JP2022181199A - λ/4型電波吸収シート - Google Patents

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幸子 中尾
Sachiko Nakao
勝紀 武藤
Katsunori Muto
哲郎 澤田石
Tetsuro Sawadaishi
克枝 正木
Katsue Masaki
陽奈子 石井
Hinako Ishii
鷹麿 筧
Takamaro Kakehi
雄一郎 福本
Yuichiro Fukumoto
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Abstract

【課題】加工打ち抜き性が良好なλ/4型電波吸収シートを提供すること。【解決手段】λ/4型電波吸収シートであって、前記λ/4型電波吸収シートの20mm幅の試験シートを厚み方向且つ幅方向に切断して得られる2つの端面の間の接着強度が0.2kgf以下である、λ/4型電波吸収シート。【選択図】なし

Description

本発明は、λ/4型電波吸収シート等に関する。
近年、携帯電話やスマートフォン等の携帯通信機器の普及が急速に進んでおり、また自動車等において多くの電子機器が搭載されるようになり、これらから発生する電波・ノイズを原因とする電波障害、他の電子機器の誤動作等の問題が多発している。このような電波障害、誤動作等を防止する方策として、各種の電波吸収シートが検討されている。例えば、特許文献1には、抵抗層及び2種の誘電体層を含むλ/4型電波吸収シートが開示されている。
特開2020-031121号公報
λ/4型電波吸収シートを製造する際、各層を積層した後に、所望の大きさに打ち抜く工程を経ることがある。本発明者は研究を進める中で、λ/4型電波吸収シートの設計によっては、加工打ち抜き性が悪化すること、すなわち打抜き後にブロッキングが発生すること見出した。ブロッキングの発生は、歩留の低下等に繋がるので、望ましくない。
そこで、本発明は、加工打ち抜き性が良好なλ/4型電波吸収シートを提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題に鑑みて鋭意研究を進めた結果、λ/4型電波吸収シートであって、前記λ/4型電波吸収シートの20mm幅の試験シートを厚み方向且つ幅方向に切断して得られる2つの端面の間の接着強度が0.2kgf以下である、λ/4型電波吸収シート、であれば、上記課題を解決できることを見出した。本発明者はこの知見に基づいてさらに研究を進めた結果、本発明を完成させた。即ち、本発明は、下記の態様を包含する。
項1. λ/4型電波吸収シートであって、
前記λ/4型電波吸収シートの20mm幅の試験シートを厚み方向且つ幅方向に切断して得られる2つの端面の間の接着強度が0.2kgf以下である、λ/4型電波吸収シート。
項2. 抵抗膜、誘電体層、及び反射層を含む、項1に記載のλ/4型電波吸収シート。
項3. 前記誘電体層が樹脂シートである、項2に記載のλ/4型電波吸収シート。
項4. 前記誘電体層が粘着剤層を含む、項2又は3に記載のλ/4型電波吸収シート。
項5. 前記誘電体層が粘着剤層である、項4に記載のλ/4型電波吸収シート。
項6. 前記誘電体層が無機フィラーを含有する、項5に記載のλ/4型電波吸収シート。
項7. 前記無機フィラーの含有量が、前記誘電体層を構成する樹脂シートを構成する樹脂100重量部に対して50~300重量部である、項6に記載のλ/4型電波吸収シート。
項8. 前記無機フィラーが金属水酸化物を含む、項7に記載のλ/4型電波吸収シート。
項9. UL94HB以上の難燃性を有する、項8に記載のλ/4型電波吸収シート。
項10. 抵抗膜及び誘電体層を含むλ/4型電波吸収シート用部材であって、
前記λ/4型電波吸収シート用部材の誘電体層側に金属層を積層してなるλ/4型電波吸収シートの20mm幅の試験シートを厚み方向且つ幅方向に切断して得られる2つの端面の間の接着強度が0.2kgf以下である、λ/4型電波吸収シート用部材。
項11. 項1~8記載のλ/4型電波吸収シートを打ち抜き加工する、λ/4型電波吸収シートの製造方法。
本発明によれば、加工打ち抜き性が良好なλ/4型電波吸収シートを提供することができる。
接着強度の測定方法に使用するλ/4型電波吸収シートを示す。点線は裁断する部分を示す。 接着強度の測定方法に使用する吸収シートAおよび吸収シートBを示す。 接着強度の測定方法の一部を図示する。 接着強度の測定方法の一部を図示する。
本明細書中において、「含有」及び「含む」なる表現については、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。
1.λ/4型電波吸収シート
本発明は、その一態様において、λ/4型電波吸収シートであって、前記λ/4型電波吸収シートの20mm幅の試験シートを厚み方向且つ幅方向に切断して得られる2つの端面の間の接着強度が0.2kgf以下である、λ/4型電波吸収シート(本明細書において、「本発明のλ/4型電波吸収シート」と示すこともある。)、に関する。以下に、これについて説明する。
<1-1.特性>
本発明のλ/4型電波吸収シートは、その20mm幅の試験シートを厚み方向且つ幅方向に切断して得られる2つの端面の間の接着強度が0.2kgf以下である、という特性(以下、「本発明の特性」と示すこともある。)を備える。これにより、本発明のλ/4型電波吸収シートが良好な加工打ち抜き性を有することができる。この観点から、当該接着強度は、好ましくは0.1kgf以下、より好ましくは0.05kgf以下である。当該接着強度の下限は特に制限されず、例えば0、0.0、又は0.00である。
上記接着強度は、次の方法によって測定される。図1に示される厚み460μmの縦20mm、横40mmのλ/4型電波吸収シートを、裁断機を用いて図1の点線部で裁断し、断面が整った厚み460μm、縦20mm、横20mmの吸収シートAおよび吸収シートBを得る(図2)。吸収シートAの反射層とは反対側の面にテープを用いて糸を貼り付け、糸のもう片方とフォースゲージ(IMADA製デジタルフォースゲージ DS2-20N)を固定する。フォースゲージにはかぎ針状のアタッチメントを取り付け、そこに糸の先端を固定する。次に吸収シートBを2m/minの速度でフォースゲージと反対方向へ移動するバーに固定する。次に吸収シートBを反射層とは反対側の面を上にして静置し、吸収シートAと吸収シートBの裁断した辺どうしを、図3に示されるように接触させ、裁断した辺の全長を覆うように(図3参照)700g且つ直径30mmの円柱状の錘を10秒間載せる。次に、図4に示されるようにフォースゲージを固定し、一方で2m/minの速度でフォースゲージと反対方向へ移動するバーを移動させて吸収シートAとBが離れるまで引っ張り、吸収シートAとBが離れた際のピーク荷重を読み取る。測定は吸収シートを取り換えて3回行い、その平均値を端面の間の接着強度とする。接着強度が0.01kgf以下の場合は再接着なしとし、0kgfとする。
上記接着強度を満たすための手段は、特に制限されない。例えば、誘電体層として、樹脂シートに無機フィラーを配合したものを使用する等の手段が挙げられる。当該手段の詳細については、後述の<1-4.誘電体層>において説明される。
<1-2.構成>
本発明のλ/4型電波吸収シートの構成は、上記した接着強度に関する本発明の特性を備えるものである限り特に制限されず、例えばλ/4型電波吸収シートの公知の構成を採用することができる。一実施形態において、本発明のλ/4型電波吸収シートは、抵抗膜、誘電体層、及び反射層を含む、という構成を備える。以下に、これらの実施形態について説明する。
<1-3.抵抗膜>
抵抗膜は、電波吸収シートにおいて抵抗層として機能し得る層を含む限り特に制限されない。
抵抗膜の抵抗値は、特に制限されない。抵抗膜の抵抗値(シート抵抗)は、例えば100~800Ω/□である。該範囲の中でも、より好ましくは150~750Ω/□、さらに好ましくは200~600Ω/□である。
抵抗膜の抵抗値は、表面抵抗計(MITSUBISHI CHEMICALANALYTECH社製、商品名「Loresta-EP」)を用いて、4端子法により測定することができる。
抵抗膜の厚みは、特に制限されない。抵抗膜の厚みは、例えば1nm以上200nm以下、好ましくは2nm以上100nm以下、より好ましくは2nm以上50nm以下である。
抵抗膜の層構成は特に制限されない。抵抗膜は、1種単独の層から構成されるものであってもよいし、2種以上の層が複数組み合わされたものであってもよい。
<1-3-1.抵抗層>
抵抗層の抵抗値は、特に制限されない。抵抗層の抵抗値は、例えば100~800Ω/□である。該範囲の中でも、より好ましくは150~750Ω/□、さらに好ましくは200~600Ω/□である。
抵抗層の厚みは、特に制限されない。抵抗層の厚みは、例えば1nm以上200nm以下、好ましくは2nm以上100nm以下、より好ましくは2nm以上50nm以下である。
抵抗層の層構成は特に制限されない。抵抗層は、1種単独の抵抗層から構成されるものであってもよいし、2種以上の抵抗層が複数組み合わされたものであってもよい。
<1-3-1-1.酸化インジウム含有抵抗層>
抵抗層としては、例えば酸化インジウム等の抵抗層材料を含有する抵抗層が挙げられる。好ましい一態様において、抵抗層材料としては、酸化インジウムに他の材料(ドーパント)がドープされてなる材料を含有することが好ましい。他の材料としては、特に制限されないが、例えば酸化スズ及び酸化亜鉛、並びにそれらの混合物等が挙げられる。
酸化インジウムに酸化スズがドープされてなる材料の中でも、好ましくは、酸化インジウム(III)(In)に酸化スズ(IV)(SnO)をドープしたもの(酸化インジウムスズ)(tin-doped indium oxide;ITO)が挙げられる。非晶質構造が極めて安定であり、高温多湿の環境下においても抵抗層のシート抵抗の変動を抑えることができる点から、ITO中のSnO含有量は、好ましくは1~40重量%、より好ましくは2~35重量%である。
抵抗層中の上記抵抗層材料の含有量は、例えば50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上であり、通常100質量%未満である。
<1-3-1-2.モリブデン含有抵抗層>
抵抗層としては、耐久性、シート抵抗の調整が容易である観点から、モリブデンを含有する抵抗層が好ましく用いられる。モリブデンの含有量の下限は特に限定されないが、より耐久性を高める観点から、5重量%が好ましく、7重量%がより好ましく、9重量%が更に好ましく、11重量%がより更に好ましく、13重量%が特に好ましく、15重量%が非常に好ましく、16重量%が最も好ましい。また、上記モリブデンの含有量の上限は、表面抵抗値の調整の容易化の観点から、30重量%が好ましく、25重量%がより好ましく、20重量%が更に好ましい。
上記抵抗層は、モリブデンを含有している場合、さらにニッケル及びクロムを含有することがより好ましい。抵抗層にモリブデンに加えてニッケル及びクロムを含有することでより耐久性に優れた電波吸収シートとすることができる。ニッケル、クロム及びモリブデンを含有する合金としては、例えば、ハステロイB-2、B-3、C-4、C-2000、C-22、C-276、G-30、N、W、X等の各種グレードが挙げられる。
上記抵抗層がモリブデン、ニッケル及びクロムを含有する場合、モリブデンの含有量が5重量%以上、ニッケルの含有量が40重量%以上、クロムの含有量が1重量%以上であることが好ましい。モリブデン、ニッケル及びクロムの含有量が上記範囲であることで、より耐久性に優れた電波吸収シートとすることができる。上記モリブデン、ニッケル及びクロムの含有量は、モリブデン含有量が7重量%以上、ニッケル含有量が45重量%以上、クロム含有量が3重量%以上であることがより好ましい。上記モリブデン、ニッケル及びクロムの含有量は、モリブデン含有量が9重量%以上、ニッケル含有量が47重量%以上、クロム含有量が5重量%以上であることが更に好ましい。上記モリブデン、ニッケル及びクロムの含有量は、モリブデン含有量が11重量%以上、ニッケル含有量が50重量%以上、クロム含有量が10重量%以上であることがより更に好ましい。上記モリブデン、ニッケル及びクロムの含有量は、モリブデン含有量が13重量%以上、ニッケル含有量が53重量%以上、クロム含有量が12重量%以上であることが特に好ましい。上記モリブデン、ニッケル及びクロムの含有量は、モリブデン含有量が15重量%以上、ニッケル含有量が55重量%以上、クロム含有量が15重量%以上であることが非常に好ましい。上記モリブデン、ニッケル及びクロムの含有量は、モリブデン含有量が16重量%以上、ニッケル含有量が57重量%以上、クロム含有量が16重量%以上であることが最も好ましい。また、上記ニッケルの含有量は、80重量%以下であることが好ましく、70重量%以下であることがより好ましく、65重量%以下であることが更に好ましい。上記クロム含有量の上限は、50重量%以下であることが好ましく、40重量%以下であることがより好ましく、35重量%以下であることが更に好ましい。
上記抵抗層は、上記モリブデン、ニッケル及びクロム以外の金属を含有してもよい。そのような金属としては、例えば、鉄、コバルト、タングステン、マンガン、チタン等が挙げられる。上記抵抗層がモリブデン、ニッケル及びクロムを含有する場合、上記モリブデン、ニッケル及びクロム以外の金属の合計含有量の上限は、抵抗層の耐久性の観点から、好ましくは45重量%、より好ましくは40重量%、更に好ましくは35重量%、より更に好ましくは30重量%、特に好ましくは25重量%、非常に好ましくは23重量%である。上記モリブデン、ニッケル及びクロム以外の金属の合計含有量の下限は、例えば1重量%以上である。
上記抵抗層が鉄を含有する場合、抵抗層の耐久性の観点から、含有量の好ましい上限は25重量%、より好ましい上限は20重量%、更に好ましい上限は15重量%であり、好ましい下限は1重量%である。上記抵抗層がコバルト及び/又はマンガンを含有する場合、抵抗層の耐久性の観点から、それぞれ独立して、含有量の好ましい上限は5重量%、より好ましい上限は4重量%、更に好ましい上限は3重量%であり、好ましい下限は0.1重量%である。上記抵抗層がタングステンを含有する場合、抵抗層の耐久性の観点から、含有量の好ましい上限は8重量%、より好ましい上限は6重量%、更に好ましい上限は4重量%であり、好ましい下限は1重量%である。
上記抵抗層は、ケイ素及び/又は炭素を含有してもよい。抵抗層がケイ素及び/又は炭素を含有する場合、上記ケイ素及び/又は炭素の含有量は、それぞれ独立して、1重量%以下であることが好ましく0.5重量%以下であることがより好ましい。また、抵抗層がケイ素及び/又は炭素を含有する場合、上記ケイ素及び/又は炭素の含有量は、0.01重量%以上であることが好ましい。
<1-3-2.バリア層>
耐久性の観点から、抵抗膜はバリア層を含むことが好ましい。バリア層は、抵抗層の少なくとも一方の表面上に配置される。バリア層について以下に詳述する。
バリア層は、抵抗層を保護し、その劣化を抑えることができる層である限り、特に制限されない。バリア層の素材としては、例えば金属化合物、半金属化合物、好ましくは金属又は半金属の酸化物、窒化物、窒化酸化物等が挙げられる。バリア層は、本発明の効果が著しく損なわれない限りにおいて、上記素材以外の成分が含まれていてもよい。その場合、バリア層中の上記素材量は、例えば80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上であり、通常100質量%未満である。
バリア層が含む金属元素としては、例えばチタン、アルミニウム、ニオブ、コバルト、ニッケル等が挙げられる。バリア層が含む半金属元素としては、例えばケイ素、ゲルマニウム、アンチモン、ビスマス等が挙げられる。
上記酸化物としては、例えばMO[式中、Xは式:n/100≦X≦n/2(nは金属又は半金属の価数である)を満たす数であり、Mは金属元素又は半金属元素である。]で表される化合物が挙げられる。
上記窒化物としては、例えばMNy[式中、Yは式:n/100≦Y≦n/3(nは金属又は半金属の価数である)を満たす数であり、Mは金属元素又は半金属元素である。]で表される化合物が挙げられる。
上記窒化酸化物としては、例えばMOXNy[式中、XとYは、n/100≦X、n/100≦Y、かつ、X+Y≦n/2(nは金属又は半金属の価数である)であり、Mは金属元素又は半金属元素である。]で表される化合物が挙げられる。
上記酸化物又は窒化酸化物の酸化数Xに関しては、例えばMOx又はMOxNyを含む層の断面を、FE-TEM-EDX(例えば、日本電子社製「JEM-ARM200F」)により元素分析し、MOx又はMOxNyを含む層の断面の面積当たりのMとOとの元素比率からXを算出することにより、酸素原子の価数を算出することができる。
上記窒化物又は窒化酸化物の窒素化数Yに関しては、例えばMNy又はMOxNyを含む層の断面を、FE-TEM-EDX(例えば、日本電子社製「JEM-ARM200F」)により元素分析し、MNy又はMOxNyを含む層の断面の面積当たりのMとNとの元素比率からYを算出することにより、窒素原子の価数を算出することができる。
バリア層の素材の具体例としては、SiO、SiOx、Al、MgAl、CuO、CuN、TiO、TiN、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)等が挙げられる。
バリア層の厚みは、特に制限されない。バリア層の厚みは、例えば1nm以上200nm以下、好ましくは1nm以上100nm以下、より好ましくは1nm以上20nm以下である。
バリア層の層構成は特に制限されない。バリア層は、1種単独のバリア層から構成されるものであってもよいし、2種以上のバリア層が複数組み合わされたものであってもよい。
<1-4.誘電体層>
誘電体層は、電波吸収シートにおいて目的の波長に対して誘電体として機能し得るものである限り、特に制限されない。誘電体層としては、特に制限されないが、例えば樹脂シート、発泡体層等が挙げられる。樹脂シートとしては、特に制限されないが、例えば粘着剤層、粘着性を有しない樹脂シート等が挙げられる。
粘着性を有さない樹脂シートを粘着剤層により他の層に積層させる場合、樹脂シートと粘着剤層とを合わせたものが誘電体層となる。隣接する層と積層し易いという観点から、誘電体層は粘着剤層を含むことが好ましく、誘電体層が粘着剤層であることがより好ましい。
粘着剤層としては、粘着剤を含むものである限り、特に制限されない。粘着剤層は、本発明の効果が著しく損なわれない限りにおいて、粘着剤以外の成分が含まれていてもよい。その場合、樹脂シート中の樹脂の合計量は、例えば50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上であり、通常100質量%未満である。
粘着剤としては、特に制限されず、例えばアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリオレフィン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、フッ素系粘着剤等が挙げられる。これらの中でも、耐候性が高いという観点から、アクリル系粘着剤が好ましい。
粘着性を有さない樹脂シートは、樹脂を素材として含むシート状のものである限り、特に制限されない。樹脂シートは、本発明の効果が著しく損なわれない限りにおいて、樹脂以外の成分が含まれていてもよい。
樹脂としては、特に制限されず、例えばエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、塩化ビニル、ウレタン、アクリル、アクリルウレタン、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、エポキシ等の合成樹脂や、ポリイソプレンゴム、ポリスチレン・ブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン・プロピレンゴムおよびシリコーンゴム等の合成ゴム材料を樹脂成分として用いることが好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上の組合せで使用することができる。
誘電体層が粘着剤層を含む場合、誘電体層の厚み100%に対する粘着剤層の厚みは、例えば50%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは100%(誘電体層が粘着剤層である)である。
誘電体層が粘着剤層を含む場合、本発明の特性の観点からは、粘着剤層が無機フィラーを含有しても良い。
無機フィラーは、電波吸収特性を著しく低下させない限りにおいて特に制限されない。無機フィラーとしては、例えば金属水酸化物(例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等)、カーボンブラック、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、酸化ケイ素、フッ化カルシウム、窒化ホウ素、石英、カオリン、ベントナイト、タルク、サリサイト、フォルステライト、マイカ、コージェライト、窒化ホウ素、アルミニウム、銀、銅等の無機粒子等が挙げられる。無機フィラーの中でも、難燃性も付与できるという観点から、好ましくは金属水酸化物が挙げられ、特に好ましくは水酸化アルミニウムが挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上の組合せで使用することができる。
無機フィラーの形状としては、特に制限されないが、例えば板状、球状、樹枝状、顆粒状等が挙げられる。
無機フィラーの平均粒子径は特に制限されないが、例えば0.3~300μm、好ましくは1~100μm、より好ましくは3~30μmである。無機フィラーの平均粒子径が下限以上であると、重力影響に依り樹脂シート成膜時にシートの厚み方向の下部に無機フィラーが偏ることを抑制でき、無機フィラーの分散が安定し易くなり難燃性能の安定が得やすい。無機フィラーの平均粒子径が上限以下であると、無機フィラーのコストを抑えることができ、品質の安定性とコストを両立することができる。無機フィラーの分散安定性は誘電体層原料の攪拌・混錬方法、成膜速度によっても調整することができる。
樹脂シート中の無機フィラーの含有量は、樹脂シート中の樹脂100重量部に対して、例えば50~300重量部、好ましくは60~200重量部、より好ましくは70~150重量部、さらに好ましくは75~110重量部である。
無機フィラーの含有量が50重量部以上であることで、難燃性が向上する。無機フィラーの含有量が300重量部を以下であることで、僅かな屈曲圧力で微小なシワやひび割れが発生することを抑制でき、電波吸収体の劣化を防止できる。
誘電体層のせん断強度は、特に制限されるものではないが、例えば50N/cm以上である。該せん断強度は、本発明の特性の観点からは、好ましくは80N/cm以上、より好ましくは125N/cm以上である。せん断強度が50N/cm以上であると、誘電体層が打ち抜き刃の側面に貼り付きブロッキングが発生することを抑制し、歩留まり向上につながる。
上記せん断強度は、次の方法によって測定される。幅15mm×長さ15mmに切断した誘電体層の両面それぞれに、SUS板を貼り合わせ2kgの圧着ローラーを2往復させて接合し、23℃で1時間放置する。23℃、50%RHの環境下、SUS板が両面に貼付され誘電体層に対して、引張速度300mm/minでせん断方向に引っ張ることで破断時のせん断強度を測定する。なお、同様の測定を3回行い、3点平均をせん断粘着力とする。
樹脂シートの貯蔵弾性率は、特に制限されるものではないが、例えば23℃にて0.65~5.00MPaである。本発明の特性の観点からは、好ましくは0.7~3.00MPa、より好ましくは0.7~2.00MPaである。貯蔵弾性率が0.65MPa以上であると、誘電体層が打ち抜き刃の側面に貼り付きブロッキングが発生することを抑制し、歩留まりの向上につながる。貯蔵弾性率が5.00MPa以下であると、屈曲性が向上し軽く折り曲げるだけでシワやひび割れが発生することを抑制し、品質不良を防止できる。具体的には、電波吸収シートを被着物に貼り付ける際の僅かな屈曲圧力で微小なシワやひび割れが発生する事を抑えることができ、電波が隙間から漏れて電波吸収性能が低下することを抑制する。該シワやひび割れは誘電体層の表面が露出していない為、視認できないことが多く、シワやひび割れが発生したことに気付き難い。
誘電体層の比誘電率は、特に制限されない。誘電体層の比誘電率は、例えば1~20、好ましくは1~15、より好ましくは1~10、さらに好ましくは1~5である。
誘電体層の比誘電率は、ネットワークアナライザー、空洞共振器などを用いて10GHzにおける比誘電率を空洞共振器摂動法により測定することができるによって測定することができる。
誘電体層の厚みは、特に制限されない。誘電体層の厚みは、例えば100~1000μm、好ましくは200~800μm、より好ましくは300~700μm、さらに好ましくは400~600μm、特に好ましくは450~550μmである。
誘電体層の厚みは、例えば、Nikon DIGIMICROSTANDMS-11C+Nikon DIGIMICRO MFC-101によって測定することができる。
誘電体層の層構成は特に制限されない。誘電体層は、1種単独の誘電体層から構成されるものであってもよいし、2種以上の誘電体層が複数組み合わされたものであってもよい。
<1-5.反射層>
反射層は、電波吸収シートにおいて電波の反射層として機能し得るものである限り、特に制限されない。反射層としては、特に制限されないが、例えば金属膜が挙げられる。
金属膜は、金属を素材として含む層である限り、特に制限されない。金属膜は、本発明の効果が著しく損なわれない限りにおいて、金属以外の成分が含まれていてもよい。その場合、金属膜中の金属の合計量は、例えば30質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは75質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、さらにより好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上、非常に好ましくは99質量%以上であり、通常100質量%未満である。
金属としては、特に制限されず、例えばアルミニウム、銅、鉄、銀、金、クロム、ニッケル、モリブデン、ガリウム、亜鉛、スズ、ニオブ、インジウム等が挙げられる。また、金属化合物、例えばITO等も、金属膜の素材として使用することができる。これらは1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
反射層の厚みは、特に制限されない。反射層の厚みは、例えば1μm以上500μm以下、好ましくは2μm以上200μm以下、より好ましくは5μm以上100μm以下である。
反射層の層構成は特に制限されない。反射層は、1種単独の反射層から構成されるものであってもよいし、2種以上の反射層が複数組み合わされたものであってもよい。
<1-6.支持体>
本発明のλ/4型電波吸収シートは、さらに支持体を有することが好ましい。これにより、抵抗膜を保護することができ、電波吸収シートとしての耐久性を高めることが可能である。支持体は、シート状のものである限り、特に制限されない。支持体としては、特に制限されないが、例えば樹脂基材が挙げられる。本発明の特性である接着強度を満たし易くなる観点から、支持体は粘着性を有さないことが好ましい。
樹脂基材は、樹脂を素材として含む基材であって、シート状のものである限り、特に制限されない。樹脂基材は、本発明の効果が著しく損なわれない限りにおいて、樹脂以外の成分が含まれていてもよい。例えば、比誘電率を調整する観点から酸化チタン等が含まれていてもよい。樹脂基材中の樹脂の合計量は、例えば80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上であり、通常100質量%未満である。
樹脂としては、特に制限されず、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリスチレン樹脂、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリビニルブチラール(PVB)等のポリビニルアセタール樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリサルホン(PSF)樹脂、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂等が挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上の組合せで使用することができる。
これらの中でも、生産性や強度の観点から、好ましくはポリエステル系樹脂、より好ましくはポリエチレンテレフタレートが挙げられる。
支持体の比誘電率は、特に制限されない。支持体の比誘電率は、例えば1~20、好ましくは1~15、より好ましくは1~10、さらに好ましくは1~5である。
支持体の厚みは、特に制限されない。支持体の厚みは、例えば5μm以上500μm以下、好ましくは10μm以上300μm以下、より好ましくは20μm以上200μm以下、特に好ましくは25μm以上100μm以下である。
支持体の層構成は特に制限されない。支持体は、1種単独の支持体から構成されるものであってもよいし、2種以上の支持体が複数組み合わされたものであってもよい。
<1-7.層構成>
本発明のλ/4型電波吸収シートにおいて、各層は、電波吸収性能を発揮することができる順に配置される。本発明のλ/4型電波吸収シートが抵抗膜、誘電体層、及び反射層を含む場合、一例として、抵抗膜、誘電体層、及び反射層は、この順に配置される。本発明のλ/4型電波吸収シートがさらに支持体を有する場合、一例として、支持体、抵抗膜、誘電体層、及び反射層は、この順に配置される。
本発明のλ/4型電波吸収シートを満たす限りにおいては、支持体、抵抗膜、誘電体層、及び反射層以外に、さらに他の層を含むものであってもよい。他の層は、支持体、抵抗膜、誘電体層、及び反射層それぞれの層の、どちらか一方の表面上に配置され得る。
他の層としては、例えば、反射層の誘電体層側とは反対側の面上に配置される粘着剤層が挙げられる。この粘着剤層により、本発明のλ/4型電波吸収シートを、他の部材(例えば、自動車内のデバイス等)により容易に取り付けることが可能になる。この観点から、本発明のλ/4型電波吸収シートは、反射層の誘電体層側とは反対側の面上に粘着剤層が配置されていることが好ましい。
粘着剤層の粘着剤としては、特に制限されず、例えばアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリオレフィン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、フッ素系粘着剤等が挙げられる。
上記粘着剤層の構成は、本発明の特性を満たすものである限り特に制限されない。本発明の一態様において、当該粘着剤層は、無機フィラーを含有することができる。無機フィラーについては、誘電体層が含む無機フィラーと同様である。
<1-8.性能>
本発明のλ/4型電波吸収シートは難燃性を有することが好ましい。例えば、本発明のλ/4型電波吸収シートはUL94HB以上の難燃性を有することが好ましい。「UL94HB以上の難燃性を有する」とは、UL94HBで定められた水平燃焼試験において判定基準を満たすこと、或いは当該判定基準よりも難燃レベルが高い判定基準を用いる規格の試験(例えば、UL94V-2、V-1、V-0等)においてその判定基準を満たすことを示す。
<1-9.製造方法>
本発明のλ/4型電波吸収シートは、その構成に応じて、様々な方法、例えば公知の製造方法に従って又は準じて得ることができる。例えば、支持体上に抵抗膜、誘電体層、及び反射層を順に積層させる工程を含む方法により、得ることができる。積層させる工程の後、任意の大きさや形状に打ち抜き加工することでλ/4型電波吸収シートを得ることもできる。
積層方法は特に制限されない。
抵抗膜は、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、パルスレーザーデポジション法等により行うことができる。これらの中でも、膜厚制御性の観点から、スパッタリング法が好ましい。スパッタリング法としては、特に限定されないが、例えば、直流マグネトロンスパッタ、高周波マグネトロンスパッタ及びイオンビームスパッタ等が挙げられる。また、スパッタ装置は、バッチ方式であってもロール・ツー・ロール方式であってもよい。
誘電体層や反射層は、例えば誘電体層が有する粘着性を利用して、積層することができる。
2.λ/4型電波吸収シート部材
本発明は、その一態様において、抵抗膜及び誘電体層を含むλ/4型電波吸収シート用部材であって、前記λ/4型電波吸収シート用部材の誘電体層側に金属層を積層してなるλ/4型電波吸収シートの20mm幅の試験シートを厚み方向且つ幅方向に切断して得られる2つの端面の間の接着強度が0.2kgf以下である、λ/4型電波吸収シート用部材、に関する。λ/4型電波吸収シート用部材は好ましくはさらに支持体を含む。λ/4型電波吸収シート用部材は、反射層として機能し得る被着体に接するように配置することによりλ/4型電波吸収シートを形成するための部材である。支持体、抵抗膜、誘電体層、その他の構成及び特性については、本発明のλ/4型電波吸収シートに関する説明と同様である。
3.用途
本発明のλ/4型電波吸収シートは、不要な電磁波を吸収する性能を有するため、例えば光トランシーバや、次世代移動通信システム(5G)、近距離無線転送技術等における電波対策部材として好適に利用できる。また、その他の用途として自動車、道路、人の相互間で情報通信を行う高度道路交通システム(ITS)や自動車衝突防止システムに用いるミリ波レーダーにおいても、電波干渉抑制やノイズ低減の目的で用いることができる。
本発明は、その一態様において、成形品と、前記成形品に取り付けられた本発明のλ/4型電波吸収シートとを備える、電波吸収シート付成形品、に関する。成形品としては、例えば上記各種用途において使用される部材等が挙げられる。本発明のλ/4型電波吸収シートを成形品に取り付ける方法としては、特に制限されず、例えば粘着剤を介して取り付ける方法や、固定具により取り付ける方法が挙げられる。電波吸収シート付成形品の好ましい一例としては、ミリ波レーダーが挙げられる。
本発明のλ/4型電波吸収シートが対象とする電波の周波数は、好ましくは10~150GHz、より好ましくは20~120GHz、さらに好ましくは30~100GHz、さらにより好ましくは55~90GHz、特に好ましくは70~90GHzである。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(1)誘電体層のせん断強度の測定方法
以下の実施例及び比較例において、誘電体層のせん断強度を、次のようにして測定した。幅15mm×長さ15mmに切断した誘電体層の両面それぞれに、SUS板を貼り合わせ2kgの圧着ローラーを2往復させて接合し、23℃で1時間放置した。23℃、50%RHの環境下、SUS板が両面に貼付され誘電体層に対して、引張速度300mm/minでせん断方向に引っ張ることで破断時のせん断強度を測定した。なお、同様の測定を3回行い、3点平均をせん断粘着力とした。
(2)誘電体層の樹脂シートの貯蔵弾性率の測定方法
以下の実施例及び比較例において、誘電体層の樹脂シートの貯蔵弾性率は次のようにして測定した。動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御株式会社製 動的粘弾性測定装置DVA-200)を用いて、固体せん断モード、周波数10Hz、ひずみ0.1%、昇温速度10℃/分で測定をした。測定の温度範囲は特に制限しないが、例えば所定温度のデータを測定する場合は少なくとも所定温度±20℃以上離れた温度領域から、記載の条件で測定を行った。誘電体層の樹脂シートサンプルサイズは縦5mm、横6mmである。特に指定が無い場合、本特許において貯蔵弾性率とは23℃±1℃領域の測定値を示す。
(3)誘電体層の屈曲性の測定方法
以下の実施例及び比較例に置いて、誘電体層の屈曲性は次のようにして測定した。直径10mmの金属棒を、金属棒の両端を支持して水平方向に固定する。誘電体層の両表面に厚み50μm以下の離形処理を施したPETセパレータを貼り付け、縦100mm、横20mmのサイズにカットする。PETセパレータに挟まれた誘電体層の長手方向の末端をそれぞれの手で掴み、該金属棒に誘電体層の中央部を押し当て誘電体層が180°の角度になるまで押し曲げ、誘電体層の長手方向の両末端に向けて押し当て位置を移動させる。その後、誘電体層を水平状態に戻してから両面のPETセパレータを剥離し、目視でシワ、ヒビ割れの発生を確認した。
(2)λ/4型電波吸収シートの端面の間の接着強度の測定方法
以下の実施例及び比較例において、λ/4型電波吸収シートの20mm幅の試験シートを厚み方向且つ幅方向に切断して得られる2つの端面の間の接着強度を、次のようにして測定した。図1に示される厚み460μmの縦20mm、横40mmのλ/4型電波吸収シートを、裁断機を用いて図1の点線部で裁断し、断面が整った厚み460μm、縦20mm、横20mmの吸収シートAおよび吸収シートBを得る(図2)。吸収シートAの反射層とは反対側の面にテープを用いて糸を貼り付け、糸のもう片方とフォースゲージ(IMADA製デジタルフォースゲージ DS2-20N)を固定する。フォースゲージにはかぎ針状のアタッチメントを取り付け、そこに糸の先端を固定する。次に吸収シートBを2m/minの速度でフォースゲージと反対方向へ移動するバーに固定する。次に吸収シートBを反射層とは反対側の面を上にして静置し、吸収シートAと吸収シートBの裁断した辺どうしを、図3に示されるように接触させ、裁断した辺の全長を覆うように(図3参照)700g且つ直径30mmの円柱状の錘を10秒間載せる。次に、図4に示されるようにフォースゲージを固定し、一方で2m/minの速度でフォースゲージと反対方向へ移動するバーを移動させて吸収シートAとBが離れるまで引っ張り、吸収シートAとBが離れた際のピーク荷重を読み取った。測定は吸収シートを取り換えて3回行い、その平均値を端面の間の接着強度とした。接着強度が0.01kgf以下の場合は再接着なしとし、0kgfとした。
(3)λ/4型電波吸収シートの製造
(実施例1)
支持体として、厚み125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(比誘電率3.4)(東洋紡フィルムソリューション社製、U2L92W)を用意した。上記PETフィルム上に、DCパルススパッタリングにより、厚み10nm且つシート抵抗値340Ω/□の抵抗膜を形成した。スパッタリングはハステロイC-276をターゲットに用い、出力0.4kW、Arガス流量100sccmで導入して圧力0.12Paとなるように調整して行った。次いで、形成した抵抗膜上に、比誘電率2.8のアクリル粘着剤に無機フィラー(アルモリックス株式会社製水酸化アルミニウムフィラー B-325、平均粒子径27μm)51.9部を加えた厚み460μmの誘電体層を積層し、更に誘電体層上に厚さ12μmの銅からなる反射層を積層して、λ/4型電波吸収シートを得た。
(実施例2~4)
無機フィラーの配合量を表1の通りに変更する以外は実施例1と同様にして、λ/4型電波吸収シートを得た。
(実施例5)
無機フィラーの配合量を表1の通りに変更し、各層の積層に厚み50μmの基材レスのアクリル系両面テープを用いた以外は実施例1と同様にして、λ/4型電波吸収シートを得た。
(実施例6~10)
無機フィラーの種類を(アルモリックス株式会社製水酸化アルミニウムフィラー B-303、平均粒子径6.5μm)に変更し、配合量を表1の通りに変更する以外は実施例1と同様にして、λ/4型電波吸収シートを得た。
(実施例11、12)
無機フィラーの種類を(アルモリックス株式会社製水酸化アルミニウムフィラー B-303、平均粒子径6.5μm)に変更し、配合量を表1の通りに変更し、各層の積層に厚み50μmの基材レスのアクリル系両面テープを用いた以外は実施例1と同様にして、λ/4型電波吸収シートを得た。
(比較例1)
無機フィラーを配合しない以外は実施例1と同様にして、λ/4型電波吸収シートを得た。
(比較例2)
無機フィラーの配合量を表1の通りに変更する以外は実施例1と同様にして、λ/4型電波吸収シートを得た。
(比較例3)
無機フィラーの種類を(アルモリックス株式会社製水酸化アルミニウムフィラー B-303、平均粒子径6.5μm)に変更し、配合量を表1の通りに変更する以外は実施例1と同様にして、λ/4型電波吸収シートを得た。
(4)評価
(4-1)加工打ち抜き性の評価
λ/4電波吸収シートのせん断強度が61N/cm以上及び端面の間の接着強度が0.2kgf以下で、打ち抜き加工された吸収シート同士が接着しないもの、もしくは接着してもわずかな力で簡単に剥がれるものを〇とした。
(4-2)難燃性の評価
λ/4電波吸収シートの難燃性はUL94HB規格に準拠して測定し、HB規格に適合したものを〇とした。
(4-3)屈曲性の評価
誘電体層を目視で確認し、シワ又はヒビ割れが発生しなかったものを〇、シワおよびヒビ割れの少なくとも一方が発生したものを×とした。
(4-4)総合評価
λ/4電波吸収シートの加工打ち抜き性及び難燃性及び屈曲性の全てが〇になったものを〇とした。
(5)結果
結果を表1に示す。
Figure 2022181199000001

Claims (11)

  1. λ/4型電波吸収シートであって、
    前記λ/4型電波吸収シートの20mm幅の試験シートを厚み方向且つ幅方向に切断して得られる2つの端面の間の接着強度が0.2kgf以下である、λ/4型電波吸収シート。
  2. 抵抗膜、誘電体層、及び反射層を含む、請求項1に記載のλ/4型電波吸収シート。
  3. 前記誘電体層が樹脂シートである、請求項2に記載のλ/4型電波吸収シート。
  4. 前記誘電体層が粘着剤層を含む、請求項2又は3に記載のλ/4型電波吸収シート。
  5. 前記誘電体層が粘着剤層である、請求項4に記載のλ/4型電波吸収シート。
  6. 前記誘電体層が無機フィラーを含有する、請求項5に記載のλ/4型電波吸収シート。
  7. 前記無機フィラーの含有量が、前記誘電体層を構成する樹脂シートを構成する樹脂100重量部に対して50~300重量部である、請求項6に記載のλ/4型電波吸収シート。
  8. 前記無機フィラーが金属水酸化物を含む、請求項7に記載のλ/4型電波吸収シート。
  9. UL94HB以上の難燃性を有する、請求項8に記載のλ/4型電波吸収シート。
  10. 抵抗膜及び誘電体層を含むλ/4型電波吸収シート用部材であって、
    前記λ/4型電波吸収シート用部材の誘電体層側に金属層を積層してなるλ/4型電波吸収シートの20mm幅の試験シートを厚み方向且つ幅方向に切断して得られる2つの端面の間の接着強度が0.2kgf以下である、λ/4型電波吸収シート用部材。
  11. 請求項1~8記載のλ/4型電波吸収シートを打ち抜き加工する、λ/4型電波吸収シートの製造方法。
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