JP2022186433A - 動力伝達部材の張力調整システム - Google Patents

動力伝達部材の張力調整システム Download PDF

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Abstract

【課題】動力伝達部材の走行に伴う騒音を車両の乗員が不快に感じることを抑制しつつ、内燃機関の燃焼室での燃焼特性を向上できるようにすること。【解決手段】張力調整システムは、オイルポンプ77aから吐出されたオイルが流入する油圧室を有し、油圧室の油圧によって動力伝達部材の張力を調整するテンショナと、オイルポンプ77aから吐出されたオイルが流通する供給油路76の油圧目標値が高いほどオイルポンプ77aのオイル吐出量を多くする処理を実行するCPU91とを備える。CPU91は、暗騒音が大きいか否かを判定する騒音判定処理と、暗騒音が大きいとの判定をなしている場合、暗騒音が大きいとの判定をなしていない場合よりも小さい値を、油圧目標値として設定する油圧目標値設定処理とを実行する。【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の動力伝達部材の張力を調整する動力伝達部材の張力調整システムに関する。
特許文献1には、内燃機関に適用されるベルト駆動システムの一例が記載されている。当該システムは、内燃機関のクランク軸に固定されている駆動プーリと、駆動プーリからの駆動力が伝達される従動プーリと、駆動プーリ及び従動プーリに巻き掛けられているベルトと、ベルトの張力を調整するテンショナとを備えている。当該テンショナは、テンショナ内の油圧を調整することによってベルトの張力を調整できるようになっている。
なお、無端状の動力伝達部材として、ベルトの代わりにチェーンが採用されることもある。この場合、原動車や従動車として、プーリの代わりにスプロケットが用いられる。
特開2016-109233号公報
内燃機関は、内燃機関における複数の箇所にオイルを供給すべく作動するオイルポンプを備えている。この場合、オイルポンプから吐出されたオイルをテンショナに供給できる。例えば、オイルポンプのオイル吐出量を増やすことにより、テンショナの油圧を増大できる。油圧を増大させることにより、ベルトやチェーンなどの動力伝達部材の張力が大きくなる。つまり、オイルポンプのオイル吐出量を増大させることにより、テンショナによって動力伝達部材の張力を大きくできる。
ところで、動力伝達部材の張力が小さいと、動力伝達部材の走行に伴って振動や騒音が発生しやすい。動力伝達部材がチェーンである場合、張力が小さいと、チェーンが振動して騒音が発生しやすい。また、動力伝達部材がベルトである場合、張力が小さいと、ベルトとプーリとの間で滑りが発生し、当該滑りに起因する騒音が発生するおそれがある。動力伝達部材の走行に伴う騒音が大きいと、当該騒音が車両の乗員に伝わってしまう。動力伝達部材の走行に伴う騒音が車両の乗員に伝わることを抑制するためには、動力伝達部材の張力を大きくすることによって当該騒音の発生を抑えることが望ましい。
ここで、上記のようなオイルポンプから吐出されたオイルは、テンショナ以外にも、内燃機関における各種の必要箇所に供給される。例えば、内燃機関で燃焼室を区画するピストンにも、オイルポンプから吐出されたオイルがオイルジェットを介して供給される。ピストンに供給されるオイルの量が多いほど、ピストンを冷却でき、ひいては燃焼室の温度の上昇を抑制できる。
内燃機関の暖機が完了していない場合などのように燃焼室の温度があまり高くない場合を考える。このような場合では、燃焼室での混合気の燃焼特性があまりよくない。そのため、燃焼特性を良好にするためには、燃焼室の温度を早期に上昇させることが望ましい。しかし、燃焼室の温度があまり高くない状況下で動力伝達部材の張力を大きくするためにオイルポンプのオイル吐出量を多くすると、ピストンにも多くのオイルが供給されるため、ピストンが過剰に冷却されることになる。その結果、燃焼室の温度をなかなか上昇させることができず、燃焼室での燃焼特性がなかなか良好にならないおそれがある。
上記課題を解決するための動力伝達部材の張力調整システムは、内燃機関と、前記内燃機関を循環するオイルを吐出するオイルポンプと、前記内燃機関のクランク軸に固定されている原動車と、前記原動車からの駆動力が伝達される従動車と、前記原動車及び前記従動車に巻き掛けられている無端状の動力伝達部材と、を備える車両に適用され、前記動力伝達部材の張力を調整するものである。この動力伝達部材の張力調整システムは、前記オイルポンプから吐出されたオイルが流入する油圧室を有し、前記油圧室の油圧によって前記動力伝達部材の張力を調整するテンショナと、前記オイルポンプから吐出されたオイルが流通する油路の油圧の目標値である油圧目標値が高いほど前記オイルポンプのオイル吐出量を多くする処理を実行する実行装置と、を備えている。前記実行装置は、前記車両の車室に伝わる騒音のうち、前記動力伝達部材の走行に伴って発生する騒音以外の騒音である暗騒音が大きいか否かを判定する騒音判定処理と、前記暗騒音が大きいとの判定をなしている場合、前記暗騒音が大きいとの判定をなしていない場合よりも小さい値を、前記油圧目標値として設定する油圧目標値設定処理と、を実行する。
上記暗騒音が大きい場合、動力伝達部材の走行によって振動や騒音が発生しても、当該動力伝達部材の走行に伴って発生する騒音を車両の乗員が不快に感じにくい。そこで、上記構成では、暗騒音が大きいとの判定がなされている場合、暗騒音が大きいとの判定がなされていない場合よりも小さい値が油圧目標値として設定される。すなわち、上記暗騒音が大きい場合、オイルポンプのオイル吐出量が多くなることを抑制できる。これにより、内燃機関の燃焼室の温度があまり高くない状況下において内燃機関のピストンがオイルによって冷やされすぎることを抑制できる。その結果、燃焼室の温度を早期に高くできるため、燃焼室での燃焼特性を早期に良好なものにすることができる。しかも、動力伝達部材の張力が大きくなくても暗騒音が大きいため、動力伝達部材の走行に伴って発生する騒音を車両の乗員が不快に感じにくい。
一方、上記暗騒音が大きいとの判定がなされていない場合には、オイルポンプのオイル吐出量を多くできるため、上記油圧室の油圧を高くできる。これにより、動力伝達部材の張力を大きくできるため、動力伝達部材の走行に伴う騒音の発生を抑制できる。
すなわち、上記構成によれば、動力伝達部材の走行に伴う騒音を車両の乗員が不快に感じることを抑制しつつ、内燃機関の燃焼室での燃焼特性を向上できるようになる。
上記動力伝達部材の張力調整システムの一態様において、前記実行装置は、前記油圧室からオイルが漏出したか否かを判定する漏出判定処理を実行し、前記油圧室からオイルが漏出したとの判定をなしている場合、前記油圧目標値設定処理において、前記騒音判定処理の実行結果に基づいて前記油圧目標値を設定する。
テンショナの油圧室からオイルが外部に漏出すると、油圧室の油圧が低下するため、動力伝達部材の張力が小さくなる。その結果、動力伝達部材の走行に伴って発生する騒音が大きくなりやすい。上記構成によれば、油圧室からオイルが漏出したとの判定がなされている場合には、暗騒音が大きいか否かの判定結果に基づいて油圧目標値が設定される。すなわち、油圧室からオイルが漏出した場合であっても、暗騒音が大きいときにはオイル吐出量を比較的少なくできる。これにより、オイルポンプから吐出されたオイルによってピストンが過剰に冷やされることを抑制できる。しかも、この場合、暗騒音が大きいため、動力伝達部材の走行に伴って発生する騒音が比較的大きくても当該騒音を車両の乗員が不快に感じにくい。
一方、暗騒音が大きくないときには、オイル吐出量を比較的多くできるため、動力伝達部材の張力を回復できる。その結果、動力伝達部材の走行に伴う騒音の発生を抑制できる。
上記動力伝達部材の張力調整システムの一態様において、前記車両は、動力源として、前記内燃機関に加えて電動モータも備えるハイブリッド車両である。前記内燃機関の運転時における前記クランク軸の回転方向を正方向とし、前記正方向の反対方向を逆方向としたとき、前記オイルポンプは、前記クランク軸の回転が伝達されることによってオイルを吐出する機関駆動式のポンプである。そして、前記実行装置は、前記内燃機関の運転の停止中に前記クランク軸が前記逆方向に回転したか否かを判定し、前記内燃機関の運転の停止中に前記クランク軸が前記逆方向に回転したとの判定をなしている場合、前記騒音判定処理の実行結果に基づいて前記油圧目標値を設定する。
オイルポンプが機関駆動式のポンプであるため、クランク軸が逆方向に回転した場合、オイルポンプとテンショナとの間の油路では、オイルが逆流することがある。このように当該油路でオイルが逆流すると、テンショナの油圧室からオイルが漏出し、当該油圧室の油圧が減少するおそれがある。油圧室の油圧が減少すると、動力伝達部材の張力が小さくなる。
ここで、ハイブリッド車両は、内燃機関の運転を停止させた状態でも走行できる。内燃機関が運転していない状態でハイブリッド車両が走行する場合、クランク軸が逆方向に回転することがある。すなわち、内燃機関の運転停止中にテンショナの油圧室からオイルが漏出し、動力伝達部材の張力が低下した可能性がある。
上記構成によれば、内燃機関の運転停止中にクランク軸が逆方向に回転したとの判定がなされている場合には、動力伝達部材の張力が低下した可能性がある。そのため、その後に機関運転が開始されると、暗騒音が大きいか否かの判定結果に基づいて設定された油圧目標値を基にオイルポンプのオイル吐出量が調整される。
上記動力伝達部材の張力調整システムの一態様において、前記実行装置は、前記内燃機関の運転の停止中に前記クランク軸が前記逆方向に回転したとの判定をなしている場合、前記油圧目標値設定処理において、前記内燃機関の運転の停止中に前記クランク軸が前記逆方向に回転したとの判定をなしていない場合よりも大きい値を前記油圧目標値として設定する。
テンショナの油圧室からオイルが漏出しない場合、油圧室の油圧が保持されるため、動力伝達部材の張力を保持できる。この場合、当該張力を増大させなくてもよい。一方、油圧室からオイルが漏出すると、油圧室の油圧が減少するため、動力伝達部材の張力が小さくなる。当該張力を回復させるためには、油圧室の油圧を回復させる必要がある。
そこで、上記構成では、内燃機関の運転停止中にクランク軸が逆方向に回転したとの判定がなされている場合、油圧室からオイルが漏出した可能性があるため、クランク軸が逆方向に回転したとの判定をなしていない場合よりも大きい値が油圧目標値として設定される。この場合、その後に内燃機関の運転が開始された際には、オイルポンプから多くのオイルが吐出される。これにより、テンショナの油圧室の油圧を回復でき、ひいては動力伝達部材の張力を回復できる。
実施形態の張力調整システムを備える車両の概略を示す構成図。 車両の内燃機関が備える動力伝達機構を示す正面図。 動力伝達機構のテンショナを示す断面図。 張力調整システムのCPUが実行する一連の処理を説明するフローチャート。 第1モータジェネレータの回転速度と、内燃機関のクランク軸の回転速度と、駆動輪の回転速度との関係を示す共線図。
以下、動力伝達部材の張力調整システムの一実施形態を図1~図5に従って説明する。
図1には、本実施形態の張力調整システムが適用される車両100が示されている。
<車両100の構成>
車両100は、ハイブリッド車両である。すなわち、車両100は、動力源として、内燃機関10、第1モータジェネレータ61及び第2モータジェネレータ62を備えている。第1モータジェネレータ61及び第2モータジェネレータ62が、電動モータに対応する。
車両100は、内燃機関10のクランク軸11が連結されている動力分割機構40を備えている。動力分割機構40は、遊星歯車機構を含んでいる。すなわち、動力分割機構40は、サンギア41、キャリア42、複数のピニオンギア43、リングギア44及びリングギア軸45を有している。サンギア41は、複数のピニオンギア43を介してリングギア44に連結している。キャリア42は、ピニオンギア43を自転可能な状態で支持している。キャリア42は、ピニオンギア43を公転可能に支持している。すなわち、ピニオンギア43は、キャリア42の回転に伴い公転する。そして、キャリア42にクランク軸11が連結されている。サンギア41に第1モータジェネレータ61の回転軸が連結されている。
内燃機関10のトルクがキャリア42に入力されると、当該内燃機関10のトルクが、サンギア41側とリングギア44側とに分配される。そして、サンギア41を介して伝達された内燃機関10のトルクが第1モータジェネレータ61に入力されると、第1モータジェネレータ61が発電機として機能する。
一方、第1モータジェネレータ61を電動機として機能させた場合、第1モータジェネレータ61のトルクがサンギア41に入力される。すると、サンギア41に入力された第1モータジェネレータ61のトルクが、キャリア42側とリングギア44側とに分配される。そして、キャリア42を介して伝達された第1モータジェネレータ61のトルクが内燃機関10のクランク軸11に入力されると、内燃機関10のクランク軸11が回転する。すなわち、第1モータジェネレータ61は、第1モータジェネレータ61のトルクをクランク軸11に伝達させることによりクランク軸11を回転させることができる。
車両100は、リングギア軸45を備えている。リングギア軸45にはリングギア44が連結されている。リングギア軸45は、リングギア44と一体に回転する。
車両100は、伝達機構66と、ディファレンシャル67と、複数の駆動輪68とを備えている。伝達機構66には、リングギア軸45が連結されている。伝達機構66から出力されたトルクは、ディファレンシャル67を介して各駆動輪68に入力される。
車両100は、リダクション機構50を備えている。リダクション機構50には、リングギア軸45が連結されている。リダクション機構50は、遊星歯車機構を含んでいる。すなわち、リダクション機構50は、サンギア51、キャリア52、複数のピニオンギア53及びリングギア54を有している。サンギア51は、複数のピニオンギア53を介してリングギア54に連結している。キャリア52は、ピニオンギア53を自転可能な状態で支持している。キャリア52は、リダクション機構50のケース55に固定されている。そのため、キャリア52は、回転不可能である。ピニオンギア53は、キャリア52により公転不可能な状態になっている。リングギア54は、リングギア軸45に連結されている。サンギア51には、第2モータジェネレータ62の回転軸が連結されている。
車両100は、内燃機関10内でオイルを循環させるために作動するオイル供給機構77を備えている。オイル供給機構77は、オイルポンプ77aと、供給通路76とを有している。図示は省略するが、オイルポンプ77aは、クランク軸11に連結されている。すなわち、オイルポンプ77aは、クランク軸11の駆動力に基づきオイルを吐出する機関駆動式のオイルポンプである。供給通路76は、オイルポンプ77aから吐出されたオイルが流れる通路である。供給通路76を流れるオイルが、内燃機関10の各種の必要箇所に供給される。必要箇所としては、例えば、後述するテンショナ30、内燃機関10のピストン及びシリンダブロック内の油路などを挙げることができる。
なお、オイルポンプ77aは、可変容量式のオイルポンプである。オイル供給機構77は、オイル制御バルブ77bを有している。そのため、オイル制御バルブ77bを作動させることにより、オイルポンプ77aのオイル吐出量を調整できる。
図2に示すように、車両100は、クランク軸11の回転を他の装置に伝達する動力伝達機構20を備えている。動力伝達機構20は、駆動スプロケット21、吸気側スプロケット22、排気側スプロケット23及びチェーン24を有している。
駆動スプロケット21は、クランク軸11に固定されている。吸気側スプロケット22は、内燃機関10の吸気カム軸に固定されている。排気側スプロケット23は、内燃機関10の排気カム軸に固定されている。吸気カム軸は、内燃機関10の吸気バルブを開閉させるためのカム軸である。排気カム軸は、内燃機関10の排気バルブを開閉させるためのカム軸である。
チェーン24は、駆動スプロケット21、吸気側スプロケット22及び排気側スプロケット23に巻き掛けられている。駆動スプロケット21が図中時計回り方向に回転すると、チェーン24が走行し、吸気側スプロケット22及び排気側スプロケット23に駆動力が伝達される。これにより、吸気側スプロケット22及び排気側スプロケット23が、図中時計回り方向にそれぞれ回転する。すなわち、各カム軸が回転する。
本実施形態では、チェーン24が、「無端状の動力伝達部材」に対応する。駆動スプロケット21が、「原動車」に対応する。吸気側スプロケット22及び排気側スプロケット23が、「従動車」に対応する。
内燃機関10の運転によってクランク軸11が図2に矢印D1で示す回転方向に回転すると、チェーン24が、駆動スプロケット21、揺動ガイド26、吸気側スプロケット22の順に走行する。内燃機関10の運転時におけるクランク軸11の回転方向、すなわち矢印D1で示す回転方向が、「正方向」に対応する。一方、矢印D1で示す回転方向の反対方向が、「逆方向」に対応する。
動力伝達機構20は、カバー27を有している。カバー27は、吸気側スプロケット22及び排気側スプロケット23の近傍に位置している。カバー27は、チェーン24のうち、吸気側スプロケット22及び排気側スプロケット23に巻き掛けられた部分をチェーン24の外側から覆っている。
動力伝達機構20は、駆動スプロケット21と排気側スプロケット23との間に位置している固定ガイド25を有している。固定ガイド25は、チェーン24で囲まれる領域の外であってチェーン24の近傍に位置している。固定ガイド25は、駆動スプロケット21から排気側スプロケット23に向かうように延びている。固定ガイド25は、ボルトにより内燃機関10に固定されている。固定ガイド25は、チェーン24で囲まれる領域の外から当該チェーン24に接触している。
動力伝達機構20は、駆動スプロケット21及び吸気側スプロケット22の間に位置している揺動ガイド26を有している。揺動ガイド26は、チェーン24で囲まれている領域の外であってチェーン24の近傍に位置している。揺動ガイド26は、ガイド本体26A、支持突起26B、当接突起26C及び回動軸26Dを有している。
ガイド本体26Aは、駆動スプロケット21から吸気側スプロケット22に向かうように延びている。ガイド本体26Aは、長手方向の中央部分がチェーン24に向かって凸となるように湾曲した略弓型形状である。
支持突起26Bは、ガイド本体26Aにおける駆動スプロケット21に近い端部に設けられている。支持突起26Bは、チェーン24から離れる方向に突出している。回動軸26Dは、例えば、クランク軸11と同じ方向に延びた状態で内燃機関10に固定されている。回動軸26Dは、支持突起26Bを貫通している。これにより、支持突起26B及びガイド本体26Aは、回動軸26Dを中心軸として揺動可能である。
当接突起26Cは、ガイド本体26Aにおける長手方向の中央部分よりも吸気側スプロケット22に近い箇所に設けられている。当接突起26Cは、チェーン24から離れる方向に突出している。当接突起26Cにおける突出端面は、当該突出端面の中央部分が窪むように湾曲している。
動力伝達機構20は、チェーン24の張力を調整するテンショナ30を有している。テンショナ30は、揺動ガイド26を挟んでチェーン24の反対側に位置している。図3に示すように、テンショナ30は、ハウジング31、プランジャ32、付勢バネ33、逆止弁34、第1フランジ36及び第2フランジ37を有している。
図3に示すように、ハウジング31は、略円筒形状である。ハウジング31の両端のうち、当接突起26Cから離れている端は、底壁311によって閉塞されている。一方、ハウジング31の両端のうち、当接突起26Cに近い方の端には、ハウジング31の内部と外部とを連通する開口312が設けられている。そして、ハウジング31の両端のうち、開口312が設けられている側の端は、当接突起26Cを向いている。
ハウジング31内には、内部空間31Aと、拡径空間31Bとが形成されている。内部空間31Aは、ハウジング31の開口312を介して外部と連通している。拡径空間31Bは、内部空間31Aの軸線方向の略中央部分に接続している。ハウジング31の周壁に環状の凹部が設けられており、この凹部内が拡径空間31Bとなっている。すなわち、拡径空間31Bは、内部空間31Aを周方向に取り囲む略円環形状の空間である。
ハウジング31の周壁には、貫通孔31Cが形成されている。貫通孔31C内は拡径空間31Bと連通している。すなわち、拡径空間31Bは、貫通孔31C内を介して外部と連通している。貫通孔31Cは、供給通路76と繋がっている。
第1フランジ36は、ハウジング31の外周面から外方に突出している。第2フランジ37は、ハウジング31を挟んで第1フランジ36の反対側に位置している。そして、第2フランジ37は、ハウジング31の外周面から、第1フランジ36の突出方向とは反対方向に突出している。なお、第1フランジ36及び第2フランジ37は、ボルトによって内燃機関10にそれぞれ固定されている。
プランジャ32は、略円柱形状である。プランジャ32の外径は、ハウジング31における内部空間31Aの内径よりもわずかに小さい。プランジャ32は、ハウジング31の内部空間31Aに収容されている。プランジャ32の第1端を含む一部分は、ハウジング31の開口312から内部空間31A外に突出している。プランジャ32の第1端は、揺動ガイド26の当接突起26Cに当接している。また、プランジャ32の第2端とハウジング31の底壁311との間に、オイルが供給される油圧室30Aが区画されている。すなわち、テンショナ30は、オイルポンプ77aから吐出されたオイルが流入する油圧室30Aを有している。
プランジャ32は、当該プランジャ32内の空間として、第1空間32A、第2空間32B及び接続孔32Cを備えている。プランジャ32における第2端から第1端に向かって、第2空間32B、接続孔32C、第1空間32Aの順に並んでいる。第2空間32Bは、油圧室30Aと連通している。接続孔32Cは、第2空間32Bと第1空間32Aとを繋げている。接続孔32Cの内径は、第2空間32Bの内径よりも小さい。第1空間32Aの内径は、接続孔32Cの内径よりも大きい。
プランジャ32には、第1空間32Aとプランジャ32外とを連通させる導入孔32Dが形成されている。具体的には、導入孔32Dは、第1空間32Aと拡径空間31Bとを連通している。
付勢バネ33は、油圧室30Aに配置されている。付勢バネ33は、ハウジング31の底壁311からプランジャ32を離間させる方向にプランジャ32を付勢している。
逆止弁34は、プランジャ32の第2空間32Bに配置されている。逆止弁34は、接続孔32Cを閉塞する弁体34Aと、弁体34Aを接続孔32Cに接近させるように付勢する弁用バネ34Bとを有している。逆止弁34は、接続孔32Cを介した第2空間32Bから第1空間32Aへのオイルの流通を規制する。また、第1空間32Aの油圧が第2空間32Bの油圧よりも高い場合、弁用バネ34Bの付勢力に抗して弁体34Aが変位するため、接続孔32Cが解放される。そのため、接続孔32Cを介した第1空間32Aから第2空間32Bへのオイルの流通が許容される。一方、第1空間32Aの油圧が第2空間32Bの油圧以下である場合、弁用バネ34Bの付勢力によって弁体34Aが接続孔32Cを閉塞する。そのため、接続孔32Cを介した第1空間32Aから第2空間32Bへのオイルの流通が規制される。
第2空間32Bに供給されるオイルの量が多いほど、第2空間32Bと連通する油圧室30Aの油圧が高くなる。そして、油圧室30Aの油圧が高いほど、ハウジング31からのプランジャ32の突出量が多くなる。プランジャ32の突出量が多いほど、テンショナ30が当接突起26Cを押す力が大きくなる。すると、揺動ガイド26がチェーン24を押す力が大きくなる。その結果、チェーン24の張力であるチェーン張力が大きくなる。すなわち、テンショナ30は、油圧室30Aの油圧が高いほどチェーン張力を大きくできる。
<車両100の電気的構成>
次に、車両100の電気的構成について説明する。
図1に示すように、車両100は、第1インバータ71、第2インバータ72及びバッテリ73を備えている。第1インバータ71は、第1モータジェネレータ61とバッテリ73との間の電力の授受量を調整する。第2インバータ72は、第2モータジェネレータ62とバッテリ73との間の電力の授受量を調整する。
車両100は、各種のセンサを備えている。センサは、検出結果に応じた検出信号を後述する制御装置90に出力する。こうしたセンサとしては、例えば、クランク角センサ81、油圧センサ82、アクセル開度センサ83、車速センサ84及び車輪速センサ85を挙げることができる。クランク角センサ81は、クランク軸11の回転速度である機関回転数Neに応じた検出信号を出力する。油圧センサ82は、供給通路76における油圧Pを検出する。アクセル開度センサ83は、アクセルペダルの操作量であるアクセル開度ACCを検出する。車速センサ84は、車速SPを検出する。車輪速センサ85は、駆動輪68の回転速度である車輪回転数SPWを検出する。
車両100は、制御装置90を備えている。制御装置90は、上記各種のセンサ81~85の検出信号を基に、内燃機関10、第1モータジェネレータ61及び第2モータジェネレータ62を制御する。
制御装置90は、CPU91、ROM92及び記憶装置93を有している。ROM92には、CPU91が実行する各種の制御プログラムが記憶されている。記憶装置93には、CPU91の演算結果が記憶される。
<チェーン張力を調整するための一連の処理>
制御装置90のCPU91は、チェーン張力を調整する処理を実行する。チェーン張力は、テンショナ30の油圧室30Aの油圧によって調整できる。油圧室30Aの油圧は、供給通路76の油圧Pを高くすることによって高くできる。オイルポンプ77aのオイル吐出量を多くすることによって、供給通路76の油圧Pは高くできる。したがって、供給通路76の油圧Pを油圧目標値PTrとしたとき、CPU91は、油圧目標値PTrに応じてチェーン張力を調整できる。すなわち、CPU91は、油圧目標値PTrを高くすると、オイルポンプ77aのオイル吐出量が多くなるようにオイル供給機構77を作動させる。すなわち、本実施形態では、CPU91が、油圧目標値PTrが高いほどオイルポンプ77aのオイル吐出量を多くする処理を実行する「実行装置」に対応する。
図4を参照し、油圧目標値PTrを設定するためにCPU91が実行する一連の処理について説明する。当該一連の処理は、内燃機関10の運転を停止させて車両100を走行させる状態から内燃機関10の運転を再開させる際にCPU91によって実行される。
一連の処理において、はじめのステップS11では、CPU91は、内燃機関10の運転停止中にテンショナ30の油圧室30Aからオイルが漏出したか否かを判定する。すなわち、ステップS11が、「漏出判定処理」に対応する。油圧室30Aからオイルが漏出すると、油圧室30Aの油圧Pが低くなる。そのため、ステップS11は、内燃機関10の運転停止中に油圧室30Aの油圧抜けが発生したか否かを判定しているということができる。
ここで、オイルポンプ77aは、クランク軸11の回転によって作動する。クランク軸11が正方向に回転する場合、オイルポンプ77aから供給通路76にオイルが吐出され、供給通路76を介してテンショナ30にオイルが供給される。一方、クランク軸11が逆方向に回転した場合、供給通路76をオイルが逆方向に流れるようにオイルポンプ77aが作動する。その結果、テンショナ30から供給通路76にオイルが流出してしまう。
このようにテンショナ30から供給通路76にオイルが流出する場合、油圧室30Aからオイルが漏出する可能性がある。すなわち、供給通路76をオイルが逆流すると、図3に示したように供給通路76と連通する拡径空間31B及び第1空間32Aの油圧が低くなる。すると、ハウジング31の周壁とプランジャ32との僅かな隙間、及び、逆止弁34の弁体34Aと、接続孔32Cが形成されている周壁との間の僅かな隙間を介し、油圧室30Aのオイルが拡径空間31B側に漏出することがある。
このように油圧室30Aからオイルが漏出すると、油圧室30Aの油圧が低下する。すると、テンショナ30がチェーン24を内側に押す力が小さくなり、チェーン張力が低下するおそれがある。
そこで、本実施形態では、内燃機関10の運転停止中にクランク軸11が逆方向に回転した場合、CPU91は、内燃機関10の運転停止中に油圧室30Aからオイルが漏出したとの判定をなす。一方、内燃機関10の運転停止中にクランク軸11が逆方向に回転していない場合、CPU91は、油圧室30Aからオイルが漏出するとの判定をなさない。
車両100は、内燃機関10の運転が停止されている場合であっても第2モータジェネレータ62の駆動によって走行する。内燃機関10の運転停止中において第2モータジェネレータ62の駆動によって車両100が走行することを「EV走行」という。EV走行中では、基本的にクランク軸11の回転は停止している。
車両100においては、クランク軸11と駆動輪68との間の動力伝達経路に、トルクコンバータが配置されていない。そのため、EV走行中に、駆動輪68の回転速度が急低下すると、クランク軸11が逆方向に回転することがある。
図5には、EV走行中における、第1モータジェネレータ61の回転軸の回転数である第1モータ回転数Nm1と、機関回転数Neと、駆動輪68の車輪回転数SPWとの関係を示す共線図が図示されている。図5において、紙面左右方向に延びる実線L1は、機関回転数Neが0である状態を示している。当該実線L1よりも上である場合、機関回転数Neが正である。当該実線L1よりも下である場合、機関回転数Neが負である。
図5に実線L11で示すように、EV走行中では、機関回転数Neが0となるように、第1モータ回転数Nm1が制御される。しかし、急制動などによって、図中矢印で示すように駆動輪68の車輪回転数SPWが急激に低下した場合、車輪回転数SPWの変化に第1モータ回転数Nm1の調整が間に合わず、破線L12で示すように機関回転数Neが負の値となることがある。機関回転数Neが負の値になる場合とは、クランク軸11が逆方向に回転することを意味する。
したがって、車両100のEV走行中に駆動輪68の回転速度が急激に低下した場合は、クランク軸11が逆方向に回転したと判断できる。例えば、車輪回転数SPWの低下速度が閾値以上である場合は、クランク軸11が逆方向に回転したと見なせる。一方、車輪回転数SPWの低下速度が閾値未満である場合は、クランク軸11が逆方向に回転したと見なせない。なお、閾値として、車輪回転数SPWの低下に起因してクランク軸11が逆方向に回転したか否かの判断基準となる車輪回転数SPWの低下速度が設定されている。
つまり、CPU91は、内燃機関10の運転停止中に車輪回転数SPWの低下速度が閾値以上になることがあった場合、内燃機関10の運転停止中に油圧室30Aからオイルが漏出したとの判定をなす。一方、CPU91は、内燃機関10の運転停止中に車輪回転数SPWの低下速度が閾値以上になることがなかった場合、内燃機関10の運転停止中に油圧室30Aからオイルが漏出したとの判定をなさない。
図4に戻り、ステップS11において、内燃機関10の運転停止中に油圧室30Aからオイルが漏出したとの判定をなしていない場合(NO)、CPU91は、処理をステップS13に移行する。ステップS13において、CPU91は、油圧目標値PTrとして、第1油圧PAを設定する。その後、CPU91は、一連の処理を終了する。
ステップS11において、内燃機関10の運転停止中に油圧室30Aからオイルが漏出したとの判定をなしている場合(YES)、CPU91は、処理をステップS15に移行する。ステップS15において、CPU91は、暗騒音が大きいか否かを判定する。
ここでいう暗騒音とは、車両100の車室に伝わる騒音のうち、チェーン24の走行に伴って発生する騒音以外の騒音である。チェーン24の走行に伴って発生する振動や騒音をチェーンNVとしたとき、暗騒音が大きいと、チェーンNVが暗騒音によって打ち消される。その結果、チェーンNVに対して車両100の乗員が不快に感じにくい。一方、暗騒音が大きくない場合、チェーンNVが大きいと、チェーンNVに対して乗員が不快に感じやすい。
暗騒音としては、例えば、タイヤと路面との摩擦に起因する騒音、風切り音、エアコンディショナの駆動音を挙げることができる。タイヤと路面との摩擦に起因する騒音及び風切り音は、車速SPが高いほど大きくなりやすい。そこで、車速SPが車速判定値SPTh以上である場合は、タイヤと路面との摩擦に起因する騒音や風切り音が大きいと見なす。車速SPが車速判定値SPTh未満である場合は、タイヤと路面との摩擦に起因する騒音や風切り音が大きいと見なさない。この場合、CPU91は、車速SPが車速判定値SPTh以上である場合、暗騒音が大きいとの判定をなす。また、CPU91は、エアコンディショナのコンプレッサが駆動する場合、暗騒音が大きいとの判定をなす。
ステップS15において、暗騒音が大きいとの判定をなしている場合(YES)、CPU91は、処理をステップS17に移行する。ステップS17において、CPU91は、油圧目標値PTrとして第2油圧PBを設定する。第2油圧PBは、第1油圧PAよりも高い油圧である。その後、CPU91は、一連の処理を終了する。
一方、ステップS15において、暗騒音が大きいとの判定をなしていない場合(NO)、CPU91は、処理をステップS19に移行する。ステップS19において、CPU91は、油圧目標値PTrとして第3油圧PCを設定する。第3油圧PCは、第2油圧PBよりも高い油圧である。その後、CPU91は、一連の処理を終了する。
本実施形態では、ステップS15が、「騒音判定処理」に対応する。また、ステップS13、S17、S19が、「油圧目標値設定処理」に対応する。
<本実施形態における作用及び効果>
車両100がEV走行している場合、内燃機関10の運転が停止されている。そのため、クランク軸11の回転は停止しているはずである。すなわち、機関回転数Neが0で維持されるように第1モータ回転数Nm1が調整される。
しかし、このように内燃機関10の運転が停止している状態で車両100が走行している場合、クランク軸11が逆方向に回転することがある。例えば駆動輪68の車輪回転数SPWが急低下した場合、車輪回転数SPWの低下に合わせて第1モータ回転数Nm1を増大させる必要がある。この際、車輪回転数SPWの低下に対して第1モータ回転数Nm1の増大が間に合わないと、クランク軸11が逆方向に回転することがある。
クランク軸11が逆方向に回転すると、供給通路76ではオイルが逆流する。すなわち、テンショナ30からオイルポンプ77aに向けてオイルが流れる。すると、テンショナ30の油圧室30Aからオイルがテンショナ30外に漏れ出てしまい、油圧室30Aの油圧が低下するおそれがある。
油圧室30Aの油圧が低下すると、テンショナ30がチェーン24を押す力が低下する。これにより、チェーン24の張力であるチェーン張力が低下する。チェーン張力が小さい状態でチェーン24が走行すると、チェーン24が振動し、騒音が発生しやすい。
本実施形態では、車両100のEV走行中にクランク軸11が逆方向に回転したとの判定がなされる場合、内燃機関10の運転停止中に油圧室30Aからオイルが漏出したとの判定がなされる。このような判定がなされた場合、その後の機関運転の開始時には、騒音判定処理の実行結果に基づいて油圧目標値PTrが設定される。
ここで、内燃機関10が運転している場合、オイルポンプ77aからオイルが吐出される。こうしたオイルは、テンショナ30やピストンなどの必要箇所に供給される。機関始動時などのように内燃機関10の燃焼室の温度があまり高くないような場合にピストンに多くのオイルが供給されると、ピストンが過剰に冷やされることになる。すると、燃焼室の温度がなかなか高くならず、燃焼室での燃焼特性が良好ではない状態が長く続いてしまう。
そこで、騒音判定処理では、暗騒音が大きいか否かが判定される。そして、暗騒音が大きいとの判定がなされた場合、暗騒音が大きいとの判定がなされていない場合と比較して小さい値が油圧目標値PTrとして設定される。油圧目標値PTrが大きいほどオイルポンプ77aのオイル吐出量が多くなる。そのため、暗騒音が大きいとの判定がなされた場合、暗騒音が大きいとの判定がなされていない場合よりもオイルポンプ77aのオイル吐出量を少なくできる。これにより、内燃機関10の燃焼室の温度があまり高くない状況下において内燃機関10のピストンがオイルによって冷やされすぎることを抑制できる。その結果、燃焼室の温度を早期に高くできるため、燃焼室での燃焼特性を早期に良好なものにすることができる。しかも、チェーン張力が大きくなくても暗騒音が大きいため、チェーン24の走行に伴って発生する騒音を車両100の乗員が不快に感じにくい。
一方、暗騒音が大きいとの判定がなされていない場合には、オイルポンプ77aのオイル吐出量を多くできるため、テンショナ30の油圧室30Aの油圧を高くできる。すなわち、機関運転の停止中に低下した油圧室30Aの油圧を回復できる。これにより、機関運転の停止中に低下したチェーン張力を回復できる。したがって、チェーン24の走行に伴う騒音の発生を抑制できる。
したがって、本実施形態では、チェーン24の走行に伴う騒音を車両100の乗員が不快に感じにくいときには、オイルポンプ77aのオイル吐出量を少なくできるため、燃焼室での燃焼特性の早期向上に貢献できる。
<変更例>
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・サイドウィンドウが開いているか否かによって、暗騒音が大きいか否かを判定してもよい。サイドウィンドウとは、ドアウィンドウのことである。サイドウィンドウが開いていると、車外の音が車室に伝わりやすい。そのため、サイドウィンドウが開いていると、チェーン24の走行に伴う騒音を乗員が不快に感じにくくなる。したがって、サイドウィンドウが開いている場合は、暗騒音が大きいとの判定をなすとよい。
・第2油圧PBは、第3油圧PCよりも低い油圧であれば、第1油圧PAよりも高い油圧でなくてもよい。例えば、第2油圧PBは、第1油圧PAと同圧であってもよい。
・上記ステップS15で暗騒音が大きいとの判定をなした場合、暗騒音の大きさによって油圧目標値PTrを可変させてもよい。例えば、車速SPが高いほど、暗騒音が大きくなると推測できる。そのため、車速SPが高いほど小さい値を油圧目標値PTrとして設定するようにしてもよい。
・上記実施形態では、クランク軸11が逆方向に回転したとの判定がなされた場合に、油圧室30Aからオイルが漏出したとの判定をなしている。しかし、これに限らない。例えば、油圧室30Aの油圧を検出する油圧センサを設け、油圧センサの検出値の推移を基に、油圧室30Aからオイルが漏出したか否かを判定してもよい。
・漏出判定処理を省略してもよい。
・内燃機関は、無端状の動力伝達部材としてチェーン24の代わりにベルトを備えたものであってもよい。この場合、原動車及び従動車として、スプロケットの代わりにプーリが設けられる。
・無端状の動力伝達部材は、テンショナ30によって張力が調整されるものであれば、クランク軸11の回転をカム軸に伝達するためのものでなくてもよい。
・張力調整システムが適用される車両は、上記車両100とは別の構成のハイブリッド車両であってもよい。
・制御装置90は、CPU91とROM92とを備えて、ソフトウェア処理を実行するものに限らない。すなわち、制御装置90は、以下(a)~(c)の何れかの構成であればよい。
(a)制御装置90は、コンピュータプログラムに従って各種処理を実行する一つ以上のプロセッサを備えている。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROMなどのメモリを含んでいる。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリ、すなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含んでいる。
(b)制御装置90は、各種処理を実行する一つ以上の専用のハードウェア回路を備えている。専用のハードウェア回路としては、例えば、特定用途向け集積回路、すなわちASIC又はFPGAを挙げることができる。なお、ASICは、「Application Specific Integrated Circuit」の略記であり、FPGAは、「Field Programmable Gate Array」の略記である。
(c)制御装置90は、各種処理の一部をコンピュータプログラムに従って実行するプロセッサと、各種処理のうちの残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備えている。
10…内燃機関
11…クランク軸
21…駆動スプロケット
22…吸気側スプロケット
23…排気側スプロケット
24…チェーン
30…テンショナ
30A…油圧室
61,62…モータジェネレータ
76…供給通路
77a…オイルポンプ
90…制御装置
91…CPU
100…車両

Claims (4)

  1. 内燃機関と、前記内燃機関を循環するオイルを吐出するオイルポンプと、前記内燃機関のクランク軸に固定されている原動車と、前記原動車からの駆動力が伝達される従動車と、前記原動車及び前記従動車に巻き掛けられている無端状の動力伝達部材と、を備える車両に適用され、前記動力伝達部材の張力を調整する動力伝達部材の張力調整システムであって、
    前記オイルポンプから吐出されたオイルが流入する油圧室を有し、前記油圧室の油圧によって前記動力伝達部材の張力を調整するテンショナと、
    前記オイルポンプから吐出されたオイルが流通する油路の油圧の目標値である油圧目標値が高いほど前記オイルポンプのオイル吐出量を多くする処理を実行する実行装置と、を備え、
    前記実行装置は、
    前記車両の車室に伝わる騒音のうち、前記動力伝達部材の走行に伴って発生する騒音以外の騒音である暗騒音が大きいか否かを判定する騒音判定処理と、
    前記暗騒音が大きいとの判定をなしている場合、前記暗騒音が大きいとの判定をなしていない場合よりも小さい値を、前記油圧目標値として設定する油圧目標値設定処理と、を実行する
    動力伝達部材の張力調整システム。
  2. 前記実行装置は、
    前記油圧室からオイルが漏出したか否かを判定する漏出判定処理を実行し、
    前記油圧室からオイルが漏出したとの判定をなしている場合、前記油圧目標値設定処理において、前記騒音判定処理の実行結果に基づいて前記油圧目標値を設定する
    請求項1に記載の動力伝達部材の張力調整システム。
  3. 前記車両は、動力源として、前記内燃機関に加えて電動モータも備えるハイブリッド車両であり、
    前記内燃機関の運転時における前記クランク軸の回転方向を正方向とし、前記正方向の反対方向を逆方向としたとき、
    前記オイルポンプは、前記クランク軸の回転が伝達されることによってオイルを吐出する機関駆動式のポンプであり、
    前記実行装置は、
    前記内燃機関の運転の停止中に前記クランク軸が前記逆方向に回転したか否かを判定し、
    前記内燃機関の運転の停止中に前記クランク軸が前記逆方向に回転したとの判定をなしている場合、前記騒音判定処理の実行結果に基づいて前記油圧目標値を設定する
    請求項1に記載の動力伝達部材の張力調整システム。
  4. 前記実行装置は、前記内燃機関の運転の停止中に前記クランク軸が前記逆方向に回転したとの判定をなしている場合、前記油圧目標値設定処理において、前記内燃機関の運転の停止中に前記クランク軸が前記逆方向に回転したとの判定をなしていない場合よりも大きい値を前記油圧目標値として設定する
    請求項3に記載の動力伝達部材の張力調整システム。
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