JP2022186319A - 折り畳み式什器 - Google Patents

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JP2022186319A JP2021094476A JP2021094476A JP2022186319A JP 2022186319 A JP2022186319 A JP 2022186319A JP 2021094476 A JP2021094476 A JP 2021094476A JP 2021094476 A JP2021094476 A JP 2021094476A JP 2022186319 A JP2022186319 A JP 2022186319A
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Tomoki Taketani
凌伍 森田
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  • Chair Legs, Seat Parts, And Backrests (AREA)

Abstract

【課題】展開状態での使い勝手は確保しつつ、折り畳み状態での移動をスムースに行える折り畳み式什器を開示する。【解決手段】折り畳み式什器の一例と椅子であり、椅子は、ステー6,7及び連動部材(リンク)8の作用で、展開状態と折り畳み状態とに姿勢を変更できる。展開状態では、前後脚3,4は下方に向けて互いの前後間隔が広がる姿勢になっており、折り畳み状態ではX字状に交叉する。各脚3,4の下端にキャスタ20,21を装着している。後キャスタ21は常に旋回不能であり、前キャスタ20は、展開状態では支軸25が鉛直姿勢で水平旋回自在で、折り畳み状態は前脚3が前傾姿勢になることによって水平旋回不能になる。折り畳み状態で前後キャスタ20,21は水平旋回しないため、安定した状態で押し移動させることができる。【選択図】図4

Description

本願は、折り畳み式椅子のような折り畳み式什器を開示している。
例えば会議場用の椅子のように、不使用時に倉庫や部屋の隅に片づけておく必要がある椅子において、できるだけ狭いスペースに収納できるようにするために、椅子を折り畳み式に構成することが行われている。そして、折り畳み式椅子において、使用時の人の移動を容易にするため、脚の下端にキャスタを設けることが提案されており、その例が特許文献1,2に開示されている。
座のみを跳ね上げできる椅子にキャスタを設けることは普通に行われているが、前脚と後脚とを折り畳みできるタイプの椅子においては、キャスタを設けることはあまり行われていない。これは、座のみを跳ね上げできる椅子では前後の脚の姿勢は座の姿勢に関係なく一定であって、座を跳ね上げても椅子はキャスタを介して床に自立されるのに対して、脚が折り畳まれる椅子では、脚を折り畳むとキャスタを介して床上に自立させることが困難であることに起因していると云える。
この点、特許文献1では、前脚の下端に足載せ板を設けて、折り畳み上端で足載せ板を床に当てた状態で椅子を壁に立て掛けるとキャスタが床から浮くように設定しており、多数の椅子を、キャスタを床から浮かした状態で前後に並べて立て掛けできるようになっている。
特許文献2では、後脚に、下向き部を有する逆L形のストッパーを設けており、展開状態ではストッパーと床との間には若干の隙間が空いて、折り畳み状態ではストッパーが床に当接して後輪と床との間に若干の空間が空くように設定している。従って、特許文献2では、折り畳み状態では、前輪とストッパーとが床に当たって状態で椅子が自立している。
キャスタには回転可能なタイプと、回転に加えて水平旋回も自在なタイプとがあるが、特許文献1のキャスタは、図面から水平旋回自在なタイプと推測される。他方、特許文献2のキャスタも、明細書に記載されている「自在キャスタ」の文言から水平旋回するタイプと推測される。回転椅子のキャスタや、座のみが跳ね上げられる椅子のキャスタは、水平旋回方式になっていることが殆どである。
なお、折り畳み式の什器としてテーブルがあり、これにもキャスタを設けていることが多いが、折り畳み式テーブルは天板が回動するだけで脚自体は折り畳まれないため、水平旋回方式のキャスタを設けても、テーブルは天板の姿勢に関係なく安定した状態に保持される。従って、単に水平旋回方式のキャスタを設けただけで、使用も移動に支障なく行える(但し、テーブルの場合は、使用時にはキャスタの回転をロックしていることが多い。)。
実開昭63-167948号のマイクロフィルム 実開平3-60548号のマイクロフィルム
椅子を折り畳み式に構成することの利点は、不使用時の格納スペースを少なくできることであり、前後の脚を折り畳みできると、座のみを跳ね上げできる方式に比べて格納スペースを相当に小さくできる。
さて、座のみを跳ね上げできる椅子の場合は、座の姿勢に関係なく前後脚の姿勢に変化はないため、前後のキャスタの間隔も不変であり、従って、各キャスタが水平旋回方式であっても、背もたれに手を掛けて押したり引いたりしても、左右にふらつかせることなく走行させることができるが、脚が折り畳み方式であると、折り畳み状態で前後脚の下端間の間隔が狭まることにより、4つのキャスタを床に付けた状態で押すと、椅子の進行方向が安定せずに左右にふらつく現象が生じやすい。
この点については、前輪又は後輪のみを床に付けた状態で引っ張ったらよいと云えるが、この方法では、椅子を少し持ち上げることになるため、人に負担が掛かってキャスタを設けたことの意義が半減してしまう問題や、椅子が人の足に当たりやすい問題、或いは、多数台を前後に重ねた状態で(ネスティングした状態で)移動させることができない問題などがある。
従って、椅子は折り畳んだ状態で前に押して移動できるのが好適であるが、既述のとおり、前後脚を折り畳むと前後キャスタの間隔が狭まるため、各キャスタが水平旋回方式であると前進方向が安定せずにふらついて、移動の作業が厄介であった。さりとて、旋回不能で回転のみするキャスタを使用すると、人が腰掛けた状態で移動させるにおいて任意の方向に移動させにくいため、使い勝手が悪くなるという問題がある。
本願発明は、このような現状を改善できる技術を開示するものである。
本願発明は折り畳み式什器を対象にしており、この畳み式什器に関する技術は様々な観点で捉えることができる。
第1の観点に係る発明は、請求項1のとおり、
「人の身体又は物が載る載置部と、
前記載置部を支持する一対の前脚および一対の後脚と、
前記前脚の下端部分に装着された前キャスタと、
前記後脚の下端部分に装着された後キャスタと、
を備え、
前記前脚と前記後脚とは、下端部分同士の間隔を広げた展開状態と、下端部分同士の間隔を狭めた折り畳み状態と、に変更可能であり、
前記前キャスタと前記後キャスタとのうち少なくとも一方は、水平軸心回りに回転する車輪が、支軸の軸心回りに旋回する首振り方式のキャスタであり、
前記首振り方式のキャスタは、床面上で、前記支軸が鉛直方向に沿う姿勢のときには前記車輪が回転可能で旋回可能な旋回可能状態となり、前記支軸が鉛直方向に対して傾斜した姿勢のときには前記車輪が回転可能で旋回抑制される旋回抑制状態となり、
前記首振り方式のキャスタが装着される前記前脚及び/又は前記後脚は、前記折り畳み状態時には前記展開状態時よりも下端部分が床面に対して傾斜する姿勢に切り替えられることで、当該下端部分に装着される前記キャスタが前記旋回抑制状態となるように構成される」
というものである。
第1の観点の発明では、人や物を載せ得る展開状態(使用状態)では、前後キャスタのうち少なくとも一方が水平旋回するため、什器を任意の方向に容易に移動させることができる一方、前後脚を折り畳んだ状態では、キャスタの水平旋回がロックされるため、折り畳んだことによって前後のキャスタの間隔が狭まっても、ふらつきを無くして安定よく走行させることができる。
従って、展開状態での使い勝手を確保しつつ、折り畳んだ状態での移動作業を安定よくかつ軽い力で軽快に行える。折り畳んだ状態でキャスタを利用して押して移動させることができるため、複数の什器を前後に重ねた状態で移動させることも可能であり、従って、移動作業(格納部への搬入・搬出)の能率向上にも貢献できる。
また、折り畳みによる脚の姿勢変化を利用して首振り式キャスタの水平旋回がロックされるため、キャスタをロックするための特別の作業は不要であって、現実性に優れていて実用的価値はきわめて高い。
第2の観点に係る発明は、請求項2のとおり、第1の観点を前提にして、
「前記前脚と後脚とのうち何れか一方又は両方であって前記首振り方式のキャスタが装着された脚は、その上部を支点にして回動するように構成され、
前記前脚と前記後脚とは、前記展開状態では側面視で交差せず、前記折り畳み状態では側面視で交差するように設定されている」
という構成になっている。
第2の観点の発明では、展開状態では前後脚は交叉していないため、什器を安定した状態に保持できる。他方、折り畳み状態では前後の脚は交叉しているため、前後のキャスタの間隔を狭めつつ、前後の脚の姿勢を保持できる。すなわち、折り畳み状態で前後の脚が何らかの理由で広がるような事態は発生しない。従って、折り畳み状態を保持して、移動や保管を自立させた状態で安定よく行える。
第3の観点に係る発明は第2の観点の発明を具体化したもので、請求項3のとおり、
「前記首振り方式のキャスタは前記前キャスタで、
前記後キャスタは、車輪が水平軸心回りに回転するもので支軸の軸心回りには旋回不能である」
という構成になっている。
この第3の観点に係る発明では、前キャスタのみが展開状態で水平旋回する首振り方式であるため、展開状態及び折り畳み状態のいずれにおいてもフラツキ無く安定走行できる。更に述べると、折り畳んで前脚と後脚とを交叉させると、什器を移動させる状態では、一般に、後キャスタが前に位置した前キャスタが後ろに位置するが、走行方向の前側に位置した後キャスタは姿勢が一定に保持されているため、安定した姿勢で移動させることができる。
特に、椅子に適用すると、背もたれを手で掴んで押して移動させるにおいて、前後のキャスタの車軸(水平軸)が平行に保持されるため、左右にふらつかせることなく真っ直ぐに押して移動させることができる。従って、椅子に適用すると好適である。また、椅子に適用すると、展開した使用状態において前キャスタが水平旋回するため、前輪舵取り方式車両と同様に、椅子をスムースに移動させることができて好適である。
第4の観点に係る発明は、請求項4のとおり、第1~第3の観点のうちのいずれかにおいて、
「前記前脚と後脚とのうち何れか一方又は両方であって前記首振り方式のキャスタが装着された脚は、前記展開状態において側面視で鉛直に対して傾斜しており、その軸心が、当該脚に装着された前記首振り方式のキャスタの前記支軸の軸心と交差している」
という構成になっている。
第4の観点では、前後の脚を、それぞれ鉛直線に対して傾斜しつつ側面視で互いの間隔が広がる姿勢に設定できるため、展開状態での什器の安定性を保持しつつ、折り畳み状態では首振り方式のキャスタの水平旋回をロックできる。従って、展開した使用時の姿勢安定性と、折り畳んだ不使用時の移動の容易性とを的確に保持できる。
第5の観点に係る発明は、請求項5のとおり、第1~第4の観点のうちの何れかにおいて、
「前記載置部と前記前脚および前記後脚とは、前記展開状態から前記折り畳み状態に移行すると前記載置部の側面視姿勢が変化するように、互いに連結されている」
という構成になっている。
この構成を採用すると、什器を折り畳んで全体をコンパクト化できるため、格納スペースの有効利用を助長できる利点がある。
第6の観点に係る発明は椅子に適用したものであり、請求項6のとおり、第1~第5の観点のうちの何れかにおいて、
「前記載置部は人が着座する座であり、
前記座と前記前脚および前記後脚とは、前記座が跳ね上げられると前記前脚及び前記後脚が折り畳み状態になるように連結されており、
前記折り畳み状態において他の什器と前後にネスティング可能に構成される」
という構成になっている。
この発明では、椅子は通常のキャスタ付きのものと同様に腰掛けた状態で自在に移動できて、使い勝手がよい。また、折り畳み式であるため格納スペースを有効利用できる。更に、背もたれを手で掴むなどして移動できるため、折り畳んだ状態での移動操作も容易である。
本願発明は、上記した構成によって上記の各効果を発揮する。
実施形態の外観を示す図で、(A)は展開した状態の前方斜視図、(B)は折り畳んだ状態の前方斜視図である。 実施形態の外観を示す図で、(A)は展開状態の下方斜視図、(B)は折り畳んだ状態の下方斜視図である。 (A)は展開状態の側面図、(B)は前脚の部分側面図、(C)は前脚の分離側面図、(C)は後脚の分離側面図である。 (A)は折り畳み状態の側面図、(B)は前脚の下部の縦断側面図、(C)は前脚の分離斜視図、(D)は後キャスタの斜視図である。
次に、本願で開示する什器の一例としての椅子の実施形態(具体例)を、図面に基づいて説明する。以下では、方向を特定するため前後・左右の文言を使用するが、この方向は、椅子に普通に腰掛けた人の向きを基準にしている。正面視方向は、着座した人と対向した方向である。
(1).基本構造
まず、図1,2を参照して椅子の概要を説明する。本実施形態の椅子は、会議室や講堂などで使用することが多いタイプであり、図1に示すように、座1と背もたれ2、及びこれらを支持する棒状(直線状)の前脚3及び後脚4を備えている。座1は載置部の一例である。前脚3及び後脚4の上端は、座1よりも上に位置している。脚3,4は、スチールパイプのような金属パイプから成っている。
座1は、平面視で後ろに向けて左右幅か狭まるような略台形状に形成されている。他方、背もたれ2は、使用者の背にフィットするように平面視では前向きに凹むように緩く湾曲しており、側断面視では緩く後傾している。上下幅は小さくて、シャープなデザインになっている。
図1から理解できるように、座1は、樹脂製であって(木製でもよい)板状になっている。すなわち、1枚の座板の構造になっている。但し、座1は、座板(インナーシェル)にクッション材を張った構造や、上下に開口した枠体にメッシュ材を張ったタイプなども採用できる。背もたれ2は合成樹脂を使用した成型品であるが、木製でもよい。或いは、前面にクッション材を張った構造も採用できる。
背もたれ2の左右両端には、前後長手のサイド枠部5が一体に形成されている。サイド枠部5は肘当てとしても機能し得る左右幅を備えている。従って、肘当てと背もたれ2とが一体化していると見ることも可能である。図1(A)や図2のとおり、背もたれ2は、左右両側に向けて高さを低くすることにより、サイド枠部5と滑らかに連続している。
そして、前脚3の上端はサイド枠部5の前端部に固定されている一方、後脚4は、その上端を支点にして前後回動するようにサイド枠部5に連結されている。従って、前脚3と後脚4とは、側面視で下方に向けて間隔が広がる展開状態から、側面視でX字状に交叉した状態に折り畳むことができる。
例えば図2に示すように、左右の前脚3は、座1の下面部の高さ位置において左右長手のフロントステー6によって一体に固定されており、フロントステー6に座1の前部が回動可能に連結されている。一方、左右の後脚4も、座1の下面部の高さ位置において左右長手のリアステー7を介して固定されており、リアステー7と座1とは台形状に曲がった連動部材(リンク)8を介して相対回動可能に連結されている。
座1は、展開状態ではステー6,7によって前後を支持されている。ステー6,7はスチールパイプのような金属パイプ製であって脚3,4に溶接で固定されている。そして、座1の後端を持ち上げると、座1がフロントステー6を支点にして回動し、これに連動して連動部材8はその後端が高くなるように引き上げ回動させられる。これにより、後脚4が前脚3と座1とサイド枠部5とに対して相対回動して、図1(B)及び図2(B)の状態に折り畳まれる。
図1,2における展開状態と折り畳み状態との対比から理解できるように、正面視や平面視において前脚3の左右間隔は後脚4の左右間隔よりも大きくなっているため、折り畳んだ状態では、複数の椅子を前後に嵌まり合った状態にネスティングできる。座1の後端部の左右中間部には、折り畳み作業に際して人が手先を掛け得る引手リブ9を設けている。また、リアステー7には、人が引手リブ9に手先を掛けるに際して邪魔にならないように、前向きに突出したクランク状の曲がり部7aを形成している。
(2).連結構造
図2に示すように、座1の前部は、左右一対のフロント軸受け部10とこれを覆うフロントキャップ11とにより、フロントステー6に回動可能に連結されている。また、座1の前部でかつ左右両端寄り部位には、フロントステーに載る補助軸受け部12を設けている。
図2に示すように、連動部材8は、左右長手の基部8aと、その左右両端から後ろ向きに延びる前後長手のサイド部8bとを備えており、全体として略台形状の形態になっている。そして、基部8aの左右中間部は、リア軸受け部13とリアキャップ13a(図2(B)では省略)とによって座1の下面に回動可能に連結されて、左右サイド部8bの後端は、上下一対のクランプ式軸受け体14によってリアステー7に回動可能に連結されている。
図1から容易に推測できるように、サイド枠部5は、基本的には、人の肘を載せ得る左右幅で上面を平坦面と成した板状になっており、内側部に、その全長に亙って延びる下向きのリブ5aを形成している。従って、サイド枠部5はおおよそ断面逆L形になっている。
サイド枠部5の前端には下窄まりのフロントボス部15を形成しており、このフロントボス部15に、図示しない継手軸を介して前脚3の上端部を嵌着している。他方、後脚4の上端は、サイド枠部5に形成したリアボス部16に、後脚4の上端が、ブラケット17及び左右長手の軸心を有するピン(図示せず)によって連結されている。従って、後脚4は、その上端を支点にして前後に回動する。
展開状態において座1の後端を持ち上げると、座1は、フロントステー6を支点にして後端が高くなるように跳ね上げ回動させられ、これに連動して、連動部材8の基部8aが上向きに引かれる。すると、後脚4は、上端を支点にして回動する。
そして、椅子の全体を床から浮いた状態に持ち上げたり、前脚3の下端のみが床に着いた状態で持ち上げたりして座1が回動しきると、引手リブ9の真下に重心がくるため、前脚3は前傾姿勢に変化して後脚4は後傾姿勢に変化し、その結果、前脚3と後脚4とは、側面視でX字状に交叉した姿勢になる。
座1はその前端寄り部位がフロントステー6に連結されているため、座1は、その後端の引手リブ9に手を掛けて持ち上げることによって回動するが、引手リブ9からフロントステー6までのスパンは大きいため、座1を確実に跳ね上げ回動させることができる。
そして、座1の跳ね上げ回動と同時に、連動部材8はその後端を支点にした回動を開始し、これに伴って後脚4も回動を開始するが、連動部材8の基部8aは座1の前後中途部に連結されているため、連動部材8はテコ作用によって軽快に回動する。従って、連動部材8の回動と後脚4の回動とはスムースであり、椅子の全体を持ち上げたり、前脚3の下端を床に付けた状態で後脚4も持ち上げたりすると、重心の移動により、前脚3は前傾姿勢になって後脚4は後傾姿勢になり、自動的に折り畳み状態に移行する。
折り畳んだ椅子を床におくと自立するが、床においた状態では、椅子の自重が前脚3の下端と後脚4の下端との間隔を広げるように作用するため、床に置いた状態では折り畳み状態が保持される。従って、保管状態で展開姿勢に移行する不測の事態は生じない。
(3).キャスタ
例えば図1,2のとおり、前脚3の下端には前キャスタ20が装着されて、後脚4の下端には後キャスタ21が装着されている。
図3(C)(D)から理解できるように、前キャスタ20と後キャスタ21とは同じ構造であり、図4(B)に示すように、水平姿勢の車軸22が固定された合成樹脂製の軸受けブロック23と、車軸22に回転自在に保持された車輪24と、軸受けブロック23のうち車軸24から水平方向に離れた部位に立設した支軸25とを有しており、支軸25は、図示しないスラストベアリングによって軸受けブロック23に回転自在に保持されている。
前キャスタ20の支軸25は前ブッシュ26を介して前脚3の下端に嵌着され、後キャスタ21の支軸25は後ブッシュ27を介して後脚4の下端に嵌着されており、ブッシュ26,27はそれぞれビス(図示せず)で脚3,4に固定されている。各脚3,4の下端には、ビスがねじ込まれるタップ穴28が内向きに開口している。ブッシュ26,27には、ビスの先端が嵌入する横穴29が空いている。なお、ビスを前後ブッシュ26,27にねじ込むことも可能である。
前後ブッシュ26,27は合成樹脂製であり、脚3,4の下端面が上から当接するフランジ30,31を有している。ブッシュ26,27のフランジ30,31は、支軸25に設けたフランジ25aに上から当たっている。また、前後ブッシュ26,27の外周に環状溝の群(又は環状突起の群)が形成されており、従って、外周面は断面鋸歯状に形成されている。このため、前後ブッシュ26,27は変形しやすくなって、脚3,4に対して確実に嵌合(密嵌)できる。
図3(C)(D)や図4(C)(D)に示すように、前後ブッシュ26,27には、フランジ30,31の上面に繋がった前後一対の位置決め突起32を形成している一方、前後脚3,4の下端には、位置決め突起32が嵌合する前後一対の切欠き部33を下向きに切り開き形成している。
そして、図3(D)に示すように、後ブッシュ27のフランジ31は全周に亙って等厚であり、内周面の軸心O1と外周面の軸心O2とは一致している。従って、後キャスタ21における支軸25の軸心O3は後脚4の軸心O4と一致している。
他方、図3(C)や図4(B)に示すうに、前ブッシュ26では、フランジ30は前から後ろに向けて薄くなるように厚さが相違していると共に、内周面の軸心O1は外周面の軸心O2に対して相対的に前傾している。従って、前キャスタ20における支軸25の軸心O3は前脚3の軸心O4に対して相対的に前傾しているが、前キャスタ20における支軸25は鉛直姿勢になっている。
すなわち、椅子の展開状態において前キャスタ20が水平旋回することを許容するために、前キャスタ20の支軸25は鉛直姿勢に保持されねばならないのに対して、前脚3は椅子の安定性の点から少し後傾姿勢になっており、そこで、前脚3を真っ直ぐな形状で後傾姿勢に保持しつつ前キャスタ20の水平旋回を許容するために、前ブッシュ26の内周面(穴)の軸心O1を外周面の軸心O2(及び前脚3の軸心O4)に対して相対的に後傾させたものである。
前脚3を、下端部が鉛直部でそれより上の大部分は後傾した傾斜部に形成すると、図3(D)に示した内外同心のブッシュ27を使用できるが、実施形態のように内外偏心方式の前ブッシュ26を使用すると、前脚3を真っ直ぐな形状に形成できるため、スッキリした美観を呈して意匠性を向上できる。
また、前脚3の下端部のみを部分的に曲げると、曲げ加工に際して下端部が潰れ変形しやすくなり、するとブッシュ27を嵌め込みできなくなるおそれがあるが、本実施形態では前脚3に曲げ加工を施す必要はないため、前ブッシュ26の嵌入を確実化して品質・歩留りを向上できる利点もある。なお、前脚3の全体を鉛直姿勢に設定してもよい。この場合は、前ブッシュ26も内外同心タイプを使用できる。
(4).まとめ
本実施形態の椅子は以上の構成であり、展開状態と折り畳み状態とに自在に変更できる。そして、展開状態では前キャスタ20は水平旋回自在なタイプのキャスタであるため、使用者は椅子に腰掛けた状態で任意の方向に自在に移動することができる。従って、通常の回転椅子と同様の使い勝手を保持できる。なお、後キャスタ21も水平旋回させることは可能であり、この場合は、後脚4の下部を鉛直姿勢に曲げたらよい。
椅子を折り畳むと、図4(A)に示すように、前後の脚3,4の姿勢が逆になって両脚は3,4は側面視でX字形に交叉する。すると、前キャスタ20の支軸25の軸心は鉛直線に対して前傾するため、前キャスタ20は水平旋回不能になり、かつ、前脚3は後傾姿勢であるため、後キャスタ21は水平旋回不能の状態に保持されている。
折り畳み状態では、椅子の重心は前後のキャスタ20,21の間に位置している。このため、押したり引いたりして、安定した姿勢で移動させることができる。また、X字状に交叉していることにより、前後キャスタ20,21の間隔は一定に保持されているため、安定的に自立する。更に、自立状態で複数台が前後に嵌まり合うため、椅子の前後間隔を極力詰めて、格納スペースを大幅に省略できる。
折り畳み状態で自立するため、複数台を前後にネスティングした状態で押して移動させることも可能である。すなわち、一人で多数台を移動させることもできる。これにより、倉庫等の格納部への搬入・搬出の手間を大幅に削減できる。
そして、折り畳み状態では前後のキャスタ20,21の間隔が狭いため、前キャスタ20が水平旋回すると、移動させるに際して姿勢が安定せずに左右にふらつくことがあるが、本実施形態では、折り畳み状態では前キャスタ20も水平旋回不能に保持されており、前後キャスタ20,21の車軸22は平行に保持されているため、椅子を左右にふらつかせることなく安定した状態で押して移動できる。
特に、押し移動させながら方向変換させる場合、前キャスタ20が水平旋回すると、僅かに方向変換させようとして椅子に対する力の掛け方を少し変えただけで、椅子の急激に姿勢が変化することがあるが、本実施形態では前後キャスタ20,21の平面視姿勢は一定であるため、椅子が急激に姿勢変化する現象は発生せずにスムースに方向変換できる。直進移動も安定的に行える。
なお、展開状態において前キャスタ20の平面視姿勢は一定していないが、折り畳み状態で前キャスタ20が床に付くと、車軸22が左右長手の姿勢になる状態で安定するため、前キャスタ20は車軸22が左右長手の姿勢になる状態に自動的に移行する。折り畳み作業は、前後キャスタ20,21を床に当てたままで行うこともできるし、椅子の全体を床上に持ち上げて行うこともできるし、前キャスタ20のみを床に当てた状態で行うこともできるが、いずにれしても、前キャスタ20は、車軸22を左右長手にした安定姿勢に自動的に移行する。
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば、本願発明は、折り畳み式テーブルや折り畳み式カート(ワゴン)などの各種の折り畳み式什器に適用できる。また、前後脚の折り畳み態様としては、当初から側面視でX字状に交叉していて、前後キャスタの間隔が狭まるように交叉角度を変化させて折り畳むことも可能である。
折り畳み構造としては、実施形態のようなリンク機構を使用せずに、例えば座と脚とをピンやヒンジなどで連結するといったことも可能である。連結ピンが長穴をスライドする折り畳み構造も使用できる。
また、上記実施形態では、前キャスタ20が展開状態において水平旋回自在なタイプのキャスタとして用いられる例について説明したが、前キャスタ20に代えて又は前キャスタ20とともに、後キャスタ21を展開状態において水平旋回自在なタイプのキャスタとしてもよい。その場合、折り畳み状態において、後キャスタ21の支軸が床面に対して傾斜するように、後脚4の角度を設定すればよい。
本願で開示した発明は、折り畳み式椅子等の折り畳み式什器に具体化できる。従って、産業上利用できる。
1 座
2 背もたれ
3 前脚
4 後脚
5 サイド枠部
6 折り畳み機構の一部を構成するフロントステー
7 折り畳み機構の一部を構成するリアステー
8 折り畳み機構の一部を構成する連動部材(リンク)
20 前キャスタ
21 後キャスタ
22 車軸
23 軸受けブロック
24 車輪
25 支軸
26 前ブッシュ
27 後ブッシュ

Claims (6)

  1. 人の身体又は物が載る載置部と、
    前記載置部を支持する一対の前脚および一対の後脚と、
    前記前脚の下端部分に装着された前キャスタと、
    前記後脚の下端部分に装着された後キャスタと、
    を備え、
    前記前脚と前記後脚とは、下端部分同士の間隔を広げた展開状態と、下端部分同士の間隔を狭めた折り畳み状態と、に変更可能であり、
    前記前キャスタと前記後キャスタとのうち少なくとも一方は、水平軸心回りに回転する車輪が、支軸の軸心回りに旋回する首振り方式のキャスタであり、
    前記首振り方式のキャスタは、床面上で、前記支軸が鉛直方向に沿う姿勢のときには前記車輪が回転可能で旋回可能な旋回可能状態となり、前記支軸が鉛直方向に対して傾斜した姿勢のときには前記車輪が回転可能で旋回抑制される旋回抑制状態となり、
    前記首振り方式のキャスタが装着される前記前脚及び/又は前記後脚は、前記折り畳み状態時には前記展開状態時よりも下端部分が床面に対して傾斜する姿勢に切り替えられることで、当該下端部分に装着される前記キャスタが前記旋回抑制状態となるように構成される、
    折り畳み式什器。
  2. 前記前脚と後脚とのうち一方又は両方であって前記首振り方式のキャスタが装着された脚は、その上部を支点にして回動するように構成され、
    前記前脚と前記後脚とは、前記展開状態では側面視で交差せず、前記折り畳み状態では側面視で交差するように設定されている、
    請求項1に記載した折り畳み式什器。
  3. 前記首振り方式のキャスタは前記前キャスタで、
    前記後キャスタは、車輪が水平軸心回りに回転するもので前記支軸の軸心回りには旋回不能である、
    請求項2に記載した折り畳み式什器。
  4. 前記前脚と後脚とのうち何れか一方又は両方であって前記首振り方式のキャスタが装着された脚は、前記展開状態において側面視で鉛直に対して傾斜しており、その軸心が、当該脚に装着された前記首振り方式のキャスタの前記支軸の軸心と交差している、
    請求項1~3のうちのいずれかに記載した折り畳み式什器。
  5. 前記載置部と前記前脚および前記後脚とは、前記展開状態から前記折り畳み状態に移行すると前記載置部の側面視姿勢が変化するように、互いに連結されている、
    請求項1~4のうちのいずれかに記載した折り畳み式什器。
  6. 前記載置部は人が着座する座であり、
    前記座と前記前脚および前記後脚とは、前記座が跳ね上げられると前記前脚及び前記後脚が折り畳み状態になるように連結されており、
    前記折り畳み状態において他の什器と前後にネスティング可能に構成される、
    請求項1~5のうちのいずれかに記載した折り畳み式什器。
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