JP2022506044A - 嚢胞性線維症を治療するためのアミノ酸組成物及び方法 - Google Patents

嚢胞性線維症を治療するためのアミノ酸組成物及び方法 Download PDF

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Abstract

本明細書に提供されるのは、特に上皮細胞において、細胞質から細胞膜への嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス(CFTR)タンパク質の転位を増加させるのに有用なアミノ酸組成物である。細胞膜中のCFTRの濃度を増加させ、塩化物イオン輸送を増加させ、水輸送を増加させるための方法も提供される。これらの組成物及び方法は、CFTRタンパク質における1以上の変異を保有する対象における嚢胞性線維症の治療に有用である。嚢胞性線維症の治療のため及び嚢胞性線維症の治療のための薬剤の調製におけるこれらの組成物の使用も、本明細書に包含される。【選択図】図1A

Description

関連出願
本願は、2018年10月30日に出願の米国仮出願第62/752,847号の優先権を主張するものであり、その全体は、全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
配列リスト
本願は、ASCIIフォーマットで電子提出され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる配列リストを含む。2019年10月25日に作成された前記ASCIIコピーは、174821-013301PCT_SL.txtと命名され、サイズが25,987バイトである。
発明の分野
細胞質から細胞膜への嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス(CFTR)タンパク質の転位を増加させるのに有用なアミノ酸組成物が本明細書に記載される。細胞膜中のCFTRの濃度を増加させる、塩化物イオン輸送を増加させる、および水の輸送を増加させる方法も提示される。本明細書に記載の組成物及び方法は、CFTRタンパク質に1以上の変異を保有する対象における嚢胞性線維症を治療するのに有用である。嚢胞性線維症の治療及び嚢胞性線維症の治療のための薬剤の調製のためのこれらの組成物の使用も、本明細書に包含される。
発明の背景
嚢胞性線維症(CF)は、CFTR合成の低下若しくは欠如、タンパク質の誤折り畳み及び/又はチャネル機能不全によって引き起こされる遺伝性劣性疾患であり、塩化物分泌の減少、ナトリウム吸収(ENaC)の増加、並びに気道、腸及び膵臓上皮細胞における流体ホメオスタシスの障害をもたらす。CFは、肺、肝臓、膵臓、腎臓、及び腸に影響を及ぼし得る最も一般的な致死的な遺伝的障害である。嚢胞性線維症は、常染色体劣性様式で遺伝し、各親は、嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス(CFTR)タンパク質をコードする遺伝子の少なくとも1つの対立遺伝子に変異を担持し、4人の子孫のうちの1人がCFTR遺伝子の2つの変異コピー(例えば、対立遺伝子)を担持する。そのため、患者の75%超は、2歳までに嚢胞性線維症と診断される(1)。嚢胞性線維症で生活している人々の寿命は近年増加しているが、生存の年齢の中央値は現在約40年である。現在の治療は、肺感染の危険性の増加及び栄養状態の不良を管理するように設計された負担のある支持療法を伴う場合が多い。加えて、CFの基礎的な遺伝的原因を治療する小分子療法が最近承認されたが、これらの治療は、最も一般的なCFTR変異であるPhe508delに対して有効性が少なく、患者当たり年間300,000ドルを超える法外な費用がかかる(2)。
2,000超のCFTR変異が嚢胞性線維症罹患患者において同定されているが、嚢胞性線維症診断の大多数は、1以上のほんの一握りの変異を示す(3)。最も一般的な変異(Phe508del)は3ヌクレオチドの欠失であり、アミノ酸フェニルアラニン(3文字コード:Phe、単一文字コード:F)の1つのコドンの喪失をもたらす。この変異は、CFTRタンパク質プロセシング(例えば、折り畳み及び細胞膜への輸送)の欠陥をもたらし、その結果細胞膜を横切るイオン及び水の輸送に関与する塩化物イオン輸送体タンパク質CFTRの膜発現は少し~全く起こらない。加えて、細胞膜にうまく移行する少量のPhe508del CFTRはしばしば、塩化物イオン輸送の障害によって特徴付けられるように、機能的に欠陥がある。一般に、CFTR変異は、膜を横切るイオン勾配の調節不全をもたらし、上皮細胞から流出する水の浸透圧の低下および細胞を覆う厚い粘液層の出現をもたらす。厚い栄養豊富な粘液は、緑膿菌及び黄色ブドウ球菌などの細菌の捕捉並びに増殖に最適な環境の役割を果たし、抗生物質に応答しないことが多い持続感染をもたらす。加えて、多くのCF患者はまた、気管支肺アスペルギルス症及び気管支拡張症などの他の肺疾患を発症し、罹患率及び死亡率の増加をもたらす。
CFTRにおける特定の変異によって引き起こされる嚢胞性線維症に対する標的療法が開発されているが、多くは、ある種のCFTR変異を有する患者においてのみ有効であり、副作用が報告されている(2)。1つの例は、米国特許出願公開第2014/0221424号及び国際特許出願PCT/US2015/036691に記載されているようなCFTRの小分子増強剤のアイバカフトール(VX-770、KAYLDECO(商標))である(4)。しかし、アイバカフトールは、CFに罹患している患者の約4~5%を包含する、CFTR遺伝子の少なくとも1つの対立遺伝子上のミスセンス変異Gly551Asp(G551D)を有する患者におけるCFの治療を対象とする(5)。特に最も一般的なCFTR変異のPhe508del CFTRを保有する患者における、嚢胞性線維症の治療に向けられた治療法の必要は明らかに満たされていない。
図1Aは、対照(基本のリンガー)溶液及び様々な個々のアミノ酸(AA)(n=4)についての、C18を含まないベンザミル非感受性電流(μA)のグラフを示す。 図1Bは、対照(基本のリンガー)溶液及び様々な個々のAA(n=4)についての、C18を有するベンザミル非感受性電流(μA)のグラフを示す。 図2Aは、対照(基本のリンガー)溶液及び様々なAAの組み合わせ(CF2AA、CF3AA-2、CF4AA、CF4AA-2、CF5AA-3、CF4AA-3及びCF4AA-4)(n=4)についての、C18を含まないベンザミル非感受性電流(μA)のグラフを示す。 図2Bは、対照(基本のリンガー)溶液、DMSOを有する基本のリンガー、並びに様々なAAの組み合わせ(CF2AA、CF3AA-2、CF4AA、CF4AA-2、CF5AA-3、CF4AA-3及びCF4AA-4)(n=4)についての、C18を有するベンザミル非感受性電流(μA)のグラフを示す。 図3Aは、対照(基本のリンガー)溶液及び様々な個々のアミノ酸(AA)(n=4)についての、C18を含まないベンザミル感受性電流(μA)のグラフを示す。 図3Bは、対照(基本のリンガー)溶液及び様々な個々のアミノ酸(AA)(n=4)についての、C18を有するベンザミル感受性電流(μA)のグラフを示す。 図4Aは、対照(基本のリンガー)溶液及び様々なAAの組み合わせ(CF2AA、CF3AA-2、CF4AA、CF4AA-2、CF5AA-3、CF4AA-3及びCF4AA-4)(n=4)についての、C18を有するベンザミル感受性電流(μA)のグラフを示す。 図4Bは、対照(基本のリンガー)溶液、DMSOを有する基本のリンガー、並びに様々なAAの組み合わせ(CF2AA、CF3AA-2、CF4AA、CF4AA-2、CF5AA-3、CF4AA-3及びCF4AA-4)(n=4)についての、C18を有するベンザミル感受性電流(μA)のグラフを示す。 図5は、基底の塩化物フラックスを示すグラフを示す。ビヒクルに浸漬された非刺激CF細胞は、塩化物を分泌しない。しかし、塩化物分泌は、CF-5AA-3に浸漬されたCF細胞において有意に増加した(P<0.05;n=7)。 図6は、基底の塩化物フラックスを示すグラフを示す。ビヒクル及びCF-5AA-3に浸漬された非刺激CF細胞は、非刺激正常HBECと比較してナトリウム吸収が有意に高い(P<(0.001;n=6)。 図7A~7Fは、陰イオン電流及び刺激された塩化物フラックスを示すグラフを示す。図7Aは、ビヒクルに浸漬されたCF細胞のベンザミル非感受性電流(陰イオン電流)が、正常HBECと比較して有意に低いが、CF-5AA-3は、陰イオン電流を10倍超増加させたことを示す(n=4)。図7Bは、ブメタニド感受性電流(塩化物電流)が、ビヒクル(n=4)と比較してCF-5AA-3に浸漬されたCF細胞において有意に高かったが、正常HBECの値に到達しなかったことを示す。図7C、7D、7E、及び7Fは、CF-5AA-3に浸漬されたCF細胞が、有意により高い陰イオンピーク電流(図7E)及び全塩化物分泌(図7F)を有し、FSK及びGLPG1837での刺激がAAの存在下で増加した値に寄与しなかったことを示す(図(7C、D)。 図8A及び8Bは、ENaC活性及びブロックされたナトリウムフラックスを示すグラフを示す。図8Aは、ビヒクル又はCF-5AA-3に浸漬されたCF細胞が正常HBECと比較して有意に高いENaC活性(ベンザミル感受性電流)を有するが、ENaC活性は、ビヒクル(n=4)と比較してCF-5AA-3に浸漬されたCF細胞ではわずかに低かったことを示す。図8Bは、同様に、ナトリウム吸収がCF細胞において有意に増加し、CF-5AA-3に浸漬されたCF細胞(n=7)ではナトリウム吸収はわずかにより低かったことを示す。 図9は、CF細胞におけるENaC活性に対する示されたAA製剤の効果を示すグラフを示す。CF-4AA-3に浸漬されたCF細胞は、ビヒクル及びCF-5AA-3(n=4)と比較してENaC活性をさらに低下させることができた。 図10A及び10Bは、CFTRΔF508細胞上のフォルスコリン及び増強剤の存在下での、C18(補正剤;ルマカフトールと類似)及び/又はVX661(補正剤;テザカフトール)の効果を示すグラフを示す。アイバカフトール:GLPG1837(可逆性増強剤);シムデコ(Symdeko):VX661(テザカフトール)/C18。CF5AA-3は、C18又はシムデコよりも大幅に電流を増加させた。 図11は、CF-5AA-3に応答して塩化物分泌が増加したことを示したCFTRΔF508を有する初代HBECにおける36塩化物フラックス研究を示すグラフを示す。 図12は、CF5AA-3が、CFTRΔF508を有する初代HBECにおいてCFTRを介して陰イオン電流を増加させたことを示すグラフを示す。CF5AA-3による陰イオン電流は、3つの組み合わせと比較すると、有意により高く、維持される。 図13は、CF5AA-3がAno1を介して陰イオン電流を増加させたことを示すグラフを示す。CF5AA-3によるAnol媒介電流は、3つの組み合わせで観察された電流と比較して有意により高く、維持される。 図14は、CF5AA-3が、示された補正剤及び増強剤と同程度まで頂端陰イオン分泌を増加させることを示すグラフを示す。
対象にされる実施形態は、この概要ではなく、特許請求の範囲によって定義される。この概要は、様々な態様の高レベルの概説であり、以下の詳細な説明の節でさらに説明される概念のいくつかを紹介する。この概要は、特許請求される主題の重要な又は必須の特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を決定するために分けて使用されることも意図するものではない。主題は、本明細書全体の適切な部分、いずれかの又は全ての図面、及び各請求項を参照することによって理解されるべきである。
本開示は、嚢胞性線維症患者のためのより費用効果的で有効な治療選択を提供する必要性を認識する。本明細書に記載のアミノ酸組成物は、CFTR遺伝子の対立遺伝子上に少なくとも1つのPhe508del変異を担持するCF患者の治療に特に有用であり得る。CFTR遺伝子がPhe508del変異についてホモ接合性である場合、CFTRはわずか~全く細胞膜に輸送されず、細胞膜中に存在するCFTRの機能を増強するCFTR増強剤(例えば、アイバカフトール)での治療を実質的に無効にする。本開示は、野生型CFTRタンパク質とPhe508del CFTRタンパク質の両方の細胞質から細胞膜への転位を増加させると示される組成物を提供する。特に、本明細書に記載の組成物は、細胞膜上の変異CFTRタンパク質の数の増加に特に有効である。加えて、CFTR機能不全が存在する疾患(例えば、嚢胞性線維症)を治療するための方法も本明細書で提供される。
製剤-アミノ酸
第1の態様では、本発明は、遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であるという条件で、遊離アミノ酸としてシステイン及びプロリンと、グリシン、チロシン及びリジンからなる群から選択される少なくとも1つの追加の遊離アミノ酸とを含む製剤を提供する。
一実施形態では、遊離アミノ酸はL-アミノ酸である。
一実施形態では、製剤は、システイン、プロリンとグリシン、チロシン及びリジンからなる群から選択される少なくとも1つの追加のアミノ酸以外の遊離アミノ酸を含まない。
一実施形態では、製剤は、遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であるという条件で、遊離アミノ酸としてシステイン及びプロリンと、グリシン、チロシン及びリジンからなる群から選択される1以上の追加の遊離アミノ酸とから本質的になる。
一実施形態では、製剤は、遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であるという条件で、遊離アミノ酸としてシステイン及びプロリンと、グリシン、チロシン及びリジンからなる群から選択される1以上の追加の遊離アミノ酸とからなる。
一実施形態では、製剤は、遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であるという条件で、遊離アミノ酸としてシステイン、プロリン及びグリシンと、必要に応じて、チロシン及びリジンからなる群から選択される1以上の追加の遊離アミノ酸とを含むか、それらからなるか、又は本質的にそれらからなる。
一実施形態では、製剤は、遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であり、かつ他の遊離アミノ酸が存在しないという条件で、遊離アミノ酸としてシステイン、プロリン及びグリシンを含むか、それらからなるか、又は本質的にそれらからなる。
一実施形態では、製剤は、遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であるという条件で、遊離アミノ酸としてシステイン、プロリン及びチロシンと、必要に応じて、グリシン及びリジンからなる群から選択される1以上の追加の遊離アミノ酸とを含むか、それらからなるか、又は本質的にそれらからなる。
一実施形態では、製剤は、遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であり、かつ他の遊離アミノ酸が存在しないという条件で、遊離アミノ酸としてシステイン、プロリン及びチロシンを含むか、それらからなるか、又は本質的にそれらからなる。
一実施形態では、製剤は、遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であるという条件で、遊離アミノ酸としてシステイン、プロリン及びリジンと、必要に応じて、グリシン及びチロシンからなる群から選択される1以上の追加の遊離アミノ酸とを含むか、それらからなるか、又は本質的にそれらからなる。
一実施形態では、製剤は、遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であり、かつ他の遊離アミノ酸が存在しないという条件で、遊離アミノ酸としてシステイン、プロリン及びリジンを含むか、それらからなるか、又は本質的にそれらからなる。
一実施形態では、製剤は、遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であるという条件で、遊離アミノ酸としてシステイン、プロリン、グリシン及びチロシンを含むか、それらからなるか、又は本質的にそれらからなり、必要に応じて追加で、遊離アミノ酸としてリジンを含む。
一実施形態では、製剤は、遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であり、かつ他の遊離アミノ酸が存在しないという条件で、遊離アミノ酸としてシステイン、プロリン、グリシン及びチロシンを含むか、それらからなるか、又は本質的にそれらからなる。
一実施形態では、製剤は、遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であるという条件で、遊離アミノ酸としてシステイン、プロリン、グリシン及びリジンを含むか、それらからなるか、又は本質的にそれらからなり、必要に応じて追加で、遊離アミノ酸としてチロシンを含む。
一実施形態では、製剤は、遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であり、かつ他の遊離アミノ酸が存在しないという条件で、遊離アミノ酸としてシステイン、プロリン、グリシン及びリジンを含むか、それらからなるか、又は本質的にそれらからなる。
一実施形態では、製剤は、遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であるという条件で、遊離アミノ酸としてシステイン、プロリン、リジン及びチロシンを含むか、それらからなるか、又は本質的にそれらからなり、必要に応じて追加で、遊離アミノ酸としてグリシンを含む。
一実施形態では、製剤は、遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であり、かつ他の遊離アミノ酸が存在しないという条件で、遊離アミノ酸としてシステイン、プロリン、リジン及びチロシンを含むか、それらからなるか、又は本質的にそれらからなる。
一実施形態では、製剤は、遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であるという条件で、遊離アミノ酸としてシステイン、プロリン、グリシン、チロシン及びリジンを含むか、それらからなるか、又は本質的にそれらからなる。
一実施形態では、製剤は、他の遊離アミノ酸を含まない。
第2の態様では、本発明は、遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であるという条件で、遊離アミノ酸としてのシステイン及びプロリンと、グリシン、チロシン、リジン、及びバリンからなる群から選択される少なくとも1つの追加の遊離アミノ酸とを含む製剤を提供する。
第2の態様の一実施形態では、遊離アミノ酸はL-アミノ酸である。
第2の態様の一実施形態では、製剤は、システイン、プロリンと、グリシン、チロシン、リジン、及びバリンからなる群から選択される少なくとも1つの追加のアミノ酸以外の遊離アミノ酸を含まない。
第2の態様の一実施形態では、製剤は、遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であるという条件で、遊離アミノ酸としてシステイン、プロリン、及びバリンを含むか、それらからなるか、又は本質的にそれらからなる。
第2の態様の一実施形態では、製剤は、遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であるという条件で、システイン、プロリン、バリン、及びグリシンを含むか、それらからなるか、又は本質的にそれらからなる。
第2の態様の一実施形態では、製剤は、遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であるという条件で、遊離アミノ酸としてシステイン、プロリン、バリン、及びチロシンを含むか、それらからなるか、又は本質的にそれらからなる。
一実施形態では、第2の態様の製剤のいずれか1つは、他の遊離アミノ酸を含まない。
製剤-賦形剤など
一実施形態では、製剤は水をさらに含む。
一実施形態では、製剤は医薬製剤である。
一実施形態では、製剤は、医薬として許容される担体、緩衝液、電解質、アジュバント、又は賦形剤をさらに含む。
一実施形態では、製剤は無菌である。
一実施形態では、製剤は、経腸、肺、吸入、鼻腔内、又は舌下の経路による投与用に製剤化される。
一実施形態では、各遊離アミノ酸は、治療的有効量で存在する。
治療方法
さらなる態様では、本発明は、薬剤としての使用のために、上記の製剤を提供する。
本発明の一実施形態では、上記の製剤は、嚢胞性線維症の治療で使用するためのものである。
本発明はまた、嚢胞性線維症の治療のための医薬の製造における、上記の製剤の使用を提供する。
さらなる態様では、本発明は、嚢胞性線維症に罹患した対象を治療するための方法であって、嚢胞性線維症に罹患した対象に本明細書上記の製剤を投与することを含み、投与が、嚢胞性線維症の少なくとも1つの症状を低下させる、方法を提供する。
一実施形態では、嚢胞性線維症に罹患した対象は野生型CFTRを発現する。一実施形態では、対象はCFTR遺伝子に変異を有する。一実施形態では、対象は野生型CFTRと変異体CFTRを発現する。一実施形態では、対象は、野生型CFTRのアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも99.5%同一であるCFTRタンパク質が存在する嚢胞性線維症に罹患しており、野生型CFTR配列は、配列番号1を含む。一実施形態では、CFTR中の変異は、Gly542X、Gly551Asp、Arg553X、Arg117His、120del23、Phe508del、又はそれらの組み合わせを含み、Xは、任意のアミノ酸である。一実施形態では、CFTRは、Phe508del CFTR変異体である。
一実施形態では、上記の製剤は、追加の治療剤と組み合わせて使用される。
一実施形態では、追加の治療剤は、小分子薬物、タンパク質薬物、核酸薬物、又はそれらの組み合わせの少なくとも1つを含む。一実施形態では、追加の治療剤は、CFTR増強剤、CFTR補正剤、CFTRリードスルー剤、又はそれらの組み合わせの少なくとも1つである。一実施形態では、追加の治療剤はCFTR増強剤である。一実施形態では、CFTR増強剤はアイバカフトールである。
本発明のさらなる態様
本発明のさらなる態様では、上記の医薬製剤と、対象に投与するための説明書又は生体試料を製剤と接触させるための説明書とを含むキットが提供される。
本発明のさらなる態様では、少なくとも1つの細胞の細胞膜上に存在する嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス調節因子(CFTR)タンパク質の数を増加させるための方法であって、少なくとも1つの細胞を上記の有効量の医薬製剤と接触させることを含み、接触させることが、CFTRの折り畳み又はCFTRの細胞膜への輸送の少なくとも一つを促進し、細胞の細胞膜上に存在するCFTRタンパク質の数を増加させる、方法が提供される。
一実施形態では、細胞膜上の野生型CFTRタンパク質の数が増加する。一実施形態では、細胞膜上の変異CFTRタンパク質の数が増加する。一実施形態では、細胞膜上の野生型CFTRのアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも99.5%同一であるCFTRタンパク質の数が増加し、野生型CFTRは、配列番号1を含む。一実施形態では、CFTRタンパク質の1以上は、Gly542X、Gly551Asp、Arg553X、Arg117His、120del23、Phe508del、又はそれらの組み合わせを含み、Xは、任意のアミノ酸である。一実施形態では、CFTRタンパク質の1以上は、Phe508del変異を含む。一実施形態では、細胞の細胞膜上に存在するCFTRタンパク質の数を増加させることは、細胞からの塩化物イオン輸送の増加によって検出される。一実施形態では、細胞の細胞膜上に存在するCFTRタンパク質の数を増加させることは、細胞からの水輸送の増加と関連付けられる。一実施形態では、細胞は上皮細胞である。一実施形態では、上皮細胞は肺上皮細胞である。一実施形態では、肺上皮細胞は気管支上皮細胞である。一実施形態では、気管支上皮細胞は、嚢胞性線維症に罹患した対象から単離される。
特定の態様では、遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であるという条件で、遊離アミノ酸として治療的有効量のシステイン及びプロリンと、グリシン、チロシン又はリジンからなる治療的有効量の少なくとも1つの追加の遊離アミノ酸とを含む医薬製剤が提供され、医薬製剤は、システイン、プロリン、及び少なくとも1つの追加の遊離アミノ酸から本質的になる。
医薬製剤の特定の実施形態では、遊離アミノ酸はL-アミノ酸である。別の特定の実施形態では、医薬製剤は水をさらに含む。別の特定の実施形態では、医薬製剤は、医薬として許容される担体、緩衝液、電解質、アジュバント、又は賦形剤をさらに含む。別の特定の実施形態では、医薬製剤は無菌である。別の特定の実施形態では、医薬製剤は、経腸、肺、吸入、鼻腔内、又は舌下の経路による投与用に製剤化される。
医薬製剤の特定の実施形態では、医薬製剤は、遊離アミノ酸として治療的有効量のシステイン及びプロリンと、グリシン、チロシン又はリジンからなる治療的有効量の少なくとも1つの追加の遊離アミン酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなり、他の遊離アミノ酸を含まない。列挙したアミノ酸の組み合わせは、例えば、システイン、プロリン、及びグリシン;システイン、プロリン、及びチロシン;システイン、プロリン、及びリジン;システイン、プロリン、グリシン、及びチロシン;システイン、プロリン、グリシン、及びリジン;システイン、プロリン、チロシン、及びリジン;並びにシステイン、プロリン、グリシン、チロシン、及びリジンを含む。
医薬製剤の別の特定の実施形態では、医薬製剤は、遊離アミノ酸として治療的有効量のシステイン及びプロリンと、グリシン、チロシン、リジン、又はバリンからなる治療的有効量の少なくとも1つ追加の遊離アミノ酸を含み、他の遊離アミノ酸を含まない。列挙したアミノ酸の組み合わせは、例えば、システイン、プロリン、及びバリン;システイン、プロリン、バリン、及びグリシン;並びにシステイン、プロリン、バリン、及びチロシンを含む。
医薬製剤の別の特定の実施形態では、医薬製剤は、遊離アミノ酸として各々治療的有効量のシステイン、プロリン、グリシン、チロシン及びリジンを含み、他の遊離アミノ酸を含まない。医薬製剤の別の特定の実施形態では、医薬製剤は、遊離アミノ酸として各々治療的有効量のシステイン、プロリン、グリシン、チロシン及びリジンから本質的になるか、又はそれらからなる。
特定の実施形態では、医薬製剤は、治療における使用のためのものである。より特定の実施形態では、医薬製剤は、嚢胞性線維症の治療における使用のためのものである。別の特定の実施形態では、医薬製剤は、嚢胞性線維症の治療のための医薬の製造に使用される。
さらなる態様では、嚢胞性線維症に罹患している対象を治療するための方法であって、嚢胞性線維症に罹患した対象に本明細書に記載の医薬製剤を投与することを含み、投与が、嚢胞性線維症の少なくとも1つの症状を低減する、方法が提示される。本方法の特定の実施形態では、対象は野生型CFTRを発現する。別の特定の実施形態では、対象はCFTR遺伝子に変異を有する。別の特定の実施形態では、対象は野生型CFTRと変異体CFTRを発現する。別の特定の実施形態では、対象は、野生型CFTRのアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも99.5%同一であるCFTRタンパク質が存在する嚢胞性線維症に罹患しており、野生型CFTR配列は、配列番号1を含む。別の特定の実施形態では、CFTR中の変異は、Gly542X、Gly551Asp、Arg553X、Arg117His、120del23、Phe508del、又はそれらの組み合わせ(Xは任意のアミノ酸である)を含む。別の特定の実施形態では、CFTRはPhe508del CFTR変異体である。本方法の別の特定の実施形態では、本方法は、追加の治療剤を投与することをさらに含む。本方法の別の特定の実施形態では、追加の治療剤は、小分子薬物、タンパク質薬物、核酸薬物、又はそれらの組み合わせの少なくとも1つを含む。本方法の別の特定の実施形態では、追加の治療剤は、CFTR増強剤、CFTR補正剤、CFTRリードスルー剤、又はそれらの組み合わせの少なくとも1つである。本方法の別の特定の実施形態では、追加の治療剤はCFTR増強剤である。本方法の別の特定の実施形態では、CFTR増強剤はアイバカフトールである。
本方法の特定の実施形態では、医薬製剤は、遊離アミノ酸として治療的有効量のシステイン及びプロリンと、グリシン、チロシン又はリジンからなる治療的有効量の少なくとも1つの追加の遊離アミン酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなり、他の遊離アミノ酸を含まない。列挙したアミノ酸の組み合わせは、例えば、システイン、プロリン、及びグリシン;システイン、プロリン、及びチロシン;システイン、プロリン、及びリジン;システイン、プロリン、グリシン、及びチロシン;システイン、プロリン、グリシン、及びリジン;システイン、プロリン、チロシン、及びリジン;並びにシステイン、プロリン、グリシン、チロシン、及びリジンを含む。
本方法の別の特定の実施形態では、医薬製剤は、遊離アミノ酸として各々治療的有効量のシステイン、プロリン、グリシン、チロシン及びリジンを含み、他の遊離アミノ酸を含まない。本方法の別の特定の実施形態では、医薬製剤は、遊離アミノ酸として各々治療的有効量のシステイン、プロリン、グリシン、チロシン及びリジンから本質的になるか、又はそれらからなる。
さらなる態様では、少なくとも1つの細胞の細胞膜上に存在する嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス調節剤(CFTR)タンパク質の数を増加させるための方法であって、少なくとも1つの細胞と、有効量の本明細書に記載の医薬製剤とを接触させることを含み、接触させることが、CFTRの折り畳み又はCFTRの細胞膜への輸送の少なくとも1つを促進し、それにより細胞の細胞膜上に存在するCFTRタンパク質の数を増加させる、方法が提供される。本方法の特定の実施形態では、細胞膜上の野生型CFTRタンパク質の数が増加する。本方法の別の特定の実施形態では、細胞膜上の変異CFTRタンパク質の数が増加する。本方法の別の特定の実施形態では、細胞膜上の野生型CFTRのアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも99.5%同一であるCFTRタンパク質の数が増加し、野生型CFTRは、配列番号1を含む。本方法の別の特定の実施態様では、CFTRタンパク質の1以上は、Gly542X、Gly551Asp、Arg553X、Arg117His、120del23、Phe508del、又はそれらの組み合わせを含み、Xは、任意のアミノ酸である。本方法の別の特定の実施形態では、CFTRタンパク質の1以上は、Phe508del変異を含む。本方法の別の特定の実施形態では、細胞の細胞膜上に存在するCFTRタンパク質の数の増加は、細胞からの塩化物イオン輸送の増加によって検出される。本方法の別の特定の実施形態では、細胞の細胞膜上に存在するCFTRタンパク質の数の増加は、細胞からの水輸送の増加と関連付けられる。本方法の別の特定の実施形態では、細胞は上皮細胞である。本方法のより特定の実施形態では、上皮細胞は肺上皮細胞である。本方法のさらに特定の実施形態では、肺上皮細胞は気管支上皮細胞である。本方法の別の特定の実施形態では、気管支上皮細胞は、嚢胞性線維症に罹患した対象から単離され、そのような細胞で行われるインビトロアッセイの結果は、どの治療剤及び/又はその組み合わせが細胞を単離された対象に治療有効性をあたえるかという助言を提供する。本方法の別の特定の実施形態では、本方法は、追加の治療剤を投与することをさらに含む。本方法の別の特定の実施形態では、追加の治療剤は、小分子薬物、タンパク質薬物、核酸薬物、又はそれらの組み合わせの少なくとも1つを含む。本方法の別の特定の実施形態では、追加の治療剤は、CFTR増強剤、CFTR補正剤、CFTRリードスルー剤、又はそれらの組み合わせの少なくとも1つである。本方法の別の特定の実施形態では、追加の治療剤はCFTR増強剤である。本方法の別の特定の実施形態では、CFTR増強剤はアイバカフトールである。
本方法の特定の実施形態では、医薬製剤は、遊離アミノ酸として治療的有効量のシステイン及びプロリンと、グリシン、チロシン又はリジンからなる治療的有効量の少なくとも1つの追加の遊離アミン酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなり、他の遊離アミノ酸を含まない。列挙したアミノ酸の組み合わせは、例えば、システイン、プロリン、及びグリシン;システイン、プロリン、及びチロシン;システイン、プロリン、及びリジン;システイン、プロリン、グリシン、及びチロシン;システイン、プロリン、グリシン、及びリジン;システイン、プロリン、チロシン、及びリジン;並びにシステイン、プロリン、グリシン、チロシン、及びリジンを含む。
本方法の別の特定の実施形態では、医薬製剤は、遊離アミノ酸として各々治療的有効量のシステイン、プロリン、グリシン、チロシン及びリジンを含み、他の遊離アミノ酸を含まない。本方法の別の特定の実施形態では、医薬製剤は、遊離アミノ酸として各々治療的有効量のシステイン、プロリン、グリシン、チロシン及びリジンから本質的になるか、又はそれらからなる。
別の特定の実施形態では、遊離アミノ酸としてシステイン、プロリン、グリシン、チロシン及びリジンを含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる医薬製剤と、対象に投与するための説明書又は生体試料を組成物と接触させるための説明書とを含むキットが提示される。
別の態様では、本開示は、嚢胞性線維症を治療するのに使用するための、システイン、プロリン、グリシン、チロシン及びリジンを含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる組成物を提供する。さらなる態様では、本発明は、それを必要とする対象における嚢胞性線維症を治療するためのアミノ酸の組成物の使用を提供する。さらなる態様では、本発明は、それを必要とする対象における嚢胞性線維症の治療のための薬剤の調製におけるアミノ酸の組成物の使用を提供する。
一態様では、本開示は、システイン、プロリン、グリシン、チロシン及びリジンを含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる組成物を提供する。ある実施形態では、アミノ酸はL-アミノ酸である。ある実施形態では、組成物は水をさらに含む。別の態様では、組成物は、医薬として許容される担体、緩衝液、電解質、アジュバント、又は賦形剤をさらに含む。ある実施形態では、組成物は無菌である。別の態様では、組成物は、経腸、肺、吸入、鼻腔内、又は舌下の経路による投与用に製剤化される。
ある実施形態では、対象は、野生型CFTRが存在する嚢胞性線維症に罹患している。一態様では、対象はCFTR遺伝子に変異を有する。さらなる態様では、対象は、野生型と変異体CFTRの両方が存在する嚢胞性線維症に罹患している。さらに別の態様では、対象は、配列番号1により提供される野生型CFTRのアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも99.5%同一であるCFTRタンパク質が存在する嚢胞性線維症に罹患している。さらに別の態様では、CFTRは、Gly542X、Gly551Asp、Arg553X、Arg117His、120del23、又はPhe508del CFTR変異体であり、Xは、任意のアミノ酸である。ある実施形態では、CFTRは、Phe508del CFTR変異体である。
また、本明細書に提供されるのは、細胞の細胞膜上に存在する嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス調節因子(CFTR)タンパク質の数を増加させるための方法であって、システイン、プロリン、グリシン、チロシン及びリジンを含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる有効量の組成物と細胞を接触させることを含む、方法である。ある態様では、有効量は、細胞の細胞膜上に存在するCFTRタンパク質の数を増加させる。さらなる態様では、細胞膜上の野生型CFTRタンパク質の数が増加する。さらなる態様では、細胞膜上の変異CFTRタンパク質の数が増加する。ある態様では、細胞膜上の、配列番号1によって提供される野生型CFTRのアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも99.5%同一であるCFTRタンパク質の数が増加する。いくつかの実施形態では、CFTRタンパク質の1以上は、Gly542X、Gly551Asp、Arg553X、Arg117His、120del23、又はPhe508del変異体であり、Xは、任意のアミノ酸である。さらなる実施形態では、CFTRタンパク質の1以上は、Phe508del CFTR変異体である。ある実施形態では、細胞からの塩化物イオン輸送が増加する。さらなる実施形態では、細胞からの水輸送が増加する。さらなる実施形態では、細胞は上皮細胞である。ある実施形態では、上皮細胞は肺上皮細胞である。いくつかの実施形態では、肺上皮細胞は気管支上皮細胞である。さらなる実施形態では、気管支上皮細胞は、嚢胞性線維症に罹患している対象から得られた。細胞は、インビトロ、インビボ、又はエキソビボであってよい。
ある態様では、本明細書に提供される方法は、追加の治療剤を投与することをさらに含む。ある実施形態では、追加の治療剤は、小分子薬物、タンパク質薬物、又は核酸薬物である。ある実施形態では、追加の治療剤は、小分子薬物である。さらなる実施形態では、追加の治療剤はCFTR増強剤、補正剤、又はリードスルー剤である。さらなる実施形態では、追加の治療剤はCFTR増強剤である。いくつかの態様では、CFTR増強剤はアイバカフトールである。ある実施形態では、追加の治療剤はCFTR補正剤である。ある実施形態では、CFTR矯正器は、ルマカフトール(lumcaftor)である。追加の治療剤は、本明細書に記載の組成物のいずれかに含まれ得る(例えば、組成物は、追加の治療剤をさらに含む)。追加の治療剤は、本明細書に記載の組成物のいずれかの投与と同時に、その前に、又はその後に投与され得る(例えば、併用療法)。
さらなる態様では、本開示は、嚢胞性線維症を治療するための方法であって、それを必要とする対象に本明細書に記載の組成物を投与することを含み、組成物は、経腸、肺、吸入、鼻腔内、又は舌下の経路による投与用に製剤化される、方法を提供する。ある実施形態では、組成物は、対象への肺投与用に製剤化される。ある実施形態では、組成物は、対象への経腸投与用に製剤化される。ある実施形態では、組成物は、対象への経口投与用に製剤化される。
さらなる態様では、本開示は、嚢胞性線維症を治療するための方法であって、それを必要とする対象に本明細書に記載の組成物を投与することを含む。ある実施形態では、対象は、対象がCFTR遺伝子に変異を有する嚢胞性線維症に罹患している。ある実施形態では、対象は、対象が野生型CFTRと変異体CFTRの両方についてヘテロ接合性である嚢胞性線維症に罹患している。ある実施形態では、対象は、対象が第1の変異体CFTR及び第2の変異体CFTRについてヘテロ接合性である(例えば、変異が異なる)嚢胞性線維症に罹患している。ある実施形態では、対象は、対象が変異体CFTRについてホモ接合性である(例えば、両方の対立遺伝子が同じ変異を有する)嚢胞性線維症に罹患している。ある実施形態では、対象は、対象が野生型CFTRについてホモ接合性である(例えば、両方の対立遺伝子が変異していない)嚢胞性線維症に罹患している。ある実施形態では、変異体CFTRは、Gly542X、Gly551Asp、Arg553X、Arg117His、120del23、又はPhe508del CFTR変異体であり、Xは、任意のアミノ酸である。ある実施形態では、変異体CFTRは、Phe508del CFTR変異体である。ある実施形態では、対象中に存在するCFTRタンパク質は、配列番号1によって提供される野生型CFTRのアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも99.5%同一である。ある実施形態では、対象中に存在するCFTRタンパク質は、配列番号2によって提供されるようなPhe508del CFTRのアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも99.5%同一である。
嚢胞性線維症及び関連する肺疾患を含む様々な疾患の診断及び治療に関する情報は、Longo,D.ら(編),ハリソンの内科の原則(Harrison’s Principles of Internal Medicine),第18版;McGraw-Hill Professional,2011に見出される。様々な治療剤及び肺疾患を含むヒト疾患に関する情報は、Brunton,L.ら(編) Goodman及びGilmanの治療の薬理学的基礎(The Pharmacological Basis of Therapeutics),第12版,McGraw Hill,2010及び/又はKatzung,B.(編) 基礎及び臨床薬理学(Basic and Clinical Pharmacology),McGraw-Hill/Appleton&Lange;第11版(2009年6月)に見出される。本明細書で述べる全ての特許、特許出願、書籍、論文、文書、データベース、ウェブサイト、刊行物、参考文献などは、参照によりその全体が組み込まれる。本明細書と組み込まれた参考文献のいずれかとの間に矛盾がある場合には、本明細書(そのいずれかの補正を含む)が優先される。本出願人は、例えば、組み込まれた材料のいずれかに基づいて本明細書を修正し、かつ/又は明らかな誤差を補正する権利を保有する。組み込まれる材料の含有量はいずれも本発明を限定するものではない。用語の標準的な当技術分野で認められた意味は、別段の指示がない限り、本明細書で使用される。本明細書では、様々な用語のための標準的な略語が使用される。
ある態様では、本明細書に提供される組成物は、システイン、プロリン、グリシン、チロシン及びリジンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなり、他の遊離アミノ酸を含まない。
また、本明細書に提供されるのは、それを必要とする対象における嚢胞性線維症を治療するための組成物の使用であり、組成物は、システイン、プロリン、グリシン、チロシン及びリジンを含む。
また、本明細書に提供されるのは、システイン、プロリン、グリシン、チロシン及びリジンを含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる組成物;及び対象に投与するための説明書又は生体試料を上記組成物と接触させるための説明書を含む組成物を含むキットである。
別々に記載された実施形態の全ての組み合わせが想定される。
本発明のある実施形態の詳細は、以下に説明するように、特定の実施形態の詳細な説明に記載される。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、定義、実施例、図、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
定義
本開示で使用される様々な用語に関連する説明及び特定の情報は、本明細書に便宜のために収集される。
用語「薬剤」は、任意の物質、化合物(例えば、分子)、超分子複合体、材料、又はそれらの組み合わせ若しくは混合物を指すために本明細書で使用される。化合物は、化学式、化学構造、又は配列によって表すことができる任意の薬剤であり得る。薬剤の例は、例えば、小分子、ポリペプチド、核酸(例えば、RNAi剤、アンチセンスオリゴヌクレオチド、アプタマー)、脂質、多糖類などを含む。一般に、薬剤は、当技術分野で公知の任意の適切な方法を用いて取得され得る。当業者は、例えば、薬剤の性質に基づいて適切な方法を選択する。薬剤は、少なくとも部分的に精製され得る。いくつかの実施形態では、薬剤は、組成物の一部として提供されてよく、それは様々な実施形態の中の薬剤に加えて、例えば、対イオン、水性若しくは非水性の希釈剤又は担体、緩衝剤、防腐剤、又は他の成分を含み得る。いくつかの実施形態では、薬剤は、塩、エステル、水和物、又は溶媒和物として提供され得る。いくつかの実施形態では、薬剤は、細胞透過性であり、例えば、細胞によって取り込まれ、細胞内、例えば、哺乳動物細胞内で生物学的効果を生じるように作用する典型的な薬剤の範囲内にある。ある化合物は、特定の幾何学的形態又は立体異性形態で存在し得る。シス異性体及びトランス異性体、E-異性体及びZ-異性体、R-エナンチオマー及びS-エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)-異性体、(L)-異性体、(-)異性体及び(+)異性体、それらのラセミ混合物、及びそれらの他の混合物を含むそのような化合物は、特段の指示がない限り、本開示により様々な実施形態に包含される。ある化合物は、様々な状態又はプロトン化状態で存在してよく、様々な立体配置を有してよく、溶媒和物(例えば、水(すなわち水和物)又は一般的な溶媒)として存在してよく、かつ/又は異なる結晶形態(例えば、多形)又は異なる互変異性形態を有してよい。このような代替的なプロトン化状態、立体配置、溶媒和物、及び形態を示す実施形態は、適用可能である本開示に包含される。用語「薬剤」はまた、「治療剤」を包含し得る。用語「化合物」及び「薬剤」は、互換的に使用され得る。
薬剤(又はそのような薬剤を含有する組成物)の「有効量」又は「有効用量」は、例えば、選択された投与形態、経路、及び/又はスケジュールに従って細胞又は生物に送達される場合、所望の生物学的及び/又は薬理学的効果を達成するのに十分な量を指す。語句「有効量」及び「治療的有効量」は、互換的に使用される。当業者なら、有効な特定の薬剤又は組成物の絶対量は、所望の生物学的又は薬理学的エンドポイント、送達されるべき薬剤、標的組織などのような因子に依存して変化し得ることを理解するであろう。当業者はさらに、「有効量」が、様々な実施形態で、単回用量で、又は複数回用量の使用を通して、細胞と接触させるか、又は対象に投与され得ることを理解するであろう。ある実施形態では、有効量は、細胞の細胞膜へのCFTRの輸送を増加させる量である。ある実施形態では、有効量は、細胞の細胞質から細胞膜へのCFTRの転位を増加させる量である。ある実施形態では、有効量は、細胞からの塩化物イオン輸送を増加させる量である。ある実施形態では、有効量は、細胞からの水輸送を増加させる量である。ある実施形態では、有効量は、肺疾患の症状を低下させる、かつ/又は治療する量である。ある実施形態では、有効量は、嚢胞性線維症の症状を低下させる、かつ/又は治療する量である。
本明細書で使用する用語「から本質的になる」は、成分及び工程の範囲を、特定の材料又は工程並びに本発明の基本的で新規な特徴(複数可)、例えば、嚢胞性線維症の治療のための組成物及びその使用、並びに嚢胞性線維症を治療する方法に実質的に影響しないものに制限する。例えば、「から本質的になる」を使用することにより、治療組成物は、遊離アミノ酸、ジペプチド、オリゴペプチド、もしくはポリペプチド又はタンパク質;並びに嚢胞性線維症の治療に直接有益な又は有害な治療効果を有する単糖、二糖、オリゴ糖、多糖類及び炭水化物を含むが、これらに限定されない任意の不特定の成分を含まない。用語「から本質的になる」を使用することにより、組成物は、嚢胞性線維症の治療に治療的効果をもたない物質を含み得る。そのような成分は、肺上皮の健康又は機能に影響を及ぼさない担体、賦形剤、アジュバント、香味剤などを含む。
要素又は複数の要素を参照して、「含む(comprising)」、「有する」、「含む(including)」、もしくは「含有する」などの用語を用いる任意の態様又は実施形態の本明細書の記載は、特に断らない限り、又は文脈によって明確に矛盾しない限り、その特定の要素又は複数の要素「からなる」、「から本質的になる」、若しくは「を実質的に含む」同様の態様又は実施形態のための支持を提供することが意図される(例えば、特定の要素を含むと本明細書に記載の組成物は、特に断らない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、その要素からなる組成物も記載するものとして理解されるべきである)。
用語「遺伝子」は、ヌクレオチドで構成されるDNAの遺伝子座(例えば、領域)を指す。一般に、遺伝子は、転写を開始するのに通常必要とされる1以上の上流又は下流の調節配列(例えば、エンハンサー/サイレンサー、プロモーター、5’非コード配列、3’非コード配列)、1以上のエキソン及び1以上のイントロンを含むオープンリーディングフレームを含む、複数の領域を含む。「エキソン」は、タンパク質配列に翻訳される、最終成熟RNAの一部をコードする遺伝子の任意の部分である。「イントロン」は、最終成熟RNAの成熟中にRNAスプライシングによって除去される、遺伝子の任意の部分である。「潜在的エキソン」は、成熟RNAに未成熟翻訳停止コドンを導入するか、又は非定型的スプライシングパターンをもたらすことができるエキソンである。用語「遺伝子」は、コード配列に先行する(5'非コード配列)及び後続する(3'非コード配列)調節配列を含む、タンパク質を発現する核酸断片を指してよい。「天然遺伝子」は、それ自体の調節配列を有して天然に見られるような遺伝子を指す。したがって、キメラ遺伝子又はキメラ構築物は、異なる供給源由来の調節配列及びコード配列、又は同じ供給源に由来するが、天然に見られるものとは異なる様式で配列される調節配列及びコード配列を含み得る。「内因性遺伝子」は、生物のゲノム中でその天然の位置にある天然の遺伝子を指す。「外来の」遺伝子は、宿主生物には通常見られないが、遺伝子導入により宿主生物に導入される遺伝子を指す。外来の遺伝子は、非天然の生物又はキメラ遺伝子に挿入された天然の遺伝子を含んでよい。
用語「遺伝子産物」(本明細書では「遺伝子発現産物」又は「発現産物」とも呼ばれる)は、遺伝子から転写されたRNAなどの遺伝子の発現から生じる産物及びそのようなRNAの翻訳から生じるポリペプチドを包含する。ある遺伝子産物は、例えば、細胞中で、プロセシング又は修飾を受ける場合があることを理解されたい。例えば、RNA転写物は、mRNA翻訳の前にスプライシング、ポリアデニル化されてよく、かつ/又はポリペプチドは、分泌シグナル配列の除去、オルガネラ標的配列の除去、又はリン酸化、脂肪アシル化などの修飾などの翻訳と同時のプロセシング又は翻訳後のプロセシングを受けてよい。用語「遺伝子産物」は、そのようなプロセシングされた型又は修飾された型を包含する。ヒトを含む様々な種からのゲノム、mRNA、ポリペプチド配列は、当技術分野で公知であり、米国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information (www.ncbi.nih.gov))又はユニバーサルプロテインリソース(Universal Protein Resource(www.uniprot.org))で利用可能なものなどの公にアクセス可能なデータベースにおいて利用可能である。データベースは、例えば、GenBank、RefSeq、Gene、UniProtKB/SwissProt、UniProtKB/Tremblなどを含む。一般に、NCBI参照配列データベース中の配列、例えば、mRNA及びポリペプチド配列が、目的の遺伝子の遺伝子産物配列として使用され得る。遺伝子の複数の対立遺伝子が同じ種の個体間に存在し得ることを理解されたい。例えば、特定のタンパク質をコードする核酸の1以上のヌクレオチド(例えば、ヌクレオチドの約1%、2%、3~5%まで)の違いが、所与の種の個体間に存在し得る。遺伝子コードの縮重に起因して、そのような変異は、しばしば、コードされたアミノ酸配列を変化させないが、コードされたタンパク質の配列に変化をもたらすDNA多型は存在し得る。多型バリアントの例は、例えば、NCBIのウェブサイトで利用可能な単一ヌクレオチド多型データベース(the Single Nucleotide Polymorphism Database (dbSNP))www.ncbi.nlm.nih.gov/projects/SNP/[Sherry,S.Tら(2001)dbSNP:遺伝的変異のNCBIデータベース(The NCBI database of genetic variation) Nucl Acids Res,29:308-311;Kitts,A.及びSherry,S.(2009) NCBIハンドブック(インターネット)の中のヌクレオチド配列多様性の単一ヌクレオチド多型データベース(The single nucleotide polymorphism database(dbSNP)of nucleotide sequence variation);McEntyre,J.,Ostell,J.(編).Bethesda(MD):National Center for Biotechnology Information(US);2002(www.ncbi.nlm.nih.gov/bookshelf/br.fcgi?book=handbook&part=ch5)]に見出すことができる。あるタンパク質の複数のアイソフォームが、例えば、オールタナティブRNAスプライシング又は編集の結果として存在し得る。一般に、本開示の態様が遺伝子又は遺伝子産物に関する場合、特段の指示がない限り、対立遺伝子のバリアント又はアイソフォームに関する実施形態は、適用可能であれば、包含される。ある実施形態は、特定の配列(複数可)、例えば、特定の対立遺伝子(複数可)又はアイソフォーム(複数可)を対象とし得る。
用語「アミノ酸」は、アミン(-NH2)官能基、カルボキシル(-COOH)官能基、及び各アミノ酸に特異的な側鎖(「R」)基を含む全ての既知のアミノ酸を包含する。「アミノ酸」は、ヒトゲノムによってコードされる21個のアミノ酸(すなわち、タンパク質原性アミノ酸)、細菌又は単一細胞生物によってコードされるか又は産生されるアミノ酸、及び天然由来のアミノ酸を包含する。本開示の目的のために、塩基性側鎖とのアミノ酸の共役酸形態(アルギニン、リジン、及びヒスチジン)又は酸性側鎖とのアミノ酸の共役塩基形態(アスパラギン酸及びグルタミン酸)は、特に断らない限り、本質的に同じである。「アミノ酸」はまた、本発明の組成物の効果を増強する(例えば、細胞膜中のCFTRタンパク質の数を増加させる、細胞からの塩化物イオン輸送を増加させる、嚢胞性線維症を治療する)点で、実質的に同じ活性か、又はより良好な活性を保持するその誘導体を包含する。これらの誘導体は、例えば、鏡像異性体であり得、アミノ酸のD型とL型の両方を含み得る。これらの誘導体は、「天然」又は「非天然」のアミノ酸の誘導体(例えば、βアミノ酸、ホモアミノ酸、プロリン誘導体、ピルビン酸誘導体、3-置換アラニン誘導体、グリシン誘導体、環置換チロシン誘導体、環置換フェニルアラニン誘導体、線状コアアミノ酸、及びN-メチルアミノ酸)、例えば、セレノシステイン、ピロリジン、ヨードチロシン、ノルロイシン、又はノルバリンであり得る。他のアミノ酸誘導体は、例えば、アミノ酸のアシル化、メチル化、グリコシル化、及び/又はハロゲン化によって合成されるものを含むが、これらに限定されない。これらは、例えば、βメチルアミノ酸、Cメチルアミノ酸、及びNメチルアミノ酸を含む。本明細書に記載のアミノ酸は遊離アミノ酸として存在し得る。用語「遊離アミノ酸」は、ペプチド又はポリペプチドの一部ではない(例えば、ペプチド結合を介して別のアミノ酸に連結されていない)アミノ酸を指す。遊離アミノ酸は、溶液中で遊離しているが、溶液中の塩又は他の成分と結合していてもよい。
用語「タンパク質」、「ペプチド」、及び「ポリペプチド」は、本明細書では互換的に使用され、ペプチド(アミド)結合によって共に連結されたアミノ酸残基のポリマーを指す。用語は、任意のサイズ、構造、若しくは機能のタンパク質、ペプチド、又はポリペプチドを指す。典型的には、タンパク質、ペプチド、又はポリペプチドは、少なくとも3つのアミノ酸長である。タンパク質、ペプチド、又はポリペプチドは、個々のタンパク質又はタンパク質の集合を指してよい。タンパク質、ペプチド、又はポリペプチド中の1以上のアミノ酸は、例えば、炭水化物基、ヒドロキシル基、リン酸基、ファルネシル基、イソファルネシル基、脂肪酸基、共役のためのリンカー、官能化、又は他の修飾などの化学実体の付加によって修飾され得る。タンパク質、ペプチド、又はポリペプチドは、単分子であり得るか、又は多分子複合体であり得る。いくつかの実施形態では、タンパク質はホモ二量体又はヘテロ二量体を含む。タンパク質、ペプチド、又はポリペプチドは、単に、天然に存在するタンパク質又はペプチドの断片であり得る。タンパク質、ペプチド、又はポリペプチドは、天然、組換え、又は合成、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。タンパク質は、異なるドメイン、例えば、核酸結合ドメイン(例えば、タンパク質の標的部位への結合を誘導するCas9のgRNA結合ドメイン)及び核酸切断ドメインを含み得る。いくつかの実施形態では、タンパク質は、タンパク質性部分、例えば、核酸結合ドメインを構成するアミノ酸配列、及び有機化合物、例えば、核酸切断剤として作用できる化合物を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、核酸、例えば、RNAとの複合体であるか、又はそれと結合している。いくつかの実施形態では、タンパク質はリガンド結合ドメインを含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、活性部位(例えば、生物学的又は酵素的活性の部位)を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、アロステリック部位(例えば、活性部位から離れていてよいリガンドに結合できるタンパク質の部位)を含む。本明細書に提供されるタンパク質のいずれも、当技術分野で公知の任意の方法によって生成され得る。例えば、本明細書に提供されるタンパク質は、組換えタンパク質発現及び精製によって産生され得、これは、ペプチドリンカーを含む融合タンパク質に特に適している。組換えタンパク質発現及び精製の方法は周知であり、Green及びSambrook,分子クローニング:実験室マニュアル、第4版,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(2012)]によって記載されるものを含み、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
「同一性」又は「パーセント同一性」は、2以上の核酸又はポリペプチドの配列が同一である程度の尺度である。関心のある配列Aと第2の配列Bとの間のパーセント同一性は、配列を整列させること、同一性を最大にするためにギャップの導入を認めること、同一残基とは反対の残基(ヌクレオチド又はアミノ酸)の数を決定すること、TGA及びTGBの最小値で割ること(ここでTGA及びTGBは、アラインメント中の配列A及びBにおける残基と内部ギャップ位置の数の和である)、および100をかけることによって計算され得る。特定のパーセント同一性を達成するのに必要な同一の残基の数を計算する場合、分数は最も近い整数に四捨五入されるべきである。配列は、当技術分野で知られている様々なコンピュータプログラムの使用により整列されてよい。例えば、BLAST2、BLASTN、BLASTP、ギャップBLASTなどのコンピュータプログラムを用いて、アライメントを作製し、かつ/又はパーセント同一性を取得してよい。Karlin及びAltschul,Proc Natl Acad Sci USA,90:5873-5877,1993のように改変されたKarlin及びAltschul(Karlin及びAltschul,Proc Natl Acad Sci USA,87:22264-2268,1990)のアルゴリズムは、Altschulら[Altschulら(1990) J Mol Biol,215:403-410]のNBLAST及びXBLASTプログラムに組み込まれている。いくつかの実施形態では、比較の目的のためのギャップアライメントを得るために、ギャップBLASTが、Altschulら[Altschulら(1997)Nucleic Acids Res,25:3389-3402]に記載されているように利用される。BLAST及びギャップBLASTプログラムを利用する場合、それぞれのプログラムのデフォルトパラメータを使用してよい。URL www.ncbi.nlm.nih.gov及び/又はMcGinnis,S.及びMadden,TL,W20-W25 Nucleic Acids Research,2004,32巻,Webサーバ発行を有するウェブサイトを参照されたい。他の適切なプログラムは、CLUSTALW[Thompson,J.D.,Higgins,D.G.,及びGibson,T.J.(1994)Nuc Acid Res,22:4673-4680],CLUSTAL Omega[Sievers,F.,Wilm,A.,Dineen,D.ら(2011) クラスタルオメガを用いる最初の拡張可能な高品質のタンパク質多重配列アライメントの作成(Fast,scalable generation of high-quality protein multiple sequence alignments using Clustal Omega) Mol Sys Biol,7:doi:10.1038/msb.2011.75]、及びGAP(GCGバージョン9.1;これは、Needleman & Wunsch,1970アルゴリズム[Needleman,S.B.及びWunsch,C.D.(1970) J.Mol Biol,48:443-453]を実行する)を含む。パーセント同一性は、評価のウィンドウ上で評価され得る。いくつかの実施形態では、評価のウィンドウは、比較される配列の最小の長さの少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれを超える、例えば、100%の長さを有し得る。いくつかの実施形態では、評価のウィンドウは、少なくとも100;200;300;400;500;600;700;800;900;1,000;1,200;1,500;2,000;2,500;3,000;3,500;4,000;4,500;又は5,000個のアミノ酸である。いくつかの実施形態では、評価ウィンドウ上のいずれかの配列又は両方の配列中の位置の20%、10%、5%、又は1%以下は、ギャップにより占められる。いくつかの実施形態では、いずれかの配列又は両方の配列における位置の20%、10%、5%、又は1%以下は、ギャップにより占められる。
特定のポリペプチド又はポリヌクレオチドの「バリアント」は、それぞれ、「元のポリペプチド」又は「元のポリヌクレオチド」と呼ばれ得る、ポリペプチド又はポリヌクレオチドに対して1以上の付加、置換、及び/又は欠失を有し得る。付加は挿入であってよく、又はいずれかの末端であってよい。バリアントは、元のポリペプチド若しくはポリヌクレオチドよりも短くても、又は長くてもよい。用語「バリアント」は「断片」を包含する。「断片」は、元のポリペプチドよりも短いポリペプチド又はポリヌクレオチドの連続的な部分である。いくつかの実施形態では、バリアントは、断片を含むか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、断片又はバリアントは、元のポリペプチド又はポリヌクレオチドの少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%の長さである、又はそれより長い。断片は、N末端断片、C末端断片、又は内部断片であり得る。いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチドは、元のポリペプチドの少なくとも1つのドメインを含むか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチド又はポリヌクレオチドは、元のポリペプチド又はポリヌクレオチドに対して配列で少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれを超えて同一であるポリペプチド又はポリヌクレオチドを含むか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチド又はポリヌクレオチドは、元のポリペプチド又はポリヌクレオチドの少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%を超えるポリペプチド又はポリヌクレオチドを含むか、又はそれらからなる。いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチドの配列は、元の配列に関してN個のアミノ酸の違いを有する配列を含むか、又はそれからなり、Nは、元のポリペプチド中のアミノ酸の数の最大で1%、2%、5%、又は10%の任意の整数であり、「アミノ酸の違い」は、アミノ酸の置換、挿入、又は欠失を指す。いくつかの実施形態では、置換は保存的置換である。保存的置換は、例えば、関与する残基の側鎖サイズ、極性、電荷、溶解性、疎水性、親水性及び/又は両親媒性の類似性に基づいて行われ得る。いくつかの実施形態では、保存的置換は表Aに従って行われ、第2のカラム内の同じブロック中のアミノ酸及び第3のカラム内の同じライン中のアミノ酸が、保存的置換で互いに置換され得る。ある保存的置換は、第2のカラム内のブロックに対応する第3のカラムの1行中のアミノ酸を、第2のカラム内の同じブロック内の第3のカラムの別の行からのアミノ酸と置換している。
表A
Figure 2022506044000002
いくつかの実施形態では、プロリン(P)、システイン(C)、又はその両方は各々、個々のグループ内にあると考えられる。特定のグループ内では、ある置換は、ある実施形態において特に興味深い場合があり、例えば、イソロイシンによるロイシン(又はその逆)、スレオニンによるセリン(又はその逆)、又はグリシンによるアラニン(又はその逆)の置換である。
いくつかの実施形態では、バリアントは、生物活性のあるバリアントであり、すなわち、バリアントは、元のポリペプチド又はポリヌクレオチドの少なくとも1つの活性を少なくとも部分的に保持している。いくつかの実施形態では、バリアントは、元のポリペプチド又はポリヌクレオチドの2以上又は実質的に全ての既知の生物学的に顕著な活性を少なくとも部分的に保持している。活性は、例えば、触媒活性、結合活性、生物学的な構造若しくは過程で機能するか又は関与する能力などであり得る。いくつかの実施形態では、バリアントの活性は、元のポリペプチド又はポリヌクレオチドの活性の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、又はそれを超えてよく、様々な実施形態では、元のポリペプチド又はポリヌクレオチドの活性の最大で約100%、約125%、又は約150%であり得る。いくつかの実施形態では、バリアント、例えば、生物活性のあるバリアントは、元のポリペプチドと少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%又は100%同一であるポリペプチド、又は元のポリペプチドの少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%を超える若しくは100%のポリペプチドを含むか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、例えば、機能的バリアントにおける変更、例えば、置換又は欠失は、活性に重要であることが知られているか若しくは予測されるアミノ酸又はヌクレオチド、例えば、既知の若しくは予測される触媒残基又は基質若しくは補因子との結合に関与する残基を変更又は除去しない。バリアントは、活性を評価するための1以上の適切なアッセイにおいて試験され得る。
本明細書で使用する用語「小分子」は、質量が約2キロダルトン(kDa)未満の有機分子である。いくつかの実施形態では、小分子は、約1.5kDa未満、又は約1kDa未満である。いくつかの実施形態では、小分子は、約800ダルトン(Da)、600Da、500Da、400Da、300Da、200Da、又は100Da未満である。しばしば、小分子は少なくとも50Daの質量を有する。いくつかの実施形態では、小分子は非ポリマーである。いくつかの実施形態では、小分子はアミノ酸ではない。いくつかの実施形態では、小分子はヌクレオチドではない。いくつかの実施形態では、小分子は糖類ではない。いくつかの実施形態では、小分子は、複数の炭素-炭素結合を含み、タンパク質との構造的相互作用(例えば、水素結合)に重要な1以上のヘテロ原子及び/又は1以上の官能基、例えば、アミン、カルボニル、ヒドロキシル、又はカルボキシル基、いくつかの実施形態では、少なくとも2つの官能基を含んでよい。小分子はしばしば、必要に応じて、上の官能基の1以上で置換される、1以上の環状炭素又は複素環構造及び/又は芳香族若しくはポリ芳香族構造を含む。ある実施形態では、小分子は、薬物(例えば、連邦規則集(C.F.R.)に提供されているような米国食品医薬品局によって承認された分子)などの治療的活性のある薬剤である。小分子はまた、1以上の金属原子及び/又は金属イオンと錯体を形成してもよい。この例では、小分子は、「小さい有機金属分子」とも呼ばれる。好ましい小分子は、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトにおいて生物学的効果を生じるという点で生物学的に活性がある。小分子は、放射性核種及びイメージング剤を含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、小分子は薬物である。好ましくは、必ずしもそうではないが、薬物は、適切な政府機関若しくは規制団体によってヒト又は動物において使用するために既に安全で有効であると考えられているものである。例えば、ヒトの使用のために承認された薬物は、参照により本明細書に組み込まれる21C.F.R.§§330.5、331から361、及び440から460の下でFDAによって列挙される。列挙した全ての薬物は、本発明に従って使用するために許容可能であると考えられる。
用語「組成物」及び「製剤」は、互換的に使用される。
用語「投与する」、「投与すること」、又は「投与」は、本明細書に記載の化合物若しくはその組成物を対象に又は対象上に移植、吸収、摂取、注入、吸入すること、又は他の方法で導入することを指す。
様々な実施形態では、「対象」は、任意の脊椎動物生物であり得る。対象は、例えば、実験、診断、及び/又は治療目的のために薬剤が投与される個体、又は試料を取得する個体、又は処置が行われる個体であり得る。いくつかの実施形態では、対象は、哺乳動物、例えば、ヒト、非ヒト霊長類、又は齧歯類(例えば、マウス、ラット、ウサギ)である。開示される治療方法から利益を得ることができる哺乳動物種は、類人猿、チンパンジー、オランウータン、ヒト、サル;イヌ、ネコなどの家庭用動物;ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリなどの家畜;並びにマウス、ラット、モルモット、及びハムスターなどの動物を含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、対象はヒトである。ヒトはいずれの性別であってよく、いずれの発達段階にあってよい。ある実施形態では、対象は嚢胞性線維症と診断されている。ある実施形態では、対象は、CFTR変異によって引き起こされる嚢胞性線維症と診断されている。ある実施形態では、対象は、Phe508del CFTR変異によって引き起こされる嚢胞性線維症と診断されている。
ヒトCF動物モデルは、当技術分野で公知であり、本明細書に記載される。例えば、実施例4を参照されたい。Grubbら(Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol 290:L270-L277,2006);McCarronら(Respiratory Research 19:54,2018);及びLavelleら(BioMed Research International Volume 2016,Article ID 5258727,14ページ)も参照されたく、これらの各々の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。Lavelleらは、例えば、CFのマウス及びブタモデルについて説明している。
対象を治療する文脈において、本明細書で使用する「治療する」、「治療」、「治療すること」及び類似の用語は、対象の医学的及び/又は外科的な管理を提供することを指す。治療は、薬剤又は組成物(例えば、医薬組成物)を対象に投与することを含み得るが、これらに限定されない。本明細書で使用する用語「治療」又はその任意の文法的変形(例えば、治療する、治療すること、及び治療など)は、疾患若しくは病状の症状を緩和すること;及び/又は疾患若しくは病状の進行、重症度及び/若しくは範囲を低減する、抑制する、阻害する、軽減する、又は影響を及ぼすことを含むが、これらに限定されない。治療の効果はまた、疾患の発生若しくは再発の可能性、又は疾患の1以上の症状若しくは発症を低減することを含み得る。治療剤は、疾患を有する、又は一般集団のメンバーと比較して疾患を発症する危険性が増している対象に投与されてよい。いくつかの実施形態では、治療剤は、疾患を有しているがもはや疾患の証拠を示さない対象に投与され得る。薬剤は、例えば、疾患の再発の可能性を低下させるために投与され得る。治療剤は、予防的に、すなわち、疾患の任意の症状又は兆候の発症の前に投与され得る。
「予防的処置」は、例えば、疾患が起こる可能性を低下させるために、又は疾患が発症した場合にその重症度を低下させるために、疾患を発症していないか又は疾患の証拠を示さない対象に、医学的及び/又は外科的管理を提供することを指す。対象は、疾患を発症する危険性がある(例えば、一般的な集団と比較して増加したリスクがあるか、又は疾患を発症する可能性を増加させる危険因子を有する)と同定されていてよい。
本明細書で使用する用語「改善」又はその文法的変形(例えば、改善する、改善すること、及び改善など)は、疾患若しくは病態(例えば、嚢胞性線維症又はその合併症)の開始を遅延させること、又はその重症度を低下させることを含むが、これらに限定されない。改善は、本明細書で使用するように、症状の完全な不在を必要としない。
用語「病態」、「疾患」及び「障害」は、互換的に使用される。
本明細書に記載される化合物の「有効量」は、所望の生物学的応答を引き出すのに十分な量を指す。ある実施形態では、有効量は、塩化物イオン輸送を増加させるのに十分な量である。ある実施形態では、有効量は、嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス調節因子(CFTR)タンパク質(例えば、野生型CFTR又は変異体CFTR)の機能を調節する(例えば、増加させる)のに十分な量である。ある実施形態では、有効量は、Phe508del CFTRの機能を調節する(例えば、増加させる)のに十分な量である。ある実施形態では、有効量は、細胞質から細胞膜へのCFTRの転位を増加させるのに十分な量である。本明細書に記載の化合物の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、化合物の薬物動態、治療される状態、投与の様式、並びに対象の年齢及び健康のような要因に依存して変化し得る。ある実施形態では、有効量は治療的有効量である。ある実施形態では、有効量は予防的処置である。ある実施形態では、有効量は、単一用量での本明細書に記載の化合物の量である。ある実施形態では、有効量は、複数回用量で本明細書に記載の化合物の組み合わされた量である。
本明細書に記載の化合物の「治療的有効量」は、病態の治療において治療上の利益を提供するのに十分な量であるか、又は病態と関連付けられる1以上の症状を遅延若しくは最小限にするのに十分な量である。治療的有効量の化合物は、単独での又は他の治療法と組み合わせた治療剤の量を意味し、それは病態の治療において治療上の利益を提供する。用語「治療的有効量」は、治療全体を改善し、病態の症状、徴候、もしくは原因を低減又は回避し、かつ/又は別の治療剤の治療効果を高める量を包含してよい。ある実施形態では、治療的有効量は、塩化物イオン輸送を増加させる(例えば、上皮細胞からの塩化物輸送を増加させる)のに十分な量である。ある実施形態では、治療的有効量は、水輸送を増加させる(例えば、上皮細胞からの水輸送を増加させる)のに十分な量である。ある実施形態では、治療的有効量は、嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス調節因子(CFTR)タンパク質(例えば、野生型CFTR又は変異CFTR)の機能を調節する(例えば、高める)のに十分な量である。ある実施形態では、治療的有効量は、Phe508del CFTRの機能を調節する(例えば、高める)のに十分な量である。ある実施形態では、治療有的効量は、細胞質から細胞膜へのCFTRの転位を増加させるのに十分な量である。ある実施形態では、治療的有効量は、肺疾患を治療するのに十分な量である。ある実施形態では、治療的有効量は、嚢胞性線維症を治療するのに十分な量である。
本明細書で使用する場合、用語「塩」は、任意の及び全ての塩を指し、医薬として許容される塩を包含する。
用語「担体」は、本開示の組成物が投与される任意の希釈剤、アジュバント、賦形剤、又はビヒクルを指してよい。適切な医薬担体の例は、参照により本明細書に組み込まれるレミントンの薬理学の要点(Remington’s Essentials of Pharmaceuticals),第21版、Ed.Felton,2012に記載されている。
例示的な希釈剤は、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウム、ラクトース、スクロース、セルロース、微結晶セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、コーンスターチ、粉末糖、及びそれらの混合物を含む。
提供される医薬組成物の製造に使用される医薬として許容される賦形剤は、不活性希釈剤、分散剤及び/又は造粒剤、界面活性剤及び/又は乳化剤、崩壊剤、結合剤、保存剤、緩衝剤、滑剤及び/又は油類を含む。ココアバター及び坐剤ワックスなどの賦形剤、着色剤、コーティング剤、甘味料、香味剤、及び芳香剤も、組成物中に存在してよい。有効量を達成するのに必要なアミノ酸を含む組成物の正確な量は、例えば、対象の種、年齢、及び一般的状態、副作用若しくは障害の重症度、特定の化合物の素性、投与様式などに依存して、対象により変化する。有効量は、単回用量(例えば、単回経口用量)又は複数回用量(例えば、複数回経口用量)を含み得る。ある実施形態では、複数回用量が対象に投与されるか、又は組織若しくは細胞に適用される場合、複数回用量の任意の2つの用量は、本明細書に記載の化合物の異なる量又は実質的に同じ量を含む。ある実施形態では、複数回用量が対象に投与されるか、又は組織若しくは細胞に適用される場合、複数回用量を対象に投与する頻度又は組織若しくは細胞への複数回用量を適用する頻度は、1日3用量、1日2用量、1日1用量、1日おきに1用量、3日ごとに1用量、1週間ごとに1用量、2週間ごとに1用量、3週間ごとに1用量、4週間ごとに1用量である。ある実施形態では、対象に複数回用量を投与する頻度、又は組織若しくは細胞に複数回用量を適用する頻度は、1日1用量である。ある実施形態では、複数回用量を対象に投与する頻度又は組織若しくは細胞に複数回用量を適用する頻度は、1日2用量である。ある実施形態では、対象に複数回用量を投与する頻度、又は組織若しくは細胞に複数回用量を適用する頻度は、1日3用量である。ある実施形態では、複数回用量が対象に投与されるか、又は組織又は細胞に適用される場合には、複数回用量の最初の用量と最後の用量との間の期間は、1日、2日、4日、1週間、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、1年、2年、3年、4年、5年、7年、10年、15年、20年、又は対象、組織、若しくは細胞の生存期間である。ある実施形態では、複数回用量の最初の用量と最後の用量との間の期間は、3ヶ月、6ヶ月、又は1年である。ある実施形態では、複数回用量の最初の用量と最後の用量の間の期間は、対象、組織、又は細胞の生存期間である。ある実施形態では、本明細書に記載の用量(例えば、単回用量、又は複数回用量の任意の用量)は独立して、本明細書に記載のアミノ酸を含む組成物を、合計で、0.1μg~1μg、0.001mg~0.01mg、0.01mg~0.1mg、0.1mg~1mg、1mg~3mg、3mg~10mg、10mg~30mg、30mg~100mg、100mg~300mg、300mg~1,000mg、又は1g~10g含む。ある実施形態では、本明細書に記載の用量は独立して、本明細書に記載のアミノ酸を、合計で、1mg~3mg含む。ある実施形態では、本明細書に記載の用量は独立して、本明細書に記載のアミノ酸を、合計で、3mg~10mg含む。ある実施形態では、本明細書に記載の用量は独立して、本明細書に記載のアミノ酸を、合計で、10mg~30mg含む。ある実施形態では、本明細書に記載の用量は独立して、本明細書に記載のアミノ酸を、合計で、30mg~100mg含む。
本明細書に記載の用量範囲は、成人への提供された医薬組成物の投与のための助言を提供する。例えば、子供又は若者に投与される量は、医療従事者又は当業者が決定でき、成人へ投与される量より低いか、又はそれと同じであり得る。
組成物は、例えば、併用療法として有用であり得る1以上の追加の医薬剤又は治療剤と同時に、その前に、又はその後に投与できる。医薬剤は、治療的に活性のある薬剤を含む。医薬剤はまた、予防的に活性のある薬剤を含む。医薬剤は、薬物化合物(例えば、連邦規則集(CFR)に提供されているような米国食品医薬品局によってヒト又は動物での使用について承認された化合物)などの小さな有機分子、ペプチド、タンパク質、炭水化物、単糖類、オリゴ糖、多糖類、核タンパク質、ムコタンパク質、リポタンパク質、合成ポリペプチド又はタンパク質、タンパク質に結合した小分子、糖タンパク質、ステロイド、核酸、DNA、RNA、ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、脂質、ホルモン、ビタミン、及び細胞を含む。ある実施形態では、追加の医薬剤は、疾患(例えば、増殖性疾患、肺疾患、胃腸疾患、血液疾患、神経疾患、疼痛状態、精神障害、又は代謝障害)の治療及び/又は予防に有用な医薬剤である。ある実施形態では、追加の治療剤は、肺疾患を治療するのに有用な薬剤である。
ある実施形態では、追加の治療剤は、嚢胞性線維症を治療するのに有用な薬剤である。ある実施形態では、嚢胞性線維症を治療するのに有用な薬剤は、アイバカフトール(KALYDECO(登録商標))、ルマカフトール(ORKAMBI(登録商標)、アタルレン、又はテザカフトールであり得る。ある実施形態では、追加の治療剤はアイバカフトールである。ある実施形態では、追加の治療剤はルマカフトールである。ある実施形態では、追加の治療剤は、嚢胞性線維症の治療、嚢胞性線維症と関連付けられる症状の管理、又は嚢胞性線維症と同時に起こる疾患若しくは感染(例えば、細菌感染、ウイルス感染、気管支炎、喘息など)を治療するのに有用な薬剤である。本開示の目的のために有用なさらなる治療剤は、ドルナーゼアルファ全身用(Pulmozyme)、アジスロマイシン(例えば、ジスロマックス、Zmax)、アズトレオナム(ケイストン、アザクタム)、トブラマイシン(例えば、TOBI(登録商標)、ネブシン、ベスキス、キタビスPak、TOBIパドハラー(Podhaler))、アミキン、パンクレリパーゼ(クレオン、ゼンペップ、パンクリーズ、ビオカーゼ、Pertzye、ウルトレサ(Ultresa)、パンジェスティム(Pangestyme EC、パノキャプス(Panocaps))、ゲンタマイシン(ガラマイシン)、及びパンクレアチンを含むが、これらに限定されない。各追加の医薬剤は、その医薬剤について決定された用量及び/又は時間スケジュールで投与され得る。追加の医薬剤はまた、単回用量で、互いに及び/又は本明細書に記載の化合物若しくは組成物と共に、又は異なる用量で別々に投与され得る。投与計画で使用する特定の組み合わせは、本明細書に記載の化合物と追加の薬剤(複数可)との相溶性、並びに/又は達成されるべき所望の治療効果及び/若しくは予防効果を考慮する。一般に、組み合わせでの追加の医薬剤(複数可)は、それらが個々に利用されるレベルを超えないレベルで利用されると予想される。いくつかの実施形態では、組み合わせで利用されるレベルは、個々に利用されるレベルよりも低いであろう。ある実施形態では、本明細書に記載の化合物又は医薬組成物は、手術、放射線療法、移植(例えば、幹細胞移植、骨髄移植)、免疫療法、及び化学療法を含むがこれらに限定されない抗癌療法と組み合わせて投与できる。
用語「肺(lung)疾患」又は「肺(pulmonary)疾患」は、肺の疾患を指す。肺疾患の例は、嚢胞性線維症及びそれと関連付けられる病態を含むが、これらに限定されず、気管支拡張症、気管支炎、喘息(例えば、断続的喘息、穏やかな持続性喘息、中程度の持続性喘息、重度の持続性喘息)、慢性気管支炎、及び肺線維症を含む。
また、本開示に包含されるのは、キット(例えば、医薬パック)である。提供されるキットは、本明細書に記載の医薬組成物又は化合物、並びに容器(例えば、バイアル、アンプル、ボトル、シリンジ、及び/又はディスペンサーパッケージ、又は他の適切な容器)を含み得る。いくつかの実施形態では、提供されるキットは必要に応じて、本明細書に記載の医薬組成物若しくは化合物の希釈又は懸濁のための医薬賦形剤を含む第2の容器をさらに含んでよい。いくつかの実施形態では、第1の容器及び第2の容器中に提供される本明細書に記載の医薬組成物又は化合物は、1つの単位剤形を形成するように組み合わされる。ある実施形態では、本明細書に記載のキットは、キットを使用するための説明書をさらに含む。
特定の実施形態の詳細な説明
CFは、ヨーロッパ系の人々の間で、毎年2,500人の新生児中1人~3,500の新生児人中1人に影響を与える最も一般的な致死的劣性遺伝性疾患である。CFは、嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス調節因子(CFTR)遺伝子における変異によって引き起こされ、CFTR合成の低下若しくは欠如、タンパク質の誤折り畳み及び/又はチャネルの機能不全をもたらし、塩化物分泌の減少、ナトリウム吸収(ENaC)の増加、並びに気道、小腸及び膵臓上皮細胞内の流体ホメオスタシスの障害につながる。CFTR遺伝子は、複数の組織で発現される。CFは、呼吸器、胃腸、膵臓、及び肝胆道系を含むマルチシステム病理を特徴とする。主な罹患率及び死亡率は、慢性肺感染及び炎症に関連する。
CF変異は、クラスI(22%)=CFTR発現なし;クラスII(88%)=誤って折り畳まれたCFTRタンパク質;クラスIII(6%)=CFTRチャネルが開かない;クラスIV(6%)=欠陥のあるCFTRチャンネル;クラスV(5%)=少なすぎるCFTR:として分類される。変異は、2以上のカテゴリーに及ぶこともある。ルマカフトールなどの薬物は、クラスII変異(折り畳み)に対処するために使用され;テザカフトール又はアイバカフトールなどの薬物は、クラスIII-V変異に対処するために使用される「増強剤」である。
CFTR活性を選択的に活性化するかタンパク質の誤った折り畳みを修正する小分子を使用するCF療法における最近の進歩は、CFTRΔF508変異を有する対象の治療に関して限られた成功を示している。本発明者らは、塩化物分泌を刺激しかつENaC活性を低下させることができ、それにより頂端塩化物チャネル活性を増加させかつ頂端膜上でのナトリウム吸収を減少させる、選択されたアミノ酸(AA)の組み合わせを特定した。したがって、選択されたAAの組み合わせ及びその組成物は、単独で及び例えば、ルマカフトール、テザカフトール、及び/又はアイバカフトールなどの他のCF治療剤と組み合わせて、CFに罹患した対象の治療のための治療剤として提示される。また、本明細書に包含されるのは、CF治療のための選択されたAA組み合わせの使用、又はCFを治療するための薬剤の調製におけるその使用であり、使用は、単独である、かつ/又は例えば、ルマカフトール、テザカフトール、及び/又はアイバカフトールなどの他のCF治療剤との組み合わせである。
本明細書に記載のように、本発明者らは、完全に分化した初代正常ヒト気管支上皮細胞を、ホモ接合性CFTRΔF508(クラスII変異)ヒト気管支上皮細胞と実験的に比較した。簡単に説明すると、経上皮短絡電流(Isc)、抵抗(R)、及び単方向性(Jms&Jsm)及び22Na及び36Clの正味フラックス(Jnet)を、Ussingチャンバーで測定した。CF細胞を、CF-5AA-3(CFを治療するためのアミノ酸製剤)の非存在下(対照)又は存在下でフォルスコリン及びGLPG1837(アイバカフトールに代わる増強剤)で刺激した場合、ピーク電流(図7E)及び塩化物分泌(図7F)がCF-5AA-3(CF5AA-3とも呼ばれる)の存在下で顕著に改善された。さらなる研究の詳細については、以下の実施例2を参照されたい。
例えば、図5~9に示される結果は、選択されたアミノ酸の組み合わせ(例えば、CF-5AA-3)が、CFTRΔF508についてホモ接合性であるCFTRΔF508の完全に分化した初代正常ヒト気管支上皮細胞(HBEC)において機能不全塩化物及びナトリウムチャネル活性を、細胞膜チャネル機能を修正及び/又は改変することにより、改善することを実証する。したがって、選択されたアミノ酸製剤(例えば、CF-5AA-3)は、CFTRΔF508変異を有する患者における既存のケアの基準を補完すると提案される。
補正剤(C18;VX661、テザカフトール)及び増強剤(GLPG1837、アイバカフトールの代替物)の存在下で、ピーク電流はベースラインから2倍を超えるが、単独で使用した場合CF-5AA-3の基底ピーク電流よりも低いままであった。CF-5AA-3への同じトリプルカクテルの添加は、CF-5AA-3単独よりも電流をさらに26%増加させた(図10A及び図10B)。
加えて、塩化物フラックスが、CFTRとANO1チャネルの両方における直接作用により、トリプルカクテル(図11)と比較して、CF-5AA-3により劇的に増加されたことがさらに実証された。CF-5AA-3は、ENaCに対してわずかな影響しか示さなかった。さらなる研究の詳細については、以下の実施例2を参照されたい。
要約すると、CFTRΔF508変異を有する初代ヒト気管支上皮細胞を使用するインビトロ電気生理学的研究(クラスII)は、CF-5AA-3単独が、一般的な補正剤及び増強剤と同様にF508delヒト気管支細胞中の塩化物分泌(陰性フラックス)を定量的に増加させ[カラムAA DMSO BASAL対カラムC18+GLPG]、かつ一般的に使用される補正剤(C18)と増強剤(GLPG)と組み合わせたCF-5AA-3は、補正剤及び増強剤単独と比較した場合に塩化物分泌(陰性フラックス)を2倍にすることを示す。
本明細書で提示される結果は、追加の塩化物チャネルも、HBECにおいて活性であり得る(例えば、SLC26A9)ことを示す。CFTR以外の塩化物チャネルの活性化は、CF-5AA-3が、CFTR独立手段を介して塩化物分泌を誘導することによりCF変異の全5クラスに緩和を提供し得ることを示唆する。これは、現在薬物が存在しない、CFTRクラスI変異を有する対象に関して特に注目すべきである。
CFTRの細胞膜への転位を増加させるアミノ酸を含む組成物
本明細書に提供される組成物は、細胞質から細胞膜への野生型CFTRタンパク質と変異体CFTRタンパク質の両方の転位を増加させる。特に、本明細書に記載の組成物は、細胞膜上のPhe508del CFTRタンパク質の数を増加させるのに特に有効であり、上皮細胞からのより多くの塩化物イオン及び水の分泌をもたらして、嚢胞性線維症の特徴である、厚い粘液の形成を克服する。
一態様では、組成物は、システイン、プロリン、グリシン、チロシン及びリジンから選択される1以上の遊離アミノ酸、及び必要に応じて、医薬として許容される担体、緩衝剤、電解質、アジュバント、賦形剤、及び/又は追加の治療剤を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、遊離アミノ酸のシステイン、プロリン、グリシン、チロシン及びリジンを含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれからなる。ある実施形態では、組成物は、特定の遊離アミノ酸のみから本質的になるか、もしくはそれからなり、他の遊離アミノ酸を含まないか、又は他の遊離アミノ酸は無視できる量である。これらの組成物は、ある実施形態では、「天然」又は「非天然」のアミノ酸の誘導体であるアミノ酸の誘導体を含む。組成物は、ある実施形態では、アミノ酸の塩及び/又はプロドラッグを含む。ある実施形態では、組成物は、遊離アミノ酸のシステイン、プロリン、グリシン、チロシン及びリジンを含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物はさらに、システイン、プロリン、グリシン、チロシン及びリジンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。さらに別の態様では、組成物は、システイン、プロリン、グリシン、チロシン及びリジンから選択される2以上、3以上、4以上、又は全5個の遊離アミノ酸;並びに必要に応じて、医薬として許容される担体、緩衝剤、電解質、アジュバント、賦形剤及び/又は追加の治療剤を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。さらに別の態様では、組成物は、遊離アミノ酸のシステイン及びプロリンと、グリシン、チロシン及び/又はリジンから選択される少なくとも1つの追加の遊離アミノ酸;並びに必要に応じて、医薬として許容される担体、緩衝剤、電解質、アジュバント、賦形剤、及び/又は追加の治療剤を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。
一態様では、組成物は、スレオニン及びリジンから選択される1以上の遊離アミノ酸;並びに必要に応じて、医薬として許容される担体、緩衝剤、電解質、アジュバント、賦形剤、及び/又は追加の治療剤を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、遊離アミノ酸のスレオニン及びリジンを含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、特定の遊離アミノ酸のみから本質的になるか、又はそれらからなり、他の遊離アミノ酸を含まないか、若しくは他の遊離アミノ酸は無視できる量である。組成物は、ある実施形態では、「天然」又は「非天然」のアミノ酸の誘導体であるアミノ酸の誘導体を含む。組成物は、ある実施形態では、アミノ酸の塩及び/又はプロドラッグを含む。ある実施形態では、組成物は、遊離アミノ酸のスレオニン及びリジンを含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、スレオニン及びリジンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。
一態様では、組成物は、システイン、プロリン及びバリンから選択される1以上の遊離アミノ酸;並びに必要に応じて、医薬として許容される担体、緩衝剤、電解質、アジュバント、賦形剤、及び/又は追加の治療剤を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、遊離アミノ酸のシステイン、プロリン及びバリンを含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、特定の遊離アミノ酸のみから本質的になるか、又はそれからなり、他の遊離アミノ酸を含まないか、又は他の遊離アミノ酸は無視できる量である。組成物は、ある実施形態では、「天然」又は「非天然」のアミノ酸の誘導体であるアミノ酸の誘導体を含む。組成物は、ある実施形態では、アミノ酸の塩及び/又はプロドラッグを含む。ある実施形態では、組成物は、遊離アミノ酸のシステイン、プロリン及びバリンを含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物はさらに、システイン、プロリン及びバリンから選択される遊離アミノ酸の1以上を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。さらに別の態様では、組成物は、システイン、プロリン及びバリンから選択される2以上、又は全3個の遊離アミノ酸;並びに必要に応じて、医薬として許容される担体、緩衝剤、電解質、アジュバント、賦形剤、及び/又は追加の治療剤を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。
一態様では、組成物は、システイン、プロリン、グリシン、及びバリンから選択される1以上の遊離アミノ酸;並びに必要に応じて、医薬として許容される担体、緩衝剤、電解質、アジュバント、賦形剤、及び/又は追加の治療剤を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、遊離アミノ酸のシステイン、プロリン、グリシン、及びバリンを含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、特定の遊離アミノ酸のみから本質的になるか、又はそれからなり、他の遊離アミノ酸を含まないか、又は他の遊離アミノ酸は無視できる量である。組成物は、ある実施形態では、「天然」又は「非天然」のアミノ酸の誘導体であるアミノ酸の誘導体を含む。組成物は、ある実施形態では、アミノ酸の塩及び/又はプロドラッグを含む。ある実施形態では、組成物は、遊離アミノ酸のシステイン、プロリン、グリシン、及びバリンを含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物はさらに、システイン、プロリン、グリシン、及びバリンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。さらに別の態様では、組成物は、システイン、プロリン、グリシン、及びバリンから選択される2以上、3以上、又は全4個の遊離アミノ酸;並びに必要に応じて、医薬として許容される担体、緩衝剤、電解質、アジュバント、賦形剤、及び/又は追加の治療剤を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。
一態様では、組成物は、システイン、プロリン、バリン及びチロシンから選択される1以上の遊離アミノ酸;並びに必要に応じて、医薬として許容される担体、緩衝剤、電解質、アジュバント、賦形剤、及び/又は追加の治療剤を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、遊離アミノ酸のシステイン、プロリン、バリン及びチロシンを含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、特定の遊離アミノ酸のみから本質的になるか、又はそれからなり、他の遊離アミノ酸を含まないか、又は他の遊離アミノ酸は無視できる量である。組成物は、ある実施形態では、「天然」又は「非天然」のアミノ酸の誘導体であるアミノ酸の誘導体を含む。組成物は、ある実施形態では、アミノ酸の塩及び/又はプロドラッグを含む。ある実施形態では、組成物は、遊離アミノ酸のシステイン、プロリン、バリン及びチロシンを含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物はさらに、システイン、プロリン、バリン及びチロシンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。さらに別の態様では、組成物は、システイン、プロリン、バリン及びチロシンから選択される2以上、3以上、又は全4個の遊離アミノ酸;並びに必要に応じて、医薬として許容される担体、緩衝剤、電解質、アジュバント、賦形剤、及び/又は追加の治療剤を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。
一態様では、組成物は、グリシン、ロイシン及びリジンから選択される1以上の遊離アミノ酸;並びに必要に応じて、医薬として許容される担体、緩衝剤、電解質、アジュバント、賦形剤、及び/又は追加の治療剤を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、遊離アミノ酸のグリシン、ロイシン及びリジンを含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、特定の遊離アミノ酸のみから本質的になるか、又はそれからなり、他の遊離アミノ酸を含まないか、又は他の遊離アミノ酸は無視できる量である。組成物は、ある実施形態では、「天然」又は「非天然」のアミノ酸の誘導体であるアミノ酸の誘導体を含む。組成物は、ある実施形態では、アミノ酸の塩及び/又はプロドラッグを含む。ある実施形態では、組成物は、遊離アミノ酸のグリシン、ロイシン及びリジンを含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物はさらに、グリシン、ロイシン及びリジンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。さらに別の態様では、組成物は、グリシン、ロイシン及びリジンから選択される2以上、又は全3個の遊離アミノ酸;並びに必要に応じて、医薬として許容される担体、緩衝剤、電解質、アジュバント、賦形剤、及び/又は追加の治療剤を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。
一態様では、組成物は、グリシン、ロイシン、リジン、チロシン、アルギニン及びイソロイシンから選択される1以上の遊離アミノ酸;並びに必要に応じて、医薬として許容される担体、緩衝剤、電解質、アジュバント、賦形剤、及び/又は追加の治療剤を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、遊離アミノ酸のグリシン、ロイシン、リジン、チロシン、アルギニン及びイソロイシンを含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、特定の遊離アミノ酸のみから本質的になるか、又はそれからなり、他の遊離アミノ酸を含まないか、又は他の遊離アミノ酸は無視できる量である。組成物は、ある実施形態では、「天然」又は「非天然」のアミノ酸の誘導体であるアミノ酸の誘導体を含む。組成物は、ある実施形態では、アミノ酸の塩及び/又はプロドラッグを含む。ある実施形態では、組成物は、遊離アミノ酸のグリシン、ロイシン、リジン、チロシン、アルギニン及びイソロイシンを含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物はさらに、グリシン、ロイシン、リジン、チロシン、アルギニン及びイソロイシンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。さらに別の態様では、組成物は、グリシン、ロイシン、リジン、チロシン、アルギニン及びイソロイシンから選択される2以上、3以上、4以上、5以上、又は全6個の遊離アミノ酸;並びに必要に応じて、医薬として許容される担体、緩衝剤、電解質、アジュバント、賦形剤、及び/又は追加の治療剤を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。
CFTRの細胞膜への転位を増加させるアミノ酸を含む組成物の非限定的な例を、以下の表Bに提供する。
表B:アミノ酸を含む組成物
Figure 2022506044000003
遊離アミノ酸の各々は、組成物中に存在する場合、例えば、以下の濃度:約0.4~約1.5、約0.7~約1.3、約0.9~約1.1グラム/リットル、又は約1.5~約1.7グラム/リットルのプロリン;約0.7~約1.7、約0.9~約1.5、約1.1~約1.3グラム/リットル、又は約1.5~約1.7グラム/リットルのグルタミン酸;約0.6~約1.6、約0.8~約1.4、約1.0~約1.2グラム/リットル、又は約1.5~約1.7グラム/リットルのグルタミン;約0.05~約0.4、約0.1~約0.3グラム/リットル、又は約1.5~約1.7グラム/リットルのロイシン;約0.4~約1.5、約0.7~約1.3、約1.1~約2.1、約1.3~約1.9、又は約1.5~約1.7グラム/リットルのアラニン;約0.4~約1.5、約0.7~約1.3、約1.1~約2.1、約1.3~約1.9、又は約1.5~約1.7グラム/リットルのアスパラギン酸;0.4~約1.5、約0.7~約1.3、約1.1~約2.1、約1.3~約1.9、又は約1.5~約1.7グラム/リットルのフェニルアラニン;0.4~約1.5、約0.7~約1.3、約1.1~約2.1、約1.3~約1.9、又は約1.5~約1.7グラム/リットルのヒスチジン;約0.4~約1.5、約0.7~約1.3、約0.9~約1.1グラム/リットル、又は約1.5~約1.7グラム/リットルのスレオニン;0.4~約1.5、約0.7~約1.3、約1.1~約2.1、約1.3~約1.9、又は約1.5~約1.7グラム/リットルのイソロイシン;0.4~約1.5、約0.7~約1.3、約1.1~約2.1、約1.3~約1.9、又は約1.5~約1.7グラム/リットルのアスパラギン;0.4~約1.5、約0.7~約1.3、約1.1~約2.1、約1.3~約1.9、又は約1.5~約1.7グラム/リットルのトリプトファン、で存在し得る。
ある実施形態では、組成物のアミノ酸は遊離アミノ酸である。ある実施形態では、組成物のアミノ酸はL-アミノ酸である。ある実施形態では、組成物のアミノ酸はD-アミノ酸である。ある実施形態では、組成物のアミノ酸は、D-アミノ酸とL-アミノ酸の組み合わせである。
ある実施形態では、本明細書に記載の組成物のアミノ酸は、遊離アミノ酸のプロドラッグであり得る。用語「プロドラッグ」は、開裂可能な基を有し、かつインビボで医薬活性のある本明細書に記載の化合物に溶媒分解により又は生理学的条件下でなる、化合物を指す。
ある実施形態では、本明細書に記載の組成物のアミノ酸は、アミノ酸の塩(すなわち、アミノ酸塩)であり得る。アミノ酸は、陽イオンとの塩形態(例えば、溶液中の負に帯電した側鎖を有するアミノ酸の塩(例えば、グルタミン酸塩及びアスパラギン酸塩))、陰イオンとの塩形態(溶液中の正に帯電した側鎖を有するアミノ酸の塩(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン))、及び無機化合物であり得る。例示的なアミノ酸塩は、参照により本明細書に組み込まれるFleck M及びPetrosyan AM、アミノ酸の塩(Salts of Amino Acids)、第1版;Springer International Publishing,2014に列挙される。
ある実施形態では、組成物は水をさらに含む。
ある実施形態では、組成物は、緩衝液をさらに含む。例示的な緩衝剤は、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルセプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、D-グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、二塩基性リン酸カルシウム、リン酸、三塩基性リン酸カルシウム、リン酸水酸化カルシウム、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、発熱物質を含まない水、等張生理食塩水、リンガー溶液、エチルアルコール、及びそれらの混合物を含む。
ある実施形態では、HPO ,HPO 2-、及びPO 3-などのリン酸イオンが、本発明の組成物を緩衝するために使用される。ある実施形態では、治療用組成物は、緩衝剤としてHCO 又はCO 2-を使用する。他の実施形態では、治療用組成物は、緩衝剤としてHCO 又はCO 2-を使用しない。
ある実施形態では、組成物は、例えば、Na;K;HCO ;CO 2-;Ca2+;Mg2+;Fe2+;Cl;HPO 、HPO 2-、及びPO43-などのリン酸イオン;亜鉛;ヨウ素;銅;鉄;セレン;クロム;及びモリブデンから選択される1以上の電解質を含む。別の代替実施形態では、組成物は、5mg/l未満の全濃度、又は5mg/lより低い濃度でHCO 又はCO 2-を含む。ある実施形態では、組成物は電解質を含有しない。ある実施形態では、組成物は炭水化物(例えば、二糖、オリゴ糖、又は多糖類)を含有しない。ある代替実施形態では、組成物は、Na;K;HCO ;CO 2-;Ca2+;Mg2+;Fe2+;Cl;HPO 、HPO 2-、及びPO43-などのリン酸イオン;亜鉛;ヨウ素;銅;鉄;セレン;クロム;及びモリブデンの1以上、又はいずれかを含まない。
ある実施形態では、組成物は、糖、ビタミン、電解質、ミネラル、タンパク質、又は脂質をさらに含む。ある実施形態では、組成物は糖をさらに含む。ある実施形態では、組成物はビタミンをさらに含む。ある実施形態では、組成物は電解質をさらに含む。ある実施形態では、組成物はミネラルをさらに含む。ある実施形態では、組成物は、タンパク質をさらに含む。ある実施形態では、組成物は脂質をさらに含む。
ある実施形態では、組成物は、オリゴ糖類、多糖類、及び炭水化物;オリゴペプチド、又はポリペプチド又はタンパク質;脂質;短鎖、中鎖及び/又は長鎖脂肪酸;並びに/又は1以上の上述の栄養素を含有する食べ物から選択される1以上の成分を含有しない。
組成物は、約2.5~約8.5の範囲のpHを有し得る。ある実施形態では、組成物のpHは、約2.5~約6.5、約3.0~約6.0、約3.5~約5.5、約3.9~約5.0、又は約4.2~約4.6の範囲である。他の実施形態では、組成物のpHは、約6.5~約8.5、約7.0~約8.0、又は約7.2~約7.8の範囲である。ある実施形態では、組成物は、例えば、約2.5~約8.5のpHを有する。ある実施形態では、組成物は約2.5~約6.5、約2.5~約6.0、約3.0~約6.0、約3.5~約6.0、約3.9~約6.0、約4.2~約6.0、約3.5~約5.5、約3.9~約5.0、又は約4.2~約4.6のpHを有する。他の実施形態では、pHは約6.5~約8.5、約7.0~約8.5、約7.0~約8.0、約7.2~約8.0、又は約7.2~約7.8である。ある実施形態では、pHは、約7.3~約7.5である。ある実施形態では、pHは約7.3~約7.4である。ある実施形態では、pHは約7.4~約7.5である。ある実施形態では、pHは約7.4である。
ある実施形態では、組成物の総容積モル浸透圧濃度は、約100mosm~280mosm、又はそれらの間の任意の値である。ある実施形態では、総容積モル浸透圧濃度は約150msom~260mosmである。別の実施形態では、組成物は、280mosmより低い任意の値である総容積モル浸透圧濃度を有する。
ある実施形態では、組成物は無菌である。
本明細書に記載の組成物は、薬理学の分野で公知の任意の方法によって調製できる。一般に、そのような予備的方法は、本明細書に記載の組成物の化合物(すなわち、遊離アミノ酸(複数可))を担体又は賦形剤、及び/又は1以上の他の付属の成分と会合させること、次いで、必要に応じて、かつ/又は望ましい場合に、生成物を所望の単回用量単位又は複数回用量単位に成形すること、及び/又は包装することを含む。
活性成分(複数可)、医薬として許容される賦形剤、及び/又は本明細書に記載の医薬組成物中の任意のさらなる成分の相対量は、治療される対象の素性、大きさ及び/又は状態に依存して変化し、組成物が投与されるべき経路にさらに依存する。組成物は、0.1%~100%(w/w)の活性成分を含み得る。
本明細書に記載の化合物又は組成物は、1以上の追加の医薬剤(例えば、治療的及び/又は予防的に活性のある薬剤)と組み合わせて投与できる。化合物又は組成物は、それらの活性(例えば、それを必要とする対象における疾患を治療する際に、それを必要とする対象における疾患を予防する際に、及び/又は対象若しくは細胞におけるCFTRの活性を増強する際に活性(例えば、効能及び/又は有効性))を改善し、生物学的利用能を改善し、安全性を改善し、薬物耐性を低下させ、代謝を低下及び/又は変更し、排出を阻害し、かつ/又は対象若しくは細胞における分布を変更する追加の医薬剤と組み合わせて投与できる。使用される治療法は、同じ障害に対して所望の効果を達成し、かつ/又は異なる効果を達成し得ることも理解されたい。ある実施形態では、本明細書に記載の化合物及び追加の医薬剤を含む本明細書に記載の医薬組成物は、化合物及び追加の医薬剤の一方を含むが両方を含まない医薬組成物には存在しない、相乗効果を示す。
本明細書に記載の組成物は、化合物又は組成物とは異なり、かつ例えば、併用療法として有用であり得る1以上の追加の医薬剤又は治療剤と同時に、その前に又はその後に投与できる。医薬剤は、治療活性のある薬剤を含む。医薬剤はまた、予防活性のある薬剤を含む。医薬剤は、薬物化合物(例えば、連邦規則集(CFR)に提供されているような米国食品医薬品局によってヒト又は獣医での使用のために承認された化合物)、ペプチド、タンパク質、炭水化物、単糖類、オリゴ糖、多糖類、核タンパク質、粘膜タンパク質、リポタンパク質、合成ポリペプチド若しくはタンパク質、タンパク質に結合した小分子、糖タンパク質、ステロイド、核酸、DNA、RNA、ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、脂質類、ホルモン類、ビタミン類、及び細胞などの小さな有機分子を含む。ある実施形態では、追加の薬剤は、疾患(例えば、増殖性疾患、血液疾患、神経疾患、疼痛状態、精神障害、肺疾患、又は代謝障害)の治療及び/又は予防に有用な医薬剤である。ある実施形態では、追加の医薬剤は、肺疾患を治療するのに有用である。ある実施形態では、追加の医薬剤は、嚢胞性線維症を治療するのに有用である。各追加の薬剤は、その医薬剤について決定された用量及び/又は時間スケジュールで投与され得る。追加の医薬剤はまた、単回用量で、互いに及び/又は本明細書に記載の化合物又は組成物と共に投与されるか、又は異なる用量で別々に投与され得る。投与計画で使用する特定の組み合わせは、本明細書に記載の化合物と追加の医薬剤(複数可)との適合性並びに/又は達成されるべき所望の治療効果及び/若しくは予防効果を考慮される。一般に、組み合わせにおける追加の医薬剤(複数可)は、それらが個々に利用されるレベルを超えないレベルで利用され得ると予想される。いくつかの実施形態では、組み合わせで利用されるレベルは、個々に利用されるレベルよりも低いであろう。
ある実施形態では、組成物は、1以上の追加の治療剤と同時に、その前又はその後に投与され、追加の治療剤は、CFTR増強剤、補正剤、又はリードスルー剤である。「CFTR増強剤」は、細胞の細胞膜上のCFTRの機能を増加させる化合物である。これらの化合物は、細胞膜に正しく輸送されるが、適切に機能しない(例えば、チャネルゲーティングに欠陥があり、ATP結合が低下するか若しくは無くなり、かつ/又は塩化物輸送が低下する)CFTRタンパク質をもたらす嚢胞性線維症変異を治療するのに有用であり得る。ある実施形態では、CFTR増強剤はアイバカフトールである(VX-770、KALYDECO(登録商標))。「CFTR補正剤」は、変異体CFTRの細胞内処理及び転位を改善し、より多くのタンパク質が細胞膜に到達することを可能にする化合物である。ある実施形態では、CFTR補正剤は、ルマカフトール(VX-809、ORKAMBI(登録商標)))である。ある実施形態では、CFTR補正剤は、テザカフトール(VX661)である。「CFTRリードスルー剤」は、CFTR遺伝子配列中の点変異に起因する早期終止コドン(PTC)変異の存在下で転写を促進する化合物である。
通常、PTCは、適切にプロセシングされず、かつ/又は機能不全である(例えば、チャネルゲーティングに欠陥があり、ATP結合が低下するか若しくは無くなり、かつ/又は塩化物輸送が低下する)切り詰め型CFTRタンパク質を生じる。ある実施形態では、CFTRリードスルー剤は、アタルレン(TRANSLARNA(商標))である。本明細書に記載のアミノ酸を含む組成物は、アイバカフトールと組み合わせて投与される。ある実施形態では、本明細書に記載のアミノ酸を含む組成物は、ルマカフトールと組み合わせて投与される。ある実施形態では、本明細書に記載のアミノ酸を含む組成物は、アタルレンと組み合わせて投与される。ある実施形態では、本明細書に記載のアミノ酸を含む組成物は、アイバカフトール及びルマカフトールと組み合わせて投与される。ある実施形態では、本明細書に記載のアミノ酸を含む組成物は、アイバカフトール及びアタルレンと組み合わせて投与される。ある実施形態では、本明細書に記載のアミノ酸を含む組成物は、ルマカフトール及びアタルレンと組み合わせて投与される。ある実施形態では、組成物は、単独で投与され、すなわち、1以上の追加の医薬剤又は治療剤と同時に、その前に又はその後に投与されない。ある実施形態では、組成物は、CFTR増強剤、補正剤、又はリードスルー剤の非存在下で投与される。
経口投与のための固体剤形は、カプセル、錠剤、丸剤、粉末及び顆粒を含む。そのような固体剤形では、活性成分は、少なくとも1つの不活性な、クエン酸ナトリウム若しくはリン酸二カルシウムなどの医薬として許容される賦形剤若しくは担体、及び/又は(a)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及びケイ酸などの充填剤若しくは増量剤、(b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、及びアカシアなどの結合剤、(c)グリセロールなどの保水剤、(d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ澱粉若しくはタピオカ澱粉、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、(e)パラフィンなどの溶液遅延剤、(f)第四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、(g)例えば、セチルアルコール及びグリセロールモノステアレートなどの湿潤剤、(h)カオリン及びベントナイト粘土などの吸収剤、並びに(i)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどの滑剤、及びそれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤、及び丸剤の場合には、剤形は緩衝剤を含んでよい。
ある実施形態では、本明細書に記載のアミノ酸を含む組成物は、粉末形態で提供され、対象への投与のために再構成され得る。本明細書に記載の医薬組成物を、頬側口腔を介する肺投与に適した製剤で調製し、包装し、かつ/又は販売することができる。そのような製剤は、活性成分を含みかつ約0.5~約7ナノメートル、又は約1~約6ナノメートルの範囲の直径を有する、乾燥粒子を含み得る。そのような組成物は都合良く、そこへ噴霧剤の流れが導かれて粉末を分散させることができる乾燥粉末貯蔵器を含む装置を用いる、かつ/又は密閉容器内の低沸点噴霧剤中に溶解及び/若しくは懸濁された活性成分を含む装置などの自走式溶媒/粉末分配容器を用いる投与するための乾燥粉末の形態である。そのような粉末は、粒子の少なくとも98重量%が0.5ナノメートル超の直径を有し、粒子の数で少なくとも95%が7ナノメートル未満の直径を有する粒子を含む。あるいは、粒子の少なくとも95重量%が、1ナノメートル超の直径を有し、粒子の数で少なくとも90%が6ナノメートル未満の直径を有する。乾燥粉末組成物は、糖などの固体微粉末希釈剤を含んでよく、単位剤形で都合よく提供される。
経口及び非経口投与のための液体剤形は、医薬として許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシルを含む。活性成分に加えて、液体剤形は、例えば、水又は他の溶媒などの当技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤、可溶化剤及びエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミドなどの乳化剤、油類(例えば、綿実油、ピーナッツ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ひまし油及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル、並びにそれらの混合物を含み得る。不活性希釈剤の他に、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、甘味料、香味剤、及び芳香剤などのアジュバントを含んでよい。非経口投与のためのある実施形態では、本明細書に記載のコンジュゲートは、Cremophor(登録商標)などの可溶化剤、アルコール類、油類、改質油類、グリコール類、ポリソルベート類、シクロデキストリン類、ポリマー類、及びそれらの混合物と混合される。
肺送達のために製剤化される本明細書に記載の医薬組成物は、溶液及び/又は懸濁液の液滴の形態で活性成分を提供し得る。そのような製剤は、活性成分を含み、必要に応じて滅菌され、水性溶液及び/又は希釈アルコール溶液及び/又は懸濁液として調製され、包装され、かつ/又は販売され、かつ任意の吸入投与及び/又は噴霧装置を使用して都合よく投与され得る。そのような製剤は、サッカリンナトリウムなどの香味剤、揮発性油、緩衝剤、界面活性剤、及び/又はメチルヒドロキシベンゾエートなどの防腐剤を含むが、これらに限定されない1以上のさらなる成分をさらに含み得る。この投与経路によって提供される液滴は、約0.1~約200ナノメートルの範囲の平均直径を有し得る。
肺送達に有用であるとして本明細書に記載される製剤は、本明細書に記載の医薬組成物の鼻腔内送達に有用である。鼻腔内投与に適した別の製剤は、活性成分を含みかつ約0.2~500μmの平均粒子を有する粗粉末である。そのような製剤は、鼻孔の近くに保持される粉末の容器から鼻腔を通し急速に吸入することにより投与される。
経鼻投与用の製剤は、例えば、約0.1%(w/w)ほどの少なさ~100%(w/w)ほどの多くの活性成分を含んでよく、かつ本明細書に記載の追加の成分の1以上を含み得る。本明細書に記載の医薬組成物は、頬側投与用の製剤で調製、包装、及び/又は販売することができる。そのような製剤は、例えば、従来の方法を用いて作製された錠剤及び/又はトローチ剤の形態であり得、かつ例えば、0.1~20%(w/w)の活性成分を含み得、残りは、口の中で溶解可能及び/又は分解可能な組成物および、必要に応じて、本明細書に記載の追加の成分の1以上を含み得る。あるいは、頬側投与用の製剤は、活性成分を含む粉末及び/又はエアロゾル化及び/若しくは噴霧化された溶液並びに/又は懸濁液を含み得る。そのような粉末化、エアロゾル化された、及び/又はエアロゾル化された製剤は、分散されると、約0.1~約200ナノメートルの範囲の平均粒子及び/又は液滴サイズを有し得、かつ本明細書に記載の追加の1以上の成分をさらに含み得る。
細胞膜へのCFTRの転位を増加させるための方法
本開示は、細胞質から細胞膜への嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス調節因子(CFTR)タンパク質の転位を増加させるために使用するための組成物を提供する。一般に、いかなる特定の理論にも拘束されることを望むものではないが、CFTRタンパク質における変異(例えば、Phe508del)は、正しいプロセシング、折り畳み、及び/又は細胞膜への輸送を妨害し、細胞膜上のより少ないCFTRタンパク質の数、および変異したCFTRタンパク質を発現する細胞での損なわれた塩化物イオン輸送機能をもたらすことがある。損なわれた塩化物イオン輸送は、不均衡な浸透プロファイルを生じ、その結果、水は、塩化物イオンの異常に高い細胞内濃度により、浸透を介して変異したCFTRタンパク質を発現する細胞から引き出されない。これは、嚢胞性線維症の特徴である、細胞を覆う厚い粘液層の形成をもたらす。
そのため、一態様では、本開示は、細胞の細胞膜上のCFTRタンパク質の数を増加させるための方法であって、本開示のアミノ酸を含む有効量の組成物と細胞を接触させることを含む、方法を提供する。ある実施形態では、細胞は上皮細胞である。ある実施形態では、上皮細胞は小腸上皮細胞又は肺上皮細胞である。ある実施形態では、上皮細胞は肺上皮細胞である。ある実施形態では、肺上皮細胞は気管支上皮細胞である。気管支上皮細胞は、正常ヒト気管支上皮細胞(NHBE)又は罹患したヒト気管支上皮細胞(DHBE)であり得る。罹患したヒト気管支上皮細胞は、肺疾患(例えば、喘息、COPD、嚢胞性線維症)と診断されたヒトドナーから取得され得る。ある実施形態では、気管支上皮細胞は野生型CFTRを発現する。ある実施形態では、気管支上皮細胞は変異体CFTRを発現する。ある実施形態では、気管支上皮細胞は野生型CFTRと変異体CFTRの両方を発現する(すなわち、CFTR遺伝子中の1つの対立遺伝子は野生型CFTRをコードし、第2の対立遺伝子は変異を含む(例えば、Phe508del CFTR))。ある実施形態では、気管支上皮細胞は、Phe508del変異体CFTRのみを発現している。細胞は、インビトロ、インビボ、又はエクスビボで存在し得る。
ある実施形態では、細胞膜上の野生型CFTRタンパク質の数が増加する。ある実施形態では、細胞膜上の変異体CFTRタンパク質の数が増加する。ある実施形態では、細胞膜上のGly542X変異体CFTRタンパク質の数が増加し、Xは、任意のアミノ酸である。ある実施形態では、細胞膜上のGly551Asp変異体CFTRタンパク質の数が増加する。ある実施形態では、細胞膜上のArg553X変異体CFTRタンパク質の数が増加し、Xは、任意のアミノ酸である。ある実施形態では、細胞膜上のArg117His変異体CFTRタンパク質の数が増加する。ある実施形態では、細胞膜上の120del23変異体CFTRタンパク質の数が増加する。ある実施形態では、細胞膜上のPhe508del変異体CFTRタンパク質の数が増加する。ある実施形態では、細胞膜上の配列番号1によって提供される野生型CFTRのアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも99.5%同一であるCFTRタンパク質の数が増加する。ある実施形態では、CFTRタンパク質の数は、細胞膜上の配列番号2によって提供されるPhe508del CFTRのアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも99.5%同一であるCFTRタンパク質の数が増加する。
ある実施形態では、本開示は、細胞の細胞膜上のCFTRタンパク質の数を増加させるための方法であって、細胞を本明細書に記載の有効量の組成物と接触させることを含む、方法を提供する。ある実施形態では、組成物は、スレオニン及びリジンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、システイン、プロリン及びバリンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、システイン、プロリン、グリシン、及びバリンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、システイン、プロリン、バリン及びチロシンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、システイン、プロリン、グリシン、チロシン及びリジンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、グリシン、ロイシン及びリジンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、グリシン、ロイシン、リジン、チロシン、アルギニン及びイソロイシンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。さらに別の態様では、組成物は、遊離アミノ酸のシステイン及びプロリンと、グリシン、チロシン及び/又はリジンから選択される少なくとも1つの追加の遊離アミノ酸と、必要に応じて、緩衝剤、電解質、アジュバント、及び/又は賦形剤を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。
「無視できる量」とは、存在するアミノ酸がCFTRタンパク質に影響を及ぼさないことを意味する。あるいは、ある実施形態では、アミノ酸が組成物中に存在するとしても、それはCFTRの細胞膜への転位、塩化物イオン輸送、又はそれを必要とする対象を治療する治療的効果に影響を及ぼす量では存在しない。ある実施形態では、無視できる量は、アミノ酸の総濃度が100mg/l、50mg/l、10mg/l、5mg/l、1mg/l、0.5mg/l、0.1mg/l、又は0.01mg/l未満である、量である。ある実施形態では、無視できる量は、アミノ酸の総濃度が100mg/l未満である、量である。ある実施形態では、無視できる量は、アミノ酸の総濃度が50mg/l未満である、量である。ある実施形態では、無視できる量は、アミノ酸の総濃度が10mg/l未満である、量である。ある実施形態では、無視できる量は、アミノ酸の総濃度が5mg/l未満である、量である。ある実施形態では、無視できる量は、アミノ酸の総濃度が1mg/l未満である、量である。ある実施形態では、無視できる量は、アミノ酸の総濃度が0.5mg/l未満である、量である。ある実施形態では、無視できる量は、アミノ酸の総濃度が0.1mg/l未満である、量である。ある実施形態では、無視できる量は、アミノ酸の総濃度が0.01mg/l未満である、量である。無視できる量はゼロより大きい量であることが理解される。
ある実施形態では、本開示の組成物は、細胞膜へのCFTRの転位を増加させるために必須(例えば、必要)である、1以上の遊離アミノ酸を含む。ある実施形態では、本開示の組成物は、細胞膜へのCFTRの転位を増加させるのに必須ではない(すなわち、CFTRを直接安定化しない)が、代わりに、組成物に代替の有益な特性(例えば、特定のpH又は容積モル浸透圧濃度を維持する)を提供し得る、1以上の遊離アミノ酸を含む。
一態様では、細胞の細胞膜上のCFTRタンパク質の数を増加させる方法は、細胞の細胞質から細胞膜へのCFTRの転位を増加させることを含み、本方法は、本開示のアミノ酸を含む有効量の組成物と細胞を接触させることを含む。一実施形態では、本方法は、処理した細胞の細胞膜上のCFTRタンパク質の数の増加をもたらす。細胞膜上のCFTRタンパク質の数の増加は、本明細書に記載のアミノ酸を含む組成物と接触した細胞を未処理の細胞(例えば、対照細胞)と比較することによって決定できる。例えば、ウェスタンブロットを使用して、本明細書に記載のアミノ酸を含む組成物と接触させた上皮細胞から単離された膜小胞中のCFTRの存在及び量と、未処理上皮細胞(例えば、対照細胞)から単離された膜小胞中のCFTRの量とを比較してよい。本明細書に記載のウェスタンブロット分析を行うことは、当業者の能力の範囲内である。試料中のCFTRタンパク質の発現レベルを決定するために使用され得るさらなる関連技術は、とりわけ、ドットブロット分析、免疫組織化学、免疫細胞化学、及び酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を含む。
CFTRタンパク質は、ATPゲーティングイオンチャネルとして機能するABCトランスポータータンパク質である。活性化されると、CFTRは、塩化物イオン(Cl)、及びチオシアン酸塩([SCN])などの他の負に帯電したイオンが、それらの電気化学的勾配で流れる(例えば、受動拡散又は受動輸送)ことを可能にする。CFTRにおける変異、例えば、Gly551X(Xは任意のアミノ酸(例えば、Gly551Asp)を表す)などは、欠陥イオンチャネルゲーティング機能を特徴とするCFTRタンパク質を生じる。最も一般的なCFTR変異(Phe508del)は、フェニルアラニン508に対するコドンを欠きかつ適切に折り畳む又は細胞膜に輸送できない、CFTRタンパク質を生じる。そのため、一態様では、本開示は、細胞の細胞膜上のCFTRタンパク質の数を増加させかつ細胞膜を横切る塩化物イオンの輸送(例えば、細胞からの塩化物イオンの排出)を増加させるための方法であって、細胞を、本明細書に記載のアミノ酸を含む組成物と接触させることを含む、方法を提供する。
そのため、一態様では、本開示は、細胞からの塩化物イオン排出を増加させるための方法であって、細胞を本明細書に記載の有効量の組成物と接触させることを含む、方法を提供する。ある実施形態では、組成物は、スレオニン及びリジンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、システイン、プロリン及びバリンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、システイン、プロリン、グリシン、及びバリンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、システイン、プロリン、バリン及びチロシンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、システイン、プロリン、グリシン、チロシン及びリジンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、グリシン、ロイシン及びリジンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、グリシン、ロイシン、リジン、チロシン、アルギニン及びイソロイシンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。さらに別の実施形態では、組成物は、遊離アミノ酸のシステイン及びプロリンと、グリシン、チロシン及び/又はリジンから選択される少なくとも1つの追加の遊離アミノ酸と、必要に応じて、緩衝剤、電解質、アジュバント、及び/又は賦形剤を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。
ある実施形態では、細胞からの塩化物の排出は、細胞をCFTR増強剤、補正剤、又はリードスルー剤と接触させることによってさらに増強される。ある実施形態では、細胞からの塩化物の排出は、本明細書に記載の組成物及びCFTR増強剤を含む併用療法と細胞を接触させることによって増加される。ある実施形態では、細胞からの塩化物の排出は、本明細書に記載の組成物及びCFTR補正剤を含む併用療法と細胞を接触させることによって増加される。ある実施形態では、細胞からの塩化物の排出は、本明細書に記載の組成物及びCFTRリードスルー剤を含む併用療法と細胞を接触させることによって増加される。ある実施形態では、細胞からの塩化物の排出は、本明細書に記載の組成物及びアイバカフトールを含む併用療法と細胞を接触させることによって増加される。
膜を横切る、塩化物イオンなどのイオンの流れは、半透膜(例えば、細胞膜)を横切る水の流れを調節するために使用される1つの生物学的機構である。浸透は、溶媒(例えば、水)分子が低い溶質濃度の領域からより高い溶質濃度の領域に流れて、半透膜の各側の濃度を平衡化する過程(例えば、水の受動的拡散)を説明する。CFTRの機能不全により細胞内の塩化物イオン濃度が増加すると、水分子は周囲の粘液膜中へと細胞から流出せず、厚い粘液が形成される。そのため、さらなる態様では、本開示は、細胞からの水の流れ(例えば、浸透)を増加させるための方法及び組成物であって、本明細書に記載のアミノ酸を含む組成物と細胞を接触させることを含む、方法を提供する。
そのため、一態様では、本開示は、細胞からの水の排出を増加させるための方法であって、細胞を本明細書に記載の組成物と接触させることを含む、方法を提供する。ある実施形態では、組成物は、スレオニン及びリジンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、システイン、プロリン及びバリンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、システイン、プロリン、グリシン、及びバリンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、システイン、プロリン、バリン及びチロシンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、システイン、プロリン、グリシン、チロシン及びリジンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、グリシン、ロイシン及びリジンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、グリシン、ロイシン、リジン、チロシン、アルギニン及びイソロイシンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。さらに別の実施形態では、組成物は、遊離アミノ酸のシステイン及びプロリンと、グリシン、チロシン及び/又はリジンから選択される少なくとも1つの追加の遊離アミノ酸と、必要に応じて、緩衝剤、電解質、アジュバント、及び/又は賦形剤を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。
ある実施形態では、細胞からの水の排出は、細胞をCFTR増強剤、補正剤、又はリードスルー剤と接触させることによってさらに増強される。ある実施形態では、細胞からの水の排出は、本明細書に記載の組成物及びCFTR増強剤を含む併用療法と細胞を接触させることによって増加される。ある実施形態では、細胞からの水の排出は、本明細書に記載の組成物及びCFTR補正剤を含む併用療法と細胞を接触させることによって増加される。ある実施形態では、細胞からの水の排出は、本明細書に記載の組成物及びCFTRリードスルー剤を含む併用療法と細胞を接触させることによって増加される。ある実施形態では、細胞からの水の排出は、本明細書に記載された組成物及びアイバカフトールを含む併用療法と細胞を接触させることによって増加される。
嚢胞性線維症の治療のための方法
上記のように、嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス調節因子(CFTR)タンパク質を通る塩化物イオンの流れは、細胞及び周囲の粘膜での、特に肺及び小腸での流体レベルの維持に重要である。CFTRのプロセシング、折り畳み、及び細胞膜への輸送を破壊するCFTRタンパク質内の変異(例えば、Phe508del)は、細胞膜上で機能するCFTRタンパク質のより少ない数をもたらす。生物学的結果は、上皮細胞層を覆う厚い粘液層の蓄積であり、細菌の増殖を促進し、上皮細胞が周囲の流体から栄養素を得るのを防害する。最終的には、嚢胞性線維症などの呼吸及び肺の疾患が、1以上のCFTR遺伝子変異を保有する患者において発症し得る。
CFTR遺伝子変異
対象は、例えば、肺疾患に罹患しているヒトであり得る。ある実施形態では、対象は嚢胞性線維症に罹患している。ある実施形態では、嚢胞性線維症の基礎となる遺伝的原因は、CFTR遺伝子の1以上の対立遺伝子におけるPhe508del変異であり得る。ヒトはまた、とりわけ、細菌感染、ウイルス感染、喘息、及び慢性呼吸不全などの嚢胞性線維症と同時に起こる場合が多いさらなる合併症に罹患し得る。そのため、本明細書に開示されるアミノ酸を含む組成物はまた、嚢胞性線維症を有する対象における症状及び他の合併症を管理することにおいて有用であり得る。
ある実施形態では、本明細書に記載の方法は、肺疾患(例えば、嚢胞性線維症)に罹患している患者の生存の増加をもたらす。本明細書に記載の方法及び組成物はまた、嚢胞性線維症を有する患者の治療結果を改善するためにも有用であり得る。
そのため、一態様では、本開示は、嚢胞性線維症の治療に使用するための組成物であって、その必要性(例えば、嚢胞性線維症を有する対象)のある対象に投与される組成物を提供する。ある実施形態では、対象は、配列番号1の野生型CFTRが存在する、嚢胞性線維症に罹患している。ある実施形態では、対象は、配列番号1によって提供される野生型CFTRのアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも99.5%同一であるCFTRタンパク質が存在する、嚢胞性線維症に罹患している。ある実施形態では、対象は、変異体CFTRが存在する、嚢胞性線維症に罹患している。ある実施形態では、対象は嚢胞性線維症に罹患しており、変異体CFTRは、Gly542X、Gly551Asp、Arg553X、Arg117His、120del23、又はPhe508del変異体であり、Xは、任意のアミノ酸を表す。ある実施形態では、対象は、野生型CFTRと変異体CFTRの両方が存在する、嚢胞性線維症に罹患している。ある実施形態では、対象は、配列番号2によって提供されるPhe508del CFTRのアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも99.5%同一であるCFTRタンパク質が存在する、嚢胞性線維症に罹患している。ある実施形態では、対象は、変異体CFTRが配列番号2のPhe508del CFTRである、嚢胞性線維症に罹患している。ある実施形態では、対象は、配列番号1の野生型CFTRと配列番号2のPhe508del CFTRの両方が存在する、嚢胞性線維症に罹患している。本明細書に記載の組成物は、本明細書に記載の組成物の治療上の利益をさらに増大させるために、1以上の追加の治療剤と共に、例えば、併用療法で投与され得る。
さらなる態様では、本開示は、嚢胞性線維症を治療するための方法であって、それを必要とする対象に本明細書に記載の組成物を投与することを含む、方法を提供する。ある実施形態では、組成物は、スレオニン及びリジンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、システイン、プロリン及びバリンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。いくつかの実施形態では、組成物は、システイン、プロリン、グリシン、及びバリンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、システイン、プロリン、バリン及びチロシンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、システイン、プロリン、グリシン、チロシン及びリジンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、グリシン、ロイシン及びリジンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。ある実施形態では、組成物は、グリシン、ロイシン、リジン、チロシン、アルギニン及びイソロイシンから選択される1以上の遊離アミノ酸を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。さらに別の実施形態では、組成物は、遊離アミノ酸のシステイン及びプロリンと、グリシン、チロシン及び/又はリジンから選択される少なくとも1つの追加の遊離アミノ酸と、必要に応じて、緩衝剤、電解質、アジュバント、及び/又は賦形剤を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。
ある実施形態では、組成物は、CFTR増強剤、補正剤、又はリードスルー剤をさらに含む。ある実施形態では、組成物は、CFTR増強剤をさらに含む。ある実施形態では、組成物は、CFTR補正剤をさらに含む。ある実施形態では、組成物は、CFTRリードスルー剤をさらに含む。ある実施形態では、組成物は、アイバカフトールをさらに含む。ある実施形態では、組成物は、CFTR増強剤、補正剤、又はリードスルー剤をさらに含まない。
SYMDEKO(登録商標)(テザカフトール/アイバカフトール及びアイバカフトール)は、F508del変異についてホモ接合性である又はインビトロのデータ及び/又は臨床的証拠に基づいてテザカフトール/アイバカフトールに応答する嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス調節因子(CFTR)遺伝子における少なくとも1つの変異を有する、6歳以上の嚢胞性線維症(CF)患者の治療に適応される。体重が30kg未満の6~11歳の患者については、典型的な用量は、朝に50mgのテザカフトール+75mgのアイバカフトール、及び12時間後に75mgのアイバカフトールである。体重が30kg以上の6~11歳の患者又は12歳以上の患者については、典型的な用量は、朝に100mgのテザカフトール+150mgのアイバカフトール、及び12時間後に150mgのアイバカフトールである。
ORKAMBI(登録商標)(ルマカフトール/アイバカフトール)は、CFTR遺伝子におけるF508del変異についてホモ接合性である患者における嚢胞性線維症(CF)の治療に適応される。6~11歳の患者について:12時間ごとに2錠(各々ルマカフトール100mg/アイバカフトール125mg。12歳以上の患者について:12時間ごとに2錠(各々ルマカフトール200mg/アイバカフトール125mgを含有する)。
KALYDECO(登録商標)(アイバカフトール)は、臨床の及び/又はインビトロのアッセイデータに基づいてアイバカフトール増強に応答するCFTR遺伝子に1つの変異を有する、6ヶ月以上の患者におけるCFの治療のために適応される嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス調節因子(CFTR)増強剤である。6ヶ月から6歳未満の患者については、推奨される用量は、体重に基づき5kg~7kg未満:12時間ごとに25mgの1パケット;7kg~14kg未満:12時間ごとに50mgの1パケット;14kg以上:12時間ごとに75mgの1パケットである。
アタルレンは、40mg/kg/日の用量で使用され得る。
本明細書に記載の医薬製剤と組み合わせて使用される場合、典型的な用量は変化し得ることが理解される。そのような併用療法の特定の実施形態では、例えば、SYMDEKO(登録商標)、ORKAMBI(登録商標)、KALYDECO(登録商標)、又はアタルレンのいずれかの投与は、本明細書に記載の医薬製剤と組み合わせて投与される場合、投与される用量及び/又は投与頻度のいずれかに関して低下され得る。
CFTR遺伝子及び遺伝子産物及びCFTR変異体
上述したように、本明細書に記載のアミノ酸を含む組成物は、細胞膜へのCFTRの転位を効果的に増加させる。特に、本明細書に記載のアミノ酸を含む組成物は、細胞膜への変異体(例えば、Phe508del)CFTRの転位を効果的に増加させることができる。組成物は、細胞膜上のCFTRタンパク質の数の増加をもたらし、膜過分極及び膜貫通水輸送を維持するために上皮細胞膜を横切る塩化物イオン輸送を増加させるための方法を提供する。これらの組成物は、嚢胞性線維症などの肺疾患、又は膵臓及び小腸の中の細胞などの他の上皮細胞における流体輸送の調節不全に起因する疾患の治療に有用である。
本明細書の目的のCFTR遺伝子産物の配列は、ある実施形態では非ヒト哺乳動物同族体の配列が使用され得るが、多くの場合ヒトCFTR遺伝子によりコードされる配列を含むか、又はそれからなる。一般に、CFTRタンパク質又はCFTR RNAの配列はしばしば、ヒトCFTRの配列を含むか、又はそれからなる。ある実施形態では、CFTR遺伝子の遺伝子産物の配列は、天然に存在する配列を含むか、又はそれからなる。遺伝子座は個体の集団における1以上の配列又は対立遺伝子を有し得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、天然に存在する配列は標準的な配列である。別段の指示がない限り、本明細書で特定の名称、略語、又は記号によって参照されるタンパク質の参照配列として参照配列(RefSeq)データベースに列挙される配列は、「標準配列」と考えられる。配列が本開示の時点の後に更新された場合、本開示の時点現在でのバージョン又はその更新されたバージョンが、ある実施形態で使用され得る。遺伝子座は個体の集団において2以上の配列又は対立遺伝子を有し得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、天然に存在する配列は、1以上のアミノ酸位置で標準配列とは異なる。その配列が標準的な配列とは異なりかつそのポリヌクレオチド若しくはポリペプチドの正常機能(複数可)を実行する天然に存在するポリヌクレオチド又はポリペプチドは、「通常配列」を有すると呼ばれ得る。
CFTR遺伝子は、長さが約189kbであり、27個のエキソン及び26個のイントロンを含む。ある実施形態では、CFTRタンパク質は、全長の野生型CFTRである。CFTRは、哺乳動物(例えば、ヒト)CFTRであり得る。ある実施形態では、本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるCFTR又はそのバリアントの配列は、天然に存在するCFTRタンパク質又は生物活性のあるそのバリアントの配列を含む。アンドロゲン受容体タンパク質の生物活性のあるバリアントは、天然に存在するCFTRタンパク質の配列に対して、1以上の付加、置換、及び/又は欠失を含み得る。いくつかの実施形態では、CFTRタンパク質の配列は、標準的なCFTR配列を含む。全長CFTRタンパク質は、長さが1480個のアミノ酸であり、5つのドメイン:2つの膜貫通ドメインと、各膜貫通ドメインに連結された1つの細胞内ヌクレオチド結合ドメイン(NBD)と、1つの細胞内調節「R」ドメインとを有する。全長の野生型CFTRは、以下の標準的なアミノ酸配列を有する(GenBank及びNCBI参照配列受託番号:NG_016465.4):
MQRSPLEKASVVSKLFFSWTRPILRKGYRQRLELSDIYQIPSVDSADNLSEKLEREWD RELASKKNPKLINALRRCFFWRFMFYGIFLYLGEVTKAVQPLLLGRIIASYDPDNKEE RSIAIYLGIGLCLLFIVRTLLLHPAIFGLHHIGMQMRIAMFSLIYKKTLKLSSRVLDKISI GQLVSLLSNNLNKFDEGLALAHFVWIAPLQVALLMGLIWELLQASAFCGLGFLIVLA LFQAGLGRMMMKYRDQRAGKISERLVITSEMIENIQSVKAYCWEEAMEKMIENLRQ TELKLTRKAAYVRYFNSSAFFFSGFFVVFLSVLPYALIKGIILRKIFTTISFCIVLRMAV TRQFPWAVQTWYDSLGAINKIQDFLQKQEYKTLEYNLTTTEVVMENVTAFWEEGFG ELFEKAKQNNNNRKTSNGDDSLFFSNFSLLGTPVLKDINFKIERGQLLAVAGSTGAG KTSLLMVIMGELEPSEGKIKHSGRISFCSQFSWIMPGTIKENIIFGVSYDEYRYRSVIKA CQLEEDISKFAEKDNIVLGEGGITLSGGQRARISLARAVYKDADLYLLDSPFGYLDVL TEKEIFESCVCKLMANKTRILVTSKMEHLKKADKILILHEGSSYFYGTFSELQNLQPD FSSKLMGCDSFDQFSAERRNSILTETLHRFSLEGDAPVSWTETKKQSFKQTGEFGEKR KNSILNPINSIRKFSIVQKTPLQMNGIEEDSDEPLERRLSLVPDSEQGEAILPRISVISTGP TLQARRRQSVLNLMTHSVNQGQNIHRKTTASTRKVSLAPQANLTELDIYSRRLSQET GLEISEEINEEDLKECFFDDMESIPAVTTWNTYLRYITVHKSLIFVLIWCLVIFLAEVAA SLVVLWLLGNTPLQDKGNSTHSRNNSYAVIITSTSSYYVFYIYVGVADTLLAMGFFR GLPLVHTLITVSKILHHKMLHSVLQAPMSTLNTLKAGGILNRFSKDIAILDDLLPLTIF DFIQLLLIVIGAIAVVAVLQPYIFVATVPVIVAFIMLRAYFLQTSQQLKQLESEGRSPIF THLVTSLKGLWTLRAFGRQPYFETLFHKALNLHTANWFLYLSTLRWFQMRIEMIFVI FFIAVTFISILTTGEGEGRVGIILTLAMNIMSTLQWAVNSSIDVDSLMRSVSRVFKFID MPTEGKPTKSTKPYKNGQLSKVMIIENSHVKKDDIWPSGGQMTVKDLTAKYTEGGN AILENISFSISPGQRVGLLGRTGSGKSTLLSAFLRLLNTEGEIQIDGVSWDSITLQQWRK AFGVIPQKVFIFSGTFRKNLDPYEQWSDQEIWKVADEVGLRSVIEQFPGKLDFVLVD GGCVLSHGHKQLMCLARSVLSKAKILLLDEPSAHLDPVTYQIIRRTLKQAFADCTVIL CEHRIEAMLECQQFLVIEENKVRQYDSIQKLLNERSLFRQAISPSDRVKLFPHRNSSKC KSKPQIAALKEETEEEVQDTRL(配列番号1)。
ある実施形態では、本開示は、細胞膜上のCFTRタンパク質の数を増加させるのに有用なアミノ酸を含む組成物を提供する。ある実施形態では、CFTRタンパク質は、配列番号1の野生型CFTRと配列が少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれを超えて、例えば100%同一である。ある実施形態では、CFTRタンパク質は、配列番号1の野生型CFTRと配列が少なくとも70%同一である。ある実施形態では、CFTRタンパク質は、配列番号1の野生型CFTRと配列が少なくとも80%同一である。ある実施形態では、CFTRタンパク質は、配列番号1の野生型CFTRと配列が少なくとも90%同一である。ある実施形態では、CFTRタンパク質は、配列番号1の野生型CFTRと配列が少なくとも95%同一である。ある実施形態では、CFTRタンパク質は、配列番号1の野生型CFTRと配列が少なくとも96%同一である。ある実施形態では、CFTRタンパク質は、配列番号1の野生型CFTRと配列が少なくとも97%同一である。ある実施形態では、CFTRタンパク質は、配列番号1の野生型CFTRと配列が少なくとも98%同一である。ある実施形態では、CFTRタンパク質は、配列番号1の野生型CFTRと配列が少なくとも99%同一である。ある実施形態では、CFTRタンパク質は、配列番号1の野生型CFTRと配列が少なくとも99.5%同一である。ある実施形態では、CFTRタンパク質は、配列番号1の野生型CFTRと配列が少なくとも100%同一である。
ある実施形態では、CFTRタンパク質は、配列番号1の全長CFTRのバリアント又は断片である。用語「バリアント」はまた、CFTR遺伝子の別のスプライシングから生じるCFTRのスプライスバリアントを包含する。ある実施形態では、CFTRバリアントは、配列番号1の全長CFTRの少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、又は100%を超えるポリペプチドを含むか、又はそれからなる。ある実施形態では、CFTRバリアントは、配列番号1の全長CFTRの少なくとも50%を超えるポリペプチドを含むか、又はそれからなる。ある実施形態では、CFTRバリアントは、配列番号1の全長CFTRの少なくとも60%を超えるポリペプチドを含むか、又はそれからなる。ある実施形態では、CFTRバリアントは、配列番号1の全長CFTRの少なくとも70%を超えるポリペプチドを含むか、又はそれからなる。ある実施形態では、CFTRバリアントは、配列番号1の全長CFTRの少なくとも80%を超えるポリペプチドを含むか、又はそれからなる。ある実施形態では、CFTRバリアントは、配列番号1の全長CFTRの少なくとも90%を超えるポリペプチドを含むか、又はそれからなる。ある実施形態では、CFTRバリアントは、配列番号1の全長CFTRの少なくとも95%を超えるポリペプチドを含むか、又はそれからなる。ある実施形態では、CFTRバリアントは、配列番号1の全長CFTRの少なくとも96%を超えるポリペプチドを含むか、又はそれからなる。ある実施形態では、CFTRバリアントは、配列番号1の全長CFTRの少なくとも97%を超えるポリペプチドを含むか、又はそれからなる。ある実施形態では、CFTRバリアントは、配列番号1の全長CFTRの少なくとも98%を超えるポリペプチドを含むか、又はそれからなる。ある実施形態では、CFTRバリアントは、配列番号1の全長CFTRの少なくとも99%を超えるポリペプチドを含むか、又はそれからなる。ある実施形態では、CFTRバリアントは、配列番号1の全長CFTRの少なくとも99.5%を超えるポリペプチドを含むか、又はそれからなる。ある実施形態では、CFTRバリアントは、配列番号1の全長CFTRの少なくとも100%を超えるポリペプチドを含むか、又はそれからなる。これらのバリアントは、CFTRのイオンチャネルゲーティング機能及び/又は塩化物輸送機能がバリアント内に保持されるような、野生型CFTRの生物活性のあるバリアントであり得る。これらのバリアントは、CFTRのイオンチャネルゲーティング機能及び/又は塩化物輸送機能がバリアントにおいて無効になる(例えば、機能的でない)ような、野生型CFTRの生物学的に不活性な変異体であり得る。
ある実施形態では、CFTRタンパク質は、変異体CFTRタンパク質であり、例えば、タンパク質の配列は、CFTRの天然に存在する変異型の配列を含む。変異体CFTRは、哺乳動物(例えば、ヒト)CFTR変異体であり得る。変異体CFTRは、ナンセンス変異、フレームシフト変異、又はmRNAスプライシング変異から生じ得る。CFTR遺伝子において2,000個超の変異が発見されており、その多くは臨床的に関連し、かつ/又は疾患(例えば、嚢胞性線維症)表現型をもたらす。本開示の組成物の投与が有用であると証明され得るさらなるCFTR遺伝子変異については、参照により本明細書に組み込まれるBobadilla JLら,2002,Human Mutation,19;pp.575-606を参照されたい。ある実施形態では、変異体CFTRは、Gly542X、Gly551Asp、Arg553X、Arg117His、120del23、又はPhe508del変異体であり、Xは、任意のアミノ酸を表す。ある実施形態では、変異体CFTRはGly542X変異体であり、Xは、任意のアミノ酸を表す。ある実施形態では、変異体CFTRは、Gly551Asp変異体である。ある実施形態では、変異体CFTRは、Arg553X変異体であり、Xは、任意のアミノ酸を表す。ある実施形態では、変異体CFTRは、Arg117His変異体である。ある実施形態では、変異体CFTRは、120del23変異体である。ある実施形態では、変異体CFTRは、Phe508del変異体である。ある実施形態では、ヒト対象は、CFTRタンパク質をコードする遺伝子の少なくとも1つの対立遺伝子にCFTR変異を保有する(例えば、1つの対立遺伝子は野生型CFTRをコードし、1つの対立遺伝子はPhe508del CFTRをコードする)。ある実施形態では、ヒト対象は、CFTRタンパク質をコードする遺伝子の対立遺伝子の少なくとも2つにCFTR変異を保有する。ある実施形態では、ヒト対象は、CFTRタンパク質をコードする遺伝子の対立遺伝子の少なくとも2つに同じ変異を保有する(例えば、両方の対立遺伝子は、Phe508del変異体をコードする、すなわち、ホモ接合性)。ある実施形態では、ヒト対象は、CFTRタンパク質をコードする遺伝子の対立遺伝子の少なくとも2つに異なる変異を保有する(例えば、1つの対立遺伝子はPhe508del変異体をコードし、1つの対立遺伝子は、Gly551Asp変異体をコードする、すなわちヘテロ接合性)。ある実施形態では、細胞は、CFTRタンパク質をコードする遺伝子の少なくとも1つの対立遺伝子にCFTR変異を保有する(例えば、1つの対立遺伝子は野生型CFTRをコードし、1つの対立遺伝子はPhe508del CFTRをコードする)。ある実施形態では、細胞は、CFTRタンパク質をコードする遺伝子の対立遺伝子の少なくとも2つにCFTR変異を保有する。ある実施形態では、細胞は、CFTRタンパク質をコードする遺伝子の対立遺伝子の少なくとも2つに同じ変異を保有する(例えば、両方の対立遺伝子は、Phe508del変異体をコードする、すなわちホモ接合性)。ある実施形態では、細胞は、CFTRタンパク質をコードする遺伝子の対立遺伝子の少なくとも2つに異なる変異を保有する(例えば、1つの対立遺伝子は、Phe508del変異体をコードし、1つの対立遺伝子は、Gly551Asp変異体をコードする、すなわちヘテロ接合性)。ある実施形態では、細胞は上皮細胞である。ある実施形態では、上皮細胞は肺上皮細胞である。ある実施形態では、肺上皮細胞は気管支上皮細胞である。ある実施形態では、気管支上皮細胞は、嚢胞性線維症を有する患者由来である。
Phe508del変異体は、嚢胞性線維症を有する患者の中で最も一般的な変異体である。Phe508del変異体は、アミノ酸位置508のフェニルアラニンに対するコドンが欠失される欠失変異から生じ、残基508を欠くCFTRタンパク質(例えば、長さが1479個のアミノ酸である)をもたらす。Phe508del CFTRは、以下の標準的なアミノ酸配列を有する(GenBank及びNCBI参照配列受託番号:(NM_000492.3(CFTR):c.1521_1523delCTT):
MQRSPLEKASVVSKLFFSWTRPILRKGYRQRLELSDIYQIPSVDSADNLSEKLEREWD RELASKKNPKLINALRRCFFWRFMFYGIFLYLGEVTKAVQPLLLGRIIASYDPDNKEE RSIAIYLGIGLCLLFIVRTLLLHPAIFGLHHIGMQMRIAMFSLIYKKTLKLSSRVLDKISI GQLVSLLSNNLNKFDEGLALAHFVWIAPLQVALLMGLIWELLQASAFCGLGFLIVLA LFQAGLGRMMMKYRDQRAGKISERLVITSEMIENIQSVKAYCWEEAMEKMIENLRQ TELKLTRKAAYVRYFNSSAFFFSGFFVVFLSVLPYALIKGIILRKIFTTISFCIVLRMAV TRQFPWAVQTWYDSLGAINKIQDFLQKQEYKTLEYNLTTTEVVMENVTAFWEEGFG ELFEKAKQNNNNRKTSNGDDSLFFSNFSLLGTPVLKDINFKIERGQLLAVAGSTGAG KTSLLMVIMGELEPSEGKIKHSGRISFCSQFSWIMPGTIKENIIGVSYDEYRYRSVIKAC QLEEDISKFAEKDNIVLGEGGITLSGGQRARISLARAVYKDADLYLLDSPFGYLDVLT EKEIFESCVCKLMANKTRILVTSKMEHLKKADKILILHEGSSYFYGTFSELQNLQPDFS SKLMGCDSFDQFSAERRNSILTETLHRFSLEGDAPVSWTETKKQSFKQTGEFGEKRK NSILNPINSIRKFSIVQKTPLQMNGIEEDSDEPLERRLSLVPDSEQGEAILPRISVISTGPT LQARRRQSVLNLMTHSVNQGQNIHRKTTASTRKVSLAPQANLTELDIYSRRLSQETG LEISEEINEEDLKECFFDDMESIPAVTTWNTYLRYITVHKSLIFVLIWCLVIFLAEVAAS LVVLWLLGNTPLQDKGNSTHSRNNSYAVIITSTSSYYVFYIYVGVADTLLAMGFFRG LPLVHTLITVSKILHHKMLHSVLQAPMSTLNTLKAGGILNRFSKDIAILDDLLPLTIFDF IQLLLIVIGAIAVVAVLQPYIFVATVPVIVAFIMLRAYFLQTSQQLKQLESEGRSPIFTH LVTSLKGLWTLRAFGRQPYFETLFHKALNLHTANWFLYLSTLRWFQMRIEMIFVIFFI AVTFISILTTGEGEGRVGIILTLAMNIMSTLQWAVNSSIDVDSLMRSVSRVFKFIDMPT EGKPTKSTKPYKNGQLSKVMIIENSHVKKDDIWPSGGQMTVKDLTAKYTEGGNAIL ENISFSISPGQRVGLLGRTGSGKSTLLSAFLRLLNTEGEIQIDGVSWDSITLQQWRKAF GVIPQKVFIFSGTFRKNLDPYEQWSDQEIWKVADEVGLRSVIEQFPGKLDFVLVDGG CVLSHGHKQLMCLARSVLSKAKILLLDEPSAHLDPVTYQIIRRTLKQAFADCTVILCE HRIEAMLECQQFLVIEENKVRQYDSIQKLLNERSLFRQAISPSDRVKLFPHRNSSKCKS KPQIAALKEETEEEVQDTRL(配列番号2)。
ある実施形態では、CFTRタンパク質は、変異体CFTRタンパク質であり、例えば、タンパク質の配列は、天然に存在するCFTRの変異型の配列を含む。ある実施形態では、変異体CFTRタンパク質は、配列番号2のPhe508del CFTRと配列が少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%又はそれを超えて、例えば、100%同一である。ある実施形態では、変異体CFTRタンパク質は、配列番号2のPhe508del CFTRと配列が少なくとも70%同一である。ある実施形態では、変異体CFTRタンパク質は、配列番号2のPhe508del CFTRと配列が少なくとも80%同一である。ある実施形態では、変異体CFTRタンパク質は、配列番号2のPhe508del CFTRと配列が少なくとも90%同一である。ある実施形態では、変異体CFTRタンパク質は、配列番号2のPhe508del CFTRと配列が少なくとも95%同一である。ある実施形態では、変異体CFTRタンパク質は、配列番号2のPhe508del CFTRと配列が少なくとも96%同一である。ある実施形態では、変異体CFTRタンパク質は、配列番号2のPhe508del CFTRと配列が少なくとも97%同一である。ある実施形態では、変異体CFTRタンパク質は、配列番号2のPhe508del CFTRと配列が少なくとも98%同一である。ある実施形態では、変異体CFTRタンパク質は、配列番号2のPhe508del CFTRと配列が少なくとも99%同一である。ある実施形態では、変異体CFTRタンパク質は、配列番号2のPhe508del CFTRと配列が少なくとも99.5%同一である。ある実施形態では、変異体CFTRタンパク質は、配列番号2のPhe508del CFTRと配列が少なくとも100%同一である。
ある実施形態では、CFTRタンパク質は、小胞体(ER)における伝統的な細胞機構により適切にプロセスされ得ない。ある実施形態では、CFTRタンパク質は適切に折り畳むことができない。ある実施形態では、CFTRタンパク質は、細胞膜に適切に輸送され得ない(例えば、細胞質又は小胞体中に残る)。ある実施形態では、CFTRタンパク質は、損なわれたイオンチャネルゲーティング機能性を示す、すなわち、塩化物イオンが細胞外に輸送されるために適切に開くことができない。
ある実施形態では、CFTRタンパク質は、配列番号2のPhe508del CFTRのバリアント又は断片である。ある実施形態では、CFTRバリアントは、配列番号2のPhe508del CFTRの少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、又は100%を超えるポリペプチドを含むか、又はそれからなる。ある実施形態では、CFTRバリアントは、配列番号2のPhe508del CFTRの少なくとも50%を超えるポリペプチドを含むか、又はそれからなる。ある実施形態では、CFTRバリアントは、配列番号2のPhe508del CFTRの少なくとも60%を超えるポリペプチドを含むか、又はそれからなる。ある実施形態では、CFTRバリアントは、配列番号2のPhe508del CFTRの少なくとも70%を超えるポリペプチドを含むか、又はそれからなる。ある実施形態では、CFTRバリアントは、配列番号2のPhe508del CFTRの少なくとも80%を超えるポリペプチドを含むか、又はそれからなる。ある実施形態では、CFTRバリアントは、配列番号2のPhe508del CFTRの少なくとも90%を超えるポリペプチドを含むか、又はそらからなる。ある実施形態では、CFTRバリアントは、配列番号2のPhe508del CFTRの少なくとも95%を超えるポリペプチドを含むか、又はそれからなる。ある実施形態では、CFTRバリアントは、配列番号2のPhe508del CFTRの少なくとも96%を超えるポリペプチドを含むか、又はそれからなる。ある実施形態では、CFTRバリアントは、配列番号2のPhe508del CFTRの少なくとも97%を超えるポリペプチドを含むか、又はそれからなる。ある実施形態では、CFTRバリアントは、配列番号2のPhe508del CFTRの少なくとも98%を超えるポリペプチドを含むか、又はそれからなる。ある実施形態では、CFTRバリアントは、配列番号2のPhe508del CFTRの少なくとも99%を超えるポリペプチドを含むか、又はそれからなる。ある実施形態では、CFTRバリアントは、配列番号2のPhe508del CFTRの少なくとも99.5%を超えるポリペプチドを含むか、又はそれからなる。ある実施形態では、CFTRバリアントは、配列番号2のPhe508del CFTRの少なくとも100%を超えるポリペプチドを含むか、又はそれからなる。これらのバリアントは、CFTRのイオンチャネルゲーティング機能及び/又は塩化物輸送機能がバリアント内で保持されるような、Phe508del CFTRの生物活性のあるバリアントであり得る。これらのバリアントは、CFTRのイオンチャネルゲーティング機能及び/又は塩化物輸送機能がバリアント内で無効になる(例えば、機能しない)ような、Phe508del CFTRの生物学的に不活性なバリアントであり得る。
いくつかの実施形態では、哺乳類核酸配列、例えば、ヒト核酸配列、例えば、CFTRタンパク質(例えば、野生型CFTR、Phe508del CFTR)をコードするヒトDNA配列は、細胞での増加された発現のためにコドン最適化され得る。ある実施形態では、CFTRタンパク質をコードする配列は、上皮細胞での増加された発現のためにコドン最適化され得る。ある実施形態では、上皮細胞は小腸上皮細胞である。ある実施形態では、上皮細胞は肺上皮細胞である。ある実施形態では、肺上皮細胞は気管支上皮細胞である。気管支上皮細胞は、嚢胞性線維症を有する対象由来であり得る。
いくつかの実施形態では、CFTRタンパク質は、精製された形態で提供される。いくつかの実施形態では、CFTRタンパク質は、細胞溶解物の形態で提供される。いくつかの実施形態では、CFTRタンパク質は、組織ホモジネートの形態で提供される。
実施例
本明細書に記載の発明がより完全に理解され得るために、以下の実施例について記載する。本出願に記載の実施例は、本明細書に提供される方法、組成物、及びシステムを例示するために提供され、決してそれらの範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
一般的な実験
細胞培養のためのUssingチャンバー装置:EM-CSYS-8Ussingチャンバーシステム、P2300チャンバー、P2302スライダー、VCC MC8マルチチャネル電圧/電流クランプ、P2020電極、及びDM MC6単一チャネル電極入力モジュール及びDummy膜(Physiologic Instruments,San Diego,CA)。
電極:4%寒天-リンガー緩衝液含有電極チップ中に配置された銀/塩化銀(Ag/AgCl)電極
リンガー溶液:115mMのNaCl、25mMのNaHCO3-、2.4mMのKHPO、0.4mMのKHPO、1.2mMのMgCl、1.2mMのCaCl、及び20mMのHEPES。pHを7.4に調節するためのNaOH。容積モル浸透圧濃度290~300mOsm。
実施例1
本明細書に記載されるのは、頂端膜上でCFTRを増加させること及びENaCの発現及び活性を低下させることにより塩化物分泌を刺激しかつENaC活性を減少させることができる、製剤中の選択アミノ酸(AA)又はそれらの組み合わせである。AA製剤を、変異CFTRΔF508を有する初代ヒト気管支上皮細胞(HBEC)で試験した。細胞を、CF及び非CF患者から得た。細胞を、培養皿で80%コンフルエントに増殖させ、それらをスナップウェル透過性インサートに移した。細胞を十分に成長させ、空気-培地界面で約30日間、透過性細胞培養支持体中で分化させた。その後、経上皮電流及び抵抗を測定するために、細胞をUssingチャンバーで検討した。
短絡電流(Isc)及び抵抗(R)を、Ussingチャンバーで選択AA製剤(CF3AA、CF4AA-1/2/4、CF5AA)、CF4AA-3(陰性対照)及びビヒクル(対照)への暴露後28~42日間気液界面で培養した、完全に分化した初代ホモ接合性CFTRΔF508HBECで測定した。Iscの変化を、それぞれ、6μMのベンザミルでのENaCの阻害、10μMのフォルスコリン、1μMのPG01(増強剤)を用いるcAMP活性化CFTRチャネル活性の活性化、20μMのCFTR(inh)-172を用いるCFTRチャネルの阻止、及び10μMのCaCCinh-A01を用いる基底Ca活性化塩化物チャネル(CaCC)活性の阻止後に、測定した。同様の実験を、CFTRの誤折り畳みのための補正剤である6μMのC18での実験に先立って24時間処理したCFTRΔF508HBEC中で繰り返した。細胞CFTR及びENaCタンパク質発現を、ウェスタンブロットを用いて分析し、タンパク質の局在を、免疫蛍光顕微鏡を用いて実証した。
図1Aは、対照(基本のリンガー)溶液及び様々な個々のアミノ酸(AA)(n=4)についての、C18を含まないベンザミル非感受性電流(μA)のグラフを示す。図1Bは、対照(基本のリンガー)溶液及び様々な個々のAA(n=4)についての、C18を用いたベンザミル非感受性電流(μA)のグラフを示す。ベンザミルはENaC遮断薬であり、そのためベンザミル非感受性の電流はしたがって、ENaCを遮断した後に残る電流を表す。図1Aと図1Bの両方について、最良のアミノ酸を、選択された電流のデルタ変化に基づいて単一アミノ酸から選択した。
図2Aは、対照(基本のリンガー)溶液及び様々なAA組み合わせ(CF2AA、CF3AA-2、CF4AA、CF4AA-2、CF5AA-3、CF4AA-3及びCF4AA-4)(n=4)についての、C18を含まないベンザミル非感受性電流(μA)のグラフを示す。CF5AA-3は、最高のベンザミル非感受性電流を生じ、CF4AA-3は陰性対照であった。図2Bは、対照(基本のリンガー)溶液、DMSOを有する基本のリンガー、及び様々なAA組み合わせ(CF2AA、CF3AA-2、CF4AA、CF4AA-2、CF5AA-3、CF4AA-3及びCF4AA-4)(n=4)についての、C18を有するベンザミル非感受性電流(μA)のグラフを示す。CF5AA-3は依然として最高のベンザミル非感受性電流を生じ、CF4AA-3は陰性対照であった。
図3Aは、対照(基本のリンガー)溶液及び様々な個々のアミノ酸(AA)(n=4)についての、C18を含まないベンザミル感受性電流(μA)のグラフを示す。図3Bは、対照(基本のリンガー)溶液及び様々な個々のアミノ酸(AA)(n=4)についての、C18を有するベンザミル感受性電流(μA)のグラフを示す。より高いベンザミル感受性電流は、より多くのENaC活性が残っていることを意味する。ENaC活性を阻害できたAA溶液は、低ベンザミル感受性電流を示す。
図4Aは、対照(基本のリンガー)溶液及び様々なAA組み合わせ(CF2AA、CF3AA-2、CF4AA、CF4AA-2、CF5AA-3、CF4AA-3及びCF4AA-4)(n=4)についての、C18を含まないベンザミル感受性電流(μA)のグラフを示す。図4Bは、対照(基本のリンガー)溶液、DMSOを有する基本のリンガー、及び様々なAA組み合わせ(CF2AA、CF3AA-2、CF4AA、CF4AA-2、CF5AA-3、CF4AA-3及びCF4AA-4)(n=4)についての、C18を有するベラパミル感受性電流(μA)のグラフを示す。CF5AA-3は、ENaC電流の最大減少をもたらす。
全体として、細胞の基抵抗は350~500オームであった。CF4AA-4及びCF5AA-3は、図4Aに示されるように、対照と比較してENaC活性を低下させた(ベンザミル感受性電流)。塩化物分泌を表すベンザミル非感受性電流は、CF4AA-3を除いて、AA製剤で処理した細胞においてより高く、C18はIscにおいて有意な変化をもたらさなかった(図2A及び2B)。フォルスコリン及びPG01はさらに、対照及びCF4AA-3と比較して、AA製剤に暴露した細胞中のIscを増加させた。CFTRが主に、AA製剤で処理したHBECにおける塩化物分泌に寄与したが、CaCCは寄与しなかった。C18での前処理は、対応する対照と比較して、フォルスコリン、PG01後にIscの小さな増加を示し、かつCFTR(inh)-172後に小さな阻害を示した。CFTRタンパク質の発現は増加し、ENaCはAA製剤で処理したHBECにおいて減少し、CFTRの大部分は細胞の頂端膜中に位置した。
結論として、AAの選択セットに基づく製剤は、膜チャネルの発現及び機能を改変することにより、CFTRΔF508HBECにおける機能不全の塩化物及びナトリウムチャネル活性を改善できる。これらの製剤は、単独で、又は既存のケアの標準と組み合わせて使用できた。
実施例2
材料及び方法
細胞モデル:完全に分化した初代正常ヒト気管支上皮細胞(HBEC)、及びホモ接合性CFTRΔF508HBEC(CF細胞)を、28~40日間、気液界面にて、スナップウェル上で培養した。
Ussingチャンバー:経上皮短絡電流(ISC)、抵抗(R)、及び単方向性(Jms&Jsm)及び22Na及び36Clの正味のフラックス(Jnet)を、ビヒクル、又はCF-5AA-3及びCF-4AA-3に浸漬しながら正常HBEC及びCF細胞で測定した。塩化物分泌をフォルスコリン(FSK、10μMの頂端及び基底部)並びに増強剤GLPG1837(3μMの頂端)で刺激し、かつベンザミル(6μMの頂端)及びブメタニド(20μMの頂端及び基底部)を用いて、ENaC及びNKCCを阻止した。
統計:ビヒクルとAA製剤との間の統計的差異を、分散分析を使用して計算した(OriginPlus 2016)。P<0.05は統計学的に有意であると考えられた。
特に、図10及び11に関連する追加の実験的詳細は以下のとおりである:
CFTRΔF508を有する初代ヒト気管支上皮細胞に対するC18及び/又はVX661の効果を、実験前の24時間、DMSO、DMSO中6μMのC18及び/又は3μMのVX661と細胞をインキュベートすることにより調べた。実験を、GLPG(N-(3-カルバモイル-5,5,7,7-テトラメチル-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)の存在下又は非存在下で繰り返した。細胞を、基本のリンガー液又はアミノ酸(AA)溶液に浸漬し、それぞれ5%CO及び95%Oで通気した。基底部の基本のリンガー又はAA溶液は、5mMのグルコースを含有した。
処理は以下のとおりであった:
1.30分のベースライン電流
2.6μMのベンザミル(1μL、M)-15分
3.10μMのフォルスコリン(1μL、M/S)+3μMのGLPG1837(1μL、M)を含んで又は含まず-15分
4.20μMのCFTR Inh 172(2μL、M/S)-15分
5.10μMのCaCC Inh AO1(1μL、M)-10分
6.20μMのブメタニド(2μL、S)-15分
ルマカフトール:C18;シムデコ:VX661(テザカフトール)/C18;アイバカフトール:GLPG1837(可逆性増強剤)
結果
図5~9は、選択AA組み合わせが、細胞膜チャネル機能を修正及び/又は変更することによりCFTRΔF508HBECにおける機能不全の塩化物及びナトリウムチャネル活性を改善できることを示す。これらの製剤は、CFTRΔF508変異を有する患者における既存のケアの標準をうまく補完できた。
図10A及び図10Bは、CF5AA-3が、補正剤よりも効果的であり、及び補正剤(複数可)プラス増強剤よりも効果的であることを示す。図10A及び図10Bはまた、CF5AA-3プラス補正剤(複数可)及び増強剤が相乗的に作用することを示す。
図11は、CF-5AA-3が、基底の塩化物フラックス又は刺激された塩化物フラックスのいずれかに関して、C18(補正剤)単独と比較して、塩化物分泌において統計的に有意な増加を誘導することを示す。
図12は、CF5AA-3がCFTRを介して陰イオン電流を増加したことを示すグラフを示す。CF5AA-3による陰イオン電流は、3つの組み合わせと比較した場合、顕著に高くかつ維持される。
図12は、CF5AA-3が、補正剤よりも良好に、かつ補正剤プラス増強剤よりも良好にCFTRチャンネルを刺激することを示す。これらの結果は、CF5AA-3がCFTRチャネルに直接影響するという証拠を提示する。
図13は、CF5AA-3が、補正剤よりも良好に、かつ補正剤プラス増強剤よりも良好にCaCCチャネルを刺激することを示す。これらの結果は、CF5AA-3がCaCCチャネルに直接影響するという証拠を提示する。
実施例3
背景:嚢胞性線維症を有する患者において、ホモ接合性F508del変異はCFTRタンパク質の誤折り畳み、欠陥のある輸送及び異常なゲーティングを引き起こし、塩化物分泌を減少させ、これは慢性気道炎症及び感染をもたらす。CFTRの誤った折り畳み/輸送を修正する小分子(VX809及びVX661)と、CFTRゲーティングを増強する小分子(VX770)の組み合わせは、準最適な薬物効力及び副作用を有するF508delでの患者の治療のために承認されている。本発明者らは、欠陥のあるCFTRの輸送、及びホモ接合性F508del(HBEC-F50del)を有する初代ヒト気管支上皮細胞における塩化物分泌の増加において、VX809/VX770又はVX661/VX770単独での治療と、CF5AA-3の効率又は相加的効率を比較した。
方法:経上皮短絡電流及び36Cl正味フラックス(Jnet)を、Ussingチャンバーでビヒクル(AAなし)、AA試験製剤(CF5AA-3)又はAA陰性対照(NC;CF4AA-3)に浸漬した、分化させたHBEC-F508delにおいて測定した。細胞をC18(VX809-類似体)、VX661又はDMSOで24時間処理した。ベンザミルを用いてENaCを遮断した後、塩化物分泌を、フォルスコリン含む又は含まないGLPG1837(VX770-類似体)を用いて刺激した。CFTR inh-172、CaCCinh-A01又はブメタニドをそれぞれ、CFTR-、TMEM16A-及びNKCC1-感受性塩化物電流を区別するために添加した。ウェスタンブロットをHBEC-F508del膜画分上で行って、頂端CFTR発現を決定した。
結果:
AAに浸漬したHBEC-F508delは、細胞がDMSO(10.7±0.2μA対1.4±0.1μA対2.1±0.1μA)で前処理されるか、C18(11.1±0.2μA対1.6±0.1μA対2.1±0.1μA)で前処理されるか、又はVX661(10.8±0.3μA対1.5±0.2μA対2.0±0.2μA)で前処理されるかに関わらず、ビヒクル又はNCと比較した場合に有意により高い基底陰イオン電流を示した。GLPG1837による刺激は、電流のわずかな増加を引き起こし、C18-AAでのピークは12.7±0.4μAであった。陰イオン電流は、C18及びVX661で前処理し、かつフォルスコリン及びGLPG1837で刺激したHBEC-F508delで有意により高く、VX661-ビヒクルでの7.9±0.7μAと比較して、VX661-AAでのピークは14.8±0.4μAであった。AAの存在下で、CFTRは、刺激電流(60%)に最も寄与した一方で、AAはまた、TMEM16A(16%)及び他のブメタニド感受性塩化物チャネル(24%)を活性化した。36Clを使用したフラックス研究は、従来の処置に関係なくビヒクル又はNCと比較してAAに浸漬したHBECF508del中の塩化物分泌の増加を裏付けた(図14)。CFTR膜の発現(c-バンド)は、補正剤の有無にかかわらずAAで増加した:それぞれ、6(任意の単位)(DMSO-ビヒクル)から9(C18-ビヒクル)、及び8(DMSO-AA)から12(C18-AA)。図14を参照されたい。
結論:CF5AA-3は補正剤及び増強剤と同様に頂端陰イオン分泌を増加させ、CF5AA-3が、CF患者のための独立型の治療選択として又は追加の前臨床研究及び臨床研究後にCF患者を治療するために既に実施されている併用療法における添加剤として有望な医薬活性成分であることを示している。
実施例4
CFの動物モデル
遺伝子改変ラットモデルをこのプロトコルで使用する。このモデルは、その嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス調節因子(CFTR)遺伝子に対する変化を有する。このラットモデルは、挿入される共通の患者変異G551Dを有する、CFTR遺伝子のヒトバージョンを有し、それによりそれはG551D変異(クラスIII)を有するヒト化CFTRタンパク質(hCFTR)になる。このラットモデルは、本明細書及び当技術分野でhG551Dと呼ばれる。嚢胞性線維症の他の動物モデルと同様に、約40%のhG551Dラットは、6週齢までに腸閉塞を示す。腸閉塞のいくつかの症例は、水によるGo-LYTELYの投与、及び水和のために食品に添加されるDietGelで防ぐことができる。さらに、CFノックアウト(KO)ラットは、咀嚼することをより困難にさせ得る不正咬合を含む、歯の異常を発症する。したがって、ラットは、柔らかくしたラット用食物を週3回与えられる。罹患したラットはまた、それらの歯を整え、摂食を容易にし、罹患率又は死亡率を防止する必要性について監視される。
hG551Dラット株を、ヒト疾患の嚢胞性線維症を模倣するように設計した。この疾患は、上皮細胞層、例えば、鼻上皮層を介する塩化物分泌の欠如によって特徴付けられる。本発明者らは、hG551Dラットのラット気道が嚢胞性線維症肺疾患の特徴を示すことを示した。特に、このラットは、気道で粘膜下腺を発現し、これはヒト患者のものと同様であり、そのため、ヒト嚢胞性線維症患者に見られるものと一致する病理を提供する。
hG551Dラットにおける塩化物分泌及び薬物に対する応答を試験するために、鼻腔電位差法(NPD)を実施する。NPD手順の場合、ラットの尾部を穏やかに研磨し、乳酸リンゲル液中に入れ、カロメル細胞を通して高インピーダンスの電位フォロワー(VF1;World Precision Instruments)に連結する。探査プローブを、180μl/時の速度で溶液をくみ出すシリンジにAg/AgCl電極(ワイヤ)ブリッジを接続することにより確立する。約5分後、ラットを適切に傾眠させて、約0.15mmの先端直径に引き延ばしたPE10カニューレによる鼻孔のカニューレ挿入を可能にする。灌流溶液は、乳酸リンガーとアミロライド、KHPO、KHPO、Naグルコン酸、NaHCO、Caグルコン酸、及びフォルスコリンを含有する低[Cl]溶液を含む。各灌流溶液を、ラット当たり合計80μL未満で、約2mL/分の速度で鼻腔内へ投与する。各超灌流状態を、6~10分間調べる。ラットを麻酔から回復させ、回復のためにアチパマゾールを投与する。
この研究における動物を、例えば、4つの化合物:試験製剤(CF5AA-3)、陽性対照(アイバカフトール)、陰性対照(CF4AA-3)、又はビヒクルの1つで処理する。アイバカフトールを経口胃管栄養によって与える。他の化合物は、エアロゾル噴霧によって与える。動物を1日1回、7日間治療し、その後、鼻電位差手順を行い、薬物の効力を試験する。アイバカフトール又はVS-009の最終用量の24時間後の鼻電位差を比較する。これが完了すると、動物を、組織の収集及びその後の分析のために安楽死させる。
表Cは、指示した薬剤の例示的な投与を示す。
Figure 2022506044000004
等価物及び範囲
請求項において、「1つ(a)」、「1つ(an)」、及び「その」などの冠詞は、逆のことが示されない限り、又は特に文脈から明らかでない限り、1つ又は2以上を意味し得る。グループの1以上のメンバーの間に「又は」を含む請求項又は説明は、逆のことが示されない限り、又は特に文脈から明らかでない限り、グループメンバーの1つ、2以上、又は全てが所与の生成物若しくは過程で提供されるか、使用されるか、又はそうでなければ関連する場合に、満足するものとみなされる。本発明は、グループのたった1つのメンバーが、所与の生成物若しくは過程で提供されるか、使用されるか、又はそうでなければ関連する実施形態を含む。本発明は、グループメンバーの2以上又は全てが、所与の生成物若しくは過程で提供されるか、使用されるか、又はそうでなければ関連する実施形態を含む。
さらに、本発明は、列挙した請求項の1以上からの1以上の制限、要素、節、及び記述的用語が別の請求項に導入される全ての変形、組み合わせ、及び順列を包含する。例えば、別の請求項に依存する任意の請求項は、同じベースの請求項に依存する任意の他の請求項に見出される1以上の制限を含むように修正できる。要素は、例えば、マーカッシュグループフォーマットでリストとして提示される場合、要素の各サブグループも開示され、任意の要素(複数可)をグループから排除できる。一般に、本発明、又は本発明の態様が、特定の要素及び/又は特徴を含むと言及される場合、本発明のある実施形態又は本発明の態様は、そのような要素及び/又は特徴からなるか、又は本質的にそれからなると理解されるべきである。簡潔にするために、これらの実施形態は、本明細書にそのようには具体的に記載されていない。用語「含む」及び「含有する」は、オープンであると意図され、追加の要素又は工程の包含を可能にすることにも留意されたい。
本願は、様々な発行した特許、公開した特許出願、雑誌記事、及び他の刊行物について言及し、これらの全てが参照により本明細書に組み込まれる。組み込まれた参考文献のいずれかと本明細書との間に矛盾がある場合には、本明細書が優先する。加えて、先行技術の範囲内にある本発明の任意のある実施形態は、請求項の任意の1以上から明示的に除外され得る。そのような実施形態は当業者に知られていると考えられるため、除外が本明細書に明示的に記載されていない場合であっても、それらは除外され得る。本発明の任意の特定の実施形態は、いずれの理由でも、先行技術の存在に関連しているか否かにかかわらず、任意の請求項から除外できる。
当業者なら、本明細書に記載した具体的な実施形態に対する多くの等価物を日常的な実験を越えない実験を用いて認識するか、又は確認することができるだろう。本明細書に記載の本実施形態の範囲は、上記の説明に限定されることを意図するものではなく、むしろ添付の特許請求の範囲に記載されている。当業者なら、以下の特許請求の範囲で定義されるように、本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、この説明に対する様々な変更及び修正を行うことができることを理解するであろう。特許請求の範囲又は説明が生成物(例えば、本組成物)に関連する場合、特許請求の範囲又は説明は、本明細書に開示される方法のいずれかに従って生成物を作製又は使用する方法、及び本明細書に開示される任意の1以上の目的のために生成物を使用する方法は、適用可能な場合、別段の指示がない限り、又は矛盾若しくは不一致が生じることが当業者に明らかでない限り、本開示によって包含されることが理解されるべきである。特許請求の範囲又は説明が方法に関連する場合、方法の1以上の工程を実行するのに有用な生成物(複数可)、例えば、本組成物、装置(複数可)、又はシステム(複数可)は、適用可能な場合、別段の指示がない限り、又は矛盾若しくは不一致が生じることが当業者に明らかでない限り、本開示によって包含されることが理解されるべきである。
本明細書では、範囲が与えられる場合、エンドポイントが含まれる実施形態、両方のエンドポイントが除外される実施形態、及び1つのエンドポイントが含まれ、他のエンドポイントが除外される実施形態が提供される。両方のエンドポイントは、別段の指示がない限り含まれると仮定されるべきである。さらに、別段の指示がない限り、又は特に文脈及び当業者の理解から明らかでない限り、範囲として表される値は、特に文脈が明確に指示しない限り、範囲の下限の単位の10分の1まで、本発明の異なる実施形態で述べられた範囲内の任意の具体的な値又は範囲を仮定できることを理解されたい。一連の数値が本明細書に記載されている場合、一連の任意の2つの値によって定義される任意の介在値又は範囲と同様に関連する実施形態が提供され、最も低い値が最小値として取得され得、最も大きな値が最大値として取得され得ることも理解されたい。「少なくとも1つ」、「まで」、「以下」などの語句、又は類似の語句が本明細書の一連の数に先行する場合、文脈が特に明確に指示しない限り、様々な実施形態では、語句はリスト内の各番号に適用されることを理解されたい(文脈に依存して、値の100%、例えば、百分率として表される値は、上限であり得ることを理解されたい)。例えば、「少なくとも1、2又は3」は、様々な実施形態では、「少なくとも1、少なくとも2、又は少なくとも3」を意味すると理解されるべきである。適用可能な場合、任意の及び全ての合理的な下限並びに上限が明示的に企図されることも理解されたい。合理的な下限又は上限は、例えば、利便性、コスト、時間、努力、利用可能性(例えば、試料、薬剤、又は試薬の)、統計的考慮事項などの要因に基づいて、当業者によって選択又は決定され得る。いくつかの実施形態では、上限又は下限は、特定の値から2、3、5、又は10倍異なる。本明細書で使用するような数値は、パーセントとして表される値を含む。数値が「約」又は「おおよそ」によって前置きされている各実施形態については、正確な値が記載されている実施形態が提供される。数値が「約」又は「おおよそ」によって前置きされていない各実施形態については、値が「約」又は「おおよそ」によって前置きされている実施形態が提供される。別段の記載がない限り、又は特に文脈から明らかでない限り(そのような数が、可能な値の100%を許されないほど超えない場合を除いて)、「おおよそ」又は「約」は、一般的に、いずれかの方向に、1%の範囲内の数値、又はいくつかの実施形態では、数の5%の範囲内、又はいくつかの実施形態では、数の10%の範囲内の数値を含む。逆のことが明らかに示されない限り、2以上の操作を含む本明細書で請求する任意の方法において、本方法の操作の順序は、必ずしも本方法の操作が記載されている順序に限定されるわけではないが、本発明は、その順序がそのように限定される実施形態を含むことが理解されるべきである。いくつかの実施形態では、本方法は個人又は実体によって実行され得る。いくつかの実施形態では、方法の工程は、方法が集合的に実行されるように、2以上の個人又は実体によって実行され得る。いくつかの実施形態では、方法は、方法の1つ、2以上、又は全ての工程を実行するために、別の個人若しくは実体を要求又は認可することによって、少なくとも部分的に実行され得る。いくつかの実施形態では、方法は、方法の少なくとも1つの工程をそれぞれ実行するために2以上の実体又は個体を要求することを含む。いくつかの実施形態では、方法が集合的に実行されるように、2以上の工程の性能が調整される。異なる工程(複数可)を実行する個体又は実体は、相互作用しても、又はしなくてもよい。
本明細書で使用する節の見出しは、いかなる方法でも制限するものとして解釈されるべきではない。任意の節の見出しの下で提示される主題は、本明細書に記載の任意の態様又は実施形態に適用可能であり得ることが明確に企図される。
本明細書の実施形態又は態様は、本明細書に記載の任意の薬剤、組成物、物品、キット、及び/又は方法を対象とし得る。任意の1以上の実施形態又は態様は、適切な場合はいつでも、任意の1以上の他の実施形態又は態様と自由に組み合わせることができることが企図される。例えば、互いに矛盾しない2以上の薬剤、組成物、物品、キット、及び/又は方法の任意の組み合わせが提供される。本明細書のどこかの用語の任意の記載又は例示は、特に示されない限り、又は特に明らかに明白でない限り、そのような用語が本明細書に(例えば、そのような用語が関連する任意の態様又は実施形態で)現れる場合はいつでも、適用され得ることが理解されるであろう。
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Claims (51)

  1. a)遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であるという条件で、
    遊離アミノ酸として各々治療的有効量のシステイン及びプロリンとグリシン、チロシン及びリジンからなる群から選択される治療的有効量の少なくとも1つの追加の遊離アミノ酸とから本質的になる医薬活性成分、並びに
    必要に応じて、
    b)少なくとも1つの医薬的に不活性な成分
    を含む医薬製剤。
  2. 前記遊離アミノ酸が、L-アミノ酸である、請求項1に記載の医薬製剤。
  3. 前記医薬製剤が、医薬的に不活性な成分として水をさらに含む、請求項1又は請求項2に記載の医薬製剤。
  4. 前記少なくとも1つの医薬的に不活性な成分が、医薬として許容される担体、緩衝剤、電解質、アジュバント、又は賦形剤を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  5. 前記医薬製剤が、システイン、プロリン以外の遊離アミノ酸とグリシン、チロシン及びリジンからなる群から選択される少なくとも1つの追加のアミノ酸を含まない、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  6. 前記医薬製剤が、
    前記遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であるという条件で、
    遊離アミノ酸としてシステイン及びプロリンと、
    グリシン、チロシン及びリジンからなる群から選択される1以上の追加の遊離アミノ酸
    から本質的になる、請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  7. 前記医薬製剤が
    前記遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であるという条件で、
    遊離アミノ酸としてシステイン及びプロリンと、
    グリシン、チロシン及びリジンからなる群から選択される1以上の追加の遊離アミノ酸
    からなる、請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  8. 前記遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であるという条件で、
    前記医薬製剤が、遊離アミノ酸としてシステイン、プロリン及びグリシンと、
    必要に応じてチロシン及びリジンからなる群から選択される1以上の追加の遊離アミノ酸、を含むか、それらからなるか又は本質的にそれらからなる、請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  9. 前記遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であり、かつ他の遊離アミノ酸が存在しないという条件で、
    前記医薬製剤が、遊離アミン酸としてシステイン、プロリン及びグリシンを含むか、それらからなるか又は本質的にそれらからなる、請求項8に記載の医薬製剤。
  10. 前記遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であるという条件で、
    前記医薬製剤が、遊離アミン酸としてシステイン、プロリン及びチロシンと、
    必要に応じてグリシン及びリジンからなる群から選択される1以上の追加の遊離アミノ酸、を含むか、それらからなるか又は本質的にそれらからなる、請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  11. 前記遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であり、かつ他の遊離アミノ酸が存在しないという条件で、
    前記医薬製剤が、遊離アミン酸としてシステイン、プロリン及びチロシンを含むか、それらからなるか又は本質的にそれらからなる、請求項10に記載の医薬製剤。
  12. 前記遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であるという条件で、
    前記医薬製剤が、遊離アミン酸としてシステイン、プロリン及びリジンと、
    必要に応じてグリシン及びチロシンからなる群から選択される1以上の追加の遊離アミノ酸、を含むか、それらからなるか又は本質的にそれらからなる、請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  13. 前記遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であり、かつ他の遊離アミノ酸が存在しないという条件で、
    前記医薬製剤が、遊離アミン酸としてシステイン、プロリン及びリジンを含むか、それらからなるか又は本質的にそれらからなる、請求項12に記載の医薬製剤。
  14. 前記遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であるという条件で、
    前記医薬製剤が、遊離アミン酸としてシステイン、プロリン、グリシン及びチロシンを含むか、それらからなるか又は本質的にそれらからなりかつ
    必要に応じて追加的に遊離アミノ酸としてリジンを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  15. 前記遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であり、かつ他の遊離アミノ酸が存在しないという条件で、
    前記医薬製剤が、遊離アミン酸としてシステイン、プロリン、グリシン及びチロシンを含むか、それらからなるか又は本質的にそれらからなる、請求項14に記載の医薬製剤。
  16. 前記遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であるという条件で、
    前記医薬製剤が、遊離アミン酸としてシステイン、プロリン、グリシン及びリジンを含むか、それらからなるか又は本質的にそれらからなりかつ
    必要に応じて追加的に遊離アミノ酸としてチロシンを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  17. 前記遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であり、かつ他の遊離アミノ酸が存在しないという条件で、
    前記医薬製剤が、遊離アミン酸としてシステイン、プロリン、グリシン及びリジンを含むか、それらからなるか又は本質的にそれらからなる、請求項16に記載の医薬製剤。
  18. 前記遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であるという条件で、
    前記医薬製剤が、遊離アミン酸としてシステイン、プロリン、リジン及びチロシンを含むか、それらからなるか又は本質的にそれらからなりかつ
    必要に応じて追加的に遊離アミノ酸としてグリシンを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  19. 前記遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であり、かつ他の遊離アミノ酸が存在しないという条件で、
    前記医薬製剤が、遊離アミン酸としてシステイン、プロリン、リジン及びチロシンを含むか、それらからなるか又は本質的にそれらからなる、請求項18に記載の医薬製剤。
  20. 前記遊離アミノ酸の少なくとも1つがL-アミノ酸であるという条件で、
    前記医薬製剤が、遊離アミン酸としてシステイン、プロリン、グリシン、チロシン及びリジンを含むか、それらからなるか又は本質的にそれらからなる、請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  21. 前記製剤が、他の遊離アミノ酸を含まない、請求項20に記載の製剤。
  22. 前記医薬製剤が無菌である、請求項1~21のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  23. 前記医薬製剤が、経腸、肺、吸入、鼻腔内、又は舌下の経路による投与用に製剤化される、請求項1~22のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  24. 医薬としての使用のための、請求項1~23のいずれか一項に記載の製剤。
  25. 嚢胞性線維症の治療における使用のための、請求項46に記載の製剤。
  26. 嚢胞性線維症の治療のための医薬の製造における請求項1~23のいずれか一項に記載の製剤の使用。
  27. 嚢胞性線維症に罹患した対象を治療するための方法であって、請求項1~23のいずれか一項に記載の製剤を嚢胞性線維症に罹患した対象に投与することを含み、
    前記投与することが、嚢胞性線維症の少なくとも1つの症状を低減する、方法。
  28. 前記対象が、野生型CFTRを発現する、請求項25~27のいずれか一項に記載の使用のための製剤、使用、又は方法。
  29. 前記対象が、CFTR遺伝子に変異を有する、請求項25~28のいずれか一項に記載の使用のための製剤、使用、又は方法。
  30. 前記対象が、野生型CFTRと変異体CFTRを発現する、請求項25~29のいずれか一項に記載の使用のための製剤、使用、又は方法。
  31. 前記対象が、野生型CFTRのアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも99.5%同一であるCFTRタンパク質が存在する嚢胞性線維症に罹患しており、野生型CFTR配列が、配列番号1を含む、請求項25~30のいずれか一項に記載の使用のための製剤、使用、又は方法。
  32. CFTR中の変異が、Gly542X、Gly551Asp、Arg553X、Arg117His、120del23、Phe508del、又はそれらの組み合わせを含み、Xが、任意のアミノ酸である、請求項29~31のいずれか一項に記載の使用のための製剤、使用、又は方法。
  33. 前記CFTRが、Phe508del CFTR変異体である、請求項32に記載の使用のための製剤、使用、又は方法。
  34. 追加の治療剤を投与することをさらに含む、請求項25~33のいずれか一項に記載の使用のための製剤、使用、又は方法。
  35. 前記追加の治療剤が、小分子薬物、タンパク質薬物、核酸薬物、又はそれらの組み合わせの少なくとも1つを含む、請求項34に記載の使用のための製剤、使用、又は方法。
  36. 前記追加の治療剤が、CFTR増強剤、CFTR補正剤、CFTRリードスルー剤、又はそれらの組み合わせの少なくとも1つである、請求項34又は請求項35に記載の使用のための製剤、使用、又は方法。
  37. 前記追加の治療剤が、CFTR増強剤である、請求項36に記載の使用のための製剤、使用、又は方法。
  38. CFTR増強剤が、アイバカフトールである、請求項37に記載の使用のための製剤、使用、又は方法。
  39. 請求項22又は請求項23に記載の医薬製剤;及び
    対象に投与するための又は生体試料を前記製剤と接触させるための説明書、
    を含むキット。
  40. 少なくとも1つの細胞の細胞膜上に存在する嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス調節因子(CFTR)タンパク質の数を増加させるための方法であって、
    請求項22又は請求項23に記載の有効量の医薬製剤と前記少なくとも1つの細胞を接触させること
    を含み、
    前記接触させることが、CFTRの折り畳み又は前記細胞膜へのCFTRの輸送の少なくとも1つを促進し、それにより前記細胞の前記細胞膜上に存在するCFTRタンパク質の数を増加させる、方法。
  41. 前記細胞膜上の前記野生型CFTRタンパク質の数が、増加する、請求項40に記載の方法。
  42. 前記細胞膜上の変異体CFTRタンパク質の数が、増加する、請求項40又は請求項41に記載の方法。
  43. 前記細胞膜上の野生型CFTRのアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも99.5%同一であるCFTRタンパク質の数が、増加し、前記野生型CFTRが、配列番号1を含む、請求項40~42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記CFTRタンパク質の1以上が、Gly542X、Gly551Asp、Arg553X、Arg117His、120del23、Phe508del、又はそれらの組み合わせを含み、Xが、任意のアミノ酸である、請求項40~43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記CFTRタンパク質の1以上が、前記Phe508del変異を含む、請求項44に記載の方法。
  46. 前記細胞の前記細胞膜上に存在するCFTRタンパク質の数を増加させることが、前記細胞からの増加された塩化物イオン輸送により検出される、請求項40~45のいずれか一項に記載の方法。
  47. 前記細胞の前記細胞膜上に存在するCFTRタンパク質の数を増加させることが、前記細胞からの増加された水輸送と関連付けられる、請求項40~46のいずれか一項に記載の方法。
  48. 前記細胞が、上皮細胞である、請求項40~47のいずれか一項に記載の方法。
  49. 前記上皮細胞が、肺上皮細胞である、請求項48に記載の方法。
  50. 前記肺上皮細胞が、気管支上皮細胞である、請求項49に記載の方法。
  51. 前記気管支上皮細胞が、嚢胞性線維症に罹患した対象から単離される、請求項50に記載の方法。
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