JP2022181774A - 反射型エンコーダスケール及びエンコーダスケールユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】製造が容易で且つ高精度なパターン幅精度を示す反射型エンコーダスケールを得ること。
【解決手段】反射型エンコーダスケールは、平行又は同心円状に配列された複数の線状部71を含むレジストパターン部72、レジストパターン部72に含まれている複数の線状部71の各々の一方の端部73に接続されていてレジストパターン部72の幅より広い又はレジストパターン部72より面積が大きい第1アンカーパターン部74、及びレジストパターン部72に含まれている複数の線状部71の各々の他方の端部75に接続されていてレジストパターン部72の幅より広い又はレジストパターン部72より面積が大きい第2アンカーパターン部76を有するマスク70を用いてめっき処理で形成された低反射部を有する。
【選択図】図9
【解決手段】反射型エンコーダスケールは、平行又は同心円状に配列された複数の線状部71を含むレジストパターン部72、レジストパターン部72に含まれている複数の線状部71の各々の一方の端部73に接続されていてレジストパターン部72の幅より広い又はレジストパターン部72より面積が大きい第1アンカーパターン部74、及びレジストパターン部72に含まれている複数の線状部71の各々の他方の端部75に接続されていてレジストパターン部72の幅より広い又はレジストパターン部72より面積が大きい第2アンカーパターン部76を有するマスク70を用いてめっき処理で形成された低反射部を有する。
【選択図】図9
Description
本開示は、例えば高精度に位置情報を検出するために用いられるリニアエンコーダ又はロータリーエンコーダに使用される反射型エンコーダスケール及びエンコーダスケールユニットに関する。
位置、角度及び速度を精密且つ正確に計測するための各種センサ、及び高精度な制御機器の駆動のための検出器として、反射型エンコーダが広く用いられる。反射型エンコーダは、光源、スケール及び受光部から主に構成され、スケールの表面で反射された光源からの入射光を受光部で検出し、得られた反射強度から機械的変位量の情報を取得する。
スケールの表面は規則的なパターンを有しており、一般的に、スケールは、低反射層の上にストライプパターンを有する高反射部を形成することによって、又は高反射層の上にストライプパターンを有する低反射部を形成することによって形成される。ストライプパターンとは、細線パターンが幅方向に平行又は同心円状に複数配列されて構成される縞模様のことをいう。測定精度の観点から、スケールの高反射部又は低反射部に対する反射率のコントラスト、及びSN(signal-to-noise)比が高いことが望ましく、SN比の値は例えばストライプパターンの寸法の精度、材質及び形状に大きく依存する。
従来の反射型エンコーダスケールの製造方法では、製造工程の短縮及び容易化のために、スケール基材の表面自体をそのまま高反射部として利用し、スケール基材の上にストライプパターンを有する低反射部を形成することで、高反射部を形成するプロセスを省くことができる。特許文献1は、スケール基材として鏡面加工を施した金属板を使用し、フォトリソグラフィプロセスにより、後工程で加工を施さない領域を保護するために、レジストパターンを形成する技術を開示している。加えて、特許文献1は、レジストパターンを保護マスクとしてエッチング処理又はサンドブラスト処理を施すことにより、スケール基材の表面を粗化することで低反射部を形成する技術を開示している。
特許文献2は、特許文献1と同様に、ステンレス鋼の上にフォトリソグラフィプロセスでレジストマスクを形成し、その後、低反射材質のめっき膜をマスク開口部にのみ形成することで、所望のストライプパターンを有する低反射部を形成する技術を開示している。
特許文献3は、スケール基材とレジストとの密着性を向上させるため、レジストパターニングの後に紫外線照射又はプラズマ照射の工程を追加する技術を開示している。
例えば、エンコーダユニットでは、反射型エンコーダスケールの寸法精度の不良又はパターン配置の乱れに起因する散乱光が、反射率のコントラスト及びSN比の低下に影響し、エンコーダユニットの検出精度を悪くする。
特許文献1の反射型エンコーダスケールでは、鏡面加工を施した金属板の表面を高反射部として利用し、当該高反射部の反射率より低い反射率を示すストライプパターンを有する低反射部が当該金属板の表面に形成される。低反射部は、フォトリソグラフィプロセスによるレジストパターニングの後に、溶液によるエッチング処理又はサンドブラスト処理を施すことで形成され、それにより、特許文献1の反射型エンコーダスケールは反射率が高いコントラスト及び高いSN比を得る。しかしながら、特許文献1が開示している技術には、エッチング処理中又はサンドブラスト処理中に高反射部を保護するためのレジストマスクの浮き又は剥がれが生じた場合、最終的に形成されるストライプパターンの寸法精度が悪くなるという課題がある。
特許文献2の反射型エンコーダスケールでは、レジストパターニングの後にめっき処理により黒色膜を形成することにより低反射部が形成される。レジストパターンをマスクとして使用するめっき処理においては、レジストマスクの浮き若しくは剥がれ、又はめっきもぐりを抑制するために、使用されるめっき液に対する耐薬品性はもとより、スケール基材とレジストパターン部との密着性の確保が重要となる。
特許文献3が開示している技術では、スケール基材とレジストとの密着性を向上させるため、レジストパターニングの後に紫外線照射又はプラズマ照射の工程が追加されており、製造工程の数が増加する。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、製造が容易で且つ高精度なパターン幅精度を示す反射型エンコーダスケールを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る反射型エンコーダスケールは、平行又は同心円状に配列された複数の線状部を含むレジストパターン部、レジストパターン部に含まれている複数の線状部の各々の一方の端部に接続されていてレジストパターン部の幅より広い又はレジストパターン部より面積が大きい第1アンカーパターン部、及びレジストパターン部に含まれている複数の線状部の各々の他方の端部に接続されていてレジストパターン部の幅より広い又はレジストパターン部より面積が大きい第2アンカーパターン部を有するマスクを用いてめっき処理で形成された低反射部を有する。
本開示に係る反射型エンコーダスケールは、製造が容易で且つ高精度なパターン幅精度を示すことができるという効果を奏する。
以下に、実施の形態に係る反射型エンコーダスケール及びエンコーダスケールユニットを図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るエンコーダスケールユニット100の断面を示す図である。図1では、エンコーダスケールユニット100の一部の構成要素には、ハッチングは付与されていない。エンコーダスケールユニット100は、反射型エンコーダスケール1と、反射型エンコーダスケール1に対して光101を入射するための光源2と、反射型エンコーダスケール1で反射された光102を検出するための受光部3とを有する。反射型エンコーダスケール1は、スケール基材10と、スケール基材10の表面の側に位置している低反射部20とを有する。
図1は、実施の形態1に係るエンコーダスケールユニット100の断面を示す図である。図1では、エンコーダスケールユニット100の一部の構成要素には、ハッチングは付与されていない。エンコーダスケールユニット100は、反射型エンコーダスケール1と、反射型エンコーダスケール1に対して光101を入射するための光源2と、反射型エンコーダスケール1で反射された光102を検出するための受光部3とを有する。反射型エンコーダスケール1は、スケール基材10と、スケール基材10の表面の側に位置している低反射部20とを有する。
図2は、実施の形態1に係る反射型エンコーダスケール1の断面を示す図である。図2では、スケール基材10には、ハッチングは付与されていない。低反射部20は、あらかじめ決められたピッチで配列された複数の線状反射部21を有する黒色めっき膜のパターン部を有する。低反射部20の最表面は、低反射面22と呼称される。低反射部20のパターンの開口部に露出したスケール基材10の表面は、高反射面11と呼称される。高反射面11は、光の反射率が低反射部20より高い高反射部である。
光源2から反射型エンコーダスケール1に到来する光101は、低反射面22及び高反射面11で反射されて反射光となり、最終的に受光部3で検出される。光101は入射光101と記載される場合があり、低反射面22及び高反射面11で反射された光は反射光102と記載される場合がある。低反射面22からの反射光102の反射率が高反射面11からの反射光102の反射率と異なることから、エンコーダスケールユニット100は反射強度の明暗を示す明暗パターン情報を取得することができる。
スケール基材10は、入射光101に対して、低反射部20より高い反射率を示すステンレス鋼で形成されている。低反射部20は、黒色めっき膜で形成されている。低反射部20は、使用される光101の波長においてスケール基材10からの反射光102が受光部3に到達しないように光101の吸収率が高く、高反射面11より反射率が低い材料で形成されている。望ましくは、低反射部20の反射率は、使用される光101について10%以下である。
黒色めっき膜は、例えば、黒クロム又は黒ニッケルで形成されている。低反射部20は、一般的なフォトリソグラフィプロセスでレジストパターン部を形成した後、黒色めっき処理及びレジスト除去を実施することで形成される。
図3から図8の各々は、実施の形態1に係る反射型エンコーダスケール1の製造工程を示す図である。図3は、実施の形態1に係る反射型エンコーダスケール1が有するスケール基材10を示している。上述の通り、スケール基材10はステンレス鋼で形成されている。例えば、スケール基材10を形成しているステンレス鋼は、SUS(Stainless Used Steel)303又はSUS304である。
図4は、実施の形態1に係る反射型エンコーダスケール1の製造方法において、スケール基材10の上にドライフィルムレジスト50を貼付する工程を示している。図4に示されるように、スケール基材10の上にドライフィルムレジスト50を貼付する。例えば、真空ラミネータ装置を用いたラミネータ法でスケール基材10の上にドライフィルムレジスト50を貼付する。ドライフィルムレジスト50は、例えば、旭化成社製のAQ-1558又は三菱製紙社製のMS9025の製品の膜である。以下の工程においてドライフィルムレジスト50に対してフォトリソグラフィプロセスを実施し、ドライフィルムレジスト50に微細パターンを形成する。
ドライフィルムレジスト50の代わりにドライフィルムレジスト50より薄膜化が可能な液状レジストが使用されてもよいが、後工程で低反射部20を形成する際にドライフィルムレジスト50から形成されるレジストパターン部をマスクとして使用する観点から、液状レジストではなくドライフィルムレジスト50が用いられる方がめっき耐性及びエッチング耐性の面で有利である。
なお、スケール基材10の上にドライフィルムレジスト50を貼付する前に、スケール基材10とドライフィルムレジスト50との密着性を向上させるために、スケール基材10の表面に対して表面処理を施してもよい。例えば、表面処理は、プラズマ処理、又は密着層の追加である。例えば、密着層はヘキサメチルジシラザンで形成される層である。
次に、図5に示されるように、スケール基材10の表面に貼付されたドライフィルムレジスト50に対して、フォトマスク60を介した露光を実施する。図5は、実施の形態1に係る反射型エンコーダスケール1の製造方法において、ドライフィルムレジスト50を露光する工程を示している。フォトマスク60の一方の面には、紫外光63を通さない遮光部61と、紫外光63を通す透過部62とが形成されている。つまり、フォトマスク60はパターンを有する。例えば、遮光部61はクロム膜で形成される。フォトマスク60を介した露光を実施することで、ドライフィルムレジスト50に対して、遮光部61と透過部62とによって構成されるパターンに対応して選択的に紫外光63をドライフィルムレジスト50に照射することが可能となる。
ドライフィルムレジスト50は一般的にネガ型の感光特性を示すことから、ドライフィルムレジスト50のうちの紫外光63に一定量曝された部分は架橋反応を起こす。そのため、後の現像工程でドライフィルムレジスト50が現像液で処理される際、ドライフィルムレジスト50の未感光部のみが溶解し、ドライフィルムレジスト50の感光部のみがスケール基材10の表面に残ることになる。
次に、図6に示されるように、ドライフィルムレジスト50のうちの露光処理時に光が照射されていない部分だけを除去する。図6は、実施の形態1に係る反射型エンコーダスケール1の製造方法において、ドライフィルムレジスト50のうちの露光処理時に光が照射されていない部分だけを除去する現像工程を示している。例えば、現像処理は、スケール基材10に貼付されたドライフィルムレジスト50を現像液に浸漬するディップ処理、又は現像液をドライフィルムレジスト50に噴霧するスプレー処理である。現像工程により、低反射部20を形成するためのマスクが形成される。
次に、図7に示されるように、ドライフィルムレジスト50から形成されたレジストパターン部を有するマスクが表面に形成されたスケール基材10に対して、めっき処理により黒色膜を形成することにより、低反射部20を形成する。図7は、実施の形態1に係る反射型エンコーダスケール1の製造方法において、ドライフィルムレジスト50から形成されたマスクを用いてめっき処理で低反射部20を形成する工程を示している。
レジストパターン部を有するマスクは、スケール基材10に貼付されていることから、マスクが貼付されたスケール基材10がめっき浴に浸漬された場合、マスクが位置する部位のスケール基材10の表面にめっき液が到達することを阻害する。レジストパターン部は、めっき処理中にマスクとしての役割を果たすことから、マスキングパターン部とも呼称される。黒色膜は、例えば電気めっき又は無電解めっきによって形成される。
最後に、マスクを除去するレジスト除去工程を行って、図8に示されるように、スケール基材10の上に、複数の線状反射部21で構成されるストライプパターン部を有する低反射部20を形成する。図8は、実施の形態1に係る反射型エンコーダスケール1の製造方法において、スケール基材10の上に低反射部20を形成する工程を示している。
図9は、実施の形態1で使用されるマスク70の例を示す図である。マスク70は、スケール基材10の表面に貼付されたドライフィルムレジスト50から形成され、平行に配列された複数の線状部71を含むレジストパターン部72を有する。例えば、複数の線状部71の各々の幅は、数十umである。マスク70は、レジストパターン部72に含まれている複数の線状部71の各々の一方の端部73に接続されていてレジストパターン部72の幅より広い第1アンカーパターン部74と、レジストパターン部72に含まれている複数の線状部71の各々の他方の端部75に接続されていてレジストパターン部72の幅より広い第2アンカーパターン部76とを更に有する。マスク70は、図4から図6を用いて説明した方法によって形成される。
図10は、レジストパターン部72を有するが第1アンカーパターン部74及び第2アンカーパターン部76を有しないマスク77を示す図である。図10には、スケール基材10も示されている。図9に示されるマスク70は、第1アンカーパターン部74及び第2アンカーパターン部76を有するので、図10に示される第1アンカーパターン部74及び第2アンカーパターン部76を有しないマスク77に比べてスケール基材10の表面との接触面積が大きい。そのため、図9に示されるマスク70のスケール基材10との密着性は、図10に示されるマスク77のスケール基材10との密着性よりよい。
図11は、レジストパターン部72及び第2アンカーパターン部76を有するが第1アンカーパターン部74を有しないマスク78を示す図である。図11には、スケール基材10も示されている。図9に示されるマスク70は、第1アンカーパターン部74及び第2アンカーパターン部76を有するので、図11に示される第1アンカーパターン部74を有しないマスク78に比べてスケール基材10の表面との接触面積が大きい。そのため、図9に示されるマスク70のスケール基材10との密着性は、図11に示されるマスク78のスケール基材10との密着性よりよい。
マスク78には、レジストパターン部72に含まれている複数の線状部71の各々の一方の端部73がめっき処理時のレジストパターン部72の浮き及び剥がれの起点となり得るという短所がある。図9に示されるマスク70は、第1アンカーパターン部74及び第2アンカーパターン部76を有するので、めっき処理時のレジストパターン部72の浮き及び剥がれを抑制することができる。
第1アンカーパターン部74及び第2アンカーパターン部76は、最終製品に支障が出ないサイズ、且つ支障が出ない領域に形成される必要がある。レジストパターン部72の近傍に既存パターン部が存在している場合、既存パターン部が第1アンカーパターン部74及び第2アンカーパターン部76の一方又は双方に活用されることが望ましい。
上述の通り、反射型エンコーダスケール1は、スケール基材10と、マスク70を用いてめっき処理で形成された低反射部20とを有する。マスク70は、平行に配列された複数の線状部71を含むレジストパターン部72と、レジストパターン部72に含まれている複数の線状部71の各々の一方の端部73に接続されていてレジストパターン部72の幅より広い第1アンカーパターン部74と、レジストパターン部72に含まれている複数の線状部71の各々の他方の端部75に接続されていてレジストパターン部72の幅より広い第2アンカーパターン部76とを有する。
低反射部20は、レジストパターン部72に含まれている複数の線状部71によって特定されるピッチで配列された複数の線状反射部21を有するめっき膜のパターン部を有する。更に言うと、低反射部20は、スケール基材10の表面の側に位置していて、複数の線状部71によって特定されるピッチで平行に配列された複数の線状反射部21を有するめっき膜のストライプパターン部を有している。低反射部20は、黒色めっきによって形成されている。
異なるパターンを有する二つのフォトマスクを用いて複数回の露光を行って反射型エンコーダスケール1を製造することもできる。その場合、複数回の露光で位置ずれが生じないように高精度なアライメントが必要になる。そのため、レジストパターン部72、第1アンカーパターン74部及び第2アンカーパターン部76を同一のドライフィルムレジスト50に設計し、1度の露光でレジストパターン部72、第1アンカーパターン部74及び第2アンカーパターン部76を形成することが望ましい。
実施の形態1によれば、反射率の比較的高いコントラスト及び比較的高いSN比を確保することができ、且つパターン幅精度を向上させることができる。すなわち、実施の形態1によれば、スケール基材10と低反射部20との密着性を確保することができ、それによって、高精度なパターン幅精度を有する高信頼性の反射型エンコーダスケール1を比較的容易に製造することができるという効果が得られる。更に言うと、実施の形態1に係る反射型エンコーダスケール1は、製造が容易で且つ高精度なパターン幅精度を示すことができる。
実施の形態1に係る反射型エンコーダスケール1は、図9に示される平行に配列された複数の線状部71を含むレジストパターン部72と、レジストパターン部72の一方の端部73に接続されていてレジストパターン部72の幅より広い第1アンカーパターン部74と、レジストパターン部72の他方の端部75に接続されていてレジストパターン部72の幅より広い第2アンカーパターン部76とを有するマスク70を用いてめっき処理で形成された低反射部20を有する。マスク70が第1アンカーパターン部74と第2アンカーパターン部76とを有するので、反射型エンコーダスケール1が有するスケール基材10と低反射部20との密着性は従来のスケール基材と低反射部との密着性よりよい。更に言うと、実施の形態1に係る反射型エンコーダスケール1の製造方法は、メッキ処理時のマスク70の浮き若しくは剥がれ又はめっきもぐりを抑制することができる。
実施の形態1に係る反射型エンコーダスケール1の製造方法では、高反射面11を有するスケール基材10の表面に黒色めっき膜の低反射部20を形成する。高反射部を別途追加で付与する必要がないため、実施の形態1に係る反射型エンコーダスケール1の製造方法は、製造工程を増やすことなく、反射型エンコーダスケール1を比較的容易に製造させることができ、ひいては製造コストを抑制することができる。
なお、マスク70が有する第1アンカーパターン部74は、レジストパターン部72に含まれている複数の線状部71の各々の一方の端部73に接続されていてレジストパターン部72より面積が大きい構成要素であってもよい。マスク70が有する第2アンカーパターン部76は、レジストパターン部72に含まれている複数の線状部71の各々の他方の端部75に接続されていてレジストパターン部72より面積が大きい構成要素であってもよい。
実施の形態2.
図12は、実施の形態2に係る反射型エンコーダスケール1Aの断面を示す図である。図12では、スケール基材10には、ハッチングは付与されていない。反射型エンコーダスケール1Aは、スケール基材10と、低反射部20と、スケール基材10と低反射部20との間に位置する金属膜30とを有する。反射型エンコーダスケール1Aは、金属膜30を有する点で、実施の形態1に係る反射型エンコーダスケール1と異なる。実施の形態2では、実施の形態1との相違点を主に説明する。金属膜30は、具体的には、スケール基材10の表面に形成されている。実施の形態2では、金属膜30の表面にフォトリソグラフィプロセスとめっき処理とを行うことによって、低反射部20を形成する。
図12は、実施の形態2に係る反射型エンコーダスケール1Aの断面を示す図である。図12では、スケール基材10には、ハッチングは付与されていない。反射型エンコーダスケール1Aは、スケール基材10と、低反射部20と、スケール基材10と低反射部20との間に位置する金属膜30とを有する。反射型エンコーダスケール1Aは、金属膜30を有する点で、実施の形態1に係る反射型エンコーダスケール1と異なる。実施の形態2では、実施の形態1との相違点を主に説明する。金属膜30は、具体的には、スケール基材10の表面に形成されている。実施の形態2では、金属膜30の表面にフォトリソグラフィプロセスとめっき処理とを行うことによって、低反射部20を形成する。
実施の形態2では、スケール基材10は、ガラス、プラスチック又は金属で形成されている。スケール基材10の表面に金属膜30が形成されるため、スケール基材10の材料の選定において光学特性の制限はない。そのため、反射型エンコーダスケール1Aが使用される環境に適したスケール基材10を選定することができ、スケール基材10の材料の選定についての自由度は実施の形態2の方が実施の形態1より高い。
金属膜30は、入射光に対して、低反射部20より高い反射率を示す金属で形成されている。例えば、金属膜30を形成する金属は、アルミ、クロム、ニッケル又はモリブデンである。例えば、金属膜30は、真空蒸着法又はスパッタリング法で形成される。
図13から図19の各々は、実施の形態2に係る反射型エンコーダスケール1Aの製造工程を示す図である。図13及び図15から図19が示す製造工程は、実施の形態1の図3から図8が示す製造工程と同様の製造工程である。実施の形態2では、図14に示されるように、スケール基材10の表面に、高反射部として利用するための金属膜30を形成する。
図15は、実施の形態2に係る反射型エンコーダスケール1Aの製造方法において、スケール基材10の表面に形成された金属膜30の上にドライフィルムレジスト50を貼付する工程を示している。実施の形態1と同様に、ドライフィルムレジスト50を金属膜30に貼付する前に、金属膜30とドライフィルムレジスト50との密着性を向上させるために、金属膜30の表面に対して表面処理を施してもよい。例えば、表面処理は、プラズマ処理、又は密着層の追加である。例えば、密着層はヘキサメチルジシラザンで形成される層である。
反射型エンコーダスケール1Aの製造方法を説明する。図14に示されるように、スケール基材10の表面に金属膜30を形成する。次に、図15に示されるように、金属膜30の表面に、例えば真空ラミネータ装置を使用してドライフィルムレジスト50を貼付する。次に、図16に示されるように、ドライフィルムレジスト50に対して、あらかじめ決められたパターンを有するフォトマスク60を介した露光を施す。例えば、数十um幅の複数の線状部で構成されるレジストパターン部の両端が当該レジストパターン部の幅より広いアンカーパターン部に接続されたマスクを現像後に形成することができるように設計されたフォトマスク60を使用する。
次に、図17に示されるように、現像工程によって、ドライフィルムレジスト50のなかの露光処理時に光が照射されなかった部分だけを除去する。前述までのフォトリソグラフィプロセスによりレジストパターン部を有するマスクをドライフィルムレジスト50から形成し、図18に示されるように、レジストパターン部を有するマスクを用いて黒色めっき膜を成膜する。例えば、黒色めっき膜は、電気めっき又は無電解めっきによって形成される。最後に、レジスト除去工程を行って、図19に示されるように、スケール基材10の上に、反射率が比較的高い金属膜30を介して、ストライプパターン部を有する低反射部20を形成する。
実施の形態2によれば、スケール基材10を構成する材料において光学特性上の制限がなく、反射型エンコーダスケール1Aの使用環境に合わせて耐性の比較的高いスケール基材10を選択することができ、例えば酸化、湿気及び熱によるスケール基材10の経年劣化を抑えることができる。
実施の形態1及び2において、ストライプパターン部を有する低反射部20を形成した後、低反射部20及び高反射面11を保護するため、入射光101に対して透明な保護層を積層してもよい。それによって、エンコーダスケールユニット100の耐環境性を高くすることができ、例えば湿気又は物理的接触といった外的要因によるパターン精度の低下を抑制及び防止することができる。
実施の形態1に係る反射型エンコーダスケール1及び実施の形態2に係る反射型エンコーダスケール1Aは、リニアエンコーダへ適用することも、ロータリーエンコーダに適用することもできる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略又は変更することも可能である。
1,1A 反射型エンコーダスケール、2 光源、3 受光部、10 スケール基材、11 高反射面、20 低反射部、21 線状反射部、22 低反射面、30 金属膜、50 ドライフィルムレジスト、60 フォトマスク、61 遮光部、62 透過部、63 紫外光、70,77,78 マスク、71 線状部、72 レジストパターン部、73,75 端部、74 第1アンカーパターン部、76 第2アンカーパターン部、100 エンコーダスケールユニット、101 入射光、102 反射光。
Claims (7)
- 平行又は同心円状に配列された複数の線状部を含むレジストパターン部、前記レジストパターン部に含まれている前記複数の線状部の各々の一方の端部に接続されていて前記レジストパターン部の幅より広い又は前記レジストパターン部より面積が大きい第1アンカーパターン部、及び前記レジストパターン部に含まれている前記複数の線状部の各々の他方の端部に接続されていて前記レジストパターン部の幅より広い又は前記レジストパターン部より面積が大きい第2アンカーパターン部を有するマスクを用いてめっき処理で形成された低反射部
を備えることを特徴とする反射型エンコーダスケール。 - スケール基材を更に備え、
前記低反射部は、前記スケール基材の表面の側に位置していて、前記複数の線状部によって特定されるピッチで平行又は同心円状に配列された複数の線状反射部を有するめっき膜のストライプパターン部を有しており、
前記スケール基材の表面は、光の反射率が前記低反射部より高い高反射部である
ことを特徴とする請求項1に記載の反射型エンコーダスケール。 - 前記マスクは、ドライフィルムレジストから形成されており、
前記低反射部は、黒色めっきによって形成されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の反射型エンコーダスケール。 - 前記スケール基材は、ステンレス鋼で形成されている
ことを特徴とする請求項2に記載の反射型エンコーダスケール。 - 前記スケール基材と前記低反射部との間に位置する金属膜
を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の反射型エンコーダスケール。 - 前記スケール基材は、ガラス、プラスチック又は金属で形成されている
ことを特徴とする請求項2に記載の反射型エンコーダスケール。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の反射型エンコーダスケールと、
前記反射型エンコーダスケールに対して光を入射するための光源と、
前記反射型エンコーダスケールで反射された光を検出するための受光部と
を備えることを特徴とするエンコーダスケールユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021088930A JP2022181774A (ja) | 2021-05-27 | 2021-05-27 | 反射型エンコーダスケール及びエンコーダスケールユニット |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021088930A JP2022181774A (ja) | 2021-05-27 | 2021-05-27 | 反射型エンコーダスケール及びエンコーダスケールユニット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2022181774A true JP2022181774A (ja) | 2022-12-08 |
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ID=84328579
Family Applications (1)
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JP2021088930A Pending JP2022181774A (ja) | 2021-05-27 | 2021-05-27 | 反射型エンコーダスケール及びエンコーダスケールユニット |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2022181774A (ja) |
-
2021
- 2021-05-27 JP JP2021088930A patent/JP2022181774A/ja active Pending
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