JP2022180762A - 医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロキソプロフェン又はその塩とケイヒ又はその抽出物とを含有する医薬組成物における、配合変化を抑制する技術を提供すること。【解決手段】次の成分(A)、(B)及び(C):(A)ロキソプロフェン又はその塩;(B)ケイヒ又はその抽出物;(C)次の成分(C-2);(C-2)キサンチン誘導体;を含有する医薬組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、医薬組成物等に関する。
ロキソプロフェンは、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAID)の一種であり、関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、歯痛、急性上気道炎、手術後・外傷後・抜歯後等の消炎・鎮痛・解熱に有効なものとして知られており(非特許文献1)、その優れた解熱鎮痛作用から、総合感冒薬や解熱鎮痛剤等への配合も期待される。また、ケイヒは、解熱作用をはじめとする種々の薬理作用を有することが知られており(非特許文献2)、総合感冒薬や解熱鎮痛剤等の成分として利用されている。
そのため、ロキソプロフェンとケイヒとを共に含有する医薬は、綜合感冒薬や解熱鎮痛剤等として有用であると考えられる。
第十五改正日本薬局方解説書 株式会社廣川書店 第C-4790-4795頁 第十七改正日本薬局方解説書 株式会社廣川書店 第D-272-277頁
しかしながら、ロキソプロフェン又はその塩とケイヒ又はその抽出物との間に、保存安定性に影響を与えるような相互作用が生じるか否かについては一切知られていない。
本発明者は、ロキソプロフェン又はその塩とケイヒ又はその抽出物との間の保存安定性について検討したところ、両成分を混合して保存すると、意外にも、これらの成分の間に配合変化が生じ、混合物の固化や大幅な変色が生じることを見出した。
したがって、本発明の課題は、ロキソプロフェン又はその塩とケイヒ又はその抽出物とを含有する医薬組成物における、配合変化を抑制する技術を提供することにある。
そこで、本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、驚くべきことに、ロキソプロフェン又はその塩とケイヒ又はその抽出物とを含有する医薬組成物に、さらに次の成分1~3から選ばれる1種以上:
1 トラネキサム酸又はその塩;
2 無水カフェインに代表される、キサンチン誘導体;
3 炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムに代表される、酸中和能を有する塩基性化合物;
を含有せしめる手段、ロキソプロフェン又はその塩とケイヒ又はその抽出物とを含有する医薬組成物をビン包装やPTP包装等の気密包装体に収容する手段、又はこれらの手段の組み合わせた手段によって、配合変化を抑制できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)ロキソプロフェン又はその塩;
(B)ケイヒ又はその抽出物;
(C)次の成分(C-1)~(C-3)よりなる群から選ばれる1種以上;
(C-1)トラネキサム酸又はその塩;
(C-2)キサンチン誘導体;
(C-3)酸中和能を有する塩基性化合物;
を含有する医薬組成物を提供するものである。
また、本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)ロキソプロフェン又はその塩;
(B)ケイヒ又はその抽出物;
を含有する医薬組成物が、気密包装体に収容されてなる医薬品を提供するものである。
さらに、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)ロキソプロフェン又はその塩;
(B)ケイヒ又はその抽出物;
(C)次の成分(C-1)~(C-3)よりなる群から選ばれる1種以上;
(C-1)トラネキサム酸又はその塩;
(C-2)キサンチン誘導体;
(C-3)酸中和能を有する塩基性化合物;
を含有する医薬組成物が、気密包装体に収容されてなる医薬品を提供するものである。
本発明によれば、ロキソプロフェン又はその塩とケイヒ又はその抽出物との間の配合変化を抑制できる。従って、ロキソプロフェン又はその塩とケイヒ又はその抽出物とを含有する保存安定性に優れた医薬を提供することができる。
<成分(A)>
本発明において、「ロキソプロフェン又はその塩」には、ロキソプロフェンそのもののほか、ロキソプロフェンの薬学上許容される塩、さらにはロキソプロフェンやその薬学上許容される塩と水やアルコール等との溶媒和物も含まれる。これらは公知の化合物であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。本発明において、ロキソプロフェン又はその塩としては、ロキソプロフェンナトリウム水和物(化学名:Monosodium 2-[4-[(2-oxocyclopentyl)methyl]phenyl]propanoate dihydrate)が好ましい。
本発明の医薬組成物におけるロキソプロフェン又はその塩の含有量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状等に応じて、適宜検討して決定すればよい。例えば、1日あたり、ロキソプロフェンナトリウム無水物換算で10~300mg、より好適には30~240mg、特に好適には60~180mg服用できる量を含有せしめることができる。
本発明においては、ロキソプロフェン又はその塩を医薬組成物全質量に対して、ロキソプロフェンナトリウム無水物換算で0.1~91質量%含有するのが好ましく、1~35質量%含有するのがより好ましく、2~30質量%含有するのがさらに好ましい。このうち、3~25質量%含有するのがさらに好ましく、4~20質量%含有するのがさらにより好ましく、5~15質量%含有するのが特に好ましい。
<成分(B)>
「ケイヒ」(桂皮)とは、Cinnamomum cassia Blume(Lauraceae)を基原植物とする生薬であるが、Cinnamomum cassia Blume(Lauraceae)の樹皮又は周皮の一部を除いたものが好ましい。ケイヒは必要に応じてその形態を調節することができ、小片、小塊に切断若しくは破砕、又は粉末に粉砕することができ、例えば、ケイヒを粉末とした「ケイヒ末」も本発明に用いることができる。また、医薬組成物の製造時の取扱の便宜等を考慮して、ケイヒに何らかの抽出処理を施したもの(以下、「ケイヒの抽出物」と称する。)を用いてもよい。
なお、上記「ケイヒの抽出物」には、抽出処理に加えて、加熱、乾燥、粉砕等の加工処理を施したものも包含される。具体的には、ケイヒを必要に応じて適当な大きさとした後に、適当な抽出溶媒を加えて浸出した液や、当該浸出液を濃縮した液(軟エキス、チンキ等)、さらにこれらを乾燥させたもの(乾燥エキス等)なども本発明の「ケイヒの抽出物」に包含される。
本発明において、ケイヒ又はその抽出物としては、ケイヒ乾燥エキスが好ましい。
ケイヒの抽出物の製造方法は特に限定されず、例えば、第十七改正日本薬局方 製剤総則の「エキス剤」、「浸剤・煎剤」、「チンキ剤」、「流エキス剤」の項の記載など、公知の植物抽出物の製造方法を参考にして製造できる。具体的には例えば、ケイヒを必要に応じて切断、加熱、粉砕等したうえ、適当な抽出溶媒を加えて抽出を行うことで、製造することができる。得られた抽出物は、必要に応じさらに濃縮、乾燥等させてもよい。
上記抽出溶媒としては例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール等の低級一価アルコール(好適には炭素数1~6の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族アルコール);エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン等の低級多価アルコール;ジエチルエーテル等のエーテル類;アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;アセトニトリル等のニトリル類;ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン等のアルカン類;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲノアルカン類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;水(熱水を含む)等が挙げられる。これらは各々単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。本発明において抽出溶媒としては、水又は炭素数1~6の直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族アルコールを少なくとも含む溶媒が好ましく、水、炭素数1~6の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族アルコール、及び水/炭素数1~6の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族アルコールの混液より選ばれる溶媒であるのがより好ましく、水、エタノール及び水/エタノール混液よりなる群から選ばれる溶媒であるのが特に好ましい。
抽出操作は特に限定されず、植物からの抽出操作に利用される公知の方法を採用することができ、具体的には例えば、抽出溶媒への浸漬(冷漬、温漬、パーコレーション等)、超臨界流体や亜臨界流体を用いた抽出などが挙げられる。なお、抽出効率を上げるため、攪拌や抽出溶媒中でホモジナイズ等してもよい。
抽出温度は特に限定されず、使用する抽出溶媒、抽出操作等により異なるが、5℃程度から抽出溶媒の沸点以下の温度とするのが好ましい。
抽出時間は特に限定されず、使用する抽出溶媒、抽出操作等により異なるが、1時間~14日間程度とするのが好ましい。
また、本発明においては、ケイヒ又はその抽出物として、これらを成分として含む漢方処方を用いてもよい。このような漢方処方としては、具体的には例えば、葛根湯(カッコントウ)、桂枝湯(ケイシトウ)、柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)、小青竜湯(ショウセイリュウトウ)、麻黄湯(マオウトウ)等が挙げられる。
本発明において、ケイヒ又はその抽出物としては、市販品を用いることができ、具体的な市販品としては例えば、ケイヒチンキ、ケイヒチンキ-N、ケイヒエキス、ケイヒ流エキス、ケイヒ乾燥エキス、日局ケイヒ油(以上、いずれも日本粉末薬品(株)製)等が挙げられる。
本発明の医薬組成物におけるケイヒ又はその抽出物の含有量は特に限定されないが、医薬組成物全質量に対して0.01~15質量%含有するのが好ましく、0.05~10質量%含有するのがより好ましく、0.1~9.5質量%含有するのがさらに好ましく、1~4質量%含有するのが特に好ましい。
また、ケイヒ又はその抽出物の含有量を原生薬量に換算した場合においては、医薬組成物全質量に対して原生薬換算量で0.1~200質量%含有するのが好ましく、1~150質量%含有するのがより好ましく、5~100質量%含有するのがさらに好ましく、10~50質量%含有するのが特に好ましい。
<成分(C)>
(成分(C-1))
本発明において、「トラネキサム酸又はその塩」には、トラネキサム酸そのもののほか、トラネキサム酸の薬学上許容される塩(例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩のような無機酸との酸付加塩;安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酢酸塩等の有機酸との酸付加塩;ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等の第2族元素の金属との塩;フェネチルアミン塩等の有機アミン塩;リシン等のアミノ酸との塩等)、さらにはトラネキサム酸やその薬学上許容される塩と水やアルコール等との溶媒和物も含まれ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
トラネキサム酸又はその塩は、ロキソプロフェン又はその塩と組み合わせて保存した場合に経時的な色調変化や性状変化を生じさせるものとして知られているものである(特開2016-104812号公報)。しかるところ、後記実施例に記載のとおり、ロキソプロフェン又はその塩と組み合わせた場合に固化や大幅な変色を発生させるケイヒ又はその抽出物と上記のようなトラネキサム酸又はその塩との両方を、ロキソプロフェン又はその塩と組み合わせた場合に驚くべきことに配合変化が抑制される。
トラネキサム酸又はその塩としては、トラネキサム酸が好ましく、第十七改正日本薬局方に収載のトラネキサム酸が特に好ましい。
トラネキサム酸又はその塩は公知であり、公知の方法等により製造することができ、また、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、第一三共プロファーマ(株)製のトラネキサム酸などが挙げられる。
本発明の医薬組成物におけるトラネキサム酸又はその塩の含有量は特に限定されないが、配合変化を抑制する観点から、医薬組成物全質量に対してトラネキサム酸のフリー体換算で1~75質量%含有するのが好ましく、5~70質量%含有するのがより好ましく、10~65質量%含有するのがさらに好ましく、20~65質量%含有するのが特に好ましい。
また、本発明の医薬組成物におけるロキソプロフェン又はその塩とトラネキサム酸又はその塩との含有質量比率は特に限定されないが、配合変化を抑制する観点から、ロキソプロフェン又はその塩をそのフリー体換算で1質量部に対し、トラネキサム酸又はその塩をそのフリー体換算で0.1~20質量部含有するのが好ましく、0.5~15質量部含有するのがより好ましく、1~10質量部含有するのがさらに好ましく、2~5質量部含有するのが特に好ましい。
(成分(C-2))
本発明において、「キサンチン誘導体」としては、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
キサンチン誘導体は、ロキソプロフェン又はその塩と組み合わせて保存した場合に経時的な状態変化を生じさせるものとして知られているものである(特開2015-227347号公報)。しかるところ、後記実施例に記載のとおり、ロキソプロフェン又はその塩と組み合わせた場合に固化や大幅な変色を発生させるケイヒ又はその抽出物と上記のようなキサンチン誘導体との両方を、ロキソプロフェン又はその塩と組み合わせた場合に驚くべきことに配合変化が抑制される。
Figure 2022180762000001
[式(1)中、R1及びR2は各々独立して水素原子又はメチル基を示し、R3は水素原子、メチル基、モノヒドロキシプロピル基又はジヒドロキシプロピル基を示す。]
式(1)中、R3において、モノヒドロキシプロピル基としては、2-ヒドロキシプロピル基が好ましい。また、ジヒドロキシプロピル基としては、2,3-ジヒドロキシプロピル基が好ましい。
なお、上記一般式(1)において、
(1)R1がメチル基であり、R2がメチル基であり、R3がメチル基であるものは、カフェインを意味するものである。
(2)R1がメチル基であり、R2がメチル基であり、R3が水素原子であるものは、テオフィリンを意味するものである。
(3)R1が水素原子であり、R2がメチル基であり、R3がメチル基であるものは、テオブロミンを意味するものである。
(4)R1がメチル基であり、R2が水素原子であり、R3がメチル基であるものは、パラキサンチンを意味するものである。
(5)R1がメチル基であり、R2がメチル基であり、R3が2-ヒドロキシプロピル基であるものは、プロキシフィリンを意味するものである。
(6)R1がメチル基であり、R2がメチル基であり、R3が2,3-ジヒドロキシプロピル基であるものは、ジプロフィリンを意味するものである。
一般式(1)の化合物は公知であり、本発明においては、公知の方法により製造したもののほか、市販のものを用いることができる。
なお、キサンチン誘導体としては、上記一般式(1)で表される化合物そのもののほか、その薬学上許容される塩(例えば、複塩を形成したもの(安息香酸ナトリウムカフェイン(安息香酸ナトリウムとカフェインの複塩)、アミノフィリン(テオフィリンとエチレンジアミンとの複塩))等)、一般式(1)で表される化合物又はその塩と水やアルコール等との溶媒和物を用いることもでき、これらも「キサンチン誘導体」に包含され、上述の化合物(カフェイン、テオフィリン、テオブロミン、パラキサンチン、プロキシフィリン及びジプロフィリン)には、当該化合物、その塩やそれらの溶媒和物も包含される。なお、本発明においては、これらキサンチン誘導体のうち、1種又は2種以上を用いることができる。
本発明においてキサンチン誘導体としては、カフェイン、テオフィリン、テオブロミン、パラキサンチン、プロキシフィリン及びジプロフィリンからなる群より選ばれる1種以上が好ましく、特に、本発明の医薬組成物を解熱鎮痛剤や総合感冒薬等として利用した場合の観点から、カフェインが好ましい。当該カフェインとしては、カフェイン水和物、無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェイン、クエン酸カフェインが好適な具体例として挙げられ、このうち、カフェイン水和物、無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェインが特に好ましい。
本発明の医薬組成物におけるキサンチン誘導体の含有量は特に限定されないが、配合変化を抑制する観点から、医薬組成物全質量に対してキサンチン誘導体のフリー体換算で0.1~80質量%含有するのが好ましく、0.5~75質量%含有するのがより好ましく、1~70質量%含有するのがさらに好ましく、3~65質量%含有するのが特に好ましい。
また、本発明の医薬組成物におけるロキソプロフェン又はその塩とキサンチン誘導体との含有質量比率は特に限定されないが、配合変化を抑制する観点から、ロキソプロフェン又はその塩をそのフリー体換算で1質量部に対し、キサンチン誘導体をそのフリー体換算で0.0001~15質量部含有するのが好ましく、0.001~10質量部含有するのがより好ましく、0.01~5質量部含有するのがさらに好ましく、0.1~3質量部含有するのが特に好ましい。
(成分(C-3))
本発明において「酸中和能を有する塩基性化合物」とは、酸中和能を有する塩基性の化合物を意味する。ここで、「酸中和能」は、第十七改正日本薬局方 一般試験法に記載の制酸力試験法に従い試験を行なうことにより判定することができる。成分(C)の中でも、配合変化を抑制する観点からは、(C-3)酸中和能を有する塩基性化合物が好ましい。
本発明において、酸中和能を有する塩基性化合物としては例えば、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム等のアルカリ土類金属及び/又は土類金属系塩基性無機化合物、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属系塩基性無機化合物、アミン系塩基性無機化合物等の塩基性無機化合物;マグネシウム、アルミニウム、カルシウム等のアルカリ土類金属及び/又は土類金属系塩基性有機化合物、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属系塩基性有機化合物、アミン系塩基性有機化合物等の塩基性有機化合物が挙げられる。
上記塩基性無機化合物において、アルカリ土類金属及び/又は土類金属系塩基性無機化合物としては、例えば、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム・ヒドロキシプロピルスターチ・結晶セルロース、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈生成物、ベントナイト、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム等のマグネシウム、アルミニウム及びカルシウムから選ばれる金属の無機塩等が挙げられる。
また、アルカリ金属系塩基性無機化合物としては、例えば、乾燥炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム水和物、ピロリン酸四ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素ナトリウム水和物、無水ピロリン酸ナトリウム、無水リン酸一水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム等のナトリウム及びカリウムから選ばれる金属の無機塩等が挙げられる。
本発明において、酸中和能を有する塩基性無機化合物としては、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム・ヒドロキシプロピルスターチ・結晶セルロース、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈生成物、ベントナイト、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、炭酸水素ナトリウムが好ましい。
また、上記塩基性有機化合物において、アルカリ土類金属及び/又は土類金属系塩基性有機化合物としては、例えば、アルジオキサ、ジヒドロキシアルミニウム・アミノ酢酸塩、スクラルファート水和物、パントテン酸カルシウム等が挙げられる。
また、アルカリ金属系塩基性有機化合物としては、例えば、クエン酸ナトリウム水和物、コハク酸二ナトリウム六水和物、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、銅クロロフィリンナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、5’-リボヌクレオチド二ナトリウム、銅クロロフィリンカリウム等が挙げられる。
また、アミン系塩基性有機化合物としては、例えば、アミノ酢酸、L-アルギニン、メグルミン等が挙げられる。
本発明において、酸中和能を有する塩基性有機化合物としては、アルジオキサ、ジヒドロキシアルミニウム・アミノ酢酸塩、スクラルファート水和物が好ましい。
なお、本発明においては、前記塩基性化合物として、烏賊骨、石決明、ボレイ(牡蠣)等の塩基性化合物を含有する生薬を用いてもよい。
本発明において、酸中和能を有する塩基性化合物としては、配合変化を抑制する観点から、アミノ酢酸、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウム・アミノ酢酸塩、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウムの共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸カルシウム・炭酸マグネシウムの共沈生成物、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムよりなる群から選ばれる1種以上が好ましく、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム・炭酸カルシウム・炭酸マグネシウムの共沈生成物、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムよりなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムよりなる群から選ばれる1種以上が特に好ましい。
なお、酸中和能を有する塩基性化合物は1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の医薬組成物における酸中和能を有する塩基性化合物の含有量は特に限定されないが、配合変化を抑制する観点から、医薬組成物全質量に対して5~80質量%含有するのが好ましく、10~75質量%含有するのがより好ましく、15~70質量%含有するのがさらに好ましく、20~65質量%含有するのが特に好ましい。
また、本発明の医薬組成物におけるロキソプロフェン又はその塩と酸中和能を有する塩基性化合物との含有質量比率は特に限定されないが、配合変化を抑制する観点から、ロキソプロフェン又はその塩をそのフリー体換算で1質量部に対し、酸中和能を有する塩基性化合物を0.01~30質量部含有するのが好ましく、0.1~20質量部含有するのがより好ましく、0.5~10質量部含有するのがさらに好ましく、1~5質量部含有するのが特に好ましい。
医薬組成物は、薬効成分として、上記以外の成分、例えば、解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、ノスカピン類、気管支拡張剤、去痰剤、催眠鎮静剤、ビタミン類、抗炎症剤、胃粘膜保護剤、抗コリン剤、及び生薬類等からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含んでいてもよい。
解熱鎮痛剤としては、具体的には例えば、アスピリン、アスピリンアルミニウム、アセトアミノフェン、イブプロフェン、エテンザミド、サザピリン、サリチルアミド、ラクチルフェネチジン、サリチル酸ナトリウム等が挙げられる。
抗ヒスタミン剤としては、具体的には例えば、アゼラスチン塩酸塩、アリメマジン酒石酸塩、イソチペンジル塩酸塩、イプロヘプチン塩酸塩、エバスチン、エピナスチン塩酸塩、エメダスチンフマル酸塩、オキサトミド、オロパタジン塩酸塩、カルビノキサミンジフェニルジスルホン酸塩、カルビノキサミンマレイン酸塩、クレマスチンフマル酸塩、d-クロルフェニラミンマレイン酸塩、dl-クロルフェニラミンマレイン酸塩、ケトチフェンフマル酸塩、ジフェテロール塩酸塩、ジフェテロールリン酸塩、ジフェニルピラリン塩酸塩、ジフェニルピラリンテオクル酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、ジフェンヒドラミンタンニン酸塩、シプロへプタジン塩酸塩水和物、セチリジン塩酸塩、トリプロリジン塩酸塩、トリペレナミン塩酸塩、トンジルアミン塩酸塩、フェキソフェナジン、フェネタジン塩酸塩、プロメタジン塩酸塩、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩、ベポタスチンベシル酸塩、ホモクロルシクリジン塩酸塩、メキタジン、メトジラジン塩酸塩、メブヒドロリンナパジシル酸塩、ロラタジン等が挙げられる。
鎮咳剤としては、具体的には例えば、コデイン、コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデイン、ジヒドロコデインリン酸塩等のコデイン類の他、アロクラミド塩酸塩、エプラジノン塩酸塩、カルベタペンタンクエン酸塩、クロペラスチン塩酸塩、クロペラスチンフェンジゾ酸塩、ジブナートナトリウム、ジメモルファンリン酸塩、チペピジンクエン酸塩、チペピジンヒベンズ酸塩、デキストロメトルファン、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物、デキストロメトルファンフェノールフタリン塩等が挙げられる。
ノスカピン類としては、具体的には例えば、ノスカピン塩酸塩、ノスカピン等が挙げられる。
気管支拡張剤としては、具体的には例えば、トリメトキノール塩酸塩、フェニルプロパノールアミン塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、プソイドエフェドリン塩酸塩、プソイドエフェドリン硫酸塩、l-メチルエフェドリン塩酸塩、dl-メチルエフェドリン塩酸塩、l-メチルエフェドリンサッカリン塩、dl-メチルエフェドリンサッカリン塩、メトキシフェナミン塩酸塩等が挙げられる。
去痰剤としては、具体的には例えば、アンモニア・ウイキョウ精、エチルシステイン塩酸塩、塩化アンモニウム、カルボシステイン、グアイフェネシン、グアヤコールスルホン酸カリウム、クレゾールスルホン酸カリウム、メチルシステイン塩酸塩、l-メントール、リゾチーム塩酸塩等が挙げられる。
催眠鎮静剤としては、具体的には例えば、アリルイソプロピルアセチル尿素やブロムワレリル尿素等が挙げられる。
ビタミン類としては、具体的には例えば、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ヘスペリジン及びその誘導体並びにそれらの塩類等(具体的には例えば、チアミン、チアミン塩化物塩酸塩、チアミン硝化物、ジセチアミン塩酸塩、セトチアミン塩酸塩、フルスルチアミン、フルスルチアミン塩酸塩、オクトチアミン、シコチアミン、チアミンジスルフィド、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミン、リボフラビン、リボフラビンリン酸エステル、リボフラビン酪酸エステル、リン酸リボフラビンナトリウム、パンテノール、パンテチン、パントテン酸ナトリウム、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキサールリン酸エステル、シアノコバラミン、メコバラミン、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、ヘスペリジン等)が挙げられる。
抗炎症剤としては、具体的には例えば、グリチルリチン酸及びその誘導体並びにそれらの塩類(例えば、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等)、セアプローゼ、セミアルカリプロティナーゼ、セラペプターゼ、プロクターゼ、プロナーゼ、ブロメライン等が挙げられる。
胃粘膜保護剤としては、具体的には例えば、ゲファルナート、セトラキサート塩酸塩、ソファルコン、テプレノン、メチルメチオニンスルホニウムクロリド等が挙げられる。
抗コリン剤としては、具体的には例えば、オキシフェンサイクリミン塩酸塩、ジサイクロミン塩酸塩、メチキセン塩酸塩、スコポラミン臭化水素酸塩、ダツラエキス、チペピジウム臭化物、メチルアトロピン臭化物、メチルアニソトロピン臭化物、メチルスコポラミン臭化物、メチル-l-ヒヨスチアミン臭化物、メチルベナクチジウム臭化物、ピレンゼピン塩酸塩、ブチルスコポラミン臭化物、ベラドンナアルカロイド、ベラドンナエキス、ベラドンナ総アルカロイド、ヨウ化イソプロパミド、ヨウ化ジフェニルピペリジノメチルジオキソラン、ロートエキス、ロート根、ロート根総アルカロイドクエン酸塩等が挙げられる。
生薬類としては、具体的には例えば、アカメガシワ(赤芽柏)、アセンヤク(阿仙薬)、インヨウカク(淫羊霍)、ウイキョウ(茴香)、エンゴサク(延胡索)、オウゴン(黄岑)、オウセイ(黄精)、オウバク(黄柏)、オウヒ(桜皮)、オウレン(黄連)、オンジ(遠志)、ガジュツ(我朮)、カノコソウ(鹿子草)、カミツレ、カロニン(か楼仁)、キキョウ(桔梗)、キョウニン(杏仁)、クコシ(枸杞子)、クコヨウ(枸杞葉)、ケイガイ(荊芥)、ケツメイシ(決明子)、ゲンチアナ、ゲンノショウコ(現証拠)、コウブシ(香附子)、ゴオウ(牛黄)、ゴミシ(五味子)、サイシン(細辛)、サンショウ(山椒)、シオン(紫苑)、ジコッピ(地骨皮)、シャクヤク(芍薬)、ジャコウ(麝香)、シャジン(沙参)、シャゼンシ(車前子)、シャゼンソウ(車前草)、獣胆(ユウタン(熊胆)を含む)、ショウキョウ(生姜)、ジリュウ(地竜)、シンイ(辛夷)、セキサン(石蒜)、セネガ、センキュウ(川きゅう)、ゼンコ(前胡)、センブリ(千振)、ソウジュツ(蒼朮)、ソウハクヒ(桑白皮)、ソヨウ(蘇葉)、タイサン(大蒜)、チクセツニンジン(竹節人参)、チョウジ(丁子)、チンピ(陳皮)、トウキ(当帰)、トコン(吐根)、ナンテンジツ(南天実)、ニンジン(人参)、バイモ(貝母)、バクモンドウ(麦門冬)、ハンゲ(半夏)、バンコウカ(番紅花)、ハンピ(反鼻)、ビャクシ(白し)、ビャクジュツ(白朮)、ブクリョウ(茯苓)、ボタンピ(牡丹皮)、マオウ(麻黄)、ロクジョウ(鹿茸)等の生薬及びこれらの抽出物(エキス、チンキ、乾燥エキス等)等が挙げられる。
本明細書において「医薬組成物」の剤形は特に限定されず、固形状、半固形状、又は液状製剤のいずれであってもよく、その利用目的等に応じて選択することができる。医薬組成物の剤形としては、例えば、第十七改正日本薬局方 製剤総則等に記載の剤形が挙げられる。具体的には例えば、経口投与用の剤形としては、錠剤(例えば、通常錠、口腔内崩壊型錠剤、チュアブル錠、発泡錠、分散錠、溶解錠などを含む)、カプセル剤、顆粒剤(例えば、発泡顆粒剤などを含む)、散剤、丸剤等の固形製剤;経口ゼリー剤等の半固形状製剤;経口液剤(例えば、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、リモナーデ剤などを含む)等の液状製剤等が挙げられる。また、非経口投与用の剤形としては、注射剤、吸入剤、点眼剤、点耳剤、点鼻剤、坐剤、外用固形剤、外用液剤、スプレー剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤等が挙げられる。
医薬組成物の剤形としては、投与・服用のし易さ等の観点から、固形製剤が好ましく、錠剤(例えば、通常錠、口腔内崩壊型錠剤、チュアブル錠、発泡錠、分散錠、溶解錠などを含む)、カプセル剤、顆粒剤(例えば、発泡顆粒剤などを含む)、散剤及び丸剤から選ばれる固形製剤が特に好ましい。
医薬組成物は、その剤形に応じ、例えば第十七改正日本薬局方 製剤総則等に記載の公知の方法により製造することができる。この場合において、医薬組成物には、製薬上許容される担体(製剤添加物)を加えてもよい。こうした製剤添加物としては、例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、可塑剤、フィルム形成剤、粉体、難水溶性高分子物質、抗酸化剤、矯味剤、甘味剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、上記した成分(C)を製剤添加物として用いてもよい。また、これらの製剤添加物としては、具体的には例えば、医薬品添加物辞典2016(株式会社薬事日報社発行)、Handbook of Pharmaceutical Excipients, Seventh Edition(Pharmaceutical Press社発行)等に収載されたものが挙げられる。
賦形剤としては、具体的には例えば、ケイ酸アルミニウム、無水硫酸ナトリウム、無水リン酸水素カルシウム、塩化ナトリウム、ケイ酸カルシウム、軽質無水ケイ酸、重質無水ケイ酸、硫酸カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素ナトリウム等の無機系賦形剤;アメ粉、デンプン(コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、部分アルファー化デンプン等)、果糖、カラメル、カンテン、キシリトール、パラフィン、結晶セルロース、ショ糖、麦芽糖、乳糖、乳糖水和物、白糖、ブドウ糖、プルラン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、マルチトール、還元麦芽糖水アメ、粉末還元麦芽糖水アメ、エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ラクチトール、トレハロース、還元パラチノース、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、クエン酸カルシウム等の有機系賦形剤等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
崩壊剤としては、具体的には例えば、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン等のスーパー崩壊剤やカルメロース、カルメロースカルシウム、デンプン、ショ糖脂肪酸エステル、ゼラチン、炭酸水素ナトリウム、デキストリン、デヒドロ酢酸及びその塩、ポビドン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
結合剤としては、具体的には例えば、牛脂硬化油、硬化油、水素添加植物油、ダイズ硬化油、カルナウバロウ、サラシミツロウ、ミツロウ、モクロウ等の油脂類の他、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、カルメロースナトリウム、デンプン(コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、部分アルファー化デンプン等)、デキストリン、プルラン、アラビアゴム、カンテン、ゼラチン、トラガント、アルギン酸ナトリウム、ポビドン、ポリビニルアルコール、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
滑沢剤としては、具体的には例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
可塑剤としては、具体的には例えば、クエン酸トリエチル、グリセリン、ゴマ油、ソルビトール、ヒマシ油、ポリソルベート80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンオレイン酸エステル)等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
フィルム形成剤としては、具体的には例えば、メチルセルロース、エチルセルロース等のアルキルセルロース;アルギン酸ナトリウム等のアルギン酸又はその塩;カラギーナン;カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースカリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース等のカルボキシアルキルセルロース;キサンタンガム;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)等のヒドロキシアルキルセルロース;ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等のヒドロキシアルキルセルロースフタレート;プルラン;ポリ酢酸ビニル;ポリ酢酸ビニルフタレート;ポリビニルピロリドン等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
粉体としては、タルク、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、法定色素等の有機粉体又は無機粉体が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
難水溶性高分子物質としては、具体的には例えば、カルボキシビニルポリマー、アミノアルキルメタクリレートコポリマー等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
抗酸化剤としては、具体的には例えば、アスコルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、エリソルビン酸、酢酸トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、天然ビタミンE、トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
矯味剤としては、具体的には例えば、リモネン、ピネン、カンフェン、サイメン、シネオール、シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、リナロール、メントール、テルピネオール、ロジノール、ボルネオール、イソボルネオール、メントン、カンフル、オイゲノール、シンゼイラノール等のテルペン;トウヒ油、オレンジ油、ハッカ油、樟脳白油、ユーカリ油、テレピン油、レモン油、ショウキョウ油、チョウジ油、ケイヒ油、ラベンダー油、ウイキョウ油、カミツレ油、シソ油、スペアミント油等のテルペンを含有する精油;アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸及びこれらの塩等の酸味剤等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
甘味剤としては、具体的には例えば、アスパルテーム、ステビア、スクラロース、グリチルリチン酸、ソーマチン、アセスルファムカリウム、サッカリン、サッカリンナトリウム等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
医薬組成物は、その剤形に応じて公知の方法により製造することができる。
例えば、医薬組成物が固形製剤である場合には、粉砕、混合、造粒、乾燥、整粒、分級、充填、打錠、コーティング等の単位操作を適宜組み合わせることにより製造することができる。
より具体的には例えば、医薬組成物の剤形が顆粒剤、散剤、丸剤等の粒状の製剤の場合、成分(A)~(B)又は成分(A)~(C)に加え、必要に応じ賦形剤や結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の製剤添加物を用い、これらの成分の全部又は一部を混合した後、押出造粒、転動造粒、攪拌造粒、流動層造粒、噴霧造粒、溶融造粒、破砕造粒等の公知の造粒方法により造粒して造粒物を得、さらに必要に応じて分級、整粒等することで製造することができる。なお、得られた造粒物は、公知の方法によりコーティング剤等で被覆することもできる。
また、医薬組成物の剤形が錠剤の場合、成分(A)~(B)又は成分(A)~(C)に加え、必要に応じ賦形剤や結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の適当な製剤添加物を用い、これらの成分の全部又は一部を混合して混合物を得、これを直接圧縮(打錠)すること(直接粉末圧縮法)や、上記の造粒物を必要に応じて分級、整粒等したあと圧縮(打錠)すること(半乾式顆粒圧縮法、乾式顆粒圧縮法、湿式顆粒圧縮法など)により製造することができる。なお、得られた圧縮物(錠剤)は、公知の方法によりコーティング剤等で被覆することもできる。
さらに、医薬組成物の剤形がカプセル剤の場合、上記の造粒物や圧縮物等を、カプセルに充填すればよい。
本発明においては、配合変化を抑制する観点から、医薬組成物をさらに気密包装体に収容してもよい(なお、以下、本明細書において、医薬組成物を気密包装体に収容してなるものを「医薬品」と称する。)。なお、本発明において、医薬品は気密包装体以外に、さらに下記「気密包装体」以外の包装を備えていてもよく、また、医薬組成物は、気密包装体に直接的あるいは間接的に収容されていればよい。
本明細書において「気密包装体」とは、通常の取扱い、運搬又は保存等の状態において、固形又は液状の異物の侵入を抑制し得る包装を意味し、第十七改正日本薬局方 通則に定義される「気密容器」及び「密封容器」を包含する概念である。気密包装体としては、定形、不定形のいずれのものも用いることができ、具体的には例えば、ビン包装、SP(Strip Package)包装、PTP(Press Through Package)包装、ピロー包装、スティック包装等が挙げられる。気密包装体としては、これらを複数組み合わせたものであってもよく、このような組み合わせとしては、具体的には例えば、医薬組成物をまずPTP包装にて包装し、これをさらにピロー包装にて包装する態様等が挙げられる。
気密包装体としては、配合変化を抑制する観点から、ビン包装、SP包装、PTP包装、ピロー包装及びスティック包装よりなる群から選ばれる1種以上であるのが好ましく、少なくともPTP包装を備えるもの(PTP包装と、さらに必要に応じてビン包装、SP包装、ピロー包装、スティック包装等の他の包装を組み合わせたもの)であるのが特に好ましい。
気密包装体の包装材料(素材)は特に限定されず、例えば、ガラス、プラスチック(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリエチレン(低密度(LDPE)、中密度(MDPE)、高密度(HDPE)を含む)、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリカーボネート;ポリスチレン等)、金属(アルミニウム等)などの、医薬品や食品等の分野で用いられる材料を、1種単独で又は2種以上を組み合わせて適宜用いることができる。
例えば、ビン包装に用いられる包装材料は特に限定されるものではなく、ガラス、プラスチック、金属などが挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜組み合わせることができる。ビン包装の材料としては、ガラス、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく、ガラス、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)がより好ましく、ガラス、高密度ポリエチレン(HDPE)が特に好ましい。
ビン包装するに際しては例えば、医薬組成物を、ビン内に適当な数量格納し、次いで、適当な栓や蓋で封をすればよい。なお、ビンは、格納する医薬組成物の数量等に応じた大きさのものを適宜選択すればよく、ビンの容量としては例えば、10~500mL程度であり、14~400mLが好ましく、24~350mLがより好ましい。
また、SP包装、PTP包装、ピロー包装やスティック包装等に用いられる包装材料は特に限定されるものではなく、例えば、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、二軸延伸ポリエステル(PET)、グリコール変性PET(PET-G)、二軸延伸ナイロン(ONy、PA)、セロハン、紙、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L-LDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、無延伸ポリプロピレン(CPP、IPP)、アイオノマー樹脂(IO)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、ポリアクリロニトリル(PAN)、二軸延伸ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、ポリ塩化ビニル(PVC)、環状ポリオレフィン(COC)、無延伸ナイロン(CNy)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、硬質塩化ビニル(VSC)等の樹脂や、アルミニウム箔(AL)のような金属箔等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜組み合わせることができる。
SP包装、PTP包装、ピロー包装やスティック包装等するに際しては、上記したような包装材料の1種以上を用いたシートを用いて、公知の方法で製造すればよく、この場合において、当該包装材料は適宜組合せた多層構造とすることもできる。シートとして、2種以上の包装材料を用いた多層構造とする方法としては、当該包装材料をラミネートして積層シートを製造する方法が挙げられる。積層シートは、押出しラミネート、ドライラミネート、共押出しラミネート、サーマルラミネート、ウェットラミネート、ノンソルベントラミネート、ヒートラミネート等の公知の方法で製造することができる。また、SP包装、PTP包装、ピロー包装やスティック包装用のシートは、公知の市販品を用いることもできる。
上記シートにおいて、1種の包装材料を用いた単層シートとしては、PVCシートやCPPシート等が挙げられ、また2種以上の包装材料を用いた積層シートとしては、そのシート構成が、例えば、PVCとPVDCを積層したもの(PVC/PVDC。以下、同様に略する。)、PVC/PVDC/PE/PVC、PVC/PVDC/PE/PVDC/PVC、CPP/COC/CPP、PVC/PCTFE、CPP/PCTFE、PVC/AL/PA、PVC/AL、CPP/AL、CPP/CPP/CPP(左記シートは、CPPとして、2種以上を用いるものである。)等が挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
PTP包装の形態としては、公知の方法で樹脂シート等に所望数形成したポケットに、医薬組成物を1個又は1投与単位ずつ格納し、次いでアルミニウム箔等の金属箔を構成材料とするシートをフタ材として用いて蓋をすることが挙げられる。なお、ポケットを形成するシートとしてもアルミニウム箔を構成材料とするシートを用いた、いわゆる両面アルミPTP包装としてもよい。本発明においては、配合変化を抑制する観点から、PTP包装をさらにピロー包装(例えば、アルミピロー包装など)により包装するのが好ましい。
SP包装やピロー包装、スティック包装の形態としては、公知の方法で樹脂シートやアルミニウム箔を構成材料とするシート等を用いて、医薬組成物を1個又は1投与単位ずつ包装することが挙げられる。本発明においては、配合変化を抑制する観点から、アルミニウム箔を構成材料とするシートを用いるのが好ましい。
なお、本明細書において、医薬品における医薬組成物の包装体内部での占有率(容積率)は、包装体がビン包装の場合、通常、25~90%であり、28~75%が好ましく、30~50%がより好ましい。また、包装体がSP包装、PTP包装、ピロー包装、スティック包装の場合、通常、30~98%であり、40~95%が好ましく、45~93%がより好ましく、50~90%が特に好ましい。なお、この場合において、占有率とは、包装体内部の全容積に対する医薬組成物の占有率を意味するものであり、包装体内部に格納した医薬組成物の破損防止のための詰め物や中栓等は、空間占有率を算出するに際して考慮されるものではない。
気密包装体としては、市販の包装体をそのまま用いてもよく、また市販の包装材料を加工して用いてもよい。市販品のビン包装の包装体としては、例えば、ガラス瓶(磯矢硝子工業(株)製)、錠剤ビン(東京硝子(株)製)、Z-シリーズ(阪神化成工業(株)製)等が挙げられる。また、市販品のピロー包装の包装体としては、ラミジップ(登録商標)((株)生産日本社製)等が挙げられる。さらに、SP包装、PTP包装、ピロー包装やスティック包装用の包装材料としては、スミライトVSS、スミライトVSL、スミライトNS、スミライトFCL(以上、住友ベークライト(株)製)、TASシリーズ(大成化工(株)製)、PTP用ビニホイル、PTP用スーパーホイル(以上、三菱樹脂(株)製)、ニッパクアルミ箔(日本製箔(株)製)、アルミ箔銀無地(大和化学工業(株)製)等が挙げられる。
医薬組成物を気密包装体に収容する方法は特に限定されるものではなく、包装体内への医薬組成物の投入等の適当な手段により、医薬組成物を包装体内に配置することで達成できる。この場合において、包装体内に医薬組成物とともに乾燥剤(例えば、円柱状(錠剤型)のものやシート状のもの)を投入する手段を用いてもよい。
本発明において、医薬組成物あるいは医薬品は、NSAIDの一種であるロキソプロフェン又はその塩、及び解熱作用等の種々の薬理作用を有するケイヒ又はその抽出物を含有することから、例えば、頭痛・歯痛・抜歯後の疼痛・咽頭痛・耳痛・関節痛・神経痛・腰痛・筋肉痛・肩こり痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・月経痛(生理痛)・外傷痛の鎮痛、悪寒・発熱時の解熱、かぜの諸症状(のどの痛み、悪寒、発熱、頭痛、たん、関節の痛み、筋肉の痛み)の緩和等の効能又は効果を有し、総合感冒薬(かぜ薬)や解熱鎮痛薬等として有用である。
医薬組成物の服用経路は特に限定されず、適用する疾患、製剤の種類、服用者の性別、年齢、症状等に応じて適宜検討して決定することができるが、服用の容易性の観点から、経口投与が好ましい。また、医薬組成物は、1日につき、1~4回程度に分けて、食前、食間、食後、就寝前等に服用することができる。
なお、本明細書は、これらに何ら限定されるものでは無いが、例えば以下の態様の発明を開示する。
[1A] 次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)ロキソプロフェン又はその塩;
(B)ケイヒ又はその抽出物;
(C)次の成分(C-1)~(C-3)よりなる群から選ばれる1種以上;
(C-1)トラネキサム酸又はその塩;
(C-2)キサンチン誘導体;
(C-3)酸中和能を有する塩基性化合物;
を含有する医薬組成物。
[2A] 成分(B)が、ケイヒの抽出物である、[1A]記載の医薬組成物。
[3A] ケイヒの抽出物が、水又は炭素数1~6の直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族アルコールを少なくとも含む溶媒を抽出溶媒として用いるものである、[2A]記載の医薬組成物。
[4A] 成分(B)が、水、エタノール及び水/エタノール混液よりなる群から選ばれる溶媒で抽出されたケイヒ抽出物である、[1A]~[3A]のいずれか記載の医薬組成物。
[5A] 成分(C-2)が、カフェイン水和物、無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェイン及びクエン酸カフェインよりなる群から選ばれる1種以上である、[1A]~[4A]のいずれか記載の医薬組成物。
[6A] 成分(C-3)が、アミノ酢酸、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウム・アミノ酢酸塩、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウムの共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸カルシウム・炭酸マグネシウムの共沈生成物、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムよりなる群から選ばれる1種以上である、[1A]~[5A]のいずれか記載の医薬組成物。
[7A] 固形製剤である、[1A]~[6A]のいずれか記載の医薬組成物。
[8A] 剤形が、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤又は丸剤である、[1A]~[7A]のいずれか記載の医薬組成物。
また、本明細書は、これらに何ら限定されるものでは無いが、例えば以下の態様の発明も開示する。
[1B] 次の成分(A)及び(B):
(A)ロキソプロフェン又はその塩;
(B)ケイヒ又はその抽出物;
を含有する医薬組成物が、気密包装体に収容されてなる医薬品。
[2B] 成分(B)が、ケイヒの抽出物である、[1B]記載の医薬品。
[3B] ケイヒの抽出物が、水又は炭素数1~6の直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族アルコールを少なくとも含む溶媒を抽出溶媒として用いるものである、[2B]記載の医薬品。
[4B] 成分(B)が、水、エタノール及び水/エタノール混液よりなる群から選ばれる溶媒で抽出されたケイヒ抽出物である、[1B]~[3B]のいずれか記載の医薬品。
[5B] 医薬組成物が、固形製剤である、[1B]~[4B]のいずれか記載の医薬品。
[6B] 医薬組成物の剤形が、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤又は丸剤である、[1B]~[5B]のいずれか記載の医薬品。
[7B] 気密包装体が、ビン包装、SP包装、PTP包装、ピロー包装及びスティック包装よりなる群から選ばれる1種以上である、[1B]~[6B]のいずれか記載の医薬品。
また、本明細書は、これらに何ら限定されるものでは無いが、例えば以下の態様の発明も開示する。
[1C] 次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)ロキソプロフェン又はその塩;
(B)ケイヒ又はその抽出物;
(C)次の成分(C-1)~(C-3)よりなる群から選ばれる1種以上;
(C-1)トラネキサム酸又はその塩;
(C-2)キサンチン誘導体;
(C-3)酸中和能を有する塩基性化合物;
を含有する医薬組成物が、気密包装体に収容されてなる医薬品。
[2C] 成分(B)が、ケイヒの抽出物である、[1C]記載の医薬品。
[3C] ケイヒの抽出物が、水又は炭素数1~6の直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族アルコールを少なくとも含む溶媒を抽出溶媒として用いるものである、[2C]記載の医薬品。
[4C] 成分(B)が、水、エタノール及び水/エタノール混液よりなる群から選ばれる溶媒で抽出されたケイヒ抽出物である、[1C]~[3C]のいずれか記載の医薬品。
[5C] 成分(C-2)が、カフェイン水和物、無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェイン及びクエン酸カフェインよりなる群から選ばれる1種以上である、[1C]~[4C]のいずれか記載の医薬品。
[6C] 成分(C-3)が、アミノ酢酸、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウム・アミノ酢酸塩、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウムの共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸カルシウム・炭酸マグネシウムの共沈生成物、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムよりなる群から選ばれる1種以上である、[1C]~[5C]のいずれか記載の医薬品。
[7C] 医薬組成物が、固形製剤である、[1C]~[6C]のいずれか記載の医薬品。
[8C] 医薬組成物の剤形が、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤又は丸剤である、[1C]~[7C]のいずれか記載の医薬品。
[9C] 気密包装体が、少なくともPTP包装を備えるものである、[1C]~[8C]のいずれか記載の医薬品。
また、本明細書は、これらに何ら限定されるものでは無いが、例えば以下の態様の発明も開示する。
[1D] 次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)ロキソプロフェン又はその塩;
(B)ケイヒ又はその抽出物;
(C)次の成分(C-1)~(C-3)よりなる群から選ばれる1種以上;
(C-1)トラネキサム酸又はその塩;
(C-2)キサンチン誘導体;
(C-3)酸中和能を有する塩基性化合物;
を、同一の医薬組成物中に含有せしめる工程を含む、配合変化の抑制方法。
[2D] 成分(B)が、ケイヒの抽出物である、[1D]記載の方法。
[3D] ケイヒの抽出物が、水又は炭素数1~6の直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族アルコールを少なくとも含む溶媒を抽出溶媒として用いるものである、[2D]記載の方法。
[4D] 成分(B)が、水、エタノール及び水/エタノール混液よりなる群から選ばれる溶媒で抽出されたケイヒ抽出物である、[1D]~[3D]のいずれか記載の方法。
[5D] 成分(C-2)が、カフェイン水和物、無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェイン及びクエン酸カフェインよりなる群から選ばれる1種以上である、[1D]~[4D]のいずれか記載の方法。
[6D] 成分(C-3)が、アミノ酢酸、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウム・アミノ酢酸塩、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウムの共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸カルシウム・炭酸マグネシウムの共沈生成物、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムよりなる群から選ばれる1種以上である、[1D]~[5D]のいずれか記載の方法。
[7D] 医薬組成物が、固形製剤である、[1D]~[6D]のいずれか記載の方法。
[8D] 医薬組成物の剤形が、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤又は丸剤である、[1D]~[7D]のいずれか記載の方法。
また、本明細書は、これらに何ら限定されるものでは無いが、例えば以下の態様の発明も開示する。
[1E] 次の成分(A)及び(B):
(A)ロキソプロフェン又はその塩;
(B)ケイヒ又はその抽出物;
を同一の医薬組成物中に含有せしめる工程、及び当該医薬組成物を気密包装体に収容せしめる工程を含む、配合変化の抑制方法。
[2E] 成分(B)が、ケイヒの抽出物である、[1E]記載の方法。
[3E] ケイヒの抽出物が、水又は炭素数1~6の直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族アルコールを少なくとも含む溶媒を抽出溶媒として用いるものである、[2E]記載の方法。
[4E] 成分(B)が、水、エタノール及び水/エタノール混液よりなる群から選ばれる溶媒で抽出されたケイヒ抽出物である、[1E]~[3E]のいずれか記載の方法。
[5E] 医薬組成物が、固形製剤である、[1E]~[4E]のいずれか記載の方法。
[6E] 医薬組成物の剤形が、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤又は丸剤である、[1E]~[5E]のいずれか記載の方法。
[7E] 気密包装体が、ビン包装、SP包装、PTP包装、ピロー包装及びスティック包装よりなる群から選ばれる1種以上である、[1E]~[6E]のいずれか記載の方法。
さらに、本明細書は、これらに何ら限定されるものでは無いが、例えば以下の態様の発明も開示する。
[1F] 次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)ロキソプロフェン又はその塩;
(B)ケイヒ又はその抽出物;
(C)次の成分(C-1)~(C-3)よりなる群から選ばれる1種以上;
(C-1)トラネキサム酸又はその塩;
(C-2)キサンチン誘導体;
(C-3)酸中和能を有する塩基性化合物;
を同一の医薬組成物中に含有せしめる工程、及び当該医薬組成物を気密包装体に収容せしめる工程を含む、配合変化の抑制方法。
[2F] 成分(B)が、ケイヒの抽出物である、[1F]記載の方法。
[3F] ケイヒの抽出物が、水又は炭素数1~6の直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族アルコールを少なくとも含む溶媒を抽出溶媒として用いるものである、[2F]記載の方法。
[4F] 成分(B)が、水、エタノール及び水/エタノール混液よりなる群から選ばれる溶媒で抽出されたケイヒ抽出物である、[1F]~[3F]のいずれか記載の方法。
[5F] 成分(C-2)が、カフェイン水和物、無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェイン及びクエン酸カフェインよりなる群から選ばれる1種以上である、[1F]~[4F]のいずれか記載の方法。
[6F] 成分(C-3)が、アミノ酢酸、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウム・アミノ酢酸塩、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウムの共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸カルシウム・炭酸マグネシウムの共沈生成物、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムよりなる群から選ばれる1種以上である、[1F]~[5F]のいずれか記載の方法。
[7F] 医薬組成物が、固形製剤である、[1F]~[6F]のいずれか記載の方法。
[8F] 医薬組成物の剤形が、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤又は丸剤である、[1F]~[7F]のいずれか記載の方法。
[9F] 気密包装体が、少なくともPTP包装を備えるものである、[1F]~[8F]のいずれか記載の方法。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
[試験例1]安定性試験 その1
以下に示すサンプル1~4をそれぞれ調製後、40℃、75%相対湿度(RH)の条件下で1日間暗所保存し、保存開始直後及び1日後におけるサンプル中の混合物の状態を目視により評価し、配合変化の有無を確認した。
結果を表1に示す。
〔サンプル1〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業(株)製:ロキソプロフェンナトリウム水和物)10質量部及びケイヒ乾燥エキス(アルプス薬品工業(株)製:ケイヒ乾燥エキス)1質量部(原生薬換算量として22質量部)を混合して混合物を得、これをサンプル1とした。
〔サンプル2〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業(株)製:ロキソプロフェンナトリウム水和物)10質量部及びケイヒ乾燥エキス(アルプス薬品工業(株)製:ケイヒ乾燥エキス)1質量部(原生薬換算量として22質量部)を混合して混合物を得た。得られた混合物のうち3gを、ガラス瓶(磯矢硝子工業(株)製:A-102K)に入れて蓋をし、これをサンプル2とした。なお、混合物のガラス瓶内部での占有率(容積率)は、25%であった。
〔サンプル3〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業(株)製:ロキソプロフェンナトリウム水和物)10質量部、ケイヒ乾燥エキス(アルプス薬品工業(株)製:ケイヒ乾燥エキス)1質量部(原生薬換算量として22質量部)及びトラネキサム酸(協和ファーマケミカル(株)製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)20質量部を混合して混合物を得、これをサンプル3とした。
〔サンプル4〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業(株)製:ロキソプロフェンナトリウム水和物)10質量部、ケイヒ乾燥エキス(アルプス薬品工業(株)製:ケイヒ乾燥エキス)1質量部(原生薬換算量として22質量部)及びトラネキサム酸(協和ファーマケミカル(株)製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)20質量部を混合して混合物を得た。得られた混合物のうち3gを、ガラス瓶(磯矢硝子工業(株)製:A-102K)に入れて蓋をし、これをサンプル4とした。なお、混合物のガラス瓶内部での占有率(容積率)は、25%であった。
Figure 2022180762000002
表1に示す試験結果から、ロキソプロフェンナトリウム水和物とケイヒ乾燥エキスを混合した場合(サンプル1)においては、保存開始から1日後には配合変化が生じ、混合物が変色・固化することが判明した。
一方、ロキソプロフェンナトリウム水和物とケイヒ乾燥エキスを混合し、これを気密包装体(ビン包装)に収容したサンプル2、ロキソプロフェンナトリウム水和物、ケイヒ乾燥エキスに加えてさらにトラネキサム酸を混合したサンプル3においては、変色の程度が軽減され、また固化が抑制されることが判明した。さらに、ロキソプロフェンナトリウム水和物、ケイヒ乾燥エキスに加えてさらにトラネキサム酸を混合し、これを気密包装体(ビン包装)に収容したサンプル4においては、1日保存後も保存開始直後と同様に白色粉体の状態が保たれることが判明した。
以上の試験結果から、ロキソプロフェン又はその塩とケイヒ又はその抽出物とを含有する医薬組成物に生じる配合変化は、医薬組成物にさらにトラネキサム酸又はその塩を含有せしめる手段、医薬組成物を気密包装体に収容する手段、あるいは医薬組成物にさらにトラネキサム酸又はその塩を含有せしめて気密包装体に収容する手段によって抑制されることが明らかとなった。また、医薬組成物にさらにトラネキサム酸又はその塩を含有せしめて気密包装体に収容する手段は、配合変化の抑制の程度が顕著に優れることが明らかとなった。
[試験例2]安定性試験 その2
以下に示すサンプル5~8をそれぞれ調製後、40℃、75%相対湿度(RH)の条件下で1日間暗所保存し、保存開始直後及び1日後におけるサンプル中の混合物の状態を目視により評価し、配合変化の有無を確認した。
結果を表2に示す。
〔サンプル5〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業(株)製:ロキソプロフェンナトリウム水和物)10質量部及びケイヒ乾燥エキス(アルプス薬品工業(株)製:ケイヒ乾燥エキス)1質量部(原生薬換算量として22質量部)を混合して混合物を得、これをサンプル5とした。
〔サンプル6〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業(株)製:ロキソプロフェンナトリウム水和物)10質量部及びケイヒ乾燥エキス(アルプス薬品工業(株)製:ケイヒ乾燥エキス)1質量部(原生薬換算量として22質量部)を混合して混合物を得た。得られた混合物のうち3gを、ガラス瓶(磯矢硝子工業(株)製:A-102K)に入れて蓋をし、これをサンプル6とした。なお、混合物のガラス瓶内部での占有率(容積率)は、25%であった。
〔サンプル7〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業(株)製:ロキソプロフェンナトリウム水和物)10質量部、ケイヒ乾燥エキス(アルプス薬品工業(株)製:ケイヒ乾燥エキス)1質量部(原生薬換算量として22質量部)及び無水カフェイン((株)静岡カフェイン工業所製:無水カフェイン)20質量部を混合して混合物を得、これをサンプル7とした。
〔サンプル8〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業(株)製:ロキソプロフェンナトリウム水和物)10質量部、ケイヒ乾燥エキス(アルプス薬品工業(株)製:ケイヒ乾燥エキス)1質量部(原生薬換算量として22質量部)及び無水カフェイン((株)静岡カフェイン工業所製:無水カフェイン)20質量部を混合して混合物を得た。得られた混合物のうち3gを、ガラス瓶(磯矢硝子工業(株)製:A-102K)に入れて蓋をし、これをサンプル8とした。なお、混合物のガラス瓶内部での占有率(容積率)は、30%であった。
Figure 2022180762000003
表2に示す試験結果から、ロキソプロフェンナトリウム水和物とケイヒ乾燥エキスを混合した場合(サンプル5)においては、保存開始から1日後には配合変化が生じ、混合物が変色・固化することが判明した。
一方、ロキソプロフェンナトリウム水和物とケイヒ乾燥エキスを混合し、これを気密包装体(ビン包装)に収容したサンプル6、ロキソプロフェンナトリウム水和物、ケイヒ乾燥エキスに加えてさらに無水カフェインを混合したサンプル7においては、変色の程度が軽減され、また固化が抑制されることが判明した。さらに、ロキソプロフェンナトリウム水和物、ケイヒ乾燥エキスに加えてさらに無水カフェインを混合し、これを気密包装体(ビン包装)に収容したサンプル8においては、1日保存後も保存開始直後と同様に白色粉体の状態が保たれることが判明した。
以上の試験結果から、ロキソプロフェン又はその塩とケイヒ又はその抽出物とを含有する医薬組成物に生じる配合変化は、医薬組成物にさらにキサンチン誘導体を含有せしめる手段、医薬組成物を気密包装体に収容する手段、あるいは医薬組成物にさらにキサンチン誘導体を含有せしめて気密包装体に収容する手段によって抑制されることが明らかとなった。また、医薬組成物にさらにキサンチン誘導体を含有せしめて気密包装体に収容する手段は、配合変化の抑制の程度が顕著に優れることが明らかとなった。
[試験例3]安定性試験 その3
以下に示すサンプル9~16をそれぞれ調製後、40℃、75%相対湿度(RH)の条件下で1日間暗所保存し、保存開始直後及び1日後におけるサンプル中の混合物の状態を目視により評価し、配合変化の有無を確認した。
結果を表3に示す。
〔サンプル9〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業(株)製:ロキソプロフェンナトリウム水和物)10質量部及びケイヒ乾燥エキス(アルプス薬品工業(株)製:ケイヒ乾燥エキス)1質量部(原生薬換算量として22質量部)を混合して混合物を得、これをサンプル9とした。
〔サンプル10〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業(株)製:ロキソプロフェンナトリウム水和物)10質量部及びケイヒ乾燥エキス(アルプス薬品工業(株)製:ケイヒ乾燥エキス)1質量部(原生薬換算量として22質量部)を混合して混合物を得た。得られた混合物のうち3gを、ガラス瓶(磯矢硝子工業(株)製:A-102K)に入れて蓋をし、これをサンプル10とした。なお、混合物のガラス瓶内部での占有率(容積率)は、30%であった。
〔サンプル11〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業(株)製:ロキソプロフェンナトリウム水和物)10質量部、ケイヒ乾燥エキス(アルプス薬品工業(株)製:ケイヒ乾燥エキス)1質量部(原生薬換算量として22質量部)及び炭酸マグネシウム(協和化学工業(株)製:炭酸マグネシウム)20質量部を混合して混合物を得、これをサンプル11とした。
〔サンプル12〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業(株)製:ロキソプロフェンナトリウム水和物)10質量部、ケイヒ乾燥エキス(アルプス薬品工業(株)製:ケイヒ乾燥エキス)1質量部(原生薬換算量として22質量部)及び酸化マグネシウム(富田製薬(株)製:酸化マグネシウム)20質量部を混合して混合物を得、これをサンプル12とした。
〔サンプル13〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業(株)製:ロキソプロフェンナトリウム水和物)10質量部、ケイヒ乾燥エキス(アルプス薬品工業(株)製:ケイヒ乾燥エキス)1質量部(原生薬換算量として22質量部)及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(富士化学工業(株)製:ノイシリン)20質量部を混合して混合物を得、これをサンプル13とした。
〔サンプル14〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業(株)製:ロキソプロフェンナトリウム水和物)10質量部、ケイヒ乾燥エキス(アルプス薬品工業(株)製:ケイヒ乾燥エキス)1質量部(原生薬換算量として22質量部)及び炭酸マグネシウム(協和化学工業(株)製:炭酸マグネシウム)20質量部を混合して混合物を得た。得られた混合物のうち3gを、ガラス瓶(磯矢硝子工業(株)製:A-102K)に入れて蓋をし、これをサンプル14とした。なお、混合物のガラス瓶内部での占有率(容積率)は、30%であった。
〔サンプル15〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業(株)製:ロキソプロフェンナトリウム水和物)10質量部、ケイヒ乾燥エキス(アルプス薬品工業(株)製:ケイヒ乾燥エキス)1質量部(原生薬換算量として22質量部)及び酸化マグネシウム(富田製薬(株)製:酸化マグネシウム)20質量部を混合して混合物を得た。得られた混合物のうち3gを、ガラス瓶(磯矢硝子工業(株)製:A-102K)に入れて蓋をし、これをサンプル15とした。なお、混合物のガラス瓶内部での占有率(容積率)は、30%であった。
〔サンプル16〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業(株)製:ロキソプロフェンナトリウム水和物)10質量部、ケイヒ乾燥エキス(アルプス薬品工業(株)製:ケイヒ乾燥エキス)1質量部(原生薬換算量として22質量部)及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(富士化学工業(株)製:ノイシリン)20質量部を混合して混合物を得た。得られた混合物のうち3gを、ガラス瓶(磯矢硝子工業(株)製:A-102K)に入れて蓋をし、これをサンプル16とした。なお、混合物のガラス瓶内部での占有率(容積率)は、30%であった。
Figure 2022180762000004
表3に示す試験結果から、ロキソプロフェンナトリウム水和物とケイヒ乾燥エキスを混合した場合(サンプル9)においては、保存開始から1日後には配合変化が生じ、混合物が変色・固化することが判明した。
一方、ロキソプロフェンナトリウム水和物とケイヒ乾燥エキスを混合し、これを気密包装体(ビン包装)に収容したサンプル10においては、変色の程度が軽減され、また固化が抑制されることが判明した。また、ロキソプロフェンナトリウム水和物、ケイヒ乾燥エキスに加えてさらに酸中和能を有する塩基性化合物(サンプル11:炭酸マグネシウム、サンプル12:酸化マグネシウム、サンプル13:メタケイ酸アルミン酸マグネシウム)を混合した各種サンプルや、ロキソプロフェンナトリウム水和物、ケイヒ乾燥エキスに加えてさらに酸中和能を有する塩基性化合物(サンプル14:炭酸マグネシウム、サンプル15:酸化マグネシウム、サンプル16:メタケイ酸アルミン酸マグネシウム)を混合し、これを気密包装体(ビン包装)に収容した各種サンプルにおいては、1日保存後も保存開始直後と同様に白色粉体の状態が保たれることが判明した。
以上の試験結果から、ロキソプロフェン又はその塩とケイヒ又はその抽出物とを含有する医薬組成物に生じる配合変化は、医薬組成物にさらに酸中和能を有する塩基性化合物を含有せしめる手段、医薬組成物を気密包装体に収容する手段、あるいは医薬組成物にさらに酸中和能を有する塩基性化合物を含有せしめて気密包装体に収容する手段によって抑制されることが明らかとなった。また、医薬組成物にさらに酸中和能を有する塩基性化合物を含有せしめる手段、及びこれを気密包装体に収容する手段は、配合変化の抑制の程度が顕著に優れることが明らかとなった。
[例1]
以下の成分及び分量を1日量(9錠)中に含有する錠剤を、常法により製造した。
イブプロフェン 450mg
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩 3.5mg
ジヒドロコデインリン酸塩 24mg
ノスカピン 48mg
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 60mg
アンブロキソール塩酸塩 45mg
無水カフェイン 75mg
ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、リン酸、軽質無水ケイ酸、カルメロースカルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、含水二酸化ケイ素、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、カルナウバロウ 適量
[例2]
以下の成分及び分量を1日量(9錠)中に含有する錠剤を、常法により製造した。
イブプロフェン 450mg
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩 3.5mg
ジヒドロコデインリン酸塩 24mg
ノスカピン塩酸塩水和物 48mg
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 60mg
ブロムヘキシン塩酸塩 12mg
トラネキサム酸 750mg
無水カフェイン 75mg
ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、リン酸、軽質無水ケイ酸、カルメロースカルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、含水二酸化ケイ素、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、カルナウバロウ 適量
[例3]
以下の成分及び分量を1日量(9錠)中に含有する錠剤を、常法により製造した。
イブプロフェン 450mg
メキタジン 4mg
ジヒドロコデインリン酸塩 24mg
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 60mg
グアヤコールスルホン酸カリウム 250mg
無水カフェイン 75mg
ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、リン酸、軽質無水ケイ酸、カルメロースカルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、含水二酸化ケイ素、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、カルナウバロウ 適量
[例4]
以下の成分及び分量を1日量(9錠)中に含有する錠剤を、常法により製造した。
イブプロフェン 450mg
メキタジン 4mg
ジヒドロコデインリン酸塩 24mg
ベラドンナ総アルカロイド 0.3mg
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 60mg
アンブロキソール塩酸塩 45mg
無水カフェイン 75mg
ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、リン酸、軽質無水ケイ酸、カルメロースカルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、含水二酸化ケイ素、酸化チタン、カルナウバロウ 適量
[例5]
以下の成分及び分量を1日量(9錠)中に含有する錠剤を、常法により製造した。
イブプロフェン 450mg
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩 3.5mg
ベラドンナ総アルカロイド 0.3mg
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 60mg
無水カフェイン 75mg
ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、カルメロースカルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、トリアセチン、タルク、酸化チタン、カルナウバロウ 適量
[例6]
以下の成分及び分量を1日量(9錠)中に含有する錠剤を、常法により製造した。
イブプロフェン 450mg
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩 3.5mg
ノスカピン 48mg
ベラドンナ総アルカロイド 0.3mg
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 60mg
トラネキサム酸 750mg
無水カフェイン 75mg
ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、カルメロースカルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、トリアセチン、タルク、酸化チタン、カルナウバロウ 適量
[例7]
イブプロフェン 450mg
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩 3.5mg
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物 24mg
ベラドンナ総アルカロイド 0.3mg
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 60mg
無水カフェイン 75mg
ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、カルメロースカルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、トリアセチン、タルク、酸化チタン、カルナウバロウ 適量
本発明によれば、優れた薬理作用を有するロキソプロフェンとケイヒの両成分を含有し、且つ保存安定性に優れる医薬組成物を提供できるため、例えば医薬品産業等において利用できる。

Claims (5)

  1. 次の成分(A)、(B)及び(C):
    (A)ロキソプロフェン又はその塩;
    (B)ケイヒ又はその抽出物;
    (C)次の成分(C-2);
    (C-2)キサンチン誘導体;
    を含有する医薬組成物。
  2. 固形製剤である、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 剤形が、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤又は丸剤である、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物が、気密包装体に収容されてなる医薬品。
  5. 気密包装体が、ビン包装、SP包装、PTP包装、ピロー包装及びスティック包装よりなる群から選ばれる1種以上である、請求項4に記載の医薬品。
JP2021087435A 2021-05-25 2021-05-25 医薬組成物 Pending JP2022180762A (ja)

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