JP2022184791A - オセルタミビルを含む医薬組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】苦みを抑制しつつオセルタミビルの安定性を向上させた医薬組成物を提供することを課題とする。【解決手段】有効成分としてオセルタミビル又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を含む医薬組成物であって、医薬組成物が、有効成分を含むコアと、コアの外側に位置し、1mol/L水溶液が4より高く5以下のpHを有する酸性物質およびコーティング剤を含む第一の中間層と、第一の中間層の外側に位置し、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEを含むマスキング層とを有する粒子を含む、医薬組成物によって課題を解決する。【選択図】図1B

Description

本発明は、有効成分としてオセルタミビル又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を有効成分として含む医薬組成物及びその製造方法に関する。本発明は、類縁物質の発生を抑制する方法に関する。本発明は、オセルタミビル又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物の苦みを低減する方法に関する。
オセルタミビルは、下記の式(I)で示される化合物であり、その化学名は、(-)-(3R, 4R , 5S)-4-アセトアミド-5-アミノ-3-(1-エチルプロポキシ)シクロヘキセ-1-エン-1-カルボン酸エチルエステルである。オセルタミビルは、ヒトA型及びB型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼを選択的に阻害し、新しく形成されたウイルスの感染細胞からの遊離を阻害することにより、ウイルスの増殖を抑制する。
Figure 2022184791000002
オセルタミビルは、強い苦みを有する物質であるため、主にカプセル剤として市販されている。しかし、カプセル剤は小児には飲みにくいため、ドライシロップ剤の開発も行われている。例えば、特許文献1には、多孔性添加剤を含むオセルタミビルリン酸塩のドライシロップ剤が開示されている。
特開2018-027912号公報
これまでのオセルタミビルを含むドライシロップ剤には、強い甘みを有する甘味剤が添加されていたが、苦みの抑制が不十分であった。そこで、本発明者らは、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEを含む層によって、苦みをマスキングしたオセルタミビル含有粒子を作製した。しかし、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEを用いてオセルタミビルをマスキングすると、オセルタミビルの安定性が低下するという別の問題が発生した。本発明は、苦みを抑制しつつオセルタミビルの安定性を向上させた医薬組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、有効成分としてオセルタミビルを含むコアと、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEを含むマスキング層との間に、1mol/L水溶液が4より高く5以下のpHを有する酸性物質およびコーティング剤を含む中間層を設けることによって、苦みを抑制しつつオセルタミビルの安定性を向上させた粒子を提供できることを見出し、本発明を完成した。よって、本発明は、有効成分としてオセルタミビル又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を含む医薬組成物であって、医薬組成物が、有効成分を含むコアと、コアの外側に位置し、1mol/L水溶液が4より高く5以下のpHを有する酸性物質およびコーティング剤を含む第一の中間層と、第一の中間層の外側に位置し、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEを含むマスキング層とを有する粒子を含む、医薬組成物を提供する。
本発明は、有効成分としてオセルタミビル又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を含有する粒子の製造工程を含む医薬組成物の製造方法であって、粒子の製造工程が、有効成分を含むコアを得る工程と、コアの外側に、1mol/L水溶液が4より高く5以下のpHを有する酸性物質およびコーティング剤を含む第一の中間層を形成する工程と、第一の中間層の外側にアミノアルキルメタクリレートコポリマーEを含むマスキング層を形成する工程とを含む、医薬組成物の製造方法を提供する。
本発明は、有効成分としてオセルタミビル又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を含むコアと、コアの外側に、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEを含むマスキング層とを備えた粒子を含む医薬組成物において、コアと前記マスキング層との間に、1mol/L水溶液が4より高く5以下のpHを有する酸性物質を含む第一の中間層を設けることにより、保存中の医薬組成物における有効成分の類縁物質の発生を抑制する方法を提供する。
本発明は、有効成分としてオセルタミビル又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を含有するコアの外側に、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEを含むマスキング層を形成することを特徴とする、オセルタミビル又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物の苦みを低減する方法を提供する。
本発明によれば、オセルタミビルの苦みを低減しつつオセルタミビルの安定性を向上させた医薬組成物が提供される。
6ヶ月保存した実施例1の粒子及び比較例1の粒子に対してX線回折を行った結果を示すグラフである。 6ヶ月保存した実施例1の粒子及び比較例2の粒子に対してX線回折を行った結果を示すグラフである。 2週間保存した比較例2の粒子に対してX線回折を行った結果である。 実施例1の粒子及び比較例1の粒子の保存中の類縁物質(加水分解体)量の測定結果を示すグラフである。 実施例1の粒子及び比較例1の粒子の保存中の類縁物質(アセチル転移体)量の測定結果を示すグラフである。 実施例1の粒子及び比較例1の粒子の保存中の類縁物質(フェノール体)量の測定結果を示すグラフである。
本実施形態の医薬組成物は、有効成分としてオセルタミビル又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を含む。オセルタミビルの薬学的に許容される塩とは、上記の式(I)で表される化合物と有機又は無機の酸とから形成される、ヒトを含む哺乳動物への投与が許容される塩をいう。そのような薬学的に許容される塩としては、例えばリン酸塩、塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩、硝酸塩又は炭酸塩などが挙げられる。それらの中でも、オセルタミビルリン酸塩が好ましい。
オセルタミビル又はその薬学的に許容される塩の溶媒和物とは、上記の式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩と、ヒトを含む哺乳動物への投与が許容される溶媒とから形成される固体分子をいう。そのような溶媒としては、例えば水、酢酸、エタノールなどが挙げられる。
以下、「オセルタミビル」との用語は、特に言及しない限り、上記の式(I)で示される化合物、その薬学的に許容される塩及びそれらの溶媒和物を包含する。オセルタミビルの形状は、特に限定されず、例えば粉末、結晶などのいずれの形状であってもよい。オセルタミビルの粒子径は特に限定されないが、例えば、オセルタミビルの粉末の平均粒子径(D50)が5μm以上120μm以下であることが好ましく、15μm以上110μm以下であることがより好ましい。本明細書では、このD50は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて測定される体積基準粒子径分布に基づく。レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置としては、例えば、マイクロトラック・ベル株式会社の「エアロトラックLDSA-SPR」、Malvern Panalytical社の「Mastersizer 3000」などが挙げられる。
本実施形態の医薬組成物は、オセルタミビルを含むコアと、前記コアの外側に位置し、1mol/L水溶液が4より高く5以下のpHを有する酸性物質およびコーティング剤を含む第一の中間層と、前記第一の中間層の外側に位置し、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEを含むマスキング層とを有する粒子(以下、単に「有効成分を含む粒子」とも呼ぶ)を含む。本実施形態の医薬組成物の形態は、特に限定されない。例えば、製品としての医薬組成物(医薬製剤)でもよいし、粒子からなる医薬組成物でもよい。
本実施形態の有効成分を含む粒子中のオセルタミビルの含有量は、10質量%以上60質量%以下である。医薬組成物中のオセルタミビルの含有量の下限は、例えば10質量%、12.5質量%、15質量%、17.5質量%、20質量%である。医薬組成物中のオセルタミビルの含有量の上限は、例えば60質量%、57.5質量%、55質量%、52.5質量%、50質量%、47.5質量%、45質量%である。
本実施形態の有効成分を含む粒子において、コアとは、有効成分であるオセルタミビルを含む主薬部分を指す。コアの形状は、特に限定されず、例えば、粒子又は錠剤(素錠)などの形態にあってもよい。コアの好ましい形状は粒子である。
コアは、オセルタミビルのみからなっていてもよいし、必要に応じて、薬学的に許容される医薬品添加物を含んでいてもよい。そのような医薬品添加物としては、例えば、コーティング剤、賦形剤、安定剤、滑沢剤、崩壊剤などが挙げられる。コアに用いることのできるコーティング剤としては、後述する中間層及びマスキング層に用いるコーティング剤を用いることができる。
賦形剤としては、例えば、デンプン類、セルロース類、糖類、糖アルコール類などが挙げられる。デンプン類としては、部分アルファー化デンプン、トウモロコシデンプンなどが挙げられる。セルロース類としては、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスカルボキシメチルセルロースナトリウムなどが挙げられる。糖類としては、乳糖水和物、白糖などが挙げられる。糖アルコール類としては、D-ソルビトール、D -マンニトールなどが挙げられる。賦形剤は、一種でもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。
安定剤としては、例えば塩化カルシウム、塩化カルシウム水和物、塩化カルシウム二水和物、ジブチルヒドロキシトルエン、アラニン、塩化ナトリウムなどが挙げられる。安定剤は一種でもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。
滑沢剤としては、例えばタルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、軽質無水ケイ酸などが挙げられる。滑沢剤は一種でもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。
崩壊剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム又はデンプングリコール酸ナトリウム、アジピン酸、炭酸水素ナトリウム、白糖、デキストリン、乳糖などが挙げられる。崩壊剤は一種でもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。
コアに含まれる医薬品添加物の含有量は、例えば、50質量%以下、45質量%以下、40質量%以下、35質量%以下、30質量%以下、25質量%以下、20質量%以下、15質量%以下、12.5質量%以下、10質量%以下、7.5質量%以下、5質量%以下、4質量%以下又は3質量%以下であり得る。
本実施形態の有効成分を含む粒子は、コアの外側に、1mol/L水溶液が4より高く5以下のpHを有する酸性物質(以下、単に「酸性物質」とも呼ぶ)およびコーティング剤を含む第一の中間層を有している。ここで、コアの外側に有しているとは、第一の中間層がコアを覆っている状態をいう。「覆う」との用語には、直接的に覆うことと、間接的に覆うことが含まれる。直接的に覆うとは、被覆される対象と中間層が直接触れている状態で、前記対象が中間層に被覆されることを指す。間接的に覆うとは、被覆される対象と中間層との間に介在する物質により両者は直接触れてはいない状態で、前記対象が中間層に被覆されることを指す。第一の中間層はコアを完全に覆うように存在していてもよいし、完全に覆われていなくてもよいが、実質的に完全に覆うように存在していることが好ましい。ここでいう実質的にとは、コアを完全に覆っている状態に加え、一部が覆われていない状態を含む。
第一の中間層の厚みは特に限定されない。第一の中間層の厚みは均一であってもなくてもよいが、第一の中間層の形成後の粒子の表面の凹凸が少なく滑らかになっていることが好ましい。
酸性物質としては、薬学的に許容される酸性物質であって、1mol/L水溶液にしたときのpHが4より高く5以下となるものであれば特に限定されない。酸性のオセルタミビル又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物、例えばオセルタミビルリン酸塩は、塩基性の物質と接触させると反応して安定性が悪化する。また、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEは塩基性の物質であり、1mol/L水溶液にしたときのpHが4以下となる物質と接すると、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEが反応すると考えている。オセルタミビルリン酸塩はpHが4以下となる物質であるため、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEとオセルタミビルリン酸塩とを直接接触させると、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEが分解しやすくなり、不安定な状態となる。これらのことから、酸性物質が1mol/L水溶液にしたときのpHが4より高く5以下となるものから選択することで、オセルタミビルリン酸塩及びアミノアルキルメタクリレートコポリマーEの安定性を向上することができる。そのような酸性物質としては、例えば、リン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩などが挙げられる。リン酸塩としては、例えば、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム等が挙げられる。クエン酸塩としては、例えばクエン酸二ナトリウム等が挙げられる。コハク酸塩としては、例えば、コハク酸一ナトリウム等が挙げられる。これらのうち、リン酸塩が好ましく、リン酸二水素カリウム又はリン酸二水素ナトリウムから選択されるのがより好ましく、リン酸二水素カリウムであることがより好ましい。特に、オセルタミビルがオセルタミビルリン酸塩の場合、酸性物質がリン酸塩であることでオセルタミビルリン酸塩と酸性物質との間で塩交換が起こることを防ぐことができる。これらの酸性物質は、一種でもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。
第一の中間層における酸性物質の含有量は特に限定されないが、50質量%以上95質量%以下であることが好ましく、60質量%以上95質量%以下であることがより好ましく、65質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。70質量%以上90質量%以下であってもよい。
コーティング剤は特に限定されないが、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子や、タルク、酸化チタン、珪酸などが挙げられる。コーティング剤は、一種でもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。コーティング剤は、水溶性高分子を含むことが好ましく、ヒドロキシプロピルセルロースを含むことがより好ましい。
コーティング剤としてヒドロキシプロピルセルロースを用いた際の、ヒドロキシプロピルセルロースの粘度は、特に限定されないが、2 mPa・s以上12 mPa・s以下となることが好ましい。ここで、本明細書におけるヒドロキシプロピルセルロースの粘度とは、日本薬局方に記載の粘度測定法に基づいてヒドロキシプロピルセルロースの20℃、2質量%の水溶液の粘度を測定した値を指す。ヒドロキシプロピルセルロースとしては、例えば、粘度が3 mPa・s以上5.9 mPa・s以下となるものを用いてもよいし、6 mPa・s以上10 mPa・s以下となるものを用いてもよい。
第一の中間層におけるコーティング剤の含有量は特に限定されないが、5質量%以上50質量%以下であることが好ましく、5質量%以上40質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上35質量%以下であることがより好ましい。
第一の中間層には、必要に応じて賦形剤、安定剤、滑沢剤、崩壊剤などの上述した医薬品添加物が含まれていてもよい。第一の中間層の医薬品添加物の量は、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態の有効成分を含む粒子は、第一の中間層の外側に位置し、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEを含むマスキング層を有している。すなわち、本実施形態の有効成分を含む粒子は、有効成分であるオセルタミビルを含むコアと、第一の中間層と、マスキング層との3層を少なくとも有する。本発明者らは、オセルタミビルを含むコアをアミノアルキルメタクリレートコポリマーEで直接コーティングすると、オセルタミビルの類縁物質が生じることを見出した。これは、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEが塩基性の物質であることによりオセルタミビルと反応してよって生じたと考えられる。オセルタミビルを含むコアと、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEを含むマスキング層との間に1mol/L水溶液が4より高く5以下のpHを有する酸性物質を含む中間層を設けることにより、オセルタミビルの安定性が向上し、類縁物質の発生及び発生の促進を抑制することを可能にする。また、オセルタミビルは胃溶性の物質であるが、同じく胃溶性であるアミノアルキルメタクリレートコポリマーEをマスキング層として用いることで、苦みマスキングを行いつつマスキングを行っていないオセルタミビル含有医薬組成物と同等の胃溶性を有効成分を含む粒子に与えることができる。
マスキング層は第一の中間層を完全に覆うように存在していてもよいし、覆われていなくてもよいが、実質的に完全に覆うように存在していることが好ましい。ここでいう実質的にとは、第一の中間層を完全に覆っている状態に加え、一部が覆われていない状態を含む。マスキング層の厚みは特に限定されない。マスキング層の厚みは均一であってもなくてもよいが、マスキング層の形成後の有効成分を含む粒子の表面の凹凸が少なく滑らかになっていることが好ましい。アミノアルキルメタクリレートコポリマーEとしては、例えば、オイドラギット(登録商標)E100が挙げられる。
マスキング層におけるアミノアルキルメタクリレートコポリマーEの含有量は特に限定されないが、50質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、65質量%以上であることがより好ましい。マスキング層は、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEのみからなっていてもよい。
マスキング層には、必要に応じて上述したコーティング剤や賦形剤、安定剤、滑沢剤、崩壊剤などの医薬品添加物が含まれていてもよい。マスキング層のコーティング剤や医薬品添加物の量は、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましい。
マスキング層には、必要に応じて医薬品添加物として薬学的に許容される胃溶性高分子及び着色剤を含んでいてもよい。胃溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートなどが挙げられる。胃溶性高分子は、一種でもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。着色剤としては、例えば、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、黄色4号アルミニウムレーキ、黄色5号アルミニウムレーキなどが挙げられる。着色剤は、一種でもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。
マスキング層は、必要に応じて医薬品添加物として薬学的に許容される甘味剤をさらに含んでもよい。薬学的に許容される甘味剤としては、例えば、アセスルファムカリウム、スクラロース、アスパルテーム、サッカリンナトリウムなどが挙げられる。甘味剤は一種でもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。本実施形態の有効成分を含む粒子は、マスキング層を有しているため、従来のオセルタミビルのドライシロップ剤のような、甘味の強い甘味剤を用いる、あるいは多量の甘味剤を含めなくても有効成分を含む粒子を含む医薬組成物の服用性を向上させることができる。甘味剤の含有量は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、4質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。
マスキング層は、必要に応じて医薬品添加物として薬学的に許容される香料をさらに含んでもよい。香料としては、例えばストロベリーミクロン、ペパーミントミクロン、ピーチミクロン、ライチミクロン及びパイナップルミクロン等が挙げられる。
本実施形態の有効成分を含む粒子は、第一の中間層と、マスキング層との間に、少なくともコーティング剤を含む第二の中間層をさらに有していてもよい。コーティング剤は上述のコーティング剤から選択することができ、ヒドロキシプロピルセルロースであることが好ましい。ヒドロキシプロピルセルロースの粘度は、特に限定されないが、2 mPa・s以上12 mPa・s以下となることが好ましい。ヒドロキシプロピルセルロースとしては、例えば、粘度が3 mPa・s以上5.9 mPa・s以下となるものを用いてもよいし、6 mPa・s以上10 mPa・s以下となるものを用いてもよい。第二の中間層を設けることで、第一の中間層の酸性物質とマスキング層のアミノアルキルメタクリレートコポリマーEとが直接触れることを防ぐことができる。1mol/L水溶液にしたときのpHが4より高く5以下となる酸性物質を第一の中間層に用いても、加湿条件下では酸性物質とアミノアルキルメタクリレートコポリマーEとが溶解する可能性があると発明者らは考えている。第二の中間層によって、酸性物質とアミノアルキルメタクリレートコポリマーEとが直接触れることを防ぐことで、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEと酸性物質とが溶解する可能性を低減できると考えられる。第二の中間層は第一の中間層を完全に覆うように存在していてもよいし、覆われていなくてもよいが、実質的に完全に覆うように存在していることが好ましい。ここでいう実質的にとは、第一の中間層を完全に覆っている状態に加え、一部が覆われていない状態を含む。第二の中間層の厚みは特に限定されない。マスキング層の厚みは均一であってもなくてもよいが、第二の中間層の形成後の有効成分を含む粒子の表面の凹凸が少なく滑らかになっていることが好ましい。
第二の中間層におけるコーティング剤の含有量は特に限定されないが、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。第二の中間層はコーティング剤のみからなっていてもよい。
第二の中間層には、必要に応じて賦形剤、安定剤、滑沢剤、崩壊剤などの上述した医薬品添加物が含まれていてもよい。第一の中間層の医薬品添加物の量は、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態の有効成分を含む粒子は、コアと、前記第一の中間層との間に、少なくともコーティング剤を含む第三の中間層をさらに有していてもよい。コーティング剤は上述のコーティング剤から選択することができ、ヒドロキシプロピルセルロースであることが好ましい。ヒドロキシプロピルセルロースの粘度は、特に限定されないが、2 mPa・s以上12 mPa・s以下となることが好ましい。ヒドロキシプロピルセルロースとしては、例えば、粘度が3 mPa・s以上5.9 mPa・s以下となるものを用いてもよいし、6 mPa・s以上10 mPa・s以下となるものを用いてもよい。第三の中間層は、コアを完全に覆うように存在していてもよいし、覆われていなくてもよいが、実質的に完全に覆うように存在していることが好ましい。ここでいう実質的にとは、コアを完全に覆っている状態に加え、一部が覆われていない状態を含む。第三の中間層の厚みは特に限定されない。マスキング層の厚みは均一であってもなくてもよいが、第三の中間層の形成後の有効成分を含む粒子の表面の凹凸が少なく滑らかになっていることが好ましい。
第三の中間層におけるコーティング剤の含有量は特に限定されないが、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。第三の中間層はコーティング剤のみからなっていてもよい。
第三の中間層には、必要に応じて賦形剤、安定剤、滑沢剤、崩壊剤などの上述した医薬品添加物が含まれていてもよい。第一の中間層の医薬品添加物の量は、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
上述した第三の中間層及び第二の中間層を備えた有効成分を含む粒子は、有効成分としてオセルタミビル又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を含む医薬組成物であって、医薬組成物が、前記有効成分を含むコアと、コアの外側に位置し、少なくともコーティング剤を含む第三の中間層と、第三の中間層の外側に位置し、1mol/L水溶液が4より高く5以下のpHを有する酸性物質およびコーティング剤を含む第一の中間層と、第一の中間層の外側に位置し、少なくともコーティング剤を含む第二の中間層と、第二の中間層の外側に位置しアミノアルキルメタクリレートコポリマーEを含むマスキング層とを有する粒子を含む、医薬組成物と言うことができる。ここでは、5層構造の有効成分を含む粒子について触れたが、必要に応じてさらにコーティングを行い、層を追加してもよい。層の追加は、マスキング層を覆うように行ってもよいし、コアや各中間層を覆うように行ってもよい。この際、上述のコーティング剤や医薬品添加物を用いることができる。
本実施形態の有効成分を含む粒子の大きさは特に限定されず、用途に応じて適切に調整し得るが、有効成分を含む粒子の粒子径は、平均粒子径(D50)が、160μm~260μmの範囲にあることが好ましく、180μm~210μmの範囲にあることがより好ましい。ここでの平均粒子径(D50)は、JIS Z 8815に規定されたふるい分け試験方法に基づいて目開き500μm、355μm、250μm、180μm、150μm、106μm、75μm、45μmの篩を用いて分級して測定された質量平均粒子径(D50)である。上述した粒子径を有していることで、マスキングを行っていないオセルタミビル含有医薬組成物と同等の胃溶性を、有効成分を含む粒子に与えることができる。
本実施形態の有効成分を含む粒子を溶解させた際の溶液のpHは、特に限定されないが、4.0~7.0のpHを有していることが好ましく、5.0~7.0のpHを有していることがより好ましい。ここでの溶液のpHとは、水に製剤を溶解させて2.5質量%の溶液を作製して測定した値である。
本実施形態の医薬組成物における水分量は特に限定されず、適宜調整することができるが、1質量%以下に調整することが好ましい。水分量の測定は、例えばカールフィッシャー法に基づいて測定することができる。
本実施形態の医薬組成物の形態(剤形)は特に限定されず、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、ドライシロップ剤などが挙げられる。これらの中でも顆粒剤又はドライシロップ剤が好ましい。
ドライシロップ剤は、有効成分を含む粒子の他に、別の粒子を含んでいてもよい。例えば、乳糖水和物、粉末還元麦芽糖水アメ、部分アルファー化デンプン、軽質無水ケイ酸、炭酸水素ナトリウム、アスパルテーム、タルク、キサンタンガム及びストロベリーミクロンを混合してもよい。別の粒子には、必要に応じて、オセルタミビルと組み合わせることができる公知の医薬化合物(例えば抗生物質や解熱鎮痛消炎剤など)が含まれていてもよい。別の粒子を含めることで、有効成分を含む粒子の組成を変更することなくドライシロップ剤のにおいや味、ドライシロップ剤の分量を変えることができる。また、嵩増し用の賦形剤などを別の粒子に含めることで、有効成分を含む粒子が大きくなりすぎるのを防ぐことができる。
ドライシロップ剤は、必要に応じて薬学的に許容される甘味剤を別途含んでもよい。薬学的に許容される甘味剤としては、例えば、アセスルファムカリウム、スクラロース、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、粉末還元麦芽糖水アメなどが挙げられる。甘味剤は一種でもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。本実施形態の有効成分を含む粒子は、オセルタミビルが有する苦みを抑えることができるため、甘味の強い甘味剤を用いる、あるいは多量の甘味剤を含めなくてもドライシロップ剤の服用性を向上させることができる。
ドライシロップ剤は、必要に応じて薬学的に許容される香料をさらに含んでもよい。香料としては、例えばストロベリーミクロン、ペパーミントミクロン、ピーチミクロン、ライチミクロン及びパイナップルミクロン等が挙げられる。香料の配合量は特に限定されず、当業者が適宜決定できる。香料の含有量は、例えばドライシロップ剤の総質量の1質量%以下であってもよい。
錠剤やカプセル剤は、必要に応じてPTP包装、ビン充填、アルミ包装などにより包装されていてもよい。PTP包装の素材としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリスチレン又はポリカーボネートなどの樹脂や、アルミニウムなどの金属が挙げられる。これらの素材は、一種類で用いても、複数種類を組み合わせて用いてもよい。組み合わせの例としては、例えば、ポリ塩化ビニルとポリ塩化ビニリデンとを積層することや、ポリ塩化ビニルとポリクロロトリフルオロエチレンとを積層することなどが挙げられる。上記の樹脂を公知の方法で成形した樹脂シートの、成形したポケットに錠剤を入れ、アルミニウム箔を用いて蓋をすることで、包装することができる。
PTP包装は、更にアルミピローによって包装されていてもよい。このアルミピローには、更に乾燥剤や脱酸素剤が収容されていてもよい。乾燥剤としては、例えば、塩化カルシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、シリカゲル又はゼオライトなどが挙げられる。脱酸素剤としては、例えば、鉄粉のような鉄系の脱酸素剤、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、ヒドロキノン又はカテコールのような有機系の脱酸素剤などが挙げられる。これらの乾燥剤や脱炭素剤は一種類で用いても、複数種類を組み合わせて用いてもよいし、乾燥剤と脱酸素剤とを組み合わせて用いてもよい。乾燥剤と脱酸素剤とを組み合わせた製品としては、例えば、三菱ガス化学株式会社の「ファーマキープ(登録商標)」等が挙げられる。
ドライシロップ剤や顆粒剤は、必要に応じてガラスビンやプラスチック製ボトルに充填されていてもよく、アルミ包装により1回分毎に分包されていてもよい。プラスチック製ボトルの素材としては、上述したPTP包装用の樹脂が挙げられる。アルミ包装は、更にアルミピローによって包装されていてもよい。このアルミピローには、更に上述した乾燥剤や脱酸素剤が収容されていてもよい。
(医薬組成物の製造方法)
本発明の一実施形態は有効成分としてオセルタミビル又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を含有する粒子の製造工程を含む医薬組成物の製造方法である。この製造方法の1例について、以下に説明する。
オセルタミビルを衝撃式粉砕機などに供して粉砕する。衝撃式粉砕機としては、特に限定されず、当該技術分野において 公知の装置を用いることができる。そのような装置としては、例えばピンミルやハンマーミルなどが挙げられる。粉砕したオセルタミビルに任意で上述した医薬品添加物を混合してもよい。混合は、当該技術分野で公知の方法で行うことができる。混合を用手法で行う場合は、例えば、オセルタミビルと医薬品添加物とを適当な袋に入れて攪拌する袋混合を行ってもよい。混合を機械で行う場合は、当該技術分野で公知の混合機を用いてもよい。混合機は、回転型混合機及び固定型混合機のいずれであってもよい。回転型混合機は、容器自体を回転させることで、該容器に収容した粉体を混合する機械である。固定型混合機は、容器内に備えられた攪拌羽根、スクリューなどを回転させることで、該容器に収容した粉体を混合する機械である。混合機としては、例えばV型混合機、二重円錐型混合機、リボン型混合機、円錐スクリュー型混合機などが挙げられる。あるいは、攪拌造粒機のような、後述の造粒工程も行える装置に導入して混合してもよい。混合するオセルタミビルや錠剤用添加物の量は、用いる混合機に応じて適宜設定することができる。粉砕したオセルタミビルの代わりに、市販のオセルタミビル粉砕品を、オセルタミビルの粉末として用いてもよい。
粉砕したオセルタミビル、又はオセルタミビルと医薬品添加物との混合物を造粒機に入れて造粒し、有効成分としてオセルタミビルを含む造粒物(コア)を得る。造粒機としては、オセルタミビルの物性に影響を与えなければ特に限定されない。造粒機としては、例えば、攪拌造粒機、流動層造粒機、乾式造粒機などを用いることができる。また、流動層造粒乾燥機のように装置が乾燥機能を有していてもよい。造粒用混合物や造粒物は、特定の網目を有する篩に供して分級してもよい。篩に通すことによって、造粒用混合物や造粒物の粒子径を適切な大きさに調整することができる。
有効成分としてオセルタミビルを含むコアに対して上記の酸性物質およびコーティング剤を含むコーティング液を用いてコーティングすることにより、第一の中間層を形成する。コーティング方法としては、公知のコーティング方法を用いることができる。例えば、パンコーティング法、流動層コーティング法などを用いることができる。用いるコーティング剤は、上述のものから適宜選択することができる。コーティング液は、コーティング剤を溶媒に分散することによって作成することができる。溶媒としては、コーティング剤を分散することができれば特に限定されないが、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノールなどが挙げられる。コーティング液には、必要に応じて上述の医薬品添加物を加えてもよい。コーティング液は、例えば、エタノールにヒドロキシプロピルセルロースを分散させ、リン酸二水素カリウムを分散させることで製造できる。分散後の溶液は、篩に通して濾過してもよい。
第一の中間層を形成した造粒物に対して、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEを含むコーティング液を用いてコーティングすることにより、マスキング層を形成する。コーティング方法については上述の通りである。コーティング液についても、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEを必ず含むこと以外は上述したものと同じである。マスキング層の形成用のコーティング液は、例えば、エタノールにアミノアルキルメタクリレートコポリマーEを分散させ、タルクをさらに加えて分散させることで製造できる。
有効成分としてオセルタミビルを含む造粒物(コア)に対して第一の中間層を形成する前に、コーティング剤を含むコーティング液を用いてコーティングすることにより、第二の中間層を形成してもよい。コーティング剤は上述のものから適宜選択することができる。第二の中間層の形成用のコーティング液は、例えば、エタノールにヒドロキシプロピルセルロースを分散させることで製造できる。
第一の中間層を形成した造粒物に対して、マスキング層を形成する前に、コーティング剤を含むコーティング液を用いてコーティングすることにより、第三の中間層を形成してもよい。コーティング剤は上述のものから適宜選択することができる。第三の中間層の形成用のコーティング液は、例えば、エタノールにヒドロキシプロピルセルロースを分散させることで製造できる。
本発明の一実施形態は、有効成分としてオセルタミビル又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を含む粒子を含む医薬組成物の保存における類縁物質の発生を抑制する方法である。本発明者らは、オセルタミビルを含むコアをアミノアルキルメタクリレートコポリマーEで直接コーティングすると、オセルタミビルの類縁物質が生じることを見出した。これは、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEが塩基性の物質であることによりオセルタミビルと反応してよって生じたと考えられる。オセルタミビルを含むコアと、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEを含むマスキング層との間に1mol/L水溶液が4より高く5以下のpHを有する酸性物質を含む中間層を設けた医薬組成物を製造することにより、オセルタミビルの安定性が向上し、類縁物質の発生及び発生の促進を抑制することを可能にする。具体的には、後述の実施例に示されるように、本実施形態の有効成分を含む粒子を所定の条件下で貯蔵した際に発生する類縁物質の量は、オセルタミビルを含むコアと、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEを含むマスキング層との間に1mol/L水溶液が4より高く5以下のpHを有する酸性物質を含む中間層を設けない粒子を同じ条件下で貯蔵した場合に比べて少なくなる。この方法における医薬組成物の製造の詳細については、上述の本実施形態の医薬組成物の製造方法について述べたことと同じである。
本実施形態において、オセルタミビルの安定性が向上するとは、オセルタミビルに由来する類縁物質の量が減少することを指す。類縁物質とは、有効成分の分解生成物などの総称であり、温度(熱)、湿度(水分)、光、添加物との相互作用などの種々の要因により生じる。オセルタミビルの類縁物質としては、例えば以下に記載したオセルタミビルの加水分解体、フェノール体、アセチル転移体、N-アセチル体などが挙げられる。
Figure 2022184791000003
加水分解体
Figure 2022184791000004
フェノール体
Figure 2022184791000005
アセチル転移体
Figure 2022184791000006
N-アセチル体
本実施形態において、医薬組成物の安定性は、当該技術分野において公知の方法により評価できる。そのような方法としては、実施例に示されるような安定性試験などが挙げられる。具体的には、医薬組成物を容器に入れて、所定の温度条件(例えば25℃~50℃)の下で数日~数ヶ月(例えば2~6ヶ月)貯蔵し、適切な溶媒で有効成分及びその類縁物質を抽出した後、液体クロマトグラフィーにより類縁物質の量を分析することが挙げられる。
本発明の一実施形態は、オセルタミビル又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物の苦みを低減する方法である。オセルタミビルは化合物それ自体が苦みを有する物質であるが、有効成分としてオセルタミビル又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を含有するコアの外側にアミノアルキルメタクリレートコポリマーEを含むマスキング層を形成することでオセルタミビルが直接舌に触れることで生じる苦みを低減することができる。すなわち、本実施形態の医薬組成物は上記のような構成にすることで、オセルタミビルを含む医薬組成物の服用性を向上させることができる。
本実施形態において、優れた服用性を有しているとは、オセルタミビルを含む医薬組成物を服用した際のVisual Analogue Scale(VAS)スコアが、飲みやすさ、薬の味及び服用後の後味の3項目において50以上であることを指す。VASスコアとは、医薬組成物を服用した複数の被験者に、各項目について直感的に1~100の点数をつけてもらい、統計解析を行うことである。
以下、実施例及び比較例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによりなんら制限されるものではない。
オセルタミビルを含む粒子の製造
ここでは、オセルタミビルを含むコアと、酸性物質を含む中間層と、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEを含むマスキング層とを有する粒子(実施例1)と、酸性物質を含む中間層を設けずに製造した粒子(比較例1及び2)を製造し、更に上記粒子を用いたドライシロップ剤(DS剤)を製造してオセルタミビルの安定性及びドライシロップ剤の服用感について検証した。最終的な粒子及びドライシロップ剤の組成は表1~3にそれぞれ示した。
(実施例1の粒子の製造)
オセルタミビルを含むコアと、酸性物質を含む中間層と、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEを含むマスキング層とを有する粒子を次のようにして製造した。
・オセルタミビルを有効成分として含む造粒物(コア)の調製
オセルタミビルリン酸塩を攪拌造粒機へ投入し、精製水をスプレーして造粒した。この造粒末を衝撃式粉砕機へ投入し、造粒末を粉砕した。この粉砕物を、流動層造粒乾燥機に投入して乾燥、整粒して、オセルタミビルを有効成分として含む造粒物(コア)を得た。
・コーティング層I(第三の中間層)の形成
99.5%エタノールと精製水を混和したものにヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L)を加えヒドロキシプロピルセルロースを分散させコーティング液とした。オセルタミビルを有効成分として含む造粒物を流動層造粒乾燥機に投入し、調製したコーティング液を用いて造粒物をコーティングした。コーティング後の造粒物を乾燥・整粒し、コーティング層Iを形成した造粒物を得た。
・コーティング層II(第一中間層)の形成
99.5%エタノールにヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L)を加えヒドロキシプロピルセルロースを分散させた。これに、リン酸二水素カリウムをピンミルで粉砕して調製したリン酸二水素カリウム粉砕物を加え、分散させた。分散後の溶液を、目開き75μmの篩に通して濾過し、コーティング液とした。コーティング層Iを形成した造粒物を流動層造粒乾燥機に投入し、調製したコーティング液を用いて造粒物をさらにコーティングした。コーティング後の造粒物を乾燥・整粒し、コーティング層IIを形成した造粒物を得た。
・コーティング層III(第二の中間層)の形成
99.5%エタノールと精製水を混和したものにヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L)を加えてヒドロキシプロピルセルロースを分散させコーティング液とした。コーティング層IIを形成した造粒物を流動層造粒乾燥機に投入し、調製したコーティング液を用いて造粒物をさらにコーティングした。コーティング後の造粒物を乾燥・整粒し、コーティング層IIIを形成した造粒物を得た。
・コーティング層IV(マスキング層)の形成
99.5%エタノールと精製水を混和したものにアミノアルキルメタクリレートコポリマーE(オイドラギット(登録商標)E100)を加え分散した。これに、更にタルク(タルカンハヤシ(登録商標))を添加し分散させてコーティング液とした。コーティング層IIIを形成した造粒物を流動層造粒乾燥機に投入し、調製したコーティング液を用いて造粒物をさらにコーティングした。コーティング後の造粒物を乾燥・整粒し、コーティング層IVを形成した造粒物(実施例1の粒子)を得た。この粒子をJIS Z 8815に規定されたふるい分け試験方法に基づいて、目開き500μm、355μm、250μm、180μm、150μm、106μm、75μm、45μmの篩を用いて分級して質量平均粒子径(D50)を測定すると180μmであった。また、この粒子を水に懸濁して作製した2.5質量%溶液のpHを測定すると6.25であった。
(比較例1及び2の粒子の製造)
比較例1及び2の粒子の製造は、実施例1の粒子の製造において、コーティング層Iの形成後にコーティング層II及びIIIを形成せずにコーティング層IVを形成すること以外は同様にして造粒物を製造し、比較例1及び2の粒子を得た。
(粒子Bの製造)
比較例1及び2を用いたドライシロップ剤の製造に用いる粒子B(B粒1及び2)を以下のようにして調製した。
・B粒1の製造
粉末還元麦芽糖水アメ(レシス(登録商標)[微粉末])、ポビドン(コリドン(登録商標)25)、アスパルテーム及び部分α化デンプン(PCS(登録商標)[PC-10])を攪拌造粒機に投入して造粒、乾燥、整粒して、B粒1を製造した。
・B粒2の製造
粉末還元麦芽糖水アメ(レシス(登録商標)[微粉末])、ヒドロキシプロピルセルロース、アスパルテーム及び部分α化デンプン(PCS(登録商標)[PC-10])を攪拌造粒機に投入して造粒、乾燥、整粒して、B粒2を製造した。
(実施例1の粒子を用いたドライシロップ剤の製造)
乳糖水和物(ダイラクトーズ(登録商標)R)、軽質無水ケイ酸(アドソリダー(登録商標)-101)、アスパルテーム及びストロベリーミクロン(ストロベリーミクロンH-80301)を袋混合後、ステンレス篩で篩過し、倍散末を得た。これと、実施例1の粒子及び乳糖水和物(ダイラクトーズ(登録商標)R)を拡散式混合機で混合し、実施例1の粒子を用いたドライシロップ剤を製造した。
(比較例1の粒子を用いたドライシロップ剤の製造)
軽質無水ケイ酸と、ストロベリーミクロン及びB粒1の一部を袋混合後、ステンレス篩で篩過し、倍散末を得た。これと、比較例1の粒子及び残りのB粒1を拡散式混合機で混合し、比較例1の粒子を用いたドライシロップ剤を製造した。
(比較例2の粒子を用いたドライシロップ剤の製造)
比較例2の粒子と、B粒2と、ヒドロキシプロピルセルロースとを攪拌造粒機に投入して造粒、乾燥、整粒して、造粒末を得た。この造粒末と、軽質無水ケイ酸と、ストロベリーミクロンとを拡散式混合機で混合し、比較例2の粒子を用いたドライシロップ剤を製造した。
Figure 2022184791000007
Figure 2022184791000008
Figure 2022184791000009
(粒子中のオセルタミビルの安定性の測定)
作製した実施例1の粒子、比較例1の粒子及び比較例2の粒子中のオセルタミビルの安定性をX線回折(XRD)により解析した。実験としては、実施例1の粒子、比較例1の粒子及び比較例2の粒子をガラス瓶にそれぞれ封入して密栓し、40℃、75%RH(相対湿度)の条件で最大6ヶ月保存した。
(X線回折測定)
保存後の各粒子及び製造時点の比較例1の粒子について、それぞれX線回折を行った。X線回折装置としては、Bruker AXS社製の全自動多目的X線回折装置D8 ADVANCEを用い、CuKα線(=1.5406×10-10 m)にて、管電圧40kV、管電流40mA、走査角度2θ=3°~10°、サンプリング間隔0.01~0.02°、および走査速度0.2~0.3°min-1で構造解析を行った(以下XRDの条件は全てこの条件で行っている)。
X線回折測定の結果を図1A~図1Cそれぞれに示す。図1Aには実施例1の粒子を6ヶ月保存した試料、比較例1の粒子の製造時の試料及び比較例1の粒子を6ヶ月保存した試料のX線回折結果を示し、図1Bには実施例1の粒子を6ヶ月保存した試料及び比較例2の粒子を6ヶ月保存した試料のX線回折結果を示し、図1Cには比較例2の粒子を2週間保存した試料のX線回折結果を示している。図1A~Cより、比較例の粒子を2週間又は6ヶ月保存したものでは図中の点線で囲った部分にオセルタミビルが反応(結晶転移)を起こしたことによるピークが観測されるのに対し、実施例1の粒子ではそのようなピークは見られないため、実施例1の粒子は酸性物質を含む中間層によりオセルタミビルの反応が抑制されたことが示された。
(類縁物質の測定)
保存後の各粒子及び製造時点の各粒子について、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、オセルタミビルの類縁物質量を測定した。測定としては以下の表4及び表5の条件でグラジエントを行い、220nmの波長を測定した。HPLCに供す試料は、各粒子を一定量の抽出溶媒(水/メタノール混液(4:1))にて抽出し、メンブレンフィルターでろ過して得られた試料溶液を用いた。各粒子についてHPLCを用いて測定した。それぞれの類縁物質量は、測定したピークの面積値をもとにして計算した。
Figure 2022184791000010
Figure 2022184791000011
実施例1の粒子及び比較例1の粒子に対して、製造時、1ヶ月、3ヶ月保存した試料のアセチル転移体及びN-アセチル体の測定結果を以下の表6及び7に示す。表6及び7より、実施例1の粒子では類縁物質の発生が抑制されたことがわかる。
Figure 2022184791000012
Figure 2022184791000013
実施例1の粒子及び比較例2の粒子に対して、製造時、1週間、2週間及び4週間保存した試料の類縁物質量を図2A~Cにそれぞれ示す。図2Aは加水分解体の量を、図2Bはアセチル転移体の量を、図2Cはフェノール体の量をそれぞれ示す。これらの結果からも、実施例1の粒子では類縁物質の発生が抑制されたことがわかる。
(実施例1の粒子を用いたドライシロップ剤の服用感の評価)
実施例1の粒子を用いたドライシロップ剤の服用感について、Visual Analogue Scale(VAS)スコアを用いて評価した。VASスコアとは、ドライシロップ剤を服用した被験者(被験者数24)に対して、0~100の点数を書いた用紙に、各項目について直感的に点数をつけてもらい、統計解析を行うことである。
実施例1の粒子を用いたドライシロップ剤(2500mg)を入れたコップに水約50mlを加えて30秒攪拌した。攪拌後の懸濁液を被験者に以下の点に注意して服用させた。服用後の各被験者にVASスコアをつけてもらった。
(服用時の注意点)
1.攪拌後は時間をおかずに服用してもらう
2.懸濁液は一度で飲み切る
3.口の中で留めずに飲むように指示する
4.服用後のコップに水約50mlを加えて攪拌し、被験者に服用してもらう。
5.再度服用後のコップに水約50mlを加えて攪拌し、被験者に服用してもらう。
実施例1の粒子を用いたドライシロップ剤の測定結果を以下の表8に示す。VASスコアにおいて、50を超えると良好なスコアであると判断される。表8より、実施例1の粒子を用いたドライシロップ剤は、飲みやすさ(服用感の総合的な評価)、薬の味及び服用後の後味のいずれにおいても優れたスコアを有している、すなわち優れた服用性を有していることが示された。
Figure 2022184791000014
これらの結果より、実施例1の粒子のように、オセルタミビルを含むコアと、酸性物質を含む中間層と、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEを含むマスキング層とを有する粒子を製造することによって、類縁物質の発生を抑え、かつ服用感に優れた医薬組成物を提供できることが示された。
(処方例1)
本実施形態の医薬組成物を用いたドライシロップ剤の処方例を以下の表9及び10に示す。粒子(A粒)の製造や粒子を含むドライシロップ剤の製造については、上記実施例1の粒子の製造方法及び実施例1の粒子を用いたドライシロップ剤の製造方法と同様に行うことができる。
Figure 2022184791000015
Figure 2022184791000016
(処方例2~10)
本実施形態の医薬組成物を用いたドライシロップ剤の別の処方例を以下の表11及び12に示す。粒子(A粒)の製造や粒子を含むドライシロップ剤の製造について以下に説明する。
Figure 2022184791000017
Figure 2022184791000018
・オセルタミビルを有効成分として含む造粒物(コア)の調製
オセルタミビルリン酸塩を攪拌造粒機へ投入し、精製水をスプレーして造粒した。この造粒末を、目開き6350μmの篩に通して解砕した。この解砕物を、流動層造粒乾燥機に投入して乾燥した。乾燥後の解砕物を、目開き610μmの篩に通して整粒し、オセルタミビルを有効成分として含む造粒物(コア)を得た。
・コーティング層I(第三の中間層)の形成
99.5%エタノールと精製水を混和したものにヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L)を加えヒドロキシプロピルセルロースを分散させコーティング液とした。オセルタミビルを有効成分として含む造粒物を流動層造粒乾燥機に投入し、調製したコーティング液を用いて造粒物をコーティングした。コーティング後の造粒物を乾燥後、目開き457μmの篩に通して整粒し、コーティング層Iを形成した造粒物を得た。
・コーティング層II(第一中間層)の形成
99.5%エタノールにヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L)を加えヒドロキシプロピルセルロースを分散させた。これに、リン酸二水素カリウムをジェットミルで粉砕して調製したリン酸二水素カリウム粉砕物を加え、分散させ、コーティング液とした。コーティング層Iを形成した造粒物を流動層造粒乾燥機に投入し、調製したコーティング液を用いて造粒物をさらにコーティングした。コーティング後の造粒物を乾燥後、目開き710μmの篩に通して整粒し、コーティング層IIを形成した造粒物を得た。
・コーティング層III(第二の中間層)の形成
99.5%エタノールと精製水を混和したものにヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L)を加えてヒドロキシプロピルセルロースを分散させコーティング液とした。コーティング層IIを形成した造粒物を流動層造粒乾燥機に投入し、調製したコーティング液を用いて造粒物をさらにコーティングした。コーティング後の造粒物を乾燥後、目開き710μmの篩に通して整粒し、コーティング層IIIを形成した造粒物を得た。
・コーティング層IV(マスキング層)の形成
99.5%エタノールと精製水を混和したものにアミノアルキルメタクリレートコポリマーE(オイドラギット(登録商標)E100)を加え分散した。これに、更にタルク(タルカンハヤシ(登録商標))を添加し分散させてコーティング液とした。コーティング層IIIを形成した造粒物を流動層造粒乾燥機に投入し、調製したコーティング液を用いて造粒物をさらにコーティングした。コーティング後の造粒物を乾燥後、目開き710μmの篩に通して整粒し、コーティング層IVを形成した造粒物を得た。
(ドライシロップ剤の製造)
粉末還元麦芽糖水アメ、部分アルファー化デンプン、炭酸水素ナトリウム、タルク、アスパルテーム及びキサンタンガムを攪拌造粒機へ投入し、精製水をスプレーして混合した。これに、上述したコーティング層IVを形成した造粒物を加えて混合した。この混合物を押出し造粒機に投入して造粒した。造粒後、流動層造粒乾燥機に投入して乾燥させた。この乾燥物を、ロールグラニュレーターに加えて整粒し造粒末を得た。この造粒末を拡散式混合機に投入し、さらにストロベリーミクロンを加えて混合した。得られたドライシロップ剤は白色から淡い黄色の顆粒となった。
(包装)
得られたドライシロップ剤は、ガラス瓶(No. 9k:茶)に1瓶当たり30gとなるように乾燥剤と共に加えて蓋をする、又は4包シール形状のアルミ袋に1包装0.5gとなるように包装した。

Claims (13)

  1. 有効成分としてオセルタミビル又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を含む医薬組成物であって、
    前記医薬組成物が、前記有効成分を含むコアと、前記コアの外側に位置し、1mol/L水溶液が4より高く5以下のpHを有する酸性物質およびコーティング剤を含む第一の中間層と、前記第一の中間層の外側に位置し、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEを含むマスキング層とを有する粒子を含む、医薬組成物。
  2. 前記粒子が、前記第一の中間層と前記マスキング層との間に、少なくともコーティング剤を含む第二の中間層をさらに有する、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記粒子が、前記コアと前記第一の中間層との間に、少なくともコーティング剤を含む第三の中間層をさらに有する、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
  4. 前記有効成分が、オセルタミビルリン酸塩である、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
  5. 前記酸性物質が、リン酸塩である、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
  6. 前記リン酸塩が、リン酸二水素カリウム及びリン酸二水素ナトリウムから選択される少なくとも1種である、請求項5に記載の医薬組成物。
  7. 前記第一の中間層、第二の中間層及び第三の中間層から選択される少なくとも1つの中間層に含まれるコーティング剤が、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールから選択される少なくとも1種である、請求項2を引用する請求項3に記載の医薬組成物。
  8. 前記医薬組成物が顆粒剤又はドライシロップ剤の形態である、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
  9. 有効成分としてオセルタミビル又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を含有する粒子の製造工程を含む医薬組成物の製造方法であって、
    前記粒子の製造工程が、前記有効成分を含むコアを得る工程と、
    前記コアの外側に、1mol/L水溶液が4より高く5以下のpHを有する酸性物質およびコーティング剤を含む第一の中間層を形成する工程と、
    前記第一の中間層の外側に、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEを含むマスキング層を形成する工程とを含む、医薬組成物の製造方法。
  10. 前記第一の中間層と前記マスキング層との間に、少なくともコーティング剤を含む第二の中間層を形成する工程をさらに含む、請求項9に記載の製造方法。
  11. 前記コアと第一の中間層との間に、少なくともコーティング剤を含む第三の中間層をコーティングする工程をさらに含む、請求項9又は10に記載の製造方法。
  12. 有効成分としてオセルタミビル又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を含むコアと、前記コアの外側に、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEを含むマスキング層とを備えた粒子を含む医薬組成物において、前記コアと前記マスキング層との間に、1mol/L水溶液が4より高く5以下のpHを有する酸性物質を含む第一の中間層を設けることにより、保存中の医薬組成物における有効成分の類縁物質の発生を抑制する方法。
  13. 有効成分としてオセルタミビル又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を含有するコアの外側に、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEを含むマスキング層を形成することを特徴とする、オセルタミビル又はその薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物の苦みを低減する方法。
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