JP2022187978A - 局所的照光を行う計時器 - Google Patents

局所的照光を行う計時器 Download PDF

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Abstract

【課題】 計時器において独創性のある局所的な光の効果を与える。【解決手段】 本発明は、風防（３４）に加えて、ケース裏部（２）、ケースミドル部（１）、表盤（３）、及び２つのブレスレットストランド（３０）の外側要素を備える計時器に関する。これらの外側要素の少なくとも１つには、少なくとも部分的に光透過性ないし半透明のセラミックス材料によって作られた少なくとも１つの部分があり、前記計時器は、さらに、熱を放出する少なくとも２つの点光源（１０）を備え、各点光源（１０）は、個別にオン／オフを切り替えることができ、かつ、セラミックス材料を含む前記少なくとも１つの外側要素の中又は直接の裏に配置され、各点光源（１０）は、前記外側要素のセラミックス材料を通り抜ける光を発生させ、各点光源（１０）は、当該外側要素のセラミックス材料の点ないし準点の領域（４０）に局所的な光を当てて、前記外側要素に局所的照光を発生させるように構成している。【選択図】 図１

Description

本発明は、局所的照光を行う計時器に関する。本発明は、特に、機能的目的、美的目的及び／又は遊び心を与える目的のために、独創性のある局所的な光効果を発揮する計時器に関する。本発明は、さらに、前記のような計時器を用いて、計時器に対する照光のための新規な独創性のある機能的アプリケーションを得ることに関する。
腕時計のような計時器において美的外観を改善することは、携行型時計（例、腕時計、懐中時計）の製造業者、特に、様々な外側要素の設計を担当する者、にとって関心事項であり続けている。計時器の外観に可能なかぎり気を配り審美的な外観を与えるために考えられてきた手法は多くあり、すべてここに挙げることはできないほどに多い。例としては、表盤のエンジンターン技術、アプリークや表盤や針の形状及び／又は色、貴石又は半貴石の付加などがある。
本発明は、美的に優れており、驚きを与え、かつ、機能的であるような携行型時計を顧客に提供するための探索の一環として行われた。
これに関連して、例えば、国際特許出願ＷＯ２０１０／１４６１６２Ａ１によって、少なくとも１つの外側要素が少なくとも部分的に光透過性ないし半透明であるような計時器における照光が知られている。この計時器は、典型的には携行型時計であり、外側要素の光透過性ないし半透明の部分を通り抜ける光を発生させることによって表盤の裏におけるケース内から携行型時計の外側要素に対して照光することを可能にする１つ又は複数の光源を備える。このようにして、携行型時計のケースミドル部の外周、ワインド用ボタン及び／又は押しボタンのまわりの領域、又はブレスレットストランドの方の光学的要素に対して照光することができる。また、表盤に設けられた選択的に半透明となっている領域（アプリーク）を介して表盤に対して照光することができる。
しかし、この種の計時器の課題として、随意的に針の位置と日付表示に対して直接又は間接的に照光することによって夜間に時刻や日付を把握することを可能にして、全体的な特別な美的効果を発揮することが制限されるということがある。特に、このような計時器を用いても、計時器の単一の点又は複数の別個の点にある情報を美的に優れた形態で発光性の表示を用いて表示することはできない。
本発明は、計時器における複数の点において局所的照光を行い、容易に作成することができ、かつ、機能的目的、美的目的及び／又は遊び心を与える目的のための独創性のある局所的な光の効果を発揮するような計時器を提供することによって、前記従来技術の課題を解決する。
このために、本発明は、風防に加えて、ケース裏部、ケースミドル部、表盤、及び２つのブレスレットストランドの外側要素を備える計時器であって、
これらの外側要素の少なくとも１つには、少なくとも部分的に光透過性ないし半透明のセラミックス材料によって作られた少なくとも１つの部分があり、
前記計時器は、さらに、熱を放出する少なくとも２つの点光源を備え、
各点光源は、個別にオン／オフを切り替えることができ、かつ、セラミックス材料を含む前記少なくとも１つの外側要素の中又は直接の裏に配置され、
各点光源は、前記外側要素のセラミックス材料を通り抜ける光を発生させ、
本発明によると、各点光源は、当該外側要素のセラミックス材料の点ないし準点の領域に局所的な光を当てて、前記外側要素に局所的照光を発生させるように構成している。
少なくとも部分的に光透過性ないし半透明のセラミックス材料の使用は、各光源がこのセラミックス材料の点ないし準点の領域において局所的な光を発生させるように構成しているということと組み合わさって、製造が単純であり、機能的目的（特に、 通常は隠されている情報を表示するため）、美的目的、及び／又は遊び心を与えるために、計時器内のいくつかの点において照光される、局所的照光を行うような計時器を作ることを可能にする。また、この照光は、多かれ少なかれ散乱性であり、目立たず、柔らかく、心地よい外観を与える。このような特徴は、所望の美的結果に応じてほぼ無限にあり、このようにして、計時器の最終的な美的品質を向上させる。本発明に係る計時器は、例えば、電子的、電気機械的かつ／又は機械的な携行型時計であることができ、特に、スポーツウォッチやいわゆる「高級」携行型時計であることができる。
考慮している携行型時計のモデル（特に、既存のセラミックス製の外側要素を組み入れたもの）に応じて、本発明には、セラミックス製の外側要素に複雑な構造を挿入することなく、携行型時計ケースの内側コンポーネント（鋼製のケースミドル部、ケース裏部など）しか変えずに、実装することができるという付加的な利点がある。これによって、射出成形の型を変更せずに、本発明に係る照光機能を既存の携行型時計のモデルに組み入れることができる。
従属請求項２～１６に、当該計時器の特定の実施形態について記載している。
本発明の第１の実施形態において、各点光源は、量子ボックス又は量子ドットである。
本発明の第２の実施形態において、各点光源は、プリント回路ボードタイプの支持体、好ましくはフレキシブルなプリント回路ボード、に取り付けられた発光ダイオードである。各点光源は、例えば、交換可能又は充電可能な電池又は太陽電池によってパワー供給される。
第１の変異形態において、各発光ダイオードは、表面実装デバイス（ＳＭＤ）であり、好ましくは、カプセル化及び／又は表面溶接される表面実装デバイス（ＳＭＤ）である。
第２の変異形態において、各発光ダイオードは、プリント回路ボード上の発光ダイオードチップであり、好ましくは、光透過性の含浸材料を含む発光ダイオードチップである。
好ましいことに、前記計時器は、さらに、前記発光ダイオードを制御するための電子制御回路を備え、
前記電子制御回路は、各発光ダイオードを他のダイオードから独立して制御するように構成している。前記電子制御回路は、選択された機能にしたがって、又はユーザーからの要求に応じて、又は前記計時器のボタン又はワインド機構のワインド用ボタン、又はタッチ検知可能な領域において行われる動作を介して、発光ダイオードのオンオフの切り替えを制御する。
本発明の１つの代替的実施形態において、各点光源は、照光される外側要素の内面に配置される。これによって、より美しい照光のために、照光される外側要素の外面に各点光源を近づけることができる。
本発明の別の変異形態において、照光される外側要素に、少なくとも２つの内側の空欠部が形成され、各点光源は、前記内側の空欠部の１つに配置される。繰り返しになるが、これによって、各点光源を、照光される外側要素の外面に近づけることができる。内側の空欠部は、計時器の射出成形の型において形成することも、焼結後に機械加工することもできる。
好ましいことに、前記照光される外側要素の厚みは、前記外側要素の中又は裏に配置された各点光源がその点光源がオフであるときに見えないように選ばれる。これによって、照光の美的品質と目立たないことがさらに向上し、したがって、計時器の美的外観が向上する。
好ましいことに、前記照光される外側要素は、前記計時器のケースミドル部であり、
前記ケースミドル部の厚みは、１ｍｍ～５ｍｍの範囲内、好ましくは２ｍｍ未満、である。このような厚みは、ケースミドル部の特に効果的な照光を実現させる。
好ましいことに、各点光源は、前記照光される外側要素の裏において、計時器の可動部分に取り付けられ、例えば、針の軸のまわりを回転するように構成している疑似針に取り付けられる。これによって、特に、照光される外側要素が携行型時計のケースミドル部又はベゼルである場合に、ダイナミックで特に美的な照光効果を得ることができる。
本発明の特定の技術的特徴によると、前記点光源は、照光されることがあるセラミックス材料の各点ないし準点の領域を、単一の単色の点光源によって照光することができるように構成している。
本発明の別の特定の技術的特徴によると、前記点光源は、照光されることがあるセラミックス材料の各点ないし準点の領域を、異なる光の色を有する複数の点光源によって照光することができるように構成している。これによって、照光される外側要素の各点ないし準点において複数の色を発することができる。
本発明の別の態様は、前記計時器の使用に関し、これにおいて、熱を放出する前記点光源のオンとオフの切り替えは、前記計時器が、前記点光源によって照光される外側要素上に、前記計時器に固有の機能、及び／又は外部パラメーター又は前記計時器のユーザーに関連するパラメーターの測定に関連する機能についての少なくとも１つの視覚的表示を行うように構成している。
本発明の特定の技術的特徴によると、前記点光源のオンとオフの切り替えは、前記計時器が、
時、分及び／又は日付を表示する機能と、
時間の経過とともに1つずつ点灯又は消灯することによって発光性の前記外側要素の点ないし準点の領域を利用してストップウォッチ又はカウントダウンタイマーを表示する機能と、
前記外側要素上における色、リズム、周波数及び／又は強度が変調された照光による前記計時器によって測定される量、例えば、心拍数、温度、ランニングペース、歩数、又は音量レベル、を表示する機能と、
アラーム又は受信した通知を表示する機能と、
計時器のアクティブな機能を表示する機能と、及び
計時器の設定を補助する機能
のうちの１つ又は複数に関連する１つ又は複数の視覚的表示を、前記点光源によって照光される外側要素上にて、行うように構成している。
本発明の別の特定の技術的特徴によると、前記点光源のオン及び／又はオフの切り替えは、同時かつ／又は順次的に行うように制御される。
図面に示している少なくとも１つの実施形態に基づいてなされる以下の説明において、本発明に係る計時器の目的、利点及び特徴が明確に記載されている。
２つの点光源を備える本発明の一実施形態に係る携行型時計ケースの断面図である。 点照光が時を示す、ベゼルを備える腕時計を上から見た図である。 図２と同様な図であり、ベゼル上の２つの点照光は、時と分を示す。 図２と同様な図であり、ベゼル上の複数の点照光が、発光性のカウントダウンタイマー又はストップウォッチを示している。
本発明は、概して、光透過性ないし半透明のセラミックス材料を含む計時器の少なくとも１つの外側要素の中又は裏に少なくとも２つの点光源を収容することを伴う創造性のある思想から発展したものである。各点光源が発する光は、光放射や可視光とも呼ばれ、当該外側要素のセラミックス材料の点ないし準点の領域に局在化し、これによって、前記外側要素にて局所的照光を発生させる。なお、各点光源は、特にジュール効果によって、熱を放出することができる。このようにして、容易に作成することができ、機能的目的、美的目的及び／又は遊び心を与える目的のために独創性のある局所的な光の効果を発揮するような、計時器における複数の点において局所的照光を行う計時器が提供される。また、前記光源は、エリア光源ではなく点光源と称されるものである。この点光源は、ピンポイントに集まっているように見える光を発するように構成している。
照光をオンにすると、外側要素の光領域は、多かれ少なかれハードな拡散した光を透過し、構成と設置された照光デバイスのパワーに応じて光を拡散して、外側要素の照光されていない部分とは対照的に、驚きを与えるような機能的目的、美的目的及び／又は遊び心を与える効果を発生させる。
計時器において、前記外側要素は、好ましくは、一体的な部品である。代替的実施形態において、前記外側要素は、好ましくは、一体的なセラミックス製の部品である。
「点ないし準点の領域」とは、人間の目で隣接領域とは別個のものであると認識されるような寸法構成を有する当該外側要素のセラミックス材料における任意の局所的領域を意味するものと理解することができる。
以下の説明において、当業者によく知られている計時器の部品についてはすべて、簡易的にしか説明しない。
図１は、ケース裏部２と表盤３とともにケースミドル部１を示している断面図であり、ケースミドル部１は、ケース裏部２と表盤３とともに、携行型時計ケース６の内部体積４の境界を定める。携行型時計ケース６は、風防３４によって上部が閉じられる。この説明のために、携行型時計が電子式携行型時計であり、そのムーブメントＭが携行型時計ケース６のケース裏部に配置されると仮定する。このようにして、プリント回路ボード（ＰＣＢ）タイプの支持プレート８をムーブメントＭの上に配置することができ、そのＰＣＢの上に、例えば発光ダイオード（ＬＥＤ）タイプの、２つの点光源１０、及びそれらの電子制御回路１２が取り付けられる。各点光源１０が発する光は、照光される外側要素の点ないし準点の領域、すなわち、図１に示している特定の実施形態においては表盤３、に対して照光する。このために、各点光源１０が発する光は、例えば、当該点ないし準点の領域の方へのコリメート光又は集束光であることができ、この場合、この光源は、コリメート又は集束用の要素を備える。各光源は、さらに、その放射を伝搬させる要素を含むことができる。
図１に示している特定の実施形態において、各点光源１０は、外側要素、例えば、照光される表盤３、の裏に配置されている。したがって、この光源は、点ないし準点の領域が存在するべきこの外側要素の内面に、押したり、接着させたり、又は他のタイプの手段を用いたりして、配置される。また、図示していない代替的実施形態において、各点光源１０を、照光される外側要素の直接の裏において、計時器の可動部品に取り付けることもできる。例えば、照光される外側要素がケースミドル部１に取り付けられるベゼル２６である場合に、各点光源１０を、針２９の軸のまわりを回転するように構成している疑似針に取り付けることができる。なお、「外側要素の直接の裏」とは、各光源が以下のように配置されていることを意味すると理解しなければならない。
－ 点ないし準点の領域が存在する当該外側要素の内面のすぐ近くに配置されており、この構成において当該光源と当該内面の間にて定められる空間においていずれの中間的要素も配置されていない。
－ 点ないし準点の領域が存在する当該外側要素の内面と接触している。
代替的実施形態の１つにおいて、各点光源１０は、部分的又は全体的に、照光される外側要素内に配置される。この場合において、正確には、照光される外側要素に少なくとも２つの内側の空欠部が形成され、各点光源１０が、その内側の空欠部の１つの中に配置される。これらの内側の空欠部は、空洞ないし非貫通穴である。この構成において、外側要素の内面に各空欠部（ないし非貫通穴）の開口がある。これらの内側の空欠部は、外側要素の射出成形の型にて形成することができ、また、外側要素の焼結後に機械加工して形成することもできる。なお、これらの空欠部は、点ないし準点の領域に位置している。
ジュール効果によって熱を放出する任意のタイプの点光源１０、例えば、発光ダイオード、を用いることができる。本発明の１つの特定の実施形態において、それぞれが紫外線、紫色、青色、白色又は赤外線の光を発する発光ダイオードを、蛍光及び／又はリン光粒子を含む少なくとも部分的に光透過性ないし半透明のセラミックス材料を含む外側要素と組み合わせて用いる。携行型時計ケース６内から光が出るように意図されている１つ又は複数の箇所において外側要素が設けられる。このようにして、蛍光及び／又はリン光粒子は、各ダイオードが発する放射線を吸収し、均質な可視光を再び発する。選択した粒子、すなわち、蛍光粒子及び／又はリン光粒子、のタイプに応じて、光源がオフになった直後に発光効果が止まったり、残光効果のために発光が継続したりする。代わりに、図示していないが、点光源１０は、量子ボックス又は量子ドットであることができる。
本発明の一実施形態において、各点光源１０は単色光源であり、外側要素のセラミックス材料において照光されることがある各点ないし準点の領域が、単一の単色の点光源１０によって照光される。本発明の別の実施形態において、点光源１０は、互いに異なる光の色を有するように構成しており、外側要素のセラミックス材料に対して照光されることがある各点ないし準点の領域が、これらの複数の点光源１０によって照光される。
好ましくは、プリント回路ボード（ＰＣＢ）８は、フレキシブルなボードである。点光源１０は、発光ダイオードである場合、例えば、典型的にはカプセル化及び／又は表面溶接される、表面実装デバイス（ＳＭＤ）であることができ、あるいは典型的には光透過性の含浸材料を含む、プリント回路ボード上の発光ダイオードチップであることができる。制御回路１２は、選択された計時器のための機能にしたがって、あるいは計時器の押しボタン、ワインド用ボタン、又はタッチ検知可能な領域に対して行われるユーザーの動作を介してのユーザーからの要求に応じて、発光ダイオードを制御するように構成している。好ましくは、電子制御回路１２は、他のダイオードから独立して各発光ダイオードを制御するように構成している。すなわち、各点光源１０のオンとオフの切り替えは、この電子制御回路１２によって別々に制御される。
各点光源１０は、例えば、充電式又は交換可能な電池１４によってパワー供給され、伝統的な形態で、携行型時計ケース６のケース裏部２側の計時器用ムーブメントＭの裏に配置される。なお、本発明に係る携行型時計は、電子的であることができ、電気機械的であることができ、さらには純粋に機械的であることもできるというように理解すべきである。純粋に機械的な携行型時計である場合、単純に電池のために空欠部を設けて、この電池を光源１０及びそれらの電子制御回路１２のみにパワー供給するようにする。したがって、本発明は、任意のタイプの携行型時計に適用することができ、その唯一の制約は、点光源と外側要素の間において光の伝播を妨げる障害があってはならないということである。この外側要素を介して前記光を発する必要がある。
図１に示している特定の実施形態において、前記光が出なければならない外側要素は、表盤３である。この表盤３は、少なくとも部分的に光透過性ないし半透明のセラミックス材料によって作られている。しかし、本発明は、少なくとも部分的に光透過性ないし半透明のセラミックス材料によって作られている部分を含む計時器の任意の他の外側要素にも適用することができ、この部分は、例えば、ケースミドル部１、ケース裏部２、ベゼル２６、フランジ（図示していない）、又はさらにはブレスレットストランド３０（図２～４に示している）である。１つの特定の実施形態において、照光されるように意図された、セラミックス材料によって作られる外側要素の部分は、ケースミドル部１又はベゼル２６の上側部分である。
図示していない本発明の一実施形態において、押しボタン１６のような携行型時計の制御１の点ないし準点の領域、特に、少なくとも部分的に光透過性ないし半透明のセラミックス材料によって作られた当該制御メンバーの部分が照光される。図示していない本発明の別の実施形態において、随意的にボタンキャップを備えることができる、ワインド用ボタンの少なくとも１つの点ないし準点の領域が照光される。このような場合、ワインド用ボタン及び／又はボタンキャップには、少なくとも部分的に光透過性ないし半透明のセラミックス材料によって作られた少なくとも１つの部分がある。ワインド用ボタン及び／又はボタンキャップの当該部分の少なくとも１つの点ないし準点の領域に対して局所的照光が行われる。
図示していない代替的実施形態において、照光される外側要素は、少なくとも部分的に光透過性ないし半透明のセラミックス材料によって作られたインサート部を含むことができる。このインサート部は、携行型時計ケース６内から光を出すように意図されている１つ又は複数の箇所に設けられる。したがって、外側要素の残りは、例えば、セラミックスではない材料、典型的には不透明な材料、によって作られる。また、特にバイインジェクション成型プロセスを用いる、インジェクション成型プロセス中に、複数のセラミックスの色が混合された外側要素を設けることも可能であり、これらの複数の色の少なくとも１つは部分的に光透過性ないし半透明であり、これによって、このようなバイインジェクション成型プロセスによって作られた所定の箇所において光が通り抜けることができるようになる。
本発明の１つの特定の有利な実施形態において、照光される外側要素の厚みは、光源１０がオフであるときに外側要素の中又は裏に配置される各点光源１０が見えないように選択する。これによって、計時器の美的外観が大幅に向上する。また、点光源１０の発光パワーは、外側要素の厚みの選択に適応させて組み合わせて、光源１０がオフであるときに光源１０を前記のように見えないようにすることを達成することができる。これによって、所望の美的効果に応じて、照光を多かれ少なかれ散乱的にしたり直接的にしたりし、ソフトにしたりハードにしたりすることもできる。照光される外側要素が計時器のケースミドル部１である場合、そのケースミドル部１の厚みは、好ましくは、１ｍｍ～５ｍｍの範囲内であるように選択される。好ましくは、特に効果的な照光を達成するために、ケースミドル部の１の厚みは２ｍｍ未満である。
本発明の別の実施形態において、以下のように、照光される外側要素のセラミックス材料に描かれた１つ又は複数の銘（インスクリプション）と点光源１０を組み合わせることができる。すなわち、以下のように行う。
－ 機械的又はレーザー式のエッチングによってセラミックスの厚みを変える（例えば、セラミックスを約０．１ｍｍ凹ませる）、又は
－ セラミックスの密度を変える、又は
－ セラミックス製の外側要素の内部又は表面に不透明又は半透明の跡（インプリント）を形成する、又は
－ 外側要素の内部又は表面においてパターンを形成する物理蒸着（ＰＶＤ）又は類似の方法を行う、又は
－ これらの方法の組み合わせを行う。
点光源１０の発光がオンに切り替わると、通常は見えない銘のネガ像がセラミックス材料の表面に現れる。
本発明に係る計時器は、好ましいことに、計時器のユーザーに様々な機能的アプリケーションを与えるように用いることができる。このために、各点光源１０のオンとオフの切り替えは、電子制御回路１２によって別々に制御される。言い換えると、各光源は個別にオン又はオフに切り替えることができる。このために、点光源１０のオンとオフの切り替えは、計時器が、点光源１０によって照光される外側要素上に、計時器に固有の機能、及び／又は外部パラメーターの測定、又は計時器のユーザーに関するパラメーターについての少なくとも１つの視覚的表示を行うように構成している。点光源１０のオン及び／又はオフの切り替えは、電子制御回路１２によって同時に及び／又は順次に制御することができる。
計時器の機能アプリケーションとしては、例えば次のものがある。
・ 外側要素における色、リズム、周波数及び／又は強度が変調された照光によって計時器によって測定される量を表示するアプリケーション
例えば、
－ 同じ周波数のパルス照光によってユーザーの心拍数を表示する。照光の色は、周波数に応じても変えることができ、典型的には心拍数が低ければ緑色、心拍数が上がると赤色にする。
－ 色を温度に適応させて（典型的には低温の場合は青色にし、高温になるにしたがって赤色の度合いを高める）、表盤３上の数字ないしアプリーク３８、又はケースミドル部１及び／又はベゼル２６（図２を参照）の周部にある対応する位置４０に対して順次的に照光することによって、周囲温度を表示する。
－ スポーツウォッチのランニングのペースを表示する（絶対値又は相対値）。
－ 歩数又はユーザーのスポーツ活動の他の測定値を表示する。
－ 音量（デシベル）レベルを表示する（例えば、建築現場、ナイトクラブなどにおいて）。
・ あらゆるタイプのアラーム、様々なアラームのリズム／強度／色の様々な組み合わせを表示するアプリケーション
このような場合、ストラップを含む計時器の多くの外側要素に対して同時に又は順次的に照光することができる。アラームの例としては以下がある。
－ 朝の目覚ましアラーム
－ 移動体電話タイプのモバイルデバイスに接続される携行型時計のために任意の他のアプリケーションから受信したメッセージ又は電子メール（又は送信したメッセージの受信確認）又は任意の他の通知
－ 非接触型決済機能を備える携行型時計の支払いの受領確認
・ マルチタスク型携行型時計のアクティブな機能、特に、「Ｔｉｍｅ」、「Ｃｈｒｏｎｏ」（ストップウォッチのとき）、「Ｂａｒｏ」（気圧計のとき）、「Ｐｅｄｏ」（歩数計のとき）の機能、の表示
これは以下によって行う。
－ 当該機能に対応する表盤３の数字ないしアプリーク３８に対して照光することによって行う（１＝ストップウォッチ、２＝気圧計など）。
－ 表面の直接の裏において、携行型時計の内部（典型的にはケースミドル部１及び／又はベゼル２６）にて印刷又はエッチングされ、照光がない場合は見えない、１つ又は複数の銘（小さなテキストやロゴなど）の透過照光によって行う。
・ 携行型時計、特に、操作が直感的でなくなる可能性がある押しボタン／ワインド用ボタンを用いずに携行型時計を設定するタッチ検知可能な携行型時計、のための設定補助
これは、以下のように行う。
－ 表盤３における数字ないしアプリーク３８、及び／又は小さな隠しテキスト及び／又はロゴに対して照光することによる携行型時計を設定するときのアクティブな設定レベル（又はメニュー）を表示する。
－ 携行型時計を設定するために引き出されたときにセラミックス製のワインド用ボタンに対して照光する。
－ 次の設定手順でユーザーがタッチできる／タッチする必要のある携行型時計のボタン及び／又は部分を示す光ガイドを行う。ボタン自体及び／又はボタンのまわりの領域に対して照光することができる。
－ 設定が携行型時計によって受けられたことをユーザーに示すための光を用いた確認を行う（例えば、２又は３の光パルスを使用）。
図２に、腕時計である本発明に係る計時器の可能性のある別の機能的アプリケーションを示している。携行型時計のベゼル２６の点ないし準点の領域４０において、局所的照光が、時、すなわち、図示している例では１時、を示している。点ないし準点の領域４０は、実際に、携行型時計の表盤３上の数字ないしアプリーク３８の位置に対応する。特に、局所的照光によって、夜間に時を把握することができる。
図３に、腕時計である本発明に係る計時器の可能性のある別の機能的アプリケーションを示している。携行型時計のベゼル２６の第１の点ないし準点の領域４０Ａにおいて、第１の局所的照光は、時、すなわち、図示している例では５時、を示している。携行型時計のベゼル２６の第２の点ないし準点の領域４０Ｂにおいて、第２の局所的照光は、分、すなわち、図示している例では４０分、を示している。第２の照光（分に対応）は、第１の照光（時に対応）と同時に行うことができる。第１及び第２の点ないし準点の領域４０Ａ、４０Ｂの光の色は、同じであることができ（順次的な照光の場合）、また、異なることができる（同時照光の場合）。光の色が異なる後者の場合、同時照光の場合であっても、携行型時計のユーザーが時と分を区別することが可能になる。特に、第１及び第２の局所的照光によって、夜間に時と分を把握することができる。
図４に、腕時計である本発明に係る計時器の可能性のある別の機能的アプリケーションを示している。携行型時計のベゼル２６の１つ又は複数の点ないし準点の領域４０において、図示している例においては８つの領域４０において、複数の局所的照光が、発光性のカウントダウン又はストップウォッチを示している。ベゼル２６上の点ないし準点の領域４０は、時間が経過するにしたがって、１つずつ点灯したり又は消灯したりすることができる。
図２～４に示している例示的な実施形態のそれぞれにおいて、計時器は、典型的には、フレキシブルなプリント回路ボード８上に順に取り付けられた１２個の発光ダイオード１０を備える。各発光ダイオード１０は、ベゼル２６の中又は裏に取り付けられ、ベゼル２６上の１つの点ないし準点の領域４０に対して照光するように用いられる。
図２～４に示している実施形態の代わりに、局所的照光の点ないし準点の領域４０をベゼル２６上ではなくケースミドル部１の周部に設けることができる。
本発明に係る計時器の可能性のある別の機能的アプリケーションは、図２のものと類似しているが図示してはおらず、計時器のベゼル２６の点ないし準点の領域４０上の局所的照光を介して日付を表示する。この点ないし準点の領域４０は、実際に、携行型時計の表盤３上の数字ないしアプリーク３８の位置に対応する。「１２」よりも後の日の場合、その日の２桁の桁を１つずつ順に示し、その後に月を示す（例えば、１月２３日の場合は「２」、「３」、「１」の順になる）。日と月に対して異なる光の色を用いることができる。特に、局所的照光によって、夜間に日付を把握することができる。
当然、本発明に係る計時器によって可能になる上記の機能的アプリケーションの羅列は網羅的なものではなく、当業者であれば他の機能的アプリケーションを考えることができる。
１ ケースミドル部
２ ケース裏部
３ 表盤
８ プリント回路ボード
１０ 点光源
１２ 電子制御回路
１４ 電池
１６ 押しボタン
２６ ベゼル
２９ 針
３０ ブレスレットストランド
３４ 風防
４０ 点ないし準点の領域
Ｍ ムーブメント

Claims (19)

  1. 風防（３４）に加えて、ケース裏部（２）、ケースミドル部（１）、表盤（３）、及び２つのブレスレットストランド（３０）の外側要素を備える計時器であって、
    これらの外側要素の少なくとも１つには、少なくとも部分的に光透過性ないし半透明のセラミックス材料によって作られた少なくとも１つの部分があり、
    前記計時器は、さらに、熱を放出する少なくとも２つの点光源（１０）を備え、
    各点光源（１０）は、個別にオン／オフを切り替えることができ、かつ、セラミックス材料を含む前記少なくとも１つの外側要素の中又は直接の裏に配置され、
    各点光源（１０）は、前記外側要素のセラミックス材料を通り抜ける光を発生させ、
    各点光源（１０）は、当該外側要素のセラミックス材料の点ないし準点の領域（４０）に局所的な光を当てて、前記外側要素に局所的照光を発生させるように構成している
    ことを特徴とする計時器。
  2. 各点光源（１０）は、量子ボックス又は量子ドットである
    ことを特徴とする請求項１に記載の計時器。
  3. 各点光源（１０）は、プリント回路ボード（８）タイプの支持体、好ましくはフレキシブルなプリント回路ボード、に取り付けられた発光ダイオードである
    ことを特徴とする請求項１に記載の計時器。
  4. 各点光源（１０）は、表面実装デバイス（ＳＭＤ）であり、好ましくは、カプセル化及び／又は表面溶接される表面実装デバイス（ＳＭＤ）である
    ことを特徴とする請求項１に記載の計時器。
  5. 各点光源（１０）は、プリント回路ボード上の発光ダイオードチップであり、好ましくは、光透過性の含浸材料を含む発光ダイオードチップである
    ことを特徴とする請求項１に記載の計時器。
  6. 各点光源（１０）が発光ダイオード（１０）である場合に、前記計時器は、さらに、前記発光ダイオード（１０）を制御するための電子制御回路（１２）を備え、
    前記電子制御回路（１２）は、各発光ダイオード（１０）を他のダイオードから独立して制御するように構成している
    ことを特徴とする請求項１に記載の計時器。
  7. 各点光源（１０）は、照光される外側要素の内面に配置される
    ことを特徴とする請求項１に記載の計時器。
  8. 照光される外側要素に、少なくとも２つの内側の空欠部が形成され、
    各点光源（１０）は、前記内側の空欠部の１つに配置される
    ことを特徴とする請求項１に記載の計時器。
  9. 前記照光される外側要素の厚みは、前記外側要素の中又は裏に配置された各点光源（１０）がその点光源（１０）がオフであるときに見えないように選ばれる
    ことを特徴とする請求項１に記載の計時器。
  10. 前記照光される外側要素は、前記計時器のケースミドル部（１）であり、
    前記ケースミドル部（１）の厚みは、１ｍｍ～５ｍｍの範囲内、好ましくは２ｍｍ未満、である
    ことを特徴とする請求項１に記載の計時器。
  11. 各点光源（１０）は、前記照光される外側要素の裏において、計時器の可動部分に取り付けられ、例えば、針（２９）の軸のまわりを回転するように構成している疑似針に取り付けられる
    ことを特徴とする請求項１に記載の計時器。
  12. さらに、ベゼル（２６）、及び／又は押しボタン（１６）、及び／又はボタンキャップを備えるワインド用ボタンを備え、
    前記ベゼル（２６）及び／又は前記ワインド用ボタン及び／又は前記ボタンキャップ及び／又は前記押しボタン（１６）は、少なくとも部分的に光透過性ないし半透明のセラミックス材料によって作られた少なくとも１つの部分がある外側要素である
    ことを特徴とする請求項１に記載の計時器。
  13. 前記照光される外側要素には、少なくとも部分的に光透過性ないし半透明のセラミックス材料によって作られたインサート部があり、
    前記インサート部は、計時器内から光を出すように意図されている１つ又は複数の箇所に設けられ、
    前記外側要素の残りは、セラミックスではない材料によって作られており、好ましくは不透明な材料によって作られる
    ことを特徴とする請求項１に記載の計時器。
  14. 各点光源（１０）は、紫外線、紫色、青色、白色又は赤外線の光を放射するように構成しており、
    前記照光される外側要素は、前記計時器内から光が出るように意図されている１つ又は複数の箇所においてリン光及び／又は蛍光粒子を含む
    ことを特徴とする請求項１に記載の計時器。
  15. 前記点光源（１０）は、照光されることがあるセラミックス材料の各点ないし準点の領域（４０）を、単一の単色の点光源（１０）によって照光することができるように構成している
    ことを特徴とする請求項１に記載の計時器。
  16. 前記点光源（１０）は、照光されることがあるセラミックス材料の各点ないし準点の領域（４０）を、異なる光の色を有する複数の点光源（１０）によって照光することができるように構成している
    ことを特徴とする請求項１に記載の計時器。
  17. 請求項１に記載の計時器の使用であって、
    熱を放出する前記点光源（１０）のオンとオフの切り替えは、前記計時器が、前記点光源（１０）によって照光される外側要素上に、前記計時器に固有の機能、及び／又は外部パラメーター又は前記計時器のユーザーに関連するパラメーターの測定に関連する機能についての少なくとも１つの視覚的表示を行うように構成している
    ことを特徴とする使用。
  18. 前記点光源（１０）のオンとオフの切り替えは、前記計時器が、
    時、分及び／又は日付を表示する機能と、
    時間の経過とともに1つずつ点灯又は消灯することによって発光性の前記外側要素の点ないし準点の領域（４０）を利用してストップウォッチ又はカウントダウンタイマーを表示する機能と、
    前記外側要素上における色、リズム、周波数及び／又は強度が変調された照光による前記計時器によって測定される量、例えば、心拍数、温度、ランニングペース、歩数、又は音量（デシベル）レベル、を表示する機能と、
    アラーム又は受信した通知を表示する機能と、
    計時器のアクティブな機能を表示する機能と、及び
    計時器の設定を補助する機能
    のうちの１つ又は複数に関連する１つ又は複数の視覚的表示を、前記点光源（１０）によって照光される外側要素上にて、行うように構成している
    ことを特徴とする請求項１７に記載の使用。
  19. 前記点光源（１０）のオン及び／又はオフの切り替えは、同時かつ／又は順次的に行うように制御される
    ことを特徴とする請求項１７に記載の使用。
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