JP2022187759A - 樹脂フラックスはんだペーストおよび実装構造体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】はんだ粉末とフラックスとを含む樹脂フラックスはんだペーストであって、
前記フラックスは、少なくともエポキシ樹脂と硬化剤と硬化促進剤と活性剤とを含み、
前記硬化剤は、フェノールノボラック樹脂であり、
前記活性剤は、有機塩基、有機酸、およびそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種であり、
前記はんだ粉末は複数のはんだ粒子を含み、該はんだ粒子は前記活性剤で覆われ、
前記はんだ粉末の含有率は、前記樹脂フラックスはんだペーストの総重量100重量%に対して86~97重量%である、樹脂フラックスはんだペースト。
【選択図】図1
Description
また、本発明の別の目的は、そのような樹脂フラックスはんだペーストを用いて電子部品を搭載した実装構造体を提供することにある。
はんだ粉末とフラックスとを含む樹脂フラックスはんだペーストであって、
前記フラックスは、少なくともエポキシ樹脂と硬化剤と硬化促進剤と活性剤とを含み、
前記硬化剤は、フェノールノボラック樹脂であり、
前記活性剤は、有機塩基、有機酸、およびそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種であり、
前記はんだ粉末は複数のはんだ粒子を含み、該はんだ粒子は、前記活性剤で覆われ、
前記はんだ粉末の含有率は、前記樹脂フラックスはんだペーストの総重量100重量%に対して86~97重量%である、樹脂フラックスはんだペースト。
回路基板に、上記樹脂フラックスはんだペーストを用いて電子部品を実装した実装構造体であって、
前記電子部品と前記回路基板とが金属接合された導電部と、該導電部の周囲の少なくとも一部が前記フラックスの硬化物で覆われることによって形成された補強部とを備える、実装構造体。
本発明の実施形態に係る樹脂フラックスはんだペーストは、
はんだ粉末とフラックスとを含む樹脂フラックスはんだペーストであって、
前記フラックスは、少なくともエポキシ樹脂と硬化剤と硬化促進剤と活性剤とを含み、
前記硬化剤は、フェノールノボラック樹脂であり、
前記活性剤は、有機塩基、有機酸、およびそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種であり、
前記はんだ粉末は複数のはんだ粒子を含み、該はんだ粒子は、前記活性剤で覆われ、
前記はんだ粉末の含有率は、前記樹脂フラックスはんだペーストの総重量100重量%に対して86~97重量%である。
具体的には、サイドボール発生を効果的に抑制するためには、光硬化性組成物中のはんだ粉末の含有率を増加させることが有効である。ここで、はんだ粉末の含有率を増加させると、はんだ粉末を十分に溶融させるために活性剤の含有率を増加させる必要が生じる。その結果、フラックス中のエポキシ樹脂の含有率が低下し、形成される接合部の接続安定性および密着性が低下することになる。
一方、接続安定性および密着性に優れた接合部を形成するためには、光硬化性組成物中のエポキシ樹脂の含有率を増加させることが有効である。ここで、エポキシ樹脂の含有率を増加させると、はんだ粉末および活性剤の含有率が相対的に低下するため、サイドボール発生を十分に抑制できなくなる。
本実施形態に係るはんだペーストに含まれるはんだ粉末は、特に限定されないが、融点が180℃以上、特に200℃以上のはんだ粉末が用いられることが好ましい。はんだ粉末の組成は、特に限定されないが、Sn単体、またははんだ合金の形態であってもよい。はんだ合金としては、例えば、Snをベースとした、Sn-Ag-Cu系(SACはんだ)、Sn-Cu系はんだ、またはSn-Ag系はんだの合金などが挙げられる。SACはんだとしては、例えば、融点が220℃であるSAC305(Sn-3.0Ag-0.5Cu)はんだ、または融点が225℃であるSAC105(Sn-1.0Ag-0.5Cu)はんだなどが挙げられる。Sn-Ag系はんだとしては、例えば、融点が221℃であるSn-3.5Agはんだなどが挙げられる。Sn-Cu系はんだとしては、例えば、融点が227℃であるSn-0.7Cuはんだなどが挙げられる。これらのはんだ合金のうち、好ましくは、SAC305はんだまたはSAC105はんだであり、より好ましくはSAC305である。これは、現在、SAC305はんだは、民生電子機器に汎用的に用いられており、高い接続信頼性と低コストを実現しているため、および、CSPやBGAパッケージのはんだボール用としても汎用的に用いられているためである。
本実施形態では、フラックスは、少なくともエポキシ樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤と、活性剤とを含む。フラックスは、これらの成分に加え、その他の成分をさらに含んでもよい。以下で、フラックスに含まれる各必須成分についてさらに詳細に説明する。
本実施形態ではフラックスはエポキシ樹脂を含む。フラックスがエポキシ樹脂を含むと、はんだ粉末など他の成分がエポキシ樹脂に容易に分散される。エポキシ樹脂は、常温で液体(液状)であることが好ましいが、常温で固体のエポキシ樹脂を液体のエポキシ樹脂と混合することで液体化してもよく、または常温で固体のエポキシ樹脂に溶剤を添加することで液体化してもよい。
本実施形態では、フラックスは硬化剤を含む。硬化剤はフェノールノボラック樹脂である。硬化剤としてのフェノールノボラック樹脂は、はんだペーストが例えば220℃に加熱された場合に、エポキシ樹脂と硬化反応を起こして、エポキシ樹脂を硬化させる。フェノールノボラック樹脂は、好ましくは1分子内(1分子鎖内)に少なくとも2個以上のフェノール性水酸基と、アリル基とを有する。フェノールノボラック樹脂は、1種類を用いてもよく、または2種類以上を用いてもよい。フェノールノボラック樹脂が2種類以上である場合、好ましくは、そのうちの1つは、繰り返し単位中(フェノールユニット中)にフェノール性水酸基およびアリル基の両方を有するフェノールノボラック樹脂(例えば、[化1]参照)であり、そのうちの別の1つが、ビフェニルアラルキル樹脂である。
硬化促進剤は、エポキシ樹脂と硬化剤(フェノールノボラック樹脂)との硬化反応を促進する。硬化促進剤は、好ましくはホウ素含有化合物である。エポキシ樹脂とフェノールノボラック樹脂との硬化反応は、比較的反応性が低い部類に入る。このため、はんだペーストが硬化促進剤を含まない場合、高温域であっても硬化反応がほとんど起こらない。硬化反応は、高温域において比較的短時間で進行することが望ましい。このため、硬化促進剤の添加が必要となる。
活性剤は、例えば、はんだペーストを加熱する温度域において、被接合部材(より具体的には、電子部品の電極、配線および/またははんだ粉末)の表面に存在し得る酸化膜を除去する。活性剤は、一般的には、はんだペーストを加熱する温度域において、被接合部材の表面に存在し得る酸化膜を除去する還元力を有する有機酸、有機塩基、ハロゲンまたはこれらの塩(より具体的には、アミン塩等)などが挙げられる。電気・電子用途では、ハロゲン化合物は、エポキシ樹脂硬化物に含まれると絶縁不良の原因となるため、好ましくない。活性剤は、有機酸、有機塩基(より具体的には、アミン化合物)およびそれらの塩(より具体的には、アミン塩等)から成る群より選択される少なくとも1種である。
本実施形態に係るはんだペーストでは、はんだ粉末のはんだ粒子は活性剤で覆われている。つまり、活性剤をはんだ粒子の表面に高濃度に集中して存在(つまり、偏在)させている。このように、酸化膜除去には酸化膜表面に接触する活性剤が大きく寄与するとの技術思想に基づき、活性剤のはんだ粒子表面の酸化膜除去の作用を向上させる形態を採用する。このため、活性剤の含有率が通常の含有率に比べ小さくても、はんだ粒子表面の酸化膜を効率的に還元除去できる。
なお、被覆膜を作製する場合、膜厚は、例えば、はんだ粒子の大きさや(例えば、溶媒を使用する場合)活性剤の濃度により調整することができる。液状の活性剤で被覆膜を作製する場合、被覆膜の膜厚は、室温で液状の活性剤により、被覆膜の膜厚は数0.1~数μmであり、室温で固体(粉末状)の活性剤を液状の活性剤に分散添加することにより、はんだ表面に膜厚が十数μmの被覆膜を容易に作製できる。
表面が活性剤で覆われたはんだ粒子(表面被覆はんだ)の製造方法の一例を示す。
所定量の液状活性剤と溶剤とを混合させて活性剤液を作製する。容器ではんだ粉末を粉末攪拌しながら、活性剤溶液を容器内へ滴下する。全体がしっとりとした粒子の外観状態になるまで攪拌して、表面被覆はんだを作製する。
以下、はんだ粒子の表面被覆の作業性について活性剤の融点別に説明する。
本実施形態では、フラックスは、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、活性剤に加え、これらの成分以外のその他の成分をさらに含んでもよい。その他の成分としては、例えば、通常用いられる改質剤(より具体的には、ロジン)、溶剤、およびチクソ付与剤などが挙げられる。溶剤としては、例えば、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルが挙げられる。フラックスに溶剤を添加して、はんだペーストの粘度および流動性を調整すること(より具体的には、その粘度の低減および流動性の付与等)ができ、これにより、はんだペーストの成分(例えば、はんだ粉末)の分散性を向上することができる。チクソ性付与剤としては、例えば、硬化ヒマシ油、ステアリン酸アミド、ソルビトール化合物、および水素添加ヒマシ油が挙げられる。フラックスにチクソ性付与剤を添加して、はんだペーストの形状(例えば、印刷形状)を保持することができる。チクソ性付与剤の具体的な商品としては、例えば、新日本理化株式会社製:ゲルオールMDなどが挙げられる。
次に、上述した本実施形態に係るはんだペーストの調製方法、および当該はんだペーストを用いて回路基板に電子部品を実装して実装構造体を作製(または製造)する具体的な方法の一例を示す。
このように、はんだペーストの製造方法では、はんだ粉末に前処理として活性剤で覆う処理を施した後、エポキシ樹脂等の成分と混合して調製する。その理由は、特定の理論に拘束されるわけではないが、以下のように推測される。はんだ粉末の表面は、活性剤だけでなく、はんだペースト中の他の成分(より具体的には、エポキシ樹脂)とも親和性がある。例えば、はんだ粉末を活性剤とエポキシ樹脂との混合物中に投入すると、活性剤とエポキシ樹脂とが競合的にはんだ粉末の表面の錫酸化物との間に化学的な弱い結合を形成して、はんだ粒子の表面を覆う。このため、前処理としてはんだ粉末の表面を活性剤で覆う処理を施すことにより、本実施形態に係るはんだペースト中で、はんだ粉末の表面を優先的に活性剤によって確実に覆うことができる。
本発明の実施形態に係る実装構造体は、回路基板に、上述のはんだペーストを用いて電子部品を実装した実装構造体であって、電子部品と回路基板とが金属接合された導電部と、導電部との周囲がフラックスの硬化物で覆われることにより形成された補強部とを備える。
本発明の実施形態に係るはんだペーストを用いて、例えば、導体配線を有する回路基板などに電子部品(より具体的には、半導体部品等)を実装して本実施形態に係る実装構造体を製造することができる。この実装では、上記はんだペーストを用いて、電子部品の端子と回路基板の電極とを接合させ、はんだ導電部(接合部)9を形成する。図2A~図2Dを参照して、実装構造体の製造方法の一例を説明する。図2A~図2Dは、本発明の実施形態に係るはんだペーストを用いたCSPのボール部の接合工程を模式的に示した断面説明図である。実装構造体の製造方法は、例えば、塗布工程と、搭載工程と、接合工程とを含む。
はじめに、以下に示すはんだペーストを構成する成分(はんだ粉末、およびフラックスの原料等)を準備した。
・SAC305:Sn-3.0Ag-0.5Cu、平均粒径は10~25μm、融点は219℃(三井金属鉱業株式会社製)
・SAC105:Sn-1.0Ag-0.5Cu、平均粒径は10~25μm、融点は225℃(三井金属鉱業株式会社製)
(エポキシ樹脂:ベースエポキシ樹脂)
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂、YD8125(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製、エポキシ当量170)
(硬化剤:アリル基を有するフェノールノボラック樹脂(液状フェノール樹脂))
・アリル化フェノールノボラック樹脂(アリル変性フェノールノボラック樹脂):MEH8000H(明和化成株式会社製、水酸基当量140)
(硬化剤:ビフェニルアラルキルフェノール樹脂(高剛性フェノール樹脂))
・ビフェニルアラルキル型フェノールノボラック樹脂、MEHC7851S(明和化成株式会社製、水酸基当量210)
(硬化促進剤)
・テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート(TPP-K)
(活性剤:有機塩基)
・トリエタノールアミン(TEA:米山薬品工業株式会社製)
(活性剤:有機酸)
・セバシン酸(富士フィルム和光純薬株式会社製)
・レブリン酸(東京化成工業株式会社製)
・アジピン酸(東京化成工業株式会社製)
(活性剤:有機酸と有機塩基との塩)
・トリエタノールアミンアジピン酸塩(TEAアジピン酸塩)(昭和化学株式会社製)
(溶剤)
・ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(日本乳化剤株式会社製)
(チキソ性付与剤)
・ゲルオールMD(新日本理化株式会社製)
次いで、下記の表1~3に示す活性剤(より具体的には、活性剤Iおよび活性剤II)ならびに溶剤を表1~3に示す配合量となるようにそれぞれ秤量し混合した。これにより、活性剤を溶媒に分散または溶解させて活性剤混合液を調製した。得られた活性剤混合液は、液体-粉体混合系の活性剤混合液または液体-液体混合系の活性剤混合液であった。
次いで、エポキシ樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤と、活性剤と、チキソ性付与剤とを、表1~3に示す組成となるようにそれぞれ秤量した。それらを加熱混合してフラックスを調製した。なお、フラックスにおける活性剤の配合量に関しては、はんだ粉末を被覆する活性剤の質量を除いた配合量である。
得られたフラックスに被覆膜を有するはんだ粉末を加え、プラネタリーミキサーを用いて所定時間混錬して、実施例1~8および比較例1~2の樹脂フラックスはんだペーストをそれぞれ作製した。得られた樹脂フラックスはんだペーストの組成を表1~3にまとめた。なお、配合量は質量部を表す。単位phrは、溶剤を除いた全フラックス重量(フラックスの固形分全重量)に対する添加物の重量%を数値で示したものである。
実施例1~8および比較例1~2について、以下の項目を観測・測定した。それらの結果は各例におけるはんだペーストの特性として表1~3に併せて示した。
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて画像を撮像し、画像を観察してはんだ粒子が活性剤で覆われていることを確認した。観測結果を表1~3に示す。
実施例1~8および比較例1~2について、以下の項目について評価した。評価結果は、各例におけるはんだペーストの特性として表1~3に併せて示した。
はんだボールの外観を観察した。得られた外観結果から下記判定基準に基づいて、はんだボールを介した電極間の接続性(接続安定性)を評価した。評価結果を表1~2にまとめた。接続安定性は日本工業規格(JIS)Z3197に準拠して評価した。判定結果×、△、〇、および◎の順に接続安定性が向上することを示す。評価結果を表1~3にまとめた。
(判定基準)
◎(レベル1):はんだが溶融して大きな球になり、周囲にソルダーボールがない
○(レベル2):はんだが溶融して大きな球になり、周囲に直径75μm以下のソルダーボールが3つ以下ある
△(レベル3):はんだが溶融して大きな球になり、周囲に直径75μm以下のソルダーボールが4つ以上あり、半連続の環状に並んではいない。
×(レベル4):はんだが溶融して大きな球になり、周囲に多数の細かい球が半連続の環状に並んでいる
実施例1~8および比較例1~2のはんだペーストを、メタルマスクを用いてガラスエポキシ基板上に印刷し、印刷部を形成した。印刷部上に搭載部品として1005チップ部品(抵抗)を搭載し、リフロー実装した。このようにして評価用試料を作製した。目視にてチップ部品の側面部に発生したサイドボールの発生数をカウントした。測定サンプル数nは10であった。
(判定基準)
×:サイドボールの発生数が1個以上である
○:サイドボールの発生数が0個である(サイドボールが発生していない)
実施例1~8および比較例1~2のはんだペーストを、メタルマスクを用いてガラスエポキシ基板上に印刷し、印刷部を形成した。印刷部上に搭載部品として1005チップ抵抗を搭載し、リフロー実装した。このようにして評価用試料を作製した。ボンドテスターを用いて、搭載部品の接続部のせん断強度(Kgf/チップ)を測定した。測定サンプル数nは5であり、5つの測定値の平均値を算出し、得られた平均値をせん断密着力とした。得られたせん断密着力から下記評価基準に基づいて密着力を評価した。判定結果×、△、および〇の順に密着力が高くなることを示す。
(判定基準)
×:密着力は、1.0未満である
△:密着力は、1.0Kgf以上2.0Kgf未満である
○:密着力は、2.0Kgf以上である
上記3つの評価から下記評価基準に基づいてはんだペーストの総合判定を行った。
(判定基準)
〇:3つの評価結果のうち、いずれも◎および○の何れかである
△:3つの評価結果のうち、1つも×ではなく、少なくとも1つが△である
×:3つの評価結果のうち、少なくとも1つが×である
[実施例1]
(構成)
実施例1のはんだペーストは、表1に示すとおり、はんだ粉末としてのSAC305はんだ520質量部と、フラックス33.23質量部(溶剤を除く)とを含むはんだペーストであった。はんだペースト中のはんだ粒子は、活性剤で被覆された被覆膜を有していた。はんだペースト全量(溶剤を除く)553.23質量部に対する、はんだ粉末の比率は、94.0重量%であった。フラックスは、エポキシ樹脂としてYD8125を15.0質量部(45.14phr)と、硬化剤としてのフェノールノボラック樹脂と、硬化促進剤としてのホウ素含有化合物(テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート)0.500量部(1.50phr)と、液状の活性剤としてトリエタノールアミン(TEA)2.58重量部(7.76phr、対はんだ0.5%)と、粉状の活性剤としてセバシン酸2.58重量部(7.76phr、対はんだ0.5%)とを含んでいた。前述のフェノールノボラック樹脂は、液状フェノールであるMEH8000Hを5.95重量部(17.91phr)、および固形フェノールであるMEHC7851Sを5.95重量部(17.91phr)であった。実施例1のフラックスは、さらにチクソ性付与剤としてのゲルオールMDを0.67重量部(2.02phr)と、溶剤としてのジエチレングリコールモノヘキシルエーテル17.12重量部(3.0%対はんだペースト全量)を含んでいた。実施例1は、請求項1に係る発明の範囲に包含される例であった。
実施例1の評価結果では、はんだボールの外観評価がレベル2であり判定結果○であった。また、サイドボールの発生数が0個で判定結果〇であった。さらに、せん断密着力が2.4Kgfであり判定結果○であった。これらの結果、実施例1の総合判定は、○であった。
(構成)
表1~2に示すように、はんだの種類および比率、活性剤の種類および配合量、硬化促進剤の種類および配合量、溶剤の配合量、ならびにチキソ性付与剤の配合量のうちの少なくとも1つを変更した以外は、実施例1と同様にして、はんだペーストをそれぞれ作製した。なお、実施例4および6では、固形の活性剤トリエタノールアミンアジピン酸塩を溶剤に120℃で溶解させて液状の活性剤混合液を調製した。
実施例2~8も、表1~2に示すように、請求項1に係る発明の範囲に包含される例であった。例えば、実施例2~8のはんだ粒子は活性剤で被覆された被覆膜を有していた。
実施例2~8の総合判定は○および△のいずれかであった。例えば、実施例2の評価結果では、はんだボールの外観評価がレベル2であり判定結果○であった。また、サイドボールの発生数が0個で判定結果〇であった。さらに、せん断密着力が1.9Kgfであり判定結果△であった。これらの結果、実施例2の総合判定は、△であった。
比較例1~2は、表3に示すように、はんだの種類および比率、活性剤の種類および配合量、硬化促進剤の種類および配合量、溶剤の配合量、ならびにチキソ性付与剤の配合量のうちの少なくとも1つを変更し、さらにはんだ粒子の表面の活性剤被覆処理を実行しないこと以外は、実施例1と同様にして、はんだペーストを作製した。つまり、比較例1~2では、表3に示す組成となるように、通常の工法を用いて活性剤被覆処理を施していないはんだ粉末をフラックスに混合させてはんだペーストを作製した。
比較例1では、はんだ粉末の含有率が82.0重量%であり、86~97重量%の範囲外であった。また、はんだ粒子は、はんだ粒子の表面のすべてを被覆する被覆膜を有していなかった。つまり、比較例1は、請求項1に係る発明の範囲に包含されない例であった。
比較例1の評価結果は、はんだボールの外観評価がレベル3であり判定結果が△であった。また、サイドボールの発生数は9個で判定結果は×であった。さらに、せん断密着力が1.9Kgfであり判定結果が△であった。それらの結果、比較例1の総合判定は×であった。
比較例2では、はんだ粒子は、はんだ粒子の表面のすべてを被覆する被覆膜を有していなかった。つまり、比較例2は、請求項1に係る発明の範囲に包含されない例であった。
比較例2の評価結果は、はんだボールがレベル4であり評価結果が×であった。また、サイドボールの発生数は6個で判定結果は×であった。さらに、せん断密着力が0.9Kgfであり判定結果は×であった。それらの結果、比較例2の総合判定は×であった。
2 CSPの電極
3 回路基板
4 回路基板の電極
5 CSPのはんだバンプ
7 樹脂フラックスはんだペースト
6b 補強部
8 加熱機(乾燥炉)
9 はんだ導電部
Claims (12)
- はんだ粉末とフラックスとを含む樹脂フラックスはんだペーストであって、
前記フラックスは、少なくともエポキシ樹脂と硬化剤と硬化促進剤と活性剤とを含み、
前記硬化剤は、フェノールノボラック樹脂であり、
前記活性剤は、有機塩基、有機酸、およびそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種であり、
前記はんだ粉末は複数のはんだ粒子を含み、該はんだ粒子は前記活性剤で覆われ、
前記はんだ粉末の含有率は、前記樹脂フラックスはんだペーストの総重量100重量%に対して86~97重量%である、樹脂フラックスはんだペースト。 - 前記はんだ粒子の全表面が、前記活性剤で覆われている、請求項1に記載の樹脂フラックスはんだペースト。
- 前記はんだ粒子は、前記活性剤の被覆膜で覆われている、請求項1または2に記載の樹脂フラックスはんだペースト。
- 前記被覆膜の膜厚は、0.1~20μmである、請求項3に記載の樹脂フラックスはんだペースト。
- 前記活性剤は、大気下120℃以下の温度で液体状態を呈する、請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂フラックスはんだペースト。
- 前記活性剤は、レブリン酸、トリエタノールアミン、トリエタノールアミン・アジピン酸塩、およびセバシン酸からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂フラックスはんだペースト。
- 前記活性剤の含有率は、前記はんだ粉末総重量100重量%に対して0.5~3.0重量%である、請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂フラックスはんだペースト。
- 前記硬化促進剤はホウ素含有化合物であり、
前記硬化促進剤の含有率は、前記フラックスの総重量100重量%に対して、0.5~3.0phr含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の樹脂フラックスはんだペースト。 - 前記ホウ素含有化合物は、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートである、請求項8に記載の樹脂フラックスはんだペースト。
- 前記フェノールノボラック樹脂は、その分子内にフェノール性水酸基とアリル基とを有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の樹脂フラックスはんだペースト。
- 前記はんだ粉末は、200℃以上の融点を有し、
前記はんだ粉末は、Sn単体、または、Sn-Ag合金系、Sn-Cu合金系、Sn-Ag-Cu合金系、もしくは追加金属をさらに含む前記合金を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の樹脂フラックスはんだペースト。 - 回路基板に、請求項1~11のいずれか1項に記載の樹脂フラックスはんだペーストを用いて電子部品を実装した実装構造体であって、
前記電子部品と前記回路基板とが金属接合された導電部と、該導電部の周囲の少なくとも一部が前記フラックスの硬化物で覆われることによって形成された補強部とを備える、実装構造体。
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