JP2022182957A - 機能制御装置、機能制御プログラム、自動運転制御装置、及び自動運転制御プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】ドライバが異常状態となった場合の乗員の不安を軽減することが可能な機能制御装置等の提供。【解決手段】自動運転ECUは、自動運転機能によって走行可能な自車両において用いられ、自動運転機能に関連する制御を行う機能制御装置として機能する。自動運転ECUは、自車両のドライバに生じた体調の異常状態を把握すると共に、ドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御に含まれる複数の走行制御モードのうちで、自動運転機能が実行中の走行制御モードを把握する。そして、自律走行制御によって自車両が走行する期間に異常状態が把握された場合、自動運転ECUは、自車両の車両制御及びドライバへ向けた情報提示制御のうちの少なくとも一方の内容を、自動運転機能が実行中の走行制御モードに応じて変更する。【選択図】図9

Description

この明細書における開示は、自動運転機能に関連する機能制御装置、機能制御プログラム、自動運転制御装置、及び自動運転制御プログラムに関する。
特許文献1には、全ての運転操作を行うことで、運転者に周辺監視義務のない自動運転を可能にする制御装置が記載されている。この制御装置は、自動運転の継続が困難になるような異常がドライバ等に発生した場合、例えば停車イベントとして、路肩及びパーキングエリア等の退避場所に自車両を停車させる車両制御を実施する。
特開2020-158090号公報
特許文献1のような異常状態の発生に基づく停車イベントに対し、自車両の乗員は、不安を覚え易い。しかし、特許文献1の制御装置は、ドライバが異常状態となった場合に、乗員の不安を軽減するような処理を実施していない。故に、停車イベント等の車両制御に対し、乗員が不安になり易くなる虞があった。
本開示は、ドライバが異常状態となった場合の乗員の不安を軽減することが可能な機能制御装置、機能制御プログラム、自動運転制御装置、及び自動運転制御プログラムの提供を目的とする。
上記目的を達成するため、開示された一つの態様は、自動運転機能によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、自動運転機能に関連する制御を行う機能制御装置であって、自車両のドライバに生じた体調の異常状態を把握する体調異常把握部(72,86)と、ドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御に含まれる複数の走行制御モードのうちで、自動運転機能が実行中の走行制御モードを把握する制御状態把握部(77,82)と、自律走行制御によって自車両が走行する期間に異常状態が把握された場合に、自車両の車両制御及びドライバへ向けた情報提示制御のうちの少なくとも一方の内容を、自動運転機能が実行中の走行制御モードに応じて変更する制御内容変更部(73,79,88)と、を備える機能制御装置とされる。
また開示された一つの態様は、自動運転機能によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、自動運転機能に関連する制御を行う機能制御プログラムであって、自車両のドライバに生じた体調の異常状態を把握し(S101)、ドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御に含まれる複数の走行制御モードのうちで、自動運転機能が実行中の走行制御モードを把握し(S107)、自律走行制御によって自車両が走行する期間に異常状態が把握された場合に、自車両の車両制御及びドライバへ向けた情報提示制御のうちの少なくとも一方の内容を、自動運転機能が実行中の走行制御モードに応じて変更する(S108,S110)、ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(11,51)に実行させる機能制御プログラムとされる。
これらの態様では、周辺監視義務のない自律走行制御によって自車両が走行する期間に異常状態が把握された場合の車両制御又は情報提示制御の内容が、実行中の走行制御モードに応じて変更される。故に、車両制御又は情報提示制御は、自車両が走行する状況に応じた内容に調整され得る。その結果、ドライバが異常状態となった場合の乗員の不安を軽減することが可能になる。
また開示された一つの態様は、自動運転機能によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、自動運転機能に関連する制御を行う機能制御装置であって、自車両のドライバに生じた体調の異常状態を把握する体調異常把握部(72,86)と、ドライバによる周辺監視義務のある運転支援制御と、ドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御とのうちで、自動運転機能が実行中の制御を把握する制御状態把握部(77,82)と、運転支援制御の実行中に異常状態が把握された場合と、自律走行制御の実行中に異常状態が把握された場合とで、自車両の車両制御及びドライバへ向けた情報提示制御のうちの少なくとも一方の内容を変更する制御内容変更部(73,79,88)と、を備える機能制御装置とされる。
また開示された一つの態様は、自動運転機能によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、自動運転機能に関連する制御を行う機能制御プログラムであって、自車両のドライバに生じた体調の異常状態を把握し(S101)、ドライバによる周辺監視義務のある運転支援制御と、ドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御とのうちで、自動運転機能が実行中の制御を把握し(S103)、運転支援制御の実行中に異常状態が把握された場合と、自律走行制御の実行中に異常状態が把握された場合とで、自車両の車両制御及びドライバへ向けた情報提示制御のうちの少なくとも一方の内容を変更する(S106,S108,S110)、ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(11,51)に実行させる機能制御プログラムとされる。
これらの態様では、運転支援制御の実行中に異常状態が把握された場合と、自律走行制御の実行中に異常状態が把握された場合とで、車両制御及び情報提示制御のうちの少なくとも一方の内容が変更される。故に、車両制御又は情報提示制御は、自車両が走行する状況に応じた内容に調整され得る。その結果、ドライバが異常状態となった場合の乗員の不安を軽減することが可能になる。
また開示された一つの態様は、自動運転機能による自車両(Am)の走行を可能にする自動運転制御装置であって、自車両のドライバに生じた体調の異常状態を把握する体調異常把握部(72)と、ドライバによる周辺監視義務のある運転支援制御と、ドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御とのうちで、自動運転機能によって実行中の制御を把握する制御状態把握部(77)と、自律走行制御における前方車両(Af)までの車間距離の設定を、運転支援制御における車間距離の設定よりも広くする制御内容変更部(79)と、を備え、制御内容変更部は、異常状態が把握された場合の車間距離の設定を、自律走行制御における車間距離の設定よりも広くする自動運転制御装置とされる。
また開示された一つの態様は、自動運転機能による自車両(Am)の走行を可能にする自動運転制御プログラムであって、自車両のドライバに生じた体調の異常状態を把握し(S101)、ドライバによる周辺監視義務のある運転支援制御と、ドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御とのうちで、自動運転機能が実行中の制御を把握し(S103)、自律走行制御における前方車両(Af)までの車間距離の設定を、運転支援制御における車間距離の設定よりも広くし(S35)、異常状態が把握された場合の車間距離の設定を、自律走行制御における車間距離の設定よりも広くする(S32)、ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(51)に実行させる自動運転制御プログラムとされる。
これらの態様では、異常状態が把握された場合の車間距離の設定が、自律走行制御及び運転支援制御における車間距離の設定よりも広くされる。故に、異常状態が把握された後では、前方車両までの車間距離が徐々に拡大していく。こうした車間距離の拡大によれば、ドライバが異常状態となった場合でも、乗員の不安を軽減することが可能になる。
また開示された一つの態様は、自動運転機能による自車両(Am)の走行を可能にする自動運転制御装置であって、自車両のドライバに生じた体調の異常状態を把握する体調異常把握部(72)と、ドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御であって、渋滞中の走行に限定して実施される渋滞限定制御によって自車両の走行を制御する走行制御部(63)と、複数のレーンを含む道路を自車両が渋滞限定制御によって走行する場合に、自車両が走行する自車レーン(Lns)を把握するレーン把握部(74)と、を備え、走行制御部は、渋滞限定制御の実行中に異常状態が把握された場合に、自車両を退避場所に停車させる自動退避制御を実施し、自動退避制御の内容を、道路における自車レーンの位置に応じて変更する自動運転制御装置とされる。
また開示された一つの態様は、自動運転機能による自車両(Am)の走行を可能にする自動運転制御プログラムであって、自車両のドライバに生じた体調の異常状態を把握し(S101)、ドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御であって、渋滞中の走行に限定して実施される渋滞限定制御によって自車両の走行を制御し(S15)、複数のレーンを含む道路を自車両が渋滞限定制御によって走行する場合に、自車両が走行する自車レーン(Lns)を把握し(S109)、渋滞限定制御の実行中に異常状態が把握された場合に、自車両を退避場所に停車させる自動退避制御を実施し、当該自動退避制御の内容を、道路における自車レーンの位置に応じて変更する(S110,S114)、ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(51)に実行させる自動運転制御プログラムとされる。
これらの態様では、渋滞限定制御の実行中に異常状態が把握された場合の自動退避制御の内容が、道路における自車レーンの位置に応じて変更される。故に、自動退避制御は、自車レーンの位置によって異なる周辺状況に応じた内容に調整され得る。その結果、ドライバが異常状態となった場合の乗員の不安を軽減することが可能になる。
また開示された一つの態様は、自動運転機能による自車両(Am)の走行を可能にする自動運転制御装置であって、自車両のドライバに生じた体調の異常状態を把握する体調異常把握部(72)と、ドライバによる周辺監視義務のある運転支援制御と、ドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御として渋滞中の走行に限定して実施される渋滞限定制御とのうちで、自動運転機能が実行中の制御を把握する制御状態把握部(77)と、運転支援制御の実行中に異常状態が把握された場合に、走行中の道路の道路脇に自車両を移動させる第一退避制御を実施し、渋滞限定制御の実行中に異常状態が把握された場合に、走行中の自車レーン内に自車両を停車させる第二退避制御を実施する退避制御部(78)と、を備える自動運転制御装置とされる。
また開示された一つの態様は、自動運転機能による自車両(Am)の走行を可能にする自動運転制御プログラムであって、自車両のドライバに生じた体調の異常状態を把握し(S101)、ドライバによる周辺監視義務のある運転支援制御と、ドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御として渋滞中の走行に限定して実施される渋滞限定制御とのうちで、自動運転機能が実行中の制御を把握し(S103,S107)、運転支援制御の実行中に異常状態が把握された場合に、走行中の道路の道路脇に自車両を移動させる第一退避制御を実施し、渋滞限定制御の実行中に異常状態が把握された場合に、走行中の自車レーン内に自車両を停車させる第二退避制御を実施する(S106,S108,S110,S114)、ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(51)に実行させる自動運転制御プログラムとされる。
これらの態様では、運転支援制御の実行中に異常状態が把握された場合には、走行中の道路の道路脇に自車両を移動させる第一退避制御が実施されるため、後方からの追突のリスクが軽減され得る。一方、渋滞限定制御の実行中に異常状態が把握された場合には、走行中の自車レーン内に自車両を停車させる第二退避制御が実施される。渋滞中であれば、自車レーン内に自車両が停車しても、追突のリスクは低く抑制され得る。以上のように、自車両が走行する状況に応じて自動退避制御の制御内容が変更されることによれば、ドライバが異常状態となった場合の乗員の不安を軽減することが可能になる。
また開示された一つの態様は、自動運転機能による自車両(Am)の走行を可能にする自動運転制御装置であって、自車両のドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御の開始を指示するドライバ操作の入力を把握する入力把握部(71)と、ドライバに生じた体調の異常状態を把握する体調異常把握部(72)と、ドライバの状態に関連するドライバ条件を少なくとも含む複数の開始許可条件が成立している場合、ドライバ操作の入力に基づき、自律走行制御の開始を許可する許可判定部(77)と、を備え、許可判定部は、異常状態が把握された場合、ドライバ条件を除く開始許可条件が成立していれば、ドライバ操作の入力が把握されなくても、自律走行制御を開始させる自動運転制御装置とされる。
また開示された一つの態様は、自動運転機能による自車両(Am)の走行を可能にする自動運転制御プログラムであって、自車両のドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御の開始を指示するドライバ操作の入力を把握し(S12)、ドライバの状態に関連するドライバ条件を少なくとも含む複数の開始許可条件が成立している場合、ドライバ操作の入力に基づき、自律走行制御の開始を許可し(S15,S16)、ドライバに生じた体調の異常状態を把握し(S101)、異常状態が把握された場合、ドライバ条件を除く開始許可条件が成立していれば、ドライバ操作の入力が把握されなくても、自律走行制御を開始させる(S104,S105)、ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(51)に実行させる自動運転制御プログラムとされる。
これらの態様では、ドライバの異常状態が把握された場合、ドライバ条件を除く開始許可条件が成立していれば、ドライバ操作の入力が把握されなくても、周辺監視義務のない自律走行制御が開始される。故に、異常状態の発生後には、自律走行制御による走行が迅速に開始され得る。その結果、ドライバが異常状態となった場合の乗員の不安を軽減することが可能になる。
また開示された一つの態様は、自動運転機能によって走行可能な自車両(Am)において用いられる機能制御装置であって、自車両のドライバを撮影したドライバ画像に基づくドライバの状態情報、及びドライバによるステアリング部への操舵操作に関連した操舵情報、を取得する情報取得部(47)と、状態情報及び操舵情報を少なくとも含む複数のドライバ情報に基づき、ドライバの異常を検知する異常検知部(48)と、を備え、異常検知部は、ドライバによるステアリング部の把持義務のない状態で自動運転機能が自車両を走行させている場合、ドライバの異常検知に用いるドライバ情報から操舵情報を除く、機能制御装置とされる。
また開示された一つの態様は、自動運転機能によって走行可能な自車両(Am)において用いられる機能制御プログラムであって、自車両のドライバを撮影したドライバ画像に基づくドライバの状態情報、及びドライバによるステアリング部への操舵操作に関連した操舵情報を取得し(S61,S71)、状態情報及び操舵情報を少なくとも含む複数のドライバ情報に基づき、ドライバの異常を検知し(S62)、ドライバにステアリング部の把持義務のない状態で自動運転機能が自車両を走行させている場合、ドライバの異常検知に用いるドライバ情報から操舵情報を除く(S42,S45)、ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(11,51,51a)に実行させる機能制御プログラムとされる。
これらの態様では、ドライバによるステアリング部の把持義務のない状態で自車両が走行する場合、操舵情報を除くドライバ情報に基づき、ドライバの異常が検知される。故に、ドライバがステアリング部を把持していない状況でも、異常検知に操舵情報を用いてしまい、異常を誤検知してしまう事態は回避され得る。以上によれば、異常の誤検知に起因する乗員を不安が生じ難くなる。
また開示された一つの態様は、自動運転機能による自車両(Am)の走行を可能にする自動運転制御装置であって、自車両のドライバに異常が検知されたことを把握する体調異常把握部(72)と、ドライバによる周辺監視義務のない状態で自車両が走行する自動運転期間において、ドライバの異常が検知された場合に、ステアリング部の把持を促す把持要請報知を実施させる報知実施部(73)と、自動運転期間においてドライバの異常が検知された場合でも、ドライバによる周辺監視義務のない状態での走行を継続させる制御継続部(77)と、を備える自動運転制御装置とされる。
また開示された一つの態様は、自動運転機能による自車両(Am)の走行を可能にする自動運転制御プログラムであって、自車両のドライバに異常が検知されたことを把握し(S91)、ドライバによる周辺監視義務のない状態で自車両が走行する自動運転期間において、ドライバの異常が検知された場合に、ステアリング部の把持を促す把持要請報知を実施させ(S93)、自動運転期間においてドライバの異常が検知された場合でも、ドライバによる周辺監視義務のない状態での走行を継続させる(S94)、ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(51)に実行させる自動運転制御プログラムとされる。
これらの態様では、ドライバによる周辺監視義務のない状態で自車両が走行する自動運転期間においてドライバの異常が検知された場合に、ステアリング部の把持を促す把持要請報知が実施される。故に、ドライバが正常である場合、異常検知が解消され得る。さらに、自動運転期間においてドライバの異常が検知された場合でも、周辺監視義務のない状態での走行は継続される。その結果、ドライバの体調が異常態となった場合でも、安定した走行が継続されるため、乗員の不安を軽減することが可能になる。
尚、上記及び特許請求の範囲における括弧内の参照番号は、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。
本開示の第一実施形態による自動運転ECUを含む車載ネットワークの全体像を示す図である。 自動運転ECUの詳細を示すブロック図である。 HCUの詳細を示すブロック図である。 運転制御切替処理の詳細を示すフローチャートである。 車間設定処理の詳細を示すフローチャートである。 渋滞シーン1でのMRM制御の詳細を示す図である。 渋滞シーン2でのMRM制御の詳細を示す図である。 渋滞シーン3でのMRM制御の詳細を示す図である。 MRM移行処理の詳細を示すフローチャートである。 第三実施形態のデッドマン判定部にて実施される判定切替処理の詳細を示すフローチャートである。 ドライバに把持義務がある場合に実施される状態判定処理の詳細を示すフローチャートである。 ドライバに把持義務がない場合に実施される状態判定処理の詳細を示すフローチャートである。 移行準備処理の詳細を示すフローチャートである。
以下、複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
(第一実施形態)
本開示の第一実施形態による自動運転制御装置の機能は、図1に示す自動運転ECU(Electronic Control Unit)50bによって実現されている。自動運転ECU50bは、運転支援ECU50aと共に車両(以下、自車両Am)に搭載されている。自動運転ECU50bは、運転支援ECU50a等と共に自車両Amの自動運転システム50を構成している。自動運転システム50の搭載により、自車両Amは、自動運転機能を備えた自動運転車両となり、自動運転機能によって走行可能となる。
運転支援ECU50aは、自動運転システム50において、ドライバの運転操作を支援する運転支援機能を実現させる車載ECUである。運転支援ECU50aは、米国自動車技術会の規定する自動運転レベルにおいて、レベル2程度の高度運転支援又は部分的な自動運転を可能にする。運転支援ECU50aによって実施される自動運転は、ドライバの目視による自車周辺の監視が必要な周辺監視義務のある自動運転となる。
自動運転ECU50bは、ドライバの運転操作を代行可能な自律走行機能を実現させる車載ECUである。自動運転ECU50bは、システムが制御主体となるレベル3以上の自律走行を実施可能である。自動運転ECU50bによって実施される自動運転は、自車周囲の監視が不要となる、即ち、周辺監視義務のないアイズオフの自動運転となる。
自動運転システム50では、運転支援ECU50aによる周辺監視義務のある運転支援制御と、自動運転ECU50bによる周辺監視義務のない自律走行制御とを少なくとも含む複数のうちで、自動運転機能の走行制御状態が切り替えられる。以下の説明では、運転支援ECU50aによるレベル2以下の自動運転制御を「運転支援制御」と記載し、自動運転ECU50bによるレベル3以上の自動運転制御を「自律走行制御」と記載する。尚、自動運転ECU50bは、レベル4以上の自動運転を実施可能であってよい。
自動運転ECU50bによる自律走行制御によって自車両Amが走行する自動走行期間では、予め規定された運転以外の特定の行為(以下、セカンドタスク)がドライバに許可され得る。セカンドタスクは、自動運転ECU50bが後述するHCU(Human Machine Interface Control Unit)100と連携して行う運転操作の実施要求、即ち、運転交代の要請が発生するまで、ドライバに法規的に許可される。例えば、動画コンテンツ等のエンターテイメント系のコンテンツの視聴、スマートフォン等のデバイス操作及び食事等の行為が、セカンドタスクとして想定される。
運転支援ECU50a及び自動運転ECU50bは、自車両Amに搭載された車載ネットワーク1の通信バス99に、通信可能に接続されている。通信バス99には、図1~図3に示すように、把持センサ28、ドライバモニタ29、周辺監視センサ30、ロケータ35、車載通信機39、走行制御ECU40、ステアECU43及びHCU100等が接続されている。通信バス99に接続されたこれらのノードは、相互に通信可能である。これらECU等のうちの特定のノード同士は、相互に直接的に電気接続され、通信バス99を介することなく通信可能であってもよい。
把持センサ28は、例えば静電容量式のタッチセンサである。把持センサ28は、ステアリングホイールのリム部分に設けられている。把持センサ28は、ドライバがステアリングホイールを把持しているか否かを検知する。把持センサ28は、ドライバによるステアリングホイールの把持の有無を示す把持検知情報を、HCU100等に提供する。
ドライバモニタ29は、近赤外光源及び近赤外カメラと、これらを制御する制御ユニットとを含む構成である。ドライバモニタ29は、運転席のヘッドレスト部分に近赤外カメラを向けた姿勢にて、例えばステアリングコラム部の上面又はインスツルメントパネルの上面等に設置されている。ドライバモニタ29は、後述するメータディスプレイ21又はセンターインフォメーションディスプレイ(以下、CID)22等と一体的に構成され、いずれかの画面に設けられていてもよい。
ドライバモニタ29は、近赤外光源によって近赤外光を照射されたドライバの頭部を、近赤外カメラによって撮影する。近赤外カメラによる撮像画像(ドライバ画像)は、制御ユニットによって画像解析される。制御ユニットは、ドライバのアイポイントの位置及び視線方向等の情報を撮像画像から抽出する。ドライバモニタ29は、制御ユニットによって抽出されたドライバステータス情報をHCU100及び自動運転ECU50b等に提供する。
周辺監視センサ30は、自車両Amの周辺環境を監視する自律センサである。周辺監視センサ30は、自車周囲の検出範囲から移動物体及び静止物体を検出可能である。周辺監視センサ30は、自車両Amの周囲を走行する他車両、具体的には、前方車両、後方車両及び側方車両等を少なくとも検出可能である。周辺監視センサ30は、自車周囲の物体の検出情報を運転支援ECU50a及び自動運転ECU50b等に提供する。
周辺監視センサ30には、例えばカメラユニット31、ミリ波レーダ32、ライダ33及びソナー34のうちの1つ又は複数が含まれている。カメラユニット31は、単眼カメラを含む構成であってもよく、又は複眼カメラを含む構成であってもよい。カメラユニット31は、自車両Amの前方範囲を撮影可能なように自車両Amに搭載されている。自車両Amの側方範囲及び後方範囲を撮影可能なカメラユニット31が、自車両Amに搭載されていてもよい。カメラユニット31は、自車周囲を撮影した撮像データ及び撮像データの解析結果の少なくとも一方を、検出情報として出力する。
ミリ波レーダ32は、ミリ波又は準ミリ波を自車周囲へ向けて照射する。ミリ波レーダ32は、移動物体及び静止物体等で反射された反射波を受信する処理によって生成した検出情報を出力する。ライダ33は、自車周囲へ向けてレーザ光を照射する。ライダ33は、照射範囲に存在する移動物体及び静止物体等で反射されたレーザ光を受信する処理によって生成した検出情報を出力する。ソナー34は、自車周囲へ向けて超音波を発射する。ソナー34は、自車近傍に存在する移動物体及び静止物体等で反射された超音波を受信する処理によって生成した検出情報を出力する。
ロケータ35は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機及び慣性センサ等を含む構成である。ロケータ35は、GNSS受信機で受信する測位信号、慣性センサの計測結果、及び通信バス99に出力された車速情報等を組み合わせ、自車両Amの自車位置及び進行方向等を逐次測位する。ロケータ35は、測位結果に基づく自車両Amの位置情報及び方角情報を、ロケータ情報として通信バス99に逐次出力する。
ロケータ35は、地図データを格納した地図データベース(以下、地図DB)36をさらに有している。地図DB36は、多数の3次元地図データ及び2次元地図データを格納した大容量の記憶媒体を主体とする構成である。3次元地図データは、道路の3次元形状情報及び各レーンの詳細情報等、高度運転支援及び自動運転に必要な情報を含んでいる。ロケータ35は、現在位置周辺の地図データを地図DB36から読み出し、運転支援ECU50a及び自動運転ECU50b等にロケータ情報と共に提供する。
車載通信機39は、自車両Amに搭載された車外通信ユニットであり、V2X(Vehicle to Everything)通信機として機能する。車載通信機39は、道路脇に設置された路側機との間で無線通信によって情報を送受信する。一例として、車載通信機39は、自車両Amの現在位置周辺及び進行方向の渋滞情報を路側機から受信する。渋滞情報は、VICS(登録商標)情報等である。車載通信機39は、受信した渋滞情報を自動運転ECU50b等に提供する。
走行制御ECU40は、マイクロコントローラを主体として含む電子制御装置である。走行制御ECU40は、ブレーキ制御ECU、駆動制御ECU及び操舵制御ECUの機能を少なくとも有している。走行制御ECU40は、ドライバの運転操作に基づく操作指令、運転支援ECU50aの制御指令及び自動運転ECU50bの制御指令のいずれか一つに基づき、各輪のブレーキ力制御、車載動力源の出力制御及び操舵角制御を継続的に実施する。加えて走行制御ECU40は、各輪のハブ部分に設けられた車輪速センサの検出信号に基づき、自車両Amの現在の走行速度を示す車速情報を生成し、生成した車速情報を通信バス99に逐次出力する。
ステアECU43は、自車両Amの操舵制御システムに設けられたECUであり、マイクロコントローラを主体として含む構成である。ステアECU42は、ドライバによる操舵操作及び運転支援ECU50aより取得する制御コマンドの少なくとも一方に基づき、ステアリングアクチュエータの作動を制御し、操舵輪の向き、ひいては自車両Amの進行方向を規定する。ステアECU43は、操舵センサ44にて検出されるステアリングホイールへの入力トルク(以下、操舵トルク)、並びにステアリングホイールの回転方向及び回転角度(ハンドル角)を示す操作情報(以下、操舵情報)を、通信バス99に逐次出力する。
HCU100は、複数の表示デバイス、オーディオ装置24及び操作デバイス26等と共にHMI(Human Machine Interface)システム10を構成している。HMIシステム10は、自車両Amのドライバ等の乗員による操作を受け付ける入力インターフェース機能と、ドライバへ向けて情報を提示する出力インターフェース機能とを備えている。
表示デバイスは、画像表示等により、ドライバの視覚を通じて情報を提示する。表示デバイスには、メータディスプレイ21、CID22及びヘッドアップディスプレイ(以下、HUD)23等が含まれている。CID22は、タッチパネルの機能を有しており、ドライバ等による表示画面へのタッチ操作を検出する。オーディオ装置24は、運転席を囲む配置にて車室内に設置された複数のスピーカを有しており、報知音又は音声メッセージ等をスピーカによって車室内に再生させる。
操作デバイス26は、ドライバ等によるユーザ操作を受け付ける入力部である。操作デバイス26には、例えば自動運転機能の作動及び停止に関連するユーザ操作等が入力される。一例として、運転支援制御から自律走行制御への移行を指示するドライバ入力が操作デバイス26には入力される。ステアリングホイールのスポーク部に設けられたステアスイッチ、ステアリングコラム部に設けられた操作レバー、及びドライバの発話内容を認識する音声入力装置等が、操作デバイス26に含まれる。
HCU100は、提示制御装置として機能し、自動運転に関連する情報等のドライバへ向けた提示を統合的に管理する。HCU100は、自動運転ECU50bによる運転操作の実施要求に基づき、ドライバに運転交代を要請する。加えてHCU100は、自動運転ECU50bと連携してドライバによるセカンドタスクの実施を許容し、運転交代要請を妨げないかたちでセカンドタスクに関連した動画コンテンツ等を再生可能である。
HCU100は、処理部11、RAM12、記憶部13、入出力インターフェース14及びこれらを接続するバス等を備えた制御回路を主体として含む構成である。処理部11は、RAM12と結合された演算処理のためのハードウェアである。処理部11は、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)等の演算コアを少なくとも一つ含む構成である。処理部11は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、NPU(Neural network Processing Unit)及び他の専用機能を備えたIPコア等をさらに含む構成であってよい。RAM12は、映像データ生成のためのビデオRAMを含む構成であってよい。処理部11は、RAM12へのアクセスにより、提示制御処理のための種々の処理を実行する。記憶部13は、不揮発性の記憶媒体を含む構成である。記憶部13には、処理部11によって実行される種々のプログラム(提示制御プログラム等)が格納されている。
HCU100は、記憶部13に記憶された提示制御プログラムを処理部11によって実行することで、ドライバへの情報提示を統合制御する複数の機能部を有する。具体的に、HCU100には、情報取得部81、情報連携部82、ドライバ情報把握部86及び提示制御部88(図3参照)等の機能部が構築される。
情報取得部81は、自車両Amの状態を示す車両情報を通信バス99から取得する。車両情報には、例えば走行制御ECU40によって通信バス99に提供される車速情報等が含まれる。加えて情報取得部81は、ユーザ操作の内容を示す操作情報をCID22及び操作デバイス26等から取得する。
情報連携部82は、自動運転ECU50bの情報連携部61(後述する)と連携し、自動運転システム50及びHCU100間での情報の共有を可能にする。情報連携部82は、情報取得部81にて把握される操作情報、及びドライバ情報把握部86にて把握されるドライバ監視情報(後述する)等を、自動運転ECU50bに提供する。
情報連携部82は、自動運転機能の状態を示す制御ステータス情報の取得により、自動運転システム50による自動運転の動作状態を把握する。情報連携部82は、制御ステータス情報に基づき、実施中の走行制御が運転支援制御及び自律走行制御のいずれであるか、言い替えれば、自動運転機能によって実施される走行制御にドライバによる周辺監視義務があるか否かを把握する。
情報連携部82は、自動運転ECU50bの報知要求部73(後述する)によって出力される報知の実施要求を取得する。情報連携部82は、ドライバへの運転交代要請の実施要求、及び制御移行報知の実施要求等を自動運転ECU50bから取得する。制御移行報知は、例えば手動運転から運転支援制御への移行、及び運転支援制御から自律走行制御への移行に関連する報知である。情報連携部82は、各報知の実施要求に基づき、提示制御部88と連携して、各報知の内容及び実施タイミングを制御する。
ドライバ情報把握部86は、把持センサ28から取得する把持検知情報、及びドライバモニタ29から取得するドライバステータス情報に基づき、ドライバの状態及び行動を把握する。ドライバ情報把握部86は、把持検知情報に替えて又は把持検知情報と共に、ステアECU43から操舵情報を取得してもよい。ドライバ情報把握部86は、逐次取得する把持検知情報及びドライバステータス情報等に基づき、ドライバがステアリングホイールを把持しているか否か、及びドライバが自車両Amの周囲を監視しているか否か等を把握する。加えてドライバ情報把握部86は、手動運転期間、運転支援期間及び自動走行期間において、デッドマン判定部46(後述する)から取得する異常検知情報に基づき、ドライバの体調に生じた異常状態を把握する。ステアリングホイールの把持の有無、周辺監視の実施の有無、及び異常状態の発生の有無等を示す情報は、ドライバ監視情報として情報連携部82及び提示制御部88に提供される。
提示制御部88は、各表示デバイス及びオーディオ装置24を用いたドライバへの情報の提供を統合制御する。提示制御部88は、情報連携部82にて取得される制御ステータス情報及び実施要求と、ドライバ情報把握部86にて把握されるドライバ監視情報等とに基づき、自動運転の動作状態に合わせたコンテンツ提供及び情報提示を実施する。具体的に、提示制御部88は、自動運転ECU50bによる自律走行制御の実施が情報連携部82によって把握されると、表示デバイスによる動画コンテンツ等の再生を可能にする。さらに、提示制御部88は、周辺監視義務のない自律走行制御の解除が予定されると、運転交代をドライバに要請する運転交代要請を実施する。
次に、運転支援ECU50a及び自動運転ECU50bの各詳細を順に説明する。
運転支援ECU50aは、処理部51a、RAM52a、記憶部53a、入出力インターフェース54a及びこれらを接続するバス等を備えた制御回路を主体として含むコンピュータである。運転支援ECU50aは、処理部51aでのプログラムの実行により、複数の運転支援機能を実現する。具体的に、ACC(Adaptive Cruise Control)、LTC(Lane Trace Control)及びLCA(Lane Change Assist)等の運転支援機能が実現される。一例として、運転支援ECU50aは、ACC及びLTCの各機能の連携により、自車両Amを走行中の自車レーンLnsに沿って走行させる運転支援制御を実施する。
運転支援ECU50aは、デッドマン判定部46(図3参照)を備えている。デッドマン判定部46は、機能制御プログラムの一つとして記憶部53aに記憶されたデッドマン判定プログラムに基づいて構築される機能部である。デッドマン判定部46は、急病等の予め予測困難な理由によってドライバが運転困難な状態となったことを自動で検知し、ドライバが運転困難状態に陥ったことを診断する異常検知装置として機能する。デッドマン判定部46には、情報取得部47及び異常検知部48がサブ機能部としてさらに構築される。
情報取得部47は、自車両Amのドライバを撮影したドライバ画像に基づくドライバの状態情報(以下、ドライバステータス情報)をドライバモニタ29から取得する。情報取得部47は、ドライバによるステアリングホイールへの操舵操作に関連した操舵情報を、ステアECU43から取得する。加えて情報取得部47は、ドライバによるステアリングホイールの把持の有無を示す把持検知情報を、操舵情報の一つとして、把持センサ28から取得する。
異常検知部48は、ドライバステータス情報及び操舵情報を少なくとも含む複数のドライバ情報に基づき、ドライバの異常を検知する。異常検知部48は、ドライバステータス情報に基づき、ドライバの上体の傾き及び頭部の上体に対する傾き等を検出し、ドライバの姿勢崩れを把握する。異常検知部48は、ドライバステータス情報に基づき、ドライバの開眼度又は覚醒度を把握する。異常検知部48は、操舵情報に基づき、ドライバが操舵操作を適切に継続しているか否かを把握する。異常検知部48は、姿勢崩れの発生、開眼度又は覚醒度の所定以下への低下、及び操舵操作の中断等を、ドライバの異常として検知する。異常検知部48は、ドライバの異常を検知した場合、異常検知を示す異常検知情報を、通信バス99を通じてドライバ情報把握部86に提供する。異常検知の状態は、ドライバの体調異常の発生が疑われる状態である。
異常検知部48は、ドライバの異常の検知が継続した場合、言い替えれば、ドライバの異常を連続して複数回検知した場合、ドライバの体調に異常状態が発生しており、ドライバが運転困難な状態であると判断する。異常検知部48は、ドライバの運転困難状態を診断した場合、異常状態の発生を示す異常検知情報を、通信バス99を通じてドライバ情報把握部86に提供する。以上のように、デッドマン判定部46は、ドライバ姿勢が運転に不適切な姿勢にまで崩れた状態等を把握すると、異常状態の発生を示す異常検知情報を出力する。さらに、デッドマン判定部46は、発生した異常状態(姿勢崩れ)が所定時間継続すると、運転困難状態の確定を示す異常検知情報を出力する。
尚、デッドマン判定部46は、自動運転ECU50b又はHCU100の機能部として、これらのECUに実装されていてもよい。或いは、デッドマン判定部46の機能を備えた単独の車載ECUが、運転支援ECU50a等とは別に通信バス99に接続されていてもよい。
自動運転ECU50bは、運転支援ECU50aよりも高い演算能力を備えており、ACC、LTC及びLCAに相当する走行制御を少なくとも実施できる。加えて自動運転ECU50bは、デッドマン判定部46によってドライバが運転困難状態に陥ったと判断されると、車両制御として、MRM(Minimal Risk Maneuver)制御を実施する。MRM制御は、自車両Amを退避場所に停車させる自動退避制御である。退避場所は、走行中のレーン内又は走行中の道路の道路脇(路肩)等に設定される。例えば、非常駐車帯、路側帯及びパーキングエリア等が退避場所として設定可能であってもよい。
自動運転ECU50bは、処理部51、RAM52、記憶部53、入出力インターフェース54及びこれらを接続するバス等を備えた制御回路を主体として含むコンピュータである。処理部51は、RAM52へのアクセスにより、本開示の自動運転制御方法を実現するための種々の処理を実行する。記憶部53には、処理部51によって実行される種々のプログラム(自動運転制御プログラム,機能制御プログラム等)が格納されている。処理部51によるプログラムの実行により、自動運転ECU50bには、自動運転機能を実現し、かつ、自動運転機能に関連する機能の制御を実施するための複数の機能部が構築される。具体的に、自動運転ECU50bには、情報連携部61、環境認識部62、行動判断部63及び制御実行部64等が構築される(図2参照)。
情報連携部61は、HCU100の情報連携部82への情報提供と、情報連携部82からの情報取得とを実施する。これら情報連携部61,82の連携により、自動運転ECU50b及びHCU100は、それぞれが取得した情報を共有する。情報連携部61は、自動運転機能の動作状態を示す制御ステータス情報を生成し、生成した制御ステータス情報を情報連携部82に提供する。情報連携部61は、情報連携のためのサブ機能部として、入力把握部71、異常把握部72及び報知要求部73を有する。
入力把握部71は、操作情報を情報連携部82から取得する。入力把握部71は、操作情報に基づき、CID22及び操作デバイス26等へ入力されるユーザ操作(ドライバ操作)を把握する。入力把握部71は、運転支援制御の開始を指示するドライバ操作(以下、レベル2移行操作)、及び自律走行制御の開始を指示するドライバ操作(以下、レベル3移行操作)等を把握する。
異常把握部72は、ドライバ監視情報を情報連携部82から取得する。異常把握部72は、ドライバ監視情報に基づき、ドライバの行動を把握すると共に、ドライバに生じた体調の異常状態を把握する。具体的に、異常把握部72は、ステアリングの把持の有無、ドライバによる周囲監視の実施の有無、実施中のセカンドタスクの内容、及びドライバの異常状態及び運転困難状態の発生等を把握する。
尚、異常把握部72は、HCU100のドライバ情報把握部86と同様の機能を備えていてもよい。詳記すると、異常把握部72は、ドライバステータス情報及び異常検知情報を、ドライバモニタ29及びデッドマン判定部46のそれぞれから取得し、ドライバ情報把握部86と同様にドライバの行動及び体調等を把握可能であってよい。
報知要求部73は、情報連携部82へ向けた報知の実施要求の出力により、自動運転機能の動作状態に同期したHCU100による報知を可能にする。即ち、報知要求部73は、行動判断部63と連携し、自動運転機能による車両制御の内容に合わせて、HCU100による情報提示制御の内容を変更できる。上述したように、報知要求部73は、自動運転に関連した報知の実施要求として、運転交代要請の実施要求、及び制御移行報知の実施要求等を、情報連携部82へ向けて送信する。
環境認識部62は、例えば車速情報等の車両情報を通信バス99から取得し、自車両Amの現在の走行状態を把握する。加えて環境認識部62は、ロケータ35より取得するロケータ情報及び地図データと、周辺監視センサ30より取得する検出情報とを組み合わせ、自車両Amの走行環境を認識する。環境認識部62は、例えば自車両Amの周囲を走行する他車両等、自車周囲の動的な物標の相対位置及び相対速度等を把握する。環境認識部62は、自車両Amと同一レーンを走行する前方車両Af及び後方車両Abと、左右の隣接レーンを走行する側方車両As等を少なくとも把握する(図6参照)。環境認識部62は、走行環境認識のためのサブ機能部として、レーン把握部74及び渋滞把握部75を有する。
レーン把握部74は、自車両Amが走行する道路に関する情報を把握する。レーン把握部74は、自車両Amの走行する道路又は走行予定の道路が予め設定された自動運転可能エリア(以下、ADエリア)又は制限付きADエリアであるか否かを判別する。ADエリア及び制限付きADエリアか否かを示す情報は、地図DB36に格納された地図データに記録されていてもよく、車載通信機39によって受信する受信情報に含まれていてもよい。
ADエリア及び制限付きADエリアは、ドライバによる周辺監視義務のない自動運転が法規的に許可される運行設計領域(Operational Design Domain)に相当し得る。周辺監視義務のない自動運転には、複数の走行制御モードとして、渋滞中の走行に限定して実施される渋滞限定制御(以下、渋滞時レベル3)と、特定エリア内に限定して実施されるエリア限定制御(以下、エリアレベル3)と、が含まれている。ADエリア内の道路では、渋滞時レベル3及びエリアレベル3の両方の実施が許可され、制限付きADエリア内の道路では、渋滞時レベル3のみが実施を許可される。ADエリア及び制限付きADエリアのいずれにも含まれない手動運転エリア(以下、MDエリア)では、レベル3の自動運転での走行は、原則的に禁止される。MDエリアでは、レベル2以上の自動運転での走行が禁止されてもよい。ADエリア又は制限付きADエリアは、例えば高速道路又は自動車専用道路等に設定される。
レーン把握部74は、複数のレーンを含む道路を自車両Amが走行する場合に、複数レーンのうちで、自車両Amの走行するレーン(以下、自車レーンLns)の位置を把握する。具体的に、一方向あたり二つ以上のレーンを含む道路において、自車レーンLnsが道路の路肩に隣接している場合、レーン把握部74は、自車レーンLnsが路肩側レーンLn1(図6参照)であると判定する。対して、自車レーンLnsが道路の路肩に隣接しておらず、中央分離帯に隣接している場合、レーン把握部74は、自車レーンLnsが追越レーンLn3(図7参照)であると判定する。さらに、一方向あたり三つ以上のレーンを含む道路において、自車レーンLnsの両側に別のレーンが存在する場合、レーン把握部74は、自車レーンLnsが中央レーンLn2(図8参照)であると判定する。
尚、具体的には、車両が左側を通行する国の道路では、左端のレーンが路肩側レーンLn1となり、右端のレーンが追越レーンLn3となる。反対に、車両が右側を通行する国の道路では、右端のレーンが路肩側レーンLn1となり、左端のレーンが追越レーンLn3となる。
渋滞把握部75は、環境認識部62にて把握される車速情報及び他車両の情報等を組み合わせて、自車両Amの周囲の渋滞を把握する。渋滞把握部75は、自車周囲の渋滞の把握に、車載通信機39によって受信される渋滞情報を用いてもよい。ADエリア又は制限付きADエリア内にて、渋滞把握部75により自車両Amの周囲の渋滞が把握されると、渋滞時レベル3の自律走行制御による自動走行が可能になる。
渋滞把握部75は、現在の自車両Amの走行速度が渋滞速度(例えば、30km/h程度)以下であり、かつ、自車レーンLnsを走行する前方車両Af及び後方車両Abが共に存在する場合(図6参照)、自車周囲が渋滞状態にあると判定する。渋滞把握部75は、自車周囲が渋滞状態にあると判定した後、自車両Amの走行速度が渋滞速度を超えた場合に、自車周囲の渋滞解消を予測する。渋滞把握部75は、渋滞解消を予測した後、自車両Amの車速が再び渋滞速度以下となると、渋滞の解消予測を取り消す。一方、渋滞把握部75は、自車周囲の渋滞解消を予測した後、自車両Amの走行速度が渋滞解消速度(例えば、50km/h程度)を超えた場合、渋滞が解消したと判定する。
行動判断部63は、HCU100と連携し、自動運転システム50及びドライバ間での運転交代を制御する。行動判断部63は、自動運転システム50に運転操作の制御権がある場合、環境認識部62による走行環境の認識結果に基づき、自車両Amを走行させる予定走行ラインを生成し、生成した予定走行ラインを制御実行部64に出力する。行動判断部63は、自動運転機能の動作状態を制御するためのサブ機能部として、制御切替部77、MRM制御部78及び設定変更部79を有する。
制御切替部77は、自動運転システム50により実行される自動運転の制御状態を把握する機能と、自動運転の制御状態を複数のレベル及び走行制御モードのうちで切り替える機能とを有している。具体的に、制御切替部77は、周辺監視義務のある運転支援制御と、周辺監視義務のない自律走行制御とのうちで、自動運転機能が実行中の制御を把握する。加えて、制御切替部77は、自動走行期間において、自律走行制御に含まれる複数の走行制御モードのうちで、自動運転機能が実行中の走行制御モードを把握する。即ち、自動走行期間にて、制御切替部77は、渋滞時レベル3が実行中であるのか、エリアレベル3が実行中であるのかを把握する。
制御切替部77は、運転支援制御及び自律走行制御の開始及び終了を制御する。制御切替部77は、ドライバによる周辺監視義務のある運転支援制御と、ドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御とを切り替える。さらに、制御切替部77は、自律走行制御によって自車両Amを走行させる場合、エリアレベル3及び渋滞時レベル3を含む複数のうちで走行制御モードを切り替える。詳記すると、制御切替部77は、運転制御切替処理(図4参照)の実施により、運転支援ECU50aと連携して、自動運転機能の走行制御状態を複数のうちで切り替える。制御切替部77は、例えば運転支援ECU50aによる運転支援制御の開始に基づき、運転制御切替処理を開始する。
運転制御切替処理にて、制御切替部77は、レベル3の開始許可条件が成立しているか否かを判定する(S11)。開始許可条件は、自律走行制御への移行を許可するための条件であり、制御切替部77に予め複数設定されている。複数の開始許可条件には、ドライバの状態に関するドライバ条件、自車両Amの状態に関する車両条件、及び自車周囲の走行環境に関する環境条件が含まれている。例えば、自車両AmがMDエリアを走行中である場合、又はドライバが不適切な運転姿勢をとっている場合等にて、制御切替部77は、開始許可条件が成立していないと判定する(S11:NO)。この場合、制御切替部77は、自律走行制御の実施を許可せず、運転支援ECU50aによる運転支援制御を継続させる(S17)。
対して、上述のドライバ条件、車両条件及び環境条件の全てが満たされている場合、制御切替部77は、開始許可条件が成立していると判定する(S11:YES)。この場合、入力把握部71によるレベル3移行操作の把握の有無が判定される(S12)。入力把握部71にてレベル3移行操作が把握された場合(S12:YES)、制御切替部77は、レベル3移行操作の入力に基づき、自律走行制御の開始を許可し、実行する走行制御モードを選択する。
制御切替部77は、自車周囲の渋滞が渋滞把握部75によって把握されると(S13:YES)、渋滞時レベル3の自律走行制御を実施する(S15)。一方、自車周囲の渋滞が把握されていない場合(S13:NO)、制御切替部77は、自車両AmがADエリアを走行しているか否かを判定する(S14)。自車両Amが制限付きADエリアを走行している場合(S14:NO)、制御切替部77は、自律走行制御の開始許可をキャンセルし、運転支援ECU50aによる運転支援制御を継続させる(S17)。対して、自車両AmがADエリアを走行している場合(S14:YES)、制御切替部77は、エリアレベル3の自律走行制御を実施する(S16)。
MRM制御部78は、ドライバの異常状態が把握された場合に、車両制御として、上述のMRM制御を実施する。MRM制御部78は、異常状態の発生を示す異常検知情報に基づき、MRM制御への移行準備を開始し、運転困難状態の確定を示す異常検知情報に基づき、MRM制御を開始する。移行準備では、例えば退避場所を探索及び設定する処理が実行される。
MRM制御部78は、MRM制御において実行する一連の制御の内容を変更可能である。MRM制御部78は、一つの実施パターンとして、走行中の自車レーンLns内に退避場所を設定し、自車レーンLns内に自車両Amを停車させるMRM制御(以下、第二退避制御とも記載)を実施する。また別の実施パターンとして、MRM制御部78は、路肩に自車両Amを停車させるMRM制御(以下、第一退避制御とも記載)を実施する。自車レーンLnsが路肩に隣接していない場合の第一退避制御では、路肩側レーンLn1(図6参照)への車線変更が実施される。MRM制御部78は、自車両Am及び走行環境等の各状況に応じて、MRM制御の実施パターンを、第一退避制御及び第二退避制御を少なくとも含む複数のうちで切り替えることができる。
設定変更部79は、情報連携部61及び環境認識部62にて把握される情報に基づき、自律走行制御に関連するパラメータの設定を変更する。設定変更部79は、自律走行制御に関連するパラメータの一つとして、追従走行時における前方車両Afまでの車間距離を設定する。設定変更部79は、車間設定処理(図5参照)の実施により、運転支援ECU50aと連携して、車間距離の設定を走行制御状態に応じて変更する。車間設定処理は、例えば運転支援ECU50aによる運転支援制御の開始に基づき、設定変更部79によって開始される。
車間設定処理にて、設定変更部79は、異常把握部72によってドライバの体調の異常状態(姿勢崩れ)が把握されているか否かを判定する(S31)。ドライバの体調異常が把握されている場合(S31:YES)、設定変更部79は、MRM制御に紐づく目標車間時間を設定する(S32)。異常状態が把握された場合の車間距離の設定は、運転支援制御及び自律走行制御それぞれにおける車間距離の設定よりも広くされる。以上により、MRM制御への移行準備の段階で、自車両Am及び前方車両Af間の車間距離の拡大が開始される。加えて後述するように、エリアレベル3の実行時の移行準備では、渋滞時レベル3実行時の移行準備よりも、車間距離の設定が広くされる。
ドライバの体調異常が把握されていない場合(S31:NO)、現在の走行制御状態における周辺監義務の有無が判定される(S33)。周辺監視義務のある走行制御状態である場合(S33:YES)、設定変更部79は、運転支援ECU50aと連携し、運転支援制御に紐づく目標車間時間を設定する(S34)。一方、周辺監視義務のない走行制御状態である場合(S33:NO)、設定変更部79は、レベル3の自律走行制御に紐づく目標車間時間を設定する(S35)。自律走行制御における車間距離の設定は、運転支援制御における車間距離の設定よりも広くされる。
ここで、上記の「車間距離の設定が広い」との記載は、車間距離に影響する自車両Amの走行速度等のパラメータが同一の条件下において、より広い車間距離が確保されるよう制御されることを意味している。例えば、追従走行時における設定車間は、「長い(遠い)・中間・短い(近い)」等の3段階、又は「長い・やや長い・中間・やや短い・短い」等の5段階のうちで、ドライバによって切り替え可能とされている。車間設定処理にて車間距離の設定を自動調整する処理は、上記の設定車間を切り替える処理であってよい。
制御実行部64は、自動運転ECU50bに運転操作の制御権がある場合、走行制御ECU40との連携により、行動判断部63にて生成された予定走行ラインに従って、自車両Amの加減速制御及び操舵制御等を実行する。具体的に、制御実行部64は、予定走行ラインに基づく制御指令を生成し、生成した制御指令を走行制御ECU40へ向けて逐次出力する。
次に、デッドマン判定部46による異常状態の検知から、運転困難状態の確定判定に基づきMRM制御が開始されるまでの一連の処理の詳細をさらに説明する。
自動運転ECU50bは、異常検知情報に基づきドライバの体調の異常状態(姿勢崩れ)が把握された場合、MRM制御が開始されるまでの猶予期間を設定する。猶予期間では、上述したように、MRM制御への移行準備が実施される。加えて猶予期間では、自動運転ECU50b及びHCU100の連携により、状態改善をドライバに要請する改善要請報知が実施される。改善要請報知では、例えば「正しい運転姿勢を維持してください」等の音声メッセージが、オーディオ装置24によって再生される。加えて改善要請報知では、音声メッセージと同じ内容のメッセージ画像が、表示デバイスによって表示される。改善要請報知は、ドライバのみに向けて提示されてもよく、ドライバを除く乗員へ向けて提示されてもよい。
自動運転ECU50bは、猶予期間の経過以前にドライバの異常状態が改善された場合、MRM制御への移行を実施しない。この場合、自動運転ECU50bは、例えば異常状態の把握時よりも低いレベルの自動運転制御を開始させる。一方、ドライバの異常状態が改善さないまま猶予期間が経過した場合、自動運転ECU50bは、MRM制御への移行を決定する。
自動運転ECU50bは、ドライバの体調異常が把握されたタイミングにて、自動運転機能が実行する制御を判別する。自動運転ECU50bは、運転支援制御の実行中に異常状態が把握された場合と、自律走行制御の実行中に異常状態が把握された場合とで、猶予期間及びMRM制御への移行後における車両制御及び情報提示制御の各内容を変更する。さらに、自動運転ECU50bは、自動走行期間にドライバの異常状態が把握された場合、猶予期間及びMRM制御への移行後における車両制御及び情報提示制御の各内容を、実行中の走行制御モードに応じて変更する。具体的には、猶予期間の長さ、猶予期間における車間距離の設定、MRM制御の実施パターン等が、実行中の自動運転の制御内容に応じて変更される。
<猶予期間の長さの変更>
運転支援制御の実行中に異常状態が把握された場合の猶予期間(以下、第一猶予期間)は、自律走行制御の実行中に異常状態が把握された場合の猶予期間(以下、第二猶予期間)と異なっている。設定変更部79は、第一猶予期間よりも、第二猶予期間を長くする。以上の猶予期間の設定に伴い、猶予期間にて実施される改善要請報知の実施期間も、運転支援制御の実行中であった場合と、自律走行制御の実行中を実行中であった場合とで異なってくる。具体的には、自律走行制御が実行中であった場合の改善要請報知の実施期間は、運転支援制御の実行中であった場合の実施期間よりも長くされる。
さらに、設定変更部79は、渋滞時レベル3の実行中に異常状態が把握された場合の猶予期間を、渋滞時レベル3とは別の走行制御モードであるエリアレベル3の実行中に異常状態が把握された場合の猶予期間よりも長くする。こうした猶予期間の設定に伴い、渋滞時レベル3の実行中に異常状態が把握された場合、エリアレベル3の実行中に異常状態が把握された場合よりも、改善要請報知の実施期間が長くなる。
<猶予期間での車間距離の設定変更>
設定変更部79は、エリアレベル3の実行中に異常状態が把握された場合、エリアレベル3とは別の走行制御モードである渋滞時レベル3の実行中に異常状態が把握された場合よりも、車間距離を広くする設定に変更する。
<MRM制御の実施パターンの変更>
MRM制御部78は、運転支援制御の実行中にドライバの異常状態が把握された場合、路肩に寄せて自車両Amを停車させる第一退避制御の実施を選択する。同様に、エリアレベル3の実行中にドライバの異常状態が把握された場合でも、MRM制御部78は、路肩に寄せて自車両Amを停車させる第一退避制御の実施を選択する。運転支援制御又はエリアレベル3が実行中の場合、MRM制御部78は、自車レーンLnsの位置に関わらず、道路の路肩に自車両Amを停車させる。
ここで、第一退避制御にて、自車レーンLnsが路肩側レーンLn1でない場合、MRM制御部78は、自車両Amを路肩側レーンLn1に移動させる車線変更を実施する。設定変更部79は、路肩側レーンLn1へ向かう車線変更において、同一レーンの走行を継続する継続時間を、エリアレベル3の実行中に異常状態が把握された場合と、運転支援制御の実行中に異常状態が把握された場合とで変更する。具体的に、エリアレベル3の実行中に異常状態が把握された場合の同一レーン走行の継続時間は、運転支援制御の実行中に異常状態が把握された場合の同一レーン走行の継続時間よりも長くされる。
一方、渋滞時レベル3の実行中にドライバの異常状態が把握された場合、MRM制御部78は、道路における自車レーンLnsの位置に応じてMRM制御の内容を変更する(図6~図8参照)。具体的に、ドライバの異常状態が把握されたときの自車レーンLnsが路肩に臨む路肩側レーンLn1である場合(図6 渋滞シーン1参照)、MRM制御部78は、第一退避制御の実施を選択し、道路の路肩に自車両Amを停車させる。
対して、ドライバの異常状態が把握されたときの自車レーンLnsが路肩側レーンLn1でない場合、MRM制御部78は、第二退避制御の実施を選択し、自車レーンLns内に自車両Amを停車させる。即ち、渋滞中を走行するシーンでは、車線変更の実施が回避される。具体的に、ドライバの異常状態が把握されたときの自車レーンLnsが追越レーンLn3である場合(図7 渋滞シーン2参照)、MRM制御部78は、道路の中央側(中央分離帯側)に寄せて、追越レーンLn3内に自車両Amを停車させる。また、ドライバの異常状態が把握されたときの自車レーンLnsが中央レーンLn2である場合(図8
渋滞シーン3参照)、MRM制御部78は、中央レーンLn2内の左右いずれか一方に寄せて、中央レーンLn2内に自車両Amを停車させる。一例として、MRM制御部78は、自車両Amを追越レーンLn3側から追い越し易いように、自車両Amをレーン内の左側に寄せて停車させる。
次に、ここまで説明したMRM制御への移行を実現するため、自動運転ECU50bにて実施されるMRM移行処理の詳細を、図9に基づき、図1~図3を参照しつつ、以下説明する。MRM移行処理は、例えば自車両Amの走行可能な状態となったことに基づき開始され、自車両Amの走行が終了されるまで継続される。
MRM移行処理のS101では、異常把握部72が、ドライバに生じた体調の異常状態を把握する。S101にて把握される異常状態は、デッドマン判定部46によって診断される運転困難状態である。S101にて、ドライバに体調異常が生じていないと判定した場合、異常把握部72によるドライバの異常状態の把握が継続される。一方、ドライバに体調異常が生じていると判定した場合、S102に進む。
S102では、猶予期間が開始される。加えてS102では、猶予期間の開始に基づき、報知要求部73が、HCU100へ向けた実施要求の出力により、オーディオ装置24及び表示デバイスを用いた改善要請報知を開始させる。
S103では、制御切替部77が、レベル3の自律走行制御が実行中か否かを判定する。S103にて、自律走行制御が実行中であると判定された場合、S107に進む。一方、S103にて、自律走行制御が実行中でないと判定された場合、S104に進む。
S104にて、制御切替部77は、複数の開始許可条件のうちで、ドライバ条件を除く開始許可条件が成立しているか否かを判定する。S104にて、ドライバ条件を除く開始許可条件が成立していると判定した場合、S105に進む。S105では、自律走行制御への自動移行を実施し、S107に進む。S105では、ドライバによるレベル3移行操作の入力が把握されていなくても、自律走行制御が開始される。
一方、S104にて、開始許可条件の不成立を判定した場合、S106に進む。S106では、運転支援制御に紐づく猶予期間及びMRM制御の設定が選択される。自車両Amが手動運転期間であった場合、S106にて、運転支援制御が自動的に起動されてもよい。
S107では、制御切替部77が、実行中の走行制御モードを把握し、渋滞時レベル3が実行中か否かを判定する。S107にて、エリアレベル3が実行中であると判定した場合、S108に進む。S108では、エリアレベル3に紐づく猶予期間及びMRM制御の設定が選択される。一方、S107にて、渋滞時レベル3が実行中であると判定した場合、S109に進む。
S109では、レーン把握部74が、自車レーンLnsの位置を把握し、S110に進む。S110では、S109にて把握された自車レーンLnsの位置に応じて、渋滞時レベル3に紐づく猶予期間及びMRM制御の設定が選択される。以上のS106,S108及びS110では、上述したように、猶予期間の長さ、猶予期間における車間距離の設定、MRM制御の実施パターン等が、自動運転レベル及び走行制御モードに応じた内容に設定される。
S111では、異常把握部72が、ドライバの異常状態が解消されたか否かを判定する。S111にて、異常状態が解消されたと判定した場合、S101に戻る。一方、S111にて、異常状態が継続していると判定した場合、S112に進む。
S112では、行動判断部63が、MRM制御への移行タイミングとなったか否かを判定する。デッドマン判定部46による運転困難状態の確定判定を示す異常検知情報が取得され、かつ、S106,S108及びS110のいずれかにて設定された猶予期間が経過した場合、行動判断部63は、移行タイミングが到来したと判定する。S112にて、移行タイミングが到来していないと判定した場合、S111及びS112を繰り返す。
一方、S112にて、移行タイミングが到来したと判定した場合、S113に進む。S113では、報知要求部73が、HCU100と連携し、S102にて開始した改善要請報知を終了させる。そして、S114では、MRM制御部78が、S106,S108及びS110のいずれかにて選択された設定を反映し、自動運転レベル及び走行制御モードに対応する内容でのMRM制御を開始する。以上により、一連のMRM移行処理は終了される。
ここまで説明した第一実施形態では、周辺監視義務のない自律走行制御によって自車両Amが走行する自動走行期間に異常状態が把握された場合の車両制御又は情報提示制御の内容が、実行中の走行制御モードに応じて変更される。故に、車両制御又は情報提示制御は、自車両Amが走行する状況に応じた内容に調整され得る。その結果、ドライバが異常状態となった場合の乗員の不安を軽減することが可能になる。
加えて第一実施形態の制御切替部77は、走行制御モードの一つとして、渋滞中の走行に限定して実施される渋滞時レベル3の自律走行制御が実行されているか否かを把握する。そして、設定変更部79は、ドライバの異常状態が把握された場合に、渋滞時レベル3が実行されているか否かに応じて、車両制御又は情報提示制御の内容を変更する。以上によれば、車両制御又は情報提示制御は、走行速度の低い渋滞走行シーンに適した内容に調整され得る。したがって、渋滞中にて自車周囲に他車両が接近していても、乗員の不安を軽減することが可能になる。
また第一実施形態では、自律走行制御によって自車両Amが走行する自動走行期間にドライバの異常状態が把握された場合、提示制御部88は、改善要請報知を実施する。そして、渋滞時レベル3の実行中に異常状態が把握された場合、エリアレベル3の実行中に異常状態が把握された場合よりも、提示制御部88は、改善要請報知の実施期間を長くする。以上によれば、走行速度の低い渋滞走行シーンであれば、ドライバの状態改善のための時間を長く設定しても、自車両Amは、安定した走行を継続し得る。故に、ドライバの体調が正常にも関わらず、誤ってMRM制御が開始されてしまう事態は、回避される。
さらに第一実施形態の制御切替部77は、走行制御モードの一つとして、ADエリア内に限定して実施されるエリアレベル3の自律走行制御が実行されているか否かを把握する。そして、設定変更部79は、エリアレベル3の実行中に異常状態が把握された場合、渋滞時レベル3の実行中に異常状態が把握された場合よりも、前方車両Afまでの車間距離を広くする設定に変更する。こうした前方車両Afまでの距離の拡大によれば、自車両Amの走行速度が高くても、乗員の安心感が確保され得る。また、MRM制御の開始前に車間距離が拡大されるようになるため、MRM制御の開始後において、退避場所へ向かうための自動車線変更がスムーズに実施され易くなる。
加えて第一実施形態では、運転支援制御の実行中に異常状態が把握された場合と、自律走行制御の実行中に異常状態が把握された場合とで、車両制御又は情報提示制御の内容が変更される。故に、車両制御又は情報提示制御は、自車両Amが走行する状況に応じた内容に調整され得る。その結果、ドライバが異常状態となった場合の乗員の不安を軽減することが可能になる。
また第一実施形態では、ドライバの異常状態が把握された場合、MRM制御部78は、車両制御として自車両Amを退避場所に停車させるMRM制御を実施する。こうした退避場所への自動退避によれば、ドライバの体調に異常が生じた場合でも、乗員の不安を軽減することが可能になる。
さらに第一実施形態では、運転支援制御の実行中に異常状態が把握されたときからMRM制御が開始されるまで第一猶予期間よりも、自律走行制御の実行中に異常状態が把握されたときから自動退避制御が開始されるまでの第二猶予期間が長くされる。自律走行制御の実行中であれば、運転支援制御の実行中よりも、自車両Amは、安定した走行を継続し得る。故に、MRM制御へ移行する猶予期間を長く設定しても、MRM制御への移行が安定的に実施され得る。
加えて第一実施形態では、自律走行制御の実行中に異常状態が把握された場合、運転支援制御の実行中に異常状態が把握された場合よりも、MRM制御において同一レーンの走行を継続する継続時間が長く確保される。上述したように、自律走行制御の実行中であれば、運転支援制御の実行中よりも、安定した自車両Amの走行が可能になる。故に、MRM制御において、同一レーンの走行継続期間を長く確保しても、自車両Amは、安定した走行を継続し得る。その結果、退避場所への移動も、スムーズに実施され得る。
また第一実施形態では、異常状態が把握された場合の車間距離の設定は、自律走行制御及び運転支援制御における車間距離の設定よりも広くされる。その結果、異常状態が把握された後では、前方車両Afまでの車間距離が徐々に拡大していく。こうした車間距離の拡大によれば、ドライバが異常状態となった場合でも、乗員の不安を軽減することが可能になる。
加えて第一実施形態では、渋滞時レベル3の自律走行制御の実行中に異常状態が把握された場合のMRM制御の内容が、走行中の道路における自車レーンLnsの位置に応じて変更される。故に、MRM制御は、自車レーンLnsの位置によって異なる周辺状況に応じた内容に調整され得る。その結果、ドライバが異常状態となった場合の乗員の不安を軽減することが可能になる。
また第一実施形態では、ドライバの異常状態を把握したときの自車レーンLnsが、両側に別のレーンが存在する中央レーンLn2である場合、中央レーンLn2内に自車両Amを停止させるMRM制御が実施される。渋滞走行シーンでは、各レーンに他車両が密集しているため、自動での車線変更が難しくなる。一方で、渋滞走行シーンでは、自車両Am及び後方車両Abの走行速度が低いため、後方車両Abによる追突のリスクは、低く抑制され得る。以上により、中央レーンLn2を走行中であれば、自車両Amを中央レーンLn2内に停止させるMRM制御が、乗員の不安の軽減に好適となる。
さらに第一実施形態では、中央レーンLn2内に自車両Amを停止させるMRM制御において、自車両Amは、中央レーンLn2内の左右いずれか一方に寄せて停止される。こうした自車両Amのオフセット停止によれば、後方車両Abは、停止した自車両Amを追い越し易くなる。その結果、停止後における乗員の不安が軽減され得る。さらに、後方車両Abのドライバは、自車両Amの存在を認識し易くなる。
加えて第一実施形態では、ドライバの異常状態を把握したときの自車レーンLnsが追越レーンLn3である場合、道路の中央側に寄せて追越レーンLn3内に自車両Amを停止させるMRM制御が実施される。追越レーンLn3を走行している場合、路肩までの移動の難易度が高くなる。一方で、渋滞走行シーンでは、追越レーンLn3であっても各車両の走行速度が低いため、追突のリスクは、低く抑制され得る。さらに、中央側に自車両Amを寄せて停止すれば、後方車両Abは、停止した自車両Amを追い越し易くなる。以上のことから、追越レーンLn3を走行中であれば、中央側に自車両Amを寄せてレーン内停止させる制御が、乗員の不安の抑制に好適なMRM制御となる。
また第一実施形態では、エリアレベル3の実行中に異常状態が把握された場合、自車レーンLnsの位置に関わらず、走行中の道路の路肩に自車両Amを停車させるMRM制御が実施される。エリアレベル3での走行中は、自車両Am及び周辺車両の走行速度が比較的高いため、自車周囲の他車両が密集状態となり難い。故に、車線変更が実施され易い。一方で、レーン内に停止した場合の後方からの追突のリスクは、高くなり易い。以上のことから、エリアレベル3での走行中であれば、自車両Amを路肩まで移動させる制御が、乗員の不安の抑制に好適なMRM制御となる。
さらに第一実施形態では、ドライバの異常状態が把握された場合、ドライバ条件を除く開始許可条件が成立していれば、ドライバによるレベル3移行操作の入力が把握されなくても、自律走行制御が開始される。故に、異常状態の発生後には、自律走行制御による走行が迅速に開始され得る。その結果、ドライバが異常状態となった場合の乗員の不安を軽減することが可能になる。
尚、上記第一実施形態では、行動判断部63が「走行制御部」に相当し、異常把握部72が「体調異常把握部」に相当し、報知要求部73及び設定変更部79が「制御内容変更部」に相当し、制御切替部77が「制御状態把握部」及び「許可判定部」に相当する。また、MRM制御部78が「退避制御部」に相当し、自動運転ECU50bが「機能制御装置」及び「自動運転制御装置」に相当する。
(第二実施形態)
本開示の第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。第二実施形態では、自車レーンLnsの位置に応じてMRM制御の実施パターンを変更する処理(図9 S109,S110参照)が省略されている。MRM制御部78は、第一実施形態と同様に、運転支援制御及びエリアレベル3の実行中に異常状態が把握された場合に、第一退避制御の実施を選択し、走行中の道路の道路脇に自車両Amを移動させる。一方、渋滞時レベル3の実行中に異常状態が把握された場合、MRM制御部78は、第二退避制御の実施を選択し、自車レーンLnsの位置に関わらず、走行中の自車レーンLns内に自車両Amを停車させる。
ここまで説明した第二実施形態では、運転支援制御等の実行中に異常状態が把握された場合の第一退避制御では、走行中の道路の道路脇に自車両Amが移動されるため、退避場所での停車後において、後方からの追突のリスクが軽減され得る。一方、渋滞時レベル3の実行中に異常状態が把握された場合の第二退避制御では、走行中の自車レーンLns内に自車両Amが停車される。渋滞中であれば、自車周囲の他車両の走行速度が低いため、自車レーンLns内に自車両Amが停車しても、後方からの追突のリスクは、低く抑制され得る。
以上のように、自車両Amが走行する状況に応じてMRM制御の制御内容が変更されることによれば、第一実施形態と同様の効果を奏するので、ドライバが異常状態となった場合の乗員の不安を軽減することが可能になる。
(第三実施形態)
本開示の第三実施形態は、第一実施形態の別の変形例である。第三実施形態の運転支援ECU50a(図1参照)は、ドライバによるステアリングホイールの把持義務のある運転支援制御(以下、ハンズオンレベル2)だけでなく、把持義務のない運転支援制御(以下、ハンズオフレベル2)を実施できる。故に、自動運転システム50では、ハンズオンレベル2及び自律走行制御の間における制御移行に加えて、ハンズオフレベル2及び自律走行制御の間における制御移行が実施可能となっている。
デッドマン判定部46(図3参照)は、ドライバの体調異常を診断する状態判定処理(図11及び図12参照)の内容を、自動運転システム50にて実行されている自動運転制御に応じて変更する。デッドマン判定部46は、例えば自車両Amの走行が開始されたことに基づき、状態判定処理の内容を切り替えるための判定切替処理(図10参照)を、通常の状態判定処理(図11参照)と共に開始する。デッドマン判定部46は、自車両Amの電源がオフ状態とされるまで、判定切替処理及び状態判定処理を繰り返し実施する。
<判定切替処理>
情報取得部47は、ドライバステータス情報及び操舵情報に加えて、自動運転機能の状態を示す制御ステータス情報を取得する。制御ステータス情報は、自動運転ECU50bから直接的に取得してもよく、HCU100から取得してもよい。情報取得部47は、判定切替処理において、制御ステータス情報を取得する(S41)。
異常検知部48は、判定切替処理において、情報取得部47によって取得された制御ステアリング情報に基づき、ドライバにステアリングホイールの把持義務のある走行状態か否かを判定する(S42)。運転支援制御が動作していない場合、自動運転レベル1の運転制御が実行中である場合、又はハンズオンレベル2が実行中である場合、異常検知部48は、ステアリングホイールの把持義務のある走行状態であると判定する(S42:YES)。この場合、異常検知部48は、ハンズオン時に紐づく状態判定処理(図11参照)の実施を選択する(S43)。
一方、ハンズオフレベル2及び自律走行制御が自動運転システム50にて実行中である場合(S42:NO)、異常検知部48は、情報取得部47にて取得される把持検知情報に基づき、ドライバによるステアリングホイールの把持の有無を判定する(S44)。ドライバがステアリングホイールを把持している場合(S44:YES)、異常検知部48は、ハンズオン時に紐づく状態判定処理の実施を選択する(S43)。対して、ドライバがステアリングホイールを把持していない場合(S44:NO)、異常検知部48は、ハンズオフ時に紐づく状態判定処理(図12参照)の実施を選択する(S45)。
<状態判理処理:ハンズオン時>
ハンズオン時に紐づく状態判定処理(図11参照)において、情報取得部47は、ドライバの状態を示すドライバ情報として、ドライバステータス情報及び操舵情報を取得する(S51)。異常検知部48は、情報取得部47にて取得されるドライバ情報に基づき、ドライバの異常を検知する(S52)。一例として、ドライバの姿勢崩れ、覚醒度の低下及び操舵操作の不適切な中断等が、ドライバの異常として検知される。異常検知部48は、ドライバの異常を検知した場合(S52:YES)、異常検知を示す異常検知情報を、HCU100等へ向けて出力する(S53)。
情報取得部47は、異常検知部48によってドライバの異常が検知された後もドライバ情報の取得を継続する(S54)。異常検知部48は、新たに取得されるドライバ情報に基づき、ドライバの異常検知が所定時間(又は所定回数)継続したか否かを判定する(S55)。ドライバの異常検知が継続したと判定した場合(S55:YES)、異常検知部48は、ドライバの体調の異常状態を示す異常検知情報を、HCU100等へ向けて出力する(S58)。
異常検知部48は、ドライバの異常検知が継続していないと判定した場合(S55:NO)、異常検知のない状態が所定時間(又は所定回数)継続したか否かをさらに判定する(S56)。異常検知のない状態が継続していないと判定した場合(S56:NO)、ドライバ情報の取得と、異常検知の継続判定とが繰り返される。一方、異常検知のない状態が継続したと判定した場合(S56:YES)、異常検知部48は、異常解消を示す異常解消情報を、HCU100等へ向けて出力する(S57)。
<状態判理処理:ハンズオフ時>
ハンズオフ時に紐づく状態判定処理(図12参照)において、情報取得部47は、ドライバの状態を示すドライバ情報として、ドライバステータス情報を取得する(S61)。ハンズオフ時では、操舵情報の取得は、実施されなくてもよい。異常検知部48は、ドライバステータス情報に基づき、ドライバの異常を検知する(S62)。ドライバにステアリングホイールの把持義務がない場合、異常検知に用いるドライバ情報から操舵情報は除かれる。この場合、例えばドライバの姿勢崩れ及び覚醒度の低下等が、ドライバの異常として検知される。
異常検知部48は、ドライバの異常を検知した場合(S62:YES)、異常検知を示す異常検知情報を、HCU100等へ向けて出力する(S63)。HCU100では、異常検知を示す異常検知情報に基づき、ステアリングホイールの把持を促す把持要請報知が実施される(図13 S93参照)。異常検知部48は、把持要請報知の後に取得される把持検知情報に基づき、ステアリングホイールの把持が再開されたか否かを判定する(S64)。異常検知部48は、ステアリングホイールの把持が再開されないまま所定の時間が経過したと判定した場合(S64:NO,S65:YES)、ドライバの体調が異常状態にあると判定する(S70)。
一方、ステアリングホイールの把持が再開された場合(S64:YES)、情報取得部81は、ドライバ情報として、ドライバステータス情報と共に操舵情報を取得する(S66)。異常検知部48は、異常検知に用いるドライバ情報から操舵情報を除く処置を終了し、最新のドライバステータス情報及び操舵情報に基づき、ドライバの異常検知が所定時間(又は所定回数)継続したか否かを判定する(S67)。ドライバの異常検知が継続したと判定した場合(S67:YES)、異常検知部48は、ドライバの体調の異常状態を示す異常検知情報を、HCU100等へ向けて出力する(S70)。
対して、ドライバの異常検知が継続していないと判定した場合(S67:NO)、異常検知部48は、ハンズオン時の処理と同様に、異常検知のない状態が所定時間(又は所定回数)継続したか否かをさらに判定する(S68)。異常検知のない状態が継続したと判定した場合(S68:YES)、異常検知部48は、異常解消を示す異常解消情報を、HCU100等へ向けて出力する(S69)。
次に、ドライバの異常検知を示す異常検知情報に基づき、MRM制御が開始されるまでの猶予期間において実施される移行準備処理の詳細を、図13に基づき、図1~図3を参照しつつ、以下説明する。移行準備処理は、例えば自車両Amの走行可能な状態となったことに基づき自動運転ECU50bによって開始され、自車両Amの走行が終了されるまで継続される。
異常把握部72は、HCU100から取得するドライバ監視情報に基づき、ドライバに異常が検知されたことを把握する(S91)。HCU100は、ドライバ情報把握部86にてデッドマン判定部46から取得する異常検知情報を、情報連携部82から異常把握部72に逐次出力する。異常把握部72にてドライバの異常検知が把握された場合(S91:YES)、制御切替部77が、自動運転システム50の制御状態を把握し、レベル3の自律走行制御が実行されているか否かを判定する(S92)。
自律走行制御によって自車両Amが走行する自動運転期間においてドライバの異常が検知された場合(S92:YES)、自動運転ECU50b及びHCU100の連携により、上述の改善要請報知に加えて、把持要請報知が実施される(S93)。この場合、報知要求部73が、各報知の実施要求をHCU100へ向けて出力する。把持要請報知では、例えば「ハンドルを握ってください」等の音声メッセージが、オーディオ装置24によって再生される。加えて把持要請報知では、音声メッセージと同じ内容のメッセージ画像及びアイコン画像が、表示デバイスによって表示される。加えて制御切替部77は、自動運転期間においてドライバの異常が検知された場合でも、レベル3の自律走行制御の継続を決定する(S94)。その結果、ドライバによる周辺監視義務のない状態での自車両Amの走行が継続される。
一方、運転支援制御又は手動運転によって自車両Amが走行する期間においてドライバの異常が検知された場合(S92:NO)、改善要請報知が実施される(S95)。このとき、運転支援制御が動作していた場合、動作中の運転支援制御の継続が決定される。また、運転支援制御が動作していなかった場合、運転支援制御(ACC及びLTC)が自動起動される(S96)。
異常把握部72は、ドライバの異常検知が解消されたか否かを把握する(S97)。異常把握部72にてドライバの異常検知の解消が把握された場合(S97:YES)、異常検知の把握に基づき開始した改善要請報知及び把持要請報知を終了させる(S99)。このとき、自動起動された運転支援制御が終了されてもよい。以上により、今回の移行準備処理は、一旦終了される。
一方、ドライバの異常検知の解消が把握さない場合(S97:NO)、異常把握部72は、体調の異常状態の確定を示す判定(デッドマン判定)がデッドマン判定部46にてなされたか否かを把握する(S98)。異常状態の確定判定が把握されていない場合(S98:NO)、異常検知の解消判定を継続する。対して、異常状態の確定判定が把握された場合(S98:NO)、第一実施形態と同様のMRM移行処理(図9参照)が開始される。
ここまで説明した第三実施形態では、ドライバによるステアリングホイールの把持義務のない状態で自車両Amが走行する場合、操舵情報を除くドライバ情報に基づき、ドライバの異常が検知される。故に、ドライバがステアリングホイールを把持していない状況でも、異常検知に操舵情報を用いてしまい、異常を誤検知してしまう事態は回避され得る。以上によれば、異常の誤検知に起因する乗員を不安が生じ難くなる。
加えて第三実施形態では、ステアリングホイールの把持義務のない状態で自車両Amが走行している場合、異常検知部48による異常検知に基づき、ステアリングホイールの把持を促す把持要請報知が実施される。そして、把持要請報知後にステアリングホイールの把持が確認された場合、異常検知部48は、操舵情報を用いた異常検知を再開する。故に、ドライバがステアリングホイールの把持を再開した場合、異常検知部48は、操舵情報を用いることで、ドライバの異常が継続しているか否かを、操舵情報を用いない場合よりも精度良く判定し得る。
また第三実施形態では、操舵情報を用いた異常検知の再開後、異常検知が継続した場合に、異常検知部48は、ドライバに体調の異常状態が生じていると判定する。こうした異常状態の確定判定によれば、例えばドライバが体調の異常によってステアリングホイールにもたれかかっていた状態であっても、異常検知部48は、操舵操作が継続的でないことを理由に、体調異常の確定判定を行うことができる。したがって、重大な体調異常の発生を確実に検出することが可能になる。
さらに第三実施形態では、ドライバによる周辺監視義務のない状態で自車両Amが走行する自動運転期間においてドライバの異常が検知された場合に、ステアリングホイールの把持を促す把持要請報知が実施される。故に、ドライバが正常である場合、異常検知が解消され得る。さらに、自動運転期間においてドライバの異常が検知された場合でも、周辺監視義務のない状態での走行は継続される。その結果、ドライバの体調が異常態となった場合でも、安定した走行が継続されるため、乗員の不安を軽減することが可能になる。
尚、上記第三実施形態では、ステアリングホイールが「ステアリング部」に相当し、報知要求部73が「報知実施部」に相当し、制御切替部77が「制御継続部」に相当し、運転支援ECU50aが「機能制御装置」に相当する。
(他の実施形態)
以上、本開示の複数の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
上記実施形態では、猶予期間の全体にわたって改善要請報知が実施されていた。故に、猶予期間を長くすると、改善要請報知の実施期間も長くなっていた。しかし、猶予期間と改善要請報知の実施期間とは、一致していなくてもよい。一例として、改善要請報知の実施期間の長さが一定とされる一方で、猶予期間の長さが自動運転レベル又は走行制御モードに応じて変更されてもよい。また、猶予期間の長さが一定とされる一方で、改善要請報知の実施期間の長さが自動運転レベル又は走行制御モードに応じて変更されてもよい。
上記第一実施形態の変形例1では、異常状態が把握された場合のレベル3への自動移行が制限される。例えば、異常状態の把握時に、レベル2の運転支援制御、具体的には、ACC及びLTCが共に実行されていた場合に限り、レベル3への自動移行が実施される。一方で、異常状態の把握時に手動運転であった場合、レベル3への自動移行は実施されない。
上記第二実施形態の変形例2では、運転支援制御によって渋滞中を走行しているとき、ドライバの異常状態が把握された場合に、渋滞時レベル3の実行中に異常状態が把握された場合と同様に、自車レーンLns内に自車両Amを停車させる。
上記実施形態の変形例3では、自動運転ECU50b及びHCU100の連携により、機能制御装置の機能が実現されている。また、上記実施形態の変形例4では、自動運転ECU50b及びHCU100の各機能は、一つの車載ECUによって提供されている。こうした変形例4では、情報連携部61,82に相当する機能部が省略される。
上記実施形態の変形例5では、車両制御及び情報提示制御のうちで、車両制御の内容のみが、自動運転レベル又は走行制御モードに応じて変更される。一方、上記実施形態の変形例6では、車両制御及び情報提示制御のうちで、情報提示制御の内容のみが、自動運転レベル又は走行制御モードに応じて変更される。こうした変形例6では、HCU100が「機能制御装置」に相当してもよい。この場合、情報連携部82が「制御状態把握部」に相当し、ドライバ情報把握部86が「体調異常把握部」に相当し、提示制御部88が「制御内容変更部」に相当する。
上記実施形態の変形例7では、自動運転ECU50b及びHCU100の各機能は、一つの車載ECUによって提供されている。この車載ECUには、上記実施形態の環境認識部62、行動判断部63及び制御実行部64に加えて、情報取得部81、ドライバ情報把握部86及び提示制御部88に相当する機能部が、各プログラムに基づいて構築される。こうした変形例7では、情報連携部61,82に相当する機能部が省略される。以上の変形例7では、ドライバ情報把握部86が「体調異常把握部」に相当し、提示制御部88が「報知実施部」に相当し、車載ECUが「自動運転制御装置」に相当する。
上記実施形態の変形例8では、運転支援ECU50a及び自動運転ECU50bの各機能は、一つの自動運転ECUによって提供されている。即ち、変形例8の自動運転ECU50bには、運転支援ECU50aの機能が実装されている。こうした変形例8では、統合された自動運転ECUが「機能制御装置」及び「自動運転制御装置」に相当する。
ドライバが操舵操作を入力するステアリング部は、上記のステアリングホイールのような円環状の構成に限定されない。ステアリング部は、レバー状又はスティック状の構成であってもよい。
上記実施形態にて、自動運転ECU及びHCUによって提供されていた各機能は、ソフトウェア及びそれを実行するハードウェア、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの複合的な組合せによっても提供可能である。さらに、こうした機能がハードウェアとしての電子回路によって提供される場合、各機能は、多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路によっても提供可能である。
上述の実施形態の各処理部は、プリント基板に個別に実装された構成であってもよく、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)及びFPGA等に実装された構成であってもよい。また、各種プログラム等を記憶する記憶媒体(持続的有形コンピュータ読み取り媒体,non-transitory tangible storage medium)の形態も、適宜変更されてよい。さらに、記憶媒体は、回路基板上に設けられた構成に限定されず、メモリカード等の形態で提供され、スロット部に挿入されて、自動運転ECU又はHCU等の制御回路に電気的に接続される構成であってよい。また、記憶媒体は、自動運転ECU又はHCUへのプログラムのコピー基となる光学ディスク及びのハードディスクドライブ等であってもよい。
上記の自動運転システム及びHMIシステムを搭載する車両は、一般的な自家用の乗用車に限定されず、レンタカー用の車両、有人タクシー用の車両、ライドシェア用の車両、貨物車両及びバス等であってもよい。また、自動運転システム及びHMIシステムを搭載する車両は、右ハンドル車両であってもよく、又は左ハンドル車両であってもよい。さらに、車両が走行する交通環境は、左側通行を前提とした交通環境であってもよく、右側通行を前提とした交通環境であってもよい。本開示による自動運転制御及び自動運転に関連する機能制御は、それぞれの国及び地域の道路交通法、さらに車両のハンドル位置等に応じて適宜最適化されてよい。
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
Am 自車両、Af 前方車両、Lns 自車レーン、Ln2 中央レーン、Ln3 追越レーン、11,51,51a 処理部、47 情報取得部、48 異常検知部、50a 運転支援ECU(機能制御装置)、50b 自動運転ECU(機能制御装置,自動運転制御装置)、63 行動判断部(走行制御部)、71 入力把握部、72 異常把握部(体調異常把握部)、73 報知要求部(制御内容変更部,報知実施部)、74 レーン把握部、77 制御切替部(制御状態把握部,許可判定部,制御継続部)、78 MRM制御部(退避制御部)、79 設定変更部(制御内容変更部)、82 情報連携部(制御状態把握部)、86 ドライバ情報把握部(体調異常把握部)、88 提示制御部(制御内容変更部)、100 HCU(機能制御装置)

Claims (29)

  1. 自動運転機能によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、前記自動運転機能に関連する制御を行う機能制御装置であって、
    前記自車両のドライバに生じた体調の異常状態を把握する体調異常把握部(72,86)と、
    前記ドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御に含まれる複数の走行制御モードのうちで、前記自動運転機能が実行中の前記走行制御モードを把握する制御状態把握部(77,82)と、
    前記自律走行制御によって前記自車両が走行する期間に前記異常状態が把握された場合に、前記自車両の車両制御及び前記ドライバへ向けた情報提示制御のうちの少なくとも一方の内容を、前記自動運転機能が実行中の前記走行制御モードに応じて変更する制御内容変更部(73,79,88)と、
    を備える機能制御装置。
  2. 前記制御状態把握部は、前記走行制御モードの一つとして、渋滞中の走行に限定して実施される渋滞限定制御が実行されているか否かを把握し、
    前記制御内容変更部は、前記異常状態が把握された場合に、前記渋滞限定制御が実行されているか否かに応じて、前記車両制御及び前記情報提示制御のうちの少なくとも一方の内容を変更する請求項1に記載の機能制御装置。
  3. 前記制御内容変更部は、
    前記自律走行制御によって前記自車両が走行する期間に前記異常状態が把握された場合に、状態改善を前記ドライバに要請する改善要請報知を実施し、
    前記渋滞限定制御の実行中に前記異常状態が把握された場合、前記渋滞限定制御とは別の前記走行制御モードの実行中に前記異常状態が把握された場合よりも、前記改善要請報知の実施期間を長くする請求項2に記載の機能制御装置。
  4. 前記制御状態把握部は、前記走行制御モードの一つとして、特定エリア内に限定して実施されるエリア限定制御が実行されているか否かを把握し、
    前記制御内容変更部は、前記エリア限定制御の実行中に前記異常状態が把握された場合、前記エリア限定制御とは別の前記走行制御モードの実行中に前記異常状態が把握された場合よりも、前記自律走行制御における前方車両(Af)までの車間距離を広くする設定に変更する請求項1~3のいずれか一項に記載の機能制御装置。
  5. 自動運転機能によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、前記自動運転機能に関連する制御を行う機能制御プログラムであって、
    前記自車両のドライバに生じた体調の異常状態を把握し(S101)、
    前記ドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御に含まれる複数の走行制御モードのうちで、前記自動運転機能が実行中の前記走行制御モードを把握し(S107)、
    前記自律走行制御によって前記自車両が走行する期間に前記異常状態が把握された場合に、前記自車両の車両制御及び前記ドライバへ向けた情報提示制御のうちの少なくとも一方の内容を、前記自動運転機能が実行中の前記走行制御モードに応じて変更する(S108,S110)、
    ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(11,51)に実行させる機能制御プログラム。
  6. 自動運転機能によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、前記自動運転機能に関連する制御を行う機能制御装置であって、
    前記自車両のドライバに生じた体調の異常状態を把握する体調異常把握部(72,86)と、
    前記ドライバによる周辺監視義務のある運転支援制御と、前記ドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御とのうちで、前記自動運転機能が実行中の制御を把握する制御状態把握部(77,82)と、
    前記運転支援制御の実行中に前記異常状態が把握された場合と、前記自律走行制御の実行中に前記異常状態が把握された場合とで、前記自車両の車両制御及び前記ドライバへ向けた情報提示制御のうちの少なくとも一方の内容を変更する制御内容変更部(73,79,88)と、
    を備える機能制御装置。
  7. 前記異常状態が把握された場合に、前記車両制御として、前記自車両を退避場所に停車させる自動退避制御を実施する退避制御部(78)、をさらに備える請求項6に記載の機能制御装置。
  8. 前記制御内容変更部は、前記運転支援制御の実行中に前記異常状態が把握されたときから前記自動退避制御が開始されるまでの第一猶予期間よりも、前記自律走行制御の実行中に前記異常状態が把握されたときから前記自動退避制御が開始されるまでの第二猶予期間を長くする請求項7に記載の機能制御装置。
  9. 前記制御内容変更部は、前記自律走行制御の実行中に前記異常状態が把握された場合、前記運転支援制御の実行中に前記異常状態が把握された場合よりも、前記自動退避制御において同一レーンの走行を継続する継続時間を長く確保する請求項7又は8に記載の機能制御装置。
  10. 前記制御内容変更部は、
    前記自律走行制御における前方車両(Af)までの車間距離の設定を、前記運転支援制御における前記車間距離の設定よりも広くし、
    前記自動退避制御における前記車間距離の設定を、前記自律走行制御における前記車間距離の設定よりも広くする請求項7~9のいずれか一項に記載の機能制御装置。
  11. 自動運転機能によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、前記自動運転機能に関連する制御を行う機能制御プログラムであって、
    前記自車両のドライバに生じた体調の異常状態を把握し(S101)、
    前記ドライバによる周辺監視義務のある運転支援制御と、前記ドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御とのうちで、前記自動運転機能が実行中の制御を把握し(S103)、
    前記運転支援制御の実行中に前記異常状態が把握された場合と、前記自律走行制御の実行中に前記異常状態が把握された場合とで、前記自車両の車両制御及び前記ドライバへ向けた情報提示制御のうちの少なくとも一方の内容を変更する(S106,S108,S110)、
    ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(11,51)に実行させる機能制御プログラム。
  12. 自動運転機能による自車両(Am)の走行を可能にする自動運転制御装置であって、
    前記自車両のドライバに生じた体調の異常状態を把握する体調異常把握部(72)と、
    前記ドライバによる周辺監視義務のある運転支援制御と、前記ドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御とのうちで、前記自動運転機能によって実行中の制御を把握する制御状態把握部(77)と、
    前記自律走行制御における前方車両(Af)までの車間距離の設定を、前記運転支援制御における前記車間距離の設定よりも広くする制御内容変更部(79)と、を備え、
    前記制御内容変更部は、前記異常状態が把握された場合の前記車間距離の設定を、前記自律走行制御における前記車間距離の設定よりも広くする自動運転制御装置。
  13. 自動運転機能による自車両(Am)の走行を可能にする自動運転制御プログラムであって、
    前記自車両のドライバに生じた体調の異常状態を把握し(S101)、
    前記ドライバによる周辺監視義務のある運転支援制御と、前記ドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御とのうちで、前記自動運転機能が実行中の制御を把握し(S103)、
    前記自律走行制御における前方車両(Af)までの車間距離の設定を、前記運転支援制御における前記車間距離の設定よりも広くし(S35)、
    前記異常状態が把握された場合の前記車間距離の設定を、前記自律走行制御における前記車間距離の設定よりも広くする(S32)、
    ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(51)に実行させる自動運転制御プログラム。
  14. 自動運転機能による自車両(Am)の走行を可能にする自動運転制御装置であって、
    前記自車両のドライバに生じた体調の異常状態を把握する体調異常把握部(72)と、
    前記ドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御であって、渋滞中の走行に限定して実施される渋滞限定制御によって前記自車両の走行を制御する走行制御部(63)と、
    複数のレーンを含む道路を前記自車両が前記渋滞限定制御によって走行する場合に、前記自車両が走行する自車レーン(Lns)を把握するレーン把握部(74)と、を備え、
    前記走行制御部は、
    前記渋滞限定制御の実行中に前記異常状態が把握された場合に、前記自車両を退避場所に停車させる自動退避制御を実施し、
    前記自動退避制御の内容を、前記道路における前記自車レーンの位置に応じて変更する自動運転制御装置。
  15. 前記走行制御部は、前記異常状態が把握されたときの前記自車レーンが、両側に別のレーンが存在する中央レーン(Ln2)である場合、当該中央レーン内に前記自車両を停車させる前記自動退避制御を実施する請求項14に記載の自動運転制御装置。
  16. 前記走行制御部は、前記自動退避制御において、前記中央レーン内の左右いずれか一方に寄せて前記自車両を停車させる請求項15に記載の自動運転制御装置。
  17. 前記走行制御部は、前記異常状態が把握されたときの前記自車レーンが前記道路の路肩に隣接していない追越レーン(Ln3)である場合、前記道路の中央側に寄せて前記追越レーン内に前記自車両を停車させる前記自動退避制御を実施する請求項14~16のいずれか一項に記載の自動運転制御装置。
  18. 前記走行制御部は、
    特定エリア内に限定して実施されるエリア限定制御を前記自律走行制御として実行し、
    前記エリア限定制御の実行中に前記異常状態が把握された場合、前記自車レーンの位置に関わらず、前記道路の路肩に寄せて前記自車両を停車させる前記自動退避制御を実施する請求項14~17のいずれか一項に記載の自動運転制御装置。
  19. 自動運転機能による自車両(Am)の走行を可能にする自動運転制御プログラムであって、
    前記自車両のドライバに生じた体調の異常状態を把握し(S101)、
    前記ドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御であって、渋滞中の走行に限定して実施される渋滞限定制御によって前記自車両の走行を制御し(S15)、
    複数のレーンを含む道路を前記自車両が前記渋滞限定制御によって走行する場合に、前記自車両が走行する自車レーン(Lns)を把握し(S109)、
    前記渋滞限定制御の実行中に前記異常状態が把握された場合に、前記自車両を退避場所に停車させる自動退避制御を実施し、当該自動退避制御の内容を、前記道路における前記自車レーンの位置に応じて変更する(S110,S114)、
    ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(51)に実行させる自動運転制御プログラム。
  20. 自動運転機能による自車両(Am)の走行を可能にする自動運転制御装置であって、
    前記自車両のドライバに生じた体調の異常状態を把握する体調異常把握部(72)と、
    前記ドライバによる周辺監視義務のある運転支援制御と、前記ドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御として渋滞中の走行に限定して実施される渋滞限定制御とのうちで、前記自動運転機能が実行中の制御を把握する制御状態把握部(77)と、
    前記運転支援制御の実行中に前記異常状態が把握された場合に、走行中の道路の道路脇に前記自車両を移動させる第一退避制御を実施し、前記渋滞限定制御の実行中に前記異常状態が把握された場合に、走行中の自車レーン内に前記自車両を停車させる第二退避制御を実施する退避制御部(78)と、
    を備える自動運転制御装置。
  21. 自動運転機能による自車両(Am)の走行を可能にする自動運転制御プログラムであって、
    前記自車両のドライバに生じた体調の異常状態を把握し(S101)、
    前記ドライバによる周辺監視義務のある運転支援制御と、前記ドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御として渋滞中の走行に限定して実施される渋滞限定制御とのうちで、前記自動運転機能が実行中の制御を把握し(S103,S107)、
    前記運転支援制御の実行中に前記異常状態が把握された場合に、走行中の道路の道路脇に前記自車両を移動させる第一退避制御を実施し、前記渋滞限定制御の実行中に前記異常状態が把握された場合に、走行中の自車レーン内に前記自車両を停車させる第二退避制御を実施する(S106,S108,S110,S114)、
    ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(51)に実行させる自動運転制御プログラム。
  22. 自動運転機能による自車両(Am)の走行を可能にする自動運転制御装置であって、
    前記自車両のドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御の開始を指示するドライバ操作の入力を把握する入力把握部(71)と、
    前記ドライバに生じた体調の異常状態を把握する体調異常把握部(72)と、
    前記ドライバの状態に関連するドライバ条件を少なくとも含む複数の開始許可条件が成立している場合、前記ドライバ操作の入力に基づき、前記自律走行制御の開始を許可する許可判定部(77)と、を備え、
    前記許可判定部は、前記異常状態が把握された場合、前記ドライバ条件を除く前記開始許可条件が成立していれば、前記ドライバ操作の入力が把握されなくても、前記自律走行制御を開始させる自動運転制御装置。
  23. 自動運転機能による自車両(Am)の走行を可能にする自動運転制御プログラムであって、
    前記自車両のドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御の開始を指示するドライバ操作の入力を把握し(S12)、
    前記ドライバの状態に関連するドライバ条件を少なくとも含む複数の開始許可条件が成立している場合、前記ドライバ操作の入力に基づき、前記自律走行制御の開始を許可し(S15,S16)、
    前記ドライバに生じた体調の異常状態を把握し(S101)、
    前記異常状態が把握された場合、前記ドライバ条件を除く前記開始許可条件が成立していれば、前記ドライバ操作の入力が把握されなくても、前記自律走行制御を開始させる(S104,S105)、
    ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(51)に実行させる自動運転制御プログラム。
  24. 自動運転機能によって走行可能な自車両(Am)において用いられる機能制御装置であって、
    前記自車両のドライバを撮影したドライバ画像に基づく前記ドライバの状態情報、及び前記ドライバによるステアリング部への操舵操作に関連した操舵情報、を取得する情報取得部(47)と、
    前記状態情報及び前記操舵情報を少なくとも含む複数のドライバ情報に基づき、前記ドライバの異常を検知する異常検知部(48)と、を備え、
    前記異常検知部は、前記ドライバによる前記ステアリング部の把持義務のない状態で前記自動運転機能が前記自車両を走行させている場合、前記ドライバの異常検知に用いる前記ドライバ情報から前記操舵情報を除く、機能制御装置。
  25. 前記ステアリング部の把持義務のない状態で前記自動運転機能が前記自車両を走行させている場合、前記異常検知部による前記異常検知に基づき、前記ステアリング部の把持を促す把持要請報知が実施され、
    前記異常検知部は、前記把持要請報知の後に前記ステアリング部の把持が確認された場合、前記操舵情報を用いた前記異常検知を再開する請求項24に記載の機能制御装置。
  26. 前記異常検知部は、前記操舵情報を用いた前記異常検知の再開後、複数の前記ドライバ情報に基づく前記異常検知が継続した場合、前記ドライバに体調の異常状態が生じていると判定する請求項25に記載の機能制御装置。
  27. 自動運転機能によって走行可能な自車両(Am)において用いられる機能制御プログラムであって、
    前記自車両のドライバを撮影したドライバ画像に基づく前記ドライバの状態情報、及び前記ドライバによるステアリング部への操舵操作に関連した操舵情報を取得し(S61,S71)、
    前記状態情報及び前記操舵情報を少なくとも含む複数のドライバ情報に基づき、前記ドライバの異常を検知し(S62)、
    前記ドライバに前記ステアリング部の把持義務のない状態で前記自動運転機能が前記自車両を走行させている場合、前記ドライバの異常検知に用いる前記ドライバ情報から前記操舵情報を除く(S42,S45)、
    ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(11,51,51a)に実行させる機能制御プログラム。
  28. 自動運転機能による自車両(Am)の走行を可能にする自動運転制御装置であって、
    前記自車両のドライバに異常が検知されたことを把握する体調異常把握部(72)と、
    前記ドライバによる周辺監視義務のない状態で前記自車両が走行する自動運転期間において、前記ドライバの異常が検知された場合に、ステアリング部の把持を促す把持要請報知を実施させる報知実施部(73)と、
    前記自動運転期間において前記ドライバの異常が検知された場合でも、前記ドライバによる周辺監視義務のない状態での走行を継続させる制御継続部(77)と、
    を備える自動運転制御装置。
  29. 自動運転機能による自車両(Am)の走行を可能にする自動運転制御プログラムであって、
    前記自車両のドライバに異常が検知されたことを把握し(S91)、
    前記ドライバによる周辺監視義務のない状態で前記自車両が走行する自動運転期間において、前記ドライバの異常が検知された場合に、ステアリング部の把持を促す把持要請報知を実施させ(S93)、
    前記自動運転期間において前記ドライバの異常が検知された場合でも、前記ドライバによる周辺監視義務のない状態での走行を継続させる(S94)、
    ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(51)に実行させる自動運転制御プログラム。
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