JP2022187716A - 合成樹脂製容器の製造方法、及び成形型 - Google Patents

合成樹脂製容器の製造方法、及び成形型 Download PDF

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Hiromitsu Kiyoto
仁 藤岡
Hitoshi Fujioka
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誠士 柴田
Seishi Shibata
祐一 宮崎
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Abstract

【課題】外観不良を生じることなく、剥離可能に積層された被覆層を備える合成樹脂製容器を製造する。【解決手段】口部形成領域20と、延伸領域30とを含む有底筒状に成形されたプリフォーム本体10aと、プリフォーム本体10aの外周面側に剥離可能に積層された被覆材層60とを備えるプリフォーム10を成形型100にセットしてブロー成形するに際し、成形型100にセットされたプリフォーム10の口部形成領域20の下端側と、成形型100に設けられた首下規制部102との間のクリアランスCL1に対して、プリフォーム10の延伸領域30を選択的に加熱することにより被覆材層60が熱膨張した部分と、成形型100のキャビティ面101との間のクリアランスCL2が大きくなるように成形型100を設計する。【選択図】 図8

Description

本発明は、剥離可能に積層された被覆層を備える合成樹脂製容器の製造方法、及び当該製造方法に好適に用いられる成形型に関する。
従来、ポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂を用いて有底筒状に成形されたプリフォームを作製し、このプリフォームを二軸延伸ブロー成形などによってボトル状に成形してなる合成樹脂製の容器が、各種飲料品、各種調味料等を内容物とする容器として広い分野で利用されている。
この種の合成樹脂製容器は、近年、益々身近な存在となってきており、それに伴って様々な提案がなされている。このような近年の状況において、本出願人は、特許文献1において、ダブルモールドにより被覆材層が積層されたプリフォームを作製し、かかるプリフォームをブロー成形することによって、剥離可能に積層された被覆層を備える合成樹脂製容器を製造することを提案している。
特開2020-90297号公報
しかしながら、本発明者らの検討によれば、上記の如きプリフォームをブロー成形するに際し、成形された容器に外観不良が生じてしまう場合があることが見いだされた。本発明者らは、そのような不具合の原因を究明するとともに、そのような不具合が生じないようにするべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
本発明に係る合成樹脂製容器の製造方法は、口部、肩部、胴部及び底部を含む所定の容器形状に形成された容器本体と、前記容器本体の外周面側に剥離可能に積層された被覆層とを備える合成樹脂製容器の製造方法であって、前記口部となる口部形成領域と、延伸されて前記肩部、前記胴部及び前記底部に成形される延伸領域とを含む有底筒状に成形されたプリフォーム本体と、前記プリフォーム本体の外周面側に剥離可能に積層された被覆材層とを備えるプリフォームを成形型にセットしてブロー成形するに際し、前記成形型にセットされた前記プリフォームの前記口部形成領域の下端側と、前記成形型に設けられた首下規制部との間のクリアランスCL1に対して、前記プリフォームの前記延伸領域を選択的に加熱することにより前記被覆材層が熱膨張した部分と、前記成形型のキャビティ面との間のクリアランスCL2が大きくなるように前記成形型を設計する方法としてある。
また、本発明に係る合成樹脂製容器の製造方法は、口部、肩部、胴部及び底部を含む所定の容器形状に形成された容器本体と、前記容器本体の外周面側に剥離可能に積層された被覆層とを備える合成樹脂製容器の製造方法であって、前記口部となる口部形成領域と、延伸されて前記肩部、前記胴部及び前記底部に成形される延伸領域とを含む有底筒状に成形されたプリフォーム本体と、前記プリフォーム本体の外周面側に剥離可能に積層された被覆材層とを備えるプリフォームを成形型にセットしてブロー成形するに際し、前記成形型にセットされた前記プリフォームの前記口部形成領域の下端側と、前記成形型に設けられた首下規制部との間のクリアランスCL1と、前記成形型の前記首下規制部よりも下方のキャビティ面の内周径D101と、前記プリフォームに加熱処理を施す前の前記延伸領域における前記被覆材層を含む前記プリフォームの外周径D30との間に、(D101-D30)/2>CL1なる関係が成り立つように前記成形型を設計する方法とすることもできる。
また、本発明に係る成形型は、口部、肩部、胴部及び底部を含む所定の容器形状に形成された容器本体と、前記容器本体の外周面側に剥離可能に積層された被覆層とを備える合成樹脂製容器をブロー成形によって製造するための成形型であって、前記口部となる口部形成領域と、延伸されて前記肩部、前記胴部及び前記底部に成形される延伸領域とを含む有底筒状に成形されたプリフォーム本体と、前記プリフォーム本体の外周面側に剥離可能に積層された被覆材層とを備えるプリフォームをセットしてブロー成形するに際し、セットされた前記プリフォームの前記口部形成領域の下端側と、前記成形型に設けられた首下規制部との間のクリアランスCL1に対して、前記プリフォームの前記延伸領域を選択的に加熱することにより前記被覆材層が熱膨張した部分と、前記成形型のキャビティ面との間のクリアランスCL2が大きくなるように設計されている構成としてある。
また、本発明に係る成形型は、口部、肩部、胴部及び底部を含む所定の容器形状に形成された容器本体と、前記容器本体の外周面側に剥離可能に積層された被覆層とを備える合成樹脂製容器をブロー成形によって製造するための成形型であって、前記口部となる口部形成領域と、延伸されて前記肩部、前記胴部及び前記底部に成形される延伸領域とを含む有底筒状に成形されたプリフォーム本体と、前記プリフォーム本体の外周面側に剥離可能に積層された被覆材層とを備えるプリフォームをセットしてブロー成形するに際し、セットされた前記プリフォームの前記口部形成領域の下端側と、前記成形型に設けられた首下規制部との間のクリアランスCL1と、前記成形型の前記首下規制部よりも下方のキャビティ面の内周径D101と、前記プリフォームに加熱処理を施す前の前記延伸領域における前記被覆材層を含む前記プリフォームの外周径D30との間に、(D101-D30)/2>CL1なる関係が成り立つように設計されている構成とすることもできる。
本発明によれば、外観不良を生じることなく、剥離可能に積層された被覆層を備える合成樹脂製容器を製造することができる。
本発明の実施形態に係る合成樹脂製容器の製造方法において、製造対象となる合成樹脂製容器の概略を示す正面図である。 本発明の実施形態に係る成形型の一例を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る合成樹脂製容器の製造方法に用いるプリフォームの概略を示す縦断面図である。 一次射出工程の説明図である。 二次射出工程の説明図である。 プリフォームを加熱する工程の説明図である。 図6の要部拡大図である。 本発明の実施形態に係る成形型の要部拡大縦断面図である。 本発明の実施形態に係る成形型の要部拡大縦断面図である。 本発明の実施形態の変形例に係る成形型の要部拡大縦断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
まず、本実施形態において、製造対象となる合成樹脂製容器の一例について説明する。
図1は、製造対象となる合成樹脂製容器の概略を示す正面図である。
図1に示す容器1は、口部2、肩部3、胴部4及び底部5を含む所定の容器形状に成形された容器本体1aと、容器本体1aの外周面側に剥離可能に積層された被覆層6とを備えている。図示する例において、容器1(容器本体1a)は、胴部4が円筒状に形成された、一般に、丸形ボトルと称される容器形状を有しているが、容器1の形状は、これに限定されない。
なお、図1には、口部2及び肩部3の一部を切り欠いて、その断面を示しており、断面にあらわれる容器本体1a、被覆層6の肉厚を誇張して描写している。
口部2は、内容物の注入出口となる円筒状の部位であり、口部2の開口端側の側面には、図示しない蓋体を取り付けるためのネジ山2aが設けられている。
また、口部2には、周方向に沿って外方に突出する環状のネックリング2bが設けられている。そして、ネックリング2bの直下から、概ね同一径で円筒状に垂下する首下部2cを含めて口部2というものとする。
このような口部2の下端は、胴部4に向かって拡径して口部2と胴部4との間をつなぐ肩部3に連接している。図示する例において、肩部3は、丸みを帯びた円錐台状に形成されているが、肩部3の形状は、これに限定されない。例えば、いわゆるつる首状に形成したりすることもできる。
また、胴部4は、容器1の高さ方向の多くを占める部位であり、上端が肩部3に連接し、下端が底部5に連接している。図示する例において、容器1は、炭酸飲料を内容物とする用途に適するように、いわゆるペタロイド形状に形成された底部5を備えているが、底部5の形状は、非炭酸飲料を内容物とする用途に適したその他の形状としてもよく、用途に応じて適宜変更することができる。
ここで、高さ方向とは、口部2を上にして容器1を水平面に正立させたときに、水平面に直交する方向をいうものとし、この状態(図1に示す状態)で容器1の上下左右及び縦横の方向を規定するものとする。
このような容器形状に成形された容器1において、被覆層6は、その末端側が、口部2の下端側を覆うように積層することができる。図示する例では、底部5の底面から胴部4の周面の全面が被覆層6で覆われているとともに、被覆層6の末端側が、口部2の下端側の首下部2cの全周を覆ってネックリング2bの直下に達するように積層されている。
次に、本発明の実施形態に係る合成樹脂製容器の製造方法について説明する。
図2は、前述した容器1をブロー成形するために用いる成形型100の一例を示しており、成形型100は、肩部3及び胴部4を成形する胴型104と、底部5を成形する底型105とを備えている。胴型104は、開閉可能に構成された一対の分割型からなり、図2には、胴型104のパーティング面を含む面で成形型100を切り取った断面を簡略化して示している。
また、図3は、前述した容器1にブロー成形されるプリフォーム10の一例を示しており、プリフォーム10は、プリフォーム本体10aと、プリフォーム本体10aの外周面側に剥離可能に積層された被覆材層60とを備えている。
プリフォーム本体10aは、後述するようにしてブロー成形する際に、その外観を概ね維持して容器本体1aの口部2となる口部形成領域20と、延伸されて容器本体1aの肩部3、胴部4及び底部5に成形される延伸領域30とを含む有底筒状に成形されている。そして、プリフォーム本体10aの口部形成領域20には、容器1に付された符号と同一の符号を以て示すネジ山2a、ネックリング2bが設けられており、口部形成領域20のネックリング2bの下側の部位が、容器本体1aの首下部2cとなる。
ここで、図3は、プリフォーム10の縦断面図であり、断面にあらわれるプリフォーム本体10a、被覆材層60の肉厚を誇張して描写している。他の図面においても、断面にあらわれるプリフォーム本体10a、被覆材層60などの肉厚を適宜誇張して描写している。
また、プリフォーム10の上下左右及び縦横の方向は、口部形成領域20側を上にした図3に示す状態で規定するものとする。成形型100の上下左右及び縦横の方向は、成形型100にセットされたプリフォーム10の方向に準じて規定するものとする。
また、プリフォーム本体10aに積層される被覆材層60は、その末端側が、口部形成領域20の下端側を覆うように積層することができる。図示する例では、延伸領域30の全面が被覆材層60で覆われているとともに、被覆材層60の末端側が、口部形成領域20のネックリング2bの下側の部位(容器本体1aの首下部2cとなる部位)の全周を覆ってネックリング2bの直下に達するように積層されている。
このようなプリフォーム10は、ダブルモールドなどと称される射出成形法により、次のようにして作製することができる。
まず、プリフォーム本体10aの内周面及び上端面を成形するコア型400と、ネックリング2bの上面及び周端面を含むプリフォーム本体10aの上側の外周面を成形する上型401と、ネックリング2bの下面から底部に至るまでのプリフォーム本体10aの下側の外周面を成形する第一の下型402aとを型締めし、プリフォーム本体10aを形成する樹脂材料を射出する(図4参照)。これにより、口部形成領域20と延伸領域30とを含む有底筒状に成形されたプリフォーム本体10aを射出成形する(一次射出工程)。
次いで、第一の下型402aに代えて、成形されたプリフォーム本体10aとの間に、被覆材層60を成形する空隙が形成されるように構成された第二の下型402bを用いて型締めし直してから、被覆材層60を形成する樹脂材料を射出する(図5参照)。これにより、プリフォーム本体10aの外周面側に剥離可能に積層され、末端側が口部形成領域20の下端側(ネックリング2bの下側の部位)を覆う被覆材層60を射出成形する(二次射出工程)。
なお、第一及び第二の下型402a,402bには、通常、プリフォーム10の底部側に相当する位置に、樹脂材料の射出口となるゲートが配設されるが、図4及び図5に示す例では、ゲートの図示を省略している。
プリフォーム本体10aを形成する樹脂材料(すなわち、容器本体1aを形成する樹脂材料)としては、容器1に求められるリサイクル性を考慮すると、ポリエチレンテレフタレートなどのエチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルを好ましく用いることができる。
被覆材層60を形成する樹脂材料(すなわち、被覆層6を形成する樹脂材料)としては、被覆材層60(被覆層6)がプリフォーム本体10a(容器本体1a)に剥離可能に積層されるようにするという観点から、プリフォーム本体10aを形成する樹脂材料と非相溶性の熱可塑性樹脂を用いるのが好ましい。例えば、プリフォーム本体10aを形成する樹脂材料として、エチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルを用いる場合、被覆材層60を形成する樹脂材料には、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂を用いることができる。容器1にガスバリア性が要求される場合には、被覆材層60を形成する樹脂材料に、エチレン-ビニルアルコール共重合体やポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等のガスバリア性を有する熱可塑性樹脂を用いることもできる。被覆材層60を形成する樹脂材料には、顔料や着色剤などを添加して、所望の色相に着色することで遮光性を付与したりすることもできる。装飾効果を高めるために、複数の顔料や着色剤を混ぜてマーブル模様となるように添加することもできる。被覆材層60を形成する樹脂材料には、容器1に求められるリサイクル性によって制限されずに、各種の添加剤を必要に応じて添加することができる。
このようにして作製されたプリフォーム10は、加熱により軟化させてブロー成形が可能な状態とされてから、図2に一点鎖線で示すようにして成形型100にセットされ、必要に応じて図示しない延伸ロッドにより軸方向(縦方向)に延伸されつつ、プリフォーム10内に吹き込まれたブローエアーによって軸方向及び周方向(横方向)に延伸される。
プリフォーム10を加熱するには、例えば、図6に示すように、口部形成領域20を遮蔽体200で覆うなどして、口部形成領域20が加熱されないようにしつつ、赤外線ヒータ201などにより、延伸領域30を被覆材層60側から加熱することができる。これとともに、ブローエアーを吹き込むブローノズルとしての役割と、プリフォーム10を支持する治具としての役割とを兼ねるマンドレル300の形状を、口部形成領域20の内周面を覆い隠すことができるように適宜設計し、マンドレル300を貫通して挿入された高周波誘導発熱体301によって、延伸領域30を内側からも加熱するようにしてもよい。
このようにして、プリフォーム10をブロー成形することにより、延伸領域30が延伸されて、成形型100のキャビティ面101の形状が転写されることによって、容器本体1aの肩部3,胴部4及び底部5に成形されるとともに、プリフォーム本体10aに積層された被覆材層60が、プリフォーム本体10aと一体に成形されて、容器本体1aに積層された被覆層6となる。一方、口部形成領域20は、その下端側の延伸領域30との接続部を除いて延伸されずに、その外観が概ね維持されて容器本体1aの口部2となるが、その際、口部形成領域20の下端側に対向して、容器本体1aの首下部2cとなる部位を規制する首下規制部102が、成形型100(より詳細には胴型104の上部)に設けられている。
成形型100に設けられた首下規制部102は、成形型100にセットされたプリフォーム10が所定のクリアランスCL1を以て保持されるようにすることで、成形型100に対するプリフォーム10の径方向の位置決めをする部位としても機能する。成形型100にセットされたプリフォーム10の口部形成領域20の下端側と、首下規制部102との間のクリアランスCL1は、口部形成領域20の下端側における被覆材層60を含むプリフォーム10の外周径D20に対して設定される。したがって、首下規制部102の内周径D102との間に、CL1=(D102-D20)/2なる関係が成り立つが、具体的な数値を挙げると、例えば、0.1~0.5mmとすることができる(図8参照)。
なお、図8は、首下規制部102を含む成形型100の要部をプリフォーム10とともに拡大して示す要部拡大縦断面図である。
また、前述したようにしてプリフォーム10を加熱するにあたり、口部形成領域20が加熱されないようにするべく、口部形成領域20を遮蔽体200で覆う範囲は、容器本体1aに形成される首下部2cの高さH2cに応じて設定され、当該高さH2cは、首下規制部102の高さH102に一致する。例えば、図6に示す例において、遮蔽体200は、プリフォーム10の高さ方向に沿ったネックリング2bからの離間距離dが、首下部2cの高さH2c±当該高さH2cの60%以下となる位置に設置することができる。具体的な数値を挙げると、当該離間距離dが、例えば、1~10mmとなるように適宜調整し、容器本体1aに形成される首下部2cの高さH2cに応じて、当該首下部2cとなる部位の下端付近に、遮蔽体200を設置することができる。
このように、プリフォーム10を加熱するに際しては、延伸領域30が選択的に加熱されるようにすることによって、ブロー成形が良好になされるようにしているが、加熱により軟化して延伸可能とされる領域が延伸領域30であり、それ以外の領域が口部形成領域20であると言い換えることもできる。
以上のようにして、プリフォーム10をブロー成形することによって容器1を製造するに際し、延伸領域30を選択的に加熱したときに、延伸領域30に積層された被覆材層60の厚さが熱膨張によって増加してしまうと、その分だけプリフォーム10の外周径も増加することになる(図7参照)。
なお、図7は、図6に鎖線で囲む部分を拡大して示す要部拡大図であり、被覆材層60が熱膨張した状態を模式的に示している。図8及び図9においても同様に、被覆材層60が熱膨張した状態を模式的に示している。
そうすると、口部形成領域20の下端側における被覆材層60を含むプリフォーム10の外周径D20に対して設定されたクリアランスCL1を以て、首下規制部102に保持されて位置決めされたプリフォーム10が、径方向の一方側に偏ったときに、被覆材層60の熱膨張した部分が、成形型100のキャビティ面(より詳細には、首下規制部102よりも下側のキャビティ面)101に接触してしまう場合がある。
そのような場合に、被覆材層60の熱膨張した部分が、成形型100への熱伝導によって急冷された状態で、成形型100のキャビティ面101に接触したまま、プリフォーム10がブロー成形されると、成形された容器1の被覆層6に擦れた跡のようなシワが生じてしまい、これが容器1の外観不良の原因となってしまう。
本実施形態にあっては、このような不具合を有効に回避するために、成形型100にセットされたプリフォーム10の口部形成領域20の下端側と、成形型100に設けられた首下規制部102との間のクリアランスCL1よりも、被覆材層60が熱膨張した部分と、成形型100のキャビティ面101との間のクリアランスCL2が大きくなるように成形型100を設計している(図8参照)。より詳細には、被覆材層60が熱膨張した部分(実質的には延伸領域30)における被覆材層60を含むプリフォーム10の外周径D30(exp)と、当該部分が径方向に対向するキャビティ面101の内周径D101と、クリアランスCL2との間に、CL2=(D101-D30(exp))/2なる関係が成り立ち、被覆材層60が熱膨張した部分が径方向に対向する首下規制部102よりも下側の全てのキャビティ面101との間で、CL1<CL2なる関係が成り立つように設計している。
このような本実施形態によれば、上記のように設計された成形型100を用いてプリフォーム10をブロー成形することによって、所定のクリアランスCL1を以て首下規制部102に保持されて位置決めされたプリフォーム10が、径方向の一方側に偏ってしまっても、被覆材層60の熱膨張した部分が、成形型100のキャビティ面101に接触しないようにすることができる(図9参照)。その結果、成形された容器1の被覆層6に擦れた跡のようなシワが生じてしまうというような不具合を有効に回避して、外観不良を生じることなく、剥離可能に積層された被覆層6を備える容器1を製造することができる。
なお、図9は、図8に示す状態(プリフォーム10の中心軸C10と成形型100の中心軸C100とが一致している状態)に対して、プリフォーム10が径方向の一方側(図中左側)に偏った状態を示している。
また、上記した例では、ブロー成形に際して加熱処理が施されたプリフォーム10を基準に成形型100を設計しているが、加熱処理が施される前のプリフォーム10を基準に成形型100を設計することもできる。
例えば、成形型100にセットされたプリフォーム10の口部形成領域20の下端側と、成形型100に設けられた首下規制部102との間のクリアランスCL1と、成形型100の首下規制部102よりも下方のキャビティ面101の内周径D101と、プリフォーム10に加熱処理を施す前の延伸領域30における被覆材層60を含むプリフォーム10の外周径D30との間に、(D101-D30)/2>CL1なる関係が成り立つように成形型100を設計することもできる。
ここで、(D101-D30)/2から求められる値は、プリフォーム10を加熱せずに成形型100にセットしたと仮定した場合に、プリフォーム10の延伸領域30と、成形型100の首下規制部102よりも下方のキャビティ面101との間のクリアランスに相当する(図10参照)。
なお、図10は、図8に対応させて示す本変形例の要部拡大縦断面図である。被覆材層60を形成する樹脂材料にもよるが、被覆材層60が熱膨張した部分における被覆材層60を含むプリフォーム10の外周径D30(exp)は、対応する部分における加熱処理前(膨張前)の被覆材層60を含むプリフォーム100の外周径D30の1.01倍~1.06倍の範囲にある。
このように、延伸領域30における被覆材層60が熱膨張することを見越して、被覆材層60が膨張する部位のキャビティ面101との間のクリアランスを大きめにとることによって、成形された容器1の被覆層6に擦れた跡のようなシワが生じてしまうというような不具合を有効に回避することができる。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、前述した実施形態では、延伸領域30の全面が被覆材層60で覆われているとともに、被覆材層60の末端側が、口部形成領域20のネックリング2bの下側の部位の全周を覆ってネックリング2bの直下に達するように積層されているプリフォーム10を用いた例を挙げて説明したが、これに限定されない。被覆材層60の末端側が、ネックリング2bの下面を覆いつつ、ネックリング2bの周端縁に達するように延長されたプリフォーム10を用いることもでき、被覆材層60が底部側で積層されていないプリフォーム10を用いることもできる。
また、複数の成形型100をターレットの周縁に取り付けて、軸回りに公転する各成形型100にプリフォーム10を順次供給しながら、容器1を連続的に製造するロータリー式の成形装置にあっては、成形型100にセットされたプリフォーム10が径方向の一方側に偏り易い傾向が強い。このため、本発明は、このようなロータリー式の成形装置に適用したときに、格段の効果を発揮することできる。
1 容器
1a 容器本体
2 口部
3 肩部
4 胴部
5 底部
6 被覆層
10 プリフォーム
10a プリフォーム本体
20 口部形成領域
30 延伸領域
60 被覆材層
100 成形型
101 キャビティ面
102 首下規制部
CL1 口部形成領域の下端側と首下規制部との間のクリアランス
CL2 被覆材層が熱膨張した部分と成形型のキャビティ面との間のクリアランス
D30(exp) 被覆材層が熱膨張した部分における被覆材層を含むプリフォームの外周径
D101 被覆材層が熱膨張した部分が径方向に対向するキャビティ面の内周径

Claims (6)

  1. 口部、肩部、胴部及び底部を含む所定の容器形状に形成された容器本体と、前記容器本体の外周面側に剥離可能に積層された被覆層とを備える合成樹脂製容器の製造方法であって、
    前記口部となる口部形成領域と、延伸されて前記肩部、前記胴部及び前記底部に成形される延伸領域とを含む有底筒状に成形されたプリフォーム本体と、前記プリフォーム本体の外周面側に剥離可能に積層された被覆材層とを備えるプリフォームを成形型にセットしてブロー成形するに際し、
    前記成形型にセットされた前記プリフォームの前記口部形成領域の下端側と、前記成形型に設けられた首下規制部との間のクリアランスCL1に対して、
    前記プリフォームの前記延伸領域を選択的に加熱することにより前記被覆材層が熱膨張した部分と、前記成形型のキャビティ面との間のクリアランスCL2が大きくなるように前記成形型を設計することを特徴とする合成樹脂製容器の製造方法。
  2. 前記被覆材層が熱膨張した部分における前記被覆材層を含む前記プリフォームの外周径D30(exp)と、当該部分が径方向に対向する前記キャビティ面の内周径D101と、前記クリアランスCL2との間に、CL2=(D101-D30(exp))/2なる関係が成り立ち、前記被覆材層が熱膨張した部分が径方向に対向する前記首下規制部よりも下側の全ての前記キャビティ面との間で、CL1<CL2なる関係が成り立つように前記成形型を設計する請求項1に記載の合成樹脂製容器の製造方法。
  3. 口部、肩部、胴部及び底部を含む所定の容器形状に形成された容器本体と、前記容器本体の外周面側に剥離可能に積層された被覆層とを備える合成樹脂製容器の製造方法であって、
    前記口部となる口部形成領域と、延伸されて前記胴部、前記肩部及び前記底部に成形される延伸領域とを含む有底筒状に成形されたプリフォーム本体と、前記プリフォーム本体の外周面側に剥離可能に積層された被覆材層とを備えるプリフォームを成形型にセットしてブロー成形するに際し、
    前記成形型にセットされた前記プリフォームの前記口部形成領域の下端側と、前記成形型に設けられた首下規制部との間のクリアランスCL1と、前記成形型の前記首下規制部よりも下方のキャビティ面の内周径D101と、前記プリフォームに加熱処理を施す前の前記延伸領域における前記被覆材層を含む前記プリフォームの外周径D30との間に、(D101-D30)/2>CL1なる関係が成り立つように前記成形型を設計することを特徴とする合成樹脂製容器の製造方法。
  4. 口部、肩部、胴部及び底部を含む所定の容器形状に形成された容器本体と、前記容器本体の外周面側に剥離可能に積層された被覆層とを備える合成樹脂製容器をブロー成形によって製造するための成形型であって、
    前記口部となる口部形成領域と、延伸されて前記肩部、前記胴部及び前記底部に成形される延伸領域とを含む有底筒状に成形されたプリフォーム本体と、前記プリフォーム本体の外周面側に剥離可能に積層された被覆材層とを備えるプリフォームをセットしてブロー成形するに際し、
    セットされた前記プリフォームの前記口部形成領域の下端側と、前記成形型に設けられた首下規制部との間のクリアランスCL1に対して、
    前記プリフォームの前記延伸領域を選択的に加熱することにより前記被覆材層が熱膨張した部分と、前記成形型のキャビティ面との間のクリアランスCL2が大きくなるように設計されていることを特徴とする成形型。
  5. 前記被覆材層が熱膨張した部分における前記被覆材層を含む前記プリフォームの外周径D30(exp)と、当該部分が径方向に対向する前記キャビティ面の内周径D101と、前記クリアランスCL2との間に、CL2=(D101-D30(exp))/2なる関係が成り立ち、前記被覆材層が熱膨張した部分が径方向に対向する前記首下規制部よりも下側の全ての前記キャビティ面との間で、CL1<CL2なる関係が成り立つように設計されている請求項4に記載の成形型。
  6. 口部、肩部、胴部及び底部を含む所定の容器形状に形成された容器本体と、前記容器本体の外周面側に剥離可能に積層された被覆層とを備える合成樹脂製容器をブロー成形によって製造するための成形型であって、
    前記口部となる口部形成領域と、延伸されて前記肩部、前記胴部及び前記底部に成形される延伸領域とを含む有底筒状に成形されたプリフォーム本体と、前記プリフォーム本体の外周面側に剥離可能に積層された被覆材層とを備えるプリフォームをセットしてブロー成形するに際し、
    セットされた前記プリフォームの前記口部形成領域の下端側と、前記成形型に設けられた首下規制部との間のクリアランスCL1と、前記成形型の前記首下規制部よりも下方のキャビティ面の内周径D101と、前記プリフォームに加熱処理を施す前の前記延伸領域における前記被覆材層を含む前記プリフォームの外周径D30との間に、(D101-D30)/2>CL1なる関係が成り立つように設計されていることを特徴とする成形型。

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