JP2022184047A - フッ化炭化水素の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フッ化炭化水素を、気相流通方式で、触媒を使用せずに、簡便に、かつ安価に製造することが可能な製造方法を提供する。【解決手段】固体のフッ素含有無機化合物由来の活性種を含むプラズマ装置の熱的非平衡領域に、式1:CH3-R〔ここで、Rは、水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又は有機基(ただし、炭化水素基を除く。)である。〕で表される化合物及び不活性ガスを含む原料ガスを連続的に供給し、次いで、前記熱的非平衡領域内のガスを前記プラズマ装置外に連続的に放出することを含む、フッ化炭化水素の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、フッ化炭化水素の製造方法に関するものである。
モノフルオロメタンをはじめとするフッ化炭化水素は、半導体の微細加工用のエッチングガス等の用途に広く用いられている。
そして、モノフルオロメタンの製造方法としては、フッ素化触媒の存在下、塩化メチル(CHCl)とフッ化水素とを気相で反応させてモノフルオロメタンを含む混合ガスを得た後、混合ガスからモノフルオロメタンを分離精製する方法が知られている。
特開2006-111611号公報
しかしながら、上記のモノフルオロメタンの製造方法は、フッ素化触媒の調製の負担が大きいことに加え、触媒の活性低下に伴い収率が低下するなど、連続的な製造が困難であった。
本発明は、モノフルオロメタンをはじめとするフッ化炭化水素を、気相流通方式で、触媒を使用せずに、簡便に、かつ安価に製造することが可能な製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、固体のフッ素含有無機化合物由来の活性種を含むプラズマ装置の熱的非平衡領域に、式1:CH-R〔ここで、Rは、水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又は有機基(ただし、炭化水素基を除く。)である。〕で表される化合物及び不活性ガスを含む原料ガスを連続的に供給し、
次いで、前記熱的非平衡領域内のガスを前記プラズマ装置外に連続的に放出することを含む、フッ化炭化水素の製造方法に関する。
ここで、熱的非平衡とは、イオン、分子の温度が、電子の温度に対し異なる状態をいい、プラズマ装置内の熱的非平衡領域では、電子の温度は、イオン、分子の温度よりも高い。
プラズマ装置内の放電領域とは、電極を用いてプラズマを発生させるプラズマ装置においては対向する電極間の空間であるが、プラズマジェットのように電極間外に火炎を取り出す方式では、その火炎帯が相当し、電極以外によってプラズマを発生させるプラズマ装置においてはそれに対応する空間である。
固体のフッ素含有無機化合物は、標準状態(298K、大気圧)で固体であるフッ素含有無機化合物をいう。無機化合物は、炭素原子を含有しない化合物及び炭素原子を1個含有し、かつ水素原子を含有しない化合物をいう。
フッ化炭化水素とは、炭化水素化合物の水素原子の少なくとも1個がフッ素原子で置換されている化合物をいい、炭化水素化合物の水素原子の全てがフッ素原子で置換されている化合物を包含する。
本発明のフッ化炭化水素の製造方法によれば、フッ化炭化水素が以下のようにして生成するものと推測される。
プラズマ装置の熱的非平衡領域に、式1:CH-R〔ここで、Rは、水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又は有機基(ただし、炭化水素基を除く。)である。〕で表される化合物を供給すると、この領域内で式1の化合物から、種々の活性種が生成する。プラズマ装置の熱的非平衡領域では、式1の化合物の分解が適度に抑制され、生成した活性種は、十分な量のCH3ラジカルやCH3イオンといった式1の化合物の部分構造を含むラジカルやイオン(以下、「CH3ラジカル等」ともいう。)を含む。その際に、固体のフッ素含有無機化合物由来の活性種をプラズマ装置の熱的非平衡領域に存在させておく。固体のフッ素含有無機化合物由来の活性種は、フッ素イオン及びフッ素ラジカルの少なくとも一種(以下、「フッ素源」ともいう。)を含む。
そして、式1の化合物より生成した活性種(CH3ラジカル等を含む)と、上記固体のフッ素含有無機化合物由来の活性種(フッ素源を含む)とを含む、プラズマ装置の熱的非平衡領域内のガスをプラズマ装置外に連続的に放出することで、これらの活性種が結合し、フッ化炭化水素が生成する。このように、プラズマを利用することにより、気相で、触媒を使用せずに、簡便にフッ化炭化水素を製造することができる。その際に、フッ素源の生成に、固体のフッ素含有無機化合物を使用することで、フッ化炭化水素の製造を安価に行うことができる。
本発明のフッ化炭化水素の製造方法では、プラズマ装置として、大気圧低温プラズマ又は真空プラズマを形成する装置を利用することができる。このようなプラズマ装置内の放電領域は、熱的非平衡プラズマ領域に相当する。
具体的には、大気圧低温プラズマ又は真空プラズマを形成する装置内に、固体のフッ素含有無機化合物を配置し、次いで酸素含有化合物を導入して、固体のフッ素含有無機化合物由来の活性種を発生させ、この装置に、式1の化合物及び不活性ガスを含む原料ガスを連続的に供給することができる。これにより、式1の化合物を供給する装置内で、固体のフッ素含有無機化合物を活性化することができ、有利である。
固体のフッ素含有無機化合物からのフッ素源の発生は、プラズマ装置内の放電領域に酸素含有化合物を導入することにより、酸素を含有する活性種(例えば、各種イオン(酸素イオン、炭酸イオン等)、各種ラジカル(一酸化炭素ラジカル、二酸化炭素ラジカル)等)を発生させ、固体のフッ素含有無機化合物に衝突させてフッ素源を叩き出すことによることができる。例えば、出発物質がCaF等の場合、酸素を含有する活性種(例えば、各種イオン(酸素イオン、炭酸イオン等)、各種ラジカル(一酸化炭素ラジカル、二酸化炭素ラジカル)等)の衝突により、領域内で、その標準生成エネルギーに近い安定した化合物(例えば、炭酸塩(CaCO等)の生成が期待でき、ギブスの自由エネルギーの観点からフッ素源の発生に有利である。
また、本発明のフッ化炭化水素の製造方法では、プラズマ装置として、大気圧熱プラズマを形成する装置を利用することができる。このようなプラズマ装置内の放電領域周辺は、プラズマの輻射により高い温度(およそ1000~3000K)に達しており、この温度領域は熱的非平衡領域に相当し、化学種は励起や解離反応を起こし得る。
大気圧熱プラズマを形成する装置を利用する場合、プラズマ装置内の放電領域において、固体のフッ素含有無機化合物を活性化させ、フッ素源を発生させることができる。固体のフッ素含有無機化合物由来の活性種は、同じプラズマ装置内の放電領域周辺の1000~3000Kの温度領域に供給することができ、簡便かつ効率的なフッ化炭化水素の製造が期待でき、有利である。
本発明のフッ化炭化水素の製造方法は、固体のフッ素含有無機化合物は、式2:M-Fx(ここで、Mは、Li、Na、Mg、K、Ca、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Al、B、Cs、Ba、Pb又はSnであり、xはMの価数である。)で示される化合物の少なくとも一種であることが好ましい。これらの化合物は、フッ素源を容易に生成させることができる。また、これらの化合物を用いることにより、従来のフッ化炭化水素の製造方法よりも容易にコストを抑えることができる。
本発明のフッ化炭化水素の製造方法では、不活性ガスは、N2、Ar及びHeからなる群より選択される少なくとも一種であることができる。
さらに、本発明のフッ化炭化水素の製造方法において、原料ガスに占める式1で表される化合物の含有割合が、1体積%以上85体積%以下であることが好ましい。含有割合が上記範囲内であれば、目的物であるフッ化炭化水素を効率的に製造することができる。
本発明のフッ化炭化水素の製造方法は、モノフルオロメタンを目的物質とすることができる。
本発明によれば、モノフルオロメタンをはじめとするフッ化炭化水素を、気相流通方式で、触媒を使用せずに、簡便に、かつ安価に製造することが可能な製造方法を提供することができる。
実施例で使用したプラズマ装置の模式図である。
以下に、本発明の実施形態について詳しく説明する。
[固体のフッ素含有無機化合物]
固体のフッ素含有無機化合物は、フッ素原子を1個以上含有する、固体の無機化合物であればよい。通常、フッ素原子は6個以下である。
固体のフッ素含有無機化合物としては、式2:M-Fx(ここで、Mは、Li、Na、Mg、K、Ca、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Al、B、Cs、Ba、Pb又はSnであり、xはMの価数である。)で示される化合物が挙げられ、例えば、NaF、KF、CaF等であり、経済性及び安全性の点からCaFが好ましい。これらは1種のみでも、2種以上の任意の組み合わせであってもよい。
[式1の化合物]
式1の化合物は、式1:CH-R〔ここで、Rは、水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又は有機基(ただし、炭化水素基を除く。〕で表される化合物である。式1の化合物は、1種のみでも、2種以上を併用してもよい。
ここで、有機基(ただし、炭化水素基を除く。)は、炭素原子を少なくとも1個含む官能基(ただし、炭素原子及び水素原子のみからなるものを除く。)、ならびに酸素、窒素及び硫黄から選択される少なくとも1個を含み、かつ炭素原子を含まない官能基をいい、含酸素有機基、含窒素有機基、含硫黄有機基が挙げられる。
含酸素有機基としては、ヒドロキシ(-OH)、カルボキシ(-COOH)、ホルミル(-CHO)、ホルミルオキシ(-O-CH(=O))、アシル(-CR1(=O))、アシルオキシ(-O-CR1(=O))、アルコキシ(-OR1)、アルコキシカルボニル(-C(=O)-OR1)等が挙げられる。ここで、R1は、アルキルであり、好ましくはC1~C4アルキルであり、より好ましくはメチル又はエチルである。
含窒素有機基としては、非置換アミノ(-NH2)、置換アミノ(-NR23)、ニトロ(-NO2)、シアノ(-CN)等が挙げられる。ここで、R2及びR3は、独立して、水素又はアルキルであるが、少なくとも一方はアルキルであり、アルキルは、好ましくはC1~C4アルキルであり、より好ましくはメチル又はエチルである。
含硫黄有機基としては、メルカプト(-SH)、スルホ(-SO3H)、アルキルチオ(-SR4)等が挙げられる。ここで、R4は、アルキルであり、好ましくはC1~C4アルキルであり、より好ましくはメチルである。
Rとしては、水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ヒドロキシ(-OH)、アルコキシ(-OR1)、アシル(-CR1(=O))、置換アミノ(-NR23)(ここで、R1、R2及びR3は上記のとおりである。)が好ましく、水素原子、塩素原子、ヒドロキシ、メトキシ、アセチル、ジメチルアミノがより好ましい。
式1の化合物としては、CH4、CH3OH、CH3Cl、CH3Br、CH3I、CH3CHO、HCOOCH3、CH3COOCH3、CH3COOC25、CH3NH2、(CH32NH、(CH33N、CH3CN、CH3NO2、CH3SH、CH3SCH3、CH3OCH3、CH3OC25、CH3COCH3、CH3COC25等が挙げられ、取扱いの容易さの点からCH4、CH3OH、CH3Cl、CH3COCH3、CH3OCH3、(CH33Nが好ましく、CH3OHがより好ましい。
[不活性ガス]
不活性ガスとしては、N2、He、Ne、Ar、Xe、Kr、CO2等が挙げられ、N2、Ar、He、CO2が好ましく、N2、Arがより好ましい。不活性ガスは、1種のみでも、2種以上の併用でもよい。
[原料ガス]
原料ガスは、式1の化合物及び不活性ガスを含む。式1の化合物は、標準状態(大気圧、298K)において、気体、液体、固体のいずれであってもよいが、原料ガスを熱的非平衡領域に導入する際には気体である。
原料ガス中の式1の化合物及び不活性ガスの含有割合は、特に限定されず、任意の割合で調整できる。原料ガスに占める式1の化合物の含有割合は、1体積%以上が好ましく、5体積%以上がより好ましく、また、85体積%以下が好ましく、80体積%以下がより好ましい。式1の化合物及び不活性ガス以外の原料ガスの残部は、周囲環境から不可避的に混入する不純物であることが好ましい。
原料ガスは、プラズマ装置の熱的非平衡領域で式1の化合物及び不活性ガスを含んでいればよい。プラズマ装置の熱的非平衡領域に、式1の化合物及び不活性ガスを、それぞれ気体として、別々に供給して、原料ガスとしてもよく、全部を予め混合した気体として供給して、原料ガスとしてもよく、あるいは一部を予め混合した気体として、残部の気体とは別々に供給して、原料ガスとしてもよい。
式1の化合物が標準状態で気体であるか、あるいは蒸気圧が十分高く加熱等により容易に気化する液体の場合、別途気化室等を設けることなく、式1の化合物を気体として、熱的非平衡領域に供給することができる。供給流量の制御は、マスフローコントローラー等を用いて行うことができる。
式1の化合物が、標準状態で蒸気圧が低い液体又は固体である場合、式1の化合物を、別途設けた気化室で気化させた後、気相流通反応器に供給することができる。固体の場合、加熱して液体とした後、気化室に導入することができる。
例えば、式1の化合物が十分気化する温度及び圧力に保持した気化室に、式1の化合物を液体の状態で導入することにより気化させることができる。気化室の温度及び圧力は、式1の化合物が、瞬時に気化可能な温度及び圧力に保持することが好ましい。このような気化室を利用することにより、式1の化合物を、液体として気化室に連続的に導入し、気化室で瞬時に気化させて、気体としてプラズマ装置の熱的非平衡領域に連続的に供給することができる。供給流量の制御は、気化室で気化したガスを、マスフローコントローラー等で制御することにより行うか、あるいは、式1の化合物を、液体の状態で気化室に連続的に導入する際に、液体マスフローコントローラー等で制御することにより行うことができる。気化させた式1の化合物をプラズマ装置の熱的非平衡領域に導入する際、不活性ガスで希釈してもよい。
[熱的非平衡領域]
本発明の製造方法では、原料ガスをプラズマ装置の熱的非平衡領域に導入する。プラズマ装置の熱的非平衡領域で、式1の化合物を熱的非平衡の状態とし、種々の活性種を生成させることができる。熱的非平衡の領域では、式1の化合物の分解が適度に抑制され、CH3ラジカルを生成させる点で有利である。
プラズマ装置の熱的非平衡領域は、大気圧低温プラズマ又は真空プラズマによる放電領域であることができる。大気圧低温プラズマ又は真空プラズマの形成には、電気的な方法を利用することができる。
大気圧低温プラズマとしては、低温大気圧下で、誘電体バリア放電、グロー放電、パルス放電を行う方式が挙げられ、真空プラズマとしては、低温低圧下で、グロー放電、高周波放電を行う方式が挙げられる。
プラズマ装置の熱的非平衡領域には、大気圧熱プラズマを作り出す反応場を利用することもでき、通常、大気圧熱プラズマを形成する装置の放電領域周辺の1000~3000Kの温度領域は熱的非平衡領域に対応する。
本発明の製造方法では、原料ガスをプラズマ装置の熱的非平衡領域に連続的に流通させるが、その際の空間速度は、特に限定されず、0.01h-1以上が好ましく、0.1h-1以上がより好ましく、0.3h-1以上がさらに好ましく、また、100000h-1以下が好ましく、50000h-1以下がより好ましく、10000h-1以下がさらに好ましい。空間速度が上記範囲内であれば、放電が困難になることが避けられ、生産性を低下させずにフッ化炭化水素を効率的に製造することができる。
[フッ素源]
本発明の製造方法では、固体のフッ素含有無機化合物由来の活性種を熱的非平衡領域内に存在させる。固体のフッ素含有無機化合物由来の活性種はフッ素源を含む。
固体のフッ素含有無機化合物をプラズマ装置の熱的非平衡領域において活性化し、活性種を熱的非平衡領域内に存在させることができる。例えば、プラズマ装置の熱的非平衡領域に固体のフッ素含有無機化合物を配置し、次いで酸素含有化合物を導入する方法が挙げられる。熱的非平衡領域に酸素含有化合物を導入することにより、領域内で酸素イオンや酸素ラジカルを発生させ、固体のフッ素含有無機化合物に衝突させることで、フッ素源を叩き出すことができる。
例えば、固体のフッ素含有無機化合物はシリコンウエハ等に塗布して、プラズマ装置内に配置することができる。この場合、固体のフッ素含有無機化合物の量が0.2mg/cm以上となるように塗布することができ、塗布厚みは1μm以上が好ましい。フッ素源を発生されるために、熱的非平衡領域に供給される酸素含有化合物としては、O、SO等が挙げられる。酸素含有化合物は、原料ガスと一緒に、プラズマ装置の熱的非平衡領域に導入してもよい。
不活性ガス又は式1の化合物が酸素を含有する場合、これらは酸素含有化合物を兼ねることができる。例えば、不活性ガスとしてはCO、式1の化合物としてはCHOH、CHCHOが挙げられる。
酸素含有化合物の量は、系内に供給される炭素原子数に対する酸素原子数の比(酸素原子数/炭素原子数)が0.5以上10以下になるようにすることが好ましい。
上記のようにしてフッ素源を発生させたプラズマ装置内に、式1の化合物及び不活性ガスを含む原料ガスを連続的に供給することができる。
あるいは発生した活性種を、別の大気圧低温プラズマや真空プラズマ用のプラズマ装置に供給し、別のプラズマ装置内に、式1の化合物及び不活性ガスを含む原料ガスを連続的に供給してもよい。
固体のフッ素含有無機化合物の活性化は、例えば、大気圧熱プラズマを形成する装置の場合、放電領域に、固体のフッ素含有無機化合物を導入して活性化させることができる。この場合、固体のフッ素含有無機化合物は連続的に供給することが好ましく、供給に際しては、定量フィーダー、ディスクフィーダー、マイクロンフィーダー、モーノポンプ等を用いることができる。固体のフッ素含有無機化合物の量は、系内に供給される炭素原子数に対するフッ素原子数が0.25以上25以下であることが好ましい。
発生した活性種を、同じプラズマ装置内の放電領域周辺の1000~3000Kの温度領域に供給することができる。具体的には、放電領域で発生した活性種を、放電領域周辺の1000~3000Kの温度領域に移行させればよい。
あるいは発生した活性種を、大気圧低温プラズマや真空プラズマ用のプラズマ装置に供給し、大気圧低温プラズマや真空プラズマ用のプラズマ装置内に、式1の化合物及び不活性ガスを含む原料ガスを連続的に供給してもよい。
[フッ化炭化水素]
プラズマ装置の熱的非平衡領域内のガスをプラズマ装置外に連続的に放出することでフッ化炭化水素を得ることができる。熱的非平衡領域内のガスは、フッ素源及び式1の化合物から生成したCH3ラジカルをはじめとする種々の活性種を含む。これらを連続的に領域外に放出することで、フッ素源と活性種が結合し、フッ化炭化水素が生成する。連続的な放出は、原料ガスの連続的な流通に対応する空間速度で行うことができる。
ガスをプラズマ装置外に放出した後、さらに熱交換器に導入して冷却してもよい。熱交換器の方式は、特に限定されず、空冷、水冷式等が挙げられる。放出物には、目的物質であるフッ化炭化水素以外に、炭化水素等が含まれ得るので、分離精製工程に付してもよい。分離精製方法としては、蒸留、溶液等による吸収、膜分離等が挙げられる。
本発明の製造方法によれば、各種のフッ化炭化水素を製造することができ、なかでも、炭素原子数1のフッ化炭化水素を製造することができる。具体的には、CH3F、CH22、CHF3、CF4が挙げられる。モノフルオロメタン(CH3F)の用途としてはエッチングガス、ジフルオロメタン(CH22)及びトリフルオロメタン(CHF3)の用途としては、代替フロン材料やエッチングガスが挙げられる。本発明の製造方法は、モノフルオロメタンの製造に好適である。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって
限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示す平行平板型高周波プラズマ装置1(上部電極11(60MHz)、下部電極13(2MHz)、容量35L)に、CaFを密度0.32mg/cm、厚さ約1μmでコーティングしたシリコンウエハ(4インチ)2を導入した。プラズマ装置1に、原料であるCH及び不活性ガスであるArを、25sccm及び270sccmの流量で、フッ素源の生成のため、Oを5sccmの流量で、混合ガスGとしてプラズマ装置に導入した。
プラズマ装置1内で、混合ガスGを10PaA(絶対圧)に保った状態で、上部電極供給電力1800Wでプラズマ励起を行い、下部電極供給電力300Wにてシリコンウエハのエッチングも同時に行った。系外に出されるガスPの冷却は、室温(298K)下で真空ポンプにより連続的に排気することのみで行い、ガスPはアルミニウムバッグで捕集した。
捕集したガスPは、質量分析ガスクロマトグラフィー(GC-MS)(アジレント社製Agilent7890A)及び水素炎イオン化型ガスクロマトグラフィー(GC-FID)(アジレント社製Agilent6890N)により分析した。分析して得られたGC-MS及びGC-FIDの各成分の面積値から、フッ化炭化水素の収率を求めた。結果を表1に示す。
反応終了後、プラズマ装置1内から、シリコンウエハ2を取り出し、顕微赤外分光光度計(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製フーリエ変換赤外分光装置Nicolet iS10)でプラズマ照射面を観察したところ、CaCOのCO -由来のピークが870、1450cm-1付近に観測され、CaFに酸素含有の活性種が衝突し、フッ素源が叩き出されたことが確認された。
(実施例2)
CH、O、Arの流量をそれぞれ20sccm、10sccm、270sccmに変更したこと以外は、実施例1と同様である。結果を表1に示す。
(実施例3)
CH、O、Arの流量をそれぞれ15sccm、15sccm、270sccmに変更したこと以外は、実施例1と同様である。結果を表1に示す。
(実施例4)
CH、O、Arの流量をそれぞれ10sccm、20sccm、270sccmに変更したこと以外は、実施例1と同様である。結果を表1に示す。
(実施例5)
CH、O、Arの流量をそれぞれ15sccm、15sccm、270sccmに変更し、上部電極500Wに変更した以外は、実施例1と同様である。結果を表1に示す。
(実施例6)
CH、O、Arの流量をそれぞれ15sccm、15sccm、270sccmに変更し、上部電極1150Wに変更した以外は、実施例1と同様である。結果を表1に示す。
(実施例7)
CHOH、Arの流量をそれぞれ10sccm、290sccmに変更し、Oを用いていないこと以外は、実施例1と同様である。結果を表1に示す。
(実施例8)
CH、CO、Arの流量をそれぞれ15sccm、15sccm、270sccmに変更したこと以外は、実施例1と同様である。結果を表1に示す。
(実施例9)
CH、CO、Arの流量をそれぞれ15sccm、45sccm、240sccmに変更したこと以外は、実施例1と同様である。結果を表1に示す。
(実施例10)
CH、O、Nの流量をそれぞれ15sccm、15sccm、270sccmに変更し、上部電極500Wに変更した以外は、実施例1と同様である。結果を表1に示す。
Figure 2022184047000001
表1より、実施例では、触媒を使用せずに、フッ化炭化水素(モノフルオロメタン、ジフルオロメタン)を製造できることがわかる。
本発明によれば、フッ化炭化水素を、気相で、触媒を使用せずに製造することができる。本発明の製造方法は、触媒の活性低下による収率の低下といった事態を回避することができ、また、フッ化炭化水素を連続的に製造することができ、産業上の利用可能性が
高い。
1 平行平板型高周波プラズマ装置
2 CaFをコーティングしたシリコンウエハ
11 上部電極
12 マッチングボックス
13 下部電極
14 マッチングボックス
20 冷却ガス導入口
G 混合ガス
P ガス

Claims (9)

  1. 固体のフッ素含有無機化合物由来の活性種を含むプラズマ装置の熱的非平衡領域に、式1:CH-R〔ここで、Rは、水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又は有機基(ただし、炭化水素基を除く。)である。〕で表される化合物及び不活性ガスを含む原料ガスを連続的に供給し、
    次いで、前記熱的非平衡領域内のガスを前記プラズマ装置外に連続的に放出することを含む、
    フッ化炭化水素の製造方法。
  2. 前記プラズマ装置が大気圧低温プラズマ又は真空プラズマを形成する装置であり、前記熱的非平衡領域が前記大気圧低温プラズマ又は真空プラズマを形成する装置内の放電領域である、請求項1記載のフッ化炭化水素の製造方法。
  3. 前記大気圧低温プラズマ又は真空プラズマを形成する装置内に前記固体のフッ素含有無機化合物を配置し、次いで酸素含有化合物を導入して、前記固体のフッ素含有無機化合物由来の活性種を発生させる、請求項2記載のフッ化炭化水素の製造方法。
  4. 前記プラズマ装置が大気圧熱プラズマを形成する装置であり、前記熱的非平衡領域が前記大気圧熱プラズマを形成する装置内の放電領域周辺の1000~3000Kの温度領域である、請求項1記載のフッ化炭化水素の製造方法。
  5. 前記大気圧熱プラズマを形成する装置内の放電領域で、前記固体のフッ素含有無機化合物由来の活性種を発生させる、請求項4記載のフッ化炭化水素の製造方法。
  6. 前記固体のフッ素含有無機化合物が、式2:M-Fx(ここで、Mは、Li、Na、Mg、K、Ca、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Al、B、Cs、Ba、Pb又はSnであり、xはMの価数である。)で表される化合物の少なくとも一種である、請求項1~5のいずれか一項に記載フッ化炭化水素の製造方法。
  7. 前記不活性ガスが、N2、Ar及びHeからなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1~6のいずれか一項記載のフッ化炭化水素の製造方法。
  8. 前記原料ガスに占める前記式1で表される化合物の含有割合が、1体積%以上85体積%以下である、請求項1~7のいずれか一項に記載のフッ化炭化水素の製造方法。
  9. 前記フッ化炭化水素がモノフルオロメタンである、請求項1~8のいずれか一項に記載のフッ化炭化水素の製造方法。

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