は、CD25参照標的よりも少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%または少なくとも50%大きい(例えば、より正である)が、他の実施形態では、操作されたポリペプチドの正の電荷の総計は、CD25参照標的よりも少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%または少なくとも50%小さい(例えば、より正でない)。
一部の実施形態では、空間的に規定されたトポロジー的拘束の組み合わせは、CD25参照標的中に存在しない1つ以上の二次構造要素を含む。したがって、一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25参照標的中に存在しない1つ以上の二次構造要素を含む。一部の実施形態では、組み合わせおよび/または操作されたポリペプチドは、CD25参照標的中に見出されない1つの二次構造要素、2つの二次構造要素、3つの二次構造要素、4つの二次構造要素、または4つよりも多くの二次構造要素を含む。一部の実施形態では、各二次構造要素は、ヘリックス、シート、ループ、ターンおよびコイルからなる群から独立して選択される。一部の実施形態では、CD25参照標的中に存在しない各二次構造要素は、独立して、α-ヘリックス、β-ブリッジ、β-ストランド、310ヘリックス、π-ヘリックス、ターン、ループまたはコイルである。
ある特定の実施形態では、CD25参照標的は、生物学的応答または生物学的機能(例えば、本明細書に記載されるもの)と関連する1つ以上の原子を含み;操作されたポリペプチドは、生物学的応答または生物学的機能(例えば、本明細書に記載されるもの)と関連する1つ以上の原子を含み;操作されたポリペプチド中のこれらの原子の原子ゆらぎは、CD25参照標的中のこれらの原子の原子ゆらぎと重複する。したがって、例えば、一部の実施形態では、原子自体は異なる原子であるが、それらの原子ゆらぎは重複する。他の実施形態では、原子は同じ原子であり、それらの原子ゆらぎは重複する。なおさらなる実施形態では、原子は独立して、同じまたは異なる。一部の実施形態では、重複は、0.25よりも大きい二乗平均平方根内積(RMSIP)である。一部の実施形態では、重複は、0.3よりも大きい、0.35よりも大きい、0.4よりも大きい、0.45よりも大きい、0.5よりも大きい、0.55よりも大きい、0.6よりも大きい、0.65よりも大きい、0.7よりも大きい、0.75よりも大きい、0.8よりも大きい、0.85よりも大きい、0.9よりも大きい、または0.95よりも大きいRMSIPである。ある特定の実施形態では、RMSIPは、
Figure 2022513043000005
によって計算され、式中、nは、操作されたポリペプチドのトポロジー的拘束の固有ベクトルであり、vは、CD25参照標的のトポロジー的拘束の固有ベクトルである。
一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、生物学的応答または生物学的機能と関連する原子もしくはアミノ酸(またはそれらの組み合わせ)を含み、これらの原子もしくはアミノ酸または組み合わせのうち少なくとも一部分は、CD25参照標的に由来し、操作されたポリペプチド中の原子またはアミノ酸のセットおよびCD25参照標的中のセットの特定の拘束が、行列によって記述され得る。一部の実施形態では、行列は、L×L行列である。他の実施形態では、行列は、S×S×M行列である。なおさらなる実施形態では、行列は、L×2ファイ/プサイ角行列である。
例えば、一部の実施形態では、生物学的応答または生物学的機能と関連する、操作されたポリペプチド中の原子またはアミノ酸の原子ゆらぎは、L×L行列によって記述され;これらの原子またはアミノ酸の一部分は、CD25参照標的に由来し;この部分のCD25参照標的における原子ゆらぎは、L×L行列によって記述される。一部の実施形態では、各セットの隣接性(アミノ酸位置に関する)は、対応するL×L行列によって記述される。ある特定の実施形態では、操作されたポリペプチドのL×L原子ゆらぎまたは隣接性行列の全ての行列要素(i,j)にわたる平均パーセンテージ誤差(MPE)は、CD25参照標的に由来する操作されたポリペプチドの一部について、CD25参照標的の原子ゆらぎまたは隣接性行列中の対応する(i,j)要素と比較して、75%以下である。一部の実施形態では、MPEは、CD25参照標的に由来する操作されたポリペプチドの一部について、CD25参照標的行列中の対応する要素と比較して、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、45%未満または40%未満である。行列が原子ゆらぎを示す一部の実施形態では、Lは、アミノ酸位置の数であり、原子ゆらぎ行列要素中の(i,j)値は、(i,j)原子間距離が7Å以下である場合には、それぞれi番目およびj番目のアミノ酸についての分子内原子ゆらぎの合計であるか、または(i,j)原子間距離が7Åよりも大きい場合もしくは(i,j)が対角線上にある場合には、ゼロである。あるいは、一部の実施形態では、原子間距離は、0または1の乗数の代わりに、原子ゆらぎ行列要素(i,j)のための重み付け係数として働き得る。ある特定の実施形態では、i番目およびj番目の原子ゆらぎおよび原子間距離は、分子シミュレーション(例えば、分子動力学)および/または実験室測定(例えば、NMR)によって決定され得る。行列が隣接性を示す他の実施形態では、Lは、アミノ酸位置の数であり、隣接性行列要素(i,j)中の値は、原子間距離が7Å以下である場合には、それぞれi番目のアミノ酸とj番目のアミノ酸との間の分子内原子間距離であるか、または原子間距離が7Åよりも大きい場合もしくは(i,j)が対角線上にある場合には、ゼロである。あるいは、一部の実施形態では、原子間距離は、0または1の乗数の代わりに、隣接性行列要素(i,j)のための重み付け係数として働き得る。ある特定の実施形態では、i番目およびj番目の原子間距離は、分子シミュレーション(例えば、分子動力学)および/または実験室測定(例えば、NMR)によって決定され得る。
ある特定の実施形態では、操作されたポリペプチド中の、応答または機能と関連する原子またはアミノ酸は、CD25参照標的に由来する操作されたポリペプチドの一部について、トポロジー的拘束の化学的記述子ベクトル、および同じ化学的記述子によって記述される参照と比較して75%未満の平均パーセンテージ誤差(MPE)を有し、化学的記述子ベクトル中の各i番目の要素は、アミノ酸位置添字に対応する。一部の実施形態では、MPEは、CD25参照標的に由来する操作されたポリペプチドの一部について、同じ化学的記述子によって記述される参照と比較して、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、45%未満または40%未満である。
なおさらなる実施形態では、行列は、L×2ファイ/プサイ角行列であり、操作されたポリペプチド中の、応答または機能と関連する原子またはアミノ酸は、参照標的に由来する操作されたポリペプチドの一部において、参照ファイ/プサイ角行列に関して75%未満のMPEを有し、Lは、アミノ酸位置の数であり、ファイ、プサイ値は、それぞれ、次元(L,1)および(L,2)である。一部の実施形態では、MPEは、参照標的に由来する操作されたポリペプチドの一部において、参照ファイ/プサイ角行列に関して、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、45%未満または40%未満である。一部の実施形態では、ファイ/プサイ値は、分子シミュレーション(例えば、分子動力学)、知識ベースの構造予測または実験室測定(例えば、NMR)によって決定される。
一部の実施形態では、行列は、S×S×M二次構造要素相互作用行列であり、操作されたポリペプチド中の、応答または機能と関連する原子またはアミノ酸は、参照標的に由来する操作されたポリペプチドの一部において、参照二次構造要素関係行列と比較して75%未満の平均パーセンテージ誤差(MPE)を有し、Sは、二次構造要素の数であり、Mは、相互作用記述子の数である。一部の実施形態では、MPEは、参照標的に由来する操作されたポリペプチドの一部において、参照二次構造要素関係行列と比較して、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、45%未満または40%未満である。相互作用記述子には、例えば、水素結合、疎水性パッキング、ファンデルワールス相互作用、イオン性相互作用、共有結合ブリッジ、キラリティー、配向もしくは距離、またはそれらの任意の組み合わせが含まれ得る。二次構造要素相互作用行列添字では、(i,j,m)=i番目の二次構造要素とj番目の二次構造要素との間のm番目の相互作用記述子の値。
本明細書に記載される異なる行列についての平均パーセンテージ誤差(MPE)は、
Figure 2022513043000006
によって計算され得、式中、nは、ベクトルまたは行列位置nまで合計した、操作されたポリペプチド(eng)および対応する参照(ref)についてのトポロジー的拘束ベクトルまたは行列位置添字である。
一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25参照標的と比較して、75%未満のMPEを有する。ある特定の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25参照標的と比較して、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、45%未満または40%未満のMPEを有する。一部の実施形態では、MPEは、総トポロジー的拘束距離(TCD)、トポロジー的クラスタリング係数(TCC)、ユークリッド距離、パワー距離(power distance)、Soergel距離、キャンベラ距離、ソーレンセン距離、ジャッカード距離、マハラノビス距離、ハミング距離、ライクネスの量的推計(Quantitative Estimate of Likeness)(QEL)または鎖トポロジーパラメーター(CTP)によって決定される。
e.二次構造要素
一部の実施形態では、操作されたポリペプチドの少なくとも一部分は、1つ以上の二次構造要素にトポロジー的に拘束される。一部の実施形態では、操作されたポリペプチド中の、生物学的応答または生物学的機能と関連する原子またはアミノ酸は、1つ以上の二次構造要素にトポロジー的に拘束される。一部の実施形態では、二次構造要素は、独立して、シート、ヘリックス、ターン、ループまたはコイルである。一部の実施形態では、二次構造要素は、独立して、α-ヘリックス、β-ブリッジ、β-ストランド、310ヘリックス、π-ヘリックス、ターン、ループまたはコイルである。ある特定の実施形態では、操作されたポリペプチドの少なくとも一部分がトポロジー的に拘束される二次構造要素のうち1つ以上は、CD25参照標的中に存在する。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドの少なくとも一部分は、二次構造要素の組み合わせにトポロジー的に拘束され、各要素は、シート、ヘリックス、ターン、ループおよびコイルからなる群から独立して選択される。なおさらなる実施形態では、各要素は、α-ヘリックス、β-ブリッジ、β-ストランド、310ヘリックス、π-ヘリックス、ターン、ループおよびコイルからなる群から独立して選択される。
一部の実施形態では、二次構造要素は、パラレルまたはアンチパラレルシートである。一部の実施形態では、シート二次構造は、2残基以上を含む。一部の実施形態では、シート二次構造は、50残基以下を含む。なおさらなる実施形態では、シート二次構造は、2残基と50残基との間を含む。シートは、パラレルまたはアンチパラレルであり得る。一部の実施形態では、パラレルシート二次構造は、パラレルの2つのストランドi,j(iストランドおよびjストランドのN末端は反対配向)、および残基i:jの水素結合のパターンを有すると記述され得る。一部の実施形態では、アンチパラレルシート二次構造もまた、アンチパラレルの2つのストランドi,j(iストランドおよびjストランドのN末端は同じ配向)、および残基i:j-1,i:j+1の水素結合のパターンを有すると記述され得る。ある特定の実施形態では、ストランドの配向および水素結合は、知識ベースのもしくは分子動力学シミュレーションおよび/または実験室測定によって決定され得る。
一部の実施形態では、二次構造要素は、ヘリックスである。ヘリックスは、時計回りまたは反時計回りであり得る。一部の実施形態では、ヘリックスは、2.5と6.0との間の1ターン当たりの残基(残基/ターン)値、および3.0Åと9.0Åとの間のピッチを有する。一部の実施形態では、残基/ターンおよびピッチは、知識ベースのもしくは分子動力学シミュレーションおよび/または実験室測定によって決定される。
一部の実施形態では、二次構造要素は、ターンである。一部の実施形態では、ターンは、2~7の間の残基、および1つ以上の残基間水素結合を含む。一部の実施形態では、ターンは、2つ、3つまたは4つの残基間水素結合を含む。ある特定の実施形態では、ターンは、知識ベースのもしくは分子動力学シミュレーションおよび/または実験室測定によって決定される。
なおさらなる実施形態では、二次構造要素は、コイルである。ある特定の実施形態では、コイルは、2~20の間の残基およびゼロ個の予測された残基間水素結合を含む。一部の実施形態では、これらのコイルパラメーターは、知識ベースのもしくは分子動力学シミュレーションおよび/または実験室測定によって決定される。
なおさらなる実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25参照標的に由来する1つ以上の原子またはアミノ酸を含み、これらの原子またはアミノ酸は、二次構造を有する。一部の実施形態では、これらの原子またはアミノ酸は、生物学的応答または生物学的機能と関連する。一部の実施形態では、操作されたポリペプチド中の原子またはアミノ酸の二次構造モチーフベクトルは、CD25参照標的に由来する操作されたポリペプチドの一部について、CD25参照標的の二次構造モチーフベクトルと比較して、0.25よりも大きいコサイン類似度を有し、ベクトルの長さは、二次構造モチーフの数であり、i番目のベクトル位置における値は、ルックアップテーブルに由来する二次構造モチーフ(例えば、ヘリックス、シート)の正体を規定する。一部の実施形態では、各モチーフは、2つ以上のアミノ酸を含む。ある特定の実施形態では、モチーフには、例えば、α-ヘリックス、β-ブリッジ、β-ストランド、310ヘリックス、π-ヘリックス、ターンおよびループが含まれる。一部の実施形態では、コサイン類似度は、CD25参照標的に由来する操作されたポリペプチドの一部について、CD25参照標的の二次構造モチーフベクトルと比較して、0.3よりも大きい、0.35よりも大きい、0.4よりも大きい、0.45よりも大きいまたは0.5よりも大きい。コサイン類似度は、
Figure 2022513043000007
によって計算され得、式中、Aは、二次構造モチーフ識別子のペプチドベクトルであり、Bは、二次構造モチーフ識別子の参照ベクトルであり、nは、二次構造モチーフベクトルの長さであり、iは、i番目の二次構造モチーフである。
一部の実施形態では、CD25参照標的に由来する操作されたポリペプチドの1つ以上の原子またはアミノ酸は、総トポロジー的拘束距離(TCD)を使用して、対応するCD25参照標的の原子またはアミノ酸と比較され得る。一部の実施形態では、CD25参照標的に由来するこれらの操作されたポリペプチドの原子またはアミノ酸の総TCDは、CD25参照標的中の対応する原子のTCD距離と比較して+/-75%であり、2つの分子内トポロジー的拘束は、それらのペアワイズ距離が7Å以下である場合、相互作用している。一部の実施形態では、比較されている操作されたポリペプチド中の原子またはアミノ酸は、生物学的機能または生物学的応答と関連する。2つの原子またはアミノ酸のi番目、j番目のペアワイズ距離は、一部の実施形態では、分子シミュレーション(例えば、分子動力学)および/または実験室測定(例えば、NMR)によって決定され得る。総トポロジー的拘束距離(TCD)を計算するための例示的な方程式は、
Figure 2022513043000008
であり、式中、i,jは、アミノ酸(i,j)についての分子内位置添字であり、Sijは、拘束S(i)とS(j)との間の差異であり、Δ(i,j)=1は、アミノ酸(i,j)が7Åの相互作用閾値以内にある場合であり、Lは、ペプチドまたは対応するCD25参照標的中のアミノ酸位置の数である。あるいは、一部の実施形態では、Δ(i,j)は、0または1の乗数の代わりに、Sij差異のための重み付け係数として働き得る。
一部の実施形態では、CD25参照標的に由来する操作されたポリペプチドの1つ以上の原子またはアミノ酸は、鎖トポロジーパラメーター(CTP)を使用して、対応するCD25参照標的の原子またはアミノ酸と比較され得る。一部の実施形態では、これらの操作されたポリペプチドの原子またはアミノ酸のCTPは、CD25参照標的中の対応する原子またはアミノ酸のCTPと比較して+/-50%であり、鎖内トポロジー的相互作用は、7Å以下のペアワイズ距離である。一部の実施形態では、比較されている操作されたポリペプチド中の原子またはアミノ酸は、生物学的機能または生物学的応答と関連する。一部の実施形態では、i番目、j番目のペアワイズ距離は、分子シミュレーション(例えば、分子動力学)および/または実験室測定(例えば、NMR)によって決定され得る。CTPを評価するための例示的な方程式は、
Figure 2022513043000009
であり、式中、i,jは、アミノ酸(i,j)についての位置添字であり、Sijは、トポロジー的拘束S(i)とS(j)との間の差異であり、Δ(i,j)=1は、アミノ酸(i,j)が7Åの鎖トポロジー的相互作用閾値以内にある場合であり、Lは、ペプチドまたは対応するCD25参照標的中のアミノ酸位置の数であり、Nは、操作されたポリペプチドまたはCD25参照標的中の、7Åのトポロジー的相互作用閾値を満たす鎖内接触の総数である。あるいは、一部の実施形態では、Δ(i,j)は、0または1の乗数の代わりに、Sij差異のための重み付け係数として働き得る。
一部の実施形態では、CD25参照標的に由来する操作されたポリペプチドの1つ以上の原子またはアミノ酸は、ライクネスの量的推計(QEL)を使用して、対応するCD25参照標的の原子またはアミノ酸と比較され得る。一部の実施形態では、これらの操作されたポリペプチドの原子またはアミノ酸のQELは、CD25参照標的中の対応する原子またはアミノ酸のQELと比較して+/-50%である。一部の実施形態では、比較されている操作されたポリペプチド中の原子またはアミノ酸は、生物学的機能または生物学的応答と関連する。QELを決定するための例示的な方程式は、
Figure 2022513043000010
であり、式中、diは、i番目のアミノ酸もしくは原子位置についてのトポロジー的拘束、またはi番目のアミノ酸もしくは原子位置について複数のトポロジー的拘束を組み合わせる組成関数(例えば、線形回帰関数)であり、nは、ペプチドまたはCD25参照標的中のアミノ酸または原子位置の数である。
一部の実施形態では、CD25参照標的に由来する操作されたポリペプチドの1つ以上の原子またはアミノ酸は、トポロジー的クラスタリング係数(TCC)ベクトルおよび平均パーセンテージ誤差(MPE)を使用して、対応するCD25参照標的の原子またはアミノ酸と比較され得る。一部の実施形態では、TCCベクトルおよびMPEは、CD25参照標的中の対応する原子またはアミノ酸のTCCと比較して75%未満であり、ベクトルの各要素(i)は、i番目のアミノ酸位置についてのトポロジー的クラスタリング係数であり、分子内クラスターは、i番目のアミノ酸位置からの7Å以下の相互作用性エッジ距離および2つのエッジ:i-j,j-lによって規定される。一部の実施形態では、比較されている操作されたポリペプチド中の原子またはアミノ酸は、生物学的機能または生物学的応答と関連する。一部の実施形態では、i番目、j番目およびl番目のエッジ距離は、分子シミュレーション(例えば、分子動力学)および/または実験室測定(例えば、NMR)によって決定され得る。i番目の位置についてのトポロジー的クラスタリング係数を評価するための例示的な方程式は、
Figure 2022513043000011
であり、式中、Δ(i,j)=1、Δ(i,l)=1、Δ(j,l)=1は、分子内アミノ酸位置:(i,j)、(i,l)、(j,l)が、それぞれ7Åの相互作用性エッジ閾値以内にある場合であり、Sijlは、i番目、j番目およびl番目のアミノ酸についてのトポロジー的拘束の組み合わせ(例えば、合計)であり、Lは、ペプチドベクトルまたは対応するCD25参照標的ベクトル中のアミノ酸位置の数であり、Nは、i番目のアミノ酸からの7Åのエッジ閾値および2つのエッジ:i-j,j-lを満たす、i番目のアミノ酸についての分子内相互作用性アミノ酸位置の数である。あるいは、一部の実施形態では、Δ(i,j)、Δ(i,l)およびΔ(j,l)は、0または1の乗数の代わりに、クラスタリング係数ベクトル要素(i)のための重み付け係数として働き得る。
なおさらなる実施形態では、CD25参照標的に由来する操作されたポリペプチドの1つ以上の原子またはアミノ酸は、L×Mトポロジー的拘束行列、およびM次元全てにわたるユークリッド距離、パワー距離、Soergel距離、キャンベラ距離、ソーレンセン距離、ジャッカード距離、マハラノビス距離またはハミング距離の平均パーセンテージ誤差(MPE)を使用して、対応するCD25参照標的の原子またはアミノ酸と比較され得る。L×M行列要素(l,m)は、l番目のアミノ酸位置についてのm番目の拘束値を含み、Lは、アミノ酸位置の数であり、Mは、別個のトポロジー的拘束の数である。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドのL×M行列のMPEは、対応するCD25参照標的の原子またはアミノ酸の行列と比較して75%未満である。一部の実施形態では、MPEは、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、50%未満または45%未満である。一部の実施形態では、比較されている操作されたポリペプチド中の原子またはアミノ酸は、生物学的機能または生物学的応答と関連する。
III.プログラム可能なインビトロ選択
他の態様では、一連のプログラムされた選択工程を使用して結合パートナーを選択する際に本明細書に記載される操作されたポリペプチドを使用する方法が、本明細書でさらに提供され、少なくとも1つの選択工程は、潜在的結合パートナーのプールの、操作されたポリペプチドとの相互作用を評価することを含む。
一部の実施形態では、2つ以上の選択分子を使用して結合分子の選択を操縦する方法が、本明細書で提供される。一部の実施形態では、方法は、候補結合分子のプールを少なくとも1ラウンドの選択に供することを含み、各ラウンドは、プールの少なくとも一部分が陰性選択分子に対してスクリーニングされる少なくとも1つの陰性選択工程、およびプールの少なくとも一部分が陽性選択分子に対してスクリーニングされる少なくとも1つの陽性選択工程を含む。一部の実施形態では、方法は、少なくとも2ラウンド、少なくとも3ラウンド、少なくとも4ラウンド、少なくとも5ラウンド、少なくとも6ラウンド、少なくとも7ラウンド、少なくとも8ラウンド、少なくとも9ラウンド、少なくとも10ラウンド、またはそれよりも多くのラウンドを含み、各ラウンドは、少なくとも1つの陰性選択工程および少なくとも1つの陽性選択工程を独立して含む。一部の実施形態では、各ラウンドは、1つよりも多くの陰性選択工程もしくは1つよりも多くの陽性選択工程、またはそれらの組み合わせを独立して含む。図5は、3ラウンドの選択を詳細に示す例示的な模式図を提供し、図中、第1および第3のラウンドは、1つよりも多くの陰性選択工程を含み、第1のラウンドは、1つよりも多くの陽性選択ラウンドをさらに含む。スキームに示されるように、2つの陰性選択分子(「ベイト」)が第1のラウンドにおいて使用され、3つの陰性選択分子が第3のラウンドにおいて使用される。さらに、2つの陽性選択分子が、第1のラウンドにおいて使用される。
方法が1つよりも多くのラウンドを含む一部の実施形態では、各陰性および陽性選択分子は、独立して選択される。他の実施形態では、同じ陰性選択分子もしくは同じ陽性選択分子、またはそれらの組み合わせが、1つよりも多くのラウンドにおいて使用され得る。例えば、図5では、ラウンド1で使用されるのと同じ陰性選択分子が、ラウンド3において再度使用され、さらなる第3の陰性選択分子もまた、ラウンド3に含められる。陰性選択工程および陽性選択工程の順序は、ある特定の実施形態では、選択の各ラウンド内で独立して選択され得る。したがって、例えば、一部の実施形態では、方法は、1ラウンド以上の選択を含み、各ラウンドは、最初に陰性選択工程を含み、次いで陽性選択工程を含む。他の実施形態では、方法は、1ラウンド以上の選択を含み、各ラウンドは、最初に陽性選択工程を含み、次いで陰性選択工程を含む。なおさらなる実施形態では、方法は、1ラウンド以上の選択を含み、各ラウンドは、陰性選択工程および陽性選択工程を独立して含み、各ラウンドにおいて、陰性選択工程は、独立して、陽性選択工程の前または陽性選択工程の後である。
選択のかかる方法は、特定の所望の特徴、例えば、結合特異性または結合親和性に向かうかまたはそこから離れるように候補結合分子のライブラリーを操縦するために、陽性(+)および陰性(-)工程を使用する。陽性選択分子および陰性選択分子の両方を用いる複数の工程を使用することによって、候補のプールは、望ましい特徴についておよび望ましくない特徴に対して選択するために、段階的な様式で指示され得る。さらに、一部の実施形態では、各ラウンド内の各工程の順序、および互いに対するラウンドの順序は、選択を異なる方向に指示することができる。したがって、例えば、一部の実施形態では、(+)選択とその後の(-)選択とを用いる1ラウンドを含む方法は、(-)選択が最初でありその後が(+)選択である場合とは異なる最終プールの候補を生じるであろう。このことから、複数のラウンドを含む方法を推定すると、選択工程の順序は、同じ陽性および陰性選択分子が全体として使用される場合であっても、選択された候補の異なる最終プールを生じ得る。
一部の実施形態では、別の選択分子の逆特徴を有する選択分子が使用される。これは、例えば、陽性選択分子を使用して同定された(または陰性選択分子に起因して排除された)候補結合パートナーが、別々の無関係の結合相互作用に起因するのではなく、所望の形質(または所望でない形質)に起因して同定(または排除)されたことを確実にするために、有用であり得る。無関係の相互作用を介して結合している結合パートナーを除去するために、所望の形質(または所望でない形質)を伝達する残基/構造を除いて、選択分子と類似のまたは同じ構造および特徴を有する逆選択分子が使用され得る。例えば、陽性選択分子中の特定の電荷パターンとの相互作用が所望される場合、その電荷パターンを提供する残基が非荷電の残基および/または反対の電荷の残基で置き換えられた逆陰性選択分子が使用され得る。したがって、特定の選択分子について、複数の異なる対応する逆選択分子が可能であり得る。
本明細書で提供される選択方法では、選択分子のうち少なくとも1つは、本明細書に記載される操作されたポリペプチドである。一部の実施形態では、1つよりも多くの操作されたポリペプチドが使用される。一部の実施形態では、各操作されたポリペプチドは、独立して、陽性または陰性選択分子である。ある特定の実施形態では、1ラウンド以上の選択において使用される各選択分子は、独立して、操作されたポリペプチドである。他の実施形態では、操作されたポリペプチドではない少なくとも1つの分子が、選択分子として使用される。操作されたポリペプチドではないかかる選択分子は、例えば、天然に存在するポリペプチドまたはその一部分を含み得る。他の実施形態では、操作されたポリペプチドではない1つ以上の選択分子は、例えば、天然に存在しないポリペプチドまたはその部分を含み得る。例えば、一部の実施形態では、1つ以上の選択分子(例えば、陽性選択分子または陰性選択分子)は、免疫原、抗体、細胞表面受容体、もしくは膜貫通タンパク質、もしくはシグナル伝達タンパク質、もしくはマルチタンパク質複合体、もしくはペプチド-タンパク質複合体、またはそれらの任意の部分、あるいはそれらの任意の組み合わせである。一部の実施形態では、1つ以上の選択分子は、CD25、またはCD25のいずれかの一部分である。
各工程においてそれについてまたはそれに対して選択される陽性および陰性特徴は、種々の形質から選択され得、得られた1つ以上の最終結合分子の所望の特色に依存して調整され得る。かかる所望の特色は、例えば、1つ以上の結合分子の意図した使用に依存し得る。例えば、一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、1つ以上の陽性特徴、例えば、高い特異性について、および1つ以上の陰性特徴、例えば、交差反応性に対して、抗体候補をスクリーニングするために使用される。1つの文脈で陽性特徴とみなされるものは、別の文脈では陰性特徴であり得、逆もまた真であることを理解すべきである。したがって、1つのシリーズの選択ラウンドにおける陽性選択分子は、一部の実施形態では、異なるシリーズの選択ラウンドにおける、または異なる型の結合分子を選択する際の、または異なる目的のためにではあるが同じ型の結合分子を選択する際の、陰性選択分子であり得る。
一部の実施形態では、各選択特徴は、アミノ酸配列、ポリペプチド二次構造、分子動力学、化学的特色、生物学的機能、免疫原性、CD25参照標的(複数可)多特異性、交差種CD25参照標的反応性、所望でない参照標的(複数可)を超える所望のCD25参照標的(複数可)の選択性、配列および/または構造的に相同なファミリー内の参照標的(複数可)の選択性、類似のタンパク質機能を有する参照標的(複数可)の選択性、高い配列および/または構造的相同性を有する所望でない標的のより大きいファミリーからの別個の所望の参照標的(複数可)の選択性、別個の参照標的対立遺伝子または突然変異に対する選択性、別個の参照標的の残基レベルでの化学的改変に対する選択性、細胞型に対する選択性、組織型に対する選択性、組織環境に対する選択性、参照標的(複数可)の構造的多様性に対する許容度、参照標的(複数可)の配列多様性に対する許容度、ならびに参照標的(複数可)の動力学多様性に対する許容度からなる群から独立して選択される。一部の実施形態では、各選択特徴は、異なる型の選択特徴である。他の実施形態では、2つ以上の選択特徴は、同じ型のものではあるが異なる特徴である。例えば、一部の実施形態では、2つ以上の選択特徴は、ポリペプチド二次構造であり、1つは、所望のポリペプチド二次構造についての陽性選択であり、1つは、所望でないポリペプチド二次構造についての陰性選択である。一部の実施形態では、2つ以上の選択特徴は、細胞型に対する選択性であり、陽性選択特徴は、特定の所望の細胞型に対する選択性であり、陰性選択特徴は、特定の所望でない細胞型に対する選択性である。一部の実施形態では、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上または6つ以上の選択特徴が、同じ型のものである。
一部の実施形態では、選択特徴は、本開示の操作されたポリペプチドへの結合である。例えば、図7、表1、表8および表9に示される操作されたポリペプチドは、図6および表7に示されるエピトープに特異的に結合する抗体(または他の結合剤)について選択するために使用され得る。事例的な選択戦略は、表10中に提供される。
なお別の態様では、2つ以上の選択操縦ポリペプチドを含む組成物であって、各ポリペプチドが、独立して、1つ以上の陽性操縦特徴を含む陽性選択分子または1つ以上の陰性操縦特徴を含む陰性選択分子である組成物が、本明細書で提供される。かかる特徴は、一部の実施形態では、アミノ酸配列、ポリペプチド二次構造、分子動力学、化学的特色、生物学的機能、免疫原性、参照標的(複数可)多特異性、交差種参照標的反応性、所望でない参照標的(複数可)を超える所望の参照標的(複数可)の選択性、配列および/または構造的に相同なファミリー内の参照標的(複数可)の選択性、類似のタンパク質機能を有する参照標的(複数可)の選択性、高い配列および/または構造的相同性を有する所望でない標的のより大きいファミリーからの別個の所望の参照標的(複数可)の選択性、別個の参照標的対立遺伝子または突然変異に対する選択性、別個の参照標的の残基レベルでの化学的改変に対する選択性、細胞型に対する選択性、組織型に対する選択性、組織環境に対する選択性、参照標的(複数可)の構造的多様性に対する許容度、参照標的(複数可)の配列多様性に対する許容度、ならびに参照標的(複数可)の動力学多様性に対する許容度からなる群から選択され得る。
したがって、さらなる態様では、本明細書に記載される選択操縦組成物を用いて結合分子のライブラリーをスクリーニングする方法であって、選択の各ラウンドが、プールの少なくとも一部分を陰性選択分子に対してスクリーニングする陰性選択工程;およびプールの少なくとも一部分を陽性選択分子についてスクリーニングする陽性選択工程を含み;各ラウンド内の選択工程の順序、およびラウンドの順序が、代替的順序とは異なるサブセットのプールの選択を生じる方法が、本明細書で提供される。
一部の実施形態では、本明細書に記載される選択操縦ポリペプチドの組成物または本明細書に記載されるスクリーニングの方法を使用して評価されている結合パートナーは、ファージライブラリー、例えば、Fab含有ファージライブラリー;または細胞ライブラリー、例えば、B細胞ライブラリーもしくはT細胞ライブラリーである。
本明細書で提供されるスクリーニングの方法の一部の実施形態では、方法は、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上または7つ以上のラウンドの選択を含む。1つよりも多くのラウンドが存在する一部の実施形態では、各ラウンドは、異なるセットの選択分子を含む。1つよりも多くのラウンドが存在する他の実施形態では、少なくとも2つのラウンドが、同じ陰性選択分子、同じ陽性選択分子、またはそれら両方を含む。
スクリーニング方法の一部の実施形態では、方法は、次のラウンドの選択に進む前に、プールのサブセットを分析することを含む。ある特定の実施形態では、各サブセットプール分析は、ペプチド/タンパク質バイオセンサー結合、ペプチド/タンパク質ELISA、ペプチドライブラリー結合、細胞抽出物結合、細胞表面結合、細胞活性アッセイ、細胞増殖アッセイ、細胞死アッセイ、酵素活性アッセイ、遺伝子発現プロファイル、タンパク質改変アッセイ、ウエスタンブロットおよび免疫組織化学からなる群から独立して選択される。一部の実施形態では、遺伝子発現プロファイルは、サブセットプールの完全配列レパートリー分析、例えば、次世代配列決定を含む。一部の実施形態では、統計的および/もしくは情報科学スコアリング、または機械学習訓練が、1つ以上の選択ラウンドにおいてプールの1つ以上のサブセットを評価するために使用される。
一部の実施形態では、引き続くラウンドのための陽性および/または陰性選択分子の正体および/または順序は、1つの選択ラウンドからのサブセットプールを分析することによって決定される。一部の実施形態では、統計的および/もしくは情報科学スコアリング、または機械学習訓練は、引き続くラウンド(例えば、次のラウンド、またはプログラム中のさらに進んだラウンド)のための陽性および/または陰性選択分子の正体および/または順序を決定するために、プールの1つ以上のサブセットを1つ以上の選択ラウンドで評価するために使用される。
なおさらなる実施形態では、選択の方法は、次の選択ラウンドに進む前に、選択ラウンドから得られたサブセットプールを改変することを含む。かかる改変には、例えば、サブセットプールの遺伝的突然変異、サブセットプールの遺伝的枯渇(例えば、選択に進めるサブセットプールのサブセットを選択すること)、サブセットプールの遺伝的富化(例えば、プールのサイズを増加させること)、サブセットプールの少なくとも一部分の化学的改変、もしくはサブセットプールの少なくとも一部分の酵素的改変、またはそれらの任意の組み合わせが含まれ得る。一部の実施形態では、統計的および/もしくは情報科学スコアリング、または機械学習訓練は、サブセットプールを評価し、改変されたサブセットプールを選択に進める前に行われる1つ以上の改変を決定するために使用される。ある特定の実施形態では、かかる統計的および/もしくは情報科学スコアリング、または機械学習訓練は、引き続くラウンドの選択のための陽性および/または陰性選択分子の正体および/または順序を決定するためにも使用される。
任意の適切なアッセイが、各工程における結合パートナーのプールの選択分子との結合を評価するために使用され得る。一部の実施形態では、結合は、例えば、結合パートナー上の標識を直接的に検出することによって、直接的に評価される。かかる標識には、例えば、蛍光標識、例えば、フルオロフォアまたは蛍光タンパク質が含まれ得る。他の実施形態では、結合は、例えば、サンドイッチアッセイを使用して、間接的に評価される。サンドイッチアッセイでは、結合パートナーが選択分子に結合し、次いで、標識された二次試薬が、結合した結合パートナーを標識するために添加される。次いで、この標識された二次試薬が検出される。サンドイッチアッセイ成分の例には、抗Hisタグ抗体もしくはHisタグ特異的蛍光プローブを用いて検出されるHisタグ化結合パートナー;標識されたストレプトアビジンもしくは標識されたアビジンを用いて検出されるビオチン標識された結合パートナー;または抗結合パートナー抗体を用いて検出される未標識の結合パートナーが含まれる。
一部の実施形態では、各工程において選択されている結合パートナーは、いくつもの利用可能な検出方法を使用して、結合シグナルまたは用量応答に基づいて同定される。これらの検出方法には、例えば、画像化、蛍光活性化細胞選別(FACS)、質量分析またはバイオセンサーが含まれ得る。一部の実施形態では、ヒット閾値が規定され(例えば、中央値シグナル)、そのシグナルを上回るシグナルを有する任意のものが、推定ヒットモチーフとしてフラグされる。
IV.抗体を産生するための操作されたポリペプチドの使用
本明細書で提供される、および本明細書で提供される方法によって同定された操作されたポリペプチドは、例えば、1つ以上の抗体を産生するために使用され得る。一部の実施形態では、抗体は、モノクローナルまたはポリクローナル抗体である。したがって、一部の実施形態では、免疫原で動物を免疫化することによって産生される抗体であって、免疫原が本明細書で提供される操作されたポリペプチドである抗体が、本明細書で提供される。一部の実施形態では、動物は、ヒト、ウサギ、マウス、ハムスター、サルなどである。ある特定の実施形態では、サルは、カニクイザル、マカクザルまたはアカゲザルである。操作されたポリペプチドで動物を免疫化することは、例えば、ペプチドを含み、適宜アジュバントを含む組成物の少なくとも1つの用量を動物に投与することを含み得る。一部の実施形態では、動物から抗体を生成することは、抗体を発現するB細胞を単離することを含む。一部の実施形態は、抗体を発現するハイブリドーマを創出するために、B細胞を骨髄腫細胞と融合させることをさらに含む。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドを使用して生成された抗体は、ヒトおよびサル、例えば、カニクイザルと交差反応できる。
a.操作されたポリペプチドの特徴
本明細書で提供される操作されたポリペプチドは、CD25と共通する1つ以上の特徴を有する。一部の実施形態では、これらは、CD25の表面の少なくとも1つの特徴、例えば、CD25の結合パートナーに結合する機能的界面表面を示す。一部の実施形態では、結合パートナーは、CD25に特異的に結合する抗体である。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25に対する抗体と相互作用することが公知ではないCD25の表面の一部分の少なくとも1つの特徴を示す。
特定の型の特徴の一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25の機能的界面(例えば結合表面)の模倣物を提示するが、操作されたポリペプチドによって共有される特徴は、全体としてCD25と共有されていると最良に記述され得る。例えば、共有される1つの特徴は、CD25の結合パートナーとCD25との間の結合であり得、この結合は、CD25の機能的結合界面との間に生じるが、機能的結合界面の構造および配向は、CD25タンパク質の残部によって支持される。
かかる共有される特徴には、例えば、構造的測定基準もしくは機能的測定基準、またはそれらの組み合わせが含まれ得る。少なくとも1つの共有される特徴には、例えば、1つ以上の構造的類似性、コンフォメーション的エントロピーの類似性、1つ以上の化学的記述子の類似性、1つ以上の機能的結合の類似性、もしくは1つ以上の表現型的類似性、またはそれらの任意の組み合わせが含まれ得る。ある特定の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25の表面の少なくとも一部分、例えば機能的界面、例えば結合表面と、これらの特徴のうち1つ以上を共有する。
一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25(またはCD25の表面の一部分、例えば結合表面)に対して構造的類似性を有し、この構造的類似性は、骨格平均二乗偏差(RMSD)または側鎖RMSDによって評価される。RMSDは、原子間の平均距離を評価し、類似の2つの別々の構造が3次元空間中にどのように存在するかを比較するために、3次元構造に適用され得る。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドとCD25(またはCD25の機能的界面)との間での、骨格もしくはアミノ酸側鎖またはそれら両方のRMSDは、CD25(またはCD25の機能的界面)と異なる分子との間のRMSDよりも低い。一部の実施形態では、それは、操作されたポリペプチドと比較されるCD25の一部分(またはCD25の機能的界面の一部分)である。RMSDは、例えば、操作されたポリペプチドの実験的に測定された構造またはシミュレートされた構造;およびCD25(またはその機能的界面)の実験的に測定された構造またはシミュレートされた構造を使用して評価され得る。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、操作されたポリペプチドの骨格が、CD25のx線構造の骨格と比較して、6.0Å以下の平均RMSDを有する場合、CD25と構造的に類似とみなされる。
一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25(またはCD25の表面の一部分、例えば結合表面)と類似のコンフォメーション的エントロピーを有し、このコンフォメーション的エントロピーは、例えば、操作されたポリペプチドの実験的に測定された構造またはシミュレートされた構造、およびCD25(またはその部分)の実験的に測定された構造または分子動力学シミュレートされた運動を使用して評価される。かかるシミュレーションでは、一部の実施形態では、CD25(またはその部分、例えば、結合表面の一部分)の実験的に測定された構造または分子動力学シミュレートされた運動が使用される。ある特定の実施形態では、操作されたポリペプチドのコンフォメーション的エントロピーは、標準的な生理的条件下で実行された操作されたポリペプチド分子動力学アンサンブルが、CD25(またはその部分)の既知のx線結晶構造と比較して、全ての非水素原子位置がRMSD≦6.0Åである全ての状態を有する場合、CD25(またはその部分)のものと類似とみなされる。
なお他の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25(またはその一部分、例えば結合表面)と類似の1つ以上の化学的記述子を有する。他の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25の結合パートナー(例えば、CD25に対する抗体)に対して相補的な1つ以上の化学的記述子を有する。かかる化学的記述子(類似または相補的であり得る)には、例えば、疎水性パターン、H結合パターン、原子容/半径、電荷パターンもしくは原子占有パターン、またはそれらの任意の組み合わせが含まれ得る。これらの化学的記述子は、一部の実施形態では、操作されたポリペプチドの実験的に測定された構造またはシミュレートされた構造およびCD25(またはその一部分、例えば結合表面)の実験的に測定された構造またはシミュレートされた構造を使用して評価され得る。
なお他の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25と類似の機能的結合を有する。例えば、一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25結合パートナーまたはその断片への結合を有する。一部の実施形態では、結合パートナーは、ネイティブ結合パートナーの断片であるかまたは改変されたネイティブ結合パートナーである。かかる改変には、例えば、ネイティブ結合パートナーの断片を少なくとも含む融合タンパク質;発色団を用いた標識化;フルオロフォアを用いた標識化;ビオチンを用いた標識化;またはHisタグを用いた標識化が含まれ得る。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25の、結合パートナーとの結合の、約2桁以内または約1桁以内である、CD25の結合パートナーとの結合を有する。一部の実施形態では、結合の類似性は、結合定数(Kd)、または阻害定数(Ki)、または結合の結合速度(on-rate)、または結合の解離速度(off-rate)、または結合対の結合親和性、または結合のギブズ自由エネルギー(ΔG)を比較することによって評価される。一部の実施形態では、結合パートナーは、CD25に対する抗体である。
一部の実施形態では、操作されたポリペプチドのCD25結合パートナーとの結合定数(K)は、CD25と結合パートナーとのKの1000倍以内、800倍以内、600倍以内、400倍以内、200倍以内、100倍以内、90倍以内、80倍以内、70倍以内、60倍以内、50倍以内、40倍以内、30倍以内、20倍以内、10倍以内、8倍以内、6倍以内、4倍以内、2倍以内、1.5倍以内、1.2倍以内またはそれと約同じである。他の実施形態では、操作されたポリペプチドのCD25結合パートナーとの阻害定数(K)は、CD25と結合パートナーとのKの1000倍以内、800倍以内、600倍以内、400倍以内、200倍以内、100倍以内、90倍以内、80倍以内、70倍以内、60倍以内、50倍以内、40倍以内、30倍以内、20倍以内、10倍以内、8倍以内、6倍以内、4倍以内、2倍以内、1.5倍以内、1.2倍以内またはそれと約同じである。なおさらなる実施形態では、操作されたポリペプチドのCD25結合パートナーとの結合の結合速度(on-rate)は、CD25と結合パートナーとの結合の結合速度(on-rate)と類似である。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドのCD25結合パートナーとの結合の結合速度(on-rate)は、CD25と結合パートナーとの結合速度(on-rate)の1000倍以内、800倍以内、600倍以内、400倍以内、200倍以内、100倍以内、90倍以内、80倍以内、70倍以内、60倍以内、50倍以内、40倍以内、30倍以内、20倍以内、10倍以内、8倍以内、6倍以内、4倍以内、2倍以内、1.5倍以内、1.2倍以内またはそれと約同じである。他の実施形態では、操作されたポリペプチドのCD25結合パートナーとの結合の解離速度(off-rate)は、CD25と結合パートナーとの結合の解離速度(off-rate)と類似である。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドのCD25結合パートナーとの結合の解離速度(off-rate)は、CD25と結合パートナーとの解離速度(off-rate)の1000倍以内、800倍以内、600倍以内、400倍以内、200倍以内、100倍以内、90倍以内、80倍以内、70倍以内、60倍以内、50倍以内、40倍以内、30倍以内、20倍以内、10倍以内、8倍以内、6倍以内、4倍以内、2倍以内、1.5倍以内、1.2倍以内またはそれと約同じである。なおさらなる実施形態では、操作されたポリペプチドとCD25結合パートナーとの結合親和性は、CD25と結合パートナーとの結合親和性と類似である。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドとCD25結合パートナーとの結合親和性は、CD25と結合パートナーとの結合親和性の1000倍以内、800倍以内、600倍以内、400倍以内、200倍以内、100倍以内、90倍以内、80倍以内、70倍以内、60倍以内、50倍以内、40倍以内、30倍以内、20倍以内、10倍以内、8倍以内、6倍以内、4倍以内、2倍以内、1.5倍以内、1.2倍以内またはそれと約同じである。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドとCD25結合パートナーとの結合のギブズ自由エネルギーは、CD25と結合パートナーとの結合のギブズ自由エネルギーの1000倍以内、800倍以内、600倍以内、400倍以内、200倍以内、100倍以内、90倍以内、80倍以内、70倍以内、60倍以内、50倍以内、40倍以内、30倍以内、20倍以内、10倍以内、8倍以内、6倍以内、4倍以内、2倍以内、1.5倍以内、1.2倍以内またはそれと約同じである。一部の実施形態では、CD25結合パートナーは、CD25の抗体である。
なお他の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25またはその一部分(例えば、CD25の結合表面)と配列類似性を共有する。類似性は、CD25(またはその部分)の連続アミノ酸配列またはCD25(またはその部分)の非連続配列と比較され得る。例えば、ある特定の実施形態では、CD25の結合表面は、非連続アミノ酸配列によって形成され、操作されたポリペプチドは、表面を形成する非連続配列の少なくとも一部分との配列類似性を有する。他の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25の結合表面を形成する連続アミノ酸配列の少なくとも一部分との配列類似性を有する。一部の実施形態では、CD25の結合表面は、CD25に対する抗体に結合するエピトープを含む。
一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25の連続配列、例えば、CD25の結合表面を形成する連続配列の一部分に対して少なくとも40%同一、少なくとも45%同一、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも85%同一または少なくとも90%同一である配列を有する。ある特定の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25の非連続配列、例えば、CD25の結合表面を形成する非連続配列の一部分に対して少なくとも40%同一、少なくとも45%同一、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも85%同一または少なくとも90%同一である配列を有する。ある特定の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25の結合表面の連続する部分に対して少なくとも40%同一、少なくとも45%同一、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも85%同一または少なくとも90%同一である配列を有する。なおさらなる実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25の結合表面の2つ以上の連続しない部分に対して少なくとも40%同一、少なくとも45%同一、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも85%同一または少なくとも90%同一である配列を有する。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25の結合表面と少なくとも部分的に同一な(本明細書に記載される通りの)配列を有し、結合表面は、CD25に対する1つ以上の抗体に結合するエピトープを含む。
ある特定の実施形態では、操作されたポリペプチドとCD25(またはその部分)との配列類似性は、存在する場合、リンカーを含まない操作されたポリペプチドのペプチド部分(複数可)を使用して評価される。ある特定の実施形態では、1つ以上の連結部分は、例えば、操作されたポリペプチドが、アミノ酸を含む1つ以上のリンカーを含む場合と同様とみなされる。
b.操作されたポリペプチド
一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、1つよりも多くのペプチド、例えば、少なくとも2つのペプチド、または少なくとも3つのペプチド、またはそれよりも多くのペプチドを含む。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、1個と10個との間のペプチド、1個と8個との間のペプチド、1個と6個との間のペプチド、1個と4個との間のペプチド、2個と10個との間のペプチド、2個と8個との間のペプチド、2個と6個との間のペプチドまたは2個と4個との間のペプチドを含む。
一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、2~100個の間のアミノ酸、例えば、2~80個の間のアミノ酸、2~70個の間のアミノ酸、2~60個の間のアミノ酸、2~50個の間のアミノ酸、2~40個の間のアミノ酸、2~30個の間のアミノ酸、2~25個の間のアミノ酸、2~20個の間のアミノ酸、2~15個の間のアミノ酸、5~30個の間のアミノ酸、5~25個の間のアミノ酸、5~20個の間のアミノ酸、5~15個の間のアミノ酸または9と15個の間のアミノ酸を含む。
ある特定の実施形態では、操作されたポリペプチドは、1つよりも多くのペプチド、例えば、少なくとも2つのペプチド、または少なくとも3つのペプチド、または少なくとも4つのペプチド、またはそれよりも多くのペプチドを含み、各ペプチドは、1~100個の間のアミノ酸、または2~100個の間のアミノ酸、例えば、2~80個の間のアミノ酸、2~70個の間のアミノ酸、2~60個の間のアミノ酸、2~50個の間のアミノ酸、2~40個の間のアミノ酸、2~30個の間のアミノ酸、2~25個の間のアミノ酸、2~20個の間のアミノ酸、2~15個の間のアミノ酸、5~30個の間のアミノ酸、5~25個の間のアミノ酸、5~20個の間のアミノ酸、5~15個の間のアミノ酸または9個と15個の間のアミノ酸を独立して含む。
一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、天然に存在するアミノ酸のみを含む。他の実施形態では、操作されたポリペプチドは、非天然アミノ酸、例えば、天然に存在すると非天然アミノ酸との組み合わせを含む。
操作されたポリペプチドが2つ以上のペプチドを含む一部の実施形態では、各ペプチドは、CD25またはその一部分(例えば結合表面)の少なくとも1つの特徴を独立して示す。一部の実施形態では、各ペプチドは、CD25またはその一部分の、1~10個、1~9個、1~8個、1~7個、1~6個、1~5個、1~4個、1~3個、または1個、または2個の特徴を独立して示す。一部の実施形態では、特徴は、CD25の抗体と相互作用するCD25の一部分と共有される。
一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25の結合パートナー、例えば、CD25の抗体に対して相補的な少なくとも1つの特徴を有する。
一部の実施形態では、操作されたポリペプチドのペプチドは、CD25またはその一部分と、1つ以上の構造的類似性を共有する。構造的類似性は、一部の実施形態では、骨格RMSDまたは側鎖RMSDによって評価され得る。例えば、ある特定の実施形態では、操作されたポリペプチドのペプチドとCD25(またはその一部分)との間での、骨格もしくはアミノ酸側鎖またはそれら両方のRMSDは、CD25(またはその部分)と異なる分子(例えば、異なるペプチド)との間のRMSDよりも低い。一部の実施形態では、CD25の一部分は、ペプチド、例えば、CD25の表面の一部分、例えば、CD25に対する抗体と相互作用する表面と比較される。構造的類似性のRMSDは、例えば、ペプチドの実験的に測定された構造またはシミュレートされた構造およびCD25またはその部分の実験的に測定された構造またはシミュレートされた構造を使用して、評価され得る。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドのペプチドは、ペプチドの骨格が、CD25またはその部分の既知のx線構造の骨格と比較して、6.0Å以下の平均RMSDを有する場合、CD25(またはその部分)と構造的に類似とみなされる。
一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25またはその一部分と類似のコンフォメーション的エントロピーを有する。一部の実施形態では、ペプチドの実験的に測定された構造または分子動力学シミュレートされた運動は、コンフォメーションエントロピーをCD25またはその一部分の実験的に測定された構造またはシミュレートされた構造と比較するために使用される。コンフォメーション的エントロピーは、一部の実施形態では、標準的な生理的条件下で実行されたペプチド分子動力学アンサンブルが、CD25またはその部分の既知のx線結晶構造と比較して、全ての非水素原子部分がRMSD≦6.0Åである全ての状態を有する場合、類似とみなされる。一部の実施形態では、CD25の一部分は、ペプチド、例えば、CD25の抗体と相互作用するCD25の表面部分と比較される。
さらなる実施形態では、操作されたポリペプチドのペプチドとCD25(またはその部分)との間の類似性は、1つ以上の化学的記述子であり得る。一部の実施形態では、ペプチドは、CD25(またはその一部分)と共通する1つ以上の化学的記述子またはCD25の結合パートナー(例えば、CD25に対する抗体)に対して相補的な1つ以上の化学的記述子を有する。化学的記述子には、例えば、疎水性パターン、H結合パターン、原子容/半径、電荷パターンもしくは原子占有パターン、またはそれらの任意の組み合わせが含まれ得る。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドのペプチドは、CD25もしくはその一部分と類似のまたはCD25の結合パートナー(例えば、CD25に対する抗体)に対して相補的な、1つ以上の疎水性パターン、H結合パターン、原子容/半径、電荷パターンもしくは原子占有パターン、またはそれらの任意の組み合わせを有する。一部の実施形態では、類似性は、同じ化学的記述子、例えば、同じ疎水性パターン、H結合パターン、原子容/半径、電荷パターンまたは原子占有パターンのうち1つ以上を共通して有している。相補的な化学的記述子には、例えば、CD25の結合パートナー、例えば、CD25に対する抗体の負の電荷パターンを補完する正の電荷パターンを有するペプチドが含まれる。これらの化学的記述子は、一部の実施形態では、ペプチドの実験的に測定された構造またはシミュレートされた構造およびCD25またはCD25結合パートナーの実験的に測定された構造またはシミュレートされた構造(例えば、相補的な評価のため)を使用して、評価され得る。
例えば、一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25と結合パートナー(例えば、IL-2)との結合と類似して、CD25の結合パートナーに結合する。一部の実施形態では、結合パートナーは、ネイティブ結合パートナー、ネイティブ結合パートナーの断片、または改変されたネイティブ結合パートナーもしくはその断片、またはCD25に特異的に結合する抗体である。一部の実施形態では、結合パートナーは、特定の状況下で結合するが、他の状況下では結合しない。一部の実施形態では、結合パートナーは、病理学的条件下で結合するかまたは非病理学的条件下で結合する。結合パートナーは、例えば、構成的に発現されてもよいし、もしくは偶発的な遺伝子の産物であってもよく、またはタンパク質もしくはその断片を含み得る。ある特定の実施形態では、結合パートナーは、ネイティブ結合パートナーの断片であるかまたは改変されたネイティブ結合パートナーである。改変には、一部の実施形態では、ネイティブ結合パートナーの断片を少なくとも含む融合タンパク質;発色団を用いた標識化;フルオロフォアを用いた標識化;ビオチンを用いた標識化;またはHisタグを用いた標識化が含まれ得る。
一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25の、結合パートナーとの結合の、約2桁以内または約1桁以内である、CD25の結合パートナーとの結合を有する。一部の実施形態では、結合の類似性は、結合定数(Kd)、または阻害定数(Ki)、または結合の結合速度(on-rate)、または結合の解離速度(off-rate)、または結合対の結合親和性、または結合のギブズ自由エネルギー(ΔG)を比較することによって評価される。一部の実施形態では、結合パートナーは、CD25に対する抗体である。
一部の実施形態では、操作されたポリペプチドのCD25結合パートナーとの結合定数(K)は、CD25の結合パートナーとのKの1000倍以内、800倍以内、600倍以内、400倍以内、200倍以内、100倍以内、90倍以内、80倍以内、70倍以内、60倍以内、50倍以内、40倍以内、30倍以内、20倍以内、10倍以内、8倍以内、6倍以内、4倍以内、2倍以内、1.5倍以内、1.2倍以内またはそれと約同じである。他の実施形態では、操作されたポリペプチドとCD25結合パートナーとの阻害定数(K)は、CD25と結合パートナーとのKの1000倍以内、800倍以内、600倍以内、400倍以内、200倍以内、100倍以内、90倍以内、80倍以内、70倍以内、60倍以内、50倍以内、40倍以内、30倍以内、20倍以内、10倍以内、8倍以内、6倍以内、4倍以内、2倍以内、1.5倍以内、1.2倍以内またはそれと約同じである。なおさらなる実施形態では、操作されたポリペプチドのCD25結合パートナーとの結合の結合速度(on-rate)は、CD25と結合パートナーとの結合の結合速度(on-rate)と類似である。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドのCD25結合パートナーとの結合の結合速度(on-rate)は、CD25と結合パートナーとの結合速度(on-rate)の1000倍以内、800倍以内、600倍以内、400倍以内、200倍以内、100倍以内、90倍以内、80倍以内、70倍以内、60倍以内、50倍以内、40倍以内、30倍以内、20倍以内、10倍以内、8倍以内、6倍以内、4倍以内、2倍以内、1.5倍以内、1.2倍以内またはそれと約同じである。他の実施形態では、操作されたポリペプチドのCD25結合パートナーとの結合の解離速度(off-rate)は、CD25と結合パートナーとの結合の解離速度(off-rate)と類似である。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドのCD25結合パートナーとの結合の解離速度(off-rate)は、CD25と結合パートナーとの解離速度(off-rate)の1000倍以内、800倍以内、600倍以内、400倍以内、200倍以内、100倍以内、90倍以内、80倍以内、70倍以内、60倍以内、50倍以内、40倍以内、30倍以内、20倍以内、10倍以内、8倍以内、6倍以内、4倍以内、2倍以内、1.5倍以内、1.2倍以内またはそれと約同じである。なおさらなる実施形態では、操作されたポリペプチドとCD25結合パートナーとの結合親和性は、CD25と結合パートナーとの結合親和性と類似である。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドとCD25結合パートナーとの結合親和性は、CD25と結合パートナーとの結合親和性の1000倍以内、800倍以内、600倍以内、400倍以内、200倍以内、100倍以内、90倍以内、80倍以内、70倍以内、60倍以内、50倍以内、40倍以内、30倍以内、20倍以内、10倍以内、8倍以内、6倍以内、4倍以内、2倍以内、1.5倍以内、1.2倍以内またはそれと約同じである。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドとCD25結合パートナーとの結合のギブズ自由エネルギーは、CD25と結合パートナーとの結合のギブズ自由エネルギーの1000倍以内、800倍以内、600倍以内、400倍以内、200倍以内、100倍以内、90倍以内、80倍以内、70倍以内、60倍以内、50倍以内、40倍以内、30倍以内、20倍以内、10倍以内、8倍以内、6倍以内、4倍以内、2倍以内、1.5倍以内、1.2倍以内またはそれと約同じである。一部の実施形態では、CD25結合パートナーは、CD25の抗体である。
一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25またはその一部分との配列類似性を有する。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25の抗体に結合するCD25の表面の一部分との配列類似性を有する。ある特定の実施形態では、配列類似性は、CD25の連続アミノ酸配列と比較される。他の実施形態では、配列類似性は、CD25の非連続配列と比較される。例えば、ある特定の実施形態では、フォールディングされたCD25の結合表面は、非連続アミノ酸配列によって形成され、操作されたポリペプチドは、表面を形成する非連続配列の少なくとも一部分との配列類似性を有する。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25の結合表面を形成する連続アミノ酸配列の少なくとも一部分との配列類似性を有する。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25の連続配列、例えば、結合表面を形成する連続配列の少なくとも一部分に対して少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一または少なくとも99%同一である配列を有する。ある特定の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25の非連続配列、例えば、結合表面を形成する非連続配列の少なくとも一部分に対して少なくとも40%同一、少なくとも45%同一、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも85%同一または少なくとも90%同一である配列を有する。ある特定の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25の連続する部分に対して少なくとも40%同一、少なくとも45%同一、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも85%同一または少なくとも90%同一である配列を有する。なおさらなる実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25の2つ以上の連続しない部分に対して少なくとも40%同一、少なくとも45%同一、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも85%同一または少なくとも90%同一である配列を有する。一部の実施形態では、少なくとも2つのペプチドを含む操作されたポリペプチドについて、操作された免疫原(immungoen)の2つ以上のペプチドは、CD25、例えば、CD25の結合表面と、配列類似性を独立して共有する。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドと配列類似性を共有するCD25の部分は、CD25に対する抗体に結合する表面である。
c.連結部分
本明細書で提供される操作されたポリペプチドは、連結部分を含んでもよい。存在する場合、連結部分は、例えば、独立して、架橋またはリンカーであり得る。
一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、N個のペプチドおよびN-1個の連結部分;またはN個のペプチドおよびN-1個の連結部分;またはN個のペプチドおよびN個の連結部分;またはN個のペプチドおよびN+1個の連結部分;またはN個のペプチドおよびN+2個の連結部分;またはN個のペプチドおよびN-2個の連結部分を含み、Nは、3以上である。
一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、少なくとも1つの連結部分、少なくとも2つの連結部分、少なくとも3つの連結部分、少なくとも4つの連結部分、少なくとも5つの連結部分、少なくとも6つの連結部分、1つ~6つの間の連結部分、1つ~5つの間の連結部分、1つ~4つの間の連結部分、1つ~3つの間の連結部分、1つの連結部分、または2つの連結部分を含む。一部の実施形態では、各連結部分は、独立して、架橋またはリンカーである。ある特定の実施形態では、各連結部分は、架橋である。他の実施形態では、各連結部分は、リンカーである。なおさらなる実施形態では、少なくとも1つの連結部分は架橋であり、残りの連結部分は、独立して、架橋またはリンカーである。他の実施形態では、少なくとも1つの連結部分はリンカーであり、残りの連結部分は、独立して、架橋またはリンカーである。
架橋には、例えば、1つのアミノ酸の側鎖と別のアミノ酸の部分との間の共有結合が含まれる。アミノ酸は、独立して、天然または非天然アミノ酸であり得る。一部の実施形態では、架橋には、2つのアミノ酸の側鎖間、または1つのアミノ酸の側鎖と別のアミノ酸のアミンもしくはカルボキシル基との間の共有結合が含まれる。架橋は、1つのペプチド内で形成し得るかまたは2つの別々のペプチド間で形成し得る。一部の実施形態では、本明細書で提供される操作されたポリペプチドは、ペプチド内架橋およびペプチド間架橋の両方の混合物を含む。一部の実施形態では、架橋は、アミノ酸側鎖の2つのチオール基間のジスルフィド結合、例えば、2つのシステイン間のジスルフィド結合である。一部の実施形態では、架橋は、2つのアミノ酸のアミン基とカルボン酸基との間のアミド結合であり、アミン基およびカルボン酸基のうち少なくとも一方は、アミノ酸の側鎖上に位置決めされる(例えば、アミド結合は、骨格アミド結合ではない)。一部の実施形態では、架橋は、ジアミノピメリン酸とアスパラギン酸との間で形成されるアミド結合である。一部の実施形態では、アミド架橋は、ラクタムである。一部の実施形態では、架橋は、オキシムである。一部の実施形態では、架橋は、ヒドラゾンである。一部の実施形態では、架橋は、あるアミノ酸の側鎖と別のアミノ酸の部分との間の共有結合を含み、側鎖および部分の一方または両方は、共有結合を形成するように改変される。かかる改変には、例えば、酸化、還元、中間体を形成する触媒との反応、または当業者に公知の他の改変が含まれ得る。
リンカーには、例えば、ペプチドの少なくとも2つの部位に共有結合された分子または少なくとも2つのペプチド間で共有結合された分子が含まれる。リンカーは、1つのペプチド内の2つの部位に結合し得るかもしくは2つの別々のペプチド間を結合し得るかまたはそれら両方の組み合わせであり得る。例えば、2つよりも多くのペプチド結合部位を含むリンカーは、ペプチド内結合およびペプチド間結合の両方を形成し得る。少なくとも2つのペプチドおよび少なくとも1つのリンカーを含む操作されたポリペプチドでは、ペプチドおよびリンカーは、種々の異なる立体配置で接続され得る。例えば、操作されたポリペプチドは、ペプチドで終わる、ペプチド-リンカー-ペプチドなどのパターンを有し得る。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、分岐点を形成するリンカー、例えば、3つのペプチドに独立して結合されるリンカーを含む。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、3つのペプチド結合部位を有するリンカーを含み、リンカーは、2つのペプチドのみに結合される。
一部の実施形態では、リンカーは、1つ以上のアミノ酸を含む。リンカーの一部を形成するアミノ酸は、一部の実施形態では、操作されたポリペプチドから別々に同定され得る。ある特定の実施形態では、リンカーは、界面タンパク質の機能的界面の構造および/または機能を反映する構造的、化学的および/または動力学的様式で、操作されたポリペプチドのペプチドを分離および提示する領域である。なおさらなる実施形態では、リンカーは、操作されたポリペプチドのペプチドに接続されない場合、それ自体では機能を有さない、例えば、CD25の結合パートナーへの結合を示さない。一部の実施形態では、各リンカーは、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つまたはそれよりも多くのアミノ酸を独立して含む。一部の実施形態では、各リンカーは、1つのアミノ酸、2つのアミノ酸、3つのアミノ酸、4つのアミノ酸、5つのアミノ酸または6つのアミノ酸を独立して含む。リンカーの一部を形成するアミノ酸は、一部の実施形態では、天然に存在するアミノ酸または天然に存在しないアミノ酸であり得る。各リンカーは、一部の実施形態では、1つ以上のアルファ-アミノ酸、1つ以上のベータ-アミノ酸もしくは1つ以上のガンマ-アミノ酸、またはそれらの任意の組み合わせを独立して含み得る。ある特定の実施形態では、リンカーは、環状ベータ残基を独立して含む。環状ベータ残基には、例えば、APCまたはACPCが含まれ得る。なおさらなる実施形態では、リンカーは、1つ以上のグリシン残基、1つ以上のセリン残基または1つ以上のプロリン残基を含み得る。一部の実施形態では、リンカーは、AP、GP、GSG、(GGGGS)n、(GSG)n、GGGSGGGGS、GGGGSGGGS、(PGSG)nおよびPGSGSGからなる群から選択されるアミノ酸配列を有し、式中、nは、1と10との間の整数である。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、少なくとも1つのリンカーを含み、各リンカーは、アミノ酸を含まないか、または各リンカーは、天然アミノ酸を含まないか、または各リンカーは、少なくとも1つの非天然アミノ酸を含む。
一部の実施形態では、リンカーは、ポリマーを含む。一部の実施形態では、ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)である。PEGを含むリンカーは、例えば、少なくとも3個のPEGモノマー単位、少なくとも4個のPEGモノマー単位、少なくとも5個のPEGモノマー単位、少なくとも6個のPEGモノマー単位、少なくとも7個のPEGモノマー単位、少なくとも8個のPEGモノマー単位、少なくとも9個のPEGモノマー単位、少なくとも10個のPEGモノマー単位、少なくとも11個のPEGモノマー単位、少なくとも12個のPEGモノマー単位または12個よりも多くのPEGモノマー単位を含み得る。PEGを含むリンカーの一部の実施形態では、PEGは、3個~12個の間のモノマー単位、3個~6個の間のモノマー単位、6個~12個の間のモノマー単位または4個~8個の間のモノマー単位を含む。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、PEG3(3個のモノマー単位を含む)、PEG6またはPEG12を含む少なくとも1つのリンカーを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのリンカーは、独立して、PEG3、PEG6またはPEG12である。さらなる実施形態では、リンカーは、マルチアームPEGを含む。例えば、ある特定の実施形態では、少なくとも1つのリンカーは、4アームPEGまたは8アームPEGを独立して含む。ある特定の実施形態では、各アームは、3個~12個の間のモノマー単位、または3個~6個の間のモノマー単位、または6個~12個の間のモノマー単位、または4個~8個の間のモノマー単位を独立して含む。ある特定の実施形態では、マルチアームPEGの各アームは、4アームまたは8アームPEGなど、同じ数のモノマー単位を含み、各アームは、3個のモノマー単位、6個のモノマー単位または12個のモノマー単位を含む。
他の実施形態では、リンカーは、デンドリマーを含む。デンドリマーには、例えば、分子部分が放射状に伸長する対称コアを含むツリー様の分岐アーキテクチャを有する分子が含まれ、分岐点は、分子中に新たな層を形成する。各新たな分岐点は、新たなより大きい層を導入し、これらの放射状の伸長は、デンドリマーの外側末端表面において官能基で終結する場合が多い。したがって、分岐点の数を増加させることは、次に、表面における末端官能基の可能な数を増幅させる。
一部の実施形態では、少なくとも1つのリンカーは、アミノ酸でもポリマーでもない小分子を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのリンカーは、ベンゾジアゼピンを含む。一部の実施形態では、リンカーは、ピロリジンジオン部分(例えば、ピロリジン-2,5-ジオン部分)であり得る、スルフヒドリル-マレイミド反応の産物である一部分を含む。一部の実施形態では、リンカーは、アミジン部分を含む。一部の実施形態では、リンカーは、チオエーテル部分を含む。
一部の実施形態では、少なくとも1つのリンカーは、トランス-ピロリジン-3,4-ジカルボキサミドを含む。
操作されたポリペプチドが少なくとも2つのリンカーを含む一部の実施形態では(例えば、操作されたポリペプチドが少なくとも2つの連結部分を含み、各連結部分が、独立して、リンカーもしくは架橋であるか、または各連結部分が独立してリンカーである実施形態では)、各リンカーは、独立して、本明細書に記載されるリンカーのいずれかである。例えば、一部の実施形態では、各リンカーは、独立して、1つ以上のアミノ酸を含むリンカー、ポリマーを含むリンカー、デンドリマーを含むリンカー、またはアミノ酸でもポリマーでもない小分子を含むリンカーである。
操作されたポリペプチドの1つ以上の連結部分は、目的の特定の構造的もしくは機能的特徴、またはそれらの組み合わせを付与し得る。例えば、一部の実施形態では、連結部分は、構造的特徴もしくは機能的特徴、またはそれらの組み合わせを付与するために、操作されたポリペプチド中に存在する。かかる構造的特徴には、例えば、増加した構造的柔軟性、減少した構造的柔軟性、方向特色(directional feature)、増加した長さまたは減少した長さが含まれ得る。目的とされ得る方向特色には、例えば、構造的ターン、または線状構造の維持が含まれ得る。機能的特徴には、例えば、増強された溶解度、1つ以上のプロトン化部位、1つ以上のタンパク質分解部位、1つ以上の酵素的改変部位、1つ以上の酸化部位、標識、または捕捉ハンドルが含まれ得る。一部の実施形態では、リンカーは、1つ以上の機能的特徴もしくは1つ以上の構造的特徴、またはそれらの組み合わせを含む。
一部の実施形態では、1つ以上のリンカーは、操作されたポリペプチド中に構造的「ターン」を独立して導入する。かかるリンカーの例には、Gly-Pro、Ala-Proおよびtrans-ピロリジン-3,4-ジカルボキサミドが含まれる。一部の実施形態では、操作されたポリペプチド中に存在する1つ以上のリンカーは、リンカーが存在しない場合または異なるリンカーの選択と比較して、操作されたポリペプチドの構造的柔軟性を増加させる。例えば、別のリンカーよりも長いおよび/または立体障害の度合いが低いリンカーは、一部の実施形態では、リンカーが存在しなかった場合または別のリンカーが代わりに使用された場合よりも高い構造的柔軟性を有する分子を生じ得る。他の実施形態では、例えば、別のリンカーよりも短いおよび/もしくは立体障害の度合いが高いリンカー、または1つ以上のペプチドの柔軟性を低減させる位置もしくは型の架橋を含む、1つ以上の連結部分は、操作されたポリペプチドにおける構造的柔軟性を独立して減少させる。特定のペプチド間または特定のアミノ酸側鎖間の特定の位置における架橋の存在は、架橋が異なる位置にあった場合もしくは異なる側鎖間にあった場合(例えば、ジスルフィドまたはアミド架橋)または架橋が存在しなかった場合よりも低い構造的柔軟性を有する分子を生じ得る。
d.さらなる成分
一部の実施形態では、本明細書で提供される操作されたポリペプチドは、1つ以上のさらなる成分を含む。例えば、一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、操作されたポリペプチドを固体表面、例えば、ビーズまたは平坦な表面に結合させる1つ以上の部分を含む。一部の実施形態では、結合部分は、ポリマー(例えば、PEG)もしくはビオチン、またはそれらの組み合わせを含む。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドを固体表面に結合させることは、例えば、操作されたポリペプチドの1つ以上の特徴の評価、例えば、CD25の結合パートナー(例えば、CD25に対する抗体)との結合の評価を可能にし得る。
e.配列類似性
一部の実施形態では、本明細書で提供される操作されたポリペプチドは、表1:
Figure 2022513043000012


に列挙される配列のうち1つを有する。
一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号1~21のいずれか1つに対して少なくとも60%の配列類似性を有する。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号1~21のいずれか1つに対して少なくとも70%の配列類似性を有する。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号1~21のいずれか1つに対して少なくとも80%の配列類似性を有する。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号1~21のいずれか1つに対して少なくとも90%の配列類似性を有する。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号1~21のいずれか1つに対して少なくとも95%の配列類似性を有する。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号1~21のいずれか1つを含む。ある特定の実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号1~21のいずれか1つを有する。
一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号1~21のいずれか1つを含み;N末端もしくはC末端またはそれら両方において改変される。例えば、一部の実施形態では、C末端またはN末端は、別の分子に共有結合される。なおさらなる実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号1~21のいずれか1つ;およびN末端もしくはC末端またはそれら両方における1つ以上のアミノ酸を含む。
一部の実施形態では、N末端分子は、ビオチン-PEG
Figure 2022513043000013
である。
一部の実施形態では、C末端分子は、ビオチンが後に続くリンカー(例えば、-GSGSGK-ビオチン)である。操作されたポリペプチドのC末端にビオチンを結合させるのに適切な他のリンカーには、GSG、GSS、GGS、GGSGGS、GSSGSS、GSGK、GSSK、GGSK、GGSGGSK、GSSGSSKなどが含まれる。
V.操作されたポリペプチドを選択する方法
本明細書に記載される操作されたポリペプチドを選択する方法が、本明細書でさらに提供される。かかる方法は、例えば、操作されたポリペプチドの構造的特徴の反復最適化を使用することを含み得る。
一部の実施形態では、CD25の1つ以上のセクションは、標的界面として同定される。一部の実施形態では、同定されたセクション(複数可)の少なくとも一部分は、CD25の抗体に結合する。したがって、例えば、一部の実施形態では、1つ以上の抗体に対するエピトープであるCD25の一部分が、標的界面として同定される。他の実施形態では、CD25のセクションは、抗体に結合しないかまたは抗体結合が生じるかどうかが未知である標的界面として同定される。ある特定の実施形態では、CD25の少なくとも一部分についての結晶構造は未知であり、標的界面の初期選択は、CD25およびCD25結合の分子動力学シミュレーションを含む。一部の実施形態では、1つ以上の初期インプット配列は、同定されたセクション(単数または複数)から得られ、各配列は、独立して、連続または非連続である。操作されたポリペプチド候補を開発する際に、各配列の界面残基の少なくとも一部は保持され、1つ以上の連結部分は、所望の構造的および動力学的特徴を提供するために配列中に取り込まれる。一部の実施形態では、同族標的の構造および動力学と比較して所望の構造的および動力学的特徴を達成するために、1つ以上の非界面残基が配列に付加されるかまたはインプット配列中の1つ以上の残基が1つ以上の非界面残基で置き換えられる。一部の実施形態では、これらの非界面残基は、CD25の標的界面由来でないか、またはCD25の標的界面と1つ以上の特徴を共有しないか、または保持された界面残基よりも、より少ない特徴を共有するか、および/もしくはCD25の標的界面とあまり強くなく特徴を共有する。これらの中間の非界面残基は、一部の実施形態では、アミノ酸リンカーの一部または全てを形成し得る。
次に、一部の実施形態では、初期設計(または複数の設計)が生成され、設計の柔軟性および全体的安定性を決定するために分子動力学シミュレートされる。この初期設計がRMSD要件を満たさない場合、これは、一部の実施形態では、コンピューター的突然変異誘発を使用した、1つ以上の連結部分(例えば、1つ以上の架橋または中間のリンカー残基)の反復最適化を受け得る。この最適化の間に、一部の実施形態では、界面残基は固定されるが、連結部分のうち1つ以上は、変更されるかまたは除去されるかまたは付加される。反復最適化は、標的界面および構造的秩序測定基準と比較した操作されたポリペプチドのRMSD界面残基位置が特定の要件(例えば、それぞれ、≦6.0Åおよび≧0.25。ここで、構造的秩序は、0~1の規準化されたスケールであり、1=完全な構造的安定性である)を満たすまで、反復され得る。
一部の実施形態では、中間の構造的安定性残基領域は、1~50アミノ酸長の範囲であり得る。ある特定の実施形態では、これらの中間の構造的安定性残基領域は、リンカー、例えば、アミノ酸リンカーである。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法の特定の実施形態によって産生された操作されたポリペプチドの比較的小さいサイズ(例えば、大きい構造的に安定化性の足場上に界面をグラフトするアプローチと比較して)は、インビトロ発現系を必要とし得るより大きい分子とは対照的に、その分子の化学的合成を可能にし得る。さらに、一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、中間の位置または界面位置中への非天然アミノ酸の取り込みを可能にし、これが、新規の部分および特性、例えば、翻訳後改変、溶解度、細胞透過性、酵素反応性、pH感受性、酸化感受性などによる界面操作の細かい制御を可能にし得る。なおさらなる実施形態では、操作されたポリペプチドは、操作されたポリペプチドが免疫原またはエピトープ-ベイトとして使用される場合の、選択された抗体における種交差反応性または疾患関連突然変異反応性のより高い可能性によって選択され得る。
一部の実施形態では、最適化された分子は、本明細書で提供される操作されたポリペプチドである。他の実施形態では、最適化された分子は、さらなる評価、さらなる調整を受け得るかあるいはペプチドライブラリーもしくは候補の操作されたポリペプチドのライブラリー、またはそれらの任意の組み合わせを生成するために使用され得る、候補の操作されたポリペプチドである。ある特定の実施形態では、方法は、操作されたポリペプチド候補を使用してペプチドライブラリーまたは操作されたポリペプチド候補ライブラリーを生成すること、および次いで、ライブラリーをCD25の結合パートナー(例えば、CD25に対する抗体)と接触させることをさらに含む。ペプチドライブラリーは、例えば、操作されたポリペプチド候補よりも小さく、それと少なくともいくらかの配列類似性を共有し、特定の残基が他の残基で置き換えられていてもよいペプチドを含み得る。操作されたポリペプチド候補ライブラリーは、例えば、操作されたポリペプチド候補のバリエーションを含み得る。
一部の実施形態では、ペプチドライブラリーのペプチドは、2個~15個の間のアミノ酸、5個~15個の間のアミノ酸、10個~15個の間のアミノ酸、2個~10個の間のアミノ酸または5個~10個の間のアミノ酸を含む。一部の実施形態では、ライブラリーの各ペプチド中のアミノ酸の総数は、例えば、リンカーアミノ酸を含み得る、界面アミノ酸および構造的アミノ酸の両方を含む。操作されたポリペプチド候補ライブラリーは、例えば、新たなライブラリーメンバーを作製するために候補中の1つ以上のアミノ酸または連結部分を変化させることによって調製され得る。操作されたポリペプチド候補ライブラリー中の操作されたポリペプチド候補は、一部の実施形態では、5個~40個の間のアミノ酸、10個~35個の間のアミノ酸、15個~35個の間のアミノ酸または20個~30個の間のアミノ酸を独立して含む。一部の実施形態では、候補ライブラリーの各操作されたポリペプチド候補中のアミノ酸の総数は、一部の実施形態では、例えば、リンカーアミノ酸を含み得る、界面アミノ酸および構造的アミノ酸の両方を含み得る。ペプチドライブラリーおよび操作されたポリペプチド候補ライブラリーは、一部の実施形態では、5,000個と100,000個との間のメンバー、5,000個と80,000個との間のメンバー、5,000個と60,000個との間のメンバー、5,000個と40,000個との間のメンバー、5,000個と30,000個との間のメンバー、10,000個と25,000個との間のメンバー、15,000個と20,000個との間のメンバーまたは約17,000個のメンバー(例えば、別個のペプチドまたは別個の操作されたポリペプチド候補)を独立して含み得る。一部の実施形態では、複数の別々のライブラリーが産生および評価される。ある特定の実施形態では、ライブラリーメンバーは、特定の架橋を含まない。例えば、一部の実施形態では、ライブラリーメンバーがジスルフィド架橋を有さないライブラリーが評価される。
候補ライブラリーのための候補を産生するための一部の実施形態では、1つ以上の連結部分が、元の操作されたポリペプチド候補の設計において、付加もしくは除去されるかまたは位置変更される。例えば、一部の実施形態では、ジスルフィド架橋が除去されるかもしくは付加されるかまたはその位置が移動される。他の実施形態では、ラクタム架橋が除去されるかもしくは付加されるかまたはその位置が移動される。一部の実施形態では、1つ以上のアミノ酸残基が置き換えられる。ペプチドライブラリーもしくは操作されたポリペプチド候補ライブラリーまたはそれら両方(存在する場合)へのCD25結合パートナーの結合は、操作されたポリペプチドの設計をさらに洗練させるためまたは操作されたポリペプチドを選択するために使用され得るさらなる情報を提供できる。これらのライブラリーをスクリーニングすることからのさらなる情報は、例えば、操作されたポリペプチドを変化させるため、例えば、CD25の結合パートナーとの結合親和性を増加させるために使用され得る。操作されたポリペプチド候補ライブラリーは、一部の実施形態では、結合相互作用(そのような部分の存在または位置を含む)、例えば、ジスルフィド結合およびラクタムを含む架橋に対する特定のリンカー部分の影響に関するさらなる情報を提供できる。ペプチドもしくは操作されたポリペプチド候補ライブラリーまたはそれら両方は、一部の実施形態では、CD25の結合パートナーに対する結合親和性もしくは結合特異性を増加させ得るかまたは他の所望の特徴を提供し得る共通のモチーフ(例えば、アミノ酸パターンもしくは連結部分、またはそれらの組み合わせ)を同定するために使用され得る。同族結合パートナーの、ペプチドもしくは操作されたポリペプチド候補ライブラリーまたはそれら両方のメンバーとの結合を評価することは、さらなる構造的および機能的情報を提供でき、これは、操作されたポリペプチドの設計をさらに洗練させるためまたは操作されたポリペプチド候補を選択するために使用され得る。
a.変化するpH下での結合による選択
一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、より低いpHでの構造的柔軟性と比較した、生理的pHでの構造的柔軟性に、少なくとも一部基づいて選択される。例えば、CD25は、腫瘍細胞上で過剰発現され得、したがって、腫瘍微小環境におけるより高い親和性でのCD25への抗体の結合が、一部の実施形態では、所望され得る。したがって、一部の実施形態では、生理的pHでの同じ操作されたポリペプチドと比較して、より低いpHでより柔軟性が低い操作されたポリペプチド、または1つ以上のアミノ酸がより低いpHで特定の配向を有する操作されたポリペプチド、またはより低いpHでより高い結合親和性もしくは結合選択性を有する操作されたポリペプチドを選択することが望ましい場合がある。多くのがん性腫瘍では、がん性細胞の成長速度は、腫瘍の部分において利用可能な酸素供給をしのぎ得、腫瘍内の低酸素微小環境を生じる。組織中の酸素のレベルは、組織環境のpHに影響を与え得、低酸素レベルは、減少したpHをもたらし得る(例えば、嫌気的解糖からの酸性代謝物の蓄積によるものを含む)。したがって、一部の実施形態では、低いpHにおいてより高い結合を有する(例えば、結合相互作用をもたらす望ましい構造的特徴を有する)が、生理的pHでは低減された結合を有する(例えば、結合相互作用をもたらす望ましい構造的特徴が減少している、より少ない、またはそれを有さない)操作されたポリペプチドを選択することは、一部の実施形態では、腫瘍中にない場合の結合と比較して、腫瘍中の所望の標的へのより高い結合を有する抗体を産生することができる操作されたポリペプチドを生じ得る。生理的pHは、典型的には、約7.35と約7.45との間、例えば、約7.4である。腫瘍微小環境のpHは、例えば、約7.45未満、約7.45未満、約7.45と約6.0との間、約7.0と約6.0との間、約6.8と約6.2との間、約6.7と約6.3との間、約6.4、約6.5、約6.6、約6.7、約6.8、約6.9または約7.0であり得る。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、コンピューター的方法、例えば、分子動力学シミュレーションを使用して、異なるpHで評価され得る。他の実施形態では、操作されたポリペプチドは、インビトロ方法を使用して、差次的pH特徴に基づいて選択される。適切なインビトロ方法には、例えば、異なるpHにおけるファージパニングが含まれ得る。例えば、抗体ファージディスプレイライブラリーが、生理的pHで1つ以上の操作されたポリペプチドをパニングするために使用され得、そのpHで結合するファージは破棄され得る。次いで、第2のラウンドのパニングが、より低いpHで実施され得、より低いpHで1つ以上の操作されたポリペプチドに結合するファージが選択され得る。一部の実施形態では、より低いpHにおいてファージに結合しないかまたは低いpHおよび生理的pHの両方において類似の親和性でファージに結合する操作されたポリペプチドは、腫瘍細胞を標的化する抗体を生成する際の使用にはあまり望ましくない場合がある。
b.逆ペプチド評価
なおさらなる実施形態では、操作されたポリペプチドを選択することは、操作されたポリペプチドの結合を逆操作されたポリペプチドの結合と比較することを含み得る。逆操作されたポリペプチドは、操作されたポリペプチドに基づき得るが、界面相互作用性アミノ酸残基(例えば、CD25の表面に基づく)のうち1つ以上が、逆特徴を示すアミノ酸で置き換えられている。例えば、大きい立体的に嵩高い疎水性側鎖を有するアミノ酸は、より小さい側鎖、または親水性側鎖、またはより小さくかつ親水性の側鎖を有するアミノ酸で置き換えられ得る。一部の実施形態では、水素結合供与側鎖を有するアミノ酸は、水素結合受容側鎖を有するアミノ酸または水素結合しない側鎖を有するアミノ酸で置き換えられ得る。操作されたポリペプチドおよび逆操作されたポリペプチドを使用して比較され得る結合特徴には、一部の実施形態では、特異性および/または親和性が含まれ得る。操作されたポリペプチドの結合特徴を逆操作されたポリペプチドの結合特徴と比較することは、一部の実施形態では、界面相互作用性アミノ酸がリンカーなどの連結部分の特徴ではなく結合相互作用を駆動する、操作されたポリペプチドを選択することを助け得る。結合がリンカーなどの連結部分によって駆動される操作されたポリペプチドは、オフターゲット結合または他の望ましくない結合特徴を示し得るので、一部の実施形態では、あまり望ましくない場合がある。
さらなる実施形態では、方法は、選択された操作されたポリペプチドを改変することをさらに含む。
c.結合評価
本明細書に記載されるように、一部の実施形態では、本明細書で提供される操作されたポリペプチドを選択する方法は、操作されたポリペプチド候補の、タンパク質またはその断片、例えば、CD25の結合パートナー(例えば、CD25に対する抗体)への結合を評価することを含む。例えば、一部の実施形態では、操作されたポリペプチド候補ライブラリーまたはペプチドライブラリーは、CD25の結合パートナーへの結合についてスクリーニングされる。
タンパク質またはその断片(例えば、CD25の結合パートナー)の、1つ以上のペプチドまたは操作されたポリペプチド候補(例えば、ライブラリーのメンバー)との結合は、種々の方法で評価され得る。一部の実施形態では、結合は、例えば、タンパク質またはその断片上の標識を直接的に検出することによって、直接的に評価される。かかる標識には、例えば、蛍光標識、例えば、フルオロフォアまたは蛍光タンパク質が含まれ得る。他の実施形態では、結合は、例えば、サンドイッチアッセイを使用して、間接的に評価される。サンドイッチアッセイでは、ペプチドまたは操作されたポリペプチド候補(例えば、ライブラリーのメンバー)が結合パートナーに結合し、次いで、標識された二次試薬が、結合した結合パートナーを標識するために添加される。次いで、この標識された二次試薬が検出される。サンドイッチアッセイ成分の例には、抗Hisタグ抗体もしくはHisタグ特異的蛍光プローブを用いて検出されるHisタグ化結合パートナー;標識されたストレプトアビジンもしくは標識されたアビジンを用いて検出されるビオチン標識された結合パートナー;または抗結合パートナー抗体を用いて検出される未標識の結合パートナーが含まれる。
一部の実施形態では、目的のペプチドまたは操作されたポリペプチド候補は、いくつもの利用可能な検出方法を使用して、結合シグナルまたは用量応答に基づいて同定される。これらの検出方法には、例えば、画像化、蛍光活性化細胞選別(FACS)、質量分析またはバイオセンサーが含まれ得る。一部の実施形態では、ヒット閾値が規定され(例えば、中央値シグナル)、そのシグナルを上回るシグナルを有する任意のものが、推定ヒットモチーフとしてフラグされる。
コンビナトリアルライブラリーの開発のために、タンパク質またはその断片との結合に基づいてペプチドライブラリーから同定されたペプチドは、一部の実施形態では、配列もしくは構造的情報、またはそれらの組み合わせを使用して、別個の群へとさらにクラスタリングされ得る。このグループ分けは、例えば、一般に利用可能な配列アラインメント、化学的記述子、構造的予測、ならびにエントロピー予測情報科学ツール(例えば、MUSCLE、CLUSTALW、PSIPRED、AMBER、Hydropathy CalculatorおよびIsoelectric Point Calculator)およびクラスタリングアルゴリズム(例えば、K-Means、GibbsおよびHierarchical)を使用して、実施され得る。ペプチドヒット中に存在するモチーフ(例えば、構造的もしくは機能的モチーフ)のクラスターは、この分析から同定され得る。個々のペプチドモチーフヒットも同定され得る。これらのモチーフクラスターおよび個々のモチーフを使用して、一部の実施形態では、標的界面におけるタンパク質相互作用を駆動するように見えるモチーフの配列、構造および化学的特徴のうち1つ以上を規定する設計規則が考案され得る。一部の実施形態では、標的界面の構造は、これらの界面モチーフ設計規則の同定のために必要ではない。むしろ、設計規則は、一部の実施形態では、ペプチドライブラリーをスクリーニングすることから同定されたペプチドの分析に由来し得る。
一部の実施形態では、結合アッセイは、約10の感受性動力学的範囲を有する。したがって、一部の実施形態では、操作されたポリペプチド候補は、ネイティブCD25:結合パートナーシグナルの10シグナルブラケット(signal bracket)以内の、CD25結合パートナーとの結合事象を有する場合、目的のものであると同定される。シグナルの型は、使用されているアッセイの型が何であるかまたはシグナルがどのように評価されているかに依存して異なり得る。例えば、一部の実施形態では、シグナルは、センサーグラムにおける応答単位、画像ベースの読み出しにおける蛍光シグナル、または酵素ベースのアッセイにおける酵素的読み出しである。結合事象についてのシグナルは、CD25:結合パートナーシグナルと比較して測定され得る。
一部の実施形態では、操作されたポリペプチド候補は、結合を評価する前に改変される。例えば、一部の実施形態では、ビオチン、PEGもしくは別の結合部分、またはそれらの組み合わせが、結合評価システムにおいてそれが使用されるのを可能にするために、ペプチドのC末端またはN末端に結合される。例えば、一部の実施形態では、ビオチン-PEG12-は、操作されたポリペプチドのN末端に共有結合される。他の実施形態では、操作されたポリペプチド候補は、C末端において-GSGSGK-PEG4-ビオチンで改変される。ある特定の実施形態では、かかるビオチン改変された操作されたポリペプチド候補は、次いで、ビオチン部分を介してストレプトアビジンビーズに結合され、ビーズ支持された免疫原が、CD25の結合パートナーへの結合について評価される。
VI.操作されたポリペプチドおよびCD25抗体の使用
本明細書で提供される、および本明細書で提供される方法によって同定された操作されたポリペプチドは、例えば、CD25に特異的に結合する1つ以上の抗体を産生するために使用され得る。一部の実施形態では、抗体は、モノクローナルまたはポリクローナル抗体である。
用語「抗体」は、本明細書で使用する場合、抗原に特異的に結合する、免疫グロブリン分子に由来するタンパク質またはポリペプチド配列を指す。抗体は、ポリクローナルもしくはモノクローナル起源のインタクトな免疫グロブリン、またはその断片であり得、天然供給源または組換え供給源に由来し得る。
用語「抗体断片」または「抗体結合ドメイン」は、標的、例えば、抗原およびその規定されたエピトープへの抗体断片の認識および特異的結合を付与するのに十分な、抗原結合ドメイン、即ち、インタクトな抗体の抗原性決定可変領域を含む、抗体の少なくとも1つの部分またはその組換え変異体を指す。抗体断片の例には、Fab、Fab’、F(ab’)2およびFv断片、単鎖(sc)Fv(「scFv」)抗体断片、線状抗体、単一ドメイン抗体(「sdAb」と短縮される)(VLまたはVHのいずれか)、ラクダ科動物VHHドメイン、および抗体断片から形成された多特異性抗体が含まれるがこれらに限定されない。
用語「scFv」は、軽鎖の可変領域を含む少なくとも1つの抗体断片および重鎖の可変領域を含む少なくとも1つの抗体断片を含む融合タンパク質を指し、軽鎖および重鎖可変領域は、短い柔軟なポリペプチドリンカーを介して連続して連結され、単一のポリペプチド鎖として発現されることが可能であり、scFvは、それが由来するインタクトな抗体の特異性を保持する。
抗体に関して、「重鎖可変領域」または「VH」(または単一ドメイン抗体、例えばナノボディの場合、「VHH」)は、フレームワーク領域として公知の隣接するストレッチ間に差し込まれた3つのCDRを含む重鎖の断片を指し、これらのフレームワーク領域は、一般に、CDRよりも高度に保存されており、CDRを支持する足場を形成する。
特定しない限り、本明細書で使用する場合、scFvは、例えば、ポリペプチドのN末端およびC末端に関して、いずれかの順序でVLおよびVH可変領域を有し得、scFvは、VL-リンカー-VHを含み得るかまたはVH-リンカー-VLを含み得る。
用語「抗体軽鎖」は、それらの天然に存在するコンフォメーションにある抗体分子中に存在する2つの型のポリペプチド鎖の小さい方を指す。カッパ(「Κ」)。
したがって、一部の実施形態では、免疫原で動物を免疫化することによって産生される抗体であって、免疫原が本明細書で提供される操作されたポリペプチドである抗体が、本明細書で提供される。一部の実施形態では、動物は、ヒト、ウサギ、マウス、ハムスター、サルなどである。ある特定の実施形態では、サルは、カニクイザル、マカクザルまたはアカゲザルである。操作されたポリペプチドで動物を免疫化することは、例えば、免疫原を含み、適宜アジュバントを含む組成物の少なくとも1つの用量を動物に投与することを含み得る。一部の実施形態では、動物から抗体を生成することは、抗体を発現するB細胞を単離することを含む。一部の実施形態は、抗体を発現するハイブリドーマを創出するために、B細胞を骨髄腫細胞と融合させることをさらに含む。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドを使用して生成された抗体は、ヒトおよびサル、例えば、カニクイザルと交差反応できる。
ある特定の実施形態では、抗体を生成する方法は、抗体に対する1つ以上のエピトープを決定することをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、例えば、エピトープライブラリーを抗体と接触させ、ライブラリーのエピトープへの抗体の結合を評価することによって、2つ以上のエピトープへの結合について抗体をスクリーニングすることを含む。ある特定の実施形態では、2つ以上のエピトープに結合する抗体は、破棄される。一部の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25の1つのエピトープを模倣する。他の実施形態では、操作されたポリペプチドは、CD25の2つ以上のエピトープを模倣する。ある特定の実施形態では、操作されたポリペプチドがCD25の2つ以上のエピトープを模倣する、2つ以上のエピトープへの結合について抗体をスクリーニングすることは、エピトープライブラリーを抗体と接触させること、およびライブラリーのエピトープへの抗体の結合を評価すること、および2つ以上のエピトープに結合する1つ以上の抗体を破棄することを含み、これらのエピトープは、操作されたポリペプチドによって模倣されたエピトープではない。
一部の実施形態では、本明細書で提供される操作されたポリペプチドを使用して産生された抗体は、CD25に特異的に結合する。ある特定の実施形態では、抗体は、抗体がCD25に結合している場合、IL-2のCD25との結合を遮断しない。
一部の実施形態では、抗体は、非IL-2遮断抗体(非IL-2遮断剤)である - 即ち、CD25への抗体の結合は、IL-2リガンドのCD25(IL-2アルファ鎖)への結合を破壊も防止もせず、IL-2媒介性シグナル伝達、例えば、IL-2/JAK3/STAT-5シグナル伝達経路を介したシグナル伝達に影響を与えない。一部の実施形態では、抗体は、CD25(IL-2アルファ鎖)へのIL-2リガンドの結合を破壊せず、7G7B6抗体が結合するエピトープとは異なるエピトープに結合する。一部の実施形態では、抗体は、CD25(IL-2アルファ鎖)へのIL-2リガンドの結合を破壊しないが、IL-2受容体のベータ、ガンマおよびアルファ(CD25)鎖のトリマー化を破壊する。
一部の実施形態では、抗体は、IL-2遮断抗体であり、例えば、抗体は、受容体のアルファ、ベータおよび/またはガンマ鎖へのIL-2リガンドの結合を破壊または防止し、IL-2媒介性シグナル伝達を減少または阻害する。ある特定の実施形態では、抗体は、CD25へのIL-2リガンドの結合を破壊または防止する。一部の実施形態では、抗体は、CD25へのIL-2リガンドの結合を破壊または防止し、ダクリズマブまたはバシリキマブ(baciliximab)のいずれかが結合するエピトープとは異なるエピトープに結合する。
一部の実施形態では、CD25抗体は、部分的に遮断抗体であり、完全にではないが部分的に、IL-2受容体(CD25)のアルファ、ベータおよび/もしくはガンマ鎖へのIL-2リガンドの結合を破壊し、ならびに/または完全にではないが部分的に、IL-2媒介性シグナル伝達を減少させる。
一部の実施形態では、抗体は、アルファ、ベータおよびガンマIL-2鎖のヘテロトリマー化を破壊または防止する。一部の実施形態では、抗体は、IL-2リガンドとCD25との結合を遮断しないが、アルファ、ベータおよびガンマIL-2R鎖のヘテロトリマー化を破壊または防止する。ある特定の実施形態では、抗体は、Treg細胞に選択的に結合する。他の実施形態では、抗体は、Teff細胞に選択的に結合する。
なおさらなる実施形態では、本明細書で提供される操作されたポリペプチドを使用して産生された抗体がCD25のIL-2との結合を遮断するかどうかが評価される。一部の実施形態では、IL-2とのCD25結合を遮断しない抗体が選択される。他の実施形態では、CD25のIL-2との結合を遮断する抗体が選択される。かかる遮断または非遮断は、例えば、CD25をバイオセンサー先端にカップリングし、IL-2の存在下および非存在下での抗体による結合を評価することによって、評価され得る。一部の実施形態では、抗体は、抗体の結合、およびCD25へのIL-2結合の遮断または非遮断を評価するためにフローサイトメトリーにおいてNi-NTAと共に使用され得る6×Hisタグと共に発現される。ある特定の実施形態では、抗体の結合は、生理的pH(例えば、約pH7.3と約pH7.5との間、または約pH7.4)において、また、腫瘍微小環境のpH(例えば、約pH6.4と約pH6.6との間、または約pH6.5)において評価される。ある特定の実施形態では、遮断/非遮断活性は、IL-2遮断剤抗体(例えば、ダクリズマブまたはバクリリキシマブ(bacliliximab))の結合と比較される。ある特定の実施形態では、遮断/非遮断活性は、IL-2非遮断剤抗体(例えば、抗体7G7B6)の結合と比較される。ある特定の実施形態では、遮断/非遮断活性は、IL-2遮断抗体およびIL-2非遮断抗体の両方と比較される。
一部の実施形態では、抗体は、CD25に対するアゴニスト抗体である。他の実施形態では、抗体は、CD25に対するアンタゴニスト抗体である。
一部の実施形態では、抗体は、トランス配向でCD25に結合する。他の実施形態では、抗体は、シス配向でCD25に結合する。なおさらなる実施形態では、抗体は、シスまたはトランスのいずれかの立体配置のCD25に結合することが可能である。
起源の抗体クローンは、示されたID、例えば、表2中のクローンIDによって同定され得る。例えば、抗体は、表2の横列1に示される抗体クローン「YU389-A01」重鎖相補性決定領域(complementary determining region)を含み得る。
一部の実施形態では、抗体は、表2中に開示されたものから各々独立して選択される、CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を有する。
Figure 2022513043000014

Figure 2022513043000015

Figure 2022513043000016

Figure 2022513043000017
一部の実施形態では、CDR-H1は、GGTFSSYA、GGSISSGGYY、GFTFSSYG、GYTFTSYY、GYTFTSYG、GYTFTDYY、GGSISSGGYS、GGSISSSNW、GYSFTSYW、GFTFSNYG、GFTFSSSA、GFTFSSYW、GFIFSRHA、GYTFNNYG、GFTFSSYA、GYTFTTYA、GFTFNNAW、GFTFSSYE、GYSFTTYW、GYSFNTYW、GFTFRRYW、GYSFSTYW、GFAFSSYG、GYKFANYW、GYTFKNFG、GFTFSSYS、GDSISSSSYY、およびGGSISRSNW;から選択される。
一部の実施形態では、CDR-H2は、IIPIFGTA、IIPIFGTA、IYYSGST、ISYDGSNK、INPSGGST、ISAYNGNT、IMPIFDTA、VDPEDGET、IYHSGST、IYPGDSDT、ISHDGHVK、IKQDGSEK、ISVYNGDI、INTNTGDP、IKSKTDGGTT、ISSSGSTI、ISSRGSTI、IYPSDSDT、ISGRKGNT、ISSSSSYI、INHSGST、IYHTGST、およびISYDGNNK;から選択される。
一部の実施形態では、CDR-H3は、AREMYYYYGMDV、AREMYYYYGMDV、ARGNLWSGYYF、AKELLEGAFDI、ARDRVTMVRGALAY、ARERSYYGMDV、ASWSERIGYQYGLDV、ARDILGLDY、ATEDTAMGGIDY、ATEGRYGMDV、AVEGGRAPGTYYYDSSGLAY、ARAGYYYGMDV、ARDLGTMVRGVIEPYYFDY、ARGVRGTGFDP、ARDRNGYFQH、AKDLLGELSFFDY、ARLENNWDYGGWFDP、ARDRSYYGMDV、ARDKGYYGMDV、AKEISPRSSVGWPLDY、ARDFWSGYNELGGMDV、ARTWFGEFFDY、ARVIGGWFDP、ARGRLAYGDTEGFDY、ARDILRGESSILDH、ARDRYYYGMDV、ARDLLGSGYDIIDY、ARVWGKNGDFDY、ARDRFHYGMDV、ARDRGDY、TTEGVELLSFGGAPFDY、ARRRGGGFDY、AREKGSWFDP、ARDRGDRVGGLVFDY、ARQVAGGLDY、ARDRGYYGMDV、FRFGEGFDY、ARDGGYYFDD、ARDFRMDV、ARDAYAYGLDV、ARDLMNYGMDV、AREYDYGDYVFDY、ARLENNWNYGGWFDP、ARDYYYYGMDV、ARDIGYYYGMDV、ARVGDGYSLDY、AKAITSIEPY、AKGQGDGMDV、ARLGWGMDV、ARVWGDTTLGYGMDV、AIPWDAELGNYGMDV、ARGRWSGLGDY、ARARGGRYFDY、ARDQLAARRGYYYGMDV、AKGDVNYGMDV、ARDFYYGSGSYPNGYYYGMDV、ARDFNPFSITIFEMDV、ANLAMGQYFDY、ARDLGEAKSSSPHEPDY、ARDQEMYYFDY、ARGKGSYAFDI、およびAKGYSSSPGDY;から選択される。
一部の実施形態では、CDR-L1は、QSISSY、QSISSY、SSNIGNNF、QSISNY、NIETKS、KLGDKY、QSVSNY、QTISQW、SSNIGSNY、NFNIGNNL、RNIWSY、QSISSW、QSVSSR、QTISGL、DIESEM、NIGSKS、QSIGNY、QGISSW、QSVSSTY、QDISNY、NIESES、SSDVGAYNY、QDINNY、QGISNS、SSNIGNNY、EGIRTS、QGTSSW、SSDVGGYNY、QSVSNNY、QGINSY、QAVRID、QSISRY、QSIGYW、SSNVGSNY、QSIKNY、QDIKRR、SGSIASSY、NSNVGNNY、SLRSYY、KLGERF、SGSVSTSYY、SSNIGRNY、EDIRMY、QGISTY、SSNVGSRT、NIGTKS、NIGSKT、QSINSY、SSNIGSNT、QSIITY、QSLLHSDGKTY、およびGGNIARNYから選択される。
一部の実施形態では、CDR-L2は、AAS、AAS、DST、DDD、KDN、GAS、KAS、RNN、SNN、AND、DAF、DDS、AAT、AVS、DAS、GVS、DNN、DVS、RAS、GTS、EDN、DND、GKN、QYI、NTD、RNH、EGS、DGR、TAS、DDT、EVS、およびEDDから選択される。
一部の実施形態では、CDR-L3は、QQSYSTPPT、QQSYSTPPT、GSWDTNLSGYV、QVWDSSSGHREV、QAWDSSTYV、QQYNHWPPL、QQYSGDSMYT、AAWDDSLSGVV、AAWDDSLNGVV、ATWDDSLSGVV、QQSHSTPIT、QQYNSYSRT、QQYTNWPQT、LQYDRYSGA、QVWHTTNDHVL、QVWDSSSDHWV、QQSKQIPYT、QQSYSLPLT、QQFDISGGLI、QQYDNLPLT、QVWDSSSDHTVA、SSYTTTDTFV、QQYDNLPYT、QQYYSTPPH、QQSYSTPLT、QVWDSSSDHVV、GTWDSSLSAYV、QQTHTWPWT、QQANSFPLT、QQSYSTPYT、SSYTSSSTYV、QRYGSSPR、QQVHSFPFT、LQHNTFPYT、QQSHSTPLT、QQYNSYPFT、QQYNSSPLMYT、QQTYSTPLT、QQANTFPQT、QSYDGSSVV、GSWEARESVFV、QQTYNDPPT、NSRDSSGNHVV、QTWDGSIVV、VLYMGSGIWV、ATWDDALSGWV、SSYTSSSTLVV、QQSYSTPWT、SSYTSSSTWV、LQDYNYPPA、QQYYDDPQ、QQLNGYPTT、AAWDDSLIGHV、QVWDTSGDLHWA、QQSYTTPLT、QVWDSSSDLLWV、GTWDSSLSALV、AAWDDSLNGPV、MQTKQLPLT、QQANSFPPT、QSYDGNNHMV、およびSSYTSSSTLWVから選択される。
一部の実施形態では、抗体は、表3Aおよび表3B中に開示されたものから各々独立して選択される、CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を有する。異なる抗体からのCDRを任意の組み合わせで組み合わせて新たな抗体を生成することが可能である。遺伝子合成およびハイスループットスクリーニングテクノロジーは、当業者が過度の実験なしに6つのCDRの全ての組み合わせを試験することを可能にする。
Figure 2022513043000018

Figure 2022513043000019

Figure 2022513043000020
Figure 2022513043000021

Figure 2022513043000022

Figure 2022513043000023
一部の実施形態では、抗体は、表4に提供される組み合わせのいずれか1つの6つのCDRを有する。
Figure 2022513043000024

Figure 2022513043000025

Figure 2022513043000026

Figure 2022513043000027

Figure 2022513043000028

Figure 2022513043000029

Figure 2022513043000030

Figure 2022513043000031

Figure 2022513043000032
一部の実施形態では、抗体は、表5から選択されるscFv、または表5中のscFvに由来する抗原結合ドメインを有する任意の抗体である。実施形態では、全長重鎖および軽鎖可変領域は、表5中のscFv配列から抽出され、可溶性Fab断片、モノクローナル抗体、二特異性抗体、または当該分野で公知の任意の他の型の抗体を生成するために使用される。表5中のscFvがVH:VL scFvである場合、VL:VH scFvを生成するために重鎖および軽鎖の順序を逆転させることが可能である。表5中のscFvがVL:VH scFvである場合、VH:VL scFvを生成するために重鎖および軽鎖の順序を逆転させることが可能である。
Figure 2022513043000033

Figure 2022513043000034

Figure 2022513043000035

Figure 2022513043000036

Figure 2022513043000037

Figure 2022513043000038

Figure 2022513043000039

Figure 2022513043000040

Figure 2022513043000041

Figure 2022513043000042

Figure 2022513043000043

Figure 2022513043000044

Figure 2022513043000045

Figure 2022513043000046

Figure 2022513043000047

Figure 2022513043000048

Figure 2022513043000049

Figure 2022513043000050

Figure 2022513043000051

Figure 2022513043000052
一部の実施形態では、抗体は、表14Aおよび表14B中に開示されたものから各々独立して選択される、CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を有する。一部の実施形態では、抗体は、表14Aおよび表14B中に列挙されるいずれか1つのクローンから各々独立して選択される、CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を有する。一部の実施形態では、抗体は、表15Aおよび表15B中に群で開示されたものから各々独立して選択される、CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を有する。本開示は、個々のクローンからのCDRを有する抗体、または任意の他の5つのCDRと共にマッチするいずれか1つのCDRからのCDRを有する抗体を提供する。表14Aおよび表14B中に同定された抗体は、マウスファージディスプレイライブラリーに由来する。公知の方法が、これらのCDRをヒト化またはキメラ抗体に変換するために使用され得る。
VII.CD25抗体の使用
一部の実施形態では、本明細書で提供されるCD25抗体は、治療薬に、例えば、増殖性疾患もしくは障害、例えば、がんにおける使用に、または自己免疫性疾患における使用に有用である。
したがって、それを必要とする対象に治療有効量の治療的CD25抗体を投与することを含む、がんを処置する方法が、本明細書で提供される。一部の実施形態では、がんは、原発性がんである。一部の実施形態では、がんは、転移性がんである。一部の実施形態では、がんには、固形腫瘍が関わる;他の実施形態では、がんには、液性腫瘍、例えば、血液ベースのがんが関わる。例示的な実施形態では、CD25抗体は、非IL-2遮断抗体である。
したがって、それを必要とする対象に治療有効量の治療的CD25抗体を投与することを含む、自己免疫性関連疾患または障害を処置する方法が、本明細書で提供される。例示的な実施形態では、CD25抗体は、非IL-2遮断抗体である。
本明細書で使用する場合、対象は、ヒト、家畜(domestic animal)および家畜(farm animal)、ならびに動物園、スポーツまたはペット動物、例えば、イヌ、ウマ、ウサギ、ウシ、ブタ、ハムスター、スナネズミ、マウス、フェレット、ラット、ネコなどを含む、哺乳動物として分類される任意の動物を指す。対象は、雄性または雌性であり得る。
本明細書で提供される治療的CD25抗体のいずれかの投与は、他の公知の薬物/処置(例えば、小分子薬物または生物製剤)と組み合わせて投与され得る。投与は、順次的または同時発生的であり得る。
本明細書に記載される治療的CD25抗体のインビボ投与は、静脈内で、腫瘍内で、頭蓋内で、病巣内で(例えば、病巣内注射、直接接触拡散)、腔内で(腹腔内、胸膜内(intralpleural)、子宮内、直腸内)、腹腔内で、筋肉内で、皮下で、外用で、経口で、経皮で、移植により、吸入により、髄腔内で、脳室内で、または鼻腔内で実施され得る。例示的な実施形態では、投与の経路は、静脈内注射によるものである。
治療有効量の治療的抗体が一般に投与されるであろう。治療的抗体の適切な投薬量は、疾患の重症度、対象の臨床状態、対象の臨床歴および処置に対する応答、ならびに担当医の裁量に基づいて決定され得る。
VIII.診断的使用
本明細書で提供されるCD25抗体は、診断および検出目的のために使用され得る。適用に依存して、CD25抗体は、インビボまたはインビトロで検出および定量化され得る。
本明細書で提供されるCD25抗体は、種々のイムノアッセイにおける使用のために修正可能である。これらのイムノアッセイには、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ウエスタンブロット、ラジオイムノアッセイ(RIA)、フローサイトメトリー、ラジオイムノアッセイ、免疫蛍光アッセイ、分光光度測定、X線撮影、電気泳動、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)または薄層クロマトグラフィー(TLC)が含まれるがこれらに限定されない。
本明細書で提供されるCD25抗体は、例えば、分光的、光化学的、生化学的、免疫化学的、蛍光的、電気的、光学的または化学的方法によって検出可能な、検出可能な標識を含み得る。本発明において有用な標識には、蛍光色素、放射能標識、酵素、比色標識、アビジンまたはビオチンが含まれるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、CD25抗体は、核医学装置(SPECT、PETまたはシンチグラフィー)による画像化のために有用な同位体で放射能標識される。
VIII.医薬組成物
本開示は、治療的CD25抗体を含む組成物を提供し、一部の実施形態では、組成物は無菌である。医薬組成物は、一般に、薬学的に許容される賦形剤中に有効量の治療的抗体を含む。
IX.キットおよび製造品
本開示は、例えば、治療的使用または診断的使用のいずれかのための、本明細書に記載されるCD25抗体のいずれかを含むキットもまた提供する。一部の実施形態では、キットは、二次抗体、免疫組織化学分析のための試薬、薬学的に許容される賦形剤および取扱説明書のいずれか、ならびにそれらの任意の組み合わせから選択される成分をさらに含む。一部の実施形態では、キットは、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と共に、本明細書に記載される治療的組成物のうちいずれか1つ以上を含む。
本出願は、本明細書に記載される治療的または診断的組成物またはキットのうちいずれか1つを含む製造品もまた提供する。製造品の例には、バイアル(例えば、密封バイアル)が含まれる。
本明細書で提供される記載は、多数の例示的な立体配置、方法、パラメーターなどを示す。しかし、かかる記載は、本開示の範囲に対する制限を意図するものではなく、むしろ、例示的な実施形態の説明として提供されることを認識すべきである。
以下の実施例は、事例的に過ぎず、本開示の任意の態様を限定する意味では決してない。
CD25の特徴を共有する操作された免疫原の開発
CD25の結晶構造を得た。CD25について入手可能ないくつかの結晶構造は、タンパク質の可動性のループセクションを失っている。分子動力学シミュレーションを実施して、この可動性のループ、およびCD25のIL-2との結合相互作用のより良い理解を得た。
CD25の異なるセクションを、操作された免疫原を開発するためのインプットとして選択した。これらの領域の一部は、図34Bおよび図34Cに示される。これらのインプットをROSETTAプログラムで使用して、界面残基の全体的な望ましい構造的および動力学的特性を改善した。このプロセスは、セグメントの構造的(非界面)部分を変化させて、それらが由来したネイティブCD25の状況に応じた界面残基の構造、コンフォメーション、動力学および他の特性を安定化および再現した。開発中のセグメントの安定性および柔軟性もまた分析し、これらのパラメーターを変更するために必要に応じて、配列を調整した。例えば、N末端またはC末端は、所望の特性を追加するために、1つ以上のアミノ酸の付加によって伸長され得る。操作された免疫原候補に対する架橋の影響もまた、異なるアミノ酸残基の側鎖間に形成するジスルフィド結合を使用して評価した。設計操作 - アミノ酸付加、架橋および構造的残基最適化 - の各段階において、ROSETTAプログラムのネイティブスコアリングおよびエネルギー関数を使用して、多くの設計候補の各々を定量的に評価した。最良のROSETTAエネルギーを有する候補を、設計の引き続く段階に進め、最終的に、分子動力学シミュレーションによる評価および検証に進める。生理的pH(例えば、おおよそpH7.4)でこれらのパラメーターを評価することに加えて、パラメーターを、一部の例では、腫瘍微小環境pH(例えば、おおよそpH6.5)でも評価した。
分子動力学(MD)シミュレーションを使用して異なる設計をランク付けするための定量的測定基準は、RMSDを介して評価される、CD25に対する類似性;および候補の構造的柔軟性を含んだ。図33Aおよび図33Bは、図32に示されるインプットセクション(図33Aについて左矢印、図33Bについて右矢印)を使用して開発した例示的な操作された免疫原についての、生理的pHにおける安定性 対 RMSDの例示的な比較を示す。図33Cは、図33Bの例示的な免疫原についての、腫瘍微小環境pHにおける安定性 対 RMSDの例示的な比較である。代表的なスコアリングアルゴリズムは、以下に提示される。
Figure 2022513043000053
構造的類似性を、参照構造へのRMS整列後の、MDアンサンブル中の各ペプチドコンフォメーションの原子座標と参照構造との間の平均二乗偏差(RMSD)を使用して計算した。RMSDを、コンピューター的に設計された操作された免疫原候補構造を参照構造として使用して、または実験的に特徴付けられた(例えば、X線結晶構造)構造を参照として使用することによって、計算した。これらのシミュレーションにおいて、候補の機能的界面残基(一部のシミュレーションにおいて)および候補の構造的残基を含む全ての残基(他のシミュレーションにおいて)を、参照と比較した。
MDによってサンプリングされたコンフォメーションのアンサンブルを、RMSDに基づいて互いに構造的に類似する群(クラスター)へとクラスタリングした。無秩序を、アンサンブル中の全ての他のコンフォメーションとの構造的相違(例えば、高いRMSD)に起因して類似のコンフォメーションのクラスターへとグループ分けすることができなかったMDアンサンブル中のコンフォメーションの割合として評価した。したがって、代替的候補よりも多くの無秩序を有する操作された免疫原候補は、より柔軟であった。秩序を、類似のコンフォメーション(低いRMSD)のクラスターへとグループ分けされたMDアンサンブル中のコンフォメーションの割合として評価した。代替的候補よりも高い秩序を有する操作された免疫原候補は、柔軟性がより低く、このとき、コンフォメーションのそのアンサンブルのより高い割合が、代替的候補よりも少ないクラスターに入った。
操作された免疫原候補が追加されたクラスターを、RMSDを使用して参照構造と比較した。クラスターのRMSDが4オングストロームの閾値値を下回った場合、このクラスターを、秩序立っており(例えば、低い柔軟性)、参照と類似する(構造的類似性)とみなした。低い柔軟性および高い構造的類似性のこの基準を満たすそのアンサンブルの高い割合を有する操作された免疫原候補は、低い柔軟性および高い構造的類似性のこの基準を満たすそのアンサンブルの低い割合を有する代替的候補よりも、活性が高いと予測される。
この定量的分析を、生物物理学的、生物学的および物理-化学的相互作用に関するMD軌跡の定性的分析と組み合わせ、インビトロで評価するために所与の免疫原候補を選択するために使用した。以下の表6は、上記のように調製した11個の操作された免疫原を列挙している。
Figure 2022513043000054
操作された免疫原のインビトロ評価
実施例1で調製した操作された免疫原の結合を、CD25に対する抗体を使用して評価する。操作された免疫原を、C末端上で-GSGSGK-ビオチン基で改変し、次いで、ストレプトアビジンコーティングされたバイオセンサー先端に別々に結合させる。CD25抗体を含む緩衝液を、300秒間の会合段階の間に先端上に流し、次いで、流した溶液を、CD25抗体なしの緩衝液に切り替え、バイオセンサー先端からの解離を測定する。先端が当初結合したいずれの操作された免疫原もタンパク質も有さない対照もまた実行して、先端へのCD25抗体のいずれの背景結合をも評価する。全長CD25がビオチン化されバイオセンサー先端に結合された第2の対照を実施して、全長CD25へのCD25抗体の結合レベルを実証する。これらのバイオセンサー実験から得られたデータを使用して、操作された免疫原の結合を定性的にランク付けする。
ファージパニングによる操作された免疫原の評価
本明細書で提供される操作された免疫原を、ファージパニング技術を使用して評価する。
マウスHuCD25免疫化ファージライブラリーを、標準的なファージディスプレイプロトコールを使用して、TG1におけるエレクトロポレーションによって形質転換し、CM13の添加によってファージ増殖させる。ファージを分泌するTG1培養物を、1時間にわたる氷上でのインキュベーション後に、PEG/NaClでPEG沈殿させる。使用され得る例示的なライブラリーには、7807、7808、7809および7810が含まれる。
腫瘍微小環境(TME)pHサブトラクティブ選択:ファージパニングを、生理的pHおよびTME pHで実施する。生理的pHで全長CD25に高い親和性で結合する抗体を枯渇させるために、サブトラクティブパニングを、PBST pH7.4中10ug/mlの全長CD25(400nM)でコーティングされたELISAプレート上での1時間にわたる吸収による、pH7.4での3×1011pfuファージ(3×10の1000倍表示)の対抗選択によって最初に実施する。得られたファージ上清を収集し、pHをPBSTでpH6.5に調整する。引き続くファージパニング選択を、pH6.5で実施する。
パニング選択を、1時間のインキュベーション後に、抗原なしの25マイクロリットルのストレプトアビジンDynabeadsであらかじめ清澄化する。次いで、ファージを、新たなあらかじめブロッキングしたEppendorf LoBindチューブに添加する。ビオチン化された操作された免疫原(例えば、実施例1に記載されるもの)を、100nM濃度で(一部の場合には、さらなる500mM NaClを添加して、ファージへの免疫原の非特異的結合を低減させた)40分間~1時間添加する。次いで、サンプルを、25マイクロリットルのストレプトアビジンビーズまたはストレプトアビジンコーティングされたプレートと共に、RTで1時間インキュベートする。サンプルをペレット化し、磁石/磁気ビーズを使用して洗浄し、またはプレートを用いる場合、PBSTで7~10回洗浄する。チューブを2回交換して、残留ファージを除去する。
ファージを溶出させるために、50~800μLのグリシンpH2.2を、それぞれビーズおよびプレートに添加し、10分間以下インキュベートし、次いで、高pH Tris 9.0で中和する。溶出したファージを、1~5mlの新たに成長させたTG1(OD600約0.5)に添加し、20~30分間インキュベートする。
フラクショナル対数(fractional log)希釈系列をプレートし、残りを25mlの2×YTに移す。1mlのグリセロールストックを、引き続くパニングラウンドのために確保し、ヘルパーファージ/IPTGをOD600約0.5で添加する。
pH7.4における対抗選択と共に、pH6.5における操作された免疫原に対する選択をもう1回実施する。ペリプラズム抽出物を、ファージELISAおよびoctetスクリーニングを使用して引き続いて評価する。
fabファージが、操作された免疫原に加えて全長CD25にも結合することを確実にするために、全長CD25を用いた最終選択を、操作された免疫原の代わりに、全長CD25を用いて適宜実施することができる(操作された免疫原に対する2ラウンドの選択、次いで、全長CD25に対する1ラウンドの選択)。
全長CD25を用いた選択を実施するために、25マイクロリットルのストレプトアビジンDynabeadsによってパニング選択をあらかじめ清澄化し、新たなあらかじめブロッキングされたEppendorf LoBindチューブにファージを添加した後に、ビオチン化された全長CD25を、100nm濃度で1時間添加する。次いで、サンプルを、25マイクロリットルのストレプトアビジンビーズと共にRTで1時間インキュベートする。ペレット化、洗浄および溶出工程は、上記に従う。
ファージELISAプロトコールおよびバイオセンサー/Octetスクリーニング
ELISA/抽出物調製:ファージELISA、およびFab Octetスクリーニングのためのペリプラズム抽出物調製を実施する。
CD25抗原を希釈し、ELISAプレートウェルに添加し、インキュベートする。インキュベーション後、ウェルをPBSで2回洗浄し、次いで、BSAを添加しその後25℃で2時間インキュベートすることによってブロッキングする。ファージを、1×PBST 1.0%BSA、pH6.5中に2倍希釈し、50マイクロリットルを1つ当たりに添加し、室温で5分間インキュベートする。ブロッキング溶液を、ウェルから振り落とし、50μLの希ファージ調製物を各ウェルに添加し、室温で1時間インキュベートする。ELISAプレートウェルを、200マイクロリットルのPBST pH6.5で3~5回洗浄する。HRPコンジュゲートした抗M13抗体(Abcam、ab50370)を、1×PBST 1.0%BSA pH6.5で1:5000希釈する。50マイクロリットルの希釈された二次抗体コンジュゲートを各ウェルに添加し、室温で1時間インキュベートする。ELISAプレートウェルを、200マイクロリットルのPBST pH6.5で3~5回洗浄する。ECL Lumo基質(例えば、Supersignal ELISA Pico Chemiluminescent Substrate)を、記載されたように、1:1混合物に調製した。50マイクロリットルの基質溶液を各ウェルに添加し、室温で5~60分間インキュベートし、その後読み取る。
コロニーに、0.03~4mlの2×YT0.2%グルコース中で、0.1mlの一晩培養物(96ウェルプレート中の1mlの培養物または14ml falconチューブ中の4mlの培養物)を接種する。OD600が約0.5~1.0になるまで、これらを250~700rpmで37℃でインキュベートする。培養物を、50~400μLの0.025~0.1M IPTGで誘導する。一部の場合には、温度を、250rpmで振盪しながら、30℃まで低減させる。次いで、これらを一晩インキュベートする。1~4mlの培養物を、3400rcfで10~15分間ペレット化することによって回収する。上清を廃棄する。培養物を、1×Haltプロテアーゼ阻害剤と共に50~75μLのPPB緩衝液(30mM Tris-HCl、pH8.0、1mM EDTA、20%スクロース)で再懸濁し、揺動プラットフォーム上で室温で5分間または4℃で10分間インキュベートする。次いで、培養物を、1×Haltプロテアーゼ阻害剤と共に150~225μLの冷ddHOで再懸濁し、揺動プラットフォーム上で室温で1時間または4℃で1~2時間インキュベートする。溶解物懸濁液を、4℃で15000rcfで10~15分間スピンした。上清を収集し、希釈する。
Fab発現および精製プロトコール:細胞培養物を接種し、一晩成長させ、次いで、50μLの25mM~1M IPTGで誘導する。温度を30℃まで低減させ、rpmを150まで低減させた。インキュベーションを一晩実施した。50mlの培養物またはプレートを、3400rcfで15分間ペレット化することによって回収した。上清を廃棄した。50mLの培養物からの細胞ペレットを、-80℃のフリーザー中に1時間置き、一方で、プレート中で成長させた培養物には、1×Haltプロテアーゼ阻害剤、EDTAなし(Thermo Fisher Scientific)と共に75μLのPPBを添加し、ボルテックスした。プレートを、1000rpmで4℃で10分間振盪する。1×Haltプロテアーゼ阻害剤、EDTAなし(Thermo Fisher Scientific)を含む225uL容量の冷水を、各ウェルに添加する。サンプルを混合し、最大速度、即ち1000rpmで4℃で1~2時間振盪した。プレートを、3500rpmで4℃で10分間スピンする。上清(PPE)を新たなプレートに移し、-20℃で貯蔵する。50mLの培養物からの細胞ペレットを、フリーザーから取り出し、5mlのPBS、10mMのイミダゾールを、2.5mg/mlのリゾチームおよび1×Haltプロテアーゼ阻害剤、EDTAなし(Thermo Fisher Scientific)と共に添加する。ペレットを室温で30分間解凍した後、溶解物を、3400rcfで15分間遠心分離した。上清を取り出し、ペレットを廃棄する。Fab精製のために、500μLのNi-NTA樹脂(あらかじめ洗浄し、ペレットしたもの)を添加したか、またはNi-NTAスピンカラムを使用した。清澄化した溶解物と共に30分間~1時間インキュベートする。これを1500rcfでスピンした。これらを、1mlのPBS、10mMのイミダゾールで5回洗浄した。各スピン後に、緩衝液を廃棄した。1mlのPBS、200mMのイミダゾールを添加および混合し、30分間インキュベートし、1500rcfで15分間スピンした。溶出したタンパク質を、タンパク質濃度を決定した後、4℃または20℃で貯蔵した。Zebaカラムを、脱塩/緩衝液交換に使用した。
Octet/バイオセンサースクリーニング:生上清におけるOctet Koff rateスクリーニングのために、50μLの溶解物を、384ウェルPall ForteBio Octetプレートにおいて使用する。データを、Octet RED 384(MD ForteBio)で収集する。簡潔に述べると、ヒトCD25を、AR2G先端にカップリングさせる(1ug/ml)。データ収集のために、ベースラインを、PBST 1%BSA緩衝液中で60秒間評価する。次いで、先端を、50μLの溶解物に移動させ、会合を300秒間測定する。最後に、先端をPBST 1%BSA緩衝液に移動させる。次いで、先端を、200mM Tris-グリシン、pH2.5で再生させ、PBST、1%BSAで中和する。データ分析のために、二重参照(先端上にCD25なし、ならびにブランクの参照ウェル)を、参照サブトラクションのためにOctet HT 11.0ソフトウェアで実施する。
免疫原から生成した抗体の評価
抗体を、本明細書に記載される操作された免疫原でマウスを免疫化することによって産生する。これらの抗体を、交差反応性、交差遮断、親和性および解離速度(off-rate)の推定のために評価する。
バイオセンサー(Octet Red 384、Pall Forte Bio)による交差反応性決定のためのプロトコール:このプロトコールを使用して、個々の試験クローン(抗ヒトCD25マウスモノクローナル)がヒト、カニクイザルおよびマウス種由来の標的(抗原)に結合する能力を決定する。標的タンパク質を、一級アミンを介して、デキストランコーティングされたセンサー先端に共有結合的にカップリングさせるか、または抗6×Hisモノクローナル抗体コーティングされたセンサー先端上に6×Hisタグ化標的タンパク質を親和性捕捉する。溶液中のモノクローナル上清を、バイオセンサー先端上の抗原に結合させる。正味の結合シグナルは、ブランクまたは抗原コーティングされた先端へのブランク培地または緩衝液の結合を対応するシグナルからサブトラクトした結合シグナルである。シグナル>3×背景結合を、実際の結合事象とみなす。
バイオセンサーによる交差遮断のためのプロトコール:この方法は、個々の試験クローン(抗ヒトCD25マウスモノクローナル)が対照抗体を交差遮断することができるかどうかを決定するためのものである。交差遮断は、試験クローンが対照抗体の対応するエピトープと重複するエピトープを認識することを示し得る。さらに、これは、試験抗体が対照抗体と類似の機能的特性を有し得ることを暗示し得る。このプロトコールのために、対照抗体を、一級アミンを介して、デキストランコーティングされたセンサー先端に共有結合的にカップリングさせる。溶液中の標的抗原を、対照抗体に結合させる。この工程の後に、溶液中の試験抗体を、サンドイッチ形式で抗原に結合させる。試験抗体が抗原に結合できる場合には、それは対照抗体を交差遮断しないことが示されるが、非結合は、対照抗体を交差遮断する能力として解釈され得る。
バイオセンサーによる親和性決定のためのプロトコール:この方法を使用して、試験抗体の濃度が既知である場合の、個々の試験クローンの抗原との親和性を決定する。捕捉分子、例えば、プロテインGまたは抗マウスIgGモノクローナルもしくは抗ヒトIgGモノクローナルを、バイオセンサー先端上にコーティングする。試験クローンを、捕捉分子コーティングされた表面上で捕捉する。これらの試験クローンに、溶液中の抗原を、会合段階については60~600秒間、解離段階については60~1800秒間の範囲の期間にわたって、会合および解離させる。次いで、結果データ(または「センサーグラム」)を、1:1ラングミュアモデルまたは2:1不均一モデル(heterogeneous model)のいずれかを使用してフィットさせる。前者は、データをフィットさせるための2:1モデルがより良いフィットを生じる場合、相互作用対が均一であることを仮定し、これは、クローンが、固有の不均一性に起因してさらなるサブクローニングを必要とすることを示している。データ曲線フィットは、結合速度(on-rate)定数および解離速度(off-rate)定数の比として、解離定数を提供する。
バイオセンサーによる解離速度(off-rate)推定のためのプロトコール:この方法を使用して、抗体の濃度が未知である場合または試験クローンがさらなるサブクローニングを必要とする場合の、試験クローンの解離速度定数を推計する。捕捉分子、例えば、プロテインGまたは抗マウスIgGモノクローナルもしくは抗ヒトIgGモノクローナルを、バイオセンサー先端上にコーティングする。試験クローンを、捕捉分子コーティングされた表面上で捕捉する。これらの試験クローンに、溶液中の抗原を、会合段階については60~600秒間、解離段階については60~1800秒間の範囲の期間にわたって、会合および解離させる。次いで、結果データ(または「センサーグラム」)を、1:1ラングミュアモデルまたは2:1不均一モデルのいずれかを使用してフィットさせる。前者は、データをフィットさせるための2:1モデルがより良いフィットを生じる場合、相互作用対が均一であることを仮定し、これは、クローンが、固有の不均一性に起因してさらなるサブクローニングを必要とすることを示している。データは、解離速度(off-rate)定数についてのみフィットされ、結合速度(on-rate)(または会合)速度定数についてはフィットされない。これは、試験クローンを順序付けるために使用され得る解離速度(off-rate)定数の推計を提供する。
参照標的としてCD25部分を使用した、操作されたポリペプチドの選択
CD25の配列および3次元(3D)構造を、タンパク質データバンク(PDB)から検索した(PDB ID番号2ERJ、A鎖):
ELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIKSGSLYMLCTGSSSHSSWDNQCQCTSSATRSTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTG
図6に示されるように、CD25の推定治療的エピトープを、操作されたポリペプチドの選択のための参照標的として同定した。配列番号1に関する残基位置およびエピトープ配列は、表7中に提供される。
Figure 2022513043000055
原子間距離およびアミノ酸記述子トポロジーを決定した。参照標的の原子間距離およびアミノ酸記述子トポロジーを、動力学的シミュレーションを使用して得、原子ゆらぎの共分散行列を、参照標的中のエピトープについて生成した。次に、異なる操作されたポリペプチド候補を、コンピューター的タンパク質設計(例えば、Rosetta)、候補に対して実施した動力学シミュレーション、ならびに決定された原子間距離およびアミノ酸記述子トポロジーを使用して生成した。原子ゆらぎの共分散行列を、参照標的エピトープについて、および参照標的のエピトープ中の残基に対応する候補中の残基について生成した。
主成分分析を実施して、各共分散行列 - 各参照標的についての1つの共分散行列および候補の各々についての1つの共分散 - についての固有ベクトルおよび固有値を計算した。最も大きい固有値を有する固有ベクトルのみを保持する。固有ベクトルは、シミュレートされた分子構造のセットにおいて観察される1番目、2番目、3番目、N番目に支配的な運動を記述する。候補が参照エピトープと同様に動く場合、その固有ベクトルは、参照標的(エピトープ)の固有ベクトルと類似するであろう。固有ベクトルの類似性は、整列され、同じ方向を指すそれらの成分(各CA原子を中心とした3Dベクトル)に対応する。候補の固有ベクトルと参照標的の固有ベクトルとの間のこの類似性を、2つの固有ベクトルの内積を使用して計算した。内積値は、2つの固有ベクトルが互いに対して90度である場合には0であったか、または2つの固有ベクトルが同じ方向を正確に指す場合には1であった。
固有ベクトルの順序付けは、それらの固有値に基づき、固有値は、分子動力学シミュレーションが2つの異なる分子の根底にあるエネルギーランドスケープをサンプリングする確率論的性質に起因して、それらの異なる分子間で必ずしも同じでなくてもよいので、複数の差次的にランク付けされた固有ベクトル間の内積が必要とされた(例えば、候補の固有ベクトル1×参照標的の固有ベクトル2、3、4など)。さらに、いずれの理論によって束縛されることも望まないが、分子運動は複雑であり、1つよりも多くの(または数個よりも多くの)支配的な/主要なモードの運動が関与し得る。
これら2つの課題を解決するために、候補および参照標的における固有ベクトルの全ての対間の内積を計算した。これは、内積の行列を生じ、その次元を、分析した固有ベクトルの数によって決定した - 10個の固有ベクトルについて、内積の行列は、10×10である。内積のこの行列を、内積の二乗平均平方根値を計算することによって、単一の値に変えた。これは、二乗平均平方根内積(RMSIP)である。
主成分分析(PCA)は、3L×3L次元座標共分散行列(Lは原子の数である)を、固有ベクトルΦ(参照標的)およびΨ(MEM)、ならびに固有値Λのセットにする。セットΦは、参照標的についてのN個の固有ベクトルφを含み、セットΨは、MEMについてのN個の固有ベクトルψを含み、固有ベクトルは、それらの関連する固有値によって、それらのそれぞれのセットにおいて順序付けられる。最も大きい固有値を有する固有ベクトルは、総座標共変動の最も大きい割合を構成する。各φおよびψ固有ベクトルの内積を計算して、参照標的とMEMとの間の運動の類似性を比較する。φおよびψ固有ベクトルの全ての内積組み合わせの二乗平均平方根は、参照標的との、操作されたポリペプチド候補(MEM)の運動の類似性の総計を与える(RMSIP)。
図7に示されるように、各操作されたポリペプチドにおいて、足場残基(灰色)を付加した、エピトープ残基(金色)および3D空間中の位置を、このコンピューター的設計手順によって選択する。PDB ID番号2ERJ、A鎖に関する残基位置およびエピトープ配列は、表8および表9中に提供される。架橋位置は、各MEM配列における細胞内ジスルフィド結合形成の、期待される存在を指す。
Figure 2022513043000056

Figure 2022513043000057
Figure 2022513043000058
Figure 2022513043000059
MEMプログラムされたインビトロ選択を使用した抗体の選択
各々が3ラウンドの陽性選択を含む32個の異なるパニング戦略(S1~S32)を考案した(表10)。各プログラムは、選択分子として、少なくとも1つの操作されたポリペプチドを使用した。従来の方法(陽性標的としてCD25)を使用する従来の選択もまた含めた。ウシ血清アルブミン(BSA)を、非特異的結合に対して選択する陰性標的として使用した。
パニングプロトコールは、ヒトナイーブscFvライブラリーで始まり、パニングを、ビオチンに結合した選択分子(しかしなおも溶液中にある)を用いて溶液中で実施した。各ラウンドについて、出発プールを、溶液中で陰性選択分子(BSA)と最初に合わせ、次いで、ストレプトアビジンコーティングされた基質(例えば、磁気ビーズ)を混合物に適用して、陰性選択分子を結合させた。こうして、プール中の陰性選択分子に結合した全てのファージを、ストレプトアビジンコーティングされた支持体に結合させた。残りの溶液を取り出し、次いで、このフロースルーを、陽性選択工程に供した。フロースルーを、陽性選択分子(抗原1)と合わせ、結合させ、次いで、ストレプトアビジンコーティングされた固体基質を混合物に適用した。この工程では、結合したファージが保持されたが、残りの未結合のファージは除去された。次いで、結合したファージを溶出させた。大腸菌(E.coli)を、30分間のカルチベーションを使用して、溶出したファージでトランスフェクトし、トランスフェクトされた細胞を、分析のための次世代配列決定およびDNA単離のために分割し、次いで、ファージを、引き続くパニングラウンドにおける使用のために増幅した。各パニングプログラムについて、各ラウンドにおいて、陰性選択を最初に実施し、陽性選択を次に実施した。
Figure 2022513043000060


Figure 2022513043000061


一次ELISAスクリーニングおよびヒット選択
各戦略について384個のクローンを、3ラウンドのパニング後の、全長CD25に対するELISA応答分析のために選択した(図9)。データは、エピトープ(図6)によって指定された仕分けされた戦略を用いて示される。各エピトープについて少なくとも1つの戦略が、CD25に結合することが可能なクローンを生じた。同じ操作されたポリペプチドを使用した異なる戦略が、別個の高親和性クローン性サブセットを富化することが観察された(図10、黒色の棒)。表11に示されるように、ほとんどのMEMプログラムされた選択戦略は、従来の全長パニングよりもより生産的に、抗CD25ヒットを産生した。
Figure 2022513043000062

ヒットのうち1475個は、ELISAにおいて以下の2つの基準のうち1つを満たしたので、それらをさらなる特徴付けのために選択した:1)全長CD25 ELISAにおける>10:1のシグナル対ノイズ(s/n);または2)MEM ELISAにおける>3:1のs/nおよびCD25 ELISAにおける>5:1のs/n。
バイオレイヤーインターフェロメトリーによる確認試験
異なるscFv抗体の親和性を、単一サイクル速度論アッセイ設計を使用して、ForteBio(登録商標)Octet RED384(商標)バイオレイヤーインターフェロメトリー機器で評価した。Hisタグ化scFvを、抗hisバイオセンサー(Fortebio(登録商標)HIS1K)上に固定化した。全長CD25分析物を、センサー先端から洗い流し、scFvへの分析物中の分子の結合を記録した。各アッセイを二連で実行した。対照もまた、緩衝液のみ(センサードリフトについて対照をとるため)およびヒト血清から精製されたポリクローナルIgGアイソタイプ抗体の別々の対照(非特異的IgG結合について対照をとるため)を使用して実行した。
図11に示されるように、1475個の抗CD25 scFvのバイオレイヤーインターフェロメトリーを、ファージディスプレイパニングによって同定する。1433個のヒット(97%)がCD25に結合することが確認されることを示す。これらのヒットの観察されたK範囲は、10~200nMであり、中央値Kは28.5nMであった。図11に示されるように、ほとんどのスクリーニング戦略は、CD25に対する高い親和性を有するscFvを生成した。10-3/s未満のkoffを有するscFvのみが示される。適切なK値は、y軸上に与えられる。図12に示されるように、パニング戦略のほとんどは、10-3/s未満のkoffを有する少なくとも1つのヒットを生じた。
フローサイトメトリーによる確認試験
異なるscFv抗体のCD25特異性を、CD25を発現する細胞[CD25(+)]またはCD25を発現しない細胞[CD25(-)]を使用して、フローサイトメーターで評価した。図13に示されるように、このアッセイで分析した1248個のscFvヒットのうち、1160個(93%)が、CD25(+)細胞に特異的に結合する。
ヒットの配列分析
次世代配列決定を、各ラウンドのパニングされたファージに対して実施した。図15に示されるように、MEM操縦されたパニングは、戦略依存的様式で、抗体ライブラリーのCDR多様性を集中させる。選択の各ラウンドは、レパートリー多様性を減少させ(図16)、CDR長さを、各MEMについての好ましい長さに集中させた(図17)。
個々のscFvを、Sanger配列決定法を使用して配列決定した。各scFvについての完全なタンパク質配列は、表5中に提供される。免疫グロブリン遺伝子使用および相補性決定領域は、それぞれ、表12および表2中に提供される。
Figure 2022513043000063

Figure 2022513043000064

Figure 2022513043000065
CDRおよび生殖系列使用の分析は、配列決定した1475個のscFvが少なくとも126個の別個のクローンに相当することを示唆している。このセットは、40個の異なるVH+JHフレームワーク選択および35個のVL+JLフレームワーク選択を含む。独自のCDR配列には、
Figure 2022513043000066

Figure 2022513043000067

が含まれる。
個々の標的エピトープに対するscFvに適用した配列分析は、抗体の各セット内の共通のCDR使用パターンを同定する:
CD25エピトープ1(55~63)について、使用したCDRには、以下が含まれる:
Figure 2022513043000068
CD25エピトープ2(13~20:127~132)について、使用したCDRには、以下が含まれる:
Figure 2022513043000069
CD25エピトープ3(5~17)について、使用したCDRには、以下が含まれる:
Figure 2022513043000070
CD25エピトープ4(5~11:156~163)について、使用したCDRには、以下が含まれる:
Figure 2022513043000071
CD25エピトープ5(77~89)について、使用したCDRには、以下が含まれる:
Figure 2022513043000072
CD25エピトープ6(147~157)について、使用したCDRには、以下が含まれる:
Figure 2022513043000073
CD25エピトープ7(11~14)について、使用したCDRには、以下が含まれる:
Figure 2022513043000074

CD25エピトープ8(44~56)について、使用したCDRには、以下が含まれる:
Figure 2022513043000075
競合的結合によるエピトープ特異性の確認
126個の抗CD25クローンを、図18に示される4標的競合的結合アッセイを用いたエピトープ分解に供した。図中に示されるIL-2、ダクリズマブおよびバシオリキシマブに対する結合部位は、X線結晶学的構造決定に基づく。7G7B6に対する結合部位は、ペプチドマッピングに基づく。
交差競合アッセイを、古典的サンドイッチ形式で実施した。これには、第1の抗体をバイオセンサー上に固定化すること、その後の、抗原および次いで第2のサンドイッチ抗体とのインキュベーションが関与する。Hisタグ化scFvを発現させ、上清からのHisタグ捕捉を使用してバイオセンサー上でインサイチュ(in situ)で精製した。バイオセンサーHisタグ捕捉を、全てのscFv測定にわたって一貫したレベルまで先端負荷応答をモニタリングすることによって、scFvクローンにわたって規準化した。scFvを各々、抗Hisバイオセンサー(Fortebio HIS1K)に個々に捕捉した。ベースライン測定値を、ランニング緩衝液中で取得した。次いで、CD25を抗体に捕捉させた。最後に、IL-2、7G7B6、バシリキシマブまたはダクリズマブを含む、種々の競合的分析物の各々を添加した。競合的分析物は、競合的分析物の結合エピトープが、固定化されたscFvの結合エピトープと重複しない場合にのみ、捕捉されたCD25に結合することができる。
図19に示されるように、全長CD25パニングクローンは、IL-2界面エピトープによって支配される。ほとんどのクローンは、IL-2、ダクリズマブおよびバシオリキシマブによって遮断されるが、7G7B6によっては遮断されない。
図20に示されるように、147~157エピトープMEM操縦クローンは、意図したエピトープにおいて主に結合する。ほとんどのクローンは、ダクリズマブによって遮断されるが、IL-2によっても、バシオリキシマブによっても7G7B6によっても遮断されない。
図21に示されるように、6~17エピトープMEM操縦クローンは、意図したエピトープにおいて主に結合する。ほとんどのクローンは、7G7B6によって遮断されるが、IL-2によっても、ダクリズマブによってもバシオリキシマブによっても遮断されない。
図22に示されるように、13~20:127~132エピトープMEM操縦クローンは、意図したエピトープにおいて主に結合する。ほとんどのクローンは、7G7B6によって遮断されるが、IL-2によっても、ダクリズマブによってもバシオリキシマブによっても遮断されない。
図23に示されるように、44~56エピトープMEM操縦クローンは、意図したエピトープにおいて主に結合する。クローンを、2つのプロファイルに分割した。プロファイル1では、クローンは、7G7B6によって遮断されるが、IL-2によっても、ダクリズマブによってもバシオリキシマブによっても遮断されない。プロファイル2では、クローンは、IL-2、ダクリズマブおよびバシオリキシマブによって遮断されるが、7G7B6によっては遮断されない。これらの遮断プロファイルは、異なるアプローチ角からの、意図したエピトープへの結合を示す。
図24に示されるように、55~63エピトープMEM操縦クローンは、意図したエピトープにおいて主に結合する。クローンを、3つのプロファイルに分割した。プロファイル1では、クローンは、7G7B6によって遮断されるが、IL-2によっても、ダクリズマブによってもバシオリキシマブによっても遮断されない。プロファイル2では、クローンは、IL-2、ダクリズマブおよびバシオリキシマブによって遮断されるが、7G7B6によっては遮断されない。これらの遮断プロファイルは、異なるアプローチ角からの、意図したエピトープへの結合を示す。プロファイル3では、クローンは、IL-2および7G7B6によって遮断されるが、ダクリズマブによってもバシオリキシマブによっても遮断されない。これらの遮断プロファイルは、異なるアプローチ角からの、意図したエピトープへの結合を示す。
アラニン突然変異誘発による機能的エピトープのマッピング
アラニン突然変異を、MEM操縦クローンが意図したエピトープをビニングすることを確認または拒絶するように設計した(図25)。アラニン突然変異誘発は、競合アッセイによって規定された構造的エピトープではなく機能的エピトープに対して作用するので、抗体をビニングするための直交法としてこれを選択した。表面アクセス可能な残基の種々の対を、突然変異誘発のために選択した。コンピューター的モデル化を使用して、これらのアッセイにおける使用のために選択されたアラニン突然変異が全体的安定性にも局所的安定性にも影響を与えないことを確認する。例えば、図26は、145~157エピトープ内のアラニン突然変異のモデル化についての結果を示す。各突然変異体および野生型について:結晶構造を参照として使用した、8つの異なる出発アポ-CD25立体配置の各々についての露わな溶媒中での3つの独立した100ns MDシミュレーションからのRMSD。図27~29に示されるように、CD25のアラニン突然変異体バージョンは、それぞれ、バシリキシマブ、ダクリズマブおよび7G7B6に対する結合応答を有する。
意図したように、147~157エピトープ標的化された操作されたポリペプチドを用いたインビトロ選択からの結合性のscFvヒットは、CD25の意図した部分に対する特異性と一致する。
スクリーニングキャンペーンからの117個のscFvの各々を、4つのアラニン突然変異対に対して試験した(図31)。機能的エピトープの多様性が観察される。MEM操縦されたヒットは、別個のイン-エピトープアラニン置換位置感受性を有する。
免疫グロブリンG(IgG1)形式の抗体の確認試験
30個の抗体を、さらなる試験のために全長免疫グロブリンとして選択した。重鎖および軽鎖配列を、ヒト免疫グロブリンG(IgG1)形式にクローニングし、発現させ、精製した。CD25への結合を、表13に示されるように、Octet(登録商標)によって評価した。
Figure 2022513043000076
マウス抗体配列のパニング偏りライブラリー
ファージディスプレイライブラリーを、全長CD25で免疫化したマウスの免疫グロブリン遺伝子から生成した。CD25結合抗体に偏ったこのライブラリーを、示された操作されたポリペプチドに対してパニングして、表14Aおよび表14Bに示される相補性決定領域配列を得た。

Figure 2022513043000077

Figure 2022513043000078

Figure 2022513043000079

Figure 2022513043000080

Figure 2022513043000081

Figure 2022513043000082

Figure 2022513043000083

Figure 2022513043000084

Figure 2022513043000085

Figure 2022513043000086

Figure 2022513043000087

Figure 2022513043000088

Figure 2022513043000089

Figure 2022513043000090

Figure 2022513043000091

Figure 2022513043000092

Figure 2022513043000093
Figure 2022513043000094

Figure 2022513043000095

Figure 2022513043000096

Figure 2022513043000097

Figure 2022513043000098

Figure 2022513043000099

Figure 2022513043000100

Figure 2022513043000101

Figure 2022513043000102

Figure 2022513043000103

Figure 2022513043000104

Figure 2022513043000105

Figure 2022513043000106

Figure 2022513043000107


Figure 2022513043000108

Figure 2022513043000109

Figure 2022513043000110
配列分析は、クローン性系譜に由来するこれらの抗体が、表15Aおよび表15Bに示されるようにグループ分けされ得ることを示唆している。
Figure 2022513043000111
Figure 2022513043000112

Claims (78)

  1. CD25参照標的と少なくとも46%の構造的および/または動力学的同一性を共有する操作されたポリペプチドであって、前記CD25参照標的が、
    Figure 2022513043000113


    から選択されるCD25の一部分である、操作されたポリペプチド。
  2. 前記CD25参照標的と少なくとも60%の構造的および/または動力学的同一性を共有する、請求項1に記載の操作されたポリペプチド。
  3. 前記CD25参照標的と少なくとも80%の構造的および/または動力学的同一性を共有する、請求項1に記載の操作されたポリペプチド。
  4. Figure 2022513043000114

    から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を共有する、請求項1に記載の操作されたポリペプチド。
  5. 選択されたCD25エピトープを模倣するように設計された操作されたポリペプチドであって、
    Figure 2022513043000115

    から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を共有する、操作されたポリペプチド。
  6. 前記操作されたポリペプチドが、CD25参照標的と少なくとも46%の構造的および/または動力学的同一性を共有し、前記CD25参照標的が、
    Figure 2022513043000116


    から選択されるCD25の一部分である、請求項5に記載の操作されたポリペプチド。
  7. 前記CD25参照標的と少なくとも80%の構造的および/または動力学的同一性を共有する、請求項6に記載の操作されたポリペプチド。
  8. 前記CD25参照標的に対する前記構造的および/または動力学的同一性が、PDB ID番号2ERJ、A鎖で寄託されたCD25の構造を使用して決定される、請求項1~7のいずれか一項に記載の操作されたポリペプチド。
  9. N末端改変またはC末端改変を含み、適宜、N末端ビオチン-PEG-またはC末端-GSGSGK-ビオチンを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の操作されたポリペプチド。
  10. 前記操作されたポリペプチドのアミノ酸の10%~98%の間が、1つ以上のCD25参照標的由来拘束を満たし、適宜、前記1つ以上の参照標的由来拘束を満たす前記ポリペプチドの前記アミノ酸が、請求項5で下線で示された残基である、請求項1~9のいずれか一項に記載の操作されたポリペプチド。
  11. 前記1つ以上のCD25参照標的由来拘束を満たす前記アミノ酸が、前記CD25参照標的と、8.0Å未満の骨格平均二乗偏差(RSMD)の構造的相同性を有する、請求項10に記載の操作されたポリペプチド。
  12. 前記1つ以上のCD25参照標的由来拘束を満たす前記アミノ酸が、30Å~3000Åの間の、前記参照とのファンデルワールス表面積重複を有する、請求項10または請求項11に記載の操作されたポリペプチド。
  13. 前記CD25参照標的由来拘束が、原子間距離;原子ゆらぎ;原子エネルギー;化学的記述子;溶媒曝露;アミノ酸配列類似性;生物情報学的記述子;非共有結合傾向;ファイ角;プサイ角;ファンデルワールス半径;二次構造傾向;アミノ酸隣接性;およびアミノ酸接触からなる群から独立して選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載の操作されたポリペプチド。
  14. 前記1つ以上の参照標的由来拘束を満たす前記ポリペプチドの前記アミノ酸にわたって、前記参照標的と46%~96%のRMSIPまたはそれよりも高い構造的類似性を共有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の操作されたポリペプチド。
  15. Figure 2022513043000117


    から選択されるCD25エピトープに特異的に結合する抗原結合ドメインを含む、CD25特異的抗体。
  16. 前記CD25エピトープが、55~63であり、前記抗体が、
    Figure 2022513043000118

    から各々独立して選択される6つの相補性決定領域(CDR)を含む、請求項15に記載の抗体。
  17. 前記CD25エピトープが、13~20:127~132であり、前記抗体が、
    Figure 2022513043000119

    から各々独立して選択される6つのCDRを含む、請求項15に記載の抗体。
  18. 前記CD25エピトープが、5~17であり、前記抗体が、
    Figure 2022513043000120


    から各々独立して選択される6つのCDRを含む、請求項15に記載の抗体。
  19. 前記CD25エピトープが、5~11:156~163であり、前記抗体が、
    Figure 2022513043000121


    から各々独立して選択される6つのCDRを含む、請求項15に記載の抗体。
  20. 前記CD25エピトープが、77~89であり、前記抗体が、
    Figure 2022513043000122


    から各々独立して選択される6つのCDRを含む、請求項15に記載の抗体。
  21. 前記CD25エピトープが、147~157であり、前記抗体が、
    Figure 2022513043000123

    から各々独立して選択される6つのCDRを含む、請求項15に記載の抗体。
  22. 前記CD25エピトープが、11~14であり、前記抗体が、
    Figure 2022513043000124


    から各々独立して選択される6つのCDRを含む、請求項15に記載の抗体。
  23. 前記CD25エピトープが、44~56であり、前記抗体が、
    Figure 2022513043000125

    から各々独立して選択される6つのCDRを含む、請求項15に記載の抗体。
  24. a)表3A、GGTFSSYA、GGSISSGGYY、GFTFSSYG、GYTFTSYY、GYTFTSYG、GYTFTDYY、GGSISSGGYS、GGSISSSNW、GYSFTSYW、GFTFSNYG、GFTFSSSA、GFTFSSYW、GFIFSRHA、GYTFNNYG、GFTFSSYA、GYTFTTYA、GFTFNNAW、GFTFSSYE、GYSFTTYW、GYSFNTYW、GFTFRRYW、GYSFSTYW、GFAFSSYG、GYKFANYW、GYTFKNFG、GFTFSSYS、GDSISSSSYY、およびGGSISRSNW;から選択されるCDR-H1;
    b)表3A、IIPIFGTA、IIPIFGTA、IYYSGST、ISYDGSNK、INPSGGST、ISAYNGNT、IMPIFDTA、VDPEDGET、IYHSGST、IYPGDSDT、ISHDGHVK、IKQDGSEK、ISVYNGDI、INTNTGDP、IKSKTDGGTT、ISSSGSTI、ISSRGSTI、IYPSDSDT、ISGRKGNT、ISSSSSYI、INHSGST、IYHTGST、およびISYDGNNK;から選択されるCDR-H2:
    c)表3A、AREMYYYYGMDV、AREMYYYYGMDV、ARGNLWSGYYF、AKELLEGAFDI、ARDRVTMVRGALAY、ARERSYYGMDV、ASWSERIGYQYGLDV、ARDILGLDY、ATEDTAMGGIDY、ATEGRYGMDV、AVEGGRAPGTYYYDSSGLAY、ARAGYYYGMDV、ARDLGTMVRGVIEPYYFDY、ARGVRGTGFDP、ARDRNGYFQH、AKDLLGELSFFDY、ARLENNWDYGGWFDP、ARDRSYYGMDV、ARDKGYYGMDV、AKEISPRSSVGWPLDY、ARDFWSGYNELGGMDV、ARTWFGEFFDY、ARVIGGWFDP、ARGRLAYGDTEGFDY、ARDILRGESSILDH、ARDRYYYGMDV、ARDLLGSGYDIIDY、ARVWGKNGDFDY、ARDRFHYGMDV、ARDRGDY、TTEGVELLSFGGAPFDY、ARRRGGGFDY、AREKGSWFDP、ARDRGDRVGGLVFDY、ARQVAGGLDY、ARDRGYYGMDV、FRFGEGFDY、ARDGGYYFDD、ARDFRMDV、ARDAYAYGLDV、ARDLMNYGMDV、AREYDYGDYVFDY、ARLENNWNYGGWFDP、ARDYYYYGMDV、ARDIGYYYGMDV、ARVGDGYSLDY、AKAITSIEPY、AKGQGDGMDV、ARLGWGMDV、ARVWGDTTLGYGMDV、AIPWDAELGNYGMDV、ARGRWSGLGDY、ARARGGRYFDY、ARDQLAARRGYYYGMDV、AKGDVNYGMDV、ARDFYYGSGSYPNGYYYGMDV、ARDFNPFSITIFEMDV、ANLAMGQYFDY、ARDLGEAKSSSPHEPDY、ARDQEMYYFDY、ARGKGSYAFDI、およびAKGYSSSPGDY;から選択されるCDR-H3;
    d)表3B、QSISSY、QSISSY、SSNIGNNF、QSISNY、NIETKS、KLGDKY、QSVSNY、QTISQW、SSNIGSNY、NFNIGNNL、RNIWSY、QSISSW、QSVSSR、QTISGL、DIESEM、NIGSKS、QSIGNY、QGISSW、QSVSSTY、QDISNY、NIESES、SSDVGAYNY、QDINNY、QGISNS、SSNIGNNY、EGIRTS、QGTSSW、SSDVGGYNY、QSVSNNY、QGINSY、QAVRID、QSISRY、QSIGYW、SSNVGSNY、QSIKNY、QDIKRR、SGSIASSY、NSNVGNNY、SLRSYY、KLGERF、SGSVSTSYY、SSNIGRNY、EDIRMY、QGISTY、SSNVGSRT、NIGTKS、NIGSKT、QSINSY、SSNIGSNT、QSIITY、QSLLHSDGKTY、およびGGNIARNY;から選択されるCDR-L1;
    e)表3B、AAS、AAS、DST、DDD、KDN、GAS、KAS、RNN、SNN、AND、DAF、DDS、AAT、AVS、DAS、GVS、DNN、DVS、RAS、GTS、EDN、DND、GKN、QYI、NTD、RNH、EGS、DGR、TAS、DDT、EVS、およびEDD;から選択されるCDR-L2;ならびに/または
    f)表3B、QQSYSTPPT、QQSYSTPPT、GSWDTNLSGYV、QVWDSSSGHREV、QAWDSSTYV、QQYNHWPPL、QQYSGDSMYT、AAWDDSLSGVV、AAWDDSLNGVV、ATWDDSLSGVV、QQSHSTPIT、QQYNSYSRT、QQYTNWPQT、LQYDRYSGA、QVWHTTNDHVL、QVWDSSSDHWV、QQSKQIPYT、QQSYSLPLT、QQFDISGGLI、QQYDNLPLT、QVWDSSSDHTVA、SSYTTTDTFV、QQYDNLPYT、QQYYSTPPH、QQSYSTPLT、QVWDSSSDHVV、GTWDSSLSAYV、QQTHTWPWT、QQANSFPLT、QQSYSTPYT、SSYTSSSTYV、QRYGSSPR、QQVHSFPFT、LQHNTFPYT、QQSHSTPLT、QQYNSYPFT、QQYNSSPLMYT、QQTYSTPLT、QQANTFPQT、QSYDGSSVV、GSWEARESVFV、QQTYNDPPT、NSRDSSGNHVV、QTWDGSIVV、VLYMGSGIWV、ATWDDALSGWV、SSYTSSSTLVV、QQSYSTPWT、SSYTSSSTWV、LQDYNYPPA、QQYYDDPQ、QQLNGYPTT、AAWDDSLIGHV、QVWDTSGDLHWA、QQSYTTPLT、QVWDSSSDLLWV、GTWDSSLSALV、AAWDDSLNGPV、MQTKQLPLT、QQANSFPPT、QSYDGNNHMV、およびSSYTSSSTLWVから選択されるCDR-L3
    を含む、請求項15に記載の抗体。
  25. 前記抗体が、CD25の結合について、エピトープ特異的参照結合剤と競合し、前記エピトープ特異的結合剤が、IL-2、ダクリズマブ、バシオリキシマブおよび/または7G7B6である、請求項15~24のいずれか一項に記載の抗体。
  26. 前記抗体が、オフターゲット参照結合剤と競合せず、前記オフターゲット結合剤が、IL-2、ダクリズマブ、バシオリキシマブおよび/または7G7B6である、請求項15~25のいずれか一項に記載の抗体。
  27. 前記抗体のIL-2への結合が、
    a)D77AおよびQ79A;
    b)Q81AおよびT83A;
    c)D77AおよびN78A;
    d)T35AおよびQ151A;
    e)M39AおよびM147A;
    f)H33AおよびT35A;
    g)K37AおよびY149A;
    h)E30AおよびH33A;
    i)D27AおよびE30A;
    j)R176AおよびQ179A;
    k)Q181AおよびI183A;
    l)E100AおよびR104A;
    m)Q101AおよびK105A;
    n)K102AおよびK105A;
    o)K169AおよびT171A;
    p)K174AおよびR176A;
    q)T175AおよびR176A;
    r)M170AおよびH172A;
    s)N70AおよびS71A;
    t)S72AおよびH73A;
    u)S74AおよびS75A;および
    v)L23AおよびD25A
    から選択されるIL-2に対する突然変異によって破壊される、請求項15~26のいずれか一項に記載の抗体。
  28. 前記抗体が、10-2/s未満、10-3/s未満または10-4/s未満のkoffを有し、前記koffが、可溶性ヒトCD25を用いたバイオレイヤーインターフェロメトリーを使用して測定される、請求項15~27のいずれか一項に記載の抗体。
  29. 前記抗体が、10-2/sと10-5/sとの間のkoffを有し、前記koffが、可溶性ヒトCD25を用いたバイオレイヤーインターフェロメトリーを使用して測定される、請求項15~28のいずれか一項に記載の抗体。
  30. 前記抗体が、100nM未満、25nM未満または5nM未満のKを有し、前記Kが、可溶性ヒトCD25を用いたバイオレイヤーインターフェロメトリーを使用して測定される、請求項15~29のいずれか一項に記載の抗体。
  31. 前記抗体が、100nMと1nMとの間のKを有し、前記Kが、可溶性ヒトCD25を用いたバイオレイヤーインターフェロメトリーを使用して測定される、請求項15~30のいずれか一項に記載の抗体。
  32. CD25を発現する細胞に特異的に結合する、請求項15~31のいずれか一項に記載の抗体。
  33. 少なくとも10または少なくとも10の平均蛍光強度(MFI)で、CD25を発現する細胞に結合する、請求項15~32のいずれか一項に記載の抗体。
  34. 10と10との間の平均蛍光強度(MFI)で、CD25を発現する細胞に結合する、請求項15~33のいずれか一項に記載の抗体。
  35. CD25(-)細胞に結合しない、請求項15~34のいずれか一項に記載の抗体。
  36. 10未満の平均蛍光強度(MFI)で、CD25(-)細胞に結合する、請求項15~35のいずれか一項に記載の抗体。
  37. 表7Dの組み合わせ1~126のいずれか1つの6つのCDRを含む、請求項15に記載の抗体。
  38. 請求項15~37に記載の抗体のいずれか1つを含み、適宜、薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
  39. 処置を必要とする対象を処置する方法であって、前記対象に、治療有効量の請求項15~37のいずれか一項に記載の抗体または請求項38に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
  40. 前記対象が、がんを患っている、請求項39に記載の方法。
  41. 前記対象が、自己免疫性疾患または障害を患っている、請求項39に記載の方法。
  42. 配列番号2~5、配列番号7~8および配列番号17~21からなる群から選択される配列に対して少なくとも60%の配列類似性を有する、操作された免疫原。
  43. 前記配列に対して少なくとも80%の類似性を有する、請求項42に記載の操作された免疫原。
  44. 前記配列に対して少なくとも90%の類似性を有する、請求項42または43に記載の操作された免疫原。
  45. 少なくとも1つの特徴をCD25と共有する、請求項42~44のいずれか一項に記載の操作された免疫原。
  46. CD25の抗体に結合する、請求項42~45のいずれか一項に記載の操作された免疫原。
  47. 約7.3と約7.5との間のpHでの結合親和性と比較して、7.0を下回るpHで、CD25の抗体に対するより高い結合親和性を有する、請求項42~46のいずれか一項に記載の操作された免疫原。
  48. 約7.3と約7.5との間のpHでの結合親和性と比較して、約6.4と約6.6との間のpHで、CD25の抗体に対するより高い結合親和性を有する、請求項47に記載の操作された免疫原。
  49. 抗体を産生する方法であって、請求項42~48のいずれか一項に記載の操作された免疫原で動物を免疫化すること、および抗体を産生することを含む、方法。
  50. 前記抗体が、CD25に対する抗体である、請求項49に記載の方法。
  51. 前記抗体が、約7.3と約7.5との間のpHでの結合親和性と比較して、7.0を下回るpHで、CD25に対するより高い結合親和性を示す、請求項49または50に記載の方法。
  52. 前記抗体が、約7.3と約7.5との間のpHでの結合親和性と比較して、約6.4と約6.6との間のpHで、CD25に対するより高い結合親和性を示す、請求項49~51のいずれか一項に記載の方法。
  53. 前記抗体が、CD25のIL-2への結合を遮断しない、請求項49~52のいずれか一項に記載の方法。
  54. 前記抗体が、CD25のIL-2への結合を遮断する、請求項49~52のいずれか一項に記載の方法。
  55. 前記抗体が、IL-2R-アルファ、IL-2R-ベータおよびIL-2R-ガンマのヘテロトリマー化を防止する、請求項49~53のいずれか一項に記載の方法。
  56. 前記抗体が、CD25のシス配向およびトランス配向の両方に結合することが可能である、請求項49~55のいずれか一項に記載の方法。
  57. Figure 2022513043000126

    から各々独立して選択される6つの相補性決定領域(CDR)を含む、請求項15~37のいずれか一項に記載の抗体。
  58. Figure 2022513043000127

    から各々独立して選択される6つの相補性決定領域(CDR)を含む、請求項15~37のいずれか一項に記載の抗体。
  59. Figure 2022513043000128

    から各々独立して選択される6つの相補性決定領域(CDR)を含む、請求項15~37のいずれか一項に記載の抗体。
  60. Figure 2022513043000129


    から各々独立して選択される6つの相補性決定領域(CDR)を含む、請求項15~37のいずれか一項に記載の抗体。
  61. 表4中に提供される組み合わせのいずれか1つから選択される6つの相補性決定領域(CDR)を含む、請求項15~37のいずれか一項に記載の抗体。
  62. 表3Aおよび表3B中に提供されるYU390-B12、YU397-F01、YU397-D01、YU398-A11、YU404-H01、YU400-B07、YU400-D09、YU401-B01、YU401-G07、YU404-C02、YU403-G07、YU403-G05、YU391-B12、YU400-A03、YU400-D02、YU392-A09、YU392-B11、YU392-B12、YU392-E05、YU392-E06、YU392-G08、YU389-A03、YU392-G09、YU392-G12、YU392-H02、YU392-H04、YU402-F01、YU389-B11、YU394-D08、またはYU390-A11、のいずれか1つについての6つの相補性決定領域(CDR)を含む、請求項15~37のいずれか一項に記載の抗体。
  63. 表5中に提供されるYU390-B12、YU397-F01、YU397-D01、YU398-A11、YU404-H01、YU400-B07、YU400-D09、YU401-B01、YU401-G07、YU404-C02、YU403-G07、YU403-G05、YU391-B12、YU400-A03、YU400-D02、YU392-A09、YU392-B11、YU392-B12、YU392-E05、YU392-E06、YU392-G08、YU389-A03、YU392-G09、YU392-G12、YU392-H02、YU392-H04、YU402-F01、YU389-B11、YU394-D08、またはYU390-A11の重鎖可変領域および軽鎖可変領域と少なくとも90%、95%、99%または100%の配列同一性を各々が共有する重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む、請求項15~37のいずれか一項に記載の抗体。
  64. 全長免疫グロブリンGモノクローナル抗体である、請求項63に記載の抗体。
  65. 表5中に提供されるYU390-B12、YU397-F01、YU397-D01、YU398-A11、YU404-H01、YU400-B07、YU400-D09、YU401-B01、YU401-G07、YU404-C02、YU403-G07、YU403-G05、YU391-B12、YU400-A03、YU400-D02、YU392-A09、YU392-B11、YU392-B12、YU392-E05、YU392-E06、YU392-G08、YU389-A03、YU392-G09、YU392-G12、YU392-H02、YU392-H04、YU402-F01、YU389-B11、YU394-D08、またはYU390-A11の単鎖可変断片(scFv)配列と少なくとも90%、95%、99%または100%の配列同一性を共有するscFvを含む、請求項15~37のいずれか一項に記載の抗体。
  66. ヒト抗体である、請求項15~37または61~65のいずれか一項に記載の抗体。
  67. ヒト化抗体である、請求項15~37または61~65のいずれか一項に記載の抗体。
  68. キメラ抗体である、請求項15~37または61~65のいずれか一項に記載の抗体。
  69. マウス可変ドメインおよびヒト定常ドメインを含む、請求項15~37または61~65のいずれか一項に記載の抗体。
  70. カニクイザルCD25にも結合する、請求項15~37または61~69のいずれか一項に記載の抗体。
  71. 請求項15~37または61~70のいずれか一項に記載の抗体を含み、適宜、薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
  72. 処置を必要とする対象を処置する方法であって、前記対象に、治療有効量の請求項15~37もしくは61~70のいずれか一項に記載の抗体または請求項71に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
  73. 前記対象が、がんを患っている、請求項72に記載の方法。
  74. 前記対象が、自己免疫性疾患または障害を患っている、請求項72に記載の方法。
  75. 対象において調節性T細胞の数を枯渇させる方法であって、前記対象に、治療有効量の請求項15~37もしくは61~70のいずれか一項に記載の抗体または請求項71に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
  76. 前記対象が、がんを患っている、請求項75に記載の方法。
  77. 前記対象が、自己免疫性疾患または障害を患っている、請求項75に記載の方法。
  78. 請求項15~37もしくは61~70のいずれか一項に記載の抗体または請求項71に記載の医薬組成物を含む、キット。
JP2021526460A 2018-11-14 2019-11-14 操作されたcd25ポリペプチドおよびその使用 Pending JP2022513043A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201862767431P 2018-11-14 2018-11-14
US62/767,431 2018-11-14
US201962902334P 2019-09-18 2019-09-18
US62/902,334 2019-09-18
PCT/US2019/061567 WO2020102603A1 (en) 2018-11-14 2019-11-14 Engineered cd25 polypeptides and uses thereof

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022513043A true JP2022513043A (ja) 2022-02-07
JPWO2020102603A5 JPWO2020102603A5 (ja) 2023-06-14

Family

ID=70731914

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021526460A Pending JP2022513043A (ja) 2018-11-14 2019-11-14 操作されたcd25ポリペプチドおよびその使用

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20230016112A1 (ja)
EP (1) EP3880698A4 (ja)
JP (1) JP2022513043A (ja)
CN (1) CN113646330A (ja)
CA (1) CA3120102A1 (ja)
WO (1) WO2020102603A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022535769A (ja) 2019-05-31 2022-08-10 ルーブリック・セラピューティクス・インコーポレイテッド メソスケールペプチドを操作するための機械学習ベースの装置およびそのための方法およびシステム
US20210174909A1 (en) * 2019-12-10 2021-06-10 Homodeus, Inc. Generative machine learning models for predicting functional protein sequences
CA3200523A1 (en) * 2020-11-10 2022-05-19 The Scripps Research Institute Antibodies for opioid treatments
WO2022119863A1 (en) * 2020-12-01 2022-06-09 Rubryc Therapeutics, Inc. Generalized scaffolds for polypeptide display and uses thereof
EP4376887A2 (en) * 2021-07-30 2024-06-05 Janssen Biotech, Inc. Materials and methods of making or using il-23r binding proteins
CN114384245B (zh) * 2022-03-24 2022-06-24 江苏美克医学技术有限公司 新型冠状病毒s-rbd蛋白和n蛋白双表位识别的联检试剂盒及其应用

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016519658A (ja) * 2013-03-13 2016-07-07 アメリカ合衆国 融合前rsvfタンパク質およびそれらの使用
JP2017528143A (ja) * 2014-09-10 2017-09-28 ザ ユニバーシティ オブ コネチカット 癌の治療のための免疫防御ネオエピトープ同定
WO2018167104A1 (en) * 2017-03-17 2018-09-20 Tusk Therapeutics Ltd Fc-optimized anti-cd25 for tumour specific cell depletion

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1279057C (zh) * 2002-07-12 2006-10-11 马菁 重组的抗cd25单克隆抗体、其编码序列及应用
EA201892619A1 (ru) * 2011-04-29 2019-04-30 Роше Гликарт Аг Иммуноконъюгаты, содержащие мутантные полипептиды интерлейкина-2
EP3538551A4 (en) * 2016-11-10 2020-11-11 Fortis Therapeutics, Inc. CD46 SPECIFIC EFFECTOR CELLS AND USES THEREOF
EP3612565A4 (en) * 2017-04-18 2021-06-16 R-Pharm Overseas, Inc. ANTI-PD-L1 ANTIBODIES AND USES THEREOF

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016519658A (ja) * 2013-03-13 2016-07-07 アメリカ合衆国 融合前rsvfタンパク質およびそれらの使用
JP2017528143A (ja) * 2014-09-10 2017-09-28 ザ ユニバーシティ オブ コネチカット 癌の治療のための免疫防御ネオエピトープ同定
WO2018167104A1 (en) * 2017-03-17 2018-09-20 Tusk Therapeutics Ltd Fc-optimized anti-cd25 for tumour specific cell depletion

Also Published As

Publication number Publication date
CN113646330A (zh) 2021-11-12
US20230016112A1 (en) 2023-01-19
EP3880698A1 (en) 2021-09-22
EP3880698A4 (en) 2022-11-30
CA3120102A1 (en) 2020-05-22
WO2020102603A1 (en) 2020-05-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2022513043A (ja) 操作されたcd25ポリペプチドおよびその使用
Ledsgaard et al. Advances in antibody phage display technology
JP6723392B2 (ja) 多重特異性モノクローナル抗体
CN106243226B (zh) 抗人ifnar1的抗体及其用途
US20040110226A1 (en) Antibody optimization
CN103108886B (zh) 抗il-23杂二聚体特异性抗体
EP2890711B1 (en) Method for producing antibody molecules having inter-species, intra-target cross-reactivity
Tabasinezhad et al. Trends in therapeutic antibody affinity maturation: From in-vitro towards next-generation sequencing approaches
EP2050765A1 (en) Methods for use in human-adapting monoclonal antibodies
KR20220041784A (ko) 메소 스케일 조작된 펩티드 및 선택 방법
JP7217772B2 (ja) 三次元構造に基づくヒト化方法
JP5444001B2 (ja) アレルゲン結合性IgEモノクローナル抗体および低アレルギー性物質の製造方法
US20120316085A1 (en) Antibody humanization by framework assembly
Luthra et al. Human antibody bispecifics through phage display selection
JP2022102539A (ja) 抗体の抗原に対する親和性を向上させる方法及びその利用
Van Der Kant et al. De novo design of high-affinity single-domain antibodies
CN113677691A (zh) 选择功能界面模拟物的方法及其组合物
JP5017097B2 (ja) 設計デコイタンパク質を用いる溶液相バイオパニング方法
Chen et al. Improved isolation of anti-rhTNF-α scFvs from phage display library by bioinformatics
Pszolla Computational design of novel interactions in conventional and heavy chain antibodies
Gilliland Engineering antibody therapeutics Mark L Chiu and Gary L Gilliland
CN112661843A (zh) Aldosterone重组兔单克隆抗体及其应用
CN113874395A (zh) 鉴定表位和互补位的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221111

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221111

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20221111

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20221129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230421

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20221111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231218

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20240314

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240424