JP2022182637A - カフカバー - Google Patents

Abstract

【課題】血圧測定用のカフ及び心電測定用の電極を備える生体情報測定装置に好適なカフカバーを提供する。【解決手段】一以上のカフ及び一以上の電極を備えるカフ構造体と人体に装着するための装着手段とを有しており、前記人体の血圧値及び心電波形を測定する生体情報測定装置において、前記カフ構造体を被覆するカフカバーであって、非導電性の素材により形成され、前記カフ構造体を被覆する被覆部と、前記被覆部を前記カフ構造体に取り付けるための取付手段と、前記被覆部に設けられ、前記生体情報測定装置が前記人体に装着された際に前記被覆部で被覆された前記カフ構造体が備える前記電極と前記人体との通電を補助する通電補助手段とを有するカフカバー。【選択図】図１

Description

本発明は、ヘルスケア関連の技術分野に属し、特に、生体情報測定装置に用いられるカフカバーに関する。

近年、血圧値、心電波形などの個人の身体・健康に関する情報（以下、生体情報ともいう）を、個人が自ら日常的に測定機器によって測定し、当該測定結果を健康管理に活用することが一般的に行われるようになってきている。このことから、携帯性を重視した機器の需要が高まっており、多くの携帯型測定装置が提案され、血圧値と心電波形の両方を測定できる携帯型の機器も提案されている（例えば、特許文献１など）。

特許文献１には、血圧測定を行うためのカフと、心電測定を行うための電極とを備えた携帯型の心血管検測装置が記載されており、当該発明によれば、装置を携帯することにより、ユーザーは任意のタイミングで血圧値と心電波形を測定することが可能になる。

ところで、このような装置においては、血圧を測定する際に人体を圧迫するカフ（空気袋）が人体に直接触れることによる汚れや劣化から防ぐために、カバーを取り付ける必要があり、そのようなカフカバーは既知の技術である（例えば、特許文献２）。

カフカバーはカフに対して脱着可能であるとともに、カフの膨張と収縮を妨げることのない布などの伸縮性を有する材料を用いる必要があり、特許文献２においてもこのような伸縮性を備えた布材によって形成された袋状のカフカバーが提案されている。

特開２０１４－３６８４３号公報 特開２０２０－１０３６４５号公報

しかしながら、心電波形と血圧値のいずれも測定可能な装置において、特許文献２に開示されているような布材のカフカバーを用いると、カフ上に設置された心電測定用電極が装着部の人体と絶縁されるため心電を測定することができない、という問題がある。

上記のような問題に鑑みて、本発明は、血圧測定用のカフ及び心電測定用の電極を備える生体情報測定装置に好適なカフカバーを提供することを目的とする。

上記の課題を解決するため、本発明に係るカフカバーは、
一以上のカフ及び一以上の電極を備えるカフ構造体と装着手段とを有し、前記装着手段により人体に装着された状態で前記人体の血圧値及び心電波形を測定する生体情報測定装置において、前記カフ構造体を被覆するカフカバーであって、
非導電性の素材により形成され、前記カフ構造体を被覆する被覆部と、
前記被覆部を前記カフ構造体に取り付けるための取付手段と、
前記被覆部に設けられ、前記生体情報測定装置が前記人体に装着された際に前記被覆部で被覆された前記カフ構造体が備える前記電極と前記人体との通電を補助する通電補助手段と、を有する、ことを特徴とする。

このような構成のカフカバーによると、カバーによって測定対象の人体と電極が絶縁されて心電測定ができなくなる、といったことを防止でき、血圧値と心電波形のいずれも測定可能な生体情報測定装置に好適なカフカバーを提供することができる。なお、前記取付手段には、カフカバーの形態に応じて多様な手段が含まれ、例えば、粘着剤、両面テープ、或ゴムバンド、面ファスナー、スナップボタン、などを採用することができる。

また、前記通電補助手段は、前記被覆部において前記電極が露出可能に設けられる開口部であってもよい。このような構成であれば、心電測定のための電極を直接人体に接触させることができるため、精度よく心電波形を測定することができる。

また、前記通電補助手段は、前記カフ構造体が前記被覆部で被覆された状態において、前記カフ構造体が備える電極を含む部位を被覆する導電部であってもよい。なお、前記導電部は、前記被覆部において導電性繊維を織り込むことによって形成されてもよいし、前記被覆部に設けられる開口の少なくとも一部を導電性材料からなる蓋状部材で覆うことによって形成されてもよい。このような構成であれば、カフ構造体を電極まで含めて被覆することができるため、より確実にカフ構造体を保護することができ、導電部を介して電極と人体とを通電させることができる。

また、前記被覆部は、前記カフ構造体を収容可能な袋状に形成され、前記カフ構造体を前記被覆部内に収容するための開口である収容口を備えていてもよい。このような構造であると、カフ構造体を袋状の被覆部内に収容して全体を覆うことができるため、カフ構造体に対する保護機能をより向上させることができる。

また、前記被覆部は、伸縮性を有する素材により形成されており、前記カフ構造体を収容した状態において前記人体と当接する側であって前記通電補助手段が設けられる内側被覆部と、前記カフ構造体を収容した状態において前記カフ構造体を介して前記内側被覆部と対向する側となる外側被覆部と、を有し、
前記収容口は前記外側被覆部に設けられ、前記カフ構造体を平面視した場合における前記カフ構造体の面積よりも小さな面積を備える開口であるとともに、前記カフ構造体を収容する際には前記素材の前記伸縮性によって前記カフ構造体の前記面積よりも大きく拡大可能であり、
前記取付手段は、前記被覆部における前記収容口であってもよい。

このような構成であると、カフカバーの取り付けのための手段を別途設けることなく、被覆部に設けられた拡大可能な収容口をカフカバーの取付手段とすることができるため、製品の部品点数を削減することができる。

また、前記被覆部は、前記収容口を複数備え、前記カフ構造体を含む複数の構造体をそれぞれ別の前記収容口から前記被覆部内に収容可能であるとともに、一の前記収容口と他の前記収容口との間に位置する箇所において、前記内側被覆部と前記外側被覆部とを固着する固着部を備えていてもよい。このような構成によれば、カフ構造体が被覆部内に収容された状態において、固着部近傍における被覆部の「浮き」を防止でき、被覆部内に収容されたカフ構造体の電極と被覆部における導電補助部との位置ずれを抑止することが可能になる。

なお、上記構成の各々は技術的な矛盾が生じない限り互いに組み合わせて本発明を構成することができる。

本発明によれば、血圧測定用のカフ及び心電測定用の電極を備える生体情報測定装置に好適なカフカバーを提供することができる。

図１Ａは、実施例１に係るカフカバーの外観を示す概略平面図である。図１Ｂは、実施例１に係るカフカバーの外観を示す概略底面図である。 図２は、実施例１に係るカフカバーが用いられる生体情報測定装置の外観を示す概略平面図である。 図３Ａは、実施例１に係るカフカバーが用いられる生体情報測定装置の外観を示す概略底面図である。図３Ｂは、実施例１に係るカフカバーが用いられる生体情報測定装置の外観を示す概略側面図である。 図４Ａは、実施例１に係るカフカバーを生体情報測定装置に取り付けた状態を説明する第１の図である。図４Ｂは、実施例１に係るカフカバーを生体情報測定装置に取り付けた状態を説明する第２の図である。 図５Ａは、実施例１に係るカフカバーを生体情報測定装置に取り付けた状態を説明する第３の図である。図５Ｂは、実施例１に係るカフカバーを生体情報測定装置に取り付けた状態を説明する第４の図である。 図６は、実施例１に係るカフカバーを取り付けた生体情報測定装置を手首に装着した際の、各構成要素の配置関係を示す説明図である。 図７Ａは、実施例１の変形例１に係るカフカバーの導電補助部について説明する第１の図である。図７Ｂは、実施例１の変形例１に係るカフカバーの導電補助部について説明する第２の図である。 図８Ａは、実施例１の変形例２に係るカフカバーの導電補助部について説明する第１の図である。図８Ｂは、実施例１の変形例２に係るカフカバーの導電補助部について説明する第２の図である。 図９Ａは、実施例１の変形例３に係るカフカバーの外観を示す概略平面図である。図９Ｂは、実施例１の変形例３に係るカフカバーを生体情報測定装置に取り付けた状態を説明する説明図である。 図１０Ａは、実施例２に係るカフカバーの外観を示す概略平面図である。図１０Ｂは、実施例２に係るカフカバーの外観を示す概略底面図である。 図１１Ａは、実施例２に係るカフカバーが用いられる生体情報測定装置の外観を示す概略底面図である。図１１Ｂは、実施例２に係るカフカバーが用いられる生体情報測定装置の外観を示す概略側面図である。

＜実施例１＞
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。

図１は本実施例に係るカフカバー１の外観を示す図であり、図２及び図３はカフカバー１が用いられる生体情報測定装置１００の外観構成を示す概略図である。また、図４及び図５は、カフカバー１を生体情報測定装置１００に取り付けた状態を説明するための図であり、図６はカフカバー１を取り付けた状態の生体情報測定装置１００を手首に装着した際の、各構成要素の配置関係を示す説明図である。

（カフカバーの構成）
図１Ａはカフカバー１の外観を示す概略平面図であり、図１Ｂはカフカバー１の外観を示す概略底面図である。図１に示すように、本実施例に係るカフカバー１は長手方向を有する略矩形状を有しており、後述するように生体情報測定装置１００のカフ構造体（本実
施例においては、後述する押圧カフ部２１０、センシングカフ部２２０）を内部に収容可能な袋状に形成された被覆部１０によって構成されている。被覆部１０は、伸縮性を有する布材によって形成されるが、その方法に特に限定は無く、編み上げによって形成されてもよいし、複数の布材を縫製或いは熱溶着などによって繋ぎ合わせるのであってもよい。

ここで、被覆部１０の伸縮性は、生体情報測定装置１００による血圧測定（後述）に支障をきたさないものとなっており、具体的には、後述する押圧カフ２１１及びセンシングカフ２２１の膨張及び収縮を阻害することがない程度の伸縮性を有している。

また、被覆部１０はカフ構造体を収容した状態において生体情報測定装置１００が測定対象の手首に装着された際に当該手首に当接する側である内側被覆部１０ａと、カフ構造体を介して内側被覆部１０ａと対向する側となる外側被覆部１０ｂと、を備えている。なお、本明細書においては、生体情報測定装置１００が手首に装着された際に、手首と当接する側を内側、それとは反対の側を外側として以下の説明を行う。

内側被覆部１０ａには、後述するように被覆部内に収容されたカフ構造体の電極を露出させるための電極用開口部１１、１２が設けられる。即ち、本実施例においては電極用開口部１１、１２が通電補助手段に該当する。また、外側被覆部１０ｂには、カフ構造体を被覆部１０内部に収容するための、収容口２１、２２が設けられる。

（生体情報測定装置の構成）
図２はカフカバー１が取り付けられる生体情報測定装置１００の外観を示す概略平面図である。また、図３Ａは生体情報測定装置１００の底面を示す概略図であり、図３Ｂは生体情報測定装置１００の側面を示す概略図である。

図２及び図３に示すように、生体情報測定装置１００は概略、本体部１０１と、押圧カフ部２１０及びセンシングカフ部２２０（カフ構造体）と、ベルト部４００を有する構成であり、人体の手首に装着した状態で血圧値及び心電波形の測定を行うことができる。ベルト部４００は、フックを備える面ファスナー４１１を備える第一ベルト部４１０と、ベルト通し環４２１を備える第二ベルト部４２０を有している。生体情報測定装置１００を装着する際には、第一ベルト部４１０を手首に巻き付けたうえでベルト通し環４２１に挿通させ、面ファスナー４１１をフックが係合するループが形成された第二ベルト部４２０の任意の位置に貼りつけることで固定を行う。

（本体部）
本体部１０１は、ハウジング１０１ａと、表示部１１１、操作部１１２、及び第一電極１４０を備えている。その他、図示しないが、本体部１０１は、電源部、制御部、後述の電極と電気的に接続する回路、カフへ空気を圧送するためのポンプ、流体流路、排気弁、などを備えている。なお、電源は装置の稼働に必要な電力を供給するバッテリーを用いてもよく、例えばリチウムイオンバッテリーなどの二次電池であってもよいし、一次電池でもよい。

また、制御部は生体情報測定装置１００の制御を司り、前述のポンプなどを制御して、カフ構造体から取得される情報に基づいて、測定対象の血圧値、心電波形を測定するための演算も行う。制御部は例えばＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）などによって構成され、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）などの記憶装置を備えていてもよい。

表示部１１１は、液晶ディスプレイなどの表示装置を含んで構成され、ＬＥＤインジケータなどを備えていてもよい。操作部１１２は、例えば、電源ボタンなどの各種操作ボタ
ンを含んで構成されるが、タッチパネルディスプレイなど表示部１１１と操作部１１２が一体となった構成としてもよい。

第一電極１４０は、生体情報測定装置１００の装着者の心電波形を測定するための電極であり、本体部１０１の電子回路と電気的に接続されている。生体情報測定装置１００を装着していない方の手の指などを第一電極１４０に接触させることにより、後述する第二電極２２３との電位差に基づいて心電波形の測定を行うことができる。

（カフ構造体）
一方のカフ構造体である押圧カフ部２１０は、図２に示すように、本体のハウジング１０１ａと固定部Ｋ１によって固定されており、ポンプから送られた空気によって膨張することで装着部の手首を圧迫する押圧カフ２１１と、押圧カフ２１１を支持する押圧カフプレート２１２を含んで構成されている。

他方のカフ構造体であるセンシングカフ部２２０は、図３に示すように、第一ベルト部４１０と固定部Ｋ２によって固定されており、センシングカフ２２１、背板２２２、第二電極２２３、第三電極２２４、を含んで構成されている。センシングカフ２２１は、押圧カフ２１１の押圧力によって圧迫された部位に掛かる圧力を検出するための流体袋であり、センシングカフ２２１内に少量の空気が入った状態でその内圧を圧力計（図示せず）によって検出することにより、圧迫部位に掛かる圧力が測定される。背板２２２は、センシングカフ２２１よりも外側に配置される可撓性を有する平板状部材であり、押圧カフ２１１による圧迫時におけるセンシングカフ２２１の過度な屈曲を抑制し、センシングカフ２２１内の圧力分布を均整化する。

第二電極２２３、第三電極２２４はいずれも人体表面に接触可能にセンシングカフ２２１の短手方向両端に配置される電極であり、第二電極２２３は心電波形測定用の電極、第三電極２２４はノイズ除去用の電極（右脚電極）として機能する。

（生体情報の測定）
以上のような構成を有する生体情報測定装置１００による生体情報の測定は次のような要領で行う。まず、本体部１０１が手の甲側を向くようにして、押圧カフ部２１０を手首の手の甲側に、センシングカフ部２２０を手首の手の平側に位置させて、ベルト部４００によって生体情報測定装置１００を手首に固定する。具体的には、第一ベルト部４１０を手首に巻き付け、第一ベルト部４１０を第二ベルト部４２０のベルト通し環４２１に通したうえで折り返し、第一ベルト部４１０の面ファスナー４１１部を第二ベルト部４２０の任意の位置に貼り付けて、手首に生体情報測定装置１００を装着する。

そして、操作部１１２を操作して測定を開始する。具体的には、押圧カフ２１１に空気が注入されることで手首がセンシングカフ２２１側に押し付けられるとともに手首（の動脈）が圧迫され、動脈が閉塞される。そのようにして血流を一旦止めた後に徐々に押圧カフ２１１から空気を排出して動脈の血流を戻し、その際の圧力をセンシングカフ２２１によって測定する。即ち、いわゆるオシロメトリック法による血圧測定が行われる。

そして、血圧測定時において、押圧カフ２１１により手首が押圧される際には第二電極２２３及び第三電極２２４は手首の表面に接触している（押し付けられている）状態となっている。このため、生体情報測定装置１００を装着していない方の手指で、本体部１０１のハウジング１０１ａに設けられている第一電極１４０に触れることにより、第一電極１４０と第二電極２２３との電位差に基づいて、いわゆるＩ誘導の方式により心電波形の測定を行うことができる。

（カフカバー取り付け時の態様）
上記のように、生体情報測定装置１００により生体情報の測定を行う際には、カフが人体に接触するため、カフカバー１をカフ構造体に取り付けることによって、カフ構造体自体の汚れや劣化を防止する。図４Ａは、カフカバー１を押圧カフ部２１０及びセンシングカフ部２２０に取り付けた状態の生体情報測定装置１００の底面を示す概略図であり、図４Ｂはカフカバー１取り付け時の生体情報測定装置１００の側面を示す概略である。また、図５Ａは図４Ａに示す図において、カフカバー１を透過させた状態で示す説明図であり、図５Ｂは図４Ｂに示す図において、カフカバー１を透過させた状態で示す説明図である。また、図６は、カフカバー１を取り付けた生体情報測定装置１００を手首Ｔに装着した状態における、各構成要素の配置関係を示す説明図である。

図４Ａに示すように、カフカバー１を生体情報測定装置１００に取り付けた際には、第二電極２２３及び第三電極２２４がそれぞれ電極用開口部１１、１２から露出する他は、押圧カフ部２１０及びセンシングカフ部２２０が被覆部１０で被覆された状態となっている。これにより、図６に示すように、第二電極２２３、第三電極２２４と、人体との接触を阻害することなく（即ち、各電極と人体とが絶縁されることなく）、カフ構造体の他の部分を被覆することができ、汚れがカフ構造体に付着することを防止できる。

カフカバー１の生体情報測定装置１００への取り付けは、押圧カフ部２１０を収容口２１から、センシングカフ部２２０を収容口２２から、それぞれ被覆部１０内に収容することによって行われる。ここで、外側被覆部１０ｂを平面視した際の収容口２１の面積は、押圧カフ部２１０を平面視した際の面積よりも小さくなっており、また、収容口２２とセンシングカフ部２２０との関係も同様である。このため、押圧カフ部２１０部、センシングカフ部２２０を収容口２１、２２から被覆部１０内に収容するには、手指で各収容口２１、２２を押し広げ（或いは収容口の周囲の布地を引っ張って）、各収容口２１、２２を拡張したうえで、押圧カフ部２１０部、センシングカフ部２２０を収容する。

被覆部１０は伸縮性を有する素材で形成されているため、このように開口部を拡張することが可能であるとともに、収容口２１、２２を拡張するための力が無くなれば、もとの形状へと復元しようとする。図５Ａには、生体情報測定装置１００に取り付けたカフカバー１を透過させた状態の各構成要素の配置関係が示されており、押圧カフ部２１０及びセンシングカフ部２２０を透過した収容口２１及び２２が破線で示されている。図５Ａに示すように、拡張状態から復元した状態（即ち通常時）の収容口２１、２２は、それぞれ押圧カフ部２１０、センシングカフ部２２０の外側の端部に引っ掛かった状態となる。即ち、カフカバー１は収容口２１、２２が押圧カフ部２１０、センシングカフ部２２０にそれぞれ掛止されることで、生体情報測定装置１００に取り付けられる。

また、このようにして生体情報測定装置１００に取り付けられたカフカバー１は、押圧カフ部２１０及びセンシングカフ部２２０の外側端部に引っ掛かった状態となっている収容口２１及び２２をそれぞれ拡張させることで、容易に取り外すことも可能である。

以上のような構成を有する本実施例に係るカフカバー１によれば、血圧測定用のカフ及び心電測定用の電極を備える生体情報測定装置のカフ構造体に対して容易に着脱可能であるとともに、心電測定用の電極と人体との通電を阻害することがないために血圧値と心電波形の測定を同時に精度よく行うことが可能となる。

（変形例１）
なお、上記実施例１に係るカフカバー１は、種々の変形が可能である。以下、そのような変形例について図面に基づいて説明する。図７は、実施例１に係るカフカバー１の第一の変形例であるカフカバー４について示す図である。図７Ａは本変形例に係るカフカバー
４の内側被覆部１０ａの部分平面図であり、図７Ｂは本変形例に係るカフカバー４の導電繊維部４１、４２について説明する説明図である。

なお、本変形例に係るカフカバー４は、基本的な構成をカフカバー１と同一にしているため、そのような構成要素についてはカフカバー１と同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図７Ａに示すように、本変形例に係るカフカバー４は内側被覆部１０ａにおいて、電極用開口部１１、１２の代わりに導電繊維部４１、４２を備えている。

導電繊維部４１、４２は導電性の繊維（例えば、所望の金属繊維）が織り込まれており、図７Ｂに示すように、内側被覆部１０ａにおいて、カフカバー４が生体情報測定装置１００に取り付けられた場合に、第二電極２２３及び第三電極２２４を被覆する位置に設けられている。このため、カフカバー４を取り付けた状態の生体情報測定装置１００を人体に装着すると、内側被覆部１０ａの導電繊維部４１、４２を介して、人体と第二電極２２３及び第三電極２２４が通電可能になる。また、導電繊維部４１と導電繊維部４２とは非導電性の布地によって隔離されているため、第二電極２２３と第三電極２２４が短絡することもない。

このような変形例の構成であれば、センシングカフ部２２０を電極まで含めて被覆することができるため、より確実にカフ構造体を保護することができるとともに、導電繊維部を介して電極と人体とを通電させることが可能になる。

（変形例２）
続けて、カフカバーの他の変形例について説明する。図８Ａは本変形例に係るカフカバー５の内側被覆部１０ａの部分平面図であり、図８Ｂは本変形例に係るカフカバー５の導電キャップ部５１、５２について説明する説明図である。

なお、本変形例に係るカフカバー５は、基本的な構成をカフカバー１と同一にしているため、そのような構成要素についてはカフカバー１と同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図８Ａに示すように、本変形例に係るカフカバー５は内側被覆部１０ａにおいて、電極用開口部１１、１２に対応する位置に導電キャップ部５１、５２を備えている。

導電キャップ部５１、５２は、電極用開口部１１、１２に相当する開口部を導電性材料（例えば所望の金属）からなる蓋状部材で封止して形成される。具体的には、例えば蓋状部材を開口部周辺縁部の布地と熱溶着などして形成するようにしてもよい。そして、図８Ｂに示すように、導電キャップ部５１、５２は内側被覆部１０ａにおいて、カフカバー５が生体情報測定装置１００に取り付けられた場合に、第二電極２２３及び第三電極２２４を被覆する位置に設けられる。このため、カフカバー５を取り付けた状態の生体情報測定装置１００を人体に装着すると、内側被覆部１０ａの導電キャップ部５１、５２を介して、人体と第二電極２２３及び第三電極２２４が通電可能になる。また、導電キャップ部５１と５２とは非導電性の布地によって隔離されているため、第二電極２２３と第三電極２２４が短絡することもない。

このような変形例の構成であれば、センシングカフ部２２０を電極まで含めて被覆することができるため、より確実にカフ構造体を保護することができるとともに、導電キャップ部を介して電極と人体とを通電させることが可能になる。

（変形例３）
続けて、カフカバーのさらに他の変形例について説明する。図９Ａは本変形例に係るカフカバー３の外観を示す概略平面図であり、図９Ｂは本変形例に係るカフカバー３を生体情報測定装置１００に取り付けた状態を説明する説明図である。

なお、本変形例に係るカフカバー３は、基本的な構成をカフカバー１と同一にしているため、そのような構成要素についてはカフカバー１と同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図９に示すように、本変形例に係るカフカバー３には、長手方向の中央近傍において、内側被覆部１０ａと外側被覆部１０ｂとが例えば縫い付けや溶着などによって固着された固着部３１が設けられている。

このような固着部３１によって、図９Ｂに示すように、押圧カフ部２１０及びセンシングカフ部２２０を被覆部１０内に収容した際に、押圧カフ部２１０とセンシングカフ部２２０の間における内側被覆部１０ａの「浮き」を無くした状態とすることができる。これにより、被覆部１０内に収容されたセンシングカフ部２２０の第二電極２２３及び第三電極２２４と、内側被覆部１０ａにおける導電補助部（上記各例における、電極用開口部、導電繊維部、導電キャップ部）との位置ずれを抑止することが可能になる。

＜実施例２＞
上記の他にも、カフカバーは取り付け対象である生体情報測定装置の形態に合わせて様々な態様とすることが可能である。以下では、図１０及び図１１に基づいて、本発明に係るカフカバーのその他の実施例について説明する。図１０Ａは、本実施例に係るカフカバー６の外観を示す概略平面図であり、図１０Ｂは、本実施例に係るカフカバー６の外観を示す概略底面図である。また、図１１Ａは、本実施例に係るカフカバー６が用いられる生体情報測定装置１１０の外観を示す概略底面図であり、図１１Ｂは本実施例に係るカフカバー６が用いられる生体情報測定装置１１０の外観を示す概略側面図である。

図１０に示すように、本実施例に係るカフカバー６も基本的な構成については実施例１に係るカフカバー１と同様であり、内側被覆部６０ａ及び外側被覆部６０ｂを備える袋状の被覆部６０が主要な構成要素となっている。また、内側被覆部６０ａに電極用開口部６１及び６２を備える点も、カフカバー１と同様である。一方で、外側被覆部６０ｂにおいては、収容口６３が一つのみ存在する点において、カフカバー１とは異なっている。

また、図１１に示すように、本実施例においては、カフカバー６が取り付けられる生体情報測定装置１１０のカフ構造体の構成が、実施例１の生体情報測定装置１００とは異なっている。なお、生体情報測定装置１１０において、本体部１０１、ベルト部４００などの構成は、生体情報測定装置１００と同様の構成であるため、このような構成要素については、実施例１と同様の符号を付し、改めての説明は省略する。本実施例に係る生体情報測定装置１１０は、カフ構造体に係る構成としてカフアッシー部３００を一つのみ備える構成となっている。

図１１に示すように、カフアッシー部３００は、カーラー３１０、圧迫カフ３２０、センシングカフ３３０、第二電極３４１、第三電極３４２、背板３５０を備えており、これらの各構成要素が積層されるようにして一体の構成になっている。また、全体として長手方向を有しており、固定部Ｋ３において本体のハウジング１０１ａに固定されている。本実施例に係るカフカバー６は、このようなカフアッシー部３００を被覆するために用いられる。

カーラー３１０は圧迫カフ３２０を保持するための土台となる長手方向を有する部材であり、図１１Ｂに示すように、カフアッシー部３００の最も外側（手首から離れている側）に配置される。圧迫カフ３２０は、ポンプから送られた空気によって膨張することで装着部の手首を締め付け、手首に存在する動脈（図示せず）に圧力を加える役割を有する。圧迫カフ３２０は、生体情報測定装置１００の押圧カフ２１１とは異なり、装着者の手首の手の甲側にのみ配置されるのではなく、長手方向を有して手首の手の平側（即ち、セン
シングカフ３３０の外側）にまで延在する構成となっている。その他、センシングカフ３３０、背板３５０、第二電極３４１、第三電極３４２の各機能については、実施例１の生体情報測定装置１００の対応する各構成とほぼ同様であるため、説明を省略する。

本実施例に係るカフカバー６をカフアッシー部３００に取り付ける際には、例えばカフアッシー部３００のセンシングカフ３３０がある側の長手方向端部を、カフカバー６の収容口６３を押し広げながら、被覆部６０内部に挿入する。そしてカフカバー６０の長手方向に沿ってカフアッシー部３００を挿し入れていき、センシングカフ３３０がある側の長手方向端部が被覆部６０内の端部に達すれば、被覆部６０の反対側の端部を、カフアッシー部３００の他方の端部側に引っ張って引っ掛けるようにすればよい。このようにすれば、外側被覆部１０ｂの収容口６３は被覆部６０の伸縮性によってカフアッシー部３００を平面視した際の面積よりも小さい開口に復元するため、収容口６３がカフアッシー部３００の外側端部に引っ掛かった状態となる。本実施例に係るカフカバー６は、このようにして、カフアッシー部３００に取り付けることができるとともに、取り付け時と逆の手順を行うことで容易に取り外すことも可能になる。

＜その他＞
上記実施例の説明は、本発明を例示的に説明するものに過ぎず、本発明は上記の具体的な形態には限定されない。本発明は、その技術的思想の範囲内で種々の変形及び組み合わせが可能である。例えば、上記実施例１の変形例１及び２の導電補助手段の構成を実施例２において適用することも可能である。

また、上記各例では被覆部が袋状に形成されている構成について説明したが、被覆部は必ずしもこのように構成される必要はなく、シート状に形成された被覆部により、カフ構造体の内側の面のみを被覆するような態様とすることも可能である。

また、カフカバーの取り付け手段についても、袋状に形成された被覆部の収容口に限らず多様な手段を用いることができ、例えば、粘着剤、両面テープ、ゴムバンド、面ファスナー、スナップボタン、などを採用することができる。

また、上記各例では、カフ構造体が備える電極は複数であったが、電極を一つのみ備えるカフ構造体を有する生体情報測定装置のカフカバーにも本発明を適用することができる。

また、上記各例では生体情報測定装置１００を手首に装着する場合について説明したが、上腕等の人体の他の部位に装着された生体情報測定装置のカフカバーにも本発明を適用することができる。

１、３、４、５、６・・・カフカバー
１０・・・被覆部
１０ａ・・・内側被覆部
１０ｂ・・・外側被覆部
１１、１２、６１、６２・・・電極用開口部
２１、２２、６３・・・収容口
３１・・・固着部
４１、４２・・・導電繊維部
５１、５２・・・導電キャップ部
１００、１１０・・・生体情報測定装置
１０１・・・本体部
１１１・・・表示部
１１２・・・操作部
１４０・・・第一電極
２１０・・・押圧カフ部
２１１・・・押圧カフ
２１２・・・押圧カフプレート
２２０・・・センシングカフ部
２２１、３３０・・・センシングカフ
２２２、３５０・・・背板
２２３、３４１・・・第二電極
２２４、３４２・・・第三電極
３００・・・カフアッシー部
３１０・・・カーラー
３２０・・・圧迫カフ
４００・・・ベルト部
４１０・・・第一ベルト部
４１１・・・面ファスナー
４２０・・・第二ベルト部
４２１・・・ベルト通し環
Ｋ１、Ｋ２、Ｋ３・・・固定部
Ｔ・・・手首

Claims (8)

1. 一以上のカフ及び一以上の電極を備えるカフ構造体と装着手段とを有し、前記装着手段により人体に装着された状態で前記人体の血圧値及び心電波形を測定する生体情報測定装置において、前記カフ構造体を被覆するカフカバーであって、
   非導電性の素材により形成され、前記カフ構造体を被覆する被覆部と、
   前記被覆部を前記カフ構造体に取り付けるための取付手段と、
   前記被覆部に設けられ、前記生体情報測定装置が前記人体に装着された際に前記被覆部で被覆された前記カフ構造体が備える前記電極と前記人体との通電を補助する通電補助手段と、を有する、
   ことを特徴とする、カフカバー。
2. 前記通電補助手段は、前記被覆部において前記電極が露出可能に設けられる開口部である、ことを特徴とする、請求項１に記載のカフカバー。
3. 前記通電補助手段は、前記カフ構造体が前記被覆部で被覆された状態において、前記カフ構造体が備える電極を含む部位を被覆する導電部である、ことを特徴とする、請求項１に記載のカフカバー。
4. 前記導電部は、前記被覆部において導電性繊維を織り込むことによって形成される、ことを特徴とする、請求項３に記載のカフカバー。
5. 前記導電部は、前記被覆部に設けられる開口の少なくとも一部を導電性材料からなる蓋状部材で覆うことによって形成される、ことを特徴とする、請求項３に記載のカフカバー。
6. 前記被覆部は、前記カフ構造体を収容可能な袋状に形成され、前記カフ構造体を前記被覆部内に収容するための開口である収容口を備えている、
   ことを特徴とする、請求項１から５のいずれか一項に記載のカフカバー。
7. 前記被覆部は、伸縮性を有する素材により形成されており、前記カフ構造体を収容した状態において前記人体と当接する側であって前記通電補助手段が設けられる内側被覆部と、前記カフ構造体を収容した状態において前記カフ構造体を介して前記内側被覆部と対向する側となる外側被覆部と、を有し、
   前記収容口は前記外側被覆部に設けられ、前記カフ構造体を平面視した場合における前記カフ構造体の面積よりも小さな面積を備える開口であるとともに、前記カフ構造体を収容する際には前記素材の前記伸縮性によって前記カフ構造体の前記面積よりも大きく拡大可能であり、
   前記取付手段は、前記被覆部における前記収容口である、
   ことを特徴とする、請求項６に記載のカフカバー。
8. 前記被覆部は、前記収容口を複数備え、前記カフ構造体を含む複数の構造体をそれぞれ別の前記収容口から前記被覆部内に収容可能であるとともに、一の前記収容口と他の前記収容口との間に位置する箇所において前記内側被覆部と前記外側被覆部とを固着する固着部を備えている、ことを特徴とする、請求項７に記載のカフカバー。

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