JP2022511167A - 選択的bace1阻害活性を有する二環式複素環誘導体 - Google Patents

選択的bace1阻害活性を有する二環式複素環誘導体 Download PDF

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Abstract

本発明は、アミロイドβの産生を阻害する効果、特に選択的BACE1を阻害する効果を有し、アミロイドβタンパク質の産生、分泌および/または沈着により誘発される疾患の治療または予防剤として有用な化合物を提供する。式(IA)等(式中、-A1-は、1個以上のハロゲンで置換されていてもよいアルキレンであり;R2は、置換または非置換のアルキル等であり;R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、アルキル、またはハロアルキル等であり;R5は、水素原子またはハロゲンであり;A4は、NまたはCR6であり、ここでR6は、水素原子、ハロゲン、または置換もしくは非置換のアルキルであり;A5は、NR7またはCR8R9であり;A6は、CR18またはNであり;R18は、水素原子であり;R7は、置換または非置換のアルキルであり;R8およびR9は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、アルキル、またはハロアルキル等であり;環Bは二環式の環である)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩。TIFF2022511167000176.tif5981

Description

本発明は、アミロイドβ産生阻害活性を有し、アミロイドβタンパク質の産生、分泌、および/または沈着により誘発される疾患の治療または予防剤として有用な化合物に関する。
アルツハイマー病患者の脳内には、アミロイドβタンパク質と呼ばれる約40個のアミノ酸残基から構成されるペプチドが蓄積して神経細胞外に形成した不溶性の斑点(老人斑(senile speck))が広範囲に観察される。これらの老人斑が神経細胞を死滅させることによりアルツハイマー病を引き起こすことが懸念されており、そのため、アミロイドβタンパク質の分解剤およびアミロイドβワクチンなどのアルツハイマー病治療剤が研究されている。
セクレターゼはアミロイド前駆体タンパク質(APP)と呼ばれるタンパク質を細胞内で切断し、アミロイドβタンパク質を産生させる酵素である。アミロイドβタンパク質のN末端の産生を制御する酵素はβセクレターゼ(ベータ部位APP切断酵素1(beta-site APP-cleaving enzyme 1)、BACE1)と呼ばれている。この酵素を阻害することによりアミロイドβタンパク質産生が抑制され、アルツハイマー病の治療剤または予防剤になり得ると考えられる。
特許文献1~34および非特許文献1~7は、アルツハイマー病、アルツハイマー関連症状、糖尿病などの治療剤として有用である化合物を開示しているが、実質的に開示されているそれぞれの化合物は、本発明の化合物とは異なる構造を有する。
国際公開第2017/112901号 国際公開第2014/096377号 米国特許公開第2016/0213645号 国際公開第2016/040903号 国際公開第2015/120364号 国際公開第2015/051239号 国際公開第2016/025364号 米国特許公開第2014/0271911号 国際公開第2014/096377号 国際公開第2014/093190号 国際公開第2014/089149号 国際公開第2011/044181号 米国特許第9273042号 米国特許公開第2015/0344500号 国際公開第2015/038446号 国際公開第2015/017407号 国際公開第2014/150344号 国際公開第2014/120658号 国際公開第2014/099794号 国際公開第2014/059185号 国際公開第2013/174781号 国際公開第2013/028670号 国際公開第2012/139425号 特開2017/071603 国際公開第2015/156421号 特開2014/101354 国際公開第2014/065434号 国際公開第2014/001228号 国際公開第2013/041499号 米国特許公開第2013/0072478 特開2012/250933 国際公開第2012/107371号 国際公開第2011/071135号
Methods and Principles in Medicinal Chemistry、67巻、Fragment-Based Drug Discovery号、329~353頁 Journal of Medicinal Chemistry、59巻、23号、10435~10450頁 Pharmacological Reports、68巻、1号、127~138頁 BioDrugs、30巻、3号、173~194頁(MK-8931) Nature Reviews Drug Discovery、15巻、3号、151頁 AAPS Journal、18巻、2号、519~527頁 Frontiers in Aging Neuroscience、6巻、165/1~165/9頁(9頁)
本発明は、アミロイドβタンパク質の産生を低減する効果、とりわけ選択的BACE1阻害活性を有し、アミロイドβタンパク質の産生、分泌および/または沈着により誘発される疾患の治療剤として有用な化合物を提供する。
本発明の化合物は、BACE1選択的阻害活性を有し、アルツハイマー型認知症などのアミロイドβタンパク質の産生、分泌または沈着により誘発される疾患の治療および/または予防剤として有用である。
本発明は、例えば、以下の項目に記載される発明を提供する。
(1)式(IA)、(IB)または(IC):
Figure 2022511167000002

(式中、
Figure 2022511167000003

であり;
Figure 2022511167000004

であり;
-A-は、1個以上のハロゲンで置換されていてもよいアルキレンであり;
は、水素原子、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、またはアミノであり;
は、置換または非置換のアルキルであり;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、アルキル、またはハロアルキルであり;
は、水素原子またはハロゲンであり;
は、NまたはCRであり、ここでRは、水素原子、ハロゲン、または置換もしくは非置換のアルキルであり;
は、CR18またはNであり;
18は、水素原子であり;
およびAは、両方が同時にNであることはなく;
は、NRまたはCRであり;
は、置換または非置換のアルキルであり;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、アルキル、またはハロアルキルであり;
、R、R、R、およびRは、(i)~(iv):
(i)Rと、RおよびRの1個は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環または複素環を形成してもよい;
(ii)RおよびRの1個と、RおよびRの1個は、アルキレンを形成してもよく、アルキレンの各炭素原子は、酸素原子または窒素原子に置き換えられていてもよく;アルキレンの炭素原子は、それぞれ独立して、Rから選択される1個以上の基で置換され;アルキレンの窒素原子は、Rから選択される1個以上の基でそれぞれ置換され;Rは、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、または置換もしくは非置換のアルキルであり;Rは、水素原子、または置換もしくは非置換のアルキルである;
(iii)RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環または複素環を形成してもよい;および
(iv)RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環または複素環を形成してもよい;
の1つであってもよく;
14は、それぞれ独立して、(ハロゲン、シアノ、アルキルオキシ、ハロアルキルオキシおよび非芳香族炭素環式基)から選択される1個以上の基で置換されていてもよいアルキル;または1個以上のアルキルで置換されていてもよいヘテロアリールであり;
同一の炭素原子に結合している2個のR14は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ハロゲン、アルキル、およびハロアルキルから選択される1個以上の基で置換されていてもよい3~5員非芳香族炭素環を形成してもよく;
tは、0~3の整数であり;
15は、ハロゲンから選択される1個以上の基で置換されていてもよいアルキルであり、および、
16は、置換もしくは非置換のアルキル、または非芳香族炭素環式基である)
で示される化合物またはその製薬上許容される塩。
(1)’式(IA-2)’:
Figure 2022511167000005

(式中、
は、フルオロで置換されていてもよいアルキレンであり;
は、NまたはCR1であり、ここでR1は、水素原子、ハロゲン、アルキル、またはハロアルキルであり;
は、置換または非置換のアルキルであり;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、アルキル、またはハロアルキルであり;
は、水素原子またはハロゲンであり;
は、NまたはCRであり、ここでRは、水素原子、ハロゲン、または置換もしくは非置換のアルキルであり;
は、NRまたはCRであり;
は、置換または非置換のアルキルであり;
8およびR9は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、アルキル、またはハロアルキルであり;
と、RおよびRの1個は、隣接原子と一緒になって、炭素環または複素環を形成してもよく;
およびRの1個と、RおよびRの1個は、アルキレンを形成してもよく、アルキレンの各炭素原子は、酸素原子または窒素原子に置き換えられていてもよく;アルキレンの炭素原子は、それぞれ独立して、Rから選択される置換基で置換され;および、アルキレンの窒素原子は、Rから選択される置換基でそれぞれ置換され;
は、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、または置換もしくは非置換のアルキルであり;
は、水素原子、または置換もしくは非置換のアルキルであり;
およびRは、隣接原子と一緒になって、炭素環または複素環を形成してもよく;
およびRは、隣接原子と一緒になって、炭素環または複素環を形成してもよい)
で示される化合物またはその製薬上許容される塩。
(2)式(IA-2):
Figure 2022511167000006

(式中、
は、NまたはCRであり;他の記号は上記の項目(1)と同義である)
で示される、項目(1)または(1)’に記載の化合物または製薬上許容される塩。
(2-2)式(IB-2):
Figure 2022511167000007

(式中、各記号は上記の項目(1)と同義である)
で示される、項目(1)に記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(2-2)’
Figure 2022511167000008

(式中、各記号は上記の項目(1)と同義)
である、項目(1)または(2-2)に記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(2-2)’’
Figure 2022511167000009

(式中、各記号は上記の項目(1)と同義)
である、項目(1)または(2-2)に記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(2-2))’’’R14が、それぞれ独立して、ハロゲンで置換されていてもよいアルキルである、項目(1)、(2-2)、(2-2)’または(2-2)’’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(2-3)式(IC-2):
Figure 2022511167000010

(式中、各記号は上記の項目(1)と同義である)
で示される、項目(1)に記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(3)-A-が、
(i)-CH-、
(ii)-CH-CH-、
(iii)-CH-CH-CH-、
(iv)-CD-、
(v)-CD-CD-、
(vi)-CD-CD-CD-、
(vii)-CF-、
(viii)-CF-CH-、
(ix)-CH-CF-、
(x)-CF-CH-CH-、
(xi)-CH-CF-CH-、
(xii)-CH-CH-CF-、
(xiii)-CHF-、
(xiv)-CHF-CH-、
(xv)-CH-CHF-、
(xvi)-CHF-CH-CH-、
(xvii)-CH-CHF-CH-、
(xviii)-CH-CH-CHF-、
(xix)-CH(Me)-、
(xx)-CH(Me)-CH-、
(xxi)-CH-CH(Me)-、
(xxii)-CH(Me)-CH-CH
(xxiii)-CH-CH(Me)-CH、および
(xxiv)-CH-CH-CH(Me)-
からなる群から選択される、項目(1)、(2)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)および(1)’のいずれかに記載の化合物または製薬上許容される塩。
(3-2)-A-が、
(ii)-CH-CH-、
(iii)-CH-CH-CH-、
(v)-CD-CD-、
(vii)-CF-、
(viii)-CF-CH-、
(ix)-CH-CF-、
(xiv)-CHF-CH-、
(xv)-CH-CHF-、
(xx)-CH(Me)-CH-、および
(xxi)-CH-CH(Me)-
からなる群から選択される、項目(1)~(3)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)および(1)’のいずれかに記載の化合物または製薬上許容される塩。
(3-3)-A-が、
(ii)-CH-CH-、
(vii)-CF-、
(ix)-CH-CF-、および
(xiv)-CHF-CH-からなる群から選択される、項目(1)~(3)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)および(1)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(4)-A-が、
(iv)-CD-、
(v)-CD-CD-、
(vi)-CD-CD-CD-、
(vii)-CF-、
(viii)-CF-CH-、
(ix)-CH-CF-、
(x)-CF-CH-CH-、
(xi)-CH-CF-CH-、
(xii)-CH-CH-CF-、
(xiii)-CHF-、
(xiv)-CHF-CH-、
(xv)-CH-CHF-、
(xvi)-CHF-CH-CH-、
(xvii)-CH-CHF-CH-、および
(xviii)-CH-CH-CHF-
からなる群から選択される、項目(1)~(3)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)および(1)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(5)
Figure 2022511167000011

(式中、Rは、水素原子、フルオロ、クロロ、またはメチルである)である、項目(1)~(4)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)および(1)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(5)’Aが、CRであり、ここでRが、水素原子またはクロロである、項目(1)~(4)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(1)’および(5)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(6)
Figure 2022511167000012

である、項目(1)~(5)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(1)’および(5)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(7)Rが、フルオロで置換されていてもよいメチルである、項目(1)~(6)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(1)’および(5)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(7)’Rが、メチルである、項目(1)~(7)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(1)’および(5)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(8)RおよびRが、水素原子である、項目(1)~(7)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(1)’、(5)’および(7)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(8-2)Rと、RおよびRの1個が、隣接原子と一緒になって、炭素環または複素環を形成する、項目(1)~(8)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(1)’、(5)’および(7)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(8-3)RおよびRの1個と、RおよびRの1個が、隣接原子と一緒になって、炭素環または複素環を形成する、項目(1)~(8)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(5-2)、(8-2)、(1)’、(5)’および(7)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(9)Rが、水素原子である、項目(1)~(8)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(5-2)、(8-2)、(8-3)、(1)’、(5)’および(7)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(10)Aが、CRであり、Rが、ハロゲンである、項目(1)~(9)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(5-2)、(8-2)、(8-3)、(1)’、(5)’および(7)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(10)’Aが、CR18であり、R18が、水素原子ある、項目(1)~(10)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(5-2)、(8-2)、(8-3)、(1)’、(5)’および(7)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(11)Aが、NRである、項目(1)~(10)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(5-2)、(8-2)、(8-3)、(1)’、(5)’、(10)’および(7)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(12)Rが、メチルである、項目(1)~(11)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(5-2)、(8-2)、(8-3)、(1)’、(5)’、(10)’および(7)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(13)Aが、CRである、項目(1)~(12)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(5-2)、(8-2)、(8-3)、(1)’、(5)’、(10)’および(7)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(14)RおよびRが、メチルである、項目(1)~(13)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(5-2)、(8-2)、(8-3)、(1)’、(5)’、(10)’および(7)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(14)’化合物I-001、I-004、I-009、I-011、I-012、I-023、I-024、I-026、I-027、およびI-029からなる群から選択される、項目(1)~(14)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(5-2)、(8-2)、(8-3)、(1)’、(5)’、(10)’および(7)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(14-2)化合物I-012、I-035、およびI-043からなる群から選択される、項目(1)~(14)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(5-2)、(8-2)、(8-3)、(1)’、(5)’、(7)’、(10)’および(14)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(15)項目(1)~(14)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(5-2)、(8-2)、(8-3)、(14-2)、(1)’、(5)’、(7)’、(10)’および(14)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を含む、医薬組成物。
(16)項目(15)に記載の化合物またはその製薬上許容される塩を含む、BACE1阻害活性を有する医薬組成物。
(17)アルツハイマー型認知症、軽度認知障害もしくは前駆期アルツハイマー病(prodromal Alzheimer’s disease)の治療もしくは予防、アルツハイマー型認知症、軽度認知障害もしくは前駆期アルツハイマー病の進行予防、またはアルツハイマー型認知症のリスクを有する無症候性の患者における進行予防のための、項目(15)または(16)に記載の医薬組成物。
(18)BACE1活性を阻害する方法に使用する、項目(1)~(14)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(5-2)、(8-2)、(8-3)、(14-2)、(1)’、(5)’、(7)’、(10)’および(14)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(19)アルツハイマー型認知症、軽度認知障害もしくは前駆期アルツハイマー病の治療もしくは予防に使用する、アルツハイマー型認知症、軽度認知障害もしくは前駆期アルツハイマー病の進行予防に使用する、またはアルツハイマー型認知症のリスクを有する無症候性の患者における進行予防に使用する、項目(1)~(14)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(5-2)、(8-2)、(8-3)、(14-2)、(1)’、(5)’,(7)’、(10)’および(14)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(20)項目(1)~(14)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(5-2)、(8-2)、(8-3)、(14-2)、(1)’、(5)’、(7)’、(10)’および(14)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を投与することを含む、BACE1活性を阻害する方法。
(21)項目(1)~(14)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(5-2)、(8-2)、(8-3)、(14-2)、(1)’、(5)’、(7)’、(10)’および(14)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を投与することを含む、アルツハイマー型認知症、軽度認知障害もしくは前駆期アルツハイマー病を治療もしくは予防する、アルツハイマー型認知症、軽度認知障害もしくは前駆期アルツハイマー病の進行を予防する、またはアルツハイマー型認知症のリスクを有する無症候性の患者における進行を予防する方法。
(22)項目(1)~(14)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(5-2)、(8-2)、(8-3)、(14-2)、(1)’、(5)’、(7)’、(10)’および(14)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を含む、BACE1阻害剤。
(22-2)BACE1活性を阻害する医薬を製造するための、項目(1)~(14)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(5-2)、(8-2)、(8-3)、(14-2)、(1)’、(5)’、(7)’、(10)’および(14)’、ならびに(5-3)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩の使用。
(23)アミロイドβタンパク質の産生、分泌または沈着により誘発される疾患の治療または予防のための、項目(15)または(16)に記載の医薬組成物。
(24)項目(1)~(14)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(5-2)、(8-2)、(8-3)、(14-2)、(1)’、(5)’、(7)’、(10)’および(14)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を投与することを含む、アミロイドβタンパク質の産生、分泌または沈着により誘発される疾患を治療または予防する方法。
(25)アミロイドβタンパク質の産生、分泌または沈着により誘発される疾患の治療または予防に使用する、項目(1)~(14)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(5-2)、(8-2)、(8-3)、(14-2)、(1)’、(5)’、(7)’、(10)’および(14)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(26)アミロイドβタンパク質の産生、分泌または沈着により誘発される疾患を治療または予防する医薬を製造するための、項目(1)~(14)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(5-2)、(8-2)、(8-3)、(14-2)、(1)’、(5)’、(7)’、(10)’および(14)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩の使用。
(27)アルツハイマー型認知症の治療または予防のための、項目(15)または(16)に記載の医薬組成物。
(28)項目(1)~(14)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(5-2)、(8-2)、(8-3)、(14-2)、(1)’、(5)’、(7)’、(10)’および(14)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を投与することを含む、アルツハイマー型認知症を治療または予防する方法。
(29)アルツハイマー型認知症の治療または予防に使用する、項目(1)~(14)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(5-2)、(8-2)、(8-3)、(14-2)、(1)’、(5)’、(7)’、(10)’および(14)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(30)アルツハイマー型認知症を治療または予防する医薬を製造するための、項目(1)~(14)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(5-2)、(8-2)、(8-3)、(14-2)、(1)’、(5)’、(7)’、(10)’および(14)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩の使用。
(31)項目(1)~(14)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(5-2)、(8-2)、(8-3)、(14-2)、(1)’、(5)’、(7)’、(10)’および(14)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を含む、小児または高齢患者用の医薬組成物。
(32)項目(1)~(14)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(5-2)、(8-2)、(8-3)、(14-2)、(1)’、(5)’、(7)’、(10)’および(14)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩と、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、NMDA拮抗剤または他のアルツハイマー型認知症のための医薬との組合せからなる医薬組成物。
(33)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、NMDA拮抗剤または他のアルツハイマー型認知症のための医薬との併用療法のための、項目(1)~(14)、(2-2)、(2-2)’、(2-2)’’、(2-2)’’’、(2-3)、(3-2)、(3-3)、(5-2)、(8-2)、(8-3)、(14-2)、(1)’、(5)’、(7)’、(10)’および(14)’のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を含む医薬組成物。
以降、本発明は実施形態を参照しながら記載される。本明細書の全体を通して、単数形の表現は、特に指定のない限り複数形の概念を含むことが理解されるべきである。したがって、単数形の冠詞(例えば、英語では、「a」、「an」、「the」など)は、特に指定のない限り複数形の概念を含むことが理解されるべきである。さらに、本明細書に使用される用語は、特に指定のない限り当該技術分野において通常使用される意味で使用されることが理解されるべきである。このように、特に定義のない限り、本明細書に使用される全ての技術および科学用語は、本発明が関係する分野の当業者により一般に理解される意味と同じ意味を有する。矛盾が存在する場合は、本明細書(定義を含む)が優先される。
本明細書に使用される用語のそれぞれの意味が以下に記載される。単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、特に断りのない限り、各用語は同じ意味で使用される。
本明細書において、「からなる」という用語は、構成要件のみを有することを意味する。
本明細書において、「含む」という用語は、構成要件に限定されず、記載されていない要素を排除しないことを意味する。
本明細書において、「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を包む。フッ素および塩素が好ましい。フッ素がより好ましい。
本明細書において、「アルキル」は、炭素数1~15、例えば炭素数1~10、例えば炭素数1~6、例えば炭素数1~4、好ましくは炭素数1~3、より好ましくは炭素数1または2の直鎖または分枝状のアルキルを包む。例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、n-へプチル、イソヘプチル、n-オクチル、イソオクチル、n-ノニル、およびn-デシルを含む。例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチルおよびn-ペンチルである。
一実施形態において、「アルキル」は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、またはtert-ブチルである
「ハロアルキル」という用語は、上記「アルキル」の1個以上の炭素原子に結合している1個以上の水素原子が、1個以上の上記「ハロゲン」に置き換えられている基を含む。例は、
モノフルオロメチル、モノフルオロエチル、モノフルオロプロピル、
ジフルオロメチル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、
トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、トリフルオロプロピル、ペンタフルオロプロピル、
モノクロロメチル、モノクロロエチル、モノクロロプロピル、
ジクロロメチル、ジクロロエチル、ジクロロプロピル、
トリクロロメチル、トリクロロエチル、トリクロロプロピル、ペンタクロロプロピル、
1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、1,1-ジフルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、
1-クロロエチル、2-クロロエチル、1,1-ジクロロエチル、2,2-ジクロロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、
1,2-ジブロモエチル、1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル、および2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルである。
例は、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1-フルオロエチル、1,1-ジフルオロエチル、および2,2-ジフルオロエチルである。例は、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、1-フルオロエチル、1,1-ジフルオロエチル、および2,2-ジフルオロエチルである。
用語「アルキレン」は、炭素数1~15、例えば炭素数1~10、例えば炭素数1~6、例えば炭素数1~3の直鎖または分枝状の2価の炭素鎖を含む。例は、メチレン、ジメチレン、およびトリメチレンである。
式(IA)、(IB)、または(IC)の化合物におけるアルキレンの1個以上の水素は、水素の同位体H(重水素)に置き換えられてもよい。
「炭素環」という用語は、非芳香族炭素環および芳香族炭素環を含む。
「非芳香族炭素環」という用語は、単環式の、または2個以上の環からなる、飽和炭素環または不飽和非芳香族炭素環を含む。2環以上の「非芳香族炭素環」は、非芳香族単環式炭素環または2環以上の非芳香族炭素環が、上記の「芳香族炭素環」の環に縮合している縮合環状基を含む。
加えて、「非芳香族炭素環」は、以下のように、架橋を有する環状基またはスピロ環を形成する環状基も含む。
Figure 2022511167000013

用語「非芳香族単環式炭素環」は、3~16個の炭素原子、例えば3~12個の炭素原子、例えば3~8個の炭素原子、例えば3~5個の炭素原子を有する基を含む。例は、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロプロペナン、シクロブテナン、シクロペンテナン、シクロヘキセナン、シクロヘプテナン、およびシクロヘキサジエナンである。例えば、シクロプロパン。
2個以上の環からなる非芳香族炭素環の例は、6~14個の炭素原子を有する基を含み、例は、インダン、インデナン、アセナフタレン、テトラヒドロナフタル、およびフルオレナンである。
「芳香族炭素環」という用語は、単環式の、または2個以上の環からなる、芳香族炭化水素環を含む。例は、炭素数6~14の芳香族炭化水素基であり、具体的な例は、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、およびフェナントレンである。
一実施形態において、「芳香族炭素環」はベンゼンである。
一実施形態において、「炭素環」は、シクロプロパン、シクロブタン、およびシクロペンタンである。
「複素環」という用語は、非芳香族複素環および芳香族複素環を含む。
「非芳香族複素環」という用語は、酸素、硫黄および窒素原子から独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含有する、単環式の、または2個以上の環からなる非芳香族基を含む。
2環以上の「非芳香族複素環」は、非芳香族単環式複素環または2環以上の非芳香族複素環が、上記の「芳香族炭素環」、「非芳香族炭素環」および/または「芳香族複素環」の環に縮合している、縮合環状基を含む。
加えて、「非芳香族複素環」は、以下のように、架橋を有する環状基、またはスピロ環を形成する環状基も含む。
Figure 2022511167000014

用語「非芳香族単環式複素環」は、3~8員環、例えば、4員、5員または6員環を含む。例は、ジオキサン、チイラン、オキシラン、オキセタン、オキサチオラン、アゼチジン、チアン、チアゾリジン、ピロリジン、ピロリン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリニル、モルホリン、チオモルホリン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロチアゾリン、テトラヒドロチアゾリン、テトラヒドロイソチアゾリン、ジヒドロオキサジン、ヘキサヒドロアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、テトラヒドロピリダジン、ヘキサヒドロピリミジン、ジオキソラン、ジオキサジン、アジリジン、ジオキソリン、オキセパン、チオラン、チイン、およびチアジンである。
2環以上の非芳香族複素環の例は、9~14員基を含み、例は、インドリン、イソインドリン、クロマン、およびイソクロマンである。
「芳香族複素環」という用語は、酸素、硫黄および窒素原子から独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含有する、単環式の、または2個以上の環からなる芳香族環を含む。
2環以上の「芳香族複素環」は、芳香族単環式複素環または2個以上の環からなる非芳香族複素環が、上記の「芳香族炭素環」の環に縮合している縮合環状基を含む。
用語「芳香族単環式複素環」は、5~8員基、例えば、5~6員環を含む。例は、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアゾール、トリアジン、テトラゾール、フラン、チオフェン、イソオキサゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、イソチアゾール、チアゾール、およびチアジアゾールである。
芳香族二環式複素環の例は、9~10員環を含み、例は、インドリン、イソインドリン、インダゾリン、インドリジン、キノリン、イソキノリン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、ナフチリジン、キノキサリン、プリン、プテリジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアジアゾール、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾトリアゾール、イミダゾピリジン、トリアゾロピリジン、イミダゾチアゾール、ピラジノピリダジン、オキサゾロピリジン、およびチアゾロピリジンである。
3環以上の芳香族複素環の例は、13~14員基を含み、例は、カルバゾール、アクリジン、キサンテン、フェノチアジン、フェノキサチイン、フェノキサジン、およびジベンゾフランである。
一実施形態において、「複素環」は1,4-オキサチアンである。
用語「Rと、RおよびRの1個は、隣接原子と一緒になって、炭素環または複素環を形成してもよい」および「Rと、RおよびRの1個は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環または複素環を形成してもよい」は、
Figure 2022511167000015

であることを含み、ここで環Bは、置換もしくは非置換の炭素環、または置換もしくは非置換の複素環である。
用語「RおよびRの1個と、RおよびRの1個は、アルキレンを形成してもよい」は、
Figure 2022511167000016

であることを含み、アルキレンを構成する炭素原子の1個は、酸素原子または窒素原子に置き換えられていてもよく、アルキレンを構成する炭素原子は、Rから選択される置換基でそれぞれ独立して置換されており、アルキレンを構成する窒素原子は、Rから選択される置換基で置換されており;
は、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、または置換もしくは非置換のアルキルであり;
は、水素原子、置換または非置換のアルキルである。
用語「RおよびRは、隣接原子と一緒になって、炭素環または複素環を形成してもよい」および「RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環または複素環を形成してもよい」は、
Figure 2022511167000017

であることを含み、ここで環Dは、置換もしくは非置換の炭素環、または置換もしくは非置換の複素環である。
用語「RおよびRは、隣接原子と一緒になって、炭素環または複素環を形成してもよい」および「RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環または複素環を形成してもよい」は、
Figure 2022511167000018

であることを含む。
「置換または非置換のアルキル」の置換基の例としては、以下の置換基群αから選択される1個以上の基が挙げられる。
置換基群αは、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキルオキシ、ハロアルキルオキシ、アルキルオキシアルキルオキシ、カルボキシ、アミノ、およびシアノからなる群である。
「置換または非置換のアルキル」の置換基は、例えば、ハロゲン、シアノなどである。
「置換または非置換の炭素環」または「置換または非置換の複素環」の置換基の例は、置換基群αから選択される基を含む。
における「置換または非置換のアルキル」の置換基は、例えば、ハロゲンなどである。
14における「置換または非置換のアルキル」の置換基は、例えば、ハロゲン、アルキルオキシなどである。
式(IA)、(IB)、(IC)、(IA-2)、(IB-2)および(IC-2)の各記号の具体的な実施形態が下記に例示されている。これらの実施形態の全ての組合せが、式(IA)、(IB)、(IC)、(IA-2)’、(IA-2)、(IB-2)および(IC-2)の化合物の例である。
-A-が、1個以上のハロゲンで置換されていてもよいアルキレンである。
-A-が、
(i)-CH-、
(ii)-CH-CH-、
(iii)-CH-CH-CH-、
(iv)-CD-、
(v)-CD-CD-、
(vi)-CD-CD-CD-、
(vii)-CF-、
(viii)-CF-CH-、
(ix)-CH-CF-、
(x)-CF-CH-CH-、
(xi)-CH-CF-CH-、
(xii)-CH-CH-CF-、
(xiii)-CHF-、
(xiv)-CHF-CH-、
(xv)-CH-CHF-、
(xvi)-CHF-CH-CH-、
(xvii)-CH-CHF-CH-、
(xviii)-CH-CH-CHF-、
(xix)-CH(Me)-、
(xx)-CH(Me)-CH-、
(xxi)-CH-CH(Me)-、
(xxii)-CH(Me)-CH-CH
(xxiii)-CH-CH(Me)-CH、および
(xxiv)-CH-CH-CH(Me)-
からなる群から選択される。
-A-が、
(iv)-CD-、
(v)-CD-CD-、
(vi)-CD-CD-CD-、
(vii)-CF-、
(viii)-CF-CH-、
(ix)-CH-CF-、
(x)-CF-CH-CH-、
(xi)-CH-CF-CH-、
(xii)-CH-CH-CF-、
(xiii)-CHF-、
(xiv)-CHF-CH-、
(xv)-CH-CHF-、
(xvi)-CHF-CH-CH-、
(xvii)-CH-CHF-CH-、および
(xviii)-CH-CH-CHF-
からなる群から選択される。
-A-は、
(v)-CD-CD-、
(vii)-CF-、
(viii)-CF-CH-、
(ix)-CH-CF-、
(xiv)-CHF-CH-、および
(xv)-CH-CHF-
からなる群から選択される。
-A-が、
(i)-CH-、
(ii)-CH-CH-、
(iii)-CH-CH-CH-、
(v)-CD-CD-、
(vii)-CF-、
(viii)-CF-CH-、
(ix)-CH-CF-、
(xiv)-CHF-CH-、および
(xv)-CH-CHF-
からなる群から選択される。
Figure 2022511167000019

であり、
Figure 2022511167000020

(式中、R17は、それぞれ独立して、H、D、F、またはメチルである)である。
Figure 2022511167000021

(式中、R17は、それぞれ独立して、H、D、Fである)である。
Figure 2022511167000022

(式中、R17は、それぞれ独立して、H、D、Fであり;少なくとも1個のR17は、DまたはFである)である。
Figure 2022511167000023

である。
Figure 2022511167000024

である。
が、NまたはCRである。
が、CRである。
が、水素原子、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、またはアミノである。
が、水素原子、フルオロ、クロロ、メチル、またはアミノである。
が、水素原子である。
が、置換または非置換のアルキルである。
が、1個以上のハロゲンで置換されていてもよいアルキルである。
が、フルオロで置換されていてもよいメチルである。
がは、メチルである。
が、フルオロメチルである。
およびRが、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、アルキル、またはハロアルキルである。
およびRが、それぞれ独立して水素原子である。
が、水素原子またはハロゲンである。
が、水素原子である。
が、CR18またはNであり、R18が水素原子である。
が、CR18であり、R18は水素原子である。
が、NまたはCRであり、ここでRは、水素原子、ハロゲン、または置換もしくは非置換のアルキルである。
が、CRであり、ここでRはハロゲンである。
が、CRであり、ここでRはフルオロである。
Figure 2022511167000025

である。
が、NRまたはCRである。
が、NRである。
が、CRである。
が、置換または非置換のアルキルである。
が、C1~C3アルキルである。
が、メチルである。
およびR99が、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、アルキル、またはハロアルキルである。
およびRが、それぞれ独立してアルキルである。
およびRが、それぞれ独立してC1~C3アルキルである。
およびRが、それぞれ独立してメチルである。
14が、それぞれ独立して、(ハロゲン、シアノ、アルキルオキシ、ハロアルキルオキシおよび非芳香族炭素環式基)から選択される1個以上の基で置換されていてもよいアルキル;または1個以上のアルキルで置換されていてもよいヘテロアリールであり;
同一の炭素原子に結合している2個のR14が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ハロゲン、アルキル、およびハロアルキルから選択される1個以上の基で置換されていてもよい3~5員非芳香族炭素環を形成してもよい。
14が、それぞれ独立して、ハロゲンから選択される1個以上の基で置換されていてもよいC1~C3アルキルである。
tが、0~3の整数である。
tが、0または1の整数である。
tが、0である。
15が、ハロゲンから選択される1個以上の基で置換されていてもよいアルキルである。
15が、ハロゲンから選択される1個以上の基で置換されていてもよいC1~C3アルキルである。
15が、アルキルである。
15が、C1~C3アルキルである。
15が、メチルである。
16が、置換もしくは非置換のアルキル、または非芳香族炭素環式基である。
16が、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、またはシクロプロピルである。
16が、メチルまたはエチルである。
16が、メチルである。
一実施形態では、式(IA-2)または(IA-2)’において、
Figure 2022511167000026

(式中、R17は、それぞれ独立して、H、D、F、またはメチルである)であり;
は、NまたはCRであり;
は、水素原子であり;
は、フルオロで置換されていてもよいメチルであり;
およびRは、それぞれ独立して水素原子であり;
は、水素原子またはハロゲンであり;
は、CFであり;
は、NRまたはCRであり;
は、CR18であり;
18は、水素原子であり;
は、C1~C3アルキルであり;およびRおよびRは、C1~C3アルキルである。
一実施形態では、式(IA-2)または(IA-2)’において、
Figure 2022511167000027

(式中、R17は、それぞれ独立して、H、D、F、またはメチルであり、好ましくは少なくとも1個のR17は、DまたはFである)であり;
1は、水素原子であり;
は、メチルであり;
およびRは、それぞれ独立して水素原子であり;
は、水素原子またはハロゲンであり;
は、CFであり;
は、NRまたはCRであり;
は、CR18であり;
18は、水素原子であり;および
は、メチルであり;およびRおよびRは、メチルである。
一実施形態では、式(IC-2)において、
Figure 2022511167000028

(式中、R17は、それぞれ独立して、H、D、F、またはメチルである)であり;
は、NまたはCRであり;
は、水素原子またはフルオロであり;
は、フルオロで置換されていてもよいメチルであり;
は、CFであり;
は、CR18であり;
18は、水素原子であり;
は、水素原子またはフルオロであり;
15は、C1~C3アルキルであり;および、
16は、C1~C3アルキルである。
式(IA)、(IB)、または(IC)の化合物は、特定の異性体に限定するものではなく、ケト-エノール異性体、イミン-エナミン異性体、ジアステレオ異性体、光学異性体、および回転異性体などの全ての可能な異性体、ラセミ体、ならびにそれらの混合物を含む。例えば、式(IA)、(IB)、または(IC)の化合物は、以下の互変異性体を含む。
Figure 2022511167000029

Figure 2022511167000030

Figure 2022511167000031
式(IA)、(IB)、または(IC)の化合物の1個以上の水素、炭素および/または他の原子を、水素、炭素および/または他の原子の同位体にそれぞれ置き換えることができる。同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、ヨウ素および塩素の同位体、例えば、それぞれH(D)、H、11C、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、123Iおよび36Clを含む。式(IA)、(IB)、または(IC)の化合物は、そのような同位体に置き換えられた化合物も含む。そのような同位体に置き換えられた化合物は、医薬としても有用であり、式(IA)、(IB)、または(IC)の化合物の全ての放射標識化合物を含む。本発明は、「放射標識化合物」を製造する「放射標識方法」を含み、この方法は、結合アッセイおよび/または診断における研究である、代謝薬物動態研究用のツールとして有用である。
式(IA)、(IB)、または(IC)の化合物の放射標識化合物は、当該技術分野で公知の方法によって調製することができる。例えば、式(IA)、(IB)、または(IC)のトリチウム標識化合物は、例えば、トリチウムを用いた触媒的脱ハロゲン化反応により、トリチウムを式(IA)、(IB)、または(IC)の特定の化合物に導入することによって調製することができる。この方法は、Pd/Cなどの適切な触媒の存在下、塩基の存在下または非存在下で式(IA)、(IB)、または(IC)の化合物の適切なハロゲン化前駆体をトリチウムガスと反応させることを含むことができる。トリチウム標識化合物を調製する他の適切な方法は、Isotopes in the Physical and Biomedical Sciences、1巻、Labeled Compounds(Part A)、6章(1987年)において見出すことができる。14C標識化合物は、14C炭素を有する出発物質を用いることによって調製することができる。
式(IA)、(IB)、または(IC)の化合物の製薬上許容される塩として、例は、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウムおよびカリウム)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウムおよびバリウム)、マグネシウム、遷移金属(例えば、亜鉛および鉄)、アンモニア、有機塩基(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メグルミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、ピリジン、ピコリン、キノリン)、およびアミノ酸との塩、ならびに無機酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、臭化水素酸、リン酸およびヨウ化水素酸)、および有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、マンデル酸、グルタル酸、リンゴ酸、安息香酸、フタル酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸およびエタンスルホン酸)との塩を含む。具体的な例は、塩酸、硫酸、リン酸、酒石酸、またはメタンスルホン酸との塩である。これらの塩は、通常の方法によって形成することができる。
式(IA)、(IB)、もしくは(IC)により表される本発明の化合物またはその製薬上許容される塩は、溶媒和物(例えば、水和物など)および/または結晶多形を形成してもよい。本発明は、これらの様々な溶媒和物および結晶多形を包含する。「溶媒和物」は、任意の数の溶媒分子(例えば、水分子など)が式(IA)、(IB)、または(IC)により表される化合物に対して配位されているものであってもよい。式(IA)、(IB)もしくは(IC)により表される化合物、または製薬上許容される塩を大気中に静置すると、この化合物は水分を吸収し、吸着水の付着または水和物の形成をもたらすことがある。式(IA)、(IB)もしくは(IC)により表される化合物、または製薬上許容される塩の再結晶化は、結晶多形を生成することがある。
製薬上許容される塩の調製に使用されうる別の代表的な酸は、以下:酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L-アルパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、(+)-ショウノウ酸、ショウノウスルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、D-グルコン酸、D-グルクロン酸(D-glucoronic acid)、L-グルタミン酸、ベータ-オキソ-グルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、(+)-L-乳酸、(±)-DL-乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、(-)-L-リンゴ酸、マロン酸、(±)-DL-マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、L-ピログルタミン酸、サリチル酸、4-アミノ-サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)-L-酒石酸、チオシアン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメチルスルホン酸、およびウンデシレン酸を含むが、これらに限定されない。製薬上許容される塩の調製に使用されうる別の代表的な塩基は、以下:アンモニア、L-アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、水酸化カルシウム、コリン、ジメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2-(ジエチルアミノ)-エタノール、エタノールアミン、エチレン-ジアミン、N-メチル-グルカミン、ヒドラバミン、1H-イミダゾール、L-リシン、水酸化マグネシウム、4-(2-ヒドロキシエチル)-モルホリン、ピペラジン、水酸化カリウム、1-(2-ヒドロキシエチル)-ピロリジン、第二級アミン、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロメタミン、および水酸化亜鉛を含むが、これらに限定されない。
式(IA)、(IB)もしくは(IC)により表される本発明の化合物またはその製薬上許容される塩は、プロドラッグを形成してもよい。本発明は、そのような様々なプロドラッグも包含する。プロドラッグは、化学的または代謝的に分解できる基を有する本発明の化合物の誘導体であり、加溶媒分解により、または生体内での生理条件下において、薬学的に活性な本発明の化合物に変換される化合物である。プロドラッグは、生体内での生理条件下において酵素的な酸化、還元、加水分解などによって式(IA)、(IB)、または(IC)により表される化合物に変換される化合物、および胃酸などの加水分解よって式(IA)、(IB)、または(IC)により表される化合物に変換される化合物を含む。適切なプロドラッグ誘導体を選択および調製する方法は、例えば、Design of Prodrugs、Elsevier、Amsterdam 1985年に記載されている。プロドラッグは、それ自身が活性化合物であってもよい。
式(IA)、(IB)もしくは(IC)の化合物またはその製薬上許容される塩がヒドロキシ基を有する場合、プロドラッグは、ヒドロキシ基を有する化合物を適切な酸ハロゲン化物、適切な酸無水物、適切な塩化スルホニル、適切なスルホニル無水物および混成無水物(mixed anhydride)と、または縮合剤と反応させることにより調製されうる、アシルオキシ誘導体およびスルホニルオキシ誘導体を含む。例は、CHCOO-、CCOO-、t-BuCOO-、C1531COO-、PhCOO-、(m-NaOOCPh)COO-、NaOOCCHCHCOO-、CHCH(NH)COO-、CHN(CHCOO-、CHSO-、CHCHSO-、CFSO-、CHFSO-、CFCHSO-、p-CHO-PhSO-、PhSO-、およびp-CHPhSO-である。
化合物の名称は、Chemical Abstracts Service(CAS)により決定された命名規則に従って、またはInternational Union of Pure and Applied Chemistry(IUPAC)により決定された命名規則に従って生成した。
(IA)、(IB)、または(IC)の化合物は、当業者に公知の合成方法を伴って、下に記載される方法により調製することができる。
出発物質は市販されているか、または公知の方法に従って調製してもよい。
以下の合成のいずれかの際に、任意の分子の感応性または反応性が高い置換基を保護しておくことが必要、または好ましいことがある。そのような場合、これらの保護は、従来の保護基、例えば、Greene’s Protective Group in Organic Synthesis、John Wily & Sons、2007年に記載されているものによって達成することができる。
下に記載されている化合物は、ジアステレオマーおよび/またはエナンチオマーの混合物として生成され、後の手順の適切な段階において、従来の技術、例えば、結晶化、シリカゲルクロマトグラフィー、キラルまたはアキラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、およびキラル超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)を使用して分離されて、本発明の単一のエナンチオマーを提供しうることが当業者に理解される。
以下の全ての工程において、実施される工程の順序を適切に変えることができる。各工程において、中間体を単離し、次いで次の工程に使用してもよい。反応時間、反応温度、溶媒、試薬、保護基などは、全て単なる例示であり、反応に有害効果を及ぼさない限り限定されない。
一般手順A
Figure 2022511167000032

(式中、Pは、アルキル、ベンゾイル、ベンジル、4-メトキシベンジル、または2,4-ジメトキシベンジルなどの保護基であり、他の記号は上記の(1)と同義である)。
一般手順Aは、化合物A1から工程1~工程3の複数工程を経て化合物A4の化合物を調製する方法である。後の工程で用いられる反応条件に応じて、保護基Pが選択されることは、当業者であれば理解できる。化合物A1の出発物質は、Chem.Rev.2010年、110巻、3600~3740頁に記載された条件と類似の方法で調製することができる。
工程1
化合物A2は、化合物A1への適切な陰イオンの求核付加によって調製することができる。この種類の反応は、J.Med.Chem.2016年、59巻、10435~10450頁に記載された条件を使用して実施することができる。好ましくは、陰イオンは、対応するメチルスルホンアミド、および例えばn-ブチルリチウムなどの適切な塩基から調製することができ、次いで化合物A1と反応させて、化合物A2を得ることができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、トルエン、ベンゼン、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは-78℃~-30℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程2
化合物A3は、化合物A2の脱保護により調製することができる。この脱保護反応は当業者に公知であり、J.Med.Chem.2016年、59巻、10435~10450頁およびOrg.Lett.、2016年、18巻(22)、5780~5783頁に記載された条件下で実施することができる。反応は、好ましくは塩酸またはトリフルオロ酢酸を使用する酸性条件下で実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、ジクロロメタン、1,4-ジオキサン、メタノール、1,3-ジメトキベンゼン、トルエンおよびベンゼン、ならびにそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは室温~60℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程3
化合物A4は、化合物A3の環化により調製することができる。この環化反応は当業者に公知であり、J.Med.Chem.2016年、59巻、10435~10450頁およびOrg.Lett.、2016年、18巻(22)、5780~5783頁に記載された条件下で実施することができる。環化は、臭化シアンを使用して実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、アセトニトリル、エタノール、2-プロパノール、1-ブタノール、それらの混合溶媒を含む。反応温度は、通常は40℃~150℃であり、好ましくは60℃~100℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
一般手順B:
Figure 2022511167000033

(式中、記号は上記の(1)と同義である)。
一般手順Bは、化合物A1から工程1~工程3の複数工程を経て化合物B3を調製する方法である。
工程1
化合物B1は、化合物A1への適切な陰イオンの求核付加によって調製することができる。好ましくは、陰イオンは、対応する2-(メチルスルホニル)アセトニトリル、例えばn-ブチルリチウムなどの適切な塩基から調製することができ、次いで化合物A1と反応させて、化合物B1を得ることができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、トルエン、ベンゼン、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは-78℃~-30℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程2
化合物B2は、化合物A2の脱保護により調製することができる。反応は、好ましくは塩酸またはトリフルオロ酢酸を使用する酸性条件下で実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、ジクロロメタン、1,4-ジオキサン、メタノール、1,3-ジメトキベンゼン、トルエンおよびベンゼン、ならびにそれらの混合溶媒を含む。反応時間は、好ましくは室温~60℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程3
化合物B3は、化合物B2の環化により調製することができる。環化は、好ましくは塩酸を使用する酸性条件下で実施することができる。あるいは、例えば、トリメチルアルミニウムなどのルイス酸の存在下。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、それらの混合溶媒を含む。反応温度は、通常は40℃~150℃であり、好ましくは60℃~110℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
一般手順C:
Figure 2022511167000034

(式中、記号は上記の(1)と同義である)。
一般手順Cは、化合物C1から工程1~工程2の複数工程を経て化合物C3を調製する方法である。
工程1
化合物C2は、化合物C1のニトロ化により調製することができる。典型的な手順は、硫酸およびトリフルオロ酢酸に溶解した化合物C1を、例えば、硝酸カリウムまたは硝酸などのニトロニウムイオン源で処理することを伴う。反応温度は、好ましくは-20℃~0℃である。反応時間は特に限定されないが、通常は5分~5時間であり、好ましくは30分~2時間である。
工程2
化合物C3は、化合物C2の還元により調製することができる。還元は、例えば、パラジウム炭素などの適切な触媒により水素雰囲気下で、または例えば、鉄、亜鉛もしくは塩化スズ(II)などの還元剤の使用により実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、水、それらの混合溶媒を含む。反応温度は、通常は室温~80℃であり、好ましくは室温~60℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
一般手順D:
Figure 2022511167000035

(式中、PおよびPは、アセチル、ベンゾイル、ベンジル、4-メトキシベンジル、2,4-ジメトキシベンジル、トリチル、またはTHPなどの保護基であり、-A1’-は、重水素で置換されていてもよいアルキレンであり、Xは、OH、Cl、Br、およびメシレートなどの脱離基である。他の記号は上記の(1)と同義である)。
工程1
一般手順Dは、化合物D1から工程1~工程5の複数工程を経て化合物D6を調製する方法である。後の工程で用いられる反応条件に応じて、保護基が選択されることは、当業者であれば理解できる。
化合物D2は、化合物D1のアルキル化により調製することができる。この種類の反応は、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、および炭酸セシウムなどの適切な塩基を使用して、対応するハロゲン化アルキルにより実施することができる。あるいは、化合物D2は、対応するアルコール、ならびに例えば、DEAD、DIADまたはADDP、およびトリフェニルホスフィンまたはトリブチルホスフィンなどの試薬を使用するミツノブ反応により得ることができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、DME、DMA、NMP、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、通常は室温~150℃であり、好ましくは室温~100℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程2
化合物D3は、化合物D2の脱保護により調製することができる。この脱保護は、選択される保護基に応じて適切な条件下で実施することができる。例えば、保護基がベンジルである場合、化合物D3は、例えば、パラジウム炭素などの適切な触媒により水素雰囲気下で調製することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、水、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは室温~60℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程3
化合物D4は、化合物D3のアルキル化により調製することができる。例えば、XがCl、Brおよびメシレートなどの脱離基である場合、この種類の反応は、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、および炭酸セシウムなどの適切な塩基により実施することができる。あるいは、XがOHである場合、化合物D3は、例えば、DEAD、DIADまたはADDP、およびトリフェニルホスフィンまたはトリブチルホスフィンなどの試薬を使用するミツノブ反応により得ることができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、DME、DMA、NMP、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、通常は室温~150℃であり、好ましくは室温~100℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程4
化合物D5は、化合物D4の脱保護により調製することができる。この脱保護は、選択される保護基に適した条件により実施することができる。例えば、保護基がトリチルまたはTHPである場合、化合物Dは、p-トルエンスルホン酸または塩酸などの酸性条件下で調製することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、水、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは室温~100℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
化合物D6は、化合物D5の酸化により調製することができる。酸化は、例えば、TEMPO、NaClOおよびNaClOを使用するTEMPO酸化などの適切な条件により実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、水、それらの混合溶媒を含む。反応温度は、通常は室温~80℃であり、好ましくは室温~60℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
一般手順E:
Figure 2022511167000036

(式中、P、P、およびPは、アルキル、アセチル、ベンゾイル、ベンジル、4-メトキシベンジル、2,4-ジメトキシベンジル、トリチル、またはTHPなどの保護基であり、R10およびR11は、それぞれ独立して、水素原子またはフルオロであり、R12およびR13は、それぞれ独立して、水素原子、フルオロ、またはアルキルである。他の記号は上記の(1)と同義である)。
一般手順Eは、化合物E1から工程1~工程5の複数工程を経て化合物E6を調製する方法である。後の工程で用いられる反応条件に応じて、保護基が選択されることは、当業者であれば理解できる。
工程1
化合物E2は、化合物E1のアルキル化により調製することができる。この種類の反応は、例えば、炭酸カリウム、炭酸セシウム、およびDBUなどの適切な塩基を使用して、対応するα-ハロエステルにより実施することができる。あるいは、化合物E2は、対応するα-ヒドロキシエステル、ならびに例えば、DEAD、DIADまたはADDP、およびトリフェニルホスフィンまたはトリブチルホスフィンなどの試薬を使用するミツノブ反応により得ることができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ベンゼン、トルエン、DMF、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、通常は室温~150℃であり、好ましくは室温~100℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程2
化合物E3は、化合物E2の脱保護により調製することができる。この脱保護は、選択される保護基に応じて適切な条件によって実施することができる。例えば、保護基がベンジルである場合、化合物E3は、例えば、パラジウム炭素などの適切な触媒により水素雰囲気下で調製することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、水、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは室温~60℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程3
化合物E4は、化合物E3のエステルの還元により調製することができる。還元は、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、および水素化アルミニウムリチウムなどの還元試薬により実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、水、それらの混合溶媒を含む。反応温度は、通常は室温~80℃であり、好ましくは室温~60℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程4
化合物E5は、化合物E4のミツノブ反応により調製することができる。この反応は、例えば、DEAD、DIADまたはADDP、およびトリフェニルホスフィンまたはトリブチルホスフィンなどの適切な試薬により実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、DME、DMA、NMP、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、通常は室温~150℃であり、好ましくは室温~100℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程5
化合物E6は、化合物E5の脱保護により調製することができる。この脱保護は、選択される保護基に適した条件により実施することができる。例えば、保護基がトリチルまたはTHPの場合。化合物E6は、好ましくはp-トルエンスルホン酸または塩酸を使用する酸性条件下で調製することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、水、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは室温~100℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程6
化合物E7は、化合物E6のアルコールの酸化により調製することができる。酸化は、例えば、TEMPO、NaClOおよびNaClOを使用するTEMPO酸化などの適切な条件により実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、水、それらの混合溶媒を含む。反応温度は、通常は室温~80℃であり、好ましくは室温~60℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
一般手順F:
Figure 2022511167000037

(式中、P、P、およびPは、アルキル、アセチル、ベンゾイル、ベンジル、4-メトキシベンジル、2,4-ジメトキシベンジル、トリチル、またはTHPなどの保護基であり、R10およびR11は、それぞれ独立して、水素原子またはフルオロであり、R12およびR13は、それぞれ独立して、水素原子、フルオロ、またはアルキルである。他の記号は上記の(1)と同義である)。
一般手順Fは、化合物F1から工程1~工程5の複数工程を経て化合物F6を調製する方法である。当業者は、保護基を、後の工程で使用される反応条件に応じて選択できることを理解する。
工程1
化合物F2は、化合物F1のアルキル化により調製することができる。この種類の反応は、例えば、炭酸カリウム、炭酸セシウム、およびDBUなどの適切な塩基を使用して、対応するα-ハロエステルにより実施することができる。あるいは、化合物F2は、対応するα-ヒドロキシエステル、ならびに例えば、DEAD、DIADまたはADDP、およびトリフェニルホスフィンまたはトリブチルホスフィンなどの試薬を使用するミツノブ反応により得ることができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ベンゼン、トルエン、DMF、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、通常は室温~150℃であり、好ましくは室温~100℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程2
化合物F3は、化合物F2のエステルの還元により調製することができる。還元は、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、および水素化アルミニウムリチウムなどの還元試薬により実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、水、それらの混合溶媒を含む。反応温度は、通常は室温~80℃であり、好ましくは室温~60℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程3
化合物F4は、化合物F3の脱保護により調製することができる。
この脱保護は、選択される保護基に適した条件により実施することができる。例えば、保護基がベンジルである場合、化合物F3は、例えば、パラジウム炭素などの適切な触媒により水素雰囲気下で調製することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、水、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは室温~60℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程4
化合物F5は、化合物F4のミツノブ反応により調製することができる。この反応は、例えば、DEAD、DIADまたはADDP、およびトリフェニルホスフィンまたはトリブチルホスフィンなどの適切な試薬により実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、DME、DMA、NMP、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、通常は室温~150℃であり、好ましくは室温~100℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程5
化合物F6は、化合物F5の脱保護により調製することができる。この脱保護は、選択される保護基に適した条件により実施することができる。例えば、保護基がトリチルまたはTHPである場合、化合物F6は、好ましくはp-トルエンスルホン酸または塩酸を使用する酸性条件下で調製することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、水、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは室温~100℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程6
化合物F7は、化合物F6のアルコールの酸化により調製することができる。酸化は、例えば、TEMPO、NaClOおよびNaClOを使用するTEMPO酸化などの適切な条件により実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、水、それらの混合溶媒を含む。反応温度は、通常は室温~80℃であり、好ましくは室温~60℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
一般手順G
Figure 2022511167000038

(式中、Pは、アルキル、アセチル、ベンゾイル、ベンジル、4-メトキシベンジル、2,4-ジメトキシベンジル、トリチル、またはTHPなどの保護基である。他の記号は上記と同義である)。
一般手順Gは、化合物G1から工程1~工程4の複数工程を経て化合物F6を調製する方法である。後の工程で用いられる反応条件に応じて、保護基が選択されることは、当業者であれば理解できる。
工程1
化合物G2は、例えば、DMAP、ピリジン、または2,5-ルチジンなどの適切な塩基を使用して、チオホスゲンと反応させることによって調製することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは-20℃~室温である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程2
化合物G3は、化合物G2のフッ素化により調製することができる。反応は、例えばフッ化水素ピリジン(hydrogen fluoride pyridine)などの適切な試薬を使用して実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、ジクロロメタンまたは1,2-ジクロロエタンを含む。反応温度は、好ましくは、式中、Pは、アルキル、アセチル、ベンゾイル、ベンジル、4-メトキシベンジル、2,4-ジメトキシベンジル、トリチル、またはTHPなどの保護基である。他の記号は上記の(1)と同義である。
一般手順Gは、化合物G1から工程1~工程4の複数工程を経て化合物F6を調製する方法である。当業者は、保護基を、後の工程で使用される反応条件に応じて選択できることを理解する。
工程1
化合物G2は、例えば、DMAP、ピリジン、または2,5-ルチジンなどの適切な塩基を使用して、チオホスゲンと反応させることによって調製することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは-20℃~室温である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程2
化合物G3は、化合物G2のフッ素化により調製することができる。反応は、例えばフッ化水素ピリジンなどの適切な試薬を使用して実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、ジクロロメタンまたは1,2-ジクロロエタンを含む。 反応温度は、好ましくは-78℃~室温、好ましくは-60℃~0℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程3
化合物G4は、化合物G3の脱保護により調製することができる。この脱保護は、選択される保護基に適した条件により実施することができる。例えば、保護基がトリチルまたはTHPである場合、化合物G4は、好ましくはp-トルエンスルホン酸または塩酸を使用する酸性条件下で調製することができる。あるいは、保護基がアセチルまたはベンジルである場合、化合物G4は、好ましくは、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウムを使用する塩基性条件下で調製することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、水、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは0℃~100℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程4
化合物G5は、化合物G4のアルコールの酸化により調製することができる。酸化は、例えば、TEMPO、NaClOおよびNaClOを使用するTEMPO酸化などの適切な条件により実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、水、それらの混合溶媒を含む。反応温度は、通常は室温~80℃であり、好ましくは室温~60℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
一般手順H
Figure 2022511167000039

(式中、記号は上記の(1)と同義である)。
一般手順Hは、化合物H3を調製する方法である。
工程1
化合物H3は、化合物H1と化合物H2のアミドカップリング反応により調製することができる。この反応は、当業者に公知の方法により実施することができ、適切なカップリング条件は、Chem.Rev.2011年、111巻、6557~6602頁において見出すことができ、a)縮合試薬を使用する反応、b)酸塩化物またはフッ化物を使用する反応を含む。
反応a)は、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC塩酸塩)、O-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、および1H-ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリ(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)などの縮合試薬を使用して実施することができる。HATUおよびPyBOPなどのウロニウムまたはホスホニウム塩を使用する場合、反応はトリエチルアミンおよびジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下で実施することができる。反応は、1-ヒドロキシ-ベンゾトリアゾール(HOBt)および1-ヒドロキシ-7-アザ-ベンゾトリアゾール(HOAt)などの触媒の使用により加速されうる。反応に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、ジクロロメタン、N,N-ジメチルホルムアミド(DME)、N-メチルピロリドン(NMP)、およびテトラヒドロフランを含む。反応温度は、通常は0℃~50℃であり、好ましくは室温である。
反応b)は、市販の酸塩化物または当業者に公知の方法により合成されたものを使用して、ジクロロメタン、テトラヒドロフランおよび酢酸エチルなどの溶媒中において、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンおよびN,N-ジメチル-4-アミノピリジンなどの塩基の存在下で実施することができる。反応温度は、通常は0℃~60℃であり、好ましくは0℃~室温である。反応時間は特に限定されず、通常は5分~24時間、好ましくは20分~6時間である。
一般手順A’
Figure 2022511167000040

(式中、Pは、ベンゾイルまたはベンジルなどの保護基であり、他の記号は上記の(1)と同義である)。
一般手順A’は、化合物A’-1から工程1~工程8の複数工程を経て化合物A’-9の化合物を調製する方法である。後の工程で用いられる反応条件に応じて、保護基Pが選択されることは、当業者であれば理解できる。
工程1
化合物A’-2は、1,3-双極子付加環化(1,3-dipolar cycloaddition)により調製することができる。この種類の反応は、J.Am.Chem.Soc.、1960年、82巻、5339~5342頁またはJ.Org.Chem.1998年、63巻、5272~5274頁に記載された類似の条件を使用して実施することができる。この1,3-双極子付加環化は、環状化合物A’-1、ならびに、例えばフェニルイソシアネート、フェニルジイソシアネートまたは(Boc)Oなどの適切な脱水剤、および例えばトリエチルアミン、ジプロピルエチルアミンまたはN-メチルモルホリンなどの適切な塩基を使用して対応するニトロアルカンから反応系内で生成された、対応するニトリルオキシドによって実施することができる。あるいは、ニトリルオキシドを、例えば、トリエチルアミン、ジプロピルエチルアミン、またはN-メチルモルホリンなどの適切な塩基を用いて、対応するヒドロキサモイルクロリド(hydroxamoyl chloride)から反応系内で生成することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、トルエン、ベンゼン、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは室温~120℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程2
化合物A’-3は、化合物A’-2への適切なアリールリチウム試薬またはグリニャール試薬の求核付加により調製することができる。この種類の反応は、J.Am.Chem.Soc.、2005年、127巻、5376~5384頁に記載された類似の条件を使用して実施することができる。好ましくは、アリールリチウム試薬またはグリニャール試薬は、例えば、n-、sec-もしくはtert-ブチルリチウム、イソプロピルマグネシウムブロミド、または金属マグネシウムなどの適切な塩基を使用して、対応する芳香族ハロゲン化物から調製することができ、次いで化合物A’-2を、例えばBF-OEtなどのルイス酸と反応させて、化合物A’-3を得ることができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、トルエン、ベンゼン、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは-78℃~室温である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程3
化合物A’-4は、化合物A’-3のN-O結合の還元的開裂反応により調製することができる。この還元的開裂は、亜鉛を酢酸、ギ酸、または塩酸などの適切な酸と共に使用して実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、水、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは-20℃~溶媒の還流温度である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
あるいは、この反応は、酸化白金などの金属触媒を水素下で使用して実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、メタノール、エタノール、水、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは室温~50℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
さらに、この種類の反応は、水素化アルミニウムリチウムを使用して実施することもできる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは-20℃~室温である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程4
化合物A’-5は、化合物A’-4から反応系内で対応するチオ尿素を形成し、続く環化反応により、調製することができる。この種類の反応は、当業者に公知であり、国際公開第2014/065434号に記載された条件下で実施することができる。チオウレアは、例えば、ベンゾイルイソチオシアネートまたはベンジルイソチオシアネートなどの適切なイソチオシアネートを使用して、化合物A-4から反応系内で得ることができ、次いで環化は、例えば、m-CPBA、過酸化水素、またはカルボジイミド試薬(例えば、DCC、DICまたはEDC)などの試薬を添加することにより実施することができる。あるいは、この環化は、ヨウ化メチルなどのアルキル化試薬、ならびに水素化ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸カリウムなどの適切な塩基を使用して実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、通常は0℃~60℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程5
化合物A’-6は、化合物A-5の脱保護により調製することができる。この脱保護反応は当業者に公知であり、Green’s Protective Groups in Organic Synthesis、4版に記載された条件下で実施することができる。保護基がベンゾイル(benoyl)である場合、脱保護反応は、硫酸もしくは塩酸などの酸性条件下、またはヒドラジン、DBUもしくは水酸化ナトリウムなどの塩基性条件下で実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、メタノール、トルエン、ベンゼン、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは室温~100℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程6
化合物A’-7は、化合物A’-6のニトロ化により調製することができる。典型的な手順は、硫酸およびトリフルオロ酢酸に溶解した化合物A’-6を、例えば、硝酸カリウムまたは硝酸などのニトロニウムイオン源で処理することを伴う。反応温度は、好ましくは-20℃~0℃である。反応時間は特に限定されないが、通常は5分~5時間であり、好ましくは30分~2時間である。
工程7
化合物A’-8は、化合物A’-7の還元により調製することができる。還元は、例えば、パラジウム炭素などの適切な触媒により水素雰囲気下で、または例えば、鉄、亜鉛もしくは塩化スズ(II)などの還元剤の使用により実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、水、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、通常は室温~80℃であり、好ましくは室温~60℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程8
化合物A’-9は、化合物A’-8と対応するカルボン酸とのアミドカップリング反応により調製することができる。この反応は、当業者に公知の方法により実施することができ、適切なカップリング条件は、Chem.Rev.2011年、111巻、6557~6602頁において見出すことができ、a)縮合試薬を使用する反応、b)酸塩化物またはフッ化物を使用する反応を含む。
反応a)は、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC塩酸塩)、O-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、および1H-ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリ(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)などの縮合試薬を使用して実施することができる。HATUおよびPyBOPなどのウロニウムまたはホスホニウム塩を使用する場合、反応はトリエチルアミンおよびジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下で実施することができる。反応は、1-ヒドロキシ-ベンゾトリアゾール(HOBt)および1-ヒドロキシ-7-アザ-ベンゾトリアゾール(HOAt)などの触媒の使用により加速されうる。反応に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、ジクロロメタン、N,N-ジメチルホルムアミド(DME)、N-メチルピロリドン(NMP)、およびテトラヒドロフランを含む。反応温度は、通常は0℃~50℃であり、好ましくは室温である。
反応b)は、市販の酸塩化物または当業者に公知の方法により合成されたものを使用して、ジクロロメタン、テトラヒドロフランおよび酢酸エチルなどの溶媒中において、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンおよびN,N-ジメチル-4-アミノピリジンなどの塩基の存在下で実施することができる。反応温度は、通常は0℃~60℃であり、好ましくは0℃~室温である。反応時間は特に限定されず、通常は5分~24時間、好ましくは20分~6時間である。
一般手順B’
Figure 2022511167000041

(式中、A’は、置換または非置換のC1~2アルキレンであり、R’およびR’’は、(ハロゲン、シアノ、アルキルオキシ、ハロアルキルオキシまたは非芳香族炭素環式基)で置換されていてもよいアルキル、およびアルキルで置換されていてもよいヘテロアリールからなる群からそれぞれ独立して選択され、他の記号は上記と同義である)。
一般手順B’は、化合物B’-1から複数工程を経て化合物B’-5を調製する方法である。化合物B’-4を使用して、化合物B’-5を一般手順A’に記載の方法に従って調製することができる。
工程1
化合物B’-2は、1,3-双極子付加環化により調製することができる。この種類の反応は、J.Am.Chem.Soc.、1960年、82巻、5339~5342頁またはJ.Org.Chem.1998年、63巻、5272~5274頁に記載された類似の条件を使用して実施することができる。この1,3-双極子付加環化は、環状化合物B’-1、ならびに、例えばフェニルイソシアネート、フェニルジイソシアネートまたは(Boc)Oなどの適切な脱水剤、および例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンまたはN-メチルモルホリンなどの適切な塩基を使用して対応するニトロアルカンから反応系内で生成された対応するニトリルオキシドによって実施することができる。あるいは、ニトリルオキシドは、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、またはN-メチルモルホリンなどの適切な塩基を用いて対応するヒドロキサモイルクロリドから反応系内で生成することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、トルエン、ベンゼン、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは室温~120℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程2
’が水素原子である場合、化合物B’-3は、化合物B’-2のカルボニル還元により調製することができる。この種類の反応は、例えば、DIBAL-H、水素化リチウムトリ-tert-ブトキシアルミニウム(lithium tri-tert-butoxyaluminum hydride)またはナトリウムビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムなどの適切な金属水素化物を使用し、化合物B’-2への求核付加によって実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、トルエン、ベンゼン、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは-78℃~室温である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
’が水素原子以外である場合、化合物B’-3は、化合物B’-2への求核付加により調製することができる。この種類の反応は、例えば、BF-OEt、AlClまたはTiClなどのルイス酸を伴って、または伴うことなく、例えば、有機リチウム、マグネシウム、亜鉛またはシリル試薬などの適切な求核試薬を使用して実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、トルエン、ベンゼン、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは-78℃~室温である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程3
’’が水素原子である場合、化合物B’-4は、化合物B’-3の還元により調製することができる。この種類の反応は、BF-OEtなどのルイス酸を伴って、または伴うことなく、トリエチルシラン、水素化ホウ素ナトリウムなどの適切な還元剤を使用して実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、ジクロロメタン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、トルエン、ベンゼン、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは-20℃~室温である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
’’が水素原子以外である場合、化合物B’-4は、化合物B’-2への求核付加により調製することができる。この種類の反応は、例えば、BF-OEt、AlClまたはTiClなどのルイス酸を伴って、または伴うことなく、例えば、有機リチウム、マグネシウム、亜鉛またはシリル試薬などの適切な求核試薬を使用して実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、トルエン、ベンゼン、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは-78℃~室温である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
一般手順C’
Figure 2022511167000042

(式中、Pは、ベンゾイルまたはベンジルなどの保護基であり、R’’’は、エチルまたはシクロプロピルであり、他の記号は上記の(1)と同義である)。
一般手順C’は、化合物B-1から複数工程を経て化合物C’-5を調製する方法である。化合物C’-3および化合物C’-5は、一般手順A’に記載の方法に従って化合物C’-2およびC’-5から調製することができる。
工程1
化合物C’-1は、化合物B’-2のカルボニル基へのアリル部分の求核付加により調製することができる。この種類の反応は、例えば、BF-OEt、AlClまたはTiClなどのルイス酸を伴って、または伴うことなく、例えば、アリルシラン、リチウム、マグネシウム、亜鉛試薬などの適切な市販されている、または反応系内で生成されたアリル試薬を使用して実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、トルエン、ベンゼン、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは-78℃~室温である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程2
化合物C’-2は、化合物C’-1の還元により調製することができる。この種類の反応は、BF-OEtなどのルイス酸を伴って、または伴うことなく、トリエチルシランまたは水素化ホウ素ナトリウムなどの適切な還元剤を使用して実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、ジクロロメタン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、トルエン、ベンゼン、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは-20℃~室温である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程3
’’’がエチルである場合、化合物C’-5は、化合物C’-4の水素化により得ることができる。水素化は、例えばパラジウム炭素などの適切な触媒を水素雰囲気下で使用して実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、水、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、通常は室温~80℃であり、好ましくは室温~60℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
’’’がシクロプロピルである場合、化合物C’-5は、化合物C’-4のシクロプロパン化により得ることができる。この種類の反応は、適切な触媒を伴って、もしくは伴うことなくジアゾメタンなどの適切な試薬を使用して、または例えばジヨードメタンとジエチル亜鉛などのシモンズ-スミス反応条件を使用して、実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、トルエン、ベンゼン、またはこれらの混合溶媒を含む。反応温度は、通常は-30℃~室温である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
一般手順D’
Figure 2022511167000043

(式中、Pは、ベンゾイルまたはベンジルなどの保護基であり、R’’’’は、フッ素で置換されているアルキル、またはアルキルオキシであり、他の記号は上記の(1)と同義である)。
一般手順D’は、化合物C’-3から複数工程を経て化合物D’-3の化合物を調製する方法である。化合物D’-3は、一般手順A’に記載の方法に従って化合物D’-2から調製することができる。
工程1
化合物D’-1は、化合物C’-3のオゾン分解により、続いて、得られたアルデヒドの還元によって調製することができる。この反応は、当業者に公知の方法により実施することができる。オゾン分解は、オゾン雰囲気下、ジクロロメタン、メタノール、およびそれらの混合溶媒などの適切な溶媒中において実施でき、また、窒素雰囲気下トリフェニルホスフィン、ピリジン、ジメチルスルフィド、およびトリメチルアミンなどの適切な試薬を用いて還元的後処理を実施することができる。オゾニドを生成する温度は、好ましくは-78℃であり、次いで温度を還元的後処理のために室温に温めることができる。反応時間は、特に限定されないが、通常は30分~5時間、好ましくは30分~2時間である。得られたアルデヒドの還元は、水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化アルミニウムリチウムなどの適切な還元剤を使用して、ワンポット(one pot)で実施することができる。反応温度は、好ましくは0℃~室温である。反応時間は、特に限定されないが、通常は30分~5時間、好ましくは30分~2時間である。
工程2
’’’’が、CF、CHF、またはCHFである場合、化合物D’-2は、化合物D-1からアルデヒドまたはカルボン酸への酸化、続くフッ素化の2ステップシーケンス(sequence)、または化合物D’-1の直接のフッ素化により得ることができる。この反応は、当業者に公知の方法により実施することができる。例えば、化合物D’-1を、例えばTEMPO、デス-マーチン、またはスワーン酸化などの適切な酸化条件下で対応するアルデヒドに酸化することができる。対応するカルボン酸は、得られたアルデヒドの酸化によって、または例えば、ピニック、TEMPOもしくはジョーンズ酸化などの適切な条件を使用して化合物D’-1を直接酸化することによって得ることができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。反応温度は、通常は-78℃~室温である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。フッ素化反応は、例えば、DAST、Deoxofluor、または四フッ化硫黄などの適切な試薬を使用して実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、トルエン、ベンゼン、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは-78℃~50℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
’’’’がアルキルオキシである場合、化合物D’-2は、化合物D’-1の末端アルコールのアルキル化により得ることができる。この反応は、水素化ナトリウムなどの適切な塩基をハロゲン化アルキル、メシレート、またはトリフレートなどの対応する求電子試薬と共に使用して実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMF、DMA、DMSO、トルエン、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは0℃~100℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
一般手順E’
Figure 2022511167000044

(式中、Pは、ベンゾイルまたはベンジルなどの保護基であり、R’’’’’は、エチルまたはシクロプロピルであり、Xは、ハロゲン、メシレート、またはトリフレートなどの脱離基であり、他の記号は上記の(1)と同義である)。
一般手順E’は、化合物D’-1から複数工程を経て化合物E’-4の化合物を調製する方法である。化合物E’-4は、一般手順A’に記載の方法に従って化合物E’-2から調製することができる。
工程1
化合物E’-1は、化合物D’-3の末端アルコールを脱離基に変換することによって調製することができる。この反応は、当業者に公知の方法により実施することができる。化合物E’-1は、例えばSOX、POX(X=ClまたはBr)などを使用する適切なハロゲン化条件下、またはCX(X=ClまたはBr)を伴うトリフェニルホスフィン、もしくはヨウ素などのAppel反応条件下で得ることができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、トルエン、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは0℃~100℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程2
化合物E’-2は、化合物D’-3の末端アルコールを脱離基に変換することによって調製することができる。この反応は、当業者に公知の方法により実施することができる。化合物E-1は、例えばSOX、POX(X=ClまたはBr)などを使用する適切なハロゲン化条件下、またはCX(X=ClまたはBr)を伴うトリフェニルホスフィン、もしくはヨウ素などのAppel反応条件下で得ることができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、トルエン、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは0℃~100℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程3
化合物E’-2は、化合物E’-1の脱離反応により調製することができる。この反応は、当業者に公知の方法により実施することができる。化合物E’-2は、例えば、ナトリウムもしくはカリウムtert-ブトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、DBU、またはピリジンなどの適切な塩基を使用して得ることができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、トルエン、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは0℃~60℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
工程4
’’’’’がエチルである場合、化合物E’-3は、化合物E’-2の水素化により得ることができる。水素化は、例えばパラジウム炭素などの適切な触媒を水素雰囲気下で使用して実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、水、それらの混合溶媒を含む。反応温度は、通常は室温~80℃であり、好ましくは室温~60℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
’’’’’がシクロプロピルである場合、化合物E’-3は、化合物C’-4のシクロプロパン化により得ることができる。この種類の反応は、適切な触媒を伴って、もしくは伴うことなくジアゾメタンなどの適切な試薬を使用して、または例えばジヨードメタンとジエチル亜鉛などのシモンズ-スミス反応条件を使用して、実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、トルエン、ベンゼン、またはこれらの混合溶媒を含む。反応温度は、通常は-30℃~室温である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
一般手順F’
Figure 2022511167000045

(式中、Pは、ベンゾイルまたはベンジルなどの保護基であり、R’’’’’’は、フッ素で置換されているアルキル、またはアルキルオキシであり、他の記号は上記と同義である)。
一般手順F’は、化合物E’-2から複数工程を経て化合物F’-3を調製する方法である。化合物F’-3は、一般手順A’に記載の方法に従って化合物F’-2から調製することができる。
工程1
化合物F’-1は、化合物F’-3のオゾン分解により、続いて、得られたアルデヒドの還元によって調製することができる。この反応は、当業者に公知の方法により実施することができる。オゾン分解は、オゾン雰囲気下、ジクロロメタン、メタノール、およびそれらの混合溶媒などの適切な溶媒中において実施でき、また、窒素雰囲気下トリフェニルホスフィン、ピリジン、ジメチルスルフィド、およびトリメチルアミンなどの適切な試薬を用いて還元的後処理を実施することができる。オゾニドを生成する温度は、好ましくは-78℃であり、次いで温度を還元的後処理のために室温に温めることができる。反応時間は、特に限定されないが、通常は30分~5時間、好ましくは30分~2時間である。得られたアルデヒドの還元は、水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化アルミニウムリチウムなどの適切な還元剤を使用して、ワンポットで実施することができる。反応温度は、好ましくは0℃~室温である。反応時間は、特に限定されないが、通常は30分~5時間、好ましくは30分~2時間である。
工程2
’’’’’’が、CF、CHF、またはCHFである場合、化合物F’-2は、化合物F-1からアルデヒドまたはカルボン酸への酸化、続くフッ素化の2ステップシーケンス、または化合物F’-1の直接のフッ素化で得ることができる。この反応は、当業者に公知の方法により実施することができる。例えば、化合物F-1を、例えばTEMPO、デス-マーチン、またはスワーン酸化などの適切な酸化条件下で対応するアルデヒドに酸化することができる。対応するカルボン酸は、得られたアルデヒドの酸化によって、または例えばピニック、TEMPOもしくはジョーンズ酸化などの適切な条件を使用して化合物F-1を直接酸化することによって得ることができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。反応温度は、通常は-78℃~室温である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。フッ素化反応は、例えば、DAST、Deoxofluor、または四フッ化硫黄などの適切な試薬を使用して実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、トルエン、ベンゼン、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは-78℃~50℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
’’’’’’がアルキルオキシである場合、化合物F’-2は、化合物F’-1の末端アルコールのアルキル化により得ることができる。この反応は、水素化ナトリウムなどの適切な塩基をハロゲン化アルキル、メシレート、またはトリフレートなどの対応する求電子試薬と共に使用して実施することができる。この工程に使用される溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されない。溶媒の例は、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMF、DMA、DMSO、トルエン、およびそれらの混合溶媒を含む。反応温度は、好ましくは0℃~100℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常は5分~24時間、好ましくは30分~24時間である。
一般手順1
式(IC)の最終化合物は、式(II-a)の中間体化合物を以下の反応スキームに従って式(XXIV)の化合物などと反応させることによって調製することができる。反応は、例えばジオキサンなどの適切な反応不活性溶媒中において、例えばリン酸カリウム(KPO)などの適切な塩基、例えばヨウ化銅(I)(CuI)などの銅触媒、および例えば(1R,2R)-(-)-1,2-ジアミノシクロヘキサンまたはN,N’-ジメチルエチレンジアミンなどのジアミンの存在下で、例えば反応混合物を100℃で例えば16時間加熱するなどの熱条件下で実施される。反応スキーム(1)において、全ての変数は式(IC)に定義されたとおりであり、Zはクロロ、ブロモ、またはヨードである。
Figure 2022511167000046
一般手順2
加えて、式(IC)の最終化合物は、式(II-b)の中間体化合物を以下の反応スキームに従って式(XXV)の化合物などと反応させることによって調製することができる。反応は、例えばメタノール(MeOH)などの適切な反応不活性溶媒中において、例えば、塩酸(HCl)などの酸および例えば1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド[EDCI、CAS1892-57-5]などのカルボキシル活性化剤の存在下で、例えば反応混合物を25℃で例えば10分間撹拌するなどの適切な条件下で実施される。反応スキーム(2)において、全ての変数は式(IC)に定義されたとおりである。
Figure 2022511167000047
一般手順3
式(II-b)の中間体化合物は、式(III)の中間体化合物を以下の反応スキームに従って還元条件に付すことによって調製することができる。典型的な例は、例えば、パラジウム炭素などの適切な触媒による水素雰囲気下での、または例えば塩化スズ(II)などの還元剤の使用による還元である。反応は、典型的には、例えばMeOHなどの適切な溶媒中、またはテトラヒドロフラン(THF)/エタノール(EtOH)などの溶媒混合物中において実施される。例えば混合物の加熱などの熱条件は、反応結果を改善させることができる。反応スキーム(3)において、全ての変数は式(IC)に定義されたとおりである。
Figure 2022511167000048
一般手順4
式(II-b)の中間体化合物は、反応スキーム(4)に従って式(II-a)の中間体から代替的に調製することができる。典型的な手順では、Zがハロ、例えばブロモである式(II-a)の化合物をアジ化ナトリウム(NaN)と反応させて、式(II-b)の中間体化合物にする。反応は、例えばアセトニトリルなどの適切な反応不活性溶媒中において、例えば炭酸ナトリウム(NaCO)などの適切な塩基、例えばヨウ化銅(I)(CuI)などの銅触媒、および例えばN,N’-ジメチルエチレンジアミンなどのジアミンの存在下で、例えば反応混合物を100℃で例えば16時間加熱するなどの熱条件下で実施される。反応スキーム(4)において、全ての変数は式(IC)に定義されたとおりである。
Figure 2022511167000049
一般手順5
式(III)の中間体化合物は、式(II-c)の中間体化合物を以下の反応スキームに従ってニトロ化することによって調製することができる。典型的な手順は、硫酸に溶解した中間体(II)を、例えば硝酸カリウムなどのニトロニウムイオン源により例えば0℃などの低温で処理することを伴う。以下の反応スキームにおいて、Rは水素であり、他の全ての変数は式(IC)に定義されたとおりである。
Figure 2022511167000050
一般手順6
式(II-c)および(II-a)の中間体化合物は、PGが、例えばtert-ブトキシカルボニル(BOC)、トリフルオロアセチルまたはtert-ブチルスルフィニルなどの適切な保護基である式(IV)の適切な化合物から出発して、以下の反応スキームに従って、1工程または2工程手順によって調製することができる。2工程手順では、例えば中間体(IV)を例えばギ酸などの酸で処理することによるなどの当業者に公知の方法によって、中間体(IV)のアミノ基が最初に脱保護され、中間体(V)を得る。反応混合物を例えば80℃で約4時間加熱することは、反応結果を改善することができる。次いで、単離された中間体(V)を例えばジクロロメタン(DCM)などの適切な溶媒に溶解し、例えばトリメチルアルミニウムなどのルイス酸の存在下で対応する中間体(II-c)または(II-a)に環化することができる。あるいは、中間体(IV)を、メタノール溶液中反応系内で生成したHCl、純粋なギ酸、またはトルエン中トリフルオロ酢酸などの酸の存在下、例えば反応を完了させるのに十分な期間反応混合物を約120℃で加熱するなどの熱条件下で撹拌して、対応する中間体(II-c)または(II-a)をワンポットで得ることができる。以下の反応スキームにおいて、全ての変数は式(IC)に定義されたとおりであり、Zは水素またはハロであり、PGは保護基である。
Figure 2022511167000051
一般手順7
式(IV)の中間体化合物は、以下の反応スキームに従って中間体(VII)から出発する2工程手順により得ることができる。中間体(VII)を、例えばTHFなどの適切な溶媒中に例えば水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤により処理することによって、中間体(VI)に変換することができる。例えば0℃などの低温は、反応結果を改善させることができる。次いで、例えば、中間体(VI)を、例えばTHFなどの適切な溶媒に溶解した化合物を例えば水素化ナトリウムなどの塩基で処理する、および得られた陰イオンを例えばヨウ化メチルなどのアルキル化剤により例えば0℃などの低温でクエンチすることによってなどの標準的なアルキル化反応によって中間体(IV)に変換することができる。あるいは、(IV)を、トリエチルアミンなどの適切な塩基の存在下でホルムアルデヒドなどのアルデヒドと反応させて、R15がヒドロキシアルキルである誘導体(IV)を得、これを例えば、DAST、Deoxofluor、または四フッ化硫黄などの適切な試薬を使用して、R15がフルオロアルキルである誘導体、例えばフルオロメチルにさらに変換することができる。以下の反応スキームにおいて、全ての変数は式(IC)に定義されたとおりであり、Zは水素またはハロであり、PGは保護基、例えば、tert-ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBZ)、トリフルオロアセチル、またはtert-ブチルスルフィニルである。
Figure 2022511167000052

一般手順8
式(VII)の中間体化合物は、以下の反応スキームに従って中間体(XIII)から出発する6工程で調製することができる。中間体(XIII)を適切な陰イオンの求核付加により中間体(XII)に変換することができる。陰イオンは、当業者に公知の方法により生成することができる。典型的な例は、例えばtert-ブチルアセテートなどの所望のアセテートを、例えばリチウムジイソプロピルアミドなどの適切な塩基により、例えばTHFなどの不活性溶媒中において、例えば-78℃などの低温で処理すること、または対応するアルファ-ブロモアセテートを、亜鉛により、Cu(I)の存在下、例えばTHFなどの不活性溶媒中において、例えば炭素-臭素結合への亜鉛の挿入を促進するのに十分に高い温度、例えば40℃などで処理することである。次いで、陰イオンの溶液を、THFなどの適切な溶媒中の中間体(XIII)の溶液と、順調な反応を可能にする温度、例えば-78℃または0℃などで反応させて、中間体(XII)を得ることができる。tert-ブチルスルフィニル基がR配置を有する中間体(XIII)を使用すると、アリール基が(太い楔形で示された結合により)図の平面の上方に突出している異性体が過剰に存在する混合物が得られる。例えば塩酸などの適切な酸を選択することによって、次いで中間体(XII)はエステルの加水分解を受け、ワンポットでの窒素保護基の除去によって中間体(XI)を得ることができる。反応物を例えば80℃で5時間などの熱条件下で撹拌することは、反応結果を改善することができる。続いて中間体(XI)を、例えばTHF中のホウ素などの標準的な還元剤で処理することにより対応するアルコールに還元して、中間体(X)を得ることができる。中間体(X)のアミノ基を当業者に公知の方法により、例えばDCMまたはTHFなどの適切な溶媒に溶解した中間体(X)を、例えばトリフルオロ酢酸無水物またはtert-ブトキシカルボニル無水物(BOC無水物)などの適切な無水物により、例えば、トリエチルアミンまたは炭酸水素ナトリウム(sodium hydrogenocarbonate)などの塩基の存在下で処理することなどにより保護することができる。続いて、保護された中間体(IX)を、例えばデス-マーチンペルヨージナンなどの標準的な酸化剤により、例えばDCMなどの不活性溶媒中においてアルデヒド(VIII)に酸化することができる。中間体(VIII)を、例えばMeOHなどの不活性溶媒中における、例えば酸化マグネシウムなどの触媒の存在下での、例えば2-(アルキルスルホニル)アセトニトリルなどの適切な活性水素成分によるクネーフェナーゲル(Knoevenagel)縮合によって、最終的に中間体(VII)に変換することができる。以下の反応スキームにおいて、全ての変数は式(IC)に定義されたとおりであり、Zは水素またはハロであり、PGは保護基であり、アルキルは適切なアルキル基、例えば、エチルである。
Figure 2022511167000053

一般手順8-a
あるいは、式(X)の中間体化合物は、以下の反応スキームに従って、Alkが例えばエチルなどの適切なアルキル鎖である中間体(XII-a)から出発する2工程で得ることができる。例えば0℃などの順調な反応を可能にする温度で、例えばTHFなどの不活性溶媒中において、例えば水素化ホウ素リチウムなどのエステル還元剤により中間体(XII-a)を処理して、中間体(XXII)を得、これを、例えばHClなどの適切な酸により、例えばMeOHなどの不活性溶媒中で処理することによって、中間体(X)にさらに脱保護することができる。以下の反応スキームにおいて、全ての変数は式(IC)に定義されたとおりであり、Zは水素またはハロであり、アルキルはエチルなどの適切なアルキル鎖である。
Figure 2022511167000054
一般手順9
式(VII-a)の中間体化合物は、以下の反応スキームに従って中間体(XIII)から出発する3工程で調製することができる。例えばDCMなどの適切な溶媒に溶解した中間体(XIII)を、例えば臭化アリルマグネシウムなどの適切な求核試薬と、例えば-50℃などの低温で反応させて、中間体(XXI)を得ることができる。tert-ブチルスルフィニル基がR配置を有する中間体(XIII)を使用すると、アリール基が(太い楔形で示された結合により)図の平面の上方に突出している異性体が過剰に存在する混合物が得られる。例えば0℃などの低温での例えばオゾン分解などの標準的な方法により新たに備わった二重結合の酸化開裂によって、中間体(XX)を得て、これを、例えばMeOHなどの不活性溶媒中における、例えば酸化マグネシウムなどの触媒の存在下での、例えば2-(アルキルスルホニル)アセトニトリルなどの適切な活性水素成分によるクネーフェナーゲル縮合によって、最終的に中間体(VII-a)に変換することができる。以下の反応スキームにおいて、全ての変数は式(IC)に定義されたとおりであり、Zは水素またはハロである。
Figure 2022511167000055

一般手順10
式(VII-b)の中間体化合物は、以下の反応スキームに従って中間体(XII-a)から出発する4工程で調製することができる。中間体(XII-a)を標準的な脱保護技術により、例えば、MeOHなどの適切な溶媒に溶解した中間体(XII-a)を例えばHClなどの酸で処理することによって脱保護して、遊離アミノ中間体(XVIII)を得ることができる。モノ-BOC誘導体中間体(XVII)への変換は、中間体(XVIII)を当業者に公知の条件に付すことによって、例えばMeOHなどの適切な溶媒に溶解した中間体(XVIII)を例えばBOC無水物などのBOC源で処理することなどによって達成することができる。温度を例えば7時間例えば60℃に上げることは、反応結果を改善することができる。例えばDCMまたはTHFなどの適切な溶媒に溶解した中間体(XVII)を、例えば-78℃などの低温での水素化ジイソブチルアルミニウム、または例えば0℃などの低温での水素化ホウ素リチウムなどの選択的還元剤により、対応するアルデヒド(XVI)に還元することができる。恐らく過剰還元されたアルコール副産物を、例えばDCM中のデス-マーチンペルヨージナンを使用することによるなどの標準的な酸化試薬により変換して、中間体(XVI)に戻すことができる。中間体(XVI)を、例えばMeOHなどの適切な溶媒中における、例えば酸化マグネシウムなどの触媒の存在下での、例えば2-(アルキルスルホニル)アセトニトリルなどの適切な活性水素成分によるクネーフェナーゲル縮合によって、最終的に中間体(VII-b)に変換することができる。以下の反応スキームにおいて、全ての変数は式(IC)に定義されたとおりであり、Zは水素またはハロであり、Rは適切なアルキル基である。
Figure 2022511167000056

二環式アミド(XXIV)および酸(XXV)は、様々なハロゲン化ピロン、ピリジン、ピリドンおよびピリミジンから便利に入手可能である。
本発明の化合物は、BACE1阻害活性を有し、アミロイドβペプチドの産生、分泌、または沈着により誘発される疾患の治療および/または予防、症状の改善、ならびに進行の予防に有効であり、例えば、アルツハイマー病、アルツハイマー型認知症、アルツハイマー型老年認知症、軽度認知障害(MCI)、前駆期アルツハイマー病(例えば、アルツハイマー病に起因するMCI)、ダウン症候群、記憶障害、プリオン病(クロイツフェルト・ヤコブ病)、オランダ型遺伝性アミロイド性脳出血(Dutch type of hereditary cerebral hemorrhage with amyloidosis)、脳アミロイド血管症、他の種類の変性認知症、例えばアルツハイマー病と血管性認知症を併発した混合型認知症、パーキンソン病を伴う認知症、進行性核上麻痺を伴う認知症、皮質基底核変性症を伴う認知症、びまん性レビー小体病を伴うアルツハイマー病、加齢黄斑変性症、パーキンソン病、アミロイド血管症などである。
さらに、本発明の化合物は、アルツハイマー型認知症のリスクを有する無症候性(前臨床期アルツハイマー病)の患者における進行の予防に有効である。
「アルツハイマー型認知症のリスクを有する無症候性の患者」は、認識的および機能的には正常であるが、アルツハイマー病の潜在的な超早期徴候もしくは典型的な加齢による変化(例えば、MRIによる軽度の白質病変)を有する、ならびに/または、低い脳脊髄液Aβ1-42レベルによって示されるアミロイドの沈着のエビデンスを有する対象を含む。例えば、「アルツハイマー型認知症のリスクを有する無症候性の患者」は、臨床的認知症尺度(Clinical Dementia Rating)(CDR)もしくは臨床的認知症尺度-日本版(CDR-J)のスコアが0である、および/または機能評価分類(Functional Assessment Staging)(FAST)がステージ1もしくはステージ2である対象を含む。
本発明の化合物は、BACE1阻害活性のみならず、医薬としての有益性も有する。好ましくは、化合物は以下の優れた特性のいずれか1つ以上を有する。
a)CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4などのCYP酵素に対する阻害活性が弱い。
b)高いバイオアベイラビリティーまたは低いクリアランスなどの優れたな薬物動態プロファイルを示す。
c)代謝安定性が高い。
d)CYP3A4などのCYP酵素に対して、本明細書に記載された測定条件の濃度範囲で不可逆的阻害を示さない。
e)変異原性を示さない。
f)心血管系のリスクが低い。
g)高い溶解度を示す。
h)脳移行性が高い。
i)経口吸収性が高い。
j)半減期が長い。
k)非タンパク結合率(protein unbinding ratio)が高い。
l)Ames試験において陰性である。
m)BACE2に比してBACE1への選択性が高い。
n)化合物は、CYP酵素に対するメカニズムベース阻害(mechanism based inhibition)が弱い。例えば、化合物の反応性代謝物のCYP酵素に対する阻害が弱い。
o)反応性代謝物の生成量が少ない。
p)P-gp基質性が弱い。
本発明の化合物は、BACE1に対して高い阻害活性および/または他の酵素、例えばBACE2に対して高い選択性を有するので、副作用が低減された医薬となりうる。さらに、化合物は細胞系においてアミロイドβ産生を低減する高い効果を有し、特に脳内のアミロイドβ産生を低減する高い効果を有するので、優れた医薬となりうる。加えて、化合物を、適切な立体化学を有する光学活性化合物に変換することにより、化合物は、副作用に対してより広い安全域を有する医薬となりうる。
本発明の医薬組成物が投与される場合、経口または非経口投与されうる。経口投与用の組成物は、例えば、経口固形製剤(例えば、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、フィルム剤など)、経口液体製剤(例えば、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤、シロップ剤、リモナーデ剤、酒精剤、芳香水剤、エキス剤、煎剤、チンキ剤など)などの通常の剤形で投与することができ、通常の方法に従って調製および投与してもよい。錠剤は、糖衣錠、フィルムコーティング錠、腸溶性コーティング錠、徐放錠、トローチ錠、舌下錠、バッカル錠、チュアブル錠、または口腔内崩壊錠であってもよい。散剤および顆粒剤は、ドライシロップ剤であってもよい。カプセル剤は、ソフトカプセル剤、マイクロカプセル剤、または徐放性カプセル剤であってもよい。
非経口投与用の組成物は、例えば、経皮、皮下、静脈内、動脈内、筋肉内、腹腔内、経粘膜、吸入、経鼻、眼内、耳内、または膣内投与などの通常の非経口剤形で適切に投与することができる。非経口投与の場合、通常使用される任意の形態、例えば、注射剤、点滴剤、外用剤(例えば、点眼剤、点鼻剤、点耳剤、エアロゾル剤、吸入剤、ローション剤、注入剤、塗布剤、含嗽剤、浣腸剤、軟膏剤、硬膏剤、ゼリー剤、クリーム剤、貼付剤、パップ剤、外用散剤、坐剤など)などを好ましく投与することができる。注射剤は、O/W、W/O、O/W/O、W/O/W型などの乳剤であってもよい。
本発明の化合物は、高い経口吸収性のため、経口剤形で好ましく投与することができる。
医薬組成物は、必要に応じて、製剤に適した賦形剤、結合剤、崩壊剤、および滑沢剤などの様々な医薬用添加剤を、有効量の本発明の化合物と混合して製剤化することができる。さらに、医薬組成物は、有効量の本発明の化合物、製剤、および/または様々な医薬添加剤を適切に変えることで、小児患者、高齢患者、重症例、または手術用にすることができる。小児用の医薬組成物は、12または15歳未満の患者に好ましく投与される。加えて、小児用の医薬組成物は、生後27日齢未満、生後28日~23か月齢、2~11歳、12~16歳、または18歳の患者に投与することができる。高齢者用の医薬組成物は、65歳以上の患者に好ましく投与される。
本発明の医薬組成物の投与量は、患者の年齢および体重、疾患の種類および程度、投与経路などを考慮して決定されるべきである。成人用の通常の経口投与量は、0.05~100mg/kg/日の範囲であり、好ましくは0.1~10mg/kg/日である。非経口投与では、投与量は、投与経路により大きく異なり、通常の投与量は、0.005~10mg/kg/日、好ましくは0.01~1mg/kg/日の範囲である。投与量を1日に1回または数回投与することができる。
本発明の化合物は、化合物の活性の増強または化合物の投薬量の低減などを目的として、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤などのアルツハイマー病、アルツハイマー型認知症などを治療する他の薬物(以下、併用医薬(concomitant medicament)と呼ぶ)と組み合わせて使用することができる。この場合、本発明の化合物と併用医薬の投与時期は限定されず、これらを対象に同時に、または一定間隔で投与してもよい。さらに、本発明の化合物および併用医薬は、各活性成分を含有する2つの異なる組成物として、または両方の活性成分を含有する単一の組成物として投与してもよい。
併用医薬の用量は、臨床に使用される用量に基づいて適切に選択することができる。さらに、本発明の化合物と併用医薬の混合比は、投与の対象、投与経路、標的疾患、症状、組合せなどを考慮して適切に選択することができる。例えば、投与の対象がヒトである場合、併用医薬を本発明の化合物の1重量部に対して0.01~100重量部の範囲で使用することができる。
併用医薬の例は、ドネペジル塩酸塩、タクリン、ガランタミン、リバスチグミン、ザナペジル、メマンチン、およびビンポセチンである。
(実施例)
以下の実施例および試験例は本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例において、各略語の意味は以下のとおりである。
Ac:アセチル
Et:エチル
Bz:ベンゾイル
DCC:ジシクロヘキシルカルボジイミド
DIC:ジイソプロピルカルボジイミド
iPr:イソプロピル
Me:メチル
Ph:フェニル
t-Bu:tert-ブチル
TBS:tert-ブチルジメチルシリル
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
BOMCl:ベンジルクロロメチルエーテルオキシメチルクロリド
DAST:三フッ化N,N-ジエチルアミノ硫黄
DBU:1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン
DEAD:アゾジカルボン酸ジエチル
DCM:ジクロロメタン
DIAD:アゾジカルボン酸ジイソプロピル
ADDP:1,1’-(アゾジカルボニル)ジピペリジン
DMA:N,N-ジメチルアセトアミド
DMAP:4-ジメチルアミノピリジン
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
EDC:1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
HATU:O-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HOAt:1-ヒドロキシ-7-アザ-ベンゾトリアゾール
HOBt:1-ヒドロキシ-ベンゾトリアゾール
LDA:リチウムジイソプロピルアミド
LHMDS:リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
mCPBA:m-クロロ過安息香酸
NCS:N-クロロスクシンイミド
NMP:N-メチルピロリドン
PyBOP:1H-ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリ(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
TEMPO:2,2,6,6-テトラメチルピペリジン1-オキシルフリーラジカル
TFA:トリフルオロ酢酸
THF:テトラヒドロフラン
THP:2-テトラヒドロピラニル
DCC:ジシクロヘキシルカルボジイミド
DIC:ジイソプロピルカルボジイミド
TBS:tert-ブチルジメチルシリル
ADDP:1,1’-(アゾジカルボニル)ジピペリジン
(Boc)O:ジ-tert-ブチルジカーボネート
DIBAL:水素化ジイソブチルアルミニウム
DIPEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン
PPTS:ピリジニウムp-トルエンスルホネート
H NMRスペクトルは、Bruker Advance 400MHz分光計により記録し、ケミカルシフトは、テトラメチルシランまたは残留溶媒ピーク(CDCl=7.26ppm、DMSO-d=2.50ppm)に対して報告した。
分析LC/MS(ESIポジティブまたはネガティブ、保持時間(RT))データは、Shimadzu UFLCまたはWaters UPLCシステムにより以下の条件で記録した。
方法A
カラム:XBridge(登録商標)C18(5μm、内径4.6×50mm)(Waters)
流速:3mL/分
UV検出波長:254nm
移動相:[A]は0.1%ギ酸溶液であり、[B]はアセトニトリル溶媒中の0.1%ギ酸である。
グラジエント:溶媒[B]10%-100%のリニアグラジエントを3分間実施し、溶媒[B]100%を1分間維持した。
方法B
カラム:Shim-pack XR-ODS(2.2μm、内径50×3.0mm)(Shimadzu)
流速:1.6mL/分
カラムオーブン:50℃
UV検出波長:254nm
移動相:[A]0.1%ギ酸含有水溶液;[B]0.1%ギ酸含有アセトニトリル溶液
グラジエント:溶媒[B]10%-100%のリニアグラジエントを3分間、溶媒[B]100%を1分。
方法C
カラム:BEH C18(1.7μm、2.1×50mm)(Waters)
流速:0.8mL/分
UV検出波長:254nm
移動相:[A]は95%のHO+5%のCHCN中10mMのCHCOONHであり、[B]はアセトニトリルである。
グラジエント:溶媒[B]5%-95%のリニアグラジエントを1.3分間実施し、溶媒[B]95%を0.7分間維持した。
方法D
カラム:HSS T3(1.8μm、2.1×100mm)(Waters)
流速:0.7mL/分
UV検出波長:254nm
移動相:[A]は95%のHO+5%のCHCN中10mMのCHCOONHであり、[B]はアセトニトリルである。
グラジエント:溶媒[B]0%-95%のリニアグラジエントを2.1分間実施し、溶媒[B]95%を0.5分間維持した。
以下の化合物を上記と同様に調製する。表において、RTはLC/MS保持時間(分)を意味する。
(実施例1)
化合物I-001の合成
Figure 2022511167000057

工程1
TEMPO(0.82g、5.19mmol)を、アセトニトリル(110mL)中の化合物1-1(6.35g、37.1mmol)およびリン酸緩衝液(pH=7、101mL)の混合物に加えた。反応物を35℃で撹拌した。HO(0mL)中のNaClO(16.8g、14.8mmol)および15%NaClO(23mL、55.6mmol)を、それぞれ30分間、3回のゆっくりとした添加で同時に加えた。得られた反応混合物を35℃で16時間撹拌した。反応混合物を5℃に冷却し、水50mL中のNa(14.3g、59.4mmol)の溶液を、反応混合物が白色になるまで滴下した。反応混合物を30分間撹拌した。次いで5MのNaOH(7.5mL、37.1mmol)を加えた。反応混合物を減圧下で濃縮した。混合物をEtOAcで抽出し、次いで水相をpH3になるまで濃HClで5℃で処理した。水層を減圧下で濃縮乾固した。固体を高温MeOH-DCM1:1で2回洗浄し、ろ過した。ろ液を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、DCM中のMeOH0/100から10/90)により精製した。所望のフラクションを収集し、真空下で濃縮して、化合物1-2(6.2g、3.34mmol、89%)を淡黄色の固体として得た。
LC/MS: 方法C, M+1 = 186, tR = 0.22分.
工程2
MeOH(276mL)中の(R)-3-アミノ-5-(5-アミノ-2-フルオロフェニル)-2,5-ジメチル-5,6-ジヒドロ-2H-1,2,4-チアジアジン1,1-ジオキシド(765mg、2.67mmol)の懸濁液に、HCl(PrOH中6M、0.67mL、4.0mmol)を加え、混合物を5分間撹拌した。次いで、化合物1-2(0.62g、3.34mmol)およびEDC塩酸塩(0.79g、4.0mmol)を加え、反応物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で濃縮した。残渣をDCM(50mL)および飽和NaCO溶液(30mL)に溶解した。有機層を分離し、水層をDCM(50mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで脱水し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗物質をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(40g、グラジエント:DCM100%からDCM/MeOH(NH)の95/5まで)により精製した。所望のフラクションを収集し、真空下で濃縮して、化合物1-001(0.74g、1.62mmol、60%)を白色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.78 (3H, s), 3.23 (3H, s), 3.74 (1H, d, J = 14.1 Hz), 3.81 (1H, d, J=14.1 Hz), 7.05 (1H, dd, J=11.7, 8.7 Hz), 7.76 - 7.81 (2H, m), 7.83 (1H, dd, J=7.2, 2.8 Hz), 8.11 (1H, s),.
LC/MS: 方法B, M+1 = 454, tR = 0.75分.
(実施例2)
化合物I-003の合成
Figure 2022511167000058

工程1
クロロホルム(47.7mL)中の化合物2-1(4.77g、20.6mmol)の懸濁液に、NCS(3.31g、24.8mmol)を加えた。70℃で2時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷却し、クロロホルム(48mL)を反応混合物に加えた。懸濁液をろ過して、化合物2-2(5.97g、20.6mmol、100%)を白色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 3.15-3.70 (1H, br), 4.34 (1H, s), 5.03 (1H, 7.22-7.50 (6H, m).
工程2
THF(59.7mL)中の化合物2-2(5.97g、20.6mmol)の懸濁液に、2mol/Lの水素化ナトリウム水溶液(12.4mL、24.8mmol)および10w/w%のパラジウム炭素(3g)を加えた。1atmの水素下、室温で3時間撹拌した後、反応混合物をCelite(登録商標)パッドでろ過した。ろ液を減圧下で濃縮した。DMF(59.7mL)中の残渣の懸濁液に、炭酸カリウム(8.55g、61.9mmol)および1,2-ジブロモエタン(2.67mL、30.9mmol)を加えた。反応混合物を70℃で1時間および90℃で3時間撹拌した。反応混合物にトルエン(100mL)を加え、懸濁液をろ過した。ろ液を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの50%から100%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物2-3(2.65g、13.1mmol、64%)を黄色の油状物と固体の混合物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 4.14-4.18 (1H, br), 4.30-4.34 (2H, m), 4.45-4.48 (2H, m), 4.68-4.71 (2H, m), 8.09 (1H, s).
工程3
DCM(26.5mL)中の化合物2-3(2.65g、13.1mmol)の懸濁液に、二酸化マンガン(15.0g、173mmol)を加えた。室温で1時間撹拌した後、反応混合物をCelite(登録商標)パッドでろ過した。ろ液を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの10%から50%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物2-4(1.03g、5.15mmol、39%)を白色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 4.39-4.43 (2H, m), 4.49-4.52 (2H, m), 8.39 (1H, s), 10.2 (1H, s).
工程4
アセトン(30.8mL)および水(10.3mL)中の化合物2-4(1.03g、5.15mmol)の溶液に、リン酸二水素ナトリウム(927mg、7.73mL)、2-メチル-2-ブテン(5.46mL、51.5mmol)および亜塩素酸ナトリウム(1.75g、15.5mmol)を0℃で加えた。室温で1時間撹拌した後、2mol/Lの塩酸水溶液(7mL)を反応混合物に加えた。混合物を減圧下で濃縮し、0℃に冷却した。懸濁液をろ過して、アルデヒド(433mg、2.01mmol、39%)を白色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 4.37-4.41 (2H, m), 4.48-4.52 (2H, m), 8.13 (1H, s).
アセトン(30.8mL)および水(10.3mL)中のアルデヒド(1.03g、5.15mmol)の溶液に、リン酸二水素ナトリウム(927mg、7.73mL)、2-メチル-2-ブテン(5.46mL、51.5mmol)および亜塩素酸ナトリウム(1.75g、15.5mmol)を0℃で加えた。室温で1時間撹拌した後、2mol/Lの塩酸水溶液(7mL)を反応混合物に加えた。混合物を減圧下で濃縮し、0℃に冷却した。懸濁液をろ過して、化合物2-5(433mg、2.01mmol、39%)を白色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ: 4.37-4.41 (2H, m), 4.48-4.52 (2H, m), 8.13 (1H, s).
工程5
DMF(1.16mL)中のtert-ブチル(R)-(5-(5-アミノ-2-フルオロフェニル)-2,5-ジメチル-1,1-ジオキシド-5,6-ジヒドロ-2H-1,2,4-チアジアジン-3-イル)カルバメート(58.0mg、0.15mmol)、化合物2-5(38.8mg、0.18mmol)、HOBt(24.3mg、0.180mmol)およびDMAP(3.7mg、0.030mol)の懸濁液に、EDC塩酸塩(34.5mg、0.180mmol)を加えた。室温で90分間撹拌した後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過した。溶媒を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの10%から70%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物2-6(67.0mg、0.115mmol、77%)を白色の泡状物として得た。
LC/MS: 方法A, M+1 = 584, 586, tR = 2.14分.
工程6
ジクロロメタン(1mL)中の化合物2-6(67.0mg、0.115mmol)の溶液に、TFA(1mL、13.0mmol)を加えた。室温で60分間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を炭酸カリウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過した。溶媒を減圧下で濃縮した。粗生成物をn-ヘキサン/酢酸エチルで粉末化して、化合物I-003(42.1mg、0.087mmol、76%)を白色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.79 (3H, s), 3.24 (3H, s), 3.74 (1H, d, J = 13.9 Hz), 3.82 (1H, d, J = 13.9 Hz), 4.36-4.40 (2H, m), 4.49-4.52 (2H, m), 7.05 (1H, dd, J = 11.4, 8.9 Hz), 7.71 (1H, dd, J = 7.0, 2.6 Hz), 7.85-7.94 (1H, m), 8.07 (1H, s), 9.84 (1H, s).
(実施例3)
化合物I-004の合成
Figure 2022511167000059

工程1
トルエン(18.9mL)中の化合物3-1(1.89g、4mmol)の懸濁液に、エチル2-ブロモ-2,2-ジフルオロアセテート(1.54mL、12.0mmol)およびDBU(1.21mL、8.00mmol)を加えた。反応混合物を80℃で5時間撹拌した。反応混合物をクエン酸水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過した。溶媒を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの20%から50%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物3-2(1.63g、2.74mmol、69%)を白色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.34 (3H, s), 4.27 (2H, s), 4.38 (2H, q, J = 7.1 H), 5.18 (2H, s), 7.21-7.51 (20H, m), 7.61 (1H, s), 8.22 (1H, s).
工程2
THF(16.3mL)、メタノール(8.16mL)および水(1.63mL)中の化合物3-2(1.63g、2.74mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(207mg、5.48mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で2.5時間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水-食塩水(4:1)および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過した。溶媒を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの10%から50%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物3-3(1.02g、1.85mmol、62%)を白色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 2.43 (1H, s, J = 7.5 Hz), 4.01 (2H, q, J = 8.2 Hz), 4.22 (2H, s), 5.16 (2H, s), 7.21-7.51 (20H, m), 7.66 (1H, s), 8.23 (1H, s).
工程3
THF(20.4mL)中の化合物3-3(1.02g、1.85mmol)の溶液に、10wt%のパラジウム炭素(500mg)を加えた。水素(1atm)下、室温で2時間撹拌した後、反応混合物をCelite(登録商標)パッドでろ過した。ろ液を減圧下で濃縮した。THF(20.4mL)中の残渣およびトリフェニルホスフィン(968mg、3.69mmol)の溶液に、トルエン(1.94mL、3.69mmol)中1.9mol/LのDIADを0℃で加えた。反応混合物を0℃で1時間および室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの10%から50%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、生成物を得た。さらなる精製のため、生成物をアミノシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの10%から50%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物3-4(433mg、2.01mmol、39%)を黄色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 4.28 (2H, s), 4.31 (2H, t, J = 6.0 Hz), 7.22-7.34 (9H, m), 7.42 (1H, s), 7.48 (6H, d, J = 7.5 Hz), 8.22 (1H, s).
工程4
メタノール(17.2mL)中の化合物3-4(858mg、1.93mmol)の溶液に、p-トルエンスルホン酸水和物(550mg、2.89mmol)を加えた。70℃で2時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷却し、トリエチルアミン(0.801mL、5,78mmol)でクエンチした。混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの50%から100%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物3-5(334mg、1.65mmol、85%)を白色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 3.12-3.27 (1H, br), 4.31 (2H, t, J = 6.0 Hz), 4.70 (2H, s), 6.99 (1H, s), 8.31 (1H, s).
工程5
化合物3-6を上記のプロトコールと同様に調製した。(実施例2)(収率:65%)
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 4.81 (2H, t, J = 6.5 Hz), 7.84 (1H, s), 8.53 (1H, s).
工程6
化合物である化合物I-004を上記のプロトコールと同様に調製した。(実施例2)(収率:73%)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.82 (3H, s), 3.25 (3H, s), 3.74 (1H, d, J = 14.2 Hz), 3.92 (1H, d, J = 14.2 Hz), 4.39 (2H, t, J = 5.9 Hz), 7.97 (1H, s), 7.08 (1H, dd, J = 11.5, 8.7 Hz), 7.78-7.85 (2H, m), 7.97 (1H, s), 8.32 (1H, s), 9.79 (1H, s). LC/MS: 方法A, M+1 = 586, tR = 2.35分.
(実施例4)
化合物I-011の合成
Figure 2022511167000060

工程1
THF(480mL)中の化合物4-1(120g、844mmol)の溶液に、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(81mL、887mmol)およびp-トルエンスルホン酸一水和物(642mg、3.38mmol)を加えた。室温で27.5時間撹拌した後、反応混合物に、DBU(129mL、853mmol)およびブロモジフルオロ酢酸エチル(162mg、1.27mol)を5℃で加えた。5℃で1時間、次いで室温で4時間撹拌した後、反応混合物をリン酸二水素ナトリウム溶液(1.50L、2.25mol、水中1.5mol/L)で希釈し、酢酸エチルで抽出し、水で洗浄した。合わせた有機層を活性炭(90g)に加え、Celiteでろ過し、減圧下で濃縮し、化合物4-2(257.3g、680mmol、81%)を褐色の油状物として得た。それをさらに精製することなく次の反応に使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.40 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.50-1.92 (6H, m), 3.53-3.59 (1H, m), 3.78-3.86 (1H, m), 4.35 (1H, d, J = 14.6 Hz), 4.41 (2H, q, J = 7.2 Hz), 4.55 (1H, d, J = 14.6 Hz), 4.72-4.75 (1H, m), 6.57 (1H, s), 7.99 (1H, s).
工程2
THF(1000mL)および水(1000mL)中の化合物4-2(207g、594mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(22.5g、594mmol)を0℃で30分かけて少量ずつ加えた。0℃で2時間撹拌した後、反応混合物を塩化アンモニウム飽和溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、水および食塩水で洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。エタノール(500mL)中の粗生成物の溶液に、水酸化アンモニウム(207mL、2.70mol)を加えた。60℃で4時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルで粉末化して、化合物4-3(43.0g、141mmol、24%)を白色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ:1.54-1.92 (6H, m), 3.56-3.64 (1H, m), 3.69-3.76 (1H, m), 3.98-4.06 (1H, m), 4.61-4.65 (1H, m), 4.66 (2H, s), 6.34 -6.47 (1H, br), 6.48 (1H, s), 7.71 (1H, s), 10.3 (1H, s)
工程3
THF(26.6mL)中の4-3(5.32g、17.4mmol)およびトリフェニルホスフィン(5.94g、22.7mmol)の溶液に、DIAD(11.9mL、22.7mmol、トルエン中1.9mol/L)を0℃で加えた。室温で2.5時間撹拌した後、反応混合物に、トリフェニルホスフィン(1.37g、5.23mmol)およびDIAD(2.75mL、5.23mmol、トルエン中1.9mol/L)を加えた。室温で30分間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をDMF/水(2:1)の混合物で希釈し、n-ヘプタン/トルエン(2:1)の混合物で抽出し、水で洗浄した。合わせた有機層を減圧下で濃縮し、粗生成物とした。メタノール(13.3mL)中の粗生成物の溶液に、塩化水素(13.7mL、26.1mol、水中2mol/L)を加えた。室温で1時間撹拌した後、反応混合物を水で抽出し、酢酸エチルで洗浄した。合わせた水層を水酸化ナトリウム溶液で塩基性化し、酢酸エチルで抽出し、水で洗浄した。合わせた有機層を減圧下で濃縮し、化合物4-4(2.52g、12.4mmol、71%)を得た。それをさらに精製することなく次の反応に使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 3.18-3.25 (1H, br), 4.35 (2H, t, J = 9.0 Hz), 4.69 (2H, s), 6.95 (1H, s), 8.30 (1H, s).
工程4
水(25.2mL)およびアセトニトリル(25.2mL)中の化合物4-4(2.52g、12.4mmol)、リン酸二水素ナトリウム(4.54g、37.9mmol)、リン酸水素二ナトリウム(1.79g、12.6mmol)および亜塩素酸ナトリウム(4.21g、37.2mmol)の溶液に、TEMPO(194mg、1.24mmol)および次亜塩素酸ナトリウム溶液(0.076mL、0.062mmol、水中5wt%)を35℃で加えた。40℃で15分間撹拌した後、反応混合物に、追加の次亜塩素酸ナトリウム溶液(0.076mL、0.062mmol、水中5wt%)を加えた。40℃で30分間撹拌した後、反応混合物を塩化水素(水中2mol/L)で希釈し、酢酸エチル/THF(1:1)の混合物で抽出し、亜硫酸水素ナトリウム溶液および食塩水で洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。残渣を酢酸エチルおよびメタノールで粉末化して、化合物4-5(2.46g、11.3mmol、91%)を白色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 4.82 (2H, t, J = 6.4 Hz), 7.76 (1H, s), 8,55 (1H, s).
工程5
化合物I-011を上記のプロトコールと同様に調製した。(実施例2)(収率:55%)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.79 (3H, s), 3.24 (3H, s), 3.72 (1H, d, J = 13.8 Hz), 3.85 (1H, d, J = 13.8 Hz), 4.41 (2H, t, J = 5.8 Hz), 7.07 (1H, dd, J = 11.8, 8.9 Hz), 7.77-7.82 (1H, m), 7.84 (1H, dd, J = 7.2, 2.6 Hz), 7.94 (1H, s), 8.30 (1H, s), 9.80 (1H, s).
(実施例5)
化合物I-012の合成
Figure 2022511167000061
工程1
THF(95mL)、水(9.47mL)および2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(5.50mL、11.00mmol)中の化合物5-1(4.74g、10.0mmol)の溶液に、10wt%のパラジウム炭素(2.37g)を加えた。1atmの水素下、室温で4.5時間撹拌した後、反応混合物をCelite(登録商標)パッドでろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し。残渣をアセトニトリルと共沸蒸留して脱水した。ジクロロメタン(95mL)中の残渣の懸濁液に、DMAP(2.44g、20.0mmol)およびチオホスゲン(1.15mL、15.0mmol)を加えた。室温で4時間放置した後、反応混合物を水でクエンチし、クロロホルムで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過した。溶媒を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの10%から100%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物5-2(3.61g、8.481mmol、62%)を黄色の固体として得た。
LC/MS: 方法A, M+23(Na) = 448, tR = 2.89分.
工程2
ジクロロメタン(70.2mL)中の化合物5-2(2.34g、5.50mL)の溶液に、温度を-60℃未満に保持しながら、フッ化水素ピリジン(23mL)および1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルイミダゾリジン-2,4-ジオン(4.72g、16.5mmol)を加えた。温度を20分間0℃に上昇させた。この温度で2時間撹拌した後、反応混合物を2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液でクエンチした。混合物をCelite(登録商標)パッドでろ過した。ろ液をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過した。溶媒を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの10%から90%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物5-3(1.24g、3.35mmol、61%)を黄色の油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 3.31 (1H, t, J = 5.1 Hz), 4.75 (2H, d, J = 5.3 Hz), 7.09 (1H, s), 8.31 (1H, s).
工程3
化合物5-4を上記のプロトコールと同様に調製した。(実施例3)(収率:粗)
LC/MS: 方法A, M+19 = 206, tR = 1.43分.
工程4
化合物5-5を上記のプロトコールと同様に調製した。(実施例2)(収率:63%)
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.14 (1H, s), 8.77 (1H, s).
工程5
化合物I-006を上記のプロトコールと同様に調製した。(実施例2)(収率:27%)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.80 (3H, s), 3.24 (3H, s), 3.71 (1H, d, J = 13.8 Hz), 3.92 (1H, d, J = 13.8 Hz), 7.08 (1H, dd, J = 11.4, 8.9 Hz), 7.73-7.88 (2H, m), 8.05 (1H, s), 8.32 (1H, s), 9.75 (1H, s).
(実施例6)
化合物I-029の合成
Figure 2022511167000062

工程1
無水THF(200mL)中のN-(4-メトキシベンジル)-N-メチルメタンスルホンアミド(11g、48.0mmol)の溶液に、nBuLi(1.6Mヘキサン溶液、30mL、48.0mmol)をN下、-78℃でゆっくりと加えた。反応溶液を-78℃で30分間撹拌した。この時間の後、無水THF(80mL、次いですすぎのために20mL)中の(R,Z)-N-(1-(5-ブロモ-2-フルオロフェニル)-2-フルオロエチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(8.5g、25.1mmol)の予冷(-78℃)溶液を、カニューレを介して反応混合物に加えた。反応混合物を-78℃で30分間撹拌した。この時間の後、水およびEtOAcを反応混合物に加えた。混合物を室温に温めた。次いで水層を分離し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗生成物を、ヘプタン:EtOAcの1:0から6:4のグラジエントを使用するフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル220g)により精製した。生成物フラクションを収集し、減圧下で濃縮し、化合物6-2(12.6g、22.2mmol、88%)を橙色の油状物として得た。
工程2
DCM(150mL)およびMeOH(50mL)中の化合物6-2(12.6g、22.2mmol)の溶液に、HCl(PrOH中6M、15mL、90.0mmol)を加えた。反応溶液を室温で45分間撹拌した。次いで溶液を濃縮した。残渣をDCMに溶解した。この溶液に、TFA(12mL、157mmol)および3-メトキシベンゼン(9.0mL、68.7mmol)を加えた。反応溶液を室温で72時間、次いで45℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却した。次いで、反応溶液を濃縮し、次いで1M HCl(水溶液)とEtOとの間で分配した。層を分離し、水層を、固体NaCOのゆっくりとした添加によりおよそpH10に調整し、次いでDCMで抽出した。有機層を合わせ、乾燥し、ろ過し、濃縮して、化合物6-3(5.3g、15.3mmol、70%)を黄色の油状物として得た。
工程3
n-ブタノール(120mL)中の化合物6-3の溶液に、小型ハステロイ反応器中において臭化シアン(1.4g、13.2mmol)を加えた。Nを5分間吹き込み、次いで反応混合物を110℃に6時間加熱した。混合物をEtOAcと飽和NaCO(水溶液)との間で分配した。水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、濃縮した。残渣を、DCM:7N NH メタノール溶液の100:0から98:2の溶離液を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ80g)により精製した。生成物フラクションを収集し、減圧下で濃縮し、化合物6-4(2.4g)を黄色の油状物として得た。
工程4
EtOAc(150mL)およびEtN(2.4mL、17.2mmol)中の化合物6-4の溶液に、Pd/C(10%、0.5g、0.47mmol)を加えた。フラスコを3回排気し、Hを再充填し、次いで室温で90分間撹拌した。Hを除去し、反応混合物をDicaliteの流路によりろ過した。これを数回すすいだ。ろ液を減圧濃縮乾固し、残渣を、ヘプタン100%からEtOAc100%の溶離液を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ40g)により精製した。生成物フラクションを収集し、減圧下で濃縮し、化合物6-5(1.65g、5.7mmol、2工程で43%)を無色の油状物として得た。
工程5
化合物6-5をTFA(25mL)に溶解し、次いで0℃に冷却した。硫酸(1.3mL、24.4mmol)を0℃で加え、続いて硝酸カリウム(630mg、6.23mmol)を少量ずつ加えた。0℃で30分間撹拌した後、さらに0.5当量の硝酸カリウムおよび1mLの硫酸を加えた。30分後、反応が完了した。反応混合物を、氷、DCMおよび25%NHの混合物にゆっくりと注ぎ入れた。混合物を数分間撹拌し、次いで飽和NaCOを混合物に加え、層を分離した。水層をDCMで数回抽出した。合わせた有機層を乾燥し、ろ過し、減圧濃縮乾固した。残渣をイソプロパノールから再結晶化させ、ろ過して、化合物6-6(450mg、1.34mmol、23%)をベージュ色の粉末として得た。ろ液を減圧濃縮乾固し、次いでメタノール中DCM:NH 7Nの1:0から98:2の溶離液を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ12g)により精製した。生成物フラクションを収集し、減圧下で濃縮し、化合物6-6(855mg、2.55mmol、44%)を得た。
工程6
化合物6-6をMeOH(16mL)、HO(8mL)およびTHF(16mL)に溶解し、次いでFe(2.9g、35.8mmol)およびNHCl(2.0g、37.4mmol)を加えた。反応混合物を63℃で1時間撹拌し、次いで室温に冷却した。Dicalite、NaCOおよびDCMを加え、混合物をろ過した。層を分離し、水層をDCMで抽出した。合わせた有機層を乾燥し、ろ過し、減圧濃縮乾固して、化合物6-7(820mg、2.69mmol、75%)を白色の固形泡状物として得た。
工程7
化合物I-029を上記のプロトコールと同様に調製した。(収率:77%)
(実施例7)
化合物I-023の合成
Figure 2022511167000063

工程1:化合物7-2の合成
DMF(30mL)中の7-1(3.01g、3.79mmol)の溶液に、KSAc(0.92g、8.07mmol)を室温で加えた。50℃で1時間撹拌した後、混合物を飽和HOおよびEtOAcで希釈した。水層を分離し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtOAc、グラジエント:0-30%のEtOAc)により精製して、化合物7-2(2.94g、収率99%)を無色の油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.41 (9H, br s), 1.71 (3H, s), 2.38 (3H, s), 3.52 (1H, d, J = 14.0 Hz), 3.65 (1H, d, J = 13.6 Hz), 6.92 (1H, dd, J = 11.6, 8.8 Hz), 7.34-7.37 (1H, m), 7.43 (1H, d, J = 6.4 Hz). MS-ESI (m/z): 406 [M + H]+.
工程2:化合物7-3の合成
EtOH(18mL)中の化合物7-2(1.21g、2.97mmol)の溶液に、NaOMe(1N MeOH溶液、2.97mL、2.97mmol)を室温で加えた。10分間撹拌した後、2-ブロモプロピオニトリル(0.31mL、3.56mmol)を加えた。1時間撹拌した後、混合物をHOおよびEtOAcで希釈した。水層を分離し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を水および食塩水で洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtOAc、グラジエント:0-30%のEtOAc)により精製して、化合物7-3(1.33g、収率100%)を無色の油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) (ジアステレオマーの混合物) δ 1.38 (9H, br s), 1.56 (3H, s), 1.76 (3H, d, J = 3.6 Hz), 3.30-3.35 (1H, m), 3.48-3.56 (1H, m), 3.73-3.81 (1H, m), 5.09 (1H, br s), 6.94 (1H, dd, J = 11.6, 8.4 Hz), 7.35-7.44 (2H, m). MS-ESI (m/z): 417 [M + H]+.
工程3:化合物7-4の合成
DCM(182mL)中の化合物7-3(12.2g、29.1mmol)の溶液に、mCPBA(21.5g、87mmol)を室温で加えた。2時間撹拌した後、混合物を飽和NaHCOおよびEtOAcで希釈した。水層を分離し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を水および食塩水で洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtOAc、グラジエント:0-30%のEtOAc)により精製して、化合物7-4(10g、収率76%)を無色の油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) (ジアステレオマーの混合物) δ 1.44-1.48 (9H, m), 1.73-1.76 (3H, m), 1.93-1.95 (3H, m), 3.78-3.87 (1H, m), 3.93-4.07 (1H, m), 4.60-4.74 (1H, m), 5.32-5.40 (1H, m), 6.94-7.01 (1H, m), 7.39-7.45 (1H, m). MS-ESI (m/z): 449 [M + H]+.
工程4:化合物7-5の合成
DMF(80mL)中の化合物7-4(8.0g、17.8mmol)およびKCO(3.2g、23.2mmol)の懸濁液に、BOMCI(3.62g、23.2mmol)を0℃で加えた。室温で20時間撹拌した後、混合物を飽和NaHCOおよびEtOAcで希釈した。水層を分離し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を水および食塩水で洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtOAc、グラジエント:0-30%のEtOAc)により精製して、化合物7-5(6g、収率59%)を無色の油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) (ジアステレオマーの混合物) δ 1.40-1.50 (9H, m), 1.60-1.62 (3H, m), 1.90-1.96 (3H, m), 3.68-3.76 (1H, m), 3.84-3.96 (1H, m), 4.09-4.24 (1H, m), 4.53-4.72 (3H, m), 5.50-5.55 (1H, m), 6.85-6.95 (1H, m), 7.30-7.44 (7H, m).MS-ESI (m/z): 569 [M + H]+.
工程5:化合物7-6の合成
ギ酸(12.0mL、313mmol)中の化合物7-5(5.94g、10.4mmol)の溶液を室温で20時間撹拌した。出発物質が消費された後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をCH3CN(80mL)で希釈した。60℃で4時間撹拌した後、混合物を飽和NaHCOおよびEtOAcで希釈した。水層を分離し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮し、化合物7-6(3.38g、収率69%)を白色のアモルファスとして得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) (ジアステレオマーの混合物) δ 1.55-1.75 (6H, m), 3.57-3.68 (2H, m), 3.73-4.07 (2H, m), 4.42-4.54 (1H, m), 4.59-5.10 (3H, m), 6.85-6.95 (1H, m), 7.12-7.16 (1H, m), 7.24-7.40 (5H, m), 7.55-7.72 (1H, m).MS-ESI (m/z): 469 [M + H]+.
工程6:化合物7-7bの合成
THF(50mL)中の化合物7-6(3.38g、7.20mmol)およびBocO(5.02mL、21.6mmol)の溶液に、DMAP(0.26g、2.16mmol)を室温で加えた。3時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(アミノシリカゲル、ヘキサン/EtOAc、グラジエント:0-30%のEtOAc)により精製して、化合物7-7a(1.66g、収率34%)を無色の固体として、および化合物7-7b(1.60g、収率33%)を白色のアモルファスとして得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) (7a) δ 1.57 (3H, s), 1.58 (9H, s), 1.86 (3H, s), 3.71-3.77 (3H, m), 3.88 (1H, d, J = 14.4 Hz), 4.30 (1H, d, J = 11.2 Hz), 4.40 (1H, d, J = 10.8 Hz), 6.82 (1H, dd, J = 11.6, 8.8 Hz), 6.98-7.03 (2H, m), 7.08-7.13 (3H, m), 7.26-7.31 (1H, m), 7.63 (1H, dd, J = 6.8, 2.8 Hz). MS-ESI (m/z): 669 [M + H]+.
1H NMR (400 MHz, CDCl3) (7b) δ 1.55 (9H, s), 1.57 (3H, s), 1.62 (3H, s), 3.70 (1H, d, J = 14.8 Hz), 3.88 (2H, s), 3.96 (1H, d, J = 14.8 Hz), 4.54 (1H, d, J = 11.2 Hz), 4.59 (1H, d, J = 11.2 Hz), 6.94 (1H, dd, J = 11.6, 8.8 Hz), 7.28-7.42 (5H, m), 7.60 (1H, dd, J = 6.8, 2.8 Hz). MS-ESI (m/z): 669 [M + H]+.
工程7:化合物7-8の合成
THF(8mL)中の化合物7-7b(444mg、0.66mmol)の溶液に、LHMDS(1.66mL、1.66mmol)を-78℃で加えた。30分間撹拌した後、2-(クロロメトキシ)エチルトリメチルシラン(0.31mL、1.66mmol)を-78℃で加えた。-78℃で1時間撹拌した後、混合物を飽和NHClおよびEtOAcで希釈した。水層を分離し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を水および食塩水で洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtOAc、グラジエント:0-30%のEtOAc)により精製して、化合物7-8(520mg、収率59%)を白色のアモルファスとして得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ -0.08 (9H, s), 0.60-0.75 (2H, m), 1.44 (18H, s), 1.90 (3H, s), 1.95 (3H, s), 3.26-3.33 (2H, m), 3.82 (1H, dd, J = 10.8, 6.4 Hz), 3.80-4.00 (2H, m),4.07-4.11 (2H, m), 4.57 (1H, d, J = 12.0 Hz), 4.65 (1H, d, J = 12.0 Hz), 6.96 (1H, dd, J = 11.6, 8.8 Hz), 7.26-7.43 (6H, m), 7.56-7.58 (1H, m). MS-ESI (m/z): 799 [M + H]+.
工程8:化合物7-10の合成
MeOH(3mL)中の化合物7-8(105mg、0.13mmol)および10%Pd-C(20mg)の懸濁液を、H下、室温で1時間撹拌した。出発物質が消費された後、反応混合物をCeliteでろ過し、減圧下で濃縮して、化合物7-9を得た。化合物7-9(70mg、0.11mmol)、EtN(0.046mL、0.33mmol)およびトリメチルアミン塩酸塩(2.12mg、0.02mmol)の溶液に、MsCl(0.017mL、0.22mmol)を0℃で加えた。室温で3時間撹拌した後、混合物を飽和NHClおよびEtOAcで希釈した。水層を分離し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を水および食塩水で洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtOAc、グラジエント:0-30%のEtOAc)により精製して、化合物7-10(33mg、収率42%)を無色の油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ -0.09 (9H, s), 0.62-0.75 (2H, m), 1.53 (18H, s), 1.91 (3H, s), 1.98 (3H, s), 3.13 (3H, s), 3.26-3.31 (2H, m), 3.74-3.78 (1H, m), 4.00-4.07 (2H, m), 4.62 (1H, d, J = 10.4 Hz), 5.00 (1H, d, J = 10.4 Hz), 7.09 (1H, dd, J = 12.0, 8.0 Hz), 7.20 (1H, t, J = 7.6 Hz), 7.32-7.34 (1H, m), 7.45 (1H, t, J = 8.0 Hz). MS-ESI (m/z): 709 [M + H]+.
工程9:化合物7-11の合成
DCM(3.5mL)中の化合物7-10(248mg、0.35mmol)の溶液に、BF-OEt(0.13mL、1.05mmol)を0℃で加えた。室温で1時間撹拌した後、混合物を飽和NaHCOおよびEtOAcで希釈した。水層を分離し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を水および食塩水で洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(アミノシリカゲル、ヘキサン/EtOAc、グラジエント:30-90%のEtOAc)により精製して、化合物7-11(137mg、収率96%)を白色のアモルファスとして得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.67 (3H, s), 1.91 (3H, s), 3.16 (3H, s), 3.62-3.67 (1H, m), 3.92 (1H, d, J = 8.0 Hz), 4.39 (1H, dd, J = 12.4, 8.4 Hz), 4.72 (2H, s), 7.09 (1H, dd, J = 12.0, 8.0 Hz), 7.17 (1H, t, J = 7.6 Hz), 7.30-7.37 (2H, m). MS-ESI (m/z): 409 [M + H]+.
工程10:化合物7-12の合成
DMF(0.5mL)中の化合物7-11(23mg、0.056mmol)の溶液に、t-BuOK(1N THF溶液、0.73mL、0.073mmol)を0℃で加えた。30分間撹拌した後、混合物をHOおよびEtOAcで希釈した。水層を分離し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を水および食塩水で洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtOAc、グラジエント:30-50%のEtOAc)により精製して、化合物7-12(9mg、収率51%)を白色のアモルファスとして得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.48 (3H, s), 1.83 (3H, s), 3.70-3.73 (1H, m), 3.94-4.00 (2H, m), 4.38-4.41 (1H, m), 4.62-4.67 (1H, m), 6.98-7.06 (1H, m), 7.09-7.13 (1H, m), 7.21-7.25 (1H, m), 7.45-7.50 (1H, m). MS-ESI (m/z): 313 [M + H]+.
工程11:化合物7-13の合成
TFA(0.1ml)中の化合物7-12(11mg、0.036mmol)の溶液に、硫酸(0.016mL、0.29mmol)を-20℃で加えた。0℃で5分間撹拌した後、反応混合物にHNO(0.004mL、0.06mmol)を-20℃で加えた。0℃で1時間撹拌した後、反応混合物をKCO水溶液で処理した。水層を分離し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を水および食塩水で洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(アミノシリカゲル、ヘキサン/EtOAc、グラジエント:30-50%のEtOAc)により精製して、化合物7-13(8mg、収率61%)を黄色のアモルファスとして得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.50 (3H, s), 1.81 (3H, s), 3.63 (1H, s), 3.95-4.01 (2H, m), 4.38-4.42 (1H, m), 4.62-4.67 (1H, m), 7.16 (1H, dd, J = 11.2, 9.2 Hz), 8.13-8.17 (1H, m), 8.40 (1H, dd, J = 7.2, 2.8 Hz), MS-ESI (m/z): 358 [M + H]+.
工程12:化合物I-023の合成
MeOH(1ml)中の化合物7-13(8mg、0.022mmol)および10%Pd-C(5mg)の懸濁液を、H下、室温で1時間撹拌した。出発物質が消費された後、反応混合物をCeliteでろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をさらに精製することなく次の反応に使用した。化合物7-14(6mg、0.018mmol)、2N HCl水溶液(0.009mL、0.018mmol)および2,3-ジヒドロ-[1,4]ジオキシノ[2,3-c]ピリジン-7-カルボン酸(3.3mg、0.018mmol)の溶液に、WSCD-HCl(3.5mg、0.018mmol)を室温で加えた。2時間撹拌した後、混合物を飽和NaHCOおよびEtOAcで希釈した。水層を分離し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を水および食塩水で洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(アミノシリカゲル、ヘキサン/EtOAc、グラジエント:20-50%のEtOAc)により精製して、化合物I-023(3.6mg、収率33%)を無色の油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.49 (3H, s), 1.82 (3H, s), 3.74 (1H, s), 3.94-4.00 (2H, m), 4.34-4.42 (5H, m), 4.62-4.66 (1H, m), 7.04 (1H, dd, J = 11.2, 9.2 Hz), 7.51 (1H, dd, J = 7.2, 2.4 Hz), 7.77 (1H, s), 7.93-7.96 (1H, m), 8.11 (1H, s), 9.83 (1H, s). MS-ESI (m/z): 491 [M + H]+.
(実施例8)
化合物III-001の合成
Figure 2022511167000064

化合物III-001を上記のプロトコールと同様に調製し(実施例6)、キラルSFCによりさらに精製して、不要なエナンチオマーを除去した(固定相:Chiralpak Daicel IC 20×250mm、移動相:CO、EtOH+0.4iPrNH)。
一般的SFCプロトコール:SFC測定は、二酸化炭素(CO)および調整剤を送達するバイナリーポンプ(binary pump)、オートサンプラー、カラムオーブン、400バールまで耐える高圧フローセルを備えたダイオードアレイ検出器から構成される分析超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)システムを使用して実施した。質量分析計(MS)と共に構成される場合は、カラムからの流れを(MS)へ向けた。化合物の公称モノアイソトピック(monoisotopic)分子量(MW)の確認を可能にするイオンを得るために、調整パラメーター(例えば、走査範囲、滞留時間など)を設定することは、当業者の知識の範囲内である。データの取得は、適切なソフトウェアによって実施した。
H NMRスペクトルを、400MHzで稼働するBruker DPX-400分光計により記録した。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 3.20 - 3.32 (m, 3 H) 3.78 - 3.87 (m, 1 H) 4.02 - 4.13 (m, 1 H) 4.36 - 4.44 (m, 2 H) 4.46 - 4.62 (m, 1 H) 4.66 - 4.84 (m, 1 H) 7.09 (dd, J=11.7, 8.8 Hz, 1 H) 7.09 - 7.09 (m, 1 H) 7.81 - 7.90 (m, 2 H) 7.86 (s, 1 H) 7.91 (s, 1 H) 8.29 (s, 1 H) 9.82 (s, 1 H)
LC-MS: M+H : 504, tR : 1.67 (分), 方法E.
Figure 2022511167000065

(実施例9)
化合物III-002およびIII-003の合成
化合物III-002を上記のプロトコールと同様に調製した。
Figure 2022511167000066

H NMRスペクトルを、400MHzで稼働するBruker DPX-400分光計により記録した。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 3.26 (s, 3 H), 3.83 (d, J=14.0 Hz, 1 H), 4.31 (d, J=14.0 Hz, 1 H), 4.42 (t, J=5.9 Hz, 2 H), 4.73 - 5.03 (m, 2 H), 7.50 (dd, J=10.7, 8.9 Hz, 1 H), 7.95 (s, 1 H), 8.35-8.40 (m, 2 H), 10.27 (s, 1 H).
LC-MS:M+H: 505, Rt (分): 1.73 , 方法F:
化合物III-003を上記のプロトコールと同様に調製した。
Figure 2022511167000067

H NMRスペクトルを、400MHzで稼働するBruker DPX-400分光計により記録した。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 3.25 (s, 3 H), 3.83 (d, J=14.0 Hz, 1 H), 4.32 (d, J=14.0 Hz, 1 H), 4.71 - 5.03 (m, 2 H), 7.52 (dd, J=10.6, 8.9 Hz, 1 H), 8.08 (s, 1 H), 8.37 (dd, J=8.9, 3.0 Hz, 1 H), 8.43 (s, 1 H), 10.24 (s, 1 H). LC-MS: M+H: 491, Rt(分) : 1.83 , 方法F:
Figure 2022511167000068
(参考例1)
化合物1’-18の合成
Figure 2022511167000069

工程1:化合物1’-2の合成
トルエン(72ml)中のガンマ-クロトノラクトン1’-1(4.80g、57.1mmol)およびフェニルイソシアネート(12.4ml、114mmol)の溶液に、トルエン(24ml)中の2-(2-ニトロエトキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン(15.0g、86.0mmol)およびDIPEA(0.499ml、2.85mmol)を110℃で加えた。還流温度で3時間撹拌した後、反応混合物をDIPEA(0.499ml、2.85mmol)に加えた。還流温度で1時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷却した。混合物をCelite(登録商標)パッドでろ過し、ろ液を真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの20%から50%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物1-2(6.50g、26.9mmol、47%)を褐色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.57-1.90 (6H, m), 3.51-3.62 (1H, m), 3.90 (1H, dt, J = 38.1, 9.9 Hz), 4.33-4.48 (2H, m), 4.54-4.79 (4H, m), 5.56-5.49 (1H, m).
工程2:化合物1’-3の合成
MeOH(65ml)中の化合物1’-2(6.50g、26.9mmol)の溶液に、TsOH-HO(0.513g、2.69mmol)を室温で加えた。同じ温度で2時間撹拌した後、EtN(0.373ml、2.69mmol)を反応混合物に加え、次いで真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの30%から100%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物1’-3(2.78g、17.7mmol、66%)を褐色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 2.38 (1H, br s), 4.44 (1H, d, J = 9.7 Hz), 4.74-4.58 (4H, m), 5.57-5.52 (1H, m).
工程3:化合物1’-4の合成
CHCl(28ml)中の化合物1’-3(2.78g、17.7mmol)の溶液に、90%DAST(3.12ml、21.2mmol)を-78℃で加えた。反応混合物を室温で5時間撹拌し、炭酸カリウム水溶液で処理した。混合物をEtOAcで抽出し、有機層を水で洗浄した。有機層を真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの30%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物1’-4(1.58g、9.93mmol、56%)を褐色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 4.41 (1H, d, J = 9.7 Hz), 4.62 (1H, d, J = 11.3 Hz), 4.69 (1H, dd, J = 11.3, 5.3 Hz), 5.20-5.41 (2H, m), 5.63-5.57 (1H, m).
工程4:化合物1’-5の合成
CHCl(12ml)およびトルエン(24ml)中の化合物1’-4(1.58g、9.93mmol)の溶液に、DIBAL(1.02M ヘキサン溶液、10.7ml、10.9mmol)を-78℃で加えた。同じ温度で30分間撹拌した後、反応混合物をMeOH(1.33ml、32.8mmol)、THF(24ml)およびHO(0.885ml、49.2mmol)に加えた。室温で30分間撹拌した後、混合物をCelite(登録商標)パッドでろ過し、ろ液を真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの30%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物1’-5(829mg、5.14mmol、52%)を黄色の固体として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 2.60 (1H, d, J = 2.3 Hz), 3.95 (1H, d, J = 8.9 Hz), 4.25-4.31 (2H, m), 5.15 (1H, dd, J = 18.4, 11.7 Hz), 5.26 (1H, dd, J = 18.4, 11.7 Hz), 5.40-5.36 (1H, m), 5.72 (1H, d, J = 2.1 Hz).
工程5:化合物1’-6の合成
DCM(15ml)およびMeCN(15ml)中の化合物1’-5(770mg、4.78mmol)およびアリルトリメチルシラン(3.80ml、23.9mmol)の溶液に、BF-OEt(3.03ml、23.9mmol)を0℃で加えた。室温で1時間撹拌した後、反応物を炭酸ナトリウム水溶液でクエンチした。混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を水で洗浄した。有機層を真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの30%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物1’-6(711mg、3.84mmol、80%)を無色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 2.25-2.44 (2H, m), 3.74 (1H, d, J = 9.5 Hz), 4.03-4.14 (2H, m), 4.24-4.29 (1H, m), 5.08-5.26 (4H, m), 5.35-5.29 (1H, m), 5.86-5.75 (1H, m).
工程6:化合物1-7の合成
トルエン(28mL)およびTHF(7mL)中の1-ブロモ-2-フルオロベンゼン(1.68g、9.60mmol)の溶液に、n-BuLi(1.64M n-ヘキサン溶液、5.85mL、9.60mmol)を-78℃で加え、同じ温度で10分間撹拌した。反応混合物に、BF-OEt(0.487ml、3.84mmol)、およびトルエン(7mL)中の化合物1-6の溶液を-78℃で加え、同じ温度で1時間撹拌した。反応混合物にNHCl水溶液を加え、水層をEtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの30%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物1’-7(883mg、3.14mmol、82%)を無色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 2.34 (2H, t, J = 6.7 Hz), 3.23-3.29 (1H, m), 3.96 (2H, d, J = 3.3 Hz), 4.52-4.76 (3H, m), 4.95 (1H, dd, J = 10.4, 47.1 Hz), 5.14 (1H, s), 5.18 (1H, d, J = 5.1 Hz), 5.80-5.93 (1H, m), 6.18 (1H, brs), 7.03-7.12 (1H, m), 7.15-7.20 (1H, m), 7.28-7.34 (1H, m), 7.69 (1H, brs).
工程7:化合物1’-8の合成
AcOH(8.8ml)中の化合物1’-7(883mg、3.14mmol)の溶液に、Zn(2.05g、31.4mmol)を室温で加えた。60℃で1時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷却し、炭酸カリウム水溶液をこの混合物に加えた。混合液をCelite(登録商標)パッドでろ過し、ろ液をEtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの30%から100%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物1’-8(783mg、2.76mmol、88%)を無色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 2.21-2.31 (1H, m), 2.50-2.58 (1H, m), 2.65 (1H, dd, J = 8.5, 4.6 Hz), 3.63-3.73 (2H, m), 3.96 (1H, t, J = 3.3 Hz), 4.34-4.40 (1H, m), 4.50 (1H, dd, J = 47.8, 9.3 Hz), 4.90 (1H, ddd, J = 47.8, 9.3, 2.8 Hz), 5.12 (1H, s), 5.15 (1H, s), 5.84-5.96 (1H, m), 7.09 (1H, dd, J = 12.7, 8.2 Hz), 7.15-7.20 (1H, m), 7.21-7.28 (1H, m), 7.32-7.38 (1H, m), 7.62-7.68 (1H, m).
工程8:化合物1’-9の合成
CHCl(7.8ml)中の化合物1’-8(783mg、2.76mmol)の溶液に、ベンゾイルイソチオシアネート(0.417ml、3.04mmol)を室温で加えた。同じ温度で1日撹拌した後、反応混合物をEDC-HCl(1.06g、5.53mmol)に加えた。同じ温度で1日撹拌した後、反応混合物を真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの10%から50%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物1’-9(864mg、2.10mmol、76%)を白色のアモルファスとして得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 2.31-2.40 (1H, m), 2.65-2.73 (1H, m), 3.15 (1H, dd, J = 8.8, 4.2 Hz), 3.86 (1H, dd, J = 10.7, 2.5 Hz), 4.19 (1H, d, J = 10.7 Hz), 4.41-4.47 (1H, m), 4.57-4.61 (1H, m), 4.85 (2H, dt, J = 9.5, 46.6 Hz), 5.22-5.29 (2H, m), 5.87-5.98 (1H, m), 7.14-7.25 (2H, m), 7.33-7.55 (5H, m), 8.27 (2H, d, J = 7.4 Hz), 12.16 (1H, brs).
工程9:化合物1’-10の合成
CHCl(17ml)中の化合物1’-9(864mg、2.10mmol)の溶液をオゾン雰囲気下、-78℃で撹拌した。同じ温度で20分間撹拌した後、反応混合物にPPh(1.26g、4.82mmol)をN雰囲気下で加えた。室温で1.5時間撹拌した後、反応混合物にMeOH(8.6ml)およびNaBH(238mg、6.28mmol)を加えた。同じ温度で2時間撹拌した後、反応混合物にNHCl水溶液を加え、水層をEtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの30%から100%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物1’-10(872mg、2.10mmol、100%)を白色のアモルファスとして得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.87-1.97 (1H, m), 1.99-2.08 (1H, m), 2.29-2.34 (1H, m), 3.11 (1H, dd, J = 9.1, 4.2 Hz), 3.83-3.97 (3H, m), 4.21 (1H, d, J = 10.5 Hz), 4.51 (1H, t, J = 8.8 Hz), 4.58-4.62 (1H, m), 4.86 (2H, ddd, J = 46.7, 20.7, 9.3 Hz), 7.14-7.25 (2H, m), 7.35-7.51 (5H, m), 8.27 (2H, d, J = 7.3 Hz), 12.18 (1H, brs).
工程10:化合物1’-11の合成
THF(17ml)中の化合物1’-10(872mg、2.10mmol)、PPh(1.10g、4.19mmol)およびイミダゾール(285mg、4.19mmol)の溶液に、I(1.06g、4.19mmol)を0℃で加えた。同じ温度で1.5時間撹拌した後、反応混合物にNaHSO水溶液を加え、水層をEtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの10%から50%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物1-11(911mg、1.73mmol、83%)を白色のアモルファスとして得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 2.12-2.29 (2H, m), 3.04 (1H, dd, J = 8.7, 4.4 Hz), 3.29 (1H, q, J = 8.7 Hz), 3.38-3.44 (1H, m), 3.86 (1H, dd, J = 10.8, 2.2 Hz), 4.20 (1H, d, J = 10.8 Hz), 4.37 (1H, t, J = 8.7 Hz), 4.59-4.63 (1H, m), 4.85 (2H, ddd, J = 46.7, 22.6, 9.5 Hz), 7.13-7.26 (2H, m), 7.33-7.56 (5H, m), 8.28 (2H, d, J = 7.5 Hz), 12.18 (1H, brs).
工程11:化合物1’-12の合成
THF(9ml)中のKOBu(1.0M THF溶液、6.92ml、6.92mmol)の溶液に、THF(9ml)中の化合物1-11(911mg、1.73mmol)を0℃で加えた。同じ温度で30分間撹拌した後、反応混合物をNHCl水溶液で処理し、水層をAcOEtで抽出した。合わせた有機層をHOおよび食塩水で洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過した。ろ液を真空下で濃縮して、化合物1-12(677mg、1.70mmol、98%)を白色の固体として得て、これを精製することなく次の工程に使用した。
1H NMR (CDCl3) δ: 3.07 (1H, dd, J = 9.6, 4.1 Hz), 4.02 (1H, dd, J = 10.7, 2.9 Hz), 4.24 (1H, d, J = 10.7 Hz), 4.61-5.00 (4H, m), 5.42 (1H, d, J = 10.2 Hz), 5.54 (1H, d, J = 16.9 Hz), 5.91-6.01 (1H, m), 7.13-7.25 (2H, m), 7.34-7.56 (5H, m), 8.29 (2H, d, J = 7.5 Hz), 12.23 (1H, brs).
工程12:化合物1’-13の合成
CHCl(23ml)中の化合物1’-12(452mg、1.14mmol)の溶液をオゾン雰囲気下、-78℃で撹拌した。同じ温度で20分間撹拌した後、反応混合物にPPh(684mg、2.61mmol)をN雰囲気下で加えた。室温で1.5時間撹拌した後、反応混合物にMeOH(11ml)およびNaBH(129mg、3.40mmol)を加えた。同じ温度で1.5時間撹拌した後、反応混合物にNHCl水溶液を加え、水層をEtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの30%から100%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物1’-13(457mg、1.14mmol、100%)を白色のアモルファスとして得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.98 (1H, dd, J = 5.4, 7.8 Hz), 3.50 (1H, dd, J = 8.9, 4.3 Hz), 3.70-3.78 (1H, m), 3.92 (1H, dd, J = 10.5, 2.4 Hz), 3.99-4.05 (1H, m), 4.24 (1H, d, J = 10.5 Hz), 4.46-4.40 (1H, m), 4.65 (1H, t, J = 3.2 Hz), 4.86 (2H, ddd, J = 10.2, 12.5, 47.2 Hz), 7.14-7.25 (2H, m), 7.34-7.52 (5H, m), 8.27 (2H, d, J = 7.4 Hz), 12.17 (1H, brs).
工程13:化合物1’-14の合成
THF(9ml)中の化合物1’-13(457mg、1.14mmol)、PPh(596mg、2.27mmol)およびイミダゾール(155mg、2.27mmol)の溶液に、I(576mg、2.27mmol)を0℃で加えた。室温で1.5時間撹拌した後、反応混合物にNaHSO水溶液を加え、水層をEtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの10%から50%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物1’-14(418mg、0.816mmol、72%)を白色のアモルファスとして得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 3.42 (1H, dd, J = 8.6, 4.2 Hz), 3.51 (1H, dd, J = 11.5, 2.8 Hz), 3.78 (1H, dd, J = 11.5, 2.8 Hz), 4.06-4.16 (2H, m), 4.21 (1H, d, J = 10.7 Hz), 4.62-5.01 (3H, m), 7.17-7.27 (2H, m), 7.35-7.57 (5H, m), 8.27 (2H, d, J = 6.8 Hz), 12.19 (1H, brs).
工程14:化合物1’-15の合成
トルエン(4ml)中の化合物1’-14(418mg、0.816mmol)の溶液に、BuSnH(0.263ml、0.979mmol)およびAIBN(6.70mg、0.0410mmol)を室温で加えた。80℃で1時間撹拌した後、反応混合物を濃縮した。得られた残渣をアミノシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの10%から50%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物1’-15(280mg、0.725mmol、89%)を白色のアモルファスとして得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.48 (3H, d, J = 5.9 Hz), 2.89 (1H, dd, J = 9.2, 4.1 Hz), 3.98 (1H, dd, J = 10.8, 2.9 Hz), 4.17 (1H, d, J = 10.8 Hz), 4.35-4.44 (1H, m), 4.61 (1H, t, J = 3.5 Hz), 4.79 (1H, dd, J = 10.0, 46.5 Hz), 4.94 (1H, dd, J = 10.0, 46.5 Hz), 7.13-7.26 (2H, m), 7.34-7.55 (5H, m), 8.28 (2H, d, J = 7.4 Hz), 12.18 (1H, brs).
工程15:化合物1’-16の合成
EtOH(3ml)およびTHF(3ml)中の化合物1’-15(280mg、0.725mmol)の溶液に、ヒドラジン水和物(0.325ml、7.25mmol)を室温で加えた。同じ温度で14時間撹拌した後、反応混合物を濃縮した。得られた残渣をアミノシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの40%から60%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物1-16(205mg、0.725mmol、100%)を白色のアモルファスとして得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.44 (3H, d, J = 5.9 Hz), 2.77 (1H, dd, J = 8.9, 4.4 Hz), 3.81-3.88 (2H, m), 4.24-4.37 (3H, m), 4.54-4.76 (2H, m), 7.06 (1H, dd, J = 12.5, 8.2 Hz), 7.20-7.15 (1H, m), 7.27-7.33 (1H, m), 7.42-7.47 (1H, m).
工程16:化合物1’-18の合成
TFA(3ml)中の化合物1’-16(205mg、0.725mmol)の溶液に、硫酸(0.774ml、14.5mmol)を-8℃で加えた。同じ温度で5分間撹拌した後、反応混合物にHNO(0.0490ml、1.09mmol)を加えた。同じ温度で10分間撹拌した後、反応混合物をKCO水溶液で処理した。水層をAcOEtで抽出し、有機層をNaSOで脱水し、ろ過した。ろ液を真空下で濃縮して、化合物1’-17を白色のアモルファスとして得て、これを精製することなく次の工程に使用した。
MeOH(2ml)中の化合物1’-17および10%Pd-C(245mg、0.109mmol)の溶液を、H雰囲気下、室温で撹拌した。同じ温度で2時間撹拌した後、混合物をCelite(登録商標)パッドでろ過した。ろ液を真空下で濃縮した。得られた残渣を超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)(Chiralpak(登録商標)IC、0.1%のジエチルアミンを伴う40%のイソプロピルアルコール)により精製して、化合物1’-18(78.0mg、0.262mmol、36%)を得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.42 (3H, d, J = 6.0 Hz), 2.75 (1H, dd, J = 9.0, 4.2 Hz), 3.61 (1H, brs), 3.84 (2H, dd, J = 14.2, 10.4 Hz), 4.25-4.34 (1H, m), 4.34-4.37 (1H, m), 4.50-4.74 (2H, m), 6.59-6.53 (1H, m), 6.72 (1H, dd, J = 6.7, 2.9 Hz), 6.85 (1H, dd, J = 11.9, 8.6 Hz).
(参考例2)
化合物2’-5の合成
Figure 2022511167000070

工程1:化合物2’-3の合成
THF(4ml)中の化合物1’-12(200mg、0.502mmol)および10%Pd-C(203mg、0.0900mmol)の溶液を、H雰囲気下、室温で撹拌した。同じ温度で3時間撹拌した後、反応混合物をCelite(登録商標)パッドでろ過した。ろ液を真空下で濃縮して、化合物2’-2を白色のアモルファスとして得て、これを精製することなく次の工程に使用した。
EtOH(4ml)中の化合物2’-2の溶液に、ヒドラジン水和物(0.244ml、5.02mmol)を室温で加えた。50℃で30分間撹拌した後、反応混合物を濃縮した。得られた残渣をアミノシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの50%から60%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物2’-3(124mg、0.418mmol、83%)を白色のアモルファスとして得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.07 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.52-1.63 (1H, m), 1.78-1.90 (1H, m), 2.89 (1H, dd, J = 8.7, 4.4 Hz), 3.73 (1H, dd, J = 10.3, 2.0 Hz), 3.87 (1H, d, J = 10.3 Hz), 4.14-4.20 (1H, m), 4.27-4.30 (1H, m), 4.33 (1H, brs), 4.57 (1H, dd, J = 16.3, 8.9 Hz), 4.69 (1H, dd, J = 16.3, 8.9 Hz), 7.06 (1H, dd, J = 12.5, 7.9 Hz), 7.17 (1H, t, J = 7.6 Hz), 7.27-7.33 (1H, m), 7.44 (1H, t, J = 7.9 Hz).
工程2:化合物2’-5の合成
TFA(1.8ml)中の化合物2’-3(124mg、0.418mmol)の溶液に、硫酸(0.446ml、8.37mmol)を-8℃で加えた。同じ温度で5分間撹拌した後、反応混合物にHNO(0.0280ml、0.628mmol)を加えた。同じ温度で10分間撹拌した後、反応混合物をKCO水溶液で処理した。水層をAcOEtで抽出し、有機層をNaSOで脱水し、ろ過した。ろ液を真空下で濃縮して、化合物2’-4を白色のアモルファスとして得て、これを精製することなく次の工程に使用した。
MeOH(6ml)中の化合物2’-4および10%Pd-C(141mg、0.0630mmol)の溶液を、H雰囲気下、室温で撹拌した。同じ温度で2時間撹拌した後、反応混合物をCelite(登録商標)パッドでろ過した。ろ液を真空下で濃縮した。得られた残渣を超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)(Chiralpak(登録商標)IC、0.1%のジエチルアミンを伴う40%のイソプロピルアルコール)により精製して、化合物2’-5(52.0mg、0.167mmol、40%)を得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.06 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.51-1.63 (1H, m), 1.77-1.89 (1H, m), 2.87 (1H, dd, J = 8.7, 4.3 Hz), 3.62 (1H, brs), 3.74 (1H, dd, J = 10.2, 2.2 Hz), 3.87 (1H, d, J = 10.2 Hz), 4.11-4.18 (1H, m), 4.33-4.37 (1H, m), 4.54 (1H, dd, J = 25.9, 8.7 Hz), 4.66 (1H, dd, J = 25.9, 8.7 Hz), 6.59-6.54 (1H, m), 6.72 (1H, dd, J = 6.7, 2.9 Hz), 6.84 (1H, dd, J = 11.9, 8.5 Hz).
(参考例3)
化合物3’-12の合成
Figure 2022511167000071

工程1:化合物3’-2の合成
トルエン(150ml)中の5-メチルフラン-2(5H)-オン3’-1(ラセミ体)(10.0g、102mmol)およびフェニルイソシアネート(22.2ml、204mmol)の溶液に、トルエン(50ml)中の2-(2-ニトロエトキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン(26.8g、153mmol)およびDIPEA(0.890ml、5.10mmol)を110℃で加えた。還流温度で3時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷却した。混合物をCelite(登録商標)パッドでろ過し、ろ液を真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの20%から50%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、不純物を含有する化合物3-2(4つのジアステレオマーの混合物)(14.4g、56.4mmol、55%)を褐色の油状物として得た。
工程2:化合物3’-3の合成
EtOH(43ml)中の化合物3’-2(14.4g、56.4mmol)の溶液に、PPTS(2.84g、11.3mmol)を室温で加えた。60℃で3.5時間撹拌した後、反応混合物を真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの50%から100%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物3-3(エナンチオマー混合物)(3.69g、21.6mmol、38 %)を褐色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.51 (3H, d, J = 6.8 Hz), 2.52-2.58 (1H, m), 4.50 (1H, d, J = 9.5 Hz), 4.60-4.64 (2H, m), 4.82 (1H, dq, J = 2.0, 6.8 Hz), 5.09 (1H, dd, J = 9.5, 2.0 Hz).
工程3:化合物3’-4の合成
CHCl(37ml)中の化合物3’-3(3.69g、21.6mmol)の溶液に、90%DAST(3.80ml、25.9mmol)を-78℃で加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、炭酸カリウム水溶液で処理した。混合物をEtOAcで抽出し、有機層を水で洗浄した。有機層を真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの20%から50%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物3’-4(3.31g、19.1mmol、89%)を黄色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.51 (3H, d, J = 6.8 Hz), 4.46 (1H, dd, J = 9.5, 1.6 Hz), 4.80-4.86 (1H, m), 5.16 (1H, d, J = 9.5 Hz), 5.24 (1H, dd, J = 19.3, 11.5 Hz), 5.36 (1H, dd, J = 19.3, 11.5 Hz).
工程4:化合物3’-5の合成
CHCl(66ml)中の化合物3’-4(3.31g、19.1mmol)の溶液に、DIBAL(1.02M ヘキサン溶液、22.5ml、22.9mmol)を-78℃で加えた。同じ温度で20分間撹拌した後、反応混合物にロッシェル塩水溶液を加えた。室温で3時間撹拌した後、混合物に2mol/LのHCl(pH=4)を加えた。混合物をEtOAcで抽出し、有機層を水で洗浄した。有機層を真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの20%から80%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、ジアステレオマーを含有する化合物3’-5(2.19g、12.5mmol、65%)を黄色の固体として得た。
工程5:化合物3’-7の合成
DCM(14ml)およびMeCN(14ml)中の化合物3’-5(1.96g、11.2mmol)およびトリエチルシラン(8.94ml、55.9mmol)の溶液に、BF-OEt(7.09ml、55.9mmol)を0℃で加えた。同じ温度で15分間撹拌した後、反応混合物を炭酸ナトリウム水溶液で処理した。水層をAcOEtで抽出し、有機層をNaSOで脱水し、ろ過した。ろ液を真空下で濃縮して、化合物3’-6を黄色の油状物として得て、これを精製することなく次の工程に使用した。
トルエン(80mL)およびTHF(10mL)中の1-ブロモ-2-フルオロベンゼン(4.90g、28.0mmol)の溶液に、n-BuLi(1.62M n-ヘキサン溶液、17.1mL、28.0mmol)を-78℃で加え、反応混合物を同じ温度で10分間撹拌した。反応混合物に、BF-OEt(1.42ml、11.2mmol)、ならびにTHF(10mL)およびトルエン(18mL)中の化合物3-6の溶液を-78℃で加え、反応混合物を同じ温度で30分間撹拌した。反応混合物にNHCl水溶液を加え、水層をEtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの0%から20%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物3’-7(1.31g、5.13mmol、46%)を黄色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.18 (3H, d, J = 6.8 Hz), 3.52-3.59 (1H, m), 4.03 (1H, dd, J = 10.6, 7.3 Hz), 4.21-4.38 (3H, m), 4.68 (1H, dd, J = 47.4, 9.8 Hz), 4.85-5.03 (1H, m), 6.16 (1H, s), 7.07 (1H, dd, J = 11.9, 8.2 Hz), 7.18 (1H, t, J = 7.2 Hz), 7.28-7.35 (1H, m), 7.67 (1H, brs).
工程7:化合物3’-8の合成
AcOH(13ml)中の化合物3’-7(1.31g、5.13mmol)の溶液に、Zn(2.01g、30.8mmol)を室温で加えた。60℃で2時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷却し、この混合物に炭酸カリウム水溶液を加えた。混合液をCelite(登録商標)パッドでろ過し、ろ液をEtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの30%から100%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物3’-8(1.08g、4.20mmol、82%)を無色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.06 (3H, d, J = 6.8 Hz), 2.84-2.92 (1H, m), 3.55 (1H, d, J = 4.3 Hz), 3.95 (1H, q, J = 6.8 Hz), 4.00-4.06 (1H, m), 4.09-4.19 (1H, m), 4.34 (1H, dd, J = 48.2, 9.1 Hz), 4.90 (1H, ddd, J = 48.2, 9.1, 2.5 Hz), 7.08-7.15 (1H, m), 7.23-7.27 (1H, m), 7.33-7.40 (1H, m), 7.70-7.64 (1H, m).
工程8:化合物3’-9の合成
CHCl(11ml)中の化合物3’-8(1.08mg、4.20mmol)の溶液に、ベンゾイルイソチオシアネート(0.633ml、4.62mmol)を室温で加えた。同じ温度で3時間撹拌した後、反応混合物にEDC-HCl(1.06g、8.40mmol)を加えた。同じ温度で14時間撹拌した後、反応混合物を真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの10%から50%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物3’-9(1.04g、2.69mmol、64%)を白色の固体として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.18 (3H, d, J = 6.8 Hz), 3.27-3.35 (1H, m), 3.98 (1H, t, J = 10.0 Hz), 4.24-4.31 (2H, m), 4.42 (1H, q, J = 6.8 Hz), 4.71 (1H, dd, J = 46.4, 9.4 Hz), 4.85 (1H, dd, J = 46.4, 9.4 Hz), 7.15-7.26 (2H, m), 7.56-7.35 (5H, m), 8.27 (2H, d, J = 7.4 Hz), 12.14 (1H, s).
工程8:化合物3’-10の合成
MeOH(10ml)およびTHF(10ml)中の化合物3’-9(1.04g、2.69mmol)の溶液に、ヒドラジン水和物(1.31ml、26.9mmol)を室温で加えた。50℃で1時間撹拌した後、反応混合物を濃縮した。得られた残渣をアミノシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの50%から80%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物3’-10(734mg、2.60mmol、97%)を白色の固体として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.11 (3H, d, J = 6.8 Hz), 3.16-3.24 (1H, m), 3.89 (1H, t, J = 9.9 Hz), 3.95 (1H, d, J = 4.4 Hz), 4.17-4.30 (3H, m), 4.51 (1H, dd, J = 9.2, 47.1 Hz), 4.66 (1H, ddd, J = 47.1, 9.0, 1.5 Hz), 7.07 (1H, dd, J = 12.3, 7.7 Hz), 7.18 (1H, t, J = 7.2 Hz), 7.27-7.35 (1H, m), 7.51-7.44 (1H, m).
工程9:化合物3’-11の合成
TFA(5.6ml)中の化合物3’-10(734mg、2.60mmol)の溶液に、硫酸(1.39ml、26.0mmol)を-8℃で加えた。同じ温度で5分間撹拌した後、反応混合物にHNO(0.174ml、3.90mmol)を加えた。同じ温度で10分間撹拌した後、反応混合物をKCO水溶液で処理し、水層をEtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、真空下で濃縮した。粗生成物をアミノシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの60%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物3’-11(820mg、2.51mmol、96%)を白色のアモルファスとして得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.14 (3H, d, J = 6.7 Hz), 3.13-3.20 (1H, m), 3.88 (1H, t, J = 9.8 Hz), 3.97 (1H, d, J = 4.8 Hz), 4.09-4.23 (2H, m), 4.34 (2H, s), 4.48 (1H, dd, J = 20.6, 8.2 Hz), 4.60 (1H, dd, J = 20.6, 8.2 Hz), 7.23-7.28 (1H, m), 8.26-8.20 (1H, m), 8.45 (1H, dd, J = 6.8, 2.8 Hz).
工程10:化合物3’-12の合成
MeOH(16ml)中の化合物3’-11(820mg、2.51mmol)および10%Pd-C(169mg、0.0750mmol)の溶液を、H雰囲気下、室温で撹拌した。同じ温度で2時間撹拌した後、混合物をCelite(登録商標)パッドでろ過した。ろ液を真空下で濃縮した。得られた残渣を超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)(Chiralpak(登録商標)ID、0.1%のジエチルアミンを伴う20%のイソプロピルアルコール)により精製して、化合物3’-12(300mg、1.01mmol、40%)を得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.11 (3H, d, J = 6.8 Hz), 3.14-3.21 (1H, m), 3.61 (2H, s), 3.86 (1H, t, J = 9.9 Hz), 4.01 (1H, d, J = 4.3 Hz), 4.08-4.20 (2H, m), 4.47 (1H, dd, J = 46.9, 8.8 Hz), 4.63 (1H, ddd, J = 46.9, 8.8, 1.6 Hz), 6.60-6.55 (1H, m), 6.75 (1H, dd, J = 6.7, 2.9 Hz), 6.86 (1H, dd, J = 11.9, 8.7 Hz).
(参考例4)
化合物7’-10の合成
Figure 2022511167000072


工程1:化合物7’-2の合成
トルエン(60ml)中の3,6-ジヒドロ-2H-ピラン7-1(6.20g、73.7mmol)およびEtN(10.2ml、73.7mmol)の溶液に、トルエン(120ml)中のエチル(Z)-2-クロロ2-(ヒドロキシイミノ)アセテート(22.3g、147mmol)を100℃で加えた。還流温度で4時間撹拌した後、反応混合物にEtN(10.2ml、73.7mmol)を加えた。還流温度で6時間撹拌した後、反応混合物にエチル(Z)-2-クロロ2-(ヒドロキシイミノ)アセテート(11.2g、73.7mmol)およびEtN(10.2ml、73.7mmol)を加えた。還流温度で5時間撹拌した後、反応混合物にエチル(Z)-2-クロロ2-(ヒドロキシイミノ)アセテート(5.58g、36.9mmol)およびEtN(5.1ml、36.9mmol)を加えた。還流温度で1時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷却した。混合物にHOを加え、水層をEtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過した。ろ液を真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの0%から40%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物7’-2(5.10g、25.6mmol、35%)を橙色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.38 (3H, t, J = 7.2 Hz), 2.07-2.12 (2H, m), 3.43 (1H, dd, J = 14.6, 7.9 Hz), 3.55 (1H, dd, J = 11.8, 7.9 Hz), 3.66 (1H, dt, J = 15.7, 5.3 Hz), 3.77-3.82 (1H, m), 4.04 (1H, dd, J = 11.9, 6.3 Hz), 4.32-4.38 (2H, m), 4.78-4.83 (1H, m).
工程2:化合物7’-3の合成
EtOH(140ml)中のNaBH(3.26g、86.0mmol)の溶液に、EtOH(140mL)中の化合物7’-2(14.3g、71.9mmol)の溶液を0℃で加えた。反応混合物を40℃で3時間撹拌し、AcOHで0℃で処理した。反応混合物を真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの50%から70%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物7’-3(7.24g、46.1mmol、64%)を無色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.88-2.08 (2H, m), 3.25 (1H, q, J = 6.9 Hz), 3.64-3.76 (3H, m), 3.94 (1H, dd, J = 12.0, 6.0 Hz), 4.44-4.49 (2H, m), 4.67-4.70 (1H, m).
工程3:化合物7’-4の合成
CHCl(109ml)中の化合物7’-3(7.24g、46.1mmol)の溶液に、90%DAST(13.5ml、92.0mmol)を-78℃で加えた。反応混合物を室温で2.5時間撹拌し、炭酸カリウム水溶液で0℃で処理した。混合物をCHClで抽出し、NaSOで脱水し、ろ過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの20%から40%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物7’-4(4.39g、27.6mmol、60%)を黄色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.91-2.02 (1H, m), 2.02-2.12 (1H, m), 3.29-3.31 (1H, m), 3.62 (1H, dd, J = 12.2, 7.0 Hz), 3.71 (2H, dd, J = 7.0, 4.5 Hz), 3.95 (1H, dd, J = 12.2, 6.0 Hz), 4.70-4.74 (1H, m), 5.12-5.23 (2H, m).
工程4:化合物7’-5の合成
トルエン(176mL)およびTHF(44mL)中の1-ブロモ-2-フルオロベンゼン(4.39g、27.6mmol)の溶液に、n-BuLi(1.64M n-ヘキサン溶液、50.5mL、83.0mmol)を-78℃で加え、反応混合物を同じ温度で5分間撹拌した。反応混合物に、BF-OEt(4.2ml、33.1mmol)、およびトルエン(97mL)中の化合物7’-4(4.39g、27.6mmol)の溶液を-78℃で加え、反応混合物を同じ温度で10分間撹拌した。反応混合物にNHCl水溶液を加え、水層をEtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの10%から20%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物7’-5(4.91g、19.2mmol、70%)を黄色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.91-1.85 (2H, m), 2.89-2.95 (1H, m), 3.60-3.66 (1H, m), 3.69-3.74 (1H, m), 3.76-3.82 (1H, m), 4.01-4.04 (1H, m), 4.08-4.13 (2H, m), 4.54 (1H, dd, J = 47.9, 10.2 Hz), 5.04 (1H, dd, J = 47.2, 10.2 Hz), 6.46 (1H, br s), 7.03-7.09 (1H, m), 7.19-7.22 (1H, m), 7.28-7.34 (1H, m), 7.92-7.96 (1H, m).
工程5:化合物7’-6の合成
AcOH(49ml)中の化合物7’-5(4.91g、19.2mmol)の溶液に、Zn(12.6g、192mmol)を室温で加えた。60℃で1時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷却し、Celite(登録商標)パッドでろ過した。ろ液に、炭酸カリウム水溶液を加えた。混合物をCelite(登録商標)パッドでろ過し、ろ液をEtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの50%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物7’-6(3.80g、14.8mmol、77%)を無色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.51-1.55 (1H, m), 1.61-1.69 (1H, m), 2.38-2.43 (1H, m), 3.57 (1H, br s), 3.67 (1H, dd, J = 11.0, 5.1 Hz), 3.81-3.87 (1H, m), 3.94 (1H, t, J = 11.2 Hz), 4.02-4.07 (1H, m), 4.45 (1H, dd, J = 47.7, 9.3 Hz), 4.97 (1H, ddd, J = 48.1, 9.3, 3.7 Hz), 7.08 (1H, dd, J = 12.4, 8.2 Hz), 7.22-7.24 (1H, m), 7.33-7.37 (1H, m), 7.62-7.63 (1H, m).
工程6:化合物7’-7の合成
CHCl(38ml)中の化合物7’-6(3.80g、14.8mmol)の溶液に、ベンゾイルイソチオシアネート(2.18ml、16.2mmol)を0℃で加えた。室温で19時間撹拌した後、反応混合物にEDC-HCl(5.66g、29.5mmol)を同じ温度で加えた。40℃で3時間撹拌した後、反応混合物を真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの10%から40%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物7’-7(4.22g、10.9mmol、74%)を白色の固体として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.85-1.93 (1H, m), 2.04-2.08 (1H, m), 2.87-2.92 (1H, m), 3.74 (1H, t, J = 11.7 Hz), 3.80-3.84 (2H, m), 4.04-4.09 (1H, m), 4.37 (1H, br s), 4.70-4.98 (2H, m), 7.13-7.25 (2H, m), 7.38-7.46 (4H, m), 7.51-7.54 (1H, m), 8.28 (2H, d, J = 7.5 Hz), 12.14 (1H, s).
工程7:化合物7’-8の合成
MeOH(42ml)中の化合物7’-7(4.22g、10.9mmol)の溶液に、DBU(1.81ml、12.0mmol)を室温で加えた。60℃で7時間撹拌した後、反応混合物に2mol/LのHClおよびEtOを加えた。有機層をHOで逆抽出した。水層をKCOでアルカリ化し(pH=8)、AcOEtで抽出した。有機層を水で洗浄し、真空下で濃縮した。粗生成物をCHClで粉末化して、化合物7’-8(2.39g、8.47mmol、78%)を黄色の固体として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.71-1.85 (2H, m), 2.69-2.74 (1H, m), 3.58-3.65 (2H, m), 3.75 (1H, dd, J = 11.5, 5.0 Hz), 4.00-4.04 (2H, m), 4.25 (2H, s), 4.54-4.74 (2H, m), 7.04 (1H, dd, J = 12.3, 8.2 Hz), 7.14-7.17 (1H, m), 7.27-7.31 (1H, m), 7.43-7.47 (1H, m).
工程8:化合物7’-9の合成
TFA(17.2ml)中の化合物7’-8(3.00g、10.6mmol)の溶液に、硫酸(4.25ml、80mmol)を-15℃で加えた。同じ温度で10分間撹拌した後、反応混合物にHNO(0.172ml、15.9mmol)を加えた。同じ温度で15分間撹拌した後、反応混合物をKCO水溶液で処理した。水層をAcOEtで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過した。ろ液を真空下で濃縮して、化合物7’-9を淡黄色の固体として得て、これを精製することなく次の工程に使用した。
工程9:化合物7’-10の合成
MeOH(101ml)中の化合物7’-9および10%Pd-C(674mg、3.00mmol)の溶液を、H雰囲気下、室温で撹拌した。同じ温度で2時間撹拌した後、混合物をCelite(登録商標)パッドでろ過した。ろ液を真空下で濃縮した。粗生成物を超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)(Chiralpak(登録商標)IC、0.1%のジエチルアミンを伴う40%のエタノール)により精製して、化合物7’-10(1.35g、4.56mmol、44%)を黄色の固体として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.71-1.85 (2H, m), 2.68-2.73 (1H, m), 3.55-3.64 (4H, m), 3.75 (1H, dd, J = 11.5, 5.1 Hz), 3.98-4.03 (1H, m), 4.07 (1H, br s), 4.25 (2H, br s), 4.49-4.72 (2H, m), 6.53-6.56 (1H, m), 6.74 (1H, dd, J = 6.7, 3.0 Hz), 6.83 (1H, dd, J = 11.7, 8.6 Hz).
(参考例5)
化合物8’-12の合成
Figure 2022511167000073

工程1:化合物8’-2の合成
トルエン(80ml)中の公知の手順に従って調製された化合物8’-1(4.10g、36.6mmol)およびフェニルイソシアネート(12.0ml、110mmol)の溶液に、トルエン(30ml)中の2-(2-ニトロエトキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン(9.62g、54.9mmol)およびDIPEA(0.320ml、1.83mmol)を110℃で加えた。還流温度で2時間撹拌した後、反応混合物にDIPEA(0.639ml、3.66mmol)およびフェニルイソシアネート(12.0ml、110mmol)を加えた。還流温度で4時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷却した。混合物をろ過し、ろ液を真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの10%から30%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物8’-2(8.05g、29.9mmol、82%)を橙色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.41 (3H, dd, J = 6.3, 1.5 Hz), 1.60-1.74 (5H, m), 1.78-1.86 (2H, m), 2.17-2.21 (1H, m), 3.53-3.57 (1H, m), 3.82-3.94 (1H, m), 4.25 (1H, dd, J = 12.5, 6.9 Hz), 4.37-4.41 (1H, m), 4.50-4.59 (2H, m), 4.70-4.76 (1H, m), 5.07-5.11 (1H, m).
工程2:化合物8’-3の合成
EtOH(81ml)中の化合物8’-2(8.05g、29.9mmol)の溶液に、PPTS(1.50g、5.98mmol)を室温で加えた。60℃で2時間撹拌した後、反応混合物を真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの10%から80%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物8’-3(4.46g、29.9mmol、81%)を褐色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.44 (3H, d, J = 6.3 Hz), 1.83-1.91 (1H, m), 2.21-2.25 (1H, m), 2.47-2.50 (1H, m), 4.41 (1H, d, J = 10.9 Hz), 4.51 (2H, dd, J = 13.9, 6.7 Hz), 4.55-4.63 (1H, m), 5.06-5.10 (1H, m).
工程3:化合物8’-4の合成
CHCl(49ml)中の化合物8’-3(4.93g、26.6mmol)の溶液に、90%DAST(5.86ml、39.9mmol)を-78℃で加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、炭酸カリウム水溶液で処理した。混合物をCHClで抽出した。有機層をNaSOで脱水し、真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの10%から30%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物8’-4(4.50g、24.1mmol、90%)を黄色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.43 (3H, d, J = 6.4 Hz), 1.85-1.92 (1H, m), 2.25 (1H, d, J = 15.3 Hz), 4.39 (1H, dd, J = 11.0, 3.0 Hz), 4.54-4.58 (1H, m), 5.16-5.27 (3H, m).
工程4:化合物8’-5の合成
CHCl(45ml)中の化合物8’-4(4.50g、24.1mmol)の溶液に、DIBAL(1.03M ヘキサン溶液、24.5ml、10.9mmol)を-78℃で加えた。同じ温度で20分間撹拌した後、反応混合物にロッシェル塩を加えた。室温で3時間撹拌した後、混合物に2mol/LのHCl(pH=4)を加えた。混合物にNaClを加え、次いでCHClおよびAcOEtで抽出した。合わせた有機層をNaSOで脱水し、ろ過した。ろ液を真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの30%から50%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物8’-5(2.65g、14.0mmol、58%)をジアステレオマーの混合物である白色の固体として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.30 (3H, d, J = 6.3 Hz), 1.76-1.84 (1H, m), 2.11-2.15 (1H, m), 3.06 (1H, t, J = 7.7 Hz), 3.14 (1H, d, J = 4.5 Hz), 3.83-3.91 (1H, m), 4.71-4.74 (1H, m), 4.77 (1H, dd, J = 7.1, 4.7 Hz), 5.16-5.26 (2H, m).
工程5:化合物8’-6の合成
DCM(41mL)およびMeCN(41ml)中の化合物8’-5(2.55g、13.5mmol)およびトリエチルシラン(10.8ml、67.5mmol)の溶液に、BF-OEt(8.56ml、67.5mmol)を0℃で加えた。同じ温度で40分間撹拌した後、反応混合物を炭酸ナトリウム水溶液で処理した。水層をCHClで抽出し、有機層をNaSOで脱水し、ろ過した。ろ液を真空下で濃縮して、化合物8-6を黄色の油状物として得て、これを精製することなく次の工程に使用した。
工程6:化合物8’-7の合成
トルエン(128mL)およびTHF(16mL)中の1-ブロモ-2-フルオロベンゼン(6.11g、34.9mmol)の溶液に、n-BuLi(1.64M n-ヘキサン溶液、21.3mL、34.9mmol)を-78℃で加え、反応混合物を同じ温度で5分間撹拌した。反応混合物に、BF-OEt(1.77ml、14.0mmol)を加えた。同じ温度で10分間撹拌した後、混合物に、THF(16mL)およびトルエン(32ml)中の粗化合物8-6の溶液を-78℃で加え、反応混合物を同じ温度で15分間撹拌した。反応混合物にNHCl水溶液を加え、水層をEtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの0%から20%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物8’-7(3.19g、11.8mmol、85%)を黄色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.18 (3H, d, J = 6.1 Hz), 1.45-1.54 (1H, m), 1.91-1.94 (1H, m), 2.89-2.95 (1H, m), 3.58-3.66 (1H, m), 3.68-3.76 (1H, m), 3.92-3.93 (1H, m), 4.15-4.21 (1H, m), 4.49 (1H, dd, J = 48.2, 10.4 Hz), 5.03 (1H, dd, J = 46.9, 10.4 Hz), 6.50 (1H, br s), 7.04-7.10 (1H, m), 7.19-7.23 (1H, m), 7.29-7.34 (1H, m), 7.90-7.94 (1H, m).
工程7:化合物8’-8の合成
AcOH(31.9ml)中の化合物8’-7(3.19g、11.9mmol)の溶液に、Zn(7.74g、118mmol)を室温で加えた。60℃で2時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷却し、Celite(登録商標)パッドでろ過した。ろ液を炭酸カリウム水溶液で処理し、混合物をEtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、真空下で濃縮して、化合物8’-8(3.07g)を得て、これをさらに精製することなく次の反応に使用した。
工程8:化合物8’-9の合成
CHCl(30.7ml)中の粗化合物8’-8(11.3g)の溶液に、ベンゾイルイソチオシアネート(1.67ml、12.5mmol)を0℃で加えた。室温で14時間撹拌した後、反応混合物にEDC-HCl(4.34g、22.7mmol)を加えた。40℃で5時間撹拌した後、反応混合物を真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、CHCl/AcOEtの20%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物8’-9(3.73g、9.32mmol、82%)を黄色の固体として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.20 (3H, d, J = 6.3 Hz), 1.50 (1H, td, J = 10.0, 4.8 Hz), 2.10-2.14 (1H, m), 2.83-2.86 (1H, m), 3.80 (1H, t, J = 11.7 Hz), 3.86-3.94 (1H, m), 4.07 (1H, dd, J = 12.7, 6.1 Hz), 4.36 (1H, br s), 4.70-4.82 (1H, m), 4.92 (1H, dd, J = 46.2, 9.5 Hz), 7.16 (1H, dd, J = 12.3, 8.3 Hz), 7.20-7.24 (1H, m), 7.38-7.46 (4H, m), 7.50-7.54 (1H, m), 8.27-8.29 (2H, m), 12.13 (1H, br s).
工程9:化合物8’-10の合成
MeOH(37ml)およびTHF(37ml)中の化合物8’-9(3.73g、9.32mmol)の溶液に、ヒドラジン水和物(4.35ml、93.0mmol)を室温で加えた。同じ温度で14時間撹拌した後、反応混合物を濃縮した。得られた残渣をアミノシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの40%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物8-10(2.30g、7.77mmol、83%)を白色の固体として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.16 (3H, d, J = 6.3 Hz), 1.37-1.44 (1H, m), 1.82-1.77 (1H, m), 2.64-2.68 (1H, m), 3.65-3.73 (2H, m), 4.00-4.04 (2H, m), 4.25 (2H, br s), 4.59-4.71 (2H, m), 7.04 (1H, dd, J = 12.3, 8.0 Hz), 7.14-7.17 (1H, m), 7.29-7.31 (1H, m), 7.43-7.47 (1H, m).
工程10:化合物8’-11の合成
TFA(12.6ml)中の化合物8’-10(2.30g、7.76mmol)の溶液に、硫酸(3.10ml、58.2mmol)を-17℃で加えた。同じ温度で10分間撹拌した後、反応混合物にHNO(0.520ml、11.6mmol)を加えた。同じ温度で20分間撹拌した後、反応混合物をKCO水溶液で処理し、水層をEtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、真空下で濃縮して、化合物8-11(2.83g)を得て、これをさらに精製することなく次の反応に使用した。
工程11:化合物8’-12の合成
MeOH(85ml)中の粗化合物8’-11(2.83g、7.76mmol)および10%Pd-C(566mg)の溶液を、H雰囲気下、室温で撹拌した。同じ温度で2時間撹拌した後、混合物をCelite(登録商標)パッドでろ過した。ろ液を真空下で濃縮した。残渣をAcOEtで粉末化し、次いで得られた固体を収集し、AcOEtで洗浄し、減圧下で乾燥して、化合物8-12(1.50g、4.83mmol、62%)を白色の固体として得た。ろ液を濃縮し、次いで残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、AcOEt/MeOH=10/1)により精製して、化合物8’-12(374mg、1.20mmol、16%)を白色の固体として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.16 (3H, d, J = 6.3 Hz), 1.38-1.45 (1H, m), 1.78-1.83 (1H, m), 2.62-2.67 (1H, m), 3.58 (2H, br s), 3.62-3.73 (2H, m), 3.99-4.03 (1H, m), 4.07 (1H, br s), 4.23 (2H, br s), 4.51-4.71 (2H, m), 6.52-6.56 (1H, m), 6.74 (1H, dd, J = 6.7, 2.9 Hz), 6.83 (1H, dd, J = 11.8, 8.5 Hz).
(参考例6)
化合物12’-9の合成
Figure 2022511167000074

工程1
DAST(4.73mL、35.8mmol)を、DCM(60mL)中の化合物12’-1(3.06g、23.9mmol)の溶液に-78℃で滴下した。5時間撹拌した後、反応物をKCO水溶液でクエンチした。混合物をDCMで抽出し、合わせた有機層をHOで洗浄し、ろ過した。溶媒を減圧下で濃縮し、粗生成物を、ヘキサン/EtOAcの33%から50%で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物12-2(730mg、12%、純度50%)を黄褐色の油状物として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.91-2.13 (2H, m), 4.36-4.82 (3H, m), 6.06-6.09 (1H, m), 6.92-7.00 (1H, m).
工程2
トルエン(4mL)中の2-(2-ニトロエトキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン(1.23g、7.07mmol)およびヒューニッヒ塩基(0.041mL、0.236mmol)を、トルエン(10mL)中の化合物12-2(1.04g、4.72mmol)およびフェニルイソシアネート(1.55mL、14.2mmol)の溶液に還流状態で滴下した。4.5時間撹拌した後、ヒューニッヒ塩基(0.082mL、0.472mmol)およびフェニルイソシアネート(1.55mL、14.2mmol)を混合物に加えた。得られた混合物を還流状態で5時間撹拌した。室温に冷却した後、混合物をろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、ヘキサン/EtOAcの33%から40%で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物12’-3(983mg、73%)を褐色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.52-1.85 (5H, m), 2.07-2.16 (1H, m), 2.21-2.26 (1H, m), 3.52-3.59 (1H, m), 3.82-3.93 (1H, m), 4.24-4.29 (1H, m), 4.34-4.76 (7H, m), 5.14-5.19 (1H, m).
工程3
EtOH(10mL)中の化合物12’-3(983mg、3.42mmol)およびPPTS(172mg、0.684mmol)の溶液を60℃で4時間撹拌した。室温に冷却した後、混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物を、ヘキサン/EtOAcの50%から100%で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物12’-4(430mg、62%)を黄褐色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 2.15-2.45 (2H, m), 2.44-2.47 (1H, m), 4.32-4.77 (6H, m), 5.16 (1H, dt, J = 10.7, 2.9 Hz).
工程4
DAST(0.419mL、3.17mmol)を、DCM(7mL)中の化合物12’-4(430mg、2.12mmol)の溶液に-78℃で滴下した。0℃で2時間撹拌した後、反応物をKCO水溶液でクエンチした。混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過した。溶媒を減圧下で濃縮し、粗生成物を、ヘキサン/EtOAcの33%から50%で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物12’-5(287mg、66%)を黄褐色の油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 2.17-2.32 (1H, m), 4.41-4.76 (4H, m), 5.20 (2H, d, J = 46.4 Hz), 5.23 (1H, dt, J = 10.8, 3.0 Hz).
工程5
DIBAL(1.02M、1.44mL、1.47mmol)を、DCM(6mL)中の化合物12’-5(287mg、1.40mmol)の溶液に-78℃で滴下した。同じ温度で1時間撹拌した後、反応物をロッシェル塩水溶液でクエンチした。混合物をDCMで抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過した。溶媒を減圧下で濃縮し、粗生成物を、ヘキサン/EtOAcの40%から50%で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物12’-6(191mg、66%)を白色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 主異性体) δ: 1.97-2.26 (2H, m), 3.11 (1H, d, J = 3.8 Hz), 3.32-3.45 (1H, m), 4.01-4.11 (1H, m), 4.31-4.61 (2 H, m), 4.92-4.94 (1H, m), 5.06-5.32 (2H, m).
工程6
BF-OEt(0.584mL、4.61mmol)を、DCM/CHCN(1:1、2.8mL)中の化合物12’-6(191mg、0.922mmol)およびトリエチルシラン(0.736mL、4.61mmol)の溶液に0℃で加えた。室温で2時間撹拌した後、反応物を飽和NaHCO水溶液でクエンチした。混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過した。溶媒を減圧下で濃縮し、粗生成物を黄褐色の油状物として得て、これをさらに精製することなく次の反応に使用した。
n-BuLi(1.63M、1.41mL、2.30mmol)を2-ブロモフルオロベンゼン(0.249mL、2.30mmol)の溶液に-78℃で滴下した。5分間撹拌した後、BF-OEt(0.117mL、0.921mmol)、続いて粗生成物を混合物に同じ温度で加えた。反応物を飽和NHCl水溶液でクエンチし、反応混合物をEtOAcで希釈した。混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過した。溶媒を減圧下で濃縮し、粗生成物を、ヘキサン/EtOAcの20%から25%で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物12’-7(193mg、73%)を黄褐色の油状物として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.68-1.76 (1H, m), 1.85-1.90 (1H, m), 2.95-3.00 (1H, m), 3.74-3.87 (1H, m), 4.03 (1H, brs), 4.23-4.57 (3H, m), 5.05 (1H, dd, J = 46.9, 10.3 Hz), 6.51 (1H, brs), 7.05-7.11 (1H, m), 7.19-7.24 (1H, m), 7.29-7.40 (1H, m), 7.91 (1H, t, J = 7.3 Hz).
工程7
AcOH(2mL)中の化合物12’-7(193mg、0.672mmol)および亜鉛(439mg、6.72mmol)の懸濁液を60℃で3時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物をろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をEtOAおよびKCO水溶液に溶解し、室温で15分間撹拌した。混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過した。溶媒を減圧下で濃縮し、粗生成物を無色の油状物として得て、これをさらに精製することなく次の反応に使用した。DCM(2mL)中の粗生成物およびベンゾイルイソチオシアネート(0.095mL、0.707mmol)の溶液を室温で5時間撹拌した。EDC-HCl(247mg、1.28mmol)を混合物に加え、得られた混合物を40℃で1.5時間撹拌した。室温に冷却した後、混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物を、ヘキサン/EtOAcの25%から40%で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物12’-8(124mg、46%)を白色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.76-1.84 (1H, m), 2.05-2.11 (1H, m), 2.88-2.93 (1H, m), 3.86 (1H, t, J = 11.7 Hz), 3.99-4.08 (1H, m), 4.17 (1H, dd, J = 11.7, 5.0 Hz), 4.29-4.58 (3H, m), 4.72-4.96 (2H, m), 7.14-7.24 (2H, m), 7.39-7.55 (5H, m), 8.26-8.28 (2H, m), 12.1 (1H, brs).
工程8
MeOH/THF(1:1、2mL)中の化合物12’-8(124mg、0.296mmol)およびヒドラジン一水和物(0.144mmol、2.96mmol)の溶液を50℃で1時間撹拌した。室温に冷却した後、混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物を、ヘキサン/EtOAcの50%から100%で溶出するアミノシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物12’-9(82.0mg、2工程で88%)を無色のアモルファスとして得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.62-1.67 (1H, m), 1.78 (1H, dt, J = 14.1, 2.8 Hz), 2.70-2.74 (1H, m), 3.73 (1H, t, J = 11.7 Hz), 3.80-3.90 (1H, m), 4.08-4.16 (2H, m), 4.27-4.77 (2H, m), 4.72-4.96 (2H, m), 7.05 (1H, ddd, J = 12.4, 8.2, 1.1 Hz), 7.16 (1H, td, J = 7.6, 1.2 Hz), 7.28-7.32 (2H, m), 7.46 (1H, td, J = 8.0, 1.8 Hz).
(参考例7)
化合物14’-12の合成
Figure 2022511167000075

工程1
THF(219mL)中の化合物14’-1(10.9g、99mmol)の溶液に、THF(82mL、119mmol)中の1.45mol/Lの塩化ビニルマグネシウムを-78℃で加えた。-78℃で3時間撹拌した後、反応混合物を塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、炭酸カリウムで塩基性化し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄した。溶媒を減圧下で濃縮し、残渣をアミノシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの20%から100%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物14’-2(9.97g、72.2mmol、73%)を無色の油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.76 (1H, d, J = 6.4 Hz), 3.88 (3H, s), 5.18-5.23 (2H, m), 5.36 (1H, d, J = 17.3 Hz), 6.09 (1H, ddd, J = 17.1, 10.4, 6.0 Hz), 7.33 (1H, s), 7.45 (1H, s).
工程2
DMF(150mL)中の化合物14’-2(9.97g、72.2mmol)の溶液に、60wt%の水素化ナトリウム(4.33g、108mmol)を加えた。室温で10分間撹拌した後、反応混合物に臭化アリル(12.5mL、144mmol)を加えた。室温で1時間撹拌した後、反応混合物を冷水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過した。溶媒を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの30%から80%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物14’-3(12.0g、67.3mmol、93%)を白色の泡状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 3.88 (3H, s), 3.94-4.05 (2H, m), 4.81 (1H, d, J = 7.0 Hz), 5.15-5.33 (4H, m), 5.87-6.02 (2H, m), 7.31 (1H, s), 7.42 (1H, s).
工程3
ジクロロメタン(60mL)中の化合物14’-3(12.0g、67.3mmol)の溶液に、[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン](クロロ)(フェニルメチリデン)ルテニウム;トリシクロヘキシルホスファン(1.14g、1.35mmol)を加えた。40℃で3時間撹拌した後、溶媒を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの20%から50%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物14’-4(4.05g、27.0mmol、40%)を白色のアモルファスとして得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 3.87 (3H, s), 4.64-4.70 (1H, m), 4.73-4.80 (1H, m), 5.78-5.82 (1H, m), 5.86-5.90 (1H, m), 6.02-6.05 (1H, m), 7.42 (1H, s), 7.45 (1H, s).
工程4
トルエン(81mL)中の化合物14’-4(4.05g、27.0mmol)の溶液に、ニトロエタン(5.81mL、81mmol)、イソシアナトベンゼン(11.7mL、108mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(1.18mL、6.74mmol)を加えた。130℃で10時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷却し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムに加え、クロロホルム/メタノールの0%から20%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの30%から70%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物14’-5(2.75g、13.3mmol、異性体の混合物として49%)を橙色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.98-2.08 (2H, m), 3.77-4.12 (6H, m), 5.10-5.30 (2H, m), 7.29-7.48 (2H, m).
工程5
トルエン(110mL)およびTHF(27.5mL)中の1-ブロモ-2-フルオロベンゼン(11.6g、66.5mmol)の溶液に、n-ヘキサン(41.5mL、66.5mmol)中の1.6mol/Lのn-ブチルリチウムを-78℃で、続いて三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート(5.05mL、39.9mmol)、およびトルエン(110mL)中の化合物14-5(2.75g、13.3mmol)の溶液を加えた。-78℃で1時間撹拌した後、反応混合物を塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過した。溶媒を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの40%から100%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物14’-6(2.31g、7.62mmol、異性体の混合物として57%)を黄色のアモルファスとして得た。LC/MS: 方法A, M+1 = 304, tR = 1.37, 1.47分.
工程6
酢酸(23.1mL)中の化合物14’-6(2.31g、7.62mmol)の溶液に、亜鉛(4.98g、76mmol)を加えた。90℃で1時間撹拌した後、反応混合物に追加の亜鉛(4.98g、76mmol)を加えた。90℃で1時間撹拌した後、反応物を2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(200mL)でクエンチし、混合物を酢酸エチルで希釈した。混合物をCelite(登録商標)パッドでろ過した。ろ液を酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過して、化合物14’-7(2.02g、6.61mmol、87%)を白色のアモルファスとして得た。生成物をさらに精製することなく次の反応に使用した。LC/MS: 方法A, M+1 = 306, tR = 0.36分.
工程7
ジクロロメタン(10.1mL)中の化合物14’-7(2.02g、6.61mmol)の溶液に、ベンゾイルイソチオシアネート(0.978mL、7.27mmol)を加えた。室温で30分間撹拌した後、反応混合物にEDC塩酸塩(1.52g、7.93mmol)を加えた。40℃で1時間撹拌した後、反応混合物に追加のEDC塩酸塩(0.380g、1.98mmol)を加えた。40℃でさらに1時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの10%から100%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物14’-8(1.08g、2.48mmol、38%)を黄色のアモルファスとして得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 3.47-3.53 (1H, m), 3.94 (3H, s), 4.05-4.15 (1H, m), 4.22 (1H, d, J = 11.0 Hz), 4.64-4.68 (1H, m), 5.16 (1H, d, J = 9.0 Hz), 7.09-7.56 (10H, m), 7.64 (1H, s), 8.28 (2H, d, J = 7.3 Hz), 11.66-11.75 (1H, br).
工程8
THF(10.7mL)中の化合物14’-8(1.07g、2.46mmol)の溶液に、ジ-tert-ブチルジカーボネート(0.686mL、2.95mmol)およびDMAP(60.1mg、0.492mmol)を加えた。室温で3時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの50%から100%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物14’-9(839mg、1.57mmol、64%)を白色の泡状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.29 (3H, s), 1.46 (9H, s), 3.24 (1H, dd, J = 10.3, 3.8 Hz), 3.92 (3H, s), 4.00-4.05 (2H, m), 4.51-4.53 (1H, m), 4.95 (1H, d, J = 10.2 Hz), 7.05 (1H, ddd, J = 12.7, 7.9, 1.1 Hz), 7.16 (1H, td, J = 7.5, 1.2 Hz), 7.23-7.30 (1H, m), 7.43-7.52 (3H, m), 7.55-7.64 (3H, m), 7.81 (2H, d, J = 6.9 Hz).
(2.21m, 535)
工程9
メタノール(8.30mL)中の化合物14’-9(839mg、1.57mmol)の懸濁液に、炭酸カリウム(325mg、2.35mmol)を加えた。室温で3時間撹拌した後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過した。溶媒を減圧下で濃縮した。ジクロロメタン(4.2mL)中の残渣の溶液に、TFA(4.2mL、54.5mmol)を加えた。室温で1時間撹拌した後、反応混合物を炭酸カリウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過した。残渣をアミノシリカゲルカラムに加え、クロロホルム/メタノールの0%から10%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物14’-10(565mg、1.51mmol、96%)を白色の泡状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.39 (3H, s), 3.32 (1H, dd, J = 9.3, 4.3 Hz), 3.89-3.97 (5H, m), 4.32-4.35 (1H, m), 5.07 (1H, d, J = 9.4 Hz), 7.05 (1H, dd, J = 12.5, 8.0 Hz), 7.13 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.22-7.29 (1H, m), 7.38 (1H, td, J = 8.0, 1.3 Hz), 7.46 (1H, s), 7.62 (1H, s).
工程10
TFA(2.44mL、31.7mmol)中の化合物14’-10(565mg、1.51mmol)の溶液に、濃硫酸、続いて70wt%の硝酸(0.116mL、1.81mmol)を加え、混合物を-10℃で1時間撹拌した。-10℃で1時間撹拌した後、反応混合物を炭酸カリウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過した。粗生成物をアミノシリカゲルカラムに加え、クロロホルム/メタノールの0%から10%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物14’-11(566mg、1.51mmol、100%)を黄色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.39 (3H, s), 3.27 (1H, dd, J = 9.3, 4.4 Hz), 3.94 (3H, s), 3.94-4.01 (2H, m), 4.32-4.36 (1H, m), 5.09 (1H, d, J = 5.1 Hz), 7.21 (1H, dd, J = 11.0, 9.0 Hz), 7.45 (1H, s), 7.61 (1H, s), 8.18 (1H, ddd, J = 8.9, 4.0, 3.0 Hz), 8.35 (1H, dd, J = 7.0, 2.9 Hz).
工程11
メタノール(11.3mL)中の化合物14’-11(566mg、1.51mmol)の懸濁液に、濃塩酸(1.51mL、18.1mmol)、続いて亜鉛(690mg、10.6mmol)を0℃で加えた。0℃で1.5時間撹拌した後、反応混合物を水および酢酸エチルで希釈し、2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で塩基性化した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過して、化合物14’-12(372mg、1.08mmol、71%)を白色のアモルファスとして得た。生成物をさらに精製することなく次の反応に使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.35 (3H, s), 3.30-3.35 (1H, m), 3.51-3.69 (2H, m), 3.89-3.98 (5H, m), 4.39-4.44 (1H, m), 5.03 (1H, d, J = 9.3 Hz), 6.49-6.54 (1H, m), 6.66-6.71 (1H, m), 6.84 (1H, J = 9.3 Hz), 7.45 (1H, s), 7.60 (1H, s).
(0.38分, 346)
(実施例11)
化合物I-035の合成
Figure 2022511167000076

工程1
THF(480mL)中の化合物16’-1(120g、844mmol)の溶液に、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(81mL、887mmol)およびp-トルエンスルホン酸一水和物(642mg、3.38mmol)を加えた。室温で27.5時間撹拌した後、反応混合物に、DBU(129mL、853mmol)およびブロモジフルオロ酢酸エチル(162mg、1.27mol)を5℃で加えた。5℃で1時間、次いで室温で4時間撹拌した後、反応混合物をリン酸二水素ナトリウム(1.50L、2.25mol、1.5mol/L水溶液)で希釈し、酢酸エチルで抽出し、水で洗浄した。合わせた有機層を活性炭(90g)に加え、Celiteでろ過し、減圧下で濃縮し、化合物16’-2(257.3g、680mmol、81%)を褐色の油状物として得た。それをさらに精製することなく次の反応に使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.40 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.50-1.92 (6H, m), 3.53-3.59 (1H, m), 3.78-3.86 (1H, m), 4.35 (1H, d, J = 14.6 Hz), 4.41 (2H, q, J = 7.2 Hz), 4.55 (1H, d, J = 14.6 Hz), 4.72-4.75 (1H, m), 6.57 (1H, s), 7.99 (1H, s).
工程2
THF(1000mL)および水(1000mL)中の化合物16’-2(207g、594mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(22.5g、594mmol)を0℃で30分かけて少量ずつ加えた。0℃で2時間撹拌した後、反応混合物を塩化アンモニウム溶液の飽和溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、水および食塩水で洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。エタノール(500mL)中の粗生成物の溶液に、水酸化アンモニウム(207mL、2.70mol)を加えた。60℃で4時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルで粉末化して、化合物16’-3(43.0g、141mmol、24%)を白色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ:1.54-1.92 (6H, m), 3.56-3.64 (1H, m), 3.69-3.76 (1H, m), 3.98-4.06 (1H, m), 4.61-4.65 (1H, m), 4.66 (2H, s), 6.34 -6.47 (1H, br), 6.48 (1H, s), 7.71 (1H, s), 10.3 (1H, s).
工程3
THF(26.6mL)中の化合物16’-3(5.32g、17.4mmol)およびトリフェニルホスフィン(5.94g、22.7mmol)の溶液に、DIAD(11.9mL、22.7mmol、1.9mol/L トルエン溶液)を0℃で加えた。室温で2.5時間撹拌した後、反応混合物に、トリフェニルホスフィン(1.37g、5.23mmol)およびDIAD(2.75mL、5.23mmol、1.9mol/L トルエン溶液)を加えた。室温で30分間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をDMF/水(2:1)の混合物で希釈し、n-ヘプタン/トルエン(2:1)の混合物で抽出し、水で洗浄した。合わせた有機層を減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。メタノール(13.3mL)中の粗生成物の溶液に、塩化水素(13.7mL、26.1mol、2mol/L水溶液)を加えた。室温で1時間撹拌した後、反応混合物を水で抽出し、酢酸エチルで洗浄した。合わせた水層を水酸化ナトリウム水溶液で塩基性化し、酢酸エチルで抽出し、水で洗浄した。合わせた有機層を減圧下で濃縮し、化合物16’-4(2.52g、12.4mmol、71%)を得た。それをさらに精製することなく次の反応に使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 3.18-3.25 (1H, br), 4.35 (2H, t, J = 9.0 Hz), 4.69 (2H, s), 6.95 (1H, s), 8.30 (1H, s).
工程4
水(25.2mL)およびアセトニトリル(25.2mL)中の化合物16’-4(2.52g、12.4mmol)、リン酸二水素ナトリウム(4.54g、37.9mmol)、リン酸水素二ナトリウム(1.79g、12.6mmol)および亜塩素酸ナトリウム(4.21g、37.2mmol)の溶液に、TEMPO(194mg、1.24mmol)および次亜塩素酸ナトリウム溶液(0.076mL、0.062mmol、水中5wt%)を35℃で加えた。40℃で15分間撹拌した後、反応混合物に、追加の次亜塩素酸ナトリウム溶液(0.076mL、0.062mmol、5wt%水溶液)を加えた。40℃で30分間撹拌した後、反応混合物を塩化水素(2mol/L水溶液)で希釈した。混合物を、酢酸エチル/THF(1:1)の混合物で抽出し、亜硫酸水素ナトリウム溶液および食塩水で洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮し、残渣を得た。残渣を酢酸エチルおよびメタノールで粉末化して、化合物16’-5(2.46g、11.3mmol、91%)を白色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 4.82 (2H, t, J = 6.4 Hz), 7.76 (1H, s), 8,55 (1H, s).
工程5
化合物I-035を上記のプロトコールと同様に調製した。(収率:86%)
1H NMR (CDCl3) δ: 1.84-1.73 (2H, m), 2.73-2.77 (1H, m), 3.59-3.66 (2H, m), 3.76 (1H, dd, J = 11.4, 4.9 Hz), 4.00-4.05 (1H, m), 4.08 (1H, br s), 4.35-4.45 (4H, m), 4.55-4.72 (2H, m), 7.09 (1H, dd, J = 11.4, 8.9 Hz), 7.51 (1H, dd, J = 6.8, 2.6 Hz), 7.94 (1H, s), 7.98-8.02 (1H, m), 8.31 (1H, s), 9.82 (1H, s).
(実施例12)
化合物I-056の合成
Figure 2022511167000077

工程1
THF(95mL)、水(9.47mL)および2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(5.50mL、11.00mmol)中の化合物17’-1(4.74g、10.0mmol)の溶液に、10wt%のパラジウム炭素(2.37g)を加えた。1atmの水素下、室温で4.5時間撹拌した後、反応混合物をCelite(登録商標)パッドでろ過した。ろ液を減圧下で濃縮した。残渣をアセトニトリルと共沸蒸留して脱水した。ジクロロメタン(95mL)中の残渣の懸濁液に、DMAP(2.44g、20.0mmol)およびチオホスゲン(1.15mL、15.0mmol)を加えた。室温で4時間後、反応混合物を水でクエンチし、クロロホルムで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過した。溶媒を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの10%から100%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物17’-2(3.61g、8.48mmol、62%)を黄色の固体として得た。
LC/MS: 方法A, M+23(Na) = 448, tR = 2.89分.
工程2
ジクロロメタン(70.2mL)中の化合物17’-2(2.34g、5.50mL)の溶液に、フッ化水素ピリジン(23mL)および1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルイミダゾリジン-2,4-ジオン(4.72g、16.5mmol)を-60℃未満で加えた。浴を取り外した。温度を20分かけて0℃に上昇させた。この温度で2時間撹拌した後、反応混合物を2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液でクエンチした。混合物をCelite(登録商標)パッドでろ過した。ろ液をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過した。溶媒を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの10%から90%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物17’-3(1.24g、3.35mmol、61%)を黄色の油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 3.31 (1H, t, J = 5.1 Hz), 4.75 (2H, d, J = 5.3 Hz), 7.09 (1H, s), 8.31 (1H, s).
工程3
化合物17’-4を上記のプロトコールと同様に調製した。(実施例3)収率は、生成物を精製することなく次の工程に使用したため決定されなかった。
LC/MS: 方法A, M+19 = 206, tR = 1.43分.
工程4
化合物17’-5を上記のプロトコールと同様に調製した。(実施例2)(収率:63%)
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.14 (1H, s), 8.77 (1H, s).
工程5
化合物I-056を上記のプロトコールと同様に調製した。(収率:56%)
1H NMR (CDCl3) δ: 1.17 (3H, d, J = 6.3 Hz), 1.40-1.47 (1H, m), 1.79-1.85 (1H, m), 2.67-2.72 (1H, m), 3.66-3.73 (2H, m), 4.01-4.07 (2H, m), 4.34 (2H, br s), 4.41 (2H, t, J = 5.9 Hz), 4.64 (2H, d, J = 47.2 Hz), 7.08 (1H, dd, J = 11.5, 9.0 Hz), 7.49 (1H, dd, J = 6.8, 2.8 Hz), 7.95 (1H, s), 7.99-8.02 (1H, m), 8.32 (1H, s), 9.82 (1H, s).
以下の化合物を上記のプロトコールと同様に調製する。表において、tRはLC/MS保持時間(分)を意味する。
Figure 2022511167000078
Figure 2022511167000079
Figure 2022511167000080
Figure 2022511167000081

Figure 2022511167000082
Figure 2022511167000083
Figure 2022511167000084

Figure 2022511167000085
Figure 2022511167000086
Figure 2022511167000087
Figure 2022511167000088
Figure 2022511167000089
Figure 2022511167000090
Figure 2022511167000091
Figure 2022511167000092
Figure 2022511167000093
以降、用語「m.p.」は融点を意味し、「min」は分を意味し、「aq.」は水性を意味し、「r.m.」または「RM」は反応混合物を意味し、「r.t.」または「R.T.」は室温を意味し、「rac」または「RS」はラセミ化合物を意味し、「sat」は飽和を意味し、「SFC」は超臨界流体クロマトグラフィーを意味し、「SFC-MS」は超臨界流体クロマトグラフィー/質量分析を意味し、「LC-MS」は液体クロマトグラフィー/質量分析を意味し、「HPLC」は高速液体クロマトグラフィーを意味し、「RP」は逆相を意味し、「UPLC」は超高速液体クロマトグラフィーを意味し、「DAD」はダイオードアレイ検出器を意味し、「DSC」は示差走査熱量測定を意味し、「SQD」はシングル四重極質量検出器を意味し、「NaH」は水素化ナトリウムを意味し、「BEH」は架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッドを意味し、「CSH」は荷電表面ハイブリッドを意味し、「R」は保持時間(分)を意味し、「[M+H]」は化合物の遊離塩基のプロトン化質量を意味し、「wt」は重量を意味し、「NaHCO」は炭酸水素ナトリウムを意味し、「NaCO」は炭酸ナトリウムを意味し、「KCO」は炭酸カリウムを意味し、「DMAP」はN,N-ジメチルピリジン-4-アミンを意味し、「M」はモルを意味し、「THF」はテトラヒドロフランを意味し、「EtOAc」は酢酸エチルを意味し、「MeCN」はアセトニトリルを意味し、「BuLi」はブチルリチウムを意味し、「h」は時間を意味し、「EtO」はジエチルエーテルを意味し、「DCM」はジクロロメタンを意味し、「DMF」はN,N-ジメチルホルムアミドを意味し、「KF」はフッ化カリウムを意味し、「KNO」は硝酸カリウムを意味し、「HSO」は硫酸を意味し、「BH-THF」は、ボラン-テトラヒドロフラン錯体を意味し、「MeOH」はメタノールを意味し、「EtN」はトリエチルアミンを意味し、「org」は有機を意味し、「OL」は有機層を意味し、「N」は規定を意味し、「MeI」はヨードメタンを意味し、「AcCl」は塩化アセチルを意味し、「sol.」は溶液を意味し、「BOC」はtert-ブトキシカルボニルを意味し、「TLC」は薄層クロマトグラフィーを意味し、「EtOH」はエタノールを意味し、「iPrNH」はイソプロピルアミンを意味し、「DIPE」はジイソプロピルエーテルを意味し、「NHAc」は酢酸アンモニウムを意味し、「iPrOH」はイソプロパノールを意味し、「EDCI」は1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドを意味し、「TFA」はトリフルオロ酢酸を意味し、「ACN」はアセトニトリルを意味し、「NP」は順相を意味し、「TPP」はトリフェニルホスフィンを意味し、「DPPP」は1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンを意味し、「TMP」は2,2,6,6-テトラメチルピペリジンを意味し、「DIAD」はアゾジカルボン酸ジエチルを意味し、「DMEAD」はジ-2-メトキシエチルアゾジカルボキシレートを意味し、「TEMPO」は(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)-N-オキシドを意味し、「DBU」は1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンを意味し、「NCS」はN-クロロスクシンイミドを意味し、「Celite(登録商標)」および「Dicalite(登録商標)」は珪藻土であり、「Teflon(登録商標)」はポリテトラフルオロエチレンを意味し、Hastelloy(登録商標)金属は耐食ニッケル合金である。
表記「RS」が本明細書において示されるときは、特に断りのない限り、いつも、化合物が、示された中心においてラセミ混合物であることを示す。一部の化合物における中心の立体化学配置は、混合物が分離されたとき、一部の化合物では「R」または「S」」と呼ばれている。本明細書に報告されている化合物の鏡像体過剰率は、超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)によるラセミ混合物の分析、その後の分離されたエナンチオマーのSFC比較によって決定した。
キラル中心の絶対配置(Rおよび/またはSと示した)を合理化することができる。全ての最終化合物の合成は、文献の先例に一致する公知の絶対配置の中間体(例えば、中間体20)、または適切な合成手順(例えば、中間体3におけるエルマンのスルホンアミドの形成)によって得た中間体から出発した。次いで、追加の立体中心の絶対配置の帰属は、標準的NMR法により帰属されうる。
式(XXV)の酸中間体の調製
中間体A5’’の調製
Figure 2022511167000094

工程1
THF(171mL)中の1’’(42.6g、300mmol)の溶液に、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(30.2mL、330mmol)およびp-トルエンスルホン酸一水和物(228mg、1.20mmol)を加えた。室温で3日間撹拌した後、反応混合物を水酸化ナトリウム溶液(0.900mL、1.80mmol、2mol/L水溶液)でクエンチした。混合物を減圧濃縮乾固した。エタノール(85mL)中の得られた残渣の溶液に、水酸化ナトリウム溶液(42mL、360mmol、8.57mol/L水溶液)を加え、エタノール(85mL)で洗浄した。室温で15分間撹拌した後、反応混合物に2-クロロエタノール(81mL、1.20mol)を加えた。100℃で7時間撹拌した後、反応混合物に追加の水酸化ナトリウム溶液(30mL、240mmol)を加え、100℃でさらに2.5時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、エタノールを除去した。残渣を水で希釈し、トルエンで抽出し、食塩水で洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。トルエン(200mL)中の残渣の溶液に、活性炭(40g)を加え、珪藻土でろ過し、減圧下で濃縮し、2’’(88.6g)を褐色の油状物として得た。それをさらに精製することなく次の反応に使用した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.53-1.91 (m, 6H), 3.53-3.58 (m, 1H), 3.79-3.93 (m, 3H), 3.98-4.03 (m, 2H), 4.35 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 4,54 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 4.72-4.75 (m, 1H), 6.55 (s, 1H), 7.71 (s, 1H).
工程2
エタノール(88mL)中の粗2’’(44.2g)の溶液に、p-メトキシベンジルアミン(39.2mL、300mmol)を加えた。100℃で19時間撹拌した後、反応混合物を酢酸エチルで希釈した。混合物を減圧濃縮乾固した。粗生成物を酢酸エチルで粉末化して、3’’(29.7g、2工程で76%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 1.39-1.67 (m, 6H), 3.41-3.47 (m, 1H), 3.59-3.64 (m, 2H), 3.67-3.74 (m, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.85-3.89 (m, 2H), 4.32 (d, J = 12.9 Hz, 1H), 4.51 (d, J = 12.9 Hz, 1H), 4.62- 4.66 (m, 1H), 6.30 (s, 1H), 6.94 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.10 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.65 (s, 1H).
工程3
ジクロロメタン(296mL)中の3’’(29.6、76mmol)の懸濁液に、トリエチルアミン(31.6mL、228mmol)および塩化メタンスルホニル(8.89mL、114mmol)を0℃で加えた。室温で2時間撹拌した後、反応混合物を減圧濃縮乾固した。トリフルオロ酢酸(226mL、3.45mol)中の残渣の溶液に、トリエチルシラン(29.6mL、185mmol)を加えた。120℃で45分間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、約60mLの溶媒を留去した。140℃でさらに45分間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、さらに約60mLの溶媒を留去した。140℃でさらに60分間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を水酸化ナトリウム溶液で塩基性化し、ジクロロメタン、クロロホルム、およびメタノール-クロロホルム(1:9)混合物で抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮した。残渣をトルエンで希釈し、塩酸溶液(2mol/L水溶液)および水で抽出し、トルエンで洗浄した。合わせた水層を水酸化ナトリウム溶液で塩基性化し、クロロホルムおよびメタノール-クロロホルム(1:4)混合物で抽出し、食塩水で洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮し、4’’(10.4g、62.0mmol、82%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 4.27-4.31 (m, 2H), 4.33-4.36 (m, 2H), 4.62 (s, 2H), 6.77 (s, 1H), 8.12 (s, 1H).
工程4
水(50.1mL)およびアセトニトリル(50.1mL)中の4’’(5.01g、30mmol)、リン酸二水素ナトリウム(11.0g、92mmol)、リン酸水素二ナトリウム(4.33g、30.5mmol)および亜塩素酸ナトリウム(10.2g、90mmol)の溶液に、TEMPO(469mg、3.0mmol)および次亜塩素酸ナトリウム溶液(0.185mL、0.150mmol、5w/wt%水溶液)を35℃で加えた。40℃で1.5時間撹拌した後、反応混合物を亜硫酸水素ナトリウム溶液でクエンチし、水酸化ナトリウム溶液で中和し、減圧下で濃縮し、アセトニトリルを留去した。懸濁液をろ過して、粗生成物を得た。粗生成物を水で粉末化し、ろ過して、A5’’(4.28g、23.6mmol、79%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 4.30-4.42 (m, 4H), 7.52 (s, 1H), 8.21 (s, 1H).
中間体A9’’の調製
Figure 2022511167000095

工程1
THF(480mL)中の1’’(120g、844mmol)の溶液に、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(81mL、887mmol)およびp-トルエンスルホン酸一水和物(642mg、3.38mmol)を加えた。室温で27.5時間撹拌した後、反応混合物に、DBU(129mL、853mmol)およびブロモジフルオロ酢酸エチル(162mg、1.27mol)を5℃で加えた。5℃で1時間、次いで室温で4時間撹拌した後、反応混合物をリン酸二水素ナトリウム(1.50L、2.25mol、1.5mol/L水溶液)で希釈し、酢酸エチルで抽出し、水で洗浄した。合わせた有機層を活性炭(90g)に加え、珪藻土でろ過し、減圧下で濃縮し、6’’(257.3g、680mmol、81%)を褐色の油状物として得た。それをさらに精製することなく次の反応に使用した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.40 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.50-1.92 (m, 6H), 3.53-3.59 (m, 1H), 3.78-3.86 (m, 1H), 4.35 (d, J = 14.6 Hz, 1H), 4.41 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 4.55 (d, J = 14.6 Hz, 1H), 4.72-4.75 (m, 1H), 6.57 (s, 1H), 7.99 (s, 1H).
工程2
THF(1000mL)および水(1000mL)中の6’’(207g、594mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(22.5g、594mmol)を0℃で30分かけて少量ずつ加えた。0℃で2時間撹拌した後、反応混合物を塩化アンモニウム飽和溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、水および食塩水で洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。エタノール(500mL)中の粗生成物の溶液に、水酸化アンモニウム(207mL、2.70mol)を加えた。60℃で4時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルで粉末化して、7’’(43.0g、141mmol、24%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ:1.54-1.92 (m, 6H), 3.56-3.64 (m, 1H), 3.69-3.76 (m, 1H), 3.98-4.06 (m, 1H), 4.61-4.65 (m, 1H), 4.66 (s, 2H), 6.34 -6.47 (br, 1H), 6.48 (s, 1H), 7.71 (s, 1H), 10.3 (s, 1H)
工程3
THF(26.6mL)中の7’’(5.32g、17.4mmol)およびトリフェニルホスフィン(5.94g、22.7mmol)の溶液に、DIAD(11.9mL、22.7mmol、1.9mol/Lトルエン溶液)を0℃で加えた。室温で2.5時間撹拌した後、反応混合物に、トリフェニルホスフィン(1.37g、5.23mmol)およびDIAD(2.75mL、5.23mmol、1.9mol/Lトルエン溶液)を加えた。室温で30分間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をDMF/水(2:1)の混合物で希釈し、n-ヘプタン/トルエン(2:1)の混合物で抽出し、水で洗浄した。合わせた有機層を減圧下で濃縮し、粗生成物とした。メタノール(13.3mL)中の粗生成物の溶液に、塩化水素(13.7mL、26.1mol、2mol/L水溶液)を加えた。室温で1時間撹拌した後、反応混合物を水で抽出し、酢酸エチルで洗浄した。合わせた水層を水酸化ナトリウム溶液で塩基性化し、酢酸エチルで抽出し、水で洗浄した。合わせた有機層を減圧下で濃縮し、8’’(2.52g、12.4mmol、71%)を得た。それをさらに精製することなく次の反応に使用した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 3.18-3.25 (br, 1H), 4.35 (t, J = 9.0 Hz, 2H), 4.69 (s, 2H), 6.95 (s, 1H), 8.30 (s, 1H).
工程4
水(25.2mL)およびアセトニトリル(25.2mL)中の8’’(2.52g、12.4mmol)、リン酸二水素ナトリウム(4.54g、37.9mmol)、リン酸水素二ナトリウム(1.79g、12.6mmol)および亜塩素酸ナトリウム(4.21g、37.2mmol)の溶液に、TEMPO(194mg、1.24mmol)および次亜塩素酸ナトリウム溶液(0.076mL、0.062mmol、5w/wt%水溶液)を35℃で加えた。40℃で15分間撹拌した後、反応混合物に、追加の次亜塩素酸ナトリウム溶液(0.076mL、0.062mmol、5w/wt%水溶液)を加えた。40℃で30分間撹拌した後、反応混合物を塩化水素(2mol/L水溶液)で希釈し、酢酸エチル/THF(1:1)の混合物で抽出し、亜硫酸水素ナトリウム溶液および食塩水で洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。残渣を酢酸エチルおよびメタノールで粉末化して、A9’’(2.46g、11.3mmol、91%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 4.82 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 7.76 (s, 1H), 8,55 (s, 1H).
中間体A18’’の調製
Figure 2022511167000096

工程1
DMF(125mL)中の10’’(Australian Journal of Chemistry 1977年、30巻、649~55頁)(20.81g、90.0mmol)、クロロトリフェニルメタン(27.6g、99.0mmol)およびDMAP(12.1g、99.0mmol)の懸濁液を95℃で5時間撹拌した。15℃で撹拌した後、混合物に冷水(500mL)を加えた。室温で数分間撹拌した後、得られた固体を収集し、次いでこれを水およびメタノールで粉末化して、11’’(30.5g、64.4mmol、72%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 3.96 (s, 2H), 5.05 (s, 2H), 7.22-7.63 (m, 22H), 10.2-11.6 (br, 1H).
工程2
DMF(153mL)中の11’’(15.3g、32.4mmol)の懸濁液に、エチル2-ブロモ-2-フルオロアセテート(7.59mL、64.8mmol)および炭酸セシウム(21.11g、64.8mmol)を加えた。80℃で1時間撹拌した後、混合物を塩化アンモニウム飽和溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水、炭酸水素ナトリウム飽和溶液、および食塩水で洗浄した。混合物を硫酸マグネシウムで脱水し、減圧下で濃縮し、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチルの100:0から3:2)により精製して、12’’(13.8g、23.8mmol、74%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 1.34 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 4.28 (s, 2H), 4.36 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 5.17 (s, 2H), 6.13 (d, J = 58 Hz, 1H), 7.18-7.54 (m, 21H), 8.18 (s, 1H).
工程3
THF(138mL)、エタノール(69mL)および水(14mL)中の12’’(13.8g、23.8mmol)の懸濁液に、水素化ホウ素ナトリウム(1.80g、47.6mmol)を0℃で加えた。0℃で15分間、次いで室温で1時間撹拌した後、混合物を塩化アンモニウム飽和溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および食塩水で洗浄した。混合物を硫酸マグネシウムで脱水し、減圧下で濃縮し、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチルの100:0から3:2)により精製して、13’’(11.6g、21.6mmol、収率91%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 3.78 (ddd, J = 16, 6.1, 4.4 Hz, 2H), 4.06 (d, J = 15 Hz, 1H), 4.10 (d, J = 15 Hz, 1H), 5.23 (s, 2H), 5.47 (t, J = 6.1 Hz, 1H), 6.18 (dt, J = 61, 4.4 Hz, 1H), 7.26-7.44 (m, 21H), 8.26 (s, 1H).
工程4
THF(110mL)中の13’’(11.57g、21.60mmol)の溶液に、パラジウム炭素(0.861g、0.383mmol、10w/w%)を加えた。水素(1atm)下、室温で2時間撹拌した後、反応混合物をろ過し、減圧下で濃縮した。THF(96mL)中の残渣の溶液にトリフェニルホスフィン(8.48g、32.3mmol)およびDMEAD(7.57g、32.3mmol)を0℃で加えた。0℃で10分間および室温で2時間撹拌した後、混合物を冷水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および食塩水で洗浄した。混合物を硫酸マグネシウムで脱水し、減圧下で濃縮し、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチルの100:0から1:1)により精製して、14’’(6.60g、15.4mmol、収率72%)を白色の泡状物として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 4.07 (dd, J = 28, 12 Hz, 1H), 4.22 (d, J = 17 Hz, 1H), 4.26 (d, J = 17 Hz, 1H), 4.46 (dd, J = 12, 1.4 Hz, 1H), 6.10 (d, J = 53 Hz, 1H), 7.22-7.51 (m, 16H), 8.13 (s, 1H).
工程5
メタノール(66mL)中の14’’(6.60g、15.4mmol)の溶液に、p-トルエンスルホン酸一水和物(4.41g、23.2mmol)を加えた。70℃で2時間撹拌した後、混合物をトリエチルアミン(6.42mL、46.3mmol)でクエンチし、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、クロロホルム:メタノールの100:0から46:4)により精製して、15’’(2.64g、14.3mmol、収率92%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ:4.16 (dd, J = 30, 13 Hz, 1H), 4.44 (d, J = 15 Hz, 1H), 4.46 (d, J = 15 Hz, 1H), 4.54 (dd, J = 13, 4.3 Hz, 1H), 5.39 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 6.42 (d, J = 52 Hz, 1H), 7.67 (s, 1H), 8.14 (s, 1H).
工程6
15’’(3.75g、20.3g)をSFCにより精製して、16’’(1.75g、9.45mmol、収率47%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 4.16 (dd, J = 30, 13 Hz, 1H), 4.44 (d, J = 15 Hz, 1H), 4.46 (d, J = 15 Hz, 1H), 4.54 (dd, J = 13, 4.3 Hz, 1H), 5.39 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 6.42 (d, J = 52 Hz, 1H), 7.67 (s, 1H), 8.14 (s, 1H).
工程7
ジクロロメタン(44mL)中の16’’(1.75g、9.45mmol)の溶液に、二酸化マンガン(9.86g、113mmol)を加えた。室温で3時間撹拌した後、反応混合物をろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をジイソプロピルエーテルで粉末化して、17’’(1.40g、7.64mmol、収率81%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 4.34 (dd, J = 30, 13 Hz, 1H), 4.69 (dd, J = 13. 1.0 Hz, 1H), 6.53 (d, J = 52 Hz, 1H), 7.61 (s, 1H), 8.49 (s, 1H), 9.85 (s, 1H).
工程8
アセトン(42mL)および水(14mL)中の17’’(1.40g、7.64mmol)の溶液に、2-メチルブタ-2-エン(1.45mL、13.7mmol)、リン酸二水素ナトリウム(246mg、2.048mmol)および亜塩素酸ナトリウム(494mg、4.10mmol)を加えた。0℃で30分間および室温で1.5時間撹拌した後、混合物に、塩化水素溶液(2mol/L水溶液)を加え、減圧下で濃縮し、アセトンを除去した。水性混合物をクロロホルム/メタノール(1:4)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで脱水し、減圧下で濃縮し、得られた固体をクロロホルムで粉末化して、粗生成物を得た。粗生成物をクロロホルム/メタノール(3:7)に加えた。混合物をろ過して、不溶性物質を除去した。ろ液を減圧下で濃縮し、クロロホルムで粉末化して、A18’’(992mg、4.98mmol、収率65.2%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 4.30 (dd, J = 30, 13 Hz, 1H), 4.64 (dd, J = 13, 4.0 Hz, 1H), 6.50 (d, J = 52 Hz, 1H), 7.68 (s, 1H), 8.35 (s, 1H).
中間体A24’’の調製
Figure 2022511167000097

工程1
DMF(40mL)中の中間体19’’(Journal of Medicinal Chemistry 2013年、56巻、5541~5552頁、国際公開第2004/058144号)(5.00g、16.5mmol)、1,2-ジブロモエタン-d(7.91g、41.2mmol、CAS22581-63-1)、KCO(4.56g、33.0mmol)の混合物を75℃で2時間撹拌した。次いで混合物を減圧下で濃縮した。水(50mL)を残渣に加えた。混合物を酢酸エチル(60mL)で3回抽出した。有機層を脱水し(MgSO)、ろ過し、真空下で濃縮した。残渣を、グラジエント(ヘプタン/EtOAc、1:0から3:7)を使用するシリカゲル(80g)のカラムクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを収集し、溶媒を減圧下で濃縮し、生成物20’’を白色の固体(3.58g、52%)として得た。
工程2
濃HCl(37%水溶液、10mL、119.7mmol)を、中間体20’’(3.58g、8.65mmol)および酢酸(20mL、349.4mmol)の混合物に0℃で加えた。次いで混合物を60℃で一晩撹拌した。混合物を真空下で濃縮して、粗生成物21’’を黄色の固体(3.67g、純度59%)として得て、これをそのまま次の工程に使用した。
工程3
DMF(40mL)中の中間体21’’(3.67g、8.6mmol、純度59%)、KCO(2.37g、17.2mmol)の混合物を75℃で3時間撹拌した。次に、混合物を減圧下で濃縮した。残渣に、水(25mL)を加え、水層を酢酸エチル(30mL)で3回抽出した。合わせた有機層をMgSOで脱水し、ろ過し、真空下で濃縮して、粗成性物を褐色の油状物として得た。前の工程で残ったアセチル化生成物を脱保護するため、水(4.29mL、4.29mmol)中の1N NaOHを加え、混合物を10分間撹拌し、その後、EtOAc(30mL)で3回抽出した。合わせた有機層を収集し、脱水し(MgSO)、ろ過し、減圧濃縮乾固して、褐色の油状物を得た。この油状物を、グラジエント(DCM/MeOHの10:0から9:1)を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ12g)により精製した。所望のフラクションを収集し、減圧下で濃縮し、中間体22’’(1.2g、82%)を橙色の半結晶質固体として得た。
工程4
DCM(15mL)中の中間体22’’(1.20g、5.47mmol)の混合物に、MnO(2.38、27.3mol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、その後、Dicalite(登録商標)パッドでろ過した。ろ液を真空下で濃縮して、所望の生成物23’’を白色の固体(858mg、93%)として得て、これをそのまま次の工程に使用した。
工程5
中間体23’’(480mg、2.84mmol)をアセトン(14mL)および水(4.7mL)に溶解し、溶液を0~5℃で冷却した。次いで、2-メチル-2-ブテン(3.0mL、28.4mmol)、リン酸二水素ナトリウム(511mg、4.1mmol)および亜塩素酸ナトリウム(962mg、8.5mmol)を加えた。懸濁液を0~5℃で30分間、次いで室温で3時間撹拌した。アセトンを減圧下でほぼ除去した。得られた懸濁液を0℃に冷却し、2N HCl溶液を、反応混合物が透明な黄色の溶液になるまで加えた。混合物を、MeOH/DCM(1:4)溶液を使用して数回抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮し、中間体A24’’を白色の固体(501mg、95%)として得た。
中間体A25’’の調製
Figure 2022511167000098

中間体A25’’は、中間体A24’’について記載された上記と同様の合成経路に従い、1,3-ジブロモプロパンを使用して調製した。
中間体A30’’の調製
Figure 2022511167000099

工程1
酢酸(50mL)中の6-ヒドロキシメチル-3,4-ピリジンジオール(20g、65.9mmol)の混合物を60℃で6時間撹拌および加熱した。次いで混合物を濃縮した。メチルtert-ブチルエーテル(50mL)を加え、混合物を室温で0.5時間撹拌した。沈殿物をろ過し、真空下で乾燥して、生成物26’’(5.0g、75%)を得た。
工程2
DMF(120mL)中の中間体26’’(5.0g、20.6mmol)、クロロヨードメタン(5.4g、30.8mmol)およびKCO(6.0g、43.2mmol)の混合物を80℃で2時間撹拌した。
次に、反応物を濃縮した。水(150mL)を加え、混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。有機層を脱水し(NaSO)、ろ過し、濃縮して、粗生成物27’’(2.0g、50%)を得て、これをそのまま使用した。
工程3
HCl(35.5%水溶液、4mL)および酢酸(5mL、87.3mmol)中の中間体27’’(2.0g、10.2mmol)の混合物を100℃で12時間撹拌した。次に、混合物を濃縮した。水を残渣に加え、pHをNaHCO(飽和水溶液)で8に調整した。混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を脱水し(NaSO)、ろ過し、濃縮して、粗生成物28’’(500mg、32%)を得て、これをそのまま使用した。
工程4
DCM(50mL)中の中間体28’’(1.00g、6.53mmol)およびMnO(2.84g、32.65mmol)の混合物を室温で16時間撹拌した。次に、混合物をCelite(登録商標)パッドでろ過した。ろ液を濃縮して、粗生成物29’’(1.30g、定量)を得た。
工程5
アセトン(2mL)および水(10mL)中の中間体29’’(1.3g、8.60mmol)の混合物を室温で撹拌した。NaClO(1.01g、11.18mmol)を加え、混合物を5分間撹拌した。スルファミン酸(1.13g、11.61mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。形成された沈殿物をろ過し、水(10mL)で洗浄し、真空下、60℃(12時間)で乾燥して、中間体A30’’(670mg、45%)を得た。
中間体A34’’の調製
Figure 2022511167000100

工程1
チオホスゲン(17mL、227mmol)を、N下に0℃で撹拌した、DCM(0.8L)中の中間体26’’(28g、151mmol)およびDMAP(37g、302mmol)の懸濁液にゆっくりと加えた。添加の際に、薄赤色の沈殿物の形成が直ぐに観察された。反応物を室温に温め、2時間撹拌し、その後、水で希釈した。有機層を分離し、水層をDCM(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、溶媒を減圧下で濃縮し、暗褐色の油状物を得た。粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc:DCM、0:100から35:75)により精製した。生成物フラクションを減圧下で濃縮した後、中間体31’’を橙色の結晶質固体(27.5g、81%)として得た。
工程2
THF(70%ピリジン溶液、100g、3481mmol)を、DCM(322mL)中の中間体31’’(16g、71.0mmol)の撹拌溶液に、ポリプロピレン容器中において窒素下、-78℃でプラスチックシリンジを使用して滴下した。注:HFは室温でガラス器具と激しく反応するので、ガラス器具を避ける必要がある。次いで、その後に1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン(61g、213mmol)を少量ずつ加え、混合物を-78℃で20分間撹拌した。次いで冷却浴を氷-NaCl浴に取り換え、反応物を1時間撹拌した。冷却した混合物を、50%NaOH溶液をpHが中性になるまで注意深く添加することによってクエンチした。次いで、Na(10%水溶液、40mL)を加えた。混合物をろ過して、白色の固体を除去し、DCMで洗浄した。ろ液をDCM(2×)で抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、脱水し(MgSO)、ろ過し、溶媒を減圧下で濃縮した。ピリジンを除去するため、残渣をトルエン(50mL)と共蒸留した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン中EtOAcの0/100から30/70)により精製した。所望のフラクションを収集し、真空下で濃縮して、中間体32’’を淡黄色の油状物(15g、91%)として得た。
工程3
MeOH(228mL)中の中間体32’’(10.0g、43.3mmol)およびKCO(12g、86.5mmol)の混合物を1時間加熱還流した。次に、溶媒を減圧下で除去した。残渣をDCMおよび水に溶解した。有機層を分離し、水層をDCMで抽出した。合わせた有機層をMgSOで脱水し、ろ過し、溶媒を減圧下で除去した。注:生成物は揮発性である。中間体33’’を薄黄色の油状物(6.7g、82%)として得て、さらに精製することなく次の工程に使用した。
工程4
TEMPO(0.78g、4.96mmol)を、リン酸緩衝液(pH7、94mL)およびACN(105mL)中の中間体33’’(6.7g、35mmol)の混合物に加えた。反応物を35℃で撹拌した。NaOCl(15%水溶液、58mL、141mmol)中の亜塩素酸ナトリウム(20g、177mmol)および水(28mL)を、それぞれ30分間、3回のゆっくりとした添加で同時に加えた。得られた反応混合物を35℃で16時間撹拌した。次いで、pHを1N NaOH水溶液の添加により8に調整した。飽和Na水溶液を反応混合物が白色になるまで加え、撹拌を30分間続けた。pHを1N HCl溶液の添加により4に調整し、溶媒を減圧下で濃縮した。注:pH1では分子が分解する。ここでpHを1N HClで2に調整し、水性残渣をEtOAcで抽出し、脱水し(MgSO)、減圧下で濃縮した。生成物A34’’をDIPE:ヘプタン(1:2)で粉末化して、緑色を帯びた白色の固体(5.7g、79%)として得た。
中間体A40’’の調製
Figure 2022511167000101

工程1
n-BuLi(2Mシクロヘキサン溶液、6mL、12.0mmol)を、乾燥THF(50mL)中のジイソプロピルアミン(1.8mL、12.8mmol)の溶液に-78℃で加えた。次に、2-クロロ-3-フルオロピリジン(1mL、10.058mmol、CAS17282-04-1)を滴下し、反応混合物を-78℃で2時間撹拌した。次いで、ホウ酸トリメチル(2.4mL、21.3mmol)を滴下し、混合物をさらに2時間撹拌した。次いで、過酢酸(39%酢酸溶液、3.0mL、17.7mmol)を水(0.5mL)と一緒に加え、混合物を0℃に温め、1時間撹拌した。透明な溶液が混濁状になった。飽和Na水溶液を加え、有機層を分離した。水層をEtOAcで複数回抽出し、合わせた有機層をMgSOで脱水し、ろ過し、濃縮した。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ120g、redisep Gold、グラジエント DCM/MeOHの99:1から95:5)により精製した。生成物フラクションを濃縮した後、中間体35’’を白色の固体(1.16g、78%)として得た。
工程2
中間体35’’(620mg、4.20mmol)をDMF(12mL)に溶解し、次いで(2-ブロモエトキシ)-tert-ブチルジメチルシラン(1.8mL、8.31mmol)およびKCO(1.16g、8.39mmol)を加え、混合物を70℃で3時間撹拌した。次いで、反応物を室温に冷却し、ジエチルエーテルで希釈し、水および食塩水で洗浄した。有機層をMgSOで脱水し、ろ過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ80g、Redisep、ヘプタン/EtOAc、グラジエント 1:0から8:2)により、中間体36’’を黄色を帯びた油状物(1.26g、98%)として得た。
工程3
n-BuLi(2.0Mシクロヘキサン溶液、2.5mL、5.0mmol)を、乾燥THF(12mL)中のTMP(0.9mL、5.3mmol)の溶液に-78℃で加えた。次に、THF(5mL)中の中間体36’’(1.25g、4.1mmol)の予冷溶液を、カニューレを介して加え、反応混合物を-78℃で20時間撹拌した。20時間後、ホウ酸トリメチル(1mL、8.9mmol)を滴下し、混合物をさらに3時間撹拌した。次いで、過酢酸(39%酢酸溶液、1.2mL、7.1mmol)を水(0.5mL)と一緒に加え、混合物を0℃に温め、1時間撹拌した。透明な溶液が混濁状になった。飽和Na水溶液を加え、層を分離した。水層をEtOAcで数回抽出し、合わせた有機層をMgSOで脱水し、濃縮して、黄色の油状物を得た。この油状物をMeOH(27mL)に溶解し、HCl(37%水溶液、0.67mL、8.1mmol)を加え、そのときに溶液は薄黄色になった。20分間撹拌した後、反応混合物を濃縮し、EtOAcに再溶解し、食塩溶液で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、濃縮して、黄色の油状物を得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカ40g、Redisep、グラジエント DCM/MeOH/AcOHの99:1:0.5から94:6:0.5)により精製して、中間体37’’(500mg、収率50%、純度85%)を得た。
工程4
中間体37’’(95mg、0.46mmol)をTHF(4mL)に溶解した。モレキュラーシーブ(3A)を加え、溶液を15分間撹拌し、次いでDIAD(0.15mL、0.76mmol)を滴下した。次にTHF(4mL)中のTPP(150mg、0.57mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を室温で4時間撹拌し、その後、反応混合物に窒素を吹付け乾固した。残渣をDIPEで粉末化した。白色の固体が形成され、これをモレキュラーシーブと一緒にろ過した。ろ液を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ12g、Redisep Gold、ヘプタン/EtOAc、グラジエント 1:0から7:3)に付して、中間体38’’を白色の綿状粉末(75mg、86%)として得た。
工程5
75mLのステンレス鋼オートクレーブ中において、KOAc(294mg、3.00mmol)、Pd(OAc)(22mg、0.10mmol)およびDPPP(84mg、0.20mmol)を、MeOH(10mL)中の中間体38’’(167mg、0.89mmol)の溶液に加えた。オートクレーブを密閉し、70バールのCOガスに加圧し、再び排気し、次いでCOを再充填し、反応を140℃で20時間実施した。次に反応物を室温に冷却し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ12g、Redisep Gold、グラジエント:ヘプタンからヘプタン:EtOAcの3:7)により精製して、中間体39’’を白色の固体(109mg、0.51mmol、収率58%)として得た。
工程6
THF(4mL)および水(1mL)中の中間体39’’(107mg、0.50mmol)の溶液に、LiOH.HO(30mg、0.73mmol)を周囲温度で加えた。2時間後、反応混合物を濃縮し、水を加えた。溶液を1N HClでpH3~4に酸性化した。DCMを加え、層を分離した。水層を生成物が残らなくなるまでDCMで複数回抽出し、合わせた有機層をMgSOで脱水し、濃縮して、中間体A40’’を白色の固体(70mg、70%)として得た。

中間体A47’’の調製
工程1
Figure 2022511167000102

中間体41’’は、市販のエチレン-dグリコール[CAS2219-51-4]から出発して、文献(J.Org.Chem.1986年、51巻、3388~3390頁)に記載された手順に従って合成した。

工程2
Figure 2022511167000103

5℃で、THF(69mL)中の中間体35’’(601mg、4.08mmol)、中間体41(735mg、4.08mmol)およびTPP(1710mg、6.52mmol)の溶液に、DIAD(1.28mL、6.52mmol)を滴下し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。次に全ての揮発物を減圧下で濃縮し、残渣をトルエンに溶解し、ISCO精製システム(シリカ、Redisep、40g、15分間、グラジエント ヘプタン/EtOAcの100/0から70/30)により精製した。生成物フラクションを収集し、溶媒を減圧下で除去して、中間体42’’(1200mg、95%)を得た。

工程3
Figure 2022511167000104
n-BuLi(2.0Mシクロヘキサン溶液、3.18mL、5.08mmol)を、乾燥THF(9mL)中のTMP(0.92mL、5.38mmol)の溶液に-78℃で加えた。次に、THF(13mL)中の中間体42’’(1.33g、4.29mmol)の予冷溶液を、カニューレを介して加え、反応混合物を-78℃で20時間撹拌した。20時間後、ホウ酸トリメチル(1.03mL、9.15mmol)を滴下し、混合物をさらに2時間撹拌した。次いで、過酢酸(39%酢酸溶液、1.2mL、7.08mmol)を水(0.5mL)と一緒に加え、混合物を0℃に温め、1時間撹拌した。透明な溶液が混濁状になった。飽和Na水溶液の混合物を加え、層を分離した。水層をEtOAcで抽出し、合わせた有機層をMgSOで脱水し、濃縮して、中間体43’’を黄色の油状物として得た。残渣をISCO精製システム(Redisep、40g、15分間、グラジエント ヘプタン/EtOAcの100/0から75/25)により精製した。生成物フラクションを収集し、溶媒を減圧下で除去して、中間体43’’(1.00g、71%、66:44の中間体42’’との混合物)を得て、これをそのまま次の工程に使用した。

工程4
Figure 2022511167000105

中間体43’’をMeOH(20mL)に溶解し、HCl(37%水溶液、0.5mL、5.99mmol)を室温で滴下した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、その後、MeOHを減圧下で除去した。残渣を飽和NaHCO水溶液で中和し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSOで脱水し、ろ過し、溶媒を減圧下で濃縮し、中間体44’’の第1の収穫物を得た。水相を1N HCl溶液の添加によりpH6~7にさらに酸性化し、次いで生成物をLCMSが水相に残留生成物を示さなくなるまでEtOAc(5×20mL)で徹底的に抽出した。合わせた有機層をMgSOで脱水し、ろ過し、溶媒を減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ40g、Gold Redisep、グラジエント DCM/MeOHの100/0から97/3)により精製して、中間体44’’の第2の収穫物を得、混合フラクションを分取HPLC(固定相:RP XBride Prep C18 OBD-10μm、30×150mm、移動相:0.25%NHHCO水溶液、MeOH)によりさらに精製して、中間体44’’の第3の収穫物を得た。3つの収穫物を合わせて、中間体44’’を白色の固体(205mg、33%)として得た。

工程5
Figure 2022511167000106

中間体45’’は、44’’から出発して、38’’の調製について記載された手順と類似の手順に従って合成した。

工程6
Figure 2022511167000107

中間体46’’は、45’’から出発して、39’’の調製について記載された手順と類似の手順に従って合成した。

工程7
Figure 2022511167000108

中間体A47’’は、46’’から出発して、40’’の調製について記載された手順と類似の手順に従って合成した。
中間体A50’’の調製
Figure 2022511167000109

工程1
DMF(66mL)中の2,4-ジクロロピリミジン-5-オール(3.30g、20mmol)の溶液に、炭酸カリウム(13.8g、100mmol)および2-ブロモエタン-1-オール(7.50g、60mmol)を加えた。100℃で4時間撹拌した後、混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチルの9:1から1:1)により精製して、48’’(490mg、2.84mmol、14%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 4.30-4.39 (m, 2H), 4.51-4.56 (m, 2H), 8.19 (s, 1H).
工程2
メタノール(10mL、247mmol)およびトリエチルアミン(5mL、36.1mmol)中の48’’(490mg、2.84mmol)および[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン付加物(232mg、0.284mmol)の溶液を、一酸化炭素(0.5~0.8MPa)下、110℃で7時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチルの1:1から0:100)により精製して、49’’(270mg、1.38mmol、49%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 4.01 (s, 3H), 4.37-4.42 (m, 2H), 4.55-4.60 (m, 2H), 8.36 (s, 1H).
工程3
メタノール(5.4mL)中の49’’(270mg、1.38mmol)の懸濁液に、水酸化ナトリウム溶液(1.38mL、2.75mmol、2mol/L水溶液)を加えた。室温で3時間撹拌した後、混合物を塩化水素溶液(1.38mL、2.75mmol、2mol/L水溶液)で中和し、減圧下で濃縮し、メタノールを除去した。懸濁液をろ過し、収集した固体を水で洗浄して、A50’’(188mg、1.03mmol、収率75%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 4.28-4.32 (m, 2H), 4.50-4.55 (m, 2H), 8.35 (s, 1H).
中間体A54’’の調製
Figure 2022511167000110

工程1
クロロホルム(47.7mL)中の化合物10’’(4.77g、20.6mmol)の懸濁液に、NCS(3.31g、24.8mmol)を加えた。70℃で2時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷却し、クロロホルム(48mL)を反応混合物に加えた。懸濁液をろ過して、化合物51’’(5.97g、20.6mmol、100%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 3.15-3.70 (1H, br), 4.34 (1H, s), 5.03 (1H, 7.22-7.50 (6H, m).
工程2
THF(59.7mL)中の化合物51’’(5.97g、20.6mmol)の懸濁液に、2mol/Lの水素化ナトリウム水溶液(12.4mL、24.8mmol)および10w/w%のパラジウム炭素(3g)を加えた。1atmの水素下、室温で3時間撹拌した後、反応混合物をCelite(登録商標)パッドでろ過した。ろ液を減圧下で濃縮した。DMF(59.7mL)中の残渣の懸濁液に、炭酸カリウム(8.55g、61.9mmol)および1,2-ジブロモエタン(2.67mL、30.9mmol)を加えた。反応混合物を70℃で1時間および90℃で3時間撹拌した。反応混合物にトルエン(100mL)を加え、懸濁液をろ過した。ろ液を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの50%から100%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物52’’(2.65g、13.1mmol、64%)を黄色の油状物と固体の混合物として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 4.14-4.18 (1H, br), 4.30-4.34 (2H, m), 4.45-4.48 (2H, m), 4.68-4.71 (2H, m), 8.09 (1H, s).
工程3
DCM(26.5mL)中の化合物52’’(2.65g、13.1mmol)の懸濁液に、二酸化マンガン(15.0g、173mmol)を加えた。室温で1時間撹拌した後、反応混合物をCelite(登録商標)パッドでろ過した。ろ液を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン/EtOAcの10%から50%で溶出した。収集したフラクションを減圧下で濃縮し、化合物53’’(1.03g、5.15mmol、39%)を白色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 4.39-4.43 (2H, m), 4.49-4.52 (2H, m), 8.39 (1H, s), 10.2 (1H, s).
工程4
アセトン(30.8mL)および水(10.3mL)中の化合物53’’(1.03g、5.15mmol)の溶液に、リン酸二水素ナトリウム(927mg、7.73mL)、2-メチル-2-ブテン(5.46mL、51.5mmol)および亜塩素酸ナトリウム(1.75g、15.5mmol)を0℃で加えた。室温で1時間撹拌した後、2mol/Lの塩酸水溶液(7mL)を反応混合物に加えた。混合物を減圧下で濃縮し、0℃に冷却した。懸濁液をろ過して、中間体A54’’(433mg、2.01mmol、39%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 4.37-4.41 (2H, m), 4.48-4.52 (2H, m), 8.13 (1H, s).
式(II-B)のアニリンの調製
中間体B1’’の調製
Figure 2022511167000111

2-フルオロ-1-(2-フルオロフェニル)-エタノンからの中間体B1’’の合成は、以前に、例えば国際公開第2014/065434号に記載されている。
中間体B2’’の調製
Figure 2022511167000112

THF(1.5L)中の亜鉛(252g、3856mmol)およびCuCl(38g、386mmol)の混合物を還流状態で30分間撹拌した。加熱浴を、激しい撹拌を維持しながら取り外した。次いで、添加漏斗にTHF(250mL)中のtert-ブチルブロモアセテート(188g、964mmol)を投入した。還流を再開して、この溶液をゆっくりと、注意深く滴下した。添加を、制御可能な還流を維持する速度で続けた。添加が完了すると、反応混合物を周囲温度でさらに30分間、次いで50℃で30分間撹拌した。次いで反応混合物を0℃に冷却し、THF(250mL)中の中間体B1’’(100g、386mmol)を加えた。反応混合物を0℃で4時間さらに撹拌した。次に、反応混合物をろ過し、ろ液を2.5M HCl(500mL)、飽和NaHCO水溶液(500mL×2)および飽和NaCl水溶液(1L)で洗浄し、その後、NaSOで脱水し、ろ過し、真空下で濃縮して、粗中間体B2’’を黄色の油状物(140g、97%)として得た。
中間体B3’’の調製
Figure 2022511167000113

HCl(4M 1,4-ジオキサン溶液、1.07L)中の中間体B2’’(150g、3.99mmol)の混合物を70℃で加熱し、3時間撹拌した。次に、混合物を室温に冷却し、白色の沈殿物をろ別し、乾燥して、中間体B3’’(塩酸塩、115g、100%)を得た。
中間体B4’’の調製
Figure 2022511167000114

THF(500mL)中の中間体B4’’(100g、347mmol)の混合物をN2下、0℃で撹拌した。BH(1M THF溶液、694mL、694mmol)を滴下し、反応物を室温で3時間撹拌した。得られた混合物を炭酸水素ナトリウム(80g)および氷(300g)に注ぎ入れた。酢酸エチル(500mL)を加え、混合物を室温で撹拌した。混合物を酢酸エチル(600mL×3)で抽出した。有機層をNaSOで脱水し、ろ過し、濃縮して、粗生成物を得た。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチルの30:1から石油エーテル/酢酸エチルの5:1)により精製した。純粋なフラクションを収集し、溶媒を減圧下で濃縮し、生成物B4’’を無色の油状物(64g、91%)として得た。
中間体B5’’の調製
Figure 2022511167000115

ジ-tert-ブチルジカーボネート(50g、229mmol)を、2-メチルテトラヒドロフラン(755mL)およびEtOH(30mL)中の中間体B4’’(41.5g、177mmol)の溶液に加えた。反応混合物を63℃で40時間加熱し、次いで20℃に冷却した。反応混合物を、100mLの水と共に10mLのNH(25%水溶液)で洗浄した。水層を、20mLの2-メチルテトラヒドロフランでもう一回抽出した。合わせた有機層を脱水し(MgSO)、ろ過し、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲルが充填された2Lのガラスフィルター、溶離液:ヘプタン中0から50%のEtOAc)により精製し、生成物フラクションを濃縮し、乾燥して、中間体B5’’(46g、86%)を得た。
中間体B6’’の調製
Figure 2022511167000116

方法A’’:DCM(500mL)中の中間体B5’’(47g、156mmol)の溶液に、デス-マーチンペルヨージナン(76g、176mmol)を0℃で少量ずつ加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。飽和Na水溶液および飽和NaHCO水溶液の組合せを、水と一緒に加え、混合物を30分間撹拌した。有機層を分離し、水層をDCMで抽出した。合わせた有機層をMgSOで脱水し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲルが充填された2Lのガラスフィルター、溶離液:ヘプタン中0から20%のEtOAc)により精製して、中間体B6’’を無色の粘稠液体(39g、84%)として得た。
方法B’’:300mLのDCM中のトリクロロイソシアヌル酸(74g、318mmol)およびTEMPO(1.40g、8.96mmol)の溶液に、150mLのDCM中の中間体B5’’(90g、299mmol)を0.5℃で滴下した。得られた混合物を1.5℃で1時間撹拌した。(TLC ヘプタン中30%のEtOAc)。Dicalite(登録商標)を橙色の懸濁液に加え、5分間撹拌した後、ろ過し、200mLのDCMで洗浄して、ろ液1を得た。81gのNaおよび54gのNaCOの組合せを、OptiMax(登録商標)Synthesis Workstation、Mettler Toledoにおいて500mLの水に溶解した。この混合物を1℃に冷却し、次いで、ろ液1を1℃で15分間かけて加え、撹拌を15分間続けた。Dicalite(登録商標)を加え、この懸濁液をろ過し、200mLのDCMで洗浄した。この有機層を、90gのNaClを540mLの水に溶かした溶液で洗浄した。層を分離した。有機層をMgSOで脱水し、乾燥有機層をそのまま次の反応工程に使用した。
中間体B7’’の調製
Figure 2022511167000117

MeOH(500mL)中の方法A’’で得た中間体B6’’(37.5g、125mmol)の溶液に、メチルスルホニルアセトニトリル(30g、244mmol)およびMgO(8g、198mmol)を加えた。得られた混合物を65℃で5時間、次いで周囲温度で15分間撹拌した。懸濁液をDicalite(登録商標)と混合し、ろ過し、2-メチルテトラヒドロフランですすいだ。得られたろ液を1/10の容量に濃縮し、次いで2-メチルテトラヒドロフラン(500mL)を加えた。反応混合物を0℃に冷却し、NaBH(1.5g、39mmol)を加えた。15分後、クネーフェナーゲル生成物を全て中間体B7に還元した。(TLCモニタリング、シリカゲル、溶離液:ヘプタン中30%のEtOAc)。得られた懸濁液をDicalite(登録商標)と混合し、ろ過し、2-メチルテトラヒドロフランですすいだ。HCl(1N、120mL)、続いて食塩水および2-メチルテトラヒドロフランを加えた。有機層を分離し、水層を2-メチルテトラヒドロフランで抽出した。合わせた有機層をMgSOで脱水し、ろ過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカ充填ガラスフィルター(2L)、溶離液:ヘプタン中20から30%のEtOAc)に付した。純粋な生成物フラクションを濃縮して、中間体B7’’を黄白色の粘性油状物(40g、79%)として得た。
中間体B8’’の調製
Figure 2022511167000118

2-メチルテトラヒドロフラン(500mL)中の中間体B7’’(40g、99.4mmol)の溶液に、NaH(60%、鉱油に分散、4.6g、115mmol)を0℃で加えた(注:発熱反応、水素発生)。30分間撹拌した後、MeI(8mL、127mmol)を、温度を0℃に保持しながら滴下した。得られた混合物を0℃で30分間撹拌し、その後、TLC(シリカゲル、溶離液:ヘプタン中40%のEtOAc)は完全な変換を示した。飽和NHCl水溶液および水を加え、層を分離した。水層を2-メチルテトラヒドロフランで抽出した。合わせた有機層をMgSOで脱水し、ろ過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカ充填ガラスフィルター、2L、溶離液 ヘプタン中20から30%のEtOAc)により精製した。生成物フラクションを合わせて、中間体B8’’を黄白色の泡状物(37g、89%)として得た。
中間体B9’’の調製
Figure 2022511167000119

TFA(8.7g、76.3mmol)を、500mLのHastelloy(登録商標)反応器においてトルエン(450mL)中の中間体B8’’(18g、43.2mmol)の溶液に加えた。反応器を封止し、混合物を115℃の内部温度で10時間撹拌した。次に、反応混合物を室温に冷却し、Na飽和HCO水溶液と共に飽和NaCO水溶液で洗浄した。有機層を分離し、水層をトルエンでもう一回抽出した。合わせた有機層を脱水し(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣を、(シリカゲル330g、溶離液:DCM/(7N NH MeOH溶液)、グラジエント 100:0から97:3)を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。生成物フラクションを収集し、減圧下で濃縮し、中間体B9’’を泡状固体(13.6g、99%)として得た。
中間体B10a’’およびB10b’’の調製
Figure 2022511167000120

中間体B9’’(35.2g、111mmol)をTFA(200mL、2613mmol)に溶解し、次いで0℃に冷却した。HSO(28mL、525mmol)を0℃で加えた。次いで、硝酸カリウム(12g、119mmol)を、温度を3℃未満に保持しながらゆっくりと加えた。反応は、添加が完了すると終了した。混合物を、氷(1kg)、DCM(1L)およびNH(25%水溶液)の混合物に注ぎ入れた。次に200mLのNaCO飽和水溶液を加えた。有機層を分離し、水層を500mLのDCMでもう一回抽出した。合わせた有機層を脱水し(MgSO)、ろ過し、減圧下で濃縮し、泡状固体(40g)を得た。ジアステレオマーの分離は、分取SFC(固定相:Diacel Chiralpak(登録商標)AD 20×250mm、移動相:CO、iPrOH+0.4 iPrNH)により実施して、中間体B10b’’(15g、37%)および中間体B10a’’(16g、40%)を得た。
中間体B11’’の調製
Figure 2022511167000121

中間体B10a’’(3.7g、10.2mmol)をMeOH(100mL)、水(50mL)およびTHF(100mL)に溶解し、次いでFe(4.4g、78.8mmol)およびNHCl(5.8g、108mmol)を加えた。反応混合物を63℃で1時間撹拌した。次いで混合物を冷却し、DCMで希釈した。次に、NaHCO飽和水溶液およびDicalite(登録商標)を加えた。混合物をろ過し、フィルターケーキをDCMで洗浄した。ろ液の有機層を分離し、脱水し(MgSO)、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた粘性泡状物をDCM(10mL)に溶解し、DIPE(10mL)を加えた。この溶液を濃縮して、固形泡状物を残留させ、これをこすり中間体B11’’を細粉状固体(3.4g、100%)として得た。
中間体B12’’の調製
Figure 2022511167000122

中間体B12’’の合成は、以前に国際公開第2016/075064号に記載されている。
中間体B13’’の調製
Figure 2022511167000123

温度計、還流冷却器および添加漏斗を備えた三つ口フラスコ中において、THF(140mL)中の亜鉛(28.3g、432mmol)およびCuCl(4.3g、43.3mmol)の懸濁液を還流状態で30分間撹拌した。次いで加熱浴を、激しい撹拌を維持しながら取り外し、添加漏斗にTHF(30mL)中のエチルブロモアセテート(12.0mL、108mmol)を投入した。この溶液を、還流を再開するまで滴下した。添加を、制御可能な還流を維持する速度で続けた。添加した後、反応混合物を周囲温度で30分間、次いで50℃で30分間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、THF(20mL)中の中間体B12’’(12.0g、43.3mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を0℃で2時間撹拌した。次に、混合物をCelite(登録商標)パッドでろ過し、フィルターケーキをジエチルエーテルで洗浄した。ろ液をHClの0.25M水溶液で洗浄し、続いて飽和NaHCO水溶液(2×)および食塩水で洗浄した。有機層をMgSOで脱水し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液:DCM)により精製した。生成物含有フラクションを濃縮して、橙色の残渣を得て、これを再びシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン中0から30%のEtOAc)に付した。生成物含有フラクションを収集し、濃縮して、生成物B13’’を黄色の油状物(13g、82%)として得た。
中間体B14’’の調製
Figure 2022511167000124

MeOH(70mL)中の中間体B13’’(8g、21.9mmol)の溶液に、HCl(70mL、4M ジオキサン溶液)を加えた。混合物を周囲温度で1時間撹拌し、次いで真空下で濃縮した。固体残渣をEtOAcに再溶解し、飽和NaCO水溶液で塩基性化した。層を分離し、有機層をMgSOで脱水し、濃縮して、中間体B14’’(4.0g、70%)を黄色の油状物として得た。
中間体B15’’の調製
Figure 2022511167000125

MeOH(83mL)中の中間体B14’’(7g、26.8mmol)およびジ-tert-ブチルジカーボネート(11.7g、53.6mmol)の溶液を50℃で一晩撹拌した。その後、反応混合物を濃縮し、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中0から50%のEtOAc)に付した。生成物含有フラクションを真空下で濃縮して、中間体B15’’(5g、52%)を得た。
中間体B16’’の調製
Figure 2022511167000126

水素化ホウ素リチウム(13.8mL、27.6mmol、2M THF溶液)を、THF(150mL)中の中間体B15’’(5.0g、13.8mmol)の溶液に0℃で滴下した。反応物を周囲温度で6時間撹拌した。次に、0℃に冷却し、NHClの10%水溶液を滴下した。混合物をEtOAcで希釈し、層を分離した。水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSOで脱水し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン中0から100%のEtOAc)により精製した。生成物含有フラクションを収集し、真空下で乾燥して、中間体B16’’(4.0g、91%)を得た。
中間体B17’’の調製
Figure 2022511167000127

DCM(350mL)中の中間体B16’’(4.0g、12.5mmol)の溶液に、デス-マーチンペルヨージナン(8.3g、19.6mmol)を0℃で少量ずつ加えた。得られた混合物を室温で30分間撹拌した。飽和Na水溶液と飽和NaHCO水溶液の組合せを加え、混合物を30分間撹拌した。有機層を分離し、水層をDCMで抽出した。合わせた有機層をMgSOで脱水し、濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン中0から100%のEtOAc)により精製して、中間体B17’’を無色の粘性液体(3.5g、88%)として得た。
中間体B18’’の調製
Figure 2022511167000128

MeOH(56mL)中の中間体B17’’(3.5g、11mmol)の溶液に、2-メチル-スルホニルアセトニトリル(2.6g、22mmol)およびMgO(0.5g、13.2mmol)を加えた。得られた混合物を60℃で20時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、Celite(登録商標)でろ過した。ろ液を濃縮し、THF(130mL)に溶解した。溶液を0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(0.42g、11mmol)を加えた。反応混合物を30分間撹拌し、続いてHCl水溶液(1M)で中和した。混合物をDCMで希釈し、飽和NaHCO水溶液を加えた。層を分離し、有機層をMgSOで脱水し、濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中0から30%のEtOAc)により精製して、中間体B18’’(3.2g、69%)を得た。
中間体B19’’の調製
Figure 2022511167000129

THF(110mL)中の中間体B18’’(3.2g、7.6mmol)の溶液に、NaH(550mg、13.7mmol、60%、鉱油に分散)を10℃で加えた。混合物をその温度で15分間撹拌し、次いでヨードメタン(0.52mL、8.4mmol)を加えた。混合物を45分間撹拌し、その後、水およびEtOAcを加えた。有機層を単離し、MgSOで脱水し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン中0から40%のEtOAc)により精製した。生成物含有フラクションを濃縮して、中間体B19’’(2.2g、67%)を得た。
中間体B20’’の調製
Figure 2022511167000130

中間体B19’’(2.2g、5.1mmol)をギ酸(28mL)中において室温で20時間、次いで90℃で5時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、飽和NaCO水溶液の添加によりpH10に塩基性化した。有機層を分離し、脱水し(MgSO)、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液:DCM中0から3%の(NH 7N MeOH溶液))により精製して、中間体B20’’(0.97g、57%)を得た。
中間体B21a’’およびB21b’’の調製
Figure 2022511167000131

TFA(3mL、39.2mmol)中の中間体B20’’(100mg、0.293mmol)の溶液に、硫酸(0.1mL、1.88mmol)を0℃で加えた。次に、硝酸カリウム(32mg、0.313mmol)を少量ずつ加え、混合物を0℃で150分間、次いで室温で一晩撹拌した。次いで、反応物を、5mLの氷、15mLのDCM、5mLのNH(25%)および5mLのNaCO飽和水溶液の混合物に注ぎ入れた。層を分離し、水層をDCMで抽出した。合わせた有機層をMgSOで脱水し、ろ過し、濃縮して、薄黄色の油状物を得た。ヘプタン/EtOAcの1:0から4:6を溶離液として使用する、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ12g)による精製を実施した。2つのフラクションを収集し、減圧下で濃縮し、中間体21a’’(35mg、31%)および中間体21b’’(54mg、49%)を両方とも透明なガラス状物として得た。
中間体B22’’の調製
Figure 2022511167000132

中間体B21a’’(20mg、0.053mmol)をMeOH(1mL)、水(0.5mL)およびTHF(1mL)に溶解し、次いでFe(22mg、0.394mmol)およびNHCl(30mg、0.561mmol)を加えた。窒素を混合物に5分間吹き込んだ。次いで反応混合物を65℃で3.5時間撹拌した。次に、混合物を室温に冷却し、DCMおよびNaHCO飽和水溶液で希釈し、Decalite(登録商標)の流路によりろ過した。フィルターケーキ(filtrate cake)をDCMで洗浄した。有機層を分離し、水層をDCMで1回抽出した。合わせた有機層を脱水し(MgSO)、ろ過し、減圧濃縮乾固して、中間体B22’’を黄色の泡状物(27mg、100%)として得た。
中間体B23’’の調製
Figure 2022511167000133

DCM溶液(677mL)としての方法B’’により得た中間体B6’’(84g、281mmol)および2-(エタンスルホニル)アセトニトリル(50g、339mmol)を、EasyMax(登録商標)Advanced Synthesis Workstation(Mettler-Toledo)に20℃で加え、次いでDBU(0.84mL、5.61mmol)を加えた。反応混合物を20℃で一晩撹拌した。次いで酢酸(1.61mL、28mmol)を20℃で加え、反応混合物を90分間撹拌した。次いで反応混合物を濃縮した。THF(677mL)を加え、反応混合物を600mLに濃縮し、その後、2-プロパノール(85mL)を加えた。この溶液を0℃に冷却した。水素化ホウ素ナトリウム(6.37、1.68mmol)を、反応混合物に10℃で20分かけて少量ずつ加え、次いで、室温でさらに30分間撹拌した。続いて、HCl(1M水溶液、196mL)を0℃で加え、次いで層を分離し、有機層を、90gのNaClを540mLの水に溶解させた溶液で洗浄した。有機層を分離し、脱水し(MgSO)、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルが充填された4リットルのガラスフリットフィルターを使用し、ヘプタン/EtOAcの100:0から60:40を溶離液として使用するクロマトグラフィーにより精製した。生成物フラクションを収集し、減圧下で濃縮し、中間体B23’’(102g、87%)を得た。
中間体B24’’の調製
Figure 2022511167000134

中間体B23’’(45g、108mmol)を無水THF(563mL)にN雰囲気下、10℃で溶解した。NaH(60%、鉱油に分散、5.3g、132mmol)を20分かけて加え、10℃で20分間撹拌し(OptiMax(登録商標)Synthesis Workstation、Mettler Toledo)、次いでMeI(8.2mL、132mmol)を20分かけて加えた。撹拌を10℃で0.5時間続けた。反応物を水(100mL)で注意深くクエンチし、EtOAcで希釈した。食塩水(100mL)を加えた。有機層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSOで脱水し、ろ過し、溶媒を減圧下で濃縮した。粗残渣(47g、定量)を次の工程に使用した。
中間体B25aおよびB25bの調製
Figure 2022511167000135

中間体B24’’(15.5g、36mmol)を90mLのTHFに溶解し、室温で撹拌した。次いでHCl(6N水溶液、30mL、180mmol)を加えた(わずかに発熱した)。反応混合物を55℃で2時間撹拌し、その後、室温に冷却した。トルエン(50mL)を加え、生成物を酸性水層において抽出した。有機層を水(50mL)で洗浄した。合わせた水層を50%NaOH水溶液で中和し、生成物をTHF(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を脱水し(MgSO)、ろ過し、濃縮した。次いで、70mLの2-プロパノールを加え、混合物を、およそ40mLに濃縮した。次いで、70mLのDIPEを加え、混合物を室温で5分間、次いで0℃で1時間撹拌した。沈殿物が形成され、これをろ過し、洗浄し、乾燥すると、主にB25a(6.2g、51%)を含有した。ろ液を濃縮して、主にB25b(4.5g、38%)を含有する残渣を得た。
中間体26’’の調製
Figure 2022511167000136

TFA(2.7mL、35.4mmol)を、149mLのトルエン中の中間体B25a(13.0g、39.3mmol)に加えた。この反応混合物を1時間撹拌および還流し、その後、溶媒を減圧濃縮により除去した。残渣を酢酸エチルに溶解し、NaCO飽和溶液で洗浄し、有機層を脱水し(MgSO)、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣を、20mLのDIPEおよび3mLの2-プロパノールの混合物に溶解し、均一になるまで加熱した。得られた溶液を0℃に冷却し、撹拌し、その後、沈殿が発生した。固体をろ別し、いくらかのDIPEで洗浄し、乾燥した(10.7g、82%)。
中間体B27’’の調製
Figure 2022511167000137

中間体B26’’(17g、51.4mmol)を140mLのTFAに溶解し、次いで0℃に冷却した。HSO(15mL、281mmol)を0℃で加えた。次いで、KNO(5.3g、52.4mmol)を、温度を3℃未満に保持しながらゆっくりと加えた。反応は添加が完了すると終了し、これを、0.7kgの氷、0.7LのDCMおよび240mLの25%NH水溶液の混合物に注ぎ入れた。有機層を分離し、水層を200mLのDCMで抽出した。合わせた有機層を脱水し(MgSO)、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣を60mLの2-プロパノールで粉末化し、撹拌しながら加熱および冷却した。固体をろ過し、洗浄し、乾燥した(18g、92%)。
中間体B28’’の調製
Figure 2022511167000138

中間体B27’’(40g、107mmol)を、600mLのMeOH、300mLの水および600mLのTHFの混合物に溶解した。次いで、鉄(48g、859mmol)およびNHCl(66g、1234mmol)を加えた。反応混合物を65℃で5時間撹拌した。2時間後、さらに鉄(24g、430mmol)およびNHCl(17g、309mmol)を加えた。次いで、反応混合物を室温に冷却し、DCMおよびNaHCO飽和水溶液で希釈し、その後、Dicalite(登録商標)を加えた。混合物をろ過し、フィルターをDCMで洗浄した。有機層を分離し、脱水し(MgSO)、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解し、HCl(6N 2-プロパノール溶液、20mL、120mmol)を加え、その後、固体が形成された。固体をろ過し、DIPEで洗浄し、真空下、40℃で乾燥した(38g、93%)。
中間体B29’’の調製
Figure 2022511167000139

中間体B29’’は、中間体28’’と同様の方法により、中間体B1’’の代わりに中間体B12’’から出発して調製した。
最終化合物の調製
(実施例1’’)
Figure 2022511167000140

中間体B11’’(1.00g、3.02mmol)をMeOH(100mL)にN下、室温で溶解した。HCl(6N 2-プロパノール溶液、3.02mL、18.11mmol)を加え、混合物を5分間撹拌した。次いで、中間体A34’’(705mg、3.47mmol)およびEDCI(1.16g、6.04mmol)を加え、混合物を室温で50分間撹拌した。追加の中間体A34’’(357mg、1.74mmol)およびEDCI(0.29g、1.51mmol)を加え、混合物をさらに1時間撹拌した。さらに中間体A34(123mg、0.604mmol)およびEDCI(0.16g、0.604mmol)を加え、混合物をさらに1時間撹拌した。次に、混合物を減圧濃縮乾固し、DCM(100mL)および飽和炭酸水素塩水溶液(40mL)に溶解した。有機層を分離し、水層をDCM(2×40mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで脱水し、ろ過し、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル80g、溶離液 DCM/(NH 7N MeOH溶液)、グラジエント 100:0から97:3)により精製して、化合物II-6(遊離塩基、1390mg、89%)を白色の固体として得た。固体を2-プロパノールに懸濁し、過剰HCl(6N 2-プロパノール溶液)を加え、溶媒を減圧下で濃縮した(1回繰り返した)。次いで、得られた固体を2-プロパノールで粉末化し、ろ過し、真空下、75℃で3時間乾燥して、化合物II-7(HCl塩、1260mg、75%)を白色の粉末として得た。

(実施例2’’)
Figure 2022511167000141

中間体B11’’(500mg、1.51mmol)をMeOH(50mL)にN下、室温で溶解した。HCl(6N 2-プロパノール溶液、1.51mL、9.05mmol)を加え、混合物を5分間撹拌した。次いで、中間体A24’’(523mg、1.81mmol)およびEDCI(376mg、1.96mmol)を加え、混合物を室温で1.5時間撹拌した。さらにEDCI(144mg、0.75mmol)および中間体A24’’(218mg、0.75mmol)、さらに2時間撹拌した。混合物を減圧濃縮乾固し、DCM(50mL)および飽和NaHCO水溶液(50mL)に溶解した。有機層を分離し、水層をDCM(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで脱水し、ろ過し、真空下で濃縮した。グラジエント(DCM/(NH MeOH溶液)、100:0から97:3)を使用する、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル40g)による精製を実施した。生成物フラクションを減圧下で濃縮し、化合物II-2を、黄色を帯びた油状物として得、これをイソプロパノールに溶解した。HCl(6N イソプロパノール溶液、5mL)を加え、溶媒を減圧下で濃縮し、この操作を2回繰り返した。次いで、固体をイソプロパノールで粉末化し、ろ過した。得られた固体を凍結乾燥して、化合物II-3(HCl塩、427mg、53%)を白色の固体として得た。

(実施例3’’)
Figure 2022511167000142

中間体B11’’(500mg、1.51mmol)をMeOH(50mL)にN下、室温で溶解した。HCl(6N 2-プロパノール溶液、1.51mL、9.05mmol)を加え、混合物を5分間撹拌した。次いで、中間体A9’’(377mg、1.74mmol)およびEDCI(1.16g、6.04mmol)を加え、混合物を室温で50分間撹拌した。さらにEDCI(144mg、0.75mmol)および中間体A9’’(218mg、0.75mmol)を加え、混合物をさらに1時間撹拌した。混合物を減圧濃縮乾固し、DCM(100mL)および飽和NaHCO水溶液(40mL)に溶解した。有機層を分離し、水層をDCM(2×80mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで脱水し、ろ過し、真空下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル80g、グラジエント DCM/(NH 7N MeOH溶液)、100:0から95:5)による精製を実施して、化合物II-9(930mg、収率116%)を白色の泡状物として得た。この泡状物をイソプロパノールに懸濁し、HCl(6N 2-プロパノール溶液)を加え、溶媒を減圧下で濃縮し、この操作を2回繰り返した。次いで固体を2-プロパノールで粉末化し、ろ過し、真空下、75℃で一晩乾燥して、化合物II-10(HCl塩、614mg、収率72%)を白色の粉末として得た。

(実施例4’’)
Figure 2022511167000143

中間体B28’’(一HCl塩、12.0g、31.4mmol)を280mLのMeOHに室温で溶解した。次いで、中間体A34’’(6.4g、31.5mmol)およびEDCI(8.0g、41.7mmol)を加え、混合物を室温で20分間撹拌した。混合物を真空下で濃縮し、残渣を酢酸エチル(200mL)に溶解し、1時間撹拌し、次いでデカントした。50mLのEtOAcをスラリーに加え、5分間撹拌し、再びデカントし、得られた半固体スラリーをDCMおよび飽和NaCO水溶液に溶解した。有機層を分離し、水層をDCMで抽出した。合わせた有機層をMgSOで脱水し、ろ過し、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル330g、グラジエント:DCM/NH(MeOH中7N)、100/0から96/4まで)により精製した。所望の生成物フラクションを収集し、減圧下で濃縮した。
遊離塩基一水和物:残渣を2-プロパノールに溶解し、生成物がHOの添加により沈殿した。30分間撹拌した後、固体をろ過し、DIPEで洗浄し、真空下、50℃で乾燥して、化合物II-20(13.5g、78%)を得た。
一HCl塩:残渣を20mLの酢酸エチルに溶解し、次いで0.8mLのHCl(6N 2-プロパノール溶液)を加え、いくつかの固体が生じ、混合物を65℃まで温め、次いで20℃に再冷却した。得られた固体をろ過し、酢酸エチルで洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で2日間および真空オーブンにおいて55℃でもう一晩乾燥して、化合物II-21を得た。
(実施例5’’)
化合物II-29を以下の合成経路に従って調製した。
Figure 2022511167000144


(実施例6’’)
化合物II-35を以下の合成経路に従って調製した。
Figure 2022511167000145


以下の表は、上記の実施例の1つに類似して調製された化合物を列挙している。塩形態が示されていない場合、化合物は遊離塩基として得た。「Co.No.」は化合物番号を意味する。「cPr」はシクロプロピルを意味する。
Figure 2022511167000146
Figure 2022511167000147
LC-MS(液体クロマトグラフィー/質量分析)
LC-MSの一般手順
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)測定は、LCポンプ、ダイオードアレイ(DAD)またはUV検出器、およびそれぞれの方法に特化したカラムを使用して実施した。必要であれば、追加の検出器を含めた(下記の方法の表を参照)。
カラムからの流れを、大気圧イオン源と共に構成された質量分析計(MS)に向かわせた。化合物の公称モノアイソトピック分子量(MW)および/または正確な質量のモノアイソトピック分子量の確認を可能にするイオンを得るために、調整パラメーター(例えば、走査範囲、滞留時間など)を設定することは、当業者の知識の範囲内である。データの取得は、適切なソフトウェアによって実施した。
化合物は、これらの実験保持時間(R)およびイオンによって記載される。データの表から特に指定のない限り、報告された分子イオンは、[M+H](プロトン化分子)および/または[M-H](脱プロトン化分子)に対応する。化合物を直接イオン化できなかった場合は、付加物の種類が特定される(すなわち、[M+NH、[M+HCOO]、[M+CHCOO]など)。複数の同位体パターン(例えば、Br、Cl)を有する分子では、報告された値は、最低同位体質量で得たものである。全ての結果は、使用される方法に一般的に関連する実験の不確実性(experimental uncertainties)を伴って得た。
以降、「SQD」はシングル四重極質量検出器を、「MSD」は質量選択的検出器を、「RT」は室温を、「BEH」は架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッドを、「DAD]はダイオードアレイ検出器を、「HSS」は高強度シリカを意味する。
LCMS方法コード(流速はmL/分で、カラム温度(T)は℃で、稼働時間は分で表す)
Figure 2022511167000148



融点
値は、ピーク値または溶融範囲のいずれかであり、この分析方法に一般的に関連する実験の不確実性を伴って得られる。
DSC823e(DSCとして示された)
いくつかの化合物において、融点は、DSC823e(Mettler-Toledo)装置により決定した。融点は、10℃/分の温度グラジエントで測定した。最高温度は300℃であった。
分析データ-融点(m.p.)およびLC/MS:Rは保持時間(分)を意味し、[M+H]は化合物のプロトン化質量を意味し、[M-H]は化合物の脱プロトン化質量を意味し、方法は(LC)MSに使用された方法を指す。いくつかの化合物では、精密質量を決定した。
Figure 2022511167000149


SFC-MS方法
SFC測定は、二酸化炭素(CO)および調整剤を送達するバイナリーポンプ、オートサンプラー、カラムオーブン、400バールまで耐える高圧フローセルを備えたダイオードアレイ検出器から構成される分析超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)システムを使用して実施した。質量分析計(MS)と共に構成される場合は、カラムからの流れを(MS)へ向けた。化合物の公称モノアイソトピック分子量(MW)の確認を可能にするイオンを得るために、調整パラメーター(例えば、走査範囲、滞留時間など)を設定することは、当業者の知識の範囲内である。データの取得は、適切なソフトウェアによって実施した。
分析SFC-MS方法(流速はmL/分で、カラム温度(T)は℃で、稼働時間は分で、背圧(BPR)はバールで表す)。
Figure 2022511167000150

分析SFCデータ-Rは保持時間(分)を意味し、[M+H]は化合物のプロトン化質量を意味し、方法はエナンチオマー的に純粋な化合物の(SFC)MS分析に使用された方法を指す。
Figure 2022511167000151

NMR
いくつかの化合物において、H NMRスペクトルは、溶媒としてCHLOROFORM-d(重水素化クロロホルム、CDCl)、DMSO-d(重水素化DMSO、ジメチル-dスルホキシド)、BENZENE-d(重水素化ベンゼン、C)、またはACETONE-d(重水素化アセトン、(CDCO)を使用する、400MHzで稼働するBruker DPX-400分光計、360MHzで稼働するBruker DPX-360、400MHzで稼働するBruker Advance 400分光計、または600MHzで稼働するBruker Advance 600分光計により記録した。化学シフト(δ)は、内部標準として使用したテトラメチルシラン(TMS)に対する百万分率(ppm)で報告される。
Figure 2022511167000152
Figure 2022511167000153
Figure 2022511167000154
Figure 2022511167000155
Figure 2022511167000156
CHNの決定
化合物において、炭素、水素および窒素(CHN)の量(%w/w)は、ダイナミック閃光燃焼(Dynamic Flash Combustion)によって決定した。
Figure 2022511167000157
旋光度:
旋光度は、ナトリウムランプを備えたPerkin-Elmer 341旋光計により測定し、以下のように報告した:[α]°(λ、c g/100ml、溶媒、T°C)。
[α]λ =(100α)/(l×c):ここで、lは経路の長さ(dm)であり、cは、温度T(℃)および波長λ(nm)でのサンプルの濃度(g/100ml)である。使用する光の波長が589nm(ナトリウムDライン)である場合には、符号Dを代わりに使用することがある。回転の記号(+または-)が常に示されるべきである。この式を使用する場合、濃度および溶媒が回転後に括弧内に常に提示される。回転は度を使用して報告され、濃度の単位は示されない(g/100mlであると推定される)。
Figure 2022511167000158
本発明の化合物の試験例を下に記述する。
薬理学例
本発明で提供される化合物は、beta-site APP-cleaving enzyme 1(BACE1)の阻害剤である。アスパラギン酸プロテアーゼであるBACE1の阻害は、アルツハイマー病(AD)の治療に適切であると考えられている。βアミロイド前駆体タンパク質(APP)からのβアミロイドペプチド(Aβ)の産生および蓄積は、ADの発症および進行に重要な役割を果たすと考えられている。beta-site APP-cleaving enzyme 1およびγセクレターゼそれぞれによるAβドメインのN-およびC-末端での一連の切断により、アミロイド前駆体タンパク質(APP)からAβが産生される。
式(IA)、(IB)、または(IC)の化合物は、BACE2に比較してBACE1へ選択的に結合し、BACE2に比較してBACE1の酵素活性を阻害することが可能であり、BACE2に比較してBACE1に対して選択的に効果を有することが予想される。下記の競合的放射性リガンド結合生化学アッセイ、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)に基づく生化学アッセイ、および細胞αLisaアッセイは該化合物の同定に適切であり、これらを利用して該阻害剤の挙動を試験する。(試験例1-1:BACE1およびBACE2競合的放射性リガンド結合生化学アッセイ)
BACE2に対するBACE1酵素選択性を探索するために、各精製酵素への結合親和性(Ki)を競合的放射性リガンド結合アッセイ、すなわちトリチウム標識非選択的BACE1/BACE2阻害剤を用いた競合において決定した。
簡潔には、試験管中で、対象の化合物を放射性リガンドおよびBACE1またはBACE2含有するHEK293由来膜と合わせた。競合的結合反応をpH6.2で行い、平衡状態に達するまで室温でインキュベートした。その後、Brandell 96ハーベスターによるろ過で遊離放射性リガンドを結合放射性リガンドから分離した。フィルターを洗浄用バッファーで4回洗浄し、フィルターシートをシンチレーションバイアル中に打ち抜いた。Ultima Goldシンチレーションカクテルを加え、サンプルを振盪させた。翌日に、Tricarbシンチレーションカウンターでバイアルを計数して、結合放射性リガンドの壊変毎分(dpm)を得た。
%CTL=(サンプル/HC)*100を算出し、式中、HCはHigh control、すなわち、放射性リガンドの総結合であり、試験化合物の種々の用量のデータ点を通る曲線に適合させた。pIC50またはIC50を算出し、式K=IC50/(1+([RL]/K))によってKに変換した。式中、[RL]は放射性リガンドの使用濃度であり、Kは放射性リガンド-膜複合体で決められた解離定数である。
(試験例1-2:BACE1およびBACE2競合的放射性リガンド結合生化学アッセイ)
BACE2に対するBACE1酵素選択性を探索するために、各精製酵素への結合親和性(Ki)を競合的放射性リガンド結合アッセイ、すなわちトリチウム標識非選択的BACE1/BACE2阻害剤を用いた競合において決定した。
簡潔には、試験管中で、対象の化合物を放射性リガンドおよびBACE1またはBACE2含有するHEK293由来膜と合わせる。競合的結合反応をpH6.2で行い、平衡状態に達するまで室温でインキュベートする。その後、Brandell 96ハーベスターによるろ過で遊離放射性リガンドを結合放射性リガンドから分離する。フィルターを洗浄用バッファーで4回洗浄し、フィルターシートをシンチレーションバイアル中に打ち抜く。Ultima Goldシンチレーションカクテルを加え、サンプルを振盪させる。翌日に、Tricarbシンチレーションカウンターでバイアルを計数して、結合放射性リガンドの壊変毎分(dpm)を得る。
%阻害=100-[(サンプル-LC)/(HC-LC))100](ここで、HCはHigh control、すなわち放射性リガンドの総結合であり、LCは、公知のBACE阻害剤である3-[(1S)-4-[イソブチル(2-モルホリノエチル)アミノ]-1-イソプロピル-ブチル]-6-フェノキシ-4H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-アミンの10μMの存在下で測定した非特異的結合を表す)を算出し、試験化合物の種々の用量のデータ点を通る曲線に適合させる。pIC50またはIC50を算出し、式K=IC50/(1+([RL]/K))によってKに変換する。式中、[RL]は放射性リガンドの使用濃度であり、Kは放射性リガンド-膜複合体で決められた解離定数である。
以下に例示された化合物を本質的に上に記載されたように試験し、以下の結合親和性を示した。
Figure 2022511167000159


NDは未決定を意味する。
(試験例2-1)
BACE1FRET生化学アッセイ
このアッセイは、蛍光共鳴エネルギー移動アッセイ(FRET)に基づくアッセイである。このアッセイ用の基質は、アミロイド前駆体タンパク質(APP)βセクレターゼ切断部位の「スウェーデン」Lys-Met/Asn-Leu変異を含有するAPP由来の13個のアミノ酸ペプチドである。この基質は2つの蛍光団も含有する。(7-メトキシクマリン-4-)酢酸(Mca)は、励起波長320nmおよび発光405nmの蛍光性ドナーであり、2,4-ジニトロフェノール(Dnp)は独自の消光アクセプターである。この2つの団の間の距離は、光励起の際、共鳴エネルギー移動でアクセプターによりドナー蛍光エネルギーが有意に消光されるように選択された。BACE1によって切断されると、蛍光団Mcaが消光団Dnpから分離され、ドナーの全蛍光収率が回復する。蛍光収率の増加は、タンパク質分解率に線形に相関する。
簡潔にいえば、384-ウェル形式で最終濃度0.04μg/mLの組み換えBACE1タンパク質を、化合物の非存在下または存在下、インキュベーション緩衝液(最終濃度:33.3mMクエン酸緩衝液 pH5.0、0.033%PEG、3%DMSO)中で20μM基質とともに室温で450分間インキュベートする。次に、T=0’~120’およびT=450’(励起320nm、および発光405nm)で蛍光測定して、タンパク質分解量を直接測定する。結果を、T450およびTx間の差としてRFU(相対蛍光単位)で表す(Txは、0~120分の反応速度に応じて選択する)。
最適曲線を、二乗法の最小和によって、%Controlmin対化合物濃度のプロットに適合させる。これにより、IC50値(50%の阻害活性を生じさせる阻害濃度)を得ることができる。
LC=Low control中央値
=Low Control:酵素が非存在下での反応
HC=High control中央値
=High Control:酵素が存在下での反応
%Effect=100-[(サンプル-LC)/(HC-LC)*100]
%Control=(サンプル/HC)*100
%Controlmin=(サンプル-LC)/(HC-LC)*100
式(IA)、(IB)、または(IC)の化合物は、BACE1阻害活性を有することが予想され、化合物がBACE1受容体を阻害できるのに十分である。
具体的には、上記プロトコルにより、IC50は、好ましくは5000nM以下、より好ましくは1000nM以下、さらに好ましくは100nM以下である。

(2)BACE2FRET生化学アッセイ
このアッセイは、蛍光共鳴エネルギー移動アッセイ(FRET)に基づくアッセイである。このアッセイ用の基質は、アミロイド前駆体タンパク質(APP)βセクレターゼ切断部位の「スウェーデン」Lys-Met/Asn-Leu変異を含有する。この基質は2つの蛍光団も含有する。(7-メトキシクマリン-4-イル)酢酸(Mca)は、励起波長320nmおよび発光405nmの蛍光性ドナーであり、2,4-ジニトロフェノール(Dnp)は独自の消光アクセプターである。この2つの団の間の距離は、光励起の際、共鳴エネルギー移動でアクセプターによりドナー蛍光エネルギーが有意に消光されるように選択される。βセクレターゼによって切断されると、蛍光団Mcaが消光団Dnpから分離され、ドナーの全蛍光収率が回復する。蛍光収率の増加は、タンパク質分解率に線形に相関する。
簡潔にいえば、384-ウェル形式で最終濃度0.4μg/mLの組み換えBACE2タンパク質を、化合物の非存在下または存在下、インキュベーション緩衝液(最終濃度:33.3mMクエン酸緩衝液 pH5.0、0.033%PEG、3%DMSO)中で10μM基質とともに室温で450分間インキュベートした。次に、T=0およびT=450(励起320nm、および発光405nm)で蛍光測定して、タンパク質分解量を直接測定した。結果を、T450およびT0間の差としてRFU(相対蛍光単位)で表した。
最適曲線を、二乗法の最小和によって、%Controlmin対化合物濃度のグラフに適合させた。これにより、IC50値(50%の阻害活性を生じさせる阻害濃度)を得ることができる。
LC=Low control中央値
=Low Control:酵素が非存在下での反応
HC=High control中央値
=High Control:酵素が存在下での反応
%Effect=100-[(サンプル-LC)/(HC-LC)*100]
%Control=(サンプル/HC)*100
%Controlmin=(サンプル-LC)/(HC-LC)*100
以下の例示化合物を本質的に上記のとおりに試験し、以下の活性を示した:
Figure 2022511167000160
Figure 2022511167000161
(試験例2-2)
BACE1FRET生化学アッセイ
このアッセイは、蛍光共鳴エネルギー移動アッセイ(FRET)に基づくアッセイである。このアッセイ用の基質は、アミロイド前駆体タンパク質(APP)βセクレターゼ切断部位の「スウェーデン」Lys-Met/Asn-Leu変異を含有するAPP由来の13個のアミノ酸ペプチドである。この基質は2つの蛍光団も含有する。(7-メトキシクマリン-4-イル)酢酸(Mca)は、励起波長320nmおよび発光405nmの蛍光性ドナーであり、2,4-ジニトロフェノール(Dnp)は独自の消光アクセプターである。この2つの団の間の距離は、光励起の際、共鳴エネルギー移動でアクセプターによりドナー蛍光エネルギーが有意に消光されるように選択された。BACE1によって切断されると、蛍光団Mcaが消光団Dnpから分離され、ドナーの全蛍光収率が回復する。蛍光収率の増加は、タンパク質分解率に線形に相関する。
簡潔にいえば、384-ウェル形式で最終濃度0.04μg/mLの組み換えBACE1タンパク質を、化合物の非存在下または存在下、インキュベーション緩衝液(最終濃度:33.3mMクエン酸緩衝液 pH5.0、0.033%PEG、3%DMSO)中で20μM基質とともに室温で450分間インキュベートする。次に、T=0’~120’およびT=450’(励起320nm、および発光405nm)で蛍光測定して、タンパク質分解量を直接測定する。結果を、T450およびTx間の差としてRFU(相対蛍光単位)で表す(Txは、0~120分の反応速度に応じて選択する)。
データをScreener(登録商標)(Genedata、Switzerland)の使用によって分析する。データを正規化し、%阻害=100-[(サンプル-LC)/(HC-LC))100]を試験化合物の対数濃度に対してプロットした。曲線を、非線形回帰分析を使用して分析し、IC50値(活性の50%阻害を引き起こす阻害濃度)を個々の曲線から導き出した。
LC=Low control中央値
=Low Control:酵素が非存在下での反応
HC=High control中央値
=High Control:酵素が存在下での反応
%阻害=100-[(サンプル-LC)/(HC-LC)100]
以下に例示された化合物を本質的に上に記載されたように試験し、以下の活性を示した。
Figure 2022511167000162

NDは未決定を意味する。
(試験例2-3)
SKNBE2細胞におけるBACE1細胞アッセイ
2つのαLisaアッセイでは、ヒト神経芽細胞腫SKNBE2細胞の培地に産生および分泌したAbeta1-42または全Abetaのレベルを定量化する。アッセイは、野生型アミロイド前駆体タンパク質を発現するヒト神経芽細胞腫SKNBE2(hAPP695)に基づいている。化合物を希釈し、これらの細胞に添加し、18時間インキュベートし、次いでAbeta1-42または全Abetaの測定を行う。Abeta1-42または全Abetaは、Abeta1-42または全Abetaそれぞれの検出用にビオチン化抗体AbN/25結合ストレプトアビジンコートドナービーズおよび抗体cAb42/26またはAb 4G8共役アクセプタービーズを使用する、サンドイッチαLisaにより測定される。Abeta1-42または全Abetaの存在下で、ビーズが近接する。ドナービーズの励起が一重項酸素分子の放出を誘発し、このことがアクセプタービーズにおいてエネルギー移動のカスケードの引き金を引き、発光をもたらす。発光を1時間のインキュベーションの後に測定する(励起650nmおよび発光615nm)。
データをScreener(登録商標)(Genedata、Switzerland)の使用によって分析する。データを正規化し、%阻害=100-[(サンプル-LC)/(HC-LC))100]を試験化合物の対数濃度に対してプロットした。曲線を、非線形回帰分析を使用して分析し、IC50値(活性の50%阻害を引き起こす阻害濃度)を個々の曲線から導き出した。
LC=Low control中央値
=Low Control:酵素が非存在下での反応
HC=High control中央値
=High Control:酵素が存在下での反応
%阻害=100-[(サンプル-LC)/(HC-LC)100]
以下に例示された化合物を本質的に上に記載されたように試験し、以下の活性を示した。
Figure 2022511167000163
(試験例2-4)
BACE2FRET生化学アッセイ
このアッセイは、蛍光共鳴エネルギー移動アッセイ(FRET)に基づくアッセイである。このアッセイの基質は、アミロイド前駆体タンパク質(APP)ベータ-セクレターゼ切断部位の「スウェーデン」Lys-Met/Asn-Leu突然変異を含有する。この基質は、2つ蛍光団も含有し、(7-メトキシクマリン-4-イル)酢酸(Mca)は、320nmの励起波長および405nmの発光波長を有する蛍光ドナーであり、2,4-ジニトロフェノール(Dnp)は有標消光剤アクセプターである。これら2群間の距離は、光により励起されると、ドナー蛍光エネルギーが共鳴エネルギー移動を介してアクセプターにより顕著に消光されるように選択されている。ベータ-セクレターゼにより切断されると、蛍光団Mcaは消光群Dnpから分離され、ドナーの完全な蛍光収量を回復する。蛍光の増加は、タンパク質分解の速度に直線的に関連する。
簡潔には、384ウェルフォーマットにおいて、最終濃度0.4μg/mLの組み換えBACE2タンパク質を、化合物の非存在下または存在下でインキュベーション緩衝液(最終濃度:33.3mMのクエン酸緩衝液、pH5.0、0.033%のPEG、2%のDMSO)中の10μMの基質と共に室温で450分間インキュベートする。次に、タンパク質分解量をT=0およびT=450(励起320nmおよび発光405nm)での蛍光測定により直接測定する。結果をT450とT0の差としてRFU(相対蛍光単位)で表す。
データをScreener(登録商標)(Genedata、Switzerland)の使用によって分析する。データを正規化し、%阻害=100-[(サンプル-LC)/(HC-LC))100]を試験化合物の対数濃度に対してプロットした。曲線を、非線形回帰分析を使用して分析し、IC50値(活性の50%阻害を引き起こす阻害濃度)を個々の曲線から導き出した。

LC=Low control中央値
=Low Control:酵素が非存在下での反応
HC=High control中央値
=High Control:酵素が存在下での反応
%阻害=100-[(サンプル-LC)/(HC-LC)100]
以下に例示された化合物を本質的に上に記載されたように試験し、以下の活性を示した。
Figure 2022511167000164

(試験例2-5)
MIN6細胞におけるBACE2細胞アッセイ
細胞BACE2活性を、MIN6細胞培地に分泌されたTMEM27のレベルをMSDプラットフォームを使用して決定することによって測定した。アッセイは、マウスインスリノーマMIN6細胞発現Flag-V5-TMEM27-HAに基づいている。BACE2がTMEM27を切断すると、V5-Flagタグを有するTMEM27のN末端部分が培地の中に脱落し、この切断生成物の量をMSDアッセイによって測定する。
簡潔には、96ウェルフォーマットにおいて、細胞を化合物の存在下で24時間インキュベートし、続いて培地に分泌されたTMEM27を、FLAG-L5コーティング抗体およびV5検出抗体を使用してMSDにより測定する。TMEM27がマルチアレイマイクロプレートの電極表面で捕捉されると、スルホタグTMと共役した検出抗体が表面に近接しており、一連の還元および酸化反応を介して光を生成する。発光の強度をMSDイメージャーにより測定して、サンプル中の分析物の定量測定を提供する。
データをScreener(登録商標)(Genedata、Switzerland)の使用によって分析する。データを正規化し、%阻害%=100-[(サンプル-LC)/(HC-LC))100]を試験化合物の対数濃度に対してプロットした。曲線を、非線形回帰分析を使用して分析し、IC50値(活性の50%阻害を引き起こす阻害濃度)を個々の曲線から導き出した。
LC=Low control中央値
=Low Control:酵素が非存在下での反応
HC=High control中央値
=High Control:酵素が存在下での反応
%阻害=100-[(サンプル-LC)/(HC-LC)100]
以下に例示された化合物を本質的に上に記載されたように試験し、以下の活性を示した。
Figure 2022511167000165

NDは未決定を意味する。
(試験例3-1:ラット脳内βアミロイド減少作用)
本発明化合物を0.5%メチルセルロースに懸濁させ、最終濃度2mg/mLとなるように調整し、雄性Crl:SDラット(7~9週齢)に対し、1~30mg/kgとなるように経口投与する。媒体対照群は0.5%メチルセルロースのみを投与し、各群3~8匹の動物で投与試験を実施する。投与3時間後に脳を摘出し、大脳半球を摘出し、その重量を測定し、速やかに液体窒素中にて凍結させ、抽出日まで-80℃にて保存する。凍結した大脳半球を氷冷下テフロン(登録商標)製ホモゲナイザーに移し、重量の5倍容量の抽出バッファー(1%CHAPS({3-[(3-クロルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホネート})、20mmol/L Tris-HCl(pH8.0)、150mmol/L NaCl、Complete(Roche社製)プロテアーゼ阻害剤含有)を加え、上下動を繰り返し2分間ホモゲナイズして可溶化する。懸濁液を遠心用のチューブに移し、3時間以上氷上にて放置し、その後、200,000×g、4℃、20分間遠心する。遠心後、上清をβアミロイド40測定用のELISAプレート(和光純薬工業製:製品番号294-62501)に移す。ELISA測定は添付の説明書に従い行う。減少作用は各試験の基剤対照群の脳内βアミロイド40レベルに対する比として算出する。
(試験例3-2:マウス脳内βアミロイド減少作用)
本発明化合物を20%ヒドロキシルベータシクロデキストリンに溶解し、最終濃度2mg/mLとなるように調整し、Crl:CD1(ICR)雄マウス(6~8週齢)に対し、1~30mg/kgとなるように経口投与した。媒体対照群は20%ヒドロキシルベータシクロデキストリンのみを投与し、各群3~6匹で投与試験を実施した。投与1~6時間後に脳を摘出し、大脳半球を摘出し、その重量を測定し、速やかに液体窒素中にて凍結させ、抽出日まで-80℃にて保存した。
凍結した大脳半球を、8倍容量の抽出バッファー(0.4%DEA(ジエチルアミン)、50mmol/L NaCl、Completeプロテアーゼ阻害剤(Roche社製)含有)とセラミックビーズが入ったホモジナイズチューブに移し、20分間氷上でインキュベートした。その後、MP BIO FastPrep(登録商標)-24を用い、Lysing matrix D(1.4mmセラミックビーズ)でホモジナイズした(6m/秒、20秒間)。次いで、チューブを1分間遠心沈殿させ、上清を遠心用のチューブに移し、221,000xg、4℃、50分間遠心した。遠心後、総βアミロイド測定のため、上清をβアミロイドのN末端に対する抗体でコートしたNuncマキシソープ(登録商標)プレート(Thermo Fisher Scientific社製)に移し、4℃で一晩インキュベートした。プレートをTBS-T(0.05% Triton X-100含有トリス緩衝食塩水)で洗浄し、0.1%カゼインを含むPBS(pH7.4)に溶解したHRP標識4G8をプレートに添加し4℃で1時間インキュベートした。TBS-Tで洗浄後、SuperSignal ELISAルミノメーター用化学発光基質(Pico Chemiluminescent Substrate)(Thermo Scientific社製)をプレートに添加した。次いで、化学発光をARVO(登録商標)MX1420マルチラベルカウンター(Perkin Elmer社製)で速やかに測定した。減少作用は各試験の基剤対照群の脳内総βアミロイドに対する比として算出した。
(試験例4-1:CYP3A4蛍光MBI試験)
CYP3A4蛍光MBI試験は、代謝反応による化合物のCYP3A4阻害の増強を調べる試験である。CYP3A4酵素(大腸菌発現酵素)により7-ベンジルオキシトリフルオロメチルクマリン(7-BFC)が脱ベンジル化され、蛍光を発する代謝物7-ハイドロキシトリフルオロメチルクマリン(7-HFC)が生じる。7-HFC生成反応を標識反応として試験を実施する。
反応条件は以下のとおりである:基質、5.6μmol/L 7-BFC;プレ反応時間、0または30分;基質反応時間、15分;反応温度、25℃(室温);CYP3A4含量(大腸菌発現酵素)、プレ反応時62.5pmol/mL、反応時6.25pmol/mL(10倍希釈);本発明化合物濃度、0.625、1.25、2.5、5、10、20μmol/L(6点)。
96ウェルプレートにプレ反応液として、酵素を含むK-Pi緩衝液(pH7.4)および本発明化合物溶液をプレ反応の組成で加える。別の96ウェルプレートにプレ反応液の一部を移し、基質を含むK-Pi緩衝液で10倍希釈する。補酵素であるNADPHを添加して標識反応を開始する(プレインキュベーション無)。所定時間の標識反応後、アセトニトリル/0.5mol/L Tris(トリスヒドロキシアミノメタン)=4/1(v/v)溶液を加えることによって標識反応を停止した。また残りのプレ反応液にもNADPHを添加してプレ反応を開始する(プレインキュベーション有)。所定時間のプレ反応後、別の96ウェルプレートに一部を移し、基質を含むK-Pi緩衝液で10倍希釈して標識反応を開始する。所定時間の標識反応後、アセトニトリル/0.5mol/L Tris(トリスヒドロキシアミノメタン)=4/1(v/v)溶液を加えることによって標識反応を停止した。それぞれの標識反応を行ったプレートにおいて、代謝物である7-HFCの蛍光値を蛍光プレートリーダーで測定する(Ex=420nm、Em=535nm)。
DMSOが本発明化合物を溶解する溶媒として用いられるため、本発明化合物溶液の代わりにDMSOを反応系に添加したサンプルをコントロール(100%)とした。溶液として加えられた本発明化合物のそれぞれの濃度における残存活性(%)を算出し、濃度と阻害率を用いて、ロジスティックモデルによる逆推定によりIC50値を算出する。プレインキュベーション無のIC50値からプレインキュベーション有のIC50値を引いて求めた差が5μM以上の場合を陽性(+)とした。差が3μM以下の場合を陰性(-)とした。
(試験例4-2:CYP3A4(MDZ)MBI試験)
CYP3A4(MDZ)MBI試験は、化合物のCYP3A4阻害に関して機序に基づく阻害(MBI)能を評価する試験である。CYP3A4阻害は、プールされたヒト肝ミクロソームによるミダゾラム(MDZ)の1-水酸化反応を標識反応として用いて評価する。
反応条件は以下のとおりであった:基質、10μmol/L MDZ;プレ反応時間、0または30分;基質反応時間、2分;反応温度、37℃;プールされたヒト肝ミクロソームのタンパク質含量、プレ反応時0.5mg/mL、反応時0.05pmg/mL(10倍希釈時);本発明化合物濃度、1、5、10、20μmol/L(4点)。
96ウェルプレートにプレ反応液として、K-Pi緩衝液(pH7.4)中にプールしたヒト肝ミクロソーム、および本発明化合物溶液をプレ反応の組成で加えた。別の96ウェルプレートにプレ反応液の一部を移し、基質を含むK-Pi緩衝液で10倍希釈した。補酵素であるNADPHを添加して標識反応を開始した(プレインキュベーション無)。所定時間の標識反応後、メタノール/アセトニトリル=1/1(v/v)溶液を加えることによって標識反応を停止した。また残りのプレ反応液にもNADPHを添加してプレ反応を開始した(プレインキュベーション有)。所定時間のプレ反応後、別の96ウェルプレートに一部を移し、基質を含むK-Pi緩衝液で10倍希釈して標識反応を開始した。所定時間の標識反応後、メタノール/アセトニトリル=1/1(v/v)溶液を加えることによって標識反応を停止した。3000rpmで15分間遠心した後、上清中の1-ヒドロキシミダゾラムをLC/MS/MSにより定量する。
DMSOが本発明化合物を溶解した溶媒として用いられるため、本発明化合物溶液の代わりに、DMSOを反応系に添加したサンプルをコントロール(100%)とした。溶液として加えられた本発明化合物のそれぞれの濃度における残存活性(%)を算出し、濃度と阻害率を用いて、ロジスティックモデルによる逆推定によりIC50値を算出した。「プレインキュベーション無のIC値(0分)/プレインキュベーション有のIC値(30分)」を、Shifted IC値として算出した。Shifted IC値が1.5以上の場合を陽性とし、Shifted IC値が1.1以下の場合を陰性とした。
Figure 2022511167000166
(試験例5:CYP阻害試験)
CYP阻害試験は、ヒト肝ミクロソームのCYP酵素の典型的基質代謝反応に対する本発明化合物の阻害効果を評価する試験である。ヒト主要CYP5酵素(CYP1A2、2C9、2C19、2D6、および3A4)の標識反応として以下を用いた;7-エトキシレゾルフィンのO-脱エチル化(CYP1A2)、トルブタミドのメチル-水酸化(CYP2C9)、メフェニトインの4’-水酸化(CYP2C19)、デキストロメトルファンのO脱メチル化(CYP2D6)、およびテルフェナジンの水酸化(CYP3A4)。市販のプールされたヒト肝ミクロソームを酵素源として用いた。
反応条件は以下のとおりであった:基質、0.5μmol/L エトキシレゾルフィン(CYP1A2)、100μmol/L トルブタミド(CYP2C9)、50μmol/L S-メフェニトイン(CYP2C19)、5μmol/L デキストロメトルファン(CYP2D6)、1μmol/L テルフェナジン(CYP3A4);反応時間、15分;反応温度、37℃;酵素、プールされたヒト肝ミクロソーム 0.2mg タンパク質/mL;本発明化合物濃度、1、5、10、20μmol/L(4点)。
96ウェルプレートに反応溶液として、50mmol/L Hepes緩衝液中に5種の基質、ヒト肝ミクロソーム、および本発明化合物溶液を上記組成で加えた。補酵素であるNADPHをこの96ウェルプレートに添加して標識反応を開始した。37℃、15分間反応させた後、メタノール/アセトニトリル=1/1(v/v)溶液を添加することで標識反応を停止した。3000rpm、15分間の遠心操作後、上清中のレゾルフィン(CYP1A2代謝物)を蛍光プレートリーダーまたはLC/MS/MSで定量し、ヒドロキシトルブタミド(CYP2C9代謝物)、4’-ヒドロキシメフェニトイン(CYP2C19代謝物)、デキストロルファン(CYP2D6代謝物)、およびテルフェナジンアルコール代謝物(CYP3A4代謝物)をLC/MS/MSで定量した。
DMSOが本発明化合物を溶解した溶媒として用いられるため、本発明化合物溶液の代わりに、DMSOを反応系に添加したサンプルをコントロール(100%)とした。本発明化合物のそれぞれの濃度での残存活性(%)を算出し、濃度と阻害率を用いて、ロジスティックモデルによる逆推定によりIC50値を算出した。
(試験例6:Fluctuation Ames試験)
凍結保存しているネズミチフス菌(Salmonella typhimurium TA98株、およびTA100株)それぞれ20μLを、10mLの液体栄養培地(2.5% Oxoid nutrient broth No.2)に接種し、培養液を37℃にて10時間、振盪培養する。7.70~8.00mLのTA98株培養液を遠心(2000×g、10分間)して培地を除去し、7.70mLのMicro F緩衝液(KHPO:3.5g/L、KHPO:1g/L、(NHSO:1g/L、クエン酸三ナトリウム二水和物:0.25g/L、MgSO・7H0:0.1g/L)に菌を懸濁し、懸濁液を120mLのExposure培地(ビオチン:8μg/mL、ヒスチジン:0.2μg/mL、グルコース:8mg/mLを含むMicro F緩衝液)に添加する。3.10~3.42mLのTA100培養液をExposure培地130mLに添加して、試験菌液を調製する。本発明化合物DMSO溶液(最高用量50mg/mLから2~3倍比で数段階希釈)、陰性対照としてDMSO、TA98の非代謝活性化条件の陽性対照として50μg/mLの4-ニトロキノリン-1-オキシドDMSO溶液、TA100の非代謝活性化条件の陽性対照として0.25μg/mLの2-(2-フリル)-3-(5-ニトロ-2-フリル)アクリルアミドDMSO溶液、TA98の代謝活性化条件の陽性対照として40μg/mLの2-アミノアントラセンDMSO溶液、またはTA100の代謝活性化条件の陽性対照として20μg/mLの2-アミノアントラセンDMSO溶液それぞれ12μLと試験菌液588μL(代謝活性化条件では試験菌液498μLとS9mix 90μLの混合液)を混和する。混合液を37℃にて90分間、振盪培養する。本発明化合物に曝露した菌液460μLを、Indicator培地(ビオチン:8μg/mL、ヒスチジン:0.2μg/mL、グルコース:8mg/mL、ブロモクレゾールパープル:37.5μg/mLを含むMicro F緩衝液)2300μLに混和し、50μLずつマイクロプレート48ウェル/用量に分注し、37℃にて3日間、静置培養する。アミノ酸(ヒスチジン)合成酵素をコードする遺伝子の突然変異によって増殖能を獲得した菌を含むウェルは、pH変化により紫色から黄色に変色する。1用量あたり全48ウェル中の黄色に変色したウェルを計数し、陰性対照群と比較して変異原性を評価する。変異原性が陰性のものを(-)、陽性のものを(+)として示す。
(試験例7:溶解度試験)
各本発明化合物の溶解度は、1%DMSO添加条件下で測定した。DMSOにて10mmol/L化合物溶液を調製し、JP-1液(塩化ナトリウム2.0g、および塩酸7.0mLに水を加えて1000mLとした)、およびJP-2液(リン酸二水素カリウム3.40gおよび無水リン酸水素二ナトリウム3.55gを水に溶かし1000mLとしたもの1容量に水1容量を加えた)198μLに本発明化合物溶液2μLをそれぞれ添加した。混合液を25℃で16時間静置または室温で1時間振盪させた後、混合液を吸引ろ過した。ろ液をメタノール/水=1/1(v/v)またはMeCN/MeOH/HO(=1/1/2)により10または100倍希釈し、LC/MSまたは固相抽出(SPE)/MSを用いて絶対検量線法によりろ液中の化合物濃度を測定した。
(試験例8:代謝安定性試験)
市販のプールヒト肝ミクロソームと本発明化合物を一定時間反応させ、反応サンプルと未反応サンプルの比較により残存率を算出し、それによって肝臓で代謝される程度を評価した。
ヒト肝ミクロソーム0.5mgタンパク質/mLを含む0.2mLの緩衝液(50mmol/L Tris-HCl pH7.4、150mmol/L 塩化カリウム、10mmol/L 塩化マグネシウム)中で、1mmol/L NADPH存在下で37℃、0分または30分間反応させた(酸化的反応)。反応後、メタノール/アセトニトリル=1/1(v/v)溶液100μLに反応液50μLを添加、混合し、3000rpmで15分間遠心した。上清中の本発明化合物をLC/MS/MSまたは固相抽出(SPE)/MSにて定量し、反応後の本発明化合物の残存量を、0分反応時の化合物量を100%として算出した。
(試験例9:hERG試験)
心電図QT間隔延長リスク評価を目的として、ヒト遅延整流性カリウムイオンチャネル遺伝子(human ether-a-go-go related gene)(hERG)チャネルを発現させたCHO細胞を用いて、心室再分極過程に重要な役割を果たす遅延整流K+電流(IKr)に対する本発明化合物の効果を検討した。
全自動パッチクランプシステム(QPatch;Sophion Bioscience A/S)を用い、ホールセルパッチクランプ法により、細胞を-80mVの膜電位に保持した。-50mVのリーク電位を与えた後、+20mVの脱分極刺激を2秒間、さらに-50mVの再分極刺激を2秒間与えた際に誘発されるIKrを記録した。
発生する電流が安定した後、本発明化合物を目的の濃度で溶解させた細胞外液(NaCl:145mmol/L、KCl:4mmol/L、CaCl:2mmol/L、MgCl:1mmol/L、HEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸):10mmol/L、グルコース:10mmol/L,pH=7.4)を室温条件下で、10分間細胞に適用させた。記録されたIKrから、解析ソフト(QPatch assay software;Sophion Bioscience A/S)を使用して、保持膜電位における電流値を基準に最大テール電流の絶対値を測定した。さらに、本発明化合物適用前の最大テール電流に対する阻害率を算出し、媒体適用群(0.1%ジメチルスルホキシド溶液)と比較して、本発明化合物のIKrへの影響を評価した。
(試験例10:粉末溶解度試験)
適当な容器に本発明化合物を適量入れる。各容器にJP-1液(塩化ナトリウム2.0g、塩酸7.0mLに水を加えて1000mLとする)200μL、JP-2液(リン酸二水素カリウム3.40gおよび無水リン酸水素二ナトリウム3.55gを水に溶かし1000mLとしたもの1容量に水1容量を加える)200μL、空腹時人工腸液(fasted state simulated intestinal fluid:FaSSIF)200μL、および摂食時人工腸液(fed state simulated intestinal fluid:FeSSIF)200μLを添加する。試験液添加後に本発明化合物の全量が溶解した場合には、適宜、本発明化合物を追加する。容器を密閉し、37℃で1時間および/または24時間振盪する。混合液をろ過し、各ろ液(100μL)にメタノール100μLを添加して、ろ液の2倍希釈 を行う。希釈倍率は、必要に応じて変更してもよい。希釈液に気泡および析出物がないかを確認後、容器を密閉し、振盪する。絶対検量線法によりHPLCを用いて本発明化合物を定量する。
(試験例11:薬物動態試験)
経口吸収性の検討実験材料と方法
(1)使用動物:マウスまたはラット
(2)飼育条件:マウスまたはラットは、水道水および固形飼料を自由摂取させた。
(3)用量およびグループ分けの設定:経口投与、または静脈内投与を所定の用量により投与した。グループ分けは以下の通りであった(用量は化合物に依存する)。
経口投与:約1~30mg/kg(n=2~3)
静脈内投与:約0.5~10mg/kg(n=2~3)
(4)投与製剤:経口投与には溶液または懸濁液の状態で。静脈内投与には可溶化状態で。
(5)投与方法:経口投与では、フレキシブル経口ゾンデを付けたシリンジにより強制的に投与した。静脈内投与では、注射針を付けたシリンジにより尾静脈から投与した。
(6)評価項目:予定時刻に採血し、本発明化合物の血漿中濃度をLC/MS/MSを用いて測定した。
(7)統計解析:血漿中本発明化合物濃度推移について、台形法を用いて血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC)を算出し、経口投与群と静脈内投与群のAUCから本発明化合物のバイオアベイラビリティ(BA)を算出した。
(試験例12:脳移行性試験)
ラットに約0.5mg/mL/kgの投与量で本発明化合物を静脈内投与した。30分後にイソフルラン麻酔下で腹大動脈より全採血により放血死させた。
脳を摘出し、蒸留水で20~25%のそのホモジネートを調製した。
得られた血液は遠心処理後、血漿とした。脳サンプルにはコントロール血漿を1:1で添加した。血漿サンプルにはコントロール脳ホモジネートを1:1で添加した。それぞれのサンプルをLC/MS/MSを用いて測定した。得られた測定時の面積比(脳/血漿)を脳Kp値とした。
(試験例13:Ames試験)
サルモネラ菌(Salmonella typhimurium)TA98、TA100、TA1535、TA1537および大腸菌(Escherichia coli)WP2uvrAを試験菌株として用い、プレインキュベーション法による非代謝活性化条件下または代謝活性化条件下においてAmes試験を実施して、本発明化合物の遺伝子突然変異誘発性の有無を調べる。
(試験例14:P-gp基質試験)
1.細胞株:
a.MDR1/LLC-PK1(ベクトン・ディッキンソン)
b.LLC-PK1(ベクトン・ディッキンソン)
2.基準基質:
a.ジゴキシン(2μM)
方法および手順
1.MDR1発現LLC-PK1細胞およびその親細胞をA培地(199培地(インビトロジェン)に10%FBS(インビトロジェン)、ゲンタマイシン(0.05mg/mL、インビトロジェン)およびハイグロマイシンB(100μg/mL、インビトロジェン)を補充)で37℃、5%CO/95%Oガス下で通常培養した。輸送実験のため、これらの細胞はトランスウェル(商標)インサート(96ウェル、孔径:0.4μm、コースター)に1.4×10細胞/インサートの密度で播種し、B培地(199培地に10%FBSおよびゲンタマイシン0.05mg/mLを補充)をフィーダートレイに添加した。これらの細胞はCOインキュベーター(5%CO/95%Oガス、37℃)でインキュベートし、播種後48~72時間ごとに頂端側および側底側の培地を交換した。これらの細胞を播種後4~6日で使用した。
2.MDR1発現細胞または親細胞を播種した培養インサートの培地を吸引により除き、HBSSでリンスした。頂端側(140μL)または側底側(175μL)を、基準基質および本発明化合物を含む輸送バッファーで置換し、その後、基準基質および本発明化合物の初期濃度を求めるために,ドナー側の一定分量(50μL)の輸送バッファーを採取した。37℃で一定時間インキュベーションした後、ドナー側およびレシーバー側の一定分量(50μL)の輸送バッファーを採取した。アッセイは2回または3回繰り返し実施した。
3.一定分量中の基準基質および本発明化合物を、LC/MS/MSを用いて定量した。
計算
単層のMDR1発現細胞と親細胞を通過した膜透過量を決定し、膜透過係数(Pe)をExcel 2003を用い、以下の式により算出した:
Pe(cm/秒)=膜透過量(pmol)/細胞膜面積(cm)/初期濃度(nM)/インキュベーション時間(秒)
ここで、膜透過量は所定時間(秒)のインキュベーション後の基質の透過濃度(nM、レシーバー側の濃度)に量(mL)を乗じて算出し、細胞膜面積は0.1433(cm)とした。
外向きフラックス比(Efflux Ratio)は以下の式により算出した:
Efflux Ratio=側底側から頂端側方向のPe/頂端側から側底側方向のPe
正味フラックス(Net flux)は以下の式により算出した:
Net flux=MDR1発現細胞のEfflux Ratio/親細胞のEfflux Ratio
(試験例15:P-gp輸送に対する阻害効果)
材料
1.細胞株:
a.MDR1/LLC-PK1(ベクトン・ディッキンソン)
b.LLC-PK1(ベクトン・ディッキンソン)
2.基準基質:
a.[H]ジゴキシン(1μM)
b.[14C]マンニトール(1μM)
3.基準阻害物質:
ベラパミル(1μM)
方法および手順
1.MDR1発現LLC-PK1細胞およびその親細胞をA培地(199培地(インビトロジェン)に10%FBS(インビトロジェン)、ゲンタマイシン(0.05mg/mL、インビトロジェン)およびハイグロマイシンB(100μg/mL、インビトロジェン)を補充)で37℃、5%CO/95%Oガス下で通常培養する。輸送実験のため、これらの細胞はトランスウェル(商標)インサート(96ウェル、孔径:0.4μm、コースター)に1.4×10細胞/インサートの密度で播種し、B培地(199培地に10%FBSおよびゲンタマイシン0.05mg/mLを補充)をフィーダートレイに添加する。これらの細胞はCOインキュベーター(5%CO/95%Oガス、37℃)でインキュベートし、播種後48~72時間ごとに頂端側および側底側の培地を交換する。これらの細胞を播種後6~9日で使用する。
2.MDR1発現細胞または親細胞を播種した培養インサートの培地を吸引により除き、HBSSでリンスする。頂端側(150μL)または側底側(200μL)を、基準基質を含み、本発明化合物の存在下または非存在下の輸送バッファーで置換し、その後、基準基質の初期濃度を求めるために、ドナー側の一定分量(50μL)の輸送バッファーを採取する。37℃で一定時間インキュベーションした後、ドナー側およびレシーバー側の一定分量(50μL)の輸送バッファーを採取する。アッセイは3回繰り返し実施する。
3.一定分量(50μL)の輸送バッファーを5mLのシンチレーションカクテルと混合し、液体シンチレーションカウンターにより放射能を測定する。
計算
単層のMDR1発現細胞と親細胞を通過した膜透過量を決定し、膜透過係数(Pe)をExcel 2003を用い、以下の式により算出する:
Pe(cm/秒)=膜透過量(pmol)/細胞膜面積(cm)/初期濃度(nM)/インキュベーション時間(秒)
ここで、膜透過量は所定時間(秒)のインキュベーション後の基質の透過濃度(nM、レシーバー側の濃度)に量(mL)を乗じて算出し、細胞膜面積は0.33(cm)とする。
外向きフラックス比は以下の式により算出する:
Efflux Ratio=側底側から頂端側方向のPe/頂端側から側底側方向のPe
正味フラックスは以下の式により算出する:
Net flux=MDR1発現細胞のEfflux Ratio/親細胞のEfflux Ratio
コントロールに対する%は、本発明化合物存在下の基準化合物対非存在下の基準化合物の正味フラックス比として求める。
IC50値は曲線適合プログラムXLfitを用いて算出する。
(試験例16:mdr1a/1b(-/-)B6マウスを用いたP-gp基質試験)
材料
動物:mdr1a/1b(-/-)B6マウス(KOマウス)またはC57BL/6Jマウス(野生型マウス)
方法および手順
1.動物は本発明化合物の投与前に食餌を摂取させてもよい。
2.本発明化合物は3匹の動物に各時点で投与し、血液および脳サンプルは投与後の所定時点(例:15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間または24時間)で採取する。血液(0.3~0.7mL)は血液凝固防止剤(EDTAおよびヘパリン)を含むシリンジを用い、体幹採血で採取する。血液および組織(脳など)サンプルは直ちに氷冷する。
3.血液サンプルは遠心(1780xg、10分間)し細胞を除去して、血漿を得る。その後、血漿サンプルを清潔なチューブに移し、分析するまで-70℃の冷凍庫で保存する。
4.組織(脳など)サンプルは組織重量:蒸留水(ml)比=1:3でホモジナイズし、清潔なチューブに移し、分析するまで-70℃の冷凍庫で保存する。
5.血漿および組織(脳など)サンプルをタンパク質沈殿を用いて調製し、LC/MS/MSで分析する。解析方法は、ブランクの血漿または脳サンプルと既知量の分析物で構築した標準曲線を含めることにより較正する。測定法の真度および精度の確認を行うためにクオリティーコントロール用サンプルを用いる。
6.血漿および脳の濃度値(ng/mLおよびng/g)を、薬物動態パラメーターを算出するための適切な数学的ツールに導入する。一般的なプラットフォームは、WinNonlin(登録商標)薬物動態解析ソフトウェアモデル化プログラムである。
計算
Kp;組織/血漿中濃度比
Kp比=KOマウスのKp値/野生型マウスのKp値
組織AUC/血漿AUCのKO/野生型比
={組織AUC/血漿AUC(KOマウス)}/{組織AUC/血漿AUC(野生型マウス)}
(試験例17:麻酔モルモット心血管系試験)
動物種:モルモット(Slc:Hartley、4~5週齢、雄性)、N=4
試験デザイン:
投与量:3、10および30mg/kg(原則)
(本発明化合物は累積的に投与する)
製剤:
媒体組成:ジメチルアセトアミド(DMA):ポリエチレングリコール400(PEG400):蒸留水(D.W.)=1:7:2(原則)
本発明化合物をDMAに溶解し、次いで、PEG400および蒸留水(D.W.)を添加する。最終的に、1.5、5および15mg/mL溶液を調製する。
投与経路および投与スケジュール:
10分間の静脈内注射(2mL/kg)
0~10分:3mg/kg、30~40分:10mg/kg、60~70分:30mg/kg
媒体も上記と同様のスケジュールで投与する。
群の構成:
媒体群および本発明化合物群(各群4匹のモルモット)
評価方法:
評価項目:
平均血圧(mmHg)、心拍数(血圧波形より計測(拍/分))、QTc(ms)およびトキシコキネティクス
試験手順:
モルモットをウレタン(1.4g/kg,i.p.)による麻酔下におき、ポリエチレンチューブを頸動脈(血圧測定および血液サンプリングのため)および頸静脈(試験化合物の注入のため)に挿入する。電極を皮下に装着する(第II誘導)。血圧、心拍数および心電図(ECG)をPowerLab(登録商標)システム(ADInstruments)を用いて測定する。
トキシコキネティクス:
各評価時点で、約0.3mLの血液(血漿として約120μL)を頸動脈からヘパリンナトリウムを含むシリンジを用いて採取し、直ちに氷冷する。遠心(4℃、10000rpm、9300×g、2分)して血漿サンプルを得る。血漿の分離手順は氷冷下または4℃で行う。得られた血漿(TKサンプル)は超低温庫(設定温度:-80℃)で保管する。
分析方法:平均血圧および心拍数は各評価時点で30秒間の平均値をとる。ECGパラメーター(QT間隔(ms)およびQTc)は評価時点における10秒間の連続拍動の平均波形より計測する。QTc(Fridericiaの補正式;QTc=QT/(RR)1/3))はPowerLab(登録商標)システムを用いて算出する。不整脈の発生率は4匹の全動物において、(投与0.5時間前から試験終了までの)すべてのECG記録から目視で評価する。
評価時点:
前(投与前)ならびに最初の投与から10、25、40、55、70および85分後
QTcデータ解析:
投与前値からのQTcの変化率(%)を算出する(投与前値を100%とみなす)。同一の評価時点において、相対するQTcを媒体値と比較する。
(試験例18-1:ビーグル犬における薬理試験)
単回投与後のイヌの脳脊髄液(CSF)のβアミロイドプロファイルに対する影響を評価するために、薬物動態(PK)フォローアップおよび一部の安全性の評価と併せて、試験化合物を試験した。
以下に示す化合物において、2匹のビーグル犬(雄性1匹、雌性1匹)に対し、媒体(20%シクロデキストリン水溶液1mL/kg)を投与し、4匹のビーグル犬(雄性2匹、雌性2匹)に対し、以下の表に示す投与量(mg/kgで表す用量と同一のmg/mLで表される20%シクロデキストリン水溶液媒体)の試験化合物を空腹状態で投与した。
投与前ならびに投与から4、8、25および49時間後、頭蓋骨に挿入され、皮下組織及び皮膚で覆われたカニューレを通じ、無麻酔の動物の側脳室からCSFを直接採取した。投与から8時間後、動物は30分間の通常食餌が与えられた。PKフォローアップ用に(0.5、1、2、4、8、25および49時間に)血液を採取し、生化学試験用に血清サンプルを投与前ならびに投与から8、および25時間後に採取した。CSFサンプルは、Aβ1-37、Aβ1-38、Aβ1-40およびAβ1-42の測定に使用した。結果を以下の表にまとめる。
Figure 2022511167000167

減少率は、8時間後および影響のある減少(20%超の減少率)が観察された最終時点を示す。
(試験例18-2:ビーグル犬における薬理試験)
単回投与後のイヌの脳脊髄液(CSF)のβアミロイドプロファイルに対する影響を評価するために、薬物動態(PK)フォローアップおよび一部の安全性の評価と併せて、試験化合物を試験した。
化合物II-6またはII-10のそれぞれにおいて、4匹のビーグル犬(雄2匹、雌2匹)に媒体(1mL/kgの20%シクロデキストリン水溶液)を投与し、12匹にビーグル犬(1投与群あたり雄2匹および雌2匹)に試験化合物を以下のように投与した。
Figure 2022511167000168


化合物II-2、II-3、およびII-18においては、2匹のビーグル犬(雄1匹、雌1匹)に対し、媒体(1mL/kgの20%シクロデキストリン水溶液)を投与し、4匹のビーグル犬(雄2匹、雌2匹)に対し、以下の表に示す投与量(mg/kgで表す用量と同一のmg/mLで表される20%シクロデキストリン水溶液媒体)の試験化合物(II-2、II-3、またはII-18)を空腹状態で投与した。

投与前ならびに投与から4、8、25および49時間後、頭蓋骨に挿入され、皮下組織及び皮膚で覆われたカニューレを通じ、無麻酔の動物の側脳室からCSFを直接採取した。投与から8時間後、動物は30分間の通常食餌が与えられた。PKフォローアップ用に(0.5、1、2、4、8、25および49時間に)血液を採取し、生化学試験用に血清サンプルを投与前ならびに投与から8、および25時間後に採取した。CSFサンプルは、Aβ1-37、Aβ1-38、Aβ1-40およびAβ1-42の測定に使用した。結果を以下の表にまとめる。
Figure 2022511167000169

減少率は、8時間後および影響のある減少(20%超の減少率)が観察された最終時点を示す。
(試験例19:ダンシルGSHトラッピング試験)
ダンシルグルタチオン(グルタチオン)トラッピング試験は、反応性代謝物を調べる試験である。
反応条件は以下のとおりであった:基質、50μmol/L 本発明化合物;トラッピング剤、0.1mmol/L ダンシルGSH;プールヒト肝ミクロソームのタンパク質含量、1mg/mL;プレ反応時間、5分;反応時間、60分;反応温度、37℃。
96ウェルプレートにプレ反応液としてK-Pi緩衝液(pH7.4)中にプールヒト肝ミクロソーム、および本発明化合物溶液を加えた。補酵素であるNADPHを添加して反応を開始した。所定時間の反応後、別の96ウェルプレートに一部を移行し、5mmol/Lジチオスレイトールを含むアセトニトリル溶液を加えることによって反応を停止した。3000rpmで15分間遠心した後、ダンシルGSHと結合した代謝物の蛍光ピーク面積を、HPLCを用いて蛍光検出により定量した。
(試験例20:[14C]-KCNトラッピング試験)
14C]-シアン化カリウム(KCN)トラッピング試験は、反応性代謝物を調べる試験である。
反応条件は以下のとおりであった:基質、10または50μmol/L 本発明化合物;トラッピング剤、1mmol/L [14C]-KCN(11.7μCi/チューブ);プールヒト肝ミクロソームのタンパク質含量、1mg/mL;プレ反応時間、5分;反応時間、60分;反応温度、37℃。
96ウェルプレートにプレ反応液としてK-Pi緩衝液(pH7.4)中にプールヒト肝ミクロソーム、および本発明化合物溶液を加えた。補酵素であるNADPHを添加して反応を開始した。所定時間後、代謝反応を停止し、スピンカラムによって[14C]-KCNと結合した代謝物をメタノール溶液100μLに抽出した。[14C]-KCN捕捉代謝物の放射ピーク面積をRadio-HPLCシステムにより定量する。
製剤例
以下の製剤例は単なる例示であり、本発明の範囲の限定を意図するものではない。
製剤例1:錠剤
本発明の化合物 15mg
乳糖 15mg
ステアリン酸カルシウム 3mg
ステアリン酸カルシウムを除いて、上記の成分を全て均一に混合する。次いで混合物を粉砕、造粒および乾燥して、適切なサイズの顆粒を得る。次いでステアリン酸カルシウムを顆粒に加える。最後に錠剤化を圧縮力下で実施する。
製剤例2:カプセル剤
本発明の化合物 10mg
ステアリン酸マグネシウム 10mg
乳糖 80mg
上記の成分を均一に混合して、粉末また細粒を得て、次いで得られた混合物をカプセルに充填する。
製剤例3:顆粒剤
本発明の化合物 30g
乳糖 265g
ステアリン酸マグネシウム 5g
上記の成分を均一に混合した後、混合物を圧縮する。圧縮した物質を粉砕、造粒および篩別して、適切なサイズの顆粒剤を得る。
製剤例4:口腔内崩壊錠
本発明の化合物および結晶セルロースを混合し、造粒し、錠剤を作製して、口腔内崩壊錠にする。
製剤例5:ドライシロップ剤
本発明の化合物および乳糖を混合し、粉砕、造粒および篩別して、適切なサイズのドライシロップ剤を得る。
製剤例6:注射剤
本発明の化合物およびリン酸緩衝液を混合して、注射剤を得る。
製剤例7:注入剤
本発明の化合物およびリン酸緩衝液を混合して、注射剤を得る。
製剤例8:吸入剤
本発明の化合物および乳糖を混合し、細かく粉砕して、吸入剤を得る。
製剤例9:軟膏剤
本発明の化合物およびワセリンを混合して、軟膏剤を得る。
製剤例10:貼付剤
本発明の化合物および粘着プラスターなどの基剤を混合して、貼付剤を得る。
本発明の化合物は、アミロイドβタンパク質の産生、分泌および/または沈着により誘発される疾患の治療または予防剤として有用な医薬となり得る。

Claims (21)

  1. 式(IA)、(IB)または(IC):
    Figure 2022511167000170

    (式中、
    Figure 2022511167000171

    であり;
    Figure 2022511167000172

    であり;
    -A-は、1個以上のハロゲンで置換されていてもよいアルキレンであり;
    は、水素原子、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、またはアミノであり;
    は、置換または非置換のアルキルであり;
    およびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、アルキル、またはハロアルキルであり;
    は、水素原子またはハロゲンであり;
    は、NまたはCRであり、ここでRは、水素原子、ハロゲン、または置換もしくは非置換のアルキルであり;
    は、CR18であり;
    18は、水素原子であり;
    およびAは、両方が同時にNであることはなく;
    は、NRまたはCRであり;
    は、置換または非置換のアルキルであり;
    およびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、アルキル、またはハロアルキルであり;
    、R、R、R、およびRは、(i)~(iv):
    (i)Rと、RおよびRの1個は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環または複素環を形成してもよい;
    (ii)RおよびRの1個と、RおよびRの1個は、アルキレンを形成してもよく、アルキレンの各炭素原子は、酸素原子または窒素原子に置き換えられていてもよく、アルキレンの炭素原子は、それぞれ独立して、Rから選択される1個以上の基で置換され;アルキレンの窒素原子は、Rから選択される1個以上の基でそれぞれ置換され;
    は、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、または置換もしくは非置換のアルキルであり;
    は、水素原子、または置換もしくは非置換のアルキルである;
    (iii)RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環または複素環を形成してもよい;
    (iv)RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環または複素環を形成してもよい、の1つであってもよく;
    14は、それぞれ独立して、(ハロゲン、シアノ、アルキルオキシ、ハロアルキルオキシおよび非芳香族炭素環式基)から選択される1個以上の基で置換されていてもよいアルキル;または1個以上のアルキルで置換されていてもよいヘテロアリールであり;
    同一の炭素原子に結合している2個のR14は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ハロゲン、アルキル、およびハロアルキルから選択される1個以上の基で置換されていてもよい3~5員非芳香族炭素環を形成してもよく;
    tは、0~3の整数であり;
    15は、ハロゲンから選択される1個以上の基で置換されていてもよいアルキルであり;
    16は、置換もしくは非置換のアルキル、または非芳香族炭素環式基である)
    で示される化合物またはその製薬上許容される塩。
  2. 式(IA-2):
    Figure 2022511167000173

    (式中、
    は、NまたはCRであり;他の記号は請求項1と同義である)
    で示される、請求項1に記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  3. -A-が、
    (i)-CH-、
    (ii)-CH-CH-、
    (iii)-CH-CH-CH-、
    (iv)-CD-、
    (v)-CD-CD-、
    (vi)-CD-CD-CD-、
    (vii)-CF-、
    (viii)-CF-CH-、
    (ix)-CH-CF-、
    (x)-CF-CH-CH-、
    (xi)-CH-CF-CH-、
    (xii)-CH-CH-CF-、
    (xiii)-CHF-、
    (xiv)-CHF-CH-、
    (xv)-CH-CHF-、
    (xvi)-CHF-CH-CH-、
    (xvii)-CH-CHF-CH-、
    (xviii)-CH-CH-CHF-、
    (xix)-CH(Me)-、
    (xx)-CH(Me)-CH-、
    (xxi)-CH-CH(Me)-、
    (xxii)-CH(Me)-CH-CH
    (xxiii)-CH-CH(Me)-CH、および
    (xxiv)-CH-CH-CH(Me)-
    からなる群から選択される、請求項1または2記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  4. -A-が、
    (iv)-CD-、
    (v)-CD-CD-、
    (vi)-CD-CD-CD-、
    (vii)-CF-、
    (viii)-CF-CH-、
    (ix)-CH-CF-、
    (x)-CF-CH-CH-、
    (xi)-CH-CF-CH-、
    (xii)-CH-CH-CF-、
    (xiii)-CHF-、
    (xiv)-CHF-CH-、
    (xv)-CH-CHF-、
    (xvi)-CHF-CH-CH-、
    (xvii)-CH-CHF-CH-、および
    (xviii)-CH-CH-CHF-
    からなる群から選択される、請求項1から3のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  5. Figure 2022511167000174

    (式中、Rは、水素原子、フルオロ、クロロ、またはメチル)である、請求項1から4のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  6. Figure 2022511167000175

    である、請求項1から5のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  7. が、フルオロで置換されていてもよいメチルである、請求項1から6のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  8. およびRが、水素原子である、請求項1から7のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  9. が、水素原子である、請求項1から8のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  10. が、CRであり、Rがハロゲンである、請求項1から9のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  11. が、NRである、請求項1から10のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  12. が、メチルである、請求項11に記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  13. が、CRであり、RおよびRが、メチルである、請求項1から12のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  14. 化合物I-001、I-004、I-009、I-011、I-012、I-023、I-024、I-026、I-027、I-029、I-035、およびI-043からなる群から選択される、請求項1記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  15. 請求項1から14のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を含む、医薬組成物。
  16. アルツハイマー型認知症、軽度認知障害もしくは前駆期アルツハイマー病の治療もしくは予防、アルツハイマー型認知症、軽度認知障害もしくは前駆期アルツハイマー病の進行予防、またはアルツハイマー型認知症のリスクを有する無症候性の患者における進行予防のための、請求項15記載の医薬組成物。
  17. BACE1活性を阻害する方法に使用するための、請求項1から14のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  18. アルツハイマー型認知症、軽度認知障害もしくは前駆期アルツハイマー病の治療もしくは予防に使用する、アルツハイマー型認知症、軽度認知障害もしくは前駆期アルツハイマー病の進行予防に使用する、またはアルツハイマー型認知症のリスクを有する無症候性の患者における進行予防に使用するための、請求項1から14のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩
  19. 請求項1~14のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を投与することを含む、BACE1活性を阻害する方法。
  20. 請求項1から14のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を投与することを含む、アルツハイマー型認知症、軽度認知障害もしくは前駆期アルツハイマー病を治療もしくは予防する、アルツハイマー型認知症、軽度認知障害もしくは前駆期アルツハイマー病の進行を予防する、またはアルツハイマー型認知症のリスクを有する無症候性の患者における進行を予防する方法。
  21. 請求項1から14のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を含む、BACE1阻害剤。
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