JP2022187987A - 光学積層体、偏光板、画像表示装置、および、光学積層体の製造方法 - Google Patents

光学積層体、偏光板、画像表示装置、および、光学積層体の製造方法 Download PDF

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【課題】防眩性を維持しつつ、耐擦傷性を向上する。【解決手段】光学積層体10は、透明基材11と、透明基材11上に設けられ、樹脂組成物からなる少なくとも1層以上のハードコート層12と、ハードコート層12上に設けられ、金属酸化物からなる少なくとも1層以上の金属酸化物層(密着層13、反射防止層14)と、を備え、ハードコート層12の金属酸化物層側の表面に凹凸構造が形成されており、凹凸構造の表面の高さ分布は、以下の式(1)を満たす。A/1.9 < P ・・・(1)A:凹凸構造の表面の最低点の高さBを0としたときの、凹凸構造の表面の最高点の高さP:凹凸構造の表面の最低点の高さBを0としたときの、凹凸構造の表面の高さ分布の最頻値【選択図】図1

Description

本発明は、光学積層体、偏光板、画像表示装置、および、光学積層体の製造方法に関する。
反射防止フィルムは、反射防止性を有する透明フィルムである。従来、反射防止フィルムとして、透明基板上に高屈折率層と低屈折率層とを順次積層した多層膜を備えた光学積層体が用いられている。反射防止フィルムは、例えば、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、または、有機ELディスプレイ(OELD)等のディスプレイ装置の表示画面に設けられる。これにより、光学干渉の原理を用いて表示画面の反射率を低減して、表示画面における外光の反射によるコントラストの低下や像の映り込みを抑制できる。
さらに、反射防止フィルムとして、反射防止性(アンチリフレクション:AR)に加え、防眩性(アンチグレア:AG)も有するAGAR型のフィルムも開発されている。反射防止フィルムに防眩性を付与するために、フィルム表面に、マイクロオーダーの微粒子(フィラー)を用いた粗面構造を形成し、当該粗面構造によって入射光を散乱させる技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、反射防止フィルムに防眩性を付与するために、高屈折率層である防眩性ハードコート層に、1~10μmのマット粒子を分散して含有させることにより、反射防止フィルムの表面に、マット粒子の粒子形状に応じたドーム状の突起を有する突起状構造を形成する技術が開示されている。また、特許文献2には、防眩層に直径2~5μmの透光性微粒子または無機フィラーを含ませて、フィルム表面にドーム状の突起を有する突起状構造を形成する技術が開示されている。
特許第5331919号公報 特許第4431540号公報
しかしながら、反射防止フィルムに防眩性を付与するために、上記特許文献1、2に記載のように反射防止フィルムの表面に突起状構造を形成してしまうと、反射防止フィルムの耐擦傷性が低下するという問題があった。例えば、スマートホン、各種操作機器のタッチパネルなどの表示画面上に反射防止フィルムを設ける場合、操作者の指やポインティングデバイスなどにより表面画面に加えられる荷重が、突起状構造の突起部分に集中してしまう。このため、突起状構造が削れて傷つきやすくなり、フィルム表面の耐擦傷性が低下するという問題があった。したがって、従来では、反射防止フィルムの表面において、突起状構造を極力排除して、窪み状の粗面構造を形成することにより、防眩性を維持しつつ、フィルム表面の耐擦傷性も向上させることが可能な光学積層体が希求されていた。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、防眩性を維持しつつ、耐擦傷性を向上することが可能な、光学積層体、および、これを備えた偏光板、画像表示装置、光学積層体の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、
透明基材と、
前記透明基材上に設けられ、樹脂組成物からなる少なくとも1層以上のハードコート層と、
前記ハードコート層上に設けられ、金属酸化物からなる少なくとも1層以上の金属酸化物層と、
を備え、
前記ハードコート層の前記金属酸化物層側の表面に凹凸構造が形成されており、
前記凹凸構造の表面の高さ分布は、以下の式(1)を満たす、光学積層体が提供される。
A/1.9 < P ・・・(1)
A:前記凹凸構造の表面の最低点の高さBを0としたときの、前記凹凸構造の表面の最高点の高さ
P:前記凹凸構造の表面の最低点の高さBを0としたときの、前記凹凸構造の表面の高さ分布の最頻値
前記ハードコート層の前記凹凸構造を構成する複数の凸部の頂部は、相互に実質的に同一の高さを有してもよい。
前記光学積層体の最外表面は、前記ハードコート層の前記凹凸構造の形状に追従した凹凸面となっており、
前記凹凸面を構成する複数の凸部の頂部は、相互に実質的に同一の高さを有してもよい。
前記ハードコート層の前記凹凸構造を構成する複数の凸部の頂部のそれぞれは、実質的な平坦面を有してもよい。
前記光学積層体の最外表面は、前記ハードコート層の前記凹凸構造の形状に追従した凹凸面となっており、
前記凹凸面を構成する複数の凸部の頂部のそれぞれは、実質的な平坦面を有してもよい。
前記ハードコート層の前記凹凸構造の表面粗さSaが、50nm以上、300nm以下であってもよい。
スチールウールを用いた摩擦試験機を用いて、前記スチールウールを前記光学積層体の表面に対して、荷重:1kg、接触面積:1cm×1cm、往復運動:2000回の条件で摩擦した後の前記光学積層体の最外表面の水に対する接触角は、90度以上であってもよい。
JIS K7136で規定される外部ヘーズ値が、3%以上、40%以下であってもよい。
前記ハードコート層は、平均粒径が20nm以上、100nm以下の金属酸化物微粒子を含んでもよい。
前記ハードコート層は、平均粒径が1μm以上のフィラー粒子を含まなくてもよい。
前記金属酸化物層は、反射防止層を含み、
前記反射防止層は、低屈折率層と、前記低屈折率層よりも大きい屈折率を有する高屈折率層とが交互に積層された積層体からなり、
前記光学積層体は、防眩機能および反射防止機能を有する反射防止フィルムであってもよい。
前記金属酸化物層は、前記ハードコート層と前記反射防止層との間に設けられる密着層を含んでもよい。
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、
上記光学積層体を備える、偏光板が提供される。
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、
上記光学積層体を備える、画像表示装置が提供される。
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、
上記光学積層体の製造方法であって、
透明基材上に樹脂組成物からなるハードコート層を設ける工程と、
前記ハードコート層上に少なくとも1層以上の金属酸化物層を設ける工程と、
前記金属酸化物層上に防汚層を設ける工程と、
を含み、
前記ハードコート層を設ける工程は、
前記透明基材の表面に前記樹脂組成物を塗布する工程と、
前記樹脂組成物に転写型の凹凸形状を転写する工程と、
を有する、光学積層体の製造方法が提供される。
本発明によれば、防眩性を維持しつつ、耐擦傷性を向上することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る光学積層体を示す断面図である。 同実施形態に係るハードコート層の一例を示す断面図である。 同実施形態に係る光学積層体の一例の3D像を示す図である。 同実施形態に係る光学積層体の一例の断面粗さを示す図である。 同実施形態に係る光学積層体の製造方法を示すフローチャートである。 同実施形態に係る転写型の製造方法の一例を説明する工程図である。 同実施形態に係る塗布工程および転写工程を説明する工程図である。 比較例に係るサンプルAのヒストグラムを示す図である。 比較例に係るサンプルBのヒストグラムを示す図である。 比較例に係るサンプルCのヒストグラムを示す図である。 比較例に係るサンプルDのヒストグラムを示す図である。 比較例に係るサンプルEのヒストグラムを示す図である。 比較例に係るサンプルKのヒストグラムを示す図である。 実施例に係るサンプルFのヒストグラムを示す図である。 実施例に係るサンプルGのヒストグラムを示す図である。 実施例に係るサンプルHのヒストグラムを示す図である。 実施例に係るサンプルIのヒストグラムを示す図である。 実施例に係るサンプルJのヒストグラムを示す図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
なお、以下の説明において参照する各図面では、説明の便宜上、一部の構成要素の大きさを誇張して表現している場合がある。したがって、各図面において図示される構成要素同士の相対的な大きさは、必ずしも実際の構成要素同士の大小関係を正確に表現するものではない。
[1.光学積層体の全体構成]
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る光学積層体10の全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係る光学積層体10を示す断面図である。
本実施形態に係る光学積層体10は、例えば、防眩機能(アンチグレア:AG)および反射防止機能(アンチリフレクション:AR)を有するAGAR型の反射防止フィルムとして用いられる。図1に示すように、本実施形態に係る光学積層体10は、透明基材11と、ハードコート層12と、密着層13と、反射防止層14と、防汚層15とがこの順に積層されてなるものである。以下、各層について説明する。
[透明基材11]
透明基材11は、例えば、350~830nmの波長を有する可視光域の光を透過可能な透明材料によって形成される。なお、本実施形態において、「透明材料」は、本実施形態に係る光学積層体10の効果を損なわない範囲で、使用波長域の光の透過率が、例えば、80%以上の材料である。
透明基材11は、例えば、有機材料としてプラスチックフィルムで構成されてもよいし、無機材料としてガラスフィルムで構成されてもよい。プラスチックフィルムの構成材料は、ポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアリレート系樹脂、および、ポリフェニレンサルファイド系樹脂のうちのいずれか1または複数であり、好ましくは、ポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、および、ポリオレフィン系樹脂のうちのいずれか1または複数である。なお、本実施形態において「(メタ)アクリル」は、メタクリルおよびアクリルを意味する。
透明基材11は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリイミド(PI)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、および、ガラスの群から選択される1または複数で構成される。
本実施形態では、透明基材11が、トリアセチルセルロース(TAC)から構成される例について説明する。透明基材11がTACで構成されると、その一面側にハードコート層12を形成したとき、ハードコート層12を構成する成分の一部が浸透してなる浸透層が形成される。その結果、透明基材11とハードコート層12との密着性が良好になるとともに、互いの層間の屈折率差に起因した干渉縞の発生を抑制できる。
また、光学特性を著しく損なわない限りにおいて、透明基材11には補強材料が含まれていてもよい。補強材料は、例えば、セルロースナノファイバー、ナノシリカ等である。
また、透明基材11は、光学的機能および物理的機能のいずれか一方または両方の機能が付与されたフィルムであってもよい。光学的機能および物理的機能のいずれか一方または両方の機能を有するフィルムの例として、偏光板、位相差補償フィルム、熱線遮断フィルム、透明導電フィルム、輝度向上フィルム、バリア性向上フィルム等が挙げられる。
透明基材11の厚みは、特に限定されないが、取り扱い性、可撓性、コスト、特性の観点から、例えば、10μm以上、500μm以下であり、好ましくは、25μm以上、188μm以下であり、より好ましくは、40μm以上、100μm以下である。
透明基材11の厚みが25μm以上であると、基材自体の剛性が確保され、光学積層体10に応力が加わっても皺が発生し難くなる。また、透明基材11の厚みが25μm以上であると、透明基材11上にハードコート層12を連続的に形成しても、皺が生じにくく製造上の懸念が少なく好ましい。透明基材11の厚みが40μm以上であると、より一層皺が生じにくく、好ましい。
光学積層体10の製造時に、ロールを用いる場合、透明基材11の厚みは、1,000μm以下であることが好ましく、600μm以下であることがより好ましい。透明基材11の厚みが1000μm以下であると、製造途中の光学積層体10および製造後の光学積層体10をロール状に巻きつけやすく、効率よく光学積層体10を製造できる。また、透明基材11の厚みが1000μm以下であると、光学積層体10の薄膜化、軽量化が可能となる。透明基材11の厚みが600μm以下であると、より効率よく光学積層体10を製造できるとともに、より一層の薄膜化、軽量化が可能となり、好ましい。
透明基材11は、スパッタリング、コロナ放電、紫外線照射、電子線照射、化成、酸化等のエッチング処理および下塗り処理などの各種処理のうち1つまたは複数の処理が、予め施されていてもよい。これらの処理が透明基材11の表面に予め施されていることで、透明基材11の上に形成されるハードコート層12との密着性を向上させることができる。また、透明基材11上にハードコート層12を形成する前に、必要に応じて、透明基材11の表面に対して溶剤洗浄、超音波洗浄等を行うことにより、透明基材11の表面を除塵、清浄化させておくことも好ましい。
[ハードコート層12]
ハードコート層12は、透明基材11上に設けられる。ハードコート層12は、AG型のハードコート層であり、ハードコート層12の表面には、光学積層体10に防眩性を付与するための凹凸構造30が形成されている。ハードコート層12は、樹脂、例えば、樹脂組成物の硬化物で構成される。ハードコート層12を構成する樹脂は、特に限定されないが、例えば、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂、赤外線硬化型樹脂等のエネルギー線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、熱可塑型樹脂、二液混合型樹脂などが挙げられる。これらの中でも、紫外線照射により効率よくハードコート層12を形成することができる紫外線硬化型樹脂を用いることが好ましい。
紫外線硬化型樹脂としては、例えば、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、ポリエステル系、アミド系、シリコーン系などが挙げられる。これらの中でも、例えば積層薄膜を光学用途としたときに、高い透明性が得られるアクリル系を用いることが好ましい。
アクリル系の紫外線硬化型樹脂は、特に限定されないが、例えば、単官能、2官能、3官能以上の多官能のアクリル系のモノマー、オリゴマー、ポリマー成分などから、硬度、密着性、加工性等を鑑みて適宜選択して配合することができる。また、紫外線硬化型樹脂には、光重合開始剤が配合される。
単官能アクリレート成分の具体例としては、例えば、カルボン酸類(アクリル酸)、ヒドロキシ類(2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート)、アルキル又は脂環類のモノマー(イソブチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート)、その他機能性モノマー(2-メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、2-エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルフォリン、N-イソプロピルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-ビニルピロリドン、2-(パーフルオロオクチル)エチルアクリレート、3-パーフルオロヘキシル-2-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-パーフルオロオクチル-2-ヒドロキシプロピル-アクリレート、2-(パーフルオロデシル)エチル-アクリレート、2-(パーフルオロ-3-メチルブチル)エチルアクリレート)、2,4,6-トリブロモフェノールアクリレート、2,4,6-トリブロモフェノールメタクリレート、2-(2,4,6-トリブロモフェノキシ)エチルアクリレート)、2-エチルヘキシルアクリレート、ノニルフェノールEO変性アクリレートなどが挙げられる。
2官能アクリレート成分の具体例としては、ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジアクリレート、ビスフェノールAEO変性ジアクリレート、1,9-ノナンジオールジアクリレート、1,10-デカンジオールジアクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、脂肪族ウレタンアクリレート、ポリエーテル系ウレタンアクリレートなどが挙げられる。市場で入手可能な具体例としては、例えばサートマー(株)の商品名「SR610」などを挙げることができる。
3官能以上アクリレート成分の具体例としては、ペンタエリストリールトリアクリレート(PETA)、2-ヒドロキシ-3-アクリロイロキシプロピルメタクリレート、イソシアヌル酸EO変換トリアクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス-(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ε-カプロラクトン変性トリス(アクロキシエチル)アクリレート、トリス-(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレートなどが挙げられる。市場で入手可能な具体例としては、例えばサートマーの商品名「CN968」、サートマーの商品名「SR444」などを挙げることができる。
光重合開始剤の具体例としては、例えば、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤などが挙げられる。市場で入手可能な具体例としては、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(IRGACURE184、BASFジャパン(株))などを挙げることができる。
また、アクリル系の紫外線硬化型樹脂は、平滑性を向上させるためにレベリング剤を含有することが好ましい。レベリング剤の具体例としては、例えば、シリコーン系レベリング剤、フッ素系レベリング剤、アクリル系レベリング剤などが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、塗膜性の観点からシリコーン系レベリング剤を用いることが好ましい。市場で入手可能な具体例としては、例えばビックケミー・ジャパン(株)の商品名「BYK337」(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)などを挙げることができる。
また、アクリル系の紫外線硬化型樹脂に使用される溶剤は、樹脂組成物の塗布性を満足すれば特には限定されるものではないが、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。溶剤の具体例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ブチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、2-ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルなどが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、塗布性の観点からプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ブチルを用いることが好ましい。また、アクリル系の紫外線硬化型樹脂は、前記の他に、色相調整剤、着色剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、各種熱可塑型樹脂材料、屈折率調整樹脂、屈折率調整粒子、密着性付与樹脂等の機能性付与剤を含有することができる。
また、ハードコート層12の上記樹脂中に、金属酸化物微粒子(図示せず。)が分散して含有されていてもよい。ここで、本実施形態に係るハードコート層12に含まれる金属酸化物微粒子は、上記特許文献1、2に記載の従来の突起状構造を形成するためのマイクロオーダーのフィラー粒子(平均粒径が1μm以上)とは異なり、フィラー粒子よりも粒径が小さいナノオーダーの微粒子(平均粒径が1μm未満)である。ナノオーダーの金属酸化物微粒子をハードコート層12に含有させることにより、ハードコート層12と密着層13との密着性を高めることができる。
金属酸化物微粒子は、金属酸化物が粒子状になったものである。金属酸化物微粒子の平均粒径は、800nm以下であることが好ましく、より好ましくは20nm以上、100nm以下であることが好ましい。金属酸化物微粒子の平均粒径が800nmよりも大きすぎると、積層薄膜を光学用途にすることが困難となる。一方、金属酸化物微粒子の平均粒径が20nmよりも小さすぎると、ハードコート層12と密着層13との密着性が低下してしまう。したがって、本実施形態に係る金属酸化物微粒子の平均粒径を上記範囲内にすることにより、光学積層体10を光学用途に好適に適用できるとともに、ハードコート層12と密着層13との密着性を向上できる。なお、本実施形態において、平均粒径とは、BET法により測定した値をいう。
また、金属酸化物微粒子の含有量は、ハードコート層12の樹脂組成物の固形分全体に対し、20質量%以上50質量%以下であることが好ましい。金属酸化物微粒子の含有量が少なすぎると、ハードコート層12と密着層13との密着性が低下してしまう。一方、金属酸化物微粒子の含有量が多すぎると、ハードコート層12の屈曲性などが低下してしまう。したがって、本実施形態に係る金属酸化物微粒子の含有量を上記範囲内にすることにより、ハードコート層12の屈曲性などの低下を抑制しつつ、ハードコート層12と密着層13との密着性を向上できる。なお、樹脂組成物の固形分とは、溶剤以外の全成分であり、液状のモノマー成分も固形分に含まれる。
金属酸化物微粒子を構成する金属酸化物の具体例としては、SiO(シリカ)、Al(アルミナ)、TiO(チタニア)、ZrO(ジルコニア)、CeO(セリア)、MgO(マグネシア)、ZnO、Ta、Sb、SnO、MnOなどが挙げられる。これらの中でも、例えば積層薄膜を光学用途としたときに、高い透明性が得られるシリカを用いることが好ましい。市場で入手可能な具体例としては、例えば日産化学(株)の商品名「IPA-ST-L」(シリカゾル)などを挙げることができる。また、金属酸化物微粒子の表面に、樹脂との密着性や親和性を高める目的で、アクリル基、エポキシ基等の官能基を導入してもよい。
また、本実施形態に係るハードコート層12は、上記のナノオーダーの金属酸化物微粒子を含有してもよいが、平均粒径が1μm以上のフィラー粒子(上記特許文献1、2に記載の従来の突起状構造を形成するためのマイクロオーダーの粒子)を含まない。ただし、本実施形態に係るハードコート層12は、フィラー粒子を含まずとも、密着層13側の表面に凹凸構造30が形成されているので、当該凹凸構造30により光学積層体10に防眩性を付与することができる。なお、ハードコート層12の凹凸構造30の構成と、凹凸構造30の形成方法については、後に詳述する。
ハードコート層12の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.5μm以上であることが好ましく、より好ましくは1μm以上である。ハードコート層12の厚みが0.5μm以上であると、十分な硬度が得られるため、製造上のひっかき傷が発生し難くなる。また、ハードコート層12の厚みは、100μm以下であることが好ましい。ハードコート層12の厚みが100μm以下であると、光学積層体10の薄膜化、軽量化が可能となる。また、ハードコート層12の厚みが100μm以下であると、製造途中の光学積層体10が曲がった際に発生するハードコート層12のマイクロクラックが生じにくく、生産性が良好となる。
ハードコート層12は、単一の層であってもよく、複数の層が積層されたものであってもよい。また、ハードコート層12には、例えば、紫外線吸収性能、帯電防止性能、屈折率調整機能、硬度調整機能など公知の機能が更に付与されていてもよい。また、ハードコート層12に付与される機能は、単一のハードコート層中に付与されていてもよいし、複数のハードコート層に分割して付与されていてもよい。
[密着層13]
密着層13は、有機膜であるハードコート層12と、無機膜である反射防止層14との密着を良好にするために形成される層である。密着層13は、酸素欠損状態の金属酸化物もしくは金属からなるものであることが好ましい。酸素欠損状態の金属酸化物とは、化学量論組成よりも酸素数が不足した状態の金属酸化物をいう。酸素欠損状態の金属酸化物としては、例えば、SiOx、AlOx、TiOx、ZrOx、CeOx、MgOx、ZnOx、TaOx、SbOx、SnOx、MnOxなどが挙げられる。また、金属としては、Si、Al、Ti、Zr、Ce、Mg、Zn、Ta、Sb、Sn、Mn、Inなどが挙げられる。密着層13は、例えば、SiOxにおけるxが、0を超え2.0未満であるものであってもよい。また、密着層13は、複数種の金属または金属酸化物の混合物から形成されていてもよい。
なお、密着層13がSiOxで構成される場合、密着層13の屈折率は、好ましくは1.20~1.60である。つまり、密着層13がSiOxで構成される場合、密着層13は、後述する低屈折率層14bとしても機能する。
密着層13の厚みは、透明性、および、反射防止層14との密着性を維持し、良好な光学特性を得る観点から、0nm超、20nm以下であることが好ましく、1nm以上、10nm以下であることが特に好ましい。
なお、ハードコート層12と反射防止層14との間に密着層13を設けることにより、両層の密着性を向上できるので好ましい。しかし、密着層13は必須ではなく、ハードコート層12上に反射防止層14を直接的に積層してもよい。
[反射防止層14]
反射防止層14は、ハードコート層12上に設けられる金属酸化物層の一例である。反射防止層14は、光学機能層の一例である。反射防止層14は、反射防止機能を発現させる積層体である。反射防止層14は、図1に示すように、低屈折率層14bと高屈折率層14aとが交互に積層された積層体からなる。本実施形態において、反射防止層14は、密着層13側から順に高屈折率層14aと低屈折率層14bとが交互に積層された合計4層の積層体である。高屈折率層14aと低屈折率層14bの層数は、特に限定されるものではなく、高屈折率層14aおよび低屈折率層14bの層数は、任意の層数とすることができる。
図1に示すように、防汚層15は、反射防止層14を構成する低屈折率層14bに接している。したがって、防汚層15側から入射した光が反射防止層14によって拡散される。これにより、防汚層15側から入射した光が、一方向に反射されることを防止する反射防止機能が得られる。
低屈折率層14bは、入手の容易さとコストの点からSiの酸化物を含むことが好ましく、SiO(Siの酸化物)等を主成分とした層であることが好ましい。SiO単層膜は、無色透明である。本実施形態において、低屈折率層14bの主成分とは、低屈折率層14b中に50質量%以上含まれる成分であることを意味する。
低屈折率層14bが、Siの酸化物を主成分とした層である場合、50質量%未満の別の元素を含んでも良い。Siの酸化物とは別の元素の含有量は、好ましくは10%以下である。別の元素としては、例えば、耐久性向上の目的でNa、硬度向上の目的でZr、Al、またN、耐アルカリ性向上の目的で、Zr、Alを含有できる。
低屈折率層14bの屈折率は、好ましくは1.20~1.60であり、より好ましくは1.30~1.50である。低屈折率層14bに用いられる誘電体としては、フッ化マグネシウム(MgF、屈折率1.38)などが挙げられる。
高屈折率層14aの屈折率は、好ましくは2.00~2.60であり、より好ましくは2.10~2.45である。高屈折率層14aに用いられる誘電体としては、五酸化ニオブ(Nb、屈折率2.33)、酸化チタン(TiO、屈折率2.33~2.55)、酸化タングステン(WO、屈折率2.2)、酸化セリウム(CeO、屈折率2.2)、五酸化タンタル(Ta、屈折率2.16)、酸化亜鉛(ZnO、屈折率2.1)、酸化インジウムスズ(ITO、屈折率2.06)、酸化ジルコニウム(ZrO、屈折率2.2)などが挙げられる。
高屈折率層14aに導電特性を付与したい場合、例えば、ITO、酸化インジウム酸化亜鉛(IZO)を選択できる。
反射防止層14は、例えば、高屈折率層14aとして五酸化ニオブ(Nb、屈折率2.33)からなるものを用い、低屈折率層14bとしてSiOからなるもの用いることが好ましい。
低屈折率層14bの膜厚は、1nm以上200nm以下の範囲であればよく、反射防止機能を必要とする波長域に応じて適宜選択される。
高屈折率層14aの膜厚は、例えば、1nm以上200nm以下であればよく、反射防止機能を必要とする波長域に応じて適宜選択される。
高屈折率層14aおよび低屈折率層14bの膜厚は、それぞれ反射防止層14の設計に応じて適宜選択できる。例えば、密着層13側から順に、5~50nmの高屈折率層14a、10~80nmの低屈折率層14b、20~200nmの高屈折率層14a、50~200nmの低屈折率層14bとすることができる。
反射防止層14を形成している層のうち、防汚層15側には、低屈折率層14bが配置されている。反射防止層14の低屈折率層14bが防汚層15と接している場合、反射防止層14の反射防止性能が良好となるため、好ましい。
なお、本実施形態では、ハードコート層12上に設けられる光学機能層として、反射防止層14の例を挙げたが、光学機能層は、かかる例に限定されない。光学機能層は、光学機能を発現させる層である。光学機能とは、光の性質である反射と透過、屈折をコントロールする機能であり、例えば、反射防止機能、選択反射機能、防眩機能、レンズ機能などが挙げられる。光学機能層は、上記の反射防止層14以外にも、例えば、選択反射層、防眩層などであってもよい。選択反射層、防眩層としては、公知のものを用いることができる。反射防止層、選択反射層、防眩層は、いずれも単層であってもよく、複数の層の積層体であってもよい。
[防汚層15]
防汚層15は、反射防止層14の最外面に形成され、反射防止層14の汚損を防止する。また、防汚層15は、タッチパネル等に適用する際に、耐摩耗性によって反射防止層14の損耗を抑制する。
本実施形態の防汚層15は、防汚性材料を蒸着させた蒸着膜からなる。本実施形態では、防汚層15は、反射防止層14を構成する低屈折率層14bの一面に、防汚性材料としてフッ素系有機化合物を真空蒸着することによって形成される。本実施形態では、防汚性材料が、フッ素系有機化合物を含むため、より一層耐摩擦性および耐アルカリ性の良好な光学積層体10となる。
防汚層15を構成するフッ素系有機化合物としては、フッ素変性有機基と、反応性シリル基(例えば、アルコキシシラン)とからなる化合物が好ましく用いられる。防汚層15を構成するフッ素系有機化合物は、例えば、フルオロアルキル鎖を有するシラン化合物、または、パーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物である。市販品としては、オプツールDSX(ダイキン株式会社製)、KY-100シリーズ(信越化学工業株式会社製)などが挙げられる。
防汚層15を構成するフッ素系有機化合物として、パーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物を用いることにより、防汚層15の水に対する接触角を110度以上とすることができ、撥水性および防汚性を向上させることが可能となる。
防汚層15を構成するフッ素系有機化合物として、フッ素変性有機基と、反応性シリル基(例えば、アルコキシシラン)とからなる化合物を用い、防汚層15に接する反射防止層14の低屈折率層14bとして、SiOからなるものを用いた場合、フッ素系有機化合物の骨格であるシラノール基とSiOと間でシロキサン結合が形成される。このため、反射防止層14と防汚層15との密着性が良好となり、好ましい。
防汚層15の光学厚みは、1nm以上、20nm以下の範囲であればよく、好ましくは3nm以上、10nm以下の範囲である。防汚層15の厚みが1nm以上であると、光学積層体10をタッチパネル用途などに適用した際に、耐摩耗性を十分に確保できる。また、防汚層15の厚みが20nm以下であると、蒸着に要する時間が短時間で済み、効率よく製造できる。
防汚層15は、必要に応じて、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、難燃剤、赤外線吸収剤、界面活性剤などの添加剤を含んでいてもよい。
蒸着によって形成された防汚層15は、反射防止層14と強固に結合し、空隙が少なく緻密である。これにより、本実施形態の防汚層15は、防汚性材料の塗布など従来の方法によって形成された防汚層とは異なる特性を示す。
[2.ハードコート層12の凹凸構造30]
次に、図1~図4を参照して、本実施形態に係るハードコート層12の凹凸構造について説明する。
図2は、本実施形態に係るハードコート層12の一例を示す断面図である。図2に示すように、本実施形態に係るハードコート層12の密着層13側の表面には、凹凸構造30が形成されている。凹凸構造30は、複数の凸部32と、複数の凹部34とで構成される。ハードコート層12の凹凸構造30を構成する複数の凸部32の頂部32aは、相互に実質的に同一の高さを有し、また、頂部32aのそれぞれは、実質的な平坦面を有する。また、ハードコート層12の凹凸構造30を構成する複数の凹部34は、ハードコート層12を貫通しない。つまり、ハードコート層12の凹部34の底部34aは、透明基材11の表面に接触しない。
また、上記したように、密着層13の厚み(例えば、0.005μm程度)、反射防止層14の厚み(例えば、0.2μm程度)、および、防汚層15の厚み(例えば、0.005μm程度)は、ハードコート層12の厚み(例えば、5~10μm)よりも格段に薄い。このため、密着層13、反射防止層14および防汚層15は、ハードコート層12の凹凸構造30に追従して形成される。
したがって、図1に示すように、密着層13の表面は、ハードコート層12の凹凸構造30の形状に追従した凹凸面40となっている。このため、密着層13の凹凸面40を構成する複数の凸部の頂部は、ハードコート層12の凸部32の頂部32aと同様に、相互に実質的に同一の高さを有し、また、頂部のそれぞれは、実質的な平坦面を有する。
同様に、反射防止層14の表面、つまり、高屈折率層14aの表面および低屈折率層14bの表面は、ハードコート層12の凹凸構造30の形状に追従した凹凸面50a、50bとなっている。このため、高屈折率層14aの凹凸面50aを構成する複数の凸部の頂部、および、低屈折率層14bの凹凸面50bを構成する複数の凸部の頂部は、ハードコート層12の凸部32の頂部32aと同様に、相互に実質的に同一の高さを有し、また、頂部のそれぞれは、実質的な平坦面を有する。
また、防汚層15の表面、つまり、光学積層体10の最外表面は、ハードコート層12の凹凸構造30の形状に追従した凹凸面60となっている。このため、光学積層体10の最外表面に形成される凹凸面60は、複数の凸部62と、複数の凹部64とで構成される。したがって、凹凸面60を構成する複数の凸部62は、ハードコート層12の複数の凸部32と同様の形状を有する。つまり、凹凸面60を構成する複数の凸部62の頂部62aは、ハードコート層12の凸部32の頂部32aと同様に、相互に実質的に同一の高さを有し、また、頂部62aのそれぞれは、実質的な平坦面を有する。また、凹凸面60を構成する複数の凹部64は、ハードコート層12の複数の凹部34と同様の形状を有する。
図3は、本実施形態に係る光学積層体10の一例の3D像を示す図である。図4は、本実施形態に係る光学積層体10の一例の断面粗さを示す図である。
図3に示すように、光学積層体10の最外表面は、複数の凸部62と複数の凹部64から構成される凹凸面60になっている。この凹凸面60において、複数の凸部62は、面方向にランダムに分散して配置される浮島状に形成される。個々の凸部62は、概ね錐台形状を有するが、凸部62の平面形状はランダムである。同様に、ハードコート層12の凹凸構造30を構成する複数の凸部32も、面方向にランダムに分散して配置される浮島状に形成されている。
また、光学積層体10の凹凸面60を構成する複数の凸部62の頂部62aは、相互に実質的に同一の高さを有する。したがって、ハードコート層12の凹凸構造30を構成する複数の凸部32の頂部32aも、相互に実質的に同一の高さを有するといえる。ここで、「実質的に同一の高さ」とは、例えば、図4に示すように、光学積層体10の表面に多数形成された凸部62の高さを実質的に等しくすることで、光学積層体10に接触する物体、例えば、操作者の指、スタイラスペン(ポインティングデバイス)等による荷重に対し、その応力を均等に分散させることが可能な構造であることを意味する。複数の凸部62の頂部62aの高さが、「相互に実質的に同一の高さ」を有する場合、当該複数の凸部62の頂部62aの高さのばらつき(すなわち、複数の頂部62aの高低差)は、望ましくは0.5μm以内、さらに望ましくは0.2μm以内であってよい。同様に、複数の凸部32の頂部32aの高さが、「相互に実質的に同一の高さ」を有する場合、当該複数の凸部32の頂部32aの高さ(すなわち、複数の頂部32aの高低差)は、望ましくは0.5μm以内、さらに望ましくは0.2μm以内であってよい。
また、ハードコート層12の凹凸面60を構成する複数の凸部62の頂部62aのそれぞれは、実質的な平坦面(頂面)を有することが、さらに望ましい。ここで、「実質的な平坦面」とは、凸部62の頂部62aが完全な平坦面を有する場合に加え、微細凹凸が形成された平坦面を有する場合を含む。微細凹凸が形成された平坦面は、例えば、微細凹凸の高低差が、頂部62aの基準面に対して±0.3μm以下、好ましくは±0.1μm以下である平坦面を意味する。なお、基準面とは、凸部62の所望高さ位置に仮想的に設定される完全な平坦面である。
同様に、光学積層体10の凹凸構造30を構成する複数の凸部32の頂部32aのそれぞれは、実質的な平坦面(頂面)を有することが、さらに望ましい。ここで、「実質的な平坦面」とは、凸部32の頂部32aが完全な平坦面を有する場合に加え、微細凹凸が形成された平坦面を有する場合を含む。微細凹凸が形成された平坦面は、例えば、微細凹凸の高低差が、頂部32aの基準面に対して±0.3μm以下、好ましくは±0.1μm以下である平坦面を意味する。なお、基準面とは、凸部32の所望高さ位置に仮想的に設定される完全な平坦面である。
また、図3に示すように、光学積層体10の凹凸面60において、複数の凹部64は、面方向にランダムに分散して点在する。個々の凹部64は、例えば、ランダムな平面形状を有する陥没部であり、凹部64の底部64aの深さもランダムである。同様に、ハードコート層12の凹凸構造30を構成する複数の凹部34も、面方向にランダムに分散して点在し、個々の凹部34の平面形状もランダムであり、凹部34の底部34aの深さもランダムである。
また、図4に示すように、光学積層体10の凹凸面60において、凸部62の頂部62aと、凹部64の底部64aとの間の高低差は、例えば、0.4μm~1μm程度である。同様に、ハードコート層12の凹凸構造30においても、凸部32の頂部32aと、凹部34の底部34aとの間の高低差は、例えば、0.4μm~1μm程度である。
このように、ハードコート層12が凹凸構造30を有する、つまり、光学積層体10の最外表面に凹凸面60が形成される。これにより、光学積層体10の凹凸面60において入射光が散乱するので、光学積層体10は、防眩性を発揮することができる。
また、本実施形態に係るハードコート層12の凹凸構造30の表面の高さ分布は、以下の式(1)を満たす。
A/1.9 < P ・・・(1)
A:凹凸構造30の表面の最低点の高さBを0としたときの、凹凸構造30の表面の最高点の高さ
P:凹凸構造30の表面の最低点の高さBを0としたときの、凹凸構造30の表面の高さ分布の最頻値
換言すれば、Pは、凹凸構造30の表面の高さ分布をヒストグラムで表したときの分布の最大点である。
上記式(1)を満たす場合、ハードコート層12の凹凸構造30において、実質的に平坦な頂部32aを有する凸部32が、錘状またはドーム状に尖った頂部を有する凸部よりも多く分布し、当該平坦な頂部32aの分布面積が広く、かつ、当該平坦な頂部32aの高さが概ね揃うことになる。このため、凹凸構造30は、平坦面からなる頂部32aを多く含む粗面構造となり、耐擦傷性に優れる。一方、上記式(1)を満たさない場合、つまり、A/1.9≧Pである場合、ハードコート層の凹凸構造において、錘状またはドーム状に尖った頂部を有する凸部の分布が多くなり、平坦な頂部の分布面積が狭くなる。このため、当該凹凸構造は、尖った突起を有する突起状構造となり、耐擦傷性が低下する。
以上説明したように、本実施形態に係る光学積層体10の最外表面は、ハードコート層12の凹凸構造30の形状に追従した凹凸面60となっており、この凹凸面60を構成する複数の凸部62の頂部62aは、相互に実質的に同一の高さを有し、また、複数の凸部62の頂部62aのそれぞれは、実質的な平坦面を有する。
このため、従来技術のようなドーム状または錘状に尖った突起を有する突起状構造が、光学積層体10の最外表面にはほとんど形成されない。したがって、本実施形態に係る光学積層体10の表面は、凸部62の頂部62aが実質的な平坦面であるテーブル状の粗面構造となる。これにより、例えば、反射防止フィルムとして光学積層体10をタッチパネル上に設置した場合に、操作者の指やポインティングデバイスなどにより表面画面に加えられる荷重を、凸部62の頂部62aにおいて分散させることが可能となる。したがって、ドーム状または錘状に尖った突起を有する突起状構造を備える従来の光学積層体と比較して、光学積層体10は、凸部62の摩耗を抑制することができ、耐擦傷性を向上させることができる。これにより、光学積層体10の耐久性を向上させることが可能となる。
[3.光学積層体10の特性]
次に、本実施形態に係る光学積層体10の特性について説明する。本実施形態に係る光学積層体10は、例えば、以下の特性(A)~特性(C)を有する。
(A)水接触角(WCA)
JIS L0849に準拠して、スチールウールを用いた摩擦試験機を用いて、スチールウールを光学積層体10の表面に対して、荷重:1kg、接触面積:1cm×1cm、往復運動:2000回の条件で摩擦する摩擦試験を行う場合を考える。本実施形態に係る光学積層体10では、この摩擦試験後の光学積層体10の最外表面の水に対する接触角は、90度以上であることが好ましい。
従来技術のような尖った突起を有する突起状構造が光学積層体の最外表面に形成されている場合、スチールウールの摺動によって、突起が削られて、削屑が生じる。そうすると、スチールウールと光学積層体との間に削屑が介在した状態で、摩擦試験が継続されるため、ハードコート層から反射防止層とともに防汚層が削れてしまう。この場合、光学積層体の最外表面から防汚層が取り除かれるため、光学積層体10の最外表面が濡れやすくなり、摩擦試験後の水に対する接触角が90度未満となる。つまり、摩擦試験後の水に対する接触角が90度未満である場合、上記摩擦試験を実行することによって、光学積層体10の凹凸面60を構成する凸部62とともに防汚層15が削られてしまっており、耐擦傷性が低いといえる。
これに対し、本実施形態に係る光学積層体10は、上記摩擦試験を実行した後であっても、摩擦した後の光学積層体10の最外表面の水に対する接触角が、90度以上であるという特性を有する。したがって、本実施形態に係る光学積層体10は、上記摩擦試験を実行しても、光学積層体10の凹凸面60を構成する凸部62(防汚層15)がほとんど削られない。これにより、本実施形態に係る光学積層体10は、凹凸面60が傷つきにくく、耐擦傷性に優れる。
(B)表面粗さSa
ハードコート層12の凹凸構造30の表面粗さSaは、50nm以上、300nm以下であることが好ましい。なお、表面粗さSaは、算術平均高さSa(ISO25178)を意味する。
表面粗さSaが、50nm未満であると、十分な防眩性を発揮できないという問題があり、300nm超であると、複数の凸部62の頂部62aを、相互に実質的に同一の高さにするのが難しく、十分な耐擦傷性を実現できないという問題がある。これに対し、本実施形態に係る光学積層体10のハードコート層12の凹凸構造の表面粗さSaは、50nm以上、300nm以下であるため、防眩性および耐擦傷性を好適に実現することが可能となる。
(C)外部ヘーズ値(Haze)
本実施形態に係る光学積層体10は、JIS K7136で規定される外部ヘーズ値が、3%以上40%以下であることが好ましい。外部ヘーズ値は、全光線透過率の中の拡散光成分の割合を数値化したものである。外部ヘーズ値は、JIS K7136で規定されるヘーズ値から、試料(光学積層体10)内部の散乱成分を除いた値である。
光学積層体の外部ヘーズ値が、3%未満であると、十分な防眩性を発揮できないという問題があり、40%超であると、画像を表示する際の黒色の再現性や画像鮮明性が低くなるという問題がある。これに対し、本実施形態に係る光学積層体10は、外部ヘーズ値が、3%以上40%以下であるため、防眩性、および、高い画像表示品位を好適に実現することが可能となる。
以上説明したように、本実施形態に係る光学積層体10のハードコート層12は、マイクロオーダーの凹凸構造30を有する。これにより、本実施形態に係る光学積層体10は、防眩性を発揮することができる。また、本実施形態に係るハードコート層12の凹凸構造30は、後述する転写型を用いた転写により形成され、従来技術のようなフィラー粒子を含有することにより形成されるものではない。したがって、本実施形態に係る凹凸構造30を構成する複数の凸部32の頂部32aは、相互に実質的に同一の高さを有し、また、複数の凸部32の頂部32aのそれぞれは、実質的な平坦面を有する。したがって、光学積層体10の最外表面の凹凸面60においても、複数の凸部62の頂部62aは、相互に実質的に同一の高さを有し、また、複数の凸部62の頂部62aのそれぞれは、実質的な平坦面を有し、尖った突起状の凸部が存在しないため、光学積層体10の耐擦傷性が向上する。よって、光学積層体10は、防眩性を維持しつつ、耐擦傷性を向上することができる。
[4.光学積層体10の製造方法]
図5は、本実施形態に係る光学積層体10の製造方法を示すフローチャートである。
図5に示すように、本実施形態に係る光学積層体10の製造方法は、ハードコート層形成工程S110と、密着層形成工程S120と、反射防止層形成工程S130と、防汚層形成工程S140とを含む。以下、各工程について説明する。
[ハードコート層形成工程S110]
ハードコート層形成工程S110は、透明基材11上にハードコート層12を設ける工程である。
本実施形態において、ハードコート層形成工程S110は、塗布工程S112と、転写工程S114とを含む。ハードコート層形成工程S110の転写工程S114では、転写型を用いて、ハードコート層12の表面に上記凹凸構造30を転写する。以下では、まず、図6を参照して、本実施形態に係る転写型の製造方法について説明する。続いて、図7を参照して、塗布工程S112、および、転写工程S114について説明する。
図6は、本実施形態に係る転写型150の製造方法の一例を説明する工程図である。なお、図6中、黒い丸は、フィラー粒子120を示し、白い丸は、溶媒112を示す。図6に示すように、まず、転写型用のレジン100が作成される。レジン100は、例えば、バインダー樹脂110にフィラー粒子120が分散されたものである。レジン100を構成するバインダー樹脂110は、特に限定されないが、紫外線、赤外線、電子線等のエネルギー線を透過する透明性のものが好ましく、例えば、紫外線、赤外線、電子線により硬化する樹脂であるエネルギー線硬化型樹脂、熱可塑型樹脂、熱硬化型樹脂などを用いることができる。
バインダー樹脂110に用いるエネルギー線硬化型樹脂としては、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N-ビニルピロリドン、カルボン酸類(アクリル酸)、ヒドロキシ類(2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート)、アルキル又は脂環類のモノマー(イソブチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート)、その他機能性モノマー(2-メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、2-エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルフォリン、N-イソプロピルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-ビニルピロリドン、2-(パーフルオロオクチル)エチルアクリレート、3-パーフルオロヘキシル-2-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-パーフルオロオクチル-2-ヒドロキシプロピル-アクリレート、2-(パーフルオロデシル)エチル-アクリレート、2-(パーフルオロ-3-メチルブチル)エチルアクリレート)、2,4,6-トリブロモフェノールアクリレート、2,4,6-トリブロモフェノールメタクリレート、2-(2,4,6-トリブロモフェノキシ)エチルアクリレート)、2-エチルヘキシルアクリレート、ノニルフェノールEO変性アクリレート等を挙げることができる。
また、2以上の不飽和結合を有するエネルギー線硬化型樹脂である化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、アダマンチルジ(メタ)アクリレート、イソボロニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジアクリレート、ビスフェノールAEO変性ジアクリレート、1,9-ノナンジオールジアクリレート、1,10-デカンジオールジアクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、脂肪族ウレタンアクリレート、ポリエーテル系ウレタンアクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイロキシプロピルメタクリレート、イソシアヌル酸EO変換トリアクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス-(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ε-カプロラクトン変性トリス(アクロキシエチル)アクリレート、トリス-(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート等の多官能化合物等を挙げることができる。なかでも、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)およびペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)が好適に用いられる。なお、「(メタ)アクリレート」は、メタクリレートおよびアクリレートを指すものである。また、エネルギー線硬化型樹脂として、上述した化合物をPO(プロピレンオキサイド)、EO(エチレンオキサイド)、CL(カプロラクトン)等で変性したものも使用できる。
バインダー樹脂110に用いる熱可塑型樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂及びゴムまたはエラストマー等を挙げることができる。上記熱可塑型樹脂は、非結晶性で、かつ有機溶媒(特に複数のポリマー、硬化性化合物を溶解可能な共通溶媒)に可溶であることが好ましい。特に、透明性および耐候性という観点から、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類等)等が好ましい。
バインダー樹脂110に用いる熱硬化型樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン-尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂(かご状、ラダー状などのいわゆるシルセスキオキサン等を含む)等を挙げることができる。
なお、ここでは、バインダー樹脂110として、紫外線硬化型樹脂を例に挙げる。また、紫外線硬化型樹脂には、光重合開始剤が配合される。
バインダー樹脂110に含まれるフィラー粒子120は、例えば、シリカ(Siの酸化物)粒子、アルミナ(酸化アルミニウム)粒子などの無機酸化物からなる粒子、または、有機粒子など公知のものを用いることができる。フィラー粒子120としてのシリカ粒子、アルミナ粒子などの無機酸化物粒子の平均粒径は、特に限定されないが、好ましくは、0.5μm以上、10μm以下であり、より好ましくは、1μm以上、5μm以下である。
また、フィラー粒子120としての有機粒子としては、例えば、アクリル樹脂などが挙げられる。有機粒子の粒子径は、特に限定されないが、好ましくは、0.5μm以上、10μm以下であり、より好ましくは、1μm以上、5μm以下である。
なお、後述する型基材130にレジン100が塗布された際に、バインダー樹脂110にフィラー粒子120が埋もれないように、レジン100におけるバインダー樹脂110の含有量は、極力少なく調整される。
そして、作成されたレジン100を型基材130の表面130a上に塗布する。型基材130は、例えば、紫外線を透過可能な材料によって形成される。型基材130は、例えば、上記透明基材11と同様の有機材料または無機材料で形成されてもよい。型基材130における、レジン100が塗布される表面130aは、実質的に平坦である。ここで、「実質的に平坦」とは、型基材130の表面130a全体において実質的な高低差を有さないことを意味し、例えば、型基材130の表面130a全体の高低差は、望ましくは0.5μm以内、さらに望ましくは0.2μm以内であってよい。また、型基材130の表面130aに微細凹凸が形成されていてもよい。表面130aに形成される微細凹凸の高低差は、表面130aの基準面に対して±0.3μm以下、好ましくは±0.1μm以下であるとよい。なお、基準面とは、表面130aの所望高さ位置に仮想的に設定される完全な平坦面である。
その後、型基材130に塗布されたレジン100を乾燥させつつ、レジン100に紫外線を照射して、レジン100に含まれるバインダー樹脂110としての紫外線硬化型樹脂を硬化させる。そうすると、レジン100に含まれる溶媒112が気化し、フィラー粒子120を中心にして、バインダー樹脂110が凝集する。
こうして、型基材130の表面130a上に、バインダー樹脂110に覆われたフィラー粒子120が点在した転写型150が製造される。バインダー樹脂110に覆われたフィラー粒子120は、型基材130の表面130a上において、ドーム状または錘状等の任意の形状で突出した突起となっている。以下、バインダー樹脂110に覆われたフィラー粒子120を単に「突起140」と称する。型基材130の平坦な表面130a上に、複数の突起140が相互に離隔して形成される。隣り合う突起140同士の間において、型基材130の平坦な表面130aが露出している。このようにして、複数の凸部142と複数の凹部132からなる凹凸形状152を有する転写型150が製造される。この凹凸形状152の凸部142は、上記突起140からなり、凹部132の底部は、型基材130の平坦な表面130aである。
[塗布工程S112]
続いて、図7を参照して、図5に示す塗布工程S112、および、転写工程S114について説明する。図7は、本実施形態に係る塗布工程S112および転写工程S114を説明する工程図である。塗布工程S112は、透明基材11の表面に、例えば、エネルギー線硬化型樹脂組成物70を塗布する工程である。エネルギー線硬化型樹脂組成物70は、未硬化のエネルギー線硬化型樹脂と、エネルギー線重合開始剤と、金属酸化物微粒子とを含む。
なお、透明基材11の表面に塗布される、エネルギー線硬化型樹脂組成物70の厚み(膜厚)は、図6に示した転写型150の突起140(凸部142)の高さよりも大きい。
[転写工程S114]
転写工程S114は、エネルギー線硬化型樹脂組成物70に、転写型150の凹凸形状152を転写する工程である。具体的に説明すると、まず、エネルギー線硬化型樹脂組成物70に転写型150の凹凸形状152を押し当てる。そして、エネルギー線を照射して、エネルギー線硬化型樹脂組成物70を硬化させる。なお、上記したように、転写型150は、エネルギー線を透過する透明性を有する。したがって、エネルギー線硬化型樹脂組成物70に転写型150の凹凸形状152を押し当てつつ、エネルギー線を照射することで、エネルギー線硬化型樹脂組成物70に、転写型150の凹凸形状152を転写しつつ、エネルギー線硬化型樹脂組成物70を硬化させることができる。
そして、硬化したエネルギー線硬化型樹脂組成物70から転写型150を剥離すると、凹凸構造30を有するハードコート層12が形成される。ハードコート層12の凹凸構造30は、転写型150の凹凸形状152の反転形状を有する。詳細には、ハードコート層12の凹凸構造30を構成する凸部32は、転写型150の凹凸形状152の凹部132に対応する形状を有する。また、ハードコート層12の凹凸構造30を構成する凹部34は、転写型150の凹凸形状152の凸部142(突起140)に対応する形状を有する。
また、上記したように、転写型150の型基材130の表面130aは、実質的に平坦である。したがって、転写型150の凹凸形状152を転写することで、ハードコート層12の凹凸構造30を構成する複数の凸部32の頂部32aも、相互に実質的に同一の高さを有することになる。また、上記したように、転写型150の型基材130の表面130aにおける微細凹凸の高低差は、表面130aの基準面に対して±0.3μm以下である。したがって、転写型150の凹凸形状152を転写することで、ハードコート層12の凹凸構造30を構成する複数の凸部32の頂部32aのそれぞれも、実質的な平坦面を有することになる。
なお、ハードコート層12の凹凸構造30の所望形状に合わせて、転写型150の凹凸形状152が調整される。具体的に説明すると、転写型150を製造する際に、凹凸構造30の所望形状に応じて、レジン100に含まれるフィラー粒子120の粒径、および、フィラー粒子120の含有量などが調整される。例えば、ハードコート層12の凹凸構造30の凸部32を大きくしたい場合、フィラー粒子120の含有量を少なくすればよい。ハードコート層12の凹凸構造30の凸部32を小さくしたい場合、フィラー粒子120の含有量を多くすればよい。また、ハードコート層12の凹凸構造30の凸部32の高さや、凹部34の深さを大きくしたい場合、フィラー粒子120の粒径を大きくすればよい。ハードコート層12の凸部32の高さや、凹部34の深さを小さくしたい場合、フィラー粒子120の粒径を小さくすればよい。
また、転写型150の表面(バインダー樹脂110に覆われたフィラー粒子120、および、フィラー粒子120間の表面130a)には、必要に応じ、転写型150の剥離を軽減する、もしくは、表面の形状を保護する等の目的で、さらに層が設けられていても構わない(不図示)。層の例としては、バインダー樹脂110側から順に、無機物層、防汚層が挙げられる。防汚層は、エネルギー線硬化型樹脂組成物70(ハードコート層12)に形状を転写した後に剥離する際の、剥離性を向上させる。また、無機物層は、防汚層をより転写型150に強固に結合させる作用を有する。ここで、無機物層はスパッタ法や蒸着法で設けることができ、その層数も任意に設定できる。また、防汚層は、ハードコート層12からの剥離性が向上する作用の限りにおいて材料は問わず、例えばフルオロアルキル基などのフッ素含有基を有するシラン化合物が挙げられる。防汚層の形成方法も、塗布乾燥、蒸着法などが挙げられる。すなわち、目的とする形状をハードコート層12に転写できる場合、その所望の形状に対応した形状を有する別の光学積層体を転写型150として用いることができる。
なお、ハードコート層形成工程S110は上記に限定されるものでなく、いずれかの公知の手法で実施してもよい。例えば、所望の形状を付与した剛体ロールを用いた形状転写や、所望の形状を付与したスタンパー等を用いて、射出成型等により実施されてもよい。
[密着層形成工程S120]
図5に戻って説明すると、密着層形成工程S120は、ハードコート層12の表面に密着層13を形成する工程である。
[反射防止層形成工程S130]
反射防止層形成工程S130は、密着層13の表面に反射防止層14を形成する工程である。例えば、反射防止層形成工程S130は、高屈折率層14aと低屈折率層14bとを交互に形成する。
本実施形態において、密着層形成工程S120および反射防止層形成工程S130は、スパッタ法によって実行される。本実施形態では、成膜速度の高速化の観点から、スパッタ法として、マグネトロンスパッタ法を用いることが好ましい。なお、スパッタ法は、マグネトロンスパッタ法に限定されるものではなく、直流グロー放電または高周波によって発生させたプラズマを利用する2極スパッタ方式、熱陰極を付加する3極スパッタ方式などを用いてもよい。
[防汚層形成工程S140]
防汚層形成工程S140は、反射防止層14の表面に防汚層15を形成する工程である。本実施形態において、防汚層形成工程S140は、例えば、真空蒸着法によって実行される。
以上の製造方法により、透明基材11、ハードコート層12、密着層13、反射防止層14、および、防汚層15を備える光学積層体10が得られる。
なお、本実施形態に係る光学積層体10において、透明基材11の両表面のうち、ハードコート層12などが積層される第1表面とは反対側の第2表面に、必要に応じて各種の層が設けられてもよい。例えば、他の部材との接着に用いられる粘着剤層が設けられてもよい。また、この粘着剤層を介して他の光学フィルムが設けられてもよい。他の光学フィルムとしては、例えば、偏光フィルム(偏光板)、位相差補償フィルム、1/2波長板、1/4波長板として機能するフィルムなどが挙げられる。
また、透明基材11の第2表面に、反射防止、選択反射、防眩、偏光、位相差補償、視野角補償若しくは拡大、導光、拡散、輝度向上、色相調整、または導電などの機能を有する層が直接形成されてもよい。
本実施形態に係る光学積層体10は、偏光板などの光学部材や、画像表示装置に適用することができる。例えば、液晶表示パネル、有機EL表示パネルなどの画像表示装置の表示画面に、光学積層体10を設けてもよい。これにより、例えば、スマートホンや操作機器のタッチパネル式表示部に対して、高い耐擦傷性を付与することができ、耐久性に優れた、実使用に好適な画像表示装置を実現できる。
また、光学積層体10が適用される物品としては、上記の画像表示装置の例に限定されない。例えば、窓ガラスやゴーグル、太陽電池の受光面、スマートホンの画面やパーソナルコンピューターのディスプレイ、情報入力端末、タブレット端末、AR(拡張現実)デバイス、VR(仮想現実)デバイス、電光表示板、ガラステーブル表面、遊技機、航空機や電車などの運行支援装置、ナビゲーションシステム、計器盤、光学センサーの表面などの各種の物品に対して、光学積層体10を適用可能である。
以下では、本発明の実施例および比較例について具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は、あくまでも一例であって、本発明に係る光学積層体、光学積層体の製造方法は、下記の実施例に限定されない。
光学積層体のサンプルとして、サンプルA~サンプルEおよびサンプルKを比較例として作成し、サンプルF~サンプルJを実施例として作成した。また、サンプルA~サンプルJの作成にあたり、樹脂Aおよび樹脂Bを準備した。樹脂Aの組成は、下記表1に示される。樹脂Bの組成は、下記表2に示される。なお、表1、2中の配合比の単位は、重量%である。
Figure 2022187987000002
Figure 2022187987000003
[サンプルA:比較例]
透明基材11として、TACフィルム(富士フイルム製ZRD60SL)を用いた。そして、樹脂A:7.3重量%、酢酸ブチル:91.2重量%、レベリング剤BYK-377:0.75重量%、積水化成製有機フィラーSSX-101:0.75重量%を含有する混合樹脂を、透明基材11上にスピンコートによって塗工した。スピンコート条件は3500rpmとした。その後、混合樹脂が塗工された透明基材11を、80℃環境下で1分乾燥後、UV照射を行い、混合樹脂を硬化させて、透明基材11上にハードコート層を形成した。そして、スパッタリング装置を用いて、ハードコート層上に金属酸化物層を形成した後、蒸着機を用いて防汚層の形成を行い、サンプルAを得た。
比較例に係るサンプルAでは、高さの異なる突起状構造が複数点在していることが確認できた。また、比較例に係るサンプルAでは、凸部よりも凹部が多く形成されていた。
[サンプルB:比較例]
樹脂A:9.8重量%、酢酸ブチル:88重量%、レベリング剤BYK-377:1.2重量%、積水化成製有機フィラーBMSA-18GN:1.0重量%とした以外は、サンプルAと同様にして、サンプルBを得た。
比較例に係るサンプルBは、高さの異なる突起状構造が、浮島状に複数点在していることが確認できた。また、比較例に係るサンプルBは、凸部よりも凹部が多く形成されていた。
[サンプルC:比較例]
樹脂A:11.1重量%、酢酸ブチル:86.5重量%、レベリング剤BYK-377:1.3重量%、積水化成製有機フィラーBMSA-18GN:1.1重量%とした以外は、サンプルAと同様にして、サンプルCを得た。
比較例に係るサンプルCは、高さの異なる突起状構造が、浮島状に複数点在していることが確認できた。また、比較例に係るサンプルBは、凸部と凹部とが略等しく形成されていた。
[サンプルD:比較例]
透明基材11およびハードコート層を、厚み60μmのTAC基材上に、粒子径2μmを中心としたフィラー粒子を含有したアクリル系樹脂組成物の硬化物を備えた市販フィルムAとしたこと以外は、サンプルAと同様にして、サンプルDを得た。
比較例に係るサンプルDは、高さの異なる突起状構造が、複数点在していることが確認できた。
[サンプルE:比較例]
透明基材11およびハードコート層を、厚み60μmのTAC基材上に、粒子径5μmを中心としたフィラー粒子を含有したアクリル系樹脂組成物の硬化物を備えた市販フィルムBとしたこと以外は、サンプルAと同様にして、サンプルEを得た。
比較例に係るサンプルEは、高さの異なる突起状構造が、複数点在していることが確認できた。
[サンプルF:実施例]
透明基材11として、TACフィルム(富士フイルム製ZRD60SL)を用いた。透明基材11上に、樹脂Bを膜厚10μmとなるように、既知の手法を用いて塗工した。その後、樹脂Bが塗工された透明基材11を、80℃環境下で1分乾燥後、サンプルAを転写型150としてラミネートした。そして、UV照射を行い、樹脂Bを硬化させた後、サンプルAを転写型150から剥離して、透明基材11上にハードコート層12を形成した。続いて、スパッタリング装置を用いて、ハードコート層12上に金属酸化物層(密着層13および反射防止層14)を形成した後、蒸着機を用いて防汚層15の形成を行い、サンプルFを得た。
実施例に係るサンプルFでは、相互に実質的に同一の高さを有する複数の凸部62が、浮島状に形成されていることが確認できた。また、サンプルFにおいて、凸部62の頂部62aのそれぞれは、実質的な平坦面を有することが確認できた。さらに、実施例に係るサンプルFは、凹部64よりも凸部62が多く形成されていた。
[サンプルG]
ラミネートする転写型150をサンプルBとした以外は、サンプルFと同様とし、サンプルGを得た。
実施例に係るサンプルGは、相互に実質的に同一の高さを有する複数の凸部62が、浮島状に形成されていることが確認できた。また、サンプルGにおいて、凸部62の頂部62aのそれぞれは、実質的な平坦面を有することが確認できた。さらに、実施例に係るサンプルGは、凹部64よりも凸部62が多く形成されていた。
[サンプルH]
ラミネートする転写型150をサンプルCとした以外は、サンプルFと同様とし、サンプルHを得た。
実施例に係るサンプルHは、相互に実質的に同一の高さを有する複数の凸部62が、浮島状に形成されていることが確認できた。また、サンプルHにおいて、凸部62の頂部62aのそれぞれは、実質的な平坦面を有することが確認できた。さらに、実施例に係るサンプルHは、凸部62と凹部64とが略等しく形成されていた。
[サンプルI]
ラミネートする転写型150をサンプルDとした以外は、サンプルFと同様とし、サンプルIを得た。
実施例に係るサンプルIは、相互に実質的に同一の高さを有する複数の凸部62が、浮島状に形成されていることが確認できた。
[サンプルJ]
ラミネートする転写型150をサンプルEとした以外は、サンプルFと同様とし、サンプルJを得た。
実施例に係るサンプルJは、相互に実質的に同一の高さを有する複数の凸部62が、浮島状に形成されていることが確認できた。
[サンプルK:比較例]
透明基材11として、TACフィルム(富士フイルム製ZRD60SL)を用いた。透明基材11上に、樹脂Bを膜厚10μmとなるように、既知の手法を用いて塗工した。その後、樹脂Bが塗工された透明基材11を、80℃環境下で1分乾燥後、サンプルJを転写型150としてラミネートした。そして、UV照射を行い、樹脂Bを硬化させた後、サンプルJを転写型150から剥離して、透明基材11上にハードコート層を形成した。続いて、スパッタリング装置を用いて、ハードコート層上に金属酸化物層を形成した後、蒸着機を用いて防汚層の形成を行い、サンプルKを得た。
比較例に係るサンプルKは、高さの異なる突起状構造が、複数点在していることが確認できた。
[形状の評価]
日立ハイテクノロジーズ社製 走査型白色干渉顕微鏡 VS1800を用いて、サンプルA~Kの表面形状を撮像した。撮像時の対物レンズは20倍とした。撮像後、撮像画像の各画素の高さの測定データが記録されたcsvファイルを取得した。そして、csvファイルから高さの最低点を検出したのち、全データに対して最低点が0(ゼロ)となるようにオフセットをかけた。その後、高さの最高点を検出し、ヒストグラムを作成した。そして、ヒストグラムに基づき、上記式(1)に示す最高点の高さAおよび最頻値Pの値を得た。
図8は、比較例に係るサンプルAのヒストグラムを示す図である。図9は、比較例に係るサンプルBのヒストグラムを示す図である。図10は、比較例に係るサンプルCのヒストグラムを示す図である。図11は、比較例に係るサンプルDのヒストグラムを示す図である。図12は、比較例に係るサンプルEのヒストグラムを示す図である。図13は、比較例に係るサンプルKのヒストグラムを示す図である。なお、図8~図13中、破線は、「A/1.9」の値を示す。
図8に示すように、比較例に係るサンプルAの最高点の高さAは、3.41μmであり、最頻値Pは、1.76であった。したがって、サンプルAは、A/1.9>Pとなる。つまり、図8に示すヒストグラムにおいて、最頻値Pは、A/1.9を示す破線の左側に位置する。
図9に示すように、比較例に係るサンプルBの最高点の高さAは、2.21μmであり、最頻値Pは、0.43であった。したがって、サンプルBは、A/1.9>Pとなる。つまり、図9に示すヒストグラムにおいて、最頻値Pは、A/1.9を示す破線の左側に位置する。
図10に示すように、比較例に係るサンプルCの最高点の高さAは、1.71μmであり、最頻値Pは、0.30であった。したがって、サンプルCは、A/1.9>Pとなる。つまり、図10に示すヒストグラムにおいて、最頻値Pは、A/1.9を示す破線の左側に位置する。
図11に示すように、比較例に係るサンプルDの最高点の高さAは、1.29μmであり、最頻値Pは、0.30であった。したがって、サンプルDは、A/1.9>Pとなる。つまり、図11に示すヒストグラムにおいて、最頻値Pは、A/1.9を示す破線の左側に位置する。
図12に示すように、比較例に係るサンプルEの最高点の高さAは、2.51μmであり、最頻値Pは、0.49であった。したがって、サンプルEは、A/1.9>Pとなる。つまり、図12に示すヒストグラムにおいて、最頻値Pは、A/1.9を示す破線の左側に位置する。
図13に示すように、比較例に係るサンプルKの最高点の高さAは、1.90μmであり、最頻値Pは、0.59であった。したがって、サンプルKは、A/1.9>Pとなる。つまり、図13に示すヒストグラムにおいて、最頻値Pは、A/1.9を示す破線の左側に位置する。
図14は、実施例に係るサンプルFのヒストグラムを示す図である。図15は、実施例に係るサンプルGのヒストグラムを示す図である。図16は、実施例に係るサンプルHのヒストグラムを示す図である。図17は、実施例に係るサンプルIのヒストグラムを示す図である。図18は、実施例に係るサンプルJのヒストグラムを示す図である。なお、図14~図18中、破線は、「A/1.9」の値を示す。
図14に示すように、実施例に係るサンプルFの最高点の高さAは、3.26μmであり、最頻値Pは、2.62であった。したがって、サンプルFは、A/1.9<Pとなる。つまり、図14に示すヒストグラムにおいて、最頻値Pは、A/1.9を示す破線の右側に位置する。
図15に示すように、実施例に係るサンプルGの最高点の高さAは、2.66μmであり、最頻値Pは、2.21であった。したがって、サンプルGは、A/1.9<Pとなる。つまり、図15に示すヒストグラムにおいて、最頻値Pは、A/1.9を示す破線の右側に位置する。
図16に示すように、実施例に係るサンプルHの最高点の高さAは、1.67μmであり、最頻値Pは、1.17であった。したがって、サンプルHは、A/1.9<Pとなる。つまり、図16に示すヒストグラムにおいて、最頻値Pは、A/1.9を示す破線の右側に位置する。
図17に示すように、実施例に係るサンプルIの最高点の高さAは、1.22μmであり、最頻値Pは、0.87であった。したがって、サンプルIは、A/1.9<Pとなる。つまり、図17に示すヒストグラムにおいて、最頻値Pは、A/1.9を示す破線の右側に位置する。
図18に示すように、実施例に係るサンプルJの最高点の高さAは、2.57μmであり、最頻値Pは、2.08であった。したがって、サンプルJは、A/1.9<Pとなる。つまり、図17に示すヒストグラムにおいて、最頻値Pは、A/1.9を示す破線の右側に位置する。
以上の結果から、実施例に係るサンプルF、サンプルG、サンプルH、サンプルI、および、サンプルJは、上記式(1)を満たすことが確認された。つまり、実施例に係るサンプルF~サンプルJは、光学積層体10の最外表面(防汚層15の表面)の凹凸面60において、複数の凸部62の頂部62aが、相互に実質的に同一の高さを有し、また、複数の凸部62の頂部62aそれぞれが実質的な平坦面を有し、凹凸面60が耐擦傷性に優れた粗面構造になっていることが確認された。
一方、比較例に係るサンプルA、サンプルB、サンプルC、サンプルD、サンプルE、および、サンプルKは、上記式(1)を満たさないことが確認された。つまり、比較例に係るサンプルA~サンプルE、および、サンプルKは、光学積層体の最外表面(防汚層の方面)の凹凸面において、複数の凸部の頂部それぞれの高さが、実質的に同一ではなく、凹凸面が、相互に高さの異なる尖った突起(尖端)を多く含む突起状構造になっており、耐擦傷性に劣ることが確認された。
[耐擦傷性の評価]
比較例に係るサンプルA~EおよびサンプルK、ならびに、実施例に係るサンプルF~サンプルJをそれぞれ100mm×50mmの青板ガラスに、巴川製紙所製の透明PSA:(TD06A)を用いて貼合して、試験片を作成した。続いて、JIS L0849に準拠した摩擦試験機I形を用いて、各試験片の表面に沿って、摩擦体を水平往復運動させた。摩擦体としてスチールウール(ボンスター株式会社製 #0000番)を用いた。この摩擦試験の条件設定は、荷重1kg、接触面積1cm×1cm、摺動距離50mm、摺動速度60往復/minとした。また、水平往復回数を2000回とした。その後、純水接触角を測定した。
純水接触角(WCA)は、全自動接触角計DM-700(協和界面化学株式会社製)を用い、以下の条件で楕円フィッティング法によって測定した。蒸留水をガラスシリンジに入れて、その先端にステンレス製の針を取り付けて、試験片それぞれに純水を滴下した。
純水の滴下量:2.0μL
測定温度:25℃
純水を滴下して4秒経過後の接触角を、試験片表面の任意の6か所で測定し、その平均値を純水接触角(WCA)とした。
[光学評価]
比較例に係るサンプルA~EおよびサンプルK、ならびに、実施例に係るサンプルF~サンプルJの外部ヘーズ値を測定した。外部ヘーズ値の測定は、日本電色製NDH-7000を使用し、JIS K7136に基づいて行った。
以上の実施例に係るサンプルF~サンプルJで測定された結果をまとめて下記の表31に示す。また、比較例に係るサンプルA~EおよびサンプルKで測定された結果をまとめて下記の表4に示す。
Figure 2022187987000004
Figure 2022187987000005
表3および表4の結果を参照すると、実施例に係るサンプルF~サンプルJの外部ヘーズ値[%]は、比較例に係るサンプルA~サンプルEおよびサンプルKと同様に、3%以上40%以下であることが分かる。したがって、実施例に係るサンプルF~サンプルJは、比較例に係るサンプルA~サンプルEおよびサンプルKと同程度の外部ヘーズ値[%]を有することが確認された。
また、表3および表4の結果を参照すると、実施例に係るサンプルF~サンプルJの表面粗さSa[nm]は、比較例に係るサンプルA~サンプルEおよびサンプルKと同様に、60nm以上、250nm以下であることが分かる。したがって、実施例に係るサンプルF~サンプルJは、比較例に係るサンプルA~サンプルEおよびサンプルKと同程度の表面粗さSaを有することが確認された。
以上の外部ヘーズ値[%]および表面粗さSa[nm]の測定結果から、実施例に係るサンプルF~サンプルJは、比較例に係るサンプルA~サンプルEおよびサンプルKと同程度の防眩性を有することが分かった。
また、表3の結果を参照すると、実施例に係るサンプルF~サンプルJは、上記式(1)を満たすことが確認された。つまり、実施例に係るサンプルF~サンプルJは、最外表面(防汚層15)の凹凸面60を構成する複数の凸部62の頂部62aが、相互に実質的に同一の高さを有し、また、複数の凸部62の頂部62aのそれぞれが、実質的な平坦面を有することが確認された。
一方、表4の結果を参照すると、比較例に係るサンプルA~サンプルEおよびサンプルKは、上記式(1)を満たさないことが確認された。つまり、比較例に係るサンプルA~サンプルE、および、サンプルKは、最外表面(防汚層)の凹凸面を構成する複数の凸部の頂部それぞれの高さが、実質的に同一ではなく、頂部が平坦面ではない、すなわち、相互に高さの異なる複数の突起を有する突起状構造を備えることが確認された。
また、表3の結果を参照すると、実施例に係るサンプルF~サンプルJに対し、摩擦試験を行った後の、最外表面の水に対する接触角は、90度以上であることが確認された。これにより、実施例に係るサンプルF~サンプルJは、耐擦傷性が高いことが分かった。
一方、表4の結果を参照すると、比較例に係るサンプルA~サンプルEおよびサンプルKに対し、摩擦試験を行った後の、最外表面の水に対する接触角は、58度以下であることが確認された。
つまり、実施例に係るサンプルF~サンプルJに対し、摩擦試験を行った後の、最外表面の水に対する接触角は、比較例に係るサンプルA~サンプルEおよびサンプルKの接触角の1.57倍~1.96倍であった。
以上説明したように、本実施形態によれば、1~10μm程度のフィラー粒子によって凹凸構造を形成する従来技術と同程度の防眩性を有しつつ、従来技術よりも耐擦傷性を大幅に向上させた光学積層体10、および、これを備える偏光板ならびに画像表示装置を提供することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
なお、上記実施形態において、光学積層体10が、密着層13、反射防止層14および、防汚層15を備える場合を例に挙げた。しかし、光学積層体10は、ハードコート層12上に、金属酸化物からなる少なくとも1層以上の金属酸化物層を備えていればよい。金属酸化物層は、上述した各種の光学機能層であってもよい。例えば、光学積層体10は、透明基材11と、ハードコート層12と、密着層13と、光学機能層と、防汚層15とを備えていてもよい。また、密着層13または防汚層15のいずれか一方もしくは双方を設けなくてもよい。
10 光学積層体
11 透明基材
12 ハードコート層
13 密着層(金属酸化物層)
14 反射防止層(金属酸化物層)
14a 高屈折率層
14b 低屈折率層
150 転写型
30 凹凸構造
32 凸部
32a 頂部
34 凹部
60 凹凸面
62 凸部
62a 頂部
64 凹部

Claims (15)

  1. 透明基材と、
    前記透明基材上に設けられ、樹脂組成物からなる少なくとも1層以上のハードコート層と、
    前記ハードコート層上に設けられ、金属酸化物からなる少なくとも1層以上の金属酸化物層と、
    を備え、
    前記ハードコート層の前記金属酸化物層側の表面に凹凸構造が形成されており、
    前記凹凸構造の表面の高さ分布は、以下の式(1)を満たす、光学積層体。
    A/1.9 < P ・・・(1)
    A:前記凹凸構造の表面の最低点の高さBを0としたときの、前記凹凸構造の表面の最高点の高さ
    P:前記凹凸構造の表面の最低点の高さBを0としたときの、前記凹凸構造の表面の高さ分布の最頻値
  2. 前記ハードコート層の前記凹凸構造を構成する複数の凸部の頂部は、相互に実質的に同一の高さを有する、請求項1に記載の光学積層体。
  3. 前記光学積層体の最外表面は、前記ハードコート層の前記凹凸構造の形状に追従した凹凸面となっており、
    前記凹凸面を構成する複数の凸部の頂部は、相互に実質的に同一の高さを有する、請求項2に記載の光学積層体。
  4. 前記ハードコート層の前記凹凸構造を構成する複数の凸部の頂部のそれぞれは、実質的な平坦面を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の光学積層体。
  5. 前記光学積層体の最外表面は、前記ハードコート層の前記凹凸構造の形状に追従した凹凸面となっており、
    前記凹凸面を構成する複数の凸部の頂部のそれぞれは、実質的な平坦面を有する、請求項4に記載の光学積層体。
  6. 前記ハードコート層の前記凹凸構造の表面粗さSaが、50nm以上、300nm以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の光学積層体。
  7. スチールウールを用いた摩擦試験機を用いて、前記スチールウールを前記光学積層体の表面に対して、荷重:1kg、接触面積:1cm×1cm、往復運動:2000回の条件で摩擦した後の前記光学積層体の最外表面の水に対する接触角は、90度以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の光学積層体。
  8. JIS K7136で規定される外部ヘーズ値が、3%以上、40%以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の光学積層体。
  9. 前記ハードコート層は、平均粒径が20nm以上、100nm以下の金属酸化物微粒子を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の光学積層体。
  10. 前記ハードコート層は、平均粒径が1μm以上のフィラー粒子を含まない、請求項1~3のいずれか一項に記載の光学積層体。
  11. 前記金属酸化物層は、反射防止層を含み、
    前記反射防止層は、低屈折率層と、前記低屈折率層よりも大きい屈折率を有する高屈折率層とが交互に積層された積層体からなり、
    前記光学積層体は、防眩機能および反射防止機能を有する反射防止フィルムである、請求項1~3のいずれか一項に記載の光学積層体。
  12. 前記金属酸化物層は、前記ハードコート層と前記反射防止層との間に設けられる密着層を含む、請求項11に記載の光学積層体。
  13. 請求項1~3のいずれか一項に記載の光学積層体を備える、偏光板。
  14. 請求項1~3のいずれか一項に記載の光学積層体を備える、画像表示装置。
  15. 請求項1~3のいずれか一項に記載の光学積層体の製造方法であって、
    透明基材上に樹脂組成物からなるハードコート層を設ける工程と、
    前記ハードコート層上に少なくとも1層以上の金属酸化物層を設ける工程と、
    前記金属酸化物層上に防汚層を設ける工程と、
    を含み、
    前記ハードコート層を設ける工程は、
    前記透明基材の表面に前記樹脂組成物を塗布する工程と、
    前記樹脂組成物に転写型の凹凸形状を転写する工程と、
    を有する、光学積層体の製造方法。
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