JP2022500465A - ペプチドおよびその医学的使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ペプチド、当該ペプチドを含む組成物、ならびに血管形成および/または血管新生の阻害剤としてのその使用に関する。さらに、本発明は、不適当な血管形成および/または血管新生と相関する病状の治療のための当該ペプチドおよび当該組成物の使用に関する。特に、本明細書において、VEGFR1と相関する血管形成および/または血管新生について言及されている。

Description

本発明は、ペプチド、当該ペプチドを含む組成物、ならびに血管形成および/または血管新生の阻害剤としてのその使用に関する。さらに、本発明は、不適当な血管形成および/または血管新生と相関する病状の治療のための当該ペプチドおよび当該組成物の使用に関する。特に、本明細書において、VEGFR1と相関する血管形成および/または血管新生について言及されている。
VEGFR−1の活性化の阻害が適用され得る病状の重症度の高さおよび範囲の広さを考慮すると、VEGFR−1に結合することができ、かつ、VEGF−A、PlGF、VEGF−BリガンドおよびVEGF−A/PlGFヘテロ二量体と、VEGFR−1との間の相互作用を妨害することができる合成化合物に対する強い需要があると考えられる。実際、有利なことに、合成化合物は、生物学的起源の汚染物質を本質的に含まず、組換え体起源の生物学的治療薬よりもかなり低コストで製造することもできる。
リガンドを中和するために、多くの治療アプローチでは、モノクローナル抗体が、高い特異性および親和性を特徴とする分子であるために使用される。しかしながら、合成分子も、製造がより容易で安価であり、より安定的かつより容易に送達できるという利点を有する。
この点について、Ponticelliらは、最近、2008年に、式(R−Glu)−(S−Cys(Bzl))−(S−Cha)を有するペプチド鎖が3つのリジンの「コア」上で四量体化されている、ペプチドライブラリーから選択された四量体トリペプチドを記載した(Tam,J.P.1988.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5409-5413)。
この四量体ペプチドの構造は次の通りである。
Figure 2022500465
Ponticelliらによって報告された科学的証拠は、上記四量体ペプチドがVEGFR1に結合し、約10μMのIC50で、PlGF、VEGF−AおよびVEGF−Bの相互作用をインビトロで阻害できることを示す。さらに、このペプチドはVEGFR−2には結合することができず、VEGF−Aによるその活性化を妨害しない。
最後に、このペプチドは、
1)インビトロで抗血管形成活性を示し、PlGFおよびVEGF−Aの血管新生促進活性を妨害し、
2)角膜内のVEGF−A−sFlt1結合に取って代わることができる(生理学的条件下では脈管化されない)ので、VEGF−Aが含まれなくなり、血管新生を促進させることができ、
3)腹腔内投与されると、腫瘍増殖、血管形成、動脈新生および転移を減少させ、かつ
4)硝子体内投与されると、脈絡膜血管新生を減少させる(Cicatiello et al.2015)。
このペプチドの抗血管形成活性は、新たな血管の形成の阻害と、血管新生部位での炎症細胞、好ましくは単球−マクロファージの動員を阻害する能力の両方に起因するものである。
抗動脈新生活性は、血管新生部位での平滑筋細胞の動員を阻害する能力に基づいている。
本発明の目的
本発明において、本発明の著者らは、驚くべきことに、化学基、特にチオールまたはチオエーテル基の立体障害に匹敵する立体障害を有する側鎖を特徴とするアミノ酸を、ペプチドのC末端に挿入することによって、分子の活性を大幅に改善することを見出した。
実際、上記修飾は、VEGFR1との選択的結合、ならびにVEGFR1との結合においてVEGF−Aおよび/またはPlGFと用量依存的に競合する能力を損なうものではない。それどころか、これらの修飾は、1000nM未満の濃度で、PlGFまたはVEGFとVEGFR1との間の相互作用を50%阻害する(IC50)ことができる。これは、Ponticelliらに報告されたペプチドのVEGFR1に対する親和性が10000nM以上である(IC50として表される)ことを考慮すると、まったく予想外の結果である。換言すると、本発明のペプチドは、Ponticelliらに報告されたペプチドのものよりも約1桁大きい阻害能力を有する。
さらに、本発明の著者らは、驚くべきことに、Ponticelliらに記載されているペプチドと、本発明のペプチドの両方が、経口投与または強制飼養により投与されると、脈絡膜血管新生を阻害する有意な能力を示すことを見出した。したがって、これらの分子は、血管形成、好ましくはVEGFR1依存的血管形成の改変と相関する、またはいずれにせよ引き起こされる病状を、好ましくは経口投与によって治療するのに治療上有効である。
以下の図および定義を参照する非限定的で例示的な例とともに、本発明の詳細な説明が続く。
VEGFR−1のPlGF誘導性リン酸化に関して、iVR1およびiVR1−Cysと、抗PlGFモノクローナル抗体との阻害活性を示す。20ng/mlのPlGFで誘導されたVEGFR−1リン酸化の分析は、ウエスタンブロッティングによって293−VEGFR−1細胞上で実施した。iVR1−CysとiVR1とを5μMの濃度でPlGFに同時に添加した。ヒト抗PlGF中和モノクローナル抗体を、阻害対照として3.3nMの濃度で使用した。PBSを陰性対照として使用した。 硝子体内投与されたiVRI−Cysが、レーザー誘発性脈絡膜血管新生を用量依存的に阻害することを示す。10または50μgのiVRI−Cysの硝子体内注射は、ビヒクル(DMSO)の注射と比較して、48.9%および75.9%に等しい脈絡膜血管新生の用量依存的減少をもたらす。同量のiVR1は、37.8%および73.9%に等しいCNV阻害をもたらす。対照ペプチド(PC)は阻害能力を示さない。血管新生の量の定量化を、10μgおよび50μgのiVR1の場合はn=12および15スポットで、10μgおよび50μgのiVR1−Cysの場合はn=10および8スポットで、PCの場合はn=15スポットで、およびDMSOの場合はn=14スポットで実行した。データは、対照と比較した平均±SEMとして表される。PCおよびDMSOに対して、#p<0.05、*p>0.0002、¶p<0.02、§p>0.002。下部には、CNVを表す画像がある。バーは100μmを表す。 経口投与されたiVRI−Cysがレーザー誘発性脈絡膜血管新生を阻害することを示す。iVR1−Cysを50mg/Kgで1日2回、7日間経口投与すると、ビヒクルと比較して、脈絡膜血管新生が45.9%減少する。同量のiVR1は、同様のCNV阻害をもたらす(49.7%)。血管新生の量の定量化は、iVRI−Cysの場合はn=18スポットで、iVRIの場合はn=20スポットで、およびビヒクルの場合はn=10スポットで実行した。データは、対照と比較した平均±SEMとして表される。DMSOに対して、*p=0.001および§p=0.007。下部には、CNVを表す画像がある。バーは100μmを表す。
定義
本明細書において、「VEGF」という用語は、血管内皮増殖因子を意味する。ヒトには、5つの異なる遺伝子によってコードされる5つの異なる血管内皮増殖因子VEGF−A、VEGF−B、VEGF−C、VEGF−DおよびPlGFが存在する。すべてがグリコシル化された二量体タンパク質である。
本明細書において、「VEGF−A」という用語は、以前はVPF(血管透過性因子)としても知られていた血管内皮増殖因子−Aを意味する。VEGF−Aは、VEGFファミリーの最も強力な因子であり、生理学的血管形成および病理学的血管形成の両方で決定的な役割を果たす。選択的スプライシングによって得られた少なくとも6つの異なるアイソフォームがヒトで報告されている。すべてがVEGFR−1およびVEGFR−2と呼ばれる2つの受容体と相互作用することができる。
本明細書において、「PlGF」という用語は、胎盤増殖因子を意味し、その役割は、病理的状態に関連する血管形成の状態に限定されている。4つの異なるアイソフォームがヒトで説明されている。すべてがVEGFR−1に特異的に結合することができる。VEGF−AおよびPlGFは、いずれもVEGFR−1と相互作用し、かつ、2つのそれぞれの遺伝子が同じ細胞で発現すると、VEGFR−1と相互作用することができるか、またはVEGFR−1/VEGFR−2ヘテロ二量体化を誘導することができるVEGF−A/PlGFヘテロ二量体を生じさせることができるため、病理的状態で強力な相乗作用を示す。
本明細書において、「VEGFR−1」という用語は、Flt−1としても知られるVEGF受容体1を意味する。VEGFR−1は細胞内チロシンキナーゼドメインを有するが、細胞外部分は7つのIgG様ドメインからなる。VEGF−A、VEGF−BまたはPlGFは、受容体の二量体化をもたらし、その結果、チロシンキナーゼドメインの自己リン酸化による活性化をもたらす。内皮細胞で発現されることに加えて、VEGFR−1は、平滑筋細胞、単球−マクロファージ、線維芽細胞および内皮前駆細胞を含む他の多くの種類の細胞で発現される。それは、血管形成に寄与するさまざまな種類の細胞を動員する上で基本的な役割を果たす。本明細書において、「可溶性VEGFR−1」(sVEGFR−1)という用語は、sFlt−1としても知られる、可溶性形態のVEGF受容体1を意味する。これは、VEGFR−1の最初の6つのIgG様細胞外ドメインおよびテールからなり、選択的スプライシングによってVEGFR−1遺伝子から生成される。通常は、全長形態のVEGFR−1が発現しているのと同じ細胞で発現するが、角膜を無血管状態に維持するために、角膜では可溶性形態が優先的に発現している。全長および可溶性ヒトVEGFR1のメッセンジャー配列は、好ましくは、それぞれ、配列番号1および2であり、一方、全長ヒトVEGFR1のタンパク質配列は、それぞれ、配列番号3および4である。本明細書に記載の配列との同一性が80〜99.9%の範囲であることを特徴とする配列は、本明細書の一部と見なされなければならない。
本明細書において、「VEGFR−2」という用語は、ヒトではKDRおよびマウスではFlk−1としても知られるVEGF受容体2を意味する。VEGFR−2は、VEGF−Aによって特異的に結合され、ドメイン内の組織化およびVEGFR−1について記載されたものと同様の活性化メカニズムを有する。受容体1とは異なり、本質的に内皮細胞で発現する。それは、内皮細胞の増殖、移動および分化を刺激する上で基本的な役割を有している。
本明細書において、「血管形成(angiogenesis)」という用語は、既存の血管から新たな血管が形成されるプロセスを意味する。本明細書において、血管形成は、好ましくは、以下から選択される、様々な種類の病理的状態に関連する新たな血管の形成のプロセスと呼ばれる:
−黄斑浮腫、加齢性黄斑変性症の湿性形態、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、網膜中心静脈閉塞症、硝子体出血および網膜剥離、ならびにそれらの組み合わせから好ましくは選択される新生血管性眼疾患、ならびに/または
−固形腫瘍および/もしくは腫瘍転移であって、前記腫瘍が、好ましくは、白血病およびリンパ腫、好ましくは急性リンパ球性白血病、急性非リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、ホジキン病、乳児もしくは成人固形腫瘍、脳腫瘍、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、骨肉腫および軟骨肉腫、肺腫瘍、結腸直腸癌、乳癌、前立腺癌、子宮癌、卵巣癌、尿路癌、膀胱癌、口腔腫瘍、膵臓腫瘍、皮膚の黒色腫および腫瘍、胃の腫瘍、脳の腫瘍、甲状腺の腫瘍、喉頭の腫瘍、肝臓の腫瘍、睾丸の腫瘍から選択される、固形腫瘍および/もしくは腫瘍転移、ならびに/または
−関節リウマチ、滑膜炎、軟骨および/もしくは骨破壊、骨髄炎、滑膜組織の肥大および/もしくは過形成、骨棘の形成、新生物および/もしくは転移、ならびにそれらの組み合わせから好ましくは選択される骨または関節の疾患、ならびに/または
−アテローム性動脈硬化症、血管腫、血管内皮腫、およびそれらの組み合わせから好ましくは選択される血管の病状、ならびに/または
−乾癬、いぼ、化膿性肉芽腫、発毛、カポジ肉腫、創傷のケロイド、アレルギー性浮腫、新生物、およびそれらの組み合わせから好ましくは選択される皮膚疾患、ならびに/または
−脂肪組織の病状、好ましくは肥満、で観察される血管形成、ならびに/または
−糖尿病および/もしくはその結果、好ましくは網膜症および/もしくは糖尿病性足、ならびに/または
−造血疾患、好ましくはエイズおよび/もしくはカポジ肉腫。
本明細書において、「血管新生」という用語は、新たな血管形成を意味し、好ましくは、血管が以前に存在しなかった組織における新たな血管の形成および/またはすでに脈管化された組織における血管の数の増加に関連した新たな血管形成を意味する。本明細書において、血管新生は、好ましくは、VEGFR−1の活性に依存している。
本明細書において、「脈管化(vascularization)」という用語は、血管新生を意味し、すなわち、それらは同義語として使用される。
本明細書において、「血管新生化(neovascularization)」という用語は、血管新生を意味し、好ましくはVEGFR−1の活性に依存する血管新生を意味する。
本明細書において、「動脈新生」という用語は、血管を平滑筋細胞で覆うことによる新たな血管の安定化のプロセスを意味する。
本明細書において、「阻害剤」は、受容体自体および/またはその可溶性リガンドに結合することによって受容体の活性に拮抗し、したがってそれらの相互作用を防ぐことができる化学的および/または生物学的実体を意味する。
本明細書において、「有効用量」という用語は、本発明に記載の活性物質の投与が所望の生物学的効果を決定することができる投与間隔を意味する。当業者に周知であるように、有効用量は、健康状態、治療を必要とする個体の体調、年齢、活性物質の処方、患者の世話をする医師の評価、効果的に応答する単一個体の身体(system)の能力、所望される応答の程度、分類学的グループ(例えば、ヒト、非ヒト霊長類、霊長類など)、および他の関連する要因に応じて変化し得る。本発明に記載される活性物質の有効量は、日常的な試験で決定されるのに十分に広い間隔内であることが期待される。一般的に、Ragan−Shawら(FASEB J.2008 Mar;22(3):659−61)によって報告されるように、したがってまた本明細書において、投与される有効用量は、好ましくは全身に、好ましくは経腸経路によって全身に、より好ましくは経口、舌下または直腸投与される場合、好ましくは10〜2000mg/用量の範囲である。あるいは、好ましくは硝子体内投与される場合、投与される有効用量は、1〜100mg/用量の範囲である。あるいは、投与される有効用量は、好ましくは、0.16〜33.3mg/kg体重の範囲である。治療プログラムは、単回投与または複数回投与を提供する。
本発明の好ましい実施形態の詳細な説明
本発明の第1の態様はペプチドに関し、好ましくは、単離されて以下の一般式(II)を特徴とする多量体ペプチドに関する。
{{{[Y1−Glu−Cys(Bzl)−Cha]2−Z1}i−Z2}j−Z3}z−Y2−Y3 (式II)
式中、
−Y1は、ペプチド(NH2)のアミノ末端機能、または好ましくは表Iにおいて選択される少なくとも1つの化学基である。このリストには、立体障害および/または化学的特性を有する化学基、好ましくはアミノ酸、特に、表Iに列挙されている化学基、好ましくはアミノ酸のものを模倣し、かつ/または、好ましくは少なくとも70%の類似性(この類似性は、当業者に既知の方法、例えば、限定的ではないが、Woong−Hee Shin et al.,Molecules 2015,20,12841−12862に記載される方法で決定される)を特徴とするアミノ酸の場合の側鎖も含まれると理解される。
本明細書において、本明細書の基に存在するキラル中心の絶対配置を定義するのに適したD/L表記は、当業者に知られているように、文献に報告された規則に従ったR/S表記と交換可能であることを明確にすべきである。
Figure 2022500465
−Gluは、グルタミン酸、好ましくはアミノ酸のCα上の絶対配置R(R−Glu)にあるグルタミン酸を示す。
−Cys(Bzl)は、ベンジルシステイン、好ましくはアミノ酸の硫黄連結ベンジル基を含有するアミノ酸のCα上の絶対配置Sにあるベンジルシステイン(S−ベンジル−システイン/S−Cys(Bzl)側鎖)を示す。
−Chaは、シクロヘキシルアラニン、好ましくはアミノ酸のCα上の絶対配置Sにある、シクロヘキシルアラニン(S−シクロヘキシルアラニン/S−Cha)を示す。
−Y2は、好ましくは、
1.トリペプチドR−Glu−S−Cys(Bzl)−S−Cha、ならびに
・グリシンまたは少なくとも1つのチオールまたはチオエーテル基を特徴とするα−アミノ酸から好ましくは選択されるα−アミノ酸(このα−アミノ酸は、好ましくは、表IIに示されるものおよびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのチオールまたはチオエーテル基を特徴とする)
から選択される。
このリストはまた、立体障害および/または化学的性質を有する化学基、好ましくはアミノ酸、特に、表IIに列挙される化学基、好ましくはアミノ酸のものを模倣し、かつ、好ましくは少なくとも70%の類似性(この類似性は、当業者に既知の方法、例えば、限定的ではないが、Woong−Hee Shin et al.,Molecules 2015,20,12841−12862に記載される方法で決定される)を特徴とするアミノ酸の場合の側鎖も含まれると理解される。
Figure 2022500465
−Y3は、好ましくはカルボキシル基、カルボキシアミド基、N−メチル置換カルボキシアミドまたは二置換N,N−ジメチル基、ヒドロキシル基および水素から選択される。
−Z1、Z2およびZ3は、好ましくは下記式(III)を特徴とする三官能基を示す。
Figure 2022500465
式中、kは整数であり、好ましくは1〜4に含まれ、Bは好ましくはアミノ基またはヒドロキシル基である。この三官能性分子は、好ましくは、RまたはS絶対配置にある。
好ましくは、Z1、Z2およびZ3は、分岐構造を得るために使用される。実際、一般に、この種類の構造を使用して、この目的のための既知の方法に従ってペプチドを多量体化する。例えば、Bがアミノ基である場合、Tamら(Tam J.P.,1988,PNAS,85,5409−5413)によって記載される方法を使用することができる。
Z1、Z2およびZ3は、好ましくは1、3または7個の三官能性分子を含有する、複数の基Z1、Z2およびZ3を有する式(II)の構造を得るように組み立てることができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、Z1および/またはZ2および/またはZ3は、分岐構造を形成するように、好ましくはアミド結合によって互いに結合されている。あるいは、例えば、Bが好ましくはヒドロキシル基である場合、それらはエステル結合によって互いに結合され得る。
−iは、好ましくは4、2または1である。
−jは、好ましくは2、1または0である。
−zは、好ましくは1または0である。
好ましい実施形態によれば、i=4、j=2およびz=1の場合である。さらに好ましい実施形態によれば、i=2、j=1およびz=0の場合である。
さらに好ましい実施形態によれば、i=1、j=z=0の場合である。
j=0の場合、Z2基が省略され、z=0の場合、Z3基が省略される。
本発明の目的のために、特に好ましい実施形態は、iが2に等しく、jが1に等しく、Z2が0であるかまたは省略される(換言すると、Z3が存在しない、すなわち不在である)ことを想定している。
本発明の特に好ましい実施形態では、Z1、Z2およびZ3は、R−またはS−リジン(k=4)であり、iは、好ましくは2に等しい。
本発明の多量体ペプチドの好ましい式は、下記式で表される(図IIa)。
Figure 2022500465
本発明の特に好ましい実施形態によれば、ペプチドは、式(IIb)を特徴とする四量体ペプチドである。
Figure 2022500465
式中、
−Y1は水素原子であり、
−Y2はD−システインであり、
−Y3は非置換の第一級アミド基であり、
−Z1、Z2およびZ3は上記で定義された通りであり、
−iは2に等しく、
−jは1に等しく、かつ
−zはゼロに等しいか、存在しない。
便宜上、式IIbを特徴とするペプチドの特に好ましい実施形態を、以後、iVR1−Cysと呼ぶ。
上記ペプチドは、生物学的活性、好ましくは調節活性、より好ましくは血管形成および/または血管新生を阻害する活性を示し、この活性は、以下の実験結果(本明細書において、非限定的に説明するという目的を有する)で報告および説明されているように、Ponticelliらによって記載されたペプチドの活性と比較して改善される。本明細書において言及されている血管形成および/または血管新生は、好ましくは、先に定義されたようにVEGFR1依存的である。
Ponticelliらに記載されているペプチドはまた、式(IIc)を特徴とする四量体ペプチドである:
Figure 2022500465
式中、
−Y1は水素原子であり、
−Y2はグリシンであり、
−Y3は非置換の第一級アミド基であり、
−Z1、Z2およびZ3は上記で定義された通りであり、
−iは2に等しく、
jは1に等しく、かつ
−zはゼロに等しい。
便宜上、式IIcを特徴とするペプチドの特に好ましい実施形態を、以後、iVR1と呼ぶ。
本発明の著者は、驚くべきことに、特に末端カルボキシルにあるIVR1を修飾することにより、好ましくはR−Glu−S−Cys(Bzl)−S−Cha基またはα−アミノ酸を挿入することにより、少なくとも1つのチオールまたはチオエーテル基を特徴とするα−アミノ酸(このα−アミノ酸は、好ましくは、表IIに示されるものおよびそれらの組み合わせから選択される)から好ましくは選択され、好ましくは上記で定義された血管新生および/または血管新生を阻害することによって、生物学的活性が改善された、好ましくは調節能力が改善されたペプチドが得られることを見出した。
実際、実施例でより詳細に示され議論されているように、iVR1−Cysは、iVR1と比較して、PlGFおよびVEGF−Aの両方とVEGFR−1との相互作用を用量依存的に阻害する能力を示した。特に、iVR1−CysがPlGFとVEGFR−1との相互作用を50%阻害できる濃度(IC50)は1000nM未満であるが、VEGF−A/VEGFR−1阻害のIC50は、ほぼ1000nMに近いか、それをわずかに上回っている。一方、iVR1は、10000nMに近い濃度で、PlGFとVEGFR−1との相互作用を50%(IC50)阻害することができる。同様に、iVR1によるVEGF−A/VEGFR−1阻害のIC50は、10000nMに近いか、それをわずかに上回っている。
したがって、iVR1−Cysは、iVR1で報告されている阻害能力の10倍の阻害能力を示す。
さらに、著者らは、インビボアッセイにおいて、iVR1がビヒクルおよびPCと対比して脈絡膜血管新生を37.8%および39.3%阻害する(p<0.05)が、一方、iVR1−CysはビヒクルおよびPCと対比して48.9%および51.0%阻害する(p<0.02)ことを示した。したがって、iVR1−Cysは、血管新生をさらに約19.3%減少させるので、ペプチドiVR1よりも優れた阻害効果を示す。
最後に、経口投与または強制飼養により投与すると、例として試験された両ペプチドは、ビヒクルと比較して血管新生の有意な阻害を誘導することができる。
後者の事実は重要である。なぜなら、PonticelliらおよびCicatielloら(2015)により、硝子体内注射によって脈絡膜血管形成および血管新生を阻害するiVR1の能力がすでに実証されていたとはいえ、特に強制飼養によって、異なる経路でペプチドを投与することで、とりわけ眼のような非常に複雑な器官、および、調節されていない、好ましくは増大された血管形成/血管新生によって引き起こされるか、またはいずれにせよ相関している、それに影響を与える病状の場合に、治療効果を維持または改善さえできることはまったく予想されていなかったからである。特に、言及されている新生血管性眼疾患は、好ましくは、黄斑浮腫、加齢性黄斑変性症の湿性形態、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、網膜中心静脈閉塞症、硝子体出血および網膜剥離、ならびにそれらの組み合わせから選択される。
この証拠に照らして、経口経路を介した、または強制飼養による本発明のペプチドの投与が、例えば、一般に血管形成/血管新生と相関する癌などの病状の治療にも治療上有効であることは明らかである。言及されている血管形成または血管新生は、好ましくはVEGFR1依存的である。
本発明の一実施形態によれば、ペプチドは、好ましくはペグ化によって、または容器/シャトル/担体システム、好ましくはリポソーム、ミセル、カプセル、エマルジョン、マトリックス、ゲルなどを使用して、送達を促進または改善するために修飾され得る。
本発明のさらなる態様は、詳細に記載されたペプチドおよび少なくとも1つのさらなる薬学的に許容される成分を含む組成物に関する。
組成物は、好ましくは、式IIaを特徴とする少なくとも1つのペプチド、より好ましくは、式IIbを特徴とするペプチド、すなわち、iVR1−Cysを含む。
本明細書において、薬学的に許容される成分は、賦形剤、希釈剤、担体、アジュバント、防腐剤、抗生物質、抗炎症剤、油、ビタミン、抗酸化剤、キレート剤、可溶化剤、粘性剤、不活性ガス、界面活性剤、乳化剤、緩衝物質、免疫抑制剤、抗腫瘍剤、およびそれらの組み合わせから選択される化合物を意味する。
例えば、一実施形態によれば、組成物は、少なくとも1つの抗血管形成/抗血管新生分子、PlGFの作用を中和する抗体、少なくとも1つの抗VEGFR−1、抗−VEGFR−2、抗VEGFR−3抗体、少なくとも1つの抗VEGF−A、抗VEGF−B、抗VEGF−C、抗VEGF−D、抗VEGF−E抗体、およびそれらの組み合わせと組み合わせた本発明のペプチドを含む。
本発明のさらなる態様は、医薬として使用するための、上記ペプチド、好ましくは式IIaを特徴とするペプチド、より好ましくは式IIbを特徴とするペプチド、すなわちiVR1−Cysに関する。
本発明のさらなる態様は、不適当な血管形成/血管新生に関連する、またはそれによって引き起こされる病理的状態、すなわち、血管形成/血管新生が調節されていない病状の治療で使用するための、上記ペプチド、好ましくは式IIaを特徴とするペプチド、より好ましくは式IIbを特徴とするペプチド、すなわちiVR1−Cys、または上記ペプチドを含む組成物に関する。この病状は、好ましくは増大しているので、阻害する必要がある。
この病状の治療に有用であることに加えて、上記ペプチド、好ましくは式IIaを特徴とするペプチド、より好ましくは式IIbを特徴とするペプチド、すなわちiVR1−Cys、または上記ペプチドを含む組成物はまた、この病状に対するさらなる代替治療法のフォローアップにも使用できる。
すでに先に述べたように、血管形成/血管新生は、先に定義したように、VEGFR1またはVEGFR1経路に依存する/によって誘導される/によって調節されることが好ましい。
この病状/状態は、好ましくは、以下から選択される:
−黄斑浮腫、加齢性黄斑変性症の湿性形態、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、網膜中心静脈閉塞症、硝子体出血および網膜剥離、ならびにそれらの組み合わせから好ましくは選択される新生血管性眼疾患、ならびに/または
−固形腫瘍および/もしくは腫瘍転移であって、この腫瘍が、好ましくは、白血病およびリンパ腫、好ましくは急性リンパ球性白血病、急性非リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、ホジキン病、乳児もしくは成人固形腫瘍、脳腫瘍、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、骨肉腫および軟骨肉腫、肺腫瘍、結腸直腸癌、乳癌、前立腺癌、子宮癌、卵巣癌、尿路癌、膀胱癌、口腔腫瘍、膵臓腫瘍、皮膚の黒色腫および腫瘍、胃の腫瘍、脳の腫瘍、甲状腺の腫瘍、喉頭の腫瘍、肝臓の腫瘍、睾丸の腫瘍から選択される、固形腫瘍および/もしくは腫瘍転移、ならびに/または
−関節リウマチ、滑膜炎、軟骨および/もしくは骨破壊、骨髄炎、滑膜組織の肥大および/もしくは過形成、骨棘の形成、新生物および/もしくは転移、ならびにそれらの組み合わせから好ましくは選択される骨または関節の疾患、ならびに/または
−アテローム性動脈硬化症、血管腫、血管内皮腫、およびそれらの組み合わせから好ましくは選択される血管の病状、ならびに/または
−乾癬、いぼ、化膿性肉芽腫、発毛、カポジ肉腫、創傷のケロイド、アレルギー性浮腫、新生物、およびそれらの組み合わせから好ましくは選択される皮膚疾患、ならびに/または
−脂肪組織の病状、好ましくは肥満、で観察される血管形成、ならびに/または
−糖尿病および/もしくはその結果、好ましくは網膜症および/もしくは糖尿病性足、ならびに/または
−造血疾患、好ましくはエイズおよび/もしくはカポジ肉腫。
上記医療目的のために、本発明のペプチドおよび組成物は、任意選択的に組み合わせることができ、または上記病状を治療するために使用される既知の薬物の前または後に使用することもできる。
さらに、本発明のペプチドまたは組成物は、上記病状を治療するために使用される外科的、放射線療法的または化学療法的な既知の治療と関連付けることができる。
本発明のペプチドまたは上記ペプチドを含む組成物は、任意の経路を介して投与されるように処方することができる。投与経路は、全身経路、好ましくは経口経路、強制飼養、舌下または直腸経路、局所、皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、皮内および表皮内経路から好ましくは選択される。
本発明のペプチドまたは組成物は、固体として、例えば、ピル、錠剤、顆粒、可溶性顆粒、ペレット、ビーズ、ロゼンジなどとして処方することができる。あるいは、本発明のペプチドまたは組成物は、例えば、注射、吸入または噴霧によって投与される液体溶液として、または液滴またはスプレーとして処方することができる。
上記のような本発明のペプチドまたはこのペプチドを含む組成物は、ボーラスとして投与することができる。
上記のような本発明のペプチドまたはこのペプチドを含む組成物は、医療機器によって、例えば、ステント、ポンプまたはパッチによって投与することができる。
投与は、制御放出または一定放出によって、好ましくは眼用薬物送達のための装置を使用して、好ましくは連続的であり得る。
経口経路または強制飼養による投与が特に好ましい。実際、先に記載されたように、本発明のペプチド(iVR1を含む)は、強制飼養によって投与される場合にも、血管形成/血管新生を阻害するのに有効であることが示されている。それらは、眼の血管形成/血管新生を阻害するためにも有効であることが示されている。換言すると、本発明のペプチド(iVR1を含む)が、強制飼養によって投与されると、眼における血管形成/血管新生を阻害することが驚くべきことに観察された。言及されている血管形成/血管新生は、好ましくはVEGFR1依存的である。
この科学的証拠に照らして、本発明のさらなる態様は、不適当な、好ましくは増大した血管形成/血管新生(好ましくはVEGFR1依存的)によって引き起こされる、またはいずれにせよ関連する病状の治療に使用するための、本発明のペプチド、好ましくは図IIaを特徴とする少なくとも1つのペプチド、より好ましくは式IIbを特徴とするペプチド、すなわちiVR1−Cys、および/または、式IIcを特徴とするペプチド、すなわちiVR1、または経口または強制飼養によって投与されるこれらのペプチドを含む組成物に関する。
この病状/状態は、好ましくは、以下から選択される:
−黄斑浮腫、加齢性黄斑変性症の湿性形態、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、網膜中心静脈閉塞症、硝子体出血および網膜剥離、ならびにそれらの組み合わせから好ましくは選択される新生血管性眼疾患、ならびに/または
−固形腫瘍および/もしくは腫瘍転移であって、腫瘍が、好ましくは、白血病およびリンパ腫、好ましくは急性リンパ球性白血病、急性非リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、ホジキン病、乳児もしくは成人固形腫瘍、脳腫瘍、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、骨肉腫および軟骨肉腫、肺腫瘍、結腸直腸癌、乳癌、前立腺癌、子宮癌、卵巣癌、尿路癌、膀胱癌、口腔腫瘍、膵臓腫瘍、皮膚の黒色腫および腫瘍、胃の腫瘍、脳の腫瘍、甲状腺の腫瘍、喉頭の腫瘍、肝臓の腫瘍、睾丸の腫瘍から選択される、固形腫瘍および/もしくは腫瘍転移、ならびに/または
−関節リウマチ、滑膜炎、軟骨および/もしくは骨破壊、骨髄炎、滑膜組織の肥大および/もしくは過形成、骨棘の形成、新生物および/もしくは転移、ならびにそれらの組み合わせから好ましくは選択される骨または関節の疾患、ならびに/または
−アテローム性動脈硬化症、血管腫、血管内皮腫、およびそれらの組み合わせから好ましくは選択される血管の病状、ならびに/または
−乾癬、いぼ、化膿性肉芽腫、発毛、カポジ肉腫、創傷のケロイド、アレルギー性浮腫、新生物、およびそれらの組み合わせから好ましくは選択される皮膚疾患、ならびに/または
−脂肪組織の病状、好ましくは肥満、で観察される血管形成、ならびに/または
−糖尿病および/もしくはその結果、好ましくは網膜症および/もしくは糖尿病性足、ならびに/または
−造血疾患、好ましくはエイズおよび/もしくはカポジ肉腫。
本発明のペプチドまたは組成物は、それを必要とする任意の動物、好ましくはVEGFR−1依存的血管新生を阻害する必要がある動物に投与される。
この動物は、好ましくは哺乳動物であり、より好ましくはそれはヒトである。
投与される上記のようなペプチドまたは組成物の有効量は、好ましくは以下の範囲である:
−好ましくは、全身に、好ましくは全身経腸経路により、より好ましくは経口、舌下または直腸投与される場合、10〜2000mg/回、または
−好ましくは硝子体内投与される場合、1〜100mg/回。
あるいは、投与される有効用量は、好ましくは、0.16〜33.3mg/kg体重の範囲である。
治療プログラムは、好ましくは、単回投与または複数回投与を提供する。
本発明の配列は、国際規格WIPO ST.25に従って注解されており、その説明は、プログラムPatent−In3.5に示されている。配列の説明は本明細書に添付されている。
本明細書において、表IIIにおいて特定された配列および80〜99.9%の範囲の同一性を有する配列も記載されていると見なされるべきである。
Figure 2022500465
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VEGF−A/VEGFR1およびPlGF/VEGFR−1相互作用の用量依存的阻害
PlGFまたはVEGF−AとVEGFR−1受容体との結合を試験するためのアッセイは、ELISA法に基づいており[Ponticelli et al.,JBC.2008 Dec 5;283(49):34250−9]、R&D Systemsから取得した試薬を使用して実行された。
ヒト組換え受容体VEGFR−1、特にヒトIgGのFcドメインに融合した受容体の7つの細胞外ドメインからなる形態(R&D Systems、カタログ番号321−FL)を作成して、PBS pH7.5(100μl/ウェル)中0.5μg/mlの濃度で、室温(RT)にて16時間、96ウェルマイクロプレートのウェルに付着させた。
3%のBSAを含有するPBS pH7.5からなる緩衝液を使用してウェル内で非特異的結合部位をブロックした後、PBET(PBS pH7.5、BSA 0.1%、EDTA 5mM、Tween 0.004%)中のヒト由来の5ng/mlの組換えPlGF(R&D Systems、カタログ番号264−PG)または5ng/mlの組換えVEGF−A(R&D Systems、カタログ番号293−VE)を、受容体が付着したウェルに添加した。
リガンド、すなわち、PlGFまたはVEGF−Aと同時に、段階的な用量のiVR1、iVR1−Cysまたは対照ペプチド(PC−[iVR1ペプチドの構造と同一の四量体構造を有する(S−Ser)−(S−Ala)−(S−Cha)トリペプチド])を780〜50000nMの濃度で添加した。結合反応は、37℃で1時間、続いて室温で1時間行った。
結合および/または競合工程の最後に、抗ヒト−PlGFビオチン化ポリクローナル抗体(R&D Systems、カタログ番号BAF264)または抗ヒト−VEGF−A(R&D Systems、カタログ番号BAF293)をPBET中300ng/mlの濃度でウェルに添加した。37°Cで1時間、続いて室温で1時間インキュベートした後、HRP結合アビジン−ストレプトアビジンシステム(VectastainエリートABCキット)およびHRP用基質(o−フェニレンジアミン−Sigma、カタログ番号P1526)をウェルに添加した。490nMでの吸光度を測定することにより定量化を行った。
ペプチドの阻害活性は、四量体ペプチドの存在下での受容体へのPlGFまたはVEGF−Aの結合について得られたデータを、四量体ペプチドの非存在下でのデータと比較して、残留結合のパーセンテージで表した。iVR1は、PlGF/VEGFR−1またはVEGF−A/VEGFR−1相互作用の阻害の陽性対照であった。
結果は、表IVおよびVに示されており、iVR1−CysがPlGFおよびVEGF−Aの両方とVEGFR−1との相互作用を用量依存的に阻害する能力を示したことを示している。
iVR1−CysがPlGFとVEGFR−1との相互作用を50%阻害できる濃度(IC50)は1000nM未満であるが、VEGF−A/VEGFR−1のIC50は1000nMに近いか、それをわずかに上回っている。
したがって、iVR1−CysはiVR1の約10倍の阻害能力を有しているため、iVR1で得られるのと同じ効果を得るために、血管形成/血管新生の阻害に関する同じインビトロおよびインビボ実験プロトコルにおいて、10分の1の用量で使用できることが期待される。
PCは阻害しない。
Figure 2022500465
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式(II)を有するが、D−システインとは異なるY2を有する四量体ペプチドが、VEGF−A/VEGFR−1結合を阻害する能力を、上記結合アッセイで評価した。ペプチドのY2およびVEGF−A/VEGFR−1相互作用の阻害のそれぞれのIC50を表VIに示す。
Figure 2022500465
VEGFR−1のPlGF誘導性リン酸化の阻害
受容体VEGFR−1のPlGF誘導性リン酸化のアッセイを実施して、ペプチドiVR1−Cysの阻害能力を評価し、その活性をiVR1の活性と比較した。
VEGFR−1の活性化には、HEK−293細胞からの安定したトランスフェクションによって得られた293−VEGFR−1と呼ばれる受容体を過剰発現する細胞株を使用した(Errico,M.et al.2004 JBC,279:43929−43939)。
この目的のために、293−VEGFR−1細胞をサブコンフルエンスに達するまで培養し、その後、細胞を無血清培地で少なくとも16時間保持/インキュベートすることにより「飢餓」状態にした。
飢餓工程の最後に、培地を除去し、細胞単層を100μMのNa3VO4と5分間インキュベートして、内因性ホスファターゼの活性を阻害した。
次に、細胞を、(1)37°Cで10分間飢餓に使用した培地において20ng/mlのPlGFのみで刺激し、(2)5μMの濃度のペプチドの存在下で刺激した。
抗ヒトPlGF中和モノクローナル抗体(Thrombogenics)を阻害対照として3.3nMの濃度で使用した。PBSを陰性対照として使用した。
インキュベーションの最後に、100μMの冷Na3VO4で細胞を洗浄し、20mMのTris−HCl(pH8)、5mMのEDTA、150mMのNaCl、1%Triton−X100、10%グリセロール、10mMの酢酸亜鉛、100μMのNa3VO4およびプロテアーゼ阻害剤の混合物で構成されるバッファーで溶解し、穏やかに攪拌しながら4°Cで1時間インキュベートした。最後に、細胞溶解物を12000xgで15分間遠心分離して、細胞破片を除去した。抽出物の定量化は、Bio−Rad試薬を使用したブラッドフォード法で行った。100μgのすべてのタンパク質抽出物をSDS−PAGEにロードして8.5%に減らした後、タンパク質を分析するための標準的な方法をウエスタンブロッティングで行った。
1:500に希釈された抗p−VEGFR−1抗体(R&D Systems、カタログ番号AF4170)を使用してリン酸化VEGFR−1を検出し、一方、1:500に希釈した抗VEGFR−1抗体(Sigma−Aldrich、カタログ番号V4262)を使用して非リン酸化形態の受容体を検出することによって正規化を実施した。
図1に示すように、ペプチドiVR1−Cysは、結合アッセイで決定されたIC50の約5倍(5000nM)の濃度で使用され(例1を参照)、受容体のリン酸化を強力に阻害する。この阻害は、中和抗体で得られたものと同様であり同じ濃度を使用してiVR1で得られたものよりも明らかに大きい。
iVR1およびiVR1−Cysの硝子体内および経口(強制飼養)投与による脈絡膜血管新生の阻害
レーザー誘発性脈絡膜血管新生の実験モデルでは、脈絡膜を網膜色素上皮(RPE)から分離するブルッフ膜に損傷を与える必要がある。損傷はレーザー誘発燃焼によって引き起こされ、これがブルッフ膜の穿孔を引き起こし、脈絡網膜血管新生を活性化する。新たな血管の増殖は、脈絡膜から始まり、上にある網膜組織に侵入する。このマウスモデルは、ヒトの加齢性黄斑変性症(AMD)の滲出形態の主な特徴をまとめたものであり、実際、AMDの前臨床モデルとして一般的に使用されている。これにより、目的の分子の抗血管形成活性の評価が可能になる。
マウスの眼底を視覚化し、レーザーで損傷を誘発できるようにするために、以下に記載される実験手順に従って、Micron IV統合システムを使用した。
まず、動物の瞳孔の拡張を、0.5%トロピカミド点眼薬を適用することによって誘発した。次に、ケタミンおよびキシラジン(それぞれ80mg/Kgおよび10mg/Kg)の溶液の腹腔内注射によって動物を麻酔した。鎮静したら、動物をスタンドに載せ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2.5%水溶液を両眼に適用した。Micron IVのカメラレンズを溶液と接触させることによって(液浸対物レンズを使用した顕微鏡検査で使用される手順と同様の手順)、角膜の脱水を防ぎ、眼底の視覚化を改善するという二重の機能がある。
レーザーで損傷を誘発するために、まずレーザーポインターを作動させ、焦点を合わせて、RPE層を基準としてレーザービームを照射する。レーザー光線が照射される領域は、出血の可能性を防ぐために、網膜の主要な血管から離れている必要がある。ブルッフ膜のレベルでの燃焼の効率は、レーザービームの照射直後の気泡の形成によって確認する。レーザービームの照射条件は、100ミリ秒で200mWの出力であった。
文献に存在するデータから、Lambertら(Nature Protocols,2013,8:2197)による論文に十分に要約されている。この実験モデルにおける最大の血管新生は、損傷から7日後に得られることが知られている。
C57Bl6/Jマウスを使用した(1グループにつき、n=5)。レーザーによる損傷を誘発する手順の最後に、硝子体内注射を直ちに実施し、1μLのDMSO中10および50μgのiVR1−CysまたはiVR1および50μgのPCを、32g針を備えたハミルトン注射器を使用して投与した。対照として、DMSOを単独で注射した。
7日後、動物を犠牲にし、眼を除核し、4%パラホルムアルデヒドで固定した。続いて、角膜、虹彩および結晶からなる眼の前部を実体顕微鏡下で除去した。強膜、脈絡膜、RPEおよび網膜からなる「アイカップ」または後部と定義される残りの部分を、0.7%FITC-Griffonia simplicifolia Isolectin B4(Vector Laboratories、カリフォルニア州バーリンゲーム)の存在下で16時間インキュベートした。一連の洗浄の後、網膜を除去し、RPE/脈絡膜に4つのカットを作成する。これにより、スライドに載置して蛍光顕微鏡で観察することができる。脈絡膜血管新生の定量化は、体積について実行する。すべてのスポットの体積を評価するために、一連の画像(Z−Satcks、約20〜25枚の画像)を取得する。各画像の厚さは1μmで、上面から最も深い焦点面まで、RPE細胞レベルで取得する。蛍光の体積は、ImageJプログラム(NIH、メリーランド州ベセスダ)を使用して測定し、すべての単一平面の蛍光面積の合計を取る。
10μgおよび50μgのiVR1の場合はn=12および15スポットで、10μgおよび50μgのiVR1−Cysの場合はn=10および8スポットで、PCの場合はn=15スポットで、DMSOの場合はn=14スポットで、CNVを定量化した。図2に示した結果は、両ペプチドが血管新生を用量依存的に阻害できることを示す。より高い用量(50μg)では、強力で有意かつ同等の血管新生阻害能力が得られた:ビヒクルおよびPCに対してiVR1−Cys−75.9%および−74.6%(p>0.002)、ビヒクルおよびPCに対してiVR1−73.9%および−76.5%(p>0.0002)。
10μgの投与量では、iVR1はビヒクルおよびPCに対して37.8%および39.3%の血管新生阻害をもたらすが(p<0.05)、iVR1−CysはビヒクルおよびPCに対して48.9%および51.0%の阻害をもたらす(p<0.02)。したがって、低濃度では、ペプチドiVR1−Cysは、血管新生をさらに19.3%減少させるので、ペプチドiVR1よりも優れた阻害効果を示す。したがって、より高い使用投与量で、ペプチドの阻害能力の最大閾値に到達した可能性がある。
経口投与(強制飼養)の実験では、前述の実験手順に従って、C57Bl6/Jマウス(1グループにつき、n=5匹の動物)で脈絡膜血管新生を誘発した。ペプチドiVR1およびiVR1−Cysならびにビヒクルの投与は、動物が麻酔から回復するとすぐに、実験プロトコルによって規定された7日間、1日2回、損傷誘発直後に開始した。ペプチドは、腹腔内投与されたペプチドiVR1に関して以前に得られたデータに基づいて(Cicatiello et al.2015,Oncotarget,6,10563−10576)、50mg/Kgで投与した。
経口投与を可能にするために、ペプチドをDMSOに溶解し、次にNutilis食品増粘剤と混合して、9部のNutilisと1部のDMSOからなる最終混合物を得た。
物質を、200μlの9:1Nutilis/DMSO中物質混合物を1回の投与ごとに使用できるような濃度で調製し、20ゲージの開口部を備えた強制飼養に適した針を使用して動物の胃に直接投与した。対照群では、200μlの9:1 Nutilis/DMSO混合物を投与した。
実験の終わりに、動物を犠牲にし、眼を摘出し、解剖して、RPE脈絡膜を単離し、以下に記載されるように、免疫蛍光分析によってCNVの体積を決定した。
CNVの量子化は、iVR1−Cysの場合はn=18スポットで、iVR1の場合はn=20スポットで、ビヒクルの場合はn=10スポットで実行された。
結果は、図3に示されており、ペプチドiVR1−Cysが、iVR1で観察されたレベル(−49.7%、p=0.001)と同様のレベルで、ビヒクル(−45.9%、p=0.007)と比較して、血管新生の有意な阻害を誘導できることを示す。
iVR1−Cysの血清プロテアーゼ安定性。
168時間、50mMリン酸緩衝液(pH7.3)中10%血清(ウシ胎児血清、FCS)におけるペプチドiVR1−Cysの安定性は、Ponticelliらによって記載されるRP−HPLCクロマトグラフィーに基づく方法[Ponticelli et al.,JBC.2008 Dec 5;283(49):34250−9]に依拠して、そこに記載されるように決定した。
参照曲線は、完全に溶解するために、0.1μmol/L〜1000μmol/Lの濃度で化合物をDMSOに溶解することによって作成した。次に、10μmol/Lの初期濃度で10%FCSと接触したままの分子の濃度を、時間t=0、その後、最初の12時間は1時間ごと、次いで24、72、120および168時間で3つのアリコートを描画することによって決定した。アルブミンに結合したいずれかのペプチドを分離するために、アリコートを酢酸0.1Mで1:1に希釈し、遠心分離して沈殿物質を除去し、Ponticelliらに報告された条件下でRP−HPLCによって分析した。アリコートにおいて検出された残留ペプチドの量は、初期量に対するパーセンテージとして表し、時間の関数としてプロットした。結果は、3回の測定の平均±標準偏差(SD)として表VIIに示されている。
Figure 2022500465

Claims (9)

  1. 下記式(II):
    {{{[Y1−Glu−Cys(Bzl)−Cha]2−Z1}i−Z2}j−Z3}z−Y2−Y3 (式II)
    式中、
    −Y1は、アミノ末端ペプチド機能(NH2)、またはD−アラニン、D−アスパラギン酸、D−バリン、D−グルタミン酸、L−シクロヘキシル−アラニン、D−フェニルアラニン、D−スレオニン、D−メチオニン、D−リジン、D−システイン(S−アセトアミドメチル)、D−チロシン、D−プロリン、D−ロイシン、D−アルギニン、D−アスパラギン、D−イソロイシン、D−アルギニン(NΓ−トシル)、D−セリン、L−システイン(S−ベンジル)、L−システイン(S−アセトアミドメチル)、D−ヒスチジン、D−グルタミン、D−トリプトファン、L−グルタミン−(β−アリル)酸、β−アラニン、L−システイン(S−p−メチル−ベンジル)、L−システイン(S−tert−ブチル)、L−メチオニン−スルホン、L−メチオニン−スルホキシド、グリシン、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの化学基であり、
    −Gluは、グルタミン酸、好ましくは前記アミノ酸のCα上の絶対配置R(R−Glu)にあるグルタミン酸を示し、
    −Cys(Bzl)は、ベンジルシステイン、好ましくは前記アミノ酸の硫黄連結ベンジル基を含有する前記アミノ酸の前記Cα上の絶対配置Sにある、ベンジルシステイン(S−ベンジル−システイン/S−Cys(Bzl)側鎖)を示し、
    −Chaは、シクロヘキシルアラニン、好ましくは前記アミノ酸の前記Cα上の絶対配置Sにある、シクロヘキシルアラニン(S−シクロヘキシルアラニン/S−Cha)を示し、
    −Y2は、
    ・D−システイン、L−システイン、L−ホモシステイン、D−ホモシステイン、D−システイン−S−メチル、L−システイン−S−メチル、D−システイン−S−エチル、L−システイン−S−エチル、L−メチオニン、D−メチオニン、D−システイン−S−ベンジル、L−システイン−S−ベンジル、L−メチオニンスルホキシド、D−メチオニンスルホキシド、L−メチオニンスルホン、D−メチオニンスルホン、D−セリン、L−セリン、D−セリン−O−メチル、L−セリン−O−メチル、D−セリン−O−エチル、L−セリン−O−エチル、D−セリン−O−ベンジル、L−セリン−O−ベンジル、D−スレオニン、L−スレオニン、D−スレオニン−O−メチル、L−スレオニン−O−メチル、D−スレオニン−O−エチル、L−スレオニン−O−エチル、D−スレオニン−O−ベンジル、L−スレオニン−O−ベンジル、およびそれらの組み合わせから好ましくは選択される少なくとも1つのチオールまたはチオエーテル基を特徴とするα−アミノ酸、ならびに
    ・R−Glu−S−Cys(Bzl)−S−Chaトリペプチド
    から選択され、
    −Y3は、カルボキシル基、カルボキシアミド基、N−メチル置換カルボキシアミドまたは二置換N,N−ジメチル基、ヒドロキシル基および水素から選択され、
    −Z1、Z2およびZ3は、三官能性分子を示し、
    −iは4、2、または1であり、かつ/または
    −jは2、1、または0であり、かつ/または
    −zは1または0であり、
    ただし、i=4、j=2およびz=1の場合、i=2、j=1およびz=0の場合、i=1、j=z=0の場合、j=0の場合、Z2基が省略され、かつ、z=0の場合、Z3基が省略される、
    を特徴とする単離ペプチド。
  2. 前記三官能性分子が、下記式(III):
    Figure 2022500465
    式中、
    kは整数であり、好ましくは1〜4に含まれ、Bは好ましくはアミノ基、好ましくはS−またはR−リジン、またはヒドロキシル基である、
    を特徴とする、請求項1に記載のペプチド。
  3. 分岐構造を形成するために、Z1および/またはZ2および/またはZ3が、アミド結合またはエステル結合によって一緒に結合されている、請求項1または2に記載のペプチド。
  4. 式(IIb):
    Figure 2022500465
    式中、
    −Y1は水素原子であり、
    −Y2はD−システインであり、
    −Y3は非置換の第一級アミド基であり、
    −Z1、Z2およびZ3は上記で定義された通りであり、
    −iは2に等しく、
    −jは1に等しく、かつ
    −zはゼロに等しいか、存在しない、
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のペプチド。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の少なくとも1つのペプチドと、少なくとも1つのさらなる薬学的に許容される成分とを含む、組成物。
  6. 医薬として使用するための、請求項1〜4のいずれか一項に記載のペプチドまたは請求項5に記載の組成物。
  7. 調節されていない血管形成/血管新生、好ましくはVEGFR1依存的である血管形成/血管新生に関連する、またはそれによって引き起こされる病理的状態の治療に使用するための、請求項1〜4のいずれか一項に記載のペプチドまたは請求項5に記載の組成物。
  8. 前記病理的状態が、
    −黄斑浮腫、加齢性黄斑変性症の湿性形態、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、網膜中心静脈閉塞症、硝子体出血および網膜剥離、ならびにそれらの組み合わせから好ましくは選択される新生血管性眼疾患、ならびに/または
    −固形腫瘍および/もしくは腫瘍転移であって、前記腫瘍が、好ましくは、白血病およびリンパ腫、好ましくは急性リンパ球性白血病、急性非リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、ホジキン病、乳児もしくは成人固形腫瘍、脳腫瘍、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、骨肉腫および軟骨肉腫、肺腫瘍、結腸直腸癌、乳癌、前立腺癌、子宮癌、卵巣癌、尿路癌、膀胱癌、口腔腫瘍、膵臓腫瘍、皮膚の黒色腫および腫瘍、胃の腫瘍、脳の腫瘍、甲状腺の腫瘍、喉頭の腫瘍、肝臓の腫瘍、睾丸の腫瘍から選択される、固形腫瘍および/もしくは腫瘍転移、ならびに/または
    −関節リウマチ、滑膜炎、軟骨および/もしくは骨破壊、骨髄炎、滑膜組織の肥大および/もしくは過形成、骨棘の形成、新生物および/もしくは転移、ならびにそれらの組み合わせから好ましくは選択される骨または関節の疾患、ならびに/または
    −アテローム性動脈硬化症、血管腫、血管内皮腫、およびそれらの組み合わせから好ましくは選択される血管の病状、ならびに/または
    −乾癬、いぼ、化膿性肉芽腫、発毛、カポジ肉腫、創傷のケロイド、アレルギー性浮腫、新生物、およびそれらの組み合わせから好ましくは選択される皮膚疾患、ならびに/または
    −脂肪組織の病状、好ましくは肥満、で観察される血管形成、ならびに/または
    −糖尿病および/もしくはその結果、好ましくは網膜症および/もしくは糖尿病性足、ならびに/または
    −造血疾患、好ましくはエイズおよび/もしくはカポジ肉腫
    から選択される、請求項7に記載の使用のためのペプチドまたは組成物。
  9. VEGFR1の阻害剤として、好ましくはその活性化の阻害剤として使用するための、請求項1〜4のいずれか一項に記載のペプチドまたは請求項5に記載の組成物。
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