JP2022504578A - キナーゼ阻害剤として有用な置換大員環類 - Google Patents

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Abstract

新規な置換大員環化合物、その薬学的に許容され得る塩、溶媒和物及び水和物が提供される。本化合物及び組成物は、プロテインキナーゼ阻害活性を有し、プロテインキナーゼ媒介疾患及び病態の治療に有用であるものと期待される。

Description

関連出願への相互参照
(関連出願)
この発明は、2019年5月14日に出願した米国仮出願第62/920,732号の利益を主張する。
(発明の分野)
本発明は、キナーゼの阻害剤及びその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ及び代謝物、その調製方法、並びに癌のようなキナーゼ媒介疾患及び病態を治療するための該化合物の使用に関する。
(発明の背景)
プロテインキナーゼは、標的タンパク基質のリン酸化を触媒する酵素の大きなファミリーを代表するものである。リン酸化は、通常、リン酸基のATPからタンパク基質への移行反応である。リン酸基のタンパク基質への共通の結合点は、例えば、チロシン、セリン又はトレオニン残基を含む。プロテインキナーゼファミリー中のキナーゼの例は、限定ではないが、Abl1(v-Ablエーベルソンマウス白血病ウイルス癌遺伝子ホモログ1)、Akt、Alk、Bcr-Abl1、Blk、Brk、Btk、c-Kit、c-Met、c-Src、c-Fms、CDK1-10、b-Raf、c-Raf1、CSF1R、CSK、EGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4、Erk、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGFR5、Flt-1、Fps、Frk、Jak、KDR、MEK、PDGFR、PIK、PKC、PYK2、Ros、Tie、Tie2及びZap70を含む。多くの細胞プロセスにおけるそれらの活性により、プロテインキナーゼは、重要な治療標的として出現した。
ALK(未分化リンパ腫キナーゼ)は、アミノ末端シグナルペプチドを有する細胞外ドメイン、インスリン受容体基質-1のための結合サイトを中に持つ膜近接セグメントを有する細胞内ドメイン及びカルボキシ末端キナーゼドメインからなる1620アミノ酸の膜貫通タンパクである。ALKは、インスリン受容体チロシンキナーゼのメンバーであり、棘皮動物微小管結合タンパク様4(EML4)は、120KDaの細胞質タンパクであり、微小管及び微小管結合タンパクの生成に関与する。EML4-ALKは、EML4のエクソン1~13をALKのエクソン20~29に結合させた染色体2の短腕での反転から生じる新規な融合遺伝子である。EML4-ALK融合の存在は、NSCLC(非小細胞肺癌)患者の約3~13%で同定されている。この目的のために、PK阻害剤として作用する小分子を同定する試みがなされてきている。例えば、アミノヘテロアリール化合物(WO2004/076412)が、ALK/c-MET阻害剤として記載されている。アザインドール誘導体(WO2010/068292)が、ALK/EGFRキナーゼ阻害剤として記載されている。
このように、ALKのようなプロテインキナーゼ及び他のキナーゼの活性を単独で又は共同で阻害し得る化合物は、癌のようなヒトの疾患を治療するために用いることができる。
しかしながら、ALK突然変異の耐性を克服すること、及びALK阻害剤の安全性プロフィールを改善することについての大きな満たされていない医学的ニーズが依然として存在する。
一つの側面において、式I:
Figure 2022504578000001

(式中、Rは、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシである)
の化合物又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物もしくはエナンチオマーもしくはプロドラッグもしくは代謝産物が提供される。
他の側面において、本出願は、さらに、上記式Iの化合物及び薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物を提供する。
他の側面において、本出願は、さらに、治療的効果量の上記式Iのいずれかの化合物を哺乳類罹患体に投与することを含む、キナーゼ媒介障害を治療又は予防するための方法を提供する。
発明の詳細な説明
本発明のいくつかの実施形態において、式I:
Figure 2022504578000002

(式中、Rは、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシである)
の化合物又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物もしくはエナンチオマーもしくはプロドラッグもしくは代謝産物が提供される。
本発明のいくつかの実施形態において、式II:
Figure 2022504578000003

(式中、Rは、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシである)
の化合物又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物もしくはエナンチオマーもしくはプロドラッグ もしくは代謝産物が提供される。
本発明のいくつかの実施形態において、Rは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル又はtert-ブチルである。
本発明の1つの実施形態において、Rは、メチルである。
本発明のいくつかの実施形態において、Rは、メトキシル、エトキシル、n-プロポキシル、イソプロポキシル、n-ブトキシル、sec-ブトキシル、iso-ブトキシル又はtert-ブトキシルである。
本発明の1つの実施形態において、Rは、メトキシルである。
本発明の1つの実施形態において、Rは、エトキシルである。
ある実施形態において、限定されないが、
Figure 2022504578000004

からなる群の中から選ばれた化合物等、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物もしくはプロドラッグもしくは代謝産物が提供される。
ある実施形態において、限定されないが、
Figure 2022504578000005

からなる群の中から選ばれた化合物等、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物もしくはプロドラッグもしくは代謝産物が提供される。
他の実施形態において、本発明の化合物は、薬学的に許容され得る塩の形態にある。いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、溶媒和物の形態にある。他の実施形態において本発明の化合物は、代謝産物の形態にある。他の実施形態において、本発明の化合物は、プロドラッグの形態にある。いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、エナンチオマーである。他の実施形態において、本発明の化合物は、ジアステレオマーである。他の実施形態において、本発明の化合物における重水素濃縮度は、少なくとも約1%である。
いくつかの実施形態において、本発明の化合物及び薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物が提供される。ある実施形態において、本組成物は、プロテインキナーゼにより制御される疾患の治療のためのものである。ある実施形態において、本組成物は過剰増殖性障害及び/又は血管新生障害の予防又は治療のためのものである。いくつかの実施形態において、本医薬組成物は、さらに、抗新生物剤、免疫抑制剤、免疫刺激剤又はそれらの組合せを含む。他の実施形態において、本医薬組成物は、経口、非経口又は静脈内投与に適している。
いくつかの実施形態において、本発明は、哺乳類罹患体に、本明細書に記載したいずれかの本発明化合物の治療的効果量を投与することを含む、キナーゼシグナル伝達を制御するための方法を提供する。
他の実施形態において、本明細書には、ALK(すべての融合及び/又は変異体キナーゼを含む)、ROS1及び/又はNTRKキナーゼ媒介障害を治療又は予防するための方法が提供され、その方法は、哺乳類罹患体に、本明細書に記載したいずれかの本発明化合物の治療的効果量を投与することを含む。
他の実施形態において、本明細書には、必要とする哺乳類罹患体に、本明細書に記載したいずれかの本発明化合物の治療的効果量を投与することを含む、新生組織形成を治療するための方法が提供される。ある実施形態において、新生組織形成は、皮膚癌、白血病、結腸癌、腎細胞癌、消化管間質腫瘍、固形腫瘍癌、骨髄腫、乳癌、膵臓癌、非小細胞肺癌、非ホジキンリンパ腫、肝細胞癌、甲状腺癌、膀胱癌、大腸癌、前立腺癌及び脳腫瘍から選ばれる。いくつかの実施形態において、本方法は、さらに、1種以上の抗癌剤を投与することを含む。
以下の定義は、本明細書に記載した発明を理解するうえで助けとなるであろう。
用語「アルキル」は、炭素-炭素単結合のみを含み、無置換であるか、又は任意に1又はそれ以上の官能基で置換されていてもよい直鎖、分岐鎖、及び環状炭化水素基を含むことが意図されている。アルキル基の好ましい鎖長は、1~6個の炭素原子である。C-Cアルキルは、C(メチル)、C(エチル)、C(n-プロピル、イソプロピル)、C(例えば、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル)、C(例えば、n-ペンチル)及びCアルキル基を含むことが意図されている。アルキルは、置換されていても、置換されていなくてもよい。例示的置換アルキル基は、限定されないが、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、アミノメチル、アミノエチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、2-フルオロエチル、及び2-メトキシエチル等を含む。
用語「アルコキシ」は、-O-(アルキル)又は-O-(無置換シクロアルキル)基のいずれかをいう。C-Cアルコキシは、C-Cアルキル基を含むことが意図され、ここで、C-Cアルキルは上に定義されている。代表例は、限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等を含む。
用語「薬学的に許容され得る」は、本発明の化合物に関して用いられるとき、罹患体への投与に安全である化合物の形態をいう。例えば、政府当局又はアメリカ食品医薬品局のような規制機関,によって、経口摂取又は他のいずれかの投与経路を介して哺乳類に対する使用について承認されているこの発明の化合物の遊離塩基、塩形態、溶媒和物、水和物、プロドラッグ又は誘導体形態は、薬学的に許容され得る。
語句「効果量」は、代替療法に典型的に伴う有害な副作用を避けながら、各剤自体の治療に対する障害重症度及び発生頻度における改善目標を達成するであろう各剤の量を定量化することが意図されている。効果量は、1つの実施形態において、単一の剤形で、又は複数の剤形で投与される。
本発明の出発物質は、既知であるか、市販されているか、又は当該分野で既知の方法に類似して又はそれに従って合成することができる。多くの出発物質は、既知の方法に従って調製することができるし、特に、例において記載した方法を用いて調製することができる。出発物質を合成するに際し、いくつかの場合において官能基は、必要であれば、適切な保護基で保護される。保護基、その導入及び除去は、上に記載されている。
所望の手法に従って式Iの化合物を合成する上で、いくつかの実施形態における工程は、本明細書に記載した手法を含む、本化合物を調製するために好適な順序で行われるか、又は本明細書に記載した工程の代替の順序のにより行われ、1つの実施形態においては、必要により、追加の保護及び/又は脱保護工程により先行されるか、後続される。中間体は、いくつかの実施形態において、単離されるか、又はその場で精製を伴うか伴うことなく、続行される。本明細書に記載した阻害剤化合物を合成する上で有用な合成化学変換及び保護基方法論(保護及び脱保護)は、当該分野で知られており、例えばR. LarockによるComprehensive Organic Transformations, VCH Publishers (1989); T.W. Greene及びP.G.M. WutsによるProtective Groups in Organic Synthesis,第3版, John Wiley and Sons (1999); L. Fiese及びM. Fieserによる Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1994); A. Katritzky及びA. PozharskiによるHandbook of Heterocyclic Chemistry,第2版(2001); M. Bodanszky, A. BodanszkyによるThe Practice of Peptide Synthesis, Springer-Verlag, Berlin Heidelberg (1984); J. Seyden-PenneによるReductions by the Alumino- and Borohydrides in Organic Synthesis,第2版, Wiley-VCH, (1997); 並びに L. Paquette編集Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1995)に記載されているものを含む。
いくつかの実施形態における本発明の化合物は、また、複数の互変異性型で表される。本発明は、本明細書に記載した化合物のすべての互変異性型を明示的に含む。
1つの実施形態において、本化合物は、また、cis-もしくはtrans-又はE-もしくはZ-二重結合異性型で出現する。かかる化合物のすべてのかかる異性型は、明示的に、本発明に含まれる。
適応
本発明は、限定されないがALKを含む1種以上のシグナル伝達経路を調節することができる化合物を提供する。
用語「調節」とは、該経路(又はその成分)の機能的活性が、化合物の不存在下でのその通常の活性と比べて変化されることを意味する。この効果は、増加、痛苦、増強、強化、促進、刺激、減少、阻止、阻害、減少、軽減、拮抗等を含む、調節のいずれかの質又は程度を含む。
本発明の化合物は、また、以下のプロセス、限定されないが、例えば細胞成長(例えば、分化、細胞生存、及び/又は増殖を含む)、腫瘍細胞成長(例えば、分化、細胞生存、及び/又は増殖を含む)、腫瘍退縮、内皮細胞成長(例えば、分化、細胞生存、及び/又は増殖を含む)、血管新生(血管成長)、リンパ脈管新生(リンパ管成長)、及び/又は血球新生(例えば、T及びB細胞発生、樹状細胞発生等)を含むプロセスを調節することができる。
いかなる作用の理論又は機構に拘束されることを望むものではないが、本発明の化合物はキナーゼ活性を調節する能力を有することが見いだされている。しかしながら、本発明の方法は、いかなる特定の機構に、あるいは本化合物がいかにしてその治療効果を達成するかには、限定されるものではない。語句「キナーゼ活性」とは、タンパク基質においてアデノシン三リン酸(ATP)からのガンマホスフェートがアミノ酸残基(例えば、セリン、トレオニン又はチロシン)に移行される触媒活性を意味する。化合物は、キナーゼ活性を調節することができ、例えば、キナーゼのATP結合ポケットに対しATPと直接競合することにより、活性に影響する当該酵素の構造に立体配座上の変化を生じさせることにより(例えば、生物学的に活性な三次元構造を破壊することにより)、キナーゼに結合し、それを不活性な立体配座に閉じ込めること等により、それを阻害する。
製剤及び使用方法
投与する化合物の量並びに本発明の化合物及び/又は組成物で癌を治療すための投与計画は、罹患体の年齢、体重、性別及び医学的状態、疾患の種類、疾患の重度、投与の経路及び頻度、及び用いる特定の化合物を含む種々のファクターに依存する。すなわち、投与計画は、大きく異なるが、標準的な方法を用いて日常的に決定することができる。約0.01~500mg/kg、有利には、約0.01ないし約50mg/kg、より有利には、約0.01ないし約30mg/kg、さらにより有利には約0.1ないし約10mg/kgの1日用量が適切であり得、そして本明細書に開示したすべての使用方法に有用であるべきである。1日用量は、1日当たり1回乃至4回投与で投与することができる。
本発明の化合物だけを投与することもできるが、記載した方法においては、投与する化合物は、通常、医薬組成物における活性成分として存在する。すなわち、本発明の他の実施形態において、本明細書に記載したような希釈剤、賦形剤、アジュバント等(本明細書において、総称して「担体」物質という)を含む薬学的に許容され得る担体、及び所望ならば、他の活性成分と組み合わせて本発明の化合物を含む医薬組成物が提供される。本発明の医薬組成物は、効果量の本発明の化合物を、又は効果的投与量の本発明の化合物を含み得る。本発明の化合物の効果的投与量は、本化合物の効果量より少ないか、等しいか、又は多いかの量を含む。例えば錠剤、カプセル剤等におけるように2つ又はそれ以上の単位用量が化合物の有効量を投与するために必要とされる医薬組成物、あるいは散剤、液剤等のような、本化合物の効果量が組成物の一部を投与することにより投与される複数回投与医薬組成物である。
投与経路
好適な投与経路は、限定されないが、経口、静脈内、直腸内、エーロゾル、非経口、点眼、肺内、経粘膜、経皮、膣内、耳内、経鼻及び局所投与を含む。加えて、ほんの一例として、非経口送達は、筋肉内、皮下、静脈内、髄腔内注入、並びにくも膜下、直接心室内、腹腔内、リンパ内及び鼻腔内注入を含む。
本発明の化合物は、経口投与することができる。経口投与は、飲み込みを含むことができ、その結果、本化合物は、消化管に入り、あるいは本化合物が口から直接血流に入るところの頬側もしくは舌下投与を採用することができる。経口投与に好適な製剤は、固形製剤、例えば錠剤、微粒子、液体もしくはパウダーを含有するカプセル剤、トローチ剤(液体充填を含む)、チューズ、多粒子及びナノ粒子、ゲル、固溶体、リポソーム、フィルム(粘膜付着剤を含む)、腔座剤、噴霧剤及び液体製剤を含む。
本発明の化合物は、また、全体を参照により本明細書に援用するLiang及びChenによるExpert Opinion in Therapeutic Patents, 11 (6), 981-986 (2001)に記載されているもののような、速溶性、速崩壊性剤形で用いることができる。
経口投与用製剤は、速放出又は放出調節剤であるように処方することができる。放出調節製剤は、遅延、持続、パルス及びプログラム化放出剤を含む。すなわち、本発明の化合物は、本活性化合物の調節放出を提供する移植デポとしての投与のために、固形、半固形又はチキソトロピー液剤として処方することができる。そのような製剤の例は、薬物塗布ステント、及びPGLAマイクルスフフェアを含む。
組合せ
本発明の化合物は、単独の活性医薬剤として服用又は投与することができるが、本発明の1種以上の化合物と組み合せて、又は他の剤と共に用いることができる。組合せとして投与するとき、治療剤は、同時に、又は異なる時間に順次に投与される別々の組成物として処方することができるし、あるいは治療剤を単一の組成物として与えることができる。
本発明の化合物の合成は、以下のスキーム1に記載した。
式Iの化合物の合成は、以下のスキーム1に記載した。出発物質化合物1は、類似の文献既知の手法に従って調製した。化合物1及び置換グリシンのアミド生成反応は、式Iの化合物を与えた。
Figure 2022504578000006
式IIの化合物の合成は、スキーム2に記載した。出発物質化合物2は、既知の文献手法に従って調製した。化合物2のアシル化反応は、式IIの化合物を与えた。
Figure 2022504578000007
プロトンNMRスペクトル
別段の指摘がない限り、HNMRスペクトルは、VarianシリーズのMercury300、400、500MHz装置又はBrukerシリーズの400、500MHz装置で行った。そのようにキャタライズされた場合、すべての観察されたプロトンは、指摘された適切な溶媒中のテトラメチルシラン(TMS)又は他の内部基準からのダウンフィールドの百万分率で報告されている。
略語
DCMは、ジクロロメタンを意味する。
EAは、酢酸エチルを意味する。
TLCは、薄層クロマトグラフィーを意味する。
HATUは、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェートを意味する。
DIPEAは、ジイソプロピルエチルアミンを意味する。
HPLCは、高速液体クロマトグラフィーを意味する。
LC-MSは、液体クロマトグラフィー-質量分析を意味する。
NMRは、核磁気共鳴を意味する。
例1:化合物3の合成
Figure 2022504578000008
DCM(15mL)中の化合物2(1g)の溶液に、0℃で、ピリジン(263.1mg、1.5当量)を添加し、0.5時間撹拌した。ついで、この反応混合物に塩化アセチル(208.9mg、1.2当量)を数回で添加した。この反応物を0℃で0.5時間撹拌し、TLCが反応の完結を示した。ついで、この反応物に水(20mL)を添加し、層が分離し、水層をDCM(2×10mL)で抽出した。併せた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。粗生成物を分取TLCプレートにより精製し、化合物3を固体782.3mgとして得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3):1.867-1.852.(d, J = 6, 3H), 2.139 (s, 3H), 3.160(s, 3H), 4.130 (s, 3H), 4.396-4.489 (q, J1 = 14.4, J2 =8.4 ,2H), 4.613 (s, 2H), 5.796-5.816(q, J1 = 4.8, J2 =1.6 , 1H), 6.499-6.522(t, J1 = 4.8, J2 = 4.4, 1H ), 7.230-7.285 (m 1H), 7.375-7.379(d, J = 1.6, 1H), 8.139 (s, 1H), 8.143(s, 1H); LC-MS (M+1=506)。
例2:化合物4の合成
Figure 2022504578000009
トルエン(20mL)中の化合物2(200mg)の溶液に、室温で、(メトキシカルボニル)グリシン(78.6mg、1.2当量)、HATU(280.8mg、1.5当量)及びDIPEA(127mg、2当量)を添加し、撹拌した。この反応物を還流下で5時間撹拌し、水を水分離器で除去した。TLCが反応の完結を示し、そこでこの反応物に水(30mL)を添加し、水層をEA(3×10mL)で抽出した。併せた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。粗生成物を分取TLCにより精製して、化合物4を固体146.6mgとして得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3):1.840-1.856.(d, J = 6.4, 3H), 3.158 (s, 3H), 3.782(s, 3H), 4.130 (s, 3H), 4.434-4.491(m, 4H), 5.655 (s, 1H), 5.790-5.810(q, J1 = 4.8, J2 =1.6 ,1H), 7.025-7.092(m, 2H ), 7.232-7.267 (m 1H), 7.334-7.355(d, J = 8.4, 1H), 8.138-8.142(s, 1H), 8.607(s, 1H). LC-MS (M+1=522)。
例3:化合物5の合成
Figure 2022504578000010
DCM(5mL)中の化合物2(100mg)の溶液に、室温で、(エトキシカルボニル)グリシン(54.3mg、1.5当量)、HATU(187.2mg、2当量)及びDIPEA(80mg、2.5当量)を添加し、撹拌した。この反応物を還流下で8時間撹拌し、ついで、この反応物に水(5mL)を添加した。水層をDCM(3×5mL)で抽出した。併せた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。粗生成物を分取TLCで精製して、化合物5を固体40.8mgとして得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3):
1.263-1.354.(m, 3H),1.839-1.855.(d, J = 6.4, 3H), 3.159 (s, 3H), 4.117-4.131(s, 3H), 4.199-4.252 (q, J1= 7.2,J2 = 6.8, 2H), 4.399-4.522 (m, 4H), 5.58(s, 1H),5.795-5.811(q, J1 = 4.8, J2 = 1.6 1H ), 7.047-7.090 (m 2H), 7.232-7.267(m, 1H), 7.324-7.344 (d, J =8, 1H),8.142 (s, 1H), 8.146(s, 1H). LC-MS (M+1=536)。
生物学的アッセイ
先に述べたように、本発明で規定される化合物は、抗増殖活性を有する。これらの性質は、例えば、以下説明する1つ以上の手法を用いて評価することができる:
試験化合物のキナーゼを阻害する能力を決定するイン・ビトロアッセイ。
キナーゼタグ付けT7ファージ株を、BL21株から誘導したE.coli宿主中で調製した。E.coliは、対数期まで増殖させ、T7ファージに感染させ、32℃で、溶解するまで、振盪を伴ってインキュベートした。溶解物を遠心し、細胞デブリを除去するために濾過した。残りのキナーゼをHEK-293細胞中に産生させ、その後qPCR検出のためにDNAでタグ付けした。ストレプトアビジン塗布磁気ビーズを室温でビオチン化小分子リガンドにより30分間処理してキナーゼアッセイのためにアフィニティレジンを生成させた。リガンド結合ビーズを過剰のビオチンでブロックし、ブロッキングバッファー(SeaBlock(Pierce、1%BSA、0.05%Tween20、1mMのDTT)で洗浄して、未結合リガンドを除去し、非特異的結合を減少させた。結合反応を、キナーゼ、リガンド結合アフィニティビーズ及び試験化合物を1x結合バッファ(20%SeaBlock、0.17xPBS、0.05%Tween20、6mMのDTT)中で混合することによって集合させた。すべての反応は、0.135mlの最終体積でポリスチレン96ウェルプレート中で行った。アッセイプレートを振盪を伴って室温で1時間インキュベートし、アフィニティビーズを洗浄バッファ(1xPBS、0.05%Tween20)で洗浄した。ついで、ビーズを溶出バッファ(1xPBS、0.05%Tween20、0.5μMの非ビオチン化アフィニティリガンド)中に再懸濁させ、振盪を伴って室温で30分間インキュベートした。溶出物中のキナーゼ濃度をqPCRにより測定した。
細胞増殖アッセイを用いて、代表数の化合物をBAFに対してアッセイした:
細胞培養及び接種:
1.対数増殖相にある細胞を回収し、血小板カウンターでカウントした。細胞生存率が90%超であることを確認すべく細胞生存率を検出するためにトリパンブルー色素排除法を用いた。
2.細胞濃度を調節する。90μLの細胞懸濁液をそれぞれ96ウェルプレートに添加した。
3.96ウェルプレート中の細胞を37℃、5%CO及び湿度95%で一晩培養した。
薬剤希釈及び投与:
1.最高濃度100μM、9種の濃度及び3.16倍希釈を有する10の薬剤溶液を調製する。10μLの薬剤溶液を、細胞を接種した96ウェルプレートの各ウェルに添加し、各薬剤濃度について3つの複製ウェルを仕立てる。
2.薬剤を添加した96ウェルプレート中の細胞を37℃、5%CO及び湿度95%で72時間培養した後、CTG分析を行った。
エンド読み取りボード:
1.CTG試薬を溶かし、細胞プレートを30分間室温に平衡化させる。
2.各ウェルに等体積のCTG溶液を加える。
3.固定軌道振盪器で5分間振動させて細胞を溶解する。
4.細胞プレートを室温で20分間置いて冷光シグナルを安定化させる。
5.冷光値を読み取る。
データをGraphPa Prism 5.0ソフトウェアにより分析し、非線形S字曲線回帰によりデータをあてはめ、相応してIC50値を計算した。
細胞生存率(%)=(Lum試験薬物-Lum培養溶液対照)/(Lum細胞対照―Lum培養溶液対照)×100%。
以下の表Aは、本発明の代表的な化合物と細胞アッセイにおけるそれらの活性を掲げている。
Figure 2022504578000011
CYP阻害を測定するために、代表数の化合物をヒト肝ミクロソームにおいてP450 3A4 アッセイで試験した:
ヒト肝ミクロソーム(HLM)を-80℃で保管する。研究の前に、ミクロソームを冷水浴中で解凍した後、即座に氷上に置いた。試験化合物及びP450 3A4特異的阻害剤ケトコナゾールをDMSOに溶解し、10mMの原液を得た。原液を50%アセトニトリルで希釈し、濃度1.5mMの希釈標準液を得た。この希釈標準液を、さらに、0.1Mのリン酸カリウム緩衝液で希釈して150、50、15、5、1.5、0.5、0.15及び0.05μMの濃度の一連の使用液を得た。複製の接種混合物は、0.1Mのリン酸カリウム緩衝液中に、プールしたヒト肝ミクロソーム(0.1mg/mL)、3.3mMのMgCl、CYP 3A4プローブ基質テストステロン(50μM)、特異的阻害剤又は試験化合物(30、10、3、0.1、0.03、0.01、0.003、0.01μM)を含有する(総体積0.1mL)。陰性対照は、特異的阻害剤又は試験化合物の代わりに、0.1Mのリン酸緩衝液を含有する。DMSO及びアセトニトリルの最終濃度は、0.1%以下であった。これら混合物を37℃で10分間事前接種する。ついで、1mMのNADPHを添加し、反応を開始させる。37℃で10分間の接種に続いて、内部標準を含有する300μLのアセトニトリルの添加により、反応を終了させる。対応する生成物の生成は、LC/MS/MSにより検出する。
LCMS法:WatersのACQUITY UPLCシステム連結API 4000Qtrapシステムを用いた。質量分析装置はTurbo Ion Spray(ESI)Interface(カナダ国オンタリオ州コンコルドのApplied Biosystems)を備える。LC-MS/MSシステムを制御するため、並びにデータ獲得及び処理のために、Analyst 1.5ソフトウェアパッケージ(Applied Biosystems)を用いた。クロマトグラフ分離は、WatersのACQUITY UPLC BEH C18カラム(50×2.1mmID、1.7μm)上で達成した。カラム温度は、周囲温度(25℃)に維持した。移動相Aは、0.1%ギ酸(V/V)を追加した純水である。移動相Bは、0.1%ギ酸(V/V)を追加したアセトニトリルである。流量は、0.6mL/分に維持した。
試料調製:反応を、3倍体積の、内部標準を含有する氷冷メタノール/アセトニトリル(1/1、v/v)混合物の添加により、停止させた。この混合物を、4000rpmで20分間遠心した。100μLの上澄みを200μLのHOと混合し、最終溶液をLC-MS/MS分析のために注入した。
データ分析:内部標準に対する生成物(6β-ヒドロキシテストステロン)のピーク面積比を、残存酵素活性を表すために各反応についての関係する陰性対照の百分率としてプロットする。試験化合物のIC50値を、GraphPad Prismソフトウェアを用いて、プロット酵素活性対阻害剤濃度の非線形回帰により決定する。薬物・薬物相互作用(DDI)の潜在的リスクを評価するための一般的な基準は以下の通りである:
IC50>10μM CYP阻害低い
3μM<IC50<10μM CYP阻害中程度
IC50<3μM CYP阻害高い
以下の表Bは、本発明の代表的化合物と、シトクロムP450 3A4アッセイでのそれらの活性を掲げる。化合物3は、CYP 3A4に対しはるかに弱い阻害を示し、薬物・薬物相互作用に対しはるかに不適であることを示している。
Figure 2022504578000012
溶解性の測定:
基準標準溶液の調製:2mgの化合物を個々に各100mL容積のフラスコに添加した。化合物は、アセトニトリルで100mLまで希釈した。
試料溶液の調製:2mgの化合物を個々に2mLのエッペンドルフチューブ(EP)に添加し、ついで1mLのpH7.0又は10.0のバッファ溶液(20mM)を添加した。この溶液を2分間振盪し、25℃で30分間放置した。30分間の放置後、EPの底に沈殿が生成した。溶液を0.2μmのメンブレンフィルターを通して濾過した後、水で50回希釈した。
標準溶液及び試料溶液を、等体積で、Shim-Pack CLC-ODS C18カラム(150mmx6.0mm、5um)上のHPLCに注入した。移動相は、1mL/分の流量の、2%トリクロロメタンを有するアセトニトリル-20mMのKHPO(40:60)からなるものであった。検出波長は264nmである。計算:試料の溶解性=標準の濃度×試料の面積×50/標準の面積。化合物3は、pH=7.0において、化合物2及びロルラチニブよりもはるかに高い溶解度を有した。
Figure 2022504578000013
イン・ビボゼノグラフトアッセイ:
ヌードマウス内に皮下BaF-SLC34A2-ROS1細胞株ゼノグラフトモデルを作り、そして化合物のイン・ビボ治療有効性を評価するために、イン・ビボ実験の代表的なプロトコールは、以下の通りである:動物:オスBalb/cヌードマウス(6~8週齢)を中華人民共和国上海のSLAC Laboratory Animalから得た。動物を滅菌フィルタートップのケージ内でSPF条件下に維持し、HEPA濾過換気ラック上に留め置いた。動物は、滅菌げっ歯類餌と水を自由に受け取った。細胞株:BaF-SLC34A2-ROS1, S.c。胸腺欠損マウスにおけるゼノグラフトモデル:胸腺欠損マウス中への移植用細胞を回収し、1200r/分で5分間の遠心によりペレット化した。細胞を一度洗浄し、200μl中5×106で、滅菌PBS緩衝液に再懸濁させた。ついで、細胞を各マウスの右肩甲部に皮下移植し、化合物の投与前に200~300mmまで増殖させた。投与製剤の調製:各化合物を0.5%CMC-Naに懸濁させた。無作為化:腫瘍体積が200~300mmに近づいたとき、マウスを腫瘍体積に従って5つの群に無作為に割りつける。その日を1日目と表示し、この日から処理を開始する。投与:用量は、経口強制投与針で毎日1回複数日にわたって投与する。経口胃管栄養法による0.5%CMC-Na中に投与した化合物処理を腫瘍の体積が200~300mmとなった時に開始した。観察:接種後、動物を罹患率及び死亡率について毎日チェックする。ルーチンのモニタリング時で、動物を腫瘍増殖、及び可動性、体重増加/減少(体重は毎週2回又は1日おきに測定する)、眼やに/もつれ髪及びいずれかの他の異常効果のような、正常な挙動に対するいずれかの処理の効果についてチェックする。死亡及び観察された臨床兆候は、各サブセット内の動物の数に基づいて記録する。腫瘍サイズ測定:腫瘍体積は、3日毎に、電子ノギスでの測定により決定し、腫瘍体積を、その長さ×幅2×0.5の積として計算した。効果の研究:腫瘍体積を指示された日に平均値±SDとして表現した。百分率(%)阻害値は、ビヒクル処理マウスと比較した薬物処理マウスについて測定し、以下のとおり計算した:腫瘍増殖阻害(TGI、%)=100-[処理MTV/対照MTV]×100。処理群対対照群の間の有意差(p<0.05)をt検定を用いて決定した。研究の終点で、採血後、マウスを頚椎脱臼により安楽死させ、まず腫瘍組織を回収し、ついで腹腔を切開し、肝臓と脾臓を切除し、ついで胆嚢をそれぞれ除去した後秤量する。処理群対対照群の間で臓器重量と臓器/体重比を比較した。比は、以下のとおり計算した。比=臓器重量/(体重-腫瘍重量)。臓器重量と臓器/体重比の両者は、また、平均値±SDとして表現し、処理群対対照群の間の有意差(p<0.05)をt検定により決定した。
以下の表Dは、本発明の代表的な化合物と、ヌードマウス内の皮下BaF-SLC34A2-ROS1細胞株ゼノグラフトモデルにおけるそれらの活性を掲げる。化合物1及び3は、複数日にわたって一日に1回の経口胃管栄養法により5mg/kgで投与した。腫瘍サイズを秤量した。20日目に、化合物3は、ロルラチニブと比べて、有意により良好な腫瘍増殖阻害を示した。化合物3についての残りの腫瘍重量は、ロルラチニブ(PF-06463922)よりもはるかに少ない。
Figure 2022504578000014
PK研究:
PK(薬物動態)アッセイのための代表的なプロトコールは、以下の通りであった:
化合物をIV又は経口のいずれかで同じ動物に与えた。各化合物についての用量は、IVで1mg/kg(体積5ml/kg)、経口で10mg/kg(体積10ml/kg)中であった。IV用の製剤は、0.4mg/mLで10%のソルトールHS15+90%のリン酸緩衝生理食塩水であった。0.5mg/mLで100%(水中0.5%MC中の0.5%Tween80)の懸濁液を経口製剤に用いた。試料収集:IV経路については、血漿試料を0.083、0.25、0.5、1、2、4、8及び24時間の時点で収集した。経口経路については、血漿試料を0.25、0.5、1、2、4、8及び24時間の時点で収集した。総バイオアベイラビリティを親化合物と主要代謝産物を加えることによって計算する。分析:PKパラメータ:t1/2、tmax、Cmax、Vss及びAUC等を計算するためにLC-MS/MSを用いた。
以下の表Eは、選択した化合物及びそれらのバイオアベイラビリティを掲げている。
Figure 2022504578000015
ラットでは、化合物2が49%の経口バイオアベイラビリティを実証した。化合物3と化合物4は、さらに改善されたバイオアベイラビリティ(F=100%)を有する。
毒性の研究
ロルラチニブ(PF-06463922)及び化合物3を含む複数の代表的化合物を、ラットにおいて、メスには8mg/kg/日の用量で、オスには16mg/kg/日の用量で、典型的な1ヶ月毒性研究で試験した。この実験の条件下で、化合物の投与期間の終了時及び回復期間の終了時に、ロルラチニブを投与したグループのいくつかの動物の血液において#LYMPH及び赤血球が減少し、血小板及び/又は%NEUTは増加傾向を示す。対応する動物は、プロトロンビン時間において短縮した時間を示した。対照的に、同じ用量での化合物3又はビヒクル対照群では、類似の変化は観察されなかった。
安定性試験:純度を測定するためにHPLCを用いて、化合物をその25℃での安定性について1ヶ月間試験した。主要不純物A及びBのそれぞれ0日目で1.13%及び1.39%から30日目で3.98%及び8.34%への増加を伴って、化合物2が25℃で有意に分解したことがわかった。化合物2は、-30℃で安定ではなかった。他方、化合物3、4及び5は、0℃又は25℃で有意な変化を示さなかった(表F)。
Figure 2022504578000016
Figure 2022504578000017

Claims (17)

  1. 式I:
    Figure 2022504578000018

    (式中、Rは、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシである)
    の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物もしくはプロドラッグもしくはエナンチオマーもしくは代謝産物。
  2. 式Iが、式II
    Figure 2022504578000019

    である請求項1に記載の化合物。
  3. が、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル又はtert-ブチルである請求項1又は請求項2に記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物。
  4. が、メチルである請求項3に記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物。
  5. が、メトキシル、エトキシル、n-プロポキシル、イソプロポキシル、n-ブトキシル、sec-ブトキシル、iso-ブトキシル又はtert-ブトキシルである請求項1から請求項2までのいずれか1項に記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物。
  6. が、メトキシルである請求項5に記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物。
  7. が、エトキシルである請求項5に記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物。
  8. Figure 2022504578000020

    からなる群の中から選ばれた請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物。
  9. Figure 2022504578000021

    からなる群の中から選ばれた化合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物もしくはプロドラッグもしくは代謝産物。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の化合物、及び薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物。
  11. 医薬としての使用のための、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の化合物又は請求項10に記載の医薬組成物。
  12. 過剰増殖性障害の治療又は予防のための、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の化合物又は請求項10に記載の医薬組成物の使用。
  13. キナーゼシグナル伝達を制御するための請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の化合物の使用。
  14. ALK、ROS1及び/又はNTRKキナーゼ媒介障害を治療又は予防するための、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の化合物の使用。
  15. 新生組織形成を治療するための、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の化合物の使用。
  16. 肺癌及び/又は脳腫瘍から選ばれた癌疾患を治療するための、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の化合物の使用。
  17. 新生組織形成を治療するための、1種以上の抗癌剤と組み合わせた請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の化合物の使用。
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