JP2022189025A - 太陽電池用アルミニウムペースト組成物 - Google Patents

太陽電池用アルミニウムペースト組成物 Download PDF

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正博 中原
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Abstract

【課題】印刷性及び粘度の経時安定性に優れ、塗布・乾燥した状態での密着性に優れた太陽電池用アルミニウムペースト組成物を提供する。【解決手段】アルミニウム粉末及びアクリル系樹脂を含有する太陽電池用アルミニウムペースト組成物であって、アクリル系樹脂の重量平均分子量は、10000~500000であり、アクリル系樹脂の含有量は、太陽電池用アルミニウムペースト組成物を100質量%として、0.2質量%以上2.0質量%以下である。【選択図】なし

Description

本発明は太陽電池用アルミニウムペースト組成物に関し、特に結晶系太陽電池の裏面電極用の太陽電池用アルミニウムペースト組成物に関する。
従来、結晶系太陽電池セルの製造プロセスは、ライン生産方式が一般的となっており、太陽電池ウェハがベルトコンベアを流れ、アルミニウムペースト組成物、銀ペースト組成物の印刷工程、及び、印刷塗布されたペースト組成物を電極化する焼成工程を経て太陽電池セルが製造される。
特許文献1には、太陽電池セルの製造プロセスとして、シリコンウェハの裏面のパッシベーション膜上に銀ペースト組成物を塗布・乾燥後、裏面のパッシベーション膜上にアルミニウムペースト組成物を塗布・乾燥し、次いで、表面に銀ペースト組成物が塗布・乾燥されて、その後焼成プロセスへと移行することが開示されている。このような製造プロセスにおいて、焼成プロセスへ移行するまでの間、シリコンウェハに塗布され、乾燥されたアルミニウムペースト組成物はベルトコンベアに接触しながら移動することとなる。
上記ベルトコンベアでの移動時に、乾燥状態のアルミニウムペースト組成物の密着性が低いと、アルミニウムペースト組成物が脱離して、生産ラインの汚染を生じ、セル化した際に光電変換効率の低下を生じるという問題がある。
上記問題を解決するために、アルミニウムペースト組成物が含有する樹脂の量の増量、粘着剤の添加等の方法が採用されている。
特開2018-092982号公報
しかしながら、含有する樹脂の量を増やすと、スクリーン印刷工程において、アルミニウムペースト組成物が伸び難くなり、印刷性が低下するという問題がある。
また、粘着剤を添加すると、アルミニウムペースト組成物の粘度が経時的に変化し、不安定になるという問題がある。
従って、印刷性、及び、粘度の経時安定性に優れ、結晶系太陽電池の裏面等に塗布・乾燥した状態での密着性に優れた太陽電池用アルミニウムペースト組成物が求められている。
本発明は、上記事情に鑑み、印刷性、及び、粘度の経時安定性に優れ、塗布・乾燥した状態での密着性に優れた太陽電池用アルミニウムペースト組成物を提供することを目的とする。
本発明者は上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、(A)アルミニウム粉末、及び、(B)アクリル系樹脂を含有する太陽電池用アルミニウムペースト組成物において、(B)アクリル系樹脂の重量平均分子量及び含有量が特定の範囲である構成とすることで、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の太陽電池用アルミニウムペースト組成物に関する。
1.(A)アルミニウム粉末、及び、(B)アクリル系樹脂を含有する太陽電池用アルミニウムペースト組成物であって、
(1)前記(B)アクリル系樹脂の重量平均分子量は10000~500000であり、
(2)前記(B)アクリル系樹脂の含有量は、前記太陽電池用アルミニウムペースト組成物を100質量%として、0.2質量%以上2.0質量%以下である、
ことを特徴とするペースト組成物。
2.前記(A)アルミニウム粉末の含有量は、前記太陽電池用アルミニウムペースト組成物を100質量%として、50質量%以上90質量%以下である、項1に記載のペースト組成物。
3.更に、(C)ブチラール樹脂を含有する、項1又は2に記載のペースト組成物。
4.前記(C)ブチラール樹脂の含有量は、前記太陽電池用アルミニウムペースト組成物を100質量%として、1.0質量%以上2.5質量%以下である、項3に記載のペースト組成物。
5.更に、(D)その他の樹脂を含有し、前記(D)その他の樹脂は、エチルセルロース、ニトロセルロース、フェノール樹脂、メラニン樹脂、ユリア樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フラン樹脂、ウレタン樹脂、イソシアネート化合物、シアネート化合物等の熱硬化樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルフォン、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ4フッ化エチレン、及び、シリコン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である、項1~4のいずれかに記載のペースト組成物。
6.前記(D)その他の樹脂の含有量は、前記太陽電池用アルミニウムペースト組成物を100質量%として、0.1質量%以上2.0質量%以下である、項5に記載のペースト組成物。
7.更に、(E)ガラス粉末を含有する、項1~6のいずれかに記載のペースト組成物。
8.前記(E)ガラス粉末の含有量は、前記太陽電池用アルミニウムペースト組成物を100質量%として、0.5質量%以上3.0質量%以下である、項7に記載のペースト組成物。
本発明の太陽電池用アルミニウムペースト組成物は、印刷性、及び、粘度の経時安定性に優れ、塗布・乾燥した状態での密着性に優れている。
実施例及び比較例の評価に使用した、評価用サンプル、(i)乾燥後の密着性評価用サンプル、及び、(ii)電気特性評価用サンプルを調製する工程を示す図である。
本発明の太陽電池用アルミニウムペースト組成物(以下、単に「ペースト組成物」ともいう。)は、(A)アルミニウム粉末、及び、(B)アクリル系樹脂を含有する太陽電池用アルミニウムペースト組成物であって、(1)前記(B)アクリル系樹脂の重量平均分子量は10000~500000であり、(2)前記(B)アクリル系樹脂の含有量は、前記太陽電池用アルミニウムペースト組成物を100質量%として、0.2質量%以上2.0質量%以下であることを特徴とする。
上記特徴を有する本発明のペースト組成物は、特定の範囲の重量平均分子量の(B)アクリル系樹脂を、特定の範囲の含有量で含有するので、太陽電池セルの製造における、アルミニウムペースト組成物の乾燥工程での乾燥温度により、当該アクリル系樹脂が熱分解され、乾燥状態において優れた密着性を示すことができる。また、本発明のペースト組成物は、特定の(A)アルミニウム粉末、及び、上記(B)アクリル系樹脂を含有する構成であることにより、粘着性を付与するために多量の樹脂を添加する必要がないため印刷性に優れており、且つ、粘着剤を添加する必要がないため粘度の経時安定性にも優れている。
((A)アルミニウム粉末)
本発明のペースト組成物は、(A)アルミニウム粉末(以下、単に「(A)成分」ともいう。)を含有する。ペースト組成物に含まれるアルミニウム粉末は、ペースト組成物を焼成することによって形成されたアルミニウム電極層において導電性を発揮する。また、アルミニウム粉末は、ペースト組成物を焼成した際にシリコン半導体基板との間にアルミニウム-シリコン合金層とp+層を形成することによりBSF効果を発揮することができる。
アルミニウム粉末は、アルミニウムの含有量が99.0質量%以上であることが好ましく、99.9質量%以上であることがより好ましい。上記アルミニウム粉末は、アルミニウムの他に他の金属を含有するアルミニウム合金粉末であってもよい。アルミニウム合金粉末としては、例えば、シリコン、鉄、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、チタン、バナジウム、ガリウム、ニッケル、ホウ素及びジルコニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素を含む合金の粉末が例示される。これらの中でも、アルミニウム-シリコン合金が好適に用いられる。これらの元素の各々の含有量は、アルミニウム合金粉末の全量に対してそれぞれ1000ppm以下、特に300ppm以下であることが好ましい。
アルミニウム粉末の形状は特に限定されず、球状、楕円状、不定形状、鱗片状、繊維状等のいずれの形状であってもよい。これらの中でも、球状が好ましい。アルミニウム粉末の形状が球状であると、アルミニウム電極層におけるアルミニウム粒子の充填性が増大することにより、電極としての電気抵抗をより効果的に低下させることができる。また、アルミニウム粉末の形状が球状であると、シリコン半導体基板とアルミニウム粒子との接点が増え、より良好なBSF層を形成することができる。
本発明のペースト組成物中の(A)成分の含有量は、ペースト組成物を100質量%として、50質量%以上90質量%以下が好ましく、74質量%以上80質量%以下がより好ましい。(A)成分の含有量が上記範囲であることで、ペースト組成物の粘性が適切となり、印刷性がより一層向上する。
アルミニウム粉末の平均粒子径(D50)は、1~20μmが好ましく、1~10μmがより好ましい。アルミニウム粉末の平均粒子径が上記範囲であることにより、スクリーンのメッシュ孔に充填されたペーストが詰まることなく吐出されることで、ペースト組成物の印刷性がより向上する。
なお、本明細書において、平均粒子径(D50)は、レーザー回折法により測定された値を示すものであり、具体的には、粒子径とこの粒子径に該当する粒子数を求めて得られる粒度分布曲線において全粒子数の50%目に該当する粒子の粒子径を示す。
((B)アクリル系樹脂)
本発明のペースト組成物は、(B)アクリル系樹脂(以下、単に「(B)成分」ともいう。)を含有する。ペースト組成物が(B)成分を含まないと、ペースト組成物の乾燥後の密着性が低下する。
アクリル系樹脂としては、後述する重量平均分子量を満たしていれば特に限定されず、例えば、メチルメタアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルメタアクリレート、グリシジルメタアクリレート等が挙げられる。これらの中でも、塗布・乾燥した状態でのペースト組成物の密着性により優れる点で、メチルメタアクリレートが好ましい。
本発明のペースト組成物が含有する(B)アクリル系樹脂の重量平均分子量は10000~500000である。重量平均分子量が10000未満であると、ペースト組成物を塗布・乾燥した状態での密着性が十分でない。重量平均分子量が500000を超えると、ペースト組成物の粘度が高くなり過ぎ、ペースト組成物の印刷性が低下する。上記重量平均分子量は、10000~300000が好ましく、40000~200000がより好ましい。重量平均分子量が上記範囲であると、ペースト組成物の粘度がスクリーン印刷に適した粘度となり、ペースト組成物の印刷性により優れ、且つ、セルとの密着性もより向上する。
本発明のペースト組成物中の(B)成分の含有量は、ペースト組成物を100質量%として、0.2質量%以上2.0質量%以下である。(B)成分の含有量が0.2質量%未満であると、ペースト組成物を塗布・乾燥した状態での密着性が十分でない。(B)成分の含有量が2.0質量%を超えると、ペースト組成物の印刷性が低下する。上記含有量は、0.2~1.0質量%が好ましい。
((C)ブチラール樹脂)
本発明のペースト組成物は、(C)ブチラール樹脂(以下、単に「(C)成分」ともいう。)を含有していてもよい。ペースト組成物が(C)成分を含有することにより、ペースト組成物の乾燥後の密着性がより一層向上する。
ブチラール樹脂としては特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコールにブチルアルデヒドを反応させることによって、ポリビニルアルコール樹脂の水酸基をブチラール化したものをもちいることができ、ビニルブチラール部分、ビニルアルコール部分、酢酸ビニル部分から構成される。具体的なブチラール樹脂としては、ポリビニルブチラールが挙げられる。ブチラール樹脂は、市販品を用いることができる。このようなブチラール樹脂の市販品としては、例えば、イーストマンケミカルジャパン(株)製のButvar(登録商標)B76、B-79、(株)クラレ製のMowital(登録商標)B30HH、B60HH、積水化学工業(株)製のエスレック(登録商標)BH-1、BM-1等が挙げられる。上記ブチラール樹脂は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
本発明のペースト組成物中の(C)成分の含有量は、ペースト組成物を100質量%として、1.0質量%以上2.5質量%以下が好ましく、1.0質量%以上2.5質量%以下がより好ましい。
((D)その他の樹脂)
本発明のペースト組成物は、(D)その他の樹脂(以下、単に「(D)成分」ともいう。)を含有していてもよい。
(D)成分としては特に限定されず、例えば、エチルセルロース、ニトロセルロース、フェノール樹脂、メラニン樹脂、ユリア樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フラン樹脂、ウレタン樹脂、イソシアネート化合物、シアネート化合物等の熱硬化樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルフォン、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ4フッ化エチレン、シリコン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、よりペースト組成物のスクリーンへの濡れ性が向上する点で、エチルセルロースが好ましい。
上記(D)成分は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
本発明のペースト組成物中の(D)成分の含有量は、ペースト組成物を100質量%として、0.1質量%以上2.0質量%以下が好ましく、0.1質量%以上0.5質量%以下がより好ましい。
((E)ガラス粉末)
本発明のペースト組成物は、(E)ガラス粉末(以下、単に「(E)成分」ともいう。)を含有していてもよい。本発明のペースト組成物が(E)成分を含有することにより、ペースト組成物の密着性がより一層向上する。
(E)成分としては特に限定されず、例えば、太陽電池セルの電極層を形成するために使用されているペースト組成物に含まれる公知のガラス成分を用いることができる。(E)成分の具体例としては、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、バナジウム(V)、ホウ素(B)、シリコン(Si)、スズ(Sn)、リン(P)、亜鉛(Zn)等が挙げられる。また、鉛を含むガラス粉末;ビスマス系、バナジウム系、スズ-リン系、ホウケイ酸亜鉛系、アルカリホウケイ酸系等の無鉛のガラス粉末等を用いることができる。人体への影響を考慮すると、無鉛のガラス粉末を用いることが好ましい。
上記(E)成分は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
ガラス粉末の体積平均粒子径D50は限定的ではないが、1~3μmであることが好ましい。
ペースト組成物中の(E)成分の含有量は、ペースト組成物を100質量%として、0.5~3.0質量%が好ましく、1.0~2.5質量%がより好ましい。(E)成分の含有量が上記範囲であることにより、ペースト組成物の乾燥後の密着性がより一層向上し、また、電極としての電気抵抗をより低下させることができる。
(添加剤)
本発明のペースト組成物は、上述の(A)~(E)成分以外の添加剤を含有していてもよい。
上記添加剤としては、たとえば、酸化防止剤、腐食抑制剤、消泡剤、増粘剤、タックファイヤー、カップリング剤、静電付与剤、重合禁止剤、チキソトロピー剤、沈降防止剤等が挙げられる。より具体的には、たとえば、ポリオキシエチレンソルビタンエステル化合物、ソルビタンアルキルエステル化合物、脂肪族多価カルボン酸化合物、燐酸エステル化合物、ポリエステル酸のアマイドアミン塩、酸化ポリエチレン系化合物、脂肪酸アマイドワックス等が挙げられる。
ペースト組成物中の添加剤の含有量は、ペースト組成物を100質量%として、0~1.0質量%の範囲内とすることが好ましい。
(溶剤)
本発明のペースト組成物では、上記(A)成分及び上記(B)成分、並びに、必要に応じて上記(C)~(E)成分、及び、上記添加剤が、溶剤に溶解されて、溶剤を含有していてもよい。
溶剤は、公知の種類が使用可能であり、具体的には、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
溶剤の含有量は特に限定されず、上記各成分の残部とすることができる。
以上説明した本発明のペースト組成物は、上述の構成であるので、印刷性、及び、粘度の経時安定性に優れ、結晶系太陽電池の裏面等に塗布・乾燥した状態での密着性に優れた太陽電池用アルミニウムペースト組成物として用いることができる。本発明のペースト組成物は、特に、裏面電極用の太陽電池用アルミニウムペースト組成物としてより好適に用いることができる。
(ペースト組成物の製造方法)
本発明のペースト組成物を製造する製造方法としては特に限定されず、例えば、上記(A)成分及び上記(B)成分、並びに、必要に応じて上記(C)~(E)成分、及び、上記添加剤を、順次溶剤に溶解して混合し、調製すればよい。
混合の際は、ペースト組成物を均一とする観点から、撹拌することが好ましい。撹拌方法としては特に限定されず、ディスパー、3本ロール等の公知の撹拌方法が挙げられる。
以上説明した製造方法により、本発明のペースト組成物を製造することができる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
ブチラールをジエチレングリコールモノブチルエーテルに溶解した樹脂液1と、重量平均分子量160000のアクリル樹脂(メチルメタアクリレート)をジエチレングリコールモノブチルエーテルに溶解した樹脂液2とを混合し、混合液を調製した。次いで、混合液に、ガスアトマイズ法により生成したD50が6.0μmであるアルミニウム粉末を添加し、分散装置(ディスパー)を用いて分散させ、ペースト化して、ペースト組成物を製造した。なお、ペースト組成物の製造においては、アルミニウム粉末の含有量はペースト組成物全体の78.0質量%、ブチラールの含有量はペースト組成物全体の2.0質量%、アクリル樹脂の含有量はペースト組成物全体の1.0質量%となるよう調整した。
実施例2
アクリル樹脂の添加量をペースト組成物全体の2.0質量%とした以外は、実施例1と同様にしてペースト組成物を製造した。
実施例3
アクリル樹脂の添加量をペースト組成物全体の0.2質量%とした以外は、実施例1と同様にしてペースト組成物を製造した。
比較例1
アクリル樹脂の添加量をペースト組成物全体の0.1質量%とした以外は、実施例1と同様にしてペースト組成物を製造した。
比較例2
アクリル樹脂の添加量をペースト組成物全体の2.5wt%とした以外は、実施例1と同様にしてペースト組成物を製造した。
比較例3
重量平均分子量5000のアクリル樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてペースト組成物を製造した。
比較例4
重量平均分子量600000のアクリル樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてペースト組成物を製造した。
比較例5
アクリル樹脂を用いず、粘着剤をペースト組成物全体の1.0質量%添加した以外は、実施例1と同様にしてペースト組成物を製造した。
比較例6
アクリル樹脂を用いず、ブチラールの含有量をペースト組成物全体の2.7質量%とした以外は、実施例1と同様にしてペースト組成物を製造した。
上記実施例及び比較例で製造したペースト組成物を用いて、下記のようにして評価用サンプルを調製し、当該評価用サンプルを用いて(i)乾燥後の密着性評価用サンプル、及び、(ii)電気特性評価用サンプルを調製した。
(評価用サンプルの調製)
先ず、図1の(A)に示すように、p型の単結晶シリコンからなる半導体基板(シリコン半導体基板)1を用意した。半導体基板は、直径6inch、厚み160μm、抵抗率2Ω・cmであった。
次いで、図1の(B)に示すように、ガス状にしたPOCl(オキシ塩化リン)を用いた気層熱拡散法によって0.3~1μm程度の厚み、及び40~200Ω/□程度のシート抵抗を有するようにn層(n型不純物層)2を形成した。次いで、プラズマCVD法によって、窒化ケイ素を主成分とする反射防止膜3を形成し、当該反射防止膜3を形成した面とは反対側の面には、酸化アルミニウムと窒化ケイ素とからなるパッシベーション膜4を形成した。
次いで、図1の(C)に示すように、レーザー発振器として波長が1064nmのIRレーザーを用いて、幅Dが30μm、深さが1μmのコンタクト孔5をシリコン半導体基板1の表面(アルミニウムペースト印刷部分)に形成した。
次いで、図1の(D)に示すように、裏面(コンタクト孔5が形成されている側の面)全面を覆うように、上記各実施例及び比較例で得られた各ペースト組成物6を、シリコン半導体基板1の裏面上に、スクリーン印刷機を用いて、0.7~0.8g/pcになるように印刷した。
以上のようにして評価用サンプルを調製した。当該評価用サンプルを用いて、下記のように(i)乾燥後の密着性評価用サンプル、及び、(ii)電気特性評価用サンプルを調製した。
((i)乾燥後の密着性評価用サンプルの調製)
上記調製した評価用サンプルを、300℃に設定した赤外ベルト炉に1分間入れた。これによりペースト組成物の有機成分の一部が揮発、熱分解し、ペースト組成物が乾燥された。以上により、(i)乾燥後の密着性評価用サンプルを調製した。
((ii)電気特性評価用サンプルの調製)
上記調製した評価用サンプルを、800℃に設定した赤外ベルト炉を用いて焼成した。当該焼成により、図1の(E)に示すように、電極層(裏面電極)9を形成した。また、焼成の際にアルミニウムがシリコンからなる半導体基板1の内部に拡散することにより、電極層9とシリコン半導体基板1との間にAl-Si合金層7が形成されると同時に、アルミニウム原子の拡散による不純物層としてp+層(BSF層)8が形成された。以上により、(ii)電気特性評価用サンプル(焼成基板)を調製した。
実施例及び比較例のペースト組成物、並びに、上述のようにして調製した(i)乾燥後の密着性評価用サンプル及び(ii)電気特性評価用サンプルを用いて、以下の測定条件により性状を測定し、特性を評価した。
1.乾燥後の密着性の評価
(i)乾燥後の密着性評価用サンプルの、乾燥後のペースト組成物の表面にメンディングテープ(幅12mm、住友スリーエム株式会社製)を3cm程度の長さで貼り付けた。次いで、180度の角度をなす方向にゆっくりメンディングテープを引っ張って剥がした。次いで、貼り付けた元のメンディングテープ面積に対する、メンディングテープのアルミニウムが付着した部分の合計面積の割合を、二値化処理可能な解析ソフトを用いて算出することによって評価した。密着性の評価は、全て同一人物が同一の姿勢、角度、力、および一定の速度で行った。下記評価基準に従って評価した。なお、○評価以上であれば実使用において問題ないと評価される。
◎:メンディングテープにアルミニウムの付着が全くない。
○:メンディングテープの面積に対して50%未満の割合でアルミニウムが付着していた。
△:メンディングテープの面積に対して50%以上80%未満の割合でアルミニウムが付着していた。
×:メンディングテープの面積に対して80%以上の割合でアルミニウムが付着していた。
2.粘度変化の評価
ペースト組成物を50℃の恒温槽に1週間放置し、放置前後の粘度の差を算出して、粘度変化を評価した。なお、ペースト組成物の粘度の測定は、ブルックフィールド社製コーンプレート型粘度系DV2Tを用いて、JIS K5600の2.3 コーンプレート粘度計法により行った。
3.印刷性の評価
ペースト組成物を用いて、400mm/secの速さでスクレッパによりスクリーンメッシュ上に塗り広げた際の、印刷パターン部のペースト組成物の充填度合を目視により観察した。下記評価基準に従って評価した。
○:印刷パターン部全面に充填されていた。
×:印刷パターン部の一部でも欠落があった。
4.電気特性の評価
(ii)電気特性評価用サンプルを用いて、株式会社ワコム電創製、ソーラーシュミレータ:WXS-156S-10、I-V測定装置:IV15040-10を用いて、I-V測定を実施した。
結果を表1に示す。
Figure 2022189025000001
表1の結果から、実施例1~3のペースト組成物は、(A)アルミニウム粉末、及び、(B)アクリル系樹脂を含有し、(B)アクリル系樹脂の重量平均分子量が10000~500000であり、且つ、(B)アクリル系樹脂の含有量が0.2質量%以上2.0質量%以下であるとの要件を備えることにより、塗布、乾燥した後に良好な密着性を発現し、粘度変化も5Pa・s以下となっており、且つ、優れた印刷性を示すことが分かった。
また、表1の結果から、アクリル樹脂の含有率が0.2質量%を下回ると乾燥後の密着性が不十分であり、アルミニウムが脱離し(比較例1)、2.0質量%を上回るとペーストの印刷性が不良となることが分かった(比較例2)。
また、表1の結果から、アクリル樹脂の重量平均分子量が10000を下回ると乾燥後の密着性が不十分であり、アルミニウムが脱離し(比較例3)、500000を上回るとペーストの印刷性が不良となることが分かった(比較例4)。
更に、実施例1~3では、発電効率としてのEff.値がいずれも21.466%以上であった。このため、電気特性に関して問題ないことが分かった。
1:シリコン半導体基板
2:n型不純物層
3:反射防止膜
4:パッシベーション膜
5:コンタクト孔
6:ペースト組成物
7:合金層
8:p+
9:裏面電極

Claims (8)

  1. (A)アルミニウム粉末、及び、(B)アクリル系樹脂を含有する太陽電池用アルミニウムペースト組成物であって、
    (1)前記(B)アクリル系樹脂の重量平均分子量は10000~500000であり、
    (2)前記(B)アクリル系樹脂の含有量は、前記太陽電池用アルミニウムペースト組成物を100質量%として、0.2質量%以上2.0質量%以下である、
    ことを特徴とするペースト組成物。
  2. 前記(A)アルミニウム粉末の含有量は、前記太陽電池用アルミニウムペースト組成物を100質量%として、50質量%以上90質量%以下である、請求項1に記載のペースト組成物。
  3. 更に、(C)ブチラール樹脂を含有する、請求項1又は2に記載のペースト組成物。
  4. 前記(C)ブチラール樹脂の含有量は、前記太陽電池用アルミニウムペースト組成物を100質量%として、1.0質量%以上2.5質量%以下である、請求項3に記載のペースト組成物。
  5. 更に、(D)その他の樹脂を含有し、前記(D)その他の樹脂は、エチルセルロース、ニトロセルロース、フェノール樹脂、メラニン樹脂、ユリア樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フラン樹脂、ウレタン樹脂、イソシアネート化合物、シアネート化合物等の熱硬化樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルフォン、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ4フッ化エチレン、及び、シリコン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1~4のいずれかに記載のペースト組成物。
  6. 前記(D)その他の樹脂の含有量は、前記太陽電池用アルミニウムペースト組成物を100質量%として、0.1質量%以上2.0質量%以下である、請求項5に記載のペースト組成物。
  7. 更に、(E)ガラス粉末を含有する、請求項1~6のいずれかに記載のペースト組成物。
  8. 前記(E)ガラス粉末の含有量は、前記太陽電池用アルミニウムペースト組成物を100質量%として、0.5質量%以上3.0質量%以下である、請求項7に記載のペースト組成物。
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