JP2022184782A - 液体口腔用組成物及びその使用方法 - Google Patents

液体口腔用組成物及びその使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】グリセリンの含有量に関わらず、本来のグリセリンの風味を提供できる液体口腔用組成物を提供すること。【解決手段】グリセリンを含有し、さらに、4価以上の糖アルコールを少なくとも1種類と、スルホニル基を有する甘味料を少なくとも2種類と、を含有する液体口腔用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、液体口腔用組成物及びその使用方法に関する。
グリセリンは、3価のアルコールの一種である。また、グリセリンは、水やエタノールに溶けやすい性質を持つ無色透明な液体であり、特有の甘みを有する。そのため、甘味料、保存料、保湿剤等の食品添加物としてグリセリンを用いることがある。
グリセリンを食品添加物として用いた液体口腔用組成物として、例えば、特許文献1では、少なくとも1種類の非栄養甘味料、エリスリトール、タガトース、およびグリセリンを含む飲料製品であって、前記グリセリンが、少なくとも前記飲料製品の口当たりのよさを提供するのに十分な量で存在することを特徴とする、飲料製品が開示されている。
特表2010-521172号公報
しかしながら、グリセリンを液体口腔用組成物に多く含有させると、液体口腔用組成物の粘性が高くなりべたつきが発生するという問題がある。また、液体口腔用組成物の粘性が高くなると、製造時に液体が混ざりにくい、製造設備の洗浄に時間がかかるという問題が生じることがある。
一方、グリセリンの含有量が少ない液体口腔用組成物では、甘味が落ちる、すなわちBrix値が小さくなるので、他の添加物を含有させてBrix値を大きくさせることが可能である。しかしながら、Brix値を調整しても、グリセリン特有の香味を発現させることは難しい。
そこで、本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、グリセリンの含有量に関わらず、本来のグリセリンの風味を提供できる液体口腔用組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、当該液体口腔用組成物の使用方法を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、4価以上の糖アルコールを少なくとも1種類と、スルホニル基を有する甘味料を少なくとも2種類とを用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記<1>~<4>に関するものである。
<1>グリセリンを含有し、
さらに、4価以上の糖アルコールを少なくとも1種類と、スルホニル基を有する甘味料を少なくとも2種類と、を含有する液体口腔用組成物。
<2>前記4価以上の糖アルコールの合計含有量が0.0001~5w/v%である、<1>に記載の液体口腔用組成物。
<3>前記スルホニル基を有する甘味料の合計含有量が0.0001~0.5w/v%である、<1>又は<2>に記載の液体口腔用組成物。
<4>グリセリンを含有し、
さらに、4価以上の糖アルコールを少なくとも1種類と、スルホニル基を有する甘味料を少なくとも2種類と、を含有する液体口腔用組成物を希釈して使用する工程を有する、使用方法。
本発明によれば、グリセリンの含有量に関わらず、本来のグリセリンの風味を提供できる液体口腔用組成物を提供することができる。具体的には、グリセリンの含有量が少なくても、グリセリンの含有量が多い液体口腔用組成物と同等の香味バランスを有する液体口腔用組成物を提供することができる。また、本発明によれば、当該液体口腔用組成物の使用方法を提供することができる。
図1は、試験例1における官能評価の結果を表す。 図2は、試験例1における「こく」の強度に関する試験の結果を表す。
以下、本発明について詳述するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものであり、本発明はこれらの内容に特定されるものではない。
本発明について、以下の例示をもって説明する。本発明の液体口腔用組成物においては、グリセリンの含有量は30w/v%以下の範囲内で自由に調整可能であり、上記範囲内でグリセリンの香味バランスを再現することが可能である。
なお、本発明において、「w/v%」は「質量/容量%」と同義である。
例えば、本発明の液体口腔用組成物におけるグリセリンの含有量(以下、単に「グリセリンの含有量」と称することがある。)が10w/v%の場合の液体口腔用組成物の香味を、グリセリンの含有量2w/v%で再現することが可能である。この場合、グリセリン10w/v%を「グリセリンの含有量が多い」、グリセリン2w/v%を「グリセリンの含有量が少ない」、と定義づけることができる。
上記に限らず、グリセリンの含有量が20w/v%の場合の香味を、グリセリンの含有量10w/v%で再現する場合、グリセリン20w/v%を「グリセリンの含有量が多い」、グリセリン10w/v%を「グリセリンの含有量が少ない」、と定義づけることができる。
本発明では、このようにグリセリンの含有量が多いこと、又は少ないことを相対的な比較の意味で記載する。ただし、グリセリンの含有量が多い場合は30w/v%より多いことも考えられるが、グリセリンの含有量が少ない場合とは、30w/v%以下の場合のみに限定される。
[液体口腔用組成物]
本発明の液体口腔用組成物は、グリセリンを含有し、さらに、4価以上の糖アルコールを少なくとも1種類と、スルホニル基を有する甘味料を少なくとも2種類と、を含有する。
本発明の液体口腔用組成物は、グリセリンの含有量が少なくても、グリセリンの含有量が多い液体口腔用組成物と同等の香味バランスを有する。これは、4価以上の糖アルコールを少なくとも1種類と、スルホニル基を有する甘味料を少なくとも2種類によって、グリセリン特有の甘味特性が発現するためであると考えられる。
よって、本発明の液体口腔用組成物では、液体口腔用組成物の粘性が高くなることを抑制するために、グリセリンの含有量を好ましくは30w/v%以下にできる。また、さらに液体口腔用組成物の粘性が高くなることを抑制するために、当該含有量は20w/v%以下がより好ましく、10w/v%以下がさらに好ましい。また、当該含有量は1w/v%以上が好ましい。
本発明の液体口腔用組成物は、そのままの状態で使用することも可能であるが、本発明の液体口腔用組成物を例えば水で希釈して使用することも可能である。すなわち、本発明の使用方法は、本発明の液体口腔用組成物を希釈して使用する工程を有する。この場合、希釈倍率としては、例えば2~100倍、好ましくは5~20倍である。こうすることで、香味バランスを好ましい範囲に調整することができる。
また、本発明の液体口腔用組成物は、例えば、洗口に用いることが可能である。この場合、本発明の液体口腔用組成物をそのままの状態で洗口に用いることも可能であるが、本発明の液体口腔用組成物を例えば水で希釈して洗口に用いることも可能である。
すなわち、本発明の洗口方法は、本発明の液体口腔用組成物を希釈して洗口する工程を有する。希釈倍率としては、例えば2~100倍、好ましくは5~20倍である。洗口時間としては、例えば10~60秒間、好ましくは20~30秒間である。
(4価以上の糖アルコール)
本発明の液体口腔用組成物は、4価以上の糖アルコールを少なくとも1種類含有する。当該糖アルコールの価数は、液体口腔用組成物の香味バランスが崩れるのを防ぐ観点から、好ましくは4~9価である。
4価以上の糖アルコールとしては、例えば、キシリトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、ラクチトール、イソマルト、エリスリトール等が挙げられる。
これらのなかでも、キシリトールが好ましい。
本発明の液体口腔用組成物における4価以上の糖アルコールの合計含有量は、好ましくは0.0001~5w/v%であり、より好ましくは0.001~2w/v%であり、さらに好ましくは0.001~1.5w/v%であり、0.001~1w/v%が特に好ましい。
当該含有量が5w/v%より大きいと、甘味が強すぎる液体口腔用組成物となることがあり、また、飲み込んだ際に緩下作用を引き起こす可能性がある。当該含有量が0.0001w/v%未満であると、香味バランスが崩れることがある。
本発明の液体口腔用組成物における、グリセリンの含有量に対する4価以上の糖アルコールの合計含有量の比(質量比)は、好ましくは0.00005~2.5であり、より好ましくは0.0005~1であり、さらに好ましくは0.0005~0.75であり、0.0005~0.5が特に好ましい。
当該比が2.5より大きいと、甘味が強すぎる液体口腔用組成物となることがある。当該比が0.00005未満であると、香味バランスが崩れることがある。
(スルホニル基を有する甘味料)
本発明の液体口腔用組成物は、スルホニル基を有する甘味料を少なくとも2種類含有する。
スルホニル基を有する甘味料としては、例えば、サッカリンナトリウム、アセスルファムカリウム、サッカリン、チクロ(サイクラミン酸ナトリウム)等が挙げられる。
これらのなかでも、サッカリンナトリウム、アセスルファムカリウムが好ましい。
本発明の液体口腔用組成物におけるスルホニル基を有する甘味料の合計含有量は、好ましくは0.0001~0.5w/v%であり、より好ましくは0.0001~0.1w/v%であり、さらに好ましくは0.001~0.03w/v%であり、特に好ましくは0.005~0.03w/v%であり、0.008~0.02w/v%が最も好ましい。
当該含有量が0.5w/v%より大きいと、液体口腔用組成物の苦みが強くなりすぎて嗜好性が著しく低下することがある。当該含有量が0.0001w/v%未満であると、香味バランスが崩れることがある。
本発明の液体口腔用組成物における、グリセリンの含有量に対するスルホニル基を有する甘味料の合計含有量の比(質量比)は、好ましくは0.00005~0.25であり、より好ましくは0.00005~0.05であり、さらに好ましくは0.0005~0.015であり、特に好ましくは0.0025~0.015であり、0.004~0.01が最も好ましい。
当該比が0.25より大きいと、液体口腔用組成物の苦みが強くなりすぎて嗜好性が著しく低下することがある。当該比が0.00005未満であると、香味バランスが崩れることがある。
(液体口腔用組成物の製造方法)
本発明の液体口腔用組成物は、例えば、各成分を混合し、撹拌することにより得ることができ、所望により加熱等を行ってもよい。
(液体口腔用組成物の用途)
本発明の「液体口腔用組成物」とは、主として口腔内で使用することを目的にする液状の組成物である。本発明の液体口腔用組成物の用途は特に限定されないが、例えば、洗口剤として口腔内に適量を含み洗口することで使用できる。また、リン酸水素カルシウム、水酸化アルミニウム、無水ケイ酸、炭酸カルシウム等の研磨剤を必要に応じて配合したものを含めて、液体歯磨き剤として使用することもできる。また、本発明の液体口腔用組成物は口中清涼剤として口腔内にスプレーして使用することもでき、うがい薬として使用することもできる。
口腔用液体口腔用組成物のpHは、用途等に応じて特に限定されないが、例えば5~9が好ましい。pHが上記範囲を逸脱すると、口腔内での刺激が強くなり使用感が低下してしまう場合がある。
pHを前記範囲に調整するために使用できるpH調整剤としては、例えば、塩酸、リン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
また、本発明の液体口腔用組成物に使用する溶媒は、口腔内に適用するという観点から、水性溶媒が好ましく、水性溶媒としては、例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール及びこれらの混合液等が挙げられる。
これらのなかでも、水、エタノール及びそれらの混合液が好ましい。水としては、精製水、イオン水、蒸留水等を用いることができる。
本発明の液体口腔用組成物は、その他、本発明の効果を損なわない限り各種成分を含有することができる。
例えば、ヒドロキシエチルセルロース等の増粘剤、プロピレングリコール、ソルビット等の湿潤剤、ラウリル硫酸ナトリウム等の発泡剤、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン等の殺菌剤、プロテアーゼ等の酵素、フッ化ナトリウム、フルオロリン酸塩、フルオロホウ酸塩等のフッ素イオン源、リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、グルコン酸カルシウム等のカルシウム源、パラヒドロキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム等の防腐剤、ペパーミント油、ハッカ油、メントール、カルバクロール、ユーカリオイル、オイゲノール、アネトール、シネオール、ヒノキチオール等の精油成分、又はこれらを配合した香料、オウバクエキス、トウキエキス等の生薬、青色1号、黄色4号、赤色102号、緑色201号等の色素等が挙げられる。
その他、塩化リゾチーム、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、グリチルリチン酸塩及びその誘導体、グリチルレチン酸塩及びその誘導体、アズレン、アズレンスルホン酸、ジヒドロコレステロール、エピジヒドロコレステリン、アラントイン、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、塩化ナトリウム、酢酸dl-α-トコフェロール、ニコチン酸dl-α-トコフェロール、イプシロンアミノカプロン酸、トラネキサム酸、ポリリン酸塩、チモール、銅クロロフィリンナトリウム、ビタミン、アミノ酸、パラオキシ安息香酸ブチル等を配合することができる。
また、本発明の液体口腔用組成物は、本発明の効果を損なわない限り界面活性剤を含有することができる。
例えば、ポリオキシエチレン(POE)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン(POE・POP)ブロックポリマー、POE・POPアルキルエーテル、POEアルキルエーテル、POEアルキルフェニルエーテル、POE脂肪酸エステル、POE高級アルコールエーテル、POE・POP脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、POEアルキルエーテル硫酸塩、ラウロイルサルコシンナトリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルエーテルリン酸塩、N-アシルタウリン塩、POEアルキルエーテルリン酸又はリン酸塩、スルホン酸塩等のアニオン性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルアミン・脂肪酸アミド等のカチオン性界面活性剤、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の両性界面活性剤等が挙げられる。
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
[試験例1]
<実施例1-1、比較例1-1~1-3、参考例1-1>
表1に記載の処方に従い、各成分を撹拌下で混合して、液体口腔用組成物を調製した。得られた液体口腔用組成物を用いて、下記試験を行った。
(Brix値)
各液体口腔用組成物のBrix値(%)を、デジタル糖度計「アタゴ PR-101α」を用いて測定した。結果を表1に示す。
(官能評価)
15名の被験者によって、以下に記載の評価を行った。なお、当該評価は、「日本食品化学学会誌、Vol2(2),1995,pp.110-114」の記載を参考にして行った。
各液体口腔用組成物約20mLを口に含み、30秒間洗口後、吐き出し、各評価項目の採点を行った。評価項目は、「こく」、「まろやかさ」、「すっきり感」、「刺激」、「しつこさ」、「後味」、「くせ」、「渋味」、「苦味」、「甘味」の10項目とした。評価基準は、標準液(参考例1-1の液体口腔用組成物)と同じと評価した場合0点、液体口腔用組成物間で最も強いものが3点、最も弱いものが-3点とし、採点は1点きざみとした。15名の平均点を算出し、結果を図1に示す。
また、グリセリンの特徴である、「こく」に関しては、評価者の嗜好性による違いをより詳細に考慮するため、各液体口腔用組成物に関して評価者個々が感じた相対的な評価を実施した。左端に「弱すぎる」、右端に「強すぎる」、中心に「ちょうど良いこく」と記載した直線の評価シートを用い、各液体口腔用組成物に感じた「こく」がどの位置に当たるかを記入するよう指示した。その直線の中心から印までの距離を「こく」の強度の得点とした。15名の平均点を算出し、結果を図2に示す。
なお、「こく」の強度に関しては、数字が小さい(中心=0に近い)ほどちょうどよい「こく」であり、数字が大きい(中心からの距離が遠い)ほど適切でない「こく」であることを示している。
Figure 2022184782000001
試験結果は、表1及び図1に示した。
すなわち、実施例1-1の液体口腔用組成物が、標準液(参考例1-1の液体口腔用組成物)に最も近い結果となった。比較例1-1の液体口腔用組成物のようにグリセリンの含有量を少なくすると、Brix値が小さくなり、かつ味が薄くなり、香味バランスが崩れた。標準液(参考例1-1の液体口腔用組成物)にBrix値を合わせた比較例1-3の液体口腔用組成物では、味が濃くなり過ぎ、香味バランスが崩れた。実施例1-1の液体口腔用組成物とBrix値を合わせた比較例1-2の液体口腔用組成物では、香味バランスが崩れ、印象が異なる味となった。
従って、実施例1-1のように、4価以上の糖アルコールを少なくとも1種類と、スルホニル基を有する甘味料を少なくとも2種類とを用いることにより、グリセリンの含有量を少なくした場合でも、標準液(参考例1-1の液体口腔用組成物)のような味を再現することができることがわかった。
試験結果は図2に示した。
すなわち、標準液(参考例1-1の液体口腔用組成物)は最も数値が小さく、ちょうど良い「こく」であることが示された。次いで実施例1-1の液体口腔用組成物の数値が小さかったが、標準液(参考例1-1の液体口腔用組成物)と同等であった。比較例1-1~1-3の液体口腔用組成物に関しては数値が大きく、標準液(参考例1-1の液体口腔用組成物)と大きく離れていた。
従って、「こく」に関しても、実施例1-1のように、4価以上の糖アルコールを少なくとも1種類と、スルホニル基を有する甘味料を少なくとも2種類とを用いることにより、グリセリンの含有量を少なくした場合でも、標準液(参考例1-1の液体口腔用組成物)のようなちょうど良い「こく」を再現することができることがわかった。
[試験例2]
<実施例2-1~2-2、比較例2-1~2-2、参考例2-1>
表2に記載の処方に従い、各成分を撹拌下で混合して、液体口腔用組成物を調製した。得られた液体口腔用組成物を用いて、下記試験を行った。なお、表2における「香料」としては、ミント調の香料を用いた。
(官能評価)
被験者によって、以下に記載の評価を行った。
各液体口腔用組成物約20mLを口に含み、30秒間洗口後、吐き出し、下記評価基準に基づき採点を行った。なお、参考例2-1の液体口腔用組成物はそのまま用い、その他の液体口腔用組成物は10倍に希釈したものを用いた。結果を表2に示す。
〔甘味の評価基準〕
5:かなり強い
4:強い
3:やや強い
2:やや弱い
1:弱い
〔こくの評価基準〕
5:かなり強い
4:強い
3:やや強い
2:やや弱い
1:弱い
Figure 2022184782000002

表2の結果から、実施例2-1のように、4価以上の糖アルコールを少なくとも1種類と、スルホニル基を有する甘味料を少なくとも2種類とを用いることにより、グリセリンの含有量を少なくした場合でも、標準液(参考例2-1の液体口腔用組成物)のような甘味及びこくを再現することができることがわかった。
[試験例3]
<実施例3-1~3-10、比較例3-1、参考例3-1、3-2>
表3に記載の処方に従い、各成分を撹拌下で混合して、液体口腔用組成物を調製した。得られた液体口腔用組成物を用いて、下記試験を行った。なお、表3中の、各成分の配合量を表す数値の単位は(w/v%)である。
Figure 2022184782000003
(官能評価)
7名の被験者によって、以下に記載の評価を行った。
各液体口腔用組成物約20mLを口に含み、30秒間洗口後、吐き出し、各評価項目の採点を行った。評価項目は、「こく」、「甘味」の2項目とした。参考例3-1を標準液として、評価基準は以下に従って評価し、標準液の各項目の評価を3としたときのそれぞれの製剤についての評価を実施した。
〔こくの評価基準〕
5:かなり強い
4:強い
3:ちょうどよい
2:弱い
1:かなり弱い
〔甘味の評価基準〕
5:かなり強い
4:強い
3:ちょうどよい
2:弱い
1:かなり弱い
評価結果より、7名の評価点の平均点を算出し、以下のように判定した。なお、「こく」及び「甘味」の各評価項目にともに以下の判定基準を用いた。
◎の判定の場合、標準液(参考例3-1の液体口腔用組成物)の「こく」又は「甘味」が再現できているとし、「こく」、「甘味」の両方とも◎となったものを参考例1の香味の再現ができる処方とした。官能評価の結果及び判定結果を表4に示す。
〔判定基準〕
◎:7名の評価点の平均点が2.5~3.5であった。
×:7名の評価点の平均点が2.5未満であった。
●:7名の評価点の平均点が3.5より大きかった。
Figure 2022184782000004
表3、4より、標準液(参考例3-1の液体口腔用組成物)に対しグリセリンを減らした実施例3-1~3-10の液体口腔用組成物において、「こく」、「甘味」の両方とも◎の判定となり、グリセリンが比較的多く配合されている標準液の香味を再現することができた。そのため、4価以上の糖アルコールを少なくとも1種類と、スルホニル基を有する甘味料を少なくとも2種類とを用いることにより、グリセリンを比較的少なくした場合でも、グリセリンが比較的多く配合されている液体口腔用組成物の香味を再現することができることが示された。また、実施例3-1~3-3より、こくと甘味の再現は、香料による影響ではないことが確認された。比較例3-1より、スルホニル基を有する甘味料1種類と、それ以外の甘味料との組み合わせ(スクラロース)では香味のバランスが異なり、グリセリンが比較的多く配合されている液体口腔用組成物の香味の再現はできないということが示された。

Claims (4)

  1. グリセリンを含有し、
    さらに、4価以上の糖アルコールを少なくとも1種類と、スルホニル基を有する甘味料を少なくとも2種類と、を含有する液体口腔用組成物。
  2. 前記4価以上の糖アルコールの合計含有量が0.0001~5w/v%である、請求項1に記載の液体口腔用組成物。
  3. 前記スルホニル基を有する甘味料の合計含有量が0.0001~0.5w/v%である、請求項1又は2に記載の液体口腔用組成物。
  4. グリセリンを含有し、
    さらに、4価以上の糖アルコールを少なくとも1種類と、スルホニル基を有する甘味料を少なくとも2種類と、を含有する液体口腔用組成物を希釈して使用する工程を有する、使用方法。
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