JP2023077122A - バルブ開閉システム - Google Patents

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Abstract

【課題】排気スプロケットと吸気スプロケットとの間でチェーンがたわむことを抑制する。【解決手段】バルブ開閉システムの動弁機構は、排気カム軸、吸気カム軸、及び可変動弁装置を備えている。排気カム軸は、排気スプロケットと共に回転し、排気バルブを開閉する。吸気カム軸は、吸気スプロケットと共に回転し、吸気バルブを開閉する。可変動弁装置は、排気スプロケットに対する排気カム軸の角度位置、及び吸気スプロケットに対する吸気カム軸の角度位置を調整する。バルブ開閉システムの制御装置は、チェーンテンショナ内のオイルの圧力が予め定められた規定圧力以下である場合に、たるみ防止処理を実行可能である。たるみ防止処理では、排気行程にある気筒の排気バルブの全開タイミングが、そのときに吸気行程にある他の気筒の吸気バルブの全開タイミングよりも早くなることがないように、可変動弁装置を制御する。【選択図】図5

Description

本発明は、バルブ開閉システムに関する。
特許文献1の車両は、内燃機関のクランク軸の駆動力を伝達するためのチェーン機構を備えている。このチェーン機構は、駆動スプロケット、2つの従動スプロケット、チェーン、揺動ガイド、及びチェーンテンショナを備えている。また、車両は、チェーンテンショナ内にオイルを供給するためのオイルポンプを備えている。駆動スプロケットは、内燃機関のクランク軸に連結している。駆動スプロケットは、クランク軸と一体回転する。一方の従動スプロケットは、内燃機関の吸気カム軸に連結している。他方の従動スプロケットは、内燃機関の排気カム軸に連結している。チェーンは、駆動スプロケット及び2つの従動スプロケットに巻き掛けられている。揺動ガイドは、チェーンの近傍に位置している。揺動ガイドは、内燃機関に対して揺動可能になっている。チェーンテンショナは、揺動ガイドを、チェーンへと押し付けている。すなわち、チェーンテンショナは、揺動ガイドを介して、チェーンに張力を与えている。オイルポンプは、クランク軸の回転に基づきオイルを吐出する。そして、オイルポンプから吐出されたオイルは、チェーンテンショナ内に作動油として供給される。チェーンテンショナは、供給されたオイルの圧力に応じた力で、揺動ガイドをチェーンに押し付ける。
特開2014-109237号公報
特許文献1のような車両において内燃機関が駆動しているときには、各カム軸が回転してバルブを開閉させる。したがって、各従動スプロケットには、バルブからの反力がカム軸を介して作用する。このとき、チェーンに十分な張力が作用していないと、バルブからの反力に抗することができず、従動スプロケットの回転速度が変化することがある。仮に、2つの従動スプロケットの間で回転速度に差が生じると、両従動スプロケットの間でチェーンにたるみが生じるおそれがある。
上記課題を解決するためのバルブ開閉システムは、複数の気筒、吸気通路を開閉する吸気バルブ、排気通路を開閉する排気バルブ、及びクランク軸を有する内燃機関と、前記クランク軸の回転に基づきオイルを吐出するオイルポンプと、前記吸気バルブ及び前記排気バルブを動作させる動弁機構と、前記クランク軸の駆動力を前記動弁機構に伝達するチェーン機構と、前記動弁機構を制御する制御装置と、を備えるバルブ開閉システムであって、前記チェーン機構は、前記クランク軸に固定された駆動スプロケットと、前記駆動スプロケットからの駆動力が伝達される第1従動スプロケットと、前記駆動スプロケットからの駆動力が伝達される第2従動スプロケットと、前記駆動スプロケット、前記第1従動スプロケット、及び前記第2従動スプロケットの順に走行するチェーンと、揺動可能な揺動ガイドと、前記オイルポンプから供給されるオイルの圧力により、前記チェーンにおける前記駆動スプロケット及び前記第1従動スプロケットの間の部分に、前記揺動ガイドを押し付けるチェーンテンショナと、を有し、前記動弁機構は、前記第1従動スプロケットと共に回転し、前記排気バルブを開閉する第1カム軸と、前記第2従動スプロケットと共に回転し、前記吸気バルブを開閉する第2カム軸と、前記第1従動スプロケットに対する前記第1カム軸の角度位置、及び前記第2従動スプロケットに対する前記第2カム軸の角度位置の少なくとも一方を調整する可変動弁装置と、を有し、前記制御装置は、前記チェーンテンショナ内のオイルの圧力が予め定められた規定圧力以下である場合に、たるみ防止処理を実行可能であり、前記たるみ防止処理では、排気行程にある気筒の前記排気バルブの全開タイミングが、そのときに吸気行程にある他の気筒の前記吸気バルブの全開タイミングよりも早くなることがないように、前記可変動弁装置を制御する。
上記構成において、排気バルブが全開状態になってから全閉状態になるまでは、第1カム軸に正のトルクが作用する。同様に、吸気バルブが全開状態になってから全閉状態になるまでは、第2カム軸に正のトルクが作用する。仮に排気バルブが全開状態になるタイミングが、吸気バルブが全開状態になるタイミングよりも早いとする。この場合、排気バルブが全開状態になってから吸気バルブが全開状態になるまでの期間は、第1カム軸に作用する正のトルクが、第2カム軸に作用する正のトルクよりも大きくなる。このとき、チェーンテンショナがチェーンに適切な張力を付与していないと、第1従動スプロケットの回転速度が第2従動スプロケットの回転速度より大きくなる。その結果、第1従動スプロケットと第2従動スプロケットとの間でチェーンにたるみが生じる。
上記構成によれば、チェーンテンショナ内のオイルの圧力が規定圧力以下である場合にはたるみ防止処理が実行される。そして、このたるみ防止処理により、上述したようなチェーンにたるみが生じやすくなるバルブの開閉タイミングが禁止される。したがって、チェーンテンショナ内のオイルの圧力が不足している場合でのチェーンのたるみは防げる。
車両の概略構成を示す概略図である。 内燃機関の概略構成を示す概略図である。 チェーン機構の正面図である。 チェーンテンショナの周辺構成の断面図である。 たるみ防止制御を示すフローチャートである。 排気先行状態においてバルブからカム軸に作用するトルクの変化を示す説明図である。 基準状態においてバルブからカム軸に作用するトルクの変化を示す説明図である。 吸気先行状態においてバルブからカム軸に作用するトルクの変化を示す説明図である。
<車両の機械的構成>
以下、本発明の一実施形態を図1~図8にしたがって説明する。本発明のバルブ開閉システムは、内燃機関10、オイルポンプ39、動弁機構70、チェーン機構20、及び制御装置90を備えている。先ず、本発明のバルブ開閉システムが適用された車両100の機械的構成について説明する。
図1に示すように、車両100は、動力の伝達経路として、内燃機関10、動力分割機構40、リダクション機構50、第1モータジェネレータ61、第2モータジェネレータ62、伝達機構66、ディファレンシャル67、及び複数の駆動輪68を備えている。
内燃機関10は、出力軸としてクランク軸14を備えている。クランク軸14は、動力分割機構40に接続している。動力分割機構40は、サンギア41、キャリア42、複数のピニオンギア43、リングギア44、及びリングギア軸45を有する遊星歯車機構である。外歯歯車のサンギア41及び内歯歯車のリングギア44は、同軸上に位置している。サンギア41は、複数のピニオンギア43を介してリングギア44に連結している。キャリア42は、ピニオンギア43を自転可能な状態で支持している。また、キャリア42は、ピニオンギア43を公転可能に支持している。すなわち、ピニオンギア43は、キャリア42の回転に伴い公転する。キャリア42は、クランク軸14に接続している。サンギア41は、第1モータジェネレータ61の回転軸に接続している。
内燃機関10の駆動力がキャリア42に入力されると、当該内燃機関10の駆動力は、サンギア41側とリングギア44側とに分配される。そして、サンギア41を介して伝達された内燃機関10の駆動力が第1モータジェネレータ61の回転軸に入力されると、第1モータジェネレータ61が発電機として機能する。
一方、第1モータジェネレータ61を電動機として機能させた場合、第1モータジェネレータ61の駆動力がサンギア41に入力される。すると、サンギア41に入力された第1モータジェネレータ61の駆動力は、キャリア42側とリングギア44側とに分配される。そして、キャリア42を介して伝達された第1モータジェネレータ61の駆動力が内燃機関10のクランク軸14に入力されると、内燃機関10のクランク軸14が回転する。すなわち、第1モータジェネレータ61は、当該第1モータジェネレータ61の駆動力をクランク軸14に伝達させることによりクランク軸14を回転させることが可能である。
リングギア44は、リングギア軸45に接続している。リングギア軸45は、リングギア44と一体に回転する。リングギア軸45は、伝達機構66に接続している。伝達機構66は、例えば減速歯車機構及び自動変速機を含んでいる。伝達機構66は、ディファレンシャル67を介して駆動輪68に接続している。ディファレンシャル67は、左右の駆動輪68に回転速度差が生じることを許容する。
また、リングギア軸45は、リダクション機構50に接続している。リダクション機構50は、サンギア51、キャリア52、複数のピニオンギア53、リングギア54、及びケース55を有する遊星歯車機構である。外歯歯車のサンギア51及び内歯歯車のリングギア54は、同軸上に位置している。サンギア51は、複数のピニオンギア53を介してリングギア54に連結している。キャリア52は、ピニオンギア53を自転可能な状態で支持している。キャリア52は、リダクション機構50のケース55に固定されている。すなわち、キャリア52は、回転不可能であり、ピニオンギア53は、キャリア52により公転不可能な状態になっている。リングギア54は、リングギア軸45に接続している。サンギア51は、第2モータジェネレータ62の回転軸に接続している。
第2モータジェネレータ62は、車両100を減速させる際に発電機として機能することで、第2モータジェネレータ62の発電量に応じた回生制動力を車両100に発生させることができる。
一方、第2モータジェネレータ62を電動機として機能させた場合、第2モータジェネレータ62の駆動力は、リダクション機構50、リングギア軸45、伝達機構66、及びディファレンシャル67を介して駆動輪68に入力される。すると、第2モータジェネレータ62の駆動力によって、駆動輪68が回転する。
図2に示すように、内燃機関10は、複数の気筒11、吸気通路12、排気通路13、複数のピストン14A、及び複数のコネクティングロッド14Bを備えている。
気筒11は、燃料と吸気との混合気を燃焼させるための空間である。内燃機関10は、4つの気筒11を備えている。なお、以下では、4つの気筒11を総称して説明するときには、単に気筒11と呼称する。また、4つの気筒11を区別して説明するときには、4つの気筒11が並んでいる順に、第1気筒11A、第2気筒11B、第3気筒11C、及び第4気筒11Dと呼称する。また、図2では、1つの気筒11のみを代表して図示している。
ピストン14Aは、気筒11の内部に位置している。ピストン14Aは、コネクティングロッド14Bを介してクランク軸14に連結している。ピストン14Aは、気筒11において燃料と吸気との混合気が燃焼することにより、気筒11の内部で往復運動する。そして、ピストン14Aの往復運動により、クランク軸14が回転する。
吸気通路12は、気筒11に接続している。吸気通路12は、内燃機関10の外部から各気筒11に吸気を導入する。排気通路13は、気筒11に接続している。排気通路13は、各気筒11から内燃機関10の外部へと排気を排出する。
内燃機関10は、複数の燃料噴射弁15、スロットルバルブ16、複数の吸気バルブ17、複数の排気バルブ18、複数の点火装置19、及び触媒19Aを備えている。
スロットルバルブ16は、吸気通路12の途中に位置している。スロットルバルブ16は、吸気通路12を流通する吸気の量を調整する。燃料噴射弁15は、吸気通路12のうち、気筒11の近傍に位置している。内燃機関10は、4つの気筒11に対応して4つの燃料噴射弁15を備えている。燃料噴射弁15は、気筒11へと燃料を供給する。触媒19Aは、排気通路13の途中に位置している。触媒19Aは、排気通路13を流通する排気を浄化する。
点火装置19は、気筒11に位置している。内燃機関10は、4つの気筒11に対応して4つの点火装置19を備えている。点火装置19は、燃料と吸気との混合気を火花放電により点火する。4つの点火装置19は、第1気筒11A、第3気筒11C、第4気筒11D、第2気筒11Bの順に点火を行う。換言すると、4つの気筒11は、第1気筒11A、第3気筒11C、第4気筒11D、第2気筒11Bの順に燃焼行程を迎える。なお、各気筒11は、クランク軸14が2回転する度に、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程、排気行程を繰り返す。
吸気バルブ17は、吸気通路12の下流端に位置している。内燃機関10は、4つの気筒11に対応して4つの吸気バルブ17を備えている。吸気バルブ17は、吸気通路12の下流端を開閉する。吸気バルブ17は、図示しない吸気バルブスプリングにより付勢されている。これにより、吸気バルブ17は、他の外力が加わっていなければ閉状態に維持される。排気バルブ18は、排気通路13の上流端に位置している。内燃機関10は、4つの気筒11に対応して4つの排気バルブ18を備えている。排気バルブ18は、排気通路13の上流端を開閉する。排気バルブ18は、図示しない排気バルブスプリングにより付勢されている。これにより、排気バルブ18は、他の外力が加わっていなければ閉状態に維持される。
車両100は、吸気バルブ17及び排気バルブ18を動作させる動弁機構70を備えている。動弁機構70は、吸気カム軸72、排気カム軸73、複数の吸気ロッカーアーム74、複数の排気ロッカーアーム75、吸気可変動弁装置77、及び排気可変動弁装置78を備えている。
吸気カム軸72は、軸本体72A、及び複数の吸気カム72Bを備えている。軸本体72Aの形状は、略棒状である。吸気カム72Bは、軸本体72Aの外周面から突出している。吸気カム軸72は、4つの吸気バルブ17に対応して4つの吸気カム72Bを備えている。吸気カム72Bは、吸気ロッカーアーム74を介して吸気バルブ17に連結している。吸気カム軸72は、自身の回転に応じて吸気バルブ17を開閉する。具体的には、吸気カム軸72は、吸気カム72Bの頂点が吸気バルブ17に近づく場合には、図示しない吸気バルブスプリングの付勢力に抗して吸気バルブ17を閉状態から開状態にする。一方、吸気カム72Bの頂点が吸気バルブ17から離れる場合には、図示しない吸気バルブスプリングの付勢力により吸気バルブ17が開状態から閉状態になる。なお、軸本体72Aの一端は、後述する吸気スプロケット22に接続している。
排気カム軸73は、軸本体73A、複数の排気カム73Bを備えている。軸本体73Aの形状は、略棒状である。排気カム73Bは、軸本体73Aの外周面から突出している。排気カム軸73は、4つの排気バルブ18に対応して4つの排気カム73Bを備えている。排気カム73Bは、排気ロッカーアーム75を介して排気バルブ18に連結している。排気カム軸73は、自身の回転に応じて排気バルブ18を開閉する。具体的には、排気カム軸73は、排気カム73Bの頂点が排気バルブ18に近づく場合には、図示しない排気バルブスプリングの付勢力に抗して排気バルブ18を閉状態から開状態にする。一方、排気カム73Bの頂点が排気バルブ18から離れる場合には、図示しない排気バルブスプリングの付勢力により排気バルブ18が開状態から閉状態になる。なお、軸本体73Aの一端は、後述する排気スプロケット23に接続している。
吸気可変動弁装置77は、吸気カム軸72の近傍に位置している。吸気可変動弁装置77は、吸気スプロケット22に対する吸気カム軸72の角度位置を調整することにより、吸気バルブ17が開閉するタイミングを調整可能である。本実施形態において、吸気可変動弁装置77は、図示しない電動モータにより吸気バルブ17の開閉タイミングを調整する、いわゆる電動式の可変動弁装置である。
排気可変動弁装置78は、排気カム軸73の近傍に位置している。排気可変動弁装置78は、排気スプロケット23に対する排気カム軸73の角度位置を調整することにより、排気バルブ18が開閉するタイミングを調整可能である。本実施形態において、排気可変動弁装置78は、図示しない電動モータにより排気バルブ18の開閉タイミングを調整する、いわゆる電動式の可変動弁装置である。
図1に示すように、車両100は、オイルを供給するための機構として、供給通路38、及びオイルポンプ39を備えている。図示は省略するが、オイルポンプ39は、クランク軸14に連結している。オイルポンプ39は、クランク軸14が回転することにより駆動する。したがって、オイルポンプ39は、クランク軸14の回転に基づきオイルを吐出する、いわゆる機械式のオイルポンプである。供給通路38は、オイルポンプ39に接続している。供給通路38は、オイルポンプ39から吐出されるオイルを、内燃機関10の各所に供給する。
図3に示すように、車両100は、クランク軸14の駆動力を他の装置に伝達するためのチェーン機構20を備えている。チェーン機構20は、駆動スプロケット21、吸気スプロケット22、排気スプロケット23、チェーン24、固定ガイド25、揺動ガイド26、カバー27、及びチェーンテンショナ30を備えている。
駆動スプロケット21は、クランク軸14の一端に固定されている。吸気スプロケット22は、吸気カム軸72の一端に固定されている。したがって、吸気スプロケット22は、吸気カム軸72と共に回転する。排気スプロケット23は、排気カム軸73の一端に固定されている。したがって、排気スプロケット23は、排気カム軸73と共に回転する。チェーン24は、駆動スプロケット21、吸気スプロケット22、及び排気スプロケット23に巻き掛けられている。本実施形態において、排気スプロケット23は、第1従動スプロケットである。また、排気カム軸73は、第1カム軸である。吸気スプロケット22は、第2従動スプロケットである。また、吸気カム軸72は、第2カム軸である。なお、図3では、駆動スプロケット21、吸気スプロケット22、及び排気スプロケット23を簡略化して図示している。
カバー27は、吸気スプロケット22及び排気スプロケット23の近傍に位置している。カバー27は、チェーン24のうち、吸気スプロケット22及び排気スプロケット23に巻き掛けられた部分をチェーン24で囲まれる領域の外から覆っている。
固定ガイド25は、チェーン24で囲まれる領域の外であって当該チェーン24の近傍に位置している。固定ガイド25は、駆動スプロケット21及び吸気スプロケット22の間に位置している。固定ガイド25は、駆動スプロケット21から吸気スプロケット22に向かうように延びている。固定ガイド25は、ボルトにより内燃機関10の外面に固定されている。固定ガイド25は、チェーン24で囲まれる領域の外から当該チェーン24に接触している。
図3に示すように、揺動ガイド26は、チェーン24で囲まれる領域の外であって当該チェーン24の近傍に位置している。揺動ガイド26は、駆動スプロケット21及び排気スプロケット23の間に位置している。揺動ガイド26は、ガイド本体26A、支持突起26B、パッド26C、及び回動軸26Dを備えている。ガイド本体26Aは、駆動スプロケット21から排気スプロケット23に向かうように延びている。ガイド本体26Aは、長手方向の中央部分がチェーン24に向かって凸となるように湾曲した略弓型形状である。支持突起26Bは、ガイド本体26Aにおける駆動スプロケット21に近い側の端部に位置している。支持突起26Bは、チェーン24から離れる方向に突出している。回動軸26Dは、支持突起26Bを貫通している。回動軸26Dは、内燃機関10に固定されている。支持突起26B及びガイド本体26Aは、回動軸26Dを中心軸として揺動可能になっている。パッド26Cは、ガイド本体26Aにおける長手方向の中央部分から視て排気スプロケット23に近い箇所に位置している。パッド26Cは、チェーン24から離れる方向に突出している。図4に示すように、パッド26Cにおける突出端面は、当該突出端面の中央部分が窪むように湾曲している。
図3において二点鎖線矢印で示すように、内燃機関10が駆動することでクランク軸14が時計回り方向に正転すると、駆動スプロケット21が時計回り方向に回転する。すると、チェーン24が、駆動スプロケット21、揺動ガイド26、排気スプロケット23、吸気スプロケット22の順に走行する。そして、クランク軸14の駆動力が排気スプロケット23及び吸気スプロケット22に伝達される。その結果、排気スプロケット23及び吸気スプロケット22のそれぞれが時計回り方向に回転する。
図3に示すように、チェーンテンショナ30は、揺動ガイド26を挟んで、チェーン24とは反対側に位置している。図4に示すように、チェーンテンショナ30は、ハウジング31、プランジャ32、付勢バネ33、逆止弁機構34、上側フランジ36、及び下側フランジ37を備えている。
図4に示すように、ハウジング31は、略円筒形状である。ハウジング31の一端は、閉塞している。ハウジング31の開口は、パッド26Cを向いている。ハウジング31は、当該ハウジング31内の空間として、内部空間31A、拡径空間31B、及び供給孔31Cを備えている。内部空間31Aは、ハウジング31の開口から底面に向かって延びている。内部空間31Aは、略円柱形状の空間である。拡径空間31Bは、内部空間31Aの軸線方向の略中央部分に接続している。拡径空間31Bは、内部空間31Aを周方向に取り囲んでいる。すなわち、拡径空間31Bは、略円環形状の空間である。供給孔31Cは、拡径空間31Bからハウジング31の外周面まで貫通している。供給孔31Cは、供給通路38に接続している。
上側フランジ36は、ハウジング31の外周面から上側に向かって突出している。上側フランジ36は、ボルトにより内燃機関10の外面に固定されている。下側フランジ37は、ハウジング31の外周面から下側に向かって突出している。下側フランジ37は、ボルトにより内燃機関10の外面に固定されている。
プランジャ32は、略円柱形状である。プランジャ32の外径は、ハウジング31における内部空間31Aの内径よりもわずかに小さくなっている。プランジャ32は、ハウジング31における内部空間31Aに位置している。プランジャ32の第1端を含む一部分は、内部空間31Aから突出している。プランジャ32の第1端を含む端面は、揺動ガイド26のパッド26Cに当接している。プランジャ32の第1端を含む端面は、中央部分が突出するように湾曲している。また、プランジャ32の第2端を含む端面とハウジング31における内部空間31Aの底面との間には、オイルが供給される油圧室30Aが区画されている。なお、チェーンテンショナ30は、油圧室30Aに供給されるオイルによりオイルダンパとしても機能する。
プランジャ32は、当該プランジャ32内の空間として、第1空間32A、第2空間32B、接続孔32C、及び導入孔32Dを備えている。第2空間32B、接続孔32C、及び第1空間32Aは、プランジャ32における第2端から第1端に向かって、この順で並んでいる。第2空間32Bは、略円柱形状の空間である。第2空間32Bは、油圧室30Aに開放している。接続孔32Cは、第2空間32Bに接続している。接続孔32Cは、略円柱形状の空間である。接続孔32Cの内径は、第2空間32Bの内径よりも小さくなっている。第1空間32Aは、接続孔32Cに接続している。第1空間32Aは、略円柱形状の空間である。第1空間32Aの内径は、接続孔32Cの内径よりも大きくなっている。導入孔32Dは、第1空間32Aに接続している。導入孔32Dは、プランジャ32の外周面にまで至っている。
付勢バネ33は、ハウジング31とプランジャ32との間に位置している。付勢バネ33は、圧縮されている。付勢バネ33の第1端は、ハウジング31の底面に接触している。付勢バネ33の第2端を含む一部は、プランジャ32の第2空間32Bに位置している。付勢バネ33は、プランジャ32のうちの第2空間32Bを区画する底面に接触している。付勢バネ33は、プランジャ32を揺動ガイド26のパッド26Cに向かって付勢している。
逆止弁機構34は、プランジャ32の第2空間32Bに位置している。逆止弁機構34は、第2空間32Bを区画する底面に取り付けられている。逆止弁機構34は、第1空間32A及び第2空間32Bのオイルの圧力に応じて、第1空間32A及び第2空間32Bの間のオイルの流通を規制する。具体的には、逆止弁機構34は、第1空間32Aのオイルの圧力が第2空間32Bのオイルの圧力に比べて高い場合、接続孔32Cを介した第1空間32Aから第2空間32Bへのオイルの流通を許容する。一方、逆止弁機構34は、第1空間32Aのオイルの圧力が第2空間32Bのオイルの圧力以下である場合、接続孔32Cを介した第2空間32Bから第1空間32Aへのオイルの流通を規制する。そして、第2空間32Bに供給されたオイルの圧力に応じて、ハウジング31に対してプランジャ32が突出する。その結果、チェーンテンショナ30は、第2空間32Bに供給されたオイルの圧力に応じた力で、揺動ガイド26をチェーン24に押し付ける。
<車両の電気的構成>
次に、車両100の電気的構成について説明する。
図1に示すように、車両100は、電力を授受するための装置として、第1インバータ63、第2インバータ64、及びバッテリ65を備えている。第1インバータ63は、第1モータジェネレータ61とバッテリ65との間の電力の授受量を調整する。第2インバータ64は、第2モータジェネレータ62とバッテリ65との間の電力の授受量を調整する。
図1に示すように、車両100は、クランク角センサ81、水温センサ82、アクセル開度センサ83、車速センサ84、電流センサ86、電圧センサ87、温度センサ88、及びアクセルペダル89を備えている。クランク角センサ81は、クランク軸14の近傍に位置している。クランク角センサ81は、クランク軸14の回転角であるクランク角SCを検出する。水温センサ82は、内燃機関10の各部を流通する冷却水の温度である水温TWを検出する。アクセル開度センサ83は、運転者により操作されるアクセルペダル89の近傍に位置している。アクセル開度センサ83は、運転者により操作されるアクセルペダル89の操作量であるアクセル開度ACCを検出する。車速センサ84は、車両100の速度である車速SPを検出する。電流センサ86は、バッテリ65に入出力される電流である電流IBを検出する。電圧センサ87は、バッテリ65の端子間電圧である電圧VBを検出する。温度センサ88は、バッテリ65の温度であるバッテリ温TBを検出する。
車両100は、制御装置90を備えている。制御装置90は、クランク角SCを示す信号をクランク角センサ81から取得する。制御装置90は、水温TWを示す信号を水温センサ82から取得する。制御装置90は、アクセル開度ACCを示す信号をアクセル開度センサ83から取得する。制御装置90は、車速SPを示す信号を車速センサ84から取得する。制御装置90は、電流IBを示す信号を電流センサ86から取得する。制御装置90は、電圧VBを示す信号を電圧センサ87から取得する。制御装置90は、バッテリ温TBを示す信号を温度センサ88から取得する。
制御装置90は、クランク角SCに基づいて、クランク軸14の単位時間当たりの回転数である機関回転速度NEを算出する。制御装置90は、電流IB、電圧VB、及びバッテリ温TBに基づいて、バッテリ65の充電率SOCを算出する。具体的には、制御装置90は、以下の式に基づき充電率SOCを算出する。
式(1):充電率SOC[%]=バッテリ65の残容量[Ah]/バッテリ65の満充電容量[Ah]×100[%]
上記の式(1)のうち、満充電容量は、例えばバッテリ65の電圧VB及びバッテリ温TBに基づき算出される。また、残容量は、例えばバッテリ65の電圧VB及び電流IBに基づき算出される。
制御装置90は、バッテリ65の充電制御を行う。この充電制御により、バッテリ65の充電率SOCは、充電率上限値SOCHと充電率下限値SOCLとの間の範囲に制御される。充電率上限値SOCHの一例は、60~80%である。また、充電率下限値SOCLの一例は、20~30%である。
また、制御装置90は、アクセル開度ACC及び車速SPに基づいて、車両100が走行するために必要な出力の要求値である車両要求出力を算出する。制御装置90は、車両要求出力に基づいて、内燃機関10、第1モータジェネレータ61、及び第2モータジェネレータ62のトルク配分を決定する。制御装置90は、内燃機関10、第1モータジェネレータ61、及び第2モータジェネレータ62のトルク配分に基づいて、内燃機関10の出力と、第1モータジェネレータ61及び第2モータジェネレータ62の力行及び回生とを制御する。
制御装置90は、内燃機関10に制御信号を出力することにより、スロットルバルブ16の開度の調整、燃料噴射弁15からの燃料噴射量の調整、点火装置19の点火時期の調整などの各種の制御を実行する。また、制御装置90は、第1モータジェネレータ61を制御するにあたって、第1インバータ63に制御信号を出力する。そして、制御装置90は、第1インバータ63を介して、第1モータジェネレータ61とバッテリ65との間の電力の授受量を調整することにより、第1モータジェネレータ61を制御する。さらに、制御装置90は、第2モータジェネレータ62を制御するにあたって、第2インバータ64に制御信号を出力する。そして、制御装置90は、第2インバータ64を介して、第2モータジェネレータ62とバッテリ65との間の電力の授受量を調整することにより、第2モータジェネレータ62を制御する。
制御装置90は、車両100が走行する場合、車両100の走行モードとして、EVモード及びHVモードの何れか一方を選択する。ここで、EVモードとは、内燃機関10を停止させつつ、第1モータジェネレータ61及び第2モータジェネレータ62の少なくとも一方を駆動させて車両100を走行させる走行モードである。したがって、EVモードでは、第1モータジェネレータ61の駆動力、及び第2モータジェネレータ62の駆動力によって車両100を走行させる。また、HVモードとは、第1モータジェネレータ61及び第2モータジェネレータ62に加えて、内燃機関10を駆動させて車両100を走行させる車両100の走行モードである。したがって、HVモードでは、第1モータジェネレータ61及び第2モータジェネレータ62の駆動力に加えて、内燃機関10の駆動力によって車両100を走行させる。
制御装置90は、例えば、バッテリ65の充電率SOCに十分な余裕があり、且つ、上述した車両要求出力が小さい場合にEVモードを選択する。車両要求出力が小さい例としては、車両100の発進時、車両100の加速度の小さい軽負荷走行時、などである。一方、制御装置90は、例えば、バッテリ65の充電率SOCに十分な余裕がない場合には、HVモードを選択する。
制御装置90は、吸気バルブ17及び排気バルブ18が開閉するタイミングを調整するバルブタイミング制御を実行する。具体的には、制御装置90は、吸気可変動弁装置77に制御信号を出力することにより、吸気バルブ17が開閉するタイミングを調整する。また、制御装置90は、排気可変動弁装置78に制御信号を出力することにより、排気バルブ18が開閉するタイミングを調整する。そして、制御装置90は、吸気可変動弁装置77及び排気可変動弁装置78を制御することにより、以下の3つの状態を実現可能である。具体的には、制御装置90は、排気行程にある気筒11の排気バルブ18の全開タイミングと、そのときに吸気行程にある他の気筒11の吸気バルブ17の全開タイミングとが同じになる基準状態を実現可能である。また、制御装置90は、排気行程にある気筒11の排気バルブ18の全開タイミングが、そのときに吸気行程にある他の気筒11の吸気バルブ17の全開タイミングよりも遅くなる吸気先行状態を実現可能である。さらに、制御装置90は、排気行程にある気筒11の排気バルブ18の全開タイミングが、そのときに吸気行程にある他の気筒11の吸気バルブ17の全開タイミングよりも早くなる排気先行状態を実現可能である。
上記の制御装置90は、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサを含む回路(circuitry)として構成し得る。なお、制御装置90は、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する、特定用途向け集積回路(ASIC)等の1つ以上の専用のハードウェア回路、又はそれらの組み合わせを含む回路として構成してもよい。プロセッサは、CPU及び、RAM並びにROM等のメモリを含む。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる媒体を含む。
<たるみ防止制御>
次に、制御装置90が行うたるみ防止制御について説明する。ここで、たるみ防止制御とは、チェーンテンショナ30の油圧室30A内の圧力が低下することに起因してチェーン24にたるみが生じることを抑制する制御である。制御装置90は、車両100の走行モードとしてEVモードを選択している場合、たるみ防止制御を繰り返し実行する。
図5に示すように、制御装置90は、たるみ防止制御を開始すると、ステップS11の処理を進める。ステップS11において、制御装置90は、クランク軸14の変動量XAを算出する。ここで、EVモードでは、内燃機関10が停止するため、クランク軸14が僅かに正転したり、僅かに逆転したりする、すなわちクランク軸14の角度位置が変動することがある。そこで、制御装置90は、クランク軸14の角度位置の変動の大きさを変動量XAとして算出する。具体的には、ステップS11において、制御装置90は、ステップS11の処理時点から一定期間前までのクランク角SCの推移を取得する。そして、制御装置90は、上記のクランク角SCの推移のうち、最大値から最小値を減算した値を、変動量XAとして算出する。なお、クランク軸14が正転すると、クランク角SCは、0度以上720度未満の範囲内で徐々に大きな値になる。したがって、変動量XAは、正の値として算出される。その後、制御装置90は、処理をステップS12に進める。
ステップS12において、制御装置90は、変動量XAが予め定められた判定値以上であるか否かを判定する。ここで、判定値としては、検出上の誤差、及びクランク軸14等の振動に基づく角度位置の変化を除くことのできる値として実験等により予め設定している。判定値としては、例えば、数度~数十度である。本実施形態において、ステップS12の処理は、クランク軸14が正転及び逆転をしている状態であるか否かを判定する処理の一例である。ステップS12において、制御装置90は、変動量XAが判定値未満であると判定する場合(S12:NO)、今回のたるみ防止制御を終了し、処理を再びステップS11に進める。なお、制御装置90は、ステップS12で否定判定する場合、後述する変動期間XBをリセットする。一方、ステップS12において、制御装置90は、変動量XAが判定値以上であると判定する場合(S12:YES)、処理をステップS13に進める。
ステップS13において、制御装置90は、変動期間XBの計時を開始する。変動期間XBとは、クランク軸14が正転及び逆転を繰り返している状態が継続している期間である。具体的には、制御装置90は、ステップS13の処理時点において変動期間XBを計時していない場合には、変動期間XBの計時を開始する。また、制御装置90は、ステップS13の処理時点において変動期間XBを計時中である場合には、変動期間XBの計時をそのまま継続する。
ステップS14において、制御装置90は、変動期間XBが予め定められた所定期間以上であるか否かを判定する。ここで、所定期間は、例えば以下のように定めている。具体的には、所定期間の設定にあたって、チェーンテンショナ30によりチェーン24に十分な張力を与えることができるチェーンテンショナ30内のオイルの圧力の最低値を実験等により求める。また、上記のチェーンテンショナ30内のオイルの圧力の最低値よりも一定値だけ高い値を許容圧力とする。さらに、上記の許容圧力よりも高い圧力であって、車両100がHVモードで走行している場合におけるチェーンテンショナ30内のオイルの圧力の平均値を基準圧力とする。また、EVモード中のクランク軸14の角度位置の変動に起因して、チェーンテンショナ30内のオイルの圧力が基準圧力から許容圧力になるまでの期間を実験等により求める。そして、上記の基準圧力から許容圧力になるまでの期間を、所定期間として設定している。所定期間としては、例えば、十数分~数十分である。本実施形態において、ステップS14の処理は、チェーンテンショナ30内のオイルの圧力が予め定められた規定圧力以下であるか否かを判定する処理の一例である。また、上記の許容圧力は、予め定められた規定圧力の一例である。
ステップS14において、制御装置90により変動期間XBが所定期間未満であると判定する場合(S14:NO)、制御装置90は、今回のたるみ防止制御を終了し、処理を再びステップS11に進める。一方、ステップS14において、制御装置90は、変動期間XBが所定期間以上であると判定する場合(S14:YES)、先ず変動期間XBをリセットする。そして、制御装置90は、処理をステップS21に進める。すなわち、制御装置90は、チェーンテンショナ30内のオイルの圧力が予め定められた規定圧力以下であることを条件に、処理をステップS21に進める。
ステップS21において、制御装置90は、クランク軸14の逆転量の積算値XCを算出する。具体的には、制御装置90は、ステップS14の処理時点から所定期間前までのクランク角SCの推移を取得する。なお、ここで用いる所定期間は、ステップS14において閾値として用いた所定期間と同一の期間である。また、制御装置90は、上記のクランク角SCの推移について、クランク角SCの極大値及び極小値を全て特定する。さらに、制御装置90は、各クランク角SCの極大値及び極小値について、クランク角SCの極大値から、当該極大値の次のクランク角SCの極小値を減算した値を、逆転量として算出する。そして、制御装置90は、上述のようにして算出される全ての逆転量を積算した値を、積算値XCとして算出する。なお、算出される積算値XCは、正の値である。その後、制御装置90は、処理をステップS22に進める。
ステップS22において、制御装置90は、クランク軸14の逆転量の積算値XCに基づいて、チェーンテンショナ30内のオイルの抜け量XDを算出する。具体的には、制御装置90は、クランク軸14の逆転量の積算値XCが大きいほど、オイルの抜け量XDを大きい値として算出する。その後、制御装置90は、処理をステップS23に進める。
ステップS23において、制御装置90は、オイルの抜け量XDに基づいて、チェーンテンショナ30内のオイルの圧力の推定値である推定圧力XEを推定する。具体的には、制御装置90は、オイルの抜け量XDが大きいほど、推定圧力XEを低い値として算出する。その後、制御装置90は、処理をステップS24に進める。
ステップS24において、制御装置90は、推定圧力XEに基づいて、オイルポンプ39から吐出するオイルの圧力の目標値である目標圧力Zを算出する。具体的には、制御装置90は、推定圧力XEが低いほど、目標圧力Zを高い値として算出する。換言すると、制御装置90は、クランク軸14の逆転量の積算値XCが大きいほど、目標圧力Zを高い値として算出する。その後、制御装置90は、処理をステップS26に進める。
ステップS26において、制御装置90は、たるみ防止処理を実行する。具体的には、制御装置90は、ステップS26の処理時点の水温TWが予め定められた規定水温以上である場合には、吸気可変動弁装置77及び排気可変動弁装置78を制御することにより基準状態を実現する。上述したように、基準状態では、排気行程にある気筒11の排気バルブ18の全開タイミングと、そのときに吸気行程にある他の気筒11の吸気バルブ17の全開タイミングとが同じになる。一方、制御装置90は、ステップS26の処理時点の水温TWが予め定められた規定水温未満である場合には、吸気可変動弁装置77及び排気可変動弁装置78を制御することにより吸気先行状態を実現する。上述したように、吸気先行状態では、排気行程にある気筒11の排気バルブ18の全開タイミングが、そのときに吸気行程にある他の気筒11の吸気バルブ17の全開タイミングよりも遅くなる。すなわち、制御装置90は、たるみ防止処理において、排気行程にある気筒11の排気バルブ18の全開タイミングが、そのときに吸気行程にある他の気筒11の吸気バルブ17の全開タイミングよりも早くなる排気先行状態を禁止する。なお、本実施形態において、規定水温の一例は、数℃~数十℃である。その後、制御装置90は、処理をステップS30に進める。
ステップS30において、制御装置90は、バッテリ65の充電率SOCが予め定められた規定値以上であるか否かを判定する。ここで、規定値は、バッテリ65の充電率SOCに十分な余裕があるか否かを判定するための値として定められている。本実施形態において、規定値は、充電率下限値SOCLよりも大きい値である。規定値の一例は、40%である。ステップS30において、制御装置90は、バッテリ65の充電率SOCが規定値以上であると判定する場合(S30:YES)、処理をステップS31に進める。
ステップS31において、制御装置90は、第1モータジェネレータ61によりクランク軸14を回転させる。具体的には、制御装置90は、第1インバータ63を介して、第1モータジェネレータ61を制御する。すると、第1モータジェネレータ61の駆動力が動力分割機構40を介してクランク軸14に伝達する。その結果、クランク軸14が正転する。このとき、制御装置90は、目標圧力Zが高いほど、クランク軸14の回転速度、すなわち機関回転速度NEが高くなるように、第1モータジェネレータ61を制御する。したがって、目標圧力Zが高いほど、オイルポンプ39から吐出されるオイルの量が多くなる。その後、制御装置90は、処理をステップS41に進める。
一方、ステップS30において、制御装置90は、バッテリ65の充電率SOCが規定値未満であると判定する場合(S30:NO)、処理をステップS32に進める。
ステップS32において、制御装置90は、内燃機関10を自立運転させることにより、クランク軸14を回転させる。このとき、制御装置90は、目標圧力Zが高いほど、機関回転速度NEが高くなるように、内燃機関10を制御する。したがって、目標圧力Zが高いほど、オイルポンプ39から吐出されるオイルの量が多くなる。ここで、内燃機関10の自立運転とは、内燃機関10の気筒11における燃料の燃焼に起因した駆動力のみにより、クランク軸14を継続して回転させることができる運転状態のことである。なお、ステップS32の処理により、車両100の走行モードが、一時的にEVモードからHVモードに切り替わる。その後、制御装置90は、処理をステップS41に進める。
ステップS41において、制御装置90は、クランク軸14の回転期間XTを算出する。具体的には、制御装置90は、ステップS31の処理又はステップS32の処理を開始してからステップS41の処理時点までの経過時間を、クランク軸14の回転期間XTとして算出する。その後、制御装置90は、処理をステップS42に進める。
ステップS42において、制御装置90は、クランク軸14の回転期間XTが予め定められた規定期間以上であるか否かを判定する。ここで、規定期間は、例えば以下のように定められている。先ず、ステップS31の処理又はステップS32の処理を開始する時点のチェーンテンショナ30内のオイルの圧力が上記の許容圧力であるものとする。そして、ステップS31の処理又はステップS32の処理を開始してから、チェーンテンショナ30内のオイルの圧力が上記の許容圧力よりも高い基準圧力になるまでの期間を、規定期間として設定している。なお、上述したように、基準圧力は、上記の許容圧力よりも高い圧力であって、車両100がHVモードで走行している場合におけるチェーンテンショナ30内のオイルの圧力の平均値である。ステップS42において、制御装置90は、クランク軸14の回転期間XTが規定期間未満であると判定する場合(S42:NO)、処理をステップS41に戻す。一方、ステップS42において、制御装置90は、クランク軸14の回転期間XTが規定期間以上であると判定する場合(S42:YES)、処理をステップS43に進める。
ステップS43において、制御装置90は、クランク軸14の回転を停止する。具体的には、制御装置90は、ステップS31において第1モータジェネレータ61によりクランク軸14を回転させていた場合、第1モータジェネレータ61の駆動力がクランク軸14に伝達しないように第1モータジェネレータ61を制御する。その結果、クランク軸14の回転が停止する。一方、制御装置90は、ステップS32において内燃機関10を自立運転させることによりクランク軸14を回転させていた場合、内燃機関10を停止することによりクランク軸14の回転を停止する。なお、この場合、ステップS43の処理により、車両100の走行モードが、HVモードからEVモードに戻る。その後、制御装置90は、今回のたるみ防止制御を終了し、処理を再びステップS11に進める。
<本実施形態の作用>
図6において二点鎖線で示すように、動弁機構70では、吸気カム軸72が回転することにより吸気バルブ17を開閉するため、吸気バルブ17の開閉に伴う反力が吸気カム軸72に作用する。具体的には、吸気カム軸72が吸気バルブ17を全閉状態から全開状態にするまでの期間TIAでは、吸気バルブスプリングの付勢力に抗して吸気バルブ17を開状態にするためのトルク、すなわち負のトルクが吸気カム軸72に作用する。一方、吸気バルブスプリングの付勢力により吸気バルブ17が全開状態から全閉状態になるまでの期間TIBでは、吸気バルブスプリングの付勢力が、正のトルクとして吸気カム軸72に作用する。
同様に、図6において実線で示すように、動弁機構70では、排気カム軸73が回転することにより排気バルブ18を開閉するため、排気バルブ18の開閉に伴う反力が排気カム軸73に作用する。具体的には、排気カム軸73が排気バルブ18を全閉状態から全開状態にするまでの期間TEAでは、排気バルブスプリングの付勢力に抗して排気バルブ18を開状態にするためのトルク、すなわち負のトルクが排気カム軸73に作用する。一方、排気バルブスプリングの付勢力により排気バルブ18が全開状態から全閉状態になるまでの期間TEBでは、排気バルブスプリングの付勢力が、正のトルクとして排気カム軸73に作用する。
なお、負のトルクは、吸気カム軸72及び排気カム軸73の回転速度を低くするように作用するトルクである。また、正のトルクは、吸気カム軸72及び排気カム軸73の回転速度を高くするように作用するトルクである。ただし、動弁機構70では、チェーン24に適切な張力が付与されていれば、チェーン24の張力は、上記の正のトルク及び負のトルクに比べて相当に大きい。したがって、上記の正のトルク及び負のトルクが作用しても吸気カム軸72及び排気カム軸73の回転速度は殆ど変化しない。
ところで、車両100では、EVモード中に内燃機関10が停止するため、内燃機関10を駆動源とするオイルポンプ39も停止する。そのため、オイルポンプ39からのオイルがチェーンテンショナ30に供給されない。一方、車両100のEVモード中においては、第2モータジェネレータ62の駆動力が、リダクション機構50及び動力分割機構40を介して、クランク軸14に伝達することがある。そして、クランク軸14が正転したり逆転したりすると、チェーン24が走行することでチェーン24の張力が変化する。そのため、チェーン24から揺動ガイド26を介してチェーンテンショナ30に力が作用する。すると、チェーンテンショナ30内のオイルが抜け出る。したがって、クランク軸14が正転したり逆転したりする状態が継続することに起因して、チェーンテンショナ30内のオイルの圧力が低下していく。すると、チェーンテンショナ30が揺動ガイド26をチェーン24に押し付ける力が低下することに起因して、チェーン24の張力が低下していく。
<本実施形態の効果>
(1)動弁機構70では、チェーンテンショナ30内のオイルの圧力が低下してチェーン24に適切な張力が付与されなくなると、上記の正のトルク及び負のトルクが作用することで吸気カム軸72及び排気カム軸73の回転速度が変化しやすくなる。このとき、仮に、図6に示すように、排気行程にある気筒11の排気バルブ18の全開タイミングが、そのときに吸気行程にある他の気筒11の吸気バルブ17の全開タイミングよりも早くなる排気先行状態が実現されていたとする。すると、例えば図6における時刻t61においては、排気行程にある気筒11の排気バルブ18が全開状態から全閉状態に変化しているため、排気カム軸73に正のトルクが作用することで当該排気カム軸73の回転速度が高くなる。さらに、図6における時刻t61においては、吸気行程にある気筒11の吸気バルブ17が全閉状態から全開状態に変化しているため、吸気カム軸72に負のトルクが作用することで当該吸気カム軸72の回転速度が低くなる。すなわち、図6における時刻t61においては、排気カム軸73に固定された排気スプロケット23の回転速度が高くなる一方、吸気カム軸72に固定された吸気スプロケット22の回転速度が低くなる。その結果、チェーン24のうち、排気スプロケット23及び吸気スプロケット22の間でたるみが生じる。このように排気スプロケット23及び吸気スプロケット22の間でチェーン24がたるむと、そのチェーン24がカバー27等に干渉することに起因して異音が発生することがある。
本実施形態において、制御装置90は、チェーンテンショナ30内のオイルの圧力が予め定められた規定圧力以下である場合に、たるみ防止処理を実行する。そして、このたるみ防止処理では、排気行程にある気筒11の排気バルブ18の全開タイミングが、そのときに吸気行程にある他の気筒11の吸気バルブ17の全開タイミングよりも早くなる排気先行状態が禁止される。
ここで、図7では、たるみ防止処理において基準状態が実現されたときの排気カム軸73に作用するトルクを実線で、吸気カム軸72に作用するトルクを二点鎖線で図示している。同様に、図8では、たるみ防止処理において吸気先行状態が実現されたときの排気カム軸73に作用するトルクを実線で、吸気カム軸72に作用するトルクを二点鎖線で図示している。
例えば、たるみ防止処理において基準状態が実現されると、排気行程にある気筒11の排気バルブ18の全開タイミングと、そのときに吸気行程にある他の気筒11の吸気バルブ17の全開タイミングとが同じになる。すると、図7に示すように、排気カム軸73に正のトルク及び負のトルクが作用するタイミングと、吸気カム軸72に正のトルク及び負のトルクが作用するタイミングとが略同じになる。これにより、排気スプロケット23及び吸気スプロケット22の回転速度が略同じタイミングで変化する。その結果、チェーン24のうち、排気スプロケット23及び吸気スプロケット22の間でたるみが生じることを抑制できる。
また、例えば、たるみ防止処理において吸気先行状態が実現されると、排気行程にある気筒11の排気バルブ18の全開タイミングが、そのときに吸気行程にある他の気筒11の吸気バルブ17の全開タイミングよりも遅くなる。すると、図8に示すように、排気カム軸73に正のトルク及び負のトルクが作用するタイミングが、吸気カム軸72に正のトルク及び負のトルクが作用するタイミングよりも遅くなる。この場合、例えば図8における時刻t81においては、排気カム軸73に固定された排気スプロケット23の回転速度が低くなろうとする一方、吸気カム軸72に固定された吸気スプロケット22の回転速度が高くなろうとする。これにより、チェーン24のうち、排気スプロケット23及び吸気スプロケット22の間には引っ張られるような力が作用する。その結果、チェーン24のうち、排気スプロケット23及び吸気スプロケット22の間でたるみが生じることを抑制できる。
(2)本実施形態において、制御装置90は、ステップS26の処理時点の水温TWが予め定められた規定水温未満である場合に、たるみ防止処理において吸気先行状態を実現する。この吸気先行状態では、排気行程にある気筒11の排気バルブ18の全開タイミングが、そのときに吸気行程にある他の気筒11の吸気バルブ17の全開タイミングよりも遅くなる。この場合、例えば第1気筒11Aのみに着目すると、吸気先行状態では、基準状態に比べて、排気行程における排気バルブ18の開状態と、その直後の吸気行程における吸気バルブ17の開状態とが重なる期間の長さ、いわゆるバルブオーバーラップ量が大きくなる。すると、第1気筒11Aでは、当該第1気筒11A内に残留する排気の量が多くなることで、燃料と吸気との混合気が燃焼する際の温度が低下する。そのため、混合気の燃焼に伴って発生する排気に含まれる窒素酸化物の量が少なくなる。したがって、本実施形態では、水温TWが規定水温未満、すなわち触媒19Aの温度が低い場合に、排気中に含まれる窒素酸化物の量が抑制される。これにより、触媒19Aの温度が低いことに起因して触媒19Aの機能が十分に発揮されにくい状況では、各気筒11から排出される排気に含まれる窒素酸化物の量を抑制できる。
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態において、チェーンテンショナ30内のオイルの圧力を把握する構成は変更してもよい。例えば、制御装置90は、チェーンテンショナ30内のオイルの圧力を推定せず、圧力センサによりチェーンテンショナ30内のオイルの圧力を検出してもよい。この場合、制御装置90は、たるみ防止制御において、ステップS11~ステップS14の処理に代えて、圧力センサにより検出したチェーンテンショナ30内のオイルの圧力が、予め定められた規定圧力以下であるか否かを判定する処理を実行すればよい。そして、制御装置90は、圧力センサにより検出したチェーンテンショナ30内のオイルの圧力が、予め定められた規定圧力以下であると判定する場合、処理をステップS21に進めればよい。また、例えば、内燃機関10が停止している時間が一定の時間を超えたときに、チェーンテンショナ30内のオイルの圧力が規定圧力以下であるとみなしてもよい。
・上記実施形態において、制御装置90は、推定圧力XEに拘わらず、一定の目標圧力Zを設定してもよい。この場合、たるみ防止制御では、ステップS21~ステップS23の処理を省略できる。
・上記実施形態において、たるみ防止制御でオイルポンプ39を駆動するための駆動源は変更してもよい。
例えば、制御装置90は、バッテリ65の充電率SOCに拘わらず、内燃機関10を自立運転させることによりクランク軸14を回転させてもよい。この場合、バッテリ65の充電率SOCを低下させることなく、チェーンテンショナ30内の圧力を高められる。
・また、例えば、制御装置90は、バッテリ65の充電率SOCに拘わらず、第1モータジェネレータ61を駆動させることによりクランク軸14を回転させてもよい。EVモード中にあってはバッテリ65の電力を用いるため、たるみ防止制御を実行する際には、バッテリ65の充電率SOCがある程度確保されていると予想できる。また、駆動処理においてオイルポンプ39を駆動する期間は比較的に短いため、バッテリ65の充電率SOCに拘わらず、第1モータジェネレータ61を駆動させたとしても、その影響は小さい。
・上記実施形態において、ステップS26におけるたるみ防止処理の内容は変更してもよい。例えば、制御装置90は、ステップS26の処理時点の水温TWに拘わらず、吸気可変動弁装置77及び排気可変動弁装置78を制御することにより基準状態を実現してもよい。同様に、制御装置90は、ステップS26の処理時点の水温TWに拘わらず、吸気可変動弁装置77及び排気可変動弁装置78を制御することにより吸気先行状態を実現してもよい。
・上記実施形態において、たるみ防止制御の実行条件は変更してもよい。
例えば、制御装置90は、車両100の走行モードとしてEVモードを選択していることに拘わらず、内燃機関10が停止していることを条件に、たるみ防止制御を繰り返し実行してもよい。
・上記実施形態において、制御装置90は、吸気可変動弁装置77及び排気可変動弁装置78により、基準状態、吸気先行状態、及び排気先行状態の3つを実現可能でなくてもよい。具体的には、3つの状態のうち、少なくとも排気先行状態を含む2つの状態を実現可能であれば、本件技術を適用でき得る。
・上記実施形態において、車両100の構成は変更してもよい。
例えば、車両100では、吸気可変動弁装置77及び排気可変動弁装置78の一方を省略してもよい。
・例えば、車両100では、第1モータジェネレータ61及び第2モータジェネレータ62を省略してもよい。すなわち、本件技術は、第1モータジェネレータ61及び第2モータジェネレータ62を備えている車両100に限らず、少なくとも内燃機関10を備えている車両100であれば適用でき得る。
・上記実施形態において、チェーン機構20の構成は変更してもよい。例えば、図3において、吸気スプロケット22及び排気スプロケット23の位置関係が逆であってもよい。つまり、チェーン24が、駆動スプロケット21、吸気スプロケット22、及び排気スプロケット23の順で走行してもよい。この場合、制御装置90は、吸気行程にある気筒11の吸気バルブ17の全開タイミングが、そのときに排気行程にある他の気筒11の排気バルブ18の全開タイミングよりも早くなることがないように、吸気可変動弁装置77及び排気可変動弁装置78を制御すれば、上記実施形態と同様の効果を発揮できる。
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
複数の気筒、吸気通路を開閉する吸気バルブ、排気通路を開閉する排気バルブ、及びクランク軸を有する内燃機関と、前記クランク軸の回転に基づきオイルを吐出するオイルポンプと、前記吸気バルブ及び前記排気バルブを動作させる動弁機構と、前記クランク軸のトルクを前記動弁機構に伝達するチェーン機構と、前記動弁機構を制御する制御装置と、を備えるバルブ開閉システムであって、前記チェーン機構は、前記クランク軸に固定された駆動スプロケットと、前記駆動スプロケットからの駆動力が伝達される第1従動スプロケットと、前記駆動スプロケットからの駆動力が伝達される第2従動スプロケットと、前記駆動スプロケット、前記第1従動スプロケット、及び前記第2従動スプロケットの順に走行するチェーンと、揺動可能な揺動ガイドと、前記オイルポンプから供給されるオイルの圧力により、前記チェーンにおける前記駆動スプロケット及び前記第1従動スプロケットの間の部分に、前記揺動ガイドを押し付けるチェーンテンショナと、を有し、前記動弁機構は、前記第1従動スプロケットと共に回転し、前記吸気バルブを開閉する第1カム軸と、前記第2従動スプロケットと共に回転し、前記排気バルブを開閉する第2カム軸と、前記第1従動スプロケットに対する前記第1カム軸の角度位置、及び前記第2従動スプロケットに対する前記第2カム軸の角度位置の少なくとも一方を調整する可変動弁装置と、を有し、前記制御装置は、前記チェーンテンショナ内のオイルの圧力が予め定められた規定圧力以下である場合に、たるみ防止処理を実行可能であり、前記たるみ防止処理では、吸気行程にある気筒の前記吸気バルブの全開タイミングが、そのときに排気行程にある他の気筒の前記排気バルブの全開タイミングよりも早くなることがないように、前記可変動弁装置を制御するバルブ開閉システム。
10…内燃機関
11…気筒
12…吸気通路
13…排気通路
14…クランク軸
17…吸気バルブ
18…排気バルブ
20…チェーン機構
21…駆動スプロケット
22…吸気スプロケット
23…排気スプロケット
24…チェーン
25…固定ガイド
26…揺動ガイド
27…カバー
30…チェーンテンショナ
38…供給通路
39…オイルポンプ
40…動力分割機構
50…リダクション機構
61…第1モータジェネレータ
62…第2モータジェネレータ
66…伝達機構
67…ディファレンシャル
68…駆動輪
70…動弁機構
72…吸気カム軸
73…排気カム軸
77…吸気可変動弁装置
78…排気可変動弁装置
90…制御装置
100…車両

Claims (1)

  1. 複数の気筒、吸気通路を開閉する吸気バルブ、排気通路を開閉する排気バルブ、及びクランク軸を有する内燃機関と、
    前記クランク軸の回転に基づきオイルを吐出するオイルポンプと、
    前記吸気バルブ及び前記排気バルブを動作させる動弁機構と、
    前記クランク軸の駆動力を前記動弁機構に伝達するチェーン機構と、
    前記動弁機構を制御する制御装置と、
    を備えるバルブ開閉システムであって、
    前記チェーン機構は、
    前記クランク軸に固定された駆動スプロケットと、
    前記駆動スプロケットからの駆動力が伝達される第1従動スプロケットと、
    前記駆動スプロケットからの駆動力が伝達される第2従動スプロケットと、
    前記駆動スプロケット、前記第1従動スプロケット、及び前記第2従動スプロケットの順に走行するチェーンと、
    揺動可能な揺動ガイドと、
    前記オイルポンプから供給されるオイルの圧力により、前記チェーンにおける前記駆動スプロケット及び前記第1従動スプロケットの間の部分に、前記揺動ガイドを押し付けるチェーンテンショナと、
    を有し、
    前記動弁機構は、
    前記第1従動スプロケットと共に回転し、前記排気バルブを開閉する第1カム軸と、
    前記第2従動スプロケットと共に回転し、前記吸気バルブを開閉する第2カム軸と、
    前記第1従動スプロケットに対する前記第1カム軸の角度位置、及び前記第2従動スプロケットに対する前記第2カム軸の角度位置の少なくとも一方を調整する可変動弁装置と、
    を有し、
    前記制御装置は、
    前記チェーンテンショナ内のオイルの圧力が予め定められた規定圧力以下である場合に、たるみ防止処理を実行可能であり、
    前記たるみ防止処理では、排気行程にある気筒の前記排気バルブの全開タイミングが、そのときに吸気行程にある他の気筒の前記吸気バルブの全開タイミングよりも早くなることがないように、前記可変動弁装置を制御する
    バルブ開閉システム。
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