JP2022185952A - 建築物用パネル材及び床パネル材 - Google Patents

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【課題】比較的軽量で高い強度と優れた耐久性及び断熱性を有する建築物用パネル材及び床パネル材を提供する。【解決手段】繊維補強コンクリートを主体としたパネル本体2と、前記パネル本体2を補強する補強用シート材層4とを備え、前記パネル本体2内には、断熱材層3が包埋されるとともに、前記補強用シート材層4は、前記断熱材層3の表面及び裏面に沿った方向に配設され、かつパネル本体の外壁面側には、化粧用外壁材5が設けられ、前記断熱材層3として、フェノールフォーム等の難燃性合成樹脂発泡体等が用いられる建築物用パネル材1及び床パネル材1a。【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 建築・建材展2021年3月9日~12日開催
本発明は、建築物の外壁部等に用いられる建築物用パネル材及び建築物の床部に用いられる床パネル材に関する。
近年、居住空間の温度管理に要するエネルギーの消費を抑制して、脱炭素社会づくりに貢献すること等を目的として、高い断熱性を有する建築材を用いることが行われている。例えば、断熱材が充噴された構造用中空鋼材により格子状に形成された枠体と、この枠体の表裏面に配設されたメッシュ筋と、前記枠体と前記メッシュ筋との間に形成される中空室に充填された断熱材と、これらを一体的に被覆するコンクリート材とを備えたプレキャストコンクリートパネルを、建物の内外壁等に用いることにより、優れた断熱性(防湿性)を有するとともに、高精度に形成できて、その組立作業や設置作業を容易に行うことを可能とした建築材(特許文献1参照)が知られている。
特開10-140697号公報
上述のプレキャストコンクリートパネルからなる建築材では、その強度を十分に確保するために、コンクリート材中に配設される構造用中空鋼材からなる格子状枠体及びメッシュ筋として所定の強度を有する鋼材を用いる必要がある。このため、パネル重量を十分に軽量化することが困難であり、前記プレキャストコンクリートパネルからなる建築材を搬送する際、及び施工する際の作業性が劣るという問題があった。
本発明の目的は、前述の状況に鑑み、比較的軽量でありながら、高い強度と優れた耐久性及び断熱性を有する建築物用パネル材及び床パネル材を提供することである。
本発明に係る建築物用パネル材及び床パネル材は、繊維補強コンクリートを主体としたパネル本体と、前記パネル本体を補強する補強用シート材層とを備えたものである。
この構成によれば、コンクリート材等に比べて比重が小さい繊維補強コンクリートを主体としたパネル本体が補強用シート材層で補強されることにより、建築物用パネル材が効果的に軽量化されるとともに、優れた耐久性が得られるという利点がある。しかも、工場等で予め製造した後に建築物用パネル材を建築現場に搬入して、建築物の壁部又は床部等を形成する作業を容易に行うことができ、かつ建築物用パネル材の品質を適正に確保することができる。
また、前記パネル本体内には、その表面及び裏面に沿った方向に沿った方向に延びる一対の補強用シート材層が配設されていることが好ましい。
この構成によれば、パネル本体の曲げ剛性を増大させることにより建築物用パネルの強度を効果的に向上させることができる。
また、前記パネル本体内には、断熱材層が包埋されていることが好ましい。
この構成によれば、パネル本体内に包埋された断熱材層の断熱作用により、居住空間の温度管理に要するエネルギーの消費を効果的に抑制できるという利点がある。
また、前記断熱材層が、前記パネル本体よりも比重の軽い繊維補強コンクリートを主体として形成されていることが好ましい。
この構成によれば、優れた断熱性、自己消火性及び難燃性を有する建築物用パネルを容易に形成することができるとともに、必要な強度を備えた建築物用パネル材を効果的に軽量化することができる。したがって、建築物用パネル材を用いた施工作業の省力化を図ることができるとともに、施工性を効果的に向上できるという利点がある。
また、前記断熱材層が、フェノールフォーム等の難燃性合成樹脂発泡体により形成されたものであってもよい。
この構成によれば、フェノールフォーム等からなる難燃性合成樹脂発泡体が、極めて高い断熱性及び耐火性を有しているため、建築物の保温性能及び耐火性能を効果的に向上させることができる。
また、前記補強用シート材層として、炭素繊維強化プラスチックを主体とした炭素繊維シートが用いられることが好ましい。
この構成によれば、極めて軽量で高い強度を有する炭素繊維シートの補強作用により、建築物用パネル材の重量を、より軽量化しつつ、必要な強度を得ることができる。
また、前記パネル本体の外壁面側に設けられた化粧用外壁材を、さらに備えていることが好ましい。
この構成によれば、パネル本体の外壁面側が化粧用外壁材で装飾されることにより、優れた外観を有する建築物を容易に形成できるという利点がある。
また、前記建築物用パネル材からなる床パネル材において、前記パネル本体の外周部に設けられた連結部材を、さらに備え、建築物の床部に敷設された複数の前記パネル本体が、前記連結部材により互いに連結されるように構成されたものであってもよい。
この構成によれば、建築物の床部に敷設された複数の床パネル材を連結する作業を、施工現場において容易に行うことができる。したがって、建築物の規模に応じて予め規格化された複数の床パネル材を適宜連結して、必要とする大きさの床部を容易かつ適正に形成することができる。
本発明に係る建築物用パネル材及び床パネル材によれば、比較的軽量でありながら、高い強度と優れた耐久性及び断熱性が得られるという効果を奏する。
本発明に係る建築物用パネル材の第一実施形態を示す断面図である。 建築物用パネル材の正面図である。 建築物用パネル材を建築物の外壁材として使用した例を示す斜視図である。 複数の建築物用パネル材を左右に連結した状態を示す断面図である。 建築物用パネル材をコンクリート基礎上に設置した状態を示す断面図である。 複数の建築物用パネル材を上下に連結した状態を示す断面図である。 建築物用パネル材の上下連結部の取付状態を示す断面図である。 建築物用パネル材の中央下部の支持状態を示す断面図である。 建築物用パネル材の上下連結部の取付状態を示す斜視図である。 建築物用パネル材の変形例を示す断面図である。 本発明の第二実施形態に係る床パネル材の構成を示す平面図である。 複数の床パネル材を床部に敷設した状態を示す平面図である。 図11のXIII-XIII線断面図である。 凹部内に充填材が充填された状態を示す図12のXIV-XIV線断面図である。 図11のXV-XV線断面図である。 凹部に充填材が充填された状態を示す図12のXVI-XVI線断面図である。
以下、本発明に係る建築物用パネル材及び床パネル材の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(第一実施形態)
図1~図3は、建築物の外壁材等として用いられる本発明の第一実施形態に係る建築物用パネル材1の構成を示している。この建築物用パネル材1は、繊維補強コンクリート材を主体としたパネル本体2と、このパネル本体2内に包埋された断熱材層3と、断熱材層3の表面及び背面からなる主面に沿った方向に配設されるとともに、パネル本体2内に包埋された一対の補強用シート材層4,4と、パネル本体2の外壁面側に設けられた化粧用外壁材5とを備えている。
パネル本体2は、例えばセメント、水、補強繊維を混練した混練物を成形型内に充填して、養生固化することで得られる比較的に軽量で高い圧縮強度と、0.9~2.0程度の比重とを有する繊維補強コンクリート材を主体として形成されたものである。
前記セメントの材質は、特に限定されず、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント等、各種セメントを使用できる。また、前記補強繊維としては、ポリビニルアルコール繊維(ビニロン繊維)、ポリプロピレン繊維やポリエチレン繊維等のポリオレフィン系繊維、アラミド繊維、炭素繊維、鋼繊維、ガラス繊維、バサルト繊維等が挙げられる。
図1に示すパネル本体2の上下両端部、つまりパネル本体2の長手方向両端部には、相対応する段部21,22がそれぞれ設けられている。そして、後述の図7に示すように複数の建築物用パネル材1,1を上下に並べて設置する際に、相隣接する建築物用パネル材1,1の段部21,22が互いに係合されるとともに、この係合部にシーリング材等が配設されている。これにより、相隣接する建築物用パネル材1,1間の断熱性及び防水性が確保されている。
さらに、パネル本体2に上下両端部には、図1に示すように、コンクリートアンカーとなるインサート金具23A,23Bが、断熱材層3の長手方向両端部等に近接した位置に包埋されている。パネル本体2の上端部側に位置するインサート金具23Aと、下端部側に位置するインサート金具23Bとは、図2に示すように、パネル本体2の幅方向にオフセットした位置に配設されている。
建築物用パネル材1の幅方向両側端部には、図4に示すように、相対応する凸部24および凹部25が設けられている。そして、複数の建築物用パネル材1,1を左右に並べて設置する際に、相対応する凸部24と凹部25とが係合されるとともに、この係合部に耐火目地用シーリング材26および建築用ガスケット材28等が配設されている。
断熱材層3は、パネル本体2よりも比重の軽い繊維補強コンクリートを主体として形成されている。例えば、セメント、水、補強繊維及び起泡剤を混練した混練物を成形型内に充填して、養生固化することにより、0.35程度の比重と、0.054W/mK程度の熱伝導率λとを有する軽量の繊維補強コンクリートを主体とした断熱材層3を形成することができる。なお、上述の繊維補強コンクリートに代え、例えば、フェノールフォーム、または硬質ポリウレタンフォーム、軟質ポリウレタンフォーム、硬質塩化ビニルフォーム、ユリアフォーム等からなる難燃性合成樹脂発泡体を主体として断熱材層3を形成してもよい。
補強用シート材層4は、パネル本体2よりも高い引張強度を有する素材、例えばポリビニルアルコール繊維(ビニロン)、ポリプロピレン繊維やポリエチレン繊維等のポリオレフィン系繊維、アラミド繊維、炭素繊維、鋼繊維、ガラス繊維、バサルト繊維等などの繊維材により構成されたシート状体からなっている。その中でも、特に軽くて強い炭素繊維強化プラスチックを主体として織物状等に加工された炭素繊維シートからなる補強用シート材層4を用いることが好ましい。
化粧用外壁材5は、例えば陶器製タイルもしくはガラスタイル等からなる市販のタイル材からなっている。このタイル材に代えて、例えば花崗岩、閃緑岩、斑レイ岩もしく大理石等を板状に加工したものや、人造石を板状に加工した板状石材、またはその他の材料を使用することも可能である。なお、化粧用外壁材5を省略してもよく、またパネル本体2の表面に塗料を塗布した塗装仕上げとしてもよい。
本発明の建築物用パネル材1を製造するには、化粧用外壁材5を構成するタイル材または板状石材等をパネル成形用の型枠内に並べて配置した状態で、この型枠内にセメント、水、補強繊維を混練した混練物を注入することにより、化粧用外壁材5が一体に接合されたパネル本体2の外壁面側部を成形する。
次いで、パネル本体2の外壁面側部上に、表面側の補強用シート材層4と、断熱材層3と、裏面側の補強用シート材層4とを順次、配列するとともに、インサート金具23A,23Bを所定位置に配置した状態で、パネル成形用の型枠内にセメント、水、補強繊維を混練した混練物を注入することにより、パネル本体2の中央部及び内壁面側部を成形する。また、従来既知の方法に従って、前記セメント材等を焼成、加熱、養生、乾燥させて固化させることにより、図1に示すように、パネル本体2の外壁面側に化粧用外壁材5が一体に接合されるとともに、パネル本体2内に補強用シート材層4,4及び断熱材層3が包埋された建築物用パネル材1を成形する。
本発明に係る建築物用パネル材1は、図3に示すように、コンクリート基礎6上に複数枚の建築物用パネル材1を左右に並べて立設するとともに、図3および図6等に示すように、複数枚の建築物用パネル材1を上下に並べて設置することにより、所定寸法を有する建築物の外壁材を形成することができる。
なお、図5において、符号11は、耐火目地用シーリング材を示し、符号12は、バックアップ材を示し、図6~図9において、符号13A,13Bは、アングル材等からなるパネル取付用金具を示し、符号13Cは、アングル材等からなるパネル保持用金具を示している。符号14は、I形鋼もしくは木材等からなる梁材を示し、符号15は、耐火目地用シーリング材を示している。また、符号16は、バックアップ材を示し、符号17は、建築用ガスケット材を示している。さらに、符号18は、建築用パネル1の下部を支持する支持金具、符号19は、建築用パネル1と支持金具18との間に配設されるスペーサを示している。
上述のように本発明の第一実施形態に係る建築物用パネル材1は、繊維補強コンクリートを主体としたからなるパネル本体2と、パネル本体2内に包埋された断熱材層3と、この断熱材層3の主面に沿った方向に延びる補強用シート材層4とを備えているため、比較的軽量でありながら、高い強度と優れた耐久性及び断熱性を有している。
すなわち、パネル本体2の主体である繊維補強コンクリートは、従来の鉄筋コンクリートよりも軽量であるとともに、高強度コンクリートと同等の圧縮強度を有しているため、建築物用パネル材1の重量が過大になるのを防止しつつ、必要な圧縮強度を得ることができる。また、繊維補強コンクリートは、優れた耐中性化性能を有し、促進中性化試験において52週で中性化深さが0mmであった。この試験結果は、屋外の自然環境下において繊維補強コンクリートの中性化が100年以上、発生しないことを証明するものである。
上述の実施形態では、パネル本体2内の表面及び裏面に沿った方向に沿った方向に延びる一対の補強用シート材層4,4をパネル本体2内に包埋された構成としたため、建築物用パネル材1の2の曲げ剛性(ヤング率E×断面二次モーメントI)及び曲げ強度を効果的に増大させることができる。しかも、当第一実施形態では、補強用の鉄筋材を用いていないために、鉄筋材に錆が生じることに起因したクラックが形成されることがないとともに、仮にパネル本体2にクラックが発生した場合においても、繊維材による自己修復機能によりクラックを埋めることができるという利点がある。
上述の構成を有する建築物用パネル材1の強度を確認するために、繊維補強コンクリートからなるパネル本体2内に、フェノールフォームからなる断熱材層3と、炭素繊維シート材からなる補強用シート材層4とが包埋されるとともに、500mmの幅寸法と、3000mmの長さと、74mmの厚みとを有する試験体を作成した。この試験体の重量を測定したところ、96kgであった。また、試験体の圧縮強度を測定したところ、36N/mmであった。そして、試験体の支持スパンLを2.80mに設定し、中央に荷重を加える三点曲げ試験を行った。
前記試験体を試験機に設置した後、変位計を取り付け、検出位置の零点調整を行った。具体的には、試験速度を3.0mm/分に設定し、載荷荷重を0.5kNずつ増加させながら、荷重の載荷後に除荷するという試験を繰り返して、試験体の弾性域を確認したところ、表1に示すデータが得られた。なお、載荷板の重量は30kgであったため、これに基づいて載荷重(kN)を補正した数値を表1に記載している。
Figure 2022185952000002
表1から、載荷重が1.8kN以下である場合には、除荷時の変位が略0であり、試験体が弾性域にあると考えられる。そして、試験機の載荷重2.2kNとなった時点で初期クラックが発生した。この値は、風荷重に応じて試験体に作用する設計荷重、例えば試験体の表面に1.5kN/mmの等分布荷重が作用した場合においても、クラックが生じることがなく、前記設計荷重に対して十分に耐え得ることを示している。
また、上述のひび割れ発生時における載荷重P(2.2kN)に応じで試験体に作用する最大曲げモーメントM(=PL/4)と、試験体の断面係数Z(=bh/6)とに基づいて、クラック発生時の曲げ応力Foを計算すると、以下のようになる。なお、上述の最大曲げモーメントMを求める式において、Pは、クラック発生時の荷重に対応した値(2200N)、Lは、支持スパンに対応した値(2800mm)である。また、断面係数Zを表す式において、bは、試験体の幅寸法(500mm)であり、hは、試験体の高さ寸法(74mm)である。
M=2200×2800/4=1540000
Z=500×74/6=456333
Fо=M/Z=3.37N/mm
上述の第一実施形態に係る建築物用パネル材1は、パネル本体2よりも比重の軽い繊維補強コンクリートを主体として形成された断熱材層3をパネル本体2内に包埋させているため優れた断熱性を有している。したがって、必要な強度を備えた建築物用パネル材1を十分に軽量化して、これを用いた施工作業の省力化を図ることができるとともに、施工性を効果的に向上できるという利点がある。しかも、前記建築物用パネル材1を建築物の外壁材等として用いることにより、居住空間の温度管理に要するエネルギーの消費を抑制して、脱炭素社会づくりに貢献することができる。また、繊維補強コンクリートを主体として形成された断熱材層3をパネル本体2内に包埋させた場合には、優れた断熱性及び耐火性を有する建築物用パネル材1を容易に形成することができる。
なお、前記断熱材層3を、例えば、0.022W/mK程度の熱伝導率λと、極めて高い自己消火性及び難燃性とを有するとともに安価に製造することができるフェノールフォーム、または硬質ポリウレタンフォーム、軟質ポリウレタンフォーム、硬質塩化ビニルフォーム、ユリアフォーム等からなる難燃性合成樹脂発泡体によりを形成した場合には、建築物用パネル材1の断熱性能及び耐火性能を効果的に向上させることができる等の利点がある。
上述の実施形態では、補強用シート材層4として、特に軽くて強い織物状等の炭素繊維シートを用い、これを断熱材層3の主面に沿った方向に配設したため、建築物用パネル材1の重量を軽量化しつつ、断熱材層3の設置部を補強して、建築物用パネル材1の強度を十分に確保することができる。
なお、断熱材層3の表面及び裏面に沿ってそれぞれ一枚ずつの補強用シート材層4を配設してなる上述の実施形態に代え、断熱材層3の表面側及び裏面側にそれぞれ二枚以上の補強用シート材層4を配設した構成としてもよく、あるいは断熱材層3の表面側及び裏面側のいずれか一方にのみ補強用シート材層4を配設した構成としてもよい。
また、図10に示すように、補強用シート材層4により断熱材層3の周囲全体を覆うように構成してもよい。さらに、補強用シート材層4をパネル本体21の周面に貼り付けた構成とすることも可能である。
上述の第一実施形態では、図1及び図6に示すように、パネル本体2の上下両端部に相対応する段部21,22が設けられた構成とし、複数の建築物用パネル材1,1を連続して設置する際に、相隣接する建築物用パネル材1の段部21,22を相係合するとともに、両者の間に耐火目地用シーリング材15、バックアップ材16及び建築用ガスケット材17等を配設している。この結果、建築物用パネル材1,1間の断熱性及び防水性が十分に確保され、建築物の外壁面側から室内に外気や、湿気等が侵入するのを効果的に防止することができる。
また、図4に示すように、建築物用パネル材1の幅方向両側端部に、相対応する凸部24および凹部25を設け、複数の建築物用パネル材1,1を左右に並べて設置する際に、相対応する凸部24と凹部25とを相係合するとともに、この係合部に耐火目地用シーリング材26および建築用ガスケット材28等を配設した構成とした場合には、相隣接する建築物用パネル材1,1間の断熱性及び防水性を効果的に確保することができる。
さらに、上述の第一実施形態では、図1等に示すように、パネル本体の外壁面側にタイル材等からなる化粧用外壁材5を予め一体に設けた構成としたため、建築現場において建築物用パネル材1を設置した後に、その外壁面にタイル材等を貼り付けるという煩雑な作業が不要であり、優れた外観を有する建築物用パネル材1を容易に形成できるという利点がある。
化粧用外壁材5の裏面に逆ハ字型に形成された従来周知のアリ足を設け、建築物用パネル材1を成形する際に、パネル本体2を構成する繊維補強コンクリートを前記アリ足に充填して、これらを一体化させるように構成した場合には、化粧用外壁材5の剥落を効果的に防止することができる。
(第二実施形態)
図11及び図12は、本発明の第二実施形態に係る建築物用の床パネル材1aを示している。この床パネル材1aは、上述の第一実施形態と同様に、水、補強繊維を混練した混練物を成形型内に充填して、養生固化することで得られる繊維補強コンクリート材を主体としたパネル本体2aと、このパネル本体2aを補強する炭素繊維補強シート等からなる補強用シート材層4a(図13等参照)とを備えている。また、パネル本体2aの外周部には、後述のように建築物の床部に敷設された複数のパネル本体2a,2aを互いに連結する第一連結部材7と、第二連結部材8とが設けられている。
第一連結部材7は、例えば直径10mm程度の鉄筋材が平面視で折り曲げられることにより形成された一対の支持部71,71と、その先端部同士を連結する連結部72とを有している。支持部71,71の基端部が、図13に示すように、パネル本体2aの長手方向における端部内に埋め込まれて一体に固定されるとともに、連結部72がパネル本体2aの端部から外方側に所定距離だけ突設されている。また、パネル本体2aの端部上面には、充填材9が充填される所定深さの凹部73が形成されている。
図12及び図14に示すように、同図の左右方向に複数の床パネル材1a,1aを一定間隔で配設して、両床パネル材1a,1aの第一連結部材7,7を重ね合わせた状態で、上面に複数の鉄骨頭付きスタッド75が一定間隔で突設された鉄骨フランジプレート76を、両床パネル材1a,1aの端部下面を覆うように配設する。そして、相対向する両間に充填材9を充填することにより、両第一連結部材7,7及び鉄骨頭付きスタッド75等を一体に連結する。
充填材9としては、高強度の接合力と優れた防水性とを備えた樹脂モルタル、例えばエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂またはポリエレア樹脂等からなる合成樹脂と、砂等の細骨材とが混合された樹脂モルタルが好適に使用される。なお、通常のモルタル材、もしくは普通コンクリートや、弾性ゴム等を、充填材9として使用することも可能である。
パネル本体2aの幅方向における両側端部の上面には、図11、図15及び図16に示すように、前記充填材9が充填される左右一対の凹部80が形成されている。この凹部80に、例えば直径10mm程度の鉄筋材からなる一対の第二連結部材8,8が配設されるとともに、その基端部がパネル本体2a内に埋め込まれて一体に固定されている。
複数の床パネル材1a,1aを、その幅方向に相隣接させて配設し、相対向する床パネル材1a,1aの第二連結部材8,8と、例えば直径10mm程度の鉄筋材からなる一対の接合部材81とを溶接することにより、両第二連結部材8,8を一体に連結する(図12及び図16参照)。そして、床パネル材1a,1aの凹部80内に充填材9を充填することにより、前記両第二連結部材8,8の連結部を補強する。
上述のように本発明の第二実施形態に係る床パネル材1aは、繊維補強コンクリートを主体としたからなるパネル本体2aと、パネル本体2内に包埋されてこれを補強する補強用シート材層4aとを備えたものであるため、比較的軽量で高い強度と優れた耐久性及び断熱性を有するものである。すなわち、パネル本体2の主体である繊維補強コンクリートは、従来の鉄筋コンクリートよりも軽量でありながら、高強度コンクリートと同等の圧縮強度を有しているため、床パネル材1aの重量が過大になるのを防止しつつ、必要な圧縮強度を得ることができる。
そして、パネル本体2a内に高い引張強度を有する補強用シート材層4aを包埋したため、建築物用パネル材1の2の曲げ剛性(ヤング率E×断面二次モーメントI)及び曲げ強度を効果的に増大させることができる。このため、必要な強度を備えた床パネル材1aを十分に軽量化して、これを用いた施工作業の省力化を図ることができるとともに、施工性を効果的に向上させることができる。しかも、補強用の鉄筋材を用いた場合のように、錆が発生することがないとともに、仮にパネル本体2aにクラックが発生した場合に、繊維材による自己修復機能によってクラックを埋めることができるという利点もある。
上述の構成を有する床パネル材1aの強度を確認するために、繊維補強コンクリートからなるパネル本体2a内に、炭素繊維シート材からなる補強用シート材層4aが包埋されるとともに、500mmの幅寸法と、3000mmの長さと、150mmの厚みとを有する試験体を作成した。この試験体の重量を測定したところ、464kgであった。また、試験体の圧縮強度を測定したところ、36N/mmであった。そして、試験体の支持スパンLを2.80mに設定し、中央に荷重を加える三点曲げ試験を行ったところ、表2に示すデータが得られた。
Figure 2022185952000003
表2から、除荷時の変位が安定しており、これらの荷重領域では試験体が弾性域にあることが確認された。そして、試験機の載荷重23.1kNとなった時点で初期クラックが発生した。
また、上述のひび割れ発生時における載荷重P(23.1kN)に応じで試験体に作用する最大曲げモーメントM(=PL/4)と、試験体の断面係数Z(=bh/6)とに基づいて、クラック発生時の曲げ応力曲げ応力Foを計算すると、以下のようになる。なお、上述の最大曲げモーメントMを求める式において、Pは、クラック発生時の荷重に対応した値(23100N)、Lは、支持スパンに対応した値(2800mm)である。また、上述の断面係数Zを表す式において、bは、試験体の幅寸法(500mm)であり、hは、試験体の高さ寸法(150mm)である。
M=23100×2800/4=16170000
Z=500×150/6=1875000
Fо=M/Z=8.62N/mm
第二実施形態では、上述のようにパネル本体2aの外周部に連結部材7,8を設け、建築物の床部に敷設された複数のパネル本体2aを、連結部材7,8によって互いに連結するように構成したため、この連結作業を施工現場において容易に行うことができるという利点がある。したがって、建築物の規模等に応じて予め規格化された複数の床パネル材1aを適宜、連結する等により、必要とする大きさの床部を容易かつ適正に形成することができる。
また、上述の第二実施形態では、第一連結部材7及び第二連結部材8の設置部に凹部73及び凹部80をそれぞれ形成し、この凹部73,81内に充填材9を充填するように構成したため、相隣接する床パネル材1aを強固に連結することができる。さらに、第二実施形態では、パネル本体2aの略全体が補強用シート材層4aにより補強され、鉄筋材からなる第一,第二連結部材7,8がパネル本体2aの外周部の一部にのみ設けられているだけである。このため、特許文献1に示すように、コンクリートパネルの全体を補強する構造用中空鋼材からなる格子状枠体及びメッシュ筋が配設されたもの比べて、これらの鋼材が腐敗することによる弊害、つまり鋼材に錆が生じて膨張することよりパネル本体2aにクラックが形成されるという弊害が生じにくいという利点がある。
なお、床パネル材1aに十分な断熱性をもたせるために、この床パネル材1a内に第一実施形態の断熱材層3と同様の構成を有する断熱材層を包埋させてもよいことは勿論である。ただし、発泡剤や起泡剤等を用いてパネル本体2の内部に独立気泡および連続気泡等の気泡を形成する等により、パネル本体2aを多孔質としてパネル本体2a自体が十分な断熱性をもたせた場合には、前記断熱材層を省略してもよい。
1 建築物用パネル材
1a 床パネル材
2,2a パネル本体
3 断熱材層
4,4a 補強用シート材層
5 化粧用外壁材
6 コンクリート基礎
7 第一連結部材
8 第二連結部材
9 充填材
21 段部
22 段部
23 インサート金具
24 凸部
25 凹部

Claims (8)

  1. 繊維補強コンクリートを主体としたパネル本体と、
    前記パネル本体を補強する補強用シート材層とを備えている建築物用パネル材。
  2. 前記パネル本体内には、その表面及び裏面に沿った方向に沿った方向に延びる一対の補強用シート材層が配設されている請求項1記載の建築物用パネル材。
  3. 前記パネル本体内には、断熱材層が包埋されている請求項2記載の建築物用パネル材。
  4. 前記断熱材層が、前記パネル本体よりも比重の軽い繊維補強コンクリートを主体として形成されている請求項請求項3記載の建築物用パネル材。
  5. 前記断熱材層が、フェノールフォーム等の難燃性合成樹脂発泡体により形成されている請求項3記載の建築物用パネル材。
  6. 前記補強用シート材層として、炭素繊維強化プラスチックを主体とした炭素繊維シートが用いられる請求項1~5のいずれか1項に記載の建築物用パネル材。
  7. 前記パネル本体の外壁面側に設けられた化粧用外壁材を、さらに備えている請求項1~6の何れか1項に記載の建築物用パネル材。
  8. 前記請求項1~6の何れか1項に記載の建築物用パネル材からなる床パネル材であって、
    前記パネル本体の外周部に設けられた連結部材を、さらに備え、
    建築物の床部に敷設された複数の前記パネル材本体が、前記連結部材により互いに連結されるように構成されている床パネル材。
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