JP2022191598A - 金属製管継手及び配管構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 施工が容易で、応力集中箇所をなくすことができる金属製管継手及び配管構造を提供する。【解決手段】 金属製管継手1は、L字状の内部流路が形成された本体管部11と、本体管部11の一端側に設けられ、金属配管が挿入される受け口部13と、本体管部11の他端側の外周面が他端側の端面に向けてテーパ状に形成されてなるテーパ面15と、本体管部11の他端側の端面に突出して設けられ、金属製のエルボ型管継手2の一端側に設けられた受け口部22に挿入される差込管部16と、本体管部11の他端側に差込管部16の基端部分の外周面に沿って設けられ、本体管部11の他端側の端面よりも該端面と垂直方向に所定長さ突出し、エルボ型管継手2の一端側の端面と当接する位置決め部17と、を備えている。【選択図】 図1

Description

本発明は、金属製管継手及びこれを備えた配管構造に関する。
従来、金属配管をクランク状に敷設する場合、例えば2つの金属製のエルボ型の管継手が用いられる。
図3は、従来のエルボ型管継手を用いた配管構造の一例を示す図である。この配管構造では、2つの金属製のエルボ型管継手2と短管10とを用いて第1,第2の2つの金属配管3,4を接続している。ここでは、例えば、小さな段差がある場所に2つの金属配管3,4を沿わせて配置する場合等を想定し、2つの金属配管3,4の中心間距離L2ができるだけ短くなるように短い短管10を用いている。
各エルボ型管継手2は、内部を流れる流体が90度向きを変えるようにL字状の内部流路2aを有する本体管部21を備え、この本体管部21の両端側に受け口部22,23を備えている。
一方のエルボ型管継手2は、その受け口部23に第1の金属配管3の一端が挿入され、本体管部21の端面25と第1の金属配管3とが溶接接合されて溶接部6が形成されている。また、他方の受け口部22に短管10の一端が挿入され、本体管部21の端面24と短管10とが溶接接合されて溶接部9が形成されている。
同様に、他方のエルボ型管継手2は、その受け口部23に第2の金属配管4の一端が挿入され、本体管部21の端面25と第2の金属配管4とが溶接接合されて溶接部7が形成されている。また、他方の受け口部22に短管10の他端が挿入され、本体管部21の端面24と短管10とが溶接接合されて溶接部8が形成されている。
上述のように溶接接合を行う場合には、各エルボ型管継手2と短管10とは、各エルボ型管継手2の受け口部22の底面22aと短管10との間に隙間ができるようにして固定される。上記の隙間がない状態で固定されると、溶接後に、溶接部8、9の収縮によって、短管10が各エルボ型管継手2の受け口部22の底面22aと突き当たった状態となり過大な内部応力が発生する懸念があるからである。同様の理由から、各エルボ型管継手2と金属配管3,4とは、各エルボ型管継手2の受け口部23の底面23aと金属配管3,4との間に隙間ができるようにして固定される。
特許文献1には、硬質ポリ塩化ビニルからなる管継手同士を接合することが記載されている。このような硬質ポリ塩化ビニルからなる管継手同士の接合には、溶接接合は用いられない。
特開平11-325366号公報
上記従来の配管構造のように、2つの金属配管3,4がこれらの中心間距離L2が短くなるように配置される場合には、短管10と金属配管3との溶接部9と、短管10と金属配管4との溶接部8とが接近し、溶接部8,9の形成部分は凹形状の切欠きとなり、応力集中の可能性が高く強度的に不利となる。また、短管10と各エルボ型管継手2とを固定する際には、短管10を、エルボ型管継手2の受け口部22の底面22aとの間に所定の隙間ができるように位置決めして仮付け溶接し、その後、本溶接を行うことになる。このように短い短管10を2つのエルボ型管継手2に取り付けるのは容易ではない。つまり、施工が容易ではない。また、図3のように2つの溶接部8,9が接近すると、各溶接時の熱影響によって母材(短管10)に生じる2つの熱影響部が近接あるいは干渉して、母材の金属組成及び機械的性質に悪影響を及ぼし、低温じん性の劣化や応力腐食割れの原因となる。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、施工が容易で、応力集中箇所をなくすことができる金属製管継手及び配管構造を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明のある態様に係る金属製管継手は、L字状の内部流路が形成された本体管部と、前記本体管部の一端側に設けられ、金属配管が挿入される受け口部と、前記本体管部の他端側の外周面が前記他端側の端面に向けてテーパ状に形成されてなるテーパ面と、前記本体管部の前記他端側の端面に突出して設けられ、金属製の他の管継手の一端側に設けられた受け口部に挿入される差込管部と、前記本体管部の前記他端側に前記差込管部の基端部分の外周面に沿って設けられ、前記本体管部の前記他端側の端面よりも該端面と垂直方向に所定長さ突出し、前記他の管継手の前記一端側の端面と当接する位置決め部と、を備えている。
また、本発明のある態様に係る配管構造は、上記の金属製管継手と、前記金属製管継手の受け口部に挿入されて溶接接合された第1の金属配管と、両端側に受け口部が設けられ、一端側の前記受け口部に前記金属製管継手の差込管部が挿入されるとともに、前記一端側の端面が前記金属製管継手の位置決め部と当接した金属製の他の管継手と、前記他の管継手の他端側の前記受け口部に挿入されて溶接接合された第2の金属配管と、前記金属製管継手の他端側のテーパ面及び前記差込管部の基端部分と前記他の管継手の前記一端側の端面とを壁面に有するリング状の凹部に溶接金属が埋設されてなる溶接部と、を備えている。
本発明は、以上に説明した構成を有し、施工が容易で、応力集中箇所をなくすことができる金属製管継手及び配管構造を提供することができるという効果を奏する。
図1(A)は、本実施形態の一例の配管構造を示す正面図であり、図1(B)は、図1(A)の配管構造に備えられている金属製管継手を上方から見た図である。 図2(A)は、本実施形態の他の例の配管構造を示す正面図であり、図2(B)は、図2(A)の配管構造に備えられている金属製管継手を上方から見た図である。 図3は、従来のエルボ型管継手を用いた配管構造の一例を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、図面は理解しやすくするために、それぞれの構成要素を模式的に示したもので、形状及び寸法比等については正確な表示ではない場合がある。また、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
(実施形態)
図1(A)は、本実施形態の一例の配管構造を示す正面図であり、図1(B)は、図1(A)の配管構造に備えられている本実施形態の一例の金属製管継手を上方から見た図である。
本実施形態の一例の配管構造100は、図1(A)に示すように、本実施形態の金属製管継手1と、周知の金属製のエルボ型管継手(他の管継手)2と、第1の金属配管3と、第2の金属配管4と、溶接部5と、を備えている。金属製管継手1及びエルボ型管継手2は、炭素鋼またはステンレス鋼などの金属で形成されている。
金属製管継手1は、本体管部11と、本体管部11の一端側に設けられた受け口部13と、本体管部11の他端側にテーパ状に形成されたテーパ面15と、本体管部11の他端側に突出して設けられた差込管部16と、差込管部16の基端部分の外周面に沿うように設けられた3個の位置決め部17と、を備えている。
本体管部11は、内部を流れる流体が90度向きを変えるようにL字状の内部流路1aが形成されている。よって、本体管部11の一端側の端面12の中心線と、本体管部11の他端側の端面14の中心線とが直交する。すなわち、受け口部13の中心線と差込管部16の中心線とが直交する。
テーパ面15は、本体管部11の他端側の外周面が他端側の端面14に向けてテーパ状(先細り形状)に形成されてなる。差込管部16は、本体管部11の他端側の端面14に突出して設けられており、エルボ型管継手2の一端側に設けられた受け口部22に挿入される。位置決め部17は、本体管部11の他端側の端面14よりも該端面14と垂直方向に所定長さ突出するように形成されている。本例では、位置決め部17は、テーパ面15に形成されている。なお、位置決め部17は、差込管部16の基端部分との間に隙間を有するように形成されていてもよいし、差込管部16の基端部分と一体化されて形成されていてもよい。
また、エルボ型管継手2は、内部を流れる流体が90度向きを変えるようにL字状の内部流路2aを有する本体管部21を備え、この本体管部21の両端側に受け口部22,23を備えた周知の構成である。
この配管構造100では、金属製管継手1の一端側において、受け口部13に第1の金属配管3の一端が挿入され、金属製管継手1の一端側の端面12と第1の金属配管3とが溶接接合され、溶接金属からなる溶接部6が形成されている。
また、金属製管継手1の他端側では、エルボ型管継手2の一端側の端面24(受け口部22の周囲の端面24)が金属製管継手1の位置決め部17と当接した状態となるようにして、金属製管継手1の差込管部16が、エルボ型管継手2の一端側の受け口部22に挿入される。そして、金属製管継手1の他端側のテーパ面15及び差込管部16の基端部分とエルボ型管継手2の一端側の受け口部22の周囲の端面24とを壁面に有するリング状の凹部19を溶接することにより、この凹部19に溶接金属が埋設されてなる溶接部5が形成されている。
また、エルボ型管継手2の他端側において、受け口部23に第2の金属配管4の一端が挿入され、本体管部21の他端側の端面25と第2の金属配管4とが溶接接合され、溶接金属からなる溶接部7が形成されている。
なお、上記では、2つの金属配管3,4の中心線が平行となるように、2つの管継手1,2が接合されているが、2つの管継手1,2の受け口部13,23の相対的な向きを変えることで、2つの金属配管3,4の中心線がねじれの位置となるように金属配管3,4を配置することもできる。また、金属配管3,4を含む配管構造100がU字状となるようにすることもできる。
本実施形態では、金属製管継手1にエルボ型管継手2の一端側の受け口部22に挿入して接続される差込管部16を設けているので、2つの管継手1,2の接続に、従来の短管10(図3参照)が不要である。よって、第1と第2の金属配管3,4の中心間距離L1をより短くでき、例えば、小さな段差がある場所に2つの金属配管3,4を沿わせて配置する場合等に有利である。また、図3のように2つの溶接部8,9が接近することにより、2つの熱影響部が近接あるいは干渉して生じる母材(短管10)の劣化という問題もない。
また、本実施形態では、2つの管継手1,2を接続する際、凹部19に溶接金属が埋設されてなる溶接部5を形成することにより、応力集中箇所をなくすことができる。
また、差込管部16の近傍にテーパ面15を設けているので、溶接する凹部19をレ形開先形状とすることができ、溶接が容易になる。また、位置決め部17が本体管部11の端面14よりも突出しているため、その突出分だけ開先の先端が差込管部16の基端部分となり、強固に溶接することができる。
また、本実施形態では、本体管部11の端面14よりも突出した位置決め部17を設けているため、エルボ型管継手2の端面24と位置決め部17とを当接させることにより、金属製管継手1とエルボ型管継手2との位置決めを容易に行うことができ、この状態で溶接接合することができ、施工が容易になる。また、上記位置決めを行ったときには、差込管部16の先端とエルボ型管継手2の受け口部22の底面22aとの間に隙間ができるようにしているので、差込管部16の先端が受け口部22の底面22aに突き当たった状態となることによる過大な内部応力が発生することもない。
(変形例)
図2(A)は、本実施形態の他の例の配管構造を示す正面図であり、図2(B)は、図1(A)の配管構造に備えられている本実施形態の他の例の金属製管継手を上方から見た図である。
この配管構造101は、前述の配管構造101とは、金属製管継手1のテーパ面15の形成領域が若干異なる。すなわち、金属製管継手1の差込管部16の周囲に平坦な端面14からなる平坦面18を残して、テーパ面15を設けている。そして、平坦面18に位置決め部17を設けている。他の構成は、前述の配管構造100と同様であり、その説明を省略する。この配管構造101の場合も、前述の配管構造100と同様の効果が得られる。
なお、上記実施形態では、位置決め部17が3個設けられているが、1個以上設けられていればよい。3個以上設けることにより、金属製管継手1の差込管部16とエルボ型管継手2の受け口部22との間にがたつきがあっても、全ての位置決め部17をエルボ型管継手2の端面24と当接させることにより、金属製管継手1とエルボ型管継手2との位置決めを良好に行うことができる。また、位置決め部17は、例えば、図1(B)の二点鎖線17aで示すように、差込管部16の外周面に沿った円弧状に設けられてあってもよい。
また、上記では、図1(A)、図2(A)に示す図をそれぞれ配管構造100,101を示す正面図として説明したが、平面図としてもよいし、斜め下方あるいは斜め上方などから見た図としてもよく、2つの金属配管3,4の配置に応じて2つの管継手1,2が適宜配置される。
また、本実施形態では、金属製管継手1と接続する他の管継手として、エルボ型管継手2を例示したが、チーズ型管継手等であってもよい。
(まとめ)
本発明のある態様に係る金属製管継手は、L字状の内部流路が形成された本体管部と、前記本体管部の一端側に設けられ、金属配管が挿入される受け口部と、前記本体管部の他端側の外周面が前記他端側の端面に向けてテーパ状に形成されてなるテーパ面と、前記本体管部の前記他端側の端面に突出して設けられ、金属製の他の管継手の一端側に設けられた受け口部に挿入される差込管部と、前記本体管部の前記他端側に前記差込管部の基端部分の外周面に沿って設けられ、前記本体管部の前記他端側の端面よりも該端面と垂直方向に所定長さ突出し、前記他の管継手の前記一端側の端面と当接する位置決め部と、を備えている。
前記位置決め部は、前記差込管部の基端部分の周囲に間隔をあけて3個以上設けられていてもよい。
また、本発明のある態様に係る配管構造は、上記の金属製管継手と、前記金属製管継手の受け口部に挿入されて溶接接合された第1の金属配管と、両端側に受け口部が設けられ、一端側の前記受け口部に前記金属製管継手の差込管部が挿入されるとともに、前記一端側の端面が前記金属製管継手の位置決め部と当接した金属製の他の管継手と、前記他の管継手の他端側の前記受け口部に挿入されて溶接接合された第2の金属配管と、前記金属製管継手の他端側のテーパ面及び前記差込管部の基端部分と前記他の管継手の前記一端側の端面とを壁面に有するリング状の凹部に溶接金属が埋設されてなる溶接部と、を備えている。
上記構成によれば、金属製管継手に他の管継手の一端側の受け口部に挿入して接続される差込管部を設けているので、2つの管継手の接続に、従来の短管10(図3参照)が不要である。よって、第1と第2の金属配管の中心間距離をより短くでき、例えば、小さな段差がある場所に2つの金属配管を沿わせて配置する場合等に有利である。
また、金属製管継手と他の管継手とを接続する際、凹部に溶接金属が埋設されてなる溶接部を形成することにより、応力集中箇所をなくすことができる。
また、差込管部の近傍にテーパ面を設けているので、溶接する凹部をレ形開先形状とすることができ、溶接が容易になる。また、金属製管継手にその本体管部の他端側の端面よりも突出した位置決め部を設けているため、他の管継手の一端側の端面と位置決め部とを当接させることにより、金属製管継手と他の管継手との位置決めを容易に行うことができ、この状態で溶接接合することができ、施工が容易になる。また、位置決め部が本体管部の他端側の端面よりも突出しているため、その突出分だけ開先の先端が差込管部の基端部分となり、強固に溶接することができる。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明は、施工が容易で、応力集中箇所をなくすことができる金属製管継手及び配管構造等として有用である。
1 金属製管継手
2 エルボ型管継手
3 第1の金属配管
4 第2の金属配管
5 溶接部
11 金属製管継手の本体管部
13 金属製管継手の受け口部
15 金属製管継手のテーパ面
16 金属製管継手の差込管部
17 金属製管継手の位置決め部
19 凹部
22,23 エルボ型管継手の受け口部
100,101 配管構造

Claims (3)

  1. L字状の内部流路が形成された本体管部と、
    前記本体管部の一端側に設けられ、金属配管が挿入される受け口部と、
    前記本体管部の他端側の外周面が前記他端側の端面に向けてテーパ状に形成されてなるテーパ面と、
    前記本体管部の前記他端側の端面に突出して設けられ、金属製の他の管継手の一端側に設けられた受け口部に挿入される差込管部と、
    前記本体管部の前記他端側に前記差込管部の基端部分の外周面に沿って設けられ、前記本体管部の前記他端側の端面よりも該端面と垂直方向に所定長さ突出し、前記他の管継手の前記一端側の端面と当接する位置決め部と、
    を備えた金属製管継手。
  2. 前記位置決め部は、前記差込管部の基端部分の周囲に間隔をあけて3個以上設けられた、
    請求項1に記載の金属製管継手。
  3. 請求項1または2に記載の金属製管継手と、
    前記金属製管継手の受け口部に挿入されて溶接接合された第1の金属配管と、
    両端側に受け口部が設けられ、一端側の前記受け口部に前記金属製管継手の差込管部が挿入されるとともに、前記一端側の端面が前記金属製管継手の位置決め部と当接した金属製の他の管継手と、
    前記他の管継手の他端側の前記受け口部に挿入されて溶接接合された第2の金属配管と、
    前記金属製管継手の他端側のテーパ面及び前記差込管部の基端部分と前記他の管継手の前記一端側の端面とを壁面に有するリング状の凹部に溶接金属が埋設されてなる溶接部と、
    を備えた配管構造。
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