JP2022185358A - 水力機械 - Google Patents

水力機械 Download PDF

Info

Publication number
JP2022185358A
JP2022185358A JP2021092987A JP2021092987A JP2022185358A JP 2022185358 A JP2022185358 A JP 2022185358A JP 2021092987 A JP2021092987 A JP 2021092987A JP 2021092987 A JP2021092987 A JP 2021092987A JP 2022185358 A JP2022185358 A JP 2022185358A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
guide vane
shaft end
cover
pressure surface
projection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021092987A
Other languages
English (en)
Inventor
孝磨 佐藤
Koma Sato
泰介 杉井
Taisuke Sugii
克年 小林
Katsutoshi Kobayashi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Mitsubishi Hydro Corp
Original Assignee
Hitachi Mitsubishi Hydro Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Mitsubishi Hydro Corp filed Critical Hitachi Mitsubishi Hydro Corp
Priority to JP2021092987A priority Critical patent/JP2022185358A/ja
Publication of JP2022185358A publication Critical patent/JP2022185358A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Hydraulic Turbines (AREA)

Abstract

【課題】ガイドベーンの開度によらずに、回転用隙間に流入する水への圧力抵抗を増大させることができる水力機械を得ること。【解決手段】水力機械1は、ガイドベーン回転軸3とガイドベーン2と第1のカバー4と第2のカバー5とを備える。ガイドベーン2は、第1のカバー4の方を向く第1の軸端面20と、第2のカバー5の方を向く第2の軸端面21と、第1の軸端面20と第2の軸端面21とを繋ぐとともに水流方向の上流側を向く圧力面22と、第1の軸端面20と第2の軸端面21とを繋ぐとともに水流方向の下流側を向く負圧面23とを有する。第1の軸端面20と第1のカバー4との間および第2の軸端面21と第2のカバー5との間には、回転用隙間13がそれぞれ形成されている。圧力面22および負圧面23の少なくとも一方において第1の軸端面20および第2の軸端面21の少なくとも一方に隣接する部分には、突起26が形成されている。【選択図】図4

Description

本発明は、ガイドベーンを備える水力機械に関するものである。
従来、ガイドベーンを備える水力機械が知られている。ガイドベーンは、回転不能に配置された静翼であるステーベーンと、回転可能に配置された動翼であるランナとの間に配置された可動翼である。ガイドベーンは、ランナの周囲に環状に複数配置される。各ガイドベーンには、ガイドベーンの回転中心となるガイドベーン回転軸が連結されている。各ガイドベーンは、ガイドベーン回転軸の回転に伴って回転して開度を変えることでランナに流入する水の流量を調整する役割を果たす。また、各ガイドベーンは、水力機械の運転停止時には全閉状態、すなわちランナへの水の流入を遮断する役割も果たす。
ガイドベーンの軸方向の両側には、カバーが1つずつ配置されている。ガイドベーン回転軸の軸方向の一端部は、一方のカバーに回転可能に支持されていて、ガイドベーン回転軸の軸方向の他端部は、他方のカバーに回転可能に支持されている。ガイドベーン回転軸は、ランナの回転軸と平行である。ガイドベーンを回転可能とするためには、ガイドベーンと2つのカバーとの間に隙間をそれぞれ形成する必要がある。そのため、ステーベーンからランナに向かう水の一部が漏れ流れとして隙間を通過することにより、水力機械の水車性能が低下する場合がある。以下、この隙間を「回転用隙間」と称する。
そこで、漏れ流れを低減させる技術が開発されている。例えば、特許文献1には、ガイドベーンのうちカバーの方を向く軸端面に、ガイドベーンの翼面に沿った溝を設けることにより、回転用隙間に流入する水への圧力抵抗を増大させて漏れ流れを低減させる技術が開示されている。
特開平7-279809号公報
漏れ流れの方向は、ランナの回転軸に対して概ね径方向である。特許文献1に開示された技術では、ガイドベーンの開度が小さいときほど、すなわち各ガイドベーンの翼面が円筒に近い状態で並ぶときほど、溝の延設方向と漏れ流れの方向とが直交する状態に近づくため、回転用隙間に流入する水への圧力抵抗を増大させる効果が大きくなる。一方で、ガイドベーンの開度が大きいときほど、溝の延設方向と漏れ流れの方向とが平行な状態に近づくため、回転用隙間に流入する水への圧力抵抗を増大させる効果が小さくなる。したがって、特許文献1に開示された技術では、ガイドベーンの開度によって漏れ流れの方向に対する溝の延設方向が変わるため、回転用隙間に流入する水への圧力抵抗を増大させる効果が異なるという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ガイドベーンの開度によらずに、回転用隙間に流入する水への圧力抵抗を増大させることができる水力機械を得ることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る水力機械は、ガイドベーン回転軸と、ガイドベーン回転軸を中心に回転するガイドベーンと、ガイドベーンの軸方向の一端側に配置された第1のカバーと、ガイドベーンの軸方向の他端側に配置された第2のカバーと、を備える水力機械である。ガイドベーンは、第1のカバーの方を向く第1の軸端面と、第2のカバーの方を向く第2の軸端面と、第1の軸端面と第2の軸端面とを繋ぐとともに水流方向の上流側を向く圧力面と、第1の軸端面と第2の軸端面とを繋ぐとともに水流方向の下流側を向く負圧面と、を有している。第1の軸端面と第1のカバーとの間および第2の軸端面と第2のカバーとの間には、回転用隙間がそれぞれ形成されている。圧力面および負圧面の少なくとも一方において第1の軸端面および第2の軸端面の少なくとも一方に隣接する部分には、突起が形成されている。
本発明に係る水力機械では、ガイドベーンの開度によらずに、回転用隙間に流入する水への圧力抵抗を増大させることができるという効果を奏する。
本発明の実施例1に係る水力機械を示した断面図 図1に示されたII-II線に沿って見たときのガイドベーン、ステーベーンおよびランナ羽根の配置を示した図であって、ガイドベーンの開時を示した図 実施例1におけるガイドベーンを示した斜視図 図3に示されたIV-IV線に沿って見たときのガイドベーンとガイドベーンの周辺とを示した断面図 実施例1における全閉時のガイドベーンを示した斜視図であって、圧力面側から見た図 実施例1の変形例にかかるガイドベーンを示した断面図 実施例2におけるガイドベーンを示した斜視図 図7に示されたVIII-VIII線に沿って見たときのガイドベーンとガイドベーンの周辺とを示した断面図 実施例2における全閉時のガイドベーンを示した斜視図であって、負圧面側から見た図 実施例3におけるガイドベーンを示した斜視図 図10に示されたXI-XI線に沿って見たときのガイドベーンとガイドベーンの周辺とを示した断面図 実施例3における全閉時のガイドベーンを示した斜視図であって、負圧面側から見た図
以下に、本発明に係る水力機械の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施例では、水力機械がフランシス水車である場合を例にして説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る水力機械1を示した断面図である。図1に示すように、水力機械1は、ケーシング6と、ステーベーン7と、ガイドベーン2と、ガイドベーン回転軸3と、第1のカバー4と、第2のカバー5と、ランナ8と、主軸9と、ドラフトパイプ10とを備える。以下、水力機械1の各構成要素について方向を説明するときには、主軸9の軸方向と平行な方向を軸方向、主軸9の軸方向と直交する方向を径方向、主軸9の軸方向を中心とする回転方向を周方向とする。本実施例に係る水力機械1は、主軸9の軸方向と鉛直方向(上下方向)とが一致する縦軸型の水力機械であるが、主軸9の軸方向と水平方向とが一致する横軸型の水力機械でもよい。なお、図1の矢印Xは、水の流れ方向を示している。以下、水の流れ方向を「水流方向」と称する。
第1のカバー4と第2のカバー5との間には、ランナ8を収容する環状のランナ収容室11が形成されている。ランナ収容室11の径方向外側には、中空形状のケーシング6が配置されている。ランナ収容室11とケーシング6とを連通する流路には、ケーシング6からランナ収容室11に向かう水の流れを整流するステーベーン7と、ランナ8に流入する水の流量を調整するガイドベーン2とが配置されている。ガイドベーン2の開度が大きいほどランナ8に流入する水の流量が多くなり、ガイドベーン2の開度が小さいほどランナ8に流入する水の流量が少なくなる。ランナ収容室11の下流側の開口には、円筒形状のドラフトパイプ10が接続されている。
ランナ8は、ケーシング6からステーベーン7およびガイドベーン2を通過して流入する水によって主軸9を中心に回転する。ランナ8は、ケーシング6からランナ8に流入する水の圧力エネルギーを回転エネルギーに変換する。ランナ8は、複数のランナ羽根8aと、ランナ羽根8aに対して軸方向の一方に配置されたランナクラウン8bと、ランナ羽根8aに対して軸方向の他方に配置されたランナシュラウド8cとを備える。
複数のランナ羽根8aのそれぞれは、ランナクラウン8bとランナシュラウド8cとに連結されている。ランナクラウン8bとランナシュラウド8cとは、軸方向に互いに間隔を空けて配置されている。ランナクラウン8bとランナシュラウド8cとの間は、ランナ羽根8aが配置されるランナ流路12となる。ランナクラウン8bには、主軸9が連結されている。ランナ羽根8a、ランナクラウン8bおよびランナシュラウド8cは、主軸9を回転軸として一体的に回転可能である。主軸9は、図示しない発電機の回転子に回転エネルギーを伝達する。ランナ流路12の下流側の開口は、ドラフトパイプ10に連通している。
図1の矢印Xに示すように、ケーシング6を通過した水は、ステーベーン7により整流されて、ガイドベーン2によりランナ8に流入する水の流量が調整された後に、ランナ流路12へと導かれる。ランナ流路12に流入した水により、ランナ8および主軸9が回転する。ランナ8および主軸9が回転することにより、発電機の回転子を回転させて発電することができる。ランナ流路12を通過した水は、ドラフトパイプ10を通過してから放水路などに放水される。
図2は、図1に示されたII-II線に沿って見たときのガイドベーン2、ステーベーン7およびランナ羽根8aの配置を示した図であって、ガイドベーン2の開時を示した図である。ガイドベーン2、ステーベーン7およびランナ羽根8aのそれぞれは、環状に複数配置されている。ガイドベーン2、ステーベーン7およびランナ羽根8aは、同心円状に配置されている。これらの3部材の中でステーベーン7は、最も径方向外側に配置されていて、ランナ羽根8aは、最も径方向内側に配置されている。ガイドベーン2は、径方向においてステーベーン7とランナ羽根8aとの間に配置されている。複数のガイドベーン2は、周方向に互いに等角度離隔して配置されている。複数のステーベーン7は、周方向に互いに等角度離隔して配置されている。複数のランナ羽根8aは、周方向に互いに等角度離隔して配置されている。図1に示されるケーシング6を通過した水は、隣り合うステーベーン7の間および隣り合うガイドベーン2の間を通過する。
次に、第1のカバー4、第2のカバー5、ガイドベーン回転軸3およびガイドベーン2についてさらに詳しく説明する。図3は、実施例1におけるガイドベーン2を示した斜視図である。図4は、図3に示されたIV-IV線に沿って見たときのガイドベーン2とガイドベーン2の周辺とを示した断面図である。なお、図3では、ガイドベーン回転軸3の図示を省略している。図4では、理解の容易のために、ガイドベーン回転軸3およびガイドベーン2のハッチングを省略している。
図4に示すように、第1のカバー4は、ガイドベーン2の軸方向の一端側に配置されている。第1のカバー4は、本実施例ではガイドベーン2の上方に配置されている。第1のカバー4には、軸方向に貫通する第1の孔4aが形成されている。
第2のカバー5は、ガイドベーン2の軸方向の他端側に配置されている。第2のカバー5は、本実施例ではガイドベーン2の下方に配置されている。第1のカバー4と第2のカバー5とは、軸方向に互いに間隔を空けて配置されている。第2のカバー5には、軸方向に貫通する第2の孔5aが形成されている。第1の孔4aと第2の孔5aとは、軸方向で対応する位置に設けられている。
ガイドベーン回転軸3は、図1に示される主軸9と平行に配置されている。ガイドベーン回転軸3の軸方向の一端部は、第1の孔4aに挿通されていて、第1のカバー4に回転可能に支持されている。ガイドベーン回転軸3の軸方向の他端部は、第2の孔5aに挿通されていて、第2のカバー5に回転可能に支持されている。
ガイドベーン2の中心には、ガイドベーン回転軸3が連結されている。ガイドベーン2は、ガイドベーン回転軸3の回転に伴って回転する。ガイドベーン2を回転可能とするために、ガイドベーン2と第1のカバー4および第2のカバー5との間には、サイドギャップと呼ばれる回転用隙間13が形成されている。そのため、水力機械1には、水が回転用隙間13を流れる漏れ流れ15が発生する。以下、漏れ流れ15の方向を「漏れ流れ方向」と称する。
図3に示すように、ガイドベーン2は、第1の軸端面20と、第2の軸端面21と、圧力面22と、負圧面23と、前縁24と、後縁25とを有している。軸方向と直交する方向で切ったガイドベーン2の断面形状は、翼型形状である。
図4に示すように、第1の軸端面20は、第1のカバー4の方を向く端面である。第1の軸端面20は、軸方向と直交する方向に延びている。第1の軸端面20の法線方向は、本実施例では上方を向く。第1の軸端面20と第1のカバー4との間には、回転用隙間13が形成されている。以下、この回転用隙間13を「第1の回転用隙間13a」と称する場合もある。
第2の軸端面21は、第2のカバー5の方を向く端面である。第2の軸端面21は、軸方向と直交する方向に延びている。第2の軸端面21の法線方向は、本実施例では下方を向く。第2の軸端面21と第2のカバー5との間には、回転用隙間13が形成されている。以下、この回転用隙間13を「第2の回転用隙間13b」と称する場合もある。
負圧面23は、第1の軸端面20と第2の軸端面21との水流方向の下流側の縁同士を繋ぐとともに水流方向の下流側を向く面である。負圧面23は、軸方向に延びている。
図3に示すように、前縁24および後縁25は、圧力面22と負圧面23との境界部に位置する縁である。図2に示されるガイドベーン2の開時に、前縁24は、径方向外側に位置し、後縁25は、径方向内側に位置する。
図4に示すように、圧力面22は、第1の軸端面20と第2の軸端面21との水流方向の上流側の縁同士を繋ぐとともに水流方向の上流側を向く面である。圧力面22は、軸方向に延びている。圧力面22において第1の軸端面20および第2の軸端面21に隣接する部分には、突起26がそれぞれ形成されている。突起26は、回転用隙間13に流入する水への圧力抵抗を増大させる機能を有する。ここで、隣接とは、突起26が第1の軸端面20または第2の軸端面21の水流方向の上流側の縁に接する場合の他、回転用隙間13に流入する水への圧力抵抗の増大効果を阻害しない範囲で突起26が第1の軸端面20または第2の軸端面21の水流方向の上流側の縁に接することなく離隔した場合を含む。以下、2つの突起26を区別する場合には、圧力面22において第1の軸端面20に隣接する部分に形成された突起26を「第1の圧力側突起26a」と称し、圧力面22において第2の軸端面21に隣接する部分に形成された突起26を「第2の圧力側突起26b」と称する。
図3に示すように、突起26は、前縁24から後縁25付近に亘って形成されている。図4に示すように、突起26は、圧力面22から圧力面22に対して直交する方向に突出している。軸方向と平行な方向で、かつ、圧力面22および負圧面23と直交する方向で切ったときの突起26の形状は、本実施例では矩形である。第1の圧力側突起26aのうち第1のカバー4の方を向くカバー側端面26cは、第1の軸端面20と面一である。第1の圧力側突起26aと第1のカバー4との間には、第1の回転用隙間13aと同等の深さを有する突起側隙間14が形成されている。以下、この突起側隙間14を「第1の突起側隙間14a」と称する場合もある。第2の圧力側突起26bのうち第2のカバー5の方を向くカバー側端面26dは、第2の軸端面21と面一である。第2の圧力側突起26bと第2のカバー5との間には、第2の回転用隙間13bと同等の深さを有する突起側隙間14が形成されている。以下、この突起側隙間14を「第2の突起側隙間14b」と称する場合もある。
図5は、実施例1における全閉時のガイドベーン2を示した斜視図であって、圧力面22側から見た図である。ガイドベーン2の全閉時には、隣り合う一方のガイドベーン2の圧力面22のうち後縁25付近が隣り合う他方のガイドベーン2の負圧面23の前縁24付近に接触する。これにより、図1に示されるランナ8への水の流入を遮断することができる。ガイドベーン2の開時には、ガイドベーン回転軸3が時計周りに回転することでガイドベーン2も時計周りに回転して、隣り合う一方のガイドベーン2の圧力面22のうち後縁25付近と隣り合う他方のガイドベーン2の負圧面23の前縁24付近との間が開く。そして、ガイドベーン回転軸3の回転量を変えて隣り合うガイドベーン2の間の開度を変えることで、ランナ8に流入する水の流量を調整することができる。
複数のガイドベーン2のそれぞれの圧力面22は、ガイドベーン2が水の流れを遮断する全閉時に、隣のガイドベーン2と部分的に接触する。本実施例では、圧力面22のうち後縁25付近が隣のガイドベーン2の負圧面23のうち前縁24付近と部分的に接触する。このように隣り合うガイドベーン2同士が接触することで、隣り合うガイドベーン2同士の間に隙間ができないため、水力機械1の運転停止時に隣り合うガイドベーン2同士の間からランナ8への水の流入を遮断することができる。突起26は、圧力面22のうち隣のガイドベーン2と接触する部分(後縁25付近)を除いた部分に形成されている。言い換えると、ガイドベーン2の圧力面22において隣のガイドベーン2と接触する部分(後縁25付近)には、突起26が切除された圧力側切除部28aが設けられている。ガイドベーン2の全閉時に圧力面22のうち隣のガイドベーン2と接触する部分に圧力側切除部28aを設けることにより、ガイドベーン2の全閉時に突起26が隣のガイドベーン2に干渉することを回避できる。
次に、実施例1に係る水力機械1の効果について説明する。
図1に示されるケーシング6を通過した水の多くは、図2に示される隣り合うガイドベーン2の間を通過するが、ケーシング6を通過した水の一部は、図4に示される回転用隙間13を圧力面22側から負圧面23側に通過する。この回転用隙間13を通過する水の流れが漏れ流れ15となり、図1に示されるランナ流路12の入口12aに流入する水の流れを乱して、水力機械1の水車性能を低下させる要因となる。
本実施例では、図4に示すように、圧力面22において第1の軸端面20および第2の軸端面21に隣接する部分には、突起26が形成されていることにより、回転用隙間13に流入する水への圧力抵抗を増大させることができるため、漏れ流れ15の流量を低減できる。また、突起26が圧力面22の面形状に沿って形成されるため、ガイドベーン2の開度の変化に対して、回転用隙間13に流入する水への圧力抵抗の変化は鈍感になる。つまり、本実施例では、ガイドベーン2の開度によらずに、回転用隙間13に流入する水への圧力抵抗を増大させることができる。なお、溝を用いる従来技術では、溝がガイドベーンのうちカバーの方を向く軸端面に形成されていてガイドベーンとカバーとの間に存在するため、溝の状態を目視で確認することが困難である。この点、本実施例では、突起26が圧力面22から突出しているため、突起26の状態を目視で確認することが容易になる。これにより、突起26の壊食等を即座に確認することができる。
本実施例では、図5に示すように、複数のガイドベーン2のそれぞれの圧力面22は、ガイドベーン2が水の流れを遮断する全閉時に隣のガイドベーン2と部分的に接触し、突起26は、ガイドベーン2の全閉時に圧力面22のうち隣のガイドベーン2と接触する部分を除いた部分に形成されている。これにより、ガイドベーン2の全閉時に突起26が隣のガイドベーン2に干渉することを回避できる。その結果、ガイドベーン2に突起26を設けた場合でも、隣り合うガイドベーン2同士の間に隙間ができないため、水力機械1の運転停止時に隣り合うガイドベーン2同士の間からランナ8への水の流入を確実に遮断することができる。
なお、突起26の断面形状は、本実施例では矩形であったが、これに限定されることなく適宜変更してよい。図6は、実施例1の変形例にかかるガイドベーン2を示した断面図である。なお、図6では、第2のカバー5および第2のカバー5側に位置する突起26の図示を省略するとともに、ガイドベーン回転軸3およびガイドベーン2のハッチングを省略している。突起26の断面形状は、例えば、図6に示されるように水流方向の上流側の先端が尖った三角形でもよい。突起26の断面形状を三角形にすると、突起26の断面形状が矩形の場合よりも、回転用隙間13に流入する水への圧力抵抗をさらに増大させることができる。
また、図3に示される突起26の断面形状は、本実施例ではガイドベーン2の前縁24から後縁25付近までの全長に亘って同じ断面形状であったが、異なる断面形状にしてもよい。また、図4に示される第1の圧力側突起26aと第2の圧力側突起26bとは、本実施例では同じ断面形状であったが、互いに異なる断面形状にしてもよい。また、本実施例では、圧力面22において第1の軸端面20および第2の軸端面21のそれぞれに隣接する部分に突起26が形成されたが、圧力面22において第1の軸端面20および第2の軸端面21の少なくとも一方に隣接する部分に突起26が形成されていればよい。
また、本実施例では、突起26が圧力面22に対して直交する方向に突出しているが、圧力面22に対して傾斜する方向に突出してもよい。すなわち、ガイドベーン回転軸3の軸方向の中心から軸方向の端部に向かう方向を軸方向外側として、ガイドベーン回転軸3の軸方向の端部から軸方向の中心に向かう方向を軸方向内側としたときに、突起26は、第1のカバー4および第2のカバー5と接触しない範囲で、圧力面22から離れるにつれて軸方向外側に位置するように傾斜してもよいし、圧力面22から離れるにつれて軸方向内側に位置するように傾斜してもよい。
また、本実施例では、第1の回転用隙間13aの深さと第1の突起側隙間14aの深さとが同等になるように、第1の圧力側突起26aおよび第1のカバー4が形成されているが、第1の回転用隙間13aの深さと第1の突起側隙間14aの深さとが互いに異なるように、第1の圧力側突起26aおよび第1のカバー4が形成されてもよい。例えば、第1の圧力側突起26aによる水への圧力抵抗の増大効果を阻害しない範囲で、第1の軸端面20に対して第1の圧力側突起26aを軸方向内側にずらすことで、第1の回転用隙間13aの深さと第1の突起側隙間14aの深さとを互いに異ならせることができる。また、本実施例では、第2の回転用隙間13bの深さと第2の突起側隙間14bの深さとが同等になるように、第2の圧力側突起26bおよび第2のカバー5が形成されているが、第2の回転用隙間13bの深さと第2の突起側隙間14bの深さとが互いに異なるように、第2の圧力側突起26bおよび第2のカバー5が形成されてもよい。例えば、第2の圧力側突起26bによる圧力抵抗の増大効果を阻害しない範囲で、第2の軸端面21に対して第2の圧力側突起26bを軸方向内側にずらすことで、第2の回転用隙間13bの深さと第2の突起側隙間14bの深さとを互いに異ならせることができる。
図4に示される突起26の漏れ流れ方向の長さは、長いほど漏れ流れ15の流量を低減させる効果が大きくなるが、隣のガイドベーン2との干渉や隣り合うガイドベーン2の間を通過する主流に与える影響を考慮しながら適宜設定する必要がある。なお、本発明者は、断面形状が矩形の突起26を有し、かつ、前縁24から後縁25にかけて一定の翼厚である矩形断面形状のガイドベーン2を用いた流体解析の結果より、突起26の漏れ流れ方向の長さをガイドベーン2の翼厚の0.5倍程度にすると、突起26が無い場合に比較して、漏れ流れ15の流量を10数%程度低減できることを確認している。
次に、図7-図9を参照して、本発明の実施例2に係る水力機械1Aについて説明する。図7は、実施例2におけるガイドベーン2Aを示した斜視図である。図8は、図7に示されたVIII-VIII線に沿って見たときのガイドベーン2Aとガイドベーン2Aの周辺とを示した断面図である。図9は、実施例2における全閉時のガイドベーン2Aを示した斜視図であって、負圧面23側から見た図である。なお、図7では、ガイドベーン回転軸3の図示を省略している。図8では、理解の容易のために、ガイドベーン回転軸3およびガイドベーン2Aのハッチングを省略している。本実施例では、ガイドベーン2Aの圧力面22に突起26を設ける他、ガイドベーン2Aの負圧面23にも突起27を設けた点が前記した実施例1と相違する。実施例2では、前記した実施例1と重複する部分については、同一符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、圧力面22には、突起26が形成されているとともに、負圧面23には、突起27が形成されている。圧力面22の突起26と負圧面23の突起27とは、ガイドベーン2Aの前縁24と後縁25とを結ぶ翼弦Lに対して非対称に形成されている。負圧面23において第1の軸端面20および第2の軸端面21に隣接する部分には、突起27がそれぞれ形成されている。ここで、隣接とは、突起27が第1の軸端面20または第2の軸端面21の水流方向の上流側の縁に接する場合の他、回転用隙間13に流入する水への圧力抵抗の増大効果を阻害しない範囲で突起27が第1の軸端面20または第2の軸端面21の水流方向の上流側の縁に接することなく離隔した場合を含む。突起27は、回転用隙間13に流入する水への圧力抵抗を増大させる機能を有する。以下、2つの突起27を区別する場合には、負圧面23において第1の軸端面20に隣接する部分に形成された突起27を「第1の負圧側突起27a」と称し、負圧面23において第2の軸端面21に隣接する部分に形成された突起27を「第2の負圧側突起27b」と称する。
突起27は、後縁25から前縁24付近に亘って形成されている。図8に示すように、突起27は、負圧面23から負圧面23に対して直交する方向に突出している。軸方向と平行な方向で、かつ、圧力面22および負圧面23と直交する方向で切ったときの突起27の形状は、本実施例では矩形である。第1の負圧側突起27aのうち第1のカバー4の方を向くカバー側端面27cは、第1の軸端面20と面一である。第1の負圧側突起27aと第1のカバー4との間には、第1の回転用隙間13aと同等の深さを有する突起側隙間14が形成されている。以下、この突起側隙間14を「第3の突起側隙間14c」と称する場合もある。第2の負圧側突起27bのうち第2のカバー5の方を向くカバー側端面27dは、第2の軸端面21と面一である。第2の負圧側突起27bと第2のカバー5との間には、第2の回転用隙間13bと同等の深さを有する突起側隙間14が形成されている。以下、この突起側隙間14を「第4の突起側隙間14d」と称する場合もある。
図9に示すように、複数のガイドベーン2Aのそれぞれの負圧面23は、ガイドベーン2Aが水の流れを遮断する全閉時に、隣のガイドベーン2Aと部分的に接触する。本実施例では、負圧面23のうち前縁24付近が隣のガイドベーン2Aの圧力面22のうち後縁25付近と部分的に接触する。このように隣り合うガイドベーン2A同士が接触することで、隣り合うガイドベーン2A同士の間に隙間ができないため、水力機械1Aの運転停止時に隣り合うガイドベーン2A同士の間からランナ8への水の流入を遮断することができる。突起27は、負圧面23のうち隣のガイドベーン2Aと接触する部分(前縁24付近)を除いた部分に形成されている。言い換えると、ガイドベーン2Aの負圧面23において隣のガイドベーン2Aと接触する部分(前縁24付近)には、突起27が切除された負圧側切除部28bが設けられている。ガイドベーン2Aの全閉時に負圧面23のうち隣のガイドベーン2Aと接触する部分に負圧側切除部28bを設けることにより、ガイドベーン2Aの全閉時に突起27が隣のガイドベーン2Aに干渉することを回避できる。
次に、実施例2に係る水力機械1Aの効果について説明する。
本実施例では、図8に示すように、圧力面22において第1の軸端面20および第2の軸端面21に隣接する部分には、突起26が形成されているとともに、負圧面23において第1の軸端面20および第2の軸端面21に隣接する部分には、突起27が形成されている。すなわち、圧力面22と負圧面23との双方に突起26,27が形成されていることにより、回転用隙間13に流入する水への圧力抵抗をさらに増大させることができるため、漏れ流れ15の流量をより一層低減できる。また、突起26が圧力面22の面形状に沿って形成されるとともに突起27が負圧面23の面形状に沿って形成されるため、ガイドベーン2Aの開度の変化に対して、回転用隙間13に流入する水への圧力抵抗の変化は鈍感になる。つまり、本実施例では、ガイドベーン2Aの開度によらずに、回転用隙間13に流入する水への圧力抵抗を増大させることができる。なお、本実施例では、突起26が圧力面22から突出しているとともに突起27が負圧面23から突出しているため、突起26,27の状態を目視で確認することが容易になる。これにより、突起26,27の壊食等を即座に確認することができる。
本実施例では、図9に示すように、複数のガイドベーン2Aのそれぞれの負圧面23は、ガイドベーン2Aが水の流れを遮断する全閉時に隣のガイドベーン2Aと部分的に接触し、突起27は、負圧面23のうち隣のガイドベーン2Aと接触する部分を除いた部分に形成されている。これにより、ガイドベーン2Aの全閉時に突起27が隣のガイドベーン2Aに干渉することを回避できる。その結果、ガイドベーン2Aに突起27を設けた場合でも、隣り合うガイドベーン2A同士の間に隙間ができないため、水力機械1Aの運転停止時に隣り合うガイドベーン2A同士の間からランナ8への水の流入を確実に遮断することができる。
なお、突起26,27は、本実施例では圧力面22および負圧面23のそれぞれに形成されているが、圧力面22および負圧面23の少なくとも一方に形成されていればよい。突起27の断面形状は、本実施例では矩形であったが、これに限定されることなく適宜変更してよい。突起27の断面形状は、例えば、水流方向の下流側の先端が尖った三角形でもよい。突起27の断面形状を三角形にすると、突起27の断面形状が矩形の場合よりも、回転用隙間13に流入する水への圧力抵抗をさらに増大させることができる。
また、図7に示される突起27の断面形状は、本実施例ではガイドベーン2Aの後縁25から前縁24付近までの全長に亘って同じ断面形状であったが、異なる断面形状にしてもよい。また、図8に示される第1の負圧側突起27aと第2の負圧側突起27bとは、本実施例では同じ断面形状であったが、互いに異なる断面形状にしてもよい。また、本実施例では、負圧面23において第1の軸端面20および第2の軸端面21のそれぞれに隣接する部分に突起27が形成されたが、負圧面23において第1の軸端面20および第2の軸端面21の少なくとも一方に隣接する部分に突起27が形成されていればよい。
また、本実施例では、突起27が負圧面23に対して直交する方向に突出しているが、負圧面23に対して傾斜する方向に突出してもよい。すなわち、ガイドベーン回転軸3の軸方向の中心から軸方向の端部に向かう方向を軸方向外側として、ガイドベーン回転軸3の軸方向の端部から軸方向の中心に向かう方向を軸方向内側としたときに、突起27は、第1のカバー4および第2のカバー5と接触しない範囲で、負圧面23から離れるにつれて軸方向外側に位置するように傾斜してもよいし、負圧面23から離れるにつれて軸方向内側に位置するように傾斜してもよい。
また、本実施例では、第1の回転用隙間13aの深さと第3の突起側隙間14cの深さとが同等になるように、第1の負圧側突起27aおよび第1のカバー4が形成されているが、第1の回転用隙間13aの深さと第3の突起側隙間14cの深さとが互いに異なるように、第1の負圧側突起27aおよび第1のカバー4が形成されてもよい。例えば、第1の負圧側突起27aによる圧力抵抗の増大効果を阻害しない範囲で、第1の軸端面20に対して第1の負圧側突起27aを軸方向内側にずらすことで、第1の回転用隙間13aの深さと第3の突起側隙間14cの深さとを互いに異ならせることができる。また、本実施例では、第2の回転用隙間13bの深さと第4の突起側隙間14dの深さとが同等になるように、第2の負圧側突起27bおよび第2のカバー5が形成されているが、第2の回転用隙間13bの深さと第4の突起側隙間14dの深さとが互いに異なるように、第2の負圧側突起27bおよび第2のカバー5が形成されてもよい。例えば、第2の負圧側突起27bによる圧力抵抗の増大効果を阻害しない範囲で、第2の軸端面21に対して第2の負圧側突起27bを軸方向内側にずらすことで、第2の回転用隙間13bの深さと第4の突起側隙間14dの深さとを互いに異ならせることができる。
次に、図10-図12を参照して、本発明の実施例3に係る水力機械1Bについて説明する。図10は、実施例3におけるガイドベーン2Bを示した斜視図である。図11は、図10に示されたXI-XI線に沿って見たときのガイドベーン2Bとガイドベーン2Bの周辺とを示した断面図である。図12は、実施例3における全閉時のガイドベーン2Bを示した斜視図であって、負圧面23側から見た図である。なお、図11では、理解の容易のために、ガイドベーン回転軸3およびガイドベーン2Bのハッチングを省略している。本実施例では、ガイドベーン2Bの圧力面22および負圧面23に鍔部29,30を設けた点が前記した実施例1,2と相違する。実施例3では、前記した実施例1,2と重複する部分については、同一符号を付して説明を省略する。
図10に示すように、圧力面22には、鍔部29が形成されているとともに、負圧面23には、鍔部30が形成されている。圧力面22において第1の軸端面20および第2の軸端面21に隣接する部分には、鍔部29がそれぞれ形成されている。以下、2つの鍔部29を区別する場合には、圧力面22において第1の軸端面20に隣接する部分に形成された鍔部29を「第1の圧力側鍔部29a」と称し、負圧面23において第2の軸端面21に隣接する部分に形成された鍔部29を「第2の圧力側鍔部29b」と称する。
鍔部29は、前縁24と後縁25との中間部に位置していて、ガイドベーン回転軸3の外周に形成されている。鍔部29は、圧力面22からガイドベーン回転軸3の径方向外側に突出している。鍔部29の軸方向に沿って見た形状は、半円形状である。鍔部29の外周縁は、ガイドベーン回転軸3を中心とする同一半径の円弧形状に形成されている。突起26は、鍔部29を間に挟んで前縁24から後縁25付近に亘って断続的に形成されている。突起26と鍔部29とは、互いに繋がっている。
図11に示すように、鍔部29は、圧力面22から圧力面22に対して直交する方向に突出している。軸方向と平行な方向で、かつ、圧力面22および負圧面23と直交する方向で切ったときの鍔部29の形状は、特に制限されないが、本実施例では水流方向の上流側の先端が尖った三角形である。第1の圧力側鍔部29aのうち第1のカバー4の方を向くカバー側端面29cは、第1の軸端面20およびカバー側端面26cと面一である。第1の圧力側鍔部29aと第1のカバー4との間には、第1の回転用隙間13aと同等の深さを有する第1の突起側隙間14aの一部が形成されている。第2の圧力側鍔部29bのうち第2のカバー5の方を向くカバー側端面29dは、第2の軸端面21およびカバー側端面26dと面一である。第2の圧力側鍔部29bと第2のカバー5との間には、第2の回転用隙間13bと同等の深さを有する第2の突起側隙間14bの一部が形成されている。
図10に示すように、負圧面23において第1の軸端面20および第2の軸端面21に隣接する部分には、鍔部30がそれぞれ形成されている。以下、2つの鍔部30を区別する場合には、負圧面23において第1の軸端面20に隣接する部分に形成された鍔部30を「第1の負圧側鍔部30a」と称し、負圧面23において第2の軸端面21に隣接する部分に形成された鍔部30を「第2の負圧側鍔部30b」と称する。
鍔部30は、前縁24と後縁25との中間部に位置していて、ガイドベーン回転軸3の外周に形成されている。鍔部30は、負圧面23からガイドベーン回転軸3の径方向外側に突出している。鍔部30の軸方向に沿って見た形状は、半円形状である。鍔部30の外周縁は、ガイドベーン回転軸3を中心とする同一半径の円弧形状に形成されている。突起27は、鍔部30を間に挟んで後縁25から前縁24付近に亘って断続的に形成されている。突起27と鍔部30とは、互いに繋がっている。
図11に示すように、鍔部30は、負圧面23から負圧面23に対して直交する方向に突出している。軸方向と平行な方向で、かつ、圧力面22および負圧面23と直交する方向で切ったときの鍔部30の形状は、特に制限されないが、本実施例では水流方向の下流側の先端が尖った三角形である。第1の負圧側鍔部30aのうち第1のカバー4の方を向くカバー側端面30cは、第1の軸端面20およびカバー側端面27cと面一である。第1の負圧側鍔部30aと第1のカバー4との間には、第1の回転用隙間13aと同等の深さを有する第3の突起側隙間14cの一部が形成されている。第2の負圧側鍔部30bのうち第2のカバー5の方を向くカバー側端面30dは、第2の軸端面21およびカバー側端面27dと面一である。第2の負圧側鍔部30bと第2のカバー5との間には、第2の回転用隙間13bと同等の深さを有する第4の突起側隙間14dの一部が形成されている。
図12に示すように、ガイドベーン2Bの圧力面22において隣のガイドベーン2Bと接触する部分(後縁25付近)には、突起26が切除された圧力側切除部28aが設けられている。ガイドベーン2Bの負圧面23において隣のガイドベーン2Bと接触する部分(前縁24付近)には、突起27が切除された負圧側切除部28bが設けられている。
次に、実施例3に係る水力機械1Bの効果について説明する。
本実施例では、図11に示すように、圧力面22において第1の軸端面20および第2の軸端面21に隣接する部分には、突起26が形成されているとともに、負圧面23において第1の軸端面20および第2の軸端面21に隣接する部分には、突起27が形成されている。すなわち、圧力面22と負圧面23との双方に突起26,27が形成されていることにより、回転用隙間13に流入する水への圧力抵抗を増大させることができるため、漏れ流れ15の流量を低減できる。また、本実施例では、圧力面22において第1の軸端面20および第2の軸端面21に隣接する部分であってガイドベーン回転軸3の外周には、ガイドベーン回転軸3の径方向外側に突出する鍔部29が形成されているとともに、負圧面23において第1の軸端面20および第2の軸端面21に隣接する部分であってガイドベーン回転軸3の外周には、ガイドベーン回転軸3の径方向外側に突出する鍔部30が形成されている。これにより、ガイドベーン回転軸3の回転時にガイドベーン回転軸3周りに発生する応力を緩和することができる。したがって、本実施例では、漏れ流れ15の流量の低減とガイドベーン回転軸3周りの応力の緩和とを同時に実現することができる。
以上の実施例に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施例同士を組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
実施例では、本発明をフランシス水車に適用したが、例えば、フランシス形ポンプ水車に適用してもよい。
1,1A,1B 水力機械
2,2A,2B ガイドベーン
3 ガイドベーン回転軸
4 第1のカバー
4a 第1の孔
5 第2のカバー
5a 第2の孔
6 ケーシング
7 ステーベーン
8 ランナ
8a ランナ羽根
8b ランナクラウン
8c ランナシュラウド
9 主軸
10 ドラフトパイプ
11 ランナ収容室
12 ランナ流路
12a 入口
13 回転用隙間
13a 第1の回転用隙間
13b 第2の回転用隙間
14 突起側隙間
14a 第1の突起側隙間
14b 第2の突起側隙間
14c 第3の突起側隙間
14d 第4の突起側隙間
15 漏れ流れ
20 第1の軸端面
21 第2の軸端面
22 圧力面
23 負圧面
24 前縁
25 後縁
26,27 突起
26a 第1の圧力側突起
26b 第2の圧力側突起
26c,26d,27c,27d,29c,29d,30c,30d カバー側端面
27a 第1の負圧側突起
27b 第2の負圧側突起
28a 圧力側切除部
28b 負圧側切除部
29,30 鍔部
29a 第1の圧力側鍔部
29b 第2の圧力側鍔部
30a 第1の負圧側鍔部
30b 第2の負圧側鍔部

Claims (5)

  1. ガイドベーン回転軸と、
    前記ガイドベーン回転軸を中心に回転するガイドベーンと、
    前記ガイドベーンの軸方向の一端側に配置された第1のカバーと、
    前記ガイドベーンの軸方向の他端側に配置された第2のカバーと、
    を備える水力機械であって、
    前記ガイドベーンは、
    前記第1のカバーの方を向く第1の軸端面と、
    前記第2のカバーの方を向く第2の軸端面と、
    前記第1の軸端面と前記第2の軸端面とを繋ぐとともに水流方向の上流側を向く圧力面と、
    前記第1の軸端面と前記第2の軸端面とを繋ぐとともに水流方向の下流側を向く負圧面と、
    を有し、
    前記第1の軸端面と前記第1のカバーとの間および前記第2の軸端面と前記第2のカバーとの間には、回転用隙間がそれぞれ形成され、
    前記圧力面および前記負圧面の少なくとも一方において前記第1の軸端面および前記第2の軸端面の少なくとも一方に隣接する部分には、突起が形成されていることを特徴とする水力機械。
  2. 前記突起と前記第1のカバーまたは前記第2のカバーとの間には、前記回転用隙間と同等の深さを有する突起側隙間が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の水力機械。
  3. 前記突起は、前記圧力面に形成され、
    前記ガイドベーンは、環状に複数配置され、
    複数の前記ガイドベーンのそれぞれの前記圧力面は、前記ガイドベーンが水の流れを遮断する全閉時に隣の前記ガイドベーンと部分的に接触し、
    前記突起は、前記圧力面のうち隣の前記ガイドベーンと接触する部分を除いた部分に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の水力機械。
  4. 前記突起は、前記負圧面に形成され、
    前記ガイドベーンは、環状に複数配置され、
    複数の前記ガイドベーンのそれぞれの前記負圧面は、前記ガイドベーンが水の流れを遮断する全閉時に隣の前記ガイドベーンと部分的に接触し、
    前記突起は、前記負圧面のうち隣の前記ガイドベーンと接触する部分を除いた部分に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の水力機械。
  5. 前記突起は、前記圧力面および前記負圧面のそれぞれに形成され、
    軸方向と直交する方向で切った前記ガイドベーンの断面形状は、翼型形状であり、
    前記圧力面の前記突起と前記負圧面の前記突起とは、前記ガイドベーンの前縁と後縁とを結ぶ翼弦に対して非対称に形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の水力機械。
JP2021092987A 2021-06-02 2021-06-02 水力機械 Pending JP2022185358A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021092987A JP2022185358A (ja) 2021-06-02 2021-06-02 水力機械

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021092987A JP2022185358A (ja) 2021-06-02 2021-06-02 水力機械

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022185358A true JP2022185358A (ja) 2022-12-14

Family

ID=84438751

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021092987A Pending JP2022185358A (ja) 2021-06-02 2021-06-02 水力機械

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022185358A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101536057B1 (ko) 축류 터빈
EP2623728B1 (en) Variable geometry turbine
JP2014163367A (ja) 軸流タービンの動翼列、および軸流タービン
JP2018115581A (ja) タービン排気室
JP6639275B2 (ja) 水力機械のガイドベーン及び水力機械
JP2010168903A (ja) 遠心型水力機械
KR102579622B1 (ko) 회전 기계
JP2022185358A (ja) 水力機械
CN108131232B (zh) 水力机械
US6334757B1 (en) Water turbine
KR20210021567A (ko) 회전 기계 및 시일 부재
JPH09317696A (ja) 軸流圧縮機の静翼構造
JPWO2017033227A1 (ja) 蒸気タービン
JP6730853B2 (ja) 蒸気タービン
JP7370226B2 (ja) 蒸気タービン
WO2018144658A1 (en) Controlled flow runners for turbines
EP3705697B1 (en) Turbine and turbocharger
CN210289847U (zh) 涡轮机和废气涡轮增压机
JP2016061151A (ja) 水力機械のガイドベーン及びその改修方法
WO2022113570A1 (ja) タービン
JP6215154B2 (ja) 回転機械
KR102318119B1 (ko) 축류 터빈
CN113374532B (zh) 蒸汽轮机
JP7202259B2 (ja) 蒸気タービン
WO2017072844A1 (ja) 回転機械