JP7112753B2 - Dsg2由来ペプチド - Google Patents

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Description

本発明は、血管擬態及び血管形成関連疾患を阻害するためのペプチドを提供する。特に、本発明は、Dsg2由来ペプチド、並びに血管擬態及び血管形成依存性疾患又は血管形成関連疾患の阻害、予防又は治療におけるそれらの適用を提供する。
デスモソームは、上皮組織、心筋組織及び他の組織の間の主な細胞-細胞接着結合の一種である。かかるデスモソームは、デスモソームカドヘリン、デスモコリン(Dsc)及びデスモグレイン(Dsg)と称される膜貫通糖タンパク質を含む。それぞれ、組織特異的発現パターンを示す少なくとも3つの全く異なる遺伝的アイソフォームとして生じる。
Dsg2は、デスモソームを形成する全ての組織において偏在性に(ubiquitously)発現される。Dsg2の細胞外ドメインは、それぞれ約110個のアミノ酸長の4つのカドヘリン反復ドメイン(EC1-4)をそれぞれ含む。細胞外反復ドメインEC1は、細胞-細胞接着を提供する細胞接着認識(CAR)部位を含む。そのため、Dsg2は膜貫通性細胞接着分子であると同定された。さらに、最近の研究から、Dsg2が単なる単純な細胞-細胞接着分子ではないことが示されている。Dsg2は、血管形成の促進、アポトーシスのシグナル伝達に関与し、MMPに対する基質である。
Dsg2はEMTの調節に重要な役割を持つ。(1)肝細胞増殖因子/細胞分散因子(HGF/SF)を使用してEMTを誘発することにより、Dsg2以外のほとんどのデスモソームの接着成分が下方制御されることが示されている。(2)Dsg2でトランスフェクトされた上皮細胞は、間葉系様の形態を呈し、HGF/SFによる処理のもと、より大きな遊走及び侵入の能力を示す。(3)Dsg2のEC2ドメインに対する抗体は、in vitroでHGF/SF誘導性EMTを顕著に阻止する。さらに、本発明者らは、Dsg2のEC2ドメインに対する抗体が、MCF7ヒト乳癌細胞、LNCaPヒト前立腺癌細胞及びKM12ヒト結腸癌細胞を含む癌細胞の侵入を阻害することを実証した。いかなる特定の理論にも拘束されることを望むものではないが、Dsg2は細胞においてEMTを促進するように機能し得ることが提唱されている。特許文献1は、哺乳動物においてdsc及び/又はdsgを発現する細胞の接着を阻害することによる癌の治療を教示する。特許文献2は、Dsg2のEC2ドメインに由来する細胞接着認識(CAR)部位を、癌の治療及び/又は転移の阻害に対する調節物質として使用することができることを示唆する。特許文献3は、Dsg2のアンタゴニストを開示し、該アンタゴニストは、Dsg2のEC2ドメインの機能を調節する。
Dsg2は、癌等のヒト疾患に関与することが示唆され、Dsg2は、基底細胞癌(BCC)、扁平上皮細胞癌(SCC)、胃癌、黒色腫、転移性前立腺癌、及び膀胱癌を含む、幾つかの上皮由来悪性腫瘍で高度に発現される。
米国特許出願公開第20040229811号明細書 国際公開第99/57149号 米国特許出願公開第20120276082号明細書
本発明は、EMTの阻害、血管擬態を阻害すること、血管形成関連疾患の治療及び/又は予防に対するDsg2由来ペプチドの開発に基づく。本発明のペプチドは、Dsg2の500位~604位のアミノ酸残基(IEPVQTICHDA EYVNVTAEDL DGHPNSGPFS FSVIDKPPGMAEKWKIARQESTSVLLQQSEKKLGRSEIQFLISDNQGFSCPEKQVLTLTVCECLHGSGCREAQH(配列番号:136))に由来し得て、それらは更に修飾され得る。
本発明は、式(I):
MXEXWXIXR(配列番号1)
(式中、
はA、T又はSであり、
はK、R又はHであり、
はK、R、N、H又はQであり、
は、A、V、I、G、L又はPである)のアミノ酸配列を含む合成ペプチド又はその変異体ペプチド又はその修飾ペプチドを提供する。
幾つかの実施の形態では、式(I)において、XがA又はTであり、XがK又はRであり、XがK、R又はNであり、XがA、V又はIである。幾つかの更なる実施の形態では、本発明のペプチドは、配列番号2~配列番号37のいずれかのアミノ酸配列を含む。
幾つかの実施の形態では、本発明の変異体ペプチドは、配列番号1の配列と、少なくとも70%、80%、90%、95%、98%、99%のアミノ酸配列同一性を有する。幾つかの実施の形態では、本発明の変異体ペプチドは、1以上の置換、欠失、又は挿入を有する。更なる実施の形態では、本発明の変異体ペプチドは、保存的変化を有する。
幾つかの実施の形態では、本発明の変異体ペプチドは、配列番号45~配列番号63からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
幾つかの実施の形態では、本発明の修飾ペプチドは、限定されないが、本発明のペプチドのN末端、C末端、又はN末端とC末端の両方に連結された、1以上の非天然起源の又は修飾されたアミノ酸、環状ペプチド、及び合成ポリアミノ酸ポリマー(例えば、ポリリシン(ポリK)、ポリL-アスパラギン酸(ポリD)、ポリL-アルギニン(ポリR)、ポリL-グルタミン酸(ポリE))を含み得る。幾つかの実施の形態では、本発明の修飾ペプチドは、配列番号64~配列番号67、及び配列番号68~配列番号125からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
また、本発明は、配列番号126~配列番号134からなる群から選択されるアミノ酸配列又はその変異体ペプチド又はその修飾ペプチドを含む合成ペプチドを提供する。一実施の形態では、修飾ペプチドは、SEQ132:VSTSEQRAIKWKEAM(配列番号135)のアミノ酸配列を含むSEQ6の逆配列である。
また、本発明は、本発明の合成ペプチド又はその変異体ペプチド又はその修飾ペプチドを含む医薬組成物を提供する。
また、本発明は、本発明の合成ペプチド、又はその変異体ペプチド若しくは修飾ペプチドを被験体に投与することを含む、被験体において、EMT及び/又は血管擬態を阻害するとともに、血管形成依存性疾患又は血管形成関連疾患を治療及び/又は予防する方法を提供する。また、本発明は、被験体において、EMT及び/又は血管擬態を阻害するとともに、血管形成依存性疾患又は血管形成関連疾患を治療及び/又は予防する医薬の製造における、本発明のペプチド、又はそのペプチド変異体若しくは修飾ペプチドの使用を提供する。
図1(A)及び(B)は、本発明のペプチドのEMTアッセイを示す図である。図1(A)は、Dsg2細胞外ドメインのアミノ酸500~604(SEQ1)に由来するSEQ2~SEQ11の配列に基づく設計の概要図である。図1(B)において、HGF(肝細胞増殖因子)誘導性EMT(上皮間葉転換(epithelial-mesenchymal transition))は合成ペプチドSEQ5、SEQ6、SEQ8及びSEQ10によって阻害された。 図2(A)及び(B)は、EMTアッセイにおけるSEQ6のペプチド欠失研究を示す図である。図2(A)は、SEQ6欠失合成ペプチドSEQ12~SEQ31の概要図である。ペプチドのSEQ12~SEQ31の配列。図2(B)において、HGF(肝細胞増殖因子)誘導性EMT(上皮間葉転換)は、合成ペプチドSEQ12~SEQ31によって阻害された。さらに、SEQ15及びSEQ17は、SEQ6と同様の優れた阻害能力を示す。 図3(A)及び(B)は、U87細胞のチューブ形成の阻止の機能に対するSEQ17のトリプトファン残基(W、Dsg2アミノ酸544位)の寄与を決定するU87細胞を使用する血管擬態研究を示す図である。SEQ32~SEQ38は血管擬態を阻止することができる。図3(A)において、膠芽腫(GBM:Glioblastoma)は非常に悪性度が高く、根本的には不治である。その悪性腫瘍は活発な微小血管の増殖を特徴とする。最近の証拠は、腫瘍細胞が、血液灌流された血管擬態(VM)、すなわち内皮細胞血管形成と無関係の代替の微小血管循環を促す能力を呈することを示した。血管擬態研究において、マトリゲルによって誘発されるチューブ構造を阻止することによりSEQ17のトリプトファン残基(W、Dsg2アミノ酸544位)の寄与を判断するため、膠芽腫細胞株(U-87)を使用する。チューブで満たされたPBS対照と比較して、SEQ17及びSEQ32~SEQ38のペプチドは、U-87のチューブネットワーク構築を強力に阻止する効能を示す。図3(B)は、各処理群において3つの無作為に選択された視野を使用し、チューブを数えることによって定量した(平均チューブ数±SD)。 図4(A)~(C)は、本発明のペプチドのHUVECチューブ形成アッセイを示す図である。図4(A)は、マトリゲル上で培養されたHUVEC細胞において、合成ペプチドSEQ17、SEQ78及びSEQ97が血管形成を阻害することを実証するものである。図4(B)は、MR9及びMR9に由来する3つのペプチド(MR9;MR9 DF:非天然アミノ酸ペプチド、9個のアミノ酸残基がD形である;CMR9C:環状ペプチド、N末端及びC末端のシスチンによる環状化;並びにCMR9C DF:非天然アミノ酸を有する環状ペプチド)を、HUVEC細胞のマトリゲル誘導性血管系に対して処理した。これらのペプチドは、チューブ構造の40%~80%を分解する潜在的な能力を示すことができる。図4(C)は、SEQ132ペプチド、すなわちSEQ6の逆配列が、HUVECチューブ形成アッセイにおいてHUVECチューブ構造を強力に阻害する効能を示す。図4(D)は、MR9D6及びMR9D6に由来する2つのペプチド(MR9D6;MR9D6 DF:非天然アミノ酸ペプチド、15個のアミノ酸残基がD形である;並びにCMR9D6C DF:環状ペプチド、N末端及びC末端のシスチンによる環状化、全てアミノ酸が非天然D形である)を、HUVEC細胞のマトリゲル誘導性血管系に対して処理した。これらのPBSに溶解されたペプチドは、PBSで処理された対照と比較して、チューブ構造の95%の体積を崩壊させる非常に効果的な能力を示すことができる。 図5(A)及び(B)は、動物モデルの調査(ラット脈絡膜血管新生モデル)を示す図である。図5(A)は、PBS処理された対照、Eylea(200μg/5μl)及びSEQ97(500μg/5μl)の蛍光眼底血管造影の写真である。図5(B)において、Eylea及びSEQ97はラットの眼の脈絡膜血管新生を有意に阻害した。
以下の説明において多数の用語を使用するが、それらには特許請求される主題の理解を容易にするために以下の定義が与えられる。本明細書で明確に定義されない用語は、それらの平易な通常の意味に従って使用される。
他に指定のない限り、数量を特定していない単数形(a or an)は「1つ以上(one or more)」を意味する。
本出願を通して、「約」の用語は、或る値が誤差の固有のばらつきを含むことを示すため使用される。
本出願の主題のために本明細書において使用される「合成ペプチド」の句は、アミノ酸の既知の化学反応、又は上に記載される生体物質の単離及び精製によって作製されるペプチドを指す。
本明細書で使用される「天然起源(の)」の用語は、或る対象物が自然界で見られ得るという事実を指す。例えば、自然界における供給源から単離され得る供給源に存在するタンパク質。
本明細書で使用される「投与する」、「投与すること」又は「投与するため」の用語は、in vivo投与と並んで、ex vivoでの組織に対する直接投与を含む、医薬を与えること又はそれを供給することを指す。
「アミノ酸残基」、又は「アミノ酸」、又は「残基」の用語は、タンパク質、ポリペプチド又はペプチドに組み込まれるアミノ酸を指すのに区別なく使用され、限定されないが、天然起原のアミノ酸、天然起源のアミノ酸と同じように機能し得る天然アミノ酸の既知の類縁体を含む。アミノ酸に対して本明細書で使用される略語は、従来使用される略語である:A=Ala=アラニン;R=Arg=アルギニン;N=Asn=アスパラギン;D=Asp=アスパラギン酸;C=Cys=システイン;Q=Gln=グルタミン;E=Glu=グルタミン酸;G=Gly=グリシン;H=His=ヒスチジン;I=Ile=イソロイシン;L=Leu=ロイシン;K=Lys=リシン;M=Met=メチオニン;F=Phe=フェニルアラニン;P=Pro=プロリン;S=Ser=セリン;T=Thr=トレオニン;W=Trp=トリプトファン;Y=Tyr=チロシン;V=Val=バリン。アミノ酸はL-アミノ酸であってもよく、又はD-アミノ酸であってもよい。アミノ酸は、ペプチドの半減期を増加させるように、又はペプチドの効力を増加させるように、又はペプチドのバイオアベイラビリティーを増加させるように変更された合成アミノ酸で置換されてもよい。互いに保存的置換であるアミノ酸の群は、以下の通りである。
アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T);
アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);
アスパラギン(N)、グルタミン(Q);
アルギニン(R)、リシン(K);
イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);及び、
フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)。
本明細書で使用される「ペプチド」の用語は、化学的に連結された2個以上のアミノ酸の分子を指す。ペプチドは、ポリペプチド、タンパク質又はペプチド模倣物(peptidomimetic)を指す場合がある。本発明のペプチドは、特殊な特性を伝えるため、D-アミノ酸、D-アミノ酸とL-アミノ酸の組み合わせ、及び種々の「デザイナー」アミノ酸(例えば、β-メチルアミノ酸、C-α-メチルアミノ酸、及びN-α-メチルアミノ酸等)を含み得る。合成アミノ酸として、リシンに対するオルニチン、及びロイシン又はイソロイシンに対するノルロイシンが挙げられる。さらに、上記ペプチドは、新規な特性を有するペプチドを作製するため、エステル結合等のペプチド模倣結合を有し得る。
本明細書で使用される「環状ペプチド模倣物」又は「環状ポリペプチド模倣物」の用語は、その構造の一部として、ループ、架橋部分、及び/又は内部結合等の1以上の環状特性を有するペプチド模倣物を指す。
本明細書で使用される「薬学的に許容可能な」の用語は、毒性、刺激、及び/又はアレルギー反応等の過度の有害な副作用を伴わず、合理的なベネフィット/リスク比に見合った、ヒト及び/又は動物に対する投与に適している化合物及び組成物を指す。
本明細書で使用される「被験体」及び「患者」の用語は区別なく使用され、温血動物、特に哺乳動物を指すと理解される。この用語の範囲及び意味に含まれる動物の非限定的な例として、モルモット、イヌ、ネコ、ラット、マウス、ウマ、ヤギ、ウシ、ヒツジ、動物園の動物、非ヒト霊長類及びヒトが挙げられる。
本明細書で使用される「有効量」の用語は、本発明の概念の方法で使用された場合に、過剰の有害な副作用(毒性、刺激、及び/又はアレルギー反応等)を伴わず、合理的なベネフィット/リスク比に見合った、検出可能な治療効果を呈するのに十分なペプチド化合物の量を指す。
本明細書で使用される「治療的有効量」の用語は、疾患を治療するため哺乳動物又は他の被験体に投与された場合、その疾患に対するかかる治療を達成するのに十分な主題のDsg2ペプチドの量を指す。
本明細書で使用される「治療」、「治療する(treating)」等の用語は、哺乳動物、特にヒトにおける疾患の任意の治療を包含し、(a)疾患に罹る素因を有し得るが、それに罹っているとは診断されていない被験体において疾患が生じるのを予防すること、(b)疾患を阻害すること、すなわちその進行を停止させること、及び(c)疾患を緩和すること、すなわち疾患の退行を生じさせることを含む。
一態様では、本発明は、式(I):
MXEXWXIXR(配列番号1)
(式中、
はA、T又はSであり、
はK、R又はHであり、
はK、R、N、H又はQであり、
は、A、V、I、G、L又はPである)のアミノ酸配列を含む合成ペプチド又はその変異体ペプチド又はその修飾ペプチドを提供する。
幾つかの実施形態では、式(I)において、XがA又はTであり、XがK又はRであり、XがK、R又はNであり、XがA、V又はIである。更に幾つかの実施形態では、本発明のペプチドは、
Figure 0007112753000001
からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
幾つかの実施形態では、EMT、血管擬態又は血管形成関連疾患に対する阻害活性を維持するペプチドをなおもコードしながら、変異体ペプチドのいずれかのアミノ酸残基がこれらのペプチドの対応する残基から変更されてもよい。一実施形態では、ペプチドの変異体は、配列番号1の配列と、少なくとも70%、80%、90%、95%、98%、99%のアミノ酸配列同一性を有する。
「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」は、2つの配列をアラインメントさせる場合に参照(親)ポリペプチド配列におけるアミノ酸残基と同一のアミノ酸残基のパーセンテージとして定義される。%アミノ酸同一性を決定するため、配列をアラインメントさせ、必要に応じて最大%配列同一性を達成するためにギャップを導入する。パーセント同一性を決定するためのアミノ酸配列のアラインメント手順は、当業者によく知られている。しばしば、BLAST、BLAST2、ALIGN2又はMegalign(DNASTAR)ソフトウェア等の公的に利用可能なコンピューターソフトウェアを使用して、ペプチド配列をアラインメントさせる。当業者は、比較されている配列の全長に対して最大のアラインメントを達成するのに必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを測定するために適したパラメーターを決定することができる。
幾つかの実施形態では、本発明の変異体ペプチドは、その配列の特定の位置の残基が他のアミノ酸によって置換された変異体を含み、親ペプチド/ポリペプチドの2つの残基間に追加の残基(複数の場合もある)を挿入する可能性と並んで、親配列から1以上の残基を欠失する又は親配列に1以上の残基を付加する可能性を更に含む。任意のアミノ酸の置換、挿入、又は欠失が本発明により包含される。特定の状況では、置換は、本明細書に記載される保存的置換である。
保存的変化は、一般には、得られるタンパク質の構造及び機能にほとんど変化をもたらさない。例えば、本開示のペプチドは、以下の1以上の保存的アミノ酸置換を含む:アラニン、バリン、ロイシン及びイソロイシン等の脂肪族アミノ酸の別の脂肪族アミノ酸による置換;セリンのトレオニンによる置換;トレオニンのセリンによる置換;アスパラギン酸及びグルタミン酸等の酸性残基の別の酸性残基による置換;アスパラギン及びグルタミン等のアミド基を持つ残基のアミド基を持つ別の残基による置換;リシン及びアルギニン等の塩基性残基の別の塩基性残基による交換;並びにフェニルアラニン及びチロシン等の芳香族残基の別の芳香族残基による置換。
更に幾つかの実施形態では、本発明の変異体ペプチド(アミノ酸置換)が、以下:
Figure 0007112753000002
からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
更に幾つかの実施形態では、本発明の変異体ペプチド(アミノ酸欠失)が、
SEQ12 MAEKWKIARQESTS(配列番号45)、
SEQ13 MAEKWKIARQEST(配列番号46)、
SEQ14 MAEKWKIARQES(配列番号47)、
SEQ15 MAEKWKIARQE(配列番号48)、
SEQ16 MAEKWKIARQ(配列番号49)、
SEQ18 MAEKWKIA(配列番号50)、
SEQ19 MAEKWKI(配列番号51)、
SEQ20 AEKWKIARQESTSV(配列番号52)、
SEQ21 EKWKIARQESTSV(配列番号53)、
SEQ22 KWKIARQESTSV(配列番号54)、
SEQ23 WKIARQESTSV(配列番号55)、
SEQ24 KIARQESTSV(配列番号56)、
SEQ25 IARQESTSV(配列番号57)、
SEQ26 ARQESTSV(配列番号58)、
SEQ27 RQESTSV(配列番号59)、
SEQ28 AEKWKIARQESTS(配列番号60)、
SEQ29 EKWKIARQEST(配列番号61)、SEQ30 KWKIARQES(配列番号62)
、及び、
SEQ31 WKIARQE(配列番号63)、
からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
幾つかの実施形態では、本発明の修飾ペプチドは、修飾のため1以上の非天然起源アミノ酸を含み得る。「非天然起源アミノ酸残基」は、ポリペプチド鎖中の近接するアミノ酸残基(複数の場合もある)を共有結合することができる、それらの天然起源アミノ酸残基以外の残基を指す。非天然アミノ酸として、限定されないが、ホモ-リシン、ホモ-アルギニン、ホモ-セリン、アゼチジンカルボン酸、2-アミノアジピン酸、3-アミノアジピン酸、β-アラニン、アミノプロピオン酸、2-アミノ酪酸、4-アミノ酪酸、6-アミノカプロン酸、2-アミノヘプタン酸、2アミノイソ酪酸、3-アミノイソ酪酸、2-アミノピメリン酸、ターシャリー-ブチルグリシン、2,4-ジアミノイソ酪酸、デスモシン、2,2’-ジアミノピメリン酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、N-エチルグリシン、N-エチルアスパラギン、ホモプロリン、ヒドロキシリシン、アロ-ヒドロキシリシン、3-ヒドロキシプロリン、4-ヒドロキシプロリン、イソデスモシン、アロ-イソロイシン、N-メチルアラニン、N-メチルグリシン、N-メチルイソロイシン、N-メチルペンチルグリシン、N-メチルバリン、ナフタアラニン(naphthalanine)、ノルバリン、ノルロイシン、オルニチン、シトルリン、ペンチルグリシン、ピペコリン酸、及びチオプロリンが挙げられる。修飾アミノ酸として、可逆的に又は不可逆的に化学的閉塞型(chemically blocked)の又は例えばNメチル化D及びLアミノ酸、別の官能基へと化学修飾される側鎖官能基のように、それらのN末端アミノ基若しくはそれらの側鎖基に対して修飾される天然及び非天然のアミノ酸が挙げられる。例えば、修飾アミノ酸として、メチオニンスルホキシド;メチオニンスルホン;アスパラギン酸の修飾アミノ酸であるアスパラギン酸-(β-メチルエステル);グリシンの修飾アミノ酸であるN-エチルグリシン;又はアラニンカルボキサミド及びアラニンの修飾アミノ酸が挙げられる。
幾つかの実施形態では、本発明の修飾ペプチドが、以下:
MR9 DF:MAEKWKIAR(配列番号64)、
CMR9C DF:CMAEKWKIARC(配列番号65)、
MR9D6 DF:MAEKWKIARDDDDDD(配列番号66)、及び、
CMR9D6C DF:CMAEKWKIARDDDDDDC(配列番号67)、
からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、修飾ペプチドは環状形態である。一修飾は、アミノ酸の架橋に基づいて、環状構造をもたらす。タンパク質中の環状領域は、構造的柔軟性及び回転自由度を減少させ、標的タンパク質に対する非常に高い親和性結合をもたらすリジッドドメイン(rigid domain)を含む。ポリペプチドを環状化する多くの方法が当業者にとって利用可能であり、それらは引用することにより本明細書の一部をなす。典型的には、特定のアミノ酸側鎖及び/又はポリペプチドのカルボキシル末端若しくはアミノ末端の化学反応性を利用して、ポリペプチドの2つの部位を架橋し、環状分子をもたらす。一方法では、2つのシステイン残基のチオール基は、ジブロモキシレンとの反応によって架橋される。
幾つかの実施形態では、本発明の環状形態の修飾ペプチドは、
CMR9C DF:CMAEKWKIARC(配列番号65)、及び、
CMR9D6C DF:CMAEKWKIARDDDDDDC(配列番号67)、
からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
別の例示的な方法では、側鎖アミノ基及び末端アミノ基は、グルタル酸ジスクシンイミジルで架橋される。他のアプローチでは、環状化は、ポリペプチド上の2つの部位の間にチオエーテル架橋基を作ることによって成される。一化学的手法は、ポリペプチドのN末端のN-クロロアセチル修飾アミノ酸の組み込みに続く、内部システイン残基のチオール側鎖との自発反応に依存する。酵素法は、ランチビオティック(lantibiotic)合成酵素によって触媒されて、(1)システインと(2)デヒドロアラニン基又はデヒドロブチリン基の間の反応に依存して、チオエーテル架橋基を作り出す。また、デヒドロ官能基は、翻訳中に組み込まれたセレンを含むアミノ酸側鎖の酸化によって、化学的に生成され得る。
一実施形態では、本発明の修飾ペプチドは、本発明のペプチドのN末端、C末端、又はN末端とC末端の両方に連結された、合成ポリアミノ酸ポリマー(例えば、ポリリシン(ポリK)、ポリL-アスパラギン酸(ポリD)、ポリL-アルギニン(ポリR)、ポリL-グルタミン酸(ポリE)又はポリグルタミン(ポリQ))を含む。幾つかの実施形態では、SEQ17に対する修飾は、多くの合成ペプチドSEQ74~SEQ131を得るため、ポリアルギニン(R)又はポリアスパラギン酸(D)を付加することによって成される。更なる実施形態では、合成ポリアミノ酸は、1個~12個のポリアミノ酸、好ましくは3個~8個のポリアミノ酸を含む。幾つかの実施形態では、合成ポリアミノ酸は、1個~12個のK残基、1個~12個のD残基、1個~12個のR残基、1個~12個のQ残基若しくは1個~12個のE残基、又はそれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態では、合成ポリアミノ酸は、3個~7個のR残基若しくは3個~7個のD残基、又はそれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態では、修飾ペプチドは、
Figure 0007112753000003
Figure 0007112753000004
からなる群から選択される合成ポリアミノ酸ポリマーを有する本発明のペプチドである。
別の態様では、本発明は、以下:
SEQ2 IEPVQTICHDAEYVN(配列番号126)、
SEQ3 AEYVNVTAEDLDGHP(配列番号127)、
SEQ4 LDGHPNSGPFSFSVI(配列番号128)、
SEQ5 SFSVIDKPPGMAEKW(配列番号129)、
SEQ6 MAEKWKIARQESTSV(配列番号130)、
SEQ7 ESTSVLLQQSEKKLG(配列番号131)、
SEQ8 EKKLGRSEIQFLISD(配列番号132)、
SEQ9 FLISDNQGFSCPEKQ(配列番号133)、
SEQ10 CPEKQVLTLTVCECL(配列番号134)、及び、
SEQ11 VCECLHGSGCREAQH(配列番号135)、
からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む合成ペプチド又はその変異体ペプチド又は修飾ペプチドを提供する。
一実施形態では、修飾ペプチドは、SEQ132:VSTSEQRAIKWKEAM(配列番号136)のアミノ酸配列を含む配列6の逆配列である。
SEQ2~SEQ11の変異体ペプチドは、本明細書に記載されるアミノ酸配列同一性を有し、本明細書に記載されるアミノ酸の置換、付加又は欠失を有するペプチドを含む。修飾ペプチドとして、非天然起源のアミノ酸修飾、環状修飾、及び合成ポリアミノ酸ポリマー修飾を有するペプチドが挙げられる。
本発明のペプチドは、Dsg2の500位~604位のアミノ酸残基(IEPVQTICHDA EYVNVTAEDL DGHPNSGPFS FSVIDKPPGM AEKWKIARQESTSVLLQQSEKKLGRSEIQFLISDNQGFSCPEKQVLTLTVCECLHGSGCREAQH(配列番号137))に由来し得て、それらは更に修飾され得る。また、ここに記載されるペプチドは、化学合成又は組換DNA技術を使用する製造によって作製されてもよい。例えば、ペプチドを、当該技術分野で知られている、アジド、酸塩化物、酸無水物、酸無水物の化合物、DCC、活性化エステル、ウッドワード試薬K、カルボニルイミダゾール、脱酸素、DCC/HONB、BOP試薬等を使用する方法によって得ることができる。また、本発明のペプチドは、自動ペプチド合成装置を使用する化学合成によっても作製され得る。
かかる化学反応に続いて、ペプチドを既知の精製方法によって分離し、精製することができる。かかる精製方法の一例として、溶媒抽出、蒸留、カラムクロマトグラフイー、液体クロマトグラフィー、再結晶等の組み合わせを挙げることができる。
さらに、宿主細胞(大腸菌(E. coli)等)における組み換え発現系を使用して、特定の酵素、例えばエンテロキナーゼの切断部位を有する融合タンパク質としてここに記載されるペプチドを発現させてもよい。次いで、細胞を破壊して遠心分離し、得られるスープは上記ペプチドを含む。その後、ペプチドを特定の親和性カラム、例えばNi2+又はグルタチオンカラムに充填し、溶離することができる。溶離の後、精製されたペプチドを特異的酵素切断反応に供する。その後、HPLC又はイオン交換クロマトグラフィーによって得られた混合物からペプチドを精製する。従来の分析化学、分子生物学、及び細胞生物学的な技術に関する方法は、多くの公然に知られている参照文献において詳述される。
別の態様では、本発明は、本発明の合成ペプチド、又はその変異体ペプチド若しくはその修飾ペプチドを含む医薬組成物を提供する。
本開示は、本発明の合成ペプチド又はその変異体ペプチド又はその修飾ペプチドと、少なくとも1つの薬学的に許容可能な担体、希釈剤又は賦形剤とを含む、EMTを阻害する、血管擬態を阻害する、並びに血管形成依存性疾患又は血管形成関連疾患を治療及び/又は予防することができる医薬組成物を提供する。本発明のペプチドは、好ましくは、医薬組成物等の組成物において担体等の他の成分と組み合わされる。上記組成物は、血管形成関連疾患の医学的な治療又は予防の方法において投与される場合に有用である。薬学的に許容可能な担体、賦形剤、又は安定化剤は、採用される投薬量及び濃度で受容者に対して非毒性である。それらは、固体、半固体、又は液体であってもよい。本発明の医薬組成物は、錠剤、丸剤、粉末、口内錠、サッシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁液、エマルジョン、溶液又はシロップ剤の形態であってもよい。
幾つかの実施形態では、本発明は、本発明の合成ペプチド、又はその変異体ペプチド若しくは修飾ペプチドを被験体に投与することを含む、被験体において、EMT及び/又は血管擬態を阻害するとともに、血管形成依存性疾患若しくは血管形成関連疾患を治療及び/又は予防する方法を提供する。したがって、本発明は、被験体において、EMT及び/又は血管擬態を阻害するとともに、血管形成依存性疾患又は血管形成関連疾患を治療及び/又は予防する医薬の製造における、本発明の合成ペプチド、又はその変異体ペプチド若しくは修飾ペプチドの使用を提供する。
血管形成は、生体において血管の発生をもたらす、又は組織の血管分布を増加する生物学的プロセスを説明するため、本明細書を通して使用される。持続的で無秩序な血管形成は、多様な疾患状態、腫瘍転移及び内皮細胞による成長異常にて起こっており、これらの状態で見られる病理学的損傷を支持する。無秩序な血管形成により生み出される多様な病理学的状態を、血管形成依存性疾患又は血管形成関連疾患として分類した。血管形成プロセスの制御を対象とする治療は、これらの疾患の抑止又は鎮静と結びつく可能性がある。
本発明によって治療、改善、又は予防される疾患又は障害として、以下が挙げられる:黄斑変性、加齢黄斑変性、新生物、眼癌又は眼球の癌(ocular cancer)、直腸癌、結腸癌、子宮頸癌(cervical cancer)、前立腺癌、乳癌及び膀胱癌等の内部悪性腫瘍、肛門及び口腔の癌、胃癌、直腸癌、肝臓癌、膵臓癌、肺癌、子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌、前立腺癌、精巣癌、腎臓(renal)癌、口/咽頭癌、食道癌、喉頭癌、腎臓(kidney)癌、脳/腸神経系(ens)癌(例えば神経膠腫)、頭頸癌、喉癌等の様々な癌を含む良性及び悪性の腫瘍、皮膚黒色腫、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、ユーイング肉腫、カポジ肉腫、基底細胞癌及び扁平上皮癌、小細胞肺癌、絨毛癌、横紋筋肉腫、血管肉腫、血管内皮腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、リンパ腫、神経線維腫症、結節性硬化症(それぞれの状態が皮膚の良性腫瘍をもたらす)、血管腫、リンパ脈管新生、横紋筋肉腫、網膜芽細胞腫、骨肉腫、聴神経腫、神経線維腫、トラコーマ、化膿性肉芽腫、通常貧血、血液凝固不全、並びにリンパ節、肝臓及び脾臓の肥大を伴う、白血病、白血球の制御されていない増殖が起こる様々な骨髄の急性又は慢性の腫瘍性疾患のいずれかといった血液由来の腫瘍、乾癬、にきび、酒渣、疣贅、湿疹、神経線維腫症、スタージ-ウェーバー症候群、皮膚の静脈性潰瘍、結節性硬化症、慢性炎症性疾患、関節炎、狼瘡、強皮症、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、角膜移植後拒絶反応、血管新生緑内障及び後水晶体線維増殖症、流行性角結膜炎、ビタミンA欠乏症、コンタクトレンズオーバーウエアー(contact lens overwear)、アトピー性角膜炎、上輪部角結膜炎、翼状片、角膜乾燥症、シェーグレン病、フリクテン症、梅毒、マイコバクテリア感染症、脂肪変性症、化学熱傷、細菌性潰瘍、真菌性潰瘍、単純ヘルペス感染症、帯状ヘルペス感染症、原虫感染症、モーレン潰瘍、テリエン周辺角膜変性、辺縁角膜表皮剥離(marginal keratolysis)、外傷、関節リウマチ、全身性狼瘡、多発動脈炎、ウェゲナーサルコイドーシス(Wegener's sarcoidosis)、強膜炎、スティーヴンズ-ジョンソン病、類天疱瘡、放射状角膜切開、角膜移植後拒絶反応、糖尿病性網膜症、黄斑浮腫、黄斑変性、鎌状赤血球貧血、サルコイド、弾性線維性仮性黄色腫、パジェット病、静脈閉塞、動脈閉塞、頸動脈閉塞性疾患、慢性ブドウ膜炎/硝子体炎、ライム病、全身性エリテマトーデス、ベール病、ベーチェット病、網膜炎又は脈絡膜炎を引き起こす感染症、推定眼ヒストプラスマ症、ベスト病、近視、眼陥凹、シュタルガルト病、扁平部炎、慢性網膜剥離、過粘稠度症候群、トキソプラズマ症、外傷、ポストレーザー(post-laser)合併症、ルベオーシス(足首の血管新生)、糖尿病、血管新生性疾患、パンヌス、糖尿病性黄斑浮腫、血管性網膜症、網膜変性、網膜の炎症性疾患、増殖性硝子体網膜症、ルベオーシス(足首の血管新生)と関連する疾患と関連するか否かにかかわらず全ての形態の増殖性硝子体網膜症を含む血管結合組織若しくは線維組織の異常増殖によって引き起こされる疾患、全ての形態の増殖性硝子体網膜症、クローン病及び潰瘍性大腸炎、サルコイドーシス、骨関節炎、炎症性腸疾患、皮膚病変、オスラー-ウェーバー-ランデュ病を含む血管結合組織若しくは線維組織の異常増殖によって引き起こされる疾患、又は遺伝性出血性毛細管拡張症、骨関節炎、サルコイドーシス、皮膚病変、後天性免疫不全症候群、並びに小腸閉塞。
幾つかの実施形態では、血管形成依存性疾患又は血管形成関連疾患は、新生物(悪性腫瘍又は癌を含む)、黄斑変性(加齢黄斑変性を含む)、血管新生疾患、血管性網膜症又は網膜変性である。
本発明の血管新生を阻害するペプチドは、とりわけ、子宮頸癌、肛門癌、口腔癌、胃癌、結腸癌、膀胱癌、直腸癌、肝臓癌、膵臓癌、肺癌、乳癌、子宮頸部癌(cervix uteri cancer)、子宮体癌、卵巣癌、前立腺癌、精巣癌、腎臓癌、脳腫瘍(例えば神経膠腫)、頭頸部癌、眼癌又は眼球の癌、咽喉癌、黒色腫、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、ユーイング肉腫、カポジ肉腫、基底細胞癌及び扁平上皮癌、小細胞肺癌、絨毛癌、横紋筋肉腫、血管肉腫、血管内皮腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、口/咽頭癌、食道(esophageal)癌、喉頭癌、腎臓癌及びリンパ腫等の様々な癌を含む、良性及び悪性の腫瘍を治療、改善、又は予防するために使用される。さらに、とりわけ神経線維腫症、結節性硬化症(それぞれの状態が皮膚の良性腫瘍を生じる)、血管腫及びリンパ脈管新生等の状態は、本発明による化合物で効果的に治療され得る。
血管形成は、固形腫瘍の形成及び転移において顕著である。
血管形成因子は、横紋筋肉腫、網膜芽細胞腫、ユーイング肉腫、神経芽細胞腫、及び骨肉腫等の幾つかの固形腫瘍と関係することがわかった。腫瘍は、栄養素を提供し、細胞廃棄物を除去するため、血液供給なしでは拡大することができない。血管形成が重要な腫瘍として、固形腫瘍、及び聴神経腫瘍、神経線維腫、トラコーマ、及び化膿性肉芽腫等の良性腫瘍が挙げられる。血管形成の予防は、これらの腫瘍の成長及び腫瘍の存在に起因して結果として動物に生じる損傷を止めることができた。
血管形成は、通常貧血、血液凝固不全、並びにリンパ節、肝臓及び脾臓の肥大を伴う、白血病、白血球の制御されていない増殖が起こる様々な骨髄の急性又は慢性の腫瘍性疾患のいずれかといった血液由来の腫瘍と関係していることに注目すべきである。血管形成は、白血病様腫瘍(leukemia-like tumors)を起こす骨髄マット(bone marrow mat)の異常に役割を果たすと考えられている。
血管形成は、腫瘍転移の2つの段階で重要である。血管形成の刺激が重要である第1の段階は、腫瘍の血管侵入にあり、腫瘍細胞が血流に入り込み、全身に循環することを可能とする。腫瘍細胞が原発部位を去り、二次的な転移部位に定着した後、新たな腫瘍が成長して拡大し得る前に、血管形成が起こらなければならない。したがって、血管形成の予防又は制御は、原発部位での新生物の成長を含み得る腫瘍の転移の予防に結びつく可能性がある。
幼少期の最も頻繁な血管形成性疾患の一つは血管腫である。ほとんどの場合、腫瘍は良性で、介入なしに寛解する。より重篤な場合では、腫瘍は大きな空洞性で浸潤性の形態へと進行し、臨床的な合併症を引き起こす。全身の血管腫の形態である血管腫症は高い死亡率を有する。現在使用されている治療法で治療することができない治療抵抗性の血管腫が存在する。
血管形成疾患、血管形成障害及び血管形成性皮膚障害は、障害、概して組織における血管侵入の増加の結果として起こる又は結果としてそれをもたらす皮膚障害又は関連する障害を記載するため本明細書を通して使用される。一次的な又は二次的な特徴として血管侵入の増加を有する任意の皮膚障害は、本発明の目的に対する血管形成性皮膚障害とみなされ、本発明による化合物を用いる治療を受けることができる。
また、乾癬、にきび、酒渣、疣贅、湿疹、血管腫、リンパ脈管新生、神経線維腫症、スタージ-ウェーバー症候群、皮膚の静脈性潰瘍、結節性硬化症、慢性炎症性疾患及び関節炎と並んで、関節炎、狼瘡及び強皮症を含む慢性炎症性疾患等の炎症等の血管形成性皮膚障害を治療、改善又は予防する方法も本発明によって検討され、かかる方法は、かかる治療を必要とする患者に、治療的有効量の開示される1以上の化合物を投与することを含む。
血管新生に関連する疾患として、視神経円板血管新生、虹彩血管新生、網膜血管新生、脈絡膜血管新生、角膜血管新生、及び硝子体内血管新生が挙げられる。
血管形成によって媒介される疾患の一例は、眼性の血管新生性疾患である。この疾患は、網膜又は角膜等の眼の構造への新たな血管の侵入を特徴とする。この新たな血管の侵入は失明の最も一般的な原因であり、およそ20の眼疾患に関与する。加齢黄斑変性では、関連する視力の問題は、網膜色素上皮下の血管結合組織の増殖を伴うブルッフ膜の欠損を介する脈絡膜毛細血管の入り込み(ingrowth)によって引き起こされる。
慢性炎症及び関節炎と関連する疾患は、本発明のペプチド、組成物及び方法によって治療、改善、又は予防され得る。慢性炎症の症状を伴う疾患として、クローン病及び潰瘍性大腸炎等の炎症性腸疾患、乾癬、サルコイドーシス、関節リウマチ、骨関節炎、狼瘡及び強皮症が挙げられる。血管形成は、これらの慢性炎症性疾患に共通する重要な要素である。慢性炎症は、炎症細胞の移入を維持するように毛細血管発芽(capillary sprouts)の継続的な形成に依存する。炎症細胞の移入及び存在は肉芽腫をもたらすため、慢性の炎症状態を持続させる。
1回用量又は分割用量でヒト又は他の動物宿主に投与される本発明のペプチドの合計1日用量は、例えば、1日に約0.0001mg/体重kg~約750mg/体重kg、通例は約1mg/体重kg~約300mg/体重kgの量であってもよい。幾つかの実施形態では、医薬組成物は、本発明のペプチドが、注射1回当たり約0.1mg~約50mg、より好ましくは注射1回当たり約0.3mg~約40mg、最も好ましくは注射1回当たり約0.5mg~約30mg、約1mg~約30mg、約3mg~約30mg、約5mg~約30mg、約8mg~約30mg、約10mg~約30mg、約15mg~約30mg、約20mg~約30mg、約0.5mg~約25mg、約0.5mg~約20mg、約0.5mg~約15mg、約0.5mg~約10mg、約0.5mg~約5mg、又は約0.5mg~約3mgの用量で与えられるように、注射によって眼に投与される。さらに、上記医薬組成物は、約10mg/ml~約600mg/ml、より好ましくは約20mg/ml~約500mg/ml、最も好ましくは約30mg/ml~約400mg/ml、約30mg/ml~約350mg/ml、約30mg/ml~約300mg/ml、約30mg/ml~約250mg/ml、約30mg/ml~約200mg/ml、約30mg/ml~約150mg/ml、約30mg/ml~約100mg/ml、約30mg/ml~約50mg/ml、約50mg/ml~約400mg/ml、約100mg/ml~約400mg/ml、約150mg/ml~約400mg/ml、約200mg/ml~約400mg/ml、約250mg/ml~約400mg/ml、約300mg/ml~約400mg/ml、又は約350mg/ml~約400mg/mlの濃度の本発明のペプチドを含む溶液の1滴が眼に適用されるように、眼への点眼によって投与される。
治療的有効量の本発明の医薬組成物の投与は、所望の結果を達成するために有効な量、投薬量、及びそれに必要な期間として定義される。例えば、ペプチドの治療的に活性な量は、個体の疾患の状態、年齢、性別、及び体重等の因子、並びに物質がその個体において所望の反応を誘発する能力に応じて変化し得る。投薬レジメンは、最適な治療反応を提供するように調整され得る。例えば、幾つかの分割用量を毎日投与してもよく、又はその用量は治療的状況での緊急性によって指示される通り比例的に減少されてもよい。
医薬組成物は、非経口(例えば、動脈内、静脈内、筋肉内、皮下を含む)、局所(皮膚、経皮、皮下等を含む)、経口、鼻、粘膜(舌下を含む)、又は腔内の経路等による任意の従来の又は好適な経路によってそれを必要とする被験体に投与され得る。したがって、組成物は、溶液、懸濁液、エマルジョン及び固体の形態を含む多様な形態に製剤化され得て、典型的には、例えば、非経口投与に適した注射用製剤、カプセル剤、錠剤、カプレット剤、経口摂取用のエリキシル剤、吸入による(鼻腔内吸入又は経口吸入等による)投与に適ししたエアロゾル形態、又は局所性投与に適した軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤若しくはローション剤として、選択される投与経路に適するように製剤化される。
例えば、非経口注射剤用の医薬組成物は、薬学的に許容可能な無菌の水性又は非水性の溶液、分散液、懸濁液、又はエマルジョンと並んで、使用の直前に無菌の注射用溶液又は分散液へと再構成するための無菌粉末を含む。好適な水性及び非水性の担体、希釈剤、溶媒、又はビヒクルの例として、水、エタノール、多価アルコール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、カルボキシメチルセルロース及びその好適な混合物、植物油(オリーブオイル等)、並びにオレイン酸エチル等の注射用有機エステルが挙げられる。適切な流動性は、例えば、レシチン等のコーティング物質の使用によって、分散液の場合の必要な粒子径の維持によって、及び界面活性剤の使用によって維持され得る。また、これらの組成物は、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、及び分散剤等のアジュバントを含んでもよい。
例えば、本発明のペプチドとの使用と適合する経口の剤形又は単位服用量は、ペプチドの混合物、及び非薬物成分又は賦形剤と並んで、原料又は包装のいずれかと見なされ得る他の再使用不能な材料を含み得る。経口組成物は、液体、固体及び半固体の剤形の少なくとも1つを含み得る。幾つかの実施形態では、有効量のペプチドを含む経口の剤形が提供され、ここで剤形は、丸剤、錠剤、カプセル剤、ゲル剤、ペースト剤、飲料及びシロップ剤の少なくとも1つを含む。幾つかの例では、被験体の小腸でペプチド二量体の遅延放出を達成するように設計され、構成される経口の剤形が提供される。
例えば、局所投与として、皮膚、又は肺及び眼の表面を含む粘膜への投与を含む。吸入及び鼻腔内に対するものを含む局所の肺投与用の組成物は、水性及び非水性の製剤における溶液及び懸濁液を含む場合があり、加圧又は非加圧であってもよい乾燥粉末として調製され得る。非加圧粉末組成物では、微細化形態の有効成分は例えば、直径が最大100マイクロメートルのサイズを有する粒子を含む、サイズの大きな薬学的に許容可能な不活性担体との混合物で使用され得る。好適な不活性担体として、ラクトース等の糖が挙げられる。
局所性投与の更なる形態は、眼に対するものである。本発明の化合物は、該化合物を、角膜領域及び例えば、前眼房、後眼房、硝子体、房水、硝子体液、角膜、虹彩/毛様体、レンズ、脈絡膜/網膜及び強膜のような眼の内部領域に浸透させるのに十分な時間に亘って化合物と眼球表面との接触が維持されるように、薬学的に許容可能な眼科用ビヒクルにて送達される。薬学的に許容可能な眼科用ビヒクルは、例えば、軟膏、植物油、又はカプセル化材であってもよい。代替法としては、本発明の化合物を、硝子体液及び眼房水に直接注入してもよい。
また、本発明のペプチドは、リポソームの形態で投与されてもよい。当該技術分野で知られているように、リポソームは、一般的にリン脂質又は他の脂質物質に由来する。リポソームは、水性媒質中に分散されるモノラメラの又はマルチラメラの水和液晶によって形成される。リポソームを形成し得る任意の非毒性の生理学的に許容可能で代謝可能な脂質を使用することができる。リポソーム形態の本発明の組成物は、本発明の化合物に加えて、安定化剤、防腐剤、賦形剤等を含み得る。好ましい脂質は、天然と合成の両方のリン脂質及びホスファチジルコリン(レシチン)である。リポソームを形成する方法は当該技術分野で知られている。
任意の先行する刊行物(又はそれから得られる情報)、又は知られているあらゆる事柄に対する本明細書における参照は、その先行する刊行物(又はそれから得られる情報)、又は知られている事柄が、本明細書が関連する努力傾注分野における共通の一般的知識の一部をなすことの自認又は承認又はいかなる形式の示唆でもなく、そのように捉えられるべきではない。
ここで、本発明を以下の具体的な実施例に関して記載するが、それらの実施例は、本発明の範囲を何ら限定しないと解釈するものとする。
実施例1 本発明のペプチドのEMTアッセイ
MDCK細胞(800細胞/ウェル)を96ウェルプレートに蒔き、10%のサブコンフルエントになるまで37℃及び5%COでインキュベートした。次いで、EMTを、細胞分散因子HGF(R&D system、2.5ng/ml)を含む培養培地を添加することによって誘発し、EMTを阻止するため試験するペプチドを添加した(SEQ2~SEQ31)。核間距離を測定するため、正立顕微鏡を使用して無作為の画像を50倍の倍率でキャプチャーした。核間距離は、1つの核の中心から近隣の/近接する核の中心までを測定した。2つの核間の距離を、ImageJソフトウェアを使用して測定した。
ペプチドSEQ1~SEQ11は、Dsg2の500位~604位のアミノ酸残基から断片化され、添付の図1(A)に示される。さらに、EMTアッセイを行って、これらのペプチドフラグメントのEMT阻害能力を実証した。図1(B)に示されるように、SEQ6は、EMTの阻害において有利な効果を示す。したがって、SEQ6に対してペプチド欠失研究を行った。SEQ6の配列の一部を欠失することによって、合成ペプチドSEQ12~SEQ31を得る。合成ペプチドSEQ12~SEQ31の配列、及びEMTに対するそれらの阻害効果を図2に示す。
実施例2 本発明のペプチドの血管擬態研究
ヒト膠芽腫細胞(U-87)をマトリゲル被覆ウェル(96ウェルプレート中の6×10細胞/ウェル)に蒔いた。次いで、試験したペプチド(SEQ17、SEQ32~SEQ38、又はPBS対照)をそれぞれウェルに添加し、数日間インキュベートした。チューブの定量のため各ウェルを3つの視野について無作為に撮影し、統計のためチューブの数を数えた。
図2によれば、SEQ17はEMTの阻害に有利な作用を示す。SEQ17のアラニンスクリーニングを行った。SEQ17のアラニン置換合成ペプチドから得られたSEQ32~SEQ38の合成ペプチド配列。膠芽腫(GBM)は非常に悪性度が高く、根本的には不治である。その悪性腫瘍は、活発な微小血管の増殖を特徴とする。最近の証拠は、腫瘍細胞が、血液灌流された血管擬態(VM)、すなわち内皮細胞血管形成と無関係の代替の微小血管循環を促す能力を呈することを示した。血管擬態研究において、マトリゲルによって誘発されるチューブ構造を阻止することによって、SEQ17のトリプトファン残基(W、Dsg2アミノ酸544位)の寄与を判断するため、膠芽腫細胞株(U-87)を使用する。チューブで満たされたPBS対照と比較して、SEQ17及びSEQ32~SEQ38のペプチドは、U-87チューブネットワーク構築を強力に阻止する効能を示す(図3(A)を参照)。各治療群において無作為に選択された3つの視野を使用して、チューブを数えることによって定量する(図3(B)を参照)(平均チューブ数±SD)。
実施例3 本発明のペプチドのHUVECチューブ形成アッセイ(血管形成アッセイ)
一晩飢餓状態にしたヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)を収集し、内皮細胞増殖培地で1.5×10細胞/ウェル(96ウェルプレートにおいて)に調整した後、マトリゲル被覆ウェルに細胞を蒔いた。種々のペプチド、並びにD形非天然アミノ酸、及び/又はN末端及びC末端のシスチンを付加することによる環状化によるそれらの修飾形態;また、SEQ132は、ペプチド骨格SEQ6の方向の反転である(レトロ修飾):(SEQ17、SEQ78、SEQ97、MR9 DF、CMR9C、CMR9C DF、MR9D6 DF、CMR9D6C DF及びSEQ132)又は対照PBSをウェルに添加し、37℃で5時間インキュベーションした。各ウェルを、正立顕微鏡によって40倍の倍率で撮影した。チューブの合計の長さを、ImageJソフトウェアを使用することにより定量した。マトリゲル上で培養されたHUVEC細胞は、合成ペプチドが血管形成を阻害することができることを実証し、その結果を図4(A)~(D)に示す。
実施例4 ラットのレーザー誘導性脈絡膜血管新生モデル
ケタミン塩酸塩/キシラジン塩酸塩(7:1、体積/体積)の混合物1mL/kgの大腿筋への筋肉内注射によって動物を完全に麻酔にかけた。Mydrin(商標)-P眼科用液(参天製薬株式会社)を眼に滴下して瞳孔を散大させた。細隙灯SL-130(Carl Zeiss Meditec AG)及び多色レーザー光凝固装置MC-300(NIDEK Co., Ltd.)を使用することによって、レーザー(波長:532nm)を使用して各動物の右眼に照射した。次いで、マイクロシリンジ(MS-N10、株式会社伊東商会)及び33G針(株式会社伊東商会)を使用して、ペプチド投薬製剤を右眼の硝子体に注入した。レーザー照射の14日後、4%FITC-デキストラン溶液を動物1匹当たり1mLの量で尾静脈に投与した。次いで、動物を麻酔薬の過剰投与によって安楽死させた。眼球を摘除し、12時間~24時間、4%パラホルムアルデヒド-リン酸緩衝液中で固定した。実体顕微鏡(EZ-4、Leica Microsystems)下で脈絡膜のフラットマウント(flat mounts)を作製した。その後、共焦点顕微鏡(株式会社ニコンのECLIPSE TE2000-U)による写真撮影のためラット眼の脈絡膜フラットマウントを作製した。高いフルオレセイン強度を有するレーザー誘導性血管新生部位(単位:ピクセル)の区域を測定するため、ソフトウェアImageJ(国立保健研究所(NIH)、米国)を使用する。
ラットの眼に532nmの波長のレーザーを照射し、ペプチド(SEQ97)、Eylea又はPBSで硝子体内処理をした。14日後、次いで、蛍光眼底血管造影によって網膜区域における流体の漏出を識別するため、4%FITC-デキストラン溶液を静脈内注射する。図5(A)は、PBSで処理した対照、Eylea(200μg/5μl)及びSEQ97(500μg/5μl)の蛍光眼底血管造影写真を示す。14日間の処理(PBS、Eylea又はSEQ97)の後、脈絡膜血管新生部位の写真を撮影し、ImageJソフトウェアで定量した(n=10)。EyleaとSEQ97はいずれも、ラット眼の脈絡膜血管新生を有意に阻害する(図5(B)を参照)(統計学的分析はStatLight #4を使用した)。

Claims (14)

  1. SEQ13 MAEKWKIARQEST(配列番号46)、
    SEQ14 MAEKWKIARQES(配列番号47)、
    SEQ15 MAEKWKIARQE(配列番号48)、
    SEQ16 MAEKWKIARQ(配列番号49)、
    MR9 DF:MAEKWKIAR(配列番号64)、
    CMR9C DF:CMAEKWKIARC(配列番号65)、
    MR9D6 DF:MAEKWKIARDDDDDD(配列番号66)、
    CMR9D6C DF:CMAEKWKIARDDDDDDC(配列番号67)、
    SEQ74 RRRMAEKWKIAR(配列番号68)、
    SEQ75 RRRRMAEKWKIAR(配列番号69)、
    SEQ76 RRRRRMAEKWKIAR(配列番号70)、
    SEQ77 RRRRRRMAEKWKIAR(配列番号71)、
    SEQ78 RRRRRRRMAEKWKIAR(配列番号72)、
    SEQ79 MAEKWKIARDDD(配列番号73)、
    SEQ80 RRRMAEKWKIARDDD(配列番号74)、
    SEQ81 RRRRMAEKWKIARDDD(配列番号75)、
    SEQ82 RRRRRMAEKWKIARDDD(配列番号76)、
    SEQ83 RRRRRRMAEKWKIARDDD(配列番号77)、
    SEQ84 RRRRRRRMAEKWKIARDDD(配列番号78)、
    SEQ85 MAEKWKIARDDDD(配列番号79)、
    SEQ86 RRRMAEKWKIARDDDD(配列番号80)、
    SEQ87 RRRRMAEKWKIARDDDD(配列番号81)、
    SEQ88 RRRRRMAEKWKIARDDDD(配列番号82)、
    SEQ89 RRRRRRMAEKWKIARDDDD(配列番号83)、
    SEQ90 RRRRRRRMAEKWKIARDDDD(配列番号84)、
    SEQ91 MAEKWKIARDDDDD(配列番号85)、
    SEQ92 RRRMAEKWKIARDDDDD(配列番号86)、
    SEQ93 RRRRMAEKWKIARDDDDD(配列番号87)、
    SEQ94 RRRRRMAEKWKIARDDDDD(配列番号88)、
    SEQ95 RRRRRRMAEKWKIARDDDDD(配列番号89)、
    SEQ96 RRRRRRRMAEKWKIARDDDDD(配列番号90)、
    SEQ97 MAEKWKIARDDDDDD(配列番号91)、
    SEQ98 RRRMAEKWKIARDDDDDD(配列番号92)、
    SEQ99 RRRRMAEKWKIARDDDDDD(配列番号93)、
    SEQ100 RRRRRMAEKWKIARDDDDDD(配列番号94)、
    SEQ101 RRRRRRMAEKWKIARDDDDDD(配列番号95)、
    SEQ102 RRRRRRRMAEKWKIARDDDDDD(配列番号96)、
    SEQ103 DDDMAEKWKIAR(配列番号97)、
    SEQ104 DDDDMAEKWKIAR(配列番号98)、
    SEQ105 DDDDDMAEKWKIAR(配列番号99)、
    SEQ106 DDDDDDMAEKWKIAR(配列番号100)、
    SEQ107 MAEKWKIARRRR(配列番号101)、
    SEQ108 DDDMAEKWKIARRRR(配列番号102)、
    SEQ109 DDDDMAEKWKIARRRR(配列番号103)、
    SEQ110 DDDDDMAEKWKIARRRR(配列番号104)、
    SEQ111 DDDDDDMAEKWKIARRRR(配列番号105)、
    SEQ112 MAEKWKIARRRRR(配列番号106)、
    SEQ113 DDDMAEKWKIARRRRR(配列番号107)、
    SEQ114 DDDDMAEKWKIARRRRR(配列番号108)、
    SEQ115 DDDDDMAEKWKIARRRRR(配列番号109)、
    SEQ116 DDDDDDMAEKWKIARRRRR(配列番号110)、
    SEQ117 MAEKWKIARRRRRR(配列番号111)、
    SEQ118 DDDMAEKWKIARRRRRR(配列番号112)、
    SEQ119 DDDDMAEKWKIARRRRRR(配列番号113)、
    SEQ120 DDDDDMAEKWKIARRRRRR(配列番号114)、
    SEQ121 DDDDDDMAEKWKIARRRRRR(配列番号115)、
    SEQ122 MAEKWKIARRRRRRR(配列番号116)、
    SEQ123 DDDMAEKWKIARRRRRRR(配列番号117)、
    SEQ124 DDDDMAEKWKIARRRRRRR(配列番号118)、
    SEQ125 DDDDDMAEKWKIARRRRRRR(配列番号119)、
    SEQ126 DDDDDDMAEKWKIARRRRRRR(配列番号120)、
    SEQ127 MAEKWKIARRRRRRRR(配列番号121)、
    SEQ128 DDDMAEKWKIARRRRRRRR(配列番号122)、
    SEQ129 DDDDMAEKWKIARRRRRRRR(配列番号123)、
    SEQ130 DDDDDMAEKWKIARRRRRRRR(配列番号124)、および
    SEQ131 DDDDDDMAEKWKIARRRRRRRR(配列番号125)、
    からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、合成ペプチド又はその修飾ペプチドであって、
    前記修飾ペプチドが、ホモ-リシン、ホモ-アルギニン、ホモ-セリン、アゼチジンカルボン酸、2-アミノアジピン酸、3-アミノアジピン酸、β-アラニン、アミノプロピオン酸、2-アミノ酪酸、4-アミノ酪酸、6-アミノカプロン酸、2-アミノヘプタン酸、2アミノイソ酪酸、3-アミノイソ酪酸、2-アミノピメリン酸、ターシャリー-ブチルグリシン、2,4-ジアミノイソ酪酸、デスモシン、2,2’-ジアミノピメリン酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、N-エチルグリシン、N-エチルアスパラギン、ホモプロリン、ヒドロキシリシン、アロ-ヒドロキシリシン、3-ヒドロキシプロリン、4-ヒドロキシプロリン、イソデスモシン、アロ-イソロイシン、N-メチルアラニン、N-メチルグリシン、N-メチルイソロイシン、N-メチルペンチルグリシン、N-メチルバリン、ナフタアラニン(naphthalanine)、ノルバリン、ノルロイシン、オルニチン、シトルリン、ペンチルグリシン、ピペコリン酸、及びチオプロリンからなる群から選択される1以上の非天然起源のアミノ酸修飾、
    環状修飾、または、
    ペプチドのN末端、C末端、もしくはN末端とC末端の両方に連結された合成ポリアミノ酸ポリマーを含む、合成ペプチド又はその修飾ペプチド
  2. 前記合成ポリアミノ酸ポリマーが、ポリリシン(ポリK)、ポリL-アスパラギン酸(ポリD)、ポリL-アルギニン(ポリR)、ポリL-グルタミン酸(ポリE)である、請求項に記載の合成ペプチド又はその修飾ペプチド。
  3. 前記合成ポリアミノ酸ポリマーが、1個~12個のK、D、R若しくはE、又はそれらの組み合わせを含む、請求項に記載の合成ペプチド又はその修飾ペプチド。
  4. 請求項1~のいずれか一項に記載の合成ペプチド又はその修飾ペプチドを含む医薬組成物。
  5. 被験体において、EMT及び/又は血管擬態を阻害するとともに、血管形成依存性疾患又は血管形成関連疾患を治療及び/又は予防する医薬の製造における、請求項1~のいずれか一項に記載の合成ペプチド又は修飾ペプチドの使用。
  6. 前記合成ペプチド又は修飾ペプチドが、非経口、局所、又は経口の経路によって投与される、請求項に記載の使用。
  7. 前記局所投与が眼に対するものである、請求項に記載の使用。
  8. 前記血管形成依存性疾患又は血管形成関連疾患が、新生物、黄斑変性、血管性網膜症又は網膜変性である、請求項に記載の使用。
  9. 前記新生物が悪性腫瘍又は癌である、請求項に記載の使用。
  10. 前記悪性腫瘍又は癌が、膠芽腫、子宮頸癌、肛門癌、口腔癌、胃癌、結腸癌、膀胱癌、直腸癌、肝臓癌、膵臓癌、肺癌、乳癌、子宮頸部癌、子宮体癌、卵巣癌、前立腺癌、精巣癌、腎臓癌、脳腫瘍、頭頸部癌、眼癌又は眼球の癌、咽喉癌、黒色腫、白血病、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、ユーイング肉腫、カポジ肉腫、基底細胞癌及び扁平上皮細胞癌、小細胞肺癌、絨毛癌、横紋筋肉腫、血管肉腫、血管内皮腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、口/咽頭癌、食道(esophageal)癌、喉頭癌、腎臓癌及びリンパ腫である、請求項に記載の使用。
  11. 前記血管形成依存性疾患又は血管形成関連疾患が、乾癬、座瘡、酒渣、疣贅、湿疹、血管腫、リンパ脈管新生、神経線維腫症、スタージ-ウェーバー症候群、皮膚の静脈性潰瘍、結節性硬化症、慢性炎症性疾患及び関節炎、又は炎症である、請求項に記載の使用。
  12. 前記血管形成依存性疾患又は血管形成関連疾患が、視神経円板血管新生、虹彩血管新生、網膜血管新生、脈絡膜血管新生、角膜血管新生、又は硝子体内血管新生である、請求項に記載の使用。
  13. 前記血管形成依存性疾患又は血管形成関連疾患が、眼性血管新生疾患又は黄斑変性である、請求項に記載の使用。
  14. 前記黄斑変性が加齢黄斑変性である、請求項13に記載の使用。
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