JP2022511566A - 放出調節製剤のためのコーティング可能なコア - Google Patents

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Abstract

経口投与用の放出調節製剤のためのコーティング可能なコアを製造する方法。コーティング可能なコアは、コーティング可能なコアの総重量を基準として少なくとも70重量%の高薬物量を有する。本方法は、以下の工程:薬物および少なくとも1種の結合剤を含んでなる組成物を造粒して、顆粒を形成させる工程;顆粒を、薬理学的に許容可能な崩壊剤および場合により1種または2種以上の追加の薬理学的に許容可能な賦形剤とブレンドして、圧縮ブレンドを形成させる工程であって、前記崩壊剤は、前記コーティング可能なコアの総重量を基準として、約0.5重量%以上約5重量%以下の量で存在する工程;および外部滑沢による圧縮法を使用して前記圧縮ブレンドを圧縮して、コーティング可能なコアを形成させる工程を含んでなる。

Description

本発明は、経口製剤、好ましくは経口投与用の放出調節製剤のためのコーティング可能なコアおよびそれから製造される遅延放出製剤を製造する方法に関する。特に、それは、腸に送達する薬物の遅延放出製剤のためのコーティング可能なコアに関する。本発明のコーティング可能なコアはまた、胃または小腸に薬物を送達するための製剤においても使用され得る。
薬物の腸への標的指向化はよく知られており、100年以上の間、知られている。一般的に、薬物の標的は小腸であるが、局所療法または全身治療を達成する手段として結腸を利用することができる。薬剤コーティングの必要条件は、標的部位によって異なる。結腸に到達するためには、薬物が小腸を通過する必要があるため、結腸で薬物を放出することを目的とした遅延放出コーティングが小腸で薬物を放出しないことが必要条件である。
小腸で放出するためのコーティング製品は、一般に、pHに依存して溶解または崩壊するポリマーコーティングを使用する。胃の低pH環境において、ポリマーコーティングは不溶性である。しかしながら、小腸に到達すると、pHが5以上に上昇し、ポリマーコーティングが溶解または崩壊する。一般的に使用されるコーティングは、イオン化可能なカルボキシル基を含むコーティングである。高いpHにおいて、カルボキシル基がイオン化し、ポリマーコーティングを崩壊または溶解させる。使用されるこのタイプの一般的なポリマーには、オイドラギット(登録商標)Lおよびオイドラギット(登録商標)Sがある。
薬物の早期放出を確実にすることによって小腸での放出を改善する様々な方法が知られている。US2008/0200482は、崩壊が起こるpHを低下させるためにカルボキシル基を部分的に中和することを開示している多くの参考文献のうちの1つである。WO2008/135090は、部分的に中和された材料の内側コーティングと、中和が減少しているまたは全くされていない外側コーティングとを備えた錠剤を開示している。これは、胃から送達されたとき、より早い時点で崩壊すると言われている。
結腸での薬物の放出は、代替手段を必要とする。結腸は、多くの病態、例えば、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、便秘、下痢、感染症および癌腫に罹患しやすい。そのような状態において、結腸を標的とする薬物は、治療の治療効果を最大限に発揮するであろう。結腸はまた、薬物が全身循環に入るための入口(portal)として利用することができる。結腸薬物送達のために、プロドラッグおよび製剤化された剤形を含む様々な製剤が開発されているが、既に証明された概念がその他の薬物に適用できるため、後者がより一般的である。
結腸内の高密度の細菌集団はまた、消化可能な担体材料として、天然に存在する多糖類であって、常在血糖細菌により産生される多数の酵素の基質を構成する多糖類の利用を通じて、結腸薬物送達用の剤形を開発する際に利用されてきた。これらの材料は、上部消化管領域を完全なままで通過することができるが、結腸に入ると消化される。例としては、デンプン、アミロペクチン、アミロース、ペクチン、キトサン、ガラクトマンナンおよびグアーガムが挙げられる。
結腸薬物送達へのこの細菌酵素アプローチにおいて多糖類を使用することの主要な魅力の1つは、使用される材料が食品グレードであり、したがって、ヒトでの使用に安全であることである。それらは通常、コーティングとして適用されて、またはマトリックス担体としてコア材料に組み込まれて、結腸へ入る際の結腸の細菌酵素による消化により、充填薬物の放出をもたらす。アミロースコーティングを使用するそのような製剤の例は、EP0343993A(BTG International Limited)に開示されている。
しかしながら、これら天然に存在する材料に関する主な制限は、それらが水性媒体中で過度に膨潤し、上部消化管領域での充填薬物の浸出につながることである。この問題を回避するために、天然に存在する材料が様々な不浸透性材料との混合物において使用されてきた。
EP0502032A(British Technology Group Ltd)は、フィルム形成性セルロース材料またはフィルム形成性アクリレートポリマー材料と、アモルファスアミロースとを含んでなる外層コーティングの、有効化合物を含んでなる錠剤のための使用を教示している。使用されるポリマー材料は、pHに依存しない放出ポリマー材料である。
Journal of Controlled Releaseの論文(Milojevic et al;38;(1996);75-84)は、アミロースの膨潤を制御するためにアミロースコーティングに様々な不溶性ポリマーを組み込むことに関する調査結果を報告している。様々なセルロース系およびアクリレート系コポリマーが評価され、市販のエチルセルロース(エトセル(登録商標))が膨潤を最も効果的に制御することが見出されている。pH依存性可溶性コーティングであるオイドラギット(登録商標)L100が使用されるが、アミロースの内層コーティングおよびオイドラギット(登録商標)L100の外層コーティングによる生物活性コーティングを備える多層システムにおいてのみ使用される。
さらなるアミロース系のコーティング組成物は、WO99/21536A(BTG International Limited)に開示されている。コーティング組成物は、アミロースと、水不溶性のセルロースまたはアクリレートポリマー材料から形成される水不溶性pH非依存性のフィルム形成性ポリマーとの混合物を含んでなる。
WO99/25325A(BTG International Limited)はまた、アミロースおよび(好ましくは)エチルセルロース、あるいは不溶性のアクリレートポリマーを含んでなる遅延放出コーティングを開示している。コーティング組成物はまた、可塑剤を含み、この方法は、組成物は60℃よりも低い温度で形成されるため、60℃を超える温度において不安定である有効物質を含んでなる剤形の調製において特別な用途を見出す。
WO03/068196A(Alizyme Therapeutics Ltd)は、ガラス状アミロース、エチルセルロースおよびジブチルセバケートを含んでなる生物活性プレドニゾロンメタスルホ安息香酸ナトリウム用の特定の遅延放出コーティングを開示している。
遅延放出コーティングにおけるアモルファスアミロース以外の多糖類の使用は、GB2367002(British Sugar PLC)に開示されている。例としては、グアーガム、カラヤゴム、トラガカントガムおよびキサンタンガムが挙げられる。これらの多糖類の微粒子は、例えば、セルロース誘導体、アクリルポリマーまたはリグニンから形成された水不溶性のフィルム形成性ポリマーマトリックス中に分散している。
WO01/76562A(Tampereen Patenttitoimisto Oy)は、薬物とその放出を制御するためのキトサン(キチンから得られる多糖類)とを含む経口製剤を開示している。薬物およびキトサンは、均一な機械的粉末混合物に混合され、造粒され、次いで、場合により錠剤化される。造粒は、腸溶性ポリマー(例えば、メタクリル酸のコポリマー)により実施してもよいし、あるいは、顆粒は多孔性の腸溶性コーティングにより提供されてもよい。
WO2004/052339A(Salvona LLC)は、pH感受性ミクロスフェアのカプセルに包まれた薬物を含んでなる固体疎水性ナノスフェアの自由流動性の粉末である、pH依存性薬物放出システムを開示している。ナノスフェアは、ワックス材料と組み合わせて薬物から形成され、pH感受性ミクロスフェアは水感受性材料(例えば、多糖類)と組み合わせてpH感受性ポリマー(例えば、オイドラギット(登録商標)ポリマー)から形成される。
European Journal of Pharmaceutical Sciencesの論文(Akhgari et al;28;March 2006;307-314)は、とりわけイヌリンの膨潤を制御するための特定のポリメタクリレートポリマーの使用に関する検討結果を報告している。試験したポリメタクリレートポリマーは、オイドラギット(登録商標)RS;オイドラギット(登録商標)RL;オイドラギット(登録商標)RSおよびオイドラギット(登録商標)RLの1:1混合物;オイドラギット(登録商標)FS;ならびにオイドラギット(登録商標)RSおよびオイドラギット(登録商標)Sの1:1混合物であった。
US5422121(Rohm GmbH)は、フィルム形成性ポリマーと混合して結腸内で分解する多糖類を含んでなるシェル材料内に封入された少なくとも1種の有効成分を含むコアを有する経口剤形を開示している。フィルム形成性ポリマーに対する多糖類の重量比は、1:2~5:1、好ましくは1:1~4:1である。コアからの有効成分の早期拡散は、胃抵抗性の仕切り層を使用して抑制可能である。この参考文献は、とりわけオイドラギット(登録商標)L30Dからなる内側仕切り層を有し、オイドラギット(登録商標)L30Dおよびグアーガムを含んでなる外層を備える錠剤を例示している(実施例2)。
WO96/36321Aは、ビサコジルを含むコアと、コア用の腸溶性ポリマーコーティングとを備える経口剤形であって、コーティングは、少なくとも1つの内層コーティングと外層コーティングとを備える、経口剤形を開示している。その1つの内層コーティングまたは複数の内層コーティングのそれぞれは、約5~約6.3のpHにおいて水性媒体に溶解し始める腸溶性ポリマーであり、外層コーティングは、約6.8~約7.2のpHにおいて水性媒体に溶解し始める腸溶性ポリマーである。内層の腸溶性ポリマーコーティング材料は、酢酸フタル酸セルロース、トリメリト酸酢酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ポリビニルアセテートフタレート、ポリ(メタクリル酸、メタクリル酸メチル)1:1、ポリ(メタクリル酸、アクリル酸エチル)1:1およびそれらの適合性のある混合物からなる群から選択される。
WO2013/164315Aは、薬物を含んでなるコアと、内層および外層を備えるコーティングとを備える結腸薬物送達製剤を開示している。pH依存性フィルム形成性ポリマー材料と多糖類(例えば、デンプン)との混合物が外層として使用され、内層は腸液または胃腸液に可溶性である。この参考文献は、とりわけ、1200mgの5-アミノサリチル酸(5-ASA、メサラミンまたはメサラジンとしても知られている)を有効化合物として含む錠剤コアを例示している。これらの錠剤コアは、湿式造粒とそれに続く流動層乾燥、ブレンドおよび圧縮によって調製される。
典型的な錠剤圧縮プロセスでは、打錠ブレンドまたは圧縮ブレンドが臼(die)に導入され、臼の上部および下部に適合する2つの杵(punch)によって錠剤に圧縮される。打錠ブレンドを錠剤に圧縮するには、一般に滑沢剤の注入が必要である。滑沢剤は、圧縮中に、充填ユニットの打錠ブレンドの粒子または顆粒と、杵および臼の表面との摩擦を低減させる。滑沢剤はまた、排出の際に、錠剤コアの表面と杵および臼の表面との間の摩擦を低減させる。滑沢剤の存在により、排出圧(ejection force)が低減され、打錠機の杵および臼に対する摩耗が低減され、錠剤が臼に付着せず、ひび割れも破損もなく打錠機からきれいに排出されることを確かにするのに役立つ。通常、滑沢剤は、打錠の直前に打錠ブレンド自体に添加される。これは内部滑沢として知られる。滑沢剤粒子は、打錠ブレンドの粒子または顆粒上に境界層を形成する。打錠ブレンドに滑沢剤が含まれていると、粒子間の摩擦が減少することにより、ブレンドの流動性が向上する。WO2013/164315Aに例示される1200mgの錠剤コアは、内部滑沢剤として0.5重量%のステアリン酸マグネシウムを含む。WO2013/164315Aに開示されているような遅延放出製剤のパイロットプラント生産中に、特に1200mgを超える錠剤コアの場合に、錠剤あたり0.5重量%の滑沢剤の量では、特定の状況において、打錠機の適切な滑沢には不十分であることが特定されている。これは、打錠機に設定された制限を超える排出圧によって示される。
しかしながら、内部滑沢剤の量を増加させると、錠剤硬度の望ましくない低下および錠剤の摩損度の望ましくない増加をもたらす場合があり、加えて、キャッピングが発生する傾向を生じる可能性がある。「キャッピング」とは、錠剤の上部または下部が錠剤の本体から部分的または完全に水平に分離し、帽子(cap)のように外れることを表すために使用される用語である。これは通常、打錠機からの錠剤の排出中に発生するが、その後の操作でも発生する可能性がある。高レベルの内部滑沢剤はまた、錠剤コアの崩壊時間の延長と、打錠ブレンドの粒子を取り囲む疎水性境界層の存在および最終圧縮された錠剤において形成される疎水性ブリッジ(hydrophobic bridge)の存在による溶解性低下のリスクとにつながる可能性がある。特定の医薬品有効成分(API)と疎水性滑沢剤との不適合性により、保管時に安定性の問題が発生する可能性も存在する。したがって、高薬物量を有するコーティング可能なコアを製造するための改善された方法を提供することが望ましい。コーティング可能なコアは、低い摩損度および高い硬度を有する必要があり、かつ、迅速な崩壊時間および迅速な薬物放出を実現可能である必要がある。
薬物(例えば、5-ASA)の送達のための既存の遅延放出製剤に関するさらなる問題は、患者が薬物の必要な1日量を摂取するために複数の錠剤を服用すること必要となることが多いことである。したがって、投与頻度を減らし、患者のコンプライアンスを改善することができるため、高用量強度かつ最小限の全体サイズを有するコーティング可能なコアを有する経口投与用の放出調節製剤を提供することがさらに望ましい。
図1は、実施例2A~2Gに従って外部滑沢を使用して製造された1600mgの5-ASA錠剤コアについての打錠圧と錠剤硬度との間の相互関係を示すグラフである。 図2は、実施例2A~2Gに従って外部滑沢を使用して製造された1600mgの5-ASA錠剤コアについての錠剤硬度と摩損度との間の相互関係を示すグラフである。 図3は、比較例3A~3Hに従って内部滑沢を使用して製造された1600mgの5-ASA錠剤コアについての打錠圧と錠剤硬度との間の相互関係を示すグラフである。 図4は、比較例3A~3Hに従って内部滑沢を使用して製造された1600mgの5-ASA錠剤コアについての錠剤硬度と摩損度との間の相互関係を示すグラフである。 図5は、0.1M HClに2時間前曝露した後、クレブス緩衝液(pH7.4)に10時間曝露した場合の、実施例5および6によるコーティングされた5-ASA錠剤からの時間の関数としての薬物放出を比較するグラフである。
本発明の第1の態様によれば、経口投与用の放出調節製剤のためのコーティング可能なコアを製造する方法であって、
前記コーティング可能なコアは、前記コーティング可能なコアの総重量を基準として少なくとも70重量%の高薬物量を有し、
前記方法は、以下の工程:
薬物および少なくとも1種の結合剤を含んでなる組成物を造粒して、顆粒を形成させる工程;
前記顆粒を、薬理学的に許容可能な崩壊剤および場合により1種または2種以上の追加の薬理学的に許容可能な賦形剤とブレンドして、圧縮ブレンドを形成させる工程であって、前記崩壊剤は、前記コーティング可能なコアの総重量を基準として、約0.5重量%以上約5重量%以下の量で存在する工程;および
外部滑沢による圧縮法を使用して前記圧縮ブレンドを圧縮して、コーティング可能なコアを形成させる工程
を含んでなる、前記方法が提供される。
本発明の方法は、当技術分野からは予想も予測もできなかった、摩損度が低く、硬度が高く、崩壊時間が速く、かつ、薬物放出が速いコーティング可能なコアを有利に製造する。
湿式造粒または乾式造粒プロセスを使用して顆粒を形成させることができる。湿式造粒プロセスを使用して顆粒が形成される実施形態において、薬物および少なくとも1種の結合剤を含んでなる組成物は、造粒液をさらに含んでなる。
造粒液は、水、有機溶媒、含水アルコール混合物(例えば、水/エタノール混合物または水/イソプロパノール混合物)または含水有機物(例えば、水/アセトン混合物)を含み得るが、これらに限定されない。適切な有機溶媒には、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、ジクロロメタンおよびそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、造粒液は水である。
結合剤は、造粒液と一緒に溶液として添加され得、あるいは、次いで造粒液により造粒される粉体層の一部であり得る。
結合剤は、当業者に知られている任意の適切な結合剤、例えば、糖またはポリマーであり得る。好ましい合成ポリマー結合剤には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCまたはヒプロメロース、例えば、Pharmacoat(登録商標)603)、微結晶性セルロース(例えば、Avicel(登録商標)pH102)、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール4000(PEG 4000)、およびポリエチレングリコール6000(PEG 6000)が含まれるが、これらに限定されない。好ましい天然ポリマー結合剤には、デンプン、加工デンプン、アルファ化デンプン、アカシアガム、グアーガム、トラガカントガム、キサンサムガム、ゼラチン、スクロース溶液およびマルトデキストリン溶液が含まれるが、これらに限定されない。結合剤は、好ましくは、コーティング可能なコアの総重量を基準として、約3重量%以下、好ましくは約2重量%以下、より好ましくは約1重量%以下、最も好ましくは約0.5重量%以下の量で存在する。
造粒は、当技術分野で知られている任意の適切なミキサーまたは造粒機を使用して実施可能である。例えば、湿式造粒は、頑丈な混合装置、例えば、混練機または高せん断ミキサー造粒機を使用して実施可能である。適切な機械の例には、ホバートミキサー、シグマタイプの混練機、増圧バー付きのVブレンダー、Lodigeミキサーチョッパー、Diosna高せん断ミキサーおよびGEA高せん断ミキサーが含まれる。造粒は、流動層乾燥機(例えば、Diosna流動層乾燥機またはGEA流動層乾燥機)を使用して実施可能である。高せん断ミキサー造粒機を使用して造粒を実施することが好ましい。通常、必要なかさ密度の顆粒を生成するのに十分な時間で、許容可能な低レベルの残留溶媒を使用して、造粒を実行する。
湿式造粒プロセスを使用して顆粒が形成される実施形態において、湿った顆粒を乾燥させた後にブレンドする。好ましくは、乾燥した顆粒が約0.6%未満、より好ましくは約0.4%未満、より好ましくは約0.3%未満、最も好ましくは約0.2%未満の範囲における水分含有量(乾燥減量(Loss on drying))を有するように、湿った顆粒を乾燥させる。乾燥減量(LOD)は、欧州薬局方(Ph.Eur.2.2.32)に従って測定される。好ましくは、顆粒は、乾燥の前および/または後にふるいにかけられて、大きな塊または凝集物を破壊する。
顆粒は、薬理学的に許容可能な崩壊剤および場合により1種または2種以上の追加の薬理学的に許容可能な賦形剤と混合されて、圧縮ブレンドを形成する。好ましくは、賦形剤を事前にブレンドした後に顆粒とブレンドする。オプションの薬理学的に許容可能な賦形剤には、充填剤または希釈剤材料、例えば、乳糖またはセルロース材料、例えば、微結晶性セルロース(例えば、Vivapur(登録商標)102)、および流量調整剤(flow regulator)、例えば、コロイド状二酸化ケイ素(例えば、Aerosil(登録商標)200)が含まれるが、これらに限定されない。
崩壊剤は、コーティング可能なコアの総重量を基準として、約0.5重量%以上約5重量%以下の量で存在する。好ましくは、崩壊剤は、コーティング可能なコアの総重量を基準として、約0.5重量%以上約3重量%以下の量で存在する。崩壊剤は、当業者によって知られている任意の適切な崩壊剤、例えば、クロスカルメロースナトリウム(例えば、Ac-Di-Sol(登録商標)、Nymcel(登録商標)ZSX、Primellose(登録商標)、Solutab(登録商標)およびVivasol(登録商標))、架橋ポリビニルピロリドン(例えば、Kollidon(登録商標)およびPolyplasdone(商標))、架橋アルギン酸(例えば、アルギン酸NFおよびSatialgine(登録商標))、ケイ酸カルシウムおよびデンプングリコール酸ナトリウム(例えば、Explotab(登録商標)およびVivastar(登録商標)P)であり得る。特に好ましい崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウムである。
圧縮ブレンドは、外部滑沢による圧縮プロセスを使用して圧縮される。外部滑沢とは、打錠機(錠剤プレスなど)に滑沢剤を適用することである。打錠機の臼および/または杵に滑沢剤を適用することができる。通常、外部滑沢システム、例えば、Matsui ExlubシステムまたはPharma Technology製PharmaSprayシステムを使用して、乾燥状態の臼および/または杵に滑沢剤を噴霧する。正確な動作パラメータは、使用するシステムによって異なる。好ましくは、滑沢剤は、約300g/時以上約500g/時以下、より好ましくは350g/時以上約450g/時以下の噴霧速度、約30kPa以上50kPa以下の噴霧空気圧および約250Pa以上約500Pa以下の集塵圧力(pressure of dust extraction)において、打錠機の臼および/または杵に噴霧される。このシステムにより、バッチ全体、および錠剤のバッチ間にわたって一定量の滑沢剤を錠剤に適用することができる。過剰な滑沢剤は、真空システムを使用して除去される。
圧縮ブレンド自体は、場合により、1種または2種以上の薬理学的に許容可能な滑沢剤、すなわち内部滑沢剤を含んでなってもよい。内部滑沢剤は、好ましくは、圧縮ブレンド中に、コーティング可能なコアの総重量を基準として、約0.5重量%以下、好ましくは約0.25重量%以下、より好ましくは約0.1重量%以下、最も好ましくは約0.05重量%以下の量で存在する。
外部滑沢剤または内部滑沢剤は、当業者に知られている任意の適切な滑沢剤であり得る。好ましい滑沢剤には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、硬化植物油(例えば、Sterotex(登録商標)、Lubritab(登録商標)およびCutina(登録商標))、鉱油、ポリエチレングリコール4000-6000、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、グリセリルパルミトステアレート(例えば、Precirol(登録商標))、ベヘン酸グリセリル(Compitrol(登録商標)888)、安息香酸ナトリウムまたはフマル酸ステアリン酸ナトリウムが含まれるが、これらに限定されない。特に好ましい滑沢剤はステアリン酸マグネシウムである。
圧縮ブレンドの圧縮は、当技術分野で知られている任意の適切な打錠機を使用して実施可能である。適切な打錠機の例は、回転式打錠機(例えば、Fette P1200打錠機)である。打錠機の正確な操作パラメータは、使用する機械によって異なる。
好ましくは、圧縮工程中の圧縮速度は、毎時約1,000錠以上毎時約60,000錠以下、好ましくは毎時約10,000錠以上毎時約50,000錠以下、より好ましくは毎時約15,000錠以上毎時約40,000錠以下、より好ましくは毎時約25,000錠以上毎時約35,000錠以下、例えば、毎時約30,000錠である。毎時約30,000錠を超える圧縮速度は、通常、コアの品質に悪影響を及ぼす。
打錠圧(compression force)は、圧縮ブレンドの圧縮率および錠剤コアの所望の物理的特性に依存する。本発明の方法において使用するための典型的な打錠圧は、約25以上約35kN以下の範囲、例えば、約29kNである。
顆粒は、少なくとも約450g/L以上約750g/L以下、好ましくは約540g/L以上約700g/L以下のかさ密度を有することが好ましい。かさ密度は、メスシリンダー中で乾燥した顆粒100gを計量し、ヨーロッパ薬局方(Ph.Eur.2.9.34)に従って体積を記録することにより、測定された。
圧縮ブレンドは、少なくとも約500g/L以上約800g/L以下、好ましくは約600g/L以上約750g/L以下のかさ密度を有することが好ましい。好ましくは、圧縮ブレンドは、約0.5%以上約1.4%以下、より好ましくは約0.7%以上約1.0%以下、最も好ましくは約0.7%以上約0.8%以下の範囲の水分含有量(LOD)を有する。
本発明の第2の態様によれば、経口投与用の放出調節製剤のためのコーティング可能なコアであって、
前記コーティング可能なコアの総重量を基準として、少なくとも70重量%の高薬物量を有するとともに、以下の成分:
約1200mgより多い量の薬物;
前記コーティング可能なコアの総重量を基準として、約0.5重量%未満の量の薬理学的に許容可能な滑沢剤;
前記コーティング可能なコアの総重量を基準として、約0.5重量%以上約5重量%以下の量の薬理学的に許容可能な崩壊剤;および
場合により1種または2種以上の追加の薬理学的に許容可能な賦形剤
を含んでなる、前記コーティング可能なコアが提供される。
本発明の第3の態様によれば、対象の腸に薬物を送達するための経口投与用の遅延放出製剤であって、
前記遅延放出製剤は、コアと、前記コアのためのコーティングとを備え、
前記コアは、コーティング可能な前記コアの総重量を基準として、少なくとも70重量%の高薬物量を有するとともに、以下の成分:
約1200mgより多い量の薬物;
コーティング可能な前記コアの総重量を基準として、約0.5重量%未満の量の薬理学的に許容可能な滑沢剤;
コーティング可能な前記コアの総重量を基準として、約0.5重量%以上約5重量%以下の量の薬理学的に許容可能な崩壊剤;および
場合により1種または2種以上の追加の薬理学的に許容可能な賦形剤
を含んでなり、
前記コーティングは、外層と、場合により、仕切り層(isolation layer)および内層からなる群から選択される、前記コアおよび前記外層の間に位置する少なくとも1つの層とを備え、
前記外層は、約pH5以上のpH閾値を有するフィルム形成性腸溶性ポリマーと、場合により結腸の酵素によって分解される酵素分解性ポリマーとを含んでなり、
前記内層は、腸液または胃腸液に可溶性であるポリマー材料を含んでなり、
前記ポリマー材料は、少なくとも部分的に中和されているポリカルボン酸ポリマーと、非イオン性ポリマーとからなる群から選択され、ただし、前記ポリマー材料が非イオン性ポリマーである場合には、前記内層は、緩衝剤および塩基から選択される少なくとも1種の添加剤を含んでなり、
前記仕切り層は、腸液または胃腸液に可溶性である非イオン性ポリマーを含んでなる、前記遅延放出製剤が提供される。
本発明の第4の態様によれば、第1の態様に従って結腸に薬物を送達するための経口投与用の遅延放出製剤を製造する方法であって、前記方法は、以下の工程:
本発明の第1の態様の方法に従って薬物を含んでなるコアを形成させる工程;
仕切り層コーティング調製物および内層コーティング調製物からなる群から選択される少なくとも1種のコーティング調製物を使用して前記コアをコーティングして、中間コーティングされたコアを形成させる工程であって、前記仕切り層コーティング調製物は、溶媒系において腸液または胃腸液に可溶性である非イオン性ポリマーを含んでなり、前記内層コーティング調製物は、溶媒系において腸液または胃腸液に可溶性であるポリマー材料を含んでなる工程;
前記中間コーティングされたコアを外層コーティング調製物によりコーティングし、外層でコーティングされたコアを形成させる工程であって、前記外層コーティング調製物は、約pH5以上のpH閾値を有するフィルム形成性腸溶性ポリマーおよび場合により溶媒系において結腸の細菌酵素によって分解される酵素分解性ポリマーを含んでなる工程
を含んでなり、
腸液または胃腸液に可溶性である前記ポリマー材料は、少なくとも部分的に中和されているポリカルボン酸ポリマーと、非イオン性ポリマーとからなる群から選択され、ただし、前記ポリマー材料が非イオン性ポリマーである場合には、前記内層は、緩衝剤および塩基から選択される少なくとも1種の添加剤を含んでなる、前記方法が提供される。
上記仕切り層コーティング調製物または上記内層コーティング調製物のいずれかを使用して、コアを直接コーティングして、上記中間コーティングされたコアを形成させることができる。あるいは、上記仕切り層コーティング調製物を使用してコアを直接コーティングして、仕切り層でコーティングされたコアを形成し、次いで、上記内層コーティング調製物を使用して直接コーティングして、上記中間コーティングされたコアを形成させることができる。
内層の第3のポリマー材料が非イオン性ポリマーである、仕切り層および内層の両方を有する別の実施形態では、異なる非イオン性ポリマーを使用することができる。しかしながら、これらの実施形態において、仕切り層の非イオン性ポリマーと同じ非イオン性ポリマーが第3のポリマー材料に使用されることが好ましい場合がある。
内層コーティング調製物の溶媒系は、好ましくは水性である。
外層コーティング調製物がフィルム形成性腸溶性ポリマーおよび酵素分解性ポリマーの両方を含んでなる実施形態において、外層コーティング調製物は、好ましくは、水性媒体(または溶媒)中の上記酵素分解性ポリマーを有機媒体(または溶媒)中の上記フィルム形成性腸溶性ポリマーと組み合わせることによって形成される。
有機媒体は、C~Cアルコール、メチルグリコール、ブチルグリコール、アセトン、酢酸メチルグリコールおよびそれらの混合物からなる群から選択され得る。しかしながら、有機媒体は好ましくはエタノールを含む。好ましい実施形態において、有機媒体は、85%以上98%以下のエタノール、例えば、約96%のエタノールである。
有機媒体は、約2%以上約10%以下、例えば約6%のポリマー固形分を含んでもよい。
水性媒体は、水、C~Cアルコールおよびそれらの混合物からなる群から選択され得る。しかしながら、水性媒体は、好ましくは、水と、C~Cアルコール、好ましくはブタン-1-オールとの混合物である。そのような混合物における水のアルコールに対する比は、少なくとも5:1、好ましくは約11:1である。
本発明による製剤からの放出は、典型的には、少なくとも回腸末端部、好ましくは結腸まで遅延される。特定の製剤からの放出は持続する可能性もある。しかしながら、好ましい製剤において、放出はパルス放出である。
薬物放出に適した条件への最初の曝露から薬物放出の開始までの時間は「遅延時間」として知られている。遅延時間は、様々な要因、例えば、コーティングの厚みおよび組成に依存し、患者ごとに変動し得る。本発明による製剤は、通常、結腸条件において少なくとも10分の遅延時間を示す。ほとんどの実施形態において、遅延時間は、約10分~約8時間である。特定の場合において、薬物の完全な放出は、これらの条件に曝露後5時間以内、例えば、4時間以内に達成され得る。
製剤は通常、2時間後に酸性媒体における薬物放出が10重量%未満である場合に、胃抵抗性と定義される。本発明による製剤は、通常は、酸性媒体において10重量%よりきわめて少ない薬物放出を示し、胃抵抗性であると見なされ得る。製剤は通常、酸性媒体において1重量%未満の薬物放出を示し、通常、酸性媒体において実質的に薬物放出を示さない。デンプンをアクリレートフィルム形成性材料と組み合わせてコアのコーティングの外層を形成させる場合、胃および小腸の模擬条件において、通常、5時間で5%未満の薬物放出が起こる。
コーティング可能なコア
コーティング可能なコア(「コア」)は、圧縮によって形成され、コーティングを適用可能な固体である。好ましい実施形態において、コーティング可能なコアは錠剤である。
コアは、コーティングされていなくてもよく、あるいは、仕切り層により、および/または外層コーティングが直接形成される内層により事前にコーティングされていてもよい。仕切り層および内層は、以下で詳しく記載される。
コアは少なくとも1種の薬物を含んでなる。本発明の実施形態によるコアは、広範囲の薬物を投与するための製剤に使用されるように設計されている。コアは通常、唯一の治療有効成分として単一の薬物を含んでなる。しかしながら、2種以上の薬物が単一のコーティング可能なコアにおいて投与され得る。
好適な薬物として、既知の遅延放出経口製剤を使用する腸内投与用に知られている薬物がある。本発明は、局所的または全身的効果を有する薬物を投与するために使用され得る。
コア中の薬物の種類(identity)は、治療される状態に明確に依存する。これに関連して、この製剤は、IBD(クローン病および潰瘍性大腸炎を含む)、IBS、便秘、下痢、感染症および癌腫(特に結腸癌または結腸直腸癌)の治療に特に適用される。
本発明は、少なくとも1つの酸性基(例えば、カルボン酸基)を含む薬物の腸内投与において特に適用される。そのような薬物は、酸性薬物または双性イオン性薬物であり得る。そのような薬物の例は、5-アミノサリチル酸(「5-ASA」またはメサラジン)である。
IBDの治療または予防のために、コアは、抗炎症剤(例えば、5-ASA)、ステロイド(例えば、プレドニゾロン、ブデソニドまたはフルチカゾン)、免疫抑制剤(例えば、アザチオプリン、シクロスポリン、およびメトトレキサート)、抗生物質ならびに生物製剤(例えば、ペプチド、タンパク質および抗体フラグメント)からなる群から選択される少なくとも1種の薬物を含んでなり得る。生物製剤の好適な例には、アルカリホスファターゼならびに抗TNF抗体(例えば、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブペゴル、ゴリムマブおよびウステキヌマブ)が含まれる。
癌の治療または予防のために、コアは少なくとも1種の抗腫瘍剤を含んでなり得る。好適な抗腫瘍剤には、フルオロウラシル、メトトレキサート、ダクチノマイシン、ブレオマイシン、エトポシド、タキソール、ビンクリスチン、ドキソルビシン、シスプラチン、ダウノルビシン、VP-16、ラルチトレキセド、オキサリプラチンならびにその薬理学的に許容可能な誘導体および塩が含まれる。結腸癌または結腸直腸癌、主に大腸炎を患っている患者における結腸癌または結腸直腸癌の予防のために、製剤は、抗炎症剤である5-ASA、スリンダク、セレコキシブおよび/またはエフロルニチン(DFMO)を含んでなり得る。
IBS、便秘、下痢または感染症の治療または予防のために、コアはこれらの状態の治療または予防に適した少なくとも1種の有効成分を含んでなり得る。
薬物の薬理学的に許容可能な誘導体および/または塩もまた、コーティング可能なコアに使用され得る。プレドニゾロンの好適な塩の例は、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウムである。さらなる例は、プロピオン酸フルチカゾンである。
本発明は、IBD(特に潰瘍性大腸炎)の治療または結腸癌もしくは結腸直腸癌(主に大腸炎患者)の予防において特に適用され、両方に5-ASAを使用する。また、結腸を介した全身循環への薬物の入る入口としても適用される。これは、上部消化管で不安定なペプチドおよびタンパク質の薬物にとって特に有利である。本発明はまた、時間療法(chronotherapy)の目的のために利用され得る。
コアは、コーティング可能なコアの総重量を基準として、少なくとも約70重量%の高薬物量を有する。好ましくは、コアは、約75重量%以上約95重量%以下、または約80重量%以上約95重量%以下、例えば約85重量%以上約90重量%以下の薬物量を有する。
本発明の第1の態様による方法は、任意のサイズのコアを製造するために使用され得、例えば、薬物は、コア中に約350mg以上約1650mg以下、または約450mg以上約1650mg以下、または約750mg以上約1650mg以下、または約1150mg以上約1650mg以下、または約1450mg以上約1650mg以下、または約1550mg以上約1650mg以下の量で存在することができる。好ましくは、薬物は、約400mg、約800mg、約1200mg、約1500mgまたは約1600mgから選択されるコア量で存在する。本発明の第1の態様の方法が、約1200mgを超える薬物を含んでなるコアを製造するために使用される場合、特に利点が存在する。
本発明の第2および第3の態様に関する実施形態において、薬物は、約1200mgを超える量でコア中に存在する。薬物は、約1250mg以上約1650mg以下、または約1450mg以上約1650mg以下、または約1550mg以上約1650mg以下、または約1600mgの量でコア中に存在することが好ましい。
コアは、コーティング可能なコアの総重量を基準として、約0.5重量%以上約5重量%以下の量の崩壊剤をさらに含んでなる。好ましくは、崩壊剤は、コーティング可能なコアの総重量を基準として、約0.5重量%以上約3重量%以下の量で存在する。崩壊剤は、当業者によって知られている任意の適切な崩壊剤、例えば、クロスカルメロースナトリウム(例えば、Ac-Di-Sol(登録商標))およびデンプングリコール酸ナトリウム(例えば、Explotab(登録商標)およびVivastar(登録商標)P)であり得る。特に好ましい崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウムである。
本発明の第2および第3の態様に関する実施形態において、コアは、コーティング可能なコアの総重量を基準として、約0.5重量%未満の量の薬学的に許容可能な滑沢剤をさらに含む。好ましくは、滑沢剤は、コーティング可能なコアの総重量を基準として、約0.25重量%以下、より好ましくは約0.1重量%以下、最も好ましくは約0.05重量%以下の量で存在する。好ましい滑沢剤は上記のとおりである。
コアは、上で詳述したように、1種または2種以上の追加の薬理学的に許容可能な賦形剤をさらに含み得る。これに関連して、コアは通常、薬物と、充填剤もしくは希釈剤材料、例えば、乳糖もしくはセルロース材料(微結晶性セルロース);結合剤、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)もしくは微結晶性セルロース;崩壊剤、例えばクロスカルメロースナトリウムもしくはデンプングリコール酸ナトリウム;流量調整剤、例えばコロイド状二酸化ケイ素;および/または滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウムとの混合物からなる。
コアは、0%以上約0.5%未満、好ましくは0%以上約0.25%未満、より好ましくは約0%以上約0.2%未満、最も好ましくは0%以上約0.1%未満の摩損度を有することが好ましい。摩損度は、錠剤または錠剤コアが圧縮後に欠けたり、砕けたり、割れたりする傾向として定義される。摩損度は、摩損度試験装置を使用して欧州薬局方(Ph.Eur.2.9.7)に従って測定される。
コアは、欧州薬局方(Ph.Eur.2.9.1)に従って測定される、水中における約10分未満、好ましくは約5分未満の崩壊時間を有する。
好ましくは、コアは、約200N以上約330N以下、より好ましくは約230N以上約300N以下、最も好ましくは約250N以上約280N以下の範囲の硬度を有する。錠剤コア硬度は、欧州薬局方(Ph.Eur.2.9.1)に従って錠剤硬度試験機を使用して測定される。
コアは、好ましくは、約8.5mm以上約9.2mm以下の高さ(厚み)を有する。コア(錠剤)の厚みは、通常、電子ノギスを使用して測定される。
酵素分解性ポリマー(第1のポリマー材料)
酵素分解性ポリマーは、対象の結腸に見られる1種または2種以上の細菌酵素(結腸の細菌酵素)によって分解される。このような酵素は、結腸の細菌によって産生され、アミラーゼ、例えば、α-アミラーゼ、β-アミラーゼおよびイソ-アミラーゼ;アミロプルルナーゼ、グルコアミラーゼ、α-グルコシダーゼ、マルトジェニック-アミラーゼ、グリコシルトランスフェラーゼおよびアミロマルターゼを含む。
当業者は、共通の一般知識の一部を包含する技術を使用して、材料が結腸の細菌による分解を受けやすいか否かを決定することができる。例えば、所定の量の所与の材料を、結腸に見られる細菌からの酵素を含むアッセイにさらすことができ、経時的な材料の重量変化を測定することができる。
酵素分解性ポリマーは、好ましくは多糖類である。好適な多糖類は、デンプン、アミロース、アミロペクチン、キトサン、コンドロイチン硫酸、シクロデキストリン、デキストラン、プルラン、カラギーナン、スクレログルカン、キチン、カードラン、レバンおよびヘミセルロース(例えば、キシラン、グルクロノキシラン、アラビノキシラン、グルコマンナン、キシログルカン)を含むが、これらに限定されない。多糖類は、好ましくはデンプンである。デンプンは通常、天然物、例えば、穀物、豆類および塊茎から抽出される。本発明における使用に適したデンプンは、通常、食品グレードのデンプンであり、米デンプン、小麦デンプン、コーン(またはトウモロコシ)デンプン、エンドウ豆デンプン、ジャガイモデンプン、サツマイモデンプン、タピオカデンプン、ソルガムデンプン、サゴデンプンおよびクズウコンデンプンを含む。トウモロコシデンプンの使用を以下に例示する。
デンプンは通常、2種の異なる多糖類、すなわちアミロースおよびアミロペクチンの混合物である。異なるデンプンは、これら2種の多糖類を異なる比率で有しているといえる。ほとんどの天然(未修飾)トウモロコシデンプンは、約20重量%以上約30重量%以下のアミロースを有し、残りは少なくとも実質的にアミロペクチンで構成されている。
好適なデンプンには、「高アミロース」および「低アミロース」デンプンがある。高アミロースデンプンが特に好ましい。
「高アミロース」デンプンは、少なくとも50重量%のアミロースを有するデンプンである。特に好適なデンプンは、約50重量%以上約75重量%以下、好ましくは約50重量%以上約70重量%以下、より好ましくは約50重量%以上約65重量%以下、最も好ましくは約50重量%以上約60重量%以下、例えば約55重量%のアミロースを有する。
「低アミロース」デンプンは、50重量%未満のアミロースおよび少なくとも50重量%のアミロペクチン、例えば、最大75重量%のアミロペクチン、さらには最大99重量%のアミロペクチンを有するデンプンである。
本発明における使用に好適なデンプンは通常は、少なくとも0.1重量%、例えば、少なくとも10重量%または15重量%、好ましくは少なくとも35重量%のアミロースを有する。そのようなデンプンは、99.9重量%以下、例えば、90重量%または85重量%以下、好ましくは65重量%以下のアミロペクチンを有する。そのようなデンプンは、最大約99重量%のアミロースおよび1重量%以上のアミロペクチンを有し得る。
本発明における使用に好適なデンプンは、最大100%のアミロペクチン、より一般的には約0.1重量%以上約99.9重量%以下のアミロペクチンを有し得る。デンプンは、例えば、未修飾のワキシーコーンデンプンであり得る。これは通常、約100%のアミロペクチンを含んでなる。
好ましいデンプンは、50重量%以下のアミロペクチンを有する。特に好適なデンプンは、約25重量%以上約35重量%以下のアミロペクチン、例えば約30重量%のアミロペクチンを有する。
当業者は、任意の所与のデンプン中のアミロースおよびアミロペクチンの相対的比率を決定することができる。例えば、近赤外(NIR)分光法を使用して、実験室で生成されたこれら2種の成分の既知量の混合物を使用したNIRによって得られた検量線を使用して、デンプンのアミロースおよびアミロペクチンの含有量を決定することができる。さらに、デンプンは、アミログルコシダーゼを使用してグルコースに加水分解することができる。酵素によって触媒される一連のリン酸化および酸化反応により、還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)が形成される。形成されるNADPHの量は、元のグルコース含有量の定比である。この手順に好適なテストキットが利用可能である(例えば、R-Biopharm GmbH、ドイツ)。使用可能な別の方法は、コーティングを細菌酵素、例えばα-アミラーゼによる消化に供して、キャピラリーカラムを使用した気液クロマトグラフィーによって定量することができる短鎖脂肪酸(SCFA)を生成することを含む。
好ましいデンプンは、「市販の」デンプン、すなわち、本発明の文脈において使用する前に処理を必要としないデンプンである。特に好適な「高アミロース」デンプンの例としては、Eurylon(登録商標)6(またはVI)およびAmyloN-400デンプン(Roquette、Lestrem、フランス)またはアミロジェル03003(Cargill、Minneapolis、米国)が挙げられ、これらすべては約50重量%以上約70重量%以下のアミロースを有するトウモロコシデンプンである。
好ましい実施形態では、2種の適切なポリマーの適切な比率の混合物が、コアへのフィルムコーティングとして適用され、胃および小腸における薬物放出を少なくとも最小限に抑え、実質的に排除することができることが見出された。結腸におけるその後の薬物放出は、能動的な生理学的トリガーの組み合わせによって、すなわち、第2の材料、特にオイドラギット(登録商標)の溶解、および第1の材料、例えば、デンプンまたはアミロースの消化によって起こると考えられている。
フィルム形成性腸溶性ポリマー(第2のポリマー材料)
フィルム形成性腸溶性ポリマーは、pH感受性であり、約pH5以上のpH閾値を有する。「pH閾値」は、そのpH未満では不溶性であり、そのpH以上では可溶性であるpHである。したがって、周囲媒体のpHがポリマー材料の溶解を引き起こす。したがって、pH閾値未満において溶解する腸溶性ポリマーはない(または実質的にない)。周囲媒体のpHがpH閾値に達する(または超える)と、第2の材料は可溶性になる。
「不溶性」は、第2の材料1gが所与のpHにおいて溶解するために10,000mLより多い溶媒(周囲媒体)を必要とすることを意味する。
「可溶性」は、第2の材料1gが所与のpHにおいて溶解するために10,000mL未満、好ましくは5000mL未満、より好ましくは1000mL未満、さらにより好ましくは100mL未満または10mL未満の溶媒を必要とすることを意味する。
「周囲媒体」は、好ましくは、胃腸管内の媒体、例えば、胃液または腸液を意味する。あるいは、周囲媒体は、胃腸管内の媒体のin vitro同等物であってもよい。
胃液の正常なpHは、通常、1~3の範囲である。腸溶性ポリマーは、pH5未満において不溶性であり、約pH5以上において可溶性であるため、通常、胃液には不溶性である。このような材料は、胃抵抗性材料と呼ばれることがある。
腸溶性ポリマーは、pH5以上、例えば、約pH5.5以上、好ましくは約pH6以上、より好ましくは約pH6以上のpH閾値を有する。腸溶性ポリマーは、典型的には、約pH8以下、例えば、約pH7.5以下、好ましくは約pH7.2以下のpH閾値を有する。好ましくは、第2のポリマー材料は、腸液に見られるpH範囲内のpH閾値を有する。
腸液のpHは人によって異なる場合があるが、健康な人では一般に十二指腸において約pH5~6、空腸において約6~8、回腸において約7~8および結腸において約6~8である。第2のポリマー材料は、好ましくは、約6.5のpH閾値を有し(すなわち、pH6.5未満で不溶性であり、約pH6.5以上で可溶性である)、より好ましくは、約7のpH閾値を有する(すなわち、pH7未満で不溶性であり、約pH7以上で可溶性である)。
材料が可溶性になるpH閾値は、当業者に共通の一般知識の一部である単純な滴定技術によって決定可能である。
好適なフィルム形成性腸溶性ポリマーの例には、アクリレートポリマー、セルロースポリマーまたはポリビニル系ポリマーが含まれる。好適なセルロースポリマーの例には、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、酢酸トリメリテートセルロース(CAT)、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCP)およびヒドロプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートが含まれる。好適なポリビニル系ポリマーの例には、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)が含まれる。
フィルム形成性腸溶性ポリマーは、好ましくは、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸C1-4アルキルエステルのコポリマー、例えば、メタクリル酸およびメタクリル酸メチルエステルのコポリマーである。このようなポリマーは、ポリ(メタクリル酸/メタクリル酸メチル)コポリマーとして知られている。そのようなコポリマーの好適な例として、通常、アニオン性であり、徐放性ではないポリメタクリレートがある。これらのコポリマー中のメチルエステル基に対するカルボン酸基の比(「酸:エステル比」)によって、コポリマーが可溶性であるpHが決定される。酸:エステル比は、約2:1~約1:3、例えば約1:1、または好ましくは約1:2であり得る。好ましいアニオン性コポリマーの分子量(MW)は、通常、約120,000以上約150,000以下、好ましくは約135,000である。
好ましいアニオン性ポリ(メタクリル酸/メタクリル酸メチル)コポリマーには、オイドラギット(登録商標)L(酸:エステル比 約1:1;MW 約135,000;pH閾値 約6)、オイドラギット(登録商標)S(酸:エステル比 約1:2;MW 約135,000;pH閾値 約7)およびオイドラギット(登録商標)FS(ポリ(アクリル酸メチル/メタクリル酸メチル/メタクリル酸);酸:エステル比 約1:10;MW 約220,000;pH閾値 約7)が含まれる。
フィルム形成性腸溶性ポリマーは、メタクリル酸およびアクリル酸エチルのコポリマーであり得る。例えば、オイドラギット(登録商標)L100-55ポリ(メタクリル酸/アクリル酸エチル);酸:エステル比 約1:1;MW 約250,000;pH閾値 約6である。オイドラギット(登録商標)コポリマーはEvonik(Darmstadt、ドイツ)によって製造および/または販売されている。
フィルム形成性腸溶性ポリマーの混合物を必要に応じて使用することができる。好適な混合物の例には、オイドラギット(登録商標)Lおよびオイドラギット(登録商標)Sの混合物、例えば1:1混合物が含まれる。しかしながら、特定のフィルム形成性ポリマー材料、例えば、ポリ(メタクリル酸/メタクリル酸メチル)コポリマー単独の使用が好ましい。
フィルム形成性腸溶性ポリマーとしてオイドラギット(登録商標)S単独の使用が特に好ましい。
外層
フィルム形成性腸溶性ポリマーに対する酵素分解性ポリマーの比率は、典型的には少なくとも1:99、例えば少なくとも10:90、好ましくは少なくとも25:75である。比率は通常、99:1以下、例えば、75:25以下、好ましくは60:40以下である。いくつかの実施形態において、比率は、35:65以下であってもよい。いくつかの好ましい実施形態において、比率は10:90~75:25、例えば10:90~60:40、好ましくは25:75~60:40である。いくつかの特に好ましい実施形態において、比率は15:85~35:65、例えば25:75~35:65、好ましくは約30:70である。その他の特に好ましい実施形態において、比率は40:60~約60:40、例えば約50:50である。
場合により、従来の賦形剤、例えば、フィルム形成用の可塑剤(例えば、クエン酸トリエチル)、粘着防止剤(例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはGMS)および界面活性剤(例えば、ポリソルベート80)から選択される可塑剤が、外層コーティング調製物の最終組成物の30重量%以下の量で含まれ得る。
コアの外層コーティングの厚みは通常、約10μm以上約150μm以下である。しかしながら、具体的なコーティングの厚みは、コーティングの組成およびコアのサイズに依存する。例えば、コーティングの厚みは、コーティング中の多糖類の量に正比例する。したがって、コーティングが約30:70~60:40の間の比率で高アミロースデンプンおよびオイドラギット(登録商標)Sを含んでなる実施形態において、コーティングの厚みは、約70μm以上約130μm以下、好ましくは約90μm以上約110μm以下であり得る。
外層コーティングにおける腸溶性ポリマーの量は、コアのサイズとは関連しない。外層は通常、腸溶性ポリマーの乾燥重量を基準として、約2mg/cm以上約10mg/cm以下、例えば約2mg/cm以上約8mg/cm以下、または約3mg/cm以上約8mg/cm以下、または約4mg/cm以上約8mg/cm以下、または約6mg/cm以上約8mg/cm以下、または約7mg/cm以上約8mg/cm以下、例えば約7.5mg/cmの腸溶性ポリマーのコーティング量を有する。典型的なコアの直径は約5×10-4m以上約25mm以下である。
内層
本発明による製剤は、場合により、コアと外層との間に内層を備える。内層は、腸液または胃腸液(胃液および腸液の両方)に可溶性である第3のポリマー材料を含んでなる。
「胃液」とは、本発明者らは、哺乳動物、特にヒトの胃内の水性液体であるとする。この液体には、最大約0.1Nの塩酸と、かなりの量の塩化カリウムおよび塩化ナトリウムとが含まれており、この液体は、消化酵素を活性化し、摂取したタンパク質を変性させることにより、消化に重要な役割を果たす。胃酸は胃の内側を覆う細胞によって生成され、その他の細胞は重炭酸塩を生成する。重炭酸塩は、胃液が過剰に酸性になるのを防止するための緩衝剤として機能する。
「腸液」とは、本発明者らは、哺乳動物、特にヒトの腸の内腔内の液体であるとする。腸液は、腸壁の内側を覆う腺から分泌される淡黄色の水性液体である。腸液には、小腸において見られる液体、すなわち十二指腸において見られる液体(または「十二指腸液」)、空腸において見られる液体(または「空腸液」)および回腸において見られる液体(または「回腸液」)、ならびに大腸において見られる液体、例えば「結腸液」が含まれる。
当業者は、ポリマーが胃液および/または腸液に可溶性であるか否かを容易に判断することができる。ポリマーが1~3のpHにおいて水(または水溶液、例えば緩衝液)に可溶性である場合、そのポリマーは通常、胃液に可溶性である。同様に、ポリマーが5~8のpHにおいて水(または水溶液、例えば緩衝液)に可溶性である場合、そのポリマーは通常、腸液に可溶性である。あるいは、胃液および腸液の組成は既知であり、in vitroにおいて再現することができる。ポリマーがin vitroにおいて人工の胃液または腸液に可溶性である場合、それは通常、in vivoにおいてそれぞれ胃液または腸液に可溶性である。
薬理学的に許容可能な任意の水溶性フィルム形成性ポリマーは、原則として、第3のポリマー材料としての使用に適している。水溶性ポリマーの溶解度は、pHに依存し得る。すなわち、ポリマー材料は、pH閾値を有するpH感受性ポリマーであり得る。
ポリマー材料は、胃液、十二指腸液、空腸液および回腸液から選択される少なくとも1種の液体に可溶性であり得る。しかしながら、好ましい実施形態において、第3のポリマー材料の水への溶解度は、pHに依存せず、少なくとも腸において見られるpHの範囲内ではpHに依存しない。好ましい実施形態において、第3のポリマー材料は、胃および腸の任意の地点における液体に、すなわち、胃腸液に可溶性である。
第3のポリマー材料として使用するのに好適なポリマーは、好ましくは、水性媒体中でイオン化してアニオンを形成することができる基を含む。そのようなポリマーは、当技術分野では「アニオン性」ポリマーとして知られている。好適なアニオン性ポリマーには、ポリカルボン酸ポリマー、すなわち、水性媒体、例えば、腸液においてイオン化してカルボン酸アニオンを形成する複数のカルボン酸官能基を含むポリマーまたはコポリマーが含まれる。
第3のポリマー材料がポリカルボン酸ポリマーである実施形態において、第3のポリマー材料は、少なくとも部分的に中和されている(すなわち、カルボン酸基の少なくとも一部、例えば少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも90%は、カルボン酸アニオンの形態である)ことが好ましい。特に好ましい実施形態において、第3のポリマー材料中のすべてのカルボン酸基は、カルボン酸アニオンの形態である。このようなポリマーは、本明細書において「完全に中和された」と呼ばれる。
好ましい実施形態において、第2および第3のポリマー材料は、同一のポリカルボン酸ポリマーに基づいており、第3のポリマー材料は、第2のポリマー材料よりも高い中和度を有する。例えば、特定のポリカルボン酸ポリマーの場合、第2のポリマー材料は非中和形態であり得、第3のポリマー材料は部分的または完全に中和された形態であり得る。あるいは、第2のポリマー材料は、部分的に中和された形態であり得、第3のポリマー材料もまた、部分的に中和された形態(ただし、より高度に部分的に中和された形態であるが)または完全に中和された形態であり得る。
適切なポリカルボン酸ポリマーの例には、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、酢酸フタル酸ポリビニル(PVAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタル酸(HPMCP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース酢酸コハク酸塩(HPMC-AS)、酢酸トリメリテートセルロース(CAT)、キサンタンガム、アルギン酸塩およびシェラック(shellac)が含まれる。しかしながら、ポリカルボン酸ポリマーは、好ましくは、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸アルキル(例えば、C1-4アルキル、エステル)のコポリマーから選択される。メタクリル酸およびメタクリル酸メチルエステルのコポリマーが特に適している。このようなポリマーは、ポリ(メタクリル酸/メタクリル酸メチル)コポリマーまたは「ポリメタクリレート」として知られている。これらのコポリマー中のメチルエステル基に対するカルボン酸基の比(「酸:エステル比」)は、コポリマーが可溶性であるpHを決定する。酸:エステル比は、約2:1~約1:3、例えば約1:1、または好ましくは約1:2であり得る。好ましいアニオン性コポリマーの分子量(「MW」)は、通常、約120,000以上約150,000以下、好ましくは約125,000または約135,000である。
第3のポリマー材料に好ましいコポリマーは、第2のポリマー材料に関連する上記のセクションで詳細に記載されており、オイドラギット(登録商標)L、オイドラギット(登録商標)S、オイドラギット(登録商標)FS30D、オイドラギット(登録商標)L30D-55およびオイドラギット(登録商標)L100-55が含まれる。
好ましくは、例示的なポリマーは、第3のポリマー材料が少なくとも部分的に、より好ましくは完全に中和された形態であるように使用される。
第3のポリマー材料としての使用に適した部分的に中和されたポリマー、およびそれらの製造方法は、当技術分野において、例えば、US2008/0200482AおよびW02008/135090Aから知られている。これらのポリマーは、コーティング溶液にさらに塩基を添加することによって完全に中和可能である。
好ましい実施形態において、第3のポリマー材料は、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸C1-4アルキルエステルの少なくとも部分的に、好ましくは完全に中和されたコポリマーである。特に好ましい実施形態において、第3のポリマー材料は、完全に中和された(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸メチルエステルのコポリマー、特にオイドラギット(登録商標)Sである。
本発明者らは、完全に中和されたオイドラギット(登録商標)Sは、フィルムを形成することができ、少なくとも腸に見られるpHの範囲(例えば、約pH5以上約pH8以下)とは無関係に、容易かつ完全に水に溶解することを観察した。完全に中和されたオイドラギット(登録商標)Sは、本発明の第3のポリマー材料としての使用に特に好ましい。
第3のポリマー材料としての使用に適したその他のポリマーには、薬理学的に許容可能な非イオン性ポリマー、すなわち、水性媒体中でイオン化しない薬理学的に許容可能なポリマーが含まれる。これらの実施形態において、内層は、緩衝剤および塩基から選択される少なくとも1種の添加剤をさらに含んでなる。特に、これらの実施形態の内層は、塩基および、場合により緩衝剤を好ましくは含んでなる。好ましい実施形態において、内層は、緩衝剤および塩基の両方を含んでなる。緩衝剤および塩基の適切な例を以下に説明する。
好適な非イオン性ポリマーの例には、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリ(エチレンオキシド)グラフトポリビニルアルコール、ポリビニルピロリジノン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)およびポリビニルアルコール(PVA)が含まれる。非イオン性ポリマーの混合物を使用してもよい。
フィルム形成性ポリマー材料の混合物を必要に応じて使用することができる。そのような混合物中のポリマー成分は、アニオン性ポリマー、非イオン性ポリマー、またはアニオン性ポリマーおよび非イオン性ポリマーの混合物であり得る。適切な混合物の例には、オイドラギット(登録商標)Lおよびオイドラギット(登録商標)Sの混合物(例えば、1:1混合物)ならびにオイドラギット(登録商標)SおよびHPMCの混合物(例えば、1:1混合物)が含まれる。しかしながら、特定のフィルム形成性ポリマー材料単独、例えば、ポリ(メタクリル酸/メタクリル酸メチル)コポリマー、特にオイドラギット(登録商標)Sの使用が好ましい。
好ましい実施形態において、内層は少なくとも1種の塩基を含んでなる。塩基の目的は、腸液が外層に浸透し始めた時点で、外層の下側にアルカリ性環境を提供することである。特定の理論に束縛されるものではないが、本発明者らは、アルカリ性環境のpHが第2のポリマー材料のpH閾値より高いため、アルカリ性環境が外層の溶解と、それによる崩壊とを促進し、それにより、一度外層コーティングが溶解および/または崩壊すると、製剤からの薬物の放出が加速されると考える。
原則として、薬理学的に許容可能な任意の塩基を使用することができる。塩基は通常、非ポリマー化合物である。好適な塩基には、無機塩基、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化アンモニウム、ならびに有機塩基、例えば、トリエタノールアミン、重曹、炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、クエン酸三ナトリウムまたは生理学的に許容可能なアミン(例えば、トリエチルアミン)が含まれる。
塩基は、好ましくは、水酸化物塩基、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属クエン酸塩または生理学的に許容可能なアミンからなる群から選択される。より好ましくは、塩基は水酸化物塩基であり、特に好ましくは水酸化ナトリウムである。
第3のポリマー材料が完全に中和されたポリカルボン酸ポリマーである実施形態において、内層内に閉じ込められる塩基は、通常、ポリマーを中和し、内層コーティング調製物のpHを約pH7.5以上約pH10以下に調整するために使用された塩基である(下記参照)。
第3のポリマー材料が非イオン性ポリマーである実施形態において、内層は通常、塩基またはより典型的には塩基および緩衝剤の組み合わせのいずれかを含んでなる。
内層に存在する塩基の量は、所与のバッチのコアをコーティングする前の内層コーティング調製物の最終pH、そのバッチにおいてコーティング対象のコアの数、およびバッチのコーティングプロセスにおいて使用される内層コーティング調製物の量に少なくとも部分的に依存する。
内層コーティングは、好ましくは少なくとも1種の緩衝剤を含んでなる。緩衝剤の目的は、腸液が外層に浸透し始めた時点で、外層の下側に緩衝容量を提供することまたは増加させることである。特定の理論に拘束されることを望まないが、本発明者らは、緩衝剤が、溶解する内層における緩衝容量を増加させ、外層におけるポリマーのイオン化および溶解を助けると考える。所与のpHでは、緩衝容量が大きいほど、ポリマーの溶解速度が速くなる。内層に塩基が存在する実施形態では、腸液が外層に浸透すると、緩衝剤は外層の下側にアルカリ性環境を維持するのに役立つ。
緩衝剤は、有機酸、例えば、薬理学的に許容可能な非ポリマーカルボン酸、例えば、1~16個、好ましくは1~3個の炭素原子を有するカルボン酸であり得る。好適なカルボン酸は、WO2008/135090Aに開示されている。クエン酸はそのようなカルボン酸の例である。カルボン酸は、カルボン酸塩の形態において使用可能であり、カルボン酸、カルボン酸塩またはその両方の混合物もまた使用可能である。
緩衝剤はまた、無機塩、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩および可溶性金属塩であり得る。可溶性金属塩の金属としては、マンガン、鉄、銅、亜鉛およびモリブデンが挙げられる。さらに好ましくは、無機塩は、塩化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物、リン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩およびホウ酸塩から選択される。リン酸塩、例えば、リン酸二水素カリウムは、コーティング溶液のpH、例えばpH8におけるそれらのより大きな緩衝容量のために、その他の無機緩衝塩および有機酸緩衝剤よりも好ましい。
緩衝剤は通常、第3のポリマー材料の乾燥重量を基準として、約0.1重量%以上約60重量%以下、例えば、約0.1重量%以上約50重量%以下、好ましくは約0.1重量%以上約40重量%以下、より好ましくは約0.1重量%以上約20重量%以下、より好ましくは約0.1重量%以上約4重量%以下、より好ましくは約0.1重量%以上約3重量%以下、最も好ましくは約1重量%の量で内層に存在する。
緩衝剤および/または塩基に加えて、内層は、ポリマーフィルム用の従来の賦形剤、例えば、可塑剤(例えば、クエン酸トリエチル)、粘着防止剤(例えば、GMS)および界面活性剤(例えば、ポリソルベート80)から選択される賦形剤を含み得る。
コアの内層コーティングの厚みは、通常、約10μm以上約150μm以下である。しかしながら、特定のコーティングの厚みは、コーティングの組成およびコアのサイズによって異なる。
外層と同様に、内層のポリマーの量はコアのサイズとは無関係である。内層は、典型的には、第3のポリマー材料の乾燥重量を基準として、約2mg/cm以上約10mg/cm以下、好ましくは約2mg/cm以上約8mg/cm以下、最も好ましくは約3mg/cm以上約7mg/cm以下、例えば、約5mg/cmのポリマーのコーティングを有する。
仕切り層
本発明の製剤は、活性コアと内層および/または外層との間に追加の(または仕切りの)層を有し得る。
コアの組成が遅延放出コーティングと適合しない本発明による製剤があり得る。そのような場合、コアをコーティングから仕切るために仕切り層を含めることが望ましい場合がある。例えば、内層が、外層の溶解および分解を補助すると考えられるアルカリ性環境を提供する実施形態を、本発明は包含する。しかしながら、コアが酸性基を有する薬物を含む場合には、内層はコアと適合しない可能性がある。酸性基を有する薬物の例は、5-ASAである。このような場合、通常、仕切り層を有することが適切である。
当業者に知られている任意の好適な仕切り層を使用することができる。好ましい一実施形態において、仕切り層はフィルム形成性非イオン性ポリマーを含んでなる。好適な非イオン性ポリマーには、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリ(エチレンオキシド)-グラフト-ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)およびポリビニルアルコール(PVA)が含まれる。非イオン性セルロース系ポリマー(例えば、HPMC)が、PVAと同様に好ましい。非イオン性ポリマーの混合物を使用することもできる。特に好ましい混合物は、HPMCおよびPEGである。仕切り層はさらに、可塑剤を含むことができる。好適な可塑剤には、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、トリアセチンおよびクエン酸アセチルトリエチルが含まれるが、これらに限定されない。
中間層が製剤の放出特性に悪影響を及ぼさないという条件で、製剤は、外層と内層との間に中間層を備えることもできる。しかしながら、外層は通常、内層と接触した状態において提供される。すなわち、外層は通常、内層の上に直接設けられ、すなわち、通常、内層と外層とを分離する中間層は存在しない。
以下、本発明のいくつかの好ましい実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、実施例2A~2Gに従って外部滑沢を使用して製造された1600mgの5-ASA錠剤コアについての打錠圧と錠剤硬度との間の相互関係を示すグラフである。
図2は、実施例2A~2Gに従って外部滑沢を使用して製造された1600mgの5-ASA錠剤コアについての錠剤硬度と摩損度との間の相互関係を示すグラフである。
図3は、比較例3A~3Hに従って内部滑沢を使用して製造された1600mgの5-ASA錠剤コアについての打錠圧と錠剤硬度との間の相互関係を示すグラフである。
図4は、比較例3A~3Hに従って内部滑沢を使用して製造された1600mgの5-ASA錠剤コアについての錠剤硬度と摩損度との間の相互関係を示すグラフである。
図5は、0.1M HClに2時間前曝露した後、クレブス緩衝液(pH7.4)に10時間曝露した場合の、実施例5および6によるコーティングされた5-ASA錠剤からの時間の関数としての薬物放出を比較するグラフである。
材料
オイドラギット(登録商標)S100は、Evonik GmbH(Darmstadt、ドイツ)から購入した。トウモロコシデンプン(Eurylon(登録商標)6およびAmyloN-400)はRoquette(Lestrem、フランス)から購入した。ポリソルベート80(Tween(登録商標)80)、ブタン-1-オール、クエン酸トリエチル(TEC)、エタノール96%、リン酸二水素カリウム(KHPO)、リン酸水素ナトリウム・二塩基二水和物(NaHPO・2HO)および水酸化ナトリウムはすべて、Sigma-Aldrich(Buchs、スイス)から購入した。ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、ファーマコート(登録商標)603)は、信越から購入した。モノステアリン酸グリセリン(GMS)はCognisから購入した。赤色酸化鉄および黄色酸化鉄(Sicovit)はBASFから購入した。微結晶性セルロース(Avicel(登録商標)pH102)はFMS Biopolymerから購入した。デンプングリコール酸ナトリウム(Explotab(登録商標))は、JRS Pharmaから購入した。コロイド状二酸化ケイ素(Aerosil(登録商標)200)は、Degussaから購入した。
錠剤コアの調製
実施例1:外部滑沢を使用した1200mgの5-ASA錠剤コアの調製(実験室規模)
楕円形の1200mgコアを以下の方法に従って調製した。錠剤コアあたりの各成分の量を表1にまとめる。
メサラジンを高せん断ミキサー造粒機に装入し、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの水性組成物(Pharmacoat(登録商標)603)を650rpmの混合速度で2分間かけてゆっくりと添加した。650rpmでさらに1分間混合し、次いで、沈殿物を混合容器の壁および上部から除去し、残りの混合物を、600rpmの速度のチョッパーブレードとともに650rpmでさらに3分間混合した。湿った顆粒を振動造粒機(2mmのふるい)に通し、次いで、流動層乾燥機内で約50℃の吸気温度および38℃の生成物温度で乾燥させた。乾燥した顆粒を振動造粒機(1mmふるい)によりふるいにかけた。
乾燥顆粒を、キューブブレンダー内で微結晶性セルロース(Avicel(登録商標)pH102)およびデンプングリコール酸ナトリウム(Explotab(登録商標))と20rpmで10分間ブレンドした。単一杵の偏心錠剤プレスを使用して打錠を実施した。ステアリン酸マグネシウムを錠剤プレスの杵および臼にブラシに適用した。
比較例1A~1C:内部滑沢を使用した1200mgの5-ASA錠剤コアの調製(実験室規模)
楕円形の1200mgコアを以下の方法に従って調製した。錠剤コアあたりの各成分の量を表1にまとめる。
Figure 2022511566000002
メサラジンを高せん断ミキサー造粒機に装入し、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの水性組成物(Pharmacoat(登録商標)603)を650rpmの混合速度で2分間かけてゆっくりと添加した。650rpmでさらに1分間混合し、次いで、沈殿物を混合容器の壁および上部から除去し、残りの混合物を、600rpmの速度のチョッパーブレードとともに650rpmでさらに3分間混合した。湿った顆粒を振動造粒機(2mmのふるい)に通し、次いで、流動層乾燥機内で約50℃の吸気温度および38℃の生成物温度で乾燥させた。乾燥した顆粒を振動造粒機(1mmふるい)によりふるいにかけた。
乾燥顆粒を、キューブブレンダー内で微結晶性セルロース(Avicel(登録商標)pH102)およびデンプングリコール酸ナトリウム(Explotab(登録商標))と20rpmで10分間ブレンドした。ステアリン酸マグネシウムを添加し、得られた混合物を3分間混合した。単一杵の偏心錠剤プレスを使用して打錠を実施した。
実施例2A~2G:外部滑沢を使用した1600mgの5-ASA錠剤コアの調製(パイロット規模)
楕円形の1600mgコアを以下の方法に従って調製した。錠剤コアあたりおよび20,000錠剤コアのバッチあたりの各成分の量を表2にまとめる。
Figure 2022511566000003
メサラジン(8kg)とヒドロキシプロピルメチルセルロース(160g、Pharmacoat(登録商標)603)含有水溶液とを高速ミキサー造粒機内で造粒した。湿った顆粒を9.4mmのふるい(Comil)に通した後、流動層乾燥機内で約80℃の吸気温度において生成物温度が42℃に達するまで乾燥させた。1.6mmおろし金ふるい(grater sieve)を使用して、乾燥顆粒をふるいにかけた。さらに3つのメサラジンの8kgバッチについて造粒を繰り返した。
乾燥顆粒の混合バッチを微結晶性セルロース(Avicel(登録商標)pH102)およびデンプングリコレートナトリウム(Explotab(登録商標))と80Lドラム缶内で、28rpmで約20分間ブレンドした。ステアリン酸マグネシウムおよびコロイド状二酸化ケイ素(Aerosil(登録商標)200)を両方とも、約500gの圧縮ブレンドと別個にプレブレンドし、1mmのふるいに通した後、残りの圧縮ブレンドに添加した。混合物を28rpmで約5分間ブレンドして、最終的な圧縮ブレンドを形成させた。
外部滑沢システム(PKB)と組み合わせたFetteP1200打錠機を使用して、最終圧縮ブレンドの圧縮を実施した。ステアリン酸マグネシウムを打錠機の杵に400g/時の用量で噴霧した。様々な打錠圧において打錠機を運転させた。
比較例3A~3H:内部滑沢を使用した1600mgの5-ASA錠剤コアの調製(パイロット規模)
楕円形の1600mgコアを以下の方法に従って調製した。錠剤コアあたりおよび20,000錠剤コアのバッチあたりの各成分の量を表3にまとめる。
Figure 2022511566000004
メサラジン(8kg)とヒドロキシプロピルメチルセルロース(160g、Pharmacoat(登録商標)603)の水溶液とを高せん断ミキサー造粒機内で造粒した。湿った顆粒を9.4mmのふるい(Comil)に通した後、流動層乾燥機内で約80℃の吸気温度において生成物温度が42℃に達するまで乾燥させた。1.6mmおろし金ふるいを使用して、乾燥顆粒をふるいにかけた。さらに3つのメサラジンの8kgバッチについて造粒を繰り返した。
乾燥顆粒の混合バッチを微結晶性セルロース(Avicel(登録商標)pH102)およびデンプングリコール酸ナトリウム(Explotab(登録商標))と80Lドラム缶内で、28rpmで約20分間ブレンドした。ステアリン酸マグネシウムおよびコロイド状二酸化ケイ素(Aerosil(登録商標)200)を両方とも、メサラジン顆粒、微結晶性セルロースおよびデンプングリコール酸ナトリウムの混合物の約500gと別個にプレブレンドし、1mmのふるいに通した後、混合物の残りに添加した。混合物を28rpmで約5分間ブレンドして、最終的な圧縮ブレンドを形成させた。
FetteP1200打錠機を使用して、20,000錠剤/時の圧縮速度で最終圧縮ブレンドの圧縮を実施した。27~40kNの様々な打錠圧において打錠機を運転させた。
実施例3および4:外部滑沢を使用して1600mgの5-ASA錠剤コアを製造する方法の規模拡大
楕円形の1600mgコアを以下の方法に従って調製した。錠剤コアあたりの各成分の量を表4にまとめる。
Figure 2022511566000005
メサラジン(8kg)とヒドロキシプロピルメチルセルロース(160g、Pharmacoat(登録商標)603)の水溶液とを高せん断ミキサー造粒機内で造粒した。湿った顆粒を9.4mmのふるい(Comil)に通した後、流動層乾燥機内で吸気温度80℃および生成物温度約42℃で約45分間乾燥させた。乾燥顆粒は、1.6mmおろし金(grater)(Comil)を使用してふるいにかけた。総バッチサイズに応じて、複数の造粒バッチを実施し、混合して、最終的なブレンドを実施した。
乾燥顆粒の混合バッチを微結晶性セルロース(Avicel(登録商標)pH102)およびデンプングリコール酸ナトリウム(Explotab(登録商標))と80Lのビンブレンダー内で、28rpmでブレンドした。ステアリン酸マグネシウムおよびコロイド状二酸化ケイ素(Aerosil(登録商標)200)を両方とも、メサラジン顆粒、微結晶性セルロースおよびデンプングリコール酸ナトリウムの混合物の約500gと別個にプレブレンドし、1mmのふるいに通した後、混合物の残りに添加した。混合物を28rpmで約5分間ブレンドして、最終的な圧縮ブレンドを形成させた。
以下の表5に要約されるように、顆粒および圧縮ブレンドについて様々な特性を測定した。
Figure 2022511566000006
外部滑沢システム(PKB)と組み合わせたFetteP1200打錠機を使用して、20,000錠/時の圧縮速度で最終圧縮ブレンドの圧縮を実施した。ステアリン酸マグネシウムを打錠機の杵および臼に400g/時の用量で噴霧した。
薬物放出試験#1:pH7.2の0.05Mリン酸緩衝液への溶解
in vitro溶解試験は、pH7.2の0.05Mリン酸緩衝液を使用してUSPタイプII装置により実施された。50rpmのパドル回転速度を溶解時(30分)に使用し、次いで、100rpmの回転速度をさらに30分間使用して、剤形中の薬物含有量の回収を確かにした。
結果
実施例1および比較例1A~1Cにおいて製造された1200mgの錠剤コアの物理的特性を以下の表6にまとめる。実施例1による錠剤コアは、比較例1A~1Cと比較した場合、優れた硬度および摩損度を示す。このデータは、実験室規模において製造した場合に、外部滑沢を使用すると、内部滑沢のみを使用して製造したものよりも優れた物理的特性を有する錠剤コアが製造されることを示している。
Figure 2022511566000007
0.05Mのリン酸緩衝液への曝露後の実施例1および比較例1A~1Cの錠剤コアの薬物放出プロファイル(薬物放出試験#1)も表6にまとめる。データは、外部滑沢を使用して製造された本発明による錠剤コア(実施例1)が、内部滑沢を使用して調製されたもの(比較例1A~1C)と比較した場合、著しく短い崩壊時間およびより速い溶解速度を有することを明確に示している。
外部滑沢を使用した1600mgの錠剤コアのパイロットプラント規模の生産も、広範囲の打錠圧にわたって可能であった(表7)。打錠圧の増加に伴う錠剤の質量の変動が小さいことは、圧縮ブレンドが許容可能な流動特性を有していることを示している。試験したどの錠剤についても、キャッピングは見られない。打錠機の臼および杵の両方に滑沢剤処理すると、排出圧の大幅な低下が見られる(実施例2G)。
Figure 2022511566000008
打錠圧の増加および錠剤硬度の間の相関関係(図1)、ならびに錠剤硬度および摩損度の間の相関関係(図2)が見られる。
比較すると、内部滑沢のみを使用して圧縮された錠剤コアは、摩損度試験中にキャッピングする傾向がある(表8、比較例3Bおよび3D~3F)。打錠機の杵への錠剤のスティッキングも観察され、排出圧の高い値は、圧縮ブレンド中の滑沢剤のレベルが不十分であることを示している(表8)。しかしながら、比較例1A~1Bに示されるように、内部滑沢剤の量のさらなる増加は、錠剤の品質に悪影響を与える。
Figure 2022511566000009
さらに、内部滑沢のみを使用すると、圧縮ブレンドの圧縮は狭い打錠圧範囲でのみ可能であり、打錠圧および硬度の間、または硬度および摩損度の間に相関関係は見られない(図3および図4を参照)。打錠圧の増加が錠剤硬度の増加をもたらさないため、圧縮ブレンド中の滑沢剤の存在(内部滑沢)は、ブレンドの圧縮を妨げる可能性があると考えられる。
1600mgの錠剤コアを調製するための外部滑沢プロセスの規模拡大は成功し、低摩損度と高硬度に代表される許容可能な強度を有する錠剤コアが提供された(表9)。本発明による錠剤コアはまた、急速な崩壊時間を示す。
Figure 2022511566000010
コーティングされた錠剤コアの調製
実施例5および6:1200mgおよび1600mgの5-ASA錠剤コアのコーティング
1200mgおよび1600mgのメサラジン(5-ASA)を含む錠剤コアを準備した。
3mg/cmのヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、HPMC)および20%マクロゴール6000の仕切り層と、70%メタクリル酸-メチルメタクリレートコポリマー(比率1:2(オイドラギット(登録商標)S100))および5mg/cmの30%高アミロースデンプンの外層とにより、実施例5の錠剤コア(1200mgの5-ASA)をコーティングした。
実施例5と同じ仕切り層と、メタクリル酸-メタクリル酸メチルコポリマー(比率1:2(オイドラギット(登録商標)S100))および5mg/cmのpH8に中和された1%リン酸二水素カリウムの内層と、メタクリル酸-メタクリル酸メチルコポリマー(比率1:2(オイドラギット(登録商標)S100))の外層とにより、実施例6の錠剤コア(1600mg 5-ASA)をコーティングした。
仕切り層
仕切り層は、以下の量の噴霧コーティングによって形成された。
Figure 2022511566000011
HPMCのコーティング量が3mg/cmに達するまで、パンコーターを使用して仕切り層コーティング調製物を錠剤コアに噴霧して、中間(仕切り層で)コーティングされたコアを生成した。
噴霧コーティングのパラメータは以下のとおりであった。
Figure 2022511566000012
(実施例6の)内層
次いで、部分的に中和されたメタクリル酸-メタクリル酸メチルコポリマー(比率1:2;オイドラギット(登録商標)S100)および1%KHPO緩衝剤の内層コーティングにより、仕切り層でコーティングされた錠剤コアをコーティングした。
内層は、以下の量の噴霧コーティングにより形成された。
Figure 2022511566000013
pH8になるまで、1M NaOHを使用してpHを調整した。KHPOを蒸留水に溶解し、次いで、部分的に中和されたオイドラギット(登録商標)S100を分散させた。
オイドラギット(登録商標)S100のコーティング量が5mg/cmに達するまで、パンコーターを使用して内層コーティング調製物を仕切り層でコーティングされたコアに噴霧して、中間(内層)コーティングされたコアを製造した。
噴霧コーティングのパラメータは以下のとおりであった。
Figure 2022511566000014
(実施例5の)外層
70%のメタクリル酸-メタクリル酸メチル共重合体(1:2;オイドラギット(登録商標)S100)および30%の高アミロースデンプンにより形成された外層コーティングにより、仕切り層でコーティングされた錠剤コアをコーティングした。
外層コーティングは、デンプン水性分散液およびオイドラギット(登録商標)S100エタノール溶液の混合物から以下の量で形成された。
Figure 2022511566000015
磁気撹拌下において、高アミローストウモロコシデンプン(Eurylon(登録商標)6)をブタン-1-オールに分散させ、次いで、水に分散させることによって、デンプン水性分散液を調製した。トウモロコシデンプン:ブタン-1-オール:水の比率は1:1:12.5であった。得られた分散液を沸騰するまで加熱し、次いで、一晩撹拌しながら冷却した。
高速撹拌下において96%エタノールにオイドラギット(登録商標)S100を分散させて、オイドラギット(登録商標)S100溶液を調製した。最終的な溶液には、約6%のポリマー固形分が含まれていた。
撹拌下において、デンプン分散液をオイドラギット(登録商標)S100溶液に滴状に添加して、オイドラギット(登録商標)S100:デンプンの比率が70:30になるようにした。混合物を1時間撹拌し、40%TEC(オイドラギット(登録商標)S100のポリマー重量を基準とする)および10%GMS(オイドラギット(登録商標)S100のポリマー重量を基準とする)を添加し、さらに30分間混合した。13.16%の赤色酸化鉄(オイドラギット(登録商標)S100のポリマー重量を基準とする)および2.23%の黄色酸化鉄(オイドラギット(登録商標)S100のポリマー重量を基準とする)の懸濁液を添加し、混合物をさらに10分間撹拌した。
5%w/wの濃度で調製されたエマルジョンの形態においてGMSを添加した。ポリソルベート80(Tween、GMS重量を基準として40%)を蒸留水に溶解させた後、GMSを分散させた。強力な磁気撹拌下において分散液を75℃で15分間加熱して、エマルジョンを形成させた。撹拌しながらエマルジョンを室温で冷却した。
ホモジナイゼーション下において(under homogenization)、赤色酸化鉄および黄色酸化鉄の顔料を96%エタノールに10分間懸濁することによって、顔料懸濁液を形成させた。
オイドラギット(登録商標)S100のコーティング量が5mg/cmに達するまで、最終的な外層コーティング調製物を仕切り層でコーティングされた錠剤コアに噴霧した。
外層(実施例6)
メタクリル酸-メタクリル酸メチルコポリマー(1:2;オイドラギット(登録商標)S100)により形成された外層コーティングにより、仕切り層および内層でコーティングされた錠剤コアをコーティングした。
外層コーティングは、オイドラギット(登録商標)S100エタノール溶液から以下の量で形成された。
Figure 2022511566000016
高速撹拌下においてオイドラギット(登録商標)S100を96%エタノールに分散させ、次いで、TECおよびGMSエマルジョン(実施例5のように調製された)を添加することによって、外層コーティングを調製した。最後に、赤色酸化鉄および黄色酸化鉄の懸濁液(実施例5のように調製された)を混合物に添加し、混合物をさらに10分間撹拌した。
オイドラギット(登録商標)S100のコーティング量が5mg/cmに達するまで、最終的な外層コーティング調製物を仕切り層および内層でコーティングされた錠剤コアに噴霧した。
外層コーティングの形成のための噴霧コーティングパラメータは以下のとおりであった。
Figure 2022511566000017
薬物放出試験#2:空腹状態を模擬化し、次いで、pH6.8のハンクス緩衝液に溶解
in vitro溶解試験は、50rpmのパドル速度および37℃±0.5℃の媒体温度を使用してUSPタイプII装置により実施された。「空腹」状態を模擬化するために、錠剤を最初に0.1M HCl中で2時間試験し、次いで、ハンクスバッファー(pH 6.8)中で10時間試験した。
緩衝液のpHは、5%CO/95%Oで連続的に散布することにより6.8±0.05で安定した。吸光度の測定は5分間隔で実施され、吸光度の波長はHCl中で301nm、ハンクス緩衝液pH6.8中で330nmであった。
薬物放出試験#3:空腹状態を模擬化し、次いで、pH7.4のクレブス緩衝液に溶解
in vitro溶解試験は、50rpmのパドル速度および37℃±0.5℃の媒体温度を使用してUSPタイプII装置により実施された。
「空腹」状態を模擬化するために、錠剤を最初に0.1M HCl中で2時間試験し、次いで、クレブス緩衝液(pH7.4)中で10時間試験した。
結果
本発明の1200mgおよび1600mgの錠剤コアを既知の遅延放出コーティングによりコーティングすることが可能であった。結果は、本発明に従って調製されたコーティング錠剤が、模擬化された胃液に抵抗性であり、回腸結腸領域の模擬化された条件への曝露時に急速な薬物放出を示すことを実証している。
実施例5の1200mgコーティング錠剤および実施例6の1600mgコーティング錠剤を、模擬化された胃の条件への曝露後のpH6.8ハンクス緩衝液中での薬物放出についてin vitroにおいて試験した。どちらの場合も、コーティングされた錠剤は胃に抵抗性であり、近位小腸の模擬化された条件(pH6.8のハンクス緩衝液)にさらされたときの薬物放出は5%未満であった。これは、小腸を通過する際のコーティングされた錠剤のロバスト性(robustness)を示している。
しかしながら、回腸結腸領域の状態を模擬化するためにpH7.4に曝露すると(薬物放出試験#3)、本発明の1200mgおよび1600mgのコーティング錠剤の両方で急速な薬物放出が観察されたことに留意されたい(図5)。
本発明は、好ましい実施形態に関して上記の詳細に限定されず、以下の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、多数の修正および変形を行うことができることが理解されよう。

Claims (28)

  1. 経口投与用の放出調節製剤のためのコーティング可能なコアを製造する方法であって、
    前記コーティング可能なコアは、前記コーティング可能なコアの総重量を基準として、少なくとも70重量%の高薬物量を有し、
    前記方法は、以下の工程:
    薬物および少なくとも1種の結合剤を含んでなる組成物を造粒して、顆粒を形成させる工程;
    前記顆粒を、薬理学的に許容可能な崩壊剤および場合により1種または2種以上の追加の薬理学的に許容可能な賦形剤とブレンドして、圧縮ブレンドを形成させる工程であって、前記崩壊剤は、前記コーティング可能なコアの総重量を基準として、約0.5重量%以上約5重量%以下の量で存在する工程;および
    外部滑沢による圧縮法を使用して前記圧縮ブレンドを圧縮して、コーティング可能なコアを形成させる工程
    を含んでなる、前記方法。
  2. 前記組成物が、少なくとも1種の造粒液をさらに含んでなり、前記方法が、前記顆粒を乾燥させて乾燥顆粒を形成させる工程をさらに含んでなる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記造粒液が水である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記コーティング可能なコアが、前記コーティング可能なコアの総重量を基準として、約85重量%以上約95重量%以下の薬物量を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記結合剤が、前記コーティング可能なコアの総重量を基準として、約3重量%以下、好ましくは約2重量%以下の量で存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記崩壊剤が、前記コーティング可能なコアの総重量を基準として、約0.5重量%以上約3重量%以下の量で存在する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記1種または2種以上の追加の薬理学的に許容可能な賦形剤が、滑沢剤を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記滑沢剤が、前記コーティング可能なコアの総重量を基準として、約0.5重量%以下、好ましくは約0.25重量%以下、より好ましくは約0.1重量%以下、最も好ましくは約0.05重量%以下の量で存在する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記薬物が、約350mg以上約1650mg以下、または約450mg以上約1650mg以下、または約750mg以上約1650mg以下、または約1150mg以上約1650mg以下、または約1450mg以上約1650mg以下、または約1550mg以上約1650mg以下の量で前記コーティング可能なコア中に存在する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記薬物が、約400mg、約800mg、約1200mg、約1500mgまたは約1600mgから選択される量で前記コーティング可能なコア中に存在する、請求項9に記載の方法。
  11. 前記顆粒が、少なくとも約540g/Lのかさ密度を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記圧縮ブレンドが、少なくとも約600g/Lのかさ密度を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 経口投与用の放出調節製剤のためのコーティング可能なコアであって、
    前記コーティング可能なコアの総重量を基準として、少なくとも70重量%の高薬物量を有するとともに、以下の成分:
    約1200mgより多い量の薬物;
    前記コーティング可能なコアの総重量を基準として、約0.5重量%未満の量の薬理学的に許容可能な滑沢剤;
    前記コーティング可能なコアの総重量を基準として、約0.5重量%以上約5重量%以下の量の薬理学的に許容可能な崩壊剤;および
    場合により1種または2種以上の追加の薬理学的に許容可能な賦形剤
    を含んでなる、前記コーティング可能なコア。
  14. 0%より多く約0.5%以下、好ましくは約0.1%以上約0.25%以下、最も好ましくは約0.1%以上約0.2%以下の摩損度を有する、請求項13に記載のコーティング可能なコア。
  15. 約10分未満、好ましくは約5分未満の崩壊時間を有する、請求項13または14に記載のコーティング可能なコア。
  16. 前記コーティング可能なコアの総重量を基準として、約85重量%以上約95重量%以下の薬物量を有する、請求項13~15のいずれか一項に記載のコーティング可能なコア。
  17. 前記崩壊剤が、前記コーティング可能なコアの総重量を基準として、約0.5重量%以上約3重量%以下の量で存在する、請求項13~16のいずれか一項に記載のコーティング可能なコア。
  18. 前記滑沢剤が、前記コーティング可能なコアの総重量を基準として、約0.25重量%以下、より好ましくは約0.1重量%以下、最も好ましくは約0.05重量%以下の量で存在する、請求項13~17のいずれか一項に記載のコーティング可能なコア。
  19. 前記薬物が、約1250mg以上約1650mg以下、または約1450mg以上約1650mg以下、または約1550mg以上約1650mg以下、または約1600mgの量で前記コーティング可能なコア中に存在する、請求項13~18のいずれか一項に記載のコーティング可能なコア。
  20. 対象の腸に薬物を送達するための経口投与用の遅延放出製剤であって、
    前記遅延放出製剤は、コアと、前記コアのためのコーティングとを備え、
    前記コアは、コーティング可能な前記コアの総重量を基準として、少なくとも70重量%の高薬物量を有するとともに、以下の成分:
    約1200mgより多い量の薬物;
    コーティング可能な前記コアの総重量を基準として、約0.5重量%未満の量の薬理学的に許容可能な滑沢剤;
    コーティング可能な前記コアの総重量を基準として、約0.5重量%以上約5重量%以下の量の薬理学的に許容可能な崩壊剤;および
    場合により1種または2種以上の追加の薬理学的に許容可能な賦形剤
    を含んでなり、
    前記コーティングは、外層と、場合により、仕切り層および内層からなる群から選択される、前記コアおよび前記外層の間に位置する少なくとも1つの層とを備え、
    前記外層は、約pH5以上のpH閾値を有するフィルム形成性腸溶性ポリマーと、場合により結腸の酵素によって分解される酵素分解性ポリマーとを含んでなり、
    前記内層は、腸液または胃腸液に可溶性であるポリマー材料を含んでなり、
    前記ポリマー材料は、少なくとも部分的に中和されているポリカルボン酸ポリマーと、非イオン性ポリマーとからなる群から選択され、ただし、前記ポリマー材料が非イオン性ポリマーである場合には、前記内層は、緩衝剤および塩基から選択される少なくとも1種の添加剤を含んでなり、
    前記仕切り層は、腸液または胃腸液に可溶性である非イオン性ポリマーを含んでなる、前記遅延放出製剤。
  21. 前記外層が、結腸の酵素によって分解される酵素分解性ポリマーを含んでなる、請求項20に記載の遅延放出製剤。
  22. 前記外層が、約pH5以上のpH閾値を有するフィルム形成性腸溶性ポリマーと、結腸の酵素によって分解される酵素分解性ポリマーとを含んでなり、
    、前記外層が、水性媒体中の前記酵素分解性ポリマーを有機媒体中の前記フィルム形成性腸溶性ポリマーと混合することによって形成されたコーティング調製物を使用して前記コアに形成される、請求項21に記載の遅延放出製剤。
  23. コーティング可能な前記コアが、0%より多く約0.5%以下、好ましくは約0.1%以上約0.25%以下、最も好ましくは約0.1%以上約0.2%以下の摩損度を有する、請求項20~22のいずれか一項に記載の遅延放出製剤。
  24. コーティング可能な前記コアが、約10分未満、好ましくは約5分未満の崩壊時間を有する、請求項20~23のいずれか一項に記載の遅延放出製剤。
  25. コーティング可能な前記コアが、コーティング可能な前記コアの総重量を基準として、約85重量%以上約95重量%以下の薬物量を有する、請求項20~24のいずれか一項に記載の遅延放出製剤。
  26. 前記崩壊剤が、コーティング可能な前記コアの総重量を基準として、約0.5重量%以上約3重量%以下の量で存在する、請求項20~25のいずれか一項に記載の遅延放出製剤。
  27. 前記滑沢剤が、約0.25重量%以下、より好ましくは約0.1重量%以下、最も好ましくは0.05重量%以下の量で存在する、請求項20~26のいずれか一項に記載の遅延放出製剤。
  28. 前記薬物が、約1250mg以上約1650mg以下、または約1450mg以上約1650mg以下、または約1550mg以上約1650mg以下、または約1600mgの量で前記コア中に存在する、請求項20~27のいずれか一項に記載の遅延放出製剤。
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