JP2022182759A - ポリオール組成物、ポリウレタン及びポリウレタンフォーム - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリウレタン成形性(粘度上昇)ならびに整泡性(気泡径の上昇及び消泡)に優れるポリオール組成物を提供する。【解決手段】炭素数3以上のアルキレンオキシド残基を含有し、水酸基価より算出された数平均分子量が800以上で、不飽和度が0.010meq/g以下であるポリアルキレンオキシド(A)を含むポリオールと、Fe化合物、Cu化合物、Al化合物、Mn化合物、Ti化合物、Zr化合物からなる群より選ばれる1種以上の有機金属化合物で、その含有量が0.1~1000ppmの範囲である有機金属化合物(B)を含み、室温で液状であることを特徴とするポリオール組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリオール組成物、ポリウレタン及びポリウレタンフォームに関する。
ポリウレタンフォームは主にイソシアネートとポリオールとの反応により製造され、車両・家具のクッション材や建築、貯蔵タンク、船舶等における断熱材、構造材、ステアリングホイールをはじめとする自動車内装材や靴用のソール材など幅広く使用されている。
ポリウレタンフォームに用いるポリオールとしては、例えば、ポリテトラメチレングリコール、ポリエステルポリオール、ポリアルキレンオキシド等が挙げられ、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドの付加重合をおこなうことによって製造されるポリアルキレンオキシドを用いたポリウレタンフォームは耐加水分解性や耐寒性、柔軟性に優れる。
ポリオール組成物中の液中の気泡核数により、ポリウレタンフォーム成形時に気泡サイズが変わりウレタンフォームの物性へ影響し、気泡サイズが微細となるとリブが細くなり、機械物性が低下することがあるが、ポリアルキレンオキシドは気泡核を多く取り込み微細化しやすいため所望の気泡径のフォームが得にくく、またポリテトラメチレングリコール、ポリエステルポリオール等と比較して、一般に液状で粘度が低いため、ウレタンフォーム成型時に粘度が低すぎて成形しにくい場合がある等の課題があった。
ポリオール組成物の液性を制御する手法として、ウレア誘導体といったチキソトロピー剤を添加する手法が知られている(特許文献1)。しかしながら、チキソトロピー剤を添加する手法ではウレタンの発泡を阻害したり、機械物性や難燃性が低下する課題があった。
すなわち、ポリウレタン成形性(粘度上昇)ならびに整泡性(気泡径の上昇及び消泡)に優れ、得られるポリウレタンフォームの物性に期待できるポリオール組成物が望まれていた。
特開2015-155486公報
本発明は、上記の背景技術を鑑みてなされたものであり、その目的は、ポリウレタン成形性(粘度上昇)ならびに整泡性(気泡径の上昇及び消泡)に優れるポリオール組成物を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の不飽和度を有するポリアルキレンオキシドと特定の有機金属化合物系増粘剤を特定の比率で組み合わせる事によって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に示すポリオール組成物に関する。
[1]炭素数3以上のアルキレンオキシド残基を含有し、水酸基価より算出された数平均分子量が800以上で、不飽和度が0.010meq/g以下であるポリアルキレンオキシド(A)を含むポリオールと、Fe化合物、Cu化合物、Al化合物、Mn化合物、Ti化合物及びZr化合物からなる群より選ばれる1種以上の有機金属化合物(B)を含み、有機金属化合物(B)の含有量が0.1~1000ppmの範囲であり、室温で液状であるポリオール組成物。
[2]有機金属化合物(B)がAl化合物である、[1]に記載のポリオール組成物。
[3]さらに、リン化合物を0.1~1000ppmの範囲で含む、[1]又は[2]に記載のポリオール組成物。
[4]100μm厚みでのHazeが5%未満である、[1]~[3]のいずれかに記載のポリオール組成物。
[5]ガードナー色数が1~3の範囲である、[1]~[4]のいずれかに記載のポリオール組成物。
[6]ポリアルキレンオキシド(A)の水酸基価より算出された数平均分子量が1500~100000の範囲である、[1]~[5]のいずれかに記載のポリオール組成物。
[7]ポリアルキレンオキシド(A)中のオキシエチレン基およびオキシプロピレン基の重量比率が1:99~49:51の範囲であり、水酸基の1級比率が40~99%である、[1]~[6]のいずれかに記載のポリオール組成物
[8][1]~[7]のいずれかに記載のポリオール組成物とイソシアネート化合物との反応生成物を含むポリウレタン。
[9][8]に記載のポリウレタンからなるポリウレタンフォーム。
本発明一態様であるポリオール組成物は、反応性に優れ、良好な粘性を示してハンドリング性に優れ、ポリレタンフォーム成形時のポリウレタン成形性ならびに整泡性(気泡径の上昇及び消泡)に優れ、良好な機械物性が期待できる。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明の一態様であるポリオール組成物は、炭素数3以上のアルキレンオキシド残基を含有し、水酸基価より算出された数平均分子量が800以上で、不飽和度が0.010meq/g以下であるポリアルキレンオキシド(A)を含むポリオールと、Fe化合物、Cu化合物、Al化合物、Mn化合物、Ti化合物及びZr化合物からなる群より選ばれる1種以上の有機金属化合物(B)を含み、有機金属化合物(B)の含有量が0.1~1000ppmの範囲である。
<ポリオール>
ポリオールに含まれるポリアルキレンオキシド(A)は、炭素数3以上のアルキレンオキシド残基を含有し、水酸基価より算出された数平均分子量が800以上で、不飽和度が0.010meq/g以下であれば、特に限定するものではない。炭素数3以上のアルキレンオキシド残基としては、例えば、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド等の炭素数3~12のアルキレンオキシドの残基が挙げられ、一種又は二種以上のアルキレンオキシド残基を含有する。ポリオール組成物が良好な整泡性を発現しやすく、均一で良好な気泡径のポリウレタンフォームを得やすいため、ポリオール中にオキシエチレン基およびオキシプロピレン基を含有するポリアルキレンオキシド(A)を含むことが好ましい。
ポリアルキレンオキシド(A)としては、例えば、活性水素含有化合物R[-H]mを一種又は二種以上用い、炭素数が2~12の3員環のアルキレンオキシドを二種以上付加したアルキレンオキシド付加物であることが好ましく、また、下記一般式(1)で表されるポリアルキレンオキシドであることが好ましい。
Figure 2022182759000001
[上記一般式(1)中、Rは、活性水素含有化合物(R[-H])からm個の活性水素を除いたm価の基であり、Zは炭素数2~12のアルキレン基又はシクロアルキレン基であり、Aは炭素数3のアルキレン基である。複数のZ又はAがある場合、それぞれは同一でも異なっていてもよい。mは2~100、pは0~500の整数、qは1~1000の整数、rは1~500の整数である。]
活性水素含有化合物(R[-H])としては、活性水素基を有していれば特に限定されないが、例えば、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、トリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、三洋化成社製サンニックスPP-200、PP-400、PP-600、PP-1000等のポリオキシアルキレンジオール等の2官能のジオール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD等のビスフェノール類、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン等のジヒドロキシベンゼン類、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等のアミン類等の2個の活性水素基を有する化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6-ヘキサントリオール、三洋化成社製サンニックスGP-250、GP-400、GP-600、GP-1000等の3官能の低分子量ポリオール等のトリオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン等のテトラオール、ヘキソール、アンモニア、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類等の3個以上の活性水素を有する化合物が挙げられる。活性水素含有化合物(R[-H])としては、これらの中からから選ばれる一種又は二種以上の混合物を用いることができる。
活性水素含有化合物(R[-H])に付加させるアルキレンオキシドとしては、分子内にエポキシ環を1個以上有している化合物であればよく、特に限定されないが、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド等の炭素数2~12のアルキレンオキシドが挙げられ、一種又は二種以上のアルキレンオキシドを用いてもよい。
これらのなかでも、工業的に入手が容易なプロピレンオキシド、エチレンオキシド等の炭素数が2~3のアルキレンオキシドを含む一種又は二種以上のアルキレンオキシドが好ましく、プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドの二種のアルキレンオキシドであることが更に好ましい。
上記一般式(1)中のZOとしては、良好なウレタンフォーム成形性を示しやすいため、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド等の炭素数2~12のアルキレンオキシド由来のポリエーテル構造を有することが好ましい。更に好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシドから選ばれる一種又は二種以上のアルキレンオキシド由来のポリエーテル構造であり、最も好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシドから選ばれる一種のポリエーテル構造である。
上記一般式(1)中のpは0~500の整数であり、好ましくはpは0~100の整数であり、更に好ましくはp=0である。
上記一般式(1)中のZとしては、例えば、下記一般式(2)で示される構造が挙げられる。
Figure 2022182759000002
[上記一般式(2)中、R、R、R、Rは各々独立して、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数3~10のシクロアルキルを表す。但し、R~Rの合計の炭素数が10を超えることはない。また、R~Rのいずれか2つが結合してシクロアルキル基を形成してもよい。]
また、上記一般式(1)中のAOとしては、液状で良好な粘性を保ちやすく、ポリウレタンフォームとした際に均一で良好な気泡径を示しやすいため、プロピレンオキシド等の炭素数3のアルキレンオキシド由来のポリエーテル構造であることが好ましい。
上記一般式(1)中のAとしては、例えば、下記式で示される構造が挙げられる。
Figure 2022182759000003
上記一般式(1)中のqは1~1000の整数であり、好ましくはqは10~500の整数であり、更に好ましくはqは15~100の整数である。
上記一般式(1)中のrは、0~500の整数である。低温で固化しにくくハンドリング性に優れやすいため、好ましくはrは0~100の整数であり、更に好ましくは整泡性、消泡性に優れやすい事からrは1~50である。
上記一般式(1)中のpとqとrの関係としては、均一で良好な気泡径を示しやすく、ポリウレタンが結晶化しにくく、低温での柔軟性を発現しやすいため、p+q>r(但し、p+qが10~1000、qが10~1000、rが0又は1~100)を満たすことが好ましい。更に好ましくは、p+q>2r(但しp+qが15~300、qが15~300、rが0又は1~100)を満たすことであり、最も好ましくは10r>p+q>2r(但しp+qが30~150、qが30~150、rが5~50)を満たすことである。
ポリアルキレンオキシド(A)中のオキシエチレン基とオキシプロピレン基の重量比率としては特に限定されないが、1/99~49/51の範囲が好ましく、5/95~35/65の範囲がさらに好ましく、最も好ましくは10/90~25/75の範囲である。このオキシエチレン基とオキシプロピレン基の重量比率は、通常の方法で測定した1HNMRの積分比により求めることができる。
ポリアルキレンオキシド(A)中の水酸基の1級比率としては、特に限定されないが40~99%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは1級比率60~95%の範囲であり、最も好ましくは1級比率70~90%の範囲である。
なかでも、ポリオールとしてポリアルキレンオキシド(A)以外のポリオールを30重量%以上併用する場合、1級比率75~90%の範囲であることが好ましい。
ポリアルキレンオキシド(A)中の水酸基の1級比率は無水トリフルオロ酢酸等を用い常法により前処理し、通常の方法で測定した1HNMRの積分比により算出することができる。
ポリアルキレンオキシド(A)として、2種類以上を組み合せて使用しても良く、その場合、好ましくはm=2のジオール、およびm=3または4のトリオールかテトラオールの組み合わせである。
また、ポリアルキレンオキシド(A)2種類以上を組み合せて使用する場合、それぞれが上記構造を有する方がより好ましいが、含有量の多い方のポリアルキレンオキシド(A)の分子構造が上記構造を有していれば好適に使用できる。
ポリアルキレンオキシド(A)の不飽和度は0.010meq/g以下である。なかでも好ましくは0.0005~0.005meq/gの範囲であり、最も好ましくは0.001~0.004meq/gの範囲である。
ポリアルキレンオキシド(A)として、2種類以上を組み合せて使用する場合、それぞれの不飽和度が上記範囲内であることが好ましいが、含有量の多い方のポリアルキレンオキシド(A)の不飽和度が上記範囲内であれば好適に使用できる。
不飽和度が0.010meq/g以下ポリアルキレンオキシド(A)を用いない場合、低分子量のモノオールが含まれ、さらに不飽和基を多量に有して有機金属化合物を用いても増粘効果が相殺され粘度の低下により、液だれを起こしやすい為、成形性が悪く使用が困難であり、また得られるポリウレタンフォームも気泡径が小さくなりやすく、不飽和構造やモノオール成分に由来するダングリング鎖や低分子量成分が多くなり機械物性や難燃性、反発弾性等物性に劣るため使用が困難である。
本発明において、ポリアルキレンオキシド(A)の「不飽和度(meq/g)」とは、ポリオール1g当たりに含まれる不飽和基の総量のことであり、高分子論文集1993,50,2,121-126に記載のNMR法に準拠して測定した値を指し、スキャン数は500回以上が好ましい。JIS K1557 6.7に規定された方法に準拠して測定した値では、夾雑物により正確に測定できない場合がある。ポリアルキレンオキシド(A)の不飽和度はポリアルキレンオキシド(A)中に存在するモノオール量の指標となり、増加することで低分子量成分が増加して粘度が低下する。また、ポリアルキレンオキシド(A)の平均官能基数が低下することがあり、ポリウレタン原料として用いた際に停止反応となるため、ウレタン化反応性を低下させ、ポリウレタンの分子量低下や未架橋の低分子量成分の増加につながることがある。
本発明のポリオール組成物に用いるポリアルキレンオキシド(A)の水酸基価から算出された数平均分子量(M)は800以上であり、1500~100000のものを用いることが好ましく、さらに好ましくは1500~15000の範囲であり、最も好ましくは2500~7500の範囲である。
ポリアルキレンオキシド(A)の数平均分子量(M)が上記範囲であれば得られるポリオール組成物が良好な粘度を示しやすく、ウレタン化の反応性も低下しにくい為、良好な成形性とウレタン物性を発現しやすい。
ポリアルキレンオキシド(A)として、2種類以上を組み合せて使用する場合、それぞれの分子量が上記範囲内であることが好ましいが、含有量の多い方のポリアルキレンオキシド(A)の分子量が上記範囲内であれば好適に使用できる。
本発明において、ポリオールの水酸基価より算出した数平均分子量(M)は、ポリオールの水酸基価(OHV、単位はmgKOH/g)に基づき、下記数式(4)を用いて計算した値をいう。
Figure 2022182759000004
ここで、「OHV」は、JIS K1557 6.4に準拠して測定した値である。また、「1分子当たりの水酸基数」とは、それぞれのポリオールを製造するときに原料として用いた開始剤である活性水素含有化合物1分子あたりの活性水素原子の数をいう。市販品で開始剤の活性水素原子の数を特定できない場合、公称官能基数を用いる。
ポリオールとして用いるポリアルキレンオキシド(A)の25℃条件における粘度は、特に限定されず、用途により適宜選択されるが、好ましくは0.1~2000Pa・s(25℃)の範囲であり、更に好ましくは0.2~200Pa・s(25℃)の範囲である。ポリアルキレンオキシド(A)の粘度が0.1~2000Pa・s(25℃)の範囲であれば成形しやすいため好ましい。
本発明において、25℃条件における「粘度」とは、JIS K1557-5 6.2.3項のコーンプレート回転粘度計で測定した値を指す。具体的には、せん断速度0.1(1/s)条件での粘度を指すが、粘度が測定範囲に入らない場合、測定範囲に入るようせん断速度範囲を0.01~10(1/s)の範囲で調整しても良い。
ポリオールとして用いるポリアルキレンオキシド(A)のポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求めた分子量分布としてはウレタン化が均一に進行しやすく成形性に優れ、得られるポリウレタンフォームの架橋が均一となって顕著に良好な成形性を発現しやすい為、1.039以下であることが好ましい。さらに好ましくは1.003~1.039の範囲であり、更に好ましくは1.005~1.029の範囲であり、最も好ましくは1.006~1.019の範囲である。
さらに、ポリアルキレンオキシド(A)として、2官能のポリアルキレンオキシド(A1)と3官能以上のポリアルキレンオキシド(A2)とを併用する場合、ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求めた、ポリアルキレンオキシド(A1)、ポリアルキレンオキシド(A2)それぞれの分子量分布(Mw/Mn)が上記範囲内であることがより好ましいが、含有量の多い方のポリアルキレンオキシド(A)の分子量分布(Mw/Mn)が上記範囲内であれば好適に使用できる。
ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求めた分子量分布(Mw/Mn)は、分離カラムに粒径3μmの充填剤を充填したカラム4本を直列接続し、レファレンス側に抵抗管を接続、展開溶媒にテトラヒドロフランを用いた条件で測定して分析した分子量分布であることが好ましく、標準ポリスチレンを用いた3次近似曲線検量線を用いて算出した分子量分布(Mw/Mn)である。
ポリオールとして用いるポリアルキレンオキシド(A)の製造方法としては特に限定するものではないが、ポリオール組成物のウレタン化が均一に進行しやすく成形性に優れやすい為、例えば、活性水素含有化合物と塩基化合物、ルイス酸化合物の存在下に、アルキレンオキシドの開環重合を行うことにより製造することができる。
なかでも、ポリオール組成物のウレタン化が均一に進行しやすく成形性に優れやすい為、活性水素含有化合物とイミノフォスファゼニウム塩触媒、ルイス酸の存在下に、アルキレンオキシドの開環重合を行うことにより製造することが好ましく、さらに好ましくは分子量分布がより狭くなって成形性が良好になりやすいため、上記条件に加えて副生物の要因となりうる不純物を低減し沸点が低い副生物となる触媒系にて110℃以下の低温で反応を行い製造することであり、最も好ましくは、上記条件に加えて副生物を十分減圧除去し、固体への吸着処理により製造することである。
イミノフォスファゼニウム塩触媒として、特に限定するものではないが、アルキレンオキシドの適応範囲が広くて重合活性が高く、低不飽和度となりやすいため、イミノフォスファゼニウム塩とルイス酸とを併用した触媒系を用いることが好ましい。
ここで、ルイス酸としては、特に限定するものではないが、例えば、アルミニウム化合物、亜鉛化合物、ホウ素化合物等を挙げることができる。そして、これらの中でも、触媒性能に優れるアルキレンオキシド重合触媒となることから、有機アルミニウム、アルミノキサン、有機亜鉛が好ましく、更に好ましくは、有機アルミニウムである。
アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリイソブトキシアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、ジフェニルモノイソブチルアルミニウム、モノフェニルジイソブチルアルミニウム等の有機アルミニウム;メチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、メチル-イソブチルアルミノキサン等のアルミノキサン;塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム等の無機アルミニウムを挙げることができる。
これらの中でも、触媒活性種調製の際の副生物の沸点が100℃以下と低くて除去しやすく、分子量分布を広げる要因となるルイス酸由来のポリアルキレンオキシドを抑制しやすいトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウムなどが好ましい。触媒活性種調製の際に副生する化合物はルイス酸の構造より判断でき、例えばトリメチルアルミニウムではアルミニウム上の置換基のメチル基にHが付加したメタン、トリイソブチルアルミニウムではアルミニウム上の置換基のイソブチル基にHが付加したイソブタン、トリイソプロポキシアルミニウムではイソプロポキシ基にHが付加したイソプロパノールである。
亜鉛化合物としては、例えば、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジフェニル亜鉛等の有機亜鉛;塩化亜鉛、酸化亜鉛等の無機亜鉛を挙げることができる。
ホウ素化合物としては、トリエチルボラン、トリメトキシボラン、トリエトキシボラン、トリイソプロポキシボラン、トリフェニルボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリフルオロボラン等を挙げることができる。
イミノフォスファゼニウム塩としては、イミノ基及びP-N結合を有する化合物であればよく、特に限定されないが、下記一般式で示される化合物が挙げられる(例えば、特開2011-132179号公報参照)。
Figure 2022182759000005
[上記一般式(3)中、R及びRは、各々独立して、水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表す。なお、RとRが互いに結合して環構造を形成していても良いし、R1同士又はR同士が互いに結合して環構造を形成していても良い。Xは、ヒドロキシアニオン、炭素数1~4のアルコキシアニオン、カルボキシアニオン、炭素数2~5のアルキルカルボキシアニオン、又は炭酸水素アニオンを表す。]
イミノフォスファゼニウム塩とルイス酸との割合は、特に限定するものではなく、アルキレンオキシド重合触媒としての作用が発現する限りにおいて任意であるが、例えばイミノフォスファゼニウム塩:ルイス酸=1:0.002~500(モル比)の範囲である。
ポリアルキレンオキシドを製造する際の重合温度としては、特に限定されないが、ポリアルキレンオキシドが分解して分子量分布が広がりにくく触媒活性を発現しやすいため、70~150℃の範囲が好ましく、更に好ましくは90~130℃の範囲であり、最も好ましくは90~115℃の範囲である。
本発明の一態様であるポリオール組成物は、室温で液状であることを特徴とする。なお本発明では、室温で粒子状で析出している場合や粒子が沈降している場合は固液混合物として本発明には含まず、ディスパージョンや均一に分散している場合は色味によらず液状と判断した。
本発明のポリオール組成物の粘度としては用途によって適宜選択され、特に限定されないが、0.5~10Pa・sの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.9~5Pa・sの範囲である。
ポリオールは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記ポリアルキレンオキシド(A)に加えて、その他ポリオールを含んでいてもよい。その他ポリオールとしては、特に限定するものではないが、水酸基を1個または2個以上有している化合物であり、具体的には、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、マンニッヒポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、またブタンジオールや3-メチル-1,5-ペンタンジオール等の低分子量ポリオール等が挙げられる。
ポリオール組成物が良好なウレタン化の反応性と良好な粘性を発現しやすいため、このようなポリアルキレンオキシド(A)をポリオール中の10重量%以上用いることが好ましく、さらに好ましくはポリオール中の40重量%以上、最も好ましくは97重量%以上用いることである。
なかでも、ポリオール組成物を用いてウレタンフォームを形成する場合、ポリオール中にオキシプロピレン基に加えてオキシエチレン基を含有するポリアルキレンオキシド(A)を10重量%以上含むことで、結晶性のポリオールを併用してもウレタンフォーム中での結晶化を阻害しやすく、低温での柔軟性が顕著に良くなりやすい為好ましいが、ウレタンフォームを形成せず通常のウレタン硬化物等に使用する場合、オキシプロピレン基に加えてオキシエチレン基を含有の有無に係らず消泡性に優れるため特に限定されない。
<有機金属化合物(B)、その他添加剤>
本発明の一態様であるポリオール組成物にはポリウレタンフォームの気泡径の微細化を抑制して、高い機械物性を発現するため、Fe化合物、Cu化合物、Al化合物、Mn化合物、Ti化合物及びZr化合物からなる群より選ばれる1種以上の有機金属化合物(B)を0.1~1000ppmの範囲で含有することを必須とする。
ポリオール組成物中に上記有機金属化合物を特定の含有量含むことで、成形性が向上し良好な形状の気泡を安定的に形成することができる。
なかでも、ポリオール等の液状組成物に対して粘度の明確な上昇効果を示す化合物を指し、チキソトロピー効果を示す有機金属化合物であることが好ましく、またこれら有機金属化合物はポリオール組成物中でポリオールと反応していてもよい。
このような有機金属化合物は、特に限定されないが、有機アルミニウム化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機鉄化合物、有機銅化合物、有機マンガン化合物の内、上記金属種のアルキル化体、アルコキシル化体、アセチルアセトネートやエチルアセトアセテート等のキレート化体、オクチレートやステアレート等のアシレート化体、水酸化物、塩化物、臭素化物、これらの混合物等が挙げられ、具体的には、アルキルアルミニウム、アルコキシアルミニウム、アルコキシチタン、チタンキレート化合物、チタンアシレート、アルコキシジルコニウム、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアシレート等が挙げられる。また、チキソトロピー効果を示しやすいことから室温で液状またはポリアルキレンオキシドへ相溶することが好ましい。
当該有機金属化合物(B)の増粘効果は特に限定されないが、ポリアルキレンオキシド(A)に対して1000ppm以下の含有量で1%以上の増粘効果を示す化合物であることが好ましく、さらに好ましくは1000ppm以下の含有量で2~15%以上増粘効果を示す化合物であり、最も好ましくは1000ppm以下の含有量で4~10%の範囲で増粘効果を示す化合物である。
これら有機金属化合物はポリオール組成物中で不飽和基が少ない環境下でポリオール末端の水酸基等と反応または配位して架橋剤として作用することで、特徴的な増粘性を示し、かつそれら相互作用により溶解して透明性を発現しているものと考えられ、特定構造の組み合わせでかつ特定の組成比で含むことで顕著な効果を示すものと考えられる。
有機金属化合物が上記含有量の範囲でポリアルキレンオキシド(A)中で粒子として目視上析出せず、均一に分散した状態を保持できるであることが好ましく、ポリオール組成物とした際に100μm厚みでのHazeが5%未満であることが好ましい。
また、着色性の高い有機金属化合物(Fe化合物など)を多く含むと、ポリオール組成物の着色が大きく、溶液の視認性や得られるウレタンフォームの色合いが悪化するため、ガードナー色数が1~3の範囲となる添加量で有機金属化合物(B)を含むことが好ましく、なかでも顕著に得られるウレタンフォームの外観が良好となり意匠性も優れることからポリオール組成物のガードナー色数が1~2の範囲であることが更に好ましい。
これら有機金属化合物(B)は、ポリオール組成物が透明性を保持して、増粘効果を示しやすくウレタン化反応時には脱離することで良好な成型性とウレタン化反応性を発現しやすい為、ポリオール組成物中でポリオール末端の水酸基等と反応または配位して架橋剤として作用し、溶解していることが好ましく、例えばポリアルキレンオキシド(A)に、溶媒へ溶解または分散した有機金属化合物(B)を添加し、脱溶媒および脱水縮合する方法などで調整する事が好ましい。
上記有機金属化合物(B)を用いることで、樹脂化反応や発泡反応を阻害しにくく、粘度が上昇して成型性を向上しつつ整泡性に優れるため、良好な気泡径で機械物性に優れるポリウレタンフォームを得ることができる。
有機金属化合物(B)として、有機アルミニウム化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機鉄化合物、有機銅化合物、有機マンガン化合物等が挙げられ、具体的には、Fe化合物、Cu化合物、Al化合物、Mn化合物、Ti化合物及びZr化合物からなる群より選ばれる1種以上のアルコキシド、水酸化物、塩化物、臭素化物、アルキル化物などの有機金属化合物が挙げられ、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラオクチルチタネート、チタンアセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンエチルアセトアセテート、リン酸チタン化合物、チタンオクチレングリコレート、チタントリエタノールアミネート、ノルマルプロピルジルコネート、ノルマルブチルジルコネート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムモノアセチルアセトネート、ステアリン酸ジルコニウム、アルミニウムエチレート、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムジイソプロピレートモノセカンダリーブチレート、アルミニウムセカンダリーブチレート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノセカンダリーブチレート、アルミニウムモノアセチルアセトネート・ビスオレイルアセトアセテート、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジセカンダリーブチレート、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムアルキルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート及びアルミニウムトリスアセチルアセトネート、酢酸鉄、マンガンアセテートなどが挙げられる。これら有機金属化合物はポリオール組成物中でポリオール等その他成分と反応していても良い。
なかでも、良好な気泡径となり機械物性が良好となりやすい為、Al化合物を含む1種以上の有機金属化合物を含むことが好ましく、具体的には、アルミニウムエチレート、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムジイソプロピレートモノセカンダリーブチレート、アルミニウムセカンダリーブチレート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノセカンダリーブチレート、アルミニウムモノアセチルアセトネート・ビスオレイルアセトアセテート、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジセカンダリーブチレート、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムアルキルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート及びアルミニウムトリスアセチルアセトネートなどが挙げられる。
上記、有機金属化合物(B)としてはウレタン化反応などで配位子成分など金属原子以外の化学組成が変わっていてもよく、対応する金属原子成分として含有していればよい。また含有する金属成分は、粒子状や均一分散状など含有する状態によらないが、ポリウレタンフォーム中の気泡構造を破壊する可能性があるため、金属単体や平均粒子径が50μm以上の粒子を1重量%以上含まないことが好ましく、更に好ましくは0.1重量%以上含まない事である。
有機金属化合物(B)の含有量としては、ポリオール組成物中の0.1~1000ppmの範囲であり、好ましくは0.5~100ppmの範囲であり、更に好ましくは1~50ppmの範囲である。
有機金属化合物(B)の含有量が0.1ppm未満では増粘効果が軽微で良好な成形性を示さず、また気泡径の微細化を抑制できないため使用が困難である。
また1000ppmを超える範囲で含有すると、ゲル状になり撹拌が困難となって成型性が顕著に悪化したり、粒子の析出の抑制が困難となって白濁し顕著な増粘効果を示さない為、使用が困難である。さらには、ウレタン化反応の遅延を起こしてウレタンフォームの生産性が悪化しやすく、気泡のセル壁を破壊して所望の独泡率となりにくく、良好な機械物性のポリウレタンフォームが得にくい為、使用は困難である。
ポリオール組成物中の有機金属化合物(B)の含有量としては、原料に用いた金属化合物の金属含量(重量%)とポリオール組成物の分析により求められる金属原子の含有量より計算した値を用いてもよく、有機金属化合物の構造の変化を加味しない。
ポリオール組成物中の有機金属化合物(B)としては、ポリオール(A)の製造に用いた触媒残渣を残存させることにより、含有させることもできる。
具体的には、ルイス酸触媒残渣が粒子状で析出すると増粘効果が得られにくく白濁しやすいため、有機金属化合物であるルイス酸触媒を用いて重合後に当該ルイス酸触媒を特定の比率で残存させることで良好な透明性を発現しつつ増粘剤として作用してポリオール組成物の粘度を上昇させウレタン成型性が向上しやすく、ルイス酸触媒残渣を0.1~1000ppmの範囲で少量残すことが好ましい。なかでも、ポリオール組成物の透明性がより良好となりやすいためルイス酸触媒残渣を0.5~100ppmの範囲で含有することがより好ましく、最も好ましくは1~50ppmの範囲で含有することである。有機金属化合物の含有量を調整するためルイス酸触媒を除去後に再度添加してもよく、特に限定されないがルイス酸触媒を除去後に有機金属化合物(B)を添加する場合、必要に応じてポリオールと架橋反応(アルコラート化)させることで同様の増粘効果が得られやすく、ウレタンフォームの成形性が向上しやすいため好ましい。
一方で、ルイス酸触媒として有機金属化合物を用いた場合、1000ppmを超える範囲で残存すると、可溶する形では低温で架橋が進行しやすくゲル状になり撹拌が困難となって成型性が顕著に悪化したり、粒子が析出して白濁し粘度の上昇効果が小さくなりまた破泡を促進して顕著な成形性向上効果を発揮しにくくなるため使用が困難である。
ポリオール組成物にはその他添加剤を含有してもよく、特に限定されないが、例えば、整泡剤、減粘剤や増粘剤などの粘度調整剤、ウレタン化触媒、充填材、難燃材、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、防カビ剤、抗菌剤、VOCキャッチャー剤、離型剤、発泡剤、可塑剤などが挙げられ好適に使用できる。
整泡剤としては、特に限定されず、例えば、有機シロキサン-ポリオキシアルキレン共重合体、シリコーン-グリース共重合体等の非イオン系界面活性剤等の有機シリコーン系界面活性剤等の公知の界面活性剤が挙げられるが、高い独泡率を維持しつつ気泡径の微細化を抑制しやすくポリウレタンフォームの機械物性を向上しやすい為、リン化合物を1種以上含むことが好ましい。
また、ポリウレタンフォームの気泡径の微細化を抑制して、高い機械物性を発現するため、上記有機金属化合物(B)を必須成分とし、併せてリン化合物を含有することが好ましい。リン化合物の含有量としては、ポリオール組成物中の0.1~1000ppmの範囲であることが好ましく、更に好ましくは0.5~500ppmの範囲であり、最も好ましくは1~50ppmの範囲である。
リン化合物としては、化合物中にP原子を1個以上有する化合物であれば好適に使用でき特に限定されないが、好ましくはP-N結合を有するイオン性のリン化合物である。特に気泡の微細化に対する抑制効果が高く得られるポリウレタンフォームの機械物性が向上しやすいため、P-N結合を有する塩基性のイオン性リン化合物が好ましく、例えばイミノフォスファゼン誘導体又はその塩、フォスファゼン誘導体またはその塩が挙げられる。イミノフォスファゼニウム塩としては、例えば、イミノ基及びP-N結合を有する下記一般式(3)で示されるイミノフォスファゼニウム塩化合物が挙げられ、最も好適に使用できる。
Figure 2022182759000006
[上記一般式(3)中、R及びRは、各々独立して、水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表す。なお、RとRが互いに結合して環構造を形成していても良いし、R同士又はR同士が互いに結合して環構造を形成していても良い。Xは、Cl、Br、Fなどのハロゲンアニオン、ヒドロキシアニオン、炭素数1~4のアルコキシアニオン、カルボキシアニオン、炭素数2~5のアルキルカルボキシアニオン、炭酸水素アニオン、PO 3-、HPO 2-、HPO 、SO 2-、HSO 、NO などの無機酸アニオンを表す。]
本発明のポリオール組成物に含まれることが好ましいリン化合物は、液状またはポリオールに可溶であることが好ましい。
リン化合物は、ポリオール(A)の製造に用いた触媒残渣を残存させることにより、含有させることもできる。
具体的には、イミノフォスファゼニウム塩触媒は除去することが好ましいが、中和等を必要に応じて行い一部残存した状態でも好適に用いることができる。イミノフォスファゼニウム塩触媒を除去後にリン化合物を添加したり、ポリオール成分と反応させることで同様の効果が得られやすいため好ましい
なかでも、非発泡用途に用いる場合、気泡が大きくなりやすく、成形時に気泡が消失して良好な成形性で成型体を得やすい(消泡性に優れる)ため、イミノフォスファゼニウム塩触媒またはその塩を0.1~1000ppmの範囲で少量残すことが好ましく、さらに好ましくは0.5~500ppm、最も好ましくは5~100ppmの範囲で残すことである。
一方、1000ppmを超える範囲ではウレタン化反応を促進しすぎて成形性が劣りやすく、得られるウレタン樹脂の気泡径が粗大になりすぎて物性が悪化することがあるため、好ましくない。
その他増粘剤としては、公知の増粘剤、レオロジーコントロール剤等を併用することができ、カーボンブラックや微粉シリカのような微粉末状の増粘剤、水添ヒマシ油ワックスや脂肪酸アミドワックス、ビックケミー社製BYK-410、BYK-415、BYK-420、BYK-430等のウレア系レオロジーコントロール剤等が挙げられるが、ウレタン化反応性や難燃性が悪化することがあるため、有機金属化合物(B)に加えてその他の増粘剤を含む場合の含有量として、ポリオール組成物中の25重量%未満であることが好ましく、さらに好ましくは0.1~1000ppmの範囲であることである。
酸化防止剤としては、特に限定はされず、例えば、チオエーテル系化合物、リン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系化合物等ポリマー鎖の酸化を抑制する効果がある化合物が挙げられ、商品名としてはチバ社製イルガノックスやアデカ社製アデカスタブ等である。
なかでも、酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましく、ウレタンに対する酸化防止性を得やすいことから、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール(BHT)、チバ・ジャパン製IRGANOX-1010、IRGANOX-1024、IRGANOX-1035、IRGANOX-1076、IRGANOX-1081から選ばれる1種以上の酸化防止剤を用いることが特に好ましい。
ウレタン化触媒としては、有機金属触媒、アミン触媒を好適に使用することができる。例えば、Al化合物、有機鉛化合物、有機錫化合物、オクチル酸ビスマス等のビスマス化合物、3級アミン類、4級アンモニウム塩類等が挙げられ、好ましくは有機錫化合物、三級アミン系触媒から選ばれる1種以上の触媒が好ましい。
<ポリウレタン>
本発明の一態様であるポリウレタンは、上記ポリオール組成物を用いて、必要に応じて発泡剤、整泡剤、粘度調整剤、ウレタン化触媒などを追加して、ポリイソシアネート等の原料と反応させることにより得られる。
また、本発明の一態様であるポリウレタンフォームは、上記ポリウレタンからなり、気泡径が微細になりにくく、物性に優れるポリウレタンフォームを形成することができる。
また本発明のポリオール組成物は消泡性に優れ、発泡剤を使用せず必要に応じて粘度調整剤、ウレタン化触媒などを追加して、ポリイソシアネート等の原料と反応させることにより、外観に優れるポリウレタンを形成することができる。
<ポリイソシアネート>
上記ポリイソシアネートとしては、特に限定するものではないが、任意の箇所に分子内に1分子当たりのイソシアネート基を1個または2個以上有している化合物であり、具体的には、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ペンタメチレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、1,8-ジイソシアネートー4-イソシアネートメチルオクタン、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、それらとポリオールとの反応によるイソシアネート含有プレポリマー、及びこれらの二種以上の混合物等が例示される。更に、これらのイソシアネートの変性物(例えば、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基、アミド基、イミド基、ウレトンイミン基、ウレトジオン基又はオキサゾリドン基含有変性物)やポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(ポリメリックMDI)等の縮合体(多核体と称されることもある)も包含される。
なかでも、得られるポリウレタンフォームの成型性が良好になりやすい為、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、これらの変性イソシアネート、からなる群より選ばれる1種以上の変性イソシアネートであることが好ましい。
ポリウレタンを作製する場合のポリイソシアネートの使用量としては、本発明の趣旨を損なわない範囲であれば特に限定されないが、好ましくはポリオール100重量部に対して1~200重量部の範囲であり、更に好ましくは10~100重量部の範囲であり、最も好ましくは30~70重量部の範囲である。
ポリウレタンを作製する場合のポリイソシアネートの添加比率としては、特に限定されないが、ポリイソシアネート(B)の有するNCO基総量とポリオールを含む活性水素含有化合物の有するOH基総量の比率(NCO/OH比と記載)が0.5~1.5(モル比)となる添加量の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.6~1.1(モル比)となる添加量の範囲である。
<用途>
前記ポリオール組成物は、軟質ポリウレタンフォームや半硬質ポリウレタンフォーム、硬質ポリウレタンフォームといったポリウレタンフォーム、ポリウレタン硬化物などポリウレタンが一般に用いられる種々の用途や非ウレタン用途などに好適に使用できる。
特に限定されないが、例えば、建築、土木関係の断熱材や構造材、電気機器関係では、冷凍庫、冷蔵庫、冷凍ショーケース等の断熱材、プラントや船舶関係では、LPG、LNGタンカーやパイプラインの断熱材、車両関係では、保冷庫や保冷車の断熱材、インパネ等の用途が挙げられるが、クッション性と反発弾性が求められる寝具や自転車のサドル、オートバイシート、自動車等のシート、クッション材、吸音材、制振材、床材、スポーツサーフェス、競技用トラック、床面被覆材、ボール等の用途、ステアリングホイールやヘッドレスト、ギアレバーのノブ、アームレスト、ヘルメット内部、プロテクターの緩衝部、車両用緩衝材、ハイヒール、雪駄、多目的シューズなどのシューズ材料、シーリング材や塗膜防水材、粘接着剤、ウレタン塗料、エラストマー材料、界面活性剤などに好ましく用いられる。
以下、本発明を、実施例を用いて更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例により限定して解釈されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例で使用した原料、及び評価方法は以下に示すとおりである。
(原料)
<ポリオール>
実施例又は比較例で用いたポリオールの性状を表1、表2に示す。
Figure 2022182759000007
Figure 2022182759000008
ポリオール(A1)~(A4):
2官能分子量200のポリオキシプロピレングリコールにイミノ基含有フォスファゼニウム塩(IPZ)触媒のイソプロパノール40%溶液を加えて110℃、3時間減圧脱水・脱溶媒を実施。さらに、トリイソプロポキシアルミニウムのトルエン溶液を添加して110℃、3時間減圧脱水・脱溶媒を実施した。
そこにゼオライト系乾燥剤で1日以上処理して乾燥したプロピレンオキシドを105℃、0.3MPa未満で重合して脱モノマー後、続いてエチレンオキシドを110℃でブロック共重合して脱モノマーを行い、ポリオール(A3)を得た。
ポリオール(A3)を常法により触媒を除去し、ポリオール(A2)を得た。ポリオール(A2)中のAl含量、P成分共に0.1ppm未満であった。
ポリオール(A3)に固体酸を1wt%へ低減して触媒の吸着処理を行い、濾過助剤0.7wt%用いて加圧濾過することによりポリオール(A1)を得た。ポリオール(A1)は透明で、増粘剤として作用する可溶なAl化合物を8ppm(Al含量1.1ppm)含んでいた。
ポリオール(A3)に水を加えて加水分解処理を行い、水分を除去する事でポリオール(A4)を得た。ポリオール(A4)中に残存するAl残差は粒子状で析出し、増粘効果は見られなかった。
ポリオール(A5):水酸化カリウム触媒を用いて常法によりプロピレンオキシド、エチレンオキシドを付加し製造したポリアルキレンオキシド。
ポリオール(A6):イミノフォスファゼニウム塩触媒のみを用いて常法によりプロピレンオキシド、エチレンオキシドを付加し製造したポリアルキレンオキシド。
ポリオール(A7)、(A8):2官能分子量200のポリオキシプロピレングリコールに対してプロピレンオキシド、エチレンオキシドの比を変更した以外はポリオール(A2)と同様の手法で製造したポリアルキレンオキシド。ポリオール(A7)、(A8)中のAl含量、P成分共に0.1ppm未満であった。
ポリオール(A9):2官能分子量200のポリオキシプロピレングリコールに対してプロピレンオキシド、エチレンオキシドの比、触媒量を変更した以外はポリオール(A3)と同様の手法により製造したポリアルキレンオキシド。
ポリオール(A10):市販のポリテトラメチレングリコール(三菱化学社製PTMG-3000)。
ポリオール(A11):エチレンオキシドを使用せず、プロピレンオキシドを増量した以外はポリオール(A2)と同様の手法により製造したポリアルキレンオキシド。ポリオール(A11)中のAl含量、P成分共に0.1ppm未満であった。
なお、上記ポリオールは使用前に加熱・真空脱水し使用した。
ポリオール(A1)~(A4)はポリオール(A5)、(A6)より顕著に低不飽和度で分子量分布が狭いものであった。ポリオール(A7)~(A9)は低不飽和度で分子量分布が狭いものであった。
<ポリイソシアネート>
ポリイソシアネート(C1):4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートの部分カルボジイミド変性イソシアネート(東ソー社製ミリオネートMTL)にPTMGを20wt%となるよう付加した変性イソシアネート。
これらを精製することなくそのまま使用した。
<添加剤>
ウレタン化触媒:市販の3級アミン触媒混合物(東ソー社製)
1,4-BD:1,4-ブタンジオール(和光純薬社製)
Si整泡剤:市販のシリコーン整泡剤(東レダウコーニング社製)
レオロジーコントロール剤:BYK-410(ビックケミー社製)
上記市販品をそのまま使用した。発泡剤の水はイオン交換水を使用した。
<リン化合物>
Figure 2022182759000009
[上記一般式中、R及びRはMe基。Xはヒドロキシアニオン]
上記イミノフォスファゼン塩基をリン酸により中和処理して使用した。
<有機金属化合物(B)>
市販のAl(OiPr)3、Fe(OH)3、Zr(OBu)4、Ti(OIPr)3を 溶媒に分散したものを添加し、減圧脱水・脱溶媒し、アルコラート化した。
(ポリオールの評価方法)
<水酸基価、分子量>
ポリオールの水酸基価(OHV)はJIS-K1557-1の方法に従い、測定した。また、ポリオールの数平均分子量は、ポリオールの水酸基価に基づき、上記数式(4)を用いて計算した値である。
<不飽和度>
核磁気共鳴装置(NMR)を用いた高分子論文集1993,50,2,121-126に記載の方法に従い測定し、JIS K1557 6.7の方法にて確認した。
NMR測定については重クロロホルムを用い、測定装置はJEOL400MHzNMR ECZSを用いて行った。
<分子量分布(Mw/Mn)>
サンプル瓶へポリオール10mgとTHF10mlを添加し、1終夜静置することで溶解し、PTFEカードリッジフィルター(0.5μm)でろ過することでサンプルを得た。検出器としてRI検出器RI8020、測定用カラムとして分離カラムに粒径3μmの充填剤を充填した東ソー製TskgelSuperH4000×2本及びTskgel SuperH3000×2本の計4本を直列接続し、レファレンス側は抵抗管×5本を接続、展開溶媒に和光社製BHT安定剤含有の特級テトラヒドロフランを用い、分離カラム側の流速0.6ml/min、レファレンス側の流量0.15ml/min、カラム温度40℃の条件で分析した。分子量既知の東ソー社製標準ポリスチレン8点を用いた3次近似曲線を検量線として、分子量分布(Mw/Mn)の解析を行った。測定装置には東ソー製HLC-8320GPC、解析には東ソー製HLC-8320GPC-ECOSEC-WorkStationを用いた。
<EO含量(wt%)>
核磁気共鳴装置(NMR)を用い、重溶媒にテトラメチルシラン含有重クロロホルムを使用して1HNMRを測定した。0.8~1.5ppmの範囲の積分値(プロピレンオキシド鎖)、3.2~3.9ppmの範囲の積分値(プロピレンオキシド鎖およびエチレンオキシド鎖)からポリオール中のエチレンオキシド含量を算出した。
<OH基の1級比率>
核磁気共鳴装置(NMR)を用い、重溶媒にテトラメチルシラン含有重クロロホルムを使用して、トリフルオロ無水酢酸で処理したサンプルの1HNMRを測定した。トリフルオロ無水酢酸で処理したサンプルの4.3ppm付近の積分値(1級OH基由来のエステルが結合したメチレン)、5.2ppm付近の積分値(2級OH基由来のエステルが結合したメチン)からポリオールOH基の1級比率を算出した。
<ポリオール組成物性状>
ポリオール組成物の性状を以下の基準で評価した。
○(合格) :100μm厚みでのHazeが5%未満
×(不合格):100μm厚みでのHazeが5%以上(液白濁または白色固体など)
(ポリオール組成物のフォーム評価)
<フォーム成型性>
イソシアネート以外の副資材を加えたポリオール組成物を含むポリオールプレミックスとイソシアネートをディスパーを用いて7000回転で5秒混合し、55℃に加温した1.5m角のアクリルボックス中央に5秒投入した際の液流れ性を以下の基準で評価した。
◎(合格) :混合液が0.5m四方内で納まり、フォーム最大高さが20cm以上
○(合格) :混合液が1m四方内で納まり、フォーム最大高さが20cm以上
×(不合格):合格以外のもの(液タレ大)
◎、○のものは液粘度が良好で液流れしにくく、スラブ発泡等で液流れせず良好に発泡するためフォーム成型性○(合格)と判断した。×のものは液粘度が低すぎて液流れする為、モールド発泡では隙間からの漏れや、ヒケといった成形不良が発生しやすい為、フォーム成型性×(不合格)と判断した。
<整泡性>
イソシアネート以外の副資材を加えたポリオール組成物を含むポリオールプレミックスとイソシアネートをディスパーを用いて7000回転で5秒混合し、55℃に加温したアクリルボックス中央に5秒投入した際の発泡挙動を以下の基準で評価した。
◎(合格) :フォーム底部のセルの平均径が70~130μmで気泡が目視上均一
○(合格) :フォーム底部のセルの平均径が50~70μmで気泡が目視上均一
×(不合格):フォーム底部のセルの平均径が50μm未満または130μm超、また
は目視上フォームの気泡が不均一
◎、○のもの気泡径の微細化が見られず気泡構造が均一なため、ウレタンフォームのリブ骨格が太くなり機械物性が発現しやすい為、整泡性○(合格)と判断した。×のものは、フォームが不均一もしくは気泡が微細傾向にあり、機械物性が発現しにくく、比表面積が大きくなって難燃性が期待できないため整泡性×(不合格)と判断した。
(ポリオール組成物の非発泡向け評価)
<成型性>
ポリオール組成物とイソシアネート(C1)、アミン触媒トリエチレンジアミン500ppm加えて、混合・脱泡し、ベーカー式アプリケーターの隙間500μm厚みで2m/minの塗工速度で離型PET上に塗布し、硬化させた際の液流れ性を以下の指標で評価した。
◎(合格) :塗膜厚みが90%超(硬化後厚み450μm超)
○(合格) :塗膜厚みが80%~90%(硬化後厚み400~450μm)
×(不合格):塗膜厚みが80%未満(硬化後厚み400μm未満)
◎、○のものは塗工液が流れず、目的厚みの硬化物が得られやすく成形しやすいと判断し、成型性○(合格)と判断し。×のものは塗工液が流れ、厚みのバラつきが大きくなるため成形しづらくなると判断し、成型性×(不合格)と判断した。
<消泡性>
ポリオール組成物とイソシアネート(C1)、アミン触媒トリエチレンジアミン500ppm加えて、混合・脱泡し、ベーカー式アプリケーターの隙間500μm厚みで2m/minの塗工速度で離型PET上に塗布し、硬化させた際の塗膜外観を以下の指標で評価した。
◎(合格) :塗膜に目視上、気泡が見られないもの
○(合格) :塗膜に目視上、気泡が僅かに見られるもの
×(不合格):塗膜に目視上、微細な気泡が一面にみられるもの
◎、○のものは空気中の水分等との反応や塗工時に発生した泡が大きくなって消失しやすく、消泡性に優れるため整泡性○(合格)と判断した。×のものは発生した気泡が微細なまま安定し、塗膜に残りやすい為、消泡性および整泡性×(不合格)と判断した。
(ポリウレタンフォームの性状評価)
フォームのセルを光学顕微鏡にて気泡形状を観察し、平均の気泡径を算出した。
<ポリオール組成物>
ポリオール組成物を表3、表4、表5に示す組成で作製した。表3、表4に示す組成のポリオール組成物と水、イソシアネート(C1)、Si整泡剤、ウレタン化触媒を用いてウレタン発泡させてウレタンフォームを作製し、フォーム成型性として液流れ性、整泡性として気泡径、気泡構造を評価した。
Figure 2022182759000010
Figure 2022182759000011
Figure 2022182759000012
実施例1
Al化合物を少量残存させたポリオール(A1)、即ちポリオール(A1)組成物の25℃での粘度を測定。ポリオール(A1)組成物を100μm厚みに伸ばしてHazeを測定し性状を評価した。ポリオール組成物のHazeは5%未満であり、白濁成分や固体状物は見られず、Al化合物を0.1ppm未満まで除去したポリオール(A2)と比較して8.6%もの顕著な増粘効果を示した。
ポリオール(A1)組成物を100部、市販のシリコーン整泡剤(東レダウコーニング社製)を1部、発泡剤として水1.7部、ウレタン化触媒として3級アミン触媒混合物を0.8部添加、卓上ディスパーにより2000rpmで10分混合しポリオールプレミックスを調製した。
45℃に調温したイソシアネート(C1)をNCOインデックス90となるようにポリオールプレミックスと7000rpmの回転数で卓上ミキサーにより混合撹拌し、離型剤を塗布後、乾燥したアクリルボックスに投入し、フリー発泡した。
投入した混合液は液だれが1m四方内で納まり20cm以上の良好な高さまで発泡して良好なフォーム成型性を示し、得られたウレタンフォームの気泡径も50μm以上であり、ほぼ微細にならず良好な整泡性を示した。
実施例2
ポリオール(A1)組成物に表3の組成となるようにAl(OiPr)3/ヘキサン溶液、およびイミノフォスファゼン塩基のリン酸塩のイソプロパノール溶液を別途添加し、加温減圧脱水・脱溶媒を行いポリオール組成物を得た以外は、実施例1と同様の手法で調製し、性状、フォーム成型性、整泡性を評価した。
実施例2のポリオール組成物はポリオール(A1)と比較して更に良好に増粘し、それを用いた混合液は液だれせず20cm以上の良好な高さまで発泡して良好なフォーム成型性を示した。また得られたウレタンフォームの気泡径も70μm以上であり、微細にならず良好な整泡性を示し、実施例1より良好な結果であった。
実施例3
ポリオール(A2)を用い、イミノフォスファゼン塩基のリン酸塩のイソプロパノール溶液を添加しなかった以外は実施例2と同様の手法で調製し、性状、フォーム成型性、整泡性を評価した。
得られた実施例3のポリオール組成物を用いた混合液は液だれせず20cm以上の良好な高さまで発泡して良好なフォーム成型性を示した。得られたウレタンフォームの気泡径も50μm以上であり、ほぼ微細にならず良好な整泡性を示したが、リン化合物を含んでいないため、実施例2よりは気泡径が微細なものであった。
実施例4~5
イミノフォスファゼン塩基のリン酸塩のイソプロパノール溶液を添加した以外は実施例3と同様の手法で調製し、性状、フォーム成型性、整泡性を評価した。
得られた実施例4のポリオール組成物を用いた混合液は液だれせず20cm以上の良好な高さまで発泡して良好なフォーム成型性を示した。得られたウレタンフォームの気泡径も50μm以上であり、ほぼ微細にならず良好な整泡性を示した
実施例6
Al(OiPr)3/ヘキサン溶液、およびイミノフォスファゼン塩基のリン酸塩のイソプロパノール溶液の添加量を共に増量した以外は実施例4~5と同様の手法で調製し、性状、フォーム成型性、整泡性を評価した。
ポリオール組成物は透明で液状であり粘度は上昇したが、僅かにゲル状物が見られた。
投入した混合液は液だれが1m四方内で納まり20cm以上の良好な高さまで発泡して良好なフォーム成型性を示し、得られたウレタンフォームの気泡径も50μm以上であり、ほぼ微細にならず良好な整泡性を示した。
比較例1
Al化合物として、Al(OiPr)3とポリオールの反応生成物を含まず、リン化合物としてイミノフォスファゼニウム塩構造を含まないポリオール(A2)を用い、Al(OiPr)3/ヘキサン溶液、およびイミノフォスファゼン塩基のリン酸塩のイソプロパノール溶液を何れも添加しなかった以外は実施例4~5と同様の手法で調製し、性状、フォーム成型性、整泡性を評価した。
ポリオール(A2)は有機金属化合物を含まず低粘度であり、液流れの抑制によるフォーム成型性や気泡の微細化抑制が期待できないものであった。
投入した混合液は液が流れてしまい成型性が悪いものであり、気泡も50μm未満の微細なもので難燃性や機械物性(主に引張強度)など物性に期待できないものであった。
比較例2
有機金属化合物として、Al(OiPr)3/ヘキサン溶液をAl(OiPr)3含量が1200ppmとなるように添加して減圧脱水・脱溶媒を行った以外は、比較例1と同様の手法で調製し、性状、フォーム成型性、整泡性を評価した。
得られたポリオール組成物は、Al成分がポリオール末端の架橋が進行しすぎたためと考えられるゲル化により粘度の測定が困難なほど高いものであった。
またポリオールプレミックスとイソシアネート成分が均一に混ざらず、アクリルボックスへの投入が難しく、フォーム成型性に劣るものであった。
さらには得られたウレタンフォームも気泡構造が不均一で130μm超で気泡の微細化抑制が困難で整泡性にも劣るため、機械物性に期待できないものであった。
比較例3
ポリオール(A1)の代わりに、触媒をまったく除去せずAl化合物として、多量のAl(OiPr)3とポリオール(またはその反応生成物)を含み、リン化合物としてイミノフォスファゼニウム塩構造を多量に含むポリオール(A3)組成物を用いた以外は実施例1と同様の手法で調製し、性状、フォーム成型性、整泡性を評価した。
得られたポリオール組成物は、Al成分がポリオール末端の架橋が進行しすぎたためと考えられるゲル化により粘度の測定が困難なほど高いものであった。
またポリオールプレミックスとイソシアネート成分が均一に混ざらず、アクリルボックスへの投入が難しく、フォーム成型性に劣るものであった。
さらには得られたウレタンフォームも気泡構造が不均一で200μm超で気泡の微細化抑制が困難で整泡性にも劣るため、機械物性に期待できないものであった。
比較例4
ポリオール(A3)に水を加えて加水分解処理を行い、水分を除去する事でポリオール(A4)を得た、Al残渣は粒子状で析出し増粘効果は見られなかったポリオール(A4)を用いた以外は比較例1と同様の手法で調製し、性状、フォーム成型性、整泡性を評価した。
Al成分が粒子状に析出しているため、ゲル化はしなかったが増粘効果は見られず低粘度であり、液流れの抑制によるフォーム成型性や気泡の微細化抑制が期待できないものであった。
また、低粘度なためフォーム成型時には液が流れるとともに、気泡構造が不均一なものとなり、機械物性に期待できないものであった。
比較例5
ポリオールを(A2)から不飽和度の高いポリオール(A5)に変更した以外は比較例1と同様の手法で、Al化合物、リン化合物を含まないポリオール組成物を調製し、性状、フォーム成型性、整泡性を評価した。
ポリオール(A5)は低粘度であり、液流れの抑制によるフォーム成型性や気泡の微細化抑制が期待できないものであった。
投入した混合液は粘度が低い為、液が流れてしまい成型性が悪いものであり、気泡も50μm未満の微細なもので難燃性や機械物性(主に引張強度)に期待できないものであった。
比較例6
ポリオールを(A2)から不飽和度の高いポリオール(A5)を用いた以外は実施例4と同様の手法で調製し、性状、フォーム成型性、整泡性を評価した。
比較例5よりは粘度は僅かに高いが、依然低粘度であり液流れの抑制によるフォーム成型性や気泡の微細化抑制が期待できないものであった。
投入した混合液は液が流れてしまい成型性が悪いものであり、気泡も50μm未満の微細なもので難燃性や機械物性(主に引張強度)に期待できないものであった。
比較例7~8
ポリオール(A2)の代わりに不飽和度を0.032に低減したポリオール(A6)を用い表3に示す組成とした以外は、実施例3、4、5と同様の手法で調製し、性状、フォーム成型性、整泡性を評価した。
ポリオールの不飽和度が依然高く、低粘度であり液流れの抑制によるフォーム成型性や気泡の微細化抑制が期待できないものであった。
投入した混合液は液が流れてしまい成型性が悪いものであり、気泡も50μm未満の微細なもので難燃性や機械物性(主に引張強度)に期待できないものであった。
実施例7~9
ポリオール分子量として3000の不飽和度が顕著に低いポリオール(A7)を用い、表4の組成となるよう調整した以外は実施例2と同様の手法で調製し、性状、フォーム成型性、整泡性を評価した。
実施例7、8、9のポリオール組成物はポリオール(A7)と比較して良好に増粘し、それを用いた混合液は液だれせず20cm以上の良好な高さまで発泡して良好なフォーム成型性を示した。また得られたウレタンフォームの気泡径も実施例7で70μm以上、実施例8、9で50μm以上であり、微細にならず良好な整泡性を示した。
実施例10~12
ポリオール分子量として7000の不飽和度が顕著に低いポリオール(A8)を用い、表4の組成となるよう調整した以外は実施例7と同様の手法で調製し、性状、フォーム成型性、整泡性を評価した。
実施例10、11、12のポリオール組成物はポリオール(A8)と比較して良好に増粘し、それを用いた混合液は液だれせず20cm以上の良好な高さまで発泡して良好なフォーム成型性を示した。また得られたウレタンフォームの気泡径も70μm以上であり、微細にならず良好な整泡性を示した。
比較例9
Al化合物として、Al(OiPr)3とポリオールの反応生成物を含まず、リン化合物としてイミノフォスファゼニウム塩構造を含まないポリオール(A7)を用い、Al(OiPr)3/ヘキサン溶液、およびイミノフォスファゼン塩基のリン酸塩のイソプロパノール溶液を何れも添加しなかった以外は実施例7~9と同様の手法で調製し、性状、フォーム成型性、整泡性を評価した。
ポリオール(A7)は低粘度であり、液流れの抑制によるフォーム成型性や気泡の微細化抑制が期待できないものであった。
投入した混合液は液が流れてしまい成型性が悪いものであり、気泡も50μm未満の微細なもので難燃性や機械物性(主に引張強度)に期待できないものであった。
比較例10
有機金属化合物として、Al(OiPr)3/ヘキサン溶液をAl(OiPr)3含量が1100ppmとなるように添加して減圧脱水・脱溶媒を行い、アルコラート化した以外は、実施例10と同様の手法で調製し、性状、フォーム成型性、整泡性を評価した。
得られたポリオール組成物は、Al成分がポリオール末端の架橋が進行しすぎたためと考えられるゲル化により粘度の測定が困難なほど高いものであった。
またポリオールプレミックスとイソシアネート成分が均一に混ざらず、アクリルボックスへの投入が難しく、フォーム成型性に劣るものであった。
さらには得られたウレタンフォームも気泡構造が不均一で130μm超で気泡の微細化抑制が困難で整泡性にも劣るため、機械物性に期待できないものであった。
比較例11
Al化合物として、Al(OiPr)3とポリオールの反応生成物を含まず、リン化合物としてイミノフォスファゼニウム塩構造を含まないポリオール(A8)を用い、Al(OiPr)3/ヘキサン溶液、およびイミノフォスファゼン塩基のリン酸塩のイソプロパノール溶液を何れも添加しなかった以外は実施例10と同様の手法で調製し、性状、フォーム成型性、整泡性を評価した。
ポリオール(A8)は実施例10や実施例11と比較して低粘度であり、液流れの抑制によるフォーム成型性や気泡の微細化抑制が期待できないものであった。
投入した混合液は液が流れてしまい成型性が悪いものであり、気泡も50μm未満の微細なもので難燃性や機械物性(主に引張強度)に期待できないものであった。
比較例12
触媒を除去せずAl化合物として、Al(OiPr)3とポリオールの反応生成物を共に1000ppm超含み、リン化合物としてイミノフォスファゼニウム塩構造を含むポリオール(A9)組成物を用いた以外は比較例3と同様の手法で調製し、性状、フォーム成型性、整泡性を評価した。
得られたポリオール組成物は、Al成分がポリオール末端の架橋が進行しすぎたためと考えられるゲル化により粘度の測定が困難なほど高いものであった。
またポリオールプレミックスとイソシアネート成分が均一に混ざらず、アクリルボックスへの投入が難しく、フォーム成型性に劣るものであった。
さらには得られたウレタンフォームも気泡構造が不均一で200μm超で気泡の微細化抑制が困難で整泡性にも劣るため、機械物性に期待できないものであった。
参考例1
市販のポリテトラメチレングリコールを使用した以外は実施例1と同様の手法で調製した。組成物は40℃で2840mPa・sと良好な粘度を示し、液流れせずフォーム成型性が良好で気泡の微細化は見られなかったが、ポリテトラメチレングリコールは室温で白色のろう状固体であり、室温でハンドリング性に顕著に劣る組成物であり、室温で使用が困難なため、用途により使用が困難であった。
実施例13~15
ポリオール(A2)に表5の組成となるように有機金属化合物としてZr化合物、Ti化合物、Fe化合物を使用、およびイミノフォスファゼン塩基のリン酸塩のイソプロパノール溶液を別途添加し、減圧脱水・脱溶媒を行い、アルコラート化することでポリオール組成物を得た以外は、実施例2と同様の手法で調製し、性状、フォーム成型性、整泡性を評価した。
実施例13~15のポリオール組成物はポリオール(A2)と比較して良好に増粘し、それを用いた混合液は液だれせず20cm以上の良好な高さまで発泡して良好なフォーム成型性を示した。また得られたウレタンフォームの気泡径も70μm以上であり、微細にならず良好な整泡性を示し、比較例1より良好な結果であった。
比較例13
有機金属化合物としTi化合物を3200ppmとなるように添加した以外は実施例14と同様の手法で調製し、性状、フォーム成型性、整泡性を評価した。
得られたポリオール組成物は、ゲル化により粘度の測定が困難なほど高いものであった。
またポリオールプレミックスとイソシアネート成分が均一に混ざらず、アクリルボックスへの投入が難しく、フォーム成型性に劣るものであった。
さらには得られたウレタンフォームも気泡構造が不均一で130μm超で気泡の微細化抑制が困難で整泡性にも劣るため、機械物性に期待できないものであった。
比較例14
金属成分として固体の鉄粉を添加した以外は、実施例13と同様の手法で調製し、性状、フォーム成型性、整泡性を評価した。
金属成分が粒子状に析出しているため、増粘効果は見られず低粘度であり、液流れの抑制によるフォーム成型性や気泡の微細化抑制が期待できないものであった。
また、低粘度なためフォーム成型時には液が流れるとともに、気泡構造が不均一なものとなり、機械物性に期待できないものであった。
比較例15
有機金属化合物の代わりに増粘剤として、ウレア誘導体系非金属レオロジーコントロール剤であるBYK-410(ビックケミー社製)を添加した以外は実施例2と同様の手法で調製し、性状、フォーム成型性、整泡性を評価した。
増粘剤添加量100ppmでは増粘効果は見られず低粘度であり、液流れの抑制によるフォーム成型性や気泡の微細化抑制が期待できないものであった。
また、低粘度なためフォーム成型時には液が流れるとともに、気泡が微細なものとなり、機械物性に期待できないものであった。また本レオロジーコントロール剤は有機化合物であるため、難燃性に期待できないものであった。
表6に示す組成のポリオール組成物とイソシアネート(C1)を用いて、非発泡のウレタン硬化物を作製し、成型性(液タレ)、整泡性・消泡性(表面外観)を評価した。
Figure 2022182759000013
実施例16
ポリオール(A7)に表6の組成となるようにAl(OiPr)3/ヘキサン溶液、およびイミノフォスファゼン塩基のリン酸塩のイソプロパノール溶液を別途添加し、減圧脱水・脱溶媒を行い、アルコラート化することでポリオール組成物を得た。
ポリオール組成物とイソシアネート(C1)、アミン触媒トリエチレンジアミン500ppm加えて、混合・脱泡し、ベーカー式アプリケーターの隙間500μm厚みで2m/minの塗工速度で離型PET上に塗布し、硬化させた際の成型性として肉痩せおよび整泡性・消泡性として塗膜外観を評価した。
実施例16のポリオール組成物は粘度が高く、それを用いて得たウレタン硬化物は450μm以上であり肉痩せが見られず成形性に優れ、塗膜外観も良く消泡性に優れるものであった。
実施例17
ポリオール(A11)を用い、表6の組成となるようにAl(OiPr)3/ヘキサン溶液、およびイミノフォスファゼン塩基のリン酸塩のイソプロパノール溶液を別途添加し、減圧脱水・脱溶媒を行い、アルコラート化することでポリオール組成物を得た以外は、実施例16と同様の手法で調製し、性状、成型性、整泡性・消泡性を評価した。
実施例17のポリオール組成物は粘度が高く、それを用いたウレタン硬化物は450μm以上であり肉痩せが見られず成形性に優れ、塗膜外観も良く消泡性に優れるものであった。
実施例18
実施例17で調整したポリオール組成物とポリオール(A10)を90:10の重量比で混合、加熱溶解し、ポリオール組成物を調製し、性状、成型性、整泡性・消泡性を評価した。実施例18のポリオール組成物は液状であり粘度が高く、それを用いたウレタン硬化物は450μm以上であり肉痩せが見られず成形性に優れ、塗膜外観も良く消泡性に優れるものであった。
比較例15
Al化合物、リン化合物を含まないポリオール(A7)を用い、Al化合物、リン化合物としてAl(OiPr)3/ヘキサン溶液、イミノフォスファゼニウム塩構を添加しなかった以外は実施例16と同様の手法で調製し、性状、成型性、整泡性・消泡性を評価した。
比較例15のポリオール組成物は粘度が低く、それを用いたウレタン硬化物は400μm未満であり肉痩せが見られて成形性に劣り、塗膜外観も微細な気泡が多く整泡性・消泡性に劣るものであった。
比較例16
Al化合物、リン化合物を含まないポリオール(A11)を用い、Al化合物、リン化合物としてAl(OiPr)3/ヘキサン溶液、イミノフォスファゼニウム塩構を添加しなかった以外は実施例17と同様の手法で調製し、性状、成型性、整泡性・消泡性を評価した。
比較例16のポリオール組成物は粘度が低く、それを用いたウレタン硬化物は400μm未満であり肉痩せが見られて成形性に劣り、塗膜外観も微細な気泡が多く整泡性・消泡性に劣るものであった。

Claims (9)

  1. 炭素数3以上のアルキレンオキシド残基を含有し、水酸基価より算出された数平均分子量が800以上で、不飽和度が0.010meq/g以下であるポリアルキレンオキシド(A)を含むポリオールと、Fe化合物、Cu化合物、Al化合物、Mn化合物、Ti化合物及びZr化合物からなる群より選ばれる1種以上の有機金属化合物(B)を含み、有機金属化合物(B)の含有量が0.1~1000ppmの範囲である、室温で液状であるポリオール組成物。
  2. 有機金属化合物(B)がAl化合物である請求項1に記載のポリオール組成物。
  3. さらに、リン化合物を0.1~1000ppmの範囲で含有する、請求項1又は2に記載のポリオール組成物。
  4. 100μm厚みでのHazeが5%未満である、請求項1~3のいずれかに記載のポリオール組成物。
  5. ガードナー色数が1~3の範囲である、請求項1~4のいずれかに記載のポリオール組成物。
  6. ポリアルキレンオキシド(A)の水酸基価より算出された数平均分子量が1500~100000の範囲である、請求項1~5のいずれかに記載のポリオール組成物。
  7. ポリアルキレンオキシド(A)中のオキシエチレン基およびオキシプロピレン基の重量比率が1:99~49:51の範囲であり、水酸基の1級比率が40~99%である、請求項1~6のいずれかに記載のポリオール組成物。
  8. 請求項1~7のいずれかに記載のポリオール組成物とイソシアネート化合物との反応生成物を含むポリウレタン。
  9. 請求項8に記載のポリウレタンからなるポリウレタンフォーム。
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