JP2022188489A - 車両用灯具 - Google Patents
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Abstract
【課題】光源から伝搬する光が所定の出射面以外の箇所から漏れるのを抑えることができる車両用灯具を提供する。
【解決手段】本発明の車両用灯具は、第1の棒状導光部材と、第2の棒状導光部材と、前記第1及び第2の棒状導光部材の間に配置された板状導光部材と、を含む導光体と、を備える。第1の棒状導光部材の内部導光の光線の一部が、板状導光部材の内部へと導光され、板状導光部材を内部導光して板状導光部材の末端に設けられた傾斜面から出射される。第2の棒状導光部材は、板状導光部材とは別体に形成されるとともに、第2の棒状導光部材の板状導光部材側に位置する延出面は板状導光部材の末端から出射した光が延出面の少なくとも一部に入射するように構成されている。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の車両用灯具は、第1の棒状導光部材と、第2の棒状導光部材と、前記第1及び第2の棒状導光部材の間に配置された板状導光部材と、を含む導光体と、を備える。第1の棒状導光部材の内部導光の光線の一部が、板状導光部材の内部へと導光され、板状導光部材を内部導光して板状導光部材の末端に設けられた傾斜面から出射される。第2の棒状導光部材は、板状導光部材とは別体に形成されるとともに、第2の棒状導光部材の板状導光部材側に位置する延出面は板状導光部材の末端から出射した光が延出面の少なくとも一部に入射するように構成されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、車両用灯具に関する。
従来より、車両に搭載される車両用灯具として、発光ダイオード(Light Emission Diode;LED)等の光源と、棒状や板状の導光部材とを組み合わせたものが知られている。例えば、特許文献1には、1枚の板状導光部材の縁に第1の棒状導光部材及び第2の棒状導光部材が一体的に繋がって形成された導光体と、2本の棒状の導光部材の端面近傍に配置されたLED光源と、を備える車両用灯具が開示されている。
特許文献2には、延在方向に対してイチョウ形の断面を有する棒状の導光部材が開示されている。特許文献2に開示されている棒状の導光部材の当該断面は、正面側に配置される第1面と、その反対側の背面側に配置される第2面と、第1面と第2面とを接続する第3面と、を含む。第1面は、正面側に向かって突出する半円形状の凸曲面である。第2面は、光源からの光を第1面から正面側に出射させるための面であり、例えば上下方向に略平行な平坦面である。第3面は、上下方向で対をなし、導光部材の上下方向の中心に向かって突出する凸曲面である。
特許文献2に開示されているようにイチョウ形の断面を有する棒状導光部材によれば、第1面から出射する光量を増大させることができる。しかしながら、イチョウ形の断面を有する棒状導光部材を、特許文献1に開示されている第2の棒状導光部材に適用し、第1の棒状導光部材を備える板状導光部材に第2の棒状導光部材を一体的に繋げると、光源から第1の棒状導光部材及び板状導光部材を介して伝搬する光の少なくとも一部が第2の棒状導光部材の第1面以外の箇所に向けて出射され、第2の棒状導光部材から外部に漏れる虞があった。このように第2の棒状導光部材以外の箇所から第2の棒状導光部材を介さずに車両用灯具の外部に光が漏れると、第2の棒状導光部材の第1面から正面側へ出射する光量の不足に起因して車両用灯具に求められる配光性能が達成されない虞があった。すなわち、従来の導光部材を備える車両用灯具では、第2の棒状導光部材の所定の出射面以外の箇所からの漏れ光を積極的に活用することができなかった。
本発明は、光源から第1の棒状導光部材及び板状導光部材を介して伝搬する漏れ光を積極的に活用可能、すなわち光源から第1の棒状導光部材及び板状導光部材を介して伝搬する光が第2の棒状導光部材の所定の出射面以外の箇所から漏れるのを抑え、所定の出射面から出射させることができる車両用灯具を提供する。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の構成を備える。
[1]第1の棒状導光部材と、第2の棒状導光部材と、前記第1の棒状導光部材及び第2の棒状導光部材の間に配置された板状導光部材と、を含む導光体と、
前記第1の棒状導光部材の端面近傍に配置された第1光源と、
前記第2の棒状導光部材の端面近傍に配置された第2光源と、を備える車両用灯具であって、
前記第1の棒状導光部材と前記板状導光部材が一体的に形成され、
前記第1の棒状導光部材と前記第2の棒状導光部材は、正面発光面と、前記正面発光面の反対側に位置する背面反射面と、前記正面発光面と前記背面反射面とを連結する一対の延出面とを備え、
前記第1の棒状導光部材と前記第2の棒状導光部材は、前記第1光源と前記第2光源からの光線を前記一対の延出面にて前記正面発光面の延在方向に沿って前記第1の棒状導光部材と前記第2の棒状導光部材の内部導光をする際に、前記光線の一部が前記背面反射面によって反射されて前記正面発光面へと出射させ、
前記第1の棒状導光部材の内部導光の前記光線の一部が、前記板状導光部材の内部へと導光され、前記板状導光部材を内部導光して前記板状導光部材の末端に設けられた傾斜面から出射され、
前記第2の棒状導光部材は前記板状導光部材とは別体に形成されるとともに、前記第2の棒状導光部材の前記板状導光部材側に位置する延出面は前記板状導光部材の末端から出射した光が前記延出面の少なくとも一部に入射するように構成されている、
車両用灯具。
[2]前記第2の棒状導光部材の前記板状導光部材側に位置する延出面は前記第2の棒状導光部材の内部に向かって突出している曲面である、
前記[1]に記載の車両用灯具。
[3]前記板状導光部材の前記板状導光部材の末端から光の出射方向とは異なる方向で突出して形成されている支持部を備え、
前記支持部が連結部分と支持部分とを有し、
前記連結部分に第2の棒状導光部材を収納する溝部が形成され、
前記支持部分の上面に前記第2の棒状導光部材が配置されることによって前記第2の棒状導光部材が前記支持部に支持されている、
前記[1]又は〔2〕に記載の車両用灯具。
[4]前記連結部分に反射制御部を設け、
前記第2の棒状導光部材の内部導光の前記光線の一部は、前記連結部分に導光され、前記連結部分の内部導光をする際に、前記反射制御部によって前記第2の棒状導光部材の背面側から前記第2の棒状導光部材の内部に入射し、前記正面発光面から出射する、
前記[3]に記載の車両用灯具。
[1]第1の棒状導光部材と、第2の棒状導光部材と、前記第1の棒状導光部材及び第2の棒状導光部材の間に配置された板状導光部材と、を含む導光体と、
前記第1の棒状導光部材の端面近傍に配置された第1光源と、
前記第2の棒状導光部材の端面近傍に配置された第2光源と、を備える車両用灯具であって、
前記第1の棒状導光部材と前記板状導光部材が一体的に形成され、
前記第1の棒状導光部材と前記第2の棒状導光部材は、正面発光面と、前記正面発光面の反対側に位置する背面反射面と、前記正面発光面と前記背面反射面とを連結する一対の延出面とを備え、
前記第1の棒状導光部材と前記第2の棒状導光部材は、前記第1光源と前記第2光源からの光線を前記一対の延出面にて前記正面発光面の延在方向に沿って前記第1の棒状導光部材と前記第2の棒状導光部材の内部導光をする際に、前記光線の一部が前記背面反射面によって反射されて前記正面発光面へと出射させ、
前記第1の棒状導光部材の内部導光の前記光線の一部が、前記板状導光部材の内部へと導光され、前記板状導光部材を内部導光して前記板状導光部材の末端に設けられた傾斜面から出射され、
前記第2の棒状導光部材は前記板状導光部材とは別体に形成されるとともに、前記第2の棒状導光部材の前記板状導光部材側に位置する延出面は前記板状導光部材の末端から出射した光が前記延出面の少なくとも一部に入射するように構成されている、
車両用灯具。
[2]前記第2の棒状導光部材の前記板状導光部材側に位置する延出面は前記第2の棒状導光部材の内部に向かって突出している曲面である、
前記[1]に記載の車両用灯具。
[3]前記板状導光部材の前記板状導光部材の末端から光の出射方向とは異なる方向で突出して形成されている支持部を備え、
前記支持部が連結部分と支持部分とを有し、
前記連結部分に第2の棒状導光部材を収納する溝部が形成され、
前記支持部分の上面に前記第2の棒状導光部材が配置されることによって前記第2の棒状導光部材が前記支持部に支持されている、
前記[1]又は〔2〕に記載の車両用灯具。
[4]前記連結部分に反射制御部を設け、
前記第2の棒状導光部材の内部導光の前記光線の一部は、前記連結部分に導光され、前記連結部分の内部導光をする際に、前記反射制御部によって前記第2の棒状導光部材の背面側から前記第2の棒状導光部材の内部に入射し、前記正面発光面から出射する、
前記[3]に記載の車両用灯具。
本発明によれば、板状導光部材と第2の棒状導光部材とが互いに分離されているため、従来のように板状導光部材と第2の棒状導光部材とが一体的に形成されている構成において板状導光部材と第2の棒状導光部材との境界箇所で発生し得る漏れ光を発生させず、第2の棒状導光部材に求められる出射光の配光性能を満足することができる。また、本発明によれば、板状導光部材にガイド面が形成されているため、光源から第1の棒状導光部材を介して板状導光部材から導光された光を出射側の板面、或いは第1の棒状導光部材が配置されている側の縁に向けて進行させることなく、漏れ光の発生を抑え、第2の棒状導光部材に導くことができる。したがって、本発明によれば、光源から第1の棒状導光部材及び板状導光部材を介して伝搬する従来の漏れ光を積極的に活用可能な車両用灯具を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
以下の各図面では、各構成要素を見やすくするために構成要素によって寸法の縮尺を変えている場合がある。
また、以下に光線が車両用灯具の導光体の内部で進む方向を説明する際には、符号D1、D2、D3、D4を言及している。以下の各実施形態の場合、車両用灯具を車体に取り付けられると、灯具の正面視では、D1が車体の上下方向、D2が車幅方向、D3が車両用灯具の前方(照射方向)、D4が車両用灯具の前方(照射方向)を示す。また、C1-C1線で矢視した場合に、D10が棒状導光部材から板状導光部材に導光された光の板状導光部材内部の進行方向を示す。ただし、説明の便宜上、これらの方向表示を採用したが、この限りではなく、例えば、車両用灯具や車体の形状等に応じて導光方向の適宜変更が可能である。
以下の各図面では、各構成要素を見やすくするために構成要素によって寸法の縮尺を変えている場合がある。
また、以下に光線が車両用灯具の導光体の内部で進む方向を説明する際には、符号D1、D2、D3、D4を言及している。以下の各実施形態の場合、車両用灯具を車体に取り付けられると、灯具の正面視では、D1が車体の上下方向、D2が車幅方向、D3が車両用灯具の前方(照射方向)、D4が車両用灯具の前方(照射方向)を示す。また、C1-C1線で矢視した場合に、D10が棒状導光部材から板状導光部材に導光された光の板状導光部材内部の進行方向を示す。ただし、説明の便宜上、これらの方向表示を採用したが、この限りではなく、例えば、車両用灯具や車体の形状等に応じて導光方向の適宜変更が可能である。
(第1実施形態)
始めに、本発明の第1実施形態の車両用灯具について説明する。
本発明の第1実施形態の車両用灯具は、例えば車両の昼間点灯用ランプ(Daytime Running Lights;DRL)、フロントポジションランプやポイントマーカーランプ等のように、日中の明るい環境下でも点灯状態であるか消灯状態であるかを高い視認性で視認されることが求められる車両の灯具に用いられる。図1に示すように、本発明の第1実施形態の車両用灯具11は、板状導光部材20と、棒状導光部材(第1の棒状導光部材)31と、棒状導光部材(第2の棒状導光部材)32とを備える導光体35と、光源40と、を備える。
始めに、本発明の第1実施形態の車両用灯具について説明する。
本発明の第1実施形態の車両用灯具は、例えば車両の昼間点灯用ランプ(Daytime Running Lights;DRL)、フロントポジションランプやポイントマーカーランプ等のように、日中の明るい環境下でも点灯状態であるか消灯状態であるかを高い視認性で視認されることが求められる車両の灯具に用いられる。図1に示すように、本発明の第1実施形態の車両用灯具11は、板状導光部材20と、棒状導光部材(第1の棒状導光部材)31と、棒状導光部材(第2の棒状導光部材)32とを備える導光体35と、光源40と、を備える。
板状導光部材20は、板状部25と、板状部25と一体に連結された支持部26と、を備える。図1では、棒状導光部材32の全体を可視化するため、支持部26は破線で示されている。板状部25は、概ね長方形状を有し、自由曲面状の板面(前面板面)21と板面21とは反対側の板面22とを有する。板状導光部材20の自由曲面は、前述のように点灯状態及び消灯状態の高い視認性が求められる灯具を装着する車両の形状等に応じて適宜設計されている。板状部25は、板面21に沿うD1方向(車体の上下方向)に沿って導光可能な導光板である。なお、板面22には導光してきた光の一部を板面21から出射させるための不図示の反射手段(例えば、プリズムカットやシボ加工)が全面又は部分的に設けられている。
以下に、導光部材の構成について具体的に説明する。
以下に、導光部材の構成について具体的に説明する。
<棒状導光部材>
棒状導光部材31は、板状導光部材20の縁24のうち一方の長辺部に対応する縁(縁の一部)24hと、縁24のうち一方の短辺部に対応する縁(縁の一部)24pとに沿って配置されている。棒状導光部材31は、縁24h、24pに接続され、棒状導光部材31と一体に形成されている。棒状導光部材31は、縁24h、24pを一続きで順次なぞる自由曲線状の軸線J31に沿って延在している。板状導光部材20及び棒状導光部材31は、可視波長域で透明な樹脂で形成され、例えばアクリル樹脂で形成されている。
棒状導光部材31は、板状導光部材20の縁24のうち一方の長辺部に対応する縁(縁の一部)24hと、縁24のうち一方の短辺部に対応する縁(縁の一部)24pとに沿って配置されている。棒状導光部材31は、縁24h、24pに接続され、棒状導光部材31と一体に形成されている。棒状導光部材31は、縁24h、24pを一続きで順次なぞる自由曲線状の軸線J31に沿って延在している。板状導光部材20及び棒状導光部材31は、可視波長域で透明な樹脂で形成され、例えばアクリル樹脂で形成されている。
棒状導光部材32は、板状導光部材20の縁24のうち他方の長辺部に対応する縁24gに沿って配置されている。縁24gは、板状導光部材20の縁24のうちD1方向で縁24hとは反対側の縁である。板状導光部材20の縁24gに沿って配置されている棒状導光部材32は、板状導光部材20の縁24hに接続されている棒状導光部材31に対して略平行に延在している。棒状導光部材32は、軸線J31に沿う方向において縁24pと交差する交差部分32jから、縁24hに沿う自由曲線と一続きの自由曲線状に延在している。棒状導光部材32の交差部分32jには、棒状導光部材31が合流している。棒状導光部材32は、可視波長域で透明な樹脂で形成され、例えばアクリル樹脂で形成されている。
光源40は、第1LED(第1光源)41と、第2LED(第2光源)42と、を備える。第1LED41は、棒状導光部材31の端面(一方の端面)31aに対向して配置されている。端面31aは、軸線J31に沿う方向において、板状導光部材20の縁24のうち板面21に沿うD2方向(車幅方向)で縁24pとは反対側の縁24qに近い方の端面である。なお、棒状導光部材31の軸線J31に沿う方向の端面31aとは反対側の端面31bは、棒状導光部材32の側面32cに当接している。なお、第1LED41の位置は、自ら出射した光を少なくとも端面31aから棒状導光部材31に入射させることができる位置であれば、適宜変更可能である。第1実施形態では、第1LED41の光軸を端面31aの軸線J31に合わせることによって、棒状導光部材31に光源からの光を効率よく取り込むことができる。
第2LED42は、棒状導光部材32の端面(一方の端面)32aに対向して配置されている。端面32aは、軸線J31、J32に沿う方向において、板状導光部材20の縁24qに近い方の端面であり、棒状導光部材31の端面31aと同じ側の端面である。第1実施形態では、第2LED42の光軸を端面32aの軸線J32に合わせることによって、棒状導光部材32に光源からの光を効率よく取り込むことができる。また、棒状導光部材32から出射する光は、主に車両用灯具11の機能に必要となる配光を形成するものとなる。
図2に示すように、棒状導光部材32は、板状導光部材20とは分離して配置されている。なお、図2は、図1に示すC1-C1線で矢視したときの車両用灯具11の断面の一例であるが、矢視する位置を変更しても、棒状導光部材32と板状導光部材20との連結部は存在しない。具体的には、棒状導光部材32を板状導光部材20から分離させることによって、板状導光部材20からの光線が空気層を介して棒状導光部材32に対して入光させるように構成されている。
棒状導光部材32を板状導光部材20から分離させることによって、2本の棒状導光部材31、32に対して光源の配置において位置調整が可能である。例えば、採用する基板に第1LED41や第2LED42の配置が限られていた場合にも、1枚の基板で2本の棒状導光部材31、32並びに板状導光部材20を発光させることが可能であり、製造コストの低下を図ることができる。
図2に示すように、棒状導光部材31の軸線J31に交差する断面31xは、第1面(延出面)51と、第2面(延出面)52と、第3面(背面反射面)53と、第4面(正面発光面)54と、を有し、イチョウ形をなしている。第1面51と第2面52とは、軸線J31を通る基準軸AX31に対して互いに略等しい間隔をあけて配置されている。基準軸AX31は、不図示の観察者が車両用灯具11を観察する目線の方向が水平方向であれば、水平方向と略平行である。つまり、基準軸AX31は、観察者が車両用灯具11を観察する目線の方向と略平行である。また、第1面51と第2面52とは、基準軸AX31に対して対称性を有する。
第3面53は、第1面51において基準軸AX31に沿うD3方向(車両用灯具の前方)の手前側の端51eと第2面52のD3方向の手前側の端52eとを連結する面である。軸線J31に沿って見たときに、第3面53は、基準軸AX31に略直交する平坦面である。また、第3面53には、導光する光が第4面54から出射するように、不図示の反射手段(例えば、プリズムカットやシボ加工)が全面又は部分的に設けられている。
第4面54は、D3方向(車両用灯具の前方)において第1面51の端51eとは反対側の端51fと第2面52の端52eとは反対側の端52fとを連結できるよう延出する面である。つまり、第4面54の一方の端54sは、第1面51の端51fに連結している。第4面54の他方の端54tは、第2面52の端52fに連結できるよう延出している。第4面54は、D3方向において第3面53の反対側に配置され、基準軸AX31において第3面53と観察者の眼(図示略)との間に配置されている。軸線J31に沿って見たときに、第4面54は、観察者の眼がある側、すなわち光の出射側に突出する凸曲面である。具体的には、第4面54は、端54s及び端54tの一方から他方に移動する際にD3方向の手前側から奥側に移動した後、手前側に戻る。
第1面51と第2面52は、当該光を板状導光部材20に向けて反射可能な構成であればよい。D2方向に平行であって板面21の端21sから端21tに向かうD10方向は、棒状導光部材31から板状導光部材20に入射する光の導光方向を表す。
棒状導光部材32の軸線J32に交差する断面32xは、第1面(延出面)71と、第2面(延出面)72と、第3面(背面反射面)73と、第4面(正面発光面)74と、を有し、イチョウ形をなしている。第1面71と第2面72とは、基準軸AX32に対して互いに略等しい間隔をあけて配置されている。また、第1面71と第2面72とは、基準軸AX32に対して対称性を有する。
第3面73は、第1面71のD4方向の手前側の端(一方の端部)71eと第2面72のD4方向の手前側の端(一方の端部と同じ側の端部)72eとを連結する面である。軸線J31に沿って見たときに、第3面73は、基準軸AX32に略直交する平坦面である。また、第3面73には、導光する光が第4面74から出射するように、不図示の反射手段(例えば、プリズムカットやシボ加工)が全面又は部分的に設けられている。
第4面74は、D4(車両用灯具の前方)方向において第1面71の端71eとは反対側の端71fと第2面72の端72eとは反対側の端72fとを連結する面である。つまり、第4面74の一方の端74sは、第1面71の端71fに連結している。第4面74の他方の端74tは、第2面72の端72fに連結している。第4面74は、第3面73よりもD4方向において第3面73の反対側に配置され、基準軸AX32において第3面73と観察者の眼との間に配置されている。軸線J32に沿って見たときに、第4面74は、観察者の眼がある側、すなわち光の出射側に突出する凸曲面である。具体的には、第4面74は、端74s及び端74tの一方から他方に移動する際にD4方向の手前側から奥側に移動した後、手前側に戻る。
なお、第1面71及び第2面72の各々を構成する凸曲面の詳しい形状は、車両用灯具11に求められる配光性能に応じて設計される第4面74の凸曲面に応じて、適宜設計されている。
棒状導光部材31、32において、一対の第1面51及び第2面52、一対の第1面71及び第2面72はD2方向に導光用の反射面として用いられる。第1面51、第2面52、第1面71、及び第2面72の各々の構成は、光源から棒状導光部材に入光した光を反射して棒状導光部材の他端に向けて導光できればよい。第1実施形態では、軸線J31に沿って見たときに、第1面51及び第2面52は、D3方向(車両用灯具の前方)に直交する方向において基準線AX31に向かって突出する凸曲面である。軸線J32に沿って見たときに、第1面71及び第2面72は、D4方向(車両用灯具の前方)に直交する方向において基準線AX32に向かって突出する凸曲面である。
なお、第1面51及び第2面52、第1面71及び第2面72の各々を構成する凸曲面の詳しい形状は、車両用灯具11に求められる配光性能に応じて設計される第4面54、74の凸曲面に応じて、適宜設計することができる。第1実施形態では、第1LED41と、第2LED42からの光を効率よく第4面54、74から出光させるように、第1面51及び第2面52、第1面71及び第2面72の各々の曲率を調整している。
上記構成の車両用灯具11においては、棒状導光部材32の一方の端面32aから入光した第2LED42からの光は、第3面73、第4面74、及び、上下一対の第1面71、第2面72で内面反射されることで、棒状導光部材32の他方の端面32bに向けて導光される際に、第3面73に設けられた反射制御手段(図示略)によって前面に向けて第4面74から出射する。
同様に、棒状導光部材31は、棒状導光部材31の一方の端面31aから入光した第1LED41からの光が、第3面53、第4面54、及び、上下一対の第1面51、第2面52で内面反射されることで、棒状導光部材31の他方の端面31bに向けて導光される際に、第3面53に設けられた反射制御手段によって前面に向けて第4面54から出射するとともに、板状導光部材20側にも入射されるようになっている。
第3面53、73に設けられた反射制御手段は、棒状導光部材31、32内を導光される第1LED41、第2LED42からの光を第4面54、74から出射させるための複数の構造物であればよく、例えば、上記従来技術の棒状の導光部材、その他の導光部材で用いられる一般的なレンズカットを用いてもよい。
第3面53、73に設けられた反射制御手段は、棒状導光部材31、32内を導光される第1LED41、第2LED42からの光を第4面54、74から出射させるための複数の構造物であればよく、例えば、上記従来技術の棒状の導光部材、その他の導光部材で用いられる一般的なレンズカットを用いてもよい。
<板状導光部材>
第1実施形態において、縦断面視では、棒状導光部材32は、棒状導光部材31よりも車両用灯具11の前方側に配置されている。棒状導光部材31からの光を棒状導光部材32に入射させるように、棒状導光部材31から棒状導光部材32へと向かう板状導光部材20の延在方向は、棒状導光部材32の前後方向に延びる中心軸に対して斜め後方から前方へと接している。
第1実施形態において、縦断面視では、棒状導光部材32は、棒状導光部材31よりも車両用灯具11の前方側に配置されている。棒状導光部材31からの光を棒状導光部材32に入射させるように、棒状導光部材31から棒状導光部材32へと向かう板状導光部材20の延在方向は、棒状導光部材32の前後方向に延びる中心軸に対して斜め後方から前方へと接している。
具体的には、板状導光部材20の板面21、22は、互いに平行であり、軸線J31に沿って見たときに基準線AX31及びD3方向と基準線AX31及びD3方向の各々に直交する方向との双方に対して傾斜している。板面21、22は、D1方向において棒状導光部材31と連結している端21s、22sからD1方向で端21s、22sとは反対側の端21t、22tに移動するにしたがってD3方向(車両用灯具の前方)に延在する。板面21の端21sは、棒状導光部材31の第4面の端54tに連結している。板面22の端22sは、棒状導光部材31の第2面の端52fに連結している。
第1実施形態では、棒状導光部材32は、棒状導光部材31よりも車両用灯具11の前方側に配置されている構成を例として説明したが、棒状導光部材31、32同士は前後方向で互いの位置がに略一致するように構成されてもよい。
また、第1実施形態では、棒状導光部材31、32の各々は断面がイチョウ形で構成される例を説明したが、従来の導光棒のような円型等の形状を採用することも可能である。
また、第1実施形態では、棒状導光部材31、32の各々は断面がイチョウ形で構成される例を説明したが、従来の導光棒のような円型等の形状を採用することも可能である。
軸線J31に沿って見たときに、板状導光部材20の板状部25は支持部26よりも厚く形成されているが、板状部25及び支持部26の各々の厚みは、略均一である。支持部26は、第1部分61と、第2部分62と、第3部分63と、第4部分64と、を備える。第1部分61は、板状導光部材20の板面22のD10方向の奥側の端22tを含む先端部20zに連結している。軸線J31に沿って見たときに、第1部分61は、先端部20zからD4方向と平行且つ逆向きに延在している。D4方向は、軸線J32を通る基準軸AX32に平行な方向であり、車両用灯具の前方(照射方向)に一致する。基準軸AX32は、観察者が車両用灯具11を観察する目線の方向と略平行な軸であり、例えば水平方向に平行な軸である。D4方向は、基準軸AX32に沿って、且つ後述するように棒状導光部材32から光が出射される方向を表す。
軸線J31に沿って見たときに、第2部分62は、第1部分61のD4方向の手前側の端部からD4方向に直交する方向と平行に、板状部25から離れる向きに突出している。第3部分63は、第2部分62の突出方向の先端部からD4方向の奥側に向かって進むにしたがって板状部25から離れる向きに湾曲しつつ延在している。第4部分64は、第3部分63のD4方向の奥側の端部からD4方向のさらに奥側に向かって基準軸AX32と平行に延在している。
板状導光部材20の支持部26の第1部分61は、第1接続面81と、第1対向面85と、を有する。第1接続面81は、棒状導光部材32の第1面71の少なくとも端71eを含む端部に凡そ沿って形成されている。第1対向面85は、第1接続面81に対向している。支持部26の第2部分62は、第2接続面82と、第2対向面86と、を有する。第2接続面82は、棒状導光部材32の第3面73に沿って形成されている。第2対向面86は、第2接続面82に対向している。
支持部26の第3部分63は、第3接続面83と、第3対向面87と、を有する。第3接続面83は、棒状導光部材32の第2面72の少なくとも端72eを含む端部に沿って形成されている。第3対向面87は、第3接続面83に対向している。支持部26の第4部分64は、第4接続面84と、第4対向面88と、を有する。第4接続面84は、棒状導光部材32の第4面74の少なくとも端74tを含む端部に凡そ沿って形成されている。第4対向面88は、第4接続面84に対向している。
支持部26の第1部分61と、第2部分62と、第3部分63とが連結部分として、第4部分64に繋がっている。これらの連結部分からなる車幅方向に延びる溝部190によって棒状導光部材32を収納できるように構成されている。連結部分は、棒状導光部材32の形状に合わせて構成されている。連結部分(すなわち、第3部分63)の末端にリブ状の支持部分(すなわち、第4部分64)が連結されており、第4部分64の表面に棒状導光部材32が配置せれ、第4部分64によって支持されている。
上述のように、板状導光部材20の末端(すなわち、縁24g)より、連結部分を延出させ、連結部分の末端より支持部分を設定することによって、棒状導光部材32は、板状導光部材20とは別体で形成されてはいるが、支持部26によって支持可能である。棒状導光部材32が支持部26によって支持されていることによって、棒状導光部材32の収まりが良く、安定するため、所定量の光が後述する板状導光部材20の傾斜面から棒状導光部材32に円滑に入光されるとともに、棒状導光部材32の出射面である第4面74から出射される。
D10方向において板状導光部材20の板状部25の縁24のうち縁(縁の一部)24hとは反対側の縁24gには、ガイド面(傾斜面)101が形成されている。ガイド面101によって、縁24gに向けて伝搬する光を、板面21、22に向かって反射され、且つこれらの板面から直接出射する方向、或いはD10方向とは逆向きに反射され、且つ縁24hから出射する方向に向けず、これらの方向からの漏れ光が抑えられる。ガイド面101は、板面21のD10方向の奥側の端21tと板面22のD10方向の奥側の端22tとを連結する平坦な面で構成されている。D3方向及びD4方向において、ガイド面101の端(第1端)101fは、板面21の端21tと連結されている。ガイド面101の端(第2端)101eは、板面22の端22tと連結されている。
軸線J31に沿って見たときに、ガイド面101は、端101fから端101eに移動するにしたがって、D4方向の奥側から手前側に移動しつつ、棒状導光部材32の第1面71或いは第2面72に近づくように形成された傾斜面である。つまり、傾斜面は、基準線AX32及びD4方向と、軸線J31に沿って見たときにD4方向と直交する方向の双方に対して傾斜している。基準線AX32及びD4方向に対する傾斜面の具体的な傾斜角度等は、板状導光部材20を構成する樹脂等の素材の導光される光の波長域における屈折率や、後述する光のふるまい等を考慮し、光線追跡法等の数値計算に基づいて設計されることができる。
上述の車両用灯具11では、第1LED(第1光源)41が点灯すると、端面31aから棒状導光部材31を軸線J31に沿って端面31bに向かって伝搬する。軸線J31に沿って伝搬する光の一部は、棒状導光部材31の第1面51にも照射され、第1面51によって板状導光部材20の板状部25に向けて反射される。棒状導光部材31によって反射されて導光してきた光は、縁24hから板状部25に導光される。板状部25に導光された光の一部は、板状導光部材20と外部の空気との屈折率差によって板面21、22で反射しつつ、D10方向に沿って伝搬する。不図示の観察者は、D4方向の奥側から手前側に向かう方向に視線を向けており、棒状導光部材31及び板状導光部材20の板状部25を伝搬する光の一部を受光する。
図3に示すように、板状導光部材20の板状部25に導光された光L151の大部分は、縁24gに向かって伝搬し、ガイド面101に照射される。ガイド面101に照射された光の大部分は、板状導光部材20の板状部25と板状導光部材20及び棒状導光部材32の間の空気との屈折率差によって、棒状導光部材32の第1面71に向かって屈折する。ガイド面101によって屈折された光L152は、ガイド面101からガイド面101と棒状導光部材32の第1面71との間の空気中に出射され、第1面71から棒状導光部材32に入射する。棒状導光部材32に入射した光L152のうち、一部の光L153は、第2面72によって第4面74に向けて反射し、光L154として第4面74からD4方向(車両用灯具の前方)に出射される。
軸線J31に沿って見たときに、光L154は、棒状導光部材32に求められる出射範囲RL内に出射される。第4面74は、進行方向にD4方向の成分を有する光に対して凸レンズ面として機能する。第4面74の曲率や大きさは、出射範囲RLに応じて設計されている。基準軸AX32は、出射範囲RLの略中心に位置し、出射範囲RLの基準となる軸である。
第1面71から棒状導光部材32に入射した光L152のうち、光L153とは別の一部の光L155は、第2面72で屈折し、支持部26の第3部分63の第3接続面83でさらに屈折する。第3接続面83で屈折された光L155のうち、第3対向面87で反射される一部の光L156は、第3接続面83及び棒状導光部材32の第2面72で再び順次屈折し、第4面74で屈折しつつ、第4面74よりもD4方向の奥側の空間に出射される。軸線J31に沿って見たときに、光L156は、棒状導光部材32に求められる出射範囲RL内に出射される。
第1実施形態では、ガイド面101を所定の傾斜度に設定することにより、板状導光部材20から棒状導光部材32に入光した光の大部分は光L154として第4面74から前方に向けて照射される。さらに、連結部分の一部、例えば第3部分63の面に反射機能を持たせることによって、板状導光部材20から棒状導光部材32に入光した光は、光L156として前方照射に用いることができ、光利用効率をより一層向上することができる。
板状導光部材20の板状部25に導光され、縁24gに照射された光L151のうち、ガイド面101で屈折される光以外の光は、ガイド面101で反射される。ガイド面101は、前述のように端101fから端101eに移動するにしたがってD4方向の奥側から手前側に移動する傾斜面であるため、ガイド面101で反射された光L157は、ガイド面101から出射側とは反対側の板面22に向けて進行する。つまり、ガイド面101で反射された光L157は、出射側の板面21に向けて直接反射されない。このことによって、正面視では板状導光部材20にて板面21から漏光の発生を防ぐことができ、正面視では均一な発光面を実現することができる。
図3には、棒状導光部材31から板状導光部材20の板状部25に導光される光L151、及び光L151が各面で反射或いは屈折した光L152~L157の進路の一例が示され、全ての光の進路が図示されていない。しかしながら、車両用灯具11にガイド面101が形成されていることによって、光L151のうち、大部分の光量の光が各面で反射或いは屈折した後に、出射範囲RL内で第4面74からD4方向(車両用灯具の前方)に出射されるため、車両用灯具11において導光部材間の漏光を積極的に利用することができ、車両用灯具11全体の光利用効率を向上を図るとともに車両用灯具11の配光性能が満足される。
以上説明した第1実施形態の車両用灯具11は、棒状導光部材31、32と、棒状導光部材31、32の間に配置された板状導光部材20と、を含む導光体35と、棒状導光部材31の端面31a近傍に配置された第1LED41と、棒状導光部材32の端面32a近傍に配置された第2LED42と、を備える車両用灯具である。棒状導光部材31と板状導光部材20とは、一体的に形成されている。棒状導光部材31は、第1面51と、第2面52と、第3面53と、第4面54と、を有する。第3面(背面反射面)53は、第4面(正面発光面)54の反対側に位置している。第1面51及び第2面52(一対の延出面)は、第4面54と第3面53とを連結する。棒状導光部材32は、第1面71と、第2面72と、第3面73と、第4面74と、を有する。第3面(背面反射面)73は、第4面(正面発光面)74の反対側に位置している。第1面71及び第2面72(一対の延出面)は、第4面74と第3面73とを連結する。図2に示すように、棒状導光部材31では、第1LED41からの光線を第1面51及び第2面52にて第4面54の延在方向に沿って棒状導光部材31で内部導光をする際に、光線の一部(例えば、図2に示す光L171)が第3面53によって反射されて第4面54に出射される。棒状導光部材32では、第1LED42からの光線を第1面71及び第2面72にて第4面74の延在方向に沿って棒状導光部材32で内部導光をする際に、光線の一部(例えば、図2に示す光L172)が第3面73によって反射されて第4面74に出射される。棒状導光部材31の内部導光の光線の一部(例えば、図2に示す光L173)は、板状導光部材20の内部へと導光され、板状導光部材20を内部導光して板状導光部材20の末端に設けられたガイド面(傾斜面)101から出射される。棒状導光部材32は板状導光部材20とは別体に形成されるとともに、棒状導光部材32の板状導光部材20側に位置する第1面71はガイド面101から出射した光L174が第1面71の少なくとも一部に入射するように構成されている。
第1実施形態の車両用灯具11では、板状導光部材20の縁24gに向けて導光された光L151をガイド面101によって設計時に意図しない方向ではなく、棒状導光部材32に入射する方向に向けて出射する。棒状導光部材32に入射した光L153は、主に第2面72によって第4面74に向けて出射され、第4面74よりもD3方向の奥側で観察及び視認される。
例えば、図4に示す比較例のように、板状導光部材20の縁24gにガイド面101が形成されておらず、軸線J31に沿って見たときにガイド面101とは異なる傾斜面が形成されている場合と比較して説明する。なお、図4に示す構造では、板状導光部材20の支持部は省略されている。図4に示す構造において板状導光部材20の縁24gに形成された端面150には、例えば板状導光部材20の板面21に近い方の端150fから板面22に近い方の端150eに移動する際に棒状導光部材32の第1面71から離れる傾斜面が形成されている。
図4に示す構造では、板状導光部材20の縁24gに向けて導光された光L151の一部は、例えば端面150で反射され、光L161として板状導光部材20の板面22でさらに反射された後に、図示されていない板状導光部材20の縁24hに向かって進む虞がある。場合によっては、ガイド面101に到達する光がガイド面101によって反射され、板状導光部材20の板面21から出射し、灯具の正面から見るとき点光が視認され見栄えの悪化に繋がる。また、光L151の別の一部は、例えば端面150の傾斜面で棒状導光部材32の第4面74に向けて屈折する。第4面74でさらに屈折して棒状導光部材32に入射した光L162は、基準線AX32を挟んで第4面74の板状導光部材20から遠い側に伝搬する。結果として、光L162は、第4面74で屈折しつつ、第4面74から棒状導光部材32の外部に出射され、意図しない方向に沿って出射光線が増えることで光利用効率が低下する。
図4に示す構造では、例えば板状導光部材20からの光L163は、所定の受光面に対して入射せずに、前面第4面の上面から棒状導光部材32に入射している。この場合、光L163は、第4面によって反射され、棒状導光部材32の後方に向かって出射される。
図4には、棒状導光部材31から板状導光部材20の板状部25に導光される光L151、及び光L151が各面で反射或いは屈折した光L161~L164の進路の例が示され、全ての光の進路が図示されているわけではない。しかしながら、図4に示す構造では、板状導光部材20の縁24gに向けて導光された光L151が棒状導光部材32の出射範囲RLから外れた範囲に出射され、かなりの量の漏れ光や意図しないぎらつき等が生じる。
第1実施形態の車両用灯具11によれば、板状導光部材20の縁24gに向けて導光され、ガイド面101によって第1面71から棒状導光部材32に入射する光を積極的に利用し、前面発光面に向けて出射することができる。また、第1実施形態では、板状導光部材20のガイド面101を灯具後方に向かって削りきった構成とされるとともに、棒状導光部材32の第1面71をガイド面101からの出射した光線を受光できるように板状導光部材20の棒状導光部材32に対する位置関係を調整されている。第1実施形態の車両用灯具11によれば、板状導光部材20のガイド面101からの光線は、棒状導光部材32の受光面(例えば、第1面71)の少なくとも一部に受けられ、受光面以外の面に対して入射することがなく、その結果、ガイド面101によって第1面71から棒状導光部材32に入射する光L151の割合を比較例に比べて増大させることができる。また、出射範囲RL外でD4方向の手前側から奥側に向けて出射される光量を極力減らすことができる。第1実施形態の車両用灯具11によれば、光源40から棒状導光部材31及び板状導光部材20を介して伝搬する漏れ光を積極的に活用することができる。
なお、第1実施形態では、板状導光部材20からの出射光線のすべてを棒状導光部材に対して入光させるような構成を用いて説明したが、少なくとも漏れ光の一部を利用したいとの技術的な発想のもとに、板状導光部材20からの出射光線の一部だけを棒状導光部材32に対して入光させるように構成することも可能である。
第1実施形態の車両用灯具11では、ガイド面101は、後方に向けて斜めに延出し、形成されている。ガイド面101は、板状導光部材20の出射側の板面21におけるD10方向(導光方向)の奥側の端(第1端)21tと板面21とは反対側の板面22のD10方向の奥側の端(第2端)22tとを連結する傾斜面で構成されている。傾斜面は、端21tから端22tに進むにしたがって基準軸AX32に沿うD4方向において棒状導光部材32の第1面71に近づいている。
第1実施形態の車両用灯具11によれば、ガイド面101が前述の傾斜面で構成されるため、特殊加工等を必要としない簡易な構成のガイド面101で板状導光部材20の縁24gに向けて導光された光L151を設計時に意図しない方向ではなく、棒状導光部材32の第1面71に向けて出射することができる。このことによって、棒状導光部材32に求められる高い配光性能を確実に満たすことができる。
第1実施形態の車両用灯具11では、棒状導光部材32の板状導光部材20側に位置する第1面71は棒状導光部材32の内部(例えば、軸線J32が通る近傍の略中心部)に向かって突出している曲面である。例えば、棒状導光部材32の軸線J32に交差する断面32xにおいて、第1面71と前記第2面72は、基準軸AX32に向かって突出する凸曲面である。第4面74は、棒状導光部材32からのD4方向に向かって突出する凸曲面である。
第1実施形態の車両用灯具11によれば、板状導光部材20からガイド面110によって向けられる光を効率的に棒状導光部材32に導くと共に、第4面74から所定の出射範囲RL内で出射側の空気中に光を出射することができる。
第1実施形態の車両用灯具11は、板状導光部材20のガイド面101から光L174の出射方向とは異なる方向で突出して形成されている支持部26を備える。支持部26が第1部分61~第3部分63(連結部分)と第4部分(支持部分)64とを有する。第3部分63に棒状導光部材32を収納する溝部190が形成されている。第4部分64の(上面)に棒状導光部材32が配置されることによって棒状導光部材32が支持部26に支持されている。板状導光部材20は、板面21、22を有する板状部25と、D1方向で縁24hとは反対側の縁24gから延出した支持部26と、を備える。支持部26は、棒状導光部材32の一部に係止することによって棒状導光部材32を支持するとともに、板状部25から導光された光L151を導光可能に構成されている。
第1実施形態の車両用灯具11によれば、棒状導光部材32が支持部26に支持されることによって、板状部25に対する棒状導光部材32の相対位置が安定する。このことによって、棒状導光部材32の出射範囲RL内に第4面74から光を出射させることができる。また、支持部26を板状部25と一体に形成することができ、支持部26が板状部25と別体で形成されている場合に比べて板状導光部材20及び車両用灯具11全体の大型化を抑えることができる。
第1実施形態の車両用灯具11において、支持部26は、第1部分61と、第2部分62と、第3部分63と、を備える。第1部分61は、棒状導光部材32の第1面71の端71eを含む端部(一方の端部)側に沿って形成された第1接続面81を有する。第2部分62は、第3面73に沿って形成された第2接続面82を有する。第3部分63は、第2面72に沿って形成された第3接続面83を有する。
第1実施形態の車両用灯具11では、支持部26の第1部分61と、第2部分62及び第3部分63によって棒状導光部材32をD4方向の奥側から囲み、第1接続面81、第2接続面82及び第3接続面が棒状導光部材32の第1面71、第3面73及び第2面72に係止する。第1実施形態の車両用灯具11によれば、簡易な構成の支持部26で支持部26の大型化を抑えつつ、板状部25に対する棒状導光部材32の相対位置を安定させることができる。
(第2実施形態)
次いで、本発明の第2実施形態の車両用灯具について説明する。第2実施形態は、支持部26の連結部分の一部に対して光学効果を与えている点において、第1実施形態とは相違する。
なお、第2実施形態の車両用灯具において、第1実施形態の車両用灯具11と共通する構成には、車両用灯具11の当該構成と同じ符号を付し、その説明を省略する。以下では、第2実施形態の車両用灯具において、第1実施形態の車両用灯具11とは異なる構成について説明する。
次いで、本発明の第2実施形態の車両用灯具について説明する。第2実施形態は、支持部26の連結部分の一部に対して光学効果を与えている点において、第1実施形態とは相違する。
なお、第2実施形態の車両用灯具において、第1実施形態の車両用灯具11と共通する構成には、車両用灯具11の当該構成と同じ符号を付し、その説明を省略する。以下では、第2実施形態の車両用灯具において、第1実施形態の車両用灯具11とは異なる構成について説明する。
図5に示すように、本発明の第2実施形態の車両用灯具12は、板状導光部材20と、棒状導光部材31と、棒状導光部材32と、光源40と、を備える。図5には光源40は示されていないが、図1を参照して説明したように、光源40は第1LED41と、第2LED42と、を備える。
板状導光部材20は、板状部25と、支持部26と、を備える。第2実施形態の車両用灯具12では、棒状導光部材32の支持部26の第2部分62の第2対向面86にガイド面102及びカット面103が形成されている。第2対向面86には、プリズムカット120が施されている。プリズムカット120によって、基準軸AX32に対して傾斜しているガイド面102及びカット面103が形成されている。ガイド面102において第1部分61に近い方の端102sから第1部分61に対して遠い方の端102tに移動するにしたがって、ガイド面102はD4方向の手前側から奥側に移動する。一方、カット面103において第1部分61に近い方の端103sから第1部分61に対して遠い方の端103tに移動するにしたがって、カット面103はD4方向の奥側から手前側に移動する。
つまり、ガイド面102及びカット面103は、基準軸AX32及びD4方向と軸線J31に沿って見たときにD4方向に直交する方向とに対して互いに逆向きに傾斜する傾斜面である。カット面103は、ガイド面102よりも第1部分61からは遠く、且つ第3部分63に近く配置されている。カット面103の端103sは、ガイド面102の端102tに連結されている。なお、次に説明するように第2部分62に導かれる光は殆どガイド面102によって棒状導光部材32に向けて出射されるので、カット面103は例えばD4方向に略平行であってもよい。
また、棒状導光部材32の支持部26の第1対向面85と第2対向面86との間に反射面105が形成されている。反射面105の端105sは、第1対向面85のD4方向の手前側の端に連結されている。反射面105の端105tは、第2対向面86の第1対向面85に近い側の端に連結されている。軸線J31に沿って見たときに、反射面105は、端105sから端105tに向かってD4方向を後退する傾斜面である。反射面105は、第1部分61に導光された光を外部と支持部26との屈折率差を用いて第2部分62に向けて反射する。
第2実施形態の車両用灯具12では、図示していないが、板状導光部材20の縁24gに向けて導光された光L151の少なくとも一部が支持部56の第1部分61に導光される。第1部分61に導光された光は、反射面105によって第2部分62に反射され、ガイド面102によって屈折し、D4方向に沿って第3面73から棒状導光部材32に入射する。棒状導光部材32に入射した光は、第4面74から図示略の出射範囲RL内でD4方向の奥側に出射され、視認される。
以上説明した第2実施形態の車両用灯具12は、第1実施形態の車両用灯具11と共通する構成を備えるため、当該共通する構成に関して第1実施形態の車両用灯具11と同様の作用効果を奏する。例えば、ガイド面101より、光を板状導光部材20から棒状導光部材32に入射させることができる。また、支持部26における第4部分64にて棒状導光部材32が支持部26に支持されることによって、ガイド面101と棒状導光部材32の受光面(すなわち、第1面71)との相対位置を容易に確認することができる。
また、第2実施形態の車両用灯具12では、第2部分(連結部分)に反射制御部200としてガイド面102を設けている。棒状導光部材32の内部導光の光線(例えば、図6に一点鎖線で示している光L151)の一部は、第1部分61、第2部分62及び第3部分63からなる連結部分に導光され、連結部分の内部導光をする際に、反射制御部200によって棒状導光部材32の背面側から棒状導光部材32の内部に入射し、第4面74から出射する。
ガイド面102は、棒状導光部材32の第2対向面86に形成されている。第2実施形態の車両用灯具12によれば、前述の傾斜面で構成されるため、ガイド面101と同様に簡易な構成のガイド面102で板状導光部材20の縁24gに向けて導光された光L151を設計時に意図しない方向ではなく、棒状導光部材32の第3面73に向けて出射することができる。このことによって、光を第4面74から出射範囲RL内に出射させ、棒状導光部材32に求められる高い配光性能を確実に満たすことに寄与することができる。
(第2実施形態の変形例)
第2実施形態の車両用灯具12では、第2対向面86にプリズムカット120が施され、第2対向面86にガイド面102が形成されているが、例えば板状導光部材20の縁24gに導光された光L151を第1面71に向けて屈折させる形状を有するプリズムカット等からなるガイド面が第1対向面85に形成されていてもよい。また、光L151を第2面72に向けて屈折させる形状を有するプリズムカット等からなるガイド面が第3対向面87に形成されていてもよい。ガイド面として、第1対向面85、第2対向面86及び第3対向面87の少なくとも一面と反射面105に、金属膜やミラー構造が形成されていてもよい。
第2実施形態の車両用灯具12では、第2対向面86にプリズムカット120が施され、第2対向面86にガイド面102が形成されているが、例えば板状導光部材20の縁24gに導光された光L151を第1面71に向けて屈折させる形状を有するプリズムカット等からなるガイド面が第1対向面85に形成されていてもよい。また、光L151を第2面72に向けて屈折させる形状を有するプリズムカット等からなるガイド面が第3対向面87に形成されていてもよい。ガイド面として、第1対向面85、第2対向面86及び第3対向面87の少なくとも一面と反射面105に、金属膜やミラー構造が形成されていてもよい。
さらに、光L151を第1面71に向けて屈折させる形状又は反射させる形状を有するレンズカット等からなるガイド面が第1接続面81に形成されていてもよい。光L151を第3面73に向けて屈折させる形状又は反射させる形状を有するレンズカット等からなるガイド面が第2接続面82に形成されていてもよい。光L151を第2面72に向けて屈折させる形状又は反射させる形状を有するレンズカット等からなるガイド面が第3接続面83に形成されていてもよい。
前述の各種のガイド面は、適宜組み合わされてもよい。つまり、第2実施形態及び第2実施形態の変形例の車両用灯具では、板状導光部材20の縁24gに導光された光L151を棒状導光部材32の第4面74から出射範囲RL内でD4方向(車両用灯具の前方)に出射させるように棒状導光部材32に入射させるガイド面が第1接続面81、第1対向面85、第2接続面82、第2対向面86、第3接続面83及び第3対向面87のうちの少なくとも一面に形成されている。第2実施形態の変形例の車両用灯具によれば、第2実施形態の車両用灯具12と同様に、光L151を設計時に意図しない方向ではなく、棒状導光部材32の第4面74に向けて出射することができる。したがって、板状導光部材20と棒状導光部材32とは別体に形成されているにもかかわらず、板状導光部材20からの光を意図的に棒状導光部材32に対して入射させることができ、車両用灯具11全体の光利用効率を向上させることができる。このように、棒状導光部材32に求められる高い配光性能を満たすことができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。また、複数の実施形態の構成要素は適宜組み合わせ可能である。
例えば、上述の車両用灯具11、12を含む本発明の車両用灯具は、日中の明るい環境下でも点灯状態であるか消灯状態であるかを高い視認性で視認されることが求められる車両の灯具に対して広く適用することができる。本発明の車両用灯具は、例えば、テールランプやターンランプ等に用いられてもよい。
また、本発明の車両用灯具は、例えば板状導光部材20の板状部25にガイド面が形成されていれば、板状導光部材20は板状部25に連結された支持部26を必ずしも備えなくてもよい。その場合、支持部は、板状導光部材20は板状部25とは別体で設けられてもよい。また、ガイド面の種類や形状は、上述のプリズムカットやレンズカット、傾斜面に限定されず、板状導光部材20から導光された光を棒状導光部材32の出光面(すなわち、第4面74)から所定の出射範囲RL内でD4方向(車両用灯具の前方)に出射することに寄与する構造であれば、採用することができる。
11、12…車両用灯具、20…板状導光部材、31…棒状導光部材(第1の棒状導光部材)、32…棒状導光部材(第2の棒状導光部材)、101、102…ガイド面。
Claims (4)
- 第1の棒状導光部材と、第2の棒状導光部材と、前記第1の棒状導光部材及び第2の棒状導光部材の間に配置された板状導光部材と、を含む導光体と、
前記第1の棒状導光部材の端面近傍に配置された第1光源と、
前記第2の棒状導光部材の端面近傍に配置された第2光源と、を備える車両用灯具であって、
前記第1の棒状導光部材と前記板状導光部材が一体的に形成され、
前記第1の棒状導光部材と前記第2の棒状導光部材は、正面発光面と、前記正面発光面の反対側に位置する背面反射面と、前記正面発光面と前記背面反射面とを連結する一対の延出面とを備え、
前記第1の棒状導光部材と前記第2の棒状導光部材は、前記第1光源と前記第2光源からの光線を前記一対の延出面にて前記正面発光面の延在方向に沿って前記第1の棒状導光部材と前記第2の棒状導光部材の内部導光をする際に、前記光線の一部が前記背面反射面によって反射されて前記正面発光面へと出射させ、
前記第1の棒状導光部材の内部導光の前記光線の一部が、前記板状導光部材の内部へと導光され、前記板状導光部材を内部導光して前記板状導光部材の末端から出射され、
前記第2の棒状導光部材は前記板状導光部材とは別体に形成されるとともに、前記第2の棒状導光部材の前記板状導光部材側に位置する延出面は前記板状導光部材の末端から出射した光が前記延出面の少なくとも一部に入射するように構成されている、
車両用灯具。 - 前記第2の棒状導光部材の前記板状導光部材側に位置する延出面は前記第2の棒状導光部材の内部に向かって突出している曲面である、
請求項1に記載の車両用灯具。 - 前記板状導光部材の前記板状導光部材の末端から光の出射方向とは異なる方向で突出して形成されている支持部を備え、
前記支持部が連結部分と支持部分とを有し、
前記連結部分に第2の棒状導光部材を収納する溝部が形成され、
前記支持部分の上面に前記第2の棒状導光部材が配置されることによって前記第2の棒状導光部材が前記支持部に支持されている、
請求項1又は2に記載の車両用灯具。 - 前記連結部分に反射制御部を設け、
前記第2の棒状導光部材の内部導光の前記光線の一部は、前記連結部分に導光され、前記連結部分の内部導光をする際に、前記反射制御部によって前記第2の棒状導光部材の背面側から前記第2の棒状導光部材の内部に入射し、前記正面発光面から出射する、
請求項3に記載の車両用灯具。
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