JP2022509408A - 非晶性の式(i)の化合物及び非晶性の式(i)の化合物塩 - Google Patents

非晶性の式(i)の化合物及び非晶性の式(i)の化合物塩 Download PDF

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Abstract

Figure 2022509408000001
本発明は、非晶性の式(I)の化合物又は非晶性の式(I)の化合物塩を含む組成物及びこれらを得るためのプロセスに関する。特に、本発明は、非晶性の式(I)の化合物フマル酸水素塩を含む組成物及びこれを得るためのプロセスに関する。さらに、本発明は、式(I)の化合物の非晶性の塩基を含む組成物及びこれを得るためのプロセスにも関する。本発明は、治療抵抗性統合失調症(TRS)を含む統合失調症などの精神障害の治療のための、非晶性の式(I)の化合物又は非晶性の式(I)の化合物塩を含む医薬組成物にも関する。

Description

本発明は、非晶性の式(I)の化合物又は非晶性の式(I)の化合物塩を含む組成物及びこれらを得るためのプロセスに関する。特に、本発明は、非晶性の式(I)の化合物フマル酸水素塩を含む組成物及びこれを得るためのプロセスに関する。さらに、本発明は、式(I)の化合物の非晶性の塩基を含む組成物及びこれを得るためのプロセスにも関する。本発明は、治療抵抗性統合失調症(TRS)を含む統合失調症などの精神障害の治療のための、非晶性の式(I)の化合物又は非晶性の式(I)の化合物塩を含む医薬組成物にも関する。
本願全体を通して、種々の刊行物が全体として参照される。これらの刊行物の開示は、本発明が関連する技術分野の水準をより完全に記載するために、参照により本願に組み込まれる。
国際公開第9322293号パンフレットは、1-ピペラジノ-1,2-ジヒドロインデン化合物の置換されたトランス異性体及びそのような化合物を調製する方法を記載している。国際公開第2012176066号パンフレットは、中枢神経系におけるドーパミンD1及びD2受容体並びにセロトニン5-HT2受容体での活性を有する式(I)の重水素化された1-ピペラジノ-3-フェニル-インダン化合物
Figure 2022509408000002

(式中、R1~R10は、水素又は重水素から独立に選択され、R1~R10の少なくとも1つは少なくとも約50%重水素を含む)又はその薬学的に許容される酸付加塩を記載している。式(I)の化合物は、国際公開第2012176066号パンフレットに記載のプロセスにより調製でき、この特許は、式(I)の化合物の塩基及び種々の塩の調製の追加の工程も記載している。
国際公開第2012176066号パンフレットは、式(I)の化合物を有効成分として含む医薬組成物及び医薬並びにそのような化合物の中枢神経系の疾患の治療における使用をさらに開示している。具体的には、国際公開第2012176066号パンフレットは、化合物(Ia)
Figure 2022509408000003

を開示している。
化合物(Ia)において、8個の水素原子が、重水素原子(構造中で「D」により示される)により同位体置換されている。この同位体置換は、水素置換されたものと比べて重水素化された化合物の代謝を減少させる。しかし、生理化学的性質:例えば、結晶性、多形体選択、塩型選択、全ビヒクルにおける溶解度などのうち大多数は、任意の化合物の水素形と重水素化された形で類似であると予測される(Gant,J.Med.Chem.2014,57,3595-3611)。その結果、式(I)の全化合物は、重水素化された部位の数にかかわらず、類似の生理化学的性質を有すると予測される。この類似性は、非晶形の式(I)の化合物の調製及び安定性に関しても予測される。
上述の通り、同位体置換は、代謝の低下を促進し、そのため、重水素化された化合物は、完全に水素置換された化合物と比べて、より高いバイオアベイラビリティ及びより少ない代謝物形成を有すると予想される。これらの特性は、より低い投与量が、ヒトに投与されることを可能にすると期待され、すなわち、体全体、例えば肝臓へのより少ない負荷、及びおそらくはより頻度の低い投薬が期待される。
国際公開第2012176066号パンフレットは、式(I)の化合物又は式(I)の化合物を含む医薬組成物の、精神病、精神病症状を含む他の疾患、精神病性障害、又は精神病症状を呈する疾患、例えば、統合失調症の治療における使用をさらに開示している。
非定型抗精神病薬の機構は充分に理解されてはいないので、これらの薬物と関連する副作用は、回避する(design around)ことが困難であった。式(I)の化合物は、この満たされていない、既存の療法よりも副作用が減少し、且つ/又は治療プロファイルが改善されたさらなる抗精神病薬療法の必要性に対応する潜在力を有する。
そのような潜在的に改善された抗精神病薬療法の将来の開発において、増大された溶出プロファイルを有する新規固体形態の式(I)の化合物は、増大された溶出プロファイルが、式(I)の化合物のさらに良好なバイオアベイラビリティをもたらすことが期待されるため有益だろう。この点で、非晶性材料は、一般的に、興味深い生理化学的及び薬理学的性質を与える。典型的には、非晶性材料は、結晶形より高い溶出速度を有する。これらの特性は、一般的に、医薬品のバイオアベイラビリティの改善をもたらし、新規の製剤及び投薬戦略、例えば即効性製剤を可能にする。
残念なことに、非晶形は、熱力学的に不安定であると考えられ、一部又は完全に急速に転化して熱力学的により安定な結晶形に戻るので、医薬製剤に好適な非晶性固体を得ることは困難であることが多い。そのため、その明らかな利点にもかかわらず、非晶形で利用可能である市販薬物は非常に少ない。
本発明の目的は、安定な非晶性の式(I)の化合物及び非晶性の式(I)の化合物塩(amorphous compounds of Formula (I) salt)を含む新規組成物を提供することである。そのような組成物は、バイオアベイラビリティ、薬物動態プロファイル、又はCNS障害、例えば治療抵抗性統合失調症(TRS)を含む統合失調症の効果的な治療に関連する製剤の性質若しくは投与の1つ以上の点で潜在的な好都合な性質を有する。
本発明は、非晶性の式(I)の化合物又は非晶性の式(I)の化合物塩を含む組成物に関する。一般に、低いガラス転移温度を有する非晶性材料は迅速に再結晶することが予測され、そのため、製薬産業においてさらなる開発のための好適な候補であるとは予想されないことが認識されている(Hancock et.al,Pharmaceutical research,1995,12(6):799-806)。本発明は、その比較的低いガラス転移温度にもかかわらず周囲条件下で再結晶せず、そのため非常に安定な非晶性固体を構成する非晶性化合物に関する。
式(I)の化合物の化学構造は、重水素化された1-ピペラジノ-3-フェニル-インダン化合物を記載する国際公開第2012176066号パンフレット及び1-ピペラジノ-1,2-ジヒドロインデン化合物の完全に水素置換されたトランス異性体を記載する国際公開第9322293号パンフレットに開示されている。
本発明において、式(I)の化合物及び式(I)の化合物塩は、式(I)の化合物として定義される:
Figure 2022509408000004

(式中、R1~R10は、水素又は重水素から独立に選択される)。
さらなる態様において、本発明は、R6~R10がそれぞれ重水素であるか、且つ/又はR3~R5がそれぞれ重水素であるなど、R1~R10の少なくとも1つが重水素である非晶性の式(I)の化合物を含む組成物に関する。
特定の態様において、本発明は、非晶性の式(Ia)の化合物又は非晶性の式(Ia)の化合物塩を含む組成物に関する:
Figure 2022509408000005

さらなる態様において、非晶性の式(Ia)の化合物は非晶性の塩基(amorphous base)であり得て、非晶性の式(Ia)の化合物塩は非晶性の式(Ia)の化合物フマル酸水素塩(amorphous compound of Formula (Ia) hydrogen fumarate)であり得る。
本発明のいくつかの態様において、非晶性の式(I)の化合物又は非晶性の式(I)の化合物塩を含む組成物は、ポリマー、コポリマー、メソポーラスシリカなどの1種以上の結晶化阻害剤をさらに含み得る。組成物は、1種以上の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物でもあり得る。
別な態様において、本発明は、非晶性の式(I)の化合物又は非晶性の式(I)の化合物塩を得るためのプロセスに関する。
さらに別な態様において、本発明は、精神病性障害、特に治療抵抗性統合失調症を含む統合失調症の治療に使用するための、非晶性の式(I)の化合物若しくは非晶性の式(I)の化合物塩又は前記非晶性材料を含むあらゆる組成物に関する。
定義
用語化合物(I)は、特記されない限り、式(I)の化合物自体と式(I)の化合物塩の両方を含むものとする。
本明細書での用語「非晶性の化合物(I)」は、非晶性の式(I)の化合物自体及び非晶性の式(I)の化合物塩を含むものとする。用語「非晶性」は、実質的に非結晶性の固体形態の化合物(I)を指す。非結晶形は、例えばX線粉末回折(XRPD)により測定される通り、結晶格子における長距離秩序が存在しないことを特徴とする。非結晶性の、そのため基本的に非晶性の固体のXRPDパターンは、結晶形と関連するブラッグピークが存在しないことを特徴とし、XRPDパターンは拡散ハロ(diffuse halo)の形態をとる。
本明細書での用語「実質的に非晶性」は、固体形態の総重量の少なくとも90パーセント、好ましくは少なくとも95パーセント、さらにより好ましくは少なくとも97パーセントの非晶性固体形態を含むことを特徴とする固体の非晶性の化合物(I)又は非晶性の化合物(I)塩を指す。
本明細書での用語「実際のガラス転移温度」及び「計算されたガラス転移温度」は、具体的な式(I)の化合物又は式(I)の化合物塩と関連する、測定された(実際の)及び理論的な(計算された)ガラス転移温度を指す。実際のガラス転移温度は非晶性材料のDSCサーモグラムから測定され、実施例1に例示され、図2に描写されている。計算されたガラス転移温度は、結晶形の融解温度(ケルビン)の2/3であると計算される。図1は化合物(Ia)の結晶形のDSCサーモグラムを表し、そこから融解温度を測定できる。ガラス転移温度の推定の計算手順は実施例1に記載される。
本明細書での用語「結晶化阻害剤」は、非晶性固体中の結晶性粒子の形成を減少させ、遅延させ、又はなくす作用剤又は物質を指す。結晶化阻害剤の好ましい例は、ポリマー、コポリマー、アミノ酸、メソポーラスシリカ、及びシクロデキストリンである。
本明細書での発言「非晶性固体中の結晶性粒子の形成を減少させ、遅延させ、又はなくす」は、非晶性の化合物(I)又は非晶性の化合物(I)塩及び実質的に非晶性の化合物(I)又は非晶性の化合物(I)塩を非晶性状態に効果的に保つ量で存在する1種以上の結晶化阻害剤を含む組成物を指す。
本明細書での用語「非晶性固体分散体」は、化合物(I)又は化合物(I)塩及び1種以上のポリマー又はコポリマーを含み、非晶性である固体分散体を指す。
本明細書での用語「共非晶性組成物」及び「共非晶性混合物」は、低分子量化合物、例えばアミノ酸と混合された化合物(I)又は化合物(I)塩を含む非晶性組成物を記述するものとする。
本明細書での用語「メソポーラスシリカ」は、メソ多孔性の形態を有するシリカを含むものとする。そのような材料は、約2~50nmの直径を有する細孔を含む粒径約4~100μmのシリカを包含し、細孔容積は約0.50~1.75cm/gであり、表面積は通常200m/g以上である。
本明細書での「治療抵抗性統合失調症」は、患者が、適切な投与量及び継続期間の抗精神病薬による2つの治療にもかかわらず満足できる臨床的改善を欠く、患者の病的な状態を記述するものとする。
本明細書での用語「周囲条件」は、15~35セルシウス度の温度範囲及び15~75パーセントの相対湿度範囲を有する条件を指す。
本明細書での用語「塩」は、非毒性、すなわち生理的に許容される塩を含む塩の群を含むものとする。これらには、無機及び/又は有機酸、例えば、塩化水素酸、臭化水素酸、リン酸、亜硝酸、硫酸、安息香酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、グルタミン酸、ピログルタミン酸、サリチル酸、サリチル酸、並びにメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、及びベンゼン-スルホン酸などのスルホン酸などにより形成される塩がある。好適な塩を形成するのに有用な酸の追加の例は、例えば、Stahl and Wermuth(Eds)“Handbook of Pharmaceutical salts.Properties,selection,and use”,Wiley-VCH,2008に見出すことができる。
本文脈において、化合物の「治療上有効な量」という用語は、所与の疾患の臨床症状及び前記化合物の投与を含む治療介入におけるその合併症を緩和し、停止させ、部分的に停止させ、除き、又は遅延させるのに充分な量を意味する。これを達成するのに充分な量が「治療上有効な量」であると定義される。各目的のための有効量は、疾患の重症度並びに対象の体重及び全身状態によるだろう。適切な用量を決定することが定型的な実験を利用して達成でき、それが全て訓練された医師の通常の技量内であることが理解されるだろう。
本文脈において、「治療」又は「治療すること」は、疾患の臨床徴候の進行を緩和し、停止させ、部分的に停止させ、又は遅延させる目的の、患者の管理及び介護を示すものとする。治療すべき患者は、好ましくは哺乳動物、特にヒトである。
本文脈において、用語「組成物」は、2種以上の化学物質の混合物を記述するものとする。本発明において、これらの化学物質のうち1つは、非晶性の式(I)の化合物又は非晶性の式(I)の化合物塩でなくてはならない。そのような組成物は、充填剤、粘着防止剤、結合剤、コーティング、着色剤、崩壊剤、香料、流動促進剤、滑沢剤、保存剤、吸着剤、甘味剤、溶媒、ビヒクル、及び補助剤を含むがこれらに限定されない医薬賦形剤を指す1種以上の薬学的に許容される賦形剤をさらに含む場合、医薬組成物であり得る。
用語「薬学的に許容される賦形剤」は、充填剤、粘着防止剤、結合剤、コーティング、着色剤、崩壊剤、香料、流動促進剤、滑沢剤、保存剤、吸着剤、甘味剤、溶媒、ビヒクル、及び補助剤を含むがこれらに限定されない医薬賦形剤を指す。
本明細書での用語「動物」、「対象」、及び「患者」は、哺乳動物(例えば、ネコ、イヌ、ウマ、ブタなど)及びヒトを含む。
本明細書での用語「同位体置換」は、親化合物中の1つ以上の水素を重水素原子により置換することを意味する。置換の位置は、式(Ia)中で「D」により示される。元素が、ほとんどの合成化合物において天然の同位体存在度で存在し、固有の重水素組込みをもたらすことが認識される。しかし、重水素など水素同位体の天然の同位体存在度は、本明細書に示される化合物の安定な同位体置換の程度と比べて微々たるものである(約0.015%)。そのため、本明細書では、ある部位での重水素としての原子の指定は、重水素の存在度が重水素の天然存在度より著しく高いことを示す。特定の同位元素として指定されていないあらゆる原子は、当業者には明らかである通り、その原子の安定な同位元素を表すものとする。
表記R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、及びR10は、表記R、R、R、R、R、R、R、R、R、及びR10と互換的に使用され得る。
化合物(Ia)の結晶性の塩基(左)及び結晶性の化合物(Ia)フマル酸水素塩(右)のDSCサーモグラムを示す。y軸はW/gで測定された熱流を示し(発熱上向き)、x軸はセルシウス度の温度を示す。化合物(Ia)の結晶性の塩基が60℃付近に結晶の融解に相当する吸熱ピークを有することが明らかである。化合物(Ia)の結晶性フマル酸水素塩のサーモグラムは、203℃付近に結晶の融解に相当する吸熱ピークを示す。 化合物(Ia)の非晶性の塩基(左)及び化合物(Ia)の非晶性のフマル酸水素塩(右)のDSCサーモグラムを示す。y軸はW/gで測定された熱流を示し(発熱上向き)、x軸はセルシウス度の温度を示す。化合物(Ia)の非晶性の塩基のサーモグラムは、5℃付近にガラス転移に相当する熱容量の変化を示す。化合物(Ia)の非晶性のフマル酸水素塩のサーモグラムは、66℃付近にガラス転移に相当する熱容量の変化を示す。両化合物で、ガラス転移より上で再結晶化発熱及び融解吸熱の徴候は全くなく、非晶性材料の高い安定性を示す。 周囲条件で保存された場合の非晶性化合物(Ia)の安定性を表す。溶融急冷により調製された化合物(Ia)の非晶性の塩基のXRPDディフラクトグラム(左)が示されている:(下から上に)調製直後、1週間後、4週間後、9週間後、並びに5か月後、8か月後、及び12か月後。同様に、同じ時点の化合物(Ia)の非晶性のフマル酸水素塩のXRPDディフラクトグラムが右に示されている。X軸は回折角(2シータ度)であり、Y軸はカウントの強度である。 結晶性及び非晶性の化合物(Ia)塩基(左)並びに結晶性及び非晶性の化合物(Ia)フマル酸水素塩(右)のXRPDディフラクトグラムを表す。非晶形は、溶融急冷技法を利用して調製される。三次元長距離秩序がないため、非晶性固体は、結晶性固体のようにX線を構成的に(constructively)回折することはない。したがって、非晶性固体のXRPDディフラクトグラムは、結晶形を特徴づける明瞭なピークの代わりに幅広い拡散ハロの形状を有するだろう。X軸は回折角(2シータ度)であり、Y軸はカウントの強度である。 結晶性化合物(Ia)並びに潜在的に非晶性固体を生成させると知られている種々の技法により調製された生じた固体のXRPDディフラクトグラムを示す。化合物(Ia)塩基固体は左に提示され、化合物(Ia)フマル酸水素塩固体は右に提示されている。XRPDディフラクトグラムは、(上から)結晶性、ボールミル粉砕、溶融急冷、噴霧乾燥、及び凍結乾燥の順序で描写されている。X軸は回折角(2シータ度)であり、Y軸はカウントの強度である。 は、1℃/分の加熱速度で記録された、化合物(Ia)の結晶性の塩基及び結晶性のフマル酸水素塩並びに選択されたポリマー及びコポリマーのDSCサーモグラムを示す(左-(下から上に)結晶性の塩基のみ;280.000Daの平均分子量を有するアニオン性メタクリレートコポリマー(Eudragit(登録商標)FS100);ポリビニルカプロラクタムポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマー(Soluplus(登録商標))、並びに約2:1:1の比のジメチルアミノエチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、及びメチルメタクリレート(Eudragit(登録商標)EPO)、右-(下から上に)結晶性のフマル酸水素塩のみ;ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(AQOAT AS MF);ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Pharmacoat(登録商標)603);280.000Daの平均分子量を有するアニオン性メタクリレートコポリマー(Eudragit(登録商標)FS100);ポリビニルカプロラクタムポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマー(Soluplus(登録商標));VP/VAコポリマー:N-ビニル-2-ピロリドンと酢酸ビニルの60:40直鎖ランダムコポリマー(Plasdone(商標)S-630);約2:1:1の比のジメチルアミノエチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、及びメチルメタクリレート(Eudragit(登録商標)EPO)、並びにポリビニルピロリドン(Plasdone(商標)K12))。
発明の詳細な説明
材料の固体非晶性状態は、結晶性固体にみられる三次元長距離秩序がないことを特徴とする。非晶形は、ガラス転移温度(Tg)を有することをさらに特徴とする。Tg未満の温度で、非晶形は、分子運動性が制限された固体状態(ガラスと呼ばれる)で存在し、Tgより高い温度では、非晶形はゴム状の状態になり、結晶化の確率を高める分子運動性の突然の増加が得られる(Omar et.al.UK Journal of Pharmaceutical Biosciences,2015,3(6):60-66)。
その結果、ガラス転移温度は、医薬品開発のために好適な非晶性材料を選択する場合に考察される重要なパラメーターである。一般的に、Tgより高い温度で保存された非晶性材料が、充分な分子運動性が系内に存在して核形成及び結晶化が促進されるので、急速に再結晶する傾向があることが認識されている。この理由のために、非晶性材料をTgの少なくとも50ケルビン下で保存して、安定性を確保することが提案されている(Hancock et.al,Pharmaceutical research,1995,12(6):799-806)。最終的には、低いガラス転移温度を有する非晶性材料は迅速に再結晶することが予測され、そのため、製薬産業においてさらなる開発のための好適な候補を構成するとは期待されない。
ガラス転移温度は、結晶性材料の融解温度の2/3であると推定できる(ケルビンで測定)。この関係は、「ビーマンの規則」として知られ、広範囲の有機、無機、単純な、及びポリマー性のどの材料に当てはまる(Beaman,R.G.Journal of Polymer Science,1952,9(5):470-472)。
化合物(Ia)の結晶性の塩基及び結晶性のフマル酸水素塩は、それぞれ、60℃及び203℃付近に融点を有する(図1参照)。そのため、「ビーマンの規則」によると、化合物(Ia)の非晶性の塩基及び非晶性のフマル酸水素塩は、それぞれ、約-51℃及び44℃にガラス転移温度を有すると予測される(実施例1に示される通り)。これは、これらの材料が、非常に低い温度で(Tgより50K下)、すなわちフマル酸水素塩では-6℃又は267K未満で、塩基では-100℃又は173K未満でのみ実質的に非晶性状態のままでいると予想されることを示す。
非晶性の式(I)の化合物及び非晶性の式(I)の化合物塩
本発明の発明者らは、非晶性の式(I)の化合物が、周囲条件で5か月まで保存してどの結晶形にも転化しないことを見出した。化合物(Ia)の非晶性の塩基及び非晶性のフマル酸水素塩の測定されたガラス転移温度は、「ビーマンの規則」により計算されるより高いことが分かった。実際のTg値は、非晶性の塩基では約4℃、及び非晶性のフマル酸水素塩では66℃であった(図2参照)。しかし、実際のガラス転移温度が考察される場合でも、非晶性の化合物(I)形態が、周囲条件で数か月間非晶性状態のままでいることは驚くべきことである(図3参照)。
本発明において、式(I)の化合物は、以下に記載される通り、非晶性固体形態に処理される前に、結晶性遊離塩基か又は結晶性塩かのいずれかとして利用される。そのような塩は、当技術分野に公知である従来の方法で、例えば、遊離塩基化合物(I)の溶液又は懸濁液を、モル当量の薬学的に許容される酸で処理することにより調製できる。好適な有機及び無機酸の代表例は、用語「塩」を定義する項に与えられる。
非晶性の式(I)の化合物及び非晶性の式(I)の化合物塩を得る方法
非晶性の式(I)の化合物の意外な安定性のため、純粋な結晶の融解に基づく従来の技法、例えば溶融急冷による安定な非晶性固体の製造が可能になったが(図4及び5)、それは、低いガラス転移温度を考えると予想されなかった。
本発明は、従来の技法により得ることができる非晶性の式(I)の化合物又は非晶性の式(I)の化合物塩を提供する。これらの技法は、機械的活性化、溶媒系、及び融解系方法を含む(図5)。方法は、実験の項;実施例5~8でさらに説明される。
1つの実例となるプロセスは、結晶性化合物(I)に機械的ストレスを加えて、それにより結晶格子に欠陥を誘導することを含み、それは、最終的に結晶全体にわたってその後の長距離秩序の喪失と共に現れることがあり、部分的又は完全な非晶化をもたらす。機械的ストレスは、当技術分野に公知である任意の技法、例えばボールミル粉砕又は凍結粉砕により加えることができる。図5において、ボールミル粉砕時に、化合物(Ia)の塩基ではなく化合物(Ia)のフマル酸水素塩のみが首尾よく非晶性固体形態に変わることができることが示されている。この知見は、化合物(Ia)の結晶性の塩基の非常に低い融点と関連している可能性があり、粒子がボールミル粉砕の間に機械的に活性化されるだけでなく、プロセスにより生じる熱のために融解もするので、非常に低い融点により機械的活性化プロセスが妨げられる。
1つの追加の実例となるプロセスは、(a)1種以上の溶媒中の化合物(I)又は化合物(I)塩の溶液の調製;及び(b)溶媒を除去して、実質的に非晶性の化合物(I)又は実質的に非晶性の化合物(I)塩を得ることを含む。溶媒の除去は、当技術分野に公知である任意の技法、例えば、フィルムキャスティング、噴霧乾燥、又は凍結乾燥により実施できる。このプロセスは、任意選択で、(c)工程(b)から生じた得られた実質的に非晶性の化合物(I)又は実質的に非晶性の化合物(I)塩を粉砕して、さらなる医薬製剤プロセスにより好適な、より微細な粒子粉末(grain powder)を形成することをさらに含む。そのようなプロセスで使用するための好適な溶媒の非限定的な例は、アセトン、水、tert-ブタノール(TBA)、メタノール(MeOH)、テトラヒドロフラン(THF)、エタノール(EtOH)、トリフルオロエタノール(TFE)、アセトニトリル(ACN)、2-プロパノール、ジオキサン、エチレンジアミン、ジメチルホルムアミド(DMF)、グリセリン、プロピレングリコール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エチレングリコール、ホルムアミド、及びトリエチレングリコールなどである。上述のプロセスにおいて、溶媒は、様々な水:溶媒又は溶媒:溶媒比で、例えば、アセトニトリル:水(体積比50:50)で使用できる。
別の実例となるプロセスは、(a)結晶性の化合物(I)又は結晶性の化合物(I)塩を融解させる工程;及び(b)融液を迅速に冷却して、実質的に非晶性の化合物(I)又は実質的に非晶性の化合物(I)塩を形成する工程を含む。融解工程(a)は、当技術分野に公知である任意の技法により、例えば化合物をオーブン中でその融解温度より高い温度に加熱することにより実施できる。冷却工程(b)は、任意の好適な方法により、例えば加熱された材料を熱源から外し、任意選択で融液を冷凍庫内又は液体窒素中でさらに冷却することにより実施できる。このプロセスは、任意選択で、(c)工程(b)から生じた得られた実質的に非晶性の化合物(I)又は実質的に非晶性の化合物(I)塩を粉砕して、さらなる医薬製剤プロセスにより好適な、より微細な粒子粉末を形成する工程をさらに含む。
上述された任意選択の粉砕工程(c)は、任意の好適な方法により、例えば乳鉢と乳棒で粉砕するか、又は粉砕機で粉砕することにより実施できる。
本発明の非晶性の式(I)の化合物又は非晶性の式(I)の化合物塩は、本明細書に記載のプロセスに限定されない任意の好適なプロセスにより調製できる。
非晶性の式(I)の化合物及び非晶性の式(I)の化合物塩の結晶化阻害
非晶形の式(I)の化合物をさらに処理して安定化し、医薬製剤に好適な組成物を得るために、非晶性固体を1種以上の結晶化阻害剤により安定化できる。当技術分野における公知の技法、例えば、融液系、機械的活性化、又は溶媒系方法が、式(I)の化合物及びそのような結晶化阻害剤を含む固体分散体、共非晶性組成物、非晶性錯体、及び吸着組成物を得るために使用できる。非晶形の安定化が得られる正確な機構は詳細には知られていないが、それは、薬物分子の空間的分離並びに薬物と結晶化阻害剤との間の水素結合を確立する可能性に関連していると考えられる。
本発明において、固体分散体は、式(I)の化合物並びに1種以上のポリマー及び/又はコポリマーを含む。さらなる医薬製剤に好適なそのような固体分散体の例は、図6、表1、及び実施例9に提示されている。結晶化阻害剤として好適であり得るポリマー及びコポリマーの非限定的な例は、約2:1:1の比のジメチルアミノエチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、及びメチルメタクリレート(例えば、Eudragit(登録商標)EPO)、VP/VAコポリマー(N-ビニル-2-ピロリドンと酢酸ビニルとの60:40直鎖ランダムコポリマー、例えば、Plasdone(商標)S-630)、PVP(ポリビニルピロリドン;例えば、Plasdone(商標)K12及びPlasdone(商標)K25)、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、例えば、Pharmacoat(登録商標)603)、HPMCAS(ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、例えば、AQOAT AS MF)、ポリビニルカプロラクタムポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマー(例えば、Soluplus(登録商標))、280.000Daの平均分子量を有するアニオン性メタクリレートコポリマー(例えば、Eudragit(登録商標)FS 100)、アンモニオメタクリレートコポリマー、ポリビニルアセテートフタレート(例えば、Sureteric(登録商標))、メチルセルロース、ポリビニルポリピロリドン、ポリ(オキシエチレン)、ポリ(エチルアクリレート-co-メチルメタクリレート-co-トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリ(アクリル酸)、ポリ(エチレングリコール)-block-ポリ(プロピレングリコール)-block-ポリ(エチレングリコール)、アセチル化キチン、ポリ(D-グルコサミン)、マクロゴール-ポリ(ビニルアルコール)グラフト-コポリマー、ポリビニルアルコール-ポリエチレングリコールグラフト-コポリマーである。
本発明は、非晶性低分子量分子、例えばアミノ酸及び式(I)の化合物を含む共非晶性組成物であって、低分子量分子が式(I)の化合物の非晶性状態を安定化するのに好適である共非晶性組成物にさらに関する。そのような分子の非限定的な例は、L-トリプトファン、L-フェニルアラニン、L-メチオニン、L-バリン、L-リジン、L-ロイシンである。
本発明における非晶性錯体は、式(I)の化合物及び式(I)の化合物の非晶性状態を安定化するのに好適なシクロデキストリンを含む錯体を指す。シクロデキストリンの非限定的な例は、ポリアニオン性β-シクロデキストリン(例えば、Captisol(登録商標))、ヒドロキシルプロピル-β-シクロデキストリン(例えば、Kleptose(登録商標)HPB)、γ-シクロデキストリンである。
本発明の文脈では、吸着組成物は、式(I)の化合物の非晶性状態を安定化するのに好適なメソポーラスシリカに担持された式(I)の化合物を含む。さらなる医薬製剤に好適なそのような固体分散体の例は表2及び実施例10に提示されている。メソポーラスシリカの非限定的な例は、無水シリカ(例えば、Aerosil(登録商標)300及びAeroperl(登録商標)300)、ケイ酸マグネシウムアルミニウム(例えば、Neusilin(登録商標)UFL2及びNeusilin(登録商標)US2)、SiO(例えば、Parteck(登録商標)SLC 500、Syloid(登録商標)72 FP、Syloid(登録商標)244 FP、及びSyloid(登録商標)XDP 3050)である。これらのシリカは以下の性質を有する:粒径:約4~90μm、細孔容積:約0.56~1.70cm/g、細孔径:約6~35nm、及び表面積:約235~404m/g。
非晶性の式(I)の化合物又は非晶性の式(I)の化合物塩を含む医薬組成物
本発明は、非晶性の化合物(I)又は非晶性の化合物(I)塩及び1種以上の薬学的に許容される賦形剤を含む組成物、特に医薬組成物に関する。本発明の好ましい態様において、医薬組成物は1種以上の結晶化阻害剤をさらに含む。
本発明は、非晶性の式(I)の化合物又は非晶性の式(I)の化合物塩を含む医薬組成物を製造するプロセスも提供する。本発明による医薬組成物は、非晶性の式(I)の化合物又は非晶性の式(I)の化合物塩を、薬学的に許容される賦形剤と、Remington,The Science and Practice of Pharmacy,22th edition(2012),Edited by Allen,Loyd V.,Jr.に開示されるものなどの従来の技法に従って混合することにより得ることができる。そのような賦形剤が医薬組成物に加えられて、その加工性又は貯蔵性を改善することができる。賦形剤は、単位投与量の組成物の、経口投与に好適なカプセル剤又は錠剤などの薬学的に許容される投薬単位への形成を促進するように機能することもできる。本発明の医薬組成物に使用される賦形剤は、固体でも、液体でも、固体賦形剤と液体賦形剤の両方の組み合わせでもよい。
実例となるプロセスは、(a)非晶性の式(I)の化合物、非晶性の式(I)の化合物塩、又は本発明の非晶性の式(I)の化合物を含む組成物を、1種以上の賦形剤とブレンドして、医薬組成物を形成する工程、及び(b)ブレンド又はミックスを打錠又はカプセル化して、それぞれ錠剤又はカプセル剤を形成する工程を含む。本発明の好ましい実施形態において、経口投与用の医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、散剤、及び顆粒剤などの固体経口剤形を含む。
固体経口製剤に好適な賦形剤の例には、微結晶性セルロース、トウモロコシデンプン、ラクトース、マンニトール、ポビドン、クロスカルメロースナトリウム、スクロース、シクロデキストリン、滑石、ゼラチン、ペクチン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、及びセルロースの低級アルキルエーテルがあるが、これらに限定されない。同様に、固体製剤は、ステアリン酸グリセリル又はヒプロメロースなど、当技術分野に公知である遅延又は延長放出製剤のための賦形剤を含み得る。固体賦形剤の量は大きく異なるが、典型的には用量単位あたり約25mg~約1gの範囲だろう。
着色剤、香料、及び保存剤など、さらなる賦形剤が固体経口製剤に使用され得る。
他の種類の医薬組成物には、坐剤、吸入剤、クリーム剤、ゲル剤、皮膚パッチ、インプラント、及び頬側又は舌下投与用の製剤がある。医薬製剤に使用される賦形剤が意図される投与経路に適合し、有効成分と適合性があることが必要である。
本発明の医薬組成物は、単位投与量あたり所望の量の化合物(I)を含み、経口投与向けである場合、例えば、錠剤、カプレット剤、丸剤、ハード若しくはソフトカプセル剤、ロゼンジ剤、カシェ剤、調合可能な(dispensable)散剤、顆粒剤、又はそのような投与に適合された他の形態の形態であり得る。錠剤又はカプセル剤など、それぞれ所定量の薬物を含む別個の単位投与量である経口剤形が好ましい。
本発明の剤形は、当技術分野に公知である任意の好適なプロセスにより調製でき、本明細書に記載のプロセスに限定されない。
非晶性の式(I)の化合物及び非晶性の式(I)の化合物塩の使用
本発明は、中枢神経系(CNS)障害、例えば治療抵抗性統合失調症(TRS)を含む統合失調症などの精神障害の治療に使用するための化合物(I)の安定な新規固体形態に関する。
上述された非晶性の式(I)の化合物若しくは非晶性の式(I)の化合物塩又は医薬組成物は、あらゆる好適な投与経路により投与できる。好ましくは、そのような経路は、経口、直腸、鼻腔内、頬側、舌下、経皮、及び非経口(例えば、皮下、筋肉内、及び静脈内)経路を含み、経口経路が最も好ましい。経路が、治療すべき対象の全身状態及び年齢並びに治療すべき病態の性質及び有効成分の性質によることが認識される。
本発明は、精神病、特に治療抵抗性統合失調症を含む統合失調症、又は例えば、統合失調症様障害、統合失調情動障害、妄想性障害、短期精神病性障害、共有精神病性障害などの精神病症状を含む他の疾患、並びに精神病症状を呈する他の精神病性障害又は疾患、例えば双極性障害における躁病などの双極性障害を含む中枢神経系の疾患の治療のためなどの、非晶性の式(I)の化合物の医学的使用にも関する。
本発明の非晶性化合物及び/又は組成物は、例えば、それぞれ参照により本明細書に全体として組み込まれる米国特許第5,807,855号明細書;同第7,648,991号明細書;同第7,767,683号明細書;同第7,772,240号明細書;同第8,076,342号明細書;米国特許出願公開第2008/0269248号明細書;同第2010/0069676号明細書;同第2011/0178094号明細書;同第2011/0207744号明細書;国際公開第2005/016900号パンフレット;欧州特許第0638073号明細書;及びJ.Med.Chem.1995,38,4380-4392に記載のものなどの障害の治療にもさらに使用できる。
上述の本発明の非晶性の式(I)の化合物若しくは非晶性の式(I)の化合物塩又は医薬組成物は、CNS障害、具体的には精神障害、より具体的には治療抵抗性統合失調症(TRS)を含む統合失調症などの精神病性障害の治療に有用であり得る。任意選択で、非晶性の化合物(I)は、セルチンドール、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、アリピプラゾール、ハロペリドール、クロザピン、ジプラシドン、及びオサネタントから選択される神経遮断剤と組み合わせて投与され得る。
本発明は、例えば、それぞれ参照により本明細書に全体として組み込まれる米国特許第5,807,855号明細書;同第7,648,991号明細書;同第7,767,683号明細書;同第7,772,240号明細書;同第8,076,342号明細書;米国特許出願公開第2008/0269248号明細書;同第2010/0069676号明細書;同第2011/0178094号明細書;同第2011/0207744号明細書;国際公開第2005/016900号パンフレット;欧州特許第0638073号明細書;及びJ.Med.Chem.1995,38,4380-4392に記載のものなどの他の治療剤と組み合わせた併用療法としての本発明の非晶性化合物の医学的使用にも関する。
投与量
本発明の非晶性化合物は、1日あたり約0.001mg/kg体重~約100mg/kg体重の量で投与され得る。特に、1日用量は、1日あたり0.01mg/kg体重~約50mg/kg体重の範囲であり得る。正確な用量は、投与の頻度及び様式、治療すべき対象の性別、年齢、体重、及び全身状態、治療すべき病態の性質及び重症度、治療すべきあらゆる併存疾患、治療の望まれる効果、並びに当業者に公知である他の因子によるだろう。
成人の典型的な経口用量は、1~100mg/日、1~50mg/日、1~20mg/日、又は10~20mg/日など、1~500mg/日など、0.1~1000mg/日の範囲の本発明の非晶性化合物だろう。簡便には、本発明の非晶性化合物は、前記化合物を、10mg、20mg、50mg、100mg、150mg、200mg、又は250mgなど、約0.1~500mgの量で含む上述の単位剤形で投与される。
実施形態
以下の実施形態は、本発明をさらに詳細に説明する。実施形態は、1番から連続的に番号づけされている。
1.非晶性の式(I)の化合物又は非晶性の式(I)の化合物塩を含む組成物
Figure 2022509408000006

(式中、R1~R10は、水素又は重水素から独立に選択される)。
2.R1~R10の少なくとも1つが重水素である、実施形態1に記載の組成物。
3.R6~R10がそれぞれ重水素である、実施形態2に記載の組成物。
4.R3~R5がそれぞれ水素である、実施形態3に記載の組成物。
5.前記非晶性化合物又は前記非晶性化合物塩が式(Ia)のものである、実施形態3に記載の組成物:
Figure 2022509408000007

6.非晶性の式(Ia)の化合物が非晶性の塩基である、実施形態5に記載の組成物。
7.非晶性の式(Ia)の化合物塩が非晶性の式(Ia)の化合物フマル酸水素塩である、実施形態5に記載の組成物。
8.非晶性化合物が、周囲条件下で5か月の期間、実質的に非晶性のままである、前述の実施形態のいずれかに記載の組成物。
9.非晶性化合物が、-60~50セルシウス度、又は0~50セルシウス度、又は10~50セルシウス度、又は20~50セルシウス度など、50セルシウス度以下の計算されたガラス転移温度を有し、周囲条件下で5か月の期間、実質的に非晶性のままである、前述の実施形態のいずれかに記載の組成物。
10.非晶性の式(I)の化合物又は非晶性の式(I)の化合物塩を得るためのプロセスであって
a.1種以上の溶媒中の式(I)の化合物又は式(I)の化合物塩の溶液を調製すること;及び
b.溶媒を除去することにより、非晶性の式(I)の化合物又は非晶性の式(I)の化合物塩を得ること
を含むプロセス。
11.溶媒が噴霧乾燥により除去される、実施形態9に記載のプロセス。
12.溶媒が凍結乾燥により除去される、実施形態9に記載のプロセス。
13.溶媒がフィルムキャスティングにより除去される、実施形態9に記載のプロセス。
14.溶媒が、アセトン、水、tert-ブタノール(TBA)、メタノール(MeOH)、テトラヒドロフラン(THF)、エタノール(EtOH)、トリフルオロエタノール(TFE)、アセトニトリル(ACN)、2-プロパノール、ジオキサン、エチレンジアミン、ジメチルホルムアミド(DMF)、グリセリン、プロピレングリコール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エチレングリコール、ホルムアミド、及びトリエチレングリコールからなる群から選択される、実施形態10~13のいずれかに記載のプロセス。
15.溶媒が、水、tert-ブタノール(TBA)、及びアセトニトリル(ACN)からなる群から選択される、実施形態13に記載のプロセス。
16.非晶性の式(I)の化合物又は非晶性の式(I)の化合物塩を得るためのプロセスであって
a.結晶性の式(I)の化合物又は結晶性の式(I)の化合物塩を融解させること;
b.融液を迅速に冷却することにより、非晶性の式(I)の化合物又は非晶性の式(I)の化合物塩を得ること
を含むプロセス。
17.プロセスが溶融急冷である、実施形態16に記載のプロセス。
18.非晶性の式(I)の化合物又は非晶性の式(I)の化合物塩を得るためのプロセスであって
a.結晶性の式(I)の化合物又は結晶性の式(I)の化合物塩に機械的ストレスを加えて、非晶性の式(I)の化合物又は非晶性の式(I)の化合物塩を得ること
を含むプロセス。
19.機械的ストレスがボールミル粉砕により加えられ、式(I)の化合物がフマル酸水素塩である、実施形態18に記載のプロセス。
20.式(I)の化合物中のR1~R10の少なくとも1つが重水素である、実施形態10~19のいずれかに記載のプロセス。
21.式(I)の化合物中のR6~R10がそれぞれ重水素である、実施形態20に記載のプロセス。
22.式(I)の化合物中のR3~R5がそれぞれ水素である、実施形態21に記載のプロセス。
23.前記非晶性化合物又は前記非晶性化合物塩が式(Ia)のものである、実施形態21に記載のプロセス。
24.式(Ia)の化合物が塩基である、実施形態10~18のいずれかに記載のプロセス。
25.式(Ia)の化合物塩が式(Ia)の化合物フマル酸水素塩である、実施形態23に記載のプロセス。
26.a.非晶性の式(I)の化合物又は非晶性の式(I)の化合物塩;及び
b.非晶性固体中の結晶性粒子の形成を減少させ、遅延させ、又はなくすのに有効な量の少なくとも1種の結晶化阻害剤
を含む組成物。
27.結晶化阻害剤がポリマー又はコポリマーである、実施形態26に記載の組成物。
28.ポリマー又はコポリマーが、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(例えば、AQOAT AS MF)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、Pharmacoat(登録商標)603)、280.000Daの平均分子量を有するアニオン性メタクリレートコポリマー(例えば、Eudragit(登録商標)FS100)、ポリビニルカプロラクタムポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマー(例えば、Soluplus(登録商標))、VP/VA;N-ビニル-2-ピロリドンと酢酸ビニルとの60:40直鎖ランダムコポリマー(例えば、Plasdone(商標)S-630)、約2:1:1の比のジメチルアミノエチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、及びメチルメタクリレート(例えば、Eudragit(登録商標)EPO)、並びにポリビニルピロリドン(例えば、Plasdone(商標)K12)からなる群から選択される、実施形態27に記載の組成物。
29.コポリマー又はコポリマーが、ポリビニルカプロラクタムポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマー(例えば、Soluplus(登録商標))、約2:1:1の比のジメチルアミノエチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、及びメチルメタクリレート(例えば、Eudragit(登録商標)EPO)、並びにポリビニルピロリドン(例えば、Plasdone(商標)K12)を含む群から選択される、実施形態28に記載の組成物。
30.結晶化阻害剤がシクロデキストリンである、実施形態26に記載の組成物。
31.シクロデキストリンが、ポリアニオン性β-シクロデキストリン(例えば、Captisol(登録商標))、ヒドロキシルプロピル-β-シクロデキストリン(例えば、Kleptose(登録商標)HPB)、及びγ-シクロデキストリンを含む群から選択される、実施形態30に記載の組成物。
32.結晶化阻害剤がアミノ酸である、実施形態26に記載の組成物。
33.アミノ酸が、L-トリプトファン、L-フェニルアラニン、L-メチオニン、L-バリン、L-リジン、L-ロイシンを含む群から選択される、実施形態32に記載の組成物。
34.結晶化阻害剤がメソポーラスシリカである、実施形態26に記載の組成物。
35.メソポーラスシリカが、約4~90μmの粒径、約0.56~1.70cm/gの細孔容積、約6~35nmの細孔径、及び約235~404m/gの表面積を有する、実施形態34に記載の組成物。
36.メソポーラスシリカが、無水シリカ(例えば、Aerosil(登録商標)300及びAeroperl(登録商標)300)、ケイ酸マグネシウムアルミニウム(例えば、Neusilin(登録商標)UFL2及びNeusilin(登録商標)US2)、SiO(例えば、Parteck(登録商標)SLC 500、Syloid(登録商標)72 FP、Syloid(登録商標)244 FP、及びSyloid(登録商標)XDP 3050)を含む群から選択される、実施形態35に記載の組成物。
37.式(I)の化合物中のR1~R10の少なくとも1つが重水素である、実施形態26~36のいずれかに記載の組成物。
38.式(I)の化合物中のR6~R10がそれぞれ重水素である、実施形態37に記載の組成物。
39.式(I)の化合物中のR3~R5がそれぞれ水素である、実施形態38に記載の組成物。
40.前記非晶性化合物又は前記非晶性化合物塩が式(Ia)のものである、実施形態38に記載の組成物。
41.式(Ia)の化合物が塩基である、実施形態40に記載の組成物。
42.式(Ia)の化合物塩が式(Ia)の化合物フマル酸水素塩である、実施形態40に記載の組成物。
43.医薬組成物を調製するためのプロセスであって
a.非晶性の式(I)の化合物又は非晶性の式(I)の化合物塩をブレンドすること;
b.結晶化阻害剤、及び任意選択で
c.1種以上の賦形剤
を含むプロセス
44.医薬製剤により好適な固体を得るための、得られた組成物の粉砕工程をさらに含む、実施形態43に記載のプロセス
45.プロセスが、組成物を打錠又はカプセル化して、それぞれ錠剤又はカプセル剤を形成することをさらに含む、実施形態43~44に記載のプロセス。
46.式(I)の化合物中のR1~R10の少なくとも1つが重水素である、実施形態43~45のいずれかに記載のプロセス。
47.式(I)の化合物中のR6~R10がそれぞれ重水素である、実施形態46に記載のプロセス。
48.式(I)の化合物中のR3~R5がそれぞれ水素である、実施形態47に記載のプロセス。
49.前記非晶性化合物又は前記非晶性化合物塩が式(Ia)のものである、実施形態47に記載のプロセス。
50.式(Ia)の化合物が塩基である、実施形態49に記載のプロセス。
51.式(Ia)の化合物塩が式(Ia)の化合物フマル酸水素塩である、実施形態49に記載のプロセス。
52.医薬として使用するための、非晶性の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩。
53.式(I)の化合物中のR1~R10の少なくとも1つが重水素である、実施形態52に記載の非晶性化合物。
54.式(I)の化合物中のR6~R10がそれぞれ重水素である、実施形態53に記載の非晶性化合物。
55.式(I)の化合物中のR3~R5がそれぞれ水素である、実施形態54に記載の非晶性化合物。
56.前記非晶性化合物又は前記非晶性化合物塩が式(Ia)のものである、実施形態54に記載の非晶性化合物。
57.式(Ia)の化合物が塩基である、実施形態56に記載の非晶性化合物。
58.式(Ia)の化合物塩が式(Ia)の化合物フマル酸水素塩である、実施形態56に記載の非晶性化合物。
59.組成物が医薬組成物である、実施形態1~9又は26~42のいずれかに記載の組成物。
60.医薬が、例えば、精神病、精神病症状を含む他の疾患、精神病性障害、又は精神病症状を呈する疾患の治療に使用できる医薬の製造における、非晶性の式(I)の化合物若しくは非晶性の式(I)の化合物塩又は実施形態1~9若しくは26~42若しくは59の組成物のいずれかの使用。
61.精神病又は精神病症状を含む疾患が、治療抵抗性統合失調症を含む統合失調症、統合失調症様障害、統合失調情動障害、妄想性障害、短期精神病性障害、共有精神病性障害、双極性障害、又は双極性障害における躁病である、非晶性の式(I)の化合物若しくは非晶性の式(I)の化合物塩又は実施形態1~9若しくは26~42若しくは59の組成物のいずれかの、実施形態60に記載の医薬の製造における使用。
62.精神病症状を含む疾患が治療抵抗性統合失調症を含む統合失調症である、非晶性の式(I)の化合物若しくは非晶性の式(I)の化合物塩又は実施形態1~9若しくは26~42若しくは59の組成物のいずれかの、実施形態61に記載の医薬の製造における使用。
63.精神病症状を含む疾患が治療抵抗性統合失調症である、非晶性の式(I)の化合物若しくは非晶性の式(I)の化合物塩又は実施形態1~9若しくは26~42若しくは59の組成物のいずれかの、実施形態62に記載の医薬の製造における使用。
64.非晶性の式(I)の化合物若しくは非晶性の式(I)の化合物塩又は実施形態1~9若しくは26~42若しくは59の組成物のいずれかが、セルチンドール、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、アリピプラゾール、ハロペリドール、クロザピン、ジプラシドン、及びオサネタントからなる群から選択される1種以上のさらなる化合物と組み合わせて投与される、実施形態60~63に記載の使用。
65.精神病、精神病症状を含む他の疾患、精神病性障害、又は精神病症状を呈する疾患の治療に使用するための、非晶性の式(I)の化合物若しくは非晶性の式(I)の化合物塩又は実施形態1~9若しくは26~42若しくは59の組成物のいずれか。
66.精神病又は精神病症状を含む疾患が、治療抵抗性統合失調症を含む統合失調症、統合失調症様障害、統合失調情動障害、妄想性障害、短期精神病性障害、共有精神病性障害、双極性障害、又は双極性障害における躁病である、実施形態65に記載の使用のための、非晶性の式(I)の化合物若しくは非晶性の式(I)の化合物塩又は実施形態1~9若しくは26~42若しくは59の組成物のいずれか。
67.精神病症状を含む疾患が治療抵抗性統合失調症を含む統合失調症である、実施形態66に記載の使用のための、非晶性の式(I)の化合物若しくは非晶性の式(I)の化合物塩又は実施形態1~9若しくは26~42若しくは59の組成物のいずれか。
68.精神病症状を含む疾患が治療抵抗性統合失調症である、実施形態67に記載の使用のための、非晶性の式(I)の化合物若しくは非晶性の式(I)の化合物塩又は実施形態1~9若しくは26~42若しくは59の組成物のいずれか。
69.前記化合物又は組成物が、セルチンドール、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、アリピプラゾール、ハロペリドール、クロザピン、ジプラシドン、及びオサネタントからなる群から選択される1種以上のさらなる化合物と組み合わせて投与される、実施形態65に記載の使用のための、非晶性の式(I)の化合物若しくは非晶性の式(I)の化合物塩又は実施形態1~9若しくは26~42若しくは59の組成物のいずれか。
70.精神病、精神病症状を含む他の疾患、精神病性障害、又は精神病症状を呈する疾患の治療の方法であって、治療上有効な量の非晶性の式(I)の化合物若しくは非晶性の式(I)の化合物塩又は実施形態1~9若しくは26~42若しくは59の組成物のいずれかの、それを必要とする患者への投与を含む方法。
71.精神病又は精神病症状を含む疾患が、治療抵抗性統合失調症を含む統合失調症、統合失調症様障害、統合失調情動障害、妄想性障害、短期精神病性障害、共有精神病性障害、双極性障害、又は双極性障害における躁病である、実施形態70に記載の方法。
72.精神病症状を含む疾患が治療抵抗性統合失調症を含む統合失調症である、実施形態71に記載の方法。
73.精神病症状を含む疾患が治療抵抗性統合失調症である、実施形態72に記載の方法。
本明細書に開示のあらゆる実施形態の1つ以上の特徴が、本発明の範囲内で組み合わされ、且つ/又は再構成されて、やはり本発明の範囲内にあるさらなる実施形態を生み出し得ることが認識されるだろう。
当業者は、定型的な実験を利用するのみで、本明細書に記載の本発明の具体的な実施形態の多くの等価物を認識するか、又は確認できるだろう。そのような等価物は本発明の範囲内にあるものとする。
本発明は、以下の非限定的な実施例によりさらに説明される。
以下に与えられる実施例は、本発明のより完全な理解を促すのに役立つ。以下の実施例は、本発明を製作及び実施する例示的な様式を説明する。しかし、本発明の範囲は、説明のためのみであるこれらの実施例に開示される具体的な実施形態に限定されず、その理由は、代替方法を利用して類似の結果が得られ得るからである。
非晶性の式(I)の化合物及び非晶性の式(I)の化合物塩の特性化:
実施例1-ガラス転移温度の測定
本願の明細書に述べる通り、ガラス転移温度を、結晶性材料の融解温度の2/3であると推定できる(ケルビンで測定)ことが一般的に認識されている。図1のDSCサーモグラム(左)から、化合物(Ia)の結晶性の塩基が、結晶の融解に相当する60℃付近の吸熱ピークを有することがわかる。化合物(Ia)の結晶性の塩基の融解温度に基づき、この化合物の非晶形の計算されたガラス転移温度は、結果として2/3×(60℃+273)=222Kすなわち-51℃である。しかし、化合物(Ia)の非晶性の塩基の実際のTgを測定すると、対応するサーモグラムが、5℃付近でガラス転移に相当する熱容量の変化を示したことがわかった(図2-左)。これは、この非晶形の測定された実際のTgが5℃付近であり、ビーマンの規則を使用して計算された-51℃ではないことを意味する。
類似の実験を、化合物(Ia)のフマル酸水素塩で実施した。ここで、計算されたTgは、結晶の融解に相当する203℃付近の観察された吸熱ピークに基づいていた(図1-右)。その結果、計算されたTgは、2/3×(203℃+273)=317Kすなわち44℃である。非晶形のサーモグラムは図2(右)に示され、66℃付近にガラス転移に相当する熱容量の変化を表す。これは、化合物(Ia)の非晶性のフマル酸水素塩の測定された実際の測定されたTgが66℃付近であり、計算された44℃ではないことを意味する。
図2で分かる通り、試験した非晶性材料のいずれも加熱時に再結晶せず、非晶性のままである。これは、非晶性の塩基並びにフマル酸塩がガラス転移より上で容易に再結晶しないことを示し、それは、非常に安定な非晶形を示している。
実施例2-X線粉末回折(XRPD)
X線粉末ディフラクトグラムを、CuKα1線(λ=1.5406Å)を使用してPANalytical X’Pert PRO X線回折計で測定した。試料を、X’celerator検出器を使用して、2θ範囲3~40°で、反射モードで測定した(図3、4、及び5参照)。
図4は、結晶形及び非晶形での化合物(Ia)の塩基及びフマル酸水素塩に属するXRPDディフラクトグラムを示す。この実験では、非晶形は溶融急冷により調製し、この技法は、実施例5で詳細に説明する。結晶形の化合物(Ia)の塩基のディフラクトグラムは、4.9、10.0、15.4、17.7、及び19.1°2θ付近に結晶性α型に特徴的なシャープで明瞭なブラッグピークを示す。対照的に、溶融急冷後に記録した回折パターンは、非晶性材料に特徴的な、ブラッグピークがない拡散ハロを示す(図4-左)。
結晶形の化合物(Ia)のフマル酸水素塩のディフラクトグラムは、8.1、10.5、18.9、及び22.0°2θ付近に結晶性α型に特徴的なシャープで明瞭なブラッグピークを示すが、溶融急冷後に記録した回折パターンは、非晶性材料に特徴的な、ブラッグピークがない拡散ハロを示す(図4-右)。
実施例3-示差走査熱量測定(DSC)
実施例9に与えられる分析の目的に応じて示差走査プログラムを使用する。全DSC実験において、2~5mgの試料を、穴あき蓋のあるTzeroアルミニウム密封パンに詰め、実験を、50mL/分の乾燥窒素ガスパージの下で実施する。
化合物(Ia)の塩基で測定した融点及びガラス転移:試料の2~3mgを、穴あき蓋のあるTzeroアルミニウム密封パンに詰め、1℃/分で80℃(融点を与える)に加熱し、2分間等温に保ち、-50℃で平衡化し、10℃/分で110℃(形成された非晶性固体のガラス転移を与える)に加熱した。
化合物(Ia)のフマル酸水素塩の融点及びガラス転移:試料を、1℃/分で210℃(融点を与える)に加熱し、2分間等温に保ち、-50℃で平衡化し、10℃/分で230℃(形成された非晶性固体のガラス転移を与える)に加熱した。
実施例4-物理的安定性
化合物(Ia)の非晶性の塩基及びフマル酸塩を、XRPDを使用して分析して、これらの固体形態の物理的安定性を測定した。実質的に非晶性の固体形態の存在は、固体非晶形に特徴的な、図3に類似の拡散ハロXRPDパターンにより確認された。
非晶性固体の短期の物理的安定性を、調製の直後に分析した;試料を、XRPDにより、96時間連続的に、2時間ごとに交互に測定して分析した。次いで、長期の安定性を、非晶性固体を周囲条件下で保存し、それらを、XRPDにより、1、4、及び9週間後並びに5、8、及び12か月後に分析することにより評価した。特徴的なXRPDパターンにより、フマル酸塩に関して全時点での実質的に非晶性固体が確認され、5か月後の遊離塩基の結晶化の弱い徴候が図3に示される。
非晶性の式(I)の化合物及び非晶性の式(I)の化合物塩を得るためのプロセス:
実施例5-溶融急冷
非晶形の化合物(I)の計算されたTgが低いため、純粋な結晶の融点に基づく従来の技法、例えば溶融急冷を使用して、非晶性固体を製造することが可能だろうとは期待されなかった。しかし、計算された低いTgにもかかわらず、非常に安定な非晶形を溶融急冷により製造することが可能であり、それは、図3及び4のXRPDディフラクトグラムに見られる。
化合物(Ia)の非晶性の塩基及び非晶性のフマル酸水素塩を、対応する結晶形から調製した;およそ5mgの結晶性固体を、XRPDプレートの中心又はDSCパンの中に配置し、純粋な結晶の融解温度のおよそ5℃上に(化合物(Ia)の塩基では65℃及びフマル酸水素塩では210℃)、5分間、電子炉(electronic furnace)内で加熱した。その後に、融液を炉から取り出した。生じた非晶性固体を、上述の通りXRPD及びDSCを使用して特性化した(図1、2、3、4、及び5)。
実施例6-ボールミル粉砕
およそ500mgの化合物(Ia)の結晶性の塩基及び結晶性のフマル酸水素塩を、それぞれ2つの12mmステンレススチールボールベアリングを含む2つの別な25mLステンレススチール粉砕ジャーに量り入れ、30Hzで、フマル酸塩では合計15分間、塩基では30分間、RetschのMixer mill MM 400を使用して粉砕した。生じた固体を、XRPDを使用して特性化した(図5)。
結晶性のフマル酸水素塩のボールミル粉砕の後で記録された回折パターンは、非晶性材料に特徴的な、ブラッグピークのない拡散ハロを示す(図5-右)。これは、機械的活性化調製方法を利用して、非晶形の化合物(Ia)のフマル酸水素塩を製造することが可能であることを明示する。
対照的に、ボールミル粉砕後の化合物(Ia)の塩基のXRPDディフラクトグラムは、α型の固体形態のものに類似なブラッグピークパターンを明らかにし、それは、材料がボールミル粉砕の間に完全には非晶化されないことを示す(図5-左)。これは、ボールミル粉砕が、非晶形の化合物(Ia)の塩基を調製する最適な方法ではないことを明示する。
実施例7-噴霧乾燥
20mg/mlの化合物(Ia)の結晶性の塩基及び結晶性のフマル酸水素塩の2つの別な溶液を、500mgの材料を25mlのメタノールに溶解させることにより調製した。溶液を、ProCepTのオープンループ4M8-TriX噴霧乾燥機を使用し、空気を乾燥ガスとして噴霧乾燥させた。プロセス設定は下記の通りであった:75℃吸気温度、0.50m/分吸気体積、50%ポンプスピード、及び20L/分ノズルエア。次いで、生じた噴霧乾燥粉末を回収し、XRPDを使用して分析した(図5)。
実施例8-凍結乾燥
50mg/mlの化合物(Ia)の結晶性の塩基及び結晶性のフマル酸水素塩の2つの別な10ml溶液を、それぞれ、tert-ブタノール(TBA)及びアセトニトリル:水(体積比50:50)を使用して調製した。TBA、アセトニトリル、及び水は、その高い凍結温度、低い毒性、及び高い蒸気圧のため、凍結乾燥に特に好適である。しかし、26℃付近のTBAの比較的高い融点のため、固体を溶媒に溶かすには熱が必要である。したがって、溶液を、Variomagの加熱された磁気撹拌ブロック中で、40℃及び300rpmで撹拌しながら調製した。透明な溶液が形成されたら、200μlを、ゼロバックグラウンド(0-BG)XRPDシリカプレートの中心にピペットで移し(10mgの化合物(Ia)に相当する)、試料がおよそ-80℃の温度に達するまで、ドライアイスを収容しているStyrofoamボックス内に配置した。次いで、凍結したXRPDプレートを乾燥チャンバー内に配置し、バルブを開けて真空をつくることにより、Drawell ScientificのDW 1,0-110凍結乾燥機中で試料を凍結乾燥させた。溶媒が全て昇華し、チャンバー中の圧力がおよそ3・10-3ミリバールに達すると、ゆっくりとバルブを開けて、空気を乾燥チャンバー中に取り入れ、真空ポンプを止めることにより凍結乾燥プロセスを停止し、容器をドレインの下に配置して、溶媒を回収した。次いで、生じた凍結乾燥粉末を回収し、XRPDを使用して分析した(図5)。
噴霧乾燥及び凍結乾燥後に記録された回折パターンは、非晶性材料に特徴的な、ブラッグピークのない拡散ハロを示す。これは、溶媒系調製方法を利用して、非晶形の式(I)の化合物を製造することが可能であることを明示する。
結晶化阻害剤:
実施例9-ポリマー及びコポリマー並びに式(I)の化合物を含む非晶性固体分散体
90:10%又は85:15%(w/w)の比の結晶性固体形態の化合物(Ia)及び種々のポリマー又はコポリマー混合物を調製した。混合物の融点を、DSCサーモグラムにより分析した。そのような分析により、ポリマー及びコポリマーが非晶性の式(I)の化合物を安定化する能力が確認されるだろう。図6中のサーモグラムに示される通り、全混合物は、結晶形の化合物(Ia)と比べて、ある程度の融点降下を示した。化合物(Ia)の結晶性の塩基は、結晶性α型に特徴的な、60℃付近にオンセットがある融解ピークを有する。10%(w/w)の280.000Daの平均分子量を有するアニオン性メタクリレートコポリマー(Eudragit(登録商標)FS100)、ポリビニルカプロラクタムポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマー(Soluplus(登録商標))、並びに約2:1:1の比のジメチルアミノエチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、及びメチルメタクリレート(Eudragit(登録商標)EPO)と混合した後に、固体の融解のオンセットは、それぞれ、58.9、58.8、及び58.5℃に低下した(図6-左)。
化合物(Ia)の結晶性のフマル酸水素塩のサーモグラムは、結晶性α型に特徴的な、203℃付近にオンセットがある融解ピークを示す。15%(w/w)のヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(AQOAT AS MF)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Pharmacoat(登録商標)603)、280.000Daの平均分子量を有するアニオン性メタクリレートコポリマー(Eudragit(登録商標)FS100)、ポリビニルカプロラクタムポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマー(Soluplus(登録商標))、VP/VA;N-ビニル-2-ピロリドンと酢酸ビニルとの60:40直鎖ランダムコポリマー(Plasdone(商標)S-630)、約2:1:1の比のジメチルアミノエチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、及びメチルメタクリレート(Eudragit(登録商標)EPO)、並びにポリビニルピロリドン(Plasdone(商標)K12)と混合した後、薬物の融解のオンセットは、それぞれ、201.4、201.4、201.0、199.7、198.6、196.0、及び195.2℃に低下した(図6-右)。
結果として、ポリビニルカプロラクタムポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマー(Soluplus(登録商標))並びに約2:1:1の比のジメチルアミノエチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、及びメチルメタクリレート(Eudragit(登録商標)EPO)は、化合物(Ia)の非晶性の塩基を安定化するのに特に適している。同様に、約2:1:1の比のジメチルアミノエチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、及びメチルメタクリレート(Eudragit(登録商標)EPO)並びにポリビニルピロリドン(Plasdone(商標)K12)は、化合物(Ia)の非晶性のフマル酸水素塩を安定化するのに特に適しているが、例示されたポリマーは全て、非晶性の式(I)の化合物又は非晶性の式(I)の化合物塩の結晶化阻害剤として機能する潜在力を示した。
種々のポリマー中の式(I)の化合物のローディング能力(loading capacity)も測定した。
化合物(I)の結晶性の塩基又はフマル酸水素塩と種々のポリマー又はコポリマー(ポリビニルピロリドン(Plasdone(商標)K12及びPlasdone(商標)K25)、VP/VAコポリマー(N-ビニル-2-ピロリドンと酢酸ビニルとの60:40直鎖ランダムコポリマー;Plasdone(商標)S-630)、並びに約2:1:1の比のジメチルアミノエチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、及びメチルメタクリレート(Eudragit(登録商標)EPO))を、以下の比;ポリマー中の70、75、80、85、90、及び95%(w/w)結晶性固体形態で混合した。生じた混合物を乳鉢に移し、それに続いて乳棒を使用して完全に粉砕した。
ポリマーのローディング能力評価はDSCサーモグラムを利用する。ここでも、融点低下が、薬物-ポリマー溶解度の直接的な尺度であるため考察される。この分析から、室温の薬物-ポリマー溶解度を、フローリー・ハギンズモデルを利用して高温での異なる組成物の融点の外挿により予測することが可能である:
Figure 2022509408000008

(式中、ΔHm及びTmは、それぞれ結晶形の化合物(I)の融解エンタルピー及び融解温度である)。Rは気体定数であり、λは、ポリマーと薬物のモル体積比であり、χはフローリー・ハギンズ相互作用パラメーターであり、Tは測定が実施された温度であり、v薬物は、ポリマー中の結晶形の化合物(I)の体積分率である。その結果、融解のオンセット(T)と混合物中の結晶形の体積分率(v薬物)をプロットすることにより、平均フィッティングパラメーターχが計算でき、フローリー・ハギンズモデルのT=25℃への外挿により、室温の薬物-ポリマー溶解度を予測できる。
種々のポリマー中の化合物(Ia)のローディング能力に関して、以下の結果が得られた:
Figure 2022509408000009
実施例10-メソポーラスシリカ及び式(I)の化合物を含む吸着組成物
メソポーラスシリカ粒子中のナノ細孔は、核形成及び結晶成長に対してサイズ制約効果(size-constraining effect)を有する。そのため、薬物のこれらの細孔へのローディングは、非晶系において結晶化を妨げ得る。熱力学的に安定な系を得るために、混合物中にオーバーロードされた薬物は避けなければならず、したがって、最大ローディング能力の測定が必須である。種々のメソポーラスシリカを以下の実験で使用した:無水シリカ(Aeroperl(登録商標)300)及びSiO(Parteck(登録商標)SLC 500及びSyloid(登録商標)72 FP)。
式(Ia)の化合物を、メソポーラスシリカと、80%の化合物(Ia)及び20%のシリカ(w/w)の比で混合した。混合物を乳鉢に移し、それに続いて乳棒を使用して完全に粉砕した。純粋な化合物(Ia)固体及び化合物(I)-シリカ物理的混合物の熱容量変化(ΔCp)をガラス転移温度(Tg)で割ったものを、およそ5mgの試料粉末を穴あき蓋のあるTzeroアルミニウム密封パンに詰め、110℃で(化合物(Ia)の塩基を含む混合物の場合)又は210℃で(化合物(Ia)のフマル酸塩を含む混合物の場合)2分間アニールし、-50℃に冷却する加熱-冷却-加熱手順の後に決定した。急冷後に、試料を、50mL/分の乾燥窒素ガスパージの下で、20℃/分の速度で90℃又は230℃に昇温した。
メソポーラスシリカ中の化合物(Ia)の最大ローディング能力を、直線的傾向を零ΔCpに外挿することにより決定した。これは、最大ローディング能力が到達する点を表す。3種のシリカ中の化合物(Ia)のローディング能力は下記の通りであった:
Figure 2022509408000010

Claims (16)

  1. 非晶性の式(I)の化合物又は非晶性の式(I)の化合物塩を含む組成物
    Figure 2022509408000011

    (式中、R1~R10は、水素又は重水素から独立に選択される)。
  2. R1~R10の少なくとも1つが重水素である、請求項1に記載の組成物。
  3. R6~R10がそれぞれ重水素である、請求項2に記載の組成物。
  4. R3~R5がそれぞれ水素である、請求項3に記載の組成物。
  5. 前記非晶性化合物又は前記非晶性化合物塩が式(Ia)のものである、請求項3に記載の組成物:
    Figure 2022509408000012

  6. 前記非晶性の式(Ia)の化合物が前記非晶性の塩基である、請求項5に記載の組成物。
  7. 前記非晶性の式(Ia)の化合物塩が前記非晶性の式(Ia)の化合物フマル酸水素塩である、請求項5に記載の組成物。
  8. 非晶性の式(I)の化合物又は非晶性の式(I)の化合物塩を得るためのプロセスであって
    a.1種以上の溶媒中の式(I)の化合物又は式(I)の化合物塩の溶液を調製すること;及び
    b.前記溶媒を除去することにより、非晶性の式(I)の化合物又は前記非晶性の式(I)の化合物塩を得ること
    を含むプロセス。
  9. a.非晶性の式(I)の化合物又は非晶性の式(I)の化合物塩;及び
    b.前記非晶性固体中で結晶性粒子の形成を減少させ、遅延させ、又はなくすのに有効な量の少なくとも1種の結晶化阻害剤
    を含む組成物。
  10. 前記結晶化阻害剤がポリマー又はコポリマーである、請求項9に記載の組成物。
  11. 前記コポリマー又はコポリマーが、ポリビニルカプロラクタムポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマー(例えば、Soluplus(登録商標))、約2:1:1の比のジメチルアミノエチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、及びメチルメタクリレート(例えば、Eudragit(登録商標)EPO)、並びにポリビニルピロリドン(例えば、Plasdone(商標)K12)を含む群から選択される、請求項10に記載の組成物。
  12. 前記結晶化阻害剤がメソポーラスシリカである、請求項9に記載の組成物。
  13. 前記メソポーラスシリカが、約4~90μmの粒径、約0.56~1.70cm/gの細孔容積、約6~35nmの細孔径、及び約235~404m/gの表面積を有する、請求項12に記載の組成物。
  14. 医薬として使用するための非晶性の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  15. 精神病、精神病症状を含む他の疾患、精神病性障害、又は精神病症状を呈する疾患の治療に使用するための、非晶性の式(I)の化合物若しくは非晶性の式(I)の化合物塩又は請求項1~7若しくは9~13に記載のいずれかの組成物。
  16. 前記精神病症状を含む疾患が治療抵抗性統合失調症を含む統合失調症である、請求項15に記載の使用のための、非晶性の式(I)の化合物若しくは非晶性の式(I)の化合物塩又は請求項1~7若しくは9~13に記載のいずれかの組成物。
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