JP2022506752A - がんを診断するための方法及び関連するキット - Google Patents

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Abstract

本発明は、対象におけるがんを診断するための方法であって、対象から得られた生物学的試料に対するRT-MLPA工程を含み、RT-MLPA工程が、配列番号1~13を有するプローブ、及び/又は配列番号866~938を有するプローブ、及び/又は配列番号940~1104を有するプローブ、及び/又は配列番号211~1312を有するプローブ、及び/又は配列番号96~99を有するプローブ、及び/又は配列番号1105~1107を有するプローブ、及び/又は配列番号939を有するプローブ、及び/又は配列番号1108~1123を有するプローブの中から選択される少なくとも1つのプローブを含む、少なくとも1つのプローブ対を使用して実行され、プローブの各々が、少なくとも1つの末端において、プライミング配列と融合しており、対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む、方法に関する。

Description

本発明は、がんを診断するための方法及びこのような方法を実施するために有用なキットに関する。本発明はまた、特にがん診断の場面で実行される、この方法を実施した後で得られる結果を解析するための、コンピュータにより実施される方法にも関する。
がんは、腫瘍細胞による、遺伝子異常の蓄積に起因する。これらの異常の中には、異常なタンパク質をコードする、融合遺伝子の形成を結果としてもたらす、多数の染色体再配列(転座、欠失、及び逆位)がある。これらの再配列はまた、ゲノム切断点の5'側及び3'側に位置する、エクソン発現の不均衡(5'-3'発現不均衡)ももたらし、この場合、前者の発現が、遺伝子の、天然の転写調節領域の制御下にあることを維持するのに対し、後者の発現は、パートナー遺伝子の転写調節領域の制御下から外れる。これらの異常はまた、正常なRNAの成熟を破壊する、スプライス部位における変異も含む結果として、特に、エクソンスキッピングをもたらす。重要な診断用マーカーである、融合遺伝子、エクソンスキッピング、及び5'-3'発現不均衡は、通例、異なる技法により探索される。これらの遺伝子異常のうちの一部、特に、極めて異質性であり、極めて多数の遺伝子が関与しうる、肉腫の発症に関与する遺伝子異常は、検出/解析が極めて困難である。加えて、肉腫生検から得られる、RNAの量は、極めて低量であり、低品質であることが多い。肉腫の場面における再配列については、特に、Nakano及びTakahashiによる論文(Int.J.Mol.Sci.、2018、19、3784;doi:10.3390/ijms19123784)において論じられている。
融合遺伝子は、腫瘍の特定の形態と関連することが多く、それらの検出は、診断を下し、最適の処置を選び出すことに、大きく寄与しうる(The impact of translocations and gene fusions on cancer causation、Mitelman F、Johansson B、Mertens F、Nat Rev Cancer、2007年4月、7(4):233~45)。融合遺伝子はまた、処置の有効性をモニタリングし、疾患、例えば、急性白血病の経過を追跡する、分子マーカーとして使用されることも多い(Standardized RT-PCR analysis of fusion gene transcripts from chromosome aberrations in acute leukemia for detection of minimal residual disease. Report of the BIOMED-1 Concerted Action: Investigation of minimal residual disease in acute leukemia、van Dongen JJ、Macintyre EA、Gabert JA、Delabesse E、Rossi V、Saglio G、Gottardi E、Rambaldi A、Dotti G、Griesinger F、Parreira A、Gameiro P、Diaz MG、Malec M、Langerak AW、San Miguel JF、Biondi A、Leukemia、1999年12月、13(12):1901~28)。
融合遺伝子の検索に、一般に使用される、4つの主要な技法は、従来の細胞遺伝学、分子細胞遺伝学(蛍光in situハイブリダイゼーション)、免疫組織化学、及び分子遺伝学(RT-PCR、RNAseq、又はRACE)である。
従来の細胞遺伝学は、染色体の数及び/又は構造の、可能性のある異常を探査するために、がん細胞の核型を確立することからなる。従来の細胞遺伝学は、ゲノム全体についての全般的な視点をもたらす利点を有する。しかし、従来の細胞遺伝学は、比較的低感度であり、その有効性は、解析される試料中の、腫瘍細胞の百分率、及び生細胞培養物を得る可能性に依存する。従来の細胞遺伝学の、別の欠点は、ある特定の再配列(特に、小規模の逆位及び欠失)の検出を可能としない、その低解像度である。最後に、一部の腫瘍は、病態特徴的な遺伝子異常を覆い隠す、大きなゲノム不安定性と関連する。これは、例えば、肺がん等、充実性腫瘍の場合である。したがって、核型解析は、可能な場合であっても、困難であり、例外的な専門技術者にしか実行されえず、これは、高額な費用を伴う。
分子細胞遺伝学、又はFISH(蛍光In Situハイブリダイゼーション)は、構造的異常を可視化させるために、腫瘍細胞の染色体上に蛍光プローブをハイブリダイズさせることからなる。FISHは、染色体の再配列を、従来の細胞遺伝学より良好な解像度で検出し、したがって、より小さなサイズの再配列を検出することを可能とする。FISHはまた、関与する可能性が高い遺伝子を、正確にターゲティングすることにより、ゲノム不安定性が大きな腫瘍内の異常を発見することも可能とする。その主要な欠点は、各異常が、特異的なプローブを使用して、個別に探索されなければならないことである。したがって、FISHは、高額な費用をかさませ、記載されている異常の多様性が大きく、診断に利用可能な腫瘍素材が少量であるために、探索されうる異常は、少数に限られる。例えば、実際は、肺癌の診断の場面では、この方法により、一般に、探索されるのは、ALK遺伝子の再配列だけであり、これらの腫瘍における、他の頻発の再配列についての検索は、極めて例外的であるにとどまっている。
免疫組織化学(又はICH)は、抗体を使用して、異常なタンパク質の過剰発現を探索することからなる。これは、単純で迅速な方法であるが、また、各異常を、個別に検索することも要求し、ある特定の遺伝子は、再配列を伴わずに、腫瘍内で過剰発現されうるので、その特異度は、低度であることが多い。
RT-PCR、RNAseq、及びRACEは、腫瘍細胞から抽出されるRNAを使用して実行される、分子遺伝学の方法である。RT-PCRは、細胞遺伝学よりはるかに優れた感度を有する。この感度は、RT-PCRを、腫瘍細胞の百分率が低度である場合に、例えば、処置の有効性をモニタリングするか、又は極めて早期に、起こり得る再発を予測するために、生物学的試料を解析するための、標準的技法としている。その主要な限界は、この種の解析をマルチプレックス化することが、極めて困難であるという事実と連関する。分子細胞遺伝学と同様に、各転座は、一般に、特殊な検査により探索されなければならず、したがって、現在のところ既知である極めて多くの中で、頻発の少数の融合だけが、ルーティーンの診断検査で検査される。RT-PCRはまた、良好な品質のRNAを有することも要求するが、これは、病理学的診断を容易とするために、生検試料が得られたらすぐに、試料を、ホルマリン中で固定しパラフィン中に包埋する、充実性腫瘍では、ほとんどありえないことである。この高感度の技法は、肉腫の診断において、極めて有用でありうる。にもかかわらず、最低でも、最も高頻度の頻発の融合遺伝子について、多数の独立の検査を実施することが必要であり、これは、更に費用をかさませ、要求される時間を長くする。腫瘍により発現される全RNAを、次世代シーケンシング(NGS)により解析することからなるRNAseqは、理論的には、発現される全ての異常な融合転写物の検出を可能とする。しかし、RNAseqもまた、良好な品質のRNAを有することも要求し、したがって、ホルマリンで固定された生検から実施することが困難である。シーケンシングライブラリーを作出するのに、多くの工程が要求されるので、RNAseqの適用もまた、極めて煩雑である。加えて、シーケンシングは、極めて大量のデータを生成し(全ての遺伝子が研究されるので)、これは、解析を、特に煩雑とする。近年、NGSへと適合されたRACEは、RNAseq法の簡略化であるが、融合に関与する可能性が高い遺伝子についての、小規模のパネルのターゲティングを可能とする。RACEは、ホルマリンで固定された生検へと適用されうる利点を有する。しかし、生成されるデータの量は、RNAseqと比較して、低減されているが、なおも、大量である。異常なRN
Aだけを検出する、本発明で記載される方法と異なり、RACEは、それらが、胚性の構成にある場合であってもなお、パネル内のターゲティングされる遺伝子の全てに対応する配列を得ることを結果としてもたらす。したがって、得られる配列の大部分は、腫瘍細胞、及びそれらの周囲における細胞により、天然に発現された正常な転写物に対応する。したがって、融合転写物を同定するために、配列ファイルは、フィルタリングされなければならない。最後に、RNAseqと同様に、RACEも、実施するのが、長く、煩雑な技法であり、シーケンシングライブラリーを得るために、多くの工程が必要であり、これは、結果をもたらすのに要求される時間を増大させる。
エクソンスキッピングは、一般に、腫瘍過程に関与する、異常に短いタンパク質の発現を結果としてもたらす。例えば、MET遺伝子の、エクソン14のスキッピングは、肺癌の発症に関与し、EGFR遺伝子の、エクソン2~7のスキッピングは、ある特定の脳腫瘍、特に、神経膠芽腫の発症に関与する。エクソンスキッピングは、エクソンスプライシング部位(3'側ドナー部位、5'側アクセプター、並びにイントロンエンハンサー又はエクソンエンハンサー)に影響を及ぼす点変異、又は遺伝子の内部欠失に起因することが多い。今日、細胞遺伝学も、FISHも、情報を与えないので、がんを診断するために、これらの異常を発見することは、特に困難である。RT-PCRは、代替法でありうるが、病理学的診断に必要である、腫瘍生検のホルマリン固定のために、大きな制限を受ける。したがって、これらの異常は、現行では、主に、ゲノムDNA又はRNAについての、次世代シーケンシングにより調べられるが、これは、高価で煩雑な技法である。
エクソンの発現を定量的に査定することを要求する、5'-3'発現不均衡は、がんを診断する場合に、極めてまれにしか検査されない。5'-3'発現不均衡は、RNAseqにより解析される場合もあり、Nanostring社により提供されているキット(例えば、「nCounter(登録商標)Lung Fusion Panel」検査) 等の専用キットによりにより解析される場合もある。
国際出願第PCT/FR2014/052255号は、融合遺伝子を検出することにより、がんを診断するための方法について記載している。前記方法は、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合したプローブを使用する、RT-MLPA工程を含む。
Ruminyらによる論文は、急性白血病の場面における、RT-MLPAによる、融合遺伝子の検出について記載している(Multiplexed targeted sequencing of recurrent fusion genes in acute leukaemia、Leukemia、2016年3月;30(3):757~60)。
Pitonらによる論文は、肺腺癌の場面における、RT-MLPAによる、ALK遺伝子、ROS遺伝子、及びRET遺伝子と連関した再配列の検出について記載している(Ligation-dependent-RT-PCR: a new specific and low-cost technique to detect ALK, ROS and RET rearrangements in lung adenocarcinoma、Lab Invest.、2018年3月、98(3):371~379)。
したがって、現在、融合遺伝子、エクソンスキッピング、又は5'-3'発現不均衡の検出を可能とする技法が公知であるが、これらは、欠点を有する。
既存の方法の限界は、本質的に、(i)検査されるべき異常が多数であること(これは、IHC法、FISH法、及びRT-PCR法の、最も大きな限界の1つである);(ii)固定及びパラフィン中に包埋された、少量の腫瘍生検を使用して、遺伝子異常を検出するのに要求される感度(これは、次世代シーケンシング法の、最も大きな限界の1つである);(iii)結果の解釈(IHCには、閾値を規定することが必要であり、解析が困難な、極めて大量のデータを生成する、FISH、RNAseq、及びRACEでは、大量のアーチファクトが発生する);(iv)実施の煩雑さ(実行される多数の工程は、エラーの危険性を増大させ、要求される技術的時間は、作業費用を増大させ、生み出される結果の品質、及び産出に要求される時間に対して、大きな影響を及ぼす)と連関する。
国際出願第PCT/FR2014/052255号に記載された方法は、融合遺伝子を検出するための既存の技法と比較して、より特異的で、単純で、実施に時間がかからない。
しかし、多種多様な異常を、特異的で、高感度で、信頼できる方法において検出することを可能としながら、なおも、単純であり、実施に時間がかからない、融合遺伝子の診断法が必要とされている。
国際出願第PCT/FR2014/052255号はまた、がんにおいて観察される種類の転座に特異的なプローブについても記載している。しかし、以来、上記で参照された国際出願において記載された方法によって、新たな遺伝子異常は発見されておらす、検出できていない。
国際出願第PCT/FR2014/052255号 米国特許第6,955,901号
Nakano及びTakahashi、Int.J.Mol.Sci.、2018、19、3784;doi:10.3390/ijms19123784 The impact of translocations and gene fusions on cancer causation、Mitelman F、Johansson B、Mertens F、Nat Rev Cancer、2007年4月、7(4):233~45 Standardized RT-PCR analysis of fusion gene transcripts from chromosome aberrations in acute leukemia for detection of minimal residual disease. Report of the BIOMED-1 Concerted Action: Investigation of minimal residual disease in acute leukemia、van Dongen JJ、Macintyre EA、Gabert JA、Delabesse E、Rossi V、Saglio G、Gottardi E、Rambaldi A、Dotti G、Griesinger F、Parreira A、Gameiro P、Diaz MG、Malec M、Langerak AW、San Miguel JF、Biondi A、Leukemia、1999年12月、13(12):1901~28 Multiplexed targeted sequencing of recurrent fusion genes in acute leukaemia、Leukemia、2016年3月;30(3):757~60 Ligation-dependent-RT-PCR: a new specific and low-cost technique to detect ALK, ROS and RET rearrangements in lung adenocarcinoma、Lab Invest.、2018年3月、98(3):371~379 Methods called Directional & Reference: Smith, T.、Heger, A.、及びSudbery, I.(2017)、UMI-tools: modeling sequencing erros in Unique Molecular Identifiers to improve quantification accuracy、Genome Research、27(3)、491~499、http://doi.org/10.1101/gr.209601.116
したがって、新たな遺伝子異常の検出を可能とする診断法が必要とされている。
更に、現行で、エクソンスキッピングを検出することを可能とする技法は、さらなる煩雑な検査の実施を要求する。したがって、これらの技法は、高価であり、実施に時間がかかり、解釈が困難である。
したがって、エクソンスキッピングの検出を可能とする技法であって、高感度で、信頼でき、簡単で、廉価で、実施に時間がかからない技法が必要とされている。
また、5'-3'発現不均衡の検出を可能とする技法であって、高感度で、信頼でき、簡単で、廉価で、実施に時間がかからない技法も必要とされている。
融合遺伝子、エクソンスキッピング、及び5'-3'発現不均衡を検出するための技法は、異なるので、また、これらの3つの種類の遺伝子異常を、同時に検出することを可能とする方法も必要とされている。
最後に、固形がんの診断に利用可能な、手術時の腫瘍生検は、極めて少量であり、ホルマリン中で固定され、パラフィン内に包埋されていることが多いので、多数の異常を、少量で低品質の遺伝子素材中において、同時に検出することを可能とする方法が必要とされている。
したがって、本発明は、これらの異なる必要を満たすことを目的とする。実際、本発明は、(i)癌腫内の、RET遺伝子、MET遺伝子、ALK遺伝子、及び/又はROS遺伝子と連関する新たな遺伝子異常(融合遺伝子及びエクソンスキッピングの両方)を同定し、(ii)それらを同定する技法を開発した、本発明者らの結果に基づく。本発明はまた、(iii)特に、肉腫、脳腫瘍、婦人科腫瘍、若しくは頭頸部腫瘍の診断、又は(iv)5'-3'不均衡(例えば、ALK遺伝子の5'-3'不均衡)の検出を可能とする、新たなプローブを同定した、本発明者らの結果にも基づく。本発明はまた、(v)検出の感度及び特異度を、著明に改善することを可能とする、少なくとも1つの分子バーコードを含むプローブの使用にも基づく。
したがって、本発明は、融合遺伝子、エクソンスキッピング、及び5'-3'発現不均衡を、同時に検出することを可能とする方法を提供する。本発明はまた、特異的で、高感度で、信頼できるが、また、簡単で、廉価で、実施にも時間がかからない利点も有する。典型的に、本発明に従う技法により、結果は、試料が解析検査室により受領された後、従来の技法についての数週間と比較して、2又は3日以内に得られうる。本発明に従う技法はまた、病理学検査室で使用される固定組織等の固定組織へと適用可能である利点ももたらす。したがって、本発明は、少量の低品質遺伝子素材から、遺伝子異常を同定することを可能とする。最後に、その極めて高度な特異度(得られる結果は、DNA配列であり、定性的データを意味し、定量的なIHC型の方法が誘導しうる、解釈バイアスを誘導しない)と相まって、その極めて高度な感度(試料中の10未満の異常な分子の検出を可能とする)は、この技法を、極めて効率的な方法とする。したがって、本発明は、各患者へと適合された処置計画を有することを可能とする。実際、本発明は、標的処置に適格な患者を同定することにより、正確に診断し、処置の選択肢を導くことを可能とする。
したがって、第1の態様では、本発明は、対象におけるがんを診断するための方法であって、前記対象から得られた生物学的試料に対するRT-MLPA工程を含み、RT-MLPA工程が、
- 配列番号1~13のプローブ、及び/又は
- 配列番号96~99のプローブ
から選択される少なくとも1つのプローブを含む、少なくとも1つのプローブ対を使用して実行され、
プローブの各々が、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む、
方法に関する。
この第1の態様では、本発明はまた、対象におけるがんを診断するための方法であって、前記対象から得られた生物学的試料に対するRT-MLPA工程を含み、RT-MLPA工程が、
- 配列番号866~938、及び/若しくは配列番号940~1104のプローブ、並びに/又は
- 配列番号1105~1107、及び/若しくは配列番号939のプローブ、並びに/又は
- 配列番号1108~1123のプローブ
から選択される少なくとも1つのプローブを含む、少なくとも1つのプローブ対を使用して実行され、
プローブの各々が、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む、
方法にも関する。
この第1の態様では、本発明はまた、対象におけるがんを診断するための方法であって、前記対象から得られた生物学的試料に対するRT-MLPA工程を含み、RT-MLPA工程が、配列番号1211~1312のプローブから選択される少なくとも1つのプローブを含む、少なくとも1つのプローブ対を使用して実行され、
プローブの各々が、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む、
方法にも関する。
したがって、第1の態様では、本発明は、対象におけるがんを診断するための方法であって、前記対象から得られた生物学的試料に対するRT-MLPA工程を含み、RT-MLPA工程が、
- 配列番号1~13、及び/若しくは配列番号866~938、及び/若しくは配列番号940~1104、及び/若しくは配列番号1211~1312のプローブ、並びに/又は
- 配列番号96~99、及び/若しくは配列番号1105~1107、及び/若しくは配列番号939のプローブ、並びに/又は
- 配列番号1108~1123のプローブ
から選択される少なくとも1つのプローブを含む、少なくとも1つのプローブ対を使用して実行され、
プローブの各々が、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む、
方法に関する。
本発明に従う、「MLPA」という用語は、1つ又は複数の、特異的なプローブを使用して、互いと隣接する、いくつかの目的の標的の、同時的な増幅を可能とする、マルチプレックスライゲーション依存性プローブ増幅を意味する。本発明の場面では、この技法は、悪性腫瘍において高頻度である、転座の存在を決定するために、極めて有利である。
本発明に従う、「RT-MLPA」という用語は、本発明の場面では、融合遺伝子、目的のエクソンスキッピング、及び/又は5'-3'発現不均衡を増幅し、特徴づけるのに、対象由来のRNAで出発することを可能とする、逆転写(RT)を先行させる、マルチプレックスライゲーション依存性プローブ増幅を意味する。本発明に従い、RT-MLPA工程は、マルチプレックス方式で実行される。マルチプレックス方式は、いくつかのモノプレックスアッセイより迅速であるため、時間を節約し、経済的に有利である。マルチプレックス方式はまた、現在利用可能な他の技法より、はるかに多数の異常を、同時に検索することも可能とする。RT-MLPA工程は、特に、米国特許第6,955,901号において記載されているMLPAに由来する。RT-MLPA工程は、多数の異なるオリゴヌクレオチド配列の検出、及びこれらについての同時的なアッセイを可能とする。原則は、以下の通り(融合遺伝子を伴う原則について例示する図1を参照されたい)である:腫瘍組織から抽出されたRNAをまず、逆転写により、相補性DNA(cDNA)へと転換する。次いで、このcDNAを、適切なプローブの混合物と共にインキュベートし、次いで、これらの各々を、それらが対応するエクソンの配列とハイブリダイズさせることができる。融合転写物のうちの1つ、又は探索されるエクソンスキッピングに対応する転写物のうちの1つが、試料中に存在する場合、2つのプローブは、隣り合わせで、対応するcDNAへと接合する。次いで、DNAリガーゼ活性を伴う酵素を使用して、ライゲーション反応を実行し、これにより、隣接する、2つのプローブの間の共有結合を確立する。次いで、ライゲーションされた、2つのプローブを、特異的に増幅することを可能とするプライマー配列に対応するプライマーを使用して、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)反応を実行する。RT-MLPA工程の後で、増幅産物を得ることは、1つ転座、又は探索されるエクソンスキッピングが、解析される試料中に存在することを指し示す。この増幅産物のシーケンシングは、関与する遺伝子の同定を可能とする。
本発明に従う、「対象」という用語は、健常であるか、又はがんに罹患している可能性が高いか、又はスクリーニング、診断、若しくは経過観察を求めている個体を意味する。
本発明に従う、「生物学的試料」という用語は、生物学的素材を含有する試料を意味する。より好ましくは、「生物学的試料」とは、RNAを含有する、任意の試料を意味する。この試料は、生物(ヒト患者、動物)から採取された、生物学的試料に由来しうる。好ましくは、本発明の生物学的試料は、対象、特に、ヒト対象から得られた血液及び生検の中から選択される。生検は、特に、特に固定組織(例えば、ホルマリンで固定され、且つ/又はパラフィン内に包埋された)の切片、又は凍結試料由来の腫瘍生検である。
本発明に従う、「がん」という用語は、生物の正常な組織内の、生物の生存が脅かされるほどの、異常に高度な細胞増殖により特徴づけられる疾患を意味する。本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、がんは、遺伝子異常、好ましくは、融合遺伝子の形成、及び/又はエクソンスキッピング、及び/又は5'-3'不均衡と連関する。本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、がんは、遺伝子異常、好ましくは、融合遺伝子又はエクソンスキッピングと連関する。本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、がんには、RET、MET、ALK、及び/又はROSの中から選択される少なくとも1つの遺伝子が関与し、特に、がんは融合遺伝子の形成、及び/又はエクソンスキッピング、より詳細には、MET遺伝子のエクソンのスキッピング、及び/又は5'-3'不均衡、より詳細には、ALK遺伝子の5'-3'不均衡と関連する。本発明に従い、且つ、第1の態様では、がんは、好ましくは、癌腫である。癌腫とは、上皮組織を犠牲にして発現する、悪性腫瘍である。より詳細には、がんは、肺癌、より詳細には、気管支肺癌、なおより詳細には、RET遺伝子、MET遺伝子、ALK遺伝子、及び/又はROS遺伝子の遺伝子異常と関連する肺癌である。本発明に従う方法についての別の好ましい実施形態では、5'-3'発現不均衡は、より詳細には、ALK遺伝子の発現不均衡を意味するように理解される。本発明の別の態様に従い、且つ、第2の態様では、がんは、好ましくは、肉腫、脳腫瘍、婦人科腫瘍、又は頭頸部腫瘍である。肉腫とは、軟部組織及び骨の腫瘍である。脳腫瘍とは、神経膠腫又は髄芽腫等、脳内で増殖する腫瘍である。婦人科腫瘍とは、子宮頸がん、子宮内膜がん、及び卵巣がん等、女性の生殖系の腫瘍である。頭頸部がんとは、咽喉(咽頭、喉頭)、及び口腔の扁平上皮癌等の上気道のがん、鼻腔(又は鼻咽頭)のがん、唾液腺(耳下腺、口蓋)のがん、又は甲状腺のがんである。本発明に従う方法についての別の好ましい実施形態では、エクソンスキッピングとはまた、EGFR遺伝子のエクソンスキッピングも意味し、より詳細には、EGFR遺伝子の、エクソン2~7のスキッピングも意味する。したがって、本発明に従い、エクソンスキッピングは、MET遺伝子及び/又はEGFR遺伝子の1つ又は複数のエクソンのスキッピングを意
味するように理解される。
本発明に従う、「プローブ」という用語は、長さが、15と55ヌクレオチドの間、好ましくは15と45ヌクレオチドの間であり、対象のRNAに由来する(内因性)cDNA配列と相補性である核酸配列を意味する。したがって、「プローブ」は、対象のRNAに由来する、前記cDNA配列とハイブリダイズすることが可能である。「プローブ対」という用語は、一方は、5'-3'発現不均衡を検出するために、融合遺伝子の転座の、その発現が査定される1つ又は複数のエクソンのスキッピングの、5'側(特に、Table 1(表1)における「L」を参照されたい)に位置し、他方は、5'-3'発現不均衡を検出するために、融合遺伝子の転座の、その発現が査定される1つ又は複数のエクソンのスキッピングの、3'側(特に、Table 1(表1)における「R」を参照されたい)に位置する、2つのプローブ(すなわち、「左側(Left)」プローブ及び「右側(Right)」プローブ)のセットを意味する。好ましくは、前記プローブ対は、RT-MLPA工程において、隣り合わせでハイブリダイズする、2つのプローブからなる。好ましくは、本発明に従うプローブ対は、少なくとも配列番号1~13のプローブ、及び/又は配列番号96~99のプローブ、及び/又は配列番号14~91のプローブから形成される。なおより詳細には、本発明に従うプローブ対は、少なくとも配列番号1~13のプローブ、配列番号96~99のプローブ、及び配列番号14~91のプローブから形成される。好ましくは、本発明に従うプローブ対は、少なくとも配列番号866~938のプローブ、及び/又は配列番号940~1104のプローブ、及び/又は配列番号1105~1107のプローブ、及び/又は配列番号939及び/又は配列番号1108~1123のプローブから形成される。なおより詳細には、本発明に従うプローブ対は、少なくとも配列番号866~938のプローブ、配列番号940~1104のプローブ、配列番号1105~1107のプローブ、配列番号939のプローブ、並びに配列番号1108~1123のプローブから形成される。好ましくは、本発明に従うプローブ対は、少なくとも配列番号1211~1312のプローブから形成される。なおより詳細には、本発明に従うプローブ対は、少なくとも配列番号1~13のプローブ、配列番号96~99のプローブ、配列番号14~91のプローブ、配列番号866~938のプローブ、配列番号940~1104のプローブ、配列番号1105~1107のプローブ、配列番号939のプローブ、及び配列番号1108~1123のプローブから形成される。なおより詳細には、本発明に従うプローブ対は、少なくとも配列番号1~13のプローブ、配列番号96~99のプローブ、配列番号14~91のプローブ、配列番号866~938のプローブ、配列番号940~1104のプローブ、配列番号1105~1107のプローブ、配列番号939のプローブ、及び配列番号1108~1123のプローブ、並びに配列番号1211~1312のプローブから形成される。
本発明に従う、「プライマー配列」という用語は、長さが、15と30ヌクレオチドの間、好ましくは19と25ヌクレオチドの間であり、対象のRNAから得られたcDNA配列と相補性ではない核酸配列を意味する。したがって、「プライマー配列」は、内因性RNAに対応するcDNAと相補性ではない。したがって、「プライマー配列」は、前記cDNA配列とハイブリダイズできない。本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、プライマー配列は、好ましくは、配列番号92及び配列番号93、又は配列番号94及び配列番号95の配列(の対)から選択される。
本発明に従う、「インデックス配列」という用語は、長さが、5と10ヌクレオチドの間、好ましくは6と8ヌクレオチドの間、特に、8ヌクレオチドであり、対象のRNAから得られたcDNA配列と相補性ではない核酸配列を意味する。したがって、「インデックス配列」は、内因性RNAに対応するcDNAと相補性ではない。したがって、「インデックス配列」は、前記cDNA配列とハイブリダイズできない。好ましくは、インデックス配列は、配列番号836の配列により表される。前記インデックス配列は、塩基(A、T、G、又はC)から構成される。本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、前記インデックス配列は、特に、プライマー配列の3'末端において、プライマー配列へと融合させることが可能である。インデックス配列は、その試料が調べられる、各対象/患者に特異的である。PCR工程の間に使用される各プローブ対は、解析される患者の各々と連関する配列を同定することを可能とする、異なるインデックス配列を含む。
本発明に従う、「分子バーコード」という用語は、長さが、5と10ヌクレオチドの間、好ましくは6と8ヌクレオチドの間、特に、7ヌクレオチドであり、対象のRNA由来のcDNA配列と相補性ではない核酸配列を意味する。したがって、「分子バーコード」は、内因性RNAに対応するcDNAと相補性ではない。したがって、「分子バーコード」は、前記cDNA配列とハイブリダイズできない。好ましくは、分子バーコード配列は、配列番号100の配列により表される。前記分子バーコード配列は、ランダム塩基(A、T、G、又はC)から構成される、ランダム配列である。この配列の使用は、PCR増幅と関連するバイアスを回避しながら、ライゲーションにより検出されるcDNA分子の正確な数についての情報をもたらす。本発明に従い、前記対のプローブのうちの少なくとも1つは、分子バーコード配列を含む。言い換えれば、前記対のプローブのうちの少なくとも1つは、1つの末端において、分子バーコード配列と融合している。好ましい実施形態、及び特に好ましい実施形態では、分子バーコード配列は、「L」プローブ又は「左側(Left)」プローブともまた呼ばれる、「F」プローブ又は「フォワード(Forward)」プローブの5'側に付加される。好ましい実施形態では、プローブの各々は、分子バーコード配列、特に、配列番号14~91のプローブ、並びに配列番号96及び98のプローブ、好ましくは配列番号14~91のプローブを含みうる。
本発明に従う、「伸長配列」という用語は、PCR工程の間に使用されるプライマーの末端に存在することが可能であり、Illumina社型の次世代シーケンサーにおける、PCR産物の解析を可能とする配列を指す。「伸長」配列は、次世代シーケンサーにおける、PCR産物の解析を可能とする、任意の適切な配列に対応する。伸長配列とは、長さが、5と20ヌクレオチドの間、好ましくは5と15ヌクレオチドの間であり、対象のRNAに由来するcDNA配列と相補性ではない核酸配列である。したがって、「伸長配列」は、内因性RNAに対応するcDNAと相補性ではない。したがって、「伸長配列」は、前記cDNA配列とハイブリダイズできない。「伸長配列」は、特に、配列番号865により表される。当業者の知見は、当業者が、これらの伸長配列を適合させることを容易に可能とする。
本発明に従う、「感度」という用語は、がんに罹患しており、探索される異常を実際に保有する対象における、陽性検査の比率(以下の式:真陽性の数/(真陽性の数+偽陰性の数)により計算される)を意味する。
本発明に従う、「特異度」という用語は、がんに罹患しておらず、探索される異常を保有しない対象における、陰性検査の比率(以下の式:真陰性の数/(真陰性の数+偽陽性の数)により計算される)を意味する。
本発明の発明者らは、ある特定のがんにおいて観察される、新たな遺伝子異常に特異的なプローブを同定した。この同定は、図1に示される転座、又は図2若しくは図9に示されるエクソンスキッピング、なお又は図13に示される、5'-3'発現不均衡に関与する遺伝子の、イントロン/エクソン構造についての解析に基づく。特に、図1に関して述べると、機能的なキメラタンパク質の発現をもたらす可能性が高い切断点が探索される(図1A)。これらの結果から、ハイブリッド転写物のスプライシングの後に並置された、2つの遺伝子のエクソンの、5'末端及び3'末端に正確に対応する、25~50塩基対のDNA配列が規定される(図1A)。次いで、プローブのセットが、以下の通りに規定される:約20塩基対のプライマー配列(図1BにおけるSA)が、融合転写物の5'側部分を形成する遺伝子のエクソンと相補性である、全てのプローブ(図1BにおけるS1)の5'側に付加される。これもまた、約20塩基対であるが、SAと異なる、第2のプライマー配列(図1BにおけるSB)が、融合転写物の3'側部分を形成する遺伝子のエクソンと相補性である、全てのプローブ(図1BにおけるS2)の3'末端へと付加される。少なくとも1つの分子バーコード配列(図1BにおけるSA')が、例えば、遺伝子のエクソンと相補性であるプローブの5'側に付加され、融合転写物の5'側部分を形成する。次いで、これらのプローブは、併せて混合されて群にまとめられ、1つ又は複数の転座によりもたらされる、1つ又は複数の融合転写物の検出に必要な、全てのエレメントを含有する。したがって、本発明において使用されるプローブは、転座の5'側における、最後のエクソンの、最後のヌクレオチド、又は転座の3'側における、第1のエクソンの、第1のヌクレオチドとハイブリダイズすることが可能である。好ましくは、転座の3'側における、第1のエクソンの、第1のヌクレオチドとハイブリダイズすることが可能な、本発明に従い使用されるプローブは、それらの使用の前に、5'側においてリン酸化される。同じ原則は、遺伝子異常が、エクソンスキッピングである場合にも当てはまる。図2は、本発明により、MET遺伝子の、エクソン14のスキッピングの検出を可能とする戦略を表す。図2Aは、正常状況下では、MET遺伝子の転写物のスプライシングは、
エクソン13と14との接合、及びエクソン14と15との接合を誘導することを示す。病理学的状況では、例えば、変異がエクソン14のスプライスドナー部位を破壊する場合、腫瘍細胞は、エクソン13と15との接合から生じる、異常な転写物を発現する。こうして、プローブのセットが、以下の通りに規定される:約20塩基対のプライマー配列(図2BにおけるSA)が、融合転写物の5'側部分を形成するエクソン13と相補性である、全てのプローブ(図2BにおけるS13L)の5'側に付加される。これもまた、約20塩基対であるが、SAと異なる、第2のプライマー配列(図2BにおけるSB)が、融合転写物の3'側部分を形成するエクソン15と相補性である、全てのプローブ(図2BにおけるS15R)の3'末端へと付加される。少なくとも1つの分子バーコード配列(図2BにおけるSA')が、例えば、エクソンスキッピングの5'側部分を形成するエクソン、特に、MET遺伝子のエクソン13と相補性であるプローブの5'側に付加される。同じ原則は、ゲノムDNAレベルにおける、遺伝子の内部欠失に起因することが多く、これらのエクソンの喪失を結果としてもたらす、EGFR遺伝子の、エクソン2~7のスキッピングにも当てはまる。
本発明に従い、使用される対のプローブのうちの少なくとも1つ、特に、「L」プローブは、分子バーコード配列を含む。これは、分子バーコード配列が、その末端のうちの1つ、好ましくは5'末端において、プローブ配列に融合していることを意味する。存在する場合、前記分子バーコード配列は、好ましくは、プライマー配列と、遺伝子のエクソンと相補性であるプローブとの間に挿入される。本発明に従い、好ましい実施形態はまた、分子バーコード配列の5'側に、プライマー配列も含む場合があり、前記バーコード配列は、融合転写物、又はエクソンスキッピング、任意選択で、5'-3'発現不均衡に対応する転写物の5'側部分を形成する遺伝子のエクソンと相補性であるプローブの5'側に付加される。本発明に従い、代替的実施形態はまた、分子バーコード配列の3'末端に、プライマー配列を含む場合があり、前記バーコード配列は、融合転写物、又はエクソンスキッピング、任意選択で、5'-3'発現不均衡に対応する転写物の3'側部分を形成する遺伝子のエクソンと相補性であるプローブの3'側に付加される。本発明に従い、したがって、1つの特定の実施形態は、融合転写物、又はエクソンスキッピング、任意選択で、5'-3'発現不均衡に対応する転写物の5'側部分を形成する遺伝子のエクソンと相補性であるプローブの5'側に付加されている、分子バーコード配列の5'側におけるプライマー配列、並びに融合転写物、又はエクソンスキッピング、任意選択で、5'-3'発現不均衡に対応する転写物の3'側部分を形成する遺伝子のエクソンと相補性であるプローブの3'側に付加されている、分子バーコード配列の3'末端へと付加されたプライマー配列も含みうる。
本発明に従い同定される、多様な転座(融合遺伝子)の例は、図4に例示される。本発明に従い同定される、エクソンスキッピングの例は、図2又は図9に例示される。5'-3'不均衡の例は、図13に例示される。実施例6もまた、病態と関連する融合について例示する。
本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、配列番号14~91のプローブもまた、RT-MLPA工程に使用される。この態様では、プローブの各々はまた、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合し、プローブのうちの少なくとも1つは、好ましくは、分子バーコード配列を含む。なおより特定の実施形態に従い、対のうちの、「L」プローブの各々は、分子バーコード配列を含む。
本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、RT-MLPA工程は、各々が配列番号1~13のプローブ、任意選択で、配列番号14~91のプローブから選択されるプローブを含むプローブ対を使用して実行され、プローブの各々は、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つは、分子バーコード配列を含む。
本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、RT-MLPA工程は、各々が配列番号96~99のプローブから選択されるプローブを含むプローブ対を使用して実行され、プローブの各々は、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つは、分子バーコード配列を含む。
本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、RT-MLPA工程は、各々が配列番号1~13のプローブ、及び配列番号96~99のプローブから選択されるプローブを含むプローブ対を使用して実行され、プローブの各々は、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つは、分子バーコード配列を含む。
本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、RT-MLPA工程は、配列番号1~13のプローブ、配列番号96~99のプローブ、及び配列番号14~91のプローブから選択されるプローブを含むプローブ対を使用して実行され、プローブの各々は、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブ、特に、配列番号14~91のプローブ、並びに、任意選択で、配列番号96及び98のプローブのうちの少なくとも1つは、分子バーコード配列を含む。
本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、RT-MLPA工程は、配列番号866~938、及び配列番号940~1104のプローブから選択されるプローブを含むプローブ対を使用して実行され、プローブの各々は、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む。
本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、RT-MLPA工程は、配列番号1211~1312のプローブから選択されるプローブを含むプローブ対を使用して実行され、プローブの各々は、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む。
本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、RT-MLPA工程は、配列番号1105~1107、及び配列番号939のプローブから選択されるプローブを含むプローブ対を使用して実行され、プローブの各々は、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む。
本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、RT-MLPA工程は、配列番号1108~1123のプローブから選択されるプローブを含むプローブ対を使用して実行され、プローブの各々は、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む。
本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、RT-MLPA工程は、配列番号866~938、及び/又は配列番号940~1104のプローブ、及び/又は配列番号1105~1107、及び/又は配列番号939、及び/又は配列番号1108~1123のプローブから選択されるプローブを含むプローブ対を使用して実行され、プローブの各々は、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む。
本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、RT-MLPA工程は、配列番号866~938、配列番号940~1104、配列番号1105~1107、配列番号939、配列番号1108~1123のプローブから選択されるプローブを含むプローブ対を使用して実行され、プローブの各々は、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む。
本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、RT-MLPA工程は、各々が、配列番号1~13、配列番号14~91、配列番号96~99、配列番号103~127、配列番号128、配列番号129、配列番号130~137、配列番号138~168、配列番号169~194、配列番号826~835、配列番号195~198、配列番号199~245、配列番号246~344、配列番号345~403、配列番号404~428、配列番号429~436、配列番号437~479、配列番号480~504、配列番号505、配列番号506、配列番号507~514、配列番号515~546、配列番号547~582、配列番号583~586、配列番号587~633、配列番号634~732、配列番号733~791、配列番号792~816、配列番号817~824、及び配列番号825のプローブから選択されるプローブを含むプローブ対を使用して実行され、プローブの各々は、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つは、分子バーコード配列を含む。
本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、RT-MLPA工程は、各々が、配列番号1~13、配列番号14~91、配列番号96~99、配列番号103~127、配列番号128、配列番号129、配列番号130~137、配列番号138~168、配列番号169~194、配列番号826~835、配列番号195~198、配列番号199~245、配列番号246~344、配列番号345~403、配列番号404~428、配列番号429~436、配列番号437~479、配列番号480~504、配列番号505、配列番号506、配列番号507~514、配列番号515~546、配列番号547~582、配列番号583~586、配列番号587~633、配列番号634~732、配列番号733~791、配列番号792~816、配列番号817~824、配列番号825、配列番号866~938、配列番号940~1104、配列番号1105~1107、配列番号939、及び配列番号1108~1123のプローブから選択されるプローブを含むプローブ対を使用して実行され、プローブの各々は、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つは、分子バーコード配列を含む。
本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、RT-MLPA工程は、各々が、配列番号1~13、配列番号14~91、配列番号96~99、配列番号103~127、配列番号128、配列番号129、配列番号130~137、配列番号138~168、配列番号169~194、配列番号826~835、配列番号195~198、配列番号199~245、配列番号246~344、配列番号345~403、配列番号404~428、配列番号429~436、配列番号437~479、配列番号480~504、配列番号505、配列番号506、配列番号507~514、配列番号515~546、配列番号547~582、配列番号583~586、配列番号587~633、配列番号634~732、配列番号733~791、配列番号792~816、配列番号817~824、配列番号825、配列番号866~938、配列番号940~1104、配列番号1105~1107、配列番号939、配列番号1108~1123、及び配列番号1211~1312のプローブから選択されるプローブを含むプローブ対を使用して実行され、プローブの各々は、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つは、分子バーコード配列を含む。
本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、融合遺伝子の形成と関連するがんは、配列番号1~13のプローブ、任意選択で、配列番号14~91のプローブから選択される少なくとも1つのプローブを含む、少なくとも1つのプローブ対を使用して診断され、プローブの各々は、少なくとも1つの末端において、好ましくは、配列番号92及び配列番号93の配列から選択されるプライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つは、分子バーコード配列を含む。
本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、融合遺伝子の形成と関連するがんは、配列番号866~938、及び/又は配列番号940~1104のプローブから選択される少なくとも1つのプローブを含む、少なくとも1つのプローブ対を使用して診断され、プローブの各々は、少なくとも1つの末端において、好ましくは、配列番号92及び配列番号93の配列から選択されるプライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つは、分子バーコード配列を含む。
本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、融合遺伝子の形成と関連するがんは、配列番号1211~1312のプローブから選択される少なくとも1つのプローブを含む、少なくとも1つのプローブ対を使用して診断され、プローブの各々は、少なくとも1つの末端において、好ましくは、配列番号92及び配列番号93の配列から選択されるプライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つは、分子バーコード配列を含む。
本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、融合遺伝子の形成と関連するがんは、配列番号1~13、及び/又は配列番号14~91、及び/又は配列番号866~938、及び/又は配列番号940~1104のプローブから選択される少なくとも1つのプローブを含む、少なくとも1つのプローブ対を使用して診断され、プローブの各々は、少なくとも1つの末端において、好ましくは、配列番号92及び配列番号93の配列から選択されるプライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つは、分子バーコード配列を含む。好ましくは、配列番号1~13、配列番号14~91、配列番号868~938、及び配列番号940~1104の、全てのプローブが使用される。
本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、融合遺伝子の形成と関連するがんは、配列番号1~13、及び/又は配列番号14~91、及び/又は配列番号866~938、及び/又は配列番号940~1104、及び/又は配列番号1211~1312のプローブから選択される少なくとも1つのプローブを含む、少なくとも1つのプローブ対を使用して診断され、プローブの各々は、少なくとも1つの末端において、好ましくは、配列番号92及び配列番号93の配列から選択されるプライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つは、分子バーコード配列を含む。好ましくは、配列番号1~13、配列番号14~91、配列番号868~938、配列番号940~1104、及び配列番号1211~1312の、全てのプローブが使用される。
代替的に、且つ、本発明に従う方法についての別の好ましい実施形態では、エクソンスキッピングと関連するがんは、配列番号96~99のプローブから選択される少なくとも1つのプローブを含む、少なくとも1つのプローブ対を使用して診断され、プローブの各々は、少なくとも1つの末端において、好ましくは、配列番号94及び配列番号95の配列から選択されるプライマー配列と融合しており、任意選択で、前記対のプローブのうちの少なくとも1つは、分子バーコード配列を含む。より詳細には、この実施形態に従い、がんは、MET遺伝子の、エクソンのスキッピング、より詳細には、MET遺伝子の、エクソン14のスキッピングと関連する。
代替的に、且つ、本発明に従う方法についての別の好ましい実施形態では、エクソンスキッピングと関連するがんは、配列番号1105~1107、及び/又は配列番号939のプローブから選択される少なくとも1つのプローブを含む、少なくとも1つのプローブ対を使用して診断され、プローブの各々は、少なくとも1つの末端において、好ましくは、配列番号94及び配列番号95の配列から選択されるプライマー配列と融合しており、任意選択で、前記対のプローブのうちの少なくとも1つは、分子バーコード配列を含む。より詳細には、この実施形態に従い、がんは、EGFR遺伝子のエクソンスキッピング、より詳細には、EGFR遺伝子の、エクソン2~7のスキッピングと関連する。
代替的に、且つ、本発明に従う方法についての別の好ましい実施形態では、エクソンスキッピングと関連するがんは、配列番号96~99、及び/又は配列番号1105~1107、及び/又は配列番号939のプローブから選択される少なくとも1つのプローブを含む、少なくとも1つのプローブ対を使用して診断され、プローブの各々は、少なくとも1つの末端において、好ましくは、配列番号94及び配列番号95の配列から選択されるプライマー配列と融合しており、任意選択で、前記対のプローブのうちの少なくとも1つは、分子バーコード配列を含む。好ましくは、配列番号96~99、配列番号1105~1107、及び配列番号939の、全てのプローブが使用される。
代替的に、且つ、本発明に従う方法についての別の好ましい実施形態では、5'-3'不均衡と関連するがんは、配列番号1108~1123のプローブから選択される少なくとも1つのプローブを含む、少なくとも1つのプローブ対を使用して診断され、プローブの各々は、少なくとも1つの末端において、好ましくは、配列番号94及び配列番号95の配列から選択されるプライマー配列と融合しており、任意選択で、前記対のプローブのうちの少なくとも1つは、分子バーコード配列を含む。好ましくは、配列番号1108~1123の、全てのプローブが使用される。
したがって、好ましい実施形態では、本発明は、対象における癌腫を診断するための方法であって、前記対象から得られた生物学的試料に対する、少なくとも、配列番号1~13のプローブ、任意選択で、配列番号14~91のプローブによるRT-MLPA工程を含み、プローブの各々が、少なくとも1つの末端において、好ましくは、配列番号92及び配列番号93の配列から選択されるプライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む、方法に関する。
したがって、好ましい実施形態では、本発明は、対象における癌腫を診断するための方法であって、前記対象から得られた生物学的試料に対する、少なくとも、配列番号1294~1312のプローブによるRT-MLPA工程を含み、プローブの各々が、少なくとも1つの末端において、好ましくは、配列番号92及び配列番号93の配列から選択されるプライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む、方法に関する。
したがって、好ましい実施形態では、本発明は、対象における癌腫を診断するための方法であって、前記対象から得られた生物学的試料に対する、少なくとも、配列番号1~13のプローブ、及び配列番号1294~1312のプローブ、任意選択で、配列番号14~91のプローブによるRT-MLPA工程を含み、プローブの各々が、少なくとも1つの末端において、好ましくは、配列番号92及び配列番号93の配列から選択されるプライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む、方法に関する。
したがって、好ましい実施形態では、本発明は、対象における肉腫を診断するための方法であって、前記対象から得られた生物学的試料に対する、少なくとも、配列番号866~938のプローブ、及び配列番号940~1054のプローブ、任意選択で、配列番号1148及び/若しくは配列番号1149、並びに/又は配列番号1178及び/若しくは配列番号1179のプローブによるRT-MLPA工程を含み、プローブの各々が、少なくとも1つの末端において、好ましくは、配列番号92及び配列番号93の配列から選択されるプライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む、方法に関する。
したがって、好ましい実施形態では、本発明は、対象における肉腫を診断するための方法であって、前記対象から得られた生物学的試料に対する、少なくとも、配列番号1228~1291のプローブによるRT-MLPA工程を含み、プローブの各々が、少なくとも1つの末端において、好ましくは、配列番号92及び配列番号93の配列から選択されるプライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む、方法に関する。
したがって、好ましい実施形態では、本発明は、対象における肉腫を診断するための方法であって、前記対象から得られた生物学的試料に対する、少なくとも、配列番号866~938のプローブ、及び配列番号940~1054のプローブ、及び配列番号1228~1291のプローブ、任意選択で、配列番号1148及び/若しくは配列番号1149、並びに/又は配列番号1178及び/若しくは配列番号1179のプローブによるRT-MLPA工程を含み、プローブの各々が、少なくとも1つの末端において、好ましくは、配列番号92及び配列番号93の配列から選択されるプライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む、方法に関する。
したがって、好ましい実施形態では、本発明は、対象における頭頸部腫瘍を診断するための方法であって、前記対象から得られた生物学的試料に対する、少なくとも、配列番号866~938のプローブ、及び配列番号940~1054のプローブによるRT-MLPA工程を含み、プローブの各々が、少なくとも1つの末端において、好ましくは、配列番号92及び配列番号93の配列から選択されるプライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む、方法に関する。
したがって、好ましい実施形態では、本発明は、対象における頭頸部腫瘍を診断するための方法であって、前記対象から得られた生物学的試料に対する、少なくとも、配列番号1211~1227のプローブによるRT-MLPA工程を含み、プローブの各々が、少なくとも1つの末端において、好ましくは、配列番号92及び配列番号93の配列から選択されるプライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む、方法に関する。
したがって、好ましい実施形態では、本発明は、対象における頭頸部腫瘍を診断するための方法であって、前記対象から得られた生物学的試料に対する、少なくとも、配列番号866~938のプローブ、及び配列番号940~1054のプローブ、及び配列番号1211~1227のプローブによるRT-MLPA工程を含み、プローブの各々が、少なくとも1つの末端において、好ましくは、配列番号92及び配列番号93の配列から選択されるプライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む、方法に関する。
したがって、好ましい実施形態では、本発明は、対象における婦人科腫瘍を診断するための方法であって、前記対象から得られた生物学的試料に対する、少なくとも、配列番号866~938のプローブ、及び配列番号940~1054のプローブによるRT-MLPA工程を含み、プローブの各々が、少なくとも1つの末端において、好ましくは、配列番号92及び配列番号93の配列から選択されるプライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む、方法に関する。
したがって、好ましい実施形態では、本発明は、対象における脳腫瘍を診断するための方法であって、前記対象から得られた生物学的試料に対する、少なくとも、配列番号1040~1104のプローブ、任意選択で、配列番号124~125、配列番号456、配列番号1209~1210のプローブによるRT-MLPA工程を含み、プローブの各々が、少なくとも1つの末端において、好ましくは、配列番号92及び配列番号93の配列から選択されるプライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む、方法に関する。
したがって、好ましい実施形態では、本発明は、対象における脳腫瘍を診断するための方法であって、前記対象から得られた生物学的試料に対する、少なくとも、配列番号1292~1293のプローブによるRT-MLPA工程を含み、プローブの各々が、少なくとも1つの末端において、好ましくは、配列番号92及び配列番号93の配列から選択されるプライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む、方法に関する。
したがって、好ましい実施形態では、本発明は、対象における脳腫瘍を診断するための方法であって、前記対象から得られた生物学的試料に対する、少なくとも、配列番号1040~1104のプローブ、及び配列番号1292~1293のプローブ、任意選択で、配列番号124~125、配列番号456、配列番号1209~1210のプローブによるRT-MLPA工程を含み、プローブの各々が、少なくとも1つの末端において、好ましくは、配列番号92及び配列番号93の配列から選択されるプライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む、方法に関する。
本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、前記RT-MLPA工程は、少なくとも以下の工程:
a)対象由来の生物学的試料からのRNAの抽出、
b)逆転写による、a)で抽出されたRNAのcDNAへの転換、
c)b)で得られたcDNAの、
- 配列番号1~13のプローブ、及び/又は
- 配列番号96~99のプローブ
から選択される少なくとも1つのプローブを含むプローブ対をとのインキュベーションであって、
プローブの各々が、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む、インキュベーション、
d)2つの隣接するプローブの間の共有結合を確立するための、c)で得られた混合物へのDNAリガーゼの添加、
e)アンプリコンを得るための、d)で得られた、隣接する共有結合したプローブのPCR増幅
を含む。
本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、前記RT-MLPA工程はまた、少なくとも以下の工程:
a)対象由来の生物学的試料からのRNAの抽出、
b)逆転写による、a)で抽出されたRNAのcDNAへの転換、
c)b)で得られたcDNAの、
- 配列番号866~938、及び/若しくは配列番号940~1104のプローブ、並びに/又は
- 配列番号1105~1107、及び/若しくは配列番号939のプローブ、並びに/又は
- 配列番号1108~1123のプローブ
から選択される少なくとも1つのプローブを含むプローブ対とのインキュベーションであって、
プローブの各々が、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む、インキュベーション、
d)2つの隣接するプローブの間の共有結合を確立するための、c)で得られた混合物へのDNAリガーゼの添加、
e)アンプリコンを得るための、d)で得られた、隣接する共有結合したプローブのPCR増幅
も含む。
本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、前記RT-MLPA工程はまた、少なくとも以下の工程:
a)対象由来の生物学的試料からのRNAの抽出、
b)逆転写による、a)で抽出されたRNAのcDNAへの転換、
c)b)で得られたcDNAの、配列番号1211~1312のプローブから選択される少なくとも1つのプローブを含むプローブ対とのインキュベーションであって、
プローブの各々が、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む、インキュベーション、
d)2つの隣接するプローブの間の共有結合を確立するための、c)で得られた混合物へのDNAリガーゼの添加、
e)アンプリコンを得るための、d)で得られた、隣接する共有結合したプローブのPCR増幅
も含む。
本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、前記RT-MLPA工程は、少なくとも以下の工程:
a)対象由来の生物学的試料からのRNAの抽出、
b)逆転写による、a)で抽出されたRNAのcDNAへの転換、
c)b)で得られたcDNAの、
- 配列番号1~13、及び/若しくは配列番号866~938、及び/若しくは配列番号940~1104のプローブ、並びに/又は
- 配列番号96~99、及び/若しくは配列番号1105~1107、及び/若しくは配列番号939のプローブ、
- 配列番号1108~1123のプローブ
から選択される少なくとも1つのプローブを含むプローブ対とのインキュベーションであって、
プローブの各々が、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む、インキュベーション、
d)2つの隣接するプローブの間の共有結合を確立するための、c)で得られた混合物へのDNAリガーゼの添加、
e)アンプリコンを得るための、d)で得られた、隣接する共有結合したプローブのPCR増幅
を含む。
本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、前記RT-MLPA工程は、少なくとも以下の工程:
a)対象由来の生物学的試料からのRNAの抽出、
b)逆転写による、a)で抽出されたRNAのcDNAへの転換、
c)b)で得られたcDNAの、
- 配列番号1~13、及び/若しくは配列番号866~938、及び/若しくは配列番号940~1104、及び/若しくは配列番号1211~1312のプローブ、並びに/又は
- 配列番号96~99、及び/若しくは配列番号1105~1107、及び/又は配列番号939のプローブ、
- 配列番号1108~1123のプローブ
から選択される少なくとも1つのプローブを含むプローブ対とのインキュベーションであって、
プローブの各々が、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む、インキュベーション、
d)2つの隣接するプローブの間の共有結合を確立するための、c)で得られた混合物へのDNAリガーゼの添加、
e)アンプリコンを得るための、d)で得られた、隣接する共有結合したプローブのPCR増幅
を含む。
典型的に、工程a)に従う、生物学的試料からのRNAの抽出は、当業者に周知の、従来の技法に従い実行される。例えば、この抽出は、生物学的試料から得られた細胞に対する、細胞溶解により実行されうる。この溶解は、化学的溶解の場合もあり、物理的溶解の場合もあり、熱的溶解の場合もある。一般に、この細胞溶解には、精製工程が後続し、これは、核酸を、他の細胞残屑から分離し、核酸を濃縮することを可能とする。工程a)を実施するためには、QIAGEN社型及びZymo Research社型の市販のキット、又はInvitrogen社により市販されているキットが使用されうる。当然ながら、関連する技法は、被験生物学的試料の性質に応じて異なる。当業者の知見は、当業者が、これらの、溶解及び精製の工程を、前記被験生物学的試料へと適合させることを容易に可能とする。
次いで、好ましくは、工程a)で抽出されたRNAを、逆転写により、cDNAへと転換するが、これが、工程b)である(図1Bを参照されたい)。この工程b)は、先行技術から公知である、任意の逆転写法を使用して実行されうる。これは、特に、Qiagen社、Promega社、又はAmbion社により市販されている、逆転写酵素を、標準的な使用条件に従い使用して実行される場合もあり、代替的に、Invitrogen社による、M-MLV Reverse Transcriptaseを使用して実行される場合もある。
好ましくは、次いで、工程b)で得られたcDNAが、少なくとも配列番号1~13及び/又は配列番号96~99のプローブ、好ましくはまた、配列番号14~91のプローブと共にインキュベートされるが、プローブの各々は、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つは、好ましくは配列番号14~91のプローブ、並びに、任意選択で、配列番号96及び98のプローブであって、分子バーコード配列を含む。これが、プローブハイブリダイゼーション工程c)である(図1Bを参照されたい)。実際、cDNAの部分と相補性であるプローブは、部分が、cDNA内に存在する場合、この部分とハイブリダイズするであろう。したがって、図1Bに示される通り、それらの配列のために、プローブは、
- 転座の5'側の最後のエクソンの、最後のヌクレオチドに対応する、cDNAの部分とハイブリダイズする。したがって、これらは「L」プローブ又は「左側(Left)」プローブともまた呼ばれるプローブであるか;
- 又は転座の3'側の最初のエクソンの、最初のヌクレオチドに対応する、cDNAの部分とハイブリダイズする。したがって、これらは「R」プローブ又は「右側(Right)」プローブともまた呼ばれるプローブである。
好ましくは、次いで、工程b)で得られたcDNAが、少なくとも配列番号866~938、及び/又は配列番号940~1104、及び/又は配列番号1105~1107、及び/又は配列番号939、及び/又は配列番号1108~1123のプローブと共にインキュベートされるが、プローブの各々は、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つは、分子バーコード配列を含む。これが、プローブハイブリダイゼーション工程c)である(図1Bを参照されたい)。実際、cDNAの部分と相補性であるプローブは、部分が、cDNA内に存在する場合、この部分とハイブリダイズするであろう。したがって、図1Bに示される通り、それらの配列のために、プローブは、
- 転座の5'側の最後のエクソンの、最後のヌクレオチドに対応する、cDNAの部分とハイブリダイズする。したがって、これらは「L」プローブ又は「左側」プローブであるか;
- 又は転座の3'側の最初のエクソンの、最初のヌクレオチドに対応する、cDNAの部分とハイブリダイズする。したがって、これらはやはり「R」プローブ又は「右側」プローブである。
好ましくは、次いで、工程b)で得られたcDNAが、少なくとも配列番号1211~1312のプローブと共にインキュベートされるが、プローブの各々は、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つは、分子バーコード配列を含む。これが、プローブハイブリダイゼーション工程c)である(図1Bを参照されたい)。実際、cDNAの部分と相補性であるプローブは、部分が、cDNA内に存在する場合、この部分とハイブリダイズするであろう。したがって、図1Bに示される通り、それらの配列のために、プローブは、
- 転座の5'側の最後のエクソンの、最後のヌクレオチドに対応する、cDNAの部分とハイブリダイズする。したがって、これらは「L」プローブ又は「左側」プローブであるか;
- 又は転座の3'側の最初のエクソンの、最初のヌクレオチドに対応する、cDNAの部分とハイブリダイズする。したがって、これらはやはり「R」プローブ又は「右側」プローブである。
好ましくは、配列番号1~13、97、及び99のプローブは、「R」プローブであり、配列番号96及び98のプローブは、配列番号14~91のプローブと同様に、「L」プローブである。
好ましくは、配列番号870~873、877~878、882、889~892、894~895、901~902、912~914、920~921、924~926、930、937、939、943、946、950~968、970~971、973~983、988、991~994、997~998、1000、1002~1004、1007、1009~1010、1017、1021、1022、1035~1040、1042~1043、1048~1054、1056~1059、1063、1065、1067~1068、1070、1079~1081、1088~1089、1092、1094、1096、1099~1102、1104、1106、1109、1111、1113、1115、1117、1119、1121、1123のプローブは、「R」プローブであり、配列番号866~869、874~876、879~881、883~888、893、896~900、903~911、915~919、922~923、927~929、931~936、938、940~942、944~945、947~949、969、972、984~987、989~990、995~996、999、1001、1005~1006、1008、1011~1016、1018~1020、1023~1034、1041、1044~1047、1055、1060~1062、1064、1066、1069、1071~1078、1082~1087、1090~1091、1093、1095、1097~1098、1103、1105、1107~1108、1110、1112、1114、1116、1118、1120、1122のプローブは、「L」プローブである。
好ましくは、配列番号1211、1214、1215、1216、1217、1222、1224、1227、1230、1235、1237、1239、1242、1245、1248~1249、1251、1253、1260~1265、1269~1270、1272、1273、1278、1280、1282、1284~1288、1290、1295、1299、1303~1305、1310~1312のプローブは、「R」プローブであり、配列番号1212、1213、1218~1221、1223、1225~1226、1228~1229、1231~1234、1236、1238、1240~1241、1243~1244、1246~1247、1250、1252、1254~1259、1266~1268、1271、1274~1277、127、1281、1283、128、1291~1294、1296~1298、1300~1302、1306~1309のプローブは、「L」プローブである。
工程c)の終了時に、cDNAとハイブリダイズされたプローブは、転座(融合遺伝子)又はエクソンスキッピングが生じた場合に、且つ、この場合に限り隣接する。この工程c)は、典型的に、核酸の二次構造を変性させるために、cDNAと、プローブの混合物とを、90℃と100℃の間の温度で、1~5分間にわたりインキュベートし、次いで、これを、約60℃の温度で、少なくとも30分間、好ましくは、1時間にわたりインキュベートして、プローブのハイブリダイゼーションを可能とするように放置することにより実行される。これは、MRC-Holland社により販売されている、市販のキット(SALSA MLPA Buffer)を使用して、又はNEB社により提供されている緩衝液(Buffer U)を使用して実行されうる。
工程c)の終了時に、隣接するプローブだけに、共有結合的に結合させるために、DNAリガーゼが、典型的に添加されるが、これが、工程d)である(図1B及び図2Bを参照されたい)。DNAリガーゼは、特に、MRC-Holland社、Amsterdam、Netherlandsにより販売されている、リガーゼ65(SALSA Ligase-65)、又はNEB社により販売されている、熱安定性リガーゼ(Hifi Taq DNA Ligase又はTaq DNAリガーゼ)である。工程d)は、典型的に、50℃と60℃の間の温度で、10と20分間にわたり、次いで、95℃~100℃の間の温度で、2~10分間にわたり実行される。
工程d)の終了時に、隣接するプローブである、L及びRの各対は、共有結合し、各プローブのプライマー配列、並びに分子バーコード配列は、5'側及び3'側に、なおも存在する。
好ましくは、方法はまた、d)で得られた、隣接する共有結合したプローブのPCR増幅工程である、工程e)(図1B及び図2Bを参照されたい)も含む。このPCR工程は、プライマーのうちの一方が、5'側プライマー配列と同一であり、他のプライマーが、3'側プライマー配列と相補性である、プライマー対を使用してなされる。好ましくは、工程e)のPCR増幅は、融合遺伝子を検出するように、配列番号101及び92のプライマー対を使用するか、又はMET遺伝子及びEGFR遺伝子のエクソンスキッピングを検出するように、配列番号102及び94のプライマー対を使用して実行される。
PCRは、典型的に、Eurogentec社(Red'y'Star Mix)、又はNEB社(Q5 high fidelity DNA polymerase)により販売されている、既製品のキット等、市販のキットを使用して実行される。典型的に、PCRは、90℃と100℃の間の温度、典型的に、約94℃で、5~8分間にわたる初期変性の第1段階;次いで、いくつかのサイクル、典型的に、35サイクルを含み、各サイクルが、94℃で30秒間、次いで、58℃で30秒間、次いで、72℃で30秒間を含む、第2の増幅段階;及び約4分間の72℃に戻る、最終段階により行われる。PCRの終了時に、アンプリコンは、好ましくは、-20℃で保管される。本発明に従い、アンプリコンは、被験患者/被験対象由来の試料中に存在する、融合転写物若しくはエクソンスキッピングに対応する転写物、又は、おそらく、5'-3'不均衡に対応する。
本発明に従い、1つの特定の実施形態では、且つ、それが存在する場合、インデックス配列は、特に、PCR工程の間に、プライマー配列、特に、「R」プライマー配列の3'末端に導入される。
本発明に従い、1つの特定の実施形態では、第1の伸長配列が、プライマー配列の5'側に導入される場合があり、第2の伸長配列が、インデックス配列の3'側に導入される場合がある。
本発明に従い、1つの特定の実施形態では、PCR工程で使用される各プローブ対は、患者を同定することを可能とする、異なるインデックス配列を含む。PCRは、典型的に、Eurogentec社(Red'y'Star Mix)、又はNEB社(Q5 high fidelity DNA polymerase)により販売されている、既製品のキット等、市販のキットを使用して実行される。典型的に、PCRは、90℃と100℃の間の温度、典型的に、約94℃で、5~8分間にわたる初期変性の第1段階;次いで、いくつかのサイクル、典型的に、35サイクルを含み、各サイクルが、94℃で30秒間、次いで、58℃で30秒間、次いで、72℃で30秒間を含む、第2の増幅段階;及び約4分間の72℃に戻る、最終段階により行われる。PCRの終了時に、アンプリコンは、好ましくは、-20℃で保管される。
本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、RT-MLPA工程はまた、好ましくはシーケンシングにより、工程e)のPCRの結果を解析する工程f)も含む。本発明に従い、シーケンシング工程は、好ましくは、キャピラリーシーケンシング又は次世代シーケンシングの工程である。この目的で、キャピラリーシーケンサー(例えば、ABI3130 Genetic Analyzer、Thermo Fisher社等)、又は次世代シーケンサー(例えば、MiSeq System、Illumina社、又はion S5 System、Thermo Fisher社)を使用することが可能である。いくつかの配列が同時に解析され、従って、インデックス配列は、同定された任意の遺伝子異常を、被験対象と関連づけることを可能とする。
この解析工程は、結果を速やかに読み取ることを可能とし、対象由来の試料が、同定されたものであれ、そうでないものであれ、特異的な転座、及び/或いはMET遺伝子の、エクソン14のスキッピング、若しくはEGFR遺伝子のエクソンスキッピング等のエクソンスキッピング、又は、おそらく、5'-3'不均衡を保有するのかどうかを直接指し示す。
本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、RT-MLPA工程はまた、PCR工程の終了時に得られるアンプリコンの発現レベルを決定する工程g)も含む。アンプリコンの発現レベルを決定する工程は、特に、得られたライゲーションが、実際に、融合転写物、又はエクソンスキッピングに対応する転写物を表し、ライゲーションアーチファクトには対応しないことを確認することを可能とする。本発明に従い、この工程g)は、特に、コンピュータにより実施される。この、発現レベルを決定する工程は、以下の工程:(1)インデックス配列により、所与の対象について得られた配列を単離するために、PCR工程(すなわち、工程e))の終了時に得られた結果をデマルチプレックス化する工程、(2)分子バーコードにより、被験患者由来の試料中に存在するDNA断片又はRNA断片の数(増幅の前における)を決定する工程、及び任意選択で(3)被験対象について同定された、融合転写物、又はエクソンスキッピング若しくは5'-3'不均衡に対応する転写物の各々に関する、発現マトリックスを供給する工程により実施される。PCR工程の終了時に得られるアンプリコンの発現レベルのこの決定は、PCR工程の結果と、特に、生じうるシーケンシングエラー(上記で指し示された工程f)を参照されたい)とに、さらなる精度を付け加えることを可能とする。最終的に、PCR工程の終了時に得られるアンプリコンの発現レベルを決定する工程は、本発明に従うがんの診断に、さらなる精度を付け加えることを可能とする。
なおより特定の実施形態に従い、工程g)は、PCR工程の終了時に得られるアンプリコンを解析する工程であり、コンピュータ、特に、バイオインフォマティクスアルゴリズムの装備により実施される。より詳細には、この工程g)は、以下の工程:(1)インデックスの同定に基づき、デマルチプレックス化する工程、(2)プローブ対を同定する工程、(3)リード(結果)及び分子バーコード配列(バーコード:UMI配列(固有分子インデックス))をカウントする工程、並びに任意選択で(4)試料のシーケンシングの品質を査定する工程を含む。ソフトウェアにより解析された配列を、図7に示す。
本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、対象由来の生物学的試料について、工程e)で、融合遺伝子及び/又はエクソンスキッピングをターゲティングするプローブ対とのハイブリダイゼーションの後で、PCR増幅が得られる場合、対象は、同定されたプローブ対に対応する遺伝子異常と連関するがんの保有者である。好ましくは、この異常は、典型的に、上記で言及された、工程f)及び/又はg)において解析される。
本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、工程e)のPCR増幅は、配列番号101及び92、又は配列番号102及び94のプライマー対を使用して実行される。
本発明に従う方法についての好ましい実施形態では、がんは、このようにして同定され、患者(被験生物学的試料が属する対象を意味する)が、標的療法から利益を得ることを可能とする。本発明に従う、「標的療法」とは、化学療法、放射線治療、又は免疫療法等、任意の抗がん治療を意味するが、好ましくは、ALK、ROS、RET、EGFR、及びMETのタンパク質に対する、薬理学的阻害剤を意味する。
本発明はまた、少なくとも配列番号1~13のプローブ、及び/又は配列番号96~99のプローブを含み、好ましくは、配列番号14~91のプローブを更に含み、プローブの各々が、好ましくは、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つ、特に、配列番号14~91のプローブ、並びに、任意選択で、配列番号96及び98のプローブが、好ましくは、分子バーコード配列を含む、キットにも関する。
本発明はまた、少なくとも配列番号868~938のプローブ、及び/又は配列番号940~1104のプローブ、及び/又は配列番号1105~1107のプローブ、及び/又は配列番号939のプローブ、及び/又は配列番号1108~1123のプローブを含み、プローブの各々が、好ましくは、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、好ましくは、分子バーコード配列を含む、キットにも関する。
本発明はまた、少なくとも配列番号1211~1312のプローブを含み、プローブの各々が、好ましくは、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、好ましくは、分子バーコード配列を含む、キットにも関する。
本発明はまた、少なくとも配列番号1~13のプローブ、及び/又は配列番号96~99のプローブ、及び/又は配列番号866~938のプローブ、及び/又は配列番号940~1104のプローブ、及び/又は配列番号1105~1107のプローブ、及び/又は配列番号939のプローブ、及び/又は配列番号1108~1123のプローブを含み、プローブの各々が、好ましくは、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、好ましくは、分子バーコード配列を含む、キットにも関する。
本発明はまた、少なくとも配列番号1~13のプローブ、及び/又は配列番号96~99のプローブ、及び/又は配列番号866~938のプローブ、及び/又は配列番号940~1104のプローブ、及び/又は配列番号1105~1107のプローブ、及び/又は配列番号939のプローブ、及び/又は配列番号1108~1123のプローブ、及び/又は配列番号1211~1312のプローブ、任意選択で、配列番号1148、1149、1178、1179、1209、及び/又は1210のプローブを含み、プローブの各々が、好ましくは、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、好ましくは、分子バーコード配列を含む、キットにも関する。
本発明はまた、少なくとも以下のプローブ:配列番号1~13、配列番号14~91、配列番号96~99、配列番号103~127、配列番号128、配列番号129、配列番号130~137、配列番号138~168、配列番号169~194、配列番号826~835、配列番号195~198、配列番号199~245、配列番号246~344、配列番号345~403、配列番号404~428、配列番号429~436、配列番号437~479、配列番号480~504、配列番号505、配列番号506、配列番号507~514、配列番号515~546、配列番号547~582、配列番号583~586、配列番号587~633、配列番号634~732、配列番号733~791、配列番号792~816、配列番号817~824、及び配列番号825を含み、プローブの各々が、好ましくは、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、好ましくは、分子バーコード配列を含む、キットにも関する。
本発明はまた、少なくとも以下のプローブ:配列番号1~13、配列番号14~91、配列番号96~99、配列番号103~127、配列番号128、配列番号129、配列番号130~137、配列番号138~168、配列番号169~194、配列番号826~835、配列番号195~198、配列番号199~245、配列番号246~344、配列番号345~403、配列番号404~428、配列番号429~436、配列番号437~479、配列番号480~504、配列番号505、配列番号506、配列番号507~514、配列番号515~546、配列番号547~582、配列番号583~586、配列番号587~633、配列番号634~732、配列番号733~791、配列番号792~816、配列番号817~824、配列番号825、配列番号866~938、配列番号940~1104、配列番号1105~1107、配列番号939、及び配列番号1108~1123を含み、プローブの各々が、好ましくは、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、好ましくは、分子バーコード配列を含む、キットにも関する。
本発明はまた、少なくとも以下のプローブ:配列番号1~13、配列番号14~91、配列番号96~99、配列番号103~127、配列番号128、配列番号129、配列番号130~137、配列番号138~168、配列番号169~194、配列番号826~835、配列番号195~198、配列番号199~245、配列番号246~344、配列番号345~403、配列番号404~428、配列番号429~436、配列番号437~479、配列番号480~504、配列番号505、配列番号506、配列番号507~514、配列番号515~546、配列番号547~582、配列番号583~586、配列番号587~633、配列番号634~732、配列番号733~791、配列番号792~816、配列番号817~824、配列番号825、配列番号866~938、配列番号940~1104、配列番号1105~1107、配列番号939、配列番号1108~1123、及び配列番号1211~1312、任意選択で、配列番号1148、1149、1178、1179、1209、及び/又は1210のプローブを含み、プローブの各々が、好ましくは、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、好ましくは、分子バーコード配列を含む、キットにも関する。
PCR工程(例えば、上記の工程e)に従い実行される)の終了時に得られるアンプリコンの発現レベルの決定は、得られた結果が信頼できるものであることを確認することを可能とするため、極めて有利である。アンプリコンの発現レベルの決定は、特に、被験試料中に存在する、RNA分子(特に、融合転写物、又はエクソンスキッピングに対応する転写物、又は5'-3'不均衡が解析される遺伝子の転写物)の数を決定することを可能とする。これは、実施される診断に、さらなる精度を付け加える。
したがって、この態様では、本発明は、PCR工程の終了時に得られるアンプリコンの発現レベルを決定するための方法であって、コンピュータにより実施され、以下の工程:
(a)PCR工程の終了時に得られるアンプリコンを含む被験試料を用意する工程、及び
(b)アンプリコンの発現レベルを決定する工程
を含む方法に関する。
本発明に従うコンピュータにより実施される方法についての1つの特定の実施形態では、アンプリコンの発現レベルの決定は、特に、
(1)PCR工程の終了時に得られたアンプリコンの結果をデマルチプレックス化し、
(2)被験患者の試料中に存在するDNA断片又はRNA断片の数(増幅の前における)を決定し、任意選択で、
(3)被験患者について同定された、融合転写物、又はエクソンスキッピングに対応する転写物の各々に関する、発現マトリックスを提供する
ことを目的とする。
PCR工程の終了時に得られる、アンプリコンの発現レベルの、この決定は、結果に、さらなる精度を付け加えることを可能とする。アンプリコンについての解析、及びそれらの定量はまた、極めて迅速にも実行されうる。
1つの特定の実施形態では、コンピュータにより実施される方法は、以下の工程:
(1)PCR工程の終了時に得られたアンプリコンの結果をデマルチプレックス化する工程、
(2)PCR工程の間に使用されたプローブ対を検索する工程、
(3)リード(結果、すなわち、融合転写物又はエクソンスキッピング)及び分子バーコード配列(UMI配列(固有分子インデックス))をカウントし、任意選択で、インデックス配列をカウントする工程、並びに任意選択で
(4)試料のシーケンシングの品質を査定する工程
を含む。
本発明に従うソフトウェアは、その実行のために、3つのファイル:FASTQ、インデックスファイル、及びマーカーファイルを要求する。
FASTQ:シーケンシング実験において、生データは、FASTQと呼ばれる、標準ファイルの形態で生成される。このFASTQフォーマットは、デバイスによりシーケンシングされた各リードについて、(1)固有の配列識別子、(2)リードの配列、(3)リードの方向、(4)読み取られる各塩基について、塩基1つ当たりの品質スコアを群分けするASCII配列を群分けする。FASTQフォーマットにおけるリードの例を、図8に示す。したがって、FASTQファイルは、各シーケンシングリードについて、この4行の繰り返しから構成される。ハイスループットのシーケンシング実験は、数億に及ぶ配列を生成する。FASTQファイルは、本発明に従うソフトウェアを起動するのに要求される生ファイルである。
マーカーファイル:このファイルは、各プローブの全ての配列、並びにそれらの名称を群分けする。マーカーファイルは、診断時に使用される、全てのプローブ対をひとまとめにする。マーカーファイルは、各キットに特異的(発現測定、融合転写物、エクソンスキッピング、不均衡の検索等)である。
インデックスファイル:このファイルは、被験対象を同定するのに使用される配列のリストを群分けする。インデックスファイルは、診断時に使用される、全てのインデックス配列をひとまとめにする。各配列は、被験対象に対応し、シーケンシングされたリードの再割り当てを可能とするであろう。このファイルは、各実験に特異的である。
本発明に従う、「デマルチプレックス化する工程」という用語は、各被験対象についてのリードを同定するライブラリーの構築時に使用される、多様なインデックス配列を同定することを目的とする工程を意味する。ハイスループットシーケンシングによる収集法と連関するシーケンシングエラーを考慮に入れることを可能とするように、この検索は、配列を比較するための、正確なマッチングアルゴリズムと、不正確なマッチングアルゴリズムとにより実行される。本発明に従う、「ライブラリー」とは、少なくともインデックス配列と、遺伝子異常に特徴的な、左プローブ及び右プローブと、任意選択で、分子バーコード配列とを含むコンストラクションを意味するように理解される。
本発明に従う、「プローブ対の検索工程」という用語は、FASTQファイルの各配列について、マーカーファイル内に、各配列を、測定されたはずの実体(融合転写物、エクソンスキッピング・・・)に帰属させること可能とするプローブ対が存在するのかどうかを同定することを目的とする工程を意味する。アルゴリズム内のデータ構造は、2つのプローブ名である、左(「L」)及び右(「R」)を保有するタグを、各配列と関連させることを可能とする。この検索は、配列の比較(例えば、ハミング距離及びレーベンシュタイン距離の計算)及び「k」誤差を許容する近似法による正確な検索として実行される。この「k」パラメータは、ツールの起動時に、変化しうる。発現測定のために、各プローブ対(右及び左)は、その発現が測定される実体に特異的である。遺伝子の発現を測定するために、この遺伝子と、前後で厳密にハイブリダイズする、2つのプローブを使用する。次いで、ライゲーション工程において、これらのプローブをアセンブルし、次いで、増幅し、読み取る。プローブの検索時に、論理的なタグを有さない配列は、キメラの検索を実施するために保管される。実際、ライブラリー構築時の、ハイブリダイゼーション工程、ライゲーション工程、及び増幅工程において、ある特定のプローブは、交差ハイブリダイズし、ハイブリッド配列(例えば、遺伝子Bの左プローブを伴う、遺伝子Aの右プローブ)を出現させる可能性がある。ここでもまた、これらの配列は、配列の正確なマッチング及び不正確なマッチングにより検出される。融合転写物を検索について、どのプローブが、一体にハイブリダイズし、増幅されるのかは知られていない。したがって、プローブの検索は、先入観を持たずに、可能な右/左配列の全ての対を比較することにより実行される。
本発明に従う、「リード(結果)及び分子バーコード配列をカウントする工程」という用語は、FASTQファイルを走査し、プローブ対を同定する(マーカー及びキメラ)場合に行われる工程を意味する。アルゴリズムは、それらのカウンティングへと進むであろう。これらのカウントは、2つの種類:(1)シーケンサーにより読み取られた配列の数の定量、及び(2)マーカーへと割り当てられた、固有分子バーコード(UMI)配列の数である。配列のカウンティングは、マーカーの同定時に、既に記載されたデータ構造に基づきなされる。各マーカーに割り当てられたタグの数は、データ構造を精査することにより決定される。IMUのカウンティングは、より複雑である。それは、各配列のUMIを抽出する工程、及びUMI内のシーケンシングエラーを補正する工程を伴う。これらのランダム配列、それらのカウント、及び試料の増幅倍数についての、有意味なコンビナトリアル解析は、カウントデータを補正するために、シーケンシングエラーを保有するUMIを同定することを可能とするであろう。このUMIの補正は、カウンターを、各固有のUMIと関連させるグラフ構造を創出することを伴う。次いで、許容誤差であるkで、カウントを増大させることにより、UMIを群分けする。UMIは、ライブラリーの調製時、増幅工程の前に、シーケンサーにより読み取られる、固有の配列の数を同定することを可能とする。したがって、UMIは、増幅の後で読み取られた転写物の数ではなく、実際に読み取られた転写物の数についての情報をもたらす。
本発明に従う、「試料のシーケンシングの品質を査定する工程」という用語は、解析された配列で、有意味ではない配列を決定することを目的とする工程を意味する。アルゴリズムには、解析された試料の豊富度の指標を提示し、失敗と考えられる(すなわち、スコアが、<5000である)試料を除外するように、ライブラリーの多様性を指し示し、読み取られた、固有の転写物の数を意味する、品質スコアが実装されている。
好ましくは、本発明に従うコンピュータにより実施される方法は、多数の試料(特に、40例を超える)について、多数の融合転写物、又はエクソンスキッピングに対応する転写物(特に、1000を超える)の発現レベルを、極めて短時間(特に、5~10分間)で計算することを可能とする。
1つの特定の実施形態に従い、コンピュータにより実施される方法は、アンプリコンのシーケンシング時に生じるシーケンシングエラーを補正すること、例えば、分子バーコード配列(UMI)内のシーケンシングエラーの補正を可能としうる(例えば、Methods called Directional & Reference: Smith, T.、Heger, A.、及びSudbery, I.(2017)、UMI-tools: modeling sequencing erros in Unique Molecular Identifiers to improve quantification accuracy、Genome Research、27(3)、491~499、http://doi.org/10.1101/gr.209601.116を参照されたい)。
下記のTable 1(表1)及びTable 2(表2)は、本発明の配列に関する詳細を提示する。
Figure 2022506752000001
Figure 2022506752000002
Figure 2022506752000003
Figure 2022506752000004
Figure 2022506752000005
Figure 2022506752000006
Figure 2022506752000007
Figure 2022506752000008
Figure 2022506752000009
本発明の、他の特徴、詳細、及び利点は、付属の図面を読み取れば、明らかとなろう。
本発明により検出可能な融合転写物の発現をもたらす、染色体転座についての概略を示す図である。図1A(上)は、遺伝子Aと、遺伝子Bとの間の染色体転座の後で、融合mRNAを得る工程を示す。図1B(下)は、cDNAを得るための、この融合mRNAの逆転写工程を示す。次に、プローブとインキュベートし、これらを、cDNAの相補性部分とハイブリダイズさせる工程が行われる。プローブS1は、AのcDNA遺伝子のエクソン2の、最後のヌクレオチドと相補性である配列からなり、プローブS2は、BのcDNA遺伝子のエクソン2の、第1のヌクレオチドと相補性である配列からなる。プローブS1は、5'側において、バーコード配列であるSA'、並びにプライマー配列であるSAと融合している。プローブS2は、3'側において、プライマー配列であるSBと融合している。遺伝子Aのエクソン2と、遺伝子Bのエクソン2との隣接のために、プローブであるS1と、S2とは、隣り合う。次に、DNAリガーゼによるライゲーション工程を行う。ここで、隣接するプローブを結合させる。したがって、S1及びS2は、SA及びSBと、連続した配列を形成する。次いで、PCRを実施する。適切なプライマーを使用して、結合したプローブを増幅する。この場合、使用されるプライマーは、配列SA、及びSBの相補性配列(B'と呼ばれる)である。次いで、得られた結果を、シーケンシングにより解析する。 本発明により検出可能な、エクソンスキッピングに対応する転写物の発現をもたらす、エクソンスキッピングについての概略を示す図である。図2A(上)は、正常スプライシングの場合に、逆転写の後で得られるcDNAを示し、図2A(下)は、スプライシング異常の場合に、逆転写の後で得られるcDNAを示す。図2B(上)は、変異の非存在下(正常例)、プローブのハイブリダイゼーションの後で、得られる配列は、以下の通り:S13L-S14R及びS14L-S15Rであることを示す。図2B(下)は、変異の存在下(エクソンスキッピングの異常例)、プローブのハイブリダイゼーションの後で、得られる配列は、以下の通り:S13L-S15Rであることを示す。 本発明に従うプローブコンストラクションの例を示す図である。図3Aは、融合遺伝子の形成の後における、プローブのハイブリダイゼーションを示す。番号1は、第1のプライマー配列を表し;番号2は、分子バーコード配列を表し;番号3は、融合体(fusion)の左側とハイブリダイズする、第1のプローブを表し;番号4は、融合体(fusion)の右側とハイブリダイズする、第2のプローブを表し;番号5は、第2のプライマー配列を表す。プローブ3及び4は、本発明に従うプローブ対の例を表す。各プローブは、エクソンの末端において、ハイブリダイズすることが可能な、特異的な配列からなり、その末端において、プライマー配列を有する。ここでは、ランダムの7塩基の分子バーコードを、プライマー配列と、左側プローブの特異的配列との間に付加する。図3Bは、Illumina社(登録商標)型の次世代シーケンサーによる解析の前における、融合転写物を示す。融合転写物が検出されると、2つのプローブは、隣り合わせでハイブリダイズし、それらのライゲーションを可能とする。次いで、プライマー配列に対応するプライマーを使用するPCRにより、ライゲーション産物を増幅することができる。図3Bでは、これらのプライマー自体が、伸長(P5及びP7)を保有し、これが、Illumina社型の次世代シーケンサーにおける、PCR産物の解析を可能とする。 本発明を使用して同定された転座を示す図である。本発明のプローブにより特異的に明らかにされた、新たな再配列を、暗色の線で指し示す。既知の再配列、特に、国際出願第PCT/FR2014/052255号に記載された再配列を、明色の線で指し示す。各線は、おそらく、腫瘍内に存在する、図の左側に列挙された遺伝子と、右側に列挙された遺伝子との間の、異常な遺伝子接合を表す。本図で示されたミックスは、癌腫内で頻発する、50を超える、異なる再配列を、同時に検索することを可能とする。加えて、いくつかのプローブを、異なるエクソンをターゲティングする、ある特定の遺伝子に使用するために、数百の異なる転写物の発現をもたらすことが可能な組換えが、検出可能である。 実施例1に従う、被験出発試料中に存在する融合RNA分子の数を示す図である。このグラフは、出発試料中に、729の融合RNA分子が存在し、この結果が、PCR工程の間に、135.8倍に増幅されたことを示す。したがって、PCR工程の終了時には、98,993の配列が得られた。 本発明による、MET遺伝子の、エクソン14のスキッピングの検出を可能とする戦略のうちの1つを表す図である。図6Aでは、選択されたプローブは、この遺伝子の、エクソン13、14、及び15の末端とハイブリダイズする。正常状況下では、この遺伝子の転写物のスプライシングは、エクソン13と14との接合、及びエクソン14と15との接合を誘導する。病理学的状況では、例えば、変異がエクソン14のスプライシングドナー部位を破壊する場合、腫瘍細胞は、エクソン13と15との接合から生じる、異常な転写物を発現する。本発明により得られる多様な増幅産物は、それらのうちの1つが、蛍光色素で標識されたプライマー対を使用する増幅の後において、図6Bの、キャピラリーシーケンサー上で目視可能である。それらの配列が異なるこれらの産物もまた、次世代シーケンサーを使用して、容易に明らかにされうる。 ソフトウェアにより解析された配列の構築を示す図である。「5'側オリゴ」及び「3'側オリゴ」という用語は、本発明に従うプローブ対を表す。「UMI」という用語は、分子バーコード配列を表す。「I1」及び「I2」という用語は、プライマー配列を表す。「インデックス」という用語は、配列インデックスを表す。「P5」及び「P7」という用語は、次世代シーケンサーの使用に有用な伸長に対応する。 FASTQフォーマットにおけるリードの例を示す図である。 本発明により検出可能な、エクソンスキッピングに対応する転写物の発現をもたらす、EGFR遺伝子内のエクソンスキッピングについての概略を示す図である。図9A(上)は、正常スプライシングの場合に、逆転写の後で得られるcDNAを示し、図9B(下)は、スプライシング異常の場合に、逆転写の後で得られるcDNAを示す。図9B(上)は、変異の非存在下(正常例)、プローブS1L、S2R、S7L及びS8Rのハイブリダイゼーションの後で、得られる配列は、以下の通り:S1L-S2R及びS7L-S8Rであることを示す。図9B(下)は、変異の存在下(エクソンスキッピングの異常例)、プローブのハイブリダイゼーションの後で、得られる配列は、以下の通り:S1L-S8Rである(エクソン2~7の欠失が生じている)ことを示す。 実施例3に従う、被験出発試料中に存在する融合RNA分子の数を示す図である。このグラフは、出発試料中に、587の融合RNA分子が存在し、この結果が、PCR工程の間に、259.3倍に増幅されたことを示す。したがって、PCR工程の終了時には、152,227の配列が得られた。 実施例4に従う、被験出発試料中に存在する融合RNA分子の数を示す図である。このグラフは、出発試料中に、505の融合RNA分子が存在し、この結果が、PCR工程の間に、123.1倍に増幅されたことを示す。したがって、PCR工程の終了時には、62,151の配列が得られた。 実施例5に従う、被験出発試料中に存在する融合RNA分子の数を示す図である。このグラフは、出発試料中に、965の融合RNA分子が存在し、この結果が、PCR工程の間に、123.5倍に増幅されたことを示す。したがって、PCR工程の終了時には、119,161の配列が得られた。 本発明により検出可能な、異なる対立遺伝子に対応する転写物の発現をもたらす5'-3'発現不均衡についての概略を示す図である。発現レベルは、再配列される対立遺伝子の、転写調節領域に依存する。例えば、対立遺伝子I及びIIIの発現は、(Sn_Sn+1)=(Sn+2_Sn+3)であり、対立遺伝子I及びIIの発現は、(Sn+4_Sn+5)=(Sn+6_Sn+7)である。しかし、遺伝子Aの転写調節領域と、遺伝子Bの転写調節領域とが、同等でない場合、5'側エクソンである、(Sn_Sn+1)及び(Sn+2_Sn+3)の発現は、3'側エクソンである、(Sn+4_Sn+5)及び(Sn+6_Sn+7)の発現と異なる。例えば、ALK遺伝子(遺伝子B)の融合を保有する肺癌では、それらの発現が、ALKの調節領域により制御される、対立遺伝子I及びIIIが、極めて弱く発現されるのに対し、パートナー遺伝子Aの調節領域により制御される、対立遺伝子IIは、強く発現される。したがって、これは、(Sn+4_Sn+5)=(Sn+6_Sn+7)>>(Sn_Sn+1)=(Sn+2_Sn+3)である、5'-3'不均衡を結果としてもたらす。 本発明に従い使用されうるプローブ、並びにこのプローブが、検出することを可能とする遺伝子の例を示す図である。L/Rは、プローブが、上記で指し示された、「左側(Left)」プローブであるのか、「右側(Right)」プローブであるのかを指し示す。 本発明に従い使用されうるプローブ、並びにこのプローブが、検出することを可能とする遺伝子の例を示す図である。L/Rは、プローブが、上記で指し示された、「左側」プローブであるのか、「右側」プローブであるのかを指し示す。 本発明に従い使用されうるプローブ、並びにこのプローブが、検出することを可能とする遺伝子の例を示す図である。L/Rは、プローブが、上記で指し示された、「左側」プローブであるのか、「右側」プローブであるのかを指し示す。 本発明に従い使用されうるプローブ、並びにこのプローブが、検出することを可能とする遺伝子の例を示す図である。L/Rは、プローブが、上記で指し示された、「左側」プローブであるのか、「右側」プローブであるのかを指し示す。 本発明に従い使用されうるプローブ、並びにこのプローブが、検出することを可能とする遺伝子の例を示す図である。L/Rは、プローブが、上記で指し示された、「左側」プローブであるのか、「右側」プローブであるのかを指し示す。 本発明に従い使用されうるプローブ、並びにこのプローブが、検出することを可能とする遺伝子の例を示す図である。L/Rは、プローブが、上記で指し示された、「左側」プローブであるのか、「右側」プローブであるのかを指し示す。 本発明に従い使用されうるプローブ、並びにこのプローブが、検出することを可能とする遺伝子の例を示す図である。L/Rは、プローブが、上記で指し示された、「左側」プローブであるのか、「右側」プローブであるのかを指し示す。 本発明に従い使用されうるプローブ、並びにこのプローブが、検出することを可能とする遺伝子の例を示す図である。L/Rは、プローブが、上記で指し示された、「左側」プローブであるのか、「右側」プローブであるのかを指し示す。 MET遺伝子のスプライシング異常についての解析時に得られた例を示す図である。 MET遺伝子のスプライシング異常についての解析時に得られた例を示す図である。 EGFR遺伝子のスプライシング異常についての解析時に得られた例を示す図である。 EGFR遺伝子のスプライシング異常についての解析時に得られた例を示す図である。 5'-3'発現不均衡についての解析時に得られた例を示す図である。 5'-3'発現不均衡についての解析時に得られた例を示す図である。 新規のプローブ(配列番号1211~1312)を示し、それらが検出するがんについて例示する図である。いわゆる「完全」配列は、プライマー配列、分子バーコード配列(いわゆる「左側」プローブについての)、及びプローブの特異的配列(配列番号1313~1414と呼ばれる)を含む。 図28を参照。 図28を参照。
(実施例1)
癌腫の診断
対象由来の試料を、上記で記載したプローブ(より詳細には、少なくとも配列番号1~13及び14~91のプローブ)を使用する、本発明に従うRT-MLPA工程にかけた。
PCR工程の終了時に、固有のPCR産物(融合転写物)に対応する、98,993の配列を、次世代シーケンシングにより読み取った。これらの配列は全て、5'側において、7塩基対の分子バーコード配列を保有する。PCR増幅のために、これらの分子バーコード配列は、何度か(リードの数)読み取られる。これらのバーコードのカウンティングは、出発試料中に存在する、融合RNA分子の数(ここで試験した事例:729、図5を参照されたい)を、正確に決定することを可能とする。
Table 3(表3)は、得られた結果を示す。
Figure 2022506752000010
Figure 2022506752000011
PCR産物に対応する配列の解析は、染色体の再配列に関与する、本実施例では、EML4遺伝子及びALK遺伝子である、2つのパートナー遺伝子を同定することを可能とする。したがって、癌腫の診断を、被験患者について確認した。
この再配列は、肺癌において頻発し、患者を、ある特定の標的療法に適格とする。
(実施例2)
MET遺伝子の、エクソン14のスキッピングの決定
対象由来の試料を解析して、MET遺伝子の、エクソン14のスキッピングの存在を確認するか、又は認めなかった。前記試料を、上記で記載したプローブ(より詳細には、少なくとも配列番号96~99のプローブ)を使用する、本発明に従うRT-MLPA工程にかけた。
正常状況下では、この遺伝子の転写物のスプライシングは、エクソン13と14との接合、及びエクソン14と15との接合を誘導する。病理学的状況では、例えば、変異がエクソン14のスプライシングドナー部位を破壊する場合、腫瘍細胞は、エクソン13と15との接合から生じる、異常な転写物を発現する(図6A)。
本発明により得られる多様な増幅産物は、それらのうちの1つが、蛍光色素で標識されたプライマー対を使用する増幅の後において、図6Bの、キャピラリーシーケンサー上で目視可能である。配列及びサイズが異なるこれらの産物もまた、次世代シーケンサーを使用して、容易に明らかにされうる。
(実施例3)
癌腫の診断
対象由来の試料を、上記で記載したプローブ(より詳細には、少なくとも配列番号1~13及び14~91のプローブ)を使用する、本発明に従うRT-MLPA工程にかけた。
PCR工程の終了時に、固有のPCR産物(融合転写物)に対応する、152,227の配列を、次世代シーケンシングにより読み取った。これらの配列は全て、5'側において、7塩基対の分子バーコード配列を保有する。PCR増幅のために、これらの分子バーコード配列は、何度か(リードの数)読み取られる。これらのバーコードのカウンティングは、出発試料中に存在する、融合RNA分子の数(ここで試験した事例:587、図10を参照されたい)を、正確に決定することを可能とする。
Table 4(表4)は、得られた結果を示す。
Figure 2022506752000012
Figure 2022506752000013
PCR産物に対応する配列の解析は、染色体の再配列に関与する、本実施例では、KIF5B遺伝子及びRET遺伝子である、2つのパートナー遺伝子を同定することを可能とする。したがって、癌腫の診断を、被験患者について確認した。
この再配列は、肺癌において頻発し、患者を、ある特定の標的療法に適格とする。
(実施例4)
肉腫の診断
対象由来の試料を、上記で記載したプローブ(より詳細には、少なくとも配列番号868~938のプローブ、及び配列番号940~1054のプローブ)を使用する、本発明に従うRT-MLPA工程にかけた。
PCR工程の終了時に、固有のPCR産物(融合転写物)に対応する、62,151の配列を、次世代シーケンシングにより読み取った。これらの配列は全て、5'側において、7塩基対の分子バーコード配列を保有する。PCR増幅のために、これらの分子バーコード配列は、何度か(リードの数)読み取られる。これらのバーコードのカウンティングは、出発試料中に存在する、融合RNA分子の数(ここで試験した事例:505、図11を参照されたい)を、正確に決定することを可能とする。
Table 5(表5)は、得られた結果を示す。
Figure 2022506752000014
Figure 2022506752000015
PCR産物に対応する配列の解析は、染色体の再配列に関与する、本実施例では、EWSR1遺伝子及びFLI1遺伝子である、2つのパートナー遺伝子を同定することを可能とする。したがって、肉腫の診断を、被験患者について確認した。
この再配列は、ユーイング肉腫において頻発し、これは、診断を下すことを可能とする。
(実施例5)
肉腫の診断
対象由来の試料を、上記で記載したプローブ(より詳細には、少なくとも配列番号868~938のプローブ、及び配列番号940~1054のプローブ)を使用する、本発明に従うRT-MLPA工程にかけた。
PCR工程の終了時に、固有のPCR産物(融合転写物)に対応する、119,161の配列を、次世代シーケンシングにより読み取った。これらの配列は全て、5'側において、7塩基対の分子バーコード配列を保有する。PCR増幅のために、これらの分子バーコード配列は、何度か(リードの数)読み取られる。これらのバーコードのカウンティングは、出発試料中に存在する、融合RNA分子の数(ここで試験した事例:960、図12を参照されたい)を、正確に決定することを可能とする。
Table 6(表6)は、得られた結果を示す。
Figure 2022506752000016
Figure 2022506752000017
Figure 2022506752000018
PCR産物に対応する配列の解析は、染色体の再配列に関与する、本実施例では、SS18遺伝子及びSSX遺伝子である、2つのパートナー遺伝子を同定することを可能とする。したがって、肉腫の診断を、被験患者について確認した。
この再配列は、滑膜肉腫において頻発し、これは、診断を下すことを可能とする。
(実施例6)
病態と関連する融合の例
Table 7(表7)は、一部の例を示す。
Figure 2022506752000019
Figure 2022506752000020
Figure 2022506752000021
Figure 2022506752000022
Figure 2022506752000023
Figure 2022506752000024
(実施例7)
肺癌の診断
対象由来の試料を、上記で記載したプローブを使用する、本発明に従うRT-MLPA工程にかけた。
PCR工程の終了時に、固有のPCR産物(融合転写物)に対応する、70,571の配列を、次世代シーケンシングにより読み取った。これらの配列は全て、5'側において、7塩基対の分子バーコード配列を保有する。PCR増幅のために、これらの分子バーコード配列は、何度か(リードの数)読み取られる。これらのバーコードのカウンティングは、出発試料中に存在する、融合RNA分子の数(ここで試験した事例:MET遺伝子の、エクソン13とエクソン14との間の71の接合部、エクソン13とエクソン15との間の119の接合部、及びエクソン14とエクソン15との間の92の接合部)を、正確に決定することを可能とする。これらの結果と、特に、転写物13-15の検出とは、MET遺伝子のスプライシング異常の存在を指し示し、この患者を、標的療法に適格とする(図22を参照されたい)。
図23は、得られた結果を示す。結果は、診断を下すことを可能とする。
(実施例8)
肺癌の診断
対象由来の試料を、上記で記載したプローブを使用する、本発明に従うRT-MLPA工程にかけた。
PCR工程の終了時に、固有のPCR産物(融合転写物)に対応する、116,165の配列を、次世代シーケンシングにより読み取った。これらの配列は全て、5'側において、7塩基対の分子バーコード配列を保有する。PCR増幅のために、これらの分子バーコード配列は、何度か(リードの数)読み取られる。これらのバーコードのカウンティングは、出発試料中に存在する、融合RNA分子の数(ここで試験した事例:EGFR遺伝子の、エクソン1とエクソン2との間の455の接合部、エクソン1とエクソン8との間の332の接合部、及びエクソン7とエクソン8との間の349の接合部)を、正確に決定することを可能とする。これらの結果と、特に、転写物1-8の検出とは、EGFR遺伝子の内部欠失の存在を指し示し、この患者を、標的療法に適格とする(図24を参照されたい)。
図25は、得られた結果を示す。結果は、診断を下すことを可能とする。
(実施例9)
肺癌の診断
対象由来の試料を、上記で記載したプローブを使用する、本発明に従うRT-MLPA工程にかけた。
PCR工程の終了時に、固有のPCR産物(融合転写物)に対応する、59,214の配列を、次世代シーケンシングにより読み取った。これらの配列は全て、5'側において、7塩基対の分子バーコード配列を保有する。PCR増幅のために、これらの分子バーコード配列は、何度か(リードの数)読み取られる。これらのバーコードのカウンティングは、出発試料中に存在する、融合RNA分子の数(ここで試験した事例:ALK遺伝子の、エクソン21とエクソン22との間の157の接合部、エクソン22とエクソン23との間の75の接合部、エクソン25とエクソン26との間の52の接合部、及びエクソン27とエクソン28との間の50の接合部)を、正確に決定することを可能とする。これらの結果と、特に、ALK遺伝子の、5'側部分と3'側部分との間の、発現不均衡の実証とは、この遺伝子が再配列されていることを指し示し、この患者を、標的療法に適格とする(図26を参照されたい)。
図27は、得られた結果を示す。結果は、診断を下すことを可能とする。

Claims (20)

  1. 対象におけるがんを診断するための方法であって、前記対象から得られた生物学的試料に対するRT-MLPA工程を含み、
    RT-MLPA工程が、
    - 配列番号1~13、及び/若しくは配列番号866~938、及び/若しくは配列番号940~1104、及び/若しくは配列番号1211~1312のプローブ、並びに/又は
    - 配列番号96~99、及び/若しくは配列番号1105~1107、及び/若しくは配列番号939のプローブ、並びに/又は
    - 配列番号1108~1123のプローブ
    から選択される少なくとも1つのプローブを含む、少なくとも1つのプローブ対を使用して実行され、
    プローブの各々が、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、
    前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む、方法。
  2. 配列番号14~91のプローブもまた、RT-MLPA工程に使用され、プローブの各々が、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、プローブのうちの少なくとも1つが、好ましくは、分子バーコード配列を含む、請求項1に記載の方法。
  3. がんが、融合遺伝子の形成、及び/又はエクソンスキッピング、及び/又は5'-3'不均衡と関連する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. がんに、RET、MET、ALK、EGFR、及び/又はROSから選択される少なくとも1つの遺伝子が関与する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. がんが、MET遺伝子又はEGFR遺伝子のエクソンスキッピングの形成と関連する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  6. がんが、癌腫、特に、肺癌であり、より詳細には、気管支肺癌である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  7. がんが、肉腫、脳腫瘍、婦人科腫瘍、又は頭頸部腫瘍である、請求項1又は2に記載の方法。
  8. プライマー配列が、
    - 配列番号92及び配列番号93、又は
    - 配列番号94及び配列番号95
    の配列から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  9. 分子バーコード配列が、配列番号100により表される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  10. 融合遺伝子の形成と関連するがんが、配列番号1~13、配列番号866~938、及び/又は配列番号940~1104、及び/又は配列番号1211~1312のプローブ、任意選択で、配列番号14~91のプローブの中から選択される少なくとも1つのプローブを含む、少なくとも1つのプローブ対を使用して診断され、プローブの各々が、少なくとも1つの末端において、好ましくは、配列番号92及び配列番号93の配列から選択されるプライマー配列と融合しており、
    プローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  11. エクソンスキッピングと関連するがんが、配列番号96~99、及び/又は配列番号1105~1107、及び/又は配列番号939のプローブから選択される少なくとも1つのプローブを含む、少なくとも1つのプローブ対を使用して診断され、
    プローブの各々が、少なくとも1つの末端において、好ましくは、配列番号94及び配列番号95の配列から選択されるプライマー配列と融合しており、
    プローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  12. 5'-3'不均衡と関連するがんが、配列番号1108~1123のプローブから選択される少なくとも1つのプローブを含む、少なくとも1つのプローブ対を使用して診断され、
    プローブの各々が、少なくとも1つの末端において、好ましくは、配列番号94及び配列番号95の配列から選択されるプライマー配列と融合しており、
    プローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記生物学的試料が、前記対象由来の血液及び生検の中から選択される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記RT-MLPA工程が、少なくとも以下の工程:
    a)対象由来の生物学的試料からのRNAの抽出、
    b)逆転写による、a)で抽出されたRNAのcDNAへの転換、
    c)b)で得られたcDNAの、
    - 配列番号1~13、及び/若しくは配列番号866~938、及び/若しくは配列番号940~1104、及び/若しくは配列番号1211~1312のプローブ、並びに/又は
    - 配列番号96~99、及び/若しくは配列番号1105~1107、及び/若しくは配列番号939のプローブ、並びに/又は
    - 配列番号1108~1123のプローブ
    から選択される少なくとも1つのプローブを含むプローブ対とのインキュベーションであって、
    プローブの各々が、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、
    前記対のプローブのうちの少なくとも1つが、分子バーコード配列を含む、インキュベーション、
    d)2つの隣接するプローブの間の共有結合を確立するための、c)で得られた混合物へのDNAリガーゼの添加、
    e)アンプリコンを得るための、d)で得られた、隣接する共有結合したプローブのPCR増幅
    を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 好ましくはシーケンシングにより、工程e)のPCRの結果を解析する工程f)を含む、請求項10に記載の方法。
  16. シーケンシング工程が、キャピラリーシーケンシング又は次世代シーケンシングの工程である、請求項11に記載の方法。
  17. コンピュータにより実施される、PCR工程の終了時に得られるアンプリコンの発現レベルを決定する工程g)を含む、請求項15又は16に記載の方法。
  18. 少なくとも配列番号1~13のプローブ、及び/若しくは配列番号96~99のプローブ、及び/若しくは配列番号866~938のプローブ、及び/若しくは配列番号940~1104、及び/若しくは配列番号1211~1312のプローブ、及び/若しくは配列番号1105~1107のプローブ、並びに/又は配列番号939のプローブ、及び/若しくは配列番号1108~1123のプローブを含み、好ましくは、配列番号14~91のプローブを更に含み、
    プローブの各々が、好ましくは、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、プローブのうちの少なくとも1つが、好ましくは、分子バーコード配列を含む、キット。
  19. 少なくとも以下のプローブ:配列番号1~13、配列番号14~91、配列番号96~99、配列番号103~127、配列番号128、配列番号129、配列番号130~137、配列番号138~168、配列番号169~194、配列番号195~198、配列番号199~245、配列番号246~344、配列番号345~403、配列番号404~428、配列番号429~436、配列番号437~479、配列番号480~504、配列番号505、配列番号506、配列番号507~514、配列番号515~546、配列番号547~582、配列番号583~586、配列番号587~633、配列番号634~732、配列番号733~791、配列番号792~816、配列番号817~824、配列番号825、配列番号826~835、配列番号866~938、配列番号940~1104、配列番号1105~1107、配列番号939、及び配列番号1108~1123、及び配列番号1211~1312を含み、
    プローブの各々が、好ましくは、少なくとも1つの末端において、プライマー配列と融合しており、プローブのうちの少なくとも1つが、好ましくは、分子バーコード配列を含む、キット。
  20. PCR工程の終了時に得られるアンプリコンの発現レベルを決定するための方法であって、コンピュータにより実施され、
    (1)PCR工程の終了時に得られたアンプリコンの結果をデマルチプレックス化する工程、
    (2)PCR工程の間に使用されたプローブ対を検索する工程、
    (3)結果及び分子バーコード配列をカウントする工程、並びに任意選択で
    (4)試料のシーケンシングの品質を査定する工程
    を含む方法。
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