JP2022190529A - スパークプラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐電圧性能等に優れる絶縁体を備えたスパークプラグの提供。【解決手段】本発明のスパークプラグ1の絶縁体の切断面を鏡面研磨することで得られる192μm×255μmの第1観察領域を20個設定した場合に、20個の第1観察領域の総面積(100%)に対する、20個の第1観察領域に含まれる全ての気孔の面積の割合(気孔率)が3.5%以下であり、鏡面研磨面をサーマルエッチングすることで得られるサーマルエッチング面において、基準位置と重なりつつ、互いに重ならないように32μm×43μmの第2観察領域を20個設定した場合に、20個の第2観察領域に含まれるアルミナ粒子の粒度分布を正規分布とみなして、アルミナ粒子の平均粒径をA、アルミナ粒子の粒径の標準偏差をσとしたときに、Aが1.9μm以上2.8μm以下であり、(A+3σ)が、3.0μm以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、スパークプラグに関する。
内燃機関に使用されるスパークプラグは、アルミナを主成分とするアルミナ基焼結体からなる筒状の絶縁体と、その絶縁体の内部に収容される中心電極とを備えている(例えば、特許文献1)。中心電極は、先端が絶縁体から露出し、後端が絶縁体の内部に収容される棒状の電極本体部(電極脚部)と、その電極本体部の後端に連なる拡径部(電極鍔部)とを備えている。拡径部は、電極本体部から径方向に広がった形をなしており、そのような拡径部が、絶縁体の内壁における段状に盛り上がった部分に係止された状態で、中心電極が絶縁体の内部に収容される。なお、拡径部の後端には、拡径部よりも小径な電極頭部が接続されている。
絶縁体の内部に中心電極が収容された状態において、中心電極の後端側の部分(つまり、拡径部及び電極頭部)と、絶縁体の内壁とは、径方向で互いに間隔を保ちつつ対向している。そして、それらの間を埋めると共に、中心電極の後端を覆う形で、導電性のシール部材が絶縁体の内部に設けられている。シール部材は、例えば、B-SiO系等のガラス粒子と、金属粒子(Cu、Fe等)とを含む導電性の組成物からなる。
特開2020-57559号公報
上述した中心電極の後端側の部分と、絶縁体の内壁とが、径方向で互いに対向している箇所は、スパークプラグの使用時に、中心電極の先端側から後端側へ移動してきた熱が溜まり易く、しかも、中心電極に高電圧が印加された際に、電界が集中し易い。特に、中心電極の後端側の中でも、径方向に広がった形状の拡径部が、径方向で絶縁体の内壁と対向する箇所は、隙間がより狭くなっており、熱の集中や、電界の集中が起こり易い。そのため、絶縁体の中でも、径方向において、中心電極の拡径部と対向している部分は、最も過酷な環境下に置かれていると言える。
このような事情等により、耐電圧性能等に優れる絶縁体を備えたスパークプラグの提供が望まれていた。
本発明の目的は、耐電圧性能等に優れる絶縁体を備えたスパークプラグを提供することである。
本発明者等は、アルミナ基焼結体からなる絶縁体と、絶縁体の内部に収容される中心電極とを備えたスパークプラグにおいて、その絶縁体の中胴部における特定箇所の内部に、ある一定以上の大きさを有する異常粒成長したアルミナ粒子が存在していると、中心電極に高電圧が印加された際に、そのアルミナ粒子の周りに電界が集中し易く、そして、そのアルミナ粒子付近が、絶縁体の破壊時の起点となっていることをつきとめた。
そして、本発明者等は、前記目的を達成するべく鋭意検討を行った結果、絶縁体の中胴部における前記特定箇所の内部において、焼結体を構成するアルミナ粒子の平均粒径が、異常粒成長時の粒径ではない所定の範囲内であり、かつアルミナ粒子の粒径のばらつきが抑えられていると、絶縁体の耐電圧性能等が確保されることを見出し、本願発明の完成に至った。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> 軸線方向に沿って延びた筒状をなし、アルミナ基焼結体からなる絶縁体と、 先端が前記絶縁体から露出し、かつ後端が前記絶縁体の内部に収容されるように前記絶縁体に挿入される棒状の電極本体部と、前記電極本体部の後端に連なり、前記電極本体部から径方向に広がった形をなし、かつ前記絶縁体の内壁と係止する拡径部と、を有する中心電極と、前記絶縁体の内部に収容され、かつ前記中心電極の前記後端側に配される導電性シール材とを備えるスパークプラグであって、前記拡径部の最大径の部分から前記軸線方向に沿って前記後端側へ2mm離れた位置で、前記絶縁体を前記軸線方向に対して垂直な方向に切断して得られる切断面を鏡面研磨することで得られる鏡面研磨面において、前記絶縁体の内周面側から径方向に0.2mmの位置である基準位置と重なりつつ、互いに重ならないように192μm×255μmの第1観察領域を20個設定した場合に、20個の前記第1観察領域の総面積(100%)に対する、20個の前記第1観察領域に含まれる全ての気孔の面積の割合(気孔率)が3.5%以下であり、前記鏡面研磨面をサーマルエッチングすることで得られるサーマルエッチング面において、前記基準位置と重なりつつ、互いに重ならないように32μm×43μmの第2観察領域を20個設定した場合に、20個の前記第2観察領域に含まれるアルミナ粒子の粒度分布を正規分布とみなして、前記アルミナ粒子の平均粒径をA、前記アルミナ粒子の粒径の標準偏差をσとしたときに、Aが1.9μm以上2.8μm以下であり、(A+3σ)が、3.0μm以下であるスパークプラグ。
<2> 前記サーマルエッチング面における20個の前記第2観察領域において、前記第2観察領域毎に、長径の大きい上位3個のアルミナ粒子を選出することで、長径の大きい60個の代表アルミナ粒子を選出した場合に、前記代表アルミナ粒子のアスペクト比の度数分布を正規分布とみなして、前記代表アルミナ粒子の平均アスペクト比をB、前記代表アルミナ粒子のアスペクト比の標準偏差をσとしたときに、(B+3σ)が4.8以下である前記<1>に記載のスパークプラグ。
<3> 前記サーマルエッチング面における20個の前記第2観察領域において、前記代表アルミナ粒子のうち、前記アスペクト比が3.5以上のものが2個以下である前記<2>に記載のスパークプラグ。
<4> 前記鏡面研磨面における20個の前記第1観察領域において、前記気孔の数が600個以下である前記<1>から<3>の何れか1つに記載のスパークプラグ。
本発明によれば、耐電圧性能等に優れる絶縁体を備えたスパークプラグを提供することができる。
実施形態1に係るスパークプラグの軸線方向に沿った断面図 絶縁体の中胴部内に収容されている中心電極の電極鍔部付近の拡大断面図 絶縁体における中胴部の切断面を鏡面研磨することで得られる鏡面研磨面を模式的に表した説明図 SEM画像を2値化処理した2値化画像を示す説明図 絶縁体における中胴部のサーマルエッチング面を模式的に表した説明図 第2観察領域に対応したSEM画像を示す説明図 異常粒成長したアルミナ粒子を含む絶縁体の切断面のSEM画像を示す説明図
<実施形態1>
本発明の実施形態1に係るスパークプラグ1を、図1~図6を参照しつつ説明する。図1は、実施形態1に係るスパークプラグ1の軸線AX方向に沿った断面図である。図1に示される上下方向に延びた一点鎖線は、スパークプラグ1の軸線AXであり、図1において、スパークプラグ1の長手方向(軸線AX方向)が、図1の上下方向に対応する。図1の下側に、スパークプラグ1の先端側が示され、図1の上側に、スパークプラグ1の後端側が示される。
スパークプラグ1は、自動車のエンジン(内燃機関の一例)に取り付けられて、エンジンの燃焼室内における混合気の点火に利用される。スパークプラグ1は、主として、絶縁体2、中心電極3、接地電極4、端子金具5、主体金具6、抵抗体7、シール部材8,9を備えている。
絶縁体2は、内部に貫通孔21を含む軸線AX方向に延びた略円筒状の部材である。絶縁体2の詳細は、後述する。
主体金具6は、スパークプラグ1をエンジン(具体的には、エンジンヘッド)に取り付ける際に利用される部材であり、全体として軸線AX方向に延びた円筒状をなし、導電性の金属材料(例えば、低炭素鋼材)によって構成される。主体金具6の先端側の外周面には、ネジ部61が形成されている。また、ネジ部61の後端(所謂、ネジ首)には、リング状のガスケットGが外嵌されている。ガスケットGは、環状であり、金属板を折り曲げて形成されている。このようなガスケットGは、ネジ部61の後端と、ネジ部61よりも後端側に配置された座部62との間に配置され、スパークプラグ1がエンジンに取り付けられた際に、スパークプラグ1とエンジン(エンジンヘッド)との間に形成される隙間を封止する。
主体金具6の後端側には、主体金具6をエンジンに取り付ける際にレンチ等の工具を係合させるための工具係合部63が設けられている。そして、主体金具6の後端部には、径方向内側に屈曲された薄肉の加締め部64が設けられている。
また、主体金具6は、内部に軸線AX方向に貫通する通し孔65を備えており、その通し孔65に挿通される形で、絶縁体2が主体金具6の内部で保持される。絶縁体2の後端は、主体金具6の後端から外側(図1の上側)へ大きく突出した状態となっている。これに対して、絶縁体2の先端は、主体金具6の先端から外側(図1の下側)へ僅かに突出した状態となっている。
主体金具6における工具係合部63から加締め部64に至る部位の内周面と、絶縁体2の外周面(後述する後側筒部25の外周面)との間には、環状の領域が形成され、その領域に、環状をなした第1リング部材R1及び第2リング部材R2が、軸線AX方向において互いに離された状態で配置されている。そのような第1リング部材R1と第2リング部材R2との間には、タルク(滑石)10の粉末が充填されている。加締め部64の後端は、径方向内側に折り曲げられて、絶縁体2の外周面(後述する後側筒部25の外周面)に固定されている。
また、主体金具6は、座部62と工具係合部63との間に設けられた薄肉の圧縮変形部66を備えている。圧縮変形部66は、スパークプラグ1の製造時において、絶縁体2の外周面に固定された加締め部64が先端側に押圧されることにより、圧縮変形する。このように圧縮変形部66が圧縮変形することにより、第1リング部材R1、第2リング部材R2及びタルク10を介して、絶縁体2が、主体金具6内で先端側に押圧される。その際、絶縁体2の一部である外側に環状に広がった部分(後述する第1拡径部26)の外周面が、主体金具6の内周側に設けられた段部66の表面に対して、パッキンP1を間に置きつつ、押し付けられる。そのため、エンジンの燃焼室内のガスが、主体金具6と絶縁体2との間に形成される隙間に進入しても、その隙間に設けられたパッキンP1により、外部へ漏出することが防止される。
絶縁体2が主体金具6の内部に装着された状態において、その絶縁体2の内部に、中心電極3が配設されている。中心電極3は、軸線AX方向に沿って延びる棒状の中心電極本体31と、その中心電極本体31の先端に取り付けられる略円柱状(略円板状)のチップ(中心電極チップ)32とを備えている。中心電極本体31は、絶縁体2や主体金具6よりも長手方向の長さが短い部材であり、その先端側が外部に露出するように絶縁体2の貫通孔21内で保持されている。中心電極本体31の後端は、絶縁体2の内部(貫通孔21)に収容されている。中心電極本体31は、外側に配される電極母材31Aと、その電極母材31Aの内部に埋設された芯部31Bとを備えている。電極母材31Aは、例えば、ニッケル又はニッケルを主成分とする合金(例えば、NCF600、NCF601)を用いて形成される。芯部31Bは、電極母材31Aを形成する合金よりも熱伝導性に優れる銅又は銅を主成分とするニッケル基合金で形成される。
また、中心電極本体31は、軸線AX方向の所定の位置に取り付けられた電極鍔部31aと、電極鍔部31aよりも後端側の部分である電極頭部31bと、電極鍔部31aよりも先端側の部分である電極脚部31cとを備えている。電極脚部(電極本体部の一例)31cは、先端が絶縁体2から露出し、かつ後端が絶縁体の内部に収容されるように、絶縁体2の貫通孔21に挿入される棒状の部材である。電極鍔部(拡径部の一例)31aは、電極脚部(電極本体部)31cの後端に連なり、電極脚部31cから径方向に広がった形をなしている。電極鍔部31aは、絶縁体2内に収容された状態で、絶縁体2の内壁21aに形成された段部23a(後述)に係止されている。電極脚部31cの先端(つまり、中心電極本体31の先端)は、絶縁体2の先端より先端側に突出している。電極鍔部31aは、電極脚部31cよりも短い棒状の部分であり、電極鍔部31aよりも小径である。
チップ32は、略円柱状(略円板状)であり、中心電極本体31の先端(電極脚部31cの先端)に、抵抗溶接やレーザ溶接等により接合される。チップ32は、高融点の貴金属を主成分とする材料(例えば、イリジウム(Ir)を主成分とするイリジウム基合金)からなる。
端子金具5は、軸線AX方向に延びる棒状の部材であり、絶縁体2の貫通孔21の後端側に挿し込まれる形で取り付けらる。端子金具5は、絶縁体2(貫通孔21)内において、中心電極3よりも後端側に配置されている。端子金具5は、導電性の金属材料(例えば、低炭素鋼)で構成される。なお、端子金具5の表面には、防食等の目的でニッケル等のメッキが施されてもよい。
端子金具5は、先端側に配される棒状の端子脚部51と、その端子脚部51の後端側に配される端子鍔部52と、その端子鍔部52よりも後端側に配されるキャップ装着部53とを備えている。端子脚部51は、絶縁体2の貫通孔21内に挿入されている。端子鍔部52は、絶縁体2の後端部から露出し、かつその後端部に係止する部分である。キャップ装着部53は、高圧ケーブルが接続されたプラグキャップ(不図示)が装着される部分であり、そのキャップ装着部53を介して、外部より火花放電を発生させるための高電圧が印加される。
抵抗体7は、絶縁体2の貫通孔21内において、端子金具5の先端(端子脚部51の先端)と中心電極3の後端(中心電極本体31の後端)との間に配置される。抵抗体7は、例えば、1kΩ以上の抵抗値(例えば、5kΩ)を有し、火花発生時の電波ノイズを低減する機能等を備えている。抵抗体7は、主成分であるガラス粒子と、ガラス以外のセラミック粒子と、導電性材料とを含む組成物によって構成される。
貫通孔21内における抵抗体7の先端と、中心電極3の後端との間には隙間が設けられており、その隙間を埋める形で、導電性のシール部材8が配設されている。また、貫通孔21内における抵抗体7の後端と、端子金具5の先端との間にも隙間が設けられており、その隙間を埋める形で、導電性のシール部材9が配設されている。各シール部材8,9は、例えば、B-SiO系等のガラス粒子と、金属粒子(Cu、Fe等)とを含む導電性の組成物によって構成される。
接地電極4は、主体金具6の先端に接合された接地電極本体41と、四角柱形状の接地電極チップ42とを備えている。接地電極本体41は、全体的には途中で略L字状に折れ曲がった板片からなり、その後端部41aが主体金具6の先端に、抵抗溶接等によって接合される。これによって、主体金具6と接地電極本体41とが、電気的に接続される。接地電極本体41は、例えば、主体金具6と同様、ニッケル又はニッケルを主成分とするニッケル基合金(例えば、NCF600、NCF601)を用いて形成される。接地電極チップ42は、中心電極3のチップ32と同様、イリジウム(Ir)を主成分とするイリジウム基合金等からなる。接地電極チップ42は、接地電極本体41の先端部に対して、レーザ溶接によって接合される。
接地電極本体41の先端部の接地電極チップ42と、中心電極3の先端部のチップ32とは、互いに間隔を保ちつつ、対向するように配置されている。つまり、中心電極3の先端部にあるチップ32と、接地電極4の先端部にある接地電極チップ42との間には、隙間SPがあり、中心電極3と接地電極4との間に高電圧が印加されると、その隙間SPにおいて、概ね軸線AX方向に沿った形で、火花放電が発生する。
次いで、絶縁体2について詳細に説明する。絶縁体2は、全体的には、軸線AX方向に沿って細長く延びた筒状(円筒状)をなしており、図1に示されるように、内部に軸線AX方向に延びた貫通孔21を含んでいる。絶縁体2は、アルミナを主成分とする筒状(円筒状)のアルミナ基焼結体によって構成される。絶縁体2は、先端側に配される脚長部22と、脚長部22の後端側に配される部分であり、脚長部22よりも大径である中胴部23と、中胴部23の後端側に配される部分であり、中胴部23よりも大径である鍔部24とを備えている。なお、脚長部22と中胴部23との間には、第1拡径部26が設けられており、また、中胴部23と鍔部24との間には、第2拡径部27が設けられている。
脚長部22は、全体的には、先側から後側に向かって徐々に外径が大きくなる細長い筒状(円筒状)をなしており、中胴部23や第1拡径部26よりも小さな外径を有している。脚長部22は、スパークプラグ1がエンジン(エンジンヘッド)に取り付けられた際に、その燃焼室に晒される。
鍔部24は、軸線AX方向における絶縁体2の略中央に配され、円環状をなしている。鍔部24の内部にある貫通孔21には、抵抗体7が配設されている。
第1拡径部26は、脚長部22と中胴部23とを繋ぐ部分であり、先側から後側に向かって徐々に外径が大きくなる円筒状(円環状)をなしている。絶縁体2のうち、この第1拡径部26の外表面が、絶縁体2が主体金具6に装着される際に、主体金具6の内周側に設けられた段部66の表面に対して、パッキンP1を間に置きつつ載せられる。
第2拡径部27は、中胴部23と鍔部24とを繋ぐ部分であり、第1拡径部26よりも外径が大きく、かつ先側から後側に向かって徐々に外径が大きくなる円筒状(円環状)をなしている。
中胴部23は、軸線AX方向において、外径が略同一に設定された筒状(円筒状)をなしている。絶縁体2が主体金具6に装着された状態において、中胴部23の外表面(外周面)と主体金具6の内表面(内周面)との間には、僅かな隙間(空間)が存在している。中胴部23のうち、先端寄りの内側(内周面側)に、円環状の段部23aが設けられており、絶縁体2の貫通孔21に中心電極3の中心電極本体31が収容された状態において、段部23aの表面により、中心電極本体31の電極鍔部(拡径部)31aが係止される。中胴部23の壁部の厚み(径方向における厚み)は、脚長部22の壁部の厚みよりも大きい。また、中胴部23のうち、先端側から段部23aが形成されている部分の壁部の厚みは、それよりも後側の部分における壁部の厚みよりも大きい。
中胴部23は、その外周面が、大気下(空気)に晒されており、脚長部22と比べて電気を通し易い環境下にあると言える。そのため、中胴部23は、脚長部22と比べて、壁部の厚みが大きく設定されている。
本明細書において、「中胴部23の厚み」とは、特に断りが無い限り、中胴部23のうち、壁部の厚みが略一定である部分(つまり、段部23aよりも後端側の部分)の壁部の厚みのことである。中胴部23の厚みは、本発明の目的を損なわない限り特に制限はないが、例えば、2.0mm以上3.0mm以下の範囲に設定されてもよい。
なお、絶縁体2は、更に、鍔部24の後端側に接続され、軸線AX方向に延びた筒状(円筒状)の後側筒部25を備えている。後側筒部25は、鍔部24の外径よりも小さな外径を有している。後側筒部25の内部にある貫通孔21には、端子金具5が備える棒状の端子脚部51等が配設されている。
図2は、絶縁体2の中胴部23内に収容されている中心電極3(中心電極本体31)の電極鍔部(拡径部)31a付近の拡大断面図である。図2に示されるように、絶縁体2の内部に中心電極3の中心電極本体31が収容された状態において、中心電極本体31の後端側の部分である電極鍔部(拡径部)31a及び電極頭部31bと、絶縁体2の内壁21aとの間には隙間がある。そして、そのような隙間を埋めると共に、中心電極本体31の後端を覆う形で、絶縁体2の貫通孔21内に、上述したシール部材8が充填されている。このシール部材8中には、ガラス粒子等に由来するアルカリ成分が含まれている。
中心電極3の電極鍔部(拡径部)31aと絶縁体2の内壁21aとの間の間隔は、電極頭部31bと絶縁体2の内壁21aとの間の間隔よりも狭くなっている。このような箇所には、中心電極3の中心電極本体31の先端側から電極鍔部(拡径部)31aを介して移動してきた熱が溜まり易い。しかも、その箇所には、中心電極3に高電圧が印加された際に、電界が集中し易い。そのため、絶縁体2の中でも、中胴部23において、電極鍔部(拡径部)31aと径方向で、対向している部分は、最も過酷な環境下に置かれている。
なお、筒状をなした中胴部23の内側には、シール部材8が充填されているため、中胴部23の内壁21aが、シール部材8と直に接触した状態となっており、シール部材8に由来するアルカリ成分が、中胴部23の内壁21aに接触し得る状態にもなっている。本実施形態の絶縁体2は、中胴部23を構成するアルミナ基焼結体の内部組織が、以下に示される条件1及び条件2を少なくとも満たしているため、耐電圧性能等に優れている。
<条件1>
中心電極3の電極鍔部(拡径部)31aの最大径の部分から軸線AX方向に沿って、スパークプラグ1の後端側へ2mm離れた位置で、絶縁体2を軸線AX方向に対して垂直な方向に切断して得られる切断面230を鏡面研磨することで得られる鏡面研磨面230aにおいて、絶縁体2の内周面2a側から径方向に0.2mmの位置である基準位置m1と重なりつつ、互いに重ならないように192μm×255μmの第1観察領域Xを20個設定した場合に、20個の第1観察領域Xの総面積(100%)に対する、20個の第1観察領域Xに含まれる全ての気孔の面積の割合(気孔率)が3.5%以下である。
ここで、図2~図4を参照しつつ、条件1について詳細に説明する。条件1に示される「中心電極3の電極鍔部(拡径部)31aの最大径の部分」は、図2に示されるように、中心電極3の中心電極本体31における電極鍔部(拡径部)31aのうち、その直径Dが最大の部分である。図2には、軸線AXに対して垂直に交差しつつ、電極鍔部(拡径部)31aの最大径の部分を横切るように、直線L1が示されている。
そして、そのような電極鍔部(拡径部)31aの最大径の部分から、軸線AX方向に沿って、スパークプラグ1の後端側へ2mm離れた位置で、後述するように絶縁体2が切断される。なお、絶縁体2のうち、軸線AX方向において、電極鍔部(拡径部)31aの最大径の部分から、少なくとも2mm離れた位置までの範囲が、最も耐久性(耐電圧性能等)が要求される箇所である。そのような範囲を構成するアルミナ基焼結体の内部組織は、基本的に同じであるため、本実施形態では、切断のし易さ等を考慮しつつ、電極鍔部(拡径部)31aの最大径の部分から、後端側へ2mm離れた位置を、絶縁体2を切断する箇所として設定した。
なお、電極鍔部(拡径部)31aの最大径の部分が、軸線AX方向において、先端側から後端側に、ある程度の幅をもって形成されている場合、後端側へ2mm離れた位置を設定する際に基準となる位置(直線L1で示される位置)は、最大径の部分の中で、最も先端側の位置とする。
図2において、絶縁体2が切断される箇所が、直線L2で示されている。この直線L2は、直線L1から後端側(図2の上側)へ2mm離れた位置において、軸線AXに対して垂直に交差するように示されている。図2に示されるように、直線L2は、絶縁体2の中胴部23を径方向に横切るように延びている。条件1では、このような直線L2に沿って中胴部23を径方向に切断して得られる切断面230の内部組織の状態が規定されている。
図3は、絶縁体2における中胴部23の切断面230を鏡面研磨することで得られる鏡面研磨面230aを模式的に表した説明図である。図3には、図2に示される直線L2に沿って中胴部23を輪切り状に切断して得られる切断面230が、鏡面状に研磨された状態で示されている。なお、後述する鏡面研磨処理が施されて鏡面状となった切断面230を、鏡面研磨面230aと称する。
切断面230の鏡面研磨処理は、ダイヤモンド砥石、ダイヤモンドペースト等の研磨剤等を利用した公知の手法に基づいて行われる。鏡面研磨処理は、切断面230の表面粗さ(Ra)が、例えば0.001μm程度となるまで行われる。
鏡面研磨面230aは、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いて観察される。そのため、鏡面研磨面230aには、必要に応じて導電性付与のためのカーボン蒸着が行われてもよい。本実施形態の場合、鏡面研磨面230aの観察時におけるSEMの加速電圧は、20kVに設定され、SEMの倍率は、500倍に設定される。
鏡面研磨面230aは、図3に示されるように、円環状をなしている。そのような鏡面研磨面230aにおいて、絶縁体2の内周面2a側から径方向に0.2mmの位置に、円形状の基準位置m1が設定されている。そして、条件1では、鏡面研磨面230aにおいて、平面視で各々が基準位置m1と重なりつつ、互いに重ならないように第1観察領域Xが20個設定される。
第1観察領域Xは、鏡面研磨面230a(切断面230)における内部組織中の気孔(空隙)11の状態を把握するために設定される領域であり、矩形状(長方形状)をなしている。第1観察領域Xは、一方の辺の長さが192μm、他方の辺の長さが255μm(つまり、192μm×255μm)である矩形状(長方形状)の領域である。
第1観察領域Xは、平面視した際に、絶縁体2の内周面2a側から径方向に0.2mmの位置である円形状の基準位置m1と重なるように設定される。なお、第1観察領域Xを、絶縁体2の内周面2a付近の鏡面研磨面230aに設定すると、絶縁体2(中胴部23)の内周面2側の内部組織が、仮にアルカリ成分によって浸食されていた場合に、その絶縁体2の本来の内部組織の状態を観察することができない。そのため、本実施形態では、上述したように、基準位置m1と重なるように第1観察領域Xが設定される。このような第1観察領域Xは、鏡面研磨面230aにおいて、互いに重ならないように、合計20個設定される。本実施形態の場合、これらの第1観察領域Xは、図3に示されるように、円環状の鏡面研磨面230aにおいて、互いに間隔を保ちつつ、環状に並ぶように設定されることが好ましい。
このような第1観察領域Xに対応した範囲の鏡面研磨面230aが、SEMを用いて撮影されることにより、第1観察領域Xに対応したSEM画像が取得される。SEM画像は、20個の第1観察領域Xについてそれぞれ取得される。つまり、合計20個の第1観察領域Xに対応して、合計20個のSEM画像が取得される。
合計20個のSEM画像について、コンピュータ上で実行される公知の画像解析ソフト(例えば、WinROOF(登録商標)、三谷商事株式会社製)を利用して、画像解析処理が行われる。
画像解析処理では、先ず、個々のSEM画像について、SEM画像に付記されているスケールバーを基にした、大きさの較正処理(キャリブレーション)が行われる。
次いで、較正処理後のSEM画像に対して、2値化処理が行われる。図4は、SEM画像を2値化処理した2値化画像を示す説明図である。2値化処理では、SEM画像の各画素についての輝度(明度)が、所定の閾値(例えば、閾値=118)を用いて、二階調化される。つまり、輝度が閾値以下の画素については、その画素の輝度が「0」とされ、輝度が閾値を超えた画素については、その画素の輝度が「255」とされる。このように二階調化して、中間階調を無くすことにより、2値化画像が得られる。図4の2値化画像では、気孔11が黒色で示され、それ以外の部分(セラミック部分)12が白色で示されている。
その後、第1観察領域Xに対応した2値化画像を利用しつつ、公知の画像解析の手法により、第1観察領域Xに含まれる全ての気孔(空隙)11の抽出が行われる。また、その気孔11の抽出の際に、各気孔11の面積も、それぞれ公知の画像解析の手法により求められる。
続いて、2値化画像から抽出された全ての気孔11について、それらの気孔11の総面積が算出される。そして、20個の第1観察領域Xの総面積(100%)に対する、20個の第1観察領域Xに含まれる全ての気孔11の総面積の割合(気孔率)(以下、「割合V」と称する場合がある)が求められる。
本実施形態の場合、条件1における前記割合V(気孔率)が3.5%以下となるように、絶縁体2(中胴部23)の内部組織が形成されている。
例えば、後述する絶縁体2の製造方向における成形工程において、造粒粉を所定の成形型で成形する際に、従来よりも高い圧力条件で加圧することにより、条件1を満たす気孔を備えた絶縁体2が得られる。
<条件2>
鏡面研磨面230aをサーマルエッチングすることで得られるサーマルエッチング面230bにおいて、基準位置m1と重なりつつ、互いに重ならないように32μm×43μmの第2観察領域Yを20個設定した場合に、20個の第2観察領域に含まれるアルミナ粒子の粒度分布を正規分布とみなして、アルミナ粒子の平均粒径をA、アルミナ粒子の粒径の標準偏差をσとしたときに、Aが1.9μm以上2.8μm以下であり、(A+3σ)が、3.0μm以下である。
ここで、図5及び図6を参照しつつ、条件2について詳細に説明する。条件2では、条件1と同様、同じ絶縁体2(中胴部23)の切断面230における内部組織の状態が規定されている。ただし、条件2では、上述した鏡面研磨面230aではなく、その鏡面研磨面230aをサーマルエッチングすることで得られるサーマルエッチング面230bの状態で、その内部粗域の状態が観察される。
サーマルエッチングは、鏡面研磨面230aを含むサンプル(絶縁体2)を、所定の電気炉等に入れた状態で、絶縁体2の焼成温度よりも200℃程度低い温度条件(例えば、1400℃)で所定時間(例えば、1時間)保持すると共に、その後に炉内放冷を行う処理である。このような処理を施すと、切断面230(サーマルエッチング面230b)に存在するアルミナ粒子の界面に凹みが形成されるため、アルミナ粒子を個々に観察することができる。絶縁体2を構成するアルミナ基焼結体は、液相焼結体であり、サーマルエッチングにより、切断面230におけるアルミナ粒子の周りの液相(ガラス成分)が除去される。
図5は、絶縁体2における中胴部23のサーマルエッチング面230bを模式的に表した説明図である。サーマルエッチング面230bは、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて観察される。そのため、サーマルエッチング面230bには、必要に応じて導電性付与のためのカーボン蒸着が行われてもよい。なお、サーマルエッチング面230bの観察時におけるSEMの加速電圧は、20kVに設定され、SEMの倍率は、3000倍に設定される。
サーマルエッチング面230bは、鏡面研磨面230aと同様、円環状であり、そのようなサーマルエッチング面230bにおいて、絶縁体2の内周面2a側から径方向に0.2mmの位置に、円形状の基準位置m1が設定されている。
第2観察領域Yは、サーマルエッチング面230b(切断面230)における内部組織中のアルミナ粒子の状態を把握するために設定される領域である。第2観察領域Yは、第1観察領域Xと比べて大きさ(サイズ)が小さいものの、第1観察領域Xと同様、矩形状(長方形状)をなしている。第2観察領域Yは、一方の辺の長さが32μm、他方の辺の長さが43μm(つまり、132μm×43μm)の矩形状(長方形状)の領域である。
第2観察領域Yは、平面視した際に、前記基準位置m1と重なるように設定される。第2観察領域Yを、基準位置m1と重なるように設定する理由は、鏡面研磨面230aにおいて第1観察領域Xを、基準位置m1と重なるように設定する理由と同じである。また、第2観察領域Yは、サーマルエッチング面230bにおいて、平面視で、互いに重ならないように、合計20個設定される。これらの第2観察領域Yは、図5に示されるように、円環状のサーマルエッチング面230bにおいて、互いに均等に間隔を保ちつつ環状に並ぶように設定されることが好ましい。
条件2では、このように設定された20個の第2観察領域Yに含まれるアルミナ粒子の粒度分布を正規分布とみなして、アルミナ粒子の平均粒径をA、アルミナ粒子の粒径の標準偏差をσとしたときに、Aが1.9μm以上2.8μm以下であり、(A+3σ)が、3.0μm以下であることが規定される。
第2観察領域Yに含まれるアルミナ粒子の粒径は、その第2観察領域Yに対応した範囲のサーマルエッチング面230bのSEM画像に基づいて求められる。図6は、第2観察領域Yに対応したSEM画像を示す説明図である。図6には、多数のアルミナ粒子28が示されている。SEM画像は、第2観察領域Yに対応した範囲のサーマルエッチング面230bが、SEMを用いて撮影されることにより取得される。SEM画像は、20個の第2観察領域Yについてそれぞれ取得される。つまり、合計20個の第2観察領域Yに対応して、合計20個のSEM画像が取得される。
アルミナ粒子の粒径は、第2観察領域Yに対応したSEM画像を使用しつつ、JISG0551「フェライト・オーステナイト結晶粒度測定」に準拠して計測される。そして、アルミナ粒子の粒径の計測結果を利用して、アルミナ粒子の平均粒径Aが求められる。本実施形態の場合、アルミナ粒子の平均粒径Aが1.9μm以上2.8μm以下に調整されている。
アルミナ粒子の平均粒径Aを計測する際、公知の画像解析ソフトを利用して、適宜、SEM画像の2値化処理等が行われる(後述するアルミナ粒子の長径等の計測時も同様)。
そして、第2観察領域Yに含まれるアルミナ粒子の粒度分布(粒径の度数分布)を正規分布とみなして、そのような正規分布におけるアルミナ粒子の粒径の標準偏差をσとしたときに、(A+3σ)が、3.0μm以下となるように、絶縁体2(中胴部23)の内部組織が形成されている。
条件2を満たすような絶縁体2は、例えば、製造時に、異常粒成長を促すような粒径の小さいものが除かれた、粒度分布の狭い(シャープな)Al化合物粉末(アルミナ粉末等)を使用することで得られる。
本実施形態のスパークプラグ1は、絶縁体2(特に、中胴部23)の内部組織が、少なくとも上記条件1,2を満たすと、絶縁体2(中胴部23)を構成するアルミナ基焼結体が緻密であり、アルミナ粒子の粒径(平均粒径A)が、ある程度大きく、しかも殆どのアルミナ粒子の粒径が、所定の狭い範囲(A±3σ)内に収まるように制御されるため、絶縁体の破壊時の起点となるような異常粒成長したアルミナ粒子の存在が実質的に排除される。そのため、本実施形態のスパークプラグ1の絶縁体2は、耐電圧性能に優れ、また、アルカリ成分が浸み込むような気孔が少なく、耐アルカリ浸食性にも優れる。
更に、本実施形態のスパークプラグ1では、上記条件1,2以外に、後述する条件3を満たすように、絶縁体2の中胴部23の内部組織が形成されてもよい。
<条件3>
サーマルエッチング面230bにおける20個の第2観察領域Yにおいて、第2観察領域Y毎に、長径d1の大きい上位3個のアルミナ粒子を選出することで、長径d1の大きい60個の代表アルミナ粒子を選出した場合に、代表アルミナ粒子のアスペクト比の度数分布を正規分布とみなして、前記代表アルミナ粒子の平均アスペクト比をB、前記代表アルミナ粒子のアスペクト比の標準偏差をσとしたときに、(B+3σ)が4.8以下である。
条件3は、サーマルエッチング面230b(切断面230)における内部組織中のアルミナ粒子の中で、長径d1の大きい60個のアルミナ粒子の状態を規定したものである。
第2観察領域Yにおけるアルミナ粒子の長径d1及び短径d2は、インターセプト法によって求められる。先ず、第2観察領域Yに対応した矩形領域のSEM画像において、2つの対角線の少なくとも一方と交差するアルミナ粒子の結晶粒を選出し、選出された個々の結晶粒について、その最大径を求めてこれを、アルミナ粒子の長径d1とする。最大径は、その結晶粒の外径をあらゆる方向から測定したときの最大値である。そして、長径d1の中点を通りかつ長径d1と直交する直線上におけるアルミナ粒子の結晶粒の外径を、アルミナ粒子の短径d2とする。
アルミナ粒子の長径d1の計測は、20個の第2観察領域Yに含まれる全てのアルミナ粒子について行われる。なお、アルミナ粒子の短径d2の計測については、少なくとも後述する代表アルミナ粒子について行われてもよい。
アルミナ粒子の長径d1を計測した後、20個の第2観察領域Yの中から、長径d1の大きい60個のアルミナ粒子が選出される。具体的には、第2観察領域Y毎に、長径d1の大きい上位3個のアルミナ粒子が選出される。このようにして選出された合計60個のアルミナ粒子を、「代表アルミナ粒子」と称する。
また、60個の代表アルミナ粒子について、それぞれの長径d1及び短径d2に基づいて、アスペクト比が求められる。代表アルミナ粒子のアスペクト比(d1/d2)は、短径d2に対する長径d1の割合である。
60個の代表アルミナ粒子におけるアスペクト比の度数分布を正規分布とみなして、代表アルミナ粒子の平均アスペクト比をBとし、代表アルミナ粒子のアスペクト比の標準偏差をσとしたときに、(B+3σ)が4.8以下となるように、絶縁体2(中胴部23)の内部組織が形成されてもよい。
一般的に、アルミナ粒子が異常粒成長すると、そのアスペクト比が大きくなる。絶縁体2(中胴部23)が、条件3を満たしていると、アルミナ粒子の中で、大きなアルミナ粒子として代表アルミナ粒子が選出されても、その代表アルミナ粒子のアスペクト比が、比較的、小さく、しかも所定の狭い範囲(B±3σ)内に収まっており、そのような代表アルミナ粒子は、絶縁体の破壊時の起点となるような異常粒成長したアルミナ粒子を、より確実に含んでいないことが示される。
図7は、異常粒成長したアルミナ粒子280を含む絶縁体の切断面のSEM画像を示す説明図である。図7には、比較例の絶縁体における中胴部の切断面(サーマルエッチング面)のSEM画像が示されている。図7に示される大粒のアルミナ粒子280は、周りのアルミナ粒子と比べてかなり大きく、そのアルミナ粒子280の付近が、絶縁体の破壊時の起点となりやすい。
<条件4>
サーマルエッチング面230bにおける20個の第2観察領域Yにおいて、代表アルミナ粒子のうち、アスペクト比が3.5以上のものが2個以下である。
条件4は、サーマルエッチング面230b(切断面230)における内部組織中の代表アルミナ粒子の状態を規定したものである。アスペクト比が3.5以上のアルミナ粒子は、異常粒成長した可能性が高く、そのようなアルミナ粒子は、絶縁体2の中胴部23の内部組織中に含まれないことが好ましい。
絶縁体2(中胴部23)が、条件4を満たしていると、アルミナ粒子の中で、大きなアルミナ粒子である代表アルミナ粒子であっても、そのアスペクト比が、更に小さく、絶縁体の破壊時の起点となるような異常粒成長したアルミナ粒子を、条件3よりも更に確実に含んでいないことが示される。
<条件5>
鏡面研磨面230aにおける20個の第1観察領域Xにおいて、気孔の数が600個以下である。
条件5は、条件1と同様、鏡面研磨面230a(切断面230)における内部組織中の気孔(空隙)11の状態を規定したものである。20個の第1観察領域Xにおいて、気孔の数が600個以下であることが好ましい。
絶縁体2(中胴部23)が、条件5を満たしていると、条件1における気孔率を、所定の値に制御し易く、耐アルカリ浸食性を向上させ易い。
次いで、絶縁体2の製造方法について説明する。絶縁体2は、上述した条件1,2等を満たすように製造されたものである。絶縁体2の製造方法としては、最終的に得られる絶縁体2が条件1,2等を満たすものであれば特に制限はない。ここでは、絶縁体2の製造方法の一例を説明する。
絶縁体2の製造方法は、主として、スラリー作製工程、脱泡工程、造粒工程、成形工程、研削工程及び焼成工程を備える。
<スラリー作製工程>
スラリー作製工程は、原料粉末、バインダー及び溶媒を混合してスラリーを作製する工程である。原料粉末は、主成分として、焼成によりアルミナに転化する化合物の粉末(以下、Al化合物粉末)が使用される。Al化合物粉末としては、例えば、アルミナ粉末が使用される。
スラリー作製工程では、原料粉末の混合及び粉砕を目的とした粉砕工程が行われる。粉砕工程は、ボールミル等を使用した湿式粉砕機を用いて行われる。湿式粉砕機で使用する玉石の直径は、本発明の目的を損なわない限り特に制限はないが、好ましくは3mm以上20mm以下であり、より好ましくは3mm以上10mm以下であり、更に好ましくは3mm以上6mm以下である。また、玉石としては、直径が互いに異なる2種以上のものを組み合わせてもよい。このような粉砕工程により、原料粉末は、粒度(粒径)のばらつきが小さく、シャープな粒度分布を備えたものとなる。このような原料粉末を用いると、焼結後に得られるアルミナ基焼結体において、異常粒成長が抑制されると共に、焼結密度を高くすることができる。そのため、絶縁体の耐アルカリ浸食性が向上する。
Al化合物粉末(アルミナ粉末等)の粒径(粉砕後の粒径)は、本発明の目的を損なわない限り、特に制限はないが、例えば、1.5μm以上が好ましく、1.7μm以上がより好ましく、2.5μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましい。Al化合物粉末(アルミナ粉末等)の粒径がこのような範囲であると、絶縁体の欠陥数が抑制されると共に、適度な焼結密度が得られる。なお、粒径は、レーザ回折法(日機装株式会社製、マイクロトラック粒度分布測定装置、製品名「MT-3000」)により測定される体積基準のメジアン径(D50)である。
Al化合物粉末は、焼成後のアルミナ基焼結体の質量(酸化物換算)を100質量%としたときに、酸化物換算で90質量%以上となるように調製されることが好ましい。より好ましくは、90質量%以上98質量%以下、更に好ましくは90質量%以上97質量%以下である。なお、本発明の目的を損なわない限り、原料粉末には、Al化合物粉末以外の粉末が含まれてもよい。
バインダーは、原料粉末の成形性の向上等を目的として、スラリー中に添加される。このようなバインダーとしては、ポリビニルアルコール、水性アクリル樹脂、アラビアゴム、デキストリン等の親水性結合剤が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
バインダーの配合量は、本発明の目的を損なわない限り特に制限はないが、例えば、原料粉末100質量部に対して、1質量部~10質量部の割合で配合され、好ましくは3質量部~7質量部の割合で配合される。
溶媒は、原料粉末等を分散させる等の目的で使用される。溶媒としては、例えば、水、アルコール等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶媒の配合量は、本発明の目的を損なわない限り特に制限はないが、例えば、原料粉末100質量部に対して、23質量部~40質量部の割合で配合され、好ましくは25質量部~35質量部の割合で配合される。なお、スラリーには、必要に応じて、原料粉末、バインダー及び溶媒以外の他の成分が配合されてもよい。スラリーの混合には、公知の撹拌・混合装置等を利用することができる。
<脱泡工程>
スラリー作製工程後のスラリーに対して、必要に応じて、脱泡工程を行ってもよい。脱泡工程では、例えば、混合(混錬)後のスラリーの入った容器を、真空脱泡装置内に配置して、減圧して低気圧環境下に置くことで、スラリー内に含まれる気泡が取り除かれる。脱泡前後のスラリーの密度を比較することで、スラリー中の気泡量を把握することができる。
<造粒工程>
造粒工程は、原料粉末等を含むスラリーから、球状の造粒粉を作製する工程である。スラリーから造粒粉を作製する方法としては、本発明の目的を損なわない限り特に制限はないが、例えば、スプレードライ法が挙げられる。スプレードライ法では、所定のスプレードライヤー装置を利用して、スラリーを噴霧乾燥することにより、所定の粒径を備えた造粒粉が得られる。なお、造粒粉の粒径は、本発明の目的を損なわない限り、特に制限はないが、例えば、212μm pass≧95%以下が好ましく、180μm pass≧95%以下がより好ましい。
<成形工程>
成形工程は、造粒粉を、成形型を利用して所定形状に成形することで成形体を得る工程である。成形工程は、ラバープレス成形や金型プレス成形等によって行われる。本実施形態の場合、成形型(例えば、ラバープレス成形機の内ゴム型及び外ゴム型)を外周側から印加する圧力(プレス昇圧速度)は、段階的に上昇するように調整される。また、従来よりも高い圧力の範囲(例えば、100MPa以上)に調整されることが好ましい。なお、圧力の上限値は、本発明の目的を損なわない限り特に制限はないが、例えば、200MPa以下に調整されてもよい。
<研削工程>
研削工程は、成形工程後に得られた成形体の加工取り代の除去や成形体の表面を研磨等する工程である。研削工程では、レジノイド砥石等を研削することにより、加工取り代の除去や成形体の表面の研磨等が行われる。このような研削工程により、成形体の形状が整えられる。
<焼成工程>
焼成工程は、研削工程により形状が整えられた成形体を焼成して、絶縁体を得る工程である。焼成工程では、例えば、大気雰囲気下で、1450℃以上1650℃以下で1~8時間焼成する。焼成後、成形体を冷却することにより、アルミナ基焼結体からなる絶縁体2が得られる。
以上のようにして得られた絶縁体2を使用しつつ、本実施形態のスパークプラグ1が製造される。スパークプラグ1の絶縁体2以外の構成は、上述したように公知の構成と同様である。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
(試験サンプルの作製)
上記実施形態1で例示したスパークプラグの絶縁体と、基本的な構成が同じである絶縁体を、上記実施形態1と同様の製造方法で作製(合計3本作製)した。なお、絶縁体の中胴部の厚みは、3mmである。また、スラリー作製工程において、原料粉末を湿式粉砕機で粉砕する際、直径3mmの玉石(φ3mm)と、直径10mmの玉石(φ10mm)とを、それぞれ50質量%、50質量%の割合で使用した。
(常温耐電圧の測定)
絶縁体の内部に棒状の中心電極本体を装着させたものを、主体金具に組み付けて試験サンプルを作製した。その試験サンプルを高圧チャンバー内に設置し、その高圧チャンバー内に炭酸ガス(CO)を約5MPaの圧力で供給した状態で、試験サンプルの中心電極本体の先端部より、電圧を昇圧速度0.1kV/secで印加した。その際のアース(接地)は、主体金具より行った。そして、絶縁体を貫通した際のブレイクダウン電圧を測定した。結果は、表1に示した。
(アルカリ浸食耐電圧の測定)
アルカリ浸食耐電圧を測定するために予め加工が施された絶縁体を用意した。具体的には、絶縁体の内部に中心電極本体が装着された際に、中心電極本体の先端が脚長部から露出せず、かつ脚長部の厚みが略一定となるように、脚長部の周りに予め絶縁加工を施した。そして、そのような絶縁体の内部に棒状の中心電極本体を装着させつつ、絶縁体の先端の開口部を閉塞したものを、主体金具に組み付けて試験サンプルを作製した。なお、中心電極本体の先端に電界が集中することを抑制するため、中心電極本体の先端にはR面取りが施されている。その試験サンプルを、約200℃に保たれた加熱炉内に設置し、試験サンプルの中心電極本体の先端部より、35kVの電圧を100時間印加した。その際のアース(接地)は、主体金具より行った。このようにして、試験サンプルの絶縁体に電圧を印加し続けることで、外部放電することなく、絶縁体の中胴部の所定箇所(電極鍔部(拡径部)と径方向で、対向している部分)に、電界集中が発生し、その所定箇所を強制的にアルカリ浸食させた。なお、アルカリ浸食の有無は、絶縁体に対して、電子線プローブマイクロアラナイザー(EPMA)を用いてNa等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の有無を測定することで判断できる。
その後、アルカリ浸食させた絶縁体を用いて、上述した「常温耐電圧の測定」と同様の方法で、絶縁体を貫通した際のブレイクダウン電圧を測定した。結果は、表1に示した。
(中胴部の切断面(鏡面研磨面)の観察1)
得られた絶縁体について、中心電極の電極鍔部(拡径部)の最大径の部分から軸線方向に沿って、後端側へ2mm離れた位置で、絶縁体を軸線方向に対して垂直な方向に切断した。そして、得られた絶縁体の切断面を鏡面状に研磨し、その切断面(鏡面研磨面)の組織をSEM(型式「JSM-IT300LA」、日本電子株式会社製)で観察した。SEMの加速電圧は、20kVに設定し、SEMの倍率は、500倍に設定した。そして、その切断面(鏡面研磨面)において、絶縁体の内周面側から径方向に0.2mmの位置である基準位置と重なりつつ、互いに重ならないように192μm×255μmの第1観察領域Xを20個設定し、それら20個の第1観察領域に対応した合計20個のSEM画像を取得した。そして、それらのSEM画像に対して、画像解析ソフト(WinROOF(登録商標)、三谷商事株式会社製)による画像解析処理を実行して、20個の第1観察領域Xの総面積(100%)に対する、20個の第1観察領域Xに含まれる全ての気孔の面積の割合(気孔率)を求めた。結果は、表1に示した。
そして更に、画像解析処理により、切断面(鏡面研磨面)における20個の第1観察領域に含まれる気孔の個数を計測した。結果は、表1に示した。
(中胴部の切断面(サーマルエッチング面)の観察2)
鏡面研磨面を含む上記絶縁体を、所定の電気炉に入れた状態で、1400℃で1時間保持し、その後、電気炉内で放冷を行った。このようにして、試験サンプルの鏡面研磨面に対して、サーマルエッチングを行った。得られた試験サンプルの切断面(サーマルエッチング面)を、SEMで観察した。SEMの加速電圧は、20kVに設定し、SEMの倍率は、3000倍に設定した。
そして、その切断面(サーマルエッチング面)において、絶縁体の内周面側から径方向に0.2mmの位置である基準位置と重なりつつ、互いに重ならないように32μm×43μmの第2観察領域Yを20個設定し、それら20個の第2観察領域Yに対応した合計20個のSEM画像を取得した。そして、それらのSEM画像を使用しつつ、JISG0551「フェライト・オーステナイト結晶粒度測定」に準拠した画像解析処理を行うことによって、20個の第2観察領域Yにおけるアルミナ粒子の粒径を計測した。そして、アルミナ粒子の粒径の計測結果を利用して、アルミナ粒子の平均粒径Aを求めた。結果は、表1に示した。
また、20個の第2観察領域に含まれるアルミナ粒子の粒度分布を正規分布とみなして、アルミナ粒子の粒径の標準偏差をσとしたときの、(A+3σ)の値[μm]を求めた。結果は、表1に示した。
また、20個の第2観察領域に含まれる各アルミナ粒子について、インターセプト法により、各アルミナ粒子の長径及び短径を計測した。そして、第2観察領域毎に、計測した各アルミナ粒子の長径の中から、長径の大きい上位3個のアルミナ粒子を選出することで、長径の大きい合計60個のアルミナ粒子を、代表アルミナ粒子として選出した。
選出した60個の代表アルミナ粒子について、それぞれの長径及び短径に基づいて、アスペクト比(d1/d2)を求めた。また、選出した60個の代表アルミナ粒子について、平均アスペクト比Bを求めた。結果は、表1に示した。
そして、60個の代表アルミナ粒子におけるアスペクト比の度数分布を正規分布とみなして、代表アルミナ粒子のアスペクト比の標準偏差をσとしたときの、(B+3σ)の値を求めた。結果は、表1に示した。
60個の代表アルミナ粒子について、アスペクト比が3.5以上のものの個数を調べた。結果は、表1に示した。
〔実施例2~9〕
スラリー作製工程において、原料粉末を粉砕する際に使用する玉石の比率を、適宜、変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2~9の絶縁体を作製した。
〔比較例1〕
スラリー作製工程において、原料粉末を湿式粉砕機で粉砕する際、直径3mmの玉石(φ3mm)と、直径10mmの玉石(φ10mm)と、直径30mm(φ30mm)とを、それぞれ10質量%、40質量%、50質量%の割合で使用したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の絶縁体を作製した。
〔比較例2~4〕
スラリー作製工程において、原料粉末を粉砕する際に使用する玉石の比率を、適宜、変更したこと以外は、比較例1と同様にして、比較例2~4の絶縁体を作製した。
得られた絶縁体について、実施例1と同様、上記「常温耐電圧の測定」、「アルカリ浸食耐電圧の測定」、「中胴部の切断面(鏡面研磨面)の観察1」及び「中胴部の切断面(サーマルエッチング面)の観察2」を行った。それらの結果は、表1に示した。
Figure 2022190529000002
表1に示されるように、実施例1~9は、比較例1~4と比べて、常温耐電圧、及びアルカリ浸食耐電圧の結果が優れていた。
実施例1~9のうち、実施例1~4及び実施例6~9は、実施例5と比べて、常温耐電圧、及びアルカリ浸食耐電圧の結果が優れていた。
また、実施例1~9のうち、実施例1~4及び実施例7~9は、実施例5,6と比べて、常温耐電圧、及びアルカリ浸食耐電圧の結果が優れていた。
特に、実施例1~4及び実施例7~9のうち、実施例2~4及び実施例7は、アルカリ浸食耐電圧の結果が優れていた。
1…スパークプラグ、2…絶縁体、21…貫通孔、22…脚長部、23…中胴部、230…切断面、230a…鏡面研磨面、230b…サーマルエッチング面、24…鍔部、25…後側筒部、26…第1拡径部、27…第2拡径部、3…中心電極、31…中心電極本体、31a…電極鍔部(拡径部)、31b…電極頭部、31c…電極脚部(電極本体部)、4…接地電極、5…端子金具、6…主体金具、7…抵抗体、8…シール部材、9…シール部材、11…気孔、AX…軸線、X…第1観察領域、Y…第2観察領域

Claims (4)

  1. 軸線方向に沿って延びた筒状をなし、アルミナ基焼結体からなる絶縁体と、
    先端が前記絶縁体から露出し、かつ後端が前記絶縁体の内部に収容されるように前記絶縁体に挿入される棒状の電極本体部と、前記電極本体部の後端に連なり、前記電極本体部から径方向に広がった形をなし、かつ前記絶縁体の内壁と係止する拡径部と、を有する中心電極と、
    前記絶縁体の内部に収容され、かつ前記中心電極の前記後端側に配される導電性シール材とを備えるスパークプラグであって、
    前記拡径部の最大径の部分から前記軸線方向に沿って前記後端側へ2mm離れた位置で、前記絶縁体を前記軸線方向に対して垂直な方向に切断して得られる切断面を鏡面研磨することで得られる鏡面研磨面において、前記絶縁体の内周面側から径方向に0.2mmの位置である基準位置と重なりつつ、互いに重ならないように192μm×255μmの第1観察領域を20個設定した場合に、20個の前記第1観察領域の総面積(100%)に対する、20個の前記第1観察領域に含まれる全ての気孔の面積の割合(気孔率)が3.5%以下であり、
    前記鏡面研磨面をサーマルエッチングすることで得られるサーマルエッチング面において、前記基準位置と重なりつつ、互いに重ならないように32μm×43μmの第2観察領域を20個設定した場合に、20個の前記第2観察領域に含まれるアルミナ粒子の粒度分布を正規分布とみなして、前記アルミナ粒子の平均粒径をA、前記アルミナ粒子の粒径の標準偏差をσとしたときに、Aが1.9μm以上2.8μm以下であり、(A+3σ)が、3.0μm以下であるスパークプラグ。
  2. 前記サーマルエッチング面における20個の前記第2観察領域において、前記第2観察領域毎に、長径の大きい上位3個のアルミナ粒子を選出することで、長径の大きい60個の代表アルミナ粒子を選出した場合に、前記代表アルミナ粒子のアスペクト比の度数分布を正規分布とみなして、前記代表アルミナ粒子の平均アスペクト比をB、前記代表アルミナ粒子のアスペクト比の標準偏差をσとしたときに、(B+3σ)が4.8以下である請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 前記サーマルエッチング面における20個の前記第2観察領域において、前記代表アルミナ粒子のうち、前記アスペクト比が3.5以上のものが2個以下である請求項2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記鏡面研磨面における20個の前記第1観察領域において、前記気孔の数が600個以下である請求項1から請求項3の何れか一項に記載のスパークプラグ。
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