JP2022505440A - 植物細胞におけるCRISPR/Casゲノム編集のためのデュアルガイドRNA - Google Patents

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Abstract

本発明は、DNAをRNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体と接触させるステップを含む、植物細胞のDNAを標的化修飾するための方法であって、複合体が別個の分子としてcrRNA及びtracrRNAを含む、方法に関する。本発明はさらに、植物細胞内のDNAを標的化するための前記RNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体、及びRNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体又はそれをコードする構築物を含むキットに関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、分子生物学及び植物生物学の分野におけるものである。本発明は、標的化DNA修飾に関し、そのような修飾を生成するための方法及び組成物を含む。
生細胞の遺伝物質に故意に変化を生成させるプロセスは、その細胞、又はその細胞が一部を形成するか若しくはその細胞から再生され得る生物体の1つ又は複数の遺伝的にコードされた生物学的特性を修飾するという目的を有する。これらの変化は、例えば、遺伝物質の一部の欠失、外因性遺伝物質の付加、又は遺伝物質の既存のヌクレオチド配列の変化の形態をとる。真核生物の遺伝物質を改変する方法は20年以上にわたり公知であり、農業、人間の健康、食品の品質及び環境の保護の分野における改善のために、植物、ヒト及び動物の細胞、並びに微生物において広く適用されることがわかっている。最も一般的な方法は、外因性DNA断片を細胞のゲノムに加えることからなり、これが、既存の遺伝子の発現がそれにより抑制される適用を含め、既存の遺伝子によりコードされている特性に加えて、その細胞又はその生物体に新しい特性が付与される。多くのこのような例は望ましい特性を得るのに効果的であるが、これらの方法はいくつかの欠点を有する。例えば、これらの従来の方法はそれほど正確ではなく、その理由としては、外因性DNA断片が挿入されるゲノム位置について(したがって、最終的な発現レベルにて)常にコントロールできるものでなく、また望ましい効果が、元の十分にバランスがとれたゲノムによってコードされている自然の特性を超えて出現しなければならないからである。対照的に、所定のゲノム遺伝子座におけるヌクレオチドの付加、欠失又は変換をもたらすゲノム編集の方法は、既存の遺伝子の正確な修飾を可能にする。
部位特異的ヌクレアーゼ、例えば、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、及びクラスター化した規則的な配置の短い回文配列リピート(Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeat、CRISPR)ヌクレアーゼを使用することによって、標的化DNA改変の分野が急速に発展している。
CRISPR(クラスター化した規則的な配置の短い回文配列リピート)は、複数の短い直接配列リピートを含む遺伝子座であり、配列決定された細菌の40%及び配列決定された古細菌の90%で確認されている。CRISPRリピートは、遺伝的病原体、例えばバクテリオファージ及びプラスミドに対して獲得された細菌免疫のシステムを形成する。細菌が病原体により攻撃された場合、病原体のゲノムの小さな断片がCRISPR関連タンパク質(Cas)によってプロセシングされ、CRISPRリピート間の細菌ゲノムに組み込まれる。次いで、CRISPR遺伝子座は転写され、プロセシングされて、病原体ゲノムと同一の約30bpの配列を含む、いわゆるcrRNAを形成する。これらのRNA分子は、その後、感染の際に病原体を認識するベースを形成し、病原体ゲノムの直接消化を介して病原体の遺伝要素のサイレンシングをもたらす。Cas9タンパク質は、ストレプトコッカス・ピオゲネス(S.pyogenes)のII型CRISPR/Casシステムの必須成分であり、crRNAと、crRNAにより規定されるゲノムの位置にDNA二本鎖切断(DSB)を導入することによって、分解のため侵入病原性DNAを標的とするトランス活性化crRNA(tracrRNA)と呼ばれる第2のRNAと組み合わされた場合にエンドヌクレアーゼを形成する。このII型CRISPR/Cas9システムは、二本鎖切断の標的化導入及びその後の内因性修復メカニズムの活性化によって、目的の部位の真核生物ゲノムに修飾を導入することができる、生化学における便利で有効なツールであることが証明されている。Jinekら(2012,Science 337:816~820)は、crRNA及びtracrRNAの必須配列を単一RNA分子に結合させることにより生成される単鎖キメラRNA(単一ガイドRNA、sRNA、sgRNA)が、Cas9との組合せで機能性エンドヌクレアーゼを形成できることを証明した。多くの様々なCRISPR/Casシステムが異なる細菌種から同定されている(Zetscheら 2015 Cell 163, 759~771;Kimら 2017, Nat. Commun. 8, 1~7;Ranら 2015. Nature 520, 186~191)。
CRISPR/Cas9システムは、幅広い様々な生物体及び細胞タイプにおけるゲノム編集に使用することができる。最初に、CRISPR/CasエンドヌクレアーゼがDSBを誘導するゲノム配列が同定され、次いでこれがプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)の存在についてスクリーニングされる。PAM配列はCRISPR/Casエンドヌクレアーゼ活性にとって不可欠であり、比較的短く、したがって、通常、ある程度の長さの任意の所定の配列に複数回存在する。例えば、ストレプトコッカス・ピオゲネスCas9タンパク質のPAMモチーフはNGGであり、これにより確実に、任意の所定のゲノム配列について複数のPAMモチーフが存在し、多くの異なるガイドRNAが設計され得る。さらに、同一の二本鎖配列の反対鎖を標的とするガイドRNAも設計され得る。PAMに直接隣接する配列がガイドRNAに組み込まれる。これは、使用されるCRISPR/Casシステムに応じて長さが異なり得る。例えば、Cas9 sgRNAのターゲティング配列の最適な長さは20ntであり、ほとんどの場合、この長さの配列は植物ゲノム内で固有である。植物細胞における発現については、ガイドRNAをコードする遺伝子をRNAポリメラーゼ-IIIプロモーターに、例えばシロイヌナズナ(Arabidopsis)のU6プロモーター、又は実験が実施される細胞タイプ、生物体、植物の種若しくはファミリー由来の対応する若しくは機能的に類似したpol-IIIプロモーターに連結させることができる。
CRISPR/Casエンドヌクレアーゼは、実験が実施される生物体又は細胞タイプに適した構成的プロモーター又は誘導性プロモーターの任意の形態から細胞において発現され得る。場合によっては、CRISPR/Casエンドヌクレアーゼのタンパク質発現レベルは、特定の細胞タイプ又は生物体に対するそのコドン使用頻度の最適化により改善することができる。
CRISPR/Casシステムの2つの構成要素であるエンドヌクレアーゼ及びガイドRNA(複数可)は、異所性ゲノム要素、例えば、(非複製)プラスミド構築物、ウイルスベクターから細胞において発現され得るか、又は細胞若しくは生物体においてタンパク質(CRISPR/Casエンドヌクレアーゼ)及びRNA(ガイドRNA)として直接導入され得る。さらに、CRISPR/CasエンドヌクレアーゼをコードするmRNAが使用可能である。プラスミド又はウイルスベクターが形質転換細胞において複製できない場合、CRISPR/Cas及びガイドRNA(複数可)は短時間発現又は存在した後、細胞から除去される。CRISPR/Casタンパク質及びガイドRNAの安定的発現はトランスジェニック手法を使用して達成することができ、それにより、それらをコードする遺伝子が宿主ゲノムに組み込まれる。
CRISPR/Casエンドヌクレアーゼ及びガイドRNAが細胞内において存在/発現した場合、2つの構成要素の複合体が、ガイドRNA及び隣接するPAM配列のターゲティング配列に相補的な配列についてゲノムDNAをスキャンする。使用されるCRISPR/Casエンドヌクレアーゼに応じて、複合体はその後、PAMから様々な距離で両方のDNA鎖においてニックを誘発する。例えば、ストレプトコッカス・ピオゲネスCas9タンパク質は、PAM配列の3bp上流の両DNA鎖にニックを導入し、平滑DNA DSBを生成する。
DNA DSBが生成されると、細胞のDNA修復機構、特に非相同性末端結合(NHEJ)経路に属するタンパク質がDNA末端の再連結に関与する。このDSBが正確に修復されたならば、その後、配列はCRISPR/Cas-ガイドRNA複合体による切断の標的を形成する。しかし、一部の再連結事象は不正確であり、切断時に数個のヌクレオチドがランダム欠失したり又は付加されたりする可能性があり、その結果、ゲノムDNAにインデル変異が生じる。これが、ガイドRNAの結合を阻止し、したがって任意のさらなるDSB誘導を阻止する標的配列の改変をもたらす。
生成されたインデルは、例えば、転写因子結合部位又はスプライス部位を壊し得る。インデルがコード配列に生成される場合、オープンリーディングフレームが改変されてヌル変異が生じ得る。
或いは、DNA DSBは、導入された一本鎖又は二本鎖DNAテンプレートの存在下で修復され得る。このようなテンプレートを使用して、1つ又は複数のヌクレオチドをDNA配列に特異的に導入及び/又は改変することができる。
Jinekら(Jinekら(2012,Science 337:816~820)によって最初に設計された、単鎖キメラRNA(sgRNA)と複合体化された、核局在化シグナルを含むことにより修飾されたCas9を含むCRISPR/Cas9システムが、これまで植物細胞のゲノム編集で順調に使用されてきた。しかし、そのようなsgRNAを使用する場合、植物ゲノム編集効率が未だに比較的低い。したがって、植物細胞のより効率的な標的化修飾が当技術分野において必要とされている。さらに、特定のヌクレオチドが改変及び/又は導入されることによる、植物細胞のより効率的な標的化修飾が当技術分野において必要とされている。
第1の態様では、本発明は、DNAをRNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体と接触させるステップを含む、植物細胞のDNAを標的化修飾するための方法であって、前記複合体が、CRISPRシステムヌクレアーゼ、crRNA及びtracrRNAを含み、crRNA及びtracrRNAが別個の(非共有結合的に連結された)分子である、方法に関する。
好ましくは、CRISPRシステムヌクレアーゼは、2つの触媒的に活性なエンドヌクレアーゼドメインを含む。
好ましくは、CRISPRシステムヌクレアーゼは、少なくとも1つの触媒的に不活性なエンドヌクレアーゼドメインを含む。
一実施形態では、CRISPRシステムヌクレアーゼは、機能的ドメイン、好ましくはデアミナーゼドメインに融合される。
好ましくは、CRISPRシステムヌクレアーゼは、前記CRISPRシステムヌクレアーゼをコードするベクターで細胞をトランスフェクトすることによって細胞に導入される。
好ましくは、CRISPRシステムヌクレアーゼは、CRISPRシステムヌクレアーゼで細胞をトランスフェクトすることによって細胞に導入される。
一実施形態では、crRNA及びtracrRNAのうちの少なくとも1つは、前記crRNA及び/又はtracrRNAをコードするベクターで細胞をトランスフェクトすることによって細胞に導入される。
一実施形態では、crRNA及びtracrRNAのうちの少なくとも1つは、前記crRNA及び/又はtracrRNAで細胞をトランスフェクトすることによって細胞に導入され、好ましくは、crRNA及び/又はtracrRNAは化学的に修飾されている。
好ましくは、細胞は、テンプレートオリゴヌクレオチドでさらにトランスフェクトされ、好ましくは、テンプレートオリゴヌクレオチドは化学的に修飾されている。
好ましくは、細胞は、ドナー構築物でさらにトランスフェクトされ、好ましくは、ドナー構築物は化学的に修飾されている。
一実施形態では、CRISPRシステムエンドヌクレアーゼ、crRNA、tracrRNA、及び/又は任意選択でテンプレートオリゴヌクレオチド若しくはドナー構築物は、ポリエチレングリコール媒介性トランスフェクションを使用して、好ましくはPEGを含む水性媒体を使用して、植物細胞に導入される。
好ましくは、本方法は、標的化修飾を含む植物又はその子孫を再生するステップをさらに含む。
一態様では、本発明は、植物細胞のDNAを標的化修飾するための、本明細書で定義したCRISPRシステムヌクレアーゼ、crRNA及びtracrRNA、又はそれをコードする1つ若しくは複数の構築物を含むRNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体にさらに関する。
さらなる態様では、本発明は、
i)本明細書で定義したCRISPRシステムヌクレアーゼを含む容器;及び
ii)本明細書で定義したCRISPRシステムヌクレアーゼをコードする1つ又は複数の構築物を含む容器
のうちの少なくとも1つ、並びに任意選択で、tracrRNA及び/又は1つ若しくは複数のcrRNA、及び/又はそれをコードする構築物を含む容器
を含む、植物細胞のDNAを標的化修飾するためのキットに関する。
一態様では、本発明は、植物細胞のDNAを標的化修飾するための、本明細書で定義したRNA誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体、又はそれをコードする1つ若しくは複数の構築物、又は本明細書で定義したキットの使用に関する。
sgRNAとcr/tracrRNAの比較。一本鎖オリゴヌクレオチド(ssODN)の非存在下(-)又は存在下(+)で、sgRNA又はcrRNAとtracrRNAの組合せ(cr/tracrRNA)のいずれかを含むリボヌクレオタンパク質複合体をシロイヌナズナのプロトプラストにトランスフェクションした後に確認された、標的配列読み取りの総数又はトランスフェクトされたプロトプラストの総数に対するインデル(黒棒)、クリーンな遺伝子ターゲティング(白棒)、及びSNP導入(蛍光、斜線棒)のパーセンテージを示す。
定義
本発明の方法、組成物、使用及び他の態様に関する各種用語は、本明細書及び特許請求の範囲の全体にわたって使用される。そのような用語には、特段の明示のない限り、本発明が関係する技術分野における通常の意味が付与されるものとする。他の詳細に定義された用語は、本明細書で提供された定義と一致する方法で解釈されるものとする。本明細書に記載のものと類似の又は同等の任意の方法及び材料を本発明の試験の実施において使用することができ、好ましい材料及び方法は本明細書に記載されている。
本発明の方法において使用される従来の技術を実施する方法は、当業者には明らかである。分子生物学、生化学、計算化学、細胞培養、組換えDNA、バイオインフォマティクス、ゲノミクス、配列決定及び関連する分野における従来の技術の実施は、当業者には周知であり、例えば、以下の文献:Sambrookら、Molecular Cloning. A Laboratory Manual, 2nd Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N. Y., 1989; Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York, 1987及び定期的更新;並びにthe series Methods in Enzymology, Academic Press, San Diegoで論じられている。
「A」、「an」、及び「the」:これらの単数形の用語は、文脈で特に明示されていない限り、複数の指示物を含む。したがって、不定冠詞の「a」又は「an」は、通常、「少なくとも1つ」を意味する。したがって、例えば、「細胞(a cell)」への言及は、2つ以上の細胞の組合せなどを含む。
「約」及び「およそ」:これらの用語は、測定可能な値、例えば、量、一時的な期間などに言及する場合、そのような変動は開示した方法を実施するのに適切であるので、指定値から±20%又は±10%、より好ましくは±5%、さらにより好ましくは±1%、さらにより好ましくは±0.1%の変動を含むことを意味する。さらに、量、比率、及び他の数値が本明細書において範囲形式で示されている場合がある。そのような範囲形式は、便宜的かつ簡潔にするために使用されており、範囲の制限として明示的に示した数値を含むように柔軟に理解されるべきであるが、あたかも各数値及び部分的範囲が明示的に示されているように、その範囲内に含まれるすべての個々の数値又は部分的範囲もまた含むように理解されたい。例えば、約1~約200の範囲の比は、約1~約200の明示的に記載された範囲を含むが、約2、約3、及び約4などの個々の比、並びに約10~約50、約20~約100などの部分的範囲も含むものと理解されたい。
「及び/又は」:用語の「及び/又は」とは、1つ又は複数の記載した事例が単独で、又は記載した事例の少なくとも1つと組み合わせて、記載したすべての事例に至るまで起こり得る状況を意味する。
「含む」:この用語は、包括的で制限はなく、排他的ではないと解釈される。詳しくは、この用語及びその変化形は、指定した特徴、ステップ、又は構成要素が含まれることを意味する。これらの用語は、他の特徴、ステップ、又は構成要素の存在を排除するものと解釈されるべきではない。
例示的」:この用語は「例、事例、又は実例として有用である」ことを意味し、本明細書で開示されている他の構成を排除するものと解釈されるべきではない。
「植物」:とは、植物全体又は植物の一部、例えば、植物から得ることができる細胞、組織培養物又は器官(例えば、花粉、種子、胚珠、配偶子、根、葉、花、花芽、枝、葯、果実、穀粒、穂、穂軸、殻、茎、根端、粒、胚など)、並びにこれらのいずれかの誘導物、及び自家受粉又は交配によりそのような植物に由来する後代を意味する。「植物」は、植物プロトプラスト、植物が再生され得る植物細胞組織培養物、植物カルス、植物塊、及び植物又は植物の一部、例えば、胚、花粉、胚珠、配偶子、種子、葉、花、枝、果実、穀粒、穂、穂軸、殻、茎、根、根端、葯、粒などが無傷の植物細胞をさらに含む。「植物細胞(複数可)」は、分離の、又は組織、器官若しくは生物内のプロトプラスト、配偶子、懸濁培養物、小胞子、花粉粒などを含む。
用語の「構築物」、「核酸構築物」、「ベクター」、及び「発現ベクター」とは、本明細書では互換的に使用され、本明細書では、組換えDNA技術の使用によって得られる人工的核酸分子として定義される。これらの構築物及びベクターは、したがって、天然に存在する核酸分子からならないが、ベクターは天然に存在する核酸分子(の一部)を含むことができる。ベクターは、外因性DNAを宿主細胞に送達するために使用することができ、多くの場合、構築物に含まれているDNA領域を宿主細胞で発現させることを目的としている。構築物のベクター骨格は、例えば、(キメラ)遺伝子が組み込まれているプラスミドであり得るか、又は適切な転写調節配列が既に存在している場合(例えば(誘導性)プロモーター)、所望のヌクレオチド配列(例えば、コード配列、アンチセンス配列又は逆方向反復配列)のみが転写調節配列の下流に組み込まれる。ベクターは、分子クローニングにおける使用を容易にするために、遺伝要素、例えば、選択可能なマーカー、複数のクローニング部位などをさらに含むことができる。ベクター骨格は、例えば、バイナリーベクター若しくはスーパーバイナリーベクター(例えば、米国特許第5,591,616号、米国特許出願公開第2002138879号及び国際公開第95/06722号を参照されたい)、当技術分野において公知であるような、共組み込みベクター又はT-DNAベクターであってもよい。
本発明による発現ベクターは、細胞、好ましくは植物細胞における遺伝子発現を導入するのに特に適する。好ましい発現ベクターは、裸のDNA、DNA複合体又はウイルスベクターであり、DNA分子はプラスミドであり得る。好ましい裸のDNAは、直鎖状又は環状の核酸分子、例えばプラスミドである。プラスミドとは、追加のDNA断片を、例えば標準的な分子クローニング技術などによって挿入することができる環状二本鎖DNAループを意味する。DNA複合体は、DNAを細胞に送達するのに適した任意の担体に結合されたDNA分子であり得る。好ましい担体は、リポプレックス、リポソーム、ポリマーソーム、ポリプレックス、デンドリマー、無機ナノ粒子、ビロソーム及び細胞透過性ペプチドからなる群から選択される。好ましい実施形態では、発現ベクターは、ウイルスベクター、好ましくはタバコ茎壊疽ウイルス(TRV)、豆黄萎病ウイルス(BeYDV)、キャベツ巻葉ウイルス(CaLCuV)、トブラウイルス、及びコムギ萎縮ウイルス(WDV)である。好ましくは、ウイルスベクターは、本明細書の上記で定義したタバコ茎壊疽ウイルスである。
用語の「遺伝子」とは、細胞においてRNA分子(例えば、pre-mRNA又はncRNA)に転写される領域(転写領域)を含むDNA断片を意味する。転写領域は、本明細書で定義した遺伝子の一部を形成する、適切な調節領域(例えばプロモーター)に作動可能に連結され得る。遺伝子は、5’リーダー配列、コード領域、及びポリアデニル化部位を含む3’非翻訳配列(3’末端)など、いくつかの作動可能に連結された断片を含むことができる。
「遺伝子の発現」とは、適切な調節領域、特にプロモーターに作動可能に連結されたDNA領域がRNAに転写され、RNAが生物学的に活性なタンパク質又はペプチドをコードする場合、続いて生物学的に活性なタンパク質又はペプチドに翻訳されるプロセスを意味する。
用語の「作動可能に連結された」とは、機能的な関係におけるポリヌクレオチドエレメントの連結を意味する。核酸は、別のヌクレオチド配列と機能的な関係に置かれる場合、「作動可能に連結される」。例えば、プロモーター、又はむしろ転写調節配列は、それがコード配列の転写に影響を及ぼすのであれば、コード配列に作動可能に連結されている。動作可能に連結されているとは、連結されているDNA配列が隣接していることを意味し得る。
「プロモーター」とは、1つ又は複数の核酸の転写を制御するように機能する核酸断片を意味する。プロモーター断片は、遺伝子の転写開始部位の転写方向に対して上流(5’)に位置し、DNA依存性RNAポリメラーゼの結合部位である転写開始部位(複数可)の存在により構造的に同定され、また、限定するものではないが、転写因子結合部位、リプレッサー及びアクチベータータンパク質結合部位を含む他の任意のDNA配列、並びに直接的又は間接的に作用してプロモーターからの転写量を調節することが当業者に公知である任意の他のヌクレオチド配列をさらに含むことができる。
任意選択で、用語の「プロモーター」はまた、5’UTR領域(5’非翻訳領域)を含んでいてもよい(例えば、プロモーターは、本明細書では、転写領域の翻訳開始コドンの上流の1つ又は複数の部分を含んでいてもよく、その理由は、この領域が転写及び/又は翻訳の調節において役割を果たし得るからである)。「構成的」プロモーターは、大半の生理学的及び発生学的条件下で、大部分の組織において活性であるプロモーターである。「誘導性」プロモーターは、生理学的に(例えば、ある特定の化合物の外部適用により)又は発生的に調節されるプロモーターである。「組織特異的」プロモーターは、特定のタイプの組織又は細胞においてのみ活性がある。
用語の「タンパク質」又は「ポリペプチド」は本明細書では互換的に使用され、特定の作用機序、サイズ、三次元構造又は起源に関係なく、アミノ酸の鎖からなる分子を意味する。したがって、タンパク質の「断片」又は「一部」は、依然として「タンパク質」と呼ばれ得る。本明細書で定義され、本明細書で定義した任意の方法において使用されるようなタンパク質は、単離されたタンパク質であり得る。「単離されたタンパク質」は、もはやその自然環境に存在しない、例えば、in vitroで、又は組換え細菌若しくは植物宿主細胞におけるタンパク質を意味するように使用される。
用語の「再生」とは、本明細書では、単一の植物細胞、カルス、外植片、組織又は器官からの新しい組織及び/又は新しい器官の形成として定義される。好ましくは、再生は、シュート再生、異所性頂端分裂組織形成、及び根再生のうちの少なくとも1つである。再生は、体細胞胚形成又は器官形成によって発生し得る。再生は、単一の植物細胞からの、又は、例えばカルス、外植片、組織若しくは器官からの、新しい植物の形成をさらに含んでいてもよい。再生のための植物細胞は、未分化の植物細胞であり得る。したがって、再生プロセスは、親組織から直接的に、又は、例えばカルスの形成を介して間接的に発生し得る。
「再生を可能にする条件」とは、本明細書では、植物細胞又は組織が再生することができる環境として理解される。このような条件としては、少なくとも、適切な温度、栄養、昼/夜リズム、及び灌漑が挙げられる。
用語の「デアミナーゼ」とは、脱アミノ化反応を触媒する酵素を意味する。いくつかの実施形態では、デアミナーゼは、シトシンのウラシルへの加水分解性脱アミノ化を触媒する、シトシンデアミナーゼである。またデアミナーゼは、アデニンの脱アミノ化を触媒することにより、それをイノシンに変換する、アデニンデアミナーゼであってもよい。
「ヌクレオチド配列」:これは、核酸の又は核酸内のヌクレオチドの順序を意味する。言い換えると、核酸のヌクレオチドの任意の順序は、配列又はヌクレオチド配列と呼ばれ得る。
「アミノ酸配列」:これは、タンパク質の又はタンパク質内のアミノ酸残基の順序を意味する。言い換えると、タンパク質のアミノ酸の任意の順序は、アミノ酸配列と呼ばれ得る。
用語の「相同性」、「配列同一性」などは、本明細書では互換的に使用される。配列同一性は、本明細書では、配列を比較することにより決定した場合に、2つ以上のアミノ酸(ポリペプチド若しくはタンパク質)配列間、又は2つ以上の核酸(ポリヌクレオチド)配列間の関係として定義される。当技術分野では、「同一性」はまた、そのような配列のストリング間の一致により決定される事例のように、アミノ酸配列又は核酸配列間の配列関係性の程度を意味する。2つのアミノ酸配列間の「類似性」は、1つのポリペプチドのアミノ酸配列及びその保存されたアミノ酸置換を第2のポリペプチドの配列と比較することにより決定される。
用語の「相補性」とは、本明細書では、完全に相補的な鎖(例えば、第2の鎖又は逆鎖)に対する配列の配列同一性として定義される。例えば、100%相補的(又は完全に相補的)である配列は、本明細書では、相補鎖と100%の配列同一性を有するものと理解され、例えば、80%相補的である配列は、本明細書では、(完全に)相補的な鎖に対して80%の配列同一性を有するものと理解される。
「同一性」及び「類似性」は、公知の方法により容易に算出することができる。「配列同一性」及び「配列類似性」は、グローバル又はローカルアラインメントアルゴリズムを使用し、2つの配列の長さに応じて、2つのペプチド配列又は2つのヌクレオチド配列のアラインメントによって決定することができる。同様の長さの配列は、好ましくは、配列を全長にわたり最適に整列するグローバルアラインメントアルゴリズム(例えば、Needleman Wunsch)を使用して整列されるが、実質的に異なる長さの配列は、好ましくは、ローカルアライメントアルゴリズム(例えば、Smith Waterman)を使用して整列される。配列は、(例えば、デフォルトパラメータを使用してプログラムGAP又はBESTFITにより最適に整列される場合に)、(下記で定義した)配列同一性の少なくとも特定のパーセンテージを共有する場合、「実質的に同一の」又は「本質的に類似の」と呼ばれ得る。GAPは、Needleman及びWunschのグローバルアライメントアルゴリズムを使用して、2つの配列をその全長(完全長)にわたり整列し、一致の数を最大化し、ギャップの数を最小化する。グローバルアライメントは、2つの配列が類似の長さを有する場合に配列の同一性を決定するのに適切に使用される。一般的には、GAPデフォルトパラメータは、ギャップ作成ペナルティ(gap creation penalty)=50(ヌクレオチド)/8(タンパク質)及びギャップ伸長ペナルティ(gap extension penalty)=3(ヌクレオチド)/2(タンパク質)とともに使用される。ヌクレオチドの場合、使用されるデフォルトスコアリングマトリックスはnwsgapdnaであり、タンパク質の場合、デフォルトスコアリングマトリックスはBlosum62である(Henikoff&Henikoff、1992、PNAS 89、915~919)。配列アラインメント及び配列同一性パーセンテージのスコアは、コンピュータープログラム、例えば、Accelrys Inc., 9685 Scranton Road, San Diego, CA 92121-3752 USAから入手可能なGCG Wisconsin Package、バージョン10.3を使用し、又はオープンソースソフトウェア、例えば、上記のGAPと同じパラメータを使用するか、若しくはデフォルト設定を使用するEmbossWIN バージョン2.10.0のプログラム「needle」(グローバルNeedleman Wunschアルゴリズムを使用)若しくは「water」(ローカルSmith Watermanアルゴリズムを使用)を使用して決定することができる(「needle」及び「water」の両方、並びにタンパク質アラインメント及びDNAアライメントの両方において、デフォルトギャップ作成ペナルティは10.0であり、デフォルトギャップ伸長ペナルティは0.5である;デフォルトスコアリングマトリックスは、タンパク質についてはBlosum62であり、DNAについてはDNAFullである)。配列が実質的に異なる全長を有する場合は、ローカルアラインメント、例えばSmith Watermanアルゴリズムを使用するものが好ましい。
或いは、類似性又は同一性のパーセンテージは、アルゴリズム、例えばFASTA、BLASTなどを使用して、公共データベースに対して検索することにより決定することができる。したがって、本発明の核酸配列及びタンパク質配列は、「クエリ配列」としてさらに使用することができ、例えば、他のファミリーメンバー又は関連配列を同定するために、公共データベースに対して検索を実施することができる。このような検索は、Altschulら (1990) J. Mol. Biol. 215:403~10のBLASTn及びBLASTxプログラム(バージョン2.0)を使用して実施することができる。BLASTヌクレオチド検索は、NBLASTプログラム、スコア=100、ワード長=12を用いて実施し、本発明の核酸分子に相同なヌクレオチド配列を得ることができる。BLASTタンパク質検索は、BLASTxプログラム、スコア=50、ワード長=3を用いて実施し、本発明のタンパク質分子に相同なアミノ酸配列を得ることができる。比較の目的でギャップを加えたアライメントを得るには、Altschulら, (1997) Nucleic Acids Res. 25(17): 3389~3402に記載のように、Gapped BLASTを利用することができる。BLAST及びGapped BLASTのプログラムを利用する場合、それぞれのプログラムのデフォルトパラメータ(例えば、BLASTx及びBLASTn)を使用することができる。http://www.ncbi.nlm.nih.gov/の米国国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)のホームページを参照されたい。
遺伝子の「ホモログ」は、共通の先祖DNA配列からの系統によるさらなる遺伝子である。用語のホモログとは、種分化の事象(オルソログ)によって分離される遺伝子間の関係、又は遺伝子重複の事象(パラログ)によって分離される遺伝子間の関係に適用され得る。
遺伝子の「オルソログ」は、種分化により共通の先祖遺伝子から進化した異なる種の遺伝子であり、本明細書では、進化の間、同じ機能を保持していたと理解される。
「標的配列」は、標的とされる核酸内のヌクレオチドの順序を示すものであり、(例えば、改変は導入されるか、又は検出される。例えば、標的配列は、DNA二重鎖の第1の鎖に含まれるヌクレオチドの順序である。
「プロトスペーサー配列」は、crRNAによってハイブリダイズされ得るか、又は標的化される標的配列の中に、標的配列に、又はその近傍に位置する配列である。
「エンドヌクレアーゼ」は、その認識部位に結合した際に、二重鎖DNAの少なくとも1つの鎖を加水分解する酵素である。エンドヌクレアーゼは、本明細書では、部位特異的エンドヌクレアーゼと理解されたく、用語の「エンドヌクレアーゼ」及び「ヌクレアーゼ」は、本明細書では互換的に使用される。制限エンドヌクレアーゼは、本明細書では、二重鎖の両鎖を同時に加水分解し、DNAに二本鎖切断を導入するエンドヌクレアーゼとして理解されたい。「ニッキング」エンドヌクレアーゼは、二重鎖の1つの鎖のみを加水分解し、切断されるというよりはむしろ「切れ目が入れられた」DNA分子を生成するエンドヌクレアーゼである。
野生型CRISPRシステムは、crRNA及び別個のtracrRNAを使用して、古細菌及び細菌のDNA分子の特定の位置に結合し、切断することができる。過去において、これらの別個の分子は、リンカー分子を介して共有結合され、単一分子、すなわち、単一ガイドRNA(sgRNA、例えば、国際公開第2013/176772号を参照されたい)が形成されてきており、これが現在ゲノム編集に一般的に使用されている。
本発明者らは、別個の(非共有結合された)分子としてcrRNA及びtracrRNAを含むガイドRNAに基づくCRISPR/Casシステムが、単一ガイド(sg)RNAを使用する同じシステムと比較して、植物細胞において驚くほど効果的であることを発見した。特に、本発明者らは、従来の単一ガイドRNAと比較して、別個の分子としてのcrRNAとtracrRNAの組合せが、一緒にハイブリダイズして、本明細書でデュアルガイドRNAとも呼ばれるガイドRNAを形成することで、生成されるインデルの数を増加させたことを発見した。さらに、一本鎖オリゴヌクレオチドの存在下において、標的化ヌクレオチド交換は、単一ガイドRNAの代わりに、デュアルガイドRNAを使用する場合に有意により効果的であった。
したがって、第1の態様では、本発明は、RNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体とDNAを接触させるステップを含み、前記複合体が以下の成分:
i)CRISPRシステムヌクレアーゼ;
ii)crRNA;及び
iii)tracrRNA
を含む、植物細胞のDNAを標的化修飾するための方法に関する。
複合体内のcrRNA及びtracrRNAは、すなわち非共有結合によって(例えば、ハイブリダイゼーションを介して)相互作用して、デュアルガイドRNAを形成することができる別個の分子である。したがって、一実施形態では、crRNAの3’末端は、tracrRNAの5’末端に共有結合されていない。好ましくは、tracrRNA及びcrRNAは、CRISPRシステムヌクレアーゼをDNA内の特定の位置へと方向づける、2つのRNA構造、すなわちデュアルガイドRNAを形成することができる。
本発明の一実施形態では、本方法は、本明細書で定義した複合体とDNAを接触させるステップを含む。
DNAは、植物細胞に対して内因性又は外因性の任意のタイプのDNAであってよく、例えば、ゲノムDNA、染色体DNA、人工染色体、プラスミドDNA、又はエピソームDNAであってよい。DNAは、核又はオルガネラDNAであり得る。好ましくは、DNAは染色体DNAである。染色体DNAは、in vitro又はin vivo、好ましくはin vivoであり得る。好ましくは、染色体DNAは、植物細胞にとって内因性である。
本発明の方法は、目的の部位での改変されたDNAをもたらす。目的の部位は、好ましくは、標的配列を含むか、又は標的配列からなる。標的配列は、DNAの任意の目的の部位であり得るか、又はDNAの任意の目的の部位の一部であり得る。好ましくは、DNA標的配列は、本明細書で定義した複合体のCRISPRシステムヌクレアーゼと相互作用することが公知であるPAM配列に隣接しているか、又はPAM配列を含む(例えば、Ranら 2015,Nature 520:186~191を参照されたい)。例えば、前記CRISPR-ヌクレアーゼがストレプトコッカス・ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9である場合、PAM配列は5’-NGG-3’の配列を有し得る。例えば、ゲオバチルス・サーモデニトリフィカンス(Geobacillus thermodenitrificans)T12 Cas9(例えば、国際公開第2016/198361号を参照されたい)については、PAM配列は、5’-NNNNCNNA-3’(配列番号1)の配列を有し得る。Cas9エンドヌクレアーゼについてのさらに公知であるPAM配列は次のとおりである:IIA型5’-NGGNNNN-3’(ストレプトコッカス・ピオゲネス)、5’-NNGTNNN-3’(ストレプトコッカス・パスツリアヌス(Streptococcus pasteurianus))、5’-NNGGAAN-3’(ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus))、5’-NNGGGNN-3’(スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus))、及びIIC型5’-NGGNNNN-3’(コリネバクテリウム・ジフテリエ(Corynebacterium difteriae)、5’-NNGGGTN-3’(カンピロバクター・ラリ(Campylobacter lari))、5’-NNNCATN-3’(パルビバクラム・ラバメンティボランス(Parvobaculum lavamentivorans))及び5’-NNNNGTA-3’(ナイセリア・シネレア(Neiseria cinerea))。
好ましくは、PAM部位は、CRISPRシステムヌクレアーゼによって認識される。
標的配列は、コード配列若しくは非コード配列であり得るか、又はコード配列若しくは非コード配列に相補的であり得る。非コード配列は、例えば、限定するものではないが、調節配列、イントロン配列、及びスプライス部位を含む配列のうちの少なくとも1つの遺伝子内にあり得る。或いは、標的配列は、遺伝子間配列又は調節RNA分子であり得る非コードRNA分子をコードする配列であり得るか、又はそれらに相補的であり得る。標的配列は、コード配列、例えばタンパク質をコードする配列であり得る。
目的の部位は、DNA中に一度だけ存在することができ、すなわち、DNA中にただ一つだけである。或いは、目的の部位は、DNA中に少なくとも1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回又は少なくとも10回存在し得る。
目的の部位は、好ましくは目的の遺伝子内にあり、好ましくは植物の内因性染色体DNAの遺伝子内にある。言い換えると、本発明の方法は、好ましくは、エピジェネティックな修飾及び/又は遺伝子修飾を意味し得るゲノム修飾をもたらす。用語の「改変」及び「修飾」とは、本明細書では互換的に使用される。エピジェネティックな修飾は、ヌクレオチド配列を変化させずに、遺伝子の機能又は活性を変化させる遺伝的修飾である。一実施形態では、修飾は遺伝子修飾である。遺伝子修飾は、本明細書では、DNAのヌクレオチド配列の改変、例えば、1つ又は複数のヌクレオチドの欠失、挿入、置換又は変換として理解される。
本発明の方法は、ヌクレオチド改変をスクリーニング又は試験するために、当技術分野で公知の任意の従来の方法を使用する増殖及び/又は遺伝子型同定のステップをさらに含むことができる。本発明の方法は、したがって、DNAをRNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体と接触させた後のそのようなステップを含む。好ましい実施形態では、本明細書で定義した標的化修飾を含む細胞、好ましくは、植物細胞は、ディープ配列決定技術、例えばIllumina又は454配列決定などを使用して遺伝子型が同定され得る。
標的化DNA修飾は、植物ゲノムのコード配列内にあることにより、修飾タンパク質、例えば、1つ若しくは複数のアミノ酸改変を含むタンパク質、又はトランケーションを含むタンパク質が生じ得る。標的化DNA修飾は、植物ゲノムの非コード配列内、例えば、イントロン配列又は非コード(nc)RNAをコードする配列内にあり得る。非コード配列の標的化修飾は、例えば、修飾されたスプライス部位又は非コードRNAの調節機能の改変をもたらし得る。標的化ヌクレオチドの改変はまた、遺伝子発現のダウンレギュレーション又はアップレギュレーションをもたらし、任意選択で遺伝子発現をノックアウトする調節配列内にあってもよい。
本発明の方法は、タンパク質修飾及び/又はタンパク質発現のレベルについてスクリーニング又は試験するステップを含み得る。そのようなスクリーニング又は試験は、タンパク質自体に対して直接的に、又は任意の従来の手段を使用して改変された機能性に対して行われ得る。さらに、又は或いは、DNA修飾は、植物細胞又は植物の表現型の改変をもたらし得る。したがって、本方法は、植物細胞又は植物における表現型の改変又は特徴についてスクリーニング又は試験するステップ、好ましくは、本明細書で定義した表現型の特徴についてスクリーニング又は試験するステップを含み得る。
好ましくは、本発明の方法は、目的の遺伝子の遺伝子修飾をもたらす。
目的の遺伝子
好ましくは、目的の遺伝子(GOI)は、特徴、好ましくは表現型の特徴を付与又は改変する遺伝子である。植物GOIは、したがって、好ましくは、植物の特徴、好ましくは表現型の植物の特徴を付与又は改変する。用語の「植物の特徴」とは、植物、植物細胞又は植物組織の任意の特徴を意味する。好ましくは、植物の特徴は、植物の発達、植物の成長、収量、バイオマス生産、植物の構造、植物生化学、植物生理学、代謝、生存能力、及びストレス耐性からなる群から選択される。或いは、又はさらに、植物の特徴は、DNA合成、DNA修飾、核内倍加、細胞期、細胞壁生合成、転写調節、シグナル伝達、貯蔵脂質動員、及び光合成からなる群から選択される。
本明細書で使用される用語の「植物の特徴を改変する」とは、植物の特徴、例えば時間又は場所における増加、減少又は変化などの任意の変化を包含する。本明細書では、植物GOIは、GOIの発現を導入、増加、減少若しくは除去することによって、及び/又は、例えばコード配列を改変することによりコードタンパク質の機能性を修飾し、それにより修飾されたコードタンパク質の発現をもたらすことによって、植物の特徴を改変することができると理解される。植物の特徴が、GOIの発現の導入、GOIの発現の増加、GOIの発現の減少、GOIの発現の除去、及び/又はコードタンパク質の機能性の修飾により改変されたかどうかは、GOIのタイプ及び/又は植物の特徴のタイプに依存する。
一実施形態では、標的化修飾は、植物の特徴を改変する遺伝子修飾である。そのような修飾は、早期停止であり得る。そのような修飾はまた、翻訳されたタンパク質のアミノ酸変化をもたらす単一ヌクレオチド修飾(SNP)であってもよく、これは単一アミノ酸変化をもたらし得る。
本明細書で以下に詳述するのは、本明細書に記載された本発明の方法によって修飾することができる植物の特徴の非限定的な例である:
「成長」とは、バイオマスを拡大及び増加させる植物又は植物部分の能力を意味する。改変された成長とは、中でも、改変された成長速度、周期の時間、サイズ、植物の増殖又は増加を意味する。さらに及び/又は或いは、成長の特徴は、限定するものではないが、細胞周期(入口、進行、出口)、細胞分裂、細胞壁生合成及び/又はDNA合成、DNA修飾及び/又は核内倍加を含む、細胞プロセスを意味し得る。
「収量」とは、植物の収穫可能な部分を意味する。「バイオマス」とは、植物の任意の部分を意味する。またこれらの用語は、それぞれ対応する野生型の植物と比較した、種子のバイオマス(種子重量)の増加並びに/又は(入っている)種子の数及び/若しくは種子のサイズ及び/若しくは種子のサイズの増加並びに/又は種子の体積の増加を含む、種子収量の増加を包含する。種子のサイズ及び/又は体積の増加もまた、種子の組成に影響を及ぼし得る。種子収量の増加は、花の数及び/又はサイズの増加による可能性がある。収量の増加はまた、バイオマス全体の収穫可能な部分、例えば種子などの収量に対する比率として表される、収穫指数を増加させ得る。
「植物の発達」とは、植物細胞の発達運命、特に前駆細胞が発達する特定の組織又は器官のタイプの決定に関わる植物の任意の細胞プロセスを意味する。本発明による典型的な植物の特徴は、したがって、植物の発達、例えば、形態形成、光形態形成、シュートの発達、根の発達、栄養の発達、生殖の発達、茎の伸長、開花、細胞運命の決定に関与する調節メカニズム、パターン形成、分化、老化、開花期及び/又は開花までの時間などに関連する細胞プロセスに関する特徴である。
本明細書で使用される「植物構造」は、任意の1つ若しくは複数の構造的特徴又はそれらの構造的特徴の組合せを含む、植物の外観を意味する。そのような構造的特徴には、中でも、根、茎、葉、シュート、葉柄、毛状突起、花、花弁、柱頭、花柱、雄蕊、花粉、胚珠、種子、胚、胚乳、種皮、アリューロン、繊維、果実、形成層、木部、心材、柔組織、気孔、篩要素、師部又は維管束組織を含む、植物の任意の細胞、組織若しくは器官、又は植物の細胞、組織若しくは器官の群の形状、サイズ、数、位置、色、テクスチャー、配置、及びパターン化が含まれる。
用語の「ストレス耐性」とは、生物的又は非生物的であり得る、ストレス条件、例えば環境ストレスにおいて、より良好な生存及び/又はより良好な性能の能力として理解される。塩分、干ばつ、熱、冷却、及び凍結は、すべて、浸透圧ストレスを誘導する状態の例として説明されている。本発明で使用される用語の「環境ストレス」とは、無生物又は非生物学的な環境的ストレス要因によって生じる、細胞、組織、種子、器官又は植物全体の代謝、成長又は生存能力に対する任意の悪影響を意味する。より詳しくは、環境要因、例えば、水ストレス(洪水、水検層、干ばつ、脱水)、嫌気性ストレス(低レベル酸素、CO2など)、好気性ストレス、浸透圧ストレス、塩ストレス、温度ストレス(高温/熱、冷却、凍結、霜)又は栄養素欠乏、汚染物質ストレス(重金属、有毒化学物質)、オゾン、高輝度、病原体(ウイルス、細菌、真菌、昆虫及び線虫を含む)、並びにこれらの組合せを包含することができる。生物的ストレスは、植物に対する生物体の影響の結果としてのストレスである。例としては、病原体(ウイルス、細菌、線虫、昆虫など)によって引き起こされるストレスである。別の例は、植物にとって必ずしも有害ではない生物体によって引き起こされるストレスであり、例えば、共生又は着生植物によって引き起こされるストレスである。したがって、GOIの修飾によって得られる特定の植物の特徴は、初期の強勢、生存率、ストレス耐性を包含し得る。
「植物生理学」に関連する特徴は、発達プロセス、例えば、中でも、成長、増殖及び分化、性的発達、有性生殖、種子セット、種子発達、登熟、無性生殖、細胞分裂、休眠、発芽、明順応、光合成、葉拡大、繊維生産、二次成長又は木材生産を含む植物の機能的プロセスの特徴を包含することができ;外部的に加えられた因子、例えば金属、化学物質、ホルモン、成長因子、環境因子及び環境ストレス因子(例えば、中でも、無酸素、低酸素、高温、低温、脱水、光、日長、洪水、塩、重金属など)への植物の反応を、前記の外部的に加えられた因子への植物の適応反応を含めて、包含することができる。本発明の方法で同定されたGOIにより改変される特定の植物生理学的な特徴は、改変された貯蔵脂質動員、光合成、転写調節及びシグナル伝達をさらに包含することができる。
「植物生化学」に関連する植物の特徴は、好ましくは、代謝の特徴を意味するように当業者によって理解されるものである。「代謝」は、生化学と互換的に使用され得る。代謝及び/又は生化学は、一次代謝及び二次代謝を含む植物の触媒又は同化又は他の代謝プロセス、並びに、植物によって生成される、任意の要素、小分子、高分子又は化学化合物を含むそれらの生成物、例えば限定するものではないが、デンプン、糖、タンパク質、ペプチド、酵素、ホルモン、成長因子、核酸分子、セルロース、ヘミセルロース、カロース、レクチン、繊維、アントシアニンなどの色素、ビタミン、ミネラル、微量栄養素、又は多量栄養素を包含する。
GOIの修飾は、改変された植物の特徴を決定することによって、好ましくは、本明細書で上記に定義した少なくとも1つ又は複数の改変された植物の特徴を決定することによって同定され得る。一実施形態では、好ましく改変された植物の特徴を有する植物細胞が選択され、改変された植物の特徴を有していない植物細胞から単離される。植物細胞は、改変された植物の特徴を有する植物を選択する前に、まず、植物に生成することができる。
改変された植物の特徴を有する植物細胞又は植物を配列決定し、目的の遺伝子を同定及び/又はさらに分析することができる。当業者は、植物ゲノム全体を配列決定することができること、又は植物ゲノムの一部を配列決定できることを理解する。一実施形態では、少なくとも改変された配列が決定される。
好ましくは、GOIの修飾が改変された植物の特徴をもたらす場合、その修飾は目的の遺伝子を同定する。したがって、本発明の方法は、遺伝子の機能性をスクリーニングするために使用され得る。
tracrRNA及びcrRNA
本明細書で定義した方法において使用するためのRNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体は、CRISPRシステムヌクレアーゼに加えて、crRNA及びtracrRNAを含む。crRNA及びtracrRNAとして適切な分子は、当技術分野では周知である(例えば、国際公開第2013142578号及びJinekら,Science (2012) 337,816~821を参照されたい)。crRNAは、標的配列、好ましくは本明細書で定義したDNA標的配列に、又はその近くでハイブリダイズすることができる配列を含む。したがって、好ましくは、crRNAは、標的DNAの配列、すなわちプロトスペーサー配列に相補的なヌクレオチド配列を含む。好ましくは、crRNAはまた、tracrRNAとの複合体形成も可能にする。
crRNAは、非修飾ヌクレオチド又は天然に存在するヌクレオチドを含み得るか、又はそれからなり得る。或いは、又はさらに、crRNAは、修飾ヌクレオチド又は天然に存在しないヌクレオチドを含み得るか、又はそれからなり得、好ましくは、そのような化学修飾されたヌクレオチドは、分解からcrRNAを保護するためのものである。
本発明の一実施形態では、crRNAは、リボヌクレオチド及び非リボヌクレオチドを含む。crRNAは、1つ又は複数のリボヌクレオチドと1つ又は複数のデオキシリボヌクレオチドを含むことができる。
crRNAは、1つ又は複数の天然に存在しないヌクレオチド又はヌクレオチド類似体、例えば、ホスホロチオエート結合を有するヌクレオチド、リボース環の2’炭素と4’炭素の間にメチレン架橋を含むロックド核酸(LNA)ヌクレオチド、架橋核酸(BNA)、2’-O-メチル類似体、2’-デオキシ類似体、2’-フルオロ類似体又はそれらの組合せを含むことができる。修飾ヌクレオチドは、限定するものではないが、2-アミノプリン、5-ブロモ-ウリジン、プソイドウリジン、イノシン、及び7-メチルグアノシンからなる群から選択される修飾塩基を含み得る。
crRNAは、1つ又は複数の末端ヌクレオチドで、2’-O-メチル(M)、2’-O-メチル3’ホスホロチオエート(MS)、2’-O-メチル3’チオPACE(ホスホノアセテート)(MSP)、又はそれらの組合せを組み込むことにより化学的に修飾することができる。そのような化学的に修飾されたcrRNAは、未修飾のcrRNAと比較して、増加した安定性及び/又は増加した活性を含み得る。(Hendelら, 2015, Nat Biotechnol.33(9);985~989)。特定の実施形態では、crRNAは、標的DNAにハイブリダイズする領域内のリボヌクレオチドを含む。本発明の一実施形態では、デオキシリボヌクレオチド及び/又はヌクレオチド類似体は、操作されたcrRNA構造に組み込まれ得、例えば、限定するものではないが、標的DNAにハイブリダイズする配列、tracrRNAと相互作用する配列、又はこれらの配列の間に組み込まれ得る。
或いは、又はさらに、化学的に修飾されたヌクレオチドは、標的DNAにハイブリダイズする配列の5’及び/又は3’に位置し得る。化学的に修飾された配列は、tracrRNAと相互作用する配列の5’及び/又は3’にさらに位置し得る。
一実施形態では、crRNAの長さは、少なくとも約15、20、25、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、65、70、75、80、85、90、95、100又はそれ以上のヌクレオチドの長さであり得る。いくつかの実施形態では、crRNAは、約75、50、45、40、35、30、25又は約20ヌクレオチド未満の長さである。好ましくは、crRNAの長さは、約20~100、25~80、30~60、又は約35~50ヌクレオチドの長さである。
標的DNA配列に相補的であるcrRNA配列の部分は、標的配列とハイブリダイズし、複合体化されたヌクレアーゼが標的配列に直接、配列特異的に結合するように、標的配列との十分な相補性を有するように設計されている。前記標的配列は、好ましくは、本明細書で定義したGOI内にある。プロトスペーサー配列は、好ましくは、プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列に隣接しており、このPAM配列は、本明細書で定義したRNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体のCRISPRヌクレアーゼと相互作用し得る。例えば、CRISPRヌクレアーゼがストレプトコッカス・ピオゲネスCas9である場合、PAM配列は、好ましくは5’-NGG-3’であり、ここで、NはT、G、A又はCのいずれか1つであり得る。当業者は、任意の所望の標的配列にハイブリダイズするために、好ましくは、配列を任意の所望の標的配列に少なくとも部分的に相補的であるように操作することによって、任意の所望の標的配列を標的とするようにcrRNAを操作することが可能である。好ましくは、crRNA配列の部分とその対応する標的配列との間の相補性は、適切なアラインメントアルゴリズムを使用して最適に整列される場合、少なくとも約70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は100%である。DNA標的配列に相補的であるcrRNA配列の部分は、少なくとも約5、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、75、又はそれ以上のヌクレオチドの長さであり得る。いくつかの実施形態では、DNA標的配列に相補的な配列は、約75、50、45、40、35、30、25、20ヌクレオチド未満の長さである。好ましくは、標的DNA配列に相補的な配列の長さは、少なくとも17ヌクレオチドである。好ましくは、相補的crRNA配列は、約10~30ヌクレオチドの長さであるか、約17~25ヌクレオチドの長さであるか、又は約15~21ヌクレオチドの長さである。好ましくは、標的DNAに相補的であるcrRNAの部分は、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25ヌクレオチドの長さであり、好ましくは21ヌクレオチドである。
tracrRNAと相互作用するcrRNAの部分は、tracrRNAにハイブリダイズし、複合体化されたヌクレアーゼを標的配列に方向づけるように、tracrRNAと十分に相補的であるように設計されている。好ましくは、crRNA配列のこの部分とtracrRNAのその対応する部分との間の相補性は、適切なアラインメントアルゴリズムを使用して最適に整列される場合、少なくとも約50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は100%である。tracrRNAと相互作用するcrRNAの部分は、好ましくは、少なくとも約5、10、15、20、22、25、30、35、40、45又はそれ以上のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、tracrRNAと相互作用するcrRNAの部分は、約60、55、50、45、40、35、30又は35ヌクレオチド未満の長さである。一実施形態では、tracrRNAと相互作用するcrRNAの部分は、約5~40、10~35、15~30、20~28ヌクレオチドの長さである。好ましくは、tracrRNAと相互作用する部分の長さは、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34又は35ヌクレオチドである。
tracrRNAと相互作用するcrRNAへの部分はリンカーと呼ぶことができ、これは、好ましくは、標的DNA配列(プロトスペーサー配列)に相補的であり、配列番号17及び25のいずれか1つと少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有し得るcrRNA配列の3’末端で共有結合されている。
好ましくは、tracrRNAは、本明細書で定義した複合体のCRISPRシステムヌクレアーゼと相互作用することができる1つ又は複数の構造モチーフを含む。好ましくは、tracrRNAはまた、本明細書で定義したcrRNAと相互作用することが可能である。tracrRNAとcrRNAは、crRNAとtracrRNAの間の塩基対形成を介してハイブリダイズし得る。tracrRNAは、好ましくは、CRISPRシステムヌクレアーゼ及びcrRNAと複合体を形成することが可能である。crRNAは、tracrRNAと複合体を形成することが可能であり、標的配列とハイブリダイズすることにより、ヌクレアーゼを標的配列に向けることができる。
tracrRNAは、1つ又は複数のステムループ構造、例えば、1、2、3又はそれ以上のステムループ構造を含み得る。
tracrRNAは、非修飾ヌクレオチド又は天然に存在するヌクレオチドを含み得るか、又はそれからなり得る。或いは、又はさらに、tracrRNAは、修飾ヌクレオチド又は天然に存在しないヌクレオチドを含み得るか、又はそれからなり得、好ましくは、そのような化学修飾されたヌクレオチドは、分解からtracrRNAを保護するためのものである。
本発明の一実施形態では、tracrRNAは、リボヌクレオチド及び非リボヌクレオチドを含む。tracrRNAは、1つ又は複数のリボヌクレオチドと1つ又は複数のデオキシリボヌクレオチドを含むことができる。
tracrRNAは、1つ又は複数の天然に存在しないヌクレオチド又はヌクレオチド類似体、例えば、ホスホロチオエート結合を有するヌクレオチド、リボース環の2’炭素と4’炭素の間にメチレン架橋を含むロックド核酸(LNA)ヌクレオチド、架橋核酸(BNA)、2’-O-メチル類似体、2’-デオキシ類似体、2’-フルオロ類似体又はそれらの組合せを含むことができる。修飾ヌクレオチドは、限定するものではないが、2-アミノプリン、5-ブロモ-ウリジン、プソイドウリジン、イノシン、及び7-メチルグアノシンからなる群から選択される修飾塩基を含み得る。
tracrRNAは、1つ又は複数の末端ヌクレオチドで、2’-O-メチル(M)、2’-O-メチル3’ホスホロチオエート(MS)、2’-O-メチル3’チオPACE(ホスホノアセテート)(MSP)、又はそれらの組合せを組み込むことにより化学的に修飾することができる。そのような化学的に修飾されたtracrRNAは、未修飾のtracrRNAと比較して、増加した安定性及び/又は増加した活性を含み得る。(Hendelら, 2015, Nat Biotechnol.33(9);985~989)。特定の実施形態では、tracrRNAは、crRNAと相互作用する領域内のリボヌクレオチドを含む。
本発明の一実施形態では、デオキシリボヌクレオチド及び/又はヌクレオチド類似体は、操作されたtracrRNA構造に組み込まれ得、例えば、限定するものではないが、crRNAと相互作用する配列に、CRISPRシステムヌクレアーゼと相互作用する配列に、又はこれらの配列の間に組み込まれ得る。
或いは、又はさらに、化学的に修飾されたヌクレオチドは、crRNAと相互作用する配列の5’及び/又は3’に位置し得る。化学的に修飾された配列は、CRISPRシステムヌクレアーゼと相互作用する配列の5’及び/又は3’にさらに位置し得る。
一実施形態では、tracrRNAの長さは、少なくとも約25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、72、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150又はそれ以上のヌクレオチドの長さであり得る。いくつかの実施形態では、tracrRNAは、約200、180、160、140、120、100、95、90、85、80又は75ヌクレオチド未満の長さである。好ましくは、tracrRNAの長さは、約30~120、40~100、50~90、又は約60~80ヌクレオチドの長さである。
当業者は、本発明がtracrRNAのいかなる特定の配列にも限定されないことを理解する。tracrRNAは、配列番号18及び24のいずれか1つと少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有する配列を含み得る。
CRISPRシステムヌクレアーゼと相互作用するtracrRNA配列の部分は、複合体化されたヌクレアーゼを標的配列に向けるのに十分であるように設計されている。CRISPRシステムヌクレアーゼと相互作用するtracrRNA配列の部分は、少なくとも約20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、72、75、80、85、90、95、100又はそれ以上のヌクレオチドの長さであり得る。いくつかの実施形態では、CRISPRシステムヌクレアーゼと相互作用する配列は、約120、100、80、72、70、60、55、50、45、40、30又は20ヌクレオチド未満の長さである。好ましくは、CRISPRシステムヌクレアーゼと相互作用するtracrRNA配列の部分は、約20~90、30~85、35~80、40~75又は50~72ヌクレオチドの長さである。好ましくは、CRISPRシステムヌクレアーゼと相互作用するtracrRNAの部分は、約40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74又は76ヌクレオチドの長さである。
crRNAと相互作用するtracrRNAの部分は、crRNAにハイブリダイズし、複合体化されたヌクレアーゼを標的配列に向けるように、crRNAに十分に相補的であるように設計されている。好ましくは、tracrRNA配列のこの部分とcrRNAのその対応する部分との間の相補性は、適切なアラインメントアルゴリズムを使用して最適に整列される場合、少なくとも約50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は100%である。crRNAと相互作用するtracrRNAの部分は、好ましくは、少なくとも約5、10、15、20、22、25、30、35、40、45又はそれ以上のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、crRNAと相互作用するtracrRNAの部分は、約60、55、50、45、40、35、30又は35ヌクレオチド未満の長さである。一実施形態では、crRNAと相互作用するtracrRNAの部分は、約5~40、10~35、15~30、20~28ヌクレオチドの長さである。好ましくは、crRNAと相互作用する部分の長さは、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34又は35ヌクレオチドである。
CRISPRシステムヌクレアーゼ
本発明において使用するためのCRISPRシステムヌクレアーゼ又はRNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体のタンパク質は、本明細書で定義したcrRNA及びtracrRNAと複合体を形成し、その複合体が続いて植物細胞のDNAの標的化修飾を媒介することができる、任意の適切なCRISPRシステムヌクレアーゼであり得る。CRISPRシステムヌクレアーゼは、クラス2 CRISPRヌクレアーゼ(Makarova KSら, “An updated evolutionary classification of CRISPR-Cas systems”, Nat. Rev. Microbiol (2015),13(11):722~726)であり得る。CRISPRシステムヌクレアーゼは、クラス2、2型CRISPRヌクレアーゼであり得る。
用語のCRISPRヌクレアーゼ、Cas、Casタンパク質又はCas様タンパク質とは、CRISPR関連タンパク質を意味し、限定するものではないがCAS9、CSY4、ニッカーゼ(例えば、Cas9_D10A、Cas9_H820A又はCas9_H839A)、融合タンパク質(例えば、異種ニッカーゼ/エンドヌクレアーゼドメインなどのさらなる機能性ドメインに融合されているCas9又はCas様分子)、並びに熱安定性Cas9(thermoCas9)ヌクレアーゼ(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、例えば、国際公開第2016/198361号、国際公開第2018/109101号及び国際公開第2018/108339号に記載されているもの)と、他の例、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、例えば、国際公開第2015/006747号、国際公開第2018/115390号及び米国特許第9,982,279号に記載されているものを含む。
Cas9の変異体及び誘導体、並びに他のCasタンパク質は、本明細書で開示した方法において使用することができる。好ましくは、そのような他のCasタンパク質は、エンドヌクレアーゼ活性を有し、本明細書で定義したcrRNA及びtracrRNAの存在下で細胞内にある場合に、標的核酸配列を認識することができる。CASタンパク質又はCAS様タンパク質は、好ましくは、CAS9、又は熱安定性CAS9タンパク質である。他の実施形態では、Casタンパク質は、Cas9のホモログ又はオルソログ、好ましくは、RuvC、HNH、REC及びBHドメインのうちの少なくとも1つが高度に保存されているホモログ又はオルソログであり得る。
CAS又はCAS様タンパク質は、限定するものではないが、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)由来のCas9(例えばUniProtKB-Q99ZW2)、フランシセラ・ツラレンシス(Francisella tularensis)由来のCas9(例えばUniProtKB-A0Q5Y3)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)由来のCas9(例えばUniProtKB-J7RUA5)、アクチノミセス・ネスランディイ(Actinomyces naeslundii)由来のCas9(UniProtKB-J3F2B0)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)由来のCas9(例えばUniProtKB-G3ECR1;UniprotKB-Q03JI6;Q03LF7)、ナイセリア・メニンギティディス(Neisseria meningitidis)由来のCas9(例えばUniProtKB-C9X1G5;UniProtKB-A1IQ68);リステリア・イノキュア(Listeria innocua)(例えばUniProtKB-Q927P4);ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)由来のCas9(例えばUniProtKB-Q8DTE3);パスツレラ・マルトシダ(Pasteurella multocida)由来のCas9(例えばUniProtKB-Q9CLT2);コリネバクテリウム・ジフテリエ(Corynebacterium diphtheriae)由来のCas9(例えばUniProtKB-Q6NKI3);カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)由来のCas9(例えばUniProtKB-Q0P897)、及びゲオバチルス・サーモデニトリフィカンス(Geobacillus thermodenitrificans)由来のCas9、又は「thermoCas9」(例えばUniProtKB-A0A178TEJ9)、それらの任意のバリアント若しくはオルソログ、又は好ましくは前記Cas9タンパク質と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有する、それに由来するCRISPR関連エンドヌクレアーゼからなる群から選択することができる。
CRISPRシステムヌクレアーゼがCas9ヌクレアーゼである実施形態では、PAM配列は、好ましくは、5’-NGG-3’及び5’-YG-3’のうちの少なくとも1つを含み(例えば、Hiranoら,Cell 164(5):950~961を参照されたい)、ここで、NはA、C、G、又はTであり、Yはピリミジンである。好ましくは、CRISPRシステムヌクレアーゼは、ストレプトコッカス・ピオゲネスCas9であり、PAM配列は5’-NGG-3’を含む。
tracrRNAと複合体を形成することが可能な対象のヌクレアーゼは、tracrRNAと適合性のあるヌクレアーゼと呼ぶことができる。同様に、CRISPRシステムヌクレアーゼと複合体を形成することが可能なtracrRNAは、CRISPRシステムヌクレアーゼと適合性のある核酸と呼ぶことができる。tracrRNAと複合体を形成することが可能な対象のcrRNAは、tracrRNAと適合性のある核酸と呼ぶことができる。同様に、crRNAと複合体を形成することが可能なtracrRNAは、crRNAと適合性のある核酸と呼ぶことができる。
好ましくは、crRNA及びtracrRNAはRNA分子であるが、crRNA及びtracrRNAのうちの少なくとも1つはまた、DNAを含んでいてもよい。CRISPRシステムヌクレアーゼは、tracrRNA及びcrRNAと複合体を形成し、RNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体をもたらし得る。
CRISPRシステムヌクレアーゼは、内因性触媒活性を含み得ることによりDSBを導入することができ、又は少なくとも1つの触媒的に不活性なドメイン、例えば1つの活性ドメインと1つの不活性ドメインを含むように操作することができる。CRISPRシステムヌクレアーゼは、1つ又は複数の不活性な触媒ドメイン、例えば、不活性RuvC及び/又は不活性HNHドメインを有するように修飾され得る。例えば、本発明において使用するためのCRISPRシステムヌクレアーゼは、RuvC D10A変異及び/又はHNH H840A変異、或いはストレプトコッカス・ピオゲネスCas9における前記変異と比較した場合にそれらに類似する任意の変異を含み得る。活性ドメイン及び非活性ドメインを含むCRISPRシステムヌクレアーゼは、本明細書ではニッカーゼとして注釈を付けることもできる。ニッカーゼの非限定的な例は、D10A変異又はH840A変異を含む、Cas9、又は熱安定性Cas9である。本発明において使用するためのCRISPRシステムヌクレアーゼは、D10A変異又はH840A変異と同じ効果又は同様の効果を有する変異を含み得る。さらに、又は或いは、本発明において使用するためのCRISPRシステムヌクレアーゼは、類似の又は同等の位置に変異を有する、Cas9、又は熱安定性Cas9の任意のホモログ又はオルソログであり得る。
CRISPRシステムヌクレアーゼタンパク質は、1つ又は複数の核局在化シグナル配列(NLS)、変異、欠失、改変、又はトランケーションを含むことができる。さらに、又は或いは、CRISPRシステムヌクレアーゼをコードする遺伝子は、例えば植物における発現のために、コドン最適化されていてもよい。
一実施形態では、CRISPRシステムヌクレアーゼは、例えば、すべての触媒ドメインに変異が存在することにより、好ましくはRuvC及びHNHドメインの不活性化変異により、いかなる触媒活性も有していない。このような触媒的に不活性なCRISPRシステムヌクレアーゼはまた、本明細書ではデッドヌクレアーゼ(dead nuclease)として注釈を付けられる。
本明細書で定義したCRISPRシステムヌクレアーゼは、特段の明示のない限り、触媒的に活性なCRISPRシステムヌクレアーゼ、部分的に不活性なCRISPRシステムヌクレアーゼ(ニッカーゼ)及び触媒的に不活性なCRISPRシステムヌクレアーゼ(デッドヌクレアーゼ)を含む。
活性CRISPRシステムヌクレアーゼ、部分的に不活性なCRISPRシステムヌクレアーゼ、又はデッドCRISPRシステムヌクレアーゼは、本明細書で以下に詳述するような融合された機能性ドメインを、crRNAにより決定されるDNAの特定の部位に誘導するのに有用であり得る。
したがって、一実施形態では、CRISPRシステムヌクレアーゼは、機能性ドメインに融合され得る。任意選択で、そのような機能性ドメインは、エピジェネティック修飾のためのものであり、例えばヒストン修飾ドメインである。エピジェネティック修飾のドメインは、メチルトランスフェラーゼ、デメチラーゼ、デアセチラーゼ、メチラーゼ、デアセチラーゼ、デオキシゲナーゼ、グリコシラーゼ、及びアセチラーゼからなる群から選択され得る(Cano-Rodriguezら, Curr Genet Med Rep (2016) 4:170~179)。メチルトランスフェラーゼは、G9a、Suv39h1、DNMT3、PRDM9及びDot1Lからなる群から選択され得る。デメチラーゼは、LSD1であり得る。デアセチラーゼは、SIRT6又はSIRT3であり得る。メチラーゼは、KYP、TgSET8及びNUEのうちの少なくとも1つであり得る。デアセチラーゼは、HDAC8、RPD3、Sir2a及びSin3aからなる群から選択され得る。デオキシゲナーゼは、TET1、TET2及びTET3のうちの少なくとも1つであってもよく、好ましくはTET1cdであり得る(Gallego-Bartolome Jら, Proc Natl Acad Sci USA.(2018); 115(9):E2125~E2134)。グリコシラーゼは、TDGであり得る。アセチラーゼは、p300であり得る。
任意選択で、機能性ドメインは、アポリポタンパク質B mRNA編集複合体(APOBEC)ファミリーデアミナーゼ、活性化誘導型シトシンデアミナーゼ(AID)、ACF1/ASEデアミナーゼ、アデニンデアミナーゼ、及びADATファミリーデアミナーゼからなる群から選択される、デアミナーゼ又はその機能的断片である。或いは、又はさらに、デアミナーゼ又はその機能的断片は、ADAR1若しくはADAR2、又はそれらのバリアントであり得る。
シトシンデアミナーゼ酵素のアポリポタンパク質B mRNA編集複合体(APOBEC)ファミリーは、制御された有益な方法で変異誘発を開始するのに有用な11個のタンパク質を包含する。好ましくは、APOBECデアミナーゼは、APOBEC1、APOBEC2、APOBEC3A、APOBEC3B、APOBEC3C、APOBEC3D、APOBEC3F、APOBEC3G、APOBEC3H、APOBEC4及び活性化誘導型(シチジン)デアミナーゼからなる群から選択される。好ましくは、APOBECファミリーのシトシンデアミナーゼは、活性化誘導型シトシン(若しくはシチジン)デアミナーゼ(AID)又はアポリポタンパク質B編集複合体3(APOBEC3)である。これらのタンパク質は、すべて、Zn2+-配位モチーフ(His-X-Glu-X23-26-Pro-Cys-X2_4-Cys)と触媒活性用の結合水分子を必要とする。好ましくは、本発明の方法において、CRISPRシステムヌクレアーゼに融合されるデアミナーゼドメインは、APOBEC1ファミリーデアミナーゼである。好ましくは、デアミナーゼドメインは、配列番号2又は3、好ましくは配列番号3と少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有する配列によってコードされているラットデアミナーゼ(rAPOBEC1)である。さらに、又は或いは、ラットデアミナーゼドメインのアミノ酸配列は、配列番号4と少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有する。好ましくは、デアミナーゼドメインは、デアミナーゼ活性を有する。
CRISPRシステムヌクレアーゼに融合され得るデアミナーゼドメインの別の例示的な適切なタイプは、アデニン又はアデノシンデアミナーゼ、例えばADATファミリーのアデニンデアミナーゼである。さらに、アデニンデアミナーゼは、好ましくはGaudelliら,2017(Gaudelliら 2017 Nature 551: 464~471)に記載されているように、TadA又はそのバリアントであり得る。好ましくは、デアミナーゼドメインは、配列番号5と少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有する配列によってコードされているTadAである。さらに、又は或いは、TadAのアミノ酸配列は、配列番号6と少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有する。さらに、CRISPRシステムヌクレアーゼは、例えばADAR1又はADAR2に由来する、アデニンデアミナーゼドメインに融合され得る。
本発明のデアミナーゼドメインは、触媒活性を有するデアミナーゼタンパク質全体又はその断片を含み得るか、又はそれらからなり得る。好ましくは、デアミナーゼドメインは、デアミナーゼ活性を有する。
機能性ドメイン、例えばデアミナーゼドメインは、CRISPRシステムヌクレアーゼのN末端又はC末端に融合され得る。好ましくは、機能性ドメインは、CRISPRシステムヌクレアーゼのN末端に融合される。任意選択で、本発明の方法において使用される機能性ドメイン及びCRISPRシステムヌクレアーゼは、互いに直接的に融合されるか、又はリンカーを介して融合される。用語のリンカー及びスペーサーは、本明細書では互換的に使用され得る。
リンカーは、例えば、(GGGGS)n、(GGS)n、及び(G)nの形態の非常に柔軟なリンカーから、(EAAAK)n(配列番号7)、(SPKKKRKVEAS)n(配列番号8)、若しくは(SGSETPGTSESATPES)n(配列番号9)、若しくは(KSGSETPGTSESATPES)n(配列番号10)の形態又はそれらの任意のバリアントのよりリジッドなリンカーまでの範囲にある当技術分野で公知の任意の適切なリンカーであってもよく、ここで、nは、好ましくは1~7であり、すなわち、1、2、3、4、5、6、又は7である。
リンカーは、好ましくは、1~32アミノ酸の間、2~30アミノ酸の間、3~23アミノ酸の間、及び/又は5~18アミノ酸の間の長さを有する。
任意選択で、CRISPRシステムヌクレアーゼは、UDG阻害(UGI)ドメインにさらに融合される。UGIドメインは、CRISPRシステムヌクレアーゼのN末端又はC末端に融合され得る。好ましくは、UGIドメインは、CRISPRシステムヌクレアーゼのC末端に融合される。融合は、上記のように、直接的であってよく、又はリンカーを介してであってもよい。好ましくは、CRISPRシステムヌクレアーゼは、CRISPRシステムヌクレアーゼのN末端でデアミナーゼドメインに融合され、CRISPRシステムヌクレアーゼは、CRISPRシステムヌクレアーゼのC末端でUGIドメインに融合される。
ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)は、DNAに意図せず存在するウラシルを認識し、ウラシルとデオキシリボース糖との間のN-グリコシド結合を切断し、ウラシルを放出し、塩基性部位(AP部位)を残すことによってウラシル除去修復経路を開始する。次いで、AP部位はプロセシングされ、引き続きAP-エンドヌクレアーゼ、dRPase、DNAポリメラーゼ、及びDNAリガーゼの酵素の作用によって標準塩基に復元される。UGIドメインをヌクレアーゼ融合タンパク質を含有するシトシンデアミナーゼに融合することによって、塩基編集の効率が増加する。好ましくは、UGIドメインは、枯草菌(B. subtilis)バクテリオファージPBS1又はPBS2(UniProtKB-P14739)由来のUGIであるか、又はそのバリアントである。好ましくは、UGIドメインのヌクレオチド配列は、配列番号11又は12と、好ましくは配列番号12と少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有し得る。好ましくは、UGIドメインのアミノ酸配列は、配列番号13又は14と、好ましくは配列番号14と少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有し得る。好ましくは、UGIドメインは、UDGを阻害する。
一実施形態では、UDG阻害剤は、本明細書で定義したCRISPRシステムヌクレアーゼに融合されないが、好ましくはCRISPRシステムヌクレアーゼとともに、さらなる機能性タンパク質として編集されるDNAに接触される。非限定的な例としては、細胞、好ましくは、植物細胞は、UDG阻害剤又はUDG阻害剤をコードする構築物を使用してトランスフェクトされ得る。後者の場合において、前記構築物は、本明細書で定義したCRISPRシステムヌクレアーゼ、又はCRISPRシステムヌクレアーゼ融合タンパク質をコードする配列をさらに含み得るか、或いはUDG阻害剤及びCRISPRシステムヌクレアーゼ又はCRISPRシステムヌクレアーゼ融合タンパク質は別個の構築物にコードされ得る。
ヌクレアーゼ支援型の、オリゴヌクレオチドにより方向づけられた標的化ヌクレオチド交換(ヌクレアーゼ支援型ODTNE)
一実施形態では、本明細書で定義したRNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体は、ヌクレアーゼ支援型ODTNEに使用される。したがって、本発明は、さらに、植物細胞のDNAを標的化修飾するための方法であって、標的化修飾がオリゴヌクレオチドによって方向づけられ、この方法が、DNAを、
i)本明細書で定義したRNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体;及び
ii)オリゴヌクレオチド、好ましくは本明細書で定義したオリゴヌクレオチド
と接触させるステップを含む、方法に関する。
好ましくは、この実施形態では、ヌクレアーゼは、DNAに一本鎖切断又は二本鎖切断を導入することが可能である。好ましくは、本明細書で定義したRNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体は、二本鎖切断を導入することが可能である。
この実施形態では、本発明の方法は、標的配列に少なくとも部分的に相補的である配列を有する一本鎖オリゴヌクレオチドを植物細胞に導入するステップをさらに含むことができる。したがって、好ましくは、オリゴヌクレオチドは、植物細胞のDNAの配列に少なくとも部分的に相補的である。一本鎖オリゴヌクレオチドは、好ましくは、プロトスペーサー配列を含む標的DNAの鎖とは反対の標的DNAの鎖にハイブリダイズすることが可能な配列を含むように設計される。言い換えると、プロトスペーサー配列が二本鎖DNAの第1鎖に位置している場合、一本鎖オリゴヌクレオチドは、二本鎖DNAの第2鎖にハイブリダイズできるように設計されるものとする。したがって、好ましい実施形態では、一本鎖オリゴヌクレオチドは、プロトスペーサー配列と少なくとも約70%、75%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有する配列を含む。本明細書でさらに示しているように、任意選択で、一本鎖オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つ、2つ又は3つのミスマッチを除き、プロトスペーサー配列と同一の配列を含む。
このような一本鎖オリゴヌクレオチドはまた、本明細書では、テンプレートオリゴヌクレオチド又は変異原性オリゴヌクレオチドとして注釈を付けることもできる。本発明の文脈では、「一本鎖」とは、その完全に相補的な鎖が存在しない、5’末端及び3’末端を有する、ヌクレオチドの直鎖ストレッチを意味する。「一本鎖」は、さらに、部分的に相補的な鎖が存在しない、5’末端及び3’末端を有する、ヌクレオチドの直鎖ストレッチを意味する。部分的に相補的な鎖は、本明細書では、少なくとも約15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、しかし100%未満のヌクレオチドが本明細書で定義したオリゴヌクレオチドに相補的である鎖として定義される。好ましくは、完全な鎖又は相補的な鎖は、本発明の方法において使用されるオリゴヌクレオチドとほぼ同じ長さを有する。
好ましくは、一本鎖オリゴヌクレオチドは、標的配列に関して少なくとも1つのミスマッチを除き、標的配列を含む。或いは、又はさらに、一本鎖オリゴヌクレオチドは、前記相補的配列に関して少なくとも1つのミスマッチを除き、標的配列に完全に相補的である配列を含み得る。言い換えると、一本鎖オリゴヌクレオチドは、本発明の方法で修飾されるDNAの標的配列に導入しようとする改変に関する情報を含む。1つ又は複数のミスマッチを有する標的配列-又はその相補体-に加えて、一本鎖オリゴヌクレオチドは、ある特定の実施形態では、1つ又は複数のミスマッチを有する標的配列-又はその相補体-に隣接するヌクレオチドの追加のストレッチを含むこともできる。しかし、好ましくは、オリゴヌクレオチドは、DNA二重鎖の一本鎖に含まれる標的配列と比べて1つ又は複数のミスマッチを有する標的配列-又はその相補体-から実質的になる。好ましくは、一本鎖オリゴヌクレオチドは、好ましくは標的配列に存在するPAM配列及びプロトスペーサー配列のうちの少なくとも1つに関して少なくとも1つのミスマッチを含む。好ましくは、一本鎖オリゴヌクレオチドは、PAM及びプロトスペーサー配列のうちの少なくとも1つに関して少なくとも2つ又は3つのミスマッチを含む。このような1つ又は複数のミスマッチは、標的化修飾配列が再標的化されるのを防ぐ。好ましくは、一本鎖オリゴヌクレオチドは、好ましくは標的配列に存在するPAM配列に関して少なくとも1つのミスマッチを含み、さらに、前記PAM配列の外側に少なくとも1つのミスマッチを含む。好ましくは、前記PAM配列の外側の前記少なくとも1つのミスマッチは、コドン改変をもたらし、好ましくは、コードされたタンパク質のアミノ酸変化又は早期停止をもたらす、ミスマッチである。ミスマッチは、好ましくは、標的配列又はその相補体におけるヌクレオチド変換(例えばSNP)が望まれる位置にある。このミスマッチの正確な位置は重要ではないが、好ましくは、このミスマッチは、ssODNの中央部分に、例えば、ssODNの中央の95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%ヌクレオチド内に位置している。
本発明の一実施形態では、crRNA及び変異原性一本鎖オリゴヌクレオチドは、1つ又は2つのミスマッチを除き、同じ配列を有する少なくとも10、15、16、17、18、19、20、21、22、又は少なくとも23ヌクレオチドの連続ストレッチを含み得る。或いは、又はさらに、crRNA及び一本鎖オリゴヌクレオチドは、3つ又は4つのミスマッチを除き、同じ配列を有する少なくとも10、15、16、17、18、19、20、21、22、又は少なくとも23ヌクレオチドの連続ストレッチを含み得る。
本発明の一実施形態では、crRNA及び変異原性一本鎖オリゴヌクレオチドは、1つ又は2つのミスマッチを除き、完全に相補的な配列を有する少なくとも10、15、16、17、18、19、20、21、22、又は少なくとも23ヌクレオチドの連続ストレッチを含み得る。或いは、又はさらに、crRNA及び一本鎖オリゴヌクレオチドは、3つ又は4つのミスマッチを除き、完全に相補的な配列を有する少なくとも10、15、16、17、18、19、20、21、22、又は少なくとも23ヌクレオチドの連続ストレッチを含み得る。
ODTNEの使用並びにこの技術において機能するオリゴヌクレオチドの構造及び設計は、特に、国際公開第98/54330号、国際公開第99/25853号、国際公開第01/24615号、国際公開第01/25460号、国際公開第2007/084294号、国際公開第2007/073149号、国際公開第2007/073166号、国際公開第2007/073170号、国際公開第2009/002150号、国際公開第2012/074385号、国際公開第2012/074386号、国際公開第2018/115389号及び国際公開第2015/139008号に十分に説明されている。当業者は、したがって、本発明において使用するための一本鎖オリゴヌクレオチドを設計する方法を容易に理解する。
本発明で使用される変異原性オリゴヌクレオチドは、好ましくは、当技術分野で使用される他の変異原性オリゴヌクレオチドと一致する長さを有し、すなわち、好ましくは約50~約250ヌクレオチド、より好ましくは約80~約220ヌクレオチド、好ましくは約80、90、100、110、120、127、130、140、150、170、160、180、190、200、210、又は220ヌクレオチドを有する。
好ましくは、オリゴヌクレオチドは、少なくとも約20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、80、90、又は少なくとも約100の連続するヌクレオチドを含む。好ましくは、オリゴヌクレオチドは、1つ又は複数の、例えば2つ、3つ又は4つのミスマッチを除く、DNAのそれぞれ少なくとも約20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、80、90、又は少なくとも約100の連続するヌクレオチドとそれぞれ約100%の配列同一性を有する、少なくとも約20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、80、90又は少なくとも約100の連続するヌクレオチドを含む。好ましくは、オリゴヌクレオチドは、1つ又は複数の、例えば2つ、3つ又は4つのミスマッチを除く、標的配列を含むDNAのそれぞれ少なくとも約20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、80、90、又は少なくとも約100の連続するヌクレオチドと約100%の配列同一性を有する、少なくとも約20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、80、90又は少なくとも約100の連続するヌクレオチドを含む。
一本鎖オリゴヌクレオチドは、RNAヌクレオチドとDNAヌクレオチドの両方を含んでいてもよく、好ましくは、一本鎖オリゴヌクレオチドは、RNAヌクレオチドを含まない。好ましくは、一本鎖オリゴヌクレオチドは、DNAヌクレオチドからなる。いくつかの実施形態では、一本鎖オリゴヌクレオチドのヌクレオチドの1つ又は複数は化学修飾を含む。好ましくは、一本鎖オリゴヌクレオチドは、化学的に保護されたオリゴヌクレオチドであり、好ましくは、少なくとも1、2、3又は4個の化学的に保護されたヌクレオチドを含む。そのような化学的に保護されたオリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼにより耐性がある可能性があり、さらにより高い結合親和性を提供することができる。
化学的に保護されたオリゴヌクレオチドを提供する修飾のタイプは特に限定されない。適切な修飾の例には、オリゴヌクレオチドの3’末端にリバース塩基導入(idC)して修復オリゴヌクレオチドに3’ブロック末端を生成すること;修復オリゴヌクレオチドの5’及び/又は3’で、1つ又は複数の2’O-メチルヌクレオチド又はハイブリダイゼーションエネルギーを増加させる塩基(国際公開第2007/073149号を参照されたい)を導入すること;アクリジン、ソラレン、臭化エチジウムなどの色素を結合させて(5’又は3’)挿入すること;5’末端キャップ、例えばT/Aクランプ、コレステロール部分、SIMA(HEX)、及びriboCなどを導入すること;ホスホチオエート、メチルホスホネート、MOE(メトキシエチル)、ジPS及びペプチド核酸(PNA)などの骨格修飾;又は、2’Oメチル及びロックド核酸(LNA)などのリボース修飾が含まれる。好ましい化学修飾は、一本鎖オリゴヌクレオチドを分解から保護するのを助けるホスホロチオエート(PS)(PSは、通常一本鎖オリゴヌクレオチドの末端に配置される)、又はヌクレアーゼに対する保護とより高い結合親和性の両方を付与するロックド核酸(LNA)(LNAは、一本鎖オリゴヌクレオチドの末端又は内部のいずれかに配置させることができる)のいずれかである。
好ましくは、少なくとも1つのミスマッチは、化学的に保護されたヌクレオチドではない。別の選好によれば、化学的に保護されたヌクレオチドは、少なくとも1つのミスマッチからの少なくとも1つのヌクレオチドである。言い換えると、好ましくは、一本鎖オリゴヌクレオチドのミスマッチは、化学的に保護されたヌクレオチドではなく、ミスマッチ(のいずれかの側)に隣接するヌクレオチドはまた、化学的に保護された(又は修飾された)ヌクレオチドではない。
上記のように、好ましくは、ssODNは、少なくとも1つのミスマッチを除き、標的配列を含む植物DNAで確認されたヌクレオチドの連続する配列を含むか、又はそれからなる。ssODNは、切断のPAM近位側のアーム(すなわち、PAM配列又はその相補体を含む切断に隣接する配列にハイブリダイズするアーム)が、切断のPAMの遠位側のアーム(すなわち、PAM配列又はその相補体を含まない切断に隣接する配列にハイブリダイズするアーム)とほぼ同じ長さになるように設計され得る。しかし、好ましくは、切断のPAM近位側のアームは、切断のPAM遠位側のアームの少なくとも約2倍の長さである。より好ましくは、切断のPAM近位側のアームは、切断のPAM遠位側のアームの約3倍の長さである。
好ましい実施形態では、一本鎖オリゴヌクレオチド又は変異原性オリゴヌクレオチドは、参照により本明細書に組み込まれる、Richardsonら, Nature Biotechnology (2016),43(3),339~345に記載されているように設計される。
一実施形態では、少なくとも1つのミスマッチは、PAM近位アーム上に位置し得る。非限定的な例として、ssODNは、切断のPAM遠位側に36ヌクレオチドアーム及び切断のPAM近位側に91ヌクレオチドアームを有するsgRNAによって標的化されないDNA鎖に相補的な配列を含む、127ヌクレオチドの長さであり得る。任意選択で、ssODNは、ssODNのそれぞれの末端の最後の2ヌクレオチド間にホスホロチオエート結合を有することにより修飾される。好ましくは、標的化ヌクレオチド交換を誘導するための少なくとも1つのミスマッチは、ssODNの中央の約50%ヌクレオチド内に、例えば、ssODNが127ヌクレオチドの長さを有する場合、30~100位又は32~96位に位置するストレッチ内に位置している。任意選択で、切断のPAM遠位側に36ヌクレオチドアームと切断のPAM近位側に91ヌクレオチドアームを有する127ヌクレオチドの長さを有するssODNは、5’末端から40~90の間の位置に、又は5’末端から60~80の位置に、又は5’末端から60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79若しくは80位の位置に位置している少なくとも1つのミスマッチを有する。
相同組換え
一実施形態では、本明細書で定義したRNA-誘導型CRISPRヌクレアーゼ複合体は、一本鎖切断又は二本鎖切断を導入することができるが、例えば、その理由は、ヌクレアーゼが好ましくは内因性のヌクレアーゼ活性を含むためである。この実施形態では、本発明の方法は、本発明の方法によって修飾され、DNAの配列に少なくとも部分的に相補的である配列を有するドナー構築物を植物細胞に導入するステップをさらに含むことができる。したがって、本発明は、さらに、植物細胞のDNAを標的化修飾するための方法であって、標的化修飾がドナー構築物によって方向づけられ、この方法が、DNAを、
i)本明細書で定義したRNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体;及び
ii)ドナー構築物、好ましくは本明細書で定義したドナー構築物
と接触させるステップを含む、方法に関する。
ドナー構築物は、好ましくは、二本鎖DNA分子である。この実施形態において使用するための二本鎖DNA分子は、二本鎖オリゴヌクレオチド、又はより長い二重鎖DNA分子、例えばDNA断片であり得る。二本鎖DNAは、5’末端及び3’末端を含んでいてもよい。或いは、二本鎖DNAは環状化され得る。非限定的な例として、二本鎖DNA分子は、プラスミドであり得る。ドナー構築物のサイズは、好ましくは、約0.1~10kb、好ましくは約0.2~8kb、又は好ましくは約0.3~7kbである。
好ましい実施形態では、ドナー構築物は、標的配列の少なくとも一部を含む。ドナー構築物は、好ましくは、植物細胞DNAに導入される配列をさらに含む。好ましくは、ドナー構築物は、標的配列の第1の部分、続いて導入される配列、続いて標的配列の第2の部分を含む。非限定的な例では、標的配列の第1の部分は、標的配列を形成するヌクレオチドの約15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、又は約85%を含み得、標的配列の第2の部分は、標的配列の残りの部分を含む。標的配列は、好ましくは、本明細書で上述したcrRNAによって標的とされる配列と同一の又は類似の配列である。
導入される配列は、植物細胞のDNAに特定の修飾、挿入、又は欠失をもたらし得る。修飾、挿入又は欠失は、1つ又は複数のヌクレオチドの修飾、挿入又は欠失であり得、例えば、限定するものではないが、2、3、4、5、10、20、30、40、50、100又はそれより多くのヌクレオチドの修飾、挿入又は欠失であり得る。
ドナー構築物を使用して、好ましくは相同組換えによって、本明細書で定義した植物細胞のDNAの配列を修飾することができる。したがって、ドナー構築物は、好ましくは、導入しようとする配列を含み、前記配列は、修飾されるDNAの配列と100%の配列同一性を有する配列に隣接している。好ましくは、これらの隣接する配列のヌクレオチド配列は、RNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体によって生成された切断部位に直接隣接して位置しているDNAのそれぞれ5’配列及び3’配列と同一である。
ドナー構築物に含まれる相同配列の存在下で、DSBは、相同組換え(HR)によって修復することができる。これは、修復に使用されている姉妹染色分体ではなく、情報が、細胞に導入されるドナー構築物からコピーされる、遺伝子ターゲティングのプロセスの基礎である。
ドナー構築物は、元の染色体遺伝子座と比較すると改変又は外因性配列を含んでおり、したがって、HRのプロセスは、これらの改変又は外因性配列をゲノムに組み込む。好ましくは、HRによって導入しようとする外因性配列は、DNAの配列と100%の配列同一性又は100%の配列相補性を有するその3’末端及びその5’末端の配列の間のドナー構築物内に位置する。
ドナー構築物は、直鎖状化又は環状化することができる。好ましくは、ドナー構築物は、直鎖状化分子である。二本鎖DNA分子の第1及び/又は第2の鎖は、例えば、分子をヌクレアーゼに対して少なくとも部分的に耐性にするように、化学修飾を含むことができる。好ましくは、化学修飾は、本明細書の上記で定義した修飾である。好ましくは、ドナー構築物は、RNA、DNAを含むか、又はRNA-DNAハイブリッドである。好ましくは、ドナー構築物は、DNAを含む。
RNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体の導入
本発明の方法は、好ましくは、植物細胞のDNAを、本明細書で定義したRNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体と接触させるステップを含む。これは、CRISPRシステムヌクレアーゼ、tracrRNA、及びヌクレアーゼをDNAに誘導するためのcrRNAを植物細胞に導入することによって達成され得る。したがって、本発明の方法はまた、本明細書で定義したRNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体を植物細胞に導入するステップを含む、植物細胞のDNAを標的化修飾するための方法として定義することができる。
CRISPRシステムヌクレアーゼは、CRISPRシステムヌクレアーゼタンパク質、CRISPRシステムヌクレアーゼタンパク質をコードするmRNA若しくはRNA、及び/又はCRISPRシステムヌクレアーゼをコードする遺伝子を含むベクターのうちの少なくとも1つの形態で植物細胞に送達され得る。
tracrRNAは、tracrRNA分子及び/又はtracrRNAをコードするベクターの形態で植物細胞に送達され得る。
crRNAは、crRNA分子、前駆体crRNA分子、及びcrRNA分子をコードするベクターのうちの少なくとも1つの形態で植物細胞に送達され得る。
一実施形態では、CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体は、事前に構築されたリボヌクレオ-タンパク質複合体として、すなわち、CRISPRシステムヌクレアーゼ、tracrRNA及びcrRNAを含むものとして、細胞に導入される。或いは、又はさらに、植物細胞は、CRISPRシステムヌクレアーゼ、crRNA及びtracrRNAをコードする1つ又は複数のベクターでトランスフェクトされ得る。
一実施形態では、RNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体の成分の少なくとも1つは、細胞に直接導入することができるが、別の成分はベクターから発現させることができる。非限定的な例として、CRISPRシステムヌクレアーゼは、ベクターから発現させることができるが、tracrRNA及び/又はcrRNAは、植物細胞に直接導入され得る。
一実施形態では、本明細書で定義したRNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体の1つ又は複数の成分は、植物細胞で安定的に発現される。この実施形態では、CRISPRシステムヌクレアーゼ、tracrRNA及びcrRNAのうちの少なくとも1つは、植物細胞において安定的に発現される。非限定的な例として、本明細書で定義したCRISPRシステムヌクレアーゼは、植物細胞において安定的に発現され得るが、tracrRNA及び/又はcrRNAは、例えば、crRNA/tracrRNA分子として、並びに/又はcrRNA及び/若しくはtracrRNAを発現するベクター(複数可)として、一過的に導入され得る。
一実施形態では、ベクターの導入は、コードされたヌクレアーゼの、又はコードされたcrRNA若しくはtracrRNA分子の一過性発現をもたらす。
植物細胞における導入又はトランスフェクションは、当技術分野で公知の任意の従来の方法により実施され得る。任意選択で、CRISPRシステムヌクレアーゼ及び/又はcrRNA及び/又はtracrRNAをコードする配列は、植物細胞のゲノムに安定して導入される。CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体がリボヌクレオ-タンパク質複合体として細胞内に送達される場合、本発明の方法は、前記複合体を植物細胞に導入するステップの前に、前記複合体を形成するステップをさらに含む。
任意選択で、本方法は、本明細書で定義したヌクレアーゼ支援型ODTNEのための一本鎖オリゴヌクレオチドを導入するステップ、又は本明細書で定義したHRのためのドナー構築物を導入するステップをさらに含む。
任意選択で、RNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体、又はRNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体の1つ若しくは複数の成分をコードする1つ若しくは複数のベクター、及び任意選択で、ヌクレアーゼ支援型ODTNEのための一本鎖オリゴヌクレオチド又はHRのためのドナー構築物は、単一ステップで、すなわち実質的に同時に、植物細胞に導入される。言い換えれば、好ましくは、CRISPRシステムヌクレアーゼタンパク質又はそのタンパク質をコードする構築物、crRNA又はそのcrRNAをコードする構築物、tracrRNA又はそのtracrRNAをコードする構築物、及び任意選択で、ヌクレアーゼ支援型ODTNEのための一本鎖オリゴヌクレオチド又はHRのためのドナー構築物は、単一のトランスフェクションステップで、植物細胞に導入される。任意選択で、これらの成分は、2つ以上のトランスフェクションステップでトランスフェクトされる。
任意選択で、1つのタイプのCRISPRシステムヌクレアーゼ、1つのタイプのtracrRNA、及び2つ以上のタイプのcrRNAが植物細胞に導入され、それぞれのタイプのcrRNAは、異なるガイド配列を含み、すなわち、植物ゲノム内の異なる配列を標的とする。
好ましい実施形態では、細胞は、少なくとも1つのCRISPRシステムヌクレアーゼで形質転換され、すなわち、CRISPRシステムヌクレアーゼタンパク質は、細胞に直接送達される。さらなる実施形態では、細胞は、少なくとも1つのcrRNA及び/又は少なくとも1つのtracrRNAで形質転換される。
好ましくは、本発明の方法は、形成されたRNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体を細胞に導入する前に、CRISPRシステムヌクレアーゼタンパク質をtracrRNA及び少なくとも1つのcrRNAと複合体化するステップを含む。別の表現をすると、この実施形態では、RNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体は、予め形成された複合体として植物細胞に導入される。任意選択で、前記導入ステップはまた、本明細書で定義したヌクレアーゼ支援型ODTNEのための一本鎖オリゴヌクレオチド、又は本明細書で定義したHRのためのドナー構築物の導入を含む。
別の好ましい実施形態では、細胞は、少なくとも1つのCRISPRシステムヌクレアーゼをコードするベクターでトランスフェクトされる。細胞は、tracrRNAをコードする追加のベクター及び少なくとも1つのcrRNAをコードするベクターでさらにトランスフェクトされていてもよく、任意選択で、前記ベクターは、2つ以上のcrRNAをコードしており、それぞれのcrRNAは、異なるガイド配列を含み、すなわち、植物ゲノム内の異なる配列を標的とする。
好ましくは、この実施形態内では、細胞は、本明細書で定義した少なくとも1つのtracrRNA及び1つ又は複数のcrRNAをコードする単一の構築物でトランスフェクトされる。好ましくは、この実施形態内では、細胞は、本明細書で定義した少なくとも1つのCRISPRシステムヌクレアーゼ、1つのtracrRNA及び1つ又は複数のcrRNAをコードする単一の構築物でトランスフェクトされる。
CRISPRシステムヌクレアーゼ、crRNA及びtracrRNAのうちの少なくとも1つをコードするベクターは、転写調節配列をさらに含んでいてもよく、1つ又は複数の遺伝子は、植物細胞における発現に適用可能な場合、好ましくは適している場合、構成的、誘導的、組織特異的又は種特異的プロモーターのいずれかによって駆動することができる。好ましくは、CRISPRシステムヌクレアーゼの発現は、植物細胞における発現に適している構成的、誘導的、組織特異的又は種特異的プロモーターによって制御され得る。
好ましくは、CRISPRシステムヌクレアーゼタンパク質をコードするヌクレオチド配列、crRNAをコードするヌクレオチド配列、及びtracrRNAをコードするヌクレオチド配列は、プロモーターの制御下にある。CRISPRシステムヌクレアーゼの発現を制御するプロモーター、tracrRNAの発現を制御するプロモーター、及びcrRNAの発現を制御するプロモーターは、異なるプロモータータイプであり得る。好ましくは、crRNAの発現を制御するプロモーター及びtracrRNAの発現を制御するプロモーターは、CRISPRシステムヌクレアーゼの発現を制御するプロモーターとは異なる。
非限定的な例として、CRISPRシステムヌクレアーゼは、好ましくは植物における発現に適している、構成的プロモーター、例えば35Sプロモーター(例えばカリフラワーモザイクウイルス由来の35Sプロモーター(CaMV;Odellら Nature 313:810~812;1985)の制御下に好ましくはあり得る。他の適切な構成的プロモーターとしては、限定するものではないが、キャッサバ葉脈モザイクウイルス(CsVMV)プロモーター、及びサトウキビ桿状型バドナウイルス(sugarcane bacilliform badnavirus)(ScBV)プロモーターが挙げられる(例えば、Samacら Transgenic Res. 2004 Aug;13(4):349~61を参照されたい)。他の構成的プロモーターとしては、例えば、Rsyn7プロモーターのコアプロモーター、及び国際公開第99/43838号及び米国特許第6072050号に開示されている他の構成的プロモーター;ユビキチン(Christensenら, Plant Mol. Biol. 12:619~632, 1989及びChristensenら, Plant Mol. Biol. 18:675~689, 1992);pEMU (Lastら, Theor. Appl. Genet. 81:581~588, 1991);AA6プロモーター(国際公開第2007/069894号)などが挙げられる。
ベクターはまた、転写終止領域を含むことができる。転写終止領域が使用される場合、任意の終止領域がベクターの調製に使用され得る。例示的な転写終止及びポリアデニル化シグナルは、NosT、RBCT、HSP18.2T、又は他の遺伝子特異的若しくは種特異的ターミネーターのいずれかである。CRISPRシステムヌクレアーゼ遺伝子カセット又はCRISPRシステムヌクレアーゼをコードするRNAは、天然又は人工的に導入されたイントロンのいずれかのイントロンを含んでいてもよい。
好ましい実施形態では、ベクターは一過性発現のためのものである。言い換えると、植物材料における発現は、ベクターの非永続的な存在の結果として一時的である。構築物が宿主ゲノムに組み込まれない場合、発現は、例えば、一過性であり得る。例えば、CRISPRシステムヌクレアーゼタンパク質、crRNA及びtracrRNAは、植物細胞に一過的に提供され、続いて、CRISPRシステムヌクレアーゼ、crRNA及びtracrRNAのうちの少なくとも1つの量が減少し得る。続いて、植物細胞、植物細胞の後代、及び/若しくは植物細胞を含むか、又は二本鎖DNAが改変された植物プロトプラストに由来する植物は、本発明の方法において使用される成分1つ若しくは複数の減少された量を含むか、又はもはや1つ若しくは複数の成分を含有しない。
好ましくは、前記植物細胞、植物細胞の後代、及び/又は植物細胞を含むか、若しくは二重鎖DNAが改変された植物プロトプラストに由来する植物は、CRISPR誘導型ヌクレアーゼ、crRNA及びtracrRNAのうちの少なくとも1つを含まない。好ましくは、前記植物細胞、植物細胞の後代、及び植物細胞を含むか、又は二本鎖DNAが改変された植物プロトプラストに由来する植物は、依然として、DNA修飾を含む。
CRISPRシステムヌクレアーゼをコードするベクターは、形質転換された植物における増加された発現のために最適化されていてもよく、すなわち、植物細胞における発現のためにコドン最適化され得る。例えば、CRISPRシステムヌクレアーゼをコードするヌクレオチド配列は、トマトにおける発現のためにコドン最適化されていてもよく、前記トマトは、好ましくはソラヌム・リコペルシクム(Solanum lycopersicum)である。すなわち、CRISPRシステムヌクレアーゼをコードするベクターは、発現の改善のために植物に好ましいコドンを使用して合成することができる。宿主に好ましいコドンの使用についての考察は、例えば、Campbell及びGowri(Plant Physiol. 92: 1~11, 1990)を参照されたい。植物に好ましい遺伝子を合成するための方法は、当技術分野において利用可能であり(例えば、Murrayら, Nucleic Acids Res.(1989)17:477~498、又はLanzaら,(2014) BMC Systems Biology 8:33~43を参照されたい)、それらは参照により本明細書に組み込まれる。
核酸(CRISPRシステムヌクレアーゼをコードする核酸及び/若しくはtracrRNA及び/若しくはcrRNA(をコードする)核酸)、又はタンパク質又はリボヌクレオ-タンパク質複合体を細胞に送達するための当技術分野で公知の多くの適切な手法がある。送達システムは、例えば、ウイルスベースの送達システム又は非ウイルス性の送達システムを構成し得る。
非ウイルス性の送達システムの非限定的な例としては、化学ベースのトランスフェクション(例えば、リン酸カルシウム、デンドリマー、シクロデキストリン、ポリマー、リポソーム、又はナノ粒子の使用)、非化学ベースの方法(例えば、エレクトロポレーション、細胞圧搾、ソノポレーション、光学トランスフェクション、プロトプラスト融合、インペールフェクション(impalefection)、熱ショック及び流体力学的送達)、粒子ベースの方法(例えば、遺伝子銃又は磁石介在トランスフェクション)並びに細菌ベースの送達システム(例えば、アグロバクテリウム(agrobacterium)媒介送達)が挙げられる。ウイルス送達システムの非限定的な例には、タバコ茎えそウイルスが含まれる。
好ましい実施形態では、核酸及び/又はタンパク質は、水性媒体を使用して細胞に導入され、その水性媒体はPEGを含む。任意の適切な方法を使用することができ、好ましくは、媒体は5~8の間、好ましくは6~7.5の間のpH値を有する。CRISPRシステムヌクレアーゼ及び任意選択でのtracrRNA及び/又はcrRNAの水性媒体中の存在に次いで、媒体はポリエチレングリコールを含む。ポリエチレングリコール(PEG)は、工業的製造から医薬まで多くの用途を有するポリエーテル化合物である。PEGはまた、ポリエチレンオキシド(PEO)又はポリオキシエチレン(POE)としても知られている。PEGの構造は、一般に、H-(O-CH2-CH2)n-OHとして表される。好ましくは、使用されるPEGは、20,000g/mol未満の分子量を有するオリゴマー及び/若しくはポリマー、又はそれらの混合物である。
例えば植物細胞の集団を含む水性媒体は、好ましくは100~400mg/mlのPEGを含む。そのため、PEGの最終濃度は、好ましくは100~400mg/mlの間であり、例えば150~300mg/mlの間、例えば180~250mg/mlの間である。好ましいPEGは、PEG 4000 Sigma-Aldrich no.81240である(すなわち、平均Mn 4000を有する(Mn、数平均分子量は、試料中のすべてのポリマー分子の総重量を試料中のポリマー分子の総数で除算したものである))。好ましくは、PEGは、約1000~10000、例えば2000~6000の間のMnとして使用される。
さらに好ましい実施形態では、PEGを含む水性媒体は、約0.001%、0.01%、0.05%、0.1%、1%、2%、5%、10%又は20%(v/v)を超えるグリセロールを含まない。好ましくは、媒体は、約0.001%、0.01%、0.05%、0.1%、1%、2%、5%、10%又は20%(v/v)未満のグリセロールを含む。特にCRISPRシステムヌクレアーゼタンパク質の導入においては、水性媒体は、約0.1%未満(例えば、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%又は0.0001%(v/v)未満のグリセロール)を含む。任意選択で、植物細胞の集団を含む水性媒体は、グリセロールを完全に含まない。
好ましくは、例えば植物細胞の細胞周期は、二重鎖DNAをRNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体に曝露した場合に同調される。同調は、好ましくは、本明細書で詳述したように、RNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体又はそれをコードする核酸(複数可)が細胞に導入された場合に起こる。同調は、好ましくは、(植物)細胞を同調剤と接触させることにより実施する。
そのような(植物)細胞の細胞周期を同調する方法は、欧州特許第2516652号に詳細に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。より詳しくは、(植物)細胞、例えば植物プロトプラストを同調することにより、二重鎖DNAの改変の導入の有効性をさらに高めるために本発明の特定の実施形態では有利となり得る。したがって、特定の実施形態では、本方法は、細胞、好ましくは植物細胞の細胞周期を同調するステップを含む。
同調は、好ましくは、RNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体又はRNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体をコードする核酸(複数可)が本明細書に詳述されているように細胞に導入される場合に起こり、その結果、ほとんどの(植物)細胞が、二重鎖DNAが本明細書で定義した部位特異的ヌクレアーゼに曝露された際に細胞周期の同じ段階になる。これは有利であり、二重鎖DNAの改変の導入率を上昇させ得る。
(植物)細胞の同調は、任意の適切な手段によって達成することができる。例えば、細胞周期の同調は、栄養枯渇、例えば、リン酸塩枯渇、硝酸塩枯渇、イオン枯渇、血清枯渇、スクロース枯渇、オーキシン枯渇によって達成され得る。
同調は、同調剤を(植物)細胞に添加することによっても達成することができる。好ましくは、同調剤は、アフィディコリン(aphidocolin)、ヒドロキシ尿素、チミジン、コルヒチン、コブトリン(cobtorin)、ジニトロアニリン、ベネフィン、ブトラリン、ジニトラミン、エタルフルラリン、オリザリン、ペンジメタリン、トリフルラリン、アミプロホスメチル、ブタミホスジチオピル、チアゾピルプロピザミド、テブタムDCPA(クロルタールジメチル)、ミモシン、アニソマイシン、アルファアマニチン、ロバスタチン、ジャスモン酸、アブシジン酸、メナジオン、クリプトゲイン(cryptogeine)、過酸化水素、過マンガン酸ナトリウム、インドメタシン、エポキソマイシン、ラクタシスチン(lactacystein)、icrf 193、オロモウシン、ロスコビチン、ボヘミン、スタウロスポリン、K252a、オカダ酸、エンドタール(endothal)、カフェイン、MG 132、サイクリン依存性キナーゼ、及びサイクリン依存性キナーゼ阻害剤、並びにそれらの標的メカニズムからなる群から選択される。量及び濃度、並びにそれらに関連する細胞周期段階は、例えば、「Flow Cytometry with plant cells」, J. Dolezel c.s. Eds. Wiley-VCH Verlag 2007 pp 327 ffに記載されている。好ましくは、同調剤は、アフィディコリン及び/又はヒドロキシ尿素である。
好ましくは、本発明の方法では、細胞周期の同調は、細胞周期のS期、M期、G1期及び/又はG2期に(植物)細胞を同調させる。
好ましい実施形態では、CRISPRシステムヌクレアーゼは、2つの触媒的に活性なエンドヌクレアーゼドメインを含む。この実施形態内では、RNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体は、標的配列に二本鎖切断を導入する。修復メカニズムのその後の活性化は、植物ゲノムの標的配列の改変をもたらす。標的化改変は、少なくとも1つの塩基対の挿入、欠失又は修飾を含み得る。例えば、標的化改変は、少なくとも1つの塩基対の欠失及び少なくとも1つの塩基対の挿入を含み得る。例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の塩基対は、本発明の方法で改変され得る。複数の修飾を単一の実験で導入することができ、及び/又は実験を繰り返して植物細胞のゲノムに、任意選択で第1の事象で標的とされた他の遺伝子若しくは同じ遺伝子で、その後の改変を導入することができる。
植物細胞
本発明の方法は、本明細書で定義したRNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体を誘導するためのcrRNAを植物細胞に導入するステップに先行して、前記植物細胞を提供するステップをさらに含んでいてもよい。当業者は、本発明の方法が特定の植物細胞タイプに限定されないことを理解する。特に、本明細書に開示した本発明の方法は、分裂細胞及び非分裂細胞に適用することができる。細胞は、トランスジェニックであっても非トランスジェニックであってもよい。植物細胞は、例えば、植物が再生され得る植物細胞組織培養物、植物カルス、植物塊、及び植物又は植物の一部、例えば、胚、花粉、胚珠、種子、葉、花、枝、果実、穀粒、穂、穂軸、殻、茎、根、根端、葯、粒などが無傷の植物細胞から得ることができる。
好ましい実施形態では、植物細胞は植物プロトプラストである。当業者には、植物プロトプラストを調製及び繁殖する方法及びプロトコルは公知であり、例えば、Plant Tissue Culture (ISBN: 978-0-12-415920-4, Roberta H. Smith)を参照されたい。本発明の方法で使用するための植物プロトプラストは、植物細胞プロトプラストの生成で使用される一般的手順を使用して提供することができる(例えば、細胞壁は、セルロース、ペクチナーゼ及び/又はキシラナーゼを使用して分解され得る)。
植物細胞プロトプラスト系は、例えば、トマト、タバコ、及び他の多くのもの(セイヨウアブラナ(Brassica napus)、ニンジン(Daucus carota)、レタス(Lactucca sativa)、トウモロコシ(Zea mays)、ベンサミアナタバコ(Nicotiana benthamiana)、ペチュニア(Petunia hybrida)、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、イネ(Oryza sativa))に対して記載されている。本発明は、一般に、限定するものではないが、以下の参考文献:Barsbyら 1986, Plant Cell Reports 5(2): 101~103; Fischerら 1992, Plant Cell Rep. 11(12): 632~636; Huら 1999, Plant Cell, Tissue and Organ Culture 59: 189~196; Niedzら 1985, Plant Science 39: 199~204; Prioli及びSondahl, 1989, Nature Biotechnology 7: 589~594; S. Roest及びGilissen 1989, Acta Bot. Neerl. 38(1): 1~23; Shepard及びTotten, 1975, Plant Physiol.55: 689~694; Shepard及びTotten, 1977, Plant Physiol. 60: 313~316のいずれか1つに記載の系を含む任意のプロトプラスト系に適用することができ、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。
植物細胞は、好ましくは、作物植物、例えば単子葉植物若しくは双子葉植物、又は作物若しくは穀物植物、例えばキャッサバ、トウモロコシ、モロコシ、大豆、小麦、オート麦若しくは米から得ることができる。作物植物とは、ヒトによって栽培及び育種された植物種である。作物植物は、食用(例えば畑作物)又は観賞用(例えば、刈り取るための花、芝生用草などの生産)に栽培され得る。本明細書で定義した作物植物は、非食料品、例えば、燃料用油、プラスチックポリマー、医薬品、コルクなどが収穫される植物も含む。
植物細胞はまた、藻類、樹木、又は生産の植物、果物若しくは野菜(例えば、樹木、例えば柑橘類の樹木、例えばオレンジ、グレープフルーツ若しくはレモンの樹木;桃若しくはネクタリンの樹木;リンゴ若しくはナシの樹木;堅果類の樹木、例えばアーモンド若しくはクルミ若しくはピスタチオの樹木;イヌホオヅキ植物;アブラナ属の植物;レタス属の植物;ホウレンソウ属の植物;トウガラシ属の植物;ナス属の植物、好ましくはソラヌム・リコペルシクム)であり得る。
別の好ましい実施形態では、細胞は、アスパラガス、大麦、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、キャベツ、キャノーラ、ニンジン、キャッサバ、カリフラワー、チコリ、ココア、コーヒー、ワタ、キュウリ、ナス、ブドウ、トウガラシ、レタス、トウモロコシ、メロン、アブラナ、コショウ、ジャガイモ、カボチャ、ラズベリー、コメ、ライムギ、モロコシ、ホウレンソウ、カボチャ、イチゴ、サトウキビ、テンサイ、ヒマワリ、ピーマン、タバコ、トマト、スイカ、小麦、及びズッキーニからなる群から選択される植物から得ることができる。
好ましくは、標的化改変を含む得られた植物細胞は、植物又はそれらの子孫に再生される。したがって、本発明の好ましい実施形態である本方法は、標的化改変を含む植物又はその子孫を再生するステップをさらに含む。
植物細胞及び植物又は植物産物
本方法は、標的化修飾を含む植物又はその子孫を再生するステップをさらに含み得る。好ましくは、そのような再生は、再生に適した条件を使用して実施される。当業者は、植物プロトプラストから植物を再生する方法及びプロトコルを十分に知っている。再生された植物の後代、子孫、バリアント、及び変異体もまた、これらの部分が本明細書で教示した方法で導入された標的化改変を含むならば、本発明の範囲内に含まれる。
標的化修飾を含む植物細胞又は植物に加えて、本発明はまた、本明細書で定義したCRISPRシステムヌクレアーゼ複合体を一過的又は安定的に発現する植物細胞に関する。好ましくは、植物細胞は、本明細書で定義したそのゲノムにCRISPRシステムヌクレアーゼをコードする配列を含むように修飾されたトランスジェニック植物である。さらに、トランスジェニック植物細胞は、本明細書で定義したtracrRNA及びcrRNAを一過的又は安定的に発現することをさらに含み得る。
本発明の範囲内に含まれるのは、そのようなトランスジェニック植物細胞及びその再生植物、好ましくは誘導性プロモーター及び/又は構成的活性分裂組織プロモーターであり得る分裂組織プロモーターの制御下にある、CRISPRシステムエンドヌクレアーゼをコードする配列を含み、tracrRNA及びcrRNAをさらに含む任意の後代、子孫、バリアント、及び変異体である。したがって、本発明はまた、本明細書で定義したCRISPRシステムヌクレアーゼをコードする配列をそのゲノムに組み込むステップと、本明細書で定義したcrRNA及びtracrRNAを導入するステップを含む、そのようなトランスジェニック植物細胞及び/又はそれに由来する植物を生産するための方法に関する。
本発明の方法によって得ることができる細胞又は生物体は、続いて、例えば、細胞、生物体(の一部)又はその任意の子孫の培養物が得られるように増殖させることができる。
好ましくは、細胞は、作物植物、例えば単子葉植物若しくは双子葉植物、又は作物若しくは穀物植物、例えばキャッサバ、トウモロコシ、モロコシ、大豆、小麦、オート麦若しくは米から得ることができる植物細胞である。植物細胞はまた、藻類、樹木、又は生産の植物、果物若しくは野菜(例えば、樹木、例えば柑橘類の樹木、例えばオレンジ、グレープフルーツ若しくはレモンの樹木、桃若しくはネクタリンの樹木;リンゴ若しくはナシの樹木;堅果類の樹木、例えばアーモンド若しくはクルミ若しくはピスタチオの樹木;イヌホオヅキ植物;アブラナ属の植物;レタス属の植物;ホウレンソウ属の植物;トウガラシ属の植物;ナス属の植物、好ましくはソラヌム・リコペルシクム)であり得る。
別の好ましい実施形態では、細胞は、シロイヌナズナ、アスパラガス、大麦、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、キャベツ、キャノーラ、ニンジン、キャッサバ、カリフラワー、チコリ、ココア、コーヒー、ワタ、キュウリ、ナス、ブドウ、トウガラシ、レタス、トウモロコシ、メロン、アブラナ、コショウ、ジャガイモ、カボチャ、ラズベリー、コメ、ライムギ、モロコシ、ホウレンソウ、カボチャ、イチゴ、サトウキビ、テンサイ、ヒマワリ、ピーマン、タバコ、トマト、スイカ、小麦、及びズッキーニからなる群から選択される植物から得ることができる。
本発明はまた、本発明の方法によって得ることができる植物細胞又は植物の後代に関する。さらに、本発明は、本明細書で定義した植物細胞又は植物から得ることができる植物産物、例えば、果物、葉、植物器官、植物油脂、植物油、植物デンプン、及び粉砕、磨砕されたか、又は完全なままであるか、他の材料と混合された、乾燥された、凍結されたなどの植物タンパク質画分からなるグループから選択される植物産物に関する。これらの産物は、繁殖しないこともあり得る。好ましくは、前記植物産物は、
i)修飾されたDNA、好ましくは本明細書で定義した修飾されたGOI、又はコードされたそれらの産物、
ii)本明細書で定義したtracrRNA;
iii)本明細書で定義したcrRNA;
iv)本明細書で定義したCRISPRシステムヌクレアーゼ;及び、
v)CRISPRシステムヌクレアーゼをコードする配列
のうちの少なくとも1つ又は少なくとも一部を含む。
好ましくは、これらの産物は、修飾されたDNAの少なくとも一部と、crRNA及びtracrRNAのうちの少なくとも1つを含み、これは、植物産物が本明細書で定義した方法によって得られた植物に由来することを評価することを可能にする。
キットオブパーツ
本発明はさらに、キットオブパーツ、好ましくは、本明細書に記載した方法において使用するためのキットオブパーツに関する。好ましくは、キットオブパーツは、
本明細書で定義したCRISPRシステムヌクレアーゼを含む容器;
本明細書で定義したcrRNAを含む容器、及び本明細書で定義したtracrRNAを含む容器。任意選択で、crRNA及びtracrRNAは、単一の容器に組み合わせることができる。容器は、さらに任意選択で、異なる標的配列を標的とするための異なるガイド配列をそれぞれ含む、2つ以上のcrRNAを含んでいてもよい;
本明細書で定義したヌクレアーゼ支援型ODTNEのための一本鎖オリゴヌクレオチドを含む容器;
本明細書で定義したHRのための二本鎖オリゴヌクレオチドを含む容器
本明細書で定義したCRISPRシステムヌクレアーゼをコードするベクターを含む容器。任意選択で、前記ベクターは、本明細書で定義した前記ヌクレアーゼを誘導するための1つ又は複数のcrRNA及び/又はtracrRNAをさらにコードする;並びに、
本明細書で定義した1つ又は複数のcrRNAをコードする1つ又は複数のベクターを含む容器。1つ又は複数のベクターは、tracrRNAをコードする配列をさらに含み得る。或いは、又はさらに、tracrRNAをコードする配列は、異なるベクターに存在し得る。tracrRNAをコードする前記ベクターは、同じ容器又は別の容器に存在し得る;
のうちの少なくとも1つ、又はそれらの任意の組合せを含む。好ましくは、キットオブパーツは容器のセットを含み、容器のセットは、少なくとも、
本明細書で定義したCRISPRシステムヌクレアーゼ、又はCRISPRシステムヌクレアーゼをコードする配列;
本明細書で定義したtracrRNA、又はtracrRNAをコードする配列;及び、
本明細書で定義したcrRNA、又はcrRNAをコードする配列
を含む。
容器のセットは、任意選択で、
本明細書で定義したヌクレアーゼ支援型ODTNEのための一本鎖オリゴヌクレオチド;及び、
本明細書で定義したHRのための二本鎖オリゴヌクレオチド
をさらに含む。
キットオブパーツは、本明細書で定義したトランスフェクションのための1つ又は複数の物質を含む容器をさらに含んでいてもよい。また、本明細書で指定した植物細胞内のDNAを修飾する本発明の方法を実施するためのマニュアルもキット内に含むことができる。
試薬は、凍結乾燥された形態で存在していてもよく、又は適切な緩衝液中に存在していてもよい。キットはまた、本発明を実施するのに必要な任意の他の構成要素、例えば、緩衝液、ピペット、マイクロタイタープレート、及び書面の説明書を含むことができる。本発明のキットのためのそのような他の構成要素は、当業者には公知である。
さらなる態様
本発明はさらに、本明細書で定義した1つ又は複数のtracrRNA及び1つ又は複数の、好ましくは2つ以上のcrRNAを含む組成物に関する。好ましくは、1つ又は複数のcrRNAは、ガイド配列が植物ゲノムの配列、好ましくは本明細書で定義したGOI内の配列を標的とするためのものであることを特徴とする。組成物は、本明細書で定義したCRISPRシステムヌクレアーゼ及び/又はCRISPRシステムヌクレアーゼをコードする核酸をさらに含むことができる。
本発明はさらに、本明細書で定義した1つ又は複数のtracrRNA及び1つ又は複数のcrRNAをコードする核酸及び/又はベクターであって、これらのcrRNAは、ガイド配列が植物ゲノムの配列、好ましくは本明細書で定義したGOI内の配列を標的とするためのものであることを特徴とする、核酸及び/又はベクターに関する。任意選択で、核酸及び/又はベクターは、本明細書で定義したCRISPRシステムヌクレアーゼをコードする配列をさらに含む。好ましくは、CRISPRシステムヌクレアーゼをコードする配列は、植物細胞における発現のためにコドン最適化されている。そのような核酸又はベクターは、一本鎖、二本鎖、又は部分的二本鎖;1つ又は複数の遊離末端を含む核酸分子、遊離末端を含まない(例えば環状)核酸分子;DNA、RNA、又はその両方を含む核酸分子;及び当技術分野で公知の他の様々なポリヌクレオチドであり得る。
本発明はまた、本発明の方法において、すなわち植物細胞DNAの修飾において使用するための、本明細書で定義したRNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体、又はそれをコードする1つ若しくは複数の核酸の使用に関する。
本発明はさらに、植物細胞を安定して発現させるための、本明細書で定義したRNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体、又はそれをコードする1つ若しくは複数の核酸の使用に関する。
本発明はさらに、好ましくは参照により本明細書に組み込まれる国際出願PCT/EP2018/074150に記載されるような、二重鎖DNAのコード配列(CDS)を標的化改変するための方法であって、二重鎖DNAを少なくとも2つの部位特異的RNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体に曝露するステップを含み、第1の部位特異的ヌクレアーゼ複合体がDNAを切断してORF内の第1の位置で第1のインデルを生成し、第2の部位特異的ヌクレアーゼ複合体がDNAを切断して同一CDS内の第2の位置で第2のインデルを生成し、第1のインデルの前及び第2のインデルの後のCDSは同一リーディングフレームのままであり、改変されたCDSは終止コドンを含まない、方法に関する。
本発明をここで一般的に説明したが、例示として提供され、また本発明を限定することを意図するものではない以下の実施例を参照することによって、本発明はより容易に理解されよう。
シロイヌナズナのプロトプラストでの蛍光レポーター遺伝子の編集における、単一ガイドRNA(sgRNA)対デュアルガイドRNA(dgRNA、すなわち別々のcrRNAとtracrRNA分子)の性能を植物で評価した。
シロイヌナズナのプロトプラスト
DsREDオープンリーディングフレームを、123位にAからCへの変換があり未成熟終止コドンをもたらす破壊されたYFPオープンリーディングフレームに融合させたレポーター構築物をCaMV35Sプロモーターの制御下でクローニングした。6xHISタグと核局在化シグナル(NLS)をDsRED ORFの5’末端に付加し、NOSターミネーターを転写の終結に使用した。 NLS-His-tagged-DsRED::YFP stopのオープンリーディングフレームは、配列番号15で表され、下記を参照されたい。レポーターカセットを、Gateway technologyを使用してpK2GW7にクローニングし、フローラルディップ法(Clough SJ及びBent AF (1998) Floral dip: a simplified method for agrobacterium-mediated transformation of Arabidopsis thaliana. Plant J 16(6):735~473)を使用して、シロイヌナズナで形質転換させた。一次形質転換体は、若葉から単離したプロトプラストでDsRED蛍光に基づいて選択した。
ガイドRNA
sgRNA及びdgRNAは、トランスジェニックシロイヌナズナ系統に安定的に組み込まれたDsRED::YFP stop蛍光レポーター構築物を標的化するために、20ヌクレオチド長の遺伝子特異的配列5'-TCTGTTTCTGGTGAGGGTGA-3'(配列番号16)を含むように設計した。
sgRNAとdgRNAを比較するために、20ntの遺伝子特異的配列を含むsgRNAをSynthego(Menlo Park、CA、USA)から購入したが、これは、遺伝子特異的配列の3’末端に80ntの足場をさらに含んでいる。dgRNAについては、20nt長の遺伝子特異的配列の3’末端に付加された22ntのリンカーを含むcrRNAと、72ntのtracrRNAをSynthego(Menlo Park、CA、USA)から購入した。20ntの遺伝子特異的配列と、遺伝子特異的配列の3’末端に80ntの足場を含むsgRNAは、Synthego(Menlo Park、CA、USA)から購入した。crRNAリンカーとして使用するのに適した配列の例は:5'-GUUUUAGAGCUGUGUUGUUUCG-3'(配列番号17)であり、tracrRNAとして使用するのに適した配列の例は:5'-CGAAACAGCAUAGCAAGUUAAAAUAAGGCUAGUCCGUUAUCAACUUGAAAAAGUGGCACCGAGUCGGUGCUUU-3'(配列番号18)であり、sgRNA足場として使用するのに適した配列の例は:5'-GUUUUAGAGCUAGAAAUAGCAAGUUAAAAUAAGGCUAGUCCGUUAUCAACUUGAAAAAGUGGCACCGAGUCGGUGCUUUU-3'(配列番号19)である(例えば、Jinekら Science 2012, 337(6096):816~821; Congら Science 2013, 339(6121):819~823;及び、Zhouら Nucleic Acids Res. 2014, 42(17):10903~10914を参照されたい)。
合成sgRNAとin vitroで転写されたsgRNAを比較するために、EnGen(登録商標)sgRNA合成キット(#E3322S New England BioLabs, Inc、Ipswich、MA、USA)を使用して、以下の最終配列:5'-GUCUGUUUCUGGUGAGGGUGACGUUUUAGAGCUAGAAAUAGCAAGUUAAAAUAAGGCUAGUCCGUUAUCAACUUGAAAAAGUGGCACCGAGUCGGUGCUUUU-3'(配列番号20)を有する、in vitro転写されたsgRNAを作製した。
リボヌクレオタンパク質構築
crRNAとtracrRNAを、製造元の指示(Synthego Corporation、Menlo Park、CA、USA)に従って、アニーリングした。簡単に説明すると、乾燥crRNAとtracrRNAを1×TE緩衝液に溶解させて最終濃度を200μMにし、crRNAとtracrRNAを1×アニーリング緩衝液中、2:1の比率で混合し、アニールされたdgRNAの最終濃度を30μMにした。
リボヌクレオタンパク質(RNP)構築は、以下のように実施した:sgRNA又はアニールされたcr/tracrRNAを、1×Cas9反応緩衝液(#M0386M、New England BioLabs, Inc、Ipswich、MA、USA)で最終濃度を200ng.μL-1に希釈した。Cas9タンパク質(#M0386M、New England BioLabs, Inc、Ipswich、MA、USA)を最終濃度が1μg.μL-1になるように添加した。混合物を、テーブル遠心分離機でボルテックス及びパルススピンすることによって、短時間混合した。リボヌクレオタンパク質の形成は、10分間、室温で進行させた。その後、構築されたリボヌクレオタンパク質は、使用するまで4℃で保管した。250.000プロトプラストのトランスフェクションごとに、20μLの事前に構築したリボヌクレオタンパク質をCas9:sgRNAの1:1モル比で使用した。
一本鎖オリゴヌクレオチド
一本鎖オリゴヌクレオチド(ssODN)は、Richardsonら,Nature Biotechnology (2016),43(3),339~345に従って設計した。簡単に説明すると、ssODNは、切断のPAM遠位側に36ヌクレオチドのアームを、切断のPAM近位側に91ヌクレオチドのアームを有する、sgRNAにより標的とされないDNA鎖に相補的な配列で構成されており、ssODNのそれぞれの末端の最後の2ヌクレオチドの間にホスホロチオエート結合を有することにより修飾されている。ssODNは、5’末端から73位にGを保持し、(オープンリーディングフレームを含む)上流DNA鎖にCを導入することで、TAA(stop)をTAC(TYR)に変換し、結果としてYFPオープンリーディングを復元している。ssODNの配列は、以下のとおりである:A*GTAGTAACAAGAGTTGGCCATGGAACTGGAAGCTTTCCAGTAGTGCAGATGAACTTAAGTGTAAGTTTACCgTAAGTAGCATCACCTTCtCCtTCtCCtGAAACAGAGAACTTATGTCCGTTCAC*A(配列番号21)、ここで、標的配列に関してSNPを表す小文字は、下線を引いたものを除き、YFPのアミノ酸配列を変えないが、プロトスペーサーの配列は変えて、遺伝子ターゲティングが生じた後にCas9による再切断を回避する同義変異である。下線は、遺伝子ターゲティングの際にYFP機能性を回復する要因となる変異に対応している。アスタリスクは、ホスホロチオエート結合に対応している。
その配列を含み、示した修飾を有するssODNは、Eurogentec(Liege、ベルギー)に注文した。SDS-PAGEで精製したssODNをヌクレアーゼフリーの水に溶解して最終濃度を1μg.μL-1になるようにし、90℃で10分間加熱し、数秒間パルススピンし、-20℃で保管した。
プロトプラストのトランスフェクション及び培養
シロイヌナズナのプロトプラストを、参照により本明細書に組み込まれる欧州特許出願公開第2562261号に記載されているように、PEG媒介性形質転換を使用して、ssODNの有無に関係なく、上記で示したように調製したRNPでトランスフェクトした。簡単に説明すると、上記で示したように調製した20μLの事前に構築されたRNPを、10μLのssODN(ヌクレアーゼフリー水中、ストック1μg.μL-1)の有無に関係なく、250.000シロイヌナズナプロトプラストの250μLアリコートに加えた。アリコートを、続いて250μLのPEGと穏やかに混合する。20分間、室温でインキュベートした後、5mLの0.275Mの冷Ca(NOを滴下添加する。プロトプラスト懸濁液を10分間、85xg、4℃で遠心分離する。
上清を廃棄し、250.000細胞のペレットを0.4Mグルコース、1mg.L-1のNAA、0.2mg.L-1の2,4-D、及び0.5mg.L-1のBAPを補充した1mLのB5培地、pH5.8に再懸濁した。プロトプラスト懸濁液を24ウェルプレートに移し、48時間、暗所で28℃にてインキュベートした。
各処理に関して、1つのアリコートを回収し、BD Accuri C6フローサイトメーターにおいてサイトメトリーで分析して蛍光細胞の割合を決定し、以下のようなIlluminaシーケンスライブラリーを調製するためにアリコートを回収した。
プロトプラストを10分間、1000rpmの遠心分離により回収した。上清を廃棄し、ペレットを液体窒素で凍結した。DNAを、Qiagen Plant DNeasyキットを使用して抽出した。
変異部位にまたがる一次アンプリコンを、以下のPCRプライマーを使用して生成した:
5'-GAGCTGAGGCTAGGCATCATC-3'(配列番号22);及び、
5'-TCCATCCTCGATGTTGTGCC-3'(配列番号23)。
続いて、得られたアンプリコンをIlluminaシーケンスライブラリーの調製に使用し、MiSeqシーケンサーで配列決定した。
シーケンスデータ分析はGalaxyの専用解析スクリプトを使用して実施し、VBAの専用スクリプトを使用してMS Excelでフォーマットした。
InDel頻度は、検討段階のサンプルの読み取りの総数に対する、予想されるCas9切断部位にInDelsを含む読み取りの割合として決定した。
同様に、遺伝子ターゲティングの頻度は、検討段階のサンプルの読み取りの総数に対する、予想される原因となる変異(YFP機能性の回復に関与する変異)を含む読み取りの数として決定した。
4.結果
実験の結果を図1にまとめている。dgRNA(crRNAとtracrRNAを個々の分子として含む)は、インデルの誘発、並びにクリーンな遺伝子ターゲティング、すなわちGFPオープンリーディングフレームを復元するSNPの誘発の両方において、sgRNAよりも少なくとも6~7倍優れていたことが明らかなようである。in vitroでのsgRNA及び合成sgRNAの結果は似ていた(データは示さず)。
下線を付けたDsRED::YFP stop蛍光レポーター構築物のオープンリーディングフレームの配列:6xHIS-NLS;通常のフォント:DsRED;イタリック体:終止コドンをもたらす点変異を太字で示したYFP(配列番号15):
Figure 2022505440000001

Claims (15)

  1. 植物細胞のDNAを標的化修飾するための方法であって、DNAをRNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体と接触させるステップを含む、前記複合体が、CRISPRシステムヌクレアーゼ、crRNA及びtracrRNAを含み、crRNA及びtracrRNAが別個の(非共有結合的に連結された)分子である、方法。
  2. CRISPRシステムヌクレアーゼが2つの触媒的に活性なエンドヌクレアーゼドメインを含む、請求項1に記載の方法。
  3. CRISPRシステムヌクレアーゼが少なくとも1つの触媒的に不活性なエンドヌクレアーゼドメインを含む、請求項1に記載の方法。
  4. CRISPRシステムヌクレアーゼが機能性ドメイン、好ましくはデアミナーゼドメインに融合されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. CRISPRシステムヌクレアーゼが、CRISPRシステムヌクレアーゼをコードするベクターで細胞をトランスフェクトすることによって細胞に導入される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. CRISPRシステムヌクレアーゼが、CRISPRシステムヌクレアーゼで細胞をトランスフェクトすることによって細胞に導入される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  7. crRNA及びtracrRNAのうちの少なくとも1つが、前記crRNA及び/又はtracrRNAをコードするベクターで細胞をトランスフェクトすることによって細胞に導入される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. crRNA及びtracrRNAのうちの少なくとも1つが、前記crRNA及び/又はtracrRNAで細胞をトランスフェクトすることによって細胞に導入され、好ましくは、crRNA及び/又はtracrRNAが化学的に修飾されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  9. 細胞がテンプレートオリゴヌクレオチドでさらにトランスフェクトされ、好ましくはテンプレートオリゴヌクレオチドが化学的に修飾されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 細胞がドナー構築物でさらにトランスフェクトされ、好ましくはドナー構築物が化学的に修飾されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  11. CRISPRシステムエンドヌクレアーゼ、crRNA、tracrRNA、及び/又は任意選択でテンプレートオリゴヌクレオチド若しくはドナー構築物が、ポリエチレングリコール媒介性トランスフェクションを使用して、好ましくはPEGを含む水性媒体を使用して、植物細胞に導入される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 標的化修飾を含む植物又はその子孫を再生するステップをさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 植物細胞のDNAを標的化修飾するための、請求項1~12のいずれか一項で定義したCRISPRシステムヌクレアーゼ、crRNA及びtracrRNA、又はそれらをコードする1つ若しくは複数の構築物を含むRNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体。
  14. i)請求項13に記載のCRISPRシステムヌクレアーゼを含む容器;及び
    ii)請求項13に記載の1つ又は複数の構築物を含む容器、
    のうちの少なくとも1つ、並びに任意選択で、tracrRNA及び/又は1つ若しくは複数のcrRNA、及び/又はそれをコードする構築物を含む容器
    を含む、植物細胞のDNAを標的化修飾するためのキット。
  15. 植物細胞のDNAを標的化修飾するための、請求項13で定義したRNA-誘導型CRISPRシステムヌクレアーゼ複合体、又はそれをコードする1つ若しくは複数の構築物、又は請求項14で定義したキットの使用。
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